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38回国会衆議院1961/04/12

社会労働委員会 第26号

発言数
53
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/04/12

会議録

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 これより会議を開きます。  厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑を許します。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私は今ここに具体的な事実に基づいて、どうしても緊急性を要しますから、早い機会に文部省、労働省、厚生省、この三省が協議してはっきりした対策を講じてもらいたい、こういうような意図で、初め職安局に就職の状態、雇用の状態、こういうような点について聞いたあとで、児童局にその実態についての報告を求めたい、こういうように思っておったわけです。   〔委員長退席、柳谷委員長代理着席〕 しかし審議の都合もございますから、私は委員長に協力する意味において児童局の方からお伺い申し上げていきたい、こういうように思います。  児童福祉の面に入るわけでございますが、戦前の児童保護行政と申しますか、これはもうすでに御存じの通りに、はっきり区分されていました。不良児の感化、教護、それから児童の虐待防止、孤児の収容、こういうように大体分けられておったようですが、戦後そういうようなものだけにはとどまらないで、新憲法の制定と福祉国家建設という理念のもとに、子供の幸いのための基本方向というものがはっきり定められたわけです。この点は私があえて言う必要もないほど御存じの通りだと思うのです。昭和三十六年には児童憲章ができましたし、三十四年の十一月には国連の第十四回の総会で児童権利宣言、こういうようなものも発せられたはずです。これに基づいて厚生省等においては、相当の施策を考え、もうすでにこれを実施中であるかのように伺っておりますが、この問題について児童局としては、中央児童福祉審議会の答申があるはずですが、これに基づいてどういう行動をしておるのか、計画をしたのか、また実施はどの辺までやっておるのか、これをまずお伺い申し上げます。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 ただいま御質問にありましたように、児童局の児童行政といたしましては、終戦後児童福祉法が制定され、また昭和三十六年に児童憲章が制定され、さらにまた一昨年国際連合におきまして児童の権利宣言が採択されまして、これらの線に沿いまして児童福祉のために努力しておるような次第でございます。特に御指摘のありました中央児童福祉審議会の答申でございますが、児童権利宣言が国際連合で採択されました直後に、厚生大臣から中央児童福祉審議会に対しまして、この際児童行政のためにとるべき施策につきまして諮問をしたのでございます。その結果、昨年の八月にその答申がございました。要保護児童対策の積極化、近代化、人口の資質向上の対策、あるいは母子福祉の対策の推進、さらに児童福祉行政機関の整備というような大きな四項目につきまして答申がありましたので、昭和三十六年度の予算案の編成につきましても、その線に沿って努力したような次第でございます。その結果、本年度の新しい施策といたしましては、要保護児童対策といたしましては、いろいろな施設の整備、あるいは従事職員の待遇改善の問題、あるいは施設に入っております児童の処遇の改善の問題ということにつきまして、新規にいろいろと予算を計上したのでございます。それから新しい母子福祉対策の推進というような面もございまして、児童扶養手当制度を新設することにいたしまして、法案を提出しまして、御審議をいただいているような次第でございます。  次に児童の資質向上と申しますか、健全育成の面におきまして、一つは母子衛生の面において、本年度新たに新生児の訪問指導、あるいは三才児の一斉健康診査といったような新規の事業を進める等、母子衛生について努力いたしております。健全育成の面といたしまして、機構対策の一環として情緒障害児施設等を新設するといったような新政策を織り込みまして、これらの新しい施策につきまして、児童福祉法の一部改正の法案を本国会に提案いたしまして、御審議をいただいているような次第でございます。  以上おもな項目だけについて申し上げたのでございますが、お話にありましたように、児童憲章あるいは児童権利宣言の趣旨を体しまして、今後児童福祉行政のために、まだまだ十分ではございませんので、努力して参りたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大体四つに区分しまして、人口の素質向上対策、第二には要保護児童対策の積極化、近代化、母子福祉対策の強化並びに促進、それから児童福祉行政機関の整備をそれぞれ行なっている。大体こういうような答弁のようでございますが、私は、それはまことにけっこうであるから、これからなお一生懸命にやってもらいたいということを前提にして、じゃ次の方策はどうしているのだということをお伺いしたい、それは人口の素質向上対策という点、この中では今申されましたようないろいろな問題もございまするけれども、その中の重要な点は、少年の非行を防ぐためにいろいろの早期発見並びに早期治療対策を推進するということもいわれておるわけです。こういうような点についてはどのようなことを考え、実施しているのかということが一つです。それと青少年及び家庭に対してのレクリエーションの機会を与えるように指導し、関係施設や事業を体系的に全国的に整備する、こういうようなことを皆さんの方で言っておられます。もう一つは、児童権利宣言の規定に従って児童手当の制度を検討する、こういうようなことなんですが、これに付随して、皆さんの方ではっきり申しておることで、この児童福祉施設の画期的な拡充整備をはかって、施設の従事職員の養成及び処遇の改善、児童措置費の向上を行ない、要保護児童を近代的雇用への就職ができるように職業補導施設を整備する、こういうふうなことも皆さんの方ではっきり明言しておるわけです。はたして今言ったような四つの点をどのように具体的にやったのか、まずお知らせ願いたい。その中で特にこの要保護児童の近代的雇用への就業ができるように職業補導施設を整備するという、この点についてはどのようなことをしたか、一つ詳しくお知らせ願います。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 少年の非行対策につきましては、早期発見、早期治療ということが一番大事なことでございまして、このためには児童行政の第一線の機関であります児童相談所、それから児童福祉事務所といったようなところを中心にいたしまして、警察当局あるいは学校当局あるいはその他の関係の団体等と協力しまして、早く発見してこれの対策を講ずるということが必要であると考えております。  今年度新たなる施策として考えましたのは、今国会にただいま提案中の児童福祉法の一部改正に織り込んでございますが、情緒障害児短期治療施設というものを新設するという計画を立てております。これは児童の、特に低年令層の非行というものは、家庭における人間関係その他のもつれからいたしまして情緒障害を起こしておるために非行に陥るという場合がほとんどでありますので、そういう情緒障害を起こしておる児童を早く発見をしまして早く治療するならば、今後さらに大きな非行に陥ることを防止できるというように考えますので、これを新たに取り入れることにいたしたのがこの新しい施策のおもな点でございます。  それから第二点に御指摘のございました家庭のレクリエーションの問題、これは中央児童福祉審議会からもただいまお話しの通り御答申があったのでございますが、ただこの問題は何分にも児童局だけでどうしようというわけにもなかなか参らないいろいろ関連がある問題でございますので、あるいは年金の還元融資でありますとかあるいはその他の国民宿舎を作りますとか、あるいは勤労青少年のレクリエーション等につきまして労働省あたりと十分協力していくというような面につきまして今後さらに考えて参りたいということで、本年度の施策としては具体的には私どもの方としましてはまだ取り上げる段階に至っておりません。大へん残念に思いますが、今後その線で進めて参りたい、かように考えております。  それから第三点の、児童手当制度でございますが、これは御承知のように、欧州の各国におきましてはこのような制度が社会保障制度の一環として取り上げられておるわけでございまして、わが国の社会保障制度のいろいろな面で欧州各国に取り上げられておるようなやり方をやっておるわけでございますが、本格的な児童手当制度というものは遺憾ながらまだわが国にないわけでございまして、今回本国会に提案しております児童扶養手当法案はその一部と考えられるわけでございますが、生別の母子世帯を主としました扶養手出制度を創設したい、かように考えております。