外務委員会 第23号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/12
会議録
○竹内委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が病気のため欠席されますので、私が委員長の職務を行ないます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。本日は参考人として、琉球政府立法院議員山川泰邦君、真栄城徳松君、及び知花英夫君の御出席を願っておりますので、沖繩における諸問題についてまず参考人の御意見を承り、引き続き参考人に対する質疑を行なうことにいたします。 この際参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中のところ本委員会に御出席願いまして、まことにありがとうございます。委員長として厚く御礼申し上げます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 これより参考人の御意見を承ることにいたしますが、参考人からの申し出により、参考人お三人を代表して、山川泰邦君より御意見を承ることにいたします。山川泰邦君。
○山川参考人 山川泰邦でございます。本日は院内きわめて御多忙のおりから、沖繩問題を調査するために、上京中の私どもから沖繩問題についてお聞き下さる機会を与えて下さいまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。 私たちは琉球政府立法院の議決によりまして、立法院を代表して沖繩の当面する重要な問題について要請するため派遣されて参りました。私たちの使命の一つは、まず第一には、池田総理の訪米で予定されている日米会談を控え、沖繩住民年来の悲願であり、また立法院においてもたびたび決議されております沖繩の施政権返還を対米折衝の重要な議題の一つに取り上げていただいて、日米の理解と協力によりまして、施政権返還を促進していただくよう、直接池田総理、衆参両院議長並びに関係方面に要請することであります。 次に、琉球の住民代表を国会に参加させていただきたいということであります。行政分離の現段階におきましても、施政権が離れて変則的な地位にある沖繩の現段階におきまして、琉球住民代表を国会に参加せしめ、住民の意思を直接政府の琉球対策に反映させることは、きわめて緊要なことであり、また可能であると信じまして、関係諸法規を御整備の上、琉球住民代表をぜひ国会に参加させて下さるよう要請することであります。 第三番目は、教育指導委員を継続して派遣していただきたいということであります。これは日米両国政府の理解と協力をえまして、昭和三十四年より実現を見て、沖繩教育の振興に大きく貢献して参りましたが、これがこのたび中止になっていますので、教育指導委員を継続して派遣して下さるよう要請することであります。 第四番目はミサイル・メースの持ち込みとその基地建設の中止方につきまして皆様の御協力をいただきたいということであります。琉球政府立法院は、昭和三十五年五月、すべての国が核兵器の製造、実験、使用をとめるべきであると決議しておりますが、今回もこの決議の趣旨に従いまして、ミサイル・メースの基地建設とその持ち込みをすみやかに中止するよう決議いたしましたので、御協力を要請することであります。 以上、四つの事柄は立法院において全会一致で議決された決議事項であります。この四つの事項を中心に、特に施政権返還の問題につきまして、総理の渡米折衝事項の重要な項目に加えていただきまして、この機会に沖繩問題をぜひ前進させていただきたいというのが、私たちの要請いたしたいと思う中心の事項であります。なお総理の対米折衝を通じまして、施政権者としての米国の沖繩に対する援助を増額させていただいて、さらには祖国政府の諸援助が一段と増額されますよう要請することであります。 ここに国会議員の皆様方の情熱的な御協力、御援助をお願い申し上げまして、ごあいさつにかえる次第でございます。ありがとうございました。(拍手)
○竹内委員長代理 これより参考人に対する質疑を行ないます。 この際特に申し上げておきたいのでございますが、参考人お三方の都合にて十時三十分に御退席になりますので、参考人に対する質疑はそれまでに終わることにいたします。その点を御了承願います。 それでは質疑に入ります。戸叶里子君。
