商工委員会 第34号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/12
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 昨十一日本委員会に付託になりました田中武夫君外十三名提出の百貨店法の一部を改正する法律案を議題として、審査に入ります。
○中川委員長 まず、提案者より趣旨の説明を聴取することにいたします。田中武夫君。
○田中(武)議員 ただいま議題となりました百貨店法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 百貨店法が施行されてからすでに五年を経過して参りましたが、その実績を顧みまするに、百貨店の既得権益擁護のための法律と化し、一般小売業者の利益は著しくそこなわれてきておるのであります。この事態を予想して社会党は、当時において修正案を提出し、百貨店法の遺憾なきを期したのでありますが、いれられるところとならず、わずかに附帯決議において法運用の適正を政府に求めたのであります。しかるに、この附帯決議すら完全に無視され、あるいはさらにそれに反するような措置すら行なわれて参ったのであります。 法制定当時問題となりましたかけ込み新増設は、その後一段落をしたかに見えましたが、最近また、にわかに百貨店の新増設が活発化し、一般小売業者に重大な脅威を与えつつあります。すでに東京だけでも約二十万平方メートルの売り場面積の拡張が計画され、既存面積四十万平方メートルの五割に達する大幅なものであります。東京以外の地方都市においても、続々百貨店の新設が計画され、地元の一般小売業者は、みずからの生活権を守るため、一斉に反対運動に立ち上がっていることは周知の事実であります。さらにそのほか、百貨店業者によるスーパー・マーケットの乱設、あるいは大資本による百貨店類似行為など、百貨店法の脱法行為は枚挙にいとまないところであります。 こうして、乱設される百貨店は、その営業方法においても、資本的優位を利用し、不当に中小企業を圧迫しておるのであります。商業活動を活発化し、消費者へのサービス向上をはかることは、もとより異論のないところでありますが、今日わが国の産業構造ないしはその流通部門に占める一般小売業者の特殊な地位を考えるとき、当然そこに流通機構の適正な配置が考慮されてしかるべきであります。でなければ、一般小売業者の経営安定を確保することは不可能であり、いわんやその近代化、合理化はとうてい期待し得ないのであります。 そこで、一般小売業者の生活と経営の安定を確保する立場から、百貨店営業に対し必要な規制を加えようとするのが、本改正案の目的なのであります。 以下、本改正案の概要について御説明申し上げます。 まず第一に、現行法が百貨店営業を行なう店舗の床面積の計算において、当然含めるべき部分を除外している欠陥を是正するため、新たに食堂、貸店舗、催し場、店内事務所を加えることといたしたのであります。 第二に、許可基準を改め、前回特に附帯決議にうたわれながら、順守されなかったターミナル・デパートの営業禁止を、ここに法文に明記することにしたのであります。 第三に、店舗の新増設にあたっては、資本的支配関係にある百貨店営業並びに百貨店類似営業についても、従来は脱法行為として行なわれていたので、これを許可の対象といたしております。 第四は、建物の工事停止命令を特に明記したことであります。従来、工事施行の既成事実を背景に、百貨店の新増設を無理やり認めさせる不当な行為が行なわれてきたが、これを是正するため工事施行中といえども、申請があった場合、必要あるときは一定期間工事の施行を停止させることができることといたしたのであります。 第五に、百貨店の営業方法について、特に一般小売業者への影響を考慮し、割賦販売、委託販売、出張販売、積立式予約販売、限定展示即売等の特定営業を許可事項としておるのであります。 第六に、納入業者との関係において、百貨店業者がとかく優越した地位を利用して、不当な取引を強要する場合が多いので、返品、値引き、手伝い店員派遣等の事項について、あらかじめ一般的基準を定め、通産大臣の承認を受けさせるよう規制措置をとることといたしたのであります。 第七に、国、地方公共団体、公社、公団はその所有する土地または施設を、百貨店業者の店舗の用に使用させないこと。さらにまた展覧会、催しものなどみずからの広報活動を行なう場合、百貨店を利用しないことを明文化し、公共機関による百貨店営業に対する特別の便宜提供を禁止することにしておるのであります。 第八に、この改正法律の適正を期すため、必要な報告の徴収、立ち入り検査の権限を通産大臣に付与することにいたしたのであります。 第九に、一般小売業者の利益が正当に反映され得るように、百貨店審議会の構成を改正し、中小商業者の代表を正式構成員に加えることにいたしておるのであります。 最後に、罰則の追加等その他若干の改正を行なって、法律施行の万全を期しておるのであります。 以上が本改正案の提案理由並びに内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、ことに内閣提出法案に対しましては、委員会においてはこれを先議するように努めて参りますが、立法府におけるわれわれの議員立法に対しましては、その審議が常にあと回しになっていることは、われわれ最も遺憾とするところでありますので、内閣提出法案とともに本法案をすみやかに御審議し、成立させていただきますよう皆さんにお願いをいたしまして、提案理由の説明を終わりたいと思います。
○中川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○中川委員長 次に、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 割賦販売法案審査のため、小委員七名よりなる割賦販売法案審査小委員会を設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、小委員及び小委員長の選任並びに選任後の補欠選任につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○中川委員長 次に、機械類賦払信用保険臨時措置法案を議題として、審査を進めます。 前会に引き続き審議を続行するのでありますが、質疑に先だち、佐橋重工業局長より発言を求められておりますので、これを許可いたします。佐橋政府委員。
○佐橋政府委員 昨日通商産業省と法制局の間に意見の食い違いがあるということを、田中先生から指摘されておるわけでありますが、これについて釈明をいたしたいと考えます。 その指摘されました点は第三条であります。第三条の一項は、政府は、会計年度ごとに、機械類を作っております業者を相手方としまして、政令で定める機械類の区分ごとに包括契約をすることができる旨を規定しておるわけでありまして、同条の第三項で、包括契約を締結してはならない場合を列挙しておるわけであります。その第二号で「中小企業の設備の近代化及び機械工業の振興に資すると認められない場合」は包括契約を締結してはならない、こういうように規定しておるわけであります。昨日われわれが答弁いたしましたのは、三項の二号によりまして包括契約を政府が締結した後におきまして、メーカーが個々の割賦販売契約を実施する場合に、中小企業以外に売る場合でも違法にはならないということをるる答弁をしたつもりでありますが、その点につきましては、法制局とわれわれとは意見の食い違いがないわけであります。ただ私が、大企業に売る場合云々ということを申し上げましたが、私たちが現実に考えておりますのは、現在中小企業の一般的な定義として認められております資本金一千万円、または従業員三百人以下というのが、中小企業の通例の定義であろうかと思うのですが、それだけには限定されることがないという意味において大企業と申し上げたのでありまして、厳格にといいますか、通例の用語をもってすれば、むしろ中堅企業に売ることが当然あり得る、こういう意味で申し上げたわけでありまして、いうところの大企業であるとか、あるいは財閥企業であるとかいうようなところが、現実にこういったようなものを割賦で買うということもあり得ませんし、また実際の法の運用上も、法の精神に照らしまして、こういった大企業に売るということは抑制して参りたい、こういうふうに考えております。 以上の説明で御了承をお願いいたしたいと思います。 続いて、昨日田中委員から資料の提出要求がありましたが、これは刷りものにしてお配りいたしておりますので、それを見て一つ御了承願いたいと思います。
○中川委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 ただいま重工業局長から、昨日の委員会における意見の食い違いの点につきまして、考え方を明確にせられましたので、その点につきましては一応了承したいと思いますが、なお、法制局第三部長の法律の解釈につきましては、若干まだ疑義を残しております。しかしそれはまた別な機会に法律的な問題はやることにいたしまして質問を進めていきたい、このように考えます。 そこでお伺いいたしたいのですが、本法案の対象となる機械類、これは当然国内産のみと考えまするが、外国機械につきましては、それが適用になるかどうか、及び現在外国機械の購入の実情あるいは外国機械を本法の第三条第一項のいわゆるカッコの中に入るところの業者、こういうものが日本の業者であってそういう販売をしておるものがあろうと思うのですが、そういうものから割賦で買っているような実情があるかどうか、あるいは外国機械の購入にあたっては、特別に輸銀から融資がある、九十億ですか、何かのワクがあると聞いておりますが、これの恩典に浴するのはいわゆる大メーカーのみであって、中小企業にはそういう外国機械購入に対する資金の裏づけ、融資というような恩典がない、こういうようなことも聞いておりますので、その辺の事情につきまして御説明願いたいと思います。
