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38回国会衆議院1961/03/14

商工委員会 第12号

発言数
65
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/03/14

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  まず、去る十一日筑豊地区における炭鉱災害の実情を調査するため、委員を派遣いたしましたが、この際、派遣委員より報告を聴取いたしたいと存じます。田中榮一君。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 去る三月九日、福岡県田川郡香春町上田鉱業上清炭鉱において起こりました炭鉱災害につきまして、田中榮一、岡田利春、大矢省三の三名は、商工委員会から派遣されまして、現地調査を行なって参りましたので、調査の結果を御報告申し上げたいと存じます。  まず調査の日程について申し上げますと、三月十一日午前十時十五分羽田を出発し、午後四時ごろ上清炭鉱に到着いたしました。直ちに、今回の災害で不幸にも死亡されました七十一名の霊に対して花輪を捧げ、遺家族の代表の方に対して心からお悔やみを申し上げたのであります。続いて、会社側から事故の原因、事故発生後の処置等について実情を聴取した後、坑内に入り、火災事故発生現場であるコンプレッサー室を中心に、きわめて詳細な調査を行なったのであります。  次に、社会労働委員会派遣の調査団と協議の結果、昨年九月出水事故により六十七名の犠牲者を出しました豊州炭鉱の調査を行なうこととし、現地調査、会社側並びに組合側の意見聴取、遺家族の見舞い等を行なったのであります。  調査を終わって、福岡市に向かったのでありますが、夕食をとりますときはすでに午前一時でありまして、当日の調査はきわめて熱心に行なわれたのであります。  翌十二日は、福岡通産局において、午前十時から会議を始めまして、まず福岡通産局、福岡鉱山保安監督部、福岡労働基準監督局等より詳細な実情を聴取いたしました。その間、私は別途福岡県警察本部長より、警察側の取り調べの内容を聴取いたしました。続いて福岡県当局、福岡県議会当局、田川市外関係町村の代表の方々より、鉱山保安についての御要望を聞き、さらに再度上田鉱業社長を招き、質疑を重ねたのであります。終始緊迫した空気の中に、真剣な調査が続行され、午後六時ごろようやくにして会議を終え、おそい昼食をとり、同夕刻福岡を出発したのであります。  次に、今回の事故の概要を簡単に申し上げます。  九日、上清炭鉱の第二水平坑道坑口から約四百メートル、これが坑口でありまして、この坑口から約四百メートルずっとトロで下りまして、ここが問題のコンプレッサーの部屋であります。このコンプレッサー室から出火したのでありますが、七、八メートル風上にある百馬力のコンプレッサー室で食事をしておりました本田は、風上にいたため火災の発見がおくれ、十一時三十分ごろ発見したときには、すでに消火が困難な程度に広がっており、煙が多くて本田、中田、津川の三名が行なった消火作業は、十分な効果がなかった由であります。  このコンプレッサー室でありますが、これはコンプレッサー室といわれておりますが、ちょうど洞窟のようなものでありまして、きわめて足場が悪く、なかなか多数の者がここで消火をするということは、現実に困難な状況のようでございました。  火災発生直後、保安管理者に電話連絡をした由でありますが、不在のため連絡がとれておりません。さらに坑内電話による連絡も不成功に終わり、かくして採掘現場、この六片、七片、八片、九片、十片、この辺で採掘をやっていた労務者であります。その労務者に緊急退避の連絡がとれず、坑内に閉じ込められた七十一人は、ついに煙のために窒息あるいは一酸化炭素中毒によって死亡したものであります。  この事故に関して究明すべき点は、第一に火災発生原因であります。直接の原因は、コンプレッサーの過熱、それからモーターの過熱、漏電あるいはたばこの火の不始末等によって発火し、油ぎれ、ベルトあるいはスピンドル油等に引火したのではないかということが一応考えられますが、この点は鉱山保安監督部と警察当局が緊密な連絡のもとに原因究明に当たっており、また九大に依頼してコンプレッサー、モーターの分解等をも行なっておりますので、これらの取り調べの結果を待たなければ、当調査団で結論を出すことはきわめて困難であります。  次に間接的原因、すなわち発火を火災に拡大せしめた原因については、コンプレッサー室の設備の不備を指摘しなければなりません。すなわちコンプレッサー室は薄鉄板、しっくい等の不燃性物質でおおった防火構造としなければならない規則になっておりますけれども、おおわれていた形跡はありません。この辺が全部規則によりまして、しっくいその他によっておおわなくてはならないことになっておるのでありますけれども、これは全然おおわれた形跡はありません。従って明らかに規則に違反していたということができます。燃えておりますのはコンプレッサー室の天井の木材であり、直径三十センチ程度の木材が不完全燃焼してくすぶり、多量の煙を出したのでありますが、鉄板でおおってあれば火災化しなかったと思われます。さらに現行規則に定められている防火構造あるいは耐火構造自体についても問題があるのではないかと思われます。どの程度の構造をもってよしとするかは、必ずしも明確でないと思うのであります。  またコンプレッサー室には立ち入りを禁止し、さく囲いを設けて「立入禁止」の警標を掲げなければならないことと規則に定められておりますが、この点も守られていなかったのであります。  また五十馬力以下のコンプレッサーの設置個所、構造については認可申請の必要がないのでありますが、この点監督法規上疑問を持つのであります。  第二に火災後の処置についてであります。今回の事故を大事に導いた致命的ともいうべき原因は、火災発見がおくれたことにあります。発見後消火弾を投げ——消火弾は二個投げております。消火弾を投げ、水をかける等の作業を行なった由でありますが、火災発見後の処置は万事手おくれになったのであります。従って火災発見のための設備、人員配置にも欠けるところがあったといわなければなりません。  さらに火災発見後、コンプレッサー運転係である津川は、保安管理者に電話連絡したが不在のため、電気係東條に連絡し、東條から保安管理者にも電話連絡したが、すでに電話は不通となっております。また十片から火災現場に上ってきた沖島が、坑内電話によって十片のポンプ座に連絡していますが、応答がなく、結局退避の連絡は有効に行なわれなかったわけであります。  ここで問題となることは災害発生時の連絡系統であります。これは保安規程に定めることになっておりますが、上清炭鉱の場合はこの点徹底していなかったようであります。  また非常ベルの設置は規則には定められてはおりませんが、上清炭鉱の場合、非常ベルの設置の必要を痛切に感じたのであります。  以上今回の事故の概要並びに問題点を申し上げましたが、私たち調査団に与えられた使命は、今回の事故を通じて、今後鉱山保安のあり方はいかにあるべきかという点を究明することにありと思うのでありまして、われわれ調査団一行は、次の点について意見の一致を見たのであります。  第一は鉱山保安監督行政の強化であります。現在の監督部の人員、予算はきわめて不十分であり、監督が十分行き届かないと思われます。従いまして人員の増加、機構の充実、予算増加をはかる必要があります。  さらに監督官は単独で現場の監督に当たるため、炭鉱、特に中小炭鉱の環境においては徹底した監督を行なうことに非常に支障を来たす場合があるようであります。従いまして監督権限の強化をはかる必要があります。  加えて監督官の待遇はきわめて悪い実情であり、権限強化とともに監督官待遇改善をはかる必要があります。入坑一時間当たりの手当が八円だそうでございます。  さらに現行法制下であっても、法規違反に対しては鉱業権取り消し等の罰則適用について、監督官庁は徹底した態度を持すべきであります。保安法規の順守のいかんは尊い人命にかかることであり、労務者はこの点を切に要望しているのでありますから、監督官庁の一そうの奮起を望んでやみません。  第二は、現行法規の再検討を行なうべきであります。すなわち非常ベルの設置、防毒マスクの携帯を義務づける等、現行監督法規を根本的に再検討して、鉱山保安法による技術的基準を強化改善し、鉱山災害防止の完璧を期すべきであります。  上清炭鉱は、中の上に位する炭鉱であるということでありまして、それ以下の炭鉱の保安設備状況は、さらに悪いことが想像され、りつ然とするのであります。また監督行政の強化について、監督権限強化はもちろん、通産、労働、警察等、監督行政官庁間の権限のあり方等についても、根本的に再検討し、要すれば、審議会を設置することによって推進すべきであります。  第三は、石炭鉱業合理化事業団による非能率炭鉱の買い上げを促進すべきであります。その際現行の買い上げワクの拡大をはかることはもちろん、買い上げ方法、買い上げ基準をも再検討する必要があります。すなわち買い上げ方法につきましては、現行法では申請によることとなっておりますが、強制買い上げ基準については、保安上きわめて危険な炭鉱については、別途基準を設けて強制買い上げを行なうよう早急に検討を行なうべきであると思います。  第四に、中小炭鉱の保安設備改善について特別の措置を講ずべきであります。すなわち現在エネルギー革命の進行下にあって、石炭産業は徹底した合理化を行なう必要に迫られておりますが、中小炭鉱の合理化は資金上きわめて困難な状況であり、従って中小企業設備近代化資金、石炭鉱業合理化事業団の近代化資金、あるいは中小企業金融公庫の運用については、中小炭鉱に対して別ワクを設けるとともに、ワクの拡大をはかる必要があります。さらに合理化の途上においては、必然的に生産を主とし、保安は従となる傾向がありますので、鉱山保安設備改善のための金融について、特段の措置を講ずべきであります。  以上数点について申し上げましたが、今日石炭不況は、炭鉱の保安をきわめて危険な状況に追い込んでいると思うのでありまして、今にして抜本的対策を講じなければ、上清炭鉱災害以上の災害は、きびすを接して跡を絶たないであろうと確信するのであります。国会並びに政府は本問題の解決について重大なる決意をすべきときにきていると思います。  最後に、十二日福岡通産局において会議中、福岡鉱山保安監督部の谷課長補佐が自宅において自殺したとの報に接し、驚愕いたしたのであります。谷課長補佐は、三月一、二日上清炭鉱の保安施設を検査しているのでありますが、検査後法規違反事項として上清炭鉱に指示した文書には、コンプレッサー室について何ら触れていなかったことから、今回の事件発生について責任を感じたのではないかと思われます。まことにその旺盛なる責任感は賞賛に値し、こういう優秀な監督官を失ったことはまことに残念であります。心から御冥福を祈る次第であります。  今回の災害発生の責任を一身に受けて死をもって償うというお気持であったと思われます。私たち国政に携わる者はもちろん、鉱山保安監督行政に携わる方々も、谷氏の死を決してむだにしてはならないと思うのであります。谷氏はきわめてまじめで、勤勉であり、まことに優秀な公務員であったと承っております。なお谷氏の遺族は十人もおられる由で、今後の生活も容易ならぬものであろうと察しられます。通産省においては、この点について、十分なる配慮をなされるよう切にお願いいたします。なお、豊州炭鉱について若干御報告しておきたいと思います。  豊州炭鉱は昨年九月、同炭鉱の上層にあった古洞が坑内火災を起こしたことによって、中元寺川河床に穴をあけ、川の水が古洞を通って、豊州炭鉱の坑道を破り、この出水事故によって六十七名の死者を出したのでありますが、その後古洞内の火災を消火するため、約七百万円をもって、表土の取り開け作業を行なってきたものであります。しかしながら、この作業によって、古洞の火災はかえってひどくなっており、付近住民は恐怖の毎日を送っているのであります。一方坑道内に埋没されたままになっている遺体の救出作業は遅々として進まず、二千メートルの地下に達することは、不可能であろうという状況判断もなされておりました。現在の表土取り開け作業続行については、何年続行しても消火不可能とする意見、今後の経費について地元の田川市は負担能力は皆無であるとの陳情、地元住民は効果的早急な消火作業の実施を迫る声、さらに下流の農民は乙女井堰の復旧によって農業用水の確保をはかるべきであり、そのためには現在の消火方法を変えるべきだという声等々、各種の意見が交錯しております。消火方法を変えるか、遺体救出をやめるか、現地の会社側、組合、遺族、付近の住民は、いずれかの決断を迫られた状態に追い込まれております。組合も、借入金によって生活している状況であります。  以上の状況でありますので、政府においては、本問題の円満な解決のために、早急に適切な行政指導並びに予算措置等を講ずるよう要望しておきます。  以上をもって私の報告を終わりたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 以上で報告は終わりました。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 速記を始めて下さい。  本件に関しては、質疑の申し出がありますが、これは後日に譲ります。      ————◇—————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 次に、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案の四法案を一括して議題とし、審査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。小林ちず君。

