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38回国会衆議院1961/07/25

災害対策協議会 第6号

発言数
89
登壇者
10
会派数
2
開催日
1961/07/25

会議録

辻寛一自由民主党

○辻委員長 これより災害対策協議会を開会いたします。  集中豪雨等による災害対策について議事を進めます。  本日は建設省に対する質疑を行ないます。発言を求められておりますので、順次これを許します。木村公平君。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 やがて大臣が御出席でございますので、政治的な問題につきましては大臣に直接にお伺いをいたしたいと存ずるのでありますが、河川局長がただいま御出席でございますので、技術上の問題について、一、二お伺いをいたしたいと存じます。今次の災害あるいは伊勢湾台風の災害等を通じまして、一番常識的に、素朴に考えられますることは、まず、水源の涵養、それから大河川、中小河川の改修、なかんずく改修のうちでも浚渫ということが最も肝要であろうかと存ぜられるのでございます。それから第三点は、低地区における排水溝の改修、あるいは機械排水の増強、このようなことが災害対策としては最も抜本的なものではなかろうかと存ずるのでございますが、まず、技術面から、その三点について、河川局長からこの私どもの考え方についてお考えを伺っておきたいと存じます。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 根本的に治水対策をやる建前上、いろいろ問題点がございますが、今回の災害にかんがみまして特に感ぜられましたことは、ただいま先生から御指摘のございました水源の涵養、治山の問題もあるかと思いますが、それから非常に川底が上がったためによる災害、これはやはり浚渫とか掘さくを大いにやらなければならない。それから第三点は、低地の対策といたしましては、本川の水位が高い間、それに入ります支川の対策といたしましては、樋門を作るだけでは解決はしない。やはり、樋門を作ると同時に、ポンプによる機械排水でございますか、それをやる必要がぜひある。特に今回の災害につきましては、この三点が強く感ぜられたわけであります。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 次にお伺いいたしたいのでございます。今回の集中豪雨によりまする災害によりまして、山間部の山くずれあるいは地すべりというものは、すでに統計が大部分できておるだろうかと思いますが、大へんなものでございます。それに対する緊急砂防対策等について、ただいまどのような経過をたどりつつ復旧がなされておりますか、その点をまずお尋ねいたしたい。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 今回の豪雨によりまして、非常に山くずれがございます。それに対処いたすためには、砂防事業をやる必要があるかと思うのでございますが、その前に、やはり砂防事業の中でも、緊急にある地点をとめれば、それから下流はまあ安全だというような急所を一つ押えてやって参りたい、こういうふうに考えております。これは緊急砂防事業というふうにわれわれは呼んでおりますが、その個所を現在調査いたしております。調査は間もなく完了すると思いますが、完了いたしましたら、現在建設省に手持ちがございます緊急砂防事業費、それで不足する場合には、さっそく予備費から支出をいたしまして応急の手当をしたい、現在こういう段取りで進んでおります。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 先般も、この委員会におきまして同僚議員から発言がありまして、天竜川の水位が非常に上がった、特にある個所においては、十五メートルも土砂等によって水位が上がっておるというような御報告と詰問があったようでございます。その直接原因と見られるものは、天竜川の付近にありまする泰阜ダムというものが土砂で埋まってしまった、非常に水位が高くなったから、その上流二十数キロの間は非常に水位が高くなって、そのために穀倉地帯がときどき侵される、災害救助法を適用することすでに数度に及んでおる、このような状態を放置しておくことは、日本政府の恥ではないかというお話があって、われわれは耳を傾けて傾聴いたしたわけでございますが、まことに同感でございます。と申して、かりに、それならば泰阜ダムというものを破壊したといたしまして、そうして、これが急流に乗ってその土砂が下流に移動いたしたために、あるいは穀倉地帯は、それで幾らか洪水の危険は去るかもしれませんけれども、下流にあるダムは、やがてそれと同じような運命をたどる。しかしながら、そのダムがかりに埋まっても、そこは穀倉地帯ではない、山と山の山間部であるから、洪水のおそれというものはまず少ない。かりにあっても穀倉地帯を侵される危険はないのであるから、二十四、五キロ下流にありますところのダムをかりに犠牲にしても、泰阜ダムというものを何とか破壊すべきではないかというような御議論があったと記憶するのでございますが、私どもしろうとの考えといたしますると、穀倉地帯を助けるために、ダムを破壊して、そうして場合によっては、下流のダムを犠牲にすることもやむを得ないかわからないのでございますけれども、今の近代技術をもってして、そのような土砂で埋まったダムの掃除と申しますか、浚渫ができないものかどうか。  それから、そのダムに押えられたために、上流地点の水位が高くなった、この浚渫も、地域が広大でございますのでとうていむずかしい、大体不可能に近いというような御説も伺っておるのでございますが、不可能であるからというて、十五メートルも水位が高くなったものをこのまま放置しておくとするならば、おそらく今度の集中豪雨よりももっと小さい豪雨がありましても、その付近の危険は去ることができない。その付近の住民は、今後生きているうちは永久に水の脅威にさらされて、そうして、穀倉地帯であるだけに作物のことを考え、わが家のことを考えて、おそらくまくらを高くして眠ることができない。しろうとにもそのように考えられるのでございますが、ダムを破壊するにあらずんばとうてい穀倉地帯を救うことができない、現在の技術をもってしては、そのような広大な地域の浚渫はとうてい不可能であるのかどうか、技術上の御観点から、一つお考えを承りたいのでございます。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 天竜上流の地帯の土砂の堆積による被害の問題でございます。泰阜ダムの問題も、やはり今回の災害の一つにはなっていると思いますが、それよりも、あの付近の山が非帯に山くずれを起こしまして、その土砂が下流河川部に入りまして、それが天竜峡にさえぎられまして、なお泰阜ダムの土砂の堆積によって影響を受けた、こういうふうに考えられますが、この点につきましては、非常に重要な問題でございますので、現在極力調査をいたしております。従って、その今後の根本的な対策の問題につきましても、大いにこれから検討しなければいけない問題がたくさんございますが、やはり上流の治山、それから砂防、こういうような徹底した山に対する処置という問題も、非常に重要な問題と思われます。なお、掘さくという点につきましても、捨て場に適当なところがあれば極力掘さくをする。それからなお、ある地域に洪水が入らないように高い堤防を作る。ちょっと現地を見ただけでも、その堤防の高さというものは十数メートルくらいになると思うのですが、そういう堤防を作りますと、耕地がつぶれてしまう、こういうように非常にジレンマ的な問題が多うございまして、その中間においてどういう解決策が一番いいであろうか、こういう点をこの前の災害からもいろいろ検討しておりますが、今回の災害にかんがみまして、なお一そう検討、調査をしたい、こういうことでございまして、まだ的確なる対策——こういうようなことは構想程度でございまして、今後具体的に進めて参りたい、こういうふうに考えております。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 河川局長を責めるわけではございませんが、この天竜の問題といわず、私どもの直接利害関係の非常に多い木曽川水系の三大河川といわれる木曽、長良、揖斐川といい、常に堤防の脅威は、土砂の堆積によって水位が高くなるというところに根本的な原因があろうかと思うのでございます。ことにそれが今回の災害で露出されたのが天竜川の上流部でございますが、そこで、今のお話を伺いますと、これからまた御研究をなさるというお話でございますが、建設省の河川の改修技術、河川行政においては、これは日本で最高のものであることは言うまでもありませんし、唯一のものであることもまた言うまでもないのでありますが、その最高峰におられる局長の口から、まだ抜本的対策がどうもないようなお話であり、これから考えて土砂くずれを防止するのだ、堤防のかさ上げなども考える、これは常識的なお話でございますが、すでにたまった堆積土砂をいかにするかという面になりますと、これも捨てるところがあれば捨てるけれども、残念ながら捨てるところがないというふうな、まるで空漠たる幼稚なお話でございまして、捨てる場所があれば捨てるとおっしゃるが、捨てる場所というものは、そうただであるものではないと思うのですけれども、その捨てる場所を見つけるために、いろいろ科学的に予算面ともにらみ合わせてお考えであるかどうか。まず捨てる場所がなければ浚渫もできないというようなことでは、これはひとり天竜の問題だけではございません。今や全国の大河川、中小河川すべての最も大きな悩みはここにあるのです。しかも、堆積土砂の捨て場所がない場合には、放置するよりほかに方法がないのだということでは、民心安定ということがこのような答弁ではとうていできないと私は存ずるのでございます。政府はこのような方法でもって捨てる場所を実は探しておるのだ、探すと同時に、堆積土砂をそこへ運ぶというような措置をとっておる、あるいはまた、ダムを破壊することによって、急流の力をかりてとにかく六、七里下流までその土砂を流すというような方法をとるとか、何かもう少し琴線に触れるような御答弁がいただきたいのでございますが、この堆積土砂に対する問題についてもう一度御答弁を伺いたいのでございます。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 どうも説明が足りなかったようでございますが、そういうような山の手当の問題、それから掘さく、浚渫、それから堤防の構築、こういう考え方は、先ほど申し上げましたように、その通りだと思います。それでは、天竜上流のどの地帯を幾ら掘って幾らの堤防を作るか、こういう数字的なことを現在具体的に検討中でございます。従って、何万立米掘る、どこへ捨てる、こういうことを今検討中でございまして、その場所は数字的にはまだつかんでおりませんけれども、捨てるところもございます。従って、その捨てられる範囲には極力掘さくをして捨てていく、なお不十分な場合には、堤防を高いものを作るとか、あるいは、どうしてもできない場合には、家屋の移転とか、いろいろな考え方を取りまとめて、具体的に作っているという段階でございます。従って、やり方は判然といたしておりますが、数字的にはまだわからない、こういうことでございまして、ちょっと不十分な点がございましたけれども、一つ御了承を願いたいと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 結局、お話でわかりましたが、そうすると、一番根本の問題は、これはイロハのイの問題でございまして、愚問であるかも存じませんが、まず水源を涵養すること、あるいは常時砂防を怠らない、それから一たび山くずれ、土砂くずれ等があった場合には、緊急砂防を行なってこれをとめる、そうして続いて恒久的にそのような危険個所については補強をやる、これが根本問題で、これがために大体十カ年計画の中の半分の五カ年を見てみますと、およそ四千五百億ほどの予算があるやに記憶いたしておるのでございますが、それは河川全体の予算でございまして、その中で砂防費に予定されております金は、おそらく七百億くらいではなかろうかと存ずるのでございます。しかして私の記憶にして誤りがなかったならば、一番根本問題であるところの水源の涵養、治水の一番根本であるところの施策に対して、河川全体の四千億の中で、六分の一あるいは七分の一にすらも足りないほどの金を予定することによって、こういう抜本塞源的な水源の涵養ができるのかどうか。できないとするならば、一体あなた方の従来の長い間の御体験、長い間の御勉強によってどの程度の予算が五カ年間にあれば、今の予算をどの程度に増額すれば、会心の作とまではいかないけれども、大体は御心配をかけない程度の砂防ができるか、水源の涵養ができるか、その点、技術者としてのお見込みを一つ伺っておきたいと存じます。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 水利十カ年計画というのが昨年度からスタートしまして、そのうち、前期五カ年計画は総額四千億、そのうち災害関係を除きますと、三千六百五十億円になりますが、そのうち砂防が七百三十億、こういう程度でございます。この治水五カ年計画を作るときにもいろいろ検討をいたしまして、砂防の重要性も認めまして、従来の率よりは高く、この三千六百五十億円の構成ができておるのでございます。しかし、今回の災害にかんがみまして、これでは不十分であるというので、現在調査をいたしておりますが、治水十カ年計画を今後どう取り扱うかという問題になると思います。ただいまのところは、全体の構想をどういうふうに変えるかということを検討中でございますが、その検討のもとに、治水十カ年計画を極力繰り上げて実施をしていく、後年度の措置を前期に繰り上げるとか、ともかくいろいろ繰り上げて実施をしていきたい、こういう考え方を持っているわけでございまして、具体的な数字はもう少しごかんべんをお願いしたい、こういうふうに存じます。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 そこでさらにお伺いをいたしたいと存じますが、いわゆる水源の涵養という言葉が出たときに、すぐしろうとの私どもの頭に浮かびますことは、たとえば多目的ダムの建設であるとか、あるいは植林であるとか、あるいはいわゆる山林砂防、渓流砂防といわれるところの砂防工事が頭に浮かんでくるのでございますが、これがおのおの行政所管が異なって、なかなか思うようにいかないように考えるのでございますが、その点についてあなた方内部におられる方から、いわゆる農林省の砂防と建設省の砂防と二つに分かれておることが、仕事の面においてあなた方はどのようなお感じを持っていらっしゃるか、こういうことは国会においてこれを手直しするより道がないわけでございますが、その点を伺っておきたいと存じます。  もう一つは、植林々々といいますが、これは治水ということを前提にしての植林ということが一番大きな意義を持っておると私は思うのです。その植林は、これは農林省林野庁の所管かと存ずるのでございますが、あなたの方では、植林に対する発言権あるいはその助言等はなさっておるのですか、そういうことができるのですか、できないのですか、その点をちょっと伺っておきたいと思います。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 水源地帯にいろいろ施設が作られておりますが、建設省といたしましては、下流の治水というものを主といたしまして砂防事業を行なっておりますが、農林省の林野庁におきましては、造林というものを主体といたしまして治山事業を行なっております。こういうような関係で、同じ非常に近いところにいろんな施設をしておる、こういう現状でございます。従って、お互いがやる仕事というものを密接に連絡しながらやらないと、非常に混乱を招くわけでございますが、この点につきましては、従来からもいろいろ農林省と打ち合わせをしたり、密接な連絡をとっておるわけでございます。今回の特に天竜上流地帯の土砂の上昇に対しましての緊急事業につきましても、具体的に打ち合わせをやっておる、こういうわけでございます。ただいま先生の御質問の、植林について建設省がいろいろアドバイスをしているかどうか、こういうことでございますが、われわれとしては、治水砂防の観点から、こういうところへ植林をやってもらったらどうかというような点は、今回の天竜上流の現地の打ち合わせ等につきましてもいろいろやっておりますが、非常にむずかしい問題でございまして、こちらがそういう権限があるかどうかという点は非常に疑問がある、こういうことでございます。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 これは私の身近に体験をした今度の災害の視察の経験でございますが、非常に大きい山くずれがある。岐阜県のことでありますが、土砂くずれがある。さっそくこれは建設省の査定を受けて復旧しなければならない、緊急砂防工事を行なわなければならないと思いながら県庁へ行ってみますと、その山の傾斜地にソバが植えてある、あるいはまた陸稲がある、そんなことから、これは建設省がタッチすべきものではない、これは地方へ行けば、農林省の耕地課でやる仕事で、実は建設省のタッチすべき問題ではないという、まことに奇怪千万な御返事を受けまして、私は一驚いたしたのでございます。その山くずれの模様は、あなたの方の査定官がさぞかし査定をしておられるでありましょうから、詳しくお聞きをいただきたいと思います。おそらく、私どもしろうと目に見まして、今後集中豪雨があった場合には、その山全体が崩壊するのではないかという、実に危険きわまりない山容を呈しておりました。現在の山くずれそのものは部分的のものでありましたが、これは部分的に幾条も幾条も山くずれが起きておる。しかしながら、その傾斜地にソバを作っておる、あるいは陸稲を植えておるから、建設省は手が出ないのだ、これは農林本省の関係からいえば、灌漑排水か土地改良の費用の中からでも砂防工事をやるべきだというお話でございましたが、私は、そういう砂防では間尺に合わない。やはりこれは偏狭である——と言っては、農林省にあるいはおしかりを受けるかもしれませんが、あなた方専門の建設省が乗り込んで、現地をごらんいただけばわかりますが、もしも山がくずれますれば、被害の及ぶところは大へんなものでございます。こういうような場合に、セクショナリズムと申しますか、規則の上に何か限界があって、陸稲が植えてある、ソバが植えてある、麦が少し植わっておるということだけで、これは耕地なんだ、これは単なる山じゃないというような見解から、建設省が手をつけることができないというようなことに私が直面したわけでございますが、河川局長におかれては、このような事例が他にも往々あるものかどうかということも伺っておきたいと存じます。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 ただいまの事例は具体的に私承知をいたしておりませんので、よく現地の調査をやらせまして検討したいと思います。従って、それと同様な事例があるということもわかりませんが、十分調査をさせましていろいろ研究したいと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 そこで、根本的なことは、農林省の所管に属するところのいわゆる渓流砂防、建設省の所管に属するところの山林砂防と申しますか、言葉は違うかもしれませんが、建設省所管の砂防と農林省所管の砂防との根本的な違いはどこにあるのですか。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 大体を申し上げますと、渓流にいろいろな砂防施設をやる、これは建設省の所管であります。それから山腹に治山事業としていろいろな施設をやる、これは農林省、こういう分け方をいたしております。ただ、お互いにその原則に基づきまして建設省といたしまして渓流砂防をやりますけれども、それに伴いまして山腹をやった方がよろしいという場合には、そちらも建設省としてやっていくというふうに、今両省でそういうような打ち合わせになっております。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 次に、低地帯における湛水あるいはその湛水せるところの排水の点について、技術上の点について御教示を得たいと存じます。すでに御調査のことと思いますが、私の方だけでも、岐阜県の濃尾平野といわれるところの一部分が今度大きな被害をこうむりまして、水の入りましたいわゆる冠水地帯、田畑が冠水いたしました地帯は数千町歩に及ぶわけでございます。その湛水を一日も早く排除いたさないと稲が腐るというので、あらゆる努力をいたしましたけれども、なかなか能力がありませんので、十数日も冠水をいたしておったところが多いというような状態でございます。ところが、問題は、そのあとに一体湛水を排除した費用はどれほど要ったのかということを調べてみますると、岐阜県の今度の被害地の南部の一部分でございますが、そこで湛水した地帯から水をポンプで排出するために、よそからポンプも借りてきた、常設しておるポンプはフルスピードで動かした、あらゆる努力を惜しまずに水を排出することに努めたのです。その金が七千六百万円と県庁の方では計上いたしておるのでありますが、このような費用は、別に一銭も県からの負担もございませんし、国庫からの助成もないわけでございますが、これは農林関係、主として田畑の冠水地帯の問題でございますので、農林関係の部会等において私から十分発言もいたし、対策も講じていただきたいと思いますけれども、しかし、今回の集中豪雨というものは、ひとり農林関係の田畑だけでなく、工場地帯、住宅地帯が冠水をいたしまして、住宅地帯の床上の浸水家屋は、私の方だけでも数万戸ある。床下に至っては、十数万戸あるというような事例が、短時日でございますけれども、あったわけであります。そのような水が下流に流れていって、排水機によって排水される。そうすると、ここに問題になってきますのは、排水費の七千六百万円というのは農村だけで持つべきじゃないじゃないか。住宅地の水もおれの方はしょっておる。工場の水もしょっておる。ことに、工場から流れてきた水というものは油を浮かした水でございますので、作物にも大影響を与える、そのような悪影響を与えられながらも、その排水の費用は農民だけで負担いたさなければならぬというところに、政治上の非常な不満が出て参りますることは言うまでもないことでございます。この点について、これは今後の大問題になってくると思うが、機械排水の場合のその費用というものは、農民だけに負担さすべきではない。これはやはり都市も、当然負担をすべき段階にきたのではないかと思われますことが一つ。これはあるいは河川局長さんでなく、都市計画局長さんの所管であるかも存じませんが、この点に対するお考えも一応伺っておきたいと存じます。  もう一つは、排水々々と申しますけれども、機械のポンプ排水をやる場合には非常に莫大な設備費が要る。千馬力のポンプを二千馬力に増強するというような場合には、これは容易ならざる負担が農民にかかるわけでございますが、これに対して、宿命的に平坦部に住んでおるという理由で、上流部の水をかぶってこれを機械排水しなければならない、下流部に住んでおるということだけで、国家の助成は一銭もなく、全部の農民が一反歩について三千円、五千円というような多額の負担金を出さなければならぬというこのことは、どう考えても私どもには納得がいかないところでございますが、政府、ことに建設省におかれましては、このような問題について、一体、将来国家がこういうことを放置しておいてよろしいのかどうかということを、ただいま一つ伺っておきたいと存じます。

