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38回国会衆議院1961/05/26

建設委員会 第37号

発言数
160
登壇者
12
会派数
2
開催日
1961/05/26

会議録

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  水資源開発促進法案並びに水資源開発公団法案の両案を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。瀬戸山三男君。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 法案の内容に入ります前に、まず、委員長に委員会の運営についての所信を承っておきたいと思います。と申しますのは、この水資源開発促進法、及び公団法が国会に提案されましたのは、会期切迫、ほとんど会期末で、きわめて遺憾なことでありますが、それはそれとして、この法案は御承知の通り、日本の経済の発展にきわめて重要な法案である。そこで、最近のこの委員会の運営の状況を見ておりますと、この法案について、この国会で衆議院はもちろん参議院まで含めて、この法案の可否を決する審議の進め方をされるのかどうか。もちろん会期は延長されておりますが、われわれの責務というものは、今さら言うまでもないことでありますけれども、わが国の現状から一体こういう法案を作り、あるいはこういう組織を作って、水の問題の解決に進むのがいいか悪いかということがわれわれが判断すべき要点であろうと思います。それと同時に、それが必要であるということになれば、一体こういう内容の構成でよろしいかどうか、これを確かめて、そして可否を決するのがわれわれの職務であり、当委員会に付託された責任はそれであろうと思うのであります。でありますから、会期が切迫すればするほど、こういう問題の解決のためにわれわれは最大の努力をしなければならない。少なくとも私はそういう考えで、自分のことを言って恐縮でありますが、一時間といえどもこの委員会の席をはずれたことはありません。そういうことでおるわけでありますが、一昨日、昨日来の委員会の進行状況を見ますと、必ずしもそういうふうに運ばれておらない。内容についての議論は大いにやるべきでありますが、内容についての議論をしないで、そのほかの問題でやっておるということは、私はいわゆる国会議員としての責務を果たしたとは考えられない。そこで、委員長に確かめておきたいのは、さっきも申し上げましたように、この法案についての審議のめどをどういうふうに考えておられるか。——の方ではいろいろ考えておられるようでありますが、失礼でありますけれども、これだけの法案を真剣に可否の態度を決するまでにはまあ——よくいえば——も考えれば、これがいいか悪いか、必要であるかどうかということの判断は、少なくとも——であれば私はできるはずだと思う。国会の審議というものは、法案の条文の末まで、また字句の末まで政府に聞かなければわからないという————はおらぬはずだ。それでは————の責任は果たされない。これが大切であるかどうかということ、しかもさっき申し上げましたようにこれが必要であるかどうかということの判断は、少なくとも——か——あればできるわけでありますが、委員長はそういうめどを持ってこの委員会を運営されるかどうか。そうでなければ、失礼でありますけれども、むだにこういうところにすわり込んでおるということは、私は必要でないと思うから、もしそういうめどなしに、ただじんぜんと審議という形でこの委員会を継続していくということであれば、私はこの席をはずしたい、こういうふうに考えておるのでありますが、まず委員会の運営についての、またこの法案についての審議のめどについて委員長はどう考えておられるか、それから承って内容に入りたいと思います。

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 お答えいたします。この両法案は非常に重大な法案であり、その意味におきまして委員諸君の協力を得て、できるだけすみやかに本委員会を通過し、今会期中に参議院の審議をするように進めていきたいと考えております。その意味におきまして、特に与野党の諸君の当委員会における出席を要求いたします。  中島巖君より議事進行に関して発言を求められております。中局巖君。

中島巖日本社会党

○中島(巖)委員 今、瀬戸山委員から議事進行について重大な発言がありましたので、私どもの立場もはっきりいたさねばならないので、申し上げたいと思います。  昨日、一昨日の審議におきまして、瀬戸山君の言われたように、確かにトラブルはあったのです。ところが、これは基本的な問題として、理事会で水曜日と金曜日の二日を定例委員会ということに決定しておるのです。その以外のものはやはり理事会に諮ってきめて、そうしてその日の日程をいつも協議してきたのが慣例になっておる。それを委員長の独裁によって、理事会に諮らずに公報に載せて開いたから、そういうことを見のがすことにすれば、日曜であろうとあるはい夜中であろうと、開かれても文句を言うことができぬようになる。これは議事運営の根本的な、国会の委員会の根本的な問題であるから、それで私どもは抗議をしたわけであります。  それから第二に、瀬戸山君はただいま——もあれば審議はできる、こういうことを言っておる。ところが、この法案は、私が申し上げるまでもなく、政府間において一年近くももみ合い、そうしてこの通常国会の最終耳になってやっと提案した。それから、新聞記者なんかの言うところも、問題点は政府間で一つもきまらずに、今後の政令にまかして、政令をこしらえる間に非常な紛糾があるだろうということを各新聞全部指摘しておる。政府の意見だって、まだちっともきまっておりはせぬ。こういう法案を出しておいて、そうして——くらいでこんなものは上げられるという言を吐くに至っては、われわれは断固として許すわけにはいかない。ことに主務大臣雅五人もある法案だ。そして、これは事業法案であるから、法律の可否ではなくして、各省にどういう案があって主務大臣が五人になったか、そういうことも究明せねばならぬし、この国会の審議を通じ各省の政令などについても、深く立ち込んで国会の方で指示を与えぬと、ただいま申し上げました通り、新聞記者の仲間でもって、各省間のなわ張りは一つもきまらずにあとの政令にまかしたのだから、政令のときにおそろしい各省間に紛糾があるということを異口同音に指摘している。こんな法案を——か——で上げられるものではない。われわれはこの法案に対して反対ではない。よくその内容を審議して、そしてこの法案を完全なものにして成立させたい、こういう考えでおるわけで、今、瀬戸山氏から議事進行についてわれわれの態度に対して非難するような声がありましたので、私の立場もはっきりしておくわけであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 議事進行について。今、瀬戸山委員から、少なくともこの案は——もあれは審議は尽くせる、その審議が尽くせないような者は————たる資格がない、こういうことをおっしゃいました。しかしながら、私たちはそのようには考えておりません。この法案は非常に大きな法案である。しかも、水資源開発公団ができましたら、現在の国鉄に匹敵するような資産を将来持つであろうというふうな大きな事業体になる。そういうような事業体の運営をやる。しかも、日本の開発された工業地域の治水問題、利水問題一切を手に握るというふうな、非常に重要な機関になってくる。そういう大きな機関を作るために、私たちはやはり十分に慎重に審議していかなければならない。こういうような立場に立って、まじめにこの法案と取り組もうと思っておるのに、——もあればけっこうこれは審議を尽くせるのだ、その審議が尽くせないような者は、これは——たる資格がない、こういうふうなことを言われるに至っては、これは言い過ぎもはなはだしいと思う。だから、今言われた瀬戸山委員の発言を取り消して下さい。取り消して下さらなければ、僕らはこの審議に応ずることはできない。速記を調べて下さい。

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 岡本委員の発言でありますけれども、よくまた速記録を調べた上……

