建設委員会 第9号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/01
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 建設業法の一部を改正する法律案並びに公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案を議題といたします。 政府当局より逐条説明を聴取いたします。 關盛計画局長。
○關盛政府委員 ただいま議題となりました公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案につきまして、逐条説明を申し上げます。 第一条は、この法律の目的を定めたものでございまして、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関し所要の事項を規定することによりまして、道路、広場、その他の都市公共施設を整備いたしますとともに、都市生活を快適ならしめるために、環境の整備を行ない、都市の機能を維持増進し、公共施設の整備との関連においてこれに隣接する市街地の不燃化、高層化を行なうことによりまして、市街地における狭隘な土地の合理的利用をはかり、あわせて公共施設用地を合理的に確保することを目的といたしておるのでございます。 第二条は、この法律において用いている特別の用語の意義を定めたものでございます。 第一号は、市街地改造事業について定めたものでありまして、その内容は、道路、広場等の公共施設の用に供せられる土地及びその付近地におけるこれらの公共施設の整備と建築物及び建築敷地の整備とに関する事業並びにこれに付帯する区画街路等の整備その他の事業を含んでいるのであります。 第二号は、建築施設整備事業について定めたものでございまして、市街地改造事業のうち建築物及び建築敷地の整備に関する事業をさすものでありますが、建築敷地用地の取得は、公共施設用地の取得とあわせて行ないますことが適当でありますので、これを建築施設整備事業の内容から除外いたしておるのでございます。 次に第五号は、公共施設について定めたものでありまして、その具体的な範囲につきましては、政令で定めることとしております。 次に、第九号及び第十号は、それぞれ借地権、借家権について定めたものでありまして、借地法、借家法の適用される範囲と同一のものといたしております。 次は、第三条について申し上げます。 第三条は、市街地の改造に関する都市計画を決定する場合における地区の要件を定めたものであります。第一号は公共施設の整備が要請されていることを、第二号は都市計画上用途地域制の確立されている地区であることを、第三号は土地の高度利用化、都市の不燃化を要請されている地区であることを、第四号は土地の大部分が二階以下の木造建築物によって利用されている現況にある地区であることを、第五号は公共施設の整備に伴い不整形な残地または過小残地を生じ、そのため市街地の環境が著しくそこなわれるおそれがある地区であることを、第六号は土地区画整理のみによっては土地の合理的利用の増進をはかることが困難である地区であることを、それぞれ要件として規定しているのであります。 次は、第四条でございますが、第四条は、市街地の改造に関する都市計画の内容の基準を定めたものでございまして、第一号は、公共施設の整備に関しては、既存の都市計画の内容に従うべきことを規定いたしております。第二号は、建築物の整備に関しましては、公共施設の整備によって生ずる空間の有効利用と建築物の隣棟間隔を確保することを考慮して健全な高度利用形態となるべきことを規定いたしております。第三号は、建築敷地の整備に関しましては、建築物の健全な高度利用形態と適合した街区が形成されるべきことを、それぞれ基準として規定しているものでございます。 第五条は、市街地改造事業は、総合的な都市計画の見地から施行されることが必要でありますので、都市計画事業として施行する旨を規定いたしたものでございます。 第六条は、市街地改造事業の施行者について規定したものでございます。 第一項は、市街地改造事業は、ただいま申し上げました通り、都市計画事業として施行することにいたしておりますが、その施行者は、従来の都市計画事業の施行者について規定いたしております都市計画法第五条の規定の適用を排除し、本条の第二項及び第三項の定めるところによることといたしたのでございます。まず、第二項におきまして、公共施設の管理者であるまた管理者となるべき建設大臣、都道府県知事または市町村長あるいは公共施設の管理者であるまたは管理者となるべき都道府県または市町村で建設大臣に市街地改造事業を施行することを申し出た者が施行することとし、第三項におきまして、第二項第一号の行政庁である施行者が施行する場合におきまして、その事業のうち建築施設整備事業につきまして、一定の場合にその行政庁の統轄する都道府県または市町村が申し出により施行することができることといたしております。 次は、第二章に参りまして、第七条は、市街地改造事業の施行の準備またはその施行のため測量または調査を行なう必要がある場合における他人の占有する土地への立ち入り等について定めたものでございます。 第八条は、他人の占有する土地に立ち入って測量または調査を行なうにあたって必要が障害物の伐除及び試掘等についての規定でございます。 第九条は、ただいま申し上げました土地の立ち入り等を行なうにあたって携帯すべき証明書等についての定めでございます。 第十条は、土地の立ち入り及び試掘等に伴う損失の補償についての定めでございます。 第十一条は、測量のための標識の設置について定めてございます。 第十二条は、市街地改造事業の施行の準備または施行のための便宜を施行者及び施行者となろうとする者に与えますために、登記簿等の関係簿書の無償閲覧等についての規定でございます。 第十三条は、市街地改造事業を施行すべき土地の区域内における建築行為等の制限について定めたものでありまして、市街地改造事業の円滑な施行をはかるため、建築物の新築等一定行為について都道府県知事または建設大臣の許可を受けることを要することとし、第四項以下におきまして建築行為等の制限に違反した行為に対する是正措置及びその手続等について定めてございます。 第十四条は、市街地改造事業のための土地等の収用について定めておりますが、第一項では、市街地改造事業の公共性にかんがみ、施行者は、その施行する事業のため必要な土地及び権利を収用することができることといたしております。第二項は、市街地改造事業が地元関係者を従前の居住地の付近地において再び居住させることにより地元関係者の権利を保護することをも意図しているものであります関係等からして、土地収用法において被収用者等から建築物の収用請求ができる場合の要件を緩和して、第一項の規定により土地または権利が収用される場合において、その土地またはその権利の目的である土地に建築物を所有する者は、一般にその建築物の収用を請求することができることとし、土地収用法の特例を定めております。 第十五条は、市街地改造事業の施行の円滑をはかるため、建築物等の所有者でその建築物等の存する土地について施行者に対抗することができる権利を有しない者に対し、施行者がその建築物等の移転を命ずること及び建築物等の占有者でその建築物等に関し所有者に対抗することができる権利を有しない者に対しまして、施行者がその建築物を所有者に引き渡すことを命ずることができる旨を定めております。 第十六条は、一時収容施設等の設置のための土地等の使用についての定めでございます。 第十七条は、市街地改造事業のための土地等の収用及び一町収用施設等の設置のための土地等の使用については、この法律に特別の規定がある場合のほか土地収用法の規定を適用すること及び都市計画事業にかかる収用に関し特例を定めた都市計画法の規定が準用されること等が定めでございます。 次は、第二節の事業計画及び管理処分計画でございますが、第十八条は、施行者は事業計画を定めるべきことを定めております。 第十九条は、事業計画においては、施行地区、設計及び資金計画を定めることといたしております。 第二十条は、事業計画の公告について定めております。 第二十一条は、施行地区内の土地の所有者、借地権者及び建築物の所有者が施行者が整備する施設建築物の一部の譲り受け希望の申し出をし、並びに借家権者が賃借り希望の申し出をすることができる旨を規定し、それらの申し出に伴う必要な手続について定めてございます。 第二十二条は、施行者が審査委員の過半数の同意を得て管理処分計画を定めるべきこと及びその認可についての定めでございます。 第二十三条は、管理処分計画において定めるべき事項を列挙してございます。 次に、第二十四条から第二十八条までは管理処分計画を策定するための基準を定めております。 すなわち第二十四条は、居住条件を改善し、建築施設の合理的利用をはかるように定めるべきことを規定し、第二十五条は、第一項において、原則として、譲り受け希望の申し出をした者には譲り渡し、賃借り希望の申し出をした者は賃借りすることができるように定めるべきことを規定いたしております。また、第二項においては、これら関係者相互間に不均衡を生じないように定めるべきことを、第三項におきましては一定の場合に床面積を増減することができることを、第五項において特定の場合に譲り受けまたは賃借りすることができないこととなるように定めることができることを定め、第二十六条は、施設建築物の共用部分の共有持分及び施設建築敷地の共有持分の割合について規定し、第二十七条は譲渡価額及び標準家賃の算定の基準に関する定めでございまして、第二十八条は、譲り受け希望の申し出または賃借り希望の申し出をした者に譲り渡し、または賃借しない部分、いわゆる保留部分は、原則として、公募により譲渡または賃貸を行なうようにすることを規定しております。 第二十九条は、管理処分計画の縦覧及びそれに伴う必要な手続について定めてございます。 第三十条は、管理処分計画の決定もしくは変更またはそれらの認可があったときの公告及び通知について定めております。 次は、第三節の建築施設の部分による対償の給付のところでございますが、第三十一条でございます。 第三十一条は、管理処分計画において建築施設の部分を譲り受ける者として定められた者、以下建築施設の部分の譲り受け予定者と申し上げます。この者の土地、借地権または建築物が市街地改造事業のために買収され、または収用されるときは、その買収代金または補償金等の対償にかえまして、市街地改造事業によって整備されまする建築施設の部分が給付されるという建前について定めております。 第二項は、前項の建前をとります以上、収用の時期までに補償金の払い渡し等をしないときは収用の裁決が失効するという土地収用法の規定を適用しない旨を定めております。 第三項は、建築施設の部分の譲り受け予定者の土地等が施行者に買収されたときは、その土地等の上に存する先取特権、質権または抵当権は、法律上当然に消滅することを定め、自後、これらの担保物権は、次条の規定によりまして物上代位することとしております。 第三十二条は、前条の土地等が担保物権の目的である場合においては、担保物権は、建築施設の部分の給付を受ける権利及び土地等の対償の供託金に対して物上代位できる旨を定めてあります。 第三十三条は、土地等が担保物権の目的である場合には、その対償の額が管理処分計画において定める建築施設の部分の価額をこえるときは、その差額を払い渡しにかえて供託すべき旨を定めております。 第三十四条は、第三十一条の規定の建前上、土地等の対償にかわるべき建築施設の部分の給付を受ける権利の内容が管理処分計画において明らかにされた後でなければ、施行者において譲り受け希望の申し出をした者の土地の取得等ができない旨を定めております。 