○戸叶委員 どうも本日は参考人の皆様御苦労様でございました。きょうは大へんに時間がないようでございまして残念でございますが、ただいま立法院で決議された四つの問題について、今回各それぞれの責任者に御要望になりにいらしたということの御陳述がございました。私はその線に沿いましてだけ御質問をさせていただきたいと思います。 施政権の返還ということは、幾たびかこの委員会におきましても取り上げられて参りましたけれども、いまだにその実現がされておらないということはまことに残念でございまして、沖繩の皆様方のお気持というものは私ども非常によくわかるわけでございますが、一九五七年に岸さんがアメリカへいらっしゃいましたときに、岸・アイク共同声明といいますか、共同コミュニケというものが出されております。この施政権の返還というよりも、むしろ福祉の増進というようなことに力を入れた共同コミュニケが出されているわけでございます。さらにまた新聞報道などを見ますと、施政権の返還よりも、やはりこの岸・アイク共同声明のような内容のものになるのではないかというようなことさえ心配されているわけでございますけれども、皆様方としては、やはり立法院の決議もおありになることでございますから、あくまでも施政権の返還をしてもらいたい、こういう線で御要望になると思いますが、この点を念のためにお伺いしたいと思います。 さらにまたこの前出されました岸・アイク共同コミュニケというようなものに対しまして、どういうふうなお考えを持っておられるか、この点もお伺いしたいと思います。
○山川参考人 施政権返還を要望するか、また岸・アイク・コミュニケのような福祉増進を要望しているかという御質問でございます。もちろん沖繩九十万の住民は、施政権の返還を要望しているのでございます。施政権の返還まで沖繩住民の生活レベルを日本国民並みのレベルに引き上げていただきたい。それまでの間は日米両国の御援助によって沖繩の産業、経済、教育、文化その他の福祉増進の面にも積極的な御援助をいただきたいというのでございます。岸・アイク・コミュニケは、あの当時失望しております沖繩の住民に一応明るい期待を与えました。まあ一応歓迎されたとも言えるのでございますが、しかしそれは現在より福祉増進がされることに対する期待でありまして、当時も依然として施政権返還をこいねがっていたことは、琉球立法院開会のたびごとに施政権返還が決議されまして、この国会にも要請したことによっても明らかでございます。今日では岸・アイクの共同声明はすでに段階が過ぎておりまして、それよりも十歩も百歩も進歩した沖繩対策の処理でなければ納得を得ることはできないと思う次第でございます。
○戸叶委員 ただいまの御答弁で、やはりあの当時は仕方がなかったにしても、今回の池田さんの渡米にあたっては、あくまでも施政権返還という沖繩島民の強い要請、これを池田さんに話して、池田さんからアメリカに交渉してもらう、そういう強い御決意のほどがわかったわけでございます。そこで国会におきましても、社会党が自民党と一緒になりまして、施政権返還の決議案を出したいというような希望を持っているわけでございますが、そこになかなかいろいろな問題もあるようでございまして、こういうことも御勘案になりまして、池田総理に対してもこの点を強く要望されていらっしゃるような御意思があるかどうか、この点も重ねてお伺いしたいと思います。この点は団長の方と、それから知花さんとおっしゃいますか、社会党の方とお二人の方にお答えを願いたいと思います。
○山川参考人 もちろん私たちは立法院を代表いたしまして、最高責任者であり、また対米折衝を行なわれます総理に対しまして、沖繩の施政権返還につきまして折衝していただくようお願いいたすのでございます。これは沖繩側の切なる要望でございますが、日本国会の状況につきましては、私たちは言及する知識を持っていないのでございますが、国会といたしましては、いろいろな問題を持っていると思うのでございます。従いまして国会におきましても、沖繩問題の解決のために最善の方法をとっていただくようお願いいたしたいと思っております。
○知花参考人 ただいまの御質問に対しまして御答弁を申し上げたいと思うのでございます。沖繩の施政権の返還につきましては、私たち住民といたしましては日本国会全体が一つになっていただきまして、この際施政権の返還を打ち出していただきたい、こういうような考え方を持っております。社会党、自民党ばかりでなく、ほかの党も一緒になられまして一つやっていただくように御要望を申し上げたいと思うのであります。
○戸叶委員 皆さんの御意向といたしまして、今回はあくまでも施政権返還のためにあらゆる努力をしてほしいということがわかったわけでございます。今度もしも池田さんが——池田さんにきょうはお会いになるようでございますが、お会いになりましたときにはその点を強く御要望になるというふうに私も了承したいと思います。 次に国会参加の問題でございますが、皆さんの方でもただいまのお話によりますと決議がなされまして先ごろ自治大臣にお会いになったということも聞いておりますが、この問題に対しまして自治大臣はどういうふうな御答弁をされましたでしょうか、この点を一つ伺います。
