商工委員会 第31号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/26
会議録
○小川(平)委員長代理 これより会議を開きます。 割賦販売法案及び機械類賦払信用保険臨時措置法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。 前会に引き続き質疑を続行いたします。中村重光君。 〔小川(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○中村(重)委員 割賦法案について質問いたしますが、昨日笹本、田中両委員の質問に対しまして、大臣は、割賦法は取引秩序をよくするということにとどまるのであって、この法によって割賦販売の助長を考えていない、そのような答弁であったのでありますが、私どもは、現在の割賦販売の伸びということから考えてみましても、本法の制定によって、御説明がございましたように、消費者の保護ということが行なわれ、かつまた販売者側の保護政策がとられるということになって参りますならば、必然的に割賦販売の助長というものは行なわれてくる、このように考えるわけであります。その結果が、昨日の質問にもございましたように、消費者の信用膨張といったような形も出て参りましょうし、あるいはまた経済的な影響というものも出てくるかと思うのであります。本法制定によってそうした影響というものを大臣は考慮しておられないのであるかどうか。昨日の答弁のように、ほんとうに毛頭助長というものを考えなくて、本法を制定しようとしておられるのであるかどうか、その点に対してあらためて大臣の答弁を伺いたいと思います。
○椎名国務大臣 きのう、これを特に助成するとか助長するとかいう政策は、この法律にはとられていないということを申し上げたのでありますが、ただいまの情勢はだんだん割賦販売が普及されつつあります。その間においてとかく消費者、購入者の方が経済的な立場においては弱いのでございます。その弱みにつけ込んでいろいろな割賦販売普及の情勢に乗って不適当な営利をむさぼるというようなことが、とかく行なわれがちであるというような情勢にもありますので、そういう点を防止いたしまして、健全な割賦販売が普及されることを期待はいたしますけれども、特にこれを政府の手でもっと助長しようというところまではいっていない、こういうことを申し上げたわけであります。
○中村(重)委員 割賦販売法は前国会におきましても提案されまして、安保国会のために廃案になっておるのでありますが、廃案になりました割賦販売法と、ただいま提案されております割賦販売法のねらいというものが違っておるのか、まずその点を伺いたいと思います。
○椎名国務大臣 骨子においては違っておりません、大体同じものであります。
○中村(重)委員 では、目的は同じでありますね。——前の割賦法案の審議の際に池田前通産大臣は、健全な消費は、経済の拡大にぜひ必要であると信じて割賦販売に踏切ったと答弁をいたしておるのであります。なるほど昨日の大臣の答弁を見ましても、ただいま私の質問に対する答弁の中にも、健全な消費というものは期待をしておる、こういうのであります。しかし、特にこれを伸ばそうとは考えていない。ところが、池田前通産大臣は、健全な消費は経済の拡大に役立つと思って割賦販売に踏み切ったのだ、こう言っておるのであります。健全な消費というものが目的ではなくて、そうした健全な消費というものは経済の拡大に役立つのだ、経済の拡大ということを目的としておるのであります。そうなりますと、割賦販売の成長、伸びというものに対する期待というものが目的であり、中心である、このように考えるのであります。そういたしますならば、ただいま大臣が特にこれを伸ばそうとしてないと言われるただいま提案されております割賦販売法の骨子、すなわち目的と、前に廃案になりました割賦販売法というものは私は違っておると思うが、その点をどうお考えになりますか。
○椎名国務大臣 今あなたは、前の通産大臣が健全な消費は経済の成長に役立つということを言ったというお話でありましたが、私もそう思っております。ただこの法律自体が、何か特別の目標を置いてそこに突き進んでいくというような性格を持った法律ではない。法律それ自身は意欲的なものではなしに、ただ健全な割賦販売というものを、世の中に普及させることのために諸種の弊害を未然に防止するというところに重点が置かれておるということを申し上げただけでございまして、私自身もこういったような法律があって初めて割賦販売というものが健全になり、そしてそれがいろいろ国民経済生活というものに、非常な好影響をもたらすものであるということはもちろん考えておりますし、また高度成長にもかような制度が非常に役立つということも考えておりますけれども、この法律自体がそういう目的をうたい、その目的のために諸種の規定が置かれておるというのではない、こういうことを申し上げておるのであります。
○中村(重)委員 池田前大臣の答弁は、健全な経済の拡大に割賦販売がぜひ必要である、こう言っておるのであります。私はただいまの大臣の答弁、今まで大臣が答弁してこられたことと、池田前通産大臣の答弁とは、ニュアンスの違いだけではないと思う。やはり法のねらいが違っておると思うのであります。経済の拡大にぜひ必要であるという考え方から割賦販売法案というものを提案したのだということは、この割賦販売法を制定することによって取引の公正を期していくというようなこともありましょうけれども、いわゆる取引の公正ということがほんとうのねらいではない、いわゆる秩序法というものがほんとうのねらいではないのだ、このように考えるのであります。割賦販売はどんどん行なわれておる、だがしかし取引が公正に行なわれてない、そのために弊害が非常に多いということで、割賦販売法を制定するということと、割賦販売法を制定して消費者が買いやすくしていく、また販売業者にいたしましてもいろいろな弊害を除去していく、この割賦販売によって経済の成長をはかっていくのだ、販売を向上さしていくのだ、こういった考え方というものとは、内容的に相当異なってくると思うのであります。取引秩序法——ただいまの御説明のようでありますならば、取引の面においていろいろな弊害も除去していくのだ。結果的には販売の健全な成長にはなるかもしれません。しかしながら、この割賦販売を伸ばしていって、いわゆる成長をはかっていく、助長をしていく、こういうことになりまして、これが中心ということになって参りますと、いわゆる政策法的な性格を帯びてこなければならぬと思うのであります。前の国会におきましても、いわゆる消費者金融の問題であるとか、あるいは信用調査の問題であるとか、あるいは保険の問題であるとか、もろもろのことが要望されたと思うのであります。しかし、ただいま提案されておりますこの法案の内容は、そうした前の国会におきまして各委員より強く要求された何ものも満たしていないということであります。こう考えてみますと、この法の制定の目的というものが非常に変わってくる。このことを私は考えますがゆえに、池田前通産大臣が答弁しておりますこの法のねらい、椎名通産大臣が答弁しておられますところのそのねらいというものが違っておるのだ。だから、この点は私ども審議の上にも非常に影響があるから、その点をはっきりしてもらいたい、このように申しておるのであります。再度御見解を聞かしていただきたいと思います。
