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38回国会衆議院1961/03/29

社会労働委員会 第20号

発言数
240
登壇者
14
会派数
2
開催日
1961/03/29

会議録

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 これより会議を開きます。  精神衛生法の一部を改正する法律案、結核予防法の一部を改正する法律案及び国民健康保険法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑を許します。永山忠則君。

永山忠則自由民主党

○永山委員 国民健康保険の実施状況をお知らせいただきたい。かつ皆保険の実施が予定通り実行できる見込みであるかどうかということについてお聞きしたいと思います。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいまの御質問でございますが、本年の四月一日をもって皆保険は実施することになっております。その状況はどうであるかということでありますが、本日現在の状況を申し上げますと、全国の市町村数が三千五百十四ございます。そうしてそのうちで四月一日より実施することになっておりますのが三千五百九であります。従いまして差し引き五つの村が実施できないということでございます。その五つの村と申しますのは奄美大島の島でございまして、この島におきましては医療機関がございません。一つの部落から隣の部落に行くにしましても、山を越えたりあるいは船に乗って行くというようなことでございまして、医療機関がございませんので、保険が実施できないということでございまして、この五カ村につきましては厚生大臣に実施延期の承認を求めて参っております。これに対しまして先般厚生大臣は、実施延期のやむを得ない理由があるといたしまして承認を与えたわけであります。この五カ村を除きましては、四月一日よりいずれも国民健康保険を実施する、こういうことになっております。  それからなおついででございますが、特別の国保組合がございまして、これが百六十二組合ございます。これら両者の被保険者数を申し上げますと、約四千九百万人でございます。これは日本の総人口の五二%に当たります。  以上のような状況でございまして、五カ村を除きましては予定通り四月一日より国民健康保険が実施できる、こういうような状況でございます。以上御報告申し上げます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 京都の状態はどうなっておりますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 京都におきましては、実はいろいろな実施困難な事情がございましたが、目下条例を市の議会に上程をいたしておりまして、本日議会で条例が可決される見込みでございます。本日京都の方へ連絡してみましたところ、本日議決の見込みであると申しておりますが、おくれましても三月一ぱいには条例が議決されまして、四月一日より実施される、こういう見込みを持っております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 京都の一部で、国民健康保険の指定医を辞退する、あるいは引き受けないというようなことを聞いているのですが、その点はどうなっていますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 京都市及びその周辺の市町村におきまして、国民健康保険医の、辞退を医師会の方ではいたしております。従いまして、ただいまのところでは現物給付をすることが困難でありますので、いずれまた四月以降におきまして市の方で保険を実施することになりますれば、あらためて国民健康保険をやりたいという申し出が出るのじゃないかという見込みを持っております。それからどうしてもそういうものがない場合においては、療養費払いにするという形で実施せざるを得ないということになります。

永山忠則自由民主党

○永山委員 保険医が辞退をしているというおもな原因は、どういうところにあるのですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 この事情は、やや特殊な事情がございまして、健康保隣国を辞退します場合は、健康保険の保険医を辞退する、それから国民健康保険の保険医を辞退するというのが通例の形でございまして、京都におきましては、健康保険の力の保険医は辞退しない、国民健康保険医だけを辞退している。辞退しましたときは今から約一カ月ほど前でございまして、いわば京都市においては国保を実施しておらないという状態のときにおいて辞退をした。普通でございますと、健康保険も国民健康保険も全部辞退するのでありますけれども、実施されておらないところの国保を辞退したという特殊な事情でございます。従いまして、現在におきましても健康保険の保険医は辞退しておらないわけでございますから、国保が実施されるようになりますれば、あるいはあらためて国民健康保険をやるという申し出が出てくるのじゃないだろうか、こういう見通しでございますが、特別の理由があるかという点になりますと、やはりこれは一般的な医療費が安いからそれを引き上げてもらいたい、こういうような要求の一環としてそういう措置がとられたのではないかと思われます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 国保だけの保険医の辞退が行なわれるというのは、そうすると国保の医療給付内容が悪いという理由であるのではないかというようにも感じられる。健保の方はよろしいが、国保はどうもだめだということは、国保の保険財政も悪いし、保険給付内容も悪いというような点が考えられておるのじゃないかというように思うのですが、大体京都市の条例の給付内容はどういうような工合になっていますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 市の条例の原案におきましては、世帯主七割、それから家族五割という原案でございまして、この線は大体五大市におきますところのやり方でございます。従いまして大都市におきますところの国保の給付内容の一般のレベルである、こう考えていいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 世帯主給付八割以上のところはどのくらいございますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 世帯主八割それから家族五割の給付を行ないますところは、従来からありましたところが若干あろうかと思いますが、ちょっと正確な数字は覚えておりません。最近実施しますところにおきましては、名古屋市とそれから大阪市、これが四月一日より実施するのでございますが、世帯主八割、家族五割、こういう方向でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 そうすると、京都はやはり名古屋や大阪のようなレベルまで引き上げてもらいたいというような意図があるのではないかというようにも考えられますが、その点については何らお聞き及びの点はございませんか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 医師会方面の要求としましては、全部十割程度やってもらいたいというような非常に強い要求がございます。こういう要求は、別に京都に限りませずに、各大都市におきましてはいずれも当初の要求は、ことに医師会方面の要求は、十割近い給付をしてもらいたいという要求がございます。それから主として医師、医療担当者の方でございますが、実際落ちつきましたところは、今申しましたように、名古屋、大阪の八割、五割、それからその他のところにおきましては七割、五割、こういう実情でございまして、京都が特に悪いというような感じはございません。

永山忠則自由民主党

○永山委員 世帯主十割で家族が五割というような線までとりあえず国保は持っていって、健保その他の社会医療保険と発展的に統一をするというような構想はございませんか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま国保の法律によりますと、五割給付が原則でございます。これはどう考えましても保険の給付としましては十分であるとは思われないのであります。今後の問題といたしまして、ただいま先生の御指摘がございましたように、世帯主十割、家族五割というような考え方、あるいは本人、家族を一律に七割あるいは八割にするというような線が考えられるところであります。そういう方向に今後持っていくべきであろうとは考えますが、この問題につきましては御存じのように社会保険全部を通じまして、あるいはもう少し広く申せば、社会保障制度全般を通じまして、それぞれの給付をどうするか、あるいは国庫負担をどう見るか、全般的にわたりまして総合調整を要する問題がございます。従いまして、将来の方向としましては、現在の国保の五割給付では十分ではないので、引き上げなければならぬと思いますが、どの点をどうするかということにつきましては、やはり社会保障あるいは社会保険制度全般の総合調整の問題として考えていきたいと思っております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 皆医療保険の実をあげるには、各種医療社会保険の発展的統一はすみやかに実施されねばならぬと思うのですが、その実施過程において、一番国保が給付内容が悪いのでございますから、どうしてもこの場合早急に国保の給付内容を健保その他の医療保険と同一線へ引き上げて、これが統一に進むという方向へ持っていくということにならねばいけないと考えておるのでありますが、政府の考えはその点についてどれだけの熱意を持って、またどういうような方法で、いつごろまでには、そういう方面へ踏み切ろうというお考えであるか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 方向なり考え方といたしましては、先ほど申した通りでございますが、ただいま御審議願っております国民健康保険法の一部改正案にもございますように、本年度におきましては、とりあえず結核、精神につきまして、世帯主七割の給付を実施する、それから五割から七割に上がりました分につきましては全部国庫で負担する、こういう方向を打ち出しております。しかしながら内容的に見ますれは、それが世帯主に限られておる、あるいは特殊の事情に限られておりますので、不十分と思いますが、そういう今後引き上げねばならぬという方向を本年度打ち出したわけであります。将来の方針なり目標をいつきめるのかという御質問でございますが、その点につきましては、ただいま内閣の社会保障制度審議会におきまして、社会保険の総合調整の基本方針を御審議中でございます。仄聞いたすところによりますと、本年一ぱいで大体の結論を出されるような見込みのようでございますので、厚生省におきましても、この審議会の御審議と並行いたしまして、省内において省としての考え方を整理して参りたい、かように考えております。従いまして、今後一年後くらいには内閣の審議会の意見もまとまり、厚生省の意見もまとまる。そこで一つの今後の考え方がはっきりしてくるんじゃないか、かように考えます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 厚生省の予算要求等から見まして、世帯主だけでなしに家族の七割給付、そして療養給付費に対する国庫負担は四割の線へ向こう五カ年計画で進めたいというようなことを聞いておるのでございますが、五カ年計画でまず七割給付へ持っていきましても、健保は本人は十割でありますから、さらに十割の線へ本人は引き上げると同時に、健保もまた家族は七割へ引き上げるというように線をそろえていきませんと、発展的統一ということがなかなかむずかしいのです。何と言っても医療保障というのは社会福祉国家の中核なんでございますから、速度を早めてこれが実現をやろうというようにお考えにならなければならぬと思うのですが、進行度をもっと強く厚生当局としては推進される必要はないか、所見を伺いたい。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 まことに御指摘の通りでございます。しかし現実の問題といたしましては、すでに本年度は予算もきまりましたし、それに応じまして法律案も出しておるわけでございます。一番早い機会と申しますと、次の国会と申しますか、来年度の予算の時期だと思いますが、私どもの気持としましては、できるだけその時期に間に合うように国保の充実ということを考えたいと思っております。ただし、それにいたしましても、内閣の方の社会保障制度審議会の審議の状況等もございますので、その点も勘案しなければならぬと思いますが、気持としましては、来年度の予算等においても事務的には考えて参りたいと考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 各種の医療社会保険の発展的な統一をはかるということになりますと、私は他の医療社会保険に使っている事務費——これは国庫負担もありますが、国家公務員、地方公務員の共済組合その他の組合で事務費を相当使っておるわけです。これらの国庫負担金や事務費等の節約がどのくらいになるものであるか。すなわち、私が言おうとすることは、これを地域医療保険たる国保に発展的に統一していきますれば、少なくとも現在の国保の事務費をわずか二割か三割増す程度で事務はいくんじゃないか。そういたしますと、他の医療社会保険の使っている事務費、こういうものがみんな節約できる。それを療養給付費の補助金へでも回すということになれば、実際問題としてはむだな金を排除して、医療内容を向上し、しかも統一できるということになるのですが、厚生省当局では、他の医療社会保険に出しておる国庫負担あるいは地方負担並びに自己負担というような事務費がどのくらいあるか、御計算されたことがございますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいまの御質問は、医療保険を一本にしてやったならば事務費が節約できるじゃないか、その節約できた経費で医療内容を向上してはどうか、こういうような御質問に承ったのでございますが、ちょっとただいまの御質問で思いついたのでございますが、来年度の国保の事務費が約五十億でございます。被保険者の数が約四千八百万でございます。それでかりに全人口といたしますと、その倍になるわけでございますから、約九千五百万ぐらいになりますが、事務費といたしましては今の約五十億が、被保険者の数が倍になりますれば当然に事務費もおそらく倍になるのじゃないかと思います。かりに国保といたしましたならば、国保の事務費が約倍の百億になるという大ざっぱな見当になります。そういたしますと国保以外で、健保でありますとか、それから共済組合ではどのくらいの事務費を使っておるかということでございます。これは計算したことはございませんが、大体今の見当を申しますれば、おそらく五、六十億の経費じゃなかろうかと思います。従いましてかりに一本にいたしましても、事務費としてはそう大きな節約にはならぬじゃないかという感じがいたします。それからまた別の見方をいたしますと、健康保険組合に対しましては国が事務費を補助しておるわけでございますが、共済組合とかその他のものに対しましては国庫補助ということでなしに、保険料の中から自前で事務費を見ておる、こういう建前でございますので、専務費の節約という点は、ことに国庫負担という面から見ますれば大した節約にならぬじゃなかろうか、ことにかりに五十億程度の事務費が節約できるといたしましても、これは医料給付の総額から見ますれば、約四千億程度の医療費に対しまして五十億でございますと、パーセントにいたしまして非常に少ないわけでございます。その程度のもので医療内容の改善ができるかというと、まあ若干はできましょうけれども、給付率を一割引き上げるとかあるいは二割引き上げるとか、そういうような効果は出てこないのじゃないかと考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 前に、今の東京都の保険部長をしておる永野さんが厚生省の係長をしておられるときに、一ぺん調査をやったことがあるのですが、国家公務員や地方公務員等々の共済組合の実質的に使っている人件費等をずっと計算しまして、国庫負担等を合わせてみても、その当事でも百五十億ぐらいはこれ以上にいろいろな事務費負担をしているのではないかというように、これも推定ですが、計算したこともあるのでございますから、一つ政府の方でも十分調査されまして、ただ国庫負担ということだけでなしに、いろいろな事務負担費等を軽減していくということは、結局医療内容を向上することになるわけですから、そういう点も計算されて、すみやかに各種医療保険の統一へ踏み出してもらうということを要望しておきたいのであります。  なおこの場合、結核、精神の世帯主だけ七割給付ということになっておるのでございますが、これを世帯主の結核、精神だけの疾病に限らずに、すべての病気について世帯主だけは七割給付にするということにしますと、どのくらい政府の方の費用が増すことになりますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま御指摘の、世帯主の全疾病について国庫負担を七割にすればどのくらい金がかかるかという問題でございますが、ただいま手元に計算した数字を持っておりませんが、大ざっぱなことを申しますと、国保の被保険者数が一世帯約五人弱でございますから、従いまして世帯主だけにいたしますと、全医療費の五分の一程度が世帯主の疾病の費用である。(永山委員「どのくらいになりますか」と呼ぶ)年間の医療費が千四百億でございますから、千四百億の五分の一でございますので二百八十億程度の医療費の額になると思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 結核、精神の給付率を七〇%に引き上げるに必要なる国庫補助額は、本年度はどのくらいになっているわけでございますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 世帯主の結核、精神についての給付を五割から七割に引き上げますについての国庫補助の額でございますが、国庫負担額は約三億でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 三億六千万円ですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 はい。

永山忠則自由民主党

○永山委員 さて、今度は国民健康保険の保険経済の問題について質疑をいたしたいと考えておりますが、現在の国保の保険料は平均どのくらいになっておりますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 三十六年におきますところの推定でございますが、被保険者一人当たり年間九百八円、こういう数字でございます。世帯でございますと、四千百二十七円でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 自治省の方に質問しますが、一世帯市町村民税はどのくらいになっておりますか。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 ただいま資料を持ってきておりませんが……。

永山忠則自由民主党

○永山委員 そうすると、市町村民税との比較について保険局長は調べられたことがありますか。

小池欣一厚生事務官(保険局国民健康保険課長)

○小池説明員 保険料と市町村民税と比較する資料を持ち合わせませんが、金額にして、平均をとりますと、それほど大きな差はない。大体同額あるいはそれに近いものだと考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 市町村民税よりも上回る情勢になっておるのじゃないか、こう見ておりますが、まあよく調べてみて下さい。  そうすると、今度の国民年金の税は一世帯どのくらいになりますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ちょっと私正確な数字は覚えておりませんが、大体一世帯当たり平均三千六百円くらいじゃないかと存じております。正確な数字はあとで申し上げますが、ちょっと私の記憶でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 国保の保険税は年々上がっておるのですが、大体どのくらい平均値上りがありますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは平均的なことを申し上げますが、最近におきましては大体九%から一〇%くらい保険料が上がっております。これは全国平均でございますので、個々の市町村につきましては大体横ばいのところもございましょうし、あるいは給付の制限の撤廃をするという特殊な事情があれば一〇%以上に上がる、二〇%も上がるというところもございますが、平均的に申しますと、今申し上げましたように九ないし一〇%ずつ上がっております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 保険料の値上りが約一〇%ですか、そうすると今度医療費は年々どのくらい上がっておるのですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは医療費と申しますか、国保の医療費だと思いますが、これも大体一〇%ずつ上がっております。保険料の上昇率、それから医療費の上昇率は大体並行いたしております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 そうすると保険料が一〇%上がっておりますと、今度患者負担は結局二割上がるということになるのではないか、こう思うのです。その理由は、保険料の方は国が二割五分国庫負担をしているわけですね。そうして保険料が一割上がるわけです。患者負担というのは二割五分の国庫負担がないわけですから、だから患者負担の方は年々二割上がるという計算になるのではないかと思うのですがどうでしょう。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは先生のおっしゃるような考え方も出るかもしれませんが、絶対額は、今お話しのように総医療費の二割五分を保険料で持つ、それから患者負担は五割を持つということでございまして、総額におきましては患者負担の方が倍でございます。しかし負担上昇率から見ますと、これは同じように一〇%ずつということでございます。ただその額は多うございますが、倍の額に対して一〇%でございますけれども、上昇率の点から見ますとやはり同様の一〇%でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 そこで厚生省は国保の給付制限の撤廃をすみやかにやる、少なくとも三十六年度にはやるように指示をされておるのですが、その方針は変わりはないわけですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 給付制限といたしまして入院、往診、歯科の補綴というのを従来認めておりました。これをなるべく早く制限を撤廃するように指導して参りまして、従来の指導におきましては、本年の四月一日までに一つこういう給付制限を撤廃してもらいたいということを指導いたして参っております。各市町村もそれで参っておりますが、最近御存じのように医療費の値上げ等がございまして、一〇%値上げいたしたということになりますと、その面からも保険財政が重荷になります。そういう点がございますので、四月一日に全部撤廃しろという強いことを申すのはどうかと思いますが、なるべく早く撤廃するようにという程度で指導して参っております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 それでは今度医療費の値上げを考慮して、従来四月一日をもって医療費給付の制限撤廃をできるだけやれというのを、多少緩和をする指導をするしかないという工合にお聞きするわけですが、その給付制限の撤廃による医療費の値上がりがどのくらいであるか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは御存じのように、すでに給付制限を撤廃しておるところとないところ、いろいろありますが、全国平均的にまとめてみますと、往診を撤廃しますと約三%、給食の給付制限を撤廃いたしますと約九%、歯科の補綴の制限を撤廃いたしますと約九%、合計いたしまして二三%ほどの医療費の増になります。これは全国の市町村を平均した数字でございますが、一応全廃いたしますればそういうことになります。

永山忠則自由民主党

○永山委員 現在その療養給付制限が撤廃されているのは何割くらいですか。残っておるのはどのくらいありますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ちょっと資料が古うございますが、三十五年五月現在で調べましたところ、制限を行なっておるものが五百二十九件、制限を行なっていないものが二千九百二十八件ということでございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 給付制限を撤廃すれば二三%医療費が値上がりとなるというのですが、さらにその中に長期給付の三年間の期限制限が法制化されているわけですね。これを転帰までやるという方針はございませんか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 これは国保に限りませず、各保険につきましての問題だと思います。現実に各保険におきまして最高三年ということ、それから日雇い等でございますと一年の期間でございます。これを全廃するかどうかという点でございますが、やはり各保険に関連いたしますので、総合調整の問題あるいは給付内容の改善の問題ということも関連して検討いたして参ります。ただいまのところ大体三年でいいのではないかと考えておりますけれども、今後の問題として考えていきたいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 長期の療養をしなければならぬ人が三年たてば、各医療社会保険に全然恵まれないということになるわけであります。ことに国保は、他の保険で三年の制限がきたならば住所を変えて国保に入るというようにして、国保が最後まで見なければならぬという状態になりますし、なお市町村等においては、住民の中で、三年間で打ち切るというようなことはとうてい見るに忍びないということで、転帰まで見なければならぬという考え方の世論と呼応いたしまして、転帰まで見る状態に漸次に移行しようというように条例を改正しつつあるわけでありますが、これを転帰まで見るということになりますと、医療費にはね返る関係が国保ではどのくらいございますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 三年の療養給付期間を撤廃すると、どのくらい医療費がふえるだろうかという問題でありますが、ちょっとこれは調べたことがございませんので、ただいま御返答いたしかねます。  それから国保におきましては、今お話しのように、条例によりまして転帰まで給付するということができるわけであります。健康保険と違いまして一律に三年ということではございませんので、必要があれば転帰まで療養をして給付をする、こういう規定があるということを申し上げておきます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 やはり転帰まで見るという方向にすみやかに法令の改善等もされて指導されるということが、これが医療社会保険の本質だと考えております。  さらにお伺いしたいのですが、今日、国保の財政は実際は非常に困難でございます。従って給付制限の撤廃もむずかしいという状態になっておるのでございますが、加うるに保険料が年々平均一割ぐらいずつ上がってきておるわけであります。それに向かってこの療養給付費の制限撤廃をやらなければならない。やれば二三%上がる。さらに世論に押されて転帰まで全部療養するということになれば、また値上がりをすることになる。また今回医療費の値上げが行なわれるということになるわけでございます。しかも保険料は市町村民税を上回ろうという情勢になりつつあるし、国民年金の方も保険料に匹敵するくらいのものをあらためて四月から強制掛金をしなければならぬという状態に追い込まれて、国保経済はもう破綻の状態に入ろうとしておるわけでございますが、ここでお問いいたしたいのは、現在国保財政でどれだけ赤字が出ておるかということであります。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 昭和三十四年度末の決算によりますと、全国の約三千近くございます保険者のうちで、約五百幾らが赤字を出しておるということであります。しかしこれは全部を平均いたしますと、総額におきまして十八億程度の黒字でございますが、そのうち約五百ほどが赤字を持っておる、こういう状況でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 その赤字総額は大体幾らですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 約十一億でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 その赤字に対して、政府はどういうような財政的処置をしようとするわけですか。

小池欣一厚生事務官(保険局国民健康保険課長)

○小池説明員 赤字を持っております保険者のうち、特に大きな赤字を持っておりますもの、つまり保険者負担分の二割以上の赤字を持っております保険者が、三十三年度の決算におきまして約二百五十ぐらいございます。この特に大きな赤字を持っております保険者につきまして、調整交付金の配分の方法に工夫を加えまして、その赤字分のおおむね半額につきまして、三十四年度から三年間にわたりましてその調整交付金でめんどうを見ていくというような制度を立てております。残りの半分につきましては、やはり赤字ができました理由には保険者側の責任も多少あるわけでございますので、まあ保険者側におきましていろいろ御努力願う、こういうような方針で進んでおります。

永山忠則自由民主党

○永山委員 赤字の組合の保険料の徴収率は大体どういうようになっていますか。

小池欣一厚生事務官(保険局国民健康保険課長)

