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38回国会衆議院1961/05/19

社会労働委員会 第35号

発言数
305
登壇者
15
会派数
3
開催日
1961/05/19

会議録

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 これより会議を開きます。  社会福祉施設職員退職手当共済法案を議題とし、審査を進めます。  質疑に入ります。田邊誠君。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 社会福祉の伸展は、わが国経済の全体的な向上の一環として大へん重要なことでありますし、その中で民間の社会福祉事業というものが、日本の社会保障制度確立のために果たして参った役割は非常に大きいのであります。しかし、つい先ごろも私が大臣に質問をいたしました際にも申し上げました通り、このきわめて重要な役割を果たしてきた民間の社会福祉施設に従事するところの職員のいわゆる労働条件、給与というものは、非常に劣悪であったのであります。今回政府が、昨年の給与の一一・九%の引き上げに引き続いて七・五%の本俸引き上げをやったことは——引き上げをしてもなおかつ他の民間給与なりあるいは国家公務員、地方公務員等に比較をして低いことは事実でありますが、いずれにしても非常にけっこうな話であります。ただ給与を引き上げても、それだけでもって身分が確立をし、非常に困難な事業を遂行することはなかなか容易でないのでありまして、そういう点から、退職手当の共済制度を確立しようとすることも、私はきわめて重要なことだろうと思います。従ってそういった趣旨を了解をしながら、この法律案をながめてみるのでありまするけれども、その中には将来にわたる流れの中で、実はこの際いろいろと考究をしておくべき問題が含まれておると思う。  まず第一にお伺いしたいのは、今私が申し上げたように、日本の社会保障制度の確立、特にいわゆる老人やその他の生活保護の人たちに対する施設や児童福祉施設、身体障害者の更生援護施設等、民間施設が今までやって参った役割は非常に大きいのでありますけれども、社会保障制度の確立の建前からいえば、やはり国が最終的には責任を持つことが当然の成り行きでありまして、そういった点からこの退職手当制度を確立せんとする政府の態度の中に、将来いわゆる民間と国や県や市町村が主体でもってやっておるところの社会福祉施設、この度合いと言いましょうか動向というものは、一体どういうふうにこれからやっていこうとするのか。やはり民間施設もこれから先さらに育て援助をし、これを育成強化をしていく、一方においてやはり地方公共団体なり国がやるところの施設も充実していく、こういう両建でいくのか。気持としては国や地方公共団体がみずからの責任において経営をするところの施設を充実をして、だんだんその方向に形としては強めていく、こういう形が望ましいのか、どの辺であるか一つお伺いしたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 お話しのように、民間の施設もずいぶん大きな功績を上げ、成果を上げていることであります。これも非常によいことでありますからして、この方面も発展することを、これがいかぬという理由はないので、まことにうるわしいけっこうなことでありますから発展を望んでおるのであります。しかしそれだけにたよってそれじゃいこうか、それはそうは考えませんので、やはり国なり自治体なりの公的の施設を整えていくことは、最終の責任としてやっていかなければならないものですから、一方だけというわけにもいきませんが、最終の責任はやはり国にあるわけですから、公的な施設はこれから先ももっと拡充し普及しやっていかなければならぬ、こういうふうに思っております。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 局長にお伺いをいたしまするけれども、今大臣の話でもって、大体これから先両建でいくのだ、こういう話はわかったのでありますけれども、私はやはり一つの考えの持ち方からいえば、国や地方公共団体がその責任においてやるところの施設をこれから先積極的に拡大をし、あるいは充実をしていく、こういう形が一つの流れとしてはやっぱり正しいのではないか、こういうふうに考えるのであります。しかしそうはいっても、それならば民間の施設を縮小することはもちろんないでしょう。これから伸びんとするところの施設を押えていく、こういったことは当然あり得ないと考えるのですけれども、その辺は一つ厚生省のこれから先の見通しと考え方を、大臣の言葉を受けてどういうふうな工合にお考えになっておるのか、あわせてお伺いいたしたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ただいま大臣からお答えしたことと同じことになるかもしれませんけれども、社会保障を推進して参ります究極の責任はやはり国、この国という中に地方公共団体も当然入ると考えてよろしいのですが、そういうふうに思います。従いましていろいろな施設を設けねばならないということでありますれば、それは国なり地方公共団体がみずから満たすように努力せねばならぬ、こういう意味において私どもは今後さらにこの点について努力せねばなりません。しかしまたわが国におきましては、こういう社会福祉の面はもともと民間の篤志家のあれから始まってきたという沿革があります。それはそれなりに長い沿革を土台として民間の創意工夫というものについて非常に私ども教えられるところもあるし、そういう方の御協力というものは、これはまさにお話のように決してこれを低下させることなく、むしろこちらからもさらに伸ばしていただくようにお願いする、これは当然のことでございまして、いい施設というものが相当あるのでございますから、国は国において責任を果たすと同時に、そういういい仕事をやっていただく民間の方の仕事というものも伸びていくように努力をしなければならぬ。それから特に社会福祉の仕事などにつきましては、きまりきった仕事のほかに、やはりどんどん開拓していくという面があるんじゃないか。今日の私どもではなかなか思うようにいかぬ点も、民間の方がその開拓者精神というものにおいてきびしく開かれてきたという沿革もございます。そういう面につきましても、これは民間の方に御期待を申し上げる余地というものは相当にあるのじゃないか、かように私は考えまするので、先ほど大臣が申し上げましたと同じことでありまするけれども、国の責任は今後ともさらに果たす努力をいたし、同時にこの民間の社会事業の伸びていくことにつきましても、さらにまた国としてできるだけ考慮を払って参りたい。両々相待って、この日本の国民の福祉のためにいたしたい、かように考える次第であります。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 今お話がありましたことで、私は基本的にやはりそういう方向が、日本の現状と今までの歴史的な経過からくるところの将来の一つの展望として当然持つところの考え方だろうと思うのであります。今のお言葉を私はそのまま率直にちょうだいをいたしますると、その言葉と、実際の国や地方公共団体が民間の施設に対して今までやってきたところの援助なり協力なりというのは、今の言葉の通りではなかったのであります。実は今の局長の言葉にあったいわゆる開拓者精神といいましょうか、きわめて社会奉仕的な精神でもって、おのれを犠牲にしながらやって参る、こういう形でもって今まで切り開かれてきたという、こういう状態であったと思います。これはやはり何といっても望ましい姿ではないのでございまして、戦後の社会福祉国家を建設しようとするところの政治の場面におけるところの責任においても、これをだんだん除去していくということが必要なわけであります。そういう一環でこの法案が提出をされたのでありまするけれども、私はせんだっても申し上げましたように、もちろん退職手当の制度を確立することは必要であると同時に、これだけではなくて、給与その他の労働条件を改善することと同時に、民間福祉施設の業務が、全般的に円滞に運用され、そして発展ができるという筋道を実は作らなければならないと思うのであります。そういったことがなされる一環として、この制度は初めて生きてくるのでありまして、そういった点から言いますると、もちろん保護費の引き上げについていろいろ不十分だった点はたびたび指摘をした通りでありますけれども、これは一応おくにいたしましても、さらに福祉施設の事務費の増額なりというものもあわせて考えなければならぬじゃないか。これも私がちょっと申し上げましたような、たとえば事務費の中において、人件費ばかりでなくて、その施設の建物に対する減価償却費なり火災保険料なり、こういうものも含まれていない、こういう実はいろんな不備が重なっている中では、私はこれはなかなか充実をしないのではないかと思うのであります。これも実は退職手当の内容に入ってもあわせてお伺いしたいのでありますけれども、事務費はたしか今度四月から値上がりになったのでしょうか、今までと比べて一体どのくらいの引き上げになっているか。まあこの級別にありまするけれども、平均をいたしまして、一体一人当たりどのくらいの支給額になるか、一つお教えいただきたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 お尋ねのように、施設の事務費につきましてもこの四月から改善いたしました。その中心は先ほどもお話がありました人件費の面に特に力を置いて、前年の補正予算で一一・九%ベース・アップいたしましたが、さらに引き続きまして七・五%アップした、そういう点の改善に特に中心を置いてやったわけであります。個々のあれについてちょっと平均で申し上げることが——あとで申し上げますが、たとえば養老施設におきますと、五十人以下で基準の限度額が三千六百三十五円というふうに——これは員数によって百人では幾らというふうになっておりますが、これは相当改善されたと私ども思っております。ただし、御指摘のように、これをもって十分だと私ども思っておるわけではありません。今後ともそれは努力して参るつもりでおります。詳細な点はあとで申し上げます。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 田邊君、実は大臣をほかからも呼びにきておりますから、大臣の方を先に片づけてくれませんか。お願いします。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 今局長から御答弁がありまして、施設のいわゆる補助、そのうちの特に事務費も非常に不足をしておるので、これを上げていくことも考えなければいかぬ、こういうお話がありました。当然の話だろうと思うのであります。そういった点から見まして、この法案が執行されるといたしますと、国が一つの費用を持つ、それから都道府県もまた分担する。それから施設の、これは管理者といっておりますけれども、その人たちもこれに対するところの費用を持つ、これは当然の話だろうと思う。しかし今局長からお話がありましたし、私どもが承知をいたしている範囲におましても、実はこの民間の社会福祉施設というものは、その財政面といいましょうかも予算面が非常に切り詰められておるのであります。いわゆる措置費でもってその大部分をまかなっておる、こういう状態であります。戦前におけるところの篤志家が自分のポケット・マネーを出して運営をしたという時代と違いますし、また大口の寄付があって、それをたよりにして施設を運営していくという時代とも違って参りまして、社会保障制度の一環として施設が成り立っていくという限りにおいては、そういった別個のいわゆる財源寄付なり、あるいは管理者個人なりが負担をするという部面は少なくなってきている。またそれは当然の話であります。そういたしますると、この退職手当の制度を作られるのでありますけれども、その実際の執行にあたって、施設の管理者がある程度持たなければならぬ、こういう格好になるのでありまするが、一般的にいって、一体これが出し得るのかどうか、負担に耐え得るのかどうか、これは実は大へん心配をされる点であります。もちろん厚生省はこれらの民間の社会事業の担当者に対しても、いろいろと意見を聞いてこの制度の提案に至ったろうと思うのであります。しかし私どもは、そうはいってもなおかつこの心配は将来に残る、こう考えるのであります。この辺のこれから先の措置を、もちろん国が三分の一程度のこれに対する補助をし、振興会に対しては事務費を全額補助する、こういう格好ではありまするけれども、今私が申し上げたようなことが残って、制度が実際に活用されないという事態が起こったのでは、実は非常に困るのであります。そういった点に対するところのお考え、国がこれに対する何らかのてこ入れをするかどうか、一つお伺いしたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 こういう制度を作りましても、民間の社会事業施設の経営者が掛金を払う能力がなければ、お話しのように制度を作っても実を結ばないわけでございます。私どもはそういう点を非常に心配いたしまして、この制度立案の過程におきまして、まさにお話しのように、そういう民間施設の方々とも寄り寄り相談しながら作ったわけであります。  それで大体どれくらい負担するかということでございますが、お手元に差し上げました参考資料の末尾の方でございますが、大よその見当を響いたのが六十八ページにあるわけであります。大体私どもの推計では、最初のスタートのときには、そこに働いておりまする職員の一人頭にいたしまして二百円くらいであります。それから大体二十年くらいたちましても、年額一人頭千八百円、三十年くらいでも二千円ちょっとであります。そこで大体民間社会事業施設で、一施設平均いたしますと、職員の数が六人か七人の間ぐらいであると思いますが、かりにこれを六人といたしますと、年額二千円として一万二千円でございますから、月にいたしますと千円の負担である、こういうことでございまして、この程度でございますれば——民間の施設もそれぞれファンドを持っております。また共同募金その他後援会からの経費も若干ながらそれはあると思います。この程度の負担であるならば、これは負担できるわけであろう、もちろんこういう程度の負担にとどめたいということから、御指摘のように国及び地方公共団体におきまして、この種の仕事、国の施策としてはあまり類のない高率の補助をいたすようにいたしたわけであります。そういう補助があるということを前提にいたしまして、施設長の負担が、先ほど申し上げたような程度にとどまっておる。まあこの程度でございますれば、施設長の方でも十分負担できるだろうということでございまして、私どもも、その点を相談しながら参っておりますので、まずまずこれでスタートをいたしまして、施設の経営者がそういう負担金を分担し切れないためにこれに入ることをちゅうちょするということはまずまずない、こういうことを確信を持っておるような次第であります。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 そういたしますと、これは普通の場合の国家公務員、地方公務員はもちろんのこと、共済制度でありまするから、相互に助け合うという格好になるわけでありますけれども、今御答弁のありましたように、非常に経営の困難な社会福祉団体に対する場合に今回の法案を適用しようというのでありますから、特異な例として、国なり都道府県なりの補助を多額にする、こういう形であります。非常にけっこうでありますけれども、そういたしますると、普通の場合における退職年金なりあるいは共済制度なりというものは、本人がある程度掛金をするというのが普通の制度であります。特に互助年金なんかの場合は、当然本人が負担をする、こういう格好になりますが、幾分か、その中でもって、ある程度の割合なりある程度の額なり基準なりに基づいて、該当するところの職員本人に対しても徴収をするというようなことはお考えであったのかどうか。それをとらなかったとするならば、そのいきさつ——先ほど御説明にあっただけでなくて、私はやはりそういったことをとらないことは非常にけっこうだけれども、二面において、何といっても退職手当の額が少なくなる、こういう格好になるのでありまするから、そういった点から見まして、相対的なものであったにいたしましても、その根本的な考え方というものが一体どこにあったかお伺いしたい。   〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 これは、退職金を支給するについての施設経営者の共済であります。退職金は、私どもの考えといたしましては、その経費は本来なら施設の経営者が全額持ってしかるべきである。こういう社会福祉事業というような特殊性から、私どもが先ほど申し上げたような法律のてこ入れをするわけでありますが、少なくとも、そこの働いておる従業員にその費用を持たせるということは、私どもは最初から考えておらないわけであります。これは今後ともそういう気持で参りたい。お話しございましたように、最近方々で互助共済のようなものもございますが、これは退職金そのものではございませんで、お互いの吉凶禍福等につきまして見舞金程度のものをお互い少しずつやる。これはこれとして一向差しつかえないと思います。この制度におきまする退職金につきましては、あくまでもそこに働いておりまする従業員から一部をとるということは考えていないわけであります。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 私もその趣旨はやはり賛成でありまして、非常に給与の少ない人たちでありまするし、非常に不安定な状態でもって、ことにまた苦労されてきた職員の人たちでありまするから、せめて退職時においては、国なりあるいは施設の責任においてその手当を支給するという方向にいくべきである、こういうふうに考えるのであります。その点は趣旨を了解をいたすのであります。しかしそれならばそれに見合うところの退職手当の額という点で、これは、われわれとしては内容的にいって決して十分でないと考えるのであります。それをお聞きをする前に、この退職手当を出されまするけれども、施設の経営者の負担額というのは、今おっしゃったように少なくとも二十年後において一人当たり年千八百円だ、こういうお話であります。これはやはりおそらく私は、この法律案が施行されたその時点からいわゆる勤続年数というものをはじき出して、それから何年勤めた、こういう形の中でもって算出がなされておることが、負担額の非常に低い一つの原因になっておると思う。ところが先ほど私がお伺いをいたしましたように、民間の施設の経営者なり職員というものは、実は戦前戦後を通じて非常に苦労されてわが国の社会福祉施設の確立のために挺身されてきたことは御答弁のあった通りです。そういたしますると、せっかくこの手当の制度ができましても、今まで長い間大へん苦労されてきたところのこれらの人々に対して、今までの分はこれはもうこういった制度がなかったんだからやむを得ない、これから先は国がこれに対しててこ入れをしようとするのだ、こういった形でその分は見ないということは、これはいろいろ予算や今までの経過から見ましてやむを得ないということでもってがまんをするということになれば、これは別でありますけれども、私はせっかく作るということであるならば、やはり今までの分を、たとえばそれがこれから先、この退職手当を支給する額に、そのままであるかどうかは研究する余地があるにいたしましても、何らかの措置がとられることが望ましい姿じゃないか、こういうように考えるのであります。それに対してどういうふうにお考えでございましょうか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 お話しのように私どもは、この制度が発足いたしましてからあと何年勤務した、こういうことで差し上げるように考えております。こういう制度を作りました場合において、どうしても経過的に今御懸念のようなことが起こることはいたし方ないわけであります。これはただいまのところどうしようもないわけであります。前におきましても厚生年金保険というものを作りました際にも、やはりそういう制度を作りましたときにどうにもならない点があったわけであります。それからもう一つは、事務的に申しましても、民間の施設等におきましては従来どの程度の給与があり、どの程度の勤務をやっておったかという記録というものがおそらくない、従ってそこに客観的に信頼するに足るだけのデータというものがございませんので、そういう点からいたしましても、はたして何年勤務されたといっても、その間の勤務条件がどうであったか、それから給与関係がどうであったかというようなことがなかなかつかめないという難点もございます。こういうようなことをいろいろ考えまして、私どもといたしましては、制度といたしましては残念ながらそういうことは組み入れることができない、こういうことになっておるわけであります。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 こういう新しい制度を作る際に、従前のこれに該当するところのものを見込むことはできないというのは、ある程度やむを得ない場合が多いのでありまするけれども、私はやはり民間の社会福祉施設に従事する人たち、新しく入った人、これから入ろうとする人にとっては、ある程度これから先国の措置がだんだんと充実をしてくる、こういう状態の中で、非常に恵まれた状態がだんだんくると思うのであります。ところが問題は、この制度を作ろうとすること自身の中に、お考えのように、何といっても民間の福祉施設が非常に今まで充実しておらなかった、その職員の犠牲も多かった、これを救おうという形であります。従って、当座は振興会に積み立てるところのこの金というものが非常に少ない。たとえば国が多額にこれに対するところの補助をするわけにもいかぬ。もちろん管理者がそれと相応するところの負担金を納める場合においても、一挙にこの負担額を増大することはきわめて困難である。こういう先ほど来の私の発言と御答弁にあったような状態を考え合わせてきた場合には、当座私はやはりそういったこともでき得ないと思います。しかしだんだんと積立金もふえていく中でもって、たとえばこの制度が施行されてから五年なり十年なりたったあとにおいては、かなりの充実した金が積み立てられてくる。私はこれはどういう計算をされて将来の支給額を決定をし、積立金との見合いを考えているのか、これは保険制度的な考え方でもってこれを支給、運用しようとするのか、この辺についてはよくわかりませんけれども、そういった将来のいろいろな状態がきた場合には、その充実の過程の中で、ある程度過去のものにさかのぼって支給をするというような、それは減額支給その他の方法というようなこともあり得るわけでありますから、そういった措置をこれから先将来にわたってお考え合わせいただくようなことができないものかどうか、こういうことを実は考えるわけであります。その点はいろいろな面で大へん要望が多いことでありまするし、この制度を作って魂を入れるということになれば、そういったこともまた当然考えられることでないか、こういうふうに思うのであります。これは今直ちに実行できるかどうかということは別問題といたしましても、そういうことに対する御配慮がやはりあってしかるべきではないか、こういうふうに思うけれどもいかがですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 この制度におきましてどの程度の掛金を出してもらうか、それからどの程度の支出が要るか、こういうことでありますが、これはただいまの厚生年金などのやり方と違いまして、毎年度でどれくらいの退職者が出るであろうか、それでどの程度この制度の条件を満たして、その方にこの制度で退職金を差し上げる額がどのくらいになるかということを一応推定をいたしまして、それだけの経費が必要であるということになると、その必要な経費をそこに加盟しております施設に従事しておる職員の数によりまして分担していただく。もちろん先ほど言ったように三分の二は公的な補助があるわけですから、その経費の三分の一だけを分担すればいいわけです。従いましていわゆる賦課方式と申しますか、毎年度の所要額をその年の職員の数でもって分担する、こういう方式をとっているわけで、従いまして建前から申しますれば、何年たっても、いわゆる積立金というものを持っておって、その積立金から生ずる利子と当該年度の掛金との合算でもってまかなっていくという仕組みでございませんので、この点は一つ御了承いただきたい。  それで従来からおります方の点については、私どももいろいろ心配してみたのでありますが、先ほど申し上げましたようなことで、どうしてもこの制度の中においては、これを解決することは今の立場ではできないと思うのであります。ただ施設それ自体は、何もこの制度のほかにはびた一文そういう退職手当というものを出していかぬということじゃございません。たとえばその施設の財政が許します限りにおいては、その施設長はいろいろそういう方々についても配慮してもらえるものだということは、期待していいんじゃないだろうか。これも施設の財政力の問題でございまするから、どうこうということはございませんけれども、まあそういうことで、ことにこういう制度になりますると、今御指摘のような点はだれでも感じる点でありましょうから、そういう面については施設の方にもいろいろ啓蒙いたしまして、その財政の許す限りにおいてはこの制度の外において考えてもらうようには啓蒙はいたしたいと存じます。この制度の場合といたしましては、今日のところはこれで一つ御了承いただくほかはないのじゃないか、かように考えます。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 今お話のあったように、従前も退職した際に、その事務費なりあるいは法人会計といいましょうか、そういった生活保護の措置費なり児童措置費なり、そういうものでないいろいろな費用でもって、ある程度の退職金に見合うような見舞金というものを支給しているということは、これは私はあり侮ると思うのです。従って、今局長がおっしゃったようなことは、最終的には、当座はそういったことを考えざるを得ないし、目一ぱいの支給をする、こういう金のやりくりをいたしますとするならば、当然そういったことにならざるを得ない。そういった将来のことを考えてみた場合には、何といっても施設の一般的な事務費なりそれ以外の会計の中におけるところの余剰をだんだんと積み立てていく、こういう方法がとられていかなければ、これに補てんをするというようなことはでき得ないわけでありますので、その点は一つ、ただ単に紙の上の指導でもって相済むものではありませんけれども、将来にわたって、これから先この措置費の増額もやられ、その中においてもある程度そういったものを、他の給与や他の事務費を圧迫するような形ではいけませんけれども、事務費の中に、明確でなくてもある程度そういった幅のある状態ができるようなことを、金額においてもあるいは指導の面においてもされることが望ましいと考えますので、局長の御答弁で大体わかりましたけれども、私の今再びお伺いする点について、そういうようなことでもって改善をされ、あるいは指導をされる、こういうふうにのみ込んでよろしいかどうか、お伺いしたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 この制度の中では先ほど申し上げたようなことでありますが、それ以外の点でもそういう余地もあろうかと存じますので、そういうふうにぜひしてもらいたいものだと私もそれは思います。ただ、ちょっとお話の中で国からの委託する措置費でございますね、これをうんとふやして、それがそちらの方に回るようにということでありますが、実は退職金を支給するための引当金というものは、私ども措置費の中で見るわけに参らぬわけでありまして、これはその点でできませんが、民間の施設でございますと、冒頭にもちょっと御指摘もありましたように、共同募金とかあるいはその他の後援会とか、いろいろな点からそういう援助の資金というものがあるわけでございますから、まあほかの方の、こちらの方の必要な経費をできるだけ見るようになれば、おのずからそちらの方に回すことが可能になってくる。結果においては、いずれにしても施設の会計が豊かになればそういう御期待に沿うようなことも可能になってくるかと思います。この点は、御趣旨のほどは、私ども十分考えて参るということで御了承を願いたいと思います。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 この内容を見ますと、いわゆる期間を一つの中心として、その間にある程度区別をいたしておるわけであります。そうして大体民間のいろいろな該当するところの施設の職員の給与自身が、ある程度何か基準でもって示してはおりますけれども、たとえば法の施行の前から、いわば戦前から勤めておったような人たちの戦後の混乱期におけるところの施設の職員の給与というものが区々であった、こういった点から、ある程度の基準は示しておっても、国家公務員、地方公務員の場合と相当違った区々の状態だろうと思うのです。そういう点から見ましても、この退職手当の制度というものは、そういう区々の状態を一つの土台として考えてみた場合にはある程度のでこぼこができてくる、こういうことが考えられると思いますけれども、ここまで厳格に規制することはどうかと思います。そのためにいわゆるえこひいきと申しましょうか、そういったものから公平を欠くおそれがないかどうか、そういうことに対してどういうような考え方をとられて対処されようとするか、技術的なことになりますけれどもお伺いをいたします。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 お尋ねのように民間施設の給与体系というものは、むしろ今のところ体系ができていない、非常に区々ばらばらであるし、格差があり過ぎる、これは従来からの沿革もありまして今日そうなっておるわけであります。そこで、他の公務員の場合でございますと、もう最終俸給とかいうもので一律にやりまして、まず間違いがなく公平は保たれると思うのでありますが、民間施設の場合にはその点がどうにもなりません。そこで一律に各施設にも適用されるような方法ということで、大体私どもといたしましては、法律案の第八条に書きましたように、その額は政令でもってきめて参りたい。そこで、さしあたりは三十五年四月現在でもって給与実態調査をいたしまして、その中の大体全部を勘定に入れると低い線になりますが、それが約六千三百円、その後ベース・アップを約一一・九、七・五とで二〇%ベース・アップになったというようなことを勘案いたしまして、それで最低八千円は何とかして確保いたしたいというので、政令で定める額を八千円を下らない額にいたしたい。実を申しますと、それよりも低い給与のところがございますが、極端に低いところまでを勘定に入れることはいかがであろうかということで、それは落としました。そしてこの政令で定めたい。従いまして、さしあたってのあれは私どもは八千円を政令で定めたい、将来ベースが上がって参りますればそれを上げて参りたい、ただいまのところはこういうふうに考えておるわけでございます。   〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 最後に大臣にお伺いをいたしますが、今局長から御答弁になりましたように、私は制度そのものは非常に斬新的な措置であろうと思うのであります。ただいろいろな制約があり、特にその施設の経営自身の困難さからいって、国家公務員に準ずる立場でもっていろいろと考えられたようでありますけれども、その額はどちらかといえば決して多額でないのであります。いわば口を開いたという程度にすぎないのであります。これから先おそらくいろいろな経済の伸展等にも見合い、あるいは遺憾ながら物価の値上がり等もありまして、だんだんと経済事情が変わって参るのであります。そういった場合にこの制度を作られましたけれども、そういう時代の進展、経済の変動に見合いまして、この内容もやはり当然改善をしていくことが必要だろうと思うのでありまして、局長の御答弁もありましたけれども、やはり大臣はその点に対して相当な融通を持った改善策を将来においてもその都度講じていく、こういう形にならなければ時代に即応した、生きた制度にならぬと考えるのであります。この点に対してはどういうようなお考えでございましょうか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 今回新しく発足した制度でありますからして、従って、さっきもお話のように、過去に対する手当等もないわけで、これからの問題にすべてなっておるのであります。新しい制度としましては、とにかく一応この際考え得るだけのことは考えてあるつもりでありまして、本人の掛金なしでこういう制度を行なう、こういうことでありますし、まちまちであります待遇の一々をもとにしますと、非常に低い人もおりますので、やはり一定の標準をもとにして退職金をきめるなど、のみならず、国も三分の一は負担するという例のないような考慮も払っておるということで、考え得るだけのことは考えて出発したわけであります。しかし、将来経済が大きく成長していくということがわれわれの期待でもあるし、必ずそうなるだろうと信ずるのであります。そうして国民全体の所得も倍になり、あるいは二十年後になればもっとずっとそれ以上になるというような、経済全体の情勢が大きく成長してきますにつれて、当然これは今の金額に固定しておくという考え方はおもしろくない。経済の繁栄成長に応じてこういう退職金の金額も十分これは考えて充実するものにしたいものだと思うので、そういう方向をとるべきものだと私は思っておるのであります。

田邊誠日本社会党

○田邊(誠)委員 いろいろとお聞きをしまして、内容はいろいろと不十分な点もありますし、われわれは今申し上げましたような幾多将来において改善すべき余地が残っておると考えるのであります。この法律案なり、その他いろいろと給与の面やその他の面で勘案されておりますけれども、しかしなおかつやはり今まで日陰にあって苦労されてきた民間の社会福祉事業の従事者というものが、いろいろな施策を講じて参りました結果ようやく日がさし込んだという程度だろうと私は思うのであります。まだまだ日の当たる場所に出たとは考えられないのであります。従って、そういった点で、将来この内容の改善と、さらに施設全体の向上のために一そうの努力をされることを強く希望いたしまして質問を終わります。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 午後一時まで休憩いたします。    午後零時三十三分休憩      ————◇—————    午後三時十三分開議

