商工委員会 第25号
- 発言数
- 91 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/12
会議録
○小川(平)委員長代理 これより会議を開きます。 都合により委員長が不在でございますので、私が委員長の職務を行ないます。 工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 前会に引き続き質疑を続行いたします。堀昌雄君。
○堀委員 ただいま議題になっております工場立地の調査等に関する法案につきまして一つ伺いたいと思います。 大体この改正案の主体をなしておりますものは、新たに工場を設置する場合に、その地域における設置が適当かどうかということを調査し、場合によっては勧告ができるということのようでありますが、あとで企画庁の計画局長が来られましたら、いろんな基本的な問題について伺いたいと思いますが、まずこの法案との関連で伺っておきたいことは、今後に予想せられる工場の新設については、既設の土地に新設をする場合と、新たに土地造成を行なって、そこに新設する場合とが予想せられると思います。そこでこの法案をこのままで拝見をいたしますと、第六条の届出の項に関しましては「少なくとも当該特定工場の設置のための工事の開始の日の九十日前までに、次の事項を通商産業大臣及び当該特定工場に係る事業を所管する大臣に届け出なければならない。」こういう規定になっておりますが、土地造成を行なって工場を設置する場合は、いかような取り扱いになるかをお伺いいたしたいと思います。
○松尾政府委員 今御指摘ございました届出の条項におきまして、「工事の開始の日の九十日前までに、」という点が、土地造成の場合にどういう形でこの条項を読むかという点に御質問の趣旨はあるかと思いますが、土地造成の場合に、御承知のように通常ある特定の工場建設のためにということを、非常にはっきりいたしまして土地造成をする場合もあると思いますが、必ずしもそうでない場合と両方あると思います。ある特定工場の目的のために土地造成をやるということが、非常に初めからはっきりいたしておりまして、従いまして、その土地造成の段階にはいろいろあると思いますが、通常私どもの考え方の常識的な判断から申しますと、建設工事に着手する目的で土地造成をやり、整地をやる、そういう段階はあると思いますが、この法律のこの条文では、ここにありますように、工事開始の少なくも九十日前までにというような表現になっておりますので、その辺は九十日前にぴたりと届け出をしていただく必要はございません。今申しました常識的な範囲内で整地をやるというぐらいのところが、大体建設工事着手の時期であるというふうに読めると思いますが、その辺を目安にして少なくも九十日前までに、目的がはっきりいたしておりますれば、なるべく早く届け出ていただいた方がいいということになると思います。特定の目的でなくて、一般的な用地造成が行なわれます際には、これはそういうわけには参りませんので、用地の整地をやってから特定工場のためにという決定があるといたしますれば、この場合には、たとえば工事着手の時期というのは、基礎を置く時期というような点をとらえて読むほかはないと思います。いずれにしても九十日前までにということで読んで参りたいと思います。
○堀委員 今のお話で大体わかりましたが、読み方が、「当該特定工場の設置のための工事」という意味は、結局三つに分かれまして、すでに団地のある場合に、それを整地をして工場を建設する場合の、整地にかかるところが設置のための工事の開始の時期だ。それから、これから土地造成をやりまして——これは府なり市なり、そういう地方自治体等が土地の造成を特定の目的でなく行なう場合には、その土地造成を行なってその特定工場が建設の工事にかかるその時点。それから特定の工場がそこに立つという目的で土地造成を行なう場合については、その土地造成を行なう九十日以前、こういうふうに理解をしてよろしいわけですね。 その次に、法案の中だけをちょっと先にお伺いしておきたいのは、第九条で「通商産業大臣及び当該特定工場に係る事業を所管する大臣は、第六条第一項の規定による届出があった場合において、その届出に係る事項が次の各号の一に該当するときは、工場立地調査審議会の意見をきいて、その届出をした者に対し、特定工場の設置の場所に関し必要な事項について勧告をすることができる。」その次にその条件が書かれておるわけでありますが、一番として「特定工場の設置によってその周辺一帯における工場又は事業場の立地条件が著しく悪化するおそれがあると認められるとき。」二番に「特定工場の置設をしようとする地域の自然条件又は立地条件からみて、当該場所を当該特定工場に係る業種の用に供することとするよりも他の業種の製造業等の用に供することとすることが国民経済上きわめて適切なものであると認められるとき。」この二つに勧告の場合の条件が限定されておるようでありますが、工業用水の関連ですね。ある地域における工業用水の計画との関連において適当でない場合はどちら側に入るのか。ここでは具体的にはそのような表現はされておらなくて、間接的な表現になっておると思いますが、皆さんの方で、これはどういうふうに理解をしておられますか。
○松尾政府委員 第九条の一項一号、二号の関係は、要約して申し上げます、と第一号の方が主として過度集中の防止を中心にした要件を規定しております。二号の方は、いわば適地と誘導をするために、適地誘導にあまり極端に相反するような立地についてチェックをするような意味の要件を規定しておると思います。工業用水の問題は立地条件の一つの重要な要素でございますから、いずれの場合にも該当する場合が出てくると思いますけれども、普通、現在非常に問題になりますのは、むしろ過度集中で、水のないところにさらに水を必要とするような工場が割り込む場合の方が比較的多いと思いますので、おそらく具体的の場合には、第一号に該当する場合が多いのではないかと思います。
○堀委員 一番、二番ともに表現が間接的でありまして、問題が非常に重要な勧告という問題に関連しておりますと、このような間接的表現で、はたして具体的な勧告ができるかどうかという点に、私いささか不安を感じておるわけです。今私どもが工場立地の問題を検討する場合には、あとで計画局長に来ていただきまして、所得倍増計画との関連で伺いたいのでありますけれども、一番大きな問題は何かといいますと、私は工業用水の問題が工場立地の一番重要な将来の問題点であろう、こういうふうに考えておるわけです。そういたしますと、今おっしゃった過度集中の問題、適地誘導の問題は、もちろん考え方としてはそうでありますけれども、一体どこからが過度集中なのかということです。もう一つは、適地誘導の場合も、相対的なものになるのです。そこで、こういうふうな過度集中にしても、相対的といいますか、どこに基準を置くかという点に非常に問題のある条項であり、片方も相対的なものである、こういう該当条件が規定されておる。しかしほんとうに必要な問題は、工業用水の需給関係の中で非常に問題が起こってくる。ところが工業用水自体は非常にはっきりしておる問題なんです。比較の問題とか、どこに線を引くかという問題でなくて、計画年度に水がとれるかとれないか、これはだれが見てもはっきりしておる問題です。そういうはっきりしておる問題が一番根本にあるにかかわらず、そういうものについての規制条件がここに書かれていなくて、いずれも、今申し上げたような、基準を引くのがきわめて困難であるところの過度集中の程度であるとか、あるいは適地に関する問題というところに線を引かれておるのは、一体どういうところにこの法案をお出しになった理由があるのか、少し私は疑わしい感じがするわけですが、あなた方の立場からは一体どう考えておられるか、もう一回伺っておきたい。
○松尾政府委員 先ほど申し述べましたように、工業用水問題は、現在特に工場の密集しておるような地域につきまして、きわめて重要な立地条件の要素に相なっております。法文の第九条では、そういうものを含めて立地条件が云々というふうに、一号、二号とも立地条件ということを明示いたしておりますが、その立地条件の中で、おそらく今御指摘のように、工業用水の事情というのが最も重要な条件であろうと思います。しかしさればといって、この条文に工業用水だけを特定して、工業用水のの事情が著しく悪化するような場合だけというのも、法律の規定の内容としてはあまり狭きに失するおそれがあると思いまして、ここではそういう重要なものを含めて、つまり工業用水の事情でありますとか、あるいは道路、港湾等の輸送事業でありますとか、そういう立地条件の重要なものをすべて含めて、立地条件という言葉で表わしておりますけれども、具体的な場合の判断になりますれば、その場合に一番重要な問題として浮かび上ってくるが工業用水等の問題が、当然大きな判断の条件に相なると思います。
○堀委員 少し前に戻りますけれども、次に第二条で工場適地の調査及び「工場立地の動向の調査を行なう」こういうふうに書かれておりまして、その三項に、「主要な工場又は事業場の設置の状況及びその設置に関する長期の見通しを個別的に調査することにより行なう。」こういうふうに述べられておるわけですが、工場立地の動向という意味ですね。ちょっとここははっきりしないのですが、これはどういうところをさしておるのか。
○松尾政府委員 今御指摘のございました工場立地の動向調査は、今回の改正で加えたいという内容のものでありまして、従来の工場立地調査は御承知のように工場がそれぞれのところに進出をしたい場合に、その受け入れ側である地域に関する客観的な調査を従来やって参ったのでありますが、それとやや立場を異にいたしまして、そういうところに進出をしたい企業の側の状況がどうであるかという点を、今度追加調査の対象として規定をいたしたい次第であります。実は通産省におきましては、三十五年度におきまして、ある程度そういう調査をいたしました。しかしこれはまだ必ずしも十分なものではございませんので、今回のこの条項を加えることによりまして、今後ある一定期間、たとえば十年間に主要な工場、事業場がどういうところにどのような生産能力及び生産数量、生産規模を持った工場を建設する計画があるか、従いまして、そういう工場を建設しようとすればどの程度の工業用水が必要であり、どの程度の輸送設備を必要とするか、また労務者その他に対してどういう需要があるか、そういう企業の側の工場立地条件に対する要求、そういうものの調査につきまして、今後ある一定の期間の見通しの調査をやってみたい、それと受け入れ側であります工場が行く先の立地条件調査と突き合わせて、ここで初めてある期間の工場の配置、というと言い過ぎかもしれませんが、その見通しが立ち得るのではないかという意味で、こういう二本立の調査を今後進めたい、こういう意味合いであります。
