社会労働委員会 第19号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/28
会議録
○藤本委員長代理 これより会議を開きます。 先般、大辻炭礪における炭鉱災害及び労働者災害補償に関する調査のため、現地に委員を派遣いたしましたので、この際派遣委員より報告を聴取することにいたします。井村重雄君。
○井村委員 九州大辻炭礦坑内火災による災害事件に関する委員派遣調査の概要を御報告申し上げます。 去る三月十六日、福岡県八幡市香月所在の大辻炭礦株式会社新大辻坑において発生した坑内火災による災害及び労働者災害補償に関し、五島委員、本島委員及び私の三名は、商工委員会派遣委員とともに、去る三月十八日現地を調査するほか、関係労使の代表者及び出先関係官庁より、それぞれ詳細な実情と意見を聴取いたして参りました。 大辻炭礦株式会社(代表取締役貝島太市氏)は、労働者数約千二百名、高江坑及び新大辻坑の二つの石炭坑を操業して、出炭量月産約一万九千トン、年間二十万トン以上の実績を有し、今日まで保安その他に関し数回表彰され、経営状態も順調であり、この種中小炭鉱としては比較的その経営がよろしきを得ておったのでありますが、今回災害の発生した大辻炭礦は、その人員、出炭量とも約その三分の一を占めておるのでございます。災害は、三月十五日乙方七十七名の鉱山労働者が入坑し、その作業中、十六日午前一時三十分ころ坑口より約九百三十メートルの地点にある名前第二巻卸の百馬力コンプレッサー室に火災を発見、入坑中の作業者を同日三時ごろ全員退避させたのであるが、その間鉱業所長以下状況調査のため二時十五分ごろ入坑し、消火作業に従事いたしたのでありますが、消火作業はおおむね順調に進行したるごとく、四時三十分ごろまでに明朝一番方入坑を十時に延期されたいという連絡があったほどでありますが、その際二十三名の微軽傷者を出したほか、五時十分ごろ酸素の発送を指示する坑外への電話連絡を最後に突如連絡が絶たれたのでありまして、職員十八名、労働組合幹部三名、鉱員五名、計二十六名が行方不明となったのでございます。 救護活動は、周辺炭鉱の応援隊を得て残存鉱員とともに救護隊を組織し、同日四時五十分ごろより直ちに開始されたのであります。大根土第二巻卸において罹災者二名を発見したのでありまするが、救護隊はガスにはばまれてこれを収容することができずに引き揚げ、次いで七時二十分ごろ二回目の救護隊が進入したが、煙が多く探検は不可能の状況にありました。自後約百二十名の救援隊によって各種の対策を講じたのでありますが、悪性ガス充満のため作業は意のごとく進まず、最悪の状態に陥ったのであります。その後坑道の密閉、ガス排除に努力の結果、当委員会の現地調査の直後、十九日午後二時、さきに述べた二名の罹災者の遺体が収容され、さらに二十一日に至り残る二十四名の遺体を確認、搬出されたことはすでに御承知の通りであります。ここに各位とともに罹災者並びに関係者に深く弔意を表する次第でございます。 この災害その他については今なお詳細は不明でありますが、目下関係官庁において鋭意究明中でありまして、間もなく判明することと存じます。また労働者に対する災害補償についても、現地調査の時点においては救護作業に全力が集中され、いまだ遺体の確認されていない状況であったのでありまして、具体的には示されないのでございますが、今回の罹災者の大半が幹部職員をもって占められておりますので、平均賃金算定の上支給される補償は、相当高額なものと存ずるのであります。 なお炭鉱災害の現状調査の結果並びに現地保安監督職員と詳細懇談の結果、今後検討を要する点としては、さきに本委員会の上清炭鉱坑内火災事件に関する派遣委員報告が指摘する保安教育訓練の措置、最新の科学技術を取り入れた保安施設の普及徹底、鉱山保安行政の強化、特に措置命令のなされた場合にその命令が迅速に厳守されることはきわめて必要であると考えたのでございます。この際、相次ぐ炭鉱災害の発生に対処して、鉱山保安に関する総合的な対策を立法及び行政の両面より早急に検討する必要があろうかと思慮された次第であります。特に人員、機材の僅少なる中小炭鉱においては、共同的な救護隊の編成がきわめて必要であることを論議されたことを申し添えまして、報告を終わる次第であります。 ————◇—————
○藤本委員長代理 次に、最低賃金法案を議題とし、審査を進めます。
○藤本委員長代理 まず提案理由の説明を求めます。五島虎雄君。
○五島議員 私は日本社会党を代表いたしまして、最低賃金法案の提案理由を説明いたします。 本法案を提案いたします理由は、第一に、現行最低賃金法が非常に致命的な欠陥を示していること、第二に、社会党案が最低賃金制の本来の精神に立脚するものであること、この二点にあるのであります。 第一の理由を具体的に例示してみますと、大体五つの点に要約できると思うのであります。 一は、現行法が労使対等の原則を否認しているということであります。 ILO第二十六号条約を見れば明らかなように、最低賃金制の運営にあたっては、労使が対等の立場で参加することを規定しております。最低賃金制というものが、労働者の最低生活を保障しようということにある以上、このILO第二十六号条約のいうところは当然守られねばならないものであります。しかるに政府はなおILO第二十六号条約も批准せず、従って現行最低賃金法がILO条約に違反し業者本位に運営されているという致命的欠陥を露呈するに至ったのであります。 二は、現行最低賃金法の運営の実績を見ますと、最低賃金額を算定するにあたって、労働者の生計費が全く考慮されていないという欠陥であります。現行最低賃金法第三条は「最低賃金は労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない」と規定されております。この規定は、最低賃金決定の基準として国際的通念となっている三原則、すなわち、労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払い能力の三原則を総合的に勘案すべきことと一致しておるのでありまして、この第三条の規定そのものは別としまして、この第三条の実際の運営面に大きな欠陥が露呈されていることに問題が存するのであります。 それは、最低賃金額を実際に決定するにあたって、企業の賃金支払い能力が優先的に考慮されているという実情であります。こういうことになる根本的な理由は、監督行政機関に必要な予算が確保されておらず、従って当局が適切な指導、監督ができないこと、従って費用の面で業者におぶさる結果、業者の都合のよい調査がされ、都合のよい資料が作られ、その業者本位の資料によって実際に最低賃金額が決定されることになるわけであります。つまりこういう業者本位の資料によっては、企業本位の考慮が優先し、労働者の生計費が無視されるに至ることは当然のことであります。このように、現行法の運営が実際には法の規定に違反し、労働者の生計費を考慮せずに最低賃金額の決定がされてきているのでありまして、これはまことに重大な問題であると言わざるを得ないのであります。 三は、現行法が労働者の組織化を妨げる役割を果たしているということであります。周知のように、諸外国の最低賃金法制定の動機を考えてみますに、一つの大きな動機として、労働者の組織化の促進ということがあげられているのであります。この諸外国のことと考え合わせましてわが国の現行最低賃金法の運営を見ますとき、全くこれと逆行する傾向を示していることが明示されているのであります。たとえば、大企業労働組合が高賃金の労働協約を結び、その協約下に未組織の労働者を組織しようと努力している最中に、業者間協定を結んで労働者の組織化の努力を水泡に帰せしめるということ、これはまことに遺憾なことでありますが、事実としてあげられていることであります。もしこのようなことがたびたび行なわれるに至りますれば、事はきわめて重大でありまして、われわれはこれを無視することはできないのであります。本来、労働行政の目的は、労働者の組織化を育成し、それによって労働者の生活向上をはかることにあるのであります。この労働行政本来の目的に違反して現行最低賃金法が運営されている限り、私どもは根本的立場から現行法の廃止を要求せざるを得ないのであります。 