商工委員会 第8号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/02/24
会議録
○中川委員長 これより会議を開きます。 連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。 東北、北陸地方の雪害に対する金融措置等に関する問題について、大蔵委員会に連合審査会の開会を申し入れることにいたしたいと存じますが、御異ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお連合審査会開会の日時に関しましては、大蔵委員長と協議の上決定いたしますが、一応来たる二十七日月曜日午前十時開会の予定であります。 ————◇—————
○中川委員長 次に、鉱業に関する件について調査を進めます。 本日は本件調査のため参考人の方々が御出席になっております。この際参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は御多忙中にもかかわらず、本委員会に御出席下さいまして、まことにありがとうございました。御承知の通り政府におきましては、昨年の六月貿易為替の自由化計画の大綱を決定いたしましてから以後、着々その線に沿って自由化品目を広げつつある模様であります。従いまして、それが各産業に及ぼす影響も非常に大なるものがあることは申すまでもございません。そこで、本日は特にこのような経済の情勢下における金属鉱業界の現状その他種々の問題点について、業界を代表される方々及び金属鉱山労働組合を代表される方々より、それぞれの分野における率直なる御意見をお伺いし、本委員会の調査の参考に資したいと存じまして御出席をわずらわした次第でございます。参考人におかれましては、何とぞ忌憚のない御意見をお述べ下さるようお願いいたします。ただ時間の都合もありますので、最初に御意見をお述べいただく時間は、大体お一人十五分以内にお願いをし、後刻委員から質疑もあろうかと存じますが、そのときに十分お答え下さるようお願いいたします。 それでははなはだ勝手ながら、御発言の順序は委員長に御一任願うことといたします。まず樋口参考人より御発言をお願いいたします。樋口参考人。
○樋口参考人 私はただいま御指名をいただきました日本鉱業協会専務理事をしております樋口重雄でございます。日本鉱業協会と申しますのは、地下資源産業のうち、石炭、石油、天然ガス等を除きました金属、非金属の鉱業者の団体でございます。本日はわが国の鉱業界の現状につきまして、この商工委員会で公述する機会を与えられましたことを、私ども深くお礼を申し上げる次第でございます。 わが国の鉱業界の現状は、一口に申しますと、現在非常な危機に臨んでおるということが実情でございます。これは貿易自由化を契機として、一そう深刻になって参ったわけでございますけれども、問題は自由化のみではございません。その以前からの引き続いた問題であったわけであります。私どもはいわゆる日の当たらない産業ということで、諸外国に見るような見るべき政府の保護政策も得られないまま、自分の企業努力と体質改善によりまして、終戦時の荒廃状態からようやく立ち直ってきたばかりの状態でありますところに、貿易自由化の大波が押し寄せてきたというわけでございます。 私どもの鉱業は、御承知のように自然条件、鉱床規模の様相等も諸外国に比しまして非常に劣っております。しかも諸外国で行なわれておりますような、鉱業育成の措置が十分に確立されていないという実情であります。しかも鉱産物は御承知の通りに国際商品でございまして、その価格は常に海外の価格の騰落に従って変動するものでありまして、外国の鉱産物と、はだかのまま競争をしていくということは、非常に困難な物品であるわけでございます。 諸外国の実情でも見られますように、鉱業というものは、鉱業者みずからの努力と、それから政府の鉱業政策、この二つのものが、車の両輪となって、互いに相待って成立し得る性格のものであると存ずるのでありますが、諸外国に比較しまして、自然条件が劣っている上に、諸外国でとっておりますような鉱業政策も確立されておらないというような条件でございますので、わが国の鉱業界は非常な苦しい立場に追い込まれておるようなことになっておるわけでありまして、このままの状態でもって貿易自由化ということが行なわれますならば、わが国の鉱業の一部は整理縮小もやむを得ない、また鉱山によっては、壊滅に陥るものがあるというような状態になっておるわけであります。 わが国の鉱業が、現在直面いたしておる状態は、現状のままこれを放置して、これを自由化によって整理縮小していくか、あるいは、せめて外国並みの施策を実施して、これが育成をはかっていくか、生かすか滅ぼすか、このどちらかという岐路に立っているわけでございます。もちろん私どもといたしましてはわが国における産業政策の一環といたしまして、鉱業の重要性を皆様方に認識していただきまして、鉱業に対する施策の確立を希望するものでございます。先生方におかれましても、鉱業に対するこのような認識を持たれまして、鉱業政策の確立に御援助下さるよう希望いたす次第でございます。 鉱業に対しましては、この自由化問題を初めとして、種々の問題がございます。価格がどうしても海外よりも割高であるということで、現在産業高度化ということが叫ばれている現状におきまして、安い原料を使うことが、高度化のためには絶対必要だ、国内の高い原料を使うよりも、安い海外の原料を買ってきて使えばいいじゃないかというような、需要業界からは大きな声も出ております。また学者、評論家の中にも、そういう考え方を持っておられる方もございます。企画庁の方から出ました経済白書にも、そういった思想が流れておるやに思われます。こういう思想は、私ども鉱業界にとっては非常な問題でございます。 私は今日、鉱業界全体の考え方を代表いたしまして、ただいま結論的なことを申し上げたわけでございますが、時間の許す限り、資料によって鉱業の実情をお話し申し上げまして、鉱業政策の確立、実施につきまして、御後援をお願いいたしたいと思う次第でございます。 お手元に差し上げております「金属鉱業の現状と今後の対策」というパンフレットがございます。これをちょっとお開き願いたいと存じますが、その第一ページに、主として金属鉱業についてでございますが、金属鉱業の特殊正といたしまして、五つばかりあげております。これはすでに御承知のことでございますが、金属鉱業には立地条件の選択が不可能である。また鉱量、これはつまり原料でございますが、鉱量が有限かつ再生が不可能である。三番目は、常に探鉱によって、原料である鉱量の維持、拡大をはかっていかなければならない。四番目には、鉱業の仕事というものは、非常に多額の資本投下を必要する、しかもその資金の獲得が容易でない。五番目には、鉱産物は国際的に偏在しておりまして、しかも国際商品であるため、価格の変動が非常に激しいといったようなことが、金属鉱業の特殊性としてあげられるのではないか。 次に金属鉱業の現状といたしまして、年産状況その他列挙してございますが、これは一々表を御説明申し上げるひまがございません。生産状況は次第に増加しておりますが、それほど急激な増加は望めない。産業のこういった仕事の性質上望めないわけでございます。 二番目の輸入依存度は、次第に需要が増大して参りまして、国内生産では追いつかなくなって参っておる。従って輸入依存度がふえてきておる。銅なんかにいたしましても、五〇%以上現在は原料を輸入しなければならないというような状態になっております。従業員の数は鉱山精練所並びに金属鉱山ばかりでなしに、非金属鉱山も全部入れますと、約十五万人くらいの従業員に相なるわけであります。生産の推移は大体二十六年度の銅、鉛、亜鉛については二倍程度になっております。 次のページに参りまして、国際競争力から見たわが国の金属鉱業、わが国の鉱業の生産規模は外国に比して非常に規模が小さい。 その次に、埋蔵鉱量の比較とございますが、大体わが国の鉱山は小鉱山に分散しております。ためにアメリカの二十五分の一程度でございます。次に年間の生産量はアメリカ、チリーに比して五十分の一程度でございます。それから精練所の生産規模はアメリカの五分の一、チリーの十分の一程度の小規模のものでございます。労働生産性はアメリカの一人当たり生産量の十五分の一程度でございます。そういった資料が並べてございますので、後刻ごらんを願いたいと存じます。 そのあとに政府の自由化の計画の大綱、その他の表が並べてございます。それから金属鉱業の自由化対策と在り方という表題の中に、日本鉱業協会の日本貿易自由化に関する見解、これは先般貿易自由化に関しまして私の方で発表いたしました見解をここに掲げてございます。 最後に、わが国産業構造における鉱業の在り方に関する日本鉱業協会の見解発表といたしまして、これはお手元に別冊にこういう赤い小さいパンフレットを差し上げております。これは最近私どもで主として学者、評論家の方々から発表されました、鉱業、農業は貿易自由化に非常に不適当な産業であり、産業高度化のためにはある程度整理縮小もやむを得ない産業に属するのだ、いわゆる弱体産業もしくは衰退産業に属するといったような見解に対しまして、私どもの見解をまとめた小冊子でございます。それの前文は省略いたしまして、三ページに鉱産物の輸入についての問題という表題で書いてございますが、ここに書いておりますことは、結局整理縮小をする日本の鉱業は、もう大部分を整理縮小してしまうんだということになりますと、日本の金属鉱業が生産しておりまする銅、鉛、亜鉛その他の原料を海外から永久にしかも格安に輸入し得るという見込みがなければ、そういう前提に支えられておらなければ、そういった結論は出てこないんじゃないか。それではそういった輸入が永久に続き得るかどうか、わが国に一つもそういった産業がないということになりますと、どうしても海外から輸入する場合には、比較的割高のものを輸入しなければならないという不利がございます上に、この金属鉱業の山というのは鉄鉱石や石油とは多少違いまして、それほどたくさんの資源があるわけでございません。昔は銅、鉛、亜鉛、銅は希少物資とまで言われたものでございます。そして供給が非常に偏在しております。世界どこにもあるというものではないのでございます。それで国際商品でありますが、常に国際緊張だとか、また供給国における社会不安、労働情勢の悪化等の原因によりまして価格が急激な変動をいたしまして、またその流通が阻害される、そういう例はしばしばございます。たとえばこの前の朝鮮事変のとき、それからスエズ運河動乱の際、流通が非常に阻害されて、わが国における銅価が五十万、六十万にまでも上がったというようなこともございますわけでございまして、そのためにアメリカのような国でさえストックパイル政策をとりまして、この産業を保護しているわけであります。もちろんわが国の産業の高度化をはかるということは必要ではございますけれども、その反面においてこの鉱業の転換ないしは整理縮小を企図するということは、ちょっと飛躍した議論ではないか。むしろやはり国内の鉱業というものは、一つの安定した供給源としてこれを育成していくべきである、これは我田引水かもしれませんが、そういうふうに私どもは考えるわけであります。 次に四ページに、わが国鉱業の国際競争力に関する問題として、国際競争力が全然ゼロであるというわけでもないのでありまして、多少の保護育成策がとられれば十分に国際競争力を持ち得るのであるということを列挙しているわけでございます。そこにニッケル、硫黄の例なんかをあげてございますが、省略をいたします。 五ページに国内有望資源発見の可能性、国際競争力を培養するためにはどうしたらいいかといいますと、これは探鉱をやりまして、国内有望資源を発見していくということが必要であるわけであります。まだ無探鉱の地域がたくさんございます。現在大鉱山としてありまする日立か花岡とかその他の大きな山でも、昔はごく埋蔵量の少ないいわゆる小鉱山であったわけであります。それが最近の探鉱技術の発展その他によりまして、現在のような大鉱山に発展して参ったわけでありまして、最近におきましては、六ページの上の方に例がたくさんあがってございますが、こういった各山で新しい鉱床がどんどん発見をされているわけでございまして、こういった探鉱の必要性ということは、鉱業にとってはこれはもう非常な致命的な必要性があるということでございます。探鉱をたくさんやりまして資源がたくさんに見つかるということになりますと、生産コストも安くなるということで、自然と合理化が進むわけでございますが、この探鉱の資金というものは一般の鉱業会社ではなかなか借りがたい。これは非常な危険投資と見られまして、いわゆる一般の金融の対象になりにくいという面がございますので、この探鉱資金の調達ということについては、特に政府において配慮をいただきたいと思っているわけでございます。 次に七ページに、鉱業助成策の必要性といたしまして、諸外国の鉱業に対する助成策を列挙してございます。詳しくは後ほどごらんをいただきたいと存じますが、諸外国においてこういった助成策をとっておるわけでございますが、日本でもせめて諸外国並みの助成策をとっていただきたい。整理縮小を決意する前に、まずこういったせめて外国並みの助成策をとって、そうして安定供給源としての鉱業を育成していくという方向にお考えを願いたいというふうに思うわけでございます。 八ページの第三番目に全産業の均衡的成長策の必要性ということでございますが、現在の機械工業その他高度加工工業も、現在は非常ないんしん産業になっておるわけでございますが、これはやはりその工業だけが発展してきたということではなくて、やはり日本の産業全体の発展に伴って発展をしてきた。機械工業なんかにつきましても、電源開発計画の推進とか、輸出船ブームとか鉄鋼、石炭その他の各種基礎産業の合理化、近代化、そういったようなことに必要な設備投資、それからまた一般国民の耐久消費材に対する需要、そういったようなものが機械工業いんしんの背景になっておるわけでございます。やはり均衡した日本の産業全体の発展ということを考えていく必要があるのではないか。鉱業におきましても、鉱業が機械工業の重要な材料の供給者であると同時に、また機械類の有力な消費者であるという面も忘れてはならないことだと存ずるわけであります。 最後に、九ページ、四番目に雇用政策上の問題としてあげてありますことは、鉱山のあるところは山間僻陬の地にある、そういうところにたまたま鉱山があるということが、その地方をうるおす非常に大きな収入源になっておるということは事実でございます。その地方の文化、雇用緩和その他に非常に貢献をしておるわけでございます。一説には、鉱山は閉鎖して、その労働力を高度加工工業に持っていけばいいじゃないかということをいわれますが、こういう山間僻陬の地の労働力というものは移動性が非常に少ない。なかなか都会に出て働こうとしないという特殊性がございますので、これはやはりこういった僻村にある鉱山を育成していくということが、いわゆる所得の地域的格差の是正に役立つという意味におきましても重要なことであると存じますし、また雇用政策上も、この労働力を移動するということが非常に困難であります性質を持っております以上、やはり鉱山を経営してその地方にうるおいを持たせるということが必要ではないか。そうしないと、これが純然たる失業者となって相当大きな社会問題にもなってこやせぬかということを考える次第でございます。 最後に結論でございますが、たびたび申しますような、結局鉱業政策というものを確立していただいて、鉱業の育成策をとっていくことがわれわれの希望するところでございまして、ここに一から六にわたりましていろいろ具体的な対策を書いておるわけでございますが、関税の改正ももちろん必要でございます。価格の問題あるいは税金の問題、輸入機関の問題、思惑輸入を防止する措置、いろいろなことが考えられるわけでございますが、しかしこういうものを考える前に、まず鉱業というものを育成すべきかどうかという前提が解決しない以上、こういった問題は解決ができないわけでございます。