○堀委員 実は企画庁がまだ入っておられませんから何ですが、今後の日本経済の見通しの問題でありますけれどもこの法案が提案をされた理由は、最近東京周辺あるいは大阪周辺に土地造成を伴って著しく工場の新設が予定されておる。事実は、その予定をされておる工場が、どの程度のものが建つかということについてはほとんどはっきりしたことがわからない。本日こまかい問題としてあとで触れたいと思っております日本石油の西宮における工場設置の問題につきましても、埋め立ての問題は非常に早くから論議をされておるけれども、工場設置プランというものはきわめてずさんな形のものでしか提起をされておりませんから、はたして現在言われておりますような工業用水で足りるのかどうかという点について、きわめて問題が残ってきておる。実は今大蔵委員会に大阪港、堺港の埋め立てに関する外債の発行に関する法案がかかっておりますけれども、大体大阪近郊におけるこれらの埋め立てについてははっきりしていないですね。今おっしゃったような工場の動向といいますか、将来ここでどの程度の大きさで、どういう工場ができて、一番目安になる工場用水の問題が年度別にはどういう格好になるのかということについてほとんどわからないままに、きわめて大まかな論議が進められておるという点は、まことに遺憾だと思っておるのでありますが、今おっしゃるようなことが行なわれることは、私ども日本経済を計画的に処理するためには必要だと思うのです。 そこであとの関連でもう一つ伺っておきたいのは、この法案ができると動向の調査はできる。正確なものを出さなければ罰則がついているというくらいでありますから、おそらく正確なものを出したいということになるのでありましょうが、そこでその地域の総合開発をいろいろと検討した結果、水なら水について、工事用水については非常に困難な条件がある。そこでその場合にはただいまの一項ないしは二項によって、勧告がなされるという段階が来ると思いますが、一体その勧告がされたあとに——現在資本主義社会においては、ともかく最大利潤を追求するためには、たいていのことは何でもやられるという段階にあるわけです。通産省が勧告をしたけれども、いや私どもはどうしてもやりますということが起きないとも限らないと思います。そういうふうな勧告と、その後の状態ということについて、この法案が出る以上は、通産省としては何らかの責任が伴ってくると思うのでありますが、勧告というものの効力といいますか、その後の規制力といいますか、そういうものについてはどういうふうに考えておられるか。
○松尾政府委員 法律上の効果の問題といたしますと、第九条の勧告には文字通り法律的な強制力はございません。ただ実際問題といたしましては、法律に基づく正式の勧告を出すからには、相当その場合の具体的な仕情を精密な調査をして、もしその勧告が聞かれなかった場合には、工場建設がかりに行なわれても、水の供給は行なわれないであろうとか、あるいは輸送設備の整備は非常にむずかしいであろう、そういうだれが見てもはっきりした客観的な条件をとらえて勧告が出されるはずであります。従いまして、かりに法律的な強制がないからということで、企業がその勧告に従わないで、工場建設が行なわれた場合には、最終的に窮地に隔ると申しますか、困るのはその企業なり工場自体であるという、そういう客観的な条件のときに勧告が出されるものだと私どもは思っております。従いまして、法律でかりに罰金を課し、体刑を課すというわけには参りませんけれども、企業が自分の企業経営を考える以上は、そこまで突き詰めた勧告である以上は、十分その実質的な効果はおさめ得るのではないかというのが、私どもの判断でございます。
○堀委員 そこでその次に参りますが、先ほどから少し詰めて伺っております第九条の一項、二項に該当するであろうと考えられる工業用水関係の問題につきましては、実はたとえばそこに工場を進出させて来年から水が要る、こういうことでありますと非常に簡単でありますけれども、土地造成との関連でスタートをしてそこに工場を建てていく、こういうことになりますと、年度的には相当将来の問題に関してくることになる。ところが片面工業用水のいろいろな問題については、将来の問題になると、きわめて不確定要因がふえてくるということであります。そこでたとえば昭和四十五年の地点で工業用水の開発が、どの程度になるかということについては、今度は逆に政府側として、今おっしゃるような勧告をするためには相当精密な資料が必要とされてくるのではないか。その精密なものがもしなければ、今おっしゃるようにシビアーに言えば勧告はできなくなるわけですから、そういう問題について、これは工業用水の関連になりますと必ずしも通産省だけの問題ではなくて、建設省との関連も出てくると思いますが、一体日本の工業用水の今後の計画、そういう見通しについては、大体何年度までならば責任を持った資料が出せるのか、ちょっと承りたいと思います。
○松尾政府委員 工業用水の供給が工業用水道で行なわれます場合には、もちろんこれは場合によって差がございますけれども、非常に早い場合には一年くらいで通水できるようなものも、まれにはありますけれども、大てい二年、三年あるいはそれ以上、通水までの工事には時間がかかるのが通常でございます。しかし、工業用水道事業につきましては、御承知のように工業用水道事業法がございまして、あらかじめこれによる調整を受けておりますので、そういう事業の計画があり、その事業について資金面その他で見通しがついて、その計画が具体化しておるものにつきましては、当然私どもの方にその見通しがはっきり把握されております。従いまして、ある地点において、その地区に工業用水道事業の計画をあわせまして、今後何年間、たとえば今後三年あるいは五年の間に、どれぐらいの工業用水が供給できるであろうということは、ある程度はっきり把握ができるわけであります。ただ、今御指摘のように、昭和四十五年度というようにずっと将来の問題になりますと、これは工業用水道事業の計画では、現状ではまだ把握できません。できませんけれども、しかし、日本の自然条件によりまして、見通しは、水源の想定である程度つくはずであります。経済的な価値を無視して非常に遠いところから水を運ぶということを考えれば別でありますが、そうでない限りは、ある程度見通しがつきますので、ある地区について、工業用水の供給がこれぐらいあるだろうということは、まだ私どものところで非常に遠い将来のことの想定は、地区別に必ずしもはっきりいたしておりませんけれども、今回の改正案に基づきまして、企業が自分の立地を求める場合の判断の基準となるべき事項を公示するように考えておりますが、その際にも、ある地区にどの程度の工業用水の供給が、今後十年なら十年の間に可能であろうという程度の想定は、やはりその中で示したい考えでおります。そういう将来の見通しと、比較的短期のはっきりした把握、両方でこの法律の運営をし、また、この勧告の問題は、おそらく十年後の工場建設計画に対して勧告するというような場合は、ほとんど想定できないと思いまするから、今把握できる限りで、今後二、三年程度のものであれば、勧告をするだけの客観的な資料は私どもの手元で十分把握できる、そういうふうに考えております。
○堀委員 全般的なことを最初に伺って、個別的な問題に入りたいと思いますが、今お話しのように、私どもも非常にこの際に問題になると思いますのは、すでに団地のあるところへ工場を建てるということになりますと、工場建設の期間というものは、長くても一年半ないし二年のうちには完成をし、操業が開始をされると思うのであります。ところが、新たに土地造成をこれから行なって、そうしてそこに工場をずっと建てていく。具体的に申しますと、日本石油の西宮港地先の埋め立ての問題でありますけれども、ここでは大体百二十万坪程度の土地造成を日本石油の手によって行なう、そして、初期計画としては。日本石油の精製工場が約三十五万坪程度のところへ建つのだ、こういうことでありますが、大体石油精製に要する淡水工業用水の量というものは、最近非常に科学的な設備の近代化が行なわれておりますから、これは大した問題にはならないであろう。かって大臣からも予算委員会でお答えをいただいた通りだと思います。しかし、今の石油精製工場の大体の見通しというものは、精製工場単独では成り立たないというのはもう現在の通説でありますから、当然ここにコンビナートがくっついてくるであろう。そうすると、コンビナートがついてくるのは石油精製工場がある程度でき上がった後である、こういうことになりますと、この西宮の日本石油の問題につきましては、昭和四十六年度以降工業用水を十五万トンほしいというのが、企業側の考え方のようであります。そうすると、この十五万トンについては非常に疑義があります。それはなぜ疑義があるかというと、一体この日本石油が考えている石油精製工場なるものは、日産何バーレルのものが実際行なわれるのか、これがまだはっきりわかっておりませんが、言われるところでは、大体三十万バーレル程度だということであります。こうなると、現在一番大きい工場といわれる出光徳山とほぼ同等のものの三倍のものが建つということになります。そうすると、それに関連するコンビナートというものは相当膨大なものであって、はたしてこのあとのコンビナートを十五万トンの淡水工業用水で動かすことができるのかどうかについては、さっきの動向調査等によって、もう少しきめのこまかい問題が提起されてこないと、十五万トン自体にも問題があると思います。しかし、まずかりに十五万トンとしましても、それが四十六年以降に必要な水であるということになりますればスタートとしてはまず日本石油が土地造成をやる九十日前のところに、実は問題がかかってくるのであって、もしここで土地造成が許されるならば、ここは特定工場の目的によるところの土地造成でありますから、日本石油がここに建ったら、当然これにはコンビナートがくっついてくる。工業用水の需要は昭和四十六年だ、こういうことになりますと、一体勧告というのはこの場合どういうことになるのか。今おっしゃたように二年、三年の問題ならばよいけれども、十年先の問題になるとわからないということになると、この法案と今のような取り扱い、これは私、たまたま具体的に日本石油の西宮の工場を例に出しているだけでありまして、今後に起きてくる問題だろうと思うのであります。土地造成についての資金需要というものは、相当膨大な額を要しますから、必ずしも地方自治体、たとえば大阪府市合同でやっているように、これについても大体一千億円以上の計画になっておるのであって、私はその資金計画については、きわめてずさんものがあると感じておりますけれども、ともかくそういうような非常に多額の費用を要する土地造成となると、企業が行なう場合が今後は相当に出てくるであろうと思う。そうすると、そういうふうな長期計画との関連で、工業用水の判断をするということをしなければならないような段階がもうきておるのではないか、こういうふうに感ずるわけなんです。そういう場合に、今の法案でいくと、一体取り扱いはどういうことになるか、伺っておきたいと思います。
○松尾政府委員 今お話のございましたように、この改正法案の九条の勧告というような事態で予想いたしますのは、いわば緊急事態に対してそれに対する措置をしたいということにならざるを得ないと思います。十年後の状態に対してあらかじめ勧告しておくというわけには参りませんけれども、実際問題といたしましては、先ほど申しましたように、工場立地を最終的に判断をする企業の側が、どういう判断基準で考えたらよいかという基準となるべき事項は、一般に公示をしたいつもりでおります。これはかなり長期的なものになるはずであります。企業といたしましては、そればかりではないと思いますが、それを一つの目安として、十年なり何年後の自分の立地を、合理的に判断をしてもらうということが、まず先決であります。あとは、そういう形をとった長期の問題になりますと、企業が十年後について、あまり大きな誤った判断をしないように、これは今の法律制度とすれば、行政指導その他で補足していくという以外に方法はなかろうと思いますが、企業も社運を賭して大きな工場建設をやる場合に、おそらくそう軽率なことはしないであろうということが、一つの立法の前提になっておるわけでありますので、そのような場合は行政指導で補っていくということに相なると思います。
○堀委員 そこで、もう少し具体的に伺っておきたいのですが、阪神地区におけるおわかりになる範囲での今の工業用水の供給の見通し、きょうは河川局長もおいでになっておりますから、後段では建設省側としての見解も承りますけれども、通産省側として、淀川を中心とする工業用水に関する、おわかりになっている範囲の見通しを承りたいと思います。
