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38回国会衆議院1961/04/20

外務委員会 第18号

発言数
201
登壇者
11
会派数
3
開催日
1961/04/20

会議録

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 これより会議を開きます。  犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所を日本国に設置することに関する国際連合と日本国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたし、質疑を行ないます。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいま議題となりました協定につきまして、少し質問をしたいと思います。  この種の研修所というのはアジア及び極東以外に設立されているかどうかをまず第一に伺いたいと思います。そしてまた将来どこかに設立されることが予想されているかどうか、この点もお伺いしたいと思います。   〔委員長退席、竹内委員長代理着席〕

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 現在この種の研修所で設立されておりますのは、ブラジル、サンパウロ市に中南米の地域に関する研修所として設立されたものがございます。今回東京に作られます研修所はブラジルに作られております研修所と大体同じ趣旨の内容のものになるわけでございます。  なお国連といたしましては、その他の地域につきましても漸次このような研修所を作るのではないかと思われますが、今のところその計画は承知いたしておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 漸次作られると思うのが今計画は全然ないということでございますね。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 その通りでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それではこのアジア地域にできます研修所を利用することのできる国は、どことどこでございましょうか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 これは極東の地域の国々のために作る研修所であります。従いましてイラン以東のアジア諸国の国々、これらがこれを利用することができるわけであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この研修所を作られるわけでございますけれども、これはもっぱら刑事犯罪を対象としてるるもので、政治的な犯罪とかあるいはまた思想上の犯罪については、対象としないというふうに考えますけれども、そう理解してよろしゅうございましょうか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 もっぱら一般刑法に基づく犯罪に関連して研修するところでございます。政治的とか思想的とか、そのようなことを特に取り上げて、ここでその関係の研修をする、さような性質のものではないのでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 刑事あるいは刑事犯罪の問題だけだと問題はないと思いますけれども、思想的な問題がそこに入るといたしますと、どうしても研修所の職員の任に当たった人の考え方というものに影響される向きがありますので、そういう点を私どもは非常に心配するわけでございます。そこでこれを読んでみますと研修所の目的というものは一応もっともでありますけれども、犯罪の根源を究明した上で犯罪防止の方策というものを確立しなければ実効は上がらない、こういうふうに私たちは考えるわけでございます。この研修所の目的に従って、なぜこの犯罪が起こるかというような、そういった理由や原因を突き詰める考え方というものがその根底になくてはならないじゃないか。観念的な犯罪学とかあるいは刑罰学とか、教化手段というばかりではとても不十分であって、どうしてそういうものが起きるかという原因をもう少しはっきりさせるような内容を持ったものでなくてはならないのじゃないか。そういう考え方をこの中に盛り込まれたものでなくてはならないじゃないかということを考えますが、この点についてどういうふうにお考えになりましょうか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 戸叶先生御指摘の通りでございまして、これは犯罪及び教化等に関連するあらゆる問題を研究するための研修所でございます。従って単に犯罪学でありますとか刑罰学であるとかあるいは矯正手段に関する研究であるとか、このようなことばかりでなく、さらにその根源になります一般社会問題でありますとかあるいは人間の心理に関する研究でありますとか、そのようなこともするようになっておるのでございまして、第一条の第三項(a)というところをごらんになりますと社会学、心理学、精神医学等も研究するということが書いてあるのでございまして、今戸叶委員の御指摘になりましたように、基礎的なこともあわせて研究する、こういうことを目的とする研修所でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ここに書いてあるのは社会学、心理学、精神医学というふうなことでございまして、必ずしもこういうことが理由になって起こったのだという分析には当たらないのじゃないかと思うのです。これはむしろ精神的な状態を医学的に研究して、こういうふうだったからということだけであって、社会的ないろいろな問題があってこういう罪を犯したのだというところまで分析をするのだということがないように私は思うのです。ですからもっと深く突っ込んで、こういうふうな社会的な理由あるいはこういう条件、原因があったために、こういうふうな犯罪が起きたのだというようなことまで研究するような機関に私はしてもらいたいと思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 この条文から見ましても、たとえば第一条の第二項によって見ますと、犯罪の防止ということを書いてあるのでございます。犯罪の防止にあたりましては、犯罪が起らないようにするということも当然含まれるのでありまして、従って社会的ないろいろの研究ということが当然含まれると思うのであります。なお現実にどのような研修計画をするかということは、この協定が御承認を得ましてこれが発効いたしますと、結局国連と日本政府と協議いたしまして内容をきめることになるのでありまして、この協定で所要のいろいろな学問を根本的なことまでやり得る道が十分開けておると考えておりますので、ただいま御指摘になりましたような点も十分考慮いたしまして適当な研修計画を作って参りたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 どうか今申し上げましたようなことも根底に置いていただきたいと思います。  この研修所が、最初はパキスタンに置かれることになっていたようでございますけれども、それが同国の国内事情によって日本に持ってこられたといわれておりますが、それはどういうふうな事情によるものであったか、御説明願いたいと思います。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 この交渉の任に当たりました太田課長から御説明いたさせます。

太田正巳外務事務官(国際連合局管理課長)