小林ちづ日本社会党

○小林(ち)委員 私は、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案に関係してお伺いしたいと思います。  提案理由の御説明によりますと、今度の改正の目的は、中小企業金融公庫の業務量の増大に対処するためということでありますが、確かに中小企業向け貸し出しは今後増大の趨勢にあり、また、わが国経済の成長に即応する意味で当然であります。そこで、このような改正案を準備されます以上、実際の窓口の事務を強化するため店舗の増設とか職員の増員なども当然考慮されていると信じます。新年度には店舗をどれだけどこへふやすか、また、職員を何名増員されますか。特に職員は養成に時間がかかる関係上その増員が急がれると思いますので、その予算措置とあわせて方針を明らかにしていただきたいと思います。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 今回提案いたしまして御審議願っております中小企業金融公庫法の改正は、法律に現われました点では役員二名の増員ということになっております。しかし、ただいまお話の通り、実際貸付の事務に当たります支店あるいは出張所の設備とか、そこに対する人員の充員ということが実際の仕事を進める上では、ことに大切なことでございますので、今回の予算におきましては、そういうことにつきましても配意いたしまして、支店は現在十一、出張所は二つございますが、今回支店ふやしまして、秋田と松本と松江——これまであります支店の配置とからみ合わせまして、割りに穴のあいたところ三つの支店を増設いたしますとともに、出張所を函館と釧路と二つ増設するということにいたしております。また、職員につきましては、現在八百三十七名おりますが、今回百四十六人増員いたしまして、窓口業務の充実に資したいと考えております。なお、確かに専門の仕事でありますので、職員の教育ということに相当時間を必要といたします。それで毎年少しずつ仕事の分量に応じまして増員して、すでに昨年あたりの増員いたしました職員は、すぐもうことしあたり、実際一人立ちになって働けるということにいたしております。少しずつ教育の期間を見込みまして毎年増員しておる、こういう状況でございます。

