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38回国会衆議院1961/03/03

外務委員会 第7号

発言数
26
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/03/03

会議録

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。帆足計君。

帆足計日本社会党

○帆足委員 簡単に御質問申し上げますが、在日朝鮮人の帰国の問題につきまして昨年はこれが超党派的な皆さんの御理解と御努力によって順調に進みましたことは御同慶の至りでございますが、昨年の秋に協定延長の交渉が停滞いたしまして、その交渉の停滞が帰国問題に相当の影響をもたらしまして、また、たまたまことしの冬は大へん寒い冬でありましたし、北朝鮮の冬は一そう寒いわけでございますので、第一期の引き揚げが済みましたあとはだんだん気持もなごやかになって参っておりますので、どうせ帰るならば冬が明けてから帰るという希望者が比較的多くなりまして、その上にまた南朝鮮の政治情勢が変わりまして、大部分の朝鮮の諸君は南朝鮮生まれの人——いわば長崎生まれの者が東北に旅をしようというわけでありますから、ふるさとの南朝鮮の政治情勢がゆるんでくれば、そこにこの情勢を見ようというような気持もわくのも当然であろうと存じますが、そういうことのために帰国の流れが多少ゆるやかになって参りまして、こういう状況では二船に満たないのではあるまいかというようなことも論議されるようなこともございました。その後インフルエンザが流行いたしまして、朝鮮側はインフルエンザの蔓延をおもんばかりまして、ただいま船が一時的に停止しておるような状況は御承知の通りであります。こちら側といたしましては、センターにおります七百五十名の在日朝鮮人の方々だけはすでに予防注射も済んでおるからお引き取り願いたいということを日赤から申しておるようでございますけれども、先方では、ラジオ、新聞に小学校が続々休校しておるというような記事も出ますので、インフルエンザが入り込んできたらお互いに非常に迷惑であるからもう少し慎重にしようというのが先方の考えのようでございまして、現に東京のインフルエンザはもう下火になりましたけれども、最近、新潟地方に広がって参りまして、ちょうどセンターの近所の小学校が一昨々日から休校状況になっております。従いまして、またセンターの中にも、現在のインフルエンザではありませんけれども、かぜの患者も相当おりますし、七十名からの病人も出ておるというような状況でございまして、これはインフルエンザが下火になれば、自然に解決することであろうと私は思っております。  また、在日朝鮮総連の諸君とも打ち合わせをしてみましたところ、南朝鮮の状況が多少好転しつつあるといいましても、急激に南朝鮮の生活状況が改善されるわけでもなし、また日本国内における在日朝鮮人の生活は、残念ながら非常に苦しい状況に依然としてありますので、やはり資源が豊富で、人口の少ない、そして建設途上の朝鮮人民民主主義共和国に生活の安定と建設への道を求めたいという希望は、今後とも続くのであるまいかというふうに観測されております。従いまして、インフルエンザ問題が解決しましたならば、再び帰国の流れは順調になりまして、四月、五月とすべて順調にいくのであるまいかと予想されておりますから、外務省当局にも申し上げたのでありますが、どうか、関係官庁におきましては、そのような見通しに立たれまして、この問題に政治的雑音の入らないように好意的に見守っていただきたい。また、今年下半期の見通しにつきましては、五月になればそれが明確になって参りまするから、民間の協力団体も実情をよく視察いたしまして、そして適切なる、公正な認識のもとに、今後の方針について適切な御助言もいたしますから、五月ごろまでは協定通りにいくという見通しのもとに、四、五月の実情を見まして、問題点があるならば、深い理解と友情をもって問題を検討してみたいと思っておりますから、政治的雑音によって帰国の流れが阻害されることのないように、一つ御注意のほどお願いしたいと思います。  それから第二に、朝鮮人の帰国の問題は、一定の収容所における、戦時収容者を集団帰国せしめるというような画一的な仕事でありませんで、日本で実際に生活をしておる六十万の人たちが生活を転換していく問題でございまするから、そこにはさまざま、複雑な要因があるのでございます。また、朝鮮人は単なる外国人と立場を異にしておりまして、長い間の植民地政策、同化政策、また軍国主義の犠牲となっておりまして、そして苦しい生活をしておりますが、いわば帰国問題は日本の過去の軍国主義政策の贖罪にも当たるし、または過去の政策の清算という意味も持っておるわけでございますから、雪解けの流れのように、朝鮮人諸君がふるさとに帰っていくということは谷川の水が流れるように自然に起こる現象でございますので、その人たちがふるさとへ帰るのを、南北を問わず、特に生活の苦しい人たちに対しては汽車賃を補助し、またセンターの設備もございまして、幾らの経費もかかるものではございませんから、そのセンターの便宜をはかるということは、国際赤十字が介入して現在のような形式の帰国が行なわれておる時代でも、またそうでない段階が参りましても、別にそれほど過当なことではあるまいと私は思っております。