商工委員会 第32号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/10
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 綱島正興君外七名提出の離島振興法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。
○中川委員長 まず、提案者より趣旨の説明を聴取することにいたします。二階堂進君。
○二階堂議員 離島振興法の一部改正案の提案理由を説明いたします。 離島振興法は、離島の特殊事情による後進性を除去するための基礎条件を改善し、かつ産業振興法に関する対策を樹立し、もって離島民の経済力を培養し、その生活の安定と福祉の向上をはかり、あわせて国民経済の発展にも資するため、昭和二十八年七月二十二日法律第七十二号として制定されたのであります。自来数次に及ぶ一部改正をいたしたのでありますが、このたびもまた左の点で一部改正をいたしたいとするもので、ございます。 一、従来は一定離島の全域を離島振興法で指定していたのでありますが、必ずしも全域を指定せずともその一部を指定するをもって足りるものは一部を指定することができるように改正しようとするものであります。 二、第九条第五項は、離島の市町村が簡易水道を布設するときに国は十分の三・五以内の補助を市町村に与えるというのでありますが、離島の水源が乏しいものが多くなりましたので補助額を十分の四と改めるものであります。 三、離島審議委員の数を三十名以内とあるのを三十一名以内とし、北海道開発事務次官をこれに当てようとするものであります。 四、別表(三)道路の新設及び改築に対する補助を従来三分の二であったものを四分の三に改定しようとするものであります。 以上が離島振興法の一部改正案提案の理由でありますが、何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。
○中川委員長 以上で趣旨の説明は終わりましたが、本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○中川委員長 次に割賦販売法案及び機械類賦払信用保険臨時措置法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。 前会に引き続き質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 それでは、大臣が見えぬようでありますから、政務次官並びに松尾局長にお尋ねをいたしますが、割賦販売法案について先日来の質疑に対する大臣並びに松尾局長の答弁を聞いておりますと、この割賦販売法案の法制定に伴って割賦販売が伸びてくる、この事実に対して特に耳をおおうというような感じがしてなりません。健全な発展を期待するんだ、しかし特に成長というものをこの法律によって求めようとは考えていないんだ、こういうことであります。なるほど、現在の割賦販売というものによりまして、いろいろ販売者側と購入者側との間にトラブルが起こっておる。その取引の秩序を公正にするということ自体は私どもも否定はいたしません。しかし、現在割賦販売が世界各国ともに伸びてきておる。特に日本がそうした諸国と比較いたしまして割賦販売が近年非常に伸びてきておる。この法制定によって、特に伸びが期待され、その伸びが単に取引秩序を公正にするということによって、また違った面からの弊害が起こってこないということであるならば、一応この取引秩序法というものを制定をして、その次に政策的なものを考えるのだということはわかります。しかし、この法制定というものがより割賦販売の伸びということになりまして、違った面からのいろいろな弊害を生じてくるということ、これは何人も否定することのできない事実だと思うのであります。その面に対する政府の考え方がここではっきりしていない、非常に積極的に取り組んでいこうというような意欲が示されていない、こう思うのであります。私どもは、この法案の審議にあたっては、先日も申し上げましたが、現在の時点のみによってこれを審議していくということはとうていできません。次に起こってくる弊害にはどう対処していくのか、その弊害というのは、具体的に申し上げれば、これは先日も繰り返して申し上げた通りでありますが、大企業と中小企業の関係というものは当然生じて参りますし、それから大企業のいわゆる系列化に伴って、その系列化によって大企業から保護されていく中小企業と申しますか小売商は、この割賦販売法案による一つの有利性というものは起こってくるでありましょう。しかし、そういう保護されるというような立場にないものは、この法律制定によって割賦販売が伸びて参りますならば、その圧迫が当然起こって参ります。そういうものに対してどう対処していこうとするのか、その点を明らかにすることがこの法律案の審議にあたって絶対に必要である、このように考えるのであります。その面が大臣並びに松尾局長の答弁を聞いていましても、日本はまだそこまでいっていないので非常に困難であるとか、将来は考えようというような積極的なものを一つも見出せない、こういうように考えるのであります。従いまして、一つもっとはっきり政府の態度を明らかにしてもらいたい。そういうことでこの法案の審議の促進をはかるように、私は政府自体が取り組んでいかなければならないんだ、このように考えるわけであります。所得倍増計画というものによって設備投資が非常に盛んに行なわれてきている。設備投資の面だけ申し上げますと、すでにもう十年の後に予想されておったような設備投資が生じてきている。この設備投資が勢い大量生産という形になることは間違いございません。その大量生産されたものは当然大量販売という形に発展して参ります。そのためにはマスコミによるところの宣伝というものが当然起こってくる。そうなりますと、必然的に割賦販売というようなものが業者によって大きく期待され、利用されていくということは間違いないわけであります。そのような場合には、消費者はそうしたマスコミの宣伝によって——先日も通産大臣は買いたい、買いたいという一念からこれを買うのだということを言っておりましたし、労働白書を見ましても、実際の収入と比較すると無理な購入をやっているという事実は、否定できないというようなことを明らかにいたしておりましたが、すでに政府自身が割賦販売によるところの弊害と申しますか、いわゆる消費者のオーバー消費というものを認めておる。こういうことでありますので、そうした面に対して、いわゆる消費者大衆と大企業と中小企業者との関係がどうなっていくのか、この法律の制定にあたってそのような見通し、これに対処する態度、そういう点を明らかにしてもらいたいと思うのであります。
○始関政府委員 割賦販売はただいまお話のように消費者の利便という点から申しましても、今後だんだん大量生産に向かいますわが国工業の国内における販売市場を拡大し、安定するという点から申しましても、望ましい一つの状態でありまして、諸外国に比べましてわが国の現状はまだおくれておりますけれども、ただいまお話の通りだんだんと割賦販売の量がふえて参るであろうというふうに私ども考えまして、その間における法律的な諸問題を明らかにして、主として消費者を保護したいという点から、この法案が提出されておるわけでございます。なお将来割賦販売の行き過ぎによりまして、消費者が実力不相応に物を買うようになるのじゃないかというような状態が起こって参る、いや現に起こっているというお話もございますが、その際にどうするかという点につきましては、今回の法案には触れておりません。ただ考え方といたしましては、アメリカその他でやっておりますように、割賦販売が行き過ぎまして、これによって景気の過熱を来たすというような場合におきましては、やはり頭金の割合を多くするとか、期間を短くするとかいったようなことを、今後考えて参ることができると思うのでございまして、これらの点は実情に応じまして今後考えて参りたい。 なお中小企業と大企業との関係でございますが、ただいま御指摘のように中小企業の中にも大企業との密接な関連がございまして、そのままの形で割賦販売制度をうまく利用していくことができるものもあり、そうでないものもございまして、その間にいろいろとトラブルが起こるのではないかという御指摘でございます。あるいはそういう心配もあろうかと思いますが、これらの点は今後実情を十分に把握しながら検討いたしまして、この対策を樹立して参りたいと考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 頭金とか販売期間の調節というものは、むしろ景気の過熱あるいは沈滞という場合の景気調節という場合に当然考えられてくるでありましょうし、そういった対策はとられてくると思うのであります。そういう面も当然明らかにしてもらわなければならないわけでありますが、私が申し上げておるのは、それよりもこの割賦販売によって資金量が非常に増大をしてくることは間違いありません。そうすると大企業というものは資金的な関係というものはそう心配は要らない。これの系列下にあるところの小売商というものも資金の心配はない。割賦販売になりますと、当然競争状態ということになって参ります。そうなると勢い販売の競争状態は資金の量の競争状態になる。中小企業なかんずく弱い零細企業は太刀打ちができない。当然これは淘汰されてくるという形が出て参る。将来そういうものが起こってきたならば実情によって考えるんだとおっしゃる。しかしこういう法律を作ったならばどういう結果が生じてくるのか、このことをこういう法律を出す以上はお考えになっておると思う。その場合こうするんだ、こうしていかなければならないんだ、そういう態度をもっと明らかにしてもらいたい。
