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38回国会衆議院1961/04/14

議院運営委員会 第27号

発言数
80
登壇者
13
会派数
3
開催日
1961/04/14

会議録

小平久雄自由民主党

○小平委員長 これより会議を開きます。  まず、農林水産委員会の委員派遣承認申請の件についてでありますが、本日、農林水産委員長から委員派遣承認申請が提出されて参っております。派遣の目的、派遣委員の氏名、派遣の期間及び派遣地名等について、事務総長から説明を願います。

山崎高事務総長

○山崎事務総長 派遣の目的は、農業基本法案(内閣提出)及び農業基本法案(北山愛郎君外十一名提出)の二法案審査のためでございます。派遣委員の氏名は、第一班と第二班がございまして、第一班は、田口長治郎君、寺島隆太郎君、藤田義光君、八木徹雄君、米山恒治君、淡谷悠藏君、石田宥全君、北山愛郎君、山田長司君、稲富稜人君、第二班は、坂田英一君、大野市郎君、金子岩三君、舘林三喜男君、野原正勝君、片島港君、角屋堅次郎君、西村関一君、芳賀貢君、玉置一徳君でございます。派遣の期間は、各班とも四月二十一日から四日間であります。派遣地名は、第一班が札幌市、仙台市、第二班が福岡市、大阪市でございまして、なお、二十二日に、第一班は札幌市、第二班は福岡市において、また二十四日に、第一班は仙台市、第二班は大阪市において、それぞれ地方公聴会を開く予定になっているとのことでございます。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 それでは、本件につきましては、その議案の性質上、真に必要にしてやむを得ないものと認められますので、議長においてこれを承認すべきものと答申するに御異議ありませんか。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、派遣委員の航空機利用の件につきましては、往路についてはこれを承認することに御異議ありませんか。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

小平久雄自由民主党

○小平委員長 次に、特別委員会設置の件について、引き続き御協議を願います。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 一つ皆さんに重ねてお願い申し上げるのでありますが、先般来、ILO条約取り扱いの特別委員会の設置の問題につきまして、わが党の考え方等も申し上げ、また社会党さん、民社党さん、共産党さんからもおのおの御意見を拝聴したのでありますが、まだ結論を見出すに至っておりません。もちろん、われわれの主張の中にも、皆様方の中に疑義の点もだいぶあるかと思いますので、十分に一つわれわれの考えておることに対しましての御質問等を願い、何とか意見の一致を見て早急に特別委員会設置の結論をお願いしたいと思いますので、どうぞ皆様方から忌憚のない御意見を承って、私たちも十分これに対しては検討をいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 今重ねて佐々木さんから御要請がありましたが、私は、単に抽象的に特別委員会設置を認めてくれというだけでは、議論は進まぬと思います。そこで、数次の会議で大体明らかになりましたように、野党三派の大体の最大公約数的な意見としては、ILO条約八十七号を速やかに批准することには何ら異存はない、ただし、これと関係法案とを密接不可分とすることに対して非常に疑義が出、反対が出ておるわけです。従って、このILO八十七号を批准することと、関連法案を同じ土俵で審議しなければならぬという必然性、密接不可分のその合理性、至当性を十分にわれわれが納得いくように御解明願う点が第一点、第二点は、特別委員会は与野党一致の形において設置さるべき申し合わせでありますから、野党の方は、三派とも、今申したような意向で密接不可分のものとは思われないといっておるのに、それをどうしても特別委員会を作らなければならぬというその必然性、この二点について理論的にわれわれも納得いくように御説明願わぬと、ただ便宜的に、政府・与党としては特別委員会を作ってもらった方が好都合でございますだけでは、われわれは納得できない。その点のもう少し論理的な、そうして真に国会運営の場として、どうしてもこれは必要やむを得ざるものであるということを御解明願いたいと思います。先般も言いましたように、特別委員会を作らなければこの法案が流れるものでもなければ、この国会として審議できないものでもないのでありますから、そこら辺のところを重ねてはっきりと御表明願わないことには、ただ作ってくれ、作ってくれだけでは、議論が進まぬと思いますので、その辺のところから自民党さんの方でまずその御解明を願いたいと思います。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 後ほどわれわれの委員の方から、それぞれの見方によっての関連性をお述べがあると思いますが、とりあえず、先般私はその必要性の一端を皆さん方に申し上げたのでありますが、それではまだ十分に御納得がいかないということだろうと思います。とにかく、特別委員会を作るには、四十五条にあります通り、特に必要を認めるという点と、前例、慣例等もございますので、先般私は、前例、慣例等については、平和条約の問題、共同宣言の問題あるいは安保条約の問題等の例をあげたのでありますが、しからば、この五つの法案がどういう関連があるか、全然関連はないということは社会党さんの方でもおっしゃらなかったようでありますが、関連が薄いのではないかというような御議論のようにわれわれは承っておるのであります。その中でも、御承知の通り、公労法の四条三項、それから地公労法の五条三項は、これは当然、義務として、このILOの承認をすると同時に直さなければならぬことは御了解いただけると思います。おもに問題になりますのは、国家公務員法あるいは地方公務員法、あるいは鉄道営業法、これらの三つの方がむしろ関連性が薄いのではないかということのお考えではなかろうかと思います。しかし、これは考えの違いでありまして、われわれの方といたしましては、この三つといえども相当の関連を持っておるという解釈でございます。たとえば、八十七号を国会で認めてこれが効力を発生するということになれば、どこまでもILO八十七号の精神というものを生かしていかなければならぬ。そうすると、八十七号の精神というものは、労使相互不介入ということが第一でありますし、労働組合それ自体は自主運営ということの建前が、どこまでもILOの精神なのであります。そういう点から見ますと、日本の今日の国家公務員法あるいは地方公務員法等を見ますと、そのILOの精神に反しておる運営がなされておるわけです。一例をあげますと、労使不介入の原則でありながら、たとえばチェック・オフをやっておるとか、あるいはまた、使用者側のお世話になって在職職員を設けているなんということは、むしろ、私から言わせれば、自主という建前からいくと、労働組合としての恥辱だろうと思うのです。どこまでも自主運営、労使相互不介入だという建前が八十七号の精神なのであります。しかるに片一方では、今までお世話になっているのは世話をさしていく、そういうことはそのままにしておいて、八十七号だけを認めるということは、これは片手落ちの解釈になりますので、どこまでも労働組合というものは自主的に資本家のお世話にならないのだ、使用者のお世話にならないのだ、そうしてわれわれの独自の考え方で自主運営をしていくのだということが建前だろうと思うのです。これは一例ですが、そういうことでいろいろな問題が検討されますと、非常に関連性がある、こういうように思います。私の意見は大ざっぱな意見ですから、後ほど皆さんからいろいろ具体的にお話があろうかと思いますが、ただ、労使不介入、あるいはまた、自主運営という点から見ましても、私は非常に関連があると思うのですが、それに対して社会党さんの御意見等がありましたら、承りたいと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 この委員会は、自民党さんの申し出てきた特別委員会設置についての可否ということで議論をしていかなければならぬ。従って、法案の内容に入るわけではありませんけれども、問題の焦点になってくるのは、一体、提出されております五法案と、ILO条約の批准ということが直接的に関連があるのかないのかということが、先刻来の議論の中からは、当然、特別委員会を設ける判断の重要なポイントになると思います。そこで、多少内容に入る——と言うと語弊がありますが、法案の性質ぐらいは条項にわたって議論をすることも、今回の場合はぜひお互いに了解をしていかなければならぬのじゃないかと思うのです。そこで、僕は、そういう議論になりますと、およそ三つぐらいに分かれると思います。その一つは、直接、義務条項というか、関係のある条項がどれとどれになるか。それから関連するものがあります。関連するものという中には、私どもまた二つに分けて考えておるわけです。一つは、純然たる政策的なものと、私どもから見ると、ILO条約を批准することによって、かえって違反になるような事項が案として挿入されておる、こういう解釈も私どもあるのです。そこで、できるなら、広範な議論でなしに、それでは公労法についてはどうだ、あるいは国家公務員法についてはどうだ、こういうふうにやっていく方が、審議が進んでいくような気がする。あっちに飛んでみたり、こっちに飛んでみたりするということでは、かえって審議が変なふうになると思います。さしあたり、公労法が今議題になりましたから、公労法あたりについて各党の意見を聞く、こういう方向でいっていただきたいと思います。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 下中君の御発言はまことにごもっともで、それでは、おっしゃいましたような工合に審議を進めていただきましょう。  公労法とILOとの関係について、まず自民党の方からその関連性をお話してもらったらと思いますが、どうでしょう。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 私は一つずつ言いますと、こう言った方がいいと思う。直接関連のあると認めておる、要するに、公労法の四条三項と地公労法の五条三項、これは関連があるということは一応社会党さんの方でも納得されたのですから、どうしても必要な義務的なものが一つ、それから、あとの比較的関連性がないのだという議論のありますものと分けてやったらどうでしょう。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 分けてやるということもいいでしょうけれども、その前提として、それを分けて論議をするということになりますと、これは専従制限の問題から、チェック・オフの問題から、あるいは団体交渉権の問題から、全部出さないと、議論にならない。その問題は私ら言いたいことは言いたい。ILO条約を批准することによって、逆に、あなたの方の改正案の中にはILOの精神に違反するものが出てきておるということを言いたいけれども、そういうことを言うと、お互いにけんかになって困るんじゃないかと思う。それで、あなたのおっしゃる通り、四条三項と五条三項は直接関係があると思います。そういう問題は話し合っていいけれども、その次の問題に入るということになると、ほんとうに可分なのか不可分なのかということを論議することになると、これはえらく混乱しませんか。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 お話のような点もありますけれども、御承知の通り、在職の問題は全部に関係があります。しかし、チェック・オフの問題は、地方公務員だけの問題でしょう。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そんなことはない。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 法律はないけれども、いわゆるILOの精神という点からいって、公労法にも地公労法にも国家公務員法にも、チェック・オフそれ自体は今やっていないわけでしょう。