○佐橋政府委員 お答えいたします。 外国の機械は本法の対象とは考えておりませんので、この信用保険法を適用する意思は全然ありません。 現在までの外国の機械の輸入状況でありますが、ごく最近の実績を申し上げますと、三十五年度の年度の通関ベースが四億五千万円の輸入をいたしております。三十六年度はおそらく五億六千万円、こういうふうに予想いたしておるわけであります。外国機械を輸入してそれを割賦販売しておるかどうかという事例でございますが、これは現在のところ私たちは承知いたしておりません。割賦販売をしておる事例はないと考えております。 次に、アメリカの輸銀から二年間に二千五百万ドル、約九十億の借款をいたしまして、工作機械、鍛圧機械、鋳造機械を主として輸入することを考えているわけであります。これにつきましては、先生はただいま中小企業は恩典に浴さないということを言われましたが、大企業は個々の企業がそれぞれ輸銀と話し合いをいたしまして借款も可能でありますが、中小企業はそういった点からアメリカの輸銀等の融資の対象になりませんので、アメリカの輸銀の対象にするために一括して政府として交渉いたしまして、二千五百万ドルを中小企業向けとしてワクを獲得したわけでありまして、これの対象は、主として中小企業者にただいま申し上げましたような機械の輸入を認める、こういうことで考えておるわけであります。
○田中(武)委員 今のアメリカの輸銀から中小企業のワクとしてとっておるその運用等については、どういうふうになっておりますか。
○佐橋政府委員 これは興銀が幹事銀行になりまして、興銀を含めて市中銀行十二行が、その融資に当たることになっておりまして、興銀に百万ドルの保留のほかは、全十二行に対して二百万ドルずつのワクを設定いたしまして、その市中銀行が個々の需要者である中小企業者に融資をし、その融資によってアメリカからただいま説明いたしましたような機械を輸入する、こういうことになっておりまして、金利は六分五厘、融資期間は五年ないし七年ということで処理したい、こう考えております。
○田中(武)委員 このことは本法とは一応関係なく資料として要求したいのですが、外国機械の輸入の状況、それからアメリカの輸銀から直接借款をして買っている企業、それから中小企業の今の関係、こういうものにつきまして、これは本法とは別に一つ資料をいただきたい、このように考えます。 それから中小企業設備近代化助成金との関係ですが、設備近代化助成金を借りてそれを頭金として、あとを賦払いというような場合もあり得るかと思いますが、そういうような場合につきましても本法の対象になる、このように考えておられますか。
○佐橋政府委員 第一点の資料の点につきましては、後刻お届けいたします。 ただいま御指摘の、中小企業設備近代化資金から頭金を払っても本法に乗るかという御質問でありますが、これは当然乗る、こういうように考えております。
○田中(武)委員 本法の信用保険は、何回か説明があったように、いわゆる包括信用保険契約を年度の初めにする、従って保険契約はそのときに成立している、こう思います。だが、具体的な個々の問題について保険事実の発生する時期、これが三条二項で、引き渡しを受けて後に払うべき金額に対する云々、こういうようになっておるので、この機械を賦払いで買う人が引き渡しを受けたときに、いわゆる割賦方式で買った場合に、そこでそういう保険関係が成立するのかどうか。そうした場合には、割賦販売法の第七条の所有権の留保の推定との関係、及びこの保険事実がいつ発生するかということによって——保険料率が六条にうたってありますが、これに基づくところの保険料金をかけるという関係が出てくると思う。従って具体的に保険事実の発生する時期はいつでしょうか。
○佐橋政府委員 保険責任は、保険契約に基づきまして機械類を引き渡した後に発生するわけであります。所有権留保の類推規定でありますが、本法によります機械類が割賦販売法で指定をされました場合には、当然割賦販売法の類推規定が適用されるわけでありますが、その適用を受けなかった場合、商品に指定せられなかった場合、本法だけでいった場合には、個々の契約で所有権を留保したりする特約があるかと思いますが、特約がない場合には引き渡しと同時に所有権は相手方に移転する、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 二点尋ねておるのです。保険契約の関係が発生するのは保険契約締結のとき——しかし、実際の保険事実といいますか、保険に対する具体的な関係が発生するのは、その保険契約を結んだメーカーが第三者に——あるいは甲なら甲という人に、機械を定めの方式による賦払いで渡した、こういうときに発生するのだと思うのです。そういたしますと、引き渡しということになる。そうすると民法の規定では、動産でございますから、引き渡しによって権利は移転しておる。ところがいつかここで問題にしたように、これも割賦という事実の上に立つ法律である限り、特別な、割賦について定めのないときには、原則法といえば語弊がありますが、割賦販売法の適用がある。そうすると、特約なき限りは所有権は販売者に留保せられる、こういうことになるわけですが、そうじゃないのですか。
○佐橋政府委員 機械類を引き渡した場合、いわゆる占有移転が行なわれるわけでありまして、そのときに所有権の留保を特約しなければ、所有権はそのときに相手方に移ると私どもは考えております。それから割賦販売法の適用を受ければ、当然所有権は留保されて移転をしない、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 そこにちょっと矛盾が出てくる、こういうことで私は話しておるのです。ということは、この保険制度は信用保険なんです。そうでしょう。そうすると、信用保険の建前からいえば、所有権が賦払い者、賦払いで買った人に所有権があるときに信用ということが出てくるのです。所有権が販売者の側にあるときに、信用保険という観念が成り立つでしょうか。
○佐橋政府委員 本法が考えておりますのは、売り渡した場合の代金債権について保険をしよう、こういうふうに考えておるわけでありまして、先生が言われた趣旨がよく頭にのみ込めないわけでありますが、代金債権の保険という場合に、所有権が販売業者に留保されるか相手方に移るかということとは、必ずしも関係はない、こういうように考えております。
○田中(武)委員 こうなんですよ。私が板川君にこれを割賦で渡す、これに対して信用保険をつけるわけです、代金を。所有権が私にある場合は、これに対する信用保険という観念が成り立たないじゃないかというのです。保険というものは、所有権が相手方に渡っている。その危険に対し——所有権がないんです。所有権はないが、物を引き渡した。だが、それに対して約束通り金がもらえぬときに起こってくる損害に対する補償なんです。これが信用保険の性質なんです。そうじゃないですか。所有権がこっちにあって——渡しておるけれども、こっちはただ占有権によって所有しておる。所有権を私が持っておるときに、これに対する信用保険というものはあり得るでしょうか。所有権はこちら側でしょう、そうじゃないですか。
○佐橋政府委員 私は、債権を担保するために所有権の留保なり移転なりというのが問題になる、こういうふうに考えておりますので、先生の御指摘のように、所有権をこちらに留保した場合でも債権ということはあり得るので、その債権を確保するために保険をつけるということなんで、所有権の移転自身は問題ないんじゃないかと思います。
○田中(武)委員 割賦販売もいわゆる売買契約なんです。売買契約とは、当事者の一方が所有権を渡す、それに対して相手方が代金を支払うことによって成立するところの契約なんです。ところが所有権はこちらにある。こちらにあるときにその債権というものは成立しますか。売買契約、いわゆる双務契約の上に立って成立いたしますか。この信用保険の対象は、この物の所有権移転に対してなのか、それとも割賦販売のこの金額に対してなのか。あなたはこれだとこう言おうとしておる。その基礎は、所有権の移転ということに立って債務が発生する。いわゆる販売者からいえば債権、購入者からいえば債務の発生する所有権の移転ですよ。所有権の移転のないところに債権債務の関係が起こりますか、売買契約の双務契約の本質からいって、どうですか。
○佐橋政府委員 非常に私不得意な議論でありますが、双務契約の場合に、所有権が移転しなくとも、引き渡すことによって債権は発生する、私はこういうふうに考えております。
○田中(武)委員 民法の売買契約のところをちょっと見て下さい、どういうことになっておるか。
○佐橋政府委員 双務契約の場合には、所有権自身が移転するという時期はいろいろあると思いますが、引き渡しを行なうことによって債権は当然発生する、私はこういうふうに考えております。
○中川委員長 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○中川委員長 速記を始めて下さい。
○佐橋政府委員 ただいま御指摘の民法の売買の総則でありますが、「売買ハ当事者ノ一方カ或財産権ヲ相手方ニ移転スルコトヲ約シ相手方カ之ニ其代金ヲ払フコトヲ約スルニ因リテ其効力ヲ生ス」、こういうことでありまして、この債権関係に基づきまして本法では支払いの不能等が起こった場合にこれを補てんするということを考えておるわけであります。
○田中(武)委員 そうしますと、結局はこの売買契約、いわゆる割賦販売契約が成立する、そのときの所有権移転という関係とは別個に、販売契約によって発生するところの支払い代金、この債権債務の関係に対する信用保険だ、そういう意味なんですね。
○佐橋政府委員 その通りであります。
○田中(武)委員 それでは次に進みたいと思います。そうすると、結局所有権が移転せられるまで、これは特約あるいは割賦販売法の七条の規定等々がありますが、その間に購入者の責めに帰さない事情によって機械等が使用不能になるというような場合には、どちらが損害をこうむるのか。言いかえるならば、機械が使用不能になったから自後の割賦はわれわれは払えないというような場合に、国はこれに基づいての保険金を販売者に渡すのかどうか。
