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38回国会衆議院1961/04/21

建設委員会 第24号

発言数
77
登壇者
9
会派数
2
開催日
1961/04/21

会議録

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  測量法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。  山中日露史君。

山中日露史日本社会党

○山中(日)委員 この測量法の一部を改正する法律案は、私どもとして別にこれに反対する理由は何もないので、賛成であります。  ただ、この機会に一言承っておきたいことは、従来の測量法ではどういう点に一体欠陥があったのか、不都合な点があったのか、この測量法の改正のいわゆるねらいとするところはどういう点にあるのか、という点を一つ承っておきたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 現行の測量法におきましては、測量士に関する制度は確立されておりまして、測量の技術につきましては、測量士あるいは測量士補という資格を法定いたしておって、その技術の確保は、はかられております。ただ、先生も御承知のように、近年公共事業等の伸びに伴いまして、測量事業が相当伸びてきておって、しかも、その事業につきましては、民間の業者において担当する部分がますます大きくなってきております。そこで、単に測量士なり測量士補という技術者の制度だけでは不十分でございまして、たとえば技術者のほかに機械の設備あるいは機具を備えるというようなこと、また、測量事業を業として営む場合に経営上の問題もございますので、これらの面を何ら法的な規制をしないでほうっておきますと、結局測量事業そのものが適正に実施されないといううらみがございます。現在いろいろ調べておりますと、測量事業の結果が、精度の低いものが相当出てきておる。こういう事態にかんがみまして、測量事業を業として行なう業者の規制を法律によって行ないまして、測量事業の適正な運営と健全な発達をはかっていく必要がある。かような観点から今回の改正案の提案を申し上げた次第でございます。

山中日露史日本社会党

○山中(日)委員 そういたしますと、つまり測量士の登録資格を持っておる者が、みずから測量業を営む場合においても、やはり登録を受けなければならぬということになるのですか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 測量士の資格を持っております者が測量業を営みます場合には、やはり測量業者として登録を受けなければならぬ、こういうことになっております。

山中日露史日本社会党

○山中(日)委員 今度、一括下請負ということを全面的に廃止したわけでありますが、なぜこれを廃止しなければならないのか、その理由を一つお聞かせ願いたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 一括下請負の禁止の条項がございますが、これは御承知のように、測量業者が請け負った測量を、自分は何ら関係しないで、全部そのまま一括して他の者に請け負わせるということでございますが、そういうことになりますと、結局単なる中間搾取をその業者がやってしまう。トンネル・コミッションを取るというようなことにとどまりまして、結局下請の業者にも不当な圧迫を加えることになりはしないか。あるいは手を抜くような不適正な測量が行なわれる。こういう懸念がございますので、一括下請負を禁止することにいたした次第でございます。

山中日露史日本社会党

○山中(日)委員 将来、登録されますと、その登録された測量業者の間に何か格づけのようなことがなされることがあるのかどうか。その点を最後にお伺いいたします。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 この法律が成立いたしますと、大体千二百くらいの業者が登録を受けることになると推定されております。しかも、いずれも大臣登録一本でございますから、この千二百程度の業者を一々格づけをいたしてその経営能力等を分類するという必要は、私どもとしては、ただいまのところないと考えておりますから、格づけはいたさないつもりでございます。