下平正一日本社会党

○下平委員 法律としてはないです。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 だから、問題になるのは地方公務員法だけでしょう。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今、細部に入ろうという話し合いが進められておるのですが、私は、それ以前に、先ほど佐々木さんがおっしゃった国会法四十五条、そういうもので作ることができるということはわかる。その理由の二つ目として、関連性があるという問題が出されております。関連性があるから、国会承認の議事手続として特別委員会を作らなければならぬということには、直ちにはそこまで導けないでしょう。条約と国内法と関連がないというようなことは、一般的に言えるわけがありません。そんなことはわかる。しかしながら、関連があるからという理由だけで条約の承認手続と一般国内法律の承認手続とをごっちゃにして考えていくという考え方が納得できないということを、この間から言っておる。そこで、もし関連性があるならば、関連性のある問題の審議の方法としては、合同審査の例もあれば、連合審査の例もある。だから、直ちに特別委員会を作らなければならぬ、真実作らなければならぬという理由が、それだけではたしてあるかどうか、こういうことだと思う。それを、きわめて執拗に自民党さんの方で特別委員会でなければならぬとおっしゃる。だから、柳田さんが先ほど言ったように、そこのところの真意を聞きたい。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 その点に対しては、この間、四十五条の必要性の問題について、もちろん、各委員会委員会でやればできないこともないが、しかし、われわれといたしましては、この審議を進めるという意味と、連合審査とかなんとかいう意味を含めて、特別委員会を作って一緒にやった方が非常に審議も促進されるであろうし、あるいは議会内の総知もそこに結集できるであろうという私たちの考え方を申し上げてあるわけです。また、それは必要だ、そういうふうにすることが、この法律を審議するための最善の方法だということを、この間申し上げてあるのです。あれで納得いかないということならば、これはまた同じようなことを繰り返すようなものでして、私の方としては一応その点を申し上げてあるわけです。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 それは、野党三派も、心からは自民党に飛びつかぬけれども、自民党さんの方でやられるなら、黙認程度で、いたし方ありませんというところまできておるなら、今の佐々木さんの議論でわれわれ納得しますが、野党三派の方は反対なんです。それをしも押し切って、一つまげて賛成してくれと言われるのでしょう。それはやはり過去の経緯があるわけです。全会一致でいこうということ、その約束、申し合わせがあるにかかわらず、しかも野党三派の方ではそれに対しては賛成しがたいと言っておるにかかわらず、なおかつ、今佐々木さんのおっしゃるように、合同審査なり連合審査なり、また、ほかの委員会でやってやれぬことはないが、われわれとしては、審議の促進上も便宜だからというだけでは、納得できないから、その辺のところをもう少し、佐々木さんがそういうような御議論ならば、これは考え直してみてもいいじゃないかというように、こちらが洗脳できる程度まで御説明願わぬと、ただ、これを食えだけでは、ちょっとわれわれはいただきかねるので、その辺のところをもう少し御親切に、われわれはあまり理解がいい方でもありませんけれども、理解が悪い者でもわかるようにおっしゃっていただきたい、こういうことなんです。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それは、私らの方の説明がうまくいけば、考えられないこともないという一つの曙光を見出したようですが、社会党さんにもお願いしたいのは、絶対反対なんだという考え方をちょっとどこかへ置いてもらってお聞き願わないと、一生懸命こちらから説明しお願いしても、反対なんだという頭を最初から持たれては、説明のしょうがないのです。また、われわれとしても説明があまり上手でないものですから、皆さん方を納得させるまでいかないことを、非常に私自分でも不徳のいたすところだと思いますが、できるだけ、われわれの誠意と、あるいは今までの考え方とを十分わが党の皆さんで申し上げますが、そういう考え方で、頭からどうしても反対なんだ、どんな説明をしてもだめなんだということになれば、どうにもならないのです。その点をまず頭に置いていただいてお聞き願いたいと思います。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 初めから絶対にだめなんだということなら、この会議を開いてやる必要はない。今回の特別委員会は——大体、ものというものは煮詰まっていよいよ最後に決するわけで、それまでの間の話し合いをやっておるのです。しかし、大体われわれとしては、最初からこれは直接には関係ないのだ、それほど好まないものを、わざわざ特別委員会を作るほどの必要、関連性がないと見ておるものを、まげてと言われるのですから、自民党さんから野党の方にくどきをかけておるわけです。くどきをかけておるなら、やはりくどくだけの理論を示していただかぬと、これを食え食えと頭から言われても、いただきかねると言っておるわけです。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 私は今の佐々木さんの意見はうのみできないのですけれども、この特別委員会設置の根拠になっておるのは、自民党さんの方は関連法案を一緒に審議するというのがねらいだと思うのですが、私どもの記憶では、たしか三十四年だったと思うのですが、労働問題懇談会ですか、労、使、公益、三者の構成する労懇の結論として、八十七号条約を批准する、その前提としては、公労法の四条三項と地公労法の五条三項を削除すべし、その際、国家公務員法や地方公務員法の改正は必要ない、こういうような意味の答申がなされて、政府としても、この点については答申を尊重する、こういう声明を出したと私は思うのです。そういうような立場から、一番基本になる可分、不可分の問題でございますけれども、そういう態度を政府が表明しておるにもかかわらず、しかも、今日まで、特に関係組合が、機会あるごとに、批准せい批准せいという、そういう立場から、おそらく労懇の結論というものは最も公平な結論だと思うのです。そういう結論が、今に至って関係法案を改正しなければだめだということは、せっかくの長期にわたる懸案を政府みずからがぶちこわしていく、こういう立場に立たれると思うのです。その点の可分と不可分の法的の根拠をどこに求めて、特別委員会の設置を執拗にあなた方は主張されておるのか、その辺の関連を明らかにしてもらわないと、特別委員会を置くか置かないかということについても、なかなかはっきりした態度を出すわけにいかない、こういうように考えるわけです。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それではお答え申し上げますが、法律的根拠ということになれば、国会法四十五条以外にないのです。これが法律的根拠なんです。今あなたのおっしゃった、いわゆる労働問題懇談会の答申というものがなされておりますが、これがILO八十七号条約批准に関する答申として三つきめておるわけです。第一が、「ILO第八十七号条約(結社の自由及び団結権の擁護に関する条約)は、批准すべきものである。」二番目は、「右条約を批准するためには、公労法第四条第三項、地公労法第五条第三項を廃止しなければならない。この廃止にあたっては、関係諸法規等についての必要な措置が当然考慮されることになるであろうが、要は、労使関係を安定し、業務の正常な運営を確保することにあるので、特に事業の公共性にかんがみて、関係労使が、国内法規を遵守し、よき労働慣行の確立に努めることが肝要である。」第三は、「ILO条約の趣旨とする労使団体の自主運営並びにその相互不介入の原則がわが国の労使関係においても十分とり入れられるよう、別にしかるべき方法で、現行労使関係法全般についても、再検討することが望ましい。」と書いてあるので、国内法規をいじってはいけないとか、改正しては悪いという答申は一つもないのです。これは決して何ものもつけ加えないで、答申そのものを読んだのであって、あなたの今おっしゃったのは、少し自分の考えが入り過ぎておるのではないでしょうか。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それは受け取り方によって違うと思うのですけれども、私は、労懇の結論の主体がどこにあったかということを考えてみなければいけないと思うのです。これは、ILOの基本的な精神といわれる一九四四年のフィラデルフィアの宣言に基づいて八十七号条約というものが促進されてきたと思うのです。ところが、労懇の出された答申の内容も、もちろん表現はその通りでありますけれども、その基本は、やはり、十七号条約をすみやかに批准すべしというのが基本であって、是が非でも関係法規を変えて労働組合の行動を規制しなければいけないということは、どこにも書いてない。ですから、労懇の答申の内容をすなおに読むならば、やはり労使間の関係を安定させるという前提に立つとするならば、ことさら眠っておる子を起こすような法律の改悪をすることは、八十七号の批准をますます困難にする大きな要素になるのではないか。私は、そういう点から、労懇の答申の内容をもう少しすなおに解釈してもらいたいと思う。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 ただ、私の言っておるのは、国内法規をいじってはいけない、こういうことを言われたから私は申し上げたので、ことさら眠っておる子を起こすとかなんとかいうことでなくて、三つの答申がこういうふうに出ておるということを申し上げたのであって、すなおに解釈するしないということは別にいたしまして、われわれのこの文字から受け取る率直な考え方、何の思想的なものも入れないで見ましても、現行労使関係法全般についても再検討すべきであるということは、これは改正の意味も含まれておると思います。あるいは運営の部面をうまくやるということも含まれておると思います。ただ、私らの方は、こういうことがあるので改正することがいわゆる答申に違反するものだとは考えていない。ただ、その立場において、いい悪いはありましょう。要するに、国内法をいじらぬでもいいじゃないかということはありましょう。けれども、国内法を改正してはいかぬという結論は、私は成り立たぬと思う。その点の私の説明だけは御了承を願いたい。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 私は、そのことによって、是が非でも特別委員会の中で一緒にしてその審議をしなければできないという不可分論というものは、その中に生まれてこないのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