なお今後本格的なと申しますか、一般的な児童手出制度につきましてはさらに検討を進めて参りたい、かように考えておるのでございまして、中央児童福祉審議会の中に、この児童手当のための児童の特別の部会を設けまして、そこで御審議を願おうということにいたしまして、目下その委員の方の人選中である、このような段階でございまして、私ども児童手当制度は直ちにこれに着手するということは非常にむずかしい問題があると思いますが、基本的な問題といたしまして検討を進めていきたい、かように考えております。  第四点の児童福祉施設の関係でございますが、給与の問題につきましては大臣からもたびたびお答え申し上げましたように、施設に従事する職員につきまして補正予算で約一一・九%、それから本予算におきまして七・五%の本俸のベース・アップを行ないました。それから期末手当につきまして昭和三十五年度の当初は一・五カ月分でございましたが、公務員並みに三カ月分ということに本年度から相なることになりました。それから薪炭手当並びに寒冷地手当につきましては、従来なかったのでありますが、これも施設の職員に今年度から新たにつくことになりまして、おおむね手当の面におきましては公務員並みにというところまで参ったような次第でございます。  次に、この収容児童の近代的雇用の問題でございますが、答申にもありますように、今後収容施設を出ます児童につきましては、できるだけ近代的な産業に技能者、技術者として就職できるような方向にいくことが一番必要なことであり、適当なことであるというように考えておるのでございます。実は今年度の予算編成にあたりまして、そういう施設を出ます児童のための特別の職業補導施設を設けたいということを考えておったのでございますが、労働省の職業補導訓練所との関係もあり、また予算の折衝中のこともございまして、十分これを実現するまでには至らなかったのであります。今後、私どもこの近代的雇用を推進するための一つの方法は、労働省にあります。般の職業訓練所にこういう施設を出ました子供が行きまして、十分な訓練を受けて近代的な雇用に入り得るようにすることが一つの大きな道であろうかと考えます。この面におきまして十分やっていけないというような障害がありますれば、私どもの力として特殊な施設を別に考えなければならないであろう、かように考えておるような次第でありますが、今後さらに労働省とも打ち合わせまして、この面で努力して参りたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それで、まだこれで本論に入っていないのです。私が今聞きたいことで大体集約されてきたのは、前におっしゃったような第四の児童福祉行政機関の整備の中で、特にこれは児童の健全育成対策に重点を置く方針だということでしょう。それともう一つは、今、答弁がございましたように、これははっきりと非行に陥ることを防止するために、家庭の情緒障害に対して、これを充実させること、こういうふうな考え方で行政を進めていくのだ、こういうふうにおっしゃっておられるわけですから、おそらくは非行少年の面でこういうような点を気をつけていかなければならないという点は、具体的に厚生省で知っておられるわけです。それに対して、はたして完全に実施しておるかどうかというような点は、まことに憂慮にたえない点があるのではないかと思うのであります。その点を今ここで質問申し上げたいのですが、その前にここにあなたの方から提出された「厚生の指標」というのがあります。この財団法人厚生統計協会から出ておりますところの「厚生の指標」の中で、いみじくも児童福祉の問題を取り上げまして、二十六ページに児童相談所の活動状況、昭和三十四年度の分を載せております。その中で、経路別の受付件数の中で警察関係の通告によったものが、パーセンテージだけで申しますと一七・二%、それから学校からの相談が一一・八%、親戚、親、家族からの相談が三一・三%、あとは割合にこまかい数字が出ているわけですが、おそらくはこういうふうにして、いろいろと相談状況の経路が、どこが重点であるかということはこれではっきりわかるわけです。さてもう一つ、その隣の方に、具体的にどういうようなことを相談したかというと、一番大きいのが触法行為になっておりまして、これが一二・八%、その次が教護相談の一〇・八%、そのほかにも健全育成相談というようなのもありますが、これはよくわかりませんが、触法行為、教護相談、これが割合大きいパーセンテージを示しておるということ、こういうようなこととその処理件数の点等からいたしまして、はっきりここに出ておるのは訓戒誓約によったものが五・九%であって、児童福祉司の指導によったものが五・一%、そのほかたくさんございまするけれども、児童福祉施設に入所させたのは九・九%、あとのほとんどの五五・三%に当たるものは助言指導によって完全になっておるというデータが出されてあるわけです。これによってみましても、いかに今申しましたようにいろいろな非行に陥ることの防止が必要であるかということがデーターで明確なわけです。この方面に対する手を抜いてはいけないと思うのですが、こういうようなデータによって皆さんの方でははっきり対策を考えたと思うのですが、今のような非行に陥ることを防止するための家庭の情緒障害を充実させるという点、こういうような点にからんで具体的にどういうようなことをやっておるのか、一つお知らせ願いたいと思います。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 非行少年の問題につきましては、確かにこの近年非常に通知して参りまして、終戦後昭和二十六年が一つのピークであって、その後逐次下がっておったのでございますが、数年来またさらにそれが増加いたしまして、昨年度、昭和三十五年度におきましては終戦後の最高記録を示しておるような状況でございます。この点世界各国の共通の現象ではありますが、私ども非常に憂慮にたえないところと考えておるのでございます。もちろん児童局の児童行政だけでこれをどうというわけには参りませんが、警察あるいは学校その他の関係方面と連絡しまして、この対策をぜひ講じていかなければならない、かように考えるわけでございます。私どもの行政の第一線機関といたしましては、ただいまお読み上げになりました統計に出ております児童相談所が中心になるわけでございまして、この児童相談所のさらに下におきましては福祉事務所、さらにまたその第一線の機関として児童委員がおるわけであります。児童相談所が主となりましていろいろな相談を受けて、その子供の心理学的な、あるいは医学的な判定をいたしまして、これに必要な助言指導を行なう、あるいは必要なものは施設に入れる、こういうことになるわけでありまして、最も重いのは、いわゆる少年院、これは法務省の関係になるわけでありますが、児童局の関係といたしましては教護院に入るのが重い方の子供になるわけでございます。十四才未満の児童につきましては刑法犯罪になりませんので、刑法に触れる行為を行なった場合には、触法行為というように言っておりまして、この触法行為の暗いものにつきましては教護院に入れる、こういうことになるわけでございます。この非行対策の一環といたしまして、このような非行に陥る初期のころ、あるいは陥る前にこれを早く発見いたしまして直すということが大事なことであるというように考えるのでありまして、先ほど申し上げました情緒障害児童短期治療施設というものを今度新たに法律に入れ、また予算で補助の予算を組むことしになったのでございます。これは家庭の崩壊その他によりまして、感情の上にゆがみの出ました児童がこういう非行に陥るというように考えられますので、そのような情緒障害を来たしている児童を早くそういうような施設に入れまして治療して参りたい、かように考えておるのであります。  なおこの問題に関しましては、各省の連絡協議機関といたしまして、総理府に青少年問題の協議会もございますので、そのような面におきましては、各省と十分絡連をとって進めて参りたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大体わかりました。そしてほんとうにこれはいいデーターを出してくれたものだと思って、私はこれを読んで参考になった。この中で、今おっしゃった児童相談所で、今度いろいろの相談内容について年次別にその推移の統計を現わしてくれているのが三十五表に載っている。これによると、厚生省がこれだけの数字を出していながら、いまだに今のようなことで将来のことを言っているのでは困るのじゃないかと思われる点が明確なんです。それは昭和二十九年度で、これはパーセンテージですが、教育相談が二〇・六、三十年には二一・四、三十一年には二五・〇、三十二年には二六・七、三十三年には二九・一、三十四年には二九・二、これはウナギ登りにずっと上がってきているのです。