○椎名国務大臣 割賦販売の健全化を、あくまで直接のねらいとするものでございまして、結局割賦販売の健全な発達ということを直接のねらいとしている。こういうことによって国民経済の拡大発展にも寄与するでしょうし、国民経済の健全化ということにも寄与するでしょう。いずれにいたしましても、これがいろいろな弊害を生ずると生じないとでは、われわれの国民経済の上において非常に大きな各種の違いが出てくるわけであります。その直接のねらいは、あくまで秩序を正しくする、健全化をはかるというところにあるのでございます。
○中村(重)委員 そうすると、お尋ねしますが、取引秩序を公正にしてくる。御説明がございましたように、販売者を保護し、消費者を保護してくるのだ、こういったいわゆる保護というものが行なわれますと、勢い販売業者も安心をして割賦販売を行なうことになる、消費者もそのようになるわけであります。してみまするならば、必ず割賦販売というものは大きく成長してくる、助長されるということは間違いないと思うのであります。そのことを期待しておられるならば、昨日笹本委員あるいは田中委員の質問に対してお答えになったような——現在、現状においては大したことはないのだ、外国ではなるほど割賦販売が相当成長しておるようであるけれども、日本の現状においては大したことはない、このような御答弁があったのであります。私どもは、法の制定というものは、現在の時点においてとらえていくのではなくて、現在の時点においてこの法を制定したならばどのような効果と影響があるか、かつまた、この法の制定によって将来どのような影響がもたらされてくるか、そのことを中心に置いて法の制定が行なわれてこなければならぬと思うのであります。してみまするならば、この法の制定が割賦販売の助長に大きく役立つということは、すなわち、経済的の影響というものも当然起こってくるわけであります。そのことを十分念頭において法の制定を行なうという場合においては、当然、単なる交通整理的な取引秩序を直すということだけではなくて、もっと政策的な、意欲的な法律の制定というものがなされなければならぬ。そのことがなされていない。その点はどうお考えになっているのであるか、お答えを願います。
○椎名国務大臣 きのう笹本委員から御質問のあったのは、各国の事例によっても明らかなように、消費者信用というものが割賦販売等々と一緒に発達をして、そして、それが景気のよいときには消費者信用というものはますます拡大する、一たん景気が悪くなると、一番先に整理されるのが消費者信用である。でありますから、景気の波をこの消費者信用というものは顕著にしておる。こういうような状況にかんがみて、これに対する対策をどう考えておるかというような、たしか御質問であったと思うのでございます。日本におきましては、これから消費者信用というものが本格的に発達するのであって、その発達の状況が、はたして外国と同じようなものになるか、あるいはいわゆる日本版になっていくか、その推移を見た上でこれに対する対策を考えてもおそくはないというようなことを私は申し上げたわけであります。ただいまのところは、とにもかくにもこの割賦販売の普及の情勢に対処して、弊害面を防止いたしまして、そうして健全な発達を期待する、こういう一点にまず政策を向ける、そういう段階であるというふうに私は考えている次第であります。
○中村(重)委員 大臣が強調しておられます弊害の除去、これは逐条審議をいたしますならば、この法の制定によってどれほどの弊害が除去されるのか、その点が明らかになってくると思うのであります。私は、やはり前通産大臣が答弁されておりますように——本法の制定が経済の成長に大きく役立ってくる、かつまた、この法律は経済の調節にも大きな役割を果たすのだ、このように池田前通産大臣は答弁をしておるのであります。ただいま大臣が答弁されたようなこと、考え方というものに大きな開きがあると私は思う。大臣は、日本においては大したことはない、こうおっしゃるのだけれども、この割賦販売というのが例年急速な伸びを見せておるということであります。その伸びを示しておるという中において障害となっておると、大臣が言われる弊害が除去されるならば、これはより急速な伸びが期待できるはずであります。してみますならば、現在の時点において大したことはないのだ、伸びてきたならばそのときに考えればいいじゃないか、そういう態度で法の制定をなさるということは、私は間違いだと思うのであります。この割賦販売法の制定をどれほど多くの業者が期待しておるか。大企業においても期待があるわけであります。あるいはチケット販売業者の期待はさらに大きいのであります。だから、そういった業者がこの割賦販売法の制定に対して側面から推進運動をやっているではありませんか。それほど業者の期待があるということは、すなわち、この割賦販売というものが、この法の制定によって相当大きな発展をして参ります。ならば、ただいま大臣は、現在の時点においての弊害ということをいろいろ言われておりますけれども、もっと大きな問題点が出てくると私は思う。昨日の質問にもございましたが、消費信用の膨張というもの、よって起こるところの影響、あるいは大企業の進出によって、あるいはデパートの進出によって起こる中小企業の圧迫、そのようなことが起こってくるのだということは、昨日も指摘されたのであります。私もそのように考えます。ならば、現在、単に割賦販売をやっておるところの販売業者と購入者との、いろいろトラブルというような問題よりも、より大きな問題が派生をしてくるということは間違いないと思います。ならば単なる交通整理法ではなくて、政策的な法の制定ということをやるべきではないか、前国会におけるこの法の内容に対していろいろそのような強い要求があったのでありますが、それを全然この法の中に盛り込んでいないという点はどういう点にあったか、まずその点をお聞かせ願いたいと思います。
○椎名国務大臣 この割賦販売の法律を出しまして、今行なわれておる割賦販売がより一そう健全に発達することをわれわれは期待するがゆえに、かような法律を出したわけであります。法律そのものの目標は、あくまで割賦販売の健全化でございます。まず健全にしておいて、そしてこれを政策的にもっと助長するような必要性が起こった場合には、今度はこれを助長立法にだんだん性格を変えていくということも考え得るのであります。そういうふうに、あるいはなるかもしれない。助長政策の法律ということになれば、金融の問題であるとかあるいは税制の問題とか、いろいろなこの制度の助長政策を各側面から考えるということになるのでございましょうが、ただいまのところはそういうものを考えておらない。どこまでも健全な発達をするように諸種の弊害を未然にまず除去する、制度の健全化をはかるというところに唯一の目的を置いておるのでございます。
