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38回国会衆議院1961/04/04

社会労働委員会 第22号

発言数
217
登壇者
11
会派数
2
開催日
1961/04/04

会議録

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 これより会議を開きます。  去る一日付託になりました小林進君外十一名提出の失業保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 まず提案者より提案理由の説明を聴取いたします。小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)議員 ただいま議題となりましたわが日本社会党提出の失業保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びにその趣旨を御説明申し上げます。  本案の目的は憲法第二十五条並びに失業保険法第一条の精神にのっとってその給付の改善をしようとするものでございます。元来失業保険制度は再就職するまで、失業保険金を支給することにより、その生活の安定をはかるとともに、労働力の維持保全をはかるものでございます。それにもかかわらず現行法における給付期間は最長のもので二百七十日であり、給付日額はわが国貸金水準が先進諸国に比してきわめて低位にあるにもかかわらず、平均賃金の六割であり、しかも最高日額が三百円に抑えられています。日雇い失業保険金の日額は、三級はもとより、一級の場合ですら最低生活が保障されない実体であります。現在のごとく失業保険特別会計は黒字の多大の累積があり、かつ黒字基調の伸びつつあること等を考えますならば、この際大幅な給付の引き上げをいたすことが失業保険の建前から当然でございます。われわれはこのような考えに基づき失業保険の給付改善をはかろうとするのがこの法律案を提出いたしました理由でありますが、以下その概要を御説明いたします。  第一に失業保険給付日数の延長であります。現行法では離職の日まで同一事業主に継続して十年以上雇用された者には二百七十日分、五年以上十年未満の者には二百十日分、一年以上五年未満の者には百八十日分、一年未満の者で被保険者期間が十カ月以上の者には百八十日分、それ以下には九十日分が支給されています。それを継続雇用期間が三年以上の者には七百三十日分、一年六カ月以上三年未満の者には三百六十五日分、十カ月以上一年六カ月未満の者には百八十日分、九カ月未満の者には九十日分をそれぞれ支給することに給付内容の改善をはかることとしたのであります。それに伴って第十八条の受給期間を現行一年より三年に延長いたしました。  第二に失業保険金の日額の引き上げであります。現行法は賃金日額の六割を基準とした賃金日額表によって定められておりますが、それを四百八十円までは百分の八十を乗じ、四百八十円をこえる金額に対しては百分の六十を乗じた額の合計額とすると同時に、最高額を現行三百円から一千円に引き上げることにいたしました。  第三に国庫負担でありますが、現行の四分の一から三分の一に増額することにいたしました。  第四に日雇い労働者の失業保険金の日額の引き上げであります。現行の第一級二百円、第二級百四十円を、第一級三百五十円、第二級二百六十円に増額しようとするものであります。  第五に日雇い失業保険料日額の改定でありますが、現行第一級十円、第二級六円を、第一級十四円、第二級十円といたしました。また第一級、第二級の保険料日額の区分は、日雇い労働被保険者に支払われた賃金が四百弧十円以上の場合は第一級、四百五十円未満の場合は第二級といたしました。  なお、日雇い労働被保険者及び事業主の負担すべき保険料は、それぞれ第一級については七円、第二級については五円といたした次第でございます。  第六は、日雇い失業保険と一般失業保険との受給資格の調整制度の改善であります。現行制度においては、日雇い労働被保険者が二月の各月において十八日以上同一事業主に雇用されたときは、その翌月において離職した場合にのみ当該二月を一般失業保険の被保険者期間として計算する取り扱いをすることができることとされていますが、これをその翌月のみならず、その後において離職した場合にもその取り扱いを行なうことができることとし、日雇い労働被保険者についてその保険料の掛け捨てを少なくするとともに、一般失業保険金が受けやすくなるようにはかったものでございます。  以上がこの法律案の要旨でございますが、何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをひとえにお願いするものでございます。     —————————————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 次に、内閣提出の失業保険法の一部を改正する法律案及び小林進君外十一名提出の失業保険法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。質疑を許します。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 失業保険法の一部を改正する法律案が自民、社会両党から出され、これが審議されることに相なったのでございます。私はとりあえず内閣が提案いたしましたところの失業保険法の一部を改正する法律案につきまして、労働省に一応政府案についてこれを質問いたしていきたい、こういうように思うわけでございます。  まず今回のこの失業保険法の改正の理由として、「日雇労働者の賃金の実情にかんがみ、日雇労働者に係る失業保険の給付内容を改善する等の必要がある。」こういうふうに説明されておるのでございますが、いわゆるこの「等」という言葉があるところが、いろいろな意味でこの法律案のある場合には深みになり、ある場合にはいろいろと検討しなければならない点になるのじゃないか、こういうように思うわけでございます。すなわち、この法律をこのように改正することによる方法か、また法律以前に解決しなければならない問題、こういうように分けて、私どもとしては今この両方の部面をこれから労働省にいろいろと伺いたいと思うわけでございます。この点一つよろしく親切に御答弁願いたいと思います。  まず失業保険会計の内容について現在どうなっているのであるか、これを年次別に一つお知らせ願いたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 失業保険の現在の状況でございますが、昭和三十四年度におきましては、適用事業所の数が三十二万八千、被保険者数が千百二十九万六千人、それから受給者が平均しまして三十九万一千人、大体こういうような状況でございます。三十五年度になりまして、一面におきまして、受給者の方は四月から十二月までの月平均しか出ておりませんが、大体三十三万人でございます。これを三十五年の四月から十二月を平均いたしまして三十六万人となっておるのに比べますと、約一割の減少になっております。それから保険金の給付額の方でありますが、三十五年の四月から十二月を平均いたしますと、月平均二十五億円でございます。前年同期の二十六億円に比べまして約五%の減少になっております。これに対しまして保険料収入の方は、被保険者の増加等によりまして増加しております。三十五年の四月から十二月を平均して三十五億円、前年同期の三十二億円に比べて約一割の増加になっております。このような状況でありまして、三十五年度におきましては、失業保険収支といたしましては、一般失業保険について見ますと、三十四年度同様相当額の剰余を生ずると予想しております。  次に日雇い失業保険の状況でございますが、御承知のようにこの前の通常国会におきまして待期日数が一日短縮されましたために、受納者の数がふえまして、四月から十二月を平均いたしますと十七万七千人でございまして、前年同期の十四万一千人に比較いたしますと、約三割の増加になっておるわけでございます。このため昭和三十五年度におきます日雇い失業保険の収支といたしましては、かろうじて収支相償うということになるのではないか、このように予想しておるわけでございます。  以上が最近の状況でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大体日雇い失業保険といわゆる失業保険の会計の内容からして、労働者の生活の実態というものが安定の方向へ向いてきておるのか、また不安な方向へ向いてきておるのか、この点については、労働省の方ではとのようにこれを考えておられますか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 日雇いにつきましても、これは提案説明の際にも触れたと思うのでございますが、ただいまの日雇いの保険日額が改定されました昭和三十二年ごろと比べますと、最近におきまして日雇い被保険者の賃金は大体二割程度の増加、それから失対労務者の賃金につきましては大体二六%の増加、こういうことになっております。従いまして、私どもとしましては、まだまだ不十分な点はもとよりございますが、一時に比べますと日雇い被保険者諸君の生活は向上の方向にある、こう考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 まだまだ不十分な状態にあるが、漸次改善の方向をたどっておる、こういうふうに申されているわけでございますが、私の方としては、そういうような状態の上に立ってこの失業保険の給付内容を改善することによって全面的に労働者の生活の安定というものの保障を獲得する方法が一つと、もう一つは、失業をなくするような方法によってこれを収拾する方法が一つと、この両面が考えられていかなければならないのではないかと思う。おそらく石田大臣以下賢明にして有能なスタッフをそろえております労働省におきましては、この点は十分に考えて今後の施策等も準備されておるものじゃないか、こういうように考えておるわけですが、今後は失業をなくするという方法をどのようにして進めていくお考えなのか、この点について伺いたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいまの先生のお話は、私ども全く同感でございまして、一面において失業を防止すると同時に、失業した場合における給付に万全を期していく、このような考え方で進まなければならないと思っておるわけでございます。御承知のように、昨年からことしにかけまして、一般の景気好調の影響を受けまして、雇用情勢というものは一般的に見ますると、おおむね順調に推移しておるわけでございます。これはたとえば毎月勤労統計等をとってみましても、産業におけるところの雇用者の数というものは、この一年間の間に一割一、二分程度増加しておる、こういう状況でございます。むしろ逆に最近におきましては、たとえば新規労働力等の充足につきましては、求人が求職の、中学卒においては三倍、それから高校卒業生については二倍にも達しておる状況でございまして、むしろ求人難という面が一部において現われておるような状況でございます。また熟練労働者につきましても非常に不足しておるという状況でございますが、その反面におきまして、産業構造の変化等につれまして、離職者の発生する産業地域があることは御承知の通りでございます。それと同時に、たとえば若年労働力についてはただいまのような状況でございますが、中高年令層についてはそのような工合になっておらないという面がございます。従いまして、労働省といたしましては、一般的なこの産業政策の発展によるところの完全雇用への努力はもとよりでございますが、これと並びまして労働力の流動性を促進していくということがぜひとも必要であろうと考えます。そのために全国の職安行政機能というものを総合的に合理化いたしまして、全国的な視野に立ったところの労務の需給調整というものを行なっていかなければならない。またそれとあわせまして、その裏づけを行なう意味において、離職者用住宅の建設であるとか、あるいは労働者が移転する場合の移転費の支給であるとか、あるいは転職訓練中の生活の援護であるとか、こういうような面につきまして万全を期するような意味におきまして、雇用促進事業団法案を目下国会に提出しまして、御審議を仰ぎたいと考えておるところでございます。  このような一般的な方策を講ずると同時に、失業保険につきましては、これは根本問題がいろいろございますので、ただいま内閣の社会保障制度審議会に諮問いたしまして根本的な御検討を願っておるところでございますが、先ほど申し上げましたように、日雇いの被保険者の貸金というものが相当上がっておりまして、そのために現在きめられました定額表というものが実情に合わなくなっておりますから、その点をとりあえず改正するという考えによりまして、それとあわせてまた日雇い失業被保険者が常用化いたしました際の通算規定等を実情に即するように弾力的に扱うというような改正を含めまして御審議を仰いだ次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大体労働省の考えている方向はわかりました。そういうようにして失業をなくする反面、失業の保険金によって生活の安定をはかれるように改善していく、この柱の上に立って進める、そうならば、この失業の問題にまず関連して、私どもの方としては、一部分においては今おっしゃった通りに、なるほどそういうようにして二倍または三倍に求人がふえておるところもあるが、一方においてはまだまだ全然動きも見せないような部分も地域的にはある、こういうようなへんぱな状態を何とかして早く手を打ってならさなければならない。それと同時に、基本的な問題としては、これは労働時間をもっともっと短縮することによって、いろいろな人たちが就職の機会を得るようにこれは当然考えていかなければならないという問題も大きい問題の一つじゃないかと思う。それと失業者の場合等については、これはやはりそれでも十分にやっていけないような状態である場合を考慮して、現在のようにして、就業の条件がもう法律によってきぱっときめられておって、一世帯からどうしても一人だけしか認められないというようなやり方では、現在のような、失業者の保険を若干増してやっても焼け石に水の程度にすぎないのではないか、もっと失業をなくする方法の一つとして、前進的な方法として考えられるならば、この就業の条件の緩和ということも日雇いの場合にももっとはかってやらなければならないのではないか、このように考えますが、この問題については、まず労働省ではどういうふうに考えておりますか、お知らせ願います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 労働時間の問題につきましては、私どももこれは短縮の方向に進むということは、方向として、基本的に賛成でございます。そのために、特に中小企業等におきまして、現在労働基準法等が必ずしも円滑に実施されていないような部分もございますので、そういう面につきましては、監督指導を強化するという方向に向かってぜひ進んで参りたい、この点は基準局において考えておるところでございます。  次に、失対労務者その他日雇い労務者の方々の問題でございますが、先ほど一般的な雇用情勢について申し上げましたけれども、日雇いの労働市場につきましても、この一年間は相当好転の方向を見せておるわけでございます。これは要するに、三十五年度と三十四年度を比較してみますると、最近におきましては、民間就労の伸びというものが非常に著しいわけでございます。たとえば昭和三十四年の四月から十二月を平均してみますと、一カ月におきますところの延べ就労数が、三十四年度は八百八十八万五千人でございましたが、三十五年におきましては九百十六万一千人、一カ月の延べが二十七万六千の増になっておるわけでございます。これはただいま申し上げました民間就労の伸び、それから公共事業への就労の伸び等を反映しておるわけでございまして、以上のような状況でございますので、私どもは現地の職安、第一線におきまして、日雇いの求職者を紹介する場合におきまして、民間への就労、それから一般公共事業等への就労、それから失対事業への就労、こういうものを円滑に行なっていくことによりまして対処して参りたい。あぶれの数も最近は、一年前に比べましてだいぶ減っておりますので、私どもはこういう点を総合いたしまして、この紹介を有機的に行なうことによりまして対処して参りたい。さらに根本的な問題はございますが、もとよりこれは検討はいたしますが、さしあたりはそのような方向で対処して参りたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 一応事務局の方からいろいろな施策について聞いた上で、大臣がこれに対してどのようにして進めるのかをはっきりしておくのが、今までのわれわれの質問なんでございます。今のところは事務当局ですが、それと大臣の考えが必ずしも一致するということには限らない場合が往々にしてあるように私は理解できまするので、この点、大臣は少しお忙しいでしょうけれども、この内容を十分お聞きになっておいて、このあとですぐ出て参りますから、それまで暫時猶予願いたいと思うのであります。  それで、具体的な方法は今説明があったように、説明された範囲はわれわれも十分知っておるわけであります。これともう一つは、保険金の増という点も、最低をもっともっと上げてやってもできるのではないかと思われのですが、現在のこの改正の点が精一ぱいなのか、もっともっとこれを上げてやれるのか、やらない理由はどこにあるのか、率直に、これは大臣の方に承った方がいいのではないかと思うのですが、私の方としては今のような方向と、十分黒字であり、なおかつこの方面に重点を注がなければならないという理由が事務当局を通じてはっきりしたわけです。それから時間を短縮しなければならないという一般情勢も労働省の方針であるということをはっきり承ったわけです。それから就労の条件の緩和についても考えなければならないということはほぼわかってきたわけです。そういたしますと、この保険金を増さなければならぬ、最低を上げなければならないという点で、現在までのこの会計の中でどうしてもっともっと社会党が要望するような線まで上げられなかったのか、上げられない理由があったのか。当然これは上げなければならないんじゃないか。保険金の提案理由の説明の中にもはっきりその理由だけがうたってあるようなんです。この点について大臣としてはどういうふうなお考えで提案されましたか、一つお伺い申し上げたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 今までの御質疑の中で大きな重要な問題について、一般的にお答えを申し上げたいと思います。  一つは失業をなくするための施策でありますが、それはただいま安定局長から御説明をいたしましたような労働力の流動性を確保することを中心とする諸施策であります。これは今具体案を雇用促進事業団法によって皆さんに御審議を願うわけであります。もう一つは、やはり集中的に発生をいたします地域に対しまして、単に流動性だけに期待しておるだけでは解決し得ない問題が多いのでありますから、地域的な定着性その他を考えた総合開発、これは通産省と協力をいたしまして、産業条件の整備その他に努力をいたしていきたい。そういう場合に失業保険金の積立金の運用ということをある程度考えることが必要じゃなかろうかと思っておるわけであります。  それから現在の保険の給付制度、期間並びに金額でありますが、これは先ほどから説明がありましたように、一定の国際的な水準というものに従ってやっておるわけであります。ただ失業保険制度そのものとして考える場合に、先ほど社会党の案の提案理由説明の中にも散見されましたが、日本の貸金水準というものが低いのだから、従ってその低いものの生活安定をはかる場合に、国際的な一定率だけでは解決しないじゃないかという問題が一つございます。もう一つは給付期間の問題、ごく短期の、一種の季節労働的要素の強いものに対する三カ月という給付期間の問題は別といたしましても、六カ月、九カ月という二様の期間の取り扱いは検討を要すべきものと考えておりますが、これを含めまして、目下内閣の社会保障制度審議会におきまして、他の社会保障全体との関連のもとに現在御審議を願っておりますので、それとの一般的関連において解決をして参りたいと思っております。  労働時間の問題は、先ほども申しました通り、労働省としては労働時圏が漸次短縮されることを希望いたすのであります。しかしこれは、第一には生産性の向上とにらんでいかなければならないということと、それからもう一つはやはり漸進的であるべきだということであります。それから第三番目に、やはり日本の全就業人口の一般的労働時間と歩調を合わせていきたい。あるところでは五十時間も六十時間もやっておる、しかしできるところだけむやみと進むというのではなくて、やはり歩調を合わせていきたいと思います。そのために当面の目標はやはり四十八時間の普及徹底、特に中小企業、商店等におきまする労働時間の短縮ということをしていきたい。一斉閉店あるいは週休制の実施、こういうことによってとりあえず四十八時間の労働、一週間一回の定休というような制度を日本において一般的にしていきたいと思っておるわけであります。労働時間の短縮によって雇用が吸収され、増大するということは私はよくわかるわけでありますが、雇用の吸収はそういう方向だけにたよることになく、むしろ日本の雇用、廃業一般の上昇を通じて解決していきたいと思っておる次第であります。  失業対策事業の就業条件の緩和その他の御議論もございましたが、これもやはり一般社会保障制度と関連を持たして総合的に解決をして参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私は率直に申し上げまして、考え方はよくわかりましたが、具体的な点になりますと、労働大臣にしては珍しく奥歯にものがはさまったような印象を受けました。何かもっと考えてやらなければならないことがあるのだけれども、これをされいに、優秀な国文学によって表現したようにちょっと受け取れたわけでございます。それならば私の方としては具体的に聞いていきたいのです。  前に事務当局の方でも申しましたが、現在いろいろの雇用条件が促進されているし、いろいろと雇用の状態もよくなってきているのは事実だけれども、中高年層についてはまだまだ、こういうように言われているわけです。またそれのためのいろいろの施策は、今後提案されるいろいろな法律案によって検討したいとは思いますが、しかしながらこれによってでも、これは中高年層の徹底的な一つの対策になるかどうかというような点は、私としてはまだ疑問があると思います。もしその法案によって徹底的にやれるとしたならば、むしろ私としては希望したいところでございますから、早くそういうような優秀な法律案を出してもらいたいと思うわけです。  それで私は今聞きたいのは、臨時工、社外工、こういう人たちが依然としてまだ多いこの実態の中では、中小企業やまたは受け入れるだけの余裕のある企業体の中でも、使用者や資本家は利潤を生む一つの方法として、やはり依然として臨時工や社外工を雇うことはいなめないから、それを明確に本採用してやる方法としては時間を短縮してやる以外にないのではないか。これを計画的に実施してやることは当然失業者をなくする一つの方法に通ずるものである。これを思い切って実施するというところまで、私としては答弁としてほしかったわけでありますが、そこまで言っていない。私としては、大臣はおそらく言いたいのだろうと思いますが、もう少し具体的に御説明を願いたいと思うのはその辺であります。  それとあわせて、失対労務者の関係におきましても、これは順次改善されてきている実態であるというととはわかります。しかしながら依然として中高年層の人たちがやはり多いようなこの実態の中では、失対労務者の中でもこの就業の条件を大いに緩和してやるような法律措置または行政措置を考えてやらなければだめではないか。一世帯五人家族の中から現在のような賃金で一人しか働けない、しかも二十一・五日だけだ、それで七、八千円で五人家族が生活できるということはとうてい考えられないことであって、これを法律で、こういうような基準によって指導していかなければならないとしたならば、やはりその就業の条件を緩和して、そういうような家族のたくさんのところからは一人と限定しないで、二人でもよろしい、困っている家庭からは夫婦ともかせぎもよろしい、こういうようなとろまでも考えてやらなければならない状態じゃないか、そういうふうに思うわけですが、この点等においても、私の言うことが間違いであるのかどうか、これも大臣の御所見を承りたい、こういうふうに思うわけでございます。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は島本君のお話が間違いだと思っているわけではありません。ただ失業対策事業の取り扱いというものは、平均年令が非常に高いわけでありまして、高い層については、これはやはり現状のような制度の中で、その条件を向上していくという取り扱いより仕方がないだろうと思います。しかし、より若い層に対しましては、まず定着を防ぎ、さらにその増加を防いで、一般的な雇用の中に吸収していくような努力をしていきたい。そのためには、今度きわめて試験的ではありますが、この失業対策事業の対象の日雇い労務者に対する職業訓練も、本年から実施をいたして参ります。明年度はこれをもっとふやして参りたい。逆に申しますと、ここの中に多くを収容するのではなくて——ここの中以外にはもう仕方がなくなってきた年令層の人たちは、これは仕方がありません、先ほど申したような方針でいきますが、それ以外の人たちはなるべく他の商い賃金水準が期待できる方への雇用を伸ばしたい、こういう考えであります。そこで先ほど、五人家族で一人しか働けないのであるから、八千円か九千円だから食えないじゃないか、そういう推定が出て参りますけれども、これは今の生活保護と違いますところは、実際は他の家族がそれぞれ相当な労働をいたしております。収入も上げております。その場合は、生活保護のように差し引かれることがないわけでありまして、積み重なっていくわけであります。一般的な雇用もかなり多いのであります。こういうものの数字については、あとで事務当局から説明をいたさせます。  それから給付額と保険経済の関係、これは先ほどの御質問にお答えを申し上げるのを忘れたわけでありますが、これはやはり、今なるほど保険経済は余裕がありますが、余裕があるからといって、その条件緩和によって、その余裕というものが、どういう工合に動いていくかということをもあわせて考えなければなりません。これはやはり事務当局から、そういう数字的なものはお聞きいただきたいと存じます。  それから中高年層の就職の問題、それから臨時工、社外工の問題。臨時工、社外工の問題は、私はその原因は一つは日本経済の底の浅さにあると思います。しかしもう一つは、やはり経営者が景気変動の犠牲をここに求める。そういういわゆる経営者の何と申しますか、安逸といいますか、そういうものが私は裏にあると思います。これは私は経営者の正しい態度とは決して思わないのでありまして、この臨時工、社外工の問題につきまして、われわれが真剣に取り組む時期がもう来たのだ、つまり日本経済の底の浅さということばかりを、もう弁解の事例にしておる時代ではなくなった。日本経済は相当な復興を示し、また将来も約束されておるのであるから、こういう問題について特に考えていかなければならぬ時代がきたように思います。  それからもう一つ、この臨時工、社外工の問題について注意しなければならぬ問題は、この臨時工、社外工の給料だけは規模別賃金格差がないということです。ほかの常用雇用の場合は、しばしば問題になりますように、規模別賃金格差がございますが、臨時工、社外工の場合は、大企業においても中小企業においてもほとんど同じであります。場合によっては、大企業の方が少ないときがある。これはどういうことかというと、ここでこの金額がもう最低線であって、これ以下のものは問題にならないから、そういうことに私はなるのだと思います。しかし雇用が伸び、安定し、いわゆる完全雇用というものに近づいていくに従って、雇用条件が不安定である場合は、それだけ逆に高くなければならないというのが、労働保護という立場から見ると、私は理論的な格拠ではないか、そういう問題をあわせまして臨時工、社外工の問題は、私はもう本格的検討を加える時期にきたように思うのであります。  それから中高年層の問題、これは私が前年二度目の就任をいたしました直後におきまして、日経連その他を招いて、まず第一に中高年層の適職の検討を開始いたしました。これは結論が出まして、約百二十種目について、これは中高年層で十分代替し得るばかりでなく、中には中高年層の方がよろしい場合がある。そこで、まず政府関係機関に対しまして、先般その代表者を招致して協力を求めました。さらにその次には財政投融資にからんで、いわゆる政府資金を利用しておる産業にこれを普及していきたいと思っております。まず隗より始めよでありまして、そこで始める。引き続いて民間企業全体に呼びかけて参るつもりでおるのであります。そういう行政指導と宣伝によってそういう効果をあげていくことを第一段階として期待しているのでありますが、しかしそれによって所期の成果がおさめられない場合におきましては、私どもはただいま申しましたように、百二十種目というようなものについては、若年層のあっせん等を安定所に依頼された場合、これと一緒にむしろ中高年令の一定割合をくっつけるというような方法をも将来は考えなければならない、こういうふうに考えておる次第であります。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいま大臣から御答弁の通りでございますが、なお数字等につきまして補足して申し上げますと、昭和三十四年十一月に、日雇い労働者世帯におきますところの家計状況を調べたのでございます。これは毎年実施しておりますもので、三十五年末につきましては、目下集計中でございますので、一番新しい三十四年十一月について申し上げますと、当時におきまして、六大都市の失対の適格者世帯につきまして、その収入、支出を調べたのでございますが、大体収入が一万四千八十六円、支出が一万三千九百五十一円、こういうことになっております。現在になりますと、これは推定いたしますと、この四月で当時から約二五、六%収入が上がることになりますが、三十四年十一月の数字しかございませんので、これについて申し上げますと、今のような状況でございます。その一万四千八十六円のうち、失対適格者の本人の勤労収入が八千五百二十九円でございまして、それ以外は世帯員の勤労収入あるいは勤労収入以外の収入によって占められておるわけでございます。先ほど大臣が申しましたのは、このような関係になっておるわけでございます。もとよりこれは一般的な数字でございますから、個々別々に考えますと、いろいろな特殊ケースが出てくる。それが先ほど島本先生が言われましたように、特に失業情勢の悪いような地域におきましては、いろいろ問題が生ずるであろうと思います。そこで、これに対しましては、私どもは、先ほど申しましたように、民間求人というものが非常に伸びておりますので、それを期待すると同時に、公共事業あるいは財政投融資関係の事業に対するところの吸収をはかっていかなければならないし、またはかることができる情勢でございますので、失業情勢の悪い地域につきましては、昨年度に引き続きまして、新しい年度におきましても、関係各省で打ち合わせをいたしまして、次官会議、閣議等にかけまして、失業者の多発地域というものを定めまして、情勢の悪いような地域につきましては、公共事業あるいは財政投融資関係の事業というものに重点的に実施していくことによりまして、就労の促進をはかる、このような考え方を本年もとって参りたいと考えております。それと同時に、その地域におけるところの産業開発というものを積極的に手をつけていく時期であろうことは、先ほど大臣が御答弁した通りでございます。  それからもう一つ、この失業保険の収支の余裕の問題でございます。先ほど申し上げましたように、最近は黒字基調でございます。ただ、日雇い失業保険については、かろうじて収支相償う状況であることは御承知願いたいと思いますが、一般の方は黒字が続いておるわけであります。この点につきましては、いろいろ根本的な問題がありまするが、私どもといたしましては、この積立金の運用収入というものは、ぜひ失業を緩和し、雇用を促進する目的に向かって使って参りたい、このように考えておる次第でございます。おかげさまで最近におきましては、その運用収入を使う額というものは漸次ふえております。明年度におきましては、大体その失業保険の積立金の運用収入もしくは来年度におけるところの保険金剰余のうち一部を使うというのを合わせまして、大体三十一億円程度を雇用促進と失業の緩和に使って参りたい、このように考えておる次第でございます。今後においても、さらにそのワクは広げるように努力いたしたいと考えておるわけであります。  根本問題につきましては、先生御承知のように、この前の通常国会におきまして、失業情勢の悪い神域におけるところの給付の延長であるとか、就職支度金制度の創設であるとか、職業訓練中におけるところの失業保険の受給期間の延長とか、あるいは待期の減少であるとかというような改正を行ないました際に、その附則におきまして、根本的な収支の問題については、三十四年度から三十六年度の三カ年間におけるところの収支状況を勘案して、政府は、三十八年の三月三十一日までに失業保険法を改正しなければならない、こういう附則が法律についておるわけでございます。これによりまして、ただいま社会保障制度審議会に諮問中のこれに対する御意見等もにらみ合わせまして、三十四年度から三十六年度までの三カ年間の収支というものを勘案いたしまして、私どもとしては善処いたしたいと考えておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 詳しく御報告願いまして、その点においては敬意を表したいと思いますが、今報告された三十四年十一月現在によるところの家計の六大都市の報告、これは何ゆえに六大都市だけを調べたのですか。ほんとうに私が心配なのは、六大都市のようないろいろと仕事の多い、雇用条件の高いところは、私はさほど心配していない。むしろ地域的に恵まれない場所、またはあまりにも定着化していてどうにもできないような不遇な土地、こういうようなところのいろいろな収入と支出を明確に聞きたかったわけです。