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38回国会衆議院1961/05/24

商工委員会 第40号

発言数
50
登壇者
6
会派数
2
開催日
1961/05/24

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、勝間田清一君外二十八名提出の石炭鉱業安定法案、内閣提出の産炭地域振興臨時措置法案、勝間田清一君外二十八名提出の産炭地域の振興に関する臨時措置法案、内閣提出の臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案及び石炭鉱山保安臨時措置法案、以上六法案を一括して議題とし審査を進めます。  前回に引き続き質疑を続行いたします。多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 まず合理化法が制定されまして以来、あるいはまた千二百円コスト・ダウンということが閣議の方針として決定されまして以来、一体どういうような方法で、どの程度の合理化が進められておるか、これをお聞かせ願いたいと思います。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 合理化法が制定されまして以来約五年有余になります。その間、主として開銀融資によって設備投資というものを中心にいたしまして合理化を進めて参りました。三十一年、三十二年はいろいろ不況がございまして合理化がなかなか進みませんでした。三十三年になりましてから好況も手伝いまして、それに政府の財政投資の強化その他によりまして、次第に合理化が進んで参りました。相当大規模な合理化工事をやっておりますのは三十三年以降であります。その後エネルギー革命によりまして石炭の不況というものがさらに深刻化いたしまして、昨年度から千二百円の引き下げ計画を立てまして、三十三年度の炭価に比べまして三十八年度までに千二百円を引き下げる、こういうことでこれまでの合理化工事をさらに増強する。あるいは新しく設備近代化でもって大口の縦坑を掘るなり、そういうことをいたしまして、三十三年度に比べまして、三十四年度、三十五年度と順調に今までのところは、合理化が一応計画通り進んで参っておる、こういう状況でございまして、今まで三百五十円ないし三百円程度のコストの引き下げというものがこの二年間で、大体順調にいっておる、こういう状況でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 まず私は今までに行なわれておる千二百円のうち、労務費、資材費、経費、並びに流通機構の面、これを区別して合理化の進捗状態をお伺いしたい。   〔委員長退席、内田委員長代理着席〕

内田常雄自由民主党

○内田委員長代理 政府委員に申し上げますが、先般理事会の打ち合わせで質問者がなるべくよけい発言をしたいから、政府委員はできるだけ簡単に答弁するようにとの希望がありましたから、その趣旨を守るように申し上げておきます。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 ただいまの御質問は資材費あるいは労務費その他、原価的にどれくらい下がったかという御質問でございまして、今非常に精細な資料を持ち合わせておりませんので、あとでその精細な資料はお届けする、こういうことで概略だけ申し上げますと、まず第一に能率はどのくらい上がったかというと、本年度でもって大体二十トンのところまで上がってきております。平均して三十五年度は十八トン、最初の三十三年度は十五トン弱でございましたので、これは相当増強されております。それから精炭トン当たりの消費工数も、現在は三二・二工数まで上がっておりまして、能率の面で見ますと、相当能率が上がってきておるわけでありまして、これが物品費労務費、その他でどのくらい上がっておるかという点は、非常に概略でございますが、物品費の方は現在のところは——ちょっと今手元に経費の方の内訳の詳しい資料の持ち合せがございませんので、後刻取り寄せまして、あるいは資料がわかりましたら、もう少し詳しくお答え申し上げたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 詳しい資料が出てから、さらに質問を続けていきたいと思いますが、一応現在行なわれておる合理化の態様を見ますると、第一に廃坑によって合理化が進められておる。あるいは労賃の切り下げによって合理化が進められておる。現在のようにべース・アップあるいはあらゆる物価の値上げムードの中において、三千円ないし五千円の賃下げが提案をされて、今高松炭鉱とかあるいは杵島炭鉱とか、あるいは宇部興産等において闘争が続けられておる。さらにまたその労賃の切り下げによる合理化のほかに、配給所あるいは機電工場の分離という状態で、いわば直接生産に関連をしない部面における外注、あるいは下請の形で合理化が行なわれておる。それから第四点は租鉱権あるいは鉱区の分離という形で合理化が行なわれておる。これらを見ますると、いわば労働者の側の犠性による合理化が進められておるのではないかというふうに感ずるわけであります。租鉱権及び鉱区の譲渡にいたしましても、結局これは租鉱権になった山とか、あるいは鉱区が譲渡された山を閉山するわけではありませんで、やはり稼行しておるのですから、分離して合理化になるということは、その租鉱権並びに分譲鉱区の労働者の労働条件を下げて合理化を行なう、こういうことですから、全体的に見ますと、これらは労働者の側の犠性において合理化が推進されておる、こういうように言わざるを得ないのですが、大臣この点はどういうようにお考えですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 具体的に検討してみないとわからぬと思うのでありますが、ただ石炭の租鉱権についてそうであるかどうか、私は的確に見きわめたわけではないけれども、租鉱権を設定してその租鉱権者を中心とするいろいろな労働条件その他の経費を節減するというようなところをねらって、一応合理化するという場合もございます。そういう場合には、お説の通りその山で直接使っておると相当な賃金を払わなければならぬけれども、租鉱権者にこれを渡して租鉱権者の責任において何がしかの労務者を使ってやるという場合には、この本体と租鉱権との間に労賃の差が出てくるというような場合が、よくあり得ることだと思うのであります。