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38回国会衆議院1961/05/31

運輸委員会 第34号

発言数
114
登壇者
11
会派数
3
開催日
1961/05/31

会議録

三池信自由民主党

○三池委員長 これより会議を開きます。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。内海清君。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 私は鉄道敷設法の一部を改正する法律案について、簡単に一、二質問申し上げたいと思うのであります。  去る五月十二日の鉄道建設審議会の建議によりまして、今回敷設法の一部が改正になるわけであります。審議会の建議されました九つの新しい線がこれに加わったのでありまして、これらにつきましてはいろいろの問題があると思いますが、その基本は、やはり審議会におきます問題であると思うのであります。そこで、審議会でこういうふうな新しい予定線というものを取り上げられます場合に、何か審議の選定の基準というふうなものがあると思うのであります。何もなくてやったのではないと思います。そういうものがありましたら、一つお聞かせ願いたいと思います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 昭和二十八年に、新しく別表に予定線を追加する問題が、鉄道建設審議会でいろいろ議論されました。その際選定基準というものがやはり論議されまして、一応まとまったものがございます。その概要を申し上げますと、第一は産業の開発と申しますか、特に資源の開発、それから第二点は交通網を形成するもの、それから第三点は輸送需要の非常に大きいもの、こういったようなものがたしかあったと存じます。そういうわけで、一応の選定基準というものができ上がりまして、それに照らして、その当時は別表追加の予定線をお選びになったようでございます。今回もやはりその線に沿いまして、詳しいデータは、その予定線が調査線になりますような場合に、もっと的確な調査をするわけでございますが、一応のデータを各路線について全部とりまして、そういった選定基準に照らして選び出したものでございます。前回申し上げましたように、別表に追加を希望しておりますのは百二路線でございまして、そのうちから九つ、その選定基準に照らして選び出したような次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 ただいま基準となるものをばく然と承ったわけでございますが、もちろんそういうものに照らして新しい線は十分検討されたと思いますけれども、特に最近の問題は、経済成長の基盤となる重要な資源の開発、あるいは産業発展というようなことが中心的な問題になると思います。しかし、今日の輸送関係から考えますと、自動車の面というものも閑却できない問題であります。従って、新しい線を建設する場合に、どうしても鉄道によらなければならぬか、自動車でやった方がいいかどうかというふうな問題が、今日の国鉄経営の状況から申しましても、きわめて重要なことと思うのであります。それらの点につきましても、十分なる検討が行なわれておることと思いますが、その点を伺いたいと思います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 鉄道建設審議会で、数多くの調査候補路線から調査線をお選びになります際に、やはり選定基準が要るということが論議になりまして、その結果調査候補路線から調査線を選び出す場合の選定基準が一応でき上がっております。これもしばしば申し上げましたように、重要な交通網を形成するもの、それからもう一つは、資源の開発、産業の発展上重要なもの、こうございまして、しかもその二つの要件を満たしたもので、自動車輸送との比較検討をいたしまして、鉄道輸送を有利とするものを選ぶということに相なっております。その選定基準で、先般調査候補路線六十五線あるうちから六線を選び出したわけでございます。そのことは、やはりこの予定線の追加選定にあたりましても、当然御指摘のように考えおくべき問題でありまして、一応事務当局で作っております基準に照らしまして検討したものでございます。つまり、正確に申し上げますと、旅客は一日一キロ当たり五千五百八十人、それから貨物は一日一キロ当たり六百六十二トン、このくらいの数量ありますと、鉄道輸送を有利とするというふうな基準を作っております。その基準に照らしまして、この別表予定線に追加する路線の選定についても検討いたしたわけでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 新線についてはそういう検討が行なわれるということはわかりましたが、現在別表にありまする予定線、なお工事に未着手のもの、これらにつきましては、やはりそういう自動車との関係の検討が行なわれておりますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 先ほど申し上げましたように、別表予定線のうちから着工線になります場合には、その段階といたしまして、まず調査候補路線というものを選び出します。その調査候補路線のうちから調査すべき路線をまた選び出すわけでございますが、その際に、自動車輸送との比較検討をいたしまして、鉄道輸送を有利とするものについて調査線として選定するわけでございます。従いまして現在別表予定線に上っておるものについて、自動車輸送との比較をしておるかどうかということでございますが、全部についてはいたしておりませんで、調査候補路線から調査線に上ってくる段階においてその検討をいたすわけでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 そういたしますと、現在予定線に上がっておるものも、着工に至ります際には、それらの点で十分検討されて、鉄道というものが自動車にかわる場合もある、こういうことでございますね。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 さようでございます。御承知のように、すでに鉄道建設審議会で、着工すべき路線として指定されまして、大体部分的に路盤が完成したというものについても、過般の鉄道建設審議会では、レールを敷かないで、これを専用自動車道路といたしまして国鉄のバスで運営するというふうなことも検討する価値があるということで、小委員会に付託されておりまして、今後の小委員会でいろいろ御検討に相なるかと存じております。従いまして、当然予定線から着工線、その過程における調査線の段階におきましては、そのことは十分検討いたすわけでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 現在別表に多くの線があげられておるのでありますが、今日、この線の中で工事に着工しておりますものは何線でございますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 戦後新線建設が再開された昭和二十七年度から最近までに着手いたしました新線は四十四線、延長約一千五百十三キロでございます。このうちすでに全線開業いたしましたのは十九線で、部分開業いたしましたものが九線、合わせて約六百十七キロでございます。現在工事中のものは二十五線で、八百九十六キロに相なります。三十五年度以降に着工線として建議されたものが十一線、延長約六百十四キロでございます。それからまた、過般の三十一回鉄道建設審議会におきまして、新規に着工線として建議されたものが一線、延長約十三キロでございますが、従って今後建設いたします新線は、合計三十七線で、延長約千五百二十四キロで、所要工事費は、概算昭和三十五年度以降約千五百十二億円でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 ただいま承りますと、三十六年度以降で着工、工事を進めていくものが三十七線、所要資金が千五百十二億ということであり、その延長が千五百二十四キロということであります。ところが三十六年度におきます新線の建設の計画を見ますと、確かに三十六年度の新線建設の予算は七十五億、これに前年度の繰り越しと申しますか、こういうものを入れて約九十億程度だと思うのであります。ところが実際工事に使われるものとしては七十五億ということになっておりますが、七十五億がこの三十七線に配分されていく、これを見ますと、一線で一億程度のものがずいぶんあると思う。われわれが考えてみました場合に、普通実際問題としては、地理的条件によって、トンネルがあるとか橋梁があるとか、いろいろな問題がありましょうが、一応平均一キロ一億といたしまして、これは七十五キロしかできぬという形なのです。実際はそれよりあるいは減るだろうと思います。この一線一億程度の資金配分というふうなことで、これはどういうふうなことを御計画になっておるのでありますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 確かに仰せのように、一億程度で一体どういうことを考えておるか、それじゃ事実上建設できないじゃないかということでございますが、何しろ七十五億プラス十五億、九十億のワク内で三十七線をやっていこうといたしますと、それはなかなか実際問題としては無理があるのでございまして、しかも、鉄道建設審議会の御建議では、予算実行上効率的に経済速度をよく勘案してやれということもございまして、三十七線の中におきましても、おのずからウエートの差がございますので、やりかけたものはなるべく早く仕上げるというふうなことを考えまして、ある程度重点的にそういう線には予算をふやしてございます。従いまして、新しく着工線として入ってきたものは、やはり測量といった程度の予算しかつけておらぬわけでございます。これは全体のワクが小そうございますのでやむを得ないやり方ではないかというふうに考えておるのでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 なおこの三十七線のうちで工事が半ば以上進捗したものが何線あるか、あるいは完成に近いものが何線あるか、お知らせいただきたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 昭和二十七年四月二十八日に鉄道建設審議会から答申がございました線は十線でございますが、赤穂線を入れますと、これは御承知のように本年度開業の見込みでございますが、これは一〇〇%済んでおります。それから昭和二十七年の十二月に答申に相なったもので見ますと大体六五%でございます。それから二十七年十二月の答申によって二十八年から着工したものは二七%。それから三十二年四月の建議によるものにつきましては進捗率は大体四%程度でございます。ここに一々の路線の進捗率につきましてデータは持っておりますが、各路線ごとに申し上げましょうか。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 よろしいです。