長谷川峻自由民主党

○長谷川(峻)委員 児玉さんの言われる労懇もの答申——答申といえば答申なんですが、それは実施しようとしまいと、政府の問題なんだが、そこでILOを批准しようとして、この労懇の答申によるところの国内法の整備あるいは労使の不介入の原則、そういうもののとり方はあわせて私たちはやるべきだというふうに思っておるのです。それがいけないとかなんとかいうことになれば、特別委員会でそういう問題について大いに御議論あってしかるべきだと思う。労懇でやったことは、今佐々木君が読んだように、全文ですから、この通りなんです。その答申に基づいて国内法の整備を私どもの方の政党としてはやる。その三十四年の答申が出たあとで政府のきめた八十七号条約批准に関する政府の基本方針の中にも、今の国内法の整備ということがうたってあるのです。「右条約を批准するため、これと抵触する公労法第四条第三項及び地公労法第五条第三項は廃止することとするが、これを廃止するにあたっては、公共企業体等の労使関係の現状からみて、その業務の正常な運営を確保するため、公労法及び地公労法の関係部分について所要の改正を加えるとともに、事業法特に鉄道営業法の規定を整備することとし、これらの措置を講じた後、条約批准の手続をとるものとする。」それからもう一つ、私の方の覚悟としてお聞き願いたいのは、「右の法的措置のほか、この際、公共企業体等の労働組合が国内諸法規を誠実に守り、正常な労働慣行が確立されるよう諸般の施策を講ずることとする。なお、本条約の批准が全逓労組の違法状態を正当化する趣旨のものでないことは当然であるので、条約批准の手続は、その労使関係が正常化されるまではとらないものとする。」こういうふうなことで、労懇の答申にある通りということをうたっておるので、それらをあわせて、あなたのおっしゃるような議論を特別委員会でやっていただきたいと思います。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 長谷川さんは変なことを言われる。それは労懇の答申を受けた政府の見解なんです。政府がどういう見解をとろうと、政府は政府の立場がありましょうということを下平君は何回も言っておる。われわれ議会運営の場としては、これをどの委員会で審議するか。政府は政府の立場がありましょう、また、政府をバック・アップするところの自民党さんの立場はありましょうということは、下平君が何回も発言しておる。ただ、国会運営の立場として、八十七号条約と、今の政府のそういうような考え方に従って出てきたところの五つの法案が密接不可分のものかどうかということを、国会の場として論議して、論議した結果どの委員会で審議をするか、説明してくれということを言っておる。政府の基本方針なんか聞いていないのです。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 先ほど来柳田君からもお話があって、柳田君のおっしゃる、ILOとその他の政府の出しておる五案とどこに密接不可分の点があるかということを重点に、特に議運としては今その点が一番問題の中心になっておるのだから、その点についてもう少し自民党の側から説明をして……。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 議事進行でちょっと。今たまたま長谷川君から言った政府の態度、これは与党としては、お聞き願わぬでも、どちらでもいいです。しかし、結局は、ILO八十七号批准に関する答申という問題がたまたま出たのですが、これは要するに、資本家の考え方でもなければ、あるいはまた労働者だけの考え方でもない、御承知の通り、これは三者構成なんですね。要するに、答申を出したのは、三者構成なんだから、この答申をまず議題としていくことも、出発としてはいいことじゃないのですか。社会党さんの児玉君からの御発言によると、この答申では国内法の整備は必要ないのだ、こういう解釈があるし、われわれの方では、これを整備することは当然国内法を改正する必要があるのだと言っておるし、この点からある程度議論していかないと、まだまだこの答申というものは必要だと思う。労働問題は、三者構成という、これを尊重しなければいけないと私は思うのです。三者構成のこの答申を度外視して、これから解釈が違っておるというようなことでは、幾ら議論しても平行線をたどるのじゃないかと私は思います。だから、これをもう少ししていかなければならぬじゃないかと思うのです。