第三十五条は、管理処分計画において譲り受けることと定められた建築施設の部分の価額の概算額が土地等の対償の額をこえる場合には、建築施設の部分の譲り受け予定者は、その譲り受け希望の申し出を撤回することができる旨を定めております。 第三十六条は、管理処分計画の変更をした場合における建築施設の部分の譲り受け予定者に対する土地等の対償の未払い部分の金額の払い渡しについて定めております。 第三十七条は、施行者は、建築施設の部分の譲り受け予定者の土地等の対償の未払い部分について、利息相当額を払い渡すべきことを定めております。 第三十八条は、土地等が担保物権の目的であった場合における前二条の規定による金額の供託について定めております。 第三十九条は、建築施設の部分の給付を受ける権利の譲渡その他の処分の対抗要件について定めております。 次は、第四節の建築施設に関する権利関係の確定等の節でございます。 第四十条は、建築施設整備事業に関する工事が完了した場合におけるその公告及び通知について定めております。 第四十一条は、建築施設の部分の譲り受け予定者及び管理処分計画において施設建築物の一部を賃借りすることができる者として定められた者は、前条の工事の完了の公告の日の翌日において、それぞれ建築施設の部分を取得しまたは施設建築物の一部について賃借権を取得する旨を定めております。 第二項から第五項までは、建築施設の部分の譲り受け予定者の土地等が担保物権の目的であった場合の調整措置に関する規定であります。 第四十二条は、前条の規定によります建築施設の部分の所有権の取得に伴う登記の嘱託に関する規定であります。 第四十三条は、建築施設の部分の譲り受け予定者と管理処分計画においてその者から施設建築物の一部を賃借りすることができる者として定められた者とは、家賃その他の借家条件について協議すべき旨を定めております。 第四十四条は、前条の借家条件についての協議が成立しない場合においては、施行者が、審査委員の同意を得て、諸般の事情を考慮の上、裁定を行なうべきことを定めております。 第四十五条は、前条の裁定の効果に関する規定であります。 第四十六条は、施行者は、事業費を確定するとともに事業費及び近傍類似の土地、建築物の価額を基準として、譲渡価額及び家賃の額を確定すべき旨を定めております。 第四十七条は、前条の規定により確定した譲渡価額と土地等の対償の未払い部分の金額とに差額がある場合における清算及びこれに伴う滞納処分等について定めております。 第四十八条は、前条の清算金等を徴収する権利の消滅時効について定めております。 第四十九条は、清算金を徴収する権利に関する先取特権について定めております。 第五十条は、建築施設のうち施行者が取得する保留部分の管理処分について定めております。 次は、第五節、費用の負担等でございます。 第五十一条及び第五十二条は、市街地改造事業によって整備される公共施設、建築物等の整備に要する費用の負担または補助に関して、都市計画法を除く他の法令に特別の規定があるときは、それらの規定の適用がある旨を定めております。 次は、第三章、雑則でございます。 第五十三条は、市街地改造事業の適正な施行をはかるための規定でありまして、譲り受け希望の申し出をした者及び賃借り希望の申し出をした者の半数以上の賛成を得て、施行者が審査委員を三名以上選任して、それらの者を事業に関与せしめまして市街地改造事業の円滑な進捗を期そうとするものであります。 第五十四条は、施行地区内の関係権利者が権利の譲渡、相続その他の事由で変更した場合等に、あらためて手続を更新する煩瑣を避けまして、本事業の諸手続の円滑な進捗をはかる目的からして、施行者、関係権利者いずれに変更あった場合でも、両者の間の関係は変更後の当事者間に当然に承継されるようにいたしておるのであります。 第五十五条は、本事業によって整備された土地、建築物等の登記について、その手続の簡略化をはかるため一括申請その他について不動産登記法の特例を定めることができることとし、その具体的な内容については政令で定めることとしております。 第五十六条は、建築施設については、この事業の特殊性に基づく管理処分の方法を講ずる必要がありますので、建築施設に関しましては、地方公共団体の財産の管理処分についての法令の規定を適用しないことといたしておるのであります。 第五十七条は、市街地改造事業に関する簿書の備付及び利害関係人の請求があった場合におけるこれを閲覧させる義務について定めております。 第五十八条は、書類の送付にかわる公告について定めております。 第五十九条は、意見書等の提出の期間の計算等について定めております。 第六十条は、市街地改造事業の円滑な施行をはかるために、施行者が建設大臣等に対して技術的援助を請求することができることといたしております。 第六十一条は、市街地改造事業の適正な施行を確保するために必要な建設大臣の監督処分権限について定めてございます。 第六十二条は、市街地改造事業の施行を促進し、または建築施設の適正な管理処分を確保するため必要な建設大臣または都道府県知事の報告の徴収、勧告、助言等について定めてございます。 第六十三条は、第十三条の規定に違反した建築物の移転命令または第四十四条の規定による借家条件の裁定等に不服ある場合の関係権利者の異議の申し立て及び訴願等について定めてございます。 第六十四条は、建築施設整備事業のみの施行者がある場合における施行者についての技術的読みかえについて規定したものでございます。 第六十五条は、建設大臣に属する権限の一部を都道府県知事に委任しようとする規定であります。 第六十六条は、地方自治法に規定する指定都市について都道府県と同様の取り扱いをする旨の規定であります。 第六十七条は、この法律の実施に必要な事項を政令に委任する規定であります。 第四章は、罰則でありまして、第六十八条、第六十九条及び第七十条は、罰則について定めております。 次は、附則でございますが、附則第一項は、この法律の施行の日について定めてございます。 第二項は、不動産登記法の一部を改正する等の法律の施行に伴う必要な経過措置を定めたものでございます。 第三項は、登録税法の一部改正を定めたものでございまして、市街地改造事業の施行のため必要な土地または建物に関する登記で施行者が嘱託するものについて登録税を課さないことを定めたものであります。 第四項は、市街地改造事業のうち建築敷地の整備に関する事業は、都市計画法第十六条第二項の建築敷地造成に関する事業に該当するものでありますので、この法律に関連して都市計画法の一部を改正するものでございます。 第五項は、この法律の施行に伴う建設省設置法の一部改正でございます。 第六項は地方税法の一部を改正して、譲り受け予定者が建築施設の部分を取得した場合における不動産取得税について、その減免の措置を講じようとする規定でございます。 第七項は、租税特別措置法の一部を改正して、土地収用法等による収用等の場合の譲渡所得等に対する所得税または法人税の賦課の特例を市街地改造法による収用等の場合についても認めようとするものであります。 第八項は、首都高速道路公団が委託を受けて市街地改造事業を施行することができるように首都高速道路公団法の一部を改正する規定であります。 以上でもって逐条説明の概要を終わります。
○加藤委員長 鬼丸官房長。
○鬼丸政府委員 建設業法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。 本改正の要旨は、最近における建設工事量の増大にかんがみまして、工事の施工体制を強化し、建設工事の適正な施工を確保するとともに、中小建設業者の一そう健全な発達をはかるため、建設業者の登録の要件を整備いたしますとともに、総合工事業者及び専門工事業者の名称、建設業者の経営に関する事項の審査及び建設業者団体に関する届出等の制度等の規定を設けることといたしたことであります。 以下、逐条その要旨を御説明申し上げます。 まず、目次の改正は、以下の改正に伴いまして所要の整備を行なったものであります。 第二条の改正は、現在は第一項において建設工事の定義をいたしておりますが、建設工事の種類としては、別表各号に掲げる工事の種類のみにとどまらず、別表各号に掲げる工事を組み合わせて土木一式または建築一式に関する工事を総合的に行なうものがありますので、これを種類としてあげることとしたものでありまして、第二項においては、建設業を定義して、職別という名義をもってする建設工事の完成を請け負う営業をも建設業ということとしておりますが、この職別という名義は、総合という名義に対比する場合は必ずしも適当でありませんので、専門という用語に改めたものであります。 次に、章名の改正は、以下の条文の追加及び改正に伴うものであります。 第五条第一項の改正は、現在は、登録申請者は、その者(法人である場合は、その役員)またはその使用人のうち一人が一定の実務経験を有している者、免許もしくは認定を受けた者でなければならないこととなっておりますが、この一人の者についての実務経験、免許、認定等については広く建設工事に関するものとなっておりまして、その資格要件が軽易かつ画一的に過ぎるうらみがありますので、この者を主として請け負う建設工事の種類ごとにその建設工事に関する実務経験を有する者または免許、認定等を受けた者とし、この者を一名常置することといたしました。また、現在学歴及び実務経験を有している者と同等以上の学歴及び実務経験を有するものとして第一号において建設大臣が認定した者及び現在第二号に規定している法律または命令による免許または技術もしくは技能の認定で建設工事に関するもののうち建設大臣が指定したものを受けた者については、新しく第三号において一括して建設大臣が認定するものといたしております。 第五条第二項の改正は、建設大臣の登録を受けようとする者が第一項の要件以外に必要とされる要件でありまして、同一都道府県内にある営業所の一に置くべき者の資格については、現在、第五条第一項の者の資格と同じくしております。今回の改正により第一項の資格については、主として請け負う建設工事に関するものに限られることとなるのでありますが、建設業の企業としての登録に関する技術上の要件については、改正後の第一項の資格のみを具備すれば足りますので、建設大臣の登録を受けようとする者が各都道府県の営業所の一に置くべき者の資格については、従前の通りといたしたものであります。 第六条の改正は、登録申請書に記載する事項のうち、総合建設業または職別建設業の区別及び建設省令で定める専門工事の種類につきましては、今回の改正におきまして、総合工事業者の登録の制度を設け、また、登録の要件の整備を行なうことによって、この事項の内容が明瞭になりますので、登録申請書から除いたものであります。 第七条第四号の改正は、従来の第五条に規定する登録の要件を備えていることの誓約書にかえて、今回は新しく同条第五号として第五条に規定する要件を備えていることを証する書面を徴することとする旨の規定を設けましたので、これに伴う改正でございます。 第七条第六号の規定は、従来徴していた営業の内容を示す主要な事項を記載した書類で建設省令で定めるものにかえてこれらの書類のほか、登録申請書及び附属書類に記載した事項の確実を期するためこれらの書類の記載事項の証憑書類等をも徴し得るよう営業に関する書類で建設省令で定めるものとして規定したものであります。 第十一条の改正は、第二十九条の改正に伴うものであります。 