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38回国会衆議院1961/03/10

商工委員会 第11号

発言数
125
登壇者
15
会派数
3
開催日
1961/03/10

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  この際委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  昨九日筑豊地区において炭鉱の災害があり、多数の被害が発生いたしましたので、この際委員を派遣しこその実情を調査するため委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議ないと認め、さよう決しました。  本申請に関する手続は、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議ないと認め、さよう決しました。  なお航空機使用の申請をいたしたいと存じますので御了承願います。      ————◇—————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 この際、大蔵省銀行局長石野信一君より発言を求められておりますのでこれを許可いたします。石野信一君。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 前会の当委員会におきまして私が出席をいたしかねました関係で、御審議に大へん御迷惑をおかけいたしました由、当日委員長よりお電話をいただき、まことに遺憾に存ずる次第でございます。  当日銀行局の関係の委員会が三つございまして、予算委員会の分科会の方と大蔵委員会の金融及び証券に関する小委員会とこの委員会と、三つ重なったのでございますが、私、予算委員会の分科会の方に出席をいたしておりました関係で、こちらには大月財務調査官が参りました。財務調査官と申しますと、ほかの省に例があまりございませんが、大蔵省では次長級として、次長と同じ仕事をいたしておるものでございまして、大月君が参りました。ただ出席の時間がおくれました等のために大へん御迷惑をおかけいたしましたことは、まことに遺憾に存じます。今後連絡等の点につきましても十分注意をいたしたいと思いますので、その点をおわびを申し上げる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ただいま銀行局長から遺憾の言葉が述べられましたが、私は警察官ではないから、三月三日の午前十時から十時半ごろまでの間、銀行局長が何をしておったかというアリバイを調べようとは思いません。しかしあまり見えすいたうそは言わぬ方がいいと思う。何とならば二月二十八日の理事会において、三月三日に銀行局長に当委員会へ来てもらって、そうして銀行業務と独禁法の関係について質問するということは、その三日前である二月二十八日に、私はすでに通告しておったわけであります。その後、念のために委員部に聞き合わしたところ、連絡はとれておる。またその朝あらためて聞いたら、出席いたしますということ。現に局長は国会に見えておる、国会のどこを探してもいない、当日の分科会に出られておったかどうか知らぬが、分科会も探したはずです。もし分科会におるのに探さなかったというのなら、委員部の報告がうそだということになります。しかも当日当委員会に来てもらうということは前もって言うておるんだから、そういうように他の委員会があるならば、なぜ前もってそのことを言わなかったのか。銀行局長にあとで読んでおいていただきたいと思いますが、三月三日の当委員会の議事録です。これよって私はあなたに対してこの委員会へ来てもらって、もっとはっきりした釈明をしてもらいたい、そのことに対して委員長に要望しております。あなたの御発言に対しまして、なおもっと私は質問をし、そうしてもっとはっきりしていきたい。だがきょうは参考人として、すでにたくさんのお客さんを招いていることであるので、このことで私はあまり時間をとりたくないからあとに譲りますが、念のためにあなたに申し上げておきます。あなたは当日委員会へ出てくることについて、何か出にくい点があったのではないか、そのようにも考えられる。なお今さら言うわけでもありませんが、憲法六十三条——覚えておいて下さい、憲法六十三条と国会法の七章、六十九条から七十一条この三つの関係についてあなたは知らないわけじゃないと思う。当日の模様を言えば、委員長はすでに委員長席に着いて、委員の多数はこちらの方へ出席をし、速記は入っておるのです。にもかかわらず、あなたが来ないために三十分から当委員会は開会がおくれたわけであります。あなたは大蔵省であるので商工委員会は直接担当でないからといって軽視されたのか知りませんが、そういうことで政府委員は勤まりませんよ。  なおこの裏には、はっきり言えば大和銀行と十合百貨店の問題で、いろいろ百鬼夜行の複雑なものがあることを聞いております。そんな関係からあなたは当日委員会へ出てこられなかったのではないのか、こういうように察しております。しかし、先ほど言ったように参考人を呼んでおるので、この問題で時間をとることを私は避けたいと思いますが、この問題はこれで終わったのでないということをはっきり申し上げて、十分に時間をお与えいただいて、銀行局長との間にこの問題をめぐってのはっきりした対決をしたい、私はこのように考えておりますから、その点委員長において適当に処置をせられるようお願いします。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 承知しました。      ————◇—————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 次に鉱業に関する件について調査を進めます。  本日は石油に関する問題に関しまして参考人の方々が御出席になっておりますので、この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多忙中にもかかわらず本委員会に御出席下さいまして、まことにありがとうございました。当面の石油に関する問題について、実務に携わっておられる方々及び労働組合を代表される方々より、それぞれの分野における率直なる御意見をお伺いし、本委員会の調査の参考に資したいと存じまして御出席をわずらわした次第でございます。参考人におかれましては、何とぞ忌憚のない御意見をお述べ下さるようお願いをいたします。ただ時間の都合もありますので、最初に御意見をお述べいただく時間は、大体お一人十分以内に願い、後刻委員から質疑もあろうかと存じますので、そのときに十分お答え下さるようお願い申し上げます。  それでは、はなはだ勝手ながら、御発言の順序は委員長に御一任をお願いすることといたし、まず菅野参考人より御発言をお願いいたします。菅野参考人。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 本日は商工委員長殿並びに委員各位の御配慮によりまして、鉱業なかんずく石油についての意見を申し上げる機会をお与えいただきましたことは、私の最も光栄とし、また感謝にたえない次第でございます。  アラビア石油の問題は、最近いろいろな面におきまして問題になっておりますので、私は順序といたしまして当社の概況につきまして御説明申し上げたいと存ずる次第でございます。  御高承のごとく、サウジアラビア、クエートの中立地帯沖合いにおきます当社の海底油田開発事業は、政府その他関係各位の御指導、御支援のもとに、おかげをもちましてきわめて順調に進捗いたしまして、すでに十一本、これは本日か明日新聞発表をするつもりでございますが、十一本目を成功いたしまして、十一本の油井の掘さく、しかも出油に成功いたしました。今月末には海上の臨時搬出施設、海上でタンカーに載せる施設によりまして、船積み、出荷が可能の運びに至りましたことを、この機会に厚くお礼申し上げる次第でございます。  もともと当社の事業は、年々急増の一途をたどっておりますわが国の石油需要にかんがみまして、政府が長期エネルギー対策の基本方針の一つといたしまして打ち出された海外石油資源の長期安定確保という国策に沿いまして、いささかなりともわが国経済の発展に寄与いたすべく、電力その他広く財界各位の御賛同を得、出資を願いまして発足したものでございます。特に利権獲得当時のスエズ動乱直後におきましては、日本人の手になる海外石油供給源の確保ということが切実の要請となっておりましたのみならず、これによる外貨節減の意義も大なるものがあったのであります。その後幸いにいたしまして世界経済の安定的発展の恩恵を受けまして、わが国の国際収支も好転し、石油産業の事情も多少変わってきておりまするが、今後とも石油需要はますます旺盛で、十年後には優に一億キロリットルの原油輸入を必要とすると見込まれているのでございまして、かかる膨大な石油供給の使命の一翼をになった当社の意義は、いささかも減少するものではない。むしろますます大なるものがある、かように信じておる次第でございます。  現在のところ油田の規模あるいは埋蔵量というようなものは、まだ十分に確認されてはおりませんが、今まで一本の失敗もなく、しかも十一本の油井はいずれも日産一千キロリットル以上の能力を持つものでございまして、まさに世界第一級の油田でございます。引き続き三十六年度中には合計十五本の井戸の掘さくを計画しておりますが、このうち二本あるいは三本は探掘井と申しまして油田の広がりを見るために試掘をする井戸になっておりまして、あとは従来と同じような生産井でございます。いずれにいたしましても、一号井以来の経験と熟練によりまして、掘さく作業は日を追うて順調に進捗しておりまして、また昨年九月以降は掘さく機を常時二基稼働して操業を行なっておりますので、このまま運びますならば、将来年間一千万キロリットルの原油生産は確実と見込んでおる次第でございます。  ところで産出されました原油は、後ほど申し上げますが、恒久、永久的の搬出設備ができるまでは、当分の間ステーション・タンカー方式によって、臨時に搬出するようなしかけになっております。これによりまして海上から直接積み出すということになるのでございます。工事が多少おくれましたけれども、ステーション・タンカーの五はいは、日本で調達しましてすでに現地に到着しておりまして、目下最終的な工事を急いでおります。従って今月末にはいよいよ積み出し開始が可能でございまして、四月半ば過ぎには当社原油積み取りの第一船が日本に到着するという予定になっておるのでございます。しかしながらこの方法はあくまで暫定的でございますので、当社は引き続き恒久的な積み取り施設の計画をしております。すなわち海上四十キロメートルの沖合いからパイプ・ラインによりまして、陸上に原油を搬入しまして原油タンクに貯蔵した後にオーシャン・タンカーに積み出すという永久的の搬出施設であります。これにつきましては目下各方面と具体的な交渉を進めております。  次に当社の資金調達について御説明申し上げますと、会社設立から今日までの間約三年間における建設所要資金は一切を含めて合計二百億円でございます。これは払い込み資本金百億円と、国内の金融機関からの借入金でまかなっております。今後恒久施設を建設いたしますると、完成までに約二カ年かかりますが、その恒久建設費を初めといたしまして今後の井戸の掘さく、基地の設備というような金が合計で四百億円近くの資金を要しますので、まずもってことし四月に百億円増資いたしまして、従来の借入金の百億円を返済して、二百億円の資本金とする予定でございます。この二百億円の資本金を基礎といたしまして四百億円の借入れをいたしますが、続いて来年はさらに百億円の増資をいたしまして、結局四百億円の借入金のうちから百億円を返済いたしますので、資本金三百億円、借入金三百億円、ちょうど半々になる予定でございます。この借入金三百億円も半額は請負会社の工事代金延べ払いといたしたいと考えて、目下交渉中でございます。  次に、わが国への輸入見込量について申し上げますると、臨時搬出施設を使用する間は、当初計画よりも若干少なくなっておりまして、昭和三十六年度におけるわが国への輸入量は、百五十万ないし二百万キロリットル程度と見込んでおります。これは同年度の原油総輸入量が約四千万キロリットルと推定されておりまするので、その四%ないし五%程度でございます。  恒久施設の生産、積み出し能力は、一応年間一千万キロリットルを目標にして設計されておりますが、幸いわが国の石油需要の見通しは、当社設立当時の見通しよりもはるかに大なるものがございまして、当社原油が一千万キロリットル輸入されるころには、原油の総輸入量はおそらく五、六千万キロリットルに達するものと見込まれますので、比較的重質で、わが国の石油消費構成に適合した当社原油の受け入れについては、十分関係各位の御理解と御協力を得られるものと信じております。  次に、当社原油の輸入方式でございますが、目下当社原油のわが国への輸入に関しましては、かねてより政府御当局において御検討をいただいておるように仄聞いたしておりまするが、当社といたしましては無為替輸入方式が最も妥当なものとしてお願いしておる次第でございます。御高承のごとく、当社は日本法人として利権を獲得して事業を営んでおるものでございまして、わが国への輸入といたしましては、為替管理法上居住者間の取引となりまするので、原則的には無為替輸入が建前と存じておる次第でございます。またもともと当社の利権獲得に際しましては、当時の諸情勢にかんがみまして、特に日本法人として円貨決済による無為替輸入ができるようにすることにつきましては、非常な努力を払って現地政府と幾多の交渉を重ねたことも事実でございます。また自然当時出資をされました株主の各位も、このことを念頭において出資されたといういきさつもある次第でございます。しかしながら政府は、当社の利権交渉の初めから今日に至るまで非常に当社のことを御心配下されまして、種々ありがたいお力添えをいただいておる次第でございますので、この問題につきましても真に当社の前途を考えて、最もよいという方法に御方針を決定していただけるものと確信しておる次第でございます。またこの種複雑なる問題につきましては、あくまでより高い立場から御決定になる政府の御方針には、当社といたしましては全面的に従う所存であることを申し上げる次第でございます。  このほか、当社原油の配分方法その他詳細な事項につきましても、輸入方式の点と関連しまして、目下政府において御検討いただいておる模様でございますが、当社としましては、方針といたしまして、既存の石油業界の秩序を尊重することはもちろんでございまして、各石油会社と十分協調していきたい、かように念願しておる次第でございます。しかしながら、一方また、来たるべき石油自由化にも対処しまして、なるべく早目に販売の自立体制を確立していきたいということも考えておりまするので、将来、当社の原油の一部については、何らかの方法で当社の自主的販売あるいは処分が可能になるよう、この点につきましても政府にお願いを申し上げておるような次第でございます。  いずれにしましても、当社の原油はわれわれ日本人の掘った油でございまするので、できるだけ多くこれをわが国に輸入しまして、わが国経済の発展にいささかなりとも寄与したいというのが当社の念願でございます。もちろん、外国の石油会社とも十分協調して、年々増大するわが国エネルギーの供給の使命を果たしていくというのが、当社の基本方針でありますることは、先ほど申し上げた通りでございまするので、この点につきましては、十分御了承の上、総合的エネルギー政策の見地から御検討、御指導のほどを切にお願いして、私の意見を終わる次第でございます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 次に、出光参考人からお願いいたします。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 私は出光興産株式会社副社長の出光計助でございます。石油業界人といたしまして、この機会をお与え下すったことに対しまして厚く感謝申し上げます。時間の関係もありますので、きわめて簡単にわが国石油事情を御説明いたしたいと思います。  わが国石油政策の基本は、一言にして言うならば安い価格と供給の安定にあります。しからば、最近のこの莫大なる需要に対しまして、はたして安い値段で供給の安定が得られる、そんな名案があるかどうか、この可能性を慎重に検討したいと思うのであります。  まず第一に、わが国の需給状況を見まするに、昭和三十五年の需要は約三千万キロでありまして、五年前の昭和三十年の約三倍になっております。こういう増加率は世界のそれに比べますとまことに驚異というほかはないのであります。