商工委員会 第20号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/31
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 低開発地域工業開発促進法案を議題として審査に入ります。
○中川委員長 まず趣旨の説明を聴取することにいたします。経済企画庁長官迫水久常君。
○迫水国務大臣 低開発地域工業開発促進法案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。 わが国の経済が、最近めざましい発展を遂げつつありますことは、御承知の通りでありますが、他方これを今後も維持し、さらに一そうの均衡ある進展を期するためには、解決すべき幾多の問題があることも事実でありまして、特に、産業の開発の程度が低く、かつ、経済の発展の停滞的な地域すなわち低開発地域の産業の開発を促進して、地域間における所得格差の是正をはかることは、きわめて緊要のことと考えるのであります。 政府は、さきに、国民所得倍増計画を決定いたしまして、わが国経済の発展の方向と目標を明らかにしたのでありますが、この計画及びこれと同時に決定されました国民所得倍増計画の構想におきましても、低開発地域の開発の促進及び所得格差の是正には重点を置くべきことを明らかにしているのであります。 このためには、今後、国土総合開発法及び各地域の開発促進法に基づいて、開発の促進に務めますほか、低開発地域に工業の開発を促進して、高い生産性の産業を分散させ、また農業等の近代化をはかり、低い生産性の産業自体の生産性を高める必要があります。 ことに低開発地域における工業の開発は、地域間の経済格差是正に資するとともに、雇用の増大にも寄与するものでありますので、工業開発のための政府関係金融機関による低利資金の融資額を増額する等の措置を講じて参りましたが、さらに、この促進をはかるために、新たに、低開発地域のうち、特に、税制上の特別措置等を講ずることによって、工業の開発が期待されるような開発の程度の低い地区を対象としまして、工業開発のための所要の措置を講ずることといたしたいのであります。これが、この法律案の提案の理由であります。 次に、この法律案の要旨を申し上げます。 第一点は、内閣総理大臣は、関係都道府県知事の申請に基づきまして、低開発地域工業開発審議会の議を経て、低開発地域内において、一定の要件を備えている地区を開発地区として指定することができるものとしたことであります。なお、北海道及び首都圏の地域につきましては、申請等に関する手続上の特例を設けることとしたのであります。 第二点は、内閣総理大臣の諮問に応じ、低開発地域における工業の開発の促進に関する重要事項を調査審議するため、総理府に学識経験者をもって組織する低開発地域工業開発審議会を置くものとしたことであります。 第三点は、開発地区内に新設され、又は増設される工場の機械及び装置並びに工場用の建物については、租税特別措置法の定めるところにより、特別償却を行なうことができるものとしたことであります。 第四点は、地方公共団体が、開発地区内に工場を新設し、または増設するものに対して事業税、不動産取得税または固定資産税の減免をしたときは、当該地方公共団体に交付される地方交付税の算定の基礎となる基準財政収入額の算定につき特別の措置を講ずるものとしたことであります。 第五点は、国及び地方公共団体は、開発地区内の工業の開発を促進するため、必要な資金の確保及び産業関連施設等の整備の促進に努め、また、これらの施設の用に供するため必要な土地の取得につきましては、農地法等の規定による処分に当たり特別の配慮をするものとしたことであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わらんことをお願い申し上げる次第でございます。
○中川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○中川委員長 次に航空機工業振興法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題として、審査を進めます。 本案審査のため、去る二十九日御決定願いました日本航空機製造株式会社専務取締役中島征帆君に参考人として御出席を願っております。 同君に対する質疑の通告がございますので、順次これを許可いたします。笹本一雄君。
