外務委員会 第26号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/05/24
会議録
○堀内委員長 これより会議を開きます。 国際電気通信条約の締結について承認を求めるの件、日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、及び日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、以上の各案件を一括議題といたし、質疑を行ないます。森本靖君
○森本委員 まず国際電気通信条約の件から質問をしていきたいと思いますが、この国際電気通信条約についてはすでに歴史的なものがあるわけでありますが、今回のこの条約におきまして、前回の場合とどういう重要な点が変わっておるのか、まずそれから概略御説明を願いたい、こう思うわけです。
○東郷説明員 御承知のごとく、この国際電気通信条約は、国際電気通信連合という常設の国際機関を設置する規定の部分と、それから国際電気通信のごく基本的な一般原則を定めた部分とございます。今回の改正はその前者、すなわち国際電気通信連合に関する若干の改正が施されたわけでありますが、そのおもな点は、まずその事務局の強化、たとえば管理理事会の定員の増加というような問題、次に予算制度の若干の改正及び職員の給与体系の改正と、それから第三には、いわゆる後進国の援助に関する規定を入れた。主としてこの三点でございますが、詳しい点については直接このジュネーブ会議にも代表として出られました郵政省の松田電気通信監理官から御説明した方が適当かと思います。
○松田政府委員 ただいまのお尋ねについて少し詳細に申し上げたいと思います。 まず機構の関係でございますが、これはただいまも答弁がございましたように、まず管理理事会というのがございますが、これはただいまも答弁がございましたように、まず管理理事会というのがございますが、これは全権会議から全権会議までの間におきまして、全権会議にかわりましてこの連合の主要な事柄を決定し、また事務局を監督する機能を持っておるわけでございます。それが従来は十八カ国で構成されておりましたのに、今回の会議で特にアフリカ関係の国がたくさん独立いたしまして、その方面の代表の点に欠けるところがあるということも理由になりまして、二十五カ国にふえたわけでございます。ついででございますが、わが国も今回初めてこの理事国の一員に選挙されたわけでございます。 それから事務総局、これは事務局でございますが、事務総局がございまして、従来次長が二人おったわけでございますけれども、それを一人にいたしまして、しかもそのかわり次長は格上げといいますか、事務総局長代理というような機能も含めまして、従来よりももう少し強化いたしまして、しかもその事務総局長あるいは次長の選挙は全権会議で行なう、従来は理事会で選挙しておりましたが、全権会議で選挙するという形になったわけでございます。 それから、この国際電気通信連合の中には国際周波数登録委員会、IFRBといっておりますが、周波数の国際的な登録を実施し、若干の周波数の規制にも関与しておりますけれども、そのメンバーが大体十一名で構成されておりました。これも条約に十一名ということをはっきり明記いたしますと同時に、その委員の選任につきまして、従来は大体国を選挙いたしまして、その国からその委員を指名させるという形になっておりましたのを、この委員会の性格にもかんがみまして、もう少し個人的な色彩を出させるということになりまして、各国から候補者を指名して選挙に臨みます。その中から十一名を選ぶということで、もちろん各国一名ということではございますけれども、国と同時に個人という点を重く見て、そういう選挙の仕方に変わったわけでございます。なお、この登録委員会の機能も若干強化されております。ちなみに、この点わが国でも推薦されました長谷慎一氏がこの委員の一名に選ばれておるわけでございます。 次に、ただいま御答弁がございました予算関係でございますが、これは従来はこの連合の事務的な通常経費と、会議の経費という臨時経費と、二本立になっておりましたのを、今回は統合いたしまして、単一予算という形でこの連合の予算を明確にしていくというふうになったわけでございます。 それから技術援助の関係でございますが、これは最近の新興国に対する電気通信関係の技術援助を強化するという意味におきまして、この電気通信連合の目的の中にもそれを明確にうたい込みますとともに、事務総局あるいはこの連合の中にございます諮問委員会を各国が集まって持っておりますが、その諮問委員会の機能としても、その問題を明らかにいたしまして、技術援助を充実していこうということになったわけでございます。 それから職員の給与関係でございますが、これも電気通信連合特有の給与制度で従来から参っておりましたけれども、これを国際連合の一般的な共通の給与制度に合わせるようにいたしまして、その結果は職員の待遇の改善になりますけれども、その点で国連統一でやっていくという趣旨が今度の条約上明確になったわけでございます。 そういう点が大体主要な改正の内容でございまして、実体的な国際通信の基本規定というものには今回はあまり変化がなかったということでございます。
○森本委員 大臣が見えられましたが、時間がないようでありますので、先に大臣の方にお聞きしたいと思います。 実は最初から大臣に聞くよりも国際電気通信条約、さらにそれに関連をしましての国際周波数登録委員会、そして現在国際的な周波数の登録がいかようになされておるか。その具体的な電波の効用というものが、各国間においてどういうふうに行なわれておるか。それに対する影響が日本と国際電気通信条約に含まれていない国々との間にどういう関係があるのか。そのことによって日本の国がどういうふうに損害を受けておるかというところから質問を始めていって最後に外務大臣としての考え方を問うというのが一番妥当な方法でありまして、そういかなければ、実は最初から大臣に聞くということになりましても、大臣としても話のつじつまが妙にわかりにくいと思いますけれども、しかし大臣の御都合もありますし、時間の関係もあるようでありますので、まず大臣にお伺いいたします。 この国際電気通信条約に極東において加盟をしていないというのが、わが国に近いところでは中共、北鮮であります。そこで周波数関係等においてもこれが日本の中波の通信——中波と申しますのは、今のラジオでありますが、今のラジオ通信等においても、混信によって日本側の放送関係がかなりじゃまをせられておるということもあるわけでありますが、そういう点について国際電気通信条約に加盟をしておらない国々と日本とがお互いに電波協定を結び合うということは、特に現在の電波事情からいたしましても必要な関係にあるわけであります。そういう点についての専門的な立場になりますので、従来しばしば逓信委員会あたりでも、郵政大臣との間に質疑応答がかわされておるわけでありますけれども、そういう点については郵政大臣あたりとしては、でき得ればそういうような協定を中共と結びたいというふうに言っておりますし、またそういうふうな考え方には同調できる点もあるということを言っておりますけれども、内閣の時の外交政策その他においてこの問題が発展をしないというのがいつも郵政大臣の答弁であるわけであります。そういう関係からいきますと、国際電気通信条約に関連をいたしまして中共、北鮮等が入っておりませんので、特に今日本との間においては、北京放送が約五百キロか千キロだと思いますが、そういうふうなものと、日本の民間放送にいたしましても、NHKにいたしましても、混信がだいぶあるということが出てきておるわけであります。これが元来国際電気通信条約に加盟をしておるということになりますと、これはあとでも説明を受けますけれども、この管理機構を通じまして相手の国に注意を喚起するなり、あるいは相手国からどういう措置をとったということの報告を求めることもできるわけでありますが、今の場合北鮮、中共に対しましては電波の世界におきましても日本とは無関係になっておるわけであります。そういう関係でこの電波の関係におきまして中共と日本の間に電波協定というようなものを結んだ方が、お互いにいいのではないかというように考えるわけでありますが、そういう点についての外務大臣の御答弁を願いたいと思うわけであります。