○松尾政府委員 御承知のように、私どもの方の推算では、阪神工業地帯で工業用水として心要とする量は、おそらく六十万トンをこえるであろうという推定をいたしております。それに対しまして、現在までに大阪市の工業用水道ができておりますがさらに尼崎の工業用水道、大阪市営の工業用水道、大阪府営の工業用水道で、阪神地区に工業用水を供給いたしましても、そういうものが完成した暁でも、おそらくその合計は、これで見ましても概略四十万トン何がし程度の割合にしかならないと思います。工業用水道そのものは、それだけの建設費をかけて、ある程度ペイする見通しがあれば、今後とも計画はできるわけでありますが、その水源の問題ということになりますと、これはおそらく淀川の開発につきましてよほど抜本的なといいますか、基本的な開発をやらなければできないであろう、というよりも、もっとさかのぼって申しますと、最終的にはやはり琵琶湖の開発をやらなければ、阪神地区の工業用水の十分な供給の見通しはないのではないかというのが、私どもの現在の判断であります。現在堺地区に当面工業用水をできるだけ供給しょうということは、ある程度はもちろん可能でありますけれども、これは建設省の判断も同じであると思いますが、最終的にはやはり琵琶湖の開発に手をつけざるを得ないだろうというのが、私どもの判断であります。
○堀委員 建設省にお伺いをいたします。大体建設省でお出しになっております淀川水系緊急水利工事の総括としては、昭和四十一年までしか現在出ていないようでありますが、この皆さんの方の御計画を見ますと、これなりに昭和四十一年では供給できることになっております。淀川自体でものを考えますと、昭和四十一年における秒二十四トンというのが、大体最高のぎりぎりだと思いますが、今通産省でお話しになっておる琵琶湖開発という問題は、もちろん近畿経済圏で非常に重要な問題になりますが、この琵琶湖開発は一体どういうプログラムで進めようとされておるのか、その可能性と、スタートする年次、完成年次というのは大体どういうものか、建設省の方で予定があれば一つ承りたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 阪神地区におきまして、工業用水、それ以外に上水道、灌漑用用水、いろいろな諸用水の需要が逼迫してきまして、建設省といたしましても何らかの措置によって、そういう御要請にこたえたいというので、現在木津川水系の高山、宇陀川、青蓮寺というようなダム、それから先ほど話の出ました琵琶湖の開発、こういうもので御要請にこたえたいという考えでおります。琵琶湖の開発につきましては現在調査の段階でございまして、構想といたしましては、琵琶湖の水位を下げましてその間の水量を利用しよう、こういう構想でございますが、補償の関係といいますか、いろいろな点に影響するところ大でございますので、そういう方面の調査を極力進めまして、何とかして滋賀県の納得をいただいてできるだけ早く開発をしたい、こういうふうに考えております。従って何年から着工できるかという見通しは今ございませんが、それができるまでに、何らかの応急措置といたしまして、淀川の下の方に長柄という堰がございます、その堰をかさ上げをしまして、河道貯留によって応急的な措置をしたい、こういうふうに考えておる状況でございます。
○堀委員 実は今私が取り上げております問題は、非常に長期の問題と関連するものですから、そこで長期の問題はまさにおっしゃるように不確定ですが、希望的観測をすれば水がないわけではない。これは淀川水系の中で八十八トンからあるわけですから、まず長柄可動堰を上げて十トンここから生み出すとか、あるいは横に出ております農地に出ておる水を適当に調整して二なり五トンなりをそこから出してくるとか、水がないわけではないから、いろいろと有望的観測はあると思ううのです。しかし、現在の大阪港及び堺港の埋め立てについても、これはいずれも希望的観測の上に水を期待しておるのが現状なんですね。そこらに今後土地造成されるものは、みな希望的観測で水を期待しておるということになると、私は今後相当——今はいいと思います。しかし、さっき私が申し上げたように、水というものは突然できるものではなく、やはりある程度年度計画で工事していって、そうして水の見通しを立てて、さらにこれに並行して工業用水道を布設して、それに対する土地買収なりいろいろな問題があって——私が工業用水に関心を持っておりますのは、尼崎にいるからでありますけれども、年度計画も、実際状況では工業用水をしくだけでも、うまくいかないという現状があるところへ持ってきて、何か希望的観測が今非常にたくさん出ておるということがあって、私は、将来の点ではきわめて因難な状態が起こる余地があるのではないか、こういう不安を持っておるわけです。なるほど企業自体は自分たちの計算でおやりになるのですからそれはいいとしても、しかし水自体については、今もお話があったように、必ずしも全部が工業用水に使われるわけではない。まず上水道の問題は相当緻密に今後人口増加との関係で考えていかなければならない。またもちろん水利権の関係がありますから、農業灌漑用水からは、そのように一方的にこれを取り去るわけにいかない。しかし工業用水は、工場がここに建ちましたらこれだけ水を下さい、こういうことが次に出てくるということになると、この問題はきわめて複雑であって、困難な問題だ。そうしますと、計画局長はきょうおいでにならぬようですから、計画課長にこの関連を聞いておきますが、所得倍増計画の中で皆さんの方ではこういうことを言われておるわけですね。ベルト地域のうち、四大工業密集地帯の新たなる工場集中は、原則として禁止または制限する、こういうふうに書かれておる。そのかわり工業用水その他の追加投資を行なう。この制限または禁止するという表現がここに書かれておるのですが、これを書かれた真意といいますか、制限についてはいいですか、禁止という表現がここに出ておるのですが、これの出てきた経緯を、ちょっと企画庁の方に伺っておきたいと思います。
○遠藤説明員 お答えを申し上げます。 これは倍増計画の産業立地小委員会という名前がつきました委員会での検討から出てきたものでございますが、特別に今お尋ねのような禁止という言葉まで使ったことについて、非常な大議論をして特にこう出てきたといったほどの深い経緯はございません。常識的に四大工業地帯の密集部全部を考えておるわけではございませんけれども、もちろん、たとえば四大工業地帯と申しましても、中京地区のようにまだ相当余裕のあるところもあります。それにしても一番まん中の密集部には、あまり集中をしてくることは、長い目で見て工合が悪いのだ、従いまして、できれば禁止までもしたい、しかし、少なくとも新たな流入制限をしたい。分散と申しますか、そういうようなこともなかなかむずかしいのでございますが、最小限度入ってくるのを防ぎたいというほどの意味で使われたものだと、私どもとしては考えております。それほど深い経緯はない、かように存じております。
○堀委員 今の話を聞くと、やはりそうしたいという、これも希望的観測程度のことを、しかし言葉の表現としては非常にはっきり、原則としては禁止または制限したいということでありますから、われわれはこれはけっこうだと思うのだけれども、書いただけでは仕方がないわけですね。企画庁としてはこういうものを書いた以上、今度は——今の通産省の方は現実の問題について処理をされる立場ですが、やはり相当の長期計画ということになれば、企画庁としてある程度の責任を生じてくるだろうと思うのですが、企画庁側としては今の、私がここで問題にしておるような十年先の問題、これは所得倍増計画は十年なんですが、たまたまいろいろな工業状態というものは、今スタートして十年先に問題が発展するというようなものが、今後相当出てくると思うのですが、その場合に通産省なり建設省等と十分緻密な計画を立てていただかないと、ここに皆さんの方で出しておられる工業用水に関する資料について見ても、昭和三十三年には全部の工業用水は二千三百九十万トンだったのを昭和四十五年の見通しとして八千三百万トンにならなければいけないというようなことが出ているわけですけれども、無から有を生ずるわけにはいかないのであって、やはり何らかの手だてを必要とする。工業用水道だけについて見ましても、三十三年には百三十九万五千トンになっておるのが、四十五年の見通しでは三千七百万トン余りにして二十六倍くらいにふやさなければならない。紙に書くことは私はけっこうだと思うのですが、やはりこういうことを書く以上は、それに対する裏づけが本来的には必要になると思うのですが、企画庁の方ではこういうものを出して、それに対してはできるという判断があるのかどうか。また書いてみました、目標ですということだけなのか。中を読んでみれば、社一会資本の投資の状態なり行政投資なり、いろいろ考えているのだというようなことになっていますが、一体この近畿地区のこういう問題について、全体はいいですけれども、個々のものが積み上げられたような討議をされたのかどうか。全体としてただ紙の上の計算だけすれば、それは私は安易なものができると思うのですが、四大工業地帯の集中を禁止、制限するなどということが書かれる程度のことが行なわれているならば、私は当然そういう積み上げ作業のようなものの上に立って、こういう条件ではどうしてもだめだということで、これが出てきたのでなければ、この所得倍増計画なんというものはまさに紙に書いた夢物語りにすぎないと思いますが、それについて企画庁はどうですか。
○遠藤説明員 お答え申し上げます。ただいまのお尋ねの点でございますが、これは国民所得倍増計画という計画全体の性格にも若干関係いたすと思いますが、事務的に作成の経緯的に申し上げますと、やはりこの中の計画に書き上げております工業用水の使用量が、このくらいになるだろうというような点は、もちろん関係省ともいろいろ連絡して計算いたしまして、委員会としてはできる限りの努力をして計算いたしたわけであります。計算そのものはやはりある程度マクロ的な計算でございます。同時に、従いまして阪神地区が具体的にどうなるといったような、いわゆる積み上げ計算というような表現をお使いになりましたが、必ずしもそういった計算ではないかと存じます。ただしかし、それでは全く計画として意味がないじゃないかということでございますが、この点は、私どもといたしております長期経済計画の面から申しますと、十年後の望ましい姿、それに対しまして必要と思われる政策その他を提案するというような態度でございまして、必ずしも年々の実行計画を持っておるということでもございません。それはそれなりに意味があると自分らとしては考えております。 もう一つ、行政投資その他でいろいろ投資額を計算しておるじゃないかという点でございますが、工業用水の点につきましては全部がいわゆる行政投資ではございません。行政投資のような形では投資額を計算いたしておるわけです。
○堀委員 あまりずさんですから、一つ企画庁長官の出席をお願いします。 ちょっと河川局の方にお伺いしますが、琵琶湖の問題を調査していらっしゃるという調査費が組まれておりますね。これは私詳しく知らないので、一体いつから、どれくいな調査費が組まれておるのか、調査の完了時期の見通しはどうなのか、そこをちょっと伺いたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 ただいま資料は持ち合わせございませんが、二、三年前からたしか調査をやっておると思います。もちろん本年度もやりますが、先ほど申し上げました補償の関係が非常に複雑にわたりますので、ことし一ぱいで完了するということにはとてもいかないと思います。ことしの状況によりまして、さらに調査を続けたいと考えております。