○小池説明員 ただいま赤字の組合だけの保険料の金額の数字を持ち合わせておらないのでございますが、赤字を出しました原因といたしましては、まず保険料の調定額が十分でない。一般的に申しまして徴収率が低いということが大きな原因であります。

永山忠則自由民主党

○永山委員 この赤字の原因をよく調査されまして、それに対処する方法等によってこれが調整をすみやかにやられんことを希望しますが、しかし実際上の問題として、現在の国庫負担の経済ではやっていけないという情勢でございますので、事実は赤字なんですよ。その赤字の補てん方法は、実際は一般会計からの国保特別会計への繰り入れによってこの赤字を補てんしているという状態なんですね。ですから赤字組合の方は、市町村一般会計からの繰り入れが少ないというような原因もあるのではないかというように考えるのであります。そこでお尋ねしたいのは、一般会計から国保の特別会計への繰り入れば大体どのくらいになっておりますか。

小池欣一厚生事務官(保険局国民健康保険課長)

○小池説明員 三十四年度の決算におきまして三十四億の額が一般会計から繰り入れられております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 東京都は一般会計からの繰り入れば大体どのくらいな見通しでございますか。

小池欣一厚生事務官(保険局国民健康保険課長)

○小池説明員 東京都は、御承知のように、三十四年度におきましては、わずか四カ月だけの実施期間でございまして、ことしが完全に一年間実施をすることになるのでございますが、東京都の二十三区につきましては、ことしは約十億程度は繰り入れるのじゃないだろうかというふうに考えております。ただ、東京都の二十三区につきましては、普通の市町村といささか違った事情がございまして、法律、政令におきまして、二十三区の財政を特に調整するという規定が特別にございますので、他の市町村とは少し事情が違っておるということでございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 各都市は、給付内容が世帯主七割ないし八割というような線をとっております関係もありますが、大体療養給付費の、総医療費の一割以上を繰り入れなければやっていけないという状態なんです。各都市だけでなしに、町村においても一般会計から国保会計への繰り入れば、大体みな一割以上になっているわけですが、自治省の方ではどういうような数字になっておりますか。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 一般会計から国保会計へ繰り入れております額は、昭和二十三年度の決算では三十四億四千八百万円、三十四年度の決算では三十一億九千九百万円という数字になっております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 それは結局、大体医療給付費の額の赤字を補てんするために、やむを得ず出さねばならぬ情勢になっていると思います。これは、都市はさらに多く出さねばならぬ情勢になっておるわけですが、自治省の方は、この繰り入れに関する点に対しては、どういう指導方針を持っておられますか。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 現在の国保会計と一般会計との関係は、御承知の通り、現在の一般会計で財政計画を立てます場合にも、制度上も一般会計から国保会計へ繰り入れをするという前提をとらない、そういう建前でないという形で、地方の財政計画等も作られているわけでございます。従いまして、そうした立て方のもとにおいては、私どもといたしましては、一般会計から特別会計である国民健康保険会計へ繰り入れることは、原則的には適当ではないのではないかというふうに考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 厚生省の方は、一般会計から国保の会計への繰り入れに関しては、どういうような指導方針をとっておられますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 国保につきましては、特別会計が設定されまして、その財源としましては、保険料と国庫負担、それから一部負担、こういうことでまかなわれる建前でございます。原則としましては、やはり保険財政でまかなうというのが建前でございます。しかしながら、従来から一般会計よりの繰り入れが約一例程度ございました。これを一挙にやめてしまうわけにも参らない。まあ方針としましては、保険料で保険財政はまかなうというように指導して参りたいと思いますが、一挙に一般会計よりの繰り入れをやめるということは、これは事実上困難でございます。まあその辺の状況を勘案しつつやって参りたいと考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 旧来厚生省の指導方針は、一般会計から国保特別会計へ医療費の一割ぐらいを繰り入れるということが望ましいという指導方針をとってこられたわけですが、最近、自治省が地方財政の健全化と再建整備というようなことから反対をしまして、これと歩調を合わされておるわけですが、それにもかかわらずやはりどうしても一割程度は繰り入れざるを得ない、両省ともに押えようとしても押えることができないという原因はどこにあるわけでございますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 その原因でございますが、これはやはり所要の保険料を取るということが困難な事情があるということに尽きると思います。あるいは保険料負担能力がないということだと思いますが、その一点に尽きるのじゃないかと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 御説のように、実際上の負担能力が低所得者層だけを中核にしておるものですから、一般会計よりの繰り入ればやむを得ないわけです。市町村という経済力のある方から一部を国保特別会計に補給するということでようやく保険財政を維持している。それは市町村が責任者になっているのだから、ちょうど国が日雇健康保険等を政府管掌でやっているのに対して、どうしてもまかない切れぬ場合においては、国庫負担率を漸次引き上げてこられる、それと同じような状態で、責任者である市町村はどうしても保険財政を確立するためには、低所得者層だけからこれ以上の保険料は徴収できぬ、そこで経済力の強い方から一部を繰り入れしてもらわなければならぬということになるわけでございますので、私は自治省が一般会計からの繰り入れを強く制約してやらせないという方針をとるならば、どうしても国庫負担率を上げるということをおやりにならなければ、責任だけを町村に負わせて、そうしておいて一般会計の繰り入ればだめだという指導をされるということは、手足を縛ってそして歩けというように、むちうたれると同じことになると考えるのですが、御所見はどうですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 先ほど自治省の方から答弁いたし、また私からも申し上げましたように、国保の特会はやはり原則として保険料でまかなうのが原則でございます。やはりその原則は原則でございますが、一挙にこういうこと、一般会計の繰り入れを否認する、認めないというところまでは考えておらぬわけです。方向としてはだんだんとそういう方向に持っていくようなことになる。実情ができないところ、あるいはどうしても一般会計から繰り入れなければ国保財政が成り立たぬというところにおきましては、これは一般会計からの繰り入れをしていただく、こういう気持でございまして、原則とそれから実際のやり方というものはその間違うわけでございまして、実情に即したようにやって参りたいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 保険料でまかなうという原則を堅持しようと思えば、どうしても少なくとも現在の二割国庫負担を三割に持っていって、ようやく現在の国保財政の赤字をやや克服するということになる。それに今度政府が給付制限の撤廃やら、医療費の値上がりをして、保険内容を充実しようということになれば、これは国庫の負担率は三割じゃいけないのですよ。現状でとりあえず三割、しかも年々一割上がるのですからして、その意味からいっても三割ではとうていやっていけないということなんですね。だから、自治省がこの場合一般会計から操り入ればまかりならぬという指導を文書でもって強く押えていくということをやるのならば、やはり国庫の負担率を上げるということを十分話し合ってやらなければ、保険者の方では非常に困っているわけですが、自治省どうですか、多少指導方針をゆるめる考えはございませんか。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 国保会計への一般会計からの繰り入れをどういうふうに考えるかという問題でございますが、私どもも国民健康保険事業が円滑に進むことを願っておるものでございまして、ただ一般会計からの繰り入れを押えさえすればいいんだというような狭い考え方を必ずしも持っておりません。ただ、国民健康保険事業が推進されますためには、そこにいろいろな問題が先ほど来御指摘のようにあるわけでありまして、そういった問題を解決していくためには、十分な財政制度が確立しておることがもちろん必要でございます。ところが、困れば一般会計から何とかなるんだというようなことでは、問題がいつまでも市町村という一つのクッションの中でもってそらされてしまって、ほんとうの意味の国民健康保険の財政も確立をしない、また従って国民健康保険事業も推進されないのではなかろうか、困れば何か市町村が適当にやってくれるというようなことではやはり適当ではないのではないか。かたがた先ほど来申し上げますように、市町村が制度としてそういうものを持つという建前をとるならば、やはりその市町村の負担相当額は地方財政の計画の中にも乗せて、しかるべき財源措置も同時に講じなければならないわけでございまして、持つような、持たぬうよな制度のもとにおいて、困ったら持てというようなことではやはり問題が解決しない。こういった意味から、具体的な指導と申しますか、一拳に極端なこともできませんので、先ほど来局長がおっしゃるように、逐次改善をしていただくような方向に持っていっておるわけでありますけれども、考え方はそういうところから出ておるので、御了承いただきたいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 実際は自治省は一般会計からの国保会計への繰り入れを非常に強く押えておるわけですね。逆に国保の保険料の基準を一世帯四千円なら四千円ということにして、その一割は市町村から繰り入れる、それを財政基準需要額へ見るというくらいにまで踏み切る必要はないか、こうわれわれは考えておるのですが、その点についてどうですか。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 ただいま御指摘の問題は、制度としては市町村が持つようにするのが国民健康保険事業本来の姿として適当であるか、あるいはその分を国庫の補助としてさらに増額をはかるのが適当であるかということにつきましても、いろいろまだ検討すべき点があると思いますので、私どもも厚生省当局とも相談をして、そういった問題は今後とも検討して参りたいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 医療社会保険は病気になったらなおすということだけが目的じゃないのです。やはり病気にならぬように予防方面も力を入れなければならぬ、さらに、なったらすみやかに早く回復する、回復を早めて予後をよくしてやるという総合性があって初めて保険経済はよくなるわけなんですよ。そこで、予防衛生であるとか、あるいは予後の管理であるとか、あるいは療養の手当をよくするとかいうような一般市町村行政がこの国保の医療内容の中へやはり入っておるわけです。保健婦等の活動がその点を主として指導することになるわけですから、どうしても国家管掌でやるというなら別ですけれども、市町村に責任を負わしてやるということなら、ただ国保は病気をなおすというだけでないのですから、従ってわれわれは制度として市町村が一般会計から一割繰り入れる、府県がまた一割これを出すというようにして、それを基準財政需要額へ要るというようにすみやかに方針をお立ていただかないと、元来そういう方針で進もうとして旧来厚生省はやっておったのですが、地方財政の健全化というようなことだけに幻惑されて、この好ましい、市町村並びに府県が一般会計から繰り出して、国保の財政をよくするということへ加えて、できる限り病気にならないように、なったらすみやかになおるように、なおったならば予後の管理をよくするという総合性の、府県及び市町村行政の一部を国保がかついでおるというあり方を確立をすべきであると思うのですが、その方針が後退しているのですからして、この点、大臣がおられぬわけですが、両大臣の方によく話されて、国保の療養給付費に対して府県が一割、市町村が一割は一般会計から繰り出し、そしてこれを基準財政需要額へ見て地方交付税の対策とするという制度の確立をして、市町村にほんとうに責任を持ってやらせる。それができないなら、むしろ政府管掌に持っていった方がいいのです。市町村が責任を持ってやらせるというのなら、そういう方向にいくべきで、それをやらないというのなら、政府管掌でやるということでむしろいいのじゃないかというように考えるのですが、政府管掌でやるという点とどちらがいいか、御説明を承りたいです。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 御存じのように、国保の保険というのは、国家の保険におきましても一番運営の困難な保険であります。従いまして、今先生が御指摘のように、財政を確立するために市町村が一割、あるいは府県が一割の負担をしてはどうかという議論が出て参るわけでございますが、ただいまのところの方針としましては、市町村のこの保険料とそれから国庫補助で財政を確立していく、こういう建前に立っておるわけでございますが、この建前を変えまして、今おっしゃったような方向に踏み切るかどうかということにつきましては、今即答いたしかねるのでございます。   〔委員、長退席、滝井委員長代理着席〕 やはり問題といたしましては、国保の保険財政というものを強化しなければならぬという問題をどういうようにするかということになると思います。あわせまして、保険の給付内容改善と、この二つをどうするかということでございますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、国保という立場だけでなしに、やはり社会保険全般の問題といたしまして、総合的に検討して参りたいという気持であります。

永山忠則自由民主党

○永山委員 すみやかに御検討願いたいと思うのですが、さらに医療費の自然的な順上がり、あるいは今回の値上がり、あるいは給付制限の撤廃等による値上がり等を勘案しまして、どうしても国保の保険料を引き上げなければならぬという情勢になっている。実際問題としては、これ以上引き上げられぬ情勢にあると思うのですが、国保のかかえておる層は、大体どういうような所得層になっておりますか。たとえば都市でいえば、所得皆無の層がどのくらいで、十万円以下がどのくらいで、二十万円以下がどのくらいか、町村でいいますと、十五円以下あるいは十万円以下の所得層をどのくらいかかえておるかという点を一つ。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま資料を手元に持っておりませんが、昭和三十年、たしかこの国保につきまして所得状況を調べたのでございます。その資料をまた後ほどお目にかけてもよろしゅうございます。ただいま持っておりませんが、それによりますと、やはり低所得者に属するものが非常に多いという結果が出ております。数字はただいま持っておりませんが、一言で申しますとそういうことでございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 大阪市あたりのをちょっと見て見ますのに、所得皆無のものが四二%、十万円未満のものが五〇・五%、二十万円未満のものが七一、%というようになっているわけですが、東京都でもやはり低所得者層が六〇%になっております。二十万円以下のものが大体七〇%くらいであります。各町村の方で見ましても、古い統計ですが、月額大体一万五千円のものが、昭和三十二年厚生省の行政基礎調査では六〇%以上になっているという状態で、低所得者層を多量にかかえておるわけでありますので、これ以上国保の保険料の値上り徴収はどうしても可能でないというように考えておるわけでありますが、政府のお考えはどうですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま御指摘の、国保の被保険者には低所得者に属するものが相当部分を占めておるということでございまして、医療費の伸びに保険料の徴収が追っつかないのじゃないかという問題は確かにあるのでございます。医療費の値上げあるいは給付制限の撤廃、そういうことに伴いまして、さらに財政が困難になるという事情もございます。そういう事情もございますので、これはやはり今後の問題といたしまして、国保に対する国庫負担の割合が今のままでいいのかどうかということは、もう一度検討せねばいかぬと思います。検討いたしますにつきましては、やはり国保だけでなしに、皆保険になります暁におきましては、日雇いでありますとか、あるいは弱小組合でございますとか、一般の政府管掌であるとか、それぞれの制度に対しますところの国の国庫負担をどの程度にするか、いずれもバランスをとらなければならぬ、それらの調査を十分いたしまして検討いたしたい、かように考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 農村の所得は年々二・八%ないし三%ずつしか上がらないのですよ。それにもっていって医療費が一割上がるわけです。そうすると、今国保の保険料をこれ以上上げようということは限度に来ております。もう上げられないわけですね。しかも今度の固定資産税の改正で、農村側の値上がりは大体のどくらいですか。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 農地についての確かなパーセントは、私直接やっておりません。数字の間違いがありますといけませんから……。   〔花井委員長代理退席、藤本委員長代理着席〕

永山忠則自由民主党

○永山委員 固定資産税の値上がりが三%、宅地の値上がりもありまして、大体われわれはこれが十億くらいだと算定しているのです。それから、今こういうことをいうのはどうかと思うのですが、今度の国鉄運賃等の値上がりで農村側にはね返ってくるのが六十億くらいあると思うのです。さらにガソリン税で耕耘機、トラクター等の使用するガソリン税の値上がりを受けておるのが五億からあるわけです。そこへもっていって今度国民年金の強制掛金がありますというような情勢で、国保の保険料を値上げをするというようなことは実際上できないですよ。それらの状態をお考えになって、とりあえず今年どうしても区県及び市町村が一般会計からの繰り入れをやむを得ずやらなければならぬということになると思うのでありますが、現在の政府の国庫負担は二割、調整金が五分という線でとりあえず本年度の国保の経済を処置できるのか、一つ局長の御意見を聞きたいのです。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 本年度の予算を組みます際にお話の点を考慮いたしまして、ことに医療費の値上げに伴うところの保険料の増徴の問題、そういう点も考慮いたしまして国庫負担のことを考えておるのでございます。この医療費の値上げに伴いますところの保険料のはね返り分が約二十四億ございます。それに対しまして十五億の特別の補助金を出したわけであります。残りの九億というのが保険料にはね返って参るわけでございます。でございますが、九億のうちで、結核、精神の公費負担によりますところの保険料の負担減というものが約五億ございまして、結局四億くらいが保険料の増徴になるという見隠しでございます。総額で五億と申しますと、被保険者に直しますと、年間一人当たり十円程度の金額であります。その程度の額が何といいますか医療費の値上げに伴う負担増でございます。その他の保険料の自然増収といいますか、これが例年並みの増収があるものと考えるといたしますならば、大体収支のバランスがとれるんじゃなかろうか、こういうふうな考えであります。

永山忠則自由民主党

○永山委員 そうすると結核並びに精神関係で世帯主の給付を七割に引き上げた関係というのは、今回の医療費の値上げがあるからやったということになるわけですか。医療費の値上がり分で十五億の予算補助があるが、なお九億円の不足を生ずるので、保険料にはね返りがあるが、結核並びに精神病の国庫負担が増大するから、その方の五億は国保の財政がそれだけ軽くなるというお話ならば、医療費の値上げをするから、結核、精神関係の医療費国庫負担を見てやろうという関係でなさったわけでありますか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 説明が悪かったかもしれませんが、これは全然関係ございません。結核、精神の法律の改正によりまして公費負担という制度ができまして、その結果、事実上そういうことになったと思います。その両者の関係は全然無関係でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 結核並びに精神の給付七割負担ということになりましたので、本人の負担分が二割軽くなるわけですね。そうしますと総医療費の中で、二割五分は国保が旧来国の補助金をもらっておったわけです。その分はもらわれなくなるわけです。すなわち今度政府が七割の給付を認める。従ってその二割分は政府が持つわけですから、療養給付費の二割を国庫が負担するうちよりその二割分は引くということが国民健康保険法の改正案に出ておりますから、そうすると今年度結核、精神等の給付率七〇%引き上げに必要なる国庫負担額三億六千万円の二割分は、これは旧来もらっておったのです。それがもらわれなくなるのですから、その点からいえば七千万円ほどやはり国保経済に響くわけです。それと同時に、今回の値上がり分に対して保険料のはね返りに対する手当ができてない。九億五千七百万円加わりますから、十億三千万円というものはどうしても実際は保険料引き上げになるわけです。それでなくても本年は保険料一割は引き上げなければならぬという状態になっておるのですよ。医療費の値上がりは一割あるのですから、どうしても保険料の一割引き上げなければならない。しかも給付制限の撤廃をやらなくてはならぬ。給付制限撤廃はやれという指導をやられておるのですからね。被保険者は、ぜひこれが実現方を要望しておるのですよ。山奥におる人は、往診料を全額自己負担しなくてはお医者に見てもらわれないのですから、僻地におって、一番困っている人に対して往診料を給付制限しておるというような残酷なやり方をやっておるのですから、これはすみやかに改正しなければならないということは言うまでもない。しかも政府はすみやかに改正せよと言っておるのですから、町村民はこれが改正を要望してやみませんよ。町村長が押えようとしたって押え切れませんよ。遠隔の山奥へ一ぺんお医者さんを呼んだら大へんな費用が要るのですよ。だから医者にかかれないという悲惨なる状態に置かれておる。それをすみやかに保険給付にしてやれと政府が指導されたということになれば、町村民は町村長に対してどうしてこれを実行しないかということで責め寄りますよ。ですから政府の方で給付制限撤廃は、これは今やらぬでもいいという緩和方針でいくと言われても、もうその撤廃方針が流しておるのですから、緩和できませんよ。そうなれば医療費の値上がりは一割ではないのですよ、給付制限の撤廃は。  現実の問題として、国保をやっておる市町村は非常に苦しんでおる。この苦しい国保財政状態ならば政府管掌にしてもらおうじゃないか、政府にやってもらおうというところまで強い決意をいたしておるのです。それに今度の療養費値上がり分の手当を十分していただいていないのです。われわれは患者負担分の手当をもすべきではないか言っておるのであります。低所得者層を七割かかえておって保険経済はどうもならぬ。それにもってきて、保険料値上がりの手当さえも十分できないというような処置では、町村長の方から言えば、政府を信頼できぬじゃないかということになる。少なくとも医療費値上げ分の保険料値上げになる分だけは政府は財政的手当をしなければならぬ。それが十億以上のものが保険料へはね上がるような政府の財政措置に対しては、どうしてもこの場合考え直してもらわなければわれわれは承服できないのです。さらに政府が今回の医療費値上がりに対して十五億という補助を予算化しているのですが、その性質はどういうものですか。   〔藤本委員長代理退席、委員長着席〕

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 この十五億の性質でございますが、予算補助という性質のものでございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 予算補助だということになりますれば、来年度は責任持てますか。これは本年の予算補助ですね。来年度、はこの十五億というのは、ここに大蔵省も見えておりますが、おそらく打ち切ると言いますよ。打ち切るという恩恵がなければ、予算補助のようなあいまいな出し方はしません。今度の医療費の値上がりが国保の保険料にはね返る率はどのくらいになるわけですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 医療費値上がり分に伴います増でございますが、二・四%だと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員 それならば、保険料にはね返る今度の値上がり分に対しては国庫負担でいくという意思があるならば、国保の療養給付費の二割国庫負担を二割二分四厘にするという法律改正をしなければならぬのである。その法律改正をなさずして、十五億と、ぽんと予算補助にして出しておるということは、これは来年度は顧みないということですか。この点について、岩尾主計官、どうお考えですか。

岩尾一大蔵事務官(主計官)