○中村(重)委員 私はなお質問があるわけでありますけれども、時間の関係がありまして、あらためてあとで質問したいと思います。
○中川委員長 板川正吾君。
○板川委員 私は機械類賦払信用保険臨時措置法案について主としてお伺いいたしたいと思います。 まず第一に、この機械類賦払信用保険臨時措置法の賦払いというのは、割賦販売法でいう割賦とどういう違いがあるのか、その点からお伺いいたします。
○佐橋政府委員 割賦販売という点については、割賦販売法の割賦とほとんど変わりはないと思いますが、法自体が考えております対象といいますか、私の方が考えておりますのは、一応割賦販売法が一般の消費者を相手にしておられるのに対しまして、機械類賦払信用保険臨時措置法では中小企業者メーカーを相手にしておる、それから対象となる貨物が、割賦販売法では主として耐久消費財を考えておられるのに対しまして、われわれの方は設備機械を対象にいたしておる、そういう点で内容的にややねらいが違うかと思いますが、割賦販売ということ自体については同様であります。
○板川委員 次に目的と定義ですが、中小企業の設備近代化、機械工業の振興と二つの目的で本法が作られた、こういうふうにありますが、これはどちらに重点があるのですか。
○佐橋政府委員 われわれは中小企業の近代化に資するのと、機械工業の振興に資するのと大体同列に考えております。
○板川委員 中小企業の設備近代化の状況と、大企業のそれと比較した場合、どの程度中小企業の設備近代化というものがおくれておるか、こういう計数はありませんか。たとえば耐用命数を基準として現在中小企業が持っておる設備の状況と、大企業が持っておる設備の状況との比較といいますか、そういうものはございませんか。また中小企業が大企業並みに設備を近代化するためには資金としてどのくらいの需要があるか、見当つきますか。
○佐橋政府委員 ただいまの御質問でありますが、概括的には御承知のように大企業の方が資金力、信用力も豊富でありますので、設備の近代化に踏み切っておるテンポも、あるいはスピードも非常に早いわけでありまして、概括的に申し上げれば、大企業の方が中小企業よりもはるかに近代化が進んでおる、こういうことは申し上げられますが、機械関係全般について計数的に申し上げるのは、今手元に資料がございませんが、たとえば工作機械なら工作機械について、比較的大きな企業と中小企業との耐用命数、いわゆる機械の老朽化の状況というものは判明いたしておりますので、これは後ほど資料で先生のお手元にお送りいたします。
○板川委員 工作機械だけでもいいから一つ言ってみて下さい。それから資金需要はどうです。
○佐橋政府委員 工作機械、金属加工機械、プレスその他等についてお示ししたいと思います。 新しい設備需要といいますか、これは機械関係全般といたしまして、大体三十六年度に約三千億くらいの設備需要があると考えております。
○板川委員 その三千億程度というのは、本法で指定しようと予想されておる三機種の資金需要、こういうふうに考えていいですか。
○佐橋政府委員 ここで考えておりますのよりも広いのでありまして、本法で指定しようと考えておりますのは、工作機械、プレス、建設機械でありまして、この部分はそれよりはもっと少ない数字でありまして、大体本法で予定しておる三業種に関する限りは、大体三十六年度のこの機種の販売総額は千五百億くらいだと考えております。
○板川委員 この法建によって、いわゆる中小企業でない大企業が割賦で機械を購入した場合には保険にかけることができますか。それを禁止する条項がありますか。
○佐橋政府委員 この法案によって、大企業が買う場合も保険がかかります。と申しますのは、この法律は包括保険形式をとることになっておりますので、いわゆる危険の分散、あるいは保険料率を安くするために、工作機械メーカーが中小企業に売るときだけかけるということでは、いわゆる今申しました危険分散——保険料が高くなりますので、包括的にある一つの機種を指定しました場合には、その機械を割賦販売契約で売る場合には、大企業に売る場合といえども中小企業に売る場合と同様に、保険にかかるわけであります。
○板川委員 そうしますると、第三条の包括方式で保険をやりますから、大企業でも賦払いをする場合には当然これは保険に入る、こういうことになりますね。それで中小企業の設備近代化のためにこの法律を作ったという目的の一つから考えて、大企業と中小企業がこれを利用する割合というのは、どの程度を考えておりますか。
○佐橋政府委員 私の方はこの法案で考えておりますのは、法の目的に書いてありますように、中小企業の設備の近代化をねらっておりますので、この法案で適用されていくというものは中小企業が大半である、大体九〇%以上は中小企業だ、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 関連してちょっとお伺いします。 今、板川委員の質問に対して、大企業が機械を買った場合も保険対象になるんだ、こういうようにお答えになったんですね。それじゃ、本法第三条三項二号の規定はどうなりますか。
○佐橋政府委員 ただいま板川委員の御質問に対してお答えしましたのは、ある一つのここで指定されました機種が大企業に売られる場合でも、中小企業に売られる場合でも保険契約が成立することは同じだと、こう申し上げたわけでありますが、われわれが考えておりますのは、中小企業向けの機械を主として指定をいたしますので、これはもちろん大企業でも同じような機種を買うということがあり得るわけであります。その場合には大企業向けでも同じようにかかる、こういうことでありまして、その場合には賦払いによります割賦の不払いという事故が起きた場合には、当然政府が補償する、こういうことになるわけです。
○田中(武)委員 この三条三項は、「次に掲げる場合」すなわち一号の場合及び二号の場合、「保険契約を締結してはならない。」となっているんですね。そこで「中小企業の設備近代化及び機械工業の振興に資すると認められない場合」、いわゆる中小企業の設備の近代化と機械工業の振興というのは並列でなく、どちらかに入るならばいいということでなく、これは中小企業の設備近代化ということが一つの目的です。だから中小企業の設備近代化でなければ保険契約をできないといっているのと違うんですか。それならばあなたの言われておる、かりにそれが機械工業の振興になろうとしても、一方大企業がこれを買う場合は、中小企業の設備近代化にはならない、そういう意味において対象にならない、こういうふうに解するのですが、いかがですか。
○佐橋政府委員 私、田中委員の質問を三条第二項だと思ったものですから、失礼いたしました。三項二号の規定は、本法の目的に照らしまして、大企業だけが買う機械というようなものは、この保険の対象にしないということを規定したのでありまして、本法の目的を逸脱しないように、運用について考えて参りたい。私が先ほど来申し上げましたのは、主として中小企業向けに使われる機械でも、もしもそれを大企業が買う場合には、同じく保険にかかる、こういうふうに申し上げたわけであります。