奥田教朝建設省計画局技術参事官

○奥田説明員 ただいまお尋ねの平地部の排水につきましては、降雨による自然排水は、これは市街地の下水道あるいは都市排水路を整備しております区域につきましては、公共団体の負担において施設もいたし、排水の負担もいたしております。従いまして、ただいま御質問のございましたように、農民の負担において市街地の排水をいたしておるということは、現在ないと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 それは奥田さん、御勉強が足らないのではないかと思います。御承知の通り、町村合併が盛んに行なわれている。大体十万くらいの都市が周囲を合併いたしまして、十五万、十七万の都市となったところは、枚挙にいとまがないほどたくさんございます。そのような場合には、旧来のいわゆる農村地帯も、新しく合併の結果市になっておるのですが、その農村地帯に対して、都市と農村の間に樋門がある。その樋門を時によっては越える、あるいは樋門をあけて、都市の水が農村地帯に流れ込んで、そして、最下流にあります樋門が水位が高くてあけられないような場合に湛水するというようなことは、これは当然あり得るわけです。私の方でも今ちょっと問題が起こっておりますのは、大垣市の工場から流れ出した今度の災害による水が、下流にどんどん流れて農村地帯に湛水をいたしまして、そして農村地帯は、油ぎった水を受けたために作物に大影響を受けた。しかも、樋門は、一番下流の樋門、その途中の農村地帯にある樋門の費用は、都市というものは一銭も持ちません。従って、農村の諸君は、水はどんどん上流からくる、そしておれの方のたんぼに湛水する、水をはく樋門は農村にあるが、これは自分の方の金で払わなければならぬということになれば、費用はおれたちだけで持つのじゃないかという不平が起こってくるわけです。ところが、ただいまお考えになっておりますのは、都市には町の中に下水道がある、下水道によって農村に影響はないというようなことを一口におっしゃっておるようでございますが、そんなものではございません。下水道がありましても、農村と都市との間には、いわゆる都市の水を締め切るところの樋門があって、これを大水の場合にはあけざるを得ない。あければその都市の水は農村に急激に流れる、そうして向こうの樋門が、もし大川の水位が高くてあけられなかった場合には湛水するということになる。各地にそういうような事例がございますので、この点は、あなたの思い違いでございましょうが、もう一つ御答弁をいただきたいと思います。