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 この改正のねらいとするところについて、ただいま山中委員から御質問がございましたが、従来の測量法ではいろいろの弊害がある、その一つとして精度が低い場合も出てくる、というふうな御答弁でございました。  そのほかに、この測量法のねらいとするところで、従来の測量法のままではどうも弊害があると思われる点でお気づきの点があれば、もう少し具体的に御説明を願いたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 先ほど申し上げましたほかには、たとえば機械器具が非常に不備であるということのために、測量事業を請け負いましても、能率が上がらない、こういうような面も憂慮されます。  それから、全体といたしまして、測量業者は現在千二百程度おると申しましたが、これらのうちには比較的零細な業者もおりまして、こういう業者については、事業の伸びとともに、無理な受注をするというようなことになると、測量自体がうまくいかぬのじゃないか。従いまして、特に機械器具の整備が中心でございますが、金融面の心配等も今後研究いたしまして、できるだけ考えていかなければならぬ。そのためには、あるいは機械器具の抵当制度、あるいは測量事業を請け負いました場合に、やはり前払い補償というような制度をこれに適用する。こういう問題がございますが、今回の法律改正におきまして、まず登録制度をやって規制をいたしましてから、さらに実態を把握して、ただいま申し上げました機械抵当とか、前払い補償制度の適用を逐次考えて参りたい。ということは、結局測量業全体の、登録された業者の健全な発達を積極的にはかっていくという必要があるのじゃないか、こういう面もございますので、単なる消極的な規制という趣旨だけではございません。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 千二百人おそらく登録を受けるであろうという先ほどの御説明でございました。私、しろうとで、一向こういうことには暗いのでありますけれども、従来から、たとえて言えば、工務店とかいうような名前でもって土地の登記をしたりする場合に、面積をはかったりします小さな測量会社がございますね。そういうものも、ここにいうところの測量業者の中に入るのでございましょうか。あるいは、それらはまた別なのでございましょうか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 ただいま御指摘のような、個人の宅地を測量する、あるいは小さな私道のようなものの一部を測量する、こういうようなものは、今回の登録の対象に考えておりません。こういうものは、主として土地家屋調査士が営業としてやっております。これらは対象外にいたしておりまして、そういう個人業者がそのほかに千二百ぐらいおるというふうに推定いたしております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そういたしますと、今度の改正法にいうところの「公共測量以外の測量」という言葉がございますね、それには該当しないのでしょうか。私はやはり、そういう小業者といえども、すべての測量業務の正確を期するためには、こういうふうな意味におけるところの測量業、あるいは測量業者というふうな考え方で考えなければならないのじゃないか。また、そういうふうな人も、いずれはだんだん測量的な仕事で自分の事業を広げていって、一般の測量にも入ってくると思うのでありますが、その点はどうなりますのでしょうか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 登録を受けました測量業者でなければ請け負うことのできないという測量は、この法律の第四条の基本測量、法律第五条の公共測量、それと第六条の基本測量及び公共測量以外の測量ということになっておりまして、ただいまお話しの軽微なものは除かれております。従って、それは法律の第五条と第六条にそれぞれございますが、「小道路若しくは建物のため等の局地的測量又は高度の精度を必要としない測量で政令で定めるものを除く。」というのが第六条にございます。第六条以外の測量の中にもこれと同様の趣旨の規定がございまして、除かれております。従いまして、こういうものは登録を受けなくてもやれる、こういうふうに考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そうすると、そういうふうな小さなものは政令でもって、はずしてある、こういうことなんですね。そういう意味に理解すればいいのですか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 お尋ねの通りでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 きょうの新聞に偶然、「空から宅地さがし」というふうな記事が出ておりました。こういうこともやはり測量業の仕事の範囲に属するのでしょうか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 ただいまお尋ねのような航空測量も、この法律上の測量に入ります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 先ほどの質問にもあったのでございますが、測量業者がトンネル機関になってはいけない。その意味はよくわかります。  それでは今度は、一つの大きなものをまとまって請け負いまして、それをかりに三人なら三人の業者に三つに分割して請け負わしてしまったというふうなときにも、それはやはりトンネル機関になっておると思うのであります。この法律では、そういうことは禁止しておらないように思いますが、それはどうなりますか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 先ほどお答え申し上げました一括下請負の禁止は、一括して、ある業者に——丸投げといっておりますが——請け負わせる場合を禁止しておりますので、部分的に請け負わせることは差しつかえないのでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そういうことになりますと、先ほど官房長の言われました中間搾取をなくする意味だという御趣旨は、この法律では抜け道が大きく残されておる、こういうふうに思うのであります。みずからが行なう測量以外のものは請け負ってはならないということであれば、官房長の言われるところのトンネル搾取を防ぐ道にはなります。しかしながら、一括して請け負わしてはならないが、それなら二つに分けて半分ずつ二つの業者に渡したのなら、ちっともこの法律に触れないということになったら、この規定は全く無意味にひとしいものになりはしないか。こういうふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 一括して一人の人に請け負わせる場合は、元請業者は何にも関係しないというケースになります。そこで、そういう場合は完全なるトンネル機関になってしまうのじゃないか。二人以上の下請に仕事を請け負わせる場合は、いわゆる工程管理等につきましては、やはり元請が面接これにタッチして、自分で管理するという仕事は残りますので、私どもとしましては、二人以上の者に部分的に請け負わせることは禁止しない、こういうふうに考えておるのでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それだけでは私は、おっしゃるところのトンネル機関になることは禁止する、弊害を除くというふうな意味におけるところの規制的な効果が薄いように思うのであります。従って、実質的に、この法律ではそうでなくても、やはりそういう御趣旨であれば、この法律をもう少し修正するなり、あるいはまた政令でもってそういうふうなことができないようにしなくてはならないと思うのであります。しろうとの私にすら抜け道があるということがはっきりわかっておるような法律の改正を、どうしてやらなければならないのか、私にはもう一つのみ込めないのでございます。もう少し、のみ込めるように御説明願いたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 一括下請負制の禁止は、これは建設業法と全く同趣旨の同じ規定でございまして、私どもの考え方は、先ほど申し上げましたように、元請業者が何ら仕事をしないというのはいけないじゃないか。丸投げは困る。丸投げを押えれば、それ以外の下請は請負事業の本質から考えましてやむを得ないと申しますか、事業そのものを円滑に施行するためには必要な場合が相当あるわけでございますから、そういうものは認める。そこで、部分下請になりますと、実際問題は工程管理を直接相当やらなければいかぬ。あるいは一時的な金融を下請業者にしましたり、あるいは機材を貸与するとか、そういう仕事を部分下請の場合には、程度の差はありましても、必ず元請業者がやっております。そこで、部分下請は差しつかえない、こういうふうに規定されておるのでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それから、もう一つお尋ねいたしておきたいのでございます。現在の測量事業というものの実態でございますが、どういうふうになっておりますか。現在登録を受けられるであろうと思われる測量業者が千二百人ある。その測量業者はどのような規模の経営状態にあるのか。たとえていえば、百名以上の人を使っているのが幾らあり、それからまた五十名以下が何名あり、十名以下のが何名というふうな、規模別に、大体測量事業というものがどういう情勢の中にあるのか。しろうとの私たちには何にもわかりませんので、一つそういう点を御説明願いたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 測量業者の現況でございまするが、大体のところを申し上げます。  まず専業、兼業というような関係が相当ございまして、専業別、兼業別を申し上げますと、専業とするものが三百五十軒ございます。そのうち法人組織になっておりますものは百五十二社、あとの百九十八は個人業者になっております。  それから、兼業の関係で申しますと、おもに測量業をやっておってほかの事業を兼業しておるものが三百七十軒。それからおもに建設業を営んで測量業を片手間にやっておるというのが四百八十軒。そのほかに、こまかい測量をやりますものが、先ほど申し上げました土地家屋調査士が営んでおる兼業といたしまして千二百軒ございます。これは個人業者でございます。  以上で大体二千四百が測量業者の全体の数になっております。  なお、この法人につきまして、資本あるいは出資の額からちょっと申し上げますと、百五十二社の法人のうち、一億円以上の資本を持っておりますのが一社ございます。一千万円以上の資本の会社が十社、百万円以上一千万円未満が四十社、百万円未満の資本のものが百社、こういうわけでございまして、資本的に見ますと、やはり零細な業者が多いことになっております。  従業員等も、あまり多くございませんで、法人会社の大きい方で一億円以上のものが二百五、六十人の社員を擁しております。  大体ざっと申しますと、以上のような状況でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そうしますと、現在測量業と見られるようなものを営んでおるのが二千四百である。そうして、登録を申請するであろうというのが千二百である。それから、土地家屋調査士が千二百名おるから、一応この土地家屋調査士の千二百名というのは登録をしないであろう。登録をするのは土地家屋調査士以外の、やや規模の大きい程度のものが登録を申し込むのではないか。こういうふうな見通しのように受け取れるのでございますが、土地家屋調査士でも、登録をしたいというふうな意思を持ち、同時に測量士あるいは測量士補の資格を持っておるものであれば、登録を申し込めば、これは断わることはできないのではないかと思うのでありますが、その点はいかがでしょうか。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 ただいまお尋ねのように、土地家屋調査士が測量士あるいは士補の資格を持っておりまする場合には、みずから測量業を営むものとして登録を受けて差しつかえないわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そこで、一億円以上の資本金を持っておるのが二つある。その一億円以上の資本金を持っておるところの側壁専業者というものは、どういう設備に一億円というような、非常に大きな資本を投資しておるのでしょうか。少し御説明願いたいと思います。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 一億円以上の資本を持っておるこの二つの会社は、航空測量をいたしますので、航空測量に要する写真機の一式のもの、それから航空写真から図化をいたしますその図化の機械器具、これは相当高価なものでございまして、こういうものを装備いたしております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 私どもも、指導あるいは監督がやりやすいようにこういう法改正をやられることに決して反対ではございませんけれども、この法律改正でこういうふうな登録の制度が設けられますことが、やがては大資本の測量業者にその制度が便利になって、零細業者にだんだん窮屈になってくるというふうなことがあれば、それはかわいそうである。こういうことを懸念いたしておりますので、今後そういうことがないように、一つ十分この法の運用をしていただくことを特にお願いいたしておきまして、質問を終わります。

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 ほかに御質疑はございませんか。——なければ、本案についての質疑はこれにて終局いたしました。     —————————————

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の通告がありませんので、討論を行なわず、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 御異議ないものと認め、そのように決します。  採決いたします。  測量法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔賛成者起立〕

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお、本案議決に伴う報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 御異議ないものと認め、そのように決しました。      ————◇—————