六大都市の方は今言った通り、この状態では生活もできるでしょうけれども、そのほかに、北海道から一つ、九州から一つ、四国、中岡、東北から一つというふうに、その方面の代表的なデータでもありましたならば、この際お聞かせ願いたいと思うわけなんです。六大都市の方は幾らいい数字が出ても、むしろこれではまだ不足だ、もう少し何か抜けているんじゃないか、もっとあってしかるべきなんだ、これをもって全国一般の平均とみなされるようなこういうような考え方では、少し不親切ではないかと思うのです。他の都市の平均をもう一問お知らせ願いたいことと、それから、失業保険金の積立金の運用について、失業を緩和し、失業を解消するように促進する方向にこれを使うのだ、こういうふうに言っておりますが、なるほどそういうような点ではけっこうですが、それでは具体的にどういうふうにするように考えておるかというような点も、あわせて説明を願います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 全国につきまして申し上げますと、全国日雇い労働者世帯におきまする昭和三十四年十一月の調査は、収入総額が一万三千九百九十六円、そのうち本人の勤労収入によるものが七千八百八十八円、それ以外が世帯員の勤労収入もしくは勤労収入以外の収入から成り立っております。先ほど申し上げました数字と同じ傾向でございます。なお支出につきましては、一万三千八百十七円、こういうことになっております。これはその後やはり相当賃金収入が上がっておりまするから、最近の推定は、先ほど申し上げましたような傾向で推定できると思います。  それから次に、失業保険の徳用収入もしくは保険料収入等の使い方でございますけれども、これはまず第一に、職業訓練を行ないまするために、全国の総合職業訓練所、これの設置運営を行なうと同時に、一般の訓練所に対するところの機械その他の補助というような面に向けるということが第一。それから第二番目には、これと並びまして、港湾におけるところの労務者アパートあるいは労務者の寄り場というようなものに使うとか、あるいは日雇いの方々が就労される場合において、そのあとに渇いておかれるところの子供さんたちを預かるというような託児所その他の福祉施設というようなものにこれを使うというように、雇用の促進もしくは失業の緩和というような面にこれを使っておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 今のデータによりますと、六大都市も全国平均も、これは平均としては若干違いますけれども、あまり大差がないようであります。ほんとうにこうなのかどうか、逆に私の方では疑問になるわけです。それで、もう一つ例をとって悪いと思いますが、東北一つ、北海道一つ、このどこかの例がありましたら、これとやや同じような状態であるかどうかをついでに、東北と北海道の例をとって御説明願えませんか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいま手元に資料を持っておりませんので、後刻お届けいたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それじゃこの点についてはあとでデータによってお知らせ願いたいと思います。  こういうようにして、全国平均と六大都市の平均を見ますと、収入の面においては、約一千円未満の基しかないようであります。こういうようにして見ますと、日雇い労務者の生活条件は高くなったものである、こういうようにデータを出されるのですが、やはり現実の面で見ますと、一番困っているのはその層であって、生活ができなくて、悪く言うこといろいろな社会悪を構成するような危険性が感じられるのも、その辺であるわけです。従って、もっともっとこの辺の対策が十分必要であるということは、私があえて申し上げるまでもないわけです。もっとこの問題についてはデータによって私は詳しく質問したいところですが、東北や北海道も出ないということになれば、これ以上もっと進められないのが困るわけです。  これほど収入があるといたしましても、これは労働大臣なんかも以前から、十分その方面に対しては、寒冷地関係の労務者の点には、あたたかい手を差し延べたいということは言っておるわけです。今度の予算の中でも、値上げの分の約五十二円のうちの一円、これを寒冷地、石炭の関係の見合いというような名前をつけて、それによって若干の余裕を与えるような措置をされているようです。そうして五十一円だけは値上げの分として認められておられるようです。この点はまことにいいとは思うのですが、この支給の方法なんかも、もっともっとはっきりしてやらないと、この点についてはまだまだ焼け石に水どころか、何にもなりはせぬじゃないかとも思われます。第一に、この一円の支給、すなわちこれを寒冷地、石炭に見合うものとしてやる場合に、一日平均二十円という点が考えられる。この一日平均三十円でどれほどのまきや石炭が買えるのか。それも支給の方法等考えてやらなければ、これは何にもならないし、おそらくその方面に使われないし、依然として困難な状態を押しつけるような結果にしかならない。おそらく支給の方法なんかもっともっと考えてやらなければならないと思います。この点について毛、依然として石炭、寒冷地給に見合うものであって、賃金の一部であるという考えで、特に支給の方法等は考慮しないのかするのか、この点について具体的な方法があったならば発表して下さい。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいまお話しのように、今回の予算編成にあたりましては、全国平均にいたしまして一円程度の原資を最終段階において認められたわけでございます。私どもは、将来の問題についてはさらにこれを伸ばすように努力いたしたいと考えておることは当然でございますが、今までこのような制度が全然なかったというような状況のもとにありまして、この程度でも増額できるということは、北海道方面における日雇い労務者の諸君の生活改善にプラスになるという見地から、とにかく一つの足がかりを築いていくという面において、やはり大事なところであると思っておるわけでございます。これを北海道だけの冬季についてただいまの原資を使いまするならば、冬季において一日平均二十円程度が増額できることになっております。従いまして、ただいまのような経緯でございますので、これは賃金の増給分という考え方で措置いたしたい。従いまして毎日の賃金に積み上げまして、二十円をプラスして支給するという考え方で本年度は進みたいと考えております。来年度以降につきましては、さらに予算折衝の結果を待ちまして私どもは考えたいと思っておりまするが、ただいま申しましたような考え方におきましてやって参りたい。  なお北海道方面につきましては、これは御承知のように本年度におきまする全国平均の失対労務者の労務費の平均は三百三十四円である。しかしその中におきまして物価の状況その他いろいろな状況等、その地域における賃金状況等を勘案いたしまして、地域差が設けられておるわけでございます。一番高いのは東京でございまするが、北海道におきましては寒冷地であるという考え方をもちまして、東京と同じ額のレベルにランクしておるわけでございます。しかしそれだけでもまだ足りないのではなかろうかということで、二十円をプラスするということでございます。われわれの初めの考え方からいきますると、額はまだまだ足りない面がございまするが、やはりその方面におきまする失対労務者の家計の改善には役立つ点が多いというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣に質問する点は、臨時工、社外工の問題もあるわけでございますが、それはちょっとおいて、この失対の実情についてもう少し一、二お伺いしておきたいと思うのです。  なるほどそういうような情勢にあることは今の説明でよくわかっておるわけです。むしろ説明がなくても、その点はおそらく委員の皆さんも含めておわかりになっておる問題なのです。ただこの問題について今はっきりと見合うものということで、給料の方にこれを入れるようにして出す場合には、見合うものという意味ならば何に見合うのか、石炭か寒冷地給か、これに見合うものとして使われない危険性が十分にありますよ。ですからどうせ見合うものとしてやったならば、具体的に言うと二十円で一日分の石炭を買っても、石炭として何かけら買えるか、こういうようなことです。一かけらか二かけらで、これもまとめてやったならば相当たけるものにもなるし、まとまったものも買い得る、こういうようなことになるわけですが、このまとめてこれを使用するという点が大事なので、この点については何かあたたかい考え方、措置等がないのかということです。これはやりっぱなしだから勝手にやれ、こういう意味では決してなかろう、こういうふうに思うのです。それとあわせて、現在それだけでどうしてもできないとすると、当然来年度においては見合うものじゃなくて、はっきりとこういうものを予算化し、おそらくは法律化してでもこれを明確に支給できるように努めたいという気持が表明されましたが、その努力はわれわれとしても期待しております。われわれもその点についてはできるだけの協力をする努力だけはしていきたい、こういうふうに思っておるわけなのです。しかしながらこの点について、来年ははっきりやるのかどうかという点について、もう一回大臣に決意を表明してもらいたいし、その決意によっては、内閣改造になってあなたがやめるようになっても、社会党が決議案を出して、やめさせないで労働大臣として置かなければならないような状態になるかもしれません。私どもは率直に言ってそれさえも考えておるわけでございますが、一括支給の点や、次の努力の目標である法令化してまでも、寒冷地、石炭関係の問題についてははっきり措置をする決意であるのかどうか、これもあわせて伺いたいと思うわけです。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 留任運動に役に立たないので大へん恐縮でございますが、一括支給の問題は失業対策事業の性質上無理だと思います。それから将来の問題の扱い、これは今までも北海道は寒冷地である、石炭等ほかの地域では必要でない経費がよけいかかるのだということと見合って賃金の額をきめておることは、今御説明申し上げた通りでありますが、しかし他の政府関係職員あるいは一般民間におきまして、明確に北海道においては石炭手当という制度があり、そのほか東北その他の寒冷地については寒冷地手当という制度がございますし、現実にそれだけよけいかかっておるわけなのでございますから、これは私はそういう種類のものを支給できるように、将来にわたって努力をいたしていきたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その努力に対して、私ははっきりした実の結ぶことを心から祈っておりますと同時に、大臣も今言ったような、片隅で、寒さのために生活のできないような階層の人も、六大都市のような恵まれた状態にある以外の都市では、まだまだあるのだということも十分考えておいて、これはもう重大な決意を持って対処してもらいたいということを強く要請しておきたいと思うのです。  先ほど大臣が申されました中で、やはりこの失業保険を、保険の給付を上げること、また条件を緩和することとあわせて、失業者を出さない方法の一つとして臨時、社外工の問題に触れて、これは日本経済の底の浅さ、もう一つは景気の変動の犠牲を、いわば臨時、社外工、この方面に求めるという安易さがあるためである、これは早く是正しなければならないのだという説明があったわけですが、その点については私どもも同感です。早くこれを具体的にやってもらいたい。具体的にやるということは、強い行政措置か行政指導によって行なわなければならないし、現在これがやはり全労働者の労働時間の短縮という新しい一つの希望、要請、目標になって現われているという事実があるわけですから、この点等についてはやはりサービス機関としても、大臣も明確にこの問題と取っ組んで早く結論を出してもらいたいわけです。いろいろな諸外国の例もあるでしょうけれども、日本の現在の産業の中でも、きょうも私どもも経験して参りました運輸関係のタクシーだとか、こういうような人たちの勤務時間の問題だとか、または製造業というような関係の人たちのところだとか、大工さんを含めた建設業の人たちの労働時間であるとか、こういう関係については極端に長いのです。こういうような条件を早く解決するのでなければ、中高年層を含めたところの、また若年層の現在あぶれている人たちにはっきり就労の通を開いてやる、こういうようなせっかく考えている道に乗せることができないのじゃないか。私としては、こういうような方面に強い行政指導と、具体的にこれを実施させてやる方法があるならば、考えているならば、それを具体的に発表願いたいわけです。あえて私の意見を申し上げるならば、九州方面の炭鉱の災害です。ああいうような災害を通してみましても、これはちょっと過ぎた言い方になるかもしれませんが、割合に余裕のある大企業では、基準内労働時間は確保され、減少する傾向をたどっており、労働時間を短縮している。そういうようなことになると、労働管理というのですか、安全管理ですか、こういうようなものが勢い徹底してくるし、それによって働く人たちの疲労も少なくなれば、これは能率が上がる反面、事故は低下するようになるのですが、中小企業の場合には長時間労働を強制される結果、どうしても事故の率が上昇してきている。こういうようなこともいろいろ現地調査をした人によってわれわれとしては聞いたところなんです。これは炭鉱だけの問題におさまりません。現在のような中小企業の実態だとか、または建設業、製造業、運輸業、そのほかの現場にいる人たちは、現在も長い間の時間で疲労が極度に達しているような業種があるわけです。こういうようなところの時間短縮を具体的に指導し行政措置をするのでないと、第二、第三の災害もわれわれとしては予知できるような気がするわけですが、この方面に対する時間短縮のはっきりした行政指導等が立っておりましたならば、この際あわせて発表願いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 自動車運転関係の労働時間の問題は、実は私が前に労働省におりましたときに、いわゆる神風タクシーが非常に問題になりまして、強い行政指導をいたしました。それは、一つにおいては賃金体系の改正であります。いま一つにおいては労働時間の問題、特に一週間にいたしました労働時間としては基準法に沿っておったとしても、実際上継続して二十四時間労働をやる、そういう問題の改善にも努力をいたさせたのであります。今日は特にトラック、ダンプカー、その他の事故が多く、そしてその原因はやはり過労に基づくものがあげられておりますので、この改善について前回にとりましたような措置を目下進行中であります。しかしこの場合非常に難点になりますのは、継続労働という問題が案外労働者の人たちの方の都合の上からも出ているということが言えるのでありまして、これは賃金の問題以外の問題として、特にタクシーその他の場合はいわれるのであります。そういう問題と関連をして、基準法の差し示す条件を実施いたさせるように努めておるつもりであります。  それから炭鉱災害の問題、これは本日も閣議で話題になりましたが、私どもの方として基準法上の監督は炭鉱についてはほとんど一〇〇%行なっておりますし、強力に行なっています。一般の他の製造業においてはせいぜい二六、七%でありますが、炭鉱については一〇〇%以上行なっております。しかし炭鉱の事故はそれだけでは抑えられない他の多くの要因があります。その他の多くの要因を一緒にいたしまして強力に行政指導をやって参りたいと思っておる次第であります。現状のまま放置すれば、特に炭鉱等におきましてはさらに事故の続発を招くおそれと申しますか、おそれというような言葉じゃない、必至といってもいいくらいの切迫感を私どもは感じておりますので、そういう気持で措置いたして参りたいと思っておる次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大体方針はわかりました。それで具体的に二、三日前の何かの新聞に出ておりましたが、この点は具体的なやり方として、着実な実施の方法として労働大臣にこの際ですから向いたいのですが、官公庁の物品入礼の際、発注に当たっては業者の労務管理状態を入札資格の一つに入れる、かようなやり方が一つあるということと、それから金融機関が中小企業の労務管理の面を融資の審査基準とするように銀行協会に協力を要求するということが一つと、この業者間にもそれぞれの協定を結ばせるということを発表されておったようにも承ります。これあたりは私は着実な実行方法としてはなかなかいいと思うのですが、こういうような方法を今後やはり発表されたように具体的に行なっていく意思があるのか。もうすでにこれを実施しているのか。この点についてどうなっておりますか伺います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 具体的に実施いたすような方向で目下検討中であります。その中で金融機関の場合は行政指導でできると思いますが、入札資格にそれを加えて実際強力にやるためには、行政措置だけでできるのかあるいはそのほかの措置が必要なのか、これは検討をいたさなければならない問題でありますが、そういう一つ一つのものを積み重ねることによって実効ある方法をとりたい。労務管理と申しましても、労務管理の一定の条件、たとえば建設業者が入札するときに技術者をどれだけ、機械をどれだけ持っておることが必要だというような意味で、労務管理といってもどういう具体的条件をそれに付加していくかということが必要になって参ります。それから、そういう場合にはアメリカあたりでは最低賃金制を実施しておるところということも一つ入っておりますので、そういう面もあわせて、現実的成果が上がるように検討をいたさせている次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私の聞いておるのは、実施する面において、失業保険金を増すか、それ以前に失業をなくするか、この二つの方法があるうちの一つの失業をなくする方法について、少し深く質問しておるわけでございますが、大臣も忙しいようではございますけれども、この際ですからはっきりしたことを伺っておきたいのです。というのは、労働時間の短縮に対する指導ということをいろいろな面で取り上げてやっていきたいという皆さんの考え方はわかったわけです。今度は大臣としてこの点はっきりしておいてもらいたいのは、今度自民党では国民の祝日に関する調査会の発表として、三月二十九日に、祝日の三倍論というのですか、こういうようなものの最終決定を得たというようなことを知ったわけです。その中には、週四十時間労働に近づけるものであるという意向も含んで祝祭日だけを増したんだ、こういうような注釈もあるかのように承った。そうすると労働省の方では、正式に先進国の例にならって、やはり日本の労働の実態を十分に加味した上に立って、労働時間の短縮、こういうようなものに取っ組んでいる。一方では、またそれに見合うものとして、北海道や東北の石炭手当みたいに、まあ国民祝日に関しては三倍くらいにして、それに見合わせようとする動きもあるのではないか、こういうふうにも私どもは勘ぐられるわけです。これは労働省の考え方と、これがうらはらなのか、それとも労働省の考え方は、やはり労働者のいろいろな生活の面、または雇用条件の面、こういうようなものを考えた上で、はっきりした方針に基づいて、どのようなことがあっても労働時間の短縮だけはやっていくというふうに考えて指導されるのか、この休日の点とあわせてどういうようなことになるのか、私としては若干危惧される面もないわけではございませんが、大臣の見解をこの際承っておきたいと思うのです。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は、労働時間の短縮というものは、それ自体で考えるべき問題、それ自体で推し進める問題だと思っております。つまり祝祭日の問題は、結果においてどうなろうと、問題の出発は違って考えるべきものだと思っておる次第であります。それから自民党の特別委員会で祝祭日を増加する案をきめられたことは、新聞紙上では承知しておりますが、役所として正式に連絡を受けておるものではございません。私は、一般的にいって、それがわが国の生産性の向上というものを阻害しない限りにおいては、決して反対をするものではないのでありますが、ただそういう場合の取り扱いのときには、日雇い労働者諸君の問題というものを忘れてはならないのだということであります。それから現状においては、まだなおいわゆる週休制というものが完全に実行されていない業種が非常に多いのでありますから、ああいうことを実施されることによって、それとの今度は労働時間における懸隔がうんと出てくる、格差がうんと開いてくることを一面においておそれるのでありまして、やはり私は、賃金自体においても格差の縮小に努めるべきでありますが、同時にその他の労働条件においても格差の縮小に努めていきたい。そういう点について、私は労働時間の問題はそれ自体として検討したいということが一点。それから第二点は、決して祝祭日を増加させるということに反対ではありませんが、それには日雇い労働者諸君の問題と、それからわが国の各種産業間における均衡の問題というものを忘れてはならない、それについての考慮が十分払われつつ進めていかれるべき問題だと思っておる次第であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 休日三倍論の問題の心配される点の一つは、何としても日給制である臨時工または社外工の問題と、今大臣がおっしゃった日雇い、この問題が一番その被害者として今後考えておかなければならない重大な問題です。一方は、この保険によって救済してやるとしても、これは十分いかない、反面にまたいろいろ国家の施策として一つ一つ出す面——その社会の困っているような人たちの救済の面とほど遠いような、また休日がもらえないような状態に追いやられるような改正は当然今回すべきじゃない。この点においては、やはりどのような事態であろうとも、大臣としてはこれは善処してもらわなければならないし、この点の不安等は即刻解消してもらわなければいけないものであろう、こういうように私は考えておるわけでございます。  ついでですから、私はこの際明確に大臣の意向も聞いておきたいのですが、今後はいろいろの折衝または一つの法律案の改正または政府の施策等によって、今度は休日増加案も実施されてくる、同時に時間も短縮されてくる、こういうようなことになって、こういうような日雇いの人たちの面にも悪影響が及ばないように十分考えてやる一つの方法として、日雇いの身分は地方公務員ですが、大いにレクリエーションする場合にはレクリエーションさしてやって、せめてこういうような国民がレクリエーションする場合にもこの被害を受けないようにするために、一定の年限を勤め上げたような人に対しては月給制の保障ということも当然考えてやることが、あたたかい一つの指導になるのじゃなかろうかと思います。今後この休日三倍論なんかが実施されるようになりますと、一番心配される日雇いの面、こういう面等については、やはり月給制をこの際十分考慮して進めるべきではないかと思いますが、この点については大臣はどのようにお考えですか。所見を伺いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 先ほどから申しておりますように、失業対策事業というものは、やはり根本的にはそれになるたけ定着させないように指導していくことが必要だと思います。しかし平均年令が今四十八才になっているそうでありまして、非常に高年令層が多い。定着させないと申しましても、やむを得ない層がある。そのやむを得ない層については、やはり条件を緩和して向上させていきたい、そういう処置をとりたいのでありますが、今おっしゃったような一定年限を勤め上げた者については月給で保障するという制度を——これは検討しないとは申しませんが、なるたけ定着させないという方針との関係をどうするか、これは一つの問題として、御意見は承っておきますが、今申しましたように、やはり関連して考えなければならない幾つかの問題があるように思うのであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 今後この問題については十分検討していきたいということであるならば、これ以上あえて追及はしたくないのですが、はっきり申し上げまして、そのために一定年限を勤めた人で、現在五十、六十を越えた人でも、なお生活不安におののいている非常勤の地方公務員がいるということになったら、ちょっとおかしいことではないか、こういうように思うのは当然だと思います。それで一定年限というこの年限の線をどこに置くかは、今後検討してもらうことにして、それまでの間に政府としてもより高い、りっぱな層に転換というか、はっきりいうと就職をあっせんして、そっちの方につけてやるということ、そういうこともやってやる。また進んでそっちの方にもいってもらうけれども、どうしてもいけないような環境にいる人たちで、長い間生活の困難さのためにどうも抜け切れないでいる、こういう場合を考えると、これはまだまだ社会自身が責任を負わなければならない一つの問題があると思います。そこを考えてみたならば、やはり一生懸命に働いてもこの社会から貧困のために抜け出すことのできない人たちへの対策として、やはり月給制を考えてやるということは当然とるべき労働者に対する一つのサービスではなかろうか、労働省自身がこれと取つ組む一つの方向の指示ではなかろうか、こういうように思うわけです。何年ということを言っているわけではありませんから、その年限等については考慮されてもけっこうでしょう。それから金額等につきましては、いろいろと割り出す方法等も出てくるわけですから、これは事務的にやったらすぐ出るでしょうから、こういう点をもっともっと具体的に考えられて、どのように休日三倍案が出て国民が喜んでいても、こういうような下層階級にある人たちや、日雇い並びに臨時、社外工の人たちも国民と平等にレクリエーションをし、余暇を楽しむことのできるようなサービスを労働省自身がしてやるというのが、ほんとうの労働省を設置した基本的な考え方にもかなうのではなかろうか、こういうふうに考えます。これは単に夢物語だというようなことではなしに、現実の問題ですから、これは十分考えてやってもらいたいと思うのですが、どのようにお考えですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 お気持はよくわかるのでありますが、失業対策事業に従事している人たちの平均年令が四十八才である、そして抜け出せない、他に転職もできない。転職訓練その他は本年から実施いたしますし、そのほか他の常用雇用、より高い雇用への転換というようなことは行政指導でやっておりますが、抜けられない高年令層に対する人々の処置は、これは長い間勤めたからどうとかこうとかいうのではなくて、長い間勤めようが勤めまいが、そういう高い年令層になったらほかへいけないわけなんでありますから、それはそういう観点からやるのでなくて、抜けられない人々はやはり同じ条件のもとにおいて考えていかなければならない。  それからもう一つは、そういう意味の月給制、さっきからお話しの、まあ有給休暇というような問題もございましょうが、そういうことを含めて、抜けられない人々の条件向上というものは、これはもう別途に考えなければなりません。しかし根本的には、私はやはり定着を避けるという方針でこの事業の運営をやっていきたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 定着を避ける指導方針を具体的に進めていきたい。しかしながら大臣としてもやはりいろいろ政治的に、法律ができ、行政的な指導によって時間が短縮していき、こういうような保険の給付内容が改善されていき、そういうふうなことによってもまだまだ働きながらも十分国民として一般のレベルまで達せられないような人、その人の身分は非常勤の地方公務員である。身分がそうである以上は、やはり長く勤めているんだから、その点においては何か考慮してやっても、それであえて公務員法違反にもならないだろうし、あたたかい行政ではないということもいえないでしょう。その辺まで思い切って踏み切ってやるのも今後の一つの方法だと思う。おそらく大臣は、これから雇用転換をして大いに雇用の促進をはかってやるような方法がただ一つ残された方法であるというふうにお考えのようですが、こういうふうなことを幾らやっていっても、現在の組織の中、現在の制度の中では依然として、今言ったような月給制をしかない限りにおいては困る人たちが、六大都市以外の、格差が一そうはなはだしくなっているような恵まれない都市の中にはおそらく多いであろうということだけは私はっきり言えるんじゃないかと思うのです。ここを考えて、これに固着せいとは言いませんから、もう少し大臣としてもこの方面まで研究に足を入れて、そしてこういうような人たちをよくするように研究してもらいたい、こういうふうに思うわけです。研究の年限はあと一年間、それによって今言ったような制度に近づくように、これは明確に、具体的に結論を出すようにしてもらいたい、こういうふうにして一つやってもらいたいと思いますが、大臣その程度なら賛意を表してもらえますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 さっきから私が繰り返して申しておりますように、失業対策事業の対象人員は、健康で年令的にも若くて、そうして他の産業に転職し得られる者、雇用を移し得られる者は、これを積極的にそちらへ移るように行政指導をする、そうしてそれを、定着を避けるというところに重点を置いていきたい。しかし平均年令四十八才というんですから、多くの人々は年令的に、健康の上に、あるいは今までの生活経験からいいましてなかなか抜け出せない人がいる。従って抜け出せない人についてそういういろいろな点を向上させ、安定させていく努力はいたします。ただ、その方法として、月給制ということが一つの方法であるということは認めます。しかし、それは長年勤めたから月給制度にして安定をしていくというような問題の取り扱いをする性質の制度ではない。勤めようと勤めまいと、その年令でほかに仕事を探すといってもむずかしい、しかし生活保護を受ける対象ではなく、ある程度の働く力があるというような人々の条件を考えるときに、長い間勤めたとか勤めないとかいうことによって区別すべき問題であろうかどうかということがまず考えなければならぬ一つの問題であります。それからもう一つは、やはり定着を避けるという基本方針との関係を求めていかなければなりません。現在は高年令層が多いのでありますが、今若い人が長いこと勤めて高年令層になることを、私どもは希望してはいけないし、やっぱりこれは避けていかなければならない。そういうものとの関係をいろいろ検討をいたしていかなければなりませんから……。(島本委員「現実の面もある」と呼ぶ)現実の面としても、たとえば十年勤めて今五十才、二年しか勤めなくても今五十才、その五十才の人が、過去において十年勤めたか二年勤めたかによって差別するのではなくて、今五十才で他に行けないのだという条件によって、その中で考えてやらなければならないのだ、私はそう思うわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 まことに残念です。それで、最後にこれは伺いたいのですが、この「失業保険法の一部を改正する法律案関係資料」の中で、「「失業保険法及び職業安定法の一部を改正する法律」成立の際における附帯決議(昭和三十五年第三十四回国会)」この中で、衆参両院の附帯決議があります。ことに、参議院の場合には、長期失業の救済の方法、低額保険給付についての方法、こういうような点もすみやかに検討の上で改善について成案を得るように努力せい、こういうようにはっきり載っておるわけです。この衆参両院の附帯決議に対して、今回の改正は、これで十分なのかどうか、これについてどう考えるか、伺います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 先般の通常国会におきまして改正の際の附帯決議がついておりますが、この中におきまするところの日雇い労働失業保険の失業保険日額、これは今回提出いたしました法案の中に織り込んだわけでございます。それから、一般失業保険の低額保険給付の問題につきましては、私どもは十分検討しなければならない面があると考えておりますので、行政的に私どもはこの面について検討いたしたい考えでございます。それから、零細事業所への失業保険の拡大につきましては、これは御承知の事務組合制度によりまして、拡大をはかって参りたいと考えておりますが、従来その事務が複雑であったり、あるいは御承知のこれに対する報奨金が低額であったりしたというようなことが拡大のための一つの障害になっておりまするので、今回その事務を簡素化すると同時に、五人未満の事務組合に対するところの報奨金は従来の五%を一〇%ということに倍額にいたしまして、これによりまして、私どもは中小零細企業への失業保険の拡大に努めて参りたいと考えております。長期失業の救済問題につきましては、先ほど申し上げました社会保障制度審議会において、一般社会保険とのバランスを見ながら御検討を願っておりまするし、また失業保険の積立金の運用にあたりましても、こういう面に力を注ぎまして運用して参りたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 特に大臣には今までいろいろ答弁された点等は実施に重大な決意を持って当たってもらいたいことと、あわせて最後の月給制の問題等もいろいろな観点から考慮してもらいたい。それとあわせて休日三倍論のいろいろな意見等もありますが、いかなる状態になりましても恵まれない社外工、臨時工、日雇いの人たちにも悪影響が及ぼされないように十分苦慮して実施してもらいたいことだけは念のためにくれぐれも要請しておきたいと思います。この点一つ私も心からお願いしておきますが、これを要請して私の質問をこれで終わります。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時三十分休憩      ————◇—————    午後二時二十一分開議