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 今調べて下さい。聞き違いとは違う。

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 速記録を調べた上、後刻善処いたしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 委員長の委員会運営のお考えを信頼いたしまして、私はこの議事を進めていきたいと思います。  経済企画庁の長官あるいは政府委員でけっこうでありますが、この水資源開発促進法、それに伴う公団法が提案されております。今も議論になりましたように、こういう重要な内容の案件が、しかも会期が迫ってから提案された。その事情はよくわかるわけでありますが、実際問題としては遺憾な取扱いだ、こういうふうに考えます。しかし、それは済んだことでありますから、私どもは、この内容のものが必要であるかどうかまたこういう制度が必要であるかどうかということをきわめて早い機会に判断を下したい、こういう考えをもって政府の所信をただしておきたいと思います。  そこで、この開発促進法によりますと、この重要な内容は水系の指定をする、またその指定をされた水系における水資源の開発利用の合理化の基本計画を審議会の意見を聞いて定めるというふうになっておる。しかも、この公団の発足は、少なくともこの法律が施行されてから六カ月以内に発足せしめるというふうになっております。現在の様子は、昨日でありましたか、企画庁長官から御説明ありましたように、水の問題は緊急に処理しなければならないという状態であります。そこで、この法案を提案されるについては、もちろんこれは今後調査計画をするようになっておりますけれども、しかし、この公団の発足は少なくとも年内ということになっておりますから、政府においてはすでに相当程度水系の問題あるいはそれに伴う開発基本計画についての構想がおありになると思う。その点、どういう構想であるかということを一つここで御披露を願いたい。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 この法律の提案のおくれましたことはまことに遺憾でありまして、国会にも大へん御迷惑をおかけすることは申しわけないと思っております。ただいま御質問の、どういう水系を指定するか、各水系ごとにどういう計画が進行しておるか、現在の進行段階においてでいいから示せというお話でありますが、大体水系は、先日も申し上げました通り、利根川の水系、淀川の水系、さらに北九州の筑後川を中心とする水系、あるいは木曾川、長良川、揖斐川、中京地区のあの水系、こういうようなところを優先的に取り上げるのは当然でございます。各水系ごとの基本計画の具体的な内容につきましては、それぞれ担当各省におきまして事務的には目下検討が進められていると思いますけれども、今日ここでこういうようなところまできているということを申し上げる状況では実はございません。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 公団をしてこういう重要な仕事をやらせるという構想でありますが、さっきも申し上げたように、公団は少なくとも年内には発足をする。それからぼつぼつ政府が基本計画を立てて実施の方針を示し、さらに公団に実施計画を立てさせるということになると、相当先のことになるおそれがあると私は思う。もちろんこの法律に従ってやるのでありますから、今こういうふうにやりますという明確な計画があるとは思いませんけれども、しかし、相当の構想、工業用水にしてもあるいは上水道用水にしても、場合によっては農業用水にしても、今お話しになりました水系の大体の構想があると思うのですが、それを審議の促進上、この際できるだけ明らかにしていただきたいと思うのです。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 公団の取り上げます事業につきましては、促進法に基づきます審議会において審議をいたしましてきめるわけでございますが、建設省としてはこういうものを公団にやらせたい、あるいはやらせるべきであるという考え方を持っておりますので、それを御披露したいと思います。  水系につきましては、先ほど経済企画庁長官の言われた通りでございますが、そのうち利根川水系につきましては、治水と利水を合わせましたいわゆる多目的ダム、これに矢木沢ダム、下久保ダム、その他神戸(ごうど)というのは調査の段階でございますが、いずれ公団でやるべき事業じゃないか。それから、それらのダムによって作りました水をある重要な地点まで、というより、いわゆる卸売の地点まで持っていきます幹線水路、この法律では「多目的用水路」というふうになっておりますが、そういう点。その他調査の段階といたしましては、利根川の河口せきの問題、それから霞ケ浦の利用の調査の問題、こういう点を逐次取り上げて参りたいと思っております。なお、淀川水系につきましては、現在やっております洪水調節並びに多目的目的を持ちました高山ダム、その他調査段階の宇陀川、青蓮寺のダム、それ以外に緊急の処置といたしまして、淀川に長良のせきというのがございますが、それを改良いたしまして川水を満たして、これを工業用水あるいは上水道に使う。そういう点と、なお一瞬重大な問題といたしまして、琵琶湖の開発については調査をやって参りたい、できるだけ早い機会にその水を利用するようにしたい、こういう考え方を持っております。そのほかの木曾川の水系につきましては、長良川の河口せきの問題。それから、吉野川水系では多目的ダムの問題。そのほか、筑後川、遠賀川水系におきましては、それぞれ必要な計画について調査をして参りたい。こういう点につきまして審議会においていろいろ検討して、公団にやっていくように指定したらどうかというように考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そこで、そういうことが中心になって調査計画が進むわけでありましょうが、この促進法の十二条に、「基本計画に基づく事業は、当該事業に関する法律の規定に従い、国、地方公共団体、水資源開発公団その他の者が実施するものとする。」、これは前に木村委員からもお話があったようでありますが、これはどういう考え方でこういうことになっておるか。また、どこそこにやらせるというようなことは、いつ、どういう段階で——今お話しになったように、事業のうちどこをどうする、全部公団でやらせるのか、あるいは今ここに書いてあるようなその他の地方公共団体も、あるいは国もやるのか。これは、どういうことなんですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 今お尋ねの第四条に規定しております基本計画に基づきます事業の、実施する事業体の問題でございますが、これは第五条の基本計画に規定がございまして、この第二号に「必要な施設の建設に関する基本的な事項」という基本計画の内容がございます。この基本計画におきまして、それぞれの事業につきまして事業主体をきめるわけでございます。たとえば、いわゆる末端の水道事業をやる場合におきましては、その事業主体は水道事業者であります東京都、千葉県。一般小売事業といいますものは、現在のところ、公団が実施するという予定はしておりません。従いまして、そういう事業は地方公共団体が実施するという基本計画の内容になっております。それ以外に大きな開発の施設の事業につきましては、大体水資源開発公団が実施するということになっております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そうすると、内閣が基本計画をきめる場合に、その基本計画の中でこれこれのものはどこでやる、こういう方針を決定する、こういうことですね。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 さようでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 第四条の基本計画の第三項でありますが、「基本計画には、治山治水及び電源開発について十分の考慮が払われていなければならない。」また、他のところでは、電源開発は除く、こういうふうになっておると思うのでありますが、これはどういう趣旨でこういうふうになっているのか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 まず、第一点の第四条の第三項の問題でございます。この促進法案の趣旨といたしますところは、特に現在急迫を告げております工業用水あるいは水道用水、その他のこれに関連いたしまして灌漑用水という諸用水の用水対策というものを重点に考えておるわけでございまして、特に電源開発に使います水は、これはそのまま下流に流れて参ります関係上、そのものもまた使いますから、そういう意味におきまして、先ほど申し上げました諸用水に使えるというような二つの意味におきまして、電源開発に関します水の使用につきましては、この法案におきましてはうたっていないということが第一点でございます。  もう一つは、電源開発につきまして別途電源開発促進法がございまして、その法律によりまして重点的に実施していくというふうに考えております。  なお、治山治水につきましては、これは御承知の通り、治山治水緊急措置法という法律がございまして、これに基づいて事業が実施されていくわけでございますけれども、この用水対策におきましても、治山あるいは治水事業が重大な関係があるものでございますから、これにつきましては十分な考慮を払ってこの計画を進めていくというふうに考えているわけであります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 この幕末計画で治水の問題を、最も大事な問題でありますから、考慮して計画を立てられる、これは当然でありますけれども、治山と入っているのは、基本計画に治山の問題を入れるのかどうか。そしてまた、それはその基本計画の、さっきのお話のように、区分けによってどこそこがその治山の部分をやる、こういうふうになるのかどうか。その点はいかがですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 治山あるいは砂防事業といいますものは、一つは水源林の涵養という目的がありますと同時に、災害の防除という二つの問題があると思います。従いまして、治山あるいは砂防事業を重点的に施行しなければ、たとえば、ダムを作りましても、そのダムの機能の維持が非常に困難でございますというようなこともございまして、この基本計画を策定する場合におきましては、治山につきましてもその事業との関連がどうなっておるかということを十分考慮に入れまして作る必要があるというふうに考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そうすると、この治山の問題あるいは水源林の涵養その他の計画、こういうものは水資源開発基本計画の中には入らないが、その問題を考慮してこの基本計画を立てる、こういうふうに了解していいわけですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 さようでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それから、この公団法の十八条でありますが、一号に公団の業務として掲げておる中に、「(当該施設のうち発電に係る部分を除く。)」、こういうふうになっております。これは、こういうときにはどういうようになるのですか。多目的のダムを作って、現在も発電等をやって、それが多目的ダムの構成要素に入っているわけですか、そういう場合は、公団の事業にはそういう構想のものは全然入らない、こういうことですか。入っても別に何かの方法でやる、こういうことですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 先ほど申し上げましたように、電源開発関係につきましては、あるいは電発会社、電力会社、そういうものが施行するというのを建前と考えております。従いまして、たとえばあるダムにつきまして、一部発電目的を有しますダムを作る場合におきましては、その工事は公団のいわゆる本来の業務としては考えずに、具体的に事業を行なう場合におきましては、電力会社から委託を受けて公団がその分を工事をするというふうに考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 現在の多目的ダムの制度でやっております発電の部分は、委託を受けてやっておるのですか。ある程度負担金などをとっているのだと思うのですが、それとこれとは全然別な扱いをするという建前になっておるということでしょうか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 多目的ダム法におきましては、そういう場合におきましてはダム使用権というものを与えてやっているわけでございまして、今回のこの公団が発電の施設の部分を委託を受けて行なう場合におきましては、いわゆる施設の共有という観念で考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そういうふうに区別をされた理由というのは、どういうところにあるのでしょうか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 この一つの事業主体といたしまして公団を規定したわけでございますが、他面電力関係につきましては、先ほど言いましたように、各電力会社がやっているわけでございまして、仕事の一つの事業体としての水資源開発公団と、それから電力関係の事業主体というものをこの際、はっきりと区別した方がいいじゃないか。そういう意味におきまして、水資源開発公団といたしましては発電の事業は行なわないというのが根本思想でございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それから、この公団法の十九条「事業実施方針」、この事業実施方針に基づいて二十条で公団の「事業実施計画」を立てる、こういうふうな仕組みになっているわけですが、その実施方針というのはどういう内容のものを公団に示されるのか。これを御説明を願いたい。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 実施方針は、水資源開発促進法に基づきます水資源開発基本計画に基づいて主務大臣が策定するわけでございます。水資源開発の基本計画におきましては、先ほど申し上げました事業主体のほかに、各施設の建設の概要とか、あるいは施設の建設に必要な建設費の概要、そういうものが出るわけでございますが、それをさらに各事業ごとに相当こまかく規定いたしたものを各主務大臣が作りまして、公団の事業実施方針として指示するわけでございます。大体基本計画と違います点は、基本計画におきましては先ほど申し上げたような点でございますけれども、たとえば各用水の対象地域等におきましては、工業用水につきましては、たとえばどの地域とどの程度のものを持っていくというように、地域ごとに相当こまかい実施内容になるかと思います。それから、施設の形式、規模といいますものも相当具体的なものが必要になって参りまして、あるいはダムの各貯留量とか、あるいは最高水位とか、あるいは有効貯留量というものにつきましても、実施方針におきまして相当こまかく規定すると考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そうしますと、基本計画を定めて、その基本計画によって特定の水系の特定の公団にやらせる事業がきまる。そうすると、主務大臣の方では実施方針において、その基本計画の構想に従って、どの地域に、あるいは工業用水がどの程度必要である、あるいは農業用水なら農業用水、それから上水道用水、こういう水が必要である。従って、それだけの水を貯留してこれを配分するような相当具体的な内容を示して、そして、公団はそれを実現するための実施の計画を県知事と協議をして主務大臣の認可を受ける、こういうふうになる。産業上どういうものが必要だ、あるいは人口上どういう水が必要だという構想は、公団の見解できめるべきものじゃないということなのですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 さようでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そこで、一昨日でありましたか、木村委員から経済企画庁長官に、第一条の趣旨について、現在の地方計画や地域の所得格差解消の点とは背反しているのじゃないかという御質疑がありました。長官も、妙な質問が出たと思ってちょっと戸惑われたのじゃないかという感想を持ったわけでありますが、政府が大局を見て内閣が基本計画をきめて、その線に沿って主務大臣が今のような実施方針をきめて公団に仕事をさせられる、こういうことでありますから、過日の企画庁長官から御説明がありましたように、これは現在すでに工場あるいは人口の集中等によって実際問題として水が非常に不足をしておる、あるいは地下水の吸い上げ等によって地盤変動等が起こっておる、こういう不足を補い、あるいはそういうものに対処するための水の利用をはかられるのが主目的である、こういうお話だと思います。  そこで、問題なのは、政府も非常に心配しておられますように、集中度というものをこれ以上高めるということは、日本の都市政策としてきわめて不適当であるということは世論であります。だれが考えてもそうであります。東京のことを考えても、あるいは大阪、北九州のことを考えても同じであります。でありますから、基本計画を立てられるときには、今政府が非常に心配しておられる地方の開発、また都市の人口集中度を適当にあんばいするという構想を、やはりこの水資源開発促進法並びに公団の仕事をする場合においては十分にお考えいただかないと、水は十分ないし、さあ工場を作ろう、人口が集まるということになっては、あるいは日本の社会の大へんな不均衡が生ずる、これはもちろんであろうと思います。その点について、これは将来のことでありますけれども、この促進法及び公団の運用にあたっては、あの大政策に反しないような十分なる配慮がきわめて必要であると思います。政府も当然そうだと思いますが、この際、その問題についての所信を明らかにしておいていただきたい、こういうことであります。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 御説の通りでございまして、この関係から逆に都市の人口過度集中を促進するというようなことにならないように十分配慮しなければならないと考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それで、この成案の途中において政府も一番問題として非常に苦労された、また、この法律案が出ましても議論の焦点となると思われるのでありますが、第五十五条の、いわゆるこの公団を運用していく場合の主務大臣の管轄と申しますか、監督権限についての規定、この五十五条にやや詳細に書いてありますが、水の問題は、御承知の通り、各省庁にその部分々々の所管が分かれております。一つの公団というものを作って、それに関係する水の開発あるいは処理をさせるということについては、実際問題として非常に議論と申しますか、意見の衝突があり得ることは、現状では、遺憾でありますけれども、やむを得ないところである。そこで、五十五条にはこういうふうにあんばいをされておりますが、あんばいをされながら、なおかつ所管の大臣がどういう点を監督指揮するかということについては、先ほどもちょっとほかの方から意見が出ておりましたけれども、政令にゆだねるということにそれぞれの条項はなっております。建設大臣やあるいは他の大臣ということを示されておりますが、この法案自体では必ずしも現在の段階では明確になっておらない。しかし、これは将来公団の運用についてもきわめて重要なことであります。また、仕市の実施についての監督の権限についても重要なことでありますから、この五十五条の趣旨について、一つ政府の責任ある御説明をこの際お願いしておきたいと思います。