○田中(武)委員 私は、それがこの三条三項二号によって締結してはならないという事項にならないのか、こう言っておるんですよ。「中小企業の設備近代化又は機械工業の振興」とはなっていないんですよ。「及び」なんです。だから中小企業の設備近代化を目的とし、それがひいては機械工業の振興になる場合以外は、保険契約を締結してはならない、こうなるんです。だから中小企業の設備近代化以外、すなわち大企業の場合には、あなたのおっしゃるような保険は、この法律によっては締結できないのですよ。いかがです、そうじゃないのですか。
○佐橋政府委員 三条三項二号で「中小企業の設備の近代化及び」と「及び」でつないでおりますが、これは両方をねらっておりまして、中小企業の設備の近代化に主として役立つのだという場合で、その機械がたまたま大企業に使われる場合でも、これはいわゆる包括契約の形式からいってかまわないというふうに私どもは考えております。
○田中(武)委員 この法律の解釈は、あらためて法制局に来てもらってすることにいたします。 今局長が言っておられるようなことであるならば、昨日以来大臣並びに局長が答弁してきたことは、本法の目的に関する限りうそを言っていたことになりますよ。中小企業近代化のためにということを大きな看板としてこの法律をかけるというのです。そうでなかったら、あとの方の私がきのう言った機械工業の振興というところに大きなウエートがかかる。すなわちこの割賦二法案は、ともにマスプロの救済法であるということに、ぴったりきてしまうじゃないですか。研究して下さい。これはあなたの答弁が間違っている。
○板川委員 その点ちょっと、この法律で、政令で機種を定める、こういうふうにあるのですが、その定める機種は何と何であるか、もう少し具体的におっしゃって下さい。
○佐橋政府委員 これは政令に譲ってありますが、現在三十六年度において指定を予定いたしております機種は、工作機械とプレス機械と建設機械で、一ただいま田中委員からの御質疑で私の答えが違っていると言われますが、この三条三項二号の規定は、「中小企業の近代化及び機械工業の振興に資すると認められない場合」というふうに規定しておりまして、大企業だけが使う機械、大企業向けと明らかにわかるような機械は入らない、この法では指定しないということを明示したものであって、中小企業に主として使うものを予定しているわけであります。決してうそを言っているわけではないと思います。
○板川委員 じゃこういう意味ですか。たとえば工作機械というのが指定される。工作機械にもいろいろあるでしょうが、旋盤、これは工作機械の中に入るでしょう。旋盤のうち六尺旋盤かあるいは九尺旋盤かは主として中小企業が使うから、これは今言ったように保険に包括保険で入る。しかしその中で五メートルというやつですか、大きいものは、中小企業、一千万以下の企業ではとても使えぬだろう。そういう種類のものはこの三条の三項の二号で、中小企業の設備近代化のためじゃないから、これは保険にかけることは相ならぬ、こういうことになるのじゃないですか。どういうのです。
○佐橋政府委員 仰せの通りでありまして、指定をする工作機械というふうに広く書いてありますが、実際に政令で指定をいたします場合には工作機械全般ではありませんで、今板川委員の御質問にありましたように、たとえば価格が非常に高い、あるいは非常に大型の機械である、こういうことで、これはもう明らかに大企業しか使えないというようなものは指定をする意思はありません。たとえば非常に汎用的に用いられ、しかもきわめて優秀で安い三尺旋盤は指定する。あるいは六尺旋盤までは指定する。あるいはボーリングの中でも小型のものは指定する。大型のものは指定しない、こういうことになると思います。
○板川委員 この機種を指定する場合には金額に何か標準がございますか。中小企業ということになりますと、今一千万円以下、三百人以下、こういう基準がございますが、工作機械、鍛圧機械、建設機械の三機種を当面指定しよう。そうすると、指定する場合には金額に一つの基準を置いて考えるのですか。そういうつもりですかどうか。
○佐橋政府委員 ここで金額をどれだけにするかというはっきりしたけじめは持っておりませんが、当然価格というものが問題になるわけであります。ただ、若干値段は高いけれども、非常に性能のいい機械であって、これを中小企業の設備近代化のためにはぜひ使わせたいという機械がありますれば、価格が多少高くとも指定をするつもりであります。と申しますのは、これは頭金だけ、かりに二〇%なら二〇%払えば、高い機械で性能のいい機械でも、それを中小企業が整備した場合には、その機械の働きによってこれを順次月賦で金を返していく。かりに一千万円の機械でも二百万円払えば、その機械が入手できて、あとはその機械のかせぎであとの割賦を払っていくという趣旨でありますので、多少値段は高くとも、ぜひ中小企業の設備近代化のためには使わせたいという機械があったならば、それは指定したい、こう考えております。
○板川委員 では金額では別に基準を引かない、こういうことですね。 次に、機種を政令できめる場合、割賦販売法では標準条件をきめる場合には、公聴会を開く、こういうふうになっておりますが、これは何らか意見を聞かないで通産省できめる。何か聞くつもりがあるのですか。当面は三機種だろうと思うんです。しかし将来さらにこの機種が拡大されていくと思うんですが、その場合に、拡大するような必要が生じた場合には、どういう手続をとってそれを指定しようとするのですか。その指定の手続について若干お伺いしたいと思います。
○佐橋政府委員 本法律にはそういった特別な諮問機関というものを設けておりませんが、先般本院を通過させていただきました機械工業振興法に機械工業審議会があるわけでありまして、ここでそれぞれの機種についての合理化計画を立てるわけであります。この法律がねらっております一つのねらいは、機械工業のいわゆる専門化、多量生産化というようなことをねらっておるわけでありまして、この機械工業審議会に付議いたしまして、どの機種がその目的に沿うかということを御審議願った上指定をする、こういうふうに考えております。
○板川委員 そうすると機械工業振興臨時措置法の十四条でいう「機械工業審議会は、この法律によりその権限に属させられた事項を調査審議するほか、主務大臣の諮問に応じ、機械工業の振興に関する重要事項を調査審議する。」ここを適用して、これでおやりになるということですか。
○佐橋政府委員 その通りであります。
○板川委員 次に、割賦販売法の割賦販売と本法のいう割賦販売契約というのはどういうふうに違いますか。
○佐橋政府委員 私の方が割賦販売契約というのは、二条の二項で定義を定めておりまして、「代金を政令で定める期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領することを条件として機械類を販売する契約をいう。」こういうふうになっております。割賦販売法の方は、「代金を政令で定める期間」というのが、「二月以上」ということになっておると考えておりますが、だからその点が少し定義の仕方が違うわけであります。この点につきましては、機械の割賦販売については、まだ典型的な販売方法もありませんし、あるいはここで指定します機種によって、取引の態様も非常に相違がありますので、弾力的に運用するために、必ずしも二カ月以上とかいうふうに限らずに、機種によりまして政令できめよう、こういう点が定義で違っておる点であります。