しかしそれだけをねらって租鉱権を設定するというのではあるまいと思います。これは具体的な事情によって判断するよりほかにないと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 租鉱権あるいは鉱区の分譲によって合理化を行なうという場合には、あるいは労働条件の切り下げだけではないかもしれませんけれども、それが主たる条件である、こういうことは言うまでもないと思う。日本の経済は賃金の格差によって競争をするということが現実に行なわれておる。西欧あたりの考え方でいきますと、大企業も中小企業も賃金に差がないというのは、ものの考え方として賃金の差によって競争するということは罪悪であるという考え方がある。はなはだしきは、アメリカでは賃金の安いところに工場を持っていくことはいけないということで、ある州のごときはその州法で禁止している。ところが日本の各地の工場誘致に対するいろいろなパンフレットなんか見ますると、ここの労働者は非常に純朴で、おとなしくて賃金が安いからどうぞおいで下さい、こういうことを書いている。私はこれは日本の大きな国の政策として誤りではないかと思う。今大手炭鉱と中小炭鉱の差の最も大きいものは賃金の差です。ですから、日本経済における賃金の差で競争するということは、日本の大きな国の政策としては誤りではないか。幾ら政府が所得格差の是正ということを盛んに強調しても、国の政策として賃金の差で競争することをどんどん認めていき、奨励するならば、賃金の格差の解消はできっこないと思う。この点通産大臣は国務大臣としてどういうようにお考えであるか。経済企画庁長官が見えれば、なお聞きたいと思うのですが、これを一つお聞かせ願いたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 やっぱりわれわれといたしましては、一人当たりの出炭量がどれくらいであるかということを合理化の目標として考えておるのであります。でありますから、ただ賃金だけを限って云々というような考え方であるならば、われわれのねらっておる合理化ではないと考える次第でございます。先ほども石炭局長からお話申し上げたように、三十三年度から見ると三十六年度は、大体の実績に近い推定と思われますが、一人当たり二十トンというところを、ただいま目標にしております。今後三十七年、三十八年になるに従って一人当たりの出炭量を増加する、そういう真の合理化を見出してわれわれは政策を実行しておる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は機械化をして能率が上がるということならば、非常にけっこうであると思うのです。ところが問題は、能率が上がっている実態を見ますと、必ずしも機械化されたから能率が上がったという状態でない。能率の悪い山を切り捨てたから、いい山だけ残ったから能率が上がったという場面もある。でありますから、また臨時夫とかあるいは組夫なんかを入れて、安い賃金で使って能率がいかにも上がったように見える山がある。ですから一概にこの数字の傾向を否定するものではない、確かに上がっておる。しかしよく細部にわたって検討してみますと、能率が上がったということを手放しに喜ぶことのできない面がある。こういう点を非常に遺憾だと思う。今問題になっておりますILOにしても、ILO憲章ができたゆえんのものは、国際的に賃金で競争してはいけないということが主たる目的でILOの国際労働会議ができた。また三者構成の石炭技術者会議というのが本年開かれておりますが、その決議文においても、やはり労働雇用の低いレベルをもたらすことによって合理化をしてはならぬ、こういうように書いてある。ですから、私は今行なわれておる合理化の方向というものは、労働条件を下げて一応合理化を行なおうというような点が、大きな面から見るとむしろ問題ではないか、こういうように考えるのですが、お聞かせ願いたい。   〔内田委員長代理退席、中川委員   長着席〕

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井(博)政府委員 労働条件を下げて、主として合理化をやっておるのじゃないかという御質問でございますが、概数で三十二年度から現在までの物品費、労務費の値上がりの様相を見ますと、物品費はもちろん上がっておりますけれども、平均して三十二年度と三十五年度では大体横ばいで、労務費の方は、これはベース・アップその他もございまして、上がっておるわけでございまして、労務費にしわを寄せて合理化を主としてやっておるのだ、こういう御質問ですが、これは一がいに必ずしもそういうことは言えないのでございます。特に三十年度から三十二年度までにおける石炭の労務費の値上がりというものは、相当大きな値上がりでございまして、その後停滞をいたしております。しかし今度三十六年度はベース・アップとしましては七・二%ぐらい上がっております。やはりわれわれの合理化計画で組んでおりました三・八%というものに比べますと、三十五年度、三十六年度を平均いたしますと、その計画よりは上回っておるという状態でございまして、これは必ずしも一がいに、先生の御指摘のような点はそう言えないと思います。それから地方大手につきましても、たとえば日炭とか貝島とか、そういう地方大手についての賃金切り下げで、これは最近各社間で相当格差が出て参りました。平均いたしますと、相当ベース・アップはいたしておりますけれども、一部の炭鉱につきましては、やはり山の条件その他によりまして、賃金を切り下げなければやっていけないという山もあるようでございますが、しかしこれは、一般的にそういう賃金を切り下げてやっておるというふうに言うことは、必ずしも妥当じゃないのじゃないか、こう思います。  それから中小炭鉱の租鉱権の問題等につきましても、これはやはり山の条件その他によりまして、そういう経営をしなければ立っていかないという山も相当あるようでございまして、この場合には賃金が若干下がるという山もあるでございましょうし、非常に好ましい現象ではございませんが、やはり一挙に山がつぶれるということを、この際避けた方がいいという場合もあるようでございますが、先住のおっしゃる点は、いろいろ場合によって違いますので、全体の数字から見ましても、必ずしもそういうことを現状では言い切ることはできないのじゃないか、こう思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 その三十年から三十二年は、コストが上昇したときです。