建設委員会 第20号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/07
会議録
○瀬戸山委員長代理 これより会議を開きます。 本日は委員長が所用のため不在でありますので、委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。 まず、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件につきまして議事を進めます。 本件につきましては、先般来、各党間におきまして御協議が続けられておりましたが、お手元に配付してあります通り、その案文がまとめられておりますので、この際、草案の趣旨につきまして説明を願うことにいたします。 二階堂進君。
○二階堂議員 委員長の御指名によりまして、ただいま議題となりました特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案の草案の趣旨について簡単に御説明申し上げます。 本法案の目的といたしますところは、現行の特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正して、同法の有効期限をさらに五カ年間延長しようとするものであります。 御承知のごとく、九州、四国、中国から中部地方にまたがり、シラス、ボラ、コラ、赤ホヤ、花崗岩風化土、富士マサ等におおわれた、いわゆる特殊土壌地帯は、その風土的悪条件から、合風、豪雨等による被害を特に激しく受けやすく、またその農業生産性も著しい低位をまぬかれない状況にあるのでありまして、これが対策の実施は緊急の必要があるのであります。 かかる実情に対処するため、さきに、昭和二十七年四月、議員立法として特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法が制定され、更に三十一年三月に期限延長を内容とする一部改正をいたし、かくて同法に基づきまして、治山、砂防、農地保全、土壌改良等の対策事業が実施されて参ったのであります。 今日まで九カ年間にわたるこれら対策事業の実績は、相当の効果をあげたと申すべく、同法の目的といたします災害防除と農業振興の両面にわたって著しい進歩改善がなされ、地域住民の福祉向上に多大の貢献をなし、大きく感謝されておる次第でありますが、翻ってその進捗状況をみますと、必ずしも満足すべき状態にあるとはいえないのであります。すなわち、さきに内閣総理大臣が定めた昭和三十二年度から昭和三十六年度に至る第二次五カ年計画の昭和三十五年度までの事業進度は、ようやく計画の五七%程度にすぎないのでありまして、しかも、この五カ年計画は、実施可能の規模に極力圧縮したものであって、早急に実施を要する重要事業であってこれを今後にゆだねているものが少なくないのであります。 かくして、この際、現行計画の残事業の完遂はもちろん、さらに新たなる事業計画の策定によって、より効果的な対策を強力に推進することは、国土保全、民生安定のみならず、現在わが国施政の至上命題となっております所得格差縮小の見地からも、その重要性はまことに大きいものといわざるを得ないのであります。 かくて、同法は来たる昭和三十七年三月を最終期限としておりますので、ここに同法の一部を改正し、昭和四十二年三月三十一日までその有効期限を延長して、所期の目的を完全に遂行したいと存ずるものであります。 以上、草案の趣旨について簡単に御説明申し上げましたが、何とぞ委員長におかれては、この案を委員会提出の法律案としてお取り上げ下さいまして、本委員会の成案として御採択あらんことをお願いする次第であります。
○瀬戸山委員長代理 ただいまの二階堂君の説明につきまして、御発言はありませんか。——別に御発言もありませんので、この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、政府の意見を聴取することといたします。 江藤経済企画庁政務次官。
○江藤政府委員 特殊土壌地帯対策事業の進捗状況、後進地域開発促進の必要性等にかんがみまして、本法案の趣旨については異存がございません。 ただ、現行法の残存期間は昭和三十七年三月三十一日までございますので、それまでの間におきまして、政府におきましては、延長に要する期間等について慎重に検討すべきものであるという意見はございますが、総体的に、御趣旨につきましては異存がございません。 —————————————
○瀬戸山委員長代理 お諮りいたします。 お手元に配付しております特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案の草案を、本委員会の成案とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瀬戸山委員長代理 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 国会法第五十条の二の規定により、本案を本委員会提出の法律案とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瀬戸山委員長代理 御異議ないものと認め、そのように決しました。 —————————————
○瀬戸山委員長代理 この際、石川次夫君より発言を求められておりますので、これを許します。石川次夫君。 〔瀬戸山委員長代理退席、薩摩委員長代理着席〕
○石川委員 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案についてば、ただいまも満場一致で採決されたわけでございますが、この際、御要望申し上げたいと思います。 と申しますのは、この法案は、御承知のように、所得倍増ということがやかましく取り上げられるようになってから、経済の水準の格差を縮小しなければならぬ、特にこれは農村においてその格差がはなはだしいということになりますと、特殊土壌地帯における経済の格差というものを特に縮小するために、政府としては所得倍増の見地から積極的な施策を行なわなくてはならぬ。その中でも特に農地改良というような問題は相当大きな問題になるのじゃなかろうか、こう考えるわけでございます。今までの実績を見ますと、全体では五七%の進捗率ということになっておりますけれども、農地改良についてはわずかに一六%というような非常な低位にある一わけであります。従って、この点については、よほど所得倍増という見地から見ても、格差縮小という立場から、農業振興という立場から、積極的にぜひやってもらわなければならぬということを特に御要望申し上げたい。 ということとあわせて、これは私の勉強不足で、はっきりいたしませんが、関東ローム地帯というのがございます。これはやはり同じような火山灰地で、ずるずるくずれてしまって、その対策に、関東地方の各府県ではこの対象になる地域については非常に苦心をしておるというのが実態のようでございます。ただ、私も勉強不足で、よって来たる原因とか、あるいはどの程度のものかということについては、まだつまびらかにいたしておりません。従って、関東ローム地帯をこの対象として特殊土壌地帯の振興措置法の中に入れることが可能かどうかということについての検討を、ぜひ早急にやっていただきたい。これはおそらく、関東ローム地帯に関係のある各県の知事は、一様にこのことを強く要望していると思いますが、突如としてこの法案が出まして、各府県に私は連絡をとる余裕もなかったわけでございますけれども、この点については、ぜひ慎重な検討を加えていただきたい。 この二つを特に要望申し上げて、この法案にはもちろん異議がございません。
○江藤政府委員 ただいまの御要望はまことにごもっともと思います。従いまして、審議会にも諮りまして、関東ローム地帯に対してどういう処置をするかということにつきましては、緊急検討いたしたい、かように考えます。 ————◇—————
○薩摩委員長代理 次に、建設行政に関して発言を求められておりますので、これを許します。 岡本隆一君。
○岡本(隆)委員 きょうから法案の詳細について質問をさしていただこうと思っておったのですが、残念なことに、昨日、全建労の大量処分を発表されました。十二名の解雇と申しますと、これは異例な処分だといわなければならないと思います。どうしてそういう大量処分をされたのか、今までいろいろな労働争議の場合、たとえば国鉄であるとかその他の場合は、汽車がとまった、非常な社会問題を起こしたというふうなことで、大きな処分が出たことはございます。しかしながら、建設省内部での紛争というものは、新聞紙上でもそう大きく取り扱われてもおりませんし、別に大きな社会的な事件を起こしたというふうなことも考えておりませんでした。しかし、先日委員会において私が質問しようと思ったら、自民党の諸君から質問が出て参りまして、何か事件が起こっているが、どうしてあんなことをさしておるんだ、なぜ処分しないかというようなことで、非常に強いところの弾圧の要求がございました。私はそのときも、下らぬことを言っているわい、しかしながら、あまり弱い者いじめをやれというようなことをやいやい言っているので、不愉快だったものですから、私は質問せずに委員会を出てきたのであります。しかし、その弱い者いじめがほんとうに現実の姿になって出てきているのを見ると、私たちはこれは黙っているわけにはいかないと思う。どうしてそんな大量解雇というふうな厳重な処分をしなければならなかったのか、その辺のところを一つ御説明願いたい。
○中村国務大臣 実は、解雇あるいはその他の処分をいたしますということは、われわれ当局者の立場としては非常につらいわけでございます。規律保持の上から、いろいろな角度から非常に検討いたしまして、やむを得ない実情と心得まして、かような処置をとりましたようなわけでございます。 事の起こりは、大体三つほどございます。一つは、三十五年度の部分定員化の問題でございまして、これは八百九十六名ですか、三十五年度特別国会の際に部分定員化の制度がきまりまして、その実施をすることに相なったのでございます。この部分定員化に対して、全建労の出した希望と建設省側の考え方と食い違っておったわけでございます。この問題につきましては、しばしば団交いたしまして、役所側の考えの正しいことをるる説明いたしたわけでございます。 それから、もう一点は、三十六年度におきまして、建設省の常勤職員及び常勤的非常勤の職員の定員化につきまして、われわれ極力努力をいたしました。その結果、一万以上の大量定員化が実現することになって、目下御審議を願っておる段階でございますが、その中で全員の定員化が不可能な部分、困難な部分が残ったわけでございます。三千六百ほどは、行政管理庁及び大蔵省の立場としては実態が十分把握できていない、従って、実態把握の上で善処をしようということで、三千六百ほどが、定員化からまだ残りました。この定員化をすみやかにやれということなのであります。もちろん、建設省としてはやりたいわけであります。予算折衝の段階から全員を定員化することについて全力を尽くしてきましたが、実態把握の問題で三千六百ほどは残りました。三十六年度行管及び大蔵省に実態把握をしてもらって、引き続きやってもらうということで、残りが出たわけでございます。これを三十六年度から全員定員化しろという要求がございました。この至難な事情は、建設省だけではできないので、大蔵省及び行政管理庁の理解を得るということが先決問題なので、これについては引き続きわれわれは努力をするから、全建労の人たちも大いに実態把握について協力をするようにという話をしまして、引き続き懸案としてきたわけでございます。 もう一つの点は、共済組合の長期掛金の問題でございます。現在建設省の共済組合は千分の四十三でございます。よその省及び他の公務員共済組合の掛金は千分の四十四または四十五でございます。建設省が一番低いわけでございます。しかし、もっと低くできるじゃないかという交渉が、私ども就任する前からございまして、そのころ、それ以下に掛金を引き下げることについて努力をしようという申し合わせが、全建労と建設省の責任者の間で取りかわされておったわけであります。従って、その努力を続けて参ったのでございますが、大蔵省の給与裸に言わせますると、建設省の共済組合は掛金が一番安いのだ、今までの資料ではこれ以上安くすることはとうていできない、それでなくてさえ他の共済組合から、建設省が千分の四十三だからおれの方も四十二にせよという相当強い要求があって、なかなか容易なわけではない。従って、今までの積算の資料に基づいて、千分の四十三をさらに引き下げるということはとうてい不可能であるということで、だんだん折衝しましたが、最近になりまして、今年に入りまして、絶対不可能であるという結論に到達をいたしました。そこで、われわれの方の立場としましては、下げられるものなら下げることはもちろん賛成である。しかし、下げるのには、大蔵省の了解を得なければ下げることができないのだから、それにはどうしても相当の期間と努力を要するが、新しい積算の基礎について研究をしてみる必要がある。その研究をお互いが協力してするのでなければ、ただ下げろ下げろの言い分だけでは、これは下がりっこないんだ。それだから、下げる努力については、一つしようじゃないか。しかし、今の積算資料だけでは下げることが不可能であるという結論に到達をした、こういうことでおったわけでございます。 かようなわけで、建設省側としては正しい言い分であり、正しい処置をずっと、とってきたつもりでございますが、これに対していろいろな闘争を起こしまして、各地で混乱が起きたわけでございます。はなはだしい、いろいろな事例等につきましては、私は処分を行なうにあたりまして、十分事務当局の責任者、担当者と実情を検討いたしまして、この結論を得たわけでございますが、この結論が公正で妥当なものである、かように実は信じておるわけでございます。しかし私は、担当者の説明を聞き、実情の報告等を聞きまして結論を得たわけでございますが、個々の事例等、実態につきましては、聞きとって判断をいたしました私よりも、私に説明をした事務当局の方が詳しいデータを持っておりますから、必要がございましたら、それらの内容につきましては、事務難局から御説明をするようにいたしたいと思います。
