決算委員会 第29号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/11
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。昭和三十三年度決算外三件及び昭和三十四年度決算外三件を一括して議題とし、外務省所管について審査を進めます。まず、外務大臣より所管決算の概要について説明を求めます。小坂外務大臣。
○小坂国務大臣 昭和三十三年度外務省所管一般会計歳出決算につき、その概要を御説明申し上げます。 外務省所管歳出予算税額は九十八億四十八万四千八百四十九円でありまして、支出済み歳出額は九十三億二千五百七十三万二千百九十九円、翌年度繰越額は三億四千八十万二千百三十円、不用額は一億三千三百九十五万五百二十円であります。 歳出予算現額の内訳は、歳出予算額九十五億六千七百二十八万四千円、前年度繰越額二億二千九百八十一万六千八百四十九円、予備費使用額三百三十八万四千円でありまして、前年度から繰り越したものは、国連児童基金拠出費七百四十五万六千八百四十九円、移住者渡航費貸付金二億一千六百四十六万九千円、在外公館職員宿舎施設費五百八十九万一千円の、それぞれにかかる経費であり、予備費使用額は、貿易使節団派遣に、要した経費であります。 支出済み歳出額のおもなるものは、国際連合その他各種国際機関に対する分担金等に八億三百六十九万二千円、及び国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の啓発宣伝並びに文化交流事業を通ずる国際間の相互理解の促進に要した経費一億六千八百七十七万五千円、貿易振興の一環として輸入制限対策の強化、経済技術協力関係経費としてコロンボ計画の実施、中南米、中近東等に対する経済技術協力等のため四億三百六十九万八千円、また、中南米諸国への移住者及び派米農業労務者の送出のため等、海外移住の振興をはかるために要した経費九億六千二百三十三万七千円等であります。 次に、そのおもな実績について申し上げますと、貿易振興のための諸施策につきましては、米国においては議会等への出席陳述、貿易団体との連携、対米輸出促進のためのPR活動等の方法により、またカナダ及び豪州においては、業界の動向に関する情報の収集、日加、日豪貿易促進の必要性のPR等を行ない、輸入制限運動の阻止に努めたのであります。 コロンボ計画の実施については、中南米、中近東等に対する経済技術協力として、次の通りであります。 一、技術研修生の受け入れでは、コロンボ計画によるもの九十名(十三カ国)、中近東地域四名(三カ国)、中南米地域四名(四カ国)、計九十八名(二十カ国)、 二、専門家、技術者の派遣では、コロンボ計画によるものが四十名(八カ国)、中近東地域四名(三カ国)、中南米地域一名(一カ国)、計四十五名(十二カ国)、さらに移住振興につきましては、中南米等への移住者送出実績は七千六百六名を数え、他に派米短期農業労務者三百五十一名が送出されております。 翌年度繰越額について申し上げますと、技術協力実施委託費二千一百三十三万八千円、国連児童基金拠出費二十一万三千一百三十円、移住者渡航費貸付金一億二千八百四十八万一千円、在外公館施設費六千六百五重六万八千円、在外公館職員宿舎施設費二千四百二十万二千円で、いづれも財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰り越しのものであります。 不要額のおもなものを申し上げますと、外務本省の国家公務員共済組合負担金を要することが少なかったこと、国際分担金その他諸費の国連食糧農業機関分担金が当初見込んだ額より少なかったこと、並びに一部在外公館の開設ができなかった等のためであります。 以上、当省所管一般会計歳出決算について、その概要を御説明申し上げました。 次に、昭和三十四年度、外務省所管一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 歳出予算現額は百十七億二百五十五万五千百三十円でありまして、支出済み歳出額は百七億八千百四十三万六千五百五十五円、翌年度繰越額は六億三千九百六十五万七千三百三十九円、不用額は二億八千百四十六万一千二百三十六円であります。 歳出予算現額の内訳は、歳出予算額百十三億四千三百三十九万円、前年度繰越額三億四千八十万二千百三十円、予備費使用額一千八百三十六万三千円でありまして、前年度から繰り越した額は、技術協力実施委託費二千百三十三万八千円、国連児童基金拠出費二十一万三千百三十円、移住者渡航費貸付金二億二千八百四十八万一千円、在外公館施設費六千六百五十六万八千円、在外公館職員宿舎施設費二千四百二十万二千円の、それぞれにかかる経費であります。予備費使用額は、日米相互協力及び安全保障条約署名のための全権団派遣に要した経費であります。 支出済み歳出額のおもなものは、国際連合その他各種国際機関に対する分担金等に十億九千六百一万八千円、及び国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の啓発宣伝並びに文化交流事業を通ずる国際間の相互理解の促進に要した経費二億二千四百七十万八千円、貿易振興の一環として輸入制限対策の強化、経済技術協力関係経費としてコロンボ計画の実施、中南米、中近東等に対する経済技術協力等のため七億二千五百九十七万八千円、中南米諸国への移住者及び派米農業労務者を送出するために要した経費十億五千百二十九万六千円であります。 次に、そのおもな実績について申し上げますと、貿易振興のための諸施策につきましては、米国においては議会等への出席陳述、貿易団体との連絡、対米輸出促進のためのPR活動等の方法により、またカナダ、豪州及び欧州においては、業界の動向に関する情報の収集、日加、日豪、対欧州の貿易促進の必要性のPR等を行ない、輸入制限運動の阻止に努めたのであります。 コロンボ計画の実施につきましては、中南米、中近東、アフリカ等に対する経済技術協力として、次の通りであります。 一、技術研修生の受け入れでは、コロンボ計画によるもの百五十四名(十四カ国)、 中近東アフリカ計画二十一名(六カ国)、原子力(第二種)十二名(五カ国)、中南米地域十二名(八カ国)、計百九十九名(三十三カ国)、 二、専門家技術者の派遣、コロンボ計画によるもの百十一名(十二カ国)、中近東アフリカ計画十七名(六カ国)、中南米地域二名(一カ国)、計百三十名(十九カ国)、さらに移住振興につきましては、中南米等への移住者選出実績は七千六百十名で、他に派米短期農業労務者八百五十六名が送出されております。 翌年度繰越額について申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰り越しのものは、技術協力実施委託費一億四千二百九十五万二千二百五十一円、海外技術センター等事業実施委託費一億六千百二十五万一千円、国連児童基金拠出費十八万九千三百九十五円、移住者渡航費貸付金二億四千三百九十九万九千九百十四円、在外公館施設費五千八百十二万八千円、在外公館職員宿舎施設費九百六十五万九千八十円、ローマ日本文化会館建設費二千三百万円、財政法第四十二条ただし書きの規定による事故繰り越しのものは、国連児童基金拠出費四十七万七千六百九十九円であります。 次に、不用額のおもなものを申し上げますと、国際分担金その他諸費では、国連総会で決定されたわが国の国際連合分拠金が当初予定した額より少なかったこと、在連合王国大使館事務所を購入することができなかったので、無体財産権購入費を要しなかった等のためであります。 以上、当省所管一般会計歳出決算について、その概要を御説明申し上げました。
○荒舩委員長 ちょっとお諮りいたしますが、きょうは参議院の外務委員会の定例日でありますので、津島政務次官が出席しておりますので、外務大臣を参議院の方に回してよろしゅうございますか。まだ会計検査院の報告があるのですが……。
○勝澤委員 ちょっと大臣に一言だけ質問しておきたいことがあるのですが……。 —————————————
○荒舩委員長 では、会計検査院当局より検査の概要について、説明を求めます。秋山会計検査院第一局長。
○秋山会計検査院説明員 昭和三十三、三十四両年度の外務省関係の決算の検査をいたしました結果、特に不当と認めるものはございませんでした。ただ、昨年初めて在外公館の実地検査をいたしたのでございますが、その際、施設費に属する経費を現金化しまして備品の購入をするなど、経理上好ましくないものが一件ございましたので、本省に対して注意を喚起したものはございます。そのほか特に申し上げることはございません。 —————————————
○荒舩委員長 質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 大臣が所要があるようでございますので、簡単に御質問いたしたいと存じます。 その前に外務当局に申し上げておきたいのですが、きのうとそれからきょう、外務省関係の資料が提出をされました。提出された書類を見てみますと、委託団体の関係、それから補助団体の関係でこの出されている交付金、額の数字が、決算書による数字と相当違う点があるようであります。従いまして、これは私あとで質問いたしますから、一つそれまでに決算書の数字と合わしておいていただきたいと思います。決算委員会に出す書類が、決算額が違っておるなんということでは、われわれとしては審議ができないわけであります。それと同時に、もう三十三、三十四年度の決算を審議するということはきまっておるわけでありますから、資料の提出を、きのうになり、きょうになって出して、そしてきょう一日である程度の決算を審議しょうということは不可能であるわけでありますから、もう少し誠意を持った資料を提出を私は要求いたす次第でございます。 それから大臣に、きょう質問を行なういろいろの問題につきまして、私はやはり十分聞いておいていただきたいと思うのです。そのことは、予算を大臣が要求する、その要求をした予算が、どのように使われているかということは、一応数字の上では見ていると思うのです。しかし、会計検査院が見た立場より変わって決算委員会ではその金の経済的な投資効果というものをいろいろ検討しているわけでありますから、もうきょうは無理でありましょうけれども、できるだけ議事録等によって十分見ていただきまして、予算の要求の際に一つ参考にしていただきたい、こう思う次第でございます。 私は一つだけお伺いいたしたいのでございますが、この外郭団体の中に、外務省の補助団体として、社団法人のアジア協会というのがあります。それから通産省の外郭団体として、アジア経済研究所があります。この内容を見てみますと、あまり相違がないようであります。このアジア経済研究所を法制化するとき、この所管の問題については相当問題になったというふうに聞いておりますけれども、これを決算の面からわれわれがながめてみた場合においては、一体なぜ重複してこういうものがあるのだろうという点が、大へん疑問になるわけでございます。一つこの点について、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 お答えを申し上げます。 ただいま御指摘のように、アジア協会とアジ研、いわゆるアジア経済研究所というのは、ともにアジアのことに対処するという意味で非常に似ておるではないかという御意見は、一応うなづかれる点もございますけれども、その内容は、ここに補助団体の調べといたしまして、簡単な御説明を御提出申し上げてあるわけでありますが、主としてアジアのいろいろな問題に対処して、ことに技術、文化の面におきまして、実際にタッチします場合に、政府だけではやりにくい面が多いわけでございます。たとえば研修生の受け入れというようなことは、大綱は政府間で協定するわけでございますけれども、実際受け入れた人をどういうふうにしていくかという問題については、これはやはりこういう団体が一生懸命めんどうを見てくれるということが必要であるわけでございます。また、開発計画を考えます場合にも、これはやはり政府だけの問題でなくて、実際に民間企業が出て参ります場合も多いわけでございますし、また、政府としまして、そういう事業を行なうということはできないわけでございますから、そういう主として実際面について、アジア協会というのは非常に活動してもらっておるわけでございます。一方アジア経済研究所の方は、所長を東畑博士にお願いをいたしておるわけでございまするし、主としてアジア全般に対する経済的なつかみ方というようなことについて、その力点が置かれておるわけでございまして、やはり二つのものは、二つながらにして両々相補い合って進んでいくことが、実際に意味があると、こう思っておるわけでございます。何といたしましても、私どもは、アジアあるいは中近東、アフリカ等の諸国に今後大いに経済的に、また技術的に、あるいは文化的に協力をしていかねばなりませんので、さようなことを考えておるのであります。
○勝澤委員 これ以上質問を続けても、いろいろと深くなりますので、簡単に私は考え方だけを申し上げておきます。 このアジア経済研究所は、財団法人であったわけでありますが、それが法制化されて特殊法人になった。この財団法人のときには、会長が小林さんになっておったわけであります。ですから、アジア経済研究所の会長は小林さんであり、社団法人のアジア協会の方も会長は小林さんであるという点と、中身を見てみますと、いわゆる研修生の受け入れの問題、開発計画、この三つの力点を申しておられましたけれども、できたいきさつから言えば、なかなか言いにくいといいますか、あるいは言い得ない点が多々あると思うのです。従いまして、この問題については、私は重復しているのではないだろうか、あるいは一元化する必要がないだろうかという点があるわけでありますが、しかし、このアジア経済研究所が、できたときのいきさつを考えてみますと、相当またむずかしい問題があるようでありますから、これは大臣が帰られましたあとで、もう少し詳しく掘り下げて質問いたすことにいたしまして、大臣に対する質問は一応ここでとどめております。
○荒舩委員長 続いて、久保三郎君に発言許します。