第十三条の改正は、第七条の登録申請書の添付書類の改正に伴いまして、第五条に規定する要件を備えている者につき変動を生じたときの措置を規定したものでありまして、第五項として、建設業者は、第五条第一項各号の一に該当する者として証明された者がその役員もしくは使用人のいずれでもなくなった場合もしくは同項第三号に該当しなくなった場合または営業所に置く同条第二項各号の一に該当する者として証明された者がその営業所のある都道府県の営業所に置かれなくなった場合もしくは同項第三号に該当しなくなった場合において、これにかわるべき者があるときの変更の手続を規定し、第六項として、建設業者は、第五条第一項各号に規定する要件を備える者を欠くに至ったとき、同条第二項に規定する要件を欠くに至ったとき、または第十一条第一項第一号及び第三号から第六号までの登録の拒否要件の規定に該当するに至ったときの手続を規定しております。 第十五条の改正は、現在の登録の取り消しを行なった場合の登録の抹消を行なう規定について、登録の取り消しは第二十九条の規定によるもののほか、第二十九条の二の規定によるものをも含ませるべきでありますので、この旨を規定したものであります。 第十六条の改正は、登録簿とともに、第五条に規定する者の変更に関する書類及び総合工事業者の登録等に関する書類をも公衆の閲覧に供すべきでありますので、このように措置したものであります。 新たに設けました第二章の二の規定は、建設業者が建設工事を施工するにあたり、土木一式工事または建築一式工事を総合的に施工するものと、各専門分野において施工するものとの二種に区分されている実態に即して、建設業者を総合工事業者及び専門工事業者に区分することとした規定であります。 第十七条の二の規定は、総合工事業者と称することができるものの資格及び手続に関する規定でありまして、主として請け負う建設工事の全部または一部が土木一式工事または建築一式工事である建設業者で、その者(法人である場合においては、その役員)またはその使用人のうち当該土木一式工事または建築一式工事に関し、第五条第一項各号の一にあたるものとして証明された者のほかに、一人が土木一式工事または建築一式工事に関し学歴を有しかつ一定年限以上の指導監督的な実務の経験または業務管理の責任者としての経験を有する者か、土木一式工事また建築一式工事に関し十年以上指導監督的な実務の経験または業務管理の責任者としての経験を有する者か、またはこれらと同等以上の能力を有するものと認定した者である場合においては、建設業者登録簿に総合工事業者の登録を受けることによって、総合工事業者と称することができることといたしております。この総合工事業者の登録は、当然、建設業者の登録に付帯するものでありますので、同条第二項において、その有効期間はその建設業者の登録の有効期間に従うこととし、同条第三項において、建設業者の登録の有効期間満了の後引き続き総合工事業者と称しようとする者は、建設業者の更新の登録を受ける際に、総合工事業者の登録の更新を受けなければならないことといたしております。 第十七条の三の規定は、総合工事業者の登録の申請に関する手続でありまして、総合工事業者の登録またはその更新の登録を受けようとする者は、建設省令の定めるところによって、登録申請書と、総合工事業者と称するための要件を備えていることを証する書面を建設大臣または都道府県知事に提出しなければならないこととしております。 第十七条の四の規定は、総合工事業者としての登録を受けた建設業者について、その総合工事業者として備えていた要件について変動があった場合の規定でありまして、第一項においては、総合工事業者の登録の要件とされている資格者がその総合工事業者の役員もしくは使用人のいずれでもなくなった場合、または建設大臣の認定する者に該当しなくなった場合において、この資格者にかわるべき者があるときは、建設省令の定めるところによって、遅滞なく、その者について、その者が総合工事業者の登録の要件とされる資格者であることを証する書面を建設大臣または都道府県知事に提出しなければならないこととし、同条第二項においては、総合工事業者の登録を受けた者で総合工事業者の登録の要件とされている資格者を欠いたときは、建設省令の定めるところによって、遅滞なく、その旨を書面で建設大臣または都道府県知事に届け出なければならないことといたしております。 第十七条の五の規定は、総合工事業者の登録を建設業者登録簿から抹消する場合の規定でありまして、建設大臣または都道府県知事は、建設業者の登録を抹消した場合、または総合工事業者の登録を取り消した場合におきましては、その建設業者にかかる総合工事業者の登録を抹消しなければならないことといたしております。 第十七条の六の規定は、本章及び第二十九条第二項に規定するもののほか、総合工事業者の登録に関する必要事項について、建設省令への委任を規定いたしたものであります。 第十七条の七の規定は、建設業者の総合工事業者と専門工事業者の区分に関する規定のうち、専門工事業者に関するものでありまして、建設業者のうち総合工事業者の登録を受けた者以外の者は、建設省令の定めるところによって、主として請け負う建設工事の種類を明らかにした文字を冠する専門工事業者と称することができることといたしております。 なお、建設業者を総合工事業者と専門工事業者に区分する効果については、特に、営業制限を伴うものではなく、第四条の建設業の登録を受けた者は、建設工事の種類を問わず、これを請け負うことができるわけでありまして、総合工事業者または専門工事業者と称することによりまして、また、営業所、工事現場等にこの区分を明示させることによりまして、建設業に関する一般の取引の安全とそれぞれの分野における施工体制の向上を期待しているものであります。 第二十六条の規定は、工事現場に置く主任技術者の資格について、第五条第一項の規定が改正されましたので、従前通りの資格とするための技術的なものであります。 第四章の二の規定は、現在、公共性のある施設または工作物に関する建設工事につき、各注文者が行なっている入札参加を希望する建設業者の資格に関する審査事務のうち、経営規模その他経営に関する客観的事項に関するものは、建設業法の施行をつかさどる行政機関において一括して行なうことが適確妥当でありますし、またその審査の手続については、公正妥当な方法により適確に行なうべきでありますので、この趣旨の規定を設けたものであります。 まず、第二十七条の二の規定は、建設大臣または都道府県知事は、建設省令の定めるところによって、公共性のある施設または工作物に関する建設工事で、建設省令で定めるものの入札に参加しようとする建設業者で建設大臣または都道府県知事に申し出をしたものについては、経営規模その他経営に関する客観的事項の審査を行なうことができることとしておりまして、この場合の審査の項目及び基準については、現行法において中央建設業審議会が入札参加者の資格に関する基準を作成しております関係上、同条第二項において、中央建設業審議会の意見を聞いて建設大臣が定めるものとしております。 第二十七条の三の規定は、この審査を受けた建設業者の請求があったときは、建設大臣または都道府県知事は、その者にかかる審査の結果を通知しなければならないものとし、また、第二項におきまして、注文者の請求があったときは、建設大臣または都道府県知事は、審査の結果を通知しなければならないものといたしまして、審査の結果の利用をはかっております。 第二十七条の四の規定は、審査の結果について異議のある建設業者は、その審査を行なった建設大臣または都道府県知事に対して、再審査の申し立てをすることができることといたして、前条第一項の規定とあわせて審査の公正妥当を期しております。 第二十七条の五の規定は、この章に規定するもののほか、審査及び再審査に関し必要な事項につき、建設省令で定める旨を定めたものであります。 第四章の三の規定は、建設工事の適正な施工を確保し、建設業の健全な発達をはかるためには、建設業者団体の自主的活動にまつところが少なくなく、これらの団体の発達を期するためには、行政庁としても建設業者団体の適切な指導を行なう必要がありますので、この規定を設けたものであります。 第二十七条の六の規定は、建設業に関する調査、研究、指導等建設工事の適正な施工を確保するとともに、建設業の健全な発達をはかることを目的とする事業を行なう社団または財団で建設省令で定めるものは、建設省令で定めるところによって、建設大臣または都道府県知事に対して建設省令で定める事項を届け出なければならないこととし、これより建設業者団体の実態及びその活動状況を行政庁において把握することができるようにいたしたものであります。 第二十七条の七の規定は、建設大臣または都道府県知事は、届出のあった建設業者団体に対しまして、建設工事の適正な施工を確保し、または建設業の健全な発達をはかるために必要な事項に関しまして報告を求めることができる旨の規定でありまして、これらの規定の運用によりまして建設業者団体及び建設業者への一そう適切な指導を期することといたしたものであります。 第二十八条の改正は、現在の建設業者に対する監督の規定のうち、勧告に関する部分を第四十条の二として新たに建設業者団体に関するものとともに設けましたのに関連して整理を行なったものであります。 第二十九条の改正は、総合工事業者の規定を設けたことに伴いまして、総合工事業者の登録の取り消しを行なう場合を規定したものでありまして、建設大臣または都道府県知事は、その登録を受けた建設業者で総合工事業者の登録を受けた者が、総合工事業者の登録の要件としての資格を欠くに至った場合または不正の手段によって総合工事業者の登録を受けた場合には、その建設業者にかかる総合工事業者の登録を取り消さなければならないものといたしたのであります。 第三十七条の改正は、中央建設業審議会が所掌する事項は複雑多岐にわたっております上に、その調査審議する内容によりましては専門的な知識を要しますので、建設業に関する専門の事項を調査審議させるために、中央建設業審議会に専門委員を置くことといたしたものでありまして、第一項においてその設置を規定し、第二項において、専門委員は、その専門の事項に関する調査審議が終了したときは解任されるものといたしており、第三項において、専門委員の勤務及び欠格条項並びに専門委員たるべき者について委員の規定を準用することといたしたものであります。 第四十条の改正は、建設業者の掲げる標識に現行法において記載させている事項のほか、総合工事業者または主として請け負う建設工事の種類を明らかにした文字を冠する専門工事業者の名称を記載させることといたしたものであります。 第四十条の二の規定は、建設業者団体の規定を設けたことに伴い行政庁は建設業者団体に対する指導等を行なう必要がありますが、あわせて、建設業者に対しても指導等を行なうことが妥当と考えられますので、建設大臣または都道府県知事は、その登録を受けた建設業者または建設業者団体に対して、建設工事の適正な施工を確保し、または建設業の健全な発達をはかるために必要な指導、助言及び勧告を行なうことができることといたしたものであります。 次に、第四十六条の改正でございますが、第一号においては登録申請書または添付書類に虚偽の記載をして提出した者に関する罰則を一括して規定するための改正を加えたものであり、同条第三号におきましては、建設業者の登録の要件の改正に関連して、登録の要件とされている資格者の変更に関する書類を提出せず、または虚偽の記載をして提出した者についての罰則を設けたものであり、同条第三号の規定は、登録の要件とされている資格者が欠けた場合の届出をしなかった者についての罰則を設けたものでございます。 次に、第四十九条の改正は、総合工事業者及び専門工事業者の制度を設けたことに伴い、その第二号において総合工事業者の登録を受けないで総合工事業者と称した者または専門工事業者と称し得る規定に違反してこれらの名称を称した春についての罰則を設け、同条第三号におきまして、総合工事者の登録またはその更新の際に要する書類または総合工事業者の登録の要件とされている資格者に変更があった場合の届出の際に要する書類に虚偽の記載をして提出した者についての罰則を設け、また同条第四号におきまして、総合工事業者の登録の要件とされている資格者に変更があった場合または欠けるに至った場合に書類の提出を怠った者についての罰則を設けたものであります。 