四は、現行の最低賃金制が最高賃金制化しつつあるということであります。このようになる理由は、現行の最低賃金協定が、過当競争の排除と求人難の打開ということに基づいて決定されている実情の中にあると思うのであります。過当競争を排除するために業者が協定し、一定の賃金以下は支払ってはならないことを決定はするが、一たんその事態を排除すれば、この決定した最低賃金額が標準賃金として固定化し、結局頭打ち賃金としての作用を持ってきているのであります。このことは、現行最低賃金額が業者本位にきめられている結果当然のことでありまして、このような事態が一般化していく傾向を私たちは深く懸念するものであります。 五は、現行法が右のような欠陥を持ちながらも運営されていくことは、結局全国一律の最低賃金制は成立し得なくなることであります。 右の五点はごく大まかに見た現行最低賃金法の欠陥でありますが、このような欠陥を持つ最低債金法は、むしろわが国の低賃金構造の維持に役立つものでありまして、私どもの容認し得ないものであります。なお、現行最低賃金法成立以後の施行状況を見ますと、昭和三十六年二月末現在で賃金最低額を定める業者間協定の締結数は四百九十五件、適用使用者数四万七千人、適用労働者数は七十九万人であります。このうち、最低賃金法第九条業者間協定による最低賃金決定方式による最低賃金の決定状況を見ますと、二百七十九件、その適用者は使用者で二万七千人、労働者五十万九千人であります。この実態から見ますと、現行法は雇用労働者全体のきわめて微少の部分にしか適用されていないわけでありますが、これは実質的に現行法が低賃金構造には一指も触れ得ず、かえってその維持の役割を果たしていることを示すものであります。こういう見地に立ちますとき、私どもは現行法を廃止し、本来の意味の最低賃金法を成立させるほかないと考えるわけであります。ここに日本社会党があらためて最低賃金法案を提案し、わが国の低賃金構造を打破し、健康にして文化的な生活を実現しようとする意図があるのであります。 次に私は、日本社会党提案の最低賃金法案の目的と、法案の内容について申し上げたいと思うのでありますが、まず第一に、その目的は、わが国の低賃金構造を打破し、労働者に対して憲法第二十五条に規定する「健康で文化的な最低限度の生活を」営ませることにあるのであります。 周知のように池田内閣は、所得倍増論を宣伝し、好況を謳歌しております。しかしながらわが国の実態を見ますときに、最低限の生活すら保障されない貧困者が一千万人も存在しているのであります。これを賃金の面から見ますと、最低限の生活をするに必要な賃金すら得ていない不完全就業者が八百万人もいるのであります。池田内閣は日本経済の繁栄を謳歌しながら、社会の最下層に呻吟するこれらの貧困者、低賃金労働者に対して、何ら救済の措置を講じていないのであります。これは道義的に見てもきわめて問題でありますが、このような低賃金労働者を一掃しない限り、わが国の全般としての賃金水準の上昇はあり得ないのであります。こういう実情に立つとき、この低賃金構造の打破のためには、全国一律の最低賃金制がまず必要であり、これなくしてはわが国の賃金実態を正しい方向に向けることはできないと思うのであります。 要するに日本社会党の最低賃金法案は、日本の低賃金構造の実態に目を向け、その構造打破が急を要するとの観点に立つとともに、またILO第二十六号条約の精神をもくんで提案されたものであります。 次に私は、おもな点について、法案の要旨を説明いたしたいと思うのであります。 第一に本法案は、労働基準法第二十八条第二項に基づいて作られたものであります。御承知のように、現行法が成立の際、第二十八条は修正され第二十九条から第三十一条までは削除されています。社会党案は附則において、労働基準法第二十七条を削除し、第二十八条から第三十一条までを修正して復活しておりますが、その意図は次の点にあるのであります。すなわち、労働基準法の最低賃金の規定は、憲法の精神を受け継ぎ、労働者の最低生活を保障すべき立場から作られたものであります。しかるに政府は、この憲法の精神を無視し、労働基準法の最低賃金規定を骨抜きにした現行最低賃金法を作ったわけでありますが、私どもは、現行最低賃金法は、憲法、労働基準法の精神に違反していると信ずるものであります。ここに私どもが、憲法、労働基準法の精神に沿った、正しい意味の最低賃金法を提案する理由があり、労働基準法第二十八条から第三十一条までを復活させたものであります。 第二に、最低賃金額決定の基準を、生計費、一般賃金水準その他の事情を考慮して定めることにしました。 第三に、雇用されている労働者は、原則としてすべて一律に一ケ月最低八千円を保障されることにしました。 第四に、最低賃金の定めを含む労働協約が一定の地域の事業の大多数の労働者によって結ばれた場合、この協約をその地域の他の同種の労働者にも拡張適用できる道を開いたのであります。ここで一定の地域とは全国または府県、あるいは一行政上の単位をも含むものであります。 第五に、この協約の拡張適用の場合、適用を受ける力の労使に異議申し出の権利を認めたことでありますが、この異議申し出が賃金審議会に認められた場合、その意見に基づいて一年の猶予と、一年の範囲内で別段の定めをすることができることにしました。 第六に、本法案では中央賃金、審議会に勧告権を与え、スライド制を規定し、労働大臣がこの勧告を受けたときは、必要な措置を講ずべき義務を規定しました。 以上はごく概略の本法案の内容説明でありますが、何とぞ慎重審議の上、本法案を御採決あらんことを望むものであります。(拍手)
○藤本委員長代理 本案についての質疑は後日に譲ることにいたします。 ————◇—————
○藤本委員長代理 次に、失業保険法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。 質疑に入ります。河野正君。 〔藤本委員長代理退席、柳谷委員長代理着席〕
○河野(正)委員 このたび提案されました失業保険法の一部改正が、最近における日雇いの賃金の実情にかんがみて、生活の安定をはかる、こういう方針につきまして、私ども全く同感でございますけれども、しかしその内容におきましては、いろいろまた私どもなりの意見がたくさんあるわけです。そこで、そういった日雇いの生活の安定をはかるということが目的でございますけれども、基本的にはやはりそういう失業者をなくすということが当然大きな使命でなければならぬというように私ども考えておるわけでございます。特に私どもが最初に率直な意見を承っておきたいと思いまする点は、今日の池田内閣が考えておりまする貿易の自由化、あるいはまた目下問題になっておりまする農業基本法、こういう政策の推進によって、だんだんと大量の失業者を出すのではないかというような一つの危惧がありますることは、もうすでに当局の御承知の通りであります。そこで私は、なるほど本法案が多少でも生活の安定をはかるという意味において貢献することについては異論ございませんが、しかしやはり根本は失業者をなくしていかなければならぬ、しかも今の池田内閣の政策によって、今後失業者が多発するというふうな危惧もあるわけでございますから、まず私はこういう問題を解決するためには、そういう抜本的な問題を解決して、そうして失業対策の万全を期していかなければならぬというふうに考えるわけでございますが、一つその辺に対しまする御所見をまず承っておきたいと思います。