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 私は、この第五十五条の規定というのは、かなり明確に各省大臣の権限をきめていると思っておりますが、若干政令に委任した部分もございます。そこで、この政令の内容の問題がどういうことになるかという御質問だと思いますが、この法案を閣議決定いたしました際に、閣議で了解事項があるのであります。それは、従来の各省所管権限に即してこの各省間の権限の割り振りをきめるというのが基本の方針であります。細部の点につきましては、指定が予想される水系ごとに具体的な計画の内容について個々の施設名を指定するか、あるいは施設の基準を定めるという方式にするかなど、これから研究しなければならないことがあります。目下その点は検討中でございますが、全般的に申しまして、この政令をきめる場合において、またもう一ぺん各省がいろいろ権限争議をひどくするようなことにはならない、こう考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 ぜひ一つそういうふうにあってほしいわけであります。言葉が過ぎるかもしれませんが、私はどうも日本の役所、各省の今日までの、水に関する部分だけでなくとも、おやりになっているところを見ておりますと、自分の仕事熱心でありますから、仕事熱心ということについては了とすべきところもありますけれども、しかし、各省は申し上げるまでもなく国全体の仕事をそれぞれ担当してやっている。これが総合されて初めて国民の期待にこたえるという効果を現わすべきものであろうと思う。ところが、たとえばこの水に関しても、どこそこに工業用水が必要であるということは、所管省である通産省のそれぞれの専門家たちが一生懸命になっている。そうして、その水をどこから持ってきてどこへ引くのだというような調査をし、計画を立てておられる。農林省は灌漑用水について、また厚生省は上水道用水について、それぞれ川を歩いて検討して、そうして自分のところの飲み水はこういうふうに引くのだということを一生懸命検討しておられる。ところが、建設省は、御承知のように、治水という問題について、川全般を検討してそれに対する対策をやっておられる。ところが、様子を見ておりますと、そういう各省の皆さんは、川について全体が集まって、この川にはどのくらいの水があるのだ、またどのくらいの水をここに作り出すことができるのだ、自分の関係の工業用水についてはこれだけ水が要るのだ、あるいは農業用水についてはこういうふうに水がほしいところがまだある、そこでみんな集まって、そうして水を作り出して、その配分をして、それぞれ国民に安心を与えようじゃないかということを協議されたことは、残念ながら私は今日まで聞いたことがない。この問題についてやられたことは、これが初めてであります。水の争いは四十年の争いということを総理大臣みずから本会議において発言をされておりますが、それにもかかわらず——これは申し上げるまでもないことでありますけれども、水は天から降ってくる。そうして、これは生物が利用するようになっておる。それは建設省のものでもなければ、厚生省のものでもないわけです。ところが、それを自分のもののように考えて、そして争いがある。一番期待を持つ国民にはなかなかその水が渡ってこないということでは、失礼ではありますけれども、私は政治はなっておらないのではないかと思う。幸いにいたしまして、内閣の皆さんの非常な御尽力によってこういう話し合いができて、二つの公団を作るという話もあったわけですけれども、一つにする。世間の物笑いをここで取り除くことができた。こういう御努力のあとでありますから、私はよけいなことは言うべきでないと思いますが、しかし従来はそうであった。  余談でありますけれども、建設省が道路を作っておる。そうすると、林野庁も道路を林野関係に作っておる。さて、開拓をする、あるいは酪農地帯を作る、あるいは通産省が鉱物資源を探して歩く。そういう国全体の資源を、一番必要な道路網によってどういうふうに開発するかということ、これも残念ながら、各省集まって道路の担当省と協議して、開拓についてはこういう道路が必要だ、山奥の鉱物資源についてはこういう道路が必要だ、ということを協議されたことがない。こんなことで日本の政治が——役人の人たちがみずからの所管にお仕事熱心なことは、先ほど申し上げましたように、まことに敬意を表しますけれども、しかし、国民の側から見ると、一つの内閣のそれぞれの所管の人々が全然別個のような立ち居ふるまいをされるということは、きわめて遺憾なことであって、国民としても非常にあきれた話であります。  これは余談を申し上げましたけれども、どうか一つ、さつき申し上げました通り、御苦労をしていただいたのでありますから、水は一日もゆるがせにできない問題でありますので、成立を期待するわけでありますが、運用にあたってはそういう趣旨で、今日まで御努力願いました趣旨で、将来一切の争いをやめて、そして国民の期待にこたえられるように特に御配慮をお願いいたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 宇野宗佑君。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 長官にお尋ねします。  水資源開発促進法の第一条の問題でありますけれども、一昨日の木村委員の質問に対しまして、すなおに第一条の字句を読んでくれ、こういうふうなことでございましたので、私もすなおに読みたいと思うのでございますが、すなおに読みますと、やはりこの水資源開発促進法の目的は、いわゆる人口集中をきたして、結局水の需要の著しい特定地域、これを何とかしなくちゃならないということが主眼になって、今日池田内閣の基本路線とも申すべき所得倍増による地方格差の縮小、将来そこに建設されるであろうところの新しい土地であるとか、あるいは開発されるであろうところの新しい地域であるとか、そういうことにつきましてはやはり考慮を払っていらっしゃるのだろうと思いますけれども、もう一度念のために、その辺の、長官の御所見を伺っておきたいと思います。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 この水資源開発促進法というのは、第一条にございますように、当面必要な、どうしても総合的に開発をしていかなければ水が足りないというようなところで、「特定の河川の水系における水資源の総合的な開発及び利用」を合理化するということが目的で立てたものでございますが、お述べになりましたように、低開発地域を開発する、産業を地方に分散していくということは当然やるべきことでございまして、そういう意味で、それぞれの土地において低開発地域開発上水が必要な場合においては、それぞれの地域において国なりあるいは地方団体なりがそれの開発に当たる趣旨でございます。従いまして、先ほど瀬戸山先生の御質問にお答えいたしました通り、この法律の基本計画の策定にあたっては、この法律が、逆に都市への過度集中等を促進する結果にならないように配慮することは当然なことだと存じております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 ただいまの御説明を了といたしまして、では、今日そうした水不足の著しい現象を来たしておるという地域に対して、応急措置をしなければならないからこういう法案を出したんだということであるとしますならば、もちろん水の用途には、工業用水もあり、厚生用水もあり、灌漑用水もあるが、今日一応企画庁の手元におきましては、どれくらいの水が不足しておるという数字がございましょうか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 企画庁といたしましてまだ最終的な調整整理は終わっておりませんけれども、地盤沈下についてのみ申し上げますと、現在東京におきましては、地盤沈下の、要するに井戸水くみ上げを他の用水に切りかえるための必要量は約五十六万トンという数字になっております。それから、なお申し上げますと、たとえば東京あるいは千葉臨海地帯等におきましては、すでに相当規模の埋め立て計画もきまっておりまして、工場の進出が続々行なわれておりますが、そういう関係の工業用水の需要というものも相当な量が見込まれております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 私のお尋ねしておるのは、つまりこの間から、ここにも書いております通り水系として予定されるものとして、大体全国でおもだった四つの河川が示されておるのですが、それがたちまち水を必要とする地帯であるとするのならば、その地帯に対して——東京だけの話を聞いておるのじゃないのです。——その地帯に刻して、ただいま申し上げたように、用水ではこれだけだ、灌漑用水ではこれだけだ、あるいは厚生用水ではこれだけだというぐらいの調査があって、だから初めてこの法律が必要になったんだろうと思いますので、その数字をお伺いしておるわけなんです。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 私の方も一応資料は持っておりますけれども、まだ十分具体的な調整を終わっておりませんが、今この法案の審議の過程におきまして考えました資料について申し上げたいと思っております。  利根川水系で申し上げますと、昭和四十年を目標として申し上げますと、工業用水は毎秒で申し上げますと一六・九九トン、それから上水道用水が毎秒一八・八トン、合計三五・七九トンの新規需要がございます。それから、木曾川について申し上げますと、工業用水が三二・二九トン、上水道用水が一〇・六二トン、農業用水が五・二トン、合計四八・一一トン。それから、淀川におきまして、工業用水が一六・四トン、上水道用水が一一・二一トン、合計二七・六一トン。それから、北九州の遠賀川におきましては、工業用水が三・六二トン、上水道川水が一・三一トン、合計四・九三トンという数字であります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 私は、もう少し確実な資料によって、あっさりとお答えを願ってもよかったのですが、今四十年ということを申されましたけれども、一応資料がお手元になければそれ以上の追及を避けたいと思います。  しかしながら、これから所得倍増によって工場がどんどんふえてくる。所得倍増というものが十年計画になっておるというのならば、四十年の数字ではなくて、やはり四十五年程度にはこれだけ要るんだというくらいの数字はお手元に持っていただいておっても当然であろう、私はこういうふうに考えておるものであります。従いまして、現在においてすら水が足らない。将来いろいろと人口がふえましょうし、あるいは工場もふえましょうし、工業用水、停止用水ともに需要がだんだんと著しくなってくるというならば、やはり水を作るということが必要なんです。この促進法の第一条の目的に「水資源の総合的な開発及び利用の合理化」、こういうことがうたわれております。これと関連いたしまして、第五条におきましても、三号で、「総合的な開発及び利用の合理化」ということがうたわれておるのです。この「総合的な開発」という中には、水を作っていくということが入っておるのでしょうか。その点、どうなんでしょうか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 お答えいたします。この「水資源の総合的な開発」ということでございますが、これにはいわゆる治山、砂防によりまして水源林を涵養いたしまして水を新たに作り出すという考えは入っておりませず、洪水等、要するに河川に流れてきます水をダム等を作りまして総合的に開発するという意味でございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 どうも、そこら辺をもう少しく基本的に考えていただかなければならぬと存じます。今の御答弁によりますと、いわゆる各河川の無効放流されておる分を有効適切に利用するというのがこの目的であるというふうに解されるのですが、将来所得倍増計画に基づいてどんどん水が要るのですから、水を作るということが大切なんです。だから、その水を作るということをはっきりとその目的として示される必要があろう、こういうふうに考えるのですが、その点はどうでございますか。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 この法律に「特定の河川の水系における水資源の総合的な開発」と書いてあるところでして、 この水資源開発促進法というのは現在流れておる水を対象にして考えておるというので、今、総合開発局長の御答弁申し上げたような格好になると思うのでございます。根本的に山の奥で、いわゆる治山治水と申しますか、水源林を涵養するというようなことは治山治水の問題として考えていく。そのことは第四条の三項で、「基本計画には、治山治水」「について十分の考慮が払われていなければならない。」、当然関連はありますが、この水資源開発促進法では一応流れておる水を対象にしておる、こう御理解を願いたいと思います。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 私の申し上げておるのとだいぶ御答弁の向きが違うのでございますが、今大臣は、促進法の方の四条の三項の、特に、「十分の考慮が払われていなければならない。」ということを申されました。なるほど逐条説明においても、治山治水、電源開発は第一条の目的に照らして水資源開発基本計画自体の内容とはなり得ない、こういうふうな御説明もございますし、先ほどの瀬戸山先生の御質問に対する御答弁の中におきましても、電源開発並びに治山治水については、それぞれの法律があるから、それでいいじゃないかということになっておろうと思いますけれども、しかし、この促進法において、いわゆる基本計画が立てられ、その基本計画に基づいて公団がいろいろな専業を実施していくという段取りになっていくのでございますから、公団法の第十八条の方をながめて見ますと、ここには幾つかのこういうことをしなければならないという業務が示されております。もちろんこの業務は、罰則規定によりましても、公団が勝手にこれ以外の仕事をしたら罰則を加えるというようなきついことが書いてございまして、当然のことだろうと思いますけれども、この口という方におきまして「イに掲げる施設と密接な関連を有する施設」、これは施設ではありましょうけれども、やはりダムを作るとかいうことになりましたならば、その水をたくわえるということが必要なんです。水がなければだめです。今現在あるだけの水ではだめだ。だから、その水がダムを通じて、あるいは川を流れて、それが都市の方に行って水の不足を助けてやるのだという趣旨から参りますと、当然水源培養ということも私は必要じゃないかと思うのでございますが、その点はやはり別途にするというわけでございますか。もう一度念を押しておきます。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 これはお話の通り、きわめて大事なことでございますが、しかし、水資源開発公団の任務ではない。それは農林省の治水の方の仕事の責任だ、こういうふうに考えております。しかし、関連をもって、「十分の考慮が払われていなければならない。」というところに、重大なる関連があるわけです。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 今の大臣の御答弁では、「十分の考慮が払われていなければならない。」というこの第四条第三項がこれに関連を持っておるから心配なさる向きはなかろう、こういうふうな御答弁に解されたわけでございます。では、率直に申し上げますと、公団は総合的な開発と利用だけすればいい、水源培養、いわゆる治山治水というような問題、植林というような問題、そういうことについては特別会計ですればいいのだということでございますか。今まで通り特別会計でやっていくのだ、そういうことでございますか。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 私も実はあまり勉強していないので、申しわけないのですが、農林省の方では今度は森林公団というのができまして、官行造林というものを森林公団の方に移す法律も御審議をお願いしていると思います。そういうことは特別会計でいいと思うのかという御質問に対しては、森林公団というものもできておりますということをお答えするのが筋かと思うのですが、要するに、この水資源開発公団では植林まではやらないということです。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 では、公団の仕事を始められますについての前提条件とも申しますか、あるいはその基礎プランとも申しますか、それが基本計画では「十分の考慮が払われていなければならない。」ということですが、たとえばこの地帯に対して水系を指定して、ここを公団が事業を運営いたしますよときまったときには、その周辺の山においてやはり水を作らなければならないから、その治山というものに対しましても内閣は責任を持って十分なる予算をつけ得る、こういうことなんでございますか。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 その通りだと思っております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 経済企画庁長官が、こうした問題に関しましては当然公団をいろいろ監督し、指揮する、そうした権限のほとんどをこの法律によって、——ほとんどではございませんが、一部をお受けになるのでございますし、また、各主務大臣の間の調整もなさるということでございますから、その間の連絡は十二分にとり得ると思いますけれども、この問題に関しましては、ただいまの御答弁をもちまして私の質問を終わっておきたいと思います。  第二番目に参ります。「水資源開発水系の指定」ということでございます。指定という場合には、先ほど申されました通り、木曾川とか淀川とか、筑後川とか利根川とか、大体四本の河川を申さたのですが、指定される場合には、その府県というのはその水系に全部関係のある府県なのか。それとも、水の需要、いわゆる水がほしいといっている府県だけがこの指定の地域に入るのか。この問題は、どういうふうにお考えでございましょうか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 第四条の「関係都道府県知事の範囲」でございますが、これは流域の各都道府県を考えております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 流域全部が入るのですね。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 さようでございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 では、そういうことで、各流域全域の府県が関係府県としてこれに参加する。そういたしますると、この「基礎調査」をする場合にも、「水資源開発水系の指定」をする場合にも、あるいは「水資源開発基本計画」を立てる場合にも、また公団法に基づきまして、「事案実施方針」を決定する場合にも、促進法の場合には総理大臣、公団法の場合には主務大臣、これらの両者がそうした流域全般の知事さんの意見を聞かなければならない、こうなっておるのでございまするが、私ここで一つ申し上げておきたいことは、この際やはり、この公団の目的の中に多目的ダムというのがずいぶん出て参ります。そういたしますると、多目的ダム法におきましては、これと同様にいろいろな事業を新しく起こしたり、あるいは変更したり、あるいはやめたりする場合には、知事の意見を聞かなければならないし、知事は各都道府県の議会の議決を経なければならないということが、はっきりとうたわれておるのでございます。また、公団法の場合におきましても、そうした多目的ダムというものが一つの業務内容になっておりまするが、議会の議決を経なければならないということをあえてこの法律からお抜きになられましたゆえんはどこにあったのか、これをお尋ねいたしたいと思います。