○太田説明員 友好国の国内事情のことでございますので、どうもあまりはっきり申し上げたくないのでございますけれども、はっきり申し上げますると、御承知のように、そのころパキスタンに政変がございまして、ただいまのアユブ・カーン大統領の政権ができまして、そして新政府の新しい政策で、財政的な理由からのように聞いておりますけれども、今新しく財政を建て直す意味において財政を極端に切り詰めるという考えで、非常に残念だけれどもパキスタンは辞退するというふうに私どもは承知いたしております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 次にお伺いしたいことは、この研修所は国連とどういう関係にあるのかを伺いたいと思います。国連憲章の五十七条、六十三条に基づく専門機関となるのかあるいはそうでないのか、この点をお伺いいたします。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 この研修所は国連と日本政府とが共同して作ります一つの国際機関でございますが、これは協定に基づいてできます国際機関でございまして、ただいま御指摘ありました国連憲章の条章に基づいてできる国連の機関——その意味では国連の機関ではないのでありまして、いわば付属機関と申しますか、国連と日本との共同によってできる一つの新しい種類でございます。従って国連そのものの機関ではなくて、国連とほかの国の政府との間に共同でできる機関、かように御承知願いたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、純粋な国連憲章に規定されている機関と違って、日本とこれに関係のある国との間に作られる。そしてこの中を読んでみますと、所長は国連が任命することになっているようです。そして次長以下の職員は日本の国内できめるようになっているわけです。そうしますと、次長以下の事務局職員の立場といいますか身分といいますか、そういうものは一体どういうふうになっているのでしょうか。それからまたそれはどれくらい雇おうとしていられるのか。それから事務局職員の給与というものがどういうふうなものになっているか。日本の国内の公務員に全く準ずるもので、国連から任命された所長だけが違う身分として扱われるのか、この辺の内容を少し御説明願いたいと思います。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、この条約にございますように、ただいま御指摘の所長は国連が日本の政府と協議をして任命する、それから次長は日本側が国連と協議して任命する、そのほかに国連側の給与を受ける高級顧問が一名ございますし、また第二年度以降には若干の専門家も参りますが、それ以外の職員は日本側から提供するということがこれに協定されておるわけでございます。そこで日本側から現在本年度予算におきまして計上されておるのは、次長以下人員は十九名でございます。これらの者はいかなる待遇になるかということでございますが、これは今国会におきまして法務省設置法の改正案を提出いたしまして御審議をいただいておるわけでございますが、その中に、法務省設置法を改正いたしまして、法務省にこの条約に基づきまして、「国際連合に協力して行なう研修、研究及び調査に関する事項」をその所管とするというふうに改正をいたしたい、こういうわけであります。その改正といたしまして、この国連と共同して行なう事業の日本側の諸種の事柄が行なわれるわけでございまして、それがすなわち法務省の所掌事務として行なわれるわけでございます。法務省内部におきましては、法務総合研究所に行なわせることにいたしております。日本側から提供いたしますところの人員につきましては、これを法務研究所の一部といたしまして、まだ仮称でございますが、大体国際連合研修協力部という部といたしまして、その部長を次長に当てたいという考えであります。従いまして、そちらに出向きますところの次長以下十九名の職員につきましては、これは全く法務省の職員でございまして、法務大臣の指揮監督を受けましてこの共同事業である研修所の事業に協力することがそれらの職員の任務、こういうことになるわけであります。従いましてその待遇につきましては、全部日本の国内の給与関係の法律によるわけでありまして、同時に国家公務員法にもよるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと国連から所長が任命されて、最高顧問も任命されて、そしてあとの職員は今度は十九名任命されて、その人たちが法務省の管轄のもとに置かれる。そうすると所長と最高顧問の身分というものは、もう全面的に国連が責任を持つわけでございますか。それからまた何か問題が起きたときには、一体どういうふうなことになるでしょうか。  それからまたもう一つ、時間を省きまして続けて伺いますが、国連で任命される所長なり、あるいは最高顧問というものはどこの国の人を任命するわけでしょうか、この点も伺いたい。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 国連から日本政府と協議して任命されますところの所長あるいは高級顧問につきましては、その身分は国際連合の役員ということになって参りますから、身分は全部国連に所属するということになるわけでございます。なおそれらの人がこちらへ参りまして、どういうふうになるかということでございますが、これはこの規定にございますように次長と協議いたしまして、事務局を組織し、ほとんどの運営は次長と協議してすることになるわけでありますから、次長がいわば日本の代表として日本側の意見を述べ、国連の方は所長を通じて国連の意見を述べる。そこで意見の合致したところによって研修所を運営する、こういうことになるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 どこの国の人ですか。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 任命されるにつきましては、まだ国際連合の方とほとんど協議をいたしておりませんし、どこの国のいかなる人が協議の対象になるか、これはまだわかっておりません。これはおそらく日本側といたしましては、いずれの国であろうと、適任者であるということになると思いますが、国際連合側からいかなる人を提示して参りますか、まだわかっておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アジアに研修所を設けるわけでございますけれども、アジア人ということに限らないで、どこか西欧の国からも任命されるということはあり得る、こういうのでございましょうか。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 その点でございますが、国際連合がいかなる考え方で臨んで参るか、今のところはわかりませんが、あるいはそういうこともあり得る。要は提示してくる候補者の名簿のいかんによるというふうに考えるわけです。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 その所長なり最高顧問を任命する場合に、日本の国で、この方じゃ日本のことがよくわからないから、無理じゃないかというようなことを言いたい場合に、この程度の発言権が日本にあるのでしょうか、この点を伺いたいと思います。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 日本政府と協議して、国連が任命するのでございますから、協議する段階におきまして、日本側でこの人ではやはりどうしても無理だというような事情があれば、当然それについて意見を言えるわけでございます。その点は、その状況いかんによりますが、一つの考え方としては当然日本政府の意見は言い得る、また場合によっては人をかえてもらうということも当然理論的にはあり得るというふうに考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただ問題は、所長がいない場合には、どこの会社なりあるいはまたお役所でも大体次長が事務を代行するわけでございます。ところがこの場合には、所長がいないときには次長が代行しないで、最高顧問が責任を持つことになっているわけです。従って日本の人たち、法務省のお役人の人たちがいるのですけれども、絶えず上の国連から任命された人の意見というものによって動かなければならない。そうするとそこに意見が必ずしも一致しない場合が出てくるんじゃないか、こういうふうなことを、ほかの会社なりほかの機構と比べまして違っておりますものですから、私は非常に心配するわけでございますけれども、その辺の調整はとれるものでございましょうか。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 御指摘の点はごもっともでございますが、この条約を結びますに至ります協議の段階において、その点が一番問題になりますところであり、日本側といたしましてもその点は非常に注意をいたしたわけでございます。ここの第二条にありますように所長は必ず次長と協議をして、研修計画を立てたり、あるいは事務局を組織したりすることになっております。この協議は合意という意味に解釈されておりますので、合意がととのわなければ、結局何もできないというようなことに最後にはなるわけですけれども、お互いに意を尽くして議論をすればそういうことはあり得ないという意味におきまして最終的のいい結論は出るわけでございます。いずれにしても合意を得なければ事務の運営ができないわけです、従いまして所長がいない場合には高級顧問がかりに所長の代理をいたしましても、それは次長なり、あるいは次長がいない場合日本側の上席者と協議をして運営をしていくわけであります。それにいろいろ意見の違いがあるということもあり得るわけでございますが、事柄自体が非常に学問的なものあるいは実際的な研修等でございますので、それほど大きな隔たりはないものと考えられますので、できる限りお互いに協力すればうまく運営がいくのではないか、そういう意味におきましてこういう組織にいたしているわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 その辺が私は、今御説明のようにいけばいいのですけれども、何か問題が起きたときに困るのではないかと思うのです。ことに今協議ということは合意というふうに了解すると言ってございますけれども、必ずしもそういうふうに了解されない場合もございまして、私ちょっと不勉強でそこまで英文なりなんなり読んでいませんけれども、どういう言葉で協議が合意になるというふうに理解されているかわかりませんけれども、その辺のところ、協議が合意になるから、絶対に日本が承知しなければ、問題が起きたときには日本の意思が通るのだというようなことの裏づけがあるならば、それをちょっとお示し願いたいと思います。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 その点につきましては、この条約を締結いたします過程におきましての意見交換によりまして明らかにしているわけでございますが、文章自体が協議という文章になりましたのは、先ほど申し上げましたブラジルとの条約等の関係で、ブラジルと隔たった条約を日本側と締結することは国連の立場上できないというような点もありまして、言葉自体はなるほどこういう形になっておりますが、向こう側との間には完全にそういう了解になっております。のみならずこのあとに出てきますいろいろな事柄は、日本の国内法によってやるわけでございまして、日本の予算の使用等につきましても日本の国内法によるわけでございますから、日本側の了解なくしては運営自体の問題としてはできないものが非常に多いわけであります。法律的に申しましてもできないものが多いわけであります。この意味におきましても協議というのは合意でなければ運営ができないということになると言い得ると思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういう御説明ではございますけれども、何かその辺が今後よほど気をつけていかないと問題が起こるところではないかと思います。  研修所の講習を受ける学生というのですか、その人は何人ぐらいを予定しておられるのでしょうか。第三条に奨学金を受ける人が十人とございますけれども、その十人に制限されているのかどうか、この点を伺いたいと思います。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 第三条において御指摘のように本年におきましては、五人から十人という者に奨学金が出るわけでございます。そのほかこの地域内の政府が派遣して参る職員が約二十人ぐらい、それから日本国内におきまして日本政府がこちらの研修所に入所せしめるということにする者が約十人、初年度は大体四十人を予定いたしております。将来七十人ぐらいまでには増加し得る余地があるというふうに考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、ちょっと伺いたいのですが、日本にそういうふうな研修生というか、そういう方が来られたときに、結局法務省の人たちがその方たちを指導する立場になるわけでございますか。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 その点は、この機構の中にございますように、国際連合側の所長、高級顧問あるいは専門家、それから日本側から先ほど申し上げた十九名のうちから予定されているものは次長と教官二名と助教官二名、従いまして日本側から教えることに担当する者は合計五名、国連側からは二名、次年度から三名を加えまして五名ということであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、これがもしパキスタンに設置されだとすると、パキスタンの人が指導的役割をして、日本の人がそこで習うという形になったわけなんでしょうか。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 そのときの構想は必ずしもはっきりしませんが、大体におきまして設置国がある程度この教育と申しますか、研修に努力するということには当然なろうと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 研修所設置にかかわる国連の負担すべき経費はどのくらいになっているのでしょうか。第三条には書いてございますけれども、それだけのものかどうか。それからこの研修所設置にかかわるわが国の負担すべき経費はどのくらいで、これは予算上の措置はどういうふうになっておるか。この点を伺います。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 国連側の経費、ことに本年度の経費は必ずしもつまびらかでございませんが、パキスタンに設置することを条件といたしておる場合の経費といたしましては年間五万ドルを予定しておって、それは過年度の予算に計上しておったようであります。そこでこの第三条の(a)にございますところの内容の奨学金の個人一人当たりの分が幾らかわかりませんが、要するにそれと一千米ドルに値いする備品等を加えまして、それから所長と高級顧問の給与等を加えまして、おそらく合計五万ドルくらいになるのではないかと思われます。これに対しまして、日本側は経常費といたしましては約二千万円、初年度につきましては九千万円ほど計上されておりますが、これは建物等初度設備費がございますので、真の経常費は二千万円くらいですから、大体国連と同じくらいの程度と思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 第四条の(g)項の「機構が国際的に採用する職員に対する医療及び病院における療養についての助力」についての経費はわが国が負担することになっておりますけれども、これに該当するものは、所長とかあるいは高級顧問の二人だけと理解いたしますけれども、それはいかがでございましょうか。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 御指摘の点は、所長と高級顧問それから専門家が参りますれば専門家、なおこれは医療費を負担するのではありません。医療についての協力をするだけのことでございまして、医療の問題はこの問題と別でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、所長とかあるいは最高顧問の日本で受ける特権といいますか、そういうものはどういうものがあるでしょうか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 特権につきましては第五条に規定がございまして、「国際連合の特権及び免除に関する条約第五条、第六条及び第七条に定める特権及び免除を与えられる。」ということに書いてございます。大体外交官に準じた特権が与えられるのでございますが、この引用されました国際条約をごらんになりますとおわかりになる通り、外交官より若干制限された特権になっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外交官から若干制限されたといいますと、具体的にどんなようなことでございますか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 国連の職員として仕事をするに必要な限度におきましての免税、あるいは裁判管轄権からの除外、あるいは働きます事務所等の不可侵権、それから郵便でありますとか、その他電信等の通信の自由、かようなことが認められるのでございますが、一般外交官に認められておりますようなその国の政府を代表することに基づきます一つの権威といいますか威厳と申しますか、そういうものについての礼遇というようなものは均霑しないわけでございまして、たとえば外交団の中には当然に入らないというようなことが、一般外交官と比べますと特権が制限されておるところでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 次にお伺いしますが、昭和二十七年の七日二十五日に東京で署名された国際連合の特権及び免除に関する国際連合と日本国との間の協定というものがございますね。あれは早急に改定すべきであると思うわけでございます。なぜかと申しますと、この協定がもっぱら朝鮮事変に関連して締結されたものであるからでございます。前文とか二条にそういうことがはっきりしておるわけでございまして、国際連合の特権、免除は、朝鮮事変という特定の事態を前提としたものではなくて、平和のための一般的な普遍的な役割を前提としてささえられなければならないと思っております。ちょうどこれが国際連合の機関としてここでかけられたときでございますので、私は特に主張しておきたいのは来年の七月でこの協定が切れることになっておりますけれども、この協定を効力を継続させることなく改定するなり、あるいは新たな協定を結ぶべきであると考えますけれども、条約局長はこの点に対してどうお考えになっておられますか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 この一九五二年に結ばれました協定が、そのときの朝鮮事変を契機としまして朝鮮事変における国連の活動に日本が協力するという意味から、国連関係の職員が日本を通過するとかあるいは日本に滞在するとかいう場合に、これに特権、免除を与える必要があるということを契機として結ばれましたことは御指摘の通りであります。前文にもその契機となった事情が書いてあるのでございますが、条約の書き方自体からいたしますと、必ずしも朝鮮事変に関連してのみ条約が発動する、それ以外の目的で来る国連職員にはこの規定を適用しないというふうな解釈は成り立たないと思われるのでございまして、この協定が有効である間は国連職員が日本に来ます場合には当然この協定に基づいて特権、免除が与えられるというように解釈するのが妥当であると思うのでございます。今回の協定ではその趣旨でその規定ができているのでございます。またこれの有効期限は一応五年でございます。従いまして来年には一応五カ年の期限は切れるわけでございます。しかしいずれの締約者もこの六カ月の予告をもってこれを廃棄することができるということになっておるのでございまして、その予告がない限り継続していくという形になっております。従って来年七月二十五日になりまして、日本が六カ月の予告をもってこれを廃棄すれば廃棄になるのでございますが、しかし廃棄の意思を表明しなければそのままこれが来年以降も続くわけでございます。原則的な問題といたしましては、国連職員の特権、免除に関しましては、すでに多国間の条約があるのでございまして、むしろ本条約に日本が入りまして、そうしてこの朝鮮事変を契機として暫定的あるいは部分的な形でできました協定を廃棄するという方があるべき姿であると考えております。その点は戸叶委員御指摘の通りと考えておるのでございまして、できるだけ早い機会にむしろ本協定の方に入りまして、この暫定的な取りきめの方は廃棄することにしたいと考えております。はたして来年の七月二十五日までにそれができますかどうか、これは若干疑問もございますけれども、できるだけそういう方向で進みたいと考えて今後努力していきたいと思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと暫定的なこの協定ではあるけれども、今度の国連から派遣される職員にはこれが適用されるのだということと、それから来年の七月でこの期限が切れるけれども、なるべく早い機会にこういう特殊な限られた形の協定というものはなくする方が望ましいからなくするように努力をしたい、こういうふうに了解してよろしゅうございますか、念のためにもう一度伺いたいと思います。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 今回の協定の第五条には本協定の方の五条、六条、七条というのを援用いたしておりまして、これに定める特権、免除を与えられるということが五条の第一項に書いてございます。従ってこれから見ますれば、今の暫定的な国連の特権、免除に関する協定とはかかわりなく本協定の方が適用されることになっておりますが、しかし同時に、今あります暫定取りきめの方も、当然国連職員には適用になっておるわけでございまして、従っていわば現在のところは五条一項に規定しておりますことは、念のための当然の規定あるいは重複した規定、かようにも読めるわけでございます。しかしもし日本が来年の七月二十五日以降に、この暫定取りきめの方を廃棄するという手続をとった暁には、今度の協定の第五条一項にきめてあります通り本協定の方が当然に適用になるのでございまして、従ってどちらの場合におきましても、都合が悪くならないように、今回の御審議願っております協定の第五条一項では、むしろ本協定の方を援用してあるのでございます。従いまして今の暫定取りきめの有効であります間は、要するに念のための規定ということになるわけでございますが、暫定取りきめがもし廃棄になりまして、日本が本協定に入った場合、あるいは暫定取りきめに入っていながら本協定にはまだ入らない場合、いろいろなことがあり得るわけでございますが、そのような場合には今回の協定の第五条一項に書いてありますことがそのまま効力をこれ自体として発揮してくる、どういうような場合になりましても国連職員の特権、免除には支障はない、そういうような態勢にしておこうというのが今回の規定の趣旨でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 国際連合が作成した特権、免除に関する条約の全文を参考資料として出していただきたいと思うのですけれども、日本がその条約に正式に加入すべきと思いますが、それに加入しておらない理由は一体どういうわけでございましょうか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 一つの問題といたしましては、国連職員の特権、免除というものは、概括的一般的に規定がしてございまして、たとえば日本に日本の国籍を持った人が国連の職員として派遣されたという場合があり得るわけでございますが、その場合に一体この特権、免除を全面的に与えるべきかどうか。たとえば税を免除するというような措置をとるべきかどうかというようなむずかしい問題があるわけでございます。これは大蔵省でも従来は日本国籍の人にはそういう免税の特権を与える必要はないではないかというような考えがあったのでございますが、この本協定に入りますと、一般の各国のいろいろな慣行もございます。日本国籍のものは別扱いだということはなかなかむずかしくなる事情でございますので、そこら辺をもう少しよく政府部内で検討いたしまして、本協定に入ります際にはその点は十分に明らかになるようにいたしまして、それから入りたいというのが今まで時間のたっていた原因の一つでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それではその協定に入るような意思はないかどうか、今研究した上でもしお入りになるようなお考えがあるのでしたら、大体どのくらいの期間を置いてお入りになろうとするのか、その辺の見通しをちょっと伺いたいと思います。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 できるだけ早い機会に本協定の方に入りたいと考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 その早い機会というのは一体どのくらいでございますか、めどを聞きたいのです。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 できれば、先ほど御指摘になりましたような現在の暫定取りきめが一応五年間の努力を終わる時期までに入る手続を進めたいということを一応目途といたしまして検討いたしております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 あとまだありますけれども、どうせきょうあげられないから、一応きょうはここで打ち切りまして、三時過ぎましたからあした続けたいと思います。岡田委員に譲ります。      ————◇—————