○山川参考人 自治大臣の御答弁、お話、御意見は、この国会に沖繩代表が議席を持つ点に関しましては、法制上その他いろいろの問題があると思うが、そういうことを検討し、国会参加の問題につきまして検討を重ねつつあるという御意見でございました。
○戸叶委員 立法院としてもこのことは決議されたわけでございますけれども、この問題に対して自治大臣が法律的に問題がある、それで検討中であるというような御答弁であるといたしますならば、法律的に一体どの程度のどういうふうな問題があるかというようなこともお聞きにならなかったのでしょうか。その点もお聞きになってお帰りになりませんと、やはり沖繩の方方が納得しないのではないかと思いますが、この点はいかがでございますか。ただ法律的に疑義があるから検討中であるということだけで納得されたのではなかろうと思いますけれども、この点はどういう点が疑義があるかということまでお聞きにならなかったかどうか、この点を伺いたいと思います。
○山川参考人 私たちといたしましては法制上疑問を持っておりません。国会におきまして成立すべき法律があれば、これを成立することによって実現可能という信念を持っております。自治大臣の御意見はできるだけ沖繩住民の期待に沿いたいという積極的な御意見にうかがわれました。ただ、これの処理につきまして検討するというお考えのようでありましたから、基本的なお考え方について了承いたしまして、さらにこの検討を重ねて実現をはかっていただくよう要望いたして別れたのでございます。
○戸叶委員 この委員会におきましても、かつて林法制局長官が観念的という言葉を使いましたけれども、日本国憲法は沖繩に及んでおるというようなことを言っておられるわけでございます。そういうふうな点から見ましても、自治大臣がどういう点がどういうふうに影響するというのか、この国会参加について禁止しなければならないというような具体的な例というものは、私どもはちょっとわからないわけでございますけれども、そういうふうな問題につきまして、今ここで議論しておりますと時間がありませんので、その点もお含みの上さらにその点をお考えになっておいたらいいのじゃないかと思っております。 さらに、その次は施政権がないためにいろいろな問題が御不自由な点があるのではないかというふうなことも考えられるわけでございますけれども、たとえば政治的な面、経済的な面で施政権さえあったらこういうことがないのにというような具体的な問題がおありになりましたら御説明願いたいと思います。
○山川参考人 具体的な問題の説明になりますと、時間がかかるのでございますが、沖繩住民といたしまして現在アメリカの施政権下に置かれております現状に対するいろいろの要望と申しますのは、自治権を拡大してもらいたい、自分たちで自分たちを治める自治能力があるから自治権を拡大してもらいたい。それから沖繩が日本の一府県なら、沖繩と類似の県と比較いたしまして経済援助の額、アメリカの経済援助の額あるいは現在日本政府からいただいております援助額を検討いたしまして少な過ぎる、日本政府におきましても、もっと財政経済の援助を合理的な方法で御援助いただきたい。沖繩は住民の意思に反して現状に置かれているのでありますから、この沖繩の不幸のためにもっと援助していただきたい。アメリカの援助にいたしましても、従来少ないというふうに住民は考えておりまして、その経済援助の拡大を願っているのでございます。その他いろいろな問題はあると思いますが、また他の方から申し上げたいと思います。
○戸叶委員 ただいま自治権というものが非常に制限されているので、その拡大ということが第一に望ましいことであるということをおっしゃいましたが、たしか沖繩には米国大統領及び極東総司令部指令琉球列島の管理に関する行政命令というのがあると思います。それによって大体アメリカ軍と立法院との間の行政的なことが行なわれていると思うのでございますけれども、その中でたとえば立法院で決議をいたしましても、主席とアメリカの高等弁務官との間で事前に調整をした上でなければその行政命令というものが実際に効を奏しないというようなことがあったようでございますけれども、そういうふうな点につきましても何か非常に民主的な面から遠ざかっているようなことをお感じになったり、あるいは御不自由になったり、あるいはこの立法院がせっかく決議されてもそれが否決されるというような場合があったり、そういう点で非常に不便を感じられるのではないかと思いますが、この点についてはどうお考えになりますか、団長とそれから社大党の方とお二人にお伺いしたいと思います。