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  休憩前の質疑を続けます。玉島虎雄君。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 午前中に田邊議員からいろいろ質問されましたので、ちょっとはダブるかもしれませんけれども、その点はがまんして、丁寧に一つ答弁をお願いしたいと思うのです。  今回、田邊君が表現する、今まで社会福祉事業関係に活動していた人々に対してあまりに日が当たらな過ぎた、これからは日がやっと差し込んだ程度であるということの表現は、私も同感です。ところが幸い今回この法案によって、今まで長い間待望されたところの退職金そのものが共済法によってできようとすることは好ましい方向だと思います。しかしこの中に、法律案を見ると、今まで田邊君からいろいろ質問されたわけですけれども、身体障害者あるいは生活保護法とかというようなものは法案の中に明示されております。けれども、その他の範囲については政令にゆだねられております。ですから政令にゆだねられているというようなものは一体どういうものを想定されるのか、たとえばこの社会福祉事業というのには第一種事業と第二種事業がある。そうして公的福祉事業がある、私的福祉事業がある。そうすると、これに該当するものは、私的福祉事業に仕事をされるところの職員の方々が適用されるわけでしょう。そうすると、その政令に委譲されているという、そのいろいろの施設、それはどういうところまで想定されるのですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ただいまのお尋ねの件は、法律案の第二条の一項の五号に、「前各号に準ずる施設で政令で定めるもの」と、こういう点に関しての御質問だと存じますが、これは売春防止法に基づきまする婦人保護施設と、それから社会事業法に規定されておりまする結核回復者の後保護施設を、これにより政令でさしあたり規定するつもりでおります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうすると、この社会福祉事業に関連したもので、隣保事業とか、連絡助成事業とか、あるいは医療保護の事業とか、共同募金事業とか、そういうようなものがあろうと思いますが、それらのものについては政令でこれを定めないで、定めないから従ってこの退職金共済法には該当しないということになりますか、これを明らかにしてもらいたい。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ただいまお述べになりましたようなものは、大体今回のこの制度の適用からはずしてございます。それはこの制度を設けました趣旨は、大体この第二条の各号に掲げてありますような施設は、本来国が社会保障の最終的責任者として施設すべきものを、たまたま民間の非常にいい施設があるということで、そこにお願いをいたして、いわば国の責任でなすべきものをかわってやっていただくというような施設でございます。従いまして、そこの施設に働いておる職員の方々に、公の施設に働いておる職員の方々に準じた待遇改善をいたしたい、こういうことでこの制度を考えたものでございます。従いまして、その社会福祉事業法に規定されました施設全部がこれに入るというわけには参らなかったのであります。従いまして、たとえば児童福祉施設の中でも、児童遊園地とかあるいは児童会館というような、いわゆる児童厚生施設は除かれております。身体障害者福祉法によりまする補装具の製作施設とか、点字図書館というようなものも、さような趣旨から今回は一応除いて、かようなものにつきましては将来の問題として残しておくわけであります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうすると、今局長が説明されたように、後保護とか婦人施設とか、そういうようなところ以外は比較的いいところに委託してあるから除いた、そして今後の問題として残してあるというように受け取れるのですが、そういうような意味じゃなかったのですか、これはあとでもこういうところの施設を網羅して適用範囲に入れるということではなくて、もう将来も入れる必要がないのでしょうか。将来も入れる必要がないかどうかということです。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 先ほど申し上げました趣旨は、この二条に列挙されておりますような施設は国のなすべきものをかわって行なうという施設でございます。つまり国の責任でなすべきものをかわってやっていただく。従いまして、そういうところに働いている職員に公立の施設の職員と同じような待遇改善をいたしたいという意味から設けたわけであります。いわば公的な責任の度合いの非常に強いものだけをここに取り上げたわけであります。それで、ここに漏れましたものにつきまして、将来入れるとか入れぬとかいうようなものは、将来の発展の推移を見て考えたいということでありまして、ここでは、今回は一応除いたわけであります。こういうことを申し上げたわけであります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 午前の質問とできるだけダブらないようにしますが、今回適用されるところの社会福祉事業施設に従事しておられる職員の数は大体三万五千名ばかりだというように参考資料に書いてありますが、それらの人々の賃金が、実態調査をしたら非常に安かった。従って今回二〇%ばかりの給料を国庫補助をした。そうすると賃金が大体二〇%のアップになったわけですね。国家公務員に見合わせて大体二〇%程度のアップをされたと思うのですけれども、そうするとあらゆる施設の賃金体系として、平均賃金は一体どのくらいになっておるのでしょうか。それからもう一つ、一番最低はどのくらいになっておりますか。非常に保育施設の方では賃金が安いということが今日まで社会問題になっていたようですけれども、その数字が明らかとなっておるならば一つ説明をしてもらいたいと思うのです。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 お話のように、こういう民間の施設に働いている従事者の処遇を改善したいというので、昨年の補正予算で二・九%のベース・アップ、続いて本年度予算の際に七・五%アップ、大体二〇%ほどアップいたしたつもりであります。国家公務員なり地方公務員のベース・アップよりもさらによくしたわけでありますが、それでもまだ地方公務員、国家公務員などに比較いたしますれば足りないと思います。これは今後努力いたして参りたいと思っております。それで、そういうふうにいたしました結果、やはり施設の職員の給与は平均どれくらいかというお尋ねでございますが、昭和三十五年の四月三十日に調査いたしました結果で申しますと、平均いたしまして、公立の施設では一万九百八円、これに対しまして私立の方では八千二百十一円というような数字が出ております。これがその後どういうふうになったかについては、民間の施設については二〇%アップしているのでありますが、その後の数字は大体の推計しか持っておりませんが、たとえばお尋ねのありました保育所で申しますと、その当時の調査で、公立の保育所では九千四百六十円、私立の保育所の従業員の給与が七千三百六十二円であります。それがその後のベース・アップを見まして、今日の三十六年四月現在の推計でございますが、公立は大体一万五百八十五円くらいになっておる。私立の方は八千七百九十円くらいになっておるだろう、こういうような推計をいたしておるわけであります。従いまして、公立に比べますればだいぶよくなって参っておるとは申しますけれども、まだ若干低いものがあります。これは今後努力いたします。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうすると、国家公務員よりも、民間におけるところの施設そのものの賃金給与は非常に安いということを言わなければならぬ。それで現在二〇%アップして八千七百九十円ということは、世間一般の給与よりもずいぶん低いということが言えるわけです。しかも社会福祉事業というものは、今後の明るい社会生活を営ませるためにいろいろ気の毒な人々について世話をしなければならぬ。そういう世話をする人々の給与が非常に低い。これはほんとうに光がさし込まない——さし込まないというと語弊がありますが、そういう仕事だと言わなければならぬ。局長は今後の努力によってもっと引き上げるというようなことを言われておりますけれども、大臣、これを努力されますか。一般の水準より今は低いというように私たちは考えておる。それで自分の仕事量とかまた長時間の仕事量に比較して、こんなに賃金が安くて生きがいがない、こういうような訴えを私どもは再三再四にわたって受けておるわけですけれども、この人たちの生活のいくように努力される気持は、大臣は多く持っておられるだろうと思うのですけれども、その点ではどうですか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 そういうふうに思いますから、昨年の暮れと今年度で約二〇%という相当大幅な引き上げをいたしたようなわけでありますが、勤務の実情やそれから仕事の実態、また勤めておる人の資格等いろいろあると思いますけれども、できるだけ引き上げに努力したいと思います。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 大体古井大臣になられてから二〇%程度上がったということは、われわれは決して否認するものじゃないし、なかなか努力されておる。その努力が、政府の考慮がまだそういう人々に対して均霑しないんだと私たちは思う。ですから、均霑するために今後努力が望ましいと思う。しかし古井大臣の言葉の中からはその通りに努力するというようにわれわれは拝承するわけです。了承します。  そこで退職金手当共済のうち、最も基礎とするところを法律では大体八千円程度とされておるわけです。これは政令にまかせるんだということになっております。八千円を下らざる程度において政令にまかせるというようなことが書いてあります。八千円というようなことが出ておりますから、われわれ社会党が持っておるところの最低賃金法の八千円を適用されたということにも思うわけですけれども、しかし午前中に田邊君が質問をしたところによると、これよりも低いところがあるんだ、だから低いところは低いなりにきめなければならないのじゃなかろうか、こういうように言われることは、その退職金の計算の基礎が八千円とかあるいは八千五百円とかあるいは七千五百円になる場合があるのですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 これは法律案の第八条にございます「政令で定める八千円を下らない額」ということに関しての御質問だと思うのでありますが、これは午前中申し上げましたように、民間の社会事業施設におきましては給与体系というものがまだ完全にできておりませんので、国家公務員なり地方公務員の退職手当というように最終の俸給月額いうものをとって参るわけには参りません。それからまた現実に在職中にもらっておりまする俸給よりも高い基礎でもって退職金を支払うということも、これもとれないということです。さらにまた国がこの法律の補助でもってこの制度の裏づけをいたしまする点からいたしまして、やはりこの各施設の職員の全部に皆共通して通じるような線ということがどうしても必要であろうというようなことから、いろいろ考えたわけであります。ただ施設によりましては非常に低い賃金を現在払っているところもございます。これはあまりにも低いものにつきましては、それを基礎といたしますことはいかがかと思います。国の方でそういう特に低いというものはこれを一応まるめて、そうしてこの八千円を下らない額といたしたわけでございます。三十五年の四月三十日の実態調査によりますると、大体一年をこしました職員の平均の本俸と申しますのは、一番低いもので六千三百円ということでございます。これよりも低いのが保育所等にさらに数段階ございますけれども、これは先ほど申しましたように、一番低いものと考えます。特に低いものと考えて、これは一応除いて六千三百円というものを基礎にいたしまして、その後三割のベース・アップをしたということで大体これが八千円をちょっと欠けますが、七千五、六百円になる。そこで大体これをまるめて八千円ということにいたしました。有利な方をとりまして、八千円を最低として政令で定める。政令で定めるというのは今後政府の施策が伸びて行くに従いましてベース・アップなどもいたしまして、その場合にはこれが八千円があるいは八千五百円になり九千円に上がっていくということも私ども頭の中に入れております。その場合に一々法律改正をしなくてもすぐに政令でそれを直せるようにいたしたい、そういう含みでございます。ただいまのところ、さしあたりはこの八千円という額を政令できめた、かように考えておる次第でございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そうしますと、今のところは八千円を限度にして、ベース・アップが行なわれると、基本的計算の基礎を、八千円を八千五百円にしたり、九千円に今後はなっていくだろう。そうするとさいぜん厚生大臣が言われたその趣旨は、今後努力すると言われるし、そうして現在の給与ベースは非常に低いということが考えられる。保育所の保母さんなんかになって、それが七千円以下であったり、六千五百円であったりするということは、現在高等学校を卒業しても一万二、三千円で雇用されていくというような世間の趨勢になったとき、この保母さんになる資格を持っておるような人々は圏等学校を出たり、短期大学とかなんとかで資格を得ておるような人々であろうと思うのです。そうするとやはり世間並みの賃金ということを厚生省は厚生省なりに考えていかなければならない。そうすると必然的に八千円という基本的な計算の基礎そのものはもう間もなく上がってくることを想定しなければならないと思うのです。そうすると、掛金の項目でもこれまた政令に委任されておるわけです。掛金などははっきりと法文上明示し、そうして退職金の計算方式もはっきりし、その基礎もはっきりしておいた方が私たちはいいのではないかと思うのです。それを政令に委譲しなければならないということは、そのように貸金そのもののベースが変転きわまりなく今後上がり、そうして国家公務員や地方公務員と同格程度にしなければならないような配慮の中からこういうようなことになったのではないかいなと想定されますが、これを政令に委譲されたという理由はどこにありますか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 掛金の方は十五条で、毎年の退職手当に必要な費用というものをその年の施設の職員の頭数でもって大体分担していただく、こういう建前をとっております。従いましてどの程度に退職が出るかどうかということは、やはりそのときの推移を見てきめなければならないわけです。いわゆる賦課方式でございまするので、大体それでその年に必要とする額をその年でまかなう、こういう建前をとっておりますので、従いましてこれは極端なことを申しますれば、相当その年の情勢なり何なりでも変わり得るもので、これを法律でもって規定するというよりは、やはりそういうことを考慮してきめるわけでありますので、これは政令で定めた方が適当である、かような私どもの考えでございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 政令にゆだねるという理屈は、今局長からの説明でわかりました。ところが退職者の数によって、賦課方式によって変わっていくということは、年々歳々変わっていくということに受け取れるのですが、そういうことですか。そのような場合には、経営者は非常に変転する掛金になるわけでしょう。そうすると、政令によって当該年度は幾ら、当該年度は幾らというように変わっていくわけでしょうか。その退職数に応じて決定するというのだったらそういうことになりますが、これは不動なものですか、可動的なものですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 お尋ねのようにこれは可動的なものでございます。しかしながら可動的と申しましても、そう極端なあれがあるわけではございません。通常の場合でございますると、大体明年度どれくらい退職されるであろう、それからこれに加盟いたしました施設の方でもってそこの職員の頭割りでもって分担していただく、従いまして、たとえば十円なり二十円の差でも違ってくることはあり得ると存じます。さような点からいたしまして割に可動的である、しかし全体の傾向としてはそう極端に上がったり下がったりするということは私どもは考えていないわけでございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 さいぜん局長の説明によると六千三百円程度であった。そうしてまた六千三百円程度より低い給与があった。そういうところの施設の実態は、これは私の経営ですから、そう深く立ち入って検査はなかなかできないでしょうし、指導監督は厚生省当局がされるわけですけれども、しかしそれは一体どういうように見ておられますか。私設の企業の収入そのものが、財政そのものが悪いから従業員の給与が悪いのだと見ておられますか、その経営はいいけれども、給与が悪いのだと見ておられますか。そうすることによって六千三百円以下の賃金がある、五千五百円というような賃金がある。そういうふうに社会通念の給与と思われないような給与しか払えないところの企業家が、このように一人二百円程度、六人おれば一千二百円というような、そういうことは大した金額ではないでしょうけれども、非常に困られるのじゃないか。困られるから、こういうような制度を作らなくてもいいというように私は言っているのじゃなくて、そういうところの人々に一番先に作ってやらなければならぬ。ところが作ったがゆえに、企業経営者ですか、ここでは経営者と表現してありますから、経営者がそういうような負担ができないと思うところは、この法律では任意加入になっておりますから、そういうところは加入しない。加入されないだろう、任意で罰則もないんですから。ところが午前の田邊君の質問に対しては、そのように全部が入るように指導するんだということ。そうすると、指導されても、その経営者が払えないんだと言ってしまえば、指導というものは不成功に終わる。われわれは、このような退職金の問題なんかは、多くのものが渇望しているわけですから、すべて入って、そうしてそこに働く人たちには退職金共済に加入させるということが必要であろうと思う。ところが賃金が非常に安くて、二〇%上げたけれども、まだ八千円にも到達しないところがある。こういうようなところは、一体経営がよくて賃金が安いのか、経営が悪くて賃金が安いのか。経営が悪くて賃金が安いところの指導などについて、それに就職される人々、あるいはそれの世話をやかれる人たち、子供とかあるいはかわいそうな人々、そういう人たちに対しても親切の度合いが欠けるのじゃないか、こういうように思われるのですが、この点どういうようにお考え、あるいは常日ごろ分析されておられますか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 個々の施設でそこの職員に対する賃金に非常に格差があります。それでその低い理由がどうであるかということにつきましては、一々当たったことはございませんが、御承知の通り、前には、こういう社会事業を行なう人たちの気持というものは、そこにいわゆる人道的な気持から、その気の毒な人たちの世話をする、自分がそれによってどれだけの給与を受けるかということは、ほとんど問題の外に置いてやる、そういうような方が社会事業家の中には多かった、また社会事業に従事する方に多かった。こういうことがあるいはいわれるのではなかろうかと思うのであります。しかし今日になって参りますると、だんだん時代も変わって参っておりまするので、そこに働いておる人たちには、やはり世間並みの給与を差し上げて、そういう面には心おきなく、この気の毒な人たちへのサービスに専念していただきたい、こういうふうにだんだん変わってきておると思うのであります。ことに政府といたしましては、最近そういう方面に特に力を入れなければいけないという考え方で、先ほど来のベース・アップその他の措置を講じておるわけなんです。従いまして、今日民間の社会事業施設の貸金が低いということにつきましては、ただ施設に払える能力があったかなかったかということのほかに、やはり従来の経緯というものが相当大きく作用しておったのではなかろうか。従って払えないというよりも、そういうものでやっていける、またそういうものであるべきだという考え方がまだなごりを引いておったということが、私は大部分の場合ではなかろうか。もちろん需要と供給によってきまるのでございまするから、かりに安い賃金でもこようという人があれば、あるいは施設としてはそれを採用するということもあるかもしれません。しかしかような点につきましては、だいぶ業界の人たちの認識も変わりつつあります。政府の方も特に力を入れたい、かような情勢になって参っておるので、今後こういう問題については急速に改善されていくのではなかろうか、かように私どもは考えております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 中小企業退職金共済法が成立されてから、中小企業退職金共済法の中に加入しておられるこの社会福祉事業の民間経営者もあられるだろうと思う。ですからこの法律案の中にこれをダブって加入してはならないという禁止規定が設けられておろうと思います。これにはどのくらい加入されておりますか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 中小企業退職金共済の制度につきまして、社会福祉事業の施設も入ることはできるわけであります。ただし私どもの調べましたところでは、今日ほとんど入っておりません。四施設だけでございます。いろいろ話を聞いてみますると、現在の中小企業退職金共済制度の中身、あれでは自分たちとしては掛金をかけることがなかなか苦しい。それからまたそれに見合っていただく金額の方も十分なものとは思えない、掛金の関係もありまして、何とかほかのものを作ってくれということでございまするので、ここに新しくそういう人たちのための退職共済制度をお願いして、制定いたした次第であります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 その四つは、これができたらこっちに抜くわけですか。抜くわけにはいかない。それは中小企業退職金共済法も脱会、契約解除は自由でありますし、それはできるでしょう。ところが中小企業退職金共済法は、掛金二百円を三年以上納付した人々には国庫補助を五%する、こういうようなことになっておるのですけれども、中小企業退職金共済法とこの社会福祉施設職員退職手当共済法案との比較、これはもちろんその数でやると、八千円が基礎でありますから、こっちが非常に有利だというように考えられます。一年すると一〇〇%ですから、一年以上になりますと、八千円は退職金が支給される、こういうようなことになっておるのですけれども、退職金そのものを、私は読んでみて間違えておった。今まで十年働いた人がいる、十五年働いた人がいる、この人たちには、一応経営者が入会をして、その人たちが退職した場合は、自分の仕事の勤務年数に従って八千円を基礎として一〇〇%あるいは一五〇%とか一三五%とか、あるいはその他の計算によって支給されるものだというふうにずっと読んでおった。ところがそうでなくて、この法律ができて、被共済者となられてからやめる場合、ですから今まで三十年働いておった人たちでも、来年の一月に加入して、再来年の一月に脱会すれば、三十一年の年数に達していても、計算の基礎が八千円ですから、わずかに一万円くらいの退職金が支給されるということであります。国家公務員の退職金あるいは民間労働者の退職金があります。それは退職金規程がきまってから、その会社に勤務した年数はその規定通りに支給されるということになります。あるいは中小企業退職金共済法のように、ある一定の掛金に相当して退職金が計算される方式もあるでしょう。ところでこの問題については、十年勤めておろうとも、十五年勤めておろうとも、二十年勤めておろうとも、やめた人たちは加入してから計算されるというようなことは、非常に年とった人あるいは長期勤務者の人々なそこはかとない涙金、こういうようなことの支給しかないわけですが、この点について、どういうような考え方によってこういう方式をとられたのかお尋ねしたい。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 こういう制度が発足いたしました場合に、その発足前に長く勤務しておった人もその間のあれが計算に入らない、この制度ができてからあとの計算をしなければならぬ。そういう点で不利といいますか、この制度の面では給付上何ら過去のあれが計算に入らないという点については、これは午前中申し上げたことでありまして、この法律案のみならず厚生年金保険法におきましても全部そういうような仕組みでできておるわけでございます。中小企業退職共済法におきましても、やはりこれは掛金の額に応じて給付するのでありますから、過去に何十年勤務されておりましても、やはり見ておらないことについては本制度と同じでございます。ただ中小企業退職金とこちらとの比較でありますが、向こうは中小でありましても、とにかく金もうけの企業体であるということ、こちらは社会福祉事業でありまして金もうけというものじゃない、そういうことが根本的に違う点であろうと思います。さような点からいたしまして、いろいろな補助の点にしましても期間の計算の仕方にしましても給付の額につきましても、向こうと違ってくるのはいたし方ない。ただ向こうとこちらと比較してみますと、私どもとしてはこちらの方が社会福祉に従事している方であるということでなるべくよくしてあげたい、こういう気持で国の補助率も相当上回った高率の補助もいたしております。比較してみますと、中小企業退職共済に施設が入るよりはこちらの方に入った方がおそらく有利じゃないかと私ども思います。しかし入るか入らぬかは施設の経営者の気持でありますから、私ども強制するわけに参りませんが、先ほど申しました四つの施設もおそらくこちらの方に肩がわりするのじゃないか、またそうあってもしかるべきであろうかと存ずるわけであります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 直接この退職金共済法に関係はございませんが、社会福祉事業法で全国に社会福祉主事が活動されておるわけですが、社会福祉主事の仕事というものは今後の社会発展、社会の明朗化、そして暗い面を明るくしていく上に非常に重要な役割だと思うのです。この社会福祉主事は、今全国に充足されておりますか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ちょっとこまかい数字はありませんが、大体法定数の八五%ないし九〇%の充足でございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 八五%ないし九〇%が充足されておるということは、定員に満たないのがなお一〇%から一五%あるということです。社会福祉主事というものは全国で相当の人数だと思う。そうすると、この人々の定員は何万人が必要とされるのですか。この社会福祉事務所は、大体十万都市に一カ所設けなければならないというようなことになっておるわけですが、それに配するに社会福祉主事がおられて、国民の気の毒な人々がありやせぬか、そして自分はこんなに困っているがどうしたらよかろうということで相談を受ける、最高の知識と親切と技術を要求されるわけです。従ってこれは資格がなければできないはずになっておる。そういうように社会福祉主事の地位というものは重要であり、かつ必要であろうと思うのです。それが八五%から九〇%しか充足していないということは、国民に対する相談に応ずることができないか、あるいは社会福祉主事そのものがオーバーワークしているということになるわけですが、どうして充足できないのか、賃金が安いのだろうか、あるいは適格の人々がこのわが国にいないのだろうか、どういうところに基因するのでしょうか。そうしてまた、八五%から九〇%充足したら国民に対するケース・ワーカー的な仕事はこれで万全であると厚生省は考えられておるのでしょうか。この三つの点について一括して質問します。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 福祉事務所は現在全国に大体千十カ所ほどあります。これにつきましても、人口十万当たりに一カ所ということでありますが、しかし、市でもって福祉事務所を設けておりまして、五万、六万というところで持っている市がだんだんできてきましたために、今度は残されました郡部地帯が、十万ということになりますと非常に飛び離れておるというような点で実は問題があるので、今その辺の再検討をしておる段階です。  福祉主事につきましては、これは国が補助でいたしておりませんで、交付税交付金の中に算定いたしておりまして、交付税交付金の算定の際においては一〇〇%見ておるのであります。ただ地方の方で、どういう事情でありまするか、なかなかこちらの思う通り置いてくれない。しかしこれは交付税という制度をとっておりまして、地方の府県にイニシアチブをとらせておりますので、私どもの方では極力指導はいたしますけれども、その点でなお一歩われながら隔靴掻痒の感があることは免れないのです。そういう点から一〇〇%充足されない点もあるのじゃないか。これは私ども、だんだん社会保障なり社会福祉というものに対する世間の関心、認識が皆様方の御協力で重要視されてくれば、地方の方でもその点についての力の入れ工合もさらに強化してくる、そういうこともこいねがいつつ指導にはさらに力を尽くすつもりであります。  なお、生活保護法の基準の引き上げ等に伴いまして、さらにまた今年度中には各福祉事務所に一名あたり増員するような手配をいたしておる次第であります。今後ともこの充足については努力いたします。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 それではこれで質問をやめますが、私が短時間に質問をした中に三つばかり努力をしていただかなければならぬ点がある。その一つは、大臣が考え方を述べられたように、施設の社会福祉事業で仕事をしている職員の給与が非常に安いということです。それで、こういう人々の生活を向上させ安定せしめるために今後努力してもらわなければならぬ。それから、ただいま申しました福祉主事、この人々は定足数が足りないということが明らかになっておる。これは交付税でやっておるから、地方は地方で充足しなければならないのに、隔靴掻痒の感じがある、しかしこれは非常に重要な役割を持っている人々だから今後充足する努力が必要であろうということです。それからまた退職金は、現在賃金が大体八千円程度であるから八千円を基礎にして、将来賃金が上がればこれが変更されるものである、従ってこれは、大臣が今後の努力によってこれらのものを国がよく見、そうして保護することによってこの生活が上がる場合は、すみやかにこの退職金の基礎というものは変更されるべきであろう、こういうようなことが私の質問の中から明らかになったようであります。従って私はその三点について今後努力をさらに要望することによって、質問を終わりたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 社会福祉施設の職員退職手当共済法について、これは初めてできた制度でございまして、われわれもこの法案について非常に多くの疑問点を持っているわけです。  まず第一に、退職手当共済法の運営をやる主体が社会福祉事業振興会という団体になっておるわけです。他のものに、こういう団体が、こういう非常に長期の積立金の中から、なしくずし的にだんだん退職した人の手当を支給をする制度を何か持っている前例がありますか。御存じの通り社会福祉事業振興会というのは、設立の目的がお金を貸す団体なんです。ところが今度、お金を貸す団体が退職金を支払うような団体の仕事をやることになるわけです。本来の目的とは違ったことを運営するわけですから、この基礎というものが相当強固でないとこれは大へんなことになるわけです。何かこういう前例がありますかということなんです。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 御質問でありますが、この制度はお話のように永続的な仕事でありますし、またその金の支払いというものが確実に行なわれるように保障されなければならない。従いまして国が相当監督ができるようなものでなければいかぬというようなことで、いわば普通の法人じゃなしに、特殊法人がふさわしいものと考えておるわけであります。そこで社会福祉事業振興会は、社会福祉事業振興会法に基づきまする特殊法人でございまして、その設立の目的は、民間社会福祉事業施設の整備拡張等に低利長期の融資をするということと、それからこの助成を行なう、そういうような目的を持った、いわば民間の社会福祉事業の振興をはかることを目的とした団体でございまするので、これにその仕事を行なわせるということが適当なものである、かように私どもといたしましては考えたわけです。そのためにわざわざ特別にまた新たな法人を設けるということも考えられないわけではございませんけれども、まあこの振興会というものがたまたま既存の法人でございまして、そういう目的を持っておるものでありますから、これに行なわせることが妥当である、かような見解を持つに至ったのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 もしそういう御見解であるならば、すでにあなた方がこの法案で、たとえば三条でお気づきになっておるように、中小企業退職金共済組合に加入をしておる者は加入せしめることができないわけです。こういう条文が出てくるからには、すでにこの社会福祉施設の職員の中にも中小企業退職金共済組合に加入しておるものがあるという推定が成り立つわけなんです。それならば何も社会福祉事業振興会に特殊の目的を付与して——これは本来の設立の目的からいえば少しはずれているのですよ。そうするとただ所管が労働省だから——ここらあたりがやはり各省割拠の弊です。これで事務が複雑になるのです。中小企業とはちょっと違うけれども、形から言えば中小企業的なところですね。ただそれが労働省だということなんです。たくさんお金を出すならば、中小企業退職金共済法の前進をはかる意味で、国が三分の一のお金を入れてやるのだといえば、他の中小企業の労働者もそういうことになるのですよ。ここらあたりのものの考え方が、どうも見るとやはり各省割拠の弊が出てきているのです。事務を複雑化するのですよ。それは現実に何も社会福祉事業振興会というものにそういう新しい目的を付与しなくたって、すでに目的を持った中小企業退職金共済法という法律ができておるのですから、あることをあなた方が知らなくてこういうものをお作りになるならいいけれども、知っておるのだから、ただそれがたまたま労働省だということだけなのでしょう。それなら労働省とあなたの方との大臣の共管にされたらいいでしょう。こういう面は共管にして、まだ厚生省には社会福祉施設だけではなくて、この中小企業に所属するこういうものの必要なものが、探してみると幾らでもありますよ。たとえば病院なんかというのも必要になってくるのですよ。医療法人なんかという病院も、社会福祉前進のために同じ使命を持っています。そうするとそういうところの職員も当然ここでやらなければならぬ。そういうものはやっていないのです。それならば全部まとめて中小企業退職金共済法に入れる、そうするとこれはとにかく三分の一国のお金を入れるのですから、大きな前進ですよ。労働省が今五年以上でわずかに五%かそこらしか入れぬものを、三分の一入れるのですから、大前進です。今度五年以上五%が多分三年か何かに改正されました。そのくらいしか前進していないのです。ところが今度こっちは三分の一なんですから、そういうものと同居すると、他の中小企業の前進にこれがてこになるわけです。こういうことをあなた方はお気づきになっているのですよ。なっていなければ私そういうことを指摘しないけれども、わざわざ中小企業退職金共済法に加入をしている人はこれに入れないことになっているのです。そうすると、同じ社会福祉施設の職員でありながら、退職手当金に不均衡が生じてくるのです。それはどうしてかというと、今度のこの制度の方がはるかにいいからなんです。ここいらあたりのあなた方が立法したときのお考えというものは、一体どう調整をしようとお考えになって、こういうことをしたのか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 中小企業退職共済制度との関連の御質問でございますが、お尋ねのように、中小企業退職共済制度というのがありまして、これは中小企業の方々を主として対象として共済制度を設けておるわけであります。そちらはいわば営利企業でございます。それで中小企業でございますので、個々の企業体がそれぞれ独自で退職金を支給するというようなことになりますと、大企業と異なりまして、いろいろな点でもむずかしいし、それから従業員の立場からいうと不安定な点があるというような点からして、ああいう制度ができた。これは非常に喜ばしい制度だと思うのであります。こちらの方は営利企業ではございません。いわば社会福祉事業でございます。特に国なり地方、府県が本来なすべき仕事をかわってやっていただいている、公的色彩の非常に強い施設だけを取り上げております関係上、そういう施設に働いている方に、公立の施設で働いているならばもらえたであろう退職金というものが、従来なかなかこういう方ではもらっていない。そこで処遇改善の一環としてかようなことを考えたわけでございます。従いまして、あくまでも私どもは社会福祉事業というところに従事する職員の処遇の改善であって、そういうことをするように考えてあげることによって、その施設に働く人たちが後顧の憂いなく、と言っては少し大げさ過ぎるかもしれませんが、安んじてそこに収容されておる気の毒な方々の処遇、サービスに邁進できるようにしてあげたい、かようなねらいでございまするので、これは私の方の厚生省で所管してやるということは、一向差しつかえない。別にこれは労働省とか厚生省という割拠争いから、そういうことを出したんじゃありません。向こうの方はやはり労働省でなさるのが当然であります。私の方の関係では、やはり厚生省でこれを考えてあげるのが当然であろうと思うのです。さようなことでございまするから、向こうの方では、たとえば国の補助にいたしましても、御指摘のように三年たった後に五%とか、十年で一〇%とかいうように補助率は低い。向こうの方はそれでいいと言ってはなんでございますけれども、それでもって現在の立場ではやむを得ない、こういうことであろうと思います。ただその制度で私どもの方の社会福祉施設の職員をそこに入れるとなりますと、第一には掛金の点において、最高の千円はもちろんのこと、最低の月二百円といいましても、これもなかなかの負担でございまして、経営者の方からいえば負担が困難であります。またその給付の面につきましても、中小企業退職共済で受けまする給付の点では、地方公共団体の、つまり公立の社会福祉施設に働いている職員に準じた退職金を差し上げることが困難でありまするので、向こうの方にこれを入れるということでは処遇の改善にならない。かような点から新たに社会福祉施設の従業員だけを対象としたこの退職手当共済制度というものを設けるに至ったわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今の御答弁は、今まで厚生省がここで一貫して答弁をした答弁と違うんです。たとえば厚生年金で、農林関係の職員が厚生年金から出ようとしたときに、厚生省はそれは出ていかぬ。そういうように、各省がそれぞれの職員で年金を作るということになったら、年金はばらばらになってしまんだと言って、あなたが保険局長のときかどうか知らぬが、答弁された。ところが今度は労働省の方は、それは労働省でやる、われわれの方の職員はわれわれがやるんだ、こうなれば、その退職制度というのはもう群雄割拠してしまうんです。ますます社会保障というものは複雑怪奇になってくる。今あなた方の省の方針というものは、社会保障を統合一元化しようという方向に向いているんでしょう。古井厚生行政の一貫した方針というものは統合、一元化しよう、そうして今大内先生の社会保障制度審議会に答申を求めている。ところが一方においてそういうものを今度作っていくということになるとおかしいと思う。なぜおかしいことになるかというと、中小企業退職金共済法にすでに現在加入しておる人を拒否する必要はないと思うのです。この制度が出たならば、この制度にも加入することは、多々ますます弁ずるわけですから、不安定な人の老後を安定させるのに、二重になったらなおいいわけです。ところが三条を見てごらんなさい。「次の各号に掲げる場合を除いては、退職手当共済契約の締結を拒絶してはならない。」と書いてある。中小企業退職金共済法に加入しておるところの福祉施設は拒否することができる。そうすると、せっかくそこの福祉施設の経営者が、その千円をかけて、そして中小企業退職金共済法に加入しておった。ところが今度それよりかいいものがここにできてきたんだから、じゃこっちに移りましょう、こういうことになりかねない。そうでしょう。今の太宰さんの言葉をかりていえば、あんな千円も、二千円もかけるものにはとても入れぬ。こちらは給与も少ないし、経営も困難だから、こういうことで満足せざるを得ない。こうなれば、まるきりそれじゃ、前進しておるものを引きおろすことになるのですよ。どうも今まで厚生省がここで答弁された行き方とはこの法案は違うのです。違うけれども、これはまあないよりかいいのですから、私は反対はしません。反対はしませんけれども、こういうように、厚生行政がそのときどきの一貫性のない、風の間に間にゆれるような政策をやっていっていると大へんだということだけは指摘できると思う。それならば、こういうものにもつと違ったいい方法を、先に給与体系を改めてやるとかなんとかして、もっといいものに加入せしめた方がいいのです。保育所その他の不足の分は国が見てというようにしたらいいのです。そういう点で、どうも今の御答弁では、第三条の関係からいって納得できないのですが、中小企業退職金共済制度に加入している者がやめてこっちに来ると、これは来るものは拒まずでしょう。やめてしまったら拒まない。そうすると、それをやめれば、今拒まぬと言っておるが、そうすると、せっかく中小企業退職金共済制度に加入させていただいて喜んでおった人たちは、これは損したことになる。あなた方がその職員の退職後の安定をはかろうとしたことが、むしろ部分的には足を引きずることになる。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ちょっと御質問の趣旨、わかりかねる点もあるのでございますが、従来民間の社会福祉施設で退職金をその施設の従業員に払っているというところも約半分くらいございまして、その半分の、退職金等を支給しておりまする中身も非常に低額なものが多うございまして、中には従業員にも若干かけさせていたんじゃないかと思われるようなものもある。とにかくそういう退職制度というものについては非常に進んでいなかった。そこで中小企業退職共済制度ができました際には、そちらの方に入りますれば、とにかくより多くの給付ができるということでありますから、そういうところに加盟できるものは加盟したということは、私は当然けっこうなことだと思うのであります。ただ先ほど申しましたように、割に掛金が高いということのために、大多数の社会福祉事業施設はそこに入れない。入れないので、まあ自分たちに可能な程度の掛金で、しかしもらう方はできるだけいいものを一つ作ってもらいたいという要望が実はあったわけであります。そこで、二重加入の点になりますると、これはやはり国が高率補助をいたして設けました制度に、やはりあちらとこちらと両方加入するということを認めることはむずかしうございまするので、かような措置を法律上いたしておるわけであります。従いまして、中小企業退職共済の方でいこうという施設は、それでけっこうでございます。しかし向こうには入らないというのであるならばこちらの方に入る、入るというからには向こうの方とも手を切っていただく、向こうに入るというならこちらと手を切っていただく、とにかく両方一緒に入るという二重加入だけはあれしていただきたい、かようなことで、そこで、私どもも今四つほどの施設が中小企業退職共済に入っておりますが、これがはたしてこちらの方に移って参るかどうかということは、私の方から申し上げる筋合いのものではないのでありまするが、かりに向こうを脱退してこちらの方に入ってきたといたしましても、別にそれによって、何といいますか、その施設に働いておる従業員の方が不利になる、そういうことはまずないというふうに私どもは考えておるわけであります。とにかく私どもがこれを考えました趣旨は、社会福祉事業に働いている職員に、公立の場合と同じような処遇改善をいたしたいというその施策の一環としてこれを設けたのであります。これはどちらの役所でもってこういうことを考えてあげたらいいかということになりました場合において、やはり厚生省の方で考えてあげるのがしかるべきだ、こういうことでやったのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、実施の主体が社会福祉事業振興会だとして、その場合に、この資料によりますと、社会福祉施設関係の職員の総数は三万五千九百七十六人ですか。この中でどの程度の数の人がこれに加入するというお見込みをお立てですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 午前中答弁申し上げましたように、私ども、この制度を作ってくれという業界の要望並びにこの制度の立案の過程におきましても、いろいろ相談して作って参りました点から考えまして、私どもはこの該当施設のほとんど大部分が参加していただけるものと考えます。また私どももそういうふうに指導いたしたいと思います。しかし施設によりましては、これ以上のいい退職金を支給できるものであるならば、必ずしも国が高率の補助をしてまでそういう人をこの制度に引き入れてめんどうを見なければならぬというあれもないと思いますので、その点は私の方でお断わりするだけの余地は残しておりますが、まず大体から申しますと、大多数の社会福祉事業施設はこういう制度に加盟していただいた方がいいのではないか、かように考えております。ただし、この三万五千九百七十六という数字は、その右の肩の方にございますように、三十五年の四月三十日の実態調査の点でございまして、その中には調査資料が不備のために若干落としたものもございます。それからあと自然増というものを考えて参りますと、大体この制度の給付の始まります三十七年には約四万人前後になるのではなかろうか、一応かような推計をいたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、四万人程度の事務をこれは取り扱って、相当複雑な事務になってくると思うのです。その場合に、社会福祉事業振興会というものは、三十五年までの出資の累計は六億一千万円くらいで、ことしは多分七億近くになると記憶しております。そうしますとこれは四万人の事務を扱うことになるわけですから、ここの事務費の関係というものはどういう予算措置がとられておりますか。幾らの予算措置を出しておりますか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 三十六年度におきましては、こういうものの準備及びこういう制度が発足いたしました場合において、その加盟の受付という程度でございますが、三十七年度以降において掛金の徴収あるいは給付が開始ということになりますので、本格的な予算措置は三十七年度予算でいたしたい、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 この法律はことしの十月一日から施行するのですね。そして四章の規定は三十七年の四月一日から施行するのですから、事務は十月から始まるわけですね。半年分の事務が要るわけです。そうすると、振興会に一文も出さぬというのは、ちょっと論理が合わぬじゃないですか。民間社会福祉事業の助成費としては五百万円計上していますけれども、それは振興会にいく事務費ではないと思うのです。振興会の予算の中には、ことしは九千万円の出資があるだけで何にもないのです。そうすると、その振興会に、お前の方が今までやっておったので事務をせい、こういうことになってしまうのですね。これはやはりちょっと片手落ちじゃないですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ちょっと答弁が落ちておりましたが、三十六年度では、先ほど申しました程度の仕事をいたしますために三百万円予算化してございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうするとこの民間社会福祉事業助成費五百万円の中の三百万円を振興会にやることになるのですか。これはあなたの方の事務費ではないですか。三百万円はあなたの方の事務費ではなくてどこにやるのですか。われわれに配付された予算書では、社会福祉事業振興会には九千万円の出資以外には何も予算がないのです。そうすると当然そこにこういう仕事を出資の主体としてやらせようとすれば、予算面に出てこなければいかぬですよ。振興会の方の項目に予算三百万円というのは出てこなければならぬのではないですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ちょっと今予算書が手元にありませんが、振興会出資金は三十六年度で九千万円でありまして、別なところに社会福祉事業従事者退職共済事務費補助として三百万円計上しております。この法律がもし御協力で通りましたときには、振興会の方にそれを流して交付するということになるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。予算の項目がそうなっておらぬものですから……。しかしこれは私の方の罪ではないようであります。三百万円の事務費で約四万人程度やることになるそうであります。  次はこの六条で、共済者が経営者でなくなると必然的に退職することになるわけです。つまり共済契約者が経営者でなくなったときに、一年以上被共済者であったときには退職手当をもらえることになるのでしょうね。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 その通りでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それから六条の五項の「退職手当共済契約の解除は、将来に向ってのみ効力を生ずる。」というのはどういうことを意味しますか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 これは別段特別の意味はございませんで、お読みになった通りでございます。退職手当共済契約が解除されました場合に——これは六条の二項の各号にいろいろあります理由で解除になるわけでありますが、それが遡及するというようなことはない、将来に向かってのみ効力を生ずるということであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これはあとでいいですが、具体的な例でどういう場合か説明をしていただくとわかると思うのですが、われわれはしろうとですから、具体的な例として六条の五項のような場合はどういうことですか。

