決算委員会 第7号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/23
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和三十三年度決算外三件を議題とし、総理府所管中、科学技術庁関係について審査を進めます。 前金に引き続き質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。西村力弥君。
○西村(力)委員 前会はCP5型の原子炉の出力を一千キロワットまで引き上げる、それはどうしてやるのだ、危険はないか、こういうようなところで打ち切りになったわけなんですが、これは日本に責任が全部移っておるのでありまして、ここで重水の中に放射能が流れ込んだり、あるいは危険が発生した場合の責任というものは、全部自分の方になってしまうわけですが、一千キロまで上げるということについての確信はあるのかどうなのか。 それからもしひょっとして事故があって放射能が流れた場合に、その放射能を除去する費用やあるいは時日はどのくらいかかるのか。その点についてお答えを願いたい。
○井上説明員 ただいまの御質問の一千キロワットの出力でございますが、これにつきましては、原研におきまして慎重に検討いたしまして、一度に一千キロに上げるわけではございません。徐々に区切りをつけまして、安全性を確かめながら、出力を上昇するということになっております。従って、その間の安全性というものを十分に確認しながら行なうということになっております。 第二点の御質問の、もし放射能が出た場合にどうかということでございますが、この点につきましては、原子炉は、御承知のように十分安全性の装置はしてございますが、放射能を検出する装置は、全体で八個ついております。それで少し出ましても検出するように装置されてございます。従って、放射能が出るということになりますれば、その検出装置によりましてすぐわかるわけでございまして、炉はとめるわけでございますが、非常に多量のものが出て参りますと、自動的に炉は停止するようになっております。 第三点の質問の、もし大量に出た場合にどうなるのかという御質問でございますが、炉の垂水にもし少しでも放射能が出た場合には、それを除去する装置が別途ついてございますので、それで清掃できることになっておりますが、今大きな事故ということを想定した場合に、そういうような費用的な措置があるかという御質問に対しましては、現在のところ、大きな事故というものを想定いたしまして、これに見合ういわゆる除染費用というものは、予算的には計上いたしておりません。
○西村(力)委員 これは一挙に上げるのではないけれども、徐々に上げていくというのですが、私の聞いていることは、上げ得る確信があるのかどうなのかということです。 それから、重水の中に放射能が出た場合、それを自動的に除去する装置があるようなお話でしたが、一体そこに放射能が流れていれば、何か徹底的な清掃をやって、これを水洗しなければならぬという工合になるのではないか。そのときの費用見積もり、あるいはそれをやって完全に直してまた使うまでの時日、その時日はどのくらいかかるか、そういうことです。
○井上説明員 重水の中に放射能が出た場合に、どういうふうにしてその放射能をとるかと申しますと、重水はぐるぐる炉の中に入って、しかもそれは一たん外に出て——外といってもパイプの中でありますけれども、パイプ・ラインの中にイオン交換樹脂というのがございまして、その中できれいになるという装置でございます。従って、そういう意味においては、もし漏洩がありまして放射能が出た場合には、自動的に除去できる装置になっているわけでございまして、現存のところ、どのくらい費用がかかるかと申しますれば、放射能の出方にもよりますけれども、現在考えられている範囲では、イオン交換樹脂をある期間使いまして、それで取りかえるというだけの費用になりまして、大きな費用にはならぬと考えております。 その場合にどれくらい時間がかかるかという御質問でございますが、その点につきましては、運転中にもそのイオン交換樹脂を通りますので、現在の段階では、冠水の中の放射能をとるというには、たくさんの時間をとらないというふうに考えております。
○西村(力)委員 大した金じゃない、たくさんの時間はかからないというばくたるお話ですが、おおよそのところはどんな工合ですか。何とかを取りかえるというのが、言葉がはっきりしませんのでわかりませんが、重水そのものは捨てる必要はないのですか。今おっしゃることが明瞭じゃないのですが……。
○井上説明員 今申し上げましたのは、イオン交換樹脂という放射能を吸着する性能を持つ樹脂でございます。そういうものがパイプ・ラインの中にございまして、それで放射能を除去するという機能を持つわけでございます。重水は捨てることにはなりません。 今の費用の問題でございますが、これは現在のところは、少なくとも相当期間イオン交換樹脂は使えると考えておりますので、費用の点は十分見積もられておりません。
○西村(力)委員 ところで一メガワットにかりに上がる、だんだんとならして持っていけば上げることは可能だ、こういうことにしまして、この炉を建設した研究目的は、一体そういうことによって達せられるのかどうか。
○井上説明員 こういう今の研究炉の実験のやり方でございますが、この炉を設置するときには、高出力でございますので、専門的にわたって恐縮でございますが、中に生じます高速中性子を取り出して実験することとか、あるいは材料を中に挿入いたしまして照射試験というものをやるという目的で作られておりますが、こういうふうな実験炉は、外国におきましても、臨界から規定の出力まで相当時間がかかっております。たとえばイタリアのイスプラ一号という同じようなCP5の型がございます。その炉は五千キロワットの出力の研究炉でございますが、これを臨界から五千キロワットまでに上げるのに約一年一カ月かかっております。こういうふうに非常に時間をかけて最大出力まで持っていくというのが常道でございまして、原研におきましても、この炉を当初から最高出力で運転するという計画はございません。臨界から一万キロに上げるまでには、少なくとも一年半とか、場合によったら二年というようなことを考えて実験を進めておるわけでございまして、今の千キロで目的を達したかという御質問に対しましては、研究計画におきましては、そういう計画で十分目的は達成されるということになっております。
○西村(力)委員 千キロワット、一メガワットまで上げれば目的が達せられるならば、なぜ一万キロワット、十メガワット出るものを要求したのか、必要としたのか。一万キロワットの出力のものを求めた限りは、その最高限の出力下においての研究、実験、当然こういうものを目的としてやったと思うのです。今おっしゃるようなことで、千キロワットまで上げればもう研究の目的は達した、研究は十分行ない得るということになれば、何も他社が良心的に五千キロワット以上はだめだというのを、一万キロワットにわざわざ引き上げて、そして経験も不足なAMFというものに注文する必要はないじゃないですか。それを無理をして一万キロワットのものを注文する限りは、その一万キロワットで研究したいという意欲がある、目的がある、こういうことにならなければ話が通じないじゃないですか。そこはどうなんです。
○杠政府委員 お答えいたします。 ただいま井上説明員から御説明申し上げましたのは、研究計画におきまして——第一期の研究計画でございます。第一期の研究計画は、当初から一メガワット出すことにありましたので、その研究計画に関する限りにおいては支障はないということをお答え申し上げましたので、その後、一万キロワットまではどうしても出して研究したいという意欲は十分にございます。それは少なくとも年月をかしていただきたい、こういうことでございます。
○西村(力)委員 年月をかすのもいいですけれども、一万キロワットに上がるのですかね。千キロさえもあやふやではないですか。それでも危険だという一つの想定があるのですからね。ですから、時日をかすのはけっこうですが、上がるかどうかわからぬのに、時日をかしてくれといってもどうにもならぬではないですか。そもそもこの一万キロワットの炉を購入して、第二号炉を建設して研究をやろうというその前提には、研究目標というのがあるはずだと思う。そのとき立てられた研究目標は何であるか。それを一つ具体的に羅列してみていただきたいと思います。
○杠政府委員 実はその点に関しましては、何しろこの炉を契約しましたおりが三十一年でございますから、日本におけるいわば原子力の草創時代でございまして、まだ第一期までの研究計画しか具体的には立て得ない。ただ一万キロワットというのは、将来その炉を千キロだけで実験するというのは、いわばそういう容量のものをたくさん作らなければならぬ——作っていって合わせてみても一万キロワットの実験というものはできませんから、そこで一万キロワットを購入するということにきまったわけでございますが、具体的な研究計画は、当時においては進んでおりませんでしたので、第一期の計画を立てたということでございます。
○西村(力)委員 ますますぼくらとしては納得できないのです。何も具体的な研究計画を持たないで、こんな原子炉——一万キロワットなんという世界じゅうにないものを作ってみても、それはそういう楽しみにやってみようというようなものです。一万キロをやってみようという、ただそんなような気持でやっておるように聞こえてならないのです。この炉を買う前には、当然一番前提となるのは、この炉で何を研究するか、研究計画はどういう工合に策定して、最終的にはどういう成果を求めるのだ、こういうものがないというのは、ぼくはおかしいと思う。そんなことで国の費用というものを支出されては大へんではないですか。それでは、好奇心で一万キロできるかできないかやってみましょうという工合にやってしまったというふうに聞こえるのです。
