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38回国会衆議院1961/04/13

社会労働委員会 第27号

発言数
86
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/04/13

会議録

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 これより会議を開きます。  結核予防法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑を許します。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 さきの委員会におきまして、結核予防法の一部改正につきます各面にわたっての御所見を承りましたが、その中で明らかになりましたように、この結核予防の万全を期していくためには、まず早期に発見するということ、発見したならばその感染源をどう処置していくかということ、さらには予防対策に万全を期していくこと、こういうことが結核を撲滅するきわめて重要な三つの柱であろうというようなことを大体承知できたわけでございます。そこで本日は引き続きまして、その中で特に関係の深い諸点について、若干質疑を続けて参りたいと考えております。  まず第一に、結核の患者を発見して、そういう患者を収容する、その中で一つの大きな成果を上げていくという意味から、私は施設の問題について若干お考えを伺って参りたいと考えております。そこでその施設の問題に入ります場合に、これは私どもだけでなくて、政府当局の方でも関心があると思いますので、最近行政管理庁が行ないました国立療養所の問題点というようなものについてどういう勧告、指摘が行なわれておったか、その辺の実情を一つ明らかにしていただきたいと考えます。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 河野先生にお答えいたします。ただいまの御質問の趣旨は国立関係に相なりますので、至急に医務局長を招致いたしまして後刻お答えさせるようにいたしたいと存じます。御了承いただきたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実は施設そのものについては医務局所管でございますけれども、しかし結核撲滅という立場から考えて参りますというと、これが一つの大きな柱になっておるわけであります。もちろん国立の療養所に限らず、一般の療養所等も含みますけれども、いずれにいたしましてもこれが一つの柱でございますから、それに対しまして行政管理庁で勧告をした点が一つの問題点になりますので、それを中心にして今若干私はお尋ねを申し上げたいと考えておりましたけれども、医務局長がまだ未到着でございますので、公衆衛生局長に関連いたします点について若干御所見を承りたいと考えております。  この勧告の中にも明らかにされておりますように、その重点はやはり施設の近代化ということにあるようでございます。私はもちろん施設の近代化ということもけっこうでございますけれども、しかし施設の近代化のみでその大きな成果を上げていくということは不可能だということは論を待たざる点でございます。そこでまずお伺いを申し上げておきたいと思います点は、施設の近代化と同時に内容等の点についても当然重要視されなければならぬと私は思いますけれども、今の政府の方針で、実際には施設の近代化によって内容が伴うというふうにお考えになっておりますかどうか、その辺の御見解をまず明らかにしてもらいたいと考えます。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 結核医療の近代化がどう進んでいるか、それと、それを行なうべき結核の医療施設の近代化との関連のお尋ねであろうかと思いますが、医療そのものの学術的な進捗というものは、日本におきましても大体最近は諸外国と劣らない、部分的にはたとえばカナマイシンの例を見ましても耐性菌——世界に先んじて新しい化学療法を発見したというような形で、これは相当な水準をいっているわけであります。従いましてこれは実際に多数おりますわが国の結核患者に全部この水準を適用できるかどうかというような、むしろ行政措置なりあるいは医療保障なり、こういう点に一つの問題があろうか、こう思っておるわけでございまして、その例が今回の法改正をお願いしている点の一つの大きな点でもございます。明らかに患者が管理されて、開放性で他にも危険を及ぼし、また本人もこの際治療しなければ再び治療の機会を失うような広範性な空洞を持っている患者というようなものが、今まで一方には治療の水準は日本では持っておるが、これの結びつけがうまくいかなかった点が非常に多いわけであります。それを埋めるために、今回経済的な措置というような点は相当部分解決された、こういうことでございます。従ってこれらが逐次解決されることによりまして、これらの医療の近代化されたものを現実に患者に施し得るという道は拡大されると思いますが、しからばそれを行なう施設の状況と、施設における従業員を含めました能力の問題、実際に治療を行なう量的、質的な能力の問題になるわけでありますが、その点が先ほど御指摘になりましたように、行政管理庁の勧告にも触れておりまして、全国的に高度の進んだ医療技術を行ない得るところがまんべんなくうまく重点的に配置されておるか。たとえば肺葉切除手術可能な病院がどこにおきましてもあるかどうかというような点も触れておりますし、それからまたそういうところでありましても、建築以来二十数年たって非常に荒廃しておるというようなことで、それもまた直さなければいけない。それからそれに対応する医療技術員の配置確保が必ずしも適切に行なわれておらない、こういうようなことでございまして、従ってこの間を見ますと、現在のところ医療水準と、これを行なう患者に結びつける医療保障その他の行政施策、それから実行すべき医療施設の内容、これがそれぞれ若干ちぐはぐなところがございます。ある部分はおくれておる、直さなければいかぬというような状況でございまして、これがいずれも万全であるということは申し上げられない状況でございますので、そういう欠陥を一挙に一年間に全部そろえるというわけにはいきませんが、そのようにでき得る限り逐次進めていきまして、この三つのいずれも並行してうまく目的を達する、これが一番大事な点ではないか、かように考えておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この行管の勧告に対しまして、厚生省がいろいろと回答をされたということでございますが、実は今の答弁とも関連いたしますが、その中に、国立療養所を結核治療の中心的機関とする、これは異論ございませんが、しかし中心的機関とすれば当然それに伴うところの高度の検査機能あるいはまた診療技術というようなものが伴ってこなければ、単にお題目だけで、結核の中心的機関だといってもこれは始まらぬわけでありまして、今申し上げますような高度の検査機能なりあるいはまた診療技術というものが当然伴わなければならぬ。なるほどそれは言葉では言うはやすいのでございますけれども、ただ私どもが心配いたしますのは、実際に現状をながめてもそうでございますけれども、まず医師の定員が充足されぬというような問題がございますし、あるいはまた処遇の問題その他で、優秀な人がどんどんスカウトされるというような問題もありますし、そういう点から考えますると、なるほど局長が御答弁されましたように、施設の近代化等に伴って、日本の高度な医療というものを実施する、そういう概括的な御答弁でございましたけれども、実際に具体的な例になりますと、なかなか私どもはそうだというふうに言いがたいような気持が実はいたすわけでございます。そこでこの点は私、大臣にもぜひお聞き願って、一つ将来とも御努力願わなければならぬと思いますけれども、本日は次官が御出席でございまするから、一つ今申し上げまするような——言葉では容易であるけれども、実際には人の問題、技術の問題が伴ってくるわけですね。言葉だけで解決しない、数だけでは解決しない。やっぱり実際に優秀な医師が来なければならぬ、優秀な技術者が来なければならぬ、高度な検査をやり得る人がおらなければならぬ。最終的には人の問題になってくると思います。施設の近代化というのは金をかければいいことですけれども、実際それをりっぱに運営するには人を得なければならぬ。ということになりますると、言葉では容易でございまするけれども、実際の面におきましては非常に困難な面が出てくるのじゃないかということを感ずるわけです。そこで一つ大臣にかわって次官から、そういう私どもの意見をお聞き取り願って、どう現状を御判断になっておるのか、また将来どういうふうに御善処をいただけまする御熱意がありますのか、その辺を承っておきたいと思います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 お説のごとく、設備がいかに整いましても、また機械がいかに整備されましても、この中心になるものは人であります。しからば、日本の医術、医学というものが世界的水準にあるという前提に立ちまする限り、そのことは心配ないじゃないかというふうに、言葉の上では確かになります。しかし、これが日本全体にわたって津々浦々の、いかなる貧家の子供においても、常にそういう優秀な技術を持たれた先生に診断し治療していただける状態になり得るかというと、それは残念ながら今のところにおいては、ノートと答えるほかいたし方ないと思います。現在病院等においてはずいぶん行き渡ってきておりますが、それが、何々病院といわれるところの主任を勤められる先生、地方の百ベッドが百五十ベッドしかない病院の先生というようなことにおいては、技術面等においても相当な開きがあろうかとも考えられます。これらの点については今後十分に意を用いまして、ある一角だけが水準高くいっているのじゃなく、日本全体の人たちの技術がそこまでいくようにはからっていかなければならぬのじゃないか、こんなふうに考えるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 その考え方はその通りでけっこうでございます。ただ問題は、そういう考え方を実行に移す場合にいろいろ解決しなければならぬ問題があると思います。それはこの前ちょっと大臣にもお尋ねいたしましたが、医療職の処遇の問題、医師の問題もレントゲン医師の問題もその他の問題も申し上げましたが、そういう問題を具体的にどう処理していくかということが前提になって、施設の近代化と同時に、内容の充実に発展することができる、こういうことだろうと思うのです。そこで私は、せっかくこの結核予防法の一部改正を行なわれて、結核対策に対する一つの進歩でございますから、そういう進歩に即応する一つの体制を作るための御配慮なり御努力をぜひ一つ願いたいというふうに強く要望いたすわけです。  それから同じくこの回答の中の一節でございますが、療養所の使命といたしましては、今後とも結核医療推進の主体となっていただく、これは先ほど申し上げましたように、まさしくその通りでなければならぬと思います。その際、厚生省としては、国民の医療機翼として適正な医療サービスを行なっていくことが必要であるというようなことで、なかなか言葉はけっこうでありますが、しからば一体適正な医療サービスということはどういうことを意味し、また政府はどういうことを具体的にお考えになっているのか、この辺を明らかにしてもらわぬと、単にこれは回答のための回答に終わる。少なくとも回答していただきまする以上は、具体的に実行に移していくということが当然必要でなければならぬと思いますけれども、そういう御回答をなさっているわけでありますから、おそらく具体的な御計画もあろうと思いますので、具体的な面に対するお考えを明らかにしていただきたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 今の国立療養所の問題でございますので、医務局から御答弁があるかと思いますが、ただ先ほどお尋ねありました通り、国立療養所が結核の相当な部分をになっていただくのは、やはり国全体の結核対策の重要な一環をになっていただくということで、われわれの方も対策上関心を持っておりますので、私どもの方から、対策推進のために国立療養所の適正な医療サービスを期待するという希望側に立つわけでありますが、その点を私の方から今まで医務局にいろいろとお願いした点をまず申し上げます。と申しますのは、やはりこの国立以外、県立も公的機関でありまして、これとの見合いでございますけれども、やはり私的な結核ベッドはたくさんあるわけであります。実際の数からいくとこの方が多いわけであります。しかし私的の医療機関となると、結核療養所だから経営を度外視しても、あるいは企業的な性格を度外視しても、私的な財産をなげうってもサービスするということを強制するわけにはいかない。従いまして、そういうような私的な医療機関は、やはり企業経営者がある程度食べていける、経営が成り立つという状態に待たなければならぬわけです。ところが結核患者は全国に充満しているわけでありますから、便利なところに必ずしも公的あるいは国立がない場合、そういう場合には非常な摩擦が起こるわけであります。従いまして、少なくとも公的な機関、あるいは国立というようなもので、その経営面から患者を断わる、病院側からの勝手な選択をやるようなことのないところが日本じゅうに相当数ないと、患者の側から見ますと非常に不公平であり、また適切な治療の機会を失うということがございますので、まず国立の任務、ことに国立療養所の任務というものは、さような意味で国家がやるのでございますから、さような経営的な選択をしないで、その療養所に医学的に入れて治療するのに向いている患者に関する限り、国民の最終的なよりどころ、安心感を与える、これが結核サービス上の国療の国民に対する一番大事な点ではないか、こう私は期待しておるのでございます。そうなりますと、結局最終のよりどころとしてとなりますと、東京とか大阪だけにそういうのがあるのでは困るわけでございます。やはり全国相当なブロック的なりに、少なくとも手術もでき、それから高度の検査もできるという国立療養所が相当散布されておるということが必要であり、さらに今度は収容力としての、それと結び合ったまた第二級といいますか、そういうような療養所の網も必要である、こういうのがまず総括的な国療のサービスという意味に考えておるわけでございます。  今度中身に入りますと、さような意味でございますから、国療が結核の適正な治療普及の先達になる、少なくともその中における看護とか治療関係というものは、ぜいたくではないけれどもしかし適正なものである、しかもそうひどいものではないという、いわゆる国全体が行ない得る標準的な医療はここで統制的に行なえるわけでございますから、さような意味で国民に結核対策上サービスしてもらう、他の結核ベッドと比べまして、対策上は国立療養所のベッドにさような期待を持っておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そういたしますると、国立なるがゆえに一般の療養所以上の医療を特別にやるということでなくて、今お話しがあったような、結局患者の一つの便宜というような方向でサービスするというふうなお考えのように受け取ってよろしゅうございますか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいまのは、行管で言います適正な結核対策上の医療サービスの点に限定いたしまして期待した点でございまして、今度さらに日本の間度の結核医療等の進歩、発達ということになりますと、それはもう当然私的なものではなかなかできないのであります。そういう余裕もない。さらにこれに従事する専門家の養成、これは看護婦をも含めまして、こういうものになりますと、当然これは国立に中心的にお願いする、こう期待するわけでございます。従いまして、さらに研究の進展、あるいは近代的な病院管理の進展、あるいは従事をする専門家の養成という点は、医療サービスというワクとはまた別と考えておりますが、さような点もこれは当然第一等に期待しておるわけでございます。それは追加いたしておきます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これも繰り返しみたいになりますけれども、そういう方針をとるにいたしましても、やはりさっき申しましたような、前提となる基本的な問題を解決しなければならぬということになると思います。まあこれは繰り返しになりますから、いろいろ御回答がございましたが、そういう方針なり考え方を実行するためには、その前提となりまする諸条件というものをまず解決することが非常な急務だということを一つ御理解をいただいて、さらに格段の御努力を願いたいと考えております。  それから、せっかくそういう点について触れておりますから、この際さらにもう一、二引き続いて触れて参りたいと思いますが、今の適正な医療サービスに関連をして次のような点にも触れられておるようであります。それは今結核対策の中でも非常に問題になっておりまする老人結核でありますが、高年性結核であります。これに対しても同じく適切な医療を行なうというようなことでございまするが、この老人結核に対しまする適正医療という点については、具体的にどういうことをお考えになっておるのか。この老人結核については世間も非常に注目いたしておりますので、この際一つそういう具体的なお考えがあるならばお答えをいただきたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 最近日本の結核の重点といいますか、占めるパーセンテージが、この老人層の、ことに開放性の比較的慢性の肺癆とも称すべき結核症が非常にふえつつあるわけでございます。全般としては結核患者数そのものは、五年間の実態調査の調べで総数は減っておりますけれども、ことに重症のは減っておりますが、その中で老人層——まあ老人層といいましても四十才ないし五十才以上のものまで含めまして、壮老人の層でございますが、これがふえておるわけでございまして、これは同じ年令の人口対比から見ますと少しも減っておらない。ことに七十才程度のところでは、むしろ過去十年間若干ずつ罹病率がふえておる、こういう統計的実績になっておる。従って以前よりも一そうこの老人結核に対する特別な考え方をいたしませんと——若い方でございますと、とにかくからだの回復力は逆にあるわけでございまして、ある程度化学療法がよく成功いたしますと、前の状態に返る力は非常に強い。ところがこの老人層の結核でございますと、細胞の自活力が弱いものでございますから、非常に薬もききにくいし、そうかといって非常に急激な、死に至るような急性の悪化もない、よくなおらずまた急にひどく悪くならずに、もう長年かかっても工合が悪い、こういう特徴を持っておるわけでございます。従いまして、これらに対しましては普通の回転を期待して、出入りを期待して、早くなおして早く出るというようなことよりも、大体発見されたときにはもう厚い壁を持っておる慢性のものが多いのでございますから、これらの方々に、もちろんいろいろな種類のきく治療法というものは十分やらなければいけませんが、そのほかに療養所に長く隔離といいますか、療養をまともに続けて、中途半端であきらめてうちに帰る、また子供に逆にうつすというようなことを避けるというようなことから、老人結核に対してはどうしてもこの療養生活ということにかなり重点を置きまして、これが近代的な治療プラス療養生活、環境の来やすく居やすくするというような管理が必要になってくるわけでございます。そうなりますと、どうしてもこの勧告にありますように、老人をかなり集中したような特別な老人的な結核療養所の創設ということも必要でございましょうし、それから老人の生活しやすいような、いろいろな娯楽を初め付帯する療養施設というものが必要になってくる、こう思うわけでございます。さような点で今度——外国には老人結核ホームというようなものが次第にふえておりまして、部分的にある程度なおってきましても今度養老院のような性格を帯びたような、かなり長期にまでおれる、そうして再発を防止するというようなものがふえておりますが、日本ではまだそこまで至っておりません。おそらく将来はその老人結核の比率がふえるに従いまして、これらの老人結核の療養の特別性というものは考慮していかなければいかぬ、こう思っておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この老人結核は、今お答えがありましたようになかなか問題でございます。従って、治療面においてあるいはまた看護面において特別な配慮をしていかなければいかぬということは、これは当然のことだと思います。すでに日本におきましても小児結核の療養所はございまするし、今日老人結核というものが大きく社会の関心を呼んでおるわけでございますから、当然この老人結核に対しまする適切な配慮というものが必要になって参るであろうと考えております。今申し上げまするようなことでございますので、これもさらに格段の努力を願いたいと考えます。  さらに、この勧告について、社会局長もおいでのようでございますから一、二局長にお尋ねを申し上げたいと考えます。それはこの結核に対しまする化学療法あるいは外科療法というものがだんだん進歩して参りますから、従って回復患者というものがだんだん逓増して参ります。これは一つの喜ばしい現象でございます。そこで先般の委員会におきましても、局長がおいでにならないようでございましたから大臣にいきなりお尋ねしたわけでございますけれども、どんどん患者がなおるわけですから、従ってその回復患者に対しまする施策というものが将来は当然重点になっていかなければならぬ、これは当然だと思うのです。その一環として、後保護施設、それからコロニーというような具体的な施策が今日とられて参っております。しかしこれは実際とられておるというだけで、その内容たるや、きわめて微々たるものであることは局長も御承知の通りでございます。しかし細々ではございますけれども、その後保護施設というものが非常に大きな成果を上げておる。たとえば、これは私の地元でございますけれども、もと私が地方議員時代にいろいろ厚生省にお願いをして、実は第一回目に設立していただいた施設でございますが、この福岡県のアフター・ケアでは、現在電気とか洋裁とかプリント、こういう職業補導を受けておりますが、これは非常に大きな成果を上げております。しかも卒業生は引っぱりだこで百パーセントの就職率であるということで、非常に私どもは喜んでおるわけです。ところが実際にはその内容にはあまり進歩の跡が見られない。先日も公衆衛生局長といろいろ意見の交換をいたしましたが、やはりその実態の把握に欠けておられる点があるようにも見受けるわけです。たとえばそういうような非常に成果が上がっておりますから、希望者が非常に多くなる。ところが施設の拡充整備ということに対して当局が力を入れぬので、廊下まで使用する、あるいはまた健康管理ということが非常に重要な——これは他の施設と違って、健康管理をしながら職業補導をするわけですから、健康簿理については非常に力を用いなければならぬということは当然なわけですけれども、それに対してはあまり用いられておらぬ。そういうわけで、せっかく社会局の方で御援助は願ったが、これは私生子じゃございませんけれども、産みっぱなしというようなことで、非常に私どもは難儀に思っております。そういうような後保護施設の拡充に対して努力をするという熱意を示していただくということがまず第一であります。ところが実際このアフター・ケアに収容されております中でも、このアフター・ケアを修了して、今度コロニーの段階までいっておる人々もたくさんおる。ところがコロニーの方にはあまり国の方が力を注がれておらぬ。これは社会福祉法人とかいろいろな形で民間の力でだんだん育成しておる。これは例の赤い羽根の共同募金とかいろいろな形で非常な援助をいただいておるというようなことで、将来当然国の施策としても、そういう社会復帰をいたしました回復患者に対しまする対策に重点を置かなければならぬ。しかも、一応細々とは発足をしておりますけれども、その施設も実は非常に大きな成果を上げておる。ですから、当局としては十分自信を持って、その発展、育成に御努力を願わなければならぬというように思うわけでございますけれども、今申しますように、実情というものは非常に寒心にたえないような実情であるというような状態です。これに対して一つ、局長はどういうようにお考え願っておるか、また将来どういうようにその改善なり努力をなさろうというようにお考えになっておるのか、この際、結核対策にとりましては将来重要な意義を持っておりますから、一つ明確にお答え願いたいと思います。

