外務委員会 第3号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1961/02/08
会議録
○堀内委員長 これより会議を開きます。 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約を補足する議定書の締結について承認を求めるの件、及び移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上の各案件を一括して議題といたします。
○堀内委員長 まず、政府側より趣旨説明を聴取いたします。外務政務次官津島文治君。
○津島政府委員 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 御承知のようにわが国は昭和二十九年四月十六日に所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約に署名いたしました。その後この条約は昭和三十二年三月に補足議定書によって補足されていますが、日米両国間の二重課税の排除に大きな役割を果たし、両国間の経済交流の促進に寄与しております。しかしながら、この条約の発効後すでに五年の年月を経まして、その間にいろいろと新しい事態も生じ、これに応じて条約を修正補足する必要が感ぜられましたので、政府は、客年二月初めよりワシントンにおいて、現行条約を修正補足するための交渉を行ないました。その結果、同年三月二十二日に両政府代表団の間で案文の仮調印を了し、同年五月七日に東京でこの議定書に正式署名を行なった次第であります。 この修正補足議定書の主たる内容は、日本銀行及び米国連邦準備銀行の受取利子の相互免除を認めたこと、及び企業の利子の発生源泉の規定が不十分なため二重課税を生ずるおそれもあったので、この点を修正して利子の発生源泉を明確にしたことでありまして、そのほかに現行条約締結後に生じた事態に応じるために若干の修正を行なっております。 よって、以上申し上げました利益を考慮し、この議定書の効力発生のために必要な手続をとりたいと存じ、ここにあらためてこの議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約を補足する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 昭和三十三年十二月に日本国とパキスタンとの間の租税条約締結の交渉を行なった際、パキスタン側は、同国の産業政策を全面的に検討中であるため、利子に関する条項はあらためて後に交渉を行なうことを希望しましたので、交換公文において「両国は、千九百五十九年末までに利子課税に関して交渉に入ることに同意する」旨を確認いたしました。 この約束に基づいて、一九五九年末にわが方より利子条項に関する案をパキスタンに提示し、続いて両国代表団の間で交渉を行なった結果、交渉が妥結しましたので、昨年六月二十八日に東京で利子に関する補足議定書に署名した次第であります。 この議定書は、利子一般について三〇%以下の軽減税率を適用することとし、また、公債の利子並びに重要産業に従事するパキスタンの企業及び日本のすべての企業が発行する社債及びこれらの企業に対する貸付金の利子は、相互に免税することとし、さらに、このようにしてパキスタンで免除された租税は、日本で外国税額控除の際にパキスタンで支払ったものとみなして控除する旨規定しております。 この議定書の締結により、日パ租税条約は一そう充実したものとなり、今後両国間の経済協力の促進に寄与するものと考えます。 よって、以上申し上げました利益を考慮し、この議定書の効力発生のために必要な手続をとりたいと存じ、ここにこの議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。 ただいま議題となりました移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 ブラジルはわが国にとりまして最大の移住者受入国でありまして、戦前は約三十年間に十八万六千人がブラジルへ移住いたし、戦後も、昭和二十七年に対伯移住が再開されて以来、昭和三十五年八月までに約三万七千人が渡伯いたしました。これらの在伯日系人は、農業を初め各種の分野において、目ざましい活躍をいたしておりますが、今後ともますます対伯移住を発展させ、かつ、移住者がブラジルにおいて十分な援助と保護とを与えられるようにするため、移住に関する協定をブラジルと締結することが望まれていた次第であります。 ブラジルにおける対日感情はおおむね良好であるとはいえ、戦時中の臣道連盟事件その他の不祥事により、ブラジルの一部におきましては日本人移住者に対する不信、警戒の念もまた根強く存しているわけでありまして、協定締結の時期については慎重な考慮を要した次第であります。たまたま、昭和二十九年にサンパウロ四百年祭が、また、昭和三十三年には日本人移住五十年祭が挙行される等のことがあり、ブラジルの経済開発に果たした日本人移住者の役割がブラジルの朝野に強く認識されましたのを機会に、政府は、移住協定締結の交渉を開始いたすことといたしたのであります。 交渉は、昭和三十三年十月に開始されて以来二年有余にわたりましたが、さる昭和三十五年十月に妥結し、同十一月十四日にリオデジャネイロにおいて協定の署名調印を見た次第であります。 この協定は、五十カ条にわたる詳細なものでありますが、その条項の大部分は計画移住に関するものであります。計画移住とは、伯国の経済開発計画に沿うものとして、ブラジルの当局が積極的に介入し援助を与え、計画的に行なわれる移住でありまして、一般の移住——自由移住と著しく異なるものであり、これを主眼に協定が結ばれますことは、すなわち、わが国がブラジルの経済開発に寄与しようとする両国の協力の精神の現われであります。 協定の要点といたしましては、第一に、計画移住は、従来伯側の一方的措置によったものと異なり、日伯双方の政府が合意の上作成する計画に基づいて行なわれることになりました。また、自由移住についても両国はその促進に努力することが約束されました。第二に、移住者に対する両国政府の援助の措置が、協定上の義務として約束されることであります。ことに計画移住者については、ブラジル上陸後、目的地に配置されるまでの間の、宿泊、給食、輸送等がブラジル当局の責任として規定され、また携行する職業用具等は無税通関を許されます。なかんずく、農業関係の計画移住者で伯国の植民計画に基づいて移住する者、すなわち植民者に対しては、右の援助のほかに、土地の取得、地方税の免除、道路の建設、試験場の設置等に関するブラジル側の援助が規定されました。第三に、工業・技術関係の移住が、計画移住として行なわれ得ることであります。この種の移住は従来は自由移住としてのみ行なわれていたものでありますが、協定が発効すれば、計画移住の中に取り上げられることができ、さきに述べましたごとき、ブラジル側の援助を受けることができることとなります。 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第でございます。何とぞ慎重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第でございます。
○堀内委員長 ただいま趣旨説明を聴取いたしました各件に対する質疑は次会に行なうことといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十三分散会