○岩尾説明員 医療費の値上げに対します国保会計の問題でございますが、今先生のお話しのように、大体私の記憶では現在の二割の補助のままで二十三、四億だったかと思いますが国庫負担としてふえるわけでございます。さらに、それは二割五分分でございますから、残りの二割五分分のやはり二十四、五億というものが保険者負担になるわけで、われわれといたしましては、その大体六割見当を補助したいということで計画しております。さらに、先ほど局長からお話のありましたような実際の保険料負担というものを考えまして、その程度負担いたしますれば、来年の国保会計につきましては、結核、精神病の措置入院によります重症のものを全部国でかかえるという措置、あるいは結核、精神病その他の患者について世帯主については七割に給付をふやすというような措置によりまして、それぞれ会計の負担を軽減いたしておることでもありますので、いいのじゃないかと思います。特に先生のおっしゃいましたように、その負担の全体を補助率の増加でまかなったらどうかという御意見につきましては、先ほど来議論のありますように、現在日本の医療保険というものが、一応皆保険の状態になりましたけれども、各被保険者の給付内容は非常に不均衡でございますので、こういった点は将来社会保障の一環といたしまして均衡のとれたものにしなくてはならない。そのために、現在社会保障制度審議会において、どういう方向へ持っていくか、現在の被用者保険についての負担をどうするか、あるいは国保のような地域保険について被用者保険との比較をどういうふうに持っていくかということを検討されておりまして、おおむね来年度末には結論も出るかというふうに伺っておりますので、そういった結論を待って、国庫負担として地域保険に出す負担をどの程度にするかということはきめるべきであって、現在はまだそういう総合調整をやっておる段階でございますから、従来通りの負担率に、さらに三十六年度だけについて考えられる医療費の増加について十五億というものを負担しようということで調整をいたしたわけでございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 十五億というのは結局予算補助であって、将来のことは考えられない、それは政府の社会保障制度審議会の議を待って考えるという御意見でございますが、社会保障制度審議会の議を待つまでもなく、国保は社会医療保険の中で日雇健康保険と同じように最も困難な経済状態にあるわけですから、その困難なものを一歩ずつ前進させずにおいて——これが国保の経済がいいなら均衡をとる上において押えていくこともいいが、一番悪いものを引き上げておかなければ均衡をとるということにはならぬのですから、本年度の医療費の値上がり分に対して少なくとも保険料にはね返りがこないようにせなければならぬ。しかもそれは法的処置をもってやるべきでありますから、予算補助というような不安定なものでこれを糊塗しよう、しかも結核並びに精神病方面の給付内容をよくした手当分をこれの中で考えるというような考え方が根本的に矛盾をしておるわけでありますので、ぜひ一つ、予算補助というような考え方でなしに、国庫負担を増額するという方針に強く踏み出してもらわなければいけない。三十三年の医療費の値上がりの際には、五分の調整交付金を出されて、保険料の値上がりはとりあえず調整交付金で押えたというようなことが、微温的ではありますがとられたわけですから、今日一番苦しい状態に追い込まれておるときに、十分の手当はせない、しかも池田内閣は社会保障最優先だといって、何といっても社会保障の中核である医療社会保障を前進さすのだという看板を掲げておいて、実際は後退してしまっているということでは、私は大臣に言いたいのですが、これではもう大臣の権威はないじゃないか。しかも大臣は鳥取の国民健康保険の理事長をされておる。これは予算補助ではない、法的処置をもってやる、自分でもしばしばこう言われておいて、結果的にはこういうような予算補助になっておる。しかも保険料に一部はね返るというようなものに終わっておるというようなことでは、われわれは厚生当局を信頼しておるんですけれども、なかなか信頼を置けないのみならず、全国の町村長あたりも非常な批判的な状態になっておるわけですから、これはすみやかに、今度補正予算を炭鉱関係もお出しになるようです。それから政府は今回の三公社五現業のベース・アップに対して、特別会計についても予算処置をする、こう言っておられるんですから、せめて——社会保障を大看板にしておって、医療社会保険はその社会保障の中核ですよ。病気にならぬようにする、病気が原因で生活保護へ七割転落しているんですから、生活保護費へ出すよりも生活保護に陥らぬようにするという、防食政策である医療社会保障の方へ重点的に予算を回すべきである。政府は今回補正予算を組むと言っているんじゃないですか。その補正予算の中にこの補助の不足分を割り込まなければ、厚生大臣としても何の面目があるかと私は言いたい。私は、絶対に今度この議会中に補正予算をやるというんですから、国保関係の補正を責任を持って自治省大臣、大蔵大臣、厚生大臣がぜひ一つやってもらわなければいけないと思うのです。  さらに事務費です。事務費に対して大蔵省はどうお考えになっているんですか。今日のあの事務費で十分だというお考えなんですか。一人当たり百十何円ですか。

岩尾一大蔵事務官(主計官)

○岩尾説明員 国保の事務費の問題でございますが、いろいろと言われておりますけれども、われわれの方といたしましては、たしか三十二年か何かに一度実態調査をいたしまして、そのときの数字を——これは実態調査でございますから、その数字をそのまま採用するわけにはいきません。非常に給料の高い人を雇っておるところもあれば、あるいは非常にむだに人員を雇っておるところもある。そういったものを調整いたしまして、基準としてはどの程度がいいかというのを算定した上、それをたしか八十五円にいたしたかと思います。その八十五円から毎年公務員のベース・アップあるいはその他の給与改善等を織り込みまして、五円ずつ引き上げて参りまして、さらに三十五年度、本年度でございますが、本年度も公務員のベース・アップに応じた引き上げをいたしまして百四円にし、来年はその平年度化に若干の庁費、旅費等の増加を見まして百十円というものを算定いたしました。従いまして、もちろん実際に市町村におきましては、あるいは少ないというような議論もあるかと思いますけれども、実績を全都見るというものではなくて、一つの基準として国が補助しておるわけでございますから、われわれといたしましては、そういった今までの例から申しまして、現在の額でやっていただくよりほかないと考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 厚生当局の考えは……。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま大蔵省から話がございましたが、本年度におきますところの被保険者一人当たり百十円というものは、一応それなりの根拠があると思います。この根拠を変えますには、やはりもう一度実態調査をやるとか、あるいはその実態調査についてさらに適正な基準に修正するとか、もう一度見直しの調査が必要だと思うのでございます。そういう調査も行ないまして、今後再検討する余地はあろうと思いますが、本年度の予算におきましては、一応それなりの根拠をもって算定いたしたものでございまして、多い少ないという議論はありましょうが、一応の根拠を持ってやったものでございますから、今後見直しの検討を要する点はあろうと思いますが、本年はこれで参りたいと思っております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 事務費補助が少ないということは事実なんですから、予算がきまっているからその通りやる以外にないでしょうが、すみやかに実態調査をされまして、現実に少ないのですから、これがほんとうに十割補助になるように、法律が十割補助になっておるのですから、法の精神に即応したような行き方をしませんと、やはり政府が法を守らぬことになりますと国民の信頼を失うのですから、実態調査とあわせて、これが引き上げを特に強く推進を願いたいのです。  さらに、診療報酬の審査支払い事務費の性格は何ですか。事務費なんですか、療養給付費なんですか。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 国保の連合会に対しまして、審査の事務費としまして一億三千万円でありましたか、補助いたしております。これの性格といたしましては、突き詰めて検討いたしておるようなわけでございますが、事務費、審査する事務に対する補助でございますので、事務費的なものに対する補助——医療給付ではないだろう、事務費的なもの、事務費に対する補助であろう、まだよく詰めて考えておりませんが、一応事務的なものに対する補助であるという気持でおります。

永山忠則自由民主党

○永山委員 これは支払い事務に要する費用ですから、事務費なんですから、やはり補助金は事務費の十分の十出すということに踏み切って——健保の問題等ございましょう、いろいろの点もあるようですが、踏み切って、やはり十分の十出す、法の精神に従って出すというようにすみやかに一つおやりを願わなければいけないと思うのです。  保健婦の関係は、言うまでもなくこれは医療費を合理化するといいますか、増高を正常化さす上において一番大きな役割を持つもので、しかも最前線においてわらじがけで働いておるのですね。その人数ももちろん少ないですし、同時にそれに対する待遇も、ことしは少し上げましたけれども、少なくとも地方公務員、国家公務員の線まで補助率を引き上げるというくらいにおやりになることは、これはもう医療費の合理化といいますか、正常化へ進む一番大きな道なんですよ。こういう方面を強くやらずにおいて、医療費の値上がりするのはやむを得ないという考え方で進むことは、泥なわ式であると思うのですが、保健婦に対する現在の待遇並びにこれに対する国庫の補助率等を将来引き上げて、さらにその人数も増す、さらに保健婦の地位を確立をする、保健婦養成等についても特段の考え方を持たねばならぬと思いますが、それに対する考えをお聞きしたいと思うのです。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 国民保険におきましては、保健施設として疾病の予防活動をいたしておるわけでございます。お話しのように、保健婦がその中心になってやっておるわけでございます。現在の保健婦の数、それから待遇という点を見ますと、これは数からいいましても不十分でございますし、待遇にいたしましても必ずしもいいとは考えておりません。本年度におきまして補助対象の人数をふやしました。それから給与額もやや上げましたけれども、必ずしもこれは十分とは考えておりません。今後人員の充実、それから待遇の改善、補助率の引き上げ、こういう点について努力をして参りたいと考えております。

永山忠則自由民主党

○永山委員 また、国民健康保険の組合に対して、療養の給付及び療養費の支給に要する費用の十分の二国庫負担というのが国民健康保険法にあるわけですが、これは頭打ちにしているわけですね。国民健康保険法通過の際に、国民健康保険組合に対しても頭打ちはやらぬ、療養給付費の二割はやるのだということであのときは通過したのですが、それを頭打ちにして、二割は実際上一割内外というところへ押えられておるわけですね。ことしは少し上げましたけれども、この頭打ちをするという精神がいけないと思うのです。なるほど給付内容のいいところもありますよ。いいところはいいじゃないですか。ますますよくしてやるという考え方でなければいかぬ。いいから政府の補助は押えていくという考えでなしに、いいものはますます伸ばすのだ。そしてよくしたものにもやはり二割やるのだという思想でいってこそこれは社会保険の精神なんですよ。そういうような考え方で頭打ちを排除するという気持ちはありませんか。そして二割を実際上補助するのだという考え方ですね。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま御指摘のような意見、ごもっともでございますが、御存じのように国保におきましては市町村でやるのが原則でございまして、例外と申しますか、特別の事情あるものについて組合を認めたわけでございます。やはり原則といたしましては市町村でやるのが原則でございます。ただいまお話しのように、市町村におきます保険給付費の額それから組合の額は相当違っております。従いましてできるだけ組合の給付に対しても二割を見るのが当然かと思いますが、あまり両者の間に著しい差がありますと、全部の二割を見るというのも、原則論あるいは公平論から見ましていかがかと思いまして、気持といたしましては二割の全額を見るというような気持でおりますが、著しく高いものは遠慮していただいたらどうだろうということでございまして、本年度におきましてはいわゆる頭打ちという形でございますが、前年の三千八百円程度のものを四千八百円程度に引き上げることにいたしました。それ以上のものというのは、数からいいましても非常に少ないわけでありまして、若干の頭打ちは残りますけれども、おおむね全部について二割程度出したという結果ではないかと思っております。その辺いろいろ議論のある点がありますが、一応原則論、公平論からいいまして、そういう見地から今申し上げましたような結論に達したわけでございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員 国民健康保険組合というのも厳に存在しているのですから、原則論も何もない、それを認めてあるのですから……。また市町村の分も八割給付であろうと七割給付であろうと全額であろうと、やはり二割やっているのですから、これだけを差別待遇するという考え方ではなしに、こういう社会医療保険は伸ばすのだ、できるだけ負担を軽くしていって給付内容をよくしていき、保険財政をよくするという考え方をますます進めるのだということこそ、厚生省のとるべき方針ですから、この点に関しても十分考慮を願いたいと思いますが、時間がございませんから残余の点は留保いたしますが、私はこの場合当局の方から、大蔵大臣や自治省大臣やあるいは総理や厚生大臣にお伝えを願いたいのです。少なくとも社会保険をやろうとすれば、事務費は全額国庫負担ですよ。これは国民年金だって、今度の農業災害保険にしたって全部国庫負担ですよ。そうして給付の五割というのは国庫負担としているのです。給付の五割を国家が負担せずに社会保険なんかできるはずがないですよ。これは社会保障制度の本質ですよ。その給付の五割を国庫補助せずに国保は二割を補助で、五分を調整金を出して二割五分でもって一番低所得者層をかかえておるこの国民健康保険を健全な育成をしようといったってできるはずがない。絶対に政府は三割出さなければいかぬ。府県が一割、市町村が一割、それを交付税の対象にするのだ、五割の公費負担すべきだ、ここに踏み切っていって、社会医療保険を発展的統一をするというところへ勇敢に踏み出さなければ、今日の医療社会保険なんかは正常なる発達はできやしません。政府は保険者、被保険者あるいは医療担当者の犠牲において皆保険をやろうというきたない根性はやめなさい。私はこの点を強く政府へお伝えを願いたいということを申し上げまして、あとは留保することにして一応質問を終わります。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 御指摘のように国民皆保険は、形の上におきましては本年の四月をもって実施されるわけでございますが、内容的には幾多の問題を包蔵しておるわけでございます。ただいまいろいろ御指摘になりましたが、いずれもごもっともな点でございます。今後それらの点につきましてすみやかに検討を加えて処置をいたしたいと考えております。  なお、大臣は出席をいたしておりませんが、御要望の趣旨は十分お伝えいたします。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 一時半まで休憩いたします。    午後零時三十七分休憩      ————◇—————    午後二時十一分開議