別表の改正は、電気通信工事は従来電気配線工事の一種として、また、ブロック工事はれんが工事の一種として処理してきたのでありますが、おのおのその工事の量の増大と施工体制の整備等に伴いまして、従来の電気配線工事またはれんが工事から分離することが適当と考えられますので、独立の建設工事として追加したものであります。 最後に、附則といたしまして、まず第一項におきまして施行期日として、公布の日から起算して六月をこえ一年をこえない範囲内で政令で定める日から施行することといたしております。 経過規定といたしましては、附則第二項におきまして、現にこの法律による改正前の建設業法の規定により登録を受けている建設業者の登録に関しましては、その有効期間内は従前の例によるものといたしておりますが、この建設業者につきましても、今回の改正の総合工事業者または専門工事業者の規定の適用を希望する者につきましては、附則第三項において、その建設業者が、建設省令の定めるところにより、改正後の建設業者の登録の要件とすべき資格者を備えていることを証する書面を建設大臣または都道府県知事に提出した場合に限って適用させることといたしております。また、この場合の建設業者につきましては、附則第四項において、その登録はすべて新法の定めるところにより受けた登録とみなして新法を適用することといたしたものであります。 以上で御説明を終わりますが、どうぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○加藤委員長 両案に対する質疑は次会に譲ります。 ————◇—————
○加藤委員長 この際、日向灘地震による建設関係の被害状況につき、政府当局より説明を聴取いたします。 山内河川局長。
○山内(一郎)政府委員 日向灘地震によります公共土木施設の被害状況につきまして、お手元に印刷物が配付してございますが、これに基づきまして御説明をいたします。 1.が地震の概況でございます。二月二十七日午前三時十一分、宮崎県の日向灘沖を中心にいたしまして、九州、四国、中国地方一帯に強い地震がございまして、ただいまのところ被害の報告が参っておりますのは、宮崎県及び鹿児島県の二県でございます。震源地は、宮崎市東方の約五十キロの日向灘沖合の海底でございます。 地震の強さは、宮崎市におきまして震度五、鹿児島市、佐賀市、大分市、宇和島市、阿蘇山が震度四、熊本市、宿毛市、高知市が震度三という状況でございます。 なお、震度の点につきましては、御参考に過去の大きな地震の震度が書いてございます。関東地震は六、東南海道地震が六、南海道地震が五、福井地震が五、十勝沖地震が六、こういう状況でございます。 この地震によりまして、同地方の沿岸一帯に約一メートル五十の津波の来襲を見たわけでございますが、満潮時の前でございましたので、特別の被害はなかったようでございます。 2.は、公共土木施設の被害でございます。 (1)の直轄災害といたしまして、大淀川の堤防護岸に多少の被害を見ております。被害の報告額は百三十万円。被害の状況はその左に書いてございますが、右岸におきまして堤防が長さ二十メートルの亀裂、護岸が五十メートル崩壊、左岸におきまして堤防が長さ五十メートルの亀裂を生じておる。こういう状況でございます。 (2)の補助災害関係でございます。宮崎県の被害個所は、ここに善いてある通りでございますが、海岸一カ所七十五万円、道路七カ所二十八万三千円、橋梁が七カ所で千三百三十二万円、合計十五カ所で千六百八十九万円。鹿児島県におきましても被害の個所は書いてございますが、道路三カ所九十万円。合計をいたしまして十八カ所千七百七十九万円。これに直轄災害を入れますと千九百九万円、こういうただいまの状況でございます。今後多少ふえる見込みでございますが、そう大した変動はないと考えております。
○加藤委員長 稗田住宅局長。
○稗田政府委員 日向灘地震によります住宅の災害状況につきまして、ただいままでに判明いたしました点につきまして御説明いたします。 被害報告のございましたのは宮崎県と鹿児島県でございまして、宮崎県におきましては全壊一、半壊四、一部破損が百四、計百九の被害でございます。鹿児島県は全壊が九、半壊が一、床上浸水、床下浸水が七、計十七でございます。合計におきまして、全壊十、半壊五、一部破損が百十一、合計百二十六の被害でございます。そのほかに、非住家の被害というのが、宮崎県におきまして破損が三十五、鹿児島県におきまして全壊が二ございます。 以上申し上げました数字は県当局からの報告でございまして、カッコ書き内の警察庁の調べと若干食い違いがございます。なおよく次の調査に待ちまして、対策等も講じたいと思っております。 以上でございます。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、河川、道路及び住宅に関する件につき調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。 兒玉末男君。
○兒玉委員 治水関係の質問に入る前に、ただいま河川局長並びに住宅局長から、日向灘地震についての災害状況の御報告がございましたが、実は私も帰っておりまして、けさ帰って参ったわけでありますけれども、幸いに、先ほど河川局長が説明されましたように、地震発生の時期が満潮時の前であったために、非常に低位にある宮崎市の高潮からの被害がまぬがれまして、これは不幸中の幸いだというわけでございます。 この日向灘地震に関連しまして、きのうでございましたか、気象庁の広野地震課長の発表によりますと、今度の地震は予想された地震じゃなくて、偶発的な地震である、こういうことを指摘されておるわけでございますが、最近の情勢、特に二月に入ってから現在まで十八回にわたりこのような、程度は違ったにしましても、地震が発生をしておるわけでございます。幸い今回は死傷者も少なくて、鹿児島、宮崎両県下で死者二、負傷者七、それから家屋等の倒壊は百六十七棟ということになっておりますが、このような地震の傾向から考えまして、また、今建設省から提出されましたこの過去の地震の統計等から申しましても、宮崎県の場合は震度五という強震に入るそうでありますが、これがもう一つ上がりました六になりますと、相当の家屋倒壊なり罹災者、死傷者が出るのじゃないかということが予想されるわけでございます。 そういう立場から、私は特に大臣なり、河川局長、住宅局長にお伺いしたいのは、気象庁の広野地震課長の見解というのは、その前提として、これが大地震の前触れではないということを限定しておるわけでございまして、そういう技術上の立場から偶発的なものだ、こういうことを言いながらも、現実に予報というものが全然今回なされてないわけでございます。五十キロの地域でありますから、たとい技術的に可能、不可能の問題外としても、今日非常に高層建築が多くなりつつある時期におきまして、単に普通の一般災害ということでなくて、地震に対する対策あるいは地震の予報措置、こういうこと等についても、広野地震課長の見解ではきわめて私たちは危惧の念を持つものであります。建設省当局として、住宅の面、高潮対策の面、あるいは建設行政全般の面から、この地震対策について、特に東京のような大都市においては、予測されざる地震に対しましても十分な事前の防災対策なり、こういうことも考えなければいけないと思うのですが、これらの点についてそれぞれの御見解を承りたいと思います。
○中村国務大臣 どうも日本の国は、遺憾ながら世界でも少ない地震の多い国でありますので、諸般の行政を進めます上に、地震に対する対応策というものは常時怠りなく講じていかなければならないことだと私も考えております。実は三十六年度にお壷ましても、建築研究所の中に地震工学研修部を設けまして、地震についての研究及び講習の度合いを高めていく処置を講じておる次第でございます。 なお、最後に御質問のございました大都市の災害につきましては、私ども非常に憂慮しておるのでありますが、大正十二年の大震火災の経験から見ますと、都会における大地震で一番おそろしいものは火災であると思うのであります。あの未曽有の大激震がありましても、家屋の破壊というよりは、むしろ火事によって死傷が非常に多かった、また災害が大きくなったというのが実情でございます。従って、大都会には、そういった有事の場合に備えてできるだけ防火帯を作るとかいうような進め方が必要かと思うのでございます。今まではそういう角度の防火帯に関する法律だけでありましたが、伊勢湾台風等の例にかんがみまして、他の災害にも適用のできるような防災建築というものを研究し、また実施していかなければならないと思いますので、今度御審議を願うことになっております防災街区の法案も、実はそういう角度で考慮をいたしておるような次第でございます。御注意の点もございますので、われわれといたしましては、この地震災害の多い日本の国としまして、これに対する対応策を十分怠りなく進めていく努力をせねばならないだろうと痛感いたしておりますので、努めてその方向に向かって配慮をいたしたいと思っております。
○兒玉委員 大臣の構想を了とするわけでありますが、先々月の一月の新潟の長岡の地震でも、相当被害が出たわけです。この長岡の地震を契機として、気象庁と東大の地震研究室におきましては、地震の予知準備委員会を設置しまして、今後七十五キロ平方に一カ所の割で地震計等を設置する。こういうような計画等を持っておるようでありますが、地震によって起きる災害、特に建設の所管事項が多いわけでありますので、こういうような気象庁等が設置している地震予知準備委員会については、建設省として当然参画すべきじゃないか。こういうように感ずるわけでありますが、このような点についてはどういうふうな処置をとるか、またどのような見解を持っておるか、お聞きしたいのであります。
○中村国務大臣 気象庁は、御承知の通り運輸省の所管でありますが、われわれといたしましては、そういう点につきまして、私のところの専管をいたしております建築関係のみならず、地震の予知をするということは災害防除の上に非常に重要な関連がございますので、緊密な連絡をとりまして、遺憾のないように事務当局にも指示をいたしまして、進めて参りたいと思います。
○兒玉委員 住宅局長にお伺いしたいのでございます。最近五階、六階のたくさんなアパートが建ちおるわけでありますけれども、技術的にいって、地震の震度というものは一から七まであるそうでありますが、現在の建築物というものはどの程度の震度に耐え得るような技術的な設計がなされておるのか、この点について……。
○稗田政府委員 建築物の耐震構造につきましては、関東震災の地震というのが最大の加速度を持った大きな力の地震になっておるわけでございまして、現在建築基準法におきまして、鉄筋コンクリートあるいは鉄骨造等を建築いたします場合には、今日まで起きました地震の最大の横からの力に耐え得るように計算をしなければならないことになっておるわけでございます。なお、木造等の建築物におきましては、従来の日本の大工さんの建て方では、斜めの材を使っていなかったので、これも市街地建築法が施行されまして以来、大正十二年の震火災にかんがみまして、筋かいとか、方づえとか、斜めの木材、骨組みを入れまして、できるだけ横からの力に建物がゆれないように工法を指導して参ってきておるわけでございます。 なお、今後地震でどういった力が具体的に加わるかというようなことも調査しなければなりませんので、私年次は覚えていないのですが、三、四年ほど前に強震計、つまり強い地震の震度、加速度を調査する機械でございますが、強震計を建設省におきまして求めまして、これを全国の高層ビルに設置して、随時、通常の微震につきましても、どういうように各階に力が加わるかということを調査しておるような次第であります。今後宅地の高度利用というような面から、建物は高層化しなければならないわけでございますが、これにつきましてわれわれの認識、体験から申しますと、大正十二年程度の震災であれば十分耐え得るという技術的な確信を持って規則が制定されておるわけでございます。