○久保委員 大臣は所要があって退席するそうでございますから、一つだけ最近の事例でお尋ねしておきたいと思います。 まず、お尋ねの要点に入る前にお伺いしたいのでありますが、水戸に射爆場というのがございます。これは水戸の近辺でありまして、その隣接地域には、御案内の通り原子力地域が密集しているというわけでございます。従来、この射爆場と原子力開発との問題が、いろいろ問題になっております。これは大臣も御承知だと思います。そこで最近茨城県知事初め、これらに関係する者が四、五人、平和利用の観点から、いろいろな原子力関係の視察もかねて渡米しております。これに一緒に参りました地方新聞の社長でありますが、茨城新聞の後藤社長からの通信で、こういうことが最近載っております。いろいろ書いてありますが、一日からおよそ五日までの間、大体ワシントンを中心にして、実は関係方面に実情を訴えて歩いたらしいのであります。そうして特に国防省のダブネー中将に会いまして実情を話したところ、それは知らなかったというようなことで、大へん好意ある会見ができた。あるいはその他の方面でも、いろいろ好意的な意見の交換ができたということでありますが、ただ最後に、こういうふうに書いてある。これは新聞記事でありますが、一応読み上げてみます。「アメリカ側では日本側の出方にいつも応ずる柔軟な態度で、国民感情を刺激することを極力恐れるように見受けられた。要は日本外務省の「腰弱」と原子力国策の矛盾を日本側でばくろしていることである。その次に一つありますが、「われわれのワシントン乗りこみをけいかいして大使館に指令してあった。朝海大使は逃げているし、萩谷参事官はゴルフに出かけ、西山公使はカエルの顔にしょうべんをかけたようにちんもくしているなど日本大使館に対する私の印象は四十三年前ここで幣原大使と会見した時のよい印象をまっ殺してしまった。」 というような記事が出ているわけであります。これはもちろんこちらのわが政府といたしましては、この射爆場の問題と原子力開発という問題で、明確な基本線が今日までまだ打ち出されていないかもしれない。かもしれませんが、現地にある知事初めが、そういうアメリカに行っていろいろな方に実情を訴える場合に、なぜ外務省は大使館にこれを警戒するために指令をしたのかということであります。こういう重要な問題は、大臣がもちろんお考えでやったことだと思うのですが、いかなるお考えでこういうことをしたのだろうか、一つお伺いしたいのであります。
○小坂国務大臣 新聞記事でございますし、ことにそれは後藤君が自分で経営されておるいばらき新聞に出したのじゃないかと想像するのでありますが、私がそれを相手にしていろいろ申し上げることはいかがと思いますが、あなたの御質問も、そういう趣旨で、これはどうなんだ、こういうことだと思いますから、そういう意味でお答え申し上げます。 私は、実は後藤君とは、私の郷里の新聞の関係もあって、同じ仲間で懇意にしておるものでありますから、先生が県知事、県会議長と一緒に行くというときも、私のところにあいさつに見えました。私も、大使館に、応分の使宜供与方を指令しておいた次第でございます。ただ、この事柄というものは、知事も議長もそのとき言っておられましたけれども、今お話のように、原子力開発の視察に行くのだ、折があれば、例の那珂湊の飛行場のことについて言ってみようと思うがどうだろうか、こういう話でしたから、これは実は合同委員会を通していろいろ折衝している問題で、やはり事柄を十分理解しておるところからだんだん上に上がっていくというのが、これはどこの国でも筋があるわけで、その筋を一挙に飛び越えて、何か直訴的な形になることはどんなものだろうかということで、参議院の予算委員会でも質問があったくらいである。だから、その点は、熱心のあまり、順序が乱れないようにした方がかえって終局的にはいいのじゃないかということを申しましたところが、知事、議長さんは、それはもっともだ、そんなことは私たちは考えていないのだ、こういうお話でございました。なぜそういう記事が後藤君から送られたのか、私はつまびらかにし得ませんけれども、そういう話であれば、帰ってこられたら、直接私は聞いてみようと思います。どうも私には解せないのであります。何か、行ってあれもやれ、これもやれと行って、それが十分できなかったので、日本大使館が冷たかったと言うのは、これは日本大使館の力にお気の毒な節もございまするし、これはよく私ども聞いてみたい。要しまするに、この那珂湊の演習場の問題は、われわれとしても、県民の気持もあり、できるだけアメリカ軍当局と折衝し、またアメリカ政府側に対しても、こういう要望があるということを合同委員会を通してその折衝をいたしておるわけでありますから、その筋はやはり通していくことが必要だと思います。
○久保委員 大臣のお話の通り、後藤社長が何かの行き違いでへそを曲げて書いた記事かもしれません。帰っておいでになったら聞かなければわかりませんが少なくともわれわれが受け取った感じは、半分ぐらい割引しても、何か当初あまり警戒し過ぎていたのじゃなかろうか、こういうふうにとるわけです。そういう指令は、別にお出しになるはずはないですね。
○小坂国務大臣 便宜供与力を頼むように私は言ったのでありますから、いっておると思いますが、それ以上のことは絶対にありません。そういうようなことはないと思います。
○久保委員 これは外務大臣のお考えだと、大へん問題はないのでありますが、こういうふうに書いてくるからには、彼も責任のある者として、幾ら自分の経営する新聞に記事を送るにしても、勝手気ままな記事は、そうは書けないだろうと私は思う。同行の者もおるのでありますから、これは後日、一つ適当な機会に御調査をいただいておきたいと思うのです。以上です。
○荒舩委員長 小川豊明君。
○小川(豊)委員 私は、外務省の関係で、賠償の問題と海外移住の問題をお聞きしようと思ったのですが、あなたの方の時間がないそうですから、賠償のことについてお伺いしておきたいと思います。 東南アジアの賠償の総額は幾らであるか。これはフィリピンとか、ビルマとか、インドネシアとか、各国別には幾らときまっておるのか。そうして三十五年度までどれだけ支払い済みになっておるか。そうして賠償に充てられた物資の内容——これは金じゃないのですから、こういう点を伺うと同時に、さらに今後賠償——これは外交関係になるから、答弁の都合もあるでしょうが、賠償を今まで決定した以外に、今後東南アジアで決定しなければならない国がどのくらい予想されるか。こういう点をお尋ねしておきたい。
○小坂国務大臣 お尋ねの点につきまして、お答えをいたします。 まず、ビルマでございますが、これは二億ドル、十年間ということになっております。これは昭和三十五年十月から第六年度に入ったわけでございます。そのときまでの支払い済みの総額は、四百四億円でございます。それからフィリピンでございます。フィリピンは、五億五千万ドル、二十カ年、現在第五年度に入っております。賠償開始以来、昨年末現在での支払い済みの総額は、四百十二億円でございます。 それから次は、インドネシアであります。インドネシアは、二億二千三百八万ドル、これは十一カ年、現在第三年度に入っております。三十五年末までの支払額は、百四十七億円でございます。次に、ベトナムであります。ベトナムが、三千九百万ドル、五カ年間ということになっております。これは本年一月十二日から第二年度に入りますが、その三十五年度末までの支払い済みの額が、三億でございます。それから次に、ラオスでございますが、これは十億円、二年間。次に、カンボジア、これは十五億円、三年間でございます。このラオスとカンボジアは、いずれもサンフランシスコ平和条約によりまして、賠償を放棄しております。しかし、当方から無償の援助を供与するということになったわけでございます。 以上のようなふうになっております。
○荒舩委員長 小川委員に申し上げますが、今参議院の外務委員会で、大臣は、何か採決があるそうですから、よろしゅうございますか。
○小川(豊)委員 けっこうです。あとでまた聞きます。
○荒舩委員長 それではどうぞ。——勝澤芳雄君。
○勝澤委員 会計検査院にお尋ねいたしたいのですが、外務省の決算については、会計検査院は一体どの範囲まで検査を実施されておるのですか。また、外務本省の分についての全部を検査しておるのか、あるいは在外公館の経理についてはどのように行なわれているのかという点を、会計検査院から御答弁願いたいと思います。 それと同時に、外務省の内部監査というものは、本省あるいは在外公館、こういうものについて、どのような監査が行なわれておるか。外務省の方からお答え願いたいと思います。
○秋山会計検査院説明員 外務本省の検査につきましては、一般各省の検査と同様に、証拠書類の提出を求めまして、書面の検査をいたし、また実地に臨みまして実地検査もいたしております。ただ、報償費につきましては、検査される前の証拠書類として提出していただきますものは、いわゆる簡易証明ということになっておりまして、領収書その他の書類は外務省の方へ置いておかれ、これを実地検査の際確認いたし、検査をいたしております。在外公館につきましては、実は昨年初めて東南アジア方面の在外公館の実地検査をいたしました。そのほかは全部書面検査をいたしておりまして、証拠書類の提出を求めまして、それについての検査をいたしております。昨年は初めて東南アジア方面の実地検査をいたしたわけでございますが、書面検査にいたしましても、こまかい点まで証拠書類はついて参っておりまして、ここで申し上げるのもどうかと思いますけれども、旅費の支払いあるいは超過勤務手当の計算、そういったものも、十分念査いたしておるつもりでございます。 以上でございます。
○勝澤委員 外務省。
○荒舩委員長 会計課長きょうは病気で休んでおるそうですが、代理で前山説明員。
○前田説明員 お答えいたします。 外務本省におきましては、会計課の中に検査室を置いて、それによって在外並びに本省の経理の検査をいたしております。それ以外に特に補足することはございません。
○勝澤委員 会計検査院にお尋ねしたいのですが、そうしますと、在外公館の関係の検査というのは、昨年東南アジア地域にやっただけだということなんですね。
○秋山会計検査院説明員 従来いたしましたものは、それだけでございます。それで本年度は、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコの在外公館について検査をいたすことにいたしまして、実は昨日係官が出張いたしました。
○勝澤委員 そういたしますと、この在マラヤ連邦の日本国大使館の施設関係の費用の一部が備品に充てられておったということについての内容を、もう少し詳しく一つ御説明願いたいと思います。
○秋山会計検査院説明員 これは三十三、三十四両年度中に、在マラヤ連邦日本国大使館で、大使公邸の新営工事をいたすことになりまして、その土地の会社に契約いたしたのでございますが、その契約代金の支払いにあたりまして、一応分割して代金を金額支払ったことにして経理いたしておったのでありますが、実際に行って検査いたしてみますと、まだ全額は債権者には支払っていない。残額が資金前渡官吏のところの手元に現金として保管してあった。実際には、これは銀行に預金しておったのでございますけれども……。そうしてその金で公邸の芝刈り機その他の備品を買い——これは資金前渡官吏がそういった備品を買います場合は、ちゃんと支払い決議を了して、それから備品を買い、また費目も施設費と備品とは違っておるわけでございますけれども、そういったものを現金で先にもう買ってしまっておった、そういう経理をしておったのでございます。これは事実に合致しない経理ということで、経理上好ましくないものでございますので、本省に対しまして注意を発した次第でございます。
○勝澤委員 金額はどのくらいですか。
○秋山会計検査院説明員 金額は九千三百三十九マラヤドルで、芝刈り機その他の備品を購入しておったのでございますが、換算いたしますと……。
○勝澤委員 検査院でわからなければ、外務省でけっこうです。
○秋山会計検査院説明員 ちょっと調べまして御答弁いたします。
○荒舩委員長 それじゃ後ほど調べて。
○勝澤委員 決算委員会へ来るときであって、指摘されている事項でありますから、それくらいはこの席で終わっていただかないと、また何日も何日もかかるわけでありますから、ぜひ一つ御協力を賜わりたいと思うのです。 そこで、この東南アジアをやったのは、三十三年度、三十四年度、何年度の決算を見たのですか。あるいはきのうどこか——カナダ、アメリカへ行かれたというのですが、それは何年度の決算を見に行かれるのですか。
○秋山会計検査院説明員 これは三十五年に参りましたときは、原則として三十四年度ということを主体として検査いたします。それから昨年出発いたしましたものは、三十五年度を原則として検査する。これにあわせまして、関連して不当なものが発見される、あるいは余裕があれば、過去の年度についても検査をいたすことはございますけれども、原則は、その前年度の検査をすることが建前になっております。
○勝澤委員 そうしますと、その東南アジアの在外公館なり、幾つ検査個所があるか私はよく知りませんけれども、その中から、一年度をちょっと見ただけで一つ問題が出てきたということになれば、やはり書面審査だけをやっておる検査になると、相当——何年に一回行ったのですから、その過去の例をずっと検査して、それについて指摘をすることは、検査院のあれからはできないでしょうけれども、やはりそうでもしないと、おれのところは十年に一回しか回ってこないというようなことがある、とは言いませんけれども、やはりそういう考え方も成り立つのじゃないだろうかと思うのです。そういう点から、在外公館の検査のあり方といいますか、仕方というものについては、あまりしゃくし定木な見方をしておるということについて、その年度にはなかったけれども、その以前の年度に相当なことがあるというようなことが、出てくる可能性がある場合もあるのじゃないでしょうかな。その点はどうなんでしょうか。
○秋山会計検査院説明員 お話の通り、従前の年度について見ないということになりますと、そういう心配もございますが、実際にマラヤ連邦大使館でありました事項は、これは施設費でございまして、毎年々々経常的に使われる経費ということではなく、大使公邸の新営工事でございまして、毎年経常的に使われる人件費、物件費というようなものは、普通こういった間違いもないかと思うのでありますが、本件につきましては、この年の会社の債務額の確定というのが、現地の事情で非常に困難で、あらかじめこれこれで契約して、それだけ全部支払わねばならないということには、必ずしもなっていない慣習だそうであります。そういった関係で、こういった私どもから見まして好ましくない経理が行なわれたものと思います。 そのほか、在外公館につきまして検査したところでも、先ほどは申し上げませんでしたが、こまかい事務的な手続の間違い、物品管理上の手続の誤り、そういったものもございましたが、こういったものも、口頭で注意をいたしました。これは、在外公館では、非常によかったところが一、二ございましたけれども、一般的に申しますと、会計事務職員の多くが未経験者でございまして、そういった手続になれていないために、手続としては誤っておるものがございましたが、特に不当と思われるものはなかったということでございます。