加藤高藏自由民主党

○加藤委員長 次に、防災建築街区造成法案及び公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案の両案を一括議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。  瀬戸山三男君。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 私は、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案につきまして、若干の質疑を行ないたいと思います。  この法案については、他の委員の皆さんから相当詳細な質疑が行なわれてきておりますので、できるだけ重複を避けまして続けたいと思いますが、あるいはやや重複するところもあろうかとも思います。  今度、いわゆる都市改造の法律を作りまして、それを実施するということは、いわば初めての試みであります。言いかえますると、都市改造の画期的な制度を立てよう、こういうわけでありますので、今までの質疑にも現われておりましたように、なかなか理解しがたいところもあるわけであります。法律も相当詳細にできておりますが、そういうわけでありますから、できるだけ理解を深めるといいますか、将来に疑義を残さないという考え方から質疑を進めていきたいと思います。そこで、条を追うて、やや疑問と思われる点を明らかにしていただきたい、こういうつもりで進めます。  まず、この法案の第三条、第四条。これは「市街地の改造に関する都市計画」という項目になっていて、それぞれのいわゆる改造計画をする場合の各種の要件をここに並べてあるわけであります。そこで、この第三条及び第四条のそれぞれの要件というものは、全部この改造計画には備わらなくちゃならないのか、こういう点を一つお尋ねをいたします。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 ただいまのお尋ねは、市街地改造事業を施行すべきことを都市計画として決定することができる。地区の要件は、第三条一号から六号までに掲げるすべての要件を具備しておらなければ、都市計画の決定をすることができないわけでございます。かつ、その都市計画の市街地改造事業として行ないます内容は、第四条に掲げる内容を持っておるものであるということになっておりまして、その第四条に関係する引き続いての条文が、市街地改造事業の事業計画の内容に盛らるべきことである、こういうことになっておるのであります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 条文の書き方はそうなっておるわけであります。そこで、特に私がそういうことを承ったのは、さっき申し上げましたように、これは今日の大都市を中心とした——大都市ばかりではありませんが——市街地の改造ということがきわめて必要である、そういう趣旨で立案されておるわけであります。そういうふうになりますと、これは、やってみなければわからぬということになるでしょうけれども、非常に要件が窮屈にできておる。東京その他の大都市ではこれに当たる部面も相当にあると思いまするが、たとえば第三条の第二号の要件として、「当該区域が建築基準法第四十八条第一項の用途地域内にあること。」という、いわゆる用途地域の指定をする制度があるわけであります。そういうような要件があるということになりますと、地方の都市なんかで、こういう都市改造の制度に従って部分的な都市改造をしたり、公共施設と一緒に改造したり、こういう場合も相当あるのじゃないかと思う。法律制度を作る場合に、予算等の関係で直ちにそれが実行されるかどうかわかりませんが、しかし、その道を開いておく必要があるのではないかという気がいたすのであります。こういうふうに特別な要件があると、たとえば今申し上げましたように、第二号のようなものがあると、そういう用途地域の指定をしておられない地方都市等においては、せっかくこの制度ができても、この制度を活用するということができない場合が相当あるのじゃないか。こういうふうに思われますが、そういう点については、どういうお考えをしておられますか。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 ただいま御指摘のありましたように、第三条第二号の建築基準法の用途地域の指定がある区域でなければならないわけでございまして、この条文の趣旨は、おわかりの通りに、土地利用の計画が確定されておるということを基本といたしておるわけでございます。従いまして、この用途地域制の指定が都市計画として行なわれているというのは、非常に重要な問題になる。この法律の実施の関係から申しますと、重要な実施の要件になっておりまして、現在この用途地域制の指定されております関係の市や町は、全国で二百三十七の都市になっております。うち、市につきましては、二百二十六の市が用途地域制の指定を持っておりますし、町でも、十一の町が用途地域制の指定を行なっております。従いまして、当面重要な都市につきましては用途地域制が行なわれているわけでございまするが、これは今後の都市計画の内容の実施と相待って、用途地域制の合理的な指定を行なっていきたい、こういうふうに考えておるのでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それから、この事業を実施するについては、第二条の五号で、「政令で定める重要な道路、広場その他の公共の用に供する施設」というふうになっている。道路あるいは公園、公園に類する広場、そういうものはよくわかるのでありますが、その他に、あるいは都市改造と申しますか、都市計画の中で下水道の計画、あるいは最近は自動車交通で非常に問題が多いのでありますが、自動車駐車場と申しますか、そういう意味の広場は政令で定めるというふうになっております。第二条の五号の場合、結局都市改造をするときの公共施設は政令ということになっておりますが、これはどういうふうに考えておられますか。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 「政令で定める重要な道路、広場その他の公共の用に供する施設」とありまして、この道路は幅員三十メートル以上となることに定められておる道路、都市計画で申しております街路をいうわけでございまして、二十メートルと申しますと、交通の状況から申しますと、一日一万台以上の交通量を考えておるような重要な幹線の街路ということになります。それからまた、広場につきましても、六千平方メートル以上の駅前の広場というものを、この重要な公共施設として政令で定める考えでございます。ただいまお尋ねの、その他の公共施設としては、もとより下水道あるいは駐車場、あるいは公園等、都市計画として都市計画法に定めておる施設がございますけれども、現在のところ、この重要な道路、広場と申しますのは、ただいま申しました二つの公共施設に限って、緊急に整備する必要の迫られたものに限って、進めていきたい、こういう考え方でございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そうすると、「その他の公共の用に供する」というのは、どういうのを予定しておられるんですか。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 この「その他の公共の用に供する施設」につきましては、現在のところ、直接予定しておるものはないのでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 直接予定しておるものはないといっても、法律にこう書いてあるんだから、それを全然考えないで——道路、広場はあがっておりますが、もしそれを予定してなければ、道路、広場だけでいいように思うのです。「道路、広場その他の公共の用に供する」、こういうふうになっております。道路、広場は例示でありましょうから、この案を立てるについては何かその他の問題があるように思うのです。特に自動車の駐車場なんというのは非常に必要なものじゃないか、こういうふうに思われるのですが、それはどう考えておられますか。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 「その他の公共の用に供する施設」につきましては、将来その緊急性の必要あるものがだんだんと出て参ると思っておりますが、ただいまのところは、道路、広場の重要施設に限って行なうことが適当ではないかと考えております。駐車場等につきましては、これも都市計画の重要施設といたしまして路外駐車場の整備を急いでおりますが、その駐車場の設置につきましては、道路の路下を利用する、あるいはまた公園等の公共施設の地下を利用するということで、路外駐車場の整備をいたしております。目下のところ、当面の公共施設として考えておるのは、道路、広場を予定しております。将来の緊急性の度合いによりまして追加せられるべきものもあろうかと考えまして、「その他公共の用に供する施設」という字を条文上規定いたしておるわけでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それから、さっきも触れたのでありますが、これらの公共用地は、多くの場合は道路が一番関係が深いと思います。そこで、いわゆる都市改造事業の規模と申しますか——東京あたりはどこでも都市改造をしなきゃならぬような状況になっておるように思うのですが、——その規模は、どういうふうに考えておられるか。今までの質疑応答の中で、いわゆる街区という言葉が出ておりまして、街区は、道路で囲まれた一団地と申しますか、そういうところだという御説明があったわけでございます。