実本博次厚生事務官(社会局庶務課長)

○実本説明員 お尋ねの五項の問題でありますが、掛金をかけて退職金を給付するという契約を解除してしまいますと、この項目がありませんと、給付しませんということになるわけであります。解除しましても、実際の解除の効果は将来にだけ発生するのだということにしておきませんと、もし遡及して効力を生ずることになりますと給付しないということも言い得るわけであります。そういう意味でこういう条文が入っておるので、中小企業退職共済法にもあります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ちょっとわからぬのですが、これは私もあとで研究してみましょう。  次は八条の一番大事な政令で定める額ですね。「政令で定める八千円を下らない額」こうなっておるわけです。一体あなたの方はこの政令で定める額を幾らにするのか。この根っこが幾らになるかによって、国の補助する額も負担する額も都道府県の額も、それから掛金の額もみんな違ってくるのですね。だからやはり発足にあたってここを明らかにしておかぬと、これが一番根っこなんです。これは幾らにするつもりなんですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 これは先ほどもちょっと御答弁申し上げた中にあったのでありますが、さしあたり私どもは八千円を政令できめるつもりであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。「八千円を下らない額」と書いてあるから、一万円くらいにきめてくれるのかと思いましたが、八千円だそうでありますから……。  そこで八条二項に、「退職した者の被共済職員期間が十年をこえず、かつ、その退職が自己の都合によらないものである場合における退職手当金の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定に基づく政令で定める額に、その者の被共済職員期間の年数を乗じて得た額」こうなっておる。そうすると、自己の都合のときはどうなるのですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 八条第一項にございまするように、十年以内でございますれば、五年以内は百分の六十の率、それから五年から十年までの間ついては百分の七十五を、その基本額に年数、それにさらに今の率をかけた額が、十年以内の自己都合退職の場合の給付額でございます。十年をこえました場合においては、自己都合であるなしを問わず、第三項の方に行ってその額で計算いたして支給いたします。これは大体国家公務員等退職手当法の規定にならって規定いたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それから掛金の問題ですが、その十五条二項に、「掛金は、退職手当金の支給に要する費用に充てられるべきものとし、その額は、政令で定める。」こうなっておるわけです。従って、この掛金だけを、福祉施設の経営者が五人おれば五人分の掛金を払うことになるわけですが、それぞれの施設はみんな収入がアンバランスになるわけですね。これをある程度一率にしたものにしていくわけですから、さいぜん二百円とか千円とかという高額な掛金はなかなかできかねるというお話があったのですが、これは一体幾らにお定めになるおつもりなんですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ちょっとおそれ入りますが、便宜今の資料の一番最後の六十八ページをお開きいただきますと、「(4)制度実施後一〇年間の退職人員の推移及び退職手当金額の推算」というのがございます。そこで、先ほど答弁申し上げましたように、この制度ができますときに一応四万人前後になるであろうという計算上の見込みでございましたので、一応四万人という基礎をスタートとしてやりました。そこで一番左の欄は、従来の傾向を見まして各年度ごとに加入者がどのくらいあるかということを見込み、それから退職者も、従来の全体から見まして、特にこういう制度が設けられますると、若干安定して長く腰を落ちつけて働いてくれるだろうということも加味してございますが、そういう点で退職者数が出る。それからまん中の欄に、その人たちの中でこの退職手当金の支給を受けます者は、一年以上勤務しておるというような条件がございますので、該当する方の数が出ております。それに対して、それぞれの退職するまでの勤務年数の推計等からはじきました退職手当金の額というものが、その右から三番目の欄に出ておるのでございます。これだけのものが一年間に大体必要とする退職手当金の総額である。これを、国と都道府県から合わせて三分の二の補助が参りまするので、施設の経営者が負担いたしまするのはその退職手当金額の三分の一でいいわけでございまして、そこで右から二番目の欄に、退職手当金の額で、施設の経営者が負担いたします額が、つまり三分の一の額が出ております。これを当該年度におきまするところの、大体加入している施設に働く従業員の数というもので、推計で割りましたものが一番右の欄の一人当たりの年の負担額でございます。そこで、三十六年の十月一日から実施になりますが、一年以上勤務した人に対して退職金の支給が行なわれるわけでありまするから、支給の対象は三十七年の下半期からであります。そこで、三十七年度は、その該当する人の数も退職手当金の金額も非常に少ないわけでありまして、従いましてそれの負担の方も、一人当たり年額は七十三円程度でありまするが、翌三十八年度から平常化いたしまして、そこで百九十九円、二百円くらいになるわけであります。それから二十年後におきまして、一番下の欄にございまするように、一人当たり千七百九十一円、千八百円くらいのものを負担していただく、こういうことになるわけであります。従いまして、一施設に職員がかりに五人おられるといたしますれば、この一人当たり年負担額にその職員の数だけをかけた分だけを施設の方から出していただけばいいということになるわけでございます。しかもこれは年額でございますので、月割りにいたしますとその十二分の一の負担ということになりまするので、従いまして、この程度の額でございまするならば、今日の民間社会事業施設で、いろいろ格差はございまするけれども、負担することは可能であろう、かように推定いたしておる次第であります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、第一年度は七十三円、二年度は百九十九円、こうなっているわけですね。わかりました。  次は、国及び都道府県の補助の、国の補助ですが、この十八条をごらんになりますと、「退職金手当金の支給に要する費用の充分の一以内」となっているわけですね。これはやはり「三分一以内」と書かずに、どうせ三分の一計上されているのですから、きちっと三分の一とお書きになったらどうだということです。これはこういう道を作っておると、いつも大蔵省からこれをたてにとってやられてしまうわけですね。少し余裕ができてきますと、三分の一はおろか四分の一か五分の一にされてしまう。それは殷鑑遠からず、失業保険その他みなやられているのですからね。だから私は、むしろこの「以内」は削るべきだと思うのです。これくらいの修正ならば与党も応ずると思いますが、これは三分の一とすべきだと思います。以内々々とけちなことを言わずに、たった二字のことですからね。取ったらどうですか。千丈の堤もアリの一穴から破れてしまうのです。これは三分の一にしなければならぬ。  それから「振興会の事務に要する費用」というのは、これは全額事務費は見るという意味でしょうね。これははっきりしておかないと、少しまた余裕が出てくると——だんだん余裕ができてくるのです。余裕ができてくると、事務費は全部積立金の集めた利子からやりなさい。お金というものはだんだんたまってきますからね。全部出てしまいやしないでしょう。取ったものを、幾分余裕をとって全部出すのですか。(「全部出すのだ」と呼ぶ者あり)それは全部出すということになると、ますます問題です。それは幾分残るはずです。全部出せば、ますます事務費は全額負担をしておかないと、すっからかんですから、もしこれがたまるということになれば、そのたまったものから必ず大蔵省にやられる。厚生省の厚生年金だって労働省の失業保険だって、みんなやられているんですから。だからこれはここに、振興会の事務に要する費用は全額国が見るというくらい、こういう零細なものをやるときには念には念を入れて、石橋を二度か三度たたいて渡っておかぬと、あとになってから、そんなことはありません、法文を見て下さい、三分の一以内と書いてあります。事務費は全額とは書いておりません、必ずこうなるのです。僕らはいつもだまされておるから、どうも小国民的な、バルカン政治家みたいな気持になる。これはここで、必ず間違いありません、事務費は全額でございます。三分の一以内と書いてあるけれども三分の一間違いないということならまたそれは考えますけれども、しかしこれは三分の一以内の以内という二字だけは削ってもらいたいと思うのですが、どうです。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 第十八条に関連している御質問でございますが、この退職手当金の支給に要する費用の三分の一以内というのは、これは国が補助いたします場合におきまする何と申しますか、他の法令でも全部この書き方で書いております。まあ例文であります。おかしいとおっしゃられればおかしいかもしれませんけれども、大体それが前例になっております。ただしその実質は大蔵省とも十分に政府内で相談をいたしております。三分の一を見る、こういうことでありますので、これはお約束申し上げて間違いないと存じます。  それから第二号の振興会の事務に要する費用というのは、これは事務に要する費用の全額であることは、こういう書き方をいたしますれば、当然でございます。その場合におきまして、ちょっと御質問の中に余裕というお話がありましたが、これは滝井委員はこの方面はとくと御承知でありますが、積み立て制度でございません。従いまして、いわゆる賦課方式をとっておりますので、その年度に必要な額はその年度にまかなうことといたします。しかし若干の安全率というものは見込むということにもなりまするから、その意味の若干のものはございまするけれども、まあそのために大蔵省がこういう事務費のそこばくを落とす、ちゃこねるというようなことはいたさない、これは御心配要らないのじゃないか、こういうふうに御了承いただきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 まあそこばくのことは大蔵省はやるけれども、一つよき前車の轍を示してもらいたい。  ここに失業保険法の二十八条を見ますと、「国庫は、前二項の費用の外、毎年度予算の範囲内において、失業保険事業の事務の執行に要する費用を負担する。」となっておる。失業保険の事務費というのは二、三十億かかるのです。ところが国庫はたった一億しか負担しておらない。そして一億でも負担しておれば、ごらんの通り全額とは書いておりませんから、事務執行に要する費用と負担いたしましたということになっております。太宰保険局長が御説明したようなことになれば、失業保険のこれは直させなければいかぬ。そうはいかぬのですよ。まず第一に、この十八条に予算の範囲内でと書いておるのですから、三分の一国の財政で出せなければ、予算の範囲が三分の一に満たなかったというのなら、それからでも三分の一出す理論が出てくるのです。ところがそういう大きな予算の範囲内でというワクをかぶりながらまたも三分の一以内という小さなワクをかぶるのですから、手かせ足かせ、ヘレン・ケラーよりひどいですよ。こういう零細な社会福祉施設の職員をヘレン・ケラーのような目にあわせなくてもいいですよ。やはり三分の一以内はどけなければいけない。  もう一つは、今のことで失業保険でもう前例がある。太宰さんの前の保険局長時代の厚生年金の事務費だってそうです。だんだん積立金がふえてくる、利子がふえてきますから、その事務費だって全部国がまかなっていませんよ。みんな同じ書き方です。  それから十九条の都道府県の補助です。これは今のあなたの言葉にあったように、三分の一県が出すんだ、こうおっしゃったのです。なるほどことしの予算説明でもそういう説明を会計課長がしたのです。それで僕は待てと思って見たら、「都道府県の予算の範囲内において、振興会に対し、退職手当金の支給に要する費用の一部を補助することができる。」十九条は十八条よりもっとあいまいもこたる状態になった。これはもうかすみになっちゃったのです。これでは都道府県は、なかったら三分の一負担しない。三分の一負担するという理論的な根拠はこれから出てこない。それなら、ここにも義務的にやはり三分の一負担しなければならぬと書かなければいかぬのです。そうすればこの経費はやはり当然義務的な経費になるのでありますから、地方財政計画にきちっと出てくる。こういう書き方をしておると、また国民健康保険における、一般会計から国保の特別会計に突っ込むのと同じように、やみからやみに流れて、こういう弱い職員ですから出さないです。金を出さなくなる。どうも十九条と十八条は修正をしなければいかぬですよ。そうして都道府県は三分の一を必ず出すという義務的な経費にしないと、三分の一は、今度はこの施設の経営者が出すんですから、なるほど今は七十三円だから心配要らぬでごまかされるかもしれないけれども、十年たてばさいぜん太宰さんが御説明になったように、これは昭和四十六年になってみますと七百六十五円になり、さらに二十年の後には千七百九十一円になる。こういうことになると大へんです。所得倍増計画で昭和四十一年になったら所得は倍加しておるかもしれないけれども、今の池田内閣の所得倍増計画では、こういう施設に入るところの子供あるいはそういう層は、これは倍増しないんですよ。そういう倍増しない層の国民の子弟なり関係者が入るところなんですから、従ってそういう施設の収入も倍増しないのです。こういうところから考えてみると、私は十九条は当然三分の一ときちっと書けると思う。国が三分の一、県が三分の一、これは伝染病でも何でもみなそう書いておるじゃありませんか。こういう大事な退職後における生活を保障しようとするものが、その予算の面でしり抜けであってはいかぬ。どうしてきちっと三分の一と書けないのですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 これは御懸念も私よくわかるのでありますが、決して御心配は要らないのでありまして、この書き方は私立学校教職員共済組合法に同じような規定がございまして、その書き方とこれが歩調を合わしてあるのであります。実質は御指摘のように都道府県三分の一を出している。それについては地方財政計画の算定基礎の中にこれは盛っていただかなければなりません。これは自治省の方とも十二分に打ち合わせまして、自治省の方へその点の手配をいたします。並びに地方に出させるように両省の方でもって地方へも話をする、こういうことでありますので、三分の一は地方に出してもらえるもの、かように考えております。従いまして実質については御心配要らないのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 結核予防法を御存じでしょう。都道府県の四分の一を義務費にしていないために、結核審査協議会をパスしても出してない。これとちょうど同じように、一部を補助することができると書いておって、補助しなければならぬと書いていないために出ないじゃないですか。だからこれはちょっとあとで与党の皆さんと話し合って、やっぱり三分の一ときちっと書かなければいかぬと思う。これをやろうとすれば、どうせ三分の一出すということがきまっておれば、しなければならぬと書いてちっともさしつかえない。今太宰さんの言葉は安心せよといったって、結核予防法なんかやっていないんだから……。今のように地方財政がやることが多くなって、そして国が金を出す、独立の財源をくれなければ、地方はこんなものを削る以外に削るものがないといって、一番弱いところを削ってくる。地方自治体にしわ寄せを受けるのはこういう社会保障関係と文教関係ということに昔からきまっている。その昔からきまっているものを安心せよといったって安心できないですよ。だから二点をあとで与党の皆さんとちょっと話し合わしていただきます。  そこで最後に、この社会福祉施設関係の職員は、現在国民健康保険に入っておりますか、健康保険に入っておりますか、どちらですか。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 これは五人以上の従業員がおりまする施設は、全部健康保険の方に入っております。五人未満の従業員を持っています施設は、御承知の任意包括加入の道がありますが、それはどの程度入っておるか、私の方で承知いたしておりません。もしそれに入っていないとすれば、それは国民健康保険の方に入っておると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そういうように、今度は短期の方のものについては、これらの職員は国保に入り健保に入る。そうするとこれらの諸君は、ある者は厚生年金に入っておるはずですよ。厚生年金に入って老後を保障する年金をもらう。一方退職金が出てくる。これだけはみな一本です。ところがやめるときの保障は退職金、長期にわたって老後をずっと永久に保障していく年金というものは、ある者は国民年金に入り、ある者は厚生年金保険に入る、またある者は国民健康保険に入り、ある者は健康保険に入る、このようにばらばらであってはいかぬと思うのです。そこでもしあなた方がこういう画期的なものを、非常に貧しい施設の職員にお作りになろうとするならば、短期の保険についても長期の年金についても、それらの三つのものを船員保険におけるがごとく、あるいはこれに失業保険も加えて一本にした方がいいのです。そうしますと、事務費というものはぐっと簡単になってくるのです。どうせ厚生省が全部おやりになるのですからね。だからそういう点はむしろ、こういうものをお考えになるならば、やはり当初そこまでの計画をお立てになってやらなければいかぬのじゃないかと思うのです。そうしませんと、こういう職員がその同じ職場の中で、みな同業者同士が集まった場合に非常に問題ですよ。だからそういう点をもう少し——これはきょう言ったって無理でしょうから、御研究になっていただかなければならぬ点じゃないかと思うのですがね。これは大臣、その通りでしょう。こういう点が私はやはり総合化じゃないかと思うのです。短期のものは国保に入り健保に入る、長期のものは国民年金に入り、あるいは厚生年金に入る、そうして退職金だけはみな一本化してしまうということで、事務費を倹約する意味からもやはり一本にした方が、事業主から見ても倹約になりますよ、どうせ事業主は健康保険の事務費あるいは厚生年金の事務費を半額負担しなければならぬのですから、事業主からいっても同じ事業の均衡がとれてくるわけです。どうですか大臣、そういう点は。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 長期及び短期の社会保険の全体的の調整問題は、法的見地から大きく残っておるわけであります。どういう段取りで進むにせよ、目ざすところは一元化というか統合化というか、そういうところに長期のものも短期のものも理想を置かなければならぬと思うのです。どういうふうな進め方をするか、いろいろ足取りにはめんどうなところがありまして、長期のものよりも短期のものの方が調整問題はまだ実際的に考えやすく、段取りを考えてみますと長期のものはなかなかむずかしい。また短期のものの問題も、内容をばらばらなままで一緒くたにするというよりも、内容に均衡をとっていく、低いものをまず引き上げる、これが全体的に統合する前提条件として大事だと思うのです。そういうところを全体的に考えていきたいものだと私は思っておるのでありますが、今の短期の医療給付や、お話のようなところがまだあると思いますから、そういう問題が多く残っておると思います。長期給付の方の問題もむろん残っております。そういう意味で、この関係の職員の問題のみならず、健保自体を内容的に均衡をとっていくように努力しなければならない問題が大きくあると思います。これらをひっくるめて、理想を置きながら足取りを考えていかなければならない問題でありますので、この問題だけを取り上げていくのがよいか、公体的に考えて処置した方がいいか、その中の一つの問題として、統合調整の全体論の一つの問題として研究したいものだと私は思うのであります。どういう足取りで行ったらいいかということを今苦慮しておるところでございますから、研究して参りたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 厚生省の方で、こういうように一々の職員別にこういう退職手当共済法というようなものを、中小企業の退職金共済法とは別個にお作りになる。こういう形になれば、この際もう一歩あやまちを犯しついでに、こういうものを部分的にまとめるという意味で、農業協同組合の職員が厚生年金から出て共済年金を作りましたが、あれと同じように、ここに四万人おるのですから、これらの四万人の職員が総合健保をお作りになったらよい。そうして総合健保と、それから年金と、これらのものが一体となって振興会でやることになれば、非常にまとまっておるのですから、厚生省はがっちり握っておるのだし、そうして国が三分の一の補助金を出すのですし、事務費は全額出すのですから、これくらいやりよい短期、長期の保険はない。これは国が責任を持つのですから船員保険よりもやりよいですよ。当然こういう施設の職員というものには国が責任を持ってしかるべきだと思います。まあここらあたりはいろいろ問題のあるところですが、何かこういうものだけを一つお作りになるのならば、そうやった方がいいのじゃないか、そうでなければ何かちょっと——やはり今何もないところですから、政策としては私は賛成です。よいと思います。よいと思いますが、こういう政策をお立てになるならば、もう心しこの職員の他の手の届いていないところに届かせてやる必要があるのじゃないか、こういうことです。  これで私の質問は終わります。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 井堀繁雄君。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 大へん時間も押し詰まっておるようでありますから、時間を節約する意味でそれぞれ一括してお尋ねをいたしますから、御答弁はできるだけ具体的に御答弁をいただきたいと思います。  第一に、厚生大臣のこの制度に対する考え方を伺ってみたいと思います。この社会福祉事業に従事する職員の現状というものは、過去の歴史の中からいろいろ成長発展していくものであろうと思うのであります。そういう関係から、少なくとも、従来この種事業に従事しております人々の多くは、一つの信仰なり信念というものを持っておると思うのであります。またそれは私どもは尊敬していかなければならないと思うのであります。さらに尊敬するだけではなくて、そういう信念なり信仰というものが、この種の仕事を助ける上に、また多くの期待をかけていかなければならないものと思うのであります。またそれがどう成長するかということもわれわれは十分検討を加えなければならぬ重大な問題であると思うのであります。そういう際におきまして、この制度を提案されたのでありますから、ぜひその点の関係を明らかにしていきたいと思うのであります。この法案の内容を読んでみますと、首尾一貫しない点が見えるのであります。それは従来たびたび議論がされておりましたが、民間における退職金と公務員の場合の退職に対する手当の問題などがございます。私どもは、こういう信仰なり信念を持って施設のために奉仕するという尊い仕事に対しては、物質的にこれに報いるということももちろん重要なことでありますが、その尊い信念なり信仰なりを傷つけるような制度はよくないと思うのであります。そういう点では、本案は中途半端なものではないか。一般的な権利義務の思想の上に立って、その退職の際の経済的な保障をしようとするのにしては、あまりにも不徹底な制度である、こういうふうに思います。それからそういう信念なり信仰なりを傷つけないように、その奉仕の精神に対する物質的な償いをするというのでありますれば、もっとこの法、案は精神のこもった立案でなければならぬと思うのであります。この点に対してまことに寄せ集めであります。ある条文を見れば権利義務の上に立脚して起案をし、ある部分では今までの伝統の上に依存するというような、ずるい考え方が流れておるように思うのであります。こういう制度を改めるときには、少なくとも社会保障全体、ことに社会福祉施設に従事する従業員に対する行政者の立場というものは、こういうものに具体的に表われてくるのでありまして、その点では、私は本案に対する厚生省の見解を十分伺って、その内容を一つ一つお尋ねする時間がありますならば、具体的にお答えをいただいてから、それに対する私どもの見解を述べ、所見を伺うのが順序であったのでありますが、時間の都合がありましたので、結論から先お尋ねをいたす次第であります。この点に対する厚生大臣のお考えを一つはっきり伺っておきたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 この社会福祉施設の職員に対する処遇の改善ということは今回初めて大きく取り上げられたのでありまして、給与の引き上げも今回やったのであります。それから退職金制度などということを行ないましたのは画期的なことであります。私どもは、大へんよいことをしておると思っておるのであります。あなたのお説によると、どうも悪いことをしておるようなふうにおっしゃるのじゃなかろうけれども、そういう印象がわれわれには感ぜられるのでありますけれども、この点は遺憾ながら、私どもは画期的なよいことをやっておるのだと思っております。ただし将来もっとこの内容を充実向上していきたい、これはずっと繰り返して申しておることであります。二十年も三十年もあとこんな程度のものにとどめておいてはいけない、これはもうそう思いますけれども、今日これを発足することには、私どもは自信を持ってこれはよい施設だと考えております。将来はもっとよくしたいと思います。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 私の質問の趣旨をはき違えての御答弁だと思うのでありますが、私はこの制度が悪いとかよいとかいうことを申しておりません。ただお尋ねをいたしておりますのは、そういう社会保障施設のもとに働いておる職員、ことに将来社会保障制度を積極的に推し進め、福祉国家建設のためのわれわれの目標というものはもっと高いはずである、現に最近これらの事業に関係をする人々のために高い専門的な知識やあるいは技術、そして尊い理念を育てていくということが世界的な大きな課題であります。ことに日本では、四年制の大学まで二枚も設置しておる。あるいは短期大学を合わせますと四、五の数に上るのではないかと思うのであります。この学校ではどういうことを教えておるのかということを、私はまだ十分は承知しておりませんが、学校の方針を見ますとかなり高い。その社会保障に対する信念なり信仰をつちかおうとする努力が払われておるのであります。厚生行政を担当する方が今のような答弁をするということは、私ははなはだ残念に思うのであります。もちろん私の質問は、冒頭に申し上げましたように余裕を持ってお尋ねをしておりませんから、徹底を欠いたかと思うのでありますが、こういう立場からお尋ねをしておるのであります。たとえばこの内容を一、二お尋ねすれば明確でありますが、退職時に何がしかの金銭をもってその労に報いようとするにあたって、これは完全に一般の退職契約と同じような契約であります。しかもこの事業体は、いずれもそういう点について単なる営利やあるいは名誉や利己のためにやるという人々はきわめてまれではないか。奉仕の信念に燃えて、こういう事業を行なっている人々が多いし、また望ましいことであると思っております。そういう人々に掛金をかけさせる。すなわち退職金の共済契約をするという契約の義務関係を押しつけて、その中には、たとえば十七条にありますように、掛金の滞納があった場合には日歩六銭の延滞割増金を取るというようなかなり芸のこまかい権利義務の規定を設けているようであります。ところが国の補助金は、その手当金の三分の一、事務費は全額持つ、そのほかに都道府県の退職手当支給に要する費用の一部を予定しておるのであります。私はこういう点の考え方は、一貫を欠いていると思われるのであります。権利義務の関係だけにこういうものを規定するのは、先ほどから質問がありましたように、幾つも幾つも退職金制度というようなものを設けることは、むしろ将来のためによくない。もっと他の民間の企業と異なり、常利を目的としないこういう奉仕の精神に立つ人々のための制度であるというのでありますれば、そういう点に一貫したものが現われていいのではないか。私は先進国の例を引くわけではありませんが、そういう点についてかなり強い腐心が行なわれて、いい制度が生れつつあるのであります。こういう点について配慮がなかったかどうかということを実はお尋ねしておるのであります。私は少しでも金のないところに上げるのだからいいのではないかというような簡単なことでものを決すべきではないというふうに考えておりますので、お尋ねしておるのであります。この点に対する厚生大臣の見解をもう一度お伺いしておきたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 そこで権利義務的にこれを仕組んであるのが何かこの性格に非常に合わぬかのように聞こえるのでありますけれども、これは強制加入はさせておらぬのであります。つまり任意加入になっておりまして、加入するときの条件としてこういうことは守って下さいということを書いているので、これは当然そういうふうに事柄としてはなるのであります。書かないでおくわけにもいかぬ。書かないでおいたらあとで問題を起こす。書かないでおくわけにいかないので、きちんとしなければいかぬ。そこでおっしゃる意味が、あるいは掛金などは取らないで、全部公費で見たらどうかとおっしゃる意味かもしれませんが、それならそういう立て方もあると思いますが、民間の施設の退職金のことでありますから、これを全部公務員のように国費ないしは公費だけで見るということもちょっと立てかねるのであります。そこで施設の責任者の任意の意思を尊重しながら、しかし内容をはっきりして、その制度を行なっていこうということになると、こういうことになるのであります。このことは、こういう職員の処遇の制度として別に本質をそこなわないし、またこうしなければ立てようがない。ほかにどう立てるのか。立てようがない。そういうふうに考えますので、さらにお尋ねによってポイントを明確にして、この点はこれはおかしいじゃないかということであれば、またその点についてお答えをしたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 ちょっと補足いたします。私の聞き違いかもしれぬと思いますが、これは施設の従業員に退職金を出すということは——退職金制度というのは日本で何か特に、あまりよその国ではない制度だ、これは申し上げるまでもないことであります。しかしながらこれをほかの方で出しておりますので、この社会福祉施設の職員の方方にも出してあげたいということから始まったわけであります。その場合、従いまして、個々の施設でもって出せばいいのでありますが、それを合理的に出しますためにそういう一つの共済制度を設けまして、共済制度によりまして施設長が退職金を出しやすくする、こういうのがねらいであります。従いまして、退職手当共済契約を結ぶのは経営者と振興会との間でございます。掛金は、従いまして経営者だけが出すので、施設に働いております従業員は全然出しません。この辺は御承知のことかと思いますが、ちょっと……。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 私の申し上げていることが徹底していないようでありますが、時間の都合もありますから、別にそういう問題はそこでけりをつけようとは思いません。もっと大きな問題だと思いますし、お互いに勉強をしていくべきことだと思います。  そこで次に、ちょっとお尋ねすればわかると思うのでありますが、たとえば退職金の制度というものは、それはできるだけ多くの退職金が差し上げられるということが望ましいことであります。しかしこれは私は限界がくると思う。というのは、元来社会保障、特にこういう社会福祉の事業活動というものは、現在でもそうでありますが、将来もますますそういう傾向が強くなってくることが望ましいと思うのです。たとえば民間の篤志家によって、今の制度でいいまするならば民生委員の方が、——こういう制度というものはさらに内容を充実していくべきものであると私は判断するのでありますが、この点に対する厚生大臣の御所見を一つ伺っておきたいと思います。こういうように、一つは国民全体の間の相互扶助もしくは友愛の精神からこういうものが育成されてくるのでありますから、従業員も高い給与や名誉や地位を望んでこういう仕事に従事するということになりますと、こういう事業というものは決してよくならない。ことに契約者でありまする民間のこういう事業をやっておいでになる方というものは、必ずしもそういう名誉やあるいは利害得失の上に立ってこういう事業をおやりになるということではないはずです。また今後はその地位が安定し経済力がある人は、私財をなげうって貧しい、恵まれない者のためにそういう事業を積極的に盛んにしていくという態度がなければ、こういう事業は、いかに政府や地方の自治体がさか立ちをしても成功するものでないということは、日本だけではありません、世界の大きな歴史であります。そういう方針がゆがめられないように、こういう制度を作るときにも配慮が必要だということを言っているのであります。こういうことが悪いなどとは一つも言っておりません。それがあるから、厚生省なり政府の考え方がこういう制度の上に現われてきているのではないかということを言っている。  そこで、さっき私は掛金のことを申し上げたのでありまするが、何か補助金を出してそういう団体を縛ってみたり、あるいはそれに威圧感を与えるというようなことがごうもありますならば、私は角をためて牛を殺すような、本末を誤る結果になると思うのであります。さっき中小企業の退職金共済制度の問題がありましたが、そういうものとあわせ考えてみてもわかるのであります。そういう意味で実はお尋ねをしたのでありますが、時間も大へん貴重な時間であるようでありまするから、多くを申し上げません。そういう問題に対する厚生行政を担当する人の考え方が非常に大切だと思いましたから、お尋ねを試みたのであります。まるで私のお尋ねとお考えとが食い違っておるようであります。それをこの際一致させようなどという積極的な欲望を私は持っておりません。しかし国民の前にこういうものを審議するときに明らかにする義務があると思いますから、お尋ねをしたのであります。もし御発言をなさるなら御返事をいただいてもけっこうであります。なければなくてもよろしい。  そこで次にこの制度の中でもう一つ伺っておきたいと思うのであります。それは事業実施自体は社会福祉事業振興会にこの仕事をゆだねておるのであります。私はここにも問題があると思うのでありますが、この振興会法を一読してみますると、こういう仕事をこれにやらせることが適当かどうかという点に私は多少疑いを持っておる。しかし新しい制度よりあるものを利用するということには別に反対をいたしません。というのは、たとえばこの振興会の事業の中から剰余金が出ましたりあるいは欠損を生ずるということがあるであろうと思いまするけれども、この事業は長期でしかも継続的にやらなければなりません。制度として規定した以上は、最後までその約束を守らなければならぬことは申すまでもありませんから、長期にわたって手当の支給の保障をしていかなければならぬと思うのであります。そうだとすれば、その保障を完全にやろうとすれば、当然この振興会は、こういう事業はますます——現在のところでは公のものは七千二百八十一、民間は五千四百六十六の事業場で、そこには三万五千九百七十六人の人が従事していると、われわれの手元に資料を提出しておるようでありますが、この数字はだんだんふえていく傾向、またそれは望ましいことでございます。そういうようなものに対して、安全でかつ確実な退職金の保障をその振興会が義務づけられておるわけでございます。当然振興会は今までの仕事以外にこの点に対する用意をしなければならぬ。それは具体的には財政上、精神的にも負担になると思うのであります。そういう場合にそういう資金を、要するに今の制度でいいますと、支給されるものの三分の一しか出しておりませんから、三分の二はいつもこの共済を契約をしておりまする事業団体に要求してくることになると思うのであります。こういうことがこの事業に対する重荷になってくる。この辺の考え方はいかがでありましょうか。  それから、振興会がもし不足分を生じた、あるいは余裕金を生じた場合においては、そういう資金の運営は今の場合はこの福祉振興会にまかせる、すなわち振興会は厚生大臣の監督と許可を受けて事業を運営することになっておるようでありますが、そういうものをこの振興会に全部負わせることになる、その点の気づかいはないであろうかどうかを一つ伺っておきます。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 第一の点でありますが、なるほど今の御質問によって、多分そうだろうかと思う御質問の趣旨が第一点についてはわかったように思うのでございます。そこで、この社会福祉事業を進めていきますしには、民間の人のとうとい社会奉仕的な考え方でこういう事業が行なわれることは大いに望ましいのでありまして、これにはただ経済だけでは割り切れない高い精神的な意味があって、非常に敬意も表し歓迎すべきことであるのであります。そういうわけてありますから、今後ともにそういう施設が大きに発展することを望むわけであります。ただしかし、社会福祉施設を充実するところの最終的な責任は国にあるのであります。国も同時に大きにこの方面に力を入れていかなければなりませんし、また民間の施設に対しても経済的な方面もあることであります。精神的な方面があるから経済的な方面はなくなるのじゃなくて、その方面もあるのでありますから、その方面に対して国が施設を講ずるということも一つも矛盾でもないし、ますます精神な方面、経済的な方面を整えることによって民間施設も発展すると思うのであります。この点は矛盾もありませんから、両々相待って将来の発展が望まれるものだとわれわれは考えておるわけであります。  それから振興会にこの事業をやらせるという点でありますが、特別な法律があっての特殊法人でありまして、これは基礎の強固な法人であります。なるほど今まで融資とか助成とかいう金融だけしか扱っていない団体でございますけれども、しかし社会福祉事業の振興ということを大目標にした団体でもありまして、目的にそぐわぬものとは思わぬのであります。のみならず従来の実績からいっても、長期のこういう事業をやるのに適しておると思うのであります。半面これとまた別に、それではどういうものにやらせるか、かわるべき案はどういう案があるかということを考えますと、他に、より以上のこういうものにやらしたらという案も立たぬのであります。でありますから、これは振興会にやらせるのがこの場合最も適当だ、こういうふうに私どもは考えたのであります。  それから経費などが足るとか不足とかいうようなときにはどうするかというふうなお尋ねがございましたが、これは局長からお答えを申し上げたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 最後の点でございますが、先ほど来申し上げましたことで大体御了解いただけると思いますが、毎年退職者の数を見込みまして、それに支給します退職金の総額を、まあ早く申しますると、国と、府県と、それから施設の経営者とが三分の一ずつ負担するということでございます。それの負担の程度は、この末尾の資料に申し上げたように、私どもは大体この程度でありますれば負担していただけるというふうに考えております。  それからなおその推計などが、決算の場合に、あるときには不足を生ずる、あるときには余裕を生ずるときもあり得ると存じます。しかしこれは特別会計を設けさせまして、それによりまして、不足を生じた場合においては一時借り入れをしておきますけれども、翌年度においてそれを清算する、それから余裕ができますればこれは翌年度において返す。実はこの制度におきましては、若干の安全率は見込みまするけれども、積み立てをうんと残しておくというようなことはなるべくいたさないつもりでございますので、もし不足、余裕ができましても、その後年度において処理するようにいたしたい、大体かように考えておるのであります。従いましてこれは振興会の財政そのものに負担をかけたり、あるいはこの振興会に余裕が出て振興会の財政にもうけさせる、そういうような筋合いのことは考えておらないのでございます。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 これで終わりますが、この福祉施設を経営する人々が掛金を義務づけられるということは、新しい一つの負担になることは間違いないことであります。それから画一的にこれを押えていくところにまた非常に無理があると私は思う。これは負担能力があるかないかということもありましょうけれども、その目的はむしろその福祉事業団の経営者と、そこに従事する人々との関係において——営利事業でありますならば利潤によって左右されるものでありますから画一的に判断できますけれども、そうではなくて、ある者は自分の財産をつぎ込んでやっていこうとする人々もあろうと思うのであります。ある人は、他からそういう有志の喜捨を受けて、そういう事業を続けていこうとする人もあると思うのであります。そういう精神にほれ込んでそういう事業に協力しようとする、そういう労力奉仕の考え方の人も多数おると思うのであります。そういう非常に複雑な多様な形をとっております今日、それをこういう点で義務づけていく。しかも私は気に入らないのは、この十七条の延滞金六銭を取るなどに至っては、これはいかにも法律家の権利義務に対するたくましい思想が出ておると思うのでありまして、そういうことで、私はどだい考え方が矛盾しておると思うのであります。そういう点をいろいろとお尋ねいたしたわけでありますが、まあわかりました。政府の考え方は、かなり画一的に、判こを押すように、ものをお考えになっておる。そういうお考えでは、この種の事業を育成していくという点についてはいかがなものであろうかという不安を私は感じました。そういうわけで、この法律を将来運営する上において大切な点が二点だけありますので、それを伺っておきます。  それは、手当の金額が、この法律によりますと、勤続の年数と退職の理由によってきめられるようになっております。それから掛金であります。掛金も、金額は政令で定めるとしてあります。