このようなお世話をすることはきわめて常識的なことではないか。それがただ日韓会談のような政治問題に災いされまして、ことさら韓国政府に遠慮してこういうことが政治問題になっているというような事情もおくみ取り、お考え下さいまして、帰国問題にあまり政治的雑音をことさら立てることは好ましくないことと考えております。いずれ、この問題につきましては、五月に入りましてから、また政府当局といろいろ意見の交換もいたし、公正な措置をもって帰国に協力いたしたいと考えております。  そこで、当面の問題として、厚生省当局にお願いいたしたいことは、すでに文書等も差し上げてございますけれども、三泊四日の滞在ときまるということで、すべての設備がしつらえられておりました赤十字センターに対して、一カ月も二カ月もインフルエンザのために滞在するということになれば、そこでいろいろな支障が起こって参っておりますから、お帰りになる人たちが、あたたかい気持で双方ともよい感情をもって送り、また送られいたしますために、至急必要な措置だけは敏速に善処していただきいと思います。  最近、私の方へ新潟から使いが参りまして、いろいろ報告も承りましたが、たとえばお医者様にいたしましても、三名お医者さんがおるからいいではないか、こう赤十字が言われるのですけれども、三名が三名とも外科医でありまして、みんな臨時交代のものでございまするから、責任者がおりません。従いまして、一人ぐらいは常勤の内科のお医者を置いていただきたい。現在七十数名も病人がおるわけでございます。また病室が一ぱいになっておりまして、病人が雑居生活の中に、せきをしたり熱が出たりいたしておりますから、長期にわたる病人は市内の適当な病院に入院せしめて、そして軽い病人を病室に運び、そして雑居の苦労から解放することが必要であるまいかと思います。また毛布なども三泊の毛布でございまして、三泊ごとに消毒しておりましたけれども、長期滞在となりますると、御病人が使った毛布を、今度は病気がなおってすわるようになりますと、今度はほかの人が使うということにもなりますから、病人の毛布だけは、これは別にしていただきたい。それから、各自の毛布はその間は糸でしるしでもつけまして、各自が処理し、庭ではたき、日光で乾燥させるというようなふうに御指導あってしかるべきでないかと思います。  食事につきましては、外米が二割も入っておるのが苦痛なように訴えられておりますが、米どころの新潟にわざわざ外米を運ばなければならぬ理由もあるまいと私は思います。短期間のことでございますから、それほど長い間のことではございませんから、これはぜひとも希望通り、一つ外米を内地米にかえていただきたいと思います。おかずに対しましても、朝鮮民族としての特殊の好みもありますので、泊っている人たちの希望を聞いていただきたい。特に乳幼児、妊産婦の人たち、それから病人の食事等につきまして、くだもの、牛乳、またお菓子等の特別の御措置もお願いいたしたいと思います。こういうことは当然のことでございまするし、また学童たちを一カ月、二カ月漫然と遊ばせておきますとしつけになりませんので、幸いにして教職に経験のある引揚者もおりまして、臨時学校が開かれておりますので、その黒板とか学用品とか託児所の幼児のための若干のおもちゃ、絵本などにつきましても御配慮願いたいと思います。さらに、更衣室がありませんので——日本のゆかたや着物でありますると、着物のかげで一瞬にして着かえることもできますけれども、洋服や朝鮮服ではそうも参りかねますので、部屋の片すみなりともベニヤ板の囲いでもけっこうでございますから更衣室を作ってあげるというくらいの親切はぜひともお願いいたしたいと思います。また今度の経験で、流行性の病気がはやりましたときは、帰国申請をしております者から要求がありましたときは予防注射の便宜をはかっていただきたい。帰国申請いたしております者で流感の注射をしていただけなくて、私どもの方にそのことを訴え出て参った村もございますから、幸いにして赤十字病院という有力な施設があるわけですから、そのようなことにも遺憾のないようにしていただきたい。幸いにいたしまして、厚生省当局、特にセンター長並びに従業員の皆様は国にお帰りになる朝鮮人の方々をあたたかく見送るというやさしいお心持で当初から接しておりますこと、私どももセンターに参りまして、従業員御一同のお気持には感謝いたしております。センター長も非常に心を配って、本省と密接に連絡いたしておるようでございますけれども、本省も医療問題などでお忙しいのか、多少打つ手がおくれております。もちろん流感の前途の予測などもつきかねましたので対策がおくれたのであろうと存じますけれども、急を要する問題でありますから、直ちに二、三日中に必要な措置を完了していただくことを切にお願いいたしますと同時に、センター関係皆さんのあたたかいお心持と御理解のほどに対しては、私どもこれに協力いたしております者も感謝いたしておりますような次第でございます。これらの点につきましてせっかく敏速な御措置を——一週間も二週間もたちますと時期が過ぎてしまいますから、この一両日中くらいにすべて必要なる措置を完了するというふうに援護局長から格別のお取り計らいをお願いいたしたいと思います。