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 今上程されております結核予防法の一部を改正する法律案、精神衛生法の一部を改正する法律案、これに関連いたしまして、順次質疑を試みたいと思います。  まず、結核及び精神衛生対策として、昭和三十六年十月から結核命令入所及び精神措置入院患者の医療費を原則として全額公費で負担する、こういうようなことに今回の提案ではっきりなったわけでございますけれども、この国庫補助率を八割に今度引き上げる、だれしも上げることについては、物価の値上げは悪いけれども、補助率の引き上げはまことに心から敬意を表するところである。こういうような場合に、大がい期限は法律通過の日から実施する建前になっておりますが、今回は、十月から実施するようになっております。どうしてこれは法律通過の日から実施しないのであるか、その理由についてはっきり説明願いたい。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 主たる理由といたしましては、今度の切りかえでは非常な準備が要るわけでございます。ただし、その準備がきっちり半年というわけではございませんけれども、相当長期の準備を要するというわけで、ちょうどこの十月一日まで能率的にこれを開始すれば、うまくこの制度に切りかえてやっていけるようにということを見越しまして十月一日にした、これが主たる理由でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 主たる理由がそうだといたしますと、おそらくは六月から実施した場合と、十月から、実施した場合とで、相当予算的に違いが出るのじゃないかと思います。あくまでも十月から実施するとしたのは、これは準備がどうしてもできないからそうしたのか、それとも予算は出すけれども、補助を削減する一つの手段としてこうせざるを得なかったのか。おそらくはすぐやった方が、皆さんとしてはいいに相違ないのですが、この辺、何かありましたら発表願いたい。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 これはもちろん財政的な負担が、四月からですと、増額分の倍かかるわけでございますから、全然財政的の問題も考慮しないで、準備だけと言い切れることではございませんけれども、私ども、私ども三十四年度から全国の対象の都市は四分の一に、命令入所の二とをある程度改善いたしまして、それから三十五年度にさらに全国の半分にやったという実際の経験の実績を持っておるわけでございまして、それらから見ますと、やはりこの受け入れ態勢を、保健所の実際の登録を初め、今度の改正の一環になっておりますいろいろな条件があるわけでございますが、これを改正して準備をして初めてできるということで、主たる理由は準備態勢ということでございます。ただし、それがしからば十月でなくて九月まではどうか、少しでも早くという問題がございますけれども、そこのところは一応半年、翌年からそういうふうな軌道に乗った場合には、むろん通年は最小限度それだけはいく、こういうような気持でいたしたわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 この対象になる結核命令入所者の数、これは何人を見込んでおるのか、精神措置入院者数を何人と見込んでおるのか、この見込み数の発表を願います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 これは結核につきましても精神につきましても、対象の人数というとちょっと的をはずれるのでございますけれども、従来のやり方では、実数何人分、その一人の平均の入院日数七カ月とか、こういうような形で組んでおりましたが、今度はさらに内容を改善いたしまして、一年間を通じて何ベッドという形をとりました。従ってそのベッドの予算を持っておるならば、軽くて三月ごとに出入りすれば、実数は一ベッドの予算で四人入れる、こういうふうな非常にワクをふやした形に改正をいたしました。そういうような建前で、結核につきましては五万四千ベッド、それから精神につきましては三万七千ベッド、こういうことをこの十月一日からとった、こういうことでございます。従いまして、ただいま申し上げましたようなことが三十七年度に平年化しますと、今のように実数はその回転率によりましてふえるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 準備のためにもう一つお聞きいたしますが、そうすると結核療養費の補助と精神衛生費の補助はどれほどでございますか、それとあわせて、今度は今説明されました以外の公立の精神病のベッド数並びに法人関係の精神病のベッド数、こういうふうなものも十分考えておかなければ、国立だけがあれじゃございませんから、これも十分考えてあるとは思いますが、この数についても明らかにしてもらいたい。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 これは今度の法律改正によります療養費と、それから従来からやっております結核につきましては法律の三十四条で、今度改正いたしませんが、命令入所をしない者につきましても、化学療法その他のきめられた治療に対しましては半額を公費負担しておる、こういう両方のものを今度の結核対策においては含んでおりますが、さしあたりただいま御審議を願っております法律改正に伴う額を申し上げますと、精神病の場合には上半期、すなわち旧制度のままの上半期と、それから十月一日からの新制度による下半期分と、これを両方合わせまして、端数を切りまして三十七億四千七百万円でございます。それから結核につきましては、ただいま申し上げました上半期と下半期、両方を合わせまして五十二億でございます。  それからただいまのベッドの問題でございますが、現在全体といたしまして精神病院の数が七百十ございます。ただし、これは単独、すなわちまるまる精神病院の場合と、それから相当の部分精神ベッドを持っておる総合病院と、両方合わせましてこれは七百十病院でございますが、この中で単独が五百十六、いわゆる専門の精神病院が五百十六、その他の百九十四が総合病院等に含まれたものでございます。それからベッド数から申し上げますと、ただいまの統計は三十五年の一月現在でございますが、ベッドはごく最近のベッドまでわかっておりまして、これは九万五千ベッドであります。それからなお国立、都道府県立、市町村立、公的医療機関の法人、非営利法人、個人立、こういうふうに私どもの方では分類いたしておりますが、このうち一番多くを占めますのは、単独病院で申し上げますが——総合病院の場合には、少ないものは三十ベッド、四十ベッドから、大きいのは病院の過半の四百というようなものもございますが、これはばらついておりますので、単独の専門の精神病院だけについて、すなわち五百十病院についての内訳を申し上げますと、国立がそのうちの四十三病院でございます。都道府県立の単独が三十二病院でございます。市町村立は単独が四病院で、これは少ないのであります。それから公的の医療機関、たとえば日赤とかそういうような種類のものでございますが、これは単独が一、それからそれ以外のいわゆる公的医療機関として指定してない非営利の法人でありますが、これが二百六十四病院、個人立が二百十四病院ということでございます。すなわち五百十病院のうち、病院の数からいいますと、非営利法人、個人立が大半を占めておる、こういうことになります。それからなおベッドの比率から申しますと、やはりこの病院数が争いわけでございますので、大体それに比例いたしまして、個人立と非営利法人の単独の病床だけで、両方合わせまして六万五千ベッドを占めております。全体の九万五千のうちの三分の二は大体これによって占められておる。しかし今の病院数が三分の二以上の比率になりますので、従いまして、これ以外の国七あるいは府県立の方が、病院のベッドは少し大きい、こういうことになるわけでございます。以上のような比率であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そのようにして、収容の能力は十分ではないけれども拡大しているということは、それによって大体了承はできました。ただその中でもう一つ念のためにお伺いいたしますが、住民検診と適正医療と患者管理、こういうことによって、末端機関であるところの保健所、こういうようなところでは患者の把握の万全を期さなければならないわけであり、そういう必要が今後一そう迫ってくるわけです。それに対して、この患者把握数を幾らと見ているのか、そのパーセーテージは大体どういうふうになっておるのか、それを発表して下さい。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 この患者把握につきましては、精神病の場合と結核の場合とだいぶ趣が違うわけでございます。まず結核の方から申し上げますと、一応現在の結核予防法で全国民が健康診断を毎年受けることになっておりますが、ただこれは実際の実施状況は約四千万人でございまして、半分に満たない、こういうことでございます この中から毎年現実に新規の進行性の患者を約十万人ほど見つけております。それからもう一つの大事なケースは、医師が見ますと、届け出が義務づけられ、これが登録をされております。これが百五十五万人現在全国の保健所に登録されておる。これを把握しておるのであります。その他につきましては、その年度に約五十万人が新たに届け出られますが、これとただいま申し上げました健康診断の結果出る十万人、こういうものが追加をされてくるわけでございます。従って私どもとしては、ある時期、たとえば三十五年度末を切りますと、現在言いました百五十五万人という把握患者を中心にいたしまして、この中でのいわゆる開放性患者率というものが実態調査の結果わかっておりますし、それから保健所ごとにいきますれば、どこのだれがということが、検診をすでに終わりました半分についてはわかっておるわけであります。半分は保健所自体がわかっているのでありますが、この半年がかりで全国くまなくやってしまおう、これによりまして、新届け出と旧登録の百五十五万人の内容把握を全部了して、それに基づいて今度の行政措置を要する状態を正確にして、十月一日から相当な額の国庫負担が入るので、これをむだなくやっていこう、こういう形であります。その中で現実に開放性でしかも入院を要するというものを、今の全国の半数をやりましたものから百五十五万人に延ばしますと、結核については二十四万人ある。その中でこの法律によって、家族ないし近隣に相当な伝染のおそれのある環境状況にある、しかも所得がある程度低くて、ほんとうは入りたいのであるが入れない、金さえあれば入れる、こういうようなものをねらいまして、大体ことしの把握率と、それから、そういうような条件を満たし得る率というものから五万四千見当というものを半年分として出したわけであります。従いまして、ことしの半年分の準備期間が済みますと、さらにこれを上回るような非常に確実な、どこのだれがこれに該当するという実数の把握ができますから、私どもの考えでは、おそらく三十七年度以降はこれを上回った対象件数をつかむ必要があるであろう、こういう推測を現在のところは下しているわけであります。  それから精神病につきましては、二十九年、三十年、それから三十三年と実態調査を全国で一斉にやりまして、その資料から推測せざるを得ないのでありますが、これでいきますと、いわゆる要入院患者というものは三十万人近くある、しかしながら現実にどうしても入れなければならぬというものでも十七万人くらいある、こういう推測なんでございますけれども、遺憾ながら、いるであろうという推測は下しますが、精神病の場合は家族も非常に秘し隠しまして、これを結核のように進んで見てもらうということがまだ非常に行われにくいのでございます。警察官を初めいろいろな周辺の人が気づきまして、そうして家族等には黙ってこれを申告するということが大きなルートになりまして把握しておるわけであります。年間把握できますのは約二万件でございますが、そういうような工合でございますので、この把握というものは、精神病の場合には実は行政機関の方でどれだけを必ずつかむという実際の推計が出ないわけであります。現実にそういういろいろな方法で、どこのだれということがわかったものについて鑑定をする、こういう形でございまして、従ってこの三十六年度の後半期に行ないます。命令措置をやってでも入れなければいかぬというものはこれで多分十分であろう。実際には世の中にはもっといるはずでありますけれども、実行可能性はこの程度である、こういうことであります。この点はもう少し一般的なPRをいたしまして、翌年次からそういうものを掘り出さなければいかぬ、こう思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 結核の方に比べて精神病の場合は困難な様相もわからないわけではありませんが、率を見ましても、まだまだ努力の必要性があるようでございますから、私としては、その方面にも大いに力を入れてほしい、こういうふうに思うわけです。両方一緒にやっておりますと、相当時間がむだになりますので、今度は結核予防法の一部を改正する法律案要綱に入って一つ一つ質問して参りたいと思っております。  まず、私が改正要綱を見まして、結核登録票に登録される者、こういうような点や、健康診断または精密検査、こういうようなものを必要と認める人、こういう認定をだれが行なうかということになると、下部末端ではやはり保健所長の権限というものも今後ずいぶん強くなっていくということは、これらの法律を通してみてもわかることです。そういたしますと、これは現在のような状態の保健所でこれを全面的にやらせるということについて、はたして法改正以後において確信がおありなのかどうか、それと同時に、保健所の機構をこのままにしてこれを実施しようとお考えになっておるのか、それとまた、これはあくまでも説得、勧告という方に重点を置いておりますが、法律で明確にきめられた場合に、おそらくは菌をまき散らすようなおそれがあり、保健所長から明確に指示を受けた者がそれに従わない場合、こういうような場合には罰則等についてのお考えが何かあるのかないのか、この点等について伺います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいまの主として登録患者についての精密検診の問題でございますが、この点は実は先ほど申し上げましたように、三十四年以来逐次やってきておりまして、その状況から見ますと、これはあくまで今度のような、保健所長が精密検査を行なうというのを明白にしてのことではございませんが、実際は従来の健康診断の規定の中に当然入りますので、これでやってきた実績からいいますと、これは割合とスムーズにいくように考えております。ただ問題は、今の第二点の御指摘でありました、保健所が全国にこういうふうな数になった場合、百五十五万人の登録患者の残りを今後はやるわけでございますが、なった場合に可能であるかどうかという問題であります。これは確かに現在のままではだめなので、とりあえず二百七十名の保健所の補助職員の増加を今度の予算案にも認められまして、非常に少のうはございますがこれをまず出すこと。それからもう一つはパート・タイム、これは検診でございますので、相当に医療機関の援助を得られるということで、パート・タイムのお医者さんの御協力を得て、これはもちろん日当等で日にちをきめて御援助願う、こういう形で強化する。それから第三番目は、この精密検診のうちの四分の一程度は現在予算で見込んでおりますが、現実に可能性のある医療機関に委託をする、保健所はみずからやらぬ。登録されたもののうち、それで差しつかえないものにつきましては、委託をして同じ仕事をやってもらう、こういうようないろいろな方法を講じておりますのと、それからもちろんいわゆるレントゲン自動車も今年々非常な増加をいたしておりますが、これは決して間接撮影だけではなくて、もちろん登録患者につきましては、場合によってはその後の追加検診に当たるこの精密検診については、これも機動的に利用する、こういうようなことで、まだまだ不足ではございますが、十月一日の実施に向かっての精密検診の準備、それからそれによる把握、これは何とかできる、こういう見込みを立てまして、地方庁の担当当局とも先般会議を催しまして、いろいろ精密に話し合いをいたしましたが、大体引き受けてできる、こういう見込みでございますが、しかし内容については将来もっと改善、充実をする必要がある、こう思っております。これはとまっておったのではとてもほんとうの意味の万全のことはできない、こうは思っております。  それから今の勧告によって命令入所を実行するということ、もし勧告に従わない場合というお話でございましたが、これはよくよくの例外ではないか。現在もやっておりますけれども、今度の五万四千件のおもなるねらいは、むしろ入りたくても入れない、経済的な問題が中心となって入れないという方に、命令入所という法的な形を借りて公費で入れるというようなことが具体的に言うとねらいでございまして、むしろ金はあっていつでも入れるんだが、いじわるをしてとにかく居すわって入らぬ手合いで、ばい菌をまき散らすというような方のためには、今度の改正ではなくて、従来の命令入所制度というものがそういうものにもかけられるようになっております。これは変更してないのでございますので、別途に考えるということでございまして、今度の改正案そのもののねらいとは関係がないのでございます。ただそういうような、金があってという場合には、保健婦等を訪問させてよく調べますと、どうしても入所命令を出さねばいかぬというような、まわりにまき散らしたり、家庭も狭くて子供も同居しておってというような、医者の側から見て離さなければいかぬというようなケースは少ないのでございます。むしろある場合には従業禁止命令がそういう場合に該当するということも考えられまして、今度の入所命令の改善措置はそれほど支障はない、こう思っております。従業禁止命令によりまして、いやだというものを強制的に従業禁止した例は、従来も幾つかございます。ことに接客業のような場合、床屋さんの場合とかは全く不適当でございますから、これを従業禁止する、こういう例は将来も起こると思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その従業禁止と命令入所、この場合には今度新たに考えられて、費用の点等については三十五条の四までの分についてはちゃんと負担してやるような配慮があるから、この点については前よりいいのじゃないか、ことに五、六の場合には特に認めればいいことになっているから、この点等についても一応の進歩は考えられる。ただそれを見る場合には、おそらくは相当の余裕のある人も余裕のない人も一緒に恩典を受けられるのがねらいじゃないか。はっきり言うと金持も貧乏人も、だれでもこれに浴せるのがこのねらいじゃないかと思う。むしろそういうのは厳格にして、もっともっと救済しなければならない人や、その施設または医療の関係からめんどうを見なければならない人はボーダー・ライン層に多いとするならば、十分余裕のある人についてはこの条件をもう少し緩和するという何ですけれども、そういうような意味で、金のある人は出してもいいのじゃないか、むしろそれ以外の人をもっと手厚くめんどうを見てやった方がいいじゃないか、全部同じにすることは、はたしてどういう考えでこれをおやりになるのか、この点についてはもう少し考えた方がいいんじゃないか、こういうふうにも考えられますが、そういうような配慮は全然ないのか、そこを伺います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 御説の通りに、今度のほぼ全額公費という恩典は制限をするつもりでございまして、これを受けられる者は、たとえば所得税というような線を引きまして、それ以下の者についてはこの恩典に浴さす、命令は出しましても、費用的な恩典につきましてはそういう線を引く、これを一番中心に考えておりまして、従って十分負担能力のある者は、命令を受けて入りましても、場合によっては一まあ皆保険でございますから全額自費というのは理論的にあり得ないわけでありますが、相当な額の負担をするということになるかと思います。ただそういう場合には先ほど申し上げましたように、どうしても居すわって、何としても引っこ抜いて入れなければいかぬという場合にのみ府県知事が命令を出すわけでございまして、むしろ二十九条の入所命令を最初からかけない、当然入れるわけでございます。そういうことでおのずから最初から区別はできると思いますけれども、いずれにいたしましても一定の所得の水準をきめまして、これによって保護すべき対象にこれをほぼ全額使っていく、こういうつもりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大体そういうような様子で、私どもの方で今心配な点を一つ伺いますが、この法の施行によりまして当然今後保健所は医療機関や福祉事務所や国庫、それから労働基準監督署、こういうような方面との緊密な連携が必要になって参りますし、ことに低所得階層に重症患者が多いという実態等に合わせましても、生活保護世帯や零細企業の従業者、こういうような人たちの健康管理が最も重要に考えられるのじゃないかと思うのです。そういうような場合には、今のような措置で今後十分やっていただく。これはそのままわかるのですが、さて今度は結核回復者の社会復帰をする場合には、現在のところでは何ら考えておらない。しかしながら、これも何かあたたかい手で迎えてやるような配慮をしてやるのでなければ、せっかくそこへやっても、何年も長い間入院したりまた闘病生活に携わってようやく復帰してきても、これはまだ社会が十分受け入れられないというような状態では困るし、また後保護対策なんかも十分考えておかないと、これに対して仏作って魂を入れないような結果になっても困るのではないかと思うのですが、この対策は十分ですか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 確かに回復後の後保護というものは非常に必要でございまして、そうでありませんと、またその中から無理をいたしますと、もう一度重いものが再燃するということで、非常にロスがあります。現在厚生省では、実は結核予防法ではやっておりませんで、社会局関係で、府県立の結核の後保護施設といたしまして、これは年々幾つかずつ予算がとれて府県立ができておりまして、ここに収容する。それから労働省の方では、結核専用の職業補導所が幾つかございまして、それらの方に職業補導という建前で、実際は医学管理を伴った専門の補導所なんでございますが、そこで現在足らないながらやっておるという状況でございます。ただ毎年出ていきます。これらを通過しないとあとの社会復帰に非常に工合が悪いという回復患者の数と、現在できておるそれらの後保護施設、これはほかに財団法人等の民間施設もございますが、それと比べますと非常に差があるわけで、従ってその増設はぜひ必要であると思っておりますが、現在のところは結核予防法に後保護の問題を取り上げるということはいたしておりません。七、八年前、結核予防法ができたときから、大体そういう割り振りで社会施設ないしは労働の復帰施設、こういう方で引き受けて、この連係を密にするということでやっておるわけでございます。従って、先ほどのお話のように、すべてこういうような相当手厚い、新しい改善をいたしますならば、連係をより密にするということはぜひ必要であろうかと思います。県庁にも今度この命令入退所に伴う協議会ができるわけでございますが、これと、従来やっております生保に関係する民生関係の中央の協議会との間の横の連絡、さらに労働関係の横の連絡は従来以上に、協議体でいくと思いますけれども、これはぜひ必要だと思いまして、そういうものの設置を今地方庁には勧奨しておるわけでございます。  それから、保健所単位でやります。入退所を審査するいわゆる結核審査会、これは従来は医学的審査だけだったのでございますが、今度の法律改正で入退所に関する適正な判断もこの審査会の審議による答申に基づいて知事がやる。今度こういうような改正をいたしておりますので、これと福祉事務所との関連も、あるいはメンバーに入れるとかいたしまして、横の連絡は密にしたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣も来ておられますから、事務的なものよりもなるべく大臣の御所見を承る方を急ぎたいと思います。  大体今までの説明で、この内容としても、また関連としてもわかったわけですが、その中で今答弁によってはっきりわかったのは、保健所が今後重用されるような段階であり、定員の増やパート・タイマーの設置やそのほか民間に委託というのですか、こういう点を今後は保健所の機構改革とあわせて、十分に保健所の機能を発揮しなければならないような状態にある。これはまことに大事な点であろうと思うのです。従来私どもが考えておったように、病気になったからといってすぐなおせば、なおるだけで、ほんとうになおったというものではない。もちろん予防から始めてその後保護の面や、それとあわせて環境衛生の点なども十分に配慮した行政を行なうのでなければほんとうに文化国家ではなかろうし、それとあわせて完全な対策であるということが言えないのではないか、そういうように考えておったわけでございますが、この保健所のいろいろな行政を見る場合には、この点において今後もっと力を入れて指導するのでなければ、ともすれば予防措置としては環境衛生諸対策、こういうことが伝染病の予防に対する直接の関連があるということとあわせて、もしそれに重点を置くならば、ほかの指導がおろそかになったり、またそれをやるにしても、われわれとしてはちょっとどうかと思うようなやり方を採用する場合があるわけです。と申しますのは、これは私少し意味ありげなことを言いましたけれども、衛生行政において現在都道府県並びに措置市においての保健所の運営そのものは、衛生行政における収益優先の傾向がそのまま保健所の中にも持ち込まれて、保健所の機関そのものも収益の上がる方の仕事に手をつけたがって、肝心の大事なポイントのあるものであっても、収益の上がらないものは地方自治体においては予算を組まないし、その点が少しおろそかになるおそれが十分にあるわけであります。これについて私の方にもデータとしていろいろ持っております。明確にそういう点で予算を組まれている失態も調査してございます。ことにわれわれの方としては、これをこのままにしておいて、今後これらの法律を実施させる機関、すなわち保健所の運営というようなものをそのままにしておいては少し困るのではないか。私はそういうように思っているわけです。この保健所並びに衛生行政において収益優先主義の傾向があるということに対して、将来どうしなければならないというはっきりとした見通しを持っているのか、この際伺っておきたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 これは御指摘の通り保健所自体ではないのでございますが、経営にあたっております県なりあるいは政令市が、どうしてもこの費用をできれば収入によってある程度まかなおう、こういうようなことが県あるいは政令市によりまして——全部ではないのでありますが、そういうにおいの強い方針をとっておるところが相当ありまして、まことに困っておるわけであります。基本の方策としては、保健所法にあります通り、保健所がいろいろなことをやった場合には無料を原則とするということがうたわれております。ただし実費を要する場合には実費の範囲でこれはやむを得ないというふうになっておるわけでありますが、実費徴収の例外として許しておることを非常にオーバーして利用されております。このために、確かにお話の通り費用がとれるために、そこの衛生行政をやるためには必ずしも優先順位の緊要性を持っておらぬことにどうしても人員をとられる。これは大へん遺憾に思っておるわけでありまして、私どもの方といたしましては、ほんとうの意味で必要なことで、しかも相当の実費を伴う——場合によっては、ある程度全廃していくというわけにもいかぬものもあるかとも思いますけれども、しかし衛生行政上必要なことを曲げて収益をなるべくかせぐというようなことは絶対に指導もいたしておりません。毎年注意を喚起いたしまして、極力減らすようにいたしておるわけであります。従って必要な仕事に、比較的必要性の少ないものでじゃまをされるということがあっては、こういう改善はうまくいきませんので、一そう今後はそういうものを極力減らすという基本方針で進む、こういうことにいたしております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そこまではっきり決意をして指導をされるというならば、私としてはその成果について多大の期待を持って今後十分見ていきたい、こう思っているわけですが、この衛生行政の収益優先主役の傾向が、都道府県の衛生行政を通じて保健所の末端までいっていることは、具体的な仕事、また機構、こういうものを逸して見てもはっきりしている。それを改めることは、今後この法律を実施する上にもまことに重要だと思うから、この問題について特に聞いているわけです。ことに奨励される仕事の部門と閑却される仕事があって、収益を伴う方は勢い奨励される傾向にあり、重要性は持っていても収益の伴わないものは閑却される傾向が明確に出ております。おそらくこの結核予防等についても、これだけの措置をしてやるだろうということはわかる。食品衛生の指導だってその通りだ。これによって手数料や何か入る。しかしながらそういう事務の方だけやって、肝心の仕事に対して身が入っていない。これだったら何にもならない。伝染病の予防なんかもその点がいえると思う。また、閑却される仕事の中には、環境衛生に関するようないろいろな仕事がある。ここをもっともっと指導しなければいけないと思う。私の方では、母子衛生なんか、将来の日本を考えた場合はまことに重要だと思うのです。どの保健所を見ましても、この方面を重点的に扱った予算は見られない。この点等においてはやはり財源がないし、収益が伴わないものに対してはやっぱり軽んぜられ、片手間にやられる、これじゃやはり困るのじゃないか。そういうことと、蚊やハエ、こういうものの駆除については、私としては、いかに財源が伴わなくても、もっともっと熱心にやらなければならないはずのものじゃないかと思うのです。つい最近、三月二十四日の読売新聞にも出ておりましたけれども、東京でもこのハエと蚊の追放の協議会のようなものを作って、今度は逆に役所が鞭撻を受けている状態なんです。これらあたり見ても、どうしてこういう状態なのか。こういう大事な方面に対しては、もっともっと指導しなければならないのじゃないかと思うのです。これはことに保健所や役所などの下部機構の協力体制を強化させなければならない。これは当然こっちの方が考えてやらなければならないのを、下の方から突き上げられているでしょう。こういう状態で、環境衛生の部門を疎略にするようなのが全般的に盛り上がっているけれども、住民は依然としてこれを必要としている。飲料水の問題だってそうだと思う。それからごみや屎尿なんのか指導の問題だってそうだと思うのです。こういう点については、もっともっとこの行政の中にはっきりメスを入れて、督励されている仕事と閑却されている仕事、ことに閑却されている仕事の中の重要な部門を拾って、各都道府県の衛生並びに末端の保健所、こういうものの指導体制も、機構改正の面とあわせて重点的に整備しなければならぬのじゃないかと思うのです。これは大臣の方になると思いますが、今の意見に対して厚生省のはっきりした態度をお聞かせ願いたいと思います。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 衛生行政が予防的な方面にだんだん進んでいかなければならぬことは申すまでもないことであります。保健所の問題もありましょう。これも、保健所がよく活動しているかどうかということは、いわば衛生行政が進んでおるかどうかのバロメーターくらいに思うのです。そこまでいかねばならぬと思うのであります。それから生活環境の改善の問題、そういう方面にだんだん進んでいかなければいかぬと思う。蚊とハエのお話がありましたが、大賛成です。のみならず、私も局長に話したこともあるのでありますが、幸いに各地方で、今が時期でありますので、力を入れてやってくれておりますし、それに呼応するように、いわば突き上げるくらいに、一般の人がこの問題に関心を持ってきて下さったことは、大へんよいことだ、そっちの方面に進んでいくのがあたりまえのことだと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういう点から、これは事務的な方面も十分に留意してやってもらいたい。今言った必要な点から、私としては保健所自体の再編成と運営の改善という点が今後重要な問題であろう、こう思いますから、この点については、今までの答弁等に現われたごとくに決意をして当たっていただきたいと思うわけです。  次に、それとあわせて伝染病の予防行政、この防疫面の活動が重点的に考えられなければならないが、この予防措置としての環境衛生の諸対策が伝染病の予防に対する直接の関連があるということは今まで述べた通りです。そういうようなこととあわせて、私として今ここでお聞きしたいのは、従来衛生問題の——ちょっと言葉がおかしいけれども、基盤というのですか、そういうようなものは、やはり環境衛生というようなものじゃないか。この方面の立ちおくれということについては、われわれとしては率直に他の先進国にならって、この方面の改善に今後重点を注がなければならない。それが基本的な考え方なのじゃないかと私は思っているわけです。ことに地方自治体の方に参りますと、その仕事を通じて自治体自体の質の向上——向上してない都市というようなことは、やはりこの方面の施策を見ればわかるというふうにさえ言われているわけでございまして、このいわゆる汚物の処理だとか、蚊とハエの駆除の問題または上下水道の整備というようなものは、まことに重要な問題になっておりましょう。下水道の完備ということと公害の処理ということは、環境衛生の中でも大きい問題になって、これからは、おそらく厚生当局も新たな見地からこの公害という問題に対しての態度を明確に規定しなければならないような状態に追い込まれるのではないかと私どもは考えるわけです。この点等についてどういうように考え、どういうふうに施策を進めようとしているのか、その考えがありましたら、はっきり御説明願いたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいまの蚊とハエあるいは屎尿処理、ごみ処理、上下水道、これはもうお話の通り、これが整わずにほかのことをいろいろと努力いたしましても、非常にそれは能率が落ちて、また全然むだな場合さえある衛生問題の基本問題でございますので、これは今度の所得倍増計画と合わせた形になりますが、この中の重要な問題として十年一両をそれぞれ環境衛生問題につきまして計画を立て、三十六年も、その十年分の初年度の要望全部ではありませんでしたが、この新しい線に乗って相当なワクもふやして進めていくということになっております。  なおこの方面の地方に対する機構の強化あるいは能率化等をも考えあわせまして、本省におきまして設置法の改正を今国会に出しておりまして、環境衛生局というはっきりした局にする。これもやはりその一環でございますが、そういうようなことで、まだまだこれは急速に伸ばしていかなければ、他の衛生行政の進展にも非常に支障がある、こう考えておりますので、この方の強化はもちろん最重要に考えている、こう申し上げられるわけであります。  それから公害につきましては、現在まだ公害の防止に関する法律等もでき上がっておりません。汚水の問題についてのみ、一昨年これに関する法律ができまして、現在経済企画庁が所管をいたしているのが進行中でございますが、ことに煤煙あるいは騒音というようなものに対しましても、日本の現状では、外国がすでにやっておるような規制あるいは防除策、これがぜひ必要と思いまして、昨年からこの公害に関する学者によるいろいろな研究と、また委員会のような組織により、厚生省に専門的な勧告をしてもらう、こういうような形をとりまして現在検討を進めておるわけでございまして、これが今ちょうど調査の段階にありまして、現実にどういう法律に盛り込めばこの公害防止ができ、あるいはまた公害防除の国としての助成その他ができるか、こういうことを今研究してもらっておるわけでございます。方針としては、公害をも環境衛生の中の重要なものとして今後取り上げる、こういう腹がまえは厚生省としてはもうきめておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 公害の問題については順次具体的にお伺いしていきますが、今後所得倍増の面と合わせていろいろと重点施策を実施していきたいのだ、こういうような答弁が今ありました。私はここで一つ大臣に、特にこの点についての配慮を聞きたいことが一つあるのです。今のようにして、大事な環境衛生の中の一環としての上下水道の指導と計画は厚生省でおやりになっている。それと同時に費用の点では自治省の方で起債またはいろいろな点を見て指導しておる。この中でおそらくは地方自治体に対しての指導政策の一貫性に欠けた点が最近現われてきているのではないかということなんです。私この点は、大臣には特にお伺いしたい点なんですが、以前から水道を実施しておって、起債による償還をずっとしておった。当初は御存じのように、政府の長期資金、大蔵省の資金運用部資金を利用する関係で、年利率が六分五厘、それからこれは元利均等償還ということでおそらく二十年間、五年ぐらい据え置いてこれをやっておった。ところが今度の新しいものに対しては、公募債、いわゆる公募資金の方にあるものはそっちの方を勧奨されている。それによると、年利率が七分六厘で元金だけの均等償還ということになっている。そうなりますと、公募資金の方に行ったものに対しては、今までよりもっと率の悪いといいますか、高い利息を払わなければならないような指導の方法がとられる以上、どうしても地方によっては今回水道料金の値上げをしなければならないような状態に追い込められているのが、東京都を初め各市にあるわけです。私の手元には北海道の小樽市の例がありますが、この問題等については、水道料金の値上げの議決をしなければならないような状態になり、所得倍増の面と合わせて公共料金を国では値上げし、そのほかのはっきりしたそれに便乗する値上げは一切認めない、こういうような方針がはっきりしているにもかかわらず、下部末端の方へ参りますと、どうしても値上げをしなければ今度のベース・アップにも応じられないだろうし、借入金の利息も支払えないだろうし、もちろん事業の実施もできないような状態の中に追い込められるような指導をなすっている。こういうようなことになりますと、これはまことに重大な一つの政策の欠陥、一貫性のないということが暴露するという結果になるのじゃないかと思うのです。おそらくはこういうような事態に対しまして、厚生省では、自治省並びに大蔵省に対しては、はっきりと指導方針を確立した上でこれは何らかの措置をしてやらないと、今後おそらく自治体によっては重大な事態に陥るようなところが出てくるのじゃないか、私はそういうように思うわけですが、これに対しまして大臣はどのように考え、指導されようとしておるのか、はっきりした御所見を承りたいと思います。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 水道が各地に目立って普及するようになってきましたことは、非常によいことだと思うのであります。それで場所によりましては、計画を全体的に立てますときに急激に拡張しようとするために、これも必要なことでありますけれども、資金が政府資金などで十分満足なところまでいかないということもあるのであります。そういうこともありまして、需要は多いし政府の資金ワクもあるというわけで、民間資金にたよっておる、公募債にたよっておるという場合もあったのでありまするけれども、これはどうもいたし方がない。できるだけ政府資金の低利のものを振り向けるようにしたいものでありまして、ことに厚生年金や国民年金の積立金が今度ふえるわけであります。将来もふえるわけでありまして、できるだけ低利の政府資金の融資の方に振りかえていくようにしたいものだと思うのであります。実情はできるだけたくさんやりたいという機運がありますが、しかし資金が十分足らぬというようなことで、お話しのようなことがあったのだと思いますけれども、改善したいものだと思うのであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 改善したいものだと思うだけでは、現実の面においては何にもならないわけです。現にもうそういうような事態に対して、経済企画庁の方では、三月七日以後の議決は認めない方針で、現に審議中の地方自治体の値上げ案でも、議決は乱暴であるから中止してもらうように指導しておる。東京都においてはそれは認められたのでありますが、そういうような状態です。