太宰博邦厚生事務官(社会局長)

○太宰政府委員 結核の後保護施設は、現在全国に公立のものが二十三カ所、民間が三カ所、二十六カ所ほどのものがございます。年々二、三カ所程度の増であります。細々としたという御意見もございますが、それはそれなりに相当の成果を上げておりまして、大体そこで訓練をいたしまして社会復帰をはかっておる中で、約七割ほどは復帰しておるというようなことでございます。なお十分でない点は、これはあると思いますので、私どもさらに今後力を入れねばならない点だとは思っております。ただ最近いろいろ結核の治療技術なりあるいは薬等に相当な進歩著しきものがありまして、大きな企業等におきましては、さらにそれにプラスして健康管理、平素から結核にならないようにという管理もいたしております。病気になりましたならば、早期に治療する、そしてまたなおりました場合においては、それをいたずらに首を切ったりしないで、自分のところの施設の中において適当な職場というか軽い職場に回すというような、相当そういうふうな施設の健康管理その他の対策もだんだんおかげさまで進んできたようであります。従いまして、この結核患者になられた方で、その後やはりもとの職場に復帰される、あるいはその職場の系統において再び社会に出られるというケースが相当多くなってきていると思います。これは私どもは一番望ましいことでありますし、今後ともそういう方面に施設経営者などが目を開いていかれるということが、これは一番望ましいことだと思っておる次第でございます。しかし何といたしましても、それにまかせっきりでは参りませんので、それとの関連におきまして、不幸にしてそういうようないいめぐり合わせにあわない患者の方で、ようやくなおった、なおったがもとの職場にも復帰できないというような方もおるわけであります。中には、もう一人前の職場にはちょっとむずかしいという、からだの弱られた方もお年寄りの中にはおろうと思います。そういう方々の施策といたしましては、私どもとしては今後さらに進めて参りしたい。これはもう考えております。コロニーの件につきましては、これはただいまのところは国としてはまだ踏み切るまでに至っておりません。御指摘のように民間の有志の方が二、三そういうことをやっておられるようでございます。これもはたして現実の意味においてコロニーという実体をなしているかどうかも問題はあろうかと思います。これは私どもさらに検討いたしまして、それがコロニーとしての機能を発揮できるようなものにお互いが力を合わせて持っていきたい。これはもうしばらく今後の問題として検討さしていただきたいと思うのであります。ただ、最近の施設を整備して参るということにつきましても、実はこれは私どもの方だけでできませんので、やはり地方のそういう公共団体と十分連絡して進めて参るのでございますが、これは率直に私どもの方だけから申しますると、なかなか話がスムーズにいかない場合が多いのでございます。この点は私どもの方としてももう一ぺん考えてみなければならぬ問題があるんじゃないか。これを伸ばしていくためにどうしていくか。それは全国の施設の中でも非常に希望者の殺到しているところもございますし、また比較的入所の希望がそう多くないというところもあるようでございます。この点は少し検討してみまして、そしてその辺の隘路を除きまして、今後進めるものならそれが合理的に進むようにこれをやらねばならぬ、実は少し検討してみたいと思っておる次第であります。河野さんの御指摘の方向というものは、私どももそういう方向へ進まねばならない。それからかたがた民間の企業体あたりが、そこに雇用されておる人の分については、やはり国にも協力して今のような健康管理なりアフター・ケアも施設としても考えていただくように、これは相待ちまして今後の対策を進めて参りたい、かように考えている次第であります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この再発予防という問題が非常に重要な意義を将来持って参りますことは、今申し上げました通りでございます。やはり国も相当莫大な金をかけてせっかく回復させておるわけですから、そういう回復者がまた結局再発する、第二回目は予後もずいぶん不良になって参りますし、これはまことに私は残念なことだと考えております。そこで一つには、先般もちょっと触れましたように、予防投薬で非常に実績が上がりつつある、これも将来は社会保険から、皆保険でございます以上は、すべての保険に拡大をしていただかなければならぬと同時に、私は今社会局長からも御所見を承りました後保護施設あるいはコロニーという問題が非常に大きな意義を持って参るというふうに考えるわけでございます。特に今お話にございましたような現場復帰ということが一番望ましいと思うけれども、しかし、回復患者といえども相当欠陥を残して治癒するわけです。たとえば炭鉱で採炭をしておった、それが今度は回復したから直ちにまた坑内に入って採炭するというわけには参らぬわけです。そこで、これはもう全国的にながめて参りますと、そういうケースが非常に多くなって参ると思うのです。そういたしますると、やはりそこで職業転換をしなければならぬ。職業転換をするためには、今申し上げましたように、健康管理をしつつ職業転換をやらぬと、勢い無理をしてまた再発する。そうしますと、せっかく国が莫大な金をつぎ込んで治療をし、回復させたそういう意義なり根拠がなくなっていく——なくなっていくというと極端かもしれませんが、少なくなっていく。そこで、将来私はやはりいろいろ問題はあろうと思います。しかし、国がそういう強い方針なり強い態度を示していただく、たとえば福岡県の例で、具体的な例で恐縮でございますが、やはり当初は非常にいろいろ隘路があった、それをやはり熱意で克服して、今日では非常に希望者が多くなり、また雇用者も非常に理解を持って、安心してどんどん雇用する、こういう形になっておるわけです。そういうことですから、どこもここも最初からうまくいったということじゃなくて、それはやはり当局の熱感いかんによってそういう道が開けた、開けなかったという相違が生まれてきておると思うのです。最初は、やはり卒業しましても、雇用者の方も、どうもかって胸部疾患であったということで雇用を渋ったという実例もあるわけです。しかし、それはいろいろ御理解を願って、今日では非常に優秀な成績を上げておる。ところが、そういう方法については御了承いただいておりますけれども、実際には公立が二十三、民間が三ですか、約二十六、五、六十人収容いたしましても、たかだか全国で千五、六百ということですから、現時点においては多少問題はあっても、こういう施設でいいものかどうかということは非常に疑問があると思う。そこで、局長からもいろいろ御答弁いただきましたが、そういういろいろな実態なり私どもの意見なりをお聞き取り願って、きょう大臣おられませんが、厚生次官はどういうふうにお考えになるか、また将来どういうふうな方針で臨んでいただけますか、これはこの際ぜひ一つ明らかにしておいていただきたい、かように思います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 河野先生の結核患者に対する後保護施設あるいはコロニー等のことについてのだんだんのお説につきましては、その一端について今社会局長もお答えいたしたのでございますが、実は私も先般この種の問題に関する陳情を受けまして、ことごとくその説明を聞きまして、私はしろうとであるがゆえに、そう一そうその患者さんたちの主張に非常に強く耳を傾けまして、実際に私が共鳴してしまったようには、事務当局としてはいろいろな障害、壁等もあることが予見されましょうから乗ってはいけないでありましょうけれども、私のようなしろうとの立場といたしましては、何とかもろもろのよって生ずる障害等があっても、それらを克服しつつ、将来はこの線を拡充していくことがぜひ願わしい。わけても手術でもなさっておられる方は、現場復帰といわれてもなかなかそれはできないことであろうと存じますので、御説の方向に向かって私どもとしては今後一そう推進努力をしていきたい、かように考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 次官がそういうお気持で、大臣にも一つ十分に申し伝えていただいて、今後の格段の前進をお願いしたいと思います。  さらに、この勧告と関連してお尋ねを申し上げたいと思っておる点は、国立の療養所と他の医療機関を有機的に結びつけて、そうして結核医療の円滑を期していくというようなことも行管の勧告に対する回答の中にあるわけです。これはもちろん結核医療の完璧を期していくためにそういうふうな有機的な連携をとるということは重要なことだと思います。そこで、医務局長も御出席でございますから、残しておりました点についてお尋ねを申し上げて参りたいと思います。  厚生省は各都道府県に対しまして、医療整備計画は昭和三十四年の厚生省医療機関整備計画の基本方針に基づいて、かつ地方の実情に即して今後努力するようにというふうな趣旨を出されておるようでございますが、そういう一つの方針とこの国立療養所の将来の方針とは相からみ合わせてお考えになっておるのかどうか、その辺の事情をお聞かせ願いたいと思います。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 国立の療養所の整備計画ですが、これも先ほどお話がありましたような地方における医療機関の整備計画の一環として私は考えていきたい、そういう基本的な考え方を持っておるわけでございまして、つまり、ある地方の国立療養所が、その地方におきますところの結核の医療の需給関係から見まして、どれくらいなベッド、規模、あるいは機能、性格というものを持たすべきかというような、そういう見地から検討いたして、そうしてその地方の結核の医療に見合うようなものにしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。たとえばその地方の結核の医療の上から見まして、小児結核あるいはカリエス、あるいは先ほどお話がありましたような老人の結核、あるいはリハビリテーション、そういうような面から考えまして、特にその地方に必要な施設にそういう特徴を持たす、こういうことを考えております。またブロックに一つくらいは診療や研究の指導的な役割を演じられるようなそういう基幹的な療養所を作りたいということで、今年はそういうものも二カ所ばかり予算に計上いたしたわけであります。さような次第で、お話のように、地方の需要に応じるような改正にだんだん持っていきたい、そしてほかの医療機関との関連もできるだけ持たせていきたいというように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 今御答弁がありましたように、全国的な医療機関の整備あるいは配置というものの上に立って、たとえば今お示しがあった基幹療養所の問題等もお考えになっておるのか。単に、たとえばある地域に療養所が二つ三つある、そこで行管から勧告を受けておるので、この際近代化のためにやる、こういうことでやられておるのか。そういうことじゃなくて、全国的な整備計画——滝井委員の青写真というものがあって、その上に立って統廃合が行なわれつつあるのか。この辺の事情が聞きたいのです。いかがですか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 先ほど申しましたように、基幹的な療養所というものは、私は将来各ブロックに一つくらい作りたいというような構想で、本年二カ所予算に計上いたしたわけであります。それから今の全国的な検討はいたしておるわけでありますが、先日も申し上げましたように、まだ固まっておりませんので、ごらんに入れる程度になっておりませんけれども、やはりそうした全国的計画に基づいてやっていきたという考えで計画いたしております。現在統廃合いたしたものは、すでに前から方針がきまっておりましたものを二カ所ばかりやることになった程度でございまして、その後、今すぐどの療養所を統廃合するというような予定を持っておりません。むしろその療養所は療養所として、今申しましたように性格づけて生かしていく、あるいはむしろその地域需要の関係から、一般病院に換転するものは転換するとか、あるいは精神病院に転換した方がいいというようなものは精神病院に転換するというようなことは考えておりますけれども、それもその地方々々のそういう状態に応じてやるということで、なるべく各施設が有用に生きて国民の役に立つようにしていきたい、こういうように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実は行管の勧告の中にも、施設間に医療機関に対します利用率のアンバランスというものが存在しておる。そこでそういう問題を解決するために施設の役割を体系づけつつ設備の近代化をはかる必要がある。実はこう行管の勧告に対して回答をされておるわけです。ところが今のお話を聞いておりますと、全国的な整備計画はできておらぬ、作りたいと思うけれども、できておらぬ、しかし総廃合というものは実行しよう、こういうことになりますと、私はこの行管の勧告に対します回答と矛盾するような気がするのです。たまたま偶然の一致で、一致すればいいのですが、もしこれ一歩誤れば、これは行政管理庁の勧告に対します回答とは矛盾する結果が出てくる。私はやはり理論的には全国的な整備計画というものを作って、その上に立ってこの近代化をはかっていく、あるいは設備の整備をはかっていく、こういうことにならぬと、どうも今の局長の答弁を聞いておりますと本末転倒するような感じがする。