奥田教朝建設省計画局技術参事官

○奥田説明員 ただいま私が申し上げましたのは、ちょっと言葉が不十分でございましたけれども、農林省で農業排水として設置いたしましたものでも市街地化いたしまして、それが都市排水等の条件になって参りましたものは、たとえば名古屋市におきましては、名古屋市においてそれの維持管理をやっております。なお、その他農業排水と都市排水とがあらかじめ一体となって排水しなければならぬようなところは、施設をいたしますにつきましても、その費用の分担をきめて設置する方法をやっております。  なお、御質問のございました大垣地区につきましては、私の認識不十分でございまして、よく調査いたしましてお答えいたしたいと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 これは奥田さん、こういうことなのですよ。大垣のことを申し上げるのは恐縮ですけれども、非常に地下水が多いところなのです。地下からどんどん噴出している。水の都といわれるようなところで、地下水がたくさん出てきますので、それをまとめた川があるわけです。その川の水を、農村地帯は下流部において用排水に使っておるわけです。それで平生は門を締めておるわけです。あるいはちょっとあけておくぐらいです。ところが、大雨が降って町中が水浸しになるような場合に、樋門をあけざるを得ない、それをあけるとその水が下流部の農村に湛水する、今度は川が決壊したわけです。堤防が切れたことももちろんありますが、かりに切れなくても、農村地帯に湛水したという例は、従来もしばしばあるわけです。今や、農村地帯と都市とが、ほとんど水の面においては利用し合っているわけです。今までのように農業用水、都市の飲料水あるいは都市の工業用水とせつ然と区別ができない。愛知用水の例を見ましても、私はそういうことは言い得ると思うのですが、ことに、中小都市では下水道も完備しておらない。従って、従来は、河川局長がここにおられますが、いわゆる中小河川をもって用排水しておるわけです。そして、都市で生まれた水を農村で使っておる。従って、こういう集中豪雨の場合には、都市の水が下流の農村を侵して、農村が冠水するということもあり得るわけでございますから、この機械排水の面において、農村の水だけを機械排水するのでなく、都市の水も受けておるのだから、都市の水も含めて機械排水する。そして、機械排水の負担金等についても、これは農林省だけれども、今後は農林省だけにまかしておかないで、農林省と建設省が共管なさるように御研究を願えないかということが一つ。  もう一つは、排水機を設置する場合に、地方の公共団体にまかしておくというようなことは、いかにも、私は、平坦部に生まれたということで——公共団体といえば、すなわち、住民の費用が大部分です。そういう情けない政治というものは、私は承服することができないから、今後は、そういう機械排水の設置に要する莫大な創設費あるいは増強費というものに対して、国家は助成すべきではないかということが伺いたかったのですが、これはむしろ、奥田さんからよりも河川局長さんからお伺いしたいと思います。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 本川が、洪水のために水位が高いときに、支川の水を、どう取り扱うか、従来も多少は考えておりましたが、今回の災害にかんがみまして、その支川の本川への機械排水の問題を今後積極的に取り上げて参りたいと思います。従って、そういうポンプ施設をやる場合には、河川の事業としてやりたい、こういうことでございますので、河川事業と同様に県が二分の一、国が二分の一ということで、この機械排水の問題を取り上げて参りたい、こういうように考えます。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 次に、一つだけ堤防についてお伺いをいたしたいと存じますが、低地帯におきましては、ことにゼロ・メートル地帯あるいはゼロ・メートル以下の湿地帯ともいうべきところは、全国にたくさんございます。本委員会におきましても、その質疑が、各地の同僚諸君から盛んに活発に出たわけでございますが、低湿地帯におきましては、しかも、本流の水位よりも低いようなところに営みをいたしておりますところがたくさんあるわけでございますので、そういうような場合には、唯一の命の綱は本流の堤防でございます。次に問題は、本流だけではなく、中小河川の堤防でございますが、この堤防というものがだんだん老朽化しまして、ほとんど今ではこういう集中豪雨のときには、海綿が水を吸ったようになってしまって、上を人間が歩いても危険を感ずるようにやわらかくなって、泥土のようになってしまうというような経験を、今度はわれわれもいたしたわけでございます。この堤防の強化ということについては、もちろん予算の面もあるでしょうが、危険個所と指定されたところはもちろん、これに付随いたしましたところ——その個所だけが危険個所だから、そこだけを補強して、それに関連したところは放置をされたのでは、そこがまたくずれる、あるいはそこがまた決壊するというような危険があることは、長年の経験で十分わかると思いますが、木曽三川に対する堤防の補強についてのお考え方を一つ伺っておきたいと思います。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 今回の災害で、木曽三川は水防でやっと持ったという状態であります。その原因は、やはりただいまお話がございましたように、堤防が相当いたんでおった、あるいはまだ工事中でありまして、所定の断面までとられていない、こういういろいろな個所があると思います。従って、そういうように所定の断面はあるけれども、いたんでいる個所につきましては、今後維持管理を十分にいたしまして、そういう事態が起きないようになお補強するということを考えております。  なお、未施工のために、今回水防の御厄介になったというような個所につきましては、改修を促進いたしまして、早く所定の断面をとるように努力して参りたいと思います。なお、堤防の構造の点につきましても、非常に危険な個所並びにそれに接続いたします個所につきましては、護岸を強化する、護岸の強さを強めるとか、高さを高くするとか、こういうような方法で危険個所の堤防の強化をして参りたいと思います。

木村公平自由民主党

○木村(公)協議委員 質問はこれで終わります。

辻寛一自由民主党

○辻委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

辻寛一自由民主党

○辻委員長 速記を始めて。遠藤君。

遠藤三郎自由民主党

○遠藤協議委員 静岡県の陳情の方々がお引きとり願ったようでございますから、今の陳情に関連いたしまして、緊急に質問をしておきたいと思うのであります。  それは狩野川の放水路の問題であります。放水路は、御承知のように、昭和三十六年の洪水期までに一本完成するという方針で予算をつけて参りました。その後、工事がだんだん進んで参りまして、ほとんど水路はできて参ったのであります。水を通せばもう水は通るようになっております。ただし、取り入れ口がまだできておらない。そこで、この間の洪水のときにも、本川からの水はその放水路に流れなかったのでありますけれども、その周囲に降った水は、ことごとく放水路を通して流れてしまった。ところが、非常に水位が高くなって参りまして、各地区の農家はみんな水に浸ってしまった。あの放水路の取り入れ口を切ってしまえば助かるんだというようなことで、農民が大挙して、くわをかついで本川の堤防を切りにかかった。しかし、これはまた大きな災害が反面に起きる可能性もありますから、良識のある者は、それは行き過ぎであるから待てということで、とまったようなことでありました。しかし、もしこのまま参りまして、八月中あるいはまた九月の初めくらいに、あの洪水がもう一度やってくるようなことになりますと、あそこに血の雨を降らすような事件が起きてくる。あの周囲の人たちは、もうじっと黙って本川の堤防を切らないでおるわけにはいかないんです。今の陳情ははっきりそのことを言っておりませんでしたけれども、自衛隊を動員していただいて、本川の堤防を切ってもらいたい、そうして、半ばでき上がってきておるところの放水路へ水を流してもらいたい、こういう要望なのであります。ところが、完成しない前にそれを流しますと、護岸の施設等についてあとで非常に金もかかって参りますし、困難な問題が残って参りますから、建設省としてはそういうことをやられては困る。それもよくわかるのです。しかし、金の問題はとにかく、命にかえることはできないのだというのが、地元のこぞっての要望でございます。そういう問題に今ぶつかっておるわけです。でありますから、本川の取り入れ口を一日も早くやっていただきたい。八月一ぱいくらいに通すということでやっていただきたい。これはもう緊急事態である。あそこに大問題が起きてしまう。あれをもし切ってしまいますと、長岡の方の一部のものは水がつかるという心配があります。しかし、それよりもたくさんの何千戸という狩野川の沿線の人たちが助からないというので、あそこに大挙して切りに行くに違いない。そのときには、これを阻止することができない。あそこでまた大きな闘争が行なわれる。建設省を中心にして、さあ、これを切るのだ、切らないのだということで、大問題が起きて参ります。これは火を見るよりも明らかである。ぼんやりいろいろな議論を長い間しておるうちに、刻々日は過ぎておって、八月の末か九月の初めになって大きな雨がやって参りますと、大問題が起きてくる。これは緊急問題でありますから、一日も早く取り入れ口の完成をはかっていただきたい。一カ月ぐらいの間に取り入れ口だけを作っていただきたい。そうして、場合によっては水門をあけて、洪水のときにはそこへ流すようにしてやらないと、実力でもって、農民が大挙して本川の堤防を切りにくる、こういう事態が発生いたします。そのことを特に一つ考えていただきたい。それについて建設省は今どういう考えを持っておられるか、答弁をしていただきたいと思います。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 狩野川の放水路につきましては、一部でも一日も早く通水をしたい、こういうように考えて努力をして参ったわけでございますが、取り入れ口から少し入りましたところの地質が非常に悪い。悪いことは大体わかっておりましたが、予想外に悪いという問題に現在ぶつかっているわけでございます。隧道はすでに一本はできておりますが、そのために緊急に取り入れ口に施設をするということもできないことはないと思いますが、それをやりまして、洪水が放水路に入りました場合には、非常に地質の悪いところが大崩壊を来たす、こういうおそれが十分に考えられます。従って、建設省といたしましては、その地質の悪いところに全力をあげて処置をしていく、こういう段階でございまして、取り入れ口を急いでやるということは、かえって通水を急いだために大災害を来たすのではないか、こういうおそれが十分考えられますので、現在のところは、その悪い地点に全力をあげている、こういう状況でございます。

遠藤三郎自由民主党

○遠藤協議委員 その非常に地盤の悪いこともよく知っておるのですけれども、その付近が決壊するということは、直接人命には関係しない。非常に大きな費用を要するような工事があとに残ってくる。しかし、人命には関係しないので、人命にはからえれないということで、大挙して本川の堤防を切りにいく、これはこういう事態が起きてくると思う。ですから、建設省の技術陣を総動員して、八月までくらいにそこを切っても大した損害がないような措置を講じていただきたい。それでなければ政治にならぬのであります。これは全く技術に忠実にやるとかなんとか言っておったのでは、今戦々きょうきょうとしておるわけです、政治にならぬのであります。ぜひ一つ、自衛隊を頼んでこようという際でありますから、お願いいたします。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 地質の悪い個所が、一部通水のためにくずれる程度であるというのなら、われわれも金の問題じゃないと思います。ただ、そのくずれたことによりまして、放水路が全部閉塞するおそれも考えられます。従って、その場合には、長岡の温泉街の方へとうとうと洪水が入っていく、こういう事態が予想されますので、そういう事態さえなければ、一日も早く通水をしたい、この考えは、地元の方と同様に、われわれもそう考えております。しかし、そういうおそれがない程度までも地質の悪いところの処置をしたい、こういうことで全力をあげておりますので、御了承いただきたいと思います。

遠藤三郎自由民主党

○遠藤協議委員 その措置が八月一ぱいくらいでできるものでしょうか、どうなんでしょうか。技術的にいって、それができないで、九月になり、二百十日ごろに大洪水が出てきますと、必ず大きな問題があそこに起きてくる。八月一ぱいくらいにやれるでしょうか。一つ何とかしてやってもらいたいのですが、どうでしょうか。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 全力をあげてやりますが、八月一ぱいにできるかどうかということは、ちょっと自信がございません。といいますのは、非常に悪い地層が深うございますので、ともかくできるだけ早くやりますが、八月一ぱいにできるかどうかということは、ちょっと確信が持てないと思います。

遠藤三郎自由民主党

○遠藤協議委員 建設省としましては、この問題は非常に重大な問題と思うのだ。政府の信用の問題になる。同時に、建設省の技術の信頼を得られるかどうかという問題になってくる。大きな政治の問題になる。これは一つ全力を集中して、農民が行って本川の堤防を切っても、大きな損害にならないように、至急やっていただきたい、そのことを特にお願いしておきます。