しかしながら将来は、これは積立金の運用によって全きを期したいというのは、それはわかるし、そういうようにぜひしてもらいたいが、現実の問題で、これはどういうふうにしたらいいのかという指導の面を閑却にしてはいけない。今なんです。この今を、方法としてはどういうふうにして解決するのか。これは元利均等償還による方法と、もう一つは、自治省の方へ大臣が直接行って、そういうような状態の都市に対しては、すぐその値上げ議決を中止さして、この支払いの、いわゆる償還の期間を延期させるようにする、こういうような方法も現実の問題としてあるわけですから、こういうような点は大尉も総理の方、大蔵大臣の方ともよく相談の上で、大臣としてはこれは必ず善処できるものじゃないかと思うのです。この点については、大臣はいかが考えますか。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 私は先ほど資金の問題についてお答えしたのでありますが、それと関連して水道料金の値上げということが出てくるわけであります。高い資金を借りておれば、どうしてもこの料金を上げなければならぬということにもなるのであります。そこで水道料金はやはり他の公共料金と同じように何とか押えたい、これは一般的な方針であります。しかし無理が起こってくる、それならどうするのだということになってくると、どういうふうにこの資金の償還の年限等を考えてみるかということになってくると思うのであります。それは大いに一つやってみたいと思うのでございます。しかしどうしても成り立たぬということもあるかもしれない。できるだけやってみたいと思いますが、水道の経済が破壊しても困る、成り立たぬでも困る、料金を上げないで破産してしまっても困るのでありまして、めんどうなことでございますが、今のこの資金の償還条件等の改葬をできるだけ努力してみて、成り立つような方向にやってみたいと思うのであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣の善意は十分わかったのですが、もう少し具体的に言うと、これは現在その問題で困難な状態に逢着している各自治体に対して、上水道、下水道、この問題等について、もし今言ったような状態の起こっているものに対しては、これは元利均等償還ということも考えてやらなければいけないし、この支払い期限の延期ということも考えてやらなければならない重大な問題ですから、この問題について大臣は善処をするものである、こういうふうにはっきりここでわれわれは確認しておきたいと思いますが、そういうふうにとってよろしゅうございますか。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 最大限度に努力をしたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そういうようなことが政府部内にはっきり出ない限りにおいては、北は北海道から、南の方では、三月十九日の新聞によると、橿原市議会あたりでも、実質的には、現状では所得の低減になっているから、そのため収支のバランスがとれないで財政難を来たし、こうした状態は地方自治体の弱体化を招く、こういうような理由で、池田内閣の所得倍増政策は自治体の方には具体的に現われておらない、従って池田内閣の所得倍増政策の撤回要求決議案なるものを可決しているわけです。こういうようなのが方々にでき上がってくることはまことに重大な問題でもあるし、政策の上と下が完全に一致したような状態でなければいけないと思うのですが、下の方に対してはこういうような値上げせざるを得ないような状態に追い込んで、政府の方では値上げしてはいけないぞ、こういうようなことをやるのは、全くもって国民としては了解できない点ですから、こういうようなことは絶対にないように、大臣としてもしかるべく善処方をお願い申し上げたい、こういうふうに思います。  なお水道料金その他については、今申しましたように元利均等償還の点と支払い延期の問題については、関係各大臣と相談の上で、こういうような問題が現実に起こっている各市に対しては善処するものである、こういうふうに了解して次に移りたいと思いますが、そういうふうに了解してよろしゅうございますか。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 先ほど申し上げたように、極力お話の問題に努力したいと思いますので、御了解願います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 次に、先ほど留保しておきました公害の問題で具体的にお伺いしたいと思います。  公害の問題は、大臣も局長も申しましたように、これはもうまことに重大な問題で、これからはおそらくこの公害の問題を度外視した環境衛生の指道守というものは考えられないような重要性を持っておるものである、こういうように私どもは考えております。この対策については、今最も緊急に考えなければならない状態にあるわけです。私としては、以前に生活環境汚染防止基準法案というものも出されたことがあるかのように聞いておるわけです。しかしながら、これはまだ日の目も見ない。この公害というものの定義の中には、今言ったように煤煙や汚水だけの問題ではなくて、ガスや振動、粉塵、騒音、悪臭、それから放射線、こういうようなものまで入る種類のものであって、現在の状態では——やらないよりはやった方がいいですが、現在の問題は、おそらくはこのまま放置しておいていい問題では決してないわけです。今でもおそ過ぎるのです。ことにロッキードが飛ぶようになりますと、今までの八十フォンの普通の飛行機の騒音が百フォン以上になる場合においては、当然——これは今自衛隊だからそれはありませんが、もし米軍であれば補償の対象になるわけです。しかしながら、こういうような問題に対してもはっきりした基準を立てて指導するのでなければ、肝心の厚生行政のきめのこまかさは、こういうようなところからくずれ去るおそれもあるわけです。今申しましたような公害防止調査会を作ってこれから徐々に調査するというのじゃまことに心細い次第なんです。これは今こつ然と始まった問題じゃなくて、数年前から、こういうような問題は厚生省の中で問題化されておったのじゃありませんか。それを今ようやくこの公害防止調査会によって今後基準をきめましょう、指導しましょうじゃまことに心細いのです。この立法措置はことに必要でありますから、こういうようなことに対してはっきり、どういうふうにしたらいいのかという考えはないのですか。またこのための一つの機構改革も考えておられるという話ですが、機構やそういうようなものを動かしても、この法案一つも完全に立法化も考えられないようではとんでもないことだと思うのですが、こういうようなことに対してもう一度はっきりした態度を聞かしていただきたいと思います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 実は厚生省でも、昭和三十年に約一年間、当時の関係の学者をもってする一つの研究協議会を作りまして、これは実質的には日本公衆衛生協会の中の学術部会という形で相談いたしまして、ある程度の基準、いわゆる国民の環境をそれ以上被害を受けないような一つの基準というものは一応案を作ったわけであります。それをさらに法案等にする、あるいは行政に乗せるために各省と非常に関係があるわけでございまして、ちょうど水をも入れまして、当時これを進めたわけでありますが、現実には、規定を作って禁止をいたしましても、禁止しっ放しではある程度産業がとまったり、いろいろなことが起こるわけで、それの改善策をもとの方でやりませんと、煙突にふたをするというわけにいきませんので、現実に不燃焼の煙が非常に出るようなことになるわけで、そのために実は各省にこの案を持って相談したのでありますが、そのときに、趣旨には賛成であるが、具体的な問題としては、それぞれの地域ごとにどの程度の被害があるからどういうような規制をそれぞれにこまかく設けるというようなこと、それからそれの防除としての発生防止の方法を詳しく示せということで、厚生省としてはそれらのものに対することまでは当時できませんで、その当時ある程度進める予定であったものがついにさたやみになった。こういうことになりまして、水質問題だけがそのうちから取り上げられて、厚生省だけではどうもうまくいかぬので、結局各省関係を網羅するために経済企画庁の方に統一をいたしまして、おととし実は法律が出たような次第でございます。そのときにいろいろと盲点があった問題を、今度は埋め合わせなければいかぬという形で、今東京都とかその他の詳しい汚染状況とか、あるいは騒音発生状況のデータをそろえて、それに対する防除策も案にして、それでもってやらないと、また中途で腰が折れてしまってうまくいかぬ、こういうようなわけで、先ほど申し上げましたような公害調査会を昨年から発足させまして出直したという形でありまして、前のときが、水質のみならず全般がうまくいけば非常によかったのでありますが、非常に残念でございますが、以上のような状況で現在に至っておる、こういうことでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 まことに今の答弁は残念だと思います。答弁するだけならばそれでもいいでしょうけれども、そのために、三年も四年も黙って残念がっておって、これで対策は研究しておったのだというようなことでは、私どもとしてはそれを納得することができない。今ごろどこに煙突にふたする人がありますか。しかしながら、出る煙は煙として出るのですから、出ないような完全燃焼の方法や何か、建築基準法によってこの通り、実施させることだって一つの方法でございましょう。そういうようなことを、どこがどうしてやるのかという基本になるような世話役を厚生省がしなければならないでしょう。水のところで水質汚濁の問題だけは手をつけた、あの関係法律全部骨抜きでしょう。あれによって何ができるのです。ようやく去年、ことしからおもな河川の水質汚濁の状態を調査している段階です。おそらくはそういうような段階でもやらないよりはいいでしょう。しかしながら、もっとこれは親身になってやるのでなければ効果が上がりません。これをやらないうちに国民全体がもっと被害を受けるような状態が起きたときには、これは厚生省の怠慢であるといわれてもしょうがないのです。今に始まったことではないのです。騒音に対してだって、煤煙の問題だって、もちろん汚水や振動の問題もあるでしょう。ガスの問題も、悪臭の問題もあるでしょう。放射線の問題だってあるのです。こういうような問題はもっともっと慎重に考えて、この基準を早く定めなければならないし、どれだけがこの汚濁の状態なんだという基準、これくらいきめられない理由はないと思うのです。学者を集めてでもきめればいいでしょう。これが現実に沿わないというならば、沿うようにするためにまた衆知を結集してやったらできるではありませんか。三年、四年かかってもできないなんというのは、これはわれわれを瞞着する言葉です。今の言葉は、これは了解できません。ことに最近なんか公害の問題については、これは産業界全体の問題としても、今まであなたがおっしゃったように、産業を阻止するということの理由で強く反対も叫ばれておったということは、そうでしょう。しかし、最近はもう産業界自身も世論の動向によって、公害対策を取り上げざるを得ないというような状態に理解してきております。そして今度行政面もこれは大きく脱皮するような段階にもう来ていると思うのです。また関係各省の中心になってやるのは厚生省なんだから、そういうような場合には、もっと抜本的な対策を樹立してこれに当たっていかなければならないのです。これは大臣の方でそれだけの決意をしないと、これだけの問題は動かせないと思うのです。事務的にやっても、今のように三年、四年前の答弁をもって現在を糊塗するだけの問題しか言えないと思うのです。この公害の問題について、産業界でも十分にもう産業の発展を阻止するというようなことから脱皮して、すでに公害の対災はやらなければならないというふうに、世論の動向を認めておる。こういうような状態のもとに、大きくこれに対する対策を早急に立てなければならない状態で、今までのようなスロー・モーションでは、これはそれこそとんでもないことだと思うが、大臣、これは一つはっきりした見解を御表明願いたい。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 公害防止対策の緊要なことはおっしゃる通りだと思います。たやすいかどうかというと、あなたがおっしゃるほどたやすくはないと私は思います。けれども、緊要な問題だと思います。そこで、たやすいとは思いませんけれども、極力これを急ぎまして、実現をするようにしていきたいものだというふうに私も思いますからして、せいぜい腰を入れて急いでいきたい考えであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 従って、今公害の問題については、事務当局も今大臣のそのような答弁をもとにして、早く対策を抜本的に立てて、この実施を急ぐようにしてやってもらいたい。これは私の方からもこれの要請を強く申し上げて、この公害の対策はこれで一応終わります。  私としてはもっともっとあるわけですが、最後にもう一つだけお願いを申し上げたいと思うのは、これは今までわれわれがこの社会労働委員会で質問をしておりましたいろいろな問題の中で、皆さんも十分御存じだろうと思うのですが、ことしまた集団発生のおそれがあると思われておったいわゆる小児麻痺の問題、この問題等につきましては、これはとにかく薬の問題で大臣もいろいろと答弁を申し述べられておったわけです。国内製の薬、またその値段の問題、それからあと後世症の残った者に対する一つの身体不自由者の指導の面、こういうような面についても前にいろいろと所見を承りました。しかし、最近問題になっておりましたガランタミンが国内使用を認められるようになったということが報ぜられておるわけでございますが、この点について大臣から詳しく承りたい、こういうように思います。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 ガランタミンの問題でございますが、これは使用を認める考えでおります。それは小児麻痺そのものの治療薬として効果があるかどうかはまだはっきりいたしません。その意味でではありませんけれども、害はないようでありますし、それから小児麻痺に伴う神経麻痺をなおすのに効果があるという点だけはわかってきましたので、それでこれはそういう意味で、今まではとめておったのですけれども、使うようにしたい、こういう考えでおります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 このガランタミンの国内使用を認めるようになったというようなこととあわせて、使用ワクチンの値下げの問題も当然関連して何らか新しく考えられておる点があるならば、この際御発表願いたい。値段が、現在までは輸入によると、いろいろな薬、ワクチンですが、これが相当低廉であるにかかわらず、国内でこれを製造することによって、これを使用すれば高くなる、こういうようなことは、プールにして現在使っておっても三百五十円程度である。そういたしますと、この問題については、小児麻痺の最盛期というのはうまくない表現ですけれども、もうすでにそろそろ始まっておる地域も多いのでございまして、こういうようなことに対して、使用薬品の値段を安くするということは最も大事な点じゃないかと思うのですが、このガランタミンの国内使用とあわせて、この値段を安くする方途を新たに考えられないものであるか、この点について御所見を承ります。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 この小児麻痺ワクチンの値段が私もどうも少し高い、下げられぬものかという気がいたしておったのであります。予算委員会のときにもいろいろ御意見も伺ったし、外国輸入品は安いんだからもう少し下げることができないかと思っておったのであります。合いろいろ検討しておりますが、四月一日からある程度これを下げる、こういうことをいたしたいという考えで、今具体的に案を検討しておる中途であります。どこまで下げられるか、できるだけ下げるようにしたいと思いますが、とにかく四月から下げるようにしたいということで具体案を研究しておる途中であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは今まで一cc三百四十円か五十円くらいというやつが、せめて百円台まで下がりますか。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 値下げの程度はまだ結論は出ておりません。出ておりませんが、ただ、輸入品とそれから国産のものとプール計算をやって、御承知のようにやっておるわけです。プール計算をしておるわけでありまして、国産の方も育てなければならぬという事情もありますので、そうめちゃめちゃに下げるわけにもいかぬ、やはりこれは合理的にはじき出せる範囲内においてできるだけたくさん下げるようにしたいという考えで具体案を今検討しておりますから、その結果を待ってまた申し上げたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その点はできるだけ安く値段を下げるように努力を特に要望しておきたいと思います。  最後に、前に答弁された中で、いわゆる小児麻痺にかかった子供のためには、呼吸が困難になった場合に必要な鉄の肺、これは大型、携帯用合わせて十六台を確保できておるから、これを集中的に、一画的に運営すると大丈夫だ、こういうような答弁であったように私記憶しておるわけです。この点、私は当時はそれで満足しておりました。しかし、いろいろ聞いていますと、これを扱う者のある程度の習熟が必要なものであり、あわせて呼吸異常を認めてから三時間以内にやらなければ効果がないものである。従っておよその見当で配置計画を立てて、必要な数を県なり病院なりが保育して、機動性を持たして、これに国が補助を与えて都道府県相互間の活動をはかる、こういうことが一番よいのであって、保健所には補助呼吸器を倣えて、これに救急車が走る体制、こういうようなものを組み合わせれば人命はもっと救われるであろう、こういうふうに言われております。今までの答弁では、それは一カ所に置いて大丈夫なのじゃなく、これが北海道なり九州なりのどこかへ置いて——東京にだけ置いても機動性が十分あるとは申せませんが、地方の重点的なところに置いて、これを必要な場合には完全に利用させるようにすることがおそらく最も重要な問題じゃないかと思うのです。ただ数をそろえるだけじゃなく、これを運営する面でも十分配意しなければならない、こういうように思うわけですが、この点についてどういうふうに考えておりますか、伺います。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 ただいまの御意見通りに実は今進めておりまして、すでに十二台を新たに入手したのでございますが、これは大型の本物の鉄の肺であります。これはブロック別に一番機動力のある地帯、たとえば北陸でありますと金沢、あるいは中部地方でありますと名古屋というふうにきめまして、地元の衛生当局の意見を入れまして、その地帯で一番習熟者もいるというようなところをねらいまして、場所によりましては大学病院に置くことに決定したものがございますし、あるものは県立病院ないしは市の大きな伝染病院、実は既人手のものはそういうふうに配置いたしております。それからさらに今後三十六年度予算によりまして、これは伝染病予防費で国庫補助も出しまして、これのほかにさらにまたその間の網の目を埋めていく、こういう形で予定をしております。先ほどお話のありました十五台というのは、あの当時最少限度入手見込みのものが十五台であって、現実には、これはほんとうを言いますと、多いほどいい——無限に多いわけじゃございませんが、ただいまのお話の通り、機動力の範囲、時間的の制約がございますので多いほどいいわけであります。また予防費によっても追加される。それからすでに入手した報告によりますと、県独自で有志の番付その他によりまして、大体この四月に、われわれの計画のほかに、各県合わせて全国で八台が入手されるということがすでに確定いたしておりますので、予定以上にこれは全国にかなり備えられる。それが従来の簡易のものと本物を合わせますと、三十五台現実に動いておるものがあるわけでございますから、これにプラスして、若干はこの移動を考えて網の目を正確にする、こういうこともあわせてやりますと、かなり十分にいけるのじゃないか、こう存じておるわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 最後に一つだけ、これは厚生大臣にお伺いしておかなければなりません。これは大体小児麻痺の後遺症の場合に属しますけれども、大体のデータによりますと、全治または全治見込みが三四%くらい、また軽度の麻痺が二三%程度、中等度の麻痺が一三%、高度の麻痺が三〇%、こういうようなことになっておる、こういうようなことをわれわれが承っておるわけです。これに対して厚生省当局の方では、この育成医療費の増額というようなものも当然必要になって参りますほかに、肢体不自由児の療育施設の拡充と新設がどうしても不可欠なのですが、この面に対する配慮が、ほとんど今までの程度しか配意されておらないわけです。全国的に見ても、特に今回このために予算を組んだという点も見えないわけです。この点等については、国庫補助がやはりまことに貧弱ですから、今後いわゆる後遺症の者につきましてのいろいろな施設の拡充、新設、強化は、これは前に一つの附帯決議にもなって、自民党も社会党も満場一致で国会を通っておりますから、その趣旨に沿うためにも今後の予算措置等は十分考えておいていただきたいと思いますが、これに対するお考えを承りまして私は終わります。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 小児麻痺の後遺症の問題は人道問題でもあるくらいに思うのであります。それで三十六年度も、今関係の事務当局がおりませんけれども、通院施設とかそういう方面についても……(「まだ不足なんだ」と呼ぶ者あり)不足とおっしゃれば不足かもしれません。十分とは申しませんけれども、ある程度拡充をしたつもりでおりました。具体的にどれだけということをちょっと申し上げられませんが……。しかし十分とは思っておりません。やはり一つの残った大きな問題であろうと思うのであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは大蔵大臣が来ておりますので、特に厚生大臣の方からは善処の意思表示がありましたが、これは今後善処するにしても、当然予算を組まなければならないような状態になり、予算の点になりますとこれは大蔵大臣の方にもなりますので、厚生大臣がおっしゃる以上、決して疑うものではゆめゆめございませんが、しかしながら私はあわせてその他の問題についても一つお伺いを申し上げておきたいことがあるわけです。それは厚生省で指導、計画をしながら、今までずっと地方債を自治体の一つの財源にして上水道、下水道を設置されておった。しかしながらこの地方債は二通りございまして、長期のものと短期のものがある。この長期のものの中で、大蔵省の資金運用部資金ですか、これの利用になりますと、年利息が六分五厘で、この償還は大がい二十年の五年据え置きになっております。そういうようにすると元利均等償還であります。しかしこれは新たにまた途中から切りかえたり、また今後新たにやるものに対しては、これは公募資金、いわゆる公営企業金融公庫の貸付金、こういうようなものによって行なうようになりますと、年利率が七分六厘ですから、一分一厘高くなったほかに、これは元金だけの均等償還になり、しかも短期であります。すなわち二年据え置きの十年くらいになっておる。そうなりますと、自治体によっては、これだけの問題で苦難に直面して、値上げせざるを得ない状態に追い込まれてきているところが方々にできてきているわけでございます。従ってそういうような場合には、借入金の利息の返済、それから従業員のベース・アップの問題、こういうような問題を考えます場合には、若干の新規事業の面とあわせて水道料金の値上げをせざるを得ない、こういう線を出して議会でもんでいる例が北海道の小樽市にあるわけです。それで向こうから議長初め市の重要ポストの人が全部来て、この点については大臣にも廊下でお会いしていったはずです。そのほかに、おそらくは御存じだろうと思いますが、経済企画庁の長官は、三月七日以後のものは一切認められないし、現に審議中のものでも、値上げの議決は乱暴きわまるものであるから、これは撤回してもらわなければならないのだ、こういうように言っているわけです。それと自治省では、これは地方が議決をするものならばいたし方ないのだ、こういうふうに言っているわけです。そういたしますと、厚生省の方で計画を立てて、それによって実施をさしているようなこの上水道、下水道の問題では、その途中から当然、指導計画の変更がないままに、それを受けて立っている自治体がピンチに瀕する。従って値上げをせざるを得ないような状態に追い込められるということがはっきりしてきたわけです。そうすると、中央におきましては御存じのように値上げはまかりならぬ、鉄道それから郵便料金の値上げだけで、便乗する値上げは一切できないぞ、やってはまかりならぬぞ、こういうふうに言って指導しておるわけですが、現実の面では地方の方へ参りますと値上げせざるを得ないような状態に追い込められているわけです。それで厚生大臣といたしましては、これはやはり何らか考えてやらなければならないので、償還についてはいわゆる元利均等償還の点と合わして、支払いの延期はやはり何らか認めてやるように関係大臣と話し合わなければならないという意向を明確にしたわけです。この点等につきましては、現在の他出内閣の一つの考え方等からしても、中央では値上げを押えようとしても、地方の方では無制限に、こういうようにして、だんだん値上げの根が張られていくような状態では、政策の一貫性がないのではないか、こういうふうにも考えられますが、こういうような点については、大蔵大臣として必ず善処しなければならないはずのものでございますが、今の点についてはどのように指導せんとするのか、ちょっと伺います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 公共料金の値上げ抑制の問題に関して、同じような問題がいろいろ出ておりますので、厚生大臣が善処するというお答えでしたら、私の方も御相談があれば善処したいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 善処するということは厚生大臣と同様で、今申しましたように元利均等償還の点と支払い延期の問題について善処するということですが、こういうような点も、政府資金を利用しているものと同様に公募資金を利用している面について、どうしても困っている面を善処する、こういう意味ですか、この点了解できましたならばそれで私いいわけですけれども、そういうふうに了解していいわけですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 地方起債につきましては、今おっしゃられたような短期、長期がございますし、貸付の対象事業別によって、もう少し弾力的にこの償還期限そのほかは考えてほしいという要望はいろいろなところから現在出ておるところでございますから、私どももその問題だけとしてではなくて、統一的にそういう問題を再検討したいと思って、きのう大蔵委員会でそういう御返事をしておるわけでございますから、そういう問題の一環として善処したいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大体そういうような点について善処を心から私としても要請申し上げておきたいと思います。ことにこれは一応だけではなく、各市でも同じような状態が現出しておるような状態でございます。ただ、私どもの方では大蔵大臣だけの意向は承っておらないのです。しかしながら経済企画庁の長官は、どうしても三月七日以後のものは議決があっても、物価値上げにつながるようなものは抑制しなければならないし、認めちゃいけない、認めることは乱暴であるというようにはっきりしておる。ただ自治省の方へ参りますと、これは地方が議決するのはやむを得ないというような態度で、幾分やわらかい態度に退化してきている。ところが厚生省の方でもまた大蔵大臣の方でも、今言ったようにしてきぜんとした態度でいる。こういうような点が一本化されてはっきりしたものでないと、自治省の方へ参りますと、大臣の方では議決せい、議決せいと言うようでは、これはまことに政策の一貫性がないと言わざるを得ないと思いますので、こういうような点も内部の方で十分一つ意思の統一をはかっておいていただきたい、こういうように思うわけです。今までいろいろ私どもが伺いました大臣間の意思は必ずしも一致しておりませんが、この点も一つ完全に一本にしておくように私としては要請申し上げたと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大蔵大臣がちょうど社会労働委員会においでになりましたので、社会保障について総括的な点で、総理がこられるまでお伺いをしたいと思います。こられて中断をしたならば、次に別な機会に続けていたします。  社会保障は、自民党の三枚看板の中の第一看板だったはずですが、今度は非常に後退して、三番目の看板みたいな状態になってしまったわけです。大蔵大臣が厚生大臣といろいろと交渉されるときに、財政的な立場や、あるいはまた経済的な立場からそれにチェックをされたのじゃないかと思うのですが、これについての大蔵大臣のお考えを伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 三本の柱で一番後退したというお話ですが、そうじゃなくて、予算の増加割合を見てもわかりますように、一般公共事業というものは、昨年度の予算に比べて二割四分の増加率になっておりますが、社会保障費は三割五分ということで、予算の増額率では最も商いものでございまして、社会保障費が三本の柱で一番後退したとは私は全然考えておりません。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そんな御答弁を期待しているのではなしに、あとの方のことを伺いたいのです。そういうことをおっしゃれば一々取り上げて言わなければならない。社会保障費はふえたと言われるけれども、その中の多くの部分は既定経費で、当然増がたくさんあったので、岸内閣当時からの政策で、ことしはどうしてもふやさなければならないことがあったのです。ですから池田内閣が選挙で公約したようにそれが伸びておらないわけです。その金額の問題じゃありません。そういう苦しまぎれの答弁でなしに、もっと社会保障費を大いにやったと言えるくらいのことを内閣がやらなかったのは、大蔵大臣がいわゆる非常に簡単な、けちな、財政的な意味で、あるいは非常に考えの足りない経済的な考慮のもとにそれをチェックしたからではないかということ、そちらが質問の重点でございますから、それについてのお考えを伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは社会保障政策を強化するといっても、国全体の諸政策との均衡というものはとらなければなりませんし、財政上の調整ということもしなければなりませんので、こういうことを新たにしたいという要求があっても、各官庁ともそういう調節の上に予算の編成が行なわれておるのでございますから、原省の厚生省がやりたいというものについても、話し合いの結果、本年度はこの程度の施策にとどめてもらうというようなことでチェックした分もむろんございますが、しかし新たにいわゆる社会保障政策の強化として、新しく今度発足した施策というものも相当ございますし、また結局端的にどこに現われるかといったら、やはり施策は予算額に現われてきますので、その現われ方を見ましたら、他の諸政策よりも一番高率な予算増加となって現われてくることは事実でございますので、私どもはそう不当なチェックをしたというふうには思っておりません。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 実は伺いたい焦点はこういうことなんです。社会保障というのは、憲法第二十五条の精神に従って、これを実現するためにやらなければならないということは、大蔵大臣十分御承知だと思う。それが本題でございまするが、大蔵大臣に特に申し上げたいことは、それのみではなしに、日本経済自体に、あるいは日本の国家の財政自体にいいことであるが、それをやると財政が苦しいというような点ばかりではない、逆な点が大いにあるので、それに大きく目を開いて、長期的な目で財政を組んでいただきたいと考えているけれども、歴代の大蔵大臣はそういうような非常に大きな目で財政を考え、経済を考える、そういう目がほとんどないように思われるので、水田さんがもしおありになるのだったら、社会保障というものは経済や財政にどのような影響があるか、そういう点についての水田さんのお考えを伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これはもう御承知の通り私どもは経済成長政策をとっている。経済成長政策を実際に行なうためにはどういう点が主眼になるか。計画の主眼として、計画書に示されておりますように、やはりここで公共投資の問題が大きい問題であるし、公共投資と民間投資で均衡がとれていった場合に、その経済を伸ばすことを均衡的にさせるためには国民の消費というものがなければならぬ、同時に輸出というものがふえなければ需給の不均衡を来たす、経済に波を立たせるような政策はやめなければいかぬということも、この倍増計画の運営の一つの柱になっておりますし、そういう点から考えましたら、やはり経済を均衡をとって発展させるというためには、国民の消費力即生活力というものの配慮がこの経済政策の基調にならなければなりませんので、そういう点から考えましたら、国民の生活能力の足らぬ者についてこれをいかに補給し、助成するかというような問題は、経済成長政策をとる以上、基幹となるべきものでございますので、そういう意味でこれは人道的に、ただ気の毒な人を助けるというだけの意味からじゃなくて、国の政策上の基本的なものを考えるよりほかありませんので、そういう観点から私どもはこれを重要視しているわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 お答え、半分けっこうであります。やはりもう少し奥深く考えていただかなければなりません。社会保障が所得再配分になって、そのために大衆購買力が増大、安定して、それが産業の振興発展に資することが多くなって、景気の変動の波を少なくしてというようなこと、これはこのごろ与党の政治家がやっとお考えになったようでございますが、それをよくお考えになって、もっと強くその意味を実現するような政策をとっていただかなければなりませんが、それだけではない。それだけでは満点ではないのです。まだ五十点ぐらいです。社会保障というものは所得保障の面でも医療保障の面でも相関連しております。所得保障が完全であっても医療保障が完全に行なわれないという点がありますが、そういう面が完全になれば、日本の労働力が非常にいい状態で維持される、それがやはり産業の振興安定になる。あるいはまた老齢保障が完全にうまくいけば、たとえば農家の人がそういう老齢保障が完全にうまくいくことによって、安心をして若い世代に農業の経営をゆだね、そういうことによって農業の近代化、共同化というものが進む。中小企業も同様であります。そういう問題にも関連があります。所得保障が完全になることによって、不完全就労をするような人が所得保障で暮らせるから、そういうことをしないので、賃金を引っぱることにならない。ほんとうの質的な完全雇用に近づく道ができる、労働的にもそういうことができる。完全雇用の道を進める、農業の近代化を進める、労働がちゃんといい状態で維持されるから生産も非常によくなる。いろいろな意味があるわけです。総理はもうじきおいでになるでしょうから、これについてよく大蔵大臣は認識をあらためていただいて、厚生省の要求などは一文もへずらないで、こんなことでいいのか、もっと五割ぐらい増せということを大蔵省自体が言われる、それくらいの考え方で社会保障を考えていただきたい。それと同時に、財政的に見ても一つお考えをいただきたい。たとえば結核予防法の改正が出ている。これは完全に十分なものではございません。こういうものが完全になることによってどういうふうになるか。今結核については、治療を完全にする方法は医学的には確立されている。それが完全にいかないのは経済的要因で完全にいかないわけです。それを国家がいろいろと思い切った施策をして完全にすれば、その対象者の病気が早くなおって、安心して働けて、非常にしあわせになるという第一義的な大事な問題を果たすと同時に、それによって結核というものの病源がほとんどなくなって、将来国民がそれによって苦しむことがなくなるというような、非常に大事な問題がある。それと同時に——私が今申し上げたのは一番末梢問題ですが、大蔵大臣には関係が深いから申し上げているのです。それと同時に、そういうことになれば、将来結核医療費を出すことが少なくなる。きょう日の財政的に見ても非常に大事な時期に思い切って国費を投入すれば、将来の国費を出すことが少なくなるという要因があるわけです。今まで歴代の大蔵大臣は実に近視眼であって、つんぼであって、そういうことがわからぬ。時期を少し失しかけているけれども、今後急速に結核が完全になくなる。今治療法があるのに、ぼやぼやしているから、結核の耐性菌が出て、そういうような耐性菌がはびこるという事態になりかかっているわけです。そういうことを急速に取り返して、完全に結核というものがなくなる。将来医療法が発達すれば病気が全部なくなる。たとえばさっきの小児麻痺というようなのは一切なくなって、全部の親たちや子供たちが安心できる。そういうことで、将来大蔵省がそういうような金を出さなくて済むということになれば、財政的に見ても一番いいわけです。それは社会保障の中で、順序として結核は一番しまいの方ですよ。しまいの方だけれども、大蔵省は、財布が足りないからというようなことでチェックをされる。百あれば効果があるのに、八十や五十しか金を出さないから効果が上らないということはよくあるのです。そういう点で、ほんとうに大きな意味の財政的見地から、あるいは大きな意味の経済的見地から、大きな意味の国民のしあわせの見地から社会保障を考えていただいて、厚生省がつまらぬ、貧弱な予算を出したときには、大蔵大臣がそれに対して批判をする、たとえば厚生大臣がなまけているということで、大蔵大臣がしっかり相談をして、五割くらい増すようにというふうな世の中にならなければいけないと思う。それに対して大蔵大臣のはっきりとした決心を伺って、総理大臣が見えられたから一応中断いたします。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 実は私も御説の通り、そうありたいものと念願します。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 国民健康保険法の一部を改正する法律案、精神衛生法の一部を改正する法律案、結核予防法の一部を改正する法律案に関連をして、医療費の問題について、総理なり大蔵大臣、あるいは最終責任としての所管大臣の古井さんに、いろいろお尋ねをしてみたいと思うのです。  三十一日に公労協のストが行なわれる情勢にあったのですが、仲裁裁定によって回避ができました。ちょうどそれと同じような情勢が、三月の三日前後にはあったわけです。今度は公の機関が出て、政府はその公の機関の決定をした仲裁裁定をのむということで幕が引かれたわけです。ところが三月五日に予定をせられておった一斉休診というものをうまく回避する、いわば調停役に出たものは、自由民主党の三役という方々だったわけです。しかし、とにかく結果として非常な緊急な事態が回避をされたという点については、これは軌を一にしておるわけです。この問題の具体的な、しかも深く掘り下げた問題については衆議院の予算委員会においても、参議院の予算委員会においても聞かれていないようです。院の予算委員会においても、同僚の横路君が幾分質問をしかかりましたけれども、当時まだ与党内部の調整もできていないのだろうということで、党は一応遠慮をしてほこをおさめたわけであります。しかし当時と比べて客観情勢はずいぶん動いてきたわけです。そこできょうは少しく立ち入って総理大臣である池田さん、同時に自由民主党の総裁である池田さんを中心にしてお尋ねしてみたいと思います。  