社会労働委員会 第15号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/16
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の国民年金法の一部を改正する法律案、通算年金通則法案、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案、八木一男君外十四名提出の国民年金法案、国民年金法の施行及び国民年金と他の年金との調整等に関する法律案、国民年金の積立金の運用に関する法律案、以上六案を一括して議題とし、審査を進めます。 ————————————— 国民年金法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一七号)通算年金通則法案(内閣提出第一四八号)通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一四九号)国民年金法案(八木一男君外十四名提出、衆法第四号)国民年金法の施行及び国民年金と他の年金との調整等に関する法律案(八木一男君外十四名提出、衆法第五号)国民年金の積立金の運用に関する法律案(八木一男君外十四名提出、衆法第九号) 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山本委員長 提案理由の説明を聴取いたします。古井厚生大臣。
○古井国務大臣 ただいま議題となりました国民年金法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 国民年金法は、昭和三十四年の第三十一国会において成立いたし、福祉年金の支給に関する部分は同年十一月から実施されたのでありますが、拠出年金に関する部分は、昭和三十五年十月からその適用事務が開始され、本年四月から保険料納付が開始されることになり、これによってこの制度が全面的に実施される運びになる次第であります。 国民年金制度は、すでに御案内のごとく、社会保障制度審議会における全会一致の答申に基づいて策定されたものでありますが、これに対し、各方面から種々改善の要望が寄せられたのであります。政府といたしましては、すなおにこれらの要望に耳を傾け、関係審議会の意見等をも徴し、慎重に検討を重ねました結果、現段階における国の財政事情等を勘案し、この際実行し得る最大限度の改善を行なうこととし、本改正法案を提出いたした次第であります。 以下、改正法案のおもな内容について御説明申し上げます。 まず、拠出年金に関する事項であります。 第一に、老齢年金は六十五才から支給が開始されるのでありますが、この開始年齢を早めることができないかという希望が強いのにかんがみまして、六十才に達すれば、老齢年金を繰り上げて支給する道を開きたいと考えたのであります。 第二に、保険料の免除を受けるなど、保険料を納めた期間が足らないために、老齢福祉年金しかもらえない人々に対して、新たに特例的な老齢年金を支給する道を開こうとするものであります。これにより、これらの人々は、六十五才から七十才までの間老齢年金を受けられるようになりまして、七十才から老齢福祉年金を受けることと相待ち、低所得の人々に対する所得保障が一段と手厚くなるわけであります。 第三は、祖父が死亡して祖母と孫が残り、あるいは父が死亡して姉と弟妹が残るというような、母子世帯に準ずる世帯に対し、母子年金の例によって、準母子年金を支給しようとするものであります。 第四は、障害年金、母子年金、準母子年金及び遺児年金について、従来これを受けるためには三年以上保険料を納めていることが必要であったのを改め、制度発足時の加入者については、一年以上納めておれば支給が受けられるようにその期間を短縮しようといたすのであります。 第五は、死亡一時金制度の創設であります。すなわち、年金が受けられる年令に達する前に死亡したという場合に、いわゆるかけ捨てにならぬよう、保険料を三年以上納めておれば、その遺族に対して、保険料を納めた期間に応じて、五千円から五万二千円までの死亡一時金を支給するという改正であります。 次には、福祉年金に関する改正について申し上げます。 第一は、拠出年金における準母子年金と同様のことを、福祉年金についても、準母子福祉年金として考えようという改正であります。 第二は、母子福祉年金に対する支給制限を緩和する改正でありまして、現行制度では同一世帯に二十五才以上の子がおれば、原則として福祉年金の支給が停止されるのでありますが、今後は、その子供に一定額以上の所得があるときに限り、支給停止をしようというのであります。 第三は、福祉年金の支給制限について、一昨年の伊勢湾台風に際して制定された特別措置法の内容を恒久化し、災害を受けた場合に特別の考慮を払うことにいたしたのであります。 その他、拠出年金及び福祉年金に共通する改善事項といたしまして、第一に、従前から身体に障害がある者に、拠出制度加入後新たな身体障害が生じましたときには、前後の障害を併合して障害年金または障害福祉年金を支給できるようにし、第二に、年金を受ける権利が確定しながら、これを受け取る前に本人が死亡したという場合には、未支給の年金を、その遺族に支給するようにいたすのであります。 以上の改善事項は、原則として、本年四月一日から施行することといたしております。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを望みます。 次に通算年金通則法案及び通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 国民年金制度が創設され、本年四月から全国民がいずれかの公的年金制度の適用を受けることとなったのでありますが、今まで厚生年金保険、船員保険、各種共済組合など多くの公的年金制度が大部分相互に関連もなく創設され、実施されて参りました関係上、一つの制度において年金を受けるに必要な資格期間を満たすことなく他の制度に変わった者につきましては、いずれの制度からも年金制度による所得保障が行なわれないという弊害が少なくなかったのであります。従いまして、真に全国民に対する年金による所得保障の体制を確立するためには、一方において公的年金制度の適用を全国民に及ぼすとともに、他方において各制度の間の資格期間の通算措置を講ずることがぜひとも必要とされていたのであります。今回の両法案は、各公的年金制度におきまして、その制度における本来の老齢年金または退職年金を受けるに必要な資格期間を満たしていない場合においても、各制度の加入期間を通算すれば一定の要件に該当する者に対して、通算老齢年金または通算退職年金を支給することとし、国民が老齢または退職に際しあまねく年金を受けられる道を開こうとするものであります。 次に、この両法案によります通算年金制度について、その概要を御説明申し上げます。 まず第一に通算年金の支給要件でありますが、通算年金は、各公的年金制度の加入期間を合算して二十五年以上であるか、国民年金以外の被用者年金の加入期間を合算して二十年以上である者に対して、国民年金におきましては六十五才から、被用者年金におきましては六十才から支給されます。この二十五年という資格期間は、制度が発足する本年四月一日現在において三十一才をこえる者につきましては、その者の年令に応じて十年から二十四年までに短縮することといたしております。 次に通算年金の額でありますが、通算年金の額は、国民年金におきましては通常支給される本来の老齢年金の額をもととして年数に応じて定められた額、被用者年金におきましては厚生年金保険において通常支給される本来の老齢年金の額と同様の水準の年金を保障することといたしました。 第三に被用者年金におきます従来の脱退手当金または退職一時金との調整であります。通算年金の支給に必要な費用は従来の脱退手当金または退職一時金の原資をもって充て、この際特に保険料を引き上げる等の措置は避けるものといたしました。なお各共済制度におきまして財源に余裕のある場合は、その限度において従来の退職一時金を存置することとし、さらに、通算年金を受けられなかった者に対しては、返還一時金または死亡一時金を支給することといたしました。 なお、通算制度発足時における経過措置として、本制度開始後一定期間内に退職する者等に対しましては、本人が特に希望する場合には、従来通りの脱退手当金または退職一時金を支給することができるものといたしました。 以上が本年四月一日から実施を予定しております通算年金制度の概要でありますが、この二法案のうち通算年金通則法案は、各公的年金制度が支給する通算年金に関する通則的事項を定めたものであり、通算年金制度を創設するための関係法律の一部を改正する法律案は、各公的年金制度において通算老齢年金または通算退職年金を支給する根拠となる条文を設けるため、国民年金法、厚生年金保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、市町村職員共済組合法、私立学校教職員共済組合法、公共企業体職員等共済組合法、農林漁業団体職員共済組合法等の一部をそれぞれ改正しようとするものであります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○山本委員長 八木一男君。
○八木一男君 私は日本社会党を代表して、わが党提出の国民年金法案、国民年金法の施行及び国民年金と他の年金との調整等に関する法律案、国民年金の積立金の運用に関する法律案の互いに相関連する三法案に関して、一括して提案の理由、趣旨、並びにその内容の大綱を御説明申し上げるものであります。 今国会に別に一般国民年金税法案、労働者年金税法案、国民年金特別会計法案の三法案を提出いたしてございまして、その三法案は、この以上の三法案と内容が不可分でございまするので、御説明にあたりましては相関連して御説明申し上げることを御理解をいただきたいと思います。 申し述べるまでもなく現在の国民年金法は、昭和三十四年、第三十一国会において成立し、同年十一月一日施行、昨年三月三日より、その無拠出部分、すなわち福祉年金の支給が開始され、本年四月一日よりその拠出年金の部分の保険料徴収が予定されております。 そのうち、福祉年金につきましては、きわめて不十分であり、給付要件等に相当不合理な点もありますけれども、とにもかくにも、今まで年金制度に関係のなかった老人、母子家庭、障害者に年金が支給され、これらの人達の生活を幾分でも明るいものにしたことは一つの大きな前進というべきでありましょう。このことは国民の要望にこたえ、自民党内閣よりも先に何回も国民年金法案を提出して、無拠出年金制度発足の原動力となったわが日本社会党の喜びとするところでありまして、われわれはさらにこの制度を急速に飛躍的に改善すべきものと考える次第であります。これに反して、拠出年金制度に関して、現行法ははなはだしく不十分であるばかりでなく、その組み立てばきわめて不合理であり、社会保障の名にそむくものでありますがゆえに、わが党は審議当時、これを強く指摘し、その意味をもって政府案に反対したのであります。この拠出年金の保険料徴収の時期が近づくに従って、国民各層から強烈な批判が燃え上がり、拠出年金制の抜本的改正、その改正の実現までの拠出制実施延期等の声は、ほうはいとして全国に高まるに至ったことは、各位の御承知の通りであります。 この世論にろうばいした政府は、幾ばくの改正意図を発表いたしまして、今回国民年金法の一部を改正する法律案を提出いたしましたが、その内容は、改正を要する本質的な点には全々触れておらず、死亡一時金等給付金額増加も総体から見ますれば九牛の一毛にしかすぎない僅少なものでありますために、政府の行なわんとする拠出年金制に対する批判の声はますます高まり、厚生省の高圧的なやり方をもってする必死の努力にかかわらず、その登録は本年二月十五日現在全国で七三%、特に、東京、大阪等の六大都市においてはわずかに平均三〇%前後の状態であります。元来、国民の大きな期待と、完全な理解のもとにその協力を得て発足すべき国民年金制度において、このような状態の発生したことは全く現行拠出制年金の重大な欠陥によるものでありまして、それを根本的に是正するために、わが党は本国民年金関係の六法を提出したわけであります。 従って、提出の具体的な理由を御説明申し上げるためには、現行法、特に拠出年金制の欠点を指摘することが最も必要と存じますので、以下要約して申し述べてみたいと存じます。 まず第一に、現行拠出年金制の最大の欠点は、その組み立てが社会保険主義で貫かれ、社会保障の精神と全く相反する点があることであります。 その一は、定額保険料主義であります。このために、保険料は大衆にとって割高に相なります。 その二は、年金支給額が、拠出期間比例制によっていることであります。このような制度では、割高な保険料を納入することの困難な、すなわち年金をより必要とする国民大衆はきわめてわずかしか年金の支給を受けられないことに相なります。 その三は、老齢年金受給資格がきわめてきびしいことであります。通常の場合二十五年間、免除適用を受けた人でも十年間の保険料実際納入がなければ年金を支給されないことになっており、これでは年金保険料納入が、最も困難な、すなわち年金を最も必要とする人に年金が支給されないことに相なります。 その四は、受給資格に達しない人々に対する保険料返還制度、今回の政府改正案では、特別年金という期限付減額年金制度となっておりますが、いずれにしてもそれらの制度の要件は最もきびしく、大部分の人がその適用を受けられないことであります。保険料納入期間と免除期間の合計年数が三十年に満たない人の保険料は、この制度の適用がなく、かけ捨てになることであります。 政府は、かけ捨て反対の世論にびっくりして、死亡時のかけ捨てには死亡一時金という一時しのぎの制度を作ることによって、批判を避けようとしておりますが、最も過酷な生存時のかけ捨てについては、本質的な対処をしようとしておらないわけでありまして、この点は、正に社会保障の名において生活困難な大衆から収奪をするものであります。 その五は、現行法の免除制度が、対象者にとって実効がほとんどないことであります。政府は国民の批判に対して、免除制度をかくれみのに使っておりますが、この免除は実に無意味なものであります。元来免除を考えた場合、免除が保険料実際納入と同じ効果を持つものでなければ意味がないのでございますが、現行法の免除はそうではなく、保険料を実際に納入した場合のように、老齢年金額を増大する要因にはならないのでありまして、従って免除を受けましても保険料強制徴収を受けないというだけのことであり、貧困な国民大衆がその部分だけ年金制度から締め出されるということになるだけであります。さらにひどいことは、この免除期間には国庫支出がされないことであります。具体的に考えてみますれば、六十五才、月三千五百円の場合、そのうちの三分の一、すなわち月千百六十六円の原資は一般会計から国庫負担として出るわけでありまして、保険料実際納入可能な中岡層以上の人はこの国庫負担を自分のものとすることができますが、最もこれを必要とする人々には国庫支出分も支給されないということになるわけであります。社会保障の一つの大きな柱である年金に対する国庫支出は、所得再配分という性質を持つべきものでありますが、この場合それとは全く逆な作用をするわけであり、金持ちの上持ちに用いられることに相なっているのであります。 以上五点を要約して考えますれば、現行拠出年金制は、なき浅沼委員長がなくなられる寸前まで国民に訴えられたように、保険制度として組み立てられているのであって、社会保障では断じてないのであります。社会保障なら、その給付を必要とする人々に、必ずその必要の度合いに対応する給付がなされなければなりません。保険料納入困難な、すなわち年金が特に必要な人の年金が減り、支給がなくなるのでは社会保障ではないのであります。それらの人が年金の支給を受けたいがために苦労して納めた貴重な保険料が、わずかなところで息が切れて要件に達しないばかりに、政府に没収されたり、大切な国庫支出が所得再配分の逆になったりする欠点は収奪であり、金持ちの土持ち政策であって、断じて許すことのできないところであります。このように、組み立てが全く不合理である点が現行拠出年金制度の最大の欠点でありますが、それ以外にも大きな欠点が枚挙にいとまがないのであります。 第二に、指摘しなければならないことは、年金紙が余りにも僅少であることであります。月三千五百円というのは、現行制度立案当時の生活保護基準一人分を大体の基準とし、わが国の経済成長をきわめて過少に、すなわち年率二%と見、さらに大事をとって年金額は一・五%ずつ増大すべきものとして計算して、四十年後に、月三千五百円という金額を設定したわけであります。その金額実施をさらに五年延ばし、国民が四十年間保険料を納めて、四十五年後に現在の生活保護を受けている人々と同じような意味の生活がやっと保障をされるというのでありますから、全く所得保障の名に値しないことは明らかであります。経済成長九%を豪語する池田内閣としては、後日年金額を改定するというような逃げ言葉は許されないのであって、この目標年金額はただいま直ちに改定されなければならないと信ずるものであります。 第三の点は、老齢年金開始時期のおそ過ぎることであります。六十五才という開始年令では、生活が困難で苦労した人の場合、残念ながら早く年をとり、長生きをする人が比較的少ないことから見て適切ではありません。