下平正一日本社会党

○下平委員 私は今の議論の中で二つほど申し上げたいのですが、一つは、先ほど佐々木理事が言われた、社会党は絶対反対だという考え方を捨ててくれ、そうしないと議論が前進しない、これはごもっともであります。私たちがこうして参加しているのも、何とかしてまとめていきたいという考えです。しかし、私は逆に言いたいのは、この間の提案理由や、きのうあたりの議論の中で、自民党さんの方では、五法案一括特別委員会ということを党議できめておるのだ、党内事情でどうにもならぬということをしばしば言っておる。かえって自民党さんの方に言いたいのです。そういう党議はやめてくれ、そうして議運の決定に従って党を説得していく努力をする、こういうことを僕らからかえって言いたいのですよ。というのは、今までの提案やその他聞いておると、党議できまったのだ、党内事情だということが強く出ておる。それで、かえって言いたいが、私の方もそうですが、あなたの方でも、党議できまった、どうにもならぬということは、考え方からはずしておいてもらいたい。  それからもう一つ申し上げたいことは、今たまたま労働問題懇談会の答申が議論になってきたが、私はそれは議論になっていいと思います。ただ、今行なわれておる議論は、労働問題懇談会の答申は、関係法規の改正も必要だということを答申しておる、だから、政府・与党としては、答申に基づいて改正案を出したのだ、これがいいか悪いかという議論、これは当委員会の議論としては間違いです。当委員会の議論としては、可分か不可分かという議論に今なってきておるわけです。そこで、私は前々から言っておる通り、政府・与党が、自民党の見解、政府の見解から、答申に基づいて改正案を出すこと自体を拒否するものでもないし、その審議を拒否するものでもないのです。ただ、その審議の土俵というものが特別委員会と必ずくっついておるものかどうかという、この可分、不可分の議論でありますから、その答申自体を議論することは意味がないと思うのです。答申によって具体的に出されてきた五法案そのものが、はたして不可分であり、統一審議を特別委員会でやらなければならぬかというふうな、そういう議論にいくことが、私は、今までの議運の議論から、正しい議論だと思うのです。そういうふうに一つ私は整理していただきたいと思う。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 関連して。今の可分論、不可分論の問題ですが、今出ておる五法案という中には、二つのものがまじっておると思う。第一番目は、ILOの批准に直接必要なものが一つと、もう一つは、職員の雇用者としての政府が、自分の使用者対職員関係を律する一つの法律をここで改めようということと、ILOの問題とこの二つの問題がごっちゃになっておると思うわけです。ですから、この際、労懇の答申の中でも、ILOそのものの批准を進めるべきだ。これは政府職員だけでなく、全体に……。だから、ILOにつながっておるのは、公労法と地公労法の一カ条ずつなんですから、これはもう一つのものとして処理されるべきだと思う。使用者対被用者としてのその関係の各法案というものは、これはもう全然別なものですよ。というのは、本来、これらの五つの法律ができたときは、それぞれ別な委員会で審議されて、国会の結論が出ておる。だから、そういう雇用関係の問題というものと、ILOの批准の問題とは、やはり別なものだ、そういう考え方で処理していかなければ、ILO特別委員会という考え方は、特別委員会をそこにしぼるという考え方からすれば、私は、筋が通っていない、二つのものがごっちゃになっておると思うのです。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 今の労懇の結論ですが、いわゆるこの結論が出るまでに、ここで今議論されておるような議論が、労懇自体にもいろいろあった。そこで、先ほど佐々木委員から読まれた答申は、私は、順序なり表現なり、いろいろな議論があった結果ああなっておると思います。一、二、三という順序がついておりますけれども、全体としてその問題が議論されて、その上で、第一項の批准すべしとか、あるいは五条三項、四条三項を削除すべしということになって出てきた。われわれとしては、やはりこれは一体のものだというふうに思います。そこで、それでは絶対的なものということは何だということになりますと、これは絶対というのがどういう意味か、また、可分、不可分といっても、相対的な問題だと思うのです。われわれとしては、労懇の結論が出るまでのいきさつその他から考えると、これは不可分と考えるべきじゃないか、こういうふうに私は考えております。下平委員 今、細田さんから、たまたま、労働問題懇談会の結論が、この問題の中心的な考え方になっていかなければならぬというような意見が出てきました。私もややその点については同感です。そこで、労働問題懇談会の結論というものは、ILO条約を承認するにあたっての関連事項というものを全部包含してあります。これは今日われわれが個人的に言えば、悪い点もいけない点もありますけれども、少なくともこれは労使が参加して結論として出したものですから、これは尊重していきたいと思います。その限りにおいては、労働関係法規の中でも改正をしなければならぬ問題もあるということはわれわれも認めます。ただ、しかし、今私がここで議論をするのは、その内容の是非善悪ではないのです。ILO条約批准について、われわれがこの中で考えることは、この答申の結論は、一体、直接条項として条約と同時に義務条項で改正しなければならぬ点と、将来にわたって労働問題の政策的にやる問題と、二つに分けてあります。そこで、今日われわれが議論をするのは、特別委員会設置のためにこれを基準にするならば、別々にそういう角度から考えねばいかぬ。そうすると、答申は、明らかに、条約は批准すべきものだ、それに従って改正すべき条項は、公労法四条三項と地公労法五条三項を廃止すべし、こういう明確な意思表示になっておる。そうしてそのあとは、それに付随して起こってくるいろいろの労働問題を処理する関係法規というものは整備をしなければならぬということになっております。整備をするということと、この廃止条項というものは分けてあるのです。そこで僕は、この答申に基づいて整備条項として政府から出してきた鉄道営業法あるいは公務員法などの提出権は認めるの汚す。この答申に基づいて提出されてくることは認める。しかし、議論の場所としては、議運では、直接事項、間接事項というように議論が分かれてきました。直接事項については、労懇ではこの二つの条項に限られてある。だから、法律案を出して一緒に審議をする、この議会で通すということと、特別委員会でまとめてやらなければならぬということとは、議論が違うのであります。それは細田さんが言う通りに私は賛成です。特別委員会の設置ということで理解をしていくなら、そういうふうに理解することが正しい理解だ。だから、可分か不可分かの議論が出てくる。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 私が申し上げたように、順序はそうなっておる。表現もいろいろありますが、これを一体のものとして考えた場合に、それは別な場面がいいという御議論もあり得るでしょうが、これは、きわめて常識的に考えて、一緒に議論するところの一連の問題ですし、答申全体を受けた問題ですから、一カ所で議論をすることの方がいい。

下平正一日本社会党

○下平委員 細田さん勘違いしてはいかぬことは、われわれは、答申の内容の是非善悪を議論しているのじゃないのです。当委員会は、国会審議のあり方を議論しているのです。答申は決して国会の審議のあり方までは一言も触れていないのですよ。国会はこういう審議をしなさい、国会は、答申が一連不可分のものであるから、同一の委員会なり特別委員会で一括審議しなければならぬという議論には一言も触れていないのです。相対性の関連あることは認めるけれども、間違っていかぬことは、この委員会の議論の経過というものは、不可分のものか、可分のものかという議論で進んできておる。これは不可分であるか、可分であるかという議論で進んできておるのです。その議論に立つならば、明らかに答申は、不可分のものとしては、四条三項、五条三項と厳密に言い切っておる。これは廃止しなければならないと書いてある。ほかの関連のある労働関係法規あるいは労使の慣行等については、別の機会、別のしかるべき方法で現行労使関係法全般について再検討することが望ましいと書いてある。明らかに違うでしょう。廃止すべしという断定をした直接条項と、別にしかるべき方法で現行労働関係法全般について再検討することが望ましいと、明らかに分けてある。そこで、再検討をするために、政府・自民党としては、これはかくかくの法案が必要だといって、五法案を出されてきた。この五法案を出されたことについては、私は何も異議を言っていないのです。しかし、別にしかるべき方法でやれといっておるのです。直接条項を特別委員会で審議しようという——いわゆる議運の経過からいえば、直接条項は特別委員会でやって、その他の関連しているものは、しかるべき方法で一というのは、おのおの政策によって議論は分かれます。たとえばチェック・オフの問題が出ましたね、チェック・オフは組合の恥だと言われましたが、決してそうじゃない。団体交渉の結果、労働組合がかちとった結論というものは、われわれは決して恥と思っていない。当然の権利だとしてやっておるのですから。議論の分かれるところの問題点は、委員会の審議として、別の委員会でやっていって当然ではないか、こういうふうに思うのです。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それじゃ申し上げますが、その労懇の答申で具体的に出したのは公労法第四条三項、地公労法の五条三項だ、こう言われますね。要するに、あとの労働関係の問題は再検討しようという答申だった、これはわかります。どれとどれをやれとは言わない。しからば、ILO八十七号の精神はどこにあるかということになれば、要するに、労使不介入でしょう、自主運営でしょう、そういうことがILO八十七号の根本的な精神でしょう。ですから、ここに相互不介入の原則ということをはっきりうたっておるのですよ。この関係ですよ。労使不介入の原則、これは八十七号の精神だと思う。そのために、これを批准するにあたっては、各国の例を見ましても、たとえばフランスにおいては、これを批准すると同時に、チェック・オフ、在職というものを国内法で廃止したでしょう。

