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38回国会衆議院1961/05/12

決算委員会 第30号

発言数
84
登壇者
15
会派数
2
開催日
1961/05/12

会議録

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和三十三年度決算外三件及び昭和三十四年度決算外三件を一括して議題とし、厚生省所管について審査を進めます。  まず、厚生大臣より所管決算の概要について説明を求めます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 速記を始めて。  次に、大臣より両年度決算の概要説明を聴取する順序でありますが、時間の都合上、概要説明は、配付いたしております印刷物でごらんをいただくこととし、直ちに質疑に入ります。  なお、概要説明は、便宜会議録に参照掲載いたすことといたします。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 続いて、会計検査院当局より、検査の概要について説明を求めます。白木第三局長。

白木康進会計検査院事務官(第三局長)

○白木会計検査院説明員 検査報告の概要を御説明申し上げます。  まず、三十三年度より申し上げます。三十三年度は、一般会計の補助金の関係と、特別会計の不正行為の関係でございます。  補助金の関係は、主として公衆衛生関係に関するものでございまして、そのうち、特に御説明を要すると思いますのは、簡易水道施設費の補助金の関係でございます。これは従来からかなり不当の事例が多い関係もありまして、かなり多い件数になっておりますが、本年度においても、予定通り工事をしなかったために補助の目的を達しなかったり、あるいは工事の設計が過大となっていて、補助金が過大に交付されているという事案でございます。  特別会計につきましては、従来、保険料の収入の調定関係を主として検査しておりましたが、三十三年度については、主として収入金の経理について検査をいたしました関係もございまして、特にここに掲記している事項はございません。  ただ、不正行為につきましては、鹿児島県の民生労働部保険課の保険料の徴収を担当しております分任収入官吏が、保険料等を受領いたしまして、これを国庫に払い込まないで領得したものが一件ございまして、これを掲げておるわけでございます。  次に、三十四年度について申し上げます。  三十四年度の一般会計も、いずれも補助金の関係だけでございまして、ここに掲げておりますのは、従来から引き続き実施しております簡易水道施設に関するもの、及び国民健康保険の療養給付に関するものであります。  簡易水道の関係は、先ほども申し上げました通りに、全般的にその施行が良好でないものが多い関係もございまして、相当検査をいたしました結果、ここに五件を掲げております。  なお、国民健康保険の療養給付につきましても、従来からたびたび不正、不当の事例を指摘しておりますが、本年度におきましても、保険料の収納割合が事実と相違していたのに、そのままこれによって算定していたなどのため、補助金の交付が適正を欠くと認められるもの五件を掲げております。  次に、特別会計の関係は、前々年、三十二年度以前と同様に、健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収不足について検査をいたしました結果、大体従来と同様、徴収不足の関係を指摘してここに掲げておるわけでございます。  簡単でございますが、以上をもって説明を終わります。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 続いて質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 私は厚生省関係に目を通してみて、幾多改良を要する事項という中で、特に三つの点がクローズ・アップされているわけです。  一つは、厚生省と医師会との対立の問題、第二は、赤い羽根の募金の問題、それから次の第三点は、社会保障事業に対する関係なんですが、そこでこれらの前段二つは、次官なり、大臣なりが見えてからお尋ねするとして、三の問題ですが、この厚生省の仕事の主軸をなしているのは、やはり何といっても社会保障制度の運営ですけれども、厚生省の仕事というのは、他の省の仕事と違って、貧しい人あるいは不幸な人を対象としている仕事が非常に多いわけです。従って、これらの対象となる人々は、法律による権利だとは考えないで、やはり恩典だという考え方が抜け切れないと思うわけです。ですから、交付される金額がどうであれ、これはやはりありがたく拝受するというのが、現在の実情だと思います。そこでこれを利用して、これに携わる官吏あるいはそれらの関係者が、これを悪い言葉でいえば、食いものにするということになるわけですが、非常にほかの省の事件と違って、こういう貧しい人、不幸な人を対象とする中に、これを食いものにするような不正事件というのは、これは実に忌まわしい事件だといわなければなりません。そこでこの点についてお尋ねをしたいわけですけれども、幸い政務次官が見えたので、政務次官にまた途中でどこかへ行かれてしまうと困るから、政務次官にあらかじめお聞きしておきたいのですが、私は冒頭に申し上げてあるわけですが、厚生省と医師会との対立の問題、これは国民の健康管理の衝に当たる医師の会と、保険行政をつかさどるところの厚生省とが、いかなる理由があろうとも、どういう理由であろうと事情は別として、対立しているということは、これは非常に行政的に見ても意味をなしていないし、遺憾なことだといわなければなりません。  そこで私のお尋ねしたいのは、医師会の方では、こういう条件では良心的な治療はできないといっているわけです。その申し出が事実であるとかないとかということは、これは厚生委員会でありませんから、その点はいいわけですが、この医師会の申し出が不当なものなのかどうなのか。不当というならば、その見解や、それからまた申し出は事実である、あるいはある程度事実であるけれども、これは予算の関係もあって、そう要求を受け入れることはできないのだ、そういうわけであるから、予算を獲得し、増額していくにつれて、だんだんこれは改善していくのだ、というようないろんな見解があると思います。これに対して、次官に、厚生省としてどういうお考えなのか、この点を簡単でけっこうですから、お答え願いたいと思います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの医師会と厚生省との対立、あるいはまた医師会と保険団体との対立とも申せましょうが、このことは、御説の通り、まことにどこまでも密接でなければなりませんし、しかも、その間に人間的にも非常に融和された姿で、いくことこそが、国民皆保険のほんとうの目的を達成していくことだとかたく信じております。しかし、現実において、医師会側からも、いろいろと現在の医療制度に対して満たされざる点の御指摘があります。その御指摘なされている点において、医師会側の主張でごもっともだとうなずかれる点も多々ございます。ごもっともだとうなずきたがら、保険経済の財政の面やなんかからいって、にわかにはどうにもならぬものがございます。またたとえば医療指針の問題なんかにつきましても、ずいぶんことこまかにいっておって、これらの点も、医師会の先生方がその十分なる御修練の手腕を御発揮なされることのできない場面にもなっております。これらの点について改正を加えようといたしましても、また必ずしもそれを全廃するとかいうようなことのできない現実にもあるわけでございまして、ただいま御指摘になられましたところの御意見には、重々私も共鳴いたしまするし、大臣も、かねてからこの点について、私が今申し上げたようなことをやはり考えておられます。その線に沿って今後着々として改善を加えていかれることであろうと存じまするし、私も、情熱をもって大臣を御補佐申し上げて、御趣旨の方向に持っていきたいと、かように考えておる次第であります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 冒頭申し上げましたように、医師会の要求なり、厚生省の見解なり、これをどうすべきかということは、厚生行政を担当する委員会でやることだ。私は、従って、その主張のよしあしはきょうここで議論するのではなくて、いずれにしても、こういう対立、しかも、行政に携わるものと治療に携わるものとが全く一体にならなければならないにもかかわらず、こういう対立を生じているということは、国民に投げかける不安というもの、そして厚生省に対して、また医師会に対する国民自体の持つ不信というもの、従って、国民健康保険というものは、制度として非常にりっぱな制度であり、かつ発展させなければならない、充実させなければならない制度でもあるにかかわらず、国民の一部には、健康保険では病気は直らないじゃないかというような不安さえ持たしてしまっているわけなんです。従って、これは行政として一刻も早く改善しなければならない。そこで今お聞きして、私は医師会の主張がどうであり、厚生省の立場がどうであるということでなく、今も御答弁を聞いておりますと、医師会の主張の中に、いれてやらなければならない点が幾多あるのだ。しかし、それは国の財政的な見地から、しようと思ってもなし得ない。従って、これはそういう財政的な裏づけができるに従って改善をするのだということが、次官の答弁だった、こう考えるわけです。従って、これは今の日本の中でも、一つの政治問題として考えなければならない問題になってくる。これは実に遺憾な点ですから、国の全般の財政という点もありましょうが、一方、厚生省として十分にこの予算の獲得には努力されて、医師会との対立というものを一日も早く解消するような努力を願いたい、こう思うわけです。  それから次に、赤い羽根の募金の問題です。この赤い羽根の募金は、私は、非常に美しい躍動として、今後も継続し、実らせていきたい、こう考えている一人なんです。しかし、これはあくまでも精神的面の博愛とか、あるいは相互補助的な助け合い運動として発展させるのが好ましいことで、この募金が、金の多寡だけにとらわれて、強制的な割当運動になると、金は集まっても、この美しい運動の精神というものは死滅するか、減殺されなければならなくなるわけです。そこでこれの市町村に対する強制割当等は、いろいろの事情があるから、私もこれはある程度は認めざるを得ないと思います。けれども、これをお前のところは幾ら、この町村では幾ら消化しなければだめだというような形になっていくと、市町村当局は、今度は非常な無理をして各家庭に個々におろしていくときに、募金運動の精神というものは死んでしまって、むしろ、また募金が始まった、困ったことだというふうな問題ができて、募金の目指すところの思想なり精神というものは、死んでしまいはせぬか。従って、これはあくまでも自発的に、自主的に発展させるととはいい。しかし、それを強制させることはいけない。自主的に、自発的にこれを発展させていまたい、私はこういうふうに考えて、この募金についての対策と、いま一つは、ここに集まった浄財の使途の問題ですけれども、これは去年の決算委員会でも問題として取り上げられ、また、ほかの厚生関係の委員会でも取り上げられたと思うのですが、この募金は、新興宗教団体等にまでおろされている。このおろすことがいい悪いではなくて、そういう団体の金の使い方について、これは世間から非難を受け、新聞でも取り上げられているわけです。そうなってくると、募金が、一つは強制的であるという批判を受け、一方においては、その自分らの募金が新興宗教団体等にいく——新興宗教団体が悪いというのではなくて、その使途が非常にいかがわしいということになってくると、この募金運動に対して、まさに暗い影を投げるといわなければなりません。従って、この交付団体の内容等について、もっと厳密な、正確な調査と、それからその使途というようなものに対しては、もっと指導し、監督することが必要ではないか、こう考えられるわけですが、この点について、次官の考え方を伺っておきたいと思います。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 ただいまの小川先生の御質問の第一点の、赤い羽根募金の精神的な面についてお述べになっておられました点は、私も先生のお説に全く共鳴いたすものでございます。まさにさようにあるべきものであり、従いまして、この精神によって募金がされていくときに、今度はその募金に応ずることによって社会の不幸な人が助かっていくのだ、自分も少し出すことがつらいけれども、なお喜ぶ人があるとすればという心をもって募金していただくということに根底があってほしいと願うのでありますが、たまたまそれが、これだけの金額がなくてはこれだけの団体に分けることができないとか、あるいはこれだけの仕事ができないということから、お話しの通り、一応おおよそのめどをつける賞味においての割当というものは、これはやむを得ないことといたしましても、それ以上に、成績を上げることによってどうであるから、こうであるからということで、むしろ募金に応じなければならないという苦しさというもので、その制度を恨み、もしくは人どころではない、自分の命がどうなるのだかわからぬのだというような気持を持たせるようになっては、この募金の精神は全く死んでしまうと、私も考えるのであります。今の点については、私もまた、私の村等においてちょいちょい耳にすることもございますので、この際これを扱いまする当局にも、先生の御精神等も一そうよく伝えまして、遺憾なきを期したいと、かように存じております。  それから第二の、募金し得たものを各団体に交付するにあたって、いかがわしい団体、あるいは非常に非難されるような人の主宰している団体等にあっては、その募金そのものが死んでしまい、また出した人の気持もこわされてしまうという御意見につきましては、これは交付するにあたっての一応の基準というものがきめられてあると思いますので、それに従っていたすことでありましょうけれども、さらにはその上にもっと厳密に内容を調査し、そうしてこうしたあたたかい人々の心の集まりのお金でございますので、より一そう効果あらしめるように使い、そうして交付するようにいたさせたいと思います。なお、昨年度における若干のあやまちを犯しておりましたものがありとしますならば、今年においては、さらにそれを再検討して、全くあやまちのないものにいたさせたいと、かように考えるわけでございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 納得のいく御答弁をいただき、けっこうでありますが、募金はあくまでも金額だけにとらわれないようにしていただきたい。こういう仕事も、こういう仕事も、あるいはこれだけはどうしてもやらなければならないのだから、これだけの金を集めねばならぬという考え方は——募金運動は、募金運動としてうるわしい運動として発展をさせて、集まっていきますけれども、集まった金額だけにとらわれないということが、募金運動というものの精神を生かすには必要ではないか。それからどんなよくない団体でも、その団体が慈善事業なり社会のためになる仕事をやっておる場合には、この点でとがめる必要はないわけでありますけれども、しかし、この運動をりっぱに実らせていくという点に立つならば、交付する団体と、その団体の交付を受けてからのその使途が、非難されるようなことが断じてあってはならないわけなんです。しかし、この場合においては、取り締まることもそうできないわけでありますから、これは十分に一つ検討をしてもらいたい。