もちろんそのような状態は急速に是正されなければなりませんが、そのころには各産業ともオートメーション化が進んで、年配の人はある程度で生産点を若い人に譲ってもらわなくてはならないし、従って六十才ぐらいからは完全な老齢保障が必要な時代が来るわけであります。これらの両面からして六十五才開始は断じて不適であり、六十才開始にすべきであります。 第四は、貨幣価値変動に対する処置、すなわちスライド規定があいまいな点であります。戦後のインフレの苦い経験をもつ国民は、現行法のようなあいまいなスライド規定では、安心して拠出年金制に協力できないのはむしろ当然であります。 第五は、障害年金及び母子、遺児、寡婦年金等の年金の内容のきわめて貧弱なことと、その適用要件が過酷きわまることであります。死亡時のかけ捨てに対して政府が死亡一時金制度を作ろうとすることは、ないよりはましでありますが、元来死亡時かけ捨て論は、現行法の遺族年金の、不完全、不十分なことから来た議論であり、遺族関係の年金について根本的に改正をしないところに大きな怠慢があります。 第六は、通算制であります。政府は、今回通算年金通則法、通算年金制度を創設するため、関係法律の一部を改正する法律案を提出してこの問題を解決しようといたしております。この改正点は、自民党政府としては比較的努力したところが認められますが、完全なものとは断じて言い得ないのであります。以上二法を施行した場合でも、公共企業体等共済組合二十年拠出の人の場合、年金額が標準の人で年十四万四千円であるのに対し、同十九年と厚生年金一年とが通一算された場合、期間は同じ二十年で約六万四千円、同十九年と国民年金六年とが通算された場合、二十五年間納入されているのに、その年金額は六万九千円という半額にも満たない金額であることを見れば、途中職業転換した人の利益は大きく侵害されることになるのは、一目瞭然でありましよう。 第七は、積立金運用の問題であります。社会保障制度審議会国民年金審議会の答申を無視し、特別勘定を作ろうとしないのみか、厚生年金の新しい積立金も合わせて二五%は還元するという宣伝をしながら、福祉資金に直接に用いられるものはそれよりはるかに少なく、被保険者団体に還元されるものは話にならないほどの少額であります。これに反して資金の大部分は依然として大資本に、特に軍需に関係ある産業に融資されているのでありまして、このような政府の態度は全く国民を愚弄したものと言わなくてはなりません。 現行拠出制には、以上のように枚挙にいとまがないほどの欠点があり、政府の数点の改正点も、その本質的な欠点を補い得るものではございません。 これに対してわが日本社会党の国民年金六法は、以上現行法拠出制の欠点を一切解決し、全国民に期待をもって迎えられる内容を持つものであり、無拠出年金においても、現行法の欠点をなくし、その給付を飛躍的に増大する内容を持つものであることを、正しく御理解をいただきたいのでございます。 以下、わが党六法案の内容について申し述べる次第でありますが、詳しく申し述べますと数時間を要しますので、その要点のみを抽出して、できる限り簡潔に御説明を申し述べたいと存じます。 本案の内容は、大別して特別国民年金と普通国民年金の二つの部分で構成されております。特別国民年金はいわゆる無拠出年金であり、現行法の福祉年金に相当し、普通国民年金はいわゆる拠出年金でありますが、労働者の年金制度を含んでおりますことが現行法との大きな相違であります。 まず最初に、特別国民年金の方から御説明申し上げます。 これはさらに養老年金、母子年金、身体障害者年金の三制度に分かれており、おのおの現行法の老齢、母子、障害の三福祉年金制度に対応したものでございます。 養老年金は、本人の年収十三万円以下の老人に支給されるものでありまして、六十才から年に一万二千円、六十五才から年二万四千円、七十才から年三万六千円を支給することを基本といたしております。ただし七十才未満の老人には年収三十六万未満の家庭の場合に、七十才以上の老人の場合は年収五十万円未満の家庭の場合に支給することとし、そのうち、世帯収入の少ない方に、基本額を多い方に、その半額を支給することに相なっております。基本額で現行法と比較いたしてみますと、六十九才現在で、現行法では支給額ゼロであるのに対して、本法案では通計十八万となるわけであります。七十二才現在の比較では、現行法三万六千円、本法案二十八万八千円と大きな開きがあることを御理解いただきたく存じます。 母子年金は、年収十二万円未満の母子世帯に年三万六千円、多子加算は、一人当たり年七千二百円とし、年収十八万円未満の世帯には、それぞれその半額を支給することにいたしてありまして、もちろん準母子家庭、生別母子家庭にも支給いたすわけであります。 現行法と本法との違いは、まず、現行法に対し、本法案が年金額及び加算額が三倍であること、第二に、現行法では、子供が十六才をこえれば、適用要件がないことになっておりますが、本法案では二十才に達するまでは要件たり得ること、並びに、現行法では所得制限が約十三万円であるのに対し、本法案では十八万円と、その制限が緩和されていることでありまして、わが党案の内容が心あたたかいものであることを御理解いただけると存じます。 身体障害年金は年収十二万円未満の身体障害者に対し、一級の場合は、年四万八千円、二級の場合は、年三万六千円、三級の場合は、年二万四千円、配偶者並びに子女に関して支給される加算は、等級にかかわらず、家族一名につき年七千二百円ずつ支給することに相なっており、年収十八万円未満の障害者にはそれぞれその半額を支給することに相なっております。現行法は、障害者に対し最も冷酷であり、二、三級障害には支給せず、内科障害の場合は一級でも適用をしない、家族加算がない、所得制限がきつ過ぎる、等々の欠点を持っておりますが、これらの欠点をすべて本法案で解消しようとするものでありまして、支給金額より見ても大きな違いがあります。すなわち、一級障害、家族三人の場合、現行法では年一万八千円、本法案では年六万九千六百円に相なるわけでありまして、その間に大きな差があることを御理解いただきたいと存じます。 以上で、特別国民年金の御説明を終わり、次に、普通国民年金すなわち拠出年金について御説明申し上げます。この制度は、一般国民年金と労働者年金に大別され、それぞれ老齢年金、障害年金、遺族年金の給付があります。主として、老齢年金給付につき御説明申し上げることとし、まず一般国民年金より御説明申し上げます。 この制度は、すべての自営業者、無職者に適用されるものであり、言いかえれば、労働者本人以外の全国民が対象となるものでありまして、その対象者は、現行国民年金法の対象者と大体において見合うものであります。年金額は全部一律で、制度が完成した場合は、六十才から年八万四千円であります。この六十才開始、年八万四千円は、現行法の六十五才開始、年最高四万二千円とは、金額から見て大きな開きがあるのでありまして、かりに六十四才現在で比較をすると、現行法はゼロ、本法案通計四十二万円であり、六十七才現在では、現行法最高十二万六千円、本法案一律六十七万二千円と、数十万円の開きがあることを明らかにいたしておきたいと存じます。六十才開始を基本といたしてございますが、この場合もし本人が六十才より早く、またおそくから支給を受けたいと希望する場合、五十五才から六十五才までの間において、希望の年からそれぞれ減額あるいは増額した年金を支給できることにいたしております。国は、この八万四千円の年金給付の五割を一般財源より負担し、支払いの年に特別会計に払い込みます。また、別に特別会計で積み立てておくために、対象者の属する世帯より一般国民年金税を徴収いたします。拠出期間は、二十才から五十四才までの三十五年間、税率は一般国民年金税法第十条に規定してございますが、その税額は、大体一名平均月百六十六円に相なる計算であります。国民健康保険税の場合と似た方法で、均等割五、所持割三、資産割二という割合で徴収することになっておりますので、収入資産の少ない人はずいぶんと安くなる見込みであり、さらに、納入困難あるいは不可能の人については、減額あるいは免除をすることにいたしてございます。免除は、五人家族の場合において月収一万七千円、すなわち年収二十万四千円以下の場合適用することに相なっておりまして、現行法で政府が考えておりますものよりは、はるかに範囲が広いのであります。減額の範囲は、五人家族の場合月収二万二千円、年収二十六万四千円以下の場合であり、これまた相当多数の該当者が見込まれております。特に申し上げておかなければならないことは、何回減免を受けた人でも、極端な場合は、全期間免除適用を受けて、一円も年金税を納めない人でも、六十才になれば、他の人と同じ金額の年金が無条件で支給されるということであります。このように所得比例の年金税、完全な減免制度によって、現在のような拠出年金制度に対する疑惑、批判、反対の根拠の主要な部分が解消されるものと信ずるのであります。 障害年金の場合は、一級年八万四千円、二級年六万三千円、三級年四万二千円が基本領でありまして、現行法よりはるかに多額でありますとともに、現行法と違って内科障害にも支給するわけであり、現行法のように給付を受けるには三年以上、保険料納入後の原因によるものでなければならないというような過酷な要件は一切ないことを明らかにいたしておきます。 遺族年金は、老齢年金の半額、すなわち基本実額は四万二千円、子供一名につき一万四千四百円の加算をつけることに相なっております。現行法の母子年金よりはるかに多い金額であります。また現行法では、遺児年金は母子年金より年金額がはるかに少なく、寡婦年金は適用要件がはなはだしく過酷でございますが、本法案では、それらの遺族がみな母子と同様の給付を受けるわけであり、さらに男性の遺族にも支給の道を開いているわけであります。 以上、一般国民年金全般についてさらに申し上げておきたいことは、年金額に課税がないこと、並びに年金額が消費者物価または生計費のいずれか一方の一〇%以上の変動の際に、それに応じて必ず改定されることであります。現行法第四条の規定がはなはだしくあいまいでありますが、本法案のごとくはっきりと規定してこそ、国民は信頼して拠出年金制度に協力してくれるであろうとかたく信ずるものであります。 次に、労働者年金について申し上げます。本制度は、あらゆる職種の労働者本人に適用されるものであって、五人未満の事業所の労働者、日雇い労働者、山林労働者等にも適用されます。老齢年金は六十才から支給されることが原則でございますが、炭鉱労働者、船員、機関車労働者等は五十五才開始といたしておりますことは現行厚生年金保険と同様であります。老齢年金額は、制度が完成された場合、一般国民年金と回顧の八万四千円を基本額といたしまして、それに標準報酬額に比例した金額が付加されます。その金額は、現在の賃金水準では、平均年六万三千円になる計算でありまして、合計、平均年十四万七千円に相なります。従って、将来賃金水準が上がった場合には、この平均額が上昇をいたします。労働者年金税法案に規定されている労働者年金税は、もちろん標準報酬の高低に従って定められております。一般国民年金の場合より年金額が多いのでありますから、年金税はある程度高く相なりますが、この場合、使用者が半分以上負担することに相なっておりますので、労働者負担はあまり重くなく、平均して月二百円程度であります。低賃金労働者の負担は、標準報酬が少ないため、右の平均よりはるかに少額に相なることは当然であります。国庫負担については、実質上、一般国民年金と同級程度が確保されるようになっており、その他、拠出期間、繰り上げ減額年金、繰り下げ増額年金制度、非課税及びスライド、免除、また障害、遺族給付については、一般国民年金と同様の内容あるいは同様の仕組みに相なっております。 そのほか、特に申し上げておかなくてはならないことは、通算について完全な方法がとられることであります。本国民年金法内の両制度間はもちろん、既存の年金との通算の場合も、途中の職業転換、制度転換によって一切損をしない仕組みになっていることを明らかにいたしておきます。 以上、一般国民、労働者、両年金制度について申し上げましたが、そのおのおのの年金税は、減免に対する国庫補てん分を加えまして、厚生大臣の管理する国民年金特別会計において積み立てることに相なっております。 この積立金は、当然受給資格者のものであるとの観点に割り切って、その運用の方法を定めてあります。すなわち、積立金のうち相当の部分を福祉施設建設等のため運用することとし、その中で需給資格者の団体に対して貸し付ける道を大きく開くことにいたしてあります。残部は、全部の予定利率六分を維持するために、資金運用部に七分で貸し付けることにいたしてございまして、所要の資金運用部のこの資金の運用についても国民の福祉に役立つ方面に用うべき旨の規制を加えることにいたしてあるわけでありまして、軍需産業資金に用いられるようなことは断じていたさせないわけであります。実際の運用については、国民年金積立金運用審議会において審議決定した方向に従い、厚生大臣が行なうことにいたしてありまして、この審議会の構成は、一般国民年金、、労働者年金の受給資格者の代表おのおの五名、学識経験者五名、官庁代表三名という使用主代表を加えない画期的な構成にいたしてあります。 以上が、本国民年金制度の内容の大綱であります。 本法の施行期日は昭和三十六年四月一日、年金の支払い開始及び年金税の徴収開始は同年十月一日からであります。 国民年金法施行に要する一般会計よりの経費は、平年計算にいたしまして、その第一年度約二千百二十四億円であり、その内訳は、養老年金約一千三百三十億円、母子年金約三百十六億円、身体障害者年金約四十五億円、国民年金税減免の補てん分約二百十億円、普通国民年金の障害並びに遺族年金給付に関する国庫補助金、労働者年金の使用主としての国庫負担分等、約百十億円、年金支払いに要する事務費約六億円、労働者、一般国民、両年金税法施行に要する経費約言二億円であります。 以上の国庫支出の大部分が賦課方式でありますので、国庫支出は自後逐年逓増をいたします。 本年金制度完成時、すなわち四十年後には約年九千億円に達し、それ以上は大体増加を停止し平準化される予定であります。 以上のごとく国庫支出は相当の程度に達しますが、その最初の金額は最近の財政状態から見て、政府が社会保障を本当に推進しようとするならば直ちに実現可能であり、後々の支出増も、財政上はいささかの心配のない程度であります。と申しますのは、各位の御理解のごとく、わが国の経済が逐年拡大、国家財政もまたそれに従って拡大するからであります。ただいま各党とも、経済拡大に自信を持って、おのおのその成長率を発表しておるわけでありますが、かりに、故意に各党の態度よりはるかに控え目に、明治以降のわが国経済成長率四%で考えてみましょう。この率でわが国の経済が拡大すれば、四十年後には約五倍に相なりまして、同じ率以上で財政が拡大し得ることは当然でありますが、これも大事をとって同率と見て、約十兆の財政のワクが考えられるわけであり、相当の減税でワクがそれより縮まったとしても、九千億ぐらいの程度の国庫支出は容易なことであり、それが全国民に対するものである限り、その支出は国民に理解賛成されるものであると信ずるものであります。 以上、大体の御説明でございますが、賢明なる同僚各位には、この国民年金関係六法案が、国民から批判を受けている現行法の欠点のすべてを解決し得る内容を持ち、憲法第二十五条の精神をほんとうに実現することのできる社会保障に徹した案であることを、しかも、政府がほんとうに社会保障を進める決意を持てば直ちに実現容易な案であることを御理解いただけたと信ずるものであります。それとともに、このような案であってこそ、所得保障という本来の大切な目的を果たすとともに、他の重要な面に非常な好影響を与えるものであることをも御理解いただけると存じます。 すなわち、本制度を通じての所得再配分によって、国民生活の不均衡が相当程度是正され、これによって、継続的な有効需要が確保されることによって諸産業の振興安定に資するところ大なるものがございます。このことは、雇用の増大と安定を招来するものでありますが、さらに完全な所得保障によって不完全就労を減少し、労働力化率が低下するという好ましい効果の面も加えまして、完全雇用への道を進めるものであります。さらに、十分な年金制度は、雇用労働力の新陳代謝を促進し、鉱工業生産力を増大せしめるとともに、農業、中小商工業の経営権を若き世代に移すことによって、その近代化協同化への原動力と相なるわけであります。以上の諸点もあわせ御理解いただきたいと存じます。 以上、きわめて簡単でございましたが、本六法案に関する重要な点の大綱を御説明申し上げたわけであります。最後に心からお訴え申し上げたいと存じます。すべての国民は、よき年金制度の確立を熱心に求めております。憲法は健康で文化的なほんとうの社会保障制度を推進する義務をわれわれに与えております。しかして、老人、障害者、母子家庭等の生活上の苦労をなくし、他の国民の将来の不安を解消することは政治の当然進むべき道であります。社会保障は社会保険というような半端な制度でとどまるべきではなく、ほんとうの意味で完成さるべきものであります。およそ社会保障を一回でも口にした政党、政治家は、現状を打開しその飛躍的な前進をはからなければ政治を担当する資格はないものと考えます。私達はこのような考え方で、心身をすり減らしつつ努力を重ね、あらゆる観点から徹底的に検討した結果、本六法案を提出した次第であります。与党の各位にも、一政党の立場を離れ、現行法政府改正案にこだわることなしに、国民の立場に立って木三法案並びに関係の三法案を十分にかつ急速に御審議賜わりたいと存じます。 しかる後、木三法案が、また関係の三法案が本委員会並びに関係委員会において満場一致可決されますることを国民の名において強く要望いたしまして説明を終わる次第でございます。