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 都道府県知事が意見を申し出る場合に、議会の議決を経ていないという御質問だと思いますが、これはいろいろな事例がございまして、今お話の多目的ダム法におきましては、議会の議決を経まして都道府県知事が意見を申し出るという規定になっております。それからなお、愛知用水公団法あるいは電源開発促進法等におきましては、こういう議会の議決を経なければいけないという規定は実はないのでございます。私の方も、この促進法を作る場合におきましていろいろ検討したわけでございますが、そういう立法例もいろいろまちまちでございまして、また、この都道府県知平が議会の議決を経るかどうかといいますことも、その当該地方公共団体内部の問題として解決することが適当じゃないかというふうに考えたわけでございます。なお、地方自治法におきましても、条例を作りまして議会の議決をすべきものをきめることになっておりますので、そういうふうな考えで除いたわけでございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 そこら辺、もう少しくお考え賜わりたいと思うのです。それは、愛知用水公団法においてはそういうことが君かれておらないとか、まちまちだとか、いろいろお考えございましょう。考えてみれば、知事が愚見を言おうという場合には、もちろん議会に諮っておかなければならないのが建前だ、そういうならば、あえて法律にうたわなくてよいということがいえます。私がなぜそういうようなことを申し上げたかと申しますると、事はやはり水です。水というものは、昔から水げんかのもとなんです。そういたしますると、たとえば一本の河川に対しまして、その水系の全府県が関係府県として参加するということになりますると、率直に申せば、やはり上流と下流との問におきましては、間々利害関係が相反するということが起こり得るわけなんです。その場合に、やはり知半は当然内部においては議会に相談をし、議会のよろしいという返事がなかったならば、大臣に対しましても、総理に対しましても、いろいろと意見を申し述べないだろうとは思いますけれども、やはり水というものがそれだけ利害関係の深いものであるということを考えますと、知事の立場をはっきりせしめてやるためにも、あるいは住民の声を代表する地方議会、住民を地方議会が代表しているのですから、その地方議会の存在を無視するようなことはいかぬ。だから、やはりこの意見を聞くという場合には、多目的ダム法と同様に、多目的ダムというものもこの中の重要な一つの仕事でございますから、それと同様に地方議会の議決を経なければならないというくらいのことをやっても、あえて私は支障がないと思う。この点に関しまして、大臣はいかなるお考えでありますか。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 多目的ダムの法律にあります議会の議決を経べしという規定をもうけなかったのは、議会の議決を経ることを拒否したわけではなくて、そこのところは知事さんが自由にお考えになって、知事さんのお立場として、議会の議決を経べきときには当然議会の議決をお経になるであろうし、また、きわめて簡明であって、経る必要がなければ一々そういう手続をとることもなかろうということでありまして、決して、なるべく非民主的にやれということではございませんから、特に書かなくてもいいんじゃないかというふうに考えて、こういう原案にいたした次第であります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 次に、この公団法の第二十条におきまして、そうした業務計画から始まって、主務大臣が実施方針を立てられて、公団がその実施計画を立てる際に、初めて今度知事と、意見ではなくて、「協議」をしなければならないとあるわけでございます。それまでの段階において知事の意見を聴取されなくてはならぬのですから、議会の意見とあえて君かなくても当然知事は聞いているであろうというお気持でしょうけれども、ここであらためて「協議」ということが出てくる。いよいよその府県に関係のある仕事が実際に行なわれて、公団がそれをやるという場面になって初めて「協議」という問題が出てくる。私は「協議」としてもよいと思いますが、知事が協議に参加しなかったらどうしますか。非常に水というものは大切なものですから、その地方の住民の中にこういうことに賛成してもらっては困る、あるいはそういうことはないかもしれませんが、知事が、私は参画いたしません、こうやられたら、実施計画はどうなりますか。こんなことがあってはならぬが、やはり協議拒否、こういう場面があるかもしれぬからお尋ねしておくのです。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 それからそれへとお考えになった仮定の御質問なんですけれども、結局、そういうことにならないように、指導といっては語弊があるかもしれませんけれども、説得をし円滑にやっていくように政府は努力する、こういうことと私は思っております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 それは仮定といえば仮定かもしれませんけれども、そういうものについては、九州においても、やはり蜂之巣城であるとか何々城といって盛んにやっている。ああいうこともあるのですから、上流と下流府県においてはそういうふうな深刻な問題もあるので、あえてお尋ねいたしたわけです。その点、政府の方でそういうことが起こらぬように何とか努力すると言われますれば、長官の答弁を御信頼申し上げましてそれ以上私は申し上げませんが、やはりここら辺で、もう少し地方議会尊重の心があるならば、知事というものは、地方へ参りますと一応行政府であるので、やはり議会というものも尊重してやってほしい。議会の気持も何らかの形で、長官の方のお手元から見て、それならこれを入れてやったらよかろうというくらいのことは、やっていただきたいと思うのです。  その次に、各局長にお尋ねいたします。今、知事と協議とかいうことを申し上げたのですが、この場面も非常に重大な問題でありまして、どうもこの法律では、やはり地方自治体というものを無視したようなことが出ているのではないかと思う。もちろんこれの直接的な関係省と申しますれば、あるいは建設省であり、厚生省であり、また通産省であり、あるいは農林省であるかもしれぬ。しかしながら、こうした知事という立場において地方行政をあずかっていらっしゃる方との間において、この公団法あるいは促進法というものは相当関連がございますから、今までのいろいろなこういうプランを立てられた上において、いわゆる自治省側の御意見というものは相当参酌されましたか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 この法案を作る際におきまして、十分自治省の意見見を参酌してございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 十分されたならされたで、けっこうでございますが、されてなおかつ、これは法律でございますから、この法律の中におきましては「河川法の特例」——これは地方自治体に非常に関係の深い問題なのです。——この「河川法の特例」におきましても、いわゆる従来知事が持っておったところのいろいろな職権と申しますか、それを公団に移譲するということになっておるのでございますが、これで、はたして各河川というものはうまくいくでしょうか。いわゆる「河川法の特例」というものは、どのような範囲なのですか、どのような限度なのですか。それを一つお尋ねいたしたいと思います。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまの御質問は、河川法で地方行政庁が河川管理をやっておることになっておるが、それが公団法でどういうふうになっておるかというような御質問かと存ずるのであります。公団法におきまして、特に建設大臣が主管いたします施設の中には、治水事業その他を含む、この公団法では「特定施設」と明しておりますが、そういう業務をやることになっておるわけでございます。従いまして、本来ならば、これは河川法の建前で申しますと、地方行政庁がやる建前になっておるわけであります。この地方行政庁のやる建前をくずさずにこの公団の業務をやらせるためには、この「河川法の特例」を設けまして、第二十三条に、「河川法第七条の規定にかかわらず、」この河川「法にいう河川に関する工事を」公団が「行なうことができる。」、すなわち地方行政庁の建前はそのままといたしまして、河川に関する工専に関する面につきましてはこの公団にやらせる。また、これに伴いまして維持、管理に必要な面につきましても公団にやらせることになっておりますが、その内容につきましては同じくこの法律の二十三条の六項におきまして、「公団が行なう特定施設の新築及び改築」、また「河川の附属物として認定された特定施設の管理に係る河川法の適用又は準用」につきましては「政令で定める。」ことといたしておるわけでございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 私たちも、そのような御説明なら、研究の結果十分知悉しておるわけなんです。私の尋ねたいのは、もちろんいろいろ事情はありましょう、公団を作った以上は、その公団の機能を十分生かして、そして水の足らざるところにその水を補うことにおいてわが国の経済の繁栄を来たさなければならないという目的も書いておるのですから、それは十分その必要もありましょう。  今たまたま政令という言葉が出たのですが、この法律をながめてみますと、政令という言葉が非常に多い。「政令で定めるところにより」と書かれておるのは幾つございますか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 三十四ございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 それはいろいろと事情もあったでしょうけれども、どうも政令、政令といいますから、この法律を読みましても、正直な話、どういう政令ができるのか、ちょっとわかりにくい点が多い。いずれそういう具体的な問題につきましては、大体こういうことを政令にいたしたいと思います、というくらいの御答弁がいただけるのでしょうね。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 政令に相当譲っております理由は、技術的な問題も相当ございますし、先ほどお話のありましたように、河川法との適用関係等なかなかむずかしい問題もございまして、三十四も政令に譲らざるを得なかったわけでございます。現在いろいろ各省と政令の内容等について打ち合わせておりますけれども、相当技術的な問題との関係で、早急には最終結論は出ないと思っておりますが、企画庁といたしましては、この法案作成の過程におきまして、大体どういう政令を作るべきであるかという程度の案は持っております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 では、一つ政令のおもだった要綱ぐらいは、三十幾つもあるのですから全部が全部とは申しませんけれども、特に河川法なんか非常に重大なのですが、その要綱はいつごろわれわれの手元に配っていただけますか。、要綱でけっこうです。そんなものくらいは頭にあるでしょう。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 企画庁の案といたしましては、明日提出できると思っております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 そこで、また河川法の話になりますけれども、一応やはりこの点においても、要綱があす出されるというのならば、もう一つ経済企画庁として十分に各省と御連絡賜わって考えてやってほしいことがある。どういうことかと申し上げますと、この公団を設置するという水系指定になった地域においては、いわゆる特例によって知事の権限というものがある程度公団に移されていくわけなのです。他の府県においてはそういう権限は残っておるわけなのです。今日各府県におきましても、それぞれ総合開発というものをおのおのの立場でやってる。そうした場面に、ほかの府県では特例というものの拘束を受けないから思い切った仕事ができるが、指定県においては、あるいは自分単独の仕事をしようという場合には、その特例の拘束を受けるおそれはないのかという意見もあるわけなのです。この点に関しまして、いや、そうじゃないんだ、こういうことなんだという、はっきりしたものがありまするのなら、一つお答え賜わりたいと思います。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 ただいまのお尋ねは、指定水系に関係する都道府県については権限が移譲されて、その他の府県においてはそのままになっておるという点かと思いますが、公団が、実施をいたします、特に建設省の所管にかかります指定施設に関しましては、その中身が大体二府県以上にまたがるものとか、非常に工費が大であるというような仕事でございまして、現在河川法におきましては、そういう仕事は主務大臣が直轄の工事としてやっておるわけでございます。こういう仕事につきましては、河川法の本来の建前から申しましても国の事業としてやっておるわけでごずいまして、そういうものにつきまして、そのある面を公団に実施させるわけでございます。その点におきましては、各水系におきます関係都道府県知事の権限をそのために取り上げるということはないわけでございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 今の御答弁によりますると、いわゆる建設大臣の直轄工事に限っての特例である、こういうことでございますね。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 内容が、河川法に規定いたしております直轄事業の対象となるようなものが現在公団の特定施設の中に考えられておるということでございます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 それの行き過ぎによって河川法の管理体系すべてに非常に影響があると思いますが、そういう心配はございませんか。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 その点、建設省といたしましても十分検討いたした点でございまして、現在の河川法の建前を尊重いたしまして、現在は御承知のように、直轄工事につきましては主務大臣、その他の河川管理の業務につきましては地方行政庁が行なっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、主務大臣が直轄工事として行なう対象となるようなものの一部につきまして、特に水資源の総合開発というような面から見まして、これを資金の面、その他いろいろな点から考えまして、公団事業としてやることが適切であるというものは公団にやらせることにいたしておるわけでございますが、十分河川法の建前の中においてやってもらうというふうに考えておるわけでごごいます。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 その次に、いろいろな特定の施設をやられたり、仕事をするわけですが、仕事をされる場合において、過般も大臣からその点に関する御所見があったのですが、もう一ぺん念を押しておきたい。料金というものはお取りにならずに、それぞれの仕事についての交付金をもってこの公団はまかなっていくということでございますか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 治水目的を持っておりますいわゆる特定施設、そういう施設につきましてはアロケーション方式と申しますか、今までの多目的ダムに適用されておりましたような方法で、各費用の割り振りをやっておるのでございますが、その場合に、治水分につきましては国の交付金を公団に交付するという制度になっております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 しかし、やはり料金というものを取っていかぬと、ただ単に幾つかの施設をされましても、その維持管理という面においては、相当大きな仕事をされるわけですから、相当なものが要る。全然料金としては取らないというわけなんですか。負担金という名目だけで取っていくわけですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 ただいま考えておりますのは、工事の着手前に需要者が特定されております場合におきましては、先ほど申し上げましたアロケーション方式によりまして、工事期間中に費用を分担してもらうわけでございます。工事の着手前には需要者が特定されていない場合におきましては、いわゆる先行投資といいますか、そういう場合におきましては、工事が完了いたしまして需要者が特定しました場合におきまして、前に申し上げましたアロケーション方式によりまして特定されました各需要者が費用を負担する、そういうことを考えておりますが、なお、そういう制度だけでは必ずしもいかない、何らか別途料金制式のものが必要ではないかという問題もあるかと思いますけれども、この点は、具体的な施設の計画によりましてなお今後検討して参りたいと考えております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 公団の専業を推進する場合には、やはり水のことですから、補償という問題も出てくる。この法律におきましても補償はしなければならぬというふうに書かれておりますけれども、そうした補償をする代金はどこから出てくるのですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 補償費も、工事費と同様に施設の建設に要しまする費用の中に含めて考えております。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 では、関連してですが、最後にもう一点お尋ねしておきたいと思います。ということは、費用の負担ということでございまするけれども、やはりこの目的よりいたしまして、また、先ほどから御答弁賜わっておる趣旨より考えましても、早急に水を必要としている地域に対しては、この公団法、促進法によって水を供給しなくちゃならないのが目的であるということになりますると、もちろんそれらの事業は相当大規模な事業であり、しかも短時日に推進しなくちゃならない。こういうことになりまするが、その場合に、関係府県に対しましては費用を一部負担すべしということを書かれておりまするけれども、大事業であり、なおかつ短時日にやり上げていくのが水を供給するゆえんであるとするのならば、負担もけっこうでしょうけれども、それが今日の地方財政に与える影響ということに関しましては御考慮が払われておりますか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 ただいまのは主として治水関係に関しまする費用につきましての都道府県の負担の問題でありまするが、先ほど来申し上げますように、この水資源開発関係の施設は、治山治水と十分なる連絡のもとに事業を遂行するわけでございます。従いまして、この公団の行ないます事業と、またいわゆる治山治水緊急措置法によります治山治水計画、これがマッチすべきが当然と考えております。従いまして、この治水関係につきましては、従来通り治山治水緊急措置法に基づきます事業と実質上は同じであるとわれわれは考えております。従いまして、都道府県の負担等につきましても、従来通り、国が直轄で行ないます事業と同様に都道府県に負担していただくというふうに考えております。なお、この公団が行ないます治水関係の事業につきましては、後進地域の公共事業の補助率アップの適用を考えておるわけであります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 もちろんその場合の負担金というのは、利益をこうむる府県だけでございますね。直接利益をこうむるいわゆる受益府県と申しますか……。

