建設委員会 第18号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/31
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 まず、地代家賃統制令の一部を改正する法律案を議題といたします。 前会の提案理由の説明に引き続き、補足説明を聴取することにいたします。稗田住宅局長。
○稗田政府委員 ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案の提案理由の説明に補足して、説明を申し上げます。 まず、地代家賃統制令の立法の経過について申し上げます。 地代家賃統制令は、当初は、国家総動員法に基づく勅令として昭和十四年に公布施行され、戦争遂行のための物価安定策の一環として実施されてきたのでありますが、終戦後におきましても、異常な住宅難による地代家賃の急騰を防止するために継続されてきたものであります。すなわち、終戦後、国家総動員法の廃止に伴い、ポツダム勅令として昭和二十一年九月に公布、十月から施行されまして、現在に至っております。この間、昭和二十七年四月に平和条約が発効いたしまして、ポツダム勅令の根拠法でありますポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件という緊急勅令が廃止されまして、これに伴い、ポツダム勅令は、六カ月限りで効力を失うこととされましたが、地代家賃統制令につきましては、物価統制令とともに、特別の法律措置によりまして、平和条約の効力発生の日以後もなお、法律としての効力を有することとされまして、失効の時期については、規定されていないのであります。 次に、地代家賃統制令の統制対象について申し上げます。 地代家賃の統制は当初におきましては、一般物価の統制と関連してあらゆる地代及び家賃が統制されておりましたが、昭和二十五年七月の改正で統制対象は著しく縮小されまして、一時使用の土地建物及び昭和二十五年七月十一日以降新築の建物とその敷地並びに住宅外の建物とその敷地が統制対象から除外されました。さらに、昭和三十一年四月の改正で三十坪をこえる規模の住宅とその敷地が統制対象から除外されました。従いまして、現在では、昭和二十五年七月十日以前に建築された延べ三十坪以下の住宅とその敷地についてのみ統制が行なわれているのであります。 昭和二十五年七月に、同月以降に新築される建物とその敷地が統制対象から除外されまして以来、十年余になりますが、この間、年数の経過とともに新築戸数がふえて参り、また借家が朽廃等により滅失し、あるいはまた借家が持家になる等のこともありまして、現在におきましては、全体の借地、借家のうち統制対象となっておりますものは借地にあっては約半数、借家にあってはおおむね四割程度であります。 なお、これらの統制対象となっている借地借家のうち、実際に受け払いされている地代家賃の額が統制額の限度内であるものは、借地にあっては二七%、借家にあっては二二%程度にすぎません。さらに、これらのうちには、親族縁故等の間の貸借あるいは会社等のその従業員のために給与住宅等地代家賃が無料または著しく低額のものが含まれており、これらは統制額とは関係なく賃貸額が定められているものと考えられますので、これらのものを差し引きますと、統制額を積極的に守っているものは、わずかに、借地にあっては一五%、借家にあっては九%程度にすぎないという状況であります。 以上、補足して説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
○三宅委員 委員長、資料のお願いをしたいと思うのですが、発言させて下さい。
○加藤委員長 三宅正一君。
○三宅委員 ただいま御説明を承ったのですが、私どもの不勉強のせいかもしれませんけれども、私どもとすれば、地代家賃の、まだ足らぬためによる一般の値上がり、特に地価の暴騰というものが、今日非常にひどいと存じますので、これらに関する保護法規というものは何々があって、それから地価の暴騰に対してこれを制限する何らかの法規等について、これから拡充する計画があるかないか。それから、統制令のこの報告によりますと、だんだん数が少なくなってきてはおりますけれども、現実に一体どの地域とどの地域にまだポツダム政令以後の統制令が残っているか。これを廃止したあとの、少数であっても、値段の引き上げで非常に困る者があった場合の経過的な保護措置というようなものはどう考えておるか。これらの点について、一つ政府の方で、あるだけの資料を提出していただきたいと存じます。
○稗田政府委員 ただいま御要求の資料につきましては、調製いたしまして提出いたします。
○三宅委員 なお、これは一つ理事会において御相談を願いたいと思いますが、この法律も非常に重大でありますので、理事会におかれましては、公聴会なり参考人なり、相当慎重に御審議になり、かりにこれを撤廃いたしますとすれば、それにかわる新しい保護法規等についても、政府において出してもよい、われわれの方で共同で提案してもよろしいが、世界各国の事例等も参酌いたしまして、これはやらなければなりませんので、そういう点についてのお計らいを、一つ委員長にお願いしておきます。 同時に、ことしの建設省予算というものは、住宅、道路、治水に非常に大きな予算を出しておりまして、特に五カ年計画等のやり方は、格差解消という見地におきましても非常に大きな経済上の効果を持っておると思いますので、適当な時期に私は、総理大臣、それから経企庁長官、それらに出ていただきまして、一ぺん建設行政全体にわたって最終的なだめ押しを、池田総理以下にしておく必要があろうかと存じます。理事会等で御相談の上に、本会期中にそういう機会も作りまして、あらゆる大きな問題について、特に今度建政局を作られるのにあたって、中村建設大臣は遷都等のことを考えておられるということを言っておりますので、都市の配分の問題等につきましても大きく一つ、個々の法律ということでなしに、大局的に取り組む必要があろうかと存じます。その意味で、総理大臣、経企庁長官等も建設大臣と一緒に出まして、一日、建設行政全体に関する国政調査とか議論の機会を作っていただくように、委員長において理事会で御相談の上、お願いいたします。