○堀政府委員 今回の失業保険法改正案の趣旨は、ただいま先生御指摘の点を含んでおるわけでございますが、私どもはこれと並行いたしまして、もとより失業者に対する救済、離職者の援護という問題の根本的解決をはかっていかなければ、問題は基本的に解決しないという点につきましては、先生の御意見と同じでございます。 最近の雇用情勢は、一般的な景気の好調の影響を受けまして、全体としてはおおむね順調に推移しておるわけであります。この一年間に、たとえば各企業におきまするところの雇用者は約一割をこすような増加を示しておるわけでございます。また新規若年の労働力に対する求人というものは非常に増加しておりまして、中小企業等におきましては、一部に求人難というようなことすら叫ばれておるような状況でございまするが、その反面におきまして、ただいま御指摘になりましたような産業構造の変化あるいは技術革新というような影響を受けまして、一部に相当数の離職者が発生しつつあるということも御指摘の通りでございます。また中高年令層の求職者につきましては、なかなか職がなくて、依然として求職難の状況である、これも事実でございます。またさらに今後貿易の自由化、その他の進め方が円滑に進みません場合には、同じような傾向がさらに増加するのではないか、このようにも考えられるわけでございます。従いまして、こういう点を解決いたしまするためには、私どもといたしましては、根本的には産業基盤の育成をはかりまして、完全雇用を目ざして進むということにあることはもとよりでございまするが、これと並行いたしまして、現在見受けられておりまするところの雇用及び労働力のアンバランスの状態を是正していくということがどうしても必要ではないかと思うわけでございます。従いまして一部に多量の失業者もしくは離職者が滞留しておるような地域につきましては、特別の措置をいたしましてこれが流動性をはかっていくということでなければならないと思うわけでございまして、この見地から全国の職業安定組織を合理化、近代化いたしまして、そして全国的な視野に立って労働力の需給調整と労働力の流動性促進をはかっていくということが必要であろうと思うのでございます。そうして人手の足りないようなところに余っている労働力を円滑に配置転換さしていくことが必要ではないか、その意味からいたしまして、職業安定組織の拡充強化と並びまして、その裏づけとして、今回雇用促進事業団というものを設立いたしたいと考えまして、法案を提出しておるわけでございまするが、離職者用の住宅の建設あるいは移転する場合の移転費の支給、あるいは転職訓練の拡充とその間における生活援護というような点を中心にいたしまして、労働力の流動性増大と雇用の促進をはかっていく、これによりましてただいま見受けられておりまするような雇用情勢のアンバランスをできるだけ是正して参りたいと思うわけでございます。なお失業保険につきましては、今回は、日雇労働者の賃金が最近相当値上がりしているような情勢にかんがみまして、とりあえずの措置といたしまして、失業保険法の改正を行なうことにいたしたいと考えたわけでございます。根本的なその他のいろいろな問題につきましては、他の社会保険との関連もございますので、現在、社会保障制度審議会に総理から諮問をいたしております。これを待ちまして、さらに将来におきましては根本的な改正も考えて参りたい、このように考えておる次第でございます。
○河野(正)委員 今、局長からいろいろと詳細にわたりまするお答えがあったわけでございますが、それが現実の問題としてどういう形で推移しつつあるか、そういう点が一番大きな問題ではなかろうかというように私は考えるわけです。たとえば雇用者がすでに一割を上回っておるとか、あるいはまた求人がものすごく増加しつつある傾向である、そういうような一つの傾向に対しまするお答えがあったわけでございまするが、問題はそういう一つの傾向というものが現実にどういう形で現われつつあるかということが、私はきわめて重大な点ではなかろうかと思う。特に私どもが心配いたしますのは、冒頭においても御指摘申し上げましたように、一例でございまするけれども、今の農業政策の傾向というものが、中農に対しまして非常に大きなしわ寄せを行ないつつあるというような状態も生まれつつございます。これは私が最近調査をいたしました一つの例でございますが、たとえば福岡県の例をとって申し上げますると、耕作面積三反から五反、あるいは一町から一町五反あたりまでの農家というものはだんだん減りつつある、零細化しつつあるという傾向をたどっておりまするし、一方におきましては一町五反以上の耕作者というものがだんだんと増加しつつある。これは具体的に数字が現われておるわけでございますが、そういうように中農に対しまして非常にしわ寄せが行なわれ、そのために、零細農家に転落をし、あるいは一方においては大地主というものがだんだん増加するというふうな傾向が顕著に現われてきた。そういう形の中から、脱落する離農者というものも非常にふえつつあるわけです。大体福岡県だけでも、調査によりますと、すでに昨年だけで千百十八戸は離農した、こういうふうに言われておるわけです。そうしますと、こういう離農者というものが現実の問題として結局雇用の方に吸収されていけば問題はございませんけれども、これは年令的にも非常に問題がございますし、おそらく失業者の群れに投じていくというような傾向も非常に強いのではないかというふうにも考えるわけですが、そういう点に対しましてはどういうふうなお考えで対処しようというふうにお考えになっておりますか、一つお伺いを申し上げておきたいと考えております。
○堀政府委員 国民所得倍増の計画によりますと、第一次産業部門におけるところの就業者はこの十年の間に大体千四、五百万くらいから一千百万程度に減少するというような推定をしておるわけでございますが、私どもは第二次、第三次産業方面の就業者が増加することは、もとより望ましい傾向であると思うわけでありますが、第一次産業部門におきます就業者が減少するにあたりまして、その間にただいま御指摘のような摩擦が生ずるというようなことは、まことにゆゆしい問題であると考えるわけであります。この点につきましては私ども労働省といたしましては、農林省その他関係各省と密接な連絡をとりまして、その間の対策を誤らないように十分に留意して参りたいと考えておるわけでございますが、その面におきまして私どもの立場から特に留意しなければならないことは、第一番目にこの農業方面から第二次あるいは第三次方面に転換される場合におきまして、その転換を円滑ならしめるために、先ほど申し上げましたところの農村地帯方面におきます職業安定組織というものを強化、拡充いたしまして、配置転換の円滑化をはかるということが必要であろうと思っておるわけでございます。それと同時に職業訓練を積極的に行ないまして、希望者に対しましては職を身につけさしてあげるということによりまして、転換を容易にするということが必要ではないか、このような見地におきまして、私どもはこの十年間に経済の長期計画に対応するような職業訓練の長期計画というものを策定いたしまして、職業訓練を現在よりもずっと積極的に伸ばしていくという考え方を立てつつあるわけでございます。大体この十年間に百五十五万人程度の職業訓練を実施して参りたいと考えておるわけでございます。その方法等につきましては、労使公益、三者構成の職業訓練審議会等にもただいま諮問をして、その御意見を伺っておるところでございますが、要するに職業訓練部門の強化が必要であると思うわけでございます。さしあたり本年度におきましては、一般職業訓練所を農村地帯を中心に十八カ所建設することにいたしまして、農村の二、三男を対象にいたしました転職訓練をできるだけ活発にやって参りたい、さらにその先の問題は、ただいま申し上げました職業訓練の長期計画に即応いたしまして、これを積極的に行なって参りたいと思うわけであります。 なおそれと並びまして、根本的にやはり農村におきまするところの人口をそのまま都会に出してしまうというだけでは非常な摩擦が起きるわけでございますし、農村周辺におきます産業基盤の育成をはかることが必要であろう、こう思うわけでございます。この点は農林、通産両省に対しまして、私ども労働省といたしましては十分に連絡いたしまして、農村地帯における収容力を増大するための産業基盤の育成に努めて参りたい、大体このような三つの点を中心にいたしまして私どもとしては施策を進めて参りたいと考えておるわけでございます。