道路は非常に長い区間にわたって、いわゆる二十メートル以上でありますか、それを拡張しなければならない。それに応じて都市改造をしなければならぬ。こういうふうになると思うのですが、いわゆる街区ということと、ここにあげておる都市改造の計画事業の範囲は、実際問題としてどの程度に考えておられるか。これをお伺いしたい。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 市街地改造事業を施行いたします区域の範囲と申しますか、広がりでありますが、たとえば東京の場合でございますと、放射四号線というものが、四十メートルに拡幅をいたす都市計画の事業決定が、ごく最近に全線について行なわれております。従いまして、その沿線の状況について、いろいろ長い沿線全部というわけにも一挙に参りませんので、今かりに一、二の場所について申し上げますと、三軒茶屋のようなととろで、もし市街地改造事業をやるといたしますれば、三軒茶屋の三差路を中心といたしまして四百メートルの道路の沿線の区間が、まず道路沿いにその対象の長さを持った区間になります。背後地につきましては、今お話のございましたように、でき上がります地区が適正な街区ができるようにするということでございますので、その街区の広がりというものは、四十メートルないし五十メートルという区画、街路によって阻まれたものが、かりに四百メートルぐらいの地域についてやるといたしますれば、六つの街区ができ上がる。こういうようなことになるわけでございます。あるいは大阪の駅の前に面しておりますところの地域におきましては、これは四つのブロックの街区ができ上がる。こういうふうな関係になりまして、大体において、場所によりまして、道路沿いの延長拡幅でございますけれども、二百メートル程度のものが一番短い。特殊な条件のところで三百ないし四百、こういったような道路沿いというのが、一つの施行地区の想定されております規模で、従って、その中には街区が少なくとも三ないし四、六というふうに考えられる形の設計ができ上がる。こういうふうに御理解願いたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 そういう範囲と申しますか、区画の市街地改造事業をやる。それで、さっき私は三条で要件をお尋ねしたわけでありますが、三条の四号には、「当該区域内にある耐火建築物以外の建築物で地階を除く階数が二以下であるものの建築面積の合計が当該区域内にあるすべての建築物の建築面積の合計の三分の二をこえていること。」、こういう条件が出ております。これはどういう計算から出てきたのか、私どもではわかりませんが、実際の場合には、いろいろな状態になっておると思います。それで、こういうふうな一つの基準を定められておると思うのでありますが、三分の二というのは、一体どういう計算と申しますか、めどといいますか、どういうところからこういう条件をつけられたのか。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 ただいまお尋ねのございました第四号の、当該区域内の建築面積が非常に低層な、二階以下の木造建築物等が並んでおるというようなことをとらまえた意味は、土地の利用が効率的ではない。つまりこういう土地は、前段に御議論が出ましたように、土地の利用計画がきまっておって、しかも、一定の高さを要求されるような建築物で高度利用を要請されておったり、あるいは不燃建築物を建てるべきことを要請されておる土地柄であるにもかかわらず、客観的にそういう土地について、土地の利用が効率的ではない。しかも、不燃建築物が建っていない。木造建築物がたくさん建っておる、ということをとらまえたのでございます。三分の二と申しましたのは、一つの効率的ではないという、大部分、二分の一というのじゃなくて、やはり三分の二というところで、そういう効率的ではないという一つの把握の仕方を、建物の状況と高さのことで把握いたしたのでございます。御承知のように、道路用地となる付近地の超過収用もいたすわけでございますので、この要件は客観的にきめておかなければならないということで、大部分の土地の利用が効率的ではないという意味のことを、三分の二という数字でこの条件を書いた、こういうことでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 次は、ずっと飛びまして、第十三条についてお尋ねしてみます。この第十三条については、昨日他の委員から、岡本さんでありましたか、訴願あるいは異議の問題でいろいろお尋ねがあったようであります。この第十三条には、今お話がありましたような、いわゆる市街地改造事業をやるんだ、こういうことを区域を決定いたしますと、そこに建築その他の制限をする。当然なことでありましょうが、こういうふうになっておる。そこで、こういう事業をどういうふうに予定されておるのかということなんです。予算の関係等によって、事業の決定はしたけれども、なかなか進まないということがしばしばあっては、地域の住民たちに大へん迷惑がかかることであります。従来、御承知のように、いわゆる都市計画、あるいは東京あたりでは戦災復興計画をして、計画はできておるが、今日までまだその実行に移されない。しかも、これと同様な制限がありまして、そこにおる人たちは建築もできない。いわゆる不燃建築をして、立体的に使おうとしても、その計画は実施されないので、それが行なわれない。非常に迷惑をこうむって、十数年間その地域におる人だけが不利益をこうむっておる。こういう実情は、私が申し上げなくても御承知の通りであります。  そこで、今度この市街地改造事業計画をする、そして、こういうふうな制限を加える。こんなものは、計画はしたけれども、またいつまでも実施が進まないというようなことになりますと、せっかくの親心が、かえってうらまれるという格好になるおそれがないとは言えないと思うのです。事業の予算等も準備しておられるようでありますが、一体、そういう事業計画をしたら、どのくらいで済ませるような見当か。これに期限をつけるということも、それは法律ではできませんが、従来のあり方が今申し上げましたような事情にあるから、特にその問題について、どのくらいのめどで一つの事業計画は完成をするのだ。これは、きめるわけにいきませんけれども、考え方で、東京、大阪の話が出ましたが、あらまし大体の見当はついておると思うのですが、どういうように考えておられるでしょう。また、予算等について、どういうふうに考えておられるか、これを一つ伺いたい。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 確かに、お尋ねのございましたこの十三条プロパーの問題じゃなしに、一般の都市計画決定と事業決定との間におきまする相当な期間的なズレから、都市計画なりその関係区域の権利制限の及ぼす影響が非常に大きいことになっておりますので、この市街地改造事業の実施にあたって行ないます第十三条の建築制限は、都市計画として市街地改造事業を施行すべき事業決定が行なわれましてからその市街地改造事業の終了の日までが、十三条の建築行為等の制限にかかる期間になります。実質上は、市街地改造事業を実施いたしますと、施行者が土地の権利を取得をいたしましたり、あるいは収用いたしますので、実質的には、施行者が土地、建物を取得をいたすまでの間が、関係の権利者のつまり権利制限ということが働く時期になります。市街地改造事業の今考えております個所につきましては、これは全体として場所はいろいろございますけれども、やはり普通の状態のところでございますれば、先ほど申し上げました特殊な規模のものでない限りは、三年くらいの間に全部建築物を完成いたしまして、関係の権利者が入居できることが終わってしまう。こういう状態のものにならなければならないスピードで進める計画でございます。この建築行為の制限は、先ほど申しましたように、施行者がそのような建築物を建てる前には、もとより管理処分計画で関係住民の工事の権利関係の移しかえを定めまして、工事に着手する前には、もうすでに施行者が全体の土地権利を取得いたしますので、との関係の仕事はそういう三年じゃなくて、必要があるところから買いますけれども、一括してそういう計画を立てなければいけませんから、少なくとも二年かからぬうちには片づけてしまわなければ、建築が全部完了いたしません。そういうことを現実にやるべき性質の事業でございますからして、御趣旨のような点につきましては、この事業の実施そのものが、そういうスピード・アップしなければならぬ性質のものでありますから、一般の都市計画事業につきましての御注意につきましては、万々注意いたしますけれども、この建築制限は、さようなわけで、その期間を極力短縮すべきものであるというふうに考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 私は今の問題に触れて、むしろ現在までの都市計画事業は、その関係住民に非常に迷惑をかけておることを申し上げておるわけであります。どうか一つ、法律の制度は作るが、そのために関係住民に迷惑がかかるということのないように、今のこの問題については、そういうふうにぜひ善処されることを特にお願いをいたしておきます。  それから、十四条であります。これは十四条に限ったことではありません。この法律には、現行の土地収用法がちよいちょい適用される場合があるわけであります。そこで、今、衆議院に提案されております今度のいわゆる土地取得の特別の制度、収用法の特例措置と申しますか、これとの関係は、一体どういうふうになることになっておりますか。