私が今賃金切り下げの話をしているのは、むしろこの千二百円ダウンということをきめて以後の合理化の状態というものは、解雇問題あるいは労賃の切り下げ、あるいは鉱区の分譲、こういう労働条件の切り下げということによって、みな合理化が行なわれようとしているのではないか、こういうことを言った。  そこで企画庁の長官が見えましたから、一言お聞かせ願いたいのですが、今炭鉱で行なわれている合理化というのは、むしろ労働条件の切り下げによってその合理化を行なおうという方向にいっている。たとえば、一面悪い鉱区を分譲して租鉱権に出したり、あるいは鉱区の分譲という形で経営者をかえる。その場合に大部分賃金が下がっている。要するに賃金の格差によって競争をする、こういうことはいなめない事実です。そこでものの考え方として、今政府が賃金格差の解消とか、所得格差の解消ということを幾ら叫んでも、現実には賃金の格差で競争しようという根強い、日本資本主義の経営者の伝統的な考え方があるし、炭鉱の場合は著しくそういう状態になってきておるのじゃないか。これについて政府はどういうようにお考えであるか。こういうことを通産大臣からも聞いたわけですが、あなたは総合的な調整の立場からどういうようにお考えになるか、お聞かせ願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 私は率直に申しまして、石炭のこまかいところまではちょっと手が回りかねまして、はっきりした事態認識を欠いておるわけでございますが、今お話しになりましたように、給与の絶対的な価値を下げることによって、石炭の値段を下げていくという方向は、私はやはり違うじゃないかと思います。従いまして、給与の名目的なことだけで比較ができるかできないか、そこにいろいろ事情があると思いますけれども、お尋ねでございますから原則論だけお答えいたしますれば、労働者の給与を切り下げることによって石炭の値段を下げていく、こういう方向というものは違うじゃないかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 経企長官ですから、私は原則論でけっこうだと思いますが、国の政策としてそういう方向でいってもらいたいと思う。今若い労働力が足らないという問題で、若干賃金格差の是正の方向にいっておりますけれども、大勢としては私はそういう状態にはないと思う。  そこで私は、しからば経営者側の犠牲と協調によって合理化が推進しておるかというと、私の判断によると、経営者側のお互いの犠牲と協調によっては、あまり合理化が進んでいないと思う。一つの例は、鉱区の総合調整の問題です。これも、口では鉱区の総合調整は非常にいいことであるし、やらなければならぬと言うけれども、現実一つも行なわれていないのです。だからこの点どういうようにお考えであるか、まずお聞かせ願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 あまりこまかい。技術的なことを聞かれると、私は答弁ができませんが、要するに石炭の合理化が、生産性向上のたった一つの方法だと考えております。この合理化を具体的にどういう方法でやるかということは、これは通産省で考えてもらうことだと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は時間が制限されておりますから、企画庁長官を中心に質問しますが、次には、流通機構の簡素化ということがいわれております。この流通機構の簡素化というのが、やはり行なわれていない。それは、早い話が、これだけ大きな社会問題になり、千二百円を至上命令とするなら、私は経営者側の協調と、経営者側の犠牲というものを、相当やってもらわなければ困ると思うのです。ところが現実は北海道の石炭が大阪までくる、九州の石炭が東京まできている。だれが考えても大阪、東京間のこの輻湊せる輸送というものはむだです。それはだれでもわかる。実に簡単なんです。ところがこの簡単なことが政治の場において解決できない、これは私は非常に問題だと思うのです。一体長官はどういうようにお考えですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 今お述べになりました原則は、私は全くその通りだと思います。しかし自由主義経済の社会ですから、これは自由主義経済社会に必然に伴う一つの弊害といえば弊害かもしれませんけれども、そういうものはまず企業内部の合理化が進んでから、通産省がそれに手をつけてくるのじゃないかと私は思いますが、そういう不合理は是正しなければならぬとは思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は自由主義の個人の創意工夫をこらして、いろいろ産業に熱を入れてやるという面が、石炭には残念ながらあまりにないと思うのです。むしろ資本主義の自由経済の悪い面だけが、日本の産業界には露骨に出てきておる。私たちの石炭鉱業安定法は何もイデオロギーではなく、石炭プロパーの問題として石炭産業そのものを見ると、かなり自民党の諸君からはイデオロギー的に見られるかもしれませんけれども、やはりいろいろな面において制約をせざるを得ない面が出ておる。現に資本主義の国のフランスでもイギリスでも、この二つの国は御存じのように国営並びに公社、それから西ドイツだつて自由企業ですけれども、販売の方はほとんどカルテル組織でやっている。ルールあたりは三つの販売機関がありますけれども、実際は一本でやっています。それからまた電力も鉄鋼も大部分が石炭と同じ会社なんです。ところが日本の石炭界の状態を見ますると、日本の石炭界はほとんどが財閥会社です。財閥会社なら財閥会社で、鉄鋼も電力も財閥会社でやるならば、これは今日のように鉄鋼や石炭と電力がいがみ合うことはないのです。ところが日本の場合は鉱山の方は全部財閥会社、私企業になっておる、石炭の最も需要家である国鉄はどうかというと、国鉄は公社です。電力も今まではいわば一社でありましたが、今九分断をされましてもいわば三井、三菱というような財閥会社の資本系統のない特殊会社です。それから鉄鋼もまたしかりです。