○板川委員 「政令で定める期間」とありますが、具体的にはどういうような内容を考えておるわけですか。
○佐橋政府委員 機械の従来の販売法というのは、頭金をもらって、残金を一括してもらうというような形でありますが、今度の本法で考えております「政令で定める期間」というのは、先ほども言いましたように、機種によって違いますが、大体六カ月以上三年以内、こういうふうに考えております。
○板川委員 次に、第三条で、これは意味がちょっと私にわからぬですが、「(機械類の製造業者からその製造するすべての機械類を譲り受けてこれを販売する者その他政令で定める販売業者に限る。以下「製造業者等」という。)」この「すべての機械類を譲り受けてこれを販売する者」というのは、具体的にはどういう意味ですか。
○佐橋政府委員 これは、機械メーカーの中には、その販売部門を独立させまして、別会社を作って、自分のところで作ったものを、一切販売会社の責任で売らせるというふうに、販売部門を分離しておる会社がたくさんあるわけであります。そういう場合には、そういう一切を引き取って売るという、その販売業者を相手にしようということであります。場合によりますと、たとえば一つの機種で関東地区の一切の販売権を持っておるという販売業者、あるいはかりに十種類の、たとえばダンプカーならダンプカーを作っておるときに、小型のものだけを全部譲り受けて販売するというような、いわゆるある機種を一括して販売するという、メーカーから販売網が独立したような形の販売業者を考えておるわけであります。(「代理店は違うのだな」と呼ぶ者あり)代理店は違うわけであります。
○板川委員 どうもこの表現がちょっとおかしくはありませんか。もっと適切な表現が他にあるんじゃないですか。「機械類の製造業者からその製造するすべての機械類を譲り受けてこれを販売する者」というのは、どうも今の説明の内容と表現とがちくはぐな感じがしますが、どうですか。
○佐橋政府委員 カッコ書きの方は、その機械メーカーから一切の機械を譲り受けて販売する者、その他政令で定める販売業者、こういうふうに二つに分けてあるわけでありまして、メーカー自身は直売りは一切しない、販売業者を通じて製造する機械類を一切販売するという業態があるわけであります。そういうものは政令云々の必要もなく、この保険契約の相手方となり得るわけであります。「その他政令で定める販売業者」というのは、先ほど申しましたように、一部のものを、十種類なら十種類の機械のうちの小型なら小型のものは一切やるというようなもの、あるいは地域的に独占的に売っておるというようなものを政令で規定したい、こういうように考えておるわけであります。
○板川委員 結局この意味は、機械類の製造業者から製造する機械を全部一括して譲り受けて、これを販売するもの、こういうふうな解釈でいいですね。 次に三条三項の二号の、先ほどちょっと出ましたが、「保険契約を締結しても、中小企業の設備の近代化及び機械工業の振興に資すると認められない場合」は、これは先ほど私ちょっと言いましたが、そのほかにどういうことが考えられますか。
○佐橋政府委員 たとえば中小企業が買いやすい、価格が安いけれども、品質が粗悪な工作機械といったものは、設備近代化に資するとは考えられませんので、こういった機械類は除外する、こういうことであります。
○板川委員 そうすると、中小企業者が買おうとした設備機械もある年数がたって古いものはいかぬ、そういうことになりますか。古いものを入れても近代化にならないから、中古品はいかぬということになりますか。
○佐橋政府委員 本法は新品だけを相手にいたしておりまして、中古機械は相手にいたしておらないわけであります。従来中小企業の設備近代化のためにいろいろ金が出ておりますが、金額の点もありまして、あるいは買いにくいというような点もありまして、中古機械を主として中小企業メーカーは買っておるわけでありますが、そういうことをなくして、新品の機械で性能のいいものを、中小企業に設備させたいというのが本法のねらいでありますので、中古機械は相手にいたしおらないわけであります。
○板川委員 中古機械はこの対象にならない、こういうことになりますね。 そうすると、もとに戻って第一条の目的なんですが、私は中小企業の新品の設備の近代化というのは、資金的に中小企業じゃなかなか容易じゃないと思う。これは大企業の機械メーカーの生産の集中化、量産化、専門化という点に重点があるような気がしてならないのです。二つの目的があるといえますが、中小企業の近代化というよりも、機械工業の——機械工業というのは大企業ですが、この振興という方に、重点があるように感じてならないのですが、どう思いますか。
○佐橋政府委員 先ほども申しましたように、この法律はあくまでも二つを並行的に扱っておるわけでありまして、機械工業の振興、確かにその点はねらっておるわけでありまして、本法律によりまして、いい機械の市場を安定させ、潜在需要を出していきまして、ロット生産にして大量生産の利益を享受させまして、できるだけ品質のいいものが値段が安くできる、こういうことになると同時に、それが中小企業に買いやすくなる。安く、しかもそれが割賦で買える。こういうことをねらっておるわけでありまして、決して片方だけをねらっておるわけではなくて、両方に役立つ、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。
○板川委員 たとえば、これは適切な例かどうか知りませんよ。ある旋盤を大企業が一年使ってみた。しかしその後いいものがあったから、大企業は金にまかして能率のいいものを買おう、一年使ったものを販売業者、買ったところに戻して、それを新しいものに取りかえる。こういうことになった場合、その一年使った中古品は、地方の中小企業にとっては、それでも設備の近代化になると思うような場合でも、それは保険にはかけられない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○佐橋政府委員 この法律はあくまでも新品の機械だけを考えておりまして、今のように大企業が稼働して、非常に短期間でさらに新鋭の機械に置きかえたという場合には、その中古機械は中古機械として適当に処分をされると考えますので、この法律ではそれを考えておりません。
○板川委員 それから第四条に関連する問題ですが、本法による割賦販売契約をして引き渡しを受けた。しかし引き渡しを受ける前に払い込みをしなければならぬということはないようでありますが、お互いに多少信用があるからということで契約をして引き渡しをした。そして第一回の払い込みがされないうちに事故が生じた場合。これは引き渡しをした場合には保険の効力が生じますから、その場合保険金は百分の五十ですから、結局百分の五十の保険金を政府が払う。こういう場合があったとしたら、所有権は半々になりますが、一体政府の方にあるのか、それとも販売したメーカー側にあるのか、どちらですか。