○山本委員長 ただいまの各案についての質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○山本委員長 医療金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑に入ります。滝井義高君。
○滝井委員 医療金融公庫法の一部を改正する法律案について質疑をいたすわけでございますが、この医療金融公庫法は、「私立の病院、診療所等の設置及びその機能の向上に必要な長期かつ低利の資金であって一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的」として、昨年七月にできたわけです。そこで当然この公庫の資金というものは、私的医療機関の適正な整備及び機能の向上ということが重要な問題になるわけです。 〔委員長退席、柳谷委員長代理着席〕 医療機関をどういう工合に適正に配備して、その機能の向上をはかっていくかということは、同時にその裏を返してみると、公的医療機関というものがどういう、工合に整備配置されておるか、こういうことも無関係ではないわけであります。そこで私的医療機関のいろいろの問題にメスを入れて適正な配備あるいは機能というようなものを見ていく場合に、それを浮き彫りにするためには、むしろ間接に公的医療機関の状況を浮き彫りしていく方が、私は早く目的を達するという感じがするわけであります。そこで少しく回り道をとりますけれども、公的医療機関特に政府が所管をする国立病院、いわゆる国営の医療機関に少しメスを入れて、医療金融公庫の核心にだんだん触れていきたいと思います。 まず国営の医療機関の今一番問題になっておるのは、何といっても人間の問題です。人間の問題で端的に国営の医療機関で現われているのは看護婦の問題なんです。全国的に看護婦さんは相当不足しておりますが、実は昭和二十四年以来今までずっと、他の公務員は四十四時間制をとられておったのに、国立病院の看護婦だけ、どうして同じ公務員であるのに四十八時間制がとられておったのかということなんです。これを一つ御説明願いたいと思うのです。
○川上政府委員 今ちょっと正確に覚えてないのですけれども、最初はやはり四十八時間制でもって給与がきめられておったように聞いておるわけであります。しかしその後人事院の方でそういう考え方を捨てまして、四十四時間にすべきだという見解が出されましたので、三十六年度からこれを四十四時間制に切りかえたいというように考えておる次第でございます。
○滝井委員 そうしますと、看護婦さんの給与は四十八時間制をとっておったので、他の公務員に比較して給与を高くしておった、今の理由はこういうことですね。実際にそうなっておったのでしょうか。もしそうなっておったならば、国立病院の看護婦さんというものは不足をせずに、全般に充足できておったはずです。他の公務員は四十四時間ですから、四時間だけとにかく一週によけい働かせておったわけです。これは昭和二十四年以来ですから、あなたのおっしゃるように、来年から四十四時間制をとられるとしても、十二年間、金額に直してみると、おそらく看護婦さん一人にすると二十七万円くらいになります。五十億くらいになる。一体それほど看護婦さんの給与の実態がよかったかどうかという証明を一ぺん出してもらいたいと思うのですが、もしあなたの方で看護婦さんの給料をよくしておったから、四十八時間働いてもらったのだとおっしゃるならば、今資料がなければあとでけっこうですが、その証明を一つしてもらう必要がある。大体国立病院の看護婦さんの欠員は今どの程度ありますか。
○川上政府委員 ちょっと待って下さい。すぐ調べますから。
○滝井委員 主計局がいらっしゃいますが、わかりませんか。
○谷村政府委員 ちょっとわかりません。
○滝井委員 どうもこれでは困りますね。
○川上政府委員 国療の方が百八十五人と出ております。
○滝井委員 それは完全看護、完全給食というように、患者さん四人に一人ずつつける、療養所は六人に一人ずつつけるという形をとって百八十五人ですか。昭和二十八年に医療の労働者の方から行政措置要求を人事院に出して、そして人事院が判定を下しておるところによると、看護婦さんの欠員は定員の二割四分ということになっておるのじゃないか。二割四分というと四千三百人くらいになるのです。これは今定員法を廃止するかしないかという内閣自体における大きな問題でしょう。もう少しこれを医務当局はしっかり把握しておかぬと議論にならぬですよ。
○川上政府委員 あとで調べて申し上げます。
○滝井委員 こういう実態では、私的医療機関に入るどころじゃない、公的医療機関がまず把握されていないのですから……。それはあとでけっこうです。そうしますと、ことしから医務局長の方で四十四時間制をおとりになるわけです。十三年間は看護婦さんは他の公務員よりは週に四時間よけい働かされた。私の計算では給与にして十二年間で五十億、一人二十七万円損をしてきておるわけですが、今年四十四時間制をとると、看護婦さんは幾ら増員することになるのですか。
○川上政府委員 国立病院で二百十人、それから療養所で九十七人、合わせて三百七人であります。
○滝井委員 そうしますと、四十四時間制を決定をして三百七名です。今まで四時間よけいに働いておった人が今度三交代で四時間働かなくなるわけです。今多分看護婦さんが一万七千五百人くらいおるじゃないですか。
○川上政府委員 あとで数字を持って参ります。
○滝井委員 二万七千五百人の看護婦さんが四十八時間働いておった。ところがその人たちが四十四時間になって、三百七名で一体計算が合いますか。
○川上政府委員 国立病院、療養所の看護婦は、体基準看護の必要数を満たしておるわけでございます。従いまして、現在の数で四十四時間制をとるということも可能だと思うわけです。まずそういうような病院や療養所が多いわけです。しかしそれでは従来よりも患者に対するサービスが落ちる心配もございますし、それからまたなるべく労働を過重にしないために今度増員を行なっていきたいわけでございます。なおこのほかに看護の能率を上げるために、看護用品を整備いたしまして、いわゆる機械化によって看護婦の手を省いていきたいと考えておるわけであります。
○滝井委員 看護力の低下、労働強化を防ぐために機械化すると言うけれども、国立病院の機械化なんというものはなかなかそう簡単にできるものじゃないわけです。これは算術計算しても二万七千五百人の看護婦さんが四十八時間働いておるのが、今度四十四時間にして三百七名増加する、四十八分の四という算術計算だけでも千五百名の増員が必要です。一体あなたの方では予算要求のときに、四十四時間制をとるために幾ら要求したのですか。
○川上政府委員 要求書を持っておりませんけれども、やはり四十八時間が四十四時になるものですから、その比率でもって、増員を一応お願いしたわけでございます。
○滝井委員 私、きょうは特に主計局に来ていただいたのは、人間の問題ですから、とても厚生省だけでは片がつかぬと思って、次長さんに来てもらったのです。専門の岩尾主計官がいないものですから、次長さんに来てもらったのですが、厚生省は千名以上要求しておると思う。四十八時間働いておったのを四時間減らすわけです。三人か四人を減らすのじゃないのです。とにかく一万七千四、五百人の人を四十四時間にしてしまうわけですから、その残りの時間というものはどこかで補わなければならぬ。私がちょっと調べたのでは、千百六十八名要求してます。ところがそれが三百七名に切られておるわけですね。これで一体国立病院がうまく運営できるかどうかということです。これは今主計局の方で全然わかっておりませんか。
○谷村政府委員 私、厚生省関係のことも担当いたしまして、予算の要求を受けましたのを、いろいろ中で議論をして、そうして一応の案を作るところまではいたしたわけでございますから、全然わかってないわけではなくて、少しは覚えておりますが、正直に申しまして、それほどこまかくは存じません。ただ四十四時間制の問題は、相当時間をかけて議論したことでございます。そうして今お話しのような点、すなわち四十八時間制を四十四時間制にすることに対応して人間をふやす問題、それから同時にいろいろ看護婦さんの手間をはぶいて、能率を上げるようにいろいろ装備をふやすことを考える問題、さらにそれだけではもちろん十分でございません。やはりある程度は超過勤務もしていただかなければならないという意味で、超過勤務手当をこの際考えるという問題、この三つをわれわれとしては議論いたしました。そうして今の算術計算もございますが、必ずしも人員の増を全部その割合でふやすということは、これは予算編成方針等で人員の増加も極力おさえるということをうたっております関係上、必要最小限度にとどめていただくということでございまして、今医務局長の方からお答えがございましたように、装備その他については相当こまかいところまで気を配った配慮を私どもといたしましては尽くしたつもりでございます。もちろん不十分かもしれませんが、そのほかに超過勤務手当をある程度計上いたしましてやっていただくということを考えていたしたことを申し添えておきたいと思います。
○滝井委員 おそらく今のような答弁でなければつじつまが合わないのです。世の中は今時間短縮の時代になろうとしているのです。レジャー・ブーム、レジャーをどう処理するかというときになって、国立病院の看護婦さんだけは、これから超過勤務を出すから、四十四時間になった分について、人員不足と、時間を短縮したものを、今度は超過勤務で幾分よけい出すからやってくれ、こういう議論しか出てこないのです。大臣、これはどうですか。今の医療ストの原因というものはこういうところにきているのですよ。われわれを長く働かして超過勤務手当もようくれぬじゃないか、だから私たちはかないませんからといっている。今の病院ストの中核はだれかというと、看護婦さんたちですよ。それを国立病院が今から、主計局が指摘した通り、三百七名人間は増加しましょう、装備を強化しましょう、しかし超過勤務に今度予算をつけましたから、うんと働いていただきましょう、こういうことなんですね。これは今ストをやっているのとはまるっきり逆の方向に国立病院がいっているのです。昭和二十五年に厚生省が訓令一号というのを国立病院と療養所の職員の大多数のものについて、こういうように処置せいというのを出しているはずなんですが、あれはどういうことになるのですか。
○川上政府委員 四十四時間制を実施いたしますと、新しい通牒を出しまして、従来の訓令一号というものは取り消すことになると思います。
○滝井委員 そういたしますと、四十四時間制になれば、訓令一号は取り消して新しい形になる。今までの訓令一号では、半どんは与えない。そうして一日七時間二十分、六日間の勤務として毛よい。しかも普通ならば、半どんは土曜日に置かれる、いわゆる休日の前日に置かれているわけです。ところが今までは半どんを週のどこでも一都合のいいところに置きなさいということになっておった。これはまさか、大蔵省の言うように、超過勤務をよけいやるということになると、今までの慣例より強化する可能性があるのだが、これは強化しないでしょうね。他の一般の公務員と同じように、いわゆる休日の前日、週休日の前日に半どんを置いてやって下さるでしょうね。その点どうですか。
○川上政府委員 お話しのようになるべくいたしたいと、今検討いたしておりますが。 それで先ほど申し落としましたけれども、療養所の方は最近定床に比べましてずいぶん患者が減っておりまして、そういう面からも、看護基準から申しますと、相当余裕ができているわけです。そういうものも今度一緒に調整いたしまして、四十四時間制が実施できるように検討しているわけでございます。
○滝井委員 ぜひ休日の前日に半どんがくるように、人並みの生活を苦しみに満ちている病人を扱う看護婦たちに与えてやる必要がある。今までそういうことさえ医療機関では行なわれていない。特に国立の医療機関において行なわれていないというところに問題がある。こういう形がきちっと出ているなら、適正な医療費の額も出てくる。そういうことをやらずに、むちゃくちゃなことをやっていて医療費を出すから、むちゃくちゃな医療費が出てくる。そういうことをきちっとやらなければならぬと思う。 それから、今まで看護婦さんの不足の問題を指摘したが、あなたの方で正確な資料がなく、議論ができないから、これくらいでやめますが、最近は同時に、らいの療養所、それから結核療養所にお医者さんが不足している。これは国立病院でお調べになってごらんなさい。医療法違反枚挙にいとまなしですよ。私的医療機関の医療金融公庫をお作りになって適正に配置することも私は賛成です。しかしその前にまず隗より始めなければいかぬですよ。自己の足元をきちっと正した上で、私的医療機関をどうするかということが当然問題になってくるわけです。自分の足元に医者がいなくて、他のことを言うことはまず二の次でよろしいと思う。一体これらの医療法違反の多い、らいとか結核の療養所の対策という本のをどうお考えになって、どう今後対策するつもりか。これがさいぜん理事懇談会でも問題になったように、日赤とも関連してくる。先日私は予算委員会の分科会で、たとえば大学病院が無料で医者をみな使っておる。しかも無料で使われている医者は、健康保険々見ているから、保険医です。こういう無料で使う医者を保険医にして責任を持たせるということは許されぬことですよ。保険医として責任を持たぜるたらば、これは当然適当な給料を払わなければならぬ。そうしてその保険医が今度は大学の研究室で研究するなら、研究に対する授業料を一おとりになったらよろしい。病院で保険医として働かせるのならば、保険医としての給料を当然与えるべきである。私は三回続けて予算委員会でやったら、来年は検討いたしましょうということを厚生省の主計官も申しました。これは来年何とかしてくれると私は期待しているわけであります。そうしますと、これはらいや結核の療養所が今までのような医療の給与体系では、いわゆる医療職の給与体系では人が集まらぬ。これは何と言おうと、給与体系を変えない限り、現実が集まっていない限り、将来も集まらぬ証拠です。これはまず、らい、結核療養所の欠員の状態を簡単に御説明になって、そして大臣はこの対策を一体どうお立てになるのか、これは全くストに関係がないのですが、一体どうお立てになるのか、これを一つ御説明願いたいと思います。
○川上政府委員 ただいま国立の病院、療養所はだいぶ医療法の違反があるというような御指摘でございますけれども、私どもは国立病院、療養所に関しましては、いわゆる医師の定員、看護婦の定員というものは、一応現在の医療法の標準から見まして不足をしていないと考えております。ただ、らいの療養所につきましては、詳細に医療法で規定はいたしておらないわけでありますけれども、確かにらいの医者はなかなか得がたくて、私も非常に苦慮しておるわけでございますが、かなり定員不足が出ておるような現状でございます。
○古井国務大臣 今局長が申しましたように、国立病院はとにかく定員を満たしておる、こういう状況であるといたしますならば、まあ定員の問題じゃありませんけれども、しかし国立病院にしても、病院の管理とか運営とかいう問題に問題があることは、もう前々から気がついておる点でありますので、これは改善するのに努力するのはあたりまえだと思います。らいの療養所の方のことは少し足らぬかのような状況であります。実際問題がなかなかむずかしいのかもしれませんけれども、そのままでよいというわけにはいかぬのでありますから、これもできるだけ必要なだけの人間は配置して、また同時に管理運営もするように考えなければいけないと思います。
○滝井委員 どうも古井厚相は少し元気がないですが、私は国立病院をここで一つ一つ指摘をしたくはございませんが、あなたの方から御証明をいただいた、らい療養所は医療法違反もお認めになったわけです。医務局長、これは一体どこに欠陥があるのですか。まさからいというのが昔から業病だといわれておるから来手がいないというわけでもないと思うのです。これは、らいについての研究家もおるし、そういうところにはやはり行こうという希望者も、私はなきにしもあらずと思うのです。しかしこれが充足ができないというのは、一体どこに欠陥があるのですか。
○川上政府委員 らい療養所につきましては、こまかい定員の標準がないのであります。しかし現実には足らないということを申し上げたわけでありますが、やはり医師などが得がたいということは、御承知のように特殊な方でないとなかなからい療養所に来てくれないし、本人が行こうと言いましても、家族が反対いたしましたりしまして、獲得するのに非常に苦労いたしておるわけでございますが、その原因の一つは、何と言いましても待遇の問題があると思います。昨年の十月に医師の手当が相当大幅に改善されたわけでございますけれども、らいにつきましては、そのほかに調整号俸などによりまして特別に手厚くやっておるつもりでございますけれども、それにしましてもなお一般の医療機関の医師の待遇などに比べまして遜色のある状態でございますので、やはり待遇の改善ということが肝心だというふうに思っておるわけでございます。