そこで私はいろいろ問題を起こしてくる原因ができてくると思うのです。この点いかがですか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 行管の勧告の中にも利用度の非常に悪いようなものに対しては転換利用などについての勧告もあるわけでございますが、大体一般病院について考えますと、御承知のように、一応府県を単位として、各府県がそれぞれ厚生省の方針に基づいて一般病院の基幹病院一両を作っておるのであります。その各府県の基幹病院計画の中で、たとえば国立病院が県の中央病院に該当する、あるいは地方病院に該当するというような場合は、それがそのようになるように国は整備計画を作るわけであります。それから結核療養所でありますとか精神病院でありますとかいうことになりますと、これは一般病院と迷いまして、やはりその地方におきます結核ベッドあるいは精神病のベッドというものと見合った整備をしていかなければならぬわけであります。そういうことでやっておりますので、決して行管の勧告の方針に反するようなことはない。ことにそういうことをやる場合には、その地方における関係をケース、ケースについて検討してやっておりますので、矛盾することはないというふうに考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 結局現状というものにあまり力が入り過ぎて、そのために結果的には私は行政管理庁に対します回答と異なった結果が、将来長い目で見ると出てくる、そういう危険性がありはせぬかということを実は申し上げておる。というのは、たとえばこの回答にもありますように、一部の地区においては国立療養所あるいは病院というものが偏在をして、診療圏の競合を来たしておるということも少なくない。単に行管の勧告の一節を言われましたが、老朽化しておる、そこでこの際統廃合をして近代化をはかっていく、そういうことでは私は現状に堕し過ぎる、陥り過ぎる危険性があると思う。やはり全国的な整備計画というものを国がお作りになって、今その都道府県にまかせるというようなお話もあり、それを尊重するという御意見もあったけれども、そういうことでなくて、やはり国が全国的な整備計画をちゃんとお作りになって、そういう計画に基づいてそれぞれ府県に対する行政指導をおやりになるという形が非常に望ましいと思うのです。単に今言いましたように、とにかくかつての傷痍軍人療養所あるいはまた昔の日本医療団の病院、そういうところの施設が非常に老朽化しておる、耐用年数も過ぎておる、そこでこの際そこを統合して一つ近代化しようじゃないかということでは、ほんとうの国の医療行政ではないと私は考えるわけです。地域々々で見ると、老朽化した施設というものが近代化されるわけですから満足するでしょうが、長い目で見ますと、またそれが偏在するという結果に陥りはせぬか、やはり国が一つの——滝井委員の話じゃないけれども青写真を作って、その青写真に基づいてそれぞれ府県に行政指導をやってもらって、ここでは当然センターを作らなければならぬのならセンターを作る、こういう強力な行政上の指導方針というものが望ましい、私はこういうことを言っておるわけです。これの一つの現われというものが、福岡にメディカル・センターができるときにもめましたね、これは局長だいぶ御苦労なさったわけでありますけれども、そういう問題を、今私が申し上げたような基本的な問題を解決せずにぽつんとやっていこうとする、そこにああいう紛争の原因というものがあったと思うのです。やはりそういう問題をうまく処理していくためには、国が一刻も早く全国的な整備計画というか、青厚真を作って、そういう青写真に基づいて府県に対する強力な指導力を盗作していくということでなければならぬと思うのです。この点、厚生次官いかがですか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 先ほど医務局長からもお答えしておりましたことでございますが、一応のお説のような青写真は作らねばならぬと考え、また構想を持っておるのであるけれども、それがまだ皆様方に御発表する時期には逃していないというふうにお答えしておったようでありました。しこうしてただいま先生御指摘のような方向においてなされていくことが願わしいことは私も全く共感いたすわけでございますが、ただ現実の問題といたしまして、全国に所在いたします既応の病院について統廃が行なわれるということになりますと、そこにはいろいろな意味合いからくる抵抗などもございましょうしいたしますので、これをいたしますにはよほどの勇気を持っていたさなければならぬだろうと存じますが、しかし産業、経済あらゆる面からいきまして、地域差というものがはずされつつあります。また人口も非常に地方に分布されておりますことですから、将来を考えますとき、お説の方向に向かって進まなければならないものと、かように考えるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 どうも今の次官のお話を聞いて参りましても、やはり現状に堕し過ぎる。そのために現状は一応糊塗し得たといたしましても、将来国民の医療に大きな欠陥を招来するのではないか。そういう意味で、厚生省がすみやかに全国的な整備計画を御立案になって、それに基づいて強力な行政指導というものを発揮するということでなければ、真の国民のための医療計画というものは達成できぬというふうに考えるわけです。たとえば今日国立結核療養所が全国で百八十カ所、ベッド数が六万五千五百、ところが最近は、これもこの前の委員会でもいろいろ質問いたしましたが、あきベッドというものがだんだん増加している。今でも総ベッド数の約一〇%、すなわち七千近いあきベッドがあるといわれる。そういう点から整備計画というものがすみやかに立案をされて、そうしてせっかく国が運営されるわけですから、さっきの公衆衛生局長の答弁にもございましたように、国が医療の適正なるサービスを行なうということも、行管の勧告に対する回答としてお示しになったわけでございますから、国が国民にサービスをするという上からも、そういう姿というものは決して望ましい姿ではない。しからばそういうあきベッド数というものがどんどんふえつつあるというその原因というものはどこにあるとお考えになっておりますのか、お伺いを申し上げたいのであります。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 国立のベッドがだんだんあくという理由は、大きく言いますと、やはり結核対策が強化され、医療というものがだんだん進んできて、そうして入院を要する患者などが漸減する傾向によるものであろうと思うわけですが、これは御承知のように、結核対策が強化されますので、入所命令がふえて参りますとかあるいは社会保険の給付がふえて参りますとかというふうな施策が講ぜられて参りますので、今まで年々漸減の傾向にあったものが、本年度からは少しふえるであろうというような予測をいたしておるような次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 今の御答弁によりますと、このあきベッドができたというのは、日本の結核医療というものが進歩した、そのためにあきベッドができたということのようでありますが、もしそうであるならば非常にけっこうなことです。しかし先般の委員会においても御指摘を申し上げましたが、ある統計によりますと、入院をしなければならないという患者があるのに、しかもそれが入院できなかった、その理由、その実態を調査いたしましたところが、経済的、社会的事由によって入院しなければならぬのに入院できなかったというのが三二・一%あった。それからさらには現在把握されておりまする感染性の結核患者、このうちの五六・九%、すなわち十三万六千人、これが実は感染させる危険性を持ちながら入院せずに自宅に引きこもっておる、こういう実情があるわけです。そこで、もちろんそれは今度の結核予防法の改正によってかなり救われると思うのです。かなり救われますけれども、これは十月一日から開始されるわけですから、現時点においては今申し上げるように、実際に実態が把握されておる感染性患者の十三万、あるいはまた先ほどの統計によりますと経済的理由で入院しなければならぬ患者が入院できない、それが三二%おるのです。そういたしますと、今局長から答弁されたように、単に日本の結核医療というものは進歩した、そのために結局あきベッドがふえたということの理由には、全然ならぬとは申し上げませんけれども、理由にはならぬ。そうすると私はやはり今日までの医療行政に対する欠陥というものは、それはもちろん整備計画についてもございましょう、適正配置の問題もございましょう。これは局長がおいでになる前にも、次官にも公衆衛生局長にも御所見を承りましたけれども、職院の処遇の問題もございましょう。こういう諸問題が累積をして、国民に今後サービスするというようなことを行管に対して御回答になったということでございますけれども、私はまだまだ欠けておる点が非常に多いと思う。そのためにむしろあきベッドというものがだんだん激増してきたというふうに理解せざるを得ないのです。そういう理解に立って、今後の医療行政を進めていかれるということでございますならば、私どもも不満足でございますけれども一歩下がりますけれども、単に日本の結核医療というものが進歩したがためにあきベッドがふえておるというような認識の仕方では、私は了承できぬと思うのです。そういう過去のいろいろな欠陥というものは十分認識した上に立って、今後の努力をなされるということでございますならば、これは進歩すると思うのです。ところが今のような認識の仕方でやられたら、国民はたまらぬと思うのです。この点はいかがですか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 私は一般的な趨勢がそうだということを申したわけでございますけれども、御指摘の通り確かに経済的あるいは社会的な理由で、入院したいができないという者が、要入院の三二%もあるというような調査の結果になっておりますし、あるいはまた感染性のもので入院を要するというものもまだたくさん在宅しておるわけでありますが、そういうものは今後指導あるいはその他の方法によって入院治療できるようにしなければならぬということはもちろんでございまして、そういう点につきましても、公衆衛生局の所属に主としてなるわけでございますけれども、私の方としてもそういう点留意をしまして、努力したいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 あとの質問者もおるようでございますから、結論にいきたいと思いますが、先ほどの話にも出て参りましたし、また全国的な整備計画との関係がございますが、療養センターについての構想を一つ明らかにしてもらいたいと思います。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 療養センターという意味は、一般的な療養所のことだと思うわけでございます。これは先ほど申しましたように、結核の診療あるいは研究などにつきまして、指導的な役割を演ずるような、そういう内容の充実した施設にしたいという考えでございまして、そこへ行けば要するに結核の診療に対しては万全を期せられるというような、そうしてその機関の治療ばかりでなしに、それがその地方におきまする指導的な役割も演ぜられるような内容を持たせていきたいというようなことを考えておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実はこの行管の勧告に基づきまする施設の近代化あるいは整理統合の一環として、本年度から全国二カ所基幹療養所が設立されるということのようでございます。その性格については、今若干お触れになったようでございまして、診療あるいは研究に重点を志向して、他の療養所と若干ニュアンスの異なった方針で進んでいくというお考えのようでございましたが、これは今までいろいろお尋ねをしましたことと若干関連しますけれども、一応それではどういう具体的な計画でどういうような具体的な内容を持った基幹療養所であるか、その辺のお考えをまずお示し願いたいと思います。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 本年度は、御承知のように東京では治療棟と、それから二百五十床の病床を耐震耐火の建築でやっておる。それから九州ではやはり治療棟と、それから二百ベッドの保養所を耐震耐火の建築でやっておる。終局的にどの程度の療養所にするかということについてはまだきめておりませんけれども、相当大きな規模にしたいという考えでございます。  なお、先ほど言い漏らしましたけれども、診療、研究のほかに、結核専門医の養成というようなことも考える。現在、大学で専門医を得るというようなことも困難でありますので、そういう基幹療養所でもって専門医を養成していくという必要があるというように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 私がこの基幹療養所の問題について触れてみましたのも、実はさっきからいろいろ申し上げておりますように、どうも行き当たりばったり的な計画ではなかろうかというふうな感じを強く受けたわけです。と申し上げますのは、基本的な整備計画を作らずに、この基幹療養所を——福岡で申しますと、古賀地区に三療養所がある。