竹内俊吉自由民主党

○竹内委員長代理 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 最近国際的に緊迫した問題が一、二起こっておりますが、こういう点についてまず外務大臣の所見を伺いたいと思いますけれども、特に最近キューバにおいて国内に戦火が交えられるというような状態になっております。これに対して政府はいまだに見解を発表いたしておりませんが、どういうわけで見解の発表がないのですか。この機会に、今まで判明しました点だけでも、キューバ問題についての御見解をお伺いいたしたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 キューバにおきまして内乱が勃発したということで、われわれまず第一に非常に心配をいたしましたことは、まずわが在留同胞がどうなっておるであろうかということであります。その中には、朝日新聞社の河村君という特派員の行方がわからぬ。これは非常に重要なことでありますので、われわれまずその点について心配をいたし、PCという形になっておりますが、電報を打ったらまずその受信局でこれを受信したということをこちらへ打ち返さねばならぬ、そういう形の電報で照会したり、またその近隣の国の大使館等に情報を問い合わせるというようなことをいたしておったのでありますが、とにかく電報が全くとだえておりますので、いかなる情勢かわからないのでありますが、十七日付以降の電報が、先方のキューバにおります都村大使から打ったのが、本日になりましてようやく入電し始めました。これによりますと、まだ実情については的確につかむことができませんのでありますが、私どもはできるだけ実情を的確につかむように努力を続けて参りたい。実情がいまだに判明せざる状況におきまして、軽々しく政府の見解を言うことは避けるべきである、こう考えまして、十分実情をつかんだあとで、必要があれば政府の見解を申し述べることもありましょう。今のところはさようなことで、実情をつかむということに重点を置いておる次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 向こう側からの連絡が非常に不十分になっておるという話ですが、そういう場合においては、たとえば日本国内にキューバ大使館もあるわけですから、キューバ大使館を通じていろいろ情報を聞かれる、こういうようなことをおとりになっておられるでしょうか、どうでしょうか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 そういうことも考えられるのでありますが、何分にも電信が一切来ない、こういう状況のもとにおきましても、われわれはできるだけ状況をつかむということの諸般の手だてはしているわけです。その中に今お話の点も含まれるわけであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 通信が一切とだえているということは間違いであります。昨日も実はキューバ大使館の代理大使と私は会っておりますが、そのときに十八日付の電報を受け取っておるのをわれわれ見ております。ですから、電報がとだえているという事実については、われわれは信用できません。アメリカとキューバとの間はとだえておるかもしれない。あなたの方の電報がアメリカ経由で来ておるなら、とだえておるかもしれない。そうでない限りはとだえておらないはずであります。あるいはあなたの方で問い合わせをしないから電報が来ないのかもしれない。そういう点は、私たちは昨日代理大使に会いましたときに、十八日付の電報も見ておりますし、そういう状態になっておるのですから、私は、キューバ大使館と連絡をとっておりますか、こういう点を聞いたわけであります。その後の状況等についておわかりにならないというのは、どうも外務省のもっと緊密な連絡が現地の大使館との間に不十分なんではないかと私は考えるのですが、この点はいかがですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 十七日に打った電報、十八日に打った電報、十九日に打った電報、これらがまとめてけさから入り出した、こういうような状況でございます。それ以外は一切押えておったというふうに聞いております。政府としてキューバの大使館と連絡をとりまして得たところは、非常に抽象的なことのようでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 その問題だけやっていてもしようがないから進めますが、きょう主としてお伺いしたいと思いますのは、このキューバの問題、これを特に重点に置いて、もう一つは当面のラオスの問題、この二つの問題が中心の問題になると思いますが、どうもわれわれ見ておりますと、国際紛争が起こります場合には、たとえばラオスの場合、キューバの場合にいたしましても、必ずアメリカが危機をかもし出す当事者であるか、あるいは非常に緊密な関係の関係者である、こういう関係で常にアメリカが出てくるのでありますが、政府としてはこういう状態についていかようにお考えになりますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 アメリカに限らず、東西両陣営の角逐というものが新たなる地点に持ち込まれるということについては、これをできるだけさようなことにならないようにしたいということが日本政府の方針であります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 アメリカに限らずそういう緊張を激化させないようにしたいというのが日本政府の方針であるとするならば、アメリカがそういう関係にある場合には、あなたの方がいかに友好国であるというようなアメリカに対する考え方をお持ちになっておっても、断固としてアメリカに対してその危機を回避するために要求する決意をお持ちになっておりますか、どうですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 岡田さんはアメリカの名前ばかり出されますが、ほかの非常に有力なる国の名前も出ておるのであります。そういうことについて、どっちがどっちということをここで言うことは、それこそ百害あって一利なきものだと私は思って、こういう問題については十分落ちついて、日本がそういう渦中に巻き込まれないように、しかも全体として世界平和の理想に沿う方向で解決せられるようにということを、われわれはわれわれの立場で考えたいと考えておるのであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私がアメリカの名前を出すというのは、先ほどから申し上げているように、いろいろな紛争には必ずアメリカが出てくる。そのアメリカに対しては、あなたはそういうような場合があった場合に、先ほどあなたの答弁があったように、断固として日本の政府の方針をアメリカに要求する決心があるかどうかということを聞いているのです。あなたの場合にはソ連に対してということを言いたいのでしょうが、ソ連の場合は、私が言わなくたってあなたはやるでしょう。アメリカに対してはやらない心配があるから言っているのです。アメリカに対してはそういう決意がおありですかということを私は言っているのです。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 アメリカとおっしゃいますけれども、アメリカが関係しているというのはどういうことですか。とにかくケネディ・アメリカ大統領の声明というものは、ソ連のフルシチョフ首相の書簡に対して返事の形でなされておるものです。その二つの国のやりとりがあるということは事実でございます。しかしそれが関係していると断定して、ここでそういうものに対して断固としてどうする、こうするというようなことは、これはよけいなことだと私は今のところ思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 話をそらされるからあと具体的な問題に入っていきます。  最初に話を進める順序としてラオスの問題を少し伺いたいと思うのですが、ラオスの問題について外務委員会であまり質問をしておらないのですが、ラオスの今日の事態というものは国内における内戦という解釈の上に立って日本の政府は考え方を持っておられるのか、外国政府が干渉しているという考え方で問題を取り上げられているのか、この点からまず伺って参りたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 ラオスにおいてはラオス国内の正規の法律によりましてできておるブンウム政府があります。しかしその前の政府でありまするプーマ氏は、自分の方が国外にあっても正統政府だ、こういう主張をいたしております。そこでアメリカはブンウム政権が正統政府であるといい、ソ連並びに共産圏はプーマこそ正統政府である、こういうふうに申しておるのでございます。その関係を国内問題と見るのか、国際問題と見るのか、こういう御質問に対して私はこれは非常にむずかしい御質問でありまして、そういうことをここできめてみることよりも、われわれとして望ましいことはラオスの情勢ができるだけ早く停戦せられて、そして事態が平穏に帰する、しかもラオスの国民が喜ぶような経済の繁栄が持ち来たされる、そういうためにはどうすればいいかということの方こそ重要だと思います。その意味でわれわれは先般もここで申し上げておるように、まず停戦ということで考えたいと思います。まず停戦という考え方については、一九五四年のジュネーブ会議の共同議長国でありまするイギリス、ソ連の間においてこのことが心配せられまして、イギリスからソ連に対して提案がなされておるのは御承知の通りであります。そのイギリスの提案に対してソ連が回答したということでありますが、その内容は今のところ全くことごとく明らかにされておらない。一部的にはいろいろいわれておるようですが、その内容は明瞭でございません。しかしわれわれとしては早くそうした関係国が停戦ということができますように、これに骨を折るということが最も必要なことだと考えておるのであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これは外国勢力の干渉であるか、内戦であるかということは、これを解決するためには非常に重大な関係がある。国際法上の扱いも違うのです。ですから伺っているのですが、停戦はもちろん私だって停戦しなくちゃならないと思うし、あなたも停戦をしなければならないというお考えですが、停戦の方法が違ってくるのです。ですから私はお伺いしているのです。  それでは具体的にお伺いしますが、アメリカからの軍事援助というものがラオスのブンウム・ノサバン政権に対しては行なわれていると私は思いますが、これはいつごろから行なわれて今日どうなっておりますか。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 アメリカからの軍事援助は行なわれております。これはジュネーブ協定以前からMSAに基づく協定もございます。それからジュネーブ協定後も引き続き行なわれておりますが、これはジュネーブ協定によりましても、ラオス政府が必要と認める最小限度の武器の提供は認められるということになっておりますので、それに基づいて行なわれておるものと解釈しております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これはジュネーブ協定において認められておるというお話でございますが、実はジュネーブ協定のどういうところで認められているか、こういう点もお伺いをしていかなければならないのですが、私もジュネーブ協定を持ってきておりますから、この点についてあとで伊關さんから御答弁願ってもけっこうですが、お調べを願っておきたい。  それからアメリカの軍事顧問団がブンウム政権にすでに入っているはずですが、この点はいかがですか。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 軍事顧問団と申しますか、ラオスとフランスとの間に協定がございまして、これもジュネーブ協定で認められておりますが、そのフランスが一種の軍事顧問団式の仕事をいたしております。そのフランスとアメリカとの間の約束でもってフランスのやりますことを援助しておるというふうな形で行なわれておるものと解釈しております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 その点も一つジュネーブ協定の何条に基づいてやっておるか、後ほど御答弁を願いたいと思います。  それからここに「国際週報」というあなたの外務省の方で出しておる資料があるのですが、外務省のはっきりした刊行物でありますから間違いないと思うのでありますが、これによると昨年の十月から、当時はまだプーマ政権がはっきりした形で首都ビエンチャンにおったときであります。そのときにノサバン反乱軍に対してアメリカは軍事援助を行なっております。こういう事実は外務省の正式刊行物に出ておりますが、これは間違いないことでございますか。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 事実関係につきましてはっきりした記憶はございませんが、当時の政府に渡しまして、その政府からまたあらゆる他の部隊に渡っていくという形であったのではないかと思っております。ですからパテト・ラオ側にも渡ったかもしれず、ノサバン側にも渡ったかもしれず、そういうふうに制限をつけず政府に渡していったのじゃないかと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 その当時はプーマ政権というものは合法政権ですね。ノサバン軍というのは反乱軍ですね。この点はいかがですか。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 反乱軍というふうなはっきりしたものでありましたかどうか、その辺のところは反乱軍というふうな形をはっきりとっておったとはちょっと考えられない。ただ政府軍の一部が南の方におったというふうに見るべきじゃないかと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 しかしプーマ政権としては反乱軍として扱っておるじゃありませんか。扱っておるのを日本の政府としては反乱軍として扱わないというのはこれまた別ですけれども、明らかに反乱軍として扱い、しかもそれに基づいて戦闘行為があったのですから、その戦闘行為に基づいてノサバンがプーマの勢力というものをビエンチャンから追い出したのですから、これは明らかに政府軍の一部という解釈はできないと思うのですが、この点外務大臣どうですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 今お話の点は、当時はラオス王国軍の一部としてパテト・ラオというものがおった時代のことでありまして、そのはっきりしたレッテルが張られるという前のことであります。なお現在はパテト・ラオは相当に有力なる兵器を持って、なかなか停戦というようなことは考えておらないというふうな言い方をするものもございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私はパテト・ラオの話をしてないのです。ノサバンの話を聞いているのです。あなたはちょっと聞き違えたのですか、ノサバンはその当時合法政府であるプーマ政府との間に戦闘行為をしておる、そうしてその政権をとってかわろうとした軍事的な行動が進められた、そしてその当時は日本の政府としてはプーマ政権を少なくとも認めておったんでしょう、そうじゃありませんか。プーマ政権をその当時認めておったんですか、ないのですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 認めておりました。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それではプーマ政権に対して反対の行動をとって軍事行動をとっているノサバン軍というものは、それもやはり反乱軍じゃなくて同じ政府なんでございますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 まだそういう状況になりませんで、今申し上げたようにラオス国軍の一部というふうな時代があったわけでございます。その当時の事情を御質問かと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 なりませんでというお話は、それはいつのことをなりませんでとおっしゃるのですか。あなたの外務省の資料に書いてあるのを、私はそのまま言っているのです。もっと具体的に言いましょう。去年の十一月、十二月というのは、ノサバンとプーマ政権との間に、いわゆる戦闘行為が行なわれたのですが、それでは、この場合はどうなんですか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 私、的確な資料を持ち合わせませんが、実はその問題につきましては、その後アメリカ政府が相当長い声明を出しておるのでございまして、その間の説明によりますと、ラオス王国軍の一部であった時代には、武器等を、要するに正統政府のもとの軍の一部ということで、ノサバン軍に渡していた事実は、アメリカも認めております。