○滝井委員 これは大臣どうですか、今らい療養所に別に定員はないけれども、医者が不足をしておるということは確実になってきた。それから国費を相当持っておる都道府県の保健所の医者の充足もできていないのです。もうこれから保健所の医者になり手がいないのですよ。行政官を志望する人というものはだんだん減ってきているのです。それは秋田とか山形とかの保健所に行ってごらんになるとわかる。とにかくお医者さんが一人もいないところがあるのだから、そこらのものを兼任させてもらっている。二割六分とか二割八分です。そうして保健所の殿堂だけは誇っているけれども、中はうつろだ、こういう状態です。こういうことは、根本的にこれをやらなければならぬ時代にもうきておるのですよ。これは日本の技術者が全般的に不足している、こういうことで根本的な対策を立てなければならぬと同じ状態が、医療機関における医療技術者の根本的な不足という問題とも無関係ではないと思いますが、そういう状態まできている。従って日本の予防行政、医療行政の先駆をなす予防行政をどう立て直すかということは非常に重要なことです。この予防行政をうまく立て直す形が医者の中からでてきますと、国立病院その他の体制もできてくるのですよ。この体制ができずして、私的医療機関と公的医療機関との二本立てでいきますと言ったって、公的医療機関が確立されずして私的医療機関の確立もむずかしいことはまた明らかなんです。だから私はそういう点でもう少しここらあたり人間の問題を中心に考えてみる時期がきていると思うのです。もう保健所は充足できませんよ、行政官のなり手がいないのだから。最近の医学校の卒業生の志望のアンケートをとってごらんなさい、行政官になるなどというのはいはしないから。従って失礼な言い分だけれども、今行政官になっていらっしゃる方々というのは相当老齢の人が多いのです。年をとられた方で隠居仕事に、こういうことです。ところが予防行政を隠居仕事では困るのです。こういう点は大臣になられてから医療費の問題で非常に多忙で、こういうところまではなかなか十分な御検討が行き届かないかもしれませんけれども、これはもう数年来われわれが指摘をして、しかもそれがますます悪い方向に向いているのです。いい方向に向いていないのです。治療費の問題、いわゆる病気になってからどう対処するかということの前に、やはり予防対策というものが先行しなければならない。それが全然顧みられていない。全然顧みられていないといえば語弊がありましょう。保健所の給与その他医師の給料は、幾分上げる形は予算等でも措置はされておりますけれども、それは焼け石に水の程度です。これは今おる医師をどう食いとめるかというだけのことですよ。優秀な人を行政官に導入をするという程度のものではないです。こういう点はぜひ一つ根本的な問題として、大臣御検討願いたいと思うのですが、どうですか。
○古井国務大臣 医師の数が日本全体として足る足らぬの問題もあるかもしれませんけれども、大体は片寄るところには片寄るし、ないところにはないしというようなことで、分布が必ずしもいい工合にいっていない点もあるのじゃないかと思うのであります。それは今の体制ではやむを得ない面もあるのでありますけれども、一つはやはり根本に待遇の問題があるかもしれませんな。そういう気がしますな。それで待遇の点も考えないと適当な配置ができないのじゃないかという気もするのであります。その辺も考えなければならぬと思います。 それから保健所の仕事になりますと、保健所の活動分野からいって、あるいは土地のお医者さんに働いてもらうということが、実情からいっていい場合もあるかもしらぬのです。あるいはそういう面もあるかもしらぬという意味ですよ。その辺も検討してみなければならぬと思うのでありますけれども、どうももとは待遇の点じゃないかと思うのであります。これは大いに検討ものだと思うのであります。この予防の問題は、役所も役所でありますけれども、一般的にもっと予防という方面に国民全体の衛生思想が向くように仕向けるということも大事じゃないかと思います。役所の指導も指導でありますけれども、両面だろうと思います。これは、予防が大事なことは申すまでもありませんが、万事がそっちの方に向いていかなければならぬのですから、非常に御意見は参考になるので、これも参考にして研究しなければならぬと思います。
○滝井委員 こういう根本的なところは、給与の体系だ何だといってあまりしゃくし定木にこだわっておると、結局人間の方が参ってしまうわけです。従って、こういうところはやはり速急に十分閣議で御発言になって、給与体系の中の特例等もお作りになって、何らかの形でやはり充足する必要があると私は思います。 そこで、今度は少し前の看護婦さんの問題に具体的に入るのですが、今国立病院の看護婦さんの勤務の状態を見ると、病棟の深夜勤あるいは準夜勤、こういうものは多くは一人の場合が多いのです。いつか一人で勤務しておって、患者に看護婦さんが殺されましたね、ああいう事件が起こるわけです。これはやはり緊急事態その他に対処するためには、何としても女ですから、深夜勤務は最小限二人おらなければいかぬですよ。そうするとその分の経費がかかるのですけれども、こんな経費はそう莫大な経費ではないと思うのですがね。これはどうですか。看護婦さんの一人勤務をなくして、深夜、準深夜においては少なくとも二人体制くらいはとる必要があると思うのですが、こういう点、医務局長はどうお考えになっておりますか。
○川上政府委員 深夜にただ一人しか看護婦さんがいないということは、私も少し心細く感じます。しかし、たとえば隣の病棟から応援したり、また。パトロールなどをいたしまして、そういうことをできるだけ補っている状態でございます。
○滝井委員 そうしますと、局長も御存じの通り、あの大きな広い建物の中で、そして深夜に何十人という患者さんを預かっておって、そうして宿直のところに一人おるわけなんですから、だから、そのパトロールがたまに来たって、パトロールが来たときには火災で燃えて灰になっておったなんというところさえあるくらいですから、こういう点は一文を惜しんでおって百文を失うことになるのですよ。一人では看護婦さんが殺されたり火災が起こったときには間に合わないのですから、やはり深夜ですから、しかも大事な国有財産ですから、最小限二人勤務ぐらいにさせる必要があると思うのです。しかも重体の患者を持っているのだから、患者のところへ行っておれば、宿直室はパトロールが来なかったときにはあいているのですから、もしものことがあったらそれまでですよ。こういう国立の病院等においても、予算を削り、人件費を削るためにあまりけちなことばかりやっておると、間違いが起とったときに間に合わないですね。どうですか。大蔵省あたりもこういうところはあまりお削りにならずに、男ならばいざ知らず、女性の勤めている職場ですから、夜中に勤めるときに、女の勤務二人ぐらいはさせてやらなければいかぬと思うのです。ことに、看護婦とか、電話交換手とか、機関場とか、こういうところは一人勤務はどうしてもいかぬと思うのです。それじゃ。パトロールを置くというならば、パトロールを二人か三人ぐらい置いて、一時間置きぐらいには必ず回るとか、三十分ごとに回るとか何かしなければいかぬと思うのですよ。そういう点がされていない。われわれ国立病院へ行ってみても、しょんぼり一人で勤務しております。こういう点は改善するお気持はありますか。
○川上政府委員 ただいま重病の話が出ましたけれども、重病患者などは特別に看護婦を配置して看護をやっておりまして、このほかに十分手を尽くしておるわけでありますが、深夜は確かに一人か二人当直の看護婦がおりまして、そのほかにも宿直の婦長がおりますから、何か起きますとすぐそこに電話連絡をいたしまして、適当な措置をとっておる体制であります。しかし、これで十分だというようには思いませんので、将来そういう点は努力していきたいと思います。
○滝井委員 こういう問題について主計局はどうですか。
○谷村政府委員 確かに今お話がございました通り、非常に大事なことをしておいでになる看護婦さんがただ一人でおるというような状況が、非常に不便があったり何かするというような実情であれば、それを直すのが相当だろうと思います。ただ私、実情についてよく存じませんので、ここで何とも申しかねますが、そういう無理なことまで日常においてさせるように、今言ったように予算を無理やりにしぼっておくということはすべきでないと思います。
○滝井委員 現実は、一人勤務で、もう休暇、休憩等もうまくいかぬという実態なんです。これは次長さんの方でも岩尾君等に一ぺんよくお聞きになって、実態をお調べになるといいが、そういう実態です。われわれが調べてそうなっておるのです。 それからもう少し中に入りますと、労働基準法や人事院規則で、電話交換手とか、医師とか、看護婦等の深夜勤務というものは禁止されていないわけです。それが禁止されていないという、その立法の精神というものは、毎日深夜勤務をおやりなさいということではない。あるいは、一カ月に十五回も二十回も深夜勤務をやりなさいという精神ではないのです。やはりこれは限度があると思うのです。一体あなたの方は、今この回数の制限か何かしておりますか。
○川上政府委員 深夜勤務を長く続けますと健康を害するのでありますから、指導といたしましては、一週間以上深夜勤務を続けないように指導しています。御承知のように日勤、準夜勤、深夜勤というものの組み合わせを上手にするということは非常に大事なことと思いますので、その辺の指導もいたしておるわけであります。
○滝井委員 そうすると、国立病院の現状は、七回以上はやらせぬということでやっているわけですね。間違いはありませんか。
○川上政府委員 七回以上深夜勤務を続けないような指導を常に婦長会議などを通じてやっておるわけでありますけれども、中にはそうやっていないものもあるかもしれません。
○滝井委員 これはさいぜんの定員のところにも関係してくるわけなんですが、結局、二万七千五百人働いている看護婦さんたちが今度は四十四時間制、こうなってきますと、これはもう超勤をよけいにやるか、それとも深夜勤務を労働基準法の精神を越えてよけいにやる以外に方法はないのです。だからこれはやはり二十四日勤務とすれば、四分の一として、五回か六回くらいに深夜勤務は制限する必要があるのですよ。こういうところが日本の行政というものは、看護婦さんだけのことを考えておられるが、そのあとに患者があるということをもうちょっと考える必要があるのです。 〔柳谷委員長代理退席、委員長着席〕 夜中に勤務することを何回もやらせれば、その飛ばっちりは一体どこにいくかというと、患者さんにいくのですよ。こういう点の思いやりというものが行政に現われていない。今までの実態を調べれば調べるほど、国立病院ほどこういう点はだらしがなくなってきている。実際そうです。僕も二、三調べたことがあるのですが、とにかくこういう点はもう少し行政指導をきちっとやって、一カ月に六回なら六回とおきめになる方がいいですよ。それ以上はやっちゃいかぬ。これは行政指導ではなくて、あなたの方は政令、規則その他を行政でお作りになり得るのだから、国立病院の従業員は一カ月六回以上深夜勤務をやらせてはいかぬという禁止規定くらいはきちっとお作りになることが当然です。私はそう思うのですがね。ところがそういう点についても、今言ったように七日くらいはやってもいい、七日以上やってはいかぬという指導は婦長会議等でしておるという。これは婦長会議で指導したのではいけないのです。やはり事務局長なり院長にきちっと命令をして、一カ月に六回が限度だ、それ以上やってはいかぬというふうにおやりになって、その六回の深夜勤務の予算は大蔵省からきちっとおとりになる。こういう締め方を、金の面でも回数の面でも人間の面でも、一貫した説明のできる姿をとってもらわないと、私はこういう点があいまいもこなことではいかぬと思うのです。日本の医療機関の運営の仕方が前近代的であると言われるゆえんは、ここにあるのです。もう少し近代の労働基準法なり人事院規則というものが国立病院でも実施される形を作ってもらう必要があると思うのです。こういう点どうですか。きちっとおやりになる意思はありますか。
○川上政府委員 今作っております病院経営管理改善懇談会等でも、看護、管理の問題にこれから入っていくと思いますけれども、そういうところで一つまた御検討願っていただくことに期待したいと思います。先ほど申しましたのは、連続して深夜勤務を一週間以上やらせてはいけない、こういう意味でございまして、一カ月に六日なら六日以上深夜勤をやらせてはいかぬというお話でございますが、その辺はもう少し検討させてもらいたいと思っております。
○滝井委員 そういう工合に、少し検討させてもらわなければ病院の運営ができないような実態なんですよ、国立病院というのは。大体常識で考えて、うら若い女性を月のうちに七日も八日も、普通昼にも働かせておって夜にも働かせるということが、一体この二十世紀の後半の時代に常識かどうかということです。しかもそれが国立病院で行なわれておる。そういうばかなことはないと思うのですよ。だからやはり、夜勤というものは一カ月にもう六回が限度です。それ以上させません、こういうことが当然言明できていいはずなのです。今言ったように、あるいは昼は休んで夜だけ六回働かせるということもあるかもしれません。あるかもしれませんが、それもやはり夜働くのは一カ月六回が限度だ、この程度のことはやはりやっておかなければいけないと思います。夜働くのが多かったならば困るんですよ。そういう点をなぜあなたの方できちんとした言明ができないのですか。女性の深夜業というのは禁止されておる。これは労働基準法の例外ですよ。ただ看護婦さんとか電話交換手とか、医師については例外ですぞというその例外を、普通のものとしてやるところに問題があるのです。そういう点はもう少し人員をふやしておやりになったらそういう心配はないわけですから、もう少しそういう点を十分にお考えになって、人間を大事にする病院が、労働基準法の精神を無視するような人間の使い方をすることはいけないと思います。そういう点をもう少し御検討を願っておきます。 次は、今一番問題になっておる国立病院の統合、廃止、縮小の問題です。昨年の十月一日に国勢調査が行なわれたわけです。そうして日本の人口は九千三百四十万ときまりました。五年前に国勢調査をしたときよりか四百十三万人ほど人口が増加したわけです。ところがこの四百十三万という人口は一体どこに増加してきたかというと、京浜、京葉を含む大東京都圏に二百四十三万増加した。そうして阪神地区に百十七万、中京地区に五十二万増加した。これは都市について見ると、どういうところに一番増加しておるかというと、人口二十万以上の都市に四百六十万増加してきておる。これをもう少し詳しく分析してみると、四十六都道府県の中で二十六県は人口が減少しておる。そうして三千五百十一市町村の中で四分の三は減少しておる。ずば抜けて人口の増加したところは東京、大阪、神奈川、愛知、こういうところです。この五年間に、とにかく日本の人口というものは相当都市に向かって流入しておるということです。こういう日本の経済の変動による人口の移動の状態の中で、この医療金融公庫に関係をする私的医療機関あるいは公的医療機関、これらの病院の整備計画というものは、あなた方は基本的にどういう考えに立ってこの人口の流動の中で計画をお立てになろうとするのかということです。こういう大所高所から、国立病院の配置その他を当然お考えにならなければならないのだ。昨日も言ったのですが、所得倍増計画が行なわれるとますます人口の状態というものは変わって参りますよ。一体今の国立病院の統合廃止の問題について、どういう基本方針でおやりになろうとするのか。
○川上政府委員 現在の公的の医療機関の整備計画は、御承知と思いますけれども、大体人口当たりのベッド数は、たとえば三十万以上の都市では万当たり五十床、十万以下の都市では三十五床というような標準を設けてやっておるわけであります。また私的医療機関につきましても、御承知のように医療金融公庫の貸し出し基準を見ても、やはり病院についても診療所についても、都市に比較的にたくさん貸し出せるようになっております。そういうことで、今おっしゃったような、そういう人の増加の流れに全く即応しておるかどうかというお話になりますと、そこまではやっていないわけですが、大まかに申しまして人口の集中する都市に医療機関の整備をよけいにするというような計画になっております。
