建設委員会 第7号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/22
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 一昨二十日付託になりました建設業法量一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。 ————————————— —————————————
○加藤委員長 まず、提案理由を聴取することにいたします。中村建設大臣。
○中村国務大臣 ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案につきまして提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 御承知のように、建設業法は、昭和二十四年制定以来、建設工事の適正な施工の確保と建設業の健全な発達に寄与して参っておるのでありますが、最近における建設工事量の増大にかんがみまして、建設工事の施工体制を強化し、建設工事の適正な施工を確保いたしますとともに、中小建設業者の一そう健全な発達をはかることが必要と考えられますので、同法の一部を改正いたしまして、建設業者の登録の要件を整備いたしますとともに、総合工事業者及び専門工事業者の名称、建設業者の経営に関する事項の審査及び建設業者団体に関する届出等につき必要な規定を整備することといたしました。 以上がこの法律案を提出いたしました理由でありますが、次に、その要旨について御説明申し上げます。 まず第一に、現行の建設業法におきましては、第五条に定める要件に該当する者は、登録の申請に関する資格を得るのでありますが、この資格につきましては、広く建設工事に関して学歴もしくは資格及び実務の経験を有する者等といたしておりまして、建設業者が主として請け負う工事とは直接には関連を持たなくてもよいことと相なっている結果、資格要件が軽易かつ画一的にすぎるといううらみがありましたので、これを建設業を営む場合の主として請け負う工事の種類に対応した資格要件を必要とすることといたしまして、建設業者の施工体制の強化をはかることといたしたのであります。 また、現行の建設業法では、一般的に建設業を営むために必要な建設業者の登録について規定があるにとどまっておりますが、建設業者は、建設工事を施工するにあたりまして、土木一式工事または建築一式工事を総合的に施工するものと、各専門分野において施工するものとの二種に区分されている実態に即しまして、建設業者を総合工事業者と専門工事業者に区分することといたしました。すなわち、主として請け負う建設工事の全部または一部が土木一式工事または建築一式工事である建設業者であって、建設業者の登録の要件とされている資格者のほか、土木一式工事または建築一式工事に関し指導監督的な実務の経験または業務管理の責任者としての経験を有する者を常置するものは、総合工事業者の登録を受けることにより総合工事業者と称することができることといたし、この登録を受けた者以外の建設業者は、主として請け負う建設工事の種類を明らかにした文字を冠する専門工事業者と称することができることといたし、また建設業者が表示する標識には、総合工事業者または主として請け負う建設工事の種類を明らかにした文字を冠する専門工事業者の名称を記載させることといたしたのであります。 第二に、現在公共性のある施設または工作物に関する建設工事の入札につきましては、注文者は入札参加を希望する建設業者の資格について一定の基準により審査を行ない、その中から入札参加者を決定するのが通例になっておりまして、この基準につきましては、現行法の規定により、中央建設業審議会において、入札参加者の資格に関する基準を作成し、各注文者に対し、その実施を勧告し注文者に利用されているところであります。この基準による審査のうち客観的事項に関するものにつきましては、各注文者が個々に行なうよりも建設業法の施行をつかさどる行政機関において一括して行なうことが適確妥当であり、また、その審査の手続については、法律の定めるところによりまして公正妥当な方法によって適確に行なうことが適当であると思われます。そこで、公共性のある施設または工作物に関する建設工事の入札に参加しようとする建設業者につきまして、建設大臣または都道府県知事は、その申し出により経営規模その他経営に関する客観的事項の審査を行なうことができることといたしました。 なお、この審査の項目と基準につきましては、中央建設業審議会の意見を聞いて建設大臣が定めるものといたしており、この審査の結果については、建設大臣または都道府県知事が申請した建設業者または注文者の請求によって通知することといたしております。また、この審査の結果に異議のある建設業者は、その審査を行なった建設大臣または都道府県知事に対して再審査の申し立てをすることができることといたしております。 第三に、建設工事の適正な施工を確保し、建設業の健全な発達をはかるためには、建設業者団体の自主的活動による建設業の整備振興に待つところが多いのであります。これらの団体の健全な発達を期するため、行政庁としては、これらの団体に対し適切な指導を行ない、また、建設業者に対して、直接指導監督するほか、その所属する団体を通じて指導を行なうことが適当であると考えられます。よって、建設業に関する調査、研究、指導等建設工事の適正な施工を確保するとともに、建設業の健全な発達をはかることを目的とする事業を行なう社団または財団で建設省令で定めるものにつきましては、建設大臣または都道府県知事に対して、所定の事項につき届け出なければならないことといたし、これらの団体に対して、建設工事の適正な施工を確保し、または建設業の健全な発達をはかるため必要な事項に関して、建設大臣または都道府県知事は、報告を求めることができることといたしております。 第四に、現在、中央建設業審議会は、建設業に関する事項について関係各庁に建議するほか、建設工事の標準請負契約約款、入札参加者の資格に関する基準並びに予定価格を構成する材料費及び役務費以外の諸経費に関する基準を作成し、並びにその実施を勧告することができるのでありますが、その所掌する事項は複雑多岐にわたる上に、その調査審議する内容によりましては専門的な知識を要しますので、建設業に関する専門の事項を調査審議させるために、中央建設業審議会に専門委員を置くこととしたものであります。 第五に、建設大臣または都道府県知事は、その登録を受けた建設業者または届出のあった建設業者団体に対しまして、建設工事の適正な施工を確保し、または建設業の健全な発達をはかるために必要な指導、助言及び勧告を行なうことができることとしております。 このほか、以上の措置に関連いたしまして所要の改正及び罰則の規定の整備を行なっております。 以上が建設業法の一部を改正する法神案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○加藤委員長 これにて本案についての提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は次会に譲ります。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 先般、大臣より提案理由の説明を聴取いたしておりますが、本日はその補足説明を聴取することにいたします。高野道路局長。
○高野政府委員 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案の条文を、逐条的に御説明を申し上げます。 資料といたしまして、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案要綱、同じく道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案等を差し上げてあるわけでございます。 この法律案は、昭和三十六年度を初年度とする道路整備五カ年計画及び積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画の策定、実施のため必要な規定を整備するためのものでございまして、本則二カ条及び附則二項からなっております。 まず、第一条は、道路整備緊急措置法の一部改正の規定でございます。 道路整備緊急措置法第二条第一項の改正は、昭和三十六年度を初年度といたします道路整備五カ年計画策定の根拠規定を設けるためのものであります。すなわち、これによりまして、建設大臣は、昭和三十六年度以降五カ年間における新道路整備計画の案を作成して閣議の決定を求めなければならないこととしたのでございます。 第二条第三項の改正は、建設大臣と経済企画庁長官との協議に関するものでございます。