○勝澤委員 今言われましたように、事務的にふなれな人たちがやっているということは、その通りだと思うのです。会計検査がひっきりなしに行なわれる個所というのは、やはりそういう点も相当注意をしてやられておると思うのです。また、その国々によっていろいろ実情も違うということも、私もわかります。たとえば、ここで問題になりました原子力研究所のCP5型の購入にいたしましても、日本が買うのに、アメリカの慣習によって買ったのだということで、契約の点についても、われわれ相当疑問点もあるわけであります。ですから、そういう点もあると思う。しかし、私たちが一つ一つ、これはどこがどうということは具体的にわからないわけですから、検査院としては、十分この在マラヤのやり方を見て、ほかの方が大体どんな程度かというのがおわかりになっていると思うのでありまして、そういうためからもことしも出かけられたということだと思いますから、一つそういう点については、十分な検査を行なって、やはり不当、不正という問題より以上に、金銭的な問題で対その国における社会的な信用というものが落ちないように、十分な注意をしていただきたいと思うのです。 次に、私は先ほど決算報告もお聞きしたのですが、外務省については、三十三年、三十四年度も何もありませんでしたという御回答だったのですけれども、批難事項としては掲載されていないようでありまするから、その通りだと思いまするけれども、検査の結果、注意を出したり、あるいは照会を出したということは、あったのですか。もしあったとすれば、どういうことがあったか、一つ御回答願いたいと思います。
○秋山会計検査院説明員 書面で照会をいたしましたのは、先ほど来申し上げております「在外公館施設費等の経理当を得ないもの」ということで照会したものだけだと記憶しております。そのほか口頭で注意をいたしましたものの中には、先ほど来申し上げました現地で手続上の過誤について注意を与えたものがございますが、そのほかに、本省検査の際におきまして注意をいたしましたのは、団体に対する補助金の清算がおくれておるもの、あるいは補助金を受けた団体の経理におきまして、事務上もっと明確な処理が望ましい。たとえば日計表、伝票、そういったものをかっちり作り、それを保存しておくこと、そういったことを要望したものがございます。そのほか二、三あったかと思いますけれども、特に不当と考えて申し上げたものは、ほかにはないと思っております。
○勝澤委員 その問題はその程度で、次に、私は、諸謝金、それから報償費、交際費、こういう支出がだいぶあるようでありますけれども、諸謝金、報償費、交際費、これについて、一体どんなものがこれに当てはまるのか、具体的に一つ御説明願いたいと思いますが、これは外務省の方でもけっこうです。
○前田説明員 まず諸謝金につきましては、この内容はいろいろございますが、たとえば、外務省で外部に対して調査を委託する、あるいは翻訳を依頼するという場合に、その労力に対して謝礼として払うという場合が、諸謝金でございます。それから交際費につきましては、現地の在外公館におきまして、現地政府機関あるいは現地における民間に対して、いろいろ交際上の接待をするとか、またそれに必要な資材、たとえば食糧とかたばこ、酒等を購入することがある、そういう経費、あるいは本省におきまして、やはり同様に各種の外部の者に対して接待をする、そういうふうな方面に交際費が使われております。以上であります。
○勝澤委員 これの経費については、検査院は一体どの程度まで検査をされているのですか。たとえば、計算証明規則の十一条の規定によりましても、特別の事情のある場合には計算証明書類の提出を省略できる経費があるわけでありまして、報償費、交際費等がこれらの取り扱いを受けていると思いますが、外務省の所管においては、十一条の規定の適用を認めておるのは一体どんなものかという点について、御回答を願いたい。
○秋山会計検査院説明員 計算証明の簡略化を認めておりますのは報償費だけでございまして、交際費、諸謝金、そういったものについては、一般の官庁と同様の証拠書類の提出を求めております。 それから先ほどの九千三百三十九マラヤドル申しますのは、邦貨に換算いたしまして、約百十二万円でございます。
○勝澤委員 この報償費の昭和二十八年から三十六年までの推移を見てみますと、年ごとにふえているわけであります。二十八年度は二億一千六百万円で、外務省予算の四%であった。それが三十三年度においては約八億で、外務省予算の八%になってきている。三十六年度に参りますと、十四億で九%になってきているということで、この報償費は年とともにふえておるわけであります。決算の関係を見てみましても、これが予算通り完全に使われているようでありますが、一体その報償費というものは、もう少し具体的に、どんなものに出されているものか。本省における場合、あるいは在外公館における場合について、一つ詳しく御説明願いたいと思うのです。
○前田説明員 報償費につきましては、各地の外交工作関係、情報収集関係、そういう目的に使っておりまして、具体的にそれをどういうふうなケースに使っているかということは、いろいろ微妙な点がございますので、この点答弁を差し控えたいと思います。
○勝澤委員 微妙な点があるようでありますので、私は、ますますその微妙な点までお聞きしたいわけであります。そこで一つ報償費をどんなふうに使ったかという団体、個人別までの資料というものを、決算委員の秘密書類でけっこうでございますから、別に三十三年、三十四年度の決算によって出していただきたいと私は思うのですが、いつごろまでに出していただけますか。
○前田説明員 この点につきましては、あとで検討の上、善処いたしたいと思います。
○勝澤委員 それではこの問題は、一つ理事会に当局の方に出ていただいて、どの程度まで公表できるかということを検討していただいて、それによって内容についての御説明を承りたいと思います。 次に、今の報償費のことにつきましては、会計検査院としては、どの程度まで具体的に検査をされておるのですか。
○秋山会計検査院説明員 先ほど申し上げました通り、書面といたしましては、支出された額だけの報告でございまして、内容を承知いたしませんが、実地検査の際は、特に課長たる主任官をこの報償費の検査に充てておるのでございますが、その領収証を確認し、使途についての説明を聞き、これによって心証を得ておるのでございます。従来報告を受けたところでは、不当と認められるものはなかった、心証を得ておるという報告を受けております。
○小川(豊)委員 関連して。今の発表できる、できないは、これは別です。それからそういう使途について不正があったとか、なかったとか、これもいい。会計検査院は、検査したのか、しないのか。これは微妙な問題だから、会計検査院の検査をしてもらわないようにしているのか。会計検査院だけが検査をしているのか。この点だけお尋ねしておきます。
○秋山会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、その点は、十分に心証を得るまで審議をいたしております。
○勝澤委員 それでは次に、あとの質問者がありますから、少し時間を端打って質問いたします。先ほど私が前提で、補助団体の関係と委託関係でだいぶ数字が違うということを申し上げたのですが、対照してみておわかりになった点は、一つ訂正を二、三していただきたいと思うのです。
○前田説明員 先ほど御指摘の数字の食い違いに対しましては、ただいまの問題は実施委託費の問題であると解しますが、どうしてそういうふうな食い違いができましたか、今調査中でございますので、あとで取り調べの上、間違っておるところがございましたら、訂正いたしたいと思います。
○勝澤委員 決算委員会に出す書類が、かりに千円でも二千円でも違うというのは、私は大へん残念だと思うのです。一体国から出しているどっちが正しいのか、この資料が、正しいのか、こっちに出ているこの資料が正しいのかわからぬというのじゃ、困ると思うのです。これが基本でしょうから、それに合わせてみて、これが違っておったら、われわれが、決算について問題がなかったかどうかという検討を実はしようがないわけです。決算委員会が、そういう扱いをされては困る。こういうやり方で外務委員会をやったら、大へんなことだと思うのです。ましてや、この資料をちょっと見て数字を合わせただけでも、この三十四年度の決算と、だいぶ食い違っている。だから、実はどこがどうだかつかみどころがないわけです。審査のしようがないわけです。一つそういう点については十分お気をつけ願いたいと思うのです。それでは私は、先ほどちょっと大臣に質問いたしましたアジア協会とアジア経済研究所の関係について、お伺いしたいのです。大臣の答弁は一応表面的なことなんでしょうけれども、アジア協会とアジア経済研究所との実際の相違点というのは、どこにあるのでしょうか、一つ外務省の方から御答弁願いたいと思います。
○北原説明員 沿革的に申しますれば、アジア協会というのがまず外務省の外郭団体として設置されまして、これは政府がもともと行なうべき研修生、留学生の受け入れということを主としてやって参ったわけでございます。もともとアジア協会の中には、調査関係に関する部面もございまして、調査のことも同時に並行してやっておりました。ところが、昨年度予算の成立に際しまして、大きな経済研究機関を設立しようという動きが出て参りまして、その結果、アジア経済研究所というものが設立されまして、自後特殊法人になったことは、御存じの通りでございます。建前といたしましては、アジア経済研究所は、あくまでも経済そのものの、アジア経済の実態をつかむ。政府の関与すべき実務には全然さわらない。アジア協会の方は、もともと政府が、できますれば行なうべき事業を委託という形で主としてやっておるわけでございますので、御指摘のように、同じ地域を対象といたしまして、片方は経済の実態の研究を行なう、それから他方は、その地域からの研修生、留学生等の受け入れ、それから日本における教育訓練というふうなことをやるということになっておりますので、必然その両者の間に密接な協力関係は、どうしても必要だろうと考えております。片やアジア協会の方は、外務省と通産省の共管という形になっておりまして、アジア経済研究所の方は、通産省が主管ということで、できます限り両者が協力してやっていくというふうに努力しておる次第でございます。
○勝澤委員 三十三年度、三十四年度にアジア協会に出されている国からのお金は、どの程度出ていますか。外務省から出ている書類を見ますと、補助団体調で補助金だけしか書いてない。ほんとうなら、これに委託費から何から一切がっさいやると、アジア協会というものはどういうものかわかる。なるべくわからないように資料が出ている。ですから、わかるように、アジア協会というのは、一体国からどんな金が幾ら出ているのかということを、明確にしてもらいたいと思う。
○北原説明員 お答え申しげます。 アジア協会三十三年度の歳出予算額、補助金でございますが、四千万円でございます。それから同時に、技術協力実施委託費の方が、三十三年度は一億五千五百六十三万六千円となっております。三十四年度に関しましては、補助金といたしまして二千八百八十一万八千円、それから技術協力実施委託費の方が、二億六万七千円でございます。三十五年度につきましては、補助金が四千百三万四千円でございます。実施委託費の方が、三億三千八百八十二万九千円。以上でございます。
○勝澤委員 このアジア協会から出されている三十三年度の収支決算書を見ますと、今あなたの言った数字と違うのです。あなたの言った数字が正しいならば、あなたから出した数字とアジア協会に入っている金額が違うということになるのです。そしてまたアジア協会から出されているこの収支計算書と今あなたの言った数字と、それから三十三年度の決算書で出されている。この厚い資料と違うのです。三つとも資料が違うのです。ですから、国から出た金と、国から出たと書いてあるアジア協会で出している金と、それから今あなたが言った金と、アジア協会に入っている金と、みな違っている。これでは一体どっちが——アジア協会の方が正しいのでしょうか。その点わからないのです。どういうわけで食い違っているかという点だけを、一つお教えいただきたい。
○北原説明員 お言葉をお返しいたすようでまことに恐縮なのでございますが、この予算面におきまして決定されております数は、これに間違いないと存じます。その食い違いは、これは私、決算書を勉強いたしておりませんので、まことに恐縮なのでございますが、おそらく実際にアジア協会の方で予算を実施いたしましたその数というのが、決算書の方に出ているのではないか、こういうふうに私推察いたす次第でございます。
○勝澤委員 ここに出ている書類は、あなたの方から出た書類だと思うのです。収支計算書、社団法人アジア協会、三十三年四月一日から三十四年三月三十一日までと書いてある。これでは補助金が四千万円、自己資金が幾らで、技術協力実施委託費が幾ら、こう書いてあるわけです。この数字と今あなたの言った数字と違っているわけです。そしてなおかつ、この出ているこれと違っているわけですから、せめて自分のところから外郭団体に出した金が、その団体の中へどういうふうに入っているか、そしてそれがどういうふうに効果的に使われているか、目的通り使われておるか、この点はやはり確かめていただきたいと思う。ここでいつも問題になるのは、結局予算の要求をするときには、その原局が一生懸命になって要求するのです。今度は、これをもらって出してやるのは変わった局がやって、仕事の方が違って、結局仕事をする部面と金の部面が違うから、こういう違いが出てきて、そうして予算の方については一生懸命やるけれども、決算についてはあまり力を入れないといいますか、国の財政もそうだと思います。予算委員会の方は重視をするけれども、決算の方はあまり重視をしない。だから、それがここに現われてきている現象だと思うのです。大臣はそっちの方が大事だからと言う。予算と決算はうらはらの関係にあるのが、こういう点に私は出ていると思うのです。この問題は、私がここで数字が違うとかどうとか言ってもしようがありませんから、アジア協会の関係だけでも、国から出ている金とあなたの方の関係を、あわせて出していただきたいと思うのです。