しかしそのときの正統政府であるプーマ政府から、その後、たしか十一月の中旬でございますか、もうあれに武器を渡してもらっては困るという抗議がアメリカにありまして、アメリカは、その抗議がありましてから、一切武器の供給を停止した、こういうことを説明しております。その後アメリカの武器供給が再開されましたのは、ブンウム政府ができましてからこれを再開しておる、こういうふうな説明を、その後アメリカが白書で出しております。われわれとしては、そういう白書を通じてその間の事情を推測しておるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 白書を通じて御推測もけっこうですが、あなたの方の機関誌、外務省のこれですよ。外務省の情文局が発行した「国際週報」、これにはっきり書いてありますよ。アメリカの現地大使館は、「プーマ首相は先月ラオスに対するアメリカの軍事援助が再開されたときに」、これはその前にちょっと事情があるのですが、それは今省略して読んでいるのですが、「プーマ政府とノサバン将軍の双方に与えられることに同意した。」というようにいってごまかしているんですよ。このときは、すでにプーマとノサバンの間に戦闘行動が行なわれている最中なんです。最中なのに、戦っている相手に対して、プーマ政権が、向こうの方にも武器をやってくれなどということを言うわけはないので、これはアメリカ大使館がいかにごまかしであるかということがはっきりしているのです。これはその前のところを読んでもはっきりしております。プーマ政府は、その当時、「アメリカはラオス内戦でノサバン派を不法に支持しており、このためノサバン将軍がラオス政府との妥協に応じてこない。」万事アメリカの出方いかんにかかっているのだということまではっきり言っているじゃないですか。だから、これは明らかに反乱軍であるノサバン軍をアメリカが支援して軍事援助を行なって、そしてプーマ政権の転覆行動、内政干渉をアメリカは行なったという例証の一つである、そういうことになりませんか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 ラオス王国軍に対するアメリカの武器援助というものは、その前からずっと引き続いて行なわれていたのでございまして、ノサバン軍がプーマ政権から事実上離れ出したころにも、それがあるいはしばらくは続いたかと思います。しかしプーマ政府から、はっきり、それは困るという抗議がありまして、以来アメリカはそれを全部中止したのでございまして、その間別にアメリカが意識的に内政干渉というようなことはなかったとアメリカの白書にいっております。われわれはそれを聞いて、その間の事情を推測しておるのでございます。その週報に書いておりますことも、私、今記憶しておりませんが、今岡田委員のお読みになられましたところで見ますと、プーマ政権の意思に反してまで武器援助を、南方におる軍に出していたのではないように思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 戦争し合っておる相手にやれなんというようなことを言うわけがないじゃないですか、たとえば日本が太平洋戦争のときにどこかの国と戦争していた。それなのに相手の軍にも武器をやってくれなんということを承諾しますか。そんなことはありっこないじゃないですか。これはノサバンの場合は、明らかに転覆活動に対してアメリカが援助したのですよ。そういう事実は幾つもありますよ。私がこういう点をなぜ取り上げておるかというと、キューバの例と同じ例がこういう形で先にある、そういうことを言いたいからです。そればかりじゃなくて、先ほど伊關さんにお調べ願った軍事顧問団の問題については、先ほどフランスを通じて云々と言っておりますが、これは外務省の三十四年八月十一日に出ておる資料です。これはわれわれに配付になった資料ですが、ここにはっきり書いてあります。アメリカの軍事使節団は、五八年の七月の末、「米はサナニコン首相の要請に基いて軍事顧問団をラオスに送り込んだ。このことは確かに共産諸国ばかりか関係諸国をも恐愕せしめ、ラオスにおける緊張度を益々深めたことは事実である。」こういっておる。アメリカが緊張を深めたということは、はっきり外務省が認めているわけです。この事実も間違いありませんでしょう。伊關さんいかがですか、アメリカが緊張を激化さしておるのです。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 その外務省の週報でございますか、外務省の資料でございますか、それにどう書いてありますか、私も読んでおりませんが、ジュネーブ協定の六条でありますか、これでもってフランスが千五百名の軍事教官を置けるということになっております。その一部としてフランスとの約束に基づいて今アメリカはフランスを補助するという意味で人を送る、こういうふうに解釈しております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それはあなたの御解釈は御自由ですけれども、フランスの軍隊とアメリカの軍隊とは違いますね。アメリカの軍隊がここへ駐屯できるということはジュネーブ協定に全然書いてありませんよ。大体ジュネーブ協定にアメリカは調印してないじゃないですか。そんな資格なんかありっこないですよ。明らかにジュネーブ協定違反のことを、もしあなたの言われた通りならば、フランスの名前をかりてアメリカがやっておったという以外にないのです。しかも休戦の布告後においては一切軍隊及び軍人のラオスヘの入国は禁止される。ジュネーブ協定第六条に書いてあるフランスの軍隊については、確かに千五百名をこえない程度において駐屯することは許される。アメリカの場合においては、明らかに第六条の前段において違反している行為を行なっている、こう言わざるを得ないじゃありませんか。ここにアメリカの軍事顧問団が入っておる。それは第六条の前段において違反しておる、この点はお認めにならざるを得ないんじゃないですか。この点は小坂さんどうです。先ほどあなたは、アメリカに対しては言うべきことは言うとおっしゃったから、一つこの点についてはジュネーブ協定に違反しておるから、はっきり言っていただいたらどうですか。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 それは軍隊または軍人として入っておるのではありませんで、兵器の使い方を教えるという意味で、私服でもって、いわゆる技術者という身分で入っておるわけで、軍服は着ておらぬという形をとっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 その点はまだまだ問題がありますが、それではこの外務省の軍事顧問団をラオスに運んだというのは間違いなのですね。そういうことになりますね。これは、もし何なら小坂さん見せてあげてもいいですよ、うそじゃないんだから。外務省の資料ですからごらん下さい。——小坂さん政治的な問題だから、伊関さんあたりに責任をまかせないで、あなた責任を持って答弁なさいよ。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 アジア局長から申し上げたように、兵器の使い方を教えるということのために私服の人が行くということは、これは軍人軍属を送ることではないと思います。その点は明らかに読まれた通りであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それでは、あなたの方で出されている外務省の資料は間違いだということになるわけですね。間違いですね。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 まだ読んでみないからわからぬです。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それでは読んでみて下さい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 これは非常に常識的な意味で、いわゆる軍事顧問団ということで書いたのだろうと思います。要するにその兵器の使い方を教える人と明確に書いた方がよかったのを、何となくそういうように書いてあったので、誤解を与えるとすればこの書き方が不明瞭だと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 しかし、あなたは常識的に言葉を使ったからとおっしゃるけれども、実際には入っているじゃないですか。入っていることは否定できないじゃありませんか。伊關さんだって向こうで会ったでしょうが、軍事顧問団に。しかもそればかりじゃありませんよ。この間の戦闘行動の中でアメリカの軍隊が飛行機から墜落して捕虜にまでなっているじゃありませんか。そういう事実を、あなたは文章がどう書いてあるからなんてごまかしたって、そんなごまかしは、少なくともここで言いのがれても、国民や世界の人々の目をだませませんよ。そんないいかげんなことを言っちゃいけませんよ。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 アメリカの軍隊が打ち落とされて捕虜になったということは初耳であります。そんなことはないと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それじゃ、ブンウム政府が今度軍事顧問団を直ちに入れてもらいたい、きょうの新聞によるとそういうようなことを要請しているそうですが、そういうことももしやったとすればジュネーブ協定違反ですね、伊關さんこれはどうですか。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 それは新しい問題でございまして、SEATOの第四条からそういうものが出てくるか出てこないかという問題はあるかと思いますが、新しい問題であります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 SEAT〇がどうあれ、ジュネーブ協定というものをラオス王国というものは正式に認めているのですから、そうするとジュネーブ協定には違反するということになるじゃありませんか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 ジュネーブ協定の義務はジュネーブ協定ではっきりしておるのでございますが、別にSEATO条約がまたあるわけでございます。SEATO条約によれば、SEATOの条約地域にあります国がもしも侵略を受ける、あるいは侵略の脅威があるという場合には、この条約加盟国が集まりまして相談をする、あるいは侵略を現実に受けました際には相談を待たずして、これに対して必要な措置をとるという規定があるのでございます。   〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕 もちろんSEATO条約は国連憲章五十一条に基づく措置をきめたものでございます。要するに自衛権に基づく措置をきめた条約でございます。従いましてもしSEATO条約に予定しておりますような事態が起きますれば——このジュネーブ協定そのものは休戦を前提といたしましたいわば平和時に関する条約でございます。SEATO条約の方は、平和が破れた、しかも国連が有効な措置をとり得ない、その間に何をするかということをきめる条約でございます。従ってSEATO条約に予定しておりますような事態がもし起きました際には、武力を外から入れないどころではなく、むしろ武力をもって援助することが加盟国の義務となるのでございます。従って発動は客観状態、基礎になる事態というものが、おのずから両条約は違う場合を前提としておるのでございます。SEATO条約に基づきましてある措置が現実にとられるという場合には、ジュネーブ協定に書いてありますことと違った事態が生ずるということは当然予想されるところでございます。両者に矛盾は、法律的にはその場合にはあり得ないと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私はキューバへ早く入りたいので、もう少し簡単に進めますが、あなたはおっしゃるけれども、そういうSEATOの条約解釈の話はわかりました、しかしラオスはSEATOに入っていますか。入ってないじゃないですか。入ってないのにそんなことを言ったって始まらないですよ。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 これはSEATO条約によりましても、条約に加盟していない国でありましても、条約地域に入っております国でありましてその国が特に同意いたしました場合には、これは条約が適用する地域に入り得るのでございまして、ラオス、カンボジア及び南ベトナムはこれらの地域として指定されております。これらの国々はいずれも同意しておるのでございます。ただ一般加盟国と違いますことは、これらの国につきましては、その国の正統政府から要請がない限りいかなる措置もとってはならないということになっておるのでございまして、その国が要請を出すということが前提要件になっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私はどんどん進めます。しかし今の幾つかの事実をあげましても、どうも先ほどから政府もそこまではまだ答弁しておりませんが、今までの国会における質疑応答を見ておりますと、共産圏の諸国が軍事援助をしておるためにラオスにおいて事件が起こったというような宣伝ばかりしておるように感じられるのだが、実際のもとは、先ほど伊関さんが言ったように、ジュネーブ協定以前から軍事援助を行なって、軍事顧問団を派遣して、反乱軍であるノサバンを援助して、政府の転覆をはかって、これをやってきたのはアメリカである。この点は明らかになってきている。それはどういうような答弁をしようと、事実の問題として、しかも外務省の資料によって明らかに出ておる。そういう事実は、国民はこれを否定するわけにはいかない。  そこで私は話を進めますが、国際監視委員会で停戦を早く進めるようにということを、この間参議院の予算委員会で小坂さんが答弁をしておりますが、この停戦の問題について小坂さんの言っておられるのは、停戦なんですか休戦なんですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 停戦であります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 停戦の方法については、これはジュネーブ会議の議長国である英ソの間においてやってもらうようにあれする、国際監視委員会を置くという方向で進めたいというのが日本政府の態度である、こういう御答弁があったと思いますが、それ以外にカンボジアあるいはインド、ソビエト、これらから提案になっておるこの関係国の国際会議については、日本政府は賛成なんですか反対なんですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 まず停戦ということで今お話しになったようなことを私ども考えて言ったわけであります。そこでそのあとの関係国会議ということも、これはけっこうなことだと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 もう時間がないから私は先に進めますけれども、国際監視委員会の問題についてもあなたにぜひ伺っておかなければならないのは、国際監視委員会は持つべきである、しかもICCという固有名詞まで使われたのですが、国際監視委員会というのは、これはジュネーブ休戦協定の中の一部なんです。ICCだけを実行するというわけにはいかないんですよ。ところがジュネーブ休戦協定並びにジュネーブ共同宣言というものは、御存じのようにアメリカは加盟しておりません。休戦協定の場合においてはフランスとパテト・ラオ並びにベトナム人民解放軍、これとの間の協定なんです。そうすると国際監視委員会その他において、あるいは議長国において停戦の問題を打ち合わせるといいましても、ジュネーブ会議の決定の、議長の当然の権限としてそういう停戦の手続をとるというわけにはいかないのです。特に軍事援助の問題が関連をいたしておりますだけに、国際監視委員会だけはできて国際会議はあとへ延ばすというようなことでは、ほんとうの意味の休戦というものは行なわれない。こういう点についてあなたの方は具体的な方針をお考えになってやっておられるのかどうなのか。そういう点について、ただ新聞の上にあるような形だけを取り上げて簡単にお話しになりましても、われわれはそれでは納得できないのです。そういう点をもう少しはっきりお話しを願いまして、ICCの復活を要求するという政府のお考えであるならば、当然ジュネーブ協定全体についての一部としてICCの問題が出てくるんだという認識に立っておやりにならないと、何か国際監視委員会ができたら全部できちゃうような幻想を与えるようなことはおやめいただきたいと思うのです。こういう関係について、これは小坂さんでなくてどなたか関係の方でもけっこうですが、もう少し厳格に——何か常識論を言ってこれが政治論であるなどというような茶話は、外務委員会ではやめることにしょうじゃないですか。やっぱり小坂さんもさっき常識的な言葉というので変な御答弁があったけれども、もう少し厳格に一つ御答弁を願いたいと思います。

