外務委員会 第24号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/17
会議録
○堀内委員長 ただいまより会議を開きます。 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
○堀内委員長 まず政府側より提案理由の説明を求めます。外務政務次官津島文治君。
○津島政府委員 ただいま議題となりました関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 わが国は、昭和三十年のガット加入の際の関税交渉、昭和三十一年の第四回ガット関税交渉並びに昭和三十三年の対ブラジル及び対スイス関税交渉に参加し、わが国の関税率表の九百四十三税目のうち二百七十九税目についてガット締約国に対して譲訴を行なってきておりますが、一部の現行譲許税率については、その後の経済事情の変化に即応しないものとなりましたので、その修正または撤回の必要が生じて参りました。このため、さきにガット第二十八条に基づくガットの再交渉会議が開催されました機会に、大豆、工作機械などの二十四品目につきまして、これらの譲許の原交渉国であるアメリカ合衆国と譲許税率の修正または撤回のための交渉を行なって妥結を見た次第でありますが、このうち、一部の乗用車及び十一品目の工作機械につきましてはドイツ連邦共和国も原交渉国でありましたので、ドイツとも同様の交渉を行ない、このほど右修正及び撤回の代償として工作機械六品目、ガスホールダーなど計十二品目の関税率について譲許を提供いたすことにより交渉を完了し、去る四月二十九日ジュネーブで日独両国代表の間に、交渉の結果に関する文書への署名を行なった次第であります。 この新しい譲許は、第二十八条の関税交渉の結果の適用に関するガット上の一般的な手続に従い、わが国が締約国団の書記局長に対して適用通告を行なうことにより、右通告において指定する日から実施されることとなっておりますところ、これらの譲許のうち、工作機械については若干おくれますが、その他のものについては、対米関係品目と同様、本年七月一日までに実施に移す予定であります。 よって、ここに、この文書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○堀内委員長 本件に対する質疑は次会に行なうことといたします。 ————◇—————
○堀内委員長 次に外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたし、質疑を行ないます。戸叶里子君。
○戸叶委員 ただいま議題になりました条約について少し質問をしたいと思います。 まず第一に伺いたいことは、仲裁判断制度というものはどういう経過をもって発達をしたか、その経過をお伺いしたいと思います。
○阿川説明員 仲裁判断と申しますのは、御承知のように私人相互の間の紛争を当事者の同意に基づきまして私人である第三者の判断にゆだねまして、その判断に服することによって紛争を解決しようという制度でございます。従いまして御質問のこの制度の発達の沿革はどうかという点につきましては、むしろ訴訟制度よりも古かったと申していいのでありまして、世界各国におきまして当事者間の紛争は、国家の裁判制度がまだ発達していない当時におきましては有力な第三者に公平な判断を仰いで、これで解決するということになっていたのであります。その後国家の裁判制度が発達するに及びまして、仲裁判断の制度はやや下火になったような時代がございましたが、その後経済取引が発達するに伴いまして、商人相互の間に取引上の紛争が生じました場合に、これを迅速にかつ取引の実情に適した結果を得る解決を見るには国家の専門的な裁判官の判決によるよりも、取引の実情に通じた仲裁人に的確に実態についてすみやかに判断をしてもらって解決する方が、あとにうらみを残すというようなこともなく、経済的に合理的に解決できるということから、欧米各国で非常に盛んに行なわれて参ってきておるのであります。ことに国境を越えて取引が行なわれるようになりまして、貿易活動が盛んになりますと、一国の裁判所で勝訴の判決を得ましても、これを他の国に持っていって執行するわけに参りません。そういうようなことから国際間の取引につきましては、今日すべて取引上の紛争は仲裁で解決する、こういう実情になって参っております。わが国におきましても民事訴訟法の制定の際に、この仲裁手続に関する規定が設けられておるのであります。わが国の国内におきましては従前は海上取引における紛争をこの仲裁によって解決するということが行なわれておりました。ほかは国内のこういう仲裁制度はあまり活発でございませんでした。けれども、終戦後国際商事仲裁協会という仲裁機関が設けられるに及びまして、わが国におきましても逐次この仲裁の利用が活発になって参ってきているような実情と相なっております。