辻寛一自由民主党

○辻委員長 中島巖君。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 今事務局の方で調べさせたら、大臣が、閣議を終わって今ここへ来るそうでありますから、大臣を中心にして、政府の所信をただしたい、かように考えたわけであります。  それ以前に、建設当局にお尋ねいたしますけれども、現在、特別立法——特別立法と申しましても、非常に広範にわたっておりますけれども、このごろの建設省の災害の担当官並びに農林省の災害担当官などを党の災害対策協議会で招致して、意見を聞いたところでは、現行法を高度に活用して、そして、その他は起債あるいは平衡交付金なんかの制度でできるのじゃないかというような意見が多かったわけでありますけれども、二十日の当委員会における私の質問に対して、大平官房長官は、特別立法をこしらえる、こういうことを言われたわけであります。しかし、特別立法と申しましても、非常に広範にわたるわけであります。すなわち、災害復旧の基本法であるところの公共土木施設の国庫負担法であるとか、あるいは農林漁業の災害復旧に対する補助の暫定措置法であるとか、こういうような基本法の特例を設ける考えに現在政府はなっておるかどうか。この辺につきまして、建設省の災害の担当であるところの河川局長より、現在の様子をお伺いいたしたいと思うわけであります。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 私どもの関係の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、これにつきましていろいろ検討いたしておりますが、今回の災害は、非常に広範囲にわたりましての大災害でございますので、各市町村ごとの詳しい資料を、こちらが調査したり、収集している最中でございます。従って、特別立法の段階に入るかどうかということは、ただいま検討中でございますので、もうしばらく御猶予願いたいと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 河川局長に私がこういうことを言って追及しても無理だとは思いますけれども、すでに災害が発生してから一カ月近くなっておるわけであります。そして、その災害の広範囲という点については、今回の災害は非常に幅の狭いものだと思うけれども、その深さは実に残酷きわまるというほど、局部的にはひどい災害だったんです。ですから、いわゆる法の構成という立場からいたしまして、僕は、当然基本法に対する特例法を設定すべきものである、こういうふうに考えております。また、本協議会の委員の方々は、自民、社会を問わず、みなその方向に向かっておるわけです。  そこで、今局長は、建設省としてはというお話でありましたけれども、この災害関係に対して、災害の実態を一番早く把握できる省はどの省であるか、こういうことを言いますれば、当然これは建設省であると思うのです。つまり、建設省の所管するところの災害は、国または地方公共団体の維持管理にかかるところの道路であるとか、河川であるとか、こういうものであって、災害の実情を一番把握できるところは建設省である、こういうように考えるのでありますけれども、これに対しての御意見はどうであるか。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 できるだけ早く資料収集並びに調査を今実施いたしておりますが、ただ、特別立法をやらなくても、現行法でできることは、極力今いたしております。たとえば、改良復旧の面につきましては、現行法は原形復旧が原則ではございますが、三十四年にとりましたような、伊勢湾台風の対策等の改良復旧のやり方、そういうような点を今回も適用いたしまして、非常に激甚の被害地域につきましては、一定改良をやる、こういうことで現在査定中でございます。  なお、小災害の取り扱いにつきましては、特別の措置によりまして、起債の充当率を上げるとか、元利償還の率を上げるとか、こういう点で大蔵省と現在協議をいたしまして、そういう方向に向かっております。  なお、われわれといたしましては、山くずれの非常に多い個所の処置といたしまして、緊急砂防事業を極力進めて参りたい。  なお、できれば三十四年にとりましたような特緊といいますか、特別緊急砂防事業、こういうようないろいろな面で、現在でき得る程度のことを極力やっている段階でございます。従って、特別立法の点につきましては、なお詳細の資料のもとに現在検討中、こういうことでございますので、御了承願います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 私の質問したのは、あなたの御答弁のこととは違うんです。各省の中で、災害の実情を一番迅速に把握できるのは建設省ではないか、それに対してお考えはどうであるか、この点をお伺いしたんです。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 ほかの省のことはよく存じませんが、建設省は早い方だと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 そこで、私の考えを申し上げると、しからば、災害対策を閣議でもって、各省でもって指導していくところの省が現在ないわけです。こういうような立場から、ある省がこの災害対策に対して指導的立場になって、政府をリードしていかなければならぬところの省があるべきはずだと思う。これがないということが非常におかしいと思う。こういうような観点から、先ほど河川局長は、建設省としてはということを特に言われておったけれども、やはり国、地方公共団体の維持管理にかかわるところの河川であるとか、道路であるとか、港湾であるとかいうものを持っておる。そして、建設省直轄の道路、河川を持っておる。また、その他のいわゆる公共団体の維持管理にかかって、建設省で補助工事をしておる。こういうような関係から、あなたのところが一番早く災害に対するところの実情というものを把握できる省だと思うのです。その省が中心になって推進力にならずして、各省がお互い顔色ばかり見ておって、迅速な災害対策が立つ道理はないと思う。  それから第二点としましては、あなたの方で、災害の深度とか程度というものの実態を早く把握できたとしたら、くどいようでありますけれども、建設省関係の仕事は、国や地方公共団体の維持管理にかかわるものでありますから、たとえ高率補助がなくても、地元負担に対しては起債その他によって充当できるけれども、農業関係なんかにおきましては、いわゆる補助の対象が地方公共団体ではなくして、個人であるとか、農協であるとか、いろいろな任意団体があるわけであります。これが非常な救いの手を待っておるわけであります。従いまして、建設省としてはという考えでなくしまして、災害に対する国全体の施策とも関連して、その災害対策の根本的な方策を立つべき立場にある、こういうように私は考えるのでありますけれども、これは建設大臣でなければ、あなたに答弁を要求しても無理かとは思いますけれども、あなたの考えをお伺いしたいと思うわけです。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 公共土木につきましては、国庫負担法が、運輸省とか農林省とか、各省にまたがっておりまして、建設省が中心になってやって参っておるわけでございます。資料もできるだけ努力をしておりますが、なかなか広い範囲にまたがっておりまして、先ほども申し上げた通りでございますが、できるだけ早く集めまして、検討を極力急ぎたい、こういうふうに考えておりますので、御了承願いたいと思います。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 それでは、この前お尋ねしておきましたこまかい問題につきまして、お尋ねいたしますが、住宅局長見えておりますか。——実は、この前も、研究しておいてもらいたいということを申し上げたのですが、第二種公営住宅が非常にたくさんの罹災者を出して、絶対数において不足をいたしておるのでありますけれども、これは臨時国会か何かでさらに第二種公営住宅の方を増額して、この前の伊勢湾台風のときのような、五百戸とか、あるいは四分の三の高率補助とか、政府にこういうようなお考えはないですか。

齋藤常勝建設省住宅局長

○齋藤説明員 今のお話の点につきましては、まだ現在のところでは、さらにこれをふやして、三割をふやすというようなことは考えておりません。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 大臣にお尋ねいたしますけれども、実は政府の今次災害に対する基本的な考え方について、特に建設大臣の御所見を承りたいと考えるわけであります。  そこで、基本的の問題として、伊勢湾台風から見れば、規模は非常に小さくて、おそらく公共土木の災害額も四分の一から三分の一程度だとは思うわけであります。しかし、その災害を受けた地域の中には、大臣も親しく御視察願っておわかりのように、飯田市、下伊那郡のように、かつての諫早、狩野川とかあるいは伊勢湾台風とかに比べて、かえって、実に部分的ではあるけれども、残酷きわまるところの深い災害を受けた地方があるわけであります。こういうような場合において、いわゆる法は公平な原則の立場に立って、相当広範なものでないにいたしましても、やはり伊勢湾台風のような立法措置をとって救済せねばならぬとわれわれは考えておるわけですが、こういうような基本的な考えに立って、大臣はどうお考えになるか。  それから、政府は、このごろの当災害協議会におきましても、大平官房長官から災害の特別立法を出すということを言われましたけれども、特別立法も非常に広範なものでありまして、財政措置だけでやる場合もあるでしょう、その他部分的な特別立法を出す場合もあるでしょう。しかし、当災害協議会において望んでいるのは、この災害復旧の基本法ともいうべきところの、公共土木施設の国庫負担法並びに農林漁業関係の災害復興の補助に対する暫定法、この二つの柱となっている基本法の特例法を要望いたしておるのでありますけれども、この特例法を出すお考えが、政府としてはあるのかないのか、あるいは政府としての意見はまとまらぬにいたしましても、建設大臣としての御意見はどうであるか、この基本的の考えを承りたいと思うわけであります。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 御承知の通り、確かに、災害は範囲的には小さいかもしれませんが、局部的にはまことに惨たんたる激甚をきわめた災害の部分がございますので、私どもとしましては、ぜひ特別立法をいたしたい、かように考えまして、着々事務当局にもその研究を命じておるような次第でございます。この点につきましては、努めてわれわれとしましては、国会関係と十分緊密な連絡をとりまして進めて参りたい、こう思っておるわけでございます。御承知の通り、与党の方の災害対策の特別委員会におきまして、伊勢湾台風の例にならい云々と、こういう大体基本的な方向をきめられておりますので、そのような心がまえで今進めておる次第でございます。ただ、伊勢湾台風の場合といろいろ具体的には違う面もございますので、たとえば土砂くずれが非常に激しい区域等における住宅の問題等につきましては、従来の災害とは少し変わった角度で研究をする必要があると思いまして、さような角度で研究をいたしておる次第でございます。何とか臨時国会までには間に合うようにいたしまして、特別措置を講じて参りたい、かように考えておる次第でございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 今建設大臣の御意見を承って、おそらくここにおられる協議会の委員の方々は、わが意を得たり、こういうように考えておられると思うのです。私もその一人であります。ぜひその御所信で閣議をリードしていただきたいと思うのであります。  それから、第二にお伺いいたしたいことは、今も河川局長にも質問をいたしたのでありますけれども、現在の災害の状況をつかむとか、あるいは災害対策に対して中心になるべき省が政府の中にないことが、私は非常に遺憾だと思うのです。そこで、私の考えといたしましては、災害の実態というものを完全に早く把握のできるのはどこであるか、こういうような点を申しますと、たとえば今度の災害で、農林関係なんかも非常に多いのでありますけれども、農林関係なんかは、主といたしまして個人であるとか、組合であるとか、こういうようなものを対象にいたしておるわけであります。その他教育関係だ何だといいましても、これは部分的なもので、実態は把握できぬと思います。ところが、建設省関係は、国または地方公共団体の維持管理にかかわるものに限られておって、直轄の道路であるとか、河川であるとか、あるいは直轄ではないにいたしましても、県とか市町村の管理にかかわるもので、国が補助を出しておる、従いまして、公共性の非常に高度のものであるから、直ちに、これはもうほうっておくわけにはいかない、金もすぐ出してやらねばならぬ、査定もせぬならぬ、こういうような観点から、だれが考えましても、建設省が一番早く災害の実態、深度というものを把握できるのだ、こういうように私は考えるのでありますけれども、大臣のお考えはどうでありますか、お伺いいたしたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 道路、河川等の公共土木関係につきましては、極力実態を把握することに努めておるわけでございますが、同時に、特別措置等を具体化する上におきましても、緊急査定を早く進めまして、その復旧工事あるいは改良工事にどの程度の費用を要し、また、町村あるいは県の負担関係がどうなるかというような内容を整えるということが先決問題でございますので、さような点につきまして鋭意努力をいたしておる次第でございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 そういうように、建設省が、災害の程度とか深度とか実態というものを一番最初に把握でき、しかも、災害に対するところの予算の上においても、建設省が一番大きなウエートを握っておる。こういうような実態が明らかになってくれば、おのずから、いわゆる閣議なんかにおいて、災害対策の中心になって閣議をリードしていく省はどこの省であるかということが、はっきりしてくると思うのです。どうしても、建設大臣は、いわゆる内閣における災害対策の中心的存在として、あなたのお考え、あなたの意思によってリードしていかねばならぬ、こういうように考えるわけであります。そういうような意味において、河川局長にも先ほど質問いたしたのでありますが、建設省としてはと、こういうようなことを言われておるわけであります。事務当局としては当然だと私は思うのです。けれども、大臣はまた立場が違うわけでありまして、先ほど大臣のこの災害に対するところのお考えを拝聴いたして、わが意を得たり、こう考えておるわけでありますけれども、ただいま申されたような態度、そして、私が今申し上げたような、いわゆる閣内におけるところの災害担当相である、こういうような自信を持って閣議を引っぱっていっていただきたい、こういうように考えるわけでありますが、お考えをあらためてお伺いいたしたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 実は、御指摘のような気持で、極力この災害対策について推進をはかって参りたいと思います。かようなわけで、従来、今日までも、予備費の緊急支出を建設省関係で三回ほどお願いをいたしまして、すでに応急工事等は発注をいたしまして、着々進めておるわけでございますが、同時に、地方公共団体のいたします補助事業、あるいは災害対策のとりあえず急速に行なわなければならない事業につきましては、それぞれ資金が要るわけでございます。これらの資金の分担関係を将来どうするかということは、特別立法等との関係もございまして、あとからでも間に合うわけでございますが、さしあたり必要な金はなければ困りますので、これらのつなぎ資金は、各関係地方公共団体に対して入り用なだけは出してやってもらいたいというようなことも、われわれの方から大蔵省に折衝いたしまして、また、その出し方にいたしましても、一々本省へ来て交渉しなければまとまらぬようなことでは、とても災害で目を回しておる公共団体としては困るわけでございますから、できるだけ簡単に、各地区の財務局に示達をしてもらいまして、財務局限りで所要の資金の調達ができるような配慮をしてほしいということで、それも大蔵省の方でその手当をし、資金の示達も各地の財務局にしていただいておるようなわけで、今後の処理につきましても、われわれとしましては、災害に最も深い関係のある行政庁といたしまして、全力を尽くしてやって参りたいと思っておるわけでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 そこで、私がしいてお願いすることは、この災害担当官の各省の諸君に来ていただいていろいろ意見を聞きましても、大臣の腹がわからぬから、お互いに顔を見合わしておるというような現状だったわけなんです。  そこで、第一番にお願いせねばならぬことは、何といたしましても、建設省関係と農林省関係が一番大きいのであります。いわゆる大臣間で、トップ・クラスで話し合って、早く方針をこしらえていただきたいということと、もう一つは、この災害を機会に、いつも災害対策のリーダー・シップをとって中心になるのは建設省だ、こういうような一つの例を作っていただかないと、なかなか各省顔を見合わしておって、災害対策が順次おくれる、こういう状況になりはせぬかと思うのです。そこで、この間の飯田の災害に対しまして、建設大臣は親しく見ていただきましたけれども、あの野底川の国道なんかは、まだ毎日数台のトラックでうちから土砂を運んできている。まだいつまでかかるかわからぬ。川路の中心地帯、あれも国道でありますけれども、うちからどんどん出てくる土砂でもって、一カ月たってもいつ国道が開通するかわからぬ、こういう状態です。それから百町歩前後の被災農地が七、八カ所あるわけでありますけれども、それらも、特例法が出ぬ限りは、現在のいわゆる災害基本法においては、とうてい立ち上がる力はない、こういうような状況で、政府の今次災害に対するところの態度いかんということを見守っておる、こういう状況であります。もっとも、臨時国会が開かれれば、法律自体としては成立いたしませんでも、政府はこういう方針である、協議会はこういう方針であるという合致した意見が出れば、それを目標にして被災害民は立ち上がれるのであるから、先ほど大臣の御所見を承って、私ども非常に勇気が出たわけでありますけれども、どうかそういう方向に一日も早く持っていってもらいたいということと、それから、われわれこの災害協議会は、全力をあげて応援するから、建設省がいわゆる災害対策の中心官庁である、こういう慣行をこの災害の際に一つあなたの手で作っていただきたい、こういうことを希望いたしまして、その他、こまかいことでありますが、二、三お伺いいたしたいと思うのであります。  そこで、今までの質疑応答の中で、一部落ほとんどだめになって、あとそこに永住の見込みのないところについては、移住するような何らかの立法措置を講じたい、こういうお話があったわけです。たとえば、私の方の中川村の四徳部落のごときは、八十五戸の戸数でありまして、その部落も、一軒々々が点在して、数里にわたって八十五戸あるのが、四十五戸が流失、全壊、あと四十戸ばかりの余ったものもほとんど満足な家はない、こういう状態であるわけで、大臣のお考えは私も双手をあげて非常に賛成いたしておりますけれども、そういうような御方針で立法措置にかかっておるかどうか、この点をお伺いしたいと思うわけであります。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 ただいまの御指摘の点、私どもも現地を見まして、また、県当局の意見等もその当時伺いまして、できるだけ地元の県及び市町村の御期待に沿うような線でわれわれは努力をいたしたいという腹がまえでおるわけでございます。ただ、しかしながら、これを実際に——一時は、あの激しい災害を受けました当座、長野県の知事あたりも、この困難な場所へもう一ぺん村作りをするというよりは、むしろ別のところに村作りをして移した方がいいというくらいな、熱意を傾けてお話もございました。これらはなるほどもっともなことでございまして、災害のそのときは、そういうことを、周囲も、また当面しておる罹災者の方々も考えられることでございますが、やはり先祖伝来の地をそう簡単にかえ得るかどうか、こういう点につきましては、私ども中央におるものの立場でこちらで勝手にきめるという行き方でなしに、できるだけ地元の要望なり、あるいは一番総体を見ておる県の御意向なりを、落ちついたところで十分拝聴いたしまして、われわれの方もできるだけ地元の意向に沿うような具体策を立てて検討するようにいたしたい、こう思っておるようなわけでございます。災害が起きまして、そのときに起こった心理状態と、またしばらくたってからの心理状態というものには、関係者の考え方にも若干違いができてくる場合もあり得ると思うのでありまして、そういう点、実はそういった合理的な改良に向かっての考え方には、政府としてもできるだけ順応して進めるべきであると思ってはおりますが、出過ぎないようにしながら進めていく必要もあるというように考えまして、目下その点につきましては慎重な態度をとっておるわけでございます。今後県及び地元市町村の御意見を聞きまして、できるだけ御期待に沿うような道に進めて参りたいと思っております。どうか国会関係の方々におかれましても、一番実情を御存じの方々に一つ御心配をいただきまして、そういうような具体的な運び方、解決の仕方、あるいは復旧の仕方について、こういう案がよろしいという名案等がございましたら、御指導をいただきながらわれわれ善処して参りたい、こう考えておるわけでございます。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 次に、地方問題に関連がありますので、非常に恐縮でありますが、三、四今度の災害に対しての政府のお考えを伺いたいと思います。これは大臣でなく局長の答弁でもけっこうであります。  実は小渋川総合開発が、本年度実施計画になって、来年度より、着工という予定になっておるわけでありますが、この小渋川総合開発のダム・サイト及び湛水地域の地点は、今次災害の激甚地のまた中心地でありまして、ただいま申しました四徳部落、そして現在交通が途絶いたしまして、山津波で三十七戸が埋没した大鹿村、この境を流れるのが小渋川であります。従いまして、災害の激甚地でありますから、いわゆるダムの湛水地域——建設省で用地を買収せねばならぬところの家屋であるとか、畑、耕地であるとかいうものは、全部土砂に埋没してしまっておるわけです。ところが、これらの連中は、そこへ再び農地の復旧をやり、また流れたところへ家を建てるかどうするかといって、非常に迷っておるわけです。こういうようなときには、この用地買収には絶好の機会である、また、それらの諸君も、それを立ち上がり資金として転住ができるのであるから、来年度買収する予定を繰り上げて早く買収してやることが、それらの諸君のためにも、また政府といたしましても、建設省としましても、非常に安上がりでいいと思うのですが、そういう処置が講じられるものかどうか、また、講ずる御意思があるかどうか、この二つの点について、河川局長でもけっこうでありますが、御答弁をお願いしたいと思う。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 小渋ダムにつきましては、ただいまお話しの通り、来年度から事業に着工しよう、こういう予定で進んでおります。その水没予定地内の、今回災害をこうむりました宅地、農地、それから住宅、これをそこで復旧いたしますと、また工事をやるときには水没される時期までに移転せざるを得ない、こういう状況でございまして、相当なむだな点が生ずることは明らかでございます。従って、できるだけ早くわれわれとしても、そういう方々の土地の買収とか移転の問題、これを処置して参りたいと思っております。