○山川参考人 立法院において決議されたことが、送られるべき関係方面に送られなかったということは記憶にございません。法律を立法院におきまして立法する。それがアメリカにおいて拒否されたという事例は少のうございますけれども、若干あると思います。 事前調整の問題は、大統領行政命令で、アメリカが拒否権を持っているのでございますが、この拒否権につきましては、現地を統治しております高等弁務官の権限を越えるものがあると思っておりますし、皆様も御承知のことと思いますが、アメリカの大統領に拒否権はある。アメリカの例に従って、こちらで統治するものに、住民の福祉増進、アメリカの基地の維持に不安を与えるような法律に対しては、拒否するという大統領行政命令があるわけでございますが、事前調整は一つの慣例に従いまして、またその趣旨に従って行なわれていると思うのでございます。琉球行政府で立法院に送る立法案を事前にアメリカの側と話し合って、その了解を得て立法院に送られてくるというのが、事前調整ということになっております。これにつきましても、それぞれ見解を異にしております。アメリカ側に言わしむれば、指導助言をしているのであるということである。沖繩側は、拒否権の範囲のアメリカの基地の維持、あるいはアメリカの方に直接間接に影響を与える法律案についての事前の調整はそれで了解できるが、その範囲を越えた、それに関係のない法案の事前調整というものは必要ないじゃないか、行政府からすぐ立法院に送って、アメリカは関係しないでもいいじゃないかという声がございますが、目下そのことにつきまして、話し合いが進められております。
○知花参考人 拒否権の問題でございますが、今までの過去の例におきまして、立法院が立法いたしましたのが拒否にあったものが少しあるわけでございます。こういったようなものも、直接軍事に関係のないようなものは、努めてこれを避けてもらわなければいかぬのではないかといったようなことを感じております。 それから事前調整の問題につきましては、現在の状況といたしましては、行政府が勧告する前に一応これを調整をいたしておりますが、そのために立法勧告がおくれておるというようなことが非常に目立つわけでございます。今度勧告されたのは、約百十件余り予定されておりますけれども、われわれが立ちます前には、まだ四十件少し余っている、そういったものが余っているのではないかと思います。さらに事前調整のなにでございますけれども、一応立法いたしまして主席が承認を与えるというときにもまた一応調整がなされるということになっております。住民の立法権に相当な拘束があるのではないかと考えます。そういったような点は、どうしても行政命令の改定において、改定してもらわなければならぬというように考えているわけであります。
○戸叶委員 いろいろ質問がございますけれども、あとまだ質問をなさる方がありますので、私は急いであと二点だけ伺いたいと思います。 その一点は、先ほどもお話がございましたように、今まで教育指導主事が沖繩に三十四年から来てくれた。ところがことしになってそれが来られなくなった。しかし日本の方の文部省の予算はもう組んであるわけでございまして、昨年度も幾らか余っているような状態でございます。そこで今までの主事さんに対する何か不満な点、あるいはまた何か欠陥があったのかどうか、どうしてことしこの教育指導主事というものが行かれられなくなったか、その理由をお伺いしたいと思います。 それからもう一つの点は、日本から自衛隊の方が行っていらっしゃるわけでございますが、そういう方たちがどういうふうなことをされているのか、この二点を伺いまして、同僚の議員に質問を譲りたいと思っております。
○山川参考人 教育指導主事の沖繩における活動はきわめて好評を博しております。PTA、教職員会でも好評でございますし、また沖繩の教育振興に大きく貢献したと思っております。教育指導主事に対する一般人の悪い批評は別段聞いておりません。なぜこれが中止になったか、日本政府の方では積極的に送り出したいという気持を伺って感謝しておりますが、その理由につきましては、つまびらかでありませんが、契約が終わった、あるいはまたもう沖繩側の指導された教育指導者で十分ではないか、沖繩にはもっとまだやるべき仕事もたくさんあるというふうなことが端的に言われておるのでございます。 自衛隊のことにつきましてはよく知っておりません。これは間接に聞いたことでございますのでお答えするには不十分と思いますが、あちらの戦跡を調査したというふうに聞いております。
○戸叶委員 私はこれでやめますけれども、今の教育指導主事の問題ですが、日本でも送ろうとしてすでに予算も取っている。それからそちらの方も御要望である。しかし何かこうやはり現地のアメリカの人が反対している。その根本的な考え方は一体どこにあるのでしょうか。その点をちょっと参考のために聞かせていただきたいのでございますけれども、アメリカの考え方だから仕方がない、わからない、とおっしゃればそれまででございますけれども、ちょっと私どもふに落ちないような気がするのです。もしお答えになるのがあれだとおっしゃるのでしたらかまいませんけれども、お答えになれませんか。——それではけっこうでございます。