まず第一にお尋ねしてみたい点は、三月三日午後十時に福田政調会長それから武見、河村両医師会長、こういう方々が共同声明みたいなものを発表されたわけですが、これは当然こういう声明を発表せられるについても、あるいはそういう両医師会との会談に三役が乗り出されるについても、池田総理は自由民主党の総裁として十分御了承を与えてのことだと思いますが、それはそう理解して差しつかえありませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 こまかい内容につきましては私はタッチいたしておりませんが、ああいう緊急の状態でございますので、何とか保険医の方々が総辞退をするというふうな、国民にとって迷惑なことが起こらないように善処してくれ、こういうことを三役に頼んだわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 池田総理の御依頼によって三役が危機打開のために動いたということがわかりました。そうしますと、両医師会長なり三役を代表しての福田政調会長の共同声明というものは、いわば三月五日の危機を回避するだけの効力があったわけです。いわばその危機を回避した効力の点においては、あたかも今回における仲裁裁定と同じ程度の効果があったことは、結果として見るとほとんど同じです。そこでお尋ねすることになるのですが、この共同声明の第一項を見てみますと、さしあたりの措置として七月から単価一円を相当上回る額を引き上げると、こうあるわけです。これは具体的に一体どういうことを意味するのかということです。もっと詳しく申し上げますと、今回の予算措置において厚生省が組んでおりますのは、一割の引き上げで、社会保険に関する限り四十六億の予算措置をされておるわけです。この四十六億の予算措置の中で、七月から単価一円を相当上回る額というものが実現できるかどうかを池田総理にお尋ねいたしたいのであります。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 具体的の金額はまだまだきまっていないようでございますが、私は一応これで危機を脱し、そしてこういう問題は全般として社会保険医療協議会にかけるべき問題であると思っております。党と日本医師会、日本歯科医師会との間で話をしたことにつきましては、これを尊重して政府は考えていきたいと考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 医療協議会にかけるということと、党と日本医師会と話し合ったことは尊重するということと、二つ出てきたわけであります。このことはいかにもうまくいくようであって、矛盾をする内部的要素をはらんでおります。これはあとでだんだんわかってきますが、今池田総理は、党と日本医師会、歯科医師会とお約束なさったことは尊重すると言われたわけであります。そこで水田大蔵大臣、四十六億というワクの中で、この単価一円を相当上回る引き上げが、七月から具体的にどういう工合に実施できますか。四十六億という器の中に一円を相当上回るものが入るならば、曲芸師のような感じも——私なんかできそうにないのですが、できるように書いておるわけでありますが、大蔵当局としてはどういうようなやりくりをやって一円を相当上回るような額を四十六億という予算の中からお出しになるのでありますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 予算は御承知の通り総医療費の一〇%増ということで組んでございます。かりに単価改正をやるとしましても、この総医療費の一〇%というのは、一円を相当こえる計算でございますので、そこの点はどういうことになるのか、実際は中央医療協議会において内容がきまる問題でございますので、その結果を見なければわかりませんが、私は、最初からできない相談というような予算額じゃないと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それならば大蔵大臣、さらにお尋ねいたしますが、一円を相当上回る額ということを四十六億の中で計算したら幾らになるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは薬価をどう見るかという問題でいろいろ議論があるようでございますが、単価の改定でいきますと、医療費の八%が大体一円ということでございますので、一〇%となりますと相当の余裕があると思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これは事実的に御説明をいただかぬとなかなかむずかしいところですが、医療費の八%が一円になるとおっしゃるけれども、単価でお上げになるのでしょう。一円の単価を相当上回る額だから、相当ということになれば、それが一円五十銭か一円八十銭か、二円か知りませんけれども、とにかく一円を相当上回る額になるわけです。これは単価です。そうしますと、薬代なんというものは、表面にはどこにも出てきていないのです。お薬代は一律二・九点、それはもちろんその中にはお薬代も入っております。投薬上の技術料も入っております。処方代も入っておりますが、しかしそれはひっくるめての二・九なんです。これに十円をかけて、二十九円というのが乙地区における一律の薬代なんです。その中で薬が何%入っておるのか知らぬけれども、薬は原価で入っておるだけですから、単価をお上げになったときには、点数の方の分析はわれわれはできないのです。もしそれをおやりになるならば、単価も上げるが点数もいじるということになるのですよ。そのからくりというものは、僕はしろうとじゃないですから、許されぬ。だから、単価でお上げになるとおっしゃった、それを尊重いたしますと総理がおっしゃっておるのだから、大蔵省としては、四十六億円の中で、一体単価だったら幾らになりますか。これしか予算がきまってないのですから、これは答弁もできないということになると、三月三日にはだましたことになるのであって、天下の公党の自由民主党が、まさかあの事態の中で終息をせしめておって、だますというわけにはいかぬと思うのです。公労協だって同じでしょう。このストをおやめになって仲裁裁定をしたならば一割というようにぴしっとお上げになる、これは閣議で了承されたわけです。それと同じ事態が三月の三日には起こったわけですからね。だから四十六億で一体幾らになるかというわけです。四十六億で単価をお上げになったならば幾らになるか、この計算ができなければ、医療協議会に聞くも聞かぬもないですよ。医療協議会なんというものは諮問機関なんですから、政党政治のもとで、政党の最高の首脳部が決定されたことはそのまま国会で実行するというのが政党政治のあり方なんですよ。諮問機関なんですから、国会で言うときには党と党、社会党と自民党のやりとりなんですから、自由民主党がそれをおやりになるときには、諮問機関に先に聞いてからそれをおやりにならなければならぬはずなんです。単価でいきますときめてから医療協議会へ行くのじゃだめなんですよ。もう単価できまっておるのだから、それをきめる前に医療協議会に行かれるならいいけれども、単価でいきますときまったからには、医療協議会に行ったってだめです。幾ら上げるかということが問題になる。幾ら上げるかということは、四十六億と予算がきまっておる。だから、医療協議会に行ったって協議することはない。単価でいきます。四十六億でいきますとなっておる。しかもそれが相当上回る額だというならば、四十六億では一体幾らになるかということです。それは大蔵大臣、計算はできているわけでしょう、主計局長がうしろにおられますから。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 総理がお答えになりましたように、単価を上げるという約束は尊重するということでございますが、この予算を土台にして単価だけでいくのか、そのほかの方法を考えるのか、そういう具体的なことは、私どもは厚生省に一任しております。厚生省が医療協議会にかけて内容を決定することになっておりますので、ただいま厚生省がその立案中であると思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 われわれ国会議員として言えることは、与えられている条件というものは、単価をとにかく相当大幅に上げるということと、われわれ国会が議決した四十六億しかないということですよ。これをもし相当上回るというなら、予備費を出すか、補正予算をお組みになるか——四百三十億程度のお金が仲裁裁定で要る。ところが、実際にはそれは移流用その他をやっても、相当のものが補正予算に組まれなければならぬという客観的な情勢があるやに聞いているわけです。これと同じ情勢が出てきているわけです。この医療の問題について、池田総理、どうでしょうか。今単価でやるということは尊重するということは、はっきりしました。しかし今度単価だけでやるか、そのほかどうするかということは医療協議会ということになると、しりが抜けてしまう。こういうしり抜けは許されぬと思うのですよ。池田総理の了承のもとに堂々と三役がお出になって、あれだけのものを終息をさせたのですから、それじゃ天下の公党が約束したことを国民は信頼できなくなるわけです。こまかいことはとにかくとして、単価でいかれるという、このものをきちっとお認めになるかどうか。そうしてその場合には点数というものはいじられないんですよ。いじったら大へんなことになる。なぜなら、点数というものは、これはこの医療行為のランクをつけているわけでありますから、どこか一ついじれば連鎖的にみないじらないと大へんなことになり、均衡がとれなくなるが、これはどうですか、総理、あなたが一つ裁断を下さなければならぬ時期がきているんですよ。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 私は、あの保険医総辞退の問題を収拾するのに三役が関係二団体と話し合ったことにつきましては、一応党の総裁として了承いたしております。そうして政党内閣でございまして、私が内閣総理大臣です。所管相である厚生大臣が、これまた党の党員でございます。お約束を尊重しながらいかなる案を医療協議会に出すかということは今検討いたしておるのでございます。しりが抜けるというようなことはいたさないつもりであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今の御説明ではちょっとわかりかねるのです。文章に書いてあることと違うのでは困るんですよ。それならば池田総理にお尋ねいたします。第二項で、入院料、往診料、歯科、の補綴の関係についてすみやかに措置すると書いてあるわけです。この入院料、往診料、歯科の補綴というのは、国民健康保険では給付をしていないところがあるわけです。特に入院料については、完全寝具あるいは給食というようなものについてはやってないものがあるわけですが、とにかくここではすみやかに措置をするということになりましたが、このすみやかに措置するということは、入院料、往診料、歯科の補綴については、相当の点数をこれは改定をするということを含んでいると思いますが、四十六億のワクの中にあるんですか、ワク外ですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 お話のように、入院料、往診料、歯科の補綴料は、もう従来から非常に安過ぎる、こういうことは皆さんのお考えにあることでございます。従いまして、こういう問題につきましても、これは七月とかにきめておりませんが、できるだけ早く解決していきたいということを入れておるのでございます。建前といたしましては、希望的になるかもわかりませんが、予算の範囲内でやりたいという気持を三役も持っておりましたし、私も持っておるのであります。しかしこの問題につきましては全体の案を作ってみないと何とも申し上げかねるのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、入院料、往診料、歯科の補綴というものは七月からではない、しかしこれは四十六億のワクの中に入っている、こういうことなんですか。一番大事なところなんですよ。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 全般の考え方として言大臣の手腕に待つことであり、また医療協議会の答申によらなければならないと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それならば古井さん、かすにおよそ一カ月の時間をもってしましたから、もうあなたの腹も固まっておると思うのです。そこでまず第一項の、一円を相当上回る額を四十六億の中でどういう工合に具体的に実現をしていくかということ、それから入院料、往診料、歯科の補綴というようなものについて、これは七月ではない、それから後だということになると、四十六億のワク外のように思うわけです。なぜならば、四十六億というのは七月から実施することになるわけですから、そうすると七月以降に入院料、往診料、歯科の補綴をやるということになると、四十六億のワク外になる可能性もあるようである。ここらのところの明確な御答弁をいただきたいと思うのです。一つあなたの腹がまえを明確にしておいていただきたい。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 第二項に書いてあります入院料、往診料、歯科補綴料の引き上げの問題は、「すみやかに」ということで、いつとは書いてありませんけれども、なるべく早い方がよい、七月以降でなければならぬときまっておるわけではないし、これは財政問題にもなってくると思うのです。以降でなければならぬとも何とも響いていない。すみやかにということであって、前でありましても、(滝井委員「総理は以降だと言っている。」と呼ぶ)いや七月というふうにはさまっていない。切り離した問題になっているけれども、「すみやかに」こういうのでありますから、早くやることがいいのですから、これは時期がいつかきまっているわけじゃない。問題は、一円を相当上回るというのと、それから財源問題になっちゃうわけですね。そこでそういう辺はいろいろな角度から検討しなければならぬ点があります。それは行政の面もありますし、それから財源の問題もありますし、それから今まで予算に組んである一〇%というものは、これは国会でも審議をしてもらうし、国民に一〇%ということはみな知ってもらっているわけでありますけれども、またこれがそれ以上になるということになれば、新しい問題になるのです。関係者もあることでありますし、医師会が一番重要な関係団体ではありますけれども、そのほかの負担する方の関係団体もあります。そしてこの問題は一項、二項、三項ひっくるめてよく検討して、そうして政府の私どもが責任を負わなければなりませんが、政府側というか当局側としての案もきめ、それから医療協議会に諮って最後的にはきめる、こういうことに今度は手だてを順序を踏んでしなければなりませんので、そこでその辺のことはそう簡単に——尊重することはもう申すまでもありませんけれども、どう具体化して実現していくかということは、行政面、財政面、あらゆる面をひっくるめて検討した上でわれわれの考え方もきめなければなりませんので、これはいろいろには考えてみております。基本はあなたがおっしゃるようにあの話し合いの趣旨は尊重するという建前のもとにいろいろ考えておりますけれども、なおまだ検討しなければならぬ辺もありますので、なおよく検討して、私どもの方としての考えは必要な時期にはきめたい、こういう考えでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 少し古井さん、卑怯だと思うのです。四十六億という予算をきめたときにあなたは何とおっしゃったか。今の厚生省の能力でやり得る額は、この一割というものが一番適正でございますというここで発言をした。その同じ口で、同じ人間が、同じ場所で、よく私は今のようなことが言えると思うのです。私は、あなたは少し卑怯だと思う。この期に及んでまだ言を濁していくことがりっぱな政治家だと思ったら大間違いです。やはり腹をきめて、政党政治できめられたことは、それだけのものを大蔵省に予算要求をされてきちっとしなければいかぬですよ。今のようにのらりくらりしてうまくいくと思ったら、これは大間違いです。  じゃ池田総理にお尋ねいたしますが、「残余の問題は引き続き検討する。」こうあるのです。残余の問題とは一体どういうことにあなたには報告が来ておりますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 医療関係につきましては、先ほど言われました単価の問題あるいは入院、往診料の問題ばかりではございません。いろいろの問題があるのであります。診療制度その他無医村、いろんな点があるのでございます。従来からいろいろ議論されたところでございますので、そういう単価あるいは往診料等以外の問題をさしておると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その残余の問題とは何かということだけれども、十分御報告をお聞きになっていないようですから……。入院、往診、歯科補綴以外のものであることは当然です。だから、その残余の問題とは何だ、こう聞いておるわけです。実は私、最近医師会関係から出ている文書を少し見てみた。そうしましたら、九月までは総辞退をしない、日曜休診は慣行として指導をする、医療協議会は妥当な改組が行なわれれば参加をする、こうなっておる。東京都の医師会の代満員会の決議三月十八日のを見てみると、現内閣の与党である自民党がその責任において約束した事項が、約束の期日までに果たされない場合は、もはやわれわれは為政者に対し信頼を置くことができない、こういう議決の一節があるわけです。こういうように非常に疑問を抱いておるわけですね。このことは、結局今のようにのらりくらりと物事をはっきりさせずにやっていく、天下の公党の三役が約束をしたことは、国会はつんぼさじきに置いてもいい、こういうことになれば、これは政党政治でなくなるわけですよ。やはり与党が約束をしたことは、そしてああいう事態を収束したことは、国会へ当然これは報告をして、了承を求めて政治の軌道に乗せるというのがこれは筋ですよ。ところがそういうものについては、与党は何人か知っておるかもしらぬけれども、野党へはだれにも教えない、こういう政治の行き方というものはよくないと私は思うのです。おやりになったら堂々とそのことについて、厚生大臣が今度は先頭に立って国会で了承を求めなければならぬわけですよ。ところがそれをおやりになっていない。  そこで、私は今度は被保険者の立場でお聞きをしますが、池田総理、この国民健康保険における被保険者の負担、特に国民健康保険の患者負担は、一割の引き上げで四十六億になるわけです。今度の一割を相当大臣に引き上げることになるとこれはまた違ってくるわけですが、これは一体どうしてくれますか、患者にやっぱり負担させますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 先ほど来大蔵大臣あるいは厚生大臣の答えた通りでございます。われわれは御審議願っております予算の範囲内において、そうしてまた党が約束をしておりますることを尊重して善処する、こう考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、患者の負担は四十六億、国民健康保険の被保険者の負担分はやらせる、こういう御方針ですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 計算の根拠その他につきましては関係大臣より答弁させます。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 そこで患者負担の問題でありますが、これは他の機会にもお尋ねがあったりお答えを申し上げた問題だと思っておりますが、患者負担のふえます問題は、この引き上げが一〇%の場合にせよ何ぼの場合にせよ、きょうの建前としましては、この給付率の建前というものがあることであります。でありますから、五割給付で五割患者負担ということでありますならば、この給付率の引き上げという問題として患者負担を軽減する問題は考えるということであって、給付率がそういう建前になっておる以上は、保険財政の方の問題はよく考えなければなりませんが、患者負担は給付率の問題として考えなければなりませんから、これは引き上げに伴ってある程度増高するということはいたし方ない。それだから医療費の引き上げは大きな問題になるのであります。いろんな角度から検討しなければならぬのは、それなのであります。それでありますから、いろいろ考えなければならぬわけがあるのでありまして、給付率が五割になっていれば、五割負担の分について、患者負担が引き上げに伴って何がしかがふえるということはいたし方ない。それがまずければ給付率引き上げの問題として考えるほかはない、こういうふうに考えますので、予算に組んである一〇%の場合だってそういう考え方で必要な方面の財政措置をする。患者負担というものは今のような考え方に立っておりますから、同じようなことになります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大橋副幹事長があなたに話した談話が出ておるわけです。政府は党三役のあっせんを前提として今後の政策検討をされたい、値上げの保険財政は患者負担に影響が及ぶので、ある程度の国庫負担を考えようということを育っておる。益谷幹事長も、患者の代表が会ったときも、それは考えようということを言っておる。そうしますと、今の与党の幹部のおっしゃることとあなたのおっしゃることとは違ってくるわけです。  それならば古井さん、お尋ねしますが、国民健康保険で、今回の一割の措置で九億の保険者負担分が出てくるわけです。保険者負担だといっても、これは保険料なんです。これは結核その他が七割給付になるのだから。一人当たり一年十円だ、こうおっしゃるけれども、一銭を笑う者は一銭に泣くで、十円だって今の国保の被保険者にとっては大へんなことなんです。ここなんです。池田総理どうです。患者負担だけで、政府管掌の健康保険や般員保険を入れたら、今回だけで六十五億になるのです。しかも保険者負担は百六億です。これは積立金の取りくずしをやらないとするならば、保険料でまかなうよりほかにない。一体これで社会保障が前進をしたのだと言えますか。当然国がこういうものは持たなければならぬ。しかも国民健康保険の被保険者は、所得月一万五千円以下が六割以上おるのです。しかも農民と中小企業者でしょう。きょうの農林省の農業経済の観測の発表を見てごらんなさい。二・八とか九の成長率があるといったけれども、実際には生産所得の伸びは二%だと農林省は発表しておる。低所得階層が一ばいおる国民健康保険、しかも四月一日から年金があって、同じ農民と同じ中小企業と、国民健康保険の同じ階層がこの拠出制の年金にかかってくる。三千七百円も一世帯当たり保険料を払っておる。その上に、今度は医療費の負担分をかけて、そして保険料を引き上げる、こういうことが一体できるかということです。年金もあるのですからね。だからこの点で、私は古井さんよりか高度の政治的判断をしなければならない池田総理にお尋ねをするのですが、当然これはこの機会に何らかの措置をしなければならぬのですよ。このまま放置するわけには参らぬのです。だから一体これをどうするかということです。国庫は、もちろん社会保険全体では四十六億しか出しておらぬ。しかしその他のものは患者負担六十五億、保険者が百六億、約百七十一億を負担するわけですから、これの軽減の方法は、当然益谷幹事長や大橋刑幹事長が大衆に言い、あるいは古井さんに言ったことを、総理としては何らかの形で軽減の方策をとってもらわなければならぬと思うのです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 私は益谷幹事長や刑幹事長が新聞に出したことは聞いておりません。ただ問題は、社会保険の一つの支柱である国民全体の健康保険につきましては、政府はできるだけの措置をいたしたいと考えておるのであります。お話のありました農業所得の上昇が低いことは前から言われておることでありますが、いわゆる農家の所得をふやすように今後していこう、中小企業の所得も全体としてふやしていこうという施策をとりながら、会社保障制度、ことに医療保険につきましては力を入れていこうとしておるのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 農家の所得をふやしていただくことはいいが、今の百七十一億円、これは一体どう措置してくれますかということなんです。これはこのままやはり患者負担と保険者負担で保険料をよけいとっていくということを貫かれていかれますか、それともここらあたりで相当の自然増もあるんだから何らか一つ考えようというお気持なんですか、こういうことです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 これは厚生大臣がお答えしたように、患者負担につきましてはやむを得ませんが、保険料その他につきましては、できるだけの措置を講ずる予定でおるのであります。今補正予算を組むとかいう考えは持っておりません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今補正予算を組めとは私申しません。これは今言ったように七月から実施するのですから、どうせ総理、仲裁裁定については補正予算をお組みにならなければならないのでしょう、財政的に見て。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 まだ大蔵大臣からそういう報告を受けておりませんので、私はこれ以上意見を申し上げません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それでは大蔵大臣にお尋ねいたしますが、今回の仲裁裁定によって四百五十億の財源措置が三公社五現業関係で必要になったわけです。これは当然移流用その他予算総則に書いてある予算措置だけではどうにもならぬじゃないかと思うのです。われわれ計算をちょっとやってみても、これは当然補正予算にならざるを得ないと思うのです。これは参議院をあすかあさってあたりには通りますが、その後には何らかの補正措置をとらざるを得ないでしょう、どうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 政府はきのうの閣議で、この裁定の実施をするということをきめました。実施をするための措置について検討をせよという総理大臣の指示によりまして、私ども関係当局が検討している最中でございまして、その検討によって、どうしても予算補正をせざるを得ぬということでありましたらそうしたいというので、今検討して、その結果をあとから総理に報告することになっておりますが、まだ報告してございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうしても補正予算を組まなければならぬということになれば組む、こういうことになってきたわけです。これははっきりしてきたわけです。そうしますと、医療費も同じです。医療費も一円を相当上回る額をやりますと、こうおきめになったのでしょう。おきめになって、そうして今度は四十六億の中で幾らですかというと、これははっきりしない。仲裁裁定の方は一生懸命にきのうあたり出たものをおやりになっているわけでしょう。そうすると、医療費の方は約一カ月前に出たのですから、もう大蔵省がやるのと同じように厚生省は検討済みでなければならぬはずなんです。ここなんですよ、古井さん、こういうところが、もう少しやはりあなたが誠意を持ってスピード・アップしてやらなければならぬところなんですよ。いいですか。国民健康保険その他の零細な大衆なんですよ。それは言い方が悪いかもしれぬけれども、公労協の人たちと零細な国保に加入しておる人たちとの所得の状態を比べてごらんなさい、そうでしょう。(「そうだよ」と呼ぶ者あり)そうだという声が与党の中にある、そのことさえもやってない。だから、これは並行しなければいかぬ。補正予算を検討してお組みになる、その検討した結果が出るならば、組まなければいかぬというならば、医療費も早く検討してお組みにならなければいかぬわけですよ。あるいは炭鉱災害だって同じです。こういうようなものをやはり総合して補正予算をお組みになるときは、ばらばらとやるわけにはいかぬですよ。こういう点、古井さんの熱意がどうも少し薄い。だからいろいろ外から非難を受ける。私はあなたを個人的には尊敬しておる。しかしあなたは、私をして言わしむれば、三月三日以来あなたは非常に迫力がなくなったですよ。お互いに人間だから、やり合ってみればよくわかる。それだけお気の毒だと思っている。しかしお気の毒だけれども、これを乗り切るだけの熱意があなたになければいかぬですよ。ところがそれは、どうもあれ以来あなたの行政の切先が鈍った。だから私は実はあなたにあまり質問をしたくないけれども、きょうは実はどうしてもはっきりさせたい、こういうことでやっておるわけです。  次は、総理も御存じのように、この春闘の中で今一番、大して目立たないけれども深刻な様相を示しておるのは病院ストです。特にその中で公的医療機関と言われる日赤です。これも総理、日赤の中央病院に行ってごらんなさい。東条さんじゃないけれども一応民情視察のために行ってごらんなさい。もうロック・アウトと同じです。日赤の病院は全国で百有余ありますよ。もう五つ、六つは麻痺状態ですよ。(「つぶれかかっておる」と呼ぶ者あり)つぶれかかっておるという声が出ております。そればかりではございませんよ。公的医療機関の日赤がそういう状態であるばかりでなくて、厚生省所管の古井さんの足もとにおける健康保険の病院です。これもストライキでどうにもならない。それから船員保険の病院もそうです。これは一体どういう理由かという理由を聞いてみたんです。これは厚生省がみずから御証明になった。そこの病院の給料が低い。労働条件が悪いからです。そうして病院の運営管理がよくない。失礼な言い分ですが、日赤なんかは全然経理がわからないんですよ。経理がはっきりしないんです。国会で経理を出して下さいと言ったって、葛西副社長以下、ここで経理の説明が全然できない。運営管理がよくない。そうしてしかも診療報酬が適正でない。診療報酬が適正でないために、独立採算制をとらせられておるから、労働組合と団体交渉ができない。団体交渉をやる責任者がいない。経理がはっきりしないから責任を持てないんですよ。そうしていわば医療制度が全般的に古くなっている。そうして病院の労使関係が非常に未熟である。こういう五つ、六つの原因が重なって病院ストは深刻になっているわけです。これはこの医療制度が悪いとか、あるいは労使関係が未熟だというようなことは、なかなか短兵急にはいかぬです。これは医療制度は、臨時医療制度調査会というものを今作って厚生省がおやりになっておる。しかし労働条件が悪くて給料が安いとか、あるいは運営管理をもう少しよくするとか、あるいは診療報酬を適正にするということは、今回のこの単価の問題が決定をすれば、この一二つの問題は割合にスムーズに解決する問題なんです。ところがこれが右往左往して何にも出さないので、日赤その他の経営者にしても出しようがないんですよ。労働組合と団体交渉をしようもない。先がまっ暗なんだから、一体一円を幾ら上げてくれるのかわからないんですよ。これが日赤なり公的医療機関あるいは古井さん自身の足もとの病院にストが起こってなかなか解決しないという一つの原因なんです。この事態になって公労協を片つけられたのですから、こういうものについても片づけるためのやはり指針を、方向をお出しになる必要があるんですよ。さいぜん古井さん、なかなかうまいことをてれんぼれんてれんぼれん言って、ここをのがれようとしておりますけれども、事態は人間の命に関する問題ですよ。ちょうど汽車がとまると同じ状態が日赤の中で出ているんです。今お産をして出血しようとする患者を日赤は入れないんですね。医者が診療を拒否すると業務命令を出すけれども、経営者が患者を入れないというときには、厚生省は業務命令を出さない、こういう実態ですよ。どうですか池田総理、これをすみやかにやはり解決するように、基本的な方針を命令する必要があると思うんです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 そういうお話の点は私存じております。従いまして三月三日の医師会、歯科医師会とああいふうな話し合いをいたしました。そうしてまた医療についての日本医師会等の地位も認めまして、今後は医療協議会に出て審議してもらうようにできるだけ早く今お話しのような点がなくなるように努力しようといたしておるのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 七月になっておるわけです。そうして医療協議会はいつ開かれるかめどがつかないわけです。しかし一方ストはどんどん進行して、日赤の病院はつぶれようとしておるのです。こういう状態なんですから、ストをやめたらいいというけれども、ストをやめたならば給料を幾らやるということを出さなければいかぬですよ。一律三千円上げて下さい、一律五千円上げて下さいと、こうきているのですから、それに対して一律千円上げましょう、二千円上げましょう、こういうことを言わなければいかぬですよ。ところが経営者がそれを言うためには、経営が一体どうなるかという見通しがつかないのですよ。医療費がきまらないのだから……。だからこれを早くきめてやらなければ、何ぞ七月を待たんやですよ。早くおやりになったらいい。医療協議会がきまらなければというけれども、医療協議会は改組の方針がきまっておる。改組するには国会に出さなければならぬ。まだ国会にも出していない。そうすると、国会の審議が終わって初めてやるのですから、これはへまをしておると、冬来たりなば春遠からじ、やがて春から夏がくるのですよ。それでは間に合わないのです。人間の命があぶないのだから……。だからもう少しはっきりしたところを出して下さい。どうですか、古井さん、あなたが責任を持ってお答えになるならばお答えになって下さい。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 そこで病院ストと医療費の引き上げの問題との関係で今るるお話があり、お尋ねになりました。そこでお話しのようにこの病院ストの原因、根源はたくさんあるわけで、それには病院の管理方法がまずいという点も山々ある。しかしその点はもう一両日で、昨年の暮れ以来の病院問題懇談会で非常にすぐれた結論を出してきておる、もう二両日中に……。それを実行させればよほど改善になる。これは実行に移す考えでおりますが、日赤としましても、すでにもう新聞などで御承知のように、一昨日か代議員会を開いて、日赤としての今回のストに対する態度、それから根本的に日赤の経営についての改革ということを本気でやろうというところにきたわけであります。とりあえずのストのことは中労委に一つ持っていって適当な考えを立ててもらおうじゃないか、こういう考え方でおるのですけれども、今の労働組合の方が乗ってくれない。少しぴしゃっとそういう仲裁機関でどれくらいの給料引き上げをやれということを早くきめた方がいいということを私は思うのです。これはだからルールに乗ってきめていったら私は早いと思うのであります。その結果財政上困難が起こるなら、それに対処することを考えたらよろしい。でありますから、当面のストの問題はそういう行き方が私は残っておると思うのであります。それからまた病院関係などにそういうストなどがありますことを見ましても、全般的に病院の経済が苦しいということがわかる。入院料の問題が問題になるわけもあるのであります。これをあとの問題にしてもいいのだ、一律引き上げでもいいのだと簡単に言ってしまえるかどうか、私は大きに問題があると考えております。このストの状況を見ておっても、病院というものに何の考慮も払わぬのでいいのか、そういう点も考えなければならぬ点もあるのであります。そういうわけでありますから、またこの日赤のみならず、引き上げの問題でありますけれども、これはもう申し上げるにもあたらぬ、七月一日から上げようというので、その前に医療協議会にかけて上げよう。ですから、つまり医療協議会にかける時期にどういう案をかけるかということは、そのときまで十分今病院ストの状況とか、いろいろな状況を見て、最善の考え方を立てて臨むのが一番よろしい。でありますから、これは必要な時期に間に合わぬようじゃいけませんけれども、あわてなくてよいので、必要な時期にやればよいし、ストの問題はストでちゃんときめていく筋道があるのでありますから、やっていったらよい。なおまた病院ストの問題は、あのような公的医療機関におけるストのあり方、それは人命を扱っておる病院におけるストのあり方ということについても、これはやはり法律問題などはどうでもいいというのではなく、ストのあり方というものを私は考えなければならぬと思う。このストに対する国民の批判はきびしいと思うのであります。やはりいろんな面を考えて最善の解決をすべきものであり、ただ一点だけこうだと言われても解決するものではありません。こういうふうに思いますので、病院ストの解決の道に進むように臨みたいと思いますし、医療費は医療費の問題で最善の立て方をきめる、こういうことに進めたいものだと考えておるところであります。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 ちょっと申し上げますが、総理は四時半までのお約束でございますので、総理に何かお尋ねがありましたら先にお願いいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 今のことは言葉としてはよくわかるのです。言葉としてはわかるけれども、しかし現実の問題として、あなたが一カ月以来そのことを何回もここで言ったけれども、解決していないということです。たとえば山形県東根で医者が今月中に引き揚げるという事態さえ現われてきておる。これはわれわれが要請したからこそ初めて半月延ばしておるのです。病院についてもうまいものが出るから——うまくいくと言うならば、二、三日したらあなたの方でお出しになったらいい、そのお手並みを拝見しましょう。あなたの足もとの船員病院のストも、あなたの方で即座に解決ができるかどうかということです。これは宿題にしておきましょう。ストはストで筋を通したらいい。なぜ早く通さなかったかということです。ストは昨年から起こっておるのです。それをじんぜん日を送って、仲裁裁定が出た今になって、筋を通して仲裁裁定へ持っていったらいいと言うが、なぜそれでは早くそういう情勢を作らなかったかということです。各病院は独立採算制ですから、示そうにも、経済の見通しがつかないから示されないのです。一円でいくのか、一円二十銭でいくのか、一円五十銭でいくのか、これがわからないと経営というものはできないのです。しかも今のように病院ストのあるところを見ると——病院経営が必要だということならば、単価のほかに何をおやりになるのか言明されたらいいのです。隠す必要はない。単価も上げます。病院についての点数もなおします。それによってストを解決しますと言って出すのが男です。厚生大臣ですよ。それを何か奥歯に物のはさまったような工合に言うから問題なんです。何もわれわれは単価だけにこだわっておるのじゃない。合理的にいって、しかも医療機関がほんとうに生きていって、日本の勤労大衆なり国民大衆がりっぱな医療が受けられる制度ならばそれでいいのです。だから病院を助けるためには、単価のほかに何をおやりになったらいいのですか。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 病院の経済の問題につきましては、いろいろ検討してみますと、根本的に問題があります。病院はどういう使命を持つべきか、患者かせぎで日を送ってよいものなのか、もっと公益的な使命を持つものなのか、ただ医療費にたよって、患者かせぎだけで経済を立てていくものなのか、いろいろ経済の立て方についても根本的な問題がありまして、これにも取り組まなければなりません。これも大事な問題でありまして、医療費も大事ですけれども、そういう経済の立て方の問題が大きに問題があるのであります。これも解決しなければならぬ。どういうようなことかは、具体的に最後的に案をきめるまでいろいろ検討しているということであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 池田総理に最後にお尋ねいたします。池田総理は今までの一問一答でおわかりの通り、われわれ野党としては、三役のおきめになった問題その他については雲をつかむようではっきりしないわけです。そこでこれはまだ参議院で予算が通っていない段階で、補正予算がどうだ、四十六億をどうするということは言えないと思うのです。そこで参議院で予算が通過いたしましたならば、まだ医療関係の重要な法案がたくさんありますので、もう一度総理に来ていただいて、一つはっきりさしていただきたいと思うのです。与党だけではっきりしておって野党は知らないのだ、しかも国民はよくわからないのだということでは困る。そこで池田総理に最後にお尋ねするわけですが、できるだけ早い機会に三役がおきめになった全貌について、はっきりとした池田内閣としての方針を古井厚生大臣を通じて明白にしていただきたいと思いますが、速急にできますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣・外務大臣臨時代理