○笹本委員 国産の輸送用航空機の製造というきわめて重要な仕事をされておるところの中島参考人に、これから少し質問してみたいと思うのでありますが、時間の関係で、続いて項目をあげて質問いたしまするから、それによってお答え願いたいと思います。 現在あなたの会社で試作研究中の航空機がいよいよ量産に入る時期は、昭和三十八年と言われておりまするが、これに対してこの商品としてはたして商業採算に乗せる自信があるかどうか、これが一つ。 次に、量産機について販路の見通しがあるかどうか、これが二点。 次に、将来輸出に大いに期待せねばならぬと思うのでありますが、その価格とか、性能等の点によって国際競争力に対して、十分これに打ち勝っていかれることができるかどうか、これが三点。 次に、会社の現在の機構はどうなっておるか。その点を伺いたいのであります。また販売活動に対して遺憾なきを期し得るかどうか、これが四点。 次に、所管省が運輸省と通産省の両省にわたっておりまするが、この両者の協力状態はどうであるか、それに遺憾な点がありますかどうか、この五点についてまず御答弁を願いたいと思います。
○中島参考人 三十八年に当社の計画しておりますという旅客機が量産としてスタートするわけでありますが、現在におきましてまだこれが将来どの方面に使われるかという確定的な見通しはついておりません。われわれといたしましてはいろいろな希望的な計画を立てまして、国内、国外に対して働きかけておる次第であります。 これの商品としての価値並びに採算性につきましてどうかということでありますが、この飛行機は、いわゆる五十人ないし六十人乗りの中型中短距離を目標としました輸送機であります。現在世界各国で動いております飛行機は、国際間におきましては大型のジェット機、それから短距離並びに中距離の国内ないしは短距離の国際間におきましては、ごく小型のものが動いておりまして、その中間的なこの飛行機に相当するようなものは非常に少ないというのが、一つの特徴になっております。それをねらっておりますのがこの飛行機でありまして、さらに現在使われておりますこの関係の飛行機は、すでに過去十数年前にその製造を停止しておりますDC−3、DC−4というような飛行機でありまして、これが世界各地に二千機余り実際の定期航空路に使われております。これが早晩新しい型に代替せられなければならぬ時期になっております。その新時代に即応しましたそういったような飛行機の走っておりますものにかわるべきものとしてのねらいを、この飛行機は持っておりまして、性能から見ましても、離着陸性能、航続距離、スピードといったような点から、最もこの飛行機がその方面に適合しているというような確信のもとに、この計画を進めているわけでありまして、性能的には最も新しい時代の中短距離の飛行機として向いているということでございます。 それから採算の点でございますが、現在この飛行機に大体類似しておりますものが、ピストン機あるいはターボ・プロップ機で二、三出ております。それらの値段のはっきりしたことはわかりませんけれども、大体われわれの方で調査した結果一つの幅がございまして、これは大きさあるいはその性能等をある基準に引き戻しまして、それに対する単価というものを出す方法があるのでありますが、そういうことでこれと競争機になるようなものを作ろうということになりますと、大体一つの幅が出て参るわけであります。その単価の幅の中に当然これが入らなければ商業ベースとしての採算性がないということになるのでありますが、これは十分入り得るという数字が出ております。 それから販路の見通しにつきましては、ただいま申し上げました通りに、現在各国で使っております定期航空用機のDC−3が千七百機DC−4、が四百機であります。これが代替時期に入っているということでありまして、これに対します飛行機の需要というものは、当然期待し得ると考えております。 それから従ってその場合に性能、価格等につきまして国際競争力があるかという、これもただいま申し上げましたことと関連いたしますが、大体具体的に申し上げますと、一機この飛行機四億見当と考えております。たとえば現在全日空で使っておりますコンベア440あるいはフレンド・シップとちょうど似たような飛行機がございます。これらと比べまして決して高くない。むしろわが方としましては、これをさらに三億八千万なり三億六千万なりに下げるという努力をいたしたいと思っております。十分この点につきましても国際競争力はあると確信いたしております。 それから当社の機構等につきましてのお尋ねでございましたが、現在におきまして、この会社はちょうど五月一ぱいで設立後二年になりまして、それまで設計ないし試作機の準備をいたしておりました。これからだんだんと営業方面の準備をしなければならぬ、こういう時期になっております。従いまして現在までのところは、そういう意味におきましては過渡的な時期でございますので、機構的に申し上げますと、総務、企画、経理、生産管理、設計、これだけの五部がございまして、生産管理、設計でもって試作機の製作に専念している。