安藤覺自由民主党厚生政務次官

○安藤(覺)政府委員 先生のお言葉でありますから、重ねて申し上げておきます。この募金を交付するにあたっては、民間団体の自主的な配分にまかせるという態度をとっておるそうでありますが、それにあたっても、たとい自主的な立場、自主的な方法にまかせるにしましても、やはりこちら側としては、一応先生のような気持をもちまして臨んでいくことが肝心だと存じますので、つけ加えておきます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 次に、不治の病だといって嘆かれていた結核等に対する対策が、最近厚生省の努力によって非常に充実してきたことは、これは私どもも認めるし、けっこうだと思います。ところが一方において、最近精神病が非常に多くなってきて、しかも、結核よりも——結核は単なる病気です。精神病も病気には違いありませんが、これにはいろいろな残虐な行為さえも伴って起こるわけです。たとえば、兄弟を殺したとか、親を傷つけたとか、こういう事件が起きております。ところが、われわれがこれを聞いて調べてみると、私の知っている事件として、こういうのに一つ直面しているわけです。というのは、精神病になったからというので病院へ入れた。そうしたら、これは半年ばかりして、なおったのだと帰してきた。そうしたら、間もなくその患者は親を殺してしまった。どういうわけなんだと病院へ行って聞いたら、それは予算の関係でそう置けないのだ。だからといって病気のものを帰すというわけにはいかぬ。病院では監視しているから事故がなかった。なおったからということで帰したが、それはなおってない。こういうことがあるのです。そうして一家があととほうにくれると同時に、世間の非難というものもかなりきびしくなってくる。ああいう気違いを野放しにされておいたのでは因る。これは当然出てくると思います。そういうことから、精神病の対策というものを、もう少しこれは重点を置いて考えなければならぬじゃないかということで、やはり去年の当委員会で私がお尋ねしたことがある。一万ベットずつふやす計画を立てているから、ほどなく期待に沿い得るようになると思います。こういう御答弁でした。そこで私がお尋ねしたいのは、厚生省の統計はまだ見ていませんが、新聞等で見ると、精神病というのは、どういうことか、非常にふえている。それの対策としては、ベッド数をふやしていく。ベッドをふやすばかりでなく、それに対して治療に従事するお医者さんもふやさなければならぬ、いろいろな施設もしていかなければならぬことはわかるわけですが、そういう患者がほんとうにふえているのかどうなのか。さらには、去年言明されたベッド数は、その通りに増設されているのかどうか。この点をお尋ねしたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 お話のように、幸いに結核の方はどうやら山が見えたというか、ああいう状況で、十数万毎年なくなっておったものが、このごろは三万人ちょっとくらいに結核の関係は死亡が減ってきたという状況で、これは、このような病気の中で非常に死亡率が減ってきたわけでありまして、幸いなことであります。もう一息努力していけば、よほどのところにいくのではないかと思うのであります。  ところが、今お話にありましたように、非常に因りますものが精神病、あと高血圧、ガン、心臓病というような成人病の死亡率が非常にふえてきた。同時に、精神病の問題は、単に本人のみならず、他の人にも迷惑をかけることはお話の通りでありますし、従来の方針を続けまして、ベッドをふやしましたり、また施設を充実してきておるのでありまして、施設の方も、今度ことしから措置入院という道を開きまして、全額公費負担で世話をするということになったわけであります。それから国保などの給付率も特に上げました。そういう措置も講じて、設備の方もベッドをふやしていきまして、毎年一万ベッドずつふやす計画はその通りに実行して、ベッドをふやしております。しかし、まだ県立の精神病院もできないところもあるというような状況で、万全とは申せません。とにかく着々前進はいたしておる状態でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 これはベッド数がふえると同時に、ああいう患者を取り扱うのだから、医者の待遇というものも考えなければならぬと思います。しかし、これは質問者も非常にあるようでありますし、時間も節約しなければならぬので、大ざっぱにお聞きいたします。  それから小児麻痺が非常にふえている。これに対するワクチンが入ってきた。これはソ連から入ってきたと聞いております。これは赤い国であろうと黒い国であろうと、どこから入ろうといいものはいい。ことに小児麻痺で非常に悩んでおるのでありますから、これに対して、もっと迅速な使用の認可などがとらるべきじゃないかと思うのです。これが新聞を見ますと、何かかなりもたもたして、使用に相当期間を要するというようなことは——私が社会党だから、ソ連の方をどうだこうだと言うのではない。どこから来ようとも、いいと見たものは、一日も早くそういうものが使えるようにすべきであり、相手国の好意というものも、やはり生かすようにすべきである。この点でいささか厚生省の慎重な態度は、慎重過ぎたきらいがあるのではないかと思うのでありますが、これに対してはどういうことでありますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 薬に別に色があるわけではありませんし、予防上あるいは治療上効果のあるものならば、どこの国のものでもけっこうなわけで、これはその辺にどうのこうのということは、全然考えません。  そこで問題は、ソ連で使っておる生ワクチンのことであろうと思いますが、生ワクチンの問題は、私どもも使えるものなら早く使いたいと思います。ただしかし、日本の生活環境、つまり下水とか食物の状況などから見まして、ほんとうに間違いないかどうかということを確認いたしませんと、しくじったら大へんですから、学界を動員しまして今実験をしておる途中でありまして、間違いないということになったら、むろんこれは使いたいのであります。これはアメリカでもともと発明したものだそうでありますけれども、アメリカもまだ一般には使用していない。ソ連は使っておりまして、ソ連で非常に効果があったというが、日本では、この生活状況のもとで向くかどうかということの実験を始めておるところであります。結果を得次第、これはよかったら使いたいと思っております。  その前の問題としては、ワクチンの予防接種を、ことしからでありますけれども、三才以下の子供には強制的にやらせるということを始めたわけであります。去年からやっておけは大へんよかったのでありますけれども、三才以下は強制、それから上は任意でありますが、しかし、はやる地方とか、考えたければならぬ地方には、任意の方もワクチンの、手当をいたしまして、国産で十分いきませんから、輸入をいたしまして、それで間に合わせるようにやっておるところであります。  なお、貧しい家庭などで、前町村民税を納めないような人には、実はただでやっております。しかし、納めておるような人には、何がしか取っておるのであります。その値段をなるべく下げたいというので、先ごろ二割ばかり値段を下げさせるようなこともいたして、まあやれるだけのことはやっておるつもりでありますが、実験の結果の出ませんものは、私もずいぶん責められるのですけれども、何と言われても、結果をつかむまでは、どうもやりますとはよう言えませんと言っておる状況でありますが、なるべく早くということは、願っておるところであります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 その点は、それでいいでしょう。  次に、これは大臣でなくて当局の方にお聞きするわけですけれども、社会保障行政というのは、労働、厚生両省にわたっているというのは当然でありますが、厚生省の関係でありますけれども、社会保険、社会福祉の監督行政というものが、少し欠除しているのじゃないか、こう見ざるを得ないわけ一であります。社会保険の事故の場合、事件数で見ると百二件、人員にして百十四人で、中に公務員が十七人、金額にして千三百二十二万円、こういう事故を起こしているわけです。ここに社会保険監察官制度というものがあるわけですが、これが一体どういう運用をされているのか、どういう配置状況なのか、こういう点をお聞きしたいのが一点。  それから、質問が輻湊していますから、私は私の質問をずっと言いますが、社会保険犯罪の長期化ということは、見のがすことができない。たとえば、鳥取県では、国保の職員が五年間に八十六回、これは医者に支払う給付金を水増し請求している。広島県では、農協職員が七年にわたって千二百万円、健康保険、厚生年金職員が起訴されている。福井県では、県職員二名がそれぞれ単独で架空被保険者を死亡さしてしまっている。そうして埋葬料等を請求している。しかも、三年間で金額は二十八万円・そのほかに傷病手当その他公文書偽造で三十一万円。こういう国とか府県とか市町村で、事件が起こっているわけです。従って、それに対する監督、指導の行政ということは、一体どういうふうにとられているのか。監察官制度というものは、どう運用されているのか、この点では私は、あなたの方の人の数が少しく少な過ぎるのじゃないかと思う。聞くところによると、担当課長以下十名くらいで、あとは雇員とか研修生とかが仕事をしているということになると、こういう問題が起こらざるを得なくなる。この点についてのあなたの方の配慮というものは、十分なされるべきじゃないか。  それから社会福祉関係でも、やはりこれも監督、監査の制度ですけれども、件数にして三十件、その中で公務員が四名入っていて、金額にして三百八十三万円という事件があります。市役所の課長が、保管中の共同募金——さっき大臣は見えなかったけれども、私は冒頭に触れたのは共同募金なんです。三十七万円、事務費を十万円着服している、こういう事件があるので、赤い羽根募金に対して非常に暗い影を投げておる。これは冒頭申し上げたから言いません。それから生活保護関係でも、事件数は五十五件、これは関係者は二十人ですが、公務員はわずかに二人です。被害は百三万ですけれども、これは課長ともあろうものが、生活保護世帯に行って、先月払い過ぎたから今月分で返してもらいたいと言って、取って着服してしまっている。こういう事件があるわけです。これはこういうのをあげていったら、もう数限りなく出てくるので、ここでこの事例をあげるのはやめて、こういうものに対する指導、監督の査察の制度というものを、厚生省としては一体どう充実し、確立していくつもりなのか、この点をお尋ねします。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 ただいま、社会保険関係の事故について御指摘がございました。その監督の状況について申しますと、御指摘の通り、昭和三十五年度におきまして、鳥取県、福井県、広島県の三県におきまして、事件がございました。その監督のやり方でございますが、社会保険と申しましても、ずいぶん種類が多うございます。一つは市町村でやっております国民健康保険があります。これにつきましては、府県の担当になっております。それからその他の保険でありますが、健康保険、それから厚生年金というようなもの、これにつきましては、国が直接やっておるわけでございまして、この系統といたしましては、本省に社会保険の監察官というのを置いております。これがしょっちゅう府県を回りまして、監督をいたしております。それから第二段としまして、府県の保険課でありますが、これの出張所というものがございまして、これが現場の仕事をいたしております。それに対しまして、常時保険課が監督をしておる、こういう系統でやっております。従いまして、本省でやりますところの監査は、大体二年に一回程度各府県を回り、市町村にとりましても、二年に一回ほど厳密な監査をするということでございます。それから出張所におきましては、これは府県におきまして常時監査をいたしております。それから国民保険に対しましては、府県の国民保険課あるいは健康保険課におきまして、常時監査をいたしております。こういう仕組みでございます。  ただいま御指摘がございました三つの事件でございますが、これはいずれも監査の結果、そういう事実を発見したのでございまして、まあ端緒はいずれも監査によって発見されております。何分にもこの事業の対象が多い等の関係で、完全な監督をしろということになりますと、まだ不十分な点がございますが、現在の機構によりまして、できるだけの努力をいたしておるわけでございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 事件の経過はいいのです。ただ、これが監査した結果わかったと言っておるのは、五年も七年春たってようやくわかっておるのでありまして、事件を起こしたら、そこですぐ発見できるということでなければいけないだろう。五年も七年も行なわれていることに対して、どういう対策をとるつもりか。こういうものを根絶するためにどういう対策をとるつもりか。その対策を聞いているのであって、経過を聞いているのではないのです。なぜ一体五年も七年も発見できなかったか。今答弁を聞いていると、厳重に監査していると言うけれども、数もあったけれども、一年でわかって根絶されたというなら、まだいい。五年も七年もこういうものが続けられているということに対して、これは厳重な監査と言えないじゃないか。その対策を聞いている。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 対策といたしましては、これは第一に、事前の監督策でございますが、仕事のやり方その他につきまして、常時事前に監督するということ これが第一でございます。それから第二としましては、監察あるいは監査を励行するということしかないのでございまして、その方法としまして、今申しましたような、本省直接の監査、あるいは府県の保険課におきますところの監督、まあこれによってやっておるわけでございます。五年間も発見できなかったというのは、非常に不徹底じゃないかということでございますが、そのそしりは確かにございます。ただいま申しましたような方法を、今後十分措置して参りたいと思い  ます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それからもう一点。引揚援護局というのがあなたのところにあるが、引揚者の確認はどういうふうにやられで、おるか。それから給付の審査というものはどうされておるのか、その点をお尋ねしたいのです。これは事例としてあげるならば、引揚者の給付金の支給事務を担当する市役所の吏員が、他人の名義、あるいは架空の引揚者を作って、引揚納付金を申請して、この給付を受けたり、正当に給付された債券を横領換金してしまって、七十万円も着服したという犯罪があった。それからもう一つ、金額で最も大きいのは、これは山口県で、厚生年金病院の病院長、事務長二人が共謀して、機密費、研究費、特定医師に対する技術研究費等を捻出するために、千七百万円の横領をしている。こういうふうに、厚生省関係はある程度やむを得ないとしても、ここで引揚者のような非常に困難な状態で来る人たちのものを、架空名義を作って着服したり、それを換金したりするものがあってはならないはずです。これに対して、あなたの方の対策を聞きたい。これが第一点。  それから時間がないから先に進みますが、もう一つお尋ねしたいのは、厚生年金法の七十九条では、「政府は、被保険者、被保険者であった者及び受給権者の福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。」こうあります。この七十九条を受けて、整形外科の療養とか、養老援護、あるいは整形外科、この三種類の福祉施設というものをあなたの方でやっておるわけですが、これはあなたの方がやっておるのではなくて、厚生団という団体が作られて、この団体にはほとんど委託実施しています。そこで、この厚生団の設立の趣旨、役員、職員数というようなものを明確にすると同時に、厚生団との委託契約方式というものは、一体どういうふうになっているか。診療担当契約によって病院経営というものを厚生団に委託し、療養を行なっておるが、そこにはいろいろな欠陥を含んでいるわけです。これに対して、こさいな点、事例をあげてあなたの方からもう少し説明を求めたいと思うわけですけれども、事例をあげるのはやめましょう。この厚生団というものは、経営している売店の経理というものも、会計法による納入処理はされていない。全く決算というものもなければ、試算程度で行なわれている。それから厚生団の国有財産、まあ物品も国有ですけれども、この使用というものが正しく行なわれていない。こういう点で、会計検査院でなく、管理庁の監査報告で指摘されているわけです。この点について、あなたの方では厚生団とどういう契約のもとに、どういう仕事をし、これに対する改善の余地がありとお認めになるのか、それともこのままでいいというようにお考えか。お認めになるとするならば、どう改めようとなさるのか。この点をお聞きしたいと思います。