日本製鉄株式会社で一本でまとめて、国家資本が出て国家独占資本の形で出てきておる。ですからよその国の状態を見ますると同じ資本主義の国でも、日本のやつは石炭と需要者の側が全然協調ができないような仕組みになっておる。  私は日本の非鉄金属に興味を持って少し勉強してみたのですが、非鉄金属の場合はそうでない。たとえば鉱山は日本鉱業なら日本鉱業、そうすると鉱石を掘りながら製練所も日本鉱業がやっています。できた地金は日立電線に売っておる。それは住友でも住友鉱山と住友電工、古河においても古河鉱業と古河電工という形になっているのです。ですから需要者と供給者側の協調というものは非常によくいっておるのです。日本の場合は世界に類例のない石炭だけが純然たる自由企業、需要者側はみな国家独占企業、こういう形になってきておる。ですからここに石炭政策の一番やりにくい面があると同時に、日本の石炭政策をやる場合の一番のガンがあると私は思うのです。これを一体どういうようにお考えであるか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 多賀谷さんの非常に明晰なる分析というのは、私は非常に傾聴をいたしまして、なるほどそういう点がむずかしい点だと思います。ただ石炭というものも、日本の石炭産業というものは自然発生的にずっと今日まで来ておって、今まで日本の産業の花形だったというような格好もあったわけですけれども、現在の状態になりますと、自然的、経済的あるいは社会的ないろいろ不利な立場にも追い込まれてきておるのでありまして、そうなってくると今多賀谷さんの分析になったようにいろいろ問題が出てくるのだと思います。従ってそういう点については石炭の需要をいかにして確保するかということについて、ちょうどドイツなんかの例でおっしゃいましたように、同じ資本系統なら話し合いがつく、ところが一方は財閥、一方はそうでないというところで話し合いがつかないのは、おそらく通産省の方がそこに努力をして長期の計画的な取引とか、あるいは需要の計画を立てるということに今努力しておるように私は理解しておりますが、そういう点に着眼して通産省がやっているのだ、こう理解をいたしておるような次第でごいますが、どちらにしましてもとにかく石炭の問題というのは、私全体的に考えて海運の問題と石炭の問題というものをここで解決するということが、日本の経済成長を円滑にやっていく一つの大きな要点だと思っておりますので、お話もよく承りまして私どもももう少し勉強さしていただきたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は今早急に経営形態に変えよということを、今の池田内閣に言う気持はありません。しかし何か純然たる資本主義自由競争でいけない面は、これは政策でカバーしてやらなければならぬと思う。西欧の状態を見ましても、今申しましたように、ドイツは炭鉱というのは鉄鋼会社と一諸にやっておる。終戦直後分離されても実際は同じ系列です。ドイツの炭鉱というのは電力とかあるいはガス、製品で送るのが五五%です。石炭そのもので送るのは四五%くらいしかない。ですからうまくいくわけです。  それからベルギーだって、今ベルギーは西欧で一番石炭界は不況に立っておるのですが、それでも大体石炭と電力の結合は強いし、製鉄の関係も大体西ドイツのようです。それからオランダあたりが六〇%は国管になっておる。ですから純然たる資本主義の形でやっているものは、むしろ日本とアメリカだけなんです。それだけに日本の石炭政策というものは、あらゆる面から政府が強力なつっかい棒をしてやらなければならない。第一自由競争で石炭にいいところがありますか、ほんとうに自由競争であるから石炭は製品もよくなるし、コストも下がるという面がありますか、一つ通産大臣、一体日本の石炭で自由競争であるから、よくいけるんだという面があったら指摘してもらいたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 日本の石炭の従来たどってきた経路がもし官営であったという場合に、どういうことが起こるであろうか、こういうことを考えてみると、幾らかわかってくるような気がする。例の志免炭鉱ですか、あの炭鉱の経営ぶりを私は別に調べたこともございませんが、とにかく相当精を出して無理をやってきた。これがお役所仕事でやったならば、日本の炭鉱は今はどういうふうになっておっただろうかということを考えると、いろいろ長所もあるがそこに短所もある、こういうことだろうと思うのであります。  そういったようなせんさくはともかくとして、今日の状況下において石炭をどこまで掘っていいかどうかということになりますと、これは相当政府の関与する部面というのは、広くならなければならぬというふうに私は考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 今思いつきで志免のお話をなさいましたが、かつて社会党の石炭国家管理法案を出したときに、今ここにおられまする伊藤先生が鉱工業委員長でしたけれども、自民党の諸君が出したのは、勝田炭鉱と志免炭鉱を見てみろ、勝田は自由競争で非常にいいじゃないか、志免はこんなに悪いじゃないかということで宣伝したのですよ。現実はどうかというと、勝田はずっと赤字続きで、ほとんど気息えんえんですね。志免は、問題になりましたけれども、とにかく炭鉱が続いておるのですよ。志免の方が能率がいいですね。ですから、一がいにいえないので、むしろ部分的にそれだけを国有にすれば、それは問題がある。問題は私が石炭でいい面が一つもないと言うのは、鉱区の調整ができないでしょう。それはどこの国だって——イギリスだって国有にしたというのは、イデオロギーよりも分割された鉱区の調整に困って、そうして、これは大規模な、適正規模な炭鉱をやらなければならぬというので国有にしたのです。フランスだってその通りです。そうして、これらの国の合理化というのは、統合の合理化です。集中の合理化です。切羽を集中し、炭鉱を統合して大規模な炭鉱を作って、そうして合理化した。今いろいろ批判があっても、とにかく今日まで問題を起こさずにやってきたというのは、私はやはり統合のおかげ、合理化のおかげだと思うのです。ところが、日本の場合は、隣に隣接した鉱区があり、しかも距離的に非常に近いところでも、他の鉱業権者の鉱区であるために掘れないのです。