小林ちづ日本社会党

○小林(ち)委員 次に、改正案によりますと、理事を、現在の四名以内から六名以内に二人増加するとのことでありますが、これは、まあ二人くらいの増加がよかろうという意味か、それともどうしても二人は必要なのか、なぜ二人と限定されたかについて、その根拠をお聞きしたいのであります。  なおこの理事には職員から登用されるかどうか、候補者の内容をお知らせいただきたいと思います。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 理事は現在四人でございます。総裁、副総裁を除きまして理事四人でございますが、これを今回二人増員いたしたいということであります。二人増員いたします理由といたしましては、理事の現在の分担が、部の数、仕事の分け方等によりまして、一部の理事のところに非常に仕事が重なってきておるという関係もありますので、仕事別に分けまして、代理貸付部、中小公庫では、相当代理貸付の分量が多いわけでございますが、代理貸付部と、代理貸付の契約を結んでいるいろいろなたくさんの銀行がございますが、そういうところを監査する監査部があります。この二つの部を担任する理事を一人増加いたしたいということであります。それとともに、中小公庫と似たような金融機関等におきまして、大体大阪あたりの大きな支店の店舗長は大体理事ということにいたしておりますので、大阪支店担当の理事を一人、こういうことで二人増員いたしたわけであります。  なおこの理事をどこから充員するかという問題につきましては、まだ今後の問題でありまして、総裁その他の意見もありますし、それを監督いたします通産省、大蔵省とも相談いたさなければいけませんが、少なくとも一人は職員の中から出るということになろうかと考えております。

小林ちづ日本社会党

○小林(ち)委員 職員数を調べてみますと、三十四年度から三十五年度の間には百三十人ふえておりまして、三十五年度から三十六年度の間は四十六人ふえております。三十四年度から三十六年度を比較しますと少なくなっているわけは何でしょうか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 三十五年度の増員は百三十人、今度三十六年度における増員は百四十六人で、ふえております。

小林ちづ日本社会党

○小林(ち)委員 聞くところによりますと、当公庫の理事は合議制ということであって、業務の分担がないそうですが、もしそれが事実としますと、理事の増員は、かえって、船頭多くして船、山に登るのことわざのように、業務処理が妨害されることも考えられ、またその責任の所在も一段とはっきりしないものになりはしないか、その点はいかがでしょうか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 公庫の業務の全責任は総裁が負っておるわけであります。これを補佐する意味で副総裁があります。とともに各般の仕事を分担して総裁を助ける意味で理事があるわけであります。もちろん法律的に、一部の仕事については、理事は、総裁のかわりに、代理権といいますか、代表権を持つ場合もございますが、そういう建前をとっておるわけです。合議制といいましても、多数決でものをきめる、こういう仕組みにはなっていないわけでございます。そして理事はそれぞれ仕事を分担いたしまして総裁を助けるという関係でありまして、現在四人の理事がおりますが、一人の理事は、総務部、給与関係を担当いたしております。第二の理事は、業務部、融資部、代理貸付部、これらの仕事を担当しております。この代理部の仕事を一つ抜き出して新しい理事に持ってもらうということであります。第三の理事は、経理部、監査部、庶務部を担当しておりますが、この監査部の仕事も抜き出しまして新しい理事に持ってもらうということであります。第四の理事は、調査部と審査部の仕事をやっております。こういうふうな仕組みになっております。

小林ちづ日本社会党

○小林(ち)委員 実は私の住んでおります三重県にはまだ当公庫の支店がありません。従って、みな名古屋支店扱いとなるわけです。もちろん代理貸し制度によって、ある程度その機構の不備を補われていますものの、商工中金や国民公庫はみな支店を県内に持ちながら、同じ政府系の中小企業金融機関である当公庫だけが支店がないため、三重県における中小企業金融の実態や、その貸し出し計画を正確に把握することができない不便があるわけであります。それから、これは経験して特に痛感したことですが、一昨年の秋、伊勢湾台風で名古屋と三重県の間の一切の交通が途絶したため、中小公庫の復旧金融が、ほかの機関より、はるかに大きな不便をこうむったという事実があるのであります。この点でも支店網の拡充ということは、役員の増員以上に急がれるべきではないでしょうか。また最近の銀行預金減で、地方銀行の貸し出し減が中小企業にしわ寄せされる傾向にあるとき、その打開のためにも当局のお考えをお伺いしたいと思います。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 他の中小企業関係の政府関係金融機関に比較いたしまして、御指摘の通り中小企業公庫の支店網は非常に少ないわけでございます。これは、国民金融公庫は非常に零細な業者を相手にして小口の融資を広くやっていくということでありますし、なお庶民金融公庫以来相当年月がたっていますので、相当の支店を持っております。商工中金もまた非常に古い沿革を持っておりますので、相当の店舗網を持っております。中小公庫は、何分昭和二十八年に始まりまして、もう足かけ八年になりますが、この金融機関の店舗網を整備いたしますには、何といいましても人を集めて養成していくということでありまして、実は中小公庫あたりでは、まだ肝心なところには興銀あたりから人を借りているということであります。先ほどもお話しいたしましたように、毎年増員してそれを教育しながら、それと見合って店舗網を作っていくというやり方でやってきておるわけであります。今後とも、代理貸付と直接貸付の利害得失はそれぞれありますけれども、できるだけ店舗網をふやして直接貸付を多くして、これを利用される方々の中小業者の便益に資したいと努力いたしておるわけであります。それから、従って逆に申しますと、その間は代理店を極力利用いたしまして、これは商工中金、国民公庫に比べますと、代理店は非常に多くお願いいたしまして、その自分の支店網ができますまでの間は、代理店の力を借りまして融資を実行するという考え方に立っておるわけであります。  それから、最近いろんな情勢から、地方銀行その他に対する預金その他が少なくなって、それがいろいろ公社債投資その他に回って、こういう事柄が中小企業金融に圧迫を加えやしないかというお話でございます。確かに一月は一般に銀行預金というものは非常に減っておりますが、二月の実績を見ますと、また逆に相当ふえてきております。これはいわゆる金利体系をいろいろ直しつつある過程、あるいは公社債投資等の新しい制度が発足したという状況で、まだ全体的に落ちつかない過程にありますので、こういうことの落ちつきをも見る必要があろうかと思いますが、どちらにいたしましても、中小企業関係の資金源に対する圧迫というようなことが、制度上続くというようなことになりますれば、これに必要な手を打っていかなければならぬと考えております。