○岡本(隆)委員 率の問題について意見の一致を見なかった。そこで建設省としては、自分の考え方が正しかったと思うのだが、ということでございますけれど、やはり争う者は、お互いに自分の主張をそれぞれ正しいと思うから、譲らないんだと思うんです。 だから、見解の相違というものは、さておきまして、いろいろなことが起こった。自分らの意思が通らないから、デモンストレーションをやったり、あるいはすわり込みもやったのではないか、あるいは徹夜交渉というふうな形の中で、カン詰のようなこともあったのではないかということは、私たちも察しられます。しかし、建設省といえども、自分の方で使っておるところの所内の従業員であれば、これは子供みたいなものです。だから、罰するにはやはり愛情をもってしなければいけないと思うんです。しかし、解雇ということになりますと、最高の一番重い処罰なんですね。そういうふうな重い処分をされるということは、愛情というよりも、その場の雰囲気——そのときには、お互いに争う者ですから、瞬間的には増しみを持ち合います。これは、国会で乱闘をやったときでも、良民党の諸君と日ごろ仲よくして、これまでも談笑していながら、やはりなぐり合うときには、われわれだってその瞬間だけは敵意を感じてやります。それはやはり、同じ所内の兄弟げんかみたいなものであって、そういうふうな争議のときに、組合幹部ともなれば、勢い組合員に対するいろいろな思惑もあり、強硬な態度もとらなければならない。それはお互い立場々々なんですね。そういう立場々々でお互いにやっておるけれども、やはり最終的には、一番心の奥底ではお互いに愛惜を持ち合わなければならないと思うんです。どういう事件があったからか存じませんが、その瞬間的だ憎しみをそのまま処分の上に生かして、一番重い処分をもって臨んでくるということになって参りますと、私はこの処分の中には愛情のかけらも見出すことができない、こういうふうに思うのであります。なぜ解雇十二名というような重い処分をしなければならなかったか、私は納得できないのです。その辺のところを、官房長その他の方から一つ御説明願いたい。
○鬼丸政府委員 先ほど大臣から御説明になりましたように、今回の全建労に対する処分は公正妥当なものであると考えられますが、その結論の裏付となる状況等につきまして、簡単にかいつまんで申し上げたいと思います。ただいま岡本先生のお話のように、一時の憎しみや感情によって処分すべきものではないと考えます。今回の全建労の闘争は随所にまことに異例の、目に余る違法行為が発現いたしました。この状況を御参考に申し上げます。 まず、勤務時間内の職場大会でございますが、これは全建労本部の統一行動によるものといたしましても、全国的に三月一日は百二十カ所、参加人員が六千名、三月十五日には全国七十カ所、参加人員は四千名、勤務時間内の食い込みは最高二時間以上に及んでおります。また三月二十三日には、全国四十カ所で参加人員が二千六百名、これも勤務時間内二時間以上に及んでいるものが相当ある。こういう状況でございまして、このほかに、職場大会につきましては、地建ごとにあります地方本部、あるいは工事事務所の段階に設けられております組合の支部、これが独自に行動をいたしたものが、特に東北地建管内、四国地建管内、九州地建管内におきまして相当行なわれております。ひどいところは、二十二、三日にわたって連日勤務時間内の職場大会が行なわれている、こういう事実もございます。 次には、一斉休暇でございます。これも違法行為でございますが、一斉休暇は東北地建管内の十一の事務所とその出張所におきまして、三月二日、三日の両日にわたって職員の五割が一斉休暇をとって闘争をやった、こういう事実でございます。 三番目には、いわゆる怠業、サボタージュでございます。怠業といたし、ましては、東北の管内の二つの事務所で半日程度のいわゆる黙秘による怠業を行なっております。また、四国の二つの事務所におきましては、それぞれ職場放棄の事実がございます。 四番目には、すわり込みといたしまして、東北地建、関東地建、四国地建、九州地建、それぞれの本局におきましてすわり込みを行ないましたほか、相当数の工事事務所においても行なわれております。 そのほか、比建の局長なり工事事務所長を、長時間にわたる団体交渉の強要によりまして、疲労こんぱいに陥れて、権限のない事柄について無理に確約書を書かせるというような闘争を行なっております。そのために、ついに病気になって入院した所長が二人も出ておる、こういう事実がございます。 そのほか、こまかいことは省略いたしますが、こういうような違法行為が建設省の出先におきまして、全国的に二月下旬から三月下旬にわたって随所に起こった。そのために工事事務所等の仕事に本相当影響いたしております。特に直営工事におきましては、具体的に数学的には申し上げられませんが、相当仕事の停滞左を来たしておる。こういう事実がございますので、これらの違法な闘争行為につきましての企画、指導あるいは教唆扇動の責任者といたしまして、全建労関係の幹部につきまして今回免職の処分が行なわれた、こういう事情でございます。
○岡本(隆)委員 いろいろ職場放棄その他の違法行為があったから処分した、こういうことでございますが、これは今まででもあったのじゃないかと思うんです。今まであったからといって、いつの場合にも、どういう違法行為でも許されていいと申すのじゃございませんけれども、たとえば去年の安保の闘争の場合でも、同じような職場放棄その他の違法行為というものが相当行なわれておる。また、あの安保のときは、事実国鉄なんかは長時間にわたって交通機関がとまって、非常な社会問題にまでなっておる。その当時の処分というものも、やはりあれだけの事件でありながら、そう大きな処分が出ておらなかった。 今度は、今お話を聞いただけでは、なるほど違法は違法でしょう。だから、それは違法行為を罰せられるということについては、私は何も言うことはありません。しかしながら、解雇というような、これは今の日本の雇用状態の中では、中年で解雇されたものはどこへも勤められないのです。だから、死刑に等しいような一番重い行政処分をやる、行政処分としては最大の処分だという処分をされるのに対しては、それがたとえば停職であるとか、あるいはまた減俸であるとかというようなことであれば、私たちも、これはある程度の処分はやむを得なかろうというふうに思うこともできないじゃございません。しかしながら、解雇というような処分になって参りますと、これはそう簡単に、違法だったからやむを得ないのだということだけでは、見逃がすことはできないと思います。また、処分が政治的なものを含んではいけないと思うんです。 それで、従来、安保のときなんかは、ほとんど処分しておらない。今度は世論についてのなにがないから、ばさりときついのをかましてくるというふうに、そのときそのときによって処分の基準の置きどころが変わってくるというふうなことでは、これはとるべきなにじゃないと思うんです。たとえば昨年あたり、安保のときには、みんな職場を離れて連日デモに参加しています。全建労の人たちも、あるいはその他の官公労関係の人たちも、どんどんデモに参加しております。そのときには、なぜ処分をしなかったか。そのときは処分をしておらないで、今度だけ職場放棄だからというのでもって、どういうわけでそんな重い処分が出ているのか。その辺、私たちには理由がわからないのですが、わかりやすく説明して下さい。
○鬼丸政府委員 ただいまお話の、昨年の安保闘争の際における全建労の闘争につきましては、非常に軽微な処分をいたしました。これは、全国的に他の労働組合と統一行動をとって行なわれたのは御承知の通りでございます。その当時の闘争状態を私どもも詳細調べましたが、全建労は統一行動による闘争、ほとんどそれだけに終わっております。 その後は、先ほど大臣から申し上げました定員化の問題にいたしましても、共済組合の掛金の問題にいたしましても、全建労独自の立場で動いておると見られますし、昨年の安保闘争に比べまして、勤務時間内職場大会にいたしましても、怠業にいたしましても、あるいは一斉休暇等の手段をとり、あるいはすわり込みをする、こういう闘争形態がだんだん激しくなってきておる。特に二月下旬から三月下旬の闘争状態というものは、まことに激しい状態を露呈いたしておるのであります。これに対しまして、建設省といたしましても、こういう激しい闘争がなるべく行なわれないように、大臣も非常に心配されまして、実は三月十一日には、特に建設省一般職員に対しまして、違法な行為を行なうことのないように訓示をされております。また、全建労に対しましても、再三再四、違法な行為をやって仕事の妨害をいたさないように十分警告を発しております。にもかかわらず、三月下旬まで、先ほど申し上げましたような闘争が続いておる。しかも、熾烈な状態において続いてきた。また、当局といたしましては、三月十五日の闘争が中心でございますが、これに対しまして、勤務時間内職場大会をやった者に対して賃金カットをいたしております。これは一般参加者に対してでございますが、賃金カットもいたして警告をいたしておる。賛金カットは、御承知のように懲戒処分ではございませんが、こういうようにいたしまして、一般参加者には大臣訓示なり賃金カットで、十分注意を促し、組合に対しては再三再四、機会あるごとに警告を発しておる。こういう状態にもかかわらず、先ほど申し上げたような闘争行為が繰り返された。ここにおきましては、今後組合の健全化、あるいは組合の正常な運営を期待する上からも、指導者層に対しましては、かねての考え方に基づきまして厳重な処置をとらざるを得ない、かような結論に達した次第でございます。