大体世界の統計を見ますと、この六十年間、すなわち、一九〇〇年からずっと見まして、十年ごとに倍加、すなわち、十年ごとに二倍になっておりまして、これが世界の統計でありますが、最近の五年間に三倍にもなったというようなことは、いかに終戦後わが国経済の回復が早いかを示すものであります。  そこで、将来の需要を推定いたしてみますと、三十五年は先ほど申しました三千万キロでありますが、四十年には六千万キロ、四十五年には、ただいま管野さんからも御説明がありましたように約一億キロと推定いたしておるのであります。この数字が必ずしも夢ではなかろうと思われることは、昨年度における世界各国の人口一人当たりの石油消費量を見ますれば、世界の平均が〇・四三キロリットル。国別に見ますと、米国が三・二キロ、わが国は〇・三一で、米国の約十分の一にしか当たらないのでありますが、最近のわが国国民生活水準の向上等から見ますと、この率はおそらく急速に上昇いたします。従って、わが国石油需要の増加は著しいものがあるであろうという感じを受けるのであります。  しからば、この莫大なる需要に対しまして供給の不安はないかと申しますと、石油は掘れば掘るほど、あるいは使えば使うほどふえるというような珍現象を呈しておるのでありまして、今から三十年前は、石油資源は十八年すればなくなる、こういうふうに見ておったのでありますが、昨年の例を見ますと、これが四十年分に増加しておるのでありまして、これは要するに石油資源の開発が非常に進んでおるということになるのであります。特に中東方面、ソ連、サハラ砂漠というような有望な油田が、続々と発見されておるのであります。  それから、われわれが商売しておりまして現実に現われておりますことは、外国の石油会社が買ってくれ買ってくれと売手が毎日のように殺到してきておるのでありまして、これは石油の生産過剰を明らかに裏書きするものであります。従いまして、石油の長期大量の買付ということはまことに易々たるもの、こういう感じを受けております。  最後に、しからばこの石油を安い値段で買えるかどうかという問題になりますが、御承知のごとく、物の価格というものは需給関係によって決するわけであります。石油におきましても、三年前のスエズ問題のときに一時的に高くなりましたが、その後は値下がりする一方であります。いわゆるポステッド・プライスといいますか、公示価格を一割ないし二割安く買えるというような状態が、ずっと続いておるのであります。  それから、もう一つ申し上げたいことは、わが国は世界で一番石油に恵まれているという言い方ができるわけでありまして、これが実に重大なるポイントでありますが、それはペルシャ湾、すなわち中東とわが国は最も近いということであります。中東は三百億キロの埋蔵量を持っておりまして、世界の約六割を占めているのであります。現在生産量は例年三億キロ、世界の約四分の一であります。従いまして、まだ百年分ある、こういうことになるわけであります。その中東油田とわが国との距離は欧州及びアメリカと比べまして一番近いことになります。距離から申しますと、日本と中東、クエートに例をとっておりますが、約六千七百マイル、ロンドンがスエズ運河を通りまして六千五百二十五マイルですからこの方が距離としては近いのでありますが、何しろスエズ運河の通行料並びに大きい船が通れないということになりますので、もし大型タンカーを使って喜望峰を回るということになりますと一万一千三百マイル、こういう距離になる。それからアメリカが、スエズを経由いたしまして約八千四百マイル、それから喜望峰回りで一万一千八百マイル、こういう距離になりまして、距離といたしましてはロンドンの方がいささかスエズを通れば近いのでありますが、そのかわりタンカーの大きさに制限がありますので、運賃率が非常に割高になる、こういう関係にありますので、簡単に申し上げますと、中東と日本がヨーロッパよりもアメリカよりも一番近い、こういうことになりまして、運賃も日本が一番安い、こういうことになります。従いましてわが国といたしましてはタンカー、船の政策ということは非常に大事な問題になりますが、これは後日のことにいたしたいと思います。ただいま申し上げました通り、わが国の激増する石油需要に対しまして安い価格で供給の安定を得るということは、われわれといたしましては実現可能であると確信しておる次第であります。  それからもう一つ、特にわが国の態度として考えなければならぬことは、御承知のごとく石油には生産国と消費国という二つの類別があるわけでありまして、クエートとかイランあるいはアラビアのごとく資源を持っておる国、すなわち生産国、それから日本のように資源を持たない消費国、この二つに分かれるわけでありますが、生産国の方は売手の立場になりします。なるべく高く有利に売ろうといたします。それから消費国の方は買手の立場になります。極力安く有利に買い入れよう、これが世界中の傾向でありまして、日本といたしましてはわが国が消費国であるという立場をはっきりいたしまして、安い油の獲得にあらゆる知恵と努力をしぼって、世界一安い電力を作り、わが産業発展のため力をいたす、これがわれわれ石油人の役割であろうと考えておる次第であります。  はなはだ簡単でありますが、私の意見を申し上げまして、これで終わらせていただきます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 ありがとうございました。次に伊藤参考人にお願いいたします。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 私は全国石油鉱業労働組合の伊藤であります。石油問題についての意見を申し上げます前に、一言お礼を申し上げたいと思います。と申し上げますのは、私をもって代表しております全国石油鉱業労働組合は略称全油鉱と申しまして、石油資源並びに天然ガスの探鉱、開発に従事しております労働者をもって組織しております単一体の組織でありますが、われわれが五年くらい前から石油鉱業の確立についての運動、大部分をこの運動に費して参ったわけでありますけれども、幸いにしまして当委員会では終始石油鉱業のあり方について、行くべき道筋について御審議下さいまして、特に三十年には石油資源開発会社を作っていただきまして、非常にわれわれ労働者としては感謝を申し上げておるような次第であります。私たちは実はこういう運動をして参ります過程において、革新陣営の方たちあるいは仲間の労働組合の人たちから、これは非常に右傾した運動ではないかというような批判もありました。しかしわれわれはこういう運動を通じて、この石油鉱業の発展を期するということが、やはり生活と雇用に直接響く問題である、そういう運動がまた国家国民の利益に結びつくものであるというふうな点からして、確信を持って今日までやってきたわけであります。引用が妥当かどうかわかりませんけれども、最近の社会党が構造改革ということを論じておるようですけれども、われわれは小さい形の意味で、もうすでに五年前から、こういうふうな現実的な動きをやって参ったわけでありますので、これは超党派的に先生たちから御審議願って今までやっていただいたことについて感謝を申し上げるとともに、今後また何分一つよろしくお願いしたいと思いますので、時間をさいてお礼を申し上げる次第であります。  実は石油問題についての参考人として呼ばれたときに、どういうことを申し上げればよいか迷ったわけでありますけれども、しかし委員長のお話もありますので、時間の許す限り考えておりますことを申し上げたいと思います。  まずアラビア原油の問題についての私たちの考え方でありますけれども、最近新聞あるいはいろいろなところから聞きますところによりますと、持ち込みの方式の問題、要するに関税とか為替の問題をどうするかというような問題、あるいは販売の問題について、これは実質的な販売か、割当的な販売か、こういうふうな問題について必ずしも政府の方なり、あるいはまた関係当事者間で意見が一致しておるとは言われない節があるように考えるわけでありますが、われわれはこういう問題について次のように考えておるわけであります。と申し上げますのは、こういうふうな具体的な未解決の部分があるのは、帰るすところはやはり国のエネルギー政策というものが、必ずしも安定した形でないからこういう問題が起きるのではないかというふうに考えられるわけでありますので、こういうふうなエネルギー政策が明確にされまして、その措置としてこの問題が解決されるべきではないかというふうに考えておるわけであります。こういうふうな考え方をいたしますと、かつて昭和三十年当委員会で、先ほど申し上げましたように石油資源開発会社を作っていただくときに、先生方が御審議なされた点を私は私なりに要約してみますと、次のような点で一致されておる点があったのではないかと考えられます。と申し上げますのは、第一に、わが国のエネルギー源というものは、固体から液体へと、いわゆる石炭から石油へと変革をしていく。しかもその需要が急激に伸びていくということを明確に御審議になっておられたと考えます。なおまたこういうふうな情勢からして、できるだけ外貨を節約して、かつ外資系の輸入に依存しておる状態というものをできるだけ緩和をしていこう。日本人による、日本の力で、ある程度のことをやっていこうじゃないかというふうなことを御審議になられたように感ずるわけであります。なおまた将来の海外との技術なり資本なりの提携によって、そういう海外の問題も考えていこうじゃないかというふうなことを御審議になられたように考えておるわけです。こういうふうな政策的な認識のもとに、当委員会で先生方が御審議なられたというふうに感ずるわけでありますので、そういう点から国内においては石油資源開発会社ができ、なお数年置かずして、アラビア石油の山下さんが、当時の国際的ないろいろなむずかしい情勢なり経済的な事情の中で、特にサウジアラビアなり、クエートの方で利権を獲得されてやられた。これはやはり、そういう考え方からしますと、国家、国民の利益になる、またそういう政策のもとに具体的に努力されたという結果じゃなかろうかというふうに私は考えるわけです。幸いにして、先ほど参考人の方からもお話しになったようですけれども、十一本の成功井を見まして、一本当たり千キロ以上の日産能力を持つ粗井が発見されたということは、国民並びにわれわれ労働者にとっても快挙と称すべきか、非常に喜ぶべき問題ではなかろうかと思うわけです。こういう点でアラビア石油の問題というものを根本的にお考えされることが基本的な問題ではないかというふうに考えます。特に最近外貨事情が好転したとはいいましても、アメリカのドル防衛の問題もありますし、かつまた石油の需要が実際上相当伸びていくという事情から考慮してみた場合に、外貨を節約するというふうな当初のお考えはいささかも減少していないというふうに考えるわけでありますので、そういう問題については、やはり先ほどいいました政策的な裏づけをこの際いたしまして、アラビア石油の問題を処置されるべきではないかというふうに考えます。  具体的には無為替自主販売ということで、アラビア石油が国家的使命のもとに行なわれるということを明確にして、その辺のことを処置されるべき筋合いのものではないかと考えております。  なおアラビア原油の持ち込みについて、特に国内石油の工業に対しての影響というものは直接的にございません。従ってわれわれは何らこれについての異議を申し立てる考えはございません。  なお特に先ほど触れましたように、国内石油資源の探鉱開発について、この際お願いを申し上げておきたいわけですが、幸いにいたしまして、この三十五年度をもちまして第一次五カ年計画が終了を見ることになりまして、今後どのような形で探鉱開発をいたしていくべきかということを、われわれも非常に期待をいたしておったような次第でありますけれども、実は遺憾ながら、明年度の予算では、政府の方の原案が衆議院を通過したようでありますけれども、四億円の出資しか見ないような状態でありますので、しかもこの裏づけになる長期的な探鉱開発計画というものが不明確になっておるように感じますので、この際第一次五カ年計画で、当初の六百三十万トンを上回る六百五十万トンの埋蔵鉱量を発見したこの成功を、さらに発展的にさせていただくことが妥当だと考えますので、第二次五カ年計画を作っていただきまして、その長期的な計画のもとに探鉱開発の問題が進展いたしますように御処置下されば、非常に幸いだと考えておるわけであります。  特にその二、三の理由としましてこれまでの石油資源開発会社でやってきました探鉱は、主として裏日本の既存の油田並びにガス田の周辺だけに限られておったわけでありますけれども、御承知の通り、大陸だなのいわゆる海底油田の問題、あるいは北海道における白亜紀層という深いところに眠っておるこの資源あるいは関東、関西、四国、九州、日本一円にわたる未開発の天然ガスの資源がありますので、こういう点を今後第二次五カ年計画の主題として計画をされるべきではないかというふうなことが第一であります。  第二としましては、当初は石油資源の探鉱開発が主力でありましたけれども、最近の天然ガスの需要の伸び、これは政府の方でもお出しになっておるようでありますけれども、現在の六億四千万立米くらいの天然ガスを、昭和四十五年には二十億立米に達するであろうというふうに言われておることから考慮しましても、さらに石油だけではなくて、天然ガスの探鉱開発を含めて今後国内石油資源開発という点で、考慮されるべきではないかというように感じますので、この点も第二次五カ年計画の必要性の問題として上げられると考えます。  特に最後に、第三の理由としましては、国内における探鉱開発技術というものは、将来、先生方の御指示になったように、海外との提携による日本人の技術と資本によりそういうふうなものをやっていく場合に、どうしても日本の探鉱開発技術というものを保護育成していかなければ、こういうことが達成できないというふうに感じますので、そういうふうな日本の石油探鉱開発技術を育成するという点からも、こういうふうな点がお考えなさるべきではないかというふうに考えます。最近、石油資源開発会社の将来について、われわれが以上申し上げましたように、第二次五カ年計画を作っていただいて、活発にやってこそ国の政策としての妥当な方法があるのではないかというふうに感じておるのに対して、自立態勢ということで、現在まで発見しました油田の中から油をとって、その中でやっていけばいいのじゃないかというふうな実はお考えも一部にあるようであります。一部と申し上げるよりも、率直に申し上げて、政府の御方針の中にもそういうふうな点が実は明年度の出資の問題にからんで見受けられるようでありますけれども、こういうふうなことをいたしますと、RPといいまして、埋蔵鉱量に対して年間の生産比率は非常に低下して参るわけであります。外国では大体一五%から二〇%くらいのRPが妥当だといわれておるのが、このような状態で直ちに自立態勢に入りますと、現在の埋蔵鉱量からいたしまして、七、八年ですでになくなるというふうな状態に置かれますので、そういう点が自立態勢の中では非常に不安定な形で審議されておるように感じます。  なおまた自立態勢の第二の危険な問題は、コンサルベーション、要するにガス油井との間における妥当な生産の処置が講ぜられなくて、乱採に陥るという危険があるのでありまして、これは油層保護の問題からして重要な問題としてあるわけであります。さらに自立体制になりますと、これは生産収入の中で探鉱資金を投資するということになるわけでありますので、これは油価の値下がりの傾向なんかも、将来の様相を考えた場合に非常にむずかしい問題を含んでおるわけであります。こういう点から自立体制という問題について非常に問題があると考えられるわけです。特に現に四億円の政府の出資金が確定されますと、私たちの計算からいたしますと、昨年までの探鉱資金の規模が大体二十八億円くらいあったのが、このままでいきますと二十億円くらいに下がる。場合によっては今精製三社の方から値下げの交渉が強硬に行なわれておりますので、さらに油価が下がって参りますと、探鉱規模が、生産収入からの繰り入れ資金が減りますので、二十億を割るのではないかというふうに具体的に心配になってきておるわけであります。そうしますとさらに埋蔵鉱量の増大のための探鉱の作業というものが縮小になるわけでありますので、せっかく先生たちの御審議の結果出していただいたこの石油資源開発会社は、非常に将来動揺の激しい事業の方向に走ってしまう、こういうふうな点がありますので、この自立体制という問題は何か自由化対策としての自主態勢ということで競争的に考えられるようですけれども、これは地下資源の開発、炭鉱開発という基本的な考え方からして、目先の計算だけでこういうことを論ずるべきではないと考えますので、こういう点もぜひ一つお考え願いたいと思うわけであります。  以上、時間がだいぶかかりましたので私見を申し上げまして、あとで御質問あればお答えいたしたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 ありがとうございました。  次に菊地参考人にお願いいたします。