○佐橋政府委員 引き渡しはしたが、第一回目も払わなかったという場合に保険事故が起きた場合でありますが、その場合当然保険金がもらえるわけでありますが、その場合の所有権は販売をした側にあるわけであります。政府の方には代位をいたしませんので、販売業者の方に所有権があるわけであります。
○板川委員 そうすると、そのほかのたとえば一般の場合ですが、保険金が払われた場合でも所有権は政府の方になくて、やはり販売業者にずっとある、こういうふうに考えてよろしいですか。
○佐橋政府委員 その通りであります。
○板川委員 それから第六条ですが、保険料率は政令で定めるといっておるのですが、政令で定めようとしておる内容は、どの程度のことを考えておるわけですか。
○佐橋政府委員 これも機種によって非常に保険事故の状態が違うわけでありまして、いろいろ現在調べておりますが、大体現在私たちが考えておるのは、一%から〇・五%の間であります。
○板川委員 〇・五%から一%程度ということになるそうですが、この割賦販売法によりますと、第四条の「(書面の交付)」の中に記載すべき事項がありますが、この指定された機種が割賦販売法によって指定された商品、こういうことになった場合には、割賦販売法の書面交付の中に保険料率が含むとか、あるいは何%入っておるとかいうことを表示しなくていいということになりますか。これは割賦販売法の立場からお聞きしたいですが。
○松尾政府委員 割賦販売法第四条の規定は、割賦販売全般に関する規定でございますので、そこまでの、つまり保険料のところまでは特に要求いたしておりません。
○板川委員 保険料のことは表示してなくてもよろしい、こういうことですね。
○松尾政府委員 その通りでございます。
○板川委員 本年度一般会計から繰り入れられる金額は幾らですか。
○佐橋政府委員 特別会計を設置するために、一般会計からは二億円の金が出ることになっております。
○板川委員 その特別会計の収支予算、事業内容、これは資料にありますか。——なければその概要を説明して下さい。
○佐橋政府委員 現在予定しております三業種につきまして、本法による保険契約の締結がどのくらいあるかということでありますが、この三業種の三十六年度の売り上げ見込額は大体千五百億円と考えております。このうちで、割賦にかかわるものは大体六百億円ではないかと思います。この内訳は、工作機械が七十億、鍛圧機械が三十億、建設機械が五百億でありまして、六百億のうち、どの程後の実際の保険契約になるかというのをわれわれの方で試算しましたが、この六百億のうち、大体半分が加入するのではないかということ。だから、六百億円に対しての半分、三百億のうち、頭金で二〇%をとりまして、あとの八〇%が保険にかかわるわけでありますので、その八かけ、それに対して国の填補率が五〇%でありますので、さらにその半分を引きますと、百二十億という金額が出ます。それと、今年度保険契約を締結し得る限度を、若干のバッファーをとりまして百五十億ときめられておるわけであります。で、この保険料収入が大体四千五百万、それから二億の特別会計への出資金を運用部に預託をします運用益として七百六十万。だから五千二百六十万ということで、本年度は運営して参りたい、こういうふうに考えております。
○板川委員 きのうも議論になったのですが、割賦販売法が準用されるところ、たとえば所有権留保の推定であるとか、契約解除に関する条項とかは、この法律に準用されますか。
○松尾政府委員 割賦販売法の適用対象と機械賦払いに対する適用対象がいずれも指定されることになっておりますが、両方の指定を受けたものにつきましては、割賦販売法が当然適用されることに相なるわけであります。ただ、これは具体的の場合で判断しなければなりませんが、割賦販売法は、この内容でも御承知のように、いわゆる商人同士の取引の場合には、いずれも経済的に十分知識のあるものでありますから適用を除外いたしておりますが、機械の賦払いの場合には、商人同士の場合であることが多かろうと思います。そういう差異はございますが、原則的には先ほど申し上げましたような内容でございます。
○田中(武)委員 今の商人同士、こういうことなんだが、機械を製造するメーカーを甲とし、二条の第一項のカッコ内にあるものを乙とし、買い入れる中小企業者を丙と見た場合、甲と乙との間は商人同士、しかし、甲と丙、乙と丙、これが商人同士だということが言えますか。
○佐橋政府委員 ただいま企業局長の御答弁の中にありましたのに対して田中委員からあれでありますが、今の設例の点、乙から丙、甲から丙の場合には商人間の取引ではありません。当然割賦販売法の適用を受けると思います。
○田中(武)委員 そうすると、この保険に予定する割賦販売契約は、商人間における割賦販売契約ということは原則としてあり得ない。そうでしょう。
○佐橋政府委員 機械の賦払信用保険臨時措置法の関係では、そういう商社同士ということはほとんどないのであります。ただ、メーカーから商社に売る場合に販売契約がかりにあるとすればそれは適用になりますが……。
○田中(武)委員 さっきの設例による甲と乙との間は商人間同士になるけれども、それはこの割賦販売法の適用対象にならぬでしょう。
○佐橋政府委員 そういうケースはほとんどないと思いますが、あり得ることもあるわけであります。と申しますのは、私の方から出しております機械工業のこの賦払いにつきましては、買手に対しては何も言っておりませんので、当然販売業者から最終的には中小企業へ売るわけでありますが、かりにメーカーが販売業者に対して割賦売りをするということは、全然ないことはないわけであります。
○田中(武)委員 ちょっとおかしいですよ。買手は主として中小企業に限る、こういう何だけれども、あなたのさっきの答弁では大企業もあり得るということで、この点はあとでゆっくりやるとしても、買手は中小企業なんです。商社ではないのです。これははっきりしておるのですよ。もしあなたが言うように、さっきの私の設例による甲乙丙の関係を見た場合、甲と乙とは商社同士、しかし、それはこれの対象にならない。あなたは、なり得ると言ったが、そんなことはあり得ないですよ。かりに、甲乙丙で、甲が乙へ渡して、乙から丙に渡した場合に対象になるというなら、再保険の格好になりますよ。そんなことを考えていないでしょう。それは答弁違いますよ。
○佐橋政府委員 田中委員の御質問でありますが、私はあり得る、実際問題としてはないだろうと思いますが、法の建前からただいま言いました甲から乙へかりに割賦で売る、それを乙が中小企業へそのまま売ってしまうということがあり得ると思います。
○田中(武)委員 それはおかしいですよ。甲から乙へ渡して、乙がそのまま丙に渡すときには、割賦販売契約というのは甲乙丙の間にどういうように成立するのですか。甲と乙との間に別にあり、乙と丙との間で成立するのですよ。乙と丙との間のことを、これは保険対象としているのですよ。あなたの言うようなことはあり得ないですよ。