伊關佑二郎外務事務官(アジア局長)

○伊關政府委員 その点につきましては非常に議論のある点でありまして、ICCがいまだに生きておるかどうかという点につきましても議論が分かれております。それから今度ICCが出ますに際して、これに新しい使命と権限を付与しなければならぬのではないかという考えもございます。この際、国際会議を開くという考え方はそこから出てきておると思います。ただしこのICCというものはベトナム側では、これはプーマのときであったと思いますが、もう仕事はビエンチャン協定によって済んだのであるから帰ってくれと言われて帰ったんだが、まだこれは解散したものでもなし、生きておるという解釈をとっておる国もございます。  それからラオス側の方では、任務は済んだ、これはなくなったというようなことも当時は申しておったのであります。その辺の解釈になりますと、これはいろいろどちらの議論も立つんじゃないかと思うのでございますが、いずれにしましてもICCそのものには停戦を命ずる権限はない。そこで共同議長国が停戦を呼びかけて、そして停戦ができたならばICCが行って、これはジュネーブ協定の続きとして停戦の監視、同時に国際会議も停戦——これにつきましても今どういうふうな交渉になっておりますか、細目はわかりませんが、停戦がはっきりできた上で国際会議というのがアメリカの考えのようではありましたけれども、最近イギリスあたりは、まあこれに大体並行してもいい、大体順序としては、観念的には、停戦の呼びかけ、監視委員会のインドにおける招集並びに現地への派遣、そしてジュネーブかプノンペンにおける国際会議という順序になりますが、時間的にも多少のそういう順序をつければいいじゃないか。必ずしもそこに停戦がはっきりできて、それを確認しなくてもいいというふうな考えも出ておりますが、今の監視委員会が生きておるかどうか、その権限が前のままでいいかどうかというふうな点になりますと、かなりこれは議論があって、その点につきまして、イギリスとソ連の間でどういうふうに話をしておりますか、そこまでは私たちもまだわかっておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私はラオスの問題はこの程度にして、キューバの問題に入りますが、ただラオスの問題については、今の御意見、やはり小坂さんもああいうようなところまで一つ筋を通して御答弁願いたいと思うのです。  しかし、ともかくそういう経過の中で国際監視委員会というのは起こってきておるのだが、ただ、今の伊関さんの話の中で、プーマ政権のときに監視委員会をやめたと言われておるし、外務省でも資料にはそう書いてあるが、これは間違いだ。サナニコンのときだ。いわゆる親米政権ができたときに監視委員会をやめておるのです。そういう点についてもまだいろいろ問題がありますが、これは省略します。  要するに私が今ここで言いたいのは、ラオスの場合においても直接、間接の形でアメリカが軍事的な内政干渉、援助を行ない、そういう形を通じてラオスの問題というのは、せっかくジュネーブ協定できまったビエンチャン協定その他のものを破棄して、そうして内戦状態が今起こっておる。これと同じようにキューバの問題もわれわれは問題を考えていかなければならないと私は思う。  そこでまず第一点は、今われわれ外務委員会に通商条約がかかっております。何かどうも最近キューバの事件が起こりましてから外務省の内部では、キューバの内乱はどういうようになるかわからないから、通商条約の審議なんかは、まあ採決なんかあとでもいいのだというようなことを盛んに言っている向きもあるようですが、それでは通商条約はできるだけ延ばして、やらないというのが政府の方針でございましょうか、どうでしょうか小坂さん。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 政府が条約に調印いたしましたものでありますから、これを国会に出して御審議を願っておるのであります。これをきめるのは、あなた方国会議員の立場であります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それはわれわれの権限であることは知っております。しかしあなた方は、審議は急がなくてもいい、ゆっくりしてもらったらいいのじゃないかということを外務省の中で言っておる人があるそうですが、それではこれはどう思いますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 別にそういうことを特に聞いておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そういう事実があったら困るでしょう。そこで今通商条約を締結した相手は、カストロ政府ですね。カストロ政府は、日本政府としては合法政府として認めているわけでございましょう。いかがでございますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 そうであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 カストロ政権が合法政府であるならば、それに今軍事行動を起こしておるいわゆる反カストロ派の行動というものは、反乱軍の行動であると見るべきではありませんか。これはどうですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 新聞をごらんになりましても、カストロが革命を樹立したというので、反革命という言葉を使っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それは国際法上反乱軍ではありませんか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 国際法上と言うと大きくなりますが、そういうことであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 反乱軍ですね。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 そうであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そこでお伺いしたいのですが、それではカストロ政権が合法政府で、反カストロ派というものは反乱軍である。この点は私は非常に重要な点なんですが、そうするとカストロ政権が合法政府である限り、この政権が他国に対して、今日反カストロ派がこのようないろいろなことをやっておることに対して、いろいろな援助を求める——この援助の形は有形の援助もあるし無形の援助もあるが、当然通商条約を結ぼうとして調印した日本の政府としては、そういう要請があった場合には、たとえば援助をするということがあっても違法ではないと私は思いますが、どうですか。合法でしょう。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 一つの国に一つの政府があるというのは常識であります。その政府から要請があれば、それをどうするかこうするかということは、その政府に対して考えるべきことであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それでは中川さんに伺いますが、これは国際法上合法政府であるから、いろいろな援助を要請して、それに軍事的援助が行なわれた場合には違法ではないでしょう。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 正統政府から要請がありまして、軍事上の援助をするということになりますと、これは国連におけるその国の義務というようなこともありまして、軍事行動というものは勝手にはとり得ないのでありますけれども、それ以外の経済上あるいは政治上の面での援助をするということは差しつかえないわけでございます。しかしながら、しなければならないという義務があるというわけではございません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 合法政府の要請があって、たとえばソ連がこれに対して援助をする、こういう場合には、当然これは合法政府の要請に基づく援助ということで何ら違法ではない。これはソ連のフルシチョフ首相も声明しておりますから、援助をすると言っておるのですから、このこと自体は国際法上違法ではありませんでしょう。あなたは国連憲章云々とおっしゃったが、私も国連憲章を調べてあり、知っておりますが、合法政府の要請に基づく軍事援助を妨げるという規定はありませんよ。何かそういう規定があるならば御説明を願いたいのです。そのこと自体は何ら違法ではないと思いますが、いかがですか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 軍事援助ということは兵隊を送るということだと思いますが、もし兵隊を送りまして、そこで戦闘に従事するということになれば武力行為であります。そういう武力行為というものは国連憲章で認めておる場合以外にはやってはならないわけであります。また武力援助というものが、たとえば武器を送るというようなことでありますならば、これは武器だけで人が行かないならば戦争にはならないわけであります。武器を使うのは相手方が使うのであって、これは軍事行動にはならない。従ってそういう援助ということは可能であると考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そこの点が重要なんです。軍事援助という場合には兵隊だけではない。たとえば飛行機が送られる場合もある。それは何ら違法ではない。これはあなたの御答弁された通りです。ところが反乱軍に対して軍事援助を行なった場合には明らかに違法ですね。この点はどうですか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 日本がたとえばある国の正統政府を認めておるという場合に、その正統政府に対して反乱を起こしておる団体に対して、まだその段階においていわゆる交戦団体としての承認を得ていない段階におきまして、これに武器の援助をする、政府が直接武器の援助をするというようなことは、もちろん違法であることに間違いないと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それではお伺いしますが、今度の反乱軍に対して、アメリカはどんどん軍事援助その他を行なっておるのですが、これはいかがですか。具体的に、あなたはそう言うとそういう事実は知らないとおっしゃるから私言いますが、たとえばマイアミ港に反カストロ反乱軍の魚雷艇を横づけにして物資の買付、それの援助を行なっている。それから十五日のハバナ、サンチアゴ、B26の爆撃機は爆撃を遂行後、マイアミ、キーウェストに帰着している。十七日の反乱軍の上陸作戦にあたっては、アメリカの航空母艦艦載飛行機、これが参加した。キューバの中にあるグアンタナモというアメリカの基地から、アメリカの正規軍が出動している。きょうの新聞ではアメリカの空軍の飛行機が撃墜された。しかもアメリカの軍人が、軍人でないと言うかもしれないが、アメリカ人が戦死している。あるいはそれだけではない。革命評議会と言われる反乱軍の本部はニューヨークにあって、この革命評議会に対しては、アメリカ政府機関から援助資金が出ている。また反革命軍の訓練のためには、フロリダあるいはこれはアメリカ以外ですが、これはアメリカに非常に関係があるから言いますが、グァテマラ、ニカラグァ、これらにおいて反乱軍の訓練が行なわれている。取り上げて参りますと、たくさんありますが、これらのことは全部反乱軍に対するアメリカの軍事援助、これは明らかに憲章に違反し、国際法に違反していることがアメリカによって行なわれておる。これは小坂さんいかがお考えになりますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 あなたは非常に断定的におっしゃいますが、どういうふうにしてその資料を得られたか私は知りませんけれども、私どもの得ている情報には、いまだそういうことは一つも聞いておりません。公式にはニューヨークにおきまして、ケネディ大統領が一切武力的な介入をしないということを、アメリカの責任者として言明しておるのでありますから、さような段階において、そういうことを言うことは、私どもとしては言えません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 どういう資料を得たといっても間違いない資料ですよ。国連総会の経過をお調べになったらわかるじゃありませんか。ロア外務大臣が言っているじゃありませんか。ロア外務大臣の言っていることを私は取り上げて言っているだけですよ。あなたはロア外務大臣の言っていることは信用できない、こういうことですか。あるいは情報が来ていないからというお話でしたが、キューバからは情報がきていないかもしれないが、まさか国連の日本代表からは情報がきてないなどということはお話しにならないと思いますが、これは国連においてロア・キューバ外務大臣がはっきり発言したことを私は取り上げて言っているのです。これは間違いだとおっしゃるならまた別ですが、あなたはこれについてどういうようにお考えになりますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 国連においてロア・キューバ外務大臣がそういうことを言い、あるいは同じ国連においてスチブンソン・アメリカ代表がこれを反駁しておる、そういうことはない、こう言っておるのであります。これは岡田さん御承知の通りであります。従ってわれわれとしては、そういうどっちがほんとうでどっちがうそだということもないだろう。要するに、未確認のことをここで取り上げて、いろいろ言うことは、日本政府の立場としては、そういうことは言えないということを言っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 未確認——あなたは現実に見なくちゃ話にならないかもしなれいけれども、新聞にフロリダ半島で反乱軍の訓練をやっている写真まで出ているじゃありませんか。これは事実ですよ。そうでないとおっしゃるのですか。そういう事実ははっきり出ているじゃありませんか。しかもこれはアメリカの新聞記者、UPIが写した写真が出ているのですよ。これでもあなたの方は確認できない、こういうお話ですか。アメリカの方から、正式に何か言ってこない限りは、あなたの方は確認できないという意味で確認できないとおっしゃるのですか。こんなにはっきりしているじゃありませんか。どうなんです。これははっきりしている事実を一つだけ例をあげて申し上げたのです。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 ばかにはっきりしているとおっしゃいますが、そういう問題はよく調査してみないと、うかつに政府の立場でそういうことを言うことは差し控えたいと思います。ことに問題は、かりにそういうことが事実としても、それにアメリカ政府というものがどの程度どこで介入しておるのかということは、これは全くわからないのであります。アメリカ政府としてそういうことをやらしておるということになれば、まさにあなたが言われることになると思いますけれども、そういうことを今先ばしってここでもっていろいろと言わなければ承知できぬということを言ってみることは、全く無意味だと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなたはキューバにおける休戦というのを望んでないのですか。キューバにおける停戦や休戦を望んでいるならば、そういう事実についても、反乱軍のこういう行動に対しては徹底的に取り締って、すみやかに停戦をやれというのが日本政府の態度でなければならないのじゃないですか。それをあなたはアメリカがどう言っているかなどという問題にとらわれて、停戦の問題というものは、反乱軍がこういう形でアメリカの軍事援助を得ておる、この事実がたとえば事実であるとあなたの方としては認めたならば、それをはっきりそういうことをやらないようにさせなければならぬじゃないですか。一体キューバ問題について、政府としては停戦の措置についてはどういう方法が一番いいというようにお考えになっておられますかどうですか。すでに今日四つの決議案が出ていると言われておりますが、これについての御意見を伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 キューバにおける事態の平静化を望むということとあなたが今言われたことを確認しろということとは、これは別の問題だと思います。私はいやしくもそういう未確認な問題をとらえて、日本政府としてある一国について特に非難がましいことを言う必要はない、それはまた言う必要があるとすればその時期もあろう、こういうことを申しておるのであります。何もこの場でいきなりそういうことを政府に言わせる、また言わせなければ政府はキューバにおける停戦を望んでないというふうにおっしゃるのは、はなはだお間違いじゃないかと思います。国連におきまして御承知のように四つの決議案が出ておりますが、そのうちの二つは、明らかにアメリカの名前をあげて、今あなたのお話のような趣旨で非難しておるのであります。私はそういう態度についてはもう少し穏やかな他の二つの決議案、この方がより好ましい形ではないか。国連というものは、非難決議を作る場合も、それは場合によっては必要でありますが、そういうことを目的とする場ではなくて、事態を平静におさめるということを主とする場所でありますから、そのように考えておるのであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 国連の総会において、あなたの非難決議案云々というお話ですが、非難の決議ではありませんよ。直ちに停戦をやれという決議が一つです、あなたの二つと言われた中には。その直ちに停戦をやれということについても、あなたはその案について賛成できない、こういうお話ですか。直ちに停戦をやれというのだからすみやかに停戦をやったらいいじゃないですか。ラオスの場合だって停戦をすみやかにやれと言っているのですから、そういう停戦の問題について決議案が出ておる場合、たとえばここに出ておりますが、ルーマニアの出しておる決議案というものは、これは停戦決議案ですよ。この停戦決議案は賛成したらいいじゃありませんか、停戦するのですから。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 たとえば反革命分子の基地となっておる米国その他の国を非難し、米国その他の国による反革命分子の即時武装解除云々、こう書いてございますので、そう申し上げたのであります。そこで、(岡田(春)委員「それはソビエトですよ」と呼ぶ)ルーマニアにおきましても、キューバ攻撃のために使われておる諸国に対し、攻撃を行なっておる云々、こう書いてありますが、これは今申し上げておるようにいわゆる内乱でございまして、一つの国と国とが戦争しておる場合の停戦ということと違いますので、これについては事態を平静化するために、たとえばメキシコあるいはアルゼンチン、コロンビア、ホンジュラスその他七カ国が出しておるような事態を悪化させる行動を慎しむように訴える、こういう方が穏やかな実際的な決議ではないか、問題はそれによって次の問題をなるたけ引き起こさないようにこの問題だけを何とか平静にしていくという立場でものを考えるのがいいのじゃないかと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 先ほどから内乱々々と言われますが、内乱の問題ならば、国連憲章の第二条のたしか七項で、内乱の問題は国連で取り扱えないのですよ。小坂さん、それをはき違えないで下さい。内乱の、内政上の問題については、憲章の第二条の第七項で「この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権能を国際連合に与えるものではなく、」云々とあって、内乱の問題については国連でやれるのだという御解釈ならば、これは大へんですよ。そんな話じゃないでしょう。国際的な紛争なんでしょう。国際的な紛争が起こっているのでしょう。だって、反乱軍というものがキューバの中で反乱を起こしたわけじゃないですよ、ほかの方で仕組まれて、ほかから入ってきたんですよ。それは新聞にも出ているし、こんなものは常識でわかっているじゃないですか。これは明らかに国際紛争ですよ。そうじゃありませんか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 これはキューバにおいてカストロ政権に不満である者が国外に出て、それがまたキューバへ帰ってきた。こういう形において、キューバ人同士の争いであるという意味で内乱と言えると思います。ただ、その事柄を国連において問題にされておりますから、その問題を国連において——憲章云々とあなたはおっしゃいますが、キューバの外務大臣がそれを言い、あるいはソ連、アメリカ、その他の国がこの問題を議題としておるので、国連においてこれが議題になっておる、こういうことであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そのキューバ、ソビエトその他がやっているというのは、国際紛争であって、外からの干渉があったから問題にしているのですよ。内乱の問題を国連において初めからきめてやってなんかおりませんよ。そういう点は一つ、国連憲章をもう少しお調べ願わないと。そんな話じゃないですよ。それよりも、それではお伺いしますが、ケネディがきのう声明を出しております。このケネディの声明の中で、「米国民はキューバに対する軍事介入をつつしみながらも、独立キューバに民主体制を打ちたてたいと願うキューバの愛国者たちを、ほめたたえることをかくさない。」こう言っていますね。軍事介入は慎しむということは、これはほんとうかどうかは別として、この点はいいとします。しかし、反乱軍に対して、これを愛国者であるというような表現を使ったのは、外務大臣としてこれは妥当なことであるとお考えになりますか、どうですか。特に日本の国はキューバとの間に友好関係を結んでいる。カストロ政府を合法政府として認めている。それに弓を引く反乱軍に対して愛国者だと言っているケネディの態度を、あなたはお認めになるのですか、どうですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 同じキューバ人同士でその政権のやり方に不満である者があるということは、これは一つの事実だろうと思います。それについていろいろ日本の外務大臣がそれがいいとか悪いとかいうことは、これはよけいなことだと思いますから、一切申しません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いや、国連で言っているのじゃないのです。ケネディが言った声明です。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 だから、ノー・コメントです。必要ない。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 しかし、あなたは反カストロ軍は反乱軍であるということははっきり規定されましたね。反乱軍である限りにおいて——あなたは、それは合法政府である、カストロに反旗を翻している者に対してはこれを支援するという態度であるというように、あなたのノー・コメントは、そういうように解釈していいのですか。そういう意味じゃないでしょう。反乱軍であるものに対しては断固として処置をしなければならないというのが、これは国連憲章の中における規定、こういう点からいっても言えるのだと思いますが、この点はどうなんですか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 よく御趣旨がわかりませんでしたが、国連憲章で、反乱軍に対してはけしからないと各国が言うのが当然であるというような精神がどこか国連憲章に入っておるという、何か御趣旨のようでしたが、必ずしもそういうことは国連憲章で言っていない。国内事項はすべて国内事項として放任しておるのでありまして、国際問題にならなければ国連憲章に関係してはこないのであります。どうも御趣旨が御理解しかねたのでございますが……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 もう一点伺いますが、もしアメリカがキューバの内政に干渉しているような事実が上がった場合には、日本の政府はそれをはっきりとやめさせるような態度をおとりになりますか、どうですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 どうも事実をよく調べません前に、ああするこうするということは、先ほどから申し上げているように、どうも少し出過ぎた話だと思います。   〔「仮定の問題には答えられぬよ」と呼ぶ者あり〕