石田政夫厚生事務官(引揚援護局援護課長)

○石田説明員 ただいま御指摘がございました引揚者給付金国債に関しまして、一言お答え申し上げます。  御承知のように、引揚者——外地におきまして終戦前に六カ月以上生活の本拠を有しまして、国の要請によりまして引揚げざるを得なかった引揚者に対しまして、引揚者給付金等支給法に基づきまして、現在、各地におきまして、引揚者給付金国債を支給いたしておるのでございます。その法律に基づきまする支給事務は、都道府県に認定権を移譲いたしておりまして、本人から市町村を経由いたしまして都道府県に申請が出まして、これを都道府県が精査いたしまして、これに対して給付金国債を支給いたしております。今日までのところ、総予定件数三百三十七万八千人を該当者として予定いたしました。幸いにいたしまして順調な進捗を示して参ったのでございますが、そのうちに、遺憾ながら、ただいま小川先生の御指摘のございました不正事件が、一件ございました。この事件につきましては、御指摘のように、昭和三十三年から三十四年にかけまして、内容は、茅ケ崎市の吏員でございますが、市の吏員がその地位を利用いたしまして、架空の名義を作りまして申請をいたしまして、県が文書申請によりましてこれを認定いたしたのでございます。この当時、市の吏員が公文書並びに私文書を偽造いたし、市長の公印を偽造いたしまして、作成いたしたものであります。そういたしまして、この事件がございましてから、全貌を把握いたしまして、現在判決が完了いたしまして、三十五年に完了いたしたのでございますが、十四件のうち、不当利得は四十五万七千二百十一円でございまするが、この元利合計の不正利得の金額は、本人がその後全額を返還いたしておるのでございます。そういたしまして、結局架空のこういう引揚者給付金国債の現金は、現在これに対する措置を完了いたしまして、大体御迷惑をおかげいたさないような措置を完了済みであります。何分こういった事件につきましては、まことに遺憾な事件でございまして、私ども、関係の都道府県の援護課長会議、あるいはその他機会あるごとに、こういった事件がございませんように、極力正しい運用につきまして、具体的な指導を行なっておるのでございます。今回のこの事件にかんがみまして、今後さらに十分こういった点につきまして、関係方面を監督いたして参りたい、かように考えておる次第でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 厚生年金病院の経営というのは、少し乱脈じゃないかと思われる点がある。一例として玉造病院、これは僕の方で言わなくても、あなたの方でおわかりでしょう。玉造病院は、非常に会計から流用したり、着服したりしている事件があるのです。名誉に関することですから、あまり具体的には言いません。ただ、ここで私にわからないのは、この経営の中で、平衡金という形がとられている。平衡金というものがある。これは経営の剰余金を収支の一般会計、特別会計以外に積み立てて、これが四百四十万円もあるわけですけれども、この平衡金というような会計の制度は、あなたの方で認めておるのか、一体どうなんですか。この点お聞きします。

森本潔厚生事務官(保険局長)