鮎川幸雄建設事務官(河川局次長)

○鮎川説明員 先ほど曾田局長からお話しになりましたように、治水に関係する点につきましては、従来通り河川法と同様な建前で国と都道府県が負担することになって、それは交付金として出されるわけでございますが、その他の水資源開発のために必要な施設の財源につきましては、先ほども話がございましたように、費用の負担者がきまっております場合にはその負担者から、しからざる場合は公団負担といたしまして、その公団負担分につきましては借入金その他の財源によってまかないたいというふうに考えておるわけであります。

宇野宗佑自由民主党

○宇野委員 今の御答弁を承っておりますると、いろいろ考慮されておるようですが、本来ならば、これだけの大仕事をやるのですから、その程度のことは私は全額国庫負担でやってくれるべきだというふうな感じもなきにしもあらずであります。しかし、それはまあ、いろいろと財政上の問題からも、他の法律の関連性からも問題のあることでございましょう。しかし、一応そうして治水の面におきましても、利水の面におきましても、当然相当量の負担をするということになりますると、地方財政といたしましてもいろいろと苦しい場面もある。水はほしいし、水は治めなければならぬけれども、いろいろと苦しい場面も出てこようと思います。  そういう場合に、これは直接この公団と関係することで一応お尋ねいたしておきたいのですが、四十四条で余裕金の運用ということが書いてございますね。余裕金があった場合、「国債その他内閣総理大臣の指定する有価証券の保有」、または「銀行への預金又は郵便貯金」ということになっておりますけれども、相当地方との関連性も深いという関係において、この中に地方債ぐらい加えてやろうというふうな親心はなかったのですか。頭からなかったのか、それとも論議の対象となったのか。この点、一つ承っておきたい。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 この公団法案を制定するときにあたっては、いろいろほかの公団関係の規定も参照したわけでありますけれども、ほかの公団関係におきましては、今の余裕金の運用につきまして地方債を買うというような規定がなかった関係上、従来通り他の公団と同様な規定を設けたわけであります。      ————◇—————

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 この際、連合審査会開会の件についてお諮りいたします。  水資源開発促進法案及び水資源開発公団法案について、地方行政委員会、農林水産委員会及び商工委員会よりそれぞれ連合審査会開会の申し入れがあります。これを受諾し、連合審査会を開会するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、他に社会労働委員会等よりも水資源二法案について連合審面会開会の申し入れが予定されておりますので、これらの委員会等より申し入れがありました場合は、一掃して連合審査会を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、連合審査会は明二十七“午前十時より開会の予定であります。  午後一時三十分より再開することとし、それまで休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      ————◇—————    午後一時五十三分開議