○岡本(隆)委員 公務員の組合にスト権がないことが、非常に交渉が弱くなる原因ですね。だから、強い交渉をしようと思えば、多少なり違法行為が伴うということは万やむを得ないことです。公務員の団体交渉だって、スト権を許しさえすれば、こういうふうな違法行為というものは出てこないのです。だから、労働基本権の一つであるスト権を剥奪しておるというところに、その組合の闘争力の弱さがあり、その弱さの上に、仕方がないから消極的な抵抗をやる。その消極的な抵抗が違法行為であるというので、ぼんぼん処罰をされるというふうなことが、今日の公務員の組合の実態なんです。そういうふうな違法行為までしなければ自分たちの要求が通らない。かつて、今まで賃上げとかその他のなにをやる場合に、それじゃ円満な団体交渉で、話し合いの中で一回でも通ったことがありますか。いつだって、強く押されれば、やむなしにしぶしぶ引き下がる、認めていくというふうな形で、円満な話し合いでいかないというところに、こういう違法行為の出てくる原因があるのであって、これは一方だけを責めてはいけないと思うのです。お互いに正当な相手の要求というものに対しては、すなおに認め合っていくという、両方の誠実さというものがなければ、交渉というものは円満にいかない。それを、とにかくそういうふうなスト権がない。もし抵抗をやれば、それは違法だといって、相手の弱みにつけ込んで幾らでも強く押していくというようなところに、いろいろな紛争がよけい激化する原因があるのです。それについての反省が少しもなくて、処分だけをきびしくやっていくというふうなことになると、これは権力をかさに着たところの弾圧だ、こういうふうな呼び方をされても仕方がないと思うのです。だから、なるほど違法行為というものは、違法は違法として、ある程度あなた方としてはとらなければならないことを最小限にされるということについては、私たちもそれはやむを得ないと思う。しかしながら、違法をやったということに非常に峻厳な重い処罰をばさっとかぶせて、これでもこりぬかというふうな形でもってやってくるということになると、これは弱い者いじめだというふうに、私たちもすなおに通すわけにいかないと思うのです。 第一、要求にしましても、いろいろ両者の見解の相違があるでしょう。しかしながら、定員化の問題は、組合側の説明を聞きますと、私らとすれば、それもそうだ、それでいいじゃないかと思えないでもないのです。定員化をやっていくのに、デスクの人たらを先にどんどん定員化していく。古い、何年も長く現場で働いておる監督とか、そういうふうな人たちは定員化の網からいつも漏れていって、長く谷間に置かれておる。それでもって、デスク・マンの方はどんどん優先的に定員化されていく。だから、それよりも長く勤めて、十年、十五年もいた者については、先に安定した地位に置いてやったらいいじゃないかというふうな組合の要求そのものは、私は筋が通っておると思うのです。現場でもそういうふうな話し合いをすれば、現場の上司の方面との間の話し合いでは、それもそうだなということで話が進んでおるけれども、本庁に持ってくると、それはまかりならぬということで、それが響かないというふうなことを聞きますけれども、定員化の問題についてのなにだけを聞きますと、これは組合側の主張の方が正しいし、また、そういうふうな愛情を持った、長く勤めた者については、定員化のワクができれば、できるだけそういうふうなところから順に採用してやるという形とそが望ましいと思われますのに、それをどうして、そういう問題についての組合の要求が取り上げられないのでしょうか。
○鬼丸政府委員 定員化の問題につきましては、三十五年度の部分定員化の際に、ただいま御指摘のように、特に古い者の順から任用すべきであるという組合の強い要求がございました。しかしながら、これは定員化八百九十六名が行(一)、行(二)という二種類のワクがございまして、そのワクで任用の資格条件も違うわけでございます。御指摘の、デスク系統と技能労務系統というようにワクが分かれております。そこで、このワクを撤廃して、何でも古い者から定員化すべし、こういうのが組合の要求でございますけれども、実際問題といたしましては、予算上も、予算の参照書におきまして、はっきり行(一)、行(二)とワクが、人数、予算とも別にきめられております。それから、古い者は確かに行(二)の技能労務系統に多いのでございますが、役所の仕事の体制から申しまして、技能労務系統の古い人ばかりが定員化されるということは、一方行(一)のデスク系統の、多少若い方面の人には非常に不満を起こさせる。こういうこともございまして、役所側から申しますと、仕事の体制としては両者を公平に、そのワクの中で古い者を優先して任用するというととが一番望ましい、こういう考え方に立ちまして、予算上のそういう制約もございますし、とのワクの撤廃によって古い者順から任用するという方針はとらなかったのでございます。 この、ただいま申し上げました考え方、方針は、すでにその前に、三十四年度でございましたが、千三百名の部分定員化の際にも同様の方針をとりまして、その場合には、全建労の方もそれほど異論は唱えなかったような状況でございます。従いまして、三十四年の千三百名の部分定員化の際と三十五年度の定員化の際と三客観的な諸条件がそう変わっておるとは考えられませんし、従来通りの方針によって処理をした、こういうわけでございます。
○岡本(隆)委員 予算のワクだとか、そういうことは人間が作るのであって、これはどうにもならない動かしがたい原則ではないのです。そういうものを先にワクを作っておいてから、そのワクに従ってやりたのであるということでは、理屈にならないと思うのです。むしろそれよりも、素朴な、長くまじめに働いた者とそまず定員の中に入れてやるべきじゃないかという議論の方が、私は通っていると思うのです。やはりそういう素朴な、おれたちは長いこと現場で働いているのだ、おれたちを先に定員の中に入れてくれてもいいじゃないかという素朴な要求、これは、はだについた、はだからにじみ出るなになんです。だから、そういうふうなものを、定員のワクはこれなんだからというふうに、あなた方が作った理屈をぐっと型にはめて、その中に押し込んでいこうとするから、そこに摩擦ができ、紛争が起こるのです。だから、そういう紛争が起こることをあなた方がやっておいて、職場放棄をやった者はけしからぬといって処分していくということじゃ、あなた方のなされる行為の中に愛情がない、こういうふうに私たちは思わざるを得ないのです。どうですか。この処分、これは全部無罪にしなさい、私は別にこんなことは申しません。しかしながら、これを撤回して、練り直して、もう少しわれわれが納得できるようなものとして、もう一度出してくるというふうにできませんか。これは建設大臣から御意見を伺いたいです。
○中村国務大臣 先ほども申し上げましたように、私どもとしましては、部内の人でございますから、全く泣いて馬謖を切る思いでこの処分の結論を決定いたしまして、すでにそれぞれ発令をしてしまっておりますので、私ども、これを撤回するということはとうてい不可能でございます。 ことに、ただいま御議論のございました部分定員化の問題につきましても、私も非常に長期にわたって、慎重に責任者として考慮をいたしたのでございますが、三十四年度の千数両名の部分定員化の際にも、全建労の代表者と建設省の責任者との間で種々意見の交換をいたしました。制度上、行(一)、行(二)というのは建設省だけでなしに、各省とも行(一)、行(二)の区別がございます。そういうことで、ただおしなべて採用順ということになりますと、片寄る危険性がございますので、行(一)、行(二)に分かれて、そしてその割り振りをきめて、それを公正にやるというのがよろしいということで、三十四年度もそれで実行し、また、全建労の代表者の諸君も、それで納得をしておられたわけでございます。従って、引き続いて行ないます三十五年度の部分定員化につきましては、いわば現地の関係職員の人たちは、八百何十名部分定員化が行なわれるということになれば、今度は自分もなれるという一つの期待権を持っておるわけでございます。この期待権を無視して、全建労の諸君のおっしゃるように、行(一)、行(二)の区別を三十五年度だけ撤廃をしてしまってやるということになりますと、行(一)の方で期待権を持った人たちが、期待権を完全に裏切られることになります。過去の先例が円満に遂行されてきており、しかも、これは合理性があると私ども思いますので、やはりこの合理性と先例は貫くのが、期特権を持った人たちの期待を裏切らない方向として適当である。全建労の諸君の御注文がかりに正しいと、百歩を譲りましても、三十六年度には引き続いて一万何千の大量定員化が行なわれますので、従って、三十五年度の部分定員化について、われわれは過去の先例の通りに行なうことが結論として正しいということに到達いたしまして、これも三十五年度の年度の終わりに近いところまで、実は慎重に考慮して参りました。いよいよ年度が変わることになる段階でございますから、やはり年度内に部分定員化の発令をすることが当然である、かような角度にたらまして実行いたしましたような次第であります。 先ほど官房長から申し上げましたように、予算の説明書の中にも、御承知の通り行(一)で何人、行(二)で何人、そして積算して人件費幾ら、こういうふうに出ておりますので、こんなものは説明書だから無視していいじゃないかと、反対の立場の人はおっしゃいますけれども、われわれ行政の責任を負う者としましては、国会に出した資料なり説明の資料を、頭から無視してかかるということは穏当でない。やはりそれに合理性がある以上は、あくまで国会に出した予算の説明資料というものを忠実に守る努力をするのがわれわれの責任である、こう私どもは考えまして、三十五年度の部分定員化を年度の終わりごろになってようやく実行いたしました。 これが、行(一)、行(二)の区別を撤廃してやれという注文をした全建労の代表者の意見に相反したわけでございますが、私どもとしましては、あくまで合理性があるのだ。しかも、今度の問題は、その問題にせよ、あとの二つの問題にせよ、これはいずれも中央でなければできない問題でございます。中央でなければできない問題を地方で取り上げて、地建の局長や、あるいは地建の各所の事務所長を相手に、こういう今度の闘争手段のようなことが行なわれるということは、これは規律保持上からも、制度上からも、私は放置することができない問題だと思うのです。これは地方が、かりにどんなに団交してみたって、あるいは地建の所長に迫ってみたって、事務所長に迫ってみても、事務所長や所長には権限のない問題で、御意見があるならば中央であくまで意見の交換をし、討論をし、処直すべき問題であるというように私ども考えまして、いろいろな角度から検討して、今度の処置は最小限度やむを得ざる処置である、かように実は考えているようなわけでございます。
○岡本(隆)委員 国会に出した予算の範囲であり、同時にまた、従来の慣行によってということでございますけれども、そういうものも、やはりみんなこれは人為的に作ったものである。そういう既成事実の上から、要求が間違っている、こういうことじゃなしに、要求は要求として、そういう要求はたれしも持つところの感情であるし、下から盛り上がってくるのは当然であり、やむを得ないと思うのです。そういう要求とあなた方がきめておられることとの間に、隔たりがあるから摩擦が起こってくる。だから、その摩擦に対して、中央でなければきまらない話を下でがやがや言ってもだめだ、話があるなら中央へ持ってこいという御意見ですが、しかしながら、そういうことも、末端の職場々々で上へ訴え出てその声としてそれがまた中央へ持ち寄られて、そこで初めて中央の考え方が変わり得る。こういうふうなことになるから、現場の抵抗が出ているわけです。だから、その現場の抵抗を、抵抗したのはけしからぬといって、あなた方が処分されることは少し酷ではないかというのが私の言い分なんです。 なお、この問題については、兒玉委員から関連して質問したいと言われておりますので、私はこの程度で打ち切ろうと思いますが、職場放棄は違法だから、もう違法行為は、ばしばしやっていくのだということでは、私たち納得することができません。現実に、その処分をしておられるところの建設大臣みずからが、おとといでしたか、この前の委員会を職場放棄をしておられる。出てきておられない。質問しようと思っても、大臣が来ておられないから、質問できない。あなた自身が国会を無視して職場放棄をしておりながら、自分の下僚が職場放棄をしたからけしからぬといって、首を切ったりする権利はどこにもありませんよ。(「それは違う」と呼ぶ者あり)佐藤さんは、それは違うとえらそうなことを言っているけれども、この自民党の委員席を見てごらんなさい。十八名の委員のうち五人ではありませんか。こんなに大ぜい職場放棄している。職場放棄をしたからけしからぬ、罰しろ罰しろと、この聞えらそうなことを言った木村守江さんも、きょう職場放棄をしているのです。こういうようなだらしのない委員会……。 現場のそういうふうな抵抗に対して、処分の要求があったからといって、その要求に負けて、じゃんじゃん十一名の首を切る、そんな腰の弱い建設大臣ではだめです。そういうような愛情を持たない建設大臣では、これから所得倍増に伴う膨大な建設予算の執行に対して、心底から上司に忠誠を誓い、ほんとうに皆さん方を信頼し、受情のある上司として仰いで、忠実に努めるというようなことは望み得ないので、やはりもっと愛情を持って、あたたかい心で包容しながらみんなを指導していく。びんびんむちでもってたたいて、奴隷を使うようなことでなしに、愛情でもって包容して、みんなを一つの目的の仕事の上に連れていくというふうなことでなければ、円満な建設行政というものは望めないと思うのです。大臣も、もう一度考え直していただくことをお願いして、私の質問を終わります。