菊地精一全国石油産業労働組合協議会委員長

○菊地参考人 私全国石油産業労働組合の執行委員長を勤めております菊地であります。商工委員会の方からの御連絡によりまして石油行政についての意見をお伺いしたい、こういうふうな話がありまして、何が焦点なのかということがあまり十分にのみ込み得なかったというような関係から、本日お手元に配付したような非常に大ざっぱな資料を提供したわけでありますけれども、本日の議題に基づきまして石油鉱業にしぼって意見を申し上げさせていただきたいと思います。  石油鉱業の技術的な面やら現状については各参考人の方々から非常に詳しく専門的な立場で述べられておりますので、私どもの方では、いわゆる精製なり販売なりを中心とした労働組合の立場から鉱業問題というものを、どういうふうに考えておるかということを申し上げておきたいと思うわけであります。今日石油の情勢を見ますと販売、生産面における集中度を私ども検討してみた場合に、外資系といわゆる国内資本系の比率は、大体六ないし七割が外資系によって占められておる。しかも将来四十五年度を展望したところの長期計画を見ますと、一億トンに及ぶ増加率が見込まれておるわけでありまするが、今日の比率において外資に占められていくということは国策上問題があるのではないかというように考えておるわけであります。従いまして私どもの考え方としましては、お手元のプリントにありますように、国内石油資源の開発はそういうような面から、たといわずか二%程度のごく微量のものであっても国内資源、国家資源としてこの問題を軽視するわけにはいかないのではないかと考えておるわけです。従っていろいろ申し上げる内容については、先ほど全油鉱の委員長の方から詳しく申し上げておりますので、私どもはこの全油鉱がかねがね皆さんと御相談をしながら進めて参りましたいろいろな問題の解決として要望をいたしておりますいわゆる国内資源開発に関する国家政策についての確立の要望という問題が出ておりますが、その第一であるところの石油と天然ガスの探鉱作業を一本化して完全な国家機構の組織的な長期計画に基づく探鉱作業を行なってもらいたい。それからさらにもう一つは今日における第二次石油及び天然ガスの資源開発五カ年計画というものを推進してもらいたいという要望に対して、私ども全面的に支持をしまして、これらとともに相談をしながらこれからの運動を進めて参りたいと考えておるわけであります。政府におかれましてもこれらの問題についてはこういう私どもで申し上げておりますような点を十分御勘考願いまして、石油資源が有効に利用されますると同時に、石油鉱業を中心として働いておりますところの労働者がたくさんおるわけですが、その人たちとさらに国産原油に依存をして形成しておる労働者各位の生活権の問題等との関連において、私どもはこの問題を重視していただいて国家財政の中からの投資なり、あるいは年間投資の円滑なる投入がなされるような措置を一つお願いしたい、こう考えておるものであります。さらにこの財源となりますいろいろな問題について、石油関係の問題とか投資的な問題がいろいろ出て参っておるわけでありますけれども、私ども石油関税並びに消費税等の問題については、特に揮発油税あるいは軽油引取税等については、各団体あるいは各業界がこぞって反対をしておりますように、私どもも消費税についてはこれ以上増徴するということは反対しております。  理由については、今さら申し上げるまでもなく、各団体なり業界がこぞってやはり反対しているように、これが大衆課税となって降りかかってくるという点と、中小企業者あるいは農漁村の関係に非常に大きく降りかかってくるのではないか、こういうような観点から私どもの組織としてやはり反対せざるを得ないような立場をとっているわけであります。しかしながら関税の問題等についても、今日石炭価格との振り合いとか、あるいは石油の国内原油との振り合いとか、あるいは政府の貴重な財源として考えておられるという立場での関税については、私ども残念ながらこれ以上引き上げることに対して賛成するわけにいかない。しかしながら石油鉱業のこれからの発展のための財源として、あるいは海外油田の開発やらあるいは石炭産業の十何万の労働者が失業のうき目を見ている、こういう状態を救済するための財源として、これに見合ったものが一般財政から投下されている。私どもそういう意味合いにおいて関税については再検討さるべきだという考え方を持っておるわけであります。  それからアラビア石油と海外油田の問題等については、でき得ればやはり政府のエネルギーの総合政策の上に立った一貫した政策が望ましいと考えているわけであります。御承知のように私ども労働者はいろんな面で外国資本の提携会社あるいは直接外国資本の会社の中で働いているわけでありますが、先般業界紙なり、あるいは仄聞するところによりますと、アラビア石油の配分の問題をめぐって外国会社が外国商社を通して政府に圧力をかけて、それがもとで無為替方式が有為替にかわったということが伝えられておるわけです。こういうような現象がもし今後拡大して続いていくとするならば、われわれ労働者の労働条件をきめる場合、いろいろな諸問題に対して外国のそういう圧力が大きくのしかかってくる、こういう危惧を感ぜざるを得ないわけで、そういう場合に外資の圧力の中でいわゆる外資会社なり——外資の会社は治外法権下に置かれるという形をわれわれは憂慮せざるを得ない。従って政府は確信を持って当初の方針を貫くというかまえの中で、これらの政策を進めていただくことが、やはり日本のためによろしいのではないかと考えているわけであります。そういうような立場に立って海外油田の開発等については考えているわけであります。私ども有為替がよろしいかあるいは無為替の方が妥当であるかというような、そういう専門的なことはわかりませんが、こういう形での進め方に対して、私どもはもう少し政府が本腰を入れて石油政策あるいは海外油田の開発を促進せしめ、あるいはこれに対して当初援助を与えてきた経過というものを尊重して貫いていただく必要があるのではないかというふうに考えておるわけであります。そのほか外貨の割当の政策とか、いろいろな問題について私どもも所見を持っておりますけれども、まずこういうような問題については、お手元のプリントにも書いてありますので、省かしていただきたいと思います。  結論的に申し上げまして、私どもはまず政府が総合エネルギーの政策というものを確立すべきだ、その政策のもとに一貫した政策の推進があってしかるべきだというふうに考えておるわけであります。そういう考え方の上に立って、ただいま申し上げましたような意見が出て参るわけですが、こういうような意見に従って私どもの組合も全油鉱の組合と、あるいはいろいろな関連諸団体と一緒になりながら、今日まで運動を進めてきておりますので、そういう概況を御報告申し上げまして、私の意見にかえさせていただきたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の方々の一応の意見の陳述は終わりました。  委員より質疑の通告がございますので、順次これを許可いたします。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 参考人にお伺いをいたします。  まず考え方ですが、私どもは石油の産業というものはわが国のエネルギー源の中心であって、非常に重要な産業であると考えているのであります。また消費の九割八分が外国から輸入をされておる。そして単一の商品として、石油商品としての輸入はあらゆる輸入品目の中で最高を占めております。三十五年度の統計によりましても三千七百キロリットル、それに払う外貨が五億八千六百万ドル、六億ドル近い。二千百億円という日本の金がこの石油輸入のために外国に使われておる。輸入の中において非常に大きな地位を石油が占めておるのであります。ところが、このような産業経済の上に重要な地位を占める石油産業について、実は国民はあまりよく知らないです。たとえば最近問題となりましたアラビア石油、いわゆるカフジ原油のことが再三新聞で報道せられておりますが、これを新聞で見てどこがいいのか悪いのかという問題点すら、なかなか国民の大部分はわからない。重要な産業でありながら国民にわからない。実はわれわれはここを問題にしたかった。こういう機会に一つ石油産業の重要性を再認識して、今後の石油産業のあり方について勉強したいと思うのです。その前提としてお伺いしたいのですが、まず第一はアラビア石油ということにいたしましょうか。アラビア石油といってもたくさんあるそうですが、ここの場合のアラビア石油です。菅野参考人にお伺いいたしますが、アラビア石油会社でサウジアラビア、クエート両政府と石油開発についての協定を結んだのはいつであったか、簡単にそれだけ。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 初めにサウジアラビアの方と協定を結びまして成立したのが三十二年十二月十日でございます。それからその石油利権の場所がサウジアラビアとクエートの間にある中立地帯の沖合いということになっておりますので、クエートの方からもやはりその利権を取らないと完全なものにならないのでございます。クエートの国と協定いたしましたのが昭和三十三年の七月五日でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 両政府との協定の内容は公表できるものですか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 協定は別に秘密協定でも何でもございませんので、公表できると思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それではあとで協定の内容について、できれば一つ資料で出していただきたいと思います。  その協定の内容ですが、掘り出した原油は日本に全部輸入するという協定内容になっておりますか、その点いかがですか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 協定の上ではどこにいってもいいということになっております。その点の制限はございません。ただ先ほども申し上げましたように、われわれ日本人の手で掘ったものであるからなるべく日本に入れたい、こういうふうに考えて、日本に入れることを念願としておりますけれども、これはどこにいってもいいことになっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この協定を結んで開発に着手したときに、通産省ではこの方針を大いに支持する、こういう決定をされ、閣議でもそれを承認された、こう聞いておりますが、この点は御存じですか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 協定を結ぶ当時から、いろいろ政府の御当局には御指導をいただいております。ことに通産省におかれましては、その方の専門家の技師まで派遣していろいろ貴重なる忠告もいただいております。またいよいよ開発に着手いたしますときも、ただいま御質問にありましたように、政府の方針としてアラビア石油と申しますか、海外の石油資源の開発事業を政府として大いに後援するという御方針を決定したように私ども拝聴しております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 新聞報道によりますと、「通産省は海外で開発した国産原油の受け入れ態勢について「わが国法人が海外石油資源の探鉱開発に協力することによって得られた原油をわが国に輸入することについては、わが国の石油総輸入量から控除することとし、外貨資金の割り当てのワク外とする」という根本方針を決定している。」こういうふうにこの新聞の報道がございますが、これはアラビア石油会社の方としては、こういう事実を認めますか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 その新聞の記事のようなことは、私は実は遺憾ながら聞いておりません。ただ当時協定を結ぶにあたりまして政府の御認可が要りますので、認可を受けるためにいろいろ政府の御意見等を伺っておりましたときに、なるべくこれは無為替の円で買える石油にするように努力しろ、そういうような協定にしろというような御指導を得ておりますので、当時の山下社長一行はその方針に従って日本法人としてアラビア石油を発足する、こういうことについて相当努力をして、ようやく日本法人たり得たというようないきさつはございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 どうもわれわれが今までずっと聞いた話と新聞報道等によると、最初このアラビア石油を開発するときには、これなら外貨節約になるし、それから無為替輸入の扱いを政府も了承しておる、それから株式を募る場合も、そういう話が前提であった、こう思うのです。ところが今菅野さんのおっしゃるのには、そういう一番大切なめどの無為替輸入という点は、努力をするという目標であって、約束ではなかったのですか。その点が、ちょっと論述の趣旨ともぼけるのじゃないですか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 もちろん政府とお約束というようなことはいたしておりませんが、当時の記録を見ますと、無為替輸入ができるようにやれというふうに御指導を受けている記録は確かにございまして、その方針に従って、当社の、当社といいますか当社の前でございましたが、利権交渉をいたしまして、日本石油と同じ方式にするということでございますが、必ず無為替輸入して円決済にするというようなかたい約束というようなものはございません。しかしその政府の御方針は、無為替輸入ができるように、協定上それが阻害にならぬように、無為替輸入することについての障害にならぬように十分注意して協定を結ぶように、こういうことは、結局将来原油を出した場合には無為替輸入にする意向であるというふうに、私どもは承知しておったのでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それからこの協定の内容ですが、一説に、これは非常に日本側が不利な協定じゃないか、大体今までの利益分配はフィフティ・フィフティで、半々の配分の割合であったが、その協定によると、サウジアラビアには五六、日本が四四、クエートは五七、日本四三、こういうような条件である。それから年数等において、あるいは将来財産権の処分の問題についても、日本側が非常な不利な協定を結んだという説がありますが、これに対してどういうふうにお考えですか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 これは協定を結びました当時・盛んに新聞紙上等で言われたことでございますが、その中には非常な誤解もあるように私どもは承知しております。私どもの協定の不利というのは、利益配分が、今まで五〇、五〇の配分であるのを、五六ないし五七というふうに先方に有利な配分方法をしておるというのが非難の一つでございますが、実はこの配分方法は、中東ではまだ実現しておりませんでしたけれども、すでにベネズエラではもう実現しておりました。五〇、五〇の比率は破れております。それから当時イラン側の方で、パン・アメリカンという会社が交渉をしておりましたが、これもやはり実質的には五〇、五〇を破った申し出をしております。私どもと非常に競争をしてクエートの国と交渉をしました外国の会社は、全部といっていいくらい五〇、五〇を実質的に破った申し出をしておりまして、決してアラビア石油だけが抜けがけに五〇、五〇を破ったわけではないのでございます。  それから、アラムコにしましても、その他のいわゆる外国の石油会社が利権を得た当時と、当社が利権を得た当時とは非常な違いでございまして、道路その他の設備等からいいましても、十年前と十年後の今日とは非常な違いでございます。そういうふうな全く道路もない、人の住む設備も何にもないというようなところで初めて利権を取ったときに、五〇、五〇だからといっても、今日交通機関を十分に利用できるところで、それと同じことをしようとしてもなかなか無理でございまして、そういう意味からいいまして、私どもは五六ないし五七という生産国の配分は、決してそう高いものではないというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ベネズエラで利権の配分について六〇対四〇、現地側が六〇、開発側が四〇、こういう協定がされたのは五九年じゃないですか。その協定をされたあとじゃないかと思う。それからイタリア石油でイランで協定をしておりますのが、開発側が二五、現地側が七五というような協定があると思うのですが、これは御存じですか。それはこのアラビア石油の協定の前でしょうか、あとでしょうか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 イタリアの会社がイランでもって利権を獲得しまして協定を結んだのは、当社よりあとでございます。それからパン・アメリカンの方も、当社より調印の日はあとでございますが、実際の交渉は当社よりか早かったのでございます。それからベネズエラのやつは、私はどうも記憶がはっきりしませんが、当社よりか前に協定が結ばれておるというふうに承知しております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 一つわかりやすく説明していただきたいのですが、通産省に伺うと、有為替方式でも無為替と実質的に大差がない、こういう説明です。ところが菅野さんの御意見によると、無為替が当初からの方針であるから無為替にしてもらいたい、こう主張されておる。