たとえば今度の特別措置法によりますと、御承知のように、一定の規模以上の道路については、それを建設するときには収用の特別な措置ができるように案が立てられてあります。今お話しのように、道路については、街路について二十メートル以上のものについて、いわゆる街路事業を行なうということになるのですが、裏宅地については、これは今度の特別措置法が成立いたしましても、直ちに問題になりません。これは道路の拡張、用地を取得すると同時に、裏宅地のいわゆる建築の整備をしよう、こういう建前でありますから、一部これに適用されるようにも思われるのですが、この点についてはどういうふうに解釈しておられるか。あるいは立案はどういうふうにされておるか。こういう点をお伺いしたいと思います。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 この市街地改造事業は、確かにお尋ねのように、重要なる幹線街路を整備する事業がその原因となって、裏宅地を含めた収用をいたして、新たに関係住民がその中に入る建築物等を整備いたしまして、その権利を与えるわけでございます。市街地改造事業は、この法律によって新しい事業としてでき上がったのでございますので、その中身が、公共施設の整備、建築物の整備、建築敷地の整備、この三つの事業を総合いたしましたものを市街地改造事業、こう申しておるわけでございます。従いまして、その重要な部分の中に、たとい整備すべき公共施設が道路であって、しかもその道路が、ただいまお話のございましたように、公共用地の取得に関する特別措置法の一定の人口を持っておる大都市地域における交通の混雑を緩和するために整備を要する道路の幅員と全く一緒でありましても、市街地改造事業によって土地等関係の権利を取得する方法は、特別措置法によることなく、現行のこの土地収用法の規定によりまして収用をする。こういう体系で立案されておる次第でございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 いずれ特別措置法はこの委員会で審議されるわけでありますが、その問題はぜひ明らかにしておく必要がある、こういう考えからお尋ねしたのであります。  次は、第二十条に関してでありますが、「施行者は、事業計画を定め、若しくは変更したとき、又は事業計画若しくはその変更の認可を受けたときは、その旨を公告しなければならない。」。各所に公告ということがありますが、二十一条には、その公告があった日から起算して三十日以内にいわゆる譲り受けの申し出をしなければならない、こういうふうになっております。これは一団地と申しますか、先ほど来御説明のありましたような特定の区域についてやるわけでありますから、万々そういう事態はないとは思いますが、期限を切って権利の喪失をきめておるわけであります。そこで、一体、この公告というのは、どういうふうな方法でやられるのか。周知徹底させるためには、どういうふうな公告の方法を考えておられるか。これを一つこの際明らかにしておいていただきたい。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 ただいまお尋ねのございました第二十条の事業計画の公告等は、現実に譲り受け希望なり、賃借り希望を申し出る権利者たる地位を与えるための重要な手続の始まる公告ということの性質を持っておりますので、関係の権利者がぜひ知らなければならないわけでございますからして、この公告の方法については、地方公共団体の公報で公告いたしますことはもとより、施行地区にその旨を掲示する方法を講じまして、二十一条の引き続いて関係権利者が譲り受けまたは賃借り希望を申し出る機会が必ず得られるように取り計らっていきたい、このことを関係の政令で定めていきたい、こういうふうに考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 二十条のこの公告について、そういう方法は政令で定めるという規定は、何かこれにあるのですか。どこにありましたか。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 その政令は、この法律案の第六十七条の規定によりまして、「この法律に特に定めるもののほか、この法律によりなすべき公告の方法その他この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。」、こうありますので、これによって政令を定めて参りたいというふうに考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 どうか一つ、政令は皆さんの方できめられるのですから、地方公共団体の公報なんというのは一般住民はほとんど知らないのでありますから、こういう重要な権利の得喪に関係のある公告でありますので、いわゆる親切によく周知徹底するような方法を案出されて、そうして、政令できめていただくことを特に希望を申し上げておきます。  それから、次は二十三条。これは二十一条にも関連しておりますが、この二十三条の規定というのは、前にも他の委員からお話があったかもしれませんが、借地法や借家法との関係はどういうふうになっておるのか。たとえば、改造計画に入ったところの土地を借りておる、あるいは家を賃借りをしておる、こういう人がある場合に、その借家期限が切れておれば問題ないのですけれども、借家期限が幾らか残っておる。こういう場合に、あとで譲り受けあるいは賃借りした人たちのこの借家権の期限あるいは期間といいますか、そういうものとの関係で、借地法、借家法との関係はどういうふうになっており、どういうふうに考えられておるか。一つその点を明らかにしておいていただきたいと思います。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 この法律全体の中に出て参ります借地権、借家権というこの定義につきましては、第二条にありますように、借地権は借地法の規定する借地権、借家権は借家法の規定する借家権というふうに規定いたしております。そこで、との譲り受け希望の申し出のできる人は、土地所有者はもとより、借地権を持っておる人、それから建物を所有しておる人、この三つの権利を持っておる人がそれぞれ譲り受け希望の申し出ができまして、譲り受け権を得るわけでございますから、借地権の問題は、新しい建物ができますときには、土地の所有権と借地権が分離いたしまして、一個の譲り受け権を申し出る、こういう格好になりますから、借家権が問題になるわけでございます。  借家権は、ただいま申しましたように、借家法の定める借家権のことでございまして、この借家人の従前持っておりましたところの借家権というものは、従前の家主さんが建物をもらいますときに、そのもらった建物に借家権が設定されていく。従前の家主さんが建物をもらわないという場合には、施行者が作りました建物に借家権を設定する。こういうやり方をとっておるわけでございます。従いまして、従前の借家人の地位というものは、必ず新しく賃借りできる地位を取得いたしまして、問題は、新しい建物に移った場合における借家条件というものをどうするかという問題が残るのみということになります。  この借家条件につきましては、お尋ねのように、四十三条によりまして協議をいたしまして、協議がととのわないときには、施行者が審査委員の同意を得て裁定をする、こういうわけでございます。従って、借家法上の借家権でございますから、非常に極端な争いがあってきまらないという場合でも、借家法には一年未満の借家権は認めないという強行規定もございますが、しかし、こういう問題は、新しい建物ができましたときに、新たに借家条件を相談するわけでございますから、施行者といたしましては、できるだけこの関係当事者の借家条件の定め方について乗り出しまして、この借家条件をきめるのにプッシュをする役割を果たさなければいかぬと思っております。従って、これはあっせんという形になりますけれども、従前の賃借権の残存期間というものも、ただいまお尋ねになりましたのは、残っておる期間がある、何年できるかということは、新しく協議するわけでありますが、残存期間というものももとより、その裁定をする場合の重要な参考になるというふうに考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 家が新しくなるわけですから、前のものはなくなってしまう。そこで、賃借りの引き継ぎをするように法律ではできているわけであります。その際に、さっきもちょっと触れましたが、最大二十年ということに借家法などでは書いてあります。あと三年か、あるいは五年でもけっこうですということになっておると、それはがんばれるのかどうか。この法律で一応賃借り権は引き継ぐようになっておりますが、残期間だけはやむを得ない。家主さんは、新しくその建物を得た人が、賃借りに対しても、前の古い建物の賃借期間がこれだけだから、残期間だけは貸します、ということになるのか。新たに建った家について、話し合いがつけばもちろん問題はありません。話し合いがつかぬときには、どうなるのか。これは借家法の規定に従ってやる、こういうことですか。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 これは、借家法の規定に最終的によりどころを求めなければならぬ場合はいたし方ないといたしましても、借家条件の協議から裁定という手続をとりまして、できるだけこの借家条件が、施行者がこの事業を行ないましたことによって、新しい建物に借家人の地位が安定できるような関与をいたしていきたいという趣旨でございます。従いまして、争いがあって大へんなことになっておるという場合の想定でお尋ねがあったと思うのでありますが、そういう最悪の事態につきましては、残存期間というものも一つのよりどころになるのではないかという意味で、御答弁を申し上げた次第でございます。