いずれも政令にゆだねておるのでありますが、ここにわれわれは法律を制定して政令にゆだねるわけでありますから、ある程度承知しておかなければなりません。すなわち、第一の手当の額というものは一体どのように考えておるのか、政令にどう規定しようとしておるか、それから掛金については、政令の中でどうしようとするのか、詳細なことは時間もありますから伺いません。急所だけでけっこうでありますから、一つはっきり伺っておきたい。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 退職手当金の額の基本額でございますが、これは八千円を下らない額で政令で定めるようにいたしますが、さしあたっては八千円の額を政令で書くつもりであります。しかし、これは将来とも八千円でいくというのではございませんので、今後施設の職員の待遇等の改善等とも見合いまして、これは変わり得る、こういうことでございます。それから掛金の方でございますが、これは先ほどから申し上げておることで御了承いただいていると思いますが、毎年どれくらい退職者が出、その退職金がどのくらいになるかと推計いたします。それをその年の職員の数で、大ざっぱに申しますと、分担していただく、こういうことでありますから、従いまして、これは極端なことを言いますと、年々若干ずつその数字は変わり得る。つまり固定ではない。こういうような点からいたしまして、一々法律で改正をお願いするのもいかがかと思いまし、これを政令で規定する、こういうふうにいたしたわけであります。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 大へん時間がかかりましたからこれでやめますが、その八千円の根拠ですね。これは先ほどから私のお尋ねしておるところと意見がだいぶ違っておりますから伺うのでありますが、一体八千円というのはどういう根拠で、どういうねらいでございましょうか。これに対する裏打ちがあるなら伺っておきたい。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 これも先ほどから申し上げておるのでありますが、公務員の場合でございますと、給与体系がはっきりしておりまするので、最終俸給というようなものでやるといっても、これは大体均衡のとれた額でもってきまってくるわけであります。民間の施設でありますと、先ほど来井堀委員からも御指摘のありましたように、過去の経緯、沿革等によりまして、いろいろ賃金、給与等にも格差がございます。あってしかるべきものであります。また給与体系も必ずしも確立されておりません。そこで、これをとるわけに参りませんので、これはどうしても別個にきめなければならぬ。それから、現在俸給を出しております以上の高い基礎でもって退職金だけを上げるということも、これもなかなかできない。それから国でこういう高率の補助でてこ入れをしてまでこの制度を保障いたしますためには、その給付の額の基礎になります額が、大体各施設に共通した線でなければならない。こういうような点からいたしまして、これはどうしても低い線になりがちでございます。しかしながら特段に低い給与のものは、これは何としても避けたいということでいろいろ検討いたしたわけでありますが、昭和三十五年四月三十日の給与実態調査によりますると、一年以上働いております職員の平均の本俸が約六千三百円であります。平均と申しましても、大体この辺を私どもは低いものという線で選んだわけであります。その後大体一一・九と七・五で二〇%の給与改定がございました。これが約七千六百円ぐらいになろうかと思います。そこでさしあたりまるくいたしまして八千円を下らない額といたしたわけであります。これよりたとえば保育所の職員等につきましてはさらに低い職員があるわけでございますが、これは特別に低いものとして、私どもの方では八千円までの額を基礎単価に保障しよう、かように考えた次第であります。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 今までの私の簡単な質問に対するお答えで、ある程度厚生省の見解、政府の態度が理解できるような気もいたしますが、この際要望をいたして終わりたいと思います。  先ほど来一、二の事例で明らかになりましたように、退職金を画一的にきめるわけであります。たとえば公務員になろうとか民間になろうとかいう場合に、やはり一つのものさしが出てくると思うのであります。ところがこの事業の性質は、先ほど来言っておりますように、もっと高い精神的な誇りを持っておるものと信じます。またそうあってほしいのであります。またそういうものを育成するというようなことが厚生行政にとっては欠くことのできない大きな目標ではないか。先ほども言うように、民間の篤志家による民生委員の活動などを大いに期待しなければならぬのでありますから、そういうものとの比較もまた大切になってくると思うのであります。こういう社会保障の中においても、福祉活動については特段の配慮が望ましいと思うのであります。こういう制度を設けるにいたしましても、何もないところへ金をくれるのだからいいではないかというような思い上がった考え方は、こういう思想をゆがめる危険があるということを十分御留意願って、こういう制度が徹底した一つの権利義務の思想の上に成り立っているといたしますならばそれも一つの考え方でありますが、それにもまだ及ばないいろいろな障害があるということは、この問題以外でもたびたび政府は述べておる。そういうことはあれやこれや弁解するのでありますが、こういうことになりますと、というような態度は望ましくないと思いますので、今後は、こういう社会保障、ことに社会福祉の活動などに対する政府の考え方は将来の発展のために十分御留意ありますよう、この案の運営などに対しても十分な配慮を希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうもだめを押すようでございますけれども、実はわれわれとしてはこれは修正をしていただく方がほんとうはいいのじゃないかと思うのです。しかし泣く子と地頭には勝てぬようでありますから、そこで大臣の言明で満足する以外にないわけです。社会福祉施設の職員は力も弱く給与も八千円そこそこなのですから、全国的に力を結集して国会にどんどん陳情してくるという情勢にはないわけです。この制度がうまく運営をせられるかどうかということは、国の三分の一の補助金と都道府県の三分の一の補助金が順当に文字通り確立されるかどうかという点にかかってくると思うのです。そこでただ一筋大臣の真実を吐露した気持をお聞きして、泣く子と地頭に勝てなかった社会党としては引き下がる以外にないと思う。たよるものは古井さんの政治力と真実以外にございません。国の補助金は決して三分の一を割ることはない、三分の一を確立をしていく、都道府県もまた当然それに見合う三分の一を行政的に指導をして、必ず全国的に三分の一を確立していくんだという御言明をいただければ、これに過ぎるものはないと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 社会福祉施設に勤めます職員の身をいろいろ御心配になって、またその職責の重いこともお考えになって、滝井さん、ただいま特に国の補助の三分の一確保、また都道府県の補助三分の一確保について、重ねて御質問でありました。私は、規定の文言はとにかくといたしまして、こういう種類の経費はやはり三分の一をきっぱりぜひ国も出すべきものだと思うのであります。いかな大蔵省でも良識があれば出すにきまっておると思うし、出さなければ滝井さんも御承知あるまいと思うし、私どもも承知いたしません。これはぜひ三分の一を今後とも確保していきたいと思いますし、都道府県の側に対しましても、自治省とともにぜひ間違いなしに三分の一を出させるように、これは私どもとしても強くそういう態度で臨みたい、こういうふうに思っておりますから御了承願います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 これにて本案についての質疑は終局いたしました。     —————————————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 引き続き本案を討論に付するのでありますが、申し出もございませんので、直ちに採決いたしたいと存じます。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  社会福祉施設職員退職手当共済法案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 次に、内閣提出の健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案、同じく内閣提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案並びに八木一男君外十一名提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑に入ります。吉村吉雄君。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私は、一番下積みになって働かせられておる人のための保険制度であるところの日雇健康保険法の一部を改正する法律案についてお尋ねを申し上げたいと思うわけです。  まず初めに、この法案並びに参考資料を拝見いたしまして気がついた点でございますが、この制度を改めたりあるいはその他改善をするというような場合には、健康保険法の定めに基づいて社会保険審議会——社会保障審議会の方はそういう制約はないようでありますけれども、諮問をするということになっておるようでございます。それに基づいて諮問をされたようでありますが、ここで疑問に感じましたのは、この諮問を発した日時の問題、それと答申の時期の問題、内容と法案に盛られたところの問題、こういう点でございます。と申し上げますのは、この諮問書の中にもすでに現在提案をされておるような内容のものを提示して、そうして諮問をしておるようであります。その結果答申書が出されておるのでありますけれども、そのときにはすでに一般会計の予算等については大体政府の方針がまとまった時期ではないか、こういうふうに時期の点から考えられるわけです。従って、そういう点について、国家の経費を必要とするような問題について、予算の成案を得てから諮問をするというあり方は一体どういうわけなのかということについて、私は率直に疑問を感じたところでありますので、この点まず厚生大臣の方から、この間の事情について明らかにしていただきたいと思うわけです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 これは、諮問の時期につきましてはいろいろな場合もあるかもしれぬとは思いますけれども、大体予算の裏づけの見通しを持って諮問をいたしますことが確実な案を御審議願う道であると考えまして、この際は予算の見通しをつけたところで諮問をいたしたのであります。しかし、さらばといって、その予算に拘束されて答申をされる必要もないのでありまして、もし不適当であればそれなりの意見をもって御答申をされることもできるのでありますし、それに対応して、政府側の態度というものもそれに応じてまた考えることも不可能とばかりも申せませんし、今回の場合は、今のような予算の見通しをつけた上で諮問をいたしたようなことであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 御答弁ではありますけれども、とにかく経費が相当必要であるというような問題について、しかも法的にその改正なり何なりをする場合には、社会保険審議会の方に諮問をするという義務を付せられておる。その場合の諮問をしようとする側、厚生省の立場としては、当然予算編成前にしなければ、諮問を受けた側としては予算の大綱——予算がもう大体きまって、それで国会の審議にかかっておる、そういう場面になってから原案以上のものを出してもいいんだと言われましても、私は、自由な立場でその諮問に答えるわけには現実問題としていかぬのではないか、こういうふうに思うのです。こういう点は今のような答弁だけでは私はどうしても納得するわけにいかぬのです。もっとまじめに、このきめられた機関についてこれを運用するというのであるならば、当然に予算編成の時期、そういう時期に諮問をするのが妥当であって、もう予算編成が終わってから、国会の審議が始まってしまってから諮問をするというのは、これでいいんだというわけには私はいかないような気がするわけです。この点はもう少し明確に、その間のどうあるべきかということについて、厚生大臣の方から答弁を願いたいと思うわけです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 予算の見通しをつけた後でなければいつでも諮問をしてはいかぬとは思わぬのであります。ただ予算もまだ見通しもつけず、そういう段階で諮問をいたしまして、まだしっかりした、こっちの予算的な裏づけの腹も持たず、予算を獲得するためのここに使うような諮問ということは、まあそれも一つの実際問題では考え得ることかもしれませんけれども、そういうことでなければいかぬということもないのでありまして、これはやはり事情に応じて諮問の時期は考えて差しつかえないことだろうと思うのでありますが、しかし、今御意見の点は、必ずしも予算がきまった後でなければいかぬとばかり固定的に考えておるわけでもありませんし、それは今後の運用の問題で、どういうふうな時期がよいか、適切であるかはそれぞれの場合に応じてよく考えて、将来の運用の問題としてはやってみたいものだと思うのであります。今回の事情はどうだとおっしゃるから、こういうことでありましたということをさっき申し上げたのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 それは厚生大臣、今回の事情云々と言われますけれども、これはどうしても、その点はもう少し政府が——あるいは国会が設置をしたところの機関、そういうものについて、聞くところによりますと三百種類ぐらい審議会とかいう諮問機関はあるそうでありますけれども、これを政府がそのときそのときの事情に応じて有効に活用されるのは、それは私はいいと思うのです。しかし、審議会の活用の仕方についても根本的な態度というものが必要だというふうに私は思うのです。そういう点から考えてみますと、予算がきまってから、私どもはこれこれにしたいと思います。こういうことは、どうしても審議会の運営の仕方としてはやはり間違いではないか。もっと自由な立場で議論をさせて、そうしてこの日雇い健康保険のあり方ならば、それについてはどうあるのがいいかということを自由な立場で議論をしてもらって、答申をしてもらうのが、諮問機関を設置した大きな目的でなければならぬと思うのです。予算がきまってしまってからそれを諮問するというのは、どうしても自由な立場で諮問に応ずることはでき得ない、こういうことだけは常識的に考えても大体わかるのじゃないかと思うのですよ。それでなくてすら、現在の諮問機関のあり方がややもすると政府の思うなりになって、政府の政策のてこ入れをしているというふうに一般的に思われておるような状態なんですから、こういうようなことについては、今の厚生大臣の答弁では私はどうしても納得するわけにはいかぬ。もっと自由な立場で、諮問機関なら諮問機関を諮問機関らしく運営をしていくためには、経費のかかる問題なんですから、それは当然に予算編成の時期、その当時にやるのが本筋ではないか、このように私としては考えますので、この点においては再度答弁を求めたいと思うわけです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 先ほど申しましたように、今回二月に諮問をいたしました事情は御説明申し上げた通りであります。今度の諮問機関の運営の問題としてどういう時期に諮問するかということは、これは最も適切な時期に諮問をした方がよいのでありますから、各問題に応じ、必ずしも予算をきめたあととばかりは思っておりません。現に事柄によっては事前に諮問をしているという場合も多々あるのでありまして、固定的に考えているわけでもありませんし、御意見は御意見として伺っておきまして、今後の運用の上に大いに資していきたい、こういふうに思います。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 少し固執するようでありますけれども、今回は今回のような方法でと言われましたけれども、私の質問をしておるのは、この種の諮問機関の運営に当たっては、当然予算編成の時期に諮問をするのが妥当なあり方ではないか、こういうことを言っているのです。従って、今回のものは出たことなんですから、それはそういうふうになるでしょう、その説明を私は聞こうとは思わないのですよ。だからこの種の諮問機関の運営にあたっては、金のかかる問題なんですから、従って予算編成の時期あるいはそれ前に諮問をするのが正しいあり方ではないでしょうかという質問をしておるわけですから、それはその通りならその通りというふうに簡単に一つ答弁をしてもらいたいです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 これは先ほど来申し上げておる通りでありまして、そういう時期に諮問をするのが適当だと考えますれば予算編成前に諮問をいたすのであります。これはやはり事態に応じて考えるという以外に、いろいろなケースがありますので申し上げることはできない。しかし御意見は御意見として十分伺っておいて、今後の運用には、大きにこれをわれわれの運用します場合の参考に資したいと思っております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 諮問機関がたくさんあるということで、その場その場に応じてということはわかるのです。私の質問をしていることは、この諮問機関は健康保険制度のあり方等について設置された機関なんですから、しかもお金もかかることの問題なんですから、このような問題についての諮問機関に対する諮問の時期というのは、それはあり方としては予算編成時期あるいはそれ以前の方が正しいあり方ではないのですかということを聞いておるのです。ただ審議会のあり方ということを聞いているのではないのです。この問題について——この問題ばかりではないと思うのですけれども、お金のかかるような問題等についてはそうするのが審議の運営としては正しい態度ではないかということを聞いておるわけです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 そこで、ここで議論をする必要はありませんけれども、分析してみますと、あるいは二度諮問するがよいということになるかもしれぬのであります。議論をもっと精密にいえば、予算を編成する前と、ほんとうに裏づけを持った案としていよいよきまった上でもう一ぺん諮問する、そういうことになるかもしれません。それはあなたの御議論にも大いに傾聴すべき点があるのでありますが、分析してみるともっと綿密な問題になるかもしれぬのであります。そういう辺は、諮問機関の考えをできるだけ尊重するという意味では予算編成前、白紙のときに意見を聞くのが一番よろしい。しかしながら実際予算を編成するというときには、またこれは財政措置でその通りにいく場合、いかぬ場合がありますから、予算がきまった後にもう一ぺんかける、こういうこともあるいは綿密な運営方法かもしれぬのであります。そういうことでありますから、片方だけでよいという結論になるかどうかわからぬのでありますが、どっちかといえば両方あるいは必要かもしれぬと思うのであります。きまったものはかけぬでもいい、ほんとうに出すこととした法律は審議会に付議しなくてもよいのだという御議論でもなかろうと思うのであります。でありますから、その辺はこの諮問機関の運用としてよく考えて最善を尽くしたい、こういうふうに思うのであります。片方の方がいいにきまっておるということじゃ私はないと思います。これはよく運用の上で、諮問機関に最善の機能を発揮してもらうように運用は今後も考えていきたいと思うのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 予算編成前に諮問をして、それで答申が出たら、今度は予算編成との問題もからんで、そうして編成後にまた諮問する、そういうことの方がどちらかといえばいいのではないか、そういうお話でありますが、私はこれは諮問機関だということを前提にして言っているのです。だから、諮問機関でありますから、その答申通りにしなければならないという問題ではありませんけれども、政策を立案するにあたって、当然諮問しなければならない機関なんですから、経費のかかる問題等については、どちらの方向が正しいかというならば、予算編成前あるいは予算編成当時、こういう時期にやるのがこの諮問機関に対する運営の仕方としては正しい態度のはずだ、こういうことを申し上げているわけです。今の厚生大臣の最後の答弁を聞きますと、そういうこともいいけれどもということで、あとはただし書きがつくようなんですけれども、原則的な立場を私は明確にしてもらいたいということを申し上げているのですから、原則的にそれはどちらがいいのかということになれば、やはり私が申し上げている方がいいということを認められておるようですから、今後の諮問の仕方については、こういう問題については当然に予算編成前なりあるいはその当時なりに行なう、こういうふうにしなければならないと思うのですけれども、今後はそういうふうになさいますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 今のあなたの御意見も十分考慮し、検討し、その諮問機関の運営には——これはいろいろ諮問機関も一つではありませんし、運営については最善を期したいと思います。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 もう少しすなおなあれになれないもんですかな。僕はあまり固執したくないけれども、諮問機関はたくさんありますけれども、私は今の問題は経費を伴うような問題についての諮問機関であるから、従って、当然にそれは予算編成前の方がいいのではないかということを言っておるわけですから、そう固執をされないで、その方がいいならいいと、こういうふうにしていかなければ私は議論が発展しないと思います。ここで同じような問題を幾らでも繰り返さざるを得ないと思うのです。私の申し上げておるのは、予算を伴う、国費を伴うような問題なので、そういう問題についてどうあるべきか、諮問の仕方については、その時期は当然予算編成前の方がいいのではないか、こういうふうに考えておるので、これ以上言うても同じような答弁をするのであれば、私は申し上げませんけれども、もっとすなおに、いいものはいいというふうな態度で臨んでもらいたいというふうに思うのです。なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、この諮問の仕方は、きわめて事務的であるというふうに私は見ないわけにいかないのです。しかもこれが答申をされましたのは、社会保険審議会の方は二十一日に答申をされました、そうでしょう、それから社会保障制度審議会の方からは二十四日の日に答申が出ておると思うのです。この法案が国会に提案をされた日は一体いつかといいますと、二十五日か六日だというふうに私は記憶しています。これでは皆さんが諮問をして答申が出た、それについて検討するという余裕が一体あったのかどうかというふうに私は疑わざるを得ないのです。こうしなければならないからということでのみ事務的に事を進めておる、こういうふうな審議会ならば私はない方がいいのではないか、こういうふうにも考えましたので、だいぶ固執をして質問をしたわけですけれども、これはきわめて事務的に、厚生省の方でしないわけにはいかないからという立場でしておるようなにおいが強いわけなんです。その点は一体どのようにお考えになりますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 この諮問の時期についての考え方につきましては、これはただいま大臣がお答えいたしました通り、いろいろな考え方があり、運営の適切を期していくということでございます。ただいま御指摘になっております今回の問題についてでございますが、なるほど正式の文書として諮問いたしました時期は、ここにございますように二月になってからでございます。それで実態的なことを申し上げますと、この問題につきましては、ことに社会保険審議会におきましては、昨年の早くからいろいろ御審議を願っておりました。まとまった答申としましてはここに出たものでございますけれども、政府とは別個にいろいろ御検討願っておった、実態的に御審議願ったということも一つ御了承願いたいと思います。それから社会保険審議会の答申が出たのは二十一日でございますが、その御意見によりまして、一部政府原案を修正した点もございます。まあ予算がきまった後であって、しかも諮問した原案を最後まで突っぱったということではございませず、実際に実情を申し上げますと、答申の趣旨に沿って原案を修正した点も一点ございます。それから実質的には先ほど申したように、諮問はございませんが、審議会としては相当の期間実質上の検討を願っておったわけであります。こういう事情もございますので、その辺も一つ補足して御説明申し上げます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 吉村委員の御質問に関連して許していただきたいと思いますが、吉村委員の今おっしゃったことがほんとうの姿だと思うのです。やはり厚生大臣はどうのこうの言われないで、ほんとうの姿を認められて——例外もあります。原則としては吉村委員の意見は正しいということを認めらるべきだと思うのです。今保険局長が言われましたように、審議のあとで予算が大体きまってから変えたこともある。予算の総ワクが大体きまってから変えなければならないような貴重な意見がこの審議会から出てくる。それをその前に貴重な意見を出しておいたならば、非常に抵抗の強い大蔵省であってもそのような、たとえば社会保険審議会だったら関係の各団体のまとまった意見が出る。社会保障制度審議会であるならば、これはあらゆる問題に関係のある人が参加して、権威をもって、しかも大蔵次官も関与してそこで審議するわけであります。そういうところできまったものであれば、大蔵省が形式的に、ただ厚生省の予算がふえ方が多いからこの程度にとどめておいてくれとか、そういうことは言えないで、ほんとうの正しい姿が通るわけです。そういう意味で、予算がきまる前にやるのが正しい姿です。これも非常に早くからそういうことを諮問されなかったせいでありまするが、今度のように中央社会保険医療協議会の問題について、突如として諮問をされた、そういう場合もあって、突如としてされる場合もございましょうけれども、本則としては予算がきまる前にやって、そのあとで、予算がきまったあとでも直さなければいけないような貴重な意見が出る、その審議会の意見をもって、社会保障に頑迷である大蔵省を説得する、その力としなければならないと思う。厚生省自体が大きな力を持って、ここで論議されているようなことが毎年完全に論議の余地のないほど通るものであるならば、幾分また問題は別でありまするが、いかにがんばっても、厚生省の場合は力が弱いことは明らかであります。そのときに、各界の代表がこういうことは絶対に必要であるという結論を出し、関係団体、社会保険審議会において、社会保障制度審議会において、あらゆる面から、大蔵次官も加わった、財政面も検討した、与党の委員も加わった、そういうところでりっぱな結論を出したものであれば、大蔵省が簡単になたをふるうことができないわけです。そういうことで問題が進むわけです。そういう意味で、予算のワクのきまる前に当然そういうことをすべきだと思う。そうしてそういうことがきめられたならば、財政の編成権にどうというような議論が出るかもしれません。しかしながらあくまでも吉村委員が言われたように、諮問機関であって、完全な尊重義務はありますけれども、諮問機関であって、それで世の中がたとえばひっくり返るということがあれば、これはしなくていいわけであります。しかしながら今の現状はひっくり返るというような心配は一つもなし、大蔵省が社会保障なりその他の大事なことについて理解が少なくて、ただ形式的にその年々の今までの財政方針によったつじつまだけ合わせればいいというような、実に近視眼的な財政方針をとっている。そういうことが大部分でありますから、そういう世の中においては審議会の公正な結論を、問題を進めるために大蔵省の近視眼を正常視に変えるために活用しなければならない。ですから、ワクがきまる前にそういうことを諮問することが本則である。緊急やむを得ざる場合には国会中に出しても仕方がない点もありまするけれども、原則はそうだ、本則はそうであるという吉村委員の建設的な正しい意見に対して、率直に御答弁をされるのがほんとうだろうと思います。現に私ども社会保障制度審議会の委員でありまするが、この二月に至って法案十数件、しかも中央社会保険医療協議会の問題について、厚生大臣から、まことに御無理でありますがというようなことで、無理やりにそれについての検討を依頼された。それであのような、ほとんど無報酬の学者の人たちが毎晩々々夜も日も見ずやらなければならないようなことになる。非常にいい意見が出ながら時間に制約され、しかもそのような先にきまった予算に制約をされて、りっぱな意見がありながらそれに制約されるという実情であります。そういう点を考えますと、吉村委員の今の建設的なりっぱな意見のように、率直に本則としてはそうあるべきである、そのくらいの答弁があるのが当然であろうと思います。それについての御答弁を願いたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 そこでこの予算を作ります前に諮問機関の御意見を伺って、十分一番よい考え方は何か、こういうことをつかんで予算を編成するという考えは、非常にこれは私は意味があると思うのであります。  そこで先ほども申しますように、そういう予算の前の意見を伺うことも大事な意味もあるし、それからいよいよ最後的にきまったものについて意見をさらに正式の問題として聞くのも、これも筋道として大事な場合もあるし、でありますからして、私はこのあとだけがいいということを言っているのじゃないのでありまして、両方が意味がある、こういうことで、どっちをあるいは正式なものにするかということもある、両方を正式なものにするということもあるかもしらぬし、実際に他の形で意見を伺ってから案を立てて、そうして予算をきめて正式に諮問するということも運用の場合としては起こり得ると思う。問題は実質的に諮問機関の意見をよく聞いて、それのよい意見をもとにして行政を行なうということにあるのですから、ただ時期の問題という式にばかり問題をお考えになるというよりも、実質的に諮問機関の意見というものをよく活用して、そうして予算を組んだり、行政を行なったりするというところにあるのですから、その趣意はよくわかるとさっきから言っているのであります。だからやかましくいえば二度がいいかもしれぬくらいに言っておるのでありまして、趣旨はよくわかっておる。でありますから、そういう趣旨をよく耳を傾けて諮問機関の運用には今後も当たっていきましょう、いきたいと思うのであります。実質論でやっていきたいと思うのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 大臣も一たん言い出したらなかなか聞かないということでは有名らしいので、いい場合には自説を固持するのは私はいいと思うのです。しかしそうでない場合にはそれを撤回するのも、またこれ賢者の進むべき道だと思うのです。運用の仕方についていろいろな道があるということはその通りなんです。私は先ほど事情を知らないで、ただ原則的に議論をしてみたわけですけれども、今八木委員の話を聞きますと、社会保障制度審議会に対しても、二月になってから十くらいの諮問事項があった、こういう事情であります。そういうことを知れば知るほどに、きわめて皆さんが事務的に事を進めようとしておる、熱意を持ってこれをどうしようかという考え方を持っていない、その審議会の権威なりその内容というものを生かすという気持を持っていないということが大体明確に看取されるわけです。そういうあり方では、どうしても厚生行政なりあるいは国の全般の行政というものが前進をしない、こういうふうに考えますので、この点を私は強く指摘をして、今後そういうことのないように十分審議をして皆さん方の諮問に応じられるような、そうして実質的にこの国のよい政策を立案するのにあたって効果のあるような運営の仕方をするように、強くこの際要望しておきたいと思うのです。  さらに諮問機関の問題について少しお尋ねを申し上げますけれども、社会保障制度審議会に対して特に諮問をされております。これは健康保険法からいいますと、私の見た限りではそういう定めがないようなのでございますけれども、この保険の改正にあたって社会保障制度審議会に特に諮問をしておるというのは、何か他に理由はあるわけですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま御指摘のように、この日雇い健康保険法におきましては、諮問しなければならぬという規定はございません。別に社会保障制度審議会設置法というのがございまして、これは内閣の機関でございまして、社会保障制度全般の問題について審議するきわめて権威のある機関でございますが、その機関にかけるようになっているわけです。ちょっと申し上げますと、第二条の第二項に「内閣総理大臣及び関係各大臣は、社会保障に関する企画、立法又は運営の大綱に関しては、あらかじめ、審議会の意見を求めなければならない。」となっておりまして、単に日雇い健康保険のみならず、広く社会保険、それから年金制度、あるいは医療公衆衛生の問題もそうでございますが、あるいは社会福祉、こういう問題につきましては大綱につきまして意見を聞く、こういうことになっておりますので、その意味で綱をかけるということになっております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私は社会保障制度審議会に諮問をしたのはいいことだという前提に立っておるわけなのです。社会保障制度審議会にこの社会保険、健康保険の問題について特に諮問をしたということは、この制度が他の保険よりも非常に社会保障について関係が深い、こういうようなお考えを持っておられたから諮問をしたというふうに考えるわけです。義務的には健康保険法にはないわけですから、そういう点で私たちとしましては、この制度自体は、他の健康保険と違って社会保障的な考え方によってこれを律していくということの方がいいのじゃないかというふうに考えておるわけなのです。   〔委員長退席、永山委員長代理着席〕 そういう立場に立ってだろうと思うのですけれども、厚生省が社会保障制度審議会に特に諮問をしておるのじゃないか、こういうふうに考えていたわけなのですけれども、私のそういう理解でよろしいかどうか、お伺いします。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま問題になっておりますこの日雇い健康保険も、重要な社会保障の制度であります。この設置法で要求いたしておりますのは、単にこの日雇い健康保険だけでなしに、社会保険に関します立法、国保につきましても健保につきましても船員保険につきましても失業保険につきましても、いわゆる社会保険の制度といわれておりますもの、それから年金制度といわれておりますもの、それからもう少し広くなりまして医療保障に関係いたしますところの医療制度、あるいは公衆衛生制度、こういうものはすべて大綱をこの審議会に付しまして意見を聞く、こういうことになっているわけでございまして、日雇い健康保険なるがゆえにこれに諮問したというわけじゃございません。社会保険立法の一つといたしましてやった、こういうことでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 特に私が先ほどの点を強調しましたのは、このごろ厚生省の社会保険に対する考え方としては、保険経済を重点とした運営の仕方、こういうものを再三にわたって強調されておりまするし、厚生省発行のいろいろな資料を見てみましても、日雇い健康保険の問題につきましては、何といっても保険財政の問題に相当問題があるということをいずれも書いておるわけです。従ってそういう点から考えてみますると、他の保険とも違って、他の保険よりももっと保険経済という、あるいは社会保険的な考え方よりももっと社会保障というような、医療保障あるいはそういう立場でながめることの方が妥当な行き方ではないか、こういうように考えましたので、特にその質問をしておるわけです。  それで、先ほど厚生大臣から次のようなお答えがあったわけです。それは時期のいかんにかかわらず、問題は、その答申の内容をどういうふうに生かすかということの方がより重要であるという答弁がございました。これはもっともなお話であると思うのです。そういう点から考えてみまして、今回のこの社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会で出されました答申の内容を見てみますと、遺憾ながら現在の法案よりももっと進んだ——遺憾ながらといいますか、皆さんの趣旨には沿わなかったと思うのですけれども、答申書の内容というものは、もっと内容的には現法案よりもこうあるべきだというような項が多いわけです。こう考えてみますと、たとえば国庫の負担額とかあるいはその他の事項につきましてもそういうことが答申をされておるわけですが、先ほどの厚生大臣の答弁からみますと、できるだけ答申の内容に近づけるというふうにして、近づけた法案を提案すべきじゃなかったか、このように考えますけれども、答申書の内容と現法案では相当食い違いがあるように考えられますけれども、この点はどのようにお考えですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 お手元に配付しております資料によって、二つの審議会の意見は御承知願えるわけでございますが、これに出ております意見そのままに今回提案いたしました法案の内容がなっておらない点もあることは認めます。こういう御意見につきましては、従来からも耳にしており、今回も耳にしておるわけですが、いろいろ検討いたして参りますと、また政府部内の各方面と検討いたして参りますと、現在提出いたしました法案という形になって参ったわけでございます。従って問題は今後に残されておるということは承知いたしておるわけでございます。  それで一般の方といたしまして、日雇い健康保険につきましては、この制度の立て方をどうするかという一つの根本的な問題が残っておるわけでございます。今回の改正といいましても、やはりそういう見地からいたしますれば微温的なものである。やはりこの制度をどうするかという根本的な問題が残っております。それでその根本的な問題を処理する必要を私たちも感じておるわけであります。これを処理いたしますには、おのずから時期がございまして、しばしばこの席上でも当局からお答えいたしておりますように、社会保障制度全般、またその一環といたしましての社会保険制度の総合調整と申しますか、そういう問題が目下日程に上っておりまして、この問題につきましては内閣の社会保障制度審議会におきましても、来年の三月ごろを目途に御審議されておる、それから厚生省におきましても審議いたしておるという状況でございまして、やはり根本的な処理をしなければこの日雇いの問題は解決しないということでございまして、関係者一同、また私たちといたしましても、その根本的解決ということを頭に置いて、しかもその時期は総合調整をやる時期、こういうことを常に念頭に置きましてやっておるわけでございます。そういう見地から申しますと、ただいま御指摘のございましたような政府提案につきましてはまだ足らぬ点がある、不十分な点があるということは私たちも承知いたしております。しかし、その解決する時期といたしましては社会保障制度の総合的な調整を実施する時期、こういう気持で処理いたしたいと思っておるのでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 社会保障制度全般にわたって総合的に検討を加えているということにつきましては、再々厚生大臣の方からもこの委員会で答弁もありましたので、その事情についてはわかりますし、またそうしなければならない段階に来ておることもその通りだと思うのです。特にここで問題にしなければならないと思いますのは、日雇い健康保険というものは特に低所得者に対する保障であって、さらにこれらの人たちはいわば一定期間きまって定職についていられるということでもない。生活が非常に不安定で、かつ低額所得者である。こういう人たちであるわけです。これらに対するところの健康保険でありますから、私が先ほど申し上げたのは、特に医療保障なり何なりという考え方を強く持って、他の保険と異なったような見方でやっていかなければならぬじゃないかという考え方で申し上げたわけですけれども、そういう点から考えてみますと、非常に困っておるという人たちに対する保険制度でありますから、全般の問題を総合的に検討するということももちろん必要でありますけれども、その間の措置として、この答申書にもっともっと近づけられるような具体的な措置というものがとり得てしかるべきじゃなかったか、このように考えるわけですけれども、その点原案を見ますと、国庫負担の引き上げ等についても非常に強くこの答申がなされているのにもかかわらず、三割から三割五分にとどまってしまっておる。こういうようなことについては総合的な問題として検討しているからというだけでは、どうしても私どもとしては納得するわけにはいかない、このように考えるわけですが、特にこの答申の趣旨の国庫負担の割合とかあるいは保険料の金額等について、もっと低額所得者に対する愛情のある、よく使われておりますところのきめのこまかいという措置をとるべきじゃなかったか、こういうふうに考えるのですけれども、この点はいかがでございますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 両方の審議会の答申を通じまして共通した点が一つ、国庫負担を五割以上にしたらどうかという点、これが共通点でございます。それからただいま御指摘になりました保険料の点でございますが、これは二つの審議会におきまして意見は必ずしも一致をしておらないように思います。若干のニュアンスの違いがございます。社会保障制度審議会におきましては、三十円の保険料額を設けることは、急激な負担の増加となるのは問題があるというわけであります。社会保険審議会におきましては、比較的余裕のあると思われる階層のものについては現段階としてはある程度保険料を引き上げることもやむを得ないだろうというような若干の意見の相違はございます。それで、それぞれの考え方があるわけであります。特に共通しました点として、国庫負担を五割以上に引き上げたらどうか、これは両審議会一致しておるようであります。