P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
38回国会衆議院1961/03/16

科学技術振興対策特別委員会 第2号

発言数
69
登壇者
10
会派数
2
開催日
1961/03/16

会議録

山口好一自由民主党

○山口委員長 これより会議を開きます。  核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案、原子力損害の賠償に関する法律案、原子力損害賠償補償契約に関する法律案及び新技術開発事業団法案の四法案を一括して議題といたします。

山口好一自由民主党

○山口委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。松本科学技術政務次官。

松本一郎自由民主党科学技術政務次官

○松本政府委員 大臣が参議院の文教委員会、衆議院の内閣委員会、そちらの方と同時刻になっておりますので、はなはだ申しわけありません、私、大臣にかわりまして提案理由の説明をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。  第一の議案であります核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  わが国における原子力の研究、開発及び利用は、昭和二十九年その緒について以来着々進展し、すでに運転中の原子炉は二基、近き将来設置されるものは相当数を数えるに至っております。また、核燃料物質の製錬、加工、再処理等の研究開発も、原子燃料公社及び日本原子力研究所を中心に行なわれ、本年秋に予定される国産一号炉の完成によってその成果が明らかにされようとしております。  一方、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律が、原子炉の設置及び運転、製錬、加工及び再処理の事業並びに核燃料物質の使用について、平和目的及び計画的利用の確保並びに災害の防止を目的として昭和三十二年に制定されて以来、政府としてその施行に万全を期して参った次第でありますが、研究、開発の進展に伴い、法制定当時予想されました事態にも若干の変化が生じて参りましたので、法施行の経験に徴し、現行法に改正を加え、規制の方法の適正化をはかる必要があると考え、この法律案を今国会に提出するに至った次第であります。  以下、この法律案の趣旨について御説明申し上げます。  第一は、国際規制物資の使用等に関し、必要な規制を行なうことであります。  原子力の平和利用に関する日米、日英、日加各協定、国際原子力機関憲章に基づいて入手する核燃料物質、原子炉その他の設備、資料、すなわち、国際規制物資につきましては、平和利用確保の見地より、これら各条約に相手国政府機関の行なう立ち入り検査、報告徴収等のいわゆる保障措置について規定されています。これらの条約の実施につきましては、従来は国際規制物資の使用が主として原子燃料公社及び日本原子力研究所に限られておりました関係上、それぞれ、原子燃料公社法及び日本原子力研究所法により支障なく運営してきましたが、今後の研究、開発の進展に伴い、広く民間において使用されることが予想されますので、条約の一そう円滑な実施をはかるために、国際規制物資の使用について立ち入り検査、記録報告、移転の制限等に関し、必要な規定を設けた次第であります。  第二は、臨界実験装置についての規制の強化をはかったことであります。臨界実験装置につきましては、従来、核燃料物質の使用についての規制措置を適用してきたのでありますが、今後その設置数の増加及び規模の大型化が予想されますので、諸外国の事例をも参考とし、検査、保安規定、主任技術者の選任等に関し、原子炉に準ずる規制を行なうこととした次第であります。  第三は、原子炉施設について、定期検査に関する規定を設けたことであります。原子炉施設の検査につきましては、現行法上その設置及び変更時における施設検査、性能検査の規定があり、また、その他必要な場合においては、随時立ち入り検査を行なうことができるのでありますが、原子炉災害の防止については特に万全を期するために、原子炉施設のうち、その安全性に関し重要な部分について、毎年一回定期検査を受けなければならないものとした次第であります。  第四は、一定量以上のプルトニウム及び使用済み燃料の使用に関する規制を強化したことであります。プルトニウム及び使用済み燃料は、他の一般の核燃料物質と異なり、放射能が強く、かつ毒性を有する等の危険性から見て、施設及び取り扱いの面において万全を期する必要があります。このため、従来の核燃料物質の使用についての規制に加うるに、施設検査、保安規定に関する規定を設ける等、規制の強化をはかった次第であります。  第五は、原子力施設検査官を置くことであります。原子炉施設等の施設検査、性能検査及び定期検査に関する事務は、一般行政事務と異なり、高度の学識と経験を要することにかんがみ、今回、検査関係の規定の整備を機会に、一定の資格を有する者に限りこれを行なわせることとし、検査に万全を期せんとするものであります。  以上が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由並びに要旨であります。  次に、ただいま議題となりました原子力損害の賠償に関する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  原子力の開発利用を進めるにあたりましては、その安全性の確保が絶対的な要件であることは申すまでもなく、不測の事態の生じないよう、政府といたしましても原子炉の設置等に際しましては、原子炉等規制法以下諸般の法令等により、万全の対策を講じて参りました。しかしながら、原子力の開発利用という現代科学の最先端を行くものだけに、なお技術的に未知の点があるとされており、万々が一に災害の発生する可能性を理論的に完全に否定することは困難な事情にあるのであります。同時に、原子力の災害が発生いたしました場合には、放射能による被害規模が広範となる可能性をも想定し、また、後発性というような特異な放射能障害をもたらす危険性について考慮する必要があるのであります。かかる特殊性にかんがみ、安全性の確保を第一義としつつも、万一の際における賠償制度を確立いたしません限り、住民の不安は除去されず、原子力事業の正常な発展は望むべくもないのであります。国際的に見ても、すでにアメリカ及びヨーロッパ諸国におきましては、原子力損害の賠償に関する法制が整備または準備されております。  かかる情勢に対応いたしまして、原子力委員会におきましても、昭和三十三年以来鋭意検討を続け、昨年三月には原子力損害賠償制度の確立について決定を行なったのであります。政府といたしましても、すでに原子炉規制法の一部を改正し、暫定的に賠償措置を講ぜしめてきたのでありますが、原子力委員会決定の趣旨を尊重いたしまして、ここに本法案を国会に提出することといたした次第であります。  以下、本法律案の内容につきまして、その重要な点を御説明申し上げます。  第一に、この法律の目的は、原子炉の運転、核燃料の加工、使用及び再処理等を行なうことによって、万一原子力による被覆を第三者に与えました場合、その損害の賠償に関する基本的制度を定めて、被害者の保護に遺憾なきを期するとともに、原子力事業の健全な発達に寄与しようとするものであります。  第二に、原子力事業者の賠償責任につきまして、民法の不法行為責任の特例としてこれを無過失責任とし、かつ、原子力事業者に責任を集中することといたしております。これは、原子力の分野においては、未知の要素が含まれるという実情にかんがみ、原子力損害の発生について過失の存在しない場合も考えられ、また、かりにこれらの要件が存在するといたしましても、その立証は事実上困難と認められるからであります。また、原子力事業者が広範な産業の頂点に立つ総合産業でありますだけに、損害発生時における責任の帰属が不明確になる場合が予想される点を考慮したものであります。ただし、異常に巨大な天災地変等によって損害が生じた場合まで、原子力事業者に賠償責任を負わせることは公平を失することとなりますので、このような不可抗力性の特に強い特別の場合に限り、事業者を免責することといたしております。  第三に、損害賠償のための一定の措置を講じない限り原子炉の運転等を行なわせないこととし、損害賠償責任を担保するための措置を原子力事業者に強制することといたしております。この措置は、原子力損害賠償責任保険にかけるか、または供託をするか、あるいはこれらに相当するその他の方法により、一事業所または一工場当たり最高額五十億円を限度として、損害賠償に充てることができるようにしなければならないこととしたものであります。  第四に、現在の原子力損害賠償責任保険につきましては、その大半を外国保険市場の再保険に依存しているのでありますが、一定の事由、たとえば日本における地震、正常運転等による損害は、外国保険業者がこれに応じないという実情にあるため、保険のみをもってしては賠償責任の全部を埋めることができない場合があります。このような場合における損害賠償の履行を確保するため、政府といたしましては、原子力損害賠償補償契約を原子力事業者との間に締結し、被害者の保護の完全を期することといたしました。なお、この補償契約の詳細につきましては、別に原子力損害賠償補償契約に関する法律案を本国会に提出し、あわせて御審議願うことといたしております。  第五に、五十億円をこえる損害がかりに生じた場合の問題であります。政府といたしましては、このような場合はまずあり得ないと考えておりますが、万々一このような事態に至りました場合は、被害者の保護と原子力事業の健全な発達をはかるという、この法律案の目的を達成するために必要と認めますときは、国会の議決により、政府に属させられた権限の範囲内において、原子力事業者に対し、賠償に必要な援助を行なうことといたしました。  また、原子力損害が異常に巨大な天災地変等によって生じたため、原子力事業者が損害賠償の責任を負わないような場合におきましても、政府は、原子力損害の被災者の救助や被害の拡大防止のために必要な措置を講ずるものとして、住民の不安を取り除くことといたしております。  さらに、原子力損害に関する国民的関心、損害の特殊性等にかんがみ、相当規模の原子力損害が発生いたしましたような場合には、わが国原子力政策の帰趨にもかかる問題でありますので、国家的規模において、すなわち、国民の代表たる国会の意思が十分反映されるような形態で処理されるのが適当であろうと考えます。このため政府は、相当規模の原子力損害が生じた場合には、できる限りすみやかに損害の状況、及びこの法律に基づき政府のとりました措置を国会に報告するものとし、また、専門的立場から原子力委員会が損害の処理、損害の防止等につき内閣総理大臣に意見書を提出いたしましたときは、政府は、当該意見書を国会に提出しなければならないことにいたしております。  第六に、原子力損害の賠償につき紛争が生じました場合、その迅速な処理をはかり、被害者の保護に資するため、紛争に関し和解の仲介及びそのための損害の調査評価を行なう特別の機関として、必要に応じ、原子力損害賠償紛争審査会を設置するものといたしました。  以上が原子力損害の賠償に関する法律案の提案の理由並びに要旨であります。  次に、第三に、原子力損害賠償補償契約に関する法難案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  別途御審議を願うこととなっております原子力損害の賠償に関する法律案、いわゆる賠償法案により、原子力事業者に講じさせる損害賠償措置の一部である責任保険は、海外保険市場に再保険している関係等から、一定の原因による原子力損害については、これを填補し得ない事情にありますため、責任保険のみをもってしては、賠償措置として完璧を期し得ないのであります。このため政府といたしましては、このギャップを埋め、被害者保護に遺憾なきを期し、かつ原子力事業の健全な発達に資する見地から原子力事業者と補償契約を締結し、民間の責任保険によっては埋めることのできない原子力損害について、これを補償する制度を定めるものとし、ここにこの法律案を提出するものといたした次第であります。  以下、本法律案の要旨について御説明申し上げます。  まず、この補償契約により補償する原子力損害の範囲は、地震または噴火等によるもの、正常運転によるもの、事故があってから十年以後に賠償請求の行なわれた、いわゆる後発性障害及び原子力損害賠償責任保険では埋められない原子力損害であって、政令で定めるものであります。正常運転の際に損害の生ずることは、現在の科学的知識では全く予想されないものでありますが、原子力には未知の要因のあり得ることも考慮し、万一の場合に対処したものであります。  次に、原子力事業者が納付すべき補償料につきましては、損害発生の見込み、政府の事務取り扱い費等を勘案の上、その料率を政令で定めるものといたしております。  第三に、政府は、原子力事業者が、損害賠償措置を講ずることなく原子炉の運転等を行なった場合、補償料納付を怠った場合、保安のために講ずべき措置違反等、原子力事業者に義務違反があった場合には、補償契約を解除できるものといたしております。しかしながら、原子炉の運転等に伴う危険が直ちには解消しない点を考慮いたしまして、この契約解除の通知を原子力事業者が受けてからなお九十日の間に生じた損害については、政府は補償するものとして、被害者保護に遺憾なきを期しております。また、この解除通知後の損害のほか、通知義務違反事項に基づく損害等についても政府は補償するのでありますが、かかる事業者につきましては、補償金に相当する金額を後に返還させることといたしております。  なお、政府の締結する補償契約の限度につきましては、会計年度ごとに国会の議決を経た金額の範囲内としており、三十六年度予算案におきましては二十億円を予算総則に掲げ、御承認を求めておる次第でございます。  以上が原子力損害賠償契約に関する法律案の提案の理由並びに要旨であります。  次に、新技術開発事業団法案の提案理由を御説明申し上げます。  近年、日本経済の発展は目ざましいものがございますが、これには遺憾ながら、外国技術の導入が大きな役割を果たして参りました。そのため、対外支払額は毎年増加の一途をたどり、昭和二十五年以来の累計は一千億円を突破いたしておりまして、日本経済の健全かつ自主的な発展の上からも憂慮すべきことであります。このような外国技術依存の体制を脱却し、国民経済の向上をはかるためには、この際、わが国の新技術の開発を強力に推進することが必要でございます。  新技術の開発とは、申すまでもなく、わが国独自のすぐれた研究成果を開発育成することでありますが、これが企業化に際しまして、不安が大きいために、企業化することに多大の困難と支障を伴うものについて、実際的規模において行なうことをいうのでございます。従来、わが国には、すぐれた研究成果が少なからずあることは一般に認められているところでございますが、その研究成果を、産業に導入できるようなところまで発展させ、開発することに遺憾の点が多かったのが実情でございます。  英国におきましては、昭和二十四年に研究開会公社が設立され、国の投資による資金をもとにして、公共的開発、発明を企業化する事業を開始しておりますが、現在は百億円の投資限度ワクに拡大されるという段階にまで発展し、多数の成果を上げております。  わが国では、英国の例などを参考とし、昭和三十三年理化学研究所法施行にあたり、同研究所に開発部を設け、新技術の開発業務をも担当せしめて参りました。その業務は、国の研究機関、大学その他の研究機関において上げられた研究成果のうち、民間企業の危険負担によっては、開発することが困難である重要な新技術を企業に委託して開発するとともに、その開発の成果をできるだけ広く民間企業に活用させるという新しい事業でございます。以来今日まで三年間に、三億四千万円の政府出資金で七件の新技術の開発を委託し、そのうち、三十三年度に開発を行なった二件はすでに成功の域に達しました。  このように委託開発事業について明るい見通しを得ましたので、より強力にこの業務を推進させるため、この際、理化学研究所の開発部を分離独立させ、新技術開発事業団を設置するに至ったものであります。これが本法案を提出するに至ったいきさつであります。  本事業団の業務は、理化学研究所の開発部で行なってきた事項をそのまま踏襲しております。ただ、事業団として独立するにあたって、従来理化学研究所に置かれておりました開発委員会を開発審議会に改め、諮問機関としての責務を明確にさせる等、若干の改定を加えております。  次に、本法案の概要を御説明いたします。  第一に、同事業団の設立の目的は、新技術の効率的な開発、及びその成果の普及の事業を行なわしめることにあります。  第二に、同事業団は全額政府出資の法人であって、その資本金は、三十六年度に予定されている出資金三億円と、理化学研究所の新技術開発関係資産約三億四千万円の合計、すなわち、約六億四千万円であります。  第三に、役員は内閣総理大臣の任命する理事長、専務理事各一人、理事四人以内、監事一人であります。  第四に、開発審議会は、科学技術に関する学識経験者十名以内をもって構成され、新技術開発の基本方針の決定、新技術の選定、開発実施の結果の認定など、重要事項について理事長の諮問に応ずることになっております。  第五に、同事業団の業務は、企業化が著しく困難な新技術について企業等に委託して開発を実施すること、新技術の開発の成果を普及すること、新技術の開発についてあっせんすること等であります。  第六に、同事業団は、内閣総理大臣が監督いたします。  第七に、同事業団に対しては、登録税、印紙税、所得税、法人税、事業税、不動産取得税を非課税とする等、税制上の助成措置を講じております。  最後に、理化学研究所から同事業団への権利及び義務の承継についての規定、その他経過規定並びに理化学研究所法の関係条文の改正等を定めております。  以上、本法案の提案理由及びその内容に関する概要の御説明を申し上げました。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。