それを整理統合したらどうかというような、非常に浅薄な考えから統廃合が行なわれようというふうな感じを強く持つのです。と申し上げますのは、基本的な考え方がしっかりしておってやられるなら、実際どれだけのベッドで、どれだけの規模で、内容はどういう内容でということで、かちっとした方向がはっきりしておらなければならぬ。ただ財源が要るから第一年度はこうだ、第二年度はこうだ、こういう年次計画になってくるのはやむを得ぬと思う。ところが今のお話を聞いておりますと、一応治療棟と、それから二百床のベッドだけは作りたい、先の方針はわからぬ。それだから、さっきも申しましたように、行政管理庁から勧告を受けて回答されておりますけれども、回答と矛盾するような結果が出てきはせぬか。偶然一致することはあるかもしれません。ですけれども今の方針に関すると、また将来問題を起こす一つの大きな原因になりはせぬか。これは福岡の場合メディカル・センターで苦い経験を積んでおるわけです。それからまた古賀地区の基幹療養所の設立の問題をめぐって新しい紛争を起こす危険性が出てきはせぬか。これはそういう事態が起こってはいかぬから、私はそういう事態が起こらぬようにというとこで好意的に申し上げておるのです。政務次官いかがですか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 ただいまの計画的な形において事が進められることはぜひなくてはならぬことと私も同感いたします。ただ過去においてともしますれば、御承知のごとく、また皆様方が御努力下さいましたにもかかわりませず、わが党の厚生行政施設というようなもの、政策というようなものがおくれがちになり、おいてきぼりがちになりいたして参ったのでありますが、本年度からようやく内閣の一つの政策の柱にまで持ってきたのであります。今後は少しくわれわれ自身にいたしましても、事務当局自身にいたしましても自信を持って、勇気を持ってお説のような方向に強く進んでいかしめねばならぬし、行こうと存ずる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 なかなか言葉はけっこうですけれども、実際にそういう方針というものを具体化するためには非常に困難性がある。たとえば診療についてもあるいはまた研究についても、他の療養所と異なって、さらに高度な方針でやっていきたいということでございますけれども、現在の結核医療機関の実態を見て参りますと、これは再三再四今まで申し上げて参りましたように、内容的には非常に欠陥だらけである。そういう実態を振り返って参りましてもわかるように、全く無方針で、この基幹療養所をお作りになっても、その内容が、実際実というものが伴い得るかどうか、私非常に心配するわけであります。その実が伴わなければ実際には仏作って魂入れず、設備だけ近代化されましたけれども、その中身が伴わぬということでありますと、山際何のために国が莫大な金をつぎ込んだかわからぬ。結核療養所で国民にサービスするとおっしゃったけれども、一つも国民の受ける利益というものがないということになろうかと私は思うのです。ただやはり国の方針として、全国に二つの基幹療養所をお作りになるということであるならば、当然その基幹療養所を作る根拠というものがあり、かつまた根拠があるわけですから、どういう方針でどういう規模でどういう内容を持った基幹療養所であるということが明らかにされておらなければならぬ。ところが単に現状では、治療棟を作って二百床を作る、先のことはわかりません、こういうことでは、これは失礼でございますけれども、結核医療に対しましては全く無定見と私は言わざるを得ないと思うのです。結局厚生次官から先ほどお話しでございましたけれども、いろいろ各地における抵抗があるからお示しを願えぬのか、あるいは実際に全く無定見と言われてもいたし方ない、将来に対する方針というものがはっきりしておらぬというふうに理解していいのか、一つ厚生次官から明らかにしていただきたいと思うのです。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 ただいまの点につきましては、先ほど医務局長も御答弁申し上げておりましたように、一つの構想は持っておるということでありますが、それを現実にお示しして御批判をいただくなり何なりする段階にまでまだ固まったものでないと、かように申しておるのでありまして、今ここにあるが、それを示すと各所からいろいろな抵抗が起きて、実施の上において困難を来たすであろうというような先走った心配によって、お示しいたさないわけではないのであります。しかしそれをすぐに、それならば医務局長が答えておった行き当たりばったり主議ではないかというおしかりをいただくかもしれませんけれども、その点につきましてはおしかりをいただきましても、ほんとうにお示しをすることができるほどに固まっていないということは事実であります限り、そのおしかりを甘受するよりいたし方ないと思いますが、しかし全然行き当たりばったりではなくて、構想を固めつつあるというところにあるということを、一つ御了承おきを願いたいと存じます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実は福岡の場合は、基幹病院設立にあたって政府の方針が二転三転しまして、非常に紛糾した経緯があるわけなんです。そういう経緯もございますので、私どもは少なくとも今度の基幹療養所については、そういう轍を踏ませたくない。そういうことになりますと、私どもも中に入っていろいろ配慮しなければならぬという面も出てきますから、過去にもそういう経緯がございますので、そういう轍を再び踏むことのないようにということで実は申し上げておるわけです。特に私ども心配いたします点は、今のような将来の方針が固まっておらぬ、ただ治療棟と二百床だけ作るということになりますと、またいろいろな、そういう方針が固まっておらぬわけですから、従って二転三転して、また紛糾事件が起こってくるというようなことがないかどうか。すみやかに方針を示して——一番大きな問題になって参りますのは、やはり職員の配置等が問題になってくると思うのです。たとえば今まで三つございましたのが一つになれば、当然院長も一人でありましょうし、その他人員の配置という点が問題になると思うのです。そこでもうすでに予算化されて、今年度から第一年度の計画の実施に入ったわけですから、それは別としても、将来に対する方針というものがはっきりする段階にきておるのではないかというように思うわけですが、すみやかに方針を示していく段階になりませんか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 かつての国立基幹病院の場合に御心配願ったようなことから、今度の場合にもそういうことのないようにという非常にあたたかい御配慮をいただきましたことは感謝する次第でございますが、私も今お話のようなことがあってはならないということで、実は先日次長をやりまして現地の三施設とも話し合いをいたしました。行き当たりばったりのやり方ではないかというようなことは決してないのでございまして、私も年次計画でもって相当大きな規模のものにしたいということを言っておるわけです。その場合、将来三つの療養所をどういう工合に統合するかという問題は十分話し合って、トラブルが起きないようにいたしたい、そういう考えであります。これはむしろ三施設からぜひ一つ基幹的療養所を作ってくれ、その辺の三施設に対しては十分連絡をして協調してやっていきたいからという申し入れがございまして、そういうことによってこれを取り上げたわけでございます。その点は十分に気をつけて、協力が得られると思いますので、御心配のないように極力努力いたすつもりであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いつの場合もそうですけれども、そういう話し合いが雲の上で行なわれるわけです。三療養所の方の意向もあったのでスムーズに話が進むという御理解のようですけれども、下部の職員は非常に心配しているわけです。福岡の基幹病院の場合もそうでございました。管理者側と話を進めればすべて話がスムーズにいくというふうな理解の仕方ですから、いろいろ紛糾の原因になると思うのです。今度の場合も、管理者側は厚生省と緊密な連絡のもとにうまく話がいっても、下部との話し合いは何も行なわれておりませんから、そこに非常に問題がある。ところが実際に問題が起こるときは下部が問題になるのです。院長とか所長が問題でなくて、一般職員の問題が紛争の原因なんです。そういう一般職員というものが闘争するんですよ。ところがそういうところとは一つも血が通う交渉が行なわれておらぬ。現実に私が聞いておる範囲ではそうです。そういう危険性があるからこの問題を取り上げていろいろな御所見を承っておるわけなんです。今まで形式的には、機関としては管理者側が代表する形にはなっていますが、突貫的にはそうでない。だから実質的にも、職員側とも十分に話し合いをして計画を進めていかないと、どこか必ず爆発する時点があると思うので、今後は一つそういうふうに一般職員とも納得ずくで話を進めつつ具体的な計画を進めていく、そういう方針をここで確認しておいていただきたいと思います。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 その点も十分考えまして努力していきたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 その点について、実はあそこの三つの療養所には組合らしい組合がないのです。それでそういう話し合いというものが非常にむずかしいと思う。もちろん私はこの際円満に話し合いをするようにという意味からも、管理者側が圧力を加えたり、いろんなことをやるという——そういう事態が起こるかどうかわかりませんけれども、組織内の事情というものも勘案して、できるならば組合の組織化についても十分配慮してもらう、そしてそういう機関を通じて話し合うということにならぬと——私は、何も組合をおそれる必要はないと思うのです。健全なる組合であれば、かえってそれの方が交渉はスムーズにいくと思うのです。単に特定の者と話し合いますと、かえってそれがあとで非常に紛糾の原因となりますので、そういう組織上の面も十分一つ御配慮願って、今御回答願ったような方針で臨んでいただくということをぜひ要望したいと思いますが、その点もいかがでございましょうか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 組合を作るとか作らぬとかいうようなことは私の方で言うべき筋合いでもないと思いますが、今のお話のような下部の——下部といいますと悪いのですが一般職員の意向が十分くめるような形で、幹部だけで話を進めるということのないように、そういう方向で努力したいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 別に医務局長が組合を作るとか作らぬとか、そういうことではなくて、そういう実態ですから、そういう実態というものを十分認識していただかぬと、一定の者だけと話を進めるということになると、それが結局また紛糾の原因になってはいかぬので、十分そういう実態というものの御理解に立って話を進めていただくということをお願いいたしたい、こう言っておるのであります。よろしいですね。今の点は好意的に申し上げておるわけですから、一つ十分御尊重願って、この問題がスムーズに参りますように御配慮いただきたいと考えます。いずれにいたしましても、やはり国の医療整備計画というものをすみやかに御立案願って、そうしてそれに立って的確な行政指導をやっていただく、そして国民医療あるいはまた結核医療の万全を期していただくということが私は非常に望ましいと思うのです。その点が今日明確にされぬということは私どもも非常に残念に思うわけですが、これは他の委員の強い要望等もございますので、一つすみやかにこの方針を貫いていただくということをお願いいたしたいと思いますが、次官いかがでございますか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 お説のように私も同感いたします。ただ残念なことには私は補佐の立場でございますので、私がここでお約束いたしましても、必ずしも河野先生も、安藤覺が約束したから大丈夫とはおぼしめさないだろうと思います。そこで私といたしましてはこれを厚生大臣にお取り次ぎいたしまして、私もまた先生のような考えを持っておることをつけ足しまして、でき得べくんばその方向に推進されるように願っていきたい、かように存ずる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 大臣おられませんが、今いろいろ御質問申し上げたようなことを一つ十分大臣にお伝え願って、そうしてそういう基本的な問題を解決しなければ、幾ら前進する法律と申しましても私は万全を期するわけにいかぬと思う。こういうせっかく前進すべき法律でございますから、そういう方針をりっぱに達成するためにも、その前提条件でございますもろもろの基本的な問題を十二分に御検討願ってすみやかに解決していただくということを強く要望いたしまして、本日の質疑を終わりたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 午後は三時まで休憩いたします。    午後零時四十八分休憩      ————◇—————    午後三時四十二分開議