○佐橋政府委員 私はあり得ると思います。ただいま先生の設例の中で、甲から乙に売る場合、乙から丙に売る場合——大部分の場合は甲から丙に売られる場合がこの法律では圧倒的だと思いますが、甲から乙に売るというのが割賦で売られる場合にこれを排除いたしておりませんので、そういうこともあり得る、全然ないとは言えないと私は考えるわけであります。
○田中(武)委員 それならますますおかしいですよ。私が乙と言うのは二条のカッコ内です。甲と言うのは製造業者ですよ。甲と乙との間にそういう割賦販売ということが——もちろんあなたの言ういわゆる販売会社とか、特に特定の代理店などは入らないと言っておるが、政令に定める中に入るかもしれない、そのことをカッコ内の乙というのですよ。その間ならかりに割賦販売契約をやったとしてもこれの対象じゃありませんよ。
○佐橋政府委員 私が先生の質問を間違えておりまして、三条でいっておる販売業者を乙と言われれば、その間の割賦販売というものはあり得ません。
○板川委員 この機械類の賦払信用保険的なものを地方自治体で実施しているところが相当あると思いますが、その実情は知っておりますか。
○佐橋政府委員 現在大阪府でこれを実施いたしております。それ以外のところは私もまだ調べがついておりません。ほかに計画を持っておるところはあるようでありますが、現在のところ実施しているところは大阪府だけであります。
○板川委員 大阪府で実施しておる制度の内容というのは御存じですか。
○佐橋政府委員 大阪府で現在実施しておりますのは、中小企業の月賦販売をあっせんいたしまして、その機械代金の回収が不能になった場合、機械メーカーの損失を補償するという制度でありまして、あっせんの対象業者、結局機械を購入する側でありますが、これは資本金一千万円以下または従業員三百人以下の中小企業。それからあっせんをいたします機械は、工作機械、金属加工機械、運搬機、風水力機械、熔接機、鍍金装置、試験及び測定機にわたって、非常に多品種な機種を指定いたしております。あっせんの金額は一件につき一機械製造業者当たり三十万円以上、一中小企業当たりの年間あっせん総額は千万円以下ということで、三十五年の四月から三十八年の三月末日までの三年間を予定期間として、目標額を三十億円にしておられるようであります。こまかいことはありますが、大阪府でやっておられる概要は大体以上のようであります。
○板川委員 大阪府でやっておる制度の填補率、保険の代金というものはどの程度ですか。
○佐橋政府委員 これは保険というのでなくて損失補償でありますが、その料率はそれぞれ月賦期間の長短によりまして差があるようでありますが、四十カ月物二%、三十カ月物一・七%、二十カ月物一・五%ということでありまして、補填率は同じく五〇%であります。
○板川委員 現在大阪でこういう制度を実施しておる。さらに岡山県では本年四月から実施するといわれておる、さらに愛知県、兵庫県、山口県、広島県で近くこれを実施すると伝えられておる、こういうことになっておるそうですが、この機械類賦払信用保険臨時措置法と、これが二つダブった場合にはどういうふうになるのですか。そのまま両方やってよろしい、こういうことになりますか。
○佐橋政府委員 各府県でやっております補償制度と本法の保険との間には、実際に七月以降実施するわけでありますが、十分なる調整をはかりたいと考えております。と申しますのは、たとえば本法によりまして五〇%の補てんを受けて、さらに県から五〇%ということになりますと一〇〇%で、利潤を含んだものまでメーカーが補てんをされるというようなことになりますと、われわれのねらっておる趣旨でもございませんので、この点につきましては府県の制度と十分なる調整をはかって参りたいと考えております。
○板川委員 この調整というのが問題になるのじゃないかと思うのですが、こちらで指定しようという機種は三機種で、それも狭い範囲である。大阪ではそれが比較的広範囲にわたっておる。しかも大阪では一千万円以下、三百人以下の中小企業でなければ貸さない、こういうことになっておって、ある意味では大阪の方が中小企業のためであり、機種の貸す範囲も非常に広いわけです。そうすると調整するということになると、どういうふうに調整しようと考えておるのですか。
○佐橋政府委員 私の方の法律で指定しようとしておりますのは、先ほど申し上げましたように三機種でありますまして、このわれわれの指定していない機種について各府県が同じような損失補償をやられても、これは調整の必要はないわけであります。ただ同じ機種についてやられる場合には、今言ったように同じ機種について両方から保険なり補償なりがもらえるという事態が起きますので、その点について必要な調整をするとか、あるいは機種につきましても、できるだけわれわれが片方にねらっております専門化、量産化の趣旨に合わせて、府県の方も運用していただきたいと考えておるわけでありまして、いろいろな面で調整する点があると思います。この点は今後実際の実施期間までに十分連絡をとりまして、調整をはかりたいと考えております。
○板川委員 つまりこういうことになりますか。この法律できめられて、指定されたものは、地方の自治体がやる、そうした補償の仕方は一つやめてもらいたい、これに乗りかえてもらいたい、こういうふうになって、それでこの法律で指定しない機械類については、地方自治体でそれを補完的にやるのはよろしい、こういうふうに考えてよろしいですか。
○佐橋政府委員 両方で指定する機種が、かりに同じでありました場合でも、各府県でやめていただく必要は一つもありませんので、国がやります保険に、さらに府県が追加補償をされるということもあり得るわけであります。ただその保険料、補償料が、いわゆる保険価格をオーバーをするというようなことのないように調整して参りたい、こう考えておるわけであります。
○板川委員 それから最後に一つお伺いしたいのですが、この法律による割賦販売契約によって購入した機械類の契約解除に伴う損害賠償等の場合、この割賦販売法を準用するというふうになりますか。
○佐橋政府委員 この賦払信用保険臨時措置法では、損害賠償をするというようなことは結局販売業者がその権限を行使するわけでありまして、割賦販売法との関係では、同じ機種が両方に指定された場合には、当然割賦販売法の適用を受けるわけであります。
○田中(武)委員 関連して。先ほどの板川委員の質問の中で、局長の答弁にちょっと理解しにくいところがあったのですが、板川委員の質問は、頭金を払わずに機械を引き渡して、その後事故が起きた場合、所有権はどうなるんだ、この質問に対して所有権は販売業者にある、こう答えられたんですね。その点についてちょっと整理したいと思うんです。保険契約の締結の時期、これはどういうときに締結しますか。板川君の言ったようなときに、保険契約が成立しておるかどうか、すなわち保険契約締結の時期です。それはいつになるんですか。
○佐橋政府委員 機種を政令で指定しまして、メーカーが保険契約に乗りたいというのが適当であった場合には、年度の初めにそのメーカーと国との間に包括的に契約を結ぶわけであります。