中島巖日本社会党

○中島(巖)協議委員 その点について、おそらく来年度予算になるわけであろうと思うから、操作の上でいろいろ御苦心なさらなければならぬと思いますけれども、この災害にあった者も、また建設省としても非常な有利なことと思いますので、何とかそこは一つ大臣の方で御配慮願って、そしていわゆる水没地域の予定地だけは何とか早急に話をつけてやっていただきたい、こういうことを要望いたしておくわけであります。  それから第二の問題といたしまして、大臣も局長も現地を御視察になって十分おわかりだと思いますけれども、今回の集中豪雨によるところの、まるでシマウマみたいになった山のあの状態は、目先の災害復旧の二年や三年ではとうていおさまるものではないのです。あそこには天竜川の直轄事務所がありまして、直轄河川の改修とともに一部の砂防も直轄でやられておりますけれども、これはどうしても飯田を中心としてこの直轄砂防事務所を設置していただいて、恒久的な治山対策に乗り出していただかなければ山はおさまるものではない。ことに、飯田市の裏側にある虚空蔵山は亀裂しておるということで、飯田市の一部、六百何十戸というものは全部引っ越しをした。それだけでなしに、飯田市全部が埋没するというような、雨が降ればこういう戦々きょうきょうたる状態におるわけであります。だから、ぜひあそこに国の砂防専門の直轄事務所を緊急に設置していただきたい。  それからいま一つは、今申しました虚空蔵山の一部崩壊によりまして飯田市の上の方の部分がほとんど土砂に埋まっておって、現在も手のつかぬような状態になっておるのですが、その地方は都市計画区域に入っておるものでありますから、都市災害と都市計画とを関連して同時に実行するような方途をとっていただきたい。この二つの点についてどういうお考えであるか、お伺いいたしたいと思うわけであります。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 天竜上流地帯の今回の非常な山の荒れ方を見まして、先ほども申し上げましたように、とりあえずは緊急砂防事業によって大いに砂防事業を推進する、なお、あわせて調査をやりまして、引き続いて恒久対策に入る、こういうことにしたいと思っております。そういたしますと、現在の天竜上流の事務所の規模では不十分なことは明らかであります。従って、どういう手をとるべきであるかといいますと、砂防事務所を独立するのも一つの考え方とは思います。なお、現在の事務所の所長のもとに副所長とか、砂防の出張所を極力増設するとか、そういうことも一つの考え方になると思います。そういういろいろな点を考えまして、ともかく砂防事業が円満に促進できるような機構に持って参りたいというふうに考えて、来年度の予算の折衝、さしあたりは今年度におきましてもできるだけのことは処置をして参りたい、こういうふうに考えております。

奥田教朝建設省計画局技術参事官

○奥田説明員 五万坪以上、三百戸以上の市街地が流失、埋没いたしました場合は、それを都市計画事業といたしまして、都市区画整理をして復興する方法がございますけれども、飯田の場合につきましては、市街地そのものが埋没したものでないと思いますので、よく実情を検討した上措置したいと考えます。

下平正一日本社会党

○下平協議委員 関連をして一点だけ、大臣並びに河川局長にお伺いをしたいのであります。  今度の災害でいろいろ考えさせられる点があるのでありますが、その中で、水を十分に利用するということ、河川を十分管理をするということ、防災措置を講ずるということ、こういう点について、別に悪意があったわけではないのですけれども、若干一貫した強力な施策が欠けているのではないか、こういう点を感ずるわけであります。たとえば、長野県の川路村の災害等にしましても、発電所を幾つも作って、水を十分利用するという面では相当な努力が続けられておりますけれども、さて、それによるところの河床の上昇という点についての河川管理ということになると、若干この重点が移ってはしないか。六十尺も河床が上がっていて、少し多量の水が出れば困るという状況はあるけれども、あるいは堤防のかさ上げとか、いろいろ部分的の手当は行なわれていても、河川管理という全体的な面から見れば、多少欠けているのではないかということが感ぜられるわけです。  泰阜ダムの点については、同僚議員からも前々から質問がありましたので、実は今度の災害が起きて二十日間もたっておりますから、どんな状況かと思って二、三回って参りました。昨日滋賀県へ参りまして、琵琶湖を一周いたしまして状況を見てきたのでありますが、ほかの点は別としまして、この管理の点について若干考えなければならぬ点が出ているのではないかということを、泰阜ダムと同様な理屈で考えてきたわけです。御承知のように、琵琶湖の水位は、今度は七月一日に約百十センチくらい上がっております。通常の状態からいきますと、三十センチを越えれば琵琶湖周辺に被害が出ることは常識的になっておるわけであります。ところが、水がつきまして——きのうでありまするから、二十四日過ぎておりまするが、琵琶湖の水位は一体どのくらいになっておるかというと、湖じりで四十センチ、能登川町付近は五十五センチくらい、こういう状態であります。そこで長期の冠水であります。きのう私が能登川町で水温をはかってみますると、十七度あります。冠水地域が大体一万町歩でありまして、ほとんどこれは水稲地帯であります。水温十七度の中では、水稲は大体三日、四日しかもちません。従って、全部くずれてしまって跡形もない状態になっているのです。一たん少しの雨が降ったとするならば、また百十センチに舞い戻ることは明らかであります。現に私がきのう参りました守山町から八幡市、それから能登川町、長浜、この付近では農民の諸君が一生懸命であります。多少水が引けばそれに稲を植えようと思って、岡山県あたりまで行って、トラック何十台と頼んで、一カ町村で二百万くらいの費用をかけて補植をしているわけであります。しかし、現地の諸君に聞いてみると、これだけ一生懸命補植をする、しかし、この補植の費用というのは対象にならないわけであります。収穫皆無でありますと、農災法であの辺でわずかに一反歩七千円から九千円の補償しかない。しかし、百姓であるからには米を作らなければいかぬということで、採算を度外視して補植を一生懸命やっているわけです。しかし、いまだに冠水をしておる面積は五百町歩をこえております。ところが、きのう実は少し程度の多い夕立があったのです。そうすると、琵琶湖の水はまた水位が戻ってしまうのです。これだけの無理をしてみても、補植をしてみても、台風だなんて大きな雨でなくても、百ミリ近く降られれば、またこれはもとのもくあみになってしまう、こういう状態になっているわけです。そこで、一体琵琶湖の水というものがどうなっているかというと、御承知のように、瀬田川の河口に建設省で新しく洗堰を建設されました。私行ってみたら、現在全部満開してあります。毎秒大体七百トンの排水をしているらしいのでありますが、この排水にからみまして、実は大へんな問題が起きているわけであります。瀬田川口で水をよけい出すと、下の阪神地方で災害を受けてしまう、従って、阪神地方の災害を守るためには、どうしても瀬田川のせきで食いとめなければならない、瀬田川のせきで食いとめると、勢いずっと湛水してしまう、こういう状態になっているわけであります。言うならば、琵琶湖は京阪神地区の災害を守るための防災ダム的な性格になっておる。それで、はんらんする部面を農民が全部背負ってしまう、こういう形になっているわけであります。私は、また一雨降れば非常な災害を受けるのじゃないかということを考えてきたわけであります。従って、この際、やはり上流、下流の利害関係とか、あるいは水の利用その他の区分による利害関係についても総合的な配慮を払わないと、結論は一体どういうことになるかというと、力の弱いものに被害がしわ寄せされるということになります。京阪神を守るためには、そうやれば力の弱い農民のところにみんなしわ寄せがいってしまう。水がつくということは、あるいは水を排除することは建設省の仕事で、稲が腐ったのは農林省の仕事だから、それはそっちだということで、そう簡単に割り切れるものではないと思うのです。  そこで、具体的な例をあげましたので、私は、一貫した水の利用、河川管理、防災という点について、具体的に琵琶湖等においても欠けている点がありはしないか。あるいはまた、早急にこれらの措置を講ずる必要がありはせぬかと思うのですが、この点について河川局長並びに大臣のお考え方を一つお聞きしておきたいと思います。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 琵琶湖は、御承知のように、琵琶湖から宇治川に入りまして、淀川に入って、大阪から海に出る、こういう一連の川の水源ということになっておりますが、現在のように、琵琶湖の周辺も、それから淀川の周辺も、まだ治水対策というものは完成をしないで不完全の域でございます。その場合に、どういうふうに上流、だけにそういう犠牲をしわ寄せするか、あるいは下流だけにするかという点につきまして、流域全般を考えまして、何とか公平にやりたいというので、あの洗堰を国で管理をいたしまして操作をやっております。ただいま御指摘のように、琵琶湖の周辺の被害が非常に大きいではないか、こういう点も考慮をされまして、今回ごらんになりました新しい洗堰というのは、古いせきを改造いたしまして、できるだけ水が早く下流の方に流れるようにするというような目途のもとに、今回完成したわけでございます。従って、琵琶湖の周辺につきましては、従来よりも被害が少なくなるというようなことでやっているわけでございますが、なおわれわれといたしましては、琵琶湖の周辺並びに下流の方の治水対策にもっと全力を上げまして、なおかつとびらの操作を完全にして、上下流とも被害がないように、こういうような方向で進んでいるわけでございます。