○戸叶委員 どういう構成で仲裁判断が行なわれるかとか、あるいは何人を仲裁人にするかというような、そういう問題はどうやってきめられるのでしょうか。
○阿川説明員 当事者間の紛争を仲裁手続によって解決するにつきましては、これはすべて当事者の合意によってきめるわけでございまして、取引をする当事者が、その取引から紛争を生じたならば仲裁手続によってこれを解決しようではないか、こういう仲裁の合意、そういう仲裁契約というものを結びます。この仲裁の合意、当事者の全く自由なる意思に基づいて仲裁手続で解決した方が合理的である、こういうふうに判断しまして仲裁契約を結びます。そこで、どこであるいはどういう人を仲裁人にしてどういう手続でやるということがすべて当事者のお互いの話し合いできめ得る、こういうことになっておりまして、すべて当事者の意思に基づいてこの手続が進められる、こういう構成になっております。
○戸叶委員 そうしますと、今の御説明にありましたように、当事者同士が話し合って、そうして仲裁契約というものを結んで、仲裁人を何人ぐらいにしたらいいかということを話し合って一々やるわけなのですね。そうしますと、日本には常設の仲裁機関というものがあるかどうかを説明していただきたい。もしもあるとするならば、どういう機関でどういう法人格を持っているのか、この点も承りたいと思います。
○阿川説明員 ただいま御質問の通り、仲裁人の選定はすべて紛争当事者の同意できめ得られるということでございまして、臨時に適当な公平なりっぱな方を仲裁人に選べばそれで事足りるわけでございますが、御指摘のようにそういう臨時の仲裁人のほかに、今日では世界各国とも常設の仲裁機関というものが設立されておりまして、これが非常に広く利用されております。わが国におきましては国際商事仲裁協会という常設の仲裁機関がございまして、これは社団法人になっているのであります。通産省において若干の補助金をこれに支出されておられるような関係もありまして、その設立の年月日なり活動の実情なりは通産省から御説明になる方がよろしいか、こういうふうに考えます。
○生駒説明員 ただいまの御説明に補足いたしまして、国際商事仲裁協会を所管しております通産省から御説明申し上げます。 わが国におきます仲裁関係を取り扱っております中立的な機関といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように国際商事仲裁協会というものが社団法人としてできておるのでございます。会長は日本商工会議所会頭の足立さんがなっておられるわけでございます。これに対しまして通産省といたしましては、補助金その他を出しまして、国際商事仲裁の円滑化をはかりておる次第でございます。
○戸叶委員 日本の国には常設の仲裁機関が、今の御説明にありましたようにあるわけでございますが、この条約に加盟している国には同じようにやはり常設の機関があるのかどうか、そしてやはり同じように通産省というようなものに見合う省が援助をし、そういうところで行政の面を扱っているのかどうか、この点も参考のために伺いたいと思います。
○阿川説明員 各国の常設仲裁機関の状況につきましてはあまりつまびらかでございませんが、この条約は加盟しておりますフランスにおきましては、国際商業会議所と申しますか、ICCという、これは非常に大きな、世界各国において常設仲裁機関として非常に権威のあるまた取り扱い件数も非常に多い仲裁機関がございます。それからソ連等におきましても、やはりそういう常設の機関があるように承っております。
○戸叶委員 今フランスのことは大へん詳しくお話しになりましたが、ソ連にもそういうものがあるように聞いているとか、あるいはまたほかの国のことはよくわからないというのでは、ちょっとたよりないわけでございまして、やはりこういう条約へお入りになるとするならば、ほかの条約に加盟している国がどうなっているかということぐらいは研究しておいていただきたいと思います。なおそういうふうな点も、今私は出してほしいということは申し上げませんけれども、あとで参考資料として出していただきたい、こういうことを要求しておきたいと思っています。委員長からどうぞお取り計らい願います。
○堀内委員長 承知しました。