この点についての考え方でございますが、ただいまの段階におきます社会保険というものについての考えでございますが、三割五分というような高額の国庫補助をやっておりますのは日雇い健康保険だけでございます。御存じのように国保も非常に財政が苦しゅうございますが、これも二割五分であります。国保も二割五分を一割とか五分上げなければならぬという議論もございます。同じ問題が国保についてもあるわけであります。そういう他の制度におきましても国庫負担を上げなければならぬという問題が起こっておる。もう一つは、社会保険という制度におきましては、大体原則として保険料を集めて、その保険料でまかなっていくというのが保険のシステムでございます。そういう制度をとる際におきまして、五割以上の国庫負担を出すというのはどうも制度としてどういうものであろうかという一つ基本的な問題があるわけでございます。これがイギリス式の社会保障、ナショナル・ヘルス・サービス方式でありますれば、これは大部分が国庫負担と申しますか、国費で処理するという方式をとる、そういう場合には何も問題はないかもしれません。しかし、別の保険形式というものをとります場合には、おのずと国庫負担は限度があるのじゃないかという、いろいろ問題点がございます。そういう点。それから他の保険制度におきましても、国庫負担を増額しなければならぬというものもあるわけでございます。それらの点を先ほど抽象的に申しましたが、日雇い健康保険の財政の苦しいことはよく存じておりますので、ここ一年間ほどの総合調整の検討の段階において処理いたしたい。問題のあることはよく承知いたしておりますが、する時期としては今回するか、もう少し検討を待ってやるかというところでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 保険局長の説明に不十分な点がありますから、こういうことは十分に委員の方に対して答弁してもらわなければ困る。社会保険審議会の答申はおっしゃたようなことです。しかし、なるべく軽減してくれということがあるし、それから関係の労働者の方は反対であるということがついているはずです。社会保障審議会は全会一致であります。しかも問題があるという全会一致であります。片一方の問題については反対だという少数意見がある。それについてなるべく軽減してくれということがついている。答弁には正確を期してもらわなければ困る。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 それで先ほど来私が申し上げておるのは、一般の保険と同じような見方でやっていると、いわゆる保険経済主義になってしまう。先ほどはそうでないという答弁をしましたけれども、実際に今私の、国庫負担額の問題について答申書に沿っていないのじゃないかという質問に対しては、それは保険財政という観点から見て保険料を取ってまかなっていくのが建前だという、社会保険主義の思想に立ち戻ってしまったと思うのです。私はそれではいけないのじゃないかというふうに思うのです。なぜならば、この保険の適用を受ける人たちは、先ほど来申し上げているように最も低額所得者であって、しかも不安定な生活状態に置かれているのだ、従ってこの人たちに対しては特別な目を持って見ていかなければならぬ、そういうふうに私としては強く指摘をしたわけです。もちろん政府の方としましても、そういう考え方があったからこそ他の国庫負担額よりも多いということはよくわかります。しかしそれでもなおかつ十分だというふうには考えられないから、従ってこのような答申書が出ているというふうに言わなければならぬと思うのです。しかも給付内容等の問題を考えてみるならば、このことについては申し上げるまでもないと思うのですけれども、他の健康保険に比較をしましてきわめて劣悪な条件に置かれていることは言うまでもないと思うのです。それらをもっと社会保障という考え方に立っていくとするならば、救済する道としては国庫負担額を増額する以外に現状としては方法がないじゃないか、このように考えます。総合的に社会保障全般の問題を検討されるまでの間の措置としても、これらの人たちは非常に困っているわけですから、そういう点についてもっと答申書の趣旨に沿ったような立場でやっていかなければならないと思うのです。それができなかったのは一体どういうわけかというと、私が冒頭に指摘しましたように、予算編成が終わってしまってから、しかも取り急いで事務的にやっている、こういうところに大きな原因があるのではないかというふうに私は考えざるを得ないわけなんです。そうでなければ、原案ができてしまってから、しかもこの印刷物を見ましてもあとからつけ加えられたような、ほかの活字と違ったような書き方をしている。こういうことは非常に問題を内包していることをここに明白に示しておるのじゃないかとすら考えられるわけです。そういう点から考えてみまして、先ほど厚生大臣は、諮問の時期云々よりも答申にどうこたえるかということの方がより大切である、こういうことを言明なさいましたけれども、この答申書の趣旨に今回の法案の内容は沿っていない、こういうことについて厚生大臣はどのように考えますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 すべての国民が同じような医療の保障を受けなければならぬと思うのであります。それが理想であると思うのであります。そういう意味から申しますと、日雇い健康保険、国民健康保険は今後大きに改善をしなければならぬ二項目だと私は思うのであります。国保の方につきましても、本人、世帯主でさえもまだ五割給付、半分は自分で持たなければならぬという現状であります。これを引き上げることができないのも経済が背負い切れないからでございます。引き上げればそれだけ保険団体の負担がふえるのですから、その経済が耐え切れない、保険料を増徴できないから引き上げることができない、自然国の負担を引き上げることをしなければ給付も引き上げられないという、こういう低い状況におるのであります。経済から制約されてきておるのであります。日雇いの方も経済が容易でないことはよくわかっております。保険全体の総合調整と申しますものも、とにかく実質的に言えば低いものを引き上げるということになってくるわけであります。高いものを落とせというほどの必要はありません。低いものを引き上げることになるのでありますから、この問題はさっきも保険局長が申しましたように、社会保障制度審議会でも医療保障の総合調整問題として現に検討中でもありますが、ちょっとまだるっこしいと私は思っておるのであります。それで今年三月までに——予算の編成期を過ぎたときに答申をもらったって仕方がないのですから、大内会長にも先ごろ、予算編成に間に合うように返答して下さいということを、特にまた無理なことを注文したかもしれませんが、申し入れたのであります。厚生省の中でも、予算時期に間に合うようにこっち側としての準備的な検討もしなければいかぬというので、すでにいろいろ始めてやってみておるところであります。そういう問題として、これは大きく考えておるのであります。今回の場合はそういうふうに全体的な問題としてかかえておるのでありますけれども、しかし日雇い健保をその時期まで待って延ばしておくというわけにいきませんから、少ないか多いかは議論がありましょうけれども、せめて日雇い健保だけは三割負担を三割五分に引き上げる、その前にこれだけは優先的にやったというわれわれの考え方も御理解を願わなければならぬ点があると思うのであります。五割以上に引き上げろという趣旨はよくわかっております。全体的な問題をかかえておるから、われわれもなるべくその時期にと思いましたものを、せめてこの段階で日雇いだけ、五分程度のことではありますけれども、やってみようということで考えてきたのがきょうまでの経過であるのであります。そのようなわけで、かかえておる問題として現に今検討を進めておるところでもありますし、さらに今後は具体的に努力をしていきたい、こういうふうに思っておるのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 三割から三割五分にすることもなかなか容易じゃなかったというようなお話なんですけれども、すでに厚生省は法案の骨格を社会保障審議会なりあるいは保険審議会の方に提示をして諮問をされているわけでしょう。その結果として、これではいけないから五割にしてくれという答申書が出ておるわけです。従って厚生大臣が考えておるだけでは——日雇い健康保険の適用者についての保険制度としては多くの問題があるからということで答申が出ているわけなんですから、先ほどの大臣の答弁の趣旨からしますならば、諮問の時期等は別問題だ、内容にどうこたえるかということが重要問題だという考え方からすれば、当然それは皆さんが原案を作って、それに基づいてもっと引き上げなさいという答申が出ている場合にはそれに近づけていく、こういうやり方でなくてはならないはずなんです。だから私が事務的だと言うのは、原案を出してしまって、それをのませるだけのような諮問の仕方をしているのじゃないかと思うからです。原案を示してから答申が出ているわけですから、皆さんが一生懸命やったけれども、それにもましてかくあるべきだという答申が出ている以上は、若干のそれに対する前進をした姿というものが法案の内容に盛られなければならないはずだ、こういうふうに私としては考えるわけですが、この点いかがですか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 あなたは同じところを繰り返しおっしゃっておる。それほど御熱心な御意見はよくわかりますが、答申が早く出ておれば五割になったとお考えになるが、この三割五分という予算が予算段階においてきまったという事情は私が一番よく知っておる。そんななまやさしいものじゃありません。政府部内の事情を私がここで申す必要はありませんけれども、ただ答申が先だったら五割以上になっておったろうというような簡単な形式論は、実情を知っておる私としては、それも御意見ではあろうけれども、それ以上の事情を知っていると申し上げたい。  なお、よけいなことでありますけれども、私がさっき申し上げたのは、こっちが企画して予算を作る前に、形式論じゃなくて実質的に諮問機関などの意見をよく聞いて、よい考えを伺って答申を具体化していくことがよいことだと言ったのであります。私はよい答申を実質的に必要な段階でよく聞いて、こっちが策を立てるのがよいと言ったので、これは必要のないことかもしれませんが、あなたは私の言ったことをちょっと取り違えておられるように思うのです。答申通りやる、それもよいことです。答申を忠実に実現することはよいことだと思いますけれども、——そういうことはさっき言わなかった。言わなかったけれども、いいことだからその点も異論があるわけじゃありませんが、私が申したのは、よい答申をよい時期に、つまり実質的なよい意見を適当な時期によく伺って案を立てたい、こういうことを言ったのであります。しかしさればといって、出たものをなるべく忠実に実現するということが悪いのじゃないのです。それもよいことではありますけれども、ちょっとお聞き違いがあったかもしれぬから念のために申し上げておきます。とにもかくにも実際問題といたしまして、全体的な総合調整まで待てぬという考え方で、三割五分ということに処理したのであります。しかし今後に問題をかかえておる、こういうことを御了解願っておきたいのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私の申し上げておるのは、答申書が出たからその通りやれなんということは言ってないのですよ。それは諮問機関なんですから、当然その通りしなければならないという義務づけはないのです。ただ、厚生大臣は三割五分に引き上げる事情をおれの方がよく知っておると言われるが、それは苦労なされたことはその通りだと思うのです。しかしいかに厚生大臣が大蔵省なり政府部内で折衝するにあたって大きな政治力を持っていたとしても、一人の力よりはもっと多人数の力の方が大きい。そういう点から考えてみますと、たとえばこの答申書で五割なら五割出ておるものをバックにした方が、厚生大臣の対大蔵当局の交渉にあたってももっとやりやすい面があったはずだと思うのです。そういうことからいっても、やはり時期の問題がどうしても問題になるといわざるを得ない。なるほど苦労なさったことはよくわかるけれども、厚生大臣一人よりは、諮問機関というりっぱな機関があるのだから、その答申をバックにした方がもっともっと力になるところの交渉ができたはずだし、そういう意味で私としては今の点を申し上げておるわけで、決して誤解や何かしておるわけじゃないのです。ただ、厚生大臣の言っておるのは、三割五分にするにあたっても五割という答申書が出た方が非常に都合がよかった、そういう意味で時期の問題もということのように受け取れますけれども、それも確かに方法でありましょう。しかしながらもっとよい方法としては、このような答申書を得てからの方がよりうまくいったのじゃないかというふうに考えざるを得ないわけなんです。それで質問をしました内容は、原案を示してから、原案をもって諮問をしているわけですから、それに基づいて答申をした以上は、先ほどの厚生大臣の答弁の趣旨からすると、すなわちできるだけ答申の内容に沿うということの方が大切なんだという趣旨からすれば、五割の答申書が出たからといって、五割にはでき得なかったけれども、三割五分の原案よりはやや前進をしたという姿になるのが、厚生大臣の先ほどの答弁の趣旨に沿うことではないかというふうに考えて、その点は一体いかがですかという質問をしたわけなんです。その点は一体いかがですか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 答申を得ておって、これをてこに使うという行き方もありましょうし、必ずしもあなたの御意見をまっこうから否定するわけではないのでありますが、財政の問題はなかなか実際問題として厄介なところもありまして、それだけできまるものでもない、そういう点もあるのであります。しかしあなたのおっしゃっていることも、それも否定するわけじゃありません。ただ、それがあるから何でも時期をこうしろ、こうまでおっしゃるが、ちょっとまだ形式論ばかりでもいかぬ。実際の意見は何とか聞いて参考にしたいのでありますけれども、それは運用の実際でよいように運用して、よい考えを出してもらってよいように運用する、こういう考えを持っております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 社会保障制度審議会なり社会保険審議会等の関係については、十分それらの制度等をうまく活用して、しかもその答申というものが十分生かされるようにしてもらうことを強く要望して、その点については終わりますが、二、三内容の問題に触れたいと思うのです。  この原案の中で新たに一級制度というものを設けて、現在の二級制度を三級にする、こういうふうになっているのですが、その一つの起点になるのは四百八十円という日額の問題だと思うのです。少し数字的なことになりますけれども、現在健康保険適用を受けているような日雇い労働者の平均の賃金というものはどういう趨勢にあるか、この点をお伺いしたいと思うのです。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 あるいは御指摘と違うかもしれません。年々の傾向ということかもしれませんが、お手元に配付しておりますこの資料の七、一番あとから二枚目の長い方でございますが、そこの一番上の欄に保険料という欄がございます。左の方は現行、その右が改正という欄でございます。その欄でごらん願いますように、四百八十円以上の賃金をもらっております者の就労割合は日雇いの被保険者の総数に対しまして四六%、そしてそれの平均賃金が六百七十二円、それから二級の二百八十円から四百七十九円の間の者が何人かと申しますと、全体の四一%でありまして、そのクラスの平均賃金は三百七十六円。それから三級に当たりますところの二百八十円未満というのが全体の中で約一二%で、そのクラスの平均賃金が二百四十円、こういう数字でございまして、これは年々の傾向といたしましては、御存じのように下のクラスと申しますか、低い階層がだんだん上の方へ上がっていく、やはり一般的な所得、標準報酬が伸びていくという傾向を示しております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 そういたしますと、四百八十円以上のクラスはどんどんこれからもふえていく状態にあるという答弁のように承りましたが……。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 この傾向は単に四百八十円以上というだけでなしに、二百八十円未満のいわゆる三級該当者一二%、これも逐次減って上の二級に該当していく。それから二級の該当者四一%でございますが、これも少しずつは上の方に該当していく。全般として各階層とも標準報酬が少しずつ上がっていく。過去におきましても上がっておりますし、今後も苦しくはございませんが、傾向としてはそういう傾向をたどっていくだろうということでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 全体として平均賃金が上がっていく状態にあるということです。大体そういうことだと思うのですけれども、そういたしますと、新たに設けられる新一級というのは保険料が三十円ですか、この該当者の数は傾向から申しますとどうしても多くなる、こういうふうに言い得ると思うのです。現在まで二段階だったものを三段階にすることによって、二十円のものが三十円になるということでございますから、約五割方の保険料が引き上げになる。しかもこれらの人たちは対象者がどんどん多くなる、こういう傾向になっていくと思うのです。この点はその通りだと思うのですけれども、どうでしょうか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 傾向といたしましては、そういうことであろうと存じます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 そうなりますと、保険財政上の点から見ますと、もちろん給付内容も改善をされるわけです。この給付内容の改善と、それから保険料として入ってくる収入の面とを考えてみますと、傾向としては相当収入が増大をする。たとえば保険料が高い人が非常に多くなって、そして四百八十円以下の人たちが少なくなってくる。これは否定しようのない傾向だというふうに言わなければならぬと思うのです。そこで保険収入の面から資料を見てみますと、保険料によるところの収入増というものを相当高く見ているようなんですけれども、保険の給付内容が一人平均で金額にして、こういうふうにすればこういうふうに改善されるのだという割合が今までの実績から見て出ると思うのです。従って給付内容の改善される割合を金額にした場合、一体どのくらいになるのか。それから一人当たりの保険料が増大をしていく割合はどのくらいになるのかということがおわかりになったら一つ知らしてもらいたいと思うのです。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 必要がございますれば数字は後ほど申し上げますが、一般的な傾向を申し上げます。  収入の面の一番大きな財源になるのは申すまでもなく保険料でございまして、あとは国庫負担金でございます。大体最近の傾向を見ますと、保険料の伸びというのが大体年に四%でございます。それから支出の方で、大体総支出が約百億近いその中で、一番大口が医療の給付でございますが、これが八十三億、約八割を占めております。この八割を占めておりますところの医療給付費の伸びでございますが、これが大体最近におきまして一〇%内外の伸びを示しております。従いましてこの保険料の伸びが四%程度であります。ところが医療費の伸びが自然の伸び——ほっておいても伸びる分であります。これが一〇%でございます。結論から申しますと、保険料の伸びは医療の伸びに追っつかないというのが現状でございます。最近の現状は当分この傾向は続くと考えております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 それは現在の日雇い労働者の賃金を基礎にした推定であるというふうに考えていいのですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ここ数年来の傾向が今申し上げた通りでございまして、今回改正になりますと、一段と急激に総額がしがります。それからその後の傾向としてはやはり今申したような四%程度の保険料の増収という傾向であります。本年度におきましては、一挙に増収いたしますけれども、これは単年度でございまして、それ以後の傾向としてはやはり四%程度の漸増ということになります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 その点は大体私の推定でいきますと、この原案でいきますと、三十円という保険料を納付しなければならない人が相当数増大をする、こういう形からしますと、従来の実績からすると、保険収入というのは相当大幅に増大々する、こういうふうに考えられるわけです。しかしこれは実績を見なければ明らかにできませんから申すわけにいきませんけれども、現在の政府の政策なりあるいはその統計上の数字から見ましても、四百八十円以上の日額該当者というものが増大をする、それが全部五割増しの三十円の保険料を納付する、こういうあんばいになりますから、従来の保険財政の面から見ると相当保険料によるところの収入というものが増大をしてくるというふうに考えざるを得ないわけです。むしろ今回のこの改正案の趣旨というものが、どちらかというと社会保険主義の思想を強くして、保険料の収入増大をねらうための三段階制じゃないかというふうに考えられる節があるのですが、これはどうも数字、実績を見なければわかりませんので、なかなか容易に申し上げるわけにいかぬのですが、傾向としてはそういう段階になるのではないか、こういうふうに考えます。しかしこれはどうも推定の問題ですからこれ以上は申しませんが、社会保険的な考え方だけでこの保険の運営にあたることのないようにだけは特にこの際申し上げておきたいと思うのです。  いま一つは、今までのこの日雇い健保の中で一番特に問題となっておったと思われますのは、二カ月間の空白の期間があったということだと思うのです。二十八日なり何なり分の印紙を張らなければ医療給付なりあるいは医療を受けられない、こういうことで皆保険という前提からしますと、非常に大きな問題になるわけです。今回これを改めて本人、家族を含めて五割というふうにしたのでございますから、空白期間というものは確かに薄くはなったと思うのです。しかし次のような問題が起こるのじゃないかというふうに思うわけです。それは働いていなければこの印紙を張ることができないわけですから、従って世帯主が実際に医療を受けているという場合には働けない。働かなければ印紙を張るわけにいかぬ。そうすればその間、家族は病気になった場合には何の適用も受けない、こういう空白の時期が起こるんじゃないかと思うのですけれども、この点は一体そうなりませんか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 その点は第十七条の四にございますように全然働いて保険料を納めないというような事態になりますと、この保険の適用を受けない。特別二カ月分、あれに該当しないということにもちろんなります。しかしそれは全部ではございません。十七条にございますように最初日雇い健康保険に入りました場合、一定の条件を具備しておる者は一枚切手を納めただけで受けますが、全然納めてないという事態でございますと、これは手帳もいただけませんし交付いたしませんし、資格もない、こういうことになります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 本人がそういう該当者の場合、本人が病気になって印紙を張るわけにもいかぬ、こういう場合には家族は療養を受けられない、こういう状態が起こるわけですね。これは国民皆保険という観点からするとどういうふうになりますか。少し問題だと思うのですけれども。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ちょっと今の説明が足らなかったようでございますが、実は全然日雇いの保険料を納めておらないというのは、これは国保になるわけでありまして、国保の加入者として処理されるわけであります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 関連して……。今吉村さんが質問しているのは、本人が療養を受けているから、それまでは印紙を張っておった。ところが本人が仕事をされないまま療養をしておる。その間に、吉村さんの質問外になるかもしれませんけれども、十四条ですか、十四条には、結局一つの病気だけで療養するんだ、そしてほかの病気が出た場合にはほかの医者にはかかれない、たとえば一つのある病気にかかってAなる医者にかかっていた、これが内科だった、次に歯が痛くなった、そうすると歯医者さんにはかかれないということになっているのですか。それからまた家族の場合は、かかろうと思っても受給資格が満ちていない、本人が働いていないから。それをすぐ国民保険に吸収するということは、そんなことはないと思うのです。やはり日雇い健康保険の被保険者だ、しかし本人が療養している問に家族の病気が出た、ところが印紙が張ってないものだから適格者じゃない、そこで家族療養ができない、こういうような場合があるのかないのか。そのとき御主人が病気をしておられる、医者にかかっておる、その場合家族が病気をした場合はできないのでしょう。それを問題にしているのです。なぜできないのだろう、適格者でありながらどうして家族が病気した場合療養ができないのだろう、それはあまりひどくはないのか、こういうことだったと思うのですが、それを明らかにしてもらいたい。法文を読めばこれはできないようになっていると思うのです。現実にそうでしょう。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 私から便宜お答えさせていただきます。  日雇い健康保険というものは、実は日雇い労働者を的確に把握する方法があればいろいろの制度の面できわめて好都合でございますが、残念ながら現在のわが国の組織でどなたが日雇い労働者であるか、どなたが日雇い労働者でないかということは的確に把握することが困難でございますので、現実に現在の日雇い健康保険制度の建前では、働かれたか、働かれなかったかという事実を押えて、制度を立てておるわけでございます。極端な例は、あるお方が一年に一日日雇い労働者として働かれますと、その働かれた限りにおいて、日雇い労働者であるわけです。そこでこの制度を立てます今の建前から申しますと、現実に働かれた日が日雇い労働者であって、働かれなかった日は日雇い労働者でないという考え方をとっているのです。そこで二カ月二十八枚以上張る見込みのない人は、たとえば年に十日とか二十日とか働く人は、あらかじめ現在の法律の七条で、本人がお申し出になれば、これは適用しない、国保に行っていただく、そういう考え方でございます。常態として日雇い労働者として働く人は適用を受けてもらう。そして制度としましては、過去二カ月に二十八枚以上張っている人、あるいは過去六カ月に七十八枚以上張っている人は給付が受けられます。そういう建前をとっているわけでございます。従いまして、御質問の、もし本人が二カ月二十八枚、あるいは六カ月七十八枚以上張っていて、病気になって給付が受けられる場合には、その病気については、今度の改正で提案いたしましたのは、二年間受けられるわけです。なおその病気の途中で、本人が他の疾病にかかられた場合は、その疾病の発生の時点をとらえて、過去二カ月で二十八枚以上であるか、あるいは過去六カ月で七十八枚以上であるかをとらえまして、それに該当すればその疾病も受けられる、そうでないと受けられない。家族につきましても同様でございます。従いまして、もし本人が長期の療養を要する病気になりまして入院されまして、とてもこれから先二カ月に二十八枚張る見込みもない、六カ月に七十八枚張る見込みもないというときには、現在の法律の建前では、本人から日雇い健康保険の適用除外の申請を出されて、出されたら私の方はすぐ手続をして除外をして、国保に行っていただく。そうすれば国保の被保険者として国保で見る、そういう建前をとっているわけでございます。御指摘の点はおそらく、その手続をとるのは本人に不利益じゃないか。従って何か方法はないかという御指摘だと思いますが、この点につきましては、私どもも日雇い労働者というものが的確に把握できるなら、本質的にAの人は日雇い労働者だ、Bの人はたとい日雇いでいても日雇い労働者でない。そういう振り分けができるものなら、その人の身分で振り分ける方法も考えられますが、現在のところ残念ながら、そういう方法はありませんので、ただいま申し上げたような建前をとっているわけでございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 そういうような解釈ですか。そうしたらその身分が、日雇い労働者であるというその判定が明らかにつく場合は、それが適用されるわけですか。たとえば擬制適用を受けておる、あなたのよく御承知の土建の労働者の方たち、こういう人たちはずっと日雇い労働者である。そうしてその人たちが不幸にして病気になって、過去適格者であった。しかし他の病気が出た場合、もうすでに五カ月も過ぎておったら、前二カ月に二十八枚の印紙はとても張れない。従ってほかの医者にかかることはできない。そのときはそういう土建労働者は国民保険の方に吸収される、こういうことにならなければ、たとえば外科で入院しておっても、内科の病気が発生した場合は内科の医者にかかれない、そういう繁雑な手続をして、そして療養しなければならないという気の毒な場面に達するのじゃないか。しかも土建労働者の人々は、土建労働者に変わりはない。これは外部から見ても、世間一般から見ても、石工は石工、植木職は植木職である、こういうように判定される場合は、これを適用するのにやぶさかではないのですか、どうでしょうか。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 ただいま御質問のありましたことに対する私どもの考え方は、今のように個々の人について、この人は日雇い労働者であるとか、この人は日雇い労働者でないとかいうのを判定することが一つのものさしでできるものなら、この制度全体を御検討願って変えるべきでございますけれども、全体としてそういうことが不可能であるという前提で、すべて日雇い労働者の健康保険の適用を受ける人は、就労という実態をとらえて出発しているわけでございます。従って、Aの人はおっしゃるように、日雇い労働者としてずっと生活していらっしゃって、世間的にもある程度はっきりしておる。しかしBの人はきわめてはっきりしない。あるいはCの人は明らかに、日雇い労働にときどき出られるけれども農業が本職であるという場合に、私どもとしては、現在の立法の建前ではそういうふうになっておりませんので、すべて就労されたという実態をとらえていっているわけですから、御指摘のように、大工さんが大工さんであるという職業を持っておられるという事実をとらえて、すべて日雇い労働者健康保険を適用するということはできない建前でございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 今言われましたように、医療というものが最も必要になる層というものは、どうしても低額所得者に該当者が多いということはおわかりだと思うのです。そういう人たちが今のような制度のために、いわばこれは盲点ともいうべきところであろうとは思うのですけれども、この保険の適用者家族に限って国民皆保険のワク外に置かれる期間、事態が起こるわけです。この点は、なるほど保険局長が国民健康保険の方に云々というふうに言われましたけれども、現実の問題としては、そう簡単には、口で言うようなわけにはいかないわけなんです。ですから、当然その期間は療養を受けられない、こういうことになってしまうので、この点は十分改めるようにしなければならぬと思うのです。もちろん、これは社会保障制度全般の検討の中で行なわれることだとは思うのですけれども、特に何らかの措置をもって、当面、総合的な保障制度ができるまでの問は、具体的に行政指導なり何なりをして、そうしてその人たちあるいは家族がそういう場面に逢着をした場合にも適用が受けられる、こういう方策を講じてやるのが、この時点において必要な措置ではないかというふうに考えるわけですけれども、厚生省当局としては何らかそういう措置を実施する考えはありませんか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 この問題につきましては、従来から二カ月間のいわゆる穴埋めという問題で問題になっておったわけであります。それでいろいろ検討いたしましてやりましたのが今回の措置でございます。先ほども健保課長から申し上げましたように、日雇いの健康保険制度あるいは被保険者の負担というような技術的な面から見まして、この方法以外には一応検討してもないという、盲点といえば若干盲点でございます。私が申しますように、その際はすみやかに国保に入ればいいという言い方もございますが、これは極端でございましょうが、そういう不便の点も出てくるということでございまして、ともかく二カ月穴埋めを実施いたしたいというので、いろいろ方法を考えました結果がこういうことでございまして、今申しましたように、単に国保にすぐ入ればいいじゃないかということも言えますけれども、まあそれはあまりひどいじゃないかという議論もございましょう。この点は今後国保あるいは日雇い健保等の調整の問題が残っておりますので、御指摘のような、法律の上では何とか回避できるじゃないかと言えましても、実際の上で移行することは困難であるという事情がございますので、なお検討いたしております。この二カ月穴埋め実施についていろいろ考えました結論が、一応現段階ではそういうことでございます。なお今後検討いたします。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私が申し上げているのは、なるほど空白期間を埋めるための措置だということはわかるのです。だけれども、それを埋めるためにとった措置の結果、なお今のような問題があるわけなのですから……。それは盛んに宣伝をしておる国民皆保険という建前からすれば、法的にはできないとしても、行政上の措置でその空白を埋める、盲点を埋めるということをやっていくのが厚生行政の一つの方向じゃないですか。そういう措置をとってくれるかどうかということを聞いておるのです。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 法律上の扱いといたしましては、日雇い健康保険の適用を受けられない方が出て参るかもしれない。そういう方は、やはり建前といたしましては、国保という制度に移行していただくという建前でございまして、それを簡単に行政上の措置でやれるかどうかということになりますと、これは適当でないと考えております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 そうなりますと、これはどのくらいの人数になるかわかりませんけれども、最も医療保障なり何なりを受けなければならないような階層が一番因った状態に置かれっぱなしになるわけです。今後の検討は検討として、そこを埋めるという手段、方法は研究されればあると思うのですよ。法律上できないということについては、やはり行政的に何らかの措置をとっていくという方向は、従来だってあったのじゃないですか。だから、大した人数ではないと思うし、特にそういう人たちについてはそういう方法をとっていくということがどうしても必要じゃないかというふうに考えますので、どうしてもできませんということだけでは、今の厚生行政上から考えてみて少し問題があると思うのです。これは行政措置的にやってもらうことを十分考えてもらいたいと思うのですが、どうしてもできませんか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 法律上の措置としては国保に移る措置がちゃんとできておるわけでございまして、それに移らないものを法律の上におきましてこのまま日雇いに残しておく、これを事実上認めるということは適当じゃないと思います。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 法律上できないということはその通りなのですけれども、総合的に社会保障、社会保険全般にわたって検討した場合には、こういうのは当然なくならなくてはならぬと私は思うのですよ。またなくなるように検討されるものと思いますが、その間今のような問題があるという場合には、それは何らかの措置をとって埋めてもらわなければ、国民皆保険の何のかの言ってみたところで始まったことじゃないと思うのです。ですから何かそういう点について十分厚生省の方で検討してもらいたい、このように思うわけです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 関連して……。今のところちょっと私もわからぬところがあるのです。まず第一に、日雇い健康保険の被保険者で、さいぜん五島さんが指摘したように、肺炎なら肺炎でずっと一年間かかれるわけですね、今度二年になるわけですが……。これは印紙を張っておけば一年行けるわけですからね。そうしますと、途中で、半年してから今度は神経痛が起こるとすると、神経痛についてはできないわけですね。ところが、これは現実の面としてはそういうことが行なわれるかどうかわからぬけれども、おそらく行なわれると思うのですが、神経痛と書かずに肺炎で神経痛の注射が行なわれる可能性が出る。こういう制度を作っておくと結局医療機関に悪いことを強制することになる。なぜならば、論理的にどこに矛盾があるかというと、五島さんが御指摘になったように、今度神経痛を直すためには、その人は国民健康保険の被保険者になるか、生活保護を受けるか、どっちかしか道がないわけです。国民健康保険の被保険者になろうとすれば、国民健康保険は日雇い健康保険の被保険者は加入せしめないでしょう。加入せしめますか。そういう場合に、この人は二重に保険を持つことになるわけです。そこらの法律上の根拠は、日雇い健康保険の被保険着であって国民健康保険の被保険者をかねることができるという条文がどこかありますか。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 今回御審議願っております日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案の附則の十項でございますが、「国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)の一部を次のように改正する。」ということにいたしまして、「第六条第五号中「交付を受けて一年を経過しない者」」は入れないという規定でございましたが、それを「「交付を受け、その手帳に日雇労働者健康保険印紙をはりつけつけるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者」に改め、「被保険者とならない期間内にある者及び」の下に「同法第八条第三項の規定により当該日雇労働者健康保険被保険者手帳を返納した者並びに」を加える。」ということに改めまして、御指摘のように、病気になりまして日雇い労働者として二カ月二十八枚張る見込みはないから自分は手帳を返すと言って返されますと、私の方で手続をしてすぐ国保に入れるように手続を簡素化するように改めました。従来とも実は解釈でこれはできることになっておりましたが、滝井先生からも御質問が出るように、とかく疑義が多いものですから、これははっきり書いた方がいいというので、手帳の返納を条件として、たといきのうもらわれた人が長期疾病になられても、自分はきょう病気になってとてもここしばらく働けない、もう手帳を返すといって私の方の日雇い労働者の所管の出張所にお返しになれば、その日から今度は国保に入っていただく、そういう手続にしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、日雇い健康保険の手帳を返せば日雇いの被保険者でなくなるから、今受けている肺炎の方の治療が受けられなくなってしまう。どうしてかというと、肺炎の方は無料で受けられますからね。ところが国保の被保険者になると金を半額払わなければならなくなりますから……。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 御説明が不足でございましたが、手帳を返しになるときに、手帳を返される月の前二カ月あるいは前六カ月に二十八枚ないし七十八枚張ってありましたら受給資格証明書は私の方で出すことに指導しておりますから、いただくけれども受給資格証明書は出します。従ってその月は当然かかれる、あるいは七十八枚の条件が先三カ月まで有効なら三カ月までは証明書をやる、そういう手続でございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 その場合、そうすると二年間の給付を要する人たちはほとんど働けないですから、日雇い健保の対象者でありたいと思っていても、家族が病気したからしようがないから国保に入ろうという手続をしなければならぬ。返納しなければならぬ。これは事実返納させることになってしまいますね。それからまた健保体系としてちょっとおかしくはないでしょうかね。そうしてあなたが説明されることは合理的なような気もする。しかし日雇い健保の加入者が、本人が病気して働けないという事実、そうして一年のうちに一日や二日あるいは十日や二十日ばかり働いて、あとはお百姓さんをするということはまた別として、ずっと労働者でやってきた人たちが、もう働けないから返納しなければならぬ。返納したら国保に認めてやろう、それじゃ返納しなかったら結局は家族の療養もできない。本人が余病を発生しても給付を受けることができない。こういうことは何だか日雇い健保上の矛盾点のような気がするわけです。この点について大臣は、それは矛盾だとお考えになりませんか。それでできなければ国保に入れ、こういうように突っぱねるということは、大臣は今ちょっと退席されておったから今までのいきさつがおわかりにならないと思うけれども、吉村君の質問からこれが発展してきたわけです。十四条で患者の一年の療養期間を二年に延ばされた、一年が倍になったから、倍になっただけはまあいいとしても、これは健保よりもまだ少ない。しかしそういう二年の療養給付があるけれども、それは一つの病気に限るのだ、一つの病気は二年間療養できるけれども、他の病気が発生したらそれは見てやれないのだ、しかもその間は本人が病気になって働けない、働けない人の家族が病気をしたら療養給付がない、それはちょっとおかしくはないですか。