○兒玉委員 今度の宮崎市の場合を一つの例にとって申し上げますならば、午前三時十一分に寝ていて動揺を感じたわけですが、その瞬間すぐ電灯が消えてしまった。ですから、トランジスター・ラジオを持っている人は別としても、一般家庭においては、この地震がどういうような状況になっていくのか全然予想すらつかぬ。状況を聞くことができないわけです。同時に、電灯が全部消えたために、そのための負傷者もかなりあったり、あるいは天井からの落下物でけがをした。こういうことで、これだけ電灯設備が完成されておるにかかわらず、停電してしまった。宮崎市の場合においては、ほとんど八割以上が停電ではなかったかと思います。私の都城市においては、夕方の七時までほとんど電灯はつかなかった。こういうような状態にあるわけです。 ですから、東京都の場合においても、今の局長の説明では、大正十二年の災害程度には耐え得る、こういうことを言われておりますけれども、現実に集団的なアパートの住民というものは、そういう突発的な事故が発生した場合に、何ら情勢が把握できないために、心理的な動揺を非常に来たすとか、あるいは建造物の構造等において、短かい時間に多数の人たちが避難できるような避難設備というものをどういうふうに考慮されているのか。この点を最後にお聞きしたいと思います。
○稗田政府委員 アパートあるいは高層建築物等におきましては、ある階数を越えるものにつきましては直通避難階段というようなものを建築基準法によりまして設置するようになっておるわけでございます。従いまして、避難する通路がないというようなことは建築物につきましては、ないようになっておるわけでございます。ただ、これを居住しておる方々、あるいは建物を使用しておる方々が、通常それがどこにあるのだということを認識しておいていただかないと、急の場合に間に合わないということもあるかと思うのでございます。今後そういった避難設備等につきまして、災害の場合に反射的に利用できるようなそういった認識を高めておく必要があろうかと思いまして、そういうような面につきましては、なお一般に徹底するように、よく指導して参りたいと思っております。
○兒玉委員 それでは、治水関係について若干質問いたしたいと思います。 この前の委員会で、地盤沈下の問題について質問申し上げましたが、まだ全部の回答をいただいておりませんでした。この前申し上げましたように、年々工業用水等の地下水くみ上げのために、全国的に大都市の地盤沈下が顕著になっておるわけであります。特に名古屋とか尼崎、大阪、東京等のように、高潮の影響を受けやすい都市における高潮対策について、特に河川局長としてどういうふうな今後の構想を持っておるのか。また、現実に東京都の場合においては、高潮対策の工事が非常に進んでいないということ等も聞いておるわけでございます。これについての局長の見解を承りたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 全国でいろいろな地盤沈下の現象によりまして、高潮に対しまして非常に弱体というか、脅感を感じているという地域が相当ございます。その中でも東京都と大阪地方、これは特に伊勢湾台風のああいう大災害のあと、いろいろな点を考慮いたしまして早急にその対策を講じなければいけない。こういう状況でございまして、それにつきましては、建設省におきまして高潮対策事業として現在実施をしている段階でございます。今まで、できている予定といたしましては、東京地区について申し上げますと、三十五年度に約十億の事業を実施いたしておりますが、三十六年度につきましては、十四億程度事業を実施したいという予定を現在いたしております。大阪につきましては、昨年度は約六億でございましたが、来年度は十二億程度、実施をしたい。こういうふうに、いろいろ全体の計画に応じまして、三十五年度と比較をして、このような状況で極力促進をして参りたい。こういうふうに考えているわけでございます。
○兒玉委員 そういうふうな高潮等に対する防備対策については、前進の方向にあるわけですが、先ほども指摘をしましたように、地下水のくみ上げということについて、私はある程度法的な規制を加えない限り、こういう現象はいつまでもイタチごっこで、同じような状態を繰り返していくのではないかということを感ずるわけです。この地下水のくみ上げ等に対する規制というふうなものに対して、どういうような対策なり考えをお持ちかお伺いした いと思います。
○稗田政府委員 ただいま建設省におきまして、ピルの冷房用水、雑用水等につきましてくみ上げについて規制をする。冷房用水につきましては、水を回転使用する。最近建ちました建物には、屋上にそういう形式の装置をつけたものが多くなって参っております。ああいう回転使用する形式にいたしますと、あまり地下水を使用しなくても済むわけであります。そういうような技術的な解決の方法も考えられておりますので、冷房用水、雑水用等につきましては、区域を定めまして地下水のくみ上げを規制するという法案をただいま検討いたしておるわけでございます。なお、工業用水あるいは鉱山関係の地下資源のガス等のことにつきましては、それぞれ通産関係の法律がすでに旅行されておるわけでございます。
○兒玉委員 次に、治水の十カ年計画の問題を中心としてお伺いしたいのでございます。建設省の治水十カ年計画の予算の実施状況を見て参りますと、大体三十六年度で計画全体の一二・九%ということが予想されておるようであります。いつも私が災害対策を含めて申し上げますように、治水事業というのは、災害が発生してそれを直すというこではなくて、事前に災害を防除するという基本的な立場に立つべきである。そういう点等から考えますならば、やはり十カ年計画のものを平均して工事を進めるということではなくて、できる限り治水関係の工事を繰り上げてこれを行なうべきではないか、こういうふうに考えるわけですが、これについての局長の見解をお聞きします。
○山内(一郎)政府委員 治水事業の長期計画につきましては、従来決定がなく、いろいろ毎年度の事業でやって参ったのでございますが、三十五年度を初年度といたしまして、治水事業前期五カ年、それから引き続きまして後期五カ年の計画がきまったわけでございます。その総額は九千二百億でございまして、そのうち前期で四千億やる、こういう計画でございます。そういうふうに考えて参りますと、前期の、三十五年度をベースといたしまして毎年度の伸びと、それから後期の五カ年の最終年度の三十九年度をベースとしてその伸びを見ますと、前期におきましては一一・五、後期は約三%、十年分は九千二百億でございますが、こういうふうに前期の方に相当繰り上げてできるというような計画になっておるわけでございます。従って、今、先生のおっしゃいましたように、できるだけ早い年度に繰り上げてやる。こういうつもりで、現在五カ年計画を実施中でございます。
○兒玉委員 この十カ年にわたる長期の治水計画が、完全に実行されることをわれわれは期待するものでありますけれども、今申し上げたことと関連しまして、最近はアメリカのドル防衛政策等によって、日本の貿易の国際収支も相当赤字の傾向を示しておるのでございますが、日本の経済情勢全体がこの十カ年間に相当の予測しない事態に立ち至ることも予想せられるわけでございます。このような膨大な国家資本を投資する治水計画事業においても、今後予想される経済情勢の変化、こういうことについてはどのような一つの構想をお持ちであるか。またこれに対処する対策を、どのようにお考えなのか。局長の見解を承りたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 先ほど申し上げました治水事業前期五カ年あるいは後期五カ年計画につきましても、治水事業単独の立場といいますか、それ以外の、国民所得倍増計画の一環として一本計画がきめられたわけでございます。従って、そういういろいろな情勢の変化も今後あるかもしれませんが、できるだけこの線に沿って、われわれ治水担当者としてはやって参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○兒玉委員 この治水十カ年計画の構想において、政府の説明によりますと、大体国民所得に対する現在までの災害の状態というものは三・一%である。ところが、これを十カ年計画の遂行によって、その災害の程度を国民総所得の一・六%に縮小していく。こういう構想が治水十カ年計画の基本になっておるのでございますけれども、たとえば昨年の長良川の災害等から見ましても、ほとんど予想されないところの非常な災害の発生を見たわけでございます。この十カ年計画において、予想する国民所得に対する被害額の減少ということが、はたしてこれで徹底して行なわれるかどうか。これについての局長の見通しと見解を承りたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 一・六%といいますのは、昭和九年から十六年までの、各年の平均の被害額と、その当時の国民所得の比率でございますが、その当時は比較的河川の状態が安定するといいますか、災害の少なかった年次でございます。三・一%といいますのは、それと同じようなやり方で、昭和二十一年から三年の、つまり終戦後の状況でございますが、現在立てております五カ年計画ないし十カ年計画におきましては、そういう昭和九年ないし十六年のような安定した年次にさらによくしよう、こういうつもりで現在やっておるわけでございます。従って、別の見方からいたしまして、河川の改修によってはんらん防止ができる面積は、どういうふうに五カ年計画で進んで参るかといいますと、河川が何も施設がない場合には、全国で約三百万町歩の洪水のはんらんする区域がありますが、現在はその程度が、約四〇%は現在の施設で防止されておるという状況でございます。それが十年後には七〇%まで防止できる。そういう計画でございますので、先ほどの数字の点につきましても、あるいはそれ以上に達成できる。こういうふうに考えておるわけでございます。
○兒玉委員 これは、たしか昨年十二月二十一日ではなかったかと思うのですが、全国の治水関係の災害対策の促進大会ですか、その席上で各界の代表が意見を発表されておったようであります。現在の災害で私が特に感じますことは、小災害なりあるいは個人の天然の災害による、いわゆる法的な援護ということがほとんどないわけでございますが、こういう問題も含めまして、根本的な災害対策として、財政的な裏づけを基本とする災害基本法の制定ということが論議されておったようでございます。この災害基本法の制定について、大臣はどういうふうな見解をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。
○中村国務大臣 災害が一たび起こりますと、各省に関連した諸般の問題が起こって参りますので、小規模の場合は別として、一定規模以上の災害に対しては、急速にその対策が講ぜられるような、基本的な施策というものが必要であると私ども考えておる次第でございまして、かような意味から、できればなんとか関係各省協議をいたしまして、災害基本法の制定をいたしたいということで、目下関係各省間におきまして、いろいろ協議を進めておるような次第でございます。なんとか私ども関係省の十分な調整をはかりまして、できるだけ早い時期に災害に関する基本的な予備的な問題と、それに対する、起きた場合の対策の迅速な処置等についての基本法を定めたいものであるということで、実は目下努力をしておるような段階でございます。