現行法におきましては、五カ年計画の案のうち高速自動車国道にかかる部分について運輸大臣に協議することとなっておりますが、今回さらに道路整備計画と長期経済計画との調整をはかるため、建設大臣は、新五カ年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ経済企画庁長官に協議しなければならないこととしたものでございます。 次に、道路整備費の財源に関する規定につきまして、新計画の場合においても、現行計画と同様、揮発油税収入額に相当する額を道路整備費の財源に充てるものとするため、第三条第一項本文中昭和三十三年度とあるのを昭和三十六年度と改めますとともに、すでに不要となった部分を削るため、同項第三号を改めることといたしました。すなわち、昭和三十年度から昭和三十二年度までの直轄事業にかかる地方負担金で現金納付のものは、すでに、全額道路整備費の財源に充当されましたので、これに関する部分の規定を削り、地方債証券の償還金にかかる部分の規定のみを存置することとしたのでございます。 次に、第四条の規定を削除いたしましたのは、道路整備特別会計における交付公債制度が昭和三十五年度から廃止されましたことにより同じく不要となったからであります。 また、新計画の実施期間中におきましても、現行計画の場合と同様、国の負担金の割合及び補助金の率について、特例を定める必要がありますので、第五条中「昭和三十三年度」とございますのを「昭和三十六年度」と改めることといたしました。 次に、第二条でございますが、これは、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する措置法の一部改正に関する規定でございます。 すなわち、積雪寒冷特別地域道路交通確保五ヵ年計画の期間を、新道路整備五カ年計画の期間と調整して実施するため、第四条を改正することといたしました。これによりまして、今後、昭和三十六年度以降の毎五カ年を各一期とする五カ年計画が策定されることとなるのでございます。 第五条から第七条までの改正は、いずれも、第四条の改正に伴う技術的な改正であります。 次に、附則でありますが、第二項におきまして、道路整備特別会計法の一部を改正することといたしました。これは、緊急措置法第二条及び第三条を改正いたします結果、特別会計法第一条の内容が自動的に変化し、現行五カ年計画に基づく道路整備事業につきましては、当然には、道路整備特別会計で経由し得ないものとなりますので、これを引き続き特別会計で経由するものとするため、附則に一項を加えたものでございます。 以上、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして逐条説明申し上げた次第でございます。 どうぞよろしくお願いいたします。
○加藤委員長 本案に対する質疑は次会に譲ります。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。 岡本隆一君。
○岡本(隆)委員 政府は所得倍増計画を定めまして、それに伴うところの住宅政策として、十カ年間に大体一千万戸、こういうふうな政策を立てておられますけれども、その一千万戸の建設計画の中で、一応先般五カ年間の計画を発表しておられるのでありますが、それによりますと、五カ年間に四十三万五千戸の公営住宅と改良住宅を建てる。そこへ公庫住宅や公団住宅、その他合わせて百穴十万戸を政府施策住宅として建てる。残りは民間自力建設に待つ。こういうような方針のようでございます。しかしながら、その四十三万五千戸の公営住宅を建てていくという計画の中で、本年度は公営五万二千戸、改良四千戸、合わせて五万六千戸という計画を予算化しておられます。これでは四十三万戸を五カ年にやっていくのに、第一回の初年度の計画としては少し公営住宅の計画が乏しいように思うのでございますが、あと四年間にその残りを建てる自信をお持ちになっていらっしゃいますか。
○稗田政府委員 三十六年度を起点といたしまして、新しく住宅建設の五カ年の計画を立てたわけでございますが、大体五カ年間に民間自力合わせまして四百万戸、そのうち政府施策百六十万戸ということで計画を立てたわけでございます。 その中の公営、改良、あるいは金融公庫、公団住宅笠の配分につきましては、ただいま先年がお述べになりましたように、当初立てた配分計画がそういうようなことだったわけでございます。ただ、三十六年度の予算折衝の結果、ご承知のように、公営住宅が五万二千、改良住宅が四千ということになりましたので、その百六十万戸の中の配分計画というものは多少修正を要するというふうに考えておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、大筋としての五カ年間に四百万戸の民間自力建設を含めての住宅を建設するということと、政府施策住宅をその中で百六十万戸建設する、しかも、その中におきまして低額所得者についての住宅、また藤業構造の変化等に伴う勤労者住宅というものに重点を置くという線につきましては、従来通りそういうことで進めていきたいと思っておるわけでございます。
○岡本(隆)委員 それでは、百六十万戸という目標は変わらない、しかしながら、公営住宅の方は縮小していく、公庫その他の住宅でもってそのかわりを見ていく、こういうふうに計画を変更せざるを得ぬ、こういうふうに受け取れますが、そうなんですか。
○稗田政府委員 五カ年間のことでございますので、たとえば、現行の政府施策住宅の制度だけでなしに、やはり所得階層の分布が若干変わって参りますので、それに対応し新しい制度なども五カ年の間には実施するというふうなことを含めまして、低額所得者に対する供給は、精神としては従来通りますます重点を置いてやっていきたい、こういうふうに考えております。
○岡本(隆)委員 そこで建設大臣にお伺いいたしますけれども、今、住宅困窮世帯が二百万ある。そのうち過密住宅あるいは間借り、同居というふうな形の人がほとんどです。そういう人たちは非常に低額所得者です。従って、今われわれが住宅困窮世帯が二百万あるという考え方の中では、一応そういうふうな低額所得者で住宅に困っている人が二百万世帯ある、こういうふうに理解しなければならないと思います。さらにまた、所得倍増計画で一応国民総所得は倍になる、こういうふうなことを申しましても、国民総所得は倍になっても、所得格差というものは均等にはならない。まだこれから相当開いていくのではないかという心配を私たちは持っている。そういたしますと、青年がこれから結婚をするというような場合に、新しい住居がどんどん求められて参りますが、それらの人たちの中で一部の日の当たる産業にうまく就職できた人は、なるほど産労住宅というようなところに入れるかもしれませんが、多くの人々はやはり零細企業、中小企業の中に職場を見つけて低賃金で働かなければならぬ。そういたしますと、低額所得者の住宅の需要というものは非常に大きくふえて参る。二百万戸が二百万戸で済まなくて、これが四百万戸にも五百万戸にも、低額所得者の住宅需要というものはふえてくると思うのです。そういうふうな中で、それらの人を収容し得る、またそれらの人が支払い得るところの家賃というものは、今日の公営住宅程度の家賃でなければ支払っていけないと思うのです。従って、ほんとうに国民一世帯々々々を一戸の家に住まわせるという住宅政策を立てていくためには、さらに低額所得者用の住宅というものにもっと重点を置いていただかなければ、住宅問題の真の解決にはならないと思うのです。今、住宅建設十カ年計画の初年度の計画として、公営住宅がこのように少ないということになって参りますと、住宅問題の解決ということにつきましては、前途、はなはだ悲観的な見方をしなければならないと思うのでございますが、建設大臣はどういうふうにお考えになりましょうか。
○中村国務大臣 御指摘の通り、五カ年間政府施策住宅百六十万戸ということになりますと、年度平均にいたしまして三十二万戸でなければならないわけでありますが、三十六年度の政府施策住宅は、公営、公庫、公団、改良等を含めまして二十万八千戸、それに厚生年金、国民年金等の資金によります、いわゆるその他住宅等を加えまして二十四万何千戸でございますから、平均からいたしますと、平均よりも低いわけでございますが、私どもといたしましては、将来日本の経済成長と見合いまして、財政的措置もだんだん強化できると思いますから、五カ年計画の目的は、五カ年以内にぜひとも達成いたしたいという意欲に燃えてやっていくつもりでございます。 同時に、後段で御指摘のありました、低所得階級の住宅を充足することに努力すべきである。この点はまことにごもっともでございます。大体、低所得階級向きの住宅といたしましては、政府施策の住宅の中では一種、二種の公営住宅、不良住宅の改造住宅及び公庫、公団の賃貸住宅、こういうことに相なろうと思うのでありますが、これらにつきまして、三十六年度の予算編成にあたりましても、他の住宅に比しまして、できるだけ造成に努めるようにいたしまして、割合といたしましては、この低所得階級向けの住宅の数は、従来に比して相当にふやす努力をいたして、そういう予算措置になったわけでございます。今後の後年度におきましても、当然お話のように、低所得階級の住宅を充足するための方向に万全を期して努力をいたさなければならない、そういたすべきである、こう思います。まことにこの点は同感でございまして、今後われわれといたしましては、そういう方向に向かって一そう力を注ぎたいと思います。