新聞によると、この間徳永次官が関係者を呼んで、有為替にしろ、しかし実質的には変わりない、こう言っておるのですね。お互いに専門家が話し合って実質的に変わりないというならば紛争はないと思う。しかし、これはお互いにまだ解決はしないでおる。これはしろうとにわかるように説明すると一体どういうのですか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 御質問の趣旨に果して合うかどうかわかりませんが、結局実質的に同じだということは、かりに有為替にしてドルを使ったにしても、そのドルはすぐに政府に戻ってしまいます。それから有為替という形にしても無為替にもできるから、そのときには円決済できる。ただ新聞等に出ておりますのは、外貨の割当の中にアラビア石油の油の配分を入れてしまえ、そうすればあとは有為替でも無為替でもいい、こういうことでございます。外貨の割当の中にぶち込んで、そうして外貨としてアラビア石油の油を各精製会社に割り当てをしろ、実際の決済は円でもいいしドルでもいい、こういうことでございます。私どもが無為替扱いをということは、無為替の扱いとして外貨の割当のグループの中に入れないで無為替の扱いにしてくれ、名目も実質も無為替として下さい、こういうことをお願いしておるのでございます。無為替の扱いにしておりますと、一応外貨割りというものとは無関係になります。もちろん無為替でもプロラタ割当というのはありますけれども、これは無為替扱いという別個のグループの中の分け方が、ちょうど外貨割りと同じようなパーセントに分けるということで、あくまで別のグループでございますが、外貨割りの中にぶち込んでしまえば、これは純然たる外貨の割当基準でございまして、無為替扱いとは全然違う、こういうことでございまして、新聞等に伝えられておりますのは、外貨の割当の中に入れてしまえば、あとは、実際の決済は無為替でも有為替でもいい。それだから無為替扱いにしたのと同じじゃないか、こういう意見のように伺っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 通産省がいわれるように有為替方式でやられた場合、アラビア石油としてどういう弊害があるのですか。弊害というのですか、工合が悪いというものはたとえばどういう点なんですか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 これは先ほどの意見の繰り返しみたいになりますが、私どもが無為替扱いを政府にお願い申し上げておりますのは、一つには沿革的な理由、先ほど板川先生の御意見もありましたように、両国政府及び株主等はみなそういうつもりでおるという沿革的な理由と、それから現在の為替管理法上居住者間の取引であるから無為替扱いにするのが原則ではないかという二つの理由でもって政府にお願いしておるのでございます。それでもしこれが有為替方式になった場合には、アラビア石油はどういう実害をこうむるかと申しますと、決済が無為替になるというなら全く同じじゃないか、そういう御意見もありますが、先ほど申しました通りこれは心理的には非常に違うものでございまして、外貨の割当の中にぶち込んでアラビア石油の原油の割当をいたしますと、この外貨の割当の比率というものは、各精製会社が粒々辛苦してためた外貨割当の実績でございまして、なかなか一朝一夕にこの外貨の割当の比率を変えることはむずかしいのでございます。しかし無為替扱いということになりますと、これは一応外貨の実績というものとは無関係になります。そうなりますと、これは政府の御方針なりあるいは時の外貨事情、その他石油政策上のいろいろな要求から、この比率を変えることは比較的容易でございます。従ってそこにアラビア石油の原油の魅力があるのでございます。ことに中小の精製業者のごときはそれを非常に魅力として、メリットとして受け取っておるわけなんです。ところが外貸の割当の中に一たん入れられてしまいますと、なかなかその比率は、おそらく自由化になるまでは変えることは至難だと思います。われわれ局外者が言うのですから、当たっているかどうか知りませんけれども、従来の歴史から見ますと外貨の割当の中の外貨割当比率というものを変えることは非常にむずかしい。従ってその比率を変えて自由化対策なりあるいは中小企業対策なり、そういうことをやることは政府もなかなか困難ではなかろうかというように想像するのでございます。しかしながら無為替扱いという別のグループにしておきますと、それが割合にしやすいというところに、また中小並びに民族系といいますか、そういう会社の原油に対する魅力があるように考える次第であります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 無為替にすると外貨割当の外へはずれるから、中小精製業者なんかは優先的に買ってくれるようになる、そしてアラビア石油としては国内扱い的になって、多少不利な条件の中に有利な条件もある、こういうようなことかと思うのですが、それじゃアラビア石油のカフジ原油についてもう一つ伺いたいのですが、一バーレルについて一ドル四十二セント、これは相手国の政府と協定によって一銭も下げないのだといっておる。また一面外資系の石油精製会社は、これは硫黄分が多くて質が悪いから、一ドル三十セント以下でなければ合わぬ、こういうことを言っておるのですが、これはどういうことになるのですか。石油の性質によってその基本価格を修正するというのは有名な方式の中にあるのじゃないですか。ベーシング・ポイント方式ですか、この四項目か何かの中にあるのじゃないですか。比率によって価格を上下するということにもなるのですが、その点をどういうふうに考えておりますか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 アラビア石油の利権協定の中には、原油の値段は市場で売れる一番高い値段で売ってもらいたい、それはあらかじめ両国政府の承認を経て公示してくれ、こういうふうに書いてございます。そこで昨年私自身両国政府に参りまして、種々折衝して一ドル四十二セントという公示価格をきめて参ったのでございますが、これはどういうふうにしてきめるかと申しますると、大体付近の中東の油の公示価格、それも今回値下げをした公示価格でございますが、これを基準にしまして、そうしてそれに影響するものは、その積み出し港と日本との距離の違い、あるいは石油の性質上比重が違いますから、APIの比重が一度違うことにバーレル当たり二セント上下します。それからもう一つは、当時公示価格より安く売られているということも考えまして、まず協定ででき得る限りの安い値段できめたつもりでございます。一ドル四十二セントというのは非常に高いように世間では評判されておりますけれども、手前みそではなく、実際公示価格としては安くきめてあります。しかし現在の実際のところからいいますと、各生産会社が公示価格を下回って売っているようでございます。私どもの方の協定では公示価格で売れということになっております。もっともこれはどこの協定でも同じでございまして、公示価格以下で売っていいというようなことは一つも書いてないのでございますが、公示価格でもって売るということを建前にしております。これは生産国の方からいいますと当然なことでございまして、勝手な値段でどんどん安く売る、あるいはまた表面上安く売るというようなことになりますると、生産国の利益は破壊されてしまいますので、その点は非常に生産国としては気を使うところでございます。しかしながら何といいましても石油というものは売らなければしようがないのですから、実際に売れない場合にどうするかということについては、これは生産国と相談しなければならないのでございます。しかし新聞等にいっておりまするアラビア石油の油は非常に硫黄分が多くて使いものにならぬとかなんとかいうのは多少言い過ぎのようでございます。というのは、私どもの油は硫黄分は二・七%ぐらいでございまして、中東の油としましては硫黄分については大体中等度でございます。それよりか多いところはたくさんございます。少ないところもございます。しかし比較的重油質でございまして、揮発分が二〇%ぐらいでございまして、重油分が六、七十%になっておりますので、日本の消費機構には非常に向いている油でございます。ただお買いになる方では、あそこの油は比較的いいとか安いということは、ことに商談前には絶対におっしゃらないものでございまして、高い高いという評判は非常に強いようでございます。今御質問のように、私どもが公示価格で売りたいという希望は公式に表明しておりますが、実際の取引はまだやっておりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それで、ちょっと前に戻りますが、先ほど政府側では有為替方式に乗せた配分をするということなんですから、そうするとある会社に五なら五の割当をやる、これとは別にサウジアラビアの一を足して、こうくっつけて外貨割当の線の上に乗せるわけですね。ところが、硫黄分が多いということもあるか知りませんが、これで現地でアラビア外貨ですか、アラビア・ドルか何か一をつけて——普通の外貨のほかにアラビア石油しか買えない外貨を割り当てるのですから、それを買って、日本へ持ってこなくて、ほかへ売ることもできる一さっきの協定からいうとできるということになるのですが、ただ性質からいうと、アラビア石油は非常に重質のものだから、重油分が非常に多い。日本ではガソリンよりも重油の需要が非常に強いために、日本に向いておる、こういう話が今あったわけですが、そういうことで日本にくるだろうが、しかし外貨割当を受けた会社がアラビア石油の石油を買って、途中でよそへ処分して、日本へ持ってこないということもできるのですね、この協定と、扱いからいって。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 協定上ではどこへ売ろうと一向さしつかえないということは、先ほど申し上げた通りでございます。それから日本の外貨の割当をして、その外貨を使ってアラビア石油の原油を買った場合、その油を第三国といいますか、よその国へ売れるかどうかという問題は、これは外貨割当の、日本の政府のきめることでございまして、どういうような外貨の割当にするつもりか、私どもの方にはわかりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 実は、原油の価格というのはどういう方式できめられるかわからない。これは、いわれるのには、強い国際カルテルがあって、これが支配をしておる——七つの会社ですか、四つの会社が支配しておるということになっておるのですが、この石油価格というのはどういうふうにきめられておるのですか。これは出光さんでも、どちらでもいいんだけれども。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 しろうとでございますから、はたして当たっておるかどうかわかりませんが、お答え申し上げます。  国際価格というのは公示価格というのでございますが、これはいろいろ歴史のあるものでございますが、国際的な大手石油会社を中心といたしまして、複雑な方式できめられておるようでございます。簡単に申しますと、長い間アメリカの石油価格を基準にいたしましてきめられてきたようでございます。いろいろな段階を経て今日に至っておりますが、たとえば中東原油の生産額が多くなってきた一九四九年ごろでございますか、そのころから比較的最近までは、中東原油のFOB価格というものは、ニューヨークまで持ってきた場合の引き渡しの価格、これがベネズエラの原油の引き渡し価格と均等になるように、同じになるように、大体そんなことを標準にしてきめてあるようでございます。石油のそういう国際的な団結というものは非常に強うございますから、大体そういうようなことを大手筋の方で話し合ってきめて、それが世界の石油価格の中心になるというようなことでございます。言いかえますと、これは生産国の意見もございますし、消費国の利害もございますので、非常にむずかしいのでございますが、歴史的に積み上げてきてきまったように承知しております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 べーシング・ポイント方式というやつで、二つの地点、どちらでもいいのでしょう、二つの地点のFOBの価格を出して、あとはその運賃だけというようなことにきまっておるんだそうです。実はわれわれ、石油の価格はどういうふうにきまるんかなと思って、いろいろ調べてみたのですが、なかなか複雑なんです。しかし、ほんとうの掘る費用というのはずいぶん安いようですね。一バーレル一ドル四十二セントですか、あの中で、大体産油コストというのは四十セントぐらいだそうですね。もっとも、うまく掘り当てて成功すればそういうことになるのでしょうけれども、とにかく非常に安い。しかし、われわれの手に入るときには相当な価格になってくるということになっておる。これはやはり国際的な石油カルテルの問題があって、どうもアメリカでもてこずっておるようですから、日本の商工委員会でこれを議論しても、すぐ結論は出ないと思っておる。しかしこれは弊害があれば、日本は日本の立場をとるべきだと思う。ただ全般的な感じとして、先ほどの御報告のように、日本の精製業者なんかは外資系が六、七割を占めておるといわれておりますが、どうも少数の会社が集中して、たくさんの販売経路をつかんでしまうと、将来どうしてもこれはカルテルがさらに強化されて、高い製品を売りつけられる可能性がさらに強くなってくる。だから私どもは、これは民族系資本といわれるのか、外資のひものつかない精製業者なり販売業者なりを強めて、できるだけ競争ができるような状態に持っていく、これが必要だと思う。そういう意味で、われわれはアラビア石油の成功を期待しておった。ところが、先ほどの菅野さんのお話ですと、全く外資系とは協力をしてと、二回も三回も言っているところを見ると、どうもわれわれの期待と違うんですな。それはけんかしても、今のところ太刀打ちできないかもしれないが、やはり国民の期待というのは、少数の独占の外資系じゃなくて、民族、中小企業の石油会社がいまちっと力を持ってきて、そうしてお互いに競争できる状態を作らなくちゃいかぬじゃないか、そういう方向に持っていくべきだ。また将来わが国石油の一割近くを占めるというなら、やはりアラビア石油系がふんばってもらいたい、こう思っているわけです。  そこでアラビア石油側に要望として申し上げたいのですが、相手国が御承知のように王様の国ですね。これは中近東の政情を見ていてもわかりますね、なかなか政情が、将来、長期的に安定するということも、一がいに見通しがむずかしい状態もあり得ると思うのです。そういう点で、まあ仕事をやるにしても、現地のそういう権力とばかり友好関係を結ばないで、やはり現地の住民を相手に経済外交をするようなつもりでやってもらいたい、こう思うのです。そうでないと、よその国にずいぶん例がありますから、将来不測の事態が起こって、かえって弊害が大きくなるおそれもあるわけです。そういう点を要望しておきたいのです。  それから出光さんにお伺いしますが、別に資格審査をするわけじゃないのですけれども、出光さんの場合はこの石油連盟という形で出席されたのですか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 私はそういう資格ではないのでありまして、出光興産の副社長ということで呼ばれているように思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 石油連盟理事代理というふうに肩書きがついておりますから、連盟の資格かと思ったのですが……。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 そうじゃないと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それではお伺いいたします。石油開発側では、最近政府の石油消費税でずいぶん高くなっておるのですが、むしろ組合側では、どうもこれは少し高過ぎるという希望を申し立てておるのですが、精製側でそういう点についての意見を言わないのは値上げはやむなし、こう思ってあきらめておるのですか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 ガソリンの消費税の問題と思いますが、これはたびたび消費税をかけられまして、現在ではまことに世界水準から申しますと最高の課税ということになっております。もちろんわれわれ精製業者といたしましては、消費者にかわりまして反対陳情はいたしているのでございますが、何しろどういうわけかわかりませんが、消費者の方で今回の値上げに対しましてはのんきにかまえられておりますのか、あるいはあきらめておられますのか、割合に声が出ないように思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この消費税が上がりますと、四月一日からガソリンの値段は変わりますか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 さようでございます。四月一日から変わります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 消費税の分だけ価格が上がるということになりますか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 そうしたいのでありますが、実は前回の例から申しますと、精製業者の持ち込みになるおそれがありますので、わが会社の中でみんなで相談いたしております。消費税の性質としてこれは消費者に転嫁するのが原則であります。ところが実際問題はなかなかむずかしいのです。