○兒玉委員 昨年の促進大会でも、この災害基本法の制定ということを特に強く希望されたように聞いておるわけでございます。大体、大臣がそのとき、そのときかわっていきますので、考え方がいつも一貫されない欠陥もあるわけであります。中村大臣としては、特に建設のベテランでもありますので、この基本法の制定を早急にすべきではないか。大体、大臣はいつごろをめどとしてこの法案の制定をしたいのか。その辺の見解を承りたいと思います。
○中村国務大臣 実は、なんとか今国会に提案の運びにいたしたい熱意を持っておったのでございますが、それぞれ自治省は自治省としての考えがありますし、またほかの関係省もございますし、同時にその地方団体との関係も一本に動けるような体制をとる必要がございますので、これらの関係を調整をすべく、目下いろいろ関係省庁の間におきまして、連携をいたしまして準備をいたしておるような段階でございます。まだ、いつこれを提案できるというめどが、実ははっきりついていないのであります。
○兒玉委員 では、一つ積極的に努力をされまして、なるべく早い機会にこれが提案されるように要望しておきます。 次に、河川局長にお伺いしたいのは、災害復旧について本年度は三十四、三十五災害等、一〇〇%近く復旧できる見通しに立っているようでありますけれども、これからの災害対策について、復旧期間というのが大体原則として三年間、しかもこれが三・五・二の割合になっているわけであります。昨年来この災害復旧の比率を五・三・二、あるいは二年程度に縮小すべきだという意見が相当強まってきているわけであります。この早期復旧について、比率を変更するなり、あるいは二年に短縮する、こういう点についてどういうふうな見解をお持ちかお伺いしたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 災害復旧を何カ年で完成するかという問題でございますが、三十六年度の予算につきましては、従来通り緊要事業は三カ年、それ以外を含めまして四年、こういう計画で実施をする予定になっております。しかし、今後の問題といたしましては、この年次をできるだけ早めたい、こういう意向は持っております。全部ひっくるめて四年というものを三年でやりたい、こういうふうに今後努力をして参りたいと思っております。
○兒玉委員 これに関連いたしまして、昭和二十四年のシャウプ勧告によりますと、災害復旧は全額国庫負担にすべきであるというふうに勧告なされましたが、昭和二十五年に法律の一部改正によって、この全額負担ということが変更されておるわけであります。この根本の精神は、やはり現在の災害復旧というものが、改良を含めたところの復旧でなくて、いわゆる原形復旧主義をとっているのでこういうことになっているのじゃないか。しかも、今日の集中豪雨による予測しないところの洪水等においては、とても原形復旧ということでは、そこに莫大な金を投資しましても、結局は同じことを繰り返しまして、それによる災害の発生というものはますます増強される。昨年の長良川の土地は、私は災害状態も現地で見てきましたが、芥見付近においても、前年度の災害復旧があと一割五分くらいしか残っていなかった。ところが、そこが突破口になりまして、甚大な損害を与えておるわけであります。これは早期復旧と関連しまして、原形復旧主義というものをこの際抜本的に改めるべきじゃないか。私は相当思い切った措置をとっていくべきだというふうに考えるわけであります。私の宮崎県等においては、災害によって橋が半分流されて、木の橋とコンクリの橋と、またひどいところは木橋と鉄橋とコンクリの三つの橋になっている。こういう、まことにこっけいな状態にあるわけです。これでは、一ぺん災害が来るとするならば、当然、全然鉄橋部分なり、あるいはコンクリート部分の復旧の意味はなくなってくる。こういう実態等から考えましても、これは相当思い切った措置をとるべきだと感ずるわけです。原形復旧主義をこの際早急に改めるべきだと思うのですが、それに対する見解を承りたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 災害復旧の復旧設計という点でございますが、現在公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法によってやっているわけでございます。それによりますと、原形復旧はやはり原則でございますが、ある程度許された範囲がございまして、不適当とかいう場合には原形以上にできる。その解釈の問題で、できるだけこれを大幅に現在もやって、さらに今後も努力をいたしますが、それで及ばない場合には、関連事業という制度によりまして改良復旧、いわゆる災害復旧に関連事業を加えまして改良復旧。これも現在やっておりますが、さらに幅を広げるとか、いろいろな点で現在研究をいたしております。 昨年の岐阜県の芥見の再度災害という点につきましては、まことに残念でございますが、やはりそれは、復旧の速度を早めるということで相当解決できる問題ではないかと考えているわけでございます。従って、いろいろな災害復旧の点、それから関連事業、それから災害復旧の速度を早めるというような、いろいろな点から検討いたしまして、ただいま御指摘の点を解決をして参りたい。こういうふうに考えております。
○兒玉委員 次に、災害が発生しまして、それぞれの地方の自治団体から災害土木費についてのいろいろな申請がなされるわけであります。この災害に対する申請と査定率といいますか、いわゆる予算を決定する額との比率を見てみますと、昭和三十年には九二・二%の中柱雨に対して六一・二%の査定になっております。三十一年は九二・九%の申請に対して六八・八%、三十二年は九五・九に対して七四・一、三十三年は一〇一・八の七九・一、三十四年度は一〇四・七の八〇・七、こういうふうに申請と査定率の間に相当の較差があるわけであります。もちろん地方からの申請によっては、技術的に査定をした場合においてこういう較差が出ようと思うのですけれども、まじめに申請したところは同率にこういう率で査定されたとするならば、やはり地域住民の犠牲というものが相当大きなものになってくると思うのです。申請率と査定率とに大幅に較差があるというのは、一体どういう根拠に立っているのか。この辺の見解を承りたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 いろいろな点があると思いますが、まず災害復旧の設計を作る者が国庫負担法に即応してやれば、非常にその査定率というものは減って参ります。それからまた、査定官が人によってある程度違ってくるというような、いろんな点がございますが、われわれの指導いたしております点は、設計書を作る段階におきまして、従来毎年査定をする場合に、こちらで今後はこういう点を注意したらどうかという指導をして参っておりますと、査定官につきましても、個人差があるといけませんので、たびたび検討会を開きまして、いろいろ自分らが体験して参ったことを検討いたしまして、今後の査定の指針といたしている次第でございます。従って、完全に参りますと査定率というのは設計通り査定する。これは一番いい状態でございますが、やはりその設計者がまだ負担法によらないという点もございまして、ある程度の査定率というものは出て参るわけでございますが、こちらの査定官としては、厳正にやるという方針で現在参っておるわけでございます。
○兒玉委員 この査定との関連でございますけれども、現在まで各種災害が発生いたしておりますけれども、この災害対策について、昭和二十八年の筑後川の場合を除いて、その災害の起因するところの科学的な原因というものがどこにあるのか。そういうふうな、復旧には確かに努力をしても、災害の原因の科学的な解明ということが多少おろそかにされてきておるのじないか。あるいはまた、その原因というものがあまり公に公表されないのじゃないか。こういう点から、たとえば一昨年の狩野川においても、ああいう集中豪雨にあって、今までの長い経験の中から、そういう危険な個所というものは相当予想されておったにもかかわらず、そういうふうな災害の原因というものが公に発表されないために、地域住民の災害に対する予備知識というものが非常に浅い。私は今後こういう大災害に対処しましても、そういう災害の科学的根拠がどこにあるのかということを明らかにすべきだと思うのです。こういう全般的な災害対策の原因の究明なり、これの公表ということについて、どういうふうな見解をお持ちか、お伺いをしたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 災害の原因といいますか、災害を未然に防止をするというのは、やはり治水事業を強力に推進していく、こういうことになるわけでございます。従って、それが十分な予算がない場合には、たくさん残される個所があるわけでございます。従って、そのまだ未着手の個所から災害が起きる。これが大部分の災害の原因でございます。そういうような治水事業の積極的推進、こういうことをやって参れば、当然そういう災害は減って参るわけでございます。ただ、そういう原因がまだ未着手の個所であるかどうか、さらに、一応改修された個所であるかどうか、改修された個所につきましては、どういう原因かということを十分究明して今後の指針にして参っておるわけでございます。御指摘の点につきまして、十分今後も注意をしてやって参りたいと思っているわけでございます。
○兒玉委員 そこで、これは局長が専門家でありますから、十分御存じだと思うのでありますが、今までの災害の経験から考えますと、大河川の場合においては、一日の降雨量が百五十ミリ、中小河川の場合においては一日の降雨量は百ミリ、これによって洪水なりあるいは堤防決壊の危険性があることが、私どもの勉強した範囲では明らかにされておるわけであります。ところが、現在までの災害の実例から見て参りますと、そういう当然予想される降雨量に対して、河川の流域に住んでいる住民等に対する事前の警報なり、あるいは事前の予備知識が与えられないために、不慮の災害を起こしているのがほとんど今日までの実態であります。昨年の長良川の場合もそうであります。こういう建設省が直接管轄する河川だけでなくて、全国的な河川の状態等から、こういう平坦地あるいは山間地における降雨量に対して、及ぼすところの危険の範囲あるいは水位、そういうこと等、私はやはり全国的な規模のもとにおいて計画を進めていくべきだと思うわけです。こういうことについて局長の見解を承りたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 まだ治水事業が非常におくれている関係上、危険な個所がなお相当残されているわけでございます。これは十カ年計画で極力推進するわけであります。従って、その個所につきましてはわれわれそれぞれ知っているわけでございますが、周知徹底の方法が非常に問題ではないかと思われるわけでございます。あまりそれを強調して知らせるということは、かえって民心の安定を欠く。しかし、それをいいまして、それを全然知らせないということになりますと、ただいま御指摘がございましたように、かえって逆効果がある。その中間をいくように現在われわれといたしましては指導して参っているわけでございます。そういう点も、今後十分注意をしてやって参りたいと思っているわけでございます。
○兒玉委員 水資源の問題について、前から地元でもよくうわさされておりましたが、特に日本においては、工業用水を初めとして、この水資源の利用ということがきわめて重大な局面に立たされているわけであります。この水資源開発について、公団の設置等もうわさされておりましたが、どういうふうな理由でこれが立ち消えになっているのか。また、水資源の開発について、どういうふうな構想を持っておられるのか。大臣並びに局長の見解を承りたいと存じます。