○滝井委員 医療機関整備の十カ年計画をお立てになるときに、一体日本の経済がどういう方向で発展をし、日本の人口の移動がどういう工合に行なわれるかということを考えずに、今あなたの御説明になったように、万当たりで人口三十万については五十ベッド、十万のところは三十五ベッドだ、こういうことにしたって、それだったらもう都市に病院を集中させるということを意味するわけです。当然病院の整備十カ年計画というものは、これは自由民主党なり内閣で、やはり都市の再配置と申しますか、あるいは未開発地の開発と申しますか、そういうものとやはり一貫をしてこれが計画されてこなければならない。ここなんですよ。いわゆる医務局は医務局だけで勝手な病院の整備十カ年計画をお立てになる。それから所得倍増計画は、経済企画庁か何か勝手にお立てになっていっておる。それから中小企業のことは、通産省か労働省が勝手にやっておる。こういうばらばらで、ちっとも一貫した総合的な計画性がないところに、日本の自由民主党内閣の行政の大きな欠陥と誤りがあるのです。だから今言ったような、こういう人口の移動というものを、人口問題調査会がわれわれに出してくれておるにもかかわらず、それにマッチした医療機関の整備計画というものがちっとも出ていない。過去の五年間に四百万をこえる人口が大きく増加して、それが一体どういうところに集中しているか、それによって病院はどうなるのだ、二百万も一つところに人口がふえたら、当然それにつれて、医療機関というものはどういう工合に配置されるか考えられなければならぬ。それがもし都市に集中して弊害があるならば、一体この人口をどうするかという別の角度からの問題、それと病院とがやはり一緒になって討議をされなければならぬと思うのです。ところがそれがされていない。そういうことになると、この医療金融公庫のお金というものは、何ら計画的につぎ込まれずして、無秩序に金がいくことになる。これを私は心配するわけなんです。そこで、そういう形で計画をされていないということになると、今の絵しかかいておらぬことになる。たった今の現実だけを見て、瞬間々々を見て、絵をかくことになる。それが現われておる。私の質問の中に、具体的にあなた方のやっていることに現われておるから、私は今からやるのですが、まず第一に、山口県の山陽町にある埴生療養所というものが、これは廃止して地方に移譲するというので、ずいぶんもめましたね。これは一体今どういうことになっておりますか。
○川上政府委員 これは地元の山陽町にこれを譲り渡すということで準備いたしておるわけであります。
○滝井委員 そうすると、譲り渡して、これは病院になるのですか、何になるのですか。
○川上政府委員 地元ではやはり病院にしたいということを申し出ておるわけでございます。
○滝井委員 これは病院にするということは間違いないでしょうね。
○川上政府委員 これはもう先月の十七日ですか、町会で決議をいたしまして、病院を引き受けることにきまっています。そしてそれを経営する予算が近く提出されるというふうに聞いておりますので、間違いないと思います。
○滝井委員 そうしますと、今まで国立病院に勤めておった職員、これは一体どういうことになりますか。
○川上政府委員 初めは約二十名近くそちらの方に移るというような予定もありましたけれども、その後の経緯によりまして、多分十名余り程度そちらの方に移って、あとはやはり国立の方に残ると思います。
○滝井委員 そうしますと、職員は一部はその自治体が責任を持って引き取る、一部は国の方で責任を持って引き取ります。こういうことですね。——じゃ、そう確認しておきます。 それから、私のところに今電報がきておる。これは和歌山県の病院ですが、何らの話し合いがなく、本月末をもって和歌山病院を廃止すると通知してきた、直ちに抗議と善処方を要請するというのがあるわけです。これは一体従業員と配置その他については十分話し合いが行なわれているのですかどうですか。それからまた、それを廃止するというのは、一体どういう理由で廃止するのですか。
○川上政府委員 和歌山病院は、立地条件が大へん悪いところでございまして、ほとんど外来患者の利用価値もありませんし、それに雨が降りますと水質なども悪くなる、そういうことで、経営を廃止いたしまして、そして田辺病院の方に統合することにいたしたわけであります。これは三十二年度ころから検討いたしましてさような方針を打ち出したわけでありますが、最近では患者がわずか二十四名くらいしかおりません。それで何らの話し合いをしていないということでございますけれども、昨年の暮れも、だいぶその方針を患者さんあるいは私の方の職員にも伝えまして、そして説得に努めたわけでございますけれども、当時は反対が強くて、そのまま年を越して本年に及んだわけであります。しかし、また本年に入りましても現地ではたびたび話し合いをしていると思います。現に昨晩私が聞きました情報でも、職員の代表などとも話し合っているようであります。患者さんにしましても、大体そういう考え方になってくれまして、私はこの三月の終わりで一応廃止しても差しつかえないような情勢になったというふうに感じているわけでございます。私どもといたしましては、なるべく職員の希望するところに配置がえをする、あるいは患者さんにいたしましても、患者さんの希望する病院なり療養所に移す、そういう考えで、円満にできるだけ事を処理したいと考えているわけでございます。
○滝井委員 患者なり職員の希望するところにそれぞれ配置がえなり転移させる、こういうことだそうですが、一体国立病院というものは患者が少なくなると全部廃止するという方針なんですか。私はここなんですよ、医療機関の適正な配置——もうかるところにしか国立病院をお作りにならぬというならば、これは国立病院は要らないわけですよ。今からその重要なところに触れてくるわけですが、埴生とか和歌山というようなものはもうからぬのだ、どうも外来も少ない、立地条件も悪い——立地条件が悪いところになぜ作ったのかということです。これは陸軍病院か何かから受け継いだのでしょうけれども、それならばそのときにおやめになっておったらいい。ところが今になって少ないからやめるというなら、今まで医療機関が既得権としてあったものがなくなるのですから、その付近が困ることは確実です。それならばまたかわりのものをどこか近所に建てなければならぬということになるのです。これは医療の配置の上からいっても、無医地区とか無医村があるとおっしゃっておって、一斉休診もあれだけ一生懸命やめさせたのですから、これは今まであったところがなくなってしまえば、四六時中の一斉休診になってしまう。こういう点、もう少し全国の国立病院の配置計画、そしてそれを今後一体どういう工合に、統廃合をやるなら、五カ年計画でこういう工合に統廃合するというように、きちっとわれわれの方に出してくれなければ困る。ちょこちょこと散発的に、患者が多いから、少ないからということでやっていったのでは、医療機関の整備計画も配置も何もできぬですよ。一応これでいいでしょう。そういう形で一応入院患者なり職員の希望を十分聞いてやるというならばそれでいいです。 しからば新しい問題として、東京と福岡に基幹病院をお作りになるんですね。東京は、国立療養所清瀬病院、これは二千床くらいでしょう。それから福岡の福岡療養所と清光園、福寿園は千七百床くらいでしょう、計算したらそうなりますよ。大体そういうことで、二千床と千七百床でいかれるのですか。
○川上政府委員 統合して現存のままにするかという御質問でありますか。
○滝井委員 ベッドはそういうことになりますか。
○川上政府委員 私どもの考え方といたしましては、各ブロックに基幹的な療養所を作る必要があると考えておるわけでございます。従いまして、御承知のように福岡には三病院が密接してございます。東京は清瀬と東京療養所が比較的近いところに大きなものが二つあるわけでございますが、そういうものはいずれも施設が老朽化しておりますので、やはりこれを恒久施設に改築しなければならぬというような情勢になっております。その場合に、将来まとめた方がいいという考え方を持っております。ことしの方向といたしましては、福岡なら福岡には病床二百くらい、東京の方は二百五十床作りたいと考えて設計をしておるわけであります。そのベッドをトータル幾つにするかということはまだきめておりませんけれども、将来やはりだんだん結核が減って参るということを予想しておりますので、必ずしも現在の合わせたベッドがそのまま必要だというふうには考えていないわけであります。その辺は実際の患者の増減などを見て将来きめていきたいというように考えております。
○滝井委員 そうしますと、たとえば福岡の千七百床とか、東京療養所とか清瀬病院合わせて二千床にするということでなしに、それは結局三百か五百くらいでやっていく、こういうことになるのですか。そこらあたりをもう少しはっきりしないと、来年度の予算にあるわけですから……。
○川上政府委員 もっと大きいものを作りたいとは思っておりますけれども、本年度はそういう二百床と二百五十床……。
○滝井委員 私は今年度のことを言っておるのじゃない、完成したときに一体どういう程度のものになりますか、こう言っているのです。結核対策をおやりになるのでしょう。結核対策というのは短期のものじゃなくて、長期のものですよ、日本の結核対策というものは……。今結核に力を入れるならば、結核というものを撲滅する一番絶好の機会なんですよ。しかし、絶好の機会であるけれども、この対策というものは長期の見通しに立たなければいかぬ。長期の見通しに立って、しかもその長期の見通しに立った裏づけの実施をする療養機関としては、それぞれブロックにあなたの方はこういう基幹の療養所をお建てになる。普通の方は基幹病院、結核は基幹療養所をお建てになる、こういうことなんでしょう。そうすると、長期の結核対策というものはどういう方向へ進むから、この長期の結核対策に見合う基幹病院の配置計画というものがどうなるのだということが出てこなければならぬと思うのです。そうしてその基幹病院の下には、九州なら九州のブロックに、関東なら関東ブロックに結核療養所があって、その下にその子、孫という形で地区病院、地方病院ですか、そういう形で配置されると同じように、地区の療養所なり地方の療養所というものが出てこなければならぬと思うのです。その構想が明らかにされずして、断片的にただ債務負担行為か何かでちょこちょこととっていく形ではいかぬと思うのです。こういう形でちょこちょこと出されるから、ここに働いている諸君は不安なんですよ。われわれが算術計算すると、たとえば東京療養所、清瀬の方は千五百か二千ぐらいベッドがありますから、それをやめさせて作るのかな、こういう感じがする。そこらの構想を明らかにして下さい。長期の結核対策というものはわれわれはこう考えている、それに見合ってブロック的な基幹の療養所はこういう工合に配置して作ります。そして結核の療養所は今ベッドが二十六万ぐらいありますか、これをどういう工合に再編成していきます。今空床が多いから再編成しなければならぬことは当然でしょう。こういう点をもう少し科学的、総合的に説明してもらわないと、その場その場で行き当たり、ばったりの予算を組んで病院を建てておったのでは、夕ベには増設し、あしたには廃止するということを繰り返すことになる。それを私は指摘したい。国立病院はこういう工合に統合し、あるいは廃止しているんだけれども、一体どういう方針でそれを廃止して、こういう新しいものを作ろうとするのか、それがさっぱりわからない。大臣どうですか、あなたがおわかりならば、大臣に一つ説明してもらいたい。
○古井国務大臣 国立病院にしても療養所にしても、計画的に配置を考えるということはよいことだと思うのであります。今の結核療養所につきましても、多分このあとで説明すると思いますけれども、無計画で思いつきをやっているとは私は思いません。一方また、さっき和歌山病院とか廃止するものについての御意見がありましたが、足らぬところに足していくことが重点で、できることならば、あるものはやめたくないのであります。ただしかし、具体的に利用度も少ないし、また設備も悪いし、そのほかの立地条件が悪いというところは、十分検討してやめなければならぬものもあるのであります。和歌山病院のごときも、四年来もうさんざんどうしたものかということをあらゆる角度から検討した結果、これは廃止するほかはないではないかということになったものでありまして、具体的な事情によるのであります。置けるものなら置いておきたいのであります。全体的な計画はなければならぬわけでありますけれども、これは局長の方から御説明申し上げます。
○川上政府委員 御承知のように結核対策は強化されまして、ことしの秋から強制入院なんかがふえて参ったりいたしますので、ことしの秋ごろからここ二、三年は、やはり療養所に入る患者が一割程度はふえるのではあるまいかという予測をいたしておるわけであります。しかしその後は相当減っていくのではないか、こういうように大体において見ておるわけであります。それで国立療養所は現在百八十の結核療養所を持っておるわけでありますが、一昨年来から地方の結核医療の需給関係などをいろいろと検討いたしまして、そして今申しましたように、ブロックに一つぐらいは基幹的な療養所を作って、最も権威ある治療をやる、あるいは研究ができるようにしたい。それからそのほかの療養所は、それぞれの地方の結核病床あるいは療養所の状態などを勘案いたしまして、どのくらいの規模のものが適当であろうとか、あるいは小児結核、カリエスなどの治療にその地方は事欠いておるから、そうものをやはり国が整備しなければならぬと思います。そういう工合に、いろいろ地方の結核医療の需給状態に見合うように、これを将来整備していきたい、こういうように考えて、一応計画はある程度のものは持っておりますが、未だごらんに入れるほどのものでもございませんけれども、そういう考え方で大体はやっておるわけであります。従いまして、先ほどの東京なり福岡のベッドは幾つに将来するのかという御質問でございますけれども、私どもは基本幹病院として相当大きな結核の療養所を恒久建築で作っていきたいという考えでございます。しかし、そのためには、たとえば現在二千あるものを千なら千ベッドを作ったという場合に、あと千ベッドを切って捨てるかというと、そういうことは考えておりません。千をそれに入れて、千残れば、それを残して、無理がないように統合していきたい、こういう考え方をいたしておりますので、職員などにつきまして、その出血を来たさないように、そういう点を十分配慮していく考えでございます。病院の方は、やはり御承知の通り、国の方針によりますところの府県の基幹病院整備計画というのがございまして、それに見合ったような整備をしていく。つまり、その地方にありますところの国立病院が、その地方の医療需給関係から見てどうあるべきか、中央病院に匹適するものもありますし、地区病院に匹適するものもございます。それぞれのやはりその地方におけるところのそういう役割というものをよく考えて、それに見合った計画をしていこう、国立だけで勝手に一人歩きの計画を作るというようなことは考えていないわけであります。大体でございますけれども、以上でございます。
○滝井委員 一回一つ日本の地図にあなたの方の、九州ならば、福岡に療養所の基幹ができますね。それから国立病院の方の基幹ができましょう。そうすると、それを符号で一ぺん全国の地図へ現わしてみて下さい。こういう配置でやる。そしてこの基幹病院のベッドは幾ら、そして地方病院の国立は幾らのベッドを九州に配置するのだ、こういう配置図を来週までに作って出してみて下さい。そうすれば、あなたの方の計画が一目瞭然とわかってくる。それがさっぱりわからないのです。一体国立はどういう配置をやるのか。私は少なくとも医療というものは国が最小限度の責任を持つ必要があると思うのです。そうすると、基幹病院というものを各ブロックにお作りになるならば、基幹病院を一体ブロックのどこにお作りになるつもりなのか、それと療養所の基幹との関係というものは一体どうなるのか、そういうことをきちっと一ペんお出しになって下さい。それであとは私的病院というものを配置すればいいのだから、あるいは公的病院を配置していけばいいのだから。背骨がなくして人体の構成ができないのと同じです。まず国立病院が背骨です。この背骨を一ぺん来週、この医療金融公庫法を通す前までに十分省議を開いて、これでございますという青写真を、全国のやつを出して下さい。今あるやつは将来統廃合するなら、これは統廃合をやる予定だという予定でもけっこうですから。そうしますと、医療に従事しておる従業員も、それからそこにおる患者も、早く腹がまえをきめることができるのです。そういう点を出してもらいたいと思うのです。それからそれと同じことで、今度療養所が五つ国立病院に転換します。長野県の上田療養所、それから静岡県の浜松、島根県の大田、長崎県の小浜、福岡県の久留米、これは昭和三十八年にはみんな療養所だったのです。ところが、それから八年か九年の歳月が流れたら——これは国立病院であったものを二十八年に療養所にしたのです。今度また八年か九年歳月が経ると、今度は予算で国立病院に返すようになったのです。こういうようにして、一体どうしてこれを今度はまた療養所に返さなければならぬのかということです。療養所だったものをどうして国立病院に返さなければならぬのか。かつて緒方竹虎さんが、出たり入ったりまた出たりということを言ったのですけれども、これは国立病院であったものを療養所にして、また国立病院の会計に返すなんという、こういう不見識なことをやっておったら、医療行政というものはネコの目よりも早く変わっちゃって、われわれにはわからぬようになっちまう。もう少しこういう点をきちっとやる。そして今度は国立病院に療養所を変えるとすると、看護婦さんの数が、普通ならば四対一でしょう。療養所は六対一でしょう。これが違うから、今度は人員の増加の問題が出てくるわけです。そうすると、人員はわずかに九十七名くらいしか増加していない。こんなことでは国立病院になったときには本格的にやっていけぬです。こういう、その場その場のところで、何か収支の状態によって、国立病院となり、ゆうべには療養所になる、あしたには国立病院になるというような、こういう行政のやり方というものはいけないと私は言うのです。これはさいぜん言ったように、一貫したものがないから、こうなる。一貫した人口の配分、日本における資本主義の発展の方向は一体どういう方向に向いているかということを、医務局が十分に検討して、病院の配置というものを考えなければならぬ。私的医療機関は、人口の集中しておるところにある程度いくかもしらぬけれども、それは資本主義の自由原則でやむを得ないと思う。国が医療に最小限度の責任を持とうとするならば、医療機関配置の骨格となるところを国が持っておく必要があると思う。こういう点、大臣どうですか。この五つの国立の結核療養所が今度は国立病院に転換する、こういうことは、一体どういう基本方針からこういうことになるのか。