板川正吾日本社会党

○板川委員 精製業者ですからお伺いしたいのですが、最近タンカーが大きくなって、輸送のコストがずいぶん下がってきておると思うのです。一万二千トンの船で運ぶのを一〇〇とするならば、二万四千トンか倍の船舶ならばそれが六十くらいに運賃が安くなる、こう言われております。この運賃は大体石油の到着値の三割くらいを占めておると思うのですが、この部分が四割も安くなる、こういうことが一つの問題。それからおたくの徳山の工場のように、精油能力の大規模なものはこれまた今までの小さい八千、一万、一万五千、二万程度から見れば巨大な精油能力によってずいぶんこれまた人件費等が安くなって、ある意味ではガソリンの値段がマンモス・タンカーなり精油が巨大化するためにぐっと安くなるのが当然かと思うのですが、その値段が最近どの程度安くなっておりますか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 実は設備が新しくなりますので、投資金額が非常に莫大になって参りまして、従って初め当分は割合に生産コストは高いのです。これは精製費の問題であります。それからタンカーの場合は、大型になりまして、御説の通り非常に安くなるわけでございます。この点に向かいましては、わが国といたしましては、全幅の努力をすべき問題だ、非常に大事な問題だと思います。全体で石油がどれくらい安くなるか、これはちょっとむずかしい点がございまして、一概に申し上げにくい点がございますので、一つここではごかんべん願いたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それは出光さんのように一日に四万五千バーレルも処理できるような大型タンカーを持つということになれば、こういう消費税が上がるからといって、まるきり消費者にかけることなく、やはり一つなるべく安いガソリンを国内で確保してもらいたいと思います。  そこで出光さんにお伺いしますが、出光さんはいわゆる外油系になるのですか、それとも民族資本系になるのですか、どちらですか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 全くの民族資本でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 昭和三十一年にアメリカ銀行から一千万ドル借りておるのは、別にひもはついておりませんか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 これは金を借りただけでありまして、経営には全然関係ありません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 外貨割当の現状、これはいろいろ問題があるようです。太陽石油という会社がその外貨割当を不満として行政訴訟を起こしておる、こういうことも報道されておりますが、現在の外貨割当制度について何か注文がありますか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 私どもの会社が主張しておりますのは、販売実績、これがすなわちその会社の実力でありまするので、これを基準にきめていただきたい、こういう希望を常にいたしておるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 出光さんがソ連原油を引き取るということを何かちょっと新聞で見たと思うのですが、ソ連原油は各石油市場で大いに珍重がられております。それは値段が安いからだと思うのです。このソ連原油引取りについてどういう経緯なりがありますか。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 ソ連原油の問題は、日本、ソ連の貿易協定ができまして、その線に乗りまして、日本から輸出するものに対しましてソ連から日本へくるものが非常に少ない。従いまして政府の方からもソ連原油を買わないかという慫慂を受けまして決心したわけであります。品質といたしましては、むしろ軽い、非常にいい油でありまして、値段はおっしゃいました通り安いのでございます。将来の計画といたしましては、これは日ソ貿易協定に乗せてやるべきものでありまして、勝手にやるという気は持っておりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 たとえばソ連原油が大量に入った場合は、硫黄分が少ない、アラビア石油は硫黄分が多いと宣伝されておりまして、両方をミックスすると、ちょうどいいものができるということでありましょう。  それから私が全般として言いたいのは、石油は一バーレル当たり現地価格で一ドル三十セントないし四十セントである。しかし、それを利権を抜いて計算すると、大体四十セント程度でできる、こういわれておるのですね。それから、数々の利権料をまた払わなくちゃいけない、いわゆる自由諸国の石油というのは……。ソ連の経済体制からいうと、そういう利権料とかなんとかいうのは、必要とあればとるかもしれませんけれども、どうしてもとらなくちゃならぬという問題じゃない。そうしますると、今の自由諸国の石油相場というのは、やはり私は値段の点においてソ連に負けてくる可能性があると思う。これはわれわれとしては、同じならば、貴重な外貨ですから安いものを大いに入れてもらいたい、こう思うのです。何といっても国内の石油市場の七割以上外資系がつかんでおるようでありますが、通産大臣、外務大臣も外国資本の圧力におびえておるようである。まして出光さんなんかなかなか強いことも言えないかと思うのですが、やはりエネルギー源の確保として石油というのは重要だし、それからやはり外貨を節約するということもあるし、また、できるだけ競争を確保して、カルテルの方向を押える、こういうこともあって、この辺は今後ともそういう方向で大いに努力をしてもらいたい、こう思います。以上であります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は、きょうおいでになった四人の方々のうち、特に労働組合の方々にお聞きしたいと思いますけれども、せっかくわが国でも石油関係では唯一の民族資本であられる出光さんなどもおいでになっておりますので、アラビア石油についてもこの機会にお聞きしたい点があります。  私は秋田でございますけれども、秋田は御承知のように石油がかなり出るわけでございます。かなりといっても、これは使う方の側から見れば、問題にならぬほどの量でございますけれども、国内資源としては最右翼にいる県であります。しかし、ここで見てみますと、掘る方は非常に不安を感じておる。これは会社側でも労働者側でも非常に不安を感じておる。精油会社が三つございます。精油会社が三つございますが、一つは日鉱で、これは鉱山と製油を兼業していますから問題外でございましょう。しかし、昭和石油と日石は製油がほとんど本職でございます。この方がよそから見ていますと、言うところの日の当たる産業と日の当たらない産業というふうに区別されるようでございます。たとえば、一例を申し上げますと、そこに働いている方々が、たとえば製油関係では期末手当等が八万円あるいは九万円というような声があった反面に、それに関連する産業の一分野である採掘部門の方では、残念なことに半分だというふうな現象がある。これは今の政府が盛んに声を大きくして叫んでいる所得の格差是正から見ますると、はなはだ格好の悪い現象が起きております。これは政治の貧困か、あるいは経済機構がまだ緒につかないか、いずれか知らぬけれども、現われた現象はおおうべくもない。しかも労働組合の労働者というものは、生産の問題に関しては義務があります。生産の問題に関しては義務があるが、労働者が経営の関係で、たとえば何カ年計画を国がやるのを心配したり、関税によって自分の産業が育成されなければならぬなどと頭を悩ましているということも、これは考え方によってはどうもふに落ちないことではないかと思います。しかし、これは当面の、そこに働いている労働者としては当然だと思います。ですから、企業のことも勉強せざるを得ないと思います。私はそういう意味で、労働組合としては苦手な問題だと思うけれども、いろいろ考えなさって、私どもに資料を配ってもらった全油鉱の参考人の方にまずお伺いしたいのですが、これはもちろん正確な資料に基づいて御答弁をいただくというのではございません。皆さんが職場で働いて得た結果に基づく考え方を申し述べていただけばよいと思います。  第一に、われわれがかつて努力をいたしまして開発会社を分離し、そうして帝石の独立採算制がよくなるように工夫したわけですが、第一次五カ年計画が終了の段階に来ました。皆さんが今まで働いた結果、所期の目的を達成しているかどうかというふうな感じを、一つお聞かせ願いたいと思います。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 第一次五カ年計画では、原油で六百三十万キロというふうな可採埋蔵鉱量を発見するというように具体的目標を掲げておったわけでありますが、まだこれは一カ月あるわけですけれども、現在までのところ六百五十万キロの可採埋蔵鉱量を発見いたしておりますので、そういう点については五カ年計画の目標を達成したといっても差しつかえないと思います。特にこの際申し上げておきたいのでありますが、この海洋掘さくは、アラビア石油さんの方でやっておられるような大きなものではありませんけれども、同じルトーノーという型でしておるわけです。秋田県の土崎、船川の沖合いで大陸だなの油田というものを発見いたしたわけでありますが、この点については、従来海洋掘さくということがあまり問題にされていなかったという点から、相当の成功ではなかったかというふうに、われわれ職場で働く者も自負をいたしておるような次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 六百三十万、それが六百五十万になった。私のお聞きしたいのは、この五カ年計画によって、つまり達成さるべき数字が達成されたということはその通りだと思いますが、次の段階に希望を持っているかどうか、それをお聞きしたいのです。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 この五カ年計画の実施で、先ほど言いました通り六百五十万キロの埋蔵量を発見したわけでありますけれども、これは主として現在まであります油田の周辺と、それから、さっき言いました海洋の一部の問題から出たわけです。ところが、北海道における未開発地域と称される白亜紀層あるいはまた海洋のさらに広範な地域の問題、あるいは関東一円にわたる構造性のガスあるいは油、それから中国、九州、四国なんかはまだ全部未着手でありまして、そういうふうな点がまだたくさん成功をおさめる余地として残されておるわけですから、さらにこれを探鉱していけば、われわれ労働者としてのつたない資料ではありますけれども、相当のものが発見されることは確実だと思うわけです。しかし、その場合にどういう探鉱の資金規模で、どういう形でやるかが問題じゃないかと思うわけです。特に現在までの、昨年の例を申し上げますと、昨年は二十八億の探鉱規模で行なったわけでありますけれども、明年、三十六年度は政府出資が四億に削られましたために、主として生産収入からの資金投入を主軸にしてやるために、これは二十億くらいの探鉱規模しかないわけであります。従ってそういう方向では、さっき言いました通りこれからの白亜紀層とかいろいろな広範な未開発の地域への探鉱の積極的な活動は、そういう点でできないのじゃないかということを実は心配しておるわけです。  なお、単に来年度という問題じゃなくて、第一次五カ年計画が終わったら直ちに第二次五カ年計画というものを策定していただくのが本筋だと思うわけでありますけれども、そういう点はないように実は考えるわけであります。その点も実は心配の種になっておって、職場では労働者がみんな不安がっておるわけであります。従ってわれわれとしてはそういう点の第二次五カ年計画をお作りになっていただいて、なお資金の問題なんかというものを国家的な意味で一つ投入をしていただいてやれば、可採埋蔵量が急激に増加する確信もありますし、なお天然ガスの開発という問題も重要な問題でありますので、それと兼ね合わせた探鉱方式というものを作られて、一貫した国家政策に基づく探鉱活動をしていくということが、第二次五カ年計画の軸にならなければいけないのじゃないかというふうに考えているわけであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 あなたのお話はおそらく会社の資料を参照になさっているでしょうし、あるいは政府側、特に秋田地方には鉱山大学等があるわけですし、それらの資料を見ながらお話なさっていると推察しております。そうしますと一つの資金量というものがここで確定をして、年次計画をやって、あるいは日本の周辺にある大陸だなを探鉱する、あるいは広範な未開発地域があるだろうと想定される北海道地域を開発していく、あるいはある意味では日本の国内もそうであるかもしれませんが、たとえば私の方の鉱山で同和系である小坂鉱山という鉱山がございます。ここはここ三十年間も廃山同様になって採鉱をやめて、製練ばかりやっておりましたが、去年の暮れ、ここに約二百万トンの新しい鉱脈が埋蔵されておるということが発見されておる。しかも小坂のかつての製練所の昔掘った地続きなんです。ですから、私は石油と鉱石との埋蔵の分布状態は違うだろうと思うけれども、それにしてもやり方によってはそういうふうな国内資源の開発はできるものではないかというふうなことも、われわれとしては見ているわけであります。  ここで特にお聞きしておきたい点は、新しい方向として、たとえば八郎潟が今度干拓をされます。そこの中のガス及び石油量などは一応当たっているわけですか。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 一部物理探鉱ですね。試掘井を掘る以前の調査行為として、物理探鉱方式があるわけですけれども、それを実施いたしまして試掘を一本だけいたしました。しかし探鉱のやり方としては一本だけではいけないわけなのです。普通同一地域には三本ないし四本探査を目的にした試掘をするのが常態なわけですけれども、これを一本だけいたしましたが、一本だけで把握ができなかったので引き続きやろうとしても、会社の方のいろいろな資金の問題で、できかねて中止するような状態になっておるわけです。われわれとしても八郎潟の埋め立てが済めば、作業も非常にやりやすくなる関係に置かれるわけでありますので、そういう点についてもぜひ一つやるべきだという意見を持っているわけでありますけれども、何せ探鉱資金というのが非常に小さいものでありますから、そういう点についても積極的な探鉱ができかねるような状態にあるのじゃないか、私は経営者じゃありませんので、そういう状態に置かれていると思っているわけです。

石山權作日本社会党

○石山委員 第二次五カ年計画ということをしょっちゅう皆さんの方で主張していられるようですが、第二次五カ年計画の、ここならばきめ手になるという資金量とか、あるいはその地域設定によって上がってくる油の量とか、そういうものはなんぼか考えていられるわけですか。これは会社の意見でもよろしいですが……。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 御質問の要旨が実はちょっとのみ込めなかったわけなのですが、もう一度おそれ入りますが……。

石山權作日本社会党

○石山委員 皆さんの方で第一次五カ年計画がもうじき終了なさる、けれども以後引き続き第二次五カ年計画をばやってもらいたいという意見です。それにはやはり効果が上がらぬといかぬわけでしょう。ですから私が言いたいのは、きめ手になるようなもの、たとえば二十億のお金がいただければ、このくらいの量を出して見せるとかいうきめ手がなければ、整備資金の場合でも、モグラが穴を掘って土を盛り上げるという作業には、どんなことがあっても金を投資するというわけにはいきません。ここではある点そろばんに乗るようなものでないと、全部が全部そろばんに乗せるというわけではないけれども、ある点までそろばんに乗るものでないと、国はどういう事情があろうともお金を投資しない。そういう資源の状態であれば、むしろ方向転換をするような施策をいち早く講じてやる方が正しいことです。ですから皆さんが第二次五カ年計画を提唱なさるからには、こうしていただければこのくらいのことはやれるという意気込み、めどがあるだろうと思うわけなのです。それを聞いているわけなのです。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 それは経営者といいますか、正確なことは申しかねるわけですけれども、先ほど申し上げました通り、第一次五カ年計画で六百五十万キロの可採埋蔵量を発見いたしたわけでありますので、政府の方も四十五年、これから十年後の国内原油の生産見込みを百五十万キロというふうに置いておるわけであります。しかも天然ガスの方は、これも現在六億立米くらいのを大体四倍程度見ているわけでありますが、そういうことをやるには年間少くとも油について二十七、八億円、それからガスの生産を高めるための探鉱資金を加えてやっていただけば、この程度のことは確実に油もガスも出るのじゃないか。それについては単に言葉だけの問題ではなくて、現在までの地域はむしろ既存の油田の周辺だけ掘ったわけですから、さらに残された未着手の地域というものは、広範にまだまだ残っているということを申し上げて、その辺をやれば計画が実施される。そのための必要な資金は、従来の石油の探鉱資金の二十七、八億円に、プラス、ガスの探鉱資金を加えていただけば、政府の出しております計画をそのまま実施が可能であるということを、私らとしては考えているわけであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 第一次五カ年計画のような構想で第二次計画をやっていただけば、第二次計画以上の量が出るということになりますか。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 そういうふうになります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 通産省にはこういう石油とか可燃性のガスの開発に関する審議会というのがあるのじゃないですか。その審議会の結論はどうかということを聞きたい。

伊藤繁樹通商産業事務官(鉱山局長)

○伊藤政府委員 御説の通り地下資源開発審議会というのがございます。そこからは一応第一次五カ年計画を充実するようにという意見が出ておるわけでございます。ただ先ほど来参考人の方からもお話がございましたように、何分にも現在まだ第一次五カ年計画が実施完了になっておらないわけでございます。いろいろな段階で見る見方もございますが、いわゆる試掘坑井のとり方から申しますと、まだ七割くらいしか進んでおらない実情でございます。従いまして政府としましては一応第一次五カ年計画を、この際完遂する態勢を整えて、あわせて将来の問題はここしばらく研究してみたいというふうに考えておる次第でございます。  御承知のように石油の輸入自由化の問題も相当近くなって参ります。そういたしますと、現在の国産原油というものは今とだいぶ態勢が違って参りまして、まっ裸で外国原油と競争しなければならぬような新しい要素も出て参っておる現状でございますので、そこらの点もよく考え合わせまして、至急にこの問題について態度を決定したいというふうに考えております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 伊藤さん、さっきのお話を聞いているのですが、アラビア石油を賛美し、奨励をしていただくことはまことにけっこうな話なんだけれども、アラビア石油へ入れるくらいの資本をあなた方に入れてごらんなさい、日本国内にはもっとあるんですよ、出るんですよということを、やはりはっきりと言った方がいいのじゃないですか。あなた方が言いたいことはそこじゃないですか。アラビア石油へ六百億を入れられるのなら日本へ半分入れてごらんなさい、今の百倍を五年間に出してやりますと言いなさい。日本にはないのじゃないんだ、あるんだ、政府で四億くらいの金を出して何するんですか、そんなものでやれるか。天然ガスだって同じことじゃないですか。国内の資源を眠らせておいて外国へ資本を投じて、外国から高い石油を買って、外国人に金をもうけさせて何になるんだ、それよりも民族資本を唱えるならば、なぜ国内の資源を開発しないのだ、これを一つおやりなさいよ。私はそれには大賛成なんだから……。  そこでお伺いしたいんだが、菅野さん、あなたの方の支払いは円為替ですか。それからもう一つは、時間がありませんから続けて聞きますが、販売の価格というものが相手国と決定をされているんだから、もしそれを二セントでも引き下げる場合には了解を求めなければならないんだ、こういうことになりますね。こっちでどのくらいの価格までは自由の裁量によって——たとえば一方が安く売ってきた、おれの方は高いから売れなくなるというときがあるはずだから、どれくらいの裁量をゆだねられているのですか。先に二つお聞きしましょう。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 円為替で決済するのかどうかということは、今後政府の方で御決定になる御方針に従ってきまることでございますが、ただ先ほど私が申し上げましたのは、為替管理法の上から言うと、居住者間の取引であるから、原則的には無為替円決済ということになるわけであります。しかしこれはとにかく形は輸入でございまするから、どういう方式にするかということは政府の方の御方針の決定に待つより仕方ないと存じます。  価格の問題でございますが、これは生産国の方では一ドル四十二セントの公示価格で売ってもらいたいという強い希望を持っております。しかしこれは原油を生産しましても売れなければ仕方がないのでございますから、実際に売れない場合には、もちろん生産国と相談して売れるようにしなければならぬと思います。どういう権限が与えられているかと申しますと、協定上はそんな詳しいことは書いてございません。ただ両国政府とも、もしディスカウントするような場合には、一つ私の方にも連絡してもらいたい、こういうような希望があるだけでございます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 そうすると、外貨の割当をとにかくワク外に置いたということになると、現在でも競争の激化ということで、来年度あたりは石油会社は相当苦しい中に落ち込んでいくだろうと私は考えている。そういう中においてワク外に置くというのはけっこうな話だけれども、いたずらなる競争によって得をするものはだけかというと、なるほど一般大衆が得するのならけっこうだけれども、元も立っていかないということになると、これは容易ならないことになるのだが、そういうようなワク外において競争をさせることがいいか悪いかということも、一応は、会社の経営なんだから、あなたの会社も利益を追求するためにできている会社であろうと思う。ですからそれがいいか悪いかというととはよく考えなければならないと思うが、そうなると、結局国内でもうかったとしても、出資の配当を受けるだけというよりほかに、何ものもないということになるのじゃないでしょうか。その点はどうでしょうか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 アラビアの石油資源を開発して消費者がどれだけの利益があるか、これは今長谷川先生のおっしゃる通りでございまして、別に、特別に安く売るとか、そういうふうなことはできない建前になっております。しかしこれは外貨を節約するということには、かりにこれが外貨予算に乗りまして有為替になりましても、日本の資本で日本の法人が生産した原油でございますから、当然なります。そういう意味におきまして、われわれはいわゆる民族資本として外地の石油の開発に意義を感じている次第でございます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 民族資本でやるのだということはいいのだけれども、たとえばフィフティ・フィフティでやっても、五〇%は民族資本じゃない。六〇%ということになれば六〇%はあちらさまなんだ。四〇%なんだから単に民族のみでやるというふうには言い切れないのではないですか。だから配当を受けるという利益があれば、配当を受ける利益しかないのだということにしか私には解されない。私がそういうふうにしか解されないとすれば、あなたの御説明に欠陥があるといわなければならないのだが、それが決して悪いというのではない。要はあなたが冒頭に言ったように、相協力し、ともに立っていくように、そうして一般大衆民族がより安い消費を行なっていけるように努めていくのだ、それはその通りなっていくだろう。そういうことについて私が無理にあなたに御質問申し上げるわけではないので、決していいとか悪いとかいうのではないので、ただ民族資本だと言い切るところに、少し私には解されないところがある。  あと御質問をする方があるので、私は飛び入りしたので、これでやめます。