○始関政府委員 ただいま御指摘の点はごもっともなお話でございまして、私どもといたしまして今この席ではっきりした対策をお答え申し上げるわけに参りませんが、御指摘のような情勢がだんだん起こって参るといたしますれば、中小企業が割賦販売という面で、大企業あるいはその系列下にあるところの中小企業との競争上太刀打ちができないという事態を救いますためには、やはりそういう面に対する割賦販売の金融というものを制度的にも考えて参らざるを得ない。そういう面を目指しまして検討を進めて参りたいと考えております。
○中村(重)委員 割賦販売に伴って、金融措置の問題とかあるいは信用調査の問題であるとか、あるいは税制上の優遇措置の問題であるとか、当然対処していかなければならないいろいろな問題点に対しては、前にこの割賦販売法が提案されて議題になったときに、各委員からそういう面に対することを十分指摘された。それに対するところの考え方というものを、当然明らかにするように要求されておる。それ以来一カ年間、再度この法律案を御提案になったならば、そういう委員の指摘に対し、要求に対して、そういう必要がないのならない、こういうことをもっと系統的に説明し、こういう形に発展していくんだ、だからそこまで対処する必要はないんだということをもっと明らかにして、再度の法提案という形になるべきだ。しかし全く独善的というのか、初め御提案になったときの内容を一部変えて再提出をしておられる。一番大きな問題点というのは、提案理由の説明の中にも明らかにされない、質疑に対しても、そういう面に対して明快なる一つの見通しに対するところの考え方というものを明らかにしておられない。今の政務次官の御答弁というようなことであっては、この法制定に伴って当然チケット販売業者であるとか、あるいは大企業であるとかいうものが大きく期待し、この法制定と同時に相当活発な動きを行なうであろうということを考える場合、それによってそうしたもろもろの問題点というものが、必ず起こってくるということを考えてみますとき、今の答弁の内容によりましてはどうしても納得いきません。金融的にはどう対処していく、あるいは大蔵省といろいろな折衝をなさったならば、こういう折衝をしたんだけれども、どうしても大蔵省がこれに対して応じなかったなら、それならそのように明らかにしていってもらわなければならぬわけであります。もう少しそうした過程においての折衝というものがあったかと思いますので、そのような点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
○松尾政府委員 ただいままでに御説明をいたしましたように、この法案自体は秩序法でございますけれども、同時に割賦販売が今後経済の自主性に従って伸びていく際にいろいろな問題が起こるであろう。今御指摘のありましたような点は、そういう点に重要な問題があるということはよく承知いたしております。ただその際に、今中小企業との関係を例にあげて、そういう場合に対処する対策があるかという御質問、御意見であると思いますが、それらの点につきましては、この法案の要点を論議してもらいました産業合理化審議会の流通部会におきまして、昨年の二月にこの法案の要点の答申があったのでありますが、その後引き続き割賦に関しての派生的な問題と申しますか、税法上の問題、信用調査の問題あるいは割賦に伴ってのいろいろな危険保険の問題、こういう問題につきまして、昨年の二月以降約十回にわたりまして検討を続けて参りました。実はそれの最終的な結論というところにまだ至っておりませんけれども、税法上にはこういうところに問題がある。信用調査機関としては、これはまた各業種別にいろいろな事情があるようでありますが、こういう点に問題があるということは、相当程度検討して参りました。ただその中で、今特に御指摘のございました中小企業について、資金面で非常な不利な立場に立つことのために、大企業との間に割賦販売が今後伸びていく際に、さらに不利な立場に陥るのではないかという点は、一般論としてはそういう論議も当委員会で議論されましたけれども、実は先ほど申しました税制の問題とか、信用調査の問題は割賦販売に伴う特殊の問題であります。しかし割賦販売を含めて中小企業の面に金融が十分つくかどうかの問題は、これは割賦販売特有の問題というよりも、むしろ中小企業に対して全体に資金が十分行き届くかどうかという一般問題に最終的には帰着するわけであります。そういう意味で、金融の問題につきましては、この小委員会ではあまり突っ込んだ検討はいたしませんで、むしろ中小企業金融全般の問題だとかいうような論議であったかと思いますが、しかし税の問題それから信用調査の問題等は、これは割賦に伴う特殊の問題でございますので、従来十一回にわたりまして検討されました結果は、さらにその取りまとめの段階に現在入っておると思います。それらの点をあわせまして、今御指摘のような点は、今後の問題としてこの法案の実施と並行して、実態的に問題がある点でございますので、私どもも今後の検討をあわせまして善処して参りたいと思います。
○中村(重)委員 中小企業対策というのは、金融の問題はこの割賦販売に伴う金融措置ということだけでなくて、中小企業、なかんずく零細企業の金融対策を講じなければならぬ。これはその通りであります。ところが設備投資によって大量生産した商品を輸出に回すという場合、どうしても国内市場がクッションになってこなければなりません。それならば結局国内市場の確保、こういう形になってくるわけであります。現に電気製品等を見ましても、国内市場が割賦販売ということによって相当確保された。その結果は大量生産、生産費のコストの低下、こういうことで東南アジア方面にも相当電気製品が出ておる。その国内市場の確保には勢い割賦販売が不可欠の要因になって参りました。そういうことになって参りますと、当然割賦販売という特殊な形態の中における金融措置は特に考えなければならぬ。少なくともこの法律案を御提案になるということにあたっては、相当お考えになったはずであります。これは税制上の問題あるいは保険の問題といったような問題は、割賦販売に伴う直接的なものであるから、この点はいろいろ検討して今取りまとめの段階にあるのだということですが、どういう形のものか、もっと具体的に聞きたいと思います。ところが金融上の問題自体も、そういう面から直接的な関係というものが起こってくる。少なくともそういう面に対してはもし検討してないのだ、直接的なものでないとおっしゃるならば、非常に私は認識不足だというのか、あるいは熱意がないというのか、全くそういう答弁では満足できないのであります。そうした面における私どもが最も回避しなければならない大企業と中小企業の系列化、二重格差、それから大企業の系列化に伴うところの零細企業の圧迫というものが当然起こっておるし、また起こって参ります。そういう面に対してはもっと具体的にどうしていこう、こうしていかなければならない、そういう点についての考え方を、もっと明らかにしていただきたい。取り組む態度というものを、もっと私どもが納得いくように一つ明示していただきたいと思うのであります。
○松尾政府委員 先ほど申しました流通部会で引き続き今御指摘の割賦販売に伴う金融措置の問題、消費者信用調査の問題、税法上の問題等の審議の経過は、これはまた別途御説明する機会があると思いますが、ただ具体的にこの際割賦販売に伴う特殊の金融措置について特殊の何か具体的なことにつきましては現在まだ十分の成案を得ておりません、得ておりませんけれども流通部会におきまして先ほど申しましたように、昨年以来引き続き検討を続けておりますので、そこでさらに具体的な問題に立ち入った審議をしていただきまして、早急にその結論を取りまとめた上、その実施方向に進んで参りたいというのが、今後の私どもの考え方でございます。
○中村(重)委員 割賦販売法を制定するにあたっては、消費者の立場あるいは販売者側の立場それから中小企業の立場、そうしたおのおのの立場から検討されてこなければならないと思います。そうしますとこの割賦販売が消費者の立場からどういうことが問題なのか、それから販売者側の立場からはどういう点が問題にされなければならないか、ただいま申しましたのはいろいろな大企業の圧迫あるいは系列化によるところの中小企業の圧迫あるいは割賦販売に伴います過当競争といったようなもの等が出て参ります。そうした面からの中小企業の立場、これに関連してのおのおのの立場というものが考えられなければならぬわけであります。そういう面からどのようなことが検討されたのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○松尾政府委員 特に今金融の問題についてのお話が中心であると思いますので、その点について御説明を申し上げますと、まず流通部会におきましては、現在割賦販売に伴う資金の供給と申しますか、流通等がどういう形で行なわれておるかということの検討から始まっております。現状では、御承知のように割賦販売にはいろいろな形がございますので、そのそれぞれの形に応じて、どういう資金調達が行なわれておるかということでありますが、たとえば自動車の場合、あるいは電気器具の場合のように、メーカーの側からある程度資金を供給するような形で行なわれているものが一つ大きな形としてあると思います。さらにそうではなくしていろんな商品を月賦で売っておる、いわゆる月賦百貨店式のものがございますが、これは一部自己資金のほかには、ある程度手形の形で融通されておるのが、従来の形であるというふうに言われております。さらに非常に小さな一部前払い式の月賦のようなものになりますと、これは資金の量も非常に小さいと思いますが、大部分が自分の資金のやりくりでやっておるというようないろいろな形があるようでありますが、今御指摘の、特に中小の割賦販売業者のために資金の融通が問題になりますのは、おそらく月賦百貨店と言われております。零細ではないと思いますけれども、中以下の割賦百貨店に特に問題が多いと思います。先ほど申しましたメーカー系列に入っております割賦販売業者は、それぞれその系列から事実上の融資を受けておりますが、独立した月賦百貨店についての金融は、中小企業金融全体の問題とも関連いたしまして、円滑な資金調達ができるようにという配慮が必要であると思います。現在まで流通部会で検討されました点は、現状でどういう資金の調達が行なわれておるか、そして特に現在資金的に困難な面はどこにあるかというところの検討までしか参っておりませんけれども、先ほど申しましたように、最終的には中小企業金融全体の問題と組み合わせて資金調達の方法を、特に考えていく必要があるだろうというのが、現在まで私どもが考えております一般的な考え方でございます。