○中村国務大臣 水資源の総合的な開発及び総合的な利用ということは、日本の国情といたしましてきわめて重要な問題であると私ども実は考えている次第でございます。従いまして、水資源の開発促進及びそれを実行する機関の問題につきまして、できれば今国会に間に合うように成案を得て、政府としては提出の運びにいたしたいと思っているような次第でございます。水は、御承知の通り、利水関係の問題だけでも幾つかの省にまたがっておりますし、また建設を担当いたしております建設省としましては、最も重要な関係がございますので、いろいろ協議を重ねて参ったのでございますが、なかなか関係省間に具体的な意見の一致を見ませんので、目下行き悩んでいる状態でございます。私どもといたしましては、なんとか一つこれをまとめ上げて参りたいというつもりで、まだ継続して努力をいたしているような段階でございます。
○兒玉委員 今の大臣の答弁から見て、私は消極的な立場をとっていると思うのです。いろいろ聞くところによると、それぞれ各省のなわ張り争いによってそれが日の目を見ないというような実態だと思います。やはり水資源というのは、何といっても治水関係を中心とした建設省がその主体になっていくべきであって、そういうことは少し勇気を持って対処していくべきではないか。こういうように感ずるわけをす。大体、こういうふうな水資源開発について、最もこれを妨げているのはどこに原因があるのか、その辺を一つ明らかにしていただきたいと思うのです。
○中村国務大臣 実は私どもの考えを率直に申し上げますと、建設省は、河川法によりましても、あるいは多目的ダム法によりましても、また災害関係の防除という上からいいましても、水には最も縁の深い所管でございますし、また従来河川及び水の関係を処理して参っておりますので、御指摘のように、水資源の開発を総合的に進めるということになりますならば、建設省があくまで中心になって進めていくのが妥当であるという考え方を持っておるわけでござまいす。特に、建設省は水を使う方ではありません。利水官庁でありますと、自分の田に水を引くという我田引水の気分が、自分の職務を愛する上からいえば起こりがちでありますが、建設省はほんとうに災害の防除と、水資源を開発して水をどう造成するかという公平な立場に立っておるわけでございますから、この意味からいいましても、私は建設省が中心になって、利用者の意見も大いに総合して、拝聴し取り入れて、それが総合的に利用される角度で進むべきものであるという実は考え方を持っておったような次第でございます。これは官庁だけのセクショナリズムではありません。議員の間にもそれぞれいろいろ意見がありまして、調整困難な問題となっておるわけでございますが、今後とも私としては、今のような考え方に立ちまして努力を進めていきたいと思っておるわけであります。
○石川委員 関連して。水資源開発公団の問題で今、兒玉委員の方から質問があって、大臣から答弁がありました。大体、大臣の答弁で意を尽くしているのですが、私もその点についてちょっと一言だけ要望したいと思ったのです。と申しますことは、たとえば計画局の中で、広域都市の問題にいたしましても、自治省の案があり、通産省の案がありというふうなことで、支離滅裂の状態になっています。非常にセクトが強過ぎるのではないか、そのことが、はしなくも今度の水資源の場合にはっきりと出ておる。私の方で学者を呼んで、多目的ダムを作るときは水はどういうふうになるのだというようなことで、ヒヤリングを個人的にやったことがあるのですが、そうしますと、それに関連して農林省の意見を聞きますと、そこの水の大部分を農林省だけで使っても足りないという意見が出まして、これだと実現できないという感を強くした。ところが、そのほかの人たちの意見によりますと、それほど農林省では水は使わないはずだ、というようなこともあったりしまして、どうしても先ほど大臣から話がありましたように、決して農林省が特別に自分の権益を強く主張する魂胆に出ているのではなくて、やはり農業を保護しようという熱意の現われだというふうに解釈できますけれども、利水の側の意見を徴しておったのでは、とても水資源開発公団のすっきりした設立は実現できない。これは常識的に見てそうだと思います。そうかといって、経済企画庁で実働部隊を持っておりませんから、これまた机上プランになる危険性があるということになるならば、われわれはたまたま建設委員会に所属しておりますから言うのでなくて、公正な立場で、建設省がやることが一番妥当だと考えざるを得ない。もちろん、これは利水の方の側の厚生省やあるいは農林省、通産省、それぞれの意見を総合調整しなければならないことは当然でございますけれども、しかし、やるのはやはり建設省が中心になってやらなければならぬ。ところが、今度出る法案は、どうやら経済企画庁の方から出るということで妥協をしたふうな風説が伝わっているわけです。これは風説だから、そのことが事実かどうかわかりません。しかし、これはやはり建設省が相当勇気を持って、自分でやるという決意を持たなければ、この水資源開発というものは暗礁に乗り上げるのではないかということを、これは党の意見ではありません、個人の意見ですが、非常に懸念をいたしております。その点についての大臣の見解を承りたい。今なまじっか妥協をした形で出発することは、将来に禍根を残すのではないかということを憂えているわけです。
○中村国務大臣 まことに力強い御意見を拝聴いたしまして、感謝をいたしております。実は水資源開発につきましては、二段階の考え方が必要であると思われておるわけでございます。一段階としましては、国土全体にわたりまして水資源の総合的な開発をする、その構想及び利水の構想、こういった基本的な方針をきめる機関を一つ作ろう。それともう一つは、そういう機関で基本の方針がきまりましたら、それを実施に移す実施機関、こういうようにいたす必要があるのではないだろうか。 かような意味におきまして、仮定でございますが、考え方として申し上げますと、水資源開発促進という基本を検討する方の部分を申しますと、水資源開発促進法というようなものを作りまして、ここに建設省はもちろん、その他の利水三省とも参加をいたしまして、あるいは学識経験者その他有識の士にも参加を願いまして、審議検討をいたしまして、方針を決定する。この方の仕事は、やはり経済企画庁が中心で担当していただく以外にはないと思っておるわけでございます。 しかし、この方針がきまりまして、方針を実行する機関を所管をして参りますのは、やはり水に関する諸行政を担当して参りました、また現に多目的ダム等を相当数多く完成し、あるいは現に四、五十カ所も実施中でございます建設省が中心になって進めるべきものである。こういう考え方は、私ども今も動いてはいないわけでございます。極力この方針を貫く建前で、水資源総合開発の機構ができまするように努力をして参りたいと思っておるわけでございます。
○兒玉委員 これは河川局長の管轄かどうかわかりませんが、この前ちょっとお伺いしたのですが、河川改修その他の工事の現場に働いている労務者の賃金のことでございます。局長の御答弁では、この前のあれでは、建設単価は基準を大体四百九十四円ということをお聞きしたわけであります。ところが、私が調査しましたある地域の賃金は、男が二百円で女が百八十五円、こういうことで、賃金の基準は労働省が査定した地域差その他を考慮してきめるということになっておるそうでありますけれども、建設省の建設単価に比較しまして、同じ工事に二年、三年働いていてもこういう低賃金ではとても働きに行けない。こういうふうな実例があるわけであります。これについて一格差があまりに平均賃金よりも低過ぎるのではないかということを考えるわけでございますが、この辺どうなっているのか、伺います。
○山内(一郎)政府委員 治水事業を実施して参るにあたりまして、労務費をどういうふうにきめるかという問題でございますが、われわれといたしましては、労働省が告示をいたしておりますPWによっているわけでございます。しかし、このPWには最高、最低、標準という相当の幅がございまして、そのうち最もその地方に、その工事に適当するような単価をきめまして実施をしている現状でございます。従って、工事によっても違いますし、地方によっても違うわけでございますが、全部総合いたしますと、来年度の労力費は四百九十四円という数字が出て参るわけでございますが、実施にあたりましては、さらにこれをいろいろ検討して、その地方に合うようにやって参るわけでございます。
○兒玉委員 御承知の通り、私どもの宮崎県というところは、全国でビリから二番目の生活の低いところでございまして、それでも仕方がないといえばそれまででございますけれども、やはり私は工事の内容というものが、全国的な立場から見ましても、たとえば堤防改修の工事にしましても、作業内容にそんなに極端な開きはないと思いますから、工事の内容なり、工事穂別等によっての一応の基準というものが明らかにされてしかるべきではないか、こういうふうに私は感ずるわけであります。この点についてはどうですか。
○山内(一郎)政府委員 労力費をきめる問題は労働省でやっておりまして、それできめられたものを各省がその線に沿って実施をする、こういうことになっているわけでございますので、現在労働省の告示に沿って実施をしている。こういうことでございます。
○兒玉委員 この点、まだ私も詳細な調査をいたしていないわけでありますけれども、往々にしてこういう安い賃金単価においてたくさんの労務者を使う。これは、そういう基準というものがこの際明らかにされるならば、それでいいわけでありますけれども、失対労務者よりも低い賃金で建設省が人を使わなければいけない、そういうことについても、やはり働いている労働者も相当の不満を持っているわけであります。おそらくこれは単に宮崎県下の問題だけではなくて、全国的にもこういう傾向が見られるのではないかというふうに感ずるわけであります。でありますので、この賃金については、建設省の方においても、こういう実態があるということを十分お含みおき願いまして、御検討を願いたい。こういうふうに考えるものであります。 そのほか、下筌ダム等の問題もございますが、時間がまた長くなりますので、きょうはこれで終わりたいと思います。
○加藤委員長 三鍋義三君。
○三鍋委員 海岸保全事業に関しまして、大臣及び河川局長に若干質問をしてみたいと思います。 この事業促進のために、三十一年の五月、海岸法が制定されたのでありますが、この法律制定当時、当委員会におきましてもいろいろと問題点を指摘されましたことは、御承知の通りであります。つまり、農林省、運輸省、建設省、こういった三省の所管事項になっておりますから、連絡調整がはたしてうまくいくのかどうか。こういった問題が論議されたのであります。つまり、海岸地域の指定の問題あるいは保全事業の基礎調査等、全体計画、予算の効率化、こういった問題、それから施設の管理維持の問題、また事業費の分担の比率の問題、これらが多く論議されたのでありますが、そのときは、これだけでもできたらいいのだから、まず第一歩として、というようなところでこれが発足したのであります。その後五カ年間経過をいたしました今日、これらの当初心配された問題点は、はたして杞憂にすぎなかったのか。やはりそれに対していろいろの問題点が出てきたのかどうか。これに対して、建設当局としてどういう考えを持っておられるのか。こういった問題について、時間もだいぶおくれましたので、要点だけでよろしゅうございますから、まず大臣から御説明願いたいと思います。