○加藤委員長 御要望の筋は、理事会におきまして協議の上善処いたしたいと思います。 質疑の通告がありますので、これを許します。 中島巖君。
○中島(巖)委員 私が申し上げるまでもありませんが、国民生活の一番中心になるものは衣食住の問題であります。衣と食の方は大体におきまして満足な状態になっておるのでありますが、今、衣食住のうちで一番大きな問題は住宅の問題だと思うのであります。 そこで、政府は今回地代家賃統制令の一部を改正する法律案を出したのでありますけれども、これは実質において地代家賃の統制を来年六月三十日に撤廃する、いわゆる撤廃するところの法案なのであります。政府の提案理由の説明並びに本日の補足説明を聴取いたしましたところが、現在統制の対象となっておるものは昭和二十五年以前のものであり、しかも、二十五年以前のものも三十坪以下のものに限っておるのだから、統制を撤廃するこれ以上の理由を何ら言っていない。問題は、日本全土におきまして住宅事情がさように緩和しておるかどうか、この一点が中心の問題になると思うのです。ところが、説明においても、補足説明においても、日本全土の住宅事情、もしくは市街地の住宅事情、これが緩和されて統制を撤廃していい時期になったという何らの理由もここに述べていない。従いまして、現在の日本の住宅事情及び東京都の住宅事情、現在の住宅の不足戸数はどうあるか、こういうような基本的の問題について、政府の自信のあるところの説明を第一番にお聞きしたい、かように考えるわけであります。
○稗田政府委員 住宅事情についてのお尋ねでございますが、もちろん住宅難の解決というのが今日達成されておるというわけではないのでございますが、ただ、終戦当時緊急にこういう措置をいたしました場合の住宅事情と比べますと、かなり改善してきておるのではないかということでございます。 それから、二十五年の七月十日以前のものにだけ依然統制をかける、その後十年も経過しておるわけでございまして、統制の一つの技術といたしましても実効を上げにくい状況になっておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、実情につきまして、積極的にこの地代家賃の統制を守っておるというように考えられる比率につきましても、家賃につきましては九%程度が守っておるように考えられる。地代につきましては一五%というようなことでございまして、他は実際に受け払いされております地代家賃というのは統制額をこえておるわけでございます。 それで、われわれといたしましては、民間の貸家企業というものの育成も住宅難解決には大きな役割をするかと思うのでございます。従いまして、この統制令がもはや実際の効果をあげていない、あわせてまたそれが地主、貸家企業を営んでいる方々にとっては、ある種の負担を加えておるわけでございます。むしろ、そういった負担を取り除きまして、今後貸家企業というものにつきましても大いに積極的に促進されるような措置を行なっていきたい、かように考えておるわけでございます。
○中島(巖)委員 今、局長の答弁を聞いておりますと、民間で借家の建てられるような措置を講ずるということが根本問題のようですが、私のお聞きしておるのは、日本全土において住宅がどれだけ不足しておるか、ことに大都市なんかはどういう状態になっておるか、この点をお聞きしておるのであります。日本全土における住宅事情とか、あるいは東京都における住宅事情とかいうものについて、政府の自信のある御答弁をお願いしたい。
○稗田政府委員 住宅のいわゆる不足戸数というので、従来住宅難の一つの尺度を数字的に現わしておったわけでございます。これはどういうことかと申しますと、非住宅に住んでいる、同居に住んでいる、老朽住宅に住んでおる、それからまた、非常に狭いところに大ぜいの人数が狭小過密という形で住んでおる、この四つの種類について客観的な標準をきめまして、それによって調査した該当の世帯というものから不足戸数を算出いたしておるわけでございます。三十三年の十月に行ないました総理府の調査によるところの統計によりますと、三十三年の十月の不足戸数と申しますのは、二百十六万戸ということになっておるわけでございます。その後、今年度末までの建設されました戸数、さらに世帯がふえた数等を勘案いたしますると、現在におきましては、この三月末で不足戸数は百八十万戸というように考えられるわけでございます。 ただ、この場合、先ほど申し上げましたように、住宅の質の水準というものを、戦後に定めましたところの非常に窮迫した時代における居住水準できめておるのでございます。狭小過密と申しますのは、九畳未満の住宅に一人当たり二・五畳以下の住まい方をしておるというような、非常に低い住宅水準でとらえておるわけでございます。それで、今後の所得の伸びに応じて、一般に戦後に比べて国民生活はかなり向上して参っておりますので、九畳未満で一人当たり二・五畳以下という住まい方では、もはや国民の要望に沿えなくなってきておるわけでございます。そこで、九畳未満のところに二人以上住んでおる世帯、また十二畳未満のところに四人以上住んでおるというような世帯、こういうものを住宅難世帯、過密居住であるというようなとらえ方をいたしますると、不足戸数というのはさらにふえて参るわけでございます。それで、そういった国民生活の居住水準を引き上げるという積極的な前向きの考え方で考えますると、本年のこの三月末における住宅不足戸数と申しますのは、約三百万戸程度に考えられるわけでございます。これらのことを長期計画といたしまして、十年間に一世帯一住宅の実現をはかろうと考えておるわけでございます。 なお、地域的な今の不足戸数の状況でございますが、地域的にも把握はしてございますけれども、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、後ほど申し上げます。