○岡本(隆)委員 公庫、公団の賃貸住宅を低所得者層向きの住宅の中に大臣は今数えておられます。これは見解の相違になってくると思うのでありますが、公庫、公団の住宅を低所得者向きだというふうな考え方は、これは相当無理が伴うと思います。公庫、公団は、これは中産階級と申しますか、現在の物価で二万以上の、相当収入のある人でなければ少し入りにくいものでありますから、これは今過密住宅の中で困っている人たちには少し向かない。従って、今後さらに公営住宅にもっと重点を置くという考え方をもって、私は住宅問題に当たっていただきたいということを強く要望いたしておきたいと思います。 そこで、きょうの住宅金融公庫法の改正の問題に入っていきますが、住宅金融公庫法の改正の中で、今度は第九条に産労住宅の貸付金の金利を変更し、貸付期間を変更するというふうな改正案が出ております。この給与住宅、産労住宅というのについて、一応私たちは、これはもう一度考え直してみる必要があるのじゃないかと思います。大体、給与住宅というものは、今貸し付けられている多くの対象は非常に日の当る産業です。従って、大きな経済力を持っておる会社がこれをどんどん借りて、それでもって従業員の住宅建設をやっておる。ところが、現在でも所得格差が大きな問題になっておるが、そういうような形でどんどんまた給与住宅として政府資金が大資本へ流れていって、現物給与の形で住宅が与えられて、片一方零細企業に勧める者は、日ごろの給与は悪い、しかも、そのような給与住宅というふうなものは当たってこないということでもって、給与住宅を多く建設することによって、実質的な賃金格差というものはますます広がっていくのです。だから、一方大企業では給与がいい、さらにいい住宅に住んでおる。零細企業の者は、不安な日常生活の中で、非常に狭い、きたない住宅に住んでおるというふうになってくるのであります。従って、こういうような給与住宅の貸付というもののワクを、これはむしろ公団の賃貸住宅に、一般に公開すべきじゃないか。こういうふうな考え方を私は持つのですが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○中村国務大臣 この産労住宅も、なるほど企業体は経済力がございましても、そこに従業いたします勤労所得者は必ずしも高所得階級ばかりではないと思いますので、お説のように、他の公団住宅あるいは公庫住宅に重点を置くべきであるというような一つの考え方でございますが、産労住宅関係も、これは無視することもできないと思うのでございます。そこで、さしあたり三十六年度予算編成方針といたしましては、従来産労住宅の予定戸数及び金額等は一本になっておりまして、どうしても自己資金の楽な大企業住宅の産労住宅の方に向けやすい傾向がでございましたので、三十六年度といたしましては、実はこれを中小企業向けの分をはっきりとワクを設定いたしまして、御承知のようにこの分の産労住宅をはっきりさせましたような次第であります。産労住宅の中でも、今後だんだんと中小企業の産労住宅、こういう方面に力を注ぐ傾向にして参りたいと思っておるわけでございます。考え方としましては、お話のように、もっと、できるだけ低所得階級の住宅の充足ということを重点として、そういう方向に指向させていかければならない。この点は、全く考え方として同感でごいますが、産労住宅につきましては、三十六年度としてそのような実は処置を考えておる次第でございます。
○岡本(隆)委員 ことしの住宅建設計画を見ましても、公庫のうちの産労住宅が一万四千戸、それから年金住宅が三万八土日合わせて五万二千戸の計画が見られるわけです。ところが、その五万二千戸の給与住宅に対しまして、ことしの公営住宅が五万二千戸、改良住宅が四千戸で、五万六千戸。そうすると、一般の勤労者に対するところの住宅は五万六千戸で、産労住宅が五万二千戸で、ほぼ同数であります。一応今、大臣は、産労住宅は今後中小企業に重点を置くのだ、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、今日の現状は、やはり中小企業にようやく道が開かれた、一部が中小企業にさかれておるのみであって、大部分はやはり大企業に貸し付けられておる。従って、そういう意味においては、概括的に見るときには、ことしの住宅計画というものは給与住宅に非常に重点がおかれておる。しかも、一般的な勤労者住宅としては、給与住宅に重点が置かれ、一般の勤労者に対しては非常に門戸が狭くとられておる、こういうふうに見受けられる。だから、これはやはり是正をしていただかなければならないと思うのですが、どうでしょうか。
○稗田政府委員 その他住宅の三万八千戸でございますけれども、先ほど厚生年金、国民年金等を代表的なものとして申し上げたわけでございます。三万八千戸の内訳の中には、厚生年金が一万一千戸、それから国民年金関係が五千戸、それから政府関係機関の宿舎と申しますか、そういうもの、それから災害公営住宅、それから農林省の入植者住宅、そういったもの全部足しまして三万八千戸ということになっておるわけでございます。従いまして、産業労働者関係の住宅といたしましては、金融公庫の産労住宅の一万四千戸、それから公団の分譲住宅一万一千戸、それから厚生年金の一万一千戸といったようなものが、産業労働者の住宅向きになるわけでございます。これらの住宅につきまして、もちろん中小企業向きに十分使われるように今後やって参りたいという考えでおるわけでございます。
○岡本(隆)委員 大体、給与住宅というものの性質は、賃金は低くしておいて現物給でもって住居を与えるというふうな考え方でありますから、従って、一面今度は、職場を追われることは住を追われることになるというふうなことになりますから、勢いこれは企業に従業員を隷属させるというふうな性格を持っています。従って、近代的な労使関係というものからいけば、これはきわめて逆行した行き方であるといわなければならぬ。何か安い家に住まわしてやるというふうな恩恵的なものを与えることによって、低賃金で済ましている。しかも、それによって封建的な主従の関係というふうなものを労使関係の中に持ち込んでいくという点において、これは近代民主主義とは逆行する行き方のものなんです。だから、政府の施策としてやっていく場合に、こういうような産労住宅というものを全面的に住宅政策の中に強く押し出すということは誤りであると思う。なるほどこれは、労使関係を従属的なものにするという点において、資本家の方はそういうものを求めていくでしょう。しかし、本来の近代労働者の感覚からいったら、こういうように住を現物で与えるよりも、りっぱな住宅に住めるだけの賃金を与えればいいのであります。従って、こういうような時代に逆行したものを政府の施策として重点視されていくというようなことは、今後住宅政策の中では私はとっていただきたくないと思う。だから、これから後は一つそういう方向に持っていただくことを要望いたしておきたい。 もう一つは、それに回すところの資金、これはやはり相当な金額でありますから、従って、もっと有効に、すべての勤労者に共通に使えるような場に使っていただきたい。特定の産業の勤労者だけが住居問題が解決されるというのではなしに、すべての勤労者が共に住居に均等に潤うような考え方に持っていっていただきたいということが一つ。 もう一つは、大企業については、大きな設備投資をやるのです。農村なんかに工場を持っていきまして、大きな設備投資をやる。設備投資については、これは自己資本でまかなっていくのです。ところが、そこへ勤務者を集めていくという場合に、熟練工をそこに呼んでくるには住宅が必要になって参ります。そうすると、その住宅の資金というものは、これは政府の住宅資金にもたれていく、こういうことになって参ります。そういう制度は間違っていると思うのです。みずからが工場を田園に求めたならば、同時に住宅部分もその設備投資の中に当然含んで、みずからが計画してやっていかなければならないのを、政府資金でもってめんどうを見ていく。こういうような考え方、それに協力していくという政府の政策というものは、これは私は今後少し是正していただかなければならない方向でないかと思うのです。産業を地方に持っていけば、みずからの力でやはり同時にそういうような住宅建設というものも、あわせて設備投資として企業に考えてもらわなければならない。そういう点、建設大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○中村国務大臣 ただいまの点は、理想としましては、確かにそこに働きます従業員の住宅等は、その企業の自己資本等でまかなっていくのが理想であると私も思うのでありますが、ただ、できるだけ地域格差等を是正いたします意味からも、産業の分布状態を普遍的にやっていこうという現在の現実から考えますと、やはり分布状態をよくするのに、ある程度国としても今の段階では協力をする必要性があるのじゃないか。そういうような意味から言いますと、これらの産業労働者の住宅をある程度国の力で援助をいたしまして、そういうところに産労住宅を割り振るような配慮というものも、今日の段階ではまだ必要ではないか。こういうように・実は考える次第でございます。