山口好一自由民主党

○山口委員長 以上で四法案の提案理由の説明は終わりました。  これらに対する質疑は、次会以後に譲ることといたします。      ————◇—————

山口好一自由民主党

○山口委員長 次に、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。岡本隆一君。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 このたび、政府は原子力開発利用の長期計画を改定したものを発表されましたが、それを見ますと、その改定の要旨は、日本のエネルギー事情の変化、あるいはまた、国際的な原子力エネルギーの開発状況の現段階から見て、とにかく、今日の状況のもとにあっては、早急に原子エネルギーを日本に動力として使っていくことは困難である、だから、もう一度基礎的な問題についての研究段階に入っていきたい、というふうな内容のものであるように理解するのでございますが、これを裏返して言いかえますと、結局、日本で原子力が開発されてから今日まで七年の歴史を持っておりますけれども、その間、日本の原子力研究は一種のムードといいますか、ブームというか、とにかく、早く原子エネルギーを動力として日本に持ち込まなければならない、そうしなければ世界のエネルギー開発の状況からおくれをとってしまうというふうな形で、非常に日本に原子力を動力として導入することに急いでおった。その夢がようやくさめて、これはなかなか早急にいかない、だから、一応その夢からさめた今日の段階では、もう一度静かに基礎的な研究を積み直して再出発しなければならない、こういうふうな意味に私はとっておるのでございますけれども、そういう段階から申しますと、今の日本の研究施設というものを見るときに、非常に七年の間に足踏みしているような状態、現在動いている炉はただ一つ、五十キロのウォーター・ボイラー型があるだけであって、すでに計画されておったところの第二号炉も今ようやく動き始めて、それが問題になっている。関西の研究用原子炉はまだ敷地がやっときまっただけというふうな状態でございますが、これから先、研究炉というものをもっと数多くふやしていく、あるいは一応研究の重点を原子力研究所に置き、さらにまた、関西に一基の研究炉を設けるという、二つだけでもってやっていこうとされるのか、今後の方針について具体的に御説明願いたいと思います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 原子力委員会におきまして先般長期計画の改定を行ないましたが、その理由等から申しまして、ただいまお尋ねのございました前提となります問題、つまり、原子力開発の態度についての考え方の問題につきましては、大体おっしゃる通りであろうと思います。ただ、原子力ムードがさめまして、今まで追っかけるのに急で、実用の方面ばかりやっておったのを、基礎の方からやり直すことにした——と申しますと多少語弊かあろうかという気がいたしますが、御承知の通り、原子力委員会自体におきましても、決して応用方面に追っかけることに急である、そっちの方が大事だということで動いておるわけではございませんで、基礎から始めまして応用に至るという、両建と申しますか、一体とした形においてこれを進めていきたい、こういうつもりでやっておったわけでございます。たまたま原子力委員会の長期計画にも述べられておりますように、世界のエネルギー事情がだいぶ変わって参りました。と申しますのは、石油が非常に多くなっている、あるいは原子力自体におきましても、技術的な困難性というものが再認識されてきたといういろいろな事情がございまして、原子力の実用化という問題が世界的にやや延びるという結果になって参りました。日本のこれに対する考え方と申しますものは、外国に追いつくということが一つの大きな命題でございましたので、結局、その間に余裕ができたということじゃないか。従いまして、今までより以上に基礎的な問題につきましても研究を進めていく時間的な余裕ができたというところから、先生がおっしゃいますように、基礎的な研究関係にも今後大いに力を入れていくことができる、こういうふうに考えておるわけでございます。前提の問題は、そういうわけで、やや補足させていただいたわけでございます。  研究施設が全般におくれておるのじゃないか、基礎的な研究を行なう施設がおくれておるのじゃないかというお尋ねにつきましては、私どもも、当初計画いたしました通りにはなかなか進んでおらないという事情を認めざるを得ないわけであります。これは事実でございます。御指摘のように、第二号炉も非常におくれておりまして、昨年ようやく臨界に達し、その後まだ予備実験的な運転を行なっておるという状況でございます。また、これは直接原子力委員会の問題あるいは科学技術庁の問題ではございませんけれども、大学におきますところの研究炉の第一号でありました関西の原子炉も、御承知のような事情で非常におくれておる、これは認めざるを得ないところであります。しかしながら、全般といたしましては、おくれながらも着々計画の通りに動いておりまして、私どもが一番待望いたしておりますところの国産一号炉も、どんどん作業が進展しておりまして、近く据付も完了できるというような状況にあります。  さらに、今後そのような基礎的研究のための研究炉等をふやしていくつもりはないかというお尋ねでございます。これは長期計画にも述べられておりましたように、当初考えられておりました実験用の原子炉と申しますものは、国といたしましては、原研に原則として集中する方針のもとに、一号炉、二号炉、三号炉——三号炉は国産一号炉になるわけであります。それから動力試験炉という構想、それに時期がやや不明確になっておりましたけれども、材料試験炉を作りたいという計画を持っておりました。先般発表された改定された長期計画によりますと、三十六年度、つまり、ただいま国会で御審議願っておりますところの予算案におきましても予算が計上せられておりますが、そのほかに、スイミング・プール型の原子炉を、やはり原子力研究所に設置するということをつけ加えたわけでございます。なお、材料試験炉につきましても、長期計画は、時期その他詳細につきましては、まだできておりませんけれども、やはり適当な時期にこれを置くことを計画いたしております。  さらに、いわゆる厳密な意味で原子炉という範疇には入りませんけれども、臨界実験装置、つまり、核分裂反応が始まるという程度までの装置、これは実質的には原子炉とほとんど変わらない、むしろ非常に小型なものよりは、いわゆる実験用、研究用といたしましては、決してその安全性の面でも軽視できないような炉につきましては、現在までも、原子力研究所においてそれぞれ小規模に実施いたしておりますけれども、今後、たびたび問題になっております半均質の研究等も進みますにつれまして、これらにつきましても、さらに研究の進展に応じまして試作をやっていくというような問題も出て参ろうかと思うのであります。  国の関係いたします原子炉等につきましては、大体そういうような状況でございますが、なお、それ以外に、国立の大学関係につきましては、関西の原子炉以外にも、いわゆる臨界実験装置あるいは原子炉というような形で要望があることも承知いたしておりまして、逐次具体化していくものと考えております。  なお、国以外の問題でございますが、これらにつきましても、すでに御承知の通り、私立の大学でございますとか、あるいは各民間におきます企業等におきまして実験装置等を持つ傾向が出て参っております。これらも、次々に続出するというふうにも考えておりませんけれども、そのものが適当でございますれば、国といたしましてもこれをとめて参るということは考えておりません。適当なものでございます限り、そういった傾向は今後も出て参るというふうに考えておるわけでございます。  大体お尋ねの点につきましてお答え申し上げた次第でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本委員 研究炉の設置の計画はその通りといたしましても、現実に動いておるのは、ほんとうに今利用されておるのは一号炉だけでございます 二号炉の建設につきまして、現在、いろいろ、取りざたされておるのでございますけれども、この二号炉の出力が非常に出にくいということの原因はどういうところにあるのでしょうか。