○堀委員 そこで今お話のように補償の問題となりますと、補償というのはある時限を限らないと、たとえば今補償はこれだけだということになりましても、調査をし、いろいろ工事をして、これがまた相当先で実際生じてくる、その時期における補償になるわけですから、実際問題として、相当この点がまた膨張する可能性というものが予想されるわけです。そうすると、すでに二年来調査をやっておられる、本年、昭和三十六年度においてはどうもまだ完了をしない、昭和三十七年度も、これは将来のことですからわからなくなるということになると、裏返して言いますと、将来の見通しとして可能性はゼロではない。ゼロではないが、できるという点、はっきり詰めた格好として責任を持ってできるということが言い切れない。琵琶湖開発によるところの水資源の利用については、当面建設省としては、高山、宇陀川、青蓮寺ダムによって最終的に秒九トンを生み出すということが、昭和四十一年度においては、これは計画としてはほんとうに期待できるものとして考えられるものと思いますが、大体この淀川緊急水利の中で予想されるものは、秒二十四トン以上については今後はともかく、不確定要因であって、それをもとにしていろいろな問題を提起をしていくことは、現状においては政府としては保証できない、こういうふうに理解をしてよろしいのですか。
○山内(一郎)政府委員 阪神地区の水の供給源といいますか、それにつきましては先ほどの長柄堰の改造の問題、それから高山、宇陀川、青蓮寺、これは非常に確かな計画で、予定通りできると思います。ただ琵琶湖が先ほど言われましたようにまだまだ不確定のところがある。しかし最近の滋賀県の空気といいますか、これは私らとしては前よりも好転しつつある、こういう観測をして参っているわけでございます。従って非常に不可能ということよりも、やはり可能性は相当出てきたという状況でございます。
○堀委員 一説によると、補償のためには一千何百億円とか二千億円も要するとか、年間大体百億円くらいの補償がしてほしいとか、こういうことをいろいろ私聞いておるわけですが、現在あなた方の方でわかっておる範囲での補償の問題は、どの程度になっておりますか。
○山内(一郎)政府委員 その金額もはっきりつかんでおりませんが、まず補償の具体的の内容といいますか、たとえば水位が下がった場合に漁業関係の減収額はどのようになるか、こういう実態の把握から現在始めておるわけでございます。従ってまだ金額までは出ない、こういう状況でございます。
○堀委員 今のお話では空気は好転した、しかし金額までに発展していないという。それで空気が好転するという答弁は、いささか恣意的に過ぎると思うが、一体どういう点で好転しておるのですか。具体的にお聞かせ願いたい。
○山内(一郎)政府委員 従来は滋賀県としては絶対反対という状況でございましたが、最近琵琶湖の協議会——滋賀、京都、大阪、兵庫、あるいは大阪市、京都市も入りますが、そういう協議会におきまして、琵琶湖の開発はどういうふうにしょうかという計画の一端といいますか、そういう話に入ってきたという段階でございまして、従来はそれにも参加はされなかったのではないかというふうに私たちは考えておりまして、そういうようなことでやや好転しているのじゃないか、こういうように考えます。
○堀委員 それでわかりました。やや好転というのは絶対反対だったものが、多少考えようという条件闘争に変わった。しかし今度は条件自体が非常に問題なので、その条件についてまだはっきりきまっていないということになると、具体的な計画をするための資料としては不十分である。工場をこれから建設をして昭和四十五年度に十五万トンの工業用水を工業用水道によって補給をするという計画を、今この地点で立てることにおいては政府側としては保証が立たない、そういうふうに私は理解せざるを得ないと思いますけれども、この十五万トンは、今の地点でしかわれわれはものを判断することができませんから、少し無理であるとか、まあ可能性があるとか、こういう程度のお答えしかできないと思いますが、昭和四十五年度において、この十五万トンの工業用水というものは、淀川の緊急水利工事の中に入っておりませんから、これは新たに持ってこなければならぬ要素になると思いますので、これについては通産省の方でもけっこうですからお答えいただきたい。
○松尾政府委員 現在の堺地区の工場建設のための水という問題になりますと、一応昭和四十一年度くらいまでのところを目安にしておけば、当面の水の問題の目安はつくわけであります。その辺までのところは先ほど河川局長からもお話がございましたような三つの多目的ダムの建設をやる、あるいは淀川の浄化用水の一部をさくというような形で、あまり大きな建設計画にならない限りは、一応つじつまは合っていくであろうというのが私どもの想定でございます。ただそれ以上の問題になりますと、現状ではまだはっきりとした見通しをつけて申し上げるような段階にはなっておらないというのが実情でございます。
○堀委員 そこで、今おっしゃるように四十一年までは、皆さんの方で計画をお出しになっておりますから私もわかります。しかしこの四十一年までについても、実は私は少し問題があると思う。途中の経過の中で、少し供給量よりも需要量が伸びておるところが——これは大阪府の方が出しております要望量総括表で見ますと、少しギャップのあるところがある。これはダム建設の関係あるいは農業用水転換という部分が、年次別に見ますと昭和三十八年に二トン、三十九年に五トンというふうに機械的に書かれているわけですが、はたしてこれができるかどうか、農業用水の問題は相当に今後話し合いをしていかないとつくかどうかわからない不確定要因だと私は理解するわけです。ですから、もしこの二トンがうまくいかないと、昭和三十八年には十トンしかできないということになる。それ以後の三十九年も十トンしかできないということになりますが、片方で見ると三十八年には十三トン、三十九年には二十トンくらいはどうも需要の方はということで、ここらあたりで、すでに相当大きなギャップが生じてくるのではないかという感じがしているわけです。そのことはさておきまして、今この法案との関連で見ますと、さっきの行政指導をなさる場合には十五万トンの水の見通しが立つ時期、それがはっきり出るか出ないかということがきまる時期が将来あると思います。琵琶湖開発の関係でいろいろと検討が進められて、これが正式な計画として湖琵琶開発計画というものができて、年度別の給水状態なり工事との関連で、昭和何十何年度には大体何トンの水が——二十トンくらいは出てくるでしょう。そうなった暁には、その地点においては十五トンの工業用水も可能であるということを逆算していきますと、この問題は少なくともそういう見通しが立つまでは、行政指導によって、そういう土地造成は、今後の全体の関連において少し控えるべきではないか。特に私がそれを取り上げておりますのは、地盤沈下という問題に対する政府側の見解が率直に言いますと少し甘いという感じがするからであります。今尼崎は工業用水六万トン供給をすることになりました。そこで一番沈下の激しかった西部地帯は、大体年間十八センチくらい沈下しておりましたのが、六、七センチくらいのところまで少し沈下は少なくなりましたが、中央部においては、昭和三十五年度でも依然として十八センチ下がっている。中央部は皆さん一回ごらんいただけばわかりますが、運河のような格好で土地はコンクリートの壁によって支えられておる。大体水面一メートル以上に水がきておるというのが中央部の実態です。それが毎年十八センチずつ下がりつつあるというのが現状なんです。大阪市におきましても最近の地盤沈下は非常に著しくて、私は大阪大学の卒業生でありますが、われわれの卒業した昭和十六年に、堂島川の水位というものは、その川の横に踏み段のようなものがありまして、そこから魚釣りをすることができたという状態、これば二十年前のことです。今はそれよりはるか上にきて、大体一メートル五十センチくらいは全体として沈下をしておる。それはマクロで見ただけですが、最近大学に行ってみると、そういう沈下をしておる。新規の工業用水の問題の前に、すみやかに代替工業用水を補給しなければ、地盤沈下というものは、一般に皆さんが考えられておる以上に実は深刻な問題です。これによって失なうところの国の経済的な損失というものは莫大なものだと思いますけれども、それが不十分な状態で置かれていて、ややもすると今問題は、新規の方に焦点がかかりつつあるという段階にきておる。実は私に言わせれば、工業用水問題については、地盤沈下の著しい地帯では新規の問題よりも、尼崎が今やっておりますような代替用水の段階に現在あるときに、土地造成によってどんどんと新規需要が今生まれつつあるということは、工業用水の点から見ると、問題がある時期だと思う。そこで新規需要の問題と、代替工業用水との優先度の問題、これを通産省は一体どういうふうに考えておられるかをちょっと承りたい。
○松尾政府委員 御指摘のように、地盤沈下地帯に対する対策は、非常に緊急度の高い問題でございますので、代替工業用水の問題は、工業用水を供給する政策的な問題としては、もちろん非常に緊要度の高いものでございます。ただ問題は、その際にそれではそういう代替用水を供給するような、いわゆる既成工業地常に水を補ってやることだけに重点を置き過ぎて、その点にあまり終始をいたしておりますと、何と申しますか、過度集中を考えないとはいいながら片方どういう地帯に新しい工業地帯を求めたらいいのかという誘導策については、やはり欠くるところがある結果になって参りますので、優先度をどちらということは、これはむしろ具体的な場合でしか判断はできないと思いますけれども、片方に、やはり新しい工業地帯にも水の供給のことは考えてやらなければならない。しかし緊急度という、火急の問題といたしますれば、当然地盤沈下の問題が最も火急な問題であろうというふうに考えております。
○堀委員 もちろん全体で見ればそういうことだと思いますが、阪神地帯で見ますと、今回の新たに埋め立てて十五万トン要るという工業用水の問題と、すでに沈下を起こしております地帯に対する代替工業用水とは、比較にならないと思うのですね。片方はやめれば済むことだし、片方はやめるわけにいかない。ほっとけばどんどん沈下するんですから、これは緊急度に非常に差があるということですね。そういうことを見ますと、大阪の府市合同、大阪市営の工業用水にしても、現状からいうと私はまだこれでは不十分じゃないかと思っているのです。堺南港、大阪港に新規の工業用水が必要です。もちろん必要ですが、限られたシェアーの中で分けていくというときには、多少代替の方に比重をかけるくらいにやっていかないことには、これは国の損失としては非常に問題が生じてくるんじゃないか、こういうふうに考えますから、その点について今伺ったわけですが、そこで、さっきちょっと触れましたように、皆さんの方では、順位としても代替用水の方が優先するんだというようなことで、少なくとも昭和四十二年度までは新たな十五万トンの工業用水については見通しがないということは、はっきり言えるわけですね。はっきり言えるとなれば、この今の西宮の問題については少なくとも、この法律そのものの勧告ができるかどうかは別として、行政指導によって、見通しの立つまでは待つべきであるというのが、私は常識的な判断だと思っておりますが、これは大臣に一つ、政治的な問題も入りますからお答えをいただきたいと思います。先般予算委員会でも伺っておりますが、その点の大臣の御見解を……。