それから企画の方で予算あるいは将来の営業を担当しておるわけでありますが、営業活動が本格的になりますと、企画でやっております営業部門を、いま少し強化しなければならぬ。これは逐次今年度じゅうにもその方面につきまして、もう少し何らかの対策を立てなければならぬと思っておりますが、現在では若干弱体のうらみがございます。 それから所管の問題でございますが、御承知のように飛行機の製作につきましては、通産省の重工業局が監督されております。また飛び出す前の検査等につきましては、運輸省の航空局の担当になっておりまして、両省にまたがっておりますけはども、現在通産省の方はもちろん、運輸省の方におきましても、検査の方法、設備その他につきまして非常に積極的に指導を願っております。さらにまた、でき上がります将来の量産機につきましての用途につきましても、国内の民間航空は申すに及ばず、たとえば制空関係の航空局におきましては航空管制用の飛行機あるいは気象観測機、そういったものにも使えるように、いろいろ助力をしていただいておりまして、この点につきまして両省に分れておりますための支障は現在全然ございませんで、非常に各関係御当局の御援助を感謝しておる、こういう状況であります。
○笹本委員 御説明では、非常に順調にそしてまた採算のとれるような生産の目標があるというお話でありますが、私は長い目で見て、万一このような点がその運営の上においてうまくいかないようなことがありましても、航空機工業の発達、発展が今後のわが国経済と技術振興にとっては、非常なプラスになるという観点から見て、あまりこの点にこだわらずにやってもらうことがよいのではないか、こう思うんですが、あなたはそれに対してどういうお考えでありましょうか。
○中島参考人 御説の通りでございまして、私どもは現在のところ、初めてこの旅客機の製作を試みておりますので、いろいろ見通しといたしましては非常に不確定なことがございます。従いまして今日たとえば販路あるいは採算につきましてのわれわれの確信は、具体的な裏づけがあるいはないかもしれませんが、われわれとしましてはそういう困難を乗り越えまして、いろいろ集められたデータから申しますと、必ずこれは成功するという確信を持っておりますので、何としてもそこになし遂げるように邁進したい。従いまして各関係の方面も、これを育てるようにできるだけあたたかい目でもって見ていただけば、必ず所期の目的を達成し得ると思いますので、この点につきましては、今後とも御協力をお願いしたいと思っております。
○笹本委員 それではこの際主管の政府当局に対して一、二質問したいと思うのであります。 今参考人からお話を伺っておりますと、非常に中型機の生産は順調にいっておるようであります。そして三十八年度までには試作研究中の飛行機が量産に入る予定に対して、現在の事業は計画通り順調に進行していると言っておりまするが、役所の方ではどう見ておりますか。また、現在の見通しとしては予定通り完成するかどうか、これが一点。 次に、今度の改正法律案は日本航空機製造株式会社が試作している中型機の量産のための資金調達を容易にする目的で提出されているが、この国産機を量産することになれば、当然量産した輸送機の、さっきもお話が出ておりましたが、販売先が問題となると思うのであります。一体この中型機の販売先、需要先はどのようなところを考えて、何機程度を販売しようとしているか、またこの需要の見通しはどの程度確実性があるか、このような需要の見通しについて伺いたいのであります。これが二点。 次に、中型輸送機は、国内民間航空機会社や海外市場も予定しているようでありますが、これらの内外の市場に販売する場合には、当然外国の類似輸送機とコマーシャルで激烈な競争が行なわれると考えられますが、この場合において国産輸送機の性能の面、価格の面等から外国の輸送機に太刀打ちができるかどうか、さいぜん参考人からこれに対しては自信があるようなことでありましたが、政府としてはどういうお考えを持っておられるか、これが三点。 次に、輸出振興の意味において航空機にも延べ払い制度がとれないかどうか、また国内向けにしても、日航その他で外国から買います場合には、その国の輸出入銀行が、これにかわって支払い保証をしてくれておりますが、国内販売においても開銀あたりから延べ払いの手続をされることができるかどうか、この四点について政府のお考えを伺いたい。