○岡本(隆)委員 原則的には、やはり企業において住宅部分を設備投資に含めなければならないというふうな考え方には、大臣も同じ御意見のようでございますが、そういう考え方からいきますと、貸付期間というのが私は問題になってくると思うのです。なるほど、当面設備投資をやるのにぎりぎり一ぱいの資金だから、住宅部分は政府施策の資金の援助に待ちたい。じゃ、援助は政府の方でする、それもよろしい。しかしながら、それでは企業は、さて設備投資をやって五年、十年たってくれば、どんどん業積を上げて利益を上げていく。そういう場合に、そういう企業に対して、三十年、三十五年といったような長い期間に融資をする必要が私はないと思うんです。そういう場合には、やはりできるだけ早くその資金を回収して、また次の住宅建設に向けていくべきものである。だから、そういう意味で、この産労住宅の償還期限が、耐火構造のものについては三十五年、簡易耐火構造のものについては二十五年というのを、さらに短縮すべきである、こういうように思うのですが、いかがでしょう。
○中村国務大臣 御承知の通り、政府の融通いたしますのは、大体建設資金の半額でございまして、あとの半額は先ほど御意見のございましたように、自己資金なり、あるいは他からの借り入れ、主として建設をいたしますような場合には銀行とその他からの借入金ということに相なると思うのでありますが、これらは自然短期の資金に相なって参りますので、現在のところではこの程度の長期資金であることが、産業を育成していく上からも、また先刻申し上げましたように、分布状態を逐次是正して参ります上からも必要かと思うのであります。御指摘の点は、今後の趨勢に従いまして、われわれといたしましては十分一つ御意見の点を研究して参りたいと思います。
○岡本(隆)委員 次に、この中にも出ておりますが、標準建設費という言葉があります。この標準建設費というものが、今度建設単価として木造で七%簡易耐火で五%、耐火で四%、引き上げるというふうなことを「住宅対策の概要」というプリントに書いておられますが、この貸付の場合にも、やはりこれは引き上げられるのですか。
○稗田政府委員 住宅金融公庫の貸付の標準建設費は、ただいまお述べになりましたように、木造七%、簡耐が五%、耐火は四%というように引き上げたわけでございます。従いまして、貸付金額もそれだけ坪当たりふえるわけでございます。
○岡本(隆)委員 ところが、これを見ますと、公営住宅や改良住宅ですが、そういう部分についての建設単価も同じように引き上げられておりますか。
○稗田政府委員 公営住宅、それから改良住宅におきましては、単価としては前年度通り引き上げがなかったわけでございます。ただ、これは先ほどお述べになりましたように、低額所得者に対する低家賃住宅、しかも大量に供給しようというようなことが眼目になっておりますので、そういう単価の是正というよりも戸数をふやす。しかも、家賃にあまり響かないように、そういう配慮をしておるわけでございます。
○岡本(隆)委員 現在の単価は、いつごろきめられたのですか。
○稗田政府委員 公営住宅の単価等につきましては、私、ただいま正確に記憶がないのでございますが、三十二年ごろからそのままだというように覚えております。
○岡本(隆)委員 三十三年と今日とで、建築費はどれぐらい上がっているでしょうか。
○稗田政府委員 民間の建築単価の指数で申しますと、かなりの値上がりがいたしておると思うのでございます。ただ、公営住宅等につきまして申し上げますと、ただいま私申し上げましたのは、予算単価を申し上げたわけでございます。これを実施単価にいたします場合、建設費を全国をある区分に分けまして、それぞれ差をつけて開くわけでございます。そういった場合の実施単価におきましては、三十六年度としては若干の単価の引き上げということができることになるわけでございます。と申しますのは、御承知のように、第二種公営住宅におきまして、規模が従来八坪でございましたけれども、今度九坪に質を引き上げておるわけでございます。それで、用地費等につきましても、同じように八分の九ということで引き上げをしておるわけでございます。ところが、八坪の住宅を建てる場合に、一戸当たり敷地が、たとえば三十坪と申しましても、これを九坪にしたので、やはり敷地面積も八分の九にふやすというだけのことにはならないわけでございます。従いまして、そういうことを一切総括いたしますると、若干の単価の改定はできることになるわけでございます。実施単価の面につきまして、そういうような運用をいたしたいと思っております。 それからなお、公営住宅等におきましては、大量に一団地として建設するものでございますから、民間の二月一戸の建設の単価とは違うわけでございます。なお、工法等につきましても、毎年改良をいたしまして、全体としてのコスト・ダウンを考えておるわけでございます。
○岡本(隆)委員 従来とても、政府の方できめておられる単価というものが低いので、相当の追い足しをしなければ家は建たないのです。そのために、公営住宅を建てるのに、短期の持ち出しが多いから、地方公共団体でそれが消化しきれないというふうなことが間々あった。そういう実情であったところへ、さらに物価がどんどん上がってきたから、これはとてもそれじゃいけないということで、今度の公庫住宅、公団住宅等への単価引き上げになってきた。片一方上げておきながら、片一方の公営住宅を上げない。その理由は何だといえば、予算単価は低くして、薄く延ばして水増しして、それでもって物価の値上がりはほおかぶりである。ただ、予算だけ薄く広くまいて、地方団体にそれだけ大きな出血をさして、数の上のつじつまを合わしていこうというふうな方針が、今度の単価に出ていると思うのです。これは無理じゃないかと思う。政府の方で、建築費が上がった、実情がこうだから、上げる必要がある。しかも、この引き上げ価格というものは、これは実質的な物価の値上がりにとても伴わないわずかな単価の引き上げです。それにもかかわらず、公営住宅に関しては、そのままほおかぶりでいくという方針はどうかと思うのです。これは建設省としては、大蔵省に相当強く、同じように引き上げを要求されたのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
○稗田政府委員 もちろん、予算要求の段階におきましては、質向上も含めまして、もっと高い単価で要求はいたしたわけでございます。
○岡本(隆)委員 そこで、大蔵省の方のお考えを承りたいのです。こういうふうな、上げなければならぬということがよくわかっているから、公庫住宅については引き上げた。しかし、片一方公営住宅については、それがわかっておりながら引き上げないというのには、何か理由があるのですか。それとも、単なる予算上の措置だけなんですか。