○森本政府委員 厚生保険の福祉施設の経営の問題について、御質問がございました。御指摘の通り、この厚生年金法におきましては、被保険者の福祉のために施設をすることができます。それに基づきまして、厚生年金の病院でございますとか、それから最近におきましては厚生年金会館、こういうものを作ったわけでございます。これの経営の方式でございますが、一番すなおな形を考えますと、国が作ったのでございますから、特別会計において国がみずから経営するという方式が、普通の方式かと思われます。しかしながら、国有で国営の方式をとりますにつきましては、こういう特殊な施設でございますので、経営の面、それから通常の面におきまして、役所の機構としてやるのがいいか、あるいはむしろ民営的な方法でやるのがいいかという問題がございます。この点を当初検討いたされた結果、やはり予算とか、人員とか、機構とかそういうものに縛られずに、この事業を経営した方がいいのじゃないかという考えのもとに、厚生団というものに委託をしておるわけでございます。そうしてこれは昭和十八年ごろからでございますが、それ以後こういう方式をとって参っておるわけでございます。その根拠といたしますのは、これは国有財産法の使用契約に基づくところの使用契約、これによって委託いたしております。この経営のやり方につきまして、根本的に委託方式がいいのか、あるいは国有、国営がいいのかという問題がございますが、これはやはり一利一害がございますので、なお検討いたして参りたいと思います。ただいまのところでは、法人に委託してやる方がうまくいくのじゃないかという考えております。  それからこまかい点の御質問がございましたが、平衡金というものをとっているという点でございます。これは病院が六つございますが、経営のいい病院と、それから悪い病院とございます。それで厚生団の方としましては、これを全部をプール計算いたしまして、経営しております。そのプールの資原といたしまして、各施設から何%か忘れましたが、たしか剰余金の何%かをとりまして、プール計算をしております。こういう方式をとらしておるのが、平衡金でございます。なお、経営につきまして改善すべき点等につきましては、行管の監査で御指摘を、受けておりますので、今後改善していきたいと思っております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 最後に、民営でいくがいいか、国営でいくがいいかということは、これは重大な問題で、ここで一朝一夕にきめられるものじゃないということは、僕も了承します。ただ、この経営というものは委託したのだ。従って、委託契約があって、厳密にこの契約に基づいた運営がなされていかなければならないにもかかわらず。ここの経営の中には、指摘されなければならない点が幾多ある。これを今後改善するのには、どう改善していくつもりかということを私は聞いているのであって、国営、民営論はいいのです。それから会計上の場合からいっても、こういうことは都合がいいから、便利だからということでやるべきではなくて、やはり法律、規則というものを改正し——しないならば、そのある規則にのっとって、契約にのっとっていくのが当然である。そういうふうに、自分の方で平衡金は都合がいいから、こういうふうにやっていくという行き方は、私は正しい行き方ではないと思う。これはあなたの方で今後——私自身も質問していながら、いいか悪いかということを明確に把握しておりません。従って、私もこれに対するあなたの方の答弁は求めませんが、ただ厚生団と厚生省との関係を含んでおる厚生団の運営いうものをもっと的確にして、明瞭な形にしていくべきじゃないかということを私は申し添えて、私の質問を終わるわけです。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 続いて、質疑の通告があります。これを許します。勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 大臣にお尋ねいたしますが、日本の社会保障制度というのは、一応形だけは整って、世界でも大体互角だということをいわれているようでございますが、しかし、その内容については、相当お粗末だということがいわれて、おります。また、大臣は日本の社会保障は中学生くらいだと思われておったようでありますけれども、小学生だというような話が伝えられておりますし、また、毎年この社会保障制度というのが前進していくことは、大へん喜ばしいことだと思います。私たちの先輩が厚生省を作って、そうしてその厚生省は、いつの間にか圧制省になったということがいわれております。しかし、少しずつでも前進することは、大へんけっこうなことと存じますが、やはりその方向というものは、しっかりしていなければならないと思うのです。そこで今たとえばことし始まる年金を一つ取り上げてみましても、ばらばらだと思うのです。ましてや医療制度を見てみれば、ごらんの通りだと思うのです。こういうものを一つ形におさめるということは、大へん困難だとは思いますけれども、大臣は、就任以来なかなか熱のあるところを見せて御努力をされているようでありますが、これは厚生大臣だけでなくて、全体的な今日の社会制度というものをどういうふうにしたらいいかという点を、相当民間のいろいろな医療機関の協力を得ながらやっていかにやならぬと思うのですが、もう時期がおくれればおくれるほど、東京都の交通と同じようなことになりはせぬだろうかと思うのです。ですから、そういう問題が麻痺してしまわない——もう麻痺しておるのかもしれませんけれども、その段階において、早急に一元化の方向というものを行なうべきだと思うのですが、そういう方向について、一つ大体どんなことをお考えになって、いつごろまでにそういうものが考えられておるかという、一つの長期政策といいますか、そういう点についての御所見を賜わりたいと思うのでございます。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 今までは社会保障の面がおくれておりましたので、できるものからやっていく、こういうことができておったわけであります。しかし、いわばそれもこれも不十分でありますので、できるものをやっても必要なものに沿えなかったのでありますけれども、きょうの段階になってみますと、こう行き当たりばったりみたいにやっていったのでは困る。現に振り返ってみましても、お話のように保険に例をとってみましても、健康保険組合のあの保険、政府管掌の保険、日雇い保険、船員の保険、あるいは国民健康保険、比べてみると、ばらばらであるのみならず、内容も非常にふつり合いであるというような結果になっておるわけであります。同じ国民が均等な医療を受けられなければならぬ、理想はそこにあると思うのでありますけれども、現状はそういうことになっておる。年金にいたしましても、公務員の年金から、やっと発足した国民年金に至るまで、いろいろな差がついておる。しかし、これもきょうまでやむを得なかったと思うのであります。けれども、もうそろそろ体系的な整備をはかることと、それからある長期的な計画を立てて、計画的に前進させることを考えなければならぬ時期にきたと思うのであります。そういう意味におきまして、ことし以来、まずもって十年先にはどういうところに持っていくかという目標を立てようじゃないか。それにはどういう足取りでいくか、どういうふうに内容を整備していくか、こういうことを考えまして、今省内でその準備作業をさせておるわけであります。これもむずかしいことでありますけれども、何かもとがありませんと、将来練り直すももとがないとどうにもなりませんから、やっていきたいと思うのでありまして、それで党の機関にも相談しなければなりませんし、外部の社会保障制度審議会にも諮らなければなりませんし、そういう段取りを経て、これをきめていきたい。おおよその日程も、予定だけは立っております。来年の予算にいたしましても、それをもとにして組むようにしていきたいと、今そういうことで始めておる中途でありまして、この次の予算には、それをもとにしてというところを目標にして努力をしておるという状況でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 社会保障制度が前進をすることは、与党においても、野党においても、これは意見が一致することでありまして、これはけっこうなことであるわけであります。特に社会保障が進んだ国では、ゆりかごから墓場までといわれておるのですけれども、日本ではゆりかごから墓場までが、産婆代が上がって、火葬料が上がって、これが池田内閣の物価政策が原因だということをいわれておる。大へん残念なことだと思うのです。従って、大臣も決意をされてやられておるようでありまして、医師会の問題にいたしましても、あるいはまた医療ストの問題にいたしましても、前近代的な経営というものがここに現われてきていると思うのですから、一つせっかくの機会ですから、メスを入れて、そしてやはりこれは強い政治力が私は必要になると思うのです。そういう点で、大いに一つがんばっていただきたいと思うわけでございます。  その次に、今度は保健の行政についてお伺いをいたしたいと思うのですが、保健所の状態を見てみますと、だいぶ最近は、何といいますか、待遇が悪いといいますか、いろいろな面で隘路が出てきているように思うのですが、そういう点については、この際もう少し積極的に保健行政というものを強力に進める施策というものが、必要じゃないだろうか、こう思うのですが、その点についてどうなんでしょうか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 今ちょっと御質問を私とりかねたのでありますけれども、保険とおっしゃったのでしょうか、それとも保健所のことをおっしゃったのでしょうか。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 保健所のことです。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 保健所の問題、これは各方面から御意見を聞いております。とにかく病気に対する政策も、治療から予防にいかなければならぬ。つまり病気になる前に、病気にならぬように、また早く発見するように、そういう方向にいかなければならぬ。そういたしますと、保健所の役割が非常に大きいのであります。お話のように、それじゃ、それだけの役割を果たすだけの十分な機能、また人間の陣容等を備えておるか、こういうことになると、ここには、率直に言ってまだ問題があると思うのであります。これはいろいろ具体策も御意見を伺ったりなどいたしておりますが、この保健所にまず有能な人を得なければいけませんし、それには待遇も考えなければなりませんし、いろいろ考えなければならぬ具体問題はあると思います。同時に、保健所がしょい切れないところまで保健所にみなやれというのも無理でありますから、やはり民間のお医者さん、医療機関などの力も、予防方面などにも大いに発揮してもらうようなことも考え、しょい切れないものをしょっておってもどうにもなりませんから、その辺のあんばいも考え、保健所の機能は機能として発揮させるように内容の改善をやっていきたいということで、いろいろ具体的な問題について御意見を伺っておるところであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 急ぎますので、次の問題を御質問いたしますが、この三十三、三十四年度の決算書を見て参りますと、母子福祉貸付金というのが、予算に対して支出を見てみますと、不用額が三十三年度で一億七千四百十一万三千九百三十四円というように、膨大な不用額が上がっているようであります。三十四年度は七千七百二十九万というようになっておるようでありますが、これは制度としては大へんいい制度でありまして、喜ばれておるわけでありますけれども、せっかくこういう制度が出ていながらも、多くの不用額が出てくるという原因は、一体どこにあるのでしょうか、その原因と、それからそれを消化するためには、地方に対するいろいろの給付の割合といいますか、そういうものがあるでしょうし、今後の問題、それまで含めてお考えを賜わりたいと思います。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 母子福祉貸付金の予算の問題でございますが、国庫の負担は従来二分の一であったのでございますが、昭和三十一年度からであったと思いますが、国庫負担を三分の二に引きし上げて、国庫負担の割合を増額いたしております。ただ、それにいたしましても、従来府県の方で予算化を十分いたしませんために、国庫予算が余るというような実情でございますので、私どもといたしましては、そのようなことのないように、府県におきまして、十分これらの予算化に努め、母子福祉のために支障を来たさないようにということで、あらゆる機会にその意味の指導を行なってきておりますが、今後ともさらに努力いたしたいと存じます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 三十三、三十四年度はこれに出ておりますが、三十五年度の大体目標は、どうなんでしょうか、大部分消化できる見通しなんでしょうか。

大山正厚生事務官(児童局長)

○大山政府委員 三十五年度につきまして、ただいま手元に数字を持っておりませんが、大体四、五千万円程度はまだ余るのではないかというように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 結局国の方が与えても、地方財政が圧迫されておるというか、あるいはまた、その県のものの考え方でこういうことになると思うのですが、しかし、実情からいえば大へん喜ばれておる制度でありますので、一つ積極的に貸付が円滑にいくような方法を考えていただきたいと存じます。  その次に、私は麻薬の問題についてお伺いしたいのですが、資料として麻薬の取り締まりの現況について少し出されておるようでありますけれども、まだまだ日本は依然として麻薬の天国だといわれておるようでありますが、麻薬の現況について、それとそれについての対策、こういうことについてお伺いいたしたいと思います。

竹下精紀厚生事務官(薬務局企業課長)

○竹下説明員 麻薬の現状について、御報告いたします。  過去三カ年におきまする麻薬事犯の件数及び検挙人員は、平均千七百四十四件、二千戸五十五人であります。年別に申し上げますと、昭和三十二年は、事犯数が千六百八十六件、検挙人員二千百六十二人、昭和三十四年は、事犯数千五百五十九件、検挙人員千八百九十一人、昭和三十五年は、事犯数が千九百八十七件、検挙人員が二千三百十二人、こういう状況でございます。なお、麻薬の中毒者は、過去三カ年におきまして、平均が千九百二十九名でございます。  なお、それの対策といたしましては、現状におきましては、内閣の売春対策審議会で昨年麻薬対策小委員会が設置されまして、ここにおいて麻薬につきまして対策を審議いたしております。厚生省といたしましては、昭和三十六年度予算におきましては、麻薬は特殊な県だけが非常に多いわけでございますので、中毒者が多い六大都市の府県に、濃厚地区二十カ所に、民間人からなる麻薬相談員七十二名を設けますとともに、麻薬中毒者を専門に収容できます病床百ベッドを設置いたしまして、麻薬中毒者の治療と更生をはかりまして、官民協力して麻薬患者の撲滅をはかっておるような実情でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この麻薬患者というのは、大体どのくらいあるものなのでしょうか。それで麻薬の入ってくるルートというものは、大体どんな現況になっておるのでしょうか。

竹下精紀厚生事務官(薬務局企業課長)

○竹下説明員 麻薬の患者につきましては、これを正確に把握するということがなかなか困難でございますが、大体四、五万程度というような推定がされておるようでございます。麻薬の入ってくる経路につきましては、ルートでありますとか、あるいは韓国のルートでありますとか、やはりそういった方面からの密輸の形式をとって入ってくるのが、一番多いようであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この取り締まりにあたって大へん御苦労されておることを、よく新聞や雑誌やまた映画等で、われわれも見せていただいておるわけであります。大へん御苦労なことだと思いますけれども、これの及ぼす影響というものも、また大へんなことだと思うのです。十分それについての対策というものを行なっているようでありますけれども、及ぼす影響を考え、いろいろな犯罪というものを考えてみますと、そういうもののあとには、いつもこういうことが出ているようであります。一つ今後とも大いに取り締まりを強化されて、特に国際的な問題につきましては、いろいろとやりにくい点もあろうと思うのですけれども、十分御検討されて、取り締まりの厳重を期していただきたい、かように思う次第でございます。  それから次に、海外の医療協力についてここに出されておるようでありますが、この中身を見ましても、大へんけっこうなことであるのですけれども、まだお医者のいない村もたくさんあるようであります。こういうような現況の中で、日本も余力があってそういうのをやっておるのですか。海外協力をやりながら、なおかつ無医村もなくしていく、両方をやっていく、なるべく幅広くやっていくということは、けっこうだと思うのですけれども、先ほど私が言いましたように、日本の社会保障制度というのは、大体欧米と同じようにやられている、しかし中身はお粗末だ、こういうことがいわれておるわけでありますから、そういう点から考えてみましても、海外医療協力もけっこうだけれども、やはりもっと国内的に医療整備というものに重点を置かなければならないのじゃないか、こういうように思うのですが、医者のいない村、これらに対する対策というものも、どのように行なわれておるか。この点についてお伺いしたいと思います。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 海外協力の方は、だいぶん東南アジアその他から医師の派遣などの要請があるものですから、これもこれらの国との親善友好などのために協力いたしておるわけですが、御指摘のように、無医地区が相当たくさん——今一がいに無医地区と申しましても、比較的近いところに医者があって、そこから往診なども求められるようなところもありますが、非常に不便なところで、どうしても診療所を作らなければならぬというところにつきましては、地元の市町村などにも作るように努力してもらっておるわけでありますけれども、しかし、どうしてもその地元の市町村が大へん財政的にも悪くて、国が助成をしていかなければならぬというものも相当あるのであります。私の方で一定の条件で無医地区ときめたもの、つまりどうしても診療所を作っていかなければならぬ、しかし、その地元では財政が悪くて、国が特に助成しなければならないというものが、二百三十七を数えておるのでありますが、それを昭和三十一年度から年次的に助成をいたしまして、そこに診療所を作ることを勧めておるわけであります。本年度で百六十まででき上がることになっておりますので、従って、残りの七十七というものを本年度と明年度の二カ年でやっていきたいというふうに考えております。  なお、私の所管ではございませんけれども、国保の直営診療所なども、最近では、無医地区あるいは医者の非常に少ないところに重点を貫きまして、直覚診療所を作っていくような努力をしておりますが、診療所を作りましても、なかなか医師がいてくれないということが一番悩みの種でありまして、さきの二百三十七の計画は、そういう医師の確保が非常に困難だということから、親元病院を作りまして、それから医師を派遣する、こういう方策をとっているものですから、幸いことしで百六十できますけれども、一応医師がおるというような状況になっておるわけであります。医師の待遇改善などにも、今年は特に努めておりまして、従来より給与などをよくいたしております。ただ、そういう給与の面だけでは、生活とか子弟の教育だとかいう面がございまして、その点で確保するのに困難な状況があるわけであります。なお、診療所を置くことが大へんむずかしいところにおきましては、今年から巡回診療所、あるいは島には巡回船というようなものでもって、医療の行き渡らない地方にはできるだけその手を差し伸べたいという考えでおりまして、それに対する補助金を三十六年度においては計上いたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 時間がありませんので、最後に一つだけお伺いしたいのです。引き揚げ援護の事務の関係なんですけれども、私たちが、申請をしたけれどもなかなか許可が出ない、どうなっているか調べてくれということを、よく頼まれるわけであります。聞いてみますと、大体半年あるいは一年くらいというのが通例のようでありますけれども、あの関係は一体どういうわけなんですか。いろいろ複雑な点もあるでありましょうし、書類の上からも不備なものがあるでしょうし、あるいはまた事務の人手が少ない点もあるだろうし、予算の関係もあるでしょうが、もう少しあの事務というものは、もう戦後ではないわけでありますから、積極的にもっと人も予算も入れて、せめて二、三カ月くらいで早急に問題を処理していく、こういう方法というものはとれないでしょうか。