○竹内委員長代理 岡田春夫君。
○岡田(春)委員 きょうは参考人の方、ほんとうに御苦労さまです。いろいろ実は沖繩の事情について御質問をしたいのでありますが、皆さんの御都合で、もう間もなくおいでにならなくちゃならないというような関係で、あと十分前後しか時間がないようです。ですから私も簡単に御質問いたしますので、恐縮でございますが要点だけ簡単にお答えいただけばけっこうだと思います。 第一点は、今戸叶さんからもお話がありましたように教育指導主事の問題につきましても、日本の政府としては出す気持があって予算まで組んでいる、こういうように日本の政府としては沖繩についてそういう面における積極性を持っておる。それからまたことしの予算を見ますと、日米琉の懇談会という面につきましても予算措置を講じている。こういう点、日本政府は日本政府なりに沖繩に対する積極的な施策をある程度とろうとしておる。そういうことでさえ何かどうも実現ができないというような形になっておるということになって参りますと、どうもアメリカの琉球にいる民政府当局は日本と琉球とを接触させることをできるだけきらうといいますか、そういう感じを実はわれわれとしては受け取っているわけであります。やはりそういう点からいいますと、立法院でこの前決議されました施政権返還の決議と相反するような行動がどうも沖繩民政府の方でとっているのではないか、こういう感じが、われわれにとりましては非常に不審を感ずるわけです。そういう点を率直に一つ団長並びに政党の関係はお違いであります知花さんからも、率直な御意見をまず伺いたいと思います。
○山川参考人 現在御承知の通り沖繩を統治しております高等弁務官が新任でございます。高等弁務官は沖繩に赴任以来沖繩のことにつきまして一生懸命勉強しているようでございますが、当面琉球側から持ち出している問題についてはっきりした返事は得ていないのでありますけれども、しかし問題が拒否されているわけでもないと高等弁務官は記者会見で発表しております。検討を重ねて、ある時期におきましてその結果を発表するのではないかと考えております。 教育指導主事が今回中止になっている根本的な理由についてよく存じませんが、これにつきましても効果を上げるためのいい方法を検討しているのではないかと考えております。
○知花参考人 教育指導主事の派遣の問題について現状をちょっと御説明申し上げたいと思いますが、さきの山川議員の方からの答弁がありましたように、住民から非常に好感を持たれております。また日本政府が予算までとってもらったことは感謝しております。それで立法院といたしましてもこれをさっそく現地の関係筋にいろいろと折衝をいたしております。それで高等弁務官においては検討中だというような回答をいただいております。それから担当の係官にはいろいろと今皆さんが持っておられる御疑問をお聞きしてみたい、こう考えてやっております。いろいろとお触れになりますとノー・コメントという格好になって参りまして、今のお考えの点についてはよくお答えできないのであります。
○岡田(春)委員 いろいろと御意見があるようですが、この機会に言えないという事情等もおありのようですし、時間もありませんので続けて参ります。 渡航関係についてもこれは自由が非常に制限されているようにわれわれは受け取っております。私たちが沖繩の方に行くのについても非常な制限を受けている。これは施政権がアメリカにいっているからやむを得ないといえばそれまでですけれども、沖繩の人が外国に参りました場合の国籍は、日本の国民としての国籍で扱われておりまして、そういう場合には何か日本政府の方へ全部あれして、国内における渡航の問題さえ制限をしているということは、少なくともどういう事情があったにしても沖繩の人には非常に御不便であろうと思いますし、こういうことはやめてもらいたいと思いますが、この点についても具体的な点のお話がございましたら、一つ皆さんからお話を伺いたいと思います。
○山川参考人 渡航の問題でございますが、琉球列島出入管理令というのが、米国民政府の布令百二十五号で出ておりまして、これによりまして出入国の管理を軍の方でやっております。この出入管理部は琉球政府の公務員でございまして、この出入管理部においていろいろ事務を処理しておりますが、この出入国を管理するのは布令で行なわれております。今まで出入国の拒否されている具体的な事例につきましてはよく知りませんが、補助申請を要求している事例がございますので、琉球政府立法院におきましても、この出入国につきましてもっと自由にするようにという意見をいつも言っておる現状でございます。
○竹内委員長代理 岡田君にちょっと申し上げますが、十時半までの約束でございますから、そのつもりでどうぞ。