○佐橋政府委員 お答えいたします。国産機のYS−11が順調に進んでいるかどうかということでありますが、これはただいま中島参考人が申し述べましたように順調に進んでおりまして、今三十六年度末に試験機が完成をいたしまして、同時に荷重試験もでき、第二機目の試作機及び疲労試験機も今三十六年度中に完成をいたしまして、実際に飛行機が飛び始めまして、われわれの予定では三十八年度からは量産に入り得る、こういうことを確信いたしておるわけであります。 それから第二番目の販売先の問題でありますが、これはただいまも申しましたように三十六年度の後半から飛行試験が行なわれるわけでありまして、飛行試験は御承知のように二千時間という時間の制限がありますので、順調に飛行試験が完了して、初めてその性能等の立証ができまして、関係方面からの注文がある、こういうことを考えております。ただ現在のところではどこでどういう注文があるかということは確言はいたしかねますが、関係方面で申し上げれば気象観測機であるとか、あるいは航空管制機というような点、それから防衛庁あたりの輸送機としての使用も可能である、こう考えますのと、それから先ほど中島参考人から詳細申しましたように、DC−3、DC−4の中型輸送機が現在世界各国の航空路に使われておりますが、これが三十八年から四十年にかけて、全部更新される段階に参っておりますので、これの更新機としましては最も有力な飛行機であろうと考えておりますので、その何%かをこの飛行機で代替し得ても、相当な需要がついてくると考えておるわけであります。現在われわれが考えておりますのは、三十八年度から量産にかかりまして、四十五年度までに大体最小限を見込みましても百五十機程度の需要はあるのではないか、こういうふうに考えております。国内の輸送会社につきましても、全日空あるいは日本航空等からわれわれが考えております性能通りの飛行機が完成した暁には、これを発注しょうという内々の意思表示も承っておりますので、飛行試験が完了した暁には十分な需要がついてくる、こういうふうに確信をいたしておるわけであります。 先ほど来価格の点もありましたが、私の方は大体百万ドル飛行機を目標にいたしておりまして、性能あるいは搭載量等を勘案いたしますと、現在世界で作っておりますこの種飛行機の中では最新鋭のもの、こういうふうな確信を持っておるわけでありまして、十分国際的には対抗できる、こういうふうに考えておるわけであります。 こういう飛行機ができた場合に、輸出の場合延べ払い等の方法がとり得るかどうかという質疑でありますが、これはそのときになって検討いたしますが、現在の輸銀の融資方法は、現行のままで飛行機の輸出について延べ払い方法をとるかどうかということは十分可能であります。これは実際に飛行機が海外から発注がありました場合、どの程度の延べ払い条件を供与するかということは、国際的な競争に見合ってこういった条件次第で、日本の飛行機の販売に支障のないように考えて参りたい、こういうふうに考えております。国内について全日空あるいは日航等々が買う場合につきましては、これはほかの重機械等についても同じような問題がありますが、メーカーズ・クレジットで延べ払いをやっていくのか、あるいはその相手方に対して特にこういった種類のものでありますので、現在でも全日空あるいは日航は開銀からそれぞれ融資を受けておりますが、国産機を購入するための資金的な面は延べ払い方法でいくか、あるいは注文者の方へ財政資金等を投入するか、そういう点については今後の研究課題の一つとして買いいいように、売りやすいように努力を払って参りたい、こう考えております。
○笹本委員 お話によると非常に明るいような見通しでありますが、何としても資金の問題が、やはり一番重大な問題だと思われるのでありますが、航空機工業はこれからの産業であり、イギリスとかオランダを初め各国とも巨額の国家資金を投入して航空機工業の発展、発達に努力しておるようであります。飛行機関係の雑誌を見ましても、英国あたりでも新しい援助提案に対する業界の反応をかり集めたところ、これらの四機種に対するものであることがわかった。一般の意見では政府が介在する主なる目的は通常の注文機数を越え、損益分岐点までの機数の全四機種の生産を保証することだとほのめかしています。また政府により四機種に対し散布される資本的貢献の総額は一億五千万ドルを下らないといわれておる。また一方においてはやはり英国では製造会社に対しては、量産治工具、材料、部品、加工費等の運転資金確保の措置を講ずることがきわめて必要であると認めて、英国では最近新機種の発注の通知を受け取ってから製造に着手するのでは引き渡しがおくれるので、政府が適当と認めた場合には、一定機数の生産に関して財政援助を与え、政府みずから引き渡しを早めるための危険負担を負うこととなったというような航空機産業に対しては、各国で非常に国家資金を投入しておる。こういう事例によってみましても、わが国もあまりこまかいことにとらわれず、雄大な計画のもとに日本人の持つ優秀な頭脳と技術をフルに活用せしめて、わが国航空機工業の振興を考えるべきだと思いますが、この点に対して政府の考えを伺いたいと思います。