その場合この国保の改正によって、適格証明書々返納したら直ちに国保に入れますよ、国保でやりなさい、こういうことは、日雇い健保そのものがあるのにかかわらず日雇い健保をわざわざ脱退して国保に入って療養を受けさせる、こういうようなことはちょっと矛盾してはいないか、というように考えるのですけれども、大臣これはどういう気持がいたしますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは先ほどから申し上げておりますように、被用者保険というものは使われておるという事実がなければならぬ。それで常用者でございますと、これは一時休んでおりましてもまたなおれば使われるという状態がある。ところが日雇いでありますと一日々々が使われている状態であります。それが病気になりまして一年か二年か全然働けないという事実があるのでございます。すなわちそこには被用者というか使われておるという事実、就労の事実がないわけでありまして、いわゆる日雇いの健康保険の被保険者になるという前提がすでに欠けてしまっているわけでございます。従いましてその人は日雇いに入ろうと思っても、もう入る資格がない、就労という事実はないわけでございます。従いましてそういう人に対しましては、先ほども申し上げましたように国保の方へすぐ入れるような措置をする、こういうことにならざるを得なかったと考えます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 いろいろ意見が出ておりますが、厚生省としましても現在の法体系がそうなっておるので、問題はあるけれども、いわばこういう趣旨の答弁なんです。次々とこうやくばり的にやっているわけなんですけれども、そのような方法でやっていくと日雇い健康保険の制度——保険、制度全般から見て、ある時期には日雇い健康保険に入り、ある場合には国民健康保険に入る、こういう問題も起こるので、やはり制度上の持っている矛盾であり、欠陥であると思うのです。これでいいというわけにはいかぬと思いますから、この点は煩瑣なことのないように、医療というものを安心して受けられるように一つ早急に検討してもらうように、この際要望しておきたいと思うのです。  そのほかにもいろいろお尋ねをしたい点がたくさんあるわけですけれども、時間もだいぶ過ぎておりますしするので、内容の点についてはこれで終わりたいと思いますが、何と申し上げましても、これは他の健康保険の給付内容に比べまして相当まだ劣悪な状態にあることは、今回改善されましてもそういう条件にあることは、御承知の通りだと思うのです。最も生活が不安定でしかも低額所得者である、こういう人たちがこういう制度の適用を受けるということは決していい状態ではないと思いますから、この点については他の保険の給付内容と同一程度まで引き上げるように十分検討をしてもらう、これは早急にやってもらわなければならないと思うのです。それをやっていくためにも、特にこの際最後に大臣にお伺いしておきたいのですが、今回医療費の一〇%を引き上げになって国民健康保険に対するところの地方財政の問題等でいろいろ政治問題化したことは御承知の通りかと思うのです。これは現在の国民健康保険に対するところの国庫負担というか、国庫補助は二割でありますけれども、これではどうにもしようがないということで大きな政治問題になって、できるだけ早い機会にこの点については何とかしたい。もちろんここで確答をいただくわけにはいかないと思いますけれども、これは現内閣がわが党に対しても、そういう点について明確に話をしておるところでございますが、もし国民健康保険に対するところの国庫負担、国庫補助というものを増額をするという場合におきましては、その経緯等から考えてみましても、この日雇い健康保険に対する国庫負担額も当然増額をされてもいいんじゃないか。そのことによって初めて給付内容等についてももっといい内容のものになっていくのではないかというふうに考えますけれども、こういう点についてはどういうふうにお考えですか、お答えを願いたいと思うわけであります。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 先ほど来のお話をひっくるめてでありますけれども、やはり根本はいろいろな制度がまちまちになっておるというところから起こるのだと思うのであります。従ってこのいろいろのまちまちの保険制度というものを、全体的に調整していくということを考えないと、適当な結果が出にくい場合が起こってくる。問題は結局そこに偏差するように思うのであります。日雇いの問題は、将来そういう意味でも重要な研究のポイントであると思うのであります。国保につきまして、これは医療費の一〇%引き上げがあろうがなかろうが、国保財政は苦しいのであります。これはやはり一方ではそれだけ保険がたくさん利用されるようになったという慶賀すべき一面もあると思います。けれどもそれだけ保険財政の負担はふえてくる、保険経済が苦しくなる。さればといって保険料も上げられない、こういうところにきておるのだと思いますので、それは結局国の負担を考えるということに帰着するのでありますから、できるだけ早く負担の点を改善するようにという考え方でありますが、あわせてこの日雇いの問題もよく検討をしたいものだと思うのであります。どっちにしたって、どういう立場の人であろうと同じような均等な医療が安心して受けられるようにならぬと困るのでありますから、全国民漏れては困るのでありますから、また公平でなければ困るのでありますから、そういう理想に向かって努力をしたい、このことを繰り返してまた申し上げておきたいと思うのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 特に再三私が強調しておりますように、この保険の適用を受ける人たちの状態というものを十分考えられて、特別に他の保険から比べてその適用の状態、給付内容等については劣悪な条件にあるわけですから、早急にその内容の改善、そのためにはどうしても該当者等の状態から考えてみますと、国庫負担額を増大をしていく以外に方法はないと思うのです。その趣旨から社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会等も、あのような答申を出しておると思いますから、できるだけ早い機会に内容を充実してそして該当者がほんとうに安心をして働き得るような、あるいは療養をでき得るような、そういう制度を早く作り上げられるように努力していただくことをお願いをして私の質問々終わります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次の質問予定である五島先生が生理的要求でちょっと出られたので、関連質問をいたします。  先ほどの吉村委員の御質問の関連でございますが、本人が病気になる、それから後に他の病気が発生するという場合に、他の病気は今の法律では給付が受けられないように解釈をして御答弁をされておる。それはしかし解釈をほんとうに社会保障的に考えればできるわけです。日雇労働者健康保険法というのは、何もその時点に発生した疾病なんということは一つも書いていないのです。この第一条をごらんになれば、業務以外の事由による疾病ということだけで、これはほかの法律の関係であるだけで、それ以外に何も規制をしていないのです。「疾病、負傷若しくは死亡又は分べん」ということを書いてあるだけであります。ですからほんとうにそういうことが事実上不適であるという観点に立って問題を進められますならば、前に発生した病気を治療中に、あとの病気が発生しても、それをほんとうの社会保障的な意味で解釈をすれば、それについて適用するという道が開かれるわけであります。——保険局長よそを見ないで聞いていらっしゃい。それについてくだらぬ答弁の準備をしているようでありますけれども、そんな形式的なくだらぬ答弁は要らぬのです。病気をした労働者が、病気の発生時点が異なろうとも、完全になおるようにするのが社会保障、医療保障の道なんだ。それをやろうという趣旨はあるような答弁をしておきながら、現行の法律解釈としてできないというようなことを答弁しておられる。現行の法律上の解釈を、医療保障を進める意味において解釈をすればできる道が開かれておる。今ごちゃごちゃ答弁の準備をしておるのは、それをまたほかの法律の条文でそういうことはできないようになりますという答弁を準備しておるようにそんたくせられるのであるけれども、そういうことではなしに、労働者が病気にかかって、その次の病気が発生しても、それまで全部見るようにするような道を開く、そのような法律解釈をする、そのようなことをすることが厚生省の任務だ。その条文を正しく素直に解釈をすれば、いつの時点において発生した病気、そのようなことは規定しておらない。そのようなことでこれからの行政解釈をし、療養中に別の病気が発生したならば、その保険給付で見られるという道を進めるのが当然だ。そのような方向で厚生大臣なり保険局長が考えられる。そのような前進をした考え方を披瀝してもらわなければ、国民皆保険のほんとうの趣旨に沿わない。法律的な字句解釈ではない。医療保障をほんとうに進める意味においてそれをやってもらわなければならない。労働者というものがある以上は、十割給付が必要であることは社会保障の常識である。それをほかの条文解釈でできないというような解釈をとることは、社会保障を理解した厚生省の態度ではないのだ。かような意味で先ほどの吉村委員の要望せられた問題について積極的に前進的に解釈をして、療養中に別の病気が発生しても、それを前の医療給付で見るというような前進的な考え方を披瀝してもらわなければいけない。その点についての厚生大臣のお考えを伺いたいと思う。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 根本は国民になるべくよい満足な医療を保障するということでありますから、あまり字句の末などにこだわって解釈する必要はないと思います。根本の趣旨から解釈すべきものだと思います。具体の条文の問題は私にはよくわかりませんから、専門家によく研究してもらいたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そういう今の研究はあとでよろしい。厚生大臣は字句にとらわれずに医療保障を進めるという点を言われたのであるから、それを厚生大臣を補助する公務員の方々は、ほかの線では非常に賢明な知恵をしぼる能力を持っておるのであるから、医療保障を進める意味で知恵をしぼり合って厚生大臣を助けて、それが実現するようにやっていくのが皆さん方の任務である。厚生大臣はそれを推進することを一つお約束を願いたい。厚生大臣のお考えを……。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 よくお話の趣旨を尊重しながら検討したいと思います。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 私ちょっと中座しましたから、八木さんがどんな質問をしたかわからないのです。ただ大きい声でやりよるな、こういうように感じたのですが、今までの点についてはどうしても日雇い健保の給付の精神が欠如しておるように思えるのです。だから日雇い労働者に対するところの思いやりが相当に、今回の改正によって改正されたりとはいえども、非常に大きな欠陥があるような気がします。やはり給付は完全でなければならぬと思う。だから私は、日雇い労働者のある一定の資格要件が具備されたならば、本人が本人の転帰までは——転帰と言うたら語弊がありますけれども、二年なら二年というその転帰というところまではこれを見てやる。しかも本人が働けないのに家族が療養給付を受けられないというようなことは、だれが考えてもそれは矛盾だ、こういうように思うに違いないと思うのです。それを今、今日の時点において私たちが問題にするということ自体が、ちょっとおそきに失しているのではないかとは思いますけれども、これをあたらいいように改正し、労働者が一部改正の面だけは喜ぶということならば、こういうところまで老婆心をなぜ用いてくれなかったかと私は残念にたえないのです。  そこで今大臣が八木さんに考え方を述べておられたわけです。しかしそういうことは、今後国民健康保険の方に吸収するというのではなくて、その労働者自身は、今吉村君が言っておったように、病気の間は日雇い労働者の日雇い健康保険は辞退するのだ、国保に入るのだ——国保というのは各地区各地区の条例があって、直ちに国保に加入手続があるから、すぐ療養が継続されるのかどうかもよくわからない。家族の病気もすぐさま療養給付が開始されるのか、それはちょっとわからない。そうしてまた元気になったら、さあ働こうといって今度は日雇い健康保険に加入してくるという繁雑、そういうことではなくて、人間はいつ病気するかわかりませんから、それは傷病とかあるいは療養とかというような場合が往々にしてある。従って、それを給付して、安心して生活させるための保険法ですから、日雇い健保の被保険者は日雇い健保で療養ができる、そうして家族も安心して療養ができるというような法の体系にするのが建前じゃなかろうかと思うのですが、これについて努力してもらえますか。あるいは日常今起こっておるところの事実の問題について、たとえば内科、外科、他のお医者さんにかからなければならないというような場合は、これを行政的な措置として認められるのかどうか。この点について一つ確信あるところを言うて下さい。できないと言われたら、これは確信じゃないのですから……。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは先ほどもちょっと申し上げましたように、現在、一般の自営者の国民健康保険という制度と、それから被用者というもののつかまえ方の保険制度というのが、建前が異なっております。ことにまた先ほど申し上げましたように、日雇いというのは日々働いておるという事実をつかまえて被保険者にしておる。こういう制度の根本の立て方の相違によって、矛盾の盲点がここに出たと思うのであります。それで、今回の改正におきましても、極力その点を直したいと思いましたが、やはり法律上の一応の格好はついたわけでございますけれども、事実上御指摘のような不都合と申しますか、望ましくない状態というものは依然残っております。それで、その点実は私たちも気にかかる点でございまして、どういうふうに処理するかと言いますと、結局いろいろな方式はあろうと思うのでございますが、これはあまり申し上げますと、まだ研究段階でございますので申し上げるのをはばかりますが、総合調整という言葉で申し上げておりますが、その方法によって、そういう盲点を制度の上においてなくしていきたい、こういうことを強く考えております。それが一点でございます。  それから、現在疾病になっておる、そうして他の疾病を発生したというような場合に、これも認定の問題が相当入ろうと思うのでございます。関連する疾病でございますとか、その疾病に起因した疾病でございますとか、そういうような点で、認定によって相当処理できる問題もあろうと思います。これは乱に陥ってはなりませんが、せいぜい可能な範囲の認定並びに行政の裁量と申しますか、その限度はございますけれども、できるだけそういうことも考慮して去りたい。しかしこれはやはり根本的にそういう不都合と申しますか、法律上は認められないことになっている点は除かなければなりませんが、やはり基本的には、先ほど申しました制度の改正ということを早急にやりたいと思っております。しかしその過程におきましても、今一例を申し上げましたが、できるだけの措置は講ずるつもりでございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 局長の言葉を信頼します。大臣もこれをお認めになりますか。——大臣が認めるというのはおかしいですね。大臣がさっき八木さんに言われたことを体して局長から今の答弁があったということで了解しますから、一つ支障のないように運営をしていただきたいと思うのです。  さっき吉村君は、審議会の答申の方に非常に重点をかけて質問をされておった。吉村さんの質問それから意見は私たちもそのように思う。ところが、現在の日雇い健保の給付その他と健康保険の比率というものは——審議会の答申の中にも、国庫負担は五割にしなければならぬ。これは吉村さんがずっと重点的に質問をしておりました。その中に、健康保険の給付水準に比べては相当大きな開きがある、こういうように審議会は喝破し述べておるわけです。われわれもそのように思っておるわけです。日ごろ八木委員や滝井委員やあるいはその他の同僚委員から、再三にわたって本委員会において主張してきたわけです。その点について、これがあらゆる点において、健保に比較して非常に格段の相違がある。この点については審議会は、早くその水準を同等にせよというように答申がされておる。これは今回の答申ばかりでなくて、その前の答申にもあったと思うのです。これを受けて政府は、健康保険並みに努力を——今回まではできなかった、一生懸命しているけれども、いろいろの都合があってできないというように答弁がされておるけれども、今後こういうようなことに最大の努力をされるかどうか、大臣の答弁をお聞きしたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 先ほど来から何回か申し上げましたように、現在劣っておるのはこの日雇い健保と国民健康保険であるわけであります。両方とも、高い水準にある他の保険に早く持っていくように、極力努力していきたいというふうに考えております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 近ごろ厚生省の中で、今の日雇い健保の被保険者で、擬制適用を受けている人々がある、それを早く国保の方に吸収しなければいけないのじゃないかというような考え方を持っておられる人々があるようにちらほら聞くのですが、そういうような態度はないでしょうね。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 御存じのように、この擬制適用という例がございますが、この際積極的にこの擬制適用を排除して、現在あるものを排除して、国保に持っていくというような考え方はいたしておりません。こういう問題いずれも、先ほど申しました総合調整の問題と関連して処理すべきであると思うのでありますけれども、ただいまのところ積極的にこれをどうこうしようという考えまでございません。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 総合調整の中で配慮しなければならないけれども、ただいまのところ積極的に考えておられないということは、消極的に考えておられるということですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 まあ消極的に考えてもおりませんし、積極的にも考えておりません。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 今消極、積極いずれの場合にも考えていないということですね。それは明らかでよろしいです。わかりました。  ところが、日雇い健康保険法というものが一つの法体系として厳然としてある。非常に気の毒な人に対するところの保険法がここにある。しかしたとえば土建の労働者でも、日雇い健保の制度を知らぬまま国民健康保険に入りつつある人がある。いずれの保険体系の中に入ってもそれはまあいいんじゃないかと思うのですけれども、土建で仕事をしている人々が、日雇い健保を知らないことによって国民健康保険の中に入るということは、日雇い健保があるのだということを全国の——全国にたくさんおられるでしょう。数十万人この土建関係の人々がおられると思うのですけれども、そういう人々で日雇い健康保険に入っていない人が多数あるだろうと思う。そういう人たちは、日雇い健康保険法があるということを知らずして国民健康保険に入るような人がありはしないかと思うのですけれども、その点について、日雇い健康保険法があなたたちにはありますぞ、日雇い健康保険法に入れますぞ、こういうようなPR等々については、かねてどういうように行なっておられるのですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 先ほども申し上げましたように、土建につきましては制度の適用をいたしておるわけでございます。積極的にこれを国保に移すという考えは今ございませんし、消極的な考えもございません。従いまして、この場合におきましても積極的にPRをしてこちらに入ってもらいたいという気持もございません。それぞれの関係者におかれましておのずと判断されて、この制度のどちらがいいかということを御判断されると思いますので、積極、消極いずれもPRもいたしませんし何もいたしません、こういうことであります。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 積極、消極と何べんも言われるようですが、全然ということですね。  それから、今回の改正によって新たに一級が作られたわけですが、従来の二級制度を三級、三段階に分けられた、そして四百八十円以上を一級にされたわけですけれども、三級に該当するような日雇い労働者の人たちは、被保険者で一体どのくらいあるのか、また全体はどのくらい被保険者があるのか、参考までに聞かしておいていただきたいと思います。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 お手元に配付してあります資料にも書いてあります通り、二百八十円未満の方は総数の一二%でございまして、総数約百万でございますから、十二万ということになっております。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 百万の中の十二万で一二%ということですね。ところが、これは労働省関係ですが、失業保険の場合にはやはりこれを一級、二級、三級として新たに作られて、それが一級と二級の二つの段階に修正されたわけです。そうすると、失業保険体系と日雇い健保体系として、大体同一の人たちに対するところの厚生関係と労働関係ですが、一方は二級の制度であり、この日雇い健保の方は三級の制度であるということは、ちょっと映りが悪いような気がするのですが、この点についてどうお考えになっておりますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 この政府原案を出しました時期におきましては、御指摘のように労働省関係の失業保険におきましてもこの法案におきましても、一級、二級、三級と三級制をとったのでございます。従いまして、当初におきまする両制度の考え方というものは矛盾をいたしておらなかったのであります。その後失業の方が修正になって二級制になったという事実があるようでございますが、制度の立て方といたしますと、同じ日雇い労働者が同じ現場でやっておるのでございますから、事業主にしましても被保険者にしましても同じ仕組みの方がいいとは思いますが、一応政府当局といたしましては、最初労働省と打ち合わせたと同じ制度で御審議を願ったわけでございます。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 局長はさっきからなかなかいい答弁をされる。  それから保険料の問題ですが、保険料は、現在の物価値上げのムードに沿ってかどうかわかりませんけれども、一級を新たに作って、そして、そういう人の負担能力は十分あるだろうなどと思ってかわからぬけれども、三十円にしてしまった。五割の値上げなんだ。こういうようなことは、非常に高過ぎる、値上げし過ぎるという国民の声があるのですが、この点についてはどう考えられますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 最近値上げムードがございますが、保険の関係におきましても、医療費が、値上げムードと申しては何でございますが、上がってきております。これに応ずる財源としての保険料も従って上げねばならぬという情勢でございます。一応原案として御審議願っております案におきましては、二十円というのを新しい段階で五割増しの三十円を作りましたが、負担能力から申しますと、高い階層の人におきましては、大体料率に換算いたしまして千分の四十四でございます。それから新二級の人は千分の五十三の料率でございます。それから三級の人は千分の七十四でございまして、著しく均衡を失する。四百八十円の人は重過ぎるという感じは持っておりません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 関連して。ただいま五島委員から日雇いの方々の負担増についてのお尋ねがあったわけです。そこで私は、その点に関連をいたしまして一、二の点についてお尋ねを申し上げたいと考えております。  先ほどからいろいろと具体的な例についての質疑が取りかわされておったようでございますが、問題は、当初審議会の答申にもございますように、国庫五割負担ということで進められておりましたのが結局は三割五分ということに落ちついて、数字の点を見まするとやや前進したかのような印象を受けまするけれども、実際には、厚生省の調査によりましても年々歳々日雇い健保関係の被保険者一人当たりの年間医療費というものが増加いたして参っておるわけでございます。数字をあげまするといろいろございますが、新しいところからいきますると、三十三年度には一人当たり五千七百円、三十四年度には六千七百円、三十五年度には七千三百円、こういうふうに急ピッチで急増していく傾向があるわけでございます。そのためにいろいろ財源措置はせられておりまするけれども赤字が次々に出てくる、そういう状況でございまするから、従ってこの被保険者の負担がなかなか軽減されぬということになってくるだろうと考えます。そういたしますると、やはり国庫負担の率を審議会の答申通りに五割に引き上げるということが私は具体的には急務であると考えるわけです。なるほど今度の改正によって小手先ではいろいろ改善されておりますけれども、基本的にはその財源の問題を解決しなければこの問題の抜本的解決は不可能だということは、当然言えるというように考えるわけです。そこでもし政府が善処されようという御意思があるならば、来年度においては少なくともこの国庫五割負担ということを完全に確保していただく、これ以外に道はなかろうと思うのです。こういう点に対して先ほど大臣からいろいろ、本年度の予算においては御苦労なさった向きのお話がございましたが、その点に対しまする見通しとして、御自信のほどがあるかないか。なければ今までいろいろとけっこうな答弁をいただきましたけれども、その答弁は全く絵に描いたもちに終わるわけでございますから、私はやはり確信を持って国庫五割負担という問題の解決に格段の努力をしていただかなければならぬと思いますが、その点に対しましてまず大臣の御所見を承っておきたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 繰り返し申しておることでありますが、日雇い健保といま一つの国保とを何とか引き上げる、こういうことに極力努力をしたいと考えておるのであります。これが医療保障の内容に全体的に均衡を得させる道だと思うので、そう思っておるのであります。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長代理 この際、理事辞任の件についてお諮りをいたします。理事柳谷清三郎君より、理事辞任の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長代理 御異議なしと認めます。  なお理事辞任に伴う補欠選任につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長代理 御異議なしと認め、それでは理事に田中正巳君を指名いたします。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長代理 三案に対する質疑を続けます。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 今まで長い時間をかけていろいろ要望がございましたが、その要望の諸点を解決する道は、今申し上げますように、一応国庫五割負担ということでございますから、今御答弁がございましたように、格段の御努力をお願いをいたしておきたい。  と同時に、もう一点基本的な点でございますけれども、お話を申し上げておきたい点があります。   〔永山委員長代理退席、田中(正)委員長代理着席〕 そういう問題と関連してでございますが、今日の医療保険、もうこれは医療保険というものが、端折って申し上げますと、労働者の健康保険だけでも八種類ございます。そのほか労災保険、あるいは生活保護の医療扶助、結核予防法、こういうふうにたくさんあるわけでございますが、そういうもろもろの医療保険というものがてんでんばらばらに、全く不統一のもとに実施されておる。しかもその給付内容において、これまた先ほどからいろいろ御指摘がございましたように、もろもろの不合理が内蔵されておる。私はここに現在の日本の医療保険の一番大きな欠陥があると思いますし、実はそういう点を解決するためにも、先ほど申し上げました財源の問題を解決しなければならぬということになろうと思いますが、制度の上にもそういう不統一なてんでんばらばらな制度というものを一元化することによって、そういう諸問題を一挙に解決することが当然望ましいというように考えるわけでございますが、その点に対しまする大臣の御所見もこの際承っておきたいと考えます。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 医療保障制度がいろいろな形で多数のもとに分立しているという状況がおもしろくないということは、何十ぺんも実は申し上げておる問題で、その点には十分認識を持っておるのであります。この全体的な調整ということが医療保障の改善の非常に大事な一つのポイントである、このことも何回か申し上げた通りであります。そういう考え方のもとにこれの改善をはかっていきたい、こういうわけで、現に今後の問題として先ほどの社会保障制度審議会でも審議をいただいておるし、それから省内でも研究をしておる、こういう状況であるのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ちょっと関連してその点で申し上げたいと思います。医療保障は、社会保障全体について総合調整という問題が動いておりまして、当然その中の部門としての医療保障の問題がいろいろと各方面で論議が進められておると思います。厚生省自体としてもその準備を進めておられる。社会保障制度審議会には十一月までに答申を出してくれと厚生大臣が要請されたくらいであって、そちらでもやっておるということであります。政府並びに諮問機関でやるのはいいですけれども、国権の最高機関は国会であります。国会の社会労働委員会の論議は厚生省自体あるいはその諮問機関より以上に重視をされなければならないと思います。その社会労働委員会の総合調整に対する考え方として、その一員である私の意見をちょっと申し上げておきたいと思います。その総合調整で間違った方向へいって、逆戻りすることのないように、国民の声もよく聞いておいていただきたいと思います。医療保障の調整についてはあくまでも将来ずっと先の話で、完全にすべてが十割給付になる、あらゆる国民が保険料負担が楽にできるようなものに軽減される、また制限診療が一切撤廃されるという形になれば、根本的にこれは統一されるでありましょう。しかしながら、その過程で完全に全部が十割給付ということになるというところまで一ぺんにできないとすれば、あくまでも労働者の医療保障は、その他の国民と別に考えらるべきである。今までの発展経過から見ましてもそうでありますとともに、生産の手段を持っていない労働者が病臥をして、そうして今までのたくわえが少ないところでその病気の治療をする、その間において収入の道が少なくなる、あるいは閉ざされるという条件から見ますならば、労働者に関する限りはあくまでも本人十割、家族はもちろん至急に十割にしなければならぬけれども、そういう方向が断じてくずされてはならないし、進められなければならないということであります。労働者というものは、今の厚生省のやっておられるような五人以上の事業所の健康保険の適用あるいはまた組合管掌あるいは共済組合のような日の当たる労働者のみにそれを適用するのではなしにあらゆる労働形態、あらゆる職業、その労働者が十割給付にならなければならない。それが十割給付にならないところはなるようにしなければならない。法的に不安定であるところは法的に安定される方向に進まなければならない。しかもそういう人たちに対する保険料負担は、その賃金が少ないという状態を勘案して、賃金が少ない状態の負担にたえ得るだけの保険料負担である方向をとらなければなりません。その財政についてのやり方は、労働者の保険を全部統合して、日の当たる産業の方の保険料収入を日の当たらない方の産業の方に回すということも一つの方法であるし、また累進課税でとって、負担能力のたくさんある、一年に一億ももうけるような連中からうんとこさとった税金によって国庫負担でそれを埋め合わせるというような方向でやるべきである。社会保障の総合調整、特にその中の医療保障の調整、特にその中の労働者の問題については、そういう方向で進めらるべきであると固く信ずるものであります。厚生大臣も当然同じ考えを持たれると思いますけれども、その点について厚生大臣の決心のほどを伺っておきたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 しょせん医療保障はお話のようなところにいくのが理想であると思うのであります。そこに向かってできるだけ早く到達するように歩いていかなければならぬ。今度は足取りの問題になっていくのであります。理想はそこにあります。その場合に、今、家族はなるほど五割給付というのが普通になって、どこもそういう形になっておりますが、本人の十割給付がないのはまず国保であります。つまり零細な自営業者それから農民というふうな人々のは、本人さえも五割給付、他のものは、本人は十割給付、制度としてはこういうことでありますので、そこらもいわば弱い立場の人の方が給付も少なくて患者としてたくさん負担しなければならない、こういうことでもあるし、その上保険料掛金の負担もかなりつらいことでありますから、そういう弱い立場にある働く人の保険というものを引き上げる、こういう点に重点を置いて、そして最後の目標に到達するように進んでいきたいものだと思うのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 私の申し上げたことは厚生大臣は否定はできないと思うのです。ですからよけいなほかのことをおっしゃらないで、うんとおっしゃった方が世の中の社会保障のためにいいし、審議の進行のためにもいいわけです。国民健康保険のことをわれわれわからないではない。国民健康保険をどんどんよくすることはいい。全体が全部十割給付にするのが至当であるということを最初言っているわけです。ですから国民健康保険をよくすることを否定しているものでは断じてなく、国民健康保険をよくしなければならないということは考えの中に入れているわけです。あなたがそういうことをおっしゃると、私が国民健康保険をよくすることに反対みたいに聞こえるわけです。そういうよけいなことをおっしゃらないで、私の申し上げたことは、少なくとも私自身においては一つも欠けたことがないように言っているのです。ですからそれでやるというふうにおっしゃればいいわけです。特に国民健康保険を例にあげますと、あらゆる労働形態、あらゆる職業形態の労働者にとって十割給付が必要であると私が申し上げたことを一応認めるような形をしながら、ぼけるような答弁になるわけです。それでは困る。本人に十割給付があるのは今はもう歴史的な形態があるし、申し上げたように生産手段を持たないという点があるし、その点において全部が十割になることはもちろんいいけれども、それまでの過程で全部が十割までに一ぺんにならないのだったら、すべての労働者に十割が必要だということが社会保障の前提であろうと思うのです。先輩に大きな声で申し上げて大へん失礼でございますが、早く終えようと思って……。そういうことです。それで五人未満の事業所の労働者で十割給付を均霑していないところもあるし、日雇い労働者の面にも均霑していないのがある。また均霑しているところも、法的には完全でも、うまくいっていないで、非常に不安定な形にある。そういうところを全部安定した形で労働者の保険が適用される道を進めるべきである。それからもう一つ、整理統合する道も進められるでありましょうけれども、いろいろの問題があるから統合せられない場合もあるでありましょう。   〔田中(正)委員長代理退席、長着席〕 そのような統合せられないような場合には、負担能力の少ないようなものについて国庫負担は幾ら上げてもいいのであって、大蔵省がほかに例がないなどということは、大蔵省が社会保障の社の字も知らない証拠である。労働者全体がプールをされるならば、五人未満の事業所の労働者諸君、日雇い健康保険の労働者諸君が、たとい九割九分の国庫負担をしても、労働者全体にもし一割なり二割なり国民健康保険と同じ——国民でありますから、その権利を持っている。それだけの国庫負担をしたならば、もしプールをされたならばそういうことができるわけです。プールをされていない形においても、分断をされているならば、貧困な労働者の保険については、九割九分九厘の国庫負担をしても、いささかも社会保障の体系を満たさないということになるわけです。大蔵省の役人どもはそういうことはわからぬだろうと思うから、それで記録にとどめておいて、若い者が乱暴な言葉で言っておりますけれども、これも厚生大臣が総合調整を進められる、いい意味で進められるための一助になると思って申し上げているわけであります。意図するところを体して、こういうことで一生懸命やりますとおっしゃっていただきたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 御趣旨まことにごもっとも千万であります。そういうところを目ざして努力を極力していきたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 先ほどから大臣がいろいろと総合調整の問題なりあるいはまた医療保険の一元化なり、そういう点に対して努力を傾注しつつあるという話がございましたけれども、今申し上げましたように日雇い労働者というものは所得の上からもきわめて劣悪な状態にあるわけでございますから、私はやはりこういう法律案の改正を契機として、さらに一段の御努力をお願い申し上げたい、かように存ずるわけでございます。ところが実際には医療保険の統一あるいは一元化と申しましても、単にその隘路というものは財源上の問題のみにとどまらぬというふうに考えるわけでありまして、おそらく保険者団体の抵抗もございましょうし、私はその実現の段階においては、当然いろいろ抵抗というものが起こっていくことを予想しなければならないと思います。従って言葉では非常に容易でございますけれども、その実現に私はかなり困難性が横たわっておるというふうに理解をいたします。そこで私はそういう医療保障の一元化なり制度の統一なりをはかっていくためには、やはり段階的と申しますか、一つの年次計画に基づいて計画的に、ただ言葉でやります。言葉で実施いたしますということでなくて、やはり計画的に実施という方向に運んでいく必要があるのでなかろうかというふうに考えるわけでございますし、なおまた間違いございませんから一括して申し上げますが、この厚生省の調査によりましても低所得者の方が被病率が高い、しかもその被病率の高い低所得者の方が医療保険の恩恵に浴する機会が少ないという逆現象が生まれてきている。これは厚生省の調査によりましてもその通りでございます。従ってこの場合に一番適用されるのは、私はやはり日雇い労働者の諸君であろうと考えるわけであります。そこで段階的に医療保障の一元化をはかっていくという場合でも、そういう特殊なケースに対しましては一つ緊急に取り上げていく、そういう格別の配慮がなければならぬのではなかろうか、こういうことを私は考えるわけでございます。そこで時間もございませんから、そういう点に対する大臣の御所見を承って、関連質問でございますから、私の質問を終わりたいと考えます。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 河野さんのおっしゃっている御趣旨は、今まで申し上げておるところと一致しておりまして、同感でございます。そういう考え方で進みたいと思うのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 できるだけ同僚諸君の質問とダブらないように言いますが、非常に能率的に質問をいたしますので、どうか厚生大臣も能率的に御答弁を願いたいと思います。  まず日雇労働者健康保険法の改正案を政府は今度出されたわけであります。それに対して日本社会党がやはり改正案を出しているわけであります。日本社会党の案と政府案との違いは御承知の通りであります。政府案は医療給付二年、社会党案は三年、それから傷病手当金を、現行十四日でありますのを、政府案は二十一日、社会党案は百八十日、それから出産手当金が政府は二十一日でしたか、固定でありますのを、社会党案は産前産後、労働基準法の精神に従って八十四日ということであります。そのほかに二カ月間の、問題の時期期間の問題については、政府案は国民健康保険並み、社会党案は健康保険並みに本人十割、家族は結核は七割、普通は五割というふうにしているわけであります。それからもう一つは、保険料については社会党は一切いじらない。政府案の方は、保険料は四百八十円以上のものを一級とし、今の一級、二級を二級、三級とし、そうして一級の方を、二十円のところを、四百八十円以上は三十円に五割増大するというような保険料値上げがそこに入っているわけであります。それと、もう一つ、社会党案との大きな違いは、認可による被保険者という条項を社会党案は設けて、日雇い労働者の人がすべてこれによって法的に適用される道を開いているわけであります。そのほか、分べん費を健康保険並みにする、いろいろの点がございますが、総体について社会党案の方がはるかにいいと思う。申しおくましたけれども、社会党の案は、財政としては五割の国庫負担にするということであります。趣旨として社会党案の方がいいということを当然厚生大臣はお認めになると思いまするが、それについての総合的な御意見を伺いたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 自民党の持っております財政計画というものとどういうふうにマッチするかという点は、大きに研究してみないとわかりませんが、なかなかよくお考えになった案であるというふうにも思うわけであります。