○河野(正)委員 農村周辺における産業基盤の育成というお話でありますけれども、これは将来育成されるのかどうかわかりませんが、現状においてはその成果は大して見るべきものはなかろう、こう考えるのであります。その証拠には、農村地域におきまする失業者が非常に多発しておるし、またそういう失業者が失対の方に登録しようといたしましても、結局申し込むけれどもなかなか受けつけられぬというような現況も今日多々現われて参っております。そういうところから、大体今局長から御答弁になりましたことは将来の問題だろうというふうに考えるわけです。私どもにとっては、当面農村において多発しつつある失業者をどういうように救済していくか、単に、この失業保険法の一部改正によってある程度保険日額が上がることもけっこうでありますけれども、そういう基本的な問題を解決せずに、こういう法律の改正だけでは私は抜本的の対策には相ならぬというふうに考えるわけでございます。 そこで、やはり職業訓練の長期計画、それもけっこうでございますし、農村周辺におきます産業基盤の育成、それもけっこうでございますが、これは今の時点で非常に不安な状態が現われておるわけでございますから、私はそういう点に対しまする対策を早急に考えていただかなければならぬというふうに考えておるわけでございますから、そういう点に対してどういうふうに対処しようとしておられるのか、その辺のお考えもこの際お漏らし願いたいと思います。
○堀政府委員 長期的には、ただいま申し上げましたような考え方で対処して参りたいと考えております。さしあたりの問題といたしましては職業訓練所の増設をはかっております。昨年実は十四カ所増設いたしました。これは全部新しい年度早々開所する予定になっておりますので、その方面にすみやかに収容できるわけであります。これと並びまして十八カ所の増設につきましても並行してやって参りたいと考えております。 それからただいま御指摘のような農村における人口の滞留及びそれと並びまして、ただいま御指摘のような福岡周辺というような、それ以外の石炭産業の不振あるいは駐留軍関係の離職者の増加というような点もからみ合いまして、失業者及び離職者が多量に発生する、もしくは滞留しておるという地域が現在存在しておるわけでございますから、この点につきましては、さらに全体といたしましてその地域における失業者の援護もはかって参らなければならないと考えておるわけでございます。三十六年度におきましても、このような考え方から、全国的に失業者の多量発生し、もしくは滞留しておりますような地域を失業者多発地域として指定いたしまして、その地域におきましては、公共事業あるいは財政投融資、あるいは一般の失業対策事業、あるいは緊急就労対策事業、あるいは職業訓練というようなものを総合的に集中して実施するという計画を立てて参りたいと考えております。この年度の早々におきまして、関係省と協議いたしまして、次官会議もしくは閣議等におきまして、この失業者多発地域におけるところの総合的な施策について検討いたしまして、そういう点につきましては公共事業あるいはその他の事業をなるべく重点的に実施いたしまして、その間の援護よろしきを得るように、さしあたりの措置としては配慮して参りたいと考えております。 なお、失業保険につきましては、先般の通常国会におきまして、失業情勢の非常に悪い地域におきましては、労働大臣の指定するところにより給付期間の延長措置を講ずることができるということになっておりますので、この措置は新しい年度におきましても同様に進めて参りたいと考えておるわけでございます。
○河野(正)委員 一般的な、一応の御報告がございました。さらに、特に滞留地帯あるいは多発地帯に対する一つの方針というものが今述べられたようでございますが、その中で駐留軍関係の問題に若干触れられておりまするが、この際そういう問題に対する若干の所見を承っておきたいと考えます。 御承知のように、昨年の暮れ、ドル節約に関しまするアイクの指令が出されました。その後ケネディ大統領によって若干修正はされましたけれども、そういう方針に基づく、いわゆるドル防衛と申しますか、この問題によりまして、特に板付、立川を初めといたしますいろいろな基地における人員整理、あるいはまた部隊の統合廃止、軍機構の変更、こういうものが具体的に現われて参りました。私どももそういう点に対して憂慮して、実は昨年の暮れの当委員会におきまして、労働大臣からも若干御所見を承って参りました。その際労働大臣から、アメリカとも十分打ち合わせて、今後そういうドル防衛を中心とするところのいろいろなしわ寄せ、人員整理その他のしわ寄せ、そういうものに対しても、十分打ち合わせをしていきたいというふうな本委員会における御答弁もあったようでございます。その後このドル防衛に基づきまする基地従業員関係の状態がどういう形で推移しておるのか、この点はただいま局長からの御答弁の中に基地関係のお話もございましたし、これはまた今後及ぼす影響も非常に多いと思いますので、その間の事情を、おわかりでございましたら、一つこの際明らかにしていただきたいと思います。
○堀政府委員 ドル防衛に伴いますところの影響につきましては、私どもといたしましても非常に重要な問題だと考えまして、先般の機会に御答弁を申し上げましたように、外務省、調達庁、通産省その他の各省と連絡を密にして、その影響の測定をいたしておるわけでございます。ただいままでのところにおきましては、率直に申しまして、外務省その他調達庁関係におきまして、どのような工合になってそれが具体的に出てくるかというような内容は、まだ判然としておらない状況でございます。ただ、わが国に対する影響といたしまして考えられますことは、在日米軍人軍属等の家族の削減等は、昭和三十七年六月までに漸減的に行なわれるというような方針になっておると聞いておりますし、また各種の域外調達につきましては、すでに三十六年度分の発注が行なわれたものも相当ありますので、さしあたって三十六年度の上期におきます影響は比較的軽微にとどまるのではないか。一般的に申しますれば、以上のような推定をしておるわけでございます。 ただこれが、だんだんと進むにつれまして、御指摘のようないろいろな問題が起こって参ります。この際におきましては私ども労働省といたしましては、その間におきまする労働面からの対策を積極的に準備しておきませんと、いろいろな摩擦が起こると考えますので、今後におきましても関係各省と連絡を密にいたしまして、話がもう少し具体的に進んで参りましたならば、それに対応するだけの態勢はぜひとって参りたいと考えておる次第でございます。
○河野(正)委員 この基地関係の見通しについては、見通しを誤りますと、いきなり失業者の群れにほうり込まれるというようなことで、結局見通しをあやまったために非常に不幸な事態が生ずるわけでございますから、この点は他の職域と違って、考えようによってはかなり十二分な手も打てるわけでありますから、特に重要な点ではなかろうかというふうに考えて実はお尋ねを申し上げたわけでございます。 具体的な点についてはつまびらかにせぬというお話でございましたけれども、現在までの推移を見ておりますと、やはりいろいろな形で人員の縮小あるいは域外調達の停止というようなことがだんだんと現われて参っておるようでございます。これは先般来も問題になっておる点でもございますが、たとえば空軍関係の消防隊の首切り、こういうのは日本人の労働者をやめさせて、そして今度は軍人軍属がそれにかわって消防関係の仕手に従事するというような形でも現われておりますし、また調布におきましては農場を閉鎖するのではないかというふうな問題も起こって参っておりますし、いろいろな形でドル防衛のしわ寄せがだんだんと現われつつあるのではないかというふうな考え方が生まれて参っておるわけであります。そのことが作戦上の都合であるということでございますならばまた別でございますけれども、ドル防衛によってそういう事態が起こってくるということになりますと、やはり政府としても当然考えていただかなければならぬ問題である。そこで一つそういう点に対しまして見通しを誤ることなく対処していただきますことを、私ども強く要望いたしておきたいと考えております。 それからさらに先ほどの局長のお答えの中にありましたから、この際触れておきたいと思いますけれども、それは失業多発地域の指定に関する問題でございます。この地域の指定を、今のようなドル防衛等の問題もございますので、さらに将来拡大される必要があるのではなかろうかというようなことを考えるわけでございますが、その点に対します御所見もこの際一つ明らかにしていただきたいと思います。