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。井村重雄君。

井村重雄自由民主党

○井村委員 結核予防法の一部を改正する法律案に関連をして一、二所見をお伺いしたいと存じます。  この法の改正のねらいは、結核患者の登録制を強力に活用するという点で一歩前進であり、かつ公費負担の増額という点で私は非常に歓迎すべきものと考えておりますが、この参考資料によりますと、結核患者の実数が約三百四万となっておりますが、私の考え方ではまだまだ数が多いのじゃないか。どちらかと申せば、近来成人病あるいはガンというふうな問題の対策にとらわれておって、結核の予防対策は非常に看過されておったような傾向があると思うのです。これは非常に危険な問題でありまして、死亡率が減ったからといってこれを見のがしていいはずはないのであります。今日非常に潜在的な結核患者というものが増加しておるのでありまして、この事実に対するお考え方はいかがでありますか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 御意見の通りでございまして、この三百四万と申しますのは、現に医療を要する対象だけにしぼってあります。このほかに約百五十万人の病後観察をしておかないといつ再発をするかわからぬ、あるいは医療を要するような病状になるかもわからぬというのがあるのであります。これを合わせまして四百五十万ということになりますと、国民の約五%という膨大な数で、お話しの通り成人病やガンも大事ではございますけれども、この膨大な絶対数、しかもガンと同様あるいはそれ以上に長期の療養を要する、従ってその間生活あるいは経済の被害が非常に長く大きいという点から見ますと、死亡率等に惑わされず、一そうこれには重点的な関心を払って施策をやるべきだとつくづく感じておりますので、御意見の通りにぜひ向かっていきたい、こう存じております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 今仰せの通りガン及び成人病に対する対策もさることながら、ここに看過できない問題は、日本国民全体の結核予防と患者の発見ということについて強力に筋金を通して、もう一ぺん国民を洗うという必要があると思うのです。従いまして厚生省としてはツベルクリンで反応を見るということ、また非常に戦後関心を持っておられたBCGの注射というものをいかように評価されておりますか、御意見を伺いたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 このツベルクリンによる、結核に免疫があるかないか、あるいは既感染であるかどうかの反応、これは非常に有力なものでありまして、おそらくこれほど広くまた確実に使われているものはないと思われます。非常に価値のあるものであります。これは一そうより多数にできるようにすべきである。それからさらにツ反応によりましてまだ陰性である、すなわち感染しておらぬ、従って菌を一定数受ければ感染発病の可能性のある者、これに対するBCGの効果というものも、これは非常に評価されております。一時問題がありましたけれども、決してさようなものでなく、やはり最近低年令層の新規発病というものがある程度率が減ってきたのは、やはりこれが非常な効果の一因をなしておる、こう確信しておりまして、現在発見されました陰性者の約八〇%に毎年BCGが行なわれておりますが、なおかつ二〇%程度のものは見のがされている。これらもせっかくツ反応をやって発見した陰性者には一〇〇%やって、少なくともこの簡単な方法で予防できるというものは、くまなく予防することが必要と存じますので、現在BCGの薬剤そのものの効果、安定性の改良、それからこれの実施の強化、これは今回の改正とも並行いたしまして一層強化しなければいかぬ、こう存じております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 やはり国民を広く結核の有無を調査し、洗い出すには、適正なツベルクリン反応を求めるということが私は非常に必要だと思うのです。一時これは学会でも非常に論ぜられ、また実地の面においても非常に活用されておったけれども、近ごろはこれがややなおざりにされておるような傾向がありまして、この予防法の改正の機会にうんと実行できるような適正な手段を講じてもらいたい。  いま一つ、治療の方面が非常に論議されておるけれども、予防の面でBCGを打つということも一つの手でありますが、陽転者の対策であります。ことに学童、青少年等のあるいは工場、事業場等における陽転者の対策というものについて、何か画期的な施策でもあるのかどうかお伺いしたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 現在陽転者に対しましては、学会でも大体承認され、また行政的にも十分価値があると思うのが二つございまして、一つは従来から言われておりました陽転者に対する作業あるいは日常生活の規正等の特別な養護、これによりまして一般的に陽転による免疫だけを作って発病に至らぬでこれをなおしてしまう。いわゆる臨床症状を現わさぬごくごくの小病巣のままでなおしてしまう、これが一つ、それからもう一つは、何といいましても最近ヒドラジド剤を中心とする予防内服といいますか、いわゆる小病巣に対する早期治療に学問的にはなるわけでございますが、予防内服、これを拡充すべきであると思います。それがために保険施設という形で今いろいろの保険によって行なわれておりますが、これは将来はできればこの結核対策の立場では正規に予防給付という形で取り上げられまして、堂々とやられることを実は期待しておるのでございますが、これはいろいろと保険の体系の上で一つの問題があるようでございます。われわれとしてはそういうことの実現を実は望んでお願いしておるわけであります。