われわれの財政計画とどういうことになるか、こういう点は検討してみたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 私どもの方が趣旨としていいことをお認めいただいたので、今後そういう方向に向かって、総合調整ももちろんからむのでありますから、総合調整は当然そういう方向を含めたものになると思いますので、そういう方向について積極的な御努力を願えると思いまするが、それについての厚生大臣のお考えを伺いたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 よい案にだんだん持っていきたいと思いますので、その場合には、すぐれたところは大きに一つ参考にして考えたいと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 保険料の値上げについて、先ほど河野委員の御質問について御答弁があったと思います。そこでいろいろと保険料率のパーセンテージを言われましたけれども、幾らパーセンテージの点でそう申されましても、給付が現行において一年しかない。改正案においても二年しかない。特に傷病手当金については、健康保険に比べたらぐんと少ないということを考えまするときに、一般健康保険の給付率でこれを律することは適当でないと思います。それを当然厚生大臣も保険局長も認めておられると思いまするが、それについて伺いたいと思います。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これはいろいろ問題があろうと思います。国保と比較する場合においても同様と思います。ただ私が申しましたのは、一級、二級、三級のバランスの問題でございますが、一級を作りましても、三級に対してそう高い保険料にならぬだろう、こういう意味で申し上げたのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 局長は私の申し上げたことを認めた意味において、さっきは別な観点で部分的に答弁されたということでありますか。そうかどうか、一つはっきりおっしゃっていただきたいと思います。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 その通りでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その部分的な点だけおっしゃったんだろうと思いますけれども、結局、何といいますか、その中のバランスでは、そういうようなことがごく形式的に言い得る立場も官庁側としてはあるかもしれませんけれども、その一番上限にある人は、やはり貧困な労働者の中ではそういうことが言い得るとしても、ほかの労働者諸君の労働保険との境目においては、そういうことを言い得ない点がある。そういうことは一つはっきりとさしておきたいと思います。たとえば、四百八十円以上の人が、平均で幾ら幾らと言われたけれども、四百八十円の人がもし三十円になれば、これは六十何%になる。四百八十円きっちりの人です。そういうことがありますので、境目においてはそういうことは言い得ないわけであります。  それともう一つ、現状いろいろなものを改正するときに、たとえば健康保険が赤字が非常に多くなったときに、まず保険料は値上げをして、一部負担をとってというような非常な改悪を行なわれたことがあります。あのような、健康保険がひっくり返ると——結局ひっくり返らないで黒字になりましたが、厚生省で一時心配されたようなときでも、保険料は特に法的に認められている範囲でも五%前後しか動かしておられない。ところが、今度は二十円を三十円にするということで、五〇%の増加であります。少なくとも観念的な理屈で考えるのでなしに、今まで行なわれた制度の保険料が五〇%も動かされるということは、明らかに行政上は非常に不穏当なことであります。そういう点について、非常に行き過ぎておるように私どもは思います。それについての厚生大臣のお考えを伺いたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 相なるべくは、できることならば五割引き上げなどをしないでいきたいものだと思ったのでありますが、何しろ保険の経済として成り立たないと困りますので、こういうようなことを案としては考えたのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 相なるべくは保険料の値上げなどしないでやりたいとお考えになった、そういうお考えを一つ貫き通して、やはりいろいろな法改正のときにこれからやっていただくことを要望いたしておきたいと思います。  その次に、給付の内容について、社会党案の方が趣旨はいいとお認めになっておられると思います。そういう気持になっておられると思いますが、一般の健康保険で傷病手当金が半年ほどありますのに、二十一日ということではあまりに少ないわけでありまして、特にこの保険の対象者は貧困な労働者でありまして、傷病手当金というものは、貧困な労働者が医療給付中に生活の道がなくなることを防ぐために、そしてそのような傷病手当金で後顧の憂いなく療養できるように、そのような意味を持ったものであります。その意味において、このような貧困な労働者の保険の傷病手当金が非常に短いということは、ほんとうに不穏当なことだと思います。そういう点について、一週間ふやす点について大蔵省がなかなか抵抗したということはわかりまするけれども、なお非常に不十分でありまするから、この点について、本年度はとにかくとして、来年度において至急にこの本来の趣旨に合うように大幅にこの期間を広げられる決心を一つ披瀝していただきたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 極力検討したいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 分べん費につきまして、二千円を四千円にする、これは、多くなるのはかまいませんけれども、健康保険では六千円による案が出ているわけであります。まだ通っておりませんけれども、おそらく通るでありましょう。そうなりますと、貧困な労働者自体、また家族分べん費についても同じようなことでありますが、貧困な労働者自体あるいは貧困な労働者の配偶者のお産の費用が、裕福な労働者自体またはそれの配偶者より少ないということは、理論上非常におかしいことであります。予算の関係といっても、これは大いに奮闘せられましたならば、幾ら大蔵大臣がいろいろと抵抗されても、主計局長が抵抗されても、分べん費について同じであることは当然なことでありまするから、当然同じ金額が通るべきであると思います。今そうじゃなかった点は非常に遺憾でありますが、これについても速急に健保並みにならす御努力をお願いできると思いますが、これについて、簡単でけっこうですが伺いたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 これもよく検討したいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 検討ということは非常に弱いのです。ですけれども、必ずがんばって実現させるという意味である——今厚生大臣首を縦に振っておられるから、そういうことと理解して進めます。  その次は擬制適用の問題でございまするが、先ほど五島委員の質問に対して保険局長は、積極的に、消極的に、何か今のままの横すべりというようなことを言っておられまするけれども、それではやはりまだ考え方が乏しいと思います。法律的にという問題ではなしに、日本国民に対して、その中のそういうような労働者階級に対して、いかに完全な医療保障の道を進めるかという問題であります。そういう問題で、擬制適用ということは今の法律が不完全なことを埋め合わせるために、こういうことが行なわれているわけでございまするが、法律を完全にして、擬制適用でなしに、法的に適用される道を開かれるべきであると考えるわけであります。それについての厚生大臣のお考えを承りたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 よく研究いたしますが、事柄が技術的なようですから、局長から答弁いたさせます。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 先ほど五島委員の御質問に対してお答えいたした通りでございまして、今後検討を要しなければならぬと思いますが、ただいまの段階では、先ほど御答弁申し上げた通りでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 実は擬制適用についていろいろな取り扱いの不公平が起こっているような事実がございます。たとえば、社会保険出張所がたくさんないと、被保険者が困るわけでございますが、職安関係の法的適用者、ほんとうの強制適用者についてはそういう便宜を与えて、擬制適用の人には、遠いところの事務所に手続に来いというようなことが行なわれている向きがございます。そういうことは断じてけしからぬことでありまして、擬制適用の人にそのような手続上のことをほかの人と同様に扱われるように行政指導をされなければならないと思いますが、それについてのお考えを承りたいと思います。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま御指摘のような、他の一般の被保険者と異なったような取り扱いがございますれば、これは是正いたしたいと思いますが、ただ制度上不可能な点がございますれば、やむを得ないと思いますが、できるだけのことは措置いたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 実は手続上の問題でございますが、日雇い健康保険は初診料は五十円であり、健康保険は百円であります。それから入院時の負担は、日雇い健康保険はないわけであります。そういうようなことが指導が徹底しておらないので、医療機関の方で間違えてしまって、初診料を五十円でいいところを百円とらなければ見てやらないというようなことが行なわれておる事実があるわけです。そうなると、貧困な労働者に非常に気の毒なことになりますが、そういうことが一切起こらないように、手続あるいは行政指導について完璧を期していただきたいと思いますが、それについてお考えを承りたいと思います。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 この一部負担金の制度ができましてからだいぶたっておりますので、大部分の医療機関におかれましては、そういうことはないと思いますが、御指摘のような事実がございますれば、これは制度が法律通り行なわれますように指違いたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 国民健康保険制度については、結核と精神について、一家の主軸の人については七割にするということを進められておりまして、本院は通りました。衆議院で今審議中であります。それは一つの前進であろうと思いますが、あくまでもやはりそういう点で、自民党が公約されましたように、社会保険について少なくとも速急に七割にするという線の公約はどしどし果たしていただかなければならないし、七割では少ないから十割にしなければならないということもあろうと思います。それから日雇い健康保険の家族の場合は、これは国民健康保険の場合と同じく七割に給付率を上げる必要がございまするし、それと同時に、それ以上非常に貧困な労働者の階級でありますから、第一義的にその給付率を上げることを考えていただく必要があろうと思います。その意味におきまして保険給付の最低七割確保ということをやっておられるときに、日雇い労働者健康保険の家族については、断じて一番初めに七割になるように一つ問題を検討して、それを進めていただきたいと思いますが、それについてのお考えを伺いたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 保険制度全体の総合調整の問題の一環として、よく研究したいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 先ほども吉村委員の言われましたように、この日雇い健康保険法をどんどん進める、そうしてそのために国庫負担をふやしてやるべきであって、保険料を上げるべきでないということは、再三衆参の社会労働委員会あるいは社会保障制度審議会においても数回に及んで答申をされておるわけであります。それについて、その一部を実現しようとして御努力をされておることはわかりますけれども、あらゆる機関でそれをされておるのに比較いたしまして、この成果は今日の改正案では非常に乏しいものでございます。一つ勇気をふるい起こして、今古井厚生大臣は総合調整と申されましたけれども、総合調整がほんとうにいい意味で早く完成すればそれでけっこうでございますが、それまでの期間にいささかでももたもたすることもあり得ると思いますので、その総合調整までの期間でも日雇い健康保険については、両院の社会労働委員会の決議その他社会保障制度審議会の数回の答申勧告にあわせて、さらに前進を急速に進められることをなさると信ずるものでございますが、厚生大臣にこの点についてお伺いいたします。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 総合調整の第一歩は、低いものを引き上げるということでございますから、そういう意味で努力をしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 日雇い健康保険法についてはこれで終わりまして、あと三項ほど健康保険全体について申し上げたいと思います。  健康保険法及び船員保険法は分べん費を中心にしていささかの改正案が出ております。しかしながらこの健康保険制度については前から非常に問題が多かったのであります。非常に問題化されながら今までほったらかされて騒がれておる問題は、一部負担を撤廃しなければならない問題、本人負担を撤廃しなければならない問題、それから家族の給付率を上げなければならない問題、その前に五人未満の事業所に全部適用しなければならない問題、そういうことを完成するために国庫負担をふやさなければならないという問題があります。国庫負担をふやすと言いましたけれども、今の法律には事務費以外ははっきり規定されておらない。前に約束されました三十億がつまみ金の十億に減っておるという情けない状態であります。そういう点については停頓したままほおかぶりになっておると思います。やはりそういうことはいけないのであって、まず健康保険制度の中核であるこの健康保険、船員保険について前々から討議をされて、どの方向へ進むべきかということがはっきりわかっておる問題については、それを怠慢な態度で放置をせずに、前進的な態度で急速にやられる必要があるのであります。この総合調整の結果は、少なくとも社会保障制度審議会で出ることは、制度を前進されても、それを上回る総合調整が出るでありましょうから、いささかもそれに遠慮される必要はありません。総合調整が完全にでき上がるまでにおいて、厚生省としては総合調整のいい意味の準備をされるとともに、あらゆる機会に、あらゆる社会保険のよい意味の前進について推進されなければならないと思いまするが、健康保険、船員保険について非常にその点が乏しかった点を残念だと思いまするから、今後やっていただきたいと思いまするし、今後の推進の決意を披瀝していただきたいと思いまするし、特に船員保険の問題について、かねてからいわれる船員保険の一部負担の特殊性、港々を回るので、一部負担を何回も払わなければならない、しかも船員法においては一部負担はしなくてもいい、したらいけないということがある。その問題もそのまま放置されておる。そういうような怠慢なことではいけないと思う。そういうことについて、今までの論議されたことが十分わかっているわけでございまするから、幾ら忙しくても、問題が多くても、いささかも怠けずにこういうものを前進する——今回は非常に不十分であるから、これから急速に前進をするということを御答弁願いたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 極力前進をはかっていきたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 簡単に要点だけお尋ねいたします。  まず第一に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案です。この日雇い健康保険勘定のバランスを見てみますと、八億二千五百三十万二千円の借入金があるということです。こういう日雇い労働者の健康保険というものは、国の政策によってその賃金の日額がきまっていくわけです。八億をこえる借入金を保険料だけでカバーしていくということは、客観情勢ではほとんど不可能といっていいわけです。そうしますと、これを補い得るものは何か。保険料で不可能ならば、もうこれは一般会計からの受け入れ以外にないことは明らかです。ところが一般会計の受け入れでは、三割の国庫負担を三割五分に引き上げただけである。これではつじつまが合わない。だから、昨年よりも二億四千六百九十七万八千円だけの借入金の増が起こってくることも必然です。これに対する対策というものを政府は今後どう一体されるつもりか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま御指摘の通り、三十六年度の予算におきましては、国庫負担金の増額、保険料の増収を見込みましたほかに、約八億の借入金を予定しておるわけでございます。これの措置でございますが、これをさばこうとするには、結局将来におきまして保険料か、あるいは国庫負担金か、いずれかでまかなうほかはないわけであります。先ほど来、現在の国庫負担率の三割五分は低い、これを五割以上に上げろという議論がございますが、そういうような方法、あるいはかりに保険料を増徴する余地があれば増徴するという方法もあると思いますが、いずれもこの根本的な問題につきましては、先ほど来お答えいたしました通り、目下検討中の社会保険制度の総合的な調整という問題の一環として処理すべき問題だと考ております。将来いつまでもこういう借入金だけで及ぶことは考えられませんので、ここしばらくの暫定措置という気持でおります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 将来の夢である社会保険の総合調整と申しましても、これが直ちに一年くらいで行なわれる客観情勢はないわけなんです。そうしますと、局長が御指摘のように、一般会計でやるか保険料の引き上げ以外にない。ところが、日雇いの賃金というものは一五・六%、五十二円上がっただけであって、五十二円上がった中から、八億二千五百三十万二千円のこの借入金を解消するだけの保険料を上げるということは、もうすでに今日、この日額三十円の保険料を出すということについてもごうごうたる非難が日雇いの皆さんの中から起こってきている情勢ですから、こうなりますともう結論は簡単で、総合調整を待たなくても——やはり総合調整をやる場合に、保険経済が身軽になっておかないと、どっさり借金を背負ってどこかに嫁入りしようといったって、そういう借金の持参金ではなかなかいいところに嫁入りができないのです。それでここらあたりで、ことしはとにかくとして、来年あたりには何かその処置を講じなければならぬ。これは総合調整まで待つというならばやはり二、三年はかかると思うのです。そうすると、二、三年かかると、医療費は今度は二億か三億ずつはっきり上がってくるということになる。そうなると、八億二千万円が昨年に比べて二億四千万円くらい増加したのだというけれども、これは二億四千万円では済まないことになる。これはわかり切っている。そこで大臣、日雇いの問題については古井厚生大臣はあっちからつつかれ、こっちからつつかれして、朝から晩までつつかれどうしで非常にお気の毒でありますけれども、つつかれついでにこれもつつかれて、ここらあたりで何とか答えを出してもらわなければならぬことになると思うのですがね。その基本方針としてはどうお考えになりますか。今のような総合調整だけでは、そういう抽象的な言葉ではちょっと納得がいかないのですがね。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 日雇い健保の経済は、いわばその日暮らしみたいなものでは不堅実だと思うのであります。総合調整といいましても段階がありまして、つまり経済の不健全なところとか、給付の悪いところとか、そういうところを健全化したり引き上げたりするという、つまり内容をよいものに近く持っていくところから始めなければいけないのでありますから、優先的に検討すべき問題点だと思うのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 優先的に検討すべき問題点だそうでございますから、八月くらいになると三十七年度の予算編成期になりますから、どうかこの借入金の問題は優先的に検討していただきたいと思います。これを優先的に検討することは、即国庫負担率をどうするかという問題につながるわけですから、ぜひそうしていただきたいと思います。  それから、この日雇い健康保険の被保険者の数でございますが、昨年は九十六万三千人おりましたが、今年は九十三万二千人と、三万一千人減少しているわけです。この減少ですが、なるほど景気がよくなって、日雇い労働者の皆さん方は幾分減少しているといわれております。この国の失業対策事業についても、これは昨年よりか減らしております。しかし三万一千人は減らしていないのです。最近における中高年令層の就職難というものは、これはむしろ日雇い的な仕事というものの増加をこそ来たしておれ、決して減少は来たしていないと思うのです。これに対してどうして三万一千人減るという見方になってきたのか、それをちょっと示して下さい。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 事務的なことでありますから私から御説明申し上げます。  実は先生御指摘の通り、私どもも実数で減るとは考えておりません。三十三年でございますが、手帳の更新期間を六か月から一年に延ばしまして——従来は六カ月ごとに更新いたしますから、先般申し上げましたように、手帳はもらったけれども、日雇い労働者でなくなったという人は落ちていたわけですが、一年ほっておきますために、非常に払わない人がふえたわけです。そこで私ども資料として実はほかの健康保険のように被保険者を正確につかめませんので、いろいろと検討いたしました結果、今回資料のとり方を変えましたので、お手元に差し上げた資料ではそういうふうに妙な数字になっておりますが、これでもまだ私どもは実数よりは水ぶくれだと思っております。そういう関係でございますから、こまかい点になりますからここで申し上げませんが、私どもも実数ではふえておると思っております。たまたま資料のとり方を変えましたために、こういう結果になったわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、九十一万二千よりこれはふえるということなると、この歳入歳出予算というものに相当のバランスの狂いが出てくるわけですね。と申しますのは、一人当たりの保険料が六千百三十一円でございますから、従ってこれは掛算になるわけですから、ここでもし三万とか五万違うということになると、これは相当の額になってくるわけです。何億という額になる。そういうことになって収入がふえてくるということになると、借入金の問題はここらあたりからまたちょっと問題が出てくると思います。あるいは借入金が、傷病率が高くなるともっとふえなければならぬという問題、あるいはそれが減っておれば減ってくるということで重大な問題を引き起こしてくる。これは別の機会にもう少しそこらあたりを聞かせてほしいと思います。  これで日雇いの方は終わりますが、もう一つの問題点は、日雇い労働者健康保険において、医療費の改定による措置費として、国の対策分としてわずかに五千万円しか入れていないということなんですね。そしてそれより多い九千四百五万五千円という、ほとんど倍にひとしいものを患者負担にしているということですよ。ここらあたりにも——われわれは国民健康保険でずいぶんがんばったわけですが、その国民健康保険よりも日雇い労務者の皆さんというのは条件が悪い層なのですから、それに国の負担する倍額程度の負担をさせるということについては、特にこれがその家族なんですから問題がもるような感じがするのです。何かここらあたりは、一億そこそこのお金なんですから、むしろこれは政府が対策分として一億五千万円くらいを計上していいと思うのです。どうせもう八億の借入金があるのですから、その借入金を九億にして一億まかなってやったら、もうこの問題は解決するのじゃないかと思うのです。ここらあたり少し森本さん親心が欠けているような感じがするのですよ、どうでしょう。保険者の負担が二億八千万円、患者負担として九千四百万円、しかし国は対策分として五千万円しか持たないのだということになると、やはり問題があると思うのです。もちろん国の法定分は一億八千百十三万八千円持っております。これは法定分だからやむを得ないけれども、この五千万円だけは何とか——もう八億の借入金があるのですから、九千万円を五千万円に足すというくらいの政策をとることが必要ではないかと思うのです。どうせ森本さんの言われるように総合調整をやるのだから、うんと借金を背負わせてお嫁にやるというなら、そのついでにここらあたりで被保険者の負担を軽減させて喜んでもらった方がかえっていいかもしれませんよ。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 御指摘のような数字でございますが、今度は医療費を引き上げますと、約一億の患者負担がふえます。これは国保の中でも同様でございますが、一部負担金という制度があります以上、これを家族の五割のものを給付率を引き上げるという措置を講じまして、これはどうしても残るものでございます。国保におきまして問題がありましたように、給付率を引き上げる、それに対して国庫負担をする、こういうような措置が必要でございまして、現行のままの一部負担率におきましては、約一億程度の患者負担増ができるというのは、制度上やむを得ぬことでございまして、御指摘のように、なるべくこういう日雇い保険の被保険者に対しましては、患者負担をふやしたくないという気持は持っておりますが、制度上の仕組みといたしまして、国保と同様にこういう仕組みになるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 制度上やむを得ないというが、そういう悪い制度を直すのが行政の責任であり、われわれ国会の責任なんです。悪い制度はお互いが作っておるのですから、これは制度を直さなければいかぬと思うのです。九月か十月になって補正予算でもお組みになるときには——その時期まで三カ月か四カ月はやむを得ないと思うのです。しかしその時期には、こういう九千万余りの患者負担については、やはり何か考えてやる必要があると思うのです。そうしないと、一部負担がふえれば家族はかかれませんよ。そうすると、そのかかれない日雇いの諸君はどうするかというと、結局生活保護なんです。だからわれわれのところに来る患者さんをずっと調べてみますと、日雇い健康保険の家族が病気をしますと、必ず生活保護ですよ。生活保護の医療券をもらってくるのです。だから生活保護の医療券と日雇い健康保険の家族とで二重になって、事務もめんどうくさいのです。医療機関の事務もめんどうくさい。患者も市役所に行って、あるいは地方事務所に行って医療券をもらってくるだけのめんどうくささがある。どうせ国で見るなら、一つのところで出した方が早いですよ。大体ほとんどの者が、長い病気をすると生活保護になってしまうのだから、それはもう三百三十四円、これに五十二円上げても三百八十六円しかもらっていないなら、長い病気をしたら、払うだけの金はないのです。だからそういう点はぜひ一つ御考慮いただきたい。これで日雇いを終わります。  それから健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律ですが、条文にすぐに入ります。  健康保険法の五十条ノ二で、分べんをしたときは育児手当金として今まで毎月二百円ずつ六カ月間分割払いをしておったものを、今度は育児手当金とし三一千円支給するわけですね。私は、これは制度としては分割払いの方がいいのではないかという感じがするのです。育児をやるのですから、これは毎月々々金が四百円なり五百円くる。そうしてその総計が二千円なら二千円になるという方がいいのではないでしょうか。これをどうして一括二千円ということにしたのでしょうか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 従来は御指摘のような方法でやっておったわけでございまして、毎月二百円ずつ出しておったわけでございます。ところが実際を見ますと、月々取りにくる方もめんどうなのでございます。渡す方もめんどうでございます。そういうことが関係いたしまして、実情を調べてみますと、なかなか取りに来ておらぬ、権利を放棄しておる、こういう実情でございます。それはやはりめんどうくさいから放棄するわけでございますから、そういうことのないように、一ぺんにまとめてやった力が両方とも便利でございます。その方が事務的にも、また受け取る人にも便利である、こういうことでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それは社会保険出張所まで取りに来させるから、そういうことになるのではないでしょうか。だからこれは日雇い労務者諸君の賃金の受け払いをやる職業安定所まで出ていくか、あなたの方の社会保険出張所から出ていくか、出ていくとすれば毎月の何日には——あとで私はちょっと質問しようと思うのですが、一カ月のうちの何日かにきめて払うことはできるわけですから、それをきめてお支払いになればいいわけです。こういう金は一度にもらうと、育児や保育の方に回らないんですね。へまをすると、しょうちゅうになっちまう。だからこういう点はやはり私は育児の、ものを言わない子供の権利を確保するため、毎月育児手当ですよといってやる方が、少し事務的にめんどうかもしれないけれども、政策としては徹底します。ここらあたりは見解の相違になるかもしれぬが、私の感じとしては、毎月職安の窓口なら窓口でお渡しするようにした方がいいように思います。  それから六十六条でございますが、その二項に、「傷病手当金、出産手当金、哺育用手当金ハ前項ノ規定ハ拘ラズ毎月一定ノ期日ニ支給スルコトヲ得」、こうなっておるわけですね。その六十六条の一項では、そのつど傷病手当金とか出産手当金、哺育手当金などは払うとなっておるわけです。ところが、二項では毎月一定の期日に支給するとなっておるわけです。これは、今までは分割払いをしておったのをまとめて、たとえば月の十五日なら十五日に払います。こういう意味のことなんですか。そのつど、たとえば分べんがあった、それから葬式をやった、埋葬料を支払わなければならぬ、こういうときにはその葬式の終わったときに払っておったわけですね。ところが今度はそれが十五日なら十五日でなければ支払わぬ、こういうことになるのですか、前者を選ぼうと後者を選ぼうと自由ということになるのですか、この六十六条の使い分けはこういうことになるのですか。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 滝井先生御指摘の「傷病手当金、出産手当金、哺育手当金ハ前項ノ規定ニ拘ラズ毎月一定ノ期日ニ支給スルコトヲ得」という条文は、これは現行でございまして、今度変えますのは、その次に育児手当金というのを追加したわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 一項と二項の使い分けはどうしますかというのです。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 御質問の趣旨とちょっとはすれているかもしれませんけれども、私の方は毎日々々出すのは非常に煩瑣でございますから——失礼いたしました。これは反対でございまして、従来哺育手当金を一定の期日に払っていたわけですが、今度は一時払いになりまして、私どもの考え方では、分娩費と一緒に請求願って、一緒に払ってしまう、そういう考え方でございますので、今度はその部分を削除したわけでございます。従って先生御指摘のように、埋葬料と同じように請求のつど払ってしまう、そういう考え方でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。  健康保険の会計のことですが、きわめて簡単なことですが、一人当たりの健康保険の会計の保険料は一万一千三百六十三円なんですね。ところが今度は保険の給付は二万一千四百四十九円ですね。八十六円の赤字になるのですが、今年は健康保険は赤字になるという見通しですか。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 お答え申し上げます。滝井先生お話しの保険料収入は、御指摘のように二万一千三百六十三円でございますが、健康保険の財政は、バランス・シートをごらん願いますとおわかり願えまするように、そのほかに国庫負担金が八億ございます。それから積立金よりの受け入れが三十億ございます。それから雑収入といたしまして、おもなものは積立金の利息収入でございますが、これが七億四千万ございまして、これらの財源を充当いたしますと、収支のバランスがとれるようになっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、三十億積立金を食うわけですね。これは資産を食うことになるわけですが、多分この前の御説明では積立金は現在二百十五億程度だったですか、ちょっとその積立金の額を……。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 三十五年度末決算見込みで二百十五億でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、三十億ずつ食っていくということは今の段階ですが、これがいよいよ一円を相当上回る額を計上していくということになると、受診率もふえて参りますから、そういう点についてうんと患者に負担させれば、これは減ることになるでしょうが、ある程度国がそれに政策を加味して、医療内容の向上をはかると、家族の受診率はふえてくることになると、三十億ずつ食う積立金というのは、もっとよけいに食わなければならぬことになるのじゃないかと思うんです。今度医療費の改定で政府管掌の健康保険は五十五億ですね。だから積立金の四分の一を保険は支出することになるわけです。そうすると保険負担をこういう形でやられるとすれば、三年を出ずして積出金はなくなってしまう可能性が出てくる。こういうことになりますと、先般来われわれが約束をしておりました国庫からの三十億、あれは今の池田総理、一萬田大蔵大臣、みんな約束しておるものです。古井さんは御存じないですけれども。国庫から五億くらいまで入れておったのに、今度は三億加えて、医療の措置として、医療費の値上げの措置を三億加えて八億でしょう。そうすると、これは当然のもので、もう二十二億もらわなければならぬ。当時の池田さんは何と言ったかというと、おれの目の黒い間は滝井君心配するな。さいぜんからあまり心配するな心配するなとあなた方が言うけれども、それと同じことを言った。おれの目の黒い間は滝井君あまり心配するな、黒字になろうと赤字になろうと、おれが三十億出すのだということを池田さんも言ったし、当時の大蔵大臣の一萬田さんも言った。ところが、今度積立金ができたら、それはもう、今まで貧乏人だったのが今度金持ちになったのだから、昔の古証文を持ってきて三十億くれ、それはだめですと、言うのです。ところがこれは、今後医療の内容を向上し、あるいは医療費の改定の問題等を控えている現段階では、やはりこのもらっておった既得権だけはもらわなければいかぬです。これは厚生保険特別会計の中であの返す千億はいつも繰り延ばしていっておるでしょう。そうしてあななの方はどうですか。これは返しておりはせぬのですか。この積立金の中から幾分返しておりはせぬのですか。そこら辺の関係は今どういう操作をおやりになっているのですか。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 御質問の二十年の赤字七十億のうち、当初十億いただいた残りの六十億につきましては、一時借入金で処理しておりましたが、健康勘定の積立金もふえて参りましたので、とりあえず健康勘定の積立金で借入金は返済いたしました。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 六十億は返済したのですか。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 現在の段階では六十億完済いたしました。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、六十億返して、今度大蔵省から毎年別に十億くれることになっていましたね。これは一体もらっていますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは御承知のように厚生保険特例会計法の改正によりまして、繰り入れの時期を一年ずつ繰り下げて参っておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これは古井厚生大臣に一つ十分説明をしておいてもらわねばいかぬと思うのです。古井さん、これは今も、もとの保険課長さんの小沢さんが、私の責任ですとここで私語されておりますけれども、三十億ずつ必ずくれるという約束なんです。三十億はやります。そして六十億、これは今保険の会計から返しておる。この六十億については、毎年十億ずつ六年間くれます。だから、これから六年は四十億ずつもらう権利がある。これは確認をしておったんだから……。滝井君、心配するなと、私の頭を池田さんもなでたし、一萬田さんもなでていた。そのとき私は喜んで、そうですがといって泣き寝入りしたのですよ。ところが、それから三、四年たって見たところが、まくら元に置いてあった、りっぱな四十億という私のトラの子がなくなっておる。だから、これはそこにあやしに来た古井さんに取り返してもらわなければ困ることになるのです。だからこれは、御存じだと思いますけれども、一つその経緯を十分お聞きになって、来年度の予算編成のときには、やはり健康保険前進のために一つやってもらいたいと思うのです。これは私、いずれもう一ぺん機会をあらためてやりますけれども、一応古井さんの耳には入れておきたいと思うのです。  これ一つだけで終わりますが、船員法のたしか八十二条だったと記憶しておりますが、船には医師を乗せなければならぬ。ところが、最近この船に乗る医師がいなくなったんですね。乗り手がいなくなったんです。どうしてかというと、給料が安いからです。そこでこの船員保険法の運営に支障を来たす状態が出てきた。船主協会ではどういう方法をとろうとしているかというと、船医のかわりに衛生管理者の資格を持った人を船員と兼任させることになるのです。船員に衛生管理者の免許をとらせて兼ねさせるわけです。こういう形になりますと、これは大へんなことになるわけですよ。現在船には女医さんが八十二才くらいの御老体のお医者さんしかいないという形になりつつある。その女医さんもだんだんいなくなっているが、これに対する対策を船員保険の前進のために何かお考えになっているのかどうか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいまお話しのような条文が確かに船員法八十二条にございまして、一定の大きさの船につきましては船医を乗り込ませなければならぬ、船医を乗り込ませない場合においては、行政官庁の許可を受けて、一定期間に限って乗り込ませなくてもよろしい、こういう例外規定もございますが、ただいまお話しのように、船医が非常に不足しているかどうかという点は、私よく承知いたしておりません。今お話しのように、所管の官庁でございます運輸省におきまして、この法律によって極力支障の起きないような措置を講じ、また万やむを得ぬときにはこれにかおる許可を与えていると思いますが、その辺の実情をつまびらかにいたしません。船員保険法の方で措置すべき事項があれば措置いたしておりますが、一応これは一時的には運輸省の方におきまして措置されることになります。なお私の方で検討して措置すべきものがあれば措置いたしたいと考えます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これでやめます。いろいろたくさんありますけれども、あとはまた一般質問でやらせていただいて、これで終わりといたします。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 井堀繁雄君。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 私はただいま議題になっております政府の日雇い健康保険法の一部改正と社会党の提案いたしております同法の一部改正案について、同時に質問をいたしたいと思うのであります。時間を節約する意味で、両方にそれぞれ同時に御答弁を願う場合がありましょうし、また別個にお伺いするかもしれませんので、あらかじめ御了承を願います。  両改正案を一括して見ますと、総括して社会党の改正案はかなりうがった点にまで修正を加えている点に対しては、一応敬意を表したいと思います。そこで私どもが日雇い健康保険法の改正を日ごろから念願いたしておりまする核心には両法案とも触れていないうらみがありますので、その点を一つ先にお尋ねをいたしたいと思います。それは健康保険も日雇い健康保険も、雇用関係の上に積み立てられた医療保険制度でありますことは多言を要しないところであります。私どもは、こういう同一の条件のもとにある労働者に対して異なった保険を用いるということは、特別の事情のある場合を除いては当然同一にすべきではないか、これは社会保障制度審議会も社会保険審議会も同様に政府に答申をいたしております重要な部分であります。こういう点について、せっかく社会党がこれほど修正をなさるのでありますならば、なぜその点にお触れにならなかったのであるか。またその時期でないとお考えでありまするか。そういうことを提案することは、どういう事情によって差し控えられたのであるか。その点を伺いたい。  同時に厚生大臣にお尋ねをいたすのでありますが、この日雇い健康保険の場合は、緊急失対事業法の規定に基づいて雇用されている労働者であることは、法律の明文で、今さら論ずるまでもないのであります。こういう関係のものをなぜ差別するような保険を存続しているかについて、政府並びに社会党それぞれの見解を明らかにしていただく必要があると思いますので、お尋ねをいたします。どちらからでもけっこうです。