○中島(巖)委員 こまかいいろいろな質問は、また後ほどに譲ることにいたしますけれども、今、局長の答弁から見てもわかるように、日本の住宅事情というものは、まだまだ非常に困難な状態だ。ことに東京都なんかは、過去の例から見ましても、年々二十三万ないし二十五、六万の移動による人口増になっておる。こういうような情勢で、現在の政府の施策住宅もこの増加する人口に追いつかぬという状態でおるわけです。そこで、この家質の統制令を撤廃することは、直接この中に入っておる者だけでなくして、間接的に非常に各方面に対する影響が大きい、こう思うのです。 外国なんかの事情も調べてみますと、日本の住宅事情と比べて外国の住宅事情はどういうふうになっておるかというような点について、まだはっきりした資料もありませんけれども、日本の住宅事情よりもずっと住宅事情の進んでおるところの外国においても、家賃に対する統制令はあるわけです。ことにスイスのような、百二、三十年にわたって戦争を一回もせぬところの、いわゆる戦火が全然なくて、そして生活水準のうんと高いところにおいても、新築住宅に対しても家賃の統制令がしかれておる。また、フランスやイギリスにおきましても、この統制令は、一部改正をしたけれども、現在なお残って統制を続けておるというような状態なんです。従いまして、日本のような、ただいま説明のあったような窮迫したところの住宅事情下において、何らの暫定的な法案もなくして、地代家賃統制令を無条件のもとに野放図に撤廃することは、非常に大きな問題であると私は考えるのです。今後われわれも十分研究して、政府の所信をただしたいと考えますけれども、大ざっぱなアウトラインとして、今全面的に地代家賃の統制令を撤廃するということは、どう考えても無鉄砲な政策である、こういうように私は考えるわけであります。 本日は補足説明があっただけですから、ただ簡単な質問にとどめておきますが、なお市街地改造法案に対する質疑なども、岡本委員初め数多くありますので、いずれ次の委員会におきまして、資料もいただいたりして、詳細な質問をいたしたい、かように考えるわけであります。
○逢澤委員 関連質問でありますが、ただいま中島委員の方から、地代家貸統制令の撤廃に対して時期尚早のようなお話がありました。私は拝聴いたしまして、残念ながらこの御意見に反対せざるを得ないと考えるのであります。中島君は土木建築のことについては非常に造詣深く、かつ常識的に非常な調査をいたしてきておる。私は常にそうした問題に対しては敬意を表しておる一人でありまするが、住宅事情が今日やや緩和しておるということは、これは中島君も認められるところであろうと思います。これは、何ゆえに住宅事情が緩和しておるかといえば、政府も、皆さん方の御協力によって、毎年々々公営住宅ないし住宅問題に対しての投資を相当盛んにやっておる。こういうような結果、法的なり、資金の放出によって、住宅事情が緩和しておるということも、これはいなめない事実である。 しかしながら、一体日本の住宅事情というものが、戦後何ゆえにかくのごとく非常なスピードをもって逼迫したかといえば、これはこうした統制令があったから、それがために逼迫したのです。(「戦争で焼けたからだ。」と呼ぶ者あり)戦前のような自由競争でやる時代であったら、それぞれの立場において、これまで逼迫したことは歴史の上にないのです。しかしながら、これは戦争に負けて焼けたということも原因の一つでありますけれども、極度に借家制度というものを無視しておる。従って、個人の民間人の住宅経営というものがゼロになってしまった。そういうような結果、民間人の住宅経営に対する関心というものがゼロになってしまった。それがためにこういうような大逼迫を告げたということは、中島君や、この問題に対して関心を持っておる諸君はよく御承知だと思います。 しかるに、いつでしたか、二、三年前にこれらに対する特例を設けて、今後建設する住宅に対してはこの統制令を適用しない、こういう法律ができましたのを契機に、非常に建築ができておる。従って、それに刺激されて今日はやや緩和しておる。やや緩和しておる事態を招来したということは、この統制令を撤廃したから、民間人の借家に対する意欲というものが非常に旺盛になった。 従って、今日、私どもここにおりまして、中島君とともに、借家、住宅事情の緩和に対しては微力を尽くしておる。尽くしておりますが、現在の法律で戦前に持っておった住宅、これを維持することがどうしてできますか。維持をするということは絶対にできないはずです。壁の一坪を修繕するのにも一年分以上の家賃が必要になる。従って、現に保有しておるところの家は、むしろ家主からいったら、ない方がいい。あるということは負担になってきている。これが実情です。従って、高率の家賃をとるということは反対だけれども、今新設しているものと、従来持っておるものとの適切な調和をはかって、そうして現在あるこの家を、今後三年もつものなら、それを十年も二十年ももてるようにする。新しく建設することと同時に現在の家屋を保護する、これをやっていくことが必要であろうと思う。従って、それをやるには、やり得るような法制化をやる必要がある。従いまして、この統制令を撤廃しても、その次に当たるべき手段がある。この統制令によっていつまでも統制をやっておるということは、政府の機関だけに依存するということだけなんです。民間の住宅に対する意欲というものがゼロになっておる。とにかく、民間における建設ということに対する意欲を旺盛にする必要がある。それをやっていくのには、この統制令を撤廃する必要がある、このように私は存じております。 関連でありますから、私の意見だけ申し上げておきます。