下平正一日本社会党

○下平協議委員 今の河川局長のお話でありますが、現地を見ると逆なんですね。新しい建設省のせきができましたが、もとのせきはそのまま置いてあるのです。また、百メートル上流に、もとのせきは行ってみればわかる通り、三十二の水門になっております。従って、遠くから見ると、一連のとびらのないせきのような格好になっているのですね。従って、新しいせきを作ったからといって、決して水はけがよくなったということはない。わずか八十メートルの間隔で二つのせきができましたから、水はけとしては逆に悪くなっているのです。もし、かりに新しいせきをほんとうに水はけをよくするとするならば、そのせきが完成すると同時に、古いせきは撤去しなければ、二重のせきになっているという現象になっております。従って、今琵琶湖の水位の減少率を見ると、一日わずか三センチであります。五百町歩の湛水地区が今約六十センチ、これが減水するには三十日を要する、こういうことになっておるわけです。河川局長も現地の洗堰を十分ごらんだと思いますが、河川局長の考えておるような、新しいせきを作ったから琵琶湖の排水がよくなったというのは逆の現象です。行って現地の諸君に聞いてみると、こんな水はけの悪くなったことはないと言っておる。先ほど遠藤さんが、狩野川の排水の問題で農民が暴動を起こすような状況になりかねないと言われましたが、私も現地に行ってみますと、能登川町の諸君が全部洗堰にすわり込んで、あれをぶちこわそうというような空気になってきておるわけです。従って、技術的に考えれば、新しいせきをと旧せきの関係で、古いせきを撤去するとか、あるいは浚渫をするとか、あるいはその放流の度合いに応じての危険が下流にあるとすれば、応急的に危険の個所の手当をするとか、そういう形をとらないと、実は大へんな災害がくるのではないか、こう思っております。関連質問ですから、これ以上申し上げません。  もう一点だけですが、そのせきの管理は建設省でおやりになっておるのですね。私は、建設省の管理が必ずしも悪いとは言いませんけれども、私たちがしろうと目に見ましても、大体琵琶湖の増水の時期というものは統計的にわかっております。従って、増水期を前に、かりに五十センチの予備放流をしておけば、今度の災害の被害というものは大体二割程度で済んだのではないかと思うのです。洗堰の管理について、地元の県知事初め市町村の諸君は、ぜひ予備放流をやってくれ、こういう強い要請をしたけれども、管理権が建設省にあるためにそれが実現しない。予備放流さえ五十センチやっておいてもらえば、こんな被害は受けなかったのだと非常に憤激しておるわけです。それで、特にこうした下流の防災的、あるいは建設省の直轄の中で、十分地元の意見を入れてこれらの管理をするお考えがあるかどうか。具体的には、洗堰の開閉等について、予備放流その他については地元の意見を入れる、ないしは地元と協議をするというような、そういう方向に改善をする御意思があるかどうかお伺いをしておきます。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 なかなか洗堰の管理はむずかしいのでございますが、そのむずかしい点は、やはり上流の利害と下流の利害が相当反しているからだと思います。従って、どういうふうに公平にやるかということで従来から力を注いでいるわけでございますが、滋賀県の御意見もごもっともだと思います。従って、今後なお改善する余地があれば、地元の方の御意見を聞いて改善をして円滑な操作をやりたい、こういうふうに考えております。