畠中順一厚生事務官(引揚援護局長)

○畠中政府委員 帆足委員から先ほど北鮮の帰還者の問題につきましていろいろ御意見がございましたが、お話にございましたように、ただいま北鮮からの配船がないために新潟の赤十字センターに滞留しておる者が七百三十六名ございまして、これらの人々はすでに一カ月近くセンターの中におるわけでございまして、いつ配船になるか、できるだけ早い機会に配船を要望しておりますが、なお相当期間は滞在を余儀なくされるのじゃないかという情勢があるわけでございます。厚生省といたしましては、これらの人々の援護につきましては十分に努力をして参りましたが、今後につきましても、滞在が長期になりますのでそれに対する対策を立てておるわけでございます。これらの人々に対しましては十分あたたかい気持で援護をいたしまして、帰国されましてからほんとうにいい感じを持って帰っていただきたいと私たちは念願しておるわけでございまして、帰還者からの希望も出ておるのでございますので、十分この点を検討いたしました結果、昨日援護の強化措置というものをとって通報したわけでございます。そこで、ただいま帆足委員からいろいろ具体的な御注文がございましたが、私たちでとっております対策、特に昨日決定いたしまして指示いたしました対策全般につきましてお話し申し上げまして、その中でただいま御要望のございました点等についてお答えをいたしたいと考えます。  具体的に強化しました援護対策を申し上げますと、給食につきましては、特に帰還者の嗜好、好みでございますが、嗜好とか栄養に十分留意をいたしまして、ただいまお話ございましたように、野菜とかくだもの、そういうものをできるだけ多く給食したいというように計画を立てております。また、お話ございました乳幼児、病人等につきましては特別食を支給するようにいたしております。それから帰還者の健康管理につきましては、長期になりますので特に意を用いておるわけでございますが、宿舎内の暖房の設備をしっかりしまして、清潔にももちろん留意いたしますし、御要望のございました宿舎内の間仕切りをするとか、あるいは更衣室を増設するということもやっております。それからお話ございましたセンター内の診療所の医務室でございますが、これは医者が三名、看護婦が五人、そうしてベッドが十六ございますが、先ほどお話ございました三人が外科医であったということは、これはまたまたそういうときがございましたが、内科、小児科に重点を置いて医者を配置いたすことにしております。なお長期になりますので、いろいろリクリエーションの設備につきましても十分考えまして、運動用具とか、あるいは室内娯楽品等を増加いたしましたほかに、映画、演劇なども実施することにいたしております。  以上のほか、下着類とかそのほかの日用品なども支給することにきめまして、大体以上の措置につきましては、大蔵省とも話し合いまして、昨日センターの方に指示をしたような状況でございます。

帆足計日本社会党

○帆足委員 いろいろ御配慮のほど感謝いたす次第ですが、先ほど申し上げました外米の問題と乳幼児、妊産婦に対する配慮ということにつきましても御考慮下さいますでしょうか。

畠中順一厚生事務官(引揚援護局長)

○畠中政府委員 外米の問題は農林省とも相談いたしまして、全部内地米にするということにいたしました。参考までに申し上げますと、一日六百グラムでございまして、われわれの家庭では四百グラムでございますが、そういうふうにいたしております。なお、妊産婦の問題につきましても御要望のようにいたしたいと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 多少インフルエンザの見通し等のためにおくれましたことは遺憾でございましたけれども、現地の要望に従いまして迅速に御配慮下さいましたことを援護局長に感謝いたしますが、私もこの水曜日の午後立ちまして現場を視察して参りたいと存じております。できますならば、それまでにそれぞれの御指令が緒につきますようにお願いいたしまして、これをもちまして私の質問を終わります。      ————◇—————