○北原説明員 まことに不手ぎわで申しわけございません。さっそくその点取り調べまして、午後の委員会の席上までに必ず御報告いたしたいと思います。
○勝澤委員 次に通産省の方にお尋ねしたいのですが、アジア経済研究所とそれからアジア協会とは、通産省から見た場合、どういうふうに違うのですか。
○生駒説明員 アジア協会とアジア経済研究所との関係につきましては、先ほど外務省の方から御説明がありました通りに、私どもも考えておるわけでございます。ただ、アジア経済研究所の設立の経緯から申しまして、そのスタッフ等を見てみましても、具体的に申し上げますと、東畑先生が所長をやっておられ、所員が川野重任先生、やはり東京大学の教授でございますが、そのお二人でございます。あと監事に植村甲午郎さんが入っております。それから会長が小林中さん、こういう格好になっておりますので、このアジア経済研究所の活動分野と申しますものは、主としてやはりその所管しておられます先生の人柄その他から申しまして、基礎的な、かつ、基本的な経済調査というものに重点が置かれるというふうに考えているわけでございます。
○勝澤委員 そうすると、アジア経済研究所の会長も小林さん、社団法人のアジア協会も小林さんが会長、そうなんですね。
○生駒説明員 さようでございます。
○勝澤委員 同じ人が会長でやっている。私は今度は、それじゃアジア協会の方の理事の名前、理事は何名で、どんな方々がやっておるか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○北原説明員 今の勝澤委員のアジア協会の件は、今ちょっと調べに席をはずしましたので後刻……。一つ御了承願います。
○勝澤委員 外務省、いいですか、結局こういうことなんですよ。アジア協会とアジア経済研究所と二つのものというのは、アジア経済研究所法ですが、あの法律が商工委員会にかかったときに、これは大へん問題になった。これは通産省にするか、外務省と共管するか、問題になったんですね。だから、それは、それは十分おわかりになっていると思うのです。一体どこに線を引いて仕事をやっているかという点も、問題があると思うのです。それから、今まだ私はアジア協会の国から出ているお金だけについて聞いたわけなんですが、これからアジア経済研究所に国からどれだけお金が出ているか。総合的に一緒にやればできるものを、わざわざ——やっぱり役所の人のいろいろはけ口を探さなければなりませんから、また、各省の何といいますか、われわれにはよくわからない対立があります。そういう関係が入り乱れてできたのだと、世間ではいわれているわけです。予算あるいは決算の面を見てみると、どうもそういう面が出てきているように思うのです。今大臣から聞いた点でも、違うのは研修生の受け入れと開発計画だけなんです。一番主体になる問題というのは、この目的の第一というのは、アジア経済研究所も、アジア協会も、何も変わりはないわけです。ただ、外務省の言われるのは、アジア協会の会が先にできておったんだ、片一方はあとの方だ、こういう言い回しはされるかもしれませんけれども、結局同じようにアジア協会は社団法人、アジア経済研究所も社団法人であったわけですが、これを特殊法人に通産省は格を上げたわけです。上げたときに一応これが問題になったわけなんですが、こういう点から考えると、一体どんな相違点があるか、相違点が私は明確に出ていないように思うのです。明確に出ていないにもかかわらず、金が両方から出ている。そこがどうもおかしいと思うのです。それでは通産省にお尋ねしますが、アジア経済研究所に出ている国のお金というのは、最近のおわかりになっているので、一体どれくらい出ているか。
○生駒説明員 アジア経済研究所に対します補助金の問題でございますが、これは御指摘のございましたように、三十三年の暮れごろに設立いたしましたものでございます。従いまして、三十三年度に対しましては、補助金は九百四十二万円、政府委託補助金といたしまして出ておるわけであります。三十四年度におきましては、政府調査委託費並びに調査補助費、二つに分けまして八千百七十八万円、三十五年度におきましては、これを一本にいたしまして一億五千八十六万円というものが出ておるのでございます。なお、三十六年度におきましては、三億一千四百万円という数字が出ておるのでございます。
○勝澤委員 それは補助金だけですか。あるいは委託費その他を含めているのですか。どうなんですか。
○生駒説明員 三十四年度の八千百七十八万円と申し上げました中には、調査委託費と調査補助金と両建になっておったわけであります。三十三年度におきましては、委託費でございますが、三十四年度は、委託費と補助金と両方に分かれまして、三十五年度におきまして補助金一本になっておるわけであります。なお、このほかに機械工業振興会というものからの補助金、これが三十三年度におきまして九百九十二万円、三十四年度におきまして二千万円出ておるのでございますが、これは三十五年度以降出ておりません。
○勝澤委員 派生して機械工業振興会からこれに入っているのですか。そうすると、機械工業振興会は、例の競輪の金から入っている、こういうことなんですか。そうですね。そうしますと、国の金が、その事業団体の決算書を見ないと、実によくわからないのです。一つのところだけ見てみても、表面的には一億しか出ていないけれども、わきから寄せ集めて、決算書を見ると、三億五千万なり三億出ているということなんです。アジ協会とアジア経済研究所の問題は、私はもう少し質問をしたいと思いますけれども、あと久保さんが待っておりますので、また機会を見て質問させていただくことにして、一応この辺で譲ります。
○荒舩委員長 外務省津島政務次官に申し上げますが、ただいまの勝澤委員の質問に対して、数字のところがまことに不明確であって、まあ悪意ではないと思いますが、表面から見ると、これは決算委員会をまるで無視したことのようにきり聞こえないのです。一つどうかよく決算委員会の性格を勉強していただいて、もう少し説明のよくできるようにお願いしたいと思います。 続いて、久保三郎君の質問を許します。久保三郎君。
○久保委員 私は、移住問題に限って御質問申し上げたいと思います。 まず第一に、戦後海外移住が再開されたわけでありますが、再開されてから今日までの海外移住の状況は、どういうふうになっておるのか、概要の説明をお願いしたい。
○高木政府委員 移住再開後今日までの移住状況を、簡単に御説明申し上げます。 戦後の海外移住は、昭和二十七年暮れから始まりまして、五十四名がアマゾンへ呼び寄せられて参りましたのが最初でございます。自後二十八年千四百九十八名、二十九年三千七百四十一名、三十年三千五百十四名、三十一年六千百六十八名、三十二年七千四百三十九名、三十三年七千六百六名、三十四年七千六百十名、それから去る三月で終わりました三十五年度が八千四百二名、これは政府の渡航費を貸し付けたものの数字でございます。これ以外に海外へ参りました者、呼び寄せられて参った者が、約三万名くらいございます。主としてアメリカの兵隊さん等にお嫁入りして行った方、及びブラジルにお嫁に行った方若干名、従って、渡航費貸付で参りましたのが、昭和三十五年度までで四万六千名、プラス渡航費貸付でない者が約三万名こういうふうに御了解願えればよろしいと思います。そしてこの移住者の行き先は、その約八割がブラジルでございます。ブラジルも、主として南ブラジルでございます。サンパウロを中心としたところでございまして、主として呼び寄せ移住でございます。 それ以外に日本側で土地を買いまして、あるいは相手国から土地を無償で提供していただきまして、これを移住に適した地に造成いたしまして、入れたところがございます。それはパラグァイでございます。今日までで、パラグァイは五千名入っております。 それからボリビアでございますが、これはボリビア政府から無償の土地をもらいまして、約一千名弱行っております。 それからドミニカでございます。これが約千五百名弱。ドミニカの場合は、相手国で土地を耕せるように提供いたしまして、家を建てまして、さらに最初の収穫があるまでの間生活補助金を出すということになって、月六十ドルくらいの補助金をつい最近までずっと続けておりました。契約では一収穫の間だけということでありましたが、続けておりましたが、最近になりまして、三年前に入りました者はまだいただいておりますが、その前に入った者はストップということになっております。 それからそのほか、アルゼンチン、ベネズエラ、コロンビア、ごくわずかの数字でございますが出ております。 大体出ました概要は、そのようでございます。
○久保委員 ただいまのお話を聞いても、三十四年度で七千六百十人ということであるようでありますが、それで経費の面からいって、三十四年度は、外務省関係で約二十億七千万円、そのほかに農林省関係で約一億三千万円、さらにそのほかに、これは外務省関係でありましょうが、海外移住振興会社に出資金として約五億出ておる。合計しまして約二十七億円になるわけであります。この移住者一人当たりに対するこれらの経費は、三十五万円以上になっておるわけです。これはこの三十五万円という金から参りますれば、必ずしも大へんいい成績だというふうににはわれわれは考えられない。この原因についてはいろいろあるだろうと思うのでありますが、一つには、今日政府では、特に移民政策について基本的な政策ができているのかどうかということであります。これは二十九年の七月に閣議決定で——今までの権限争いといっては大へん語弊があるかもしれませんが、今までの移民の大半が、御指摘のようにブラジル関係を主とした農業移民である。農業移民については農林省も関係するであろうというようなことから、いろいろな問題が出てきておる。特に終戦後、再開後、問題が多いようであります。具体的な例は二つほど持っておりますから、後ほどお尋ねしますが、二十九年の七月の閣議決定事項であるところの「海外移住に関する事務調整について」というのが、一つできておるわけであります。もう一つは、御案内の通り、三十三年だと思いますか、外務省独自で五カ年計画というのを作っておるようであります。これらは何ら権威づけられておらないのだろうと思うのでありますが、この間の事情はどうなんです。
○高木政府委員 外務省だけで作りました移住五カ年計画、これは実は御指摘の通り外務省だけでございます。外務省といたしましては、関係各省の了解も得てやる予定でございましたが、その同意を十分得ないで、外務省だけでスタートしておるのであります。従って、外務省の五カ年計画は、予算の上では反映されておりません。たとえば、五カ年計画によりますと、昭和三十四年度は、一万一千名、それから毎年五千名ずつ移住者を出すという形、そしてその中心を土地を買って出す自営開拓移住に置きまして、一人が大体どれだけの土地を買うか、それに必要な金がどれだけだというような趣旨でできておりましたが、これが予算に完全に反映されておらないという弱点はございました。また、この計画は、その後の経過におきましても、なかなか計画通りには進んでおらない。今日までまだ年間一万名をこさないというような点で、われわれといたしましても、今度はスタートを新たにいたしまして、関係各省と十分連絡して、そして日本の実態のみではなくて、もっと南米諸国の実態に即応した移住計画というものを確立し、これを強力に進めたい。できれば本年あたりに基本長期計画ができるようにいたしたいと、せっかく努力しておる次第であります。
○久保委員 この三十三年のただいま申し上げた五カ年計画、これはどういう意味で立てられたのでありますか。先ほど御説明があって率直にお述べになったようでありますが、何ら裏づけがなくて、関係各省とも協議がととのっておらぬ。協議がととのわぬでできると思ってやったわけではないでありましょうが、三十三年に作ったのは作ったが、実際には役に立たぬというようなものを置いて、そして今日まできておるのでしょうか、便々と。
○高木政府委員 この三十三年に作りました五カ年計画の一番大きい点は、移住会社をして土地を買わすということにあったと思います。従って、この計画の反映といたしまして、移住会社への出資金は相当ふえております。そしてその後におきましては、実は計画通りいかないものですから、この金が十分使えなかったという点は、われわれ反省しておる次第であります。この計画が不備であった点は、われわれとして、十分反省いたし、そして実は便々としているのではなくて、できるだけ早く新しい、もっと現実に即した長期計画を作りたいと思っております。その点御了承願います。
○久保委員 政務次官にお尋ねしますが、政府では、移住計画というか、こういうものについて、今どのような考えでおられるのですか。外務省のお話は、今お聞きした通りであります。いかがでしょう。
○津島政府委員 移民の計画と申しまするか、奨励ということは、日本といろいろの国との友好の関係を非常に深め、親善の実を上げるというようなこと、それから相互の経済の発展及び向上というようなものからいたしまして、私は非常に必要なものと思うのであります。従いまして、少なくとも一万名を突破いたしたいと思いまして、いろいろ計画も定め、努力をいたして参ったことは、御承知の通りでありますが、それを常に下回っておるような状態でございまして、まことに残念にたえないのであります。しかしながら、ただいま申し上げました移住の使命の重大な点にかんがみまして、今後各方面に検討と反省とを加えまして、ぜひともこの目的を達成しなければならないと、努力いたすべき方向に進んでおるのであります。
○久保委員 方向に進んでおるというのは、ちっとも具体的でないようでありますので、あとからまた御質問申し上げます。 そこで、今政務次官も移住局長もお話がありましたように、計画に比べて非常に下回っている。この原因は何だろうか、お尋ねしたい。