木村守江自由民主党

○木村(守)委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。  委員長が所用のため出席が若干おくれますので、委員長の指名によりまして、暫時私が委員長の職務を行ないます。  水資源開発促進法案並びに水資源開発公団法案の両案を一括議題とし、質疑を続行いたします。  質疑の申し出があります。  石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 質疑に入る前に、実はけさの理事会で、明日連合審査の申し入れがあったわけでございますが、われわれとしては、もちろんあしたは前例に基づいて、土曜、日曜、月曜はやらぬということになっております。従って、われわれとしては、あした連合審査を開くということについては同意できないということをはっきり委員長あてに文書をもって申し入れてあるわけでございますけれども、その点しかるべくお取り計らいを願いたいと思います。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員長代理 ちょっとお諮りしますが、ただいま理事の中島巖君、石川次夫君、岡本隆一君から、明二十七日申し入れありと予想される他の委員会との連合審査は、土、日、月三日は委員会を開会しない前例に基づき、開会を取りやめることを申し入れますというような申し入れがありますが、御承知のように、この問題につきましては、先刻の理事会におきまして、建設委員会の開催日は大体火、水、金というようにきめてあります。そういうことですが、合同審査の件は別個の問題でありますので、この委員会の別の日に決定しても差しつかえないだろうという点から、特に会期が延長されまして、残余の会期が少なくなりましたので、明土曜日に合同審査を開会することに理事会で決定いたしまして、しかも、この委員会におきましても、先ほど委員長から宣告された通りでありますので、御了承を願いたいと存じます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 実はこの水資源開発公団の法案というものは、非常に重要な、また大きな法案でありますので、相当慎重審議をしなければならぬということは、党の方としても方針としてきまっております。ところが、きょう他の各委員会に連合審査の申し入れをするようにこちらから勧告があって、それに基づいて連合審査をやるということはきめましたけれども、きょう言ってあしたの連合審査ということに対しましては、ほかの委員会でも相当異論がございます。わが党といたしましても非常に異論があります。従って、そういうことを十分しんしゃくしてもらいたいということをお願すると同時に、われわれとしては、あくまで明日の連合審査については応ずることができないという意思表示だけを申し上げて、次の質問に入ります。  この水資源開発公団のような重要法案が会期末に出されたということについては、これだけ重要な法案であるからには、相当慎重審議をしなければならぬということで、われわれも調査を始めたのでありますけれども、実は何から手をつけていいのかわからぬというのが実態であります。瀬戸山さんに言わせれば、こんな法案は代議士会で二日か三日あれば態度がきまるだろうというような趣旨の発言がありましたけれども、われわれは不敏にいたしまして、何から手をつけてよいかわからぬという暗中模索の状態です。従って、きょう質問申し上げることも、筋の通った質問という形じゃなくて、まことに支離滅裂な質問になってくるのではないかということをおそれますけれども、その点は一つ御了承を願いたい。  それで、まず伺いたいのですが、この水資源の開発を大いに促進をしなければ、日本が所得倍増計画か何か知りませんが、大いに鉱工業の生産が隆々として発展する状態に即応できない。水が一つの隘路になって、それで限度がきまってしまうことは、別に日本だけでなくて、世界各国同じような道筋をたどっておるようであります。日本は幸か不幸か水に大へん恵まれておったという前提から、水に対する対策が非常に手おくれになっておったということで、どうしてもこれを総合的に大いに推進をし、水資源を保全をし、さらにまたこれを造成をする必要があるということ自体については、わが党としても、また私といたしましても、もちろん異論はないし、そういう前提に立ってこの法案が作成されたものであるということは、もちろん理解ができるわけであります。  しかしながら、そうとすれば、この全体の構想はどういうふうになっておるかということをまず伺います。午前中の質疑応答を聞きますと、利根川はこうだ、東京ではこうだ、というような部分的な答弁がありました。これは水系別に水の総合開発をはかるということから、そういうような答弁であったのかもしれませんけれども、私はここで一つ伺いたいのは、日本の年間の水の総量は一体どのくらいある、そのうち用いられておる水が、農業、工業、あるいは上水道、下水道にどのくらい活用されておるかというような全体的な数字と、これから所得倍増というような目標に立ちまして、今後十年間にどのくらい水の需要がふえて、どのくらいそれに対応して開発をしようとするのか、その全体計画の数量というものをまずお知らせ願いたいと思います。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 お尋ねの全国におきます雨の降水量、それから工業用水その他の用水の全国的な使用の状況等でございますが、企画庁といたしまして一つ推計のもとに数字を作成したものがございますので、これを御参考までに申し上げたいと思います。  全国の年間の平均の降雨量といいますものを一応千六百ミリ、そういう前提で申し上げますと、年間の降雨量が約六千億トン。それから、農業用水でございますが、これも実は一つの仮定におきまして数字を出しておりますが、水田の面積が約三百三十七万ヘクタール、それのいわゆる減水深といいますか、それが二十ミリ、それから灌漑日数を九十日というふうに仮定いたしまして出しますと、年間の数字が三百四十六億トン。それから上水道の現有施設の能力から申し上げますと、年間使用量が約六十一億トン、このうち河川に対する依存率は約九〇%といたしますと、五十五億トン河川の水を使うということになります。それから、工業用水でございますが、現在六十四億トン使っておりますが、そのうち河川に依存いたしますものが約三十六億トン。今の農業用水、上水道、工業用水道を合わせましたものが四百三十七億トン。年間の総流出量、それから先ほど申し上げました総降水量は六千億トンでございますが、そのうち河川に入ってくる水は約六割、三千六百億トンというふうに考えております。従いまして、今の河川に流れてきます水が年間三千六百億トン、それから今の三つの水利の使用量が四百三十七億トン、大体の利用率が一二%というのが私どもの推定いたしました現況でございます。  それから、四十五年度の問題でございますが、これも農業用水につきましてはいろいろ農業基本法との関係もありまして、そう簡単な推計は実はできにくいわけでございまして、一応四十五年度におきましては約三百六十六億トン程度、それから上水道におきましては八十八億トン程度、それから工業用水道におきましては百九十二億トン程度、合計六百四十六億トン、利用率が大体一八%、そういうような推計を持っております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それで、一日の量にしまして、豊水の場合と渇水の場合と分けて、どのくらいになりますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 全国的にはちょっと資料がございませんが、たとえば利根川を例にとりますと、洪水のときには、最近の大災害では二万七千立方メートル毎秒、それから最渇水のときには三十か四十、そういう程度になります。それは単位はやはり毎秒の立方メートルでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 非常にしろうとの質問で恐縮なんですけれども、三十トンか四十トンというような非常な渇水になった場合には、農業用水に補給するだけで精一ぱい、あるいはそれでも足りないというような状態になるんではないかと思うのですが、そこはどうですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 もちろん三十ないし四十というような最渇水のときには、農業だけでも補給できない、こういう状況になります。従って、そういうことに対処し、なおかつ今後の工業用水それから上水道用水を開発しなければいけない。そういう点で、従来も建設省でやっておりましたが、さらに公団で専業を促進させよう、こういうつもりで公団法を提出しておるわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 どうも、何かというと利根川が例に出されるようでありますが、利根川は私の出身県に関係のあることでありますから、利根川のことについて、わき道にそれるようなことになりますけれども、一つの重要なサンプルという形で質問したいと思います。  実は利根川と茨城県の関係なのでございますが、これは地方の事情でいろいろ複雑な利害関係があるわけです。これをことさらに私は地方の利益を代表するという意味で申し上げるのではなくて、この法案の中で関係府県の知事と協議をするというふうな問題とも重大なる関連があることでありますので、あえて一つ申し上げたいと思うのです。実はこの利根川という川は、今の流れが本流ではないわけです。これは利根川の治水の歴史を見てみますと、今から三百六十年くらい前に、元和時代でございますか、そのころは東京湾に注いでおった。これは河川局長などは十分御承知のことだろうと思いまますけれども、それがだんだん埼玉県の方につけかえ、つけかえという形でもって、今の羽生市の付近から東の方に追いやって、現在の鹿島灘の方に流れを流すことにしたわけです。従って、これは一つは江戸城といいますか、当時は江戸城ですが、今の東京へ洪水によって水が流れ込まないという、水害を防止するという意味も一つありましたが、これは中国における万里の長城と同じような形でもって、水をもって外敵を防ぎとめるのだということで、あそこにはほとんど橋もかかっておらなかったというような状態であったことは、御説明するまでもないと思うのです。この改修によって、下流の長さは二倍以上、一挙に百キロ以上も延びてしまったわけです。そうして、当時何十年にもまたがった大改修事業でございますから、上の方かう沖積土壌というようなものがどんどん流れ込んで、この川底の改修浚渫というものに非常な苦労をしたわけであります。それがいわゆる関東ローム層という一つの独特な地帯をあの辺に形成した一番大きな原因になっておるわけであります。  従って、洪水になりますと、この利根川は千葉県側といいますか、東京側の方は全然くずさない体制にしておいて、茨城県の方にはどんどん流れ込むという格好になったわけです。それによって受けた茨城県における損害は、歴代莫大なものがあるわけです。その数字は調べておきませんでしたけれども、大体この十数年間に六十億程度の災害の予算を使っております。これは全部が全部利根川ではございませんけれども、ほとんどが利根川の関係であります。それから、起債の関係も、茨城県としては全国で一番多くの負担をかぶっておるわけであります。しかし、これは全部東京を守るために茨城県が犠牲になっておったわけであります、そう言っても過言ではないと思うのであります。ところが、今度利根川の改修というものを、この計画によりますとまず第一に取り上げようということになっております。新聞の伝えるところによりますというと、建設省ではまず利根川水系の開発、次いで木曾川、淀川というようになっておりますし、農林省でも、利根川から埼玉県側への農業用水の取り入れ口の一本化ということをまず取り上げております。それから通産省でも、計画は未決定であるけれども、利根川水系から手をつけるということになっておりますから、というようなことで、関係各利水三省側の方でも、利根川をまず第一に着工するということになっている。ところで、茨城県の側に立ちますというと、今まで交付公債の過重な負担にあえぎ、あるいは災害を復旧するために非常な負担に苦しんで今日に参ったわけであります。ところが、今度資源開発公団というものができて、そうして水資源開発公団で公部開発はおれの方で一手にやるのだ。しかも、この方案の内容を見ますというと、午前中にも宇野委員の方から質問がありましたけれども、地方議会の議決など要らない、知事と協議するのだ。協議をして、協議がととのわなければこういう開発に手をつけることはできないだろうとはいいますけれども、もしそれなら、地方の関係知事の同意を得てというふうにはっきり字句を修正するとか、あるいはまた議会の議決を経るというような一つのはっきりした明文化がなければ、今までこれだけ苦労して、やっとこの水を土台にして、霞ケ浦の水あるいは利根川の水というものをもとにして開発促進をしようということに対する非常に大きな夢を茨城県当局、あるいは茨城県の県民としては持っておったものを、今度水資源開発公団というものができますというと、水資源開発公団の方で全部これを取り上げて、利益というものを壟断をしてしまうのではないかというような懸念を非常に強く持っておるわけであります。  こういうことを前提としてまず伺いたいのでありますけれども、たとえば東京都関係で見ますというと、一体どれくらい上水道の水が現在かかっておるか、工業用水はどれくらいかかっておるか。そういう中で、これから十年あるいは十五年か知りませんが、皆さん方の計画によって、どのくらい需要というものがふえるか。あるいはそのほかに京葉地帯というものもありますが、京浜、京葉というものは、この附近の利根川の対象になるおもな地域ではないかというふうに考えますけれども、その地域における現在の所要量、それから将来大体見込まれる数量。それに対して、そのうちどれくらいを利根川に依存するという計画を持っているか、というようなことをまずお伺いしたいと思います。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 利根川水系に依存をいたします水を必要としております地域につきまして、今後どういう新しい利用があるか、今後の見通しの問題でございますが、その年次を昭和四十五年に例をとりますと、工業用水といたしましては昭和四十五年に一日の所要量が約二百七十万トン、それから上水道用水、これは今後約二百万トン、それから農業用水、これが約三百万トン、こういうような状況でございます。これは各省の資料を私の方でいろいろ打ち合わせをして作ったものでございますが、そういう状況でございます。  これらにつきまして、利根川の水系でこのうちどれだけ処置できるかどうか、そういう点のお尋ねでございますが、先ほど午前中にも申し上げましたように、いろいろ施設がございます。そのうちの多目的ダム、これらの矢木沢分として一応一日百五十万トン、下久保が百三十万トン、神戸(ごうど)、これは調査中でございますが、これができるとすれば八万トン、こういう多目的ダムにおいてはこれだけの水を生み出すことができるであろう、こういう想定でございます。そのほか霞ケ浦の開発、それから本川の河口せき、これらの施設によりましてこれをふやすことができますが、こういう点についてはまだ現在調査中の段階であります。こういう状況であります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 昭和四十五年のやつは一応伺いましたけれども、現在に比較してどうなるかという比較も聞きたいと思いますから、現状をその前に一つ聞かせて下さい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 現在利根川水系に依存をいたしまして利用している利用の量は、灌漑用水につきまして年間五億六千万トン、上水道二億二千万トン、工業用水六千万トン、合計をいたしまして八億四千万トンという数量になっております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 利根川は年間百三十億トンで、それに対して利用されているのが一二%の十六億トンというふうに聞いておりましたけれども、この数ではちょっと合いませんけれども、どういう点で合わないのですか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいま申し上げましたのは、利根川、栗橋地点で申し上げましたが、全体について申し上げますと、灌漑用水十三億二千万トン、上水道二億二千万トン、工業用水六千万トン、合計して十六億トンでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 この霞ケ浦の方の計画は、一体どういうことになっているのか。河口の方の水をせきとめるという案が一つあるように聞いておりますが、それから活用される利水量というものは一体どれくらい見込んでいるか。それから、その他霞ケ浦で利用しようとする方法は一体どういうことになるのか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 霞ケ浦の水を利用する方法は現在いろいろ検討いたしておりますが、利根川に落ちるところの個所におきまして現在も水門を築造中でございます。その目的は、渇水のときに潮水が上らないようにする目的、それから本川の洪水期におきまして霞ケ浦に逆流をしないように、こういう目的でまず作っております。さらに、この霞ケ浦の水を利用するためには、現在検討中でございますが、大体の方法としては、霞ケ浦の周辺に堤防を築造しまして、そこに貯留した水を利用する。こういうような構想で、現在調査中の段階でございます。従って、はっきりしました数量、利用水量等につきましては、今後の調査を待ちましてきめていきたい、こういうふうに考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それで、最初の私の申し上げたことに戻るわけでありますけれども、利根川というのは相当豊富な水量があるので、これを何とか活用するということで、この水資源開発公団を大いに活用して、その方向に推進をされることについてはもちろん必要欠くべからざることである、こう考えますけれども、実は県の狭い立場を代表するような形で恐縮ではございますけれども、茨城県としては、鹿島開発というようなことを茨城県の大事業として今もくろんでおるわけであります。これが霞ケ浦の水を大いに活用し、あるいは利根川の水を大いに活用しなければできない。また、その水があるからこういう構想というものは一応俎上に上ってきたということになっておるわけでございますが、今度の水資源開発公団の計画にまって霞ケ浦の水を開発する、あるいは利根川にダムを作るということも、その対象というものはほとんど京葉地帯に向けられている。こういうことがあるので、茨城県としては不安といいますか、懸念を持っておるわけでございますが、この点について何か具体的な対策を考えておられるかどうか、まずその点を伺いたい。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 ただいまも申し上げましたように、まず霞ケ浦の利用できる水量を検討中でございます。どういうふうに利用できるかわかりませんが、茨城県、それから東京都、千葉県、各県でいろいろその水の利用につきましては考えを持っていると思います。全部千葉県に持っていくということは茨城県がもちろん承知するはずはございませんし、茨城県の要望というものも十分に取り入れて、話し合いの結果どういう計画を作るか、いろいろ審議会の段階その他の段階で検討してきめて参りたい、こういうふうに考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それは、言葉の上でそう言うことは非常に簡単なんですけれども、実はこの霞ケ浦の水に、第一幹線水路、第二幹線水路というものが設けられることが予定されている。これは上流の矢木沢ダムあるいは下久保ダムでためた水を幹線水路を通じて下流に提供しようということになっておりますけれども、この幹線を通じて大いに利水が促進される。この幹線の予定地は一体どういうことになっておりますか。

山内一郎建設技官(河川局長)