いわば資源が活用されないで死蔵されておるという点、それから今申しますように、錯綜鉱区であるという点、あるいは景気変動に順応できない、石炭は弾力性がないから、今必要であるといっても、すぐ掘れないのです。いよいよ掘る態勢ができたときは不景気になっておる。こういったこと。これらを考えてみますると、製品が自由競争でいってよくなるはずがないでしょう。下にあるものを上に出すのですから、製品そのものがよくなるわけがないですよ。ですから、諸点を考えて、自由競争でなるほど創意と工夫をもってするならば、よくなるだろうと考えられる点が残念ながら石炭にはないのです。あっても若干だ。だから、資本主義の国で石炭については特別の経営形態を持ってきているところがある。ですから、この点、私はイデオロギーを言うわけではないけれども、石炭産業そのものを見ると、自民党の諸君が逆に自由競争というイデオロギーにとらわれないで、その経営形態を変えろとは言いませんが、多くのつっかい棒をして、そうして総合調整をとってやらないと、日本の炭鉱はジリ貧になるのだ、こう言わざるを得ない。このことをまた私は指摘したいと思うのです。企画庁長官、一つ御答弁願いたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 きわめて理路整然たるお話でございまして、お話を聞いていると、いかにもそうだという感じもいたします。しかし、また同時に、いろいろ考えなければならぬ問題もあると思うのでありまするが、要するに、石炭については、国家がその経済的、自然的、社会的不利を補正する上において関与する部面というのは、だんだんに多くなってくる傾向であることは当然だと思います。これをどういう限度で、どういう方法でやるかということは、具体的に通産省で研究をすべき問題であると思いますけれども、方向としてはそういう方向であると考えます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そこで、具体的な問題は通産大臣に聞きますから、企画庁長官に次の点について質問をいたしたいと思います。実は今次国会に産炭地域振興臨時措置法案というのが出されておる。これを見ますと、率直に言わしていただくならば、まことに内容のお粗末な法案なんです。関係者の努力は多とするものがありますけれども、出てきたものは、遺憾ながらこれで一体産炭地域の振興ができるだろうかという内容のものです。言うならば、かなり非難のあります低開発地域の法案と大体同じです。低開発地域の場合は、確かにそこには産業がないけれども、過剰労働力が不況地域において停滞をして困っているという状態はそれほどないのです。そこで、産炭地域振興臨時措置法案の考え方を、われわれがどういうように把握するかというと、むしろ慢性不況地域の再開発だという理解をしたいのです。ちょうど経済企画庁の方でこの前多発失業地帯を全国で何カ所かあげられましたが、それを見ますと、夕張、函館、常磐、横須賀、舞鶴、御坊、呉、宇部・小野田、北九州、大牟田・荒尾、佐賀、佐世保・松浦、鹿児島、言うならば、旧軍港地区、すなわち、横須賀とか呉とか佐世保というような、かって軍港があって、なくなった地区、これは駐留軍労務者も失業して確かに不況地域である。過剰労働地域である。鹿児島は低開発の尤なるものですから、これは確かに過剰労働力だと思います。そのほかはみな炭鉱地域です。ですから、産炭地域というのと慢性不況地域と大体合致しているのです。そこで、慢性不況地域の対策としては各国とも非常に苦労をしている。そうして、積極的な政策をやっていることは御存じの通りである。すでに第一次大戦後の英国においては、特定地域開発改良法案が出た。その後第二次大戦後にビバリッジあたりの勧告があって、戦争後の失業問題は局地的失業問題だということが指摘されて工場配置法が出され、今日英国においては、一九六〇年地方雇用法の制定を見ている。それからアメリカにおいても、アイゼンハワーのときに、たとえば繊維地域とか、あるいは軍需工場地域とか、炭鉱地域のように部分的失業地帯が発生して、慢性失業地域の開発というので非常に問題になって、上院あたりで法案を通過さしたこともある。ケネディもこのたびは慢性不況地域の再開発をやるのだということを、非常に大きな打ち出し方をしている。そうすると、この産炭地域振興法案を見ますると、よその国が考えているよりもはるかにみみっちい案になっている。一体政府はやるつもりなのかやるつもりでないのか、政府の熱意をお聞かせ願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 法律案の次えの高さについては、いろいろ御批判もあるだろうと思いますが、政府はやりたいという熱意を持っていればこそ、程度が低いという御批判があっても、今度の法律案を出したのだと思います。国全体としましても、いわゆる低開発地域の開発ということについては相当の熱意でして、私どもの方でも今全国総合開発計画を六月の末までには、何とか考慮をしたいという格好で考えておりますし、またこの委員会にお願いしております低開発地域の工場分散法というものも考えておりますので、結局産炭地といいますか、そういうようなことも、地方的な低開発地域といいますか、地方開発の総合的な立場においてこれは考えていくべきだと私は考えておりますけれども、特に失業者がよけいおるというところに着目した一つの計画というものはどうしても立てられなければならぬ、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 北海道とか、あるいは鹿児島とか東北、これは名前をさしたら非常に失礼ですけれども、いわば未開発地域の開発、既開発における、単一産業で立っている地域の産業が壊滅した場合と、おのずから緊急度が違うと思うのです。やることは国として同じであっても緊急度が違う。ですから、新しい地図に色を塗るのでなくて、古い地図を新しく塗りかえる作業の方がより困難であるし、私はより必要性が高いと思うのです。ところが同じような内容の法案ですね。私は内容が同じであることだけを言うのではなくて、内容がないということが問題だと思うのです。すでに英国においてもあるいはフランスにおいても、そういった法案が出されておるのです。その外国立法は相当高度のものが行なわれておるわけです。しかもそれは十年余にわたる歴史を持っているのです。ですから、その成果は大体わかっておるはずです。