下平正一日本社会党

○下平委員 全部とは書いてないでしょう。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 いやいや、ほかの国はチェック・オフとか在職とかはないのです。あったフランスでは、それを廃止しておる。だから、労使不介入の原則というものをちゃんとうたっておる以上は、その精神にのっとったやり方をしなければ、批准という意味も成り立たないじゃないですか。労働組合のいわゆる自主運営というものは、資本家の介入があってはいけないのです。だから、労使不介入の原則を守るということになればわれわれは、どうしたって、今それをやっている国内法のやり方というものは、何としてもこれは不可分の関係があるのだ、こういう判断をしているわけです。不可分の関係があるから、この批准の審議にあたっては一緒にやることが当然だ、こう考えるのです。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 そういうことになると、八十七号という条約は、結社の自由、団結権の擁護、それが中心なんです。そういうことになれば、なぜ、国家公務員法、地方公務員法は、団体交渉権まで制限しているか、団結権まで登録しなければならないという制限をしているかといういろいろな問題が出てきて、ごちゃごちゃやっては、社労みたいになってしまうから、それじゃいけないので、私が一番先に言ったように、今どうしても議会運営という立場で議運として論議する方法を先に見つけたらどうかという発言をしたときに、阪上さんが私のあとを受けて、こういうふうに議事を進行したらどうだという発言があったのです。だから、そういう方向に議事の運営というものをきょうは乗せてもらいたいということが一つ、その一つに大へん格好な材料があるわけです。材料というか、この間からの引き継ぎでありまして、一つは、やはり特別委員会を設けることについて社会党は絶対にだめだということならば、それは困るので、御検討を願いたいと、佐々木さんがあの日発言を最後にされました。そこで、私はそのまたあとを受けて、それはなるほど社会党も考慮をするけれども、あなたの方でも、特別委員会を設けるということについてのいろいろな申し合わせをしてから旬日をまだ経ていないのだということを党の皆さんによく話してもらいたい、そういうことを、あの日に——言い回しは大へん穏やかな言い方で、本質そのものを言ったのじゃないというふうに言われるかもしれませんけれども、小泉さんでしたか、ゆるやかなので、大へん議事がうまく行きそうな御発言がありました。それは相当補足説明がありましたけれども、最後に佐々木さんがこういうことを言ったわけです。鉄道営業法というものは切り離してみてもいいとするならば、皆さんの御意見はどうでしょうかということもおっしゃったので、私の方から、そういうふうに、可分だ、不可分だということで非常に今角突き合わしてやっておるのだが、鉄道営業法をなぜ離したか、離すようなことを考えてもいいじゃないかというふうにとれるような御発言がなぜあったのか、その点をもう少し幅を広げて御研究なさってみたらどうでしょうかということを、私はあの日最後にちょっとお願いを申し上げたのですが、この辺はどうでしょうか、またぐらりと不可分に宙返りをしたのでございますか。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 そこで、私たちはどこまでも話し合いでいきたい、話し合いというものは、私が先ほど言った通り、社会党さんも絶対反対だということをまずおいてもらいたい。われわれも、党としては、五つの法案は一括して特別委員会でやれという方針をきめておりますけれども、話し合いというものは、両方で一歩ずつでも二歩ずつでも折れないことには話し合いにならぬ。お互いがこうきまったのだからと言って角突き合わせていたのではいかぬのだ。それで、可分、不可分の問題が出ておりますから、この五つの中にはほんとうに不可分の問題もありますし、不可分の度合いが薄いのもあります。だから、その点は話し合いできまれば、こんな幸いなことはないと思いますので、やや薄いと認められる鉄道営業法のごときは、あるいは話し合いによっては、——折れてもいいということじゃないのです、まだ党ではやっておりませんが、ただ、われわれ出先としてはそれくらいの余裕を持って話し合いを進めなければ、どこまでも角突き合わしていては話し合いの結論が出ないと思ったものだから、ある程度それをにおわせたわけです。またもう一つ、その次の日に至って、しからば、社会党さん、この四条三項と五条三項のあります問題と、それから八十七号の本案を一緒にしたらどうでしょうか、あとのことは何とも言わないが、この点はどうですかと私がお伺いしたところが、下平君から、その点は少し待った、それが今日までの行き方です。だから、われわれも、どこまでも党がきめたから一歩も譲らぬのだという態度で話し合いをしておるのじゃないということだけは、一つ……。

下平正一日本社会党

○下平委員 たまたま今佐々木さんの言われた、最初にきまったような方向で議論が集中してきた。佐々木委員の方から、ILO条約によって、四条三項、五条三項のみでなしに、当然、条約と関連して変えなければならぬ条項として、たまたまチェック・オフの問題が出ましたが、チェック・オフの問題は、労働問題懇談会の答申にはありません。ないのが当然なんです。佐々木委員の方は、チェック・オフはILO条約の精神に違反しておると言いましたね。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 違反と言ったのじゃない。

下平正一日本社会党

○下平委員 精神に違反しておるとおっしゃったが、そうじゃないのです。ILO条約の精神というものは、労使双方が不介入であると同時に、他の機関の介入も許さないのです。これはILO条約八十七号の大原則であります。特に他の機関という中で条約が一番重視しておる機関というものは、権力を持った政府機関であります。権力を持った政府機関というものが労使の紛争に介入することを、やはり一番いけないことだとして条約の精神はうたっておる。そこで、チェック・オフの問題を少し具体的に言いますと、チェック・オフということはどこから出てきておるかといえば、同じILO条約の中に、労働者の賃金というものは、使用者から労働者に直接そのまま現金で渡さなければならぬ、途中で賃金についての差引をしてはならぬというのが、労働賃金に対する支払いのILOの大原則なんです。その大原則を受けて国内法がどういう形で整備されておるかといえば、労働基準法がこれをきめておるのです。賃金というものは労働者に払わなければならぬ、しかし、いろいろな条項、例外規定があるのです。たとえば、代表的なものは、所得税を天引きするという問題、共済組合の掛金を引くというような問題、その他一連のものがあるのです。労働基準法はどういう決定をしておるかというと、賃金の控除については、労使が話し合いをして協定を結んでおります。こういうものだけは給料から引いてもよろしい、いわゆる賃金控除に関する協約、協定というものは、このILO条約の賃金支払いの原則から労働基準法に移り、それから労使の間の協定、こういう形になってきておるのでしょう。従って、労使の間の協定に基づいて引かれる金というものは、支払いの原則からはずされてあるのです。それで、従来、日本の国では、組合費を給料から引かれる形はどうなっておるかというと、いずれも労使の間で協定を結んで、組合費は引きます、そのかわり当局の共済組合の金も引きましょう、おのおのバランスをとって、当局の都合のものも引くことを認めるから、組合のものも認めなさいということで、労使の間の協定でこれがやられてきている。これをこの法律によって禁止するということは、言うならば、労働組合の団結権、団体交渉権に基づいた結論を、政府機関、権力機関が拘束することになる、これはILO条約の精神に全く反しております。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それは違う。

下平正一日本社会党

○下平委員 違わない。ILOのほかの条約を見てごらんなさい。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 在職……。

下平正一日本社会党

○下平委員 それでは、在職についての見解を聞かせて下さい。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 たとえば、教員なら教員の立場について言いましても、教職員というものの本分は、要するに、児童なりあるいは生徒なりに教育を行なう、そのことが本分でしょう。それが在職という、特別な組合運動をやっておる人たちが、その本分でない仕事のために地方なりあるいは政府なりから給料をもらっておることそれ自体は……