○椎名国務大臣 だんだんの御検討によって明らかなように、地盤沈下の対策がより緊急でございますから、あの地帯としては新しい用地造成をして莫大な水を供給しなければならぬというような状況は、かなり慎重に考慮すべきものである、こう考えています。
○堀委員 具体的には、実はこの西宮市の問題を少し調べてみたのでございますが、市の方は非常に誘致を急いでおられるような点が見受けられるのであります。それはなぜかと申しますと、そういう工業用水の問題が非常に出て参りまして以来、あるいは市内にある北山というところにダムを建設して、日量二万トンの工業用水の供給がしたいというようなことで、いろいろと市のニュースその他、あるいは社会党の支部が出した公開質問状に対する答弁等、あらゆる公的な場面において、その二万トンの工業用水を北山ダムで使うことができる。あるいはこの前もちょっと触れましたけれども、武庫川ダムというのを建設して、四十万トシの工業用水がここからとれる。これは何か阪神地区水資源開発協議会とかいうものがあって、概算の検討をしてみると、この工業用水はトン当たり四十円ないし七十円かかるというようなことがすでに出ているようでありますが、こういうようなトン当たり四十円も七十円もするような工業用水が、はたしてこの競争の激しい、自由化を前にした経済状態の中で可能かどうかということも、冷静に判断すればわかると思うのですが、そういうようなことが言われている。あるいは今度は西宮市自体を調べてみると、少し地盤沈下が起きているわけです。私が調査した範囲で申しますと、一番沈下しておりますのは、これは調査期間が非常に不確定でありますからわかりませんが、七年から三年の間で、西宮市で尼崎に一番近いところはすでに七十センチ沈下している。それがだんだん東にいくと減っておりますが、今津港内で五十二センチ、西宮港内で二十八センチ、芦屋海岸で十六センチ、最近数カ年の間に沈下しておる。これは調べてみますと、現在西宮市内では、四万五千トンの工業用水を井戸水によって補給しておるということがこの沈下と関連があるようでありますが、そういうことで今度は淀川の緊急水利の方へ三万トンの工業用水の供給を申し入れておる。こういうふうな事態が明らかにされておるわけです。見ますと、ほんとうの基本的な十五万トンの水を確保するという問題が正面切って取り上げられるのなら、私は将来との関連において非常に科学的だと思うのですが、そういうような二万トンだとか三万トンだとか、また四十円も七十円もする水を、できるかできないかわからないダムを建設して、作るんだというような、そういうことをあの手この手でやっておられて、工業用水の見通しは大丈夫だ、大丈夫だということで、こみ問題が発展をしていくということになりますと、これはきわめて重大な問題があとに残ってくる要素がある、こういうように思うわけです。そこで一つ一つ伺っていきたいのでありますが、北山ダムの建設については、すでに通産省の方に、何か申し出がしてあるように、新聞その他には出ておりますが、本省側としては、これについては何か御存じでしょうか。
○松尾政府委員 西宮市の当局では水の問題は何とかするというようなことを言っておられるようなことは伺っております。しかし西宮の周辺で、今御指摘のような幾つかのダムの建設で、どの程度工業用水の確保の見通しがあるかということは、私どもまだ十分には聞いておりません。私どもの方では、おそらく西宮市内の問題で水の問題が片づくとは思いませんので、少なくとも県単位で、もう少し広い視野で水の問題はどの程度の見通しがつくものか、その辺の検討から始めるべきであるというふうに考えておりますが、今御指摘の北山ダムの問題が、具体的な話が参っておりますかどうか、私まだ十分に承知いたしておりません。
○堀委員 実は私、その問題がちょっと気になりましたので、出て参りますときに大阪通産局に聞いてみましたところが、そういう照会はございましたが、何か調査資料が不十分のためにさらに調査をするようにということで、市の方には申し上げておる。降雨量その他については、近くの六甲山の——かなり離れたところの降雨量等が推定されておるので、さらに詳しい資料を要求したということでありましたから、本省には具体的にまだ来ていないのかと思いますが、ただここで申し上げておきたいのは、やはり工業用水のような——上水道のような水の場合は別でございますが、工業用水のようなものを供給しますときに、日量二万トンのダムを作ったりするというような考え方は、私は常識的でないと思うのです。これは私が申し上げるまでもなく、通産省もそのようにお考えだと思うのですが、この日量二万トンの北山ダムもそうですし、淀川からの緊急水利で三万トン、地盤沈下しているから、引かしてくれという申出があるようですが、一体日量三万トンの工業用水を引いてどのくらいのコストとなるのか、引き合うのかどうか。尼崎へ、御承知のように最初の計画が二十万トンで、次に十一万四千トン引くということになっておりますが、工業用水道というのは少なくとも相当長距離にわたって施設をするのに、日量三万トン程度の水で引き合うものかどうか。工業用水道の価格の問題との関連、そしてまた通産省としても、あるいは企画庁でもそうでしょうが、そういうような場当たり的な工業用水の要請があっても、私はこういうようなものを、全体の今の大きな計画の中で見れば、取り上げるに足らないと思いますが、通産省の御見解はいかがですか。
○松尾政府委員 工業用水底、その使う方の企業の立場で、経済的な限度があることは当然でございます。通産省としては、その点にも一つの政策的な大きな重点を置いて考えておるわけでありますから、水の量の問題と質の問題が常にからんでくるわけであります。今御指摘になりました点は、もっと検討しなければということであるのかもしれませんが、常識的に考えて、非常に考えにくいような問題であるように思います。現在、今申しましたような工業用水の価格の問題を考えまして、企業の側が使い得るようなところまで特定の地区につきましては補助金で補っておりますけれども、これにもやはりおのずから限度があるわけであります。公共投資につきまして補助金で補うとはいいましても、おのずから限界がある問題でありますから、具体的な計画につきまして、かりにそのような申し出がございますれば、今申しましたような点を十分考慮した上でないと、ここでは何とも申し上げようがないのではないかと思います。
○堀委員 非常に遠回しのお答えなんですが、私もうちょっとざっくばらんに伺っておきたいのです。今この三万トンを大阪府へ持ってこられたのは、現在地盤沈下をしておることに気がついた、そこで四万五千トンの工業用水を井戸水でくみ上げておるから、その代替として北山ダムの二万トンと、淀川の三万トンで地盤沈下を食いとめたいのだということが、その理由のように大阪府の関係から私は聞いておるわけです。そうしますと、今のはまさにその限りにおいては代替用水なんですね。工業用水としての代替用水ということになるわけですが、それにしても非常に地方自治体の計画として場当たりに過ぎる。それは私の感じでは日本の石油の問題が非常に発展をしたために、地盤沈下の問題等も明らかにされ、そこでやはり工業用水について市民に何らかの安心感を与えたいというような非常に目前の問題との関係で、私はこういう問題が提起をされておる感じがしてならないのであります。そこで通産省としては、当然工業用水については責任のおありの立場でもありますから、この点についてはもう少し本質的な問題としての行政指導ですね。もし工業用水道がほんとうに必要なら、やはりそれは十万トンなら十万トンのものを私はしくべきだと思うんです。そうしてそういう小さな市内のダムを作るというようなことをやめて、やはり資金を一本化して効率的に使うということでなければ、これは地方の行政投資にしても、元を返せばやはり国が工業用水については負担をしなければならぬ問題でありますから、適切な指導がされてこなければならないと思いますので、その点についてはこのような取り扱いは——北山ダムの二万トン、これは今後いろいろと計画をされるでしょうけれども、市当局は二年か三年のうちにはこれを作ります、この中には国有林や市有地がおもであって、補償も大したことはないのだという非常に一方的なことがどんどん流されておるわけです。私は市の段階として公のニュースにあまりに不確定なことを流されることについては、いささか穏当を欠くという感じがしておるのでありますけれども、政治的な配慮か何かでこういうことが公然と行なわれておる。しかし私どもは、少なくとも行政が今後は相当科学的な判断の上に立たなければ、思いつきによってともかくあれをやりこれをやりというようなことが行なわれたのでは、これは市民としても国民としてもたまらない、こういう判断に立ちますので、北山ダムのような問題、それから三万トンの工業用水道の問題については、当面そのような問題を考えるべき段階ではない。少なくとも今後のいろいろな、西宮市における工業の問題等を勘案して、長期の計画ということで組み直されるべきではないかと私は判断をするのですが、通産省の方では、もう少しその点はっきり一つお答えを願いたいと思います。
○松尾政府委員 この問題についての考え方の基本は、今御指摘の通りであると思います。ただ御指摘になっております点は、非常に具体的な問題でございますので、私の立場上、もう少し具体的な問題についての十分な検討をした上でないと申し上げかねる立場にあることを御了承願いたいと存じます。
○堀委員 もちろんよくわかります。具体的な問題のときに、御調査をなさってないと判断できないことは、私も立場上わかりますが、ここで伺っておきたいのは、こういうダムが工事用水を補給するという目的で作られるという場合には、ルールとしてはおそらく、これは起債で行なうということを市の方は言っておりますから、その起債の取り扱い方については、自治省に対して起債の要求をするだろうと思うのです。しかしそれについては補助金か何かが出ることになるのですか。何か通産省としてこの問題については相当関係がおありだと思うのでありますが、そういう具体的な問題が出てきた場合には、考え方としては、今のような小さな、一万トンでいくのかどうかわからない、二万トン推定しても、はたして二万トン供給できるかどうかわからないようなものに起債を設けてやることが適当かどうかということについては、あまりむだな投資が行なわれることのないような指導をしていただかないと困るのじゃないか。起債その他に結局関連してくると思うのです。そこをちょっと伺っておきたいと思います。
○松尾政府委員 工業用水道の建設の場合には、原則としては起債ベースで採算をとるのが建前でございます。もちろん、そういう計画その他につきましては現在、先ほど申しました工業用水道事業法に基づきまして計画その他の調整をやる。調整をした上で自治省に対しまして起債のワクを私どもの方から要請をするという手続をとりますので、そういう場合に、今お話しのありましたような計画が出て参りますれば、当然検討をしなければならない立場にあると思います。ただ起債ベースで企業の使い得る水の値段にならない場合、しかもそういう水道事業をやらなければならぬような場合に、初めて補助金の問題が出て参りますが、これも調整をした上で大蔵省に補助金要求をいたします。いずれにいたしましても、そういう過程で、検討いたします際には、今御指摘のありましたような、その水の必要性、経済性、また工業用水道をしきます際の、いわゆる公共投資の経済性、そういう点も十分に、これは技術的な面もあわせて検討した上でないと、軽率に判断するつもりはございません。御指摘の通りであると思います。