やはり鉱業というものはある程度育成していかなければならないという前提が理解されて、初めてこういった対策が考えられるということでございますので、そういう点についての理解を持っていただきたいということを念願するわけでございます。貿易自由化をこのままの状態で実施いたしますれば鉱業は壊滅の状態になるということでございますので、こういったいろいろな対策を立てていただいて、鉱業の自由化は最もおそく、最終段階においてこれを考える必要があるのではないかと私どもは考えておるわけでございます。石炭、石油につきましては、同じ地下産業でございますが、多額な財政資金によりまして非常な援助を与えられております。金属鉱業、非金属鉱業に対しましては、鉱業政策らしきものが、皆無とは申しませんが、ほとんど見るべきものがないといったような状態で放置されておるということは、非常にアンバランスではないかというふうに私どもは考えておるわけでございまして、こういった点に関しまして御理解をいただき、鉱業のあり方を理解していただきまして、今後の鉱業に対する自由化の問題に対して御協力と御援助をお願いいたしたいと思う次第でございます。 一応鉱業の全体のお話は終わりまして、ごく簡単に、実は最近当面しております国鉄の運賃問題を一言だけ申し上げたいと思います。最近国鉄の運賃が上がるわけでございまして、これは一五%の一律値上げということでございますが、国鉄では昨年の七月に、不増収不減収という原則のもとに等級の改正を行なったわけでございまして、御承知のようにこのときに、高級貨物はむしろ運賃が下がり、低級貨物は多少等級が上がったために運賃が上がったわけでありまして、鉱業界は七月におきましても、物によりましてはトン出たり三十円程度の値上げ、業界全体では二億程度の値上げが実施されたわけでございます。それが半年過ぎた今日、またこういった値上げということになりますと、物によりましてはトン当たり百五十円から二百円の値上げになり、業界全体といたしましては十一億程度の運賃の負担増になるということでございまして、この再度の値上げ、これは需要先に吸収さしたらいいじゃないかということでございますが、先ほど申し上げましたように鉱産物は国際商品でございまして、外国の相場によって価格が左右されるという特性がございますので、運賃を需要者に負担していただくということは全然できない。これは何とか山元で吸収しなければならない。山は赤字に悩んでおるところも非常に多いのでございまして、これ以上の運賃負担はとうてい不可能である。鉱物は御承知のように、金鉱石なんかは何十万分の幾つといったようなことでございまして、非常な大量の石を運ばなければならない。製練所は山から遠くにある。どうしても鉄道で運ばなければならない。こういった低価格物資——まあトン当たり二、三千円程度の非常に安い物資を遠くまで運ばなければならない産業の特性上、こういった運賃の値上げを吸収する余地は、もうほとんどないわけでございます。そういう実情でございますので、国鉄の公共性というところに着目されまして、こういった基礎物資に対する運賃の値上げは極力これを避けるように処置していただきたいということを、念願いたす次第でございます。 はなはだ時間を超過いたしまして恐縮でございますが、一応私のお話はこれをもって終わりたいと思います。ありがとうございました。
○中川委員長 大へん恐縮ですが、参考人の方が多いようでございますので、時間を大体十分間程度で一つお願いいたしたいと思います。 次に松沢さんにお願いいたします。
○松沢参考人 私は同和鉱業の松沢でございます。私の会社は、銅、鉛、亜鉛の製練業と硫化鉄鉱、それから銅、鉛、亜鉛の鉱石の国内鉱山の経営、この両方をやっております。海外の鉱石や国内の鉱石を買って製練をする仕事については、これは後ほど三井金属の尾本さんからお話があるはずでございますから、これを省略いたします。 それから国内鉱山につきましては、後ほど中小の立場から諏訪鉱業の高野社長がお話しになるはずでございますが、私たちも鉱山が幾つかありますが、中には日本では比較的大きい山もあるし、小さい山もあるという状態でありまして、全体として見ましても日本全国の生産量を一社で生産しておるアメリカなんかと比較すれば、われわれの会社もアメリカにいけば、中鉱山の仲間入りもできないというような程度でございます。日本の鉱山業は初めからそういう貧弱なものであったかといえば、戦前にはりっぱに海外に太刀打ちをして輸出をしておった時代もあったわけなんでございますが、戦争中にあすの鉱量を考えないで、きょうの鉱量を掘れというありさまで、資源産業は極度に痛めつけられまして、戦争が済んで、その復旧と新しい鉱床の発見のための探鉱に努力し、その間に新しい技術によって合理化の努力をして、その効果は相当上がったわけなんですが物価の値上がり、賃金の絶えざる上昇に追われて苦しい経営を続けているままに、この自由化という大問題に直面しておるわけでございます。先ほども話がありましたように、私たちの商品はほかの商品と違って一般物価につれて上がるものじゃなくて、国際物価に左右されてはさみ打ちになるというつらい点があります。現に銅の建値は昨年の十月に三十一万二千円から二十八万円に下がり、さらにことしの一月、これが二十七万二千円に下がりました。この四カ月間に四万円の値下がりを見た次第であります。一般に物価の値上がりムードと言われている時代には、ちょっと想像のできない実情であります。 次に、今言われておる産業構造高度化の時代においても、国内鉱山はぜひ必要だということであります。海外にのみ依存することの不安であること、それから全産業の高度化のためにはすべての産業がバランスのとれた成長をしなくちゃ、ほんとの健全な産業の発展とは言えないということ、それから山間僻地に山があって、労働力は付近の山村に依存して、その従業員は十五万もあってその家族を合わせれば六十万もあって、地方の経済財政に寄与していることは先ほどお話がありましたが、きのうの新聞を見ますと、自民党では低開発地域工業開発促進法という法案を出される運びになっておるように聞いております。この新聞によりますと、低開発地に工業を誘致して、雇用の拡大と地域間の経済的格差を縮小するために税法上いろいろの特権を与え、必要な事業資金の確保を援助し、道路、港湾その他の整備までもやられるというように聞きました。もちろん多額の国家資金を投じて、新しい工業を低開発地に誘致されることはけっこうでありますが、その前に、まず今ある産業をつぶさない施策が必要だ、こう私は皆さんに特にお願いしたいと思います。 それから鉱山は、ほかの工場と違いまして一度閉山いたしますと坑道はつぶれて使いものになりません。それから景気がよくなって再び始めようといったって、初めからやり直す方がもっと経済的にいく。再開するということはもうほとんど不可能なものであります。こういう性質のものであるがゆえに、諸外国においても鉱山業においてはいろいろな助成策が講ぜられておることと思います。この際国に対してお願いしたいことは、今いろいろな鉱業対策が政府においても考究され、一般にもいわれておりますけれども、とにかく国内鉱山が必要であって、これはもうつぶさないのだ、保護し将来ともこれを持っていくのだという基本的な国策をはっきりと打ち出していただく、そうすればすべての方向が一本にきまって、いろいろ論議されていることも自然に解決していくのじゃないかと思います。鉱業という仕事は、言ってみれば地下に眠っておる資源を掘り出して社会の用に供する、いわば国の宝をクリエートするような仕事でありますので、極端にいえばもう何年間は地下資源からは——鉱業のようなところからは税金を取らないのだといったような思い切った太い線をこしらえていただくことさえ必要ではないかと思います。 その他の私たちの希望いたします政策については、先ほど鉱業協会の専務理事からお話がありましたから省略いたします。これをもって終わります。
○中川委員長 次に尾本さんにお願いいたします。
○尾本参考人 私は三井金属鉱業の尾本でございます。 国内の鉱山の育成あるいはその維持発展をはかる、こういう問題につきましては、先ほど樋口専務理事並びに同和鉱業の松沢さんからるる説明がございました。これについては私ども全く同感でございます。私の会社におきましても神岡鉱山といういわば世界的な規模の山も経営をいたしております。しかしながらここに問題になりますのは、日本の非鉄金属の需要が年々と大きく増大をしてくるということであります。この増大をする需要に対してどういうふうにしたらいいのか、需要が増大すると値段が上がるだろう、これは全然考えが違うのでありまして、ほかの品物とは違いまして、先ほどからお話がございますように、国際相場によって価格がきめられる、こういう宿命を持ったインダストリーであります。従いまして需要がふえれば値段が上がるだろう、こういうことは全くないのでありまして、需要がふえてしかも値段が下がっていく、こういうようなことがしばしばあったわけでございます。そこでその不足の地金類をどうするかというような問題につきまして、関連のございます地金を輸入すべきか、あるいは鉱石を輸入して、われわれの手でわれわれの経営と労働力によって、これを精練して日本に供給をすべきか、これらの問題について私は特にお話を申し上げたいと思うのであります。 現在どんなことになっておるかと申しますると、たとえば銅で申し上げますと、地金の輸入が昨年度昭和三十五年度におきまして六万トンくらいの地金が輸入されております。国内の生産は、これも非常に増大をした数字でございますが、大体二十四、五万トンという数字になっております。この二十四、五万トンのうち、どういう原料からこの地金が出ておるかということでございますが、大体国内の鉱石から八万五千トンないし九万トンぐらいだろうというように考えられます。これに対しまして輸入鉱石から出ました地金が九万トンないし十万トンというようなところではないかというように考えられます。さらにそのほかに古滓類、スクラップ類、こういうものから六万トンないし七万トンくらいが出ておる、こういうのが実態でございます。亜鉛におきましては全体の生産が約十八万トンでございます。亜鉛は比較的国内の生産の比率が多うございまして、十八万トンのうち約十三、四万トンというのが国内の鉱山から出ておる地金でございます。輸入鉱も若干ふえて参りますが、三万トンないし四万トンくらいが輸入鉱石から出ておる、こういうような実態でございます。 現在がそういう状態でございますが、通産省の調査によりますところの昭和四十五年度、つまり今から約十年後、政府の所得倍増計画の最終年度じゃないかと思いますが、この場合における銅の需要はどのくらいになるかといいますと、通産省の計算によりますと五十七万五千トン、それから鉛が二十万トン、亜鉛が四十万トン、こういう需要が見込まれておるわけであります。この需要の増大に対してわれわれは国内鉱山だけではとうていこれを供給することはできない。従ってわれわれとしてはこれを輸入鉱石に仰ごうというような考えを持っておるわけであります。 そこで地金を輸入すればいいのか、あるいは鉱石を輸入した方がいいのかという問題に国家としては、国民経済としては当面するであろうというふうに考えるわけでありますけれども、これは申し上げるまでもなく、鉱石で輸入すれば地金で輸入するに比べまして外貨の支払いが、亜鉛の場合だったら半分で済むだろうと考えております。また銅、鉛の場合でも六割ないし七割といったような対外支払いで済むであろうということも考えられます。また雇用の問題を考えてみましても、国内の製練所に仕事を与え、雇用を増大していくというようなことは非常に大事ではないか。もしもこれをかりに地金で輸入してしまって、もう国内の製練所も要らない、どんどん地金を輸入したらいいじゃないか、こういうことになったと仮定いたしますと、国内の製練所はもちろん壊滅をいたしますし、またこれに続いて国内の鉱山は存在し得るかどうか、国内の鉱山から出る鉱石を海外に輸出するというようなことができるかどうかということを考えてみますと、やはり国として当然地金輸入よりは鉱石を輸入して、そして日本の雇用を増大していくということが非常に大事ではないかというようにも考えられるわけであります。また国内の価格のコントロールという点から考えてみましても、消費者ないし商社がどんどん輸入をしてしまうということになりますと、価格のコントロールは全然できない。しかしながら鉱石で輸入して、われわれ製練業者の手を通して、この地金を経済社会に供給するということになるならば、われわれの協同によっていかなる施策もまたできるというような点もあろうかと考えられるわけであります。 そんなような意味におきまして、製練所を持っております各鉱山会社は世界じゅうの各地に調査隊を派遣いたしております。南米のチリ、ペルー、ボリビア、こういうところ、私も参りましたが、砂漠のようなところの中に天幕を張って、われわれの同胞がそこで日夜探鉱をいたし、調査をいたしております。またアフリカのようなところにおきましても調査を進めております。東南アジアのフィリピンあるいはタイ、インド、ビルマ、これらのところにおきましてもわれわれの同胞がジャングルの中あるいは砂漠の中に困苦欠乏に耐えながら調査にいそしんでおるわけであります。しかしながらこれらの調査というものは相当に大きな資金が必要であります。大体このような調査権をとって、調査を三年間なら三年間いたすというように仮定いたしますと、一つの山の調査だけでも一億円くらいの金が飛んでしまうわけであります。しかも調査は必ず成功するとは言えない。大体私は六割ないし七割くらいは失敗に帰してこれを捨ててくると思う。調査の結果だめだといって捨ててくる、また捨てなければならないと存じますけれども、そういうような企業的なリスクも、また人間的なリスクも相当多いわけであります。こんなようなことで海外の鉱石の開発をやっておるわけでありますが、現在までにはわれわれの力で海外で開発をして日本に来る鉱石というものは、まだまだはなはだ少ない。わずかにフィリピンにおいて二、三の山の開発ができたという程度にしかすぎません。その他はいずれも今の輸入は商社による通常取引による輸入しかないわけであります。ところがこの通常取引によって鉱石を買うということは、国際的な競争が非常にはげしいわけでありまして、あるいはまたその間に入りますユダヤ人の商社その他になかなか振り回されるというようなこともございまして、はなはだ不利な条件で、現在は入れざるを得ないという状態であります。われわれとしてはなるべく早くこういう状態を脱却して、われわれの手で開発をして、われわれの手で海外から鉱石を持ってくるという時代をできるだけ早く作りたいと思いますが、現状における輸入鉱石の採算というものは決して有利ではないということが言えるわけであります。 大体鉱石を買います場合には、その中に入っておる金属量、それにそのとぎの価格をかけまして、その含有金属価格から所要の製練費、精製費等を差し引いて買うわけでありますが、その所要の製練費、精製費というものはだんだんたたかれてしまいまして、銅の場合でございますが、現在では一トンの鉱石の製練費、精製費が日本の円に換算しまして、昨年の大体の各社の平均が一万六千円くらいにしかならない。電気銅の一トンに換算いたしまして、先方が認めてくれる精練費というものは二万六千円くらいにしかならない。ところがこの値段というものは日本の港に着いたときの値段であります。従いまして日本の港から製練所まで持っていくいわゆる国内運賃、先ほど運賃値上げに対する反対論もだいぶございましたが、国内の運賃の問題、あるいはユーザンスをやる、LCを開設したり、ユーザンスの手形の利息を払う、あるいは鉱石を買ってくれた商社に対するコミッション、こういうものが大体一万六千円くらいかかってしまう。そうすると銅の場合の輸入鉱石というものは製練所に着いたとたんに、先方で認めてくれた精練費というものが帳消しになってしまう。ほんとうの精練費というものは先方では全然みてくれないといったような買鉱状態になってしまっておるわけでございます。