○宮崎説明員 ただいま御議論を拝聴いたしておりましたが、問題として、標準建設費あるいは単価という場合に、予算上積算に使います単価と、実績でどのくらいの単価になったかということとは、大体相違があるのが普通であります。と申しますのは、たとえば、官庁の予算だけでやります官庁営繕費等について見ましても、現在の予算の組み方は、建設省の方でおきめになる標準建設費あるいは標準単価というものを使いまして、また、役人一人当たりの標準の坪数あるいは標準の共通部分の坪数というようなものを織り込みまして、全体の金額が組まれて予算になるわけであります。実際に建設をいたします際に、実施計画というものを作りまして、必ずしも同じ坪数で建てるわけはないのでございます。そこにいろいろ使用官庁、あるいはそれの設計に携わる人の考え方なり、何なりによって、いろいろのモデフィケーションが行なわれるわけでございます。 今回の住宅の問題につきましては、そういう意味では、比較的同様の種類のものを建てるわけでありますから、バランスをとってやることが私も理想だと思います。ただ、問題になりました点につきましては、三十六年度の住宅予算につきまして、財政投融資も含めて、いろいろの改定措置が要求されたわけです。そのうちで、私どもとして考えましたのは、住宅金融公庫の融資につきましては、特に個人住宅でありますが、最近非常に質が上がっておるという事実を、やはり認めざるを得ないということでございます。つまり、二十九年当時、実際に建っておりました木造の建築と、現在の融資対象にくるものとでは、質といいますか、実際に作るものの程度というものが相当上がっておる。これをやはり認めざるを得ない、こういう考え方であります。 公営住宅の方は、先ほど御説明もありましたように、大体質的には似たようなものになっておるわけであります。問題としては、むしろ今一番必要なのは、坪数の増加ではないか。特に第二種公営住宅のように、非常に坪数の狭いものにつきましては、むしろ坪数を上げるという方に予算の重点を持っていく方が妥当ではないか。実際には、各公共団体の実情などを聞いてみますと、八坪ということでありますけれども、それに単独事業を追加して、坪数をふやしている例も相当あるようであります。そういったものは、今回の予算措置によりまして、実情は地方の今までの単独負掛というものが軽減をされるわけです。そういった財源が、もしあるといたしますれば、それをもって、あるいはその建築の質の向上という面に充てることも考え得るかと思います。もちろん、建築費指数を昨年からとっておりすと、それは若干の値上がりを認めております。ただ、この場合におきまして、基準単価をきめる際の考え方でありますが、官庁営繕あるいは文教施設、そういった一連の予算に関係いたします建築費単価につきまして、どの程度のアップがあれば是正するかという大体の目安がございます。従来の考え方で参りますと、これが五%をこえる、あるいは六%をこえるという程度になれば、相当問題ではなかろうか、こういうような考え方で対処して参っておるわけでありますが、ここ数年の推移を見ましたところが、その上がり方というものは、いろいろな資料によりまして非常にばらばらでございますけれども、全体を達観してみますと、必ずしも今の基準を改定しなければならぬところまでいっていないという考え方も出ますので、今回は据え置きにしたい、こういう考え方で、予算関係の方は組んだわけでございます。
○岡本(隆)委員 公庫住宅については、住宅の質が上がっているから、単価も引き上げなければならないだろうというふうな言葉は、同時に、やはり国民生活というものは、だんだん向上しているのですから、公営住宅といえども、昔のような粗末なものであってはならない。それからまた、以前に建った公営住宅というものが非常に粗末なものであったために、十年前に建ったものはがたがたになってしまっている。従って、粗末な、単価の低いものを建てるということは、 これはもう俗にいう安物買いの銭失いということで、できるだけやはり堅牢なものを建てるという方針に変えていかなければならない。それを、物価の値上がりはさほどでもないという、今のあなたのお言葉ですが、現にけさの新聞にも、去年の十月から、今日では、木材が大体二〇%上がっておるということが書いてあります。また建築労働者の労賃にいたしましても、労働省の調べを見ますと、やはり二〇%、三〇%、以上高くなっておる。だから、建築費というものは、去年とことしだけでもって二、三〇%高くついておるということは、だれも疑っておらないのです。そういう段階の中で、今、単価の引き上げを公庫住宅だけに認め、しかも公営住宅については、余裕のあるところは自分の方で金を出して計画よりも少し坪数をふやしたりなにかしておるから必要がない、こういうふうなことでございますけれども、そんなふうな余裕のある地方団体ばかりじゃありません。地方団体の多くは、そういう余裕がないから、住宅難を解消するために、少しでも公営住宅を建てたいと思いながら、それが消化し切れないで困っているというのが多い現状なんです。だから、そういう点で、そういう事情もよく御承知だと思うのです。そういう事情はよく御承知の中で、やはりこういうふうなことが行なわれておるのを見ますと、どうも私たちには納得がいかないのです。ことに今私が申しましたように、勤労者住宅やあるいは年金住宅というものは、企業の方から、おれの方に回せ、おれの方に回せでもって、引っぱりだこで、猛運動が行なわれておる。そういうふうな猛運動が行なわれて、引っぱりだこで取り合いが行なわれているような住宅について、片一方では、そのように要求が強いから利息も上げるというふうなことで、少しでも資金を回収して、それを有効に使おうというふうに、片一方で公庫の方ではそういう努力をしておる。もし、そんなに引っぱりだこなものであれば、これは単価を上げなくても、足りない分はあなたの方で出しなさい、むしろこういう態度に出てもいいのです。だから、ほんとうに公共団体で金がなくて困っているところにやはり単価を上げてやらなければならぬ。庁一方は引っぱりだこで貸してくれといっているところに単価を上げてやって、片一方ほんとうに資金がなくて困っている公共団体の方には単価を上げない。こういうことになってくると、これは引っぱりだこの運動に、大蔵省の上層部に産業資本の方から、何かからめ手戦術でうまく単価引き上げの運動をやったのじゃないか、こういうふうな悪い勘ぐりをしなければならない。こんなことを言ったら、気を悪くされるかもしれませんが、しかしながら、われわれとしたら、そういうことも勘ぐらなければならぬというふうなことになってくると思う。だから、やはり政治というものは公正にやらなければいけませんし、さらにまた公平なことが行なわなければなりません。だから、公共団体がこんなに以前から、数年前から単価が低くて困る、だから消化し切れないで困るのだ、こういうことがいわれている。それがやっと今後は上がったときに、公共団体の方だけは、公営住宅の方だけは顧みないというふうなことは、公平の原則にそむくと思うのです。今後大蔵省としては、これを是正していかれる用意は持っておられるのですか。
○宮崎説明員 ただいまの御説は、私ども、方法としてはそういうことも考えなければならぬと思っております。ただ、ただいま融資住宅について若干御意見がございましたので、実情を御説明いたしておきますと、私どもも、こういった産業労務者住宅、特に大企業向けにつきまして、従来と同様に相当手厚い資金的な措置をしていくべきかどうかということにつきましては、先生の御意見のように、私どもとしても相当批判的であります。従いまして、今回の措置も、見方によっては不十分だという御意見もありましょうけれども、中小企業との間に較差を設けて実情に合うようにいたしていきたい、借りる会社なりあるいは経営者の力というものに応じて、金融措置を弾力的に動かしていきたいという考え方を、今回表わしたわけであります。一般的に公営住宅の単価問題につきましては、もちろんこういうものは実績から出てくるものでありまして、それを無視するということはできないわけなんです。三十五年の実行上、相当の地方公共団体で単価が芳しいという御要望があることは、私どもも承知いたしております。今回も、できることならば、そういったものもある程度考慮して予算を組みたいという気持もなかったわけではないのでありますが、現在の予算の組み方が、全体公営住宅何万戸、法人建設幾ら、それでこうだというような、いわばワク予算駒組み方をいたします関係上、なかなかそういうこまかい操作ができておらないという点はあるかと思います。住宅の実施計画というようなものを見て参りますと、実際に建つ公営住宅は個々の団地、個々の計画によりまして、それぞれ若干ずつの相違があるわけでございます。もちろん、全国一律に単価をきめておるわけではございません。ただいま住宅局長がおっしゃいましたように、地域別の差は設けておりますけれども、これも非常に大きな分類でありまして、個々の団地に当てはめてみますと、これは必ずしもその実情に合わないという形になっております。そういうようなものでありますので、予算の組み方というのが、どうしてもある程度平均値、場合によるとある程度低いところの平均というもので組まざるを得ないような形になっておるわけであります。この辺のところが、一般の公共土木事業などと予算上相違をいたしておる点でございまして、これは私見でございますが、住宅の予算の組み方などにつきましても、もう少し一般の公共事業と同様の個々の地域、個々の個所というものによって積み上げたようなもので組むのがいいのじゃないか、こういうような考え方も持っております。今後の方向といたしましては、そういう点を勘案いたしまして、建設省の方の御意見も十分拝聴しながら、一つ善処して参りたい、こういうように考えております。