○池田(勇)国務大臣 三役と両医師会との話し合いは、もう私と同様に、あるいはそれ以上滝井さんは御存じのようでございます。疑問の点につきましてはただいまお答えした通りでございます。ただ私ここで言っておかなければならぬのは、公労委の裁定によりますと、数字はすぐ出ます。しかし医療関係のものにつきましては、医療協議会で単価の問題その他いろいろな点を審議しなければ出ない。一円を上回るというそれをきめなければ出ない。それをきめるのは何かといったら、やはり医療協議会におきましてお医者さんや被保険者の方とも相談してきめなければならぬ。それで数字が出てくるのでございます。従いまして、公労委の裁定があったらすぐ大蔵省や関係各省がはじいているというようなわけにはいかないのであります。なるべく早く医療協議会を開いてきめるようにいたしたいと思っておりますが、その辺の事情が違うところを御了承願いたいと思います。  党と三役との関係につきましては先ほど来お話し申し上げた通りでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 池田総理は少し経緯を御存じないようです。実は今度の予算を計上するにあたって、厚生省が一割というものを計上しておるわけです。これは厚生省の言によれば、日本における一番確実な、全国的に一番精密に調査した統計に基づいて出したものでございますからこれは間違いございません、というのが古井さんの発言です。医療協議会というものは、厚生省の案が出てそこで議論するだけで、数字の調査はない。こういうものは客観的な基礎調査がないとなかなか出てこないものです。ところが現在日本には二十七年三月の調査と十月の調査しかないのです。問題はここなんです。池田さんはお知りにならぬからそういうことをおっしゃるけれども、医療協議会は詳しい数字を持っていないのです。二十七年三月と十月の調査は検討済みです。これは医療費体系を作ってわれわれが検討した数字なんです。だから三役が政治的にやらなければならないところに追い込まれたわけです。医療団体がその数字を信用しないのです。そういうことがあったということだけは私はあなたに言っておきます。できるだけすみやかに御検討になっていただいて、向かう方向だけは示していただきたい。これだけを要望しておきます。これ以上答弁は要りません。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 八木一男君。  八木委員に申し上げますが、大蔵大臣はどうしても五時から行かなければならないところがあるそうでございますから、大蔵大臣に先にお願いいたします。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 社会労働委員会の理事会で固い約束がありまして、社会労働委員会が要求したものは、総理大臣といえども大蔵大臣といえども必ず出席させる。そうして国会の審議は一番重要なものであるから、ほんとうに外国の大使が来るとか、そういうのっぴきならぬもの以外には、ほかの会合があるから早く帰るとか、出てこないということは許されないということを委員会で決定したはずであります。そこで委員長は、その点で、用事があるからというような不確定な、用事の内容がわからないことで大蔵大臣を帰そうとするようなことは、これは委員会の運行上よくないと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本委員長 八木委員に申し上げますが、大蔵大臣は、参議院の予算が大詰めに参りましたので、そのお打ち合わせを五時を限度としてなされなければならないという明確な用事がございます。よって、委員長はそれを了承いたしておりますので、それを八木委員にお伝えしたのでございますが、なお少々の時間は八木委員に最大の敬意を表して、大蔵大臣が多少残られるそうでございます。参議院の予算の打ち合わせの方へは今どなたか使いをやっていただきますから、どうぞ御継続願います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 今の委員長のお話で了承いたしましょう。ただ、きょうは予算の大詰めだという理由があるから私もわかりますけれども、大蔵大臣に質問しますが、今後社会労働委員会から出席要求があったら、喜んで、いそいそとして必ず出てこられるということをお願いしたいと思いますが、それについての御答弁を願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 承知いたしました。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大蔵大臣は、政府のいろいろの施策をするにあたりまして、政府の方で法的根拠を持った各審議会、そういう審議会の意見を重んじなければならないということを考えておられると思いますが、これについて答弁を願います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 運用の場合、大体原則として各審議会の意見は尊重してやっていく方針であります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 社会保障制度審議会という、審議会があるということはもちろん御承知だろうと思いますが、そこの昭和三十一年度の医療保障勧告、これは、社会保障制度審議会で約一年にわたりまして、何十回も論議を経て、延べ何百時間の論議を経て出した勧告であります。その勧告の中の結核についての条項があるわけでございますが、それをちょっと読んでみます。その部分だけ読みます。「ところで結核については、その病気の特質からいって、予防、医療、再発防止など資金的にも行政機関的にも一貫した体系のもとに強力な施策を集中的に行なうのでなければ十分な効果を発揮できないのであるから、この際思い切って膨大な経費を投入し、これが撲滅に強力な一つにまとまった施策を行なうことが必要である。しかもこのことによってのみ所要経費を漸減し得て、将来の国民の負担を著しく軽減することができるのである。」という文言がありますけれども、それについてお読みになったことがありますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 その答申案はまだ読んでおりません。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大体歴代の大蔵大臣が非常に不勉強で、なまけておりますから、今の大蔵大臣が特にけしからぬというわけではありませんけれども、この社会保障制度審議会の答申、勧告というものは内閣自体に尊重義務がある。   〔委員長退席、藤本委員長代理着席〕 そうなれば、内閣の閣僚はすべてやはり読んでおいていただかなければいけないと思う。それを読むようなことをしないから、ことしの社会保障の看板がへっこんでしまうというようなことが起こるわけです。社会保障制度審議会の設置法の第二条の第二項に、内閣はこの答申、勧告を尊重しなければならないということがれっきとして明記されているわけです。ところが、その内容と非常に関連の深い財政担当の大臣が、読んだこともない、聞いたこともないというようなことでは、それは尊重されたことに全然ならない。水田さんが特に悪いというわけではありませんが、歴代の大蔵大臣がてんでだめなんです。これからでもおそくはありませんから、この精神を体得して、法律に違反しないように、自民党内閣は尊重義務に完全に六年間違反しているのですから、違反しないようにしっかりやっていただく必要があると思う。すぐしっかりやっていただいたならば、私どももそう追及はしません。しかし何やかや、財政上とか、予算がきまったとかへったくれとか、そういうようなことを理由にやらないようなことを言われたら、内閣全体を追及しなければならないことである。この勧告の精神について、さっき私の申し上げたことと似たことでございまするが、十分におわかりになったかどうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 その答申が出たとき等において、答申の説明は全部政調で聞いたことはございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それではなぜそれについて努力されなかったのですか。または、厚生大臣がぼやぼやした法案を出したら、なぜ厚生省はお前の所管なのにこんなになまけているのかというような意見をお出しにならなかったか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 社会保障制度審議会の答申も、結局は今後の方向、施策を示したものでございまして、これを一年間にすぐ全部実施しろとかいうようなものではございませんので、その方向で社会保障制度を強化していくということは私どもも考えておるところでございますし、ことに結核の問題については、そういう方針で漸を追って私どもは対策していきたいと考え、たとえば本年度の予算を見ましても、今までに比べて五〇%以上の増額をしているというふうに、財政力とにらみ合わせて、徐々にそういう方向へ進んでいきたいと思っております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 これは大蔵大臣をあまり追及するのは気の毒なくらいで、今のことについて厚生大臣はどう考えるか。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 大蔵大臣の方には、一体尊重するのか再考するのかという大蔵大臣のお考え方をお聞きになったと思いますが、私どもは、審議会の答申を百パーセント、実現していきたいという考えであります。そういう考えで極力今までもやっておりますし、やっていく考えでおるのであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 厚生大臣は、大蔵大臣の今おっしゃったことでちょっと変なことに気がつきませんか。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 あまり変でないと思って聞いておりましたので……。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 あげ足は取りませんが、教えてあげますけれども、一年でできないから長年でやられるというけれども、大蔵大臣、これは困るのです。この勧告が出たのは、さっき言ったように昭和三十一年ですから、もう六年たっているのですよ。ですからぼちぼちやるというような弁解は許されない。あなたは専門家じゃないから、けしからぬというようなことはどなりませんけれども、そういうことです。厚生大臣がそんなことに気がつかないのでは困る。これは六年前の勧告ですよ。そこで、結核の問題については、今のように濃厚感染源というような縛り方をして金の出し惜しみをするのじゃなしに、すべてについて公費負担をしなければならないということは六年前に出ているのです。厚生省は今度どういう原案を出したのですか。ただ原案について大蔵大臣は大なたをふるわれたのか。原案自体がみみっちいものであったのか、お答えを願いたいと思います。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 結核について全部公費負担をやるという考え方は確かに一つの考え方だと思うのであります。で、予算を編成するにあたりましては党の方ともいろいろ論議をした結論が、結核についてはこの線からはずすというわけではなしに、しかしながら給付率を引き上げるとか命令入所の問題を解決するとか、そういうことをこの際やろうじゃないかという結論になって、それを今度予算化して実行するということにいたしたわけであります。それは党と論議をして、意見を交換して、この際の措置としてこういうことで行こうということにいたしたわけであります。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そうなると、大蔵省よりも厚生省の方が実にけしからぬですよ。厚生省はこれを知らないはずはないのです。濃厚感染源だけで事足れりとするのでは、厚生行政などというものは社会保障を捨てたものだと言わざるを得ない。それから国民健康保険については七割の国庫負担をするようにということは、これも六年前の勧告です。社会保障制度審議会の今までの慣例をごらんになりますと、非常に一生懸命作って勧告をした。ところが、大体自民党の政府はなまけ者が多いので、勧告の十分の一くらいしかしない。十分の一くらいなものにちょっとプラスする法案が出たときにはばかに大人の気分になって、また次官の人たちも委員におるのでばかに弱くなって、おおむね妥当と思われる、もう少し早く進めるというくらいの抽象的な文句を使って一応了承するという答申を出すのが普通です。ところが、国民健康保険については、そのように政府にとっては非常に温情的な社会保障制度審議会でも、このときには、家族についても同じように七割しなければならないということを出したのです。六年前には、政府がなまけたという観点にあまり立たないで、勧告では必ず七割にすぐしなければならないということを言っておるわけです。それが今、一家の主人だけ七割というようなことではあまりに情けないと思うのです。厚生大臣は腰抜けですよ。大蔵大臣は今まで知らないでしょうが、厚生大臣がほんとうにそういうことを説明すれば、水田さんだって社会保障の方の効用を考えないことはないと思うのです。原案をちゃんと出して説明すれば通るわけです。池田君はどういう人か、きょうは時間の関係からわからなかったけれども、そう根っからの悪人でもないと思う。両方が声をそろえてやれば通るわけです。そういう点で、厚生省の施策は非常に手ぬるいと思う。今度非常に財源が多かった。池田内閣の一枚看板と称しておるのが社会保障である。そのときにこのくらいの程度では、伸びるチャンスを失してしまって非常に伸びにくくなる。そういう点で非常にいけないと思う。これからでもおそくないから、これを直さなければならない。そのときに国会の正しい論議、これは自民党の方の中にも社会保障に熱心な力がおられるから、そういうことは賛成だと思いますが、その正しい論議をするときに、それがいろいろの予算に縛られておるから、あるいは法律案が出てしまっておるから動きがつかないというのでは何もならないわけです。それを池田君に聞きたかったけれども逃げてしまったから、あしたでも、その次にでも聞きますが、きまったから一つも動かせないというのなら、国会などない方がいい。めんどうくさいだけで、実質上の独裁であります。選挙を終わったとたんに池田君なり自民党に独裁をゆだねたことになる。国会の論議で法律なり予算が変わるというところに国会の意義がある。最高機関が今は、実質上恩義がないように内閣によって、自民党によって運営されておるわけです。そういう本質的なことについて池田君に聞きたいと思っていたが、これは後の機会に譲るけれども、そこのお二人は国務大臣としてこの国会の審議を重んずるということについてどう思うか、ほんとうに思うのだったら池田総理大臣に、ほんとうに正しい論議についてはそれを具体的にすぐ実現するようにすべきである。予算がきまっていようが、法律案を一回出していようが、そのような考え方に立たなければならないと思う。それについての両大使の明快なる御答弁を願いたい。