従いまして現状においては私は四万五千円ないし五万円、銅の場合精練費がかかると思いますが、それはもちろんできた製品の運賃あるいは本社費とか、利息とか、こういうものをひっくるめまして四万円ないし五万円、これは各社によって若干違うと思いますが、かかると思うのであります。そのくらいの価格の差がなければ、海外における価格の値段と日本の価格の値段との差がなければ、その鉱石を製練していくことはできない、こういうのが実態でございます。これをかりに全部関税ということにいたしますと、大体二割ないし二割五分といったようなところになるわけであります。しかしながら関税は現在一〇%であります。今までの日本の保護政策は、関税の一〇%のほかにFA制、つまり自由化をしない、そのために大体二割ないし二割五分という価格差が現在までにあったわけであります。これを自由化して、とたんに自由化の分だけとってしまって一〇%の関税だけにしてしまうというようなことになるとするならば、これは国内鉱山だけがだめになるのではなくて、製練所もともに壊滅になってしまうというようなことはきわめて明らかであります。従いまして私どもといたしましては、自由化をできるだけ延期していただく、あるいはまた関税を引き上げていただくというようなことが考えられるわけでありますが、私はここでぜひ申し上げたいのは、アルミニウムに対して一五%の関税を大体認めるというようなことを仄聞をいたしておるのでありますが、アルミニウムの場合には国内に一トンの鉱石も出るわけではございません。これは全部輸入鉱でございます。従ってアルミニウムの一五%というものは、完全な輸入鉱製練所保護である。それならば、国内の鉱山にも影響のある国内の銅、鉛、亜鉛の製練所に対する保護というものも、当然アルミニウムと同じ、あるいはそれ以上の関税をかけて保護をしていただいてよろしいのではないか、非常にアンフェアではないかということを訴えたいのであります。従いまして輸入鉱石が非常な利益を持っておる、従って輸入鉱石からある程度の調整金をとればいいじゃないかというような考え方は、事実できない相談でもありますし、また製練所を大いに発展さし、そして規模も大きくし、先ほどの専務のお話のように、小さな規模ではいけない、大きくして、製練費のコストも安くして、国内への寄与もできるように、また同時に非常に不利な条件で買鉱をしております輸入鉱、これに対しては海外活動によってできるだけ有利に持ってくる、こういうことによって国内鉱山の育成をはかり得るのではなかろうか、しかしながらまだその段階ではない、従って海外資源の開発ということについても政府は大いに助成をし激励をしていただいてしかるべきものではないかというように考えるわけでございます。従いまして国内鉱山の施設といったような問題につきましては、やはり財政支出によって他から財源を持ってきて保護育成をしていくべきものではないかというように私は考えるわけであります。
○中川委員長 次に高野さんにお願いします。
○高野参考人 私は中小鉱業対策推進中央本部長をしておりますので、その立場から、わが国における中小鉱山の現状や、私どもの要望をしておりまするところの問題をかいつまんでお話を申し上げたい、かように存じます。 鉱業全般の実情については、先ほど鉱業協会の樋口専務理事からお話がありましたので御存じのことと思いますが、わが国の金属非金属鉱物を産出しておりまする従業員三百人以下の中小鉱山は、全国稼行鉱山の九五%を大体占めておるのが現状であります。非金属鉱物を産出しておりまする鉱山は一〇〇%中小鉱業であると申し上げても過言ではない、かように存じます。その数は約二千でありますが、これに探鉱中の中小鉱山を加えますると約三千の多きに達するのであります。これを昭和三十四年の生産比率について見ますると、そちらに添付書類がございまするが、中小鉱業と大鉱業の鉱種別生産比率をごらんになっていただきますとわかりますが、大体半分以下になっておるというのが現状でございます。これらの中小鉱山は鉱床規模がきわめて小さい。先ほどの説明にもありましたように、国際競争力がはなはだしく劣っているということは言うまでもございません。従って現在貿易管理下にある鉱産物が自由化されますると、文字通り致命的な影響をこうむるのは、これらの中小鉱山であるのでありまして、私ども中小鉱業者といたしましては、これに対処すべき鋭意体質の改善への努力を傾倒しておるのでありまするが何しろ中小鉱山は、御承知の通り資金的な制約が非常に大きい、また技術水準も低いということがありますので、企業経営の合理化による体質改善にもおのずから限度があるのでございます。それで国家の手厚い保護助成なしでは、将来ともに国際競争力に対抗していくことはまことに至難であるというふうに思うのであります。 現状は以上の通りでありまするが、今日の大鉱山が、もとはやはり中小鉱山であるということから考えても、有望な中小鉱山に対する国家の助成がよろしきを得たならば、大鉱山への発展の機会をつかむことができるというふうに存ずるのであります。これは中小鉱山の積極的探鉱を推進して鉱床規模を拡大するということが、根本的な問題に相なるのであります。つまりこのような観点から、政府におかれましても、所得倍増計画の一環として、本年度を初年度とする新鉱床探査十カ年計画を樹立されましたことや、また政府の重要施策の一つに中小鉱山の育成強化を取り上げられたことに対しましては、私どもといたしまして、まことに感謝にたえないのであり、また敬意を表しておるのでありまするが、この方針に基づく具体的施策の実現につきましては、いまだに見るべきものがない。私どもの期待には遺憾ながらほど遠いものがあるのであります。私どもは産業救済的な考え方からでなくて、日本の産業の発展の基盤としての安定供給源を確保する見地に立って、昭和三十一年以来、中小鉱業振興対策を継続していろいろの面を要望してきたのでありまして、本年度の要望につきましても、各関係方面に訴えておりますことは御承知の通りと存じます。 せっかく与えられたこの機会にごく簡単にこの要望点につきまして御説明を申し上げたい、かように存じます。 三十六年度中小鉱業振興対策に関する要望といたしまして、まず第一に、新鉱床探査補助金制度の強化拡充、これをお願いしておるわけであります。二番といたしましては、設備近代化補助金貸付制度の強化拡充、三番といたしまして、鉱山機械貸与制度の強化充実、四番といたしまして企業診断並びに技術指導の充実強化、五番といたしまして、鉱産物の需給並びに価格の安定策の確立、六番といたしまして、中小鉱業に対する税制の合理化並びに金融の円滑化、七番といたしまして、鉱山関係道路に対する助成、こういう面を要望いたしておるのであります。 いろいろございますが、この中でも特に重要なものといたしましては、新鉱床探査補助金制度の強化拡充ということであり、もう一つは二番目の設備近代化補助金貸付制度の強化拡充、もう一つは鉱産物の需給並びに価格の安定策の確立、もう一つ中小鉱業に対する税制の合理化並びに金融の円滑化、この四つはぜひ一つ一段と強化をお願いいたしたい、かように考えておるわけです。 探鉱というものは、鉱業は御承知の通り地下に埋蔵されておるところの鉱物を掘採する業でありまして、鉱業を経営し、その安定した発展を遂げるためには、やはり常に一定鉱量の確保と将来に備えた増加鉱量の把握が大切であるのであります。つまり採掘によって減耗する資源を探鉱によって補てんしなくてはならないので、絶えず新しき地域に対する新鉱床の探査が必要に相なってくるのであります。 この地下資源の探査の事業としての危険性はきわめて大きいのでありまして、かつまた多額の資金を必要とするので、企業の負担のみでは万全は期し得ない、特に中小鉱山は資金的制約が大きく、技術水準も低いので、自力のみによる探鉱はまことに困難であるのであります。従って国家の助成を必要とするということに相なるわけです。大鉱山へ中小鉱山から成長発展していくのが一般でありまして、鉱業発展の基盤を充実させる意味よりいたしまして、一段と強化していただきたいということがわれわれの希望であるのであります。 それから設備の近代化補助金貸付制度の強化ですが、これは御承知の通り自由化等の問題もありますし、設備を近代化して能率の向上をはかる、そうして海外の鉱石に対して太刀打ちをしていく態勢を確立するということは非常に大切な問題でありますので、ぜひこれを増額していただきたいということをわれわれ要望しておる次第であります。 それから鉱産物の需給並びに価格の安定策の確立ですが、これは先ほどもいろいろとお話しいたしました通り、鉱産物は国際商品でもあり、値段の高低が非常に多いというような関係もあり、また自由化に対処するという面からいって、何とか安定的な一つの施策を確立してもらいたいということをわれわれは強く考え、また要望しておる次第であります。 それから金融の問題ですが、御承知の通り中小鉱山は経済力が非常に乏しい、また信用力にも比較的乏しいというようなことから、この金融面をもっと拡充していただいて、すみやかに一つ貸してもらうというような面にぜひやってもらいたい。同時に利子の問題などにつきましても、相当の期間を定めて、今の九分何厘というようなことでなくて、七分くらいの利子で一つやってもらいたいということを、強くわれわれも要望したいと考えておるわけです。ぜひ一つ御協力を願いたい、かように存じます。 同時に最後にあたりまして、わが国の鉱業はいずれにしても自然的条件に恵まれておらないということ、その上に自由化等のような関係、同時に突如としての国鉄運賃の値上がり等よりいたしまして、まことに窮境に追い込まれるような状態に相なっておることを非常に憂慮しておるわけです。どうか代議士の方々におかれましても鉱業としての重要性を、十分あらゆる角度から検討していただきまして、わが国の鉱業が維持繁栄できるような、根本的な鉱業政策を確立してもらうことを、私は強くお願いいたす次第でございます。私が申し上げると何だあの理論はとお思いになるかもしれませんが、何分にも鉱産物はやはり天から与えられたきわめて貴重な天然資源であり、しかも有限のものであって、二度と再び生産は許されない、これがあらゆる産業の根源となって、われわれ民族、人類の文化生活に寄与しておることは、きわめて甚大であるといわなければなりません。これなくして文化の生活はあり得ないと申し上げても、私はあえて過言ではないというふうに信ずるのであります。そういうつまり重要な鉱物資源、しかもおひざ元にあるものを、海外から来るものが幾らか安いのだという面にしわを寄せて、そうして国内のものを活用するという面を考えない、これを軽視するようなことは、非常に許されない問題ではないかというふうに思うのであります。従いましてまけばはえる、あるいは植えれば育つ、卵を産ませればふえるのだというような、りっぱな資源もまたありますけれども、とうとい面においては数段高い存在にあるというふうに考えることもあり得ると思うのであります。どうかあらゆる角度からわが国の実態、世界の情勢を真剣に、深刻に検討していただいて、わが国の鉱業が維持繁栄できるような根本的な政策を、一つぜひ出していただくことをお願いいたして、私の公述といたします。(拍手)
○中川委員長 ありがとうございました。 次に沢田参考人にお願いいたします。
○沢田参考人 私は金属鉱山労働組合の沢田であります。 先ほども経営者の側の参考人の方々が申されましたように、わが国に鉱業政策といえるものがはたしてあるかどうか、こういうような御意見がございましたけれども、私もはなはだ疑問に思っておるものであります。ただいまから私が鉱山労働組合を代表して申し上げることは、多少批判がましいところもあろうかと思うのでありますけれども、率直に私ども労働者が考えておる意見を述べまして、国会が有効適切な措置を講ぜられることを強く望むものであります。 まず最初に現在の鉱業政策というものがありまするならば、その柱というものについて私どもは申し上げたいというふうに考えます。私は政策と申します以上は、その中心になる柱というものがなければならないと思うものであります。その柱を中心にして一つの体系が作られ、そしてそれがそれぞれ補い合って金属鉱山の発展と繁栄を企図するものが政策であろうと存ずるのであります。そこで現在の鉱業政策の柱となっていると思われるものは何かと申しますと、率直にいってそれらしいものが私の考えでは見当たらないのであります。わずかに銅につきましては銅安定帯価格制度というものがあります。なぜこのようなものが作られたかということを私なりに考えてみますると、銅が国際商品であり、かつ価格の変動が著しいことは御承知の通りであります。高いときには四十万円もしたかと思うと、これが二年くらいの間に二十六万円にも急落するという状態でありまして、生産者である鉱山はもちろんのこと、主要消費者であるところの電線あるいは伸銅業界も、ともに安定操業という角度から考えるならば相田困難なことがあるのは当然であります。特に鉱山の場合は、他の産業と違いまして、急に増産もできない、あるいはまた操業角度からいって減産もできないというのが実態ではなかろうかと考えます。従って鉱石が売れないとかあるいははなはだ安くなる、こういう事態が参りますと、休山または閉山せざるを得ない、こういう状態に必然的に追い込まれることになるのであります。こうして一度鉱山というものが休山いたしますと、その再開のためには、新規の鉱山を開発すると同様の経費がかかることは、金属鉱山の特質でもあるわけであります。ここにおいて、一般の機械工業が一時中止して再開するのとは根本的にその性質が異なることを御理解願いたいのであります。ともかく価格の安定が、こうした状態を防ぐためには何といっても必要であるということになるのでありまして、こういう制度が作られたわけでありますが、しからばこの制度の内容を私なりに簡単に考えてみますると、次の通りであると思うのであります。
○中川委員長 沢田さん、これを皆さんに配ってあるようですから、従ってこれを全部読まれておりますと大へんな時間を要するのですが、概要だけを、恐れ入りますがお述べいただきたい。