○川上政府委員 今度転換いたします中に、以前は病院だったものもあるわけでありますけれども、やはりこれはその地方の医療需要から見まして、ぜひ病院にしてもらいたい、そういう地元の要望があったりなどいたしまして、よく検討の結果、転換することにいたしたわけであります。たとえば上田市に療養所があるのでございますけれども、これは療養所といいながら、現に内科、外科その他の各科をそろえておりまして、結核以外の患者さんの治療もやっておるわけでありますが、たまたま上田市の方で、今度病院を建てるというような計画が一つできまして、それを上田市の方も検討されたわけですけれども、国立療養所がせっかくあるのに、また一つ病院を立てることも要るまいというようなことで、御相談に見えて、そしていろいろと検討した結果、転換をして一般病院にして整備をしていこう、こういう考えになったわけでございます。 それから看護婦がそのような数では足るまいというお話でございますが、御承知のように、結核療養所が病院になったからといいまして、一ぺんに患者をみんな一般患者にすぐ切りかえるというわけではございませんので、一応これで足りるという計算に立っておるわけであります。 先ほど国立病院が療養所になる青写真を出せというようなお話でございましたが、ただいまのところは、先ほど申しましたように、一応方針をまずきめておりまして、個々の問題につきましては、まだごらんに入れる程度に固まっておりませんので、一つこまかい計画を出すことはごかんべん願いたいと思うのであります。
○滝井委員 それならば、日本の全国の地図に、現在の国立病院と療養所の分布図でけっこうです。そして各ブロック別のその病床、国立所有の病床、それだけを書いてもらったらいいというのです。そして現在予定をしておるところには、二重まるか何かで、この基幹の療養所と病院だけは配置をしてもらいたいと思うのです。 今のお話を聞いておりますと、上田市に市が病院を建てるのだ。だから療養所を今度は国立病院にしてくれ、こういう財政のむだをおやりになるのですね。国立の療養所があるのだったら、それは病院へ変えなくたって、療養所でずっと生かして、そして国立の病院を別にお建てになったらいいのじゃないのですか。それをなぜわざわざ今度は病院に変わらなければならぬか。そうするとそこの結核対策は一体どうなるのだという疑問が起こるのです。それからこれは結核だったら患者さんは二割引きですよ。今度は国立病院になると患者の二割引きはできなくなる、こういう問題が出てくるわけです。そうすると、それは患者さんが退院するまでは、国立病院になっても二割引きしてくれるのですか。
○川上政府委員 私は問題でないと思っておるわけです。国立病院がありまして、そこで一般患者もある程度扱っております。そしてその近所にまた大きな金を出して病院を建てるということは、かえってその方がむだではないか。つまり結核の患者というものは、将来はやはりだんだん減っていくわけでありますから、そこでそういうことを御相談して考えたわけであるわけですが、二割引きの点は、現在入っている患者につきましては、従来通りにしていく。少なくとも本年じゅうはそういう措置をとっていきたい、こう考えておるわけであります。
○滝井委員 本年じゅうというのが、また困るのです。長期の患者なんですから、こういう点はもう少しやはり親心を持って、行政の都合で変えて、初めの約束は療養所で入っておって、今度は国立病院に切りかえるのだから、二割引きはやめたといえば、患者さんは大へんなことになるわけです。これは十分検討して下さい。 そうしますと、その上田市では、療養所を国立病院に切りかえれば、結局病院を建てない、こういうことになるわけですね。そうすると、そのあとの結核対策については、上田市には結核患者がいなくなった、こういうことなんですか。それとも、その病院は結核と両方おとりになる、こういうことですか。
○川上政府委員 むろん一般病院につきましても、結核病棟というものがございますわけですから、あまりそういうところに無理をしないように考えているわけです。それから上田市には、そういう施設はありませんけれども、県内の近いところにもいろいろ療養所がございます。結核療養所などもありますから、慢性患者などはそっちの方へ入ってもらわなければならぬことがあるかもしれませんけれども、しかしあまり無理をするつもりはございません。
○滝井委員 もう少し医療行政を系統的にやってもらわないと、今のような行き当たりばったりで、そのとき、そのときの地方の要望その他によって、ネコの目のように変わるのじゃ、たよりなくてしょうがないですよ。 きょうは午前中これでやめますが、次会には全国の国立療養所の分布図を出していただくことを重ねてお願いしておきます。きちっと基幹病院、基幹療養所の配置をはっきりしておいて下さい。 それではこれで午後に回します。
○山本委員長 午後二時半まで休憩いたします。 午後一時三十三分休憩 ————◇————— 午後三時三十三分開議
○齋藤委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、委員派遣の件についてお諮りいたします。 本日筑豊地区大辻炭礦において坑内火災事故が発生し、二十六名の死者が出た模様であります。現地に委員を派遣する必要があると認めた場合は、適宜委員長において議長に委員派遣の承認を求めることにいたしたいと存じますので、その際の手続は委員長に御一任願いたいと序じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長代理 御異議なしと認め、そのように決しました。 ————◇—————
○齋藤委員長代理 休憩前の質疑を続けます。滝井義高君。 〔齋藤委員長代理退席、柳谷委員長代理着席〕
○滝井委員 午前中に国立病院並びに国立療養所の全国的な計画をいろいろとお聞きしたわけですが、どうもその計画というものがはっきりしないので、もう少し質問を続行いたします。 かつて結核療養所であったものを国立病院に転換をするという上田、浜松、大田、小浜、久留米の五つのことを尋ねておったのですが、厚生省は一方では雄幹病院、基幹療養所をお作りになり、一方では結核療養所を国立病院に転換をする、同時に最近は病棟の縮小というものが進められておるわけです。当然こういう病棟の縮小をやる場合には——たとえば青森とか秋田とか福島などで行なわれておるわけですが、当然青森県、秋田県、福島県における結核対策とこれらの療養所の縮小というものは、それぞれ関連を持ってやられなければならぬわけです。とか秋田とか福島などの病棟の取りこわしが行なわれるにあたって、当然その県の結核対策と見合ってこれをおやりになったのですか。
○川上政府委員 青森の療養所の問題につきましては、県の衛生部とよく打ち合わしてやっておるわけでありまして、青森療養所は私も行ったことはないのでありますけれども、大へんに不便なところでありまして、非常に利用率が下がっております。私もその周囲の医療機関の関係などをしさいに検討してみたわけでありますけれども、どうももよりに結核療養所があったりあるいは精神病院があったりなどいたしまして、この利用率があまり高くなるとも思えないところでございますが、一部の老朽不要の建物をただ取りこわしただけであって、ベットを減したというわけではございません。
○滝井委員 私はかつて青森県に行ってあの療養所を見たことがあるのですが、なるほど幾分林の中にあってそう交通が便利ではありませんでしたけれども、結核患者というものはそうしょっちゅう外出する必要もないのですから、交通が便利でなければバスその他をお作りになればよい。ただあそこの施設が非常に古くて、いろいろの設備が完全でないから患者が来ないのです。幾分お金をおかけになってきちっとおやりになれば、療養所は空気がよくて閑静で、いい医者さえおれば患者はやってくると思うのです。ところがそういうふうに手を入れないからだんだんさびれてくる。せっかく療養所があるのですし、しかもここは有名な療養所であるわけです。県の結核対策にしても、青森なんというのは雪の深いところだし、まだいなかに行けば万年床というのですか、ああいうのもあって、福井、石川と同じような気候的条件があると思うのです。結核は少なくはないと思うのです。相当あると思う。そういう点から考えて、こういう療養所についても、もう少し統合せられるならば基本方針をきちっとお出しになって、職員の配置その他も何かヘビのなま殺しみたいなことじゃなくて、安心のいくような形でやらなくちゃいかんと思う。病院の病床を少しずつ減らしながら、最後に医者も来ない、患者も来ないからというようなことではいけないと思うのです。私がさいぜん言うように、前もって全国の配置計画をお立てになったならば、それにのっとってやるということを医療の従業員の組合である全医労等とも相談されて、事前の話し合いでこういう方針ですということをやれば混乱は起こらぬわけです。そういうことをやられぬからこういうことになるわけです。こういう点、一ぺん局長さんの方で早急に基本方針をお立てになったならば、それを天下に公表して、十分関係者と話し合っていかれるということをやらないと、どうも国立病院のあり方について最近われわれは調べれば調べるほど疑問が多いですね。そして一方においては、たとえばことしの予算をごらんになっても、結核と精神病というのは、国民健康保険でも本人については七割の、政策を前進させるような措置を予算でやっているわけでしょう。その命令入所は増加をさせる、結核の公費負担は増加をさせるという一方においては、結核病院をつぶしていく、あるいはベッドを少なくさせるというようなことは、どうも納得がいかないです。政策と医療行政、特に病院行政というものがマッチしていないという点が感じられるのですね。こういう点どうですか、一ぺんこれは、すぐとは言いませんが、やはりこの国会の終わるまでくらいに、何か基本的な方針をお作りになって国会に出していただく必要があるのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○川上政府委員 採算のとれないところをだんだん縮小するというように申されますけれども、実はそうは考えておらないわけです。国立病院は半分くらい採算がとれないと思うのです。しかしそこの病院の有用性というものを考えまして、必要なものはそれをやっていく。さらに拡充も御承知のように一方にやっておるわけでございます。ただ、どうも利用率がどうやってみても上らない。その土地の医療需給の点から見ても必ずしも必要でないというようなところもあるわけです。今の青森の場合、近所に臨浦園がございまして、やはり便利な臨浦園の方に患者が行くということもあるわけです。決して思いつきにやめたり、あるいは採算がとれないからこれを縮小するという考えはございません。三十六年度は整備費などは従来よりもだいぶよけいにもらっておるわけでありまして、やはり拡充する面は拡充していく、こう考えておるわけであります。何分とも終戦時に軍その他から引き受けた施設でありますから、適当なところに適当な規模のものがあるわけでもないわけでございまして、その地方の医療需要に必ずしもマッチしてないわけですから、そういう点を考えて統合するものはやはり統合するが、そのかわりまた必要なものは、これを拡充していくというようなふうに、だんだん整備して近代化をやっていきたいという考えを持っているわけであります。
○滝井委員 私は青森の療養所へ行ったことがあるのですが、食いものなんかもよくないですね。それからお医者さん方も非常にさびしい感じを持っておったです。いわゆる生気はつらつとして従事をしておるという姿が見えない。というのは、やがてこれはベッドを縮小されるかもしれない、縮小の結果は患者が少ないと廃止されるかもしれない、そういう気持になりますと、そこの従業員も一生懸命にやる気がしないですよ。だからそういう気持を起こさせることが、すなわちその病院の存在性を疑わせることになるわけです。やはり存続して、その病院がある限りは、そこに働く人たちにも希望を持たせるし、患者にもあまりまずいものを食わせないようにしてやれば、これは入ってくるわけなんです。ところがあそこの療養所に行ったら、食いものはまずいのだ、お医者さんも熱意がないのだ、こういうことになれば、これは閑古鳥の鳴くようになるのはあたりまえですよ。だからそういう点で、もう少ししっかりやってもらわなければいかぬと思うのです。 それからもう一つは、岐阜県の岐阜市の日野荘のそばの射撃場の再開の問題です。これは駐留軍が使っておった射撃場を今度自衛隊に払い下げるわけで、これを自衛隊が使うことになるのでしょうが、こういうことは一体あなたの方と自衛隊の方、防衛庁との関係はどうなっているのですか。ここのそばには多分精神病院も何かあったと思いますが、この関係は一体どうなっておりますか。
○川上政府委員 駐留軍がかつて使っておりましたものを自衛隊が引き継いで使うという場合に反対が起きたわけです。そこで防衛庁の方からも連絡がございまして、厚生省とそれから現地の療養所、国立の療養所でございますが、これが相談をして、一応試射をやってみようというような計画を持っております。その結果によって判断していこうというように聞いております。
○滝井委員 日野の結核療養所はたぶん二百ベッドくらいあると思うのですが、結核療養所のそばの射撃場を駐留軍がやめて帰ったあとを、また自衛隊にやらせるということがそもそも問題ですよ。それならば自衛隊に言って、この日野荘というものを、どこかもっと静かなところにかえ地をもらって、責任を持たして移させるとか、こういうことをやらないと、一方では戦争の演習が行なわれている、一方では社会保障のための政策をやるということは、これは両立しませんよ。この辺にはたぶん五百ベッドくらいの医療法人立の精神病院があるはずです。そういうように精神病院もあるし、結核療養所もあるのですから、これは自衛隊の方に移っていただくか、あるいは自衛隊にそれぞれ分のお金を出してもらって移るか、こういう形で、川上さんの方はもう少し強引でなければいかぬです。強引と言っては語弊がありますけれども、やはりこういう行政の折目を正すためには、駐留軍がいなくなって、これで平和な療養ができると思っておったら、あとにまた自衛隊がやってきてパンパン撃ち始めるというのでは、これは処置ないですね。これが占領軍なら、戦争に負けたんだからやむを得ないところがある。しかしそれもほんとうは気に食わぬことだけれども、負けたんだから仕方がない、歯を食いしばらざるを得ない。それがいなくなったあと自衛隊がやるのなら、かわりを作ってもらう、このくらいの強引さがないところに結核行政がうまくいかない原因がある。だから自衛隊に堂々と申し出て作ってもらうのです。どうしてもやるなら作って下さい、かわりにこれを自衛隊に上げましょう、自衛隊の療養所にしなさい、これくらいの強引さを持たないからあなたの方はなめられるのです。私に言わせるとそうですよ。射撃場をやめるか、あなたの方からかわりをもらうか、どっちだ、このくらいの強硬方針で臨めますか。
○川上政府委員 今申しましたように三者で今その問題を検討いたしておるわけであります。その結果によって善処したいと思います。
○滝井委員 これは自衛隊に払い下げるというときに、あなた方に相談ありましたか。
○川上政府委員 聞いておりません。
○滝井委員 聞いていない……。こういう工合に一方においては閑静を必要とする結核療養所があるのに、それを今度払い下げるときに、あなた方に相談もせずに勝手にこれがやられている。いかに一国の政府内部の行政がばらばらであるかということがここにも現われているわけです。これは明らかに自由民主党のこういう政策、防衛政策なり医療政策が閣議で、いわゆる渾然一体に行なわれていないかという証拠です。これはあなた方に文句を言っても仕方がない、池田総理に文句を言わなければならぬところでしょうが、一つ医務局長の方も十分がんばってもらいたいと思うのです。 ちょっと大臣を呼んでくれませんか。——じゃ、それは大臣が来るまで自衛隊の問題はあと回しにします。 それから富山県の古里保養園というのが火災にあいました。この保養園はベッド数四百の結核療養所ですが、一病棟が一月末に焼失をして患者さんの私物を焼いているわけです。原因はわかりません。原因はわかりませんが、当然これは国が患者さんの私物を焼いたのですから賠償してやらなければならぬと思うのですが、これはどういうことになっておりますか。こういう場合はどういう処置をおとりになるのですか。
○川上政府委員 原因を今調査をしているようでございますが、その結果によりまして、その私物を国の責任で焼いたということになりますと、そういう点も考えなければならぬと思います。
○滝井委員 これは石油ボイラーか何かのところから火が出ておりますね。こういう場合の過去の取り扱いはどうなっていますか。たとえば久留米の精神病院が昨年であったか火災になりましたね。そういう場合、患者のものを皆焼いてしまうわけです。久留米の場合は原因は何か忘れましたけれども、全くそれは患者の責任ではなく管理者側の責任で火災を起こしたときに、患者の私物というものは今まで賠償した例があるのですか、どうなんです。しかもそれが特に生活保護の患者のような場合には、一年に一着ぐらいしかズロースなんかくれやしないのです。朝日裁判でも御存じの通りです。そうすると丸裸になるわけです。当然これは国が何かの形でしてやらなければ患者さんが大へんです。こういう場合には過去にどういう取り扱いをしましたか。