石山權作日本社会党

○石山委員 菊地さんにお伺いいたします。  私先ほど皆さんの例をあげて、年末手当はどのくらいもらっているとか言って大へん恐縮でしたが、先ほどの出光さんの御意見を聞くと、ガソリン税は世界で最高のところまで来ている、こういうふうにおっしゃっている。それでいろいろ外貨の割当、油送船等障害がある中で石油業をやって国のために寄与していると思うのですが、それにしても株価を見ても、配当を見てもかなりなものです。ですから当然関連産業に対してためになることであれば、かなりの高利潤の一部を吐き出してもよろしいということを、あなたの御意見の中で私は承ったわけです。たとえば関税、消費税のあなたの御説明の中にもあったわけですが、職場に働く人として、そういうことは一つの感情だけでなく、数字的にもそういうふうに言い得る実態が私はあるのではないかと思うのです。その点もし何でしたら、もう少し詳しくあなたから御意見をお聞きしたいわけです。

菊地精一全国石油産業労働組合協議会委員長

○菊地参考人 先ほど感情的というような形で申し上げましたけれども、石油鉱業との関連の中で、私どもの職場で働いておる労働者はかなりおるわけです。たとえば秋田の場合をとりましても日鉱船川、日石秋田、昭石平沢、新潟におきましても日石新潟、柏崎、昭石新潟等、これは国産原油に依存をして生活しておる、こういう状態に置かれておりますので、これらの労働者並びに関連してその下で働いております下請労働者というような関係の人たちを数えますと、かなりの労働者がこれに依存をしておるという状態にあるわけでありまして、これらの労働者は、いろいろな問題が起きますと、こういう赤字工場なり採算の合わない工場は、直ちに閉鎖したらよろしかろう、あるいは合理化したらどうかという問題に絶えず脅かされている。こういう状態を救済するためには、精製業者がやはり幾らかでも関税なり消費税の中から金を出して、そうしてそういう方向の国産原油を多くふやして安定した精製なり、労働が行なえるという状態に置いていただきたい。こういう念願はあるわけでありまして、具体的に何%出せとか何円出せということはありませんが、そういう関連の中で、私どもは積極的に石油鉱業を育成していきたいと考えておるということであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 鉱山局長来ておりますね。私当委員会の専属ではないのですが、特に参考人は政府当局の意見もこの際聞いて帰れば得るところがあるという考え方もありますので、お伺いしたいわけですが、一つは乏しい国内資源といってもよろしいと思います地下資源の中には、それをほうっておけば——これは何も石油だけではございません。銅であろうが、硫黄であろうが、銀であろうが、すべてほうっておけば非常な危険性があります。為替の貿易の自由化という大きな主題目を立てて今臨んでいるわけです。もう二年もたてばすべてオープンでいこうというところだそうでございますけれども、この乏しいといわれている地下資源産業に対して、一体何によってこれを保護していくのか。もう一歩進んで、為替貿易の自由化のあらしの中から保護をしながら発展さすという方策を持っているのかどうか。その方法論は一体何かということです。総合政策でございましょう。おそらく関税の操作によってこれをやるということも不可能でございましょう。あるいは補助金、助成金あるいは税金だけでもいけないかもしれない。総合政策かもしれぬが、今当面何をもってこれを防ぎとめるかということは当然考えていただかなければならぬ。例として石油の地下資源を例として一つ御説明を、この場合承っておきたいと思います。

伊藤繁樹通商産業事務官(鉱山局長)

○伊藤政府委員 ただいま国内地下資源の開発の重要性について御意見を承った次第でございますが、私としても全く同感でございます。先般この委員会でもお答え申し上げましたけれども、従来私どもといたしましてはたとえば炭鉱に対する大幅な奨励金の交付でありますとか、あるいは臨時租税特別措置法による探鉱費の大幅な経費を認める措置、あるいは開発金庫でありますとか、中小企業金融公庫でございますとか、北海道開発公庫からの融資でありますとか、いろいろな意味における保護政策をとって参ったわけでございますが、ただいま御指摘のありましたように、だんだん情勢が変化して参りまして自由化の波が最も原始産業といわれている鉱山にも及ぶ態勢になってきておりますので、従いまして私どもとしては、従来の各方面における奨励策だけでは十分でない、何らか根本的な意味における資源産業の保護と自由化の波と真正面から対立するものではなく、その波がうまく保護と調和していく方策はないものかということで目下いろいろ研究中でございます。たびたび新聞に出ます銅価格プール制度あたりはわれわれの試案でございますが、石油の問題につきましてはただいま御意見もございましたけれども、精製会社といたしましても石油資源開発会社は、相当多額の出資をしているようでございます。精製会社自体の立場からいえば、必ずしも国産の石油よりは外油をほしがると思いますが、やはり国産石油の重要性を認識してもらいまして、政府の金と合わせまして精製業者も相当多額の出資をしている現状でございます。今後の問題につきましても先ほどお答え申し上げましたように、第一次五カ年計画の実現ということと並行して至急に考えて参りたいと考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 御答弁を承ると大へんいいような気がしますけれどもポイント、ポイントが数多くして一体これでうまくいくのかというような疑問がございます。しかし今の場合、これが妙手だというきめ手はおそらくだれにもないと思います。業者の場合は一六勝負できめていけというようなかたい決意で飛び込むという段階であるかもしれません。しかし政府の場合はそういうような冒険を冒さすような産業、そういうような賭博行為で進むというやり方は、やはり産業自体の構造が悪いでしょうし、政治の貧困の一つだと思いますし、やはり順当に理由を立ててここに主目的があるのだという固め方で見ていただかないとだめなのではないかと思います。  私はきょうアラビア石油会社がおいでになっているのですが、お聞きしたい点がございます。御承知のように日本の国は技術も大へん進んでおる、人も御承知のように多い方だと思います。それに対して国策会社であるアラビア石油会社が現地におきまして日本の持てる人力、持てる技術あるいは持てる機械類、こういうようなものをどういう工合に活用なさっているかお聞きしたいのです。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 ただいま現地で井戸を掘っているのは、いずれも外国の会社でございまして、これは請負でやらしております。しかしこれはせいぜい二年の契約で、あまり長期の契約をしておりません。というのはなるべくならば日本の技術者、日本の機械によってそのあとを続けてやりたいという気持があって、特に短い期間の契約をしておるのでございます。本年の七月になりますと第一番目の掘さくの組の会社の契約が切れますので、でき得ればそのときには日本の会社に頼んで、その掘さくの請負をしていただきたい、かように考えております。そういう外国の掘さく会社を監督しております当社の技術者は、今日に至るまでほとんど石油資源及び帝石の方々が応援して下さいまして、そういう方々の監督のもとに掘さくの開発計画を進めたのでございまして、もしこの御協力がなかったならば、この成功は絶対に得られなかったと信じて感謝しておる次第でございます。  また外国の工事会社に工事を契約いたしますときには、必ず日本で得られる資材は日本で買うようにという条項を入れております。現に外国の請負会社に契約した工事でございましても、パイプ類でありますとか、あるいはタンクの板であるとか、セメントであるとか、そういうふうなものは日本から買うようにいたしておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 今までは外国の請負会社がおやりになって、外国製品で試掘をしたということになりますか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 井戸の掘さく機及びその実際の行なう責任者は外国人でございます。しかし井戸の掘さくに要する資材は当社が提供することになっておりまして、これは日本から持っていった国産品を使っておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 これは伊藤局長に聞いておいていただきたいと思うのですが、どうも国策会社と称して海外に投資をする、サウジアラビアやその他これからますますやるだろうと思います。そうした場合に日本の物を、人を含めてどうも活用しない向きがあります。これはもう一つの例をとると、たとえばパルプ産業界にもそういうことが起きておりますね。アラスカ・パルプの実績を見てみますと、日本の国にみんな入ってくる。日本の金を投資して、そして日本の市場を痛めつけるという傾向が出る。アラビア石油もそういう傾向が出るとすれば、これは私は行政官庁が十分監督する必要があると思うのです。何と申しましても国策会社でございます。利潤のみを追求されては困ります。しかし今のお話を聞くと、私はあまり日本の物を利用していないのじゃないかという印象を受けてなりません。これは草創期であるから大目に見てもよろしいといえば、それまででありますけれども、心の持ち方にそんなところがあるのではないかと思うのです。監督級が行ったと言っておりますが、監督という身分は、一体どのくらいの身分でございましょうか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 掘さく会社の請負というのは、掘さくの設備とそれを動かすだけでございまして、どこの点にどれだけの長さの井戸を掘れ、あるいはまた井戸を掘りながらその地層の様子によって、これはどういう処置をしろというような指示は、全部当社の者がやるのでございまして、監督といいましても、しょっちゅうついておりまして指示を与える監督でございまして、これはもう掘さくの組と一緒になってやる程度の人のことでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私、先ほど日本の国の優秀な人たちが相当余っているような傾向にあるということを申し上げました。それからことしは御承知のようにたくさん投資をしまして、いろいろなものができるわけですね。そのできるものもドル防衛によってかなりに、はけないという様相が出てきております。機械類でも材料でもそうだと思います。そうした場合に、国策会社であり国が出資している会社が、国内から相当な人を持っていく、あるいは相当な機械類を持っていく、資材を持っていくということをなぜなさらないかという疑問を私は持つ。優秀な監督の下には優秀な勤労者がいなければ所期の目的が達せられません。言葉のわからない監督がどういう格好で指揮なさるか知りませんけれども、能率が上がらぬじゃないですか。能率が上がらぬということはどういうことでございましょうか、われわれの税金がある意味ではむだに費されるということになり、アラビアの海にむだに流されるということになりますよ。今全油鉱の方では非常に第二次五カ年計画が行き悩みになって悩んでいるということですが、そういうところにたくさんの優秀な人たちを連れていくということも、一応考えてみてはいかがですか。そういうことをなぜなさらなかったのでしょうか。その隘路は一体どこにあったのでしょう。御質問いたします。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 現地の様子を申し上げますると、大体海の深さは百フィート、三十メートルくらいでございます。そして陸地から四十キロ離れたペルシャ湾のまん中でございまして、そういうところでもって海底油田の開発という経験は、遺憾ながら日本には当時といたしましてはほとんどないといってもいいくらいでございました。もちろん石油資源開発を同じ計画のもとに秋田沖で行ないましたが、これは着手したばかりでございまして、日本人の技師で掘りたいというのは、もうわれわれの初めからの念願であるし、また現地の政府も非常にそれを望んでおるのです。そういう意味におきまして何とかして日本の会社で掘さくをしたかったのでございますが、海洋掘さくの経験がない。いわんやペルシャ湾においてというようなことは、とうてい日本人に求めることはできなかったのでございます。やむを得ず二年の期間を限りまして外国の掘さく会社に請負をさせたのでございますが、先ほど申し上げましたようにできるだけ早い機会に、全部が日本人によって掘さくをしたい、また現在ではそういうことができる経験も技術者もたくさんありますので、自信を持ってやり得ると思います。いろいろ関係の会社等と相談をして実現を早めたいと考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 鉱山局長にお聞きしたいのですが、国策会社でありながら、どうもわれわれの考えていることとかなり違った方向の、早く事業を軌道に乗せたい、早く利潤を生みたいということだと思うのですが、そういうやり方の中で、たくさんの油がこれから流れてくるだろうと思いますけれども、少しく設備過剰になりそうな日本の製油会社の現状からしても、油が多く入ってくるという場合には、需給のバランスが非常にくずれるだろうと思います。そうした場合に受ける国内資源、これは何も帝石だけでなく、銅であっても鉛であっても硫黄であってもその通りでございますが、こういう場合における需給の問題を政府はどういうふうに処置なさるか。特に国策会社に対してはどういう行政措置をとって——国内資源に対して好影響を与えるようなことが国策なんですから、外地に行った国策会社が内地のいろいろなものをいじめつけるような形で問題が遂行されていくとすれば、これは何のために国策会社として国は金を出したかということになります。そういう点はどういうふうにお考えになって行政措置をとろうとしておるのか。これは何も私は石油関係だけに言うわけではない。鉄もそうです。銅山も開発されているわけです。ただ、事例がたまたまアラビア石油と帝石の関係にあるから、その事例について聞いているわけですが、国策会社、国の資本を投じる、あるいは長期の経費によって援助されている、こういう開発が国内へ帰ってきた場合に国内産業をいじめつけるようなやり方に対しては、どういう措置をとろうとしてやっておるか、説明していただきたい。

伊藤繁樹通商産業事務官(鉱山局長)