井村重雄自由民主党

○井村委員 実は陽転者の対策が私は一番結核予防上大切な問題だと思うのです。御承知の通り八〇何%が大体陽転して一年以内に発病する、こういう例が非常に多いのでありまして、その一カ年間をうまく持っていくということが一番大切でありまして、むだな治療に経費をかけたり莫大な公費を使うよりは、この点を非常によく私は指導していただきたい。同時に予防的な意味を持つヒドラジドその他の化学薬品が合理的に社会保険で使えるように、いいと思っているけれども保険の関係があると言わないで、いかに社会保険の費用あるいは国保の費用に結核の治療費が占めておるかということを考えれば、一時むだなようであり非常に大きな経費の負担のようであるけれども、ぜひこの予防薬を保険において使用し得るよう道を開いてもらいたいと思います。少なくともこれは五年待たずして、保険診療の経費負担の上において非常に稗益するところが多いと思いますから、この点一つ聞き流しでなしにぜひやっていただきたいと存じます。   〔委員長退席、柳谷委員長代理着席〕  次に検診の問題でありますが、新入生の学童検診または成年の健康調査というふうなものは現在ある程度強制力を持って行なわれておるのか、それともこれは任意に慣習上で行なわれておるのか、この点はいかがですか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 結核の検診に関する限り、実は法的に強制し得るように、といいますのは、義務づけがこの法律に書いてありまして、結核検診だけはできるようになっております。ただ実績に示しますように現在国民の約半数、四千万程度が毎年行なわれておる実績で、残りが放置されておる。しからばこれに対して罰則的なことによる強制はしないかという点でございますが、これは何といいましても自分の健康を守ってやろうという立法でございますので、罰則によってというほどまでは考えておらぬわけであります。結局衛生教育、こういうことでございます。それから学童につきましては、このほかにさらに学校保健法が一昨年成立しました。これでも義務づけられておる。それから勤労者につきましては、労働茶準法によりまして結核を含めた定期検診を、これは使用主の方にまたダブって義務づけておる、こういうことでございまして、今後もそれらをもう少しよく活用いたしまして一そう検診把握ということをやるべきだと、こう思っております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 これはなかなか複雑であり無理であるかもしれませんけれども、ツベルクリン反応あるいはBCG接種を一番やりやすいのは、やはり義務教育時期の学童の間に何年か続けてやれば、これは全国民に普及するということでありますが、残念ながら今日までツベルクリンの注射は何回も思いつきでやっておられる。従って陽転しておる者でもまた次の機会にツベルクリンをやる。成人検査のときもまたやる、工場検診のときにまたツベルクリンをやる。これは何か指紋台帳のようなもので——これははなはだ無理であろうけれども、ツベルクリンの台帳とかあるいはツベルクリンのカードのようなものを保健所が持っていてそれが本人に知らされて、生涯のうちにそう何回でもツベルクリン注射をやるというような煩を避けて、これが血液型かあるいは指紋台帳のように、はっきりこの人はいつ何日陽転したのだからこれ以上やる必要はないのだ。これはBCGを打ったのだから、あるいはBCG陽転も出てくるかもしれぬからやる必要がないのだというふうに、何かそういうふうな考案を今からお願いができましたならば、さような考案をしていただきたいと思うのであります。  次に、この治療方針で特に一つだけ申し上げたいのは化学療法と外科的療法でありますが、今日教職員あたりが結核で休職を命ぜられて復職する場合には、何か手術ということが復帰の必須条件になっておると私は存じておるのです。あるいは間違いであるかもしれませんが、手術をしてなおしたのでなければ、いかに医者が無菌を証明し、全治したと言ってももとの職場へ復帰できないということになって、非常に不合理があるのですが、これはいかがでしょうか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 教員の治療後の復帰要件というのが、ただいまのところどういうふうになっておるか詳しいことは文部省から聞いておりませんのでその点ちょっと申しかねますが、しかし結核の回復後の一般的な職場復帰の問題となりますと、私どもも非常に重大なことでございます。これは今の仰せのように、もし手術してない者は復帰は危険であるというような条件を付して職場復帰をはばんでおるとすれば、これは非常な誤りでございまして、現在の結核医療学の示すところによりますと、むしろ手術をするようになりましたらおそきに失したので、しかしおそいものでも手術によって完全にはなおり得るということでございまして、それに至る前に適切な化学療法の組み合わせによってなおれば、これは非常にいいことなのでございまして、むしろその方が望ましい。ただその場合に、手術でございますと病巣を取ってしまう。いわゆる内臓の不具を来たしながら病巣が取れますものでございますから、不具状況はレントゲン写真に出ますけれども、病巣のあとも一緒になくなっておる、こういうことでございます。ところが化学療法で固めましたものは、もう現に結核病そのものは完全になおっても、いわゆる燃えがらとして影が出る。それを判断能力なり、あるいは従来の経過資料を十分に見ないで、影があるからいかぬというふうに——これはむしろどちらかというと判定者の怠惰だと思うのでございますが、そういうような便宜性からしばしば影のあるものを省いてしまう、こういうことであろうかと思いますので、こういうことのないように、影はあっても、完全に化学療法でなおったものはなおったものでございますから、その判定基準は一そう精密に、将来にいって不当な、こういうような差別がないようにわれわれも十分努力したいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村委員 これは私の思い過ぎかもしれませんけれども、私の県においては、教職員の場合には確実に手術をやったのでなければ復帰せしめないということの原則をきめておるようであります。しかも私は全治したと証明を、結核菌の培養写真、断層写真、あらゆるものを添えても、特定の指定医師の証明がなければ復帰せしめないという建前になっております。従って現在教職員にある者は結核だと指定されることが非常にこわいから、先般ある学校のごときはかえ玉を使って検診をするというふうなことがある。しかもなおった場合においても、なおかつその特定の医師の証明をもらうためにあらゆる手を用い、場合によれば悪質な贈賄的なことをやってまでも診断書を書いてもらう。それからどうしても手術がこわくていやだからといって、教職員の職をやめていくというふうな者があるのでありますから、これはどうか一つ調査の上、また文部省当局とも十分連絡の上、私に確実な御回答と、両者今後の方針を決定していただきたいと思います。われわれの今日の建前では、あくまで化学療法が主体でありまして、手術療法は補助的なものである、最後の手段だというふうに考えておるのでありますから、この点一つ十分御調査を願いたいと存じます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 実は今の井村委員の御発言について関連をして一、二お尋ねをし、さらに将来に対しまする適切な御指導を願いたいと考えるわけであります。教職員が肺結核に罹患をいたしまして、現場に復帰する際でございますが、この場合にいろいろな厳格な制約がありますことは、今も論議された通りでございます。私の知っております範囲におきましては、現場復帰に対します。県における教育委員会に審査会がございますが、その審査会で一応審査を受けて、そして認められれば現場に復帰するというふうな経緯をたどっておるようです。その際にいろいろ見解の相違が出て参りまして、今、井村委員からも御指摘のようないろいろな問題が派生的に起こってきておるのではなかろうかというふうに私は理解をいたすわけです。ただその際に肺切除をやりますと、今局長からも御答弁がございましたように、病巣がなくなりますので、全く無条件で職場復帰ができるということで、公務員の肺切除を希望する方々が非常に多くなったということははっきり言えると思います。その場合に、やはり今、井村委員からも御指摘がございましたように、その限界を考えておかぬと、結局手術せぬでいいものも手術しなければならぬというふうな事態も起こってくると思う。ところが県の教育委員会あたりの審査会の状況を見ておりますと、必ずしも病巣部を切除しなければ現場復帰の条件にならぬということではないようですけれども、なかなかその辺の限界がいろいろあって、今のような誤解も生じておるのではなかろうかというような、井村先生の発言を聞いておりまして、そういう印象を受けたわけです。そこで私は、審査会で審議をされますその席でのいろいろな見解の相違、これに対する適切な指導が行なわれないと、今御心配のような、だれもかれも肺切除しなければ現場復帰ができぬのだというふうな考え方も起こってくると思う。そこでそういうような行政指導というものが今日まで行なわれておったかどうか、その辺が問題だと思うのです。その点はいかがでございますか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 確かに外科手術は、ひところ——ひところといいましても数年前に、これでなければいかぬという時期がございました。おそらくそれの行き過ぎが現在まで思想的にある部分にまだ行き渡ったのが是正されておらぬのではないか。ただ全般的に見ますと、全体の治療の方法別パーセントから見ますと、外科手術のパーセントは減っておるわけであります。というのは、カナマイシン等も加わりまして、逆に化学療法による治療の範囲というものが拡大されてきて、外科手術に置きかえられる部分が多い、こういうことであろうかと思いまして、一般的には比較的いい傾向を示しておるのでございます。従いましておそまきながら復職基準、ことにいかなる治療をして現在こういう状態にあれば復職できるかという基準は、やはり統一的にある程度示す必要があると思う。一週間ほど前にありました名古屋での日本結核病学会でも、この問題が非常に大きく取り上げられまして、私の方の予防課長もこれに参加いたしました。至急学界としてもこういう行政あるいは社会問題と非常に密接な関係があり、その基礎である学問的な基準となるようなものが要るということで、学界としても近くそれを進行させるようであります。私どもの方も昨年以来この問題に手を染めておりまして、結核予防審議会の医療専門部会の方でも、こういうようなものにも今度は手を出す、今までは比較的治療そのものでございまして、人の縄張りをあまり荒らし過ぎてもというような遠慮をいたしておったわけでありますが、しかし、復職問題は、同時にまた不適正な復職の取り扱いが行なわれますと、再発したり、あるいは両先生のお話のようにかえ玉を使ったり、とんでもないことが起こりますから、これはぜひ私の方も力を注ぎまして、この復職基準的なものはお世話をして作り上げたい、こう存じておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 現場復帰に対しまするいろいろな審査の基準でございますが、これはやはり政府としても統一しておやりいただく方が均衡を失する危険性がなくて非常にいいと私は考えておるのであります。  それからもう一つは、実はさっきも井村先生のお話もございましたが、審査会にかけます場合に、官公立の医療機関の証明がなければ審査の対象にしない、こういう制約があるわけですね。飜って、官公立の医療機関が、これは失礼な話ですけれども、すべてが一般の私的医療機関のその方面の権威者よりもすぐれておるということには相ならぬと思う。何か考え方によりますと、私的医療機関はどうも不誠実、あるいは信用度が薄いというような印象も実は受けるわけであります。ところが実際問題として、官公立の病院が必ずしも——もちろんすぐれておる面もあると思いますが、すべての私的医療機関に優先するという法はないと思う。ところが、現在私の仄聞しておる範囲におきましては、そういう方法がとられておる。これは井村先生から御指摘の通りです。私はやはり、いずれにいたしましても審査会で審査するわけですから、そこで結局正しいか、あるいは不適当な診断書であるかということは検討すればいいのであって、最初から窓口で私的医療機関の証明書は受け付けぬというような方針で臨むということは、私的医療機関を冒涜するもはなはだしいというように考えるわけです。それに対して今までどういうふうな方法をとって参られましたか、また将来どういうふうな方法をとるか、これは結核予防法の万全を期する、そういう意味からも、私はやはりそういう制度の制約は排除すべきだというように考えますが、これに対する解見はどうですか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 入学試験の際に、一昨年やはり特定の保健所長の証明書でなければいかぬという問題が相当起こりまして、これは大学の入学志願者に非常な恐慌を来たしまして、われわれの方に陳情がございました。われわれの考えといたしましては、これは今の職場復帰ではありませんでしたが、同じような意味で、それはおかしい、官公立とかいういわゆる経営体の別じゃなくて、ほんとうをいえば、結核の指定医療機関全部でいいのであるけれども、それでは切りがないので、いわゆる結核の判定能力の上から幾つかその地区でやればいいという意味でありまして、そうなりますと、府県によりましては、国立の大学病院が一位であるという場合もございましょうし、あるいは一般の法人立の病院が一位の場合もあり得るのであります。これはあくまでもその能力によるということで、文部省にも私の方から通知を出しまして、方々の大学でこういう問題を起こしておるが、さようなことでなく、結核の能力でぜひ扱ってもらいたいという希望を出したわけであります。おそらく同様なことがやはり復帰の場合にも行なわれるのではないか。この問題については、今のところ私ども直接陳情を受けたりしておらぬものでしたから、想像はしておりましたが、今のお話もございますので、もしそういうことのために、文部関係なり、あるいは労働省は直接でなくて、おそらく一般企業体と思いますので、なかなか指導を強くするのもむずかしゅうございましょうが、そういう点調べまして、適切にやってもらうようにいたしたい。ことに官公庁自身でも結核の回復者の復帰問題がございます。これは私ども聞いておりますところでは、人事院もそういうようなことはやっておらぬ。正しい診断書であるか、あるいはその職場自身が付属の診療所を持っているところでは、そこでもう一度やっているというような習慣を持っているところがございますけれども、少なくともやっておらぬと思います。さようなことで今後連絡をいたして処理したいと思っております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 この問題について重ねて申し上げておきますが、民間医療者が一年、二年と長らく手塩にかけて全治と証明したものが、他の官公立病院でこれを否認されるということは、非常に権威の失墜になるのです。もしそういうようなもので疑いがあれば、他の病院でなしに、むしろ保健所でやられることは、保健所は治療行為をやっておりませんから、まだある程度よろしいのでありますが、その点はぜひ聞き流しでなしに十分連絡をとっていただきたいと思います。  