○川上政府委員 ちょっと記憶しておらぬわけですけれども、しかし、国の過失に基づいて個人の私物を焼いたということになると、やはり国が補償しなければならぬというふうに私は思います。
○滝井委員 そうしますと、もし古里の保養園等で、これは今原因不明らしいのですが、原因不明ということでも患者にとっては大へんな迷惑です。何らかのことをしてやらないことには生活保護その他の貧しい患者さんというものは大へんです。物がないのですから。国から出す金というものは、朝日裁判で今やっているように非常にわずかしか金をくれないのですから、これは適当にぜひ一つ国として考えてもらわなければならないのじゃないか、こう思います。 次に、職員の宿舎の問題です。多分二、三年前の昭和三十四年だったか、宿舎法が改正されて、たとえばわれわれの議員宿舎も金をとるようになったわけです。これと同じように公務員の宿舎についても皆有料になったわけです。ところが、問題は青森のような国立療養所、非常に不便な地区にある国立療養所では、宿舎に高いお金をとると、お医者さんはその分だけ払わなければならぬということになるので、それだけ給料が減るからなかなか来ない。だから宿舎は提供いたしますとどこでも書いてあります。新聞広告なんかを見ると、宿舎は提供いたします。だから一つ来てもらいたいというのがざらなんです。そこでこういう取り扱いについては、今まで多分厚生省は医師その他の職員を確保する立場から、一年ずつくらい区切って大蔵省と交渉して延ばしてきたはずです。これは今後もそういう方針を三十六年度でもおとりになる方針ですか。特殊の非常に不便なところについては有料の宿舎を無料にするというような方針をおとりになるのですか。
○川上政府委員 療養所の方は無料宿舎で従来やってきたわけでございますが、大蔵省の方では職種を指定して、その方の宿舎だけは無料にしたい。それだけの職種の方は無料でやるが、その他の方は有料でやるという考え方が出てきておりまして、私の方はそれに対して今抵抗しておるわけでございますが、まだきまっておりません。
○滝井委員 そうしますと、厚生省の方針としては今まで通り医師その他の職員の確保の上から、できれば無料の方針を続行したい、こういう方針ですね。
○川上政府委員 そういう希望を申し入れております。
○滝井委員 そういうところもしっかりした態度で貫いていただきたいと思います。 それから午前中課長さんたちいらっしゃっていなかったから今伺ってみたいのですが、午前中のいわゆる四十四時間制の勤務体制をとったときの看護婦の欠員は一体どうなるのか、どのくらいになるのか。まず現在の欠員、それから四十四時間制をとったときの欠員、そしてそれに対する補充の対策、この三つを一つ御説明願いたい。
○川上政府委員 先ほどもちょっと療養所について申し上げましたように現在欠員が百八十五名ということになっておりますが、療養所は定床に比べますとだいぶ患者の実数が少ないものですから、それに見合うところの看護婦さんの余裕がある程度あるわけです。それから欠員の補充はどうしてもやっていかなければならない。これは極力その欠員の補充に努めます。それでもって実員をふやしていきたい。それから先ほど主計局の方からお話がありましたように、どうしても足りないということであれば超勤でもってカバーしていくというほかないと思います。
○滝井委員 現在の療養所と国立病院と合わせて看護婦さんはどれだけ欠員があるか、こういうことなんです。百八十五名というのは療養所だけでしょう。国立病院は幾らですか。
○川上政府委員 これは非常に少ないわけでありまして、定員が六千二百六十九名に対して現在六千二百六十三名おります。
○滝井委員 そうすると、今度は四十四時間制に変わるとどういう欠員の状態になるのですか。三百七名ふやすわけでしょう。それを今度療養所に幾らふやして国立病院に幾らふやすかということです。
○川上政府委員 けさちょっと申し上げたのですけれども、病院が二百十ふやすわけです。それから療養所の方では九十七で、内容は結核が八十五名、らいが五名、精神が六名、脊髄が一名、そういうことになっております。
○滝井委員 現在の看護婦さんの総数は幾らですか。看護婦さんといえば正看、准看、補助で、医療法では四・四・二ですかになっておるわけですから、全国の療養所とそれから国立病院の正看、准看、あるいは三つの総和でもいいのです。
○川上政府委員 ちょっと今全部手元に資料はないのでございますけれども、看護婦さんの方は准看と実は一緒にいたしておるのです。それで国病の方は六千二百六十九、結核の方は一万言八十、らいは五百二十五。
○滝井委員 六千二百六十九の国立病院と一万百八十の療養所と五百二十五のらいで、総計一万六千九百七十四人ですね。
○川上政府委員 精神が抜けております。
○滝井委員 これに精神が幾らか加わってくるわけです。そうしますとこれらの人たちが四十八時間制から四十四時間制に変わって一万六千九百七十四プラス精神のものが幾らあるか知りませんけれども、相当あるでしょう。それを加えて三百七名の増員では、これは計算が合わぬでしょう。よほど超勤をたくさんやらせないと計算は合わぬですよ。さいぜん僕は一万七千五百くらいおるだろうと思うと言ったのですけれども、それくらいあるのですね。一万六千九百七十四だからここに六百加えたら一万七千五百になるから、六百くらいおりますよ、精神は。らいよりか多いはずですよ。こういう状態ですから三百七ではどうしても計算が合わぬですよ。これでは結局相当超過勤務をやらなければならぬし、深夜にもやらなければならぬことになるわけです。それでは一カ月に七回どころではなくなるでしょう。計算が合いませんからもう少しここらあたりを——私はこういうところは医務局長さん遠慮は要らないと思うのですよ。私はどしどし予備費で要求すべきだと思うのです。こういう実態が明らかになってきたのですから、今病院のストが盛りですから、こういうときにあなた方がやはりきちんと人件費を要求しておかなければ、要求するときはありませんよ。こういうストが起こって医療労働者は、あなたのみずから言われたように労働条件が悪いのだ。一番労働が過重になっている。これが医療ストの一つの原因でございますと、こう指摘された一番の大事なポイントが国立病院自体にも現われているのだから、こういう点は予備費を補正予算で堂々と要求すべきだと思うんですよ。四千二百億も自然増があるのですから、三十六年度で先ほど六百億余るとかいうことを参議院でも池田総理みずから言っているのだから、こういう点はもう少しはっきりさせる必要があると思うのですがね。どうもこういう一番大事なときに厚生大臣が来ておらぬのだから……。
○川上政府委員 全部をこの増員で埋めるという考え方だと大きな増員になるわけでございますけれども、先ほど申しましたように看護用品を設備していくとか、療養所の定床に対する実員が非常に少ないので、そういう点をあんばいしていくとか、それから超勤なんかの操作で何とかこれはやっていけると考えておるのでございます。
○滝井委員 それならもう少し明らかにしておきたいのは、ことしの予算要求で幾ら要求したのですか、さいぜんわからなかったんですよ。三百七名が認められる基礎の予算要求は幾らしたのですか。予算要求というのは幾分水増しがあるかもしれませんけれども、一体幾らを要求されたかということ、四十四時間制に切りかえるときの人数の予算要求です。
○川上政府委員 一般会計合わせますと千人以上だと思います。
○滝井委員 千人以上の要求をされて、三分の一以下認められた、こういうことなんですよ。こういうところがやはり私は非常に問題だと思うのです。これを基礎にして今度医療費が計算されてくるわけです。厚生省はわれわれが医療費算定の基礎をお出しなさいと言っても、なかなか出さない。きょうは何かわれわれの手元に社会保険診療報酬改訂に関する資料というようなものを配付されておるけれども、ただ自分たちが推計をして出てきた額だけを出して、一体こういうものがどういう算定の基礎から具体的に出てきたかということは何も書いておらない。その算定の基礎の数字というものを書いておらぬのです。数字を、ただ文章だけをいろいろ書いてあります。推計したことは書いてあるけれども、その推計がどんな根拠から出てきたかということは何も書いてないのですね。こういうちゃちな資料でごまかそうとしているわけです。これはもう一回保険局にあなたから言ってもらいたいと思うのですが、委員長にお願いした方がいい。こういう資料ではだめです。われわれが要求したのは、昭和三十二年の医療のあの甲表乙表をお作りになるときと同じように、詳細な資料を出してもらわなければだめですよ。こういうごまかしの資料では議論にならぬです。だからこまかく数字を入れて一つ早急に出してもらいたいと思うのです。 それからもう一つこの資料と一緒に、ついでに言っておきますが、健康保険組合の方の資料も出していただくことになっていたわけです。それをまだ出してきていないのです。これを一つ正確なものを出してもらいたいと思うのですが、とにかくこういうことが医療費算定の重要な基礎になるのですから、もう少し御遠慮なく、きちっとした、国立病院のモデルをとってみたら、他のものも推計ができるというくらいのところでないといかぬのですよ。国立病院が無理から無理をして、重労働をやらせ、超過勤務を払ってやっているということでは話にならぬ。じゃその超過勤務のものを、普通開業医で超過勤務なんというものが今の医療費の中に入っておるかというと、これは入っていないでしょう。たとえば今のこの医療費の中に、夜中に患者さんが来た、初診の五点、乙表の五十円の中に、夜中に診察するときは、医者一人で診察するわけにいかぬから看護婦も起こすわけですが、一体そんなものは入っておるかというと、五点の中には入っておりはしないのですよ。五十円に超過勤務が入っておるといったら人が笑いますよ。看護婦さんだって夜中に起こされたら、百円いただきましょう、二百円いただきましょうと、必ず二割五分増しを要求するわけですよ。入っていない。ところがそういうものは、国立病院は今まで超過勤務は大して出さずに押えつけてきた。今度は四十四時間制になったから超過勤務は幾らか出しましょう、こういうことでは話にならぬのですよ。だから国立病院で折り目を正せば、普通のところでも折り目を正さざるを得ない。あなた方はそういう監督ができるのです。ところが人件費の問題についても施設の問題についても、みずからやっておらぬから監督ができないのですよ。そういう点はもう少し、非常に悩みの多い、苦しみの多い患者を扱う人間の問題ですから、やはりもう少し私はきちっとすべきだと思うのですね。こういう点はどうですか。もう少し思い切って、どうせ九月には補正予算を組まなければならぬのだから、そのとき医療費の問題を一緒にお出しになったらいかがですか。今はまだ参議院を通っていませんから、今出せと言いたいところですけれども、それは無理ですから、九月にでもそういう点をもう少し思い切って補正予算をお出しになる、そういう考えはありませんか。
○川上政府委員 先ほど申しましたように、一応これで何とかしのげるのじゃないかというように考えているわけです。けさほど申しましたように、基準看護の範囲で三交代をやっておるところも少なくないわけであります。国立病院はそういう点では基準看護以上に実は看護婦を持っておるわけでございます。しかも機械化をしたり、あるいは相当の増員をしたり、超勤をつけたり、そういうことでやっていけば、一般の病院の看護婦の状態よりも、私はおしなべてだいぶいいというように思っているわけです。
○滝井委員 これはやろうと思えばどうでもやれるわけです。しかしそれではいわゆる全国の医療機関の模範として、モデルとして医療行政を遂行していくその背骨の役割を演じなければならぬ国立病院としては、これは不足ですよ。やろうと思えば、やれるのはどんなところでもやれます。しかしそれでは国営医療機関としての価値がないのです。だから国営医療機関ならば国営医療機関らしく、やはり師表に立つ姿を作ってもらわなければいかぬということですよ。それは何も国に金がないわけじゃないのですから、財源はうんと余っているのだから、余って財界その他にうんとつぎ込まれていっているのだから、国立病院も努力しておとりになったらいいのですよ。あなた方が少し力足らず、遠慮しているからこういうことになって、人間にしわが寄ってくるのです。これはあとで大臣が来たらもう一ぺん言いますが、努力をしていただきたいと思います。 次に入ります。少し医療金融公庫に具体的に入っていきます。また一般論になりますが、この三十五年度の医療金融公庫におきましては、二十九億五千万円の貸付を行なうことを予定しておったわけですね。その結果ことしの一月末までに約二十六億の貸付が行なわれたわけです。この二十六億の貸付状態は一体どういう状態になっておりますか。たとえば病院とか診療所、それから貸付金額の大きさと申しますか、そういうようなものは、大ざっぱに言って一体どういう形で貸し付けられておりますか。
○川上政府委員 最近の、それよりまたあとのがございますから、あとの方でお話ししたいと思います。これは二月十五日現在のものでございまして、それによりますと、借り入れの申込額が約九十億あるわけでございます。それで審査済み額が八十六億七千五百万円になっております。それから貸付の決定額が、これは二十九億五千万円だからオーバーしているわけですが、一応三十二億、それから貸付が内定いたしておるものが六億八千七百万円、それから査定減、つまり貸付の基準をオーバーして出したというようなもので、査定減になっておるものが十一億四千万円、保留になっているもの、これはやはり書類など不備でございまして、もう少しよく書類をととのえて検討しなければならぬという種類のものでございますが、それが十三億三千万円、それから一応この地域の基準などオーバーしているもの、大体人口で見たりしたときにオーバーしている、一応貸付の該当にならないというものも、特例を希望して出てきたものがございまして、それが二十三億一千万円、それから審査未了が三億二千六百万円、これはどうせ三十六年度に回さなければ仕方がないわけでありますが、こういうことで見ますと、申し込みの九十億のうち、審査未了として一部残ったのがありますけれども、大体におきまして今の査定減あるいは貸し付けられないというようなものを合わせまして、三十四億ほどあるわけでありますから、五十億余りが貸し付けなければならぬということになるわけであります。五十億の中で二十九億五千万ほどことし貸せるわけですから、来年度の資金を約二十億ほど食わなければならぬというような現状でございます。
○滝井委員 どうもちょっと計算がわからなかったのですが、二十九億五千万の貸付資金があるわけでしょう。その中で三十二億貸付の決定をしたから、もうオーバーしているわけですね。そしてあとは貸付の内定とか査定減とか保留とかということで、これらのものはことし貸せないので三十六年度に持っていかざるを得ないことになるわけでしょう。そうすると、貸付決定した三十二億円でも、すでに二億五千万円不足しておるじゃないですか。それは一体どこから持ってきて貸しておることになるのですか。
○川上政府委員 まだ貸しておりません。決定だけいたしております。それは来年度の資金で貸し付ける予定でおります。
○滝井委員 そうすると結局二十九億五千万円をこえる分については三十六年度回し、こういうことになるわけですね。——わかりました。 そうすると、今の二十九億五千万円貸せる分、すなわち決定領の三十二億、これがあなた方からいえば一番手っ取り早い数字でしょう。これの内訳は一体どういう形になりますか。病院、診療所の関係です。
○川上政府委員 貸付決定の内訳でございますけれども、病院が三百八十件で二十五億四千五百万円、一般診療所が五億三千三百万円、歯科診療所が一億一千八十万円、以上でございます。
○滝井委員 そうしますと、この三百八十件の病院は医療機関の整備計画に十分のっとっておやりになっておるわけでしょうね。
○川上政府委員 それは貸付の基準に従いまして、それに合ったものだけを貸し付けておるわけでございまして、少し詳しく申しますと、人口一万当たりの全然病床がなかったところに二カ所できております。それから十床以下のところ、非常にベッドの少ないところですが十三病院、それから十床から二十床、これもベッドの少ない個所でございますが、三十六カ所できております。二十床から三十五床以下のところが二十九カ所、三十五床から四十五床以下のところが十カ所、四十五床から五十床までのところが二カ所、合計九十二カ所でございまして、私どもではベッドが足りないという三十五床以下のところはベッドを特にふやさなければならぬというふうにも考えておるわけですが、そういうところに八割程度できておるという格好になっておるわけでございます。 それからベッドの数は、一般病院がトータルで六千六百九十二。精神病院の方は、これはベッドが別になっておりまして、病院の数が十七カ所、ベッドが三千百十三になっております。診療所の方は、一般診療所の方が人口十万人以下の市町村が七十六でございます。人口十万から三十万の市が三十五、人口二十万以上の市が六十、合計百七十一カ所の診療所がこれによってできるわけでございます。それから歯科診療所の方は人口十万未満の市町村で十二、人口十万から三十万の市で五カ所、人口二十万以上の市で四カ所、合計二十一カ所、診療所と歯科と一般と合わせまして百九十二カ所、こういう実績を示しております。これによって比較的医療機関のないところに病院診療所が整備されておるというように考えて、その点喜んでおります。