○佐橋政府委員 お答えいたします。ただいま笹本先生御指摘のように、世界の先進各国は、航空機の助成について、非常に大きな金額の援助をいたしておることは周知の通りであります。と同時に、各国は相当大きな軍需を持っておりまして、航空機につきましてはその軍事費としての支弁もあり、それが民間飛行機にアプライするというような点もありまして、われわれの段階では想像のできないような金額を支出しておることは御指摘の通りであります。私の方といたしましても、航空機産業が総合産業でありまして、一切の機械工業のパイオニア産業だと考えております。航空機の進展といいますか、デベロップするにつれまして、ほかの搭載機器等が非常な進歩をいたしまして、それが一般の民間その他の機器の開発に非常に益があるということ。それから飛行機自身が非常に附加価値性の高いものでありまして、日本のような輸出で立たなければなりません国につきましては、これまたきわめて輸出産業としても的確であるというふうに考えますので、できるだけ早い機会に先進国に伍してこれを追い抜くということを考えておるわけでありますが、何分にも実際政府自身が援助します額は問題にならない金額であります。しかし先生の言われるように、雄大な計画で進みたいとは考えておりますが、われわれは許された範囲内において今言ったような目的に沿うように、少ない金額でできるだけの努力をいたして参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○笹本委員 やはり輸出するのにも、技術と性能はよくても価格の点が問題になってくる。こういうふうな諸外国の例を見ましても、設備資金というようなものはほとんど国で見ている。わが国の航空機製造会社ばかりでなく、航空関係は自力でやっておるというところに、必ず輸出の面において価格の点において非常に苦しいことになるのではないかと思うのであります。それとまた別に、中型輸送機ばかりでなく、航空機工業に関係しましてヘリコプター、さいぜんのお話では中型機も防衛庁その他の輸送機に非常に関心を持たれて、その方にも発注等の段階にあるというようなお話がありましたが、それと同時に、やはり航空機関係のヘリコプターのごときものは、これは国内的にもあるいは農林省とか建設省とか各役所関係においても、これは非常に需要が目の前にいろいろな関係で出ておるようであります。国内的にこういうふうなPRも十分にやっておると思いますが、その点についての考えを一つ聞かしていただきたい。
○佐橋政府委員 ヘリコプターの点につきましては、これはわれわれが常識的に考えましても、今後短距離の輸送だとか、あるいはただいま御指摘のような農林関係の、特に山林あたりの防虫だとか、あるいは植林その他の点について非常に需要がふえてくる。現にそのきざしはたくさんあるわけでありますし、それから輸出につきましても、きわめて適した産業だ、こういうふうに考えておりまして、現在数社に先進国の技術提携をいたさせまして、今後ヘリコプターの需要に対応し、さらに輸出までできますように、ヘリコプター関係の助成は大いに力を入れて参りたい、こういうふうに考えております。
○笹本委員 この航空機製造会社の責任者、理事というのは幾人でありましたか。
○中島参考人 現在七名以内となっておりますが、七人全部おります。
○笹本委員 政府にお尋ねしますが、今のお話で、国内的にもヘリコプターその他、日航なんかでも輸送機の引き合いがある。あるいは防衛庁でもそういうのがある。あるいはまた運輸省関係でもあるようでありますが、この会社に重役ばかり作っても仕方がないのですが、運輸省であるとか、あるいは防衛庁あたりから、責任のある理事をふやしてもらって、そしてそれを入れて協力させて、その方へ販路を広げていくというようなお考えはありませんか。
○佐橋政府委員 先ほど航空機会社の機構について参考人から答弁がありましたが、現在の段階は試作、設計、製造という段階でありまして、三十八年度から量産になる。その以前から受注先に対するいろいろの啓蒙その他をやって参らなければならぬと考えておりますので、営業部門といいますか、そういうような方面の機能の拡充をやりたい、こういうふうに考えております。来年度あたりにはそういった点もお考え願わなければならぬと思いますが、この会社でも先ほど御質問のヘリコプターをやらせるかどうかということは、現在の段階では考えておりませんので、航空機自体としてもそういう意味での機構の拡充をはかって参らなければならない、こう考えております。