今度の国際労働会議にイギリスの代表から言われたことは、産炭地域において新産業に役立つために、一九四八年から一九六〇年に、十一万七千の新しい労働力の新産業を誘致したということを発表しているのです。あるいはまた一九五五年までに、工場配置法によって特定地域に、イギリスでは五八%の工場が来ておる、こういうのです。現在日本の状態を見ると、いわば消費地にどんどん工場が集まっておる。そこでいろいろあなたの方も苦心をなさっておると思うのですけれども、一体この程度の法案で企業の誘致ができるかどうか、私は非常に疑問だと思う。しかもこれは調査法案ならともかく、内容までわたっておる。あるいは減価償却の問題であるとかあるいは地方税の問題であるとか、農地の問題であるとか、こういうように内容までわたった振興法案ですよ。調査会法案一本ならば、また調査をしてということがありますが、内容までわたっておる。しからば一体この程度でやっていけるかどうか、これを一つお聞かせ願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 従来低開発地域であったところを開発するのと、従来は相当高度に開発されておったけれども、その土地の産業がだめになって、失業者がそこに非常にたくさんある。これをどっちを優先すべきかというようなお話がちょっとありまして、これは、何と申しますか、失業者の多発地帯というものが非常に緊急であるということは、私もそうだと思います。それで、実は私の方でお願いをしております低開発地域工場分散法の内容についても、同じような御批判を受けるのだと思うのですけれども、こういうようなことで一体効果があるか、こういう御質問、確かにそれくらいのことでは効果がないので、もっと権力的に工場の分散をさせていくようなことを考えなければいけないのじゃないか、あるいは工場配置を権力的に配置していくようなことを考えていかなければならないのじゃないかというような御議論も、確かに私はわかると思いますが、私たちもいろいろ勉強いたしましたけれども、とにかく現在の時点におきましては、一応この程度の法律案、内容のことによって、あとできるだけ各府県、地方の努力により、国の努力によって目的を達したい、こう考えておるのです。今お話しの通り、石炭の方もお話しですけれども、それは、いずれは私の方のお願いしている低開発地域の工場分散法にも同じことを、多賀谷さん言われるのじゃないかと実は考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 今各企業は、 ここ二十年の計画を、この二、三年で青写真を作ろうとしておるのです。ですから、昭和四十五年の鉄鋼の設備と、最近の設備とあまり変わらぬというのは、現実に予算委員会等で指摘された通りです。今、とにかく設備は、一方過剰であるといわれるくらい設備投資がどんどん行なわれておるのです。そうしてみな青写真を作りつつある。二十年くらい将来の計画を、各会社はみなやっているのです。ですから、今ゆっくりしたテンポで地域開発の法案を出すと、私は工場は来ないと思うのです。少なくとも二十年後くらいしか来ない。ですから、今設備投資がどんどん行なわれ、各社はほんとうに青写真を作っておるときに、かなり内容のある法案を出さなければ、私は意味がないと思うのです。時期は今ですよ。各社は今計画しているのですからね。ですから、今の時点においては、この程度しか出せなかったというのはどういうことなんですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 各社がみな東京とか大阪とかいうところに集中的に一応計画しましても、水もなければ土地もうんと高くなってしまうというようなことから、おのずから地方に目はついてくるんじゃないだろうかと思っております。そうしなければ、うんと土地が高いですし、そういうようなことでそういう気持は必ず出てくる。出てくるのを誘導していくということは、今の法律で十分可能じゃないかと一応思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 この法案でも工場はなかなか来ません。低開発地域法案でも同じですがね。各産業についてはかなり政府も思い切った政策をしておる。たとえば日本合成ゴム株式会社というのがある。日本合成ゴム株式会社というのは、かなりの規模でないとゴムのコストが高くつくから、天然ゴムに対抗するために、ここに政府が投資をして、民間からも金を集めて会社を発足して、そうしていよいよペイするようになったら民間に政府の株を払い下げる。これは一産業についてもそれだけの手厚い保護を政府がしておるならば、このものの考え方を他に及ぼしてもいいと思うのです。現実にフランスでも御存じのように重要産業分散法案が昨年通過した。そうして産業転換開発事務局ができて、これがいわば産炭地域とか不況の特定地域に来る工場については金を貸すのです。いな政府がこの基金を通じて投資をするのです。資本参加をするわけです。そうしていよいよその会社がペイするようになったときに、その政府の持ち株をその会社に買わしめるのです。そうするとその会社は五年なり十年なり利子の要らない金を使うことができる。こういうような政策をとらなければ、とても私はできっこないと思う。日本でも地域開発の面において、御存じのように東北開発株式会社がある。この実態は必ずしも成功しておるかどうかわかりませんけれども、ものの考え方としては私はりっぱだと思うのです。そうしてこの会社はみずから直営をし、またこの会社ができて以来、今までに九十九の投資をしておる。そうして助成をしておる。ですから、これはいろいろ議論はあろうとも育成して、私企業が来ない場合は、こういうものを使ってやるべきだと思う。ところが、この産炭地域についてはそれがない。私はやはりこういう考え方が必要ではないかと思う。これをやらないと、いかに外をなでておりましても、あるいは幾ら市町村長、県知事が陳情しましても企業は来ません。やはり一歩前進の形をとる必要があるんじゃないか、こう考えるのです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 多賀谷さんのおっしゃるほど、今の法律では徹底しているとは決して思いません。そういうような見地からものを見ると非常に不十分だ、私も確かにそう思ますけれども、しかしこの法律だけでやるんではなしに、たとえば地方開発資金を今度は非常に増額もいたしましたし、産炭地について工場を設ける場合には、日本開発銀行の地方開発資金の活用ということもできるだろうと思いますし、何か事業団のようなものでもできればもっとベターかもしれない。