従って必要性というのは、二十九年以前から数字によってもデータによっても明確に現われているわけです。これの対策を今六年、七年越しでやられるということになると、少しこれでもおそ過ぎたんじゃないかとさえ思うわけですが、こういうようにすでに必要なことははっきり載っておりますから、厚生行政のきめのこまかいということが今の皆さん方の一つの誇りなんですから、こういうようなことは、今気がつかないよりはいいのですが、おそ過ぎたのじゃないかと思うのです。その一つの具体的な例が、つい最近起こったのです。と申しますのは、もうすでに相当調べられておりますから、もう少し詳しいデータは追ってもう一回やりたいと思うのですが、今私の手元にあるデータによりますと、これは年令別に各女給の年令を調べてみた。これは札幌市です。ところが驚いたことには、悪質な児童福祉法違反の事実が明確になってきた。と申しますのは、これは現に学校教育を受けている中学校の生徒がキャバレーにいって働いておって、そしてそれの中には売春婦になっておった者もおるということが今回警察の手によってはっきり明るみに出されてしまった。これは教育上の問題でもあり、これは全部皆さんだけでできる、処置すべき問題であると私は断言しませんが、しかしながらこういうようなことがはっきり公表されておる現在の状態において、私としては、この対策ではもう手抜かりがあったんじゃないか、北海道の札幌に起きただけの一つの例で済まされる問題であるかどうか、これは大きい問題だと思うのです。これと同じような問題が名古屋にも発生しております。おそらくは東京あたりには数え切れないほどあるのじゃないかと心配させられるほどです。まだこういうような具体的な例によって明るみに出ておりません。しかしながらこういうような逮捕して後に業者を調べ、またその児童を調べた結果、これらもウナギ登りにふえる見込みだ、検挙がふえる見込みだということをはっきり新聞で報じてあるわけです。こういうような対策がもう出て、業者でもう検挙されているわけです。こういうような状態がもう札幌に発生し、これが今では札幌、小樽間では大きい問題となって、教育上の問題はもちろんですが、今言ったようなきめのこまかい厚生省の行政の中で、はたしてこういうようなことがほったらかされておっていいものか。相談所はどうなんだ、福祉事務所はどうなんだ、民生委員は何を活動しているんだ、こういうような声がほうはいとして上がっておるのです。こういうような事実について、はたして皆さん知らなかったのか、知っていたのか、またあるとすればどうするのか、こういうようなことに対して、はっきりした見解を述べていただきたい。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 ただいま御指摘のありました札幌の例につきましては、実は私どもまだ承知しておりませんで、ただいま初めて伺ったような状態でございます。そのようなことがございますれば、これは児童福祉上まことに遺憾なことでございます。児童福祉法にも、法律の上で「満十五歳に満たない児童に酒席に時する行為を業務としてさせる行為」は禁止行為になっておる、それに該当する。それから売春の問題につきましては、売春防止法でも何でございますが、児童福祉法といたしましても、「児童に淫行をさせる行為」というものを禁止行為にいたしておるのでございまして、ただいまおあげになりました例は、これらの児童福祉法違反になるように考えるのでございまして、私ども関係のところで十分それらを発見するに至らなかったということは大へん申しわけないことと存じますが、今後警察当局とも連絡いたしまして、こういうことの起こらないように努力して参りたい、かように考えます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 前に私は児童憲章からその内容までいろいろ聞いたのは、そういうような点において欠けている点があっては困るから、現在どういうふうに措置されているのか。それを全部聞いてみたら、こういうような対策はすでに万全なはずです。今の答弁で明確なんですが、依然としてこういうのが起きている。これを私があえて指摘したいのは、これをはっきり皆さんの手によって更生させるか、施設に入れて補導するか、または他の方法によってこれを完全に指摘されるというならば、私はあえてこれを問題にする必要はないと思うのです。ところがそういうような組織は全部あるでしょう。児童福祉委員もいるはずです。民生委員もいるはずです。うらはらになってやっているはずです。それから児童相談所も保健所もある、福祉事務所もあるでしょう。そういうように網の目のように張っておりながら、こういうようなことが警察によってなぜ検挙されなければならないか、組織なんですか。これではたしていいんですか。今までの答弁によれば完全じゃございませんか。それなのに依然として下部からこういうような声が新聞種になって話題になり、問題になって現在いるんですよ。こういうようなことに対して、今後気をつけますといって、百年河清を待つとは申しませんが、だから二十九年からこういうようなデータがあるのに少し怠慢じゃないか。私が言ったのはそこなんです。法で取り締まるというならば、これはできますよ。児童福祉法の第三十四条第一項第五号によって「満十五歳に満たない児童に酒席に持する行為を業務としてさせる行為」に対しては一年以下の懲役、または一万円以下の罰金、これくらいのものです。また同じように第三十四条の第六号で、十五才未満の児童に売春させる行為に対しても罰金、罰則がございます。これを見ても、十年以下の懲役または二千円以上三万円以下の罰金。これを検挙されて、業者が何と言っているかといういうことなんです。札幌市でこういう十数名の女子中学生を雇用して、たらい回しにしているような事実が明るみに出された場合、業者は、こんなことはよその市でもざらにあるのですと平気で言っていることも発表されているのです。一部分じゃなく、よその市にもざらにあると業者が広言している例がある。名古屋にも同じような例がありましたということです。知らない例もたくさんあるのじゃないか。これを今後やらせます。直させますくらいじゃ、まことに私は心細いと思うのです。それで今申されましたような下部のそういう機関が平常、こういうものに対して監察指導に事欠くことがないのかどうか、これを皆さんの方ではどのようにして指導監督しているのか、この点等についてもう少し具体的に知らして下さい。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 厚生省といたしましては、先ほど来お話し申し上げましたように児童相談所、あるいは児童委員さらに福祉事務所という組織になっているわけでございますが、現実に盛り場等の現地につきましていろいろな実態を調査するというところまでは——もちろん努力していろいろな機会にやるようにはいたしておりますが、常時そういうところについての監察、目が行き届いているかと申すと、必ずしもその点まではいきかねておる面があろうかと思うのであります。これらの点についてはどうしても警察当局等の御協力もいただかなくてはならない面がありますので、私どももさらにこれらの実効が上がりますように今後よく注意して参りたい、かように考えます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣がまだ来ておりませんが、優秀な政務次官がおられますから、私はこの際こういうような問題について厚生省の態度としては、これは社会的に大きな問題であり、この際はっきりした見解を表明しておかなければ、今は学童が卒業し、就職する時期ですから、こういうようなときにこういう業者をばっこさせるようなことは、一つの社会悪の根源を作り上げるようなものじゃないか。今局長が答弁されましたが、厚生当局も重大な決意を持って、こういう問題に取っ組まなければならないのじゃないかと思うのですが、次官のこれに対する御所見を私は承りたいと思います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 島本先生の御質問に対しまして、ただいま児童局長が答えましたところのものは、児童局長として所管しておる権限内のところにおいてお答えしたことと存じます。しかしその児童局長の答えておりまする中に、児童相談所あるいは福祉事務所あるいは児童委員というような機関もあります。これらの機関に対してでも魂のこもった行政がされれば、もう少し御指摘のような点について対策も立ち、また救うこともできるのではないかと存じます。これはこれなりに今後児童局長のもとにおいて、さらに魂を入れて活動していただくように何らかの措置をとらせたいと存じます。さらに他の文部省あるいは労働省あるいは警察等に関連する問題につきましては、大臣にただいまの御意見等もお伝えいたしまして、何らかの機会において総合的に対策を立てていただくように努力いたしたい、かように存ずる次第でございます。