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 仮定の問題といっても、アメリカの戦闘機がすでに落ちている問題があるでしょうが、その事実が上がっているのに、あなたは仮定とかなんとかおっしゃるけれども、これは明らかに内政に干渉している事実じゃありませんか。そういう事実は全然認められないとおっしゃるのですか。しかも、アメリカ自身は、アメリカ国内で反カストロ運動に対していろいろ支援しているという事実もはっきり上がっているのじゃありませんか。そういう点は明らかにアメリカがキューバに対する干渉というのを行ないつつあるという立証になるじゃありませんか。これはもうアメリカのAPであろうがUPIであろうが、あらゆる新聞が書いていることじゃないですか。何も私がでっち上げて言っているのじゃないのです。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 先ほどから言っているように、まだ未確認なことに対して、日本の政府がどう言ったとかこう言ったとかいうふうに、末確認のことについて重大な言明をすることを言われましても、それは私はできないのであります。

帆足計日本社会党

○帆足委員 ただいまの岡田委員の質問に関連いたしまして。  本日をもってキューバの戦局はまた重大な変化が起こりつつあるようでございまして、朝から電報が再開されまして、昨日はカリブ海も天気晴朗なれども風荒らしで、上陸作戦は失敗したようでありまして、急激に外部からの反乱軍が勢い衰えたように新聞は伝えております。そこで、この問題について今岡田君が突っ込みました。私どもは国連精神に生きる、そして国際的正義と平和に生きる国民といたしまして、この問題に対して冷静に、そして正しい態度をとる必要がある。そういう観点から、今岡田君が原則を明らかにしろ、こう言っていることに対して、仮定のことには答えられない。仮定のことには答えられないというせりふは、何とかいうおじいちゃまが始終言われておったせりふだと思いますけれども、私は仮定のことでも外交の原則はやはりお答え願わなければならぬと思うのです。ケネディ大統領は、自由に亡命したキューバ人が自国の政治に不満を抱いている、そして戻ってきて、その政権に対して反対運動をするということに対して、自分たちは同情を持っている。しかし武力干渉はしない。こういう趣旨のことを言っておりますけれども、確かに亡命家に対する政治的、思想的な理解とか同情とかいうものはだれしも認めるところでありますけれども、しからば、これに対して軍事的援助をしたりまたは訓練をしたり、または飛行機をただでやったり、そういうようなことになると、先ほど条約局長の言われたようにこれは内政干渉になってくるということは世論の示すところでありまして、特に西ヨーロッパの世論を見ますと、ニューヨーク・タイムスの十八日付を見ましても、「米政府が過去長い期間にわたって米国領土およびグアテマラでキューバ亡命者たちを武器、訓練その他の便宜で支援してきたことはかくれもない。このことはあまりにも公表されていて、もはや無視することはできない」アメリカの朝日新聞といわれているニューヨーク・タイムスがこう書いておりまして、さらに、この事件に対する米国の立場は、まことに残念なことであるけれども、道義的に弁護できる範囲のものかどうか疑われておる。そこで、国際連合においてキューバの外務大臣が、この侵入部隊はグアテマラから一部は来、一部の勢力はアメリカで訓練されたものである、と主張したときに、グアテマラの代表は、私の方から行ったのではないと答えた。アメリカの代表スチブンソン氏は、私の方からでもないと言われたので、キューバの外務大臣は手をあげて、それでは天から降ったか、地からわいたか、どこから来たのでしょうか、と言ったら満場笑い出した、こう書いてあるのでございます。  第二には英国、保守系政党の諸君のメッカとも頼む良識ある英国はどう言っておるかといいますと、英国の世論はこれに対して深い憂慮の念をおおい隠そうとはしていない。額面通りケネディの言うことも受け取っていない。反カストロ軍がフロリダで編成されていることはまぎれもなき事実である。グアテマラとフロリダとの間に密接なる連携があることも明らかである。グアテマラを進発してマイアミに着陸した反カストロ軍の爆撃機の操縦士について、これに米国人がまじっていたこと、米国側の出入国管理当局はその姓名をすら隠したこともまぎれもなき事実である。米国が、気に入らないからといってカストロ政権を転覆させようとする、その反カストロ勢力に同情する気持はわかるけれども、これに対して有形無形の軍事的支持を与えておることに対しては、西ヨーロッパ諸国も憂慮の色をおおい隠すことができない、ここまで論じておって、しかも戦局は天気晴朗にして波高し、こういう状況でありますから、一つ外務大臣もアメリカに遠慮もありましょうし、エチケットやらも心得なければならぬと思いますけれども、やっぱり国際的原則をこの際明らかにして、いただく必要がある。そこで二つのことをお尋ねしたいのです。  第一は今度の内乱は単なる内乱じゃなくて、亡命者が外から入ってきたわけです。これに対してアメリカなりその他の国がこの亡命、外から入ってきた反乱軍に対して、やはり武器援助、ジェット機その他を与えたとしたならばこれは遺憾のことであって、それは仮定の事実であろうとも、これほど世間が論じていることでありますから、それは遺憾のことであって、他国の政権に対してそういうおせっかいなことをお互いにするなという態度は国際連合で明確にするという態度は、私は保守党の諸君も必ず賛成して下さることであろうと思うのでございます。これが第一で、賢明なる小坂大臣はきょうこの問題に対しては内政不干渉であると参議院で言明されたそうでありますが、その態度を維持していただきたい。  第二には、キューバの大使からおそらく情勢報告をしようというたびたびの申し入れがあったと思いますけれども、国交関係を結んでいるキューバの国の大使の面会に必ずしも応じられてないようでありますけれども、それは一体どういうことになっておるのか。  時間がありませんから一緒に質問しますが、第三に、これがうまくいかないために、アメリカは昨夜深更異例の閣僚会議を開きまして、在留米人の安全保護を名目に、米兵は形を変えて派兵に踏み切るかもしれないということが、きょうの夕刊に出ておるのでございます。その国にいた一、二の新聞記者その他の危機を理由にして、そうして保護占領するという手口は、もう百年の間続いた植民地支配の手口でありますけれども、それが正常なる国交の間に不幸なことがあったなら、外交交渉で解決すべきである。そしてさらにそれで行き届かなければ関係国に相談し、国連に相談すべきものであると思うのです。いわんや国交を断絶しておいて、そうしてその反乱軍に対して武器を提供しておいてうろちょろした若干の者がその犠牲になったからといって、直ちにこれをもって派兵の原因にするなどということは、もうそれは前の時代ならとにかく、原子力と人工衛星と理性と平和が世界を支配しつつある今日の時代においては、私は国際的に通用せぬと思うのです。  従いまして第二の問題として、国際紛争の中にそういう遺憾なことが起こったならば、それはことごとく国際連合に訴えて解決すべきものではあるまいか。私はかねて小坂さんはほかのことでは意見の相違はたくさんありますけれども、国際連合における国際正義のルールを尊重する、またソ連と条約を結ぶときにはいつも互に内政不干渉の原則で平和共存をしようじゃないかといって、今も漁業協定が進んでおる。これは党派を越えて普遍妥当の憲法の保障する原則でありますから、仮定の事実には答えられないなんという八十じいさんの言うことなどをまねするのでなくして、仮定の事実であるけれども、原則はこの際外務委員会の権威にかけて明確にしておこう、具体的適用は事実を調べてよく善処しよう、こう言われるのが当然であろうと思いますので、今の二つのことについて外務大臣から、前の藤山さんもときどき非常に見識のあるいい答弁をなさったのですが、新外務大臣に一つ気骨稜々たる論理の通った発言を期待して質問する次第です。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 まず最初の点、キューバの大使になぜ会わぬかということでありますが、キューバの大使は御病気でありまして、代理大使がやっておられるのであります。これは本日ぜひ会いたいと私ども大使に連絡をとったことはございますが、代理大使の話は、きょうは国会で私が忙しいものですから、出ておりましたので、ここにおる安藤アメリカ局長がお会いいたしまして情勢を聞きました。これは先ほど申したように、非常に抽象的な話であったように思います。  それから第二の点は、国連憲章の精神、また国連というもののみが今の平和維持の機構として唯一最大のものであるということは、私も強くその点を信じておるのであります。しかしまた国連憲章の中にいろいろと規定がございまして、その国連の機能を十分に発揮するために地域的な集団安全保障の機能を認めておるのであります。その意味で米州機構の中においてこれを解決するということもこれは国連憲章の認めておる点でございまするから、まあ、私は今先ほどから言っておりまするように、十分事態の実態というものを正確につかんだ上でこういう問題に対処すべきものである。ことに外交というものについては軽々しくいろいろ飛び上がるのが一番よろしくない、こういう気持で十分事態を把握して善処したいと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 関連質問ですからこれを最後としますが、外交問題に対して慎重なことはけっこうだと思うのです。しかるに日韓会談などはまだ張勉内閣の基礎もきまらないうちに一人の青年飛び出してなどと漫画にかかれて軽々しい行為をされたことを私は残念に思っておりますけれども、慎重にされるならすべてに画一的に慎重に一貫してされてほしいものと思います。  最後にお尋ねいたしますけれども、これはおそらく外部からの侵入でありまして、ニューヨーク・タイムスその他の世論調査を見ましても、八〇%はカストロの若い政権を民心は支持しておるようでございます。従いましてこの問題はおそらく旬日にして私はおさまるものと思います。外部の干渉がない限りはおさまるものであると思います。そうすると、アメリカの立場としては苦しまぎれに在留米人の安全保護を口実にして、そうして基地を拡大するとか派兵に踏み切るとかいうことが、まさかケネディのもとで行なわれようとは思いませんけれども、きょうのこの読売新聞の夕刊のトップ見出しのごとく、こういうことがありとするならば、何のための国際連合であるか。従って、アメリカにとっても歴史の進化の過程で苦しいことはありましょうけれども、いやなことがあったならば、まず国際連合で相談する。相談せずして直接に派兵するというようなことがあったら、日本はアメリカとはずいぶん深い間柄であるけれども、私はそれには賛成できがたい。これが私はわれわれの原則的立場でなくてはならぬと思いますけれども、外務大臣はどのようにお考えでしょうか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 そうした仮定の問題についていろいろ御議論するのは差し控えたいと思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 仮定の問題、仮定の問題と、そういうせりふは八十じいさんのせりふであって、仮定の問題であっても原則は、たとえばある国で一人二人の人がけがをしたとか、殺されたとか、いやなことがあったというときに、国際連合に相談せずして直ちに派兵するというような古い外交のやり方は、国際連合の主義のもとではわれわれは賛成できがたい。その原則を聞いているのです、仮定の問題を聞いているのじゃないのです。外交の原則についてお尋ねしておるのですけれども、それは必ずしもアメリカを言っているわけじゃないのです。そういうような外交の原則、国連連合にはそのために安全保障理事会及び総会というものがあると思いますが、小坂さんはどうお考えであるか。アメリカを仮定してお尋ねしているのじゃありませんから、政治の原則としてお尋ねしておるのですから、原則としてお答え願いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 今アメリカが派兵したならばというお話がありましたから、そういうことではお答えできません、こう言ったのですが、われわれの政治の原則は、世界平和を念願して日本の利益のために十分主張すべきところは主張し、しかも世界の平和に沿うていくということであるのであります。国際連合においては、御承知のように政治委員会でこの問題が討議されております。私はその討議の過程を通じて日本の主張はおのずから出てくると思います。とにかく今事態が明らかならざるところにおいて、いろいろと日本政府としてどうというようなことは差し控えるべきであるということであります。