松本一郎自由民主党科学技術政務次官

○松本政府委員 ただいま岡本委員からの御質問ですが、最初の計画から見ますと、実は大へんおくれておりまして、私も就任しましてから、何でおくれたのか、現地の実情も調べますし、また、漸時の契約の状況等も調べ、いろいろ検討いたしましたのです。結局、三十一年の十一月、いわゆる今お説の二号原子炉、CP5、これをアメリカのAMFと日本の原子力研究所と契約をして、買い入れる、そういうことになりました。それで、三十三年の七月にこれの据付を終わるということになっておったのですが、それが大へんおくれて、ようやく最近になってまあ調子が出て参りまして、これなら安全ということで、炉が動き始めたのはまだ最近ですけれども、まあ昨今では大体一日二百キロ程度——今五百までいったようでして、まあ三日ほど前は二百キロでしたが、本日あたりは五百キロまでにはなっておる。この月末には一応千キロ程度は出せるという見通しになりました。  そこで、なぜおくれたのかと申しますと、当時、わが国の特殊な事情、いわゆる地震国でございまして、それらについての研究準備というものが、このAMFの方でも国柄として不十分であった。従って、その後、強烈な地震等にも備えをするということで設計変更をやったということも一つの理由であります。それから、いま一つは、この会社はニューヨーク州にありますが、何分遠方から機械を運びますので、二トンも三トンもある熱交換器などになりますと、輸送中必ずしも事故が起らぬとは限らぬということ等もありまして、品物が横浜に着いた、精密検査をしたら、どうも機械の小部分に故障があった、そこから水が漏れるというようなことで、これはいけないというので、先方へ照会したところ、先方から、そんなはずがない、それじゃ一度見に行こうということで、文書の交換あるいは見に来るというようなことをしていましたので、はや半年や七、八カ月は経過をした。そこで、なるほどこれはいけない、それじゃ取りかえましょうといって、取りかえてくれた。そうすると、また半年やそこいらはおくれてしまうというようなことで、何分遠方からわが国としても初めての品物を買うのですから、その点向こうを信頼する、向こうも長距離輸送などの経験がないというようなことから、つい設計変更、輸送中の事故等々でおくれたわけです。それから据え付けにかかっていよいよ運転を始めようということになったとき、つらいことには、機械を作るAMFと、燃料買い入れの契約をしたMアンドC会社とはおのずと会社が違いますので、AMFの方では、この燃料では責任が持てぬということを言うし、燃料はこれでいいとか、いけないとか、何分安全を必要とする仕事だけに、絶対安全ということにならぬ限りは運転することができぬということになりまして、慎重に慎重を期したというのがおくれた理由でございます。その間何ぴとかの過失か怠慢か悪意があったかということですが、そういう点はございませんで、やむを得ぬ事情だったという一言にこれは尽きるかと思います。しかし、売買契約である限りは期限というものがなければならぬはずだということで、契約書を調べましたが、契約書には三十三年の七月十五日と予想される据付期限ということが書いてございます。日本の契約は、期限を明記しまして、もし期限内に入らない場合は契約解除とか過怠金をとるというようなことがありますけれども、アメリカの州法、ことにこのニューヨークの州法によりますと、契約は明記しておりません。しかし明記する場合もあります。明記する場合はどういう場合かというと、期限前にできた場合は特別にボーナス規定がついておる。日本の財政法では、そういうボーナス規定をつけるわけにもいかぬ。結局、買い手の弱さといいますか、ことに日本は頼んで作ってもらったというような関係もありますので、向こうの規定によって契約を結んだということになります。予想される期限ということになっておるのは、おくれても、残念ながらやむを得ぬ、こういうことに相なって参ります。やむを得ぬということで何も言えぬかということになりますと、それでは文句を言おう、どこへ言うかというと、これは国際裁判になりまして、フランスのパリにある国際商工会議所にこれを提訴する。どうするかといえば、世界じゅうから委員を選んで、そして委員に審査調停させるということになっておる。こんな手続を踏んでおったら容易なことでありませんので、結局、それよりも早く予定の仕事を進めようということになりまして、今日になったわけであります。幸いなことに、最近は調子もよく、また、安全だということになりまして、今申し上げましたように、実はおくれながらも成績を逐次上げて参っておるという状況でございます。CP5につきましては、今申しましたような次第でございます。  次いで、先ほど官房長からもお答えしましたように、今後はなるべく国産品でやっていきたいものだということから、国産第三号炉ですが、これも出力は一万キロワットでございまして、CP5と同じものでございますが、全部国産でまかなうということになりました。おくれておるわが国としましては、こういうことが初期の時代に間々起こるのも、残念ながらやむを得ぬのではないか、こういうふうに考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 いろいろとおくれたのには事情もある模様でございますが、それがすべてやむを得なかったもの、こういうふうな御答弁のようでございますけれども、私どもとしましては、それだけでは得心のいかない点が幾らもあります。  まだ第一に、最初AMFと契約をなさるときに、熱交換器がどういう材料で作られるかというふうなことについて、設計がどうなっておるかお伺いしたいと思うのです。聞くところによりますと、この熱交換器がアルミニウムでできておる。アルミニウムでできておるために弱かったのではないかと思うのでございますが、輸送中に事故が起こった、そしてそれを返品して、今度は再び持ってくるまでの間に一年近くの月日がかかっておる、それが非常に炉の建設遅延の大きな理由になり、さらにまた、それが向こうとの契約の内容の実施その他の面についての紛争のまた一つの原因ではないかと思うのであります。そしてアルミニウムの熱交換器ではだめだ、薄命が非常に短いから、それは早晩また破れて危険な事故の原因になるからというのでもって、もう一つ別に、スチール製のステンレスの熱交換器をすでに作って準備されておるというふうなことが伝えられておるのでございますけれども、そういうことは事実なんでしょうか、どうでしょうか。そしてまた、それでは、なぜ一年もすれば破損するような危険のあるアルミニウムの設計をこちらでされたのか、そういうことについては、最初何らお考えにならずに、そういうふうな事態が起こってきたのか、その辺の事情を一つ詳しく御説明いただきたいと思います。

松本一郎自由民主党科学技術政務次官

○松本政府委員 実は、この問題につきましては、当衆議院では、先般決算委員会で、かつての歳出の御調査のときにるる御質問がございまして、私も概略のことはお答えしたのでありますが、詳細のことになりますと、当時の専門家、また、現在、専門家もたくさんおりますので、原子力局長その他専門家に決算委員会において答弁させました。それでなお御納得のいかぬ点も実はございましたので、現地を御調査額うということにいたしまして、ちょうど三、四日前に決算委員の方々に連れ立って現地をごらんいただきました。そこでいろいろ御研究願って大へん御参考にもなり、御納得いただいたような次第でございます。実は、本日もそういう点までも御説明申し上げたいのですが、私もしろうとですし、私がお答えしておると、またわからなくなってしまいますので、原子力局長あるいは係の者を呼び寄せてお答えしたいと存じますが、ただいま、実は内閣委員会で科学技術関係三案がきょう上がります関係で出ておりますので、ただいま呼びに参りましたから、おそれ入りますが少しお待ちを願いたいと思ます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それでは、次の問題をお尋ねいたしたいと思います。  そこで、AMFを契約されるときに、われわれあとで承ってびっくりしたのですけれども、AMFという会社は原子炉の建設にはあまり深い経験を持たない会社であって、原子炉の建設に対しては、GEであるとかその他経験を持った会社が、やはりわれもわれもでずいぶん激しい注文の取り合い競争をやっておったように聞くのであります。その中で、一番経験の浅い会社が特に選ばれて、そのために今日のこういう事態が起こってきたということについては、われわれとしては、もう一つ納得のいかないものがあるのでございます。契約当時、AMFという会社はどういう会社である、あるいはまた、それが原子炉についてどれだけの実力を持っているかというふうなことは当然調査なさらなければならなかった、また、されたであろうと思うのでありますが、そのときの模様をお伺いしたい。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 お話の通りでございまして、一万も出しますような原子炉を注文するにあたりまして、いいかげんなところに注文するということがあってはならないわけでございます。今日こういう結果になってきました後におきましては、AMFという会社は、もとたばこ機械を作っておった会社じゃないか、あるいは現在はボーリングをやっておる会社じゃないか、そういういいかげんな会社に、という御批判も出ておるように聞いております。しかし、当時AMFを選びました際におきまして、この会社はすでに原子力関係への転換を行なっております。アメリカの原子力委員会関係の研究機関等におりました技師等も多数入れまして、会社もAMFアトミック株式会社、原子力という字を特に社名に入れるくらいに原子力関係に転換をいたしておった会社でございます。すでに当時におきまして、アメリカ国内はもちろんのこと、海外に対しても原子炉製作の経験を有しておる。もちろん、GEあるいはウェスティングハウスというような会社と比べてやや実績が劣るかもしれません。またCP5でこのような炉の製作の経験はどうかというお尋ねも、実は決算委員会でもございましたが、シカゴ・パイル5型と申します原子炉で一万キロを設計いたしましたのは、むしろ日本が最初でございまして、当時そのような炉の製作経験はということになりますと、これは多分世界じゅうどの会社もそのような経験は持っていなかったわけでございます。正確な数字は記憶いたしておりませんが、AMFにおきまして、すでに当時においても十ばかりの原子炉の製作経験は持っておった。従いまして、原子炉の製作能力に欠けるというふうな判定をすることはできないような会社でございます。その後におきましても、AMFは、ドイツでありますとか、あるいは、たしか南米であったと思いますけれども、そういうところに原子炉の輸出もいたしております。今日におきましても、AMFが原子炉の製作において技術が欠ける会社ということは言えなかろう、さように考えるわけであります。  なお、そのような技術的な問題のほかに、会社に関しますいわゆる全般的な調査というものも、実はこの契約当事者であります原子力研究所においていたしております。原子力研究所は直接いたしたわけでございませんけれども、銀行関係を通じまして、アメリカでの信用状態その他会社全般に関する調査も行なっておる。従いまして、先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、結果において非常に遅延したというこの事実は、当然遺憾であるということでございますけれども、当時におきまして、このAMFを選定の中に入れたことにつきましては、最善の配意を行なった上であるというふうに、私どもといたしましても原研の態度を了承しておったわけでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 能力に欠けていなかったということと、それからまた、十分な能力を持っておったということとはおのずから別であろうと思うのでありますけれど、この注文をされる過程において、たとえば、GEであるとかその他の会社では、二〇%の濃縮ウランではとても一万の出力は出せないから、五千にしてくれということを強く主張したということが伝えられておるのであります。ところが、AMFに限って一万出すからということで、設計通りのなにでもって注文をとったということでございますが、それほど各界にすでによく知られている幾つもの会社が、とても一万出せない、それはもう無理だ、こう言っているものを、いや、私の方は一万出しますとAMFが言った。しかも、そのAMFは、現在までスイミング・プールだけより作っておらない、比較的経験もほかの会社に比べて浅い、こういうふうな状況の中で、はたしてそれではAMFがその設計通りの、また、こちらの要求通りの炉を建設できるかどうかということについては、一応疑いを持たなければならなかったと思うのでありますけれど、それについては、先ほど次官がおっしゃった買い手の弱さというふうなことでもって、作ってやると言われれば何もかももたれ込んでくる、こういうふうな気持で先方の申し出をうのみにされたのかどうか。私どもにしますと、どうもその辺に、少しこちらに自主性がなかった、そしてまた、まじめさがなかったのではないか、こういうことが考えられるのですが、どうでしょうか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 結果論といたしましてそのような御批判もあろうかと思うのでございますけれども、むしろ、気持の問題の方で申しますと、実は自主性があり過ぎた結果だというふうにも私どもは考えられるわけであります。これがごく普通に考えられます建築物でありますとか、道路でありますとか、たとえ工事金額等は大きな大工事でありましても、そういうふうに、いわば一般的に通常ある問題でございましたならば、まさに、おっしゃる通りであろうかと思いますが、何しろ日本の原子力に携わる研究者としての日本原子力、研究所の研究者たちは、当時、もうすでにCP5型というような炉は必ずしも珍しくない、アメリカにも幾つもあるし、その他の国にもあるという原子炉でありまして、これを外国が置いてあって、もうそこまでの規模であるならば製作経験もあって、そこに注文すれば間違いないというものを入れただけでは単なる模倣に終わり、いわばでき合いを買うようなものでございまして、そこに研究的な要素が何もないことをむしろ遺憾とし、同じ注文をするのであるならば、今まであるものよりももう一歩前進したものを考えたいというところから、知恵をしぼったわけなんであります。従いまして、その当時五百ないし千、あるいは三千といった程度の製作経験を持ったところから、日本あたりは三千程度にしておきなさい、五千程度にしておきなさい、こう言われましても、何とかして一歩出たものを考えてみたいという意味におきまして、いろいろと設計等につきましても勉強いたしまして、それに協力してくれるというようなところに引かれるのは、これは心意気といたしましては、他主ではなくて自主性があり過ぎたというふうにも感ずる程度でございますので、気持の問題といたしましては、さように御了承願いたいと思うのでございます。つまり、同じ作るなら、今までのありふれたものでなくて、もうちょっと進歩したものにしたいという気持の現われであって、安全第一主義をねらいまして、すでにもうそこまではいっておるものを買ってくるというコマーシャルな問題ではなくて、研究の問題である、こういう気持であったということを御説明申し上げたいと思います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 事情承りますとまことにけっこうな心意気のようでございます。しかしながら現実においては、今こういうふうなことになっておりますと、その計画そのものが無理であったのか、その設計そのものに無理があったのか、あるいは設計は正しかったのか。今おくれているけれども、それはほかの事情によるのである、それは燃料その他の事情によるのである、燃料さえ次々かえていって——燃料の問題は、またなにが見えてからお尋ねしようと思って残しておりますが、燃料をかえていけば、将来設計の計画通りの一万キロは確かに出る、もう二百キロまでだんだんパワー・アップされてきた現段階においては、これならいける、これは設計であるとか、あるいは炉の建設の実施の諸点から見てりっぱな炉ができたんだ、これでもういいんだというふうにお考えになっていらっしゃいますか。その辺のところを一つはっきりお答えいただきたいと思います。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 これは非常にむずかしい研究上の問題でございまして、私のような事務官が断言するようなことは、これははばかるべきことかもしれぬと思いますので、私どもが原研当事者から聞いておることを、私もその通りであろうと思って申し上げるということに御了解いただきたいと思います。  原子炉につきましては、十分に一万キロの出力を出し得る性能を持った原子炉であるというふうに考えておるのが、現在におきます原研当事者の見解でございます。つまり、原子炉自体が不備であるというようなものでございますと、先ほどもおっしゃいましたけれども、AMFとの間の問題を追及しなければならぬことにもなろうかと思います。現在のところでは、一挙に一万キロというところまで持っていけない原因は、もつ。ばら燃料関係にある。つまり、燃料と炉の組み合わせで出力は出るわけなんでございますけれども、それが出ないのは燃料側にある。従って、一回目の燃料がいわば燃えまして、二回目の燃料を装填いたしますときには、もっと燃料面での工夫をこらしましていい燃料を装填いたしますれば、一万キロは出るという見込みでおるわけでございます。先ほど政務次官が申されましたように、燃料は今の燃料でも十分いけるという確信を原研当局は持っておるわけでございますが、もし第二回目に入れまして、不幸にして一万までいかなくて、かりに五千か六千であったといたしますれば、さらに研究を加えて一万までいける、炉の側には今のところ何ら欠陥というものは発見されておらぬというのが現状であります。ただ研究上の問題でございますので、場合によりましては、あるいは燃料のみならず、炉の方にも若干の改良を加えた方がいいというような問題は出て参るかもしれません。現在のところでは、燃料さえ改良されれば一万まではいけるという確信を原研当事者として持っておるというよううに聞いております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 今の御答弁で、せっかくとうとい外貨を使って建設したのだが、それが非常に不備なものであったということに対する国民の疑惑がある程度とれて、これはまことにけっこうだと思います。しかしながら、こういうことがはっきりしてくるまでの間に、その契約の内容について、もしそれが——これは炉の設計か予期通りのものであったから幸いでございましたけれども、この炉そのものが万一役に立たないものであったというようなことが起こった場合に、AMFとの間にかわされた契約というものが、先ほど次官の言われた買い手の弱さというふうなものをあまりに露骨に示されておるという点において、私は、これは契約された当事者に相当な自戒を今後していただかなければならない問題がたくさんあると思うのです。それは、今、アメリカの州法によるところの契約を、やったんだ、こうおっしゃいますけれども、その売り手、買い手はそれぞれの立場において契約すればいいのであって、しかも、向こうの方からはそれぞれ売り込み競争に来ておるときに、こちらが炉の設計について満々たる自信を持って、いや一万出さなければおれの方は注文しないのだ、一万出せないというような業者にはおれの方は発注しないぞ、こういうふうなきぜんたる態度をとられると同じように、契約のときにも、これは炉が建設されて、臨界に入って運転が開始されて、それから後、一定期間内に出力が出なければというふうな条上項を契約の方にも当然結ばれるべきであって、契約をして、契約発効後何カ月というふうな間に責任を持つ、保証期間をそういうふうな形において置くというようなことはあまりこれは日本の商取引の常識からはずれ過ぎた商取引である、こういうふうに思うのでございますが、その辺については、どうしてそういうことになったのですか。