○佐橋政府委員 当事者の責任に基づかざる事情によって事故が起きた場合、本法で考えておりますのは、その原因いかんにかかわらず割賦の代金を払えなかったという事実に基づいて、国は保険金を支払うわけであります。
○田中(武)委員 じゃその場合には当事者間の法律関係のいかんにかかわらず、現実に残ったところの割賦代金を払わないときには、その事実がどういうことであろうとも払ってやる、こういうことなんですね。
○佐橋政府委員 その通りであります。
○田中(武)委員 そういう場合に、たとえば販売者の側に瑕疵があった場合、現実に購入者から払われなかった、それでも政府から保険金をもらうわけですね。その場合、普通の民法上の観念から言うならば、払った国がいわゆる代位弁済というようなことで、いろいろと法律関係が出てくると思うのですが、そういう点をこの法律では明らかにせずに、第八条の代金等の回収ということ、それから第九条は回収金の納付ということになっておるのですが、その保険金を払ったことによって生ずるところの第三者の——たとえばその機械がこわれて払われないというときには、第三者の暴力、第三者の責任によって起きたときには保険金を払うが、保険金を払った者はその加害者の第三者に対して代位弁済の請求ができる、これが法律的な考え方だと思うのです。そういうことについてこれはうたってないのですが、それができるのか。あるいはそのような場合には、代金等の回収ということで、販売者が第三者から金を取ることに努めようというのがこの第八条の規定なのか、その点どうなんです。
○佐橋政府委員 ただいまの御指摘でございますが、代位は働かなくて、結局保険金をもらった相手方が回収義務に任じ、回収した金額をこの規定によって国庫に納める、こういうことになるわけであります。
○田中(武)委員 そうするとこうなんですね。甲が乙に対してこの法に定める賦払いによって機械を渡した。そこで保険の関係が出てくる。それでこの機械に対して、丙という第三者の責任ある行為によって機械が使用不能とか消滅をしたという場合に、乙は金を払えないからということで払わなかった。そのときに国は甲に対して払ってやる。その場合、払った国が丙に対して代位弁済を請求するというのが通常の考え方だと思うのです。ところがこれはそうではなくて、保険金を国からもらった甲が丙に請求して、いわゆる第八条による代金の回収に努める、そして第九条による回収金の納付をする、こういう関係になるのですか。
○佐橋政府委員 ただいまの設例で、甲が保険金をもらって乙に売って、丙が乙に対して加害とかいうような場合には、普通の場合には乙が丙に対して損害賠償その他の請求をすると思いますが、それをしなかった場合には、甲が乙にかわって弁済を要求いたしまして、甲が回収したのを政府に納める、 こういうことになります。
○田中(武)委員 それならそれでいいんだが、要は乙が丙に対して請求、これは当然でしょう。しかしそういうことができたときに代金を払わなかったら、国は甲に保険金を払うのです。そうすると代位請求権ということが、保険金を払った国に起きると思うのです。それは国がやらずに、この法律でいうと八条によって、乙が丙に対して回収に努める、こういうふうになっておるのか、こういうことですが、それならそれでいいんです。そうなんですか。
○佐橋政府委員 普通の場合は乙が丙に対していたしまして、政府に対する回収金の納付は甲がするわけであります。だから乙が丙に対して損害賠償しない場合には甲が乙にかわって損害賠償をし、乙がする場合には乙が損害賠償を請求して、そこで得たものを甲が回収して、政府に納付するということで、政府に対する回収の納付義務はあくまでも甲だ、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 しかし乙は先ほど問題にしたやつで所有権者じゃないわけです。もちろんそれに丙の責任ある行為によってそれが消滅した場合、使用不能になった場合、もちろん占有権の侵害として訴えができると思うのです。しかし物件上の所有権侵害の訴訟は甲しかできない。それに対してともかく国は甲に対して保険金を払ってある。そうすると国の方が優先して丙に対する代位弁済権を取得するのじゃないか、こう私は言っているのです。ところがこの法律はこれをやらずに、甲が第八条の代金等の回収に努めるということでやるんだ、こういうことなんですね。
○佐橋政府委員 その通りであります。代位をやらせるときに甲にやらせるということであります。
○田中(武)委員 回収金ですが、九条の規定にがたがたと書いてあるんですが、この計算は一体どういうことになるのか。一つ例をあげて聞きたいと思うのですが、たとえば代金十万円の機械を割賦で買って、四万円を引き渡し前に支払った、そうすると六万円が残額となっておりますね。その六万円の五〇%、三万円が保険金になるわけです。そこで支払いができなかったというので三万円を国が払ったわけです。そういたしましたら、その後第八条の規定によって販売者は回収に努めて五万円を回収した、それは支払いを保険金で三万円受けてから、六万円中五万円を回収する間が一応六カ月だったとする、そうすると九条によって実際幾ら払ったらいいのか、回収金の計算をちょっとやってみてもらいたいと思うのです。この九条ではちょっと頭の悪いものでは計算ができないのです。 さらにその場合にもう一つは、商法六百四十一条の免責事項があります。これは法律的にいえば保険全体にわたるところの免責についての規定だと思うのです。そういう免責約款によって、かりに商法による免責事由にかかる価格が一万円だった場合、その場合は三万円じゃなく二万円を国は保険金として支払っているわけです。そういう場合は一体どういう計算になるのか、頭の悪い者にはわかりませんので、ちょっと説明してほしいのです。
○真野説明員 ただいま田中先生御質問の内容、詳細な数字をちょっと聞き漏らした点もございますが、簡単に申し上げますと十万円代位弁済がございまして四万円支払い、六万円の残金があった、その場合六万円支払わなかったという場合に、その六万円について保険事由が発生する、従ってそのうちの半分、百分の五十である三万円について保険金が支払われた場合だと思います。その場合その後になりまして五万円回収があったといたしましょう。この場合に回収金として政府に納付すべき額いかんということでございますが、この第九条の規定によりましてこの五万円のうちから保険金を支払う前に、手形の債権について満期がきておる、満期後保険金を支払うまでには当然販売業者としては金利負担等を負担しておりますので、その分をかりに五千円としますと五万円から五千円を引きまして、そのうちの残りました四万五千円について、先ほどの六万円と政府の支払った三万円の比率でございます。この六万円分の三万円をかけて得た額を政府に納付する、従って今の場合計算式で申し上げますと、五万円から〇・五万円引きまして四・五万円になる。四万五千円に六分の三をかけまして二万二千五百円、これを国庫に納付するということになります。 それからもう一つ、今田中先生が申されました点で免責の場合はどうかということでございます。この場合は保険金支払いの際に、先ほどの六万円支払い不能に陥った、その場合には三万円政府が払うべきであるが、免責規定によってかりに一万円免責されたという場合には、支払い保険金額が二万円になります。そういたしますと先ほどの四・五万円に六万分の二万、つまり三分の一をかけるということになりますので、政府に返還する金額は一万五千円ということになるわけであります。要するに政府の負担すべき分と、割賦販売業者の負担すべき分の按分において、絶えず回収金を返すという規定でございます。
○田中(武)委員 その場合販売業者の受け取る金額は、最初の四万円と保険金の三万円と、それから五万円から二万二千五百円を引いた二万七千五百円、合わせて九万七千五百円というものが十万円のかわりに入ってくる、そういうことでございますね、販売業者に入ってくる金は。国はその三万円を払って二万二千五百円を回収する、そういうことになるわけですね。
○真野説明員 四万円はまず最初に支払いがございまして、それから三万円保険金支払いがございました、それから五万円のうち二万二千五百円を返還いたしますので、その分を引かなければいけませんから、差引き七千五百円が国から支払われた形になります。
○田中(武)委員 販売業者を主体に考えるのですよ。四万円先に受け取っておりますね。政府から三万円もらった、だから合わせて七万円。あとから五万円もらった、その五万円から二万二千五百円を払うのですよ。そこで手元に残るのは二万七千五百円、そうすると合わせて九万七千五百円という金が、十万円に対して販売業者には入ってくる。
○真野説明員 政府の支払われました三万円は、その後に二万二千五百円返還いたしますので、その後の回収金が入った後の段階においては七千五百円残るということになります。つまり支払いました保険金三万円と、回収金として政府に返す分とが相殺されますので、その差額が政府から出るということになりますから、三万円は当初の段階では三万円でございますが、回収金が入りました後には、回収義務に基づいて政府に納付した分が保険金からバランス上差し引かれなければならないのでございます。
○田中(武)委員 ちょっとそこが私の計算と違うのです。第八条ですよ、保険金の支払いをすでに受けているのですね。そうすると四万円もらって、三万円もらって七万円もらっておる。それから五万円を回収した、その回収金の五万円について九条の計算によって二万二千五百円払うでしょう。そうしたらその五万円の中の金が二万七千五百円残っておる。だから四万円、三万円、二万七千五百円、合わせて九万七千五百円、こういうことになるのと違うのか。国は三万円渡したが、そのうち二万二千五百円を回収する、それじゃ買った者は四万円渡して、今度五万円渡しておるから、十万円のうち九万円払った、あとの一万円を国と販売業者が今言ったような二千五百円と七千五百円の割合で負担する、こういうことになるわけです。そうでしょう。ともかくこのときに結果的に見て回収不能になるのは一万円なんだ。その一万円の金の国と販売業者との按分は、今の計算でいくと国が七千五百円、それから販売者が二千五百円ですか、これだけの損失、一方は十万円の代金を九万円払って終わる、こういうことになる、八条、九条の関係をそう理解するのですが、それでいいのでしょう。