辻寛一自由民主党

○辻委員長 岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 時間もおそうございますし、さらにまた、いろいろ問題点も相当出尽くしましたので、ごく簡単に質問いたしたいと思います。  今度の災害調査に、私は静岡県、愛知県、三重県に参りました。やはりいろいろな問題が出ておりますので、それらについてお尋ねをいたして参りたいと思います。  まず、第一にお尋ねいたしたいことは、建設大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、けさの新聞で見ますと、大体臨時国会は九月下旬になりそうだというふうなことが出ております。一方、先ほどからの質疑応答にも見られますように、部分的ではあったが、深度は非常に深い。ことに、それは飯田について言えると思うのです。従って、どうしても特別立法をやらなければ救えない問題点がたくさん出ておる。だから、罹災者にいたしますと、罹災している当事者にいたしましたら、部分の大小は別として、やはり侵されている傷の深さに従って早く手当をしてもらいたい、こういうことであります。どういう立法措置が行なわれるか、それによってまた復興の方針を立てなければなりませんから、やはり臨時国会の開会を一日も早く待っておると思うのでございますけれど、大臣とされましては、先ほどまでの閣議に出ておられた模様でございますが、閣議でもって臨時国会早期開会の要求をされておるのかどうかということ、さらにまた、その見通しがいつごろになるのであろうかということ、それからまた、今度開かれる臨時国会において、単に特別立法をされるだけの御意思なのか、あるいは過般からいつも言われておりますように、災害のたびごとに特別立法をやらなければならない、そういうことじゃ困る。罹災府県並びに罹災の市町村の首脳者が、災害が起これば、とにかく何とかしてくれといって、すぐに陳情に走り回っていなければならない、災害対策よりも救済への陳情に走り回るということが、その地方自治体の首脳部の一番大きな仕事だというような、こういう政治のあり方というものは、私は間違っておると思うのです。やはりその保護というものは、自然にそういう罹災地に対するところのいろいろな積極的な救援の手を差し伸べるということは、もう自動的に行なわれてくる、その自動的に行なわれてくるところのいろいろな方針を受けて、それを積極的にどんどん現地にあって指導し、促進していくというのが市町村の首脳部のほんとうのやるべき仕事でありますけれども、悲しいかな、今日では、まず、中央に、どうぞお願いしますと言わなければならないというふうなことでは困るじゃないかというのが、災害基本法を作れという大きな声となって、伊努湾台風以来、災害基本法を早期に作らなければならぬといわれておりながら、昨年もそれが見送りになり、さらにまた、今度の国会でも、政防法なんぞに政府は血眼になって、それで災害基本法なんぞどこ吹く風ということでふっ飛んでしまったというようなことでございますが、今度の臨時国会にはどうされるのか、そういう三点について、私はまず大臣の御所見を承りたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 確かに、災害基本法を作りまして、災害が起きましたならば、災害の規模なり状態に応じて、直ちに発動できるような基本的な立法措置ができることは好ましいと思うのであります。われわれとしましては、そういうような角度で災害基本法の制定を促進して参りたいと思うのでありますが、ただ、従来議論をされながら実現をしなかったということは、察するに、災害はそれぞれその災害ごとに様相が異なっておりまするし、対策もおのずから必ずしもいつも同様ではない、こういうようなことから、基本的な尺度をきめるということがむずかしかったことと思うのであります。しかしながら、考え方としましては、ぜひそういうようなあり方に持ち込んで参りたいと私どもは考えておるような次第でございます。  それから、臨時国会の関係でございますが、先般の会議の際にもいろいろ河川局長からお答え申し上げたように、今次の災害につきまして、建設省としましては、公共土木事業関係の緊急査定を、今全力を尽くして、各地区に手分けをして係員を派遣いたしまして、緊急査定に努力いたしておるのでございますが、大体これがまとまり上がりますのは、急いでも八月一ぱいはかかるだろう、こういう測定でございます。従いまして、これらの基礎的な資料が整いませんと、具体的な立法措置等にも入りにくい状態にあるわけでございます。従って、これらを整えて臨時国会に臨むということになりますと、どうしても九月ということになるわけであります。閣議の席上等においても、臨時国会をどうすべきかということについて意見の交換が出た機会もございますけれども、大蔵大臣がIMFの会議に九月になりまして出張されますそうで、肝心な大蔵大臣のいるときでなければ十分な御審議を願うことも困難であろうと思いますので、このIMFの会議とのにらみ合いで結局臨時国会の時期をきめざるを得ないという事態に相なっていると思うのであります。ただ、この時期の問題につきましては、先刻も申し上げましたように、災害に対する手当、ことに、地方公共団体の資金等につきましては、支障のないように、つなぎ資金を大蔵省が放出をし、手当をする、こういう約束になっておりますから、これでどしどし所要の仕事はやっておきまして——いつの場合でも特別措置あるいは経費の負担割合、高率補助、こういう問題は、あとからきまっていきまして清算をすることになるわけでございます。従いまして、国会の時期が多少前後いたしましても、それらの実務の上に支障のないような手順にいたしておるわけでございます。さような次第でございますから、関係府県及び関係市町村におかれましては、補助事業等について資金の入り用な面は十分に大蔵省から放出をしてもらって、つなぎ資金によって万全の処置をとにかくとっておいていただきたい、あとは、政府としましては国会にもお諮りし、また、事前に国会の方々とも御相談をいたしまして、最善を尽くした処置を講じまして清算の道をとって参りたい、こう思っておりますので、多少前後いたしましても、実際の仕事の運行には支障がないものと、実は私ども考えておる次第でございます。ことに、緊急に支出すべき経費というものがそのほかにございます。これは予備費が八十数億円ございますから、この中から必要に応じて緊急支出をいたしまして、それでまかなって応急の処置は講じていく、こういう建前で現在支出を次々といたしておるような次第で、災害の復旧及び善後措置については支障のないように計らって参りたい、こう考えて進めておるようなわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 災害復旧の作業を進めるのには、応急的な措置は講じてあるから、少々臨時国会がおくれてもいいというふうな御意向の模様でございますが、伊勢湾台風のような、あのような全国的な大きな被害のときですら、九月の末に起こって、十一月の初めには臨時国会が開かれておる。事態が非常に大きいから、よけい臨時国会の開会が急がれたというふうな見方があるかもしれませんが、あれだけの大災害ですら、開こうと思えば二カ月を出ずして臨時国会が開かれておる。ところが、今度の災害は六月の末でございますから、八月一ぱいになれば、もう二カ月たってしまう。だから、災害の規模その他からいけば、もう当然七月一ぱいにはすべての調査が終わって、八月になれば何どきでも臨時国会が開かれて当然だというふうに、私たちにすればこれは思われるし、罹災者としても、調査が済まないから、いろいろな立法措置の構想がまとまらないというふうなことは受け取れない、むしろ、そんなことよりも、内閣の改造とか政府・与党のお家の事情で臨時国会がおくれておるのだ、お家の事情が片づいて、なかなか強力内閣、安定政権ができたのだから、すぐにやってもらえるのではないか、地元の人たちはやはりこのように期待しておると私は思うのです。だから、そういう意味においては、私は、今の大臣のお言葉は、そのままにすなおに受け取るわけにいかないと思うのでございます。閣議の中で、大蔵大臣がIMFに行くというふうな、そんなことで、そのまま、ああさようでございますかということで建設大臣が——先ほどの中島委員の御質問にもあったように、少なくも防災省というものがない限り、建設大臣が防災大臣である、こういう御信念でもって私は動いていただかなければならないと思う。また、災害が起これば、何をおいても、建設省がその災害の主管省であるというふうに考えて、国民もやはり建設省の活動というものを大いに期待しておるし、大臣に期待しておる国民の気持も大きい、こういうふうに思いますので、私は、重ねて大臣が、ほんとうにもうこれでやむを得ないというふうに思ってあきらめておられるのか、あるいはできるだけ早くそういうふうな罹災者の気持を察した措置を講じたいというお考えを持っておられるのか、その辺のことを承りたいのが一つと、それから、御答弁漏れになっておりますこの立法措置、これは、今度は短期の災害国会というふうなことであれば、特別立法だけで、とても基本法などというふうな大きな問題には取り組めないと思いますけれども、もしも九月下旬以後に臨時国会が開かれるというふうなことであれば、基本法もあわせてお持ち出しになるのか、あるいはまた、基本法は通常国会に見送りにして、臨時国会では特別立法だけにしておきたいという御意向なのか、そういう点についてもう一度御答弁をお願いしたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 率直にお答え申し上げますが、私といたしましては、できるだけ早く臨時国会の開催を願うようにということをこいねがっておる次第でございます。ただ、これにつきましては、国会及び政府としましては、与党との関係もございますしいたしますので、一閣僚でございます私の思うようにもならないと思いますが、考え方としましては、そのような建前でおりまするわけでございます。  それから、災害基本法の問題でございます。これは所管が自治省になっておりまして、先般の通常国会にも自治省の所管で提案の運びに相なったわけでございますが、私どもとしましては、臨時国会で相当の会期を御決定願えるようならば、ぜひ臨時国会において災害基本法を提案する運びにいたしたい、また、さように所管の省の方にも要請をいたしたいつもりで、安井自治大臣とも下話を実はいたしておるような次第でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 そこで、今度の災害についての問題に入っていきたいと思うのでございますけれども、まず、静岡県で、最初に参りました伊豆では、堆積土砂の問題が非常に大きい問題になっております。しかしながら、これは先ほど木村さんからもお話があったように、堆積土砂は、今度の災害あるいは伊勢湾台風のときだけの問題でなしに、最初は、かつて九州の熊本県で大きな土砂の堆積がございました。そういうことから、災害といえば土砂の堆積ということはすでにもう当然のこと、恒例のことということになっておる。その土砂の排除というものは、その災害ごとに特別立法をやらなければ補助が受けられないというふうな建前になっておりますので、今度の場合もやはり同じように、相変わらず土砂の排除についての陳情を受けて参りましたのですが、こういうものはもう恒久立法にしてしまったらどうか。今度の災害だけに当てはめるといって臨時国会でその堆積土砂の問題を片づけておくということでなく、土砂の堆積のある程度のものについては、これはもうこうするんだという恒久立法をはっきりきめておく、こういうことが私は非常に必要であると思うのですが、大臣のお考えを承りたいと思うのです。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 御指摘の点は、十分私研究をいたしたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 それでは、今度の災害に対する特別立法というふうな考え方でなしに、堆積土砂の問題を出される場合には、恒久立法として出してこられるように、私は特に希望をいたしておきたいと思うのです。  それから、先ほど遠藤委員の御質問の中にあった狩野川放水路の問題でございます。私も現地を見て参りましたが、これは河川局長にお尋ねいたしたいと思うのですが、この水の取り入れ口というのですか、放水の最初の口ですね、これには相当な閘門のようなものを作られるようなことであろうと思いますけれども、あれだけの容量の水をはかせるための樋門ということになって参りますと、相当規模のものになると思うのです。従って、発注いたしましても、それができて完成するのにやはり半年や一年近くかかるのではないか、こういうふうに予想されます。そこで、放水の穴は二本あいております。これからもう一本中へつけるんだ、こういうことで、現在行なわれておりますのは、その一部の護岸の非常に弱いところの方、先ほどお話のあった弱いところの護岸と同時に、まん中へ一本穴をあけるんだということでございますが、もし樋門ができておりましたなれば、二本分の放水量だけを、護岸のこわれないように水をある程度セーブしながら、ある程度本流の荷を軽くするということは、必ずしも私には不可能でないかのごとく思われる。だから、護岸とその他の工事を進められるとともに、緊急放水ということを考えて、緊急放水のための措置として、樋門を作ることに早く着手されることが賢明ではないか。また、そのことが、住民の非常な焦燥感、あるいは災害を受けたときの非常な不満というものを防ぐのには、何よりもとらなければならない方法である。従って、そういう面での工程というものはどのように進められておりますのか。すでに現在もう発注が済んで、いつごろ樋門はできるというふうな予定が立っておるのか、あるいはそれは、下の方が整備されてから樋門を作るのだ、だから、まだそれには手をつけていないのだという段階なのか、その辺のところをお尋ねいたしたいと思います。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 狩野川の放水路の問題につきましては、われわれといたしましても一日も早く放水をしたい、こういうことで、極力工事を進めている段階でございますが、取り入れ口の問題につきましては、かりに全体の設計といいますか、それが完成しなくても、仮せきというものを作って一部の水を入れることは、これは可能と思います。ただ、そういたしました場合に、先ほども申しましたように、非常に地質の悪い個所の土くずれが大規模に生じやしないだろうか、こういう点が非常に懸念されまして、その個所に今全力をあげているという状況でございます。従って、その状況とにらみ合わせながら、取り入れ口の完成につきましても、ほぼ同時にでき上がるように準備をしている最中でございます。  なお、現在隧道は一本は通っておりますが、来年の出水期には二本通す、こういうような計画です。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 放水の隧道は三本になる、のじゃないでしょうか。そして二本できていて、あともう一本は、まん中に掘るのだというように私は承ってきたのですが、私の記憶違いでしょうか。  それから、土くずれができるからという御心配は、なるほどその通りでございますけれども、これは大臣に特にお願いしておきたいと思うのですが、とにかく樋門に手がかかっておれば、住民感情というものは相当やわらぐと思うのです。樋門に全然手をつけておらない、そして、水路の建設ばかりに目が向けられおるというところに住民の焦燥感があると思いますので、とにかく樋門を同時に、並行的に工程を進められるということが、これは今度の災害だけでなしに、もし今年の八月末あるいは九月末の本格的な台風シーズンになりましたらまた大水があるかもしれない、そういうときには、本年の出水期までには放水路を大体完成するのだ、水はもう流せるのだというような約束だったのに、それができておらないということが地元の非常な不満でございますから、やはり建設省としては、せめて一本分の水でも出水当時に流すことによって、本流の荷を軽くするというような方面への努力の現われというふうなことは、手をつけておいていただきたいのでございますけれども、いかがでしょう。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 実は私も、今度の災害ではほかの方を回りまして、狩野川に行ってみなかったのでありますが、前に由比の地すべりに参りましたときに、前にああいう大災害を起こした区域でございますから、ぜひ狩野川の攻水路も見ておきたいと思いまして、あそこに行って現地を見てきたのでありますが、早くこの放水路が完成して、下流の災害が絶対起こらないように工事を促進すべきであるということを、そのときに現場を見まして痛感して帰ったのであります。ところが、まだこれが通水をいたしません前に今度の災害が起きまして、まことに困ったことだと思っておるのでございますが、極力現地当局を督励いたしまして、早くこれを完成するように、また、今お話しのありました、せきくずれの危険性のありますところの護岸を整備するのとこの完成と、並行してこのせきが完成するように実は督励いたしておる次第で、事務当局もそのつもりでやっておるようでございます。ただ、聞きますと、あそこも、あの放水路の工事を着工して始めます前にいろいろ地元でのいきさつがございまして、二、三年の間、工事に着工できなかったといういきさつもございまして、あれがすぐ着手できていたら、今ごろはこんなことにならなかったろうと、こちらの方も嘆いておりますが、現地の方々も嘆いていらっしゃる。ぜひ地元の方々の御協力をいただきまして、工事の促進を期して参りたいと思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 次に、ダムの問題でございます。秋葉ダムに行って参りましたが、実はダムのちょうど直下の竜山村というところで映画を見せてもらいました。それは、この間の災害のときの、秋葉ダムの樋門をあけたら、猛烈な奔流が直下のなにを取りくずして、家なんかかっぱらっていったというところを写した映画で、あれは非常に貴重な記録映画だと思います。一度大臣もごらんになっていただきたいと思いますが、あの映画を見ますと、秋葉ダムは、大体一万二千トン最大攻流できるという設計が行なわれている。ところが、当時の攻水量は六千二百トン、だから半分余り、六割方の攻水でございます。六割方の攻水でもって、ダムの直下に、あれは中部電力ですか、ダムの付属施設として宿舎なんかが建っている。その宿舎を守るために、護岸の上にパラペットがありますが、そのパラペットをオーバーして、大きな丸太がぼんぼんと乗り越えるのです。ダムの攻流によるところのものすごい大きな波が、パラペットに突き当たって、パラペットの上を丸太がごろごろ越えていくというような状況でございます。あれは、一つは、ダム六千トンの放流をやればこの辺の水位になるという設計の誤りだと思うのです。一万二千トン放流可能の設計であれば、一万二千トンの水が受けられるだけの下流における措置を講じておかなければならない。ところが、六千二百トンでもってすでにその直下の町の護岸はくずしていく、そのために下の家も倒れていく、それから、付属設備として作った施設の建物が全部水浸しになるというふうなことでございますので、一つは設計が少し甘かったのではないかと思うのでございますけれども、それだけに、また、今後ダムの建設というものについては、もっと慎重でなければならないということを特に考えさせられたのでございます。私は、前から、ダムの操作というものについては相当しっかりした、現実を見ながらやっていくという、科学的な操作をやってもらわなければ困るということをいつも申しておりますのですが、その当時の状況について、地元の人たちも、やはりかなり無責任な、いいかげんな放流が行なわれたからこんなことになったのだという不満が非常に大きかったのでございますけれども、今後ダム操作を、ダムそのものの施設として、必ず記録をとらせるという責任を私は負わせてほしいと思う、ダムの水位というものは簡単に記録できますから。だから、あとでもって、いつも河川局長に私が、そういう点について誤りはなかったかというふうな点についてお尋ねをいたしますと、ダムの放流というものは、絶対に自然流量より以上のものは流さない方針だ、こういうふうなお答えですね。それじゃ自然流量以上のものを流さないということはどういうことかといえば、ダムのせきの上の水位が下がらないということですね。一定の水位まで上がりますね。そうすると、今度は放流をふやしますね。そのとき、その水位が下がったということは、自然流量以上のものが流れたということなんです。だから、ダムというものは、だんだん水をセーブして高くしていきます。高くなるとダムが持たないから放流する、そのとき水位が下がれば、自然流量以上の水が流れたということなんです。そうすると、災害をより増加させたということの責任をダム操作によって負わなければならない。だから、その水位というものをはっきり測定して記録しておく、ダムの方は何時何分の水位はこの通りです、だから、いつどこで破堤した、どういう事故があったとしても、ダム地点におけるところの水位はこの通りですということをはっきり記録しておけば、それはダム操作の誤りではなかったというあかしがはっきり立つと思うのです。ところが、現地の竜山村でいただいた資料を見ましても、雨量の記録、流量の記録はあるが、水位の記録が全然ついてないのです。私は、水位の記録をあわせて要求して下さいと言っておいたのですが、いまだにいただいておりません。それは怠慢でいただけないのか、あるいは出しにくいからいただけないのか、その辺のことは私は知りません。しかしながら、やっぱりそういう記録というものは明らかにつけておく、放流量と一緒にそういう記録がついておることによって、ダム操作というものは、自然流量以上のものは流れておらないということのあかしが立つわけでございますから、今後そういうことを義務づけるということをやっていただきたいと思うのですが、それについての大臣のお考えを一つ承っておきたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 ダムの問題についてはいろいろ問題点があると思います。私どもも、従来はしろうとでございましたが、今後一つダムの操作についてはいろいろ専門家の意見も徴して慎重に検討いたしまして、できるだけ非難もなければ、また、同時に、ダムのために災害が増加されるようなことのないように、むしろ、ダムのあることによって災害はある程度防げたのだ、こういうことになるのが筋だと思いますので、そういう点につきまして一つ重大な関心を持って検討を進めたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 それでは、小し河川局長にお尋ねしておきたいと思うのですが、この秋葉ダムというのは流量調節をやるのが主目的ですか、それとも、落差がまだ残っているから、その落差を利用して水を有効に使おうという、発電利用が目的なんですか、どちらだったのでしょうか。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 発電だけの目的のダムでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 どうも発電だけのダムに問題が多いのですね。発電だけの目的のためにダムを作りますと、施設の管理者はどうしても発電会社になる。つまり、利用者が施設を管理する、こういうことになって参ります。だから、水を惜しみます。ダムというものは、私は、基本的に、どうしてもまず防災第一、この防災第一を貫いて、それでたまった水を利用するというのでなければ、今後水資源の問題とも関連して重要な問題になると思うのです。まず防災第一、そうして、たまった水を利用するというふうな考え方をとらなければならないと思うのでありますが、私のこういう考え方は少し極端でしょうか、大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 御承知の通り、多目的ダムで、防災の任務を大きくしょつたものと、それから、電源開発関係で、発電専門の用務のために作ったダムとございます。しかしながら、発電専用のダムにいたしましても、災害の防止ということは忘れてはならないことだと思いますので、そういう角度も含めまして、今後研究をいたしたいと思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 今度飯田で起こった泰阜ダムにいたしましても、作られたのが昭和初年でございますか、非常に昔のことでございますので、防災よりも、むしろ発電第一主義であったと思います。そのことから、ダム地点の選定を誤ったのか、あるいは設備について多少問題があるのか、私は現地を見ておりませんし、ダムの構造その他も調べておりませんので何も申せませんけれども、とにかく、今度の飯田の災害の原因は泰阜ダムだ、こういうふうに現地の人は言って憤慨しておる。ところが、今度秋葉ダムで、佐久間町の人が、すでにもう秋葉ダムの上流の河床が上がって水害が起こってきた、こういって騒ぎ始めております。当時、佐久間町の町長が陳情に二俣の役場へ参ってその状況を話しておりましたが、秋葉ダムといえば、ダムが運転されてからまだ数年よりならないのに、もう上流にそのような被害が出てきておる。明らかにダム設定のための災害が起こってきておるというふうなことでありますと、今後われわれはダム建設ということについては相当いろいろな配慮を行なわなければならないと思うのです。従って、ダムを建設するのについては、やはりそのダムの生命が長く持たなければなりませんし、また、ダムによって河床が上がることによって上流にいろいろの災害を起こすようなことがあってはならないから、ダムへ注ぐ水の流域については十分な砂防をやることが前提条件でなければならないと思います。せっかく膨大な費用を投じてダムを作っておきながら、ダムそのものが埋められてしまって寿命が非常に短くなる、同時に、それが災害の原因になる、こういうふうなことであっては、何のためにダムを作っておるのかわからないということになりますので、ダム建設には砂防を前提条件とするというような基本方針が打ち立てられなければならないと思うのでございますが、その辺について大臣の御見解を承っておきたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 私、しろうとで、率直な感じを述べて、それがいいか悪いかわかりませんが、率直なことを申し上げますと、今度、私、天竜川水系を現地について見まして感じましたことは、もうすでに何十年前にできておるものは、既成事実として、その上に立ってどう対処するかということの研究が必要であると思いますが、今後作るとするならば、ごく上流である場合は別として、しからざる限りは、本流に発電専用のダムを作るということは間違いである。今後そういうことは——かつて石炭が不足で、動力源として日本発送電等ができまして、どうしてもダムを作り、電源を開発しなければならない時代にやったことは別といたしまして、今後のあり方としては、本流にダムを作ることは考えものである。作るとすれば、洪水調節用の重大使命をになったものでなければならない。本流に発電専用のダムを作ることは考えものであるという感じを強く持っております。今後、私どもとしましては、行政を進めて参ります上に、私のこの感じはできるだけ生かしていきたい、こう思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 私も大臣からそのお言葉を承りたかったのでございまして、非常に同感でございますので、そういう点については、今後そういう方針を貫かれるようにお願いいたしておきたいと思います。  次に、内水排除の問題でございますが、先ほど木村委員からもいろいろお話がございまして、河川局長は、先ほど、支川の機械排水の設備は河川の事業として今後やっていく、こういうふうなお答えでございまして、それは非常にけっこうだと思います。それは必ずしも準用河川でなくても、どんなに小さな支川の場合でも、本流へ入っているものについては、やはり同様の御見解でやっていっていただけるのでしょうか。