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 次に、航空業務に関する日本国とベルギーとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、両件を一括して議題といたします。     —————————————     —————————————

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 まず、政府側より提案理由の説明を聴取いたします。外務政務次官津島文治君。

津島文治自由民主党外務政務次官

○津島政府委員 ただいま議題となりました航空業務に関する日本国とベルギーとの間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  わが国とベルギーとの間の民間航空協定締結のための交渉は、ベルギー側の要請に基づき、一昨年二月から東京で行なわれ、その結果協定案文について合意が成立いたしましたので、同年六月二十日に東京においてこの協定の署名を行ないました。  この協定は、わが国とベルギーとの間に民間航空業務を開設、運営することを目的とし業務の開始及び運営についての手続と条件を定めますとともに、両国の航空企業が実際に業務を運営する路線を定めているものでありまして、従来わが国が米国、英国、フランス、スイス、インド等との間に締結した航空協定と形式においても内容においてもほとんど同一であります。この協定の締結により、わが国及びベルギーの航空企業は、それぞれ相手国の領域に対し、双務的かつ平等の立場において乗り入れる権利を持つことになるのみならず、両国間の政治、経済及び文化上の友好関係も一層促進されるものと期待されます。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に航空業務に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  わが国とドイツ連邦共和国との間の民間航空協定の締結につきましては、昨年ドイツ側より交渉開始の申し入れがあり、わが国といたしましても、本年末までにドイツを経由する欧州線の開設を計画しておりましたので、政府はこの要請に応じ昨年九月からボンで交渉を行ないました。その結果協定の案文について合意が成立いたしましたので、本年一月十八日にボンでこの協定の署名を行なった次第であります。  この協定もベルギーとの間の協定と同様、さきに締結された米国、英国、スイス、インド等との間の民間航空協定と同じ目的と意義を持つものでありまして、その形式においては従来の協定と異なる点もありますが、内容的にはほとんど同一であります。この協定の締結により、わが国及びドイツの航空企業はそれぞれ相手国の領域及びその領域を越えての民間航空業務を開設運営することができるのみならず、日独両国間の政治上、経済上及び文化上の友好関係も一そう促進されるものと期待されるのであります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  以上二件につき何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました両件に対する質疑は次会に行なうことといたします。      ————◇—————

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 次に、国際法定計量機関を設立する条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑に入ります。戸叶里子君

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいま議題となりました条約の質疑に入る前に、私は外務省と委員長に申し上げておきたいことがございます。それはこの委員会におきまして提出された案件を円滑に審議し、その審議を進めていくにあたりまして、ここに出されます条約なり協定というものが衆議院なり参議院なりどちらに先に出されてもそれはかまわないと思います。ただ衆参の両方の議院においてその議事を円滑にするためには、在来は外務省が一応参議院で先議する場合には衆議院の外務委員会の理事会にそれを持ってこられて、そして了解を求めておられたように思います。ところが今回、何か参議院の方に二条約か三条約が行っているようでございますが、私ども国会対策へ出てみまして突然にそのことが言われまして、返事に困ったという例もございますので、都合によって参議院の方の先議ということは決してかまいませんから、そういう場合には一応衆議院の理事会において外務省なり何なり報告をしていただきたい。このことを私は委員長に要望いたしておきます。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 承知いたしました。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいまの国際法定計量機関を設立する条約でございますが、この条約に入っても入らなくても、別に日本としては義務がないわけだと思いますが、入ることによって日本の受ける特典といいますか、そういう点がありましたら御説明していただきたいと思います。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 戸叶委員の御指摘のように、この条約に入る義務はもちろんないわけでございます。しかしながらこの条約に入った方がいろいろな意味で政府にとって便利である、また日本国の計量制度におきまして便利であるということでこの条約に入ることにいたしまして、国会の御承認を得たいと思っておるわけでございます。これは具体的ないろいろの問題になりますので、通産省の計量課長がここに見えておられますから、計量課長から具体的な便益について御説明させていただきたいと思います。

山崎雄一郎通商産業事務官(重工業局計量課長)