○真野説明員 ただいま私が説明いたしましたのは、国庫の負担金の最終額の方を強調いたしましたので、ちょっと失礼いたしました。結論は先生の数字でよろしゅうございます。
○田中(武)委員 私は最初頭が悪いから九条の規定はよくわからぬ、こう言ったけれども、実際はよくわかっておる。実際この計算ができなかったら中学の入学試験にも受からない。ただ問題はそういう場合に四分の三国が負担し、四分の一だけが業者の負担になる、こういう按分がいいか悪いか、この危険負担の率ですが、これは五万円回収するときと三万円回収するときと率がまた変わってくると思いますが、私が前から言っておるようにメーカー保護という点が少し強過ぎる、こういう感じを受けるということだけを申し上げておきます。 それから十条に契約の解除ということがあるのですが、規定の中に「第三条第一項の保険契約の条項に違反したとき」云々ということがある。三条一項の違反ということは一体どういうことが想定せられるのですか。
○佐橋政府委員 第三条でメーカーと政府の間に包括保険契約を結びますと同時に、そのときに約款の取りかわしを行なうわけでありまして、その約款に違反した場合を想定しておるわけであります。
○田中(武)委員 けっこうです。 それから第二条の定義、この場合政令によって定めるということになっておるのですが、政令で本法でいういわゆる機械類を指定する、この場合にどういう観点に立ってやるかといえば、これは本法の目的である中小企業の設備近代化と機械工業振興のためだ、こうなると思うのですが、そうすると機械工業振興臨時措置法に機械工業振興のための審議会がありますね。第二条の定義を定める場合、いわゆる政令で指定する場合にどこからか意見を聞く必要があると思うのですが、そういう場合には現在ある機械工業振興臨時措置法の審議会の意見を聞く、こういうように解釈したらいいと思うのですが、実際の運営上はどういうように考えておられますか。
○佐橋政府委員 田中先生の御質問のように、機械工業振興臨時措置法の審議会を利用して参りたい、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 二条二項の政令で定めるところの割賦販売契約の期間、これを一体どの程度に考えておられるか。いわゆる割賦販売の代金納入の期間ですね。中小企業の側からいけば、なるべく長くしてもらって支払いがしやすいように、こういうことを考えるのが当然だと思う。そこで何年くらい——それは機械によって違うだろうが、たとえば一回の支払金をどの程度のめどを置いて、そして逆算してこういう機械は二年とか、こういうのは三年とか、こういうようにやられるのか、そういう何年くらいを割賦期間として定められるおつもりなのか。 それともう一つは附則二項ですが、この法律は五カ年間の臨時立法、いわゆる期限つきの暫定法になっておるわけです。そうするとかりに五年間の割賦期間ということを考えた場合に、五年間という臨時立法の期限が短か過ぎるのではないか、こういう点も出てくると思いますが、これは法的に考えて、かりにこの法律が五カ年間で失効したとしても、この法律の生きているうちに契約したものは、法律が失効しても支払い義務とか、保険という関係はなおすべての対象が解消するまで続く、こういうように解するのですが、その点についてどうでしょう。
○佐橋政府委員 お答えいたします。 第一点の割賦期間でありますが、これは機械の種類あるいは割賦販売の実情によって、機械ごとにいろいろ差異があると思いますが、大体私たちが考えておりますのは、六カ月以上三年くらいというふうに考えております。 第二番目の点でありますが、本法は五カ年間の限時立法になっておりまして、五カ年過ぎたときに、もう一ぺんレビューしていただくということに考えておりますが、この法律の有効期間中に成立いたしました保険関係につきましては、これは全部有効でありまして、これは附則の二号にうたってある通りであります。
○田中(武)委員 後段の方はけっこうです。だが五年たってもう一ぺん討議してもらうのだ、論議してもらうのだというなら、初めから十年にしたらどうなんでしょう。これを五年にしなければいかぬというところはどうなんです。五年たったらもう一ぺんやってもらう。あなたの腹の中は、そのときはあなたはもっとえらい人になって局長 になっておらぬというのかもしれない、あるいはこっちが通産省に入っておるかもしれぬけれども、それは別として、五年たってまた延ばすという意思があるならば、最初から七年なり十年にしておく方がいいのではないかと思うのです。現にそのためにあなたは困っておられる問題がほかにあるでしょう。だから現在の計画で五年以上が望ましいと思うなら、なるべくそういうふうにした方がいいのではないかと思うのですが、五年とせられた根拠はどうなんです。
○佐橋政府委員 本法につきましては、本法の目的にうたってありますように中小企業の設備の近代化、機械工業の振興という二つをねらっておるわけでありまして、機械工業の振興が刻下の急務であることは、もう申すまでもないと思いますが、機械工業振興臨時措置法も五年になっておりますので、その振興の一環として本法を考えておりますので、その点両方の平仄を合わせたわけであります。五年たちました後、さらに本法の継続が必要かどうかということは、そのときに一つまた国会で再審議をお願いしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○田中(武)委員 機械工業振興法も期限がきて一回延長した。そうするなら、初めからもっと長い期間で計画を立てるというつもりならば、それは五年でなく——これはいろいろ大蔵省の折衝等で、実際は通産省の方では十年と考えておられたが、五年になったということもあろうと思いますが、一応これでおきましょう。五年後には私が椎名さんとかわっているかもしれませんが、そのときはこちらで考えることにいたしましょう。 もう一つ、割賦販売の期間なんですが、今の答弁によると六カ月ないし三カ年、期間はそれでいいですが、大体一回に払い得る金額が、たとえば五万円のもので月五千円なら五千円、そうすると十万円のものならその倍の期間だ、こういうような考え方の基礎は、中小企業が払い得るような範囲における金額を算定して、逆算をして期間を定めていくことが望ましいと思うのですが、実際はどのようにせられますか。
○佐橋政府委員 ただいま御指摘のような点も十二分に考慮いたしまして、割賦期間をきめたいと考えておりますが、先ほども御指摘がありましたように、中小企業の設備近代化資金というのがあるわけでありまして、ここで別途金が貸された場合、頭金だけで新しい機械が入手されまして、その機械の稼働によって自後の支払いをしていく、こういうふうにねらっておりますので、必ずしも払い得るという点だけにスティックして考える必要はないと思いますが、以上のような点はもちろん十分考慮してきめたいと思います。
○田中(武)委員 購入した機械が生産をしていく、そういう中から払い得る現実の事態をにらみながら払いやすい方法できめていく、このように理解いたしたいと思います。 十二時になりましたからこの程度にとどめます。
○中川委員長 他に御質疑はございませんか。
○加藤(清)委員 一点だけこの際承っておきたいと思います。ただいまの佐橋重工業局長のお話によりますと、本法の適用にいたしましても、たとえばアメリカ機械の特別融資等々にいたしましても、中小企業に重点が置かれるような御答弁でございました。ところがここに先般長谷川委員長代理を初め、与党の皆さんにも御承認をいただきまして、機械工業振興法の中へ編入せられました繊維機械、それはほとんどが中小企業で行なわれているわけでございます。にもかかわりませず、機械工業振興法の特定機械の中へ編入したおかげで、かえってまま子扱いにされるおそれがあるというお話でございまして、そのためにこの業に携っておられる人たちに、非常な憂慮の空気が横溢しているわけでございます。もちろん産業機械課長金井さんも大へん努力していただいておるようでございますけれども、予算上も大蔵省との関係において難渋する点があると承っておりますが、その間の事情はいかが相なっておりましょうか。この際繊維機械業界におおわれている黒雲をあなたの答弁によって払いのけていただきたい、かように考えるわけでございます。
○佐橋政府委員 機械工業振興法の指定業種は三十九種指定するということで進んでおりまして、この間当委員会においていろいろ御指摘がありまして、繊維機械も入ったわけでありますが、大蔵省との折衝におきまして、資金ワク等の関係から、特定金利の金をつけないという条件を付せられておるわけであります。これは機械工業がそのほかの鋳造機械、鋳物機械というような点では金を借りることができるわけでありまして、事実問題としては大した支障はないというふうに考えておりますので、その方の部門別に特定金利で金を出し得るという方を強調して繊維業界に不満のないようにして参りたい、こういうふうに考えております。
○加藤(清)委員 そのお言葉だけではほんとうは安心できないのであります。たとえば今あなたのおっしゃいましたように、鋳物部門であるとか、あるいは軸受け部門であるとかいう、他の製作面と共通した業を同時に行なっているところ、それは繊維メーカーにしても大体大企業でございます。今私が申し上げておるのは、繊維機械専門に行なっておる、それはほとんど中小企業が多いのでございまして、他との関連性、つまり四十種類のいわゆる特定機械の関連性の少ない繊維専門の機械、これは全部取り残されるわけでございます。従ってせっかくこの機械工業振興法の中へ仲間入りができたというならば、当然そこから受ける恩恵は他の三十九業種と同等であってしかるべきです。そのためにこそこの繊維機械は機械工業振興法の中に入ったわけです。そこでまま子扱いにされるということならば、何も無理して入る必要はないわけです。どこにネックがございますか。あえて仲間には入れたけれども、まま子扱いにしなければならないというその原因は、どこにあるのでございましょうか。