○堀政府委員 失業多発地域の指定につきましては、この三月末から四月の初めにかけまして、関係省集まりまして、実際のその作業をいたすわけでございます。それに応じまして、ただいま御指摘のようないろいろな問題点のある地域につきましては、指定をいたしまして、重点的な施策を実施していきたいと考えておるわけでございます。その作業にあたりましては、ただいま御指摘のような点も十分考慮して指定をいたしたい。それから失業保険の延長の指定につきましても、現実に失業軒あるいは離職者の発生状況を見まして、現実に即応するように、弾力的な措置を考えていきたい、かように考えております。
○河野(正)委員 駐留軍関係は特定の地域に限られておりますから、従って、私はこの際ここで具体的な例をあげて承っておきたいと考えますが、地域拡大の中で、福岡、香椎、直方、飯塚等、北九州関係、こういう地域に対しまする拡大の方針、これはいかがでございますか。
○堀政府委員 北九州の地域は、いろいろな情勢が、悪条件がからみ合いまして、失業情勢の悪化している地域と考えております。北九州地区は、そのような考え方で指定をいたしたいと考えております。具体的などこの地域、どこの地域ということにつきまして、ただいまちょっと手元に資料がございませんが、御指摘の点を十分考えまして、善処いたしたい考えでございます。 〔柳谷委員長代理退席、藤本委員長代理着席〕
○河野(正)委員 この際、駐留軍関係が出て参りましたから、もう一点駐留軍関係についてお尋ねを申し上げたいと思いますが、この失業対策の一環として、実は先般も局長にお話し申し上げましたように、タクシー免許の問題がございます。これは特に福岡関係は板付、それから香椎関係がございますので、特殊地域だと思いますが、そこで、私は特殊地域でございますから特にお尋ね申し上げたいと思いますが、その一環として、今申し上げますようなタクシー免許の問題がございますし、それがいよいよ四月の中旬ごろには一応免許に関します当局案が出てくるだろうというような情勢のようでございます。これは炭労の問題もからんでおりますが、この点も、私は将来の離職者対策の問題としてかなり重大な問題であろうかと考えております。いろいろ御尽力はいただいておることと思いますが、さらにこの問題につきましては、臨時措置法の精神にもございますし、基地関係の離職対策の一環として、ぜひ一つ御協力を願わなければならぬと思いますが、この点に対しまして、その後の——もっとも所管は陸運関係でございますけれども、その経緯等について若干、御存じでございますならば一つお聞かせ願いたいと考えます。
○堀政府委員 駐留軍の離職者が配置転換され、あるいは新しく自営業を経営されるということになるわけですが、私どもは、タクシー営業というようなものは駐留軍の離職者に最も適した職業の一つではないかと考えているわけであります。従来からも、各地におきましてこのような御希望のありましたときに、所管は運輸省でございますが、労働省といたしましても駐留軍離職者臨時措置法等の精神に基づきまして、側面的にできるだけバック・アップいたしまして推進をはかって参りたいと考えているわけでございます。最近におきまして、北九州地区におきまして駐留軍離職者の方々のタクシー営業をやりたいという御希望もわれわれ向っておりますので、先般、運輸省の本省に対しましては労働省の本省から要望をいたしました。それから現地におきまして、現地の県の労働部長等にも本省から指示をいたしまして、現地の陸運局長にぜひ善処してもらいたいという申し入れをいたしたところでございます。これと並びまして、三池の退職者にも同じような希望が福岡にありますので、これもぜひ善処してもらいたいという申し入れをしているところでございます。その結果につきましては、目下陸運局でいろいろ検討して作業を進められておりますし、そちらの方の所管のことでございますので、最終的にどうなるか私どもまだちょっと判断がつかないのでありますが、労働省といたしましては全力をあげてバック・アップをして参りたいと考えるのでございます。
○河野(正)委員 その点は私どもも非常に関心を持っておりますし、四月中旬というような最終段階に到達いたしましたので、さらに一つ何分の御善処と御協力をお願い申し上げたいと思います。 それから、私は先ほど農村地帯の問題に触れましたが、さらに今度は炭鉱離職者に対します問題について若干触れてみたいと考えます。御承知のように炭鉱離職者臨時措置法が制定をされて参りましたが、実際その運用の不合理、そういうために実は炭鉱地帯の失業問題をますます深刻化させる、あるいは重大な社会問題に発展させる、そういう一つの傾向というものが現われつつありますことは、先般の委員会におきましても若干取り上げて参ったつもりでございますが、しかし、その後も実際の運用の面で十分な解決が行なわれておらないので、なお問題の発展しつつある点がございますので、そういう問題について若干触れて参りたいと考えております。 御承知のように、新年度の事業費単価が千五十円でございますか、しかし、一般の特失の場合は千二百八十一円でございます。それから臨就が千三百四十六円、こういうことで、実際炭鉱離職者臨時措置法による事業単価が安いためにいろいろと賃金、労働条件に著しい差が出てきている。こういうことから派生的にいろいろな問題が起きつつあるわけでございます。そこで、私どもできるだけこの事業費の予算単価というものを引き上げてもらって——もちろんそれは八百五十円から千五十円に引き上げていただいたわけでございますけれども、しかし、特失、臨就に比べますとなお低い。しかもそれがいろいろ問題を起こす原因になっているということを考えますと、この予算単価というものが、この炭鉱離職者の緊就事業にとりましては非常に大きな問題点になろうかと考えております。そこで、この予算単価の点についてどういうふうにお考えになっておるのか、特に特失、臨就と比較をしてお考えになっておるのか、そういう点に対します御所見を承っておきたいと思います。
○堀政府委員 炭鉱離職者につきまして、ただいま御指摘の緊急就労対策事業を産炭地におきまして実施しているわけでございます。この緊急就労対策事業の趣旨は、炭鉱離職者を広域職業紹介等によりまして、各地に配置転換してもらうという過渡期におきまして、その生活を援護するために、産炭地におきまして、それに適したような事業を実施するということでございます。そこで、昨年度におきまして当初の事業の計画をいたしました際におきましては、特失、臨就等と比べまして事業内容のそれほど再度でないもの、たとえば比較的簡易な道路舗装であるとかあるいは堤防等の補修であるとか校庭の補修であるとかいうような、比較的事業内容が特失、臨就等に比べまして高くないような事業を選定して実施するという方針でございましたために、単価も八百五十円ということになっておったわけでございます。ただ実際やってみますると、そう言いましてもなかなか離職者の集まっておる周辺に適当な事業がない、また昨年一年やりまして、だんだんとそういう場所がなくなって、離れたところで実施せざるを得ないというような批判も出てきましたので、私どもは本年度の予算折衝の際におきまして、重点をこの点に置きまして、この単価引き上げに努力をいたしました。その結果はただいまお話のございましたように、八百五十円を二百円引き上げまして、千五十円ということで単価がきまりましたわけでございます。私どもはただいま申し上げましたような事業の性質にかんがみまして、この千五十円で実施できるような事業を選定してもらうように、各府県当局並びに市町村当局に話をいたしまして、発注をいたしまするように指導しておるわけでございます。今後の問題につきましてはさらに情勢を見まして、この単価の引き上げなどにつきましても、私どもさらに情勢の変化に応じまして善処したいと考えておりまするが、本年度におきましては、昨年に比べまして、現地の御要望からいたしまするとまだまだ不十分な点があるとはいえ、二百円も単価が上がったわけでございまするので、これを活用していただきまして、適した作業を実施するように指導をしてもらいたい、このように考えておる次第でございます。