○戸叶委員 次にこの第一条の一項に、「この条約は、仲裁判断の承認及び執行が求められる国以外の国の領域内においてされ」た判断の承認及び執行について適用する、そういうことになっていて、この判断が必ずしも当事者の国において行なわれないということが承認されているわけでございます。ところが第三項におきましては、「他の締約国の領域においてされた判断の承認及び執行についてのみこの条約を適用する旨を相互主義の原則に基づき宣言することができるとありまして、第一条第一項の今読み上げた事項は大幅にこれで制限することができるようになっているわけでございます。そこでこの一項と三項との関係というものがどういうふうになるかを説明していただきたいと思います。
○東郷説明員 御承知のように今回御審議願っております条約は、この前の一九二七年の条約をその点、特に今お話の点において拡張したものでございますが、その趣旨は、単に締約国でなされたものだけでは条約の目的から足りないということで、非締約国においてなされたものにも広げようというのが第一条の趣旨でございますが、ただ、そこまで広げるのはどうも一方的になって心もとないと考える国があれば、そういう国は前の条約の限度に戻ってもよろしいという道を残しておるわけであります。そういう点を残しつつ、この条約においては他に手続その他で改善された点もありますので、一条の範囲の問題でこだわる国も他の改善した点を亨受できるようにしよう、こういうことであらかじめそういう第三項の宣言規定を設けてある趣旨であります。
○戸叶委員 そうすると、その内容から見ますと、結論的には前の条約よりも一歩前進しているということになるわけですか。ある程度の制限はされていても、ほかの部分で適用され得るということで、一歩前進しているということになるのでしょうか。
○阿川説明員 この条約はジュネーブ条約に比べまして非常に内容が改善されておるのでありますが、他の点と申します点はさしおきまして、条約の適用範囲の問題だけに限りまして両者を比較いたしましても、この条約は第一項において非常にその適用範囲を拡張しておりますこと、御指摘の通りでございます。そしてせっかくそういう適用範囲を拡張したのに三項で留保してしまえば結局同じことになって、大して適用範囲を拡張したことにならぬじゃないか、こういう御質問でございます。これはまさに御指摘の通りでございますが、しかしかりにこの三項の前段に基づく留保がなされましても、やはりその適用範囲はジュネーブ条約に比すれば若干拡張されていることになるわけであります。と申しますのは、一九二七年のジュネーブ条約によりますと、これは一九二三年のジュネーブの仲裁条項に関する議定書を前提とする条約でございまして、別異の締約国の裁判権に服する当事者間においてなされました仲裁契約に協定された仲裁判断、しかも締約国の一の裁判権に服する者の間でなければいかぬという条件が入っておるわけであります。従いまして、本条約の三項で留保いたしまして、他の締約国の領域においてなされた仲裁判断の承認執行だけにこの条約を適用するとされた場合でありましても、その別異の裁判権に服するもの相互の間の仲裁契約に基づく判断である必要はありません。同一国籍と申しますか、国籍とは若干違いますけれども、ほぼ同一の裁判権に服するもの同士の間になされました仲裁判断を、この締約国の他の締約国に持っていって執行するということもできるわけで、そういう意味で若干本条約の方が、かりに留保がなされましても広いということは言えるのじゃないか、こういうふうに考えます。
○戸叶委員 同じ第一条の三項に「その国の国内法により商事と認められる法律関係から生ずる紛争」ということがあるわけでございますが、各国の国内法によって行なわれる商事でございますから、これが商事であるかどうかということも各国の国内法によって違ってくるじゃないかということも考えられるわけでございますが、こういう点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○阿川説明員 ただいまの御質問の通りだと私ども考えます。各国の国内法によりましては、たとえば英国のように民事と商事の区別を認めない国もございますし、あるいは商事と民事を区別する基準につきましても異なる場合があり得ると思うのであります。従いまして、この三条の後段の留保宣言はこの条約から削除すべきだというのがわが方の主張であったのでございますが、これはジュネーブ条約におきましてもこの種の留保が認められておりますし、この留保をした国も多数ありますので、なるべく大多数の国がこの条約に入りやすいようにしておきたい、こういう考慮から本条約案がこういう規定を設けることになったわけであります。