○薩摩委員長代理 次に、兒玉末男委員。
○兒玉委員 今回の処分の問題について二、三お尋ねをいたしたいと思います。 先ほど官房長並びに大田から、今度の処分についての理由が詳細に述べられましたが、一体、処分する法的な根拠は何によってやったのか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。
○鬼丸政府委員 今回の懲戒処分の根拠は、すべて国家公務員法に基づくものでございます。
○兒玉委員 国家公務員法といえども、その条文構成はものすごく多いわけでありまして、具体的に何条によってやったのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○鬼丸政府委員 国家公務員法の第五十八条の規定、それから第百一条の規定、この二つでございます。
○兒玉委員 私は、戦後十五年ほど組合運動をやってきまして、いろいろと感ずるわけですが、今回の全建労の処分については、組合員全体の立場から考えましても、あるいはまた先ほど説明のございました、職場大会等の行き過ぎの行為ということ等をおもな理由としてあげられておるようでございますけれども、先ほど質問のありました点からも、やはり職員としては当然なる要求ではないか、こういうふうに感ずるわけであります。その点から考えますと同時に、また他の官公労等においても、大体職場から出たいろいろな要求につきましては、職場における所属長等との話し合いも相当行なわれておるわけでありますが、他の官公労等に比較しましても非常に過重ではないか、こういうふうに私は感ずるわけですが、これらの点についての見解を承りたい。
○鬼丸政府委員 今回の処分が他の例に比べて過重ではないかというお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように、建設省当局といたしまして、再三再四警告、注意をしたにもかかわらず、一連の違法行為が随所に行なわれた。これにつきまして、これらの違法行為を指導したり脈動したりした責任者について処分をするという方針で、今回の処分が行なわれたわけでございまして もちろんその場合も、責任者——責任者と申しましても、組織上の責任者という立場と、実際に行動をしたという行動上の責任と、両方加えまして、十分慎重に調査した結果、今回の処分が行なわれたわけでございまして、大臣から申されましたように、公正妥当な処置と考えておる次第でございます。
○兒玉委員 繰り返すようでございますが、先ほど官房長は、処分についての法的な根拠というのは五十八条と百一条と言われたようでございますが、これはあまり権威のない、きわめて不手ぎわな答弁であったと思うのであります。五十八条のどこに処分の基準が書いてあるのか、一つ条文を読んでもらいたいと思います。
○鬼丸政府委員 先ほどお答え申し上げました処分の根拠の条文につきましては、ちょっと急いで御答弁申し上げましたので、一つ間違えました。五十八条というのは九十八条でございます。訂正させていただきます。
○兒玉委員 私は、そういう最も基本的な点について、最高の人事の責任者である官房長はあまりにも軽率だと思う。そのことを特に主張したい。 それから、今回の処分についてでありますが、先ほど岡本委員からも言われましたように、首を切られるということは、一生自分の飯の種をなくすことでございます。免職十二名、解雇一名と聞いておりますが、そういう個々の行動についての調査は十分なされておるのかどうか。その点についての見解を承りたいと思います。
○鬼丸政府委員 ただいま免職十二名というお話でございましたが、免職は十一名でございます。解雇、雇用打ち切りという形が一名ということになっておりますが、これらの処分をいたすにあたりましては、十分調査をいたしまして、慎重に配慮をいたした次第でございます。
○兒玉委員 なお、この処分者に対しましては、適用条項である八十九条において、その処分の事由等についての具体的な説明書を本人に交付する、こういうことになっておりますが、それは法に従って的確に行なわれたかどうか、その点をお聞きしたい。
○鬼丸政府委員 ただいま御指摘のように、国家公務員法八十九条の規定によりまして、処分に関する説明書を交付することになっておりますが、これも十分に必要な表現をいたしまして、すでに交付済みでございます。
○兒玉委員 それが的確に、解雇された本人に届いておることを確認されておるかどうか。
○鬼丸政府委員 ただいまのところ、全員につきまして本人に届いておるかどうかは、また確認いたしてないものもございます。
○兒玉委員 私は、この処分の内容をとやかく言うのではなくて、先ほどの答弁にもありましたが、法的な根拠も言い誤るようでは、ちょっと困る。 それから、特に第九十条に、法によって保護されておるところの審査請求権というのがあるわけであります。この点は、当局側の措置に対して不満がある場合は、審査請求権が本人に与えられておるわけですが、そういうようなことについては十分な措置がとられておるのかどうか。この点について承りたい。
○鬼丸政府委員 お尋ねの点は、処分説明書に、第九十条の規定により三十日以内に審査を請求することができるという趣旨の規定をはっきり書いてございまして、被処分者は十分了知し得ると考えております。
○兒玉委員 国鉄の組合の場合等におきましても、当局側の十分な調査が行なわれないで、全然そういう集会に参加をしない者が、減給とかあるいは戒告とか、本人の一身上、対社会的にも、これは新聞発表がされますので、非常に信用を失墜するような結果も多々起きておるわけです。 そういう点について、官房長としては、絶対に間違いないという確信を持って、詳細な資料のもとにこの処分が行なわれたものと私たちは考えるわけでございますが、その調査の上においては絶対に間違いない、こういう確信をお持ちですかどうですか。
○鬼丸政府委員 ただいまのお話の通り、私どもといたしましては、十分調査の上処分を決定いたしましたので、人事院に提訴されましても、十分自信を持って対処できると思っております。絶対に確信を持っておる次第でございます。
○兒玉委員 国家公務員法の九十二条に、救済措置として、調査の結果、もしそれが不十分である、あるいは妥当でないという場合においては、さらにそれの処分の取り消しまたは修正ということも保護規定ができておるわけです。そういう点等から考えますならば、官房長が、絶対ない、こう言うことは、私は表現上において多少矛盾しておるのではないか、このように考えるわけですが、どうですか。
○鬼丸政府委員 先ほどの私のお答えは、私どもといたしましては確信を持っておるということを申し上げたのでございまして、理論上の問題ではございません。
○兒玉委員 それでは、具体的にこの九十二条が適用されるような事態があった場合においては、修正をする意思があるのかどうか。
○鬼丸政府委員 人事院における公平審議の結果、この第九十二条の規定による修正をすべしという決定がありますれば、万一そういうことになりますれば、修正をせざるを得ない、こういうことでございます。
○兒玉委員 条文上の問題はその点にとどめておきますが、特に私は一般的な問題として、先ほど話し合いも十分行なわれたということが替われておりますけれども、問題の発生しております三月を中心に、組合側との話し合いを何回ほど持たれたのか。 〔薩摩委員長代理退席、瀬戸山委員長代理着席〕
○鬼丸政府委員 実は二月下旬から、部分定員化の問題と共済組合の掛金の問題につきまして、話し合いを持ちました。しかし、三月に入りましてからは、全建労本部並びに傘下におきまして、むしろ違法行為を指導したり、あるいは現実に違法行為がどんどん行なわれてきましたので、私たちといたしましては、穏やかに話し合いをしたいという意欲は十分に持っておりましたが、ついぞ全建労自体からも、積極的に話し合いをしようという意向が表明されませんので、三月は、ちょっと今、何回という回数は正確には申し上げられませんが、あまり、正式の団交は行なっておりません。
○兒玉委員 大臣にお伺いしたいのでありますが、今、官房長の説明によりますと、こういう重大な処分決定を行なうのに、十分なる話し合いもあまり行なわれておらない。労使慣行の相互信頼に立った団体交渉の精神こそが、ほんとうに今後の、いわゆる当局が言われたところの健全なる労働運動を確立される最善の道ではないか、こういうふうに感ずるわけでありますが、大臣は所管の最高の責任者として、どういうふうな見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
○鬼丸政府委員 先ほどの兒玉委員のお尋ねにりきまして少し詳しく申し上げますと、ことしの二月は正式交渉としての話し合いを八回ほどやっております。三月に至りましては、私ども事務当局との話し合いを二回、大臣との会見を二回やっております。
○兒玉委員 その程度の話し合いだけで、これだけの大量な首切りをやるということは、一般的、常識的に考えましても、きわめて過酷ではないか。官房長は絶対間違いないと言われますけれども、やはり第一線に働いておる現場長なりあるいは所属の組合員等の間においては、常に意思の疎通をはからなければ、スムーズな事務運営なりあるいは作業の能率化をはかることはできない、私はこのように判断するわけであります。先ほど大臣は、どんなに出先の長い要求したところで権限はないんだ、こういうことを再三言われたのでございますけれども、実際に仕事をするのは第一線でありますから、やはり第一線で働く組合員が、自分たちの要求するいろいろの問題を第一線の長に要求するのは当然のことなのです。それを否定されるような大臣の御見解だったと思うのですが、その部分については、その通りだと思っていいのですか。
○中村国務大臣 実はこれは、三十五年度八百数十名の部分定員化が最初の問題でございまして、これにつきましては、役所の当局としては数回の会見をし、団体交渉をいたして参ったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、三十五年度の部分定員化は、やはり三十四年度の先例に従う方式でやることが合理的であるということを役所側は主張し続け、全建労側は、先例を破って行(一)、行(二)の区別なしに先任順に発令をしてくれろという要求で、要求が全く相対立したままで並行線で来たわけでございます。その間、私も組合の執行委員の中央委員の諸君とは会見をいたしました。当時、ちょうど奈良に執行委員会を持つということでございました。当時、その執行委員会前に私が会見いたしましたときに、事務当局側としては、もう何べん会っても並行線なんだ、従って、役所としては三十四年度の先例通りの方式で、公正に八百数十名の部分定員化の発令をいたしたいということで、腹をきめておったわけでございますが、私が会見をいたしまして、その際組合側としましては、せめて奈良の執行委員会が済むまで待ってくれないかという最終的な要望もございましたので、事務当局も、今まで何べん会見をしても同じ並行線なので、役所は役所の趣旨に基づいて行なう以外にはないという考え方でおったのでありますが、とにかく、それじゃ奈良の執行委員会が済むまで待とうじゃないかということで、私はその会見の際に、待つことにいたしました。待って、その後に、結局発令をせざるを得ないということで、発令をいたしたわけでございます。 これが組合として闘争段階に入りました動機でございまして、それからは組合の方も公式段階を持とうといたしませんし、役所の方もその機会がありませんで、正式交渉の機会がなかったわけでございますが、私としましては、なお全建労側の意見を十分親切に聞いてあげたいという気持で、私が個人で、一人で会見をいたしました。その際に全建労の代表者側としましては、三十五年度の部分定員化のすでに発令介のものについては、それぞれもう発令を受理し、その月の給与もその発令で支給済みになっておりましたので、やむを得ないという気持で、あとは三十六年度の一万幾らの大量定員化について何とか考慮をしてくれ、という話でございました。これについて私の説明をいたしましたのは、三十六年度予算説明書にも行(一)何人、行(二)何人、積算して予算額幾らと出ておるので、これを無視するということはできない。