○田中(武)委員 年度の初めに、何々機械製作所というところが具体的にどこ、どこ、どこに売るということがきまらない以前に、包括的に保険を締結することができる、そういうことなんですか。
○佐橋政府委員 その通りであります。
○田中(武)委員 そうすると、幾ら自分のところの機械が売れるかわからない。それに対して大体幾ら売れるかわからぬときに保険価格をきめて、そして保険の締結をやるわけなんですか。具体的契約に基づいてやるのと違うのですか。
○佐橋政府委員 その年度の初めにあるメーカーが、ある一つの機種をきめた場合に、国としてはそこで包括保険契約を締結いたしまして、今度は実際にそのメーカーが特定のだれそれに売ったという場合に、通知があるわけです。それに伴って保険料を納め保険価格が決定する、こういうことになるわけであります。
○田中(武)委員 従っていわゆる何々機械製造というメーカーと、国との間に保険を契約しようという予定というか、その予約は年度前にあって、具体的保険事実の発生は、販売者が購買者に売って、二条二項でいうところの割賦販売契約ができて、その後に発生するのではないのですか。
○佐橋政府委員 国と包括的保険契約を結んだメーカーが、ある特定の需要者に売るというか、割賦販売契約を結んだときに、具体化するわけであります。
○田中(武)委員 国の側からいえば、保険金の支払い義務の発生は、包括保険契約というか、それをきめたときではなくして、二条二項によるところの具体的な割賦販売契約ができて、機械を引き渡した後の受け取りの金額に対して義務が発生するのでしょう。従って国の保険金額の支払い義務というものは、具体的割賦販売契約ができたその後に発生するのではないですか。そうじゃないのですか。
○佐橋政府委員 仰せの通りでありまして、実際に保険の責任が発生するのは、事故が起きたときになるわけであります。
○田中(武)委員 ここでいう保険事故とは、引き渡し後支払うべき予定金額の支払いができなかった、これが事故でしょう。そうすると先ほど板川委員の言った引き渡し後事故が発生した場合に、所有権はどうなるかという質問の、その事故ということは、この保険でいう事故で、従って政府は保険金額支払いの義務がある、そうお答えになっているわけですね。私のそれに関連して聞かんとするところは、その事故というのは、この法律に予定する事故ではなしに、いわゆる事故、不可抗力等々の事故によって発生したときの権利関係を聞いておるのだ、こうとったわけです。ところがそうじゃないらしいので、あなたの答えでよくわかったが、それではこういう場合はどうなります。引き渡しをした。その後引き渡しを受けたものの故意または過失なくして、いわゆる善良な管理者としての注意を越えたところの事故によって消滅した場合の関係は、どうなりますか。
○佐橋政府委員 引き渡し後、その購買者の予期しないいわゆる事故が発生した場合でありますが、本法は債権債務関係をしばっておるわけでありまして、その購入者が機械は滅失したけれども、お金は払うという場合には事故がないわけであります。金は払わないという場合には、この保険事項が発生するわけであります。
○田中(武)委員 その場合もやはり政府は保険義務を履行する、こういうことですね。
○佐橋政府委員 当然履行いたします。
○田中(武)委員 板川委員に対する答弁と私への今の答弁とから考えてみるときに、やはり引き渡しを終えた。しかし金額、いわゆる価額の代金を完済するまでは、販売者の方に所有権がある。いわゆる割賦販売法の七条でしたか、規定がここに出ておるわけです。その上に立っての御答弁であると思うのですが、そういうことですか。
○佐橋政府委員 売り手と買い手との話できまることでありますが、大部分の場合は全額完済に至るまで売り手で持っておることが多いと思いますが、これは両方の話し合いで買い手の方に所有権が移る場合も、当然あり得るわけであります。
○田中(武)委員 特約のある場合のことを申し上げておるのではないのです。割賦法の特約なきときにおいては、所有権は移転しないものと見なす推定規定なのです。だからそれが生きておる。そうするとこの保険法の方の法律の第八条「(代金等の回収)」の中の最後のところの「当該機械類に関する権利の行使に努めなければならない。」というのは、何を意味しているのですか。 それからもう一つは、そういうことによって買い入れたいわゆる中小企業といいますか、購入者は代金完済まで、あるいはこの保険によって政府が保険義務遂行が終わるまで、他人の所有権のものをかわって占有しておる、こういう立場ですね。従って工場主の持つ責任は、他人のものを占有する者の義務という範囲における義務が発生し、それ以外の場合にはいわゆる管理義務は免れる、こういうことになりますね。
○松尾政府委員 その通りでございます。
○板川委員 大臣にちょっとお伺いしますが、この機械類賦払信用保険臨時措置法についてですが、この目的については再三大臣も言われましたように中小企業の設備の近代化、それから機械工業の振興のためにこの法律を作った、こういうことであります。われわれの方ではそのいずれに重点があるかというと、機械工業振興すなわち大企業の振興の方に重点があるのではないか、こういう考え方を持つわけです。その一例としては、たとえばこれと同じような制度が大阪府で現在やっているのです。それには一千万円以下、三百人以下の中小企業でなければ借りられない。この保険をかけられない、補償しない、こういう制度になっているのです。ところがこの法律によりますと機種を、六尺旋盤なら六尺旋盤の指定をしますと、六尺旋盤が大企業で大量に使っても保険にかけられる、割賦販売契約が成立すれば保険はかけられる、こういうことになって、大企業が十分利用できる抜け道があるのではないか。これはどうも法案のにおいが何か中小企業の設備の近代化じゃなくて、機械工業振興にあるのではないかという杞憂を持つのですが、この点に対して大臣のお考えはどうですか。
○椎名国務大臣 あくまでやはり中小企業向けの設備機械を中心とするのでございまして、この制度のねらいは、中小企業の設備の近代化助長というところに重点があるのであります。しかし先ほど局長からお話ししたように、大企業が機械をほんとうに賦払いで買い付けるというようなことは、私はあまり必要性がないものと思いますけれども、しかしこの制度の恩典に浴するということは排斥すべきではない。危険分散の意味からいっても、また中小企業向けの機械の専門生産というものを助長する意味においても、そういう場合は奇特な行為としてこれを受け入れるだけのやはり雅量を持った方がよろしい、こう思うのであります。
○田中(武)委員 もう昼も回りましたので、ここで私は大臣と局長の意見の食い違いを追及しようとは思いませんが、大臣、あなたが中座しておられるときに、局長の答えられた答弁と、今あなたの言われたところとは若干の食い違いがあります。次の委員会までに調整していただいて、はっきりした点を御答弁いただきたい。
○中川委員長 この際暫時休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