通産省の方はそういうようなことを考えておったんじゃないかと思うのですけれども、それも今度の予算ではできていないようでありますが、いずれはそういうことも考えていくことになるんじゃないかとは思いますけれども、現段階では今の法律のところで、それを活用してできるだけの効果を上げたい、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうしますと、具体的な法案の所管は通産大臣ですから、法案についてはあとから聞きますが、審議会の答申が出たら、これは超党派の問題ですから、修正をして内容を充実さす。それにはやはりこれは単に通産省でおやりになるよりも、低開発地域は企画庁でおやりになっておるのですから、企画庁がおやりになって、全省の調整をし統合して強力なものを作ってもらいたいと思うのですが、どうですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 石炭の方は、一応通産省というしっかりした親元がありまして専管的にやっておりますので、通産省になりました。全般的な低開発地域の方は、関係各省非常に多いものですから、一応私のところでお預かりしたような格好でありますが、今お述べになりましたように、審議会等の答申が出て、その審議のいかんによっては、さらにこれらの法律を強化して徹底していかなければならぬと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 この際長官にお尋ねしたいのですが、実は国鉄運賃の問題です。ずいぶんお約束いただいたのですが、一向はっきりしないのです。今どういう状態になっておるのかお聞かせ願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 これは、実は率直に申して恐縮ですけれども、通産省と運輸省との間で話し合いがつく段取りなら私がまかり出る必要はない、もし両方で話し合いがつかない場合には、両方からの話を聞いて調整をしようと考えております。私は、その場合には、率直に言って、通産省と運輸省だけでは話がつかないので、どうしたって大蔵省にも一はだ脱がさなければいけないと実は思っておるのです。せんだってからうちの事務当局に何か言ってきたか言ってきたかと聞くのですけれども、どうもまだ私の方まで届いてきてない状況のようでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そこで私は外国の事例を調べてみたのですが、各国とも単価は上げないような方法をとっておると思うのです。そうすると、率直に言って、私は自分の主観を言うならば、鉄道運賃というのはだんだん上がっていく傾向が各国においてやはり見られるのです。そこで自動車に切りかわっておるというような状態もある。ドイツでもやはり鉄道運賃は上がりました。それは一九五八年二月連邦鉄道が貨物運賃を一〇%上げた。そこで単価を上げられませんから、結局年間一億三百万マルク、その一〇%上がった分を政府が補てんをしようという態度に出た。これは、御存じのような関税をとって、いわゆる重油消費税の策定をして、三年間で十億マルク、年間大体三億マルクで離職者の問題と運賃の補給をやったわけですね。そうして実際は税率が原案よりも低っかたものですから、一〇%のところを八・六%補助する、こういうことで補助をしておるわけですね。ですから国の政策が千二百円ダウンするというならば、それだけの客観情勢は政府が責任を負うてやらなければいかぬと思うのです。そこで政府が責任を負わぬということになると、千二百円というものはなかなか下がらぬと思うのです。ですから私は、外国にも例があるのだし、それだけの至上命令ならば、政府の方でまず条件が違うようなことをさしてはならぬと思うのです。どういうふうにお考えですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 ですから、石炭の運賃というものについては、一般的な鉄道運賃の値上げに関連をいたしまして、それが石炭の合理化に及ぼす影響をなまで受けないように、何らかの調整策を講じなければならぬというのが通産省の見解でもあり、運輸省でもその原則は認めておると思うのです。ただそれを運賃の割引という形でできるかできないかということが、今通産省の問題で、おそらくできないということを言ってくるだろうと思うのですが、その点通産省と運輸省とがどの程度まで話し合いを進めているか、通産大臣から何か御答弁があったんじゃないでしょうか。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 まだ質問していない。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 それは通産大臣に御質問願います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうしますと、通産と運輸で話がつかなければ長官のところへ持ち込んで、大蔵大臣と間違いなく協議されますね。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 これは重大問題ですから、私は念を入れてやりたいということで待っておるのですが、なかなかこないのです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 次に、私は、エネルギー全体の問題として、日本のエネルギーにおける石炭の地位、これを確定してやらなければならぬと思う。現在通産省内部あるいは企画庁の一部でいろいろやっておられますけれども、労働者並びに業者の不安というものは相当なものですよ。ことにこのことは若い技術者、若い労働者に非常な影響を与えておる。ですから、今炭鉱では人が余っておるから首切るといっておりますが、現実は若い技術者はどんどん出ていっておる。私は、五年間すると炭鉱の機械とか電気の技術者は得ることができないのじゃないかと思っております。これはいかにペーパー・プランを作っても労働力が不足しますよ。いわゆる良質の労働者が炭鉱にいなくなる、そういう状態になる。