○河野(正)委員 この予算単価が低いということが、いろいろ問題を起こす一つの原因になっておるということは、これは否定することのできない事実でございますが、その点につきましてはまた経緯を見て十分善処をしていきたいということでございますから、予算関係でございますし、一つ極力善処をしていただくということで、強く御要望を申し上げておきたいと考えております。 それからもう一つは、なるほど比較的事業内容の低いもの、予算単価が低いからそういうことで内容的に補っていくということでございましょうが、しかし実際労働者の賃金が、設計単価としては四百四十五円、それが実際に支払われる場合には、非常に予算単価が低いために、押えて支払う。おそらく当局は実情を御存じかどうか、平均賃金が四百四十五円であるというようなことで御理解になっておるかどうかわかりませんが、実際には予算単価が低いために、六十円から七十円程度押えて支払われておる、三百八十円見当支払っておる実情というものが非常に多いわけです。そういうことがまたいろいろな問題を起こす一つの原因にもなっておるわけです。そこで一つお尋ねを申し上げておきたいと思いまする点は、そういう実態というものを十分当局側で御存じであるのかどうか、それはいかがでしょうか。
○堀政府委員 緊急就労対策事業は、石炭離職者臨時措置法に基づきまして事業主体が業者に発注をいたしまして、請負契約によって実施してもらう。その場合に、その労務者のうちの大部分は石炭離職者でなければならないという条件をつけて、請負に出しておるわけでございます。その労務者の賃金等につきましては、請負業者と労働者との間の話し合いによってきまるという一般原則によっておるわけでございます。従いまして、大体その現地におきますところのPW等を参酌いたしまして決定をされておる。ただいろいろ作業の内容も違いますし、それから事業の種目も違いますので、いろいろその事業々々によっての違いはあると思うわけでございます。従いまして、設計単価が四百何十円というように一率にきまっておるわけではないと考えております。現実におきまして、たとえば福岡等におきましても、いろいろな折衝の内容によりまして賃金がきまっておるわけでございますが、この新しい年度におきましては、一面におきまして事業単価が引き上げられたという関係もございますし、それから福岡管内におきますところのPWというものも改定になるわけでございます。それらの点を参酌いたしますれば、私どもは現在労務者諸君が得ておる賃金よりも、相当高い新しい賃金額が新年度においては労使間できまるのではないか、このように考えております。
○河野(正)委員 実はそこに非常に問題があると思うんですよ。労使間で賃金がきめられるというところに、非常に大きな問題を残しておるわけですね。一般失対の場合はその賃金がきまっておるが、この場合は労使間できめるというところに非常に問題が残っておる。これは実情を見ますと御理解いただけると思いますが、また十分御理解いただいて、将来行政指導をやっていただかなければならぬと思いますが、そのことは実は県あたりで設計単価幾らになっておるかということを問い詰めますと、四百四十五円だ、こう言っておるわけですね。ところが、実際の賃金というものは労使間できめるわけですから、それは一応の設計単価ということです。しからばその設計単価がそのまま支払われるということならば、作業能力は別としても、これは一応問題は解決するわけです。ところが請負事業でやっておるわけですから、県ないしは町村の直営じゃないわけですね。そこで業者が結局賃金を押えようと思えば、幾らでも押えられる。それじゃ困るじゃないかということになるとロック・アウトをやるということで、実は昨年の暮れから現地においてはいろいろ問題を起こしておるわけです。当局は、今の予算市価としては二百円上げたのだから、かなりいい賃金がもらえるはずだとお考えになっておるのですけれども、実際は今言いましたようにその通りいっておらぬ。むしろ業者が利潤を追求する余りに賃金を押えていく、こういう傾向が非常に強い。これにからんで暴力事件等いろいろあります。これは時間もございませんから、いずれ別の機会に述べるといたしましても、現実の問題としては、今申し上げますように、当局が考えておるような賃金が払われておらぬ。そこでなぜ払わぬかというように強く突き上げていきますと、ロック・アウトで対決していくというような形で、実は当局でいろいろと親心は示されておると思いますけれども、現実においてはその方向に実施されておらぬ、そこに非常に大きな問題があるわけです。 そこで私は、この実態というものを十分御理解いただいて、そうして強力な行政力を発揮していただかぬと、せっかく親心は示しても、現実にそれが実施されぬということになれば、何にもならぬわけです。そこできょうは時間もございませんから、いずれ別な機会にいろいろと具体的な例については申し上げたいと思いますけれども、そういう実態というものを十分御理解いただいて、そうして少なくとも、事業内容はいろいろございましょうけれども、設計単価四百四十五円ならば、大体それ相応の賃金を払わせるという方向で、強力な行政指導をやっていただきたいというふうに思うわけでございますが、この点いかがでございましょう。 〔藤本委員長代理退席、柳谷委員長代理着席〕
○堀政府委員 炭鉱離職者臨時措置法の建前が、ただいま申し上げましたような建前になっておりますので、原則を変えるわけには参らないわけでございます。PW等も改定になりますことでございますので、現地におきまして私ども今後実情を、さらに係官を派遣する等の措置を講じまして、十分調査いたしまして、炭鉱離職者の援護の本来の趣旨にこの事業が即応して実施されまするように、私どもといたしましても、ただいまの趣旨を体しまして十分に配意する考えでございます。
○河野(正)委員 それからもう一つ問題がございまする点は、さっきもちょっと申し上げましたように、現在特に中小炭鉱でございますが、次々と閉山、廃山の状態に追い込まれる。そこで失業者というものがどんどんふえてくるわけですが、炭鉱が一つつふれますと、一挙に何百人という失業者が出てくるのです。そういうために、実際失対に入ろうとしましても、申し込むけれども失対に入ることはできぬという実情が非常に強く現われてきているわけです。そこで、そういう際に、なるほど臨時措置法では炭鉱失業者を優先就労させるというようなことで緊急就労対策事業というものが生まれたわけですけれども、実際には入ることはできぬわけですね。そういう実情があるわけです。そこで、そういう場合に、一般失対の適格者であるならば一般失対にも入れる、それから緊急就労に入れぬ場合には、結局先般の委員会におきましても、一般失対の適格者であれば当然一般失対の適格者として入れる、これは労働大臣からも御答弁があったのでございます。それが現実においては、現場においてなかなか実行されぬという実例があるわけです。これは一般の、たとえば特失の場合は、特失で非常に賃金を押えられると、また一般失対に帰ることができるわけですね。ところが緊就の場合は、緊就の今の運営上の制度の問題じゃなくて、現実の問題とすると、緊就だけしか行けぬわけです。行けないというのは、制度じゃなくて、現実の問題としてそういう運営しか行なわれておらぬ。そこで、緊就に行けば一般失対に入ることができぬ、そういうことのために、今度は業者がそこを見込んで賃金を押えていく、そうして結局賃金、労務費からピンはねをして利潤を追求していくという傾向も現われてきているわけです。特失の場合には賃金を押えられると一般失対に帰ってしまう。ところが緊就の場合は行くところがないわけです。制度上はそうなっていないわけですけれども、現実の問題としてそういう運営が行なわれておるので行くことができぬ。そこで、それを見越して業者がますます賃金を押えていき、労務費の中からも利潤を追求していくという傾向が現われてきているわけです。そこで、結局一般失対の適格者であれば、炭鉱失業者といえども一般失対に入れるという方向で指導していただいておかぬと、今言ったように、実際の炭鉱失業者を優先して就労させるという美名で臨時措置法が生まれておりますけれども、現実の運営の中ではいろいろ矛盾があるわけです。そこで、炭鉱失業者といえども、一般失対としての適格者であるならば当然一般失対として受け入れられる、そういう一つの指導というものをやっていただきたいと思いますが、その点は、今申し上げましたように、業者の賃金搾取の問題にもからんでおりますので、そういう方向で御指導願いたいと思いますが、いかがでございまするか。