○中村(重)委員 金融上の問題は、たとえば割賦販売信用金庫であるとかいうようないろいろなものが考えられなければならぬと思います。それから税制上の問題というのは、販売者側の立場という点から、取引秩序をよくするということ以外に、政策的な立場から考えらなければならぬ。先ほどいろいろ検討されておるということでありましたが、まず租税特別措置法という形においての貸し倒れ準備金であるとか、あるいは利益到達主義で課税の対象にするのか、そうではなくて、すでに販売された実績主義というような形において課税の対象にするのか、そうしたもろもろの問題というものも検討されたと思うのでありますが、まずそういう面を一つ明らかにしていただきたいと思います。
○松尾政府委員 割賦販売の税の問題につきましては、今御指摘のございましたように、まず税法上の面から、いわゆる売掛金が現実に損益がはっきりした場合にということにするのか、あるいは売掛金をそのまま、企業の代金回収が実現しないうちに、もうすでに税の対象になるのかという点は、割賦販売の点で一番重要な点であります。業界の方からもこの点について特に要望もございますし、これも一番重要な点として流通部会で問題にされております。 それから貸し倒れ準備金につきまして、さらに進んでは物品税の問題等についてもいろいろ意見が出ておりますし、さらにチケットに関する印紙税の問題につきましても、現状よりも、もう少し割賦販売の優遇策と申しますか、今後の対策として優遇する方法はないかという点が問題として指摘されておりますが、現状ではそういう成案をもって直ちに大蔵省と交渉するというところまでは、まだ進んでおりません。もう少し流通部会としても検討の結果を整理をして、その上で大蔵省との折衝に入りたいという考えでございます。
○中村(重)委員 大企業と中小企業、それから大企業の系列下にある中小企業とそうでない中小企業との関係、こういうことによって相当問題が派生してくると思うのでありますが、そういう面に対する調整というか、あるいはチェックをするという何らかの検討が行なわれなかったのか、まずその面をお伺いいたします。
○松尾政府委員 現在割賦販売を行なっております割賦販売業者の実態は、一応私たちの調査はできておりますが、今御指摘のように、割賦販売の中で大企業と中小企業という区別をかりにいたすといたしますと、現在の割賦販売業の大部分は当然中小企業であると思います。むしろ大企業といわれておりますのは、いわゆる大メーカーが自分の商品を売りさばくための商事会社を別会社で作っておるという場合が、いわゆる大企業の部類に属するものであろうと思います。御承知のように、たとえば、自動車でありますとか電気器具でありますとか、あるいはミシンでありますとかというものがいわゆる大企業であると思います。そういう大企業が直接割賦販売をやっておる場合ももちろんありますけれども、それよりは実際にはそういう大企業の別商事会社が中小の販売業者を自己の販売ルートとして使う、そしてそれにある程度売掛代金という形で資金の融通もしながら、割賦販売をやらせるというのが大部分であります。ただ先ほど申しましたように、ミシンの例で申しますと相接割賦販売をやっておる例もございますけれども、割賦販売の場合には、大部分が零細企業ではないまでも、中以下の中小企業者だということが客観的には言えると思います。従いましてそういう問題に対して、先ほど来お話しのように、そういうものに資金の融通が十分行かないと中小企業の立場が非常に苦しくなることは当然であります。先ほど申しました大企業の系列で資金の融通が若干でもできるものも、その分まではある程度事業の運営ができると思いますが、それだけではもちろん足りません。当然別途金融機関から自分の割賦販売についてのいわゆる寝かし資金の融通を受けなければならぬということでございますので、そういう意味では確かに割賦販売の大部分を占める中小企業者については、金融問題は重要な問題でございますので、前の国会論議の際にも、この点で特にその辺の措置を十分考えるようにという御指摘のありましたことは、先ほどお話しの通りであります。 〔委員長退席、岡本(茂)委員長代理着席〕 そういうことで直接議論を進めて参りますと、それならばそのための特別の金融機関を作ったらどうかという意見になるのかもしれませんが、現状では私たちは議論がまだそこまで行っておりませんで、むしろ中小企業金融全体の問題として資金の融通を考えるべきだ、特別の金融機関をそのために作るというところまでは、まだ現在の論議が至っていないという実情でございます。
○中村(重)委員 デパートの割賦販売進出でありますが、これは百貨店法によって規制をされておる面があります。先般の通産大臣の勧告というものによって、チケット販売は千円以下はできないということでありますが、割賦販売は先般の勧告が優先する、従って千円以下の販売というものができないことになるのかどうか。あっせん業に対する進出の問題等はあとで逐条審議の際にお尋ねをいたしますが、割賦販売に対する百貨店の進出が中小企業圧迫という形で、どのような弊害をかもすというようにお考えになるか、それから百貨店法が優先するのかどうか、それから先般の百貨店のチケット販売の規制ということによって三千円まで引き上げる、三千円以下はチケット販売はできないのだということをやるんだということでありましたが、その点もそのままになっておりますが、それらの点を明らかにしていただきたいと思います。
○松尾政府委員 百貨店の割賦販売といいますのは、現在では今お話のございましたこの法案でいっております割賦販売のあっせんという形で、いわゆるチケット販売が行なわれておるのが百貨店の割賦販売の形式でございます。これにつきましては今お話のように昨年それに対する自粛措置をいたしまして、現在一口千円以上は売れないということで、その制約を受けておるのでありますが、さらにその金額制限を引き上げるということは、前に千円という金額制限を設けます際に、今後消費者の利便、小売商及び共通チケット発行機関、いわゆる信販会社の経営状態、そういう点を検討した上、特に支障がないということがはっきりいたしますれば、できればおおむね一年後には、その金額制限を引き上げたいということを、前の制限措置のときにすでに想定をいたしております。従いましてその後千円という金額制限をいたしましてから以後、百貨店あるいは百貨店自体よりはむしろいわゆる信販会社の経営状況、そういうところに問題があると思いますが、この辺に対する影響調べを従来やって参っております。 前にも申し上げたかと思いますが、その影響を達観して申し上げますと、百貨店側におけるいわゆるチケット制限の影響は、従来この制限期間の数字をとってみますと、当然その売り上げは減少して参っております。百貨店で申し上げますと、売り上げは前年同期に比べましてそれぞれ減っておりまするし、(加藤(清)委員「それはパーセンテージだろう、金額じゃないでしょう。」と呼ぶ)金額ではございません。これは小売商、百貨店全体の売り上げが総体ふえておりますからそういう意味で……。 失礼いたしました。今私申し上げたのは取り消させていただきたいと思います。これは暦年でありますが、三十四年と三十五年を比較してみますと絶対金額でも減っております。これは金額で申しますと三十四年でチケット販売は百貨店で四十億であったものが三十六億に、約一割ほど絶対額でも減っております。従いまして百貨店の総売上高ので占めるチケット販売の比率は三十四年度で二・一%であったのでありますが、三十五年中にはそれが一・六%というふうに、チケット販売の比率も絶対金額も両方とも下がって参っおります。さらに信販会社の方の状態でありますが、これもその仲数で見ますと、いずれも百貨店の分については減少して参っておりますので、その辺のことをもう少し検討した上で、先ほど申しました金額制限をさらに強化するかどうかについてその結論を出したいというので、現在その検討を進めておる段階でございます。
○中村(重)委員 割賦販売は伸びていく、そうするとチケット販売は減少の傾向にあるんだ、その原因はチケット販売業者自体の経営の問題というものもあるのではないのか、それを目下検討しているんだということであります。いろいろ検討はだいぶ前からしておられると思うのでありますが、検討の結果がある程度わかっているところがあろうと思います。まずどういうことで割賦販売が伸びているのにチケット販売が減っているのか。チケット販売業者というのは相当活発な動きをしている。チケット販売というものは相当やりやすくなる、買う側も買いやすい、こういうことでありますが、当然ふえなければならぬと思うのでありますが、どういうことですか。 〔岡本(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