次に、今日結核の死亡率が非常に減ったことは、その治療技術の向上ということもさりながら、私どもの観点では、日本の国民の栄養が非常に変わってきた、戦後特に動物性の蛋白質、ビタミン類を非常に好んでとるようになってきた、そのために潜在性の結核を持っておっても、これが死亡しないという原因になっておるのでありまして、午前中基幹療養所の問題やいろいろな問題が河野委員から論ぜられておりましたが、社会保険において入院の場合には、結核の治療の食事費というものを特殊に、ある一定の期間扱うことは恩義があると思うのであります。こういうことの御見解はいかがですか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 これは保険の医療費の問題でございますので、私からむやみなことを言っても適切でないと思いますが、結核医療の問題から一般的な見解だけ申し述べさしていただきます。結核医療の場合にやはり必要な病人食を給与するということは、ほかのいろいろな疾患でも同様であると思いますが、確かに必要なことでございます。従いまして、適切な結核の入院医療が行なわれないということが、もし食費負担なりその他の自己負担が影響しているとすれば、これはなるべく減らすということが治療問題からは望ましいと存じております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 今申し上げたのは、これは社会保険給付関係で職権外でありましょうけれども、結核の治療という建前からいえば、現在の社会保険で療養所なりあるいはその他の治療機関に入れても、食費の自己負担をして——これは間食ではありません——補給して現金を支払って、脂肪または蛋白質をとっており、あるいは栄養剤をとるのが結核患者でございます。この実情を私は皆さん方も、また保険局の方も合議されて、少なくとも治療機関と療養機関というものの二段階に分けて、いたずらに社会保険経済に負担をかけてもなりません、また公費負担もむやみに大きくしてもなりませんから、治療機関は、大体この患者であれば何カ月、あとは療養機関というふうな二段制の建前にやっていく。保険経済なりあるいは公費負担を合理化するというふうな考え方で、研究なさる御意思はありませんか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 確かにこの結核の入院治療それから一般の長期の療養ということについては、この時代になりますとやはりかなり精密に合理的にやる必要性を感じておりますので、これは今後の結核治療の中の一つの問題といたしましてぜひ研究を進めたい、こう存じております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 午前中河野委員の質疑の中に、結核治療として国立病院その他を非常に重点的に考えておられるような傾向もありました。もちろん施設の非常に完備し、高度の設備、技術を持った病院と、さにあらざる私的病院がございます。しかしこうしたものの考え方は、やはりよく実情に適応さして考えなければいかぬと私は思うのです。少なくとも今申し上げた治療機関は、民間であろうと公的機関であろうと、高度の医療機関をもって、設備のよいところを指定し、それから再発を防ぐための療養機関は、できるだけ民間医療機関の空床を利用する。これは英国あたりでもいわゆる治療はディストリクト・ホスピタルでやっておる。そして老齢で余生を楽しんで医学に奉仕しておるような人の病院の空床に療養者を預けて、再発を看視している。私はそうしたことにいわゆる治療の点数の相違、先ほど申しました食事給与の差を求めて、治療機関と療養機関と設けて、ここに民間の治療機関と間度の医療機関との有機的な連携を持って、むだでないようにやってほしい。何かしらお互いに官庁が新規事業をやらなければ熱意がないように世間から誤解を招くというような考え方で予算をぶんどって、屋上屋を架するような医療機関をやったってしようがないと私は思うのです。現在私の県においても、相当の国立の結核療養所で多くの空床を持っております。それがクモの巣の張ったまま捨てられておる。従ってこういうふうなものに対して、高度の設備をしたものと後療養のために安価に置くものとの区分をして、合理的にやる方が私はいいのじゃないかと思っておりますから、その点も一つ御勘案をいただきたいと存ずるのであります。  もう一つ重大な問題は、結核菌の耐性の問題であります。今日いろいろ化学療法をやっておりますが、非常に耐性傾向がふえました。現在カナマイシンが利用されるようになったのでありますけれども、このカナマイシンといえども将来絶対耐性がないと言えません。そこで私の非常におそれることは、少なくとも四百何十万の結核患者が潜在しておるのでありますが、この耐性菌を処理できない場合において、将来爆発的な結核患者の増加ということは今から予見しておかなければなりません。私は予言者ではありませんけれども、研究がおくれますと、耐性菌によってある一定の時期には周期的に——日本に赤痢が一時なかったのでありますが、非常に今赤痢がふえております。これと同じく、ある一定時効に周期的に結核患者がふえる時期がある。この耐性菌の研究等について特定の大学あるいは研究機関を指定せしめて、今から厚生省がある程度の費用を持ってこれを研究させるお考えはありますかどうですか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 現在この結核治療、ことに化学療法の中で耐性問題は重大問題でございまして、御指摘の通りであろうかと思います。先般カナマイシン問題があれほど社会問題になりましたのも、その点にあるのでございます。もうすでに従来使っておる三薬併用ではいかんともできないような患者が、重症患者の中で一割以上に達した、それがもうこれを待ち切っておるということであったくらいでございます。従ってまたカナマイシンがそのうちに耐性を持たないという保証がございませんので、一方ではこれらの耐性を持たない新しい有効な薬の研究も必要でございましょうし、それから現在の薬の耐性を作らさないような使い方を広く結核治療に当たる医師に普及させる、これが必要でございます。私どもの方ではこの耐性問題に対しては、結核療法研究会というのをストマイの使用開始以来設けております。大体相当数の結核の専門家をもってする研究会を私の方でお世話いたしまして、毎年ある程度の研究費をこれに補助してやっております。しかしますます重要になって参りましたので、この研究費も一そう増加し、そして今のスタッフも約六十名ほどくらいの有力者が入っておりますが、これも一そう強化いたしましてこれは続けたい。ただいまのお話の特定の大学ということでございましたが、これはもうすでに化学療法研究会の中で分担をいたしておりまして、名のある大学がみな同じテーマを幾つか分担して、それを集めて耐性検査をいたしておるということでございますので、この組織はいいと思いますので、むしろ研究費の増額それからそれに従事する研究班の内容の強化、こういうことで今後進めていきたい、こう存じております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 先ほどちょっと言い落としましたから申し上げますが、職場復帰の鑑定は単に公的医療機関でなしに、それだからといってあらゆる私的医療機関にこれは能力の問題で許せないという場合に、少なくとも断層写真の設備を持っている病院であるならばよろしいとかいうふうな指定を出せば、やはり民間医療といえども今日医療公庫ができたのだから、逐次完全な断層写真のレントゲンの設備もするだろうと思いますから、何かそういうふうな基準を設けることによって民間医療の程度を高める。そしてそれらに権威を与えるということも必要ではないかと思いますから、参考のために御判断を願います。  いま一つ、結核患者のレントゲン写真等の判定による登録制でありますが、この中に私ども研究して参りましたのでは、相当の肺ガンを含んでおります。午前中河野委員から老人性結核の問題がありましたが、この老人性結核の中には相当肺ガンというものがまじっておることもいなめないのであります。そこでこれは多少横道でありますけれども、ガンの研究が非常に重要視されておる時期でありますので、こうした肺結核をレントゲン・フィルムによって判定した場合の、ガンでないということをネギーレンする、否定する何らかの要素を加えるべき基準が今日研究されて、そろそろ顔を出していいのじゃないかというふうなことも一つ御意見をお伺いしたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいまの御指摘は、これは結核を正確に判断する側からも必要であります。それから日本人に今非常に急激な勢いでふえております肺ガンの早期発見の有力な機会にもなるわけで、両面から非常に大事一なことであります。三十三年の例の全国を網羅した結核の実態調査のときにも、七万人のレントゲン所見の中から、三十九件の肺腫瘍を実は発見したくらいであります。これは非常に貴重なものであります。このときには正確な判断のためには、いわゆる結核の専門医だけでも疑わしいということで、肺外科の専門家をも班員に入れました結果、こういう実績が出たわけであります。実はそのときも判定のいろいろな基準をある程度作定いたしてやったわけであります。それにいたしましても、非常にむずかしいものだったようでございます。従って今後できるだけ、まずそのものずばりと、これは肺ガンである、あるいは肺腫瘍である、こちらは結核であるというふうなまでの、だれにもわかるような判定基準というものはすぐには出ないのでありますが、少なくとも、ある程度これは疑わしいというものが、肺の病型分類の中からこれは肺腫瘍の疑いのあるものはこういうものだというくらいのものでも出ますと、スクリーニングするだけでもある程度可能である。これは非常に重要なことだと思いますので、幸いにして、私ども本日も開いたのでございますが、結核予防審議会の中に、私になりまして一昨年から医療部会、さらに先ほど申し上げましたような医学専門的な専門委員会を作っておりますので、これでぜひそういう方面に進むようにはかっていきたい、こう存じております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 最後に医療法関係の中にあるレントゲン技師の免許の問題でありますが、今日各大学等にレントゲン技師の養成所を作って、二カ年くらいの教育課程で国家試験の上で免許を与えておりますが、なかなかこれは非常に要求が高くありまして、入学試験の場合、またこれによりまするいろいろな学科について、二カ年の短期間で法の要求しておる知識を得るということは非常にむずかしいのであります。従って、レントゲンの技師というふうなものは、各病院でもある程度なおざりにされておると言うとちょっと語弊がありますけれども、いろいろ法の意味に沿わない点があると思います。しかし、今日おそらく各診療所、病院でレントゲンを持たないところはないほど普及いたしております。従ってもう一段レベルの低い実用向きのレントゲンの技師と言いますか、何か特殊な名前で言いますか、たとえば三カ年間実地レントゲンの使用をやった者を、ある程度何カ月かの講習によって、準技師というふうな名称でも与えますか、看護婦にも二等階級があるように、レントゲン技師というものに対して、ほんとうに実地に必要なもの、危険防止のために必要なものを的確に把握すれば許してもよいというふうに、何か格別なお考えはございませんでしょうか。この制度では、正規のレントゲン技師の養成はなかなか困難でございます。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 実はこの診療エックス線技師法、これは医療関係者といたしまして医務局で全部所管しておりまして、実際に使われるのは、この結核対策上も非常に関連があるわけでございます。さようなわけで、今後これは法改正を要するような問題でございますので、ちょっとお答えしかねますが、ただエックス線の技師の業務量に対しての不足状況ということは確かでございます。各地で困っておるといううふに思っておりますので、何らかの方法で充足を相当に進めるということについては私どもも必要性を感じておりますので、これは医務局の方にまたお伝えいたしまして、法改正的なことはまたそちらの方から聞くことに御了承願いたいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村委員 それではレントゲン技師に関する法改正の問題は後日また医務局長その他関係委員も出てくる機会もあると存じますから、その際あらためて私は質問いたしますが、やはり結核予防法の間接撮影とか精密検診とか、そういうことに非常に関係があるのですから、これは省内で一つ密接に連絡をとって、ほんとうに実地に間に合って、危険防止さえいけばよいというふうなものがあってもよいはずだと思うのですから、そういう点で一つ研究を願いたいと思います。  以上いろいろ申し上げましたが、もう一つ公費治療の手続の簡素化であります。これが厚真を添えていろいろなむずかしいことをやって、何か判定委員会のようなものにかけて、そうしてこの程度の治療だというような治療の規制をやって出しておるようであります。せっかく公費を十分の八も負担して精密検診をやって感染源を防ごうという結核予防法の一部改正でありますが、これは単なる改正の美名に終わってはだめなんでありまして、やはりこれが実際に利用されて感染源が隔離されなければなりませんから、この公費治療の手続の簡素化ということについては十分お考えをいただきたいと思うのですが、現実はそうでもないようですが、一つ何かお考えを持っていらっしゃいますか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 これは三十五条によります。いわゆる適正医療普及の公費負担と、それから今回非常に大拡大されます命令入所による判定と、二つあるわけでございます。前者の方の年間八十万件ほど行なわれておりますのは、いわゆる保健所単位でやります診査協議会で診査する、これは公費を出す建前で一応診査をするわけでございます。大体今のところ簡素化にはなっておりませんが、いわゆるこういうめんどうくさいことによって、さらにせっかく申請したものが否定されるという件数は非常に減って参りまして、幸いにして最近では、被保険者本人は無理にこれにかけなくてもほかで保護されますが、それ以外を除きますと、大体この申請の合格率九五ないし九七%に最近はなって参っております。しかしそれにいたしましても、三%ないし五%の不合格というのが出ておるのでございますので、それをいきなりやめるわけにいきません。法律がそうなっております。ただそういう場合に、お話しの通りこの診査を受けるための添付掛額なりあるいは記載なり、これはぜひ簡素化をしたいと思っておるわけでございます。今後の機会に、その方のあれは省令等で済むわけで、法律そのものではございませんから、その改正も今後の機会にあわせて考えていきたいということで作業中でございます。  それから三十五条の方につきましては、これはもう今度の趣旨に合ってできるだけ基準をきめておきまして、入院基準というようなもので、同じく審査会にはかかると思いますけれども、それで処理していく。ただその場合、医学的の問題は大してそうごめんどうをかけないで、むしろ社会的の因子の方が今度問題になるわけでございますから、さような意味で、簡素化の線で扱っていきたい、こう存じております。