○堀政府委員 炭鉱離職者の方々につきましては、率直に申しますと、私どもはなるべく一般失対で滞留するというようなことのないように指導して参りたいと考えておるわけでございます。緊急就労対策事業につきましても、大体広域職業紹介でお世話をする、過渡的な問題といたしましてここにお世話をしていくという考え方で進みたいと考えておるわけでございます。ただ、現実の問題といたしまして、おかげさまで炭鉱離職者臨時措置法ができ、炭鉱離職者援護会が発足しまして、広域職業紹介による配置転換も相当進んでおりまするけれども、やはりいろいろな現実問題としては障害もありまして、広域職業紹介がうまくいかない面もあるわけでございます。私どもはそういう考え方からいたしまして、今回雇用促進事業団も設立いたしまして、炭鉱離職者の広域職業紹介の最大の隘路でございました離職者の住宅施設につきましても飛躍的に内容を拡充いたしたいと考えます。またそれ以外のいろいろな事業もいたしたいと考えておるわけでございまするが、根本的には今のような考え方で進めて参りまして、一般失対にはなるべく新しく発生した炭鉱離職者諸君が入らないように仕向けていくということが根本的な考え方であるわけでございます。ただ、その間におきまして緊急就労対策事業に就労する、この場合には現在八割五分は石炭離職者でなければならないという指導をいたしております。これを今後も厳重に指導して参りたいと考えておりますが、その間において一般失対等にも行かざるを得ないというような方々がありましたときには、私どもは県と十分相談をいたしまして善処したいと考えております。ただ、一般的な考え方といたしまして、炭鉱離職者諸君は一般失対にも自由に行けるというようなことにいたしますと、現地で一般失対に滞留する。一般失対事業は、御承知のように、現在炭鉱離職者を抜きにして考えましても、中高年令層の方々が多くて非常に固定化しておるのじゃないか、この点を今後刷新しなければならぬのではないかというような批判もいろいろ聞くわけでございます。そういうような点もございまして、私どもはなるべく広域職業紹介によって配置転換のお世話をするとか、あるいは緊急就労対策事業の方に重点的にお世話をするということで進んでおりますが、その間におきまして生ずるいろいろ例外的な問題につきましては、私どもは県と十分話し合いをいたしまして、ただいま御指摘のような点が発生いたしました場合には善処いたしまするように県と十分協議をいたしまして検討いたしたい考えでございます。
○河野(正)委員 その根本的な考え方なり思想としては、局長のお説の通りでけっこうだと思います。ところが、現実の問題とすると、緊急就労に入ろうと思っても入れぬというような実態もございます。それからまた、さっき申し上げましたような緊急就労対策事業というものが結局業者の請負制度でございますから、そのために、利潤追求のためにいろいろ賃金を押えるという傾向も出てきておる。そういう考え方というものが結局一般失対に行けない。たとえば、さっきも申し上げましたように、特失の場合は一般失対に帰れる、結局業者としてもある程度賃金というものを確保しなければならぬ、こういう思想に立っておるわけです。ところが、緊就の場合には、直営じゃなくて請負事業という関係もあって、そのためにどうも賃金を押えるという傾向が非常に強いので、私どもは、そのことはさらにひいては失業保険に関係してくるわけでございますので、ぜひそういう根本的な方針は方針として、現実の問題としてはやはりそういう面もあるわけでございますから、そういう面についてはそういう指導方針というものをぜひ一つ示してもらわぬと、いろいろ問題を起こして参りますので、その点については局長からも十二分に御配慮をいただきたいと考えております。 時間がございませんから、だんだん結論に入って参りたいと思いますが、御承知のように、今いろいろ申し上げましたことは、やはり賃金の問題でこれは失業保険に関係して参りますから、そういう点からいろいろ申し上げたわけでございます。本法案は生活の安定をはかる、このことを目的といたしておるわけでございますが、しかし実際問題としては、第一級が三百三十円、第二級が二百四十円、第三級が百七十円ということで、なるほど旧来の二百円、百四十円という二段階のときに比較いたしまするならば、これは若干の進歩でありますることは否定するわけに参らぬのでございます。ところが、実際に法律に示されておりまする生活の安定をはかるという目的からいたしますと、三級の百七十円、あるいは二級の二百四十円ということでは、目的から非常にそれておりはせぬかというふうな感じがするわけでございますが、その辺に対していかがお考えになっておりますか。これは非常に切実な問題でございますので、一つこの際御所見のほどを承っておきたいと考えます。
○堀政府委員 今回の改正案によりましてただいまのような三段階を設けました趣旨は、一般の失業保険におきましては、御承知のように賃金の六割を失業の際に確保するという考え方で立てられた失業保険の組織でございます。これに対処しまして日雇い失業保険につきましても、大体収入の六割程度を確保するようにいたしたいと考えておるわけでございますが、この新しい年度におきまして、受給者の平均賃金が約三百九十七円というふうにわれわれは推定しておるわけでございます。従いましてこの三百九十七円の六〇%相当額をとりますと二百三十何円かになるわけでございますが、それを切り上げて二百四十円ということにいたしました。これが中心でございますが、その上下におきまして相当高収入を得ておる人々と、それからそうでない低収入を得ておる人々とがございますので、それに格差を設けまして三百三十円、百七十円といたしたわけでございます。この百七十円等につきましては、非常に低いというような御指摘もあると思いますが、今までが御承知のように百四十円でございまして、これの約二割増になるわけでございます。今後におきますこの新しい制度が実施された場合におきまして、この百七十円に該当する方々は大体全受給者の五%程度にすぎないと考えております。従いましてこういう段階につきましては今後だんだんと整理して、上の方に上がってもらうことになるわけでございます。過渡的に今のような考え方を持っております。それから中心となります第二級の二百四十円につきましては、六割を確保するという考え方からいたしまして、その六割強というところにめどを置いたわけでございます。根本的に、これでも低いじゃないかという御指摘も了解できますけれども、それは失業保険の現在の建前が六割ということでございます。これらの点につきまして、六割ではまだ低いじゃないかというような批判も一部にはあるようでありますけれども、こういう点は、根本的な問題につきましては、現在総理大臣から社会保障制度審議会に他の社会保険とあわせまして総合調整の諮問を申し上げておるところでございますので、それらの結論を待ちまして、私どもはさらに検討して参りたい考えでございますが、とりあえず、そうだからと申しまして、根本的な検討を行なって参りまして、現在日雇い労働者の諸君の賃金が上がっておるのに対して、失業した場合に賃金が六割程度も確保されないということになってはまことにお気の毒でございますし、私どもとしてもそれは労働省当局として怠慢であると考えまして、過渡的な改正といたしまして、現段階におきまして、今の賃金情勢に合わしてその六割は必ず確保するというような考え方でこの法案を作ったわけでございます。
○河野(正)委員 六割という問題は失業保険の根本に関連するわけですから、これは別問題としても、高賃金の場合の六割と、非常に低い賃金の場合の六割とは、同じ六割でも非常にその間に格差が大きいわけですね。私どもが申し上げますのは、なるほど六割であっても、今申し上げますように、百七十円では、法律の精神が生活安定をはかるということに目的があるといたしますならば、どうもこれは人道上の問題にも相なる問題ではなかろうかというふうにも考えるわけです。しかもその実際適用者が五%程度というようなことでもございますし、五%であるから、そういう人は非常に安い失業保険でもいいということにはならぬと思うのです。むしろ私どもは、それが少ないなら、それだけを一級上げていただいて、三段階を二段階にしたらどうかという意見も成り立つと思うのです。いずれにしても、六割という基本的な問題については別問題としても、非常に低い賃金の場合の六割の場合は考慮を要する問題ではなかろうかというふうに考えますので、でき得べくんば、五%程度でございますから、一挙に三段階を二段階に切り上げてしまうというようなことも、将来の一つの課題ではなかろうかというふうに考えるわけでございますが、その点はいかがでございますか。