○小坂国務大臣 お尋ねのように現在中共、北鮮等が国際電気通信条約の当事者でないわけでございます。 これはお尋ねのことと少し違いますが、かつて昨年秋ごろの例の北鮮帰還の問題での交渉の際に、新聞記者としての電報が打てる、打てないという非常に危介な問題を、北鮮側がこの当事者でなかったために提起していたこともあります。これは御承知と思いますけれども、そういうことで今お尋ねのようないろいろ不便な点もあるわけでございます。しかし電波の使用についてはそういうふうに拘束されていない自由な立場にあるということでございますが、しかしこの中共、北鮮等も国際的な電波について諸外国と異なる使用をするということは、結局自分の方の無線局にも混信を来たすという不利、不便があるわけでございます。従って大筋としては国際電気通信条約及び付属規則の規定の線に沿ってやはりやっておる、こういうふうに思われるのでございます。しかしただいまのお話のようにやはりその電波障害がわが国にも及んでおる、こういう事態がございますので、この点に対しては主管庁から文書でもって善処を求めて、あるいは場合によりましてはわが国の無線局の電波を変更するというような措置を講じてきた次第でございますが、われわれの方といたしましてはこの利害得失を勘案いたしながらこの問題をさらに研究していきたい、こういうふうに存じておる次第でございます。
○森本委員 これは利害得失を考えてもお互いに協定を結ぶということは、両国にとっても私はいいことであるというふうに考えておりますし、今の中波の波というのは、もうほとんどこれは極点に達しておるわけでありまして、電波局長もおりますけれども、将来今のラジオ放送がFM放送というような形にでも変わるということになるとするならば今のような状況がございませんけれども、今の形のラジオ放送、中波放送をやる限りにおいては、これは電力の相違等において混信は免れ得ないわけであります。そういう点については、わが国の場合はこの国際電気通信条約に基づいて一応順守するという形になりましても、たとえばこれは中共だけではございません、アメリカの方では沖繩から千キロ放送というものをやっておる関係もございまして、どうしても私はそういう考え方からいきましても、中華人民共和国あたりとの電波協定というものは必要なのじゃないかというふうに考えますし、またついででありますので郵便為替協定の問題も出ておりますが、中共の場合は万国郵便連合条約にも入っておりません。その関係で、御承知の通り日本の郵便物が中共には確かに入っておりますけれども、それが香港を経由して、そうして香港から英国の郵便物というような形の取引がなされておる。郵便協定においてもたとえば日本と中共とが直接の郵便協定を結ぶということになれば、航空郵便でも羽田から直接北京に到達をするということになると、両国が非常に便利になるわけであります。そういう点を考えてみますと、郵政省の所管事項でありまする郵便それから電波、この二つだけでも万国郵便連合あるいは国際電気通信条約に入っておらない極東の国々とのこういう面における専門的な協定を結んでも、お互いに両国のためにもいいのじゃないかというふうに私は考えるわけでありまして、その辺が、どうしても政府がそういう協定を結ばないということについて納得がいかないのであります。特に電波の問題と郵便は万国共通の問題でありまして、こういう問題には政治色というものはないわけでありまして、そういう点からいきましても私は外務大臣あたりはもう少しこういう面には熱心に取り組んでもらってけっこうじゃないかと思うわけでありますが、今電波だけを申しましたけれども郵便あたりの問題についても重ねて御答弁を願いたい、こう思うわけであります。
○小坂国務大臣 郵便の問題にお触れになりましたが、郵便は御承知のように百年の歴史を持っております。技術的に非常に確立されたものでございますから、郵便に関する協定は中共との間に結んでもいいんじゃないかということを考えております。あるいはそういうことについて先方の気持も聞いてみたいとも思っております。しかしそれに対して中共側の方から何ら反応がございませんので、そのままになっておるということでございます。ただいまの電波の問題も私も実ははなはだ申しわけございませんが、非常に造詣を持っておるわけじゃございませんので、関係当局ともよく相談いたしまして研究してみたいと思います。
○森本委員 この際ちょっと聞いておきたいと思いますが、電波の問題はなかなか専門的なことになりますので別といたしましても、郵便の問題についてはこれは一番わかりやすい問題でありますので、今向こうとの間で話が出ておらないということを聞きましたが、私が前に聞いたところによりますと、この郵便の協定については日中がお互いに結ぼうというところまでその交渉を始めよう、その交渉場所もジュネーブにするか、北京にするか、あるいは東京にするかということで一度話し合いがつかなかったことがあって、それがそのままになっておるということも聞いておりまするが、そういう点は外務大臣御承知でしょうか。
○小坂国務大臣 過去の問題は過去の問題といたしまして、新しく、先般の国会で総理大臣も郵便とか気象というような技術的な問題については、政府間協定を結ぶことも考えているということを言っておるわけであります。それに対しましての反応というものは、われわれもいろいろと耳をそばだてて聞いておりまするが、はなはだあいまいな状態になっておるということを申し上げておるわけであります。
○森本委員 では一つあいまいな関係にならずして、郵便協定については結ぼうじゃないか、電波の問題についてもお互いに話し合いをしてみようじゃないかというところで、専門的な者を中共に派遣するなり、あるいは向こうから来てもらうなり、そういった積極的な方針を出してもらいたい。何か向こうが言ってくるまで待っていよう、向こうが言ってこないからそのままだということでなしに、こちらからも積極的にそういうふうに出ていった方がよくはないか。そういけば郵便協定についてはその他の政治問題など一切離れてやはり成功するのではないかと思うわけでありますので、向こうから何か言ってくるまでこちらも待っているというような消極的なことでなしに、これは両国のためになることであるから、できればお互いに専門的な者をまず最初に派遣をするなり向こうから来てもらうなりして、まず話し合いを始めていって、煮詰まった時分に正式に行なうなら行なう、そういう積極的な準備交渉というか、そういうものをやらせてみたらどうか、こう思うわけですが、どうですか。
○小坂国務大臣 実は日本の国会で日本の総理大臣が言ったということは相当のことであります。それに対して先方が示しております反応は、私は今の程度に申し上げましたけれども、それよりももう少し先方が否定的な態度であります、率直に言いますと、そういうことのようでございます。その段階においてこちらがそれほど進んでいってどういう効果があるかどうかということは、外交の問題でありますから、私としては十分その点は慎重に考えて参りたいと思っております。御意見は御意見として承っておきます。