確かに私の調査でも今お話しのようなことであるわけですが、三十六年度の計画表によって見ましても、完成近いのはただいまの一線ぐらいである。私が見ましたのでは、半分以上進捗しているのは三線くらいしかない。あとは全部それ以下だ。しかもそれに対しまして、資金の配分で十五億台というのが一線しかない。あと五億台が一線である。四億台が三線、三億台が三線、二億台が三線、一億台が十九線、一億以下、しかも二千万円程度のものがある。わずかに二千万円程度のもので何をするかということであります。ことに審議会の建議の中には、着工中の路線の完成は今後非常に時間を要するだろう。従ってこの工事中の路線についても投資効果をすみやかに発揮するように毎年度の予算規模に応じ重点的に工事を進める、こういう建議をいたしておる。さらに今後着工するものについても十分調査を行なって、開発効果、予算の規模、工事の難易等を勘案して選定する、同時に現在着工中の路線の進捗に影響を与えないようにするというような建議もあるわけです。この新線の別表追加については今回の審議会の建議はそのまま取り入れられておるのでありますが、こういう工事の実情についても審議会の建議は当然のことであると私は考える。それが実際の三十六年度の資金配分から見るならばまことに遺憾であるというふうに考える。これではたして工事が国民の納得がいくように進んでいくかどうか。一億程度のものであるならば、今後千五百何キロあるのですから、これでいけば十五年かかる。その間には予定線が、あるいは経済情勢の変化その他から考えて、せっかくある程度ぼつぼつ進めていったけれども、大して重要性がなくなる、いろいろなことも出てくるというふうに考える。こららの点についての考えを承りたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 三十六年度の建設線の予算の配分については仰せの通りでございます。しかし重点的に投資効果をすみやかに上げるというわれわれの気持は、たとえば根岸線について見ていただきますとおわかりいただけるのではないかと考えております。あの一線に十五億思い切って配分したわけでございまして、御承知のように根岸線は当初は通勤旅客輸送の線として考えておりましたけれども、最近横浜に大規模な埋立計画が進捗いたしておりまして、そこに相当大工場ができ上がるということで、昭和三十八年度末、つまり昭和三十九年の四月までにぜひとも根岸まで完成を必要とするのだという事態もございまして、思い切って資金の配分をしたわけでございます。そういうわけで、御趣旨の通り、その意図を体しましてやっておるつもりでございますが、一億程度のものにつきましては、そのうち完成路線が出てきますと、建設費の予算のワクにゆとりが出てきますから、それをまた思い切って投入していくという方法も可能に相なるかと存じておるのでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 ただいまの局長の御答弁からいたしますと、重点的に考えておるということでありまするが、もし重点的に考えるというならば、二千万円とか九千万円とか一億程度というものは、一応国民に、やっておるのだ、それだけの一つのゼスチュアであって、実際問題としてはそういう工事の進め方は遺憾だと思う。もし重点的にやられるならば、最も重要線からもう少し資金の配分については考える要があるのではないか。むしろ一面からいえばこれは国民をごまかしておる。いつできるか、十五年先にできるか二十年先にできるか、あるいはそれ以降になるかということですが、今やっとるんだ、今やっとるんだということのみでいくことは、国民に対する親切なやり方ではないのじゃないか、私はこういうふうに考えております。従って重点的にやられるということであるならば、もう少しそれをしぼって、ほんとうにこの建設の目的に一日も早く沿うような方法をとるべきではないか、かように思うのでありますが、それに対する御意見を一つお伺いいたしたいと思う。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 仰せの通り重点的にやりたいという気持は十分持っておりまして、そういったつもりで予算の配分原案も作ったわけでございますが、新線建設に対する関係地方住民の希望も非常に熾烈なものがございまして、そういった強い希望を無視するということにもなかなかいきませんので、われわれも非常に苦しい立場で配分計画を立てておるということを御了察願いたいのでございます。御趣旨は十分わかっておりますので、さらに来年度におきましては建設審議会の御意見も十分拝聴いたしまして、そういった方向へもっと強く前進できるように努力して参りたいと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 来年度以降そういう方向に持っていきたいという御意向まことにけっこうであります。実際問題として今日までのような状況では国鉄もむしろマイナスじゃないか。早く完成さしてその線の目的に沿うようにしていくことは、住民にとりましても国鉄経営にとりましても好ましいことじゃないかと思うのです。ただ一億くらいで、十五年先にできるか二十年先にできるかわからぬが、やっておるのだというこの行き方は私は強く反省されるべきである、こういうふうに考えるのであります。そういうことに関連いたしまして、今日別表にありますものの中でもうすでに相当の時間を経過しておるので、これはもう別表からはずしてもいい。この線は今後わが国の経済情勢あるいは産業開発ということから考えて不必要だというような線もあると思うんです。こういうふうなものについてはやはり当然別表からはずすべきものじゃないかというふうに私は考えるのですが、いかがでございますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 その点につきましては、先日私の方の大臣がお答え申し上げましたように、確かに理論的には当然この別表予定線は総ざらいをいたしまして整理すべきものは整理するということが正しい行き方であろうかと存じます。しかし、やはり関係地方住民にとりましては重大な利害関係を持ちました問題でございますので、軽々に取り扱うべきではない。従いまして客観情勢と申しますか、国民全体のうちに、むしろ道路をより整備して、新しい交通機関であるバスなりあるいはトラックによる方がいいのだというふうな情勢が出て参りますれば、そういった客観情勢の盛り上がりと見合いに再検討のチャンスをつかみたい、かように考えておるわけでございまして、鉄道建設審議会に一おきましても、昭和二十八年の別表追加の論議がなされました際に、当然今までの予定線を再検討すべきだというふうな御議論が出たのでございますが、しかし、やはり関係地方住民に及ぼす影響を考慮されまして、そのことは自然さたやみに相なったという経過もあるのでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 私の言っておりますのは、もちろん今後鉄道がいけなければ自動車によろうというものはけっこうだと思うのです。今後この線は鉄道の必要もないし、自動車の専用路線を作る必要もないというものがすでにあるのじゃないかと思うのです。この点一つお尋ねしておきます。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 まだ十分検討いたしておりませんが、確かにそういった路線が相当数あることは否定できないかと存じます。それを別表予定線の整理ということで法律改正をやるかどうかということになりますと、ただいま申し上げたようなことでございまして、これはよほど慎重に取り扱わなければいけないというふうに考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 ただいまのお話、もちろんわかるわけで、地方住民の感情問題、これもわかりますが、どうせ見込みのないものをいつまでも置いて、これは別表で予定線になっておるんだというこの行き方、これははたして国民に対して親切なやり方かどうかということです。でありますから、これがどうしてもいけなければ、なおほかの問題を地方住民としても考え、国としてもアドヴァイスし、あるいは援助していくという方法が最も親切なものではないか。言いかえますならば、地方の実態からもう国有鉄道もできないというふうなことになれば、これはいわゆる民営の会社線と提携していきますとか、何かそこらの方法を早く立てさせるべきであって、いつまでもこれは、何とかなるだろう、もう少し待てというふうな態度は、私は為政者としてはとるべきではないんじゃないかというふうに思うんです。その点に対するお考えをお伺いしたいと思います。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○福家政府委員 その点、内海委員の仰せの通りでございまして、当局といたしましてはすっぱりと切って新しい線だけで再出発したいのでございますが、根本的には、御説がございましたように当局もそう重く考えておりません。たとえば金刀比羅さんの参宮に立っております寄付の石に刻んである文久三年金一両とか、あるいは大正元年金千両とかいうような一つのアクセサリーといいますか、立てておくことが一つの観光の目標になっている、そういう意味の程度で、それでもいいから置いておいてくれという地元の希望が強いのでありまして、それにとらわれているわけではないのでございます。お説の通りと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 なお新しく追加されましたものなどにつきましてもいろいろあると思いますが、これは立地条件その他現地の様子を調べなければなかなか判断しにくいので、時間の関係もありますし、私はなるべく以上で終わりたいと思いますが、この際私の強く要望しておきたいのは、やはり新線建設をいたします。ことに別表に予定線としてあげます場合には最も慎重に考慮して、そうして鉄道の完成によりまして地方の経済の発展あるいは産業の発達、その他文化の交流等に最も貢献するものであり、しかもこれが鉄道によらなければならぬというふうなものについて、十分一つ考慮してやっていただきたい。これがはっきりと出て参りませんと、やはり政治路線というふうなことで国民に多くの疑惑を与えるものがあると思います。さらにそれと並行いたしまして今後のわが国の交通の形態の上から考えまして、自動車との関係もあくまで十分検討していく、ことにさっきからのお話のように、今日予定線になっておりますものにも、自動車の方が地方住民にも有利ではないか、こういうふうに考えられるものもあると思うのですが、これに対します当局の一般住民に対する啓蒙が、私の見ますところではまことに足らぬと思います。これを十分納得させなければいつまでたってもこの問題は解消しない、もう少し積極的に当局においてこれらの一般住民に対する啓蒙をやっていただく、そのことが住民のしあわせを増し、あるいは国鉄経営を豊かにするということであると私は考える。どうかそういう点について十分なる今後の策を強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