松本一郎自由民主党科学技術政務次官

○松本政府委員 ただいまの岡本委員のような疑問が私も実は出まして、いろいろ当時契約締結に当たった者に状況を尋ねたわけです。そうすると、AMF一社を指定して随意契約を結んだのではございませんで、他の三社ほどの見積もりをとったところが、いずれも他の三社はみな百万ドル以上、オーバーして相当高かった、九十八万四千五百九十五ドルという契約金になっております。ちょうど百万ドルという、こちらの予算とほぼ合うというので、同じものができるのならAMFでいいではないかということで、それでAMFと契約を結んだ、しかし、この会社が炉を作るについての不安を持つ会社かどうか、過去の経験はどうかということを調べたのですが、もともと、この原子炉というものは、御承知の通り、アメリカでもまだ当時では、古い会社で十年の経験も持っておらぬというようなことで、どこの会社でも長い経験を待ったしにせというものはございませんので、それで結局、この会社も責任持って作る能力もあるし、また、資格もあるということなら、こちらの大体百万ドルという予算の範囲でいけるということで締結をしたということでして、そうなれば、これはやむを得ぬことだといわなければならぬ。そこで、第二の問題点は、この買い手と売り手だ、だから売り手の国の規則によって規制されるというよりも、買い手の、金を払う国の法律によって契約を結ばれるべきもんじゃないかということを尋ねたのですが、それはごもっともです。ごもっともだが、残念ながら、日本は原子力に関しては幼稚園に入学するというような弱い立場に立っておる、だから、そういうようなことを言えば相手になってくれない、頼み側というようなことになってしまうので、残念ながら、こういうことになった、しかし、今後は日本も対等の立場で商取引ができる、いやならこっちで作る、まかり違えばこっちのものを外国に売るというほど日本の技術も進んでくる、こういうことになればそういうこともないのだ、だから、最初のうちは、残念ながら、そうでもして日本の原子科学を進めなければならぬというような、やむを得ぬ事情だった、こう言っております。そう言われれば、当時衝に当たった者としては相当な苦労もあっただろう、しかし、何となしに、日本の慣行からいき、日本流に考えると少しずるいのじゃないか、こういうふうに私どもしろうと考えに思ったのですが、当時の者としては誠心誠意努力を払ったのですと言われてみれば、君たちに落度があったのだ、怠慢じゃなかったのかとこちらが言うだけの証明する資料もなし、今後は十分注意しますけれども、また、こういうことはおそらく起こらないと私どもは考えておりますので、過去のことは残念な結果になったが、早く取り戻すということにして、国民の信頼を裏切らないようにしたいものだ、こう考えております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 とにかく売ってもらわねば困るのでということでございますけれども、ただ物をもらうのじゃないのです。ずいぶん高い金を出すのです。それを、そんな弱い取引にされる理由が私にはどうものみ込めないのです。ことに、こういうふうな事件が起こってきますと、取引の弱さというものがまざまざと見せつけられる。契約発効後三十カ月ということでありますと、途中で事故が起こって建設がおくれればおくれるほど、早く保証期間をそれだけ食ってしまいますから、向こうの責任を負わなければならない期間が短くなってくる。そんな保証というものはあり得ないと思うのです。しかも、据え付けて、これはうまくいかぬぞ、これは燃料のせいだというふうなことで——事実燃料であったかもしれませんが、逃げられてしまう。かりに、自動車を買ったところうまく動かない、そうすると、いや、それはガソリンが悪いのだ、いや、ガソリンじゃなしに機械の方だというようなことで議論をしておってもだめだ。現実に買った自動車が正常に動いてこそ、金を払った値打ちが出てくるのです。だから、先方も燃料が悪いのだといって突っぱねるのじゃなしに、向こうの方でもよく検査をし——もちろん、向こうに対して燃料についての検査もある程度依頼しておることなんです。だから、それについても、責任を持って完全な原子炉の運転ができるようになるまで誠意ある態度をとるべきであり、また、とらせるべきであったと思うのです。それを、こういうふうな、あまりにばかばかしい契約であり、しかも、そのあと、まるでくわえて振り回すような調子にされておる屈辱的な商取引の姿を見て、国民の一人として義憤を感ぜざるを得ないというのが、われわれの感情なんです。その点について、そういうふうな、契約後三十カ月という商取引がなぜ行なわれたのか、もう少し御説明願いたい。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 まことにおっしゃる通りでございまして、私どもといたしましても、先ほど御指摘のございました熱交換器一つリークがあったからといって、取りかえるのに、船に乗って往復いたしますので一年もかかるということになりますと、御指摘の通りだと思います。ただ三十カ月という期間につきましても、製作期限はちょっと覚えておりませんけれども、大体あれは一年でできるはずだと思うのでございまして、当時といたしましては十分の余裕をとって保証期間というものをきめたつもりでおったわけです。先ほど政務次官から御説明申し上げましたように、しかも、契約の上におきまして、その予定された納入の時期というような、きちっとしたものではございませんでしたけれども、それについて最善の努力を払うというような条項も実は入れておったわけです。つまり、期日に間に合わぬときは延滞金を払えというような交渉もいたしましたりした結果は、結局、いろいろな関係でそういう条文が入りませんでしたかわりに、納期を約束通りするために最善の努力を払うというような表現の条文が契約の条項に入ったというような経緯もございます。言いかえますれば、非常に紳士的であり過ぎたということは言えるかと思うのでありますけれども、当時といたしましては、先生御指摘になりましたような、屈辱的契約だけれどもやむを得ないというような感覚はむしろなくて、一応最善の努力を払い、これでもうどこから見ても、大体これならよかろうというような気持のもとにいたしたわけでございます。結果的には少し紳士的であり過ぎまして、妙な結果になったということはきわめて遺憾でございます。その結果、これにこりまして、その次に昨年同じ原研が契約いたしました動力試験炉におきましては、契約金額もさらに張ることでございますので、慎重にこの経験を生かしまして、燃料と原子炉というような相対関係につきましても工夫をこらしまして同一の相手方に発注をして、そのようなところから、いわば責任回避というようなことが起こらないようにという配慮もいたしたわけでございます。御了承を願います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 関連して。ただいま政務次官と官房長のお答えを聞いておりますと、非常に奇異に感ずる点がありますのでお尋ねをいたしたいと思うのですが、政務次官がお答えされました点では、この契約については、とにかく買い手は日本であり、売り手はアメリカである、向こうは商法があるけれども、こちらとしては日本国の財政法もある、そういう中で奇妙に思っていろいろ調べたところが、何しろ、こちらは原子力の問題に関してはまだ幼稚園の段階であって、強いことが言えないというような点で、やむを得なかったというようなお答えをせられました。ところが、先ほど官房長からお答えがありました点では、こういうことを述べておられます。とにかく一万キロワット出るのだ、ところが、今のところは千キロは見通しがある。燃料については今後変えていけば出るかもしれぬ、とにかくこのCP5型の初めの設計に無理があったのではないかという岡本委員の御質問に対しまして、いや、日本の原研の技術員が自主性があり過ぎたのだ、結局、現在CP5型というものは決して珍しいものではない、どこにもあるものだ、三千キロ、五千キロくらいは出るのだというお話があったけれども、技術員の人たちがきわめて自由性があり過ぎたために、意欲的に一万キロワットというような炉を要求し、そのような契約を進めていったのだ、こういうお答えがあったと思う。そうするとおかしい。片方は、幼稚園の段階だから契約については強いことは言えぬ、こう言っておる。しかし、片っ方においては、いや、技術員の力は大いに意欲的であって——とにかく、日本は地震国であっていろいろ問題点のある国で、しかも、あの東海村の付近は、日本でも一番地震のひどいところでしょう。そういうところに、しかも、在来以上の意欲的な炉を技術員が要求したんだとすれば、幼稚園でなくて、非常に高いところにあったということになるでしょう。片っ方は、幼稚園だからこういうわけだ、片っ方は、そうではないというようなことを言っておられる。この点については非常な奇異な点を感ずるわけでありますが、この点は一体どうなんですか。技術員がそれだけ高いところを要求するならば、契約についてだって幼稚園だということは私は言えないと思うのですが、どうですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 問題の違う点を結びつけられますと、なるほど、一方では非常に高い理想を掲げながら、契約の面ではそういうような残念な結果になるような契約を結ぶ、そこにどうも食い違いがあるのじゃないか、こういうお話であります。私は、その点につきましては、先ほどもお答えのときに申し上げましたように、むしろ自主性があり過ぎると申しますのは、気持の問題でございまして、私は、何も原研の技術者の責任に転嫁するつもりで申し上げたわけでは決してございません。私どももそうだと思ったわけでございます。つまり、外国にあるようなありふれたものを買うというようなことよりも、何か一歩前進したものを作りたいという気持という意味において、できるだけいいものを買いたいということでいろいろ検討して、一万キロのものを買いたいということになったということを申し上げたわけであります。  他方、契約上の問題につきましては、もっと契約期間等のきめ方につきましても、契約の当時からという言い方——これはオアというような形の一つの現われで、短い方ということになっておりますので、それがクローズ・アップされておるわけでありますが、それをやめて、完成してから幾らということだけにしておけばもっとよかったということも考えられるわけでございます。そのような点について十分なれていなかった、あるいは交渉にあたって、今も申し上げましたように、紳士的であり過ぎたというような面が反省せられるということを申し上げておるわけでございます。日本が当時において非常に進歩しておって、いろいろすべての点がなれておった、あるいは反対に、日本がすべて幼稚園で、完全に向こうの言いなりほうだいにやっておったというような関係では決してございませんということを申し上げておるわけであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 では、お尋ねいたしますが、結局CP5がおくれた理由の一つに、熱交換器がアルミニウムであったというような点も問題であったでしょうし、それからまた、あの耐震的な構造がいろいろな過程において問題になっておくれたことも事実だろうと思うのです。そうしますと、日本の原研の、あるいは原研といわず、日本の現在の技術的な、あるいは基礎的な学問の水準において、AMFのああいった計画が無理ではないかということは、当初当然予見し得たはずだし、また、そういった点を指摘した方々もあったのじゃないかと私は思うのでありますけれども、そういう点から考えていきますならば、当時の事情からいたしまして、また、日本の技術の水準等からいきましても、これほどまで——ルーズといっては語弊があるかもしれませんけれども、いろいろな点で、熱交換器の問題にしても、それから炉の構造の問題にしても、あれほどニューヨークと東京の間を行ったり来たりしておくれたというようなことは防ぎ得たのではないか。また、しかも、日本が決して原子力の大学といっておるわけではありませんが、少なくとも、在来あったものより一歩進んだ炉を何とかしたいという熱意と、また、それだけの意欲を持つ技術員でありますから、そういう点は当然紡ぎ得たのではないかというふうに、私どもしろうととしても考えるのですけれども、こういうような点はどうなんですか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 一歩進んだ原子炉についての設計の詳細等につきましては、私から申し上げるのは不適当かと思いますけれども、当時、研究者たちは、もちろん一生懸命になってこの問題を考えました。特に、日本ではこの関係の専門家というものも少ないことでございますので、今おっしゃいましたように、熱意は非常にあったのでございますけれども、なお配慮の足りなかった点もあったろうと思います。その一つの例が、今おっしゃいましたような耐震性の問題でございました。この点につきましても、当初から決して耐震性を無視した設計をしたというわけではございませんけれども、その後、一度設計をいたしました後におきまして、さらにこれらの点につきまして安全性に万全を期する上からは、やはり設計を変更した方がいいだろうということになりまして、耐震面からの設計変更ということも行われたわけでございます。従いまして、その点が先ほどおっしゃいましたような、いわば幼稚園のところから始まっていく過程でございます。その当時の事情からいたしまして、それらが当初から耐震面について問題が強く指摘されるような向きがございましたならば、当然に研究者たちも設計変更することなく、その以前においてそういう点も考慮した設計をいたしておったろう、いわば日本全体の原子力の進展に応じた形がCP5に現われておったかと思うのであります。  なお、熱交換器の問題につきまして先ほど岡本委員から御質問がございまして、しばらく保留させていただいておりましたが、燃料課長が参っておりますので、今のお話にもちょっと出て参りましたから、その点をお答えさせていただきたいと思います。