○松尾政府委員 先ほど申しましたように、百貨店におけるチケット販売が減少しておるのみならず、いわゆる信販会社の総売り上げにおいても、いずれも前年同期に比べまして若干減少の傾向を示しておるのでありますが、これはどういう事情であるかということは、もう少し長い期間かかって見きわめる必要があるかと思いますけれども、現在私どもが考えておりますところでは、割賦販売につきましてはチケットに対する魅力よりもむしろ普通の月賦百貨店、必ずしもチケットを用いないで、いわゆる月賦で買える場合、そういうものがかなり伸びて参っておることとあわせて考えてみますと、一般の消費者の魅力がチケットという制度で、職場における給料差引という形で物をしいて買わなくても、いわゆる月賦百貨店で直接月賦販売の購入ができるというような方向に、消費者の魅力がだんだん行きつつあるのではないだろうかということも、一応考えられないではないのでありますが、しかしこれはもう少し動向を見てみないと、この半年、十カ月程度の減少ということだけで、すぐに決定的な判断を下すわけには参らないと思いますけれども、一応そういうふうに現在は考えております。
○中村(重)委員 先日の笹本委員の質問に対する答弁でありましたか、松尾局長は信販会社の経営の重大な一つの問題というようなものがあるのではないかということを言われたようであります。今も信販会社の経営の問題というようなことに触れたんでありますが、チケット販売というものよりも、個別割賦販売の方が魅力があるというようにはなかなかいかないのじゃないか、チケット販売業者は活発な運動、営業拡大と申しますか、そういうことをやっておる、また非常に物を買いやすい、チケットでありますと自由に物を選択できるということになって参りますから、むしろ私は魅力はチケット販売という形にあるのじゃないか、こう思うのであります。何かあるのでありますか。数年前であったと思いますが、某信販会社の問題が週刊誌にさらけ出されたことがあると思う。そういうことがこのチケット販売、信販会社の経営というものに大きな影響というものが起こってきているのではないか、これはこの法案の審議の関係が当然あっせん行為等によって起こって参りますからお尋ねするのでありますが、そういう点はいかがでありますか。
○松尾政府委員 今のお話の信販会社のチケット販売がどういう理由で減少したかという点は、先ほど申しましたように、現状で、私どもはその理由をつまびらかにするわけには参りませんけれども、はっきりいたしませんが、これは今指摘された何々会社ということのお話がございましたが、チケット販売の全体的な減少、これは非常に大幅の減少ではなくて、わずかな減少でありますけれども、その減少は何も特定の信販会社における減少というものではございません。全体にチケット販売は最近伸び悩みの傾向にあるということでございますので、これはむしろ消費者一般の心理が、どういうふうに動いておるかということを、もうしばらく時間をかけて見ないとわからないのではないか。特定の信販会社が何かの理由で減ったということでありますれば別でありますが、そういうことではないのであります。
○中村(重)委員 その問題は多く触れません。特定の信販会社は特定に減っていない、全般的に減っているんだ、こういうことでありますが、これはあとであっせん業者を指定される場合に、その点は十分慎重に対処していただきたい。私どもはこの法案の審議にあたっていろいろな動きを耳にいたします。従いまして、特にそうした面に対しては慎重な態度をもってこれの審議に当たらなければならぬ、このように考えておるわけであります。 その問題は別といたしまして、まず消費者の立場から一言お尋ねをしておきたいと思うのでありますが、消費者の立場からは当然消費者金融というものも考えられなければならないんじゃないか。いわゆるオーバー消費というものを何らかの形で規制をしていくということにしなければ、家庭経済の破壊というような形にになっていくことは否定できないと思います、そういう点を何かお考えになったかどうか。
○松尾政府委員 今御指摘の問題は、実はこの法案自体で特別に扱っておる問題ではないのでございますが、しかし、これは、経済の実勢が伸び、また全体の消費水準が上がって、しかも自分の経済事情の許す限り、あるいは場合によってはそれ以上に物を買いたいというような消費者心理を一体どういうふうにして調整といいますか、いい方向に持っていくかという点は、ちょっと私どものこの経済政策ですぐにどうというわけには参らないと思いますけれども、通産省といたしましても前々からいわゆる消費者行政ということで、むしろ消費者のために行政運用ができるだけ親切に行なわれなければならぬという気持で、特に商業部門を担当しております私どもの関係では、従来そういう論議をいたして参ったのであります。一部に消費者教育というような言葉が使われておりますように、現在消費者は、いろいろな商品が次々と出て、しかも先ほど御指摘がございましたようなマス・コミ宣伝等に、ある場合には迷わされて、必ずしもいい商品でないものを買わされたり、あるいはいい商品ではあるかもしれないけれども、必要以上に買わされたりということのないように、消費者のために、消費者教育という言葉は必ずしも適当でないかもしれませんが、この程度こういういい商品があるというような意味の消費者教育のほかに、もっと家計に立ち入ったような消費者教育が考えられないかということは、私どもも今の流通部会の問題とあわせて従来内部では論議して参りました。しかし、これは現在私どもが考えておりますいわゆる割賦販売の問題と直接触れて、直ちにそこまで私どもがやり得るという自信はございませんが、消費者行政全体の問題として、そういう方面にも漸次行政手段として許す限り検討をやっていくべきであろうということを、現在では一般的に考えておる程度でございます。
○中村(重)委員 この割賦販売は消費者の立場から慎重に取り組んでいかなければならない問題だと私どもは考えております。これが非常に買いやすくなると、ただいま御答弁のように買いたい買いたいというような心理的な動きがいろいろな形において起こって参りまして、無理な講買をやるというようなことは間違いないと思う。なおまたこの割賦販売が、買いやすくなるということから、経営者側からは低賃金のくぎづけというような麻薬的な役割を果たすというような弊害をかもし出さないということは言えないのではないか、そうしたいろいろな問題があろうと思うのであります。ある労働組合が一つの厚生事業としてやっているチケット販売では、その人の収入の何%以上はチケットを発行しない、そういうようなやり方等非常に健全な割賦販売をやっておるというような事実等もあるのであります。そういう点は、一つあらゆる角度からこれを取り上げて、十分検討して、割賦販売によって弊害が生じないようにやってもらわなければならない、このように思うのであります。 逐条審議に入ります前に、もう一言伺っておきたいと思うのでありますが、先日来の答弁の中にも、日本の現状ではという言葉がよく出るのであります。それはそれぞれの委員も、外国の例を引いて御質問になったようにも思うのでありますが、アメリカその他欧米諸国で割賦販売が非常に伸びておる。それから消費者金融にいたしましても、その他の法秩序の問題あるいは政策的な問題というようなものが非常に進んでおるように私は聞いておるのであります。日本の割賦販売の上昇と欧米諸国の割賦販売の上昇の比率は要らないのでありますが、特にこういうために欧米諸国は割賦販売が伸びているのだ、ところが日本はそこまでいかないということであるならば、それが特に違っておるというようなことがあるのかどうか、それに対して、どのように欧米諸国の割賦販売をこの面に取り入れるというような形になったのか、それらの点を一応明らかにしていただきたいと思います。
○松尾政府委員 御承知のように割賦販売は、欧米諸国、特に米国で非常に大幅に伸びておるのでありますが、日本の場合とどこがどう違うかという点は、私もここでちょっと断言的なことは申し上げかねるのでありますが、一番大きな事情は、まず第一には消費内容が非常に違う。特に米国におきましては、御承知のように比較的高度の生活用品を多量に生活内容に取り入れておるのに対して、日本の場合には米国に比べて所得水準も違うし、消費水準も違う、そこが最大の原因ではないかと思うのであります。しかも米国の場合には、給与その他が比較的高いところに安定をしておって、それに対するいわゆる消費者金融と申しますか、ここでいっております割賦の信用供与が比較的楽に行なわれておるというようなことから、米国では比較的早急に割賦販売が伸びた。日本の場合には、経済の実勢等の関係もあって、それが最近ようやく伸びるような傾向にあるというところが最大の原因ではないかと思います。もちろん米国ではそれぞれこれに対する秩序法的な規制措置が各州ごとにとられております。これは何も法的規制があったから伸びたというのではなくて、やはり経済の実勢、消費生活の内容、消費水準等がそういう形をもたらしたのであろうというふうに考えております。