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  五島虎雄君より発言を求められておりますので、これを許します。五島虎雄君。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 法案の審議に入る前に、実は岩手銀行の問題ですけれども、私、岩手銀行の問題について、問題が非常に全国的な性格を持っているので、問題が解決しない場合は労使双方を、職安法の問題やあるいは労働舞準法の問題、あるいは労政関係の問題について一つ当委員会に参考人として呼んでもらいたい、こういうようなことを先々月から提案をしているわけですが、これが理事会の問題になって、三月中に解決せざるときは双方を呼ぼう、こういうような話し合いになっているわけです。ところが三月の末に岩手地労委が乗り出して、職権あっせんに入り、そうして労使双方がこれに応ずるということで、地労委のあっせんの努力が行なわれているやに聞いておるわけです。それで、地労委が中心となってこの問題を解決されるのならば、われわれはこれに越したことはないと思う。ところが地労委の努力にもかかわらず、双方が解決ができないというような状況もあるというように聞いておるわけです。それでこの問題については、単なる岩手銀行の問題としてのみならず、われわれが重視するのは、一体、組合の争議中に多くの臨時雇いを雇って、そうして一つの組合の争議がその力を発揮することができないというようなことになるのならば、非常に重大な問題である。これが、ずっと臨時雇用が行なわれて、業務が遂行されている。そうしてその問題の本質が解決しないというような状態ならば、これは重大な問題である、こういうように思うわけです。それで、理事会でもいろいろ相談がされているようですけれども、なお地労委が中心的にあっせんを継続されて、それが延期に延期を重ねて問題の本質が解決できないというような状態にかんがみて、ある一定の期間を置いて必ず呼ぶということを委員長一つ努力をしてもらいたいのですけれども、どうでしょうか。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 五島虎雄君にお答えいたします。  お説の通り、三月末までに岩手銀行の争議が解決されない場合には、会に諮った上で参考人として招致をするという話し合いでございましたことは、委員長も了承のことでございます。なおただいまの五島虎雄君の御発言に関しましては、事の重大性にかんがみまして、もう一度理事会にお諮りの上適切な措置を講じたいと思います。——よろしゅうございますか。

五島虎雄日本社会党

○五島委員 それじゃ、私はもうここで委員長がそのようにするというように言ってもらうのがいいと思うのですけれども、やはり機関としては自民党も、社会党も、民社党もおりますから、理事会でその問題についてよく検討されて、明らかにしてもらいたいと思うのです。しかしわれわれが論じているうちに、現地では解決の歩みを歩んでいるかもしれません。ですからその点については一つよく御配慮願いたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 了承いたしました。それでは理事会に諮った上で、いなやを決することにいたします。      ————◇—————