○森本委員 意見は意見として承ってもらっても何にもならぬわけでありまして、実際に行動に移らなければならぬわけであります。電波協定ということになると、ある程度技術的な問題もあるし、また利害得失ということもありますので、相当専門的な分野において話し合いをしなければならぬというように考えますが、郵便協定についてはそれほどの利害得失というものはないわけであります。両国がお互いに得をするだけのことでありまして、損をする面は一つもないわけであります。そういう点で向こうがあまり関心がないというふうに言われましたけれども、こういう郵便の問題については、すべての問題を離れてお互いに友好的な雰囲気の中に協定を結ぶという考え方に立っていくならば、必ず国と国との間においても人間と人間の間と同じように私は成功するものであるというふうに考えておりますので、大臣、総理大臣が国会で言ってもそれに対して反応がないからというようなことでなしに、やはり場合によっては郵政省あたりの専門的な課長クラスあるいは向こうさんのそういう人と具体的に話をしようじゃないかということを私は申し入れてもけっこうではないかと思うわけであります。それは外交問題の機微に触れるから云々と言われますけれども、この郵便問題については私はそう政治、経済というものに影響されるものでないというふうに考えるわけでありますので、重ねて質問はいたしませんけれども、一つこういう問題には積極的に乗り出していって、またそれぞれ専門家もおるわけでありますので、いつでも外務省と郵政省との話し合いがつけば喜んで飛んでいって協定の問題については話し合いをするという諸君もおると思いますので、そういう点については、一つ大臣、積極的にやっていただくということを特に私は大臣に要望しておきたいと思うわけであります。
○受田委員 森本委員の質問に関連して、ちょっとだけ外務大臣に伺っておきたいと思います。予算委員会ですでに総理からもあなたからも、郵便、気象関係の協定は、正式な外交交渉とは別に考えてもいいのだという御答弁があったわけです。私の質問にもそういうお答えがあったことを記憶しております。今電波関係のことで共産圏の諸国家と日本との間における協定は、双方の正常な国交回復の以前においてもしてもいいのだという御発言があったと思うのです。これは電波関係、郵便関係、気象関係……(小坂国務大臣「電波は入っておりません。電波は初めて、これはまだわかりません。」と呼ぶ)電波のことははっきりしないのですか。そういうことは正式の外交交渉の以前にやってもいい中に入るものですか、どうですか、電波は。
○小坂国務大臣 ただいまお答え申し上げましたように、電波のことは私も実はしろうとでよくわかりませんので、よく関係の専門家に聞いてみて、その上で判断いたしたいと思います。
○受田委員 こうした文化的な協定というものは、これは正式の外交官を派遣する問題とは別に、事前にすでに両国の親善をはかる橋渡しとしても、大事なことである、これは国民的な声であると大臣も御判断願っておると思うのですが、すでに日ソ間における文化協定などについても交渉の実が結びつつある過程であると開いておるのです。そういう少なくとも正式外交交渉の前提となる諸問題について、日本政府が熱意を持っておるかどうかということは、これはこれらの国々に対する認識を深める上にも非常に大事なことであります。先ほど大臣ちょっとこういうことを言われたですね。郵便、気象の関係についても何とかしたいと思っておる。したと言っておられなかったのですが、これは交渉したのですか。反応がなかったというのは、こちらがアドバルーンを上げたというだけで、向こうへその意思が伝わっておることになっているのか、なっていないのか、はっきりしなかった点があるのですが、これを一つ……。
○小坂国務大臣 御承知のように、総理大臣並びに私国会においてさようなことを言明いたしております。そのことは先方にも十分わかっておることだと思います。なおそれについて社会党の某君が行かれたときに、先方のコメントがあったというふうにも聞いております。そのコメントはあまりリラクタントなものでありまして、われわれといたしましては、この段階においてはもう少し先方の気持も確かめてみなければならぬ。ただ外交、国と国との関係の問題は、こちらからこう言ったから、向こうも必ずこうするということでもございませんし、その辺を十分見きわめてやって効果的にやるということが、私に課せられた職務だと思っております。そういう点を十分に慎重にやっていく、こういうことであります。
○受田委員 今大臣から社会党の某君というお言葉が出たのですが、これは某君などという仮定のあいまいな言葉でなくて、国会ではっきりと言っていただく方が、向こうに対する反応もいいと思うのですが、それをちょっと言って下さい。
○小坂国務大臣 黒田寿男君が行かれたときに周恩来がこういうふうに言ったというふうに伝えられております。
○受田委員 伝えられた中身はどういうことですか。あなたが認識されておる範囲でけっこうです。速記をとめる必要があればとめてもいいですよ。
○堀内委員長 それでは速記をとめて。 〔速記中止〕
○堀内委員長 速記を始めて。
○受田委員 日本政府としては正式に国会で、貿易協定などの以前の問題として気象とか、あるいは郵便の協定は取りきめをしてもいいのだ、こういう意思を国会において正式に発言したのであるから、それで向こうにも何かの形で伝わっているはずだから何かの反応があるはずだ、そういう期待的なお気持しかないわけですか。直接に何かの形で向こうへ打診するという積極的な御意思はお持ちでないのでございますか。
○小坂国務大臣 国交のある国なら別でございますが、国交のない国におきまして、それ以前の形においてする場合にはいろいろな方法を考えなければいかぬということでありまして、何も直接にやることばかりがいいときまらない場合が多いのであります。これは外交的な勘の問題、技術の問題、そういうふうに思っております。
○受田委員 外交の勘の問題、勘の問題ということは、何らかの形でこれが具体的に現われてこないと、勘だけでは外交は意味がないわけなんです。具体的にどう実を結ぶかということについては、私は積極的な努力が要ると思います。正式な外交交渉のない、国交回復のない国に対しては、こちらの国内において何かしゃべっておいて、それにどういう反響があるかを打診するというような形しかない、さように大臣の御意思があると了解してよろしゅうございますか。
○小坂国務大臣 いろいろな方法があると思います。
○受田委員 いろいろな方法、いろいろな方法といいますと、今私が指摘したようなあなたの御意思をもっと前進させる方法は現段階においてはない、こう了解していいですか。
○小坂国務大臣 いろいろな方法があるわけですが、その場合に一番いい方法を一番いい時期にとっていくということが必要だと思います。
○受田委員 もう一つ、今度航空関係についての日独間の協定も外務省から御提案になっておるわけですけれども、こうした航空のような問題も、一番近いところで、非常に進んだ形でなくても、ある程度の双方の航空機が着陸する関係等についての便宜供与の協定というようなものも、やろうと思えばやれる中に入る問題ですか、正式外交交渉でなくても。
○小坂国務大臣 それは郵便や気象とは違うと思います。
○受田委員 どういうふうに違いますか。
○小坂国務大臣 内容をお伺い下さればわかると思います。
○受田委員 私は非常に警戒しながら発言をしておられることを遺憾に思うのですが……(小坂国務大臣「ちっとも警戒してない。そのまま言っている。ただ私は長くしゃべるのが下手だから簡単に申し上げておるのです。」と呼ぶ)国家双方の間に前進的な提携をはかる上においては、国交回復以前に一歩々々築いていくという必要がある。非常に前進した形でなくて、一歩ずつ前進をするという形を一つ一つかちとる努力をもっと積極相にやるところに、日本外務省当局の使命があると私は思うのですが、いかがでしょうか。今の郵便、電波、気象等これに類似する形でこちらの意思表示をしてもいいようなものはこのほかにどのようなものがあるか、具体的に示されるものがあればお示し願います。