八木一男日本社会党

○八木(一)議員 大へんお待たせいたしまして恐縮でございます。前段の質問について今答弁を考えて、ちょっと私語をいたしておりましたので、後段の質問をちょっと伺いそこないましたので、前段について御答弁をいたしまして、後段についてさらにちょっとお伺いしまして……。  前段で、社会医療保障、特に労働者の保険については統一をすべきであるというお考え、そういう御質問であろうと理解して答弁をいたします。労働者の保険というものは統一すべしという考え方は、私どもも井堀委員のお考え方と同様であります。同様でございますが、この問題につきましては、現在各共済組合あるいは組合管掌の健康保険、あるいは政府管掌の健康保険、船員保険、あるいはまた日雇い労働者健康保険というふうに、各個別々に発展をいたしておりますので、当然統合すべきものでございまするが、なかなかに世の中の抵抗がきつくて、また理解を全部に浸透させることがむずかしい点もございまするので、この問題は強力にそういうことに負けずに進めますとともに、現在の制度で、この制度の対象者である労働者が早く健康保険並みの給付を受けて、医療については保険で心配がないという事態を作りたいと考えまして、現在の制度について改正案を出すことがその対象者について急速に医療保障を進める道であると信じまして、日雇い労働者健康保険についてのこのような改正案を出したわけでございます。しかしながら井堀委員の言われました通り、労働者の健康保険を統一する方向に持っていくことは当然のことでありまして、これを並行して私どもも急速に進めなければならないと考えるわけでございます。そうした意味におきまして、日雇い労働者健康保険について、普通の政府管掌の健康保険と同様の給付内容にするということが至当であると考えて、その内容にいたしました。普通の社会保険形式の考え方でいくと、そうなれば保険料を上げるというような考え方が出てくるわけでございまするが、将来あるべき姿の労働者の健康保険を全部一緒にしました場合、プールをせられますから、低賃金労働者は負担が少なくてほかの者と同じような給付を受けられる道に進むことが当然でありますので、分断されている現在におきましては、国庫負担を大幅に投入することによって保険料を上げずにこのような健康保険並みの給付にすることが至当であると考えて、そのような案にいたしたわけでございます。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 同じ被用者の保険と申しましても、国家公務員の場合あるいは大きな事業の健康保険組合の場合、政府管掌の場合、同じ被用者といってもいろいろ事情が違う点があります。でありまするので、総合調整の問題は今後の目標にしておりますけれども、今回は各事情の違ったところをもとにした現制度のままで改善を加えるということにとどめたわけでございます。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 その問題は相当時間をかけて討議する価値のある事柄だと思うのでありますが、時間も過ぎておることでありますから、あまりこまかく追究しないで先へ進むように努めたいと思いますので、答弁の方もぜひ一つ核心に触れて御答弁を願いたいと思います。  今社会党さんの方からの御答弁では、私どもと全く同じ見解をおとりになっておるということでありますが、さらにお伺いをしておきたいと思います。社会党の今度の改正案は大体四つの点に集約されることができるのではないか。一つは特別療養費の制度を設けたという点、二つは療養給付期間を延長したこと、その三つは傷病手当金及び生産手当金の増額を行なった点、いま一つは適用範囲を拡張いたした点であるようであります。もちろん国庫負担の増額についても触れておるようでありますが、いずれもわれわれの賛成を惜しまない当然の改正であると思うのであります。惜しむらくは、ここまで手をお染めになるのであれば、冒頭に御質問いたしました、なぜ健康保険と日雇い労働者が差別をされなければならぬかということにもう一歩踏み込んでいかれなかったか。それはわれわれの計算からいきますると、格別経費を必要としない。プール計算することによって、健康保険の方がある程度日雇い労働者のために負担をする結果になると思いますが、今日の健康保険の実力を見ますと、健康保険組合にありましては、言うまでもなく今日牢固たる基盤を築いたものと見てしかるべきでございます。政府管掌につきましてかつて幾回も騒がれたのでありますが、今日の政府管掌はかなり充実した保険財政を築き上げた。この財政をもってすれば、今後日雇い労働者の数が多少増加するといたしましても、今日資料として提供しております被保険者の数はわずかに百十六万二千人にすぎないのであります。この百十六万二千人の被保険者を、健康保険並みの保険給付をいたすようにいたし、また先ほど八木委員が答弁になられましたが、保険料の負担が増加するということにも相ならぬ。御存じのように健康保険の標準報酬額による算定方式からいたしますならば、むしろ負担が軽減されてくる。ただし今度の負担は、従来の既成事実を引き下げる必要がないのでありますから、こういう点において、今日こそ日雇い健康保険を健康保険の中に投入し得る絶好の機会であったと思うのであるが、なぜ社会党はそこまで踏み切らなかったかということがどうも了解できない。趣旨は賛成であるけれども、それをやらなかったということは、政府でありますならば今日与党の皆さんの意向にはばまれるでございましょうけれども、社会党は何をはばかるのか、なぜやらなかったのか、この点をお伺いいたします。  そこで、ついででありますからちょっとお尋ねしておきます。これはそう長く時間をとらないで御答弁をいただいてけっこうでありますが、特別療養費の制度を設けられておるのであります。この原案によりますと、十四条に新たにこのカッコ内を加え条文化しておるのでありますが、ここにも私は多少疑問がある。それから次の療養給付の期間を延長しておるのでありますが、これくらいは健康保険と均衡できるところまで持ってきてよかったのではないか。なぜこれを遠慮しておるのであるか。それから傷病手当、出産手当については、もうちょっと上げていけば均衡がとれたのではないか。そういうような点についてどうも遠慮なさっておるように思うので、この点について私どうも理解ができない。そういう点について、一方ではかなり理想を強調されまする貴党といたしましては、はなはだしく遠慮された点が理解に苦しんどおるところでありまして、こういう点を具体的に伺えばもとよりはっきりすると思いまするが、時間の関係もありますからこの程度にとどめまして、政府の案に二、三質問をして終わろうと思います。——せっかくの機会ですから、ちょっと御答弁を願いたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)議員 井堀委員の御意見には最大限の敬意を表したいと思います。私どもの考え方も、それと完全に同じであります。しかしながら進め方においていささか、井堀委員の御指摘によれば勇敢な程度が少ないと言われるようでございまするが、私どもはもとより勇敢はやっていきたいという考え方もこの中に含んでいるわけであります。というのは、各種健康保険等を統合すれば、もちろんこの給付を、これだけ保険料を値上げをせずに伸ばせるわけでございますが、一般に国民健康保険に対して二割の国庫負担をしている。そうなれば同じ国民である以上、労働者階級にも国から負担があってしかるべきだと思います。使用主負担があるから国庫負担がないという理屈は成り立たないのでありまして、これは労働条件としてなっているわけであります。その意味において、調整中において日雇い労働者健康保険においては、国庫負担をもって健康保険並みにする、この日雇い健康保険で国庫負担を、普通のわけのわからぬ連中の常識を打ち破った程度にすることによって、同じ健康保険に対しても国庫負担の道を開く、この給付の十割まで導く方向をやりたいという考え方も入れまして、やりましたわけでございます。井堀先生と全然同じ趣旨でございますので……。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 社会党さんのお考え方についてはわかりましたが、しかしこの具体性については、いかにもその点では隔靴掻痒のきらいがありますが、その点は議論になりますから、やめておきます。  そこで今回の政府の修正案の中で、今の問題と関連してでございますが、私はこの機会に厚生大臣の見解をぜひ明らかにする必要があると思いますから、お尋ねしておきます。それはこの日雇い労働者の場合は、これは緊急失対法のそれ自身についても今問題にもなっておるときであります。しかし既存の緊急失対法では第二条で明らかにいたしておりますように、この労働者の雇用される場所あるいは雇用の条件は、労働大臣が樹立する計画及びその定める手続に従って、国みずからまたは国庫の補助によって地方公共団体の実施する事業場に雇用されるということが、法律で明らかになっておるのであります。でありますから、むしろ民間の雇用労働者の場合における保険者が、保険料負担その他によって保険者の義務を果たすよりは、もっと政府は積極的であり、もっとこういう問題に対しては重い責任をとるべきであることは、明らかであります。こういう点については、当時この法律が立法されたときには、日本の経済、特に国の財政事情というものは非常に窮迫をしておるときでありましたから、そういう事態を想像することは許されなかった。しかし今日、所得倍増を唱え、一千数百億に近い税の自然増収を見られるようなけっこうな国の財政を迎えたのでありますから、当然健康保険くらいは、同一の条件に置くべきじゃないか。ことに憲法十四条のもとにおける法のもとに平等であるということは、政治的、経済的にまたは社会的関係において差別されないことを高く掲げた憲法の理想であります。こういう点から考えますならば、厚生行政として、この保険を一括取り扱う場合においては、当然これらの趣旨からいきまして、今日のわずか百二、三十万にしかすぎない雇用労働者のために、思い切って体制をそこに持っていくべきではないか。この点に対する厚生省のあるいは政府の見解を明らかにしていただいて、あと二、三の具体的なものをお尋ねして終わろうと思います。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま失対事業に雇用されております日雇い労働者のことをお話しになりましたが、この日雇に健保の適用を受けます日雇い労働者は、健康保険の適用を受ける事業所に使用される者、それから失対事業の事業所に雇用される者と、二種類ございます。今御指摘の失対事業の事業所に雇用される者は、数字におきまして約四十万でございます。それから健保の適用を受けます事業所に雇用されます者が六十万でございまして、すべてがこの失対の労務者ではないわけでございます。従いまして、この日雇い制度において、被保険者自身と雇用主の負担分というものが半額ずつ法定されておるわけでございますが、国の扱いますものは、失対等において国が使用いたします場合、あるいは民間の事業所におきまして雇用いたします場合、その事業主の負担というものは、やはり同者同じ比率であるべきだと思うのであります。両者の間に差をつけるべきではなかろうと思います。制度といたしましては、やはり事業主負担として同様の比率をとるのが適当ではないかと思います。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 なかなか局長は大臣にかわって政策にまで言及されておりますが、私が今お尋ねしたのは、こういう制度をこの際改めるには、大きな政策転換ではなくて、政策の一つの動きを調整するというくらいでいいのではないかという、政策上の変更についてお尋ねをしたのです。保険局長なかなか勇敢に大臣にかわられて御答弁されたようでありますが、残念なことに見当はずれな御答弁です。そこで、厚生大臣の見解を一応承っておきたい。それから次の問題に移りたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 大体は先ほど局長がお答えした通りでありますが、日雇い健保については、政府が使用する者であるとそうでないとにかかわらず、保険財政の現状と保険料負担の実情から見まして、もっと政府が力を入れる必要はあると思うのであります。このことはさっき以来強調した点でありまして、今後の問題として改善に努力したいという考え方を持っておるわけであります。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 時間がだいぶ迫りましたから具体的なものを三点ばかり一括してお尋ねをいたしますから、お答え願いたいと思います。  一つは、この日雇い健康保険の当面しておる問題は、私は二点に集約することができると思うのです。一つは、保険財政であまり安易に流れて、この資料にもありますように借入金に依存したり、あるいは未払いを相当額残したりして経営するということは、先ほど来申し上げておりますように、この保険の性質からいってあまり適切なやり方ではないと思うのであります。昭和三十五年度と本年度との比較をした予算表が出ておりますが、この機会に事務当局にお答えをいただきたい。三十四年度の資料は手に入れております。三十四年度によりますと二億五千万円程度の借り入れ、それから未払いが一億九千万程度、三十五年度の場合は一体どのくらいになるのか。予算をここで見てみますと、政府の資料は借入金が三十五年度で五億七千八百万円、三十六年度で八億二千五百万円になっておりますから、差引いたしますと二億四千七百万程度のものになるようであります。三十五年も大体数字が明らかになっておると思いますが、その数字をこの際伺って、なお続けていきたいと思いますので、その点を伺っておきたいと思います。

加藤信太郎厚生事務官(保険局健康保険課長)

○加藤説明員 三十五年の決算につきましてはほぼ見当がついておりますが、私どもの予測しておりますのでは、三十六年度予算の編成のときに見込みましたものとほぼ同じように、未払いが約三億前後出る見込みであります。この点につきましては、三十六年度予算に推計いたしまして計上しております。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 三十五年度未払いが三十六年度で解決されるというから、その点は一つ期待しておきます。ところが保険経済からいくとそうはいきませんよ。それは警告しておきます。  それから借入金は、先ほど予算の上だけで見ましてもなお残るようでありますが、こういう問題は何をおいても早く解決するような予算を組むべきではないか。いかにも厚生大臣の政治力の弱いことを表に出しているような感じがいたしまして、お気の毒にたえません。こういう制度をやるについて、大蔵省も厚生省も内輪でこういう問題の解決がつかぬようなことでありましては、社会保障をいかに強調されましても、それは国民からは疑われる結果になるのでありますから、それも莫大な金でありますならばとにかくでありますが、今日莫大な予算の中のわずかの金額で済む問題ですから、こういう点については、すみやかに解決なされることを私どもは要望しておきたいと思います。  次は被保険者に対する医療給付の問題ですが、わずかの期間ではありますけれども、被保険者になってから三カ月の間というものは療養給付を受けられないなどというような点は、これは私は思い切って改めてしかるべきではないかと思う。この程度のことがやっていけないようなことでは、日雇い保険の統合などこいうものは誠意がない、その意思が全然ないものだという証拠を残すようなものであり、はなはだ遺憾に思われますので、この機会に政府の勇断を要望いたしておきたいと思います。  それから次は、この前の法案でちょっとお尋ねをいたしましたが、医療費の一〇%値上げに伴うこの保険に影響します金額について、厚生当局の御答弁を伺っておったのでありますが、医療費の値上げに伴う日雇い健康保険は約六億一千百万、同様にこの被保険者である患者の負担が一億程度の負担増になるということであります。この患者の負担の一億増は全くたえられない、大きな圧迫になると私は思うのでありまして、こういう問題を解消する熱意が政府にありますならば、今直ちにでも御答弁がいただける程度の金額ではないかと思われますので、この点に対して明確な御答弁をいただきたい。  以上、三点について一つ御答弁をいただきたい。満足な答弁がありますならば私の方もこれでやめることにいたします。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 第一の借入金の解消の問題でございますが、これは先ほど来お答えいたしました通り、この制度の根本的改正ということが必要でございます。目下検討中の社会保険制度の総合調整の問題の一環といたしまして、すみやかに検討いたしまして結論を出したいと考えます。  それから第二番目の二カ月穴埋めの点でございますが、先ほど来申し上げました通り、今回の改正でこれをやるわけでございます。しかし先ほど来御指摘のありましたように、若干の不十分と申しますか、なお改善しなければいかぬ点があることは認めております。これもすみやかな機会に改善いたしたいと思います。  それから最後の一〇%の医療費の値上げに伴って患者負担が一億ふえた、これはまことに遺憾じゃないかということでございますが、これも先ほど申し上げましたように、現在の制度におきましては家族の五割負担というのがございます。患者負担をなくしようといたしますのには、この家族の五割負担というものを十割給付に引き上げなければこれは残る問題でございます。やはりこれも制度の改正につながる問題でございますので、実情は御指摘の通りでございますが、制度の改正によってこの問題の解決がつくというふうに考えております。なお今後医療費の増高等の場合には十分の措置をするようにいたしたいと思います。

井堀繁雄民主社会党

○井堀委員 保険局長の御答弁は、従来の答弁よりは比較的明確でありました。そこで、厚生大臣の御答弁を一つ伺っておきたいと思いますが、この資料にもありまするように、社会保障制度審議会、社会保険審議会からも、今私の質問をいたしましたような点に対して、至急にしかるべき措置をとることを答申されてあります。それが今回は、今の局長の答弁のように不得要領に逃げておるわけでありますが、あなたとしては、この点に対してどういうお考えであるかを承って、私の質問を終わります。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 医療保障全体の中で、特に日雇い健保、国保の点については、大きに内容を改善して、他の保険と均衡をとるようにしていきたいと考えまして、今後の大事な点だと考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 これにて三案についての質疑は終局いたしました。     —————————————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 この際お諮りいたします。  ただいま議題となっております八木一男君外十一名提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について、成規の手続をもって、撤回の申し出があります。本案はすでに委員会の議題にいたしております関係上、委員会の許可を必要といたします。本案の撤回を許可するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認め、本案の撤回を許可するに決しました。     —————————————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 ただいま委員長の手元に、田中正巳君、八木一男君及び井堀繁雄君より、内閣提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されております。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 修正案の趣旨の説明を聴取いたします。八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ただいま議題になりました日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する修正案について、御説明を申し上げます。  修正案の本文につきましては、配付されておりまする印刷物をもって御了承を願いたいと思います。  その要旨について、御説明を申し上げたいと思います。  修正の第一項目は、保険料の等級区分を、賃金日額四百八十円以上のものを第一級とし、四百八十円未満のものは第二級とすることであります。  その第二点は、第一級の保険料日額を二十六円、第二級の保険料日額を二十円とすることであります。  第三点は、傷病手当金の支給期間を二十二日とすることであります。  第四点は、傷病手当金及び出産手当金の支給日額を第一級三百三十円、第二級二百四十円とすることであります。  何とぞ満場一致御可決あらんことをお願いしたいと思います。  なお、この修正案につきましては、自由民主党、日本社会党、民主社会党三党の共同提案でありますことを、おくれましたが、申し添えます。(拍手)

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 この際本修正案について、国会法第五十七条の三による内閣の意見があればお述べ願います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府といたしましてもやむを得ないものと考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 修正案について御発言はありませんか。     —————————————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御発言がなければ、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案並びに内閣提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決に入りたいと思いますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  これより採決に入ります。  まず、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。(拍手)  次に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 起立総員。よって、内閣提出の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案は、田中正巳君外二名より提出の修正案の通り修正議決すべきものと決しました。     —————————————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 この際小沢辰男君、五島虎雄君及び井堀繁雄君より、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。その趣旨の説明を求めます。小沢辰男君。

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員 私は自由民主党、日本社会党、民主社会党三党を代表いたしまして、ただいま議決されました日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に次の附帯決議を付すべきことを提案いたしたいと存じます。すなわち、   政府は、日雇労働者健康保険の被保険者が療養中において、新たなる疾病が発生したとき、その疾病につき又はその間における家族の疾病については、同保険において療養の給付を受けられるよう考究すべきである。 右提案をいたしますから、何とぞ可決あらんことをお願いいたします。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 本動議について採決いたします。  本動議の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、本案には、小沢辰男君外二名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣より発言を求められております。これを許します。古井厚生大臣。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨につきましては、これを善処いたしたいと考えております。     —————————————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任をいただきたいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 この際理事辞任の件についてお諮りいたします。理事田中正巳君より理事辞任の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認めます。  なお理事辞任に伴う補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 御異議なしと認めます。それでは理事に柳谷清三郎君を指名いたします。  次会は来たる二十三日午前十時より開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後九時五十二分散会      ————◇—————

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