○伊藤政府委員 ただいま、特に石油につきまして、これが非常に大量に輸入される場合、国内産原油の地位に影響を与えるのではないかという御質問でございましたが、幸か不幸か、石油につきましては、需要そのものは非常にこれから伸びて参ることになっておるわけでございます。所得倍増計画におきましても、十年後には九千万キロリットルの原油の輸入が必要であろうということになっておるわけでございます。さしあたり考えましても年に七、八百万キロの原油の需要増加はこの一両年、確実だと考えられるわけでございます。  一方、アラビア石油の開発は、先ほど参考人からお話がございましたように、油は明年大体百五十万キロ、それから一応八百万キロとか九百万キロとか、これは少し先のことでありますので、はっきりわかりません、そういう程度のものでございまして、大きな輸入増加のワクの中の一部を占めるだけのものでございますので、そういう意味におきまして、アラビア原油が入ってくることによりまして国産原油がどうこうということは直接にはないように考えております。先ほど全油鉱の参考人の方からも、そういう御意見があったように承っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 伊藤さんは法律を提出する前夜にあるから、あまりはっきりしたことを言えないだろうと思うけれども、参考人の方々に聞いても、あまり参考にならないような御答弁だと思うのです。もう少し、あすこはいけなかったが、あすこはよかったというようなこともあっていいと思います。大へん努力しているということはわかります。問題は非常に困難だと思います。ですから、私も今あえて——むしろ参考人の方々の御意見を聞くのがきょうの私の任務ですから、あとでまた機会があれば寛容な当委員会に出席さしていただいて、もう少し詳しくお聞きしたいと思いまするが、出光さんにお聞きしたいと思います。アラビア石油の硫黄の含有量が二・七%と申しておられますが、硫黄は精製なさると出るわけですね。これが皆さんの方では片手間に出るようなものですから非常に安く市場へ売却なさる傾向があるのじゃないか、こういわれております。この硫黄の問題については硫黄鉱山が非常に悩んでいるのです。精油会社は、弱小の硫黄会社からは、かなりその真相を明らかにして皆さんに説明をいただかないと、恨みを買っているのじゃないかとさえ思われるのですが、精油会社としては、この硫黄をばどういうふうになさって国内市場に出していられるか、説明していただきたいと思います。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 原油の含んでおります硫黄は、実は非常に困った問題であります。この硫黄をとってしまえばよいのですが、これは非常に高くつきますので、ただいま硫黄をとる装置というのはあまり方々にはない。何でそういうことをするかと申しますと、これを空中に出しますと硫黄の害があります。そのためにやむを得ず一部とっている。従いまして、原価は非常に高いのでありますが、市中相場が安いのでやむを得ず安く売っているわけであります。原価が安くて硫黄業者の方を困らせるというような意味合いでは決してないわけであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 出光さんはそうおっしゃいますけれども、関税が高くても、船賃が高くても株の相場は上がるし、配当は高いし、従業員にはかなりの給与を出せる。ですから、原価なんかどんなにも出せるわけです。しかも、あなたの方では硫黄の精製は本職ではございません。内職なんです。内職は原価計算に入れなくても済むわけなんです。国内市場が安くてとおっしゃるうちには安くするようにお出しになっている要素があるではないかということを探していただきまして、もしそういうことが販売ルートにあるとすれば、国内の弱小硫黄鉱山は大へん困っているのでありますから、十分お考えになって——出光さんだけいじめるのではない。精油会社全般に対して、あなを代表さして言って非常に気の毒ですけれども、十分考えて出していただきたいというふうに要望して終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 伊藤卯四郎君。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 菅野参考人の方にお伺いすることに関連しますので、先に鉱山局長にお伺いをしておきたいと思います。  それは、先ほど西村委員から質問いたしましたことについて、鉱山局長から、日本の石油開発の五カ年計画がまだ進行中であるので、第二次のことについてはまだ考えていない、このような意味に私は聞いたのですが、御存じのように、第一次五カ年計画は本年をもって終わるわけです。そこで、第二次計画を立てるとするならば、もうすでに立てなければならぬ。ところが、第一次計画というものは、油も目的に達したが、さらにそれに追加して天然ガスも驚くべき開発をされた。そこで、第一次計画はまずまず百パーセントの成功と言えるわけです。ところが、さっき伊藤参考人からもお話がありましたように、今後の石油開発、天然ガスの開発は無限大であると見られているわけです。ところが、第二次計画に伴う三十六年度の開発はどうなっておるか。すでに従来から年々国の投資資金が十億以上になっておったものを、何か通産省が大蔵省に百度参りをして、辛うじて四億円だけ投資してもらうことになった。しかもそれは本年度だけだぞというようなことを言われているというようなことも、私は陰ながら聞いている。そうすると、もし今のような状態で第二次計画をやろうとするならば、開発会社がかせいだ自己資金、それ以外開発の資金は見るわけにいかぬのです。というのは、そもそも開発会社の創立というのは国家資本が半分以上、民間はそれ以下ということになっている。従って、帝石を初めかなり民間石油精製会社も出資しているようである。ところが、国の投資資金が半分以上出されるということから、民間資金がこれに誘導されている。国が出さないということになれば、民間の一般油会社の方は出しません。これは当然のことです。そうすると第二次計画というものはゼロにならざるを得ない。そうするというと開発会社が自己資金でやるというなら、これは国の計画による開発じゃないと思うのです。また国が命令する資格はないと思うのです。そういう点について、局長は第二次計画について何か考えがあるかのごとく、ないかのごとく伺ったのだが、第二次計画というものを、そういう上に立って計画してやろうとされるのかどうか、三十六年度は今申したようなことであるが、しかしながら三十六年度中において、さらに第二次五カ年計画というのを完全に立ててやろうとしておられるのかどうか、その考えがあるのか、計画があるのか、それらについてはっきりとこの機会にお聞かせを願いたい。

伊藤繁樹通商産業事務官(鉱山局長)

○伊藤政府委員 三十六年度におきましてはただいまお話の通り、われわれといたしましてはできるだけ安定した資金で探鉱を続けたいということで、予算できまりましたより多額の政府出資を要求いたしたわけでございますが、ただいま先生からお話のようないろいろな経緯がございまして、結局政府出資は四億になったわけでございます。しかし政府保証は要求以上につきまして政府債務保証もふえましたし、そういうような関係もございまして、政府出資は減りましたけれども、借入金を大幅に増額するということを、目下考えておるわけでございまして、民間にも政府出資と大体つり合いのとれた出資をしてもらう。あわせて生産の方もようやく軌道に乗って参りましたので、借り入れ能力もふえて参りましたので、そういう政府出資なり借入金なり、それから開発部門からの借入金等も合わせまして、これはまだ確定いたしておりませんけれども、大体二十一億円程度の探鉱が継続し得るのではないかというふうに考えております。先ほど参考人から御意見の陳述がございましたが、ピークでは二十八億円くらいの探鉱をやりましたものでございますので相当の減少になりますが、いろいろ予算折衝の経緯におきまして、こういう結果になりましたことを御了承いただきたいと思います。ただこういう規模でやって参りますと、大体第一次石油資源開発五カ年計画の実現は、おそらく三十七年度中には終わることになりますので、従ってただいま先生御指摘のように、おそくとも三十六年度中には、この問題は基本方針を決定しなければならないというふうに考えて、目下考究中でございます。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 今、局長のお話しになることに私非常に疑問を持つのです。というのは借入金の政府保証の問題、借入金に対し今度五億ですか、それを国家保証をするということを、何か約束されておるようですが、これは借金です。この借金を裏書きするから民間に、君らの方は現ナマを投資してくれと言ったって出しませんよ。政府が国家資金を投資するところに、初めてそれに誘導されて出すのであって、開発会社が借金をする。しかしS・Kでは借りられぬから今度は政府が保証する、その保証借金に対して民間が現ナマを出そうということは、あなたはどれだけの交渉力を持っておられるか私にはわからぬけれども、しかし、これは国家資金を出すところに初めて出すということになっておる。S・Kが借金を借りるから、おれの方は借金をするから、お前の方は現金を出せということになっておらぬのです。だからそこにおいて借金の裏書きを多くするからといったって、これは一回々々大蔵省が裏書きをするものである。そこで果して、その裏書き通り金を出すかどうかも疑問なのです。それから他の油会社は、今申し上げるように現金を出すかどうかも疑問なのです。そういう不完全なことで開発資金の裏づけを計画するということは、私はもってのほかだと思う。そうすると、大蔵省では三十六年度四億しかこの国家資金を出さぬのですから、今後第二次五カ年計画を立てても、もうこれ以上は大蔵省から出させる見込みはないというのですか。国家資金を出させる見込みはないと思う。あとは借金の裏書きだけだ。それよりほかにもうちょっと見込みは立たぬ、こういう考えを持っておられるのですか、どうですか。それから大体事業計画、そういう開発計画というのは、通産省が指導権を持ってやらなければならぬ。大蔵省はそれに基づいて金を出すだけの使命しか与えられておらぬ。開発事業をするかどうかという産業経済の国策的使命を国として果たそうというのに対して、金を預かっておる大蔵省が、それをいややらせぬとか、いやこれは出さぬとか、それに百度参りをして出してくれなければしようがない、通産省の計画というものは、そういう程度の弱体なものですか。だからこの点について、いや三十六年度は四億だが、しかし、三十六年度第二次計画を立てれば第一次と同じように国家資金を出さす、ついては民間にも一はだ脱いでもらう、こういう考えですか。借金以上には見込みがないというのですか、どっちですか。

伊藤繁樹通商産業事務官(鉱山局長)

○伊藤政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもとしては従来の規模と同じ程度の、やや下回っておりますが、要求をいたしまして、ずいぶん最高首脳部の間でも折衝いたしましたけれども、結果は一応四億出資ということにきまったわけでございます。従ってわれわれといたしましては、本年度の計画といたしましては、一応この四億をベースとして、できるだけ——幸い生産の方も順調に上がって参りましたので、何とか開発部門の方でできるだけ借り入れをして、従来とそう下がらない探鉱をしていきたいということに考えておる次第でございます。三十六年度以降の問題につきましては、われわれとしては、さらに慎重にこの際研究していきたいというふうに考えておる次第でございます。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 どうもなかなかはっきりしないのですが、開発会社が借り入れ資金だけをふやして、この第二次計画というか、そういう事業をやる。その借り入れに対して国家保証の裏書きだけはする。そこで、しかしながら開発会社が一体事業をやって、どれだけ開発事業資金としての利益を出し得るかどうか、資金が出し得るかどうかというのは問題なのです。そういうことを無理さすところに、従って開発会社は、帝石関係からの常用工を四千人もとらなければならぬというのに、千人もとっておらない。そうして常用工を使おうとすると、大蔵省は干渉して、臨時工を使え、一体大蔵省にそういう権限がありますか。また大蔵省からそう言われて、通産省も黙っておらなければならぬという、そんな貧弱なことがあるでしょうか。大蔵省自体が、常用工を移動さすことは高くなるから、それにかわる臨時工をもって充てろ、そういう干渉をしておるのでしょう。それに対しも通産省は何にも言えないでいるじゃありませんか。さらに今度自己資金をもってやれ、借り入れ資金をもってやれということになれば、ますます開発会社は経営が——自己資金を出すために人間を少なくする、あるいは臨時工を使わなければならぬ、あらゆる点において、そのしわ寄せというのは職員というか、従業員に私はかかってくることは、もう論議の余地はないと思う。ここで私は、掘り下げていってあなたを一つとっちめようとは決して思っておらないけれども、それならば今私が申し上げることもあなた方のところで参考にされて、この三十六年度内において第二次計画というものを立てて、一つ思い切りやってみようということについての、そういう構想をもってやろうというお考えがありますかどうですか、この点だけを伺っておきます。

伊藤繁樹通商産業事務官(鉱山局長)

○伊藤政府委員 ただいまの御意見を参考にいたしまして、十分検討したいと存じます。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 それでは手形を一札取ったつもりでおりますから……。  それから菅野参考人の方に一つお伺いいたしたいのですが、先ほどから伺っておりまして、このアラビア地区における開発をやられるのに、外国開発会社に請負をもってやらされるというのは、私は時間的に当然なことだろうと思います。というのは御存じのように日本においては主としてこの開発会社が持っておるわけですが、いわゆる技術者、機械、そういうものはこの開発会社、あるいは帝石も一部持っておりましょうが、そこにほとんど集中されておりまして、海外へ持っていく技術者並びに機械、そういうものの余分なものはないと私は思っておる。いわんや海底を掘られるということになれば、御存じのように開発会社が秋田沖に持っておりますあれ一台を作るのに十億円くらいかかると私は聞いておる。しかもあれはアメリカで作っておる。日本でああいうのはできないわけですが、今後海底を掘られるということになれば、当然ああいうものが何台も必要ということになってくる。さらに新しい、この掘さくのそれぞれの機械は相当必要だ。そういうものの国内生産についての相談というか、そういう計画は、二年なら二年の後に日本の諸機械設備でやれるということを話し合いの上で進められておるのかどうか。それから技術者が限られて足らぬわけですが、この技術者についての養成というか、そういうものについての計画があるかどうか。これらの問題は長期計画を立てられていく上に非常に重要なことだと思いますから、国内の技術者と機械でやろうとすれば当然そういう基本的なものが完成されていかなければならぬと思いますが、それでやられるつもりか。やっぱり外国の開発会社に請負、依存してやった方がいいというのか。そういう点について私に一つわかりいいようにお聞かせ願いたい。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 先ほどもお答え申し上げました通り、現地の政府も日本人というものを非常に信頼して、日本人が実際に掘さくをやるということは非常に望んでおります。また私どもも日本法人として外国の石油資源を開発する以上は何とかしてわれわれの手でやりたい、こういう念願でやっておるつもりでございます。先ほど申しました通り、ことしの七月に第一組の方の会社の契約は切れますので、それまでに日本の会社と相談をしまして、そして今度は日本人だけの組で、つまり日本の会社に請け負ってもらって掘さくをしよう、こういう計画を立てて進めております。その場合、その機械はどうするかということになりますが、第一の組はちょうど秋田沖でもって白竜号を使っておりますが、あの白竜号と同じルトーノー式の移動式プラットホームであります。これはルトーノーというところで、パテントを持っておりまして自由には作れませんが、その機械は契約が終わったときに償却を見まして、こちらが望みさえすれば、相当格安の値段で譲り受けることができることになっております。できるならば、それを当社なりあるいは掘さくを請け負うであろうところの日本の会社なりに買ってもらって、そしてやりたい、かように考えております。それから第二番目の会社は、これは式が違いまして、固定式掘さくと申しまして、井戸を掘る場所にプラットホームを組んでしまいまして、その上にやぐらを立てて掘るという式であります。この方は別にパテントも何にもございませんから、このプラットホームを日本で作っておりますし、据付もやっております。組み立てもやっておるようなわけでございまして、これは日本の資材で日本人がやるのに最も適しておると思います。第一の方のものも、そういうふうにしてこちらのものにしますれば、結局日本の機械で日本人の会社がやるということになると思います。私どもはそれが一日も早く実現するように、かねがね御協力を得ておりまする石油資源開発あるいは帝石の方々と懇談を進めております。また養成のことを今御質問になりましたけれども、実は先ほども申し上げました通り、当社の開発の初めから、アラビア石油自体の技術者というのは、ごく数えるほどしかございませんで、ほとんど石油資源と帝石の技術者に来ていただいていろいろ指導していただいたのですが、そういう方が大てい半年とか一年でもって交代して相当人数が多くなっております。こういう方は現地の事情にも通じておられますし、また海洋掘さくの実際の経験もお積みになっておりますので、今後日本の会社でやる上においては非常な力になるだろう、かように考えておる次第でございます。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 今お聞かせ願ったように、海外の方で、特にペルシャ湾などの海底をおやりになるということになりまして、日本の限られた技術者、機械を利用されるということになりますと、当然日本の石油開発会社の技術者、機械、あるいは帝石の技術者、機械、この限られたものを話し合いの上でおやりにならなければ、当分間に合わないのじゃないかという気がするのです。そこで帝石の場合は民間でありますから、これは私どもがいざこざ言う資格はありませんが、開発会社の場合は御存じのように国策会社です。従って私どももこれに対して相当いいとか悪いとかと言わなければならぬ責任もあると思うのです。そこでお聞きのように、鉱山局長から国内の第二次五カ年計画をやるかどうかという問題について、今後考えるということになっておるわけですが、もしこれを活発にやるということになりますと、技術者も機械も、私は開発会社よりなお以上に必要であるだろうと思います。そうしますとあなたの方に協力する技術者、機械というのはなくなってくると思うのです。そこであなたの方でとっておやりになる条件が非常にいいということになってくると、第二次五カ年計画というものを救いの神のように思って、特に政府などは、もうそこで解決するからいいじゃないかということに、くらがえする危険性なしともいえない。でありますからあなたの方であまり技術者や機械を持っていくということになると、開発会社の方が自然消滅するような危険性が起きてこないともいえない問題があるのです。その辺についての人事の話し合いというか、あるいは機械設備の話し合いというか、そういうものはお互いに何か取引をして協力してやってもらいたいということで、そういうようなことがだんだん進められてあるのかどうか、その辺のことをちょっと一つお聞かせ願っておきたいと思います。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 当社が開発事業を始めましたときには、先ほど申しました通り、もっぱら石油資源開発会社と帝石の方々においでを願ったのでありますが、実は当社といたしましても、まだ草創間もないところでございまして、待遇その他につきましては、白人などに比べますと非常に少いものでございます。ところが現地の情勢は非常に苛烈でございまして、日中五十度をこえるというような酷熱の砂漠に続いたところでございます。それでございますので、まだ設備も十分でございませんので、実はこちらからお願いをして、ぜひ来ていただきたいというふうにして来ていただいたようなわけでございます。私どもの方の仕事も大事でございますが、何といっても、それぞれの本社の仕事が大事でございますから、その点は十分首脳部ともお話をいたしまして、本来の事業にお差しつかえない限りという条件は、いつでもつけておるようなわけでございまして、石油資源なりあるいは帝石の方で御都合の悪いときに無理やりにということはもちろんございませんし、十分打ち合わせて御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 私意見を述べてお聞きいただくことははなはだ恐縮ですが、これは希望としてお聞き取り願いたいと思います。さっきからだんだんお聞き取りいただいておりますように、私どもとしては、やはり帝石にも石油、ガスの国内開発を思い切りやってもらいたい、いわんや石油開発会社には石油、天然ガスの開発を国策として、第二次、第三次五カ年計画でもやっていかなければならぬ、こう考えておるわけであります。従いましてこれは国内の資源開発のために至上命令としてこれをやるべきであると私は信じておるわけであります。従いまして私どもそういう考え方で今後政治の面で努力しなければならぬと思っておりますので、あなたの方でその石油開発会社の方の人間や機械をあまりとってしまわれると、第二次、第三次計画が立たなくなるという危険性がありますから、それについては第一次の国内開発に非常に重要だということを頭に置いていただいて、一つ影響のない限りにおいて協力を願うということでおやりいただくことを、私は特にお願いしておきたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 齋藤憲三君。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 私は本日参考人の方々の御熱心な御意見を伺いまして、非常に益するところがあったことを深くお礼を申し上げたいと思うのでありますが、二月二十八日私は天然ガス開発を目的として、政府当局にいろいろ質問いたしておりますから、それを一応参考人の方もお読みを願えれば私非常に光栄だと思うのであります。私といたしましては、なるべく国定財源を豊富にいたしまして、たとえて申しますと、ガソリン税の一割くらいは海外及び国内の石油、天然ガス探鉱開発費というようなものに充当しまして、内外を問わず大いに石油、天然ガスの大増産を行なって、日本の将来における総合エネルギーの確立をはかりたいと考えておるのでありますが、これは政府当局に対する私の考えでございますから、きょうは時間もございませんので、参考人の方々にはそれに対する御意見は伺いませんが、ただ一点だけ伺っておきたいのは、ここに石油鉱業に関係しておられる従業員各位の生活の不安を一つ解消してもらいたいという言葉があるのです。これを読みますと非常に抽象的に書いてある。たとえば第二次石油五カ年計画が樹立されれば、それで一体従業員諸君の生活の不安というものは解消されるのか、私はそうじゃないと思うのです。たとえて申しますと、金属鉱床においては大体二十年間の埋蔵量を確保しておらぬと、その職場の安定というものははかられない。二十年間持っておるときには職場は安定しておるけれども、十年しか埋蔵鉱量がないということになると、その職場は不安定になってどんどん転職を始めていくというのが普通だと私は考える。そういう意味から考えていくと、皆さん方は生活の安定という点をどこに置いておられるか。先ほど第一次五カ年計画で六百五十万トンの国内石油資源の埋蔵量が確保されたとおっしゃるけれども、十年計画に、十年目には百五十万トン国内石油の開発をするということが書いてある。六十、七十、八十、九十と年々上げていけば、十年間に六百五十万トンでは持たないということになる。そうなると現状を確保していく上においても、今の埋蔵量では職場が不安定だということになるでしょうね、金属鉱床の例を引いていけば。そういうところに職場の不安定ということを、あなた方がお考えになっておられるのかどうかを一つこの際承っておきたい。どなたでもけっこうです。