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 休憩前の質疑を続けます。八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 失業保険法の一部を改正する法律案に関連をいたしまして御質問を申し上げます。労働大臣がまだ来ないことは非常に遺憾でありまするが、委員長から急速に出席をするようにお手配を願いたいと思います。  まず職安局長にお伺いをいたしたいわけでございまするが、失業保険法の一部を改正する法律関係資料の中に、社会保障制度審議会に対する諮問に対する答申が印刷をされておりまするけれども、それに対しての追加答申がきておりまするが、ここに印刷をされておりません。その追加答申の方が内容が重大でございまするので、印刷はすでにされておりまするけれども、賢明な委員諸公がその答申の精神に従って法律の審議をされるでありましょうから、それの配付を急速にやっていただきたいと思う。いかがですか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 お手元に差し上げました資料の中に追加答申が落ちております。追加答申がこの資料を印刷いたしまして差し上げました面後に出ましたものでございますから、落ちております。さっそく印刷いたしまして御配付申し上げるように取り計らいます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 労働大臣にお伺いすべきことですが、実際に労働大臣とともにこの問題を動かされる責任を持っておられる事務局の担当者たる職安局長の、今回提出された失業保険法の改正案にとらわれないで、失業保険全体に対する考え方を伺いたいと思う。  失業保険というものは一体どのような方向であるべきかということについて、今お考えがあったら伺っておきたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 失業保険につきましては、これは言うまでもなく、労働者が失業いたしましたときにおきまして、その生活の安定をはかり、次の職場に復帰するまでなるべく後顧の憂いをなからしめるということがねらいであることは当然でございます。従いまして私どもといたしましては、この失業保険の経済全体を見まして、それに応ずる給付がどの程度にあるべきかという点について常時検討を加えるべき性質のものである、このように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 御答弁は、一通りそれでけっこうでございますが、実態はそれに合っていないことを自覚しておいでになると思いますが……。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 失業保険の現状につきましては、実は昨年の通常国会におきまして、御承知のように失業情勢の悪い地域におきますところの給付の延長の措置、それから職業訓練中の給付延長の措置、それから就職支度金制度の創設、それから待期の減少というような改正を行なったわけでございます。そこで、そのほかに失業保険の問題につきましては、昨年成立いたしました改正法の中におきましても、今後の問題については政府は昭和三十四年から昭和三十六年度に至る三年間の保険の収支状況をにらみ合わせて、昭和三十八年の三月末までにこの法律を改正するように措置しなければならないという附則がついておるわけでございます。私どもはそういった観点から、この失業保険の問題につきましては保険経済の状況とにらみ合わせると同時に、目下社会保障制度審議会にも総合調整の諮問を申し上げておるところでございます。私どもは根本的な問題といたしましてはその答申を待ちまして、それから昭和三十四年から三十六年に至る三カ年間の収支状況も見まして根本的な検討を加えたい考えでございます。現状におきまして、とりあえず日雇い労働者の賃金が相当上昇しておるという建前からいたしまして最小限の手直しを加える、しかしそのほかに現在の状況等を見まして根太的に検討をすべき面があると思いますので、これは関係方面の意向を十分今後お聞きいたしまして、なるべくすみやかに善処いたしたいと考えておるわけであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 一通りの御答弁でございますが、収支の状況を見て三年後に変える。収支の状況というのは給付の内容と関係がある。給付の内容がどうあるべきかということについての積極的な御意見があれば伺いたいと思いますし、なければ別に大臣が来られてから……。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 給付の内容につきましては、ただいまお話しの保険経済の状況、これを第一ににらみ合わせたいと思います。それと同時に給付内容の検討にあたりましては、この被保険者の方々が失業された場合におきまして生活の安定が得られると同時に、次の職場にすみやかに就職されるということが望ましいわけでございます。この点もからみ合わせまして十分に検討いたしたいと考えます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それでは、去年幾分か小さな手直しをされた。その反面、猛烈に改悪をされたことの引きかえに小さな手直しをされましたね。これの本年度の予算、手直し分の予算の総額についてちょっとおっしゃって下さい。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 本年度ですか、来年度ですか。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 三十六年度です。昨年の改正点です。就職支度金だとか、それから多発地帯における給付期間の延長だとか、それをしなかった場合と、それをした場合との差額、待期の点と、一般生保と日雇い失保と、両方別々に分けて下さい。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 失業情勢の悪い地域における給付期間の延長と、訓練所に入所中の給付期間の延長、これに要する金額を大体三億二千万円程度と見込んでおります。それから就職支度金につきましては十九億八千万円と見込んでおります。なお、日雇いの待期の減少に伴いまして約五億の支出というふうに見込んでおります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 日雇失業保険の本年度の会計で見ますと、予備金が百七十五億くらいあります。これは三分の一国庫負担を四分の一国庫負担にした会計において百七十五億であります。そのほかに日雇失業保険の会計から出すべからざるものも入れて、支出をして、その残りが百七十五億、そういう大きな金額、そして国庫負担をもとに戻すとすれば、大幅な給付改善ができなければならない。財政という点から見れば、この給付改善は当然昨年度、一昨年度からやらなければならないのに、本年度は、そういうことにはほとんど触れないで、日雇失業保険の一部の手当、日雇失業保険の一部の手直しにとどめたわけです。これは一般失保に関係がある点はごくわずかですが、これは完全に停滞であり、それと同時に前進すべき事態を長く待っていたのに、昨年あたりから前進すべき事態にきた。それを前進の要素を三分の一を四分の一に切り下げてしまって、しかもまた剰余金があるのを一つも給付改善に充てていないということは、一般失業保険というものを、今の御答弁にかかわらず実際上ストップさせる方向を労働省はとっておるわけです。それは非常に問題の後退であって、労働者の福祉をあずかっておられる労働省としては怠慢きわまるものだと思う。これは堀さんに申し上げてもあれですから、石田君に申し上げますけれども、公労協のストライキの問題であるとか権利の問題で大騒ぎをされることもいいでありましょう。しかしこういう問題については、石田君ないし労働省全体は実にふまじめであり、怠慢であり、いくじがないということが言えると思う。そういう点についての局長の率直な御感想を伺いたい。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいま申し上げましたように、根本的な問題につきましては、目下社会保障制度審議会に諮問申し上げておるところでございます。国庫負担の問題等についていろいろの御意見があったことも私どもも拝承しております。いろいろな保険収支の状況とにらみ合わせて問題点があるわけでございますけれども、これは先般の国会において成立いたしました改正法の附則におきまして、こういうようないろいろな問題点は三カ年間、すなわち三十四年から三十六年度に至る三カ年間の収支状況、経済状況をにらみ合わせて政府が根本的に検討を加えて、三十八年三月までに改正を行なわなければならない、こういう附則がついておるところでございます。私どもはいろいろな根本的な問題があることは承知しておりまするけれども、そのような観点から今回は、日雇い労働者の賃金の上昇にかかわらず、この給付日額は定額表になっておりますために不合理な点がございますので、そのようなとりあえずの改正にとどめたわけでございます。その他の問題点は、ただいまの附則の趣旨及び社会保障制度審議会における今後の御審議の結果を伺いまして、私どもは根本的に検討いたしたい考えでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 さっきの御答弁にありましたように、収支状況を見て三年後にやらなければならないということは、給付を固定させてという条件はついていないわけです。給付を今のまま低レベルで固定させておいてやれば大蔵省の連中は、百七十五億も余っている、そうなればそれをもう一回三分の一に復元するというようなことは、今の大蔵省対労働省、今の政府の社会保障に対する考え方からすれば、ストップされるおそれがある。その条件には、給付を上げたらいかぬということは一つも書いてない。給付はまことに不合理である。一〇〇%にすべきだけれども、それができないにしても、少なくとも百七十五億という金があるときに、その給付の前通をはかるのは当然です。社会保障制度審議会というところは非常にりっぱな学者もおり、熱心に論議をいたします。非常にりっぱな意見も出します。けれども、各省の次官初めたくさん入っておる政府側の連中は一つも出てこない。最後の採決のときには出てきますが、論議には加わらないで、政府はこうだから頼みますということは言います。こういうのはむだな委員だと思いますけれども、そういう構成もあり、何でも政府の方がいいように思うような資本家団体の代表者もいます。ですから結局結論においては全会一致方式をとりますから、穏当な文言、非常に温厚過ぎる文書の表示になっておるわけです。伝統的にそうなっておることは御承知の通りだと思う。しかも政府が出してきた法案全体については積極的に勧告をし、また諮問に対して答申をしておりますが、個々の法案については、政府が出してくると、予算の前だから逆行しない限りにおいて一〇〇前進しなければならないときに〇・〇一くらいしか前進をしておらなくても、一応妥当と認めるというような答申になる伝統がある。これは悪い伝統だと思う。これは御存じだろうと思うが、妥当と認められた、了承すると認められたからそれでいいというものではない。ことに失業保険法の改正案については追加答申がある。追加答申については、堀さん初め労働省の方の人格は信頼したいと思いまするけれども、これは時間的に間に合ったはずです。ほんとうは印刷を前にしたとしても、本法案の提出前にこの追加答申が出ておるわけです。印刷のとじ込みに間に合わなくても、同時に出すべき性質のものである。これが故意でなければいいけれども、もし故意であったならば、これは国会議員がほんとうのいい材料で、しかも政府に対して尊重権を持っておる制度審議会の答申を参考にしていくということに対して不忠実であると思うわけです。これはさっき申し上げたら、すぐに配付になるそうですからこれ以上追及しません、大臣には追及しますけれども。ここではこういう内容があるわけです。こういう内容は非常に大事なものであって、すみやかにということが入っておるわけです。でありましたならば、さっきの二年後の要件には逆の要件はついていない、ブレーキはついていない。制度審議会の真意はこういうことであるというならば、当然政治力が全然ないというふうな自覚を持っておられない限りにおいては、これは前進をさせなければならないことになるわけです。大臣には同じような質問をしますから、御説明していただいてもいいのですが、それには及びませんから、今の点について局長さんの抽象的でいいですから御意見を伺って、それから大臣にお伺いします。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 社会保障制度審議会の追加答申につきましては、これは決して故意ではないことを申し上げます。あとから出て参りまして、配付がおくれておりましたから、さっそく印刷して御配付申し上げます。  なおその追加答申におきまして、御承知のように、政府はこの失業保険の問題については給付内容の改善についてすみやかに措置を行なうよう検討すべきであるという答申が出ております。私どももそれを了承しております。先ほど申し上げましたように、全体の状況をにらみ合わせ、先ほど申し上げました失業保険の被保険者の生活を安定させると同時に、その再雇用の促進をはかる、こういう基本的な観念において検討はすみやかにいたしたい考えであります。ただ本国会におきましては先ほども申し上げましたような趣旨から、私どもといたしましてはもう少し具体的に関係方面の御意向を今後十分伺いました上で根本的な改変を考えたいと考えておりますので、一応切り離しまして、当面明らかに日雇い労働者の賃金が上昇しておるのに定額表がそのままであるというような矛盾しております点を手直しするということにいたしまして、この法案を提出した次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 後ほどまた堀さんにも御質問申し上げますけれども、大臣が来られましたのでこれから大臣の方に御質問を申し上げますから、大臣から御答弁を願いたいと思います。  本格的な質問に入る前に、社会保障制度審議会の答申の追加答申があったこと及び内容について、石田さん自体御存じでいらっしゃいますか。——そういうものはよく勉強しておいていただきたいと思います。後ほどその問題に触れますけれども、あらためて初めから御質問申し上げます。  大臣は労働省の責任者として、また国務大臣として、労働者の福祉増進について一生懸命考えておられるべきはずだと思いまするが、そのことについて、労働者の立場に立ってどういうことが一番必要だというふうにお考えでございましょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 基本的には、賃金その他労働時間を含めた労働条件の向上と雇用の安定をはかることが、私は一応仕事の基本的な目標であると考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大体その方向は正しいと思うのですが、少し弱いですね。安定というより完全雇用を量的、質的に完全に達成する——質的な点については賃金その他労働条件が入っておりますが、そういう意味の考え方で石田さんおられると思うのです。そう理解して差しつかえありませんね。これは賃金の問題や何かに関連はございますが、そういう問題についてよい状態になるように進められることを強力に要望するわけでございます。質的、量的な完全雇用ということが労働者にとって最も大事なことであろうかと思う。完全雇用がありましても、その雇用の増大、安定政策が相当進んでおるところでもやはり職業転換ということがありますから、そういう場合に、摩擦的にやはり失業保険の必要な場合に対する対処が必要になってくると思う。それについて、各国とも失業保険という制度で当たっているのが通例だと思いますが、そういう意味で失業保険ということをお考えになっておいでになりますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 日本はまだ普通の意味における完全雇用国という域には遠いのであります。よしんば完全雇用という状態だといわれる西ドイツ・イギリスその他の国においても、やはり産業界、経済界の変化に伴います雇用の移動というものが当然行なわれる状態にあります。従ってその雇用の移動というものの摩擦を少なくいたしますために、いかなる場合においても失業保険という制度は当然存置、発達せしむべきものと考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 労働者の生活を保持する基本的な体系として、たとえば賃金、失業保険、それから老齢年金あるいは現存の退職年金あるいはまた退職金、そういう問題との関連について、大臣に何か系統的なお考えがもしございましたならばお示しを願いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は退職金というような制度がリタイヤということを意味するものでありますなら、基本的には年金で保障する方向へ持っていくべきだと思います。しかしそれが雇用の移動、一時的移動ということを取り扱われるという場合に対処するものであれば、それは失業保険と見合って、雇用の移動をなされる場合の一定期間、失業者が次の職業を選択するために不利な条件に追い込まれないだけの保障、それと同時に永年勤続に対する褒賞という意味をあわせ備えたものを考うべきものと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 永年勤続に対する褒賞という考え方は日本に現存はしておりますが、やはり貸金というものは労働の対価なので、後々もらうということでなしに、その労働に対してはその時点でもらう、今すぐはむずかしいかもしれませんが、基本的にはそういう方向に進むべきものだと私は考えるわけでございますが、それについてのお考えを一つ伺わしていただきたいことと、経過的には、両方並用しなければなりませんが、そういうことと、年金というものは、退職年金という形の制度がありますけれども、これはほんとうは老齢年金という制度であるべきであって、退職して、そして就職ができないから年金で暮らすということは、完全雇用が達せられない状態においてそういうことがあるわけでございます。生産年令人口のときに完全に労働条件の質的な点も維持された雇用が容易にできるような状態であれば、これはとにかく生産年令人口は完全に賃金で食う、その間の摩擦失業については失業保険で食う、老齢に達したら老齢年金で食う、それからまた失業のときに不利をこうむらないようにするために失業保険で生活を維持することが本来の建前であって、もちろん居住を移動するときの汽車賃とか権利金が要るという条件がありますから、そういうときに退職金というような金が必要だというふうに考えるわけです。ですから基本的には賃金、その間の失業についてはすぐ就職できるという完全雇用状態を作るということが前提でありまするが、失業保険で食う、それから老齢に達したら老齢保障で食うというのを本則として世の中が進むべきものというように考えております。それについての労働大臣のお考えを伺いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は理論的にはその通りだと思います。今の永年勤続に対する褒賞というのも日本の封鎖的雇用制度というものが裏にあるのであって、労働力の流動が当然の場合は、私は当然その時点において労働の報酬は受け取るべきものだと思っております。  それから、リタイヤという意味の中には、もちろん老齢ということも含まれますが、健康上の条件もやはり別個あるものと考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そういうことでございますと、失業保険というものが非常に労働者の生活を保持するために重要な点になってくると思う。そういう失業保険というものは、あくまでもそういう状態に近づくように急速に前進されなければならないものだと私どもは思うわけでございますが、それについての労働大臣のお考えを承っておきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 急速という意味をどうとっていいのか、これは別問題でありますが、私は諸条件を考慮に入れつつ、やはりその内容の充実に進んでいくべきものと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 内容の充実は、今の御答弁でそういうお考えがあるというふうに理解して差しつかえありませんか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 どういう意味ですか、当然内容の充実を常に考え、常に前進させていくべきものと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 内容の充実はすべきものだとお考えになっておられるのですが、その前に諸条件を勘案しつつという前提条件があったわけです。その前進をはばむ諸条件は、今の失業保険の全体において私はないと思う。ないのにかかわらず労働省ははなはだ怠慢であって、前進すべき条件が積極的にあるのに前進をはかっておられないという点に非常な欠点があると思う。それについて率直に労働大臣のお考えを伺いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 御指摘のように失業保険会計の余裕金も相当金額に上っております。従って内容を改良前進すべきことを妨げる条件というものではないと思います。そこで失業保険の内容充実、改良については私どもの方で目下研究中であります。特に他の社会保障制度との関連においてその均衡を考えなければならぬ問題もありますので、ただいまその問題を含めて社会保障審議会に社会保障全般の審議をお願いをいたしておるのでありまして、それと相待って根本的な内容の充実に向かって具体策を講じたいと思っておりますが、しかしとりあえず明白に矛盾を来たすものについては、今安定局長が答弁いたしましたように、今回改正案を出しておる次第であります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 社会保障制度審議会の総合調整の答申を待つというふうに言われました。往々にして社会保障制度審議会を隠れみのに使われるのですが、社会保障制度審議会のまじめな努力に対しては、その通りの方向をとっていただかなければ、あれだけの努力に対して非常に侮辱することになる。その意味で、それをお見せして読んでいただきたいと思ったのです。そこに「すみやかに」という文言があるのを御存じであろうと思う。社会保障制度審議会がそれを書いたのは、総合調整がまずいというときには、社会保障制度の総合調整に関連してという文句を必ずうたう。そういうことに気がつかない学者は一人もいない。ところがそうでない状態、今即刻前進できる状態であるから「すみやかに」という文言が入っている。ですから、社会保障制度審議会の答申を待ってとか、総合調整ということではなしに、すみやかに即刻考えられなければならないことだと思う。今まで読んでおいでにならなかったら、それについてはいささか怠慢でありますけれども、それは事務的なことでございますからこれ以上追及はしないけれども、読まれた以上は、そういう考え方に対しては即刻変わった考え方で問題を前進されなければならぬと思います。それについてのお考えを伺いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 今までもあらゆる機会にお答えをして参ったのでありますが、この社会保障制度審議会の御要望を見たのは初めてですが、御要望があるなしにかかわらず、特に給付期間の問題については私どもの方で早く検討を加えるようにいたしておりますし、決してこれがあるなしにかかわらずそういう検討を怠っておったわけではないのであります。私が総合的な社会保障制度と見合ってというのは、他の社会保障制度との均衡の問題もあります。従ってそれと見合いつつ、できるだけすみやかに失業保険制度の内容の充実を検討いたさせるということは、これは当然であります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 均衡という言葉は必ずしも全部いいわけじゃないんですよ。石田さんみたいな若いはつらつとした政治家が、年取った大臣の言うような均衡とか見合ったとか権衡とか、そんなことは言わないで、もっと率直に政治を進めていただきたいと思う。均衡なんという言葉は、均衡と言葉だけでいえばいいことのように見えるけれども、悪い方に均衡したら決していいことじゃない。そんなことはわかっているはずなんです。悪い方に均衡したら悪いんですよ。ですからいいことを進めるということのためには均衡ということを考えてもいいけれども、その均衡という言葉が今悪い方に使われている場合は、そういうことをおっしゃらずにほんとうに押し進められたらどうですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 さっきから何度も言っております通り、失業保険の内容充実については、これは失業保険経済の現状もありますから、当然これは進めておるわけであります。均衡ということはいい方も悪い方もありましょうけれども、この制度がやはり社会保障制度の中の一つとして存在しております以上は、やはり社会保障制度というものの全体を見ながら考えなければならぬ面もあります。そこで、今悪い方にばかり均衡というお話がありましたが、しかしそういう他の社会保障制度と見合って考えているうちには、失業保険制度の上に、他にもっといいプラスが加えられないとも限らないのでありまして、これはこの制度として当然検討を要すべきことであり、また検討をしておりますけれども、しかしそれと同時に、単独ではなくて、やはり社会保障制度審議会の、ほかの社会保障の全体の中にある失業保険制度ということも考えなければならない、そういうことをあわせ考えながら内容の充実に目下検討を加えつつあるところであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 抽象的な逃げ言葉を言わないで、もっと石田さんの本来の性質を出して、ずばりおっしゃっていただきたい。ほかの社会保障制度の失業保険というと、船員保険の失業部分になるのでしょうが、船員保険の失業部分は黒なんですよ。ですからほかの場合と違って、失業保険の部分はみな黒です。だから調整だ調整だとほかで言っても、自信を持たれても大丈夫なのです。そういうことをしていると、とんでもないことになる。この前に三分の一国庫負担を四分の一の国庫負担にされたことは、これは石田さんが労働大臣をやっておる時代ではなかった。なかったけれども、それから石田さんが労働大臣をやられた以上は、間違った方向をとったことはもとへ戻す、もとへ戻す以上に、前進をさせることに力を加えなければだめだと思う。ところが今四分の一国庫負担で予算を組んでおられる。それでも百七十五億余りがある。給付は四百何億ですから、それだけの分で約四割くらいの給付前進は直ちにできる。厚生省の諸君を見てごらんなさい。どこも赤字々々で困っておっても、それが必要であれば借入金までやって制度の内容を前進させようとしている。   〔委員長退席、齋藤(邦)委員長代理着席〕 それなのに労働省の方は何ですか。これだけ百七十五億も黒がありながら、給付内容の前進ができないようなことであったら、労働大臣もその他の人たちも、全然政治を進める力がないと言えるわけです。しかも百七十五億というのは非常に甘いのです。百七十五億という剰余金の、もとの使ったところを見ると、失業保険会計から出さなくてもいいようなものをどんどん出しておる。それでも百七十五億余っている。しかも三分の一国庫負担を四分の一にされている。本来ならば三分の一なのだから三分の一に返して、失業保険からは出さずに一般会計から出すべきものは出して、それを給付改善に充てる、大蔵省にも承知させる、それでも足りないならば赤字でもってこれを前進さしてもらいたいというのが労働省の立場でなければならぬ。それを三段がまえになまけている。もとへ戻すことをなまけて、ほかの本会計から出すものを失業保険会計からどんどん支出する。それで余ったものすら使おうとしない。そんな労働行使はあったものじゃない。ほんとうに今から心を入れかえられて、直ちに変えるということを明言をしていただかなければ労働大臣の責任を果たすことにはならない。石田労働大臣の若い政治力をもってすれば、黒字があるのにそれを給付に変えることができないなんということは、どんなに大蔵大臣が言っても、そんなものは労働大臣の行政が百パーセント勝ちますよ。池田さんがどんなに社会保障に勘が悪くても、これだけ黒があるのに、これを使うのが何が悪いかと言ったら、池田さんだってすぐ承知します。それができないのだったら労働大臣はびっこである。片方は張り切っているけれども片方は全然能力がないということになる。即時給付期間を延長するなり、給付率を上げるなり、そういうことを断じて首にかけてもやってみせるということを、今御返答いただきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私はどうもオクターブがちょっと違うものでありますからお気に召さないかもしれませんが、先ほどから申しておりますように、給付内容の改善については、すでに検討に着手しておるわけであります。従って、検討に着手しておるということは改善をいたす意思表示であります。それに断じてとか断固とかいう形容詞をつけないだけでありまして、内容はすでに前進することを目標にして検討をさせておるわけであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 断固としてということと同義語だとおっしゃったから、労働大臣は断固としてやるという御答弁をなさったものというように私は理解して進めたいと思いますが、それならばそれをいつやられるのか。そういう当然の状況で、特会でありますから、こんなものは補正予算を組めばすぐできるわけです。これは三十六年度にその前進を直ちにやられなければ、今の御決心はあまり確かなものだとは受け取れないわけでありますが、この答申を、本年度に補正予算を組んでやられるのかどうか。そういう問題についてあるという御返事をぜひいただきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 こういう大きな制度の改革をやるということについて、非常に手っとり早くものが処理されるようにお考えでありますが、たとえば今社会党でお出しになりました失業保険制度の改正では、大ざっぱに経費を検討させてみましても、給付の増加額は約四百八十億円に上ります。そうして従来やっておりますものと合わせますと八百七十億円、それから三十六年度の収入見通しは四百七十億でありますから、社会党案のごとく一般会計からの給付を三分の一に直すといたしましても二百九十億で、合わせるとやはり七百六、七十億であります。そうすると百十億円の赤字というものがすぐ生じてくるわけであります。従ってそういうものが他に影響することも考えなければならないのであります。またそれと同時に、失業保険制度というものの運用ということは、これは必ずしも単純に保険の給付だけに限局する問題でもなく、その余裕金の運用を効果的にすることによって、失業の新たなる発生を防止する用途もあるし、また新しい雇用を造出するという用途もあるわけでありまして、そういう諸般の事情を勘案しつつ、内容の充実に向かって目下検討中でありまして、できるだけすみやかに結論を得、成案を得次第御審議を願うつもりであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 社会党の案を例に出されまして、その改革の比較をされたようですが、社会党の案と同様のものにするという考え方で進めていただいておるというように、今の御答弁では了解したいと思いますが、それでよろしゅうございますね。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 社会党の案の給付額の増額という方向において、これは一日当たりの、あるいは単位の増額だけでなくて、期間も含めてそういう増額の方向に向かって検討しておるということは、その通り御理解をいただいてけっこうだと思います。増額の方向は一致しておるのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 期間の延長ということと、給付率の引き上げと、両方について同時に検討をやっておられるわけですね。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 内容は、期間の延長と給付金額の増額でありますが、この二つを給付の増額と私どもは考えております。従ってどういう方法をとるかというこの検討の方向でありますが、給付の増額、失業保険制度の充実という方向について研究をいたしておる次第でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 この検討が実を結んで法律案が提出される時期について、ちょっとお知らせを願いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 できるだけすみやかにいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 できるだけすみやかにというのは、三十六年度中ということですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私どもは次期国会程度を目標として当然やらなければならぬことだと思っておりますが、こういうことはやはり一たん改めますと、なかなかそう簡単にまたいじるわけにもいかぬ問題であります。それからせっかく社会保障制度審議会でもこの問題を含んで御議論を願っておるわけでありますから、そういうことを目標に努力をいたしたいと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 社会保障制度審議会は、そこでごらんになったように意思表示をしております。ですから失業保険給付の増大をするということについては、進めるという方向ですから、その総合調整で進められて一向差しつかえないわけです。私も社会保障制度審議会の論議に全部参画しておりますから、これについては全然正確であります。政府側以上に正確であります。もしあれでしたら、直ちに所管局長あたりか、大内先生か事務局長に連絡下さってもいいのですが、そういうような状況でありますから、社会保障制度審議会に気がねをなさることは一つもないのです。むしろ社会保障制度審議会は、それを早く進めろ、進んでほしいという意思でございますので、そういう点で少なくとも次の通常国会までにこの失業保険の大幅な改正案を出されるということで、一つ労働者の利益を前進していただくべきだと思います。本年度についても、この国会においても、できる限り、善は急げということがありますから、話し合いをして前進していただきたいと思いますが、根本的な改正案は、少なくとも来年の通常国会にはどんなにおそくても出す、それまでにできる範囲の前進をするということについて、労働大臣もちろん御同感だろうと思いますが、労働者は非常に期待をしております。積極的な御答弁を一ついただきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 あなたの御希望と私の希望とは、そういう意味において一致いたしております。そういうことを目標として努力いたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 これはもう一つ、労働省の失業保険会計の中でいろいろと施設費が出ているわけです。これをやりますと、庁舎等新営費、公務員宿舎施設費というようなものが出ております。それから労働福祉事業団交付金、雇用促進事業団交付金、職業訓練施設費、職業訓練施設費補助金、雇用促進費等事務費、出資金、いろいろなものが出ていますが、こういうものをここの会計から出すことは妥当でないと思いますが、どうでございましょうか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいま御指摘のような点が支出の予定になっておりますが、これは失業保険の現在の特別会計法の規定からいたしまして、私どもは出すことは法律上できる、このように解釈しております。また従来もそのような慣行でございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 法律上の問題でなくて、政治上の問題であります。この施設自体これはおおむね妥当なことで、こういうものに金を必要とするということは、個々は別ですが、おおむね認めて差しつかえないと思いますが、こういうものは当然労働省の一般会計から出るべきであります。労働省の予算要求が弱いために、お前のところの失業保険会計に黒があるじゃないか、そこから出しておけということで、イージー・ゴーイングに大蔵省から押されているわけです。基本的に当然一般会計で要求すべきだ。大蔵省は要求をはねるべきものではないのです。それだけ労働者の資金が総ワクが減るわけであります。こういう方向をやはり改めていって、労働者に使える金を、総ワクをふやしてもらわなければならない、それについて労働大臣どう思いますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 この保険制度の目的からいいまして、法律的に可能だとか不可能だとかということではなくて、この制度の中に一般会計からの支出もあるわけであります。私はこの制度自身は、単に給付だけではなくして、失業の発生を防ぐために使われるということでありますから、私はそういう方向に使うことも失業保険制度の目的達成の一助であると、積極的に考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 あまり積極的に考えられたら困るのです。消極的に、あまりぼかんぼかんにたたくということは控えて差し上げてもいい程度のものであって、こんなものは当然一般会計から出すべきものが大部分です。ここから出すということはそれはかまいませんけれども、それは要求したらとれるはずです。雇用促進のための職業訓練とかそれのための施設というようなことは、自民党の政策としても当然きまっているし、自民党内閣としてもそれがいやだなんということは言えないわけです。それはそういう方向の一般会計から要求すれば当然とれるものです。それをとるのをやめておいて、それでこの失業保険の方から出す。融資ならば別ですけれども、これは出資金です。払い切りのものでしょう。それならば労働者の積立金がこれだけ減ることになるのです。それは労働者に関係のある非常に有効な施設に使われたといいましても、それは当然一般会計から出すべきものです。貧しい労働者に属している金から使うべきものではないわけです。それでいいという考え方ではいけないと思う。今までこうだったけれども、これは御了承下さい、来年度からこういうことは一つもいたしませんという御答弁であって初めてしぶしぶ了承ができるくらいです。それについて労働大臣、一つ考え方を変えて下さらなければ困ると思う。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 この保険経済が幸いにして現在のところ健全に運用されているわけでありますし、相当な余裕金がある。この余裕金は給付の改善にもあわせて使っておるわけでありますが、その余裕金をもってやはり失業の発生を防止し、雇用を増大させる施策に使うことは、私は差しつかえない、同じような目的を持つものだと考えます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それは、もっとはっきり考えていただきたいのですがね。労働大臣はほかの点については実に練達の士でありますが、ほかの例でそういう例がないのです。社会保険の特別会計でそんなことはあまりないのです。これはそういうものに使うはいいけれども、融資であれば労働者の金が元へ戻ってきますけれども、この中には融資でない部分があるわけです。それでは労働者の金がそれだけ減るということになるわけです。使っている目的がいけないとは私は言いませんよ。それなら当然一般会計から出すというのがあたりまえであって、こういうことを大蔵省が承知するのが大体おかしいのです。大蔵省ではかたいことばっかり言って、一時的に自分の方が都合がよければ筋が通らないこともうんうん言っているのは、大蔵省に対しても追及はいたしますけれども、とにかくそういうことを、融資であれば返ってくるから、その間の積立金運用ということならこれはかまいません。ところが出し切りの金が入っておりますから、それだけ減るということは、やっぱり労働大臣、ちゃんと認識していただかないと、野党から質問されたから、積極的な目的だからいいんだというような考え方に立たれたら、失地回復ができなくなるから、それではその部分だけ労働大臣が労働者の権利を捨ててしまったことになる。今のこの予算、ことしの予算、このくらいのことに、われわれも大政党ですから、このくらいのことにことしごちゃごちゃ猛烈に食い下がるということは、これは控えてもいい。しかしこれは直してもらわなければならぬ。来年から失地を回復してもらわなければならぬと思う。それについての石田さんの考え方を変えた立場で御答弁を願いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 失業保険法の第三章の二に、福祉施設に関する規定がございます。失業保険の保険金の運用の一つの目的を明らかにしたものでありますが、従って失業保険の運用利子その他をもってそういう福祉専業を行なうことは、私は何ら差しつかえないと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 どうもわからないのだけれども、運用と出し切りと違うように思いますが、これは私の理解が違うのか、労働大臣が違うのかどうかわかりませんけれども、ちょっとはっきり答えて下さい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 それはよその全く違う機関にくれてやってしまうのではなくて、それが施設として財産化されて残っておるわけでありますから、その財産化されたものが労働者の福祉施設として残るものでありますから、私は差しつかえないと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 たとえば事務費というのはくれてやって、これは残りませんね。雇用促進費等事務費、こんなものは残りません。事務をする人の給与費に充てるものだろうと思う。戻りません。建物だって、貸してやってだんだん古くなっていって使えなくなりますからね。ですからやっぱり会計的には、やりきりなんです。労働大臣はこれで、職業訓練等いいことができるから政治的にいいという御判断をもって、それでやっていられるんでしょうが、職業訓練を進めるという点はいいですよ。どんどん進めなきゃいけない。しかしその出す金は当然一般会計から出す性質の金である。それを大蔵省が頑迷であって労働省が腰が弱いために、そういうふうに労働者の金が流用されて使われているわけです。そういうことはやはりはっきりけじめをつけて考えてもらわなければいけないと思う。私はあんまりこまごま言わないけれども、これはあくまでも正しいと言われるんだったら、あやまちを正していただくために追及しなければならぬです。筋としては間違いです。筋としては間違いであるけれども、今まで具体的にこうなっているんだから——ことしの予算についてこれ以上申しませんけれども、将来改めるという、こういう考え方が本来の筋ではないかというふうに御認識願わなければ困る。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 事務費その他をこの会計の中で持つという意味も含めて、そのためだけではありませんが、そういう意味も含めて一般会計からの国庫負担があるわけなんです。従って事務費をこれで負担をすることは私は何ら支障のないことだと思っております。それから福利施設その他の問題はこの法律の中にはっきり明記いたされておることでありますので、私はこういう事業に使われることは差しつかえのないことであり、この保険法の目的を達成するものだと思っております。ただ、こういうことは言えると思うのです。失業保険法の運用その他の金をもって作られた施設の利用度が、必ずしも失業保険を今までかけておった人だけに限られないで、それ以外の新規労働力の訓練等のために利用される。これも余裕がある場合と、そっちに支障を来たさない場合という規定がありますから、違法であるとは言えないのでありますが、その学校を新規に卒業したという人たちの職業訓練の部分、その部分についてはやはりそういう事業を一般会計から負担をさせていくのが当然でありますから、そういう部門についての一般会計の支出の増加についてこれから努力をしていかなければならぬことだけは、これは言えると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ちょっと関連して。私も質問をしたいと思っておった点をちょうど八木先生触れられておりますからお尋ねしますが、それならば失業保険の特別会計の中に、一般会計から事務費は幾ら出ておりますか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 業務取扱費は三千九百七十七万円でございます。他の保険金の一般会計からの国庫負担は別でございます。これは事務費と別でございますが、これ以外の業務取扱費につきましては、このほかに三千九百七十七万円でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 労働大臣、今御答弁の通り三千九百七十七万円しか事務費が出ていないんです。これは私が去年の予算委員会で、石田大臣のときですか、松野さんであったかと思いますが、指摘をしたわけです。特別会計の事務費というものは予算の範囲内で国が大体全額見ることが他の保険の建前ですよ。ところが労働省だけは伝統的にこれをもらっていないんです。一体失業保険の事務費は総額幾らかかるのですか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 二十八億でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 石田さん御存じの通り二十八億かかるんです。そして二十八億かかるのに、これは九百何がしの積立金の利子の中から二十八億出しているんですよ。こんないき方というのはないんですよ。他の健康保険の会計にしても厚生年金の会計にしても、こんなばかなことをやっておるところはない。労働省だけなんです。だから私はこの前予算委員会で松野さんに指摘をして、こういういき方で労働行政をやるのはいかぬ。法律をごらんになると、どの法律もこんな書き方をしているのですが、「国庫は、前二項の費用の外、毎年度予算の範囲内において、失業保険事業の事務の執行に要する経費を負担する。」とこうなっておるんです。これは二十八条です。だから、当然、二十八億の事務費がかかるのに、九牛の一毛のような三千万ちょっと負担をして、それでいいというわけにいかないのです。当然こういうものは二十八億事務費を取るべきなんです。それを伝統的に取っていないのですよ。この会計だけなんです。ほかのものはほとんど事務費を取っている。大蔵省まだ来ておりませんが、これは私はもう一回念を押さなければいかぬことなんです。昨年これはある程度検討するという約束を得ておる。ところがことしは去年より少ない事務費しかもらっていないのですね。労働者の金をこういう事務費に使うということはまかりならぬですよ。何かよほど予算が切り詰められてどうにもならぬというときに、三千万の金を事務費で出すというならいい。ところがこれは逆になっているのですよ。これはどうして改められないのですか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいま御質問の御趣旨は前から拝承しておりますが、私どもは、ただいまの段階におきましては、失業保険特別会計法第一条、第三条にのっとりまして、歳入の面と歳出の面というふうに書き分けてございますが、歳入の方は、保険料、その他の受入金、雑収入をもってその歳入とし、それから歳出の方は、保険金、保険施設費、それから交付金、業務取扱費その他の諸費をもってその歳出とするとしております。この失業保険特別会計法の建前からいたしまして、法律上これはできるというふうに解釈しております。ただし、ただいま先生御指摘のように、法律上はできても、それがはたして適当であるかどうかという点についての問題は残るわけでございまして、この点につきましては、私どもは三十四年度から三十六年度までの間における収支の状況を見て、根本的な検討を加えますが、その際におきまして、ただいまのような御意見も十分拝聴しておりまするので、根本的に関係各省相談をいたしまして、検討はいたすつもりでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 法律的には、二十八条で、毎年度予算の範囲内でと、こういうから、大蔵省は、それは予算がなかったのです。こう言えばいいのです。ところが、それは他の会計がみなそうやっておるならば、私はあまり文句を言わないのです。ところが、あなたのところのこれだけなんです。私はあのとき全部調べてみた。これはまず石田さんの政治的な答弁を聞く前に、局長が政治的答弁をした。法律的にはこれは問題はない、しかしやはりこれは考えなければならぬ問題でございますから検討をいたしますと、こうおっしゃったのです。岩尾さん、ちょうどあなたは悪いところに来たわけではないけれども、あなたの来るのを待っておったわけだ。それは、今回失業保険の事務費としては三千九百七十七万円しか入っていないわけです。その一般会計からの繰り入れは、これは百三億ちょっとあるわけですよ。しかし、この百三億は、給付が四百九億というのだから、四分の一ならばちょうど百三億ちょっとになるわけですよ。同じくらいになるわけです。だから、給付費は四分の一だけ入れておる。ところが、事務費は二十八億かかるのです。だから、幾ら予算の範囲内といったって、二十八億のうち少なくとも二十四、五億ぐらいは持って、あと失業保険の会計で五十四億も積立金の利子が入ってくるのだから二、三億ぐらいは見て下さいというなら話はわかる。ところが、これは全く逆なんです。失業保険特別会計の粒々辛苦してためた汗とあぶらの結晶を、積立金の中から事務費として二十八億使ってしまって、そして国は三千九百七十七万しか出していない。こういういき方は邪道です。これはことしは予算がもう通ってしまったあとでわれわれが今法案をやっておるので、これは今直せと言ったって、返れ返れと扇で招くようなもので、なかなか返らぬです。参議院を通ったのだから……。だから私は、ことしはわれわれの負けだと思うのです。僕はもう一ぺん予算委員会でやらなければならなかった。しかし、ほかの問題があったからできませんでしたが、しかしこれはどうです。岩尾さん、来年度はこの点は大蔵省としては当然理論的には考えなければならぬ問題ですが、考えますかどうか。それから、同時に石田労働大臣はこの点を当然押さなければならぬところですよ。押さなければならぬところですが、これは私、去年多分、今速記を持ってきていないけれども、松野さんから、これは大事なことだから検討をするという言質をもらったと記憶しておるのですが、これはあなたとしても、こんなものを、他の会計は全部事務費は大蔵省からもらっておるのですから、いわゆる一般会計から出しておるのですから、この問題だけがこんなばかなことはないですよ。これは御両所の明確な御答弁をいただきたい。