できるだけ施行者といたしましては、借家権が当事者間の協議できまるものであるという傍観的態度でなしに、裁定というところまで入れました以上は、積極的に借家人の地位が安定できるような行政指導をいたしていきたいという趣旨のものでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 それから、ずっと先の五十三条に、各種の問題につきましては、先ほどお話しの事業計画ごとに審査委員を作って適正をはかる、三名以上を選任しなければならない、こういうふうになっておるわけでありますが、それはどういうように考えておられるのかということでございます。たとえば、先ほど東京では三軒茶屋の話が出ました。あるいはほかにもこういう地区があるし、また、そういう事業ができてくると思います。そうすると、その事業ごとに審査委員というものを作らなければならぬのか。その審査委員というものは事業区域内の人を選ぶのか。そういうことはしていないと思いますが、将来こういったものの運営については疑義のないようにしておかなければいかぬと思いますので、そういう点はどうか。  それから、審査委員が三人以上ということになっておりますから、そのときに適宜きめるのでありましょうけれども、大した費用は要らぬと思いますけれども、ある程度の審査委員に対する日当その他の経費が要ると思います。そういう経費は、予算上と申しますか、これはだれが出すのか。あるいはその事業計画全体の資金の中から審査委員の経費を払うのか、あるいはその他いろいろ地方公共団体の別の費用からこういう審査委員の費用を出すのか。私の考えでは、理屈からいうと、事業計画そのものに関連した審査委員だから、その中から払うのがあたりまえのようにも思います。きのうも、岡本さんでありましたか——これはやってみなければわかりませんが、あとでちょっと触れますけれども、この事業をするについてここで頭で考えるように、あるいは紙の上に書くように、うまくいくかどうかということは、なかなか心配があると思います。従って、せっかくりっぱなものを作ってもらったが、高いものを作ってもらったのはありがた迷惑だ、ということが起こり得ないとは断言できないと思います。そういうことから、できるだけあとを引き継ぐ関係住民に大きな負担をかけないということを一番の眼目にしなければ、せっかくの事業が喜ばれないで、うらまれる。こういう事業を個人のためではなくて、国のためと申しますか、その市街全体のために、市あるいは地方公共団体全体のためにやるのでありますから、できるだけそういう個人に重圧と申しますか、迷惑のかからないようにするということが、この法律の運用上の大眼目であると思います。   〔委員長退席、木村(守)委員長代理着席〕 そういう意味で、小さな問題でありますけれども尋ねておきたいのは、できればそういう経費をこの事業計画の中に入れない方がいいのではないかと思うのであります。そこで、政府はどういうような考え方でこれを立案されたか、あるいは将来どういうふうにされるお考えであるか、これを確かめておきたいと思います。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 第五十三条の審査委員の選任すべき区域と申しますのは、市街地改造事業ごとに選任をするということになっておりますので、市街地改造事業を実施いたします区域ごとに審査委員を三名以上設置する、事業区域ごとである。従って、東京でかりに三十六年度二カ所の市街地改造事業を実施いたしますとすれば、その一地区ごとに二カ所の区域について審査委員が置かれる、こういうことになるわけでございます。  この審査委員を施行者の選任にいたしましたのは、審査委員の仕事が、管理処分計画なり、あるいは建築物等の評価の問題なり、いろんな点で専門的な知識を必要といたしますので、必ずしもその地区にその人を得られない場合もあるのではないかということから、選任にいたしたわけでございます。この選任の意味は、そのようなことから出たのでございますから、必ずしも市街地改造事業の実施されます当該地区の人でなければならないということはないように考えた法律でございます。ただし、その場合におきましては、やはりその当該審査委員候補に対しまして地元の譲り受け希望なり賃借り希望を申し出た人の賛否を求めまして、二分の一をこえる者の反対があったときには選任できないということにいたしておるわけでございます。  審査委員の権限といたしましては、管理処分計画に対する同意でありますとか、あるいは借家条件の裁定の同意とか、あるいは管理処分計画の縦覧途上における意見の審査等の重要な権限を持っております。従いまして、審査委員は、これを設置いたします地方公共団体の条例でその審査委員の費用の額を定めるわけでございます。現在これに類似いたしました制度といたしましては、土地区画整理法に評価員という制度がございます。評価員について申しますと、日当が大体千円程度のものを出しておるというのが、評価員の選任をいたしております地方公共団体の常例でございます。この審査委員につきましては、さらにもっといろんな点において重要な仕事をおやりになりますので、千円ないし二千円程度が、そういう日当の一つの標準ではなかろうかと考えております。何分にも、この審査委員の経費につきましての支弁の方法は、これは政令事項になろうと思っております。もしこれに対しまして他の前例を申しますれば、土地区画整理の場合におきましては、今申しました類似制度の評価員なり、あるいは審議会の経費に要する一部につきまして、土地区画整理事業費の一部として事業費の対象に、単価は低いのでございますが、行なっておるという例等もございますので、事業計画の中に、審査委員の現実の権限を実施するに必要な経費の一部が織り込めないということはないように思っておりますが、できるだけそのようなことで、まずわれわれ政令の段階で関係のところと相談をいたしていきたいというふうに考えておるのが、今の実情でございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 もう大体終わりますが、きのう岡本委員から御質問がありまして、局長からいろいろお答えがありました。というのは、この事業をするについては、申し上げるまでもなく相当膨大な経費を要するわけであります。道路を作り、それこそ立体化された不燃建築物を多数作らなければなりませんので、事業の資金というものは非常に大きなものになるであろう。その事業の資金はどういうものであるかということが、きのうの質疑応答で出ております。道路あるいは広場等の公共施設については、それぞれの法律によって国あるいは地方公共団体の負担がある。それから、建築については中高層の資金が出る。全部中高層にすることもできないでしょうから、あるいは地方公共団体の起債をしてこれを実施するんだ、計算をすると、とんとんになるんだというような御説明であります。そう、うまくいくのかどうか、これはなかなか問題でありますが、とにかく、さっきも申し上げましたように、せっかく町をよくしよう。これは、そこにおる人々のためにばかりやるのではないのであります。きのうもお話がありましたように、われわれはそういうりっぱなところへ入ると生活がかえって困るのだ、できないのだ、ということになっては、この事業の魂が入らない。余談でありますけれども、進駐軍が来ておったときに、アメリカ人が入った跡には、日本人は生活費がよけいかかって、はいれないということをよく聞きました。生活程度が上がればけっこうでありますが、今の日本の状態では、必ずしもそうばかりはいかない。しかもやらなくちゃならない仕事だ。こういう実情であります。  そこで、今政府はそこまで考えておられないと思うのですけれども、私はこれは一体とした大きな公共事業のような感じがいたします。道路であるとかあるいは公園、広場というようなものも、もちろんこれは純然たる大衆のための公共施設でありますが、個人の家がここに入っておりますけれども、しかし、こういう構想を立てて実施をしなければならないというのは、国家的と申しますか、その地域社会と申しましょうか、相当公共性のある事業であります。であるから、こういうことをやらなくちゃならない。そうなりますと、そこの住民に大きな負担をかけないように——この市街地改造事業というものをほかの公共施設と同じような程度に考えるわけには参らないと思いますけれども——一つのセットとして、公共事業的なにおいと申しますか、含みと申しますか、これを立てるべき時代じゃないかと思う。と申しますのは、きのうも、岡本さんでしたか、お話がありました。また、局長からもそういう趣旨のお話がありましたが、作ってやって、そして譲り受けあるいは賃借りをしてそれほど困らない状態になります、というお話がありました。そういうふうにするためには、そういう程度で抑えて、その他は全部国なり地方公共団体がその改造費用を負担するんだ、こういう制度にしないと、せっかくのものが、ありがた迷惑になっていって、なかなか進まない。従って、日本の都市の改造というものがうまく進まない。こういう結果になるおそれが多分にあるように思います。今は、そういたしますと言うわけにはいかないと思うのですけれども、そういったことをぜひ将来は考うべきだ。将来といったって、遠い将来でなくて、これの実施の段階に移って、その実績を見て、そういう考えでこれを進めるという構想にだんだん改めていかなくてはならぬのじゃないかと思います。その点については、一つ建設大臣のお考えをこの際聞いておきます。  その前に、この事業について、これはまだ当然そうなっておらないと思いますけれども、地方公共団体の事業のいわゆる交付率の算定基準には、これは入っておらないと思うのであります。