○中村(重)委員 私の知ります範囲においては、欧米諸国は割賦販売を非常に重視した。従って、政策的に取り組んだということが割賦販売が伸びた一つの要素である、このように考えるわけであります。先ほど来私がいろいろ指摘いたしましたのは、この割賦販売法が制定された結果いろいろな弊害が生じてくるだろう、こういうことを予想して、通産行政に私どもが求めるのは、単に取引秩序を公正にして、そういう形から割賦販売が健全に発展していくのだ、そういうことを期待するというような態度ではなしに、もう少し社会政策的な立場に立って、この割賦販売に取り組んでもらわなければならない。中小企業がこの割賦販売に対して、特に今不安を持っておるというようなこと、これは私どもの耳に入るのでありますから、当然通産当局に対してはいろいろな形において陳情なり、あるいは要請なりがあったのではないか、このように考えるわけであります。先ほどの答弁の中にも、まだ結論は出ていないが、特にそういう面を重視していかなければならないのだというようなことがありました。もっと真剣にこの問題に対しては取り組んでいく、そうしてこういう方向の法制定ではなくて、もっと意欲的な法の制定に取り組んでいく、こういう形に一つやってもらいたい、このように思うのであります。 条文に対して御質問をいたします。第一条の目的の問題は、ただいま総括的に質問をいたしたことに大体尽きるのじゃないか、このように思うのであります。 第二条の定義の問題であります。第二条の一項に「二月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領することを条件として指定商品を販売する」こういうことになっておるようでありますが、現在の割賦販売というのはおおむね六カ月あるいは十カ月、こういうことが普通になっておるようであります。特にこれは「以上」というような字句がありますので、この以上は当然三カ月あるいは六カ月にもなるのだ、こういうことであるかもしれませんけれども、少なくとも以上というものは、原則をそう大幅に上回るという期待は持てないのじゃないか、このように考えるわけでありますが、特にこの二月以上、三回以上といように期限を短くされた、これは何を基準にしてこうされたのであるか、まずその点を伺ってみたいと思います。
○松尾政府委員 法律の定義の仕方では、現在行なわれております割賦販売そのものをぴたり定義をすれば、それも一つの行き方であると思いますが、御承知のように、割賦販売の形態は現在でもいろいろございますし、将来もまたいろいろな形が現われてくるであろうということを予想いたしますと、法律の定義としては、現在あるいは将来予想され得る割賦販売の最大公約数と申しますか、そういうものを定義として一応とらえておきたい。でないと、割賦販売法でこういう秩序法として規制をしようとする際に、この法律規制をわずかに回数とか期限を変更することによって免れるというような結果になっても困りますので、法律の定義としては現在及び将来予想される、いわゆる何回かに分けて払うものは、一応全部定義の中に取り入れておきたいということで、こういうふうになっております。確かに御指摘のように、現在の月賦は大部分のものが六カ月とか十カ月でございますけれども、前にはたとえば金銭登録機のようなものは四カ月月賦というようなものもございました。そういうことを考えますと、一応最大公約数的な定義を掲げておく、それ以上の特別の意図はございません。
○中村(重)委員 この二月以上、三回以上ということは、御答弁のようにそう簡単な問題でないと思います。あとで勧告というような形が出て参りますが、そういうことにも影響して参ります。それから先ほど政務次官が御答弁になった景気調節という問題にも関係して参ります。いろいろな面からいたしまして、ただいま最大公約数、こうおっしゃったのでありますが、私は、そういうようなことでなしに、現実に遊離しないように、少なくともこういう法制定をなさるならば、現実に即するような法制定をやる、そしてこの二月あるいは三回以上、こういうものがあまり政策的に利用されない、そういう形でなければならぬと思う。まず私は現実というものを中心にしてこれを考えなければならぬと思うのでありますが、そういう面はそう問題ないというふうにお考えになっておりますか、その点をまずお伺いいたします。
○松尾政府委員 法律の定義でございますので、この法律の定義に掲げておるものについて、そういうものが将来出てきた場合にも、この法律の適用がありますよというところまでの意味でございまして、それ以上に、たとえばここに「二月以上の期間」とあるから二月の月賦販売が望ましいとか、あるいは二月の月賦販売はこの法律で規制をかけて、特に何らかの方法で押える必要がある、そういうことは、この法案の内容をごらんになりますとわかりますように、この法案ではそういう特別な意図を持っているわけではございませんので、法律の定義としては、この法律の適用を免れるようなことがされないようにという、それだけの配慮で一応十分ではないだろうか、そこまでの考え方でございます。
○中村(重)委員 法律の定義として、二月以上、三回以上というのはこれは割賦販売になるのだ、こういうことはわかるのですよ。しかしこの二月以上、三回以上というのをたくみに利用されて、そしてあまり長くなるとこれは過当競争になるのだ、こういうことでこれを短くしていかなければならぬとか、あるいはまたあとでこの期限の問題とか頭金の問題というようなことから勧告をする、そういうことが一つの業者の協定という形が出てくるといういろいろの問題が、御答弁とは違った意味で私は出てくると思う。そういう面から、おっしゃるように二月以上、三回以上というのは割賦販売になるのだということはわかるけれども、もろもろの問題が起こってくるということを私は考えますので、今のように御質問をし、かつ指摘をしておるわけであります。 まず、この割賦販売の平均の期間というのですか、現在は大体どういう程度になっているのですか。
○松尾政府委員 月賦の期間はもちろん商品によって非常に差がございますので、これをどういう形で平均をしたらいいのかということはちょっとわかりませんが、達観して申しますと、たとえばテレビとか洗たく機、動力耕転機、そういう比較的金額のかさむものは、三十二年のころには大体十カ月前後、これは例が短いあるいは六カ月というようなものもあったようでございます。それから長いものには十三カ月というようなものもあったようであります。六カ月ないし十三カ月、しかし達観していえば大体十カ月前後、それが三十四年になりますと、達観したところでも二カ月くらい延びておるような傾向を示しております。それからミシン、ピアノというようなものも大体同様な形であります。テレビについて六カ月という例もあるようでありますが、ミシン、ピアノ等はいずれも十カ月以上、長いのは二十カ月というのもあるようであります。それから乗用車、トラック等は、前には短い例として八カ月というものがあったようでありますが、三十四年にはいずれも一年以上、十二カ月以上になっております。しかしカメラのような例になりますと、これは六カ月ないし十二カ月というので、比較的期間が短いようであります。平均というのではなく、達観いたしますと、まあ六カ月以上一年くらいのものが大部分だというふうに申し上げられると思います。
○中村(重)委員 御答弁のように、実際の割賦販売というものは現在でも期間がずっと延びている。少なくとも三カ月、一年以上というものがあると思いますが、平均は六カ月を大きく上回っておるということが現実だ、こう思っております。 第二項に、「この法律において「指定商品」とは、耐久性を有し、かつ、定型的な条件で販売するのに適する商品であって政令で定めるものをいう。」こういうことでありますが、これは非常に重要な内容だと思っておるのであります。まず指定商品というのは耐久性——耐久性はわかりますが、定型的な条件、これは既成品というような形になるのか、どのような商品を範囲としては考えておるか。それから定型的な条件というものはどういうものになっているか、それらの点を詳細に一つお聞かせを願いたい。
○松尾政府委員 ここで「耐久性を有し、かつ、定型的な条件」といっております意味は、まず耐久性という意味から申しますと、たとえば飲食料品でありますとか、あるいは医薬品でありますとか、燃料、そういう消耗品というようなものは、これは割賦販売の対象となるような意味の耐久性は当然ないという意味で、そういうものはいずれも除かれることに相なっております。それから定型的条件と申しますのは、これは販売に際して、ある一般の購入者に対しまして同じような条件で販売されることに適した条件ということに相なります。従いまして、そこで販売の対象になります商品は、いずれにしても大量生産で同じものがたくさんできる、従って同じ条件で売れるというようなものであることが当然条件に相なります。従って、逆に言いますと、特別な注文生産で、たとえばプラント類でありますとか、あるいは船舶でありますとか、注文生産である特定の注文者のために作られるものは当然除かれるということで、具体的には政令でその指定商品の範囲をきめるということに相なりますが、私どもの今の考えでは、現在割賦販売の対象になっておりますようなものは、原則としてほとんどすべてこの対象に取り上げたいという考え方でございます。
○中村(重)委員 たとえば洋服であるとか洋服生地、そういうものはどうなりますか。
○松尾政府委員 もちろん洋服生地にはいろいろな銘柄その他がございますけれども、大体その値段に応じて、割賦販売の条件としては、ある条件で定型的に販売できる商品になろうと思います。
○中村(重)委員 その点、もっとはっきりしてもらえませんか。洋服生地なんかはいいんですか。入るんですね。
○松尾政府委員 入るつもりでございます。
○中村(重)委員 あとで所有権の留保という形になってこれが関係をして参るので、相当矛盾というか、問題点が出てくると思います。しかしほとんど飲食物であるとかプラント類であるとか、そういうもの以外は一応入るんだということでありまして、現在月賦で販売しておるようなもの、そういうものは大体入り得るということでありますので、その点はわかりました。そうしますと、一回指定した商品、この政令で定めたものは、取り消すという形は出て参りませんか。