○井上説明員 今の研究はどういうふうなものをやるかという目標の問題でございますが、原子炉を使う場合に、特にこういうものは高出力の研究炉を使う場合の話でございますが、大きく分けて二つの目的がございます。一つは非常に簡単に実験のできるもの、たとえばアイソトープを作る。これは装置としては、空気で送り込み、空気で送り出す、そういうような装置がございます。そのほかにもう一つは大装置を設備しなければならぬものがございます。それは今申し上げました高速中性子を取り出して実験するというものと、それから材料及び燃料を今後開発していく場合に照射をする、この実験でございます。前者につきましてはファースト・チョッパーを装置いたします。後者につきましてはループを装置いたします。これにつきましては、現在建設中でございまして、おそくとも全体としては三十六年、三十七年——多くのものは三十六年にでき上がりますが、そういうふうにできていまして、実験といたしましては、千キロの場合でも、五千キロの場合でも、八千キロの場合でも、いろいろ出力に応じて実験できるような装置が設備されています。従って、研究計画を立てていく場合に、一ぺんに何もかも一緒にできるわけじゃございません。秩序を追って実験を進めていくわけでございまして、ただいま私が研究計画上第一期の計画として千キロは十分やれるんだということを申し上げたのは、そういう意味の研究計画を順次遂行していく上のステップを申し上げたわけでございまして、一万キロの出力で、終始ずっと千キロをやっていくという意味ではございませんので、その点は御了承願いたいと思います。 さらに、この炉の特性試験というものを現在行なってきていますが、この面から見まして、一万キロの出力は出るということにつきましては、先ごろ開かれました原子力学会の総合発表会でも原研の神原氏から発表されていますが、そういうふうないわゆる物理的な観点から見た炉の研究というものもございまして、あわせて現存進行中でございます。
○西村(力)委員 今の研究目標は、普遍的な一般的な原子炉の研究目的のように聞こえるわけです。一つ一つお伺いしますが、アイソトープの生産というのは、一万キロワットを要しますか。
○井上説明員 アイソトープの作り方でございますが、アイソトープも非常に種類がございまして、半減期の短いもの、たとえばナトリウム24とかあるいは金のようなものは、現在一万キロの出力の炉を要しません。しかし、御承知のようにウォーター・ボイラーでも実際試験をいたしておりますが、一万キロの出力を持つ炉が正常に運転されれば、ある程度中性子密度が高うございますから、早くできるという特徴はございますが、必ずしも十の十四乗のニュートロンが出るものを必要とはいたしません。しかし、今の私が申し上げましたそういう装置がついているということにつきましては、そういうふうな短寿命のアイソトープを作り得るということでございます。
○西村(力)委員 中性子の十の十四乗は、これは一万キロワットなんということと関係なく出し得るということになるのですか。それは、一万キロワットのものでないと、それだけの、十の十四乗というものは求め得ない、こういうことになるのですか。
○井上説明員 出力と中性子密度の関係は、必ずしも直接的な関係はないと申し上げても差しつかえないのであります。しかし、出力が上がれば中性子密度も上がるというのが常道でございまして、しかも、この炉は、今申し上げましたような材料試験も将来やるというところで、十の十四乗というものを目標にしておるわけでございますが、今までの特性試験の結果から推定いたしますと、十の十四乗オーダーのものは出し得るだろうというふうに計算の上で推定しておるわけでございまして、熱中性子の問題は、出力とは関係はございますが、必ずしも二万キロというのが必要だというふうにはすぐには結びつかないわけであります。
○西村(力)委員 とにかく第一号炉の経験を経て第二号炉に進んだということは、第一号炉で研究し得ない分野、そういうものを新しく開拓しようという意図を持っておるに違いないと思うのですが、アイソトープの生産ということは、早くできるかおそくできるか、これは、量産段階でも何でもないのですから、大したウエートは占めていないと思います。そうすると、一万キロなくても、アイソトープの生産はできる。十の十四乗は、一万キロワットなければできないわけではない。材料試験ということになると、これは出力の程度によっていろいろの試験ができるだろうから、一万キロワットまで上がれば、またそれに応じた研究ができる、こういうことになるんだろうと思うのです。そうしますと、材料試験ということの程度を高めるために一万キロワットを要求したんだ、こういう工合になるように聞こえるのですが、僕らわからぬことですが、千キロワットのときの材料試験と一万キロワットのときの材料試験と、これはどういう違いを求めていくようになるんだろうか。材料試験はどういう材料を試験するのかということですね。これは学校の講義を聞くような工合で、この委員会では適当じゃないですけれども、少しお話し願いたい。
○井上説明員 材料試験の問題は、国内においても前々から非常に活発に研究されています。しかし、原子炉に使う場合は、必ず原子炉の中へ入れて中性子を当ててみなければいけない、こういうことが絶対条件であります。諸外国においては、この点につきましては非常に金を使っておるわけでございますが、日本でも原子炉の研究開発を進めていく上においては材料試験をする必要があるというのは、前々から願望がございまして、その現われとしてCP5も出てきたといえるわけでございますが、今の千キロワットの場合と、たとえば一万キロワットの場合の材料試験の違いでございますが、これは一口に申し上げますと、中性子の密度に全部関係いたします。中性子の密度が少ないと、非常に長時間かかる。たとえば一年とか一年半とかいうような時間がかかる。しかし、今申し上げましたように十の十三乗とか十の十四乗というオーダーまで出力を上げていきますと、六カ月、物によっては三カ月で終わる。例を申し上げますと、今建設しています国一炉で、天然ウランを燃料にいたすわけでございますが、この場合にいろいろの種類の燃料が考えられるわけでございますが、天然ウランを国産化した場合に、それが炉内でどういうふうな性状を持つかということが一番の問題にたるわけでございます。炉外の試験が全部パスいたしましても、炉内の試験がパスしなければ実際に使えないということでございますので、この試験につきましては、最初は小さい試験からだんだん実物大にまでの試験をしていくわけでございますが、その場合の時間的なことをいいますと、千キロワットでは相当時間がかかります。従って、材料試験としての性能は低下するわけでございますが、少なくとも五千キロワットとか七千キロワットで運転して材料試験をすれば、相当短い時間に成果が得られるということになります。天然ウラン以外に、たとえばジルカロイの材料試験とか、あるいは現在使われておるようなアルミニウムの材料にいたしましても、非常に種類がございますので、その点につきまして十分検討を進めていくというのが一つのねらいになるわけでございます。
○西村(力)委員 今のお話ですと、中性子の密度、それに当てて実験をするんだ。密度は、十の十四乗は一万キロワットなくても出せるという先ほどのお話ですが、そうしますと、やはり一万キロワットというものは、何も絶対的な条件じゃない、こういう工合いになるのじゃないですか。そうしますと、アイソトープの生産にしましても、材料試験にしましても、一万キロワットの出力がなければ所期の目的が達せられないという理由はもうなくなってきておるのじゃないか、こう私たちは受け取るのですがね。一万キロなければこれの研究はどうしてもできないのだという、何か絶対的な条件があるのですか。
○井上説明員 その一万キロというのは、原子炉の計画出力でございまして、これは各国の研究炉におきましても、必ずしもその定格というものが——たとえば普通のモーターの百馬力というような定格と非常に性質が違うのでございます。たとえばアルゴンヌにございます同じCP5のものでございますが、これは計画は五千キロでございますけれども、実際動かしておるのは二千キロワットで動かしております。こういう状況で、設計の一つのスタンダードとして一万キロの容量というものを目標にして設計いたしますが、実際の運転につきましては、必ずしもその一万キロが達成しなければほかの実験はできないのだということではございません。そのグレード、グレードに応じまして実験を進めていくわけでございまして、いわゆる普通の機器の定格出力というものとニュアンスは違うわけでございます。
○西村(力)委員 そうしますと、何も無理をして一万キロワットの出力を求める必要もなかったという工合に私たちは思われるのです。それは世界に先んじて二〇%の濃縮ウランで二万キロを出し得るし、その未知の分野を開くということはあり得るでしょうけれども、しかし、原子力においてはまだ初歩的な段階にある日本において、今ほんとうに初歩的な研究をしておる段階においては、そういうような野望を持つよりも、確実な点において研究の目的さえ達すれば、それで可としなければならぬ。そうしますと、二万キロワットを要求したということは、少し好みに走り過ぎたのではないか、こういう工合に思われてならないわけなんです。 それで研究の目的は今お話がありましたが、さてこのCP5型を入れて、ずっと出力を上げて実験を重ねていくわけですが、これのスケジュール、プランというのがあったと思うのですが、当初の順序を追っての計画は、いつ入れて、いつ臨界に達して、いつからやるという研究計画は、どういう工合になっておるか。
○井上説明員 原研におきましては、この研究計画につきまして慎重に検討しておるのでございますが、今のお話の当初の計画はどうかということにつまして、簡単に概要を申し上げますと、臨界に達しましてから約一年間、千キロワットの運転をして炉の特性をさらに見きわめ、それに見合う実験をするということが第一期でございます。第二期といたしましては、その燃料は約一年で燃え切りますから、第二次の装荷をいたしまして、五千キロ程度にする。これが約六カ月程度と考えておったのでございます。それから第三次の装荷をいたしまして、一万キロに出力を上げて実験を進めていく。従って、総計一年半ないし二年の間に実験を進めながら、一万キロの出力で目的を達するような実験計画になっておるわけでございます。