○小坂国務大臣 実はこの問題は国交あるいは友好関係ということをいろいろおっしゃいますけれども、国交の前提となるもの、あるいは国と国との接触の前提となるものは、両国の間の信頼関係であると思うのです。信頼関係のないところに幾ら協定を結んでみたって、守らなければこれは何にもならないわけですから、それが前提になるわけです。また逆に言いますと、今のような形を作って、その間に信頼関係を結んでいくということも必要なことだと思うのであります。そこで何でもかんでも早く形をつけろということだけではいかぬというのが率直に言った私の気持でございます。そういうことをするには、今の郵便とか気象とか、こういう問題は非常に技術的なものであるので、そういうものから入っていったらどうであろうか、こういうことなんであります。一足飛びに何でもかんでも完全な形に早くやれということを考えましても、そのことの後に及ぼす効果も考えなければいけない、そのこと自身が効果的に効用を発揮し得るかどうかということも考えなければならない、こういうことであると思う次第であります。
○受田委員 気象と郵便だけを指摘されておるのですが、そのほかに気象、郵便と同等でやり得る具体的なものはないのか、これは技術的な問題の中にも電波の関係も入ってくるのですが、ある程度こういう問題を具体的に示していただく方がいいと思うのです。政府がなし得る範囲内でどういうものがあるか。
○小坂国務大臣 そういう非常に技術的なものを考えてみますと、ほかに俘虜交換というような場合もあるわけです。しかしこれは捕虜がおりませんから実際問題として何ですけれども、そういう技術的な問題は考えられます。
○受田委員 今後正式外交交渉が成立するまでの過程における外交努力というものを、小坂さん、少し積極的に、アドバルーンを上げただけでなくして、何らかの形で向こうの意思を打診するというような軽い意味の外交努力、ある使節を派遣してみるとか、民間の代表者にそういう使節の意義をある意味で持たしていくとか、そういう努力をされてみたらどうでしょうか。日中間の外交問題解決について非常に遠慮されておる。もっと思い切って積極性をお示しになってはどうかと思い・ますが、今の段階以上に積極性を用意する必要はないという立場であれば、そのような御答弁をいただいて私は質問を終わりたいと思います。
○小坂国務大臣 私の考えとしては、今申し上げたような技術的なものから接触を持って、そして先方の気持も知り、両国間の関係も接触する段階で改善すべきものがあれば改善していくというのがよくはないかと思っておるのでありますが、ただこちらだけがそれを急速にいくのがいいか、その状態を見ながら、その間非常に長きにわたって状態が改善されるようなかまえを自然に作っていくようにするのがいいか、その辺が判断の分かれるところじゃないかと思うのです。これは国と国との関係ですから、日本だけがすべてをささげて、先方はどうもあれだけ言ってくるのだからその点はういやつだということでは、長きにわたった改善ということはできない。やはり前から私しょっちゅう申しておりますように、国と国との関係というのは相互の立場尊重、内政不干渉ということについて十分に双方が理解するのでないとなかなかうまくいかないと思う。その点の見きわめというのがやはり大事だと思います。
○森本委員 それでは具体的な内容に移りたいと考えるわけでありますが、この国際電気通信条約というものはなかなか膨大なものでありますので、私は要点だけを聞いて私の質問を終わりにしたいと考えるわけであります。特に六ページに出て参りますところの全権委員会議、主管庁会議、管理理事会、さらにその次に掲げるところの常設機関として事務総局、国際周波数登録委員会、こういうものの内容についても詳しく御説明願いたいと思っておるわけでございますけれども、時間の関係がありますので、そういう点、条約の内容については飛ばしていきたいと思っておるわけであります。 そこで聞きたいのは、百五十七の国際周波数登録委員会の委員は十一人の特別委員で構成されるということになっておりますが、この現在の十一人の構成委員というのはどこの国の人ですか。
○松田政府委員 これはアメリカ、アルゼンチン、キューバ、イギリス、フランス、ポーランド、ソ連、南ア連邦、中国、パキスタン、日本であります。
○森本委員 日本は長谷君ですか。
○松田政府委員 さようでございます。
○森本委員 そういたしますと、この国際周波数登録委員会の委員の任務というものはかなり重要でありますが、長谷君なら専門家でありますので、おそらく各国の専門家にも劣らないと思うわけでありますが、この場合、この身分はどうなるのですか。
○松田政府委員 これはITUの特別な職員になるわけでございまして、俸給等はITUから受ける、従ってこの条約の中に載っておりますように、各国のいろいろな機関からは関係を持たないということになっております。
○森本委員 この国際周波数登録委員会が私は一番大事なところだろうと思いますが、今の世界におきまする電波の各国に対する割当と申しますか、今の状況というものをちょっと説明願いたいと思うわけであります。
○西崎政府委員 この周波数登録委員会は、国際的な電波監理をしている機関でございまして、この監理の仕方というのは、御承知のように前の一九四七年のアトランティック・シティ条約及びそれに基づく無線通信規則によってその方法がきめられておるわけであります。結局その考え方としましては、とにかく一つの電波の計画的な再配分をやる、それによりまして、一つの周波数リストというものを作りまして、その周波数リストというものをもとにしまして、その後の追加というものを混信がないように割当をしていく、そのためにIFRBというものが十一人の委員で各国からの通告を審査し、そして既存の周波数に混信を及ぼさないということが確定された場合にこれの割当を登録していく、こういう行き方をとっておるわけでございます。そして現在どういう割当に各国ではなっておるかということでございますが、今手元に各国が何波をどういうふうに登録しておるかという状況は用意しておりませんが、何と申しましても、先進国と申しますか、アメリカであるとか、英国であるとか、ソ連であるとか、フランスであるとか、そういったところが周波数におきましても、量的に申しまして多数確保しており、いわゆる新興国と申しますか、こういったところは周波数の獲得に非常に苦労しておる、こうい状況でございます。
○森本委員 これは私の質問が悪かったかもわからぬが、膨大な電波の割当の内容について説明しろということを言っても無理でありますので、これは外務委員会に、今の世界の国際周波数登録委員会で現実にどの波をどういうふうに割り当てて、どういうふうに使用しておるかというすべての詳細な資料をお出し願いたい、私はこう思うわけでありますが、それはいいですか。
○西崎政府委員 お言葉の通りにいたします。
○森本委員 それで、今の周波数登録委員会で扱っておりますところの波で、どこのあたりからこれを正式に取り扱っているわけでありますか。これから先非常に新しい波が開拓されていくということもあり得るわけでありますので、そういう点についての問題をどう扱っているかということです。