○佐藤(虎)委員 関連して。私は住宅局長に一言お聞きしておきたいと思うのです。私は去年、おとどしと海外旅行して参りましたが、ヨーロッパにおいてしかり、アメリカはもちろんでありますが、あれだけの鉄筋コンクリート、あるいはれんが、この洋館が五百年、七百年たって、まだ今日取りこわして改築しなくてもいいものを、政令をもって、こういうものは危険であるからこれをこわして改築せよ、ということをやっておるようであります。日本のようにマッチ箱のようであって、老朽の家屋が、改築命令も政令もなく、そのまま存続しているということでは、特に日本のごとき火災あるいは地震、こうした場合に、非常に人命に支障を来たすようなおそれがあるのじゃなかろうか。こういうことを考えるときに、日本では老朽家屋の取りこわし、改築をするということの命令を出す意思があるのですか、ないのですか。それを伺いたい。
○稗田政府委員 お尋ねの点につきましては、建築基準法の第十条にございますが、「著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合においては、当該建築物又はその敷地の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限をつけて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他保安上又は衛生上必要な措置をとることを命ずることができる。」という条文がございます。ここに著しく保安上危険であるというような場合がございますれば、除却命令を、建築基準法の施行を担当しております地方の特定行政庁におきまして命令が出せるようになっておるわけでございます。 なお、政府の施策といたしましては、そういう老朽をした建物でありまして、衛生上有害であるという建物が集団的に固まっております場合には、昨年御審議をお願いいたしまして成立いたしましたところの住宅地区改良法によりまして、地区を指定しまして、地方公共団体がこれを除却しまして、健全な住宅街を造成するよう事業を始めておるわけでございます。
○佐藤(虎)委員 その「著しく」という限度ですが、それは一体調査機関はどこがやるのか、これが一つ。特に日本のごとく地震の多い国、また木造家屋であるためにイエダニあるいは南京虫がおるというのが現在の実情ではなかろうかと私は思っております。こういうものを、著しくといっても限度がありますが、これの調査機関はどこにあって、どの程度が一体著しいというのであるか。 それから、これに対しまして改築する場合、政府は一体低利の金を貸し与えるのかどうか、これが二点。 それから、今日ここに出て参りました、地代家賃統制令をまず一応撤廃しようということでありますが、新築、改築いたした場合には、以前の家賃と同じようなものになるのかならないのか。また、新しく建つのであるから新規家賃として取り立てることができるのか。これが骨子だろうと思います。 現在私の聞いておるのに、まず畳の数でいうならば、二十四、五畳あるのが現在東京都内においては二千五百円くらいが最高であるようであります。間借り一ついたしましても、畳一畳につき千円であります。二十畳が二千円、従って、その修理もでき得ざるような実態であります。もちろん畳がえなどは、少なくとも二年に一回くらいはやらざるを得ない結果になります。こうしたものが、現在のような統制のワクに入っておってでき得ない場合に、その家主は相当の批判を受けます。 けれども、私の一番聞きたいことは、外国においては、あれだけの鉄筋コンクリートで、まだこんなものをこわさなくてもいいではないかと思われるようなものでも、こわさせて、改築させておる。だから、今度の地代家賃統制令を撤廃するとともに、老朽家屋を改築する場合に、政府は低利の金を貸し与えてやる意思があるかないか。この三つをひとつお聞きしたいと思います。
○稗田政府委員 最初に、先ほど申しました基準法の十条によりますところの、著しく危険であるという判定の問題でございます。この判定は特定行政庁が行ないますもので、特定行政庁と申しますのは、大体は都道府県知事が基準法を施行しておりますので、知事の認定によるということになります。五大市におきましては市長の認定ということに相なっておるわけでございます。 なお、この住宅地区改良法の施行の場合でございますが、集団的に不良住宅が集中しております場合、これは住宅地区改良法に基づきますところの政令、省令等によりまして、判定の問題をこまかに点数制で採点するように行なっております。従いまして、その標準によりまして地方公共団体の方で採点をいたしまして、地区の指定を建設大臣に申請してくれるということになるわけでございます。従いまして、地区を指定いたしますのは、最終的には建設大臣の権限でございますので、責任としましては建設大臣の責任ということに住宅地区改良の方は相なるわけでございます。 それから、不良住宅あるいは老朽住宅を建てかえました場合の家賃の問題でございますが、現行の地代家賃統制令におきましても、昭和二十五年七月十一日以降の建築行為にかかわるものにつきましては統制を受けておりませんので、新しく家賃が定まるわけでございます。 