石田政夫厚生事務官(引揚援護局援護課長)

○石田説明員 ただいま御質問のございました引き揚げ援護の問題と申しますと、具体的には引き揚げ給付金の問題でございましょうか。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 いろいろあるじゃないですか、戦傷病者の関係とか……。

石田政夫厚生事務官(引揚援護局援護課長)

○石田説明員 引き揚げ関係といたしましては、先ほど申しました引揚者給付金等支給法に基づきまして、所定の引揚者の方々に対しまして、引き揚げ給付金を国債で給付しておるのであります。そのことでございましょうか。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それから戦傷病者の関係は……。

石田政夫厚生事務官(引揚援護局援護課長)

○石田説明員 戦傷病者関係につきましては、戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づきまして、遺族の方々あるいは傷病されました本人の方々に対しまして、遺族年金あるいは傷病年金等を支給いたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そのあとの方です。その事務がだいぶおくれているという……。

石田政夫厚生事務官(引揚援護局援護課長)

○石田説明員 それではお答え申し上げたいと思います。  御承知のように、現在戦傷病者戦没者遺族援護法に基づまして、かつて軍人軍属等で公務上の傷病あるいは死傷されましたこれらの方々に対しましては、御案内の通り、遺族年金あるいは障害年金等を支給いたしております。ところで、この御申請の手続といたしましては、御本人が市町村、都道府県を経由されまして、裁定庁でございます厚生省に御申達に相なるわけでございます。ところで、現在のところ、この旧軍人関係の方が大部分でございますが、御承知のように、昭和二十七年に遺族援護法ができましてから、一時軍人恩給が停止いたされておりましたのでございますが、その後二十八年の四月から軍人恩給が復活をいたしまして、公務扶助料等が旧軍人恩給関係に移行いたしたのでございます。ともあれ、遺族援護法の該当の者が若干残っておりまして、その関係につきましては、遺族援護法で、現在これに該当いたします方々に遺族年金または障害年金を差し上げておるわけでございます。  ところで、その際御申達の関係でございまするが、実は従来御本人から御申請になりました際に、公務によりまして死傷されました方の挙証の問題でございますが、この関係につきまして、何分戦争中のこと、あるいは終戦後お帰りになりましてからの在郷中の御死亡等につきまして、公務上の因果関係を立証いたしまする資料、たとえば死亡診断書、あるいは療養を受けておりました当時の医師の証明書等、そういうものを添附していただきまして、公務因果関係を確認いたしまして、その上で支給いたしておるわけでございます。ところで、その際御遺族さんの方々で、公務因果関係を挙証いたしまする資料が若干欠けておられる方があるわけでありまして、その点を、公務該当要件といたしましては私どもは内容を精査いたしまして、該当いたします方々につきまして差し上げております関係で、しこうして、その挙証資料の不十分なものにつきましては、関係の都道府県あるいは市町村を通じまして、資料の追求につきまして可能な限り努力を重ねておるわけでございます。ただいま御指摘の支給事務がおくれているといった点でございますが、実は率直に申し上げまして、挙証要件が法の該当要件を満たしておる分につきましては、いち早く措置を完了いたしておりまして、現在すでに、今まで私ども総予定件数のうち、実は九五%を完了いたしておるのでございます。ところが、残りの五%につきましては、ただいま申し上げました挙証要件に若干資料の欠缺がありまして、そういった点を関係の都道府県あるいは市町村を通じまして再調いたしておる段階でございます。こういった事情にございますので、われわれといたしましては、法を的確に運用いたします関係で若干おくれている分につきまして、今後とも御指摘のように可能な限り再調の手続を早めまして、極力的確な資料に基づきまして、この該当者に対する法の的確な運営に万全を期したい、かように考えている次第でございます。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員長 次は山田長司君。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 私から事新しく申し上げるまでもなく、厚生省の仕事は、生まれる前から死んだ後までの仕事をおやりになっております非常に重要な、国民生活に密接な関係のあることばかりだと思います。そこで今直接にぶつかっている問題、それから本日出された資料等に基づきまして、厚生省でおやりになっておる仕事の何分の幾つかを実はお尋ねするようなものです。  最初に私が伺いたいのは、病院の問題です。病院には、私から申し上げるまでもなく、国立の病院、あるいは郵政省の病院、あるいは国鉄の病院、あるいは専売公社が持っておる病院、労災の病院、大蔵省の印刷局が持っておる病院、それから厚生年金による病院、あるいは社会保障による病院、あるいは文部省の関係に属しますが、各医科大学の病院、政府関係機関、そのほか地方自治体による県市町村の病院、こういうたくさんの種類の病院があるわけですが、当然この病院については、厚生省としては何か基本的な、病院取り締まり上、あるいは病院運営上、こういうものの指針がなければならぬと思うのでありますが、この点どういう指針をもって、大臣は、この病院の国民に接する態度をおきめになっておるか、一応伺いたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 お話のように、各種の病院が百花繚乱のような形ででき上がっておるわけでありますが、その中には、厚生省として権限上手の出せない病院もありますが、しかし、手の出せるものもありますし、今厚生省が関与いたしますものについてやっております基準の問題を、局長から御説明させたいと思います。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 御指摘のように、経営主体が非常に多いわけでありまして、おそらく二十以上もあると思います。現在の医療法におきましては、一応病院としての条件を備えておけば、どういう団体あるいは個人でも作ってよいという建前にできております。いろいろな病院がたくさんにできておるわけでありますが、最近では、それがお互いに競合して、いろいろ問題も出てきておるわけでございまして、なるべく体系的な整備を今後はかっていきたいというふうに今考えておるわけでありますが、なかなかむずかしい問題でございまして、現在設けております医療制度調査会などにおきましても、医療機関の整備の問題を今後取り上げまして、将来どういう方針で整備していくべきかということを審議される段階になっております。それから過日発表されました病院の経営管理懇談会におきまして、やはり病院の経営の方針、こういうものを明らかにすべきじゃないか。たとえば組合の病院はその組合員を見るというふうに、病院がその設置目的に沿うような方針を明らかにしないと、いろいろ問題が起きるのではないかということも、実は指摘せられておるわけであります。そういう面からいえば、国とかあるいは地方公共団体などのものは、一般のだれでも見るというのが建前でできておるものでありまして、そういうものなら、だれでも利用できて便利であろう、こう私どもは考えておるわけでございます。   〔委員長退席、三和委員長代理着席〕