○佐橋政府委員 これは政府部内のことでございまして、ここで答弁をするのは非常に心苦しいわけでありますが、業種指定につきましては、各方面からいろいろ意見がございまして、非常に難渋をしておるわけでありまして、一応補欠入学という形になったわけでありますけれども、今後の折衝によりまして、今先生御指摘のようなまま子扱いというのを取り除くように努力をして参りたいと考えております。
○加藤(清)委員 おっしゃる通り今までのところでは、たとえば中小企業金融公庫の貸し出し対象にいたしましても、当初指定されました十七業種とは事変わりまして、今日ではふえております。つまりあなたの言葉を借りて言えば補欠入学がずいぶんふえております。ところがこれは入学したと同時に、同じような恩恵、同じような法律的な保護を受けておるわけであります。にもかかわりませずこの繊維機械だけは、せっかく与野党一致した意見におきまして、委員の皆さんの御努力によって編入入学ができた、ところが入学はしたけれども、入学しなかったときよりもひどい仕打を受けているというのが現状のようでございます。これでは入れたかいがないわけです。そこで、政府部門内の問題であるから、重工業局長が御答弁できないとおっしゃるならば、私はこの際大蔵省をここへ呼んで御答弁願わなければなりませんが、かかる事態が現存しているという事実にかんがみまして、通産大臣としてはいかようにお考えでございましょうか。答弁のいかんによっては大蔵大臣に御出席を願いたいと思います。
○椎名国務大臣 一応国際信用も相当ついておる業界であるというので、大蔵省が許したのであろうと思いますが、十分に事態を認識させまして、とにかく油断をしていると、また追い越されるおそれもある、やはり特定金利のもとに、この産業は守っていくべきものであるということに対する認識を十分に植えつけるように、今後努力いたします。
○加藤(清)委員 それでは、時間の都合もございますので、本件に関しましては私の質問はきょうはこの程度に終わりますが、留保という形にしておいていただきたいと存じます。
○中川委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑はないようでありますので、本案に対する質疑は終局するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○中川委員長 引き続き本案を討論に付するわけでありますが、討論の通告がありませんので、これを行なわず、直ちに本案を採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、本案を採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中川委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 —————————————
○中川委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党三派共同提案の附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 三派を代表して田中武夫君より趣旨の説明を聴取することにいたします。田中武夫君。
○田中(武)委員 委員各位の御同意を得まして、ただいま可決せられました機械類賦払信用保険臨時措置法に対しまして、自由民主党、社会党並びに民主社会党の共同提案になります附帯決議を提案いたしたいと思います。 まずその案文を朗読いたします。 機械類賦払信用保険臨時措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法律の運用にあたつては、中小企業の設備の近代化を促進しようとする本法律の目的を逸脱して、大企業を優遇する結果を来たすことのないよう、充分配慮すべきである。 以上でございます。 この提案の趣旨につきましては、昨日来の本法の目的並びに包括信用保険契約の要件等々をめぐる質疑応答の中において、その趣旨は明らかになっておると思います。また本日、本委員会の冒頭、佐橋重工業局長より特に発言を求められての意見もありましたので、われわれはそのようなことは万々ないと考えますが、なお念のために以上のような附帯決議をつけたいと思うのでございます。 委員各位の御賛同をお願いいたしまして、提案説明にかえます。
○中川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対しましては、別に御発言の申し出もないようでありますので、本動議を採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中川委員長 起立総員。よって本動議は可決され、本動議の通り附帯決議を付するに決しました。 この際、通商産業大臣に御発言があればこれを許可いたします。通商産業大臣椎名悦三郎君。
○椎名国務大臣 ただいまの御決議に関しましては、法の運用にあたりまして十分にその趣旨に従いますように努力いたしたいと考えております。 —————————————
○中川委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書等の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○中川委員長 次に輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。内田常雄君。
○内田委員 私は、先般来当委員会の議題になっております輸出入取引法の改正案につきまして、基本的な事項につきまして、通産大臣並びに政府当局にお尋ねをいたしたいと思います。 この輸出入取引法の改正法案は、御承知のように今始まった問題ではございませんで、昭和三十二年以来たびたび国会に提案をせられまして、その内容の審議を尽くし、また昨年は、当委員会におきましては可決をせられましたけれども、国会解散のためにそのまま成立に至らなかったというような経緯もございまして、この内容につきましては、従来から積極、消極、あるいはいろいろ広範な見地から議論が尽くされておりますので、この国会で初めて提案された法案とは違う面があり、委員の多数はこの内容について十分承知をいたしておるわけでありますが、それにいたしましても、この法律案が独占禁止法との関係を持つものであり、また今回の改正の内容を見ましても、その基本においては輸出入取引関係のカルテルの拡張強化の面をも含んでおりますし、さらにまた最近わが国の国際収支の動向に照らしまして、国際収支改善あるいは貿易の改善などの面から、私はこの輸出入取引法というものの運営に、多大の関心を持つものでありますので、これらの面につきましてなお政府の考え方をただしたいのであります。 第一に、今度の法律案は、これまで国会に提出せられました法律案の中身から見ますと、カルテルの拡張強化などの面におきましては、非常に緩和されておりまして、考え方によっては、今日の国際収支改善あるいは輸出ドライブの必要性等から見まして、骨抜きになり過ぎていはしないかという気持さえもいたします。たとえば前の、この国会に提出され、継続審査になりました法案の中には、輸出振興のための輸出振興カルテルの規定があったが、今度の改正案にはそういうものはない。また輸出業者の登録制などの規定もありましたが、これも今度の改正案から落とされておる。非常に内輪に、遠慮して、独禁法関係のことに当局は非常に気を使い過ぎて、結局改正はするけれども、あまり役に立たない法律になりはしないかということを憂えますが、これまでの当局の改正案と比べて、今度の改正においてカルテル関係などの強化を緩和しておる点を、明らかに説明をしていただきたいと思います。
○今井(善)政府委員 ただいま御質問にございましたように、この改正案は、最初に出しましたのは三十二年の第三十国会でございます。そのときには輸出振興カルテルと称しまして、特定の業界において輸出品の生産が大部分を占めておるという場合におきましては、その輸出品のみならず、国内品もひっくるめて、一括生産調整ができるという規定があったのでございますが、今回の案におきましてはこれは削除いたしてございます。従って、それのかわりにというわけではございませんが、現在、現行法におきまして、生産業者の段階におきまして、輸出品だけにつきまして国内取引と申しますか、輸出品の出荷調整のできる規定がございます。これにつきましては、アウトサイダー規制命令がございませんので、今回の改正においてアウトサイダー規制命令ができ得るようにしております。この輸出振興カルテルをなぜやめたかということでございますが、輸出振興という見地からだけ申しますれば、これは何と申しましてもある程度効果もある仕組みであろうと思いますけれども、また他面におきまして、国内品をもひっくるめてカルテル行為を行なうということになりますと、その間行き過ぎになりまして、消費者に不利益を与えないかというふうな疑念も出て参りますので、その点はやめまして、とにかく現在輸出段階、輸出業者の段階におきましては、いろいろその協調態勢というものは整備されておりますけれども、生産段階におきまして、輸出品を出荷するという段階におきましては、どうもまだ規定が整備されていない。御承知のように日本の雑貨、繊維その他におきまして常に過当競争が絶えないわけでございまして、そのために海外に輸入制限運動を巻き起こして、いろいろ困難な事態をもたらしておるのでございます。