○堀委員 そこでもう一つ、今武庫川ダムにちょっと触れたのでありますが、一説によると、会社側としては相当高価な工業用水であってもいい」のだというような発言を、いろいろな懇談の中でされておるようでありますが、皆さん方の常識として、今後の石油産業、関連産業等の関係で、一体トン当たりどのくらいが望ましい工業用水の価格であるか、これは今後のことになりますが、一応の目安をお持ちになっておると思いますので、それを一つ伺いたいと思います。
○松尾政府委員 御承知のように。現在日本で使っております工業用水の平均価格といいますか、淡水の平均価格は二円何がしでございます。現在私どもの方で工業用水道事業による供給の価格の検討をいたします際には、おおむね五円以下という見当をつけております。(「四円じゃないのか。法律で四円だろう」。と呼ぶ者あり)これは経済的に絶対に何円何十銭でなければならないというものでは、必ずしもないかと思いますけれども、おおむね五円以上の水を工業用水として使うということは、私どもは経済的には非常に企業の負担を増すことであると思います。従いまして、現在ではいわゆる企業の過度集中をしておるような地域につきましては、若干五円を上回ることはやむを得ないかもしれない。しかし、通常工業立地を求める際には、大体四円以下の水を供給することが経済的な原則であろうという判断をいたしておりまして、補助金の計算等の際には、おおむねその辺を基準にいたしております。ただ地盤沈下のような地域を考えてみますと、かりに補助金で補ってみましても五円以下にならないから、もうこれはだめだというわけにはいかない場合がございます。そういう場合には五円を若干上回ることも、あるいはやむを得ないかもしれないけれども、その際には補助率等については、できるだけ援助の程度を高いように考えて参りたいというのが、私どもの基本的な考えでございます。
○堀委員 これまで私は水の量の問題だけでお話を進めてきたわけですが、水の価格の問題がまた次に問題になってくるということを、ここで申し上げていかなければならないと思います。それは工業立地の指導をされる場合には、当然今お話しのように、諸般の情勢を勘案してみてそれがトン当たり相当高くつく。代替用水であれば、現実の問題として起きておることだから、これは高くついても仕方がありませんが、新設の場合については、今の西宮に限りませんが、勧告その他をされる場合の一つの条件として、水の量もありますが、同時に水の価格についても、この程度以上を上回るような水をその土地造成によって供給しなければならない、水の価格が上がるということ自体、もうすでに水の量がないということになってくるわけでありますから、量的な問題と同時に価格的な問題においても、今のような形で、ある一つの線を新規については引いていくという考え方を、われわれはその通りに了承してよろしいのでしょうか。
○松尾政府委員 工業用水の経済的価格を考えますと、当然そういうことに考えざるを得ないと思います。
○堀委員 水の問題については大よそ明らかになったと思います。要約をいたしますと、現在の状態では、西宮で市が要望しておられる十五万トンの工業用水、それは昭和四十六年以降であったにしても、それが供給できるかどうかは全く見通しがない、希望的観測ならできるであろということも言い得るでしょうが、今後これを発展さしていくという立場に立つならば価格的に見通しがないということになると私は思うのであります。琵琶湖開発についても可能性はあるけれども、絶対反対が少し変わってきたという段階で、補償その他の具体的な条件についてはまだ調査すらも確定をしていないということもはっきりしてきました。これは県の方が調査をして、今後の問題として考えてくる問題だと思いますが、企画庁長官は何か御都合が悪いそうで御出席がいただけませんけれども、所得倍増計画との関連からいっても、過度集中の問題にひっかかるのではないかと思うし、いろいろな観点から見ると、さらに詳しい調査が行なわれて、政府側においてこの十五万トンの工業用水の見通しが立つ時期——それはこまかく二年とか三年とかいうふうな表現は、私は無理かと思いますから、少なくとも数年はかかるという判断をしますが、通産省の考えはいかがですか。
○松尾政府委員 御指摘のように、数年あるいは相当期間かかると思います。ただ実際の場合には当面必要な部分については、そのつどその必要な部分の具体化はできるだけやってもらわなければならぬと思いますけれども、やはり相当期間必要とするであろうと思います。
○堀委員 次に、この問題との関連でございますが、これはちょっと所管が違うかもしれませんが、実は阪神間に大防潮堤を作って、そこに必要な土地造成をやるというプランが出て、調査費がすでに二千万円計上されているというふうに聞いておるのであります。これについて、大防潮堤ができるのならば、今後の工業立地の問題から、結果としてその内側を全部埋め立てたいということになってくるのではないかと思うのですが、今ですら堺、大阪港の埋め立て等についても問題があるという段階だと思うのに、さらにその外側に大防潮堤を作って内側をずっと埋め立てるなどということになると、これは今の政府の過度集中を排除したいという考えと相反するのではないかと思うのです。この点は工業立地の角度から見て一体いかがですか。
○椎名国務大臣 大防潮堤を作って、道路が非常に行き詰まっておりますから、阪神間の高速自動車道路にするというような計画は、私は非公式には聞いたことがございます。これに関連して、内側を工場地帯にするかどうかといったような点は、不幸にしてその機会に聞いておりません。もし御指摘のように、その内側を工場地帯云々というようなことになりますと、これは工業用水の面からいっても非常に大きな難関に逢着するのではないか、かように考えております。
○加藤(清)委員 私は、ただいま同僚堀委員の質問に対する松尾局長の答弁に疑義がありますので、その点に関連して質問をしたいと存じます。工業用水の価格の点を、もう一度はっきりとお答え願いたいと存じます。
○松尾政府委員 先ほど申しましたように、工業用水の価格は、どの程度まで使えるかという点は、これは別段法律でどうこうという問題ではございませんけれども、工業用水道事業に対して国が補助をいたします際の予定料金に、ある程度の限界があるという形で現在扱っておるわけであります。先ほど申しました四大工業地帯については、従来四円までということを一つの目安にして補助金を出して参りましたけれども、最近だんだん補助事業がふえて参っておりますし、またそういう既成工業地帯について、水の供給を国の補助金で補ってやるというようなことで参りまして、その値段がいつまでも四円以上は絶対にいけないということでくぎづけにした形で補助を続け、しかもその水を当てにして、さらに工場がそこに行きたがるのでは困るじゃないかという議論が一部に相当出て参りまして、その意味から既成工業地帯に限って、補助金を出す場合について、若干そこは考えてもいいんではないだろうかということで、今回三十六年度の予算から、補助金の計算上若干四円以上の場合もやむを得ないという考え方を取り入れて参りました。しかしそれはいわゆる既成工業地帯に限っての話でございまして、それ以外の地域は補助率その他も従来通り据え置くというような経過をたどっております。
○加藤(清)委員 この点は通産省の基本的な観念をはっきりしておいてもらわぬと困る。と申しまするのは、ただいまの考え方が通産省のほんとうの考え方なのか、あるいは大蔵省に押し切られて負けたのでそういう考え方になったのか、この点を一つはっきりしてもらいたい。と申しまするのは、すでに同じ水路から一つは農業用水に、一つは飲料用水に、一つは工業用水に分けられるといういわゆる多目的なダム、多目的な水路の造成が今後は一そう激しくなるではないかと思われます。そのつどいつも受益者側でいわれますことは、工業用水が四円で飲料用水が画十円、農業用水の受益者負担が反当四万円以上ということはけしからぬではないか、こういう意見がほうはいとして起こっておる矢先なんです。しかし工業用水法の立法の精神からいけば、当然のことながら四十円、五十円の水ではとうていまかない切れるものではございません。かりに製鉄業にいたしましても、あるいは石油化学にいたしましても、四円以上の水というものは国内と比較すれば安いかもしれませんけれども、諸外国の工業用水の占めるコストから比較いたしてみますると、これは必ずしも安いとはいえないわけなんです。しかもおよそ工業用水を必要とするところの産業は、ほとんど基幹産業でこれの及ぼす影響は大きい。もし五円、六円という工業用水を使って輸出市場において、日本の鉄関係あるいは石油化学関係のものが、市場競争がはたしてできるというのか、ますます輸出市場において難渋しなければならぬし、内地の消費諸物価のコストを上げる原因を作ることになるわけです。従って私どもは先般愛知用水の問題が審議されて、そこから工業用水を引くという問題が行なわれたとき、すなわち愛知用水の工業用水化第一期工事、このときにも四円以上は相ならぬ、四円以上になる場合は政府においてこれを補助するということを、時の通産大臣ははっきりと言明しているわけです。これを審議にもかけず、委員会に相談をせず、一体いつの間にそういうふうな方針が変わっていくのか、通産大臣お答え願いたい。
○椎名国務大臣 できるだけ安く供給するということは望ましいことでございますけれども、今日の現状から見て四大地区については、ある程度はやはり上げざるを得ないだろう。こういう判断に到達したわけであります。
○加藤(清)委員 それはいつの問題でございますか。なぜかならばことしの予算の第一次決定の折に、たとえば愛知用水から工業用水を引く場合には、大蔵省から六円にすべきであるという勧告が来ておるはずです。ところがそれでは困る、業界も同じ通産省の畑の中においてもそれでは困る、ぜひ四円程度にしてもらいたいということで、私どもまでが大蔵省と折衝したわけなんです。そういう矢先に通産大臣ないしは松尾局長だけが、高くなってもやむを得ないというような考え方を出されるようでは、今後予算折衝のときに一体どういう態度で臨めばいいのか、一体いつの間にそんなふうに切りかえられたのか、はっきりしてもらいたい。
○松尾政府委員 御指摘の問題は、三十六年度予算折衝の過程においての問題でございましたので私から申し上げますが、御承知のように工業用水道事業に対する補助金は、最近年々倍増して参っております。三十五年度におきまして十一億程度の補助金が、三十六年度予算におきましては二十四億九千万円というふうに補助金が年々倍々とふえていくことに対しましては、財政当局の立場から申しますと非常に意見があったのであります。そういうことに対しまして、私どもの方では、他方には企業に使える水を、しかも全国に、ここにもあそこにもどうしても工業用水道を建設して、工業用水を供給しなければならぬという切迫した事態にありますので、今申しましたように、既成工業地帯につきまして、予算折衝の過程では、工業用水というものが何も四円以下でなければならぬということはないではないかという議論は、相当しつこくいたしました。しかし少なくも既成工業地帯については、水が立地条件からいえば若干不利になっても、先ほどからいろいろな議論が出ておりますように、既成工業地帯にさらに工場が密集するということは、政策的にもある程度考えていいではないかというふうな配慮も、議論の途中で非常に強く出て参りまして、そういう意味も加えまして既成工業地帯、四大工業地帯に限って、工業用水が従来よりも若干補助金計算上上がることは、つまり補助金をそこの程度でとどめることはやむを得ないだろう、しかしそれ以外の地帯につきましては、補助金の計算上の料金の予定は従来通りに、従ってまた補助金の率も従来通りにぜひ据え置くべきであるというところが今申しましたような経過で、いわばそういうところで妥結をいたしたというふうな経過でございます。