小林ちづ日本社会党

○小林(ち)委員 私は直接名古屋の中小企業金融公庫をお伺いして、当公庫の希望を聞いて参りましたのですが、第一、現在大へん人手不足であるから、もっと増員してほしいということと、それから第二に、ほんとうに仕事のできる者がなくて、人数が多くても仕事がはかどらないということ、それから第三に、支店をこしらえてから人員を集めるのではなく、一、二年前から十分な養成をして、その後支店を作ってもらいたい、現在の考え方は反対であるというようなことを申されておりました。それから第四は、官庁出の人は企業精神が欠けているから、やはり普通人を選んでもらいたいという、この四点を希望しておられました。  それから、とにかく役員の質、性格、内容というものは一番重大でございまして、私の亡夫小林正美が生前関与をしました商工会法案でも、役員条項に最も注目したのでありますが、私もこの一部改正案で中小公庫が、表現は失礼でございますけれども、古手役員の救済機関にならないように、真に中小企業金融のサービス機関として充実されることを希望しながら、私の質問を終わりたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 ただいま上程されております四法案に対して、法案の内容に対しては反対の意思は持っておりません。その運用のよろしきを得るならば、中小企業の振興に役立つこと大である、このように考えております。しかしながらその内容にいろいろ疑点がありますので、一応御質問申し上げてみたいと思うのであります。  ただいま小林委員から理事の増員の件については質疑をしたのでありますが、端的に申し上げて、支店を二、三カ所作る、出張所をふやす、そういうことが理事二名を増員する積極的な理由になっておる、このように考えるのです。長官よりいろいろ業務の内容に対しての御説明もあったようでありますが、まずそうした高給取りの役人幹部をふやすよりも、その前に職員をもっと増員をするということに、第一に重点を置くべきではないか、このように考えるのでありますが、政府としては現在の職員でもって、意図しておるような中小企業金融公庫あるいはその他の公庫にいたしましても、十分事務の能率を上げていく、サービスを十分に行なっていくことができるというようにお考えになっておるのであるかどうか、まずその点を伺ってみたいと思います。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 仰せの通り、この機関の本来の使命からいって、必要なところに必要な資金が適時適切に行くということが本来の目的のわけであります。従って一番大事なところは、それだけの仕事をスムーズにやるための人ということになりますが、職員の増員につきましては、先ほども申し上げましたように、この種の機関としては毎年、一年にふやす分量はよそに比べれば多過ぎる。よその同種の機関からひがまれる程度の増員は毎年逐次やっております。ただ金融という直接の、ことに審査等に当たる人の養成というものは、私どもよくわかりませんが、ところによりますとなかなか時間がかかるということでありまして、そういっときに急にふやすというわけにも参らないということでありますので、可能なる限りの増員は逐次やっております。それとともに能率を上げます意味でいろいろ機械化等も考えまして努力いたしておるわけであります。それにしましても公庫の仕事は毎年、資金の分量から申しましても、年とともに非常に著増しておるという現状から、仕事を全般的に比較し、全般的にスムーズにいくようにする幹部の仕事もだんだん分量がふえてくるということであります。今回の理事の増員も、そういう職員の増員を足場とする仕事の全体のボリュームのふえ方ということを考えまして、どうしても最小限度この程度は増員したいという理事の増員とわれわれ考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 この理事は普通の一般の金融機関のように、貸付担当役員であるとか、あるいは預金担当役員、そういったような形の業務分掌をやっておりますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 大体仕事を統括する意味で本店にいろいろな部を置いております。その部の仕事を分担して、総裁を助ける、こういう仕事の分担であります。預金は中小公庫は扱っておりませんから、そういう部はございませんが、貸付の方でも審査をする部があります。その部はだれだれ理事が担当するとか、それから代理店をたくさん使っておりますから、代理店と連絡し、これを監督する仕事がありますが、そういう仕事の部はだれだれ理事が担当する、こういう仕組みであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 理事の給与はどうなっておりますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 理事の給与は十二万五千円、これを予算では十五カ月分——十二カ月と手当三カ月という計算になっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 一切の業務の実態を把握いたしておりませんので、これを積極的に、二名の増員が不当であるというような意見の開陳というものは、私には現在のところできないわけです。いろいろ質疑をいたします中から考え方を求めて参りたいと考えておるわけでありますが、ともすると役所は一つの機構を作って、そういう高給取りの幹部をふやしていくということには積極的でありますけれども、肝心の実務に当たる職員をふやしていくとか、あるいはベース・アップをやるとかいうことに対しては、非常に渋いというような傾向にあることは否定することのできない事実であります。私は現在の公庫にいたしましても、あるいは中金にいたしましても、国民金融公庫にいたしましても、政府の機関というのは、申し込みから貸付決定までに非常に長期間を要しておる、しかもその業務の内容を調べてみますと、融資の際の調査担当の職員というものは非常に多くの口数をかかえておる。そういうことが遅延の理由にもなっておるのではないか。このように考えておるわけであります。そうしたことはまたずっと質問を重ねて参ります。  従たる事務所に総裁の権限を委譲するのだということが、この改正の一つの理由になっておるようでありますが、どの程度に総裁の権限の委譲をやるのか、また現在どういう点が非常に不便であったのか、そうした点をお尋ねいたします。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 従来も代理人の権限に関する規定があったわけであります。これは公庫の業務の一部に関して、一切の裁判上または裁判外の行為を総裁にかわってやるということになっておったわけであります。これは法律の書き方がちょっと古い書き方でございまして、こういう書き方にいたしておりますと、たとえば、大阪の支店長が金を貸すときに担保をとる。その登記を登記所に持っていくというようなときに、業務の一部に関してということになっておりますので、その登記をする仕事について権限を持っているのかどうかはっきりしない、ある登記所ではそのままやってくれるけれども、ある登記所では総裁の委任状を持ってこいというようなことになるわけであります。そういうようなこともあるわけでありまして、ほかの同種の各公庫法は最近書き方を統一いたしまして、ある従たる事務所、ある支店の業務に関しては、全部権限を持つという規定になっておりますので、今回それを整備し、各関係の機関とそろえる意味におきまして、また今申しましたような理由で、支店については全部の権限を与えるというようにした方が、仕事のやり方の実地にも便利だという意味におきまして——「公庫の業務の一部」ということだけでは、本店の業務の一部ということもあって、そこがはっきりしませんので、支店については一切の裁判上または裁判外の行為をやれるという規定に改正することにいたしたわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 ともかくお役所行政の弊を打破するように、対象は非常に金に困っておる人たちだということですから、その点を十分に念頭に置いて、権限の委譲にいたしましても、ある一定の——これは申し上げるまでもないことですが、秩序だけは守っていくことは当然でありまして、ともかく大幅の権限委譲をして貸付の促進をはかっていく、そういうことに一つ御留意を願いたいと思うのであります。  なお先ほど長官が小林委員に答弁をしておられましたように、貸付の場合に直貸しより代理貸しというものが約八〇%程度ではなかろうかと思うのであります。最近若干直貸しが上昇の傾向にあるようでありますが、依然として代理貸しだ。私どもはこの代理貸しの弊というものを身近かに感じておるのでありますが、代理貸しを改めて、直貸しの方向に積極的に進めていくという考え方は持っておられないのかどうか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 先ほど申し上げましたように、事柄の性質といたしましても、全部直貸しをするということにいたしたいわけであります。ただそれがためには、こういう仕事になれた人を全部そろえ、また店舗を全部そろえるということが必要なわけでありまして、一ぺんにはなかなかそういかないという実情でありますので、年々やれる一ぱいには支店を設け、人を充実するということでやっておりますけれども、何分他の機関に比べまして、創立なお日が浅いというようなことから、今年度で約八割、来年度は七割六分くらいということで、毎年五%ずつくらいは代理貸しを減らして、直接貸しにしていくという努力を重ねておるような次第であります。