古井喜實自由民主党

○古井国務大臣 国会の論議を尊重しなければならぬことはあたりまえで、私どもも一生懸命国会における発言を傾聴して考えておるのであります。毎回の委員会においてもそうであります。ところで、ただいまの具体的な問題につきましては、これは先ほども申しましたように、私が厚生省をあずかってからではありません。その前の問題でありますけれども、予算を編成する当時に党内でも、家族まで同じように七割給付するかしないか非常に論議がありまして、その結果、一応この際は世帯主だけにしておこう、こういうことで今度提案しておるような案になったのであります。問題が論議されなかったのではなくて、さんざん論議をしたあげく、この際の措置としては一応こうなったのであります。私一個は、問題が解決されておる、済んでしまっておるとは思っておりませんが、そういう経過でもありますから、なお国会の御論議を十分伺い、次の段階における問題としてよく検討したい、こういうふうに経過かたがた思うのであります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 今の問題は、これは実は厚生大臣を責めるのは無理でございまして、むしろ責任はこっちにあると思うのです。これは私どもも医療費の負担を、家族に対しても七割実はやりたいと思いました。ところが、今の各健康保険の底のところが不ぞろいで、家族に七割いくといろいろ差しつかえのある問題がございますので、これは漸を追っていこう、最初の出発はやはり世帯主から出発することがいい、ほかに調整をとるのに非常にむずかしい問題がございましたので、そういうことから厚生省と十分な話し合いをしたということで、かたがた結核関係の費用を見ましても、昨年百九十二億円、今回九十四億円ですか増額して二百八十何億ということで、いろんな振り合いから考えましても結核対策費というものはことし五二%の増加でございますので、いろんな政策の均衡上からも、これは初年度はここから出発して、次に解決する問題にしようということで、厚生省とも相談して、そういうふうに相談がきまったというわけでございます。厚生省は最初から、これは家族も七割ということにしてくれという強い要求がございましたが、そういう事情で今年度はそうきまったということでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 大蔵大臣にもう一問だけ伺いますが、先ほどからゆっくりとお話ししたがったけれども、時間がないからあわてて話しておるのですが、大蔵大臣は頭がよろしいと思います。熱心に聞いておられるからおわかりだと思いますが、社会保障の問題は、大体その年の財政支出の問題だけで考えるという悪いくせがある。そうでなしに長い目の財政という観点から考えたら、社会保障費は削るべきではない。むしろ大蔵省が将来の財政のためにたくさん出すという主張をされてもいいくらいなんです。それからもう一つ、これは大蔵省は財政を持たれておりますが、全体的に経済に関係があります。経済の問題に先ほど言ったように非常に大きく関係がある。ところが、大蔵省では財布の出し入れだけを考えておるのか、近視眼的にごくことしのことだけしか見ないわけです。そんなことではほんとうの財政運用にならないし、経済関係の閣僚のほんとうの態度ではないと思うのです。そういう点をよく考えられて、そうして厚生省が言って来られたことは——古井大臣は熱心ですが、今までの厚生省の各局は毎年押えられていくじがない。もっと大きな声で言わなければならないのを、百のうち六十くらいをおそるおそる言うというように、非常にいくじがないのですから、厚生省の言っていることは大蔵省は三割ほど増してやって妥当なところだというような勢いで、そういうような考え方でやっていただきたい。それから国会の論議で、いろいろな問題について、おそらく与党の方は財政上とかなんとか言われますけれども、与党の方の中にも熱心な方がおるから、また最小限度のことを今年度において実現したいとか、何かそういう場が出てくる、そのときに大蔵大臣が異議を唱えると、熱心な国民代表の審議がそれでだめになってしまって、実を結ばないことになる。そういうときに大蔵大臣は断じてとやかく言わないということにしてもらいたい。その点について、ぜひ社会保障を進める意味において大きく目を開いて、そして国会の論議を尊重して、一少さい財務当局の目でそれをチェックするようなことは今後しないということを明確にお答えになっていただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 お言葉は承知いたしましたが、私どもも政策の重点をどこへ置くかということで、重点をつけた予算編成をやっているわけでございまして、今度は社会保障ということに大蔵省も非常に力を入れたつもりでございます。最近私は各委員会にみんな呼び出されますが、どこへ行っても大蔵省が悪い敵になってしまって、なぜもっと予算をもらえぬかと、各委員会で全部あなたの言われるように怒られるのですが、その調整をとるのが財政当局でございまして、これはもうきのうも話が出ましたが、電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのも、みんな財政当局が悪いということにされておるようでございます。私どもはただまんべんなく要求予算を盛るということでは、国家財政との調整がつきませんので、やはり予算編成は重点的にやる、今回の場合は社会保障費の問題には私どもは思い切った、画期的な予算を盛ったつもりでおりますが、今後合理的な強化策というものについてはさらに私どもも善処するつもりでおるのでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 答弁が、質問に対しての答弁になっていない。そういたしますと言えばそれでおしまいだったのだけれども、そう言われないから……。財政当局としてバランスをとってというのは、財政当局の常識語なんです。それで答弁をされたのじゃ何にもならない。さっきから私は割に率直に、単刀直入に言うことを言ってしまっている。伏線をしいて答弁させて、それにひっかけてなんというようなことはしない。だから聰明な大蔵大臣はすぐわかって、率直な答弁をいただけると思ってそう言っているわけです。さっきからの経過でわかっているように、社会保障についての認識は、大蔵大臣は、今までの大臣よりもいいかもしれぬけれども、十分じゃないということを自覚になったと思う。社会保障の経済的の関係、財政的の関係、そういう観点で今まで査定をされているのであるから、今後そういうものについては、普通のバランスじゃなしに、今までのあやまちは改めるという意味で、そういう点に重点を置いて考えるという返答でなければいけないと思う。  それからもう一つ、与党の方は党に対しても熱心であり、社会保障に対しても熱心である、その与党のいろいろのとりきめがある、財政上のとりきめがあっても、しかし社会保障についてはやはり最小限度これだけはということで与党の方が思われたら、これは与党の制約がありながらそういうことが出たということであれば、実に重要なことであって、その重要なことについて形式的なバランスというか、形式的なことでチェックをしない、そういうようにしていただきたいということであります。それについて御答弁を願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 だから今申し上げましたように、各委員会ではいはいと言ったら、なかなかこれはむずかしい問題ですから、政策の均衡をとってというまくら言葉だけはどうしても私に言わせていただかないと困ります。そのまくら言葉を承認していただいた上で、社会保障には重点的な配慮をするということだけは、私もそう考えております。

藤本捨助自由民主党

○藤本委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十五分散会

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