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 給料はもらっていない。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 もらってやっているのもあります。それから組合でやっているのもありますよ。それだから、それは本分を離れた仕事をしている。組合の仕事は、組合自体の考え方で、だれのお世話にもならないでやるということが、自主的なやり方ではないでしょうか。私の考え方が浅いかどうか知りませんが、要するに、在職で組合の仕事をやることは、やはり別な恩恵を得ながらやっておるわけです。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 労使間の団体交渉できまっている。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 きまっているからといったって、世界の例を見ても、現に八十七号をやるときにフランスあたりではこれを廃止していますよ。

安宅常彦日本社会党

○安宅委員 廃止しているところもあれば、廃止していないところもある。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 廃止しているところを言っている。

下平正一日本社会党

○下平委員 議論をぼかしていってはいけない。今、自民党側の見解として、ILO条約の精神からいえば、労働者の賃金の中から組合費を当局が天引きして渡すようなことは、ILOの精神に反するという議論があったのです。ところが、ILO条約はこればかりじゃありません。ほかにもたくさんありますが、賃金の支払いをきめたILO条約、それを受けてきめた国内法は労働基準法です。この中で当然許された行為として、賃金控除に関する協定、これは労働者と使用者側の意思決定として、労働関係の条約あるいは労働関係法規から、第三者の介入を許さない確定事項であります。団体交渉の決定事項というものは、法律的にも、条約的にもちゃんと守られておる。そこで、当局は当局の都合で共済組合の金を引かしてくれ、それじゃ組合費も引かしてくれということで、労使同意の上に協定ができておる。この結論を法律によって否定することは——先ほど申し上げましたILO条約の問題点の不介入の原則というものは、単に労使の間だけではないのであります。第三者の政府機関、権力を持ったものの介入ということが一番おそろしい、これをとめておるわけです。そうすると、労使の間の協定で結論が出たことを、権力を持った国家機関が権力をもって否定するということは、逆にILO条約の精神に違反をするというのが、私の反論なんです。専従制限、在職専従については議論がありますから、この次の段階にやりましょう。今あなたが展開されたこのチェック・オフは、ILO条約の精神に基づいてやっておるのです。先ほど冒頭に申し上げました通り、たとえば政策条項の中には、私たちは、ILO条約の条約事項を侵すことをやっているではないかという議論を展開しておる。私どもは社会党の見解を言いましたから、あなた方の見解を聞かしてもらいたい。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 われわれの考え方は、あらゆるものの介入を許さない、それから自主運営というものは、どこまでも自分たちの力でやるべきだという、これは単純な考え方かもしれませんが、そういう点からいって、私たちはどこまでも不介入の原則を守り、あるいは自主運営の形に労働組合を持っていくべきだという考え方に変わりないわけです。そういう点からいって、チェック・オフとか、在職職員というものは、自主運営の形から離れておる。これが間違っておると言われれば、議論の分かれるところですから、仕方ありません。

下平正一日本社会党

○下平委員 それじゃ一つ反論します。労働者の賃金というものは、労働組合に限って引き去ることはいけない、介入だという。それじゃ、ほかの法令、労働基準法なり何なりで賃金控除が行なわれているが、これは介入じゃないですか。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 民間の場合は……。

下平正一日本社会党

○下平委員 民間にしろ何にしろ、ILO条約というものはそういうものじゃありません。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 そうでなく、われわれは国会議員として、国に関係のある議論をしているのです。

下平正一日本社会党

○下平委員 チェック・オフをわれわれは議論しておる。チェック・オフは公労法だけではありません。一般の民間は国会の議論の対象にならぬようにおっしゃいますが、民間の労働組合は、御承知のように労働組合法でちゃんと律せられておる。だから、理論としては同じなんです。そこで、佐々木さんの言われる議論では、組合費を当局が引いて組合に渡すことは介入だというけれども、労使間の問題は、今まで言った通り、協約というものできまる。協約できまったことは第三者が介入をしないということが、不介入の原則です。特に労使の関係においては、介入、不介入の一番問題になりますのは、権力の介入です。権力の最たるものは政府であります。この政府が、労使間の協定に基づいた結論を否定するような介入をしてくることが、一番いけないのです。ILO条約の精神に反します。そこで、今言ったように、このチェック・オフという問題は、チェック・オフをする、組合費を給料から天引きすることを禁止するという考え方は、かえって権力の介入であります。労使の協定に従って出た結論を権力によって否定し去ろうというのですから、それはかえってILO精神の逆じゃないかというのです。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 その議論はいつまでたっても終わらぬ。見解の相違です。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 労懇の答申に忠実であるかどうかというような問題は、各関係委員会で大いに論議すればよいと思います。私は今から少し議運らしい発言をしてみたいと思う。  私はこの前からやかましく言っているのですが、憲法四十一条の例外として、条約の国会承認手続というものが別に扱われているということです。条約というものは、一部修正もできなければ、あるいはまた、条件付の承認もできないという解釈が大勢なんです。そこで、そういう例外の扱いを受けておるところの条約の国会承認という問題が、議運として論議されなければならない。この場合、こういう例外規定まで設けられておる条約を、それだけを切り離して審議するということが何が不当だということなんです。そうして今言われたような、いろいろな整備をしなければならぬような問題については、それと切り離して別にやったって、できないということは言えないのです。それをなぜ一緒にやらなければならぬか。ことに、条約の批准を急いでやるということであるならば、なぜこれを切り離してやってはいけないのか。憲法の精神からいっても、そうだと思う。ことに、先ほど佐々木さんは、四十五条をたてにとっておられるけれども、国会法なんというものは、別に天皇の公示の手続を要するようなものでもなんでもないのであって、これはやはり例外の自律立法だと思うのです。だから、この段階においては話し合いをしなければならぬけれども、一番大事なことは、議院運営委員会として考えなければならぬことは、条約と切り離してやることがなぜいけないのか、この点を一つ自民党さんの方から解明してもらいたい。もちろん、この二つのものが関係のないなどということは、われわれ言っておりませんよ。国会の審議の手続としてなぜ密接不可分でなければならぬのかということをわれわれは言っておるのです。そこのところをはっきりしてもらわないと、いつまでたっても平行線です。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 今、阪上君から、国会法四十五条というものは、そんなものはと言われますけれども、やはり国会の運営は、国会法にあれば、それに基づいて御議論願うことが当然であって、しかも、私たちの御説明申し上げたのが納得できないということであれば、なお研究し、努力して御説明申し上げなければなりませんが、先般から私が申し上げておる通り、要するに、四十五条には、特に必要を認めたときには特別委員会を作るという規定があるのだから、ILOなどという問題は、労使間においては大きな問題でありますから、批准をするにあたっては、今までの平和条約とか、日ソ共同宣言とか、あるいは安保条約とかいうようなものと、軽重の差はありましょうけれども、それと同じような重大性を持っておるのです。それと同時に、ILOを批准するにあたっては、答申にもあります通り、これをやるやらないは別にいたしましても、要するに、国内関係法全般にわたって再検討すべきものであるという答申もありますし、そうかといって、各般の常任委員会にわたります、——地方行政委員会とか、社会労働委員会とか、その他いろいろな関係の委員会もありますから、それがばらばらでやっていたのでは、やれないことはありませんが、十分なる総括的な審議も——不可能とは言いませんが、これを十分にやるということになれば、一本のところに集めてやった方が、衆議院の英知を結集することもできる、あるいは進行も早くなるというような点を申し上げたのであって、それ以上に、しからば一々具体的な関連性ということになれば、先ほどから議論した程度の問題しか——われわれとしては専門委員じゃないですし、また、その以上のものをどうこうということは社労委員会の問題になりますので、この程度の説明では十分でないとおっしゃるなら、なおわれわれは検討して申し上げなければなりませんが、今の場合はそれ以上申し上げられないでしょう。それで納得がいきますまいかと申し上げておるわけです。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 われわれは、国会正常化について、長い、感心すべからざる歴史も持っておるのですから、この場合、こういうように意見が対立しておる段階において、議運の態度というものを正当に出していくためのかがみとして、やはりこの際、大げさな言い方になりますけれども、条約承認というものと一般法律の制定というものと手続が違うのですから、そこに話を持っていって、ほんとうにわれわれは冷静に考えてみる必要があるのではないかということを申し上げておるのであって、四十五条を軽視するという意味ではありませんが、憲法自体が国会法に譲っておるのは、議運の建前として話し合いの上で自律していかなければならぬところの内容を持っておるから、そういう特別な扱いをしておる。もし、そういう点がはっきりしてこないと、何か先ほどから伺っておると、国内法が所定の制定をされない限りにおいては、条約も承認しないというような線が出てきておる。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それは飛躍し過ぎた議論じゃないですか。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 しかし、審議上密接不可分だということになれば、そういうことになります。私は、国会運営上重大な問題だということを申し上げておる。これを一つさらにお考えいただきたい。