○沢田参考人 ということでありまして、今委員長が申されましたように、皆さんにすでに配付してありますので、詳しく条文を読むようには説明いたしませんが、いずれにいたしましても、現在安定帯価格制度があるわけでありますけれども、こういうような状況で三年間現在まで続けて参りました。従って大過なく現在までは過ごしておりますけれども、私どもはこの制度というものが、ほんとうに現在まで金属鉱山の発展とか、現状に対して寄与したというようには考えられないのであります。つまり現在まで金属鉱山がある程度安定できたということ、あるいはまた国際的に見まして十年の間に五割の増産というものを現出せしめた原動力というものは、この安定帯価格制度にあるのではなく、国際価格がある意味で、ある程度の高騰を続けた、こういう結果であろうというように考えております。従って現在におきましては、その当時と違いまして、アメリカの景気の後退あるいは欧州の中だるみ、こういうことによって非常に銅の値段というものが下がっておるのであります。さらに一月の下旬から二月の情勢では、アメリカの建値はさらに一、二セント下げられるというような見通しがあるわけでありますけれども、アフリカの事情とかあるいはコンゴの事情というように国際的な不安な情勢から、最近ではどうやら市中相場の建値を下回っております。しかしながら世界的に供給が需要を上回っているということから見まして、こういう根本的な事情は何らの変化もないのであります。従って現在においても安心できるという状態でないように考えるのであります。 このような事情に直面いたしまして、国内の銅鉱山の平均生産原価は二十八万円であります。これに比較しましてアメリカあるいは南米のチリ、アフリカ等を考えてみますと、日本の鉱石よりもその原価が低いことは否定できません。これは先ほど経営者側の参考人も申し上げましたように、日本の生産原価の割高の原因の最たるものは、何といっても日本の鉱山の状況が、非常に天然資源賦存条件が悪い、また細脈掘り、低品位、こういうようなことに基因するのであります。その反面において、技術的には大手産銅六社というような大手各社においては、アメリカ技術の導入等によって大体一流の線になっておると考えております。しかしながらこのように天然資源賦存条件の非常に劣悪な日本が、どうして今日まで経営を維持できてきたか、こういうことを私どもは考えてみたいと思うのであります。 それは日本の労働力というもの、労働賃金というものが非常に低位にあることで、これは世界各国の定評のあるところであります。しかも私ども金属鉱山は、その最右翼といおうか左翼といおうか、私は適切な表現は見出し得ないのでありますけれども、ともかく自国、他国を問わず、工業国家においては見られないほどの低賃金をもって、この不況というものをカバーしておるというのが実態であります。こういう状況において反面の意見としては、そんなに割高になる国内生産というものをやめて、安い外国の銅を買った方が、国民経済の観点に立って妥当ではないか、こういう意見もあろうかと思います。私の知るところでは、経済企画庁などの意見もそのようなものであるというように考えられますけれども、私は鉱山労働者として、また資源の少ないわが国の産業の長期安定を願うものとして、このような見解には納得できないのであります。 具体的に申し上げますと、しからば外国から銅を買う、こういうことになりますと、どういう結果が日本の経済に現出するかということを考えてみる必要があると思います。 第一の問題としては、銅を全部外国から輸入するということになりますると、国内鉱山の産出銅分として九万トン、その副産物を含めて三百億円以上の輸入増となるわけであります。あるいはまた国内鉱山の大半が外国と太刀打ちできない、こういうことから、鉱石で六百六億円とここに書いてありますが、このように多くの国家的な外貨を、外国に支出しなければならない状態になることは当然の結果であります。さらにはまた現在銅埋蔵鉱量が一億一千万トンあるといわれております。さらに現在把握されておる埋蔵資源を私どもなりに時価に換算すると、一兆五千億円に達すると私は考えております。なお今後発見され、開発されるだろうという数字を考えてみますると、膨大な国家としての資産になることが当然考えられます。このような貴重なしかも資源賦存の少ない日本の立地条件において、このような資源というものを、現在の目先の採算で、外国から買った方が当面安い、こういうことでこれを埋没せしめてしまうことが真の国の政策であるかどうか、またこれを積極的に開発すべきかどうか、こういうことは私は多言を要しないところであるというように考えるわけであります。さらにまたこの点は特に私どもとして重要なことであると思いますが、もしかりに今のような積極的な政策がないままに自由化された場合は、経営者側の参考人が申されておりましたように、金属鉱山が壊滅状態になるわけであります。特に私ども労働者としては、この点は重要な問題であるというように考えざるを得ません。現在金属鉱山の労働状況は、多くの農村の潜在失業者を吸収しておるという実態にあります。また、鉱山労働者の特質として、徳川時代から五代も六代も鉱山労働に従事しておるという特殊な条件もあるわけであります。あるいはまた地方自治体との関係あるいは地域における所得格差の是正、こういうものにも大きな貢献をなしておるわけであります。これが一挙に現在のままで自由化された場合には、大きな社会問題になることは当然の結果として考えなければならないことである、このように考えております。 そこでしからば、鉱山というものをつぶして外国から買うという角度に立った場合でも、ほんとうに長期に、しかも安定的に、しかも安価な外国鉱石を輸入できるという保証が現在においてあるかどうかと申しますと、私は不安を感ぜざるを得ないわけであります。しかも銅、鉛、亜鉛、こういうものについては国際カルテル化しつつある今の情勢から考えて、安く安定的に供給されるという可能性は一そう減退するであろうと考えるのであります。以上を要約して申しまして、非常に資源の少ない日本としては、国際収支の点からも、あるいは国民経済の点からも、人口問題、雇用問題、そういう諸点から考えましても、地下資源の開発、こういうことに対して積極的な政策を講ずることが非常に必要なことではないか、こういうように考えるのであります。 次に、忍は先ほど申し上げましたように、現在私どもの判断としては、政府にほんとうに鉱業政策としての価値のある政策が現存しない、こういうような理解に立っておるものでありますけれども、政策以前の問題として、この自由化に対処するために、通産省の徳永次官が、徳永構想として——これは政策ではないと思いますけれども、構想を発表しております。これに対する私どもの意見を、若干述べてみたいと考えるのであります。政府は貿易の自由化を決定して、主要地金は三十八年度に自由化される予定であるというように聞いておりますけれども、自由化のテンポが早められる結果、おそらくは三十七年度中に実施される公算が大になっておるというように考えるわけです。そこで金属鉱業の自由化対策が、とりもなおさず今後の金属鉱山政策の柱とならなければならないわけであります。私どもはその政策について次のような意見と要望を持つものであります。 その政策の柱というものは、何としても、経営者側の参考人が言われましたように、国内の金属鉱山あるいは製練所に対する適切な保護措置を講ずる、こういうことにその重点を置くべきであるというように考えるわけであります。具体的に申し上げますと、その一つとしては、価格面で安い外国地金あるいはまた鉱石に対抗できないから、対抗できるような保護関税というものを設定する必要があるということであります。それが不可能な場合は、価格差補給金、あるいはそういうものを国内鉱山に支給する、こういう必要があろうかと思うわけであります。皆さんに配付したパンフレットの中に五点を、私どもがお望みしておるわけでありますけれども、こういうような裏づけが必要であると考えております。私どもが今五点ここに述べておりますことは、きわめて常識的なことでありまして、当然なさなければならないことである。こういうことはすでに諸先生方の御理解を得るところであろう、このように考えます。しかしながら口ではそう言っても、これはなかなか実行されない状態にあるわけであります。保護関税の問題にしても、二〇%の輸入税を課しますと、国内鉱山は大体輸入地金の脅威を受けずに済むわけでありますし、一番簡単な方法でありますけれども、これには関連産業である電線、伸銅業界が強く反対しておるようであります。そこで何らの積極的な政策を見ないまま現在に至っておるわけでありますけれども、その苦肉の策として出て参ったのが、つまりプール価格あるいは徳永構想というような、政策以前の問題として出ておるのであろうと私どもは考えるわけであります。この徳永次官の考えておる構想を、私どもは少し立ち入って考えてみますと、多くの欠陥を持っておるというように指摘せざるを得ません。たとえば国内鉱石産出の地金価格を幾らにするのか、こういうことが明確にできないのであります。またいつもきめられた価格を政府が守ってくれるのかどうか、つまり支持価格制をとるかどうか、こういうこともはっきりしていないのであります。徳永構想というものを私どもが考えてみる場合、ただ単に行政指導の色彩が非常に強いわけであります。自由化によって非常に苦しければ、業界内部でその苦しみを分かち合って何とかしていくべきだ、こういうような消極的な方法ではないかと考えております。私は政府が国の産業発展のために、てん菜糖、または国内産出として非常に少ない石油産業等にいかなる政策をとっているか、こういうことについては具体的にはわかりませんけれども、これよりさらに比重の高い金属鉱業というものに対して、ただ自由化のために苦しければ業界が割勘——これは言葉は悪いわけでありますけれども、そういうことによって切り抜けようとする消極的な態度については、非常に不安を感ずるのであります。この点についても私どもはここに詳しく述べておりますので、これを御参照いたされましてよろしく御審議を願いたい、こういうように考えるのであります。 次に、私は鉱産物の支持価格制度の実施について述べたいと考えております。それは私ども金属鉱山の労働者はもちろん、経営者の方も一致して要望しておるようでありますけれども鉱産物の支持価格制度の実施であります。従来は外貨割当あるいは関税で保護されて参りましたが、今日のごとく何ら見るべき政策のないままに、もし貿易の自由化が実施いたされますと、しばしば申し述べますように、非常に憂慮すべき事態になることは必至であります。そこで先ほど触れましたように、通産省は徳永構想によってこれに対処されようとしておりますけれども、このような消極的な政策のみでは、根本的に金属鉱山の保護というものはなされないというように考えております。もちろん、この構想の中にも、私は、善意に理解いたしますと、何とか保護しなければならない、こういう零囲気といいますか、考え方はある程度あるようにも理解できますけれども、そういう点については、私は異議をはさむものでございませんが、この国内鉱山保護という趣旨を理論的に一〇〇%生かすことになりますと、どうしても支持価格制度になることは疑う余地がないのであります。なぜ通産省が支持価格制度を打ち出さずに、プール価格制度を打ち出したか、こういうことを考えてみます場合に、私どもはよく存じませんけれども、おそらく支持価格制度即価格差補給金になるということにあったように推測しておるのであります。私どもが念願しているのは、支持価格制度が政策として確立されることであります。従って、政府がこれを保証することにあるわけであります。私どもは政府が支給する気になれば、価格差補給金でなくとも、開発助成金とか探鉱奨励金とか、あるいは減税とか、いろいろな方法があろうかと思うのであります。従いまして、支持価格は、当初は先ほど申し上げましたように、平均生産原価を若干上回ったところに置き、一定期間据え置いて次第に国際価格に近寄せていくべきである、こういうように考えております。私ども国の生産価格というものが国際的に平均化されていく、こういう方向に対しては努力する必要があるというように考えております。ただこのことは労働者の犠牲によって国際価格に近寄せられていく、こういうことについては、私どもは、労働者としては賛成するわけには参らないわけであります。特に池田首相が言っておるように、所得倍増という観点からいっても、自由化のために労働者が賃金を切り下げられる、首を切られる、こういう政策というものについては、労働者として私どもは当然賛成できないわけであります。以上が、私どもが多年要望し続けて参りました鉱業政策の概要であります。 私どもは去る一月、私どもの連合会の全国大会を開きまして、貿易の自由化を契機といたしまして、金属鉱業政策を確立しなければ、国内の鉱山はもちろんのこと、鉱山労働者も非常に不幸な将来を予期せざるを得ません。私どもは石炭労使のあの血みどろな決戦をできれば避けたいというように考えておるわけであります。しかし避けるためには、ある場合には生活権を守るという立場から戦いもあえて辞さない、こういう決定をいたしております。私どもの熱意と決意は非常に強固になっておるわけであります。幸い私は今日諸先生方に対して所見の一端を開陳する機会を与えられましたことは非常に喜びとするわけであります。願わく国の最高機関であるこの国会において、民主的な、しかも長期発展と繁栄の基盤に立った金属鉱業の政策が確立されますように、諸先生方の御指導と御援助と御努力を心からお願いいたしまして、私の意見を終わります。 —————————————
○中川委員長 以上で参考人の方々の一応の御意見の開陳は終わりました。 委員より質疑の通告がございますので、順次これを許可いたします。長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 きょうは参考人の方々に対しまして、心から厚くお礼を申し上げます。われわれ商工に携わって審議を続けておる委員一同としても、これらの点に対しまして非常に見解が狭かったというような考え方を持たざるを得ない実情であったと考えます。 二、三御質問を申し上げたいと思うのでございますが、今日の日本というこの国が、非常な生産力を持って、そして世界に誇る産業を押し立ててきた事実の上に立って、従ってここに所得倍増という点も必然的に行なわれていくであろう、よってきたる原因というものは、どこにあるかといいますと、この原因は、日本の産業構造の発展を見て以来でありまして、その最も基幹とするものは重化学工業であるということは申すまでもないところであります。従って重化学工業に対する第一次産業である鉱業、これを最も重視した上に立って行なわなければならない施策であると考えるのであります。この鉱産物のいかんによって、今世界の中にまれに見るというこの産業というものは、右にも左にもいく、あるいは日本の世界に誇る産業とは言いながら、現在まだ大風が吹けばどういうふうによろめくか、その基盤がはっきりしておりません。こういう点から見て、鉱業をなさっておる皆様方の業界がいかに重要であるかということであろうと思うのであります。これに対する今日までの施策が不十分であったということは、これらにつきましていろいろ今日まで議論はかわされましたけれども、本年度に入りまして新たなる三十六年度予算を組み立てるのにあたりましても、不十分であることはしかりであります。しかし振り返ってみて、われわれが認識不足であるというのみでなく、皆さん方の方にしても、これらに対するPRが非常に不足であったということはいなめないところの事実である、そういうふうに私は考えます。 従って御質問申し上げますが、鉱産物の自由化ということについて、非常に皆さんはおびえており、国内の産業が滅亡するであろうというようなお考えのもとにあるようでございます。私は、それは大きく考え方が違っておるのじゃないだろうか、こういうふうに私なりに考えを異にするものであります。従って現在の情勢から見て、自由貿易というものは必然的処置である、こういうふうに私は考える。しかし皆さん方がおっしゃるような実情であるとするならば、貿易の自由化を行なわんとする政府が、これに対する施策をどのように考えているか、こういうような角度から見て、今後の鉱山業というようなものに対する施策は、どういうように施されていくか、施さしめるかという、こういうところに皆さん方の使命もあり、従ってわれわれの使命もそこにあると信じてやまないものであります。 こういう点について、自由貿易がそれほどというように、いろいろの角度からお聞きしましたが、業界としては自由貿易はあくまで御反対だという御意見でございますか、まずこの一点を樋口さんから伺わせていただきたいと思います。
○樋口参考人 お答えいたします。 貿易自由化は必要ではないか、これには反対なのか、大体そういったような御質問かと存じます。私ども、このわが国の産業構造の発展の上において、貿易自由化政策は、ぜひ必要だというふうに理解はいたしております。しかしこの貿易自由化も一律一体にやるということについて、非常な疑問を持っておるわけであります。鉱産物は、先ほど来るる申し上げますように、いろいろな特殊性を持った商品でございまして、現在のような状態でそのまま自由化するということには非常な危険がある。つぶすということならば何をか言わんや、育成するという建前をとられる以上は、貿易自由化をする前に、相当な施策が必要ではないか。なお諸外国の例を見ましても、完全に鉱産物を貿易自由化しておる国ばかりであるかどうかというと、必ずしもそうでないと思います。ただ単に諸外国において何%は鉱産物も自由化しておるといったようなことがよく言われますが、その国々の特性というものを考えてみなければいかぬと思うのでございます。鉱産物は自国に全然生産がない、輸入だけにたよっておるという国もございますし、輸出のみをやっておって、自国では生産はあるが製練はしていない、外国に売るだけでやっておるというような国もあるわけです。また日本やアメリカ、また豪州のように、自国で出産し、自国でそれを製練、製品化し、なお一部は輸出もやるが、一部輸入もやるといったような国もあるわけでありまして、それぞれの国情によって自由化に対する態度は違っておると思います。そういうような日本と同じような国においては、完全なる自由化ということは行なわれていないのではないかというふうに、私どもは理解しておるわけでございます。これは私どもの認識不足かもしれませんが、ともかく自由化の原則には反対ではございませんが、鉱産物の自由化については種々の施策をとったのち、もしもそれが十分にとれて成果が上がった後において自由化をしていただきたいということを考えておるわけでございます。 しからばその施策とは、どういうことをやるのかというような御質問も関連があったかと存じますが、これにつきましては、私どもの差し上げました印刷物にも列挙してございますように関税の問題とか、あるいは価格の安定の問題とか、思惑輸入を防止する問題とか、いろいろなとるべき措置がたくさんにあると存じます。こういう一つ一つの施策につきまして詳しく申し上げているひまもないと存じますが、そういう施策が十分にとられた後において、自由化をしていただきたい。現在日本において行なわれております貧弱なる鉱業政策の実情において、このまま自由化するということは、私どもは反対でございます。