できるだけ直接貸しをふやしていくという努力を、なお一そうやりたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 代理貸しを直貸しに改めていかなければならないという通産省のお考えのようでありますが、ところで代理貸しの短所といった点について考えておられる点をお聞かせ願いたい。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 公庫は本来の目的からいいまして、一般の市中金融機関では借りにくい中小業者に対して、長期の設備資金その他の長期の資金を貸していくということでありますとともに、国家の資金でありますので、こういう業種には重点を置いて経済のこういう面を伸ばしていこうというような、公庫としての業務、国の方針を受けた業務の融資方針というものがあるわけであります。そういう方針は、簡単に申しますと中小企業の必要なところに必要な金がいくということが、公庫の融資方針のねらいであるわけであります。ところが代理貸しですと、いろいろ指導しておりますけれども、必ずしも自分がやるようにはそういう趣旨が生かされにくい場合がある。そういう点が代理貸しの一番いやなところであります。ただ一面からいいますと、公庫は預金業務等をやっておりませんので、平生から相手の企業がよくわかるという機会が少ないわけでありまして、従って公庫に直接申し込む人は、新しいお客さんという場合が相当多い。従って調査等にも先ほどもお話がございましたように、多少のひまがかかるという点もなきにしもあらずでありますが、代理貸しの場合は多く預金業務を通じ、あるいはその他の貸し出しを通じて取引関係にあるところに貸すということでありますので、そういう点は代理貸しの多少便利な点じゃないかということであります。いずれにいたしましても代理貸しというよりも直接貸しで必要なところに必要な金が適時適切にいくことをねらいとして、直接貸しを逐次ふやして参りたいという努力をいたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 御方針はまことにけっこうであります。その通りでなければなりません。ところが現実にはなかなかその通りにはなっていない。年々直貸しもふやしていくのだ。五%程度ふやしていくのだ、こう言っております。ところがそういうわずか年々五%、現在昭和三十六年であります。それですら代理貸しはまだ八〇%だ、来年は七五%。公庫設置の根本精神、公共性、社会性ということを考えるならば、そういうような改め方ということでは、これは適当でないと思うのです。もっと積極的におやりにならなければほんとうの精神は生かされないのではないか、このように考えます。なおまたただいま代理貸しの利点だとおっしゃったその代理貸しの利点は即、端的にいって私は弊害になっておると思います。そういう利点がほんとうに生かされていくという指導をおやりになっていない。そのように考えております。私は事実をもってこういうことはどうなのだということを指摘して申し上げてもよろしいのでありますが、時間が大へん長くなりますから、その点はいずれ適当な機会に事実をもってこれを改めるように進言をしたい、このように考えております。なおまた代理貸しのことですが、代理貸しの地域には特殊の場合直貸しをおやりになることはできないのかどうか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 直貸しも代理貸しも区域というものはないわけでありまして、支店はそれぞれ担当の区域を持っておりまして、その区域に応じて直貸しをやっていくわけでありますし、代理貸しはある銀行を代理店に選ぶということでありますから、直貸しと代理貸しが地域がダブってもいいわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 地域としては直貸しと代理貸しはダブってもいいのだとおっしゃる。ところが実際はなかなかそうはできないでしょう。具体的な例として申し上げなければピンときませんから一つの例を申します。私の県の長崎県の対馬というところ、これは人口にいたしましても五、六万の人口を持っておる。ここに相互銀行がわずかに一行なのです。それでこの相互銀行一行が銀行自体の金融、それからそうした公庫の代理貸しあるいは国民金融公庫の代理取り扱い、一切をやっている。このことは私はざっくばらんに申し上げますが、銀行がやはりいろいろなことで感情的になったりするようなことがある。そういう場合に、事業内容は案外いいのに、なかなか銀行へ行っても金を貸してもらえない。ほかの地域に行くと、いや対馬はどこどこ銀行の地域ですからと言って、これまた相手にしてくれない。そういうことで非常に困っているという大きな弊害がある。こういうことをどうお考えになりますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 中小公庫はほかの金融機関に比べて、自分の店舗が少ないせいもありますが、代理店は相当たくさん選んでおるつもりであります。代理店の数は六百七十六ありまして、その支店、代理店というのはある銀行と、こういうことであります。その銀行の支店等入れますと、代理業務を扱う店舗の数は五千余りあります。そういうことで同種の機関に比べまして、相当代理店の手足を延ばしているつもりであります。ただ先ほど地域のことでもお話がありましたが、代理店が断わる、融資等についても相手にしないということが起こります一つのわけは、代理店に資金のワクを一応振り当てるわけであります。これは全体の分量がきまっておるものですから、その資金のワクも実情に応じて融通等はやっておりますけれども、資金のワクが少ないために、なかなか融資相談等に乗ることを渋って、それは本店に行ってくれ、直接貸しに行ってくれというような場合が、あるいはあるのかと思いますが、資金の需要と資金のワクの代理店に対する配分ということは、それぞれの情勢において極力実情に合うようにやるように指導をやっておるわけでありますが、今後ともそういう点はなお気をつけまして、実情に即しない点は直ちに直していくことにいたしたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 資金のワクの問題ではないのです。代理貸しの大きな弊害の一つだと私は見ております。ですから支店、出張所等をお聞きになる場合に、一つの県に幾つも支店、出張所を置かれるということは無理でありましょう。しかしながら地域の人が非常に困っておるところ、一般の全国銀行であるとか、その他民間金融機関でもなかなか預金の吸収率であるとか何とかいうことで、相当借り入れ希望がありましても、銀行のベースに乗らないということから、そういう方面に出ることを好まないことがあるわけです。そういう点、人口の密度であるとかいろいろな点を考慮して、政府関係の金融機関が適当な方策を講ずることが私は行き方としては妥当だと思う。そういうことを今後積極的に調査をやって、実情に即するように乗り出していかれる意思があるかどうか。  それから先ほど地域としてはダブってもいいのだとおっしゃいましたが、その地域の人が直接貸し申し出をしたときに、それに積極的に応ぜられる考えがあると確信していいかどうか、その点を伺います。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 仰せの通り中小企業金融に対して、いろいろな関係から市中金融機関はある地域には出さぬとか、そこのところはいろんな関係からあまり商売上得意じゃないから仕事はしないというようなことがありとすれば、その盲点にこそ政府金融機関が手を差し伸べるような努力をしなければならないということは仰せの通りであります。先ほど来申し上げましたように、支店、出張所を一時にふやすことはいろいろな関係で無理なわけで、逐次努力をいたしておりますが、現在でも支店等の設置の要望は非常にたまっておるわけであります。なるべく急ぐところからふやしているわけでありますが、今申されたような場所ありとすれば、いきなり支店というわけにもいきますまいが、出張所程度のものでも、そういう穴のあいたところを積極的に調査し、穴を埋める意味の増設をやっていくという努力はいたしたいと思います。  なお代理店等で受け付けずに本店、支店に話を持ち込むことはもちろんけっこうなわけでありまして、個々の融資の内容につきましては、それぞれ融資の立場もありましょうけれども大いに来ていただいて、来ていただけない人のために代理貸しをやっているわけでありますが、代理貸しの方でなくて本店、支店の方へ来られる方は、もちろん喜んで相談に乗ることは現在もやっているつもりでありますが、今後もやっていくつもりであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 質問をずっと進めて参ります。  またもとに戻りまして理事のことについて伺います。現在理事が四名ですね。今度二名、この二名の理事は大体予定をしておられるのではないかと思うのです。どういう方面からか、それがわかっておりましたらお知らせ願いたい。なお四名の理事は、どういうところから来ておられる人であるか、出身別を一つお聞かせ願いたい。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 増員いたします二名の理事につきましては、具体的な人選等はまだ予定いたしておりません。