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 これは国民の健康保険上から言っても、私はゆゆしい問題だと思うのです。安心して患者がかかれる、その一つの基本的な方針が打ち出されておらないために、あるいは上部の機関等があって、地方自治体等で経営している場合においては、もし援助、協力するものが上部にあるとするならば、ずいぶん患者等の場合にも助かるような場合もあり得るのじゃないかと思うのですが、こういう点が支離滅裂に、今御説明がありましたように、二十以上の種類にわたって政府機関及び地方自治体の病院がある。そのほかに一般の経営があるわけですが、御承知のように、最近病院のストライキが非常にふえておる。こういうことは、患者にとってはゆゆしい問題だと私は思うのですよ。これらの基本的な方針が打ち出されていないから、やはりこういう結果が各地に生まれてきておると思うのです。これは厚生省としても懇談会で話し合っているくらいなことではなくて、もっと基本的な経営の指針あるいはまた根本的な施策というものを打ち出して、病院経営に当たらせる方針を打ち出さないと、ただ一定の条件を備えてさえいればそれでいいんだということであっては、私はいかぬと思うのです。私は、実はなぜこういうことを申し上げるかというと、特にこれは地名を秘しますが、その病院に入った患者は、みな盲腸患者になってしまうのです。なぜ盲腸患者になってしまうかというと、これは蔬菜類を二度も三度も洗っても、石灰地の灰を飛ばされた野菜ものは落ちないわけです。しろうとのわれわれにはよく判断ができませんけれども、それがために、食べた野菜ものから付着物が体内に付着するらしいのですが、それで非常に健康を害して、そこの病院に入りますと、みな盲腸患者になってしまう。これがもし地方の自治体でおやりになっていられる病院でなければ、もっと上部から指示なり協力なりを取り入れて、もっと何とか具体的な対策を立てられると思うのですが、これはやはり厚生省の病院に対する施策というものが明確に打ち出されないところに、なかなか困難さがあると思うのです。これはただいま局長の説明がありましたが、局長の説明だけじゃなくて、大臣みずからが、この問題に対して、国民の健康上からいって、日本じゅうの病院に対する方針というものを打ち出していかなくちゃならぬと思うのです。この点、もう一ぺん大臣にお尋ねいたします。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 病院問題は、実に混雑もしておりますし、大問題でありますので、まずもって国内全体の病院の体系というものを整えなければいかぬ。あまりに乱雑になり過ぎておる。一方で無医地区があると思えば、片一方では片寄り過ぎて、たくさんある地方もある。いわば二重投資のような格好になっておる地方もある。そういう全体の体系を考えなければいかぬ。それから病院として持つ機能も、また使命も、やはり病院によって違うはずだと思うのです。地方の中心病院、地区の中心病院は、それなりの機能を持たなければならない。それぞれの機能、使命というものも、はっきりしなければいけない。それからそれに応じた体制を整える上に、おくれておりますのが病院の経営方法。経営方法というものは、大きな病院でもおくれておるのであります。経営方法を近代的に改善しなければいかぬ。労務管理から始まってなかなか整っていないところが多いのであります。そういう経営方法をはっきり新しい方向に指導しなければいかぬ。それと病院の経済が成り立つように——経済が非常に苦しいために給与が悪いとかいうような問題も、これは見のがすことができませんので、経済の問題も考えなければいけない。こういうわけで、あとの問題につきましては、つまり病院の経営をどうすべきものか、それから経済はどう立てるべきものか、こういうことにつきまして、さっき局長が申しました、去年の暮れ応急的に作りました病院の経営管理改善懇談会というものでさんざん論じてもらいまして、だんだんいい案が立ってき出しました。これを実行に移す段階にきております。それから経済の点は、それだけでは足りませんから、医療費の引き上げの問題などが関係してくるわけでございます。これも解決しなければならぬ。御承知のようなわけであります。こういうようなことでありますし、体系の整備の問題もほおっておけないと考えまして、医療制度調査会で研究してもらっておりますけれども、ちょっとまどろっこしいように思いますので、厚生省の中で少し下準備をして、そしてもう少し積極的にその問題を推進するようにしたい、こういう考えで今やっておるところであります。まだ十分な成果を上げるまでには至っておりませんけれども、お話のようなことを考えますから、そのつもりで今努力を続けておる中途であるわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまの大臣の御答弁で了解ができるのですが、これはぜひ積極的に進めていってもらいたいと思うのです。なぜこういうことを申し上げるかというと、いくら医療金融公庫ができて、地方の病院に融資をして、病院の体系を整えてみたところで、やはり基本的な方針が打ち出されていなければ、国民がみな安心した形は生まれてこないという点から、私ども申し上げたわけです。  次に、先ほど小川委員からも御質問があったのですが、精神病患者の問題です。この資料はきょう出ていないのですけれども、きょう出ている資料では、結核患者は、三十年度から三十四年度までの患者数は非常に減っている。それから人口十万に対する罹患者率も減少している。これは非常に喜ばしいことです。それから患者の率を年令的に見ますと、三十二年度は二十五才から二十九才まで、それから三十三年度は三十才から三十四才までの人が多い。それから三十四年度になると、六十才から六十四才までの人が多い。こういう状態というのは、どこから出たものか。もう一つは、年令別の死亡率ですが、これは私は戦争のときの栄養に非常に関係があるものと思うのですが、三十年度には、二十五才から二十九才までの人が多い。それから三十一年度も、やはり同年輩の人たちが多い。三十二年度も、やはりこの年輩に属する者が多い。三十三年度は、三十五才から三十九才までの人が多い。それから三十四年度は、三十才から三十四才までの人が多い。おそらくこれは戦争のときの栄養にも関係のあることだと思うのですが、この点は、厚生省として大体の原因が明らかになっておるかと思うのですが、どういうところにこの原因があるように見受けられるか。これは担当の方でいいです。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 結核の罹病率につきましても、死亡率につきましても、最近は老人階層が低減せずに、部分的にはむしろふえている、そういう階層もあるわけであります。すなわち結核は、その中心がいわゆる老年化しつつある。これはもう非常に明瞭でございまして、諸外国も同様な経路を日本よりも早くとりまして、日本は大体その形を追っているという形で、一つは結核の文明国化のような形をとっているのであります。これは、老年の結核が新たに起こるというものよりも、長い間保存しておったもの、蓄積しておったものが出てくる、こういう傾向がかなり明瞭でございます。しかも、そういうものはなおりがおそい。若年のものは、発生しても、化学療法、外科手術の最近のやり方が奏効しまして、蓄積しないで、かかってもさっさとなおしてしまう、再発も非常に少なくなっている、こういうような形でございまして、御指摘の通りでございます。それからもう一つの、中年層ないしはいわゆる壮年層の死亡率がまだ高い。しかし、それも五才年令区分で申しますと、少しずつ上に移行しております。これは一つの問題は、御指摘の通りに、この年代が戦争の影響——栄養だけではございませんけれども、栄養を中心とする社会的な負担が、ここに一番かかっておる年配でありまして、従って、他の治療法の成功にもかかわらず、からだあるいは精神に社会的な負担をよけいにかける。これもまた悪影響の方のプラスになっておりますので、これの死亡率が高い、こういうふうに見ておるわけでございます。従って、やはり結核対策としては、若い者については、新たな感染源を防止する、長年者からばい菌を受けるのを防止する、BCGを初め予防をして、かかっても早期発見してなおりがいいときになおす、これに重点を置いておる。中年以上の者の場合は、社会的環境の改善、今成立を見つつあります結核予防法の改正の中心も、一つはそこに置き、一つは濃厚感染源をこれによりまして収容して、他に感染させない、この二つの条件を中心にして改正しておるわけでございます。大体この方針によりまして、この統計に現われました傾向に一番能率的にマッチする方策を今とっておる次第でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 今の結核患者の問題も、統計からそういうことはできておるのですが、なかなか統計上から知ることができない問題は、精神病患者及び性病からくる犯罪の問題、これは私は根本問題だと思うのですけれども、実はたまたま自民党の防衛庁の白浜という政務次官がいますが、この議員が医者でありますので、私は意見を傾聴して伺ったのでありますけれども、今の状態でいきますと、精神病患者の激増と性病患者の激増はやむない状態に追い込まれるが、これについての対策としては実はまだ明確なものがないように思われるというようなことを、白浜議員の口から私は聞いているのです。先ほど小川委員も精神病の問題について御質問になったのですが、このままの状態に置いておくことによる精神病患者の激増というものは、厚生当局も認めているだろうと思うのですが、これに対する根本的な対策が何か打ち出されないと、日本民族の将来に大きな暗影を投ずるのではないかと思うのです。その点、そのものずばりの結論、回答が出るものとは思いませんけれども、何か厚生当局はこれに対する対策というものをお立てになっているのかいないのか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 確かに精神病患者が数字的にも増加いたしております。その半面、これは精神障害としての診断の方法、あるいは診断基準が進んだために、従来はしろうと考えで精神病と思わぬものも、医学的に見て精神病の対象になってきたという点の増加も、ある部分あるかと思うのであります。しかし、絶対数がふえたと同時に、これは諸外国でも、日本以上の増加率で、年々精神障害者の把握数というものが増加いたしております。ということは、今までの医学でこの発生を的確に予防するという方法が、まだ世界じゅう完全ではない、こういうことでありまして、一そう精神病の発生原因の研究と、またその発生原因がそれぞれわかれば、これの発生を防止するという方法を、日本のみならず、国際的にもやらなければいかぬということが強調されておりまして、これはもうぜひ必要かと思います。さしあたり日本といたしましての精神衛生対策の重点は、さような意味でございますので、発生しておる患者が、家族ないしは社会的にも非常な支障を来たす。本人自身も非常な不幸である。発生後の対策をまずやって、当面の障害を除去する、これはできることでございますので、これに今のところは重点が置かれておる。被害を少しでも軽減するところが今のところは中心になっておりまして、先般成立を見ました精神衛生法の改正も、重症で、しかも治療を要する、あるいは隔離を要する、これの収容、治療の大きな促進を中心とした改正であったわけでございます。しかしながら、それだけでは、出るものは出しておいて、起こってから火消しに回るという形でございますので、御指摘の通り、根本対策にはならぬわけでございます。今、一つ成功しておりますのは、幸いにいたしまして、性病から発生する精神障害、これは近年非常な激減を来たしております。いわゆる麻痺性の痴呆症とか、あるいは梅毒性のいわゆる脳梅、これが着々と減っておりますのは、最近の梅毒の治療が、精神病のように病膏肓に達する以前にある程度食いとめてなおしてしまっている。性病だけの間になおしてしまっている。これが成功しておりまして、この部面だけは発生自身を食いとめておりますが、その他の最大多数を占める精神分裂症、これは日本人の精神病の六割以上を占めておるわけでございますが、これとか、いわゆる重度の精神薄弱者の発生、これはまだ的確な原因がつかめておりません。あくまで治療中心ということでございますが、これもしかし、ある部分はいわゆる遺伝関係の明白な部面がございます。従いまして、これは優生保護法の活用によるいわゆる優生断絶ということ一これは行き過ぎたら人権じゅうりんになりますが、しかし、非常に濃厚な家族歴があって、それが相当な濃度で発生している場合には、結婚をしないというような指導から始まりまして、結婚をしましても、子供を生まないという避妊ないしは優生手術、これによりまして、ある部分は除去できる。しかし、その他の多数の問題は、まだ未解決である。それからもう一つは、最近目立って多くなっておりますのが、一般的にノイローゼと称しております、神経衰弱といっております神経質症、あるいは精神病質と  いっておりますもの、いわゆる社会に適応できない、しかし、ほんとうの厳重な意味の精神病そのものではない、これが非常にふえておるわけでございます。これはやはり対人関係とか、あるいは社会環境の複雑化に耐え得ない人間がある。これを耐えるような職域転換その他のほんとうの意味の精神健康対策ということで、相当程度これは救済できると思います。この部面はやはり手がつくということで、従来の精神病者対策に加うるにそういうような精神衛生という広い意味の対策、これは県立の精神衛生相談所とか、そういうものを今逐次拡大しておりますが、こういう面で相当対処する、こういうような総合的な面で進めておりますが、ただ、御指摘のように、他の結核等と比べますと、非常に不十分であります。性質上も不十分な点もございますが、比較いたしますと、まだ劣っている、こういうふうに認めまして、これには大いに力を注ぐ必要がある。こう認めるわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 大体お話を伺って了承できるような気がするのですが、お子、らく厚生省の方々は、最近の下情に通じていない面がたくさんあるのじゃないかと思うのです。われわれも、実は話をちまたで伺ってみて、最近の実情にあぜんたるものを感ずるわけなんですが、公娼の廃止以来、ちまたにおけるこれに類似する機構というものは、一人のボスによって数人の女性があやつられている。しかも、目に見えざるひもによって多数の女性が暗躍している。これは当局でもおそらく知らずにいるはずはないと思うのでありますが、こういうことから、これを下情に通じている白浜君が私に話したものと思いますけれども、このままの状態にしておいたならば、性の病菌を持つ者の数というものは、おそらくとても統計上で厚生省などで知り得る筋のものではない。このことについては、よほどしっかり厚生当局が国民の健康を調べる何らかの方法をとらない限りにおいては、取り返しのつかない事態になるのじゃないかということを、白浜君が私に話されておるのですけれども、こういう問題について、何らかの方途がやはり立案されなければならぬと思うのですが、いかがなものですか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 売春防止法と性病の関係でございます。確かにこれは部分的には、いわゆる売春婦、売淫の常習者、これは従来もつかまえた者の強制検診ということで、性病の有病率をとっております。それと比べますと、最近つかまった売淫常習者の性病率はふえておる。昭和三十二年に大体一二%の性病の有病率でありましたのが、三十五年の前半の半年では…一%、約三倍近くに増加いたしました。ただし、この数は、三十二年当時は、いわゆる公娼もこれは売淫常習者でございますので、全国約二十万近いものの調査の中の一二%、現在はいわゆる売淫常習として取り締まり対象になっておりますのは、年間約二万人の件数でございますので、これの三一%ということでございますから、対象になった絶対数は、はるかに、減っておるということでございます。ということは、逆に常習しておる者については、質が悪くなった。その総数は、表面的には減っておる。こういう形でございます。従って、私どもの方では、これはつかまえようがない。性病だけを目的にして人間をこれ以上検査するということはできないのでございますから、要はこれらからうつる国民の性病がどうなるかというのが、一番大事なことでございますので、その方をいろいろ苦心して実は統計をとってつかんでおるわけです。この点は激減はいたしませんが、グループによっては減っているグループが相当多い。それから横ばいのグループが幾つかある、こういうことでございます。横ばいのグループの一つは、船員のグループ、それからいま一つのグループは、接客業者として検診に応じている者が、大体年々横ばい。その他の青年団とか、あるいは自衛隊の集団、それから壮年のグループ、こういうようなものは、幸いにいたしまして減少しておりまして、年々私どもの方でこれら約六十万人を通じまして、毎年対象は違ってきますが、性病検診をいたして、そういう結果になっております。これでは大体過去三年間、三十二年と三十五年を比べますと、三割程度有病率が減った、こういう計算になっておりますが、しかし、今後これがまた逆転しないとも限らないということで、大いに警戒しているわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 時間の関係で、いろいろ伺いたいのですが、なるべく集約して伺いたいと思うのです。大臣に一つ伺いたい。  この間新聞を見ますと、ニーマンさんというアメリカ人が、光のプレゼント運動をやっておる。これははっきり言えば、厚生省の足りない面を外人が協力したようなものです。自民党の国会対策の部屋に来られて、山村君も大いにこのことに協力するということを言われています。この人は、間もなく日本を去ると言っている。この人によって助けられた人が、日本の国内にずいぶん出てきた。まことにけっこうなことです。そこで私は、もうちょっとこの人にいてもらって、ちょうど宣伝するいい期間ですから、せっかくこの人が乗り出した期間中ですから、厚生省でも何とかもう少しニーマンさんの協力をして、目の見えない人に対する明るい話題を国民的に知らせるようにしたらいいと思うが、大臣どう思いますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 ニーマンさんのあの御尽力は、われわれも非常に感謝をしております。大へんよいことであります。厚生省としても、ああいうふうな運動を一そう強力に推進したいと思いまして、厚生省側としての努力を今しているところであります。ニーマンさんの帰られることは、先方の都合もあると思いますが、事情の許す限りはそのことも考えますが、むずかしくても、こっち側でも大きにあの運動を推進したい。日本側でこういうことをやっておるところでありますので、宣伝は少し足らぬかもしれませんけれども、努力はしておるのであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 きょうの資料によりまして、無医地底、無医村のことは、大体数字的にわかりました。そこで辺地の医者の確保の問題です。厚生省では、今までにいろいろ辺地についての施策を講じられていますが、辺地についての修学資金の貸与の問題です。一体どのくらいこれが進められているか、実施状況を知らしてもらいたい。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 僻地のお医者の供給のために、貸与制度をとってはということで考えておりましたが、まだ実現いたしておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 そうすると、無医村というのは、どのくらいの状態になって、これを解消する見通しというのはどういうふうになっているのですか。