○長谷川(四)委員 機械の貿易が自由化をされていく、しかし原料は自由にはさせないのだということにもなるわけなんですが、こういう点は議論のあるところですから、あとに譲ることといたします。 いろいろ皆さん方のお話の中にありました、わが国の資源が非常に少ないということなんでございますが、これだけ狭いわが国の国土の中に資源がどのくらい埋蔵されているだろうかというようなことを、国で最新式の機械をもって国内全土を探求したことを聞いておらないのですが、何々という種類のものは不足だとか、これならば何とか鉱業化する可能性があるとか、こういうようなことをはたして国自体がやっているかどうか。私の聞く範囲内においては、まだ国内の全土を——今から何十年前には半分くらいはやったことはあるけれども、今日はさらに最新式の機械を使ってやったことがないということであります。今日は飛行機で探鉱することができるというくらいな機械がたくさんあるのだそうです。こういうような点についていかがでございましょう。国内は全部探鉱したけれども、国内にはほんとうに皆さんがおっしゃるようなわずかなものしか、もうないのだと断言できるかどうか、一つ尾本さんから伺わせていただきましよう。
○尾本参考人 ただいまの御質問は、日本の全国の資源がどの程度あるかという御質問のように思われるのであります。また新しい方法による探鉱が行なわれたかどうか、こういう御質問だと思うのですが、私もその方面の専門ではございませんので的確なお答えはできないと存ずるのでありますけれども、現在政府の鉱山局に、たしか毎年四月一日だったと思うのですが、JIS規格による埋蔵鉱量の報告を出しておると存じます。従いましてそこにある程度集計されたものがあると存じます。 探鉱の方法につきましては、昔のようにただ穴を掘っていくというだけではなくして、その後に非常に発達をしましたのがボーリングであります。百メートルも二百メートルも深い穴を、きわめて簡単にくってそれを調べる、こういうことが発達をいたしました。これによって埋蔵鉱量の増加ということは、非常に成果が上がったように私は聞いております。特にここにきょう参考人として参っております同和鉱業の松沢さんからお聞き下さるとよくわかるかと思いますが、非常に大きな成果を上げたということを聞いております。その他におきましてもかなり大きな成果を上げております。さらに物理探鉱、地震を起こしまして、その波を調査して鉱量を発見する、あるいは化学探鉱、ケミカルな探鉱でありますが、水を調査してその水の中の成分を調べることによって、どの辺にどういうものがあるであろうというようなこと、あるいはまた電気探鉱、こういうふうなものもやっておりますが、こういうものも着々進めておるのでありまして、かなり新しい鉱量が発見されつつあるということは言い得ると存じます。 こまかい数字を申し上げなくてはなはだ恐縮でございますが、そんなようなことであります。
○長谷川(四)委員 私は日本という国は資源が少なくないという断定の上に立っている一人であります。私は日本という国は資源が少なくない、貧乏国じゃないのだ、まだ今日まで一つも手をつけず、見ないで、かつての西洋文明を受け入れるときの観念的なものの上に立って日本には資源がないのだ、こういうことになっているのだ、こう考える。科学をもって人間の力において自然を征服する今日において、日本政府みずからが、いまだ国内資源を全部探検しきれないで皆さん方におまかせしておく。たとえば先ほど通産省に集まる集計されたものは皆さん方が集めてきたものであろう、これであってはならないのだ、こういうふうな考え方を持っておるのでありまして、わが国の国民に与えられたるところの最も貴重な資源であり、この資源によって日本に生まれたお前たちはより高き生活をせよ、これは天から与えられたものである、これを生かさずにおるというところに政治に少しのあやまちがあるのではないか、政策の上に立っての大きな考えを持たなければならないのだというように私は考えるからでございます。従いましてこれらに対する点について、なかなか皆さん方に納得されていただけないという点については、先ほど申し上げたように皆さん方とともにこれらを大きくクローズアップして、そしてその施策の上に現われていくようにしていかなければならないと思うのであります。きょうはルールに反するかもしれないけれども、新しい伊藤局長さんにお聞きしては申しわけないと思うのですけれども、通産省切っての鮮明なる頭の持ち主である伊藤さんに、今後鉱山というような資源の開発等について、政策はこのままでいいか、もう一段、二段と言八十度の転換をして、つまり機械工業の発展と合わせた資源の開発を行なわしめるような考え方をお持ちかどうか、一点承らしていただきたいと思います。
○伊藤政府委員 先生の御質問の前に、埋蔵鉱量についての御質問がございましたので、その点あるいは私の方からお答えを申し上げるのが筋かと思いますので申し上げますと、昭和二十六年に通産省令で埋蔵鉱量統計規則というものを定めまして以来、銅鉱、鉛鉱、大体二十一鉱種につきまして、隔年に調査を実施いたしております。現在私が持っております資料は、三十三年の四月に調査したものでございますが、これは隔年調査でございますから、その前の調査は三十一年の四月でございますが、これに比べますと、一々こまかい数字を申し上げますことは煩瑣でございますので、差し控えたいと存じますが、多くの場合には、この二年間に相当の採掘をいたしましたにもかかわらず、二年の間にむしろ増加しておるものが多いのでございまして、三十一年の四月の埋蔵量を一〇〇といたしますと、大体一二〇になっておるという程度のものが多いのでございます。もちろんこれは通産省自体が技術的に調査いたしたものではございませんが、そういう結果になっておることを御了承願いたいと思います。 それから、ただいま長谷川先生から、今後鉱山対策をどうするのかという御質問でございますが、ただいま私ずっと参考人の御意見を承っておりましたが、要約いたしますと、国内資源は非常な重要性を持っておる、それは安定的な供給源としてまず考えなければならないということが第一点。それから第二点は、国際収支上の問題は、将来日本の経済にとって相当な負担であるので、たとい今後輸入鉱石の量が多くなっても、国際収支上の問題からいっても、国内資源はどうしても保護しなければならない、それから雇用効果が輸入鉱の場合とは違う、雇用効果を考えれば、国内資源をどうしても維持発展していかなければならないということが第三点。第四点は、地域的な開発、いわゆる地域間の所得格差をなくすという意味からいっても、鉱山開発は意義があるのじゃないかという四点であると思います。一方におきましては、しかも国内の鉱山の天然条件は、非常に外国に比べて悪い。従ってその重要性と、現在鉱山のおかれております天然条件との差を、何らか政府がもっと強力に補っていかなければならないのではないかという趣旨であったと存じます。以上の論旨は、私の立場からいたしますと全く同感でございまして、その通りであると考えております。 政府におきましては、そういう意味で不十分であるというそしりは非常にございましたけれども、各般の奨励措置を講じて参ったのでございまして、これはすでに現在実施されておることばかりでございますので、一々詳細に申し上げることは省略さしていただきますけれども、財政面におきましては、新鉱床探査補助金、これは従来五千万円くらいであったのでございますけれども、三十五年度からは、これは国会等の非常な御援助も得まして一億円、さらに本年度は一億一千万円というふうに大きく増額をしておる次第でございます。また設備近代化助成金の問題、これは中小企業庁の所管になっておりますが、これも鉱山はその対象になっておりまして、三十六年度の予算は大幅に増額を認められております。従ってわれわれ鉱山業界における恩典もまた広がっていくであろうと存じます。 それからまた税制面におきましては、従来鉱山におきましては、鉱床の減耗補てん積立金ということを非常に強く主張いたしておりまして、私は今日でもこれはぜひ実現したいという感じを持っておりますが、いろいろな経緯で今日まで実現しておりませんけれども、しかしこれにかわるものといたしまして、臨時租税特別措置法によりまして、探鉱費あるいは生産費について、大幅な損金債務を認められておりまして、現在探鉱をやっていきます場合には、そのほとんど全部を経費として落とすという税法上の特典も受けておるわけでございます。そのほか中小鉱山に対します企業診断、あるいは技術指導というものを強化いたしておりますし、北海道地下資源開発会社あたりも、これは探鉱の助成という問題と一連になるものと考えておる次第でございます。従来鉱山局におきまして、こういう個々的な奨励策のほかに、もっと根本的に、需給安定そのものに資するような方策がないかということは、局内におきましてたびたび考えられたことでありまして、その一つの案は、重要鉱産物需給特別会計というものを作りまして、そして政府がある程度資金的なめんどうも見て、鉱産物の需給安定をはかろうということで、これは大蔵省まで交渉したこともございます。もちろんこれは一方需要者に、乱掘による価格の変動を与えないという趣旨もございますが、主としては鉱山界に安定した経営をしてもらおうという趣旨が、その半分以上のねらいであったのでございますが、これは何分にも資金が非常に多く要るということ等で、財政当局の反対等によって実現をいたさなかった次第でございます。 今申し上げましたことは、従来私どもの実施し、あるいは考えてきたことでありますが、しかし考えてみますと、これらの施策はいずれも為替管理なり貿易管理なりが、ある程度続くという観点の上に立っての施策でございまして、それが昨年ごろから自由化ということで非常に大きな問題になってきたわけでございます。自由化になりますと自然、工場生産と違いまして、鉱山の経営は立地条件をどうこうする、あるいは合理化でそれをどうするという余地は非常に幅が狭められて参りますので、私としては、自由化に最もなじみにくい業種ではないかというふうに考えております。しかし他方鉱山の生産品は重要物資であり、基礎原材料でありますだけに、これをただ鉱山業界の保護という立場だけで考えるわけにもいきませんので、その間の調整は今後とも非常に大きな問題であろうと考えております。先ほど参考人の方から述べられました、徳永構想等もその一つのアイデアでございますが、われわれはそういうものを今事務的で検討いたしておりますし、いずれにいたしましても今回の関税改正におきましては、そういう点が未解決でございますので、すべて鉱産物は特殊のものを除きましては現行課税のままで、今後鉱産物の需給調整にどういう措置をとるべきかということを決定しつつ、その決定したあとで自由化という問題は考えていきたい。私としてはまだ就任早々ふなれでございますが、鉱山界の現状は今日の御意見を拝聴いたしまして十分わかったつもりでございますので、十分この問題は慎重に、真剣に検討していきたいと考えておる次第でございます。
○長谷川(四)委員 あと御質問の方がおりますので、これで結論としておきますが、たとえば先ほどのお話の中にありました運賃の問題等であります。運賃の値上がりは鉱山界だけでも十億というような莫大な金額になるので、これに対する警告はたびたび与えておいたのでありますが、特に鉱山局長からも引き続いてその折衝にあたっていただきたいということをお願い申し上げます。何と申しましても、鉱業の育成というものは非常に大きなわれわれの役割であり、今後施策も抜本的なものが考えられていかなければならない、こういうふうに考えます。どうかより以上鉱業というものの育成にあたっていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。
○中川委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 私は参考人の皆さんと、政務次官以下政府委員の方に一、二の質問をいたしたいと思うわけでございます。 まず最初に樋口参考人にお伺いをいたしたいのですが、今参考意見として述べられたように、鉱業界は大きな問題にぶつかっておる、はたして政府はつぶすのか育成していくのか、こういったような岐路に立たされておるというふうに言われており、そうであろうと思うのです。それにしてはあなたの御意見の開陳が若干弱過ぎはしないか、どこかに遠慮しておられるのじゃないだろうか、このような感じさえ持つのであります。たとえば沢田参考人が申しました、あるいは先ほど局長が申しましたところのプール制価格、俗に徳永構想といわれておりますが、この徳永構想に基づいて通産省は一応の方向をたどろうとしておる。このときにあたって鉱業界を代表せられるあなたが、参考意見の中に徳永構想についての考え方なり、鉱業界の意見等が全然出ていなかった、こういうところはおそらくや鉱業界の中にいろいろと意見があってまとまっていないのではなかろうか、このように思いますが、こういう点については実情はどうなんでしょう。 その点をお伺いいたしますとともに、もう一点続けてお伺いいたしますが、あなたの参考意見にもあり、また出しておられる「わが国産業構造における鉱業の在り方」という冊子の十ページに結局結論として(1)から(6)まであげておられるわけなんです。これを望みたい、こういうのですが、これ自体はいかにも抽象的である。たとえば「価格の安定、特に鉱業政策上認められる最低価格の維持。」こういうように書いておられる。あるいはまた関税制度を云々と書いておられまするが、具体的に関税をどうしてもらいたい、あるいはまた価格維持の制度についてはどのようなことが望ましいのだ、こういったような積極的な考え方が打ち出されていない。そういたしますならば、通産省におきまして、たとえば徳永構想等がそのままでなく紆余曲折を経てこうなりましたと言われたら、そうでございますかと言って引き下がらなければならないと思うのです。価格政策等についてもっと積極的な構想、考え方等を吐いていただきたいと思います。
○中川委員長 樋口参考人にちょっと申し上げますが、質問の要点にだけお答え願います。