井村重雄自由民主党

○井村委員 医務局長が見えたのですが、先ほどのレントゲン技師の問題なんですが、実際はレントゲンが非常に普及しておる。また放射線の害毒というものも相当行き渡っておる。またいろいろな電気関係の危険性もあるというので、このレントゲン技師法というものができ、それを伴って施行令もできておるようでありますが、しかしこれを入学二カ年の養成期間で国家試験にパスしていくというのは非常に困難でありますからして、こういう法律に要求する高度のものもさることながら、もう少し実用的な簡易な方法で、たとえばある開業医でレントゲンを三年間やって、相当の予備知識があれば、これを三カ月か五カ月か講習をやって、それには無条件で仮免許のような形にするか、準技師という形にするか、そうした方がかえって、もぐりで普通のしろうとを使ったり、看護婦にスイッチを入れさせたりするよりいいのじゃないかと思いますが、そういうことに対する法改正の意思はありませんか、お尋ねいたします。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 現在御承知のように、レントゲン技師は約八千ほど全国におるわけでございますが、現在このレントゲンの技術者は、むしろ程度を上げてくれないかというような要請を受けておるわけでございます。そして現在全国的に見まして、それほど足らないという声は、私どもの方にはあまり届かないのでありますが、地域的に見ますと、必ずしも均等に行き渡っていないというような点があると思います。現在は、そういう程度を少し落とした準レントゲン技師と申しますか、そういうものの養成はまだ考えておりませんが、研究さしていただきたいと思います。

井村重雄自由民主党

○井村委員 それは日本に今八千おるとすれば、診療所がどれくらいあって、レントゲンがどの程度普及しておるかという実情を考えれば、八千というのは、大学とかあるいは国立その他高度の医療機関におけるレントゲン技師であって、民間医師の場合においてはたして技師がおるかどうか、どれほど危険性があるか、じゃそんな危険なことはやめたらいいじゃないかという逆説も起こるけれども、これはむしろ医者がやるという建前で、看農婦なんかを入れてやらせておるという現実に目をおおってはならない。そういう程度を高くするというなら高くしてもいいけれども、やはり実用的な技師というものを置いていくことが非常に必要なのであって、もし民間において、そういう程度の高いものをはたして現在の医業経営の上において養えるかどうか、そういうことじゃなしに、現実にも少し考えて、もう一段下の技師を作って、勉強してまたそれが高級の技師になり得るという通を開いてもいいと思うのですが、そういう簡単な頭をなでたような答弁でなしに、ほんとうに研究してもらいたいと思うのです。実際は、私たちもいろいろ県内を歩いてみまして、少なくとも高校程度の電気科を出たような者で、三年くらいやらしても、なかなかここに書いてあるような基礎医学的な——私たちも現在試験を受ければ必ず落第するであろうというむずかしい問題で、しかもほとんど医者に相当するような基礎医学をおさめなければならぬので、これはなかなか通りませんよ。そういうことを一つやはり考えていただかなければならぬと思うので、どうか考えていただきたいと思います。  いろいろ申し上げましたが、この結核予防法の改正が単に有名無実に終わらないように、先ほど申し上げましたような、いろいろ全体をよく検診のふるいにかけて洗うということ、それから単に予算がないからというふうなちゅうちょによって、せっかく希望ある者が入院できないようなことのないように、いわゆる官庁事務的な、予算がないからというふうな考え方でなしに、できるだけこの法が実効を上げるようにしていただく、しかも私が先ほど申しましたような、単なる死亡率の減少に満足しないで、これが間違いを起こせば必ずいつかは週期的に爆発的な結核の蔓延も出てくるであろう、この潜在の無自覚結核の治療ということについても万全を期していただくこれを重ねて要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 今井村委員から御質問のございましたレントゲン技術者の問題について、きょうは局長がおいでですから、一つ医務局長にゆっくり御見解を伺いたいと思います。  このエックス線技術者が——今、井村先生からもお話がございましたように、国際放射線防護委員会で放射線防護に関する基準が非常にきびしくなった。このことはとりもなおさず、エックス線技術者に対していろいろ肉体的な障害をもたらす危険性のあることを意味しておるというふうに私は考えるわけです。ところが実際にそういうような危険を冒して聖職に従事しながら、報いられるところが非常に少ない。この点は、今レントゲン技術者の数の問題についていろいろ井村先生からお話がございましたが、やはりそれに関連してきはせぬかと考えるわけであります。そこで一例をあげますならば、たとえば先般もちょっと触れましたが、その節は公衆衛生局長から御答弁を願ったわけですが、きょうは本命である医務局長がおられますから、お伺い申し上げたいと思います。それは准看護婦で十七才が八千五百円、それからエックス線技師で二十才、これは九千三百円の給与ですが、これが二十五才になりますと、どういうふうなことになるか。准看護婦の場合は一万四千七百円、それでレントゲン技術者の方は一万三千八百円、こういうような形になるわけです。ある程度熟練してきますと、今申し上げますように、准看護婦の方が給与が上がる。もちろん准看護婦も技術者でございますけれども、エックス線技術者の方は、これは一生その業を職務とし、しかも先ほど申し上げますように、国際放射線防護委員会でも問題になっておりますように、非常に危険性がある。そこできょう午前中の論議の中にもございましたように、結核予防の万全を期していく、そのために療養所が近代化される、あるいはまた設備が拡充されるということはけっこうでございますけれども、それには内容の実というものを伴っていかなければならぬ。ところが、一例でございますけれども、これは福岡県のエックス線技術者の給与でございますが、今申し上げますように、だんだん不合理が生じてきておる。これはさっきも公衆衛生局長との間でもいろいろ質疑を交換いたしましたように、たとえば療養所で将来肺切除、外科療法等の技術者が非常に要求される。おそらく基幹療養所の構想の中で、結核専門医の養成をはかりたいというようなこともその一環だと思うのです。と同時に、このエックス線技術者も優秀な人、これは当然施設の近代化と同時にそういう内容についても検討していかなければならぬ。その場合に、実際問題としては、その解決の前提としてやはり処遇の問題が非常に大きな意義を持つと思うのです。これは先般の委員会では次長さんから、実は五月、六月ごろには審議会で結論が出てくるので、大体給与の改善をはかりたいというような御見解もあったようですけれども、一つ局長も十分お聞き取り願って、今後善処すると同時に、そういう善処の中から結核対策の万全を期していくという方向を私どもも確立していきたいと思いますので、そういう点に対してどういうふうにお考えになり、またどういうふうに善処をなさっていかれようとしますか、この際御所見を承っておきたいと思います。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 エックス線技師の処遇の問題でございますが、今給料表で比較いたしますると、経験年数が一年未満のときには、准看が八千六百円、エックス線技師の方は九千三百円でございまして、年々給与はよくなりまして、一応この表でいいますと、経験年数二十年までとってみましても、やはり准看の方がエックス線技師よりもだいぶ悪うございまして、准看が経験年数二十年の者は二万一千七百円、エックス線技師は三万一千円、こういうふうになっておるわけでございます。今のお話は経験年数よりも年令のお話があったように思いますが、年令でいきますと、今お話がございますように、多少エックス線技師の方が落ちる点がございます。この点は医療制度審議会の中に医療関係技術者の部会ができるわけでございますから、そういうところで一度よく検討していただきたいと思っております。決してレントゲン技師を粗末にいたすつもりはございません。大事なものだと思いますから、よく検討いたしたいと存じます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 レントゲン技術者を粗末に取り扱う考えはないということはわかるわけでありますが、それを具体的に示してもらわなければならぬ。ただ粗末に取り扱う考えはないというだけでは、それでは実際に経済上どうにもならぬ。一銭も上がるわけではないから、そういう基準というものを具体的に給与ベースの上にはっきり表わしていただくということがきわめて重要な問題だと考えるわけです。そういう点について、具体的に五月か六月に審議会の方で結論が出るということでございますが、見通しはいかがですか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 見通しはまだはっきりいたしておりませんけれども、そういう数やあるいは質の問題あるいは処遇の問題などがそこで検討されることを期待しておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これはやはり国際的な国際放射線防護委員会なども、基準を厳格にしなければいかぬと定めておりまするように、技術を尊重するというだけの問題のみならず、そういうような場合、エックス線による障害ということも当然考慮に入れなければならぬわけでございますので、一つ早急に結論が出てくるように促進していただきますると同時に、今の気持を具体的に給与ベースの上に表わしてくるように、ぜひ御努力を願いたいと考えております。  あわせて私は、療養所勤務医師の治療研究費の問題についてもぜひ御善処をいただかなければならぬと思います。もちろんそれも若干新年度から増額されて支給されますることも大体承知をいたしておりますが、しかしそれだけで解決いたしません。やはり基本的にそういう医療職の給与ベースというものを考えていただかぬと、単に治療研究費というこそく的な問題だけでは、私は将来の問題は解決しないし、そのことがひいては結核の医療対策に対して一つの大きな障害になるわけでございますので、治療研究費を増額していただくことももちろんけっこうでございますが、抜本的な解決をして、給与体系の問題について今後も一つ御善処を願わなければならぬと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 療養所の医師の処遇が悪いということが前から指摘されておりまして、そのために今だいぶん努力したつもりでございますが、一般公務員が一二・四%平均して上がったのに、医師はおそらく二三%くらい上がったと思います。しかしまだ民間医師に比べると、なお少ない点があると思いますので、そういう点は今後改善に努力するつもりでおります。研究費は、御承知と思いますけれども、一人当たり一万八千円が二万五千円になりまして、その点だいぶ改善されております。療養所の、ことに結核をやる医師が非常に少ないわけでありますので、処遇が今後とも改善されていくように努力して参るつもりであります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 議事進行に名をかりて発言いたしまするが、私は、きょうは質問をするつもりで前々から準備をしていたのでありますが、大臣がお見えになりません。ここでしばしば論ぜられている結核対策の問題を承っておりますると、厚生省内部における厚生行政の面で、どうも私は結核対策の一貫性がないということを痛感いたします。これはやっぱり公衆衛生局、医務局、社会局、保険局というふうに、全部に関連してくるのでありまするから、各局の中で意思の統一をはかるなり、また対策の面においても、私は一つ大いに連絡を密にしてやっていただかなければならないと思うのであります。公衆衛生局の方では、特に今年度は予算を増額して入院の対策も強化していくのに、一方医務局の方では、結核患者は減ったから病院を縮小していくというがごときは、厚生省内部における各局の一貫性を欠いている顕著な例だと思う。そういう意味において、きょうは両局長だけでは私の質問をするわけにはいきませんので、この問題は来週に持ち越して、厚生大臣と公衆衛生局長、医務局長はもちろんでありますが、保険局長、社会局長の四人の局長の御列席の上に私の質問を開始いたしたいと思いますので、その意味において、本日は質問を留保いたしたいと存じますから、御了承願いたいと思います。

柳谷清三郎自由民主党

○柳谷委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十二分散会

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