○西村(力)委員 臨界に達したあとの計画は今のような計画でありますが、その前だって、計画は三十一年の何月かに生まれたのですから、いつ入って、いつ据付を終わってというような計画があったと思うのですが、それはどうなんですか。
○井上説明員 契約年から申し上げますと、炉の完成が契約発効日から十七カ月ということになっておりますので、三十三年の四月十四日にはでき上がることになっております。途中設計変更がございまして三カ月延長しておりますから、その間の事情を加味すれば、三十三年七月十四日には完了するという予定になっておったわけであります。実際は三十四年十二月二十五日に据付完了ということになっておりますので、その間十七カ月遅延したということになっております。
○西村(力)委員 大体三十三年七月に据付を完了していくということになっているのに、十七カ月の遅延というのですが、もう少し遅延したようにも思うのです。それはともかくとして、二年近くも遅延したということで、原子力開発の計画というものにどれほどのそごを来たしたか、そういうことについては、ずっと研究計画を持っていらっしゃるだろうから、大体のことは計算されておると思うのですが、これはどういうことでしょうか。
○杠政府委員 遅延いたしたがゆえにどれだけ研究計画に支障を来たしたかということにつきましては、ただ期間的におくれたという以外にこれをはかりようがない。従いまして、計算のしようがございませんから、その計算の結果をここで申し上げるということはできかねるわけでございます。
○西村(力)委員 そうすると、計算できないから、大体影響ないというのか。これは金銭の損失以上に大きい損失があると思う。これだけ二年間もいろいろな手違いから研究計画をあとに送ったとあれば、これは金銭的な損失以上に莫大な損失があると僕は思うのです。そういう認識がはっきりしないと、この問題はちょっと困るのじゃないかと思う。現に金銭的にも相当の損失があるけれども、それ以上に研究計画がそごを来たして、それが二年もあと送りになったということは、重大だと思うのです。そういう何というか、事態に対する認識というものはないのですか。
○杠政府委員 その点につきましては、前国会におきます当院の特別委員会におきまして、私からつつしんでおおわび申し上げております。おわび申し上げるよりほかは手はないということでございます。だから、十分に認識をいたしております。ですから、あとは大いにその分を取り返すべく馬力をかけさせたい。私の方ではなく、日本原子力研究所の方でございますが、監督官庁として馬力をかけさせたいと存じます。
○西村(力)委員 あなたはおわびしたというのですが、おわびするということは、日本人の通例ですからなんですけれども、しかし、おわびをするには、こういう工合に出力が思うように出ない、そしてまた時間的にも二年の空白をもたらした、その原因はどこにあるか、これはやはり徹底的に追及して、はっきりと見きわめて、それでおわびするのでないとうまくない。それの理由について、どことどこどこをあなた方は指摘しておるのか。こういうそごを来たして、金銭的にももちろんありますが、研究計画を二年もあと送りに送ったということは、重大な損失であります。このよって来たる原因は、繰り返して言うようですが、これについてどう分析把握せられておるか。それをはっきりここに示してもらいたい。そうすれば、おわびしたということも誠心誠意のものであるというように受け取るのですが、言葉だけではどうにもならぬと私は思うのです。
○松本政府委員 ただいま御質問のCP5が予定よりも非常におくれたということは、私もまだ日が浅いので十分な勉強は足りませんが、事が事だけに、その後詳細に調査をいたし、また、現地の原子炉も見まして検討いたしたのですが、いわゆる日本の原子力研究所とAMFアトミックス会社との契約でございます。実はこの契約をしさいに検討いたしましたところ、日本で行なわれておる政府と民間会社との契約、その他の契約とは、だいぶ内容が違う点があります。どういうふうにどこが違うかと申しますと、問題は完成とか竣工の期限の問題です。要するに、契約の締結は三十一年の十一月十五日に相なっております。そうしましてこれがいつ完成するかということになりますと、この契約の第六条のD項に、こういうことが実は書いてあります。本契約は、効力の発生の日より——三十一年の十一月十五日、これが効力発生日でございますが、この日より「十七カ月と予定される据付の完成後」こういう字が使ってあります。ですから、この十七カ月と申しますことは、十七カ月で据付完成が予定されるという字句が使ってありまして、据付を完成するという字はございませんので、予定という字が使ってあります。こういう予定というような契約期限の字句というものは、日本にはございません。一体どこにあるかといえば、アメリカのニューヨーク州法にございます。なぜそうなんだというと、皆さんも御承知のように、お互いにアメリカに行って契約の問題を調べてみますと、向こうは一応期限の目標を置いたら、その目標期限には良心的に誠意をもって履行するということが常識になっています。それでかたい期限をつけるということをこちらから申すと——当時もそうらしかったのですが、日本の原子力研究所からは、もう少し明確な期限を付してくれと言ったようです。そうしたら、AMFの方は、それなら明確な期限を付しましょうが、そのかわり少しでも早くできたら、いわゆるボーナス契約をしてくれ、賞与をくれ。そういうことがあるかといえば、向こうではそういうことになっておるようです。早くできたら、でき工合によっては賞与を出す。そのかわりおくれたら過怠金を出す。日本の会計法ではそれがございませんので、早くできたら賞与を出すというわけにいかぬしということで、アメリカの州法による契約、こうなりましたのです。従って、この契約条文には、アメリカの州法によるということが明文化されております。そこで問題の期限ということがだんだんおくれた。そこで、それほどのアメリカなら、なぜおくらしたのだということを調べてみますと、結局こういう手違いがあった。すなわち機械を梱包して、横浜に着いた。ところが、この機械を一々横浜で点検したところ、つらいことには、熱交換機という相当大きな機械で、トン数にしますと二トンもあるような大きな機械が、どこか多少きずがある。こういうきずのあるものは困るということで、受け取りがたいということになりましたところ、先方に照会したら、AMFの方からは、そんなきずはないはずだ、こう言う。あるものはあるじゃないか、こう言ったところ、そうか、それなら調べに行こうというので、やっとやってきた。それで、文書の交換だけでも少なくとも二カ月や三カ月はかかる。やってくればもう三カ月かかる。そこで向こうは、ごもっともだから、それじゃ引き取りましょう、いいのと取りかえましょうというので、ともかく二トンもあるものをまた梱包してニューヨークヘ送った。今度新しいものを送ってきた。これだけで少なくとも六カ月や八カ月は経過しただろうと思うのです。ほかにも部分品で多少悪いものがある。これはAMF会社の責任なのか、それとも輸送中の事故ではないか、こういうことも考えられるわけです。何分機械ものですから。そこで輸送中の事故とするならば、その責任はだれが持つのか。そうすると、この受け渡し場所が問題になる。場所が向こう渡しになっている。ニューヨークの工場渡しになっている。そこで輸送中の事故になるのか、あるいはほんとうに向こうにきずがあって取りかえたのか、そこらが問題でして、何分遠方のことですから、それではちょっと行って調査せよといったところで、なかなか調査できるものではないということで、結論は完全なものと取りかえてやっと据付を終わった、それがおくれた、こういうわけでございます。それで、この損害云々の問題等もありますが、それなら損害は、そういった場合に一体こちらはAMFに要求したものかどうかということになる。そうすると、要求したということになれば、AMFに要求してそのものをどこで裁判するかということになりますと、パリの国際商業会議所の調停及び仲裁規則に従い決定する。今度はヨーロッパへ行かなければならぬ。それでは何年かかるかわからぬ。 それといま一つは、据付は終わったが、さあ予定の出力が出ない。これはどうしたことかというと、問題のいわゆるウランにある。ウランは一体どこだ、こういうことになると、AMFがここがよかろうといって並べた製造会社があります。その中で特によかろうといったのがM&C燃料会社であります。そこでこのウランを持ってきたわけであります。このウランで実験にかかったところ、どっこいそのウランは、AMFの会社としては、炉の製造会社としては、これについては感心しない。石炭でいえば何とはなしに不良炭のような気がする。だからこれはいかぬ。いや、そんなはずはないのだ。AMFの設計に基づいて作ったウランじゃないか。どこが悪いのだ。いやあぶない、あぶなくないというようなことで、結局技術者たちはみな危険なものだけに慎重に考えて、だんだんとあれやこれや協議の上でぼつぼつと実験にかかろうということになっております。大体来月末には一千キロは出るというようなことも言っておりますので、どうもこういうことになりますと、話はもう五年も前のことですし、非常にむずかしゅうございますが、その点御了承をいただきたいと思います。