井村重雄自由民主党

○井村委員 関連して。ただいま島本委員から質疑のあった非行少年の犯罪の問題で私も一つ御意見を申し上げ、また御提案も申し上げて御所見を伺いたいと存ずるわけであります。  先ほどいろいろと少年院とか教護院あるいは警察関係の問題が出ましたが、非常に鋭敏な青少年の時期に警察に事をゆだねるということは、これは非常に大きな間違いでありまして、問題はむしろ予防するという、予防措置を講ぜなければだめだと思うのです。いたずらに法律でもってこれを縛っていく、何パーセントというパーセンテージをもって警察がこれを取り締まるということは、私は問題だと思うのです。そこで私は先般厚生省を尋ねていろいろ申し上げたのでありますが、この問題で一つ提案をいたしたいのであります。児童相談所、児童福祉事務所、児童委員というふうに、いかにも系統立った行政組織はありますけれども、真実はあまり効果を上げていない例があるのです。私の例を申し上げて恐縮でありますけれども、何といっても小学校、中学校の通学区域のPTAの役員あるいは学校の先生が、児童の性格あるいは家庭の状況を一番よく知っているのであります。そこで私のところで、戦後戦災及び海外引き揚げ児童のみが約八千名ぐらいの人口が一区域に引き揚げてきて兵舎へ入ったわけです。ところがわずか六器、八畳の間で家族がおります。しかも両親とも勤労家庭で働きに出る、子供は放課後家へ帰れば万引をやるとか、賭博類似行為をやるとか、非常な非行に陥ったことがあります。そこで私は児童の家、子供の家というものを作ったんです。そうして学校の先生を担任させて、そういう両親とも勤労に従事しておる家庭では、両親が家へ帰るまでその子供の家で、先生及びPTAの役員が預っておって、両親が五時半なり六時に帰ったときに列を組んで家へみんな送り届けるということを行なって、少年の犯罪がほとんど絶無の状態になったのであります。それをこれまでわずかの市の予算及びPTAの予算で運営いたしておったわけであります。ところがPTAの予算の負担が不可能になったために、わずかの市の予算と、それからいろいろ苦面してやっておったのでありますが、先般低学年の四年までの児童は児童福祉法の保育所の特殊扱いとして措置費の予算をいただいたのでありますが、五年以上、中学校の子供を収容してそれをやっているのに対しての予算措置費が全然どこにも見当たらないのです。おそらくこういうような行政組織そのものよりは、民間人としてボランテァーの仕事としてほんとうに熱心にやってくれる人が一番いいと思います。通学区域単位が一番いいと思います。そうしたことについて、これは労働省の関係にも子供の家というわずかの予算もありますが、どうかぜひ一つ厚生省、労働省、文部省あたりが、この際思い切ってこの青少年犯罪の増加の問題にからんで、一つなわ張りをはずして、ほんとうに国民なり児童を思うならば、こういう形式的な法律があるとか福祉法がどうのこうのと言っておらないで、真剣に私はやってもらいたいと思うのです。どうか一つ私のそういう例もごらんになって、子供の家の運営というものは、PTA及び学校の先生がいかにうまくやって、犯罪の絶無を期したかという実例をどうぞ御調査になって、わずかの予算で済むことですから、一つぜひ三省がなわ張りをはずして懇談してやってもらいたいと思います。これは特に政務次管にも最高のトップ的な考え方で、来年度は実現に努力していただきたい。これだけ関連して質問して、その御所見を承っておきたいと思います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 貴重な御体験を承らせていただきまして、われわれども大いに啓発されるところがございました。ぜひ具体的にその実情をも見せていただく機会を得まして、われわれどもにおきましても、そういったよりよき効果を上げられる方法については取り上げていきたい、かように考えるわけであります。