○岡田(春)委員 私まだ質問を始めたばかりですからいかに簡単にやれといったって……。そう言っていると時間がなくなりますから、やりましょう。 渡航の問題についても、日本の国内の問題でありながら一々申請をしなければ日本人が行けない。沖繩の方も日本の国民ですが、それがこっちへ来られない。そういう変な話は私は少なくともないと思うのです。そういう点は立法院の副議長の立場であり、団長の立場であり、いろいろな点で御発言に非常に慎重を要する立場の山川さんの立場としても、それにもかかわらず、今日では非常に困る、こういう御意見を御発言になったように私たちは受け取りたいと思うのですが、先ほど戸叶さんからもお話がございましたが、日本の政府では、日本の憲法が潜在的に適用される、こういう意見で、潜在的に適用されるということは実施されないという意味なんです。その点が第一点ですね。それから、それじゃアメリカの施政権が施行されているからアメリカの憲法が適用されるかというと、アメリカの憲法の適用もないことは御存じの通りなんで、こういう点は比較的日本の国民に実は知られてない点であります。沖繩というのはアメリカの憲法も日本憲法も適用がない。それじゃ一体どういう法規律によって行なわれているのか。その法規律というのは民主的な方式によって行なわれているのか、単なる命令で行なわれているのか、こういう点を、時間がないそうですから簡単にずばりと一つお話しいただいて、日本の国民の認識を深めていただきたいと思います。
○山川参考人 もちろん仰せの通り日本の憲法もあちらで行なわれておりませんし、アメリカの憲法も実施されておりません。しいて憲法というのが沖繩にあるとすれば、大統領行政命令でございます。
○岡田(春)委員 山川さんのお話の通り、大統領による行政命令という単なる命令であって、これは民主的な決定に基づく法基準ではないと思います。こういう点は山川さんがお話しの通りでございますが、そういう点にも関連いたしまして、この間立法院の春の決議は非常に重大なしかも非常に正しい決議をしておられると私思うのですが、今日の沖繩の事態、法的地位というのは、国連憲章に違反している、こういうのが立法院の全会一致の決議であるわけなのでございます。これは私かねがねその点を、日本の国会で沖繩というのは憲章に違反しているということを言って参りました者の一人として、これは非常に重要な決議をされた。ところが日本の外務省は、憲章に違反しているかしていないかというのは、非常にあいまいであります。こういう点は何かお確かめになりましたでしょうかどうでしょうか、そこの点一つ。どうも日本の外務省は憲章に違反しておらないかのごとく、そういう考え方を持っておるようでありますが、これについてももし率直な御意見があれば伺いたい。
○山川参考人 これにつきましては、法律上、学問上いろいろ深く研究を要する問題だと思いますが、私たちといたしましては、できるだけ早く祖国に帰りたいという念願を持ち続け、機会あるごとに訴えたいと思っておりますが、祖国の政府におかれましては、そういう国際法上の問題なども究明されまして、琉球住民が同胞の一員として祖国の繁栄と祖国を守るために参加さしていただくよう、特にお願い申し上げたいと思っております。
○岡田(春)委員 時間がありませんので、あともう二、三点伺いたかったのですが、全部一緒に御質問いたしますから、皆さんからお答えをいただきたいのですが、メースの反対の決議、これに関連いたしまして、われわれの知っている限りでは、沖繩に核兵器の装備の準備がどんどん進んでいる、こういうように私たちは実は見ておるわけです。これはメースとそれからホークですか、そういうもの、その他が相当入っておるような話も聞いておりますので、こういう点をむしろこの際日本の国民に、この国会を通じて一つ御発言いただいて、現状をお話しいただくなら大へんけっこうだと思います。この点は知花さんからでも一つ率直に御意見を伺いたいと思います。これが第一点でございます。 第二の点は、ラオスの問題が非常に緊急な事態になって参りまして、一月とそれから三月の末ごろに沖繩にいるアメリカの軍隊には戦争の出動準備命令が下っておる、こういう事実をわれわれ実は聞いておるわけなんです。こういう点につきましても、この際、副議長の立場としてあるいはお話ししにくければ、知花さんから率直にそういう状態について一つお話を願いたいと思います。現に沖繩にいる海兵隊の一部がラオス方面に出動したというような新聞の記事まで出ておりますので、こういう点につきましても、一つお話を願えれば大へんけっこうだと思います。 それから第三点は、先ほど山川副議長さんからお話がありましたように、民主的な法律の保障がない上において、現在日本の国民である沖繩の人は非常に苦労しておられる。そういうことで、その具体的な一つの例をあげますと、アメリカの軍隊にいろんなことで沖繩の人が、たとえば事故によってけがをするとかあるいはいろんな災害を受けるような場合においても、それに対して何らのそれを保護する措置が行なわれておらない。