○西崎政府委員 御承知のように、国際的な混信を及ぼすおそれのある波の割当をIFRBで取り扱うということになっておりまして、たとえはマイクロ・ウェーブであるとか、それから超短波であるとか、そういった波は場所によっては、すなわちたとえば日本のような場合には、これはよその国と直接混信を与えるという性質のものではありませんので、主としてIFRBで扱っているのは二七・五メガサイクル、いわゆる短波であるとか、中波であるとか長波であるとか、こういったものを主として扱っておるわけでございます。
○森本委員 たとえばこの間ソ連が打ち上げましたところの宇宙船、それに使った通信用の波の周波数は幾らですか。ちらっと新聞で見て、僕も記憶を忘れたが、何メガサイクルくらいだったか。
○西崎政府委員 間違っておりましたら、あとで訂正させていただきますが、たしか八百か九百メガあたりだと思います。
○森本委員 その八百メガサイクルから九百メガサイクルというあたりのもののいわゆる国際的な統制というものについては、これは現在のこういうものには当てはまらぬわけですね。
○西崎政府委員 御承知のように電波の割当につきましては、この条約に付属する無線通信規則におきまして周波数分配表というものが規定されておるわけでありまして、これは下は十キロサイクルから上は四万メガサイクル、もうミリ波の近くでございます。この非常に広い領域にわたりまして、ある部分はたとえば放送に使う、ある部分はそういった宇宙通信の研究用に使う、そういったように業務別に分配されておるわけであります。各国はその分配表のワクの中で各業務に波を割り当てるときには割り当てる、こういうふうになっております。今度はそのワクの中で、国際的な混信を及ぼすおそれのある波を割り当てるときには、IFRBに通告して、その同意を得る、こういうふうになっております。
○森本委員 だから具体的にその八百メガサイクルから九百メガサイクルあたりはどうなっておるのですか。
○西崎政府委員 これは実は各国の自由になっておると申しますか、たとえば欧州のように国が非常に接近しておるところでは、そういう電波でも国際的な混信を及ぼすおそれがあるわけでありますから、従ってそういう局を作る場合には、国際的な混信の保護をしてもらう必要が出てくるわけであります。そういう国におきましては、今の数百メガというような高い電波におきましてもIFRBに対して通告をしておる、こういう状況でありまして、日本においては、さきに申し上げましたような地形の関係で、そういう処置はしてないわけでございます。主として短波帯以下のところを通告しておるわけであります。
○森本委員 だからこういう場合に、この間のような場合でも、たとえば八百メガサイクルから九百メガサイクルというようなものを使った場合、こういうものを使うということをこの登録委員会に通告をしておるわけですか。
○西崎政府委員 ソ連があの宇宙船に使いました周波数を通告したかどうか、ちょっとその点は今はっきりしておりませんが、おそらくしてないのじゃないか。と申しますのも、これはまだほんとうの業務としてやっておるのでなくて、研究用ということでやっておるので、むしろそういった宇宙通信用に使う電波というものは、よその国に妨害を与えるというよりも、妨害されるという危険の方が多いわけであります。というのは、非常に微弱な電波が戻ってくるという関係で、むしろ保護を要する立場にあるわけでありますから、それによって日本の業務に妨害を来たすということは今のところ考えてないわけです。
○森本委員 私が聞いておるのは、日本に妨害を与えるとか与えぬとかということでなしに、将来やはり宇宙通信というものについても、今研究しておるのは主にアメリカとソ連ですが、しかしわが国においてもすでに開拓しつつあるというような現状において、今のような周波数登録委員会のやり方において世界の波の高い分を統制することができるかどうか。それは今の八百メガサイクルあたりでも、事実問題としてほんとうに妨害しようと思えば、技術的にも妨害できるわけです。だからそういうところの取りきめというものについては、今はそれほど実用的な格好になっていないから各国が自由にやるというような形になっておるにしても、いずれはこのあたりの波についてもやはりある程度の統制をしていかなければ、今の中波あるいは短波帯のような形になるおそれなきにしもあらずと思うわけであります。今のようなある程度自由というふうな形を持っていくということについては、私はまずいのじゃないかと思って質問をしておるわけであります。そういう点についての国際的な将来の見通しというものは、どういう考え方を持っておるだろうかということです。
○西崎政府委員 確かに今先生が御指摘のように、宇宙関係の電波利用というものは、今後非常な勢いで発展していくのじゃないか。そういうわけで、実は一昨年のジュネーブにおける無線主管庁会議におきましても、そういった宇宙関係の電波をどういうふうに割り当てるか、また先ほど引用しました分配表自体も、宇宙業務ということで特殊のバンドを専用に割り当てるべきじゃないかという議論が、相当強く主張されたわけであります。当時はまだほんとうの実験の初期でありましたので、まだそこまでいくのは時期尚早である、しかしいずれにしても今後こういった面が急速に実用化の方向に向かっていくであろうということを予想いたしまして、実は一九六三年の後半に宇宙関係業務に対する電波の割当を国際的に協議する臨時無線主管庁会議というものを開いて、そこでそういった新しい業務に対する電波の割当を相談しようということになっております。御承知のように、現在アメリカあたりでもこういった問題はFCCを中心にして大きく論議されておるわけであります。わが国におきましても、現在そういった点について電波技術審議会に特に諮問いたしまして、今研究中でございます。
○森本委員 特に私がこれを言っておりますのは、一九六三年の後半になればこういう問題についての取りきめということも出てくるという話でありますが、当然その時期になればやっていかなければならぬ、こういうことになるわけであります。えてして電波の利用というものは、やはり既成事実というものが一応尊重されるということになるわけでありまして、そういう観点からいきますと、今の日本の宇宙通信の研究、実験というものについては、これはソ連、アメリカあたりから見ると非常に微弱なものである、日本の国力にしては案外やっておる方だということも考えられますけれども、そういうふうな進展の度合いに応じて日本もおくれをとらないように今から相当の準備をしていかなければならぬと私は考えるわけでありまして、そういう点についても一つ政府当局としては万遺憾ないようにやっていただきたいと思うわけであります。 そこでこの際無線通信規則に関する問題でちょっと聞いておきたいと思いまするのは、何といってもこの条約で一番問題になるのは電波関係の規制であろうと思うわけですが、そういう点で、ソ連が最終議定書で無線通信規則に関する留保を行なっているというようなことを聞いておるのですけれども、これはどういう事情ですか。
○西崎政府委員 実は先ほどIFRBについて御紹介申し上げたわけでありますが、実はソ連は従来IFRBというものを否定して参っておるわけでありまして、今度の条約におきましても前回のそれを踏襲するような一応一般的な表現になっておるわけでありますが、ただ、今回特に変わりました点は、無線通信規則の署名の際に具体的な留保をいたしたわけであります。従いまして、結論的に言いますと、それ以外の分はソ連も今回は認めたものとわれわれの方は判断いたしておるわけであります。 それで、どういうふうな留保をしておるかということを申し上げますと、まず、各国が使用する周波数の規制についての国際周波数登録委員会の権限を拡大する無線通信規則の規定を正当なものとは考えないというのが第一点です。というのは、先ほども御説明がありましたように、今度IFRBの権限が従来より多少拡大されたわけでございます。従いまして、その分については正当なものであると考えないということは、逆にいえば従来のものについては認めることになるのじゃないか、われわれの方ではこう考えておるわけであります。 そのほか、具体的に電波の割当で、分配表の一部につきまして、ソ連の特殊事情からいってその分配表を認めない、こういった留保をいたしておるわけであります。 そういうわけで、従来のソ連の行き方から見ると、だいぶそういった意味ではIFRBというものの存在を認めてきておるというふうに考えておるわけであります。