○山内(一郎)政府委員 上流の多目的ダムによりまして水を生み出し、それから河口せきというものを作りまして水を生み出す。これらの施設によりまして水をいわゆる卸売の地点まで持っていくために、いろんな目的が一緒に入っております多目的用水路を作る計画を現在いたしております。これは利根川水系におきましては二つ考えております。一つは、八斗島というところがございますが、八斗島から埼玉県の豊岡付近まで持っていく。こういう水路と、印旛沼を通りまして大体千葉の付近まで持っていく水路。こういう二本の水路、先ほど申し上げました開発した施設によって水を導こうという計画にいたしておるわけであります。霞ケ浦の水をどの地点に持っていくかということにつきましては、まだ霞ケ浦開発自体がきまっておりませんので、それによりまして逐次そういう計画を進めていきたい、こういうように考えます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私は大へん茨城県の立場で発言をしておるように思われるかもしれませんが、一つの例として申し上げている。こういうような第一幹線水路、第二幹線水路を見ますと、一つは東京へ行っている。一つは千葉へ行っている。水で今まで苦労して、さんざん辛酸をなめてきたのは茨城県なんです。そこで、この水を活用しようとしている。しかし、水資源開発公団法が活用される方向というのは東京と千葉ではないか、こういうようなもんちゃくが今後必ず出てくると思うのです。そういうときの運営をどうするかということに備えて確固たる腹案があるのかどうか、将来の紛争に備えてどう対処するか、ということを私は伺いたかったわけです。その点、一つ企画庁長官に伺いたい。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 要するに、それは水資源開発審議会に諮問して政府が基本計画を立てますときに、各方面の需要をよく調査して、そういう点を調整して、へんぱにならないようにする次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 今の程度の答弁ですと、だれでもできると思うのです。もちろん意図はそういう意図だろうということはわかっておる。具体的にこの法案でそういう意図をどうやって生かそうとするのか、ということを伺いたい。ということは、「事業実施方針」が第十九条に載っておりますけれども、これの第二項の主務大臣は事業実施方針を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。」、こう書いてあるわけです。しかしながら、意見を聞いてもどの程度取り入れるか。あるいは上流の関係の知事と下流の関係の知事とでは、当然意見が違ってくると思うのです。ところで、「意見を聞かなければならない。」というのは、意見をどの程度生かされるかということとはおのずから別個の問題になる危険性があるわけで、従って、この場合には関係都道府県議会の議決を経なければならない、これはけさほども宇野委員の方からも質問がありましたように、多目的ダム法にも明確にこの件が、第何条でしたか忘れましたが、載っておるわけです。従って、少なくとも多目的ダム法と同じ程度のことはこの法案で書かれなければ、関係都道府県知事としては非常な不安を感ずるということは、けだし当然ではないかと思う。実はきのうも滋賀県から、琵琶湖のことに関連をいたしまして強い要望がわれわれの方にあったわけで、当然このことは自民党の方にも通じておると思うのですけれども、茨城県としても全く同じことがいえるわけであります。従って、関係都道府県議会の議決を経なければならないという条項が多目的ダム法に載っておったけれども、今度の水資源開発公団の法案には明記されておらないという点で、非常な不安を感じておる。これは滋賀県がしかるがごとく、それ以上に、茨城県としては非常な不安を感じていることは当然であります。この点を直す意思はないのかどうかということをまず伺いたいと思います。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 多目的ダムの法律には、議会の議決を経るという規定があることはお話の通りであります。ところが、愛知用水公団の方にはそれがないものですから、どっちをとるかというときに、決して議決を経てばいけないということではないので、それは知事の裁量にまかせていいじゃないかということで、そういう規定を置かなかったわけでございます。現在の段階において、それではそれを直す意思があるかとおっしゃいますと、直す意思はございませんと御答弁せざるを得ない立場でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 事業実施方針については今の第十九条でございますが、第二十条の「事業実施計画」についても知事との「協議」というふうな字句が使われておる。これは先ほど申し上げたように、協議がととのわなければ実施計画は組めないでしょうというような答弁になるだろうということは当然予想されるわけでございますけれども、しかし、法案上は、なかなか協議がととのわない場合は、どうしても水資源というものは開発しなければならないんだという大義名分をたてにとって、強引に押し切るということも不可能ではないわけです。従って、この字句は、協議がととのわなければ実施計画は組めないのだというのであれば、これは知事の同意を得るというふうにやはり明記するということにすれば、議決がないというような条項もある程度は緩和できるのではないか、こうわれわれとしては考えるわけでございます。知事の同意を得るというふうにしなければ、私は非常に強い関係都道府県からの反対が出るのではないか、こう考えております。せっかくこの法案の成立を希望するという立場からしますと、大へん遺憾なことだと思うのですが、その点についての見解を伺いたい。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 協議をしたら、したっぱなしでもって、同意は得なくても差しつかえないという意味では決してないので、同意を得るまで説得をしてやるという気持でおると思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 同じことを言うようでございますけれども、それならば同窓を得ると書いた方がいいんじゃないか。その方が関係都道府県知事も、関係県民も安心をするということで、同意を得るまで積極的に説得するということをお考えになっておられるなら、同意を得てと書くのが、関係住民としても、水資源開発公団に協力する態勢を得るためには一番よいことではないか、こう考えるのですが、いかがですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 法律技術的な問題もいろいろ含まれておる御質問だと思いますけれども、われわれといたしましては、この事業に関連いたします関係都道府県といいますものが相当にまたがっておるわけでございます。従いまして、法律の技術的な問題といたしましては、こういうふうにいろいろ関係都道府県にまたがっておる場合に、事業を円滑に実施するという場合におきましては、同意という言葉を使うよりも、協議という言葉を使った方が円滑にいくのじゃないか、そういう意味合いにおきまして「協議」という字句を使っておるわけでございます。しかし、運用におきましては、あるいは各関係府県の事実上の同意を得るというような結果にはなるかと思いますけれども、法律技術的には「協議」という言葉が適当であるというふうに考えておるわけであります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは同じことの繰り返しになりますから、意見を申し上げるだけで、この点については質問を打ち切りたいと思うのですけれども、地方の関係都道府県としましては、この点について非常に不安を持っておることは言うまでもないと思うのです。従って、これは与党の皆さんも、おそらく個人々々で伺えば同じ意見の方も多いのではないかと私は思うので、協力を得るという意味からいえば、同点を得る、でなければ、少なくとも県会の議決を経るというような字句が入らないとなかなか安心できない気持というものを一つ理解してもらって、そういう気持で法案の修正ということも考えてもらいたいということを一応申し上げたいのです。  あとの一つ、あわせまして……。水資源開発審議会でいろんな審議をするわけですが、そこで、基本的な水系の指定というような場合に、やはりこれは都道府県知事というものを委員として一応これに加える、あるいはまた利根川の水系についての指定をし、あるいは計画をしようと考えた場合には、審議会において関係都道府県知事を出席させてその意見を聞く、という配慮があっていいんじゃないかと思うのです。この点は、今後いろいろトラブルが出てくることは当然のこととして予想されますし、各省間のいろんなトラブルということ以上に、意外な伏兵がこういう問題で飛び出してくるという危険を身をもって感じておるので、この委員会で特に念を押して聞くわけでありますけれども、水資源開発審議会の委員の中に関係都道府県知事が参加をする、あるいは水系の指定その他の審議をするという場合には、関係都道府県知事がこれを出席をするということにできないものかどうか。そういう意思があるかどうかという点も伺いたいと思います。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 審議会の委員は、原案におきましては学識経験者をもって組織することにしております。一般的に申し上げまして、審議会を諮問機関として置きますゆえんのものは、行政の運営に民間の有識者を関与せしめて、行政機関の独善的な決定がなされることを防ぐ、そういう意味におきまして諮問機関として審議会を設置するわけでございます。従いまして、この審議会には関係行政機関の職員は入れておりません。そういう意味合いにおきましても、関係都道府県知事を委員に任命することは考えていないわけであります。  なお、審議会におきましては、必要に応じまして関係都道府県知事の出席を求めまして、意見を徴するという規定は設けてございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 肝心なところがはっきりしなかったが、関係都道府県知事の出席を求めて意見を聞くことはやるのですか、やらないのですか。この法案にはそういうことは出ておりませんよ。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 促進法の第九条でございますが、「審議会は、その所掌事務に関し、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。」、そういう規定がございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それでは、これははっきり申し上げておきますけれども、関係都府道県知事といたしましては、相当これは重要な関心を持っております。特に茨城の場合は、特別な例外的な事情があるかもしれませんけれども、さんざん悩まされて、活用するときは勝手に公団でやってしまうのはけしからぬではないかというような気持が非常に強いが、これは茨城県だけの事情ではないということが予想されるものですから、くどくこの点を念を押して伺うわけでございます。今後予想される四省問のトラブルにかてて加えて、この問題がつけ加わりますと、この法案を実施する上に問題が重なりますので、ぜひこの関係都道府県知事の意見は最後まで尊重する——知事というのは、県民を代表した立場における知事ということで申し上げているわけでごさいますが——ぜひ関係都道府県の意向を尊重するように十分な配慮がなければ、この法案の実施は非常に困難であるということを申し上げておきたいと思います。  それから、地方の立場で申し上げますけれども、この基本計画に基づいて事業を実施する場合に、地方公共団体が行なうということがあり得るのですか。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 水資源開発促進法の第十二条に、基本計画に基づく事業の実施の主体を規定してございますが、この中に「地方公共団体」も入ってございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それはわかるのです。「当該事業に関する法律の規定に従い、国、地方公共団体、水資源開発公団その他の者が実施するものとする。」、こう書いてありますから、その点はわかりますが、地方公共団体が実際にやる仕事は、具体的にどういうことがありますか、そういうことを伺っておる。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 従来、たとえば東京都の上水道事業とか工業用水道事業とか、そういう末端の水の小売事業といいますか、そういうようなものは従来通り地方公共団体がやる。それから、灌漑につきましても、小規模な灌漑事業は従来通り府県営の灌漑事業としてやっていただく、そういう場合を考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 そうなると、現実の問題としては、それは大体において単一の目的に対する専用水路というふうなことに限定をされますね。  それから、その場合に、地方公共団体の要望なんでございますけれども、必要な費用に関する国の補助とか、あるいは借入金の取得とか、地方公共団体がやるという場合、そういう援助の規定を設けてもらいたい。これは一見、虫のいいような要望かもしれませんけれども、茨城あたりにつきましても、先ほど言ったような事情でさんざん苦しめられてきておるというような事情でありますので、そういうことに対しても一応要望が出ておりますが、この点については、この法案では何ら明記をされておりませんが、何らかの腹案があればお知らせを願いたい。