そこで将来の展望として石炭をどう見るかということを、現在一体どういうようにお考えであるのかお聞かせ願いたい。続いて千二百円下がった昭和三十八年後は一体どうなるのか、これをお聞かせ願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 所得倍増計画では昭和四十五年五千五百万トンというところで一応予定しております。私ども率直に言うと、これは言っていいか悪いかわかりませんけれども、実はエネルギーの問題における所得倍増計画のものの考え方というのは、もう一ぺん再検討——というと、すぐ所得倍増計画を修正するのかといわれるから、実は言いたくないのですけれども、もう一ぺん見直してみなければいけないのじゃないのじゃないかということをつくづく感じておりますので、経済審議会の中で、もう一回エネルギー部会というものを作って、現実に即してもう一ぺん研究して見直してみたいということをつくづく実は考えておるのです。そういうことを通産省の方にもよりより御相談をしておりますが、近い将来にもう一ぺん経済審議会の中でエネルギー部会を作って、日本のエネルギーのあり方というものについて根本的な検討をやってみたい、実はこう思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は、総合的な調整の立場にある長官に、電力料金の問題について聞きたいのですが、電力料金値上げの問題よりもむしろ格差の問題を指摘したい。今から重油専焼がだんだん多くなりますと、これはどこで発電をしても大体同じなんですね。九州で発電しようと、東京で発電しようと、あるいは東北で発電しようと同じ発電の単価であるということになると、配電の経費が少なく済むところの方がコストが安い。ですから今東京電力が一番安いということになる。東北も北陸も今水力に特に自流式の水力に重点を置いておりますから安いのです。ところがだんだん大容量のダムが調整用になる、それから火力が常時運転になると、電力も東北やあるいは北陸は安くならないのです。そうすると、今まで東北や北陸は電力が安いというところで工場がきておる。今日九州は一番高い。そうすると、需用地で工場が集まろうとするところは電力が安くて、工場がなかなかこないところは電力が高いという形になるのですよ。そこで地域開発の大きな問題は、私は電力の料金の問題を政策的に入れ組む必要があるのじゃないかと考える。幸いにして電発という一社の会社がある。少なくともこの電発がおろす値段というのは政策的に調整できるのじゃないか、政策料金でできるのじゃないか、こういうような感じを持っているのですが、どういうようにお感じですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 私は今お話しになりました低開発地域の開発について、電力料金の問題も考えの中に入れなければならぬのじゃないかというお考えについては、原則といいますか、理論としてはまさにその通りだと思っております。ただそれをどういうふうにして入れ込むかということについての具体的な方法は、通産省に考えてもらわなければ、ちょっと私の方では原案が立てにくいというか、そこまでなかなか手が回らないので、通産省に一つ考えてもらいたい、こう思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 開発の問題は私は通産省でなくて企画庁だと思うのです。こういった大きな政策は、実施機関じゃないのですから、総合研究機関ですから、企画庁でおやりになる——名前が企画でしょう。ですから当然企画庁でこういう総合政策をやらないととても、通産省の中でやれば九電力いろいろの利害関係があって、その利害関係を調整するだけでもやっとですよ。ですから大きな政策はやはり企画庁の方でおやりになったらどうか、こういうように考える。現実に電気料金が高いから工場が九州へ行かないという問題があるのですよ。そうした場合に幾ら土地をただでやるとか、何とか誘致すれば固定資産を安くするとか言ったって、原料である電力が高いとだれも来ません。この問題はかなり大きな、しかも九州においては緊急な問題として考えていただきたい、かように思うわけです。  続いて産炭地域の問題あるいは雇用審議会の問題の前提となる法律が、日本にはない。それは雇用基本法です。アメリカのような資本主義の国でも雇用基本法を持っている。今ごろは基本法ばやりですから、昨日も災害基本法が出た、それからまた中小企業基本法を出す、こういう話ですが、雇用基本法という法律の制定が必要ではないか。要するに物と金の経済でなくて、人を中心とした経済。あるいは予算をつける場合に予算書の中に財政投融資をこのくらいする、あるいは公共事業にこれくらい金を出すが、一体人が幾ら雇えるからという裏づけは少しも書いてない、それで民間投資はこのくらいやる、政府投資はこのくらいやる、しかし雇用はこのくらい余っているのだという場合に、その余っている分について政府はさらに投資を追加する、こういうように人を中心とした少なくとも予算書というものがほしいと思う。それにはやはり雇用基本法というものを作って、政府の予算書と実績とを国会に報告するということが必要ではないか、こう考えるのですが、一つお聞かせ願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 ただいまのお話は、きわめて基本的な重要な問題であります。実は私の方でも多少そういうことは考えまして、アメリカの雇用法にならった、私の方では経済成長基本法とでも言おうかと思ったのですが、そういうようなことを一ぺん考えたこともございますが、機熟せずして、まだそういう格好になっておりませんが、さらに根本的に研究させていただきます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 企画庁長官には、いずれ最後に総理に来てもらう際に来ていただきたいと思います。きょうは時間もないそうですから、これで終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 それでは午後二時まで休憩いたします。    午後一時三十一分休憩      ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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