田中好雄総理府技官(科学技術庁原子力局核燃料課長)

○田中説明員 熱交換器にアルミを使いますのは、大体今までございます研究炉にはほとんどこれを使っております。理由としましては、一つ非常に重要な点がございまして、核的な性質が非常によろしいのでございます。御存じのように、重水が回りまして、熱交換器のところで重水から熱を取るわけでございます。ところが、重水の中には多少核分裂性物質が出てくることは設計上も認められておりますので、そういったものを防がなければなりません。それで、核的性質がいいためにアルミを使っております。ステンレスは、なるほどよろしゅうございますが、これは高温の場合に使います。研究炉は大体八十度とか、そんな低いところでございますが、動力炉になりますと、二百度とか三百度といった高い熱になりますから、そういうときにはステンレスの方がよろしゅうございます。ただし、御存じのように、ステンレスはアルミに比べまして加工その他が非常に高価でございます。従いまして、研究炉におきましては大部分アルミを使います。これは先ほど申しましたように、核的性質がステンレスよりもずっとよろしいということでございます。  なお、関連しまして、原研がステンレスにすることを考えているのじゃないかというお話でございます。なるほど、一部の人はそういうことを考えておりますが、まだ具体的にどうこうするというところまではいっておりません。ちょっと補足さしていただきました。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 何か一つステンレスの予備が別に作られて置いてあるというふうなことですね。それはこの「不思議な国の原子力」という書物に書いてありますが、そうすると、これはうそなんですか。

田中好雄総理府技官(科学技術庁原子力局核燃料課長)

○田中説明員 その点につきましては、私の方としましてはまだ聞いておりません。といいますのは、原研の方が発注もしないのにそういうものを作るというのはちょっとおかしゅうございます。われわれの力は国の予算で押えておりますから、そういうようなものがあれば、当然この原研の方から言ってくるべき筋合いでございます。それはおそらく会社が何かの思惑で作っておられるのか、その辺は私にもよくわかりません。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そうすると、ここに書かれてあることは流言を信じて書かれてある、こういうふうにあなたは言われるのですか。

田中好雄総理府技官(科学技術庁原子力局核燃料課長)

○田中説明員 私は、そこまで言っているわけではございませんで、ただ私らの事実として申し上げているわけであります。そういうことが行なわれれば、行なわれる前に、当然われわれの方に連絡があるはずでございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それでは、熱交換器の問題はその程度にしておきまして、今の臨界の問題に入りたいと思います。  これは原研の方でないとわからないかもしれませんが、八本で入る予定であった燃料が、臨界に入るのに十五本要った、こういうふうなことでございますけれども、今二百キロまでパワー・アップされるのについては、さらに、燃料を追加されましたのですか、あるいは十五本のままでパワー・アップできておりますですか。

田中好雄総理府技官(科学技術庁原子力局核燃料課長)

○田中説明員 当初の予想は八本であったのにかかわらず十五本だった、こういいますのは、実はあの原子炉に相当な実験孔がございます。最初に考えました計算では、そういう実験孔その他の穴を全部埋まったものとして考えて計算したわけでございます。ところが実際には穴がありますので、それを考えますと、あとで精密な計算をしました結果では一四・幾らというような数字が出ております。大体近い数字になっておるわけでございます。  それから後段の御質問でございますが、五百キロワットの運転をただいま目標にしております。千キロワットのうちの五百キロワット運転は、十九本入ってやっております。十九本でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そうしますと、十九本になると、二十四本というから、あと余裕は五本になりますね。そうすると、そのあとの余裕でもって千キロまでパワー・アップできるのですか。

田中好雄総理府技官(科学技術庁原子力局核燃料課長)

○田中説明員 十九本で千キロワットまで持っていけます。穴は二十四本あいておりますが、ただいま協定上ではウラン二三五で四キログラム、言いかえますと二十二本分入るようになっておりますが、今のパワー・アップには十九本で間に合います。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 それから、さっきのお話に返って参りますが、契約が紳士的であり過ぎたのだ、こういうふうなお話ですが、商取引というものは相手を紳士だと思って行なわれるのが慣習でなくて、やはり契約を履行しないという最悪の場合を予想して商取引というものの契約書が結ばれるのが常道なんですね。だから、そういう意味において、紳士的な取引だったからどうもまずかったんだというふうなことでございますけれども、原研には契約課というものがあるように聞いております。そして契約を取りかわす場合には、そういうところを、しさいに書類を点検することになっておるはずですが、今度の場合は、一体その契約課でその書類が十分検討されたのかどうか、その辺のところをお聞きになっていらっしゃいますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 ちょっと古くなりますので、その当時では契約課というものがありましてそのようなものについても検討を加える職責にあったかどうかということは、機構の問題でございまして、私ちょっと記憶いたしておりません。しかしながら、おっしゃいます御趣旨は、単に研究者自体が向こうと交渉していいかげんな契約をしたのではなかろうか、そういう法律的な面からの検討を怠ったのではないかという御趣旨と解しましてお答えいたしますならば、もちろん、原研といたしましては、部内で法律的な検討を十分いたしました上で契約をしたというふうに聞いております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 ところが、聞きますと、そのときの模様は、多くの会社から売り込みの競争が激しかった、そういう状況の中で、どれがいいかということを検討するのに、嵯峨根さんがアメリカへ行かれて、アメリカからいろいろな検討の結果を持って帰ってこられたら、その結果を突き合わせてみんなで相談して、その上でどれかきまるのではないかというふうに周囲の人は予想しておりましたところが、嵯峨根さんが帰ってこられて、それで契約書を持って帰ってこられた。そして、これに署名するのだ、これで契約するのだということで、それにサインをしてぱっと契約が結ばれてしまった。ほかのいろいろなものについては、契約課で書類を全部検討して、その結果契約書が取りかわされるのに、この場合に限っては、そういう手続が踏まれておらなかった。ちょうど、これはグラマン、ロッキードと同じようなことが原子力の世界にも出てきておるのだというふうな風評を私は聞いております。何かそこに、源田さんが帰ってきたらぱっとロッキードにきまってしまったと同じようなことが今度のCP5でも行なわれておって、しかも、期せずしてそれが三菱資本と結びついておったというようなところに、ここにもそういうことがあるのか、原子力にもまた、というふうにわれわれ感ずるのでありますが、そういうふうなことはいいかげんな風説なんでしょうか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 私ただいま直接原子力局の仕事をしておりませんものでございますから、やや記憶が薄れた点もございますけれども、少なくとも、私の記憶に残ります限り、ただいまのお話は非常におもしろいお話だとは思うのでございますけれども、そのようなことがあったというふうな記憶を呼び起こすことができません。原研が行ないました契約ではございますけれども、先ほどちょっと話もございましたように、予算面におきましても、原研の経費と申しますものは国が九〇%以上も出しておるわけでございます。研究の自由というようなものを阻害しないようにということは当然でございますけれども、管理全般につきましては、国自体の監督も相当行なってきたつもりでおります。ときには、原研の方からうるさ過ぎるようなこともたびたび言われております。このような大きな契約をいたしますときに、原研の役員の一人が勝手にきめてきて、もうこれでサインするのだというようなことで事が済むというようなことは、私どもといたしましてはとうてい考え得られないことでございます。当時の私の記憶によりましても、契約の端々に至るまでとは申せないかもしれませんけれども、おもな項目につきましては、原研側も原子力当局とも相談をいたしまして契約を取り結んだと記憶しておりますので、ただいまの御質問は、お話としては非常にうがったような、おもしろいお話だとは思うのでございますけれども、そういうような事実があったとは私どうしても考えられないわけでございます。