○森本委員 その点についてもっと詳しく聞きたいと思いますけれども、局長の答弁も妙になめらかにいかぬので、時間が非常にかかりますからもうやめますが、国際電気通信条約の中で一番肝心の無線通信規則にソ連が留保するということになりますと、やはりこれは点睛を欠くという形になるわけでありまして、われわれとしても非常に残念である。それがどういうところに原因があるのかということを尋ねたいと思っていたわけでありますけれども、今の答弁ではまだなかなかはっきりしないわけであります。 そこで聞いておきたいのは、今日日本の中波ラジオ放送で、ソ連との関係で混信をしておるというようなところはどこがありますか。
○西崎政府委員 中波ラジオの電波を割り当てる場合に、ソ連からの電波が相当強いので、それを避けて割当をしておるというところが二つございます。従ってこれは割当はしておりませんけれども、周波数から申しますと、五五〇KC、六三〇KCという二つでございます。それから現に混信を受けておるという場所は、北海道の北見の局がやはりウラジオから混信を受けております。
○森本委員 もう一ぺん具体的に聞きますが、ソ連から出ております中波の電波の周波数は幾らですか、それから出力、場所……。
○西崎政府委員 今申しましたように、五五〇KC、六三〇KC、それから北見が一二六〇KC、相手の出力はちょっと今ここでわかりませんので、あとで……。
○森本委員 端的に言えばいいのですよ。ソ連から出ている中波の周波数は幾らの周波数が出ておるのか。その出ておる場所はどこか、それの出力はどの程度であるか。そのことによって結局日本に使えるところの中波の周波数の数が出てくるわけですよ。もしそれが出ておるとするならば、日本で使える中波の周波数がそれだけマイナスになっているわけだから……。
○西崎政府委員 一二六OKCはウラジオで五〇キロ、それからあとさっき申し上げました五五〇キロサイクルと六三〇キロサイクルの電波の出力は、たしか百キロくらいだったと思います。
○森本委員 その一二六〇KCと五五〇KC、六三〇KCも全部ウラジオですか。
○西崎政府委員 五五〇、それから一二六〇はウラジオで、六三〇はハバロフスクです。
○森本委員 それから、中共から入っております中波の発信地と出力……。
○西崎政府委員 実は中共の電波によって日本の放送局が混信を特に受けておるというのは四局でございます。順に申し上げますと、七二〇キロサイクル、これは北京でございます。出力は、実は中共関係は出力がはっきりわらないわけですが、大体は、中共関係は百キロから三百キロぐらいの範囲だと、こういうふうに思っております。それで七二〇キロサイクルが北京、それから一二四〇キロサイクルが洛陽、十三二〇キロサイクルが済南でございます。大体そういうところでございます。
○森本委員 それから韓国で十キロ以上の中波の放送局はありますか。
○西崎政府委員 それは相当ございます。
○森本委員 その韓国の十キロ以上の中波で、日本に影響し、混信をするというような場所はありますか。
○西崎政府委員 現在八つの波が韓国によって混信を受けておる現状でございます。
○森本委員 韓国はこの条約との関係はどうなっておるのですか。
○西崎政府委員 韓国はこの条約の当事国になっておるわけでございます。しかし実はこの条約及び無線通信規則の締結の際に留保を行なっております。
○森本委員 現在国際電気通信条約にわが国も入っておって、日本はこれにちゃんと署名をしておる。ところが肝心な一番影響のある韓国が留保しておる。それへもって参りましてソ連が留保しておる。それから中共はこの条約に入っていないということになりますと、日本の中波放送についてはこの条約に入っておって、この条約を日本が順守しようと考えても、中波に関する限りは何にもならぬということが言えるのじゃないかと思うのですが、その点はどうお考えですか。
○西崎政府委員 確かに今先生が御指摘のように、日本はそういった意味では特殊の場所に、また非常に不幸な場所にあるということも言えると思いますが、韓国との間は今申し上げましたようにそういう留保がついておる。それからあと北鮮、中共等につきましては当事国でないという点がございますが、これらにつきましてはまたわれわれの方としてもできるだけそのほかの手段によって解決して参りたい、こう思っております。
○竹内委員 関連質問。ただいま森本委員の御質問に対して監理局長から大体の説明がございましたが、この条約の最終議定書で今お話しになっております留保した国が十六カ国ですか、韓国を入れますと十七カ国あるわけでありますが、しかもカナダ、アメリカ、フィリピン、ソ連等、わが国との関係の深い、しかも電気通信においては世界の先進国と言われるような国までがこれを留保しておるという状態であるわけであります。しかもこの業務規則、四つあるわけですが、その四つのうちのどの業務規則をどの国が留保したか、それが日本のこの方の事業に対してどういう影響があるのか、その説明を加えた各国別の資料を一つ御提出願いたいと思います。 それから正式のメンバーと準メンバーとあるわけでございますが、その区別もあわせてそれに併記した資料を御提出願いたいと思います。
○森本委員 今の資料を一つ御提出願えれば、それによってさらにまた検討したい、こう思っておるわけであります。 それから政務次官もおられますが、今私が質問しておりましたように、この国際電気通信条約が結ばれまして、日本がせっかくジュネーブまで行って常任理事国になった。それから今回は周波数の登録委員まで専門的なものを出しておるということでありますけれども、現実にはソ連がこの無線通信規則に留保しておる。それから肝心の隣の韓国が留保しておる。そして韓国と日本との間には、この中波の周波数についてはかなり争った経験も持っているわけであります。韓国の要求というものと日本の要求というものが、この国際的な舞台を中心として論争したこともあるわけであります。それへもって参りまして、今言いましたように、中共がこの国際通信条約に入っていないということになりますと、この電気通信条約を結んだ意味の中波の——中波というのは、具体的に言いますと、今のラジオ放送であります。ラジオ放送が、それだけ日本が混信に悩んでおる。あるいは日本の波の取り過ぎであるか、あるいはまた韓国が横やりを入れておるのか、そういう点については、その国力、経済力等において詳細に技術的な検討をしてみなければわからぬわけですが、しかし外交的に問題の解決をつけなければならぬ点が、この点については非常に多いわけであります。特に日本の民間放送業者あたりでは、この声がもうずっと前から出ておるわけであります。現実にこの放送が非常に混信をして商売にならない、こういうような状況もあるわけでありまして、この点については将来まだまだ外交交渉を行なっていかなければならぬということがありますので、よく郵政省の電波監理当局あたりと技術的な問題を打ち合わせて、それを外交面に出して折衝して、この日本の不利益になっておる点を除いていくということが重要になってくるわけでありますので、そういう点についての、これは技術的なことはわからなくても、今私が言った常識的なことで判断をすれば、確かにこのままではいかないということはわかると思いますが、こういう点についてどうお考えですか。