なお、この住宅の資金につきましての融資等でございますが、これは、たとえば住宅金融公庫の中高層耐火建築物に対する融資等も、その借家の建っておりますところの立地条件によりまして、これが融資を受けられるわけでございます。なお、住宅金融公庫の融資制度の中には、中高層の耐火建築物ばかりでなしに、個人の貸付等もございます。それらは自分の持ち家を建設するという方々に貸し付けておるわけでございます。また、住宅協会、公社等、地方公共団体がその除却しました土地を買い受けて、そこに鉄筋のアパートを建てるというような場合におきましては、低利の長期の金を貸しておるわけでございます。この場合は公的な賃貸住宅を経営していく建前でございますので、家賃等につきましてはかなり厳格な制限がございます。そのほかに全貸し等の制度もございまして、同じく五分五厘という低利長期の金を受けるわけでございますが、低利の資金を貸しておるものでございますから、民間の法人の経営になりましても、家賃の制限はつくことになっておるわけでございます。法律上から申しますと、除却命令を出しまして、それについての融資という結びつきはございませんけれども、同じ政府の施策でございますので、運用上よろしきを得て、そういうような命令によって除却されるというようなものにつきましては、時宜に適したような貸付ができるものと考えております。
○佐藤(虎)委員 計画局長に一つお尋ねしておきたいのですが、今日都市で一番悩んでおるのは都市計画であります。これが、地所は上がり、家屋の移転はいやだという、これは非常に計画局長もお困りになる。各府県の都市が、都市計画線は引いてあるが、地代、移転等の問題で非常に複雑であるために、交渉難に陥って、この計画を遂行することができないというのが現在の実情であります。そこで、都市計画をされてある以上もうやむを得ないのだという気持は、お互いに持っております。また、交通ひんぱんなるがゆえに早くしてもらいたい、ただしその補償費ではとうてい新しく家を修理し、建てるだけの金はもらえないのだ。そこで、しからば持ち金があるかないかという議論になると、金がない。しからば借りなければならないが、なかなか民間では貸してもらえないというので、まず一年も延ばした方がいいであろうというので、今日都市計画の遂行に大きな支障を来たしております。都市計画を実施して移転する場合に、せめては愛の手を伸ばして、これらに融資のあっせんをし、住宅金融公庫なりから長期にわたってこの融資を受けられるような便法を与える気持があるかないか、これを一つお聞きしておきたい。
○關盛政府委員 ただいまお尋ねの、都市計画事業の実施のために土地等を提供することとなる人々の問題でございますが、都市計画事業を実施するためには、それらの公共施設の用に供することとなる土地、物件等につきましては、適正な補償をいたすことになっております。現在の補償の方式による用地取得、これ以外につきましては区画整理という方法がございますが、なお都市計画事業としての住宅等が取得せられたという場合におきましては、公営住宅による入居の制度がありますけれども、住宅金融公庫についての問題についてお話があったわけでございます。これは、最近の東京都のような場合につきましては、新聞等で御存じの通りに、放射四号線の道路拡幅のために、東京都が住宅公社を作りまして、そして住宅公社が付近地に、それら道路用地となる人々が入居するところの建築物を作りまして、そうして集団的に入居せしめるというふうな方式も加味いたしまして、その中には住宅金融公庫の中高層資金を都が入手いたしまして建造いたしまして、それら関係者に入居せしめる。こういうふうな方法によりまして、かなり集団的な被補償者に対する対策を講じておるのが、大都市における最近の実情になってきております。
○佐藤(虎)委員 集団的々々々と申しますけれども、都市計画によって移転せざるを得ない場合、現在は木造であるが、今後は不燃建設でなければいかぬというように一般の国民は認識を新たにしております。そこで、この都市計画の一つの犠牲になるというか、移転する場合に、移転補償費はもらったけれども、それだけではとうてい家が建たないのだ。これらの問題について連名で保証する、これならば公社が貸せる、こういうように私は今聞いたのですが、そうでなくて、もう地所もなくなってしまったのだ。たとえば現在四・五メートルしかない道路、これを都市計画によって十五メートル、二十五メートルにされる。当然、おのずと地所がなくなります。これは、新しき地を求めて住宅を建てなければならぬ。この補償費は出してある。けれども、こちらの方の地所は坪三万円でとられたが、今度は、行こうと思う所が都市ではどんな山間のところに行っても、三万円や四万円はします。同じ勘定になるが、しからば現在補償費が——移転家屋の補償費にもよりますが、大体一万円か一万二、三千円であります。多くて一万七千円くらいじゃなかろうか。静岡県あたりはそうであります。その場合、現在木造で建てて坪四万円といったら、まず細い竹のような柱をつけなければならぬ。大体五万円というのが見当ではないか。そうした場合に、補償費は少ない。家は建てたいけれども、補償費だけでは建てられないからというので、なかなか移転をしないというのが現在の実情である。そこで、現在不燃化建設指定地でなければ、いわゆる中高層のお金は借りることができない。都市計画によって、りっぱな交通の至便をはかるために犠牲になり、これが不燃化建設指定地でないために中高層のお金も借りることができない。こういうのが現在の区画整理の大きな隘路ではなかろうか。しばしばこの陳情を受けております。建設省当局としても、これらに対して愛の手を差し伸べると同時に、協力を求めるために、家屋の移転の場合には、中高層を建てようとする場合には優先的にその資金を貸し与えてやるという気持があるかないか。この辺をお尋ねしておきたい。