○高木政府委員 移住は、商品を輸出するような簡単なものでないということは、久保さん御承知の通りでありますが、そういう点で、戦後の移住は、さっき申しましたように、昭和二十七年暮れから始まっております。従って、まだ十年たたないのであります。国内では、御承知の通り、中国大陸とか南方から、悲惨な体験をして帰った方がたくさんおります。こういう方々は、海外に出るということに対して、相当反感と恐怖を持っております。地方におきましては、海外へ移住するというと、いまだに移住する人の足を引っぱる。たとえば、移住家族というものがきまると、その婦人は婦人会で村八分のような扱いを受ける、子供は学校で冷遇されるというようなために、自分の県から申請しないで、隣の県から申請するというような人すらございます。また、従来の移住県であります和歌山とか岡山とか、これらの諸県も、主としてアメリカ、南米でありますが、戦中関係がとだえたということで、海外に対する理解が少ない。それからさっき申しました昭和二十七年暮れにアマゾンへ行きましたときには、日本の空気はもう窒息するような状態で、少しでもどこえでも飛び出したいという気持で、十分選考されない人々が行った。アマゾンへ行くならば、農業に十分経験のある人、しかも覇気に富んだ人が行かなければならないにかかわらず、実際には都市の人がずいぶんまぎれ込んで行って、アマゾンは腰かけで、サンパウロの町へ行っていい生活をすればいいという人がなったということ、その他の関係で、初期におきましての移住については、いろいろそごがありまして、戦後の移住についても、心配だという気が非常に強かったのであります。しかし、幸いにいたしまして、今日では、これらいろいろ問題のありました移住地も、ほとんど軌道に乗って参りました。 現在われわれの心配しておりますのは、アマゾンにまだ残っておりますグアマというところ、これはブラジル政府との話し合いで相当の施設をすることになっていたのが、その金が途中で消えてしまってこない。ブラジルの方からは、移住を出すのはやめてくれと言ったにもかかわらず、日本の方は、募集ができたから何とかなるだろうというので出したというのが、グァマの事情でありますが、これもだんだん対策を講じまして、何とか目鼻がつきました。そのほかにはほとんどありません。新聞なんでごらんになっておると思いますが、ドミニカ、これもずいぶんいろいろなことがいわれておりますが、これは主としてカリブ海の政情不安というものが、移住者を心理的に動揺させているのが、一番大きな原因だろうと思います。 それから、従来ボリビア、パラグアイの移住地は 新聞にもずいぶん悲惨のように出ておりましたが、最近では輝かしい移住地になりつつありますし、最近再びアメリカ、南米からの故国訪問ということで相当出ております。その中には、戦後行った人の故国訪問もございまして、こういう方々が、また移住というものに対する希望を与えつつあるというような点、それに加えて、われわれとしては、移住思想というものを末端にもっと徹底させるようにしなければいかぬと思って、予算その他の方面でも、できるだけ獲得に努力しておるわけであります。そういう意味におきまして、これからは今までよりも早く進んでいくのじゃないか、私は、本年度は一万名くらい達成するのじゃないかというような希望を持っております。主として船の問題程度が、むずかしくなるのじゃないかというように思っております。
○久保委員 あなたは当面の方でありますから、明かるい面等を大半御発表になったが、また暗い面もあるということは事実であります。たとえば、これは私の手元にある本で、昨年かと思いますが、NHKの特別報道班の行った紀行録であります。この中には、そういう暗い面がございます。これはお読みになったと思いますが、お読みにならなければちょっと申し上げますが、これは非常に遠慮して書いておるのじゃなかろうか。たとえば、コチア産業組合の問題もここに出ております。ここは、大体四年間そこで働いて、パトロンから今度は土地をもらって独立するという形のようであります。私もよくわかりませんけれども、みな若い青年が行っておるのでありますが、コチア移民の給与は非常に安くて、住み込み一カ月の手当が大体四千円程度、最近幾らかよくなって五千円くらいであります。これは移民後三年たった青年です。しかも、労働時間は、朝の六時から夕方の六時まで、六十キロもある養鶏のえさ運びをしなければいけない、こういうことを書いてあります。 さらにもう一つは、あなたもちょっと触れられましたが、民間の旅行業者が、ブラジルと東京とに二十軒余りもあって、呼び寄せの名儀をあっせんし、農民ということでどんどんブラジルへ送り込む。そのなれの果てはどうなっているかといいますと、いわゆる若い娘であれば料理屋の、こちらでいう芸者というか、女給さんですが、そういうものになっているということであります。 さらにもう一つ、そのコチアの家族移民で行った人で、こういうふうに報道班員の問いかけに答えております。 「私どもはコチアの家族移民で、最近ブラジルへわたってきたのですが、家内が病気になって農業労働にしくじって、サンパウロへでてきたばかりですが……」そう言って、どこかの職業紹介所のようなところに入っていったということです。それでは、最後に読み上げた、いわゆる農業労働に耐え得られなくなったという人のめんどうはだれが見てくれるかというと、日本政府は見ておらない。あるいは出先機関も見ておらない。ただここで報道班員が言っているのは、日伯文化協会という団体がある。その団体の主たる目的と使命は、文化講演会や、映画研究会など、日本の事情を在留邦人に紹介するのが、この協会の仕事だ。ところが、今言ったようなこういう方々、これまでを手当している、こういう話なんです。これは年間大体三千件もあるそうです。これは一つの棄民思想から出発した政策ではなかろうかと思うのであります。これでは、喜んで新天地開拓にはなかなか行けないだろう。あなたは移住局長として盛んにおやりになっているそうでありますが、また、もっともそうでしょう、当面の人ですから。ところが、こういう事実が最近あるわけです。さらにあなたは、ドミニカのことで、何か特殊な事情でとおっしゃいますが、これは新聞の記事でありますから、外務省がそうは言わなかったと言いますとそれまででありますが、ドミニカからあなたの方へ、この四月に、全員帰りたいから何とか救ってくれという陳情がきたそうであります。この記事は、いわゆる九十四人かです。そして新聞の末尾に、外務省の見解は、大体農林省から係官が行って、そのときは地味肥沃であった、非常にいいところであるということで太鼓判を押して入り込んだ。ところが、実際のこの報道は、無償かもしれぬけれども、とても耕せない。しかし、三年ないし四年がんばっていろいろなくだものやなんか栽培したそうでありますが、とうてい持ちこたえられないというので、帰国方を何とかしてくれ、こういうことだそうであります。さらに、この新聞記事によりますれば、外務省の見解として、なるほどドミニカの土産の人間は、非常に低い生活水準であった。それからいけば当然耐えられるのだ。向こうへ行った日本人は、それに耐え得られないから……。こういうのであります。これでは、やはり棄民思想でもって物事を片づけようということではないだろうか、こういうふうに思っております。これが一つ。 それからもう一つ、計画通りいかぬというのは、特に低調なのは、公募移民が少ない、これは指摘された通りですね。この原因は何だろう。公募移民というのは、大半農業移民です。農業移民の場合は、あとから申し上げますが、グワタパラの問題一つとりますと、あなたの方と農林省との、早くいえば権限争いというか、いわゆる官庁のセクショナリズムによって、ここ足かけ四年もこのままになっている。具体的な話に入りますが、いわゆる土地を売り財産を売って渡航準備をしていながら、二年も三年も食いつないでとうとうだめになって、よそへ転換したものもある。その後はどうなっているかわからぬものもある、こういう事情なんです。こういうことも一つどういうふうにお考えになるのか。 さらにもう一つ申し上げたいのは、この海外移住については、海外移住審議会という機関があるそうでありますが、これは今までに何回開きまして、どういうことをやったのか、この点をまず御答弁願いたい。
○高木政府委員 最初に、コチアの呼び寄せ移民のことを申されたのであります。これにつきましては、実はコチアの呼び寄せで、もう四年くらいで独立しているのも、相当あるのでございます。問題は、確かに完全ではありません。それはやはりコチアの呼び寄せ制度というものが、かなりに前世紀的な制度と申しますか、でっち制度と申しますか、親方制度といいますか、教えてやって、そうしてできるだけ何でもやってやるのだ、たばこ銭、小づかい銭、みな必要に応じてやってやるのだというような調子で、今言われた三千、四千というのは、ほんとうの小づかいというようなものであります。しかし、これでは、これから行く日本の人は満足できないのじゃないか。やはり食事、住宅その他一切を入れた最低賃金というような思想を持っていかなければいかぬのじゃないかというふうにわれわれ自身も思いまして、これから、コチアの方あるいはサンパウロにおける呼び寄せ者とも十分協議いたしまして、もっと新しい制度で移住者が行けるように進めたいと思います。呼び寄せの実態につきましては、必ずしも報道されたような暗い面ばかりでなくて、非常に明るい面もございます。 それからドミニカにつきましては、全部の人が帰りたいと言っておるわけではございませんで、実は前からいろいろ問題がございますが、今言ったのはネーバーという地区の三十四家族が帰りたいと言っておるのであります。この地区は、前にもこの土地が悪いのだということで、土地を変えようという話がございまして、ドミニカ政府に話して、それじゃ変えましょうという話でしたが、移住者は、実はバナナやブドウも植えたから移りたくないといってそのまま残っていて、今日までほとんど問題なかったところなのでございます。しかしながら、本質的に月給をもらって狭い土地で農業をやるということについては、今後大いに考え直さなければいかぬのじゃないかと思います。実際の生活はかなり成功しておる者もあるようでございます。私自身、現地に参りませんので、まだはっきり申し上げられませんが、移住者の中には、自動車まで持っておる者もある。また帰りたいという申請がある反面、日本から呼び寄せをまだやっております。そういう点もございますので、実はわれわれとしても、これは簡単にほってはおりませんで、移住局からも海外協会連合会からも、人を出しまして、現地の大使とも折衝の上でまず第一にはドミニカ政府と十分話し合って有利な土地に変えてもらう。その他移住会社の融資とか、もっと徹底した方法でこの問題を最終的に解決したいと決心しておりますので、しばらくお待ち願いたいと思います。 グワタパラにつきましては、これも、今おっしゃったような点はございますが、農林省とわれわれの間は、一つの気持になっております。今せっかく努力しておりますので、これもしばらくお待ち願いたいと思います。 移住につきましては、確かに完全ではございません。いろいろの面でまだまだ変えていかなければならぬ点がございますが、われわれとしては、せっかく努力しておりますので、その点御了承願いたいと思います。
○久保委員 グワタパラに入りましたが、グワタパラの話はちょっと待っていただいて、さらにお聞きしたいのですが、海外移住審議会ですか、この問題がございます。
○高木政府委員 そのお返事を忘れまして、申しわけございません。昨年は、一月の終わりごろから始めまして、月に本会議が一回、それから委員会が、第一小委員会、第三小委員会と二つで、それぞれ二回くらい、四回くらい会合いたしまして、八月までみっしりやりまして、八月の下旬でしたかに答申案が出ました。移住に対する根本的な考え方とか、その他当面の施策についての回答がございました。それ以前におきましては、輸送の問題につきまして回答があったように聞いております。私になりましてからは、それだけでございます。本年になりましてからは、この間非公式に会合いたしまして、委員の改選なんかもございまして、今後馬力をかけてやるということで、委員会は張り切っておられます。
○久保委員 今の審議会の諮問事項というが、それと議事録を早目に御提出をいただきたいと思います。うわさによれば、何か審議会は表向きの話で、あまり……、という話が今まで伝わっております。あなたの御答弁だと、最近は大へん詰めた話までいっておるそうでありますが、われわれの聞いておる話と大へん違いますので、お手数でも、資料を出していただきたいと思います。 それから先ほど申しました、一人当たりにすれば合わせて三十万円くらいの費用が農林省と外務省から出ておる。これは外務省、それがら農林省からも出していただきたいのですが、それらの費用の使い道を、三十三年以降、これも早目に出していただきたい。早目というのは、大体今週に私は予定をいたしております。その資料をいただいて、また時期を見て話を申し上げたいと思います。きょうは時間がないようでありますから、そういうことを要求しておきます。 それがらもう一つ申し上げたいのは、移民というが、そういうものが進捗しないのは、先ほど言った農林省と外務省の関係、あなたは、しっくりいって、一生懸命にやるということになっておりますと言われる。二十九年の七月の閣議決定では、表向きは一生懸命にやりましょう、大体主務官庁は外務省で、あとのPRその他は、拓連もあることだから、農林省が一つやったらどうか、現地の方は外務省、こういうふうになったようでありますが、必ずしもうまくいっていない。グワタパラの問題がながなが見通しがつかぬのも、それが原因じゃなかろうか。よってもって外郭団体というが、そういう団体がたくさんそれぞれ、両方の省にまたがってあるわけです。たとえば、これも資料要求になりますが、海外協会連合会、地方には海外協会というのがございますが、それらの機能が、地方の機能も実はあまりうまくいっていない。最近は予算の落とし方も、あなた御承知の通り、従来は外務省であったものが、今度は農林省が補助金をそれで落としていくというようなことに変わったそうでありまして、そういうことからいっても、どうもうまくいっていないということがいわれますので、海外協会連合会等の三十三年以降の収支決算並びに、事業報告、定款こういうものを早急に出してほしい。さらに海外移住振興株式会社、これは政府出資でありますが、これも同様な資料を出していただきたい。それから農林省がおりますが、全国拓連の関係の資料も同様に出してほしい。中央農業拓殖基金協会、これも出していただきたい。これらが各個ばらばらといっては語弊がありますが、上の方は農林省と外務省というように分かれてやっておりますから、うまくいかない、こういうように私は考えておりますが、これに対して政務次官、いかなる反省がありますか、いかがでしょう。
○津島政府委員 外務省と農林省との関係におきまして、ただいま御心配のように十分な円滑をもって運んでおるとは、実際言えない面もあるのでございます。しかし外務省と農林省とは、やはりこの事業の上から、両方とも協力をしていかなければならない性質でございますので、今後とも、その調整の面につきましては、一段と努力をいたして参らなければならない、かように考えておる次第でございます。