川上六馬厚生技官(医務局長)

○川上政府委員 先ほども申しましたように、非常にたくさん一応あるわけでございます。これは三十三年の八月の調査でございますけれども、半径が四キロで、その中に人口三百以上のところで、医者がないというようなところを一応無医地区といたしまして調査いたしましたところが、千百八十四もあるわけです。しかし、その中には、そのもよりに、比較的近いところに医師がおって、そしてそこから医療を受けられるというところが四百十六、それからそのほか、先ほど申しましたように、やはりどうしても診療所を置かなければならぬ、そういうところでありますけれども、経営がなかなか困難だ、そういうところが六百五十六、それから診療所を置かなければならぬけれども、そこに開業すれば何とかやっていけるのじゃないか、あるいは市町村なら市町村がやっても経営が成り立つのじゃないかと思うところが百十二あるわけであります。私どもが特に助成をして診療所を作っていかなければならぬと思うのは、先ほど申しましたように六戸五十六あるわけでありますけれども、その中で、厚生省が年次計画をもって現在百六十ほどやっております。それから国保などでも、そういうところに力を入れて現在やっておるような状態であります。だいぶこれが減らされておるのでありますけれども、まだしかし、相当多数のこういった地区が残っておるということが蓄えるわけでございます。先ほど申しましたように、厚生省でも特に助成をしてどんどんそういうところに診療所を作っていく、あるいは国保でもそういうところに診療所を今後重点を置いて作っていく、あるいは市町村でもそうしてもらうというようなことで、いろいろと各関係者が協力して、そういうところに医療機関を満たしていくような努力をしておるわけであります。しかし、先ほど申しましたように、医者の確保が一番重要でありまして、診療所を作っても、医者がなかなか得られないというところが一番因った問題でありますので、特に国が助成していくものは、もよりの県立病院でありますとか、あるいは日赤、済生会というような、そういう病院から医者を派遣してもらうように、そういう方策を講じて、大体成功いたしておるような状況でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまのお話を伺いましても、無医村の解消ということは、なかなか容易じゃないと思うのです。ですが、やはりこれは何とかして——いつか厚生省で出すはずだった修学資金の貸し出しの問題、これはおそらく法案が出たものと思ったのですが、不勉強で知らなかったけれども、そのことをぜひ実施してでも、無医村の問題の解消をすべきじゃないかと思うのです。どうかそういう方向に進めていただきたいと思います。  次に、時間の関係で端折りますが、先ほど小川委員の質問で落ちていたので、私伺うのですが、四月から実施された国民年金の問題です。これは実施はしたというけれども、届けも出さない人がまだたくさんあるはずです。そこでこの届けを出さなかった場合において、拠出を強制するということになるわけでしょうが、どういう方法でおやりになるつもりでいるか。これは大臣から一つ所見を伺いたいと思います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 国民年金については、十分理解を得ていないような面もありますので、私どもとしては、権力でとかいう考えでなしに、理解を徹底して、そしてあの法律をりっぱに運用していきたい、こういう考えで、つまりあの趣旨をよく理解してもらう、理解のもとに進めていきたいということで努力をしておるのであります。とにかくもう町村、つまり農村方面では、一〇〇%以上届けも済んでしまっておるのであります。残っているのは大阪とか京都のようなところでありまして、東京もぐんぐん進んでおります。こういうわけでありますから、いま一息努力をすれば、おくれておるところも進んでくるのではないか、こういうふうに考えておるところであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 集められる四百億を財政投融資の方に回すのじゃなく、もっと厚生省でがんばって、この四百億の金を、目標を厚生省の国民の方向に使われるということになってくれば、かなり国民も、この国民年金に対する期待を持ち、それから協力もするだろうと思うのです。ところが、何だかさっぱりわからぬという印象を私は国民に与えておるのじゃないかと思うのです。国民がこれに対して協力するという点が、非常に欠けておると私は思うのです。貧富が第一ある場合に、この貧富の差を設けず、同じ額で納めさせるというこのこと自体も、私は非常に問題があるのじゃないかと思いますが、このことについては、大臣は今までもそうお考えになりませんか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 拠出した金の運用の問題については、国民生活に関係ある方面以外には一文も使わないことは、はっきり何べんも言うし、そうしておるのであります。財政投融資計画をごらんになれば、基幹産業とか、輸出産業とか、そういうものには、一銭一厘現にことしも使っておらないのであります。方針もはっきりしておるけれども、どこかの人でそういう方面にこれは使うのだというようなことを言う人があると見えて、そういう惑いを起こす人が間々あるのであります。けれども、事実は方針もはっきりしておるし、ことしの財政投融資計画をごらんになっても、はっきりしておる。今後もはっきりしておるのであります。ですから、そういう点は、われわれとしてもますますその趣旨を徹底していきたいと思いますが、皆さん方にも、そういうところに行き違いが起こらぬように、みんなが誤解を起こさぬように、ぜひ御協力願いたい。  それから拠出する掛金ですが、百円、百五十円というものが、資力によって差別がついてない。差別をつけるということは、一つの考えであります。これも一つの考えだと思うのです。そこまではいいけれども、それは何を標準にして差別をつけるのだ。全国的にそういう統一した基準がないのであります。所得税ではだめなんです。納めない人が大部分ですから、この標準にはならぬのであります。納めない人の中では差別のつけようがない、所得税を基礎にしては。市町村民税といっても、市町村ごとにまちまちである。この北海道と鹿児島のちぐはぐなものを使うわけにはいかぬ。つまりかりによいとしても、実行の方法が今のところはないということを申し上げておるのであります。そういうことはあまりなかろうと思いますけれども、もし掛金がもっと高くにでもなるというようなことがありますれば、そういうときには、もっと重く負担してもらうことがあれば、税金を納める人には重くするとか、市町村民税を納める人は重くするというように、一歩進んでいかなければならぬけれども、今日のところは、趣旨が悪いと言っておるのではないが、うまい実行の方法がないので、百円、百五十円という金は均一に負担してもらっておる、こういうことになっておる。これはもうこの段階では仕方がないというわけであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 どうもそういう簡単な形で処理されるということが、このことの普及する速度のなかなか遅々として進まない理由だと私は思うのです。貧富の差とか、あるいは所得の差とか、こういう問題についてわからぬと言うけれども、勤労者の場合は、一応所得の工合はわかっておる。わからない基準の中には中で、所得の差というものが不明確なのはかなり広範な範囲にあるけれども、税務署では、それをどういう角度ででか調べ上げて、税金を取っておるわけです。厚生省の場合、その機構を持たないから、なかなか困難だと思うのでありますけれども、私は、このことを平均化したある一定の限度で甲乙をつけた形の線が生まれないと、なかなか了解されずに、普及の状態というものが、それは地方の都市で百パーセント以上だと今言われるが、なかなかそうばかりは大都市などでは進まないと思うのです。大臣はずいぶん確信があるようでありますけれども、どうもこの点が私たちの理解に苦しむところです。そこでこれを出さなかった場合においての方針がまだ明確でないのですが、出さなかった場合には、どういう処置を厚生省はおとりになるのですか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 私どもは、趣旨をよく理解して納得してもらうという方法で出してもらおう、それ一本やりで考えておるのであります。やって少しも悪いことじゃない。百円掛金を出せば、そのほかに国が五十円つけて、それをみんなの年金にするのですから、損は一つもない。よいことにきまっているのだから、理解をしてもらえるはずだと思うのであります。なぜ理解してもらえないかというと、誤解がある。また誤解をさせる人もおる。そういうことはなくして、みんなでこれを育てる。この国民年金制度というのは、社会保障の大事な一面で、今日の内容が不十分なら、だんだん充実し、向上させて、よいものに育てるのが次の段階だと思うのであります。ですから、育てるようにみんなでこれはしなければいかぬと思うのであります。それには、よく趣旨を理解してもらえば、私は納得してもらえると思う。山田さんも今お話しになったのですけれども、たとえば税務署は調べているじゃないか。それがだめなんです。農村では、一体所得税を納めている者が何%おりますか。大部分が納めていない。納めていない者に、何をもとにして一体差をつけていくか。納めている者と納めていない者の差は、税務署に行って調べればつきましょう。納めていない者が大部分なんです。それはどうして差をつけるか。できないのであります。今はいい方法がないのであります。その辺は、これこそまずもって山田さんから御理解願っておきたい、こう思うのであります。大体はわれわれの努力の足らぬせいか、十分な理解を得ていないというところに、この問題の混雑のもとがあるように思うのであります。内容の貧弱な点は、だんだんこれからもっと内容を引き上げる努力をお互いにすべきものである。やらないでおったら、一つも育ちやしない。引き上げる努力をこれからやったらよい。そうしてよいものに育てる。こういうようにいくことが、ほんとうに国民のためによいことだと思うのであります。育てる方向に、こういうふうに思っておるわけであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 大臣の今のお答えで私は納得しないのです。一応これは将来の資料にしてもらいたいから申し上げるのですが、農村の場合には、われわれが子供の時分には、これは私の村の例で話して大へん恐縮ですけれども、二十四通りの各家庭の財産調べというものを、村の者自体でやったことがあるのです。二十四通りに分けて区別をつけますと、大体そのうちの年間平均の所得の把握ができるのです。それはお互いに研究したその結論からいって、それが出たことがあるのです。やはりばく然と都会生活者であると、農村の所得の工合を調べることは困難だということは事実です。都会の人が調べたら困難だと思うのですが、大体近所隣が集まって自主的に調べますと、そういうものは出るのです。そういう形で昔税金を納めた子供の時分を私は思い出すのでありますが、これでいきますと、差が非常に違ったりといえどもそう遠くない数字が出てくるのです。今そのことの内容を話している時間がございませんけれども、農村の場合等においても、あるいは町の場合においても、そのくらいまで自主的にお互いに——まだ都会の場合など、隣組の制度が廃止されたような形に見えるけれども、実際は廃止されていないですよ。こういう末端の声を出してお互いに話し合った線が、私は打ち出されないはずはないと思うのです。これは将来の厚生省の一つの指針として私は申し上げておるのですが、公平を期した形の年金制度の実施を——制度自体私は反対しているんじゃないのです。納得をされた形において国民の協力がなければ、これはあとで幾ら実施しているからといったって、満足なものができると思わないから申し上げておくのですが、どうぞその将来の指針を、公平を期するような努力に向けてもらいたいということを希望を申し上げておきます。