○加藤(清)委員 質問に答えていただきたい。今日の工業用水にかかわらず、別な用水にしても必然的にコストが高くなるであろうということは、これは推定にかたくない。しかしながら今日工業用水が行なわれておりまするそのコストの実態は、あなたの方でよくつかんでいらっしゃるはずでございます。平均先ほど二円何ぼとおっしゃいましたけれども、大体それは新しいのを加えればそうなりますけれども、大体一円以下、それから二円台、三円台が多いはずでございます。それが急に一躍五円になってもよろしいというような考え方は、まさにこれこそ所得倍増の前に、消費物資の値段が倍になるという基をあなたの方自身で作りていらっしゃると同じことなんです。通産省としてはあくまで四円以下というあの立法の精神を堅持すべきではないかと思う。大蔵省に押し切られたとおっしゃるならばこれはやむを得ぬことです。大蔵省よりあなたの方が弱ければやむを得ぬ。けれどもそういうことを同じ国会の中で、途中でこの考え方を変えるというようなことは、私どもには受け取りがたいことなんです。それで私の質問は、いつの間にそういう考え方になったか、今あなたがおっしゃるようなコストが上昇するであろうという諸条件は、これは初めからわかっておることなんです。きのうきょう始まったことではない。いつの間に五円でよろしいという考え方に変わられたか、しかも四大工業地帯だけはやむを得ないというような考え方、もしそうであるとするならば、おそらくただいま愛知用水公団法が農林委員会にかかっておりますが、あるいはその後利水公団法あるいは治水公団法等々がかかることに相なるでございましょう。その場合に通産省みずからがコストは引き上げられてもよろしい、やむを得ない、おのれみずからが五円という声をお出しになるようでは、これは押し切られるのは当然のことなんです。その五円が、おそらく先ほど同僚議員の言われました四十円近くにも相なることは、これは必定なんです。大臣、それでよろしいですか。これは、あなたが業界ともまく話し合いをされたのですか。あるいは通産省内のすべてのこれに関する担当係官の意見が統一されておるのでございますか。大臣にお伺いしたい。
○椎名国務大臣 今局長から申し上げました通りの経過でございまして、その予算折衝の報告を受けまして、これはあなたのおっしゃるふうに、無制限に上がるということは、もちろん厳に戒心してかからなければなりませんけれども、これを多少上回る程度のことはやむを得ないという判断を、私が与えた次第でございます。
○加藤(清)委員 私は、これでこの質問は、これ以上は留保したいと思いまするけれども、問題は、事重大でございます。工業用水の値段が、四円のものが五円になる、二割余も上がるということは、重大なことなんです。 そこで、いずれ日にちと時間をあらためて、ゆっくりと御質問をしたいと思いますけれども、御意見を承りたいと思いまするが、委員長に一つお願いしたいことでございまするけれども、この問題は、ひとり商工委員会だけの問題ではございません。きょうも建設省からも来ていらっしゃるようでございまするが、先ほども申し上げましたように、ただいま、工業用水、農業用水、飲料用水を兼ねた愛知用水公団法の一部修正案が農林委員会に出ております。また治水公団法あるいは利水公団法がやがて提出されるであろうと予想されているようでございます。等々を勘案いたしまして、これはぜひ、少なくとも農林委員会と合同の審査をしなければできない問題ではないか、つまりこの利水の問題にいたしましても治水の問題にいたしましても、水利権が必ずしも通産省にあるとは考えられない。通産省が予定するところの必要工業用水量は、やがて他の水利権等々との折衝を余儀なくされる運命にあるわけです。従ってほんとうに円満に工業用水を工場に導くには、他の所管大臣、他の委員会とも円満な交渉をしなければ、それこそ絵に描いたもちに終わるではないかと懸念されるわけでございます。従ってぜひ、ほんとうに近い将来において、近々のうちに合同委員会を持たれるよう、委員長の方において善処されたいと思うわけでございます。それを希望して、あとの質問は留保いたします。
○松平委員 今の加藤君の発言は非常に重大だろうと思うのですが、今、愛知用水の関係においての質問であったわけです。そこで、実は、豊川という川に関して、新たに予算をつけて改修工事をやろうという矢先になっておるわけでありまして、これは農林委員会に法案が出ております。これは今日の法案とは間接に関係があるわけなんですが、これはこれ、それはそれといたしまして、やはりあらためて農林委員会との間に、工業用水、こういう問題について、愛知用水との関係において、そういう意味の合同審査というものを、この委員会で、後刻理事会等を開いて相談をしてみたらどうか、こういうふうに私は思っております。従ってこの法案についての合同審査ではなくて、愛知用水公団についての合同審査をやっていきたい、こういうふうに考えておりますので、その点を補足いたします。
○堀委員 だいぶ話があっちこっちなったのですけれども、もう一回、あと建設省の河川局長に伺っておきたいのですが、今お手元にこの表をお持ちになってないだろうと思うので、あれですけれども、皆さんの方で、三十六年三月七日にお出しになった「淀川水系緊急水利総括」を見ますと、需給計画のその他の項に、「農業用水転換、琵琶湖開発等」という項目がありますが、年次別内訳として、その農業用水転換、琵琶湖開発等というのが、昭和三十八年二トン、三十九年五トン、これはさっき私触れたわけでございますが、「琵琶湖開発等」とここに書かれておることが、その二トン、五トンにどういう関係があるのか、ちょっと承っておきたい。
○山内(一郎)政府委員 この資料を作るときに、いろいろ関係の方面と打ち合わせしたのでございますが、琵琶湖の開発ももしできるとすれば、一度に全部ということでなくて、年次別に多少でもとれるということも考えられます。ただ農業用水転換が全部で四トンかあるいは五トンできるという、これは大阪府のいろいろな調査に基づいておりますが、そういうこともかみ合わせまして、琵琶湖だけ出れば出る、出なくても四、五トンの範囲でございますから農業用水の転換でできるんじゃないかというような意味で一緒にいたしまして、こういう数字を掲げたということでございます。
○堀委員 そこで三十八年が二トンで、三十九年、四十年、四十一年は五トンになっているわけですが、その二トンと五トンにしたゆえんは、何か理由があるだろうと思うのです。最初の二トンというのは、農業用水転換の部分だけが二トンで、あと五トンになったのは琵琶湖開発で三トンできる、こういう予想なのか、二トンと五トンにした理由はどういうところにあるのでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 農業用水の転換で、たしか五トン程度できるというふうに大阪府で調査されておりますが、それも五トンこの年次でできるかどうかということは、ちょっとわからないのであります。だから、先ほど申し上げましたように、三トンというものは琵琶湖の分でははっきりいたしておりません。両方で努力をいたしましてこの年次に合わせるようにしたい、農業転換だけやっても五トンはできる、こういう意味でございます。
○堀委員 この需給計画の中では、これは私は相当緻密な計画だという判断をしたのですが、この中で確実なのは長柄可動堰を上げて十トン、これは私は大体可能だと思います。この十トンと、それから多目的ダムの高山川、宇陀川、青蓮寺川の五トン、九トン、これは実際皆さん工事にかかっておいでになるでしょうから、確実だと思いますが、あとの二トン、五トンの分については、今後の問題との関連で、必ずしもこの計画通りいくといった保証は、今ちょっとない。そういう努力を続けられておって、こういう目標で処理をしていきたい、こういう比較的不確定要因だというふうに見てよろしいわけでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 ダムと浄化用水に比較して、工業用水転換というのは多少差はあるとは思いますけれども、私の方が直接調査をしたのではございませんので、ただ大阪府としては自信がある、こういうことでこの計画を作ったわけであります。
○堀委員 そうするとこの計画に、実はさっき私が触れました西宮の三万トンというのは入ってないわけなんですが、これは計画はおそらく毎年お変えになるのだと思うのです。建設省の方で見ると、今私が見たところではこの二トン、五トンがもしうまくいかないとすると、大体昭和三十八年あたりから一・一トンくらい足りなくなる。三十九年には三・七トンくらい足りないし、四十年にはダムができてもさらに二・五トンくらい足りない。四十一年には三トンくらい足りない。これはもし全部できなかった場合ですが、そういうことで現状の需給計画で一ぱいだということになると、皆さんの方のこの計画の中には三万トン入れるのは、現状としては、これは工業用水道の通産省の側でなく、水利側の問題として見ても、ちょっと困難だと思いますが、河川局の見解はどうでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 これを考えましたときは、需要の方として西宮は入ってないのでございますので、これ以上というのはちょっと無理じゃないかと思います。
○堀委員 石油課長が見えておると思いますから、ちょっと今度は、今の出されておる日本石油の問題について、あなたの方で御存じの範囲を一つ伺いたいのでありますが、一体ここに予定されておる日本石油の工場の規模というものは、どのくらいを予想しておるのか、おわかりになっていれば承りたいと思います。
○古沢説明員 お答えいたします。 ただいま御指摘の日本石油の西宮の問題でざいますが、実はわれわれ公式には会社から聞いておりません。ただ非公式にいろいろ聞いておりますのは、大体四十一年から四十五年度の間に十万バーレルというふうに聞いております。実はきょう出がけにもいろいろ聞いて参ったのでありますが、これは企業局の方からもいろいろ話がありまして私らが聞いておりますのは、会社側としては、工業水の問題とかその他いろいろ地元の灘地区の酒屋さんというような関係の反対の問題もございまして、まだ現在のところは単なる候補地の一つとして考えておるところで、別に名古屋とかその他の方にも、これが不適当ならばということで土地を物色しておる、あるいは場合によっては精油所を作らないで、タンクといいますか、単なる油槽所といいますか、そういうものにとどめたいという話も聞いておりまして、会社側としてもここにおいて精油するかどうかということについて、まだ正式には決定しておらない、こういうようなことであります。
○堀委員 そういう段階でありましたならば、あと詰めて伺うこともないのでありますけれども、最初に私申し上げたように、石油産業というものが最近非常に画期的にあちこちにどんどんできてくるわけですが、どうも私ども計画のわからないものが非常に多いのです。今のはわかりましたから、ちょっとあわせて承っておきたいのですが、堺、大阪港を埋め立てて、あちらにもやはり石油産業が二、三進出をするように聞いておるのですが、これは工業立地課の方でも石油課の方でも、どちらでもいいですが、一体皆さんが御存じの範囲はどういうもので、どういう規模なのか、ちょっと承りたいのです。
○古沢説明員 ただいまお話しの堺地区の問題でございますが、これはわれわれの方としてもだいぶ先の話のように聞いておりますし、それから石油精製会社としましては丸善石油その他の会社がここに精油所を作りたいという話は聞いておりますが、ほかの地区ほどまだ具体化していないように聞いております。たとえば千葉県の五井地区などは、すでにくい打ちも始まっておりますけれども、堺地区については、そういう意味で正式なといいますか、会社側としてはまだはっきりした計画はしてないように、われわれ聞いております。