○松尾政府委員 この指定の場合には、先ほど申し上げましたように、現在割賦販売で行なわれておるようなものは、特別な支障がない限りは、大体包括されるような指定をとりたいつもりでおりますが、その指定の仕方は、あまりこまかい商品分類ではなくして、たとえば衣服でありますとか衣料でありますとか、あるいはそういう比較的あまりこまかい細分類でない指定の仕方をやった方が現実的であろうと思います。従いまして、この指定商品の範囲をあまり短期間に、あるいは経済事情の変更等によって指定商品の範囲をそんなに変えなければならないというようなことにはならない。そういう商品の比較的包括的な指定の仕方をやりたいというつもりでございます。
○中村(重)委員 中小企業が割賦販売で非常に心配しているのは、御承知の通り、今金属製品等はずいぶんスチール化してきておるわけですね。大企業がほとんどそういうものは製作する。中小企業は木製品であるとか、いわゆる小さいものを作っている。そういうことで、大企業から非常に圧迫されて、販売の面というものも、こういう形で圧迫されてくるわけでありますけれども、指定の面に対して圧迫されるんじゃないかというようなことを非常に心配をしておるようであります。そういうような心配は毛頭ない、こういうように解釈してよろしゅうございますか。
○松尾政府委員 先ほど申しましたように、指定そのものは、現在行なわれております割賦販売で特別の支障がない限り、いずれも指定の範囲に入れたいという考えでございますので、指定自体からは別に中小企業がどうこうということは起こらないと思います。かりにそういうことがあるといたしますれば、経済の実勢の問題で、指定そのものでどうこうということはないと思います。
○中村(重)委員 いわゆる政令で定める商品の決定であるとか、あるいは定型的な条件であるとか、非常にむずかしい問題、かつ専門的な面というのが出てくると思うのでありますが、それは通産省だけで、あなたの方だけでこれをおやりになるという考えか——あとでいろいろ出て参りますいろいろな問題から、前の国会でも審議会の設置といったようなものが強く要請されておるのでありますが、今度も審議会の設置というのは見送りになった。そういうことが必要であるというようにはお考えになりませんでしたか。いわゆる販売業者あるいは消費者、あるいは学識経験者そういったような人たちの衆知を集めて、そういう人たちの議論を聞き意見を聞いてこれを決定する、こういうことを一つお考えになる必要があるんじゃないか。これは商売でありますから、非常に問題は大きいわけです。お役所の考え方というものは必ずしも実情にはそぐわないんじゃないか、こう私は思うのでありますが、そういう点はお考えになりませんでしたか。
○松尾政府委員 法律の運用に際しまして、できるだけ広い範囲の学識経験者その他の意見を聞いた方がいいということは、一般的にはお話の通りであると思うのであります。ただ、この法第二条の商品指定の場合、この場合だけを限定してのことでございますれば、先ほど申しましたように、現在行なわれておる割賦販売商品は、一応漏れなく拾いたいということでございますから、それ自体にはそれほど大きな問題はないかと思いますが、法運用の全体のことについてであれば、また若干問題が違って参ります。
○中村(重)委員 審議会の問題は、あとでいろいろな面から必要になってくると私は思いますので一もちろんその審議会の問題はこの第二条の問題に限っておるのではありません。従いまして、あとの質疑を通じましてその点をお尋ねしてみたい、このように考えます。 第三項にいう「割賦購入あっせん」でございますが、第三十一条にいう割賦購入あっせん業者、これが発行する伝票というのがあるわけであります。いわゆる証票でありますね、この証票は、何か指示をすることになりますか。いわゆる統一するとか——これはチケットというか、あっせん業者はチケットを出してくるということになりますが、チケットというものは通貨ということにも考えられるんじゃないかと私は思いますが、チケットというのが今までいろいろな問題をかもし出しております。そういう点は御研究になつたと思うのでありますが、統一をするというようなお考えを持っておられないのであるかどうか伺いたい。
○松尾政府委員 チケットが通貨のような、あるいはそれに似たような形で転々するということは、私ども予想いたしておりません。またチケットはそれによって物を買い得る一つの証票書という程度でございますので、これを特に統一しようということは考えておりません。
○中村(重)委員 ところが実際は、あとでも出て参りますが、この証票は——会員証には判を押すわけでありますが、この会員証に押している判と証票に押しておる判というものとは、同じ判が必要でありますけれども、必ずしもそうでないという場合があるわけであります。適当にやるということが事実上起こってきておる。現実にチケット販売はいろいろな問題をかもし出しておる、これは事実でありますが、これを何らかの形において規制していくという必要が考えられなければならないのじゃないか、このように思うのでありますが、そういう点は検討の結果必要はない、こういうことでありますが、いわゆる問題点というのは、こういう点に問題が起こってきたという事実を御調査になっておられますか。これを法制定される以上は、そういういろいろな派生してくる問題というものは、つぶさに検討されたのではないかと思いますが、そういう点はどうなんですか。
○松尾政府委員 あっせん業者の場合、いわゆるチケットの場合におきましては、チケットの様式あるいはチケット、証票の扱い等で特別のトラブルがあったということは、従来私どもあまり聞いておりません。むしろ問題はそのチケットで物を買うお客さんが、最終的に現在では職域で給与から差し引かれる形で支払いが行なわれておるようでありますが、そういう信用調査等の点につきましては、若干問題があるというふうに聞いておりますが、信用調査の点は今回はこの法案では触れておりませんので問題は一応別であると思います。それ以外には、もっぱらチケット販売機関に参加する小売商いわゆる直接に物を売る加盟店の保護ということに重点を置くということで、この立案をいたしておりますが、証票そのもので、そういう様式等について特別のトラブルが従来あったというふうに私どもは聞いておりませんので、その点は触れておりません。
○中村(重)委員 私の調査ではいろいろな問題がありますが、こまかいことになって参りますし時間の関係もありますのでその点は触れません。 このあっせん行為には手数料というようなことが当然考えられるのでありますが、この条文の中にどこにもあっせん行為の手数料といったようなものは出ていない。そういう点はどうお考えになっておりますか。
○松尾政府委員 先ほど申しましたように、割賦購入あっせんの問題につきましては、加盟商店等の保護ということに最大の関心がございますが、今御指摘のような点につきましては、特にこの法案でそこまでのことをやるという議論はいたしませんでした。まず第一には加盟小売店が不測の損害をこうむらないようにということを中心にいたしたわけでございます。
○中村(重)委員 そういう議論はしなかったというのでありますが、購入者の保護であるとか、あるいは販売業者の保護であるとか、そういう点が当然考えられておるわけでありますし、問題になってくるわけです。またこの割賦販売によってあっせん業者の動きは非常に活発になってくる、これは事実であります。私は割賦販売によって起こってくる弊害の相当大きいものはあっせん業者の動きというもの、そういうものに相当あるんじゃないかというように思うのです。そういう意味でチケット、証票の発行の規制だとか、あるいは手数料の問題であるとか、あるいはチケット販売業者が過当競争を誘発してくるというような形が当然この動きによって出て参ります。従ってこのあっせん行為というものは、この条文の中で相当重視される必要があるんじゃないか、そういう点からもろもろのあっせん行為に関連しての検討というものをなされなければならぬ、こう思うのです。その点はどうなんですか。
○松尾政府委員 チケットあっせん業者の手数料が、あっせん業者の経営に影響があるということは確かにお説の通りであります。従いましてそのあっせん業者が健全な経営をやるのには、それ相当な手数料を取るべきであるということも当然だと思いますが、それらはいずれも割賦購入あっせん業者みずからが当然企業経営者として適正な手数料で経営の健全をはかるであろうということで、それ以上のことにはこの法案では立ち入っておりません。現在行なわれておりますいわゆるチケット販売の例を見てみますと、あっせん業者のとっております手数料というのは、これは業者によって違うと思いますが、達観して申しますと、割合に低い手数料で行なわれておるのが実態であると思います。その手数料が低く過ぎるために経営状態が悪くなる、その点が心配ではないかというような問題でありますれば、これはこの割賦購入あっせん業者の資産状況その他につきましては、この法案でも監督規定その他が入っておりますから、そこで見ていくということに相なると思います。逆に手数料が非常に高過ぎるためにいろいろ問題を起こしておるのではないかということでございますれば、現状ではそういう意味の問題は、あまりないように私どもは承知いたしております。
○中村(重)委員 第三条に消費者保護ということで、これは相当重視したんだというような御説明があったのでありますが、販売条件の明示であります。現金販売であるとか、あるいは割賦販売の額の明示であるとか、その他取引条件ということを明示しなければならない、こういうことをうたっておるようでありますが、この点は真に購入者の保護に役立つというようにお考えなのか、これを明示しなければ——販売業者というのがどういうことをやるのか明示しなかった場合に購入者は保護されない、こういう具体的な考え方というものをお聞かせ願いたい。