○山崎説明員 この条約に加入することによりましてわが国がいかなる利益を受けるかという御質問でございますが、大体私どもとして考えておりますことは、第一点といたしましては、計量制度を改善することに対しまして相当の寄与があるものではないかということでございます。これは現在いろいろ諸外国の計量に関する法規とかあるいは行政機構について相当の情報は得ておりますが、今回の条約に参加することによりまして、より一そう十分な情報、資料等を入手することができまして、これによりましてわが国の計量制度の改善という点におきまして相当の利益を得るというふうに考えております。  それから第二点といたしましては、計量器の技術的進歩という点がこれによって寄与されるところが大きいと考えております。これは計量器の国際的規格というようなものが今度のこの条約によっていろいろ審議されることになるわけでございますが、その規格の策定に参加することによりまして計量器についての水準の向上という点に資することができると同時に、計量器についての国際的な技術の交流という点からいたしましても、わが国の計量器の進歩という面におきまして利益を受けると考えております。  それから第三点といたしましては、輸出振興という面について寄与できるのではないか。と申しますのは、諸外国の計量制度というものの実情を知ることができますので、商品の輸出に伴います品質とかあるいは規格、量目というような問題についての係争をあらかじめ防止するということができるというふうに考えております。それからまた諸外国の計量器の検定ということをやっておりますが、その検定の合格条件とか、あるいは標準的な規格というような点について情報を得ることによりまして、わが国の計量器自体の輸出という面においても利益があるというふうに考えます。その他わが国の計量あるいは計量器に関する学術上、技術上の研究成果を発表することによりまして、わが国の計量制度あるいはまた計量器について国際的な権威を高めることができるのではないかというふうに考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいまこの条約に加盟することによっての利益の点をおっしゃったわけでございますが、要は、こういう協定を結びまして、その協定の内容を実際に効果あらしめるような働きをすることが大切だと思います。私がこの質問をいたしましたのは、よく日本の国といろいろな国との文化協定とか、ああしようこうしようという協定を結びますけれども、そのやり方をほんとうに内容に示された点を実施した場合においては効果も上がりますが、ややもすると約束だけで眠ってしまうような場合がありますので、そういうことがないようにという意味で実は質問をしたわけでございます。  そこで、第二の点でお伺いいたしたいのは、この条約に加盟することによりまして、日本としての分担金はどのくらい負担するのかを伺いたいと思います。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 この条約をごらんになりますと、各国の分担金を四階級に分けまして、おのおのそれで分担の額をきめることになっております。これは人口によってきめるのでございますが、その人口の数からいいますと、日本は第三階級に入ることになっております。具体的には、この計量機関で会議を開きまして、それで一体経費が全体として幾らかかるだろうかということを計算いたしまして、その経費をこの分担基準によって割るわけでございます。それで各分担金がきまるわけでございますが、現在きめられた経費総額から今日本が入った場合に分担すべき金額を計算いたしますと、大体年額百三十六万円程度でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この条約に加盟している国が二十七カ国ですかあるようでございますけれども、その中にはアメリカとかイギリスなどの大国が入っておりませんが、それは何か特別な理由があるわけですか。

中川融外務事務官(条約局長)

○中川政府委員 御承知のように、アメリカにつきましては、連邦制度というようなことから、州がいろいろこういう国内法制をつかさどっておる面が非常に多いのでございます。またアメリカはメートル法でなくてヤード・ポンド法というのが普通使われておるというふうな関係もございまして、アメリカの国内事情から、こういう国際行政機関に入るということはなかなか困難な実情があるようでございます。従って、アメリカはこれに入る意思をまだ表明しておりません。  イギリスは、同じくヤード・ポンド法を使っておりますが、同時にメートル法もこれに準じて使うという制度になっておるのでありまして、この国際計量機関には非常な興味を示しております。現に正式な加盟国ではございませんが、準加盟国という地位もこの条約で認められておるのでありまして、イギリスはその準加盟国としてこれに入っております。おそらくそう遠くない機会にイギリスは正式な加盟国になるのではないかと考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 今の政府に最も関係が深いといわれておるアメリカが入っていないで、日本が入って、この面で何か円滑にいかないというか——これは一応の機関を作るだけですから大して問題はないにいたしましても、アメリカが入らないということによって、日本にとって何か不利なような場合がありはしないでしょうか。

山崎雄一郎通商産業事務官(重工業局計量課長)

○山崎説明員 その点につきましては、特に支障はないと私は考えております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 他に質疑はございませんか。——御質疑がないようでありますから、これにて本件に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 これより討議に入るのでありますが、別に討議の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  国際法定計量機関を設立する条約の締結について承認を求めるの件、本件を承認すべきものと議決するに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は承認することに決しました。  なお、本件に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀内一雄自由民主党

○堀内委員長 御異議がなければさよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十六分散会      ————◇—————

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