曾田忠総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○曾田政府委員 先ほど申し上げました第十二条の規定におきまして、「当該事業に関する法律の規定に従い、」といいますことは、大体従来の補助率というものが考えられております。また、十三条におきまして、「政府は、基本計画を実施するために要する経費については、必要な資金の確保その他の措置を講ずることに努めなければならない。」という規定もございまして、この規定の趣旨に従いまして、できるだけ資金の確保等に努めて参りたいというふうに考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 その点について、ぜひ一つこの法律の関係法律を出す場合に十分な配慮をしてもらいたい、ということをお願いしておきます。  それから、また先ほどの蒸し返しになるかもしれませんが、利根川の場合に、第一幹線水路、第二幹線水路というものが作られる予定になっております。まだその路線は明確にはきまっておらないだろうと思いますけれども、その場合に、この法案からいえば、当然建設省で実施をするというふうに予想はされます。けれども、この目的が主として工業用水である、あるいはほとんどが工業用水に使うんだというような名目で、ほかの方が主務大臣になるということも考えられないでもないという気持もするわけでございます。そういう点は、一体具体的な問題としてどうなりますか。この点はおそらく問題はないと思いますけれども、経済企画庁長官としての御意見を二つ伺いたいと思います。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 それは個々の具体的な場合でなければきまらないと思うのですけれども、今ここで聞きますと、主として工業用水の場合は、通産大臣、多目的の場合には建設大臣、こういうことで、やはり具体的な場合でなければきまらないのじゃないか。しかし、それはきわめて明瞭にきめてはいきます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私の聞いているのは、第一幹線水路、第二幹線水路という、利根川につながる幹線水路ですよ。こういう具体的なものは一体どこでやるようになりますか、ということを伺っておる。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 今の御指摘の場合は、大体幹線水路を通します水の目的が、五十五条の一項三号に規定いたしております多目的の用水路ということになると思いますから、従って、さような場合におきましては建設大臣が主管大国ということに相なると思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これはいろいろ今までの法案成立のいきさつから考えて、私はあえて質問をしているわけなのですが、御承知のように、この法案からいえば、今、建設大臣がおっしゃった通りだと思います。私もそう考えるのが常識だとは思いますけれども、なかなかそう一筋なわにいかない事情があるのじゃないかということを心配するからあえて聞くわけなのです。それは、「多目的ダムの利用に係る多目的川水路」ということに一応は理解されておる。しかし、これはもう工業用水が足りないから、若干はほかに回すかもしれないけれども、一工業用水路の専用に使うのだということになって、そうすればこれは通産省の管轄じゃないかということになる可能性は、一体あるのかないのかということを、念のために一応伺いたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 利根川の総合開発というような大規模な開発をいたして、その幹線水路を作りますような場合には、その水を一目的だけに使うということは、私今の想定ではあり得ないと思うのであります。従って、水道あるいは工業用水その他相当に分量的にも完全な、第三号に掲げております多目的用水路ということに相なると思いますので、従って、今の想定から考えますれば明らかに建設大臣の所管である、こう思うのであります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 それで、この公団の成立過程で、今言ったような例に関連のあるようなことで、いろいろもめたんだろうということは想像されておりますけれども、伝え聞きますと、通産省の方では工業用水公団、厚生省の方では水道用水公団、農林省では水利開発管理公団、こういったもので出発をしたわけです。   〔木村(守)委員長代理退席、委員   長着席〕 ところが、自民党の水資源特別委員会の方では、この利水と治水というものを一元化するということは非常に困難であるということで、開発公団と用水公団というふうに二つに分けるという考え方に対して、今度は利水三省というものが連合いたしまして利水事業公団というもので巻き返しをしたといういきさつは、新聞でいろいろ伝えられておる通りでありますが、この工業用水公団、水道用水公団、水利開発管理公団というような考え方はわかりますが、これが開発公団あるいは用水公団ということに直ったというか、自民党で考えた場合の用水公団というのは、今申した利水三省の関係を全部一元化して用水公団というふうになったものかどうか。この関係がよくわからなかったものですから、その内容がわかれば、おのずから各省の意見の食い違いも明らかにされると思うので、念のためにお伺いするわけです。そのことについて、とやかくあげつらうという気持はありませんが、用水公団の内容というものは、大ざっぱにいってどういう構想のもとにできておるのか。これは一つ建設大臣にお伺いいたします。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 他の方面で考えておりました考え方については、詳しくは承知しておりませんが、いずれにいたしましても、この工業用水、農業用水あるいは水道用水等、それぞれの立場で水資源の開発をするということは、輻湊をいたしまして、どう考えても感心いたしません。従って、いろいろ立案の過程において考えておりましたが、本法案のように一本にまとめた姿で、各関係省が相協力いたしまして、総合的に水資源の開発をするということが絶対に必要であると私ども考えております。かような角度に立ちまして、この成案を得たような次第でございます。  私ども建設省の立場としては、洪水の調節その他治水関係についての河川法上の責任を負っておりますので、この法案の中にも明らかになっておりますように、「洪水防禦の機能又は流水の正常な機能の維持と増進をその設置の目的に含」めたものを建設大臣が主管大臣として遂行していくのだということで、治水の責任を負っております建設省としての立場を貫いて参るわけで、その他この法案の中の五十五条におきまして、根幹としては各省の所管関係を明らかに明記することができたわけでございます。これによりまして、政府部内のことでございますから、細目の点につきましてはその場合その場合によって議論もあるかもしれませんが、基本がはっきりきまりましたので、将来輻湊することなしにさばいていくことができる、かように確信をいたしておる次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 過去のいざこざの経緯というものを聞いてみても始まりませんから、今後に対処する立場でだけ一、二点伺いたいと思います。  新聞でもいわれておるように、水は天から降ってくるといいますか、国民全体のものであり、それを全然わきまえないでなわ張り争いに終始したということに対する痛烈な批判が、新聞の論説などでも散見されるわけであります。今言っております具体的の例といたしましては、利根川の第一幹線水路、第二幹線水路がそれに該当するのだろうと思いますけれども、そこから勝手に工業専用水路を引っぱる、あるいは水道用水路を厚生省が引っぱるというようなことが一体できるのだろうか、あるいはできないのだろうか、という具体的な問題について今後になお問題が残されて、政令にゆだねるということになっておりますけれども、その点が非常に私は不安の残っておる点であるし、また政令の作成の過程でこれはもんちゃくが起こるのではないかと考えるわけなんでございますけれども、この点について政令では一体どういうふうに規定をするつもりかということを伺いたいのであります。  もう一つつけ加えておきますが、ダム等によって水を作ってそれを卸売をするという立場が建設省の立場だろう、それから、小売の方が利水三省の立場だろう、というふうに一応は了解をされるわけなのですが、利水三省の側でも専用水路あるいは専用ダムというものは作れるのじゃないか。あるいは幹線水路から持ってくるのは、勝手にやれるのではないか。それができないのかどうかという点が一番不安が残り、今後もんちゃくを起こすというふうに考えられます。その専門の水路の方から勝手に工業用水路、水道川水路が引けるかという問題と、利水側でも専用水路、専用ダムというものを建設をして、自分のところに水を作って、自分のところでためて、これを小売までするということができるのかどうかという点を、利水三省の方では何かと心配をしておるのではないかと思う。この点を政令でどういうふうにおきめになるつもりかどうかということ、これは今後に一番もんちゃくを起こす種だと思うので、念のために伺っておきたい。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 それは、基本計画で全部そういうことまできめます。つまり専用幹線水路、第一幹線水路、第二幹線水路と今おっしゃいました、そういうところから勝手に利水の方で水を引っばっていくというわけにはいかないで、やはり基本計画できめなければならぬ。それから、水道用の専門の水をためるところを作るのも、やはり基本計画できめなければいけないので、全部基本計画できまっている。従って、政令の問題ではない、こういうふうに思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 政令は全然関係ありませんか。この点について政令を作る必要はございませんか。その点、念のために伺っておきます。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 専用のダムは、たとえば通産省なら通産省の所管ということは政令できめますけれども、その専用ダムを作るか作らないかということは、この指定水系では基本計画できまる、こういうことであります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 基本的なことを基本計画できめるといっても、やはり政令にゆだねる部分が相当あると思うのですが、この点私も勉強不足で、はっきりいたしませんから、追ってまたあらためて質問をしたいと考えます。それから、治水側と利水側というのはとかく利害が相対立する立場にあるということは、言うまでもなく治水の方の関係では、ダムができた場合に、ダムがかれた方が治水には非常に都合がよいのだという考え方になる。それから、利水の方は反対に、ここに水がいつでも漫々とたたえられてあるということを望むという立場に置かれる。単純にそういうことだけ考えていっても、なかなか治水と利水というものの利害を調和していくということは非常に困難だというふうに考えるわけなのです。これらを法案でどう規制するということはございませんけれども、実際の運用の面で、相当現実に現場の舞台で問題が出てくるというときに、これを調整をするということを相当今から考えておかなければならぬと思うわけです。具体的な場合を想定してどうするかということは、一がいには言えませんけれども、これはおそらく経済企画庁が担当だということに、一応所管はなるのじゃないかと思いますが、これはどういうふうに善処するというふうに考えておられるか、その点を一つ伺いたい。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 非常にむずかしい御質問なんですが、大体行司の役を私の方は勤めようと思っているのですけれども、どういうような格好で勝負がきまるかということは、あらかじめ予定するわけにはいかないので、結局各省協議して、話し合いのつかないところを総理大臣の代理として調整するということになると思います。具体的の場合でなければ、どうも言えないようです。

石川次夫日本社会党

○石川委員 今の企画庁長官の御意見、まことに私ももっともであるような気もするのです。上流の団体と下流の団体との関係ということは、これはまた利害が一応相対立をします。それから、水資源開発公団の方でも、具体的にいろいろそういう問題にぶつかると思います。これは相当深刻な問題が出て参りますので、法律でどういうふうに規定するかということは一がいに言えませんけれども、そういうことに対処してどう善処するかという考え方も、今後いろいろ政令を出される場合、その他の審議の機会を通じて、あらゆる場合を予想して一つ分担をきめて、紛争を事前にあるいは円滑に処理するような対策を今から考えてもらいたいという意味で、一つ質問をしたわけでございます。それから、これはよく前にも問題になったわけでございますが、水資源開発公団は資本金が全然ないわけでございます。資本金がないというか、そういう規定がないわけですが、こういうのは今まで見たことがないのですけれども、一体資本金はどういうことになるのですか。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 先例は、愛知用水公団、日本道路公団に最初は資本金がなくて始まった例がありますので、この基本計画が水資源開発促進法でできてから、水資源開発公団にやらせる事業がきまって、そこで資本金が要るのか、借入金だけでいいのか、そういうようなことを研究して、もし出資の必要があるならば、法律の改正をして出資をするし、予算的の措置を講ずるならば補正予算を組んでいただく、こういう段取りです。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは、今までにできているダムがあるわけです。それはどういうふうにしますか。引き継ぐということになるわけですか。それとも、それはそのまま建設大臣の方の所管に、あるいはその他の、愛知用水公団でしたら建設大臣の所管じゃないわけですけれども、そういうふうになって、今後の水資源開発公団には引き継がないということの方針を踏襲されますか。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 もう完成してしまったものは、引き継ぐとかなんとかいう問題は起こらないと思うのですが、現在かりに工事中のものがあった場合には、それは建設省がやるのか、水資源開発公団がやるのか、だれがどういうふうにあと引き継いでやるかということはきめなければならぬと思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 利根川なら利根川という水系を、総合的にその水資源を開発をして、総合的に調整をはかり、そしてこれは法案に出ていないので、あとでまた伺いたいと思っておりますけれども、水の保全、涵養ということまで考えていくということになると、水系全体に対する総合的な見通しというものが立たなければいかねと思うのです。そうすると、今までできていたものは、これはいいんだということで、はずしてしまうということでは、所期の目的を達成できるかどうか。あるいはまた、十分に連絡をとって調整をはかるんだといえば、言葉の上ではその通りですけれども、水資源開発公団というものができた目的というものは、そういうところにはなかったと思うのです。従って、そういうものをはずして、引き継がないでおいて、これからできるものだけを見ていくということでは、かたわのものになるんじゃないか。ですから、私はそういうものは引き継ぐのだということにしなければほんとうの目的は達成できない、こう考えるし、そうなれば、この資本金という問題は追って考えるという考え方ではなくなってくるんじゃないか、こういうことに関連をして私は一つ質問をしたいと思います。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 すでに完成をいたしておりますダム等につきましては、その水をだれが使うか、またその負担金をだれがどういうふうに負担するかということがすでにきまっておりまして、負担者もきまっておりますし、利用者もきまっておりますので、従って、既設のダムはやはり独立をして運営して参りませんと、負担金の関係等から見ましても適当でないわけでございます。ただ、そこのダムで造成されました水が、さらに下流へ参りまして、下流で他の水流と一結にしてもう一つせきを作る。あるいはダムを作って、この水資源開発の目的に沿うように利用をいたしまする場合には、当然新しい水資源開発関係の卒業として含まれてくることに相なるわけでございますが、既設のダムの使用それ自体につきましては、従来通りの責任者が管理をしていく以外には道がない。実はかように考えておる次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 今の料金の問題なんかも、これはまた別に質問しなければならぬと思うのですが、アロケーション方式でもって料金をとるというようなことになっておりますけれども、私はやはりこれは全体を統合しての料金制度というものを再検討する余地があるのではないか、こう考えております。従って、今のような料金の考え方から出て、今までにできたものは今までのものにまかせなければいかぬというふうな考え方でなしに、もっと大所同所から水の総合的な開発、涵養ということを考えるのだという目的でできたのがこの水資源開発促進法であるし、公団法であるというふうに考えますと、既設のものも引き継ぐというのでなければ、この所期の目的は達成できないのじゃないか。それで、総合的に料金の問題なんかも検討するということにいかなければ、ほんとうにわれわれが考えているような理想的な意味での水の総合的な管理というものは不可能だというふうに考えるのです。この点は、あらためて料金のところで質問をすることにしたいと思います。  実は冒頭申し上げましたように、この法案について、党の方できょう正式に討議をすることになっておる時間が来ておりますので、残った質問はあとからすることにしますが、あと一、二点質問したいと思います。  昭和三十六年度では、御承知のように予算措置が出ておらない。これは建設省あるいは経済企画庁の方としては、この法案が出発をしてすぐにそういう予算がほしいということで、おそらくそのことを主張されるだろうと思うのです。聞くところによりますと、大蔵省の方では、事業計画がまとまらなければ、予算はそれからでいいのじゃないか、予算は要らないのじゃないか、事業計画ができてから予算を考えてやろうというような考え方だというように伺っておるのです。この点の、実情を、一つ経済企画庁長官からお知らせ願いたい。

迫水久常自由民主党郵政大臣

○迫水国務大臣 先ほど申し上げましたように、水資源開発公団というのがどの程度の仕事をすることになるのかということについては、基本計画ができませんと、はっきりいたしません。あらかじめ資本金を持った公団として出発することも一つの方法でございますけれども、資本金を持たない形で出発しても、決して水資源開発公団というものが仕事ができないというわけでもございませんし、大蔵省もそう申しますから、この際は予算をとらなかった次第でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 建設省はどうお考えになりますか。予算なしで事業計画ができて、予算はそれからでいい、これは出資金の問題とまた別なんですよ。運用するのに、相当程度の費用がかかると思うのです。いわゆる資本金という格好でなくても、相当の費用がかかるんじゃないか。これは大蔵省の方としては、全部事業計画が軌道に乗ってからでなければ必要がないのじゃないかということを言っておりますが、それでは円滑な運営というものはできないのではないかと思うのです。資本金とは別の面でそう考えるわけですが、そういうようなものを、予備費あたりから相当程度引き出すということは考えておらないのですか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 当面は、この公団の建前としましては、借入金等によって処理をして参ろうという建前になっておる次第でございます。出資金につきましては、主としてこれは水の使用料金の問題と関連して参りまするわけで、コスト高を抑えるためには政府が無利子の出資をしなければならないということになりますので、コストとの関連において出資の必要が起きてくるわけでございます。従いまして、これらの段階はいずれ先のことに相なると思いますので、その必要の場合には、政府といたしましてはやはり今日の日本道路公団等と同じように、必要の起こった際に出資金をつけて、水のコストを検討いたしたいという建前に立っておるわけでございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 まだ質問したいことがだいぶ残っておりますけれども、さっき申し上げましたように、この法案について私の方の党での審議がありますので、この辺で打ち切りたいと思います。

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 本日はこの程度にとどめて、散会いたします。    午後三時七分散会

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