帆足計日本社会党

○帆足委員 外務大臣の御意向はよくわかりました。私がアメリカという例をとりましたから、直ちにそれと連関してはお答えを差し控えたのであろう、こう思います。そこでアメリカという例でなくて、一般的に近代の諸国において不幸な、耐えかねる事件が起こったときには、まず国際連合へ相談するのが順序であって、自分の国境があぶないとかなんとかいうことでもないのに、不祥事件が起こったからといって直ちに派兵するというようなやり方でなしに、そのときは国際連合に相談することが原則でないか、こういう意味でアメリカのことを除いて国際連合を尊重する日本の外務大臣としての原則をもう一度確かめておきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 原則論としてはそういうことであると思います。しかし事態の収拾という点を考えますと、たとえばラオスの問題、これは国連に持っていけということを考えた時代もありましたけれども、そうした内乱の場合には国連だけでこの問題をさばくのは適当でないということで、監視委員会においてこの問題を扱う、要するに国連の外と中、すなわち各国があらゆる場所において平和を目的として物事をできる限り話し合いによって解決する、こういう方向でいくということを私は主張いたすのであります。

帆足計日本社会党

○帆足委員 私は御答弁が多少あいまいであることに対して不満でございますけれども、しかし、そういう事件がありましたときには、とにかく諸国は話し合いで世界の世論の監視のもとで解決すべきであって、特定国が直ちに、しかも強国が出兵するというようなことは許すべからざることであるということを外務大臣に要望いたしまして、外務大臣も大かたその趣旨には賛成のものと理解いたしまして、事態の推移を見守ることにいたしまして、質問を終わります。

川上貫一日本共産党

○川上委員 関連でありますから、簡略に要点だけ質問しますから御答弁願いたいと思います。  キューバの問題ですが、おそらく政府は日本代表に種々な訓令を出しておるに違いない、また出さざるを得ない。そこで、その基本的態度について一つだけお尋ねしたいのですが、政府はケネディ大統領がフルシチョフ首相に答えた回答をどう考えるか。支持するかどうか。これはよその首相に出した返事だから日本は知らぬというような答弁をせぬようにして下さい。これがやはり国連の討議の一つの大きい中心的な思想になり、これを一緒に加えて国連では討議が行なわれるんだから……。特に、それで全体を言うたら答えにくいと思いますから、私は部分だけ聞きます。一つは、「人民の選択の自由が否定されるところではこうした闘争」——すなわち反政府反乱ですが、これに訴えるのが「自由を達成する唯一の手段である。」こう言うておる。これは重大な回答です。もう一ぺん言います。「自由を達成する唯一の手段」は反政府反乱だ、こういう意味です。これはまことに重大な回答であり、この回答は声明の性質を持っておると思う。それだから岡田委員が聞かれたように、独立キューバに民主体制を打ち立てたいとこいねがうキューバの愛国者——愛国者といえば反乱者のことです。これはさっきからの政府答弁で明らかです。これをほめたたえる、これがアメリカの態度なんです。この態度を政府は支持してやらせるのか、支持しないのか、ほうかむりするのですか、これは知ったことじゃないというのですか、これを明確に答えていただきたい。  関連で時間がありませんから、もう一つついでにあわせて聞きます。ケネディは、外部の勢力が軍事介入する場合には、これは外部侵略と言うておる、外部侵略から——ほかの言葉を使っておりますが、米州を守るために直ちに行動を起こすという意味のことを言うておる。これは合法政府の要請に基づいてある国が援助を行なう場合、この例は時間があればやりますが、レバノンでアメリカはこれをやっておる。この理屈で海外に出ておる。これを外部侵入と言うておる。またこれに対してはアメリカは直ちに反撃すると言うておる。これを支持なさるのかどうか、これも知らぬ存ぜぬとおっしゃるのか、日本政府には関係がないとおっしゃるのか、このことを明確に答弁願いたいというのは、私は国会でこれを質問しておるのです。この国会における政府の答弁は、日本の政府がキューバの問題に対していかなる基本的態度を持っておるかという証明になる。それですから、これだけは一つ妙な答弁をしないで的確に答弁してもらいたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 ケネディ・アメリカ大統領のソ連フルシチョフ首相にあてた手紙は、原文で見ますと、今おっしゃるようなことでもないようです。ちょっと違うようです。要するに、過去、現在及び未来を通じて革命の偉大なる——レボリューションというものは自由になろうとする人たちの革命であるということを言っている。要するに、自由になりたいという気持で人が動いていって、そこにレボリューションというものがあるんだ、こういうことを言っているのだと思います。  第二問の点は、外部の何か干渉があった場合に米州の機構によってこれを守るということが、外部の力というのはソ連の行動ということになるのかという御質問であったと思いますが、これはやはり十分意思を確かめませんと、私は今ここでちょっと原文を見せられたのですが、原文と読み比べてみないと、日本政府がこれをコメントすることは関係が深うございますから、この点は十分考えてからにしたいと思います。また事態の推移も見る必要もあろうと思います。

川上貫一日本共産党

○川上委員 外務委員会ですよ、外務大臣。この重大なキューバの問題、まだ読んでおらぬのですか。そういう態度で国会に出ておるのですか。普通の商業新聞にさえ全部出しておるじゃないですか。これが間違っておるなら、こう間違っておるとなぜ言えない。まだよく読んでおらぬ。そんな態度が一体外務大臣の態度ですか。外務委員会で討議しておるのですよ。あなたの態度は何という態度です。まだ何も読んでおらぬのですか。いいかげんなことを言うんじゃないですよ。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 読んでおらぬと言うのじゃない。私は今原文をここで見た。私も原文を一々見る時間が、きのうからずっと引き続いて委員会その他でありませんで、日本文のを見ておりました。しかし原文のをここで見ますと、あなたの話と少し違う。従って、文章を見ただけでも解釈に多少ニュアンスがあるくらいのものであるから、その真意を確かめる必要がある。今あなたの言うように、これは外務委員会だから、外務委員会において日本政府がアメリカの大統領のソ連首相にあてた手紙を批判するには、十分アメリカの返事、回答、アメリカ側の意向というものも確かめてみなければ、軽率なるコメントはできない、こういうことを言っておるわけです。

川上貫一日本共産党

○川上委員 関連ですから、時間がないのでほかの委員、岡田君にも大へん済まぬのですが、外務大臣がきょうの外務委員会でそんな答弁をするその態度、これは一体どうなんですか。このキューバ問題というのは今世界的の大問題です。しかもそれにアメリカが干渉しておるということは岡田委員がはっきり言われた通りなんです。その時分に、アメリカの大統領が声明にもひとしい回答をフルシチョフ首相に出しておる。だから全世界の商業新聞が、ごらんなさい、トップを切って第一面に麗々しく出しておるのです。今原文を見ればちょっと違う。何という答弁をするのです。外務委員会が開かれればキューバの問題が出るであろうというくらいのことは必ずわかるはずです。私が質問したら、原文を読んでおらぬからいいかげんな答弁はできない、何という答弁の仕方ですか。ほかの委員諸君もおられますけれども、そういう態度を日本の政府、外務大臣がとっておるということは私は承認できない。同時に私が聞いたのは、あなたの答弁と違う。「唯一の手段である」ということは原文もこの通りになっているのだ。違いないんだ。われわれは原文を全然見ないで来ておるんじゃないですよ。私はここに日本の商業新聞に出たものを読みましたが、原文を読んでおらぬのじゃないのです。反政府、反革命を唯一の手段だと言っているのです。こういうことを言うておるアメリカの声明を日本政府は支持してやるのか、これには支持しないのかということを聞いておるのです。それを答えなきゃいかぬ。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 あなたの言われるのは、おそらくそのまん中にある「ホエア ピープル アー デナイド ザ ライト オブ チョイス、リコース トゥサッチ ストラグル イズ ジ オンリーミーンズ オブ アチーヴィング ゼアリバティーズ」この、自由を奪われたときには人がそういうことをするのが唯一の手段であるということを言っておられるのだと思います。これは一般的にそういう考えを述べたものであって、何もこのキューバ問題について、今の反革命軍といわれるものがこうすることと、非常に直接にどの程度結びついておるかということは、十分研究してみないと言えぬ問題であります。軽々に言うことは差し控えたい、こういうのであります。

川上貫一日本共産党

○川上委員 時間をとって恐縮ですけれども、合法政府がある時分に、自由を守るという口実のもとに反乱を起こすことは、これは自由を要求する人間の唯一の手段だ、ケネディはこう言うておるのです。これを研究してみなければわからぬのか。外務大臣は今これを研究しなければわからぬのですか。このことに賛成ですか、賛成できませんか、どうですかと聞いているのだ。ここがはっきりしなければ政府は松平大使に訓令できません。これを聞くのです。ここは外務委員会です。はっきり答えて下さい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 私どもは先ほどから言うておるように、先ばしっていろいろ火中に飛び込むということをよい方策だと考えておらぬのです。あなたのように、はっきりアメリカを非難してかかる方ばかりが得策だとも思わない。やはりアメリカもソ連も言い分があって言い合っており、キューバも激しい言葉で国連の政治委員会で事態を訴えておる。そういう情勢のもとにあって、われわれは冷静に、慎重に事態を十分把握して、ものを言うべき必要があればそのときにおいて確信を持って述べるということが必要だと思います。

川上貫一日本共産党

○川上委員 これだけです。  それなら外務大臣、この意味を言いますぜ。自由を守ろうと思うたら反政府、反乱よりほかには手段はないのだ、これが唯一の手段なんだ。一般論でも何でもよろしい。原文がこう書いてあるとかりにしたら、外務大臣はこれを支持しますか、これはもうだめだと思いますかどうですか。これを明らかにしなければ話にならぬ。これ、どうなんですか。ここがはっきりしなければ日本の外交は国連で何をするのです。  またその上に、私は二つ言うているのですが、合法政府の要請に基づいてある国が援助を行なう場合を、外部侵略と言うているのでしょう。このことは、レバノンに出兵した時分に外部侵略じゃないという答弁をしているのです。藤山外務大臣もアメリカもそう言うているのです。台湾に出兵しているのはどういうように合理化しているか。自衛権と言うじゃありませんか。自分の方ではこれをやっているのです。ところが合法政府の要請に基づいてある国が援助を行なう場合には、これは外部侵略であるから米州機構を守るために措置をとる、出動すると言うている。この二点を私は聞いているのです。こういう考え方がアメリカの対キューバ政策の基本なんです。対キューバだけじゃなしに、岡田委員の言われたように、ラオスに対しても中国に対しても朝鮮に対しても、この基本的態度でアメリカはやっているのです。いつも政府はこれに同調しているが、さすがに今度のこの返事、回答、これは具体的だから、はっきり一つ聞きたいというのが私の質問なんです。日本の外務省はこれをどう考えるか。支持するのかせぬのか。これから調べると言うのか。はっきり言えないというのか。ここをはっきり言わなければだめです。いいくらかげんの答弁をしようというてもだめです。私はどこまでもはっきりした答弁を求めます。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 先ほどから言うているように、十分その言うておることの真意を検討いたしまして、意見を申し上げる必要があれば申し上げます。今は申し上げる段階でありません。