谷口善太郎日本共産党

○谷口議員 私、この間から皆さんのお話を聞いておって、今おっしゃったように、どうも自民党さんの方は、政府の方は、国内法が今提出されておる通り変らぬ限り、条約の批准をやらないという、そういう態度を持っておるように思われて仕方がない。条約の問題と国内法の改正の問題と一緒にやらなければならないという必然性が、どうしてもわれわれ理解できない。非常に明らかなことであって、分けてやるべきが当然だとわれわれは考えておるのだけれども、それが皆さんの方では、そんなに大きな理由なしに、とにかく関係があるから一緒にやった方がいいということだけおっしゃっておるのですが、どうもそこらのところに疑問を持っておる。そこで、こういう言い方は、もし言い過ぎであるならば非常に幸いだと思うが、国内法の整備の問題でも、先ほどから議論がありますように、チェック・オフの問題だけでも大いに意見がありますが、それらの問題が政府あるいは自民党の考えておられるような方向で改正されない限り、条約の批准もやらないという、何かそういう気持を持っておられるような気がして仕方がない。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 そういう誤解があっては、これから議論する上においても率直な意見が出ないと思いますから、申し上げますが、わが党として、八十七号条約を批准するにあたって、特別委員会を作って関係の五法案を一緒にやるということはきめてありますが、もし他の法案ができない場合は八十七号は批准しないのだという決定はしておりません。こういう問題ですから、党員の中にいろいろな意見はあります。個々の意見としてはありましょうけれども、党としては、この中の一つでも二つでもできなければ、八十七号を批准しないのだという結論は出しておりませんから、それだけは誤解のないようにしていただきたい。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 今、佐々木さんから非常に大事な御発言がありまして、意を強うしたのですが、個々の意見はあっても、自民党さんとしては、関連法案全部一括でなければILO八十七号は批准しないのだというようなことはきめてないとおっしゃっておられましたが、ILO八十七号条約そのものを読んでみますと、第三条の第一項は「労働者団体及び使用者団体は、その規約及び規則を作成し、完全な自由の下にその代表者を選び、その管理及び活動を定め、並びにその計画を立案する権利を有する。」要するに、自由に代表者を選んで計画を立案したり何かする権利を有するというわけです。それから第二項は、これが大事なんですが、「公の機関は、この権利を制限し又はこの権利の合法的な行使を妨げるようないかなる干渉をも差し控えなければならない。」これはどちらもまず労働者の権利をうたい、そうしてその権利に対して公の機関が合法的な行使を妨げるようないかなる干渉をも差し控えなければならないと書いてある。そうして八条の二項には、国内法令は「この条約に規定する保障を害するようなものであってはならず、また、これを阻害するような方法で適用してはならない。」こうなっておるわけです。これを批准しようというのです。これを批准しようということに対して、一緒のどんぶりに載せて持ってこられたところの五つの法案は、われわれの解釈からすれば、条約の成文そのものにも反するのじゃないかという疑いがある。これは見解の相違かもしれませんが、われわれは疑いがある。皆さんの方では、あるいは、しからずと言われるかもしれませんが、われわれはそういう疑いを持っておる。そういう疑いを持っておるのでありますから、なおさら、批准と、批准にむしろ矛盾するような各法律案を一緒に審議するということは、理論的にもそこにむずかしい問題がある。そうして答申そのものをもう一度振り返ってみますと、最初から何回も出ましたが、答申は三つに分かれておる。第一項は、「八十七号条約は、批准すべきものである。」これは義務規定です、それから第二項に、「公労法第四条第三項、地公労法第五条第三項を廃止しなければならない。」となっております。第三項には、ILO条約の精神から「別にしかるべき方法で、現行労使関係法全般についても、再検討することが望ましい。」となっております。これを三者構成で全会一致できめたんですが、このときに、使用者側の委員はこういうようなことを付言しておる。今の第二項の「関係諸法規等についての必要な措置が当然考慮されることになるであろうが、」というところを、当然考慮されるべきである、こういうふうにしてくれということで執拗に食い下がったわけです。第二項の、「この廃止にあたっては、関係諸法規等についての必要な措置が当然考慮されることになるであろうが、」と、非常に不確定な要素のところは、使用者側は、これも第一項のように、「当然考慮さるべきである」というふうにしてくれと言った。これが非常にもめた。そうして最終結論として三者が一致したのは、「当然考慮されることになるであろうが、」こういうことに落ちついた。これはそのときの労懇の速記録を読んでいただけばわかるわけです。そういうような経緯から見ても、明らかに批准すべきであるが、四条三項、五条三項は削除すべきであるということと、関係法規は「当然考慮されることになるであろうが、」そういうことはわれわれも否定してないのです。そこに非常に軽重の差が出ておるわけです。従って、これから見ても密接不可分とは考えられない。そうして密接不可分とは考えられないものを持ってこられた五つの法案というものは、今読んだILO条約本文そのものの第三条なり第八条にわれわれは違反すると見ておる。であるからこそ、なおさら、これを一つのところに持ってきて審議せよと言っても、われわれは理論的には納得せぬものがあるわけです。そこで、これはむしろ議運で言うよりも当該委員会で言うべき議論でありますが、そういうような前提に立って、議院運営委員会としては、それならばこれはどうするか、八十七号は外務委員会にかけて何ら問題ないじゃないか、外務委員会でどんどん審議をやれば、審議が促進されるのじゃないか、そうして関係法案は、われわれは確かに条約そのものには違反するという疑いを持っているが、自民党さんの方は、見解の相違で、違反しないのだ、これでやってくれと言われるならば、それぞれ関係委員会でおやりになってけっこうである。労懇においても、「当然考慮さるべきであろうが、」使用者側の「当然考慮すべきである」ということが採用されず、同じ答申でも、「すべきである」という義務と、「当然されるであろうが」というような不確定な表現とは、非常に違うわけです。だから、当該委員会におかけになったらいいのである。これならば便利だということになってくれば、物の比較でありまして、たとえば、ガットならガットの条約を審議するにあたって国会はどうするか、ガットは外務委員会にかける、しかし、大蔵委員会、通産委員会、農林委員会、みな関係があります。それでは、いっそのこと、どんぶりに外務委員会、大蔵委員会、通産委員会、農林委員会、全部まとめて特別委員会にしてガットを審議したら、もっと便利だ。あるいは、日米通商航海条約というものを審議する場合、いろいろな委員会に関係があります。条約というものはそれぞれ国内の法規と密接に結びついておりますから、十六の委員会あっちにもこっちにも関連があります。条約そのものはそういう性質のものなんです。だから、議運の場としては、特別委員会を設けてもよし、設けざるもよしということになる。議運の場として、設けるのも一つの便法なんです。たとえば、ガットならガットで特別委員会を設けるのも便法、設けざるも便法、あるいは日米通商航海条約を審議するにあたって、外務委員会だけでやるか、あるいは、関連しておる商工委員会あるいは大蔵委員会、農林委員会、みなそれぞれ関連しておるから、それも特別委員会を設けてやったらどうか、設けるもよし、設けざるもよし。しかし、われわれとしては、そういうふうに議論を持っていくと際限がないから、十六の常任委員会があるので、われわれ議運としては、特別委員会というものは必要最小限度のものにしぼろう、そしてしぼるときには、意見がいろいろあるだろう、たとえば、ガットにしても、日米通商航海条約にしても、意見があるだろうから、そのときには、意見の一致したものは、便法として設けるもよし、設けざるもよし、こういうふうにわれわれは申し合わせておる。ところが、今われわれが言いますように、このILOに関しては、われわれは、設けなくても別々の委員会でやって何ら不当じゃない。設ける方が便利だということはわかる。条約そのものはそういう性質があるのだから、何もILOに限らないじゃないか。ガットは大事なものです、日米通商航海条約は大事なものです、しかし、設けなくても設けても、それはどちらもそれぞれ理屈はあるわけで、だから、最小限度にしなければ、特別委員会というものは際限がない。一つの問題で機構をやると、すべての日本の官庁がなわ張り争いをやるように、どんな問題でも、これは通産省だ、これは建設省だ、これは自治省だ、これは運輸省だと、きちっときまるものではないのです。そこで官僚がなわ張り争いをやる。それと同じように、一つの常任委員会にどんぴしゃときまるわけはない。だからこそ、国会法というものは、そこに連合審査とか合同審査という規定をちゃんと設けてある。それを活用されればいいのである。だから、われわれも、あなたのおっしゃるように、公労法四条三項、地公労法五条三項だけをとってきて特別委員会でやってくれと言われるなら、別の観点でまた論議します。そうでなく、こぶがついておりますから、特別委員会を設けるのは困る、われわれとしては好ましくないということになる。そういうことになっておりますから、これは国会法の精神から見ても、従来の慣例から見ても、議運の申し合わせから見ても、われわれとしては、一つの委員会でやることには同意できない。だから、その点を無理にあなたの方が、今までの申し合わせば申し合わせだが、一つ全会一致でやってくれと言われるならば、われわれの言ったようなことを一つ一つ解明して、この点はこうだ、この点はこうだ、だから、一つ社会党さんも民社党さんものんでくれぬか、こう言われるならば、われわれとしては、議運は話し合いの場だから、十分話し合いをしましよう。ただ便利だからということならば、それは比較論です。どの条約でもそういうことが言えると思う。そういう点はもう一つ突っ込んで御説明を願いたい。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 ただいま答申の第一、第二、第三の問題でお話がありましたが、もちろん、一が大事で、二がその次で、三がその次だという考えはわれわれ持っていないのです。さっき細田君からもお話があった通り、この答申全体というものは、総合的な結論からいったのであって、すべて関連性があるということをまず私は主張していたわけです。同時に、八十七号を批准するという政府の態度は、もうすでに、するかしないかというのではなくて、するということは数年前から決定しておるわけです。政府としては、批准するにあたってどうするかということで、懇談会に諮ったわけです。労働問題懇談会条約小委員会の報告がありますが、三十三年九月二十四日の小委員長の報告によりましても、批准するかしないかという検討を加えるのではない、批准するということは政府できめておるのですから、本小委員会は、その設置の経緯にも明らかな如く、本条約の批准の可否について意見を求められているものではなく、本条約とこれに関連する国内法との問題点を明らかにし、これを懇談会に報告することを任務とするものであって、一応その結論を得たので、懇談会にこれを報告したのだと書いてある。批准する、しないじゃない、批准するということは政府としてはきめておる。歴代の大臣が向こうに行って、総会において、わが国は批准するのだということをきめておるのです。批准するにあたって、国内法との関連の懇談会ですから、ここをあなた方もよく考えていただかないと、二がどうだ、三がどうだというのではないのです。その点を、三者構成によって得たこの労働問題懇談会の結論というものは、批准するにあたっての国内法の関連と労働組合のあれに対しての答申だということをお考え願わないと——この懇談会で批准することをきめたのではないということを一つ御理解を願いたいと思うのです。