○稗田政府委員 お答え申し上げます。 住宅金融公庫の融資の中にいろいろの制度がございます。個人の持家の建設資金の貸付でございますが、この中にはもちろん木造のものも、耐火構造のものもございます。それで、都市計画事業によりまして移転を命ぜられた者等につきましては、優先的に扱いまして、一般個人の住宅の中にワクを設けて、そのワクで優先的に貸付をいたしておるわけでございます。建てる場所が防火地域であれば、もちろん法律に基づいたところの耐火建築の融資をいたすわけでございます。それから、防火地域の制限のかぶっていない場所におきましても、建てる当人の方が耐火構造を望んでおれば、都市不燃化という見地から、耐火構造の単価の融資をいたしておるわけでございます。都市計画関係につきましては、そういうような優先的な取り扱いを現在いたしておるわけでございます。
○瀬戸山委員 今の佐藤委員の御質疑に関連して、これは計画局とかあるいは住宅局という限定をしないで、一ぺん考えてみなければならぬことがあるのじゃないかと思う。それで、政務次官が一つ全部を総合した意味でお答えできれば、この際考え方を聞いておきたいと思う。というのは、今お話がありましたが、こういうことは、御承知のように、道路その他の公共事業が非常に促進され、道路の拡張あるいは都市計画による街路の拡張、それに伴って家屋の移転、改築等をたくさんやらなければならぬ実情であります。そこで今、大都市における集団的云々というお話がありましたが、大都市ばかりでなくとも、中小都市におきましても、都市計画事業以外の道路の拡張、あるいは都市計画による街路の拡張等によって家屋の構造を変えていくわけでありますが、現在実情を見ておりますと、たとえば道路を拡張する。土地の補償はなるほど適正補償ということになっておりますが、市価で売買されるような補償は事実上なかなか困難でありますし、そこまでいっておりません。その問題は、了解が得られる程度の補償が最近行なわれておりますから、これは言いませんが、さて、家屋の問題になりますと、御承知のように、一部切り取りの補償、あるいは解体改造の補償、あるいは解体移転の補償ということで家屋の問題を処理いたしております。ところが、その補償は、非常に厳密な計算をされておるのは当然でありますが、これは一部切り取り補償だからこれくらい。しかし、ずっと長い間住んでおりました商店等を解体する、あるいは一部切り取り、改造するというときには、なかなか役所式に査定したばかりでは実情に沿わないのが実情であります。と同時に、最近の傾向として当然でありますが、この際何十年ぶりに家をいじくるといいますか、改良する場合には、できれば不燃化建築にいたしたい。もう少し欲をいえば、これを立体的に土地を高度に利用いたしたい。これは国全体からいっても非常にけっこうなことであるし、また個人の立場からいっても、この際一つ奮発してそうやりたいという気持を多くの人々は持っておるわけであります。ところが、そういう問題は国の補償の場合には考えられておりません。これは当然のことであります。 そこで、今、中高層の話がありましたが、それでは市街地等において住宅金融公庫、あるいは住宅公団で何とか方策をしようということで、一部やっておるのでございますけれども、御承知のように、半分は住宅でなくてはならぬということで、住宅は要らないけれども、それを借りるためには住宅分を何とか設計の中に入れなければならない。あるいは物置に使っても住宅の構造にしておかなければならない。こういうことで、道路の拡張あるいは区画整理の事業の影響を受ける人は苦しんでおるのが実際の姿であります。国全体あるいは地方の改良のだめにやるということでしんぼうはいたしておりますが、しかし、国のためであるとかあるいは地方のためであるとか、日本の発展のためであるとかいうような大事業をするときには、やはり実際の事業の影響を受ける人が、いやいやながらしんぼうを強制されていくということは、これは少し考え直さなくてはならないのではないかということを最近考えた。そこで、住宅金融公庫からそういうものを今変えなさい、あるいは住宅公団の方で何とかしなさいといっても、今の制度ではできませんから、計画局でやるとかあるいは住宅局でやるとかいう考えでなしに、国の大事業のために家をいじくるという場合には、しかもこれを改良して不燃建築にするというようなときは、個人のためばかりではないのでありますから、そういう際にはある程度の低利の資金を貸して、市街地の改造をうまくやっていく、道路の改造もスムーズにいくように、総合的にやる。道路だからやるのだ、従ってお前たちはこうせい、あるいは土地の区画整理を都市計画でやるのだから、お前たちはがまんせいということでなしに——がまんをしますけれども、一面においては、もう少し改良したいい家を建てて、不燃都市を作るというようなことに率先して努力していくように、やはり総合的に考えてやるのがいいのじゃないかということを、このごろ痛切に感じております。 そこで、方法は検討しなければなりませんけれども、住宅金融公庫で、住宅ということでなしに、そういう公共事業に伴って改造するような場合には、それはもちろんある程度の規格と条件が要りましょうけれども、不燃建築をするときには低利の資金を貸すから都市計画事業あるいは道路拡張事業に協力してもらいたい、こういうことをやる必要があると思う。総合的に道路の問題、区画整理、都市計画事業の問題も、実際にそれを受ける人たちの立場になって、別の方面においてもやりやすいようにして、しかも、個人的にも、地域全体のためにも、早くそういう仕事が進むようにする総合性を持った政策が必要じゃないか、こういうふうに思う。今まで住宅々々といっておったが、住宅がなければ貸せない、これもいいですよ。住宅金融公庫なら住宅金融公庫に別ワクを立てて、何億か何十億か知りませんが、こういうものについてこの資金を貸します、家の問題については補償は別にいたします、補償金だけではそういうことはできないと思うから、そういうものにはこれをやります、うまい町を作って早く協力して下さい——ここまでやるべきだと私はこのごろ考えておる。これについて、今すぐそうやりますということもできないでしょうが、ぜひ来年度あたりからそういう道を開くように考えてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