松前重義日本社会党

○松前委員 関連して。今の問題は、非常におもしろい話だということでありますが、ちょっと伺っておきたいことがあります。  あれは日本の商社としてはどの商社がその貿易のチャンネルに当たりましたか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 CP5は、AMFに注文いたしましたときの一つの条件に、製作費の約半額程度に相当するものを日本国内で発注する、下請でございますけれども、そういうことがございました。  それから、私思い起こしまして、商社は三菱商事が担当いたした、そういうように考えております。また、それが事実だと思います。

松前重義日本社会党

○松前委員 アメリカン・マシン・アンド・ファウンドリー、会社はそうでしたね。あれは原子炉を作る会社としては一番技術がおくれておるというふうに私は思っておるんだが、そうでもないんでございますか。

井上啓次郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○井上(啓)説明員 ただいま、AMFが技術がおくれているんじゃないかという御質問でありますが、AMFという会社は、戦前からマンハッタン計画に関係している会社で、原子力につきましては古くからやっている会社でございまして、このCP5をきめるときの状態でも、スイミング・プールにつきましては約十基ほど契約をしているという状況でございまして、その当時の判断におきましても、相当の技術的能力があるというふうな判断に立ったわけでございまして、現在では少なくとも二十数基契約をしておりまして、相当の実績を上げておるわけでございます。従って、原子炉を作るにつきまして、技術的能力が低いということについての実証と申しましょうか、それが低いということにつきましての実証はあげにくい状態であります。

松前重義日本社会党

○松前委員 私は、AMFにちょっと行ってみたことがあるんです。いろいろ話しておると、この会社はどうかなという感じがした会社なんです。そこに三菱商事だという話であります。そうすると、またグラマンやロッキードを思い出すというような関連性が出てくるのですが、あなた方に伺ったってこれは仕方がないと思うのですけれども、その裏に、技術的な内容から検討されたことなどが、取引を通じての何か政治的な、悪い意味における政治的な要素がその中に含まれて取引されたのではなかろうかという疑いを私は持つわけなんです。原子力研究所や原子力局その他に責任があるとかないとかいう問題よりも、むしろ、何か大きな力によって、きまったことを押しつけられたというような感じが前から多少しないわけでもなかった。たとえば、原子力発電に関するあのコールダーホール型の輸入の問題にしても、サケ・マスやその他のカン詰とのなにのにおいがするという話も聞くし、そういうふうに、ほんとうに学術的な立場から原子力行政が行なわれてくるというならばいいんですけれども、そうでなくて、むしろ、頭からカン詰や何かとの代償としてやられる、あるいはまた、三菱商事ともなればいろいろうわさにも聞くところなんですが、とにかく、グラマンやロッキードの問題も思い起こすわけでありますが、そういうふうなにおいの中に行なわれたというような感じは、あなた方に聞いちゃ、これは気の毒だとは思うんだけれども、そういうことは絶対にないということは言い切れますか。

島村武久総理府事務官(科学技術庁長官官房長)

○島村政府委員 松前委員御承知の通り、私、現在は原子力を直接担当いたしておりませんが、以前、約五カ年間ぐらいずっとやって参りました。想像力がないせいだとは思いますけれども、その間におきまして、先生がおっしゃいましたような空気を感じ取ることはできませんでした。岡本委員のさっきお示しになりました「不思議な国の原子力」も、私も急いで読んでみましたが、このような見方もあるものかというふうに感じたくらいでございまして、残念ながら、私ども仕事をいたしておりましたときに、しかも、CP5が発注されましたような時期におきまして、そのようなにおいすらも私自身には感じられませんでしたので、私個人といたしましては、はっきりと、そのようなことはないと思うということを申し上げてよい自信を持っておるわけでございます。ただ、何か目に見えない黒い大きなものがどこかで大きく動いておるということになりますと、残念ながら、私そのようなことは私個人として想像の限界を越えるものであろうと思うわけであります。

松前重義日本社会党

○松前委員 CP5その他、私も原子力学者のエキスパートでもないし、常識人で、単なる常識にすぎないのですから、詳しく、どこがよくてどこが悪いということは具体的には申し上げかねます。しかし、どうもあのAMFという会社は商業的色彩の強い会社であって、みずから生産工場を持ち、研究所を持っておるような、責任のある会社であるようには思われないのであります。同時にまた、三菱商事を通じておやりになったということ、こういうふうなところに、私は、どうも何だか今岡本さんの質問を聞いて、そうかもしれぬなという感じを実は持っておるわけで、あなたから、そうであるという答弁を聞こうとは実は思っておりません。しかし、それだけを質問して私の質問を終わります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 つゆさら不正があるなんとは思わないというふうな答弁で、私も心からそれを願います。しかしながら、この「不思義な国の原子力」という書物は、原研に詰めておられた新聞記者の雷いたものだということです。それでもっていろいろ第三者的な立場で、あるいは場合によれば、これは意地悪く批判しておるかもしれないと思うのであります。しかしながら、こういう書物を見ますと、やはり私たちとしては、こういうふうな見方を示されたときに、これがはたして真実なのか、そうでないものか、正しく公正に運営されておるのかどうかということをやはりただしてみなければ、私たちはこの書物を読みっぱなしにして、万事あなた方におまかせきり、こういうわけには参らないので、こういう書物が出て、それを種にして、材料にして、私たちがあなたにこういう質問をするということは非常に気の毒です。しかしながら、これもやはり私らのやらなければならない務めの一つだということだけは御理解願いたいと思うのです。このAMFという会社が、アフター・マウンテン・フィールド会社だ、その意味は、あとは野となれ山となれ会社だ、こういうふうな批判をされるほどがめつい商法で、いわば原研には売ったきりだ、こういうふうに思わなければならないと思うのでありますが、しかしながら、今後やはりこういうがめつい商法に引っかからないようにしていただきたいと思うのです。  そこで、もう一度燃料の問題に返って参りますけれども、そうすると、炉の方は完全なんだ、燃料が悪かったために出力が上がらない——この燃料は、そもそも一万キロという出力を出すためにお求めになった燃料だと理解するのですが、そうではないですか。

井上啓次郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○井上(啓)説明員 燃料は、もちろん炉と一体でございまして、炉が一万キロの定格出力がある以上、一万キロに相当する燃料を装填するというのが建前になっております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 ところが、その一万キロのつもりで買った燃料が、一千キロがせい一ぱいだということ、しかも、AMFの力から途中で炉の燃料の検査をして、この燃料はだめですよ、この燃料では一万キロはよう保証いたしません、こういうような通知があったやに聞くのでありますが、その点はどうですか。

井上啓次郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○井上(啓)説明員 燃料の問題につきましては、AMFからの通知もございましたが、その点は、この燃料は濃縮ウラン二〇%とアルミニウムの合金が中に入っておる、その上を純アルミニウムでカバーしている、いわゆるサンドウィッチ型になって包まれておるものであります。この中で問題になりましたのは、濃縮ウラニウム金属とアルミニウムの合金の中に介在物が入っておる。この介在物が何であるかというのは、中を切ってみなければわかりませんが、現在の推定ではウラン・カーバイドだろう、こういう推定でございますが、大きさは非常に小さいのでございます。たとえば一番大きいもので二ミリメートル程度でございますが、そういうものが入っておるということが問題になったのであります。なぜかと申しますと、そういうものがありますと、その部分だけウランとアルミニウムの合金以上に熱がよけい出る、そこで故障が起こるのではないか、こういう疑問でございます。こういう介在物が入っておるということで、この低出力ということを推奨したわけでございますが、この介在物の意味は、現在の技術水準で検査の可能な範囲というのは、そういう燃料板をエックス線を通しまして写真をとって判定するわけであります。従って、表面から見た大きさはわかるのでございますが、その厚みが、全体で一・五ミリくらいしかございませんので、その高さの程度でどの辺にあるかということは、現在の技術水準では判定できないのであります。従って、そこに議論があるわけでございまして、それが、将来燃料として燃やした場合に、そこがこわれるかもしらぬ、こういう疑念で専門家の間でも議論があるわけでございまして、現在の水準から、この程度はいけないのだというもののきめ手がないわけであります。従ってわれわれの方の立場からいえば、絶対安全運転ということを考えれば、低出力が安全だというのは当然でございます。そういう意味におきます低出力でございます。しかし、一方、原研のCP5の運転計画は、初期においては一千キロワット、それでだんだん出力を上げまして、一年半ないし二年で一万キロワットに上昇するというのが計画でございます。従いまして、そういうようなインクルージョンで多少問題はございますが、少なくとも、一千キロ程度の安全運転ができるということになりますれば、これは燃料として引き取って運転をしていくというのが最も妥当な道だ、こういう判断に立ちまして現在運転をやっておるわけであります。御承知のように、非常に慎重にいたしまして、現在までは七百五十キロワットまでの運転はやっております。今後さらに一千キロの運転を続けるというふうな状況でございまして、問題はありましたが、そういうふうな観点から安全運転を十分にしまして、慎重な態度で進んでおるわけであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そうしますと、安全運転ということを考えなければ一万だって上がるのだ、こういうことなんですか。

井上啓次郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○井上(啓)説明員 安全運転ということを無視してやれば、一万キロは上がります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 これはちょっと話が飛躍したかもしれませんが、こういうふうに言いかえたらいいかもしれませんね。その燃料で、不純だが、しかし、安全運転でだんだんその安全度を確かめながらぽつりぽつり上げていけば、出力は現在の燃料で一万に上げ得るかもしれない、こういうふうに今考えられているのですか。