○西村(力)委員 次官の老練な御答弁ですが、要するに、契約の不備というものを一つ認められた。これはこの前も局長がそうおっしゃって、今度の契約はそれを改めている、こうおっしゃったわけです。それで資料として、前の契約と今度の契約との不備を是正した個所だけでもけっこうですが、それをずっと出していただきたい。 それで、契約書が不備だということだけで原因をしぼられようとしておりますが、一体原研の、また科学技術庁の要求というのは、やはり過大ではなかったか、必要以上に高性能のものを求め過ぎたのではないか、こういう点の一つのそごというものはないものか。先ほどからずっとお尋ねしたことによりますると、研究の目的は、一万キロワットまで出力を上げなければ絶対にだめだという、絶対的なものではないんだ、こういうようなお話でありましたし、やはり過大に望み過ぎたんじゃないかということが一つあるんですが、その点はどうでしょう。
○松本政府委員 ただいま西村さんのお尋ねのような点も私ども気づきましたので、調査のとき、少しくこれは欲ばり過ぎやせなんだかと言うたんですが、計画出力でありますから、一万キロといっても、一万キロフルに出るのはずっと先になりましょう。五百キロから千キロ、あるいは三千キロと順を追うていきます。ですから、計画出力であるだけに、まあ大きいのを計画しておいて——千キロのを計画すれば、三百か五百しか出ぬ。五百キロを作れば、またそれ以下だ。どうせ金のない日本のことだから、急いでおくれを取り戻すんですから、まあ一万キロくらいにして、ぼつぼついったら、むだがなくなっていいだろう、こういうことでして、これはよけいなようですが、第三号炉も、やはり一万キロで国産炉として今建設をいたしております。そういう次第でございます。
○西村(力)委員 今科学技術庁の話をしているんだが、山かけの話ばかりやられてはかなわぬ。一万キロやれば、大体千、二千が出るんだ。科学技術とはそんなものですかね。それは一万キロワット要望して五千しか出ないけれども、値段が同じだからかまやしない、そういうのならいいけれども、一万キロ出力を要求すれば、それだけ値段はかさむんですから、山をかけて六掛、七掛くらいに出れば上の部だというような工合では、ちょっと困るじゃないかと思うんですが、どうでしょう。
○松本政府委員 そういう山かけの話じゃございませんで、大体予定は三月末千キロ出ます。それで一年くらいのうちには三千キロ、あと六カ月くらいのうちにはフルに一万キロ出るという計画です。ですから、予定通りですね、これも予定ですが、出れば、これで一応よかろうということになりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
○西村(力)委員 局長にお伺いしますが、現状の千キロに上げる際も、なかなか心配だ。今次官がよろしくとおっしゃったように、一万まで、時期さえ待てば、時がくれば必ず上がるのだから心配するな、こういう工合にあなたもおっしゃいますか。
○杠政府委員 私の方では、現在理論的計算をされた——実際やってみているのじゃないですから、理論ですが、理論的計算によりますと、一万キロは出るというような結論になっております。理論的計算はそういうことになっておりますが、前回にもお答えいたしましたように、検査のサービスでAMFがM&Cとやりました実験の結果、インクルージョンがあるから、そのインクルージョンによってあるいは工合が悪いかもしれぬということをAMF側が言っております。M&Cは、そんなことはないと言って論争になっておるということは、西村委員が御指摘なさった通りでございます。それでそういうことがあるからは、安全サイドで運転しよう。それこそ、一万キロだから無理しても一万キロ出さなければならぬということはやめましょう。現在の燃料である限りにおいて、やめましょう。安全サイドをとりましょう。そして先ほどから御質問になっておりますように、多少とも放射能が重水の中に出る——出ても従来員には害がないということは、前回御回答申し上げたのでありますが、よしんば従業員には害はないにしても、重水が汚染されることによってやはり研究に支障を来たす、そういうことがあっては困るから、そういうことのないようにしよう。この際無理はすまいということでございます。従いまして、将来やはり一万キロワットの実験はしたい、こういう考えでおります。
○西村(力)委員 将来一万キロまで上げるというのですが、今の燃料で、そうして時日をかせば、一万キロに上げられる、だから、つべこべ今ここで決算委員会などで問題にするのは不適当である、こういう工合にあなたの方ではおっしゃるのですか。
○杠政府委員 決してこの決算委員会において現在議題とされたことが不適当であるとか、そういう考えは毛頭持っておりません。やはり新聞その他で報道されております事柄だけに、いかなる場所におきましても、十分に御審議をいただきたい、われわれはそう考えております。従いまして、私の方は、理論計算をすれば現在も一万キロワット出るということになるのだが、しかしながら、やはり日本においては、御承知の通りに、原子力におきましては、残念ながら広島、長崎等原爆と結びついての観念が国民の中にまだごさいますので、私たちは、あくまでも原子力の基本法に基づきまして、平和利用だけを考えるのでございますけれども、もしもの事故が起こった場合に非常に原子力の将来について暗影を投ずるのではないか、それをおそれますから、当初の研究計画通りに、一千キロを今回の燃料においてやっていくならば、まず十分ではなかろうかということでございます。
○西村(力)委員 臨界に達するまで、計算上、理論上、八木の燃料をぶち込めばできる。それが実際やってみて、かけてやってみたけれども、だれも当たらない。十五本入れてやっと臨界に達した、こういうことです。ですから、理論上一万キロワットに上げ得るのだというようなことは、臨界に達せしめるそのときからくずれているのではないか。そういうことですから、やはり理論上は上げ得るのだということを固守せられることは、捨てなければならぬじゃないか、こう私は思う。だから、そういう点から言うて、結局二〇%の濃縮ウランで一万キロワットを希望したというようなことは、これはどこでもやっていなかったことを日本でやろうとしたことで、欲ばり過ぎた、希望が大き過ぎた、こういう工合に考えていかなければならぬじゃないか、こう思うのです。しかも、欲ばっても何でも、それでなければこういう研究ができないのだという絶対的な事情があるのなら、やむを得ないかもしれませんが、そういうことがなくて一万キロを所望した、そうして過大に過ぎた、こういうところが、やはりはっきり出ていると考えなければならないのではないかと思うのです。 それからその次に、AMFに落札した、それに仕事を請け負わしたというところに、やはり甘かった点はなかったのか。これはどうでしょう。
○杠政府委員 前回も御質問によってお答え申し上げました通りに、当時AMFだけではなくて、ほか三社応札するところがございました。その応札社につきまして、それぞれAMFを含めましてアメリカの方の信用調査も十分にいたしました。前会にもお答えしましたように、当時において、AMFはスイミング・プール型について経験を持っている。従いまして、CP5型については初めてでございましても、十分であるだろうという認定に立ちまして、一番低い価格で入札し、しかも、日本の請負業者を使う。ほかの方は使わない。三社は使わない。日本の請負業者を使うということは、原子力事業におきましては、日本の請負業者にもうけ仕事をさせるということではなしに、まだ当事初期の時代でございますから、大いに勉強してもらう、物を作り上げる上において勉強してもらう、そういう便宜を与えられるということがございますので、AMFに落としたというような関係でございます。
○西村(力)委員 それは日本の業者に勉強してもらうということも大へんけっこうなことであろうと思うのですけれども、それはあくまでも二次的なものじゃないか、こう私は思うのです。やはり完全な炉が作られて、心配なく科学者の先生方がそれで勉強される。だから、炉がこちらの希望通り満足に出てくるということが一番なのです。そうじゃないかと私は思うのです。今の件について、AMFが十分な能力があると判定したということでありまするが、しかし、この前も問題になりました通り、あくまで機械の専門業者で、CP5型の研究はまだ全然ないのです。スイミング型とか何とか、それをやったことはあるけれども、本職はたばこ機械会社だ。そういうものがあとから飛び出してきて、安い、期間が早い、あるいは日本に請け負わせる、そんなような好ましい条件はあるけれども、それにまどわされて、AMFの能力そのものの判定を誤ったところに、やはり一つの原因があるのではないかと思う。この件については、AMFでなく、もっと確実性のある会社に発注すべきであるという工合に意見を出したような人はありませんか。
○杠政府委員 その当時原子力委員をしておられました藤岡由夫博士、現在埼玉大学の学長であられますし、原子力委員会の参与であられますところの藤岡博士が、アメリカの方から手紙をよこしまして、AMFは適当でないのではなかろうかというようなことは言ってきた事実はございます。その事実はございますが、それを取り上げる論拠、なぜAMFはいけないのだ、その論拠については何ら示されておりませんでしたので、原子力委員会といたしましては取り上げなかったということであります。
○西村(力)委員 藤岡さんは、原子力委員をなさっていらっしゃったし、しかも、現地アメリカに行って、有力なる向こうの原子力関係の学者に意見をただして、その結果そういうことをこちらに申し込んできたわけなのですから、その意見はやはり相当尊重されなければならないものであると私は思うのです。そういう工合に、せっかく大事なところに意見が出て参りましたものも取り上げない。 〔委員長退席、三和委員長代理着 席〕 この原子炉の問題については、そのほかにもそういうことがあるのではないか。たとえば契約書を作る場合には、この契約書はまことに疎漏なものであるから、ここはこうすべきであるというふうな工合に、意見なんかはなかったものか。この契約書をまるまるのむというのでは、日本の原子力の研究にタッチする人はもちろん、あるいは民法上の契約を専門に扱う人から見ましても、この契約書の不備はだれが見てもわかるだろうと思いますので、そういうときには、多分それぞれのまじめな意見というものは出ておったのではないかと私は思うのです。そういう意見はなかったのですか。