井村重雄自由民主党

○井村委員 先般児童局長にもその実情をよく話しをし、これは戦後間もなくですから相当の歴史を経ておるのでありまして、私は全国的に相当施設を誇っていいものだというふうに考えております。また予算がないので、中央青少年問題協議会の方へ参りまして、いろいろ話しましたが、あれは一つの調査機関であるからということでありましたが、お互いに非常に深い関心を持っておるのであります。私どもも青少年のこの問題について非常な関心を持ってやっておるのでありますから、どうか一つ今の御答弁をよく御記憶になって、具体的に研究していただきたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それで、なお今のような問題について進んで質問申し上げたいと思うのです。  文部省と厚生省と労働省の三省あたりが、こういうような問題についてはっきりした討議をする機関、相談し合う機関というものが今までなかったのかどうか、それからそれに対して厚生省の方としてはその必要を今まで感じなかったのかどうか、このことについて一つお伺いいたします。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 現在青少年問題につきましては、御案内のように総理府に中央青少年問題協議会というのができておりまして、国会議員の方も参加されました委員会ができております。この協議会の中に文部省あるいは労働省、厚生省、農林省、警察庁、自治省といったような関係のものが入りまして、青少年問題一般につきまして各省の連絡協議を行なっております。非行問題につきましても、もちろんこの協議会におきましていろいろと議論されまして、中央青少年問題協議会が全国で特にそのような非行多発地区と申しますか、問題の多い地区を指定いたしまして、それらの地区において特別濃厚な指導を行なうという態勢を整えております。各省もそれに協力するという態勢をとっておるところであります。昭和三十五年度から始めた事業でございますので、まだ十分実績が上がっておらない面もあろうかと思いますが、地方におきましてはこれによって非常によくなったといって喜ばれておるところもあるような実情でございます。そのような総理府における協議会を中心にいたしまして、関係各省連絡を随時とりながら、この面の施策を進めて参る、かような態勢であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういうふうにしてりっぱな機関、りっぱな運営をしながら徐々によくなっているというのですけれども、依然としてやはりこういうような事態が起こってきておるというこの事態を、もう少し前向きの姿勢で掘り下げていかないといけない。おそらくこういうような家庭は情緒の点で欠けている点があろうと思われるのは当然です。しかしそれだけの問題じゃなしに、経済的な問題も相当あるのじゃないか。またこういうような経済的問題を度外視して、勝手に少年少女だけが独走に近いような、こういうことをあえてしているような向きは私は割合少ないと思うのですが、この重大な要素を占めると思われている家庭の生活環境、こういうようなものについても、組織があり法律があるのだからそれでいいということではなしに、もっともっとあたたかい思いやりを込めたような指導をするのでないといけないと思う。おそらくこういうような人はおもしろ半分にやっているものじゃない。業者がたらい回しにしてそういうような人を集め、使っておった。それを民生委員やそういうような下部の人たちがどうして知らないのだろうか。それも学校の生徒なんです。文部省がいないからわかりませんが、長期欠席というのははっきりあるはずです。そういうような場合は、今おっしゃいましたが、PTAとの関係もあるはずなんです。まだ義務教育を受けている子供なんですから、こういうような子供に対してはもう少し総合的に指導してやるのでないと、ちょっと仏を作っても全然魂を入れないような結果になるじゃありませんか。今のようにして総理府に幾らそういうような組織を作っておってもこれはだめである。少しよくなっても、これは決定的、抜本的な対策を講じたということはちょっと言えないのじゃないか、私はそう言わざるを得ないのです。そういうような家庭状況です。それに対して予算なんかも十分組んで、今度だけは厚生省は大いばりでやれるはずだと思っているのです。そのあげくの果てにこういうのがばんと現われてきた。これは厚生省自体としては、予算の手前まことに恥ずかしいような事例なんです。家庭状況の問題、またいろいろ困っている人たちの問題、こういうような問題をもっと深く、あたたかくこれを掘り下げてやる面を忘れてはならないと思う。現われているこういう事犯だけをつかんで、これを非行少年であるからということは、若干現実の面からいえば酷に過ぎる点もなきにしもあらずと思います。こういう家庭状況に対して、こういうようなことのないように、どのように考えて今度やろうとするのか。おそらくは少しあなたの範囲を越す問題じゃないかと思いますが、しかしこの際二人しかいませんから、おそらく安藤さんが大臣であるならばあなたは次官という襟度を持って、この際この問題については代表して取っ組んでもらいたい。これについてどう思いますか。一応それぞれの立場からはっきりした答弁を承ります。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 ただいま御指摘のありました札幌の例のような場合は、むしろ本人の非行の問題云々というよりは、その家庭の問題なり、あるいはそういうことをやらしている業者の問題であるというように考えられるわけでございます。もちろん経済問題もからんでいるのではないかというように思われるのでありまして、これらの面につきましては生活保護等の問題あるいはボーダー・ライン層対策の問題といったような面の施策を進めていかなくてはいけない、かように考えるのであります。  それから本人の問題である非行問題につきましては、必ずしも家庭の経済と結びつくわけでもない。貧困家庭が非常に非行が多い、貧困でなければ非行がないといったような問題ではないと思われるのでありまして、経済状態におきましては中流以上の家庭でありましても、やはり親子の関係でありますとか、あるいは両親の関係その他の家庭環境からいたしまして、子供の心理上のゆがみが生じまして非行に陥っていくというような例もあろうかと思いますので、これらの面につきましてはやはり心理学的な、あるいは精神医学的な面の指導、助言、治療といったようなことが必要であろうかと思います。御指摘のありましたような家庭環境あるいは業者の問題、それから本人に対するいろいろな指導の面、両面からこの問題を特に今後検討して参りたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それと合わして、今の局長の立場から今言った答弁はわかるのですが、ここでまだ厚生省としては重大な手落ちもあるのです。ここに労働総覧が私の手元にありますが、この労働基準法の第六章女子及び年少者という章の中の第五十六条、それ以下ずっと基準監督署のこれに対するいろいろな監督指導の義務が載っているのです。こういうようになった場合には、年令等によってそれは当然監督しなければならないし、指導しなければならないし、こういうようなものが長期行なわれているということは監督行政の怠慢になるのではないかと私は思うのです。これはどうなんですか。これは児童局長では無理かと思うのですが、安藤さん並びに皆さんにお伺いしたいと思うのですけれども、こういうふうなことが行なわれたということは完全に労働基準法に違反することははっきりしておりますが、この下部機関のこれに対するはっきりした怠慢が明確に現われた結果ではないか。ましてこういうようなことが送検さえもできるような状態にある、監督署ではなしにこれが警察の手によってはっきりやられたということは、何としても怠慢のそしりを免れないと思う。こういうようなことに対してどういうようにするのですか。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 御指摘のような大量の非行少年、非行少女というふうな問題が出て参りまして、しかもそれが警察官の手によって検挙されるまで一切おかまいなしだということになるといたしますれば、先ほどもお話がありました局長の答えておりましたような相談員あるいは福祉事務所、相談所というものがあるおりからでございますし、もう少しそこまで至らぬ先に目を届かすべきものであろうと存じます。それが及ばなかったとしますれば、それはお説の通り監督が十分でなかったということを認めざるを得ないと存ずるのであります。しかしそれはそれなりにまた児童相談員なり福祉事務所なりというものに、組織の上においてあるいはその職務を与えられておる条件の上において、まだ足りないところがありとしますならば、それらについて今後十分改善を加えていかなければならないだろうと思うのでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 もう一つこれについて、重大な一つの施策の漏れていると思われる点があるわけです。それは監督署はもちろんのこと、保健所もやはりこういうような下部末端においては相当権限を有しておるところでもあり、また福祉事務所、児童相談所というようなところも、それぞれ網を張っておるわけなんです。こういうところの予算は、保健所の場合は、政令市並びに都道府県によって組まれ、行なわれているのでしょう。そういう方の予算措置を見ますと、衛生行政そのものが、現在の状態では、地方自治体で組んでいる基本は完全に収益優先なんです。収益の上がる方には予算をよけい組んで肝心のこういうような指導だけで金を使う方には予算を組んでいないのです。こういう収益優先のような状態では、いかにこっちの方で組織を作り、法律を的確にやろうとしても、最後には警察にお世話になるよりしようがなくなる。皆さんの力では、局長が言ったように、りっぱに組織がありますから何とかと言っても、今のような状態でやられた場合には何もならないじゃないですか。これを指導しようとしたって、予算もない。予算もないどころか手当もない。ないところに行ってくれといっても、そういう人はよほどの人でないと、それは親身にやる人もあるでしょうけれども、行政上手抜かりがないといってばんとしておれないと思うのです。この収益優先によるところの行政の根本に関して、今後どういうようにしてやろうとなさっておりますか。大臣並びに局長の意見を伺います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 まさに御指摘の通りでございます。残念ながらわが党の歴代内閣は、やがて利潤を生んでくる方面にのみ多く予算なるものが使われて参りました。しかるところ、皆さん方には御不満であるかもしれませんけれども、この内閣になりまして、今まで慈善事業的に金が余ったから社会施設に使うという建前を捨てまして、内閣の施策の三本のうちの一つにこれを入れて参りましたことは、今までの収益優先を幾らかでも修正してきたことと存じます。この方向に乗って、次の段階においては、御指摘のありました点等について、さらにわれわれも手につばして努力していきたい、こんなふうに決意いたす次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 今政務次官の方からほんとうに声涙下るような決意を表明されましたので、今後の対策の点につきましてはその言葉を私もすなおに信用申し上げ、そしておそらくはこういうようなことが根絶されるように、ある場合には予算措置、行政指導の面に十分気をつけて実施してもらいたいと思います。それと同時に、おそらくは機構があるのであるからという単なる安心感の上に立った、そういう機構の上にあぐらをかくような児童局であってもらいたくはない。やはり今後下部末端がどういうように動いているのか、そうしてまた皆さんがおそらく政令によってちゃんと委託されているいろいろな機関があるはずです。またそうでない直接やっている機関もある。自治体が請け負ってやっている機関もある。こういうような全般に対してもう少し熱心に指導し監督するのでなければ、おそらくこういうような憂うべき状態の根絶はできないと私は思います。このたびのこの問題については、警官によってでなければこれがあがらなかったというこの事態は、まことに私は残念なんです。これは、文部省もまだ来ていないからこれ以上進められませんが、この問題については、私としては、厚生省の立場はわかりました。しかし、厚生省の立場だけでなく、文部省があり労働省がある。労働省の場合には今集団就職を指導してもっていっているのです。こういうような立場で、これにまた似たような例も私の方で調べ上げてきてあるのです。従って、もう少しこれと突き合わせて解決したいのですが、厚生省だけしか来ていなくて、あとは何としても誠意を示してもらえないので、まことに残念なんです。私は、労働省並びに文部省に対しては、明日でもすぐこれを招致してもらってはっきりやっていきたいと思っておるわけですが、この点について委員長はどういうふうに取り計らいますか。