○津島政府委員 ただいまのお話の周波の波は、私どもの日常の生活にとりまして非常に重大なものでございます。それがただいま御指摘のようにいろいろの面で混乱があるようでございます。これをあくまでも排除するように、外務省といたしましては関係の郵政省方面とよく検討、研究をいたしまして、最善の努力をして参らなければならないのであるというふうに考えるのであります。
○森本委員 それからも一つこの条項で聞いておかなければならぬ点があるわけでありますが、先ほど来電波監理局長の説明によりますと、この国際通信条約の無線通信規則等において、あるいはまた周波数登録委員会等において、おもに短波帯以下の周波数を業務別に使って、それをまた各国別にそれぞれどういうようにするということを行なうのが任務でありますし、またこれは交通整理のように、確かにそういう国際的な必要があるわけであります。ただここにこの国際電気通信条約の例外規定があるわけであります。それは第五十条の二九〇であります。「連合員及び準連合員は、その陸軍、海軍及び空軍の軍用無線設備について、完全な自由を保有する。」こういうことになっておるわけであります。そこでまず聞いておきたいと思いますことは、日本の防衛庁に関する問題については、この国際電気通信条約の第五十条の二九〇についてはどう解釈をすべきか、これは重要な点でありますので、特に聞いておきたいと思うわけであります。これは外務大臣からの回答になると思うのです。
○中川政府委員 ただいま御指摘になりました二九〇号、陸軍、海軍、空軍という言葉が出ておりますが、わが国の自衛隊は陸軍でも、海軍でも、空軍でもないのでございまして、これは適用がないわけであります。
○森本委員 これは適用がないということで安心をいたしました。 そこで日本ではこれは適用がない、こういうことにはっきりいたしたわけでありますが、ただそこでせっかく短波帯以下のものをそういうふうに国際的に統制をいたしましても、この条項が生きてきますと、やはりここに混乱があるわけでありますが、これを国際的にこういう点についてはできる限り特権を乱用しないというふうな何か不文律のとりきめでもございますか、それとも慣例というものがあるわけでありますか。その辺のいわゆる国際的な話し合いというものを一つ御説明願いたいと思います。
○松田政府委員 その問題につきましては、ただいまの五十条の中に、そういう軍のやります設備に使用する電波の発射の型式とか、周波数に関する付属規則の規定はできるだけ順守しなければならない——できるだけということではありません。とにかく順守しなければならないということが書いてございますし、またそういうことで「公衆通信業務その他付属規則によって規律される業務に従事するときは、原則として、これらの業務の実施に関する規定に従わなければならない。」ということが書いてありまして、通常の動かし方においては、国際的に取りきめた規則あるいは周波数の規定の仕方というものについて、その原則に従って動かすということは各国同意しているわけございます。
○森本委員 しかしこの規定というものは、原文を知りませんけれども、付属規則の規定をできる限り順守しなければならないということであって、軍用その他よって使用するということになると、これは全く無関係ということになるわけであります。あくまでもこれはそういうふうにやっていただきたいという希望規定であるわけでありまして、これに対するところの制裁規定というものは、国際的には全然ないということであります。たとえばせっかく日本が短波滞以下のものを持っていたにいたしましても、具体的に日本に米軍がおるわけでありますから、米軍がかりにこの国際電気通信条約の第五十条を適用して、日本の国内における電波を軍用に使うということになりますと、日本としては法律上においても、これに対して抗議をする権限というものは、この条項においてはない、こういうことに法律解釈上はなると思います。実際問題としてはそうならぬにいたしましても、条約上の解釈としては、私はそうなると思うわけでありますが、どうですか。
○中川政府委員 一般的にこの締約国の陸軍、海軍、空軍は、ただいま二九〇号によりましてこの条約の規定の適用から除外されておるわけでございます。しかしながら日本におります米軍、これは御承知のように地位協定というものがありまして、それによって米軍の行ない得ることをきめております。日本におきまして米軍がいろいろ通信のために電波を発射する場合には、地位協定の第三条によりまして、日本のこういう通信に妨害を与えないようにしなければならぬという規定になっております。これに基づきまして、合同委員会、またその下にあります小委員会等におきまして、この国の関係をいろいろ相談してきめておるのでございます。従って現実にはこの在日米軍と日本の通信施設との間は、合同委員会、その系統の相談によりまして、支障なく行なわれておるというのが、実情でございます。
○森本委員 私が聞いておるのは、だから現実の問題を私はさしておるわけではない。現実の問題においては、日米安保条約、さらに行政協定に基づいて日米合同委員会における話し合いにおいて、大体大過なくといいますか、現実には進んでおる。しかしもし日米安保条約、行政協定がないと仮定いたしましても、アメリカの在日米軍が日本におるということを協定をするということであるとするならば、この第五十条の二九〇号の1項が法律上は生きてくる、こういうふうに向こうが主張しても、法律上における解釈は間違いがないかどうか、こういうことです。
○中川政府委員 その点はやはりただいま御指摘のように、法律的にはなると思います。外国の軍隊でありましても、やはりこの二九〇号によりまして、規定の適用から除外されておりますので、それがほかの国にあります場合にも、やはり適用から除外されておると解釈しなければならないと存じます。
○森本委員 これはこういう条約があるということをやはりわれわれは深く銘記しておく必要があると思うわけであります。だからこういう電波の世界におきましても、一つの相手国の軍隊を、たとえば日本の国に駐留を許すということについては、こういう条約上においてもかなり大きな影響力があるわけでありまして、日本においては、今安保条約と行政協定のもとに日米合同委員会、その日米合同委員会における電波の話し合いというものが別個にあるわけでありますので、そこで解決はついておるという形にはなっておりますけれども、たとえば、具体的に申し上げまして、これは郵政省の所管になりますけれども、今のテレビの第十二チャンネルにいたしましても、いまだにこれがアメリカから日本には返還されておらない。しかしこれは現実問題としては、周波数登録委員会における登録では日本のテレビにも使ってよろしいという、これが登録をされている波であります。しかし現実にこの第十二チャンネルの波というものは、いまだに日本に返っておらない。ただ大阪だけでこれを今日本がテレビに使用しておる。しかしそれ以外のものは、まだ日本に返っておらない。ほとんど支障なく行なわれておると言いましても、一つ二つこういう例外というものが、条約局長出てきておるわけであります。たとえばこの十二チャンネルを日本に返還を求めるということになって、完全に日本に十二チャンネルが返還されたということになりますと、今の日本のテレビ放送というものは、もう少し潤沢になるし、それからまた非常に貴重な波というような現状においても、日本としてはこの十二チャンネルを返してもらえれば、非常に有利になるというような現状でありますけれども、いまだにこれがなかなか返してもらえぬ、こういうのが現状になっておるわけであります。安保条約の関係、行政協定の関係もありますけれども、やはりこの条項にも関連をしてくる。だからこの条項があっても実質的に話し合いをして円満にいっているということは、ほとんどいっております、現実の問題としては。