○杠政府委員 当時の契約の主体者は、現在もそうでございますが、日本原子力研究所でございまして、私の方の原子力局は監督官庁の立場でございますので、契約の主体ではございません。従いまして、契約の内容にわたったそういうような意見等があったということは、残念ながら承知しておりません。
○勝澤委員 関連して。CP5型をきめた責任者は一体だれなんですか。
○杠政府委員 CP5型をきめられた責任者と申しますと、前会で申し上げました通り、原子力準備調査会というのが内閣にございまして、その原子力準備調査会においてウォーター・ボイラー型を第一号として入れ、第二号炉としてCP5をアメリカから入れるというふうに決定されておりまして、それを閣議で確認したということでございます。しかしながら、そういう手続は踏んでございますが、やはり契約の主体として取り上げたということになりますと、日本原子力研究所の理事長ということに相なろうかと思います。
○勝澤委員 原子力準備調査会のメンバーをちょっと言って下さい。
○杠政府委員 原子力準備調査会の構成メンバーを申し上げますと、原子力準備調査会は、昭和二十九年五月に発足いたしておりまして、会長は緒方副総理、しかしながら、緒方副総理は三十年の一月十七日以降におきましては重光葵……。
○勝澤委員 CP5をきめたときのメンバーでいいのです。
○杠政府委員 それは会長は重光葵さん、副会長は高碕達之助さん、委員は一萬田尚登さん、同じく委員は安藤正純さん、同じく委員として石橋湛山さん、同じく委員として石川一郎さん、同じく委員として茅誠司さん、現在東大の総長をしておられます。同じく委員として藤岡由夫博士ということに相なっております。
○勝澤委員 大へん失礼なことですけれども、このメンバーで原子力のわかる人はだれですか。
○杠政府委員 おそらくは、当時は私のところの長官の言をもってすれば神代の時代というような、原子力の草分けの時代でございますから、その意味においては、日本にはおそらく原子力の権威者という人は、今日の知識をもってすれば、なかったとさえも思われるのでございますが、しいてあげますならば、やはり茅誠司博士とか、あるいは藤岡由夫博士というような方たちであると思うわけであります。
○勝澤委員 神代の時代といっても、今言いましたように、二人の方は一応原子力というものについて承知しておる。しかし、それでもなおかつ心配だから、藤岡さんの場合においては、アメリカからこれこれこうだからCP5型については考慮した方がいいということが言われておる。一体、なぜこれがこの中で考えられなかったのですか。その辺はどうなんですか、局長、だいぶ因るのでしょうけれども。
○杠政府委員 残念ながら、私も昨年の六月十五日に就任いたしましたので、当時の状況は詳細には承知しておりません。その委員会の会議の内容と申しますか、それは承知しておりません。
○勝澤委員 私はここが重大な問題だと思うのです。CP5型をきめた根拠というものが、科学技術庁というのが科学的にものをきめたのではない。科学者はほんのわずかしかいない。それ以外の人がきめた。そうしてなおかつその中の重要な人が、どうもよした方がいいのではないかということを言っているわけです。私はここが大へんな問題だと思う。そして準備調査会がきめておいて——そのメンバーの大部分の人が大臣だったでしょう、それを今度また閣議で確認をした、こういうことなんです。この問題のよって来たる原因というのはここにあるわけですから、この点をもっと明確にしていただきたいと思う。私はいずれ別の機会に明確にさしていただきたいと思います。 そこで契約の主体を今度は原子力研究所でやられたというのですけれども、これは原子力研究所はどういう形でやられたのですか。
○杠政府委員 どういう形という、その御質問の要旨がちょっとわかりかねるのでございますが、いわゆるAMFの社長と原子力研究所の理事長が契約の当事者になっているということでございます。
○西村(力)委員 この問題がこじれた原因というものを一つ、二つ、三つと申してきたのですが、第四番目としては、今のように科学者あるいはその他の人々が、契約上の不備なんかを良心的に指摘をしておるのを却下している、無理にこれを退けている、こういういき方は、やっぱり非難されなければならないのではないかと思うのです。 それからその次は、AMFに燃料の検査を依頼したというようなところに常識上あやまちがないのか。AMFは、炉体だけの責任であるでしょうけれども、一万キロワットの出力というものを引き受けた契約の当事者です。そういうものが検定したからこれでオーケーというような工合に持っていくことは、これは常識からいっておかしいのじゃないか。たまたまこれが逆になって、エックス線で照射したところがだめだとAMFが言い出してきたから、ちょっとおかしいのです。契約の当事者であるならば、やっぱり商売上は、仕様書に合っておるならば、これはもちろん責任じゃないから、それだけにとどめておいて、少しくらい仕様書に合わなくてもちょっとごまかしてくるというのが、普通常識ではないか。契約の一方の当時者に検定さして、その検定をもって事足れりとするようないき方がおかしいのじゃないか。こういう手違いということが考えられませんか。
○杠政府委員 前会も御指摘がございました点でございますが、やはりAMFというものが炉については一番詳しく承知いたしておりますので、そのAMFに検査をさせた方がシビアであろう。先ほど西村委員もおっしゃいましたのですが、非常にシビアになるだろうということは十分に考えられるところでございますし、しかも、AMFだけにまかしておいたわけではございませんで、原研からも人を派遣したということもございます。
○西村(力)委員 原研から行かれた方は、あとで問題が発生してから行かれたのでしょう。最初から行ったわけじゃないでしょう。僕らが常識的に言うと、契約の品物を納める向こうの人に検定をさせるなんということは、ちょっとおかしいと思うのです。まあ事の便宜上そうしたのだということになるかもしれませんけれども、こういうところにもいささか手違いがあるのじゃないか、こう思うのです。このAMFが、仕様書にないのを克明に顕微鏡で調べて、だめだと言ってきたのは、ちょっと不思議なんです。なぜそういうことを言ってきたか。AMFは、それほど良心的であると判断するか。これはAMFが別な意図を持つのだと判定もできる。どうでしょう。
○杠政府委員 別の意図を持っているとは考えられません。と申しますのは、すでにそのM&CがAMFからフロー・テストというものをやってくれないかと言われたときに、契約にはないことでございますが、M&Cとしては良心的にやってみましょうということでやって、そして少しばかり黒い浮遊物と申しますか、見のがせば見のがせるような微量の浮遊物が出たので、AMFの方から、これはどうも何か燃料を作り上げる工作上のあやまちがあるんじゃないかということから、今度はいろいろな試験を要求してこられた。それに応じてM&Cもやはり良心的にやろうということで、その間にいろいろな論争が起こったというのが実情であります。
○西村(力)委員 まあAMFの立場をこちらで邪推すれば、炉体に対する自信がないから、まずまずこちらの責任のあるうちにはあまり上げさせないようにする。それには燃料にけちをつける以外にはない。こういうふうにきているのじゃないかという工合に私どもは邪推するわけですが、まあその邪推はそれでやめましょう。 それから最後に、この燃料を引き取った、こういうところに問題がないのかということなんです。先ほど次官の話では、じんぜん日を送っているよりも、可能な限りの出力で買った方がいい、ああだこうだと言っているよりも、パリまでいった場合にはどうにもならないから引き取ったというお話ですが、しかし、私どもは一万キロワットの原子炉であるならば、それを据えつけて、そして出力をぐんぐんと上げて、そして一万キロワットというならば、一万キロワット出たときに初めてこれは完全なものだ、こうして引き渡しが行なわれるのが普通じゃないかと思うのです。ところが、まだ動いてやっと一キロワットにしか達しないときに、さっさとこれを引き取っていく、こういうところに問題がある。そこで向こう様の責任は切れてしまっておる。そういう場合に、向こうの責任を遮断した燃料を引き取った、そういうところに人のよさがあるのじゃないか、こういう気がするのですが、これはどうでしょう。
○杠政府委員 ほかの燃料と違いまして、先ほど来私の方の井上説明員からも御説明申し上げておりますように、直ちにその燃料を入れてみて一万キロワット出すというようなことは、世界にも例のないことだし、そういうことをすることは非常な危険を招くということでございますので、やはり原子炉の燃料というものは、特殊な状況にあるということを御理解いただきたいということが、まず申し上げたいことでございます。従いまして、前回にもお答え申し上げましたように、AMFが仕様書に合致しているものだということを文書でもって通知してきました限りにおいては、燃料に関する限り、M&Cから科学技術庁が引き取るということは、当然なことではないかと思うわけでございます。その論争点と申しますのは、何度も申し上げましたように、仕様書にない点について論争が起こった。従いまして、形式論的な話としてならば、一応完成しているのですが、実質的には、もしも万一のことがあっては大へんだという考え方から、現在も直ちに上げてみることをしないで、低出力で試験を続けて、そして先ほども政務次官からお答え申し上げましたように、三月一ぱいぐらいから千キロワットまで上げるという考えでおるわけでございます。
○西村(力)委員 もう一つ聞きますが、保証期間の延長の交渉は全然行なわずに、打ち切りをしたということになるのですか。
○杠政府委員 それは燃料についてでございましょうか。それとも原子炉本体、すなわちAMFのことでございますか。