しかし、現実としては、現場の人たちの中には、定員化になって正式職員になりますと、時間外手当に制限がありますので、無制限に臨時職のままで手当を受け取った方が、実質受け取る給与が多いから、むしろ定員化を希望しない人たちがあるように思う。だから、そういうような希望者などをとってみよう。あるいはまた、行(一)の中にも、行(一)で何名という予定をして予算説明書にも書いてありますが、その中には資格の問題でありますとか、まだ採用してからごく短期間のものであるとかいうものもあるだろから、それらも実態調査をしてみよう。それからもう一つは、行(二)の籍でありながら、事務所に入って実質的な行(一)の業務をとっておる者もある。これの人数はどのくらいあるか、実態を調べてみよう。残りは三千何百でありますから、それらの実態調査をした結果、三千何百出てくれば問題ないじゃないか。お互いに本質的には合致したところで実施ができるじゃないか。三十六年度はまだ間があることだから、そういったような作業をお互いに一つやってみようじゃないかという提議を私はいたしました。 そういうようにして、お互いに一つなめらかにいける道を見出そうじゃないかということを言っておったのでありますが、その言っておる最中に、もうどんどん違法行為が各地で行なわれる。それが指令に基づいて行なわれるというような事態が起こって参りまして、ついにこの段階にきたようなわけでございます。私どもといたしましては、従って、できるだけ円満に、親切に、そして筋は曲げられないけれども、筋は曲げなくても、結果的に同一の線が、場合によっては出せるかもしれぬ、あるいはそれに近い線が出せるかもしれぬ、そういう実態の調査をお互いに協力してやろうじゃないか。そういうことまで考えておったのでございますが、私の方から言わせれば、親切なものの考え方に対して、協力的といいますか、同調されないで、このような違法行為が行なわれた。また、その間私どもとしましては、違法行為があってはならない、十分注意をするようにということを、戒告といいますか、警告を発しておったにもかかわらず、これが無視された。無視されてこういうような事態になったということで、やむを得ずここに至ったような次第でございます。 ですから、われわれの立場といたしましては、尽くすべき手は十分尽くしてきたつもりでおるわけでございます。立場が違いますと、いろいろ言い分も違うかもしれませんが、われわれといたしましては、事務当局にせよ、私どもにせよ、尽くすべき手を尽くしてやりてきたんだけれども、残念ながらこういう事態に相なったというような次第でございます。
○兒玉委員 話の経過はよくわかるわけですが、私はその経過ということよりも、中身の問題だと思うわけです。というのは、先ほど岡本委員も発言されましたが、やはり定員化する場合には、常勤あるいは非常勤職員が多いわけでございますが、組合の言っているような勤務年数の長い者、あるいは技術屋さんとか、事務屋さんというバランスもあるわけです。事務屋、技術屋、どちらをたくさんとるか、そういう一つの系統的な問題、これは国鉄内部におきましても、技術屋の官僚と事務屋官僚が常に醜い争いをしているわけです。そういうことまで言う必要はないと思うのですけれども、このようだ定員化をする場合の選考の基準というものは、あってしかるべきじゃないかというふうに感ずるわけです。この基準の問題がどうなっているのか。 さらにまた、この基準に関して、私も詳しい資料の持ち合わせはないのでございますが、たしか参議院の内閣委員会において附帯決議として、こういう組合の言うような方向は尊重さるべきだというような決議がなされたということも私は聞き及んでいるわけであります。その選考の基準と、参議院の内閣委員会における附帯決議はどうなっているか。この点一つ、大臣あるいは官房長から明らかにしていただきたい。
○鬼丸政府委員 定員化の場合の任用の基準でございますが、これは先ほど岡本先生にもちょっとお答え申し上げましたように、行(一)、行(二)のワクがございますので、行(一)、行(二)のワクの数に比例しまして、定数で按分して考えるということが一つでございます。(「定数で按分していないじゃないか」と呼ぶ者あり)しております。行(一)、行(二)のワクの数に比例しております。それから、再就職になるようなものは含まない。従って、定員内職員であった者が非常勤職員として雇用されているというような場合には、これは再任用ということになりますから、含みません。そのほかは、多少こまかい資格の問題が行(一)等にございますが、これは法令に定めるところでございまして、別に方針ということではございません。そして最後には古い者順、ワクの範囲、定数表の範囲の中で古い者順というふうに指導いたしております。 もう一つ、ただいまお尋ねの点で、参議院の内閣委員会の附帯決議だったと思いますが、これは職種や身分のみでなく、勤務年限の長い者を優先的に任用するようにという趣旨の決議事項だったと思います。しかし、これはただいま申し上げましたように、任用の指導方針といたしましては、勤務年限の古い者を取り上げておりますから、別に矛盾はいたしておらぬと考えております。
○兒玉委員 その点はどうも、先ほどの答弁と今の答弁と多少食い違っていると思うのであります。組合と非常に激突したというのも、そういうふうな国会における附帯決議なり、またそういう一つの基準が、その通りということはできないにしましても、やはり今まで尊重されないところに原因があったと私は思う。官房長のように頭のいい人はどんどん上に上がるわけですけれども、長い経験を要する土木屋さんというものは、やはりそういうひがみを持っているわけでありますから、人事運用というものについては、もう少し配慮ある査定をしていただかなければ、今後ますます部内における紛争が拡大していくのではないか、こういうふうに私は感ずるわけであります。今後は一つ、今、組合の主張している古い者順ということだけがオールマイティではないにしましても、そういう要望は多分に取り上げていくべきではないかというふうに考えるわけです。これについての見解を承りたい。
○鬼丸政府委員 お尋ねの御趣旨は、よく私どももわかります。三十六年度の定員化は一万一千九百名の大量定員化でございますので、現在御審議いただいております法改正等も成立しますと、今の古い者順という問題がほとんど解決するのではないかと私ども期待いたしております。それで、残った三千六百名前後の者の定員化ということになりますけれども、今いろいろ実態を調査いたしておりまして、むしろ古い者順という要望は、三十六年度の大量定員化においてはほとんど問題でなくなるのではないかというふうに考えておりますので、あまりその点御懸念は要らないと御了解いただきたいと思います。
○兒玉委員 まだ相当質問したいことを持っておりますが、あと四、五問集約して、残された問題を次に聞きたいと思います。 これは、断わっておきますが、時間がないということだけで済まされるものではない。やはり、こと人事に関する問題は今後もあり得ることだし、さらに、道路整備五カ年計画によって二兆億近くの金を使わなくてはいけない建設省として、今後第一線における労使間の慣行が十分に行なわれなければ、作業の進捗もされない。そういう立場から、親心を持って私は質問しているのでございますので、その点十分一つ御理解いただきたい。 次に私が質問したいのは、共済組合の掛金率のことについて、何か値下げをするというような協定がなされておったそうでありますが、その点が実行されなかったということも、やはり組合員にとってはお金の問題でありますから、特に敏感になるわけですが、そういう協定があったのかどうか。その内容はどうなっているのか。それがなぜ実施されなかったのか。この点について、大臣並びに官房長の見解をお尋ねしたい。
○鬼丸政府委員 建設省共済組合の掛金率の問題につきましては、昨年の三月、全建労の委員長と私の名前で協定が結ばれておりまして、この協定の中身として、一つは、長期掛金率を千分の四十一以下を目途とし、昭和三十五年四月一日から適用するよう努力すること。これは、当然のことながら、千分の四十一以下になるように努力するということが一つと、三十五年途中にもし首尾よくそういう率が認められれば、四月にさかのぼって適用するように努力しょう、こういう二つの努力目標でございます。もう一つは、掛金率と直接関係ございませんが、共済組合の運営審議会の委員を、全建労から推薦した者を三名委員とするという趣旨の内容でございます。 そこで、この長期掛金率の問題は、先生も御承知のように、大蔵省がこれを承認しなければ、合法的に正式の掛金率になりません。現在の千分の四十三という掛金率は、昨年の二月に共済組合の運営審議会の議を経まして、大蔵大臣の認可を得て決定されたものでございまして、一昨年の十月からこの千分の四十三が正規の掛金率として適用されております。大臣からも申されましたように、他の一般の各省庁は、非現業の共済組合に入っておる分は千分の四十四でございます。そのほかに千分の四十五という役所もありますし、郵政省だけが千分の四十一になっておりますが、大体各省ともそういうわけで、私どもの共済組合よりも千分の一ないし二高い。これは専門的にこの積算の根拠がいろいろむずかしい点がございますが、私どもといたしましては、との千分の四十三を、組合と協定して、千分の四十一以下に下げられるように努力しようということになったわけで、この一年余りそういう努力をいたしてきました。しかしながら、ことしの一月ごろになりまして、大蔵当局とそれまでに話し合いも数次重ねました結果、どうしても今のところは千分の四十三を引き下げることはだめだということが、ことしの一月にはっきりいたしました。それで、組合にもその交渉経過、努力の経過を話しまして、了解を得るように努めたのでございますが、労働組合の方は、千分の四十一というのはこれはきまった数値ではないか、以下の方が努力の目標だというような、私どもから申しますと非常なこじつけの理屈としか思えないような説明をしまして、あくまで千分の四十一を、少なくとも千分の四十一を実施することを要求する。こういう要求になりましたので、これは何ともいたし方なく、並行線をたどってきたという状況でございます。 しかしながら、共済組合の管理者の立場といたしましては、共済組合員のために掛金率はなるべく低い方が望ましいわけでございますし、今後新しい資料を収集いたしまして、十分掛金率の検討をいたしたいと考えておる次第でございます。
○兒玉委員 私は官房長の努力も多とするわけですが、組合と協定なり、あるいはそのような意味の文書を交換するときは、やはり見通しというものをはっきりさせた上で取りきめをすべきではないか。そういうことが結局は、努力するという一片の通知だけであって、やっていないではないか、こういうふうな一つの反駁も受けるわけです。これは官房長一人の責任ではないわけでありまして、相手のあることですから、がむしゃらなことを言うわけではないのですが、少なくとも今後の労使の慣行において、特に金に関係のある問題は組合も非常に敏感に受け取るわけですから、その点は一つ大臣としても、この際組合の要求である掛金率の引き下げについて十分の努力をすべきではないか。この点について大臣の見解を承りたい。