○樋口参考人 私の口述に遠慮があるのじゃないかという御指摘でございますが、私は遠慮を申し上げておるつもりはございません。言いたいことは全部申し上げたつもりでございます。 ただいま御指摘がございました、徳永構想といわれておるものについての批判が含まれていなかったという御指摘でございますが、直接にはその批判は含まれておりませんでした。ただいまの御質問に、業界内部にいろいろ意見のまとまらない点があるので、それに触れ得なかったのではないかというようなお話もございましたが、業界内部において意見の不統一があるということはございません。ただ徳永構想自体に対しまして、業界としてはいろいろ批判的な立場から研究をいたしておるわけでございます。その一部はただいま沢田参考人からも開陳がありました通りでございまして、私ども大体同意見でございます。貧弱な輸入鉱石から出る余剰金でプール資金を作るというようなことは問題の解決にはならぬ、やはりこれには国家資金というものが動員されて、初めてそこに問題の解決の道が見出されるというふうに考えておるわけでございますが、なお業界としては慎重に考慮中でございますので、この点には特に触れなかったわけでございます。 それから対策についての具体的な話がないというお話でございますが、私先ほど申し上げましたように、とにかく鉱業というものを育成していくんだという方針の確立が、私どもとしては先決問題として望ましい点でございます。従いましてその方向がつきますれば、自然とその対策は生まれてくると存じます。 ここに書いてありますことが非常に抽象的だ——ごもっともな御指摘でございますが、たとえば関税問題に関しましては、銅の関税につきましては、私ども鉱山局の方には具体的に少なくとも一五%の関税ということで希望をいたしておるわけでございまして、先般行なわれました関税審議会におきましても、私どもの方からそういう意見を開陳してもらっておるわけでございますが、なかなか思うようになって参りません。 それから価格の安定その他の問題でございますが、これも具体的にまだどうこうというような構想がまとまっておるわけではございませんが、諸外国で行なわれておりますような価格差補給金の問題といったような制度を考えておるわけでございます。一つ鉱業の安定育成をはかるから具体的な策を持ってこいということであれば、こういう項目に関しましての具体的な構想を作ってお願いをいたしたいと思っております。
○田中(武)委員 短い時間ですからすべてを具体的にということは無理だと思うのですが、私は少なくとも参考資料とでもしてこの席上に出された方がよかったんではないか、このように思うわけなんです。 それから先ほど樋口さんは沢田参考人の言ったことに対して同意見だ、こういうように言われた、この問題は経営者であろうが、労働者であろうが、この問題に対しては意見が分かれるはずはないと思う。そこであなたが鉱業協会で出しておられるこの冊子の最低価格の制度ですか、最低価格の維持、こういう表現になっております。沢田参考人は先ほど鉱産物の支持価格制度の実施ということを言っておりますが、あなたの言っておるこの最低価格の維持という考え方と、沢田参考人の言っておる支持価格制度ということについては大きな開きがあるのかどうか、あなたというか、協会としての支持価格制度については、どうお考えになっておりますか。
○樋口参考人 沢田参考人からお話がございました支持価格制度の実態につきましては、私かねがお話を聞いておりませんので、詳しく承知いたしておりませんが、ここに掲げてございます最低価格の維持と申しますことは、この冊子の十三ページに、主要鉱産国における鉱業助成策という、ここに各国の鉱業助成策というものが列挙してございますが、米国、カナダ、オーストラリア、フィリッピン、南阿、フランス、イタリー、スペイン、インドそういうところにおいて、第二番目に書いてございますように、「これら諸国では、一定価格を上廻る生産費に対して補助金が与えられている。」といったような、こういう制度が日本においてもしも実施せられるならば、こういった最低価格ということも維持できるのではないかという意味で、ここに掲げておるわけでございます。
○田中(武)委員 せめて外国並みの施策を施してくれ、こういうような意見もあり、ここにも書いてあると思う。しかしこれを見ますと、どこそこはこうしておるといった程度のことを列挙しておるだけなんです。この中でもどれをやってもらいたいか、どういうことを希望するのだ、ただ抽象的に外国並みのと言われても、国々によって違うわけなんです。外国においては、このような鉱業の助成策をとっておる、わが国の実情に照らしてこういうことが必要である、こういうように出してもらいたい、このように思うわけです。この問題につきましては、労働組合の意見、考え方も産業を守っていくんだ、維持していくんだということについては変わりはない。よく相談をし、価格の維持制度等についても、実現のために協会自体が率先してやってもらいたい、このように考えるわけなんです。 続きまして、松沢参考人にお伺いいたしたいのですが、先ほど松沢参考人と尾本参考人の意見を聞いておりますと、業態の違いから若干ニュアンスの違いが出てきておる。そこで、まず松沢参考人にお伺いすることは、あなたの方はおもに銅をやっておられるのですが、銅の価格の問題について、たとえば銅安定帯価格制度の問題、あるいは今言っておる支持価格の問題等につきまして、どのように考えられておるか、お伺いいたしたいと思います。
○松沢参考人 国内鉱山の経営の立場から見れば、銅の値段が国際商品の関係上、変動が激しいということは非常に困ることであります。海外が高いときには海外と同じように上げてもらわなくても経営としてはちっとも困らないわけであります。海外が異常に安くなったときに、それにつられて商品の値段を下げなきゃならぬということは、大ぜいの従業員をかかえて、どうしてもこうしても、その費用をまかなっていかなきゃならぬ経営としては非常に困る。従って安定帯価格制度、それから支持価格制度、これは国内鉱山の経営の立場としては最も熱望するところであります。そのかわり、また海外が非常に高くなったときにはそれは遠慮申し上げて、それよりも安い値段で需要者に売り渡すということも、経営としてはちっとも困らないわけであります。ただ、最低価格を幾らにしたらすべてが——これは各社各様によって幾分の違いはありましょうけれども、大体の線というのは一致しておるように思います。その値段は、先ほどもちょっと話が出ましたけれども、大体最低線は二十八万円がボーダー・ラインであって、それから下がる場合には脱落する会社が相当出てくる。しかし、それは最低のことでありまして、国内鉱山の経営という安定した操業をするためには、やはりどうしても三十万円の銅の相場が平均して維持されなければ、経営としては安泰じゃないのじゃないか、こう思っております。
○田中(武)委員 その事業所の形態によっていろいろ意見が分かれることは当然だと思うのです。たとえば尾本参考人にお伺いたしたいのですが、尾本参考人の三井さんとか三菱さんのように外国の輸入鉱石を精練する立場の人は、価格維持制度、支持価格制度、こういうことについては議論があろうと思う。今具体的な課題として出ておるこの徳永構想について、いわゆるプール価格構想について、これについてもあなた方は反対だ、こういうように聞いておるのですが、尾本参考人、国内の鉱産物の価格維持制度あるいは支持価格制度、こういうことについてはどのように考えられますか。
○尾本参考人 ただいまの御質問でございますが、三井あるいは三菱は輸入鉱の割合が多いから、いわゆる徳永構想に反対しておるというお話でございましたが、私どもはまだ反対をしたことはございません。ただ、実際問題として、支持価格というようなことが上手に行なわれるだろうかという点を、いろいろ今研究しておる段階でございます。たとえば、自由化した場合にだれでも銅を輸入することができる。そういたしますと、たくさん輸入すれば平均価格も下がってくるので、事業家が無制限にどんどん輸入してしまうというようなことになった場合、銅の需要はそれだけない。とすれば、そっちの方だけ高くなって、われわれの方の精練するものは買ってくれないというようなことも起こるかもしれない。滞貨になった場合それをどうするか。その滞貨をだれかが買ってくれなければ、たれかがその銅を金にかえてくれなければ山はとまってしまうといったような問題があるではないか。その具体的な実施上においていろいろ問題があるように私ども考えておりますので、それらについてはたして大丈夫かどうかというような点を、今研究しておる段階でございまして、反対をしたということはございません。
○田中(武)委員 そうすると、いわゆる徳永構想とか、あるいは樋口参考人の言われた最低価格の維持制度、あるいは沢田参考人の言った支持価格制度、こういうことについては根本的に反対ではない、こういうことですね。
○尾本参考人 御趣旨におきましては、国内鉱山も、私の方の三菱もたくさんやっております大きな鉱山を持っているし、いろいろ悩みは同じでございます。従いまして、徳永さんの御構想というものに対して、私ども御趣旨はまことにありがたいと思っております。ただ、その実施の方法その他で混乱が起きないかどうか。混乱してやめになった結果低関税しか残らないようでは困るということで、この実施上のことについていろいろ研究もし、また、どういうふうにしていただきたいとか、その他のことは今研究を進めておる、こういう状況であります。
○田中(武)委員 次に、政務次官並びに局長に、各参考人の意見並びに私あるいは長谷川委員の質問に対する答弁等要約をしてお尋ねをいたしたいと思います。それに対しまして、事務的な点は局長でけっこうでございますが、政治の面に関しては、大臣がおりませんので次官から御答弁願いたいと思います。 先ほど来の意見並びに質疑応答等を考えてみまして、まず第一に取り上げて言えることは、鉱産物の価格政策をどうするのか、こういうことだと思います。いわゆるプール制という考え方の上に立って徳永構想なるものが、これは堂々と打ち出されたのか、ひそかに出されたのか知りませんが、出ております。おそらく通産省はこの上に立って進められていると思うのですが、現在通産省内部において徳永構想に対してどのような検討を行ない、どのような程度まで固まっておるのか。私はもう、一歩進めて支持価格制度、これは農産物等に見られるような制度であります。そういうのが望ましいのではなかろうかと思うのですが、そういうことについて担当局とし、あるいは通産省としてどう考えておるか。それから、価格制度について徳永構想なるものが出ておるが、これは銅だけに限られておる。まず銅を考えている。だれかの参考意見にもあったように、鉱産物の重要なものはあえて銅だけではありません。ニッケルとかその他のものにも持っていかねばならないと思うのですが、そういうことについて、価格制度を銅だけでなく——今日安定帯価格というのは銅だけなんですが、銅だけでなく他の重要な、あるいは必要な品目にも及ぼすべきじゃなかろうか、こういうことも考えられますので、まずそういったものを含めての鉱産物の価格政策、こういうものについてどう考えられるか、今後どうしようと考えておられるか、お伺いいたします。 次に、これは長谷川委員も言われておりましたが、私も同意見でありまして、日本の国内には、探せばまだあるのじゃないか。たとえば石油は日本には皆無だと言われておった。ところが政策の一つとして石油資源開発株式会社を作って、国家もこれを援助いたしまして乗り出した結果は、最近になって相当の効果を上げておる。先ほど来参考人の意見もありましたが、今日まで探鉱事業は、みんなそれぞれの個人の負担においてやっておる。今日自由化が問題となりまして、第二次産業、第三次産業の中には、特に重化学工業等においては、自由化に対抗するような国際的競争力を持っておる。持つようにしたのはだれかといえは、戦後経済復興、産業復興という立場に立って、政府が、そういう面に対して、重点施策として多くの保護を加え、多くの資金を出したからです。第一次産業が、今次この自由化を前にして、鉱業、農業その他において、第一次産業が国際的な太刀打ちができない、こういう点に立ち至っておるのは、今日まで政府が積極的な政策として乗り出さなかったところに一つの大きな原因があろうと思う。従って経済白書にも見られるように、農業及び鉱業等の第一産業については、若干の、こういうようなことですが、はっきりと縮小の方向をたどるということが、政府の今の考え方のように考えておる。そういう考え方で今後いくのか。私は、先ほど来長谷川委員も申しておりましたような新しい探鉱技術、新しい科学的な発見方法等々によりまして、政府が多くこれをカバーするなら、積極的な援助をするならば、もっと地下資源を掘り起こしていける、こう思うのですが、そういう点についてお伺いいたします。 さらに三点といたしましては自由化に関連してでありますが、自由化におきまして、こういうような当面国際競争に太刀打ちできないような脆弱な体制にある産業——農業もそうでありますが、この鉱業もそうでございます。先ほど樋口参考人も言われておったようでございますが、まず国内において十分なる施策が立てられてから自由化をやるべきである、政府は、農産物についてはそういうような意味の答弁をいたしておりますが、農産物ですから徐々にワクをはずしていって、やはり農民首切りの方向をとっておると同様、鉱業においてはなおさら早く自由化が進められるように考えられるのです。この自由化について、先ほど樋口参考人も言っておったように、また私もそれを強調したいのですが、自由化に対する国内産業の対策及びその助成が立たない限り自由化してはいけない、そのように考えるわけですが、そういう方向についての考え方をお伺いいたしたいと同時に、この自由化と関連いたしまして関税政策をどう考えておるか。これは通産省に聞くよりかむしろ大蔵省が直接の答弁者になると思いますが、まず鉱業の関税政策について、通産省としてはいかなる考え方を持っておるのか、これをお伺いいたします。 もう一つは中小鉱山においてでありますが、政府は今回の予算でも、いわゆる中小企業には大幅な、といって四十四億円ですか、普通の中小企業には出した、こう言ってなかなか中小企業のことについて力を入れておるような言い方をしておられます。ところがきのうの予算委員会においても、横山君の質問に対して、推名通産大臣はこれらに対して何らの措置もできてなかったことを暴露いたしております。このことにこの中小企業鉱山に対してどういうような育成の方法をとるのか。先ほど長谷川委員の質問に関連いたしまして伊藤局長は答えをいたしておりましたが、これはただこうだああだということだけである。私は具体的に高野参考人が述べたような各点について、特に中小企業鉱山の保護政策について、あるいは設備近代化助成の方法についてどのように考えておられるか。たとえば高野参考人は、設備近代化助成金を受ける範囲を千人の程度まで上げてもらいたい、あるいは五百万円となっている限度をもっと上げてもらいたい、こういうようにも言っておる。そういうようなことについて今後どのようにお考えになり、その上に立って進んでいこうと考えておられるのか、この点につきまして、両政府委員に、政治的な面につきましては砂原次官から、事務的な面につきましては伊藤局長からお伺いいたします。
○砂原政府委員 田中委員の御質問に対してお答えをいたします。詳細につきましては事務当局の局長から十分に御満足のいくような答弁をさせたいと思います。 銅の価格の制度はどうするかということが第一点であります。徳永構想の問題はどうかということでありますが、こうした問題については、一応局長の方から答弁させていただきたいと思います。 国内資源の開発、特に探鉱事業という問題についてはどう考えておるか、こういう御質問でございますが、これは先ほど長谷川委員からもるる申し述べられております御意見でございますが、これは私も同様に考えておるのでありまして、探鉱ということが国内資源を開発します上において一番重大な基本になるわけであります。こうしたものに対して政府側は比較的冷淡ではないかという御意見でございますが、私もこの点はどうも是認せねばならないと思います。いま少しわれわれはこうした面に向かって熱心に、しかもこれの将来の開発については十分の努力をせねばならぬと考えております。特に来年度の予算に至りましては、今まで探鉱の予算がわずか三千万か五千万しかなかったものでも、本商工委員会において委員の各位から強い御要請もございますし、予算編成にあたりましては、今回は一億一千万という額を取りましたのも、委員の皆様方の御協力のたまものと感謝をいたしております。なおこの問題については格段の努力をし、国内の資源開発に対して、さらに一段の努力を重ねていきたいと考えております。 自由化によって国際市場において太刀打ちのできないような結果を招来するであろう、これに対して国内の産業に対する関税の問題等はどうやるのか、これはやはり農業政策でも、輸入問題に対しては、国内の製品を圧迫しないように適切な方法をとってやっておるのでございますが、なおこの問題については省と、さらに大蔵省の方とも十分に折衝して善処をいたしたいというふうに考えております。 中小企業のいわゆる鉱山の育成はどうするのかということでございますが、御承知のようにわれわれの現在の立場で申しますと、政府それ自体は、もちろん中小企業の育成に対して全幅の努力をいたしますが、従来から行なわれております鉱業関係者の方々との折衝の段階において、もっと政府と緊密な折衝をして、業者間との連絡を保っていかなければならぬのではないかと思います。大体が企業家であります場合は、いずれの場合にも自己の資本で立ち直って今までやっておられるのでありまして、割に政府の方へ申し入れるときには、許可権とかあるいは監督権とかいうものにのみ折衝を続けられておって、政府自体もまだ業者の内容が十分に知り尽くされておらないというような点も私はあると思うのです。特に今回の運賃の値上げの問題でも、はなはだ汗顔の至りでございますが、私たちは今度運賃値上げをいたしました際に、鉱業界の運賃は年間十億以上も違うんだというようなことまでは、実は気がつかなかった。そういうところに連絡の欠けたところも私はあると思うのです。こういうような点から、現在では私はその当面の責任者でありますから、極力折衝を続けておりますけれども、こうしたことも、緊密な連絡を保てなかったということも、一つは原因するのでありまして、今後は政府とこうした業界とが緊密な連絡をとって、中小企業などとは特に折衝を重ねながら、育成に一そうの努力を重ねていきたいと思っております。