道路や広場というものはもちろん入っておりますけれども、ワン・セットとしての都市改造事業自体についての地方公共団体の負担等について、それを一つの算定基準にしておるということには、今なっておらないと思うのです。なっておるかもしれませんが、その点は局長からまずお答え願って、それから大臣にお答えいただきたい。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 ただいまお話の出ましたように、との法律が実施されます当面の考え方としております根本は、きのうもお話し申しましたように、この事業による裏宅地の再評価益と、裏宅地の建物買収費なり除却清掃費等の出費が、その比較において再評価の利益の範囲内であればやれる、大体そのとんとんくらいのところ、そういうところをまずこの事業の実施のスタートとして考えたのでございます。従って、施行者が赤字が出た場合におきましては、赤字は、今の建前でずっと進んでいきますと、施行者が負担をしなければならない、こういうことになるわけでございます。もとより、関係権利者のために帰属する建物ができ上がるわけでございますけれども、従前の権利者の土地、建物等の評価を時価でいたしまして、新しくでき上がります建物のその人に帰属すべき財産を、それに要した費用を基礎にして時価を考慮して定める、ということにいたします体制はやはり変わらないと思います。各個人間の問題は、従前の財産以上のものを差し上げるということは、補償という観点からなかなかむずかしい一つの壁にぶつかる問題だと思いますけれども、少なくとも、ただいまお話しのように、この市街地改造事業は新しい町作りの事業でございまして、こういうことが都市計画として、従来のように平面的な土地の横ばいをのみ繰り返しておるような都市計画じゃなくて、立体的な積み上げ、しかも公共団体なり国がやれるような仕組みのものが初めてできるわけでございます。  問題は、お話のように、この法律の実施によって赤字が出ることのないように、また、赤字が出てもそういうところをやれるような体制を考えていかなければならないのが、これからの問題でございます。それはお話のように、ワン・セットとしての事業という考え方にならなければいけないのでございまして、従って、現在の段階はそういうところまでは至らないというのが実情でございますので、この法律の実施によって、関係地方公共団体は地方交付税というものの算定からは直接今の事業に要する金は見ない。ただ、この事業を実施するのに必要ないわゆる財政資金の融資というものを考えていくということで、自治省と相談をしたような次第でございまして、だんだんとお尋ねの最後の点になりますれば、当然この事業独特の財源構成なり、あるいは地方公共団体関係の交付税等を、その性格上当然見るべき検討をしなければならぬ、こういうふうに考えておるのが今の実情でございます。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○中村国務大臣 ただいまのお尋ねの趣旨は、譲り受け権利者あるいは賃借り申し出権利者の立場が、従前よりも生活費等において負担が重くなるというようなことはないか、そういうようなことがあっては、あまり喜ばれないことになるのじゃないか、歓迎されないことになるのではないか、という点についてのお尋ねのように拝聴いたしました。これは要するに、その場所にございました土地所有者は土地の代金にかえて、あるいは建物所有者は建物及び付属関係の施設の補償代にかえて、新たにできまする近代的な不燃建築を、いわば代物弁償の形で受け取ることになっております。従って、場合によりましては、木造建物の価額が不燃建築の近代的施設に代替するわけでございますから、面積は、価額に比例した面積で構造ができて参りますから、多少滅らざるを得ないと思いますが、負担関係におきましては増強されるようなことが起こらない。あるいは考えようによりましては、固定資産税が若干変動するかというように考えられますが、お尋ねの点については、負担の増ということは起きないと思うのでございます。ただ、面積が狭まりますが、同時に、この市街地改造をやりますについては、事業施行者がやはり関係者の要望等をいれて設計から始めていきますから、面積は縮まっても、住まいよい近代的な住居ができ、あるいは近代的な店舗ができるということに相なりますから、木造の今までの簡易な建物の面積の減った分に対する他の意味の価値は増強されるだろうと思うのでございます。特にこの法律の施行にあたりまして、事業施行者は都道府県あるいは重要な市が施行することに相なると思いまするので、われわれ行政指導の面におきまして、この法律を実施いたしました場合に、関係権利者の負担増にならないような、不利益にならないような方法において、十分遺憾なきを期して参りたいと考えております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員 最後に、もう一つです。こういうことをぜひ考えてもらいたいということであります。というのは、最近いろいろな法律が出てくるわけでございますが、都市が従来の観念とは違った形になって参りまするので、従って、新しい制度、新しい法制をそれに応じて努力を積み重ねておるわけであります。御承知のように、都市の市街と申しますか、それに開通して、現任の都市計画法あるいは区画整理法、あるいは今審議中の防災建築街区造成法、それから今提案されている建築基準法の一部改正、これとやはり同じようなものであります。それから、直接というわけでもありませんけれども、土地収用法の特例法。こういうふうに、非常に複雑な法体系になってきておる。これは、現在の非常に進歩発展しますのを追っかけておる状態でありますから、こういうふうに部分的部分的の改良をしなければならぬし、従って、それについての制度を作る、これはやむを得ないと思います。こういうふうになりますと、相当の専門家でさえも、一体何の法律でどこをどうすればいいかということが、なかなか理解しにくくなっている。今の市街地改造法自体も、これなんか、ちょっと見ても一向頭に入りにくいというのが実情であります。そういうことでありますから、それが一本になるとは私自身も考えませんが、そういう近代的な姿になりつつあり、またなっている現在に即応するような法制を再検討してみる必要がある。そして、こんな複雑怪奇な諸制度を作らないで、もう少し組織立った、体系的なものを研究して立てるべき時代じゃないか、こういうふうに私は痛感するのであります。これは、そうしますということをここでお答え願うというわけではありませんが、どうか一つ、そういうふうに考えてもらいたいということです。  もう一つは、これもしばしば大臣が言うておられ、ほかの委員からもお話がありましたが、こういうふうにすべてあとを追っかけて歩くというような政治は、根本的に間違いであります。しかも、簡単にいかないから、やむを得ず急場に間に合わせるということで、いろいろ考えてこういうことをやっておるわけでありますが、最近大きな問題となっておりますように、東京あたりは根本的に考え直さなければならぬ時代であります。これは私が言うばかりでなく、世間で多く言われておる。制度を作って追っかけるというような時代じゃなくて、東京全体を完全に根本から再検討して、どうするか、どうしなければならぬかということで、一つ相当思い切った整理をしなければならぬ。これはもう、目に見えて行き詰まりのような状態にあるわけであります。これは大臣も考えておられますので、多くを言いませんが、今の法制の問題と、もう一つ前提になる大都市の問題というものを考えていただきたい。われわれも考えますが、これを一つお願いして、私の質問を終わることにいたします。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員長代理 岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 せっかく計画局の方で表を作って持ってきて下さいましたので、きょうはこれの御説明をいただいて、残余の質問は次会にいたしたいと思います。  その前に、計画局長から瀬戸山委員への御答弁の中で、裏宅地の所有者の評価益という言葉がございましたが、この問題についての考え方をお尋ねいたしておきたいと思います。裏宅地の所有者に評価益があるのか、ないのかという問題は、重要な問題だと思うのです。これは、表を道路として削られたならば、裏宅地は表通りに面します。だから、その裏宅地の人には評価益があるんだ、というふうなお考えであろうと思うのです。ところが、私は、裏宅地の所有者にはこの改造法においては評価益はない、こういうふうに思っております。ということは、たまたま表が道路としてはつ(削)られたために裏宅地が通路に面してくる。なるほど、その宅地の所有者が、そのままその土地を使うことができますならば、表通りになったということについての大きな評価益があります。ところが、そのはつられた残余の土地へ建てた建物の一階へは、従来表通りに面していた人が入居するわけでありますから、裏宅地の所有者もしくは裏宅地の居住者というのは、その階上であるとか、あるいはそのうしろ側に建つ建物に住むことになりまして、実質的には、表通りに面したところの一階というものについては、何ら使用権や入居権を持っておらない。だから、そういうふうな人たちに評価益があるという考え方に立って、対価の決定のときにその評価益を算定されるというふうなことになってくると、いろいろ問題が起こってくると思います。だから、どういうふうな御理解の上で裏宅地所有者の評価益という言葉をお使いになったのか、局長の御意見を承りたいと思います。