○中村国務大臣 先ほど御指摘のありました、全建労の委員長と官房長の間にきめられました申し合わせには三項目ございまして、三項目のうちの二と三は完全にそのときの申し合わせ通り、見通し通りに実行ができまして、短期掛金の方などは予定以上に引き下げができたわけでございます。第一項目の長期掛金の千分の四十三というのだけが実行ができなかった、努力目標が達成できなかったということでございます。これは大蔵省の理解を得られなかったという点が一つでございます。大体千分の四十一以下ということにしたことが、あるいは結果的には、なるほど御指摘の通り、見通しが十分でないのにかかわらず申し合わせをしたのではないかというお話がございましたが、私も実はそういう感じがいたします。ただ、千分の四十一と書かざるを得なかったのは、全逓などが千分の四十一なんであります。これはしかし、非常に実態が違いまして、若い人はちょっと就職して、早くやめていく。こういうように掛けっぱなしの職員の多いところは、実態が違いますから、掛金が低くても共済組合は成り立っていく。しかし、実態の違うところは、そう下げますと共済組合は成り立たないということでございますので、実態の相違から来ていると思うのであります。しかし、一番低いものが一つあるものですから、そういう努力をしようということにそのときになったんだと、私は当時関係はございませんが、今日私の立場では想定をいたしておるわけでございます。 かようなわけで、結局建設省の共済組合といたしましては、今まで積算をいたしました積算の基礎からいって、大蔵省として絶対これ以下は無理だ、だめだということが、今年の一月ごろ明確にたりまして、その後の問題といたしましては私も就任してからでございますので、だめであるということでおしまいにすることはよくない。それだから、金もかかります、手間もかかります、あるいは相当長期の準備期間も要りますが、もう一度精算の基礎を研究をして、そして、千分の四十三以下に下げる余地が合理的にあるのかないのか、これをすっかり資料を整えて、うらの方も研究し、資料が整った上で、下げる可能性が出てきたら、その資料に基づいてもう一ぺん公式に大蔵省と談判をして、下げる努力をしたらどうか。それには今までの資料ではだめなんですから、さらに新しい積算の基礎というものを積み上げていく努力をすることが先決問題である。これだけは、金がかかっても、ひまがかかってもやりなさいということを事務当局に言いまして、やるつもりでおる。この点は全建労の代表者の方々にも十分申し上げておるわけでございます。 従って、これはただ、建設省の責任者だけの考えで右に左に掛金率を動かすということは不可能なことなんでございますから、これは納得しないと言っておりますが、私は腹では納得しておるに違いないと思うのです。また、納得せざるを得ない。これはそういう積み上げ方式で積算をやっていかなければ理屈は立たないのでありますし、また、不健全な共済組合にしては相ならぬわけでありますから、そういう意味において、私ども十分に手を尽くして引き下げる、申し合わせの趣旨を達成する努力は今後続けて参りたい、この点は明らかに申し上げていいと思うのであります。
○兒玉委員 あと二問だけやりまして、あとは次会に持ち越したいと思います。 一問は、今度の処分によって、おそらく下部から相当の突き上げがくると思うのです。定員化の問題なり、共済掛金の問題についても、大臣が答弁されたような親切な態度をとっておれば、これほどまで組合と当局の対立が激しくなる理由がないのじゃないか、私はそういうふうに判断するわけです。この問題をめぐって、今、大臣がここで答弁したようなことが、末端の第一線において働いておる現場の組合員と出先の機関の長との間に、そういう努力の方向なりあるいは見通しというものが、十分に伝達されておるのかどうか。これは、今後の労使間の問題を十分に円満に解決していく立場からも、この処分の問題も含めて相当慎重な配慮をしなければいけないと思うのですが、その辺の取り扱いはどうですか。
○中村国務大臣 私どもといたしましては、この掛金率の問題等につきましては十分努力をいたしますし、誠意をもって今後組合の健全なる運営及び発達に努力をしていきたいと思います。 実は率直に申しますと、先月の二十日前後に私、会見をいたしました。そのときに、先ほど申し上げたように、こちらは筋を通すが、結果的に組合側の希望と同一になるかもしれないということで、二、三の問題点について実態調査をやってみようじゃないかという話をいたしました直後に、全建労に対しまして、どうも地方でいろいろ混乱が起こっておるが、地方交渉をしてみたって、地方の事務所長や局長は権限がないのだから、地方の混乱は一切しないように、全建労の中央執行委員で措置をしてもらうということが前提、それができたならば、それらの問題について、ほんとうにひざを突き合わせて中央団交をやろうじゃないかという申し入れを、電話でございましたが、代表者に私の方からいたしました。そういう手も尽くしておったのでありますが、ついにその話に乗らないで、先ほど官房長から申し上げたような事態が各地に起こって、まことに遺憾な結果になったのでございます。 われわれといたしましては、今後ともできるだけ親切な気持、また公正な立場で組合に相接しまして、組合運動の正常な成長なり発展に対しては十分意を配って参りたい、かように考えております。
○兒玉委員 最後に申し上げたいのは、今後膨大な土木予算を消費するために、この処分もやはり元に返して、罪一等を減ずる、というと、こちらが物ごいをするみたいなようですが、今後の労使間を健全な状態に返すということにおいて、私はやはり処分の問題をもう一ぺん再検討してもらいたい。 それから、組合側からの資料によりますと、全国で二十八の職場に警察官が来て、そして職制の方に行ったり、あるいは組合側をおどかしたり、いろいろな手を通じて介入しておる。労使間の問題に警察官が介入すべきでないということは、労働組合法その他にも明らかにされておるわけであります。この二十八カ所における警察官の介入について、具体的な氏名その他も明確になっておりますが、大臣としては、そういう労使間の問題についてどうして警察官が介入しなければいけなかったのか、その辺の事情について十分了承されておるかどうか、お伺いしたいと思います。
○中村国務大臣 組合の人たちに会いますと、よくそういうことをおっしゃるのでありますが、地建及び事務所等、建設省側の方から警察官の介入を要請した事実は、私も再三確かめてみましたが、全然ございません。ただ、徹夜交渉のようなことがあるとか、あるいは職場大会のようなことがあるとかいたしますと、警察官がそれを内偵した事実はあるようでございます。現に事務所長あたりが、警察官から聞き取りをされたこともあるようであります。これは公務員法違反の行為をやれば、公務員法に罰則があるのだから、罰則を適用する警察が、法律違反の事実がありそうな場合には、それがあったかどうか、あったとすればどういう状態であったか、ということを自己の責任において調べておく必要があるから、来て調べたのだろう。われわれの方から、そういうことの発動を要請したようなことは全然ない。警察の方にも、行き過ぎのないようにお願いしておくということであったようなわけで、よく組合の方々はそうおっしゃいますが、われわれの方から要請した事実は全然ございません。また、警察が介入をいたしまして不当干渉したような事実も、私どもは認めていないのでございます。ただ、聞くところによりますと、そういうように若干の混乱があったのに対して、警察が調査をした事実はあるようでございます。これは現に役所側の責任者の方も、聞き取りをされておるところなどから見ますと、調べた事実はあるようでございますが、これを直ちに不当介入と言い得るかどうか。この点も私どもは検討いたしますが、組合の人たちが言うのは、どうもそっくり受け取れる話ではないように、疑うわけではありませんが、私そういう感じを持っておるようなわけであります。
○兒玉委員 最後に申し上げますが、今の大臣の答弁について、私はなかなか疑問の点が多いわけです。この点は、警察庁関係も次の機会に呼んで、私は具体的な事実をもってこれに対決をしたい。それから、各二十八カ所の警察官の行動が、みな同じ日に同じような質問をしたり、あるいは行動をとっているというところに、私たち長年の労働運動の経験の中から、当局側が要請したと見られる節があるし、あるいは警察庁の方はそういうような介入を指示したのかどうか。こういう点は次の機会にしたいと思っておりますが、そういう点から、警察官が介入しなければ現場における十分な話し合いができない、この点、私は組合側だけを責めらるべき筋ではないと思うのです。やはり第一線の職制の、担当者の労務管理面等においても、相当私は意思の疎通を欠く面があるのじゃないかという点等がございますので、これらの点は次の機会に譲りまして、先ほど申し上げました処分の問題については、再度検討願うということを強く要望いたしまして、本日はこれで私の質問を終わりたいと思います。
○瀬戸山委員長代理 この問題に、関連質問の申し出がありますので、逐次許しますけれども、質疑応答とも、簡明に願います。 松澤雄藏君。
○松澤委員 のどを痛めておりますから、簡単に御質問します。 先ほど官房長官のお話の中に、非常に重大な、人権的な問題すらも含んでおる答弁がございました。団体交渉を受けた際に、非常にショックを受けたのか、あるいは長時間カン詰方式をとられたのか、詳細はわかりませんが、二名までも入院するという段階に入ったという答弁がございました。近ごろ、御承知のように、まことに遺憾なことには、団体交渉という名前になりますると、やる方も、また受ける方も、時によっては法を無視しても差しつかえないじゃないか、いわば大衆の力をもってやるのだというふうなことが多々起きておるようで、まことにわれわれ国のためにも残念至極であります。しかも、自分たちだけの利益を守るために、自己を擁護するために、逆に今度は人様をそういうふうな立場に追い込んで、人権を無視するようなことまでやっていくということは、まことに許すべからざる問題ではなかろうかとすら私は思うのであります。 従いまして、今後このような問題があった場合においては、先ほどの各委員からのお話と同様に、私もあらゆるものに対して愛情を持ってやっていくことは、これはもう原則的に何人も否めない問題だと思います。しかしながら、愛情というものと、国の秩序を保持する意味においての法というものとは、おのずから限界がまた別になっております。原因が那辺にあろうとも、もちろんこの原因に従って、判決的な面におきましては慎重に態度をきめ、また十分検討に検討を加えまして、当局といたしましても、いわば裁判所における判決と同様なものでございまするし、いわんや首切りというふうな問題は、その本人にとっては生涯に関係する問題であります。従いまして、慎重に考慮してやらなければならぬことは理の当然であります。といって、その原因が那辺にありましても、あくまでも、そういうふうなことをなしてはいけないことは言うまでもない。よって、このような問題が今後起きた場合においては、いかなる態度をもって進んでいかれるか、大臣みずからの御答弁をぜひ私はお聞きいたしておきたい。 われわれといたしましても、たくさんの人に働いてもらう場合もありまするし、また私みずからも労働関係に関与して、みずからそのような立場をとって参った時代すらございました。同じような気持のもとにおいて、私も当時は同僚諸君に申し上げてきました。われわれは、おのれのために人を犠牲にすべきではない、やはりおのれのためになさんとするときには、おのれの立場と同様に、第三者の立場を考慮して、その上に立ってなすべきであるということを、われわれは強く主張して参りました。従いまして、私はこのような観点に立って、今申し上げたように、とにかく、かりにも人命を傷つけるような、入院せしめなくてはならぬような事態が、どのような状態で起きたのか、こういう点を十分に考慮し、また慎重に調査していただきまして、なすべき処置は断然とらなければならぬと思います。しかしながら、反面において、くどく申し上げるようですが、判決的な面とかなんとかいうようなことは、十分また愛情を持ってなさなければならぬ。これだけは私たちとしても、ぜひ当局に強く要望しておきたい、かように思うのであります。 同時にまた、愛情という立場から申し上げるのでありますが、いわば本年度あたりから、非常に大きな公共予算がついて参りました。従いまして、末端におけるところの仕事というものも、非常に過重になってくる可能性があるだろうと思います。これに対しまして、努力しているんだ。もちろん、これは努力という言葉の一語に尽きるわけでありますが、おそらく現場関係においては、相当オーバー労働的なことになってくるのじゃないか、かように思います。私の手元にも、地元の方からそういうことが相当参っております。こういう点は、あなた方が大蔵省なり関係当局に対しまして、横の連絡を十分にとって、ほんとうに誠意を込めて慎重にやっていくならば、その実態に即しないようなことにはならず、私はある程度まではやっていけるのじゃないかと思う。そういう点を一つぜひ考えて、十分に熱意を込めて、そして、働いてもらう者には与えるものは十分与えて、かつまた、それに対してより以上のものが出てきた場合においては、お互いによく話し合って、納得せしめてやっていくというふうなことでいって、初めて円満にいけるのじゃないか、私はかように思います。どうか、その辺の点も考慮して、オーバー労働的な両に対して——これは私は要望でありますが——建設省側といたしましてはよく検討していただいて、現場の下部で働いている方々の実態をほんとうに把握して、ただ単に机上の問題だけではなくして、みずからの目で見、そしてみずからが実際聞くような立場でやってもらいたいという要望もつけ加えて、一言でいいのでありますが、大臣のお言葉をいただきたい、かように思います。