三池信自由民主党

○三池委員長 山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は簡単に一つ御質問を申し上げたいと思います。  新線の建設につきましては、昨日質問をいたしまして大体私の見解については意を尽くしているのでありますが、さらに二、三の点について御質問を申し上げたいと思います。  まず第一には、この新線建設については、どの国会だったか、資料を調査しておらぬのでわからぬのですが、前の新線建設のための調査線を決定する法律が改正されるときに、今も内海委員からも質問がありましたが、もう二十年も三十年もたなざらしになっている予定線の整理問題について各委員からそれぞれ質問があって、そのときに、そういう実現不可能な線については、一応法律の改正ということではなくて、今後それを一つの課題として研究するが、しかし一応改正をしないままにたな上げにして新しく新線建設予定路線の再検討をした結果、これだけのものを別表改正に加えて御提案を申し上げる、こういうような御説明がたしかあったと記憶いたしておるのであります。その後、今の質問に対するお答えは、あの当時の運輸省の方針なるものがそのまま実行されていないのではないか、こういうように考えるわけですが、この前の別表改正の法案が提出された後のいわゆるこれらのたな上げ線と申しますか、不要になった路線等の整理についてどういう処置を講じられておるのか。また、そういうような時代の移り変わりに従って、ほんとうにその必要性の希薄になった路線について、今後、私がきのう申し上げたようにはっきりとした態度というか処置をとる御意思があるのかないのか。この点について、運輸行政上重大でありますから、一つ明確な方針をこの際明らかにしていただきたい、このように思うのですが、いかがでしょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 この問題につきましては、先ほど内海先生にお答えいたしました通りでございまして、過般運輸大臣も御答弁申し上げましたように、非常に重要な問題でございますので、やはり客観情勢の推移を見きわめまして、仰せのような整理をする意味合いにおいて別表の再検討の機会をつかみたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 考えておるということでありますが、これは際限のないことなんです。今までにこの鉄道建設審議会等それぞれの機関にそういった意見をお出しになったということがあるかどうか。検討されたことがあるのかどうか、これを一つ。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 これも先ほどお答え申し上げましたように、昭和二十八年の別表予定線につきまして新しく追加するということが鉄道建設審議会におきまして論議されましたときに、追加もよろしいけれども、すでに必要のなくなったようなものも相当あるのだから、これを整理することを検討してはどうかというふうなことも出たのでございますが、結局この問題は、地方住民に与える影響が重大であるので、軽率に扱うということはいかがかと思うという論議の方が有力でございまして、その再検討は一応論議の上で出たことは出たけれども、まとまった形において結論は得られなかった、こういう情勢でございます。今回の鉄道建設審議会におきましても、やはりその問題が、多少一部の委員から出まして、小委員会で鉄道輸送と自動車輸送との関係というような根本問題も取り上げようという空気も出て参っておりますので、それが発展いたしまして別表予定線の再検討ということに相なれば、また新しい方向が出てくるのではないか、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は率直に言いますけれども、なるほど地方住民の要望または期待等も私は率直に認めますが、それと同時に、われわれ国会議員としてもこれについては深い理解と反省を持っていかなければならぬと思うのです。きのう申し上げたように、この予定路線あるいは調査線等々が決定をされ、それが実現可能か不可能かもわからない、そして何年も何年も、はなはだしきに至っては三十年、四十年とほとんどたなざらしの状態に放置せられているような路線もあるのですが、そういうものが時代の推移とともに不必要になっているにもかかわらず、決断が下されないために往々にして政治界あるいは行政に対しても一つの地方住民の不信にまで発展しつつあることもまた事実であります。また悪く言えばそれをあらゆる方面に利用されるおそれも非常に多いのであります。こういうことは、ひいては日本の政治そのものにも行政そのものにも芳しい結果を生むものではない。従ってこの計画を立てる場合には、その実現が可能かどうか、日本の現在の経済力あるいはその他の要素を勘案をして、そうして調査費に膨大な国の経費を使うのでありますから、少なくともそういうような決定を法律がするのでありますから、法律の権威のためにも、もっと真摯な態度をもって決定せらるべきではないか。たとい審議会等の政治的な配慮からするこういう調査線の決定答申があったとしても、それを国鉄なりあるいは運輸当局の運輸行政上なりからしさいに検討をして、そうして法律の改正案として出すべきものかどうか、あるいは中止すべきかどうかをもっと慎重になすべきではないかと思う。ところがどうもこの鉄道建設審議会の答申なるものは、そういうような批判もなしに、ただまるのみにのみ込んでやられるところに権威の失墜があり政治への不信がある、このように考えるわけです。ですからきのう申し上げたように、運輸省は運輸行政上もっと確固たる信念を持ってこれに対処せらるべきではないかということを私は強く質問を申し上げた。これは事務当局はもちろんのこと、この衝に当たる運輸大臣として、日本の将来の運輸行政上きわめて私は重大なことであると考えるのですが、事務当局からも、また運輸大臣からも、それに対する確固たる答弁をもう一度聞かしていただきたいと思うのです。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○福家政府委員 運輸省は確固たる信念を持ちまして御説明の通り努力いたします。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は今の答弁はきわめて不親切だと思うのです。そういう確固たる信念を持って今庄でやっておられれば、一体今度の改正案もどれだけの信念を持って出されたのですか。昨日の肥田委員の質問でも、瀬戸内海における予定線というものは実に雄大な計画である、従ってこういうものは賛成だと言われる。私もそう思う。しかし一面考えてみると、青函隧道の問題があり、明石−四国の連絡鉄橋の問題がある。そして今また高松−宇野間の予定線が調査線として掲上せられる。一体三線だけでもどれだけの資金が要るとお考えになりますか。東海道新線を建設するにあたっても、外資の導入なくては、日本の経済力だけをもってこれをまかなうことはできないという実情にあることが証明しているじゃないですか。しからばこのような、いわゆる雄大な計画を立てるにあたっては、私はもっと確固たる計画、信念がなくてはできない相談だと思う。私は今度の改正案なるものの提案されている底に、今申し上げたような、また次官が御答弁になるような信念があると言われるなら、その具体的な事例を示してもらわなければ、これを実現するのかどうかという誠意についても疑わざるを得ない。一体どういうことなのですか。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○福家政府委員 ただいま御指摘になりました青函、あるいは明石海峡から淡路島を縦断して鳴門に結ぶ、本土と四国を結ぶようなものは莫大な経費を要するにかかわらず、宇野−高松というような線を再び予定線に入れるというようなことには、いかなる信念を持っておるかというお問いでございましたが、いやしくも本土と四国を結ぶというような世界的な、画期的な架橋の大事業でございますので、一方的に単に明石海峡、あるいは鳴門を結ぶ線だけの調査においてこれをよしとしない。岡山、香川県の宇野−高松の線、あるいは広島、愛媛の尾道から今治につなぐ線というような、三つあるいは四つくらいの路線を比較検討いたしまして、経済的に、科学的に最も実のあるものをとって、そこに結ぶということが、国策であり、良心的な処置であるという確固たる信念のもとに当局としては予定線に加えていただいた次第でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私の見るところでは、大体着工までの経路については、最初は予定線にし、調査線にし、着工線にする、こういう経路を踏んできている。だから、今まで調査線ということになれば、一つ格上げされたことになる。従って、これはもう着工は間違いないのだ、こういうように、これは早合点かもしれませんけれども、宣伝もされているし、そして実質的にそう考えているのです。それがだめになったというようなことでは、これはほんとうに重大なことになる。ですから、クチナワ(ヘビ)のなま殺しという言葉があるが、着工もしない、といってだめだということも言わない、適当にお茶を濁して、時日をただ経過するだけである。これでは私はほんとうに行政面から申しても、さっきから申すように政治面から見ても、不信を買うばかりである、こう思うのです。はなはだしきに至っては、私はいろいろのところに行っておりますが、一つの河川を改修して、そして干田地帯が湿田地帯に変化をする。そうすると、上水道を作ってくれというのがその住民の切なる願いである。ところがそれを利用して、悪い言葉で言えば何十年もほっておく。だれが当選しても、だれが何と言うて出てきてそれを実現しようとしても、それは一向にやってくれないというので、住民は投げやりの考えを持つようになる。全く政治に対して不信を表明していることになる。これでは私は行政面から見ても政治面から見ても重大な不信行為になると思う。そこで、これは終止符を打ちましょうということで、私は努力したことがありますが、こういうような調査線についても、簡単に信念々々と言われるけれども、一体どこまで信用していいのかわからないのですよ。今までに調査された線が何線になっておりますか。もう調査の結果も出ていると思います。そしてほんとうに真剣に調査の結果、どれだけのものが着工可能なのかどうか、この際私は既定の調査線の現況、将来の見通しについてはっきりとしてもらいたい。できないものはできない、できるものはできるとはっきりしてもらいたい。そうでないと、単なる宣伝に終わるということでは、今申し上げたように非常な不信を買う結果になる。私は、何としても将来日本の民主政治を発展させるのには、与野党を問わず、政治、行政に対する国民全体の信用を高めるというところに、日本の議会政治は確立されると思っている。だんだんと政治に対する不信を買い、その結果が、政界に対しても選挙に対しても非常な汚点を残すに至る。このことは私は何としても防がなければならぬと思う。そのためには、今日こういう問題が提案されたのでありますから、この際そういう点について明確に答弁をしてもらいたい。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○福家政府委員 お説よくわかります。一応鉄道建設審議会の議題になりまして、当分そのままに据え置くという結論にはなりましたけれども、本委員会におきます山口委員あるいは内海委員のお説をもとといたしまして、次の鉄道建設審議会において、当局としてその御意見を中心に再検討を提案して、検討していただくことにいたします。