關盛吉雄建設事務官(計画局長)

○關盛政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、裏宅地に住んでいる関係権利者が評価益を受けるという意味で申し上げたのではないのでございます。この事業を実施いたしまする場合に、施行者が表の道路用地を時価で買います。裏宅地は、道路ができますと、道路に面する表宅地になるわけでございまして、その表宅地になった場合におきましては、裏宅地であったときの現況に比して評価益がある、という意味で申し上げたのでございます。従って、関係の権利者は、そういうことで律するものではなしに、現在の位置と建物の財産価値によって対償の価額をきめます。また、新たにでき上がった建物なり土地を評価いたす場合におきましては、整備された土地、建物の現況において、関係権利者の有する対償の額に見合ったものを差し上げる、こういう意味でございます。先ほど申し上げましたのは、施行者の立場における話をいたしたのでございまして、その点、ちょっと説明が足りなかったかと思いますが、御訂正を願います。  なお、都市計画課長から、きのう御要望のございました資料の内容について、簡単に御説明させていただきたいと思います。

吉兼三郎建設事務官(計画局都市計画課長)

○吉兼説明員 それでは、お手元にお配りいたしました二枚の刷りもの、「市街地改造事業収支計算例」(A)と(B)と両方ございますが、まず(A)の方について簡単に御説明申し上げようと思います。  昨日の御指摘は、この事業を行なうにあたりまして、個々の権利者のふところ工合はどういうふうになるかということと、施行者という立場においてどういうふうな収支計算になるのか、こういう問題につきまして、具体的な地点について何か試算したものはないか、ということだったと思います。ただいまのところ、そういう具体的な地点についての具体例を持ち合わせておりませんが、大体の基本的な形といいますものは、お配りしましたこの資料で御理解いただけるのじゃないか、かように思いまして、このようなものを準備いたした次第でございます。  まず、(A)の計算例は、基本的な非常にわかりやすい例でございます。といいますのは、借地権者がいない場合、つまり地主が自分でそこに家を建てて住んでいる、こういう場合を想定した例でございます。改造前という欄がございますが、右の方の図面に表示してございますように、かりに現在道路に面しましたここに二宅地の土地がある。計四十坪と一応試算しております。これがaという所有者とbという所有者がございまして、aが表宅地、bが裏宅地、かりにこういう想定でございます。これがこの事業によって、aの表宅地が道路用地になるわけでございます。従いまして、bの奥宅地というものが新しい街路に面する宅地になるわけであります。表の方も二十坪でございますが、このbの奥宅地の二十坪に高層建築を作る。これが、下の欄にございますように、三階建てのものをかりに作ったといたします。現在木造の十坪の建物が存しておるという仮定に立ちまして、新たに三階建てのものを作りまして、それぞれの床面積が各階とも十坪ずつ、一階はaに与える、二階はbに与える、三階がかりに保留分ということにいたしまして、計三十坪の鉄筋コンクリートの建物ができる。こういうふうになった場合の例でございます。  もとへ返りまして、改造前においてはaはどういう財産を持っておったかということになりますが、まず、土地が二十坪でございます。かりにこれが坪十万円と仮定いたしますと、二百万円の土地を持っておる。建物が既存建物でございまして、これもかりに坪三万円といたしますと、十坪で三十万円。計二百三十万円というものがaという権利者の権利価額でございます。  それから、裏宅地の方のbは、土地が裏宅地になりますので、若干その評価を落として七万円といたしますと、二十坪で百四十万円。建物が坪二万円としまして、十坪で二十万円。合わせまして百六十万円という権利価額を持っておる。合計三百九十万円というのがこの地区内の土地、建物の価額の総額でございます。  そこで、この事業では、このaに対しましては、二百三十万円の権利に対しまして、対償の給付として新たな建物ないし土地の共有持ち分を与えるわけでございます。bについても同じであります。改造後におきましてはどういうことになるかといいますと、a、b、c——cというのは保留分でございますが——a、b、cの四百四十万円の財産がそこに新しく作られる。その内訳といたしましては、まず裏宅地の二十坪が、今度は道路に面します関係で、かりに従前の道路予定地のa宅地と同じ価額の坪十万円と踏んでみました。つまり従前七万円の土地が十万円になると仮定したのでございます。そういたしますと、二十坪でもって土地の評価が二百万円になります。それから、建物につきましては、鉄筋コンクリートの構造物でございますので、坪八万円といたします。これが延べ三十坪で、二百四十万円。合計いたしまして、四百四十万円というものがそこにできる、こういうことになるわけでございます。  そこで、管理処分計画においてはどういうことになるかということでございますが、まず、aに対しましては一階の床面積を確保する、給付されるわけでございます。これは、土地はどういう共有持ち分になるかということでございますが、右の図面のような共同建物でございますので、土地の共有持ち分率というものを定めます。かりに一階が五割、二階が三割、三階が二割といたしました場合に、aは新たな土地二十坪の、さっき十万円で評価しました二百万円のうち、その五割、つまり百万円の土地の持ち分を持てるわけでございます。それから、建物は十坪で、坪八万円でございますから、八十万円の建物をもらう。計百八十万円の新たな施設をもらうわけでございます。そういたしますと、そのカッコに書いてございますが、aは従前二百三十万円の権利価額を持っておったところが、こういう新たな建物と土地の持ち分で百八十万円のものをもらう。差し引き五十万円のおつりが出る。これは施行者が清算金として現金で交付する。こういう形になるわけでございます。  それから、従前の裏宅地のbは、二階の床面積を給付されますので、これは二百万円の持ち分率が三割で、六十万円。それに建物が八十万円、計百四十万円ということになります。従前の権利価額が百六十万円でございますので、差し引き二十万円の清算金の交付ということになるわけであります。  それから、cは保留分でございまして、地区内の関係権利者に関係はないわけでありますが、これを施行者が一般に処分するわけであります。これが持ち分率が二割として土地代が四十万円、建物が八十万円で、計百二十万円。以上合計いたしましたものが全体の価額四百四十万円に合致するわけでございます。  次のページをめくっていただきますと、施行者はこの事業を行ないますにあたって、それじゃ、どういう資金関係になるかという例でございます。この事業を行なうにあたりまして、まず収入としましては、施行者は道路整備費、つまり道路予定地になる部分につきまして、道路整備の方で用地費としましてその経費が見られておるわけであります。つまりaの土地と建物の買収費でございます二百三十万円、これがこの事業の収入に上がって参ります。それから、もう一つの収入としましては保留分の処分金でございます。これは三階を新たに積み上げましたので、その分の処分代金が百二十万円、これが収入に上がってくる。計三百五十万の収入に対しまして、支出の方としましては、清算金が七十万円。先ほどございましたように、aに対しましては五十万円の清算金を現金で交付します、bは二十万円でございまして、計七十万円の清算金を交付いたします。それから、建築費が坪八万円で三十坪の建物でございますので、二百四十万円かかります。それから、除却整地費でございますが、これは裏宅地の建物の買い取り費とか、あるいは整地費とか、その他各種補償費がかりに四十万円かかったといたしますと、以上で計三百五十万円の支出になる。結局、その三百五十万円で収支ゼロということになるわけでございまして、この収支ゼロの内訳をそこに書いておきました。この収支採算のめどは、結局宅地の評価差——施行者が改造前の現状の地価でもって一応評価して買収する。それが裏宅地につきましては百四十万で施行者が買い取って、それを新たに二百万円の評価をいたしまして、それぞれ建築して与えるわけでございますから、その差六十万円が施行者のいわゆる宅地の評価益ということになるわけであります。施行者の取り分ということになるわけであります。  次は、この事業のための損失的な経費としましては、建物の買収費、つまり裏宅地の方の建物を買わなければならぬ。これは買っても、こわしますから、残材になるわけでございます。その建物の買収費が、先ほどbについて二十万円ございました。それと、あと除却整地費とか、その他各種補償費、そういうものが、かりに四十万——先ほど四十万の中に建物買収費が入ると申しましたが、これは訂正さしていただきます。この二十万と四十万がこの評価差と見合いますれば、この事業のバランス・シートは施行者としては合っておる、ということになるわけであります。  個々の権利者につきましては、先ほど申し上げましたような金の出し入れでございまして、たまたまこの例でいきますと、清算金の交付になっております。しかも、総床面積は、従前と同じ床面積が確保されるという考え方になっておりますが、具体的の場合におきましては、あるいは清算金を新たに徴収する、施行者に納めなければならぬという場合も出てこようかと思います。  この計算例の一番ポイントになります点は、b宅地のbという権利者が、従前百四十万円の土地を持っておりました。この百四十万円の土地を、今度はa、b、cの三者がそれぞれ共有で持ち合う。ということは、つまりbは、百四十万円の土地に十坪の木造の建物があったのが、今度はこういう区分所有権で、同じ十坪であるが、土地の持ち分がbは、処分計画の中にございますように、六十万円の土地の持ち分でいい。かりに再評価しましても、六十万円の持ち分でいい。つまり土地の百四十万円という財産が、ほんとうは土地は六十万円でいいということは、その差額八十万円がbにとっては建築費に化けた。bの新たに取得する建築費にそれが振りかわった、というような考え方になろうかと思うのです。  それから、計算例の(B)でございますが、これは考え方は(A)と全く同じでございます。ただ、複雑になっておりますのは、底土権者と借地権者がある場合にどういうふうな権利の移しかえになるかという計算例でございます。考え方は全く(A)と同じでございます。説明は省略させていただきます。      ————◇—————

木村守江自由民主党

○木村(守)委員長代理 この際お諮りいたします。  公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案につきまして、来たる二十五日火曜日午前十時三十分より、参考人として早稲田大学教授松井達夫君並びに都立大学教授磯村英一君の出席を求め、意見を聴取したいと存じまするが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村守江自由民主党

○木村(守)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は来たる二十五日火曜日午前十時三十分より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会      ————◇—————

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