○戸叶委員 ちょっとわからないのですけれども、そういうふうな認定が違ってきた場合にどうやって調整をとろうとされるのでしょうか。その点を伺いたいと思います。商事かどうかというふうな認定が違ってくる場合があるということをお認めになったわけですね。そうした場合の調整はどうやっておとりになるのですか。
○阿川説明員 これは具体的な事件につきましては、結局仲裁判断に基づいて執行しようとして持ち出した国の裁判所が、この条約の適用があるかどうかということをきめるについて、自分の国では、この条約は商事に限って適用するのだという留保をしておりますので、この紛争事件は商事紛争についての仲裁判断だからこの条約によるのだ、あるいはこれは商事でない、海上衝突なんかの事件で、これは民事だ、それについての紛争だからこの条約は適用しないので、自分の国の国内法を適用して判断する。国内法でこういう場合には拒否できる、こういう場合には拒否できるということに該当して、これはだめだということで拒否することになろうかと思います。
○戸叶委員 そうしますと、あくまでも国内法でこれが商事であるかそうでないかという認定を下して商事でないということになればこの条約は適用しない。そういうことによって調整されるというふうに判断していいわけでございますか。
○阿川説明員 お話の通りで、執行国の裁判所の判断に待つほかはないというふうに考えます。
○戸叶委員 そうなってきますと、何か仲裁判断の意味というものがちょっと私にはわからなくなるような気がするのです。それでは具体的に伺いたいのですが、ここ数年来の仲裁判断の事列をあげて、それがどういうふうな国で行なわれたかというようなことを参考にお聞かせ願いたいと思います。生駒説明員 国際商事仲裁協会の行ないました仲裁判断でございますが、御承知のように国際商事仲裁協会の事業は商事紛争の仲裁、調停及びあっせん、それからクレームの未然防止及び相談施設の活動それから外国仲裁機構の提携という三つの柱がございますわけでございます。そのうちのお尋ねのございました仲裁判断というものは昭和二十五年三月に国際商事仲裁協会が設立いたされましてから昭和三十五年十二月までの十一年間に二十二件でございます。その相手国はアメリカ合衆国五件、英国三件、香港二件、シンガポール二件その他フランス、スイス、イタリア、イラン、南アフリカ連邦、カナダ、ベネズエラ、韓国、中共、台湾各一件となっておるのでございます。
○戸叶委員 仲裁判断というのは、約の際に仲裁条項を合意して置かなければならないのか、それとも契約中に仲裁条項がなくても事態に応じて当事者の合意が成立すれば、随時仲裁判断による解決が可能なのかどうか、この点をお伺いします。
○阿川説明員 ただいま御質問の後段の通りでございまして、一般には普通の取引の条項のうちに本件から紛争が生じた場合には、こういう仲裁で解決するのだということをうたっているのが通列でございますが、かりに取引の契約書の中にそういう条項がなくても実際紛争が生じた場合に、当事者で、この問題は裁判所で解決するよりはお互いに、たとえば、国際商事仲裁協会に持って行って、そこで仲裁判断を得ようじゃないか、そのようにした方がそれで直ちに確定してしまって一切きれいさっぱりきまるからということで持ち出す。これはもちろんできるわけでございます。
○戸叶委員 仲裁判断の執行の手続を説明していただきたいと思います。この仲裁判断がどういうふうにして当事国の司法権によって執行されるか、その辺のことを説明していただきたいと思います。
○阿川説明員 仲裁判断の執行につきましては、民事訴訟法の第八編の八百二条に規定されておるのでございまして、結局仲裁判断に基づきまして執行判決を得て執行するのであります。
○戸叶委員 第三条に「内国仲裁判断の承認又は執行について」というふうに内国仲裁判断というのがあるわけですが、この条約による仲裁判断との基本的な相違点というものがあるならば契御説明願いたいと思います。
○阿川説明員 この条約におきましては、仲裁判断の承認及び執行が求められる国において、その国の領域内においてなされた仲裁判断が内国仲裁判断であり、その国の領域以外の領域、つまり外国でなされた仲裁判断が外国仲裁判断である。こういう建前になっておるわけです。
○戸叶委員 十一条に非単一制の国という言葉がありますが、それはどういう国をいうのか、連邦制とはどういう点で違っておるのか、この点を伺いたいと思います。
○東郷説明員 ここに「連邦制又は非単一制」と書いてございますが、実はこれは大体同じ意味と御解釈を願いたいと思います。そしてこの条は立法権が一元的でない、つまり連邦と各州とあってそれぞれ権限の分割がありまして、たとえばある仲裁に関する事項は連邦の立法権でなくて連邦を構成する州の立法権の専属事項になっている。そういうような場合の規定でございますので、ここに「連邦制又は非単一制」という中で「又は」という字はよくすなわちというような意味にも使うわけでございますが、そういう意味に御解釈を願いたいと思います。