○久保委員 これは政務次官では御無理だろうと思いますので、いずれ外務大臣においでいただきまして、お話を申し上げた方がいいかと思います。大体において官庁は官庁で向いた方を向いておるというのは、こればかりではありません、たくさんありますが、移住関係などは特にひどい。そのために迷惑をこうむるのは、移住しようと思う人間、あるいは移民した人間、そういう者が迷惑をこうむっておるわけです。これは十分な反省が必要だと思うし、私がお聞きしたいのは、そういう精神面を聞くのじゃなしに、基本的な話をどうするかということを聞きたいのであります。お答えいただけますか。
○高木政府委員 お答え申し上げます。 従来現地における受け入れ施設が貧弱であるというような話もずいぶん聞いておりますが、最近予算も現地の受け入れ施設の強化の面に力を入れてやりまして、この点格段の改良になっております。しかし、移住につきまして一挙に完全な状態にするということは、なかなかむずかしゅうございます。これは金の面だけでなくて、人の一面、あるいは時を要するという問題もございますので、その点、われわれといたしましても、諸先生方以上に切歯扼腕しながら、一刻も早く完全な、よりよき状態にしたいと努力しております。本年度も、できましたならば、移住基本法、あるいは移住機構につきましても、外務省、農林省だけでなく、通産、労働その他各省も協力しなければいけないわけでありますから、そういう機構の整備、強化ということもやりたいと思っております。御鞭撻は十分われわれもありがたく思っておるのでございますが、一そう御協力いただきたいと思っております。
○久保委員 とにかく局長の気持ちは、よくわかるのでございます。あなただけではどうにもならぬ。だから仕方がないということで、あなたの立場ではあきらめるほかはない。あなたはそれでいいかもしれない。ところが、今申し上げたように、その対象になる人は大へんなんですね。私の地方にも、グワタパラに行くということで財産をしまって、三年越し路頭に迷うような格好でおる者が今いるのです。これは一人じゃないのです。家族がいる。土地は手放す、財産は処分し、どうしようかという状態です、グワタパラの解決について、私は中間を抜きにして、最後の結論を聞きたい。グワタパラの問題は、いつ片がつくか。これは農林省と両方に聞きたい。
○高木政府委員 実はわれわれも、この五月あるいは六月初めごろには解決しようということで、今実は移住振興会社の社長の二宮氏が、現地に行って帰っております。それから安東大使も、この下旬には帰って参ります。大体の方式、やり方はわかっておるのです。ただ、いろいろ相当広範な考慮を要しますので、経営形態をどういう形でやっていくかという問題もございます。われわれといたしましても、実はこのままでほっておくことは、仕事全体を渋滞させますので、できれば五月一ぱいには解決したいと思っております。
○橘説明員 農林省といたしましても、ただいま外務省の移住局長がお答えいたしましたと同じ気持で、御質問のように、非常に移住者の迷惑にならないように、できるだけ早く方針もきまり、速急に移住地の造成に着手できるようにということで、今外務省と鋭意結論を出すことについて努力中でございまして、移住局長が言われたように、近日中に——五月あるいは六月中に決定できるということを期待しております。
○久保委員 五月一ぱいに方がつくということでございますが、どういうふうに片がつきますか。大体一単位の土地の価格は幾らくらいになるか。これはどうなんですか。
○高木政府委員 それが実は非常に問題でありまして、非常に高い土地でございますものですから、現在のところ、二宮社長が行って参りました案では、土地代と、堤防などを作るわけで、これが非常に金がかかるわけですが、これらについて二十年くらいの長さにしてやうという案ができておるわけであります。ただ、これは今の移住会社の従来の土地分譲方式と非常に違いますから、そのままやるか、あるいは別のやり方でやるかという問題もあると思います。あるいは移住会社は、国策会社であります。国の貴重な金でありますから、危険性があってはいけないということで、移住会社がそのままで引き受けられるか、全拓連がやるか、または現地に移民会社を新たに登録してやるかの問題がありますが、日本の移住したい人も待っておられることを考えて、至急に解決したい。あるいはブラジル政府が認める合法的なやり方でやらなければいけませんから、そういう点も考慮して、ずいぶん苦心しておりますが、大体詰めるだけ詰めておりますので、五月終わりごろまでには、目鼻がつくと思います。
○久保委員 最初外務省並びに出先である安東大使は、グァタパラの湿地帯については、いわゆる土地改良工事をやって入植させるということについては疑問があるということで反対したのだそうでありますが、これはそれだけの単純な理由で反対したのでありますが。どうですか。
○高木政府委員 そういう技術的な点でございます。
○久保委員 農林省にお尋ねしますが、この計画は、当初から土地改良を含めた入植ということに相なっていたのでしょうか。
○橘説明員 ただいまの御質問の通りでございます。
○久保委員 外務省はこれに反対したというが、最初から反対したのじゃなくて、最初は、今の農林省の話とだいぶ違っていたようにわれわれは聞いたのでございます。しかも途中で、簡易な土地改良というか、それは簡易なものにしておいて、それで水田造成というか、そういうものはやめてやれ、こういう意向を漏らしておったそうでありますが、その通りですか。
○高木政府委員 その通りではありません。この移住地は、非常に金がかかるし、相当の危険性がありますので、移住会社が買って移住地としてやるのには危険が多いから、むしろ控えた方がいい。そしてこれは水田ということでは非常に金がかかるから、水田でなしに、おか地灌漑でやればいいということが考えられるが、現地のコチアはこれに承知しないから、どうしても水田にしなければならないということでは金がかかるから、むしろ見合わせた方がいいということで、移住会社自身が土地を買うのは見合わせたのです。ただ、全拓連は、ぜひ現地と組んでやりたいということで、移住会社が土地代を立てかえて全拓連のために買った、こういういきさつであります。しかし、その後造成費に金がかかるから、移住会社から金を出さなければいかぬ、あるいはブラジルに対する関係上、植民会社が責任を持たなければいけないから、移住会社自身の名前でやってもらいたいということになりまして、国策会社としての移住会社の立場として、どこまでこれをバック・アップできるかということを考えたわけであります。
○久保委員 土地の登記はどういうふうに相なりますか。
○高木政府委員 これはブラジルのモルガンデイという方から売買予約をしてある形であります。登記をすると、また移住者に転売するときに、二重に登記料を払わなければいかぬということで、モルガンデイとの売買予約の形にしてほしいという全拓連からの希望で、そのようになっております。
○久保委員 そうしますと、ジャミックが予約契約ということになりますか。
○高木政府委員 その通りです。
○久保委員 そこで申し上げたいのですが、ジャミックは、いわゆる土地登記の関係上こうしているわけですか、これはジャミックが最終的に責任を負うわけですか。どうなんです。
○高木政府委員 これは土地代は立てかえまして、最初四千万円の手付金を全拓連から会社に払い——これは一億四千万円の土地でありますが、昨年五千万円、ことし四月十日に五千万円、土地代を完済いたしまして、そして土地は全拓連の土地になっておるわけでございます。しかし、ブラジル側では、ジャミックが売買予約をした形になっております。
○久保委員 そうしますと、これらの全拓といいますか、そういうものの登記というか、そういうふうになるのでしょうね。これはどうなんですか。ジャミックの予約登記というか、仮登記というか、そういうものだけで入植が行なわれるわけですか。どうですか。
○高木政府委員 そういう点も全部含めて、至急に解決したいと思っております。これをやる主体について、あるいはその他の方法について、早くきまることが先決であります。さらにこの移住地の造成計画をブラジル政府は申請いたしまして、許可をとってからやらなければいけないという問題もございます。そういう点も含めて、至急に解決したいと思います。
○久保委員 解決したいというが、どういう方向だかちっともわかりません。たとえば税金一つとりましても、土地の取得税は一五%払わなければいかぬ。この支払い証明がなければ登記ができない。これが支払いは、どこが支払うことになっているのですか。ジャミックが支払うのか、売り主であるモルガンデイが払うのか、どっちなんです。
○高木政府委員 ジャミックはモルガンデイに土地代を全部払っております。従って、あとジャミックの名義で登記する場合は、ジャミックが払わなければいけませんでしょうし、あるいは全拓連の名義になれば、全拓連あるいはジャミックが立てかえて払って、あとで払ってもらうということになる。しかし、全拓連は植民会社をやっておりませんから、登録されておりませんから、ジャミックがやるか、あるいは別法人が植民会社として登録してこれがやるか、でき得る限りはジャミックの名前でやってほしいというのが、コチア及び全拓連の希望であります。われわれといたしましても、できる限りその希望に沿いたいわけでありますが、移住地の移住会社一般、特に会社の移住地分譲方式というのは、ほかの土地もありますから、それとのバランスという問題もあるし、あるいは国策会社としての移住会社がどの程度までこれに乗り出せるか、国の補助がはっきりしておれば——これは一億二千万円の補助がもらえることになっておりますが、これだけでいけるかどうかという問題もあります。そういう点も十分検査した上で、国策会社として将来遺憾のないような措置を講じなければいけませんが、その点、外務省が責任がありますから、そういう点も含めて最終的にきめたいと思っております。
○久保委員 非常にはっきりしないのでありますが、支払いの個所によっては、土地の代金というか、そういうものがどちらにかかるかという問題がありますね。それからもう一つ、税金では土地譲渡税というものが一三%あるそうですね。これは買い主が払うことになっているのです。農林省にお尋ねしますが、この土地の価格というものは、こういう税金を含め、土地改良も含めてきめられるわけでありますか。どうなんでしょうか。
○橘説明員 そういうようなものをすべて含めたものとして検討しておるわけであります。
○久保委員 含めたというが、この契約上も非常に不明確な点があったのですが、それは一応片がついたのでありますか。
○橘説明員 今契約の文言をはっきりしておりませんが、契約上は——今の譲渡所得税でございますが、これは法律的には、おそらくブラジルの法律では、売り主であるモルガンデイが払うという形式になると思いますが、その形式的なものを実質的にどちらが負担するかという問題について、契約上必ずしもきまっていない点があったというふうに聞いております。
○久保委員 これは外務省にお尋ねしますが、移住局長、このモルガンデイからジャミックに土地が渡る間には、介在者はございませんか。
○高木政府委員 ございません。
○久保委員 そうすると、モルガンティが手放した値段は、向こうの金でどれくらいです。
○高木政府委員 向こうの金ではちょっと正確にわかりませんが、日本の金で一億四千三百万円であります。
○久保委員 私の調査も不完全であるかもしれませんが、モルガンティから土地会社が六千コントで買って、土地会社がジャミックには四万六千九百コントで売った、こういうふうに聞いているのでありますが、これはどういうことでしょう。
○高木政府委員 この土地は、初めからモルガンティの土地であって、モルガンティがほかから買って、つまりブローカーとして売ったものではございません。
○久保委員 この六千コントという数字が、私の情報というか、出ていますが、これはどういう関係か、御存じありませんか。なければ、私もよく調べます。
○高木政府委員 六千コントというのは、ちょっとわれわれの方のデータはございません。四万六千九百五十六コントで売買契約されております。
○久保委員 これはあとでさらに調べましょう。いずれにしても、この土地の値段がまだはっきりしない、こういうこと自体に、問題が私はあるんじゃなかろうかと思うんです。それからもう一つ、移住局長のお話の中で、一億二千万出ればということでありますが、これは農林省にお尋ねしますが、一億二千万の予算はことし組んでありますね。
○橘説明員 本年度の予算に計上してございます。
○久保委員 そのほかに六県の関係県がありますが、これから大体三千万円ほど出してもらうということでありますね。それで一億五千万にして、これをいわゆる土地改良の金に引き当てる、こういうことですね。
○橘説明員 ただいま御質問の通りの計画でございます。
○久保委員 そこで、この土地改良の費用はこれでも足りない。この足りない金は、どういう見通しに相なりますか。一億五千万では足りない金がありますね。
○高木政府委員 非常に高くつくものに対して、土地代と水利使用料に分けて、水利使用料は長期の支払いにしてこれを緩和していこうという構想であります。
○久保委員 この土地改良の資金は——これは農林省に聞いたらいいのか、外務省かわかりませんが、両方にお尋ねしましょう。土地改良の資金は、総額幾らでありますか。 〔「答弁々々」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 今調べているんだ。
○久保委員 二億五千万でしょう。どうなんです。おわかりにならないんですか。
○橘説明員 工事費は、こういう計算の仕方なり、向こうの通貨との換算によって違いますが、大体三億円程度ということになります。 〔委員長退席、西村(力)委員長代理着席〕
○久保委員 それではこの一億五千万の金は、大体予算と、それから関係県の間で調達する。その不足の金は、聞きますれば、実は土地購入代金の払い込みの際に、現地の金の差額をこれに振り当てたということですが、ほんとうですか。為替の差額ですね。
○高木政府委員 ちょっと御質問の意向がよくわからないんですが、為替の差額、そういうものはございません。
○久保委員 そういうことはないとおっしゃいましたね。農林省いかがですか。
○橘説明員 そういうことはないと存じます。