○滝井委員 そうしますと、さいぜんのように国立の療養所を国立病院に転換をするというような場合には、たとえば久留米のごときはどういうことになるのですか。そういう場合には人口十万以下については三十五とか、十万から三十万かは五十とかいう基準でおやりになっておるのですか。
○川上政府委員 一応現在あるものでありますから、それに対してそれだけの人もおるわけでありますので、医師会あたりからも希望も出ておりますけれども、一応現状で移管をするというような考え方でおります。しかし一般病床になりますと、一般病床をふやしていかなければならない。結核病床を減らして一般病床をふやさなければならないという運命は持っておるわけであります。先ほど申し上げましたように、将来それを地方における医療の需給状態にマッチするようにいたしたい。それが国立療養所の生きる道でもあるというふうに考えておるわけであります。今すぐにお話のようにこの基準に合うようにはできにくいと思っております。
○滝井委員 そこらあたりのものさしをはっきりしていないと、国立療養所から国立病院に切りかえるときには、今まであるのだからベッドその他は言わぬのだ、しかしその他の場合はベッドで言うのだということになると首尾一貫しないのです。 同時に、私がさいぜん申しましたように、過去五カ年間における日本の人口の集中状態というものは、異常の状態で集中しておるわけです。特に大都市といってもすべての大都市というわけにはいかない。人口二十万以上の都市に集中しておる。しかも人口二十万以上の都市でも、東京から千葉の付近とか中京とか京阪とか、こういうところにしか集中していない。たとえばわれわれのような北九州でも、その集中は最近は非常に少ないのです。今の三つの地点に比べたら非常に低い。そうしますと、今日はこのベッドの状態がちょうど基準に合っておるけれどもこれから五カ月たったときには、人口が東京のように年間三十万も五十万もふえるところではがらりと違ってきておる。こういう問題が出てきておるわけです。 そこでやはり病院の基本計画というものは、人口の動態その他を十分勘案しながら絶えず変えていき作っていかないと、これは非常に問題が起こってくるわけであります。一貫性がなくなるわけです。そういう役割を、やはり病院行政の面から都市における人口集中というものを抑制する作用が、こういうもので行なわれると思うのです。こういう一つ一つの政策が総合されたならば、やはり都市における過度の人口の集中というものを排除することができるのではないかと思うのです。そういう点についてもう少しあなた方の方でも、たとえば上水道や下水道行政だって同じです。もう少し連絡をとっておやりになったならば、何も特殊の対策をお立てにならなくても、現在の政策というものが総合的にいろいろ勘案調整をせられていけば、人口の都市集中というものもある程度防ぐこともできると思うのです。ところがそれを、むしろ人口の都市集中に、何と申しますか追随をしながら医療行政が行っているところに問題がある。今の段階では、むしろ医療行政がそれをチェックしそれを他の方に誘導するような主導的な役割というものを、やり方によっては演ずることができると思う。こういう金を貸すという有力な権限を持っている機関を握っておるのですからね。最近は生命保険会社だって大井町の方に移転するなんという勇断をやる社長も出てきたんですからね。だからそういう点、もう少しこの行政についても、やはり私は病院の整備計画、結核療養所の機関、施設、国立病院の機関、施設、こういうものを総合させながらやれば、あなた方の方だってばかにならぬと思うんですよ。人口の都市集中を排除する上においてもばかにならぬ力を持ち得ると思うんですね。どうもそういう点がいろいろ聞いておっても行き当たりばったりのような感じがするわけです。 そこで、ことしの予算で二億円の回収金があるわけですね。これはどういうものなんですか。
○川上政府委員 それは非常に短期の、使用期間の短かいものです。医療器械でありますとか運転資金とか、そういうものが返ってくる金がそうなっております。
○滝井委員 しかもこれは事業の益金が四億三千三宵十万一千円あるわけですね。二十九億のお金を回して利益が四億二千三百万あるわけですね。これは一割以上に回っておるわけですね。これはこういうことですか——これは来年度のやつですか。
○川上政府委員 これはことしの二十九億の益金だけではない。資金がふえるものですから……。
○滝井委員 そうしますと、これは長期のものでしょう。運転資金と器械その他のものを貸すのが短期のもので、その他のものは病院の建設の部面で長期のものですね。それで四億三千万円もの利益を上げるのですか。そうするとこれは高い利子で回さなければならぬことになるんですがね。この四億三千三百十万の事業益金、結局利子収入だと思うのですが、一体算定の基礎はどういう形でこういう形になるのですか。一体何分に回したらこういう形が出るのですか。
○川上政府委員 全体としては七分二厘に考えておるわけであります。
○滝井委員 そうすると、短期に回す金というのが相当多くなければ、七分二厘でも四億という金はできないですね。
○川上政府委員 昨年の分と合わせて益金として上がってくるわけです。三十五年度の二十九億五千万と来年の七十億の利子が加わるわけであります。
○滝井委員 七十億の金を貸すのは短期じゃない、長期のものが大部分ですから、今貸付決定したのは、たとえばこの三十五年度にしろ三十二億でしょう。三十二億の中に一体病院建設の長期のものが幾らあって、短期のものが幾らあるかというと、短期のものは少ないはずです。運転資金なんかは少ないはずです。病院建設の経費が多いはずです。そうすると来年度になって七十億の金を貸す場合においても同じですか。
○川上政府委員 昨年の貸した金の利益なんか入っておりましてそういうことになるのですが、今明細を持ち合わせておりませんので、この次に御説明したいと思います。
○滝井委員 それならば、それはあとでけっこうです。それからこの医療金融公庫と年金福祉事業団との関係ですね。医療金融公庫も病院をお建てになるし、年金福祉事業団も病院をお建てになるわけですね。同じように財源は国民年金の還元融資、それから厚生年金の還元融資、国民年金の方は還元融資と言わぬで特別融資と言いますが、この特別融資と還元融資とおやりになるわけなんです。これは一体どういうことなんですか。年金福祉事業団はあなたの所管じゃないわけですね。そうすると、あなたの所管でないところでも病院をお建てになるわけですか。この関係は一体どういう関係になっていますか。
○川上政府委員 福祉事業団の方は公的医療機関、たとえば日赤でありますとか済生会でありますとか、そうした公的医療機関の方の融資でありまして、私の方のは御承知の通り私的医療機関の融資でありますから、財源が両方に分かれて入っておるような点もございますけれども、一応対象を分けておるわけであります。
○滝井委員 起債でもお建てになるんですね。その起債がしかも還元融資の起債ですね。還元融資の起債でお建てになる。あなたがそれを知らないだけかもしれない。地方債でお建てになるのが九十五億ですよ。あなたの方よりか多いんですよ。還元融資の起債より地方債の中でお建てになる分が多いんですよ。これをあなたは御存じですか。
○川上政府委員 厚生年金の方で五十億とれるようになっておりましょうか、地方債の市町村の分がそちらに回ると思います。それから国民年金の方で十五億、合計六十五億というように聞いております。
○滝井委員 いや、そうじゃない。地方債計画分が厚生年金で五十億、継続分が十三億、事業団分十七億、八十億ですね。事業団に病院を建てる分があるわけです。なお国民年金積立金特別融資の地方債分十五億、従って地方債計は六十五億です。継続転貸し分と事業団分が加わって九十五億になったのです。——そうすると今言ったように地方債分が六十五億ですね。地方債分が六十五億お建てになる。それから医療金融公庫で七十億お建てになるわけですね。これは私的医療機関。それから年金福祉事業団が十七億ですね。そうすると地方債分が公的医療機関をお建てになる、それから私的医療機関は医療金融公庫でやる、こういうように三つに分かれてくるわけです。やがて中小企業の労働者の退職金共済事業団が、これは十年くらいすると三百七十億くらい金ができる。これはやはり労働者の福祉設施をやる。福祉設施というと病院か養老院か体育館か何かしかないが、これをやることになる。同じく労災の金がたまりますから、これが労災病院をやるわけです。失業保険も九百億以上たまったが、職業訓練の施設だけではやりようがない。金がたまり過ぎて困るので、これもやはり病院か何かやらざるを得ないところに追い込まれておる。こういうようにそれぞれ事業団のような、あるいは公団のようなものができて、全部労働者の金がこれからたまってくるわけですから、これがみなそういうものを作るとすれば、病院行政というものはもう七花八裂ですよ。ちょうど国鉄が国鉄の病院を持つ、郵政が逓信病院を持つ、全電通は全電通の病院を持つ、共済組合は共済組合の病院を持つ、みなわが道を行くのです。そうしてあなたの手に取り残されたのは何かというと、結局国立病院だけだ、こういうことになってくる。保険局は厚生年金病院を持つ、船員保険の病院も持つ、こういう形になる。みなこれはどこからその金が出たのだ。国の金から出ているのじゃない。みな労働者の零細な保険料か積立金から出ておる。そして結局あなたの方の所管の公的医療機関も、その労働者のためた金を借りなければ病院は立っていかないという状況に追い込まれておる。そうして国立病院というものは閑古鳥が鳴くので閉鎖しなければならないというところに追い込まれているのがあなたのところの医療行政です。 そこで私の言いたいのは、またもう一ぺん蒸し返しになりますが、一体こういう年金福祉事業団というものをお作りになったときに、なぜこういうものに病院を建てさせるのかということです。病院をやるならば、なぜ医療金融公庫に持ってきて公的医療部門と私的医療部門としてやらないのか。これがいわゆる厚生省のなわ張りですよ。私に言わせれば、病院行政一元化しないということです。そういうものができればあなたの力が及ばないことになってしまう。これは厚生大臣に聞きたいのだが、今のように病院の大事な財政上の問題というものは全部あなたの手から離れてしまっておる。そうして病院の整備十カ年計画を立ててやるのだというけれども、その経済のがん首を握らずしてどうしてやれますか。だから私は、厚生省がもし今後もそういうばらばらの方針をおとりになるというならば文句を言いません。しかしこの整備十カ年計画をお立てになって、医療法の一部改正を出しておやりになるならば、そういうものはあなたのところにみんな持ってくるべきです。それには、今度の年金福祉事業団ができたならば、病院というものは医療金融公庫に持ってきたらいい。そうしてそこに、あなたが言われるように公的医療機関に融資をするなら、公的医療機関の部門を作ったらいい。それなら私的部門と公的部門とが車の両輪になって、あなたの所管のもとで公的医療機関の配置ができる。それが保険局に行き、あるいは起債は自治省に行くということになるならば、あなたの行政は四分五裂ですよ。保険局が強くなるというのは財政を握っておるからです。保険局が強くなって、あなたの方は財政を握らずして身分だけを監督することになったから、あなたは、私がいつも言うように、保険局の医務課長という形になってしまった。だからこの法律を審議する上に一番大事なのは、この医療金融公庫の中にあの十七億を持ってきてもらうということです。そうして私的部門と公的部門をお作りになったらいい。そうして向こうはほんとうの労働者の福祉の面だけをおやりになったらいい。どうせ還元融資の道、あるいは特別融資からくるのですから、財源は同じだから二つに分ける必要はない。そうして貸すのも同じ公的医療機関に貸すのだから、貸す場所を年金福祉事業団という別のものでやるだけですから、病院を建てるときに二つに分ける必要はない。こういう点であなた方の行政というものは、われわれが客観的に見ておっても全部だめですよ。何をやっておるのかわからない。だから勉強しなければ一体どういうことになっておるのかわからない。しかもそういう資料はあなた方からはわれわれに何も出してこないから、われわれはどこか暗中摸索して、今言ったようなものを探してくるよりほかに方法がない。あなた方の方からは出ないのですから、予算の説明書なんかどこを見たってそういうことは書いてない。だからそういう点で、これは大臣にはっきりした答弁をもらわなければならぬが、あなたの方は、医療金融公庫の中に私的医療機関部門と公的医療機関部門を作っても異存はないでしょう。
○川上政府委員 それも確かに一つの行き方だと考えておりますが、ただ医療金融公庫は、私的医療機関の金融をやるのだということでやったものですから、そういうものが入ってくると私的医療機関の方に不安が起きるかも知れません。 それから先ほど、ばらばらなことをやって困るという御指摘でありますけれども、厚生省の中では、今の地方債のものも福祉事業団のものも、あるいは国民年金のものも、その間の連絡調整をやっておりまして、その配分をいろいろ決定しておるわけであります。
○滝井委員 厚生省の中でいろいろおやりになっておるけれども、それでは、たとえば公的医療機関である日赤をあなたはどう仕切るかということです。よう仕切らないじゃないですか。今の日赤の姿をあなたの権限で一体どういう工合にやろうかといっても、何もできないです。社会局の所管になってしまっているあの日赤の中央病院に行ってごらんになると、もう病棟を八十くらい閉鎖しておりますよ。こういうことを知っておるのですか。日赤は公的医療機関という名はついておるけれども、営利主義をやっておる。営利主義をやらなければ給料が払えない。そういう点をあなたの方の権限で公的機関に金が行くことになれば、あなたに頭を下げざるを得ない。しかし今はその必要はない。社会局長が還元融資を出す保険局長に頭を下げれば済むんですよ。それは医療免許を取り消されるときにはあなたの方に頭を下げなければならないが、医療免許を取り消されるということはめったにないから、やはりいつも財政を握り金を貸してくれるところに頭を下げざるを得ない。そういうことになると保険局の所管になってしまう。船員保険の中央病院のストライキ、そうしてここは日本一の安い労賃であるということを御存じですか。あるいは年金病院を建てるときにも、あなたの方のきちんとした統制下にあるならばあんなことはできないはずです。国立病院と同じような形でやらなければならないことになる。ところがそれがやられていないからああいう形になってストが起こってなかなか終わらない。全社連でもそうです。だからああいうものは還元融資でお作りになっておるのだから、あなたの方の医療金融公庫に集約をすべきだと思います。それで私的医療機関の方が不安だというならば、理事者を厚生省の役人だけではなくて私的医療機関の代表も理事に入れたらよい。そうしてその資金の配分、資金をどういうところにやるかということは、民間も入れた民主的な運営の審議会をお作りになったらいい。そういう形にすればちっとも心配は要らない。そうすればみんなあなたの所管のもとで、公的医療機関にも私的医療機関にも、ぴちっとした計画ができてくるんですよ。ところがそれがやられていない。年金福祉事業団なんかでやっているからそういうことになる。今度われわれ法律をどうせ審議しますけれども、今医療金融公庫を先に通そうとすれば、そこらあたりをわれわれはやっぱり直させておかなければいかぬと思うのです。同じところから金がくるのに、なんで病院を建てるのに二つも三つもやらなければならぬかということです。起債なら全部あなたのところで病院の起債をおやりになったらいい。自治省はあとであいさつをするということでいい。三体はあなたの方で、自治省はあなたに付随する刺身のつまになったらいい。あなたが刺身になったらいい。ところが起債になると、自治省が刺身で、あなたが刺身のつまになるのです。それじゃいかぬというのです。今医療行政を一元化し、この医療費の問題を単純化そうという問題が起こってきて、あなた方も今からそれをやろうとしておるのでしょう。私、大臣にあとで尋ねたいのだけれども、総合審議室みたいなものをお作りになるのでしょう。そうするとまず今のこの法律を通す段階でそういうことを徐々にやっていくことが必要なんですよ。これを分けてしまったら、またあとになって統合しなければならぬから、法律を作るときにやったら一番簡単なんですよ。これはどうも大臣が来ないと、あなたでは、それぞれ他の所管のことをあなたが言って、また厚生省に帰って袋だたきにあうようなことではお気の毒ですから、これは大臣に私言いたいところなんです。そんなばかな医療行政はないですよ。古井さんは今までは談話だけはうまいことを言うけれども、ここに来たらさっぱりですよ、元気がないし、はっきりした信念を持たないし。だから私はきょうは医療金融公庫を今のところやるかやらぬかです。福祉事業団の方をこっちへ持ってくる、そしてきちっと一元化しなければだめですよ。 委員長、大臣が来るまで休憩しましょう。
○柳谷委員長代理 本日はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。 午後四時五十三分散会