○堀政府委員 ただいまの私の説明に若干補足してさらに御説明を申し上げますが、今度の三段階制を設けました基準といたしまして、第三級に該当する方は賃金が二百八十円未満ということになっておるわけでございます。従いまして、六割ということだけで計算をいたしますと、二百八十円未満の、かりに二百七十九円といたしますと、その六割は百六十何円になるわけでございます。そこで二百八十円未満の方は、いかに低くても百七十円を確保するということで、二百八十円を下がるにつれましてその支給される割合が非常に多くなってくるわけであります。従いまして、そういう意味で、三段階の方につきましては六割をこえて、低所得者であるから優遇するという考え方を、私どもとしては十分検討して取り入れたわけでございます。この点につきましていろいろな問題が起きるわけでございます。たとえば失業した場合に、今まで働いておったときよりもよけい失業保険をもらうというようなことでは、低収入、低賃金をどうするかという根本問題は別にあると思いますが、失業保険の建前からいたしますと、何か非常におかしなことになることも考えられます。従いまして私どもは、現在の手直しといたしましては、今のような低所得者の方は六割以上の率を相当高く確保するということで、この三級を設けたわけでございます。将来の問題としてはいろいろさらに検討はいたしますが、現段階の六割という考え方からいたしますと、三段階の方は相当優遇するという考え方を入れて作り上げた案でございます。将来の問題としてはさらに根本的にいろいろ検討はいたしたいと思いますが、現段階ではこの程度が妥当ではないかというように考えております。
○河野(正)委員 建前から見れば、今局長が御説明になった通りだろうと思いますけれども、根本的にはやはり賃金が安いということです。この点からも解決していかなければならぬと思いますが、いずれにしても、算定の方法は別としても、百七十円という数字が生活の安定になるかどうかの問題ですね。こういう問題については、十分お考えを願っておかなければならぬというふうに考えるわけです。 それから、時間がありませんから最後にもう一点お尋ねいたしておきたいと思いますのは、算定方法の中の第二級の保険日額の点です。この中に二通りあるわけですが、その一つは第一級の保険料及び第二級の保険料が合計して二十八日分以上納付されている場合、次には第二級の保険料が二十八日以上納付されている場合、これがともにいわゆる第二級の保険日額をもらうことになるわけですね。そうしますと前段の第一級及び第二級の保険料が合計して二十八日の場合、それから後段の第二級の保険料が二十八日の場合、ともに第二級の保険日額というと、若干そこに不合理があるような気がするわけですが、これはいかがでしょうか。
○堀政府委員 その保険料の日額が、平均いたしまして一級に該当するか、あるいは二級に該当するか、あるいは三級に該当するかという点で、差別を設けて処理しているわけでございますが、一級の保険料を全部納めておりまする場合にはもちろん問題がございません。それよりも未満であるという場合には、平均いたしましてやはり一級未満、それから二級以上ということになるわけでございます。従いまして、この場合にはやはり概論といたしまして二級の保険金を支給するということにいたしませんと、保険技術上非常に困難な問題が生じます。そういう意味におきましてこのような算定方法を作ったわけでございます。
○河野(正)委員 この場合、一級の保険料が二十八日以上の場合は問題がないのですね。それから二級の保険料が二十八日以上の場合は問題がない。問題は今言ったように、一級、二級合わせてとにかく二十八日以上、こういう場合が若干、上にもつきがたい、下にもつきがたいという問題だろうと思うのですが、その場合、若干不合理が生ずるような気がいたします。これはちょっと私ども、上に上げてもらえばいいのです、一級にやってもらえればいいのですが、二級に下がっているわけですね。これは上に上がってくれば一級の人から見れば問題がございましょうし、今の一級、二級合計して二十八日以上の人に言わせると、二十八日全部二級の場合に対してはやはり若干問題があろうと思うのですが、非常にむずかしい点だと思うのですが、この辺の処理はいかがでございましょうか。
○堀政府委員 要するに保険金を支給する基準の引き方の問題でございます。いろいろむずかしい問題、技術的な問題があるわけでございます。私どもといたしましては、やはり平均いたしまして一級の保険料にならないという場合には、やはり二級の保険金を支給するということが、保険の反対給付の原則からいたしまして仕方がないのではないかというふうに考えております。なおこの点につきまして労使公益、三者構成の職業安定審議会におきましても、保険の専門の方々が集まっておられるわけでございますが、御審議をいただきまして、これはやむを得ないのではないかというような御意見も伺いましたので、それに沿いましてこのような基準を作ったわけでございます。
○河野(正)委員 労使の方で御了解でございますならば、われわれがいろいろ申し上げる点はないと思いますが、いずれにいたしましても、この法案は若干の進歩でございますけれども、なお基本的にいろいろな問題をはらんでおりますことは、今いろいろ質疑を取りかわした通りでございます。そこで一つ今まで申し上げましたような諸問題を将来も十分御尊重いただいて、善処されますことを強く要望して私の質問を終わりたいと思います。
○滝井委員 関連して。 さいぜん緊急就労対策事業に関連をして、広域職業紹介の制度が確立するまでの一時的な制度として、緊急就労対策事業というものがあるのだという意味の御説明があったわけですが、聞くところによりますと、広域職業紹介で関西方面に九州その他から就職をしていく、それがほとんど帰ってきておるということなのです。相当帰ってきておるのですよ。行くときには援護会やその他を通ずるからわかるわけです。ところが帰ってくるときにはわからないわけですよ、どこも通ってこないのだから。従ってあなた方の広域職業紹介で就職した人の運命が一体どういう工合になっているのかを、私もそれを少し質問したいので、次回までに資料として出していただきたいと思うのです。あの炭鉱の失業者が、緊急就労対策やそれから広域職業紹介、職業訓練ですね、あの法律ができてから一体どういう数がどういう地帯に就職をして、そしてその運命はどうなっておるということを、統計があれば次回までに出してもらいたいと思うのです。
○堀政府委員 広域紹介によりましてどのような業種に就職したかという点は、詳細な報告がありますので御提出いたします。なおその就職された方がその後どうなっておるかという点につきまして、これは正確な資料がないわけでございます。ただ申し上げられますことは、昭和三十四年度におきまして、すなわち昨年度におきまして広域職業紹介によって各地に就職された方が、やめられた数字があるわけでございます。それによりますと、大体これは都会等に出まして、相当勤めて他に転換されたという方々が三〇%強という数字になっております。そのうち大部分の方は、その都会地等におきまして他の産業に就職をされたわけでございますが、帰郷するというただいま御指摘のような理由で退職された方は、その三〇%強の大体三%ぐらいが該当するという数字が出ておるわけでございます。しかしこれにつきましては、実際その一人々々について調べた数字ではございませんので、要するに受け入れ先の業者について調べた数字でございますが、今のような現況になっております。はっきりした資料はございません。しかし広域紹介によってどの方面に就職されたかという点は、詳細な資料がございますので、次回に御報告申し上げます。
○柳谷委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後、零時五十八分散会