伊藤誠光全国石油鉱業労働組合中央執行委員長

○伊藤参考人 これは私からお答えした方が適切かもわからぬけれども、先生のおっしゃいましたように、われわれの方は直接的な賃金の問題という以前に、いつまで働けるかというところを職場の確立ということに結びつけて考えておるわけなんです。そういう点で石油資源開発会社の方では、先ほど言いました通り、第一次五カ年計画の当初の予定通り六百三十万トンを突破する六百五十万トンにはなりますが、しかしこれはRPいわゆる可採埋蔵鉱量と年間の生産量との比率からいえば、大体今御計画になっておるのは、年間五十万か六十万トンとろうという御計画に聞いておるのです。そうしますと、これは十年足らずしてなくなる。しかもこれは減退を補って、さらに埋蔵鉱量を高めていきたいという御方針ではあるようですけれども、資金がない。資金がないところに幾らおっしゃられても、われわれの不安は解消できないということを非常に労働者は心配するわけなんです。そういう点で、先生のおっしゃられましたように、埋蔵鉱量というものを高める行為をしていただくことが、職場の不安をなくするということになる。こういう運動が国家目的にも沿うし、国民の利益にも沿うものだということで、われわれも心配し、その運動を進めているのが現状なわけなんです。帝石にしても大体ガスを主体にしてやっておるわけなんですけれども、これも石油資源開発の方に、三十年にかけまして鉱区の七割以上譲渡をして、石油をやめまして、大体天然ガスだけの方にいっておりますけれども、これとても三十一年、二年、三年にはたくさんの資金を投入しましたけれどもあまり成果は上がりません。最近、幾ら困難であっても自力でやっていこうということで、かなりの借金をして、ようやく三十三年の暮れから三十四年、五年にかけて、おかげさまで相当のガスの鉱量を発見しまして、おそらく百五十億から二百億くらいの埋蔵鉱量を発見されたと思いますけれども、これとてもさらに探鉱活動をしていかなければ職場の安定は期せられないのが置かれている実情でありますので、われわれとしては石油開発の方の石油と、帝石の方でやっておる天然ガスというものを、国家の立場で両方あわせて、石油及び可燃性天然ガスの探鉱活動ということでやっていただくということが、職場の長期的な労働安定の問題に結びつくのではないかということを考えているわけです。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 私も長谷川委員と同じように、日本には石油というものは七百万キロリットルとか、天然ガスは一千億だとか二千億だというような小さなものではない。とにかく日本は世界各国と比較して探鉱深度というものは問題にならない、だから思い切って開発をすれば、日本は石油はどうか知らぬけれども、天然ガスは世界有数な埋蔵量の発見というものは可能であるという観点に立っておるのです。ですからあなた方のおっしゃることもよくわかるのでございますけれども、一体どうですか、常に職場の安定を保つには、金属鉱床と同じように、二十年ぐらい大開発をやっても、常に埋蔵量の確保というものは、たとえばことし十億立方メートルとった、この十億立方メートルをさらに二十年間持っていけるように埋蔵量をつかむ、ところが来年は二十億立方メートルやったら今度は二十億立方メートル二十年間先行きを見込んでいくというふうなところまでいかないと、ほんとうの職場の安定感というものは私は得られないのじゃないかと思いますが、やはりそういうものを不安感ということに入れておられるのですか。あとけっこうです。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 時間がないようでありますから簡単に二点だけ御質問いたします。  第一点は、同僚議員の質問に対する菅野さんのお答えに疑義がございまするので、それをまずただしてみたいと思います。すなわち今後の開発事業にあたって、日本人を現地人よりより多く使用する旨のお答えがございました。ところがサウジアラビア及びクエートとの協定に、たしか人員採用の約束というのが取りかわされていると思います。その約束からいくとお宅の答弁に疑義が生じる、ここには出ておらないけれども……。そこで一体、それではあなたは相手国両国との契約を変更する意思があるかどうか、またあなたのお答えは変更せずに行なうということだとしたら、一体いつの時期に実行に移されるのか、またその他あなたのお答えに対する疑義がたくさんございまするけれども、きょうはもう時間がございませんのでその一点。  それからもう一点は、せっかく日本の山下さんが行かれてりっぱに油を出しておきながら、それを内地へ運んできますと値段が割合高い、国民が期待したほどにはなっていないというその原因です。これは俗に言えば向こうの王様に払うテラ銭が高過ぎるのではないか、こういう声があるのでございます。そのゆえにやむなく高くなっているのではないか。これも詳細に述べることを避けまするが、あなたとしては人を雇う場合の努力をすると同時に、コストを下げる努力をされるべきではないかと思いますが、これも山下太郎さんでないので答弁に困られるかもしれませんが、一体あなたの会社としてはどういう考え方、どういう計画がございますか。もし条約と申しましょうか、契約と申しましょうか、それを改正したいとされるならば、それはいつの時期に行なわれようとしておるか。

菅野義丸アラビア石油株式会社常務

○菅野参考人 先ほどの委員の方の御質問にお答えした私の申し上げようがあるいは悪かったからか、ちょっと今の御質問は私の申し上げようと思ったことと違っております。私は日本人が現地人よりも多くおるように、つまり日本人をたくさん使うようにという意味で申し上げたのではございませんでして、現在外国の掘さく会社に請け負わしておるのを日本の会社にやるようにしたい、それからなるべく国産品を使いたい、こういうふうに申し上げたのでありまして、実際の労務者の使用につきましては仰せの通り協定にはっきり出ております。それは十人の人を使う場合には、七人までは現地の人を使う、こういうことでございます。これはもちろんそれに適当した熟練した者がない場合には、これは使う義務はございませんけれども、相当の技術者あるいは教育を受けた者がある場合には七割まで使ってくれ、こういうふうになっております。その点は動かすことは現在のところではできないのでありまして、あくまで日本人は三の割合でもっていかなければならぬのであります。  それから価格の点でありますが、これは五〇%、五〇%の配分率が五六%ないし五七%になったから値段が高いというお説は、これはちょっと違うのでございます。つまり利益が出た場合の分配率が五〇、五〇か、五六かということでございまして、コストの問題ではないのでございます。利益分配率がそういうふうになっているわけでございます。もちろんコストを下げるということは、これは会社としては当然考えなければなりませんが、利益分配率が普通の石油会社と違うからそれで高くなる、こういうことではないのでございます。協定の上にも明らかにございますように、別に高く売れといっても、無制限に高く売れということではないのでございまして、普通の市場で行なわれている価格のうちで一番いい値で売れ、言いかえればそういうことでございまして、先ほども私から申し上げましたように、アラビア石油の公示価格は決してほかの石油の公示価格に比べまして、いろいろな政情その他を考えますと、割り高になっているというふうなことは考えておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 あなたと討論しようとは思いませんが、とにもかくにもあなたの会社を作る場合のことを振り返ってみますと本委員会において再三審議され、その結果これは日本の国にとって非常なプラスになるということのゆえに、内地の資源開発よりもはるかに膨大な政府資金が投入されている。私企業とはいうものの、言うなれば資金は政府資金の方が多いといっても過言でない。そういう会社は、言うなればこれは公共企業体とみなしても差しつかえない。そういう会社がせっかく目的を達して原油が出るようになった。国民こぞって喜んでいる。ところがあにはからんや値段は外国の資本で掘った油と比べてみてさほど安くない、むしろソ連の油の方が安いじゃないかということになりますと、必ずしも国民の期待に沿うたとは言えないと思うのでございます。従いましてこの点せっかく御努力をいただきたいと思うわけでございます。たとえばコスト引き下げに対しても、あるいは人を採用する場合にあたりましても、ほんとうに何がゆえにこれが生れ出てきたかということをよく御認識の上、仕事を推進していただきたいと思うのでございます。  第二番目にお尋ねしたいことは、石油、ガソリン小売価格は毎年々々値上がりしている。それでもなお需要はふえていく。従ってこれに対する会社の設立要請が次々と出ているわけでございます。これについて一つ出光さんにお尋ねしたいのでございますが、一体今後どういう会社の増設をより早く認めるべきであるかという問題でございます。なぜこんなことをお尋ねしなければならないかと申しますと、輸入されます原油の値段は、大体日本の国も諸外国も、世界カルテルがあるがゆえにほとんど変わらないように聞いております。ところが同じコストのものが内地に輸入されまして、これが加工されます。で、市場に売り出されるころになりますと、いわゆる消費税抜きのコストを比較してみました場合に、諸外国の内地売りの値段と日本の内地売りの値段とに大きな開きがあるのでございます。なぜそんなに内地で加工された油が高くならなければならないのか、この点。  次に、同じように輸入量、外貨割当を受けて、これを加工して、また同じような値段で売っておきながら、石油精製会社の納めなさる税金を調べてみますと、これに大きな相違があるのでございます。出光さんの方は割合多く納めていらっしゃる方で、おそらく随一でしょう。だからこれはトン当たりの税金を調べて——消費税抜きの場合ですよ、メーカー部門にかかっていく税金を会社ごとに調べてみますと、ここに大きな高低がある。従って、それが何がゆえにそうなってくるかと調べてみるまでもなく、あなたのところはたくさん出している。その他のところは少ないという結果は、問題は、一次資本に課税される率の問題だと思うのでございます。まさか帳簿にうそがあるとは考えません。そこで問題になる点は、ほんとうにコストを引き下げるという問題と、それからより国家に貢献する、民族に貢献するという意味において、今後会社が要望していらっしゃる加工設備の増強許可にあたっては、今申し上げましたような諸条件を大きく加味して許可をするということが、最も民族的であり、最も国家的であると私は思うのでございますが、出光さんはいかようにお考えでございましょう。

出光計助出光興産株式会社副社長(石油連盟理事代理)

○出光参考人 先ほど、まず第一の、日本が外国よりも高いという問題はありますが、これはコストの上におきましてはその違いはないと思います。ただ、英国あたりでは重油は日本より高いのでございますが、これは石炭の価格の関係だと思います。(加藤(清)委員「それは内地保護のための操作だ、そういう点は問題じゃない。」と呼ぶ)それから、ただいま各社とも非常に増設あるいは新設等がありますが、これは日本の需要の増加を申し上げると、非常な急テンポで増加しておりますので、各社ともあわてて、消費者に迷惑をかけないようなつもりで、盛んに出るわけでございます。それから、いわゆる石油ブームといいますか、利益追求というような意味合いで、企業欲からやられるわけであります。こういうものに関しまして、どういう基準を持ってやるかということは、今あなたがおっしゃったような基準がまことにいいと思うのでございますが、どうも私は役所と違いますので、ここではっきり申し上げかねますが、これでよろしゅうございますか。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑ないようでありますから、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多忙中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。当委員会の調査に資するところがきわめて大であると考えております。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。      ————◇—————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  来たる十五日水曜日午前十時より、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案及び中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律案の四法案を審査のため、商工組合中央金庫及び相互銀行協会の代表の方に、参考人として当委員会に出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、人選、出頭の手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十四日火曜日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後二時七分散会

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