柳田秀一日本社会党

○柳田委員 佐々木さん、今、あなたは三十三年九月の小委員会の報告を引用されましたが、その一番冒頭に、団結権と争議権はみな関連を持つことは明らかであるが、本条約は、直接争議権の問題に触れるものではないということが書いてある。だから、先ほど言いましたように、政府が出してきたものは、その条約と間接に関連はあるけれども、直接密接不可分のものでないということをわれわれも言っておる。これは労懇からもちゃんとそういうふうに報告をしておるわけです。団結権と争議権は密接な関連を持っておるけれども、条約は直接争議権の問題に触れるものではないということは、労懇からも答申が出ておるわけです。だからこそ、これは密接不可分なものでないということをわれわれは言っておる。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それはおかしい。密接不可分ですから、懇談会に諮ったのです。

下平正一日本社会党

○下平委員 今、佐々木理事の言われたことは、私その通りだと思うのです。それは弔うすでに昭和三十五年四月二十八日の閣議で、批准するということを決定しました。同時に、昨年のILOの結社の自由委員会に対して政府が書簡を出しております。その書簡では、今度の国会では批准を一行なって、この五月か六月に持たれるILO総会には、批准を行なったという報告をいたします、こういうふうに政府は書簡でILOの結社の自由委員会へ出しております。従って、今、佐々木理事の言われた、政府は、労懇の結論を待つまでもなく、批准するという意思は確実にきまっておるのだ、この点はわれわれも十分承知をしておるのです。しかし、今議論をしておることは国会の審議のあり方なんです。そこで、審議のあり方としては、関係法を整備するということも労懇の答申にありますから、けっこうでありましょう、それから、ILO条約に直接関連がある、ないと分かれるのもけっこうでありましょう、しかし、この議運の議論としては、特別委員会が妥当であるか、妥当でないかという議論になっておるわけです。そこで特別委員会が妥当であるか、ないかという議論は、だんだんせんじ詰めてきたら、それは憲法の関係もありましょう、国会法四十五条の関係もありましょうが、前回も安保条約で多少のことがありました。そこで、直接関連法規だけはということに限られるならば、お互いに考慮してもいいではないかというところまで議運の議論がせんじ詰まってきておるわけです。そういう経過で、さて、それでは五法は直接関係ありという自民党側の意見と、社会党側の、関係がないではないか、もっと言うならば、社会党側は、この法案を出すことによって、かえってILO条約違反を犯すことになりはせぬかという議論で対立しておる。そこで、それらの議論を行なっていくことが大切で、労懇の答申が出る経過については、私どもも、自民党も、政府も、見解の相違は一つもない。可分か不可分かということは、この委員会においてもっと深い追及をされて、そうして結論を出すようにしなければならぬと思う。たまたま先ほどチェック・オフが出ましたから、チェック・オフこそは、ILO条約に違反をするという見解を言っておる。そういう問題についてもっとこの委員会が議論を深めて、できるだけ国会の正常化を保つために、冒頭に言いましたように、自由民主党も、党議できまっておるからいかぬとか、あるいはまた、戦略的なことで、ILO条約の食い逃げをされては困るというような既定概念は捨てて、ほんとうに正常化のために譲歩する決意を固めて議論をしていただきたいと思うわけです。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木(正)委員 この可分、不可分論は、なかなか委員会で結論に達するまでにいかぬと思いますから、今日はこの程度で散会していただきたいと思います。

小平久雄自由民主党

○小平委員長 それでは、本件は、本日のところ、この程度とし、次回の委員会においてさらに御協議を願うことといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党

○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

小平久雄自由民主党

○小平委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、十八日火曜日定刻より開会することといたします。従いまして、次回の委員会は、同日午前十一時から理事会を開き、理事会散会後に委員会を開会することといたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十五分散会

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