ただ先ほど申しましたように、情勢等を見まして——これは総裁が主務大臣の承認を受けて任命するという建前になっておりまして、まだ予定いたしておりませんが、いろいろな関係から経歴その他からいって、一人は少なくとも職員の中から上がるだろうと考えられる人が一人いるわけです。あとの一人は全然白紙でございます。  なお現在の理事の経歴を申しますと、一人の理事は通産省の出身の人であります。総務、給与その他の総務関係の仕事をしております。一人の理事は商工中金でずっと育った人でありまして、業務融資、代理貸付のことを担当しております。それから三番目の理事は日銀出身の方でありまして、経理、監査、庶務その他を担当しております。第四番目の人は興銀出身の人でありまして、審査、調査を担当しております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あとの二名がまだきまってないということですから、この際、中小企業対策を抜本的に改めていくという考え方から、これは通産大臣に申し上げたいのでありますが、一つさすがにやったというような拍手を、議会から受けられるような人選をおやりになっていただきたいと思うのです。先ほど小林委員も指摘しておりましたように、全く官庁の人事のやりくりのはけ口を、こういうところに見出していこうという考え方が確かにあります。そういう点だけは通産大臣の権限の範囲においてはやらぬというくらいの、この際役所の弊を打破するというような考え方で取り組んでいただきたい。もちろん二名に決定をしました場合のあとのことでございますが、こういう場合の人選は十分御留意を願いたいと思うのです。  また代理貸しの問題に戻りますが、代理貸しと直貸しとの計数関係、手数料とか、公庫の収支の関係、そういうものはどう違って参りますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 本年度と来年度、三十五年度と三十六年度の代理貸しと直接貸しの計数をまず申し上げますと、三十五年度の見込み、もうちょっと残っておりますが、その見込みから言いますと、直接貸しが百六十九億、代理貸しが五百九十億、こういう割合であります。来年度の計画は直接貸しが二百二十億、代理貸しが六百十億、こういう割合であります。直接貸しの率が少し上がっております。直接貸しの方は直接自分の計算において貸すわけでありますので、九分の利子を取りまして、その実収利息が公庫の経費に回る、あるいは益を出すかどうか、こういう問題になるわけです。直接貸しの方はそういうことです。代理貸しにつきましては、代理店に手数料を払います。そのかわり事故が起こりましたときには、代理店に責任をある程度持ってもらいます。この代理店の手数料は、三百万円以上のものは二五%、三百万円以下のものは二九%、これは実収利息に対する率でありますが、それを代理店に払っておるわけであります。従って九分で貸しますうちから代理店の手数料をそれだけ取られて、その残りが公庫の利息収入になる、こういう関係になります。ただ、今その収益関係が代理貸しと直接貸しがどうなっておるかと言われましたが、これは分けて計算はしてないわけであります。これは事故等があった場合に補償責任の関係等がありますので、その関係は計算が詳細にはできにくいと思いますが、そういう建前になっておりまして、要するに平生の業務としては直接貸しは利息分はまるまる公庫の収入になるが、代理貸しはそれだけ手数料を払う、そのかわり責任をとる、こういう関係になっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その代理貸しの事故があった場合には補償しなければならないということですが、昨三十五年度の事故による代理取り扱い銀行の補償と、それからいろいろ手数料を払う、そうした関係の資料を一つ御提出願いたいと思います。  なお、代理貸しの場合に、全国銀行と民間中小企業専門金融機関との取り扱い口数並びに融資額、これを一つお示し願いたいと思います。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 先に申されました方の点は資料を作ります。  それから今の代理店の銀行、金庫、その他別の金額は、今手元に資料がございませんので、これもあとで資料にして出したいと思いますが、先ほど申しましたように、六百七十六の代理店を持っております。そのうち、都市銀行、地方銀行合わせまして全国銀行が八十六、相互銀行が七十一、信用金庫が四百四十八、信用組合六十九、それから商工中金と農林中金、これだけで六百七十六の代理店を持っております。これのそれぞれの銀行種別の割合といいますか、代理貸しの実績というものは資料にして提出いたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 全国銀行の中小企業に対しての貸し出しの額、それから中小企業専門の金融機関の中小企業に対する貸し出しの金額——これは公庫でありませんよ、一般の貸付であります。それはわかっておりますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 昨年十二月末で申しますと、全部の金融機関——銀行も政府機関も全部集めました金融機関の貸し出し残高は、十兆三千三百億程度になっております。そのうち中小企業向けの貸し出しは四兆七千九百億、パーセントにしまして四六・四%ということになっております。このパーセントは例年ずっと見ておりますと、少しずつ上がってきておるということであります。約四割六分のものが中小企業向けであります。この中小企業向けの中で、各機関の分担構成といいますか、それを申し上げますと、全国銀行、都市銀行、母方銀行、長期信用銀行、みんな合わせまして、これが中小企業向けのうちの五三・六%という程度になっております。それから政府機関の中小企業金融機関、商工中金、中小企業金融公庫、国民金融公庫、これらを合わせまして九・五%、それから民間の中小企業専門といいますか、相互銀行、信用金庫、信用組合、そういう金融機関の分担が三六・九%であります。従って、全国銀行五三・六%と、政府機関と民間機関を足した中小企業関係と考えられます金融機関の担当が、合わせまして四六・四%ということになっております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私の調べております統計と、若干違っておるようであります。私がなぜこういう質問をするかといいますと、全国銀行は大企業に対する融資が大幅に伸びているけれども、中小企業に対しては伸び悩みだということなんです。ところが、中小企業専門金融機関というのは、ほとんど中小企業に対する融資だ。ところが公庫の取り扱いワクは、全国銀行と中小企業関係の専門金融機関とは、大体パーセンテージは同じ程度だということに私の調べた資料ではなっておるのであります。そうなりますと、これは私は不合理だと思うのです。全国銀行が大企業向けの融資が多ければ、やはり公庫の取り扱いのワクも、これは中小企業専門金融機関を中心に持っていかなければ、どうしても大企業向けの融資が中小企業に食い込んでくるという結果になる。それだけ中小企業の金融というものを圧迫するという形に、実際問題としてなろうかと私は思います。そういう点はどうお考えになりますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 仰せの通りでありまして、都市銀行は、大体例年の推移を見ておりますと、中小企業向けの金融が減っております。大企業の方は金額的にふえております。ただ地方銀行は、その割合がふえてもおりませんで、大体横すべりになっております。そして中小企業向けの金融は、市中銀行の中では、従来から分量的には、都市銀行よりは地方銀行が圧倒的に多いわけでありまして、地方銀行は、全体の割合からいいましても、大体横ばいということであります。従って、今仰せの事柄は、都市銀行では確かにそういう傾向はございますが、地方銀行の方が分量が多いわけであります。それを総体的に考えますと、必ずしも銀行の融資がだんだん大企業の方に多くなって、中小企業を圧迫して、その補いを政府機関の方でやらなければ穴があくじゃないか——全般的には政府機関の資金を年々ふやして参っておるわけでありますけれども、おっしゃるような、極端にそういう現象が出るという形に、銀行の方の中小企業向けは、必ずしもなっていない、こう考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 代理貸しの場合、ワクの決定はどういう基準でおやりになっているのですか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 たくさんの代理店があるわけでありまして、大体が実績を中心として、特に代理店の方の要望、それが大きくふえるというようなときには、こういうことがあるからこれだけふやしてくれというような、もっともな理由等も考えて配分している、こういうわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 もっと公庫の社会性それから公共性という点から、意欲的な、意識的な取り組み方をされなければいかぬと思います。全国銀行に融資する場合、いわゆるワクの設定、それから中小企業専門金融機関あるいは中金関係、そういう場合に、どういう取り扱いをすることが、中小企業に対する、いわゆる金融を緩和することになるのか、そういうようなことを重点に置いて取り組んでいただきたい。