○戸叶委員 それでは私十二時半からどうしても手が放せない用事があって、この委員会で質疑を続けることができませんので、あとの点はほかの機会にまた何らかの形で伺うことにしたいと思います。
○堀内委員長 他に御質疑はありませんか。——御質疑がないようでございますから、本件に対する質疑はこれにて終了いたします。 —————————————
○堀内委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。 外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約の締結について承認を求めるの件、本件を承認すべきものと議決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって本件は承認すべきものと決しました。 なお、本件に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議がないようでありますので、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○堀内委員長 次に所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール自治州政府との間の条約の締結について承認を求めるの件を議題といたし、質疑を行ないます。正示啓次郎君。
○正示委員 簡単に一、二の点を伺います。今回のただいま議題になりましたシンガポール自治州政府との租税協定でございますが、これは日本とシンガポールとの経済関係を緊密にする上に大へん有効適切な措置だと思うのでありまするが、この条約の締結によりまして、日本及びシンガポールが経済的に期待し得る利益というふうな点について一、二お尋ねしたいと思うのです。 わが国から、大体プラント輸出がおもなものだと思いますが、一体シンガポールの税負担と日本の税負担はどういう関係になっておるか、簡単に御説明いただきたい。
○中橋説明員 日本の税負担がどうなっておるかということにつきましては、すでに御承知のように、法人を中心に申し上げますれば、原則として法人の利益に対しまして三八%の税率が適用になるわけでございます。これに対しまして、シンガポールにおきましては四〇%の税率が適用になるわけでございます。従いまして、法人に関する限りで申し上げますと、二%ばかり向こうの方の税率が高いというふうな状況になっております。個人につきましては、それぞれ控除の関係がございます。あるいは税率の点におきましては、わが国は七〇%の最高税率を持っておるのに対しまして、シンガポールにおきましては五五%の最高税率を持っておるというような点が違っております。
○正示委員 そういうことで、今回二重課税を防止し、あるいは脱税を防止することによって大へん経済的な利益が増進されるわけでございます。これはもうすみやかにこの条約を発効すべきだと考えるのでございますが、一体日本の方では、きょうこれは一つぜひ本委員会において御採決を願いたいと思いますが、シンガポールの方の、現地側の批准の手続はどういう状況でございますか、この点を伺いたいと思います。
○内田説明員 シンガポール側はすでに四月二十八日に批准手続をとっておる。それは公式にシンガポールの在外公館より報告を受けております。
○堀内委員長 他に御質疑はありませんか。——御質疑がないようでありますから、本件に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○堀内委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール自治州政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、本件を承認すべきものと議決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は承認すべきものと決しました。 なお、本件に関する報告書の作成につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議ないようでございますから、さよう決定いたしました。本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会 ————◇—————