○松尾政府委員 割賦販売につきまして販売条件の明示をこの法案で要求いたしておりますのは、一番問題の焦点となりますのは、現金販売価格と割賦販売価格との間に一体どういう差があるのか、その点は従来の割賦販売の実情はいろいろとありますが、かりに割賦販売価格だけを書いて本来の現金販売で買ったならばどれだけの差があるのかということについて、消費者自身が判断し得るだけの販売条件の明示が行なわれていないといたしますと、やはりこれはお客さんの方、消費者の方は勢いそういう点についての十分な判断なしに物を買うおそれがある。また割賦販売をやる方の販売業者からいいますれば、そういう点はあまりはっきりしないで売った方が売りやすいというような事情があるかとも思います。しかしこれは従来でもある程度条件を明示しておるところもあります。必ずしも明示をしてないところもある。それらの点は今後この法律が実施に相なりますれば、すべての場合に明示をしてもらって^消費者が比較考量等について判断の誤りがないようにという意味の明示規定をここに置いたわけであります。
○中村(重)委員 そうしますと、割賦販売法でお考えになっている割賦販売業者というのは専門業者——なるほど東京都には割賦販売専門業者というのはいるわけであります。しかし地方の都市には割賦販売専門業者というのは現在もおりませんし、将来もなかなかそういう専門業者というものは私は出てこないと思う。やはり現金販売と割賦販売——割賦販売よりも現金販売というものがむしろ比率としては多いと思う。そういう点では国家の割賦販売というのは専門業者だけをお考えになっておるのでございますか、そうでないのでございますか。
○松尾政府委員 割賦販売をやります限りは、専門でなくてもこの条件に合えばやっていただくつもりであります。
○中村(重)委員 現実には商品の価格の明示は、割賦販売の価格を明示しておるのではありません。これはそういう専門の業者は別といたしまして、ほとんど現金販売の価格を明示しておるのです。そうなって参りますと、現実に、ある専門店会に入っているその会員証を持って物を買いに行く、そうした場合に割賦販売の値段も現金販売の値段も同じである。特別に割賦販売であるからといって値段を高く売っておるというのは、東京都の専門店はいざ知らず、他の都市においてはほとんどないと思うのです。そうなりますと、ここで割賦販売の価格は幾ら、現金販売の価格は幾らということになって参りますと、会員であるがために、現金で買う場合は実際の正札よりも五分引きくらいで実際買わされておる。それをそういう価格の明示をするために、特に値引きの特典が失われてくるというような面も出てくるわけであります。しかし私は、だからといってそういう個々の例を取り上げて、価格の明示は必要ではないということは申しません。しかしそういう事実もあるということは十分念頭に置いてもらわなければならぬ、こう思うのであります。 なおかつ、価格の明示は、業者同士がそこで協定という形を必然的に起こしてくると思うのです。協定をするということになって参りますと、独占禁止法の違反という形も出てくるのじゃないか。そういう点等はお考えになったか。この価格の明示そのものは独禁法というものには何も関係はない、触れないというお考えであるかどうか。この明示がいろいろな形において協定という形に発展をしてくる、そういう場合に独禁法の関係というものが起こってこないというようなお考えの上に立っておられるのであるかどうか、その点もあわせて聞かしていただきましょう、それから私が指摘をいたしました価格の明示が、必ずしもいわゆる購入者の保護ではない。むしろ今強調しておられるところは、購入者よりも販売業者を守るという形に、この価格の明示は役立つというふうに思うのでありますが、その点はそうでないというふうにお考えになっておられるのであるかどうか。まずその点をお聞かせ願います。
○松尾政府委員 最初の御指摘の点は、割賦販売として現在比較的広く行なわれております割賦百貨店でございますとか、あるいは電気器具等の割賦販売の場合には、今のお話では東京ではという御指摘でございましたが、おそらくいわゆる割賦販売そのものの場合には、販売価格を明示しておる場合の方がむしろ多いと思います。むしろ今お話のございました点は、いわゆるチケット販売で加盟店にものを買いに行くと、そこには現金価格だけしか書いてないというような御指摘ではないかと思いますけれども、この第三条で割賦販売条件の明示といっておりますのは、これはあくまで割賦販売業者それ自体に対しての適用規定でございまして、この法案でいっておりますいわゆるチケット販売の場合には、チケットを発行する機関だけがこの法案の規制を受けます。その加盟店につきましては、この第三条の割賦販売条件の明示ということはございません。従いまして、チケット販売の加盟店には第三条の適用はない。従って現在チケット販売の加盟店は、現金販売価格と同じ価格でチケット販売をやっておられるのが普通の状態でございます。それにはこの第三条のこういう規定の適用はございません。従ってそのために、チケットにした場合には、特に高く売るぞというようなことにはならないのではないかと思います。 それから販売条件の明示等を法律で強制をすると勢い販売価格の協定等をやるのではないか。これは現在御承知のように、割賦販売にはかなり販売競争の激しい点がございますので、協定云々の点は事実上むずかしいことだと思いますが、かりにそういうことが行なわれますれば、当然独禁法の規定による制約といいますか、独禁法の適用によって処罰その他を受けることは当然でございます。この法案にはそれらの点は何ら触れておりません。
○中村(重)委員 今のチケット販売の場合は、チケット販売業者がこの法の適用を受けるチケット販売もしますし、加盟店にもなっておる。同時に個別割賦販売もやる。それはそうでない業者もおるかもしれません。しかしほとんどの業者がチケット販売の加盟店であると同時に個別割賦販売の販売店なんです。ですから、ただいま御答弁のように、この法の制約は受けないのだ、こうおっしゃっる。しかし現実にはそうでないと思う。やはり割賦販売をやる以上はこの法の適用を受けます。その価格の明示をしておかなければならない。その場合に、今私が指摘したような問題が当然起こってくるのであります。そういう点は、もしお考えになっておられないとするならば、現実というものを十分研究しておられないというような結果ではないか、こう思うのであります。東京都と私は申し上げたのは、大都市、こう考えてもらえばいいわけですが、地方の都市はお考えになっておられるようなこととは違っておる、こう考えておるわけであります。だから、私はこの価格の明示、そういう条件の明示そのものを否定するのではありません。しかしその明示が非常に観念的になってきている、現実的ではない面があるということを指摘しておるのであります。そういう点は十分お考えにならなければ、購入者の保護という形で、こういう条文をお作りになる、それが現実には購入者はむしろ保護されない、こういうような形になってくるということを申し上げておるわけであります。 なお、条件の中に頭金の価格の明示というものがないとか、また非常に大事なことが明示の中に抜けている、問題を惹起するような点が抜けておると思うのでありますが、頭金、第一回払い、そういうようなことは明示の必要はないのか。
○松尾政府委員 割賦販売の問題で、将来にも問題を残しますのは、期間、回数と申しますか、この三条の三号にいっております代金支払いの期間、回数が将来とも問題を残す問題でございますので、今後とも問題を残すような特に重要な問題について、販売条件の明示を規定いたしております。頭金はここでは特にそこまで具体的に規定いたしておりません。
○中村(重)委員 チケット販売の場合は、第四条の書面の交付というものの必要はありませんか。
○松尾政府委員 チケット販売の場合には、代金の回収その他はお客さんと割賦販売のあっせん業者との間の問題になりますので、この書面の交付云々は、お客さんと割賦販売業者との間の将来のトラブルに備えて契約条項をはっきりしておきたいということでございますので、つまり契約者相互間の関係が別でありますので、その意味でチケット販売の場合にはこの書面の交付はお客さんとの間には要求いたしておりません。
○中村(重)委員 必ずしも御答弁の通りではないと私は思うのです。加盟業者とチケット販売業者との契約というものがあります。最終的には、これが焦げつきをした、そういう場合には、チケット販売業者の責任において回収する場合、販売業者の責任において回収する場合、二つあります。ですから、御答弁のように販売業者と購入者との関係が起こってこないのだということにはならないのではないか。やはりそうした販売条件の中に、購入者が惑わないように、その条件というものを明らかにしておくというような形においての書面の交付というものが必要になってくるのではないか、こう思うのでありますが、その点どうでございますか。
○松尾政府委員 割賦販売あっせん業者と加盟小売店との間には、当然いろいろな場合のことを想定して契約が行なわれると思います。現在でももちろんそういう契約ははっきりいたしておると思います。しかしこの場合は双方とも商人といいますか、経済人でございますので、その経済人相互間には書面の交付といいますか、契約条項は従来の慣例その他を見ても、当然書面によってはっきりさせておる。現実にもそうでございます。従いまして、それ以上に書面の交付云々の点は、この法案では書いてございません。しかしここでいっておりますのは個々のお客さんと割賦販売業者との間の問題については、現状ではしばしば書面の交付が行なわれておりませんので、その面だけをこの四条でとらえておるということでございます。