岩尾一大蔵事務官(主計官)

○岩尾説明員 失業保険の事務費の問題でございますが、今安定局長おらお答えいただきましたように、国が「毎年度予算の範囲内において、失業保険事業の事務の執行に要する経費を負担する。」こういうことになっておりますが、最近積立金が非常に累増しておりますので、その運用収入でほとんど事務費をまかない得るという情勢になってきております。元来、失業保険のような短期保険におきましては、長期の保険と違いまして、運用収入をもって給付に充てるということではございませんので、保険収支計算上特に運用収入というものは予定されたものではございませんから、これをもって事務費に流用支弁するということは決して違法ではないと思います。また先ほど先生がおっしゃいましたほかの保険の例でございますが、厚生年金それから健康保険その他若干、額はこれほど大きくはございませんけれども、私どもの査定でも、そういう運用収入をもって事務費に充てるということはやっております。将来の問題といたしましては、全部税金で見るという考え方もあると思いますが、また一方積立金のような、今のような短期保険で運用収入がうんと出るという場合には、それをもって事務費を支弁するということもまあいいのじゃないか。この辺は社会保障制度審議会で社会保障の全体を調整されておるわけでありますから、その議論を待って検討いたしたいと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 さいぜん八木さんも議論しておったのですが、九百五十億になんなんとする積立金が出てくるわけです。これはほんとうは、今のような悪い失業保険の給付の内容を、労働大臣も言われたように、期間を延長し、保険金の日額を上げる、こういうことをやれば、あれはぐっと減るわけですよ。ところが、それをやらずに、あなたの方が抑えておるのか労働省が怠慢であるのか知りませんけれども、やっていない。そして、いわばその労働者の給付の改善を、結論的にいうとピンはねしたものがたまっておる。これはほんとうに労働者に全部やってもいいものなんですよ。そうすると、そんな事務費というものは全部国が出さなければならぬ。ところが幸いピンはねがたまりにたまって九百五十億になった。ところが、今度はそのたまった元金の中から利子のピンはねもやろうというのだから、大蔵省の罪は重いですよ。いわば二重のピンはねをやっているのだから、この罪は実に重いですよ、私に言わしめれば。それに、季節労務者でも前に六カ月くれておったのを今度は三カ月にしてしまって、労働省はひどいひどいとみんな言っておる。九百億の積立金があるのをみな知らなくて言っておるのだから、これだけの積立金があるのだということを言ってごらんなさい。みんな腹を立ててあなたのところに情陳が殺倒しますよ。ですから、この辺はぜひ社会保障制度審議会の審議を何ぞ待たんやですよ。こんなものは金があるのですから、労働大臣とあなたの方の十分な御折衝によって少なくとも減らしていただきたいと思う。これは私は来年の予算委員会でもう一ぺんやらなければならぬ。攻勢をかけますよ。今度は主管大臣としてのあなたの御答弁をお願いしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 失業保険の給付内容を改善するための努力、これはしかし、今生じて参りました余裕金を食っていくという建前で改善すべきものではないだろうと思います。やはりその年度において収支が見合うようにしてやっていくことだろうと思います。  そこで、今余裕金が生じて参りました。この余裕金の生じてきたということは、結局いつでも余裕金が出るようにできているというわけではなくて、昭和二十八年には赤字になったときもあるのでありますから、従って、これはやはり経済の上昇に伴って給付を受ける人が減少すると同時に、もう一つは、失業保険制度というものの普及が行なわれて、加入人口がふえてきたというような要因によるものであろうと思います。そこで、そういう余裕金の運用は、しかしながら失業保険特別会計の設置された目的に沿うように運営されていかなければならないという状態にくるわけで、事務費のごときものは建前としてはできるだけ国庫負担で見るべきものだという議論もよくわかります。それから、先ほど申しましたように、やはりその事業の中で失業保険をかけていない人が多く利用する部門については、一般会計で見てもらうようにすべきものだと存じます。私自身も、正直なことを申しまして、運用利子が五十数億の中で事務費が意外に多いのに、実は昨年予算折衝のときにちょっと驚いたわけであります。従って、この問題は私はやはり検討すべき問題だと思います。むしろ、事務費というような一般会計で見るべきものはできるだけ一般会計で見てもらって、その余裕金の利子というものはやはり職業訓練なりあるいは労働者の福祉施設なりというものに使っていくべき性質のものだと私は考えておるわけであります。ただ、余裕金に相当な運用利子が生じてきます。生じてきますので、従って、これは税金の金といっても労働者の金でないわけではないのでありまして、やはり一般的な国民施策の中に投ぜられるわけでありますから、別にお金にマークがついているわけでもなんでもございませんから、現在のような運営の方法が必ずしも間違っているとは思いませんけれども、しかし、私はやはり一般会計で見られるものはできるだけ見るような努力はしていきたいと思います。そういうものがどういう程度であるべきかというようなことは、やはり社会保障制度審議会で総合的調整をやっておりますので、これはそんなことは別として、こっちはこっちで進めばいいじゃないか、みながそういうことになって参りますと、でこぼこ調整というものはなかなかむずかしい問題でありますから、やはり明年度という年度までの間には当然社会保障制度審議会の答申も出ると思いますので、そういうものと見合って根本的な検討をしていきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私が言わんとするのは、今一応事務費に限ったわけですが、こういうものは社会保障制度審議会の意見を求めなくとも、他の会計との均衡というものがあるのですから、いいと思うのです。そうすると、私は他のものを調べたことがあるのですが、二十八億もかかる事務費の中で、その二十八億ほとんど全部を余裕金の利子でまかなっておる会計というものはないのです。だから、そういう点は、たとえば健康保険組合というものがあるのです。これは非常な金持ちです。いろいろなものを集めますと四百億をこえる積立金を持っております。ところが、これもやはり国庫からもらっておるわけですね。そういう点で、これはやはり非常に問題があるわけです。それから、二十八年には失業保険が赤字になったことがありますけれども、今後における日本経済の雇用の情勢を見ると、よほどの経済変動がない限りは、失業保険というものは余剰血が出てくる客観情勢というものは濃厚です。これは池田さんの所得倍増計画なり石田労政における重要な、雇用を促進していくという政策から考えても、失業者がたくさん出て、失業保険会計がまた赤字に転化するという客観情勢というものは、ここ一、二年は見当たらないのです。そうしますと、相当の剰余金、たとえば三十五年にも百六十億ですかの剰余金が出ているわけです。従って、これはやはり来年も再来年も雇用を拡大するのですから、もっと剰余金が出てくることになる。これは算術計算上、経済の容観情勢の見通しからそういえると思うのです。そうしますと、それらのものはみな給付の改善に持っていけるわけです。と同時に、今度は五十何億の利子が六十億、七十億になるのですから、これを持ってくれば非常な給付の改善ができるのです。今駐留軍とかあるいは炭鉱の離職者というものからいろいろ不満が出てきておるはずなんですが、これがあればそういうものを一挙に解決できるのです。そして、なお余裕金の九百億ぐらいのものは使わずにやっていけるという客観情勢というものは十分あると思うのです。だから、そういう意味では、私は、やはり五十何億のものが事務費に回ることはこの際よしにして——他のいろいろ使ったことについても異議がありますよ。しかし、特に事務費だけにしぼっても、これだけあれば相当給付の前進がやっていけるのです。このことは労働者のためにぜひ一つやってもらいたい、そういうことなんです。これは答弁は要りませんが、そういう意見だけ述べておきます。どうもありがとうございました。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 私がこれから触れようと思うところを滝井先生が触れられましたので、その点にダブらない点でもう少し申し上げますと、庁舎新常費というものはそんなに大きな金額ではございませんけれども、失業保険特別会計から出ている。こんなものは、石田さんはさっき何とかして答弁を切り抜けようとしておられますけれども、こんなものは特別会計から出すべきものではないと思う。大体大蔵省がこんなことを認めているのがおかしいと思う。それについてもう一回石田さんのお考えと、大蔵省の立場から岩尾さん、庁舎新営費というのは特別会計から出すという方針は大蔵省として妥当であるかどうか、一つ伺いたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 三十六年度におきましては、ただいま御指摘のように庁舎新営費が一億三千万円程度でございますが、計上をしております。これは一般会計におきましても、もとより職安の庁舎新常費は別に計上されておるのでございますが、それとあわせまして、この安定所におきまして失業保険事務を相当扱っておるという観点から、職安の庁舎の新営をはかることは、一般の求職者、それから失業保険の被保険者にとって非常な利益になるわけでございます。そこでやはりこの新営を急ぐという見地からいたしまして、一般の会計からももちろん相当部分支出されておりますが、それと、補足的に、失業保険の特別会計からも庁舎新営費一億三千万円程度を計上してあるわけでございまして、ただ根本的に、これは先ほどからの御質問の点に関連する問題でございますから今後十分検討いたしますけれども、私どもの趣旨はただいま申し上げましたような趣旨でございます。

岩尾一大蔵事務官(主計官)