○西村(力)委員 AMFです。
○杠政府委員 AMFにつきましては、保証期間の延長はいたしております。炉本体と十メガワットの出力保証と二本立になっております。炉本体のいわゆる瑕疵担保でございますが、その保証関係は、契約の日から三十六カ月となっておりまして、三十四年の十月十四日までということでございましたが、その後三カ月延長いたしまして、三十五年の一月十四日まで延長いたしております。その後、先ほど申し上げましたように、いろいろ燃料等についての論争も行なわれるような事態になって参りましたので、なおもう一回延長を申し入れまして、三十六年、すなわち本年の二月十四日まで延長いたしております。 また、十メガワットの出力の保証につきましては、契約発効の日から三十カ月、勘定いたしますと、三十四年の五月十四日でございますが、これも同じく三カ月第一回は延長してもらいまして、三十四年八月十四日まで、その後、炉本体と同じく三十六年の二月十四日まで延長してもらいまして、合計いたしまして五十一カ月の保証、こういう延長の措置はとっております。
○西村(力)委員 今までの延長はそうでしょうが、とにかく三月一ぱいには一千キロに上げようというのだから、そこら辺の見込みが立つまで、もう一ぺん延長してくれないかという、そういう交渉はなさらなかったかということです。
○杠政府委員 その交渉はいたしておりません。
○西村(力)委員 そのわけはなぜですか。
○杠政府委員 それは私どもといたしましては、一千キロワットまでは大丈夫上げられるものだという確信を持っておりますので、それ以上の延長をいたしまして、そして向こうの方から、また反対給付等を言われるよりも、むしろわれわれは、先ほど申しましたように、理論的には一万キロワットでも出るのを、それは理論だから、先ほどからおっしゃっているように、そういう危険なことはすべきじゃないのですが、それで一千キロワットまで出せるという確信を持っておりますから、そういう措置はとりません。
○西村(力)委員 確信は一千キロまでと言うても、大体これは一万キロですよ。それを一千キロまでの確信で、そう大げさに何べんも確信を言わなくてもいい。ですから、あなたは少なくとも一千キロまでは確信があっても、そこまでいかないうちに、被覆が破れて放射能が出るという危険があるかもしれませんから、一万キロを見通すなら、一千キロ確実に上がった、心配なく上がった、そうすればそのあとの見通しもつく。そこら辺まで延ばす努力をすべきである。一千キロワットは必ず出ると確信したから、もう契約は要らぬというのじゃなく……。少なくとも一割の一千キロワットくらい上がったところで、そこら辺ならばやむを得ない、こういう工合に考えるならば話はわかるけれども、どうもその点、今の答弁では私たちとしては遺憾に思うわけです。 それでは、最後に整理をしようと思うのですが、私が指摘した、欲ばり過ぎたということを承認せられるかどうか。これは一つは、一万キロ出なければこの目的は達せられないという絶対の条件はなかったということ、それから二〇%のウランで一万キロ出そうとするならば、ウランとアルミニウムの混合の比率というものはずっと変わってくる。そういうことから、燃料というものの均一性というものはそこなわれるということになるのじゃないかと思うのです。そういうところに欲ばり過ぎた無理がたたって、不均一だから、アルミの被覆が破れる危険性があるのだ。こういうようなところを、やり欲ばり過ぎたのじゃないかと判定するのですが、それは承認されますか。
○杠政府委員 欲ばり過ぎたかどうかという、その認定の問題になって参りますと、将来どうしてもその炉が一万キロワット出ない、しかるに一万キロワットの実験はやるという際に、確かに欲ばり過ぎたことをやったということに相なろうかと思いますが、将来は一万キロワットまでは出せる可能性があると思っておりますし、また出したいと思っておる現在におきまして、欲ばり過ぎたというような認定は、ちょっといたしかねるわけであります。
○西村(力)委員 それではその件は、これから何年後になりますか、現在の炉で、現在の燃料で、一万キロワットまで上がる、上がるまであなたも原子力局長で、私も落選しないなら、そのときに勝負をしましょう。 それから契約の不備、この点はお認めになったからよろしいのですが、AMFを資格十分だという工合に認定されたことは甘かった、こういうことはお認めになりますか。
○杠政府委員 先ほどから御説明申し上げましたように、AMFは、当時においても信用状況もよろしいし、またスイミング・プールを作っている経験もございます。今日におきましては、二十一基からの炉を作っておりまして、ドイツ、イタリア、その他オランダとか方々で作っておりますし、なおまたCP5の一万キロワット出るという定格出力のものを、アメリカのAECの注文によりまして建造中でございますので、日本におけるCP5の炉を請負うについては、信用関係においては適当であろうと判定しております。
○西村(力)委員 すりかえて、今これだけ力があるからということを理由にして、その当時のAMFの能力の証明という工合にはいかないと思うのです。その当時の能力が問題なわけです。 それではこの件は、AMFは資格十分だというふうに判定した資料、それまでの経験、それからそれに携わっている技術者の経験というか、資格というか、そういうものは、これを判定してそれに請負わせる限りは、相当緻密な、厳重な審査というふうなものがなされたはずでしょうから、それについて——ただAMFが出してきたその条件、たとえば何カ月でやるとか、なんぼでやるとか、そんなことは資格には入りませんよ。これはセールスマンですから、それはよかれと思っていいことを書いてくるにきまっているのです。そんなものは何も判定の材料にはならない。そうじゃなくて、実際にAMFが能力があるという工合に判定した資料というものを、ぜひ出してもらいたい。 それから藤岡さんその他の良心的な忠言が契約についてはあった、それを却下したということは、やはり好ましいことじゃなかったという工合にはお考えになりませんか。
○杠政府委員 当時の審議の状況というようなものを、先ほどもお答えしました中で触れましたが、承知いたしておりませんので、私としては何ともお答えいたしかねるということでございます。
○西村(力)委員 次官、どうです。
○松本政府委員 この当時の、契約前の準備調査会、あるいはその後の原研の契約、あるいは理事長の安川第五郎氏初めそのもとにおける人たちの協議、また、その他からの意見ということについては、私も詳しいことを実は存じませんので、御説はよくわかります。疑問の点がございますようですから、なお入念に調査をいたします。また、事実調査もいたしておりますし、またこの契約の内容についていささか疑念の点もありますので、原子力研究所には顧問弁護士もおりますから、顧問弁護士に検討を依頼しております。そういうことで逐次詳細に内容が明らかになってくると存じますので、いずれまた御報告もいたしたいと存じます。せいぜい私どももこの問題は疑問を残さぬように調査をいたしたい、こう存じております。
○西村(力)委員 それでは、一つ局長の方から、その当座々々の衝に当たった責任者と思われる方々を一つここで言ってもらいたいのです。先ほどCP5型を二号炉とするという決定をした、このことは先ほど勝澤君の質問でわかりましたが、AMFに請け食わせた、そのことを決定したときの責任者のお名前は、どういう工合になっておりますか。
○杠政府委員 安川第五郎さんでございます。原子力研究所の理事長でございますから……。
○西村(力)委員 お一人ですか。
○杠政府委員 一人でございます。
○西村(力)委員 この責任は安川さんだけにあって、役所の皆さん方には、大臣なり、局長なり、そういうところには何もなかったわけですか。
○杠政府委員 原子力研究所から後に報告は得ておりますが、契約の主体はあくまでも原子力研究所でございます。予算も原子力研究所についております。その予算も原子力研究所からの支出でございますから、私の方といたしましては、契約そのものについて直接の責任ということはなかろうと思っております。
○西村(力)委員 安川さん一人でなくて、その当時の原子力委員という方は何人かおられると思うのですが、これはやはり共同で御相談なさったと思うので、どなたでしょうか。
○杠政府委員 当時の原子力委員会の構成メンバーでございましたら、委員長は正力松太郎さん、同じく委員は石川一郎さん、同じく委員として藤岡由夫さん、同じく委員として湯川秀樹さん、同じく委員といたしまして有沢広巳さんというようになっております。
○勝澤委員 それはAMFにきめたときの関係者ですか。
○杠政府委員 先ほど申し上げました勝澤委員に対するお答えは、CP5という、そういう型のものを入れるかどうかということは、原子力準備調査会においてきめられた。しかし、いよいよAMFを相手方として契約を結ぶというときの原子力委員会の構成メンバーというものは、ただいま名前をあげました通りの方々でございます。
○勝澤委員 そういうことでなくて、AMFにきめたのは安川第五郎理事長が一人できめたのかということです。
○杠政府委員 その内容につきましては、まことに残念でございますが、私は詳細について承知いたしておりません。お一人でおきめになったかどうかという、その審議といいますか、その辺の打ち合わせという状況は、詳細には存じておりません。
○勝澤委員 理事長が安川さんだから、安川さんがAMFときめたとしかわからないのですか。それとも、この理事長が個人でやるのですか。理事会があるのですか。あるいは原子力委員会がきめるのですか。その点を一つはっきりして下さい。
○杠政府委員 理事会の方にかけられて御決定なさっただろうと思います。
○勝澤委員 そうすると、理事会の人はだれですか。
○杠政府委員 ただいま資料を持ち合わせておりませんので、後ほど資料によってお答えいたします。
○勝澤委員 三十六年二月二十日現在の理事、監事が載っておりますが、これでおわかりになるのではないでしょうか。