○中村(重)委員 そうしますとチケット購入の場合は、購入者と販売業者との関係というものは全然ございませんか。最終的にチケットは必ずしも給料から天引きをするという形ばかりではございません。いろいろな場合においてのチケットの交付というものが考えられるのであります。そうしますとたとえば一つの職場をやめた、それはその職場の責任者というようなものが持つんだとおっしゃるのですが、現実には必ずしもそうばかりではない。チケット販売といえどもいろいろな問題が起こって参ります。そういう場合に販売業者とチケット業者とのいろいろな契約ということによって、それが販売業者と購入者との関係というものが起こってこないということにはならないのじゃないか、こう思うのでありますが、それは全然起こって参りませんか。起こってこないということがはっきりすれば、その点はそれでいいわけであります。
○松尾政府委員 チケット販売の場合には、それによって物を買うお客さんと、それからそのチケットで物を売ってくれる加盟小売店との間は、チケットの授受だけで終わってしまいます。それ以上法律関係は出て参りません。あとはそのチケットと引きかえに商品を渡した加盟小売店と、チケット販売のあっせん業者との間の法律関係になって参ります。 それからお客さんとの関係は、代金回収の問題はそのチケットあっせん業者とお客さんとの関係になってくるということで、商品の授受の関係はチケットと引きかえに商品が渡されますと、それで終わってしまいますので、その間には、つまりお客さんと加盟小売店との間には、法律関係はチケットの授受以上の問題は起こらないという仕組みになっておるわけでございます。
○中村(重)委員 従来はチケット業者がチケットを発行する、そうするとそのチケットをもって購入する、そうなりますと当然物は直ちに引き取るわけでありますから、その購入価格は今度はチケット業者に払っていかなければならない、こういうことになる。それを払わなかった場合従来は販売業者の責任において購入者から代金回収をやる場合と、チケット業者の責任において回収する場合と二つあったと思うのです。そういう関係はこの法律によってはチケット業者の責任だけで購入者からの代金回収をやるのか、販売業者との関係は、ただいまの御答弁のようですと、ほとんど切れてしまう、こういうことでありますが、従来どのような慣行があったとしても、この法律で考えているのはチケット業者と購入者との関係だけである、販売業者と購入者との関係はないんだ、こういうことで、はっきりそうだとおっしゃればそれでいいわけであります。従来の慣行にかかわらず、こういうように解釈してよろしいわけですか。
○松尾政府委員 私は現在行なわれておりますチケット販売の法律関係は、先ほど私が申し上げたようになっておると思いますけれども、もしそれと違った慣行のものがかりにあるといたしますれば、この法律の適用対象はこの法律の第二条の定義によりまして、こういうものを割賦購入あっせん業者というというふうに定義をいたしておりますから、そういうものだけについて法律の適用がある。その場合には私どもの承知しております限りでは、チケットの授受と商品の授受が行なわれますれば、お客さんと加盟小売店の関係はそれで終わりだというのが、現在行なわれておりますチケット販売の実態である、そういうふうに考えております。
○中村(重)委員 この書類の交付の中に、所有権に関することが必要であるとは書いてないのであります。これは非常に重大な問題であると思うのでありますが、その必要はないというお考えですか。
○松尾政府委員 チケット販売の場合には、所有権留保の規定その他はこの法案でも触れておりません。これはチケットと引きかえに商品が渡りますれば、所有権は当然お客さんの方に移って参ります。これは動産である限りはそういう一般の法律になって参ると思いますので、所有権の規定は割賦販売の場合はその必要はございません。
○中村(重)委員 書面の交付というのは、必ずしもチケット販売の関係だけではないのでありましょう。個別割賦販売の場合も、こういう条件とそういう書面の交付をしなければならないでしょう。私が申し上げておるのは、所有権の方は書面の交付の中に入ってない、必要条件になっていないというのは、必ずしもチケット販売の場合だけ想定して言っているのではありません。個別割賦販売の場合も同じなんであります。その点どうなんですか。
○松尾政府委員 法律技術の問題といたしましては、所有権留保の内容をせめて当事者間の特約にする、その特約を第四条の書面の交付という形で、はっきりさせるというやり方もあると思います。しかしこの法案で表現いたしておりますのは、一般的にそういう当事者間の特約という形をとらないで、別に類推規定をいたすということで、法律のやり方としては両方あり得ると思います。
○中村(重)委員 非常に無理でありますけれども、所有権留保の推定というのは、特約の場合は推定がないのであります。特約でない場合は所有権留保というのはこの法律をそのまま通したら販売者側の中にあるわけです。そうするとこの法律をお客さんはいつも読んでいるわけではありません。割賦販売法をポケットに入れて買いに行っているのではありません。販売者側は法律に所有権留保というものが、はっきり自分の方にあるのだということを一々お客さんに説明する販売業者ばかりとは考えません。そうなって参りますと、法律を見てない、書類には所有権の留保は最終回の支払いまで留保されておるのだということが書いてなければ、購入をした、直ちに自分のものだとお客さんは思うではありませんか。その点書面交付の中の重要な問題ではありませんか。
○松尾政府委員 現在御承知のように大部分の場合には所有権留保の特約があるのが、月賦販売の場合にはむしろ常識になっておるようであります。従いましていずれにしてもそうなっておるのであれば、何も所有権留保の類推規定を置かなくてもいいじゃないかという見方と、いやそれはそうでない場合もあり得るので、そのためにこういうものを置いた方がいいという見方と、この法案の趣旨はあとの方の趣旨によっておるわけでございますが、いずれにしても現状では大部分の場合が、所有権留保の規定を置いておるのがむしろ多いと思います。従いましてそれを書面の交付で、特にその中に所有権留保の規定をはっきりさせておくようにということを、さらに第四条で強制というか、義務化する必要はないだろう、むしろ所有権留保の規定を置いておるものはそのまま置いておいてもいいし、そうでないものは一応類推規定でもってそれを類推をしてやろうということでいいんではないだろうか、そこまでのところの趣旨でございます。
○中村(重)委員 ただいまの答弁は非常に無理なんです。それはこの所有権留保というものを、ここで第七条ですか、これで業者に置こうとすること自体が無理なんです。なぜに所有権留保の推定なんということをここでうたうのか、これは販売業者の要求が強いからです。私はこの問題はあとで一番重点を置いて審議をいたしますが、あなた御自身が流通部会等においでになって、これで無理だということはお考えになっておられる、しかし業者側の強い要求によって所有権留保の推定というものを、ここに書いているんですよ。そういう場合に従来は、所有権留保の推定というようなものはない。特約によってお客さんに直ちに品物を渡しても、所有権の留保というものは置かなかった。これが従来の慣行だ。大部分その通りになるのだ、こういうお考えであるならば、そういう無理までして所有権留保の推定なんというものを、ここでうたって作る必要はない。業者は必ずこの所有権留保というものを、自分が握っていることをにしきの御旗にして、これに一つの安心感を持っていくということ、これが業者心理なんです。そうなってくると、わざわざ所有権留保の推定というようなものはこれはやらないのだ、そういう特約を作るなんということは考えられないではありませんか。そうなりますと、所有権の留保というものは、当然業者にあるのだということを購入者側に知らしめておく、何らかの形において知らせるということは、将来問題を起こさないために絶対に必要になってくるではありませんか。何によってそれを知らせようというのですか。
○松尾政府委員 所有権留保の規定が現実に働いて参りますのは、御承知のように、事態が特に悪い場合であります。従いまして、そういう悪い場合のために類推規定を置いておけば、それで一応その事態の解決はできると思いますが、今御指摘のように、そういうことは法律に書いてあるから一般的に知っておるはずだということでは不親切ではないかということでございますれば——そこは書面の交付の中に、そういうことを特に書かなければならないという法律的な問題は必ずしもないかもしれませんが、その方が親切ではないかということでございますれば、法律に書いてあるから知っておるはずだということ以上に、丁寧にやっておくということでありますれば、その趣旨は私ども十分わかります。
○中村(重)委員 これは親切とかいう問題よりも、むしろ七条との関連においての本質なんです。しかし、この問題でも相当時間がかかりますし、今注意を受けまして、時間になりましたので、質問を留保いたしまして、これで打ち切ります。
○中川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明十一日木曜日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時三十三分散会