○岩尾説明員 ただいまの庁舎新営費でございますが、先ほどの事務費の負担とはちょっと違いまして、今安定局長のおっしゃいましたように、仕事の内容として一般会計で持つべき職業安定行政を担当しておる面と、それから失業保険の会計を実施しておる面と二つございますので、これをはっきり分けるというのはむずかしいわけでございますけれども、財源的にその辺を勘案いたしまして、両方で負担するというような形で支出をいたしております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 さっきからの問題を具体的に触れたわけですけれども、こういうものがあるわけです。労働省当局の答弁でも大蔵省の答弁でも、筋が合ってないということは認めておられるわけです。筋はやはりまっすぐに通るようにしていただかないと、ことしの予算についてしつこく追及しているわけではないのですから、こういう曲がった筋をまっすぐにするというふうに一つしていただきたいと思います。施設をよくして労働行政をよくしたいという熱意はわかります。熱意はわかるけれども、それは当然一般会計でその熱意は通して出さるべきものだと思う。楽な、安易な道を進んでおられるために、労働者に属すべき金がそれだけ損をするということになる。イージー・ゴーイングなやり方を今までされておったのを、これから直していただく。そうして労働者の権利を百パーセント確保していただくという方針に進んでいただきたいと思います。それについての石田さんの御見解を承りたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 これはやはり事務費の問題と同じように考えていかなければならぬ問題だと思っております。しかし一般会計の金は全部労働者のものでないというふうに分けて考えるということでなくて、そちらからでも、やはり国政全般ひいては勤労者の生活向上のための諸施策が行なわれるわけでありますから、私は根本的に、あなた方の御議論というものを考慮に入れて検討はしたいと思いますけれども、全然今の失業保険の制度運用のために要する部分を、ある程度保険会計で引き受けるというようなことが間違いだときめてかかるのもどうかと思います。そういう点は今後の問題として検討したいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 まだ不満足ですが、とにかくその問題の背景には黒字があるという安易感があるわけです。黒字があってはいけないのです。これはほんとうに給付に回さなければいけないのを、それをなまけているから黒字がある。だから労働省も安易な考え方になるし、大蔵省も黒字があるからほかの方に金を回したいということで、こういうことが起こる。これだけの保険料をとって、黒字があるわけですから、それを給付に回すということは当然だと思う。それに対して、そういうふうに申し上げれば、石田さんは頭がいいから、何とかかんとかいって、今は黒だけれども、大体黒で続くと思うけれども、ひょっとしたら赤になるかもしれないからというようなことをおっしゃるのではないかと思いますけれども、そういうことはおっしゃらない方がいいと思います。ということは、大体この赤か黒かは国庫負担の調整でやるべきものであって、現在黒であったら、黒だけの給付をやるというのが当然なんです。厚生省あたりは、厚生省はさんざんたたきつけておりますけれども、それ以上に——岩尾さんはここにおられるけれども、ほんとうに状況が悪いので、赤でも借入金をやってでも給付を直そうとしておられるけれども、労働省は温室に入って、黒だから、こういうことで、当然伸ばすべき給付が早く伸ばされないということは非常に間違っておりますので、さっきもとにかく急速に給付を改善されるという方向を示されましたので、こういう点もからみ合わせて、断固として前進をしていただきたいと思う。そういう期待を持っておりますので、意地悪くたたきませんけれども、もしそういうことが続くようだったら、一つも前進しなければ、これを内閣打倒のきめ手くらいにする決意くらいは持っておりますから、しばらく時間をおかししますけれども、どうか前進をしていただきたいと思います。  その次に、何といいますか、改善の方向ですけれども、その方向を社会保障的に考えていただく必要があると思う。現在の給付期間の点については、保険料を納めた年数に比例して給付期間が定まっている要件が相当あるわけです。そういう組み立てになっているわけです。わが党の提出した改正案についても、幾分その要素は残っておりまして、百パーセント消えているとは言いませんけれども、これは具体的な事例に合わせて、根本的には社会保障的に考える建前に立った部分であることは、専門家がごらんになったらおわかりだと思います。もっと砕いていいますと、季節労働者の場合はちょっと別にしまして、原則的には、結局長い間保険料を払ったから長い間失業保険給付をもらうという考え方は、これは間違いであります。失業保険というものは、再就職までの間失業保険給付で労働者が生活ができるということが建前でなければいけないわけであります。そういう建前のものであるべきものなんです。それを何カ月払ったからこれは六カ月、何カ月払ったから九カ月という考え方では、ほんとうの失業保険の精神には徹していないわけであります。季節労働者は特別な理由がありますから、これは別に具体的にお考えになっても仕方がないと思いますけれども、そうでないものについては、給付はあくまでも同じように並べる、両方同じように伸ばす、ぐんと大幅に伸ばすという考え方に立って政府の考え方を進めていただきたいと思いますが、それについての労働大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 これは保険というものは、私は事故が発生したときに、同一条件において保障さるべきものだと思います。従って私は、保険料の納付期間によって給付潮間をそのまま反映させるという点は、これはもう改善すべきものと考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 非常に労働大臣はそういう方向を御理解いただいたので、職安局長はもちろん労働大臣の方針に従ってやられると思いますが、そういう点で、非常によい改正案を急速に出される準備をなさっていただきたいと思いますが、局長のお考えを承りたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 検討にあたりまして、原則としてはそのような方向で検討すべきことが適当であろうかと考えておりますが、なお今後検討を続けます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、給付金額の増額という点についても、もちろん概括的にそういう方向をとっておられるのはわかりますが、その方向も社会保障的に考える必要がある。社会保障的に考えるということは、保険料納入の総計額なり、納入の一年なり、一月なり、一日なりの納入額と正比例したものではなくて、やはりその間に、失業期間中に食えるという条件に変えていかなければならない、具体的に言えば、非常に賃金の少ない者の給付率を高めるという方向で問題が動いていかなければならない。総体的に給付率を高めることはもちろんでありまするが、それとともに賃金額の少ない者についての給付率を上げるという考えをからまして考えていくことが必要だろうと思いますが、それについての労働大臣のお考えを伺いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 そういう底辺の問題の向上ということは、やはり検討にあたっての重点的な問題の一つと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 重点的な問題でありますから、そういう方向で急速にその作業を進められるというふうに理解してよろしいわけですね。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 同じことを申し上げたのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 失業保険の金額については、もちろん金額を増大することを考えられるわけです。これは納付率ということになると思うのです。  そこで、石田さんは当然御存じでありますが、ほかの閣僚とか、そういう中にこういう問題について理解が少ない方がありますので、私どもの考え方を申し述べて、いささか進めていただく御参考にしていただきたいと思いますが、アメリカと日本と比べて、イギリスや西ドイツと日本と比べて、日本の場合賃金平均が非常に少ない。失業保険給付が賃金の大体六割ということできっちりなっているところもありますし、日雇失業保険みたいに、六割ということで大ざっぱな計算をしていますから、ここにはちょっと何がありますが、大体六割をもとにして計算しているわけです。御用学者で非常に手ぬるい学者の中には、向こうと給付率が大体似たようなものだから、これでいいじゃないかというような俗論、愚論を吐く学者も世の中にはいるわけであります。賃金自体が少ない以上は、ほんとうは賃金の一〇〇%を失業保険給付として見る。それでも生活が困難だ。しかし、実際に働いたものと失業中の失業保険金額を同額にする——同額以上にすることは制度上非常に問題があろうと思います。一〇〇%についても問題を言われる方があるかと思いまするけれども、少なくとも一〇〇%に近い、八割、九割、九割五分、九割八分というようなところまで上げていかなければ、失業期間中の生活が保てないというふうな条件が日本の労働者にある。そういう点で給付率について非常に急速に上げる、大幅に上げる、また下の給付率については特に高めるという考え方に立っていただいていると思いまするが、そういうような理屈立てで私どもは考えておるわけです。それについて労働大臣は同じような説明で閣議その他で問題を推進されていただくと思いますが、一応それについてのお考えがございましたら一つ伺いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 御意見としては承っておきます。ただ平均の下の賃金の違いがあるという場合に、これは下の賃金に違いがあるのを補うのに、保険給付の給付率の問題で処理するという考え方よりも、やはり下の貸金の是正に努力をすべきだ、原則的にはそう思います。  それから諸外国の場合とわが国の賃金水準の問題ですが、アメリカあたりと比べますと非常に違います。しかし、円の実質購買力、特に基本的生活費の部門における検討をいろいろいたしてみますると、西ドイツやフランスなどと比べて著しく懸隔があるものとも言われない。特に製造工業の場合においては言えないと思います。ただなお日本が低いのですから、そういうものを改善していくようにしていきたいと思います。しかし、今度は実質の運営の場合において、今の日本のような場合は、現在の状態、あるいはこれから将来の状態の場合においては、再就職の機会というものは、本人の努力とあれによっては今までとはかなり違った状態になりつつあるわけです。一例を先般の三池の指名解雇者の就職相談のあれにとりましても、私どもの方で現地に就職相談所を設けて個々に意見を聴取したのでありますが、初めの時期、つまり昨年の十月、十一月のころにはほとんど具体的な希望を言う人がなかった。八百名近くの人たちは、まあしばらく考えさせていただきますというのが多かったのであります。従ってしばらくの間、何とか見通しのある間はという安易な気持に流れがちなのでありますが、しかし、だんだん時期が切迫するに従って、職業訓練所へ入る希望者がうんとふえて、現在きております。これはやはり早い時期に、できるだけ早く職業訓練所にいくなり、希望を明確にするなり、そういう就職の意思あるいは仕事を探す意思活動というものを始めてもらうことが望ましい。そういう人間の本来持っている意欲の動かし方との関連も考えなければならぬのでありまして、そういう点を勘案しつつ内容の充実を検討したい、こう思っておるわけであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 労働大臣がおっしゃったのは一面の理屈ですけれども、労働大臣としては、別な立場で考えていただく方が至当だと思う。もちろん労働者自体、早く就職して安心したいという気持は全部持っております。   〔齋藤(邦)委員長代理退席、委員長着席〕  全部持っている。職場が転換した一カ月二カ月は少しくたびれてぼんやりした時期があるかもしれませんが……。失業保険の給付期間が相当の期間になる、それから賃金に対して失業保険金額が、給付率が高まるというふうに失業保険の内容が向上すれば、それで労働の安売りをしないという点に非常に影響があるわけです。一方から見れば、早く就職してもらいたいという一方の一般的な概念があります。それの方がその人たちもしあわせじゃないかという、実情を知らないでそういうことを言う人がいますけれども、労働というものは、一回職場についたら、そこが非常に条件が悪くても、今度は、かわるということは大へんなことになるわけです。特に石炭でこういうふうになったときは、政府はそういうことを一生懸命やっておられますけれども、再就職でその人に適切でなくてかわるときに、政府の施策も十分に及ばなければならないのだが十分に及ばないことになる。そこで自分のいろいろな能力とか志向とか、健康とか、居住条件とか、そういういろいろなものに合わないところに非常に急いで行った場合に、一時的には雇用が済んだ、その失業者の場合は片づいたということになるかもしれませんけれども、長い目でほんとうに労働者の立場に立たれた場合には、非常に適当でない、自分に合わないところで苦労して心身をすり減らしていくとか、従って労働の効果の方も意欲的でなくなるというようなことであってはいけないと思います。また、それに耐え切れないで、途中でまた再失業をするというようなことになっては非常に不幸である。そういうことにならないようにするためには、やはり、失業保険の給付の内容が非常にいいものであれば、当然職業を選択する余裕ができるので、労働大臣としてはそういう面を重視してお考えになっていただきたいと思うのです。そのほかの閣僚であれば、おそらく、早く就職すればいいじゃないかと簡単に考えられると思いますが、労働省の問題は、非常に長い目で見たら、就職を間違った場合に、非常に不幸な問題が起こりますから、そういう意味で失業保険給付というものを、給付金額も給付期間も改善するというふうに、さらに積極的に考えていただきたいと思います。それについての労働大臣の御意見を伺いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は何も全面的な理屈というか理由という面で言ったわけではない。先ほど指摘したのは、一面——一面といってもまあ四分の一面ぐらいなものだと思う。しかし、こういう問題も無視はできないということを言うたのであります。先ほど島本君の御質疑にお答えしたのですけれども、失業保険制度というものの存在、それからもう一つは退職金制度というようなものの存在は、職を失った人が新しい仕事を探す場合に、追い詰められないようにということがやはり一つの大きな条件であります。しかし、追い詰められないようにということは、一つには制度そのものの充実も必要ですが、もう一つには早く就職活動を起こすということも必要なんです。時間的余裕を持つということが必要なんです。労働省の場合、特に三池の場合は、何も今、次の仕事を、すぐ就職のあっせんをするんだからその希望を言えというわけじゃない。訓練所に入ることも必要でしょうし、それから自分の意思表示、希望、さらに希望がきまらないなら、その前提であるわれわれの調査に応ずるという行為、そのことは何も追い詰められる行為とはならないわけです。そういうことさえも始まりから約四・五カ月は進まなかった。だから私は、それは四分の一くらいの一面ですけれども、そういう人間のいろいろな性格というものも考慮に入れながら検討をしなければならぬ、それが労働省として、この問題の処理の大きな面を持つものとは——大部分の面を持つものとは思いませんが、そういう面を考慮しなければならぬということを言うたのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その問題はけっこうです。三池の場合はあれだけの激しい対立があったあとで、それから石炭業がああいう状況になったときだから、これは一般的な全部の失業した状態とは少し異例に属する状態ではないかと思います。ですから、今労働大臣の御答弁でけっこうですけれども、その面を事態以上に認識される方もほかの方にあると思います。労働大臣はそうじゃないと思いますが、ちゃんとそういう点も割引して考えて一般の失業保険の問題を一つ進めていただきたい。これはこういうふうに御要望申し上げておきます。  それではちょっとほかの問題に移りまして、次に、その答申について読んでいただきましたけれども、その読んでいただきました中で、答弁では一つも触れていられない部分があるのですが、もう一回私の方で読むから、ちょっと聞いていただきたいと思う。これは「現在の失業保険は、多額の積立金をもっている。これは、この制度の改善に使用すべきものである。政府は、すみやかにこの制度を改正し、給付期間の延長、給付額の増加等の改善をなす必要がある。特に一般失業保険と日雇労働失業保険の財政を一本化し、日雇労働者の負担の軽減を図ることが緊要である。」となっているわけです。ところで、この失業保険会計中で、一般の失業保険と日雇い労働者の失業保険とが切り離されている点について、非常にこれは間違っていると思いますが、労働大臣の御意見を一つ伺いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 間違いであるとか、間違いでないとかいうことを別問題といたしまして、社会保障制度審議会の御答申がございましたので、これはやはり一本化に向かって検討すべきものと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 一本化についての方向を進めるべきであると思うという御返事でありますが、一本化にはすぐ踏み切っていただけますでしょうね。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 どうも大へんせっかちで、やはりこういう制度の運営というものは諸般の検討をいろいろやった上で進めなければなりませんので、方向はもちろんその方向でありますが、すぐ踏み切るとか、踏み切らないとかいう結論は、やはり私どもの方でも所要の機関で検討をいたさなければならない。所要の機関で検討をしないうちに、ああだこうだと私がとっさの判断でやるべきものではありません。方向についてはそういう方向で努力していきたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 こういう問題については、やはり善は急げで、早くやっていただく必要がある。石田さんは政治力がおありですから、その方向だったらすぐ、ごく短い機会に御答弁をいただけると思いますが、来週の労働関係を審議する時間までにもう少し具体的な方向についての御意見を伺わしていただきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 社会保障制度審議会の答申を私どもは尊重するのです。だから、具体的な方向は一本化の方向に向かって努力をするというのですから、これ以上具体的な——ただあなたは、すぐやれとかなんとかおっしゃるのですけれども、すぐどうこうするということにはならない、こう言うのです。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それでは一つ大いに石田さんの政治力で百パーセントやっていただけるように期待を持ちたいと思います。私どもはこのように厚生省関係の方で、健康保険の部分では、たとえば共済組合、組合管掌、それから政府管掌、日雇労働者健康保険というふうに分離していることは非常に間違いだと思いますし、それについては間違いだという意見が圧倒的になって、総合調整の場になっているわけです。ところが失業保険では、法律的には一般の失業保険と日雇労働者失業保険は同じものでありながら会計が分けられておるのじゃ、これはもうほんとうに骨抜きになっておるわけです。特に一般の法律になっておるわけです。先ほどは労働省を盛んにしかりましたけれども、この点については厚生省より労働省の方がちょっとましですが、ちょっとましの格好だけです。格好だけでは何にもなりませんので、今おっしゃったような方向で会計を一本にしていただく、一本にしていただくことが日雇労働失業保険の前進を非常に容易にするだろうと思う。今度の改正案で日雇労働失業保険の日額が三百三十円と二百四十円ということになっておりますが、日額二百四十円という金額では、これは何といいますか、生活が保てないことは十分におわかりであろうと思う。待期日数はこの前一日減りましたけれども、依然としてまだ残っております。そうなれば、結局三百三十円の日額をもらえない日は二百四十円で食わなければならない。その間に待期日数の日はゼロで食わなければならないというような間違った状態が起こるわけです。さっき言ったように底辺を上げるという考え方は、労働大臣ももちろんその方向を進めるとおっしゃっておられるわけでありますから、この二百四十円の日額をさらに上げるように急速に一つ御努力願いたいと思います。それについてもう少し具体的な日額の引き上げについての御答弁をいただきたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 二百四十円といたしましたのは、来年度におきます日雇労働失業保険の受給者の平均賃金が大体三百九十七円、このように見込んでおります。その六〇%相当額ということではじきますと二百三十何円かになるわけでありますが、これを二百四十円というふうに切り上げましてそのようにいたしたわけであります。今後におきましてさらに日雇い労働者の賃金が上昇いたしますれば、それに合わせてこれはなるべく有利に改善いたしたいと思っておりますが、ただいま底辺のお話がございました。たとえば今度の改正案によりましても第三級につきまして百七十円ということにいたしましたのは、現行の百四十円の二〇%増ということにいたしまして百七十円にいたしたわけでございます。この辺が底辺であるわけでございます。私どもはこの辺の底辺について、はたして妥当かどうかという点について今後さらに検討はいたしたいと考えておりまするが、第二級の平均につきましては、ただいまの六割ということで二百四十円ということにするのが適当であろうと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ある程度の御努力をされたことは認めますけれども、先ほど申しましたように、全部が六割という計算が大体おかしいのです。底辺中の底辺である日雇い労働者の中の第二級該当者、そこで依然として六割という概念に固着をしておられるがためにこういうことになる。といって、これを十割にしたならばまた反論が出て、それじゃ遊んで失業保険をもらっている方がいいという傾向を助長するというようなことを言われるだろうと思います。ですから、それはある程度限度はあろうと思いますけれども、この六割というような何にも意味のないことで、ただ慣習的に行なわれていることで問題が進まないということは非常に困る。底辺中の底辺ですから、この点は少なくとも八、九割になるような配慮でなされる、そうなると二百四十円をはるかに上げてもらわなければならぬということになろうと思います。これについて労働大臣なり、職安局長でもけっこうです。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 この底辺の問題につきまして、私どもはなるべく御趣旨のような線を織り入れて考えたいと思っております。この第三級を百七十円といたしましたのは、二百八十円未満の賃金をもらっておる方について百七十円といたしたのでありますが、たとえば二百八十円未満の一番上、すなわち二百七十九円ということにいたしまして、その六割計算をいたしましても、百七十円にはならないわけでございます。それ未満の方々については、これはもとより百七十円より、六割といたしますれば、はるかに下回るわけでございまして、この点につきましては、私どもはその底辺を引き上げるという意味におきまして、この第三級に属するような収入を得ておられる方々につきましては、人によって七割あるいは八割あるいは九割というふうな計算をするというような考え方で三級を設けたわけでございます。ただこの三級の百七十円というのがあまりに低いじゃないかというような御議論につきましては、私どもは十分検討はいたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ある程度の御努力は認められるのですが、とにかく三級にしないで二段階くらいにすべきだと思います。それに対応した保険料の上げ方がよいと思います。この日雇失業保険は、一般の失業保険と体系を同じにする考え方に立てば、こんなものは一文も上げなくてもできることなんです。一般の失業保険より人数は少ないですから……。社会保険というものは、あらゆる労働者がお互いに失業のときにカバーするという建前に立てば、もっと勇敢にやっていただいていいのじゃないか、そういう問題点について、今いろいろと社会党は社会党として現在の時点で最善だと思う案を出しております。政府の方も苦心されて案を出されておるわけでございまするが、どうか一つこの問題について本委員会の論議を生かして、いろいろ具体的にそれを前進させる努力が各党間で行なわれると思いますが、そのときにおそらく参考意見を求められる労働省側は前進的な方向の態度をとっていただきたいということを一つ要望するわけでございますが、石田さんから御答弁願いたいのと、そういう非常に真摯な問題について、大蔵省が前進の意味を持って一つ対処していただきたいということを要望するわけでございます。労働大臣と大蔵省側から一つそれについて概括的に……。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 そういうつもりでおります。

岩尾一大蔵事務官(主計官)

○岩尾説明員 日雇いの失業保険は非常に日額の低い人でございますが、必ずしも六割、七割というようなことにこだわることもないのではないか、全体の会計の問題、それから先生方に御審議を願っております例の健康保険の保険料の段階の問題もございますので、そういった点も考慮いたしまして、善処いたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 岩尾さんにもう一つお願いをしておきたいのですが、失業保険と健康保険をバランスをとるという考え方が、法制的に見て、いろんな点から見て、普通に素朴に起こると思います。ところが健康保険の方は、給付の大部分は医療給付であります。医療給付でありますから、これは結局日雇いの健康保険の保険料が上がった、それで医療給付は、期間の問題は別としまして、たとえば二月、三月だったら前と同じものをもらうわけです。それで傷病手当金だけに保険料引き上げがかかってくるわけです。これは要素としては十分の一以下の要素です。失業保険の方は、保険料が上がっただけについて失業保険金として具体的にその月中に返って参ります。そういう点で、日雇失業保険と日雇労働者健康保険とは違った状況があるわけです。健康保険の方のこともあわせ考えてと、岩尾さんはおっしゃった。もちろん責任上いろいろあわせ考えられる立場もおありになると思いますが、条件が非常に違いますことを一つ理解をしていただいて、日雇労働者失業保険とともに日雇労働者健康保険についても具体的に配慮をしていただきたいということを要望したいと思います。それについて一つ……。

岩尾一大蔵事務官(主計官)