○久保委員 「一億円は当初計画されておった土地購入素地代が伯貨の下落に伴う差額金を充当することについて」云々という情報が、私の手元にはあるんです。これはどういうことですか。そういうものを引き当てたためしはないということでありますね。農林省、よろしゅうございますか。
○橘説明員 そういうことはないと考えております。
○久保委員 これは農林省にだめ押ししておきますが、関係県に何らの連絡なくその方面に資金を流したのですね。いわゆるブラジル貨の下落に伴う差額を流したということで、過去において問題があった。これは存じていないのですか。
○西村(力)委員長代理 その点久保君にお尋ねしますが、この流用したということは事実なんですね。
○久保委員 私は現場に行っておりませんから……。私の持っている情報は、その通りです。
○橘説明員 どうも御質問の趣旨よくわかりかねますが、土地代としては、先ほどおっしゃいましたように、もうすでに払い込みを終えているわけでございまして、工業費につきましては、まだ工事に着工していない、今後の問題でございまして、為替の差額が出てくるということが、どうも御質問の趣旨がちょっと理解しかねるわけであります。
○久保委員 それでは、私の持っている資料をちょっと読み上げましょう。私もその現場に行って検査しているわけではございませんから、だめ押しにお尋ねしているわけですが、そうでなければそうでないとお答え願いたい。途中で事業変更になりましたね。いわゆる大幅に土地改良をやるか、やらぬかという問題があったわけですね。これは農林省にはない。ところが、外務省との関係ではあったということでしょう。そこでこの事業計画変更に至った経緯ですが、「当初事業計画によれば、丘陵地畑作経営を行い、土地改良事業による低湿地の利用は、漸次行うことを考えておった。」これは外務省と最初話してあった。「その後松谷氏夏秋技師等の数回に亘る現地調査の結果と、上述の伯国農業の動向を勘案して、土地改良事業を当初に行うことが入植者を早期に安定せしめる所以であるとして工事を計画し、その見積額は三億八千万円となった。」「その財源の内、一億円は当初計画されておった土地購入素地代が、伯貨の下落に伴う差額金を充当することについて種々事情があるにして、最も関係のある県に充分の連絡もなく、一方的に取決めたことに対しては、全拓連は非常に陳謝の意を表しておる。」私の持っている情報は、こういうことはなんです。全拓連はお宅の関係ですね。十分おわかりのはずだと思うのですが、これは全部違いますか。
○高木政府委員 ちょっと御説明申します。 今のは、事実が相当混乱していると思います。つまりこの土地を買いましてから、為替が半分くらいになり、現在では三分の一に下落しているわけです。従って、日本金では一億四千万円になるわけですが、かりに今この土地を貰うとすれば、円貨で見ればもっと安くなる、そういう点があるわけです。従って、初め一ロット百五十万円と思っていたが、為替の下落のために実際はもっと安くできるはずである。この誘致には、現地の人も入れなければいけない。そうすると、現地の方はこちらが責任を持ってやるということになると、そんな高いところには入れられないということを言っている。そこで、その現地の要望にどういう工合に合わしていくかということが、苦労しておられた理由なんであります。それから造成計画が変わってた云々というのは、さっき先生がおっしゃったのは若干逆でありまして、この土地を買うときの各省連絡会談では、水田造成はやれない、耕地灌漑だけでやるということで、各関係省が認めたのであります。立てかえを認めたのであります。しかしながら、その後、結局コチアの希望通りに水田灌漑をやったわけであります。
○久保委員 移住局長のお話では、私よくわからぬ。私がこの書いてある文章を読み上げたのは、結局為替の相場の下落により、その差額が出ますから、これを土地改良事業に云々とあった。これは要約すれば、無断でやって不当千万ではなかろうかというようなことなのです。これはいずれにしても、そこで入植の割合は、どういうことに決定がなされますか。七割がこちらから行くのか、現地コチアから三割入るのか、これはどういうふうに相なりますか。
○高木政府委員 その点が外交上の問題でありまして、向こうの法律では、面積の二割五分しか入れられないのであります。しかし、今度の協定が発効いたしましたなれば、七割まで入れてもらうことを申し入れ、あっせんしていただくことができるようになったということは認めてくれるかわからぬですが、外務省が向こうの植民に七割まで例外的に入れることを取り次いでやるということが、今度の協定の交換公文で載っておるわけであります。従って、まだ協定は発効しませんから、法律上からいえば全体の二割五分しか入れないのでありますが、特別のこの協定が発効し、あるいは発効しなくても、ブラジル政府の特別の好意で許可が得られれば、七割まで入る。七割入れるということで計画が進んでおるわけです。
○久保委員 そこで今の協定が発効すれば、そういうことになる。見通しはいいということになると思う。そこで百五十万程度ということならば、コチアの方も応諾するが、これが二百万あるいは三百三十万、こういう計算なれば、コチアの方からも難行すると思うのでありますが、見通しはどの辺につくのかわからないのですが、五月一ぱいに片づくというものが、もう五月半ばですよ。それがわからぬではちょっと困ると思うのです。 それからもう一つお伺いしたいのは、土地造成がすっかりできるのは、いつなのですか。いわゆる土地改良事業まで入れて、土地造成はいつごろまでに実行できるのか。この二つ。
○高木政府委員 これは造成を開始いたしまして一年半ないし二年ということになっておるようであります。
○橘説明員 今移住局長がお話しましたように、一年余りで工事計画が完成することになっております。
○久保委員 答弁がどうも明確でないですね。明確にしなければならぬと思うのです。もう一ふんばり明確にできませんか、どうなんです。これが決定しなければ、問題が片づかぬと思う。実際今まで現地へ何べんほど調査に関係各省は行っているのですか。私は蒸し返すわけではないが、なぜこんなに長くかかるのか、この理由を最後に聞かしてほしい。
○橘説明員 現地調査は、何回か私はっきり記憶しておりませんけれども、農林省から二回あるいは三回行っております。最近では、先ほど移住局長が申しました移住会社の社長と日時を同じくして、農林省の柘植課長が行って、最近帰りました。
○久保委員 私は急に連絡をしたのではないのですよ。あなたの方へ連絡が急であったのでありまして、答弁ができにくい点もあろうかと思います。同情はしているのです。私が先ほど言うように、非常に迷惑している人がたくさんおりますので、一刻も早く片づけなければならぬ。そこで委員長が先ほどから関連と言っておりますから、私もそう長くやっているわけには参りません。 そこで申し上げたいのは、いわゆる土地代金はどの辺になるのかということがはっきりしなければ、この問題は片づかないと思う。関係県にしてもそうです。これはあなた方、六百万あるいは五百万、拓連には金を出しているという実情であります。そういう点をもう少し明確にしていただきたい。今後ただ単に見通しがありますだけじゃ、どうも引き下がるわけには参りません。
○橘説明員 土地代金の問題でございますが、それらの額というものは、その支払いの方法と関連するわけでございまして、たとえば一括で払うか、あるいは分割で払うか、分割で払うにいたしましても、何年で払うというようなことによりまして、一つは向こうの状替との関係、それから利率の問題もございます。そういうことによりまして、額が相当な額になってくるわけでございます。そういう点で幾つかの案を考えまして、最も妥当な、内地がらの入植者あるいは現地からの入植者も含めまして、その支払い能力なりすべてのことを考えまして、できるだけ現実的な、妥当な案を、先ほど移住局長から申し上げましたように、一カ月ぐらいの間に至急に確定すべく、目下鋭意関係各省で話し合いを続けているわけでございます。
○久保委員 最後にお尋ねしますが、私が申し上げるのは、少し間違っているかもしれません。いわゆるモルガンテイは、六千コントでこの土地を買っているのですね。それをジャミックが四万六千九百何コントかで買っているということですね。これはいつモルガンテイが六千コントで買ったか、私は調査ができません。少なくとも幅が多過ぎますね。それと同時に、今まで御指摘されていると思うのでありますが、移住会社が分譲する土地は、非常に割高になっている。高い。もちろん日本の国がら比べれば安いのでありましょうが、高い。今度の場合も、安くなる様子は今までありませんで、百五十万には押えられない。おそらくそれ以上だと思うのです。そうなった場合、はたしてこれから入植した者の、いわゆる資金返還と、営農の状況はどうなるのか。再び致命的なものが出てきやしないかという心配があるわけです。なるほど土地はできたが、農民はいわゆる流浪の旅に出るほかはないということでは、移民政策はゼロであります。だから、その辺の計算は、農林省はできておるのですか。たとえば、この値段発表がありませんが、百八十万になっても二百万になっても、大体償還能力はこれで出るという確信を持って、これは取っ組んだ仕事でしょう。どうなのです。
○橘説明員 償還計画につきましては、農林省が作ったというものはございません。全拓連が作ったいろいろな償還計画、営農計画というものがございまして、それにつきまして農林省も検討いたしておりますが、その土地代金の額なりその支払い方法、幾つかの考え方がございますが、そのいずれの場合におきましても、営農としては確実に成り立つ見通しで、農林省としては確信を持っておるということを申し上げます。
○西村(力)委員長代理 関連質問を許します。荒舩君。
○荒舩委員 ただいまの久保三郎君の質問、非常にまじめな御質問でございまして、先ほど来外務当局あるいは農林当局から答弁がありました、五月中に解決するのだということでありますれば、もう少し具体的な説明が必要だと思う。ただし時間がありませんから、どうか一つ決算委員会のこの状況をよく推察せられて、久保君の質問に対しまして、こういうことだから解決がおくれておった、こういうことだから移民の問題について非常な支障があったのだという説明を、外務省が中心になりまして、農林省あるいは通産省とともに案を示してもらうようにお願いしたいと思います。移住局長、非常に御熱心でございますが、しかし、南米は為替相場も非常に変動が多い。従って、なかなか思うようにならない。また、国情も日本と違いまして、絶えず非常な変化が多い、こういう関係で、土地の問題も、今ある程度の額で買えようと思ったのが、為替の変動によって急に高くなるとか、急に安くなるとか、想像外のそういう相場の変動があると私は思います。従って、そこに非常にむずかしい点があると思いますので、そういうようなことも一つ説明の中に入れて、納得できるような文書で御回答願いたいと思います。 そこでいま一つ、私は移民政策について常々南米の様子を考えておりますが、今までの移民政策は、これでよかったのかどうか。今まではよかったかもしれないが、非常な間違いがあるのではないか。たとえば南米に行って、どこの国に参りましても、いわゆる農業だけの移民では全きを期し得ない。何となれば、たとえば広大な地面、しかも安い地面があっても、これに水を持ってくることはなかなか困難であります。日本のように川がたくさんあるわけじゃない、あるいはダムを作るという場所もないというようなことで、農業だけの移民政策を考えているということになりますと、私は非常な退歩が起こるのではないかと思う。従って、南米全体の移民を中心に置いて、ブラジルにしても、あるいはアルゼンチンにいたしましても、これらの国々は、鉱物資源も、これは私どもが想像できないほど多量なものがあるように私は見て参ったのでございます。アンデス山脈を中心にいたしまして、世界的に多量なあらゆる鉱物資源があるように考えられる。そこで、日本から移民している農民の人たちの状況も、なかなか大へんでありまして、農産物を作っても、市場に売り出す道路がない。何十里、何百里と持っていかなければ、販売できる都市に持っていけないというような不便もある。あるいはアマゾンを中心にした方面にいたしましても、大森林がありまして、これを運び出すわけにいかないような状況であります。こういうような面からしまして、私はつくづく考えることは、もっと多角的な移民計画を立てなければ違うんじゃないか。たとえば農民を移民をする。その場合には、道路をつける、あるいは橋梁を作るというような技師も、相当連れていかなくちゃならない。あるいはそれに伴って道路ができれば、あのアマゾンを中心にいたしました日本人が移民している地方でも、驚くような山林資源もある。また鉱物資源も一緒にあるのであります。これはアメリカあたりがアマゾンに移住している状況を見ますと、そういうような技師をたくさん連れていっている。農産物を運び出す道を作り、それにつながっていろいろ鉱物を運び出す、森林資源の材木を運び出すというような技術者もたくさん連れていく、こういうことで、その予算面の心配もありますが、実はこれは私の非常に貧弱な体験ですが、どうも片手落ちで、農民を移住させればいいのだというようなことだけであって、ほかのことがみんなうとんぜられているという感じであるので、できることならば、五十万に近いところの移民があるのですから、これをもっとふやしていかなければならぬ。まして、日本の人口と領土の比例からいたしましても、あの受け入れ態勢を持つ南米に、もっと人間を移さなくちゃいけない。文化の交流ばかりじゃない、外交的な問題ばかりじゃない、日本の民族の将来ということを考えても、これは非常な重要なことであります。そういう点から考えて、私ども直感することは、こういった道路なり、橋梁なりを作る。たとえば、向こうへ移住している三世に専門的な教育をさせるような、一つの講習所みたいなものも作るべきだ。それからそれにつらなって、たとえば工業学校みたいなものでしょう。それに鉱物のいわゆる鉱山の研究もさせる。その学校には、また森林資源の研究もさせる、材木の研究もさせるといったような、講習所なり、学校なりを多数移民をしている土地に持っていかなくちゃならない。こういうようなことを私は直感をしておるのでございます。こういう点に対して、もう少し移民政策の根本を立て直していかなくちゃならないんじゃないか、私はそういうふうに考えておりまして、いささか愚見を申し上げたわけでございますが、一つこれに対して外務当局は、そういうようなことも考えているかどうか、御答弁願いたい。