その場合におきまして、単に輸出の段階だけでいろいろ足並みをそろえましても、この背後の生産段階におきましていろいろの過当競争がある。これが押せ押せになりまして、輸出の段階に波及して参るということになりますと、輸出の段階で幾ら整備をしようといたしましても、なかなか足並みがそろわぬという関係で、輸出の段階におきまして整備をしようとするならば、必要な場合におきましてはやはり生産の段階においても整備しなければならぬ。しかしその場合におきまして、やはり独占禁止法等の関係その他を考えまして、輸出品の出荷の段階だけ、これは安売りの直接の問題でございますので、従って生産業者が輸出業者に向いている面だけにつきましてカルテル行為を整備して、その他の輸出品の生産段階はもちろん、あるいは国内品の生産段階につきましては、この際輸出振興カルテル的な思想でやるのはいかがかと考えまして、あえて輸出品の生産段階の出荷の段階だけについて整備をした次第でございます。現段階におきまして、その段階についてうまく足並みがそろえば、この輸出品全体の過当競争というものはさらに減殺されまして、秩序のある輸出ができるのではないか、かように考えておる次第でございます。 それから、三十国会のときには輸出業者の登録制という制度があったのでございます。これは輸出について全然経験のない、しかも全然資力のない、その場だけの輸出を行なって、そのために秩序を非常に保ちにくいということにかんがみまして、輸出業界にある程度秩序を与えるという意味合いで登録制を考えたのでございます。この登録制は実はある程度厳格にやりませんと効果はないのでございますが、逆に申しますと、また厳格にやり過ぎますと、せっかく新たに輸出をしたいという気持をそぐことになるというふうな関係からいたしまして、今回の改正案につきましては、その点は取りやめた次第でございます。
○内田委員 今御説明のありましたように、前回あるいは前々回における輸出入取引法の改正内容から見ると、カルテル関係などの拡張強化についてはだいぶ後退をしてきておる。しかし、今日われわれ国民の一大関心事は、所得倍増計画とも並んで、先ほど述べましたように国際収支の改善とか貿易振興ということであります。御承知のように、最近の国際収支は、貿易関係等を中心とする経常収支の関係があまりかんばしくない。総合収支においてはもちろん黒字でありますけれども、これは長い目から見れば改善をいたすでありましょうけれども、やはり国際収支というものは貿易を中心とした経常国際収支の改善を基幹としなければならないことは言うまでもありません。そこで今度の程度の改正案で、貿易振興なり国際収支の改善に役立つ最後の線だ、こういうお考えでありましょうか。だんだん後退していって、今度の国会でもむずかしいようならば、こういう法案はなくてもいいのだ。あるいはもうこれだけは最低の線だから、どうしても日本の貿易関係の観点から必要だ、どういう考え方を持たれて出しておるか、その覚悟のほどを通産大臣から承りたいと思います。
○椎名国務大臣 国によっては、日本の輸出の相手国としては相当な市場である、しかし輸入の相手方としてはどうも適当でない、あまりにフレートの関係なんかが悪い、その他の、いろんな割高につくというような市場もあります。そういったような狂いを、今後自由化によって、つまり為替割当操作によってその間の調整をするということが非常にむずかしい。今通商局長からお話を申し上げたような輸出入業者の背後にある生産業者のいろいろな蠢動、そういうようなものによって、なかなかオーダリー・マーケッティングというものはできない。そういう問題のほかに、そういう特殊の市場というものも、今後開拓しなければならないというような状況もありますので、それらの問題を、正々堂々と国会の決議、承認に基づいてこの程度のことはやれるんだというふうにやるのと、これは改正せぬでも何とかごまかしてやれるんだということ、それはあるかもしれませんけれども、やはり依然としてごまかしであって、何といっても堂々たる大義名文というものがそこに出て参りませんと手がつかぬ。いろいろな制肘によって貿易行為というものが足がすくむ、そういうようなことが積もり積もって、大きな損害を来たしておるのではないか、さように考えるわけでございます。そういうので、独占の弊には絶対に陥らない、しかも日本の業界の特殊事情によってとかく足並みが乱れる、自殺行為になる、そういったようなことをあくまで正して、そうしてりっぱに国際市場において活動するようにしたい、その基盤を作るためには、この程度の改正はぜひとも必要である、かように考えておるわけであります。
○内田委員 この法律の改正案は、私どもの承知しておるところでは大ざっぱに言うと三つの関係を含んでおる。一つは輸出関係、一つは輸入関係、一つは輸出入の調整関係、こういうことであります。今輸出の話がすでに出て参りましたが、今度の輸出関係における改正は、お話の通り輸出品の国内の生産業者の協定に対するアウトサイダーの規制を可能にする道を設けるということが、主たる改正内容でありますが、この程度の改正で、つまり、これまでのような輸出振興カルテルの構想をやめてしまって、輸出品の生産業者の協定についてのアウトサイダー規制命令の設定程度で、輸出の振興なりあるいは日本の安値輸出、あるいは洪水輸出に対する調整が可能になって、そうして外国からの日本に対する差別待遇なり対日輸入の規制というような問題が除去できるものか。つまりほかの言葉で言うと、今度の改正というものは、積極的に輸出振興を含んでいるのではないので、むしろ消極的の面から、日本の輸出品が外国において差別待遇を食ったり、あるいは不当の取り扱いを受けることを防止するという線だけで、満足しているように見えるわけでありますが、そう解してよろしいのでありましょうか。
○今井(善)政府委員 この輸出振興は、市場によりましていろいろ対策が違うと思うのでございますが、特に先進国におきましては、日本の無秩助な輸出が向こうの産業に弊害を与え、そのためにいろいろの問題を引き起こしておるわけでございます。とにかく、先進国に対する輸出の基本的なにない手というのは、何と申しましても民間の輸出業者であり、生産業者であると思いますが、その場合に向こうの輸入制限、あるいはそれに基づくところの関税引き上げ、あるいは為替割当とか、わが方が出ていこうとすることに対して、向こうがかんぬきを入れて出させないということによりまして、輸出が出るべきものが出ないというケースが非常に多いわけでございます。この輸出の秩序を改めることによりまして、相手方の輸入制限を緩和し、そういう関税引き上げに至らさせないということが、やはり先進国に対する雑貨、軽機械あるいは繊維といったものにつきましては、一番大きな輸出を伸ばす道になると思うのでございます。今まで輸出段階におきましてはいろいろ手を打っておりますけれども、生産段階におきまして、あるいは中小企業団体法の商工組合等によりまして、できるだけ足並みをそろえておりますけれども、中小企業団体法の商工組合によれない場合がございます。ゴム底布くつだとか、木ネジだとか、いろいろなものがございますが、大きな商品としてはたとえばトランジスター・ラジオというふうなものがございまして、トランジスター・ラジオ等につきましては、相手方からいろいろ文句を受けておるわけでございます。トランジスター・ラジオにつきましては、現在輸出段階についていろいろ手を打っておりますけれども、やはり生産段階におきまして行儀をよくいたしませんと、どうしても問題が起こる。その場合に団体法の商工組合ではいけない。たとえばトランジスター・ラジオの生産段階におきまして、輸出品についての協定をしたいという場合にも、アウトサイダーの規制がございませんと効果がございませんので、協定をしぶるというような問題も、現に起きておる次第でございます。今回の改正によりまして、やはり先進国の市場に対していろいろ問題になっております輸入制限運動、それを押えるのにつきまして非常な効果がある、われわれはかように考えております。
○内田委員 お話の点はわかります。ただ国民の非常に心配しておる点がまだ若干ございますので、はっきりさせておかなければいかぬと思いますが、今度の輸出品のメーカーの協定におけるアウトサイダー規制の新設というものは、今のトランジスター・ラジオであれ、あるいはそのほかに金属洋食器とか、その他いわゆる洪水輸出が行なわれておるいろいろな品目について適用されるのでありましょうけれども、同じ品目でも、国内消費を対象とするものについてはアウトサイダー規制であるとか、そういうものは一切行なわれないのだ、同じ商品の中でも、輸出業者に販売される輸出該当品に限ってアウトサイダー規制をやるのだ、だから国内消費者は何らの影響がない、私は当然こう解しておるのでありますが、その点は私どもが今考えたように国内消費については心配はない、こういうふうに言い切れるのですか。
○今井(善)政府委員 結論から申しますと、その通りでございます。(「そんなことはないだろう」と呼ぶ者あり)私どもは国内消費者につきましては逆にむしろいい結果になるか、かように考えております。と申しますのは、現在の輸出品の生産メーカーの売り方と申しますか、これは非常に安売りという関係になっておりますので、場合によりましては不当に利潤が少ないとか、あるいは場合によっては赤字というふうな状態があるわけでございまして、国内で売る場合と輸出品に向ける場合と、その間に二重価格的なようなことになっておる場合が、間々あるわけでございます。もし輸出品につきまして安売りを防止する、できるだけ高く売ろうという努力をいたしますれば、それ相当の利潤がそこにとれますから、従って国内に今まで高く売っておりましたのが、むしろ安く売りやすくなる。企業としての利潤は総合的に考えればいいわけでございますから、輸出品について損をしておる、あるいは利潤が少ないということになれば、それがもっと改善されれば、国内品にもむしろいい影響がある、かように考えております。