山内一郎建設省河川局長

○山内説明員 その点は、今後予算の面とかいろいろ検討いたしたいと思いますが、準用河川のその地域のいわゆる幹線となる河川の排水はやりたい、こういうふうに考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 そうすると、準用河川で、その地域の排水の幹線以外のものについては、その本流の水位が非常に高い、しかも、それが幾日も幾日も下がらない、そのためにその周囲に長期湛水が起こるというふうな場合には、従来は、そういうふうな地点については農業用の排水ポンプが農林省の助成でもって設置されて排水が行なわれている。ところが、だんだん何と申しますか、たとえば、私の方の地元の一つの例でございますけれども、農地改良の事業として、今まで曲がりくねっていたなにを、農地の整理をやるのにまっすぐ流すようにしてやる、同時に、その小さな川には、周囲の山林の水がたくさん流れ込んできます。そこへゴルフ場や何かそんなものができまして、一そう水はけが上流がよくなりますから、どんどんすそへ集まって参ります。宇治川が高くなると、もうそれが長期湛水の原因になって、一番下のすその方では、今度の場合でも一週間以上も湛水して、稲なんかすっかりだめになるという事例が出て参っております。これはほかのところでも一体にそうだと思います。たとえば、今度参りました地点につきましても、桑名の例の町の排水だとか、あるいは四日市なんかの開拓田なんかについても、みな同じようなことであろうと思うのでありまして、そういうようなところに、従来は農業用施設としての排水設備が持たれておりました。しかしながら、それがやはり都市排水として、一部工業用排水路としての任務もあわせ持っておるわけでありますから、そういうふうな工業用排水路としての任務を持っておる分については、やはり一応河川の施設として、当然建設省においてめんどうを見てやっていくというふうな施策が講じられなければならないので、現地の人たちも強くそれを要望いたしておりましたし、また、私も従来そういうことの必要を痛感しておったのでございますけれども、今後の運営について、今度は大臣の方から、もう少し現地に即応した措置をとるというふうな御配慮が願えるかどうかということをお答え願いたいと思うのです。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 今度の災害、従来の災害、いろいろ考えてみまして、日本の国は地勢的に湛水のやむを得ない地域もあるわけございます。しかしながら、河川の水位が平常に戻るとか、下がって参りましても、現在のあり方でございますと、農業排水等はまことに能力の狭い排水施設で排水せざるを得ないということのために、長期湛水が解決できないという悲惨な状態がございますので、私どもとしましては、何とかできることならば、この河川の改修ができましたならば、その周辺で湛水のやむを得ない地域については、河川との結びつきの個所に、公共土木事業に関連する排水施設というものを相当大規模に、また、湛水をいたしましても、その排水機が水に埋まってしまうようなものでなしに、もっと堅固な排水施設を講ずる必要があるのじゃないだろうか。従って、私ども、今後の予算編成等にあたっていきまする場合においても、こういう点を一つ大蔵当局に主張いたしまして、河川に関連をする公共土木の強力なる排水施設、こういうものを建設省の予算につけてもらって実施できるように努力してみたいということを、現在切実に考えておるような次第で、ぜひ一つ、私は、大蔵当局、財政当局の理解を得まして、こういうふうな方向に進めて参りたいと思っておるわけであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)協議委員 最後に一つだけお尋ねいたしておきたいと思います。  それは、飯田の天竜川沿岸の復興の問題についてでございます。私は、災害後の現地は見ておりませんので、想像だけでお話しいたしますので、あるいは間違いがあるかと思いますが、しかしながら、災害が起こります二、三日前に飯田におりまして、当時、災害が出た場合にはこういうふうになるのだということを中島委員からつぶさに聞いておりまして、その直後のことであるだけに印象もきわめて深うございますし、また、およその想像がつきますので、こういうふうなことを申し上げるのでございますが、土砂の流出が非常に多いために河床がうんと上がってしまっている。堤防が二、三メートル下になっておりますか——下になってしまって、一帯の桑園がすっかり埋まってしまっておるというような状況になったといたしますと、それの復興というものは、やはり自然の法則に従わなければならない思う。従って、相当思い切った復興方針というものをとっていただいて、そして、再び天井川を作るようなこと、たとえていえば、河床は今のままにしておいて堤防だけを作る、あるいはその周囲のなにを復興するために、その堤防に土を盛り上げていくというふうなことをして、天井川を作るような復興方針をおとりになるといたしますなれば、これは再度さらに大きな惨害の原因になると私は思います。だから、この際は思い切って河川敷の拡張をやる、用地買収をやって、思い切った河川敷の拡張をやる、同時に、その広い範囲については、ブルを入れてうんと掘り下げて、それでもって築堤をやり、堤防を堅固なものにするというふうな形にして、やはり川は一般の耕地その他よりも河床の低いものという考え方に立ったところの大規模な、思い切った復興方針をとっていただきたい。そうでなければ、中途半端な形でもってもし復興をやられるとするならば、これは将来また非常に大きな禍根の種になると私は思いますので、ぜひとも、この際天竜川の復興については画期的な河川の建設というふうな構想を大きく打ち出していただきたいというふうに考えるのでございますけれども、建設大臣のお考えを承っておきたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 実は、御指摘のような考え方で天竜水系の復旧及び改良を進めるように事務当局に命じておるわけでございます。たまたま、私現地に災害の現状を視察に参りましたときに、天竜水系に長年苦労をして事情に精通しております山本技監を先発させまして、あちらで一緒になりましていろいろ事情の説明を聞いたのでありますが、かつて、従来の災害復旧に関連をしまして、天竜川につきましては、指定しまして、河床を広げて堤防の整備をするという事業をやっておったそうであります。できたところもありますが、一部分は、地元がそういう幅の広い川は要らないんだということで、用地買収にどうしても応じないで、猛烈な反対を買って、実はできないでしまっておった区域がこれこれある、ところが、今度の災害を見ると、それを全部やっておけばよかったが、そういう反対にあってやりそこなったために、そこが非常に災害がひどくなって、堤防が決壊してさんたんたる状態になっているという説明も山本技監から聞きまして、こういうような画期的な復旧改良をやって参りますのには、やはり地元の方々の御理解ある御協力も願わなければならないことだということを痛切に感じたようなわけで、われわれとしましては、技術的に仕事を担当しておりまする事務当局の者に極力その考え方で指示をして参りますが、関係地元民の方々、府県、市町村におかれましても、ぜひ一つ御協力をいただきまして、できるだけ万全の措置をとった復旧改良を行ないたい、こう考えておるようなわけでございます。

辻寛一自由民主党

○辻委員長 他に御発言がなければ、建設省関係に対する質疑はひとまず終了いたします。  本日はこの程度にとどめ、明二十六日は午前十時より本協議会を開会し、農林省関係に対して質疑を行ないます。  これにて散会いたします。    午後一時三十三分散会

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