○津島政府委員 ただいま荒舩委員から、植民に関しまして、あちらに実際おいでになりまして御痛感になったことなどを基礎としまして、非常に御高見があったのでありますが、全くその通りであると思うのであります。在来農業移民と申しますれば、とかく農業オンリーと申しましょうか、非常に単純な形の移民であったのでありますが、これが、今日におきましていろいろおもしろくない結果を生じたものと、私は思うのであります。 〔西村(力)委員長代理退席、委員長着席〕 従いまして、今後の移民におきましては、あらゆる面を網羅いたしました一つの社会を作る。そういう意味におきまして、ただいま荒舩委員がお話になりました道路の建設に当たるような、そういう技術の面、そればかりではなくして、いろいろ厚生の面、そういう面も取り扱う、言葉は適当であるかどうか知りませんが、一つの社会のセットを移していくというような気持で、相当広範であり、また大きな考え方の上に立つものでなければならない、かように考えておるような次第でございます。せっかく今後はそういう方向に日本の移民計画というものを導くべきものである、かように考える次第であります。
○久保委員 せっかく委員長から御高説がありましたのですが、なお政務次官からお話がありましたが、移民政策の転換というのは、確かに委員長お言葉の通りの様子がございましょう。しかし、それだけではないと思う。だから、政務次官で足りないという意味じゃなくて、外務大臣なり総理なりが来て、移民政策を明確にすべきだと思うのです。よって、委員長に、これはお願いでありますが、機会をとらえて総理等にこの席へ出席願って、移民政策についてもう少し明確な話もしたらどうか、こう思うのです。もちろん、当委員会は決算委員会でありますから、その性格からいって、どうこうということは言えませんが、私はそういうふうに要望したい。 そこでこの中で、今荒舩委員長がお話になった、農業移民オンリーから、技術移民に転換すべきだという傾向は一つある。しかし、それだけが転換の方策じゃなくて、もちろん、そういうふうないわゆる流れといいましょうか、流れは認めるが、最も大事なのは、今までの移民政策というか、そういうものに対する厳重な批判がなければ、とうてい成功しないし、かえって迷惑だと思うのです。これは先ほどもちょっと触れましたように、棄民思想をまず一掃するということ。ところが、棄民思想を一掃するということは、ものの考え方だけではいけない。これに裏づけするところの施策がなければならぬ。先ほど私がNHK報道班員の紀行記の中から抜き出した問題が、幾つかあります。この現実に口をおおって、技術移民に転換するのだということでは、私はだめだと思う。だから、そういうものをひっくるめてまず第一に反省してほしい。そういう政策を打ち出してほしいということを、それからもう一つは、今までもお話を申し上げた通り、官庁間におけるところのいわゆるなわ張り争い、といっては語弊があるが、この障壁を取り払うところの大きな政治力がなければ、残念ながら技術移民への転換は不可能である、こういうことです。というのは、今は農業移民が主であるから、いわゆる農林省と外務省の角逐だけで事が済んでおるのです。今度技術になれば、いわゆる建設もなるだろう。商工もあるだろう。科学技術もあるだろう。さらには原子力もあるだろう。こうなってきますと、大へんなことになります。これはハチの巣をつついたようになる。もうすでにそういう萌芽が出ておるのではなかろうかと思うのです。この芽をつみ取らぬ限りは、完全なものにはできないし、移住局長はどういう経歴をお持ちか知りませんけれども、まじめにこれをやっておられると思うのです。しかしながら、外務省全体は、残念ながら移住の方は片手間だ、といっては語弊があるが、なるほど局長さんはおられるが、力点は違うだろう。いわゆる外交方面である。だから、そこに業を煮やして農林省が出てきたのではなかろうかと、私は思うのであります。百姓のことはおれが専門だからおれにまかせろということで出てきた。ここにグワタパラの問題が一つあるわけです。だから、十分その点を反省して立て直しを考えない限りは、だめだと思う。いかがでしょう、政務次官。
○津島政府委員 全くお話の通りでございます。先ほども申し上げました通り、今後の移民というものは、単に農業オンリーというわけに参らぬのでございまして、だんだんにいろいろな面を取り入れて、そして一つの社会というものを作り上げるという考えに立ちます以上は、御指摘の通り、建設にももちろん関係があり、通産にも関係があり、さらにまた文部、厚生というような面にも関係が出て参ります。そうなりますと、勢いそれらのものの調和をとりまして、十分調整をしていくためには、何らかのまた新たな工夫が、政府においても必要なのではないであろうかというふうにも考えるのでありますが、非常に大きな問題でございますので、それぞれの方面におきまして、今後研究を重ねて参らなければならないことと思うのであります。
○荒舩委員長 久保君の御質問のうちで、五月中に解決するというような答弁もありましたので、一つさっき私が発言をいたしました通り、来週までに、こんな目安で解決がつくのだということを久保君に文書をもって御回答願うようにお願いしたい。 なお、これは政府全体の問題であり、外務省はもちろん、政府当局にも、この移民の根本政策を当委員会において発表せよというような御意見と承りましたが、時を得まして、そういうようなこともやり得るようにいたしたいと、委員長は考えております。 なおもう一つ、久保君の御質問、また御意見にありましたが、実はこれは私の主観でございますが、移民というものは、なるべく多数の人を移民させるというのが根本政策でありまして、そういう意味から、今まで農民を主体に移民さしておるのでございますが、その移住した農民の生活が楽になり、安定した生活が営めるようにするために、私愚見を申し上げた次第でありまして、実は他の技術者をうんと入れて、今の農民を主体の移民を減らすというような考えで申し上げたわけではないので、いささかその点を釈明しておきます。山田君。
○山田(長)委員 先ほどからの質問によりまして、農林省と外務当局との間におけるいろいろなセクショナリズムのために思わしくない移民政策がとられているということが、いろいろ論議されたと思うのでありますが、いろいろ伺いたいのでありますけれども、時間の関係等で一、二点だけ伺っておきたいと思います。 先ほど同僚久保委員からの質問にも、グワタパラの問題が出ましたが、アマゾン全域における各府県の土地の買収ですね。この買収の衝にあたったのは、このあっせんの労をとられているのは、役所としては農林省が主なのか、外務省が主なのか。この点実は不明確なんで、明らかにしておいてもらいたいと思います。
○高木政府委員 アマゾンにおきましては、日本側から土地を買った例はございませんで、現在では、ブラジル政府が作りました植民地に移住者は入れてあるわけであります。それからサンパウロあたりでは、個々の人が持っている土地に呼び寄せるというケースでございまして、それ以外は移住会社がそれぞれマットグロソ州のバルゼアアレグレ、それからサンパウロ州は、最近三つの小さい一千町歩以下のフンシアルールとかジャカレー、それからサン・アントニオ、この三つの土地を買いまして、これは今入植を始めつつあります。これだけでございます。この土地を買います場合には、移住会社が土地を買います。その場合には、各行連絡会——大蔵省、外務省、農林省、関係省が寄って買う買わぬを決定いたしまして、会社の申請に同意を与えるわけであります。
○山田(長)委員 国内の各府県が、国内の旅行にはあきたから、一番手っとり早い行き先は南米であるという考え方から、競って南米視察に出向いておる。これは事実だろうと思う。実はせっぱ詰まっておる問題を私は伺うのでありますが、栃木県の知事が先頭に立ちまして、昨年副知事が南米に行って見ております関係で、今度近く新たに知事が出向いて行って、土地の置収の衝に当たるという話を聞いたのですが、こういう問題は、農林省だけでなくて、外務省がこのあっせんその他の労をとっておるものなのかどうか、一応伺っておきたいと思います。
○高木政府委員 府県がやっておりますのは、サンパウロ州で、和歌山県が和歌山不動産という会社を作りまして、土地を買いまして、直営農場をやりまして、ここに入れております。 それからただいまおっしゃった栃木県は、アマゾンの第二トメヤス、これは第一トメヤスに日本人がコショウ栽培で成功しておるのです、それに十五名、州政府が無償で土地を三万町歩譲与したのであります。これをどういう形でやるか。会社が買ってその造成をして、自然のままでなくして、りっぱな植民地として造成した上で入れようかという話しがございますが、そこに見に行かれたのではないかと思いますが、こういう土地の売買ということは、外務省が直接やりません。土地を買います場合は、移住会社がやります。それから個人がやられるのを融資するということがあるわけでございます。移住会社がやります場合は、関係省が連絡会議を開きまして、どういう計画で、どういう営農収支で、どういう見込みが立つかということを見た上でやるわけであります。
○山田(長)委員 ブラジル丸で横浜を出帆する、二度私は最近南米に移住する人を送りました。そのときに受けた印象は、これらの人たちが行って——家族連れの移住者もありましたけれども、出かけていって、はたしてどの開拓事業に携わるか知らぬけれども、行った先でほとんど農奴のような形で、内地でいったならば日雇い労務者のような形で仕事をするのではないかという印象を私は受けたんです。ちょうど日本の政治のやり方の貧困さから、明治から大正にかけて朝鮮の人たちが日本に移住してきた。その移住してきた人たちが、いわば日本の人たちがいやがる仕事の古金買いをやるとか、あるいは生活の困窮から道路作りをやるとか、まるで日本の人たちからはうしろ指をさされるような困窮の生活の仕方をしておるのを目撃しておるわけですが、それと同じような形で、行ってから仕事に携わるのではないかという印象を受けたんですが、いろいろ帰られた人たちや、行っておる人たちの情報を耳にいたしますと、かなり困窮の生活をしておる人のあることを耳にいたしております。 そこで、二月に自費移民をする人が実はおったんです。自費移民をする人たちがどのくらいの金を持って行こうとしておるのか、とにかく二月に調べると、行けるということで、さっきの久保君の話とこれは同じですが、久保君の場合はかなり財産まで売り払って生活も困窮しておるというのですが、困窮の度合いはおのずから違いますが、青年が自費移民をしようというので、親の財産を分けてもらって、行ってから一応の生活をしようと思って、自動車の運転もし、オートバイの運転もし、中古品ならば無税で入るというようなことまで調べ上げて、実はそういうものまで用意して移民を待機しておる状態なんですが、どうしたのか、自費移民の人たちが二月以来移住をされずに、待ってくれということになっておるという話ですが、この点は一体喜ぶべき移民者に対する——行ってから一年や二年は、自分の生活がはっきりするまではあくせくせずに、自分は外交の衝に当たるような気持で行きたいのだというような希望を持った者が、二カ月も三カ月も遊んでおるというような状態になります、希望を失ってしまうと思う。こういう者こそ急いで移民させたらいいじゃないかと思うのですが、どういう事情で自費移民というものをおくらしておるのか、わかっておるならば、お知らせ願いたいと思う。
○高木政府委員 ちょっと具体的によくわからないのですが、自分が行きたいからといって、向こうにすっと行けるということはかなりむずかしいのであります。ブラジルの法律がありまして、自由移住と計画移住と二つにわかれております。自由移住の方は、移住制限法というのがありまして、三千名以内で雇用契約で行くわけであります。それから計画移住というのは、ブラジルの経済開発の計画に乗った移住であります。それで日本から行く場合は、計画移住と、今の自由移住で、向こうの呼び寄せ者と契約をして行く場合もあるわけであります。自分一人で向こうの計画にも乗らないで行きたい、あるいは金を持っているから行きたいというのは、ブラジル側としては移住としては認められないのであります。われわれから考えますと、ブラジルは広いからまだ幾らでも入れるのではないかという考え方になると思うのでありますが、ブラジル側とすれば、むしろ自分の経済開発に必要な限度において入れるんだ、その資格を持った人というようなことで制限しておるわけなんです。これは日本だけでなくて、各国に対して、自分の経済開発に協力する人、その計画に乗る人を入れるんだということでございます。 今の自由移住者というのはどういうのか、もう少し詳しく伺わないとわからないのですが、優秀な青年が、われわれブラジル政府の計画、あるいは現地の呼び寄せに乗って行くならば行けると思うのですが、そうでなくて、全然一人で行きたいという場合には、非常にむずかしいのであります。
○山田(長)委員 それはむろん計画に乗って移住して行くつもりだったと思うのです。同時に船の便まで連絡があったのですが、実は栃木県の者で私は依頼を受けたんですが。送別会を実はやってしまって宙に迷って、まだ行かないのか、まだ行かないのかといって、最近くさりかけているのです。
○高木政府委員 それはわかりました。それはアマゾンのタイアノというところの移住者でございまして、十家族ばかり行くことになっておって、これは今度行くことになりましたが、われわれといたしましては、先方の受け入れ施設が十分でなくて行くということはまた心配をするというので、念に念を押しまして、特にブラジルは今度政府がかわりましたので、ことにブラジル大統領は緊縮政策をとって、アマゾンに対する政策が十分に今まで通りやってくれるかどうかということを念を押させました。そうしましたら、初めはちょっと待ってくれということで、様子をもう少し確かめなければならぬということで二カ月くらい待たされまして、最近になってタイアノ全部準備ができておるからということの確報がありましたので、初めて出すことにいたしました。そういう点で、従来は、用意してあるのだから無理しても出せということで出したケースもあるのですが、そうしますと、また失敗をするものですから、慎重を期した次第であります。
○山田(長)委員 了解しました。
○荒舩委員長 本日はこの程度にとどめます。 明日は、厚生省所管について審査を行なうこととし、これにて散会いたします。 午後一時二十九分散会