○笹本委員 それでは最後に、この改正案の内容について一点だけお尋ねいたしますが、第三条の二の規定のうちに、当分の間政府は日本航空機製造株式会社の債務を保証することができることになっておりまするが、一般常識では、当分の間というと一年とか二年とか、せいぜい三年ぐらいと考えるのでありますが、私はこのような書き方をせずに、また二、三年と言わずに、少なくともこの会社が一本立ちになるまで、すなわち事業が順調にいって、これ以上国の資金の援助を必要としない時期までという考えのもとに、政府の考え方を統一していただくことを望みたいと思うのでありますが、この点に対する政府の考えを一つ聞かしていただきたい。
○佐橋政府委員 ただいま御指摘のように、こういう政府の債務保証の条項に当分というのがあるのは、きわめて異例でありますが、当中型輸送機の製造会社は、自分の力で製造し、それが販売できる、同時にこれが国際的にも十二分に競争し得る、こういうふうにに私どもは考えておるわけでありまして、早くそういうふうになってもらいたい。ただ現在の段階ではまだ飛行機を飛ばしておりませんので、それにもかかわらず量産体制は進めなければならないという非常にむずかしい時期でありますので、当分の間、こういうふうに規定を入れたわけでありまして、この当分の間は、一、二年でありますか、あるいは二、三年でありますか、そのあたりはまだ確とした見通しはありませんが、自分の力で注文がついて、飛行機が飛ぶ、同時に注文がつけば、当然一般民間その他からも融資を受け得る立場になりまして、これは当然自前でできるようになりますので、自前で資金の確保ができるようになるまでというつもりで、しかもその機会は数年といいますか、二、三年ですか、四、五年ですか、そのくらいの見当でできるのじゃないかという意味におきまして、当分という見当をつけたわけであります。
○中川委員長 田中君。
○田中(武)委員 参考人にお伺いしたいのですが、中座しておったために、あるいは笹本委員の質問と重複する点がありましたら、あとで議事録を見ますから、そのようにお答え願いたいと思います。 まずお伺いしたいのですが、現在航空機株式会社の民間資本は、どういう方面から幾ら出ております。
○中島参考人 当社の資本金は総額十八億五千万円であります。うち十億五千万円が政府出資でありまして、残りの八億が民間出資ということになっております。民間出資のうちおもなものを申し上げますと、資料の十八ページにございますが、新三菱重工業が一番の大株主でございまして現在一億四千九百三十万円、次が川崎航空機工業が七千六百六十万円、富士重工業が四千二十万円、それから新明和工業が千六百五十万円、日本飛行機が同じく千六百五十万円、昭和飛行機工業が六百六十万円、これだけが機体六社となっております。あとは関係会社、それから金融機関等でもって、それぞれ応分の負担をしております。
○田中(武)委員 今回の法律の改正の中心は、これからYS−11型をいよいよ軌道に乗せていく、そのためには航空機株式会社は担保力を持たない、だから政府が保証をする必要があるんだ、こういうことなんです。ところが株主の中には今おあげになったような日本でも指折りの大きな企業ばかりがある。たとえ航空機株式会社それ自体が担保力がないとしても、これらの大きな企業がほとんどその中へ入ってやっておるわけですから、それが保証するとか——もちろん法人としての独立性を持っている、一々別個だということはわかりますが、しかしこれらのものが保証その他の方法によって、一々政府の保証を受けなくとも保証をとりつけ、あるいは金融の道が開けるのじゃないですか。
○中島参考人 お話の通りでございまして、われわれはもし親会社の有力なものに全面的に保証をしてもらえるということになれば、これは心配ないのでございますが、やはり当社としましてもできるだけの努力をしなければならぬということが一つ、それから具体的に今度の三十六年度のことについて申し上げますと、大体量産のための資金が八億七、八千万円になっております。大蔵省で認められておりますこれに対する政府保証の限度は三億になっておりますが、八億の資金のうちで特に国内メーカーに対しまして発注しますものは延べ払い等によりまして、しばらく負担していただく、ただエンジンとかプロペラとか、外国に発注するものが若干ございます。それから国内でも特に新規に開発しなければならぬといったようなものにつきましては、当社が直接メーカーに負担をかけないで、支払わなければなりませんので、それにつきましてはやはり政府の保証によって金融の道を講じたい、こう考えております。
○田中(武)委員 なるほど法律によって日本航空機株式会社という特殊法人を作った。法律の上ではそういうことになっているが、実際は今おあげになったような航空機関の大手の六社ですか、こういうのから人も出ておる。技術員も派遣しておる。結局航空機株式会社それ自体は大手六社なり、それらの関連の寄り合いの会社だといって差しつかえないと思う。何も三億くらいは——たとえば新三菱重工一つとっても、新三菱重工からいえば大した金ではない。わざわざ法律を改正してまで政府にたよる必要はないと思うのですが、いかがですか。