希望だというような、そういう消極的なことでは、ほんとうに公庫の精神は生かされないのだ、このように私は考えます。なおまた先ほど、直貸しが中心なので、直貸しの申し込みのないものを代理貸しでやっておる、こうおっしゃる。ところが小口金融というものは、ほとんど代理貸しでおやりになって、直貸しはやっておらないじゃありませんか。こういうことを考えてみると、おやりになっていることと答弁と違うじゃありませんか。もっとほんとうに積極的な、意欲的な、この公庫の設立の本質を踏み違えないような取り組み方をしてもらわなければならぬと思います。今後そういうことについて改められる意思があるかどうか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 先ほども申しましたように、公庫は、中小企業者が一般市中金融機関で、いろいろな関係でなかなか金が借りられないというところに対して、分量的にあるいは質的に、これを補完していくというために設けられ、そういう趣旨に沿って金融をやるという機関であります。従って、ほんとうにそういう実情のあるところに、適時適切に金が行くということが目的でありまして、公庫のいろいろな制度、これは先ほど申しましたように、店舗の設置とか、人員増加とか、なかなか一時に行きませんが、いろいろな制度、それから金の貸し方というものを、大体そういう趣旨にのっとるような建前の制度を作り、それに即して金融を実行するということでやっており、また十分でないところはそうやりつつある、そういうことでございます。ただ代理貸し等につきましては、今も仰せの通り、代理貸しそのものが、多少やむを得ざる便法ということがあるわけでありますから一その点では、そういう意思が十分貫かれない、またその意思と逆のような現象が現われるということが、必ずしもなきにしもあらずと思いますが、そういう点は、代理店の監督その他で、そっちの方へ頭を向けてもらうという努力をしていかなければならぬと思います。仰せの通り、確かにそういう意味で十分でない点はありますが、今申しましたように、公庫設立の趣旨をあくまで生かすような金融を実行していくという努力をいたしたいと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 審議の結果、理事二名を増員ということに決定されたとしますならば、その一名は代理貸し関係を担当するのだというお話でありますが、そういう弊を改めるようにしていただかなければならぬと思います。  それから、代理貸しは非常に大きな弊害があります。その取り扱い銀行の借金の肩がわりというものもあり、それから金融ベースに乗らないようなもの、信用程度がどうも好ましくない、しかしいろいろな関係から断わりにくいというものが、公庫の融資ということに、むしろ銀行が積極的に働きかけて、そういうことでやらせようというようなやり方がある。もちろんその事業が将来性があって、育成していくというようなことでありますならば、私は公庫金融の精神に沿うと思います。しかしそういうような方向でなしに、銀行みずからの融資ベースというか、金融ベースという点からのみこれを取り扱って、そして公庫金融の実際の精神というものをこわしていくというような点がある。いろいろ実例をもって申し上げると十分おわかり願えると思います。実にでたらめな取り扱い、その代理貸しを悪用するといったような事実を、私は幾つも知るのであります。しかし、その点は適当な機会に申し上げたいと存じます。なおこの点について進めたいと思いますが、田中委員から関連質問がありますから……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先ほど来の小林、中村両委員の質問に関連いたしまして、今の中小企業金融公庫の、いわゆる代理貸しと直貸しの問題について、もうちょっとお伺いしたいと思います。長官、済みませんが中小企業金融公庫法をあけて下さい。まず、一条を見て下さい。一条には、中小企業金融公庫法の目的が明記してあります。後段だけを読みましょう。「一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」ところが、先ほど来両委員が言っておるように、代理貸しが大部分である。今あなたが答弁せられたように、大体七五%、が代理貸しだ、二五%が直貸しだ。直貸しの場合は金融公庫へ行っても、あるいは出張所、支店へ行っても、これなら手間がかかります。三カ月以上、半年くらいはかかります。これは人手がないから、そういう調査に手間が要るのだろう。お宅の取引銀行はどこですか。その銀行を通じて申し込んで下さい、こういうことなんです。取引の金融機関は金融ベースに乗るものでないと貸さないのです。いうならば、その金融機関は——いいですか、今までの取引関係から、もちろん調査をする必要もないから早く事務が進みます。しかし、それは自分のところの資本をもっても貸すことのできるようなところを貸すわけです。すなわち、金融ベースに乗るところへ、代理店を通じて中小企業金融公庫は代理貸しをしておるわけです。その代理貸しの方からは、一条でいうところの、いわゆる金融ベースに乗らない困難な中小企業は締め出されておるわけです。そして、今度直貸しを願うと、そういうことで半年くらいかかる。このころ少し早くなって最短距離三カ月というのです。それならば、金を必要とする者が三月も半年も待てるかというのです。そんなのんべんだらりんな資金を必要とするのは、中小企業においては少ないと思う。従って、今日の中小企業金融公庫は、まず中小企業金融公庫法第一条の目的に反した運用がせられておるということです。  次に十九条と二十条を見ていただきたい。十九条には、中小企業金融公庫の業務が規定してあります。二十条では「主務大臣の認可を受けて、金融機関に対し、その業務の一部を委託することができる。」となっている。ところが、この業務の一部を委託することができるというその一部が、今日八〇%ないし七五%である。それであって中小企業金融公庫は金融ベースに乗りがたい中小企業のための政府の金融機関であると言えるかどうか。今後この法律にのっとっての運用について、どのような気持を持っているか。これは通産大臣に聞きたいと思います。言うならば、一般市中銀行及び相互銀行は、政府資金をもって自分たちの商売をしている、そういうことなんである。しかもそれに対し政府機関の保険までつけてある。中小企業金融公庫は金融ベースに乗りがたい零細企業のための金融機関でなくて、金融機関のための金融機関であると言わざるを得ないと思う。今読み上げました法律等の関係において、実際の運営を今後どういうように法律の上で持っていくかについて、大臣の答弁を求めます。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 中小企業の金融機関としての純粋な立場をとるためには、代理貸しよりも直貸しがよいにきまっております。ただ、実際にこれを運用する上において、なかなか手が回りかねると申しますか、必要な個所にすべて支店、出張所を設けるごとができないというような関係から、さような状況になっておるのでございます。しかし、先ほど来長官が申し上げたように、できるだけそれをスピード・アップしまして、そして直接貸しを多くするという方面に努力を払って参りたいと考えております。しかし、普通の金融機関が相手にしにくいようなものに相当力を入れるのだという問題でありますが、これは自分のところでまるまるどうもお相手できない、保証協会あるいは金融公庫の資金がうしろにあって、初めて融資し得るのだというようなものも、相当にあるのではないかと思います。しかし、これは代理貸しの直接の担当者の頭の置きどころいかんにもよることと思いますが、すべてそういう方面が七五%によってふさがれているということでもないと私は思います。そういうような傾きになりがちだということは私も認めますが、今後とも代理貸しにつきましては、担当理事もふえることでございますから、御指摘の点は十分注意して参りたいと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 だんだんとふやしていく、こうして三十六年度の目標といいますか、予定を言われたのが大体七五%、二五%です。六一五と二二〇でしょう。大体七〇%ちょっとと二〇%ちょっとくらいだと思うのです、振り合いは。この法律は昭和二十八年にできたのです。昭和二十八年にできたときに、さしあたり機構が十分に確立せられていないから、その業務の一部を従来の金融機関に代行せしむるのだ、こういうことが代理貸しの精神でなかったかと思うのです。ところが、今日、十年近く、八年もたって、若干ふえているかは知らないが、依然としてなお暫定的な措置がそのままとられているということ。その結果、せっかく作った中小企業のための金融機関が、先ほど言ったように、中小企業のための金融機関でなくなって、金融機関のための金融機関になっている。これははっきり言える。第一条では、先ほども言ったように、一般金融機関では金融ベースに乗りがたいものに対して貸してやるというのである。ところが、この代理貸しの場合には、一般金融ベースに乗らないものは受け付けないということ、そのこと自体が第一条違反である。だから、先ほど来長官が答弁していることは本末転倒している。特例をもって原則とし、原則が特例になっているということである。そこに法に対する忠実な機関運営がなされていない。そのことがはっきり指摘できると思うのですが、いかがですか。