○伊藤政府委員 時間がございませんから、簡単に政務次官のお答えいたしました以外のことについてお答え申し上げます。 銅のプール問題について、どの程度に今進捗しているのかというお尋ねでございますが、これは実は徳永次官がアイデアを出されましたので、これにつきまして業界の方で、ある程度具体的な対案があるものと考えておりましたけれども、なかなかはっきりした御意見も伺えませんし、それからまたこれはアイデアが示されておるだけでございまして、実際問題として細目を考えてみますと、なかなかむずかしい問題がございますので、一応参考案といたしまして、私の方でもっとこれを具体的に計数的に出したものを今作っておりまして、近日中に業界の方へお示しすることができるだろうと思うのであります。 それから第二の支持価格の問題をどう考えるかということでございますが、支持価格はその案の中で一応考え得ると私は考えております。ただこれは財政資金を入れないことを考えておりますので、従って銅の価格が非常に騰貴しましたような場合には、さっき二十八万円が最低の国内価格だというような話がありましたけれども、あまりこれをオーバーしないような保証はしないで、その値上がりのときの財源をもってこれに充てるということで、支持価格とすることができるのではないかと考えております。 第三点の銅だけであるかどうかということでございますが、こういう問題は銅だけでございませんで、先生のお話のように、ほかにも非常にシリアスな問題がございますので、この銅の問題を初めといたしまして、いろいろな鉱種につきまして全く同じアイデアでいけるかどうか、疑問でございますが、検討を続けていきたいと思っております。 それから、もっと探鉱を国が強力にやるべきではないかということにつきましては、政務次官もお答えいたしましたが、これはもし地下資源の調査を強化するといたしますれば、地質調査所で基本調査をやることになろうと思いますが、私ども地質調査所の方と連絡をとりまして強化をはかりたいと考えております。 それから中小鉱山の方の問題について具体的に要望が出ておるので、これについて答えろというお話でございますが、設備近代化の貸付ワクにつきましては、本年度は設備近代化の補助金は三十四億円でございましたけれども、ことしは六十三億にふえましたので、鉱山に対する貸付ワクは当然増加する見込みでございます。それから原則として、貸付限度額は一鉱山当たり三百万円でございますが、これを五百万円まで上げろということでございますが、これは通産局長の承認がございますれば六百万円まで上げられるようになっておりますので、運用の面で解決できると思います。 それから中小企業の範囲は、従業員千人以下にしろという御要望につきましては、これは従来たびたび中小企業と折衝しておりましたが、何分にも今まで予算のワクが少なかったものですから、中小企業庁の方でなかなか承知してもらえなくて現在に至っておりますが、今回設備近代化の特別ワクが増大いたしましたので、貸付の対象も広がっていいんではないかと考えておりますので、さらにこの点は折衝を続けて参りたいと思います。 非常に簡単で、恐縮でございますが……。
○田中(武)委員 政府答弁に対しては、いろいろとまだ引き続き質問を続けたいと思いますが、きょうは参考人の方に対する質疑が中心でございまして、あとに数多くの質疑の方がまだあるようでございますので、政府委員に対する質問は保留いたしまして、私は終わります。
○板川委員 それでは、時間がございませんから、簡単に高野参考人にお伺いします。 高野参考人は要望の第一として、新鉱床探査補助金を一つふやしてくれ、こういう要望をされております。それから第二として、設備近代化補助金の強化を一つはかってくれ。ごもっともな意見だと私は思うのでありますが、政府の方でも若干ふやしたという答弁であります。両方について今年度の予算ではふやしたというのでありますが、従来中小業者がこの補助金を受ける場合に、大企業との間の差別等がなかったかどうか。そういう点もしあればこういう機会に意見を述べてもらいたい、こう思うのです。なぜかというと、探鉱事業というのは、中小企業は全国にばらまかれておると思います。そこの触手で発見した場合には、これが将来大鉱山に発展する要素を持っておるのですから、私は、探鉱の事業は全国に散在しておる中小金属業者に重点的に振り向けられていくべきじゃないかという感じがするのであります。従来の実績と今後の希望がありましたら、これを一つお伺いしたい。
○高野参考人 ただいまの御質問に対しまして、大企業と中小企業との差別は何かなかったか、こういうお話だと思いますが、探鉱の助成金は大企業にはいってないわけであります。中小鉱業だけに配付されておる現状であります。従って中小鉱業といたしましては、その目的に向かって努力をしておるというのが現実の姿であります。そうしてなおこれだけの要望がしてありますけれども、実際面からいきますと、全国で新鉱床探査として中小鉱業は約十億近くを使っておるというのが現状であります。従って、非常に窮境にあるわけでして、これを少なくとも半分は国家で助成をしてもらいたいという要望をしておったのですが、いろいろの事情からとりあえず三億程度のものをぜひ一つ出していただきたいということで、三十六年度はさような要望をしておるわけです。
○板川委員 設備近代化補助金については……。
○高野参考人 設備近代化補助金につきましては、従来三百万円ということに相なっておるわけですが、それも県が半分、国が半分ということに相なっております。しかしながら、なかなか県によってはその予算がないという県が東北方面には相当あるわけです。従ってわれわれが申し込んでも、やはり県としますれば、おひざ元の中小企業にという面もございましょうし、鉱山はやはり比較的山間僻地にあるというようなこと等からして、なかなか申し込みがうまく受け付けてもらえないという現状にあるわけです。従って何とかそういうことのないように、県の予算の不足の面に対しては、国家がある程度まで助力してやるという面に持っていっていただいて、適切を期していただきたい、かように考えておるわけです。 それから法的からいきますと、三百人以下ということに相なっておるわけですが、鉱業は御承知の通り山間僻地にあるために、一般の事業体よりも非常に労働力をよけいに使っておるということは事実なんです。比率からいきますとやはり三倍近くよけいになるという面もありますので、三百人というものを千人まで拡充していただきたいということをお願いしておるというような現実でございます。よろしくどうぞ。
○板川委員 樋口さんにお伺いしますが、金属鉱業でいろいろ御要望が出ておりますたくさんの品目があると思いますが、一体鉱業の今後の対策を強化する場合に、重点的に考えられる場合、重点の度合いはどういう品目からか簡単に述べていただきたいと思うのです。ということは、たとえば国鉄の運賃の値上げで非常に打撃を受ける、農産物の場合は特殊の割引制度を置いて保護しておる。この場合全品目にいかないでも特殊な重要度のものについては特別にしぼって、運賃値上げの影響を避けるということもあろうと思いますが、そういうことも考慮する上に重要度の割合というものを、上から一つ参考に知らせていただきたい。
○樋口参考人 最初に国鉄運賃の問題につきましてお答えを申し上げますが、お手元に差し上げておりまする鉱業協会から最終要望案として出しております中にも記載してございますように、運賃の面から申しますと重要な鉱種といたしまして、鉄鉱、マンガン鉱、その他金属鉱、硫化鉱、石こうの五品目をあげておるわけでございます。運賃の面から参りますとこの五品目は最重点的に考えていただきたいということでございます。 第一番目にお話がございました鉱業全般について重要度のランクをつけろということになりますと、実は鉱業協会の立場はあらゆる鉱種を包含しております。それぞれ会社によって利害関係が錯綜いたしておりますので、鉱業政策の面からランクをつけるということはなかなかむずかしいわけでありまして、全体が全部重要だというふうにお答えするほかにないかと存じます。
○板川委員 もう一つ尾本参考人にお伺いしますが、金属鉱業の需要が十年後に二倍以上になる、その金属鉱業の中で一番重要なのは銅が大きなウエートを占めておると思うのですが、その銅の価格がこの資料によりますと、アメリカでは二十二万円、南米チリでは十八万円、アフリカでは十五万円見当、これは国内価格でしょうから、輸入される場合には運賃と関税等が当然これに加わると思うのですが、一方国内の銅の原価は二十八万円見当だということになりますと、しかも将来精練事業を維持していく上には、地金輸入じゃなくて鉱石輸入の方向をとるべきだというのはごもっともだと思うのですが、そういう国際価格に非常に左右される銅として、今後どういう対策をお考えになっておられるか。価格差補給金をつけてくれということもあろうかと思うのですが、しかし同時に企業内の努力も必要だと思うのです。この企業内の努力で、もし首切りをやって原価を下げようというようなことになりますと、これは私は問題になると思うので、こういう点についてどういうお考えか一つ伺わせていただきたい。
○尾本参考人 ただいまの御質問でございますが、海外の価格が今アメリカで日本円に直して二十二万円というようなお話がございましたが、この海外の価格というものは、先ほどから高野参考人その他からお話がありましたように、非常に大きくフラクチュエートするものであります。たまたま最近におきまして非常に落ちてしまって、鉛におきまして日本の国内価格が十万円に対しまして現在ロンドン相場は六万二、三千円、こういうようなことになってしまっておるわけであります。従いまして、私どもはよく言うのでありますが、海外相場にさや寄せしろ、こういいますが、不当に低落した海外相場にさや寄せしろ、こういわれてもこれはだめじゃないか。私も毎年開かれる国際鉛亜鉛会議に出席しておりますが、海外の鉱山でも、そういう需給関係になって価格が低落いたしますと、みな青息吐息であります。そういうことで、ひとり日本だけがそういうふうなわけではない。やはり世界全体の需給というものが、そういう結果を来たしてしまうという面も多々あるのではないか。単にコストが安いからという面ばかりでなくて、やはり需給の面からくる、何といいますか価格運動がそうさせてしまうというものが非常に多いのではないかというふうに考えられるわけです。 これに対する対策でありますが、私どもはただいまお話がございましたような首切りをするというような考えは、少なくとも現在の鉱山会社の経営者の中にはないと私は確信いたします。完全雇用を何とかして守っていきたい、いかに苦しくても、どうにかして完全雇用をやっていきたい、これは私だけでなくて全部の経営者が、そう考えておるだろうというふうに考えます。しかしながら会社がぶっつぶれてしまってはどうにもならない、従っていろいろな対策をこれに講じなければならない、こういうことになるわけでございますが、そこで私どもといたしましては、やはり製練所の立場からいきますと製練所の規模を大きくし、さらに合理化も新しい装置その他をやり、あるいはまたガスが出ておりますが、そういう廃ガスを回収して、それでいろいろな副産物を作るというような、あらゆる企業努力を今やっておるというわけでございまして、この増産とか、あるいは合理化とか、こういう面における資金の需要というものも大へんな額に上っておると存じます。しかしながらそういうことだけではいけない。たとえば規模を大きくするといったって、原料をどこから持ってくるか、国内鉱山だけではとうてい海外の製錬所に匹敵するような大きな規模にするわけにいかない。需要はありながらそれはできない。従って輸入をやらざるを得ない。しかもその輸入は非常に国際競争が激しくてなかなかできない。そこでわれわれとしては海外に行って山を開発しようじゃないか、海外の山を獲得しようじゃないか、その海外の山を獲得するというのは、日本の領土がふえるというのと全く同じではないか、こんなような気持で海外の鉱物を開発して、リーズナブルな価格で日本に持ってきて、製練所の規模を拡大し、拡大したことによるコストの低下、こういうことによって完全雇用をはかっていきたい、こんなような気持であります。
○板川委員 ほかにも質問したい点がありますが、時間ですから終わります。
○中川委員長 大矢省三君。
○大矢委員 私はごく簡単に二点を樋口さんと沢田さんにお伺いしたい。 今お聞きしておりますと、いろいろな面に国の補助金なりあるいは政策を多く要望されております。たとえば助成金の問題であるとか、設備の近代化あるいは技術の指導、税の減免、あるいは関税の問題、さらにまた低利融資、これらについてことごとく国の政策を要望されております。従ってこれらの要望をいれますと、結局国家の監督権が強化されるということを前提にしての御意見であると思います。そういうことが当然あり得る。もちろん国家の監督権というものは限度があります。あるいは経営者おのおの違いましょう。大企業の経営者、あるいは中小企業の方々、あるいはまた山によっても違いましょうが、いずれにしても結局国がこういうことをすれば国民の血税その他において大きな影響がございますから、監督の強化はやむを得ないと思います。それをちゃんと前提の上のことであるかどうか、このことをまず一つ。 いま一つは、これは両方でございますが、他の大企業の方々、樋口さんにしても、あるいは沢田さんにしてもそうですが、こういうことになりますと、国は重要な産業として、計画生産というか、これこれはどうしても必要だということで、当然計画的に皆さんに要望があろうと思うのです。これは国の要望として当然ですが、従ってそれを完成するためには労使一体となって、それらの国に要請するものはし、またみずからの義務として当然そういう計画生産に協力を願わなければならぬということに相なると思います。そこで国と、現状において努力されている経営者の責任、また産業人としての労働者の責任、こういう三位一体となってやるということになりますと、結局労働者も経営に対してある程度の発言権を当然持つ。また経営者もこれを許すのかどうか、これは非常な重要な問題であります。国もまたこれに対して監督権がそこまで及ぶかどうか、知りませんけれども、いわゆる監督権の強化は必要である、そういうことになりますが、その点について、経営の参加を当然認めるという立場に立ち、また労働者も入るという覚悟なのか、あるいは入れる、——入れるというと変だが、大いに協力してもらいたいという経営者の御意見なのか。その経営に対する発言権の問題、さらに国の監督権の強化の問題はきわめて重要でございますが、その二点について御意見を伺いたいと思います。