○岡本(隆)委員 住宅問題につきましては、一千万戸建設という大きな目標は立てられておりながら、いよいよその実施段階になって参りますと、私たちはその前途について、ほんとうにそれで住宅難が解消できるかどうかということについて、相当憂慮しておりますので、今後の計画については、どうすれば実際に住宅難が解消できるかという現実の問題をよく見詰めながら、今後とも進めていただくように、特にお願いいたしておきまして、私の質問を終わります。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、建設省関係重要施策に関する件につきまして調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。 兒玉末男君。
○兒玉委員 最初、道路関係について道路局長並びに石井民鉄部長にお伺いしたいと思います。 この前、新道路整備五カ年計画の構想について説明がされましたが、その六項におきまして、「最近における鉄道の踏み切り事故頻発の情勢にかんがみ各道路種別を通じ交通量の多い踏み切りについては、立体交差等の踏み切り除去事業を推進」する、こういうことを御説明になっておるわけであります。御承知の通り、昨年末から本年にかけまして、ダンプ・カー等による非常に大きな踏み切り事故が頻発をいたしているわけであります。これの原因については、すでに私がここでるる述べる必要はないと思うのでございますけれども、最近とみに増加しました自動車等の交通に対処して、これは非常に私は緊急を要する問題だと思うわけでありますが、この立体交差等に関しまして、まず運輸省としてはどういう構想と対策を持っているのか、石井民鉄部長から御見解を承りたいと思います。
○石井説明員 踏み切り事故に関連いたしまして、立体交差化について運輸省としてはどう考えているかという御質問だと思いますが、その前に、現有の鉄道事故と躍み切り事故の趨勢を申し上げましてからお答えしたいと思います。 現在、鉄道事故と申しますのは、踏み切り事故を含めて私ども鉄道事故と考えておりますが、この鉄道事故の内訳を、鉄道側の責任による鉄道事故と、踏み切り障害による鉄道事故とに分けて考えますと、年々鉄道の責任による事故は、国鉄、私鉄ともに減少の傾向ないし頭打ちの状態でございます。ただ、踏み切り事故の方が、主として自動車が多くなったという原因によりまして、累年増加しているような状況になっております。最近の数字を申し上げますと、国鉄、私鉄を通じまして、踏み切り事故の件数が、三十一年が四千二百四十四件ございましたのが、三十二年が四千三百、三十三年が四千五百六十六、三十四年が五千二百五というふうに、年度別に申しますと事故件数がふえておりまして、これによります死傷者も、死者だけで申し上げてみますと、三十一年が千二百三十七名、三十二年が千二百八十名、三十三年が千三百二十二名、三十四年が千四百八十名というように、人的被害のうちの特に大きい死亡ということにつきましてもだんだん増加している状態であります。そうしまして、踏み切りを障害した、鉄道側から言いますと踏み切りを障害されたということでございますが、そのおもな物件について見ますと、人間とか自転車についてはそれほどふえておりませんが、自動車によって障害されたというのが、これまた累年ふえていくような傾向にございます。 それで、私どもといたしましては、鉄道と道路が交差している場合に、ほんとうに踏み切り事故をなくすのは、もちろん全面的に踏み切りを立体化することが理想的でございますが、現在踏み切りの数を国・私鉄ともに合計いたしますと、全国に大体七万三千カ所くらいございまして、これを全部立体化するということは、言うべくして、特に経費的に不可能なことでございます。また、経費的でなくても、地元の事情その他で立体化がきわめて困難だというところもあるわけでございまして、私どもといたしましては、七万三千という全国の踏み切りの数のうち、特に鉄道の方でも運行回数が多いし、道路の方でも特に自動車の通行回数も多いというものは、建設省ともお話しの上、立体化に努力することにいたしまして、それ以外のものはできるだけ踏み切りの施設、特に、そのうちの踏み切り保安施設と申しておりますが、列車が通るときは警報機を鳴らすとか、警報灯の点滅をするとかいうことにいたしまして、今列車が通るぞということを周知させるような踏み切り保安施設、こういうもので救っていきたい。そうして列車の側も、また道路側も、それほど通行量がないというものにつきましては、結局は踏み切りを渡る人たちに一たん停止を励行していただいてやっていきたい、こういうふうに考えております。 最後の、立体化についてどう考えるかというお話でございますが、これにつきましては、現在鉄道側、道路、自動車の側の両方の交通量調査の結果、至急に立体化をする必要があると思われる踏み切り道は、国鉄につきましては全国で三百四十カ所、私鉄につきましては全国合わせまして六十ケ所、合わせて四百カ所がすみやかに立体化をすべき踏み切りであるというふうに考えておりまして、これが促進につきましては、現在建設省の方とも事務的にいろいろ打ち合わせを続けているところでございます。
○兒玉委員 今の説明によりますと、人あるいは自転車による事故よりも、自動車による事故が圧倒的多数を占めておるという説明があったわけでございますが、運輸行政を担当する運輸省として、運送業者等に対してはどのような監督指導を行なっておるのか。 さらにまた、最近のダンプ・カー等は、これは土建業者でありますが、特に建設大臣としては、そういう立場上どういうふうな行政上の指導をしておるのか。この点について、それぞれの見解をお聞かせ願いたいと思います。
○石井説明員 自動車につきましては、運輸省では自動車局でやっているのでございますが、自動車局の掌握できる自動車と申しますのは、営業用の自動車、バス、それから営業用のトラック、ハイヤー、タクシーでございますが、これにつきましては、踏み切りの一たん停止、その他特に目立つ事故のあるたびに警告を出しまして、励行を奨励しているような状態でございます。その他の一般用のいわゆる自家用と申します車両につきましては、運輸省の自動車局としては、監督する権限といいますか、そういうものがございませんので、これは警察にお願いしておるような状況でございます。
○中村国務大臣 建設省といたしましては、最近の、状態にかんがみまして、建設業関係者及び建設省の各出先機関でございます地建に対しまして、最近の情勢については強く警告をいたしまして、注意を喚起し、お互いに注意することによって事故防止のできる部分も相当あるように考えられますので、そのようなことのないように実は努力をいたしておる次第であります。
○兒玉委員 単なる注意喚起その他では、今後の自動車のスピード化と車両数の飛躍的な増加によって、根本的な解決はとうてい不可能ではないか。その点から考えますと、先ほど民鉄部長が申されましたように、当面立体交差をしなければいけない四百の個所があるということを指摘をされておるわけでありますが、特に道路整備五カ年計画においても、一級国道を中心とした整備がなされるわけですけれども、これらの点に関連して、建設省としては予算上の問題において、国鉄の分担——あるいはせっかく建設省が道路をよくして立体交差しようとしても、特に国鉄の場合はさほど問題がないといたしましても、私鉄等の場合においては負担能力等において相当困難が予想されるわけでございまするが、こういう点についての具体的な計画なりあるいは今後の展望、また費用分担等の法的な規制、これらの点について道路局長としてはどういう見解をお持ちか、お伺いしたいと存じます。
○高野政府委員 お答えいたします。最近における自動車の急激な増加、また鉄道車両の方も運転回数が非常にふえているようでございまして、踏み切り道が道路交通の障害となっている、また事故が大へん多いということは、御指摘の通りでございます。建設省といたしましては、踏み切り道の立体交差化並びに道路のつけかえ等によりまして、踏み切りの除却に従来も努力して参ったのでございます。昭和三十三年から三十五年までの間におきまして、踏み切り除却事業等でいたしました実績は、継続中のものも合わせまして約五百六十カ所あるわけでございますが、新しい道路整備五カ年計画におきましても、最近の事態、また交通量の激増を予想される実情にかんがみまして、早急に整備しなければならぬ個所につきまして、踏み切り除却の事業を推進して参りたいと思っているわけでございます。 実は、私ども五カ年計画を当初に組みました場合にも、この踏み切り除却事業を見込んでいたわけでございますが、最近の情勢にかんがみまして、さらにこれを増加しなければならぬのじゃないかということで、ただいま、道路管理者等にそれぞれ照会いたしまして、多少新しく調査をしておりますが、その上でまた運輸省、国鉄、私鉄とよく御相談して個所をきめて参りたいと思います。 それから、御質問の第二点の分担の関係でございます。国鉄とは、道路管理者が三分の二、それから国鉄関係は三分の一という協定をしているのでございますが、私鉄については協定はできておりません。ただ、従来も、国鉄の協定に準じまして、また私鉄の負担能力を勘案いたしまして、それぞれ処理しておりますので、今後もこういうような方針で危険設備は除却して参りたいというふうに考えております。