○中島参考人 そういう見方も確かにできると思います。ただ、今申し上げました機体各社は、航空機分をとりますと非常に苦しい経営を続けておりまして、ほかの自動車その他の本業と申しますか、兼業と申しますか、そういうもので息をついておるというような実情と承っております。従って航空機に対しまする、ことに民間航空機に対しまする各社の力の入れ方というものは、精神的には非常に援助してもらっておりますけれども、資金の点に関しましてはある程度の限度がある。そういう関係からわれわれの希望通り全部を親会社の機体メーカーで持つということは、なかなかむずかしいわけであります。
○田中(武)委員 そもそもこの法律によって航空機会社を作ったいきさつは、何も政府がやらなくともこれらの工場、会社単独でもやれるのです。ただこれらの大きな航空機関係の会社がお互いに競争し、お互いに取り合いをした、その一つの調停緩和というような意味において、ああいう法律によって特殊法人ができたと思う。私はそういうふうに理解しておるのですが、そういう意味からいって、できたあとまでも一々そんなに政府にたよらなければならぬ、こういうこと自体が私はおかしいと思う。同時に人員の構成なんかも、先ほど笹本委員が聞かれたそうですが、何人おって、うちこれらの会社から出向しておるのが何人おるのか、新たに採用したのが何人おるのか、それから重役陣の中で、これらの関係の会社に関係を持たない重役は何人おるか、そういう点をお伺いいたします。
○中島参考人 第一点でございますが、本来ならばこの輸送機の試作ないし製作事業というものは、現在の各社でできるはずだ、それを調整するために作ったというふうにお考えのようでございますが、この点は少し違うように思います。もともとこういう中型の旅客機の試作ということにつきましては、相当な資金と技術と年月が要る。従って現在の各社が単独でやりますとなかなかできない。それを早急に実現するために各社の協力を求めて、人的にも資力的にも各社の力をまとめまして、それに国家的な援助を与えて、初めてでき上がるという構想のもとに作られたのがこの会社でございます。従ってこれをかりに一応構想がまとまりましたから、各社にこれをばらしてしまうということにいたしましたら、おそらくこの飛行機はできないのじゃないか、各社からそれぞれの得意な技術者を集めまして、この会社の一員として全体で協力してやっていくというのが、この会社の特徴でありまして、それに各社はできるだけの資金的な協力もし、あわせて政府の援助も仰ぐ、こういう格好になっております。 現在当社の機構におきましては、現在員が大体百二十名でございます。そのうちで設計部におりますのが四十八人となっておりますが、このうちの大部分、四十人近くは、これは各社から、各社の設計員がそのまま出向しておる。それからそのほかの五、六十人が総務その他の各部におりますが、このうちでは各社から出向もございますし、当社で採用した者もおる。大部分が当社固有の人間だとお考えになっていいと思います。 それから役員の方では、先ほど申し上げましたが、部が五つありまして、これに各部長が一人ずつ、重役でついております。そのほかに社長、専務、これだけの七人の取締役がおります。このうちで事業会社出身でないものは専務と総務部長、経理部長、この三人が会社関係以外、残りは各社から派遣されております。
○田中(武)委員 前に日本合成ゴム株式会社法というのをやったことがあるのです。これもゴム関係の各社がやりたい、暗躍を続け、競争を続けるので、しょうがないから、話をまとめるためにできた会社のように私は理解しております。同じように、これだってそういう性格が強いのです。現に、あなた、今おっしゃっておりますが、設計部に四十八名の技術員がおる、そのうち四十名は各社から出てきておるのです。あとの事務、総務というのは、この会社ができたから必要な人員なんです。なければ要らない。その飛行機を設計し作っていくこと自体に必要な人数じゃないのです。この会社ができたから必要なんです。重役にしてもそうでしょう。専務と経理と総務でしょう。経理と総務というのは、この会社ができたから必要な重役なんですよ。これを作るための重役じゃないのです。そうするなら、ほんとうの実践部隊というものは、ほんとうに作っていくものは関係の会社から来ておるということになるんですよ。そんなら、これだけの大きな会社が顔を出しておって、政府に三億円程度の、保証ができるという裏づけをしてもらわなければ金が借りられない、そんなことはないですよ。絶対にないですよ。そんなことでは新三菱あたり、大きな顔をして歩けません。そんな考え方はやめた方がいいと思いますがね。