この法律目的、業務から言って、今のやり方でいいと思いますか。そんなら法律を変えなさいよ。原則と特例とあべこべにしなさい。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 御指摘の法律一条の趣旨、それから十九条、二十条にあります、公庫が金融機関に対して業務の一部を委託するという意味、御指摘の通りであります。ただ、代理貸しをやります場合に、これはあまり好ましくないけれども、だんだんにふやすので、代理貸しを一ぺんになくするわけにいかぬという意味の代理貸しをやります場合に、これも金融ベースに乗るものしか代理貸しは貸さぬというわけではないわけであります。代理店もこれは自分の金ではない。多少填補率といいますか、事故の起こった場合の負担ということもありますけれども、この事故率というのを総平均してみますと、代理店手数料との見合いにおきまして、自分の金を融資するのとは違って、いわゆる公庫の金を融資するわけでありまして、法律の第一条にあります一般の金融機関で融資することが困難とするという資金の融資に当たるのではないかと考えるわけであります。  なお業務の一部をやるという趣旨は、さしあたり創立早々だから、そういうことをやる趣旨ではないかということで、まさに一般的にはそうでありますが、実は二十八年に始めまして三十年までは全部代理貸しだったわけでございます。三十年になって初めて直接貸しを一部やる手だてといいますか、人その他の手だてができた、それを三十年から五年間にわたってだんだん広げてきたということでありまして、これは先ほど来申しましたように人の関係、店舗の関係等で、急速にはどうしても参らない性質のものでありまして、極力事情の許します限りふやしていく、これは予算的に見ましても代理店貸しを減らして、代理店手数料を払わなくてもいい金でもって支店を増設するということが、むしろ大蔵省的に見ましても安上がりだという見方もできるわけであります。そういう意味の予算的な制約というようなものもないわけでありまして、できるだけ人をそろえる段取りさえつく程度のふやし方は年々やって参りたい。ただ金額的な分量からいいますと、割合が五%ずつくらいしかふえてないということが言えますけれども、人的な割合からいいますと、相当思い切ってふやしているつもりでおるわけであります。なお一そう努力いたしたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 長官、ほんとに一般市中銀行なり金融機関が、あなたが言っているような金融ベースに乗りがたいもの、これに対して中小企業金融公庫の資金を代理貸しの形式で貸しておると思いますか。実際はやってないのですよ。自分のところの取引のあるお得意さんに政府の資金を使って貸しておる。相互銀行のごときはそれになお歩積み、両建といったような制度をとって、おのれがもうけておる。はっきりしておるわけです。中小企業金融公庫は中小企業者の金融のためでなく、金融機関のためにあると言っても過言でないわけなんです。しかも御丁寧に、それに対して政府の機関で政府の金で保険までつけてやる、こういうわけです。金融機関は絶対損しませんよ。一体中小企業金融公庫をどういうわけで作ったのかという、その設置のときの状況を、もう一ぺん考えてもらいたいと思うのです。そしてまた、私が今ここであなたに要求いたしたいことは、関連質問ですからこの点はこれ以上は申しませんが、あすまでに——あすまでにといいますか、この法案が通過するまでに、原則と特例、すなわち現在では七五%が代理貸しであり、直貸しが二五%程度である。これを将来どのように持っていくか、それは全然代理貸しをゼロにということはできない。少なくとも法律の建前からいえば、その比率は逆になるべきじゃないかと思う。直貸しが少なくとも七〇%、八〇%であって、代理貸しの方が少ないのがほんとうなんです。ここ何年間において、そういうような方向に持っていこうとするのか、それは三年でも五年でもけっこうです。一応このパーセンテージを逆になるような、あるいは少なくとも半々以上にするにはいつまでかかるか、一つ計画表といいますか、予定表を、中小企業金融公庫ともきょう中に相談して、あした出して下さい。関連ですから終わります。それを出せますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 大蔵省等の予算あるいは財政投融資の見通しとも関係いたしますから、はっきりした、こまかい数字的なものができるかどうかわかりませんが、大体のめどで何年くらいでこの程度に持っていきたいという見通しは申し上げます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 努力目標でもよろしい。こういう目標で何年、こういうようにして、こう比率を変えていくのだというので、少なくともこの法律の精神にのっとったところに持っていくのには、何年がかりでやるかという努力目標でけっこうですから……。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 ただいま田中理事が質問しましたように、確かに相互銀行だけでなくて、金融機関が歩積みそれから両建という形をとっておることは事実なんです。これはもうゆゆしき問題だと思うのであります。こういう事実に対して通産大臣は、さっそくこれを是正させるように措置されるかどうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 歩積み制度は、一般金融機関にあってもよくないことでございまして、大蔵省の金融機関監督の一つの指標でもございます。中小企業にこういったようなことが行なわれることは、これはもうもってのほかでございますから、かような点は極力是正するようにいたします。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 なお、この融資等の際担保等をとっておるわけですね。ですから担保と事業内容というものと、融資の際にどちらに重点を置かれるか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 中小公庫は、その目的から言いまして融資し得る業種等をきめております。結局中小企業の合理化に役立つようなものに貸すのだという建前をとっております。奢侈的、遊興的なところには貸さぬとか、いろいろ原則を立てて、中小企業振興のために貸す。一口に言いますと、そういう建前になっております。金を貸すという場合に、もちろん独立採算でやっておるわけでございますから、明らかに企業の収益性といいますか、そういうものの見込みが立たないものに貸すということはできません。また同じく独立採算でやっておる金融の原則から言いまして、担保力の非常に欠けたものに貸すというわけにもいきません。この両者はいずれも金融を実行いたします際には重点的に考えますが、もちろん担保の問題は小口の融資等になりますと、担保を免除するとかいろいろ制度がありまして、今どちらが重点かと言われますと、そのことがありますので、なかなか比較はしにくいわけでありますが、どちらかと言いますと、事業の見込みというものを重点に置いて、担保は場合によっては免除したり軽減したりするという意味におきましては、前者、事業の見込みを重く見る、こういうことが言えるかと思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 物件担保の評価基準というものはどこにありますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山(雄)政府委員 私もちょっとよく詳しくは存じませんが、担保はそのときの値打というものが担保力になるわけでありますが、普通金融機関が見ますときには、機械だとか建物だとか土地だとか、いろいろ物によりまして、ある程度の掛目というものを考えまして、土地だと何割に見るというようなことをやっておるようでございます。ある程度掛目を確実に見てというのが、金融の常識でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私が申し上げるのは、ともかく担保は、たとえば不動産の場合ですと固定資産税の評価であるとか、いろいろなことが評価になっておるのだろうと思うのであります。担保の評価が厳し過ぎて、もう田中委員が指摘されましたように、実際金に困っているという人たちは借り入れができないのです。もう担保を遊ばしておるというような人たちは、金は大して困っていない人たちなんです。困っている人たちが借りられないということは、その担保の評価というものが厳し過ぎる、形式主義になり過ぎる、そういう点があろうと思います。その弊は代理貸しの場合に、特にはなはだしいと思うのであります。その点は一つ十分注意をされて、先ほど長官が答弁されましたように、この公庫の設立の精神、趣旨に十分沿っていくように御留意を願いたいと思います。  委員長から休憩するという御注意がありましたので、一応この問題はこれで終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 暫時休憩いたします。  本会議散会後、再開の予定でございます。    午後零時二十二分休憩      ————◇—————  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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