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私はそれを期待いたします。  そこで事務当局に伺いますが、先ほど申し上げた前の別表改正によって調査線となった、その線の調査の結果はどういうことになっておるか、その概況を一つ御説明願いたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 鉄道建設審議会で調査候補路線についていろいろ御審議になりまして、昨年の当初からであったかと存じますが、まる一年御審議になったわけでございます。その過程におきまして選定基準をお作りになりましたし、あるいはただいま御指摘のように、調査線を選び出すということは、それが即着工線になるという前提ではない、このことを鉄道建設審議会では一つ明確に把握しておかなければいかぬという御意見が出たわけでございまして、そういった御意見を尊重いたしまして、今回調査候補路線といたしましては六十五路線ございましたが、そのうちから六線新しく選び出したわけでございます。しかもその六線につきまして調査すべきものとされました御建議の文案には、着工の可否を調査すべきものというふうにされておるわけでございます。ここで初めて、鉄道建設審議会としては、調査線というのは着工の前提ではないのだ、着工をすべきかどうかということの調査だという意思を明確に表明されておるのでございまして、われわれ事務当局といたしましても、その趣旨を体しまして、十分慎重に、さらに詳細検討してみたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 その六線の内容についても、どこどこであるか、差しつかえがなければ、その差しつかえのない範囲内で一つ明示してもらいたい。差しつかえがあるようならば、あえて明示は迫りません。  それから国鉄にお伺いをいたします。  現在予定もしくは調査線として法案の改正案が提示されておるのでありますが、これは先ほどからお聞きのように、また御承知の通り、鉄道建設審議会の答申に基づいて法案の改正がせられるのであります。しかし国鉄の新線建設による赤字もしくは建設に関する資金等の調達は、これは運賃法の改正のときにも御説明をされましたように、国鉄の現在の経理をもってしてはまかない得ないということを強調せられておるのであります。そうすると、このような膨大ないわゆる予定線の調査線、ひいては、これは今事務当局から言われるように、調査の結果必ずしもそれが全部着工線として採用されるとは限らない、こういうことではありますけれども、住民としては、調査線に入ればおおむね着工されるものという予測、前提を持っておるわけです。しかし現在の国鉄能力をもってしては、私は、よしんばこれを着工線と決定しても国鉄は受け入れることが困難ではないかと思われる。そうすると、国鉄は、この調査線に編入される場合に、その以前にどういう意見を運輸省に具申せられたか、ただ鉄道建設審議会の決定をそのまま了とせられて、この法案を提出するに賛成されておるのか、その経過並びに国鉄のこれが受け入れに対する所信をこの際一つ明確にしていただきたい。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 お答え申し上げます。  新線建設の国鉄にとっての経済負担というものが相当大きな問題であるということは、前々からいろいろな機会に申し上げておる通りでございます。この問題は、今次の国会におきまして、今後の新線建設に対する利子の補給というようなことをお取り上げいただきましたので、そういうような面ではこれが非常な力になるということで感謝いたしておる次第でございますけれども、国鉄といたしましては、今後の新線建設につきましては、できるだけ早い機会にさらに一歩を進めて、政府出資というような態勢でこのことが行なわれるようになりますことを今後もお願いをいたして参りたいというふうに考えております。  それから広く新線建設の問題につきまして、特にまた建設審議会に付議されますいろいろな問題につきましては、これは運輸大臣の諮問機関であるという性格からも、運輸省の御当局の方で御立案になっておられるわけでございますが、それらの立案に際して、国鉄に対していろいろ意見をお求めになる場合もございますので、それに対しましては、資料その他国鉄でもって間に合いますものは、これを差し上げる、また私どもの考えておりますことは遠慮なく申し上げて、でき得る限り私どものお願いをお取り上げいただきますように取り運んでいただいておるようなわけでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 時間がたちましたから私はあまり長くを申しませんが、今の国鉄側の答弁にいたしましても、あまり国鉄の意見なるものは建設審議会にも、あるいは運輸省にも反映していないのではないか。現在の国鉄の経済負担能力から見て、こういうような、いわゆる一面からいえば不見識といっても過言ではないですが、こういうような決定がされる。少なくとももっと国鉄の意見なども尊重をせらるべきであるし、またこういうような膨大な計画がされるのでありまするならば、国鉄にそれだけのしわ寄せをするような決定ではなくて、政府自身が、もっと資金面から見ても、その他の計画を立てる場合にはすっきりとした計画をもってやられるべきだと思うのですけれども、何らそういった面についての計画なしに、ただ建設する、そのためにこうきまった、法律できまったから国鉄はその資金を調達すべしというようなことじゃ、これは国鉄本来の使命を全うすることはできないのではないか、かように考えるわけですけれども、運輸省は一体そういう点についてどういうお考えを持っておられるか、これを聞きたい。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○福家政府委員 この点、山口委員多少誤解があるかと思います。鉄道建設審議会の中に国鉄総裁が有力なメンバーとして参加しておりますし、速記録によりましても、その発言の相当数は国鉄側が発言をいたして、そうして十分議論の結果審議会の答申として運輸省に回ってくるわけでございますから、国鉄の発言が全然審議会で無視されておるというようなことはございません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それならば、今の国鉄の答弁というものは非常な食い違いがあると思う。またその結果についても、国鉄も重大な責任を帯びなきゃならぬと思う。今日東海道新線を建設するために運賃の値上げまでされておるのです。そうして今日公共企業体としての性格、それはなるほどりっぱな理由がついております。日本の経済開発とか、あるいは経済の振興とか、あるいは民生の安定とか、いろいろの公共的、公益的な理由がついておるのです。そうして私企業のごとく利潤を追求する機関としてではなくて、いわゆる公共性を主張した公益事業としての国鉄の存在を認めて、そして公社として運営されておるのです。それが、私企業は何もいっていないのに常に運賃値上げではさらに最先端をいっておる。そして国鉄は赤字かというと決してそうではない。一般的には国鉄は黒字ではないかと言っておる。こういうことで、言っておられることと実際やっておることとは全く矛盾しているのです。これは何かというと、もしこういう新線の建設等にあたって将来大衆には迷惑はかけないんだ、自己の経済によってこれだけのものが完成できるんだという確信があって行政当局も国鉄当局もこの改正案を出され、そしてこれが実行されるというのであれば、これはよろしい。けれどもそうではなくて、東海道新線を建設するということになればすぐ運賃の値上げをしてそこから資金を得ようとする。公共事業であるにもかかわらず、私企業は何もいっていないのに、いつも大衆負担の先頭に立つ。こういうあり方は私は改めなければならぬと思うのです。そこに私は行政的な運輸当局の計画性は皆無ということを認めざるを得ないのです。それは国鉄も、審議会においてどういう議論が出たか知りませんけれども、率直に言えば勘定にも合わないことを受け取って、ただ国鉄の事業拡張欲だけを満足させるというような行き方は改めなければならぬと思う。どうお考えになりますか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 ただいま最後に仰せられました単なる事業拡張欲だけを満足させるというような、そういう気持は毛頭持っておらないのでございます。  なお、ただいまお尋ねの中に、東海道新幹線建設のような問題が出てくれば、さっそく運賃の改定というようなことをお願いしておるではないかというお言葉もございましたが、これは実は前にもこの委員会で御説明を申し上げたことがあったかと思うのでございますけれども、国鉄といたしましては東海道新幹線のような、将来採算に合うと思われるような投資につきましては、これはもう当初から借入金でまかなっていくという建前をとっておるのでございまして、今回運賃の値上げをお願い申し上げましたのは、決して東海道の新幹線の建設というようなことを理由にお願いをしたのではないのでございまして、再々申し上げておりますように、国鉄としては現在のわが国の経済発展に追随していきますためには、採算を度外視したような輸送力増強あるいは輸送の安全の確保というような採算に乗らない投資もやらなければならない。そのために財源がどうしても足りませんので、まことに恐縮であるとは思っておりましたけれども、最小限の必要な自己資本を獲得できるようにお願いしたいということから運賃の改定をお願いいたしたような次第でございます。先ほど、いわゆる新線建設についての政府の出資を今後もお願いしたいということを申し上げましたが、新線の大部分はこれまた採算を度外視してやらなければならない仕事であると思いますので、そういう性格から政府の出資というようなことをお願いいたしておる次第でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 なるほど国鉄から答弁を聞きましても、運輸省から答弁を聞きましても、答弁内容というものはもっとものように聞こえるわけです。しかし今日国鉄に対する不信、また行政面に対する不信というものは非常に大きなものがあります。またひいては政界に対しても大衆の不信というものは非常なものがあります。従って実質的には今御答弁になったようなものではないか。今国鉄のとっておる営業の方針というものは、利潤追求機関であるといっても過言でない。私企業よりももっと利潤欲というものに狂奔している姿というものは大衆はよく知っていると思うのです。どんなに説明されてもそれで満足するものではございまん。ですからこの新線建設にあたっても、今御答弁になったような、実質的にいわゆる大衆が負担をするのではなくて、将来調査線が着工線に決定される場合においても、政府並びに国鉄においてその建設に必要な資金は、人に迷惑をかけないでもちゃんと負担ができ得るという限度内においてやっていく。また、これは運輸当局にも言っておきますが、それを理由にして、調査線にしたからといっていつまでたっても着工するのかしないのかはっきりせずに何十年もたなざらしにして、ただ宣伝の具に供せられるような行為は今後一切慎んでもらいたい。そうしてできるものはできる、できないものはできないとはっきりしてもらうことが、行政についても政治についてもむしろ民衆の信用をつなぐことであると思いまするから、この点強く私は両当局に要望しまして質問を終わりたいと思います。