○中島参考人 本年度は三億の政府保証をお願いしておりますが、将来、これは、採算ベースに乗りますと保証は要らぬと思いますけれども、それを別にいたしますと、一番のピークで百二十億くらいの資金借り入れ分が出てくるわけであります。はたしていつ当社が独力でもって信用力がつくかどうかわりませんけれども、その間におきましては、とうてい何十億というものを、各社に保証してもらうということは非常にむずかしいのじゃないか。従って政府保証も、三億から、この二、三年のうちにもう少しふやしてもらって、こちらのスタートが順調にいくようにしてもらいたいと思っております。
○田中(武)委員 どうやら語るに落ちたようですね。ことしは三億、将来百二十億くらいが見込まれるというのです。これだけ膨大な金を、やはりあなた方は政府にたよっておる。しかもたよっておるのは、日本における重工業の大手ばかり、いわゆる独占企業ばかりなんです。政府がこれを保証するということは、結局独占企業のしり押しをしている、そういうこととしかいえない。今三億円だ、しかし法律には何も三億と書いてない。ただ予算の範囲内において保証することができるということだけなんです。三億円で通しておいて、二、三年のうちに百二十億にするというのは、これはもってのほかです。次官、どうです。このこと自体が、われわれの目をごまかして、大企業に対する国民の税金によるところの援助、これよりほかにないじゃないですか。どう考えられますか。
○砂原政府委員 このたびの政府の保証の問題でございますが、これは、御承知のように大企業の方々が株主になっておられるのであるから、そうした人の信用で、政府の保証をしなくてもいくではないかという田中委員の御発言は、しごくごもっとものようでございますが、しかし、企業を行ないます場合には、いずれも大資本の会社は大資本だけの経済をもって事業をやっておるのでございます。従ってこうした航空機会社の場合にまで、その資本をつぎ込んでいくという余裕は、あるいはないかもしれない。そこで国策として航空機の事業を発達さしていき、また日本の技術を生かしていこうという場合には政府の出資額は、他の事業会社よりも大きい出資をいたしておるのであります。従って政府がこれを保証いたしましてこの会社を育成し、国際市場に将来販売をしていこうというのでございますので、今回政府がこれを保証するということをお願いしたのであります。従って将来この航空機が三十八年度までに大体完成をして市場化されるようになるまでの間は、一時の保証は、漸次ふえていくかもしれませんけれども、しかしそれは、やがて商品化された場合には、当然会社が利潤等も生んで参るので、将来の危険を伴うというようなことはないと考えておるのであります。
○田中(武)委員 政府が保証したから、将来の危険を伴うか伴わないかということじゃないのです。私の言っておることは、これを国策としてやるなら国の機関でやればいい。それを国が一部を出して、あとはこういった大企業、それも独占体が資本を出して、そうして日本航空機株式会社を作っておる。それが現在では、今度はそれを軌道に乗せるためには資金が必要だ、だから政府が保証できるようにするんだということ。法律の改正面を見ると、第三条に二をつけて政府は、当分の間法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の債務について、保証契約をすることができる。」とだけしか出ていない。これを聞くと三億だ、本年はそうでございます、こう答える。ところが今参考人が言われたように百二十億くらいはしなければいかぬということ、この百二十億は政府の資金、これは結局は国民の血税だ。これは参考人にこれ以上言っても仕方がありませんから、きょうはこの程度にして参考人の質問はおきますが、法文の上ではこういう抽象的なことで、この三億円は二、三年後には百二十億になるような、目をごまかすようなことは絶対承服できません。従ってあとあらためて政府委員なり大臣に質問いたします。終わります。
○中島参考人 百二十億というのは、将来当社の量産資金が、ピークがそこまでいくということでありまして、この時分には当然当社の事業も軌道に乗りますから、そこまで政府保証ということはもちろんないと思いますので、その点、釈明しておきます。
○中川委員長 それでは本日の質疑はこの程度にとどめることにいたします。 参考人の方には長時間まことにありがとうございました。 次会は来たる四月四日火曜日、午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 正午散会