○兒玉委員 今の局長のお話によりますと、そういうような個所の調査を命じているということでありますが、運輸省としては、そういう当面急を要する個所数もすでにはっきりしているわけであります。そういう点については、運輸省と建設省との緊密な連携を欠いているのではないか、こういうように私は反問しているのですが、その点はどうお考えですか。
○高野政府委員 運輸省と建設省では踏み切り除却の協議会を持っておりまして、ただいま運輸省からお話のございました四百カ所の除却等の個所につきましては、十分に承知しているわけでございまして、両方の申し合わせによって出ている数字でございます。 さらに、今問題になっている個所以外にも最近事故が発生しておりますので、その点は調査して、もし必要があればさらに追加いたしまして、運輸当局と御相談するために資料をとっているのでございます。
○兒玉委員 きわめてこれは緊急を要する課題でもありますし、二兆一千億円をこえる膨大な予算を使うわけでありますが、この道路整備の問題と関連しまして、具体的に大体いつごろその目安を立てて予算措置等を講じようとするのか、その点について伺いたい。 さらにまた、私鉄との関係については全然協定がなされておらない、こういうことでございますが、そういう目安について、一つ局長の見解を承りたいと思います。
○高野政府委員 踏み切り除却工事につきましては、三十六年度にも約百三十カ所予定しておるのでございまして、これは一つ大蔵省と相談して着工したいと思っておるわけでございます。ただ、五カ年計画に含みます事業につきまして、ただいまさらにこれを拡充するために調査をしておるのでございますが、従来の私どもの案をさらに拡大していきたいというつもりでおるわけでございます。 それから、私鉄との協定がないということは、私鉄はそれぞれ運行回数も違いますし、また経営状態も違うものでございますから、一律の協定ができないという点で協定がないのでございまして、それぞれの私鉄の業態に応じまして処理して参りたいと思います。
○兒玉委員 最後に、この踏み切り問題について一、二お聞きしたいのであります。運輸省当局としては、建設省も積極的な意見を持っているのですが、今年度の予算措置においては、どの程度の予算を踏み切り関係に計上しているのか、この点についての御見解を承りたいと思います。
○石井説明員 最初私ども、踏み切りと申しますか、立体交差と申しますか、踏み切りの保安施設を改善するための費用として予算の要求は出したのでございますが、全体の財政の規模の関係で受け入れられなかったのでございます。あと、個々の会社につきましてどういうことになっているかということは、私はっきり承知しておりませんが、ただ、国鉄の五カ年計画におきましては、はっきりした数字は承知しておりませんが、踏み切りの立体交差化と踏み切り施設の改善を含めまして、二百億程度のことを五カ年間に考えているように承知しております。 それから、個々の私鉄につきましては、私どもどういう予算で考えておるかということは現在申し上げられませんが、特に大都市周辺に多い大手の私鉄につきましては、各私鉄とも例年踏み切り施設の改善という項目で二千万円から三千万円程度の支出をしている状況でございます。
○兒玉委員 今の民鉄部長の説明によりますと、運輸省側の要求が思うようにいかなかった、こういうことでございます。そういたしますと、道路局長が説明されました、今年の着工予定の約百三十カ所という工事の進捗との関連はどうなるわけですか。私はこれは重大なるそごを来たすと思うのですが、その点について……。
○石井説明員 ただいま申し上げましたのは、立体化とは関係なく踏み切り保安施設を改善したいということで要求したということであります。つまり、踏み切り保安施設の改善と申しますと、立体化の一歩手前の処置でございまして、現在いわゆる無人踏み切りといわれているものを警報機をつけるとか、警報機をつけているものをそれ以上の保安度を高めるために遮断機をつけるとか、そういうような施設の予算について考えたわけであります。
○兒玉委員 それは、やはり大蔵省の認識が不足しているのではないかというふうに私は考えるわけでありまして、建設大臣としても、特に今日の交通量の増加については十分認識をされているわけですが、その辺、予算の獲得について、大臣並びに運輸省当局はどういうような努力をされたのか、この点を最後にお聞きして、踏み切りの問題は終りたいと存じます。
○中村国務大臣 実は私の方といたしましては、踏み切り除却のための立体交差につきまして、建設省の担当でございますから、極力これを進めて参りたい。この角度につきましては、国鉄当局、運輸省当局に対しましても、できるだけの予算措置を講じてもらうように要請いたしまして、先ほど民鉄部長からお話のありましたような処置が講ぜられているようでございますが、この立体交差前の踏み切りの保安施設と申しますか、この点につきましては、もっぱら運輸当局の所管するところでございますから、今後も一つ道路との関連におきまして、事故の防止ができまするように要請して参りたいと思います。
○兒玉委員 次に、道路関係の予算関係についてお伺いしたいのであります。 昨年も建設委員会で非常に問題になった点ですけれども、今度の五カ年計画によりますと、道路整備のための国費支出のうちの約九〇%の九千六百億というのが揮発油税等の増徴による財源になっておるのですけれども、大体道路整備の性格から考えましても、このような大衆にしわ寄せするような揮発油税等によってやることは、本質的に誤りではないか。しかも、一般財源の投入が非常に少ない。こういう点からも、自動車業界も一般大衆も、相当不満を持っておるわけでございます。これについて、この揮発油税等だけに依存する考え方は改めていくべきだと思うのですが、これに対する局長なりあるいは大臣の見解を承りたいと思います。
○中村国務大臣 日本の現状から見まして、揮発油税のほかにできるだけ一般財源からも道路費を支出するべきであるということにつきましては、私どもも大いに重点を置きまして予算編成に臨んだわけでございますが、ようやくにして、三十五年度では一般財源は二十五億ございましたが、三十六年度では一般財源百億という線で妥結せざるを得なかったような次第でございます。この点につきましては、いろいろ考え方の相違あるいは着想の相違等もあるわけで、大蔵省の立場から申しますと、諸外国の例を見ても、ガソリン税を特別道路財源として目的税にしている国では、ガソリンだけでやっているじゃないかというような考え方を相当に持っておられたようでございます。しかし、この点は自動車のガソリン需要というものが、全国的に普遍的に普及されている諸外国の現状と、日本のように、自動車は盛んになったけれども、非常にまだ局部的で、全国的に見れば普遍的でないというような現状及び道路の実情から見て、一般財源をもっと出してもらわなければ困るというようなことで、折衝いたしました結果、本年度一般財源百億という線で実は落ちついたような次第でございます。御趣旨の点につきましては、十分私どもも考慮して参りたいと思うのでございますが、とにかくそういうような実情に当面相なっている次第でございます。
○兒玉委員 全然その説明がわからないというわけでもないわけですが、これから五ヵ年間で一級国道をほとんど整備され、十年後には、二級国道もほとんど概略終わるというような説明をされているわけです。では、この期間に集中的に揮発油税に依存していくとするならば、この道路が一応整備されますところの五年先あるいは十年先には、アンバランスが起きてくると私は思う。非常に不公平だというふうに感ずるわけですが、それについての見解はどのようにお考えでございますか。
○中村国務大臣 とにかく、日本の道路の現状にかんがみまして、たといガソリン税が道路財源としての目的税に相なりましたにしても、一般財源で努めて配慮すべきであるという角度に立ちまして、御承知のように、五カ年計画の中におきましては、大体一般財源の予定額を八百六十億という線で、大蔵省との折衝の結果、総額の内訳を大体見当をつけたような次第でございます。従来私どもといたしましては、御指摘のような考えを持ちまして努力を払った次第でございますが、過去の実績に照らしまして、相当上昇を見ることができたとは思いまするが、十分とはもちろん考えておらない次第でございます。
○兒玉委員 私は現在の道路行政から見ました場合に、こういうふうにガソリン税に大半を依存する結果、やはり交通量の多いところが優先的に整備されて、たとえば私の宮崎県等は、鹿児島県と並んで全国でも一番道路の悪いところでございますが、そういうふうな交通量優先主義あるいは大都会中心主義の弊害が生ずるのではないか。また現に、この五カ年計画なりあるいは十カ年計画の展望から見ましても、特に地方の方がおくれている。しかも、最近は非常にトラック輸送というのが長距離化された関係で、地方の道は荒れほうだいに荒れているわけです。こういうような中央と地方の不均衡の是正ということも、あくまでもガソリン税重点の予算財源であるならば、勢いそういうふうな偏重した道路政策になっていくのではないか。こういう弊害を私は十分に体験するわけでありますが、これらの点の不均衡の是正、都会中心主義、交通量優先主義ということについての是正はどういうふうな考えをお持ちであるか、御見解を承りたいと存じます。