○内田委員 私は大へんよくわかりますが、ただいま社会党の加藤君からその点の問題について疑義があるようでございます。これはもちろん一回の質問で終わるわけではありませんが、加藤君に関連質問としてその点をやっていただけば……。
○加藤(清)委員 きょうやらないでも、あとでゆっくり……。
○内田委員 それでは、きょうは時間がありませんから、輸入の問題に入りたいと思います。 輸入の問題では、今回かなり私どもの関心を持たれる改正が行なわれました。従来でも輸入業者の協定というものは、輸出入取引法上認められておったのでありますが、しかし輸入業者をして輸入せしめるところの、もう一つ下の段階にある国内の、需要者については、今の輸出の場合におけるメーカーの協定と同じような、需要者、また国民に対する販売の立場に立つ者、つまり輸入業者と国民に対する小売業者との中間に立つ需要者、販売者については協定が認められていない。そのために輸入業者の方に今協定を認めても、輸入業者は下から需要者にひもをつけられておりますから、競争輸入といいますか、相競って輸入することは、輸入業者としてはやるべきでないと思いましても、下からの需要者の圧力によって、不利だと思ってもやむを得ず高値輸入をするということが行なわれておりますために、今の輸出入取引法上の輸入業者の協定というものは有名無実であります。そこで今度の改正は、その一つ下の段階にある、輸入業者に直接つながる需要者の協定を認めよう、こういう改正が行なわれておると思うのでありますが、これが、場合によってそういうことをやると、結局国民が高いものを買わされはしないかという憂いが伴っておるようでございます。ここの関係をいま一度明確に説明していただきたいと思います。
○今井(善)政府委員 ただいまお話がありましたように、輸入業者の段階だけではなくて、むしろ背後にあります需要者がいろいろ競争をいたしますことによりまして、むしろ高く買い付ける可能性というものは、一般的にあるわけでございます。ところで、従来は、そういう場合におきまして需要者に外貨資金の割当をいたしまして、この需要をある程度セーブすることによりまして、輸入業界の過当競争というものを防ぐような仕組みでございましたので、従ってその間の弊害というものは、比較的前面に出ていなかったのでございますが、今後貿易の自由化が進むにつれまして、そういう過当競争が表面に出るという関係は非常にあるわけでございます。ところで、物の値段は、申すまでもなく買手と売手の需給関係、力関係によってきまるわけでございまして、自由化の際に、供給が非常に多い、どの国からでも交渉次第によって手に入るという場合におきましては、こちらに相当の需要がございましても、それはおのずから買う場合におきまして安いものを買っていくという関係で、それほど過当競争の弊害というものは出てこないわけでございますけれども、たとえばその品物が一カ国だけの特産品であるとか、あるいは相手国が非常な輸出制限、一手輸出をやっておるというような場合におきまして、こちらがばらばらでおりまして、そのために過当競争が起こりますと、非常に高いものを買い付けざるを得ないということになるわけでございまして、たとえばソ連から木材を買うというふうな場合におきまして、相手国の供給力も急にはふえない、しかも窓口は一本でいっておる。こちらの態勢といたしまして輸入業者が非常に多く、あるいは木材の需要者が非常に多いという場合におきまして過当競争によって値段をつり上げられる、足元を見すかされるというふうなことがございます。従いましてさような相手方が売り手独占、あるいは協定でもって買わざるを得ないというふうな限られた場合におきまして需要者に協定を結んで、そして需要者が結束して高いものは買わないという約束を履行することによりまして、安い原材料を手に入れて、結局それは消費者にとりましては安いものが回っていく、決して消費者には迷惑はかけないというつもりで、この需要者の協定を一定の要件を備えた場合に認めることにいたしておる次第でございます。
○内田委員 今の御説明の点につきましては述べられた限りにおきましてはわかります。まだ私もこれについては質問がありますが、先ほど委員長からお話がありました他の法律案、割賦販売法を小委員会へ付託することについて、同僚の中村君から付託前に、最後に本委員会において質問があるそうであります。時間の関係で中村君に私の質問を譲りまして、私は次回にこの輸出入取引法の改正案の質問を続けたいと思いますので、きょうは私の質問は中断をいたします。 ————◇—————
○中川委員長 それでは割賦販売法案を議題として審査を進めます。 前会に引き続いて質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 割賦販売法案は小委員会で詳細に審議することになるわけでありますが、幸い大臣がおられますので、大臣におもな点を二、三御質問いたしておきたいと思います。 一番問題点となりますのは、先ほど機械割賦の信用保険の問題で所有権の移転の問題、所有権の留保の問題ということが、一応問題になってきたわけであります。私どもも小委員会でこれを審議します場合に、この点が相当重要な点であると考えておるのであります。なおまた前払い式割賦販売が運用いかんによりましては、割賦法案の冒頭にいろいろ質疑をいたしましたように、大企業が中小企業を圧迫するという形が露骨に出てくるのではなかろうか、このように考えておるわけであります。 まず前払い式の割賦販売に対してはどのように考えておるか、どのような業者を指定し、またどういう運営をさせようとしておるのか、まずそれらの点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○松尾政府委員 前払い式割賦販売として現在行なわれておりますのは、御承知のようにミシンとかあるいは毛糸の手編み器、こういうものについて、その利用されておる範囲は、あまり広くはないと思いますが、そういうものについて行なわれておるようであります。この前払い式割賦販売の場合の特徴は、御承知のようにあらかじめ代金の一部を前取りして、その代金は当然販売業者の方が預かりまして、ある時期がくれば現物を渡して、商品を渡して、あと残りの代金を取り立てるという式になっておるところに特色があるわけでありますが、そういう意味で、その前払い式割賦販売業者が商品を渡す以前に、一部の代金を預かっておるという状態でございますので、その場合にその前払い式割賦販売業者の資産信用等に、かりにあやまちがありますと、消費者の方は前払い金だけを預けて商品の入手について危険がある、そういう角度からの消費者の保護、そこに重点を置いてこの部分に関する規定をされておるつもりであります。 なお大中小企業との関係でございますが、これも現在の状態は御承知と思いますが、ミシンの前払い式割賦販売等につきましては、これはミシン・メーカーが別に商事会社を作りまして、そこで面接前払い式割賦販売をやっておる形態が若干ございます。これはおそらく割賦販売の場合において、比較的大きな規模で、大企業という言葉が当たるかどうかわかりませんが、比較的大きな規模の企業体が前払い式割賦販売をやっておる例であると思います。しかし同時にまた非常に零細なミシン販売業者が、前払い式で割賦販売をやっておる例もございます。そういう意味で前払い式割賦販売の場合には、御指摘のように大企業と中小企業との関係という問題は、この法律の規定しておる趣旨と直接関係はないかもしれませんが、実態としてそういう問題はあると思います。先ほど申しました趣旨で、消費者保護のためには、供託金その他ある程度保証をするわけでございますが、大企業の場合には営業所ごとに供託金をとりますので、当然大きな規模でやっているものには供託金は多くなる、小さい規模の場合にはこの供託金は少なくなるし、ある一定規模以下のものは供託金そのものの制度も免除をいたしておる、こういう配慮は今の中にも入っておるわけでございます。
○中村(重)委員 前払い式割賦販売が今のようにミシンであるとか、あるいはピアノであるとか、現在のような程度でこの後も続いていくということであるならば、この前払い式割賦販売の影響というものはさほどないと思う。しかしただいま局長が、大企業が商事会社を作っているのだ、こうおっしゃった。そのことなんです。実は今大企業の購買会というのが商事会社に切りかえて第二会社的にずっと切りかえてきた。こういうことが何をねらいとしておるか、どうしてそういう方向に切りかえていったのか、このことを一つお考えになったことがございましょうか。
○松尾政府委員 今御指摘のございました点は、私具体的な事例としては十分承知いたしておりません。大企業が購買会を別会社にして云々という点は、その大企業がみずから作っておる商品の売りさばきという意味でございますれば、ミシンの例はその例に当たると思います。従業員のために購買会云々という点は、私はまだ詳細存じておりません。