井上啓次郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○井上(啓)説明員 現在の燃料で一万キロの問題につきましては、今仰せになりましたように、徐々に上げていけば上がるかもしれぬということは言い得るわけでございますが この研究炉の運転というのは、ただ定格出力を出すのが目的ではございません。従いまして、研究に応じて出力を維持し、運転するというのが常道でございますので、今、そういうふうな意味で、上げ得るかもしれないが、何とかしていくところまでいこうという考えは持っていません。従いまして、現在の燃料では、原研の計画によりますと、一千キロワットで運転を続け、それでもちろん運転の訓練もいたしますし、実験もそれによってやる、こういう計画でおります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 そういたしますと、最初六カ月は一千キロより出さないのだ、一万キロを出す計画は全然持ってなかったのだというお話でございますが、そういうことになって参りまして、現在一千キロまでは徐々に上げつつあるということであれば、計画通り事は運んでおる、こういう解釈ができますね。そうい解釈ができるのであれば、なぜ、初めに、燃料が悪い、あるいはひょっとすると炉の設計にあるかもしれない、いずれにしても、とにかく出力は一万キロの予定が一キロより出ないのだというようなことが喧伝されて、大きく取り上げられて、また、原研の方でも非常にあわてておったというようなことが新聞に報道されたのでありますが、そういうことになると、私たちふに落ちないのです。今あなたの御説明を聞きますと、最初の計画通り徐々にパワー・アップして、計画通り進んでおるのだということですが、そうすると、なぜ、あのときあれほど大きく報道されるように原研があわて、また、新聞にも大きく取り上げられ、同時に、国民にとっても、日本の原子力の開発というものに非常に疑惑を持ち、何だ、たよりないことをやっているじゃないかということになってくるのでありますが、どうしてこういうことになったのでしょうか。その辺の事情を一つ解明していただきたい。

井上啓次郎総理府技官(科学技術庁原子力局次長)

○井上(啓)説明員 燃料の問題は、AMFが低出力を推奨したということから起こった問題でございまして、実際は、今新聞紙上でいわれている問題と、今、先生が御指摘になった問題とは非常に関連がございますけれども、現実の問題といたしまして、炉の運転計画というものを最初に発表せずに、ただ低出力だということを先にAMFがいわれたために起こった混乱かもしれないと私たちは考えております。一千キロから五千キロ、一万キロと、一年半なり二年かかってやるのだということを最初から公表してあれば、そういう混乱はなかったとも今になって想像していますが、しかし、今の問題は、AMFがその低出力を推奨したというところは、現在の燃料の検査基準というものから判断しまして、安全を非常に大にとり、しかも、計算の仮定を非常に大きくとって、そういうふうな趣旨の推奨、提案がなされたというところに問題があるのでございまして、今申し上げましたように、一千キロ以上には絶対に上がらないのだという証明もないわけであります。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 この程度で、大臣が見えましたから、炉の問題を打ち切りたいと思いますが、いろいろ話を承っておる中で、ある程度のことは解明されて参りました。また、ある点については、契約などについては、われわれ理解しがたいような契約をやっておられる、また、燃料を引き取る場合などにも、はっきりAMFの方からクレームが出ておるのに、それをそのまま引き取ってしまって使っておる、そのためにいろいろ大きな問題が起こってきておるというふうな点、われわれの理解しがたいようなことが行なわれておりますので、今後、そういう点については、国民の誤解を起こさないような明朗な運営をしていただくようにお願いしておきたいと思います。  そこで、大臣がお見えになりましたから、一つお伺いしておきたいのでありますが、この炉をパワー・アップしていきますのについて、原子力研究所の従業員の中では、やはり相当不安を持っております。だから、防護体制をしっかりやってもらいたい、こういうことを言っておるのに、原研側では、その防護体制というものについて非常に態度が消極的であるというふうなことが、今度の原研のストの一つの原因であるように聞いておるのですが、そういうことについては大臣は何もお聞きになっておられませんか。  それからまた、今も話があったように、とにかく不純物の入った燃料でどれだけ上がるか、今一生懸命実験的にやってみている、悪くするとその燃料では制御がきかなくなって事故を起こす心配もあり得る、今そういうふうな試験的な実験をやっておるときに際して、防護体制が十分整えられておらない、そしてまた、そういうふうな暴走のときの用意のための訓練もまだ行なわれておらないということを聞くのであります。これは早急にそういうふうな防護設備あるいは防護体制の完備をやるように指導していただかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 防護体制を十分にやらなければならぬことはごもっともでございまして、今その訓練をやっております。同時に、この間も新聞でもごらん願ったと思いますが、最近徐々にではありますけれども、それに対応した施策をやっておるつもりでございます。しかし、それはそれで万全だとは私考えておりません。今後ますますそういうものを強化していきたい、こう思っております。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 訓練をやっておると言われますが、組合から出しておる要求の中には、はっきり訓練が行なわれておらないということを書いておりますので、その辺、もう一度よく調べて万全を期していただきたいと思うのです。  それともう一つは、待遇の問題であると思うのです。それで、今度の原研の争議の待遇改善の問題でありますけれども、大体科学技術関係の研究者に対する国の考え方というものが不十分な点が、やはりこの原研あるいはその他の多くの研究団体の中に絶えず出てきておるのでございます。原子力研究というものを、国がやらないで特殊法人を作ってやられる原因の一つには、やはり人材を集めるのにはある程度の経済的なバック・アップをしなければならない、それには、国が公務員でやっていたのでは無理だから、勢い特殊法人を作った方が研究などはやりいいのだ、こういうふうな考え方の上に立っているように理解するのでありますが、そういう理解は間違っておりましょうか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 今数字的には申し上げられませんけれども、今、岡本さんが言われたような趣旨に基づいて、他の公団、公社等よりは若干給与ベースはいいはずでありますが、それだからいいかといいますと、これはまだ悪い。従って、これは二つの角度から検討しなければならぬことは言うまでもないので、つまり、そういう特殊な研究者なり技術者というものは優遇しなければならぬ、しかし、日本の過去の伝統及び経過から見まして、そういう形になっていない、これははなはだ残念なことだと思います。従って、そういうものを今一ぺんにはできませんけれども、何とかそういう方向にこれから推進していかなければならぬ。これは私一人ではなしに、政府自体も考えていることなんでありますが、そういう面をいじるということになりますと、いろいろな面に支障がきまして、急速にできないことなはははだ残念だと思っております。そういうふうに、今申し上げたように、研究者を大いに尊重し、そして、いい環境のもとに研究していただくということが一つと、それから、あなたが御指摘になったように、そういう質のいい方々にそこにとどまってもらって、ほんとうに真剣に研究してもらうためには、ほかの民間会社から引っこ抜かれたりすることではいけない。しかし、現在の状態を見ますと、民間会社に比べてはるかに給与は安い。これははなはだ残念なことで、そういう点から見ましても、これは何らかの処置をしなければならぬというふうに考えておる次第でございます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 あなたが、文部大臣に、科学技術の研究者を養成するようにというふうな勧告をなさったということは、非常に時宜を得たことであると思いますが、ただ、予算がきまる前にやっていただければ、もっとよかったと私たちは思うのでございます。しかしながら、これが一つのてこになって、今後そういうような面で大いに進んでくるであろうことを私たち期待するのでございます。実は、この間、建設委員会でもって東海村の都市計画の視察に行ったときに原研をたずねまして、向こうの従業員からいろいろな話を聞いたのでありますが、とにかく、今度の新年度の卒業生なんかでもほとんど入ってこない、もうこんな調子だったら、原研は将来人がないためにだめになります。こういうようなことを聞かされまして、これは大へんな問題だ、しかしながら、そのことは、大学でもそういうことは聞かされているのです。大学でも、もう残る人がいない。そして、優秀な者はどんどん民間会社に入ってしまって結局大学院に残る人は——こういうことを言うと差しさわりがあるかもしれませんが、ややBクラスになってくる傾向がある。だから、これはもう日本の教育あるいは科学技術の将来のために非常に残念な傾向であるということは大学でも言われております。従って、研究所であるとか大学であるとか、そういうところへもっと人材を集め得るような施策をこれから国でとっていただかなければならないと思いますので、特に、それは大臣に閣内でも強く要望していただくようにお願いしておきたいと思うのであります。  さらに、原子力委員を今度二名ふやすということで国会に承認が求められておる模様でございますが、今度の二名の方々を選出なさった基準というふうなもの、どういう観点からお選びになったか、その辺のところを承らしていただきたいと思います。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 二名増員の問題は、昨年の春の国会において御承認を願った案件でございます。そのときから、二名増員して、一人は大体専門家、一人は立法技術者というような意味で考えておられたようでございます。そこで私が就任いたしまして、前任者の方からそういう引き継ぎを受けましたので、それに基づいて私もいろいろ考慮いたしました。その場合に、私が最初に考えましたことは、立法技術者あるいは法律学者ということになりますと、立法措置というのはそうたくさんあるものでもなく、また、わが科学技術庁には若い法律学者、立法技術者がおりますので、これらの人たちに十分やってもらう。また、御承知のように、最終的に法律案としてこれが出るときには、当然内閣の法制局という関門を通過いたします。そこを通らなければ、これはできません。そういうこともありますので、そう法律に重点を置かなくてもいいのではないか。それはあればベターでありましょうけれども、それよりも、現在いろんな面で——この四月にも国際会議がありますし、あらゆる問題がこれからあるいは国際条約になったりして、国際的な関連性を持ってきておりますので、どうしてもそういった条約あるいは国際問題等についての該博な知識を持った専門家、そういう人が一人おってくれなければ困るのではないか、むしろ、法律学者よりもそうした方面にウェートを置くべきである、かような考え方からいたしまして、外務省出身者で、また、国際的にも——御承知のように、われわれがそういったような国際的な問題を処理し、あるいは連絡をするという場合には、従来外務省にたよっておるのであります。そうなってくると、なおさら外務省と科学技術庁との連携というものを緊密にいたさなければならない。そういうようなあらゆる角度から考えまして、外務省関係の専門家を入れた方がよかろう。そこで、その人選につきましては、外務省から数名の人を出していただいて、そうして相談の結果、一人はきめた。それから、もう一人の科学技術者の問題につきましては、実は外交官でありますと、大体大使級以上の者はわれわれも個人的にわかります。従って、この人はどういう特徴があるとか、すぐれているとか、欠陥があるとかいうことは大体見当がつきますけれども、科学者のことは私は全然わかりません。いろいろな学者の名前を聞かされますけれども、私には実はわからないのであります。ただ、卒直に申し上げまして、今まで三人ばかりの名前が出ております。三人とも、いずれもおそらくは甲乙つけがたいりっぱな学者だと私は思います。しかし、いろいろな過去の経緯から考えまして、結局その中から一人ということで、本人は御迷惑かもしれませんけれども、駒形さんにお願いする、こういうような経緯でございます。ほかに何らの他意はないということだけをはっきり申し上げておきます。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 原子力につきましては、国民はいまだに大きな恐怖を持っております。それからまた、原子力のこれからの利用方法についても、やはり国民はまだそれが純粋な平和的利用のみに行なわれるかどうかということについて疑問を残しております。そういうような段階におきましては、やはり原子力委員会というものの中にはいろいろな意見の人が入っていなければならない。原子力の平和利用あるいはまた原子力の開発ということについても、人それぞれに思うところが違い、また、願うところも違うと思います。極端な場合をいえば、一部の人たちの中には、日本だって原水爆を持っていいんだ、持たなければだめだ、こういう考え方を持つ人もなきにしもあらずでございます。しかしながら、国民のほとんどは、やはりそういうことのないようにということを願っておると思うのであります。そういうような意味において、日本の原子力行政の中枢をなすところの原子力委員会は、やはりいろいろな専門的な立場においての各界各層の人の支持を得るというふうな形でなければなりませんけれども、同時にまた、ものの考え方という点においても各方面の支持を得る、こういう人でなければならないと思います。私は、人事の問題でございますから、こういうふうな点について、あまり強いせんさくをしてその人たちの将来に傷をつけるというふうなことはいたしたくございませんし、そういうつもりもございませんし、また、その個人々々については私は縁も何もございませんけれども、しかしながら、そういうふうな意味合いにおいて——原子力委員を前回お選びになったときには、五名のうち一名は、これは科学技術庁の長官でありますが、あとの四名のうち一名は、大体野党の推薦を受けた人というふうな形になっております。そしてまた、そういうふうな意味においては、ある程度内々話し合いがございました。今度は六名になったのでありますから、従って、六名のうち、その三分の一の二名については、ある程度野党の意向というものもしんしゃくした人事の選び方というもの——これは、私は単におれたちは三分の一の数があるんだから、おれたちの意見を取り入れろ、こんなふうな意味で申し上げるのではございません。また、派閥的な意識の上に立って申し上げるのではございません。これは、やはり国民はそういう意味においては、これからの日本の原子力行政の運営というものについて危惧を持っておる。だから、その危惧を持っておる者の気持もやはり原子力委員会の中に反映してもらわなければ困るんだ、こういうふうな考え方は、これは私は筋が通らぬ考え方ではないと思います。そういう意味において、大臣も、今後欠員ができたり何かの場合には、あるいは改選というふうな場合には、やはりそういうふうな考え方を取り入れた上での人選というものを行なっていただかなければならないし、また、そういう考え方をした運営をしていただきたいと思うのでございますが、どういうふうにお考えになりますか。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 人事はきわめて慎重を要することであり、また、中正でなければならない、これは当然でございます。率直に申し上げまして、今御指摘になりましたように、前に社会党から御推薦といいますか、お話し合いのありました方もまだ残っておられる。今度の場合も、なるべく中正な——まあ率直に申し上げますと、学者の中には変質な者がおりまして、学問は非常にりっぱだけれども、ときどきとんちんかんなことを言う人も、残念ながら中にはある。これは日本の従来の教育制度そのものにも欠陥があったんじゃないかという気もしますが、そこまでは私は申し上げません。そこで、なるべく中正な方。それからもう一つは、なお、率直に申し上げますが、私の前任者が何人かおられるわけなんでありますが、そういう方々は、従来私が見ておりますと、そういう人事をやるときに、あまりあちこちに相談をして、そうして、かえって圧力をかけられたり、押しつぶされたり、そういう弊害のあったことも私は承知いたしております。そこで、これはあくまでも私自身の良心に従って公平にやりたいというようなつもりで、実はやったつもりでありますから、どうぞこの点は御了承願いたいと思います。  なお、平和利用ということでございますが、これは核兵器を云々といったような、さようなばかげたことを——それは九千万の人間の中にはそういうばかげた者もたまにはおるかもしれないが、さようなことを考えている者は、まじめな人にはいないと思う。同時に、現実の問題として、残念ながら、日本の現在の原子力科学の水準で核兵器なんというものにまで手を出すなんということは、これはとうてい、現実の問題として、やりたくたってできる話じゃないのです。さような意味から申しましても、もちろん、われわれはさようなことを考えませんし、また、現実的にもさようなことは不可能だという二つの面から、どうぞ御安心下さることをお願いいたします。