○堀委員 どうもそこらが工業立地の問題で非常に問題になると思うのですが、堺の方についてはもう埋め立てを第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七というところまでは一応予定し、さらに第八、第九の埋め立てもやろうということまで、すでに伝えられておるわけでありまして、八幡製鉄がここに出ることだけは、はっきりわかっておるようですが、その他についてはわかっていないのでしょうか。これは企業局の方に伺いたい。石油はわからないということですが、ここがはっきりしないと、実はあとに出てくるところの外債の問題などというものは、そんな不確定な要因をもとにしたものをどんどんやられて、それについて外債を受けるとか受けないとかいうことは、国の名誉にも関してくるような感じがするのですが、今の状態はどうですか。
○松尾政府委員 御承知のように会社の方でも工場、特に大工場建設の場合の敷地を求める際には、いろいろな検討の段階を経てきまるということもありましょうし、またなるべく外に言いたくないという企業の側の性格もありまして、われわれの方でもなかなかその実態はつかみにくい場合が多いのであります。ただ現在までに私どもが聞いておりますのでは、御承知のようにあの堺地区には丸善グループ住友グループ、三井グループ、三つのグループが、いずれも石油化学、石油精製を含んだ計画を持っておるというふうに聞いておりますけれども、その具体化する程度、あるいはいつ工場建設に着手して、いつから操業をする見込みであるのか、その辺のことになると、かなり、われわれも確定的に把握し得ない点があるようであります。しかしもともと堺地区は御承知のような阪神の既成工業地帯に近いところであり、企業がいずれも競って行きたがっておる地区でありますので、工場の敷地建設、埋め立て建設そのものが非常に危いというような感じは私どもは持っておりません。ただ具体的のという問題になりますと、今申し上げましたような確定しない部分が相当多いと思います。
○堀委員 そうすると今のこの問題については、実は用水問題がやはり入っておるのですが、大阪港、堺港の埋め立てをして、一体工業用水が幾ら要るかということは現在では見通しは全然立っていない。それは大まかに八十万トンだとか百万トンだとか、ラウンド・ナンバーで、十万トン単位というようなことならば、これは何がさてもよろしいということになるかもしれませんが、そんなことでは計画にならないとわれわれ思うので、そうすると当面今の大阪、堺の埋め立てについては、工業用水についてはまだほとんど見通しが立たない。こういう段階でしょうか。
○松尾政府委員 水の問題になりますと水源の問題とも関連して、建設省との関連があるわけでございます。先ほど建設省の方からも御説明を申し上げましたように、現在まで少なくともわれわれ四十一年度までの工業用水の不足量につきましては、三つの多目的ダム、あるいは淀川の浄化用水の転用、あるいは一部農業用水の節約というようなことで、一応計画としてはつじつまが合うという見通しをわれわれ持っております。ただ御承知のようにたとえばダムの建設にいたしましても補償問題その他で、往々にして予定の工事が進捗しない場合がございます。また農業用水の転換ということにつきましても、地元との話し合いの問題があるだろうと思います。そういう点を考えますと、もちろん万全の措置ということは、必ずしも言い得ないかもしれませんけれども、現在の計画見通しをもってすれば、一応四十一年までの工業用水の見通しはある、私どもはそういう想定をいたしております。
○堀委員 工業用水の見通しはあるということは、要するに需要が幾らかということに見合っておるわけですね。ところがその需要については、今お話しのように、一体石油化学が三つになるのか二つになるのかわからない。わかっているのは八幡製鉄だけだというようなことで、しかしまだあと第七、第八、第九というふうに、どんどん堺は埋め立てるのだというようなことが伝えられておるわけです。そうなりますと、今皆さんの方では、当面大阪、堺に対しては、最終年度の四十一年で、堺が三十五万五千トンですか、それから南港が十万トン、さらに堺は十万トン、合わせますと、五十五万トンくらいになりますね。その五十五万トンというのは、工場の関係がわからなくても出るものかどうかというと、私、ちょっとそこが疑問になるわけです。さっき私がちょっと石油関係で触れましたように、石油精製とコンビナートの関係によっては十万トン、二十万トンすぐ変わってくると思いますから、工場が二つになるか三つになるかということによっても変わってきます。そうなると五十五万トンの基礎というものは、一体どういうことからこの需要を算出してきたのか、そこに一応ワクがあるわけですね。ワクがあるとすると、逆に今度はこの法案によって、堺の場合には府市が埋め立てるのですから、工場建設前九十日という格好になると思うのですが、実際問題としては九十日前に勧告が出たりしては困ることですから、もうちょっと前段階の問題として、処理をされなければならぬ計画の段階があると思うのですが、この五十五万トンと、それに見合う工場の問題については、どういう関係でこれが出てきたのか。
○松尾政府委員 堺地区に、今お話しの中に、七号地以上に九号地までの計画があるというようなお話でございましたけれども、私どもが知っております限りでは、八号地、九号地というような計画は私どもの頭の中では現在ないと思います。七号地についても若干問題がある程度ではないかと思います。その程度で、当然あの地区は臨海工業地帯でございますから、それにふさわしい工業が入るはずでございますが、そういう想定をいたしてみますと、まずいわゆるコンビナート地帯として考えますと、コンビナートがせいぜい二つで、三つ入るのはかなり無理ではなかろうかというような想定が立つわけでございます。かりにコンビナートがあの地区に一つ半、二つ、三つ、そういうことを想定いたしますと、それから出てくる用水量というのは、大体の見当がつくわけでございます。具体的に何々会社が入るかということは未定の点がございますけれども、面積その他から考えますと、大体このくらいのコンビナートが入り得るはずだ、従って用水量はこれくらいあるはずだ、そういう想定は私どもの計算で一応出て参ります。そういう基礎で工業用水の供給見込みをはじいてみますと、先ほど申しましたような制約がございますけれども、四十一年度くらいまでは、一応見通しがあるのではないだろうか、こういう想定でございます。
○堀委員 そうすると第七号地まで、そこもちょっと不確定だが、それの土地の面積から逆算をして、大体コンビナートの規模を推察をして、それから換算をして工業用水をはじき出した、こういうことでございますね。そういうことならばけっこうなんですが、ただそうなると、今度は土地造成が八号、九号と行なわれる場合には、土地造成自体を、通産省として見るとチェックする方法はないと思うのです。これが今の西宮のような場合には、大工場の特定造成ですからいいのですが、府市のようなものがやる場合には、これはコントロールできないということになりますので、そこらの点については通産省としてもお考えをいただかないと、こちらがふくれ過ぎたために工業用水のシェアーが減るというようなことが出るとするならば、大阪、尼崎等の地盤沈下地帯としては重大な問題になると思いますので、その点は十分御検討いただきたいと思います。 運輸省が見えましたので、さっきちょっと関連をして伺っておりました阪神防潮堤といいますか、大阪湾から神戸の方へかけて、何か調査費二千万円を組んで調査をしていられる防潮堤の問題ですが、これは実は防潮堤だけということならば大へんけっこうなんです。しかしどうもこの問題の裏側には、約四千億円を投じてあの阪神の防潮堤のあれを全部埋め立てるのだという構想もあるやに聞いておるわけですが、その防潮堤として今ちょうど二千万円の予算を組まれたところだけでありますが、今の調査の完了する時期は大体いつごろなのか、それをちょっと伺います。
○布施説明員 お答え申し上げます。 本年度御説のように二千万円を投じまして海象条件、海のいろいろな自然条件、特に波の問題それから高潮の問題、そういった点に主力を注ぎまして調査を行なう予定でございます。できますれば、その調査の結果によるのでございますが、私どもとしては本年度一年で相当程度の調査成果を上げたい、こういう目標で進んでおります。
○堀委員 それは調査を完了したいということでしょうが、大体いろいろな問題から勘案すると、一年で調査ができると言い切れない条件ではないかと思いますが、あなた方の方は今度二千万円この調査費をもらったら、もう来年度についてやはりもっと調査が必要であるというような、これからのことですからわかりませんが、予想があるのか、大体一年でイエスかノーか出るというような簡単なものではないように私思いますが、その点はどうですか。この防潮堤は相当距離も長いし、及ぼす範囲も大きいので、私しかく簡単なものではないという理解をしておるのです。それが一点と、浚渫船を四億五千万円か何かで予算化されておるようですが、この浚渫船というものは、この防潮堤と直接関係はないと理解をしているのですが、大阪湾における浚渫の問題だと思いますが、ここのところはどうなっておるのか、ちょっと御説明願います。
○布施説明員 調査につきましてはできるだけ本年度一年で成果を上げたい、こういう目標でやっていきたいと思います。 それから浚渫船の件でございますが、これはやはり阪神防波堤に一番関係の深い目的を有するものでございます。ただ御説のように、防波堤工事以外にも、もちろん使うことになることが予想されるわけでございます。
○堀委員 そうすると四億五千万円の浚渫船の予算をとったということは、調査の様態はいかようにあれ、これは今の答弁ですと、もう防潮堤を作るのだというふうに理解をすることになりますが、そういう理解になってもいいのですか。
○布施説明員 さようでございます。浚渫船を作るのは非常に時日を要しますので、本年度四億五千万円ついたといたしましても、その稼動する時期は、来年度ということになると思います。
○堀委員 そうすると浚渫船の予算をとったということは、ともかくその調査自体は防潮堤を作るかどうかという調査ではなくて、もう作るというのはきまっていて、そうしてそれをどういうふうににするかというあとの問題の調査なんですか。私は、ここに防潮堤を作るかどうかということを調査するめたに、二千万円の調査費がついているように思うですが、もうできるのは既定の事実なんだ、どこできめたか知りませんが、既定の事実で、それでただどういうのを作るかということのために二千万円がとられて、四億五千万円の浚渫船がくっついている、こういうことなんですか。
○布施説明員 防波堤の調査につきましては、やはりこれは非常に大きな問題でございますので、私どもとしてはこの調査成果が防波堤は有効であるというような予想のもとにやっているわけでございます。 なお浚渫船につきましては、先ほども申し上げましたように、防波堤だけに使うものではないということは御説の通りでございます。
○堀委員 答弁が不十分でわかりませんし、時間が時間ですから保留いたしまして、本日は私はこれで終わります。
○小川(平)委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十四日金曜日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時五十二分散会