○中村(重)委員 実は大企業が購買会を持っておる、それがずっと商事会社という形に衣がえをしつつあるわけです。これは割賦販売法が制定された暁におきまして、いわゆる登録業者という形に必ず登録をしてくるということになることは、多分に予想されるわけです。今個別割賦というものがどんどん行なわれておる。そういう際にその代金の一部とか、あるいは全部を前払いをするというようなことは考えられない。そういう人はごく少ないと思う。しかしこの前払い式を巧みに利用して、有利に消費者の喜ぶような形にやり方をかえてくるという場合は、前払い式に消費者は飛びついてくるということが必ず起こってくる。私はこの前払い式を大きく期待しておる大企業があるのではなかろうか、このように考えておる。実は今電気メーカーは前払い式ということよりも、ほとんど個別割賦という形でやっておる。ところが今度登録制度になってくるわけですね。資本金の額が問題になって参ります。その他法案にありますように前払い式のいろいろの要件を満たしてこなければなりません。そうしますとこれを認める、認めぬは通産省が決定するわけなんです。これは出資金、資本金を幾らにするかということは明文はここではございません。一応資本金というものもございましょう。あるいは百万円で通産省が認めるのか、この点もまだつまびらかではございません。私どもはこのような点からも、審議会制度の必要ということを強調しておるわけなんですが、この点は小委員会で十分各委員と通産省をまじえて検討して参りたいとは考えておりますが、たとえば電気洗たく機の例をとってみますと、電気洗たく機は今大体二万四千円前後であろうかと思っております。ところがこの電気洗たく機の実際の原価はどのくらいかといいますと一万二千円見当なんですね。残りの金額は、メーカー、総代理店、県代理店、小売店、消費者、こういう形のいわゆる中間経費というものにとられていくのです。これが登録制度ということになって参りますと、こういう中間的なものをなくしてしまって、そして一万二千円にプラス利益五千円という形で一万七千円でこれを売り出したとする。そうなって参りますと消費者は飛びついてくる。ほかの業者が競争しょうとしても、登録制度でございますので、どうにもすることができません。個別割賦業者というものは開店休業、お手上げという形が出てくる危険性がないとは言えない。こういうように前払い式の割賦販売の及ぼす影響は、あなた方が考えておられる以上に、必ず商売人に巧みにこういうことを利用してくるということが考えられる。私は決してこういう面では悲壮感的にあまり深刻に考えて言っておるのではありません。当然商売人、事業家というものはそういう方向へ出て参る。そうするとこの法律ではそういうことを規制することができない。こういう形になって参りますが、そのようなこの法律制定の結果が及ぼす影響ということをお考えになったことがあるのかどうか。今あなたの御答弁を伺っておりますと、ミシンであるとか、そういうようなものだとか、現在の時点だけをとらえて、この割賦販売法制定の暁に及ぼす影響、こういうことがどのように利用されてくるのか、こういう点はあまりお考えになっていらっしゃらないように思う。そういう点が私どもは不満というか、私どものこの法制定に対する考え方と、今あなたがお考えになっておられる考え方とはだいぶん違うのです。このようなことに対して通産大臣はどうお考えになられるか、まず伺ってみたいと思います。
○椎名国務大臣 御指摘のような事実があるいは起こってくるかもしれませんが、いずれにしてもこの制度を施行して、一体どういう反応が現われてくるか、現に割賦販売制度というものが行なわれておりますけれども、この制度によって新しく前払い式の割賦販売に即応して、特定の資力、信用ありと認められるものが登録制度とともに登場してくるわけです。それが消費者にとっていわゆる販売の合理化となる面も大いにある。一面においてはまた中間段階が淘汰されるという現象にもなる。それらの問題に実際当面してどういうような政策を次に打っていくかということは、慎重に考慮しなければならぬ問題だと考えます。ただしかし、あまり急激に中間の小売商に大きな打撃を与えるというようなことも、そう急に起こってくるものでもないと私どもは考えるのですが、そういったような状況につきましては細心の注意を払って、またこれに対する対策を考えていきたい、こう思っております。
○中村(重)委員 法律は朝令暮改というわけにはいかないのです。今そういうことは起こってこないだろう、それで実際やってみたところが、二、三カ月しますと、今通産省がお考えになっておられることとはだいぶん違ってきた。取引秩序というものは非常によくなってきた、弊害は少なくなった、こういうことは認めるが、違った意味においての弊害が非常に起こってきた。これが経済上、あるいは中小企業と大企業、消費者、そういった社会政策的な大きな問題点になる。こういうようなことが起こってくるということになりますと、今直ちにそれでは法律を変えようというような、そう簡単にも参ることではございません。そういうところの問題が非常に大きいのではなかろうか。 それから私の質問に対して松尾局長は、耐久性のある商品の指定、これは政令で定める、現在行なわれておる割賦販売、いわゆる月賦で売られておる品物は、大体指定するのだとおっしゃった。ところが割賦販売がここでずっと推進されて参りますと、現在は割賦販売を中小企業等は行なっていない。いないけれども、そういう割賦販売がずうっと伸びて参りますと、消費者がみんなどうしても割賦販売に引きずられていく。こういうことになって参りますと、割賦販売をやらなければ成り立たない。ところがなかなか改定ができないということになって参りますと、その面からも問題になってくる。たとえばガラスの例をとりますと、割れるガラスよりも割れない旭ガラスの方が耐久性がある。そういうことで、こういうものを耐久性があるとして指定するということになってくると、これはまた中小企業が圧迫されるという形が出てくるというように、そう弊害がないと言えるほど簡単ではありません。お役所が考えておるように商売人はそうのんきではない。そういうことを私どもは小委員会でもつぶさに掘り下げて、修正するところは修正していかなければならない、このように考えておるのですが、通産省としてもその点は十分お考えになって、小委員会ではほんとうにまる裸になって、これから先法律を作り上げていくのだ、こういう気持で取り組んでいただきたいと考えておるわけであります。 なお、所有権の留保の問題なんですが、この点も罰則というところまで及ぼして参ります、こういうことで大臣の意向を伺っておきたいと思います。所有権の留保の推定というのは、的根拠からいたしましても、現実の面からいたしましても、非常に無理だろうと思うのです。先ほども信用保険の問題でいろいろと議論がございましたが、無理だからそういうことになるのです。欧米諸国の中で所有権留保の推定をやっておるのはイギリスが一つあるわけですが、このイギリスの例を見ましても、これは賃貸契約になっておるのです。ところがこれでは賃貸契約という形をとろうとしておりません。物を売った、その売った品物の所有権は、まだ販売者側にあるということであるならば、その間は賃貸契約で使用料とかなんとかいう形式でなければ、法的におかしいと思う。業者が希望するからというので、所有権の留保の推定という形にしておるのですが、これはかえって悪い結果を生むのではないかと私は思う。時間の関係もありますので一問一答的なことをやめまして、意見を申し上げて御答弁を伺うのでありますが、所有権の留保の推定は販売者側が心理的にこれを利用するのです。安心感を持つのです。所有権留保の推定があるから物を売っても大丈夫だというので、あまり信用調査等もしないでじゃんじゃん物を売っていく、そういうことで購入者側と問題を起こす。トラブルはかえって起こってくる。ついには力と力の対決なんです。そういうことが起こって参ります。いわゆる自力救済の問題とか、家宅侵入の問題とかなんとか、そういうことが起こって参りますから、そういう無理な所有権の留保の推定ということをやらないで、物を売ったら、担保の形式をとって、遅滞したならば直ちに解約をする、そうして物を返還させるというようなそういう形式にしておかなければこれは非常に問題が起こる。これは心理的にはどうしても買った方が、借りておるのだ、自分のものではないという心理的な効果をねらうということで、結果は逆である。むしろ私が今申し上げたように、業者自体、販売者側の心理的な関係というものにかえって問題を起こしてくる。現実には非常に無理だ、法的にも非常にあいまいだ、こういうように私は考えるのでありますが、そういう点を前から問題にしておりますから十分研究しておられると思いますが、どうなんですか。
○松尾政府委員 所有権留保の推定の実際の運用にあたりましては、ただいま御指摘のようないろいろ具体的なケースについて問題があるだろうということは、私どもも十分懸念しております。ただ問題は、御承知のように、現在割賦販売が行なわれております通常の場合には、善良な販売業者と善良な消費者との間に、そういうトラブルはないのでありますけれども、トラブルがあるのは、いずれかの方に悪意なり、その他必ずしも善良でない態度がある場合に問題があるのであります。現状ではそういう場合に、どちらの方によけい悪いことがあるということは一律に申し上げるわけには参りません。この法律の規定全体は、もっぱら消費者保護の方に中心を置いておりますけれども、まま悪意の、つまり善良でない消費者がありまして、しばしば新聞等でもそういうことが伝えられておりますように、詐欺的な問題まで起こる場合がございます。そういう場合にそれを予測して、かりにそういう善良でない購買者による割賦販売業者の焦げつき費用負担等が、善良な購買者の方に転嫁されないようにという配慮から、この規定は確かに販売業者の保護規定でございますが、その趣旨をどういうふうに根本的に生かすかという点は、またよく御意見を伺いまして調整をしたいと思います。
○中村(重)委員 時間が参りましたので打ち切りますが、ただいまの御答弁も非常に効果がないと思うのです。これは悪意でじゃんじゃん物をとって、払わぬときには取り込み詐欺で当然刑事罰なんですね。物を買うた、それを今度は人に売った場合、買うた側が善意無過失の場合は、この品物は返還させることはできないのです。それから購入者も自分は払う意思があるんだというので、そういう意思を持っておってほかへ売った場合は、これは横領罪にならないのです。何も効果はありません。かえってトラブルを起こすばかりだということになると思う。こういう問題は小委員会で十分一つ検討いたします。大臣も、小委員会に出られることもまずないと思うのでありますが、いろいろ問題が多い法律です。大臣が言われたように、よりりっぱな法律を作り上げるという意味で、特に一つ御配慮を願っておきたい、このように考えております。
○中川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十六日火曜日午前十時より理事会、同十五分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時二分散会 ————◇—————