○三和委員長代理 杠君、答弁するときにはもうちょっと的確に言っていただかなければならぬ。いやしくも国会で、だろうなんということはうまくない。まだ不勉強で足らぬところがあるというなら別ですが、はっきりしたことを言って下さい。
○杠政府委員 原研の理事会は三十一年九月三日に決定いたしておりまして、三十一年の当時の理事と申し上げますと、お手元に資料をたしか配付してあろうかと思うのでございますが、久布白兼致さん、杉本朝雄さん、木村健二郎さんということに相なっております。
○勝澤委員 そうすると、AMFにきめたときの理事会は九月三十日で、安川さんを入れて四名の理事できめた、こういうことですか。
○杠政府委員 資料によって申し上げますと、左の方に嵯峨根遼吉さんという方がございます。同じく今泉兼寛さんという方がございます。それと、理事会は先ほどの九月三十日ではございませんで、九月三日でございます。
○勝澤委員 そうすると、理事四名で、この二人は何ですか。
○杠政府委員 嵯峨根遼吉さんは理事でございます。今泉兼寛さんも同じく理事でございます。そのほか、駒形作次さんは左側の方にあげられております。以上でございます。
○勝澤委員 そして理事会がきめた。原子力委員会の方はどういうことになっておるのですか。
○杠政府委員 原子力委員会の方は、理事会でこのように決定しましたからという報告を、三日に理事会できめまして、その翌四日の日に受けております。
○勝澤委員 そうすると、AMFにきめた一番の力、それはこの原子力委員会の理事会だということですか。
○杠政府委員 原子力委員会の理事会ではございません。原子力研究所の理事会でござごいます。
○勝澤委員 そうしますと、藤岡さんがAMFは適当でないと言ってきた時期というのはどうなんですか。
○杠政府委員 残念ながら手元に資料がございませんので、お答えいたしかねます。
○勝澤委員 そうすると、このAMFにきめるということは、政府からまかされた事項で、原子力研究所がきめたということなんですね。
○杠政府委員 その通りでございます。
○西村(力)委員 あと、僕は、そのときそのときの、たとえばCP5型炉を採用すると決定したときのその決定権を持った人々、AMFをきめたときの責任の人々、M&Cに燃料をきめたときの人、燃料の検査にじきじき行かれた人、今回燃料を引き取って、その責任の上に遮断した現在の責任者の人々、そういう人々のお名前をずっと知りたいわけなんです。そういう場合に、原子力委員会というものの果たすべき役割、それに伴って負うべき責任、そういうものはどうなっておりますか。
○三和委員長代理 今の質問に対して即答ができなければ、率直にそれを言って、あとで文書で作って出すとか、何とか……。
○杠政府委員 ただいまの御質問の内容は、多岐にわたっておりますし、かつ、具体的な問題でございまして、資料を差し上げてお答えにかえたいと思います。
○西村(力)委員 原子力委員会の方について……。
○杠政府委員 原子力委員会のどういうことでございましたか。
○西村(力)委員 原子力研究所が契約の当事者になるにしても、そのつどそのつど原子力委員会というものが役割を持っているだろうと思うのです。その役割というものは、このCP5についてばかりではなく、一般的にでもいいですが、どういうことか。ですから、その役割を果たした限りにおいて、その人々の負うべき責任はどうなっておるか。単なるこれが科学技術庁長官の諮問という工合に、ただ意見を具申する、こういう点にとどまるのかどうか。そういう工合には私たち見ていないのですがね。
○杠政府委員 原子力委員会は、原子力委員会設置法によりまして、原子力政策の決定をするということになっておりますから、政策の決定という意味においての責任はあろうかと思います。
○西村(力)委員 このCP5を選択したことに対する責任はある、あるいはAMFに請け負わしたということに対しての責任はない、こういうことになるわけですか。
○杠政府委員 CP5の炉型を決定されたことについては、やはり政策の決定——炉型の決定でございますから、政策の決定だと考えられますが、契約につきましては、これはやはり公開の入札法にのっとりますから、それを委員会があれこれと決定するというようなことはできかねるだろうと思います。
○西村(力)委員 科学技術庁の原子力研究所が中心だった。役所の責任というものはどうですか。
○杠政府委員 役所は監督責任があると思います。
○西村(力)委員 では終わりますが、私がこういうことを言うのは、個々の人々の責任を強く追及しようというような意味ではないのです。しかし、やはりこういう問題をやる場合に、将来の問題もありますから……。こんな工合に、一万キロワット希望して一キロしか出ない。この前も言ったが、あるいはニュースに出ると、国民がわあっと笑うのです。ですから、こういうことを再びなからしめなければならない。そうして所定の計画に従って着々と平和的、民主的に公開して研究が進むようにするためには、やはりそのつどつどの責任というか、担当する分野というものを明確にしておかなければならぬ、こういう意味で私は言っておるのです。ですから、あちこちやりましたが、先ほど申した資料をごめんどうでも一つお願いしたいのです。勝澤君の関連があるだろうと思いますが、私はこれで……。
○勝澤委員 別の機会にあらためてやることにして、簡単に少し補足的なことだけ質問したいと思います。藤岡教授の話によりましても、AMFをきめた当時、これが不適当だということは原研の首脳部は知っていたはずだ、こういうことが新聞に本人の原稿として出されておるのですけれども、これは私大へん重大な問題だと思うのです。今あなたに聞いても、知っていたか知っていないかこれはわからない。そうなんでしょうな。どうなんですか。
○杠政府委員 御指摘の通りに、当時原研の理事が藤岡博士の意見を十分に承知していたかどうかということは、私は知っておりません。
○勝澤委員 先ほど西村委員の質問の中で、現在の状況の中で一万キロまで出す計画をされている、こういうように言っておったのですが、そうなんですね。
○杠政府委員 現在の状況下において一万キロワットまで出すというのは、そう申し上げたのではないのでございまして、一万キロワットは理論計算上は出ることになっております。ところが現在の状況下においては、一千キロワットを三月一ぱいで出すことにいたしますということを申し上げたわけであります。
○勝澤委員 先ほどの説明で、私聞き違いかよくわかりませんが、一千キロを三月に出して、それから一年ばかりおいて今度は五千キロ出して、そのあとには一万キロ出すんだ、こういうように言われたのですが、それは今の炉の状態で、今の燃料状態で今後進めていく、こういうことなんですね。
○杠政府委員 現在の燃料のままということではございません。というのは、前回のときも申し上げましたように、現有は第一期の燃料を装荷してございますので、第二期の燃料は原子力研究所においてそれを十分検討いたしまして、それから発注する。まだ発注先もきまっておるわけではございません。前回の場合は、M&Cに発注しておるわけでございます。はたしてM&Cになるかどうかはきめておるわけではありませんので、その点において、現在の状況下においてそのまま引き続き一万キロワットを出すということではないということを申し上げたのです。
○勝澤委員 私は燃料の性格を聞いておるのですが、どうなんですか。
○井上説明員 燃料の寿命の問題でございますが、これは炉によっていろいろ違うわけでございますが、少なくとも原研の二号炉につきましては、一万キロでノルマルに動きますと、大体三カ月ないし四カ月しか寿命がありません、たくさん燃やしますから。これは燃やし方によって違うわけでございます。今御指摘の燃料をどれくらいの期間使うかといいますと、第一期に入れましたのは、ことしの十一月ないし十二月程度でございます。
○勝澤委員 ちょっと私の質問がわからなかったようですが、二〇%の濃縮ウランで一万キロまで出せる、こういうことなんですね。
○井上説明員 特性試験の結果、これは専門語にわたりますが、超過反応度というもので推定するわけであります。その推定によりますと、一万キロは出せますということが、実証的な意味において、実験的なデータとして求められております。
○勝澤委員 原子力産業新聞というのは、原子力産業会議で出しているのですから、権威のあるものだと思うのですけれども、これで菊池原研理事長が、電力は一応千キロワットを目標にしている。現在の二〇%の濃縮ウランで一万キロは無理だ。九〇%濃縮ウランを貸与してくれるように、今外務省を通じて米国政府と折衝している、こう書かれておるのですが、これはうそなんですか。
○井上説明員 濃縮度を二〇%にするか九〇%にするかという問題と思いますが、二〇%の現在の燃料で一万キロは出せないという実証にはなっておりません。九〇%にいたしますと、U二三五としては二〇%のものと同じ量でございますけれども、今西村先生から御指摘もありましたように、合金が非常に作りやすくなります。ウランとアルミの割合が違ってきますので、合金が非常に作りやすくなります。そういう関係で、九〇%にした方がベターだということが技術的な面からは言えるわけでございまして、そういう面から、現在の二〇%の濃縮度のものを九〇%に変えた方がベターだということから、原研におきましては、第二次の装荷する燃料につきましては、二〇%と九〇%の燃料につきまして、仕様書を検討しております。
○勝澤委員 一万キロの炉を作るときの計画はどうなんですか。
○井上説明員 一万キロの発注をするときには、日米原子力協定のもとに作られた第二次細目協定というのがございます。それには二十%の濃縮度のものしかもらえないことになっております。しかし、この細目協定は、原子炉を運転する場合に必要なものを入手するという建前になっておりますので、少なくともその九〇%がもし非常にいいという結論が出ますと、細目協定を改定いたしまして、九〇%のものをもらえるようにするということになります。