○田村政府委員 ただいまのは、特に店舗に関する御意見だったと思うのでありますが、確かにげたばき住宅のような場合には金融の道が開けておって、店舗というとそれがうまくいかない。私も政務次官を拝命してから、こういう陳情をしばしば受けておりまして、いろいろと担当局長にも、そういう同様の意見を申し述べておったのでありますが、これはぜひやらなければならぬ問題じゃないかと思います。さっそく住宅局長、計画局長を交えまして、大臣にも私からよく進言いたしまして、御趣旨に沿い得るような努力を十分いたしたいと思います。
○加藤委員長 石川次夫君。
○石川委員 先ほど中島委員と逢澤委員の方から、地代家賃統制令の撤廃の問題に関する質問がありました。私、きょうこの件について質問して御答弁をいただこうとは思っておりませんけれども、問題の所在というものを一応ここで羅列いたしておきたい。これは住宅局長単独で答弁のできる問題ではないと思う。計画局にも関係があり、建設省自体の問題でもあり、さらに政府全体が考えなければならない問題であると思いますので、きょう私が申し上げたことについては、速記録によって、この次一回だけではどうかと思いますけれども、順次御答弁の用意を願いたい。 と申しますことは、今家賃が不当に低いというふうな問題が提起されました。私もわずかばかりの土地を持っておりますから、その事情というものは若干わかります。これは、たとえば個人賃貸所得というものが、戦前は全体の所得の一一%内外というのが、最近では一・五%内外というような数字から見ても明らかに看取できることであると考える。しかしながら住宅問題は、住宅だけでなくて、たとえば工場用の土地あるいは会社の土地というふうなものが膨張することによって、地価が非常に暴騰するということからくるのが一番大きな原因である。従って、この地価をどうやって抑制するかという問題が、建設省というよりも、政府全体としては非常に大きな問題として取り上げなければならぬ重大問題であります。ただいま出ております防災建築街区の問題、公共施設の整備に関連する市街地改造の法案、さらに公共用の土地の取得の問題が今回の国会に提案をされるという運びになっておるように聞いております。その他一連のもろもろの法案というものは、いわば公共用地というものを獲得をして再配分をするというふうなことで、土地の取得を簡易化するということでありますけれども、しかし、ほんとうに必要なことは、地価をどうやって抑制するかという基本の姿勢を正さなければ、本末転倒の対策だと言っても過言ではないと思う。従って、私の申し上げたいのは、地価を抑制するという対策をどうやってとるかということについての問題点を若干提起したいと思いますので、この次、これらについて御答弁を願いたいと考えます。 と申しますことは、地価とは一体何だということから出発していかなければならぬということになります。さらに、地価がどうしてこのように高騰してきたのか、その原因は一体どこにあるかという問題を解明しなければならぬ。従って、その次にくるのは、今度は、地価が高騰することに対する抑制策というものは一体どういうふうにすべきか、ということになってくると思います。 これを一々こまかに申し上げますと、何時間たっても尽きない。従って、簡単に申し上げますと、三十年ごろから急騰したと思われることの原因としては、いろいろ言われておりますけれども、まず第一に、人口が増加をして都市に集中したということ。その次は、住宅が不足して、特に東京、六大都市は全国平均よりはるかに上回って、二二%から、一五%程度の住宅の不足率を示しておるという問題がある。それから、技術革新というものが一つの大きな原因になって、経済成長に伴って会社とか工場が非常に拡張しなければならぬというような状態になったという理由。それから、衣食というものが大体戦前に戻って参りましたけれども、住宅だけが取り残されたということで、住宅に向かって急に昭和三十年度ごろから、欲望というか、住宅を獲得したいという方向に意向が向いてきたというような社会情勢、これにかてて加えて非常に悪い条件としては、値上がりを見込んで土地ブローカーというものが暗躍しておるということが、土地高騰の一つの原因になっておると考える。しかしながら、この中でどれがどの程度のファクターを占めておるかということを把握することが、高騰の理由をつかまえる場合には一番必要なことである。この点についての建設省の所見を伺いたいと考える。 さらに、地価とは一体何かということになりますと、これも綿密に余剰価値論でも展開するのでなければ容易なことではありませんけれども、そこまで厳密でなくても、土地のすでに取得した金額、利子、分譲の施設費、公租公課あるいは管理の実費、地代、適正利潤、それに物価指数その他もろもろの要素というものが入ってきます。こういうものの中で、はたして個人に帰属すべきものはどれとどれか。それから、大きく社会の方に帰属すべきものはどういうものか。孫文が言っております地権平均説では、この中で投下資本と労働というものが本人に帰属すべきであるが、それ以外の社会環境の変化に伴って高騰した部分というものは国家に帰属せらるべきものであるという、単純であるが明快な理論というものが一つ出ております。