○岩尾説明員 給付は、先生のおっしゃいますように、失業保険の方は定額で段階がございまして、健康保険の方は、医療でございますから、段階はないわけでございます。保険料のランクというものが今のところ合わせてございまして、保険料は各同じ三段階で徴収するように段階を合わせておるわけでございます。従いまして労働者の方が働いて賃金を得て保険料を納める場合に、それぞれのランクにおいて同じように納めていくということになっておるわけでありますが、一つ失業保険だけがそのランクからはずれるということになると、その辺がやや均衡がくずれていくのではないか。そういった点を検討いたしたい。それから、先ほどからお話のございますように、会計として健康保険の方は非常に赤字でございますし、失業保険の方もとんとんというような状況でございます。そういった点も考慮して検討いたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 岩尾さんにもう一つ簡単に要望申し上げたいのですが、合わせるとおっしゃるけれども、保険料率、保険料額が違うわけです。三段階、二段階という問題でございますが、これはそういう、合わせなければいけないという法律規定もございませんし、具体的に一つその状況に合わせてお考えをいただきたいということです。  それでは、最後に労働大臣にお伺いしたいのですが、きょうの御答弁は、まあ百点とはいかないけれども、六十点ぐらいの、ややいい御答弁でございました。この前何か特別国会の予算委員会で伺ったときには、だいぶ不満な御答弁でありましたけれども、その後社会保障についていろいろお考えをいただいて、さらにきょうは前進した御返事をいただいた。この点は非常にけっこうだと思います。社会保障という問題になると、大体において厚生省の所管が多いものですから、厚生省の方に焦点がいきがちでございますが、労働省の所管であるこの失業保険とか労災という問題のほかに、厚生年金保険とか健康保険とか、日雇労働者健康保険とか、こういう問題は全部労働省に非常に関係が深いものであります。それについてこの前も、厚生大臣と協力して閣議において前進するように努力していただきたいと申し上げましたけれども、残念ながら、これは厚生大臣を大いに追及いたしますけれども、努力をしていただいているのかもしれないが、今国会においては努力の成果が現われていないということは非常に残念に思います。どういうような意味で御努力になっていただいたか、御努力の結果が、どういうところが障害になってだめであったか、というようなことを一つお聞かせいただきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私どものところも厚生省も、同じように社会の中で底辺に属する人々を対象としての事業が多いのであります。そういう点で、同じ歩調をとって相互に努力をしておるわけでありますが、私の所管のことについて、先般成立しました予算によって取りまとめたという経緯は、今まで御質問にお答えしてきた通りであります。しかし厚生省所管のことについてのお答えは、これは私のすることでないと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 この前予算委員会で、確かに厚生省のやることについて協力をして下さるという約束があったわけです。石田さん忙しいから忘れたということではちょっと困ると思います。厚生年金保険法の国庫負担率が一割五分である。国民年金法には三割三分三厘、内割りが三分の一、外割りにして五割の国庫負担がある。もちろん給付の開始の時期が、片っ方は六十才であり、片っ方は六十五才であるという要件は違いますけれども、そういうふうに給付率が違うわけであります。またほんとうに同じであっても、生産手段を持っていない労働者の場合には、そのような老齢あるいは退職に関係した年金給付が多くなくては生活ができないという要件が強いわけです。たとえば健康保険の問題についてもそうであります。政府管掌の健康保険については十億しか出ていない。組合管掌については事務費だけしか出ていない。国民健康保険については、それより多く出ている。国保の国庫負担がふえることは非常に賛成であります。少ないからもっとふやさなければならないと思う。しかし労働者についても、上やはり相当考えてもらわなければ困る。特に政府管掌みたいな非常に内容の悪い場合にはそうです。そういう点について労働者の利益を守る立場から、やはり閣議で発言をしていただかなければならない。閣議でなくても、もっと懇談の席で、非常に強いといわれている石田労働大臣の政治力を、そういうような点でも発揮していただかなければ困る。また厚生大臣がぼやぼやしていたら激励して、おれがやってやるからほやほやするな、古井氏を激励されることもやっていただかなければ困ると思う。そういうようなことについて、今の御答弁では、厚生省の所管については私は何とか——これは紋切り型であって、青年政治家の言うことじゃありません。青年政治家はそんな紋切り型の答弁ではなしに、一つほんとうにやっていただかなければ困ると思うのですが、今までどうも、去年の委員会の御答弁にかかわらず、この御答弁ではあまり御努力が見受けられなかったけれども、過去ばかり追ってもしようがありませんから、きょう即刻そういう問題については全力を上げてやるというような御決心を、言葉だけじゃなくて、ほんとうの決心を固めていただきますならば、過去はそう追及することはとどめておきたいと思いますが、そういう御決心をほんとうの意味で披瀝をしていただけるかどうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 さっきから申し上げますように、同じ底辺の人々を対象にしておることでありますから、従って歩調を合わせて、いろいろお互いに助け合ってやって参ったつもりでおりますし、これからもやっていくつもりであります。しかしそれについての具体的な見解というものは、やはり直接責任を持った人が答えるのがあたりまえであります。それから同時に、幸いにして、この委員会は両方を所管しておるわけなんでありますから、なおさら私からその内容について、具体的に申し上げるのは適当じゃない、こういう意味であります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ではこれで終わりますが、最後に、きょうは失業保険法について、急速に失業保険給付を延長する、失業保険金額をふやす、それについて、また失業保険法中の一般失業保険と日雇失業保険の勘定を同じに見るという方向を急速に進めるというお約束をいただいたわけであります。その点について、労働大臣が、この前と違って熱心に御答弁願ったことを非常に満足に存じますが、ほんとうに満足させていただくには、それが急速に実現していただかなければならないわけであります。労働大臣の決意と努力を信頼してこの質問を終わりたいと思いますが、ぜひとも急速にそれを実現化していただくことを強く要望をいたしておきます。それについて最後に一言お答えをいただきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 できるだけすみやかに、かつ慎重に諸般の問題を改良するように、内容を現実に改良をするように努力をいたします。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今の八木先生と大臣との質疑応答に重複しないように、失業保険法の一部を改正する法律案について、大臣に関連のある部分を先に質問をさしていただきたいと思いますが、残りは来週にまた継続させていただきます。  最近における日本経済の非常な根本的な変化の情勢と、それに関連して雇用の情勢が変わってきたわけです。従って、当然失業保険のあり方も、今までの失業保険のあり方ではいけない情勢が至るところに出てきております。従って、それらに根本的に検討を加えなければならない問題であるから、先に質問をしていくわけでございますが、まず第一に、失業保険法の適用の範囲の問題ですが、現在五人未満のものについては、任意に事務組合を作って適用ができることになっております。しかし私は、日本における雇用労働者五人未満のところが、あらゆる福祉政策というものの一つの盲点を形成しておると思います。そこで事務的に失業保険を強制適用ができる、こういう実態のある五人未満の事業所については、私は原則として強制適用をやるという体制を作るべきだと思うのですが、そういう点について労働省はどう考えておるのか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 お話しのように、中小零細事業所に雇用される労働者につきましては、やはり失業保険制度のすみやかな拡張適用をはかることが必要であるというふうにわれわれも考えております。この問題につきましては、ただいまお話しのように法律を改正して、この際全部強制適用にすべきであるという御議論もございますが、私どもは最近改正になりました失業保険の事務組合の制度を活用いたしまして、まずそれによって五人未満の事業所への適用拡大をはかりたいと考えておるわけでございます。事務組合の状況は、最近はだんだんと適用労働者が伸びて参りまして、約九万人が適用対象になったわけでございますが、やはり初めの予定通りなかなか急速に伸びないという原因といたしましては、実は事務組合の事務がまだ繁雑であるということと、それからもう一つは、事務組合に対する報奨金の規定がございますが、これがまだ低いという二点にあろうと思うのでございまして、この点を改正することにいたしまして、今回事務の簡素化をはかると同時に、報奨金の率も、今までの五%から一〇%に引き上げるというふうな予算措置を講じた次第でございます。私どもは、まずこれによって、零細事業所に対するところの適用拡大を積極的にはかって参りたい。法律問題は、その後におきまして、これと並行しながら検討して参りたい、このように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 事務組合ができて九万人程度が加入をしたと申しますけれども、今ちょっと統計を持ちませんが、日本における五人未満の雇用労働者は八百万をこえておりはせぬかと思うのです。そうしますと、一%も加入していないわけです。多分八百万……。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いや、二百四、五十万。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それならば私は錯覚を起こしていたのですが、二百四・五十万だそうですが、そうしますと、その九万ですから、これは非常に少ないわけです。二百五十万の五人未満の雇用労働者の中で、私は事務的に見たら、これは強制的にやってもちっとも差しつかえないものが相当あると思うのです。そういうものから、やはり政府が手がけていく。そうしてその分における事業主の保険料を、そういう場合にはある程度安くしたらいいと思います。そうしてその分をたとえば政府が見てやるとか、そういうときにこそ、いわゆる運用利子を何とかそれに当てはめていく、こういう政策をおとりになると、これは右へならえをして、健康保険も厚生年金もそういうことになるわけです。だから、そうしないと、こういうものは任意の事務組合でお待ちになっているということになると、労働省はなかなか事務的にもたくさん役人を置かなければならぬ。そうすると、これは定員法その他の関係があってうまくいかない、こういうことになるのです。またこれは強制でおやりになるとすれば、そこに事務組合が自然発生的にできてくると思います。社会党も今までとちょっと違って構造改革論になっておりますから、オール・オア・ナッシングというわけにはいかない。だから、いいものはどしどし修正をしながら賛成をして、そうして前進をはかっていく、こういうことなのですから、あなた方もわれわれの方に少し左に寄る、われわれが右の方へ寄る、こういうことになるとうまくいくわけなのです。大臣ここらあたりどうですか、八木さんみたいに、すぐ今度おやりなさいとは言いませんけれども、来年度の予算編成はこういうところからぼつぼつやってみてはどうですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 五人未満のところでも事務的に強制適用ができるという御議論ですが、これは現実に当たってやはり検討してみなければならないと思います。強制適用が無理なくできるものはやはり強制適用をしていくべきものだという点については、一般論として賛成です。それからもう一つは、そういう非常に零細な企業、負担力の弱い企業についての負担金に特別配慮をするという点についても、私は原則論として賛成はいたします。今すぐとか、断固とかいうことでありませんので、大体においておっしゃる議論に賛成をいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今三十六年ですから、来年のことを言うと鬼が笑うといいますけれども、予算編成は八月から始まるのですから、一つ三十七年度に実現をするという目標でやってもらいたいと思うのです。  それと同じようなものがもう一つあるのです。それは池田内閣が新しく農業基本法を出して、農業の構造改革をやろうとしておるわけです。特に農業について構造改革論を出しておるわけです。これは内容は違うかもしれませんけれども、言葉は社会党と同じですよ。そうしますと、この失業保険においては六条で、農業と林業と畜産、養蚕等のいわゆる原始産業の労働者が適農除外になっておるわけです。今後農業なり林業を近代化しようとするならば、ここに近代的な雇用関係の要素というものを持ち込むことが必要なのです。それによってあるいは社会党の組織ができて、農村を社会党に取られるとあなた方は言うかもしれぬけれども、これはお互いに競争だと思うのです。社会党も自由民主党と競争し、これを克服して天下をとろうとしておるし、また自民党がもし現在の政権を保持しようとするならば、社会党と競争して、社会党の考え方を克服してこれを乗り越えていったらいいのです。お互いにこれは競争だと思うのです。しかしそれはやはりフェア・プレイで、農村を封建的な、前近代的な姿に置いておいて保守党の基盤を温存するのでなくて、これを近代化してやっていくということになると思うのです。そうしますと、五人未満が一つの盲点になっておると同じように、ここらにおける雇用関係に近代的な失業保険その他が入っていないということです。原始産業においても、強制適用可能なものについてはやはり強制適用していくという五人未満と同じ態度をとられるかどうか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 農林水産その他の原始産業におきますところの労働者の失業保険適用問題でございますが、これは現在の調査によりますれば、農林水産関係の労働者数約六十八万人が対象になるのではないかと考えておるわけでございます。ただ農林水産等の労働者の労働関係は、賃金関係あるいは雇用関係が御承知のように複雑かつ明確を欠く面が相当あるわけであります。そこで失業保険を適用するとすれば、いかなるものを対象にして具体的な適用をはかっていくかという点が、一つの大きな問題でございます。もう一つは、これをかりにただいまお話しのように、全部強制適用するということにいたしますと、本年度における保険料収入が約十一億円であるのに対しまして、給付額は約百六億円になるわけでございます。これに国庫負担を考慮いたしましても、なお六十八億円程度の赤字が生ずるということになるわけでございます。そこでこういう問題につきまして、私どもは、ただいまの農林水産関係の賃金形態、雇用形態、そのほかに慣行等をもう少し調査をいたしまして、全部を一挙に強制適用というようなことでなしに、何かその間において必要な人々に対して必要な適用を行なう方法はないかという点で、目下実情の調査をいたしておる段階でございます。この調査をまとめました上で、私どもは何かその間において適当な適用をはかるというような知恵をただいま考えておる段階でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 なかなか明快な答弁です。これらの農林水産関係の原始的な産業というものにとんとんでいく姿を作ろうとすれば、これは社会党の主張する全国一律の最低賃金を作る以外にはないと思うのです。今のような業者間協定を置いておる限りにおいては、こういう関係というものは改善されないわけです。そこでこれを改善せずして、業者間協定その他をもってこういう形を維持していこうとすれば、どうしても国が六十八億の赤字分というものを補てんする以外にない。そうでなければ、ここにおける労使関係の近代化というか、雇用の近代化というものはなかなかできにくいことになるわけですよ。だから、これは今あなたが率直に申し述べたようになかなかむずかしい問題で、今検討中だとおっしゃるけれども、こういう制度は、国が一文も出さぬとは言いませんが、四分の一くらいの国庫負担、二割五分くらいの国庫負担でこういう問題をうまく解決しようというのは、木によって魚を求めるのたぐいで、むずかしいのですよ。やはりこういう問題は、前みたいに三割三分か三割四分くらいは国が出すんだという形になっていくと、少し無理でも保険料をもう少しよけい出してくれ、こういうことで話がついてくると思うのです。いつごろまでに御検討ができるか知りませんけれども、五人未満のものと、この農林水産業における失業保険の強制適用の形態をできる限り六十八万の可能なものから作っていくということは、ぜひ来年度の予算編成における重要な宿題として御検討願いたいのですが、大臣どうですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 何か、農林水産業の労使関係が近代化していけば、自由民主党の支持者は減ってくるという心配から、手を抜いているようなお話でしたが、私は逆に、すべての関係が近代化し生活が安定していけば、われわれの党勢は従ってまた拡張すると思っておりますので、そういうけちな考えは全然持っておりません。それで今、五人未満の問題、農林水産の問題、それから滝井さんが御指摘ではございませんが、一人親方という制度の問題、これがやはり失業保険の問題として検討しなければならない問題だと私は思っております。そこで現実的にそういうところの問題を処理できますように検討したいと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 関連して。実は失業保険の支給日数は勤続年限と関係があるわけです。そこで同一事業主というものの解釈ですが、実際現地で困っておることは、いわば実質的には包括承継がされておるのだけれども、Aという事業主からBという事業主に移っておるが、退職金その他は払っておるという事実がある。そこで、一応形式的な離職の形をとっておるわけですが、即日雇用の形をとっておる。その場合に、せっかく長い間勤めてきたけれども、今度新規失保でまた年限が白紙に返った形でやられるわけで、失業保険の支給は一回も受けていない場合がある。これは何らか救済する必要があるのではないか、こういうように思うのです。と申しますのは、最近のようにかなり日数が違ってきますと、せっかく失業保険を長い間かけておっても、事業主がかわることによって、全部包括的承継を、形式的にもやってくれればいいのですが、そういうことが行なわれない場合、非常に困るという事例がある。これをお聞かせ願いたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 御議論の趣旨によくわかります。ただ包括承継の場合は、これは今でも問題はないわけですが、ただ包括承継とは何ぞや。つまりその包括承継の中に、退職金を払って受け継いだ場合も入るのだろうかどうか。その場合は、実質的には従業員はそのまま就業しておっても、退職金を払うということになると、一応形式的には従業員は承継しないことになるわけですから、そういう場合を包括承継と言えるかどうかということが問題だろうと思います。しかしそういう場合でも、現実の失業保険の給付ということについては、私どもはやはり失業保険の会計の側から見れば、あなたの御議論のような考え方は成り立つと思うので、現地に当たっていろいろ実情を調査いたしました上で、お答えをしたいと存じます。ただ先ほど御質問にお答えいたしましたように、あまり短い期間は困るわけでありますけれども、そうでない一定期間以上になりました場合は、給付期間とか給付額の問題は必ずしも保険金を納付した期間というものに私は拘束される必要はないんじゃないか。これは立法論として私自身はそう考えておることも申し上げておる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 立法論としてはそういうふうにお考えになることもけっこうでありますが、現行法の解釈としては、現実に法律で日数が差があるものですから、お聞かせ願いたいと思って、質問をしたわけです。たとえば最近のように炭鉱が租鉱権の形で分離をするとか、あるいは鉱業権譲渡の形で分離をしていく、大きなのは最近の北海道炭鉱における三山の問題もそうであります。こういった場合、おそらく包括的な承継があればいいわけですが、事実問題としてはそういう形だけれども、法律論としてはそういう形をとってない。一応退職金を払って、そうして即日雇用という形でいっているのじゃないかと思うのです。こういった場合に、今お話しのように、保険経済側から見れば、続いておるのと同じですから、今申しましたような例の場合は続いておると考えられるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 原則としては、先ほど大臣が申し上げましたように、同一事業主であるかどうかは、要するに包括的に地位が承継されたかどうかという点の事実判断になるわけでございます。現実に即しまして判断をすべき問題であると思いますが、この点は私ともただいま実情につきまして十分調査しておりませんので、これは調査の時間をおかし願いますれば、実情に即しまするように検討はいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 次は失業保険金の額ですが、これは今まで賃金の六割という原則を貫いてきているわけです。日雇いについては必ずしも六割でない部面もありますけれども、大体うまくいって六割、特に一般の失業保険金額については賃金の六割を貫いてきているわけです。ところがこの六割というものが、ある部面については、非常に賃金が上昇しているから、いい部面があるが、そうはいかない層が相当あるわけです。人間は休んでおっても食わなければならぬわけですから、そこで私たちとしては、低い部面については八割程度を適用しなければならぬという論が最近相当台頭してきていると思う。今度わが党が出しているものについては、四百八十円までは八割、しかし四百八十円をこえる分については六割でよろしい、こういう二段階制を実はとっている。これは現状に合った立法の考え方だと思うのですが、石田さんとしては、私が冒頭に申し上げたように、失業保険自体が雇用情勢の変化で根本的に変えなければならぬし、特に低賃金層に対する底上げ、生活を保障するという憲法二十五条の考え方が普遍的になった現段階では、今のように、六割というものを所信貫くべしといって、今までの所信を貫いたのでは大へんだと思う。ここらあたりで構造改革をしてもらわなければならぬと思うのですが、どうですか、やはり六割をあくまで貫くお考えか、それとも適当な機会に一つ方向転換をして、八割でもお考えになる意思はありませんか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 こういうものの給付基準というものは、まちまちにするわけにはいきませんから、やはり一定の基準というものを立てておく必要があると思うのであります。しかし現在やっております六割という制度は、諸外国の例から見れば、私は率においては国際的だと思います。しかしながらそれが、非常に低い層については、もとが低いのでありますから、非常に生活を困窮させることになるわけでありますが、底辺の処置についてはまず第一に考えなければならぬ問題だと思います。それから第二にも、保険経済自体から考えて検討する余地が私はあると思います。ただ先ほど八木さんにお答えしましたが、いろいろ他の要件との検討も同時に行なって参りたいと存じでいる次第であります。一般的に諸外国の例を見ましても、普通大体六〇%、それ以上高いところは西ドイツ、ニュージーランド、またアメリカのある州においてはあるようでありますが、大体六〇%というところが率においては常識的なように思います。ただ底辺の処遇については、ただいま申しましたような考慮をしたいと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 考慮してくれるそうですから、これも早い機会にぜひ一つ、生きた人間は食っているわけですから、こういうものは速急にお願いしたいと思う。  そういうことが具体的になってみますと、問題は失業保険法の十七条の関係で、失業保険の保険金の日額が最高三百円になっておる。そうして十七条の三で失業保険金の自動的な変更で、今たしか最高は五百九十円になっておるわけです。ところが最低を見ると二十五円です。二十五円から三百円まであるのです。(「支払う場合は違う」と呼ぶ者あり)実際はとにかくとして、二十五円があるわけですから、ないものならおどけになった方がいい。気分的にはそういうものはない方がいい、ムードの時代ですから。ここが大事なところですよ。それであなた方は今度の改正には、こういうところをほんとうはお出しにならなければ根本的な改正ではない。十七条の三で自動的にやれるところを、現実には五百九十円でおやりになっておって、法律は最高三百円と、こうなっておるのですから、実情が五百九十円でここ一、二年おやりになっているとすれば、五百九十円に法律をお変えになるか、何かやはりすみやかにこの機会に、改正のたびごとにできるだけ前進をしておかないと、何もかも一緒に、盆と正月を一緒に大蔵省に持っていっても、これは盆は盆、正月は正月、こういうことでやられてしまうのです。だから私は危ない橋は先に渡っておかなければいかぬと思うのですよ、実績があるのですから。こういう点はどうですか。日額表を根本的に検討してお変えになって、同時にこの三百円を直ちにお考えになる意思があるかどうか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいま御指摘のように、十七条によりますと三百円が最高金額になっておりますが、十七条の三のスライド条項の規定に基づきまして五百九十円ということになっておるわけでございます。それからもう一つは最低の問題でございますが、二十五円というような額が出ておる、これをこの改正案の中に入れなかった趣旨は、これは労働大臣の告示でございます。従いまして、ただいま先生御指摘のような点もわれわれは同感できる面が非常に多いわけでございますから、労働省の告示の改正問題になるわけでございますから、そこで十分に検討したいという考えを持っているわけでございます。ただし最高の金額について、もとの法文が三百円とあるのがおかしいではないかという点も一つの御議論と思いますので、これは十分に検討さしていただきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣の時間のお約束がありますから、大臣に対するあとの部分は次会に残して、大事な点だけ最後に尋ねておきます。  この四月一日から国民皆保険になったわけです。九千万国民すべて何らかの形でどこかの保険の網の目の中に組み入れられておるわけです。ところが失業期間については——雇用労働者がやめますと、直ちにこれが国民健康保険にはなかなかいけない情勢にあるわけです。そこで失業保険期間における医療保険の適用の問題です。これは職安の窓口に面着に行かないと失業保険金がもらえぬわけです。われわれの方では町着と言いますが、出頭をしなければ失業保険金がもらえないわけです。病気の間は医者に診断書を書いてもらって、行けませんといって持っていくのです。これは多分一週間とかに切らなければだめなんで、僕はよく書いたのですが、もらえないのです。そうしますと、問題は、皆保険になったときに網の目から漏れる人が出てくることは困るのです。そこで私は、この失業の期間には、幸いに会計にも余裕があるので、その病気になった者については、療養費払いというのをやってみたらどうだ。それは保険証を渡してやるとめんどくさいですから、そのかかった金の領収書を持ってって、失業保険手帳に記入してもらう、こういう措置はとれないものか、こういうことがとにかく今盲点になっておる、そういう部面で考えなければならない情勢が出てきていると思うのです。失業をしたら、継続給付で、現実に病気をしていない限りは、実は保険は切れてしまうのです。そして次のところに行くのに、そこに一カ月とか期間が要るわけですから、その間今の日雇い健康保険のように百七十円だということになると、とても食ってさらに医者に行く金というものはないわけです。そういう場合、一カ月なら二カ月の次の何かに就職するまでの間は、宗族と本人について一つ療養費払いで救済してやれないものか。これは何かとっぴな考えのように思われますけれども、現在日本が皆保険になったときに、失業者というものは医療について救済方法がないのです。医者にかかれるだけの失業保険の保険金が与えられるならいいけれども、与えられないという現実の上に立って、そのくらいのものは厚生的な措置としてみてやっていいのではないかと思うのですが、大臣のお考えを何っておきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 そういう穴ができることは私も実は直接経験をしておることがあります。それは浅草の山谷の世話をしておると、そういう問題がしょっちゅう起こってきますので、実情はよく承知しております。そこでそういう穴ができたところをどう埋めるか、今滝井君のおっしゃったような埋め方も一つあると存じます。方法はどうあろうと、埋めなければならぬということは全く同感でありますから、その埋め方の具体策につきまして、御意見を参考としながら関係各省と調整をいたしまして、成案を得てみたいと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣お帰りになるそうですが、前に答弁をいただいた点で、やってもらわなければならぬ点がありますので、その点だけ伺っておきたいと思います。  それは駐留軍の労務者の厚生年金の積立金が七十数億かけ捨てになったままになっておるわけです。これは自分で好んでやめたんじゃなくて、全く国の防衛政策かアメリカの防衛政策の転換によって、罪なき駐留軍の労務者がそういう影響を受けておるわけです。この離職対策というものに金がなくて、何か融資をしてくれというけれども出ない。ところが厚生年金では莫大な積立金ができておる。この金を何とかこの離職者対策の一部に融資をしてみたらどうかという意見を出したのです。これはいい材料を滝井君見つけてくれたということで、喜んでおったんですが、その後予算編成等がありましたが、一向に音さたがないわけです。これは一体石田さんお忘れになっておったのか、どういうことになったのか、この点を伺いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 忘れておったわけではございませんので、その問題について直ちに事務当局に検討を命じております。その後具体的な報告はまだ聞いておりませんけれども、検討を命じておることは事実であります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 次会に一つ検討の結果だけ教えていただきたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 大臣それではお帰り下さい。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 労働省に対する質問がまだあるのですが、労働大臣がお帰りになりましたので、私調達庁に来てもらっておりますので、調達庁に伺いたいと思います。  調達庁に特に私がきょう来ていただいたのは、失業対策について、あるいは労務者の配置転換等については、やはり国の機関である役所が率先をして範を示すことが必要なんです。その役所の状態を見て、そうして民間というものがいろいろやることは事実なんです。そこでずっと役所の機構が縮小して、そこに働いておった官吏の諸君が、どこかに配置転換をされる状態があるというのは、調達庁が日本で一番典型的なモデル・ケースになるわけです。一方労務者では、駐留軍の労務者とそれから炭鉱の労務者がその典型的なものになっておるわけです。そこで失業保険の審議にあたって、やはりこれは重要な参考になると思うのです。そこで私はお尋ねするわけですが、調達庁が発足した当時は、一万一千五百六十七名の職員がおった。ところが昭和三十五年の定員を調べてみると、二千七百五十一名というように非常な削減と申しますか、減少の仕方が目立っておるわけです。八千八百十六名という大量な人員整理というか、配置転換等も入るでしょうが、とにかく人員整理が行なわれた。三十五年度において多分七十五名程度のやはり整理をやるということが言われておったわけです。この三十五年度における人員整理の人たちの処理というものは、具体的に一体どういうことになったのか、これを一つ御説明していただきたいと思います。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 お答え申し上げます。  先生の御指摘のように、調達庁におきましては種々の業務、基地問題、それから労務問題をかかえているわけでございますが、そういう問題を扱う組織自体が若干減少、縮減され、そしてまた定員も減少いたしまして、三十五年度におきましては七十五名減少となった。その際に調達庁は、当然でございますが、防衛本庁、それから大蔵省等関係の各省庁におきまして、これを出血整理をさせないという基本方針ができたわけでございますので、実はその前にも三百二十名の整理があったわけでございますが、その際にとられた方式は、政府部内の各機関に移しかえの方式をとる。従いましてそういうことを三十四年度に実行したわけでございますが、三十五年度におきましてもその方向でこれを進めていく。具体的に申し上げますと、厚生省の国民年金関係地方組織に三十名、それから防衛本庁並びにその他の行政機関あるいは各種公団等に四十五名、合わせて七十五名を年度内に移しかえるという方式をとったわけでございます。その結果を申し上げますと、おかげさまで七十五名は三月末までに全部完了いたしたことになっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 三十五年度末までに全部完了をしたということです。これはなかなかけっこうなことです。そうしますと三十六年度、今年においても、われわれが聞いたところでは、当初は百十五名くらいだったんだが、だんだんと折衝をしておって、やはり同じく七十五名になったということですが、今年の縮小方針もやはり七十五名ですか。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 さようでございます。七十五名でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、その七十五人の措置方針はどういうことになっておりますか。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 三十六年度におきましてもやはり三十五年度に実行いたしました方式をとるべく、目下関係省庁と鋭意協議中でございまして、近く結論が出るだろうと存じます。私どもの実行上問題になる点は、職種の問題が一つ、それから地域的に実行できるかどうか、そういうロケーションの問題といろいろあるわけでございます。それから七十五名は実は等級別に内訳ができておりますので、七等級、八等級の下の方の職員等はきわめて実行可能なわけでございますが、四等級、五等級といったような、そういう比較的上級の職員につきましては実行が非常にむずかしい。各省庁に移しかえする場合に困難であるといったような問題がありますので、そういった問題につきましても鋭意御研究願っている次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、聞いておかなければならぬ点は、過去の実績を調べてみますといろいろ問題があります。これはあとで一つ尋ねていきますが、基本的には上級者その他実行困難者があるというお話です。そうしますと、一体七十五名をいろいろやったけれども、どうしてもうまく措置ができないといって、残った人たちに対する取り扱いはどういう方針でおられますか。それはもうやめてもらおうということになるのですか。責任を持ってどこか民間にでもお世話をするということになるのですか。そこらあたりどうですか。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 先ほど申し上げましたように、私ども整理と申しましても、先生も御指摘の通り、余儀なく国の方針に基づいて実行するわけでございますので、これを出血整理すると申しますか、どこかにあっせんすることなしにただ放置しておくというわけには参りませんので、どうしても関係省庁との間で話を詰めまして実行する。しかしながらそこの間にいろいろな事情から残った者があるといったような場合につきましては、責任を持ちましていろいろ民間の会社等にもこれをあっせんするということは、今までもいたして参りましたし、今後もこれを実行して参る方針でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 なかなか労働省よりかいい答弁をしてくれるですよ。そうしますと、私がちょっと調べてみると問題点は——問題点を少しずつ尋ねていってみたいのですが、非常に上位等級の人ですね、今あなたの言われた四等級、五等級の層、そういう人たちは従って一応年令層になっておるわけです。それから下の方でいえば御婦人ですね、こういうところがやはり困難な問題があるのです。こういうところを基本的には一体どういう工合に処理していくかということは、今御説明いただいたように、それは万難を排して民間その他に今まで同様お世話をするということでこの問題は片づくと思います。  次はやはり住宅問題なのです。日本においては、広域職業紹介その他においても住宅問題というのはいつも雇用の問題について回る問題です。この確保ができないということのためになかなかうまくいかぬという例があるようなのです。住宅等については、調達庁がそこまで世話をするということはなかなか無理かと思いますけれども、受け入れ側との関係で、かゆいところに手が届くような状態でこういうこともやはり考慮してやらなければならぬのじゃないかと思うのです。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 御指摘の通りでございまして、先ほど申し上げました一種の移しかえと申しますか、配置換転する場合に、そういう住宅事情等から地域の異なる場合に移ることはきわめて困難な状況でございます。しかしながらやはり七十五名が削減された、そしてその行く先がある特定の地方に決定したといった場合につきましては、私どもなんとか受入先の方とも協議してやっておるわけでございますが、実際上困難で、職員が困ったといったような実例も一、二はございます。しかしながらその点は、私どもも今後実行していく場合においてはできるだけ本人の希望も尊重して、自分が行けるといったような場所に出すことが先決であろうと考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それから防衛庁で働いておったところの等級と、今度は受け入れ側のポストとがどうも等級で合わない、だから君一つ格下げをせざるを得ない、こういう場合が、調べたところではあるのです。これもやはり本人の意思に反して格下げをさせられて、泣く泣く行くことになるわけですから、こういう点はやはり受け入れ側と調達庁との側の十分な意思の疎通をはかっておかなければいかぬと思うのです。こういう点は一体どう処理しておるのか。  それから同時に、受け入れ側の定員というもの——たとえば厚生省の年金、防衛本庁、その他建設省なんかにも相当あるように思います。あるいは公団というようなものに行く場合に、受け入れ側の予算上の定員があるわけですから、そうすると七十五名の出ていく人というものは当然その定員のワクの中にはめられていくのでしょうね。その関係はどういうことになるのでしょうか。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 御指摘の前段の、受け入れ側と私どもとの間に、場合によっは本人自体の等級等の格下げ等が行なわれる場合があるのではないだろうか、そういったようなことは当然本人の不利益になることでございますから、私どもとしましては極力これを折衝によって打開するという方向をとっております。ですから具体的には本人がほんとうに納得して、私どもが、それは君不平たらたらで行ってもらっては困るのだ、ところが、自分はそういう方面が好きだから若干の格下げ等が行なわれても行きたいという向き以外は、実行いたしておりません。  それから受け入れ側の定員の関係は、御指摘の通りで、防衛本庁等も定員増がなければ受け入れができない。しかしながら防衛本庁におきましては、私どもの本庁でございますから、自分のこととしていろいろな部内におけるやりくりによってもこれを受け入れるように協力していただいております。それから当然国民年金の地方組織につきましては、御承知のように、たくさん受け入れ先があるわけでございますから、私ども御協力願っておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ぜひ一つ本人の意思に反して行かないようにやってもらいたいと思うんです。  それから今度は逆な場合があるわけです。自分はこの機会にぜひ一つ年金の方が興味があるから年金の方に行きたい、だから自分も一つ出さして下さい、こういう場合に、それはちょっと待ったという場合があるように聞いておるのですが、そういう場合はありましたか。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 事実を申し上げますと、ございました。これは私ども、やはり調達庁は若干ずつ今まで減少して参ったとはいうものの、国にとりまして非常に重要な行政部門でございますので、私どもとしましては、やはり職員の士気を高揚しながら業務を遂行していくという措置も必要でございますが、同時に職員自体も、そこで責任を感じて、そうして自分に課せられた任務を達成していくということがきわめて必要であろう、こう思う次第でございます。従いまして、自分の希望だけを中心としまして自分の行く先を急ぐといったようなことは、私ども決して清算機関といいますか、そういうなにじゃございませんので、はっきりと、君は残って仕事をしてもらわなければ困るというようなふうにやっておるケースも相当ございます。従いまして、そういったようなことで、職員の希望と私ども役所側の希望と一致しない向きも多分一、二はあったものというふうに存じております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 なかなか調達庁、正直ですから……。問題はやはりあなたの建前が、本人の意思を重要な場合にはある程度抑制をしていこう、しかしどうしても出ていっていただかなければならぬ人については最後まで一つお世話申し上げよう、こういう態度ですから、私は今の問題についてはもうあまり文句は申しません。  次は、中火でうまく折衝がまとまった、厚生省とあなたの方との間にうまく折衝がいった、しかし今度は現地に行ってみると、現地は受け入れ態勢がなかなかうまくいっておらぬという場合も、調べてみるとあるのです。これはやはりあなたの方のせいではなくて、受け入れ側のせいなんでしょうけれども、とにかくわずか七十一名でも大半な今までの職員なんですから、今までもそうだったと思いますが、今後だんだんと防衛庁が基地行政その他が縮小するにつれて調達庁の仕事も少なくなるわけですから、今後のこの配置転換、縮小の問題については、私たちとしてはできるだけ組合の意思あるいは本人の意向を十分くんで、そして模範的な撤退作戦——これは調達庁における一つの撤退作戦ですよ。そういうことをできるだけ出血を少なく、合理的的に模範的に一つやってもらいたいと思うのですが、どうですか。