○勝澤委員 私は、原子力研究所なり今までの説明を聞いておっても、皆さんが確信を持つ、持っておると言ったって、これほど非科学的な確信はないと思う。それは過去ではっきり明確になっておる。それで原研の理事長も言っておるのですが、科学的には何も言ってないわけです。科学者が何も科学的に、言ってないわけです。そうしてその科学者が言っておることを、今度は科学者が無理だと、言っておる。作った炉の会社も、一千キロ出すのは待ってくれと言っておるわけです。そうして二月十四日の保証期間が切れてから、日本は、日本の責任で、苦情の持っていきょうのない状態の中で、これをやっていかなければならぬ。しかも、これをやるには何をやっておるかといえば、今放射能の防護演習をやっておるわけです。二十二日の午後、原子力研究所では、十二ポンドもあるボンベを背負って、放射能探知機というのを、一人二十万円もするようなものを持って、一千キロあげたときに問題があっては困るといって、こういうことをやっておる。ここで私が考えていただきたいことは、あなたが自動車を買うに、百キロのスピードが出ますということで自動車を買った。百キロのスピードが出ないうちに金を払って、出るか出ないか、お前の責任でやれというばかばかしい契約をしておるわけです。 〔三和委員長代理退席、委員長着 席〕 そうしてそれが、おくれたことだけが申しわけないといってあやまっておるだけであって、百キロのスピードが出る自動車の注文をしておきながら、百キロのスピードが出るか出ないか明確になっていないわけです。これは私は重大な問題だと思う。しかし、聞けば聞くほどよくわかりませんとということになりますし、そのときの担当ではないということになっておりますから、やはり先ほど西村委員も言われたような理由によって、私は次の機会にもう少し確かめたいと思いますので、あとでまたそれについての取り扱いは一つ委員長の方に御考慮を願いたい、こう思うわけでございます。 それから次に、燃料公社の問題で少しお尋ねしたいのですが、燃料公社は、発足してから政府の補助金や出資金というものをだいぶたくさん使っているようでありますけれども、できてから今までどのくらい使われておるのでしょうか。
○杠政府委員 四十億円であります。
○勝澤委員 これからこれがものになるのには、大体どれくらいまだ使うのですか。
○杠政府委員 ものになるという意味でございますが、ウランというものは、石油などと同じでございまして、世界的国際商品でございますから、従いまして国際市場の影響を受けるところが非常に大きうございまして、採算に乗るか乗らないかということでございましたら、現存の状況下においては、採算に乗らない。これがいつ乗るかということになりますと、これは国際情勢のいかんによるということを申し上げざるを得ないと思います。
○勝澤委員 そうすると、原子燃料公社を作って四十億入れた。しかし、いつになって採算に乗るか乗らぬかというのはわからない、こういうことなのですか。
○杠政府委員 原子燃料公社で現在やっておりますのは、採鉱事業ではございませんので、採算に乗る乗らぬは採鉱事業をやる際に考えられる問題でございます。現在やっておりますのは、探鉱でございます。どれだけ日本にウラン鉱があるかということで探しておる状況であります。
○勝澤委員 そうすると、現在までの生産高はどうなっておりますか。
○杠政府委員 推定の鉱量でございますね。実際に採鉱しておりませんから、推定の鉱量を出しておりますが、推定鉱量において、いろいろな出し方がございますが、ほぼ六百万トン近くを押さえているということでございます。
○勝澤委員 鉱石からウランまで一貫作業を行なった場合の一キロ当たりの生産費と、同一条件で輸入した場合の価格はどうなんですか。
○井上説明員 現在のところ、公社がおもにカナダから輸入しておるわけですが、そのイエロー・ケーキと称するウランの濃縮された精鉱につきましては、ポンド当たり五ドル程度でございまして、一般的に言いますと、アメリカの原子力委員会が購入しているものは、現在ポンド当たり八ドルということでございます。そういう意味では、日本に対しましては非常に競争的に安くなっているということが言えると思いますが、現在の人形峠において開発されています鉱石を使いまして精練した場合幾らになるかという問題は、現存のところ試算程度でありますけれども、人体九ドルくらいじゃないか。しかし、これは条件がございまして、鉱石からイエロー・ケーキまでを作る場合に、採鉱費、それの輸送費、粗製練費、この三つが大きなファクターでございます。このうちの二つのファクターの、採鉱費をいかに安くするか、それから粗製練費をいかに安くするか、それは試験研究的に現在公社は実施しておりまして、少なくとも、目標といたしましては、諸外国における平均の単価、すなわちアメリカが買っている八ドル程度を目標にいたしまして、研究を進めている状況でございます。
○勝澤委員 この問題も、私は検討しなければならぬ時期にきておると思うのです。いずれまたあらためて行なうことにいたしまして、会計検査院にちょっとお尋ねしたいのですが、一応この決算書を見ますと、前回原子力研究所に対して注意を与えているようでありますが、その内容について一つ御説明願いたい。
○平松会計検査院説明員 御質問の注意の要旨について申し上げますと、原子力研究所の各研究室から、自分のところで研究に使いますいろいろな物品を要求いたしまして、それを資材の方で購入して研究室に配付いたしておりますが、その研究室に配付いたしました物品の使用状況を見てみますと、その物品の帳簿も設けておらず、従って、その受け払いも明確でないという状況でございましたので、購入した物品の中には相当多額に上るものもあり、またその耐用年数につきましても、一例をあげますと、白金のるつぼといったようなものにつきましては、一年限りで消耗し尽くされる性質のものではございませんので、さしあたりそのつど消耗していく部分の一月ないし二月分というものは除いて、あと経費に落とさず、貯蔵品なりあるいは備品として資産に計上すべきものであるということを注意申し上げた次第でございます。これにつきましては、原子力研究所の方におかれましても、検査院のいう通り、その後是正措置が講ぜられております。
○勝澤委員 今局長もお聞きになったと思うのですけれども、まさに初歩的なものができていないということであります。そしてやっていることも、またどうも非科学的なものが多いと思うのです。一つそういう点については、十分注意をしていただきたいと思うのです。 あとの問題はまた参考人その他にお願いしまして、質問を保留します。 ————◇—————
○荒舩委員長 ちょっとお諮りいたします。 原子力の問題はまだまだ質問が多数あると思いますが、いずれにいたしましても、この問題は深く研究をし、あるいは広く研究するという意味でしょうか、そういう必要もあると思いますので、適当な日にあらためて、当委員会といたしましては、調査及び見学という二つの目的で現状を視察したいと思いますが、いかがでございましょう。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 さよう決定いたします。 ————◇—————
○勝澤委員 資料をちょっとお願いしたいのです。 契約書の原本はいただいたのですけれども、この原本に基づいて契約が不備であったということから、次の動力試験の契約書は相当検討されたと言っておるのですが、どういうように変えたか、その比較表を一つ出していただきたいと思うのです。 それから、これはもし先ほどの西村委員とダブったら、また整理していただきたいと思うのですが、燃料の契約書について、AMFとのやりとりの事情とか、あるいは仕様書をAMFに書かしている、この間の事情について出していただきたい。 それからAMFから原研に対して、出力を上げては困るという勧告書のようなものが来ているように聞いているのですが、こういう点がありましたらこの点を……。 それから四社の応札の比較表があったら、それを出していただきたい。 なお、各年度の科学技術庁としての、あるいは原子力研究所としての研究経過、それから今日までCP5型を使用してきた実績を出していただきたいと思います。 それから研究中に設計変更した場合においては、その措置を、先ほど一部熱交換機の場合がありましたけれども、それ以外の問題がありましたら、出していただきたいと思います。 大体以上を一つお願いいたします。 ————◇—————
○荒舩委員長 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りしておきます。 すなわち、公団等国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する事項、及び国または公社が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し、または貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する事項の調査のため、関係法人等より参考人として出頭を求める必要が生ずることと存じますので、参考人の人選、出頭を求める日時、及び出頭を求める手続等の取り扱いについて、あらかじめ委員長に一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定をいたし、取り計らいをいたします。 ————◇—————
○荒舩委員長 次に、資料要求の件についてお諮りいたします。 昭和三十四年度決算がすでに提出されておりますが、例年会計検査院の批難事項に対する関係責任者の処分状況調べの提出を求めておりますので、昭和三十四年度決算についても、同様その提出を求めたいと存じますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定をいたし、取り計らいをいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十分散会