従って、地価というもののファクター、地価の中で個人に所属すべきものと国家に所属すべきものとの分離をどこにめどをつけるか。こういう基本的な考え方というものが明確にならないと、地価に対する対策というものは、はっきりきまってこないと考える。 それから、対策としてはいろいろ考えられておりますけれども、これはそちらの方が専門でありますから別に申し上げる必要はありませんが、非常に常識的に考えておりますことは、今度の法案にも出ております、土地を一括買い上げることによって再配分をするというような考え方が一つ出ておるのであります。それから、地価を何とか統制をしよう、それから土地の価格が増加した分についてはこれに対した税金を課すという問題や、あるいは土地を取得した場合にはそれに対してそのつど税金を課すという考え方、それから休閑地の未利用の分については税金をかけようというようなのが、現在大ざっぱに考えられておる案でありますけれども、これに対してはそれぞれまた非常な異論も出ておることは、私から申し上げるまでもないと思います。 ところで、それよりももっと基本的な対策としては、都市計画という問題をうんと国家的な立場から考えて、経済都市と政治都市とに分離しなければならぬのじゃないかというような大きな提案が別な面から出ておるわけであります。それから、工場の分散と農村人口の都市移転をいかにして防止するかという問題やら、民間の資力によって貸家をさせるための、供給を増すための国家的な具体的な助成策というものが必要なんじゃないかというような問題も出ておりますし、補償基準を統一して、補償金庫というものを設けるというふうな案も出ておるようであります。さらに、評価機関というものを設置しなければならぬ。これはちょっと話が横道にそれますけれども、ドイツあたりでは、古くから第三者的な不動産の評価機関というものがありまして、そこで評価したものに基づいて売買するという、国家的な権力によって相当大きな規制が加えられておる。これは日本では全然考えられておりません。そこで、考えなければならぬのは、たとえば株の売買というものは相当大衆化されておる。大衆化されたといっても、国民全体の中の二割内外というようなことが統計で明らかにされておる。しかしながら、この二割程度の株の売買に対してはどこが規制するかというと、大蔵省が直ちに出ていって株の動きに対しては厳重な抑制といいますか、監督といいますか、そういう立場をとっております。しかし、地価がこのようにどんどん値上がりをするということに対して、国家としては今まで手をつかねて、これに対して何ら抑制策を講じなかったということは政府の怠慢でもあり、責任でもあると私は考えております。われわれの方の立場からいいますと、この土地の値上がりによって、不労所得を得るという階層というものは相当あります。たくさんの土地を占めておる会社、工場というものはそうでございますが、新たに不動産を確保することによって新たな利益を得ようとする私鉄関係、それから貿易会社の丸紅とかその他東洋棉花とか、そういうところが最近は不動産の問題に手を出すようになったということで、これらが土地の値上がりを待っておるという格好になっている。そういう人たちの利益を代弁するということになると、知らず知らずのうちに土地の値上がりに対する抑制策を講じないという、結果的にはサボタージュをやってしまうということになるのではないか、こういうようにわれわれは勘ぐらざるを得ない。従って、どうしてもこの際、土地を強制取得という形によって再配分をするという、逆な形で土地の値上がりの抑制策を考えるということでなくて、もっと真正面から取り組んだ地価抑制を考えねばならぬのじゃないか。そのためには、今言ったように、不動産の評価機関というものが必要であろうし、それから、官庁だけが考えることでなくて、民間との大きな総合機関としての地価抑制対策、あるいは土地造成、あるいは土地取得というものに対する一つの協議機関というものを、国家的な規模において設けることがどうしても必要ではないか、こういうようなことも考えられますし、そのほか、いろいろな各土地々々に対して土地の標準価格というものを国家の力によって示して、そのプラス・マイナス何%以上の売買は認めないというようなことも考えていかなければならぬ。これはなかなかむずかしいことでありますけれども、しかしやらなければならぬことではないか、こう考えるわけです。 そのほかにも、いろいろ問題がたくさんありますけれども、地代家賃統制令を撤廃するという問題それ自体の出た意義はわれわれも理解できないことはない。理解できないことはないけれども、それ以前の、地価に対してどうするかという基本的なかまえというものをきめないで、こういう枝葉末節だけをいじることに対しては、われわれはどうしても賛成できないので、この地価に対する考え方というものを、この際政府の責任において一つ明快にしてもらいたい。そういうことに基づいて、もろもろのあとから出てきます市街地改造法の問題、あるいは公共用の土地の取得の問題というものも、ここから出発しなければならぬ、こう考えておるのであります。きょうは、住宅局長あるいは計画局長個人の意見をここで徴そうとは考えておりませんので、こういう問題点を、そのほか言えばたくさんありますけれども、速記の方で読んでいただいて、これらの点について、一つ皆さんの御意見を伺いながら、今後の法案について対処していきたい、こう考えるわけであります。
○加藤委員長 石川君、答弁はいいですか。
○石川委員 いいです。速記録によってやって下さい。
○加藤委員長 次会は四月五日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会