三和精一自由民主党

○三和委員長代理 西村力弥君。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 今、国民年金のお話がございましたが、この市町村の年金の取り扱い費が実情に全然合っていない。まことに僅少だ。私がこの間ある町に行ったところが、四分の一の金しか出てない、こういうことを言っておりました。それが全部町から持ち出しになって事務が行なわれている、こういうことになっているのですが、厚生省の仕事は、これはやはり住民生活に直接する問題でありますので、地方の公共団体は、これは国がめんどうを十分に見てくれないにしても、やはりやらざるを得ないということになる、社会福祉関係でも何でも。それから学校教育の問題もそうですが、これだってやはり子供のことですから、地方自治団体あるいは父兄が、泣く泣く国の施策の不十分をしりぬぐいしなければならぬ。厚生省と文部省が一番しみったれた金を出して、そうしてそのしりぬぐいを全部地方の公共団体もしくは父兄におっかぶせておる、こういう工合になっておると思うのです。その例として、今関連して年金の取り扱い費の問題を申し上げたのですが、古井さんは、地方自治あるいは地方財政については十分なる見識を持っていらっしゃると、われわれは信じております。そういう工合に国の仕事を地方に転嫁しているような事例はたくさんあると思うのですが、一体どういう費目が不十分であるか、こういう点みずから顧みてお考えになっていらっしゃることがあると思う。その点はどういうことがございますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 今お話しの直接の点は、事務費のことが第一だと思うのであります。これは国保の事務費の問題もあるし、今の年金の事務費のこともあります。これは国保の事務費は、ことしもまた単価を上げました。年金の方も、昨年よりはちょっと上げました。十分とはまだ必ずしも思っておりませんけれども。で、実情はわからぬわけでもありませんし、無理をかけて財政を圧迫するのも好ましくないし、そのためにこの事務が進捗しないのはもっと困る、両々困りますので、そこは不十分な点は、漸次改善をしていきたいと思っておるところであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 これは私としては地方財政を圧迫していく、そのやり方というのは、大きくいえば憲法に規定された地方自治を変形させるということになりますので、今お話しのあったような事務費その他の地方団体の国の事務をやるために必要なものは、十分にこれをやるようにしていかないと、これは全く地方団体だけが苦境に陥ることになる。この国の行政と地方の行政というものは、両々相提携してやられるけれども、今根本的にはやはり二つの別個な性格を持っているものであると私たちは考えて、そういう立場ではっきりしたけじめをつけて参らなければならないのじゃないか。この点一つ申し上げておきたいと思います。  それからラジオにせよ、テレビにせよ、薬品等の過度宣伝ということ、これが値段というものにどれほど食い込んでいるか。私たちは、あれを見ながら、あるいは子供たちが薬価の宣伝の文句を歌うがごとくやっているのを聞きながら、それを感じておるんです。こういう点は、もう少し過度宣伝を制限するという工合にしていかなければならぬのじゃないか、あまりにひど過ぎるのじゃないか、こういう感じを持つのです。そういうことに対しては、厚生省はどういう施策をとっていらっしゃるか。薬の内容、成分についてのあれはなんでしょうが、値段の点に対する一つの統制というか、そういうことはできないかとも思うのですが、何らかの方法で過度宣伝というものを制限するという方法をとらないと、これは私たちはちょっと困るのじゃないか。宣伝費で、テレビを持った人が一生懸命楽しんでいた、そのとばっちりを薬とともに飲まなければならぬということになっちゃう。そういう点、一つどういうふうに考えておられますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○古井国務大臣 テレビを見ておりますと、薬屋さんの広告、電気器具の広告などというものは、ちょっと多過ぎるような気はいたしますが、ただ、これを法律で取り締まるというわけにもいきませんし、一方ではそのためにテレビが見られておるということがあるのかもしれませんし、これは結局業界の自粛を促すのが一番の道だと思うのであります。業界には、このことは厚生省としては要望もするし、なお自粛を一そう促していきたい、そういう行き方をとりたいと今思っておるところであります。これを法律ではちょっとどうというわけには——そこまではむずかしいことだと思うのでありますから、今のような自粛を求める、ここだと思っているわけであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それはいろいろむずかしいところがあるでしょうけれども、やっぱりこの過度宣伝というのは、薬に限らず、いかにロスであるか——といってはなんですが、僕は相当ロスであると思います。こういう社会経済機構の中においては、これはやむを得ないことであるかと思うんですが、もっともっと制限される措置、それは厚生省としても強くそういう立場を、これは自粛要請という立場しかできないというならばできないでも、それを強めてもらうことが必要だと思います。  それから次には、厚生省にもいろいろ試験研究所、そういうところがあるわけですが、そういうところで試験研究をして、ある薬品を発明、発見したり、あるいは医療器械等、あるいは公衆衛生施設の器械等、そういうものを発明したりとか、発見したりとか、そういうようなことは、事例としてはないものかどうか。もしあるとすれば、そういうものの取り扱いというのはどうなるのか。その特許は、特許をとったとなれば、それを売却するか、そういう場合に特許を考え出したそういう発明者に対する報奨はどうするか、こういうような点については、厚生省は事例はございませんでしょうか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 これは国家公務員の場合にまず限定いたしますが、厚生省関係で申しましても、事例が一、二ございます。たとえばカナマイシンを国立予防衛生研究所の部長が発明した。ただし、この方は、同時に日本で唯一の方として国立大学の教授を併任しておる。これは成規の手続でという形でございまして、この方がどちらの頭の中でやったかということはなかなか区分できないのでございますが、その結果、これは国家公務員でございますので、これは私的な私人がやったのと違いますので、これを直ちに本人のすべての利益に帰するということは不適当でございますので、御本人もまたそれを希望いたしまして、これの権利につきましては、国、さらに公共に、この利益が再研究費として還元するいい方法がないかということで、これは関係の取り締まりの財政その他とも御相談いたしまして、公益法人を設立いたしまして、これに譲る。その公益法人自身に、御本人が自分の発明権というものを——自分自身も、もちろんこれは人事院の許可を得まして無給の役員に入りましたが、これを管理するという形でここに権利を与えまして、これがその後の運営に当たる。これは研究所という特殊な限定した目的を持った公益法人、最終的には公益法人でございますので、解散その他があれば、当然国に帰属する、こういう定款を明記いたしましてやっておる。これが最近の事例でございまして、また、これは厚生省だけでなくて、先般アリナミンという日本で、世界でも優秀なビタミン剤を発見した京都の藤原教授の例も、大体同様であります。それから二十年ほど前に創製されましたビタカンファー、それ以前に味の素、これは国立大学の教授が当時発明されたわけでございますが、大体同様なやり方でやった先例がございますので、間違いもない。むしろ最高の使い方であるというふうに、その後の研究業績から言われておりますので、大体その例によったというのが、厚生省で最近あります一例でございます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 それは、公益法人の研究所で事業化するわけじゃないと思うのです。事業化するには、やはり権利というものが何らかの形で事業会社に移動していなければならぬ。そこの移動というものはどうなっているかということなんですが、その公益法人で研究所を作ってやって、その権利を移動して、その権利金というものが公益法人に返ってくる。その研究者に対しても、それが分けられるということになるだろうと思うのですが、この場合に、問題は今のような形でいくことは一つの方法としてあると思うのですが、まあいいか悪いかということは、即断は私はできません。できませんが、むしろその研究所の研究員として残っておって、パテントを売って、その中から報奨金を相当出す。あとの部分は国に入るということが、むしろすっきりするのじゃないか。公益法人に移して、そこに権利を移していくということは、むしろおかしいのじゃないかという気もするのですが、そのところは即断はできないのですが、とにかくそこの関係はどうなるのですか。その発明者から公益法人というものに権利を譲ったと言うけれども、発明者個人で譲れるものかどうか。公益法人が事業会社にやるときに、その権利金というものの授受が行なわれるということになるんじゃないかと思うのです。そうすると、そういう点についてどうも明瞭を欠くように思うのです。すっきり国家公務員としてやったものだ、国家公務員にとどまるという場合に、報奨金は相当これは出してしかるべきだろううと思うのですが、国家公務員の地位をゆがめない形において、またその同一研究所において協力した人にも均分していく——均分とまで言わないにしても、平均して出す。本人だけに出すのじゃない。ビーカー洗い一つやったって、協力しているのですから……。そういう場合には、そういう方向をとらなければならぬと思うのですが、今の関係がはっきりしない。国家公務員として発明したものは、発明の結果は国のものであって、公益法人にどういう形でそれを移動させるのか、公益法人から事業会社に移す場合に、どういう関係になっているか、そういう点はどうなりますか。

尾村偉久厚生技官(公衆衛生局長)

○尾村政府委員 二点のうち、一点の方の、国家公務員のままで、国の収入にして、本人に特別な報奨金を与えられないか、研究いたしましたが、これは現行の制度のままでは、われわれの研究の結果では、そういうことは不可能のようでございまして、本人の発明の取得権利というものは、全部国の一般収入になってしまう、何ら本人に特別なことが普通の形ではできない、こういうのが今の形であります。  第二点の、今の権利の移行の問題でありますが、今回の場合は、こういうふうな形をとりました。それは、公益法人を作って、本人がいわゆる無給の役員の理事長を兼ねて、その公益法人が発明したというような形を  当初から本人がその研究所の身分で、その知識を編み出した、こういう形をとりまして、それを今度実際の有償化、すなわち利益化するためには、そのパテントを希望の事業会社に貸し与えて、そのパテント料はその公益法人に帰する。その収入をもって公益法人が年々の事業計画を立てる。ただし、全く類似の研究で、同じような新しいものを発明していく。また次のが今成功しかかっておりますが、こういう形に実はいたしておるわけであります。従って、施設も別なものを今使って、今後は国の事業費と混淆しないようにしようという形で今のところやっておりまして、完全ではないと思いますが、現行制度下においては、目的からは割合と間違いのない形というので、知恵をしぼった結果、さような形になった、こういう現状であります。

三和精一自由民主党

○三和委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は十七日、水曜日、開会いたし、東北開発株式会社及び日本原子力研究所の会計に関する件について、それぞれ参考人の出頭を求め、調査を行ないます。  これにて散会いたします。    午後一時十三分散会

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