大石孝章総理府事務官(調達庁総務部長)

○大石政府委員 先生のお言葉でございますが、私ども内部におりまして業務を担当しております者といたしましては、まことに恐縮でございますが、撤退作戦をとるといったような考えではないのでございまして、安保態勢下ますます重要な業務を確立していく、そういう次第でございます。しかしながら国の方針によりまして何らかそういったような定数が減少するといったような場合には、十分職員個人の問題もしんしゃくしまして配慮したいというふうに思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 問題は、発足の当時一万一千をこえる職員があったものが、とにかく二千五百名台に減ったということは、やはりそこに働く人の気持にしてみれば非常な不安感、焦燥感、それから将来に対する希望というものに何か悲哀を感ずるわけです。そういう場所における仕事ですから、やはり日米安保態勢が大いに前進をするのだといったって、それは日本の内部情勢というものはそうはいかぬ情勢があるわけであります。だから職員にしてみれば、行くならばもっといい安定したところにという希望になるのは、これは人情だと思うのです。しかしそれはやはり国が一応こういう制度を、調達庁という機構をお作りになってやっておるのですから、私はそれ以上のことは申しませんけれども、気持としては、平和な職場で存分働きたいという気持が、少なくとも役人になったからにはあると思うのです。ところが自分の職場が縮小されるのだということになると、やはり何か心に沿わぬものがあると思うのです。そういう意味では、私はできるだけ組合の意向その他も十分聞きながら、この人員の縮小あるいは機構の縮小ですか、そういうものをやっていただきたい、こういうことなんです。  ほかにまだいろいろありますけれども、あと失業保険のことがありますから、これでけっこうです。どうぞ一つよろしく。  先日河野君が質問しておりました点に少し関連をしながら、なお質問をしたいと思うのですが、緊急就労対策事業の三十五年度における金額は八百五十円だったわけですね。一体この八百五十円の内訳というのは、労務費、資材費、事務費というのは、どういう内訳に、実績としてはなっているのか、それを御説明願いたいと思います。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 緊急就労対策事業の単価につきましては、従来は八百五十円でございましたが、これを二百円引き上げまして、昭和三十六年度からは千五十円ということにいたしました。その内訳でございますが、これは御承知のように探鉱離職者臨時措置法に基づきまして事業主体が業者に発注して請け負わせる。この場合において炭鉱離職者臨時措置法の炭鉱離職者を八五%以上吸収してもらう、こういうことで発注をしておるわけでございます。従いまして、その中において明確な区分を設けて、何割が労務費、何割が事業費というような建て方はしておりません。ただ概括的に申し上げられますことは、今回の引き上げにあたりましては、現地における同一職種の作業に従事しておる労務者の賃金、いわゆるPWが相当上昇することになりますので、この緊急就労対策事業に就労する労務者に支払われるところの労務費というものは、このような事情に即応して相当引き上げられるということは予想されるわけでございます。また事務費あるいは工事雑費あるいは諸掛りというようなものも、従来一応のパーセントの分はあるわけでありますが、現地の関係者の意向を聞きますと非常に窮屈であるという点も考えられますので、そういう点も引き上げられるように配慮しつつ八百五十円を千五十円に引き上げたわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私は千五十円の方を聞いておるわけじゃない。八百五十円の実績は一体どうなっておりますかということなんですがね。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 数字につきましては、実は各県あるいは市町村等でいろいろな事業を請け負わしておるわけでございますが、その集計は、いたしておる最中でございまして、まだきておりません。ただいま手元に持っておりませんが、後ほどまとまりましたならば御報告を申し上げます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 労務費は四百四十五円とおよそきまっておるわけでしょう。そうするとあとの資材費と事務費が四百五円。この資料費が幾らで事務費が幾ら——これを請負に出すといったところで、過去にある実績ですから、大蔵省と折衝して千五十円という、三十六年度の予算で二百円上げたからには、二百円上げなければならぬ労務費の実態、事務費の実態、資材費の実態がなければ二百円引き上げられないわけでしょう。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいまお話しの労務費四百四十五円というのは、福岡県におけるところの重作業のPWでございます。御承知のように緊急就労対策事業は、事業種目によりまして重作業部門もございますし軽作業部門もあるわけでございます。軽作業については、福岡は三百円ということになっております。それから他の県におきましては、またそれぞれ違ったPWになっておるわけでございます。要するにその事業種目によって、また地域によって労務費の占める割合というものは違っておるわけでございます。大蔵省に対して今回引き上げを要求いたしましたのは、各地におきますPWが平均して十数%上昇するであろうというような傾向にかんがみまして、その分の値上げを含み、同時に事業費の中に占める事務費あるいは諸掛りというようなものについても、今までの分では非常に窮屈であったというような面を参照いたしまして引き上げを折衝し、二百円の引き上げになったということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと同一地域、同一職種の賃金で緊就の貸金をきめるわけですね。そうすると、今福岡のことで四百四十五円とおっしゃったから、福岡の亜作業をやる場合には、緊就は四百四十五円になる。そうすると、あと四百五円の資材費、事務費が残る。その四百五円の資材費と事務費との配分はどうなっておりますか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 これは、先ほども申し上げましたように、国あるいは県市町村が直接行なう事業ではございません。従いまして、このような事業を行なうので、これを請け負え、ただしその場合には炭鉱離職者は八五%以上吸収してもらいたいという条件をつけまして請負に出しておるわけでございます。従いまして、これはPW等も参考にはされておるわけでございますが、請負の際に賃金を幾らというふうにきめておるわけではないのでございまして、これはその請け負った業者におきまして労働者側と相談をして適当な金額をきめるということにまかせてあるのでございます。その場合におきまして、その地方におけるPW等はもとより折衝の際における一つの大きな参考資料になるわけでございますが、ただいまのような形でございまするので、国が労務費は幾ら、あるいは事務費は幾ら、諸掛りは幾らというふうにはっきりと規定しておるわけではございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、その請け負った事業主と、その自労なら自労の組合とが団体交渉をやって賃金は幾らときめるわけですか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 そのような建前になっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、この工事は何月何日までにおやりなさい、そしてそれがもし団体交渉が賃金の問題できまらないときにはどういうことになるのですか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 その場合において、やむを得ない事情がございますれば工期を延長するというような措置も考えられる場合がございまするし、それから、労務者がいないような場合におきましては、今の八五%というような点について弾力的に考えるというような措置も講じられなければならない場合があろうと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、工事の施行は義務づける、そこに吸収する労務者も八五%を義務づける、緊急就労対策事業は八五%ですからね。そして工事の期限も切る、こういうことになりますと、賃金だけがフリーになっておるわけです。労使間の協定でやることになる。労使間の話し合いで賃金だけはフリーにきめる。これではなかなかどうも問題があるのですがね。これは河野さんも多分この前言っておったと思うのですが、一体この事業主の利潤はどうなるかということです。事業主には、この工事を君がやるのだと義務づけておるでしょう。それから労務者も八割五分はこれでしなければならぬと義務づけておる。そうして、四月一日までにはこの工事をおやりなさい、こう義務づけておる。それじゃ今度は、事業主には何月何日までにやらなければならぬという負い目があるわけですね。そうすると、労務者の側でも、大体PWがきまっておるのだからそれより低く——これは最低のものですよ。PWのからくりについては、われわれ問題があると思う。だからPWを廃止しなければならぬという建前を私たちとっておるわけなんです。そうしますと、千五十円の中でどの程度、八百五十円の中でどの程度というものだけは見てやっておかぬことには、仕事を投げるか、ロックアウトをするより方法がないということになる、事業主からいえば。これは事業主も損だし労務者も損だ、こうなるわけです。それなら千五十円の中に、たとえば五十円なら五十円はもう利潤としてとりましょうという、こういう形にしておかなければいかぬと思う。たとえば千五十円の中には越年資金、越盆資金も入っているでしょう。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 今度の引き上げにあたりましては、先般の国会におけるところの決議の趣旨もございまするので、そういうものは織り込むという建前で予算を編成したわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 幾らずつ入っていますか。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 私の方といたしましては、一応一般の失対労務者に対して支給されております日数に即した期末手当分というものを織り込むようにして予算を編成したわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと十五・五日ですね。千五十円の中に十五・五日に見合う分が入っている、ということは、一体千五十円の中に、平均的に見たら幾ら入っているかということですよ。これは、軽作業、重作業をやる労務者の数によって違ってくることになる。そうしますと、利潤というものは、軽作業か重作業かによって、一人については千五十円というワクは変わらないんですから、あるものについては利潤がぐっと多くなるし、あるものについては少なくなる、こういう形が出てくるのです。これでは問題があると思うのです。それならば、ちょうど一般の失対の越盆、越年資金で十五・五日入れておると同じように、千五十円の中には必ず最小限、最高限でもいいですけれども、利潤というものはこのぐらい入っているんだということをやはり見ておく必要があるんです。そうすると、あとの残りは事務費と資材費と賃金でいける。このワクの中で一つ請け負ってくれ、あなたの事業はこれだけだ、これを全部投げ出してもいいんだぞ、こういう弾力を与えて、幾分のものを保障しておかないと、これは事業主も大へんだし、労務も大へんなんですよ。先日河野君はそういう点を指摘しておったと私は思う。ロックアウトをやられた、そうすると、この緊急就労対策事業の諸君というものは行き場がない。これは一般失対に登録ができないということで行き場がない、こういうことになるわけですよ。私、これは使う人と使われる人のどちらにも味方をしません。やはり緊就を順当に、しかも拡大をしてやろうとするならば、その請け負った人についても八割五分という義務を課したんですから、だから一方利潤を保障しましょう、しかし労務者の賃金というものはこの程度ですよ、というものを示しておいてもいいと思う。これは最小限度ですよ。そうすると、争いがなくなる。示しておくかわりに、一方利潤は保障する。示さないと、力関係でやるんだから、これはへまをすると期限が限られて、そして八割五分という義務が課されておるんだから、事業主はロックアウトせざるを得ないですよ。ロックアウトをすれば、今度は労務者が困る。だからどちらも困るような制度というものは、これはやはりどちらもいいような制度に切りかえていったらいいと思うのです。どうですか。ここらあたりは、私は、この制度発足にあたって非常に大きな問題点になってくると思う。だからあなた方が、これを何かあつものにこりてなますを吹くように、何にも示さないでいくと言ったって、もう今の段階では不可能なんです。何らかのものを示さなければならぬ段階にきていると思う。八百五十円の経験は、労務者も偉くしたし、これを請け負う事業主というか、請負主をも偉くしたんです。どちらも鍛え上げたんですから、だからこの鍛え上げられた同士をまた激突させるということはまずい行き方です。それならばその争いを緩和する意味においても、どちらにもある程度の保障をやってうまく仕事を遂行する、まあワクは千五十円以上はどうがんばったってふえないんですから、千五十円の中で争わせることはこれは愚の骨頂です。どうですか。ここらあたりはどうも労働大臣がおらぬと工合が悪いところだと思うのですが……。

堀秀夫労働事務官(職業安定局長)

○堀政府委員 ただいま千五十円というお話がございました。これは平均の単価でございます。ですから、事業によりまして、軽作業が主になります事業と市作業が主になります事業では、もとより単価が違うものでございます。その点はお含みおき願いたいと思います。  それからただいまお話しのような、もう少し内容をはっきりしたらいいじゃないかという点について、私どもも検討すべき点があると考えております。ただこれは業者に発注いたしまして能率的に仕事をやってもらわなければならない。それと同時に、離職者吸収の目的を十分に達成してもらわなければならないという面がございまするので、やはり円滑にその離職者の吸収をはかるためには、業界の意向というものも十分聞いてやって参りたいと思います。その際におきまして、ただいま滝井先生御指摘のような面もありまするので、実は私ども今そういう点について業界の意向をいろいろ聞いておる段階でございまして、もう少しこの内容についてはっきりさせた方がいいじゃないかという点もその一つの問題点として出してあるわけでございまするが、今後関係者からもう少し意向を徴しました上で、今お話しのような点も盛り込みつつ善処いたしたい考えでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 あなたの方でそう言ってもらえば、ぜひそうしてもらわなければならぬと思っておるのですよ。やはりこれは炭鉱の失業労務者というものについて、緊急就労対策事業、いわゆる石炭鉱業の離職者対策として、あなた方が、広域職業紹介、それから職業訓練、緊急就労対策事業、援護会、今度は援護会のかわりに雇用促進事業団ができますが、そういう四本柱を立てられた一つの柱なんですから、緊就に行ったならば、少なくとも最低の食えるだけのものは保障されるんだと思って行ってみた、ところが、それがそこに千五十円を一つの土俵として、その自由に投げ与えられた、請け負わせられたその土建業者としのぎを削らなければならぬということでは、これはやはり哀れです。だからそういう点を、やはり最低の生活を保障するだけの貸金というものは千五十円の中にありますと、こう明示すると、今度は請負側は、期限も切られた、そうして賃金も明示された、事業量もきまっておる、こうなると、請け負った側は動きがとれません。だからそのときには、しかしあなたには、動きがとれないけれども、利潤はこれだけは保障しておきますぞということで、千五十円の中から一応一人についてこれだけは積んでいくんだ、こういうことにしておけば、争いというものは非常に少なくなるんですね。ぜひ一つそういう点、もうこれは四月一日から発足するのですから、速急に御検討になって、私は事業主の意向も聞いていいと思います。それから労務者の方の意向も、これは緊就の方の組合もありますから、お聞きになって、これは福岡あたりに言えばすぐ出てきますよ、すぐ出てきますから、十分聞いて、どちらにも損のないように、そして両方が千五十円の土俵で角突き合わせないように、ぜひ一つ急速に措置をすることを要望して、質問を次会に譲ります。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 次会は明五日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十九分散会

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