○中村国務大臣 御承知の通り、三十六年度からは非常に事業量もふえます。私どもといたしましては、先般来各地建の局長会議等を開きまして、このふえた事業量を実施いたすについて、現地の労働強化を来たさないように十分注意するということと、労働強化を来たさずに事業量をたくさん消化するのには、要するに今までの直轄事業の中でも、請負に付さなければならない部分がふえてくる、あるいはまた設計、調査等にいたしましても、職員でやっておりました分をコンサルタント等に委嘱をいたして、これを民間に託するというように、民間のあらゆる力を動員いたしまして、職員の労働強化にならないように、この点は十分注意をして参るつもりで、今日からその腹がまえを実はいたしておるような次第でございます。 かたがた、職員組合との関係につきましては、今後とも努めて円満に処理して参りたいと思うのであります。ただ、こういう大量の事業量を消化しなければならない段階でもございますし、規律は十分に厳守していかなければならない。この規律保持ということのためには、円満ということ、あるいは親切ということ、あるいは親心ということと相並行して、厳正な処置を講じていかなければならない。それで、場合によって気の毒な方が、今回のように現われる場合もありますが、規律保持のためにはやむを得ない処置として、われわれは公正にやって参りたい、かように考えておるわけでございます。
○瀬戸山委員長代理 次に、石川次夫君。
○石川委員 たただいまの大量処分についての質問が、岡本委員、兒玉委員の方から出ておりまして、大体要を尽くしておると思いますから、一、二簡単に御質問をしたいと思います。 ただいまの松澤委員の意見に対しましては、私もこれに対する意見がございますけれども、ここで論争してもどうかと思いますから、そのことには触れません。ただ一点申し上げますと、労働争議行為それ自体ではなくて、それを逸脱した行為ということになれば、これはきょう取り上げた話とまた別の問題です。ただ、どこまで労働争議行為の範疇に入るかどうかという点が問題になるわけであります。それをはみ出して、非常に人権じゅうりんの行動があるとかいうような事実があれば、これは処分の対象として当然考えていい問題だろうと思います。しかし、それは労働法の対象じゃなくて、これは刑法上の問題だということにはっきりなってくれば、問題は簡単であります。しかし、ここで問題にしているのは、そういうことまでいっていない範囲の行動であるという点で、われわれは問題にしているわけです。 それはそれといたしまして、実は今度の処分を見て、率直に受けた感じを申し上げますと、われわれとしては、この建設委員会における論議は、イデオロギーの対立というものはほとんどない。産業基盤の強化ということで、与野党協力して、大いに政府にも協力しようじゃないか、こういう態勢で臨んできたわけであります。ただし、こういうような冷酷な処分というものを見ると、これはわれわれとしても、協力するという考え方を変えなければいかぬのじゃないかというような、ショックを受ける程度の過酷な処分である。このことだけは、はっきり申し上げておきます。 それと同時に、馘首あるいはその他百二十九名に上る大量の処分、こういうようなことは、法の威厳といいますか、また、使用者側の権威をもって、力をもって押えつけるという行動に出たものだというふうに考えられるのだけれども、これは方法として、私、非常に拙劣だと思う。結果的に申しまして、首にしたからといって、組合で役員につけないわけじゃない。これはILOの批准の問題ともからんで参りますけれども、こういうことを繰り返して参りますと、労働組合の行動それ自体が決して穏健な方向に行くのじゃなくて、労使が協力をするというふうな場じゃなくて、ますます対立をするという方向にだんだん行かざるを得ないという宿命を形作るような結果になる。そういう処分であったというふうに考えざるを得ないのであります。この点は、よく考え直してもらいたいと思います。 同時に、この問題は、行(一)、行(二)の任用の問題、それから共済組合の掛金の問題 この二つに大別して分かれるようでございまして、共済組合の掛金の問題については、当局側としても、協定を作ったということに若干の手落らがあったという点は、大臣みずから認めておる。こういう点に対する組合の不満があったわけであります。その点は一応論外といたしましても、行(一)、行(二)のこの任用の仕方の考え方の問題——私は実は大会社の人事や総務を担当した経験もありますので、こういう官房長の言われるような考え方が正しいとする見方があるということはよくわかるのです。しかしながら、こと人事管理の問題というのは、ほかの問題と違って、非常にむずかしい。というのは、これは人事の問題だ。従って、理屈通りになかなかいかぬという場合も客観的に見てあるわけです。そこで、この現場のいろいろな不満というものがどういう形で出てくるかというと、たとえば、この行政(一)表の方は五年くらいで任用されるけれども、行政(二)表の方は十年もたたなければ任用されないのだ、ということに対するうつぼつたる不満というものが、昨年までは何とか抑え切れたかもしらぬが、ことしになって押え切れなくなって、これが組合という形で、組合の場を通じて一つのまとまった意見として出てきた。だから、去年とことしと意見が違うということは、これはあり得るわけで、今までの不満というものが一ぺんにせきを切って、組合を通じてはっきり出てきた。というのが現実の問題だとすると、この組合という機関を通じて出てきた現場の不満、現場の意見というものには、やはり謙虚に耳を傾けるということがなければ、愛情のある、そして労使が協力をするという、皆さん方の立場に立つ考え方に沿うような方向にはいかない。こういうことを一つ考え直してもらいたいと思う。今も盛んに言われておりますように、所得倍増の問題に関連して、どうしても産業基盤を強化していかなければならぬということで、建設の仕事が非常にふえて参るわけであります。飛躍的にことしあたりから多くなって参る。ところが、人が足りないという問題があって、これに対応するいろいろ御苦心のほどもただいま伺ったわけでございますけれども、しかし、それだけでは、なかなかこの予算を消化するということが困難である。どうしても、現場の人たちがほんとうにこれに協力をするという態勢が整わなければならぬというやさきに、こういうような大量処分ということで、協力の態勢に水をかけたということは、非常に私は残念だと思うのです。 そこで、一つ伺いたいのです。農林省あたりでも、古い順から任用をするというようなことで、組合との話もついておるようであります。組合との話がつかない場合には、一応保留をするというようなことになっておるようでございますけれども、この点については、官房長、どうです。
○鬼丸政府委員 農林省の技能者の場合の任用基準として、ただいまお話しのようなことを、私も労働組合側からちょっと聞きましたけれども、農林省当局にいろいろ確かめてみましたところ、行(一)、行(二)のワクをはずすということをやはりやっておりません。ただ結果的に、古い者が大体順番に任用される結果になっておる、こういうふうに承知いたしております。
○石川委員 ですから、私は言いたいのです。これは行(一)、行(二)に分けて、五年で任用される、あるいは行政(二)表だと十年たたぬと任用されないというワクは、すでに農林省ではとっておるのです。古い方から任用されるという事実上の実例が出ているわけです。それと比較をした場合に、建設省はそうなっておらぬ。考え方はよくわかるが、現実の問題としてどうしても納得できないという素朴な考え方もあるし、農林省との比較の問題もあろうと思う。確かに行政(一)表と(二)表とは、とれていない。現実の問題として、古い順から任用するということになれば、組合の方は不満がないでしょう。(一)表、(二)表のワクを現在の段階でもって、労働争議の行動の中でとれといっても、これは不可能である。しかし、実際問題として、古い方から任用するということになれば、組合の不満は解消する。そういうことが現実にあるのに、建設省では行なわれておらなかったということになれば、不満を持つのは当然であると思う。そういうことに対して、現場の方の事務所長あたりが、なるほど組合の言うことはよくわかるという気持で中央会議に臨むと、三月五日か六日か知りませんけれども、局長会議で厳然たる指示があって、従来の労使の慣行は破棄するというような、非常に冷厳な態度で出てきたということは、争えない事実である。そういうことに対する不満というものが出てきた。あるいは見方によっては若干の行き過ぎもあるかもしれませんけれども、事務所長、局長の立場からいえば、良心の苛責というような現象も一部あったかもしれません。しかしながら、とにかくこれだけの不満が出るということは、これは考え方によっては当然というか、やむを得ないというか、私はそういう感じがしてならない。 だからといって、組合の言っていることを全部是認をするという気持はありません。処分するということも、ある程度やむを得ない場合もあると思います。しかし、よく御認識をいただきたいのは、労働争議行為それ自体で処分を受けるという国は日本だけで、どこへ行ってもないのです。こんなばかな法律を持っているのはナンセンスだと思っている。しかしながら、悲しいことには、労働争議の行為それ自体で処分するというような悪法が日本だけにはある。しかも、公務員だといいますけれども、建設省の本省を除いた地方の地建あるいは事務所というのは、現業なんです。現業公務員である。現業公務員に対してまで労働争議の権利がないというのは、飛び抜けた例外的な、日本だけの悪法であるとわれわれは考えている。今ここで労働争議の問題あるいは労働権の問題についていろいろ申し上げようとは思いませんけれども、そういうような不満も労働組合の中にはあるわけです。この争議行為までも抑圧されているということ、あるいは憲法上認められている労働争議それ自体で処分されるほどばかなことはないというような不満もあるので、こういう点を謙虚によく一つ建設大臣、考え直していただきたい。これは農林省との関連もあります。建設省の今度の処分を通じて、われわれもあっちこっち意見を徴しておりますが、現業職員からあまりひど過ぎるではないかというような気持が非常に強く出ております。労働組合の直接の役員とかなんとかいうことでなく、組合の役員に対して批判を持っている人でも、非常にひど過ぎるという意見を強く持っている。今後の建設省の予算を消化する上において悪影響を与えるではないかと非常に懸念をいたしております。従って、先ほどから兒玉委員あるいは岡本委員からも話が出ておりますけれども、この処分は拙劣で、かつ、不当である。しかも、非常に過酷である。こう考えるので、ここを何とか百尺竿頭一歩を進めて考え直す。処分の撤回をすることはもちろん不可能でございましょうが、何とかこの処分を考え直すことができないものかどうか。あと一回建設大臣のお考えを承りたいと思います。
○中村国務大臣 すでに熟慮の結果断行いたしました処分については、遺憾ながら考え直す余地は全くございません。ただ、今後の運営につきまして、われわれとしましては、このようなことの再び起こりませんように十分注意をして参りたいと思うのでございます。 今回の処分にいたしましても、公務員法に照らしましてあまりにも逸脱の度合いが過ぎておるというような分につきまして、しさいに検討をいたし、当然人事院等に提訴がある場合を考慮いたしまして、これらの立証の裏づけ等も検討し、実は無理のないような角度で結論をしぼりまして、この結果を得たような次第でございまして、せっかくのお話でございますが、これを考慮し直すという余地は、御承知の通り、全くないようなわけでございます。
○石川委員 水かけ論のような形で、どうしても撤回しない、われわれとしてはどうしても不当だということを主張しておるから、平行線だと思う。いずれ、あらためてこの点については申し上げたいと思いますけれども、とにかくこの処分というものは——処分すること自体に対してではないですよ——処分のやり方について、どうしてもわれわれは承服できないという意思表示だけをはっきり申し上げて、私の関連質問を終わります。
○瀬戸山委員長代理 次に、三鍋義三君。