川上貫一日本共産党

○川上委員 私は関連だからもうやめますが、私の方が先ばしっているのではない。日本の外務省、政府の方が間違っている。明らかにその答弁はそうじゃないか。何で私が先ばしっているのか。具体的な事実をあげて聞いておるのになぜ先ばしっておるか。私はアメリカを非難しているのでも何でもない。アメリカ大統領がこういう回答をしたが、この回答に対してはあなたの方はどういうお考えがありますかということを私は聞いたのです。この答弁はできぬそうですからきょうは関連ですから私はこれで打ち切りますが、この問題はこれだけじゃない、重要な問題をたくさん含んでおりますから、この次の議会に私はあらためてこのキューバの問題については質問さしてもらいたいと思います。きょうは関連ですからこれで私の質問を終わります。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 岡田君。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あと時間があまりありませんから簡単にやりまして、残った分は次に留保します。  第一点は、これは条約上の規定ですからあるいは中川条約局長でもけっこうですが、ケネディの声明の中に「われわれは外部侵約からこの半球を守るために直ちに米州機構下のわれわれの義務を果たすつもりであると言っていますが、この義務というのはどういう義務を意味しているというように御判断になっておりますか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 今の川上委員の御質問と同じ問題の御質問だと思いますが、今御指摘になりましたケネディ大統領の声明というのが非常に簡単でございますので、はたして原則論を言っているものか、それとも今の事態に合わした意味での具体的な問題として取り上げているのか、その辺がどうもわかりかねるのでございますが、原則論といたしますれば、米州機構条約によれば、外部からの武力侵略がありました際には、米州諸国がいわば当然の義務といたしまして、これを排除するための措置をとるということがはっきり書いてあるわけでございます。従って、そういう理論上の問題であれば、ケネディ大統領の声明にありましたことは、その通りであると思います。その通りのいわば権利であり、義務であると思いますが、はたして具体的な問題にこれを当てはめまして、今ロシヤが、あるいはその他の国が今のカストロ政権を援助する場合に、はたしてそれに該当するやいなやという具体的な問題になりますと、これはまだまだそういう事態になっておりませんので、どういう状況のもとで、どういうことが起こるのかが不明な段階におきましては、何とも申しかねるところでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いや、今米州機構の条約ならばというお話ですが、米州機構の条約ならば、そういうことになるのだろうと思うのですが、その場合においては、中川さん、どうなんですか、政府間の問題ですから、そういう侵略があった場合においては、カストロの反乱軍をそのために援助するということではないはずです。条約の規定に基づけば、カストロの政権に対して、それを守る。米州機構の条約の中にあるところの、これは政府間の問題でしょう。カストロを守るということになるわけでしょう、そうじゃないのですか。合法政府であるカストロ政権を守るという意味で、その措置をとらざるを得ないと思います。法解釈でいけば、そういうことになるのでしょう。そうですね。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 この米州機構条約の一つの条項に、第三条第一項によりますと、この条約機構に加盟しておる国は、アメリカの一国に対する武力攻撃は、すべての国に対する武力攻撃であると認めて、当然固有の、あるいは集団の自衛権を発動するという規定がございます。従って、ある一国に武力攻撃があれば、それはそれ以外の国に対する武力攻撃になるという観念に立っておるのでございますが、従って、ある一国に対する武力攻撃というのがあったかなかったかという認定が一番肝心な認定の問題になるわけでございます。これはやはり具体的な問題と対比してみませんと、たとえば今の場合、キューバに対する武力攻撃がはたしてあったかどうかという点は、具体的な問題と対比しなければ、何とも判断しかねる次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いや、武力攻撃があったかどうかというのは、一国の——三条の問題というのは、これは今あなたの言っているのは、反乱軍の武力攻撃の問題を言っているのですが、米州機構とここでケネディの言っているのはそうじゃないのでしょう。ソビエトがカストロ政権を支持するために、合法政府として、当然の援助を求めた場合に、援助をする。これに対してアメリカが米州機構の義務を果たすであろうというようなことを言うということは、たとえば言うなら言ったっていいけれども、米州機構条約に基づく限りにおいては、反乱軍をそれによって助ける、そのような規定としては出てこない。それは政府を助ける以外には、これは米州機構の条約としては出てこないじゃないかということを言っているのです。それなら問題はないじゃないですか、そうでしょう。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 先ほどから申し上げているように、今回のケネディの声明あるいは回答というものがあまり簡単でございまして、はたして原則論だけを言っているのか、具体的の事態をも想定して言っているのか、その辺がわからないのでございます。従って、具体問題と対比しての御質問であれば、お答えしようがないと言う以外にないのでございますが、原則論としてなら先ほど申した通りでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そういう逃げ方をするならそれでいいですが、要するに、先ほどから御答弁の中ではっきりしてきたことは、日本政府としてはカストロ政権を合法政として認める。反カストロ派の集団というものを反乱団体とし、あるいは反乱軍として——反乱団体としてはっきりそのように断定する、こういうことを小坂さんが答弁されたことは間違いない。そうすると、日本政府としては、いかなる意味においても、反乱団体を援助するというような規定はないと思うのだが、これについて何かありますか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 反徒といいますか、反乱団体というとちょっと何か交戦団体と似たような感じになって参りますが、要するに、反徒という段階であれば、これは国際法上の主体にはなり得ないのであります。従って、国内法的に反徒であるという以外には言いようがないわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 先ほどはっきり小坂さん、言ったでしょう。あなたは反乱軍ではないが、反乱団体であると言ったじゃないですか。合法政府であるという事実は認めるわけでしょう。それが、もしあなたがそうでないと言うなら速記録を取り消しなさい。私は譲りません。さっきからあなたはそう言っているのだから……。その点もぼかすのなら、キューバ政府との関係、現在のカストロ政権との関係というものは否定されるのですか。通商条約もどうなってもいいというのですか。合法政府であると認めないとおっしゃるのですか。その点、まず、それではお伺いいたします。  キューバ政府、カストロ政権というのは、日本の政府としては合法政府として認めているのでしょう。そうじゃないのですか。中川さん。違うのですか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 合法政府でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そうでしょう。国内において合法政府に対して反旗を翻しているものに対して援助するということは、国際法上許されないでしょう。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 まだ反徒の段階にあるものに対して、一国の政府がこれを援助するということは許されないところでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それはもう明らかに、それですから、さっきも同じ話でしょう。カストロ政権が合法政府であって、反カストロ軍というものは、これは反徒であり、反乱団体である、そういうように小坂さんは言った。反乱団体と速記録にはっきり残っておる。そういう事実が明らかになっておるならば、このキューバの問題の解決というものは、合法政府を守って、反徒あるいは反乱団体に対する何らかの援助がほかの国から今後行なわれる危険性があるということに対しては、日本の政府はあくまでもこれに反対する、こういう態度をとらざるを得ないでしょうが、この点はいかがですか。外務大臣。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 大臣はあとで御説明になると思いますが、これはあくまでも法律的な問題といたしましては、当該国とその相手、反乱の起きております国との関係でございます。第三国がどういう態度をとるか、第三国がどういう態度をとったか、それに対してこちらの国がまたどう対処すべきかということは、これはむしろ法律の問題ではなくて政治上の問題でございます。法律上は特にどうしなければならぬという意味は、国連憲章以外には義務を負っていないと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それでは大臣に政治的な問題で伺いますよ。反乱団体とあなたは言った。まあ反徒でもどっちでもいいですが、一応そういうふうにしておきましょう。そうでないと話が進まないから……。ともかくも、アメリカが援助しておるかどうか、一応別にしておきましょう。ともかくも、カストロという合法政権があって、それに対して反旗を翻しておるものに対して、日本政府は何ら援助することは許されないし、もしそれをやったとしたならば、これは明らかに違法だと思うし、政治的にもその反乱団体に何らか援助をするとか、あるいは同情的な措置をとるということは許されないと思うのだが、この尺は仮定の問題じゃない、事実の問題なんだから、この点についてははっきりしてもらいたいと思う。反乱団体に対してどうするのですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 事実問題でお聞きでございますから、事実問題でお答えいたしますが、そういう現在のカストロ政権に対して反対行動をとっておるのが反徒とか反乱団体とかいう話が出ましたが、それに対してわれわれ何もしておりません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 だから、何もしておりませんというのは、政治的にやるべきではないという見解に立つから、何もしていないのでしょう。そこの点ははっきりしておいてもらわないと、私はなぜこういうことを言うかといいますと、あなたが非常に友好的な関係を持っておると考えておるアメリカが、さかさまのことをやっている。アメリカがさかさまのことをやっているのに対して、われわれから見るならば、日本国民はそれは心配ですよ。はっきり言うと、ソ連の方が今度はあらゆる援助を惜しまないと言っている。それは国際法上違法じゃない。先ほども中川さんが答弁した通りだ。そうなってくるならば、世界において再びキューバを中心にして戦争になる危険性があるわけだ。しかもアメリカが海外派兵をする危険性があると言っている。このときには、あなたが先ほどから言っているように、すみやかにキューバのこういう状態について問題を解決するための努力をするのが日本政府の任務でなくちゃならない。そういう意味であなたは国連中心主義という態度をとっておられるわけでしょう。だからこの反乱の集団に対して、何らかの援助をとろうとしているような国がもしあるとするならば、こういう国に対しては日本政府として、おやめなさいということを主張するのは、平和を考えている日本政府の当然の考えじゃありませんか。そうじゃありませんか。だからそういうものの一つとして、アメリカがもしそういうことをとろうとしているのなら、特に現在の池田政府というものがアメリカと深い関係であればあるだけに、断固としてアメリカにそういうことはおやめなさいということをなぜ言えないのか、言ったらいいじゃないですか。私は野党だからといって、あなた方をいじめるとかなんとかでそんなことを言っているのじゃない。世界の平和を考えれば、当然それを言わなければならないじゃないですか。そういう点で私はお伺いしているのであって、そういう点に立ってアメリカのこのケネディの声明というものは非常に間違っている。  第二の点は、先ほど問題になりましたアメリカが海外派兵をするというようなことがあるならば、事態をますます紛糾せしめるものであると考えるから、これについては、あなたは反対されるだろうと思うが、意見はどうなんだ。これは帆足君から聞いたわけです。私も聞こうと思っていたが、出たからあれしますが、この点も含めて世界平和をほんとうに念願する政治家であるならば、これについてはっきり一つ御答弁を願いたい。私はあなただってそう思われるだろうが、アメリカだって神様じゃないからどういうあやまちを犯すかもわからない。そういう場合においては、やはり池田政府というものが深い関係にあるならば、そのあやまちに対して断固として直させるようなことをするのが真の意味での日米の関係じゃないですか。そういう関係からいっても、こういう措置をとるのはいけないのだとなぜあなたはここではっきり言えないのですか。こういう点をはっきり言ってもらいたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 先ほどから何回も言うておりますように、事態というものを明確につかんで正しい判断を下したい、こう言っておるのであります。実際のところ、正しい判断を下す材料はまだ十分にそろっていないと考えなければなりません。この段階においては何も言えないのであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 もうこれで終わりますけれども、そういう答弁だけならば、こんなに今までみんな二時間もやる必要はないのですよ。なぜアメリカに関する限りはそんなに言えないのですか。あなたは松平大使に、あなたが言っているように慎重に行動しろという訓令でも与えておりますか。また松平さん飛び上がってやりますよ。あの人は看板だけ出ればいいのですから、来年の参議院の選挙のためにやればいいのですから、松平という男は何度でもやりますよ。そのあとの責任は小坂さんが全部しょい込むのですよ。この間松平さんに対してあなたは戒告を与えたばかりじゃないですか。ところが何ぼ慎重にと言ったって、松平さんはアメリカの言うなりになって旗を振りますよ。それに対して何らかの訓令を出しておりますか。こういう点から考えても、あなたはなぜ基本的な方針だけでもはっきりしないのですか。この基本的な方針についても、アメリカに属する限りは、あなたは発言しないじゃないですか。このような緊急な事態になっているときに、小坂さんがそういうような態度をとるのを私は非常に残念だと思う。さっき藤山外務大臣の話が出ましたが、私は野党として藤山外務大臣にずいぶん食いつきましたよ。しかし小坂さん考えてみて下さい。レバノン、イラクの問題のときには、藤山さんという人は相当はっきりした態度をとりましたよ。アメリカの行動に対しては相当はっきりした態度をとったじゃないですか。小坂さんになったらアメリカに対して藤山さんよりはっきりした態度をとれないのですか。なぜ悪いものは悪いと言わないのですか。私は日本の外交を担当する外務大臣としてはそれでは不十分だと思う。こういう点は一つ十分お考え願いたい。もう一度私は催促をいたします。アメリカがそのような誤った行動をとる場合に対して、日本の政府はいかにアメリカと友好の関係にあろうとも、アメリカに対して反省を促すという態度、これはイギリスがとっておる態度と同じ態度、これくらいの態度がとれないようじゃ日本の外務省の意味なんか大してない。こういう点についてもう一度はっきりした御答弁——海外派兵がもし行なわれるということがあった場合に、これはまだ調べなければわかりませんなんと言っておるうちに、アメリカが海外派兵をしたらどうしますか。そういう意味で仮定の問題じゃない。その点であなたとしても態度を明らかにしてもらいたい。それから松平大使に対してあなたが慎重であれということをおっしゃるならば、慎重になるように訓令を出していただきたいと思う。政府がわからないとおっしゃるならば、おそらく松平大使は何ら連絡をしてきてないでしょう。  ともかくもそういう点は希望を含めて、約束の五時を過ぎましたから私はこれで終わりますけれども、もう一度御意見を伺っておきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 先ほどから申し上げておるように、私どもは十分事態を調べて、その正確なる判断の上に立って考えを述べたいと思います。今、アメリカがやったことには何も言えないだろうというお話がありましたが、アメリカのみならずあらゆる国に対して間違っておると思うことがあれば、われわれはわれわれの正当な意見を述べる。ただ一度意見を述べたらぐるぐる変わるようなことはいたしません。  なお、松平国連大使に対してのいろいろなお話がありましたが、政府と国連代表部は一体というか、政府の指揮のもとにあるのであります。その辺については老婆心は老婆心として承りますが、御心配願わなくてよろしいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私は最後に、キューバの今後の動きに応じてはまだまだ質問しなければならない点が残っておりますから、現在は留保しておきますけれども、それまでには外務省としても態度を明らかにしていただくように今から希望しておきます。従って私の質問の残りの分は留保して、このあとの部分においては、政府がもっと明確な態度をとられるように希望いたします。  これで終わります。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 この際申し上げます。  本朝の本委員会の理事会の決定に基づいて、ILO第八十七号を当委員会に付託の件につき、清瀬議長にお伺いいたしましたところ、議長より、特別委員を設置し、これに付託するかいなかについて目下議運において協議中であり、せっかく御努力なさっているところでありますので、その結果をお待ちしているとのお答えでありました。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 今の問題でちょっと委員長に質問があるのです。  清瀬議長が国会の最高の責任者で、そして委員会への付託も、どこの委員会に付託するかということはある程度の責任を持っていられると思うのです。ところが議長からの御発言では、今議運で話をしておるんだからその返事を待つということになりますと、何か清瀬議長が議運の言うなりに動くのかというふうにもとれるわけでございます。その点はいずれにいたしましても、委員長としてはこの委員会に付託しようとするお考えはないかどうか、その点だけを確かめておきたい。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 私は議長の指図に従ってやる考えでございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会

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