たとえば例をあげて申し上げますと、日本でも非常に問題になりました例の五六年のゆみ子ちゃん事件です。あの事件にいたしましても、この点は一つ確かめておきたいのでございますが、沖繩の裁判所の関係では、実はアメリカの被告に対して、死刑の判決が出たと思うのです。この死刑の判決を受けたアメリカの被告がアメリカに帰って、現在無罪になって社会に出ているという話をわれわれ聞いているのですが、こういう事実はございましょうかどうでございましょうか。 それから三月二十六日ですか、自動車事故で沖繩の人が災害を受けておる。ところがその場合にも、被害を与えたアメリカの軍人は沖繩で今度無罪になっておるというような事態が再三あるようであります。こういう点についてもむしろ率直に、これは知花さんから最近の事情等について一緒にお話を願った方がいいと思うのでございますが、そういう事件が頻発しておるようなんでございまして、最近の事件の数なども含めてこの際お話をいただければ大へんけっこうだと思います。 それからもう一つは、先ほど山川さんからちょっと御答弁がありましたけれども、自衛隊の隊員が今日でも約三十名沖繩にいるはずであります。これは二月の予算委員会で、私の質問に対して西村防衛庁長官はそれを否定できなかったわけです。この人たちが一体何をしておるのか、こういう点についてもこの際知花さんから御答弁いただければけっこうだと思います。一括した質問で失礼でございますが、時間がありませんので一括して御答弁願いたいと思います。
○知花参考人 たくさんの御質問でございますが、時間がありませんので、ごく簡単に答弁を申し上げたいと思います。 まず第一に、沖繩における核兵器と申しますか、そういわれている兵器の実情でございますが、ミサイル、ナイキ・ハーキュリーズ、これが大体八カ所設定されておるということであります。これは二回にわたって実験が行なわれております。それからナイキ・ホークの方が八カ所において現在構築中とか聞いております。それからミサイルのメースの問題につきましては、これは四カ所だ、こう言っております。それは米国三百十三空軍師団が沖繩で四カ所のミサイル・メースの基地を建設中であるということを発表したことによってわれわれわかっておるわけでございまして、どこでこれが建設されておるか、そういったことは、はっきりわかっておらないというような状況でございます。 それからラオス方面に対する出動命令の件でございますが、この点につきましてはよく存じておりません。 それからゆみ子ちゃん事件とか自動車事故の問題とかいったようなことにつきましては、確実な資料を持っておりませんので、ちょっと数字的な問題でございますから、御答弁を控えたいと思います。
○岡田(春)委員 もう一点。自衛隊員が約三十名沖繩に行っておる。防衛庁長官もこれを否定できなかったわけです。そういう点について詳しい事情をお伺いしたかったわけです。 それから私の方で聞いているのがほんとうかどうか、この点を含めて御答弁願いたかったのですが、ゆみ子ちゃん事件の犯人は沖繩で死刑の判決を受けておる、その判決を受けたアメリカ人がアメリカへ帰りまして無罪になってしまって社会に出ておるという話を聞いておりますが、この事実は御存じでございますか、この点も一緒に伺いたいのであります。
○知花参考人 ただいまの御質問は、こちらで罪状につきましてはわかりましたが、あとははっきりしておりませんので、わかっておりません。あとの方の何がよくわかりませんので、その点は御答弁いたしかねます。 それから自衛隊の問題につきましても詳しくわかっておりません。
○岡田(春)委員 あとがわからないというお話ですが、沖繩の裁判の判決が最終判にならないで、沖繩にいるアメリカ人は沖繩で判決を受けても、アメリカへ戻りまして裁判の再審をして、そうして沖繩における判決をひっくり返すことができることになっているのでございますか。そういう点なんかもちょっと伺いたいと思うのです。というのは、沖繩でいろいろなことをきめましても、最後にアメリカへ行ったらだめになっちゃったというような実情、そこの点だけを伺えばけっこうなんです。これで終わります。
○知花参考人 今の御質問に対しましては、われわれ琉球側としても、軍の裁判の状況はつまびらかに報告してくれということを絶えず要求しておりますけれども、まだ今の問題についてはなされておりません。
○岡田(春)委員 ありがとうございました。
○竹内委員長代理 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人におかれましては、御多用のところ貴重な御意見をお述べ下さいまして、まことにありがとうございました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十一分散会