柳谷清三郎自由民主党

○柳谷委員長代理 今の問題については、追って文部省並びに労働省について適宜取り計らいます。ただ、労働省からは雇用安定課長がお見えになっておりますから……。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それでは続行いたしますが、第一、呼ばれて早く来ないのはどういうわけなんです。それについてまず先に申し述べて下さい。今まで一時間余りこれをやっていても皆さん来ない。おそらく二時間前にあなたは招致を受けているはずなんですが、何のためにおくれたのか、はっきりさせて下さい。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 今日午前中、十時に参りましてお昼まで待っておったわけでございますが、なかなか開かれる模様もございませんので、一たん役所に湿りまして、午後からほかに会議がございましたのでそこに出席して、もしお呼び出しがあったならばすぐ伺うからということで連絡をとっておきました。ところが、私は岩本町の方で会議があったものですから、自動車が混雑して、またちょうど追突事故がありまして、やっとたどりついたわけでございます。おそくなりましてまことに申しわけないと存じます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 ただいまのきめのこまかいいろいろな釈明がありましたから、その点はまあ一つ了承した上で質疑を進めていきたいと思います。私は、いろいろ前後はいたしましたが単刀直入に聞きますから、その点一つはっきりしたデータに基づいて答えてもらいたい。  本年は、御承知のように義務年限を終えた中学生並びに高校の生徒、こういうような方が就職の率が割合に高くて、ほとんど一人もはずれた人もないほど、またある状態によっては一人で数カ所から就職を持ち込まれておるというような状態があるかのように聞いておる。これはまことに私はいい状態だとは思っておるのですが、本年の青少年の就職の状況について、どういう状態でありますか、一つお知らせ願いたいと思います。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 三十六年三月、新規に学校を卒業した卒業者の職業紹介状況は、もう二月末日現在で全国的な数字がまとまっておりますので、これをお答えいたします。  中学校の卒業者につきましては、求職者が、男女合わせまして三十七万四千八百人、それに対しまして、求人が百四万八千七百人、かように求職者に対して求人が約三倍近い数字を示しておるわけでございます。高等学校につきましては求職者が六十一万五千五百人、それに対して求人が百二十六万八千六百人、これも今度は二倍というふうな求人の殺到ぶりを示しているわけでございます。従いまして、いわば引っぱりだこというふうなことになっておりまして、二月末日現在ではっきりと就職が決定いたしました者は、中学校において三十万八千六百人、これが二月末日現在において就職が決定しております。それから高等学校におきましては四十四万九千人が就職が決定しております。あとは三月に卒業いたしまして就職が決定することに相なりまするので、内定を含めますれば、もちろん完全就職というふうな見込みでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 このような年少者の就職の状態がよろしいということは、池田総理あたりも大いに誇っているのです。石田大臣なんかも、これは景気がよくなってきたのだし、自分の努力のせいだとは言いませんが、この点も大いに誇っていることなんです。現在のデータに現われたところによりましても、こういうような状態であるならば私としてはまず大いによろしい、こういうようにはっきり申し上げてもいいと思うのです。ただこういうようないい状態をそのまま完全なものであるということにして、こういうような年少者の就職をあっせんしてやり、それが一定の職についたならば、労働省としてはこういう年少者の点については、もう就職をあっせんしたのだからあとは全然かまいませんという態度で放置してしまうのか今後も定期的に何か観察または指導しているのか、この点について伺ってみたいと思います。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 学校卒業者の職業紹介につきましては、まだ職業経験もございませんので、特に学校と協力いたしまして就職前に職業指導というものを行ない、そして職業紹介をいたし、それから就職後も学校の先生方が行なう就職後の補導と歩調をそろえて協力いたしまして、公共職業安定所の職員が職業紹介の一環として就職後の補導ということを行なっておるわけでございます。大体定期的に訪問するとか、文書によっていろいろ指導をいたしますとか、あるいは一つの会場に集めまして、お話しをしたり。レクリエーションをしたりするような、そういった試みもいたす等、いろいろな方法で就職後の補導もできるだけ実施しておるわけでございますが、何分人員不足の関係あるいはその他の関係で、十分というふうなわけには参らぬかもしれませんが、就職後の補導ということについてはできる限り心がけておるつもりであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 今ちょうど時期ですので、学業生が集団就職という手段をとられて、そういうような点もいろいろとあっせんいたしておられるのじゃないかと思うのですが、本年の集団就職の状態はどういうふうになっておりますか。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 先生の御質問は、青森県なら青森県という他府県からよその県に集団的に赴任してくるというふうな数字はどんなふうになっておるかという御質問かと存じますが、本年三月のほかの県からの就職者の数につきましては、もう少したってからでないと全国的な集計がまとまりませんが、昨年度の卒業者の、よその県から赴任してきた者の数を見てみますと、高等学校、中学校合わせまして二十二万九千というものが、よその県からよその県に就職しておるというふうな数字を示しております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 二十二万九千人が大体移動就職した、こういうふうな状態のようでございます。その行き先はたいがい農村または漁村から都会に来るのか、または何か特別の業態、こういうようなものに大挙して行くようになっているのか、大体これはどの方向なのでしょうか。そういうような点がわかりましたら、これも大いに今後の議論を進めるために参考になるのですが、お知らせ願いたいと思います。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 これは大体の動きといたしましては、東北地方は東京、神奈川、そういった関東の労働市場地域に移動し、それから九州、四国方面は京阪神の労働市場地域に大体流れている、こういったような大きな分かれ方をしております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういうような場合には、やはり東京、神奈川方面または京阪神、この方面だとすると、勢い何か大きい業態かまたは現在大いに繁栄している個所に対する、男女を問わない就職あっせんになるのじゃないか、こういうふうに思いますが、そういうような方面からいろいろな状態で苦情を受けたり、またその職に耐えられなかったり、本人の意思を無視しても、ある社会的に忌避されるような仕事を強要するような例があったかないか、こういうような点について、知っている限りお知らせを願います。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 職業紹介は、あくまで求職者の職業選択の自由というものを尊重いたしまして、昔の職業紹介法のような強制配置というふうな観念は全然跡をひそめております。あくまで本人の持っておる能力に適する求人者に紹介するというふうな観点から、職業紹介を行なっておるわけでございまして、本人の望まない、また本人の能力に適しないところにこれを強制的に配置するというふうなことは全然行なわれておりません。これは当然なことでございます。