岡本隆一日本社会党

○岡本(隆)委員 まあ、大臣は、自分自身の主観の上で公正にと、こういうふうにお考えになったのでございますし、また、今度の人事も公正であるということにいたしておきたいと思います。しかしながら、現実に、学者の中には変なのもおるというふうなお言葉でございましたが、現在の原子力委員の中にも、たとえていえば、今度原子力局長が選挙をやれば、その選挙を一生懸命お手伝いして、後援会だ何だといって出かけていくようた原子力委員もおられるわけでありまして、これはどうかと思うのです。だから、先ほどからも引き合いに出しております「不思義な国の原子力」という書物の中で、原子力代議士ができた、こういうようなことをいって、それをやじっておる。国の原子力行政の中枢を預かっておる原子力委員会のメンバーが選挙にまでタッチして走り回る、こういうふうな情けない原子力委員会であってもらっては困ると思うのですね。私は、別にその原子力委員会のメンバーが社会党の応援にこないからけしからぬ、自民党の応援に出かけたからけしからぬとか、そんなことを言うわけじゃないですよ。しかしながら、原子力委員というものはもっと権威を持っていただかなければならないと思うのですね。そういう意味において、私は、今後選ばれる場合には深甚の考慮を払っていただきたいし、また、りっぱな人を出していただくようにお願いしておきたいと思うのです。  私の質問はこれで終わります。

山口好一自由民主党

○山口委員長 石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私今までほかの委員会に出ていたものですから、岡本委員の方からいろいろ質問が出ておったようでございますので、CP5のことにつきましては、速記録によって、もし私の聞きたい点が残っておりましたら、またあらためてやるということにいたしますけれども、問題は、今、局次長の方から御答弁があった中で、現在七百五十キロになっている、これを何とか千キロまで持っていきたいというようなことで、千キロワットまで持っていきたいというようなことを積極的にお考えになっておるようでございます。それは責任感としてやむを得ないと思うのですが、しかし、これを千キロワットまで持っていくということについて、原研の中で非常な反対があるということは御承知の通りだと思う。特に防護体制というものについて、万が一ということを考えると非常に不安だ。たとえば、防護訓練のことは盛んにやっているということをおっしゃっておられますけれども、私の聞いたところでは、通信訓練ぐらいはやったかもしれないけれども、いざ退避しなければならないというような、具体的な行動をどう移すかということについては、まだまだ十分だということはいえない。警報装置なんか一体どうなっているかということや、その他問題が非常に多く残されておるというように聞いておるわけです。それでも、なおかつ千キロワットまで上げなければならぬというようなことで非常にあせっておられるようでありますけれども、それはもっとフランクに、率直に、無理のない程度に考えておいていただきたい。  それから、先ほど内閣委員会でも池田長官に申し上げたのでございますが、現在の原子力を実際に牛耳っておるのは、いわゆるオーソリティではない、若い科学者である。若い科学であるだけに、若い科学者に依存する度合いが多いのが、現在の日本の原子力の実態だというふうに考えるわけです。この連中も、一万キロワットに上げるということについて自信を持っているようであります。ただし、現在の条件で、現在の燃料棒でやるということについては、きわめて否定的であります。しかしながら、率直に自分の非を改めて——契約上の不備その他こまかいところはたくさんございます。それは今申し上げませんが、そういうことを率直に反省をし、そして自己批判をして、あらためて出直すというような謙虚な立場に戻る場合には、一万キロワットにするということは、ここ五カ月や一年でできるということはもちろん不可能でありましょうけれども、かすに時日をもってすれば必ずやれるのではないかという確信を、現在若い科学者は固めておるわけであります。従って、原子力の開発の研究を、ほんとうにフランクに、率直に、しなければならなぬという良心に立ち戻るならば——今たとえ千キロに伸ばしてみたところで、材料実験ができるというわけではございません。一万キロワットという目標から見ればきわめて低い段階でございます。そういうあせりというものをやめて、非常にフランクな気持に立ち戻って出直して、是が非でも目標の一万キロワットまで、今までのことをざんげしながら考えていくというふうにやってもらいたいということをお願いしたいのでございますけれども、こまかいことは抜きにいたしまして、この考え方についての御意見を一つ伺いたいと思います。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○池田(正)国務大臣 これは、石川委員の仰せられること当然でございます。私も同じ意見で、無理してやる必要はない、また、やるべきじゃない。従って、今の二〇%の燃料棒を九〇%に変える。それだけ変えたって、こんなものは大した金じゃないのですから、そういう危険を冒すようなことはなるべく避けなければいかぬという考え方が私は正しいと思っております。そういう意味で私も臨んでおりますが、現在の段階で千キロあるいは二千キロまで上げても絶対心配ないという意見と、それから、あなたが今御指摘になったような、いや、それは少し無理じゃないかという意見も若干あることを私も承知いたしております。しかし、そういう問題につきましては、われわれしろうとが、行政の府にある者がかれこれ決定的な意見を述べることばむしろ出過ぎた話なので、現場の方々の決定した御意見に従うべきだということがむしろ正しいんじゃないだろうか、そういうような考え方でやっておる次第であります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 この問題は、技術的に非常にむずかしい問題で、われわれとしても、しろうとでございますから決定的なことは言えませんけれども、しかし、今長官が申されたように、燃料棒の予算は三千九百九十八万円、大した金額じゃございません。しかも、三〇%で十の十四乗というような中性子束を一平方メートルの中で飛ばすということそれ自体の条件が、当初において非常に誤りがあったし、また、若い科学者から、原研の内部から非常に強い反対が出ておると思うのです。それをあえて押し切って、しかも、AMFというわけのわからぬ会社というと語弊があるかもしれませんけれども、経験の浅い会社を相手にして契約を結んだというところに、そもそも私は誤りがあったと思う。それをざっくばらんにあやまったらよいと思う。すなおに出直していくということがどうしても必要じゃないか。しかも、今千キロまでどうしても上げたいという気持であせっていられるようでございますけれども、今申し上げたように防護体制というものに万が一不安がないわけではないのでありますから、若い連中が全部、このままでは非常に不安だという、そういう声を無視して、あえて強行するということについては、私どもとしては賛成しかねるということをはっきり申し上げておきたいと思います。  それから、あとの一つは、岡本さんの方からちょっと触れられました人事、原子力委員の選任の問題でございます。これにつきましては、事、人事の問題でございますから、具体的に名前をあげてどうこうということを言うべきではないだろうと思います。ただ、たとえばという仮定の問題として申し上げたいと思うのでございますが、先ほど申し上げたように、原子力研究所の従業員には若い科学者もだいぶ入っております。そういう連中が、ほんとうに信頼できないというような人が原子力委員になったということでは、これは困ると思う。それは、たとえば、いろいろな点で、——CP5に関係があったかどうかはわかりませんけれども、責任を負わなければならぬような立場の人が、——これはこの人が悪いのだと必ずしも考えておりませんが、そういう人が委員になるというふうなことについては相当な反発が出るだろう。これはわれわれの側ではなくて、原子力学会の中における反発というものが相当出てくるのじゃないかという懸念も一つあるわけでございます。  それから、あと一つは、これは社会党の立場における意見として申し上げるわけでございます。われわれは、安保体制というものについて、これは力の均衡の理論の上に立っておる。そうして、それによって平和を維持しようという考え方が安保条約を改定するという動きになって表面化し、あれだけの問題になったことは、今さら説明するまでもないと思います。われわれの立場からいたしますと、安保条約を改定するというこの動きというものは、どうしても核兵器というものを準備して、力の均衡の上に平和を堅持していこうという考え方にならざるを得ないのではないかという懸念をわれわれは持っております。従って、安保条約並びに安保条約を改定するということについて、積極的にこれを推進した、別の見方をすると、政治性の非常に強いというような人は、先ほど岡本さんからも御意見がありましたように、原子力の委員としての資格に欠くるところがあるということをわれわれは考えておるわけでございます。従って、そういう点で、安保条約改定というものを積極的に推進したような人がなるということについては、われわれとして、どうしても釈然としてこれを受け入れるわけにいかない心境にならざるを得ないということを、一つとくと御了承願いたいと思います。これに対して答弁を求めたりしますと、かえってまずいことにもなろうかと思いますが、私は、単に一つの意見としてこれを強く申し上げておいて、ぜひ御考慮願いたい。岡本委員の意見とあわせてお考え願いたいということを御要望申し上げて、私の質問を打ち切りたいと思います。

山口好一自由民主党

○山口委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