○三鍋委員 昨日新聞の記事を読みまして、今度の大臣のとられた処置に対しまして、寝耳に水とでもいいますか、どうしても信ぜられない、そういった気持で記事を読みながら、大臣の顔がそこへぼうっと現われてきたのであります。ふだん私が感じているあなたの人柄からいっても、今度の決断あるいは処置というものは、どうしても一致しない。一致しないというよりも、どうしてこんなむちゃなことをやったのだろうかと、信ぜられないのです。先ほどから当局がいろいろと御答弁になりましたけれども、これはみんな枝葉末節の問題が問題になったから、それに対する御答弁だったと思うのでありますが、根本問題には全然触れておらないと思うのです。映画館に千人入場したい、ところが二百人だけ入れてあげよう、ここに問題があるんじゃないですか。常勤職員あるいは常勤的非常勤職員の問題はいかに不合理な問題であるかということは、この委員会において毎年繰り返されている。これは与野党を問わず、その不合理を早く是正しなければならないという一致した意見で当局を鞭撻し、また当局におかれてもその不合理を認められて、何とかしなければならない、何とかします、というのが各大臣の責任ある答弁であった、そして、それがいよいよ実りまして、要望がかなえられようとしておるこの段階において、派生的に起きてきた問題である。ことし、来年あたりには、この問題はみんな解決するんじゃないですか。不合理が是正されるんじゃないですか。千人の人がみんな映画館に入ることができるんじゃないですか。希望しているところへ入ることができれば何にも問題は起こらないのです。それで、なお入れたいけれども、いろいろな事情からして二百人しか入れられない、二百人だけ入れてあげよう、というところに起きている問題です。こういう根本問題——しかも、二兆一千億の大きな国家的事業をなさんとするときにおきまして、根本問題を没却して、派生的な問題が起きてきた。それに対して行き過ぎもあったでしょう。また、当局のこれに対する理解をせしめる努力の足りない点もあったんじゃなかろうか。これは、どっちどっちということはないのです。簡単に首を切られますけれども、あすお前の命を取るといったときに、従容として、さあと首を差し伸べることのできる人は、よほど修養の積んだ、普通以上の人ではないかと思うのです。われわれの身にとって考えてみても、首を切られるということは、雄命を奪われることでしょう。その原因はどこにあったかというと、建設当局も認め、われわれもここで常に問題にしておったその問題が解決されないところにあるのだ。その派生的な問題から一つのあやまち——これもほんとうのあやまちであるかどうかということは、またそれぞれのさばきの場において明らかにされるでありましょう。どうして、こういうむちゃなことをやったのですか。ことに、あなたの人柄を信ずるがゆえに残念でたまらないのです。大臣の責任においてやったことを今さら取り消すことはできないというお気持も、よくわかります。しかし、ほんとうに建設行政を円満に遂行しようとし、そうして、人間の基本的人権を尊重するという立場に立った場合に、もし自分のやった行為があやまちであるならば、すぐお改めになる。決してあなたの不名誉でもなく、不手ぎわでもないと私は考えるのでありますが、この点につきまして、大臣の御所信を重ねて承りたいと思います。
○中村国務大臣 実は、定員化の問題等につきましては、私どもの考えを率直に申しますと、今お話がありましたように、二百人の定員の映画館に千人が押しかけて、二百人しか入れないということでは因ると思いまして、何とか全員定員化をいたしたいということで、予算編成の段階から非常な努力をいたしました。皆さんの御支援もいただきまして、おかげで一万一千余名の大量定員化が実現する運びになったのでございます。これは昭和三十六年度予算が成立し、設置法が改正されましたら、直ちに実行のできることでございます。従いまして、設置法の成立、予算の成立を見ましたら、すみやかにこれを実行いたしたいと考えておるわけでございますが、その前年でございます三十五年度の八百数十名の定員化ということについて、両者の間に意見の相違があったわけでございます。これも、ほとんど全員の定員化のできまする大量定員化の三十六年に近いところまで、実は慎重熟慮をいたしまして、全建労の人たちの要望の筋もありまするので、押せ押せにおくれてきたわけでございます。従って、三十五年度の終わりに近いところまでしんぼうをしてきたわけで、この段階で実行をするならば、多少全建労の人たちの要望の筋ではないけれども、われわれとしてやはり行(一)、行(二)の制度があり、そうしてその中で按分比例でやるということが過去の先例でもございますけれども、先例を無視するというよりは、先例の通りにやる。先例というものがあれば、その先例に該当する人は、今度はおれはなれるという期待を持っておるのでありますから、その期待を裏切るということは、よくよくの事情がない限りはすべきではない。やはり期待のあるものには、先例が間違っていない限りは、期待のある通りの先例を実行するのが正しいのだという考え方で、われわれはその説明も重々いたしました。しかも、意見の相違のまま実行いたしましても、三十五年度の終わりと三十六年度の初めとをくっつければ、ほとんど一緒になってしまいますから、このくらいはがまんをしてもらって、しかるべきではないかと私は思うのであります。しかも、それに手を尽くして、先ほど申し上げたような措置を講じて参ったのでございますが、非常な混乱が各地に起こりまして、はなはだしきは徹夜の状態になり、はなはだしきはまた、事務所長等が心にもないことを書かせられたりするようなできごとというものは、これは断じて将来あってはならないので、ここで完全に処理しなければならないという決意を実はいたしましたようなわけでございます。 従って、われわれといたしましては、まことに遺憾ではございますけれども、そのような事態を今後繰り返さないためにも、また制度がある以上は、制度をお互いに守っていくという上からも、泣いて馬謖を切らざるを得ないということで、この処分を実行いたしましたようなわけでございます。ごらんの通り、職場大会の参加者等も、最初の六千人に対して逐次減じております。これらも、まじめに考えておる人たちは、私はああいうような突き上げの事態を好んでいないと思うのです。こういうまじめな人たちに対しても、あまり行き過ぎ行為をやった者に対しては厳正な措置をとることが、全体の人たちの心理を考えた上からも正しい処置である、私はかような趣旨に基づいて実行いたしましたようなわけでございます。
○瀬戸山委員長代理 次に、佐藤虎次郎君。
○佐藤(虎)委員 私はもう時間がありませんから、大臣に三点ばかり伺っておきたいのです。 第一点は、高速道路の予算が、皆さんの協力を得て、獲得できました。中央道、東海道、同一でありますが、たとえば中央道にいたしましても、東海道にいたしましても、路線の認定につきまして、たとえば静岡県で申しますならば、海岸線を県民は要望いたしておる、ある一部では山間部を要望いたしておる。そうした場合に、建設省の設計したものをこれでうのみにせよというのか、あるいは決定前に一応建設委員会にお諮り下さるかどうか、ということです。 いま一つは、災害発生と同時に、私が大臣のととろに直ちにかけつけて、大臣が主となって御配慮賜わり、特に建設委員会の皆様にも御協力賜わったこの由比の地すべり問題。この応急対策、恒久対策に対しましては、建設大臣が主になって御努力下さって、前途に明るみを抱いたことを感謝いたします。そこで、実は昨晩私が運輸大臣、国鉄総裁など幹部と会食をいたしまして、そのときに、国鉄といたしましては隧道にするということであります。まことに時宜を得た工事施行と災害除去のやり方だと思うのです。この工費が三億五千万くらいかかるという。そこで、きょうは道路局長がお見えになりませんから、官房長、大臣に特にお考えを願いたいことは、あの由比の国道一号線というものは、私の郷里でありますからよくわかるが、年間十五日間くらい、台風あるいは高潮のときに二百メートルなり二百五十メートル、高潮のために交通不能になるのであります。幸い、国鉄におきまして、災害除去のために隧道にするということに決定いたしました以上、建設省はこの隧道に応分の負掛をいたしまして、隧道の上を国道にしていったならば——十八メートルないし二十五メートルあります——そういたしますと、高潮、台風によって波をかぶらずに、交通が途絶するようなことがないように相なりますが、これに対して、道路局長初め建設省といたしまして、十分お考えを願いたいのであります。 いま一つは、議題外でありますが、一体、建設委員会を建設省が何と心得ておるか、これであります。建設委員会というものは、予算獲得、予算審議、法案、お役所におかれましてその事業の施行に支障なからしむるように議論はいたしますが、建設委員会は政党政派を超越して協力して今日まで参っております。どの委員会を見ましても、建設委員会ほど与党野党を問わず協力しておる委員会はないのであります。ここで私は言いたいことが一つある。建設委員会に、あるいは建設行政に何ら一つの協力もせざる者が、三十六年度であるなら三十六年度の予算が、各市町村の配分、道路、河川、都市計画、住宅、この予算の配分がきまりますと——たとえば私の選挙区は五名でありますが——どこには予算が幾らついたといって、町村長のところへ全部手紙を出す。県もまだ知りません。建設委員会におる私どもが陳情に行って予算を獲得したことは知っております。しかるに、建設行政、建設委員会に何らの協力をせざる者が、自由党といわず社会党といわず、どういう関連があるか知りませんが、これを選挙区に配付したときに、あなた方は一体何のための建設委員会だと言われたときに、その代議士はどんな立場に追い込まれるか。協力せざる者に教えるだけのお考えがあるならば、どこの郡とどこの市が建設委員会のこの人の選挙区だというならば、全部プリントにして建設委員会の人たらに先に配付したらどうか。それができ得ないとするならば、この前の建設委員会のときの申し合わせのごとく、それは県の土木部長が発表することであって、何人にもこれを教えないようにしようじゃないかということであります。苦心惨たんして与野党協力しておる建設委員会の者が知らず、何ら協力せざる者のみが知って、手紙を各町村に出しておる。私の選挙区にもあります。一体、それで協力ができるかできないか。建設委員会を軽視するのかしないのか。これだけをお聞きしておきたいと思います。
○中村国務大臣 第一点の、高速道路の問題につきましては、路線等いろいろ技術上の問題もございますし、非常に重要な問題でございますので、私どもといたしましては慎重に考慮いたしたいと思います。御趣旨の点、研究させていただきたいと思います。 第二点の、隧道の問題ですが、これも実は私きょう初めて佐藤さんの御意見を拝聴しまして、なるほどそういう方法もあるのかと気づいたようなわけであります。まだ、技術方面を担当いたしております者、あるいは道路局の所管の者からも承っておりませんが、この点は一つ十分研究をさせるようにいたしたいと思います。 第三点は、私ども、どういう人で、どういうことか、さっぱり見当がつきません。ただ、建設省で各事業の個所づけ等をいたしまするについて、所在府県の土木部長とは緊密な連絡をとってやっておると思いますから、従って、県の土木部長あたりでしたら詳しい事情——これもまだ大蔵省へ正式に出しておりません段階でありますから、公表されては困ることでございますが——しかしながら、県の土木部長は、自分の県のそれぞれの事業についての大体の様子を御存じかと思うのでありますが、その他の人で、そう詳しく知っておる人はないはずだと思います。この点は、今後のこともあることでありますから、十分細心の注意を払って参りたいと思います。
○佐藤(虎)委員 ただいまの答弁では満足いたしません。とにかく、個所つけの問題については、建設委員にはその選挙区がわかっておりますから、一応プリントにして教えるくらいのことは差しつかえないと思う。特に大臣として公平に行政の運営をやっている以上、委員でない者に対して断じて教えては相ならぬということを、各部課長、所管の部下に通達を出していただきたい。もう教えてしまったものは仕方がない。同一選挙区にそういう不心得の者がおるから、政治というものが腐敗するのです。そこで、路線指定、認定については、必ず建設委員会と一応お諮りを願いたい。そこで私どもも県民の輿望にこたえるだけの議論はし、また建設当局とも話し合って、公平な運営をしていきたいと思いますから、認定については、どうか委員会にも一応お諮り願いたいということを要望して、時間もございませんから、私の質問を終わります。
○瀬戸山委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれをもって散会いたします。 午後一時二十五分散会