○中村国務大臣 御指摘の点につきましては、私ども今度の長期道路整備計画におきましては、努めて全国普遍的に道路整備を完了いたし、各地区に産業の立地条件もよくして参りまするように、幹線道路あるいは地方の主要道路につきましては、人口の密度のいかん等にかかわらず整備を進めて参る、こういう考え方でいきたいと思うのであります。現に三十六年度の予算配分等につきましても、そういう配慮の上に立ちまして、目下検討を続けておるような次第でございます。 ただ、同時に大都市の人口密集地帯は、自動車の数も多うございますし、また交通難の現状も激しい状態もありますので、極力これらの改善にも努めていかなければならないと思います。しかし、今の大体の実績から申しますると、たとえば東京都を例にとって申しますると、東京都内から吸い上げまするガソリン税収入は、全国の収入のうちの約二〇%余りに該当すると思うのであります。しかし、その道路財源で東京都内の道路整備に使用いたしまする分は、全国の六〜七%程度でございまして、従って、自動車の多い、ガソリン需要量の多いところの分は、ガツリンを使用しない区域に相当配分をされるというようなのが現実の状態であると思います。
○兒玉委員 私は、今の説明はちょっと当を得てないと思うのです。ガソリン税そのものは確かに二〇%あっても、車の走る区間というものは、決して東京都内だけではないわけであって、相当名古屋、阪神、遠くまで走っておるわけですから、あながちそのパーセンテージだけでもって負担が公平である、こういう見解は、多少矛盾しているのじゃないか、こういうふうに感じます。 それはそれといたしまして、さらに道路整備と関連しまして、特に私は過去三年間、建設委員として方々回りましたが、大都会を中心とする地域の橋梁はほとんど永久橋にかけかえておるわけです。ところが、北海道だとかあるいは九州だとか、こういうところなんかは、私の宮崎県においても、現在地方道を含めて約千五百二十一の橋がありますが、そのうちまだ半分しか永久橋はかかっておらない。こういう非常に貧弱な状況にあるわけでございます。そういう点からも、現実に私たちは、はだで感ずるわけであって、そういうふうな道路整備と関連しました永久橋等に対しては、やはり地方の自主財源が少ないために、相当財政上の負担が困難のために、永久橋等の架橋ができない。こういったことが地方の実態じゃないか。こういうような不均衡なり、永久橋等の問題について、どういうような見解をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。
○高野政府委員 橋梁につきましては、ただいま御指摘のように、たとえば宮崎県などは、約半分くらいの非永久橋、木橋が残っている実情でございます。ただ、一級国道につきましては、今後の五カ年間で全部改良が済むわけでございます。永久橋化ができるわけでございます。また二級国道につきましても、今後十年間で全部の整備を終わりたいということを考えておりますので、これも十年あれば全部改良が終わりますので、それまでには全体的にはできるわけでございます。ただ、橋梁は、何しろ、もし墜落すれば人命に傷害を与えるというようなことになりますので、橋梁は優先してやって参りたいと思っております。また、主要地方道その他一般の県道につきましては、橋梁につきましては五カ年計画あるいは三十六年度予算を立てます上におきまして、あぶないものは何とでもして片づけていくという気持でやっておるのでございますが、何しろ県道につきましては全体的な整備の目標が低いものでございますから、私どもといたしましても、思うにまかせない点があるのでございます。しかし、県橋梁等はできるだけ努力いたしまして、これを永久橋化したいというつもりでございます。
○兒玉委員 道路関係の問題については、一つ今後の見解としてお伺いしたいと思うのですが、先ほど大臣も言われましたが、外国は全部ガソリンでやっておるじゃないかということで、大蔵省もそう言うだろうと思うのですけれども、しかし、日本の場合としては、燃料税の率というものが外国に比べて高過ぎるのじゃないか。そのことは、ひいては結局利用者である大衆にそのしわ寄せがくるわけです。そういう点から考えますならば、あながちこの五カ年間の約九千六百億の財源を固執するということではなくして、やはり弾力性を持たした中で財源を一般財源に求める。もちろん結果的には、大衆の負担になるということになろうかと思うのですけれども、たとえばその不足財源は公債の発行だとか、あるいは一般財源の繰り入れ、こういう方向に鋭意努力をしていくべきではないか、こういうような考えを持つわけですが、一つ大臣の今後の御所見を承りたいと思います。
○中村国務大臣 実は先般の予算編成段階におきまして、道路財源をどうするかということにつきましては、私どももいろいろ苦慮いたしまして、また大蔵当局その他関係方面とも連絡折衝をいたした次第でございます。当時われわれ、各国のガソリン税及びガソリン小売価格等の比較をいろいろいたしたのでございますが、現状では、まだ他の先進国等に比較いたしまして日本は安いので、この程度まで、一五%ぐらいを目標に引き上げても、よその国より高くなるということはないというような配慮で、実はこのような結論を見た次第でございます。各国の比較表等の数字につきましては、事務当局から、必要がございましたら御説明を申し上げたいと思います。
○高野政府委員 ガソリン税につきまして、各国との比較を申し上げます。従来は日本におきましては、税額はリットル当たり二十二円七十銭でございました。これが一五%増徴になりますので、二十六円十銭でございます。従来は小売価格の約四九%が税額でございました。米国におきましては、税額がリットル当たり九円五十銭でございます。小売価格の約三二%でございます。イギリスは税額が一リットル当たり二十七円七十銭でございまして、九九%でございます。フランスは一リットル当たり五十三円五十銭でございまして、七四%でございます。西独は一リットル当たり三十円三十銭でございまして、約五九%でございます。イタリアは一リットル当たり五十六円八十銭でございまして、約七三%になっております。
○兒玉委員 時間がないそうですから、治水関係はこの次にいたしまして、あと一件だけ申し上げたいのは、地盤沈下に関する問題でございます。 私たちの求めている資料によりますと、現在おもな地盤沈下地域として、福岡、福島県の平、名古屋、尼崎、大阪、東京、新潟、こういう地域があげられておるわけであります。過去の実績によりますと、福岡の場合においては、五十年の間に七メートル以上、その原因は大体石炭の掘採ということになっておるようです。なお、平市の場合においては、五十五年の間に三メートル以上、名古屋の場合においては十四年間で〇・七メートル以上、尼崎は二十六年間で三・一メートル以上、大阪においては二十二年間で一・九メートル以上、東京においては三十九年間において二・九メートル以上。新潟の場合においては、この一年半ぐらいで〇・七六メートル以上。しかも、そのほとんど大半が地下水の大量揚水ということに起因をいたしておるわけでありますが、こういうような地盤沈下対策について、建設省としてはどういうふうな対策をもっていこうとするのか。この点についての見解を最後に承りたいと思います。
○稗田政府委員 地下水のくみ上げによる地盤沈下でございますが、ただいま例としてございますのは、通産関係の方では工業用水の規制等で、工業用水につきましては、工業用の水道を作ったところは、地下水のくみ上げを禁止するというような規定があるわけであります。なお、新潟のように、地下資源のガスをとるとかいうようなのは、これは鉱山法によって規制ができるということになっておるわけであります。ただいま建設省といたしまして、大阪の地盤沈下等におきましては、ビルの冷房用水等による地下水のくみ上げが、非常に大都市の地盤沈下に影響があるというようなことが、いろいろの資料調査の結果から判定されるわけでございます。そこで、建設省におきましては、他の法律で規制されておるのは別といたしまして、ビルの冷房用水あるいは雑用水等の地下水のくみ上げにつきましての規制というようなことを、法的措置を講じたいというので、ただいまいろいろと検討中でございます。
○加藤委員長 これにて本日予定の議事は終了いたしました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十七分散会