それからまた求人者につきましても、かつての動員時代のように、ある産業について一つの軽重をつける、この産業は非常に重大である、この産業は重大でない、それに充足のランクをつけるというふうなことはいたしません。法令に違反しない求人条件であるならば、それをすべて受け付けて、本人の能力に適した、本人の職業選択の自由というものを尊重して、公平に職業紹介をするというふうなことになっております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 昨年北海道の農漁村の婦人たちが、ある地方へ季節的に集団で就職してきたことがあるわけです。ところが婦人であるがために、その後うちへ帰らないでどこかいかがわしいようなところへ売り飛ばされた、こういうふうな例が発生した。それが当然道から送り出す場合には個人ではございませんから、このあっせん機関と一緒になってこういうような運動を進めている北海道の漁業協同組合連合会、こういうような方面では、自分らが出してやった漁村の婦女子がこういうことになったのであろうか、もしそうならばわれわれわの方としては今後は考えなければならないが、どういうような状態か東京まで出てきて、この状態を調べなければならない、こういうように言っておったのですが、その後、そればわれわれの方から出たそういうようなんじゃなく、他の方面から行った人であるというので、北海道の方では一応これに対する調査を打ち切った、こういうような例があったわけです。こういうようにして集団で就職する場合等においては、やはりある程度の保証、ある程度の指導を厳格にやっておかないと、とんでもないことになるのじゃないか、親は親で、集団であるりっぱな機関があっせんするのであるから、これは雇用者の自由な契約であるとは申せ、ある程度の安心感を持ってみんな送り出してきておるはずなんです。こういうようなことについて、やはり最後まで見届けてやるような熱意があってほしいものだ、こういうように思いますが、私が今言ったような例に昨年ぶつからなかったかどうか、知っている限りこういうような事例についての発表を願います。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 ただいま事例として出されたような、いわゆるいかがわしいようなところに婦女子が紹介されたというふうな事例は、安定所がもしそれを取り扱った職業紹介であるとするならば、これはまことに私は遺憾なことであり、十分今後注意しなければならない問題であると思いますが、おそらくこれは安定所で取り扱ったものでなく、別な求人の広告とか、あるいは何か違反の募集員によって連れてこられてそういうところに就職したのではないか、安定所が紹介するという場合には、法令に違反するような、また公序良俗に反するような求人は受け付けなくてもよろしいというふうな法律の規定もございますし、また国の機関がそんないかがわしい求人を受け付けるわけはないわけでございます。ただしこれが非常に遠いところからの求人であって、だまされて、調査が不十分であったという場合があるいはあるかもしれません。しかし全国五百の安定所がございまして、電話その他の方法によって絶えず連絡をしておるわけでございまして、その点はたして安定所が紹介したものであるか、それとも安定所以外の募集によって就職したものであるか、その辺のところをもう一回お尋ねしたいと考えます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私の言ったのは、北海道の農村漁村では、冬になると女性が割合に余ると言っては失礼ですが、手があきますから、その場合に大挙して集団でこっちの方へ季節的な就職のあっせんをする、こういうようなことなんです。当時この問題については、若干本人との関係があるかもしれませんが、こういうような問題で少し緊張したことがあったわけです。それが北海道には関係ないということでうやむやになって、調査を停止した、こういうようなことがありましたから、こういうことがあっせんの中に数々あるならば今後重大な注意を喚起しなければならないということで今聞いてみたのですが、皆さんの方では知っていないならば、今後こういう集団あっせんをする場合には、季節労務のいかんを問わず、こういうような点についても十分監督指導するように注意してもらいたい、このことを私としては申し上げておきたいと思います。  なお私の方では、本来ならば文部省と厚生省にも聞き、皆さんの場合は全体的にこれがどうなっているかを今聞きたかったので呼んだわけですけれども、やはり現在の内閣のいろいろな施政の方針からしても、今後農村漁村からの人口の移動ということが当然考えられるし、そういう場合は、東北、北海道は東京中心、その他関西ならば京阪神方面、こういうふうなことになると思います。そういうような場合にも十分に注意してやって、こまかいところまで、人権をじゅうりんするまで注意せいとはもちろん言えませんが、それに入るほどの熱意を持ってでも十分指導してやってもらいたい。ことに年少者の場合には、監督の行き届かない場合においては社会悪を構成するおそれが十分あるわけですから、この点は注意してもらわなければならない。こういうようなことについて大臣からも皆さんの方には十分言われておると思います。本年はこういうようなことに対して、年少者として義務教育の中学校卒業以前はだめでしょうが、それ以後の中学校を卒業した人たちの就職の場合に対して、労働省側ではあっせん機関を通して十分に監督指導しておるものかどうか、これはどうなっておるのか、一つお伺いしたいと思います。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 職業経験に乏しいそういった学校卒業者等の職業紹介並びに就職後の補導等につきましては、ひとり安定所だけでなくて、労働基準監督局なり、あるいは婦人少年室というふうな方面あるいは学校方面と連絡をとりまして、その万全を期するように努力しておるわけでございますが、特に昨年から職業安定協力員というものを全国に二千人配置いたしました。これは特に農山漁村等におりますそういった若い職業経験のない人々が就職をする場合に、いろいろその相談相手になったり、安定所への取り次ぎをやったりしてもらうような方で、その地方の信頼ある人格の高潔な方に労働大臣が委嘱いたしまして、安定所の補完的な役割をやってもらうというような制度を作ったりいたしまして努力しておるわけでございますが、なお先生の御指摘を受けましたようなことは実に重大な問題でございますので、さらに一そう努力いたしたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 労働省においてはそういうような点を十分沈思してやってもらいたい。なぜ私がこういうようなことを聞いたかというと、直接あなたの方の関係ではございませんが、卒業期に十数名のまだ中学校に在学中の者が集団でキャバレーやバーに勤めておったことが、福祉関係の機関からではなくて、逆に学校の先生の方から、そういうような件についての投書があり、警察権が動いてそういうような事実をようやく発見してやったことを、今厚生省で問題になった。当然これは文部省の問題になるのです。こういうようなことがあったので聞いたわけですが、年少者の場合には十分皆さんも今後気をつけて、あたたかく指導してやってもらいたいということを心から私はお願いしておきます。  なお委員長にこの際申し上げますが、今言ったようにしてせっかく呼び出しておったのですが、労働省の場合はおそくとも来て、きめこまやかな釈明をしたからそれでいいようなものですけれども、文部省の場合にはまだ来ておらない。こういうような問題は、在学中の問題でもあり、これはもうすでに卒業期を控えて、おそらくは、業者の言によれば、一札幌付近だけの問題ではなしに、各都市にあるのだということを明確に言っておる。取り調べた結果、警察の言でも、これはほんの氷山の一角である、こういうようなものがたくさんあるのだということをもうすでに新聞に発表されておる。現に在学中の者であるならば、これは文部省としてはそういうようなことを知って指導しなければならないはずの問題です。まことにこれは重要な問題です。文部省が今来てないままにこの質問を終わらなければならないのですが、委員長、この問題はどういうように処理するつもりですか。