ただしかし、そういう例外的な日本が不利益をこうむっておるという事実もあり得るということは、これは否定し得ない問題であるわけであります。こういう点については、日米安保条約の関係もあるわけでありますけれども、この第五十条の二九〇号というものは、軽々に見のがすことはできない問題でありまして、ただアラビア数字の第2項の問題を各国がその通りやればいいわけでありますけれども、ややもいたしますと、こういうふうな問題はやはり各国のそれぞれの利害関係が入りまじってきますので、必ずしもこの希望規定がその希望規定通りにいくとは限らぬわけでありまして、そういう点でも私はこの条約の中のこの二九〇号については、注目すべき点であろうというふうに考えておるわけであります。 以上、私はこの国際電気通信条約の内容についての主要な大事な点を質問をいたしましたが、まだこれ以外に先ほど電波局長にお願いをいたしました各国の業務別、また各国別の周波数の割当、それに基づいて日本がどうなって、日本の周辺における電波の割当がどうなっておる、さらに日本から発射するところの電波の国際的に登録してあるところの波が、現実に日本の波として使用されておるものと、今言いましたように、アメリカ軍として使用されておるもの、こういうふうにも分けられるわけでありまして、そういう内容についてもまだ明らかにしていかなければならぬ点が多々あるわけでありますが、そういう点についてはいずれその詳細な資料が出ましてからお聞きをしたい。 さらに今回の国際電気通信条約の改定におきまして、事務局機構というものがかなり今回は変わっておるわけでありまして、この内容等がこの電気通信条約の相当変わった主要点でありますが、そういう点についても、できる限り次の委員会までにこの具体的な資料をお出し願いたい。たとえばこの条約の機構を見ましてもわかりますけれども、一応全権委員会議、主管庁会議、管理理事会、事務総局、あるいはまたその事務総局の内部におきます機構、そういうようなものについても系統ある一つの資料をお出し願いたい。これを一つ一つ質問しておると、二日かかっても今の局長の答弁では済みそうにないですから、そういう点については系統ある、また簡にして要を得た資料をお出し願いたいということを要請しておきまして、きょうの国際電気通信条約に対する質問を私は一応終わりまして、次に万国郵便連合に基づくところのパキスタンとオーストラリアとの郵便為替協定について私は聞いておきたいと思うわけであります。 われわれは万国郵便連合に入っておりますけれども、特に今回オーストラリアとパキスタンとの間に郵便為替協定を結ばなければならなかったという根本的な理由はどこにあるか、その基本的な問題からお聞きしていきたい、こう思うわけであります。
○荒巻政府委員 外国為替協定というものを結んで、広くなるべく公衆のために、送金をしまた送金を受けるというような国際関係を多く作っていくということが望ましいわけでございますし、この両者の日豪並びにパキスタンとの関係におきましては話し合いがつきましたので、二国間の協定ということで約定を結んだわけでございます。
○森本委員 それではこの二国間の郵便為替協定というものを結ばなければ、万国郵便連合の条約においてこの為替の取引というものはできぬのですか。
○荒巻政府委員 二国間の協定がなくとも、万国郵便為替関係の規定に従いまして仲介国等を通しまして送金はできるわけでございますが、直接結ぶことによりまして両者間の仲介の手数料というものもなくなりますし、送金その他の時間的な速度も非常に早くなるということで、両者間に直接交換することが望ましいわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、このパキスタンとオーストラリア以外に、これからだんだんこの協定を結んでいくということを考えられるわけですか。
○荒巻政府委員 さようでございます。
○森本委員 さらに今回のこの郵便為替の協定の締結において、国内的な郵便為替の料金との関連はどうなるわけですか。
○荒巻政府委員 国内の為替につきましては為替法並びに為替規則によっておりますが、今回のこの締結によりまして、従来の外国為替規則によります料金を特に改める必要はないというふうに思っております。
○森本委員 これ以上私は官房長に聞いても、官房長は専門家でありませんので、この郵便為替の協定についてはきょうは質問を終わりますが、ただ私は郵政省に対してちょっと忠告しておきたいと思いますことは、少なくともこういう為替の条約が国会にかかっておる、いつ審議をせられるかわからぬというふうな状況の中において、当該局長も次長も業務表彰のために出てしまっておらぬというようなことは全くこれは不合理でありまして、少なくとも、そういうどうしても用事があれば、局長は行ったけれども次長がおるとか、次長は行ったけれども、局長がおるとかいう措置は当然とるべきであって、またそういうように出張する場合には一応外務委員会にこういう条約がかかっておるとするならば、外務委員長に対して、私の方ではこういうふうに出張していくつもりであるけれども、委員会の御都合はどうでしょうと一応聞いてから行くべきであって、その点は一つ帰ってから外務委員会からこういうおしかりを受けたということを特に私は大臣なり政務次官に報告をしておいてもらいたい、こう思うわけであります。
○荒巻政府委員 お言葉の通り厳重担当局長にも注意し、また大臣、政務次官にも申し上げておくつもりでございます。
○戸叶委員 私、審議の過程におきまして、定足数の問題をたびたび委員長に申し上げましたけれども、委員長は大へん苦慮されていられたようです。しかしお集まりになりませんでした。私定足数がなければもう中止しようという考えでおりましたけれども、忍耐と寛容の精神で今までおりましたけれども、せめて条約を批准するときくらいは過半数を占めた上でやっていただかないと、国会の権威という面からも私はどうかと思いますので、できれば金曜日に全部をそろえてそしておあげになることをお勧めしたいと思います。
○堀内委員長 お答えいたします。実は委員の中の若干の人が生理的現象でもって一時席をはずしたようなこともありましたが、その辺は将来注意をいたすようにいたします。 日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件及び日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件について御質疑がありませんか。——御質疑がないようでありますから、両件に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○堀内委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もないようでありまするから、直ちに採決いたします。 日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件及び日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、右両件を承認すべきものと議決するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。両件はいずれも承認すべきものと決しました。 なお両件に関する報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議はないようでありますからさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十七分散会 ————◇—————