○樋口参考人 お尋ねの点を簡単にお答え申し上げますが、こういった施策をやると政府の監督権が強化されはしないかというお話でございます。これは私の個人的な考え方になると思いますが、リーズナブルの監督であれば、これはやむを得ぬのじゃないかと思います。しかし戦時中行なわれた統制経済的な、強力な政府の統制ということになりますと、これは相当に問題があるんではないかと思うわけでございます。 それから年産が計画的になってくるということになると、組合の方の経営参加の問題が起こりはせぬかという御質問でございます。私ども常日ごろ労働組合の方の経営に関する協力はお願いをいたしておるわけでございますが、具体的にまだ、諸外国その他で一部行なわれておりますような、従業員諸公の経営参加という問題につきましては、日本においては少なくとも時期尚早ではないかというふうに考えておりますので、この問題についてはどちらかと言えば、現在はまだ消極的な意見を持っておるわけであります。
○沢田参考人 この点については経営者側とは若干——若干というより、むしろ考え方が違うと思いますけれども、私ども金属鉱山の労働者としては、労働者の立場に立って石炭とかあるいは鉄鋼とか、さらには金属鉱山のような基礎産業というものは、私企業の利潤のために経営すべきじゃない、やはり国家全体のために経営をすべきである、そういう意味では私はむしろ国家が管理権なり監督権なり計画性を持って、一貫した経済政策を進めることが、私ども労働者としては当然望ましいことである、こういうように考えておるわけであります。しかしながらそういうわれわれの欲求なり願望なり考えというものは、今当面はできるかどうかという現実問題もあるわけであります。 そういう意味で私は、説明の際には省略いたしましたけれども、当面の問題としては、やはり官民、労使、政府も一体になって民主的な審議会等を設けて、その中で鉱業政策というものを遂行していくという方法が必要ではないか、このように考えるわけであります。そうなりますと仮定しまして、国家がある程度の法律的な裏づけのある財源を支出する、こうなると国家の要請というものに対して、経営者はもちろんでありますけれども、労働者もその要請にこたえるという気組みなり準備なり、そういう態度があるかどうかということに理解いたすわけであります。私どもはもちろん権利は主張するわけでありますけれども、一国の経済の繁栄のためにいいものが早く安く作られることは決して否定いたしません。しかしながら安く作られる、多く作られるという犠牲が労働者の犠牲によってなされる、このことについては私どもは反対であります。そうでない正常にいう意味の生産性の向上とかいうものについては、いささかも反対するものではないわけであります。
○大矢委員 樋口さんに。私は戦前戦後の統制計画経済を言っているのじゃないのです。いろいろ国の犠牲において、いわば国民の犠牲において、そういう重要な産業に、希望のあったようなことをいれますると、何らかの形で監督権が強化されるのは当然のことだ。それを覚悟の上ですか。国のいわゆる経済成長の計画からいきましても、当然生産計画というものはあるはずなのです。これこれは一つ出してもらいたいと国の要請があった場合に、これは欠点がどこにあるのかということを、国もこれを援助し、あるいは指導する場合において、当然意見を言う、そこに発言権が強まることは当然だと思う。私は官僚統制とか、統制経済当時を言っているのじゃないんです。あなたは今の限度の主張をいれるならば、多少の監督権の強化はやむを得ないという覚悟の上でやっているかどうか。いやそんなことをされては困る、われわれの方で十分やっているからおまかせ下さいというのであるか、その点を簡単でいいですから一つ御答弁願いたいと思います。
○樋口参考人 ただいまの件でございますが、政府資金が企業内に導入されるということになれば、政府としてはその金の行方を追及するという責任があるのは当然だと思うのです。そういう意味においてある程度の監督と調査ということが行なわれるのはやむを得ぬと思います。しかしそれが企業の独自性を侵略するようなものであれば、困るということを申し上げたいと思います。
○中川委員長 西村力弥君。
○西村(力)委員 一つは、採算のとれる限界が二十八万円という場合に、その中に占めておる探鉱費あるいは税金のウエートはどんな状態になっておるか。
○松沢参考人 今の二十八万円というのは、私は非常に下がったある時点を言うておるのでありまして、先ほども話がありましたように、鉱山というものは、採掘するだけでなしに、きょう百トン掘れば、すぐ同時に百トンの新しい鉱床を見つけなければならぬわけです。そういうものを入れて安定した操業をするためには、三十万円でなければなりませんということを申し上げたのでございます。今の二十八万円ということは、ある下がった時点、それは三十万円を下がればもう青信号になり、二十八万円になれば、赤信号になりますということを申し上げたのであります。その内訳の詳細の数字については持ち合わせておりませんけれども、私の大体の勘はそういうところでございます。
○西村(力)委員 しかし価格構成の中に占めるそれぞれの率というものは、やはり示されなければならないと思うのですが、資料をお持ち合わせでないようですから……。それで探鉱費については相当ロスが加わるだろうと思う。やってみたところ当たらなかった。当たったけれども採算制に乗らなかった、こういうことがあると思うのですが、全体的に見ましてそのロスはどのくらいになりますか。
○松沢参考人 これは非常にむずかしい問題でございまして、大体探鉱費に使っておりますのは、総原価の——各社によって、また時代によって違います。たとえば三十万を割り、二十八万円に近づいた場合には、そんなことをいうておられないから、探鉱はやめても、その日の経費を支払わなければならない。しかし正常の場合を考えれば、大体総原価の一割程度を長い目で見れば探鉱に使っているとお考えになって大して大きな違いはないと思います。その成功率につきましては、ちょっとこれは何%ということは申し上げかねるのですが、私の方の、先ほどお話に出た小坂の新鉱床につきましても、終戦後ずっと続けておりまして、もう小坂というものは新鉱床はないのだ、昔の小坂の鉱床以外はないのだ、こう世間ではいわれておりましたけれども、その間絶えざる努力を続けて、ようやく十何年にして、最近になって初めてあれを見つけたというような状況なんでございます。
○西村(力)委員 探鉱の助力を求めるとか、減税を求めるとか、そういう場合には価格構成の中に占めるこういう率というものを、ある程度は出しておかなければならぬ、こういう気がするのです。 次に、山がどうも先細りで採算に合わないということになると、大手の連中が第二会社を作り、独立採算をやれ、こういうような工合にくるわけですが、そのことは今どなたか主張されている鉱山の振興とは全く逆な方向にいく。第二会社を作って勝手に採算制を維持してやっていく、できなければやめてしまえ、こういうような方向にいくのですか。これに対しては樋口さんの御見解はどうですか。それから労働組合の方の御意見はどうですか。それを一つ最後に聞かしていただきたい。
○樋口参考人 独立採算制の採用は、まれに鉱山で行なわれているようでございますが、結局その企業に全面的な責任を持たして仕事をさせるという意味においては、これは意味があるのじゃないかと思います。そのために生産が阻害される、あるいは雇用条件が悪くなるということが、あるいは結果として出る場合があるかもしれませんが、少なくともそれが目的ではない、責任制を確立するという面において考えられておるのじゃないかと思います。
○沢田参考人 第二会社移行の問題でありますが、金属鉱山内においても、第二会社に切り離して経営した方がやりやすい、そうして独立採算をした方がよろしい、こういうような政策なり施策をとっておるところもあるわけであります。私ども労働者としては、この点については反対をいたしておるわけであります。と申しますのは、大企業が経営して経営できないというような困難な事業体を、さらに小さい第二会社に移行した場合はどうなるかということは、結果的に常識的に考えてもはっきりするわけであります。従って第二会社に移行するということは、ひいては労働者の労働条件の切り詰め、こういうところに大きなしわ寄せがくるということは、過去の例からいってもはっきりしておるわけであります。そういう意味で私どもは独立採算というような理由、そういうような目的、名称は別といたしましても、結果的には労働者の労働条件を低下される、こういうところにしわ寄せがくるので反対の態度をとっておるものであります。
○西村(力)委員 樋口さんの、企業経営の責任態勢をとるためにはけっこうだという考え方は、これは実態を見ないお話ではないかと思います。沢田君の言ったような工合に、実際にこれは手に余ったからとか、採算が悪いからこれを切り離す、こういう立場をとるので、このしわ寄せはどこにくるか、これはやはり労働条件の低下、そういうところにすぐ響いてくるわけであります。そういうことに対して、やはり経営者側においても、鉱業界の発展を願う立場から、批判的な立場をとってもらわなければならぬのじゃないか、そういうことを私は期待申し上げて終わります。
○中川委員長 多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 簡単に一、二点お伺いいたします。 きわめて逆説的な質問をするわけですが、非鉄金属の製品の輸出、逆に言葉をかえていいますと、要するに非鉄金属の製練というのが国際競争力があるかどうか。現在国内の鉱石を使っておりますから、外国の鉱石と国内鉱石のコストの差というものが出てきておるでしょうけれども、これをたとえば鉄鋼と同じように考えてくると、鉄鋼は国際競争力があるといわれている。立地条件も悪くない、こういっている。それからアルミニウムは違いますけれども、アルミナは輸出しておる。こういう点を考えてくると、国際競争力がないということがいえるかどうか。ことに外国から鉱石を買ってきて日本で製練をして、ケーブルまで作って売るということを考えればどうなのか、こういう点について鉱業界の御意見を承りたい。
○樋口参考人 私の考え方といたしましては、国内鉱山から出ます鉱石については、自然条件のハンディキャップによって国際競争力が欠けるのではないかと思いますが、海外から輸入した鉱石については、ある程度国際競争力はあるんじゃなかろうか。それは製練の技術というものは諸外国に比して日本はほとんど劣りがないわけであります。ほとんど国際水準もしくはそれ以上にあると思うわけであります。日本の国際競争力がないというのは、結局その鉱石の賦存の状況によるハンディキャップということから生まれてくるために、そういうことがいわれておるわけでございまして、国内鉱石についてそういうことはいわれるわけでございます。 なお、鉄鋼の話がございましたが、鉄鋼では国際競争力があると申しますが、鉄鋼を生産している国は、自国で鉄鉱を掘っている国はほとんどない。みんな遠距離から鉄鋼石を運んで、自国で製練してやっておるのは日本と同様でございますので、鉄鉱は海外から輸入しても国際競争力はあるわけでございます。その点自国鉱山を持ちます日本とはちょっと事情が違うかと思います。
○松沢参考人 ちょっと今のを訂正いたしたいと思います。 ただいま価格の話が出まして、その場合に私言葉を少し言い違えたと思います。「三十万円を下がれば青信号」というのは黄信号の間違いであります。二十八万円は赤信号、三十万円は前向きの、要するに今後の探鉱のできる、正常な操業ができるのが三十万円であって、それより下がって二十九万円になれば、やはりセーブしなければならぬ。いよいよぎりぎりが二十八万円、そういう意味であります。
○尾本参考人 ただいま御質問で、国際競争力があるかどうか。今樋口さんからお話がありましたように、国内鉱については問題はあると思います。また輸入鉱石についてあるというお話がございましたが、確かに将来は私はあると思います。日本の精練所がりっぱに育成されて、適当な規模に発展をしていくということになれば、必ず競争力はあると思うのです。ただその前提となる、輸入される鉱石の価格が現状においてはまことに割高に買わざるを得ない状態になっておるということを、先ほどから私は申し上げておるわけですが、非常に割高な鉱石を輸入をせざるを得ない。そこで私どもは、さっきから申しますように、海外の山を開発して、ここからリーズナブルな製練費をとった価格で日本に持ってきたい。そういうことによって十分競争力はある。これはおそらく鉄鉱石も同様であろう、アルミニウムも同様であろう、日本にアルミニウムの鉱石はございませんけれどもまたそうなる。これは銅産業においても、亜鉛の精練においても、鉛の精練においても、それを前提としてりっぱに競争力はある、こう申し上げておきたいと思います。
○多賀谷委員 次にお尋ねいたしたいのは、輸入鉱石のうちで、みずから開発し、あるいは技術を提供し、あるいは選鉱をみずからする、こういった何らかの投資をした鉱山から輸入をする場合と、純然たる貿易商社を通じて輸入する場合の比率はどのくらいになっておるか。もっとも時期によって非常に違うと思うのですが、最近の実績をお聞かせ願いたい。
○尾本参考人 その比率の資料をきょうは持って参っておりませんので、ごく大ざっぱにしか申し上げられませんが、開発をしておりますのは多くはフィリピンでございまして、フィリピンから今毎月大体三千トンくらいの銅分が入っておるように思います。ということは、年間三万六千トンということになります。三十五年度としますと、三十五年度の輸入鉱から出たのが九万六千トンでございますから、約三分の一くらいはそういう開発によって出たものではないかというふうに想像されますが、的確な数字はきょう持ち合わせておりません。そういうことでございます。
○多賀谷委員 鉱業協会からの資料の、「わが国産業構造における鉱業の在り方の結びとして」、「関税制度を原則として従量税方式に改め、輸入税率を適正化する。」こういわれている。輸入税率というのは、輸入鉱と地金のどちらを含むわけですか。
○樋口参考人 輸入するものは、地金に対して税金をかけ、鉱石の方は、現在無税で、AA制でございます。地金に対して適正な税金をかけている、そういうことであります。
○多賀谷委員 次に探鉱方法、ことに中小鉱山の探鉱方法に対する助成の問題ですが、従来は補助金制度で来ているのですが、補助金制度以外には、助成の方法はないのでしょうか。たとえば、ある公社で探査をする、こういうような方法はないかどうか。と申しますのは、率直に言うと、補助金というものはなかなか私企業に国として出すというのが困難です。ところが別個に、何か公的な機関が探鉱をした場合に、その報告を鉱業権者に示す、こういった方式が考えられるわけですが、この点どういうようにお考えでしょうか。
○樋口参考人 自分で探鉱をやらないで、何か機関にやらせたらいいじゃないかというお話でございます。これは、そういった理想的な機関があればいいと思いますが、現在それに似たような機関もあるようでございますが、あまり経費も安くないようでございます。十分な成果をあげておるともいえないかと存じますので、私どもそういった機関には、現在のところあまり期待を持っておりません。
○中川委員長 他に御質問はございませんか。——他に御質疑はないようでございますので、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は御多忙中長時間にわたりまして、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとう存じました。当委員会の調査に、きわめて資するところが大であると考えております。委員会を代表し、厚く御礼申し上げます。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後一時四十六分散会