柳谷清三郎自由民主党

○柳谷委員長代理 すみやかに期待に沿うようにいたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 すみやかにということは、あすということを意味しておるのですか。

柳谷清三郎自由民主党

○柳谷委員長代理 できるだけすみやかに向こうの都合を聞いて……。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それではきょうは、これで一応留保して終わっておきます。

井村重雄自由民主党

○井村委員 関連して一、二点お尋ねいたしたい。あるいは職安関係を離れておるかもしれませんが、きわめて島本委員の質問とよく似ておるのでありますが、ことしは雇用関係が労務者が非常に逼迫しておる。そこで中卒あたりをいなかの山深いところでありますが、勧誘して、予約金的なものをやっておるのですが、あれは給料の前払いと見られるか。あるいは下手まごつくとこれは人身売買的なことになるのではないか。これに対する見解にはいかがですか。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 自分の工場の労働者にせんがために安定所、学校等を全然経由しないで個別訪問をして労働者の募集をするということは職業安定法違反でございまして、もちろん、手抜かりはあるかもしれませんが、わかり次第これに対しては厳重な追及をしなければならぬと思っております。  それからなお就職が内定した、そして赴任する場合の支度金として、家庭を訪問してその父兄に安心感を与え、自分の工場のいろいろの模様なんかを聞かせ、そして支度金の一部として置いてくるというふうなことは、これは給料の前払いではなく、支度金として支給しておるようなところもあるやに聞いております。ただそうでなく、全然募集のために安定所を経由しないで不特定多数の家を個別訪問して労働者の募集をするのは、これは明らかに違反行為であります。

井村重雄自由民主党

○井村委員 なるほどそれは支度金または旅費というふうな善意に解釈できる面もありますけれども、今日、いろいろ自分の考え方がよくでき上がっておる大学生あたりに、一年前から奨学金という程度でやっておくのは非常によいのでありますけれども、比較的貧困な農山村の家庭を訪れて、育英資金であるのか予約金であるのかわからないような金を出すというようなことは、これは非常に今後の労務者の逼迫につれて悪い現象が出てくると思うのであります。こういう点についてすみやかに見解を統一して、その弊害が出ない先にこれはやっていただかないと、非常に間違いが起きると思うのです。もう一つは、そういうふうな予約ができ上がると、夏休みあるいは学年末の休みに見習いというような状況で従業させる、こうした場合に、今日交通事故等でいろいろけがをしたというふうな実例はないでもないのです。こういうふうな場合の災害補償とか、そういうふうな場合はどう解釈されますか。これはあなたの方ではないかもしれませんけれども……。

木村四郎労働事務官(職業安定局雇用安定課長)

○木村説明員 夏休み等を利用いたしまして、実習生というふうなことでアルバイト的に働かせるというふうな事例も確かに聞いております。その場合に、そのことによってはっきりとその会社に就職しなければならないというふうなことにそれを追い込んでいくことは、これはあってはならないことでありまして、あくまでそれは実習であり、その実習の結果、その本人がこの工場はいいと思えば行くでありましょうし、悪いと思えば行ない。あくまでその本人の職業選択の自由を尊重すべきものでございまして、夏休み中にいろいろ実習という名目でやっている間に、その工場に勤めなければならないというふうなことに追い込むことは、これはあってはならないと思います。これについては相当業者に対しましていろいろな方面から厳重な指導を加えなければならぬと思います。  それから災害が発生したような場合の責任の所在はどうであるか。それはやはりそのケース、ケースによってどういうふうな契約でその実習をせしめるか。起こった場合には会社が持つとか、あるいはそうでないとか、学校側で責任を持つとか、そのケース、ケースの契約によるかと思いまして、その実習せしめる場合には、そういった面の契約をはっきりせしめておくという指導が必要かと存じます。

井村重雄自由民主党

○井村委員 単に一時的なアルバイトならこれは問題はないので、個々の契約でいいのでありますけれども、おおよそ来年の三月卒業するのだから、ともかく自分の会社へ勤めろという黙契がほとんどでき上がって、実習というよりは、むしろ会社に魅力を持たせて放さないという程度で、賃金を払って、そのためにやはり疾病あるいは負傷するという場合があるのです。それらの解釈もいろいろ解釈が出ましょう。また指導でも成り立ちましょうけれども、これは労働省としては一つ見解を統一していただかないと——今後こういうふうな事例が非常に多くなって、集団的に夏休み三十日、四十日、最低賃金的なものを作って、いろいろまた仮装的な事例、アルバイトというような事例も作るでしょう、いろいろな言いのがれも作るだろうけれども、それに応じてやはり工場災害、いろいろな疾病が出てくるのですから、これらに対しては一つ見解をすみやかに統一しておかれないと、こういうふうな問題はケース・バイ・ケースと言われるけれども、これは泣き寝入りしなければならぬというふうなこともありますから、一つ十分御研究を私は要望して、これで終わります。

柳谷清三郎自由民主党

○柳谷委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後五時十九分散会

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