○中村国務大臣 御承知の通り、海岸保全事業につきましては、三省に関係があるのでございまして、三省間に協定を作って進めておるのでございますが、若干基本的に意見の食い違う点もございます。毎年度の事業執行にあたりましては、きちんと三省間の意見統一をはかりまして進めておるような次第でございます。三十六年度におきましても、建設省の所管といたしましては海岸保全ということに大いに力を注ぎまして、従来の工事中の個所のほかに二十二海岸ほどを追加いたしまして、三十六年度は七十三カ所ほどの海岸についての保全事業を実施することに相なっておるような次第であります。私どもといたしましては、この関係省間の調整につきましては、閣内におきまして十分意を注ぎまして、円滑に、しかも効果的に保全事業の進行いたしますように努めて参りたいと思います。
○三鍋委員 大臣の御答弁は非常に常識的でありまして、実際問題といたしましては、多くの不合理、矛盾が出てきておるのではないかと私は考えておるのであります。いろいろな問題点を指摘してみたいのでありますが、時間の関係上、具体的な問題といたしまして二、三河川局長にお尋ねいたしましょう。 それは、三十五年度だったか、たしか保全事業のうち直轄事業として有明海岸その他、全部で三カ所施行するということになったのであります。この直轄事業として施行するというねらいは、一体どこにあったのでございますか。そうして、その効果はどのように現われたか。そうして、補助事業として県で施行する関係事業との関連性はどのようになされているか。こういう点についてお聞きしたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 御承知のように、直轄区域といたしまして三十五年度に初めて三カ所取り上げたわけでございますが、その個所はどういうふうに選んだかといいますと、海岸法の第六条の主務大臣の直轄工事、こういう基準で選んで参ったわけでございます。つまり規模が著しく大であるとか、高度の技術を必要とする、あるいは高度の機械力を使用して実施する必要がある、こういう観点から選びまして、直轄事業を実施して参ったわけでございます。従って、こういう観点から、県事業でやるよりも直轄でやった方がいいというところを選んだわけであります。それと県工事との関連ということになりますと、取り上げます区域が一連のはっきりした——この間だけやれば、あとの隣接の県工事との関係はないというふうに、つまりはっきりいたしました区域を取り上げまして直轄でどんどん進めていく。こういう考え方でございまして、県工事でできないところ、そういうものを取り上げてやって参ったわけでございます。
○三鍋委員 県工事ではいろいろの関係上、規模の関係、技術の関係、機械の関係でできないところを直轄でやる。しかし、同じ区域において県工事と直轄とに分かれて施工行なわれておるところがあるのではないかと思うのでございます。そこに何か関連性、それから技術指導、事業の内容、こういったものにそごというよりも、連絡調整が十分にいっていないというような感じを受けるのであります。そういうことはありませんか。
○山内(一郎)政府委員 できるだけ、そういうことがないように直轄海岸の区域をきめて参ったわけでございますが、たとえば有明海津につきましては、一部隣接をいたしました県のやるべき工事があるのでございますが、来年度はその区域もあわせて直轄海岸でやるというふうに、逐次是正をして参りまして、一連の区域はできるだけ全部直轄で取り上げる、こういう方針で参っておるわけでございます。
○三鍋委員 大へんけっこうだと思うのでありますが、どうしても県事業というものが継続して実施していかなければならないとい5関係上、いろいろの問題点も起きるのではないかと思うのであります。たとえば下新川海津におけるところの、この一月二十何日かに受けた災害を見ますと、直轄でやったところは厳然として存在しているわけです。県でやっている事業の方は、みなひっくり返ってしまっている。その技術的な工法、そういう点を見ますと、私どもはしろうとでわかりませんけれども、何といってみても、そこに大きな差異がありまして、これではあまりにも貧弱であって、ひっくり返るのは当然だと思われるような事態が現出しているわけです。現在こうやってしゃべっている間も、どんどんと侵食されていっているわけです。こういう点につきまして、国の予算あるいは地方財政負担というものは、非常にむだな使い方をされているのではないかと思うのであります。今、局長さんのお話では、そういった個所も直轄でやっていくようにしたい、このような御意見を聞きまして、満足しておるのであります。 そこで、先ほども災害復旧の話が出たのでありますが、それとの結びつき、いわゆる改良事業をやっていくという方向も建設省の方針として承ったのでありますが、いろいろの制約がありまして、実際問題としてなかなかそういかないのでしょう。ところが、同じ海岸線におきまして、一方は直轄は厳然として——これだってわかりませんけれども現在の状況におきましては安定感を持っておる。そうして、同じ海岸線で県がやっているやつが、そういうみじめな姿になっている。こういうことを考えましたときに、少なくとも改良事業としては、現在建設省で直轄でやっているああいった安全性というか、技術的な問題をしっかりとやっていただかなければならないのではないか、こう思うのですが、これに対するお考えはどうですか。
○山内(一郎)政府委員 先ほど申し上げましたように、直轄工事で取り上げられる個所は、できるだけどんどん取り上げて参ります。それから、どうしても直轄に入らない区域がもしございましたら、その場合、再びこわれないように、いろいろ直轄海岸で学びました技術を指導の面に上げまして指導して参る。こういうふうに、施行の面並びに指導の面におきまして、今御指摘がございましたような、災害が再び起こらないようにやって参りたいと思います。
○三鍋委員 それでは、ぜひ一つ御配慮をお願いしたいと思うのであります。 それからもう一つは、三・五・二の比率でございます。特に緊急を要するところの河川の問題あるいは海岸の問題等に関しましては、必ずしもこれにとらわれない。やはりせっかく施した工事が効果があるようにやっていただきたい、こう思うのです。やっていただかなければ非常にむだだと思うのです。だから、必ずしも三・五・二にとらわれなくてもいいのでしょう。と申し上げますのは、それにとらわれ過ぎますと、もうちょっとやっておけばなんとか保つことができたのに、それができなかったために、せっかくやった工事がまた押し流されてしまう、破壊されてしまう。これではもう、さいの河原でありまして、実にむだ使いになる。地元の住民がこれを見たら、一体政治がどうなるのだろうかというような感じを、率直に持つだろうと思うのであります。こういう点は、たとえば狩野川のあの復旧にいたしましても、必ずしもそれにとらわれないで、やはりどんどんとやることをやって、再び翌年度にならぬ先にまた破壊されるといったようなことのないように、事業が進められたと思うのですが、こういう点について、どのようにお考えでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 三・五・二と申し上げますのは、これは全国の予算のワクといいますか、初年度全国で幾らあれば、その三割は全国的のワクとして確保する、これが三・五・二の三でございます。それでは、そのうちどういう個所をやるかという点につきましては、これは別の観点からやるべきだと思います。ただいま御指摘がございましたように、もう少しやっておけば完成するとか、あるいは非常に重要な海岸であるとか、河川であるとか、こういう場合には、もう初年度で全部仕上げる、こういうような考え方でやっておるわけでございます。
○三鍋委員 一つ大臣にお尋ねいたします。この補助率の比率の問題は、二分の一が国、二分の一が地方の負担ということになっているのですが、私はこの率を作ったときも、なんとかして三分の二くらいにならないかということを強く要望したのでありますが、先ほどもお話申し上げましたように、まあこれだけでもできたからいいんだ、まずというところで、そのときは泣き寝入りというより仕方がないかなと思っておったのです。そろそろ五年もたっておるのでありますし、海岸の侵食護岸工事というものは、もう想像に絶するものがあります。またいろいろな問題点があるのですが、これらを含めて補助率の問題を、ことしはできないようでありますが、なんとか来年あたり、これを考えてみていただけないかと思うのですが、お考えを承っておきたいと思います。
○中村国務大臣 実は三十六年度予算編成の際にも、御期待のように補助率を引き上げるべく努力いたしたのでございまするが、遺憾ながら大蔵省との間に妥結することができませんで、補助率としては従前通りということに終わったわけでございます。事業の伸び率の方で見てもらって、がまんをせざるを得ないということに相なりましたが、確かに海岸関係は、地勢等の関係から起こって参りますので、地元府県の財政力との関係なしに、事業の施行の必要な場所が所在するわけでございますから、私どもとしては、補助率の改定について今後とも努力をしていきたいと思います。
○三鍋委員 これは大臣、ぜひ一つがんばっていただきたいと思います。そこでなお、補助率の問題でございますが、国と地方と二分の一ずつ。ところが直轄でやっている事業の工程と、県でやっているのを比較してみますと、どう考えてみても、工程に大きな技術的な差異があるのですね。これはどういうわけなんですか。同じ補助率でやっておって、直轄でやる場合はりっぱなものができて、県でやる場合はちょっと比較にならないような貧弱なものが作られておるというのは、これはどういうところからきているのでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 これは、工作物を作ります計画とか、設計の問題になると思いますが、やはり直轄事業といたしましては、先ほどの観点から重要なところをやっている、こういうふうに考えられるわけでございます。従って、どういう高さにするとか断面をどうするとかいう点については、やはりある程度は経済効果とのにらみ合わせといいますか、そういう点で計画をきめるべきである。こういうふうに考えてやっているわけでございます。従って、そういう非常に利害得失のあるところは、やはり直轄で取り上げてやるべきでありますし、そうでないところとやはり多少の差が生ずるというのはやむを得ない、ということを考えてやっている次第であります。
○三鍋委員 それはちょっとおかしいと思うのです。同じ区域で、直轄でやったのと県でやったのと、そこに違いがあるとすると、強いところがあるために、かえって弱いところに大きな力が移っていきまして、こういう必要以上の災害を受けるという場合が出てくるのじゃないでしょうか。こういう点、やはり建設省として技術その他で県をよく指導して、同じようなものを作るという建前でなければならぬと思うのです。これはことし初めてやられたので、まあ経験を積んでいけば、そういう方向にいくだろうと思いますけれども、そういう矛盾が地方に実際問題としてありますから、これは十分御研究をしておいていただきたいと思います。 それから、災害を受けた場合は、ことに下新川地区あたりは日本で随一の波浪の強い、災害の多いところであります。一つ早く査定官を派遣されまして、応急対策を進めていただかないと、実際その付近にいる住民、あるいは田地を持っている人々は、安閑として一日も安らかに住むことができない。現在でもどんどん侵食しておりますから、こういう点も手抜かりなく、一つ今後とも御配慮をお願いしたいと思うのであります。
○加藤委員長 次会は来たる四日土曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十四分散会