三池信自由民主党

○三池委員長 ほかに御質疑はございませんか。——ほかにないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。     —————————————

三池信自由民主党

○三池委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 昨日から今審議されております敷設法の一部改正についていろいろと質問をいたしまして、当局の説明を聞きました。しかし説明を聞いてみても、依然として私は、ただいま審議しておる一部改正というものは非常な弊害をもたらすものだという考え方を変えるわけにはいかないのであります。すなわち今度これが改正されますと、九路線が別表に追加されることになります。従ってこれによって予定路線の合計は百五十九路線ということになるのであります。この多数の予定路線というものは、明らかに大正十一年の立法化以来今日までに累積されたものでありまするから、これがいわゆる調査線あるいは着工線のそれぞれの段階を経て実際に実現をするということはなかなか困難である、諸般の事情から見ても不可能ではないか、こういうことが考えられるのであります。ですからそのような実情にあるにもかかわらず、調査、着工という段階にまでいかないにもかかわらず、いろいろな弊害が出ておることは、昨日までわれわれが質問した通りであります。いわゆる地域的な利害関係というものがこれによって起こってくる、そしてその利害関係は直ちに個々の政治的な争いに、醜い姿に結びついてくる、こういうことになろうと思うのであります。これは山口君が昨日もいろいろと質問しておりましたが、そういう実態が実際にあるということを聞くならば、われわれはなおさらこの問題はきわめて重大だと思うのであります。これらは大臣やそれからどなたかも言われておったように、それぞれの政治家というものの視角がもっと高度になってくれば解決されるだろうというふうな言葉でありましたけれども、それを今直ちに望むことも困難であります。従いましてわれわれはそういうことを考えて将来に対処しなければならないということを痛切に感じるわけであります。  一面、予定線というものはあくまで予定線でありますから、この予定線という考え方をわれわれは否定するものではないのであります。しかし予定線であるということが、地域的には予定線ではなしに、すでにもうこれは予約をされた線路だ、もうあとは時の問題だ、こういうふうな宣伝がなされる、こういうところに問題が出てくるのであります。ですからこれがいろいろな弊害を起こしてくる。この起こしてくるところの弊害というものは、国の産業を正しく発展させることを目的として立てられる交通政策、こういうものとはおよそ縁の遠い姿になってくるだろうと思うのであります。私は、そういう立場からして現在のこの敷設法という中にある予定線、この制度がいろいろな問題を起こしてくるだろう、しかも将来もなおかっこれは起こってくる可能性がきわめて強い、こういうことを考えるのであります。大正十一年から四十年を経た今日の累積された予定路線は、今日の日本の経済の実態やそれから将来の交通政策の方向に沿わない面が生じてきておることも私は考えなければならないと思います。従いまして予定路線の運命というものは実は明らかである。いわゆる百五十九ある予定路線というものは、もうそのまま日の目を見ないで終わるような線路も多数出てくるのではないか、これがしかも将来の日本の経済、日本の交通政策、そういうものの中にあっては当然であろうと私は考えるのであります。今日の予定路線の概念というものは、もっと具体的に具体性を持たしてきめられなければならぬ、そういうふうに法改正というものがなされなければならないということを私は考えるのであります。真に将来の産業と交通の発展に即した法改正、このことを私は考えなければならぬと思います。百五十九予定路線の整理が可能になるように、そうして真に将来の産業と日本の交通政策にマッチした法改正というものが行なわれることを私は切に念願するものであります。  予定線の敷設法のために今までいろいろと起こってきた問題については、それぞれの方々も十分御理解のようであります。従いまして私はこの点についておそらくどなたも考え方は、運輸委員会に関する限り変わらないだろうと思うのであります。従って皆さん方の努力があるならば、これはきのう大臣からも答弁があったように、この法改正というものは可能である、こういうことも言われておりますので、私たちは近い将来にこれに対する大きな期待をかけて、そうしてそういうふうに改正されるだろうということを信じて、この意見を特に強く申し添えて私の討論を終わることにいたします。

三池信自由民主党

○三池委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

三池信自由民主党

○三池委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任をお願いいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三池信自由民主党

○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

三池信自由民主党

○三池委員長 次に、モーターボート競走法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それでは時間もありませんので、私はなるべく簡単に質問をいたしますから、一つ簡潔にお願いいた、したいと存じます。   〔委員長退席、川野委員長代理着席〕  この法律の改正の要旨というのは、公営競技調査会が発足をしたがまだその結論が出ないから延ばしてくれというようなことと思うわけであります。公営競技調査会が発足をしたけれども結論がおくれている理由をまず最初にお尋ねいたしたいと存じます。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 公営競技調査会は三月十五日に第一回の会合をいたしまして、それ以来昨日で第五回の会合をいたしております。そのほかに三回実地の視察をいたしているわけでございます。この調査会におきましては、最初のうちは競輪、競馬等の現状の説明を聞き、そうして実地に調査をいたしまして、第四回にこれらの公営競技についての問題点の説明を受け、そうしてきのうの第五回から本問題の検討を始めたというような状態でございますので、まだ最終的な結論が出ないということでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 実はこの公営競技調査会の法律ができたのは相当以前だと思うのでありますけれども、第一回目の発足から見ますとだいぶおくれているのですが、一体どういうわけでこの発足がおくれたのでしょうか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 公営競技調査会の法律は昨年の十二月二十八日に公布施行されまして、その後鋭意人選をいたしておったわけでございますが、何分にもこういう非常に重要な、しかもデリケートな問題でございますので、できるだけ利害関係のない、しかもこうしたことにいろいろ御意見を持っておられる方を委員に選びたいということで選考をいたしておりました。そういうことで御本人の内諾を得るとかそういう手続がございまして三月の上旬になったということでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この公営競技調査会を作るにあたって、なぜこういうものを作るようになったかという理由は、私はやはり競輪を中心とするギャンブルに対する国民の大きな批判がある、この批判にこたえるためにどうすべきか、こういうことのために出てきたものだと思うのですけれども、しかし何かこの公営競技調査会というものは、その批判をそらすために、その批判がなるべく静まるのを待ちながら審議が進められている、おくれているように思うのです。メンバーを見ますと大へんごりっぱな方ばかりなんです。そこで私は、こういうりっぱな方々をみんなそろえたが、第一回、第二回、第三回、第四回、第五回までの間にほんとうにこの人たちが全員出席してくれておられたかどうか疑わしいと思うのですが、その辺はどうでしょうか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 この委員の方々は非常に御熱心でございまして、ほとんど大部分出席をされております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 具体的な内容につきましてはまた長官以外にお聞きしますが、そこでこの調査会への諮問にあたって、大体どういう条件で、いつまでの見通しでやれ、こういうふうな点はどうなっておるのですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 御承知のように、この調査会は九月の末までが期限でございます。従いまして、その九月の期限までにはぜひ結論を出していただきたい。これは国会を総理府設置法の一部改正が通過いたします際にも、再び延ばすようなことなく、九月一ぱいで結論を出せるようにせよという委員会等における相当な御意見もございました。その旨も十分調査会に伝えてございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 これを見てみますと、今の見通しで三月、四月、五月、大体一カ月に一回か、あるいは一回半か二回ぐらいの予定なんですけれども、この調子でいくと、九月末までには大体結論が出る、こういうことを明言できますか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 昨日からいわゆる本格的な討論に入っているわけでございますが、大体会長の長沼君の気持も九月のぎりぎではなくて、むしろ少なくとも九月の初めぐらいまでにはぜひ結論をつけたいということで調査会を指導しておられるようでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで今の調査の状態などについてはおわかりになりますか。競馬、あるいは競輪、あるいは小型自動車競走、モーターボート、こういうものをどんなふうな立場で、どういうふうにやられておるかという点などについておわかりになりましたら、お答え願いたいと思います。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 何分にも、繰り返して申し上げるようですが、昨日初めて実質的な討論に入ったわけで、それまでは現状の説明を聞いて、それに対する質疑を行なう、あるいは実地調査をやるというようなことでございます。昨日の会合につきましては、私、出席いたしておりませんので、内容は存じませんが、相当活発な賛否論が戦わされたということを伺っております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうすると、この委員会は公開ですか、非公開ですか。あるいは議事録はどうなっておりますか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 調査会そのものは非公開でございます。議事録はとってございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうしますと、討論を始めたということですが、これから九月までに結論を出そうという審議日程といいますか、こういうものはどういう予定で作られておりますか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 確定した審議日程はまだできておりませんが、大体月二回ぐらいという予定で進んでおるようでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 月二回で討論を始めたということで、また長官の先ほどの御回答でも、会長も九月末までに結論を出すように——九月末でなくてもっと早くても結論を出すようにしたいということを言われておるようでございますので、これ以上この経過についての御質問をすることはやめます。  次に運輸省の関係当局にお尋ねしたいのですが、この法案がかりに成立しない場合の障害というのはどこにあるのでありましょうか。それと、もし障害がそこに具体的にあるとするならば、この法案の提出がおくれた理由はどこにあるかという二点をお尋ねします。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 この法案は十九条に基づきます交付金に関する規定の延長ということでございます。十九条に基づきます交付金の使用につきましては、御承知のように造船関係事業の振興、それから海難防止事業の振興、そういうふうに法で規制をされております。そしてそれの使用の実際の状況は、まず造船関係事業について申し上げますと、造船関係事業は御承知のように非常にたくさんの中小企業の関連工業から成り立っておりまして、造船船価の六割ぐらいは造船所以外の中小企業の関連工業で占められておるわけでございますが、中小企業の関連工業につきましては、ほかの中小企業と同じように、技術の面、施設の面で相当立ちおくれた面がございます。こういうものにつきましては運輸省といたしましても従来努力をいたして参ったのでございます。またそういうものについては一般会計等によりまして振興をはからなければならぬことは十二分に承知をいたしておるのでございますが、過去の歴史を見ますと、なかなかそういうふうな予算の獲得等が思うように運びませんで、特に立ちおくれておったのでございますが、この十九条交付金によりまして、まず施設の改善に対して八億以上の投資をすでにやっております。また技術の指導あるいは研究の補助、その他これに関連したいろいろの振興事業をやっておりまして、造船関連工業につきましては、モーターボート競走が発足いたしましてから、すでに十三億六千万円の補助投資及び交付等をやっておりまして、莫大な成果を今まで上げてきたのでございます。しかしながら、最近の貿易自由化等を一つとってみましても、諸外国のこうした分野に比べて日本の中小企業のそういう部門はまだまだ立ちおくれがございまして、この面にはまだ数年格段の努力をしなければならぬというふうにわれわれ考えておるわけでございます。そこで御指摘のようにこれが中止されますと、せっかく造船関連の中小企業の自由競争にたえ得るような体質の改善、技術の向上等が緒についたところで、鼻を折られるというようなことになりまして、その面では非常に大きな影響があると考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そういう支障があるにかかわらず法案の提出がおくれたのですが、そういうのは公営競技調査会の結論を待っておったということなんですか、それとも簡単な法律だから簡単に通る、こういうことなんですか。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 ちょっとその答弁がおくれて申しわけありません。前回一年延長をお認めいただきます場合に、なるべく一年間でモーターボート競走のあり方等について調査会の結論を得て、それまでに改正するように努力する、そういうふうに申し上げておりましたので、私どもといたしましては、先ほど総務長官のお話のようにスタートが相当おくれまして時間的には間に合わないような感じもいたしましたけれども、努めて早く説明もし、十分努力をしていただいて結論を早く出していただきたい、そういう希望を持っていたわけです。そこでそういう調査会の進展に見合ってきたわけでございまして、簡単な法律だから最後に出すというような考えは毛頭持っておりません。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 政務次官。先ほど総務長官も、この法律に従って九月の末までには結論を出すように調査会の模様はやっておるということを言われました。運輸省としてもはっきりしなければ困ると私は思うのです。ですから運輸省としても、先ほど総務長官が言われたように九月までに結論を出すと努力をしておるのでありますから、モーターボートの将来、あるいは造船、これらのいろいろの補助なり、振興の建前を考えてみますと、もしこれでできないなら、あるいは新しい予算の要求もあるでしょうから、こういう観点から、早く結論を出せということを運輸省としても調査会に要求することはできるわけでありますし、そういう要求はすべきだと思うのですが、どうでしょうか。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○福家政府委員 お説のごとく、当然運輸省といたしましては、総務長官の御答弁がありましたように、九月末までに結論を得るよう要望いたします。特に水品局長がその幹事の一人でございますから、各省とも連絡の上、十分御趣旨に沿うよう幹事として発言いたさせます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで十九条と、それから二十二条の四の三号から六号までは、この法案が成立しない場合においては適用が困難だということでありますけれども、かりにこの法案が成立しないときにはどうなるのですか。どういうふうな現象が起きるのですか。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 二十二条の四の三号につきましては、貸付に関しての規定でございますが、これは現在資本金一億円未満の造船関係業者の施設の改善に対して貸し付けているわけでございます。そしてそういうような業種は、中小企業金融公庫その他いろいろ市中のほかの金融機関もございますけれども、これも御承知のように資金ワクの関係等で、現在までなかなか十分な設備投資資金の獲得ができなかったという実情はございます。私どものあずかっております造船関係におきましては、この種の業種については、国際競争力強化という点で、ここ三年くらい相当大幅な施設の改善等を、われわれの目から見て必要とする状況でございますが、どのくらい現段階として必要かという数字的なものは、非常にむずかしいのでございますけれども、今までモーターボートその他でやりました施設の改善の程度は、全体の要請に対してまだまだ低いものでございまして、ここ数年の間連続してやりませんと、せっかく緒についた施設の改善が中断される、こういうことはあります。  それから四号から六号にわたってのものに、いろいろ技術研究の補助等の仕事をやっておりますが、この技術研究関係におきましても、こうした中小企業では、なかなか自分で十分な研究等ができませんので、それをそれぞれ関係の団体を通じ、共同で技術研究等をやっておる仕事に補助をしておる実情でございますけれども、こういうものも、これが中断されますと、せっかくのそうした計画が中断されるということになりますし、また貿易振興というような点から、特に中小企業関係を対象として考えておるのでございますが、カタログを作るとか、工業標準の英文のものを作るというようなことをして、海外宣伝その他やっておりますが、そういうようなことによって、そういう事業もみんな中断するということになりまして、実際、中断した場合に、造船関連工業の受ける打撃は相当大きいものがあるのであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そういうことはよくわかるのですが、そのことよりも、十九条がなくなったら、モーターボート競走会連合会に入る金というのはどこにいくのですか。ここなんです。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 十九条がなくなりますと、この施行者、つまり地方自治団体から交付する規定がなくなりますから、この金は地方自治団体に残ることになります。従って地方自治団体は、その金を自由に使えるというふうなことが一応考えられますけれども、十九条の交付金について、この期間が切れたら、別に法律をもって定める、こういう規定になっております。附則の十一項に、「この法律の施行の日から四年を経過する日以後においては、別に法律で定めるところよるものとする。」こう規定されておりますので、どうしてもその後の処置については、法律で定めなければならぬことになっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、この法律で定めなかったらどうなるかということをお尋ねしたいわけです。そうすると、結局は全国モーターボート競走会連合会というところにたな上げになってくるのですか、あるいは施行者である地方自治体にたな上げになっておるのですか。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 施行者にたな上げになるわけであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 その場合でも、施行者は勝手に使えないということにはなるわけですね。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 別に法律で定めることになっているのを定めないのでございますから、施行者は勝手には使えないように思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうしますと、どうしても通さなければならぬということにはならぬでしょうね。その辺はどうでしょうか。二十二条の四の三、四、五、六号というもので使えないようにはなりますけれども、この十九条の金を自由に施行者ができないということになるならば、施行者にたな上げになっておるか、あるいは連合会にたな上げになっておるかということで、どうしても今切れるときにやらなければならぬ。九月までに結論が出るから待っている。あるいは九月の結論の出方というものは、私たちはこういうように考えるわけです。競輪のときにも問題になったわけですけれども、今仕事をしている人たちはどうなるか。そうすると、相当な積立金をやはりしてやらなければいけない。積立金を積み立てておいて、その人たちの離職対策というものを十分して、そしてその解決をすべきだというふうに、いろいろ意見を出したのですけれども、そういう点から考えると、今局長の言われているように、二十二条の四の三、四、五、六号、こういうところは何とかしなければならぬ、将来も何とかしなければならぬということはわかるのですけれども、モーターボートの金でなければならないという理屈にもならないと思うのですが、そういう点から考えると、この十九条というものがたな上げになってしまうということが、さしたる影響がないように私は思うのですが、どうでしょうか。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 先ほど施行者にたな上げになると申し上げましたが、たな上げという言葉があるいは適当でなかったかと思うのでございます。交付しないことになりますから、その金は施行者の手元に残るわけでございます。しかしその金に対する法規制がなくなりますから、施行者はその金を自由に使って差しつかえない、そう解釈するのが適当ではないかと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうしますと、地方自治体が自由に使えるということになるのですか。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 自由に使えると一応考えられますけれども、しかしこの法律自体の第一条に目的が明瞭になっておりまして、この一条に掲げますように、造船関係事業云々、こういうような目的でこの法律ができて、そういう十九条の交付金が生まれてくるものでありますから、当然この一条の精神で使わなければならぬと考えます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 出す対象はそうでしょうけれども、その出す権限というのは、連合会でなく、あるいは通産省でなく施行者であるということは明確になるわけですね。そうですね。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 施行者が自由に使えるということになると思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 よくわかりました。そこで、この前、たしか競輪だったと思いますが、競輪のときに参考人を呼んだのです。市長さんや知事さんなんかに参考人として来てもらいまして、いろいろ意見を聞きました。そのときに出た意見というものは、われわれは確かにこういう公営ギャンブルというものはよくないと思っている。しかし、今までやってきたことから考えると、もう  一年待ってくれ、いや、二年待ってくれ、三年待ってくれ、こういう意見が実は出てきたわけです。それで、モーターボートの場合には、運輸省としては、これはいつかはやめなければならぬことだろうと思うのですけれども、その見通しというか、あるいはそれについての考え方、どんなふうに思っているのですか。これは将来もずっとやっていってもらいたい、こういうふうに思っているのですか。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 まず公営競技調査会で、先ほど御答弁がございましたように、賛否、非常に御熱心な御討議が行なわれておりまして、それの結論が出た上で、原則的にはその結論に基づいて今後の処置をすべきだと思いますが、造船関連事業等の振興に対する十九条の面からだけ見ましても、さっきも申し上げましたが、この分野に対する施設の投資その他の費用を考えますときに、何年たったらその点はもう大丈夫になるというようなことが現段階では言いかねるような見通しでございます。と申しますのは、ことに造船関係のものにつきましては、国際的な競争という観点から考えなければなりませんので、日本のそういう技術なり施設だけ、ある計画をいたしましても、なかなかそれだけではいけないという点がございます。従って、何年たったらそういう面がもう十分であるのかということは非常にむずかしい問題でもございますし、また見通しとしては相当長期必要じゃないかという気がいたします。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 もらっている立場からいうと、長くいつまでもおいてもらいたいという気持はよくわかります、そのものから考えますと……。しかし、そのことはやはり本筋へ乗せるという努力をしなければならぬと思うのです。結局これを論議する場合、モーターボートがいいか悪いかということから論議していかなければならぬ。上がりをもらっている方はいつまでももらいたいということになると思うし、それを運営するあなたの方から考えても、なかなか大蔵省から予算がもらえないから、こっちの方から予算を——これはいうならば一つの予算であるからいい、こういうことになると思うのです。その点を直接関係のあるあなたの方から聞くのも無理だと思いますので、次に私は、この十九条の交付金の運用の状態をちょっとお聞きしたいのです。これを運用する場合には、何か運用の協議会か何かあるというふうに聞いておりますけれども、これはどんなふうになっておりますか。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 十九条の交付金は、貸付、それから補助、委託というふうに分かれております。貸付につきましては、さっきも申し上げましたが、資本金一億円以下の中小企業に対しまして、一件千五百万円以下というふうな基準を設けて貸し付けておりますが、さらに省令によりまして貸付の方法について規定しなければならぬということがございまして、モーターボート競走会連合会に貸付の方法についての規定がございます。   〔川野委員長代理退席、委員長着席〕 その規定に基づきまして貸付事務を行なっておるのでございますが、一方、運輸省といたしましては、毎年どういう方針で貸し付けるという方針を決定いたしております。まず最近の例で見ますと、やはり国際競争力の強化というようなことを一つ考えなければなりませんし、それからまた、特に生産をふやさなければならぬ分野のものもございます。あるいは現在の施設でもうスクラップとしなければいけないものの代替というような場合もございます。また専門工場の育成というような観点で考えなければならないものがございまして、現在では、今申しましたような四つの項目を基準にいたしまして、そういうようなものに対して貸付の申請をするように地方海運局に通達をいたしまして、海運局ごとにそういう方針で業者を選定し、そうして、正式の貸付申請は全国モーターボート競走会連合会に入るのでございますけれども、その写しを運輸省でもらいまして事前に十分調査をし、さらに十九条の交付金の交付について運用協議会、船舶局内に関係の団体の人、それから学識経験者をもって構成した協議会を置きまして、そこで具体的な協議をいたしまして貸付の事務をやっておるのでございます。それから、そのほかに委託という仕事がございますが、これは連合会が直接やるような振興業務の一部を他の関係法人に委託をいたしております。これにつきましてもやはり委託の方法についての規定を設けるようになっておりまして、その規定に基づきまして事務を進め、かつ、さっき申しました船舶局内の協議会に諮って具体的なことを決定いたしております。補助金という制度が一項ございますが、これにつきましても、やはりその方法規定を設け、全く同じようなやり方で運用いたしておるのでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 公営競技調査会の場合ですと、委員の人選というのはなかなかむずかしいことだと思うのです。その方のメンバーを見るとこれは結論がどう出るかというのがわかると思うのですが、その中に局長も公営競技調査会の幹事として出られております。この十九条の交付金を運用する委員のメンバーを見てみますと、委員もやっておるわ、モーターボートの方の役員もやっておる、こういう形の人もあるわけです。片方連合会へ入ってくる金を分けるときは分けるメンバーに入って自分のところももらうというようなことは、どうもあまり好ましくないように思うのです。その点は監督官庁である運輸省の方でも十分監督されていると思うのですが、十分御検討をわずらわしたいということと、同時に、交付金の運用につきましては、担当の方から資料もいただきまして検討してそう間違いのないやり方をされている点、私の調べた範囲では納得されるわけであります。しかし、運営のやり方は連合会と運輸省の両方でやっているわけでありして、これは自主的なものだといっても、現実的には、われわれから言うならば国の税金みたいなものだと思うのです。ですから、こういう運営もやむを得ないと思うのでありますけれども、零細なギャンブルから上がってきた金ですから、その金の使途については今後も十分な御検討をわずらわしたい、こう思うわけでございます。そこで、基本的に、われわれこのモーターボートにつきましては、この法案ができたときから今日の状態を考えてみますと、もう再検討すべき、あるいは廃止すべき時期にきておるのじゃなかろうかというふうに考えておりますし、そのためにこそここ二、三回前に廃止法案もたしか出ておったと思うのです。また政府はそのためにこの調査会を作って、そしてなるべく寿命を長くするための努力をされておると思いますけれども、しかしそうは言っても、やはり時期もきておりますので、先ほど総務長官も言われましたように、結論を早く出す努力を一つ運輸省の方もして、予算の方も、船舶局の予算をこんなところを削ってやるようなことでなくて、本来の仕事は本来の仕事として船舶局の方の予算をふやして造船にもっと力を入れなければならないなら入れるようにすべきだ、こう思うわけでございます。  まだいろいろと質問をいたしたいことがございますけれども、一応きょうはこの辺で終わりにしておきます。

三池信自由民主党

○三池委員長 内海清君。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 私は、時間がございませんからごく簡単に一、二御質問申し上げたいと思います。  このモーターボート競走というものが、競輪、競馬その他と同じように、ギャンブル行為としていろいろ批判されておることは世間周知のことでございます。今日まで多くの弊害が出ておる、これを一つ検討し直さなければならぬということが盛んに国民の間にも出て参りますし、国会でも問題になって、公営競技調査会というものができて、これが検討を始めておるわけです。しかし私が見ますところにおきましては、モーターボート競走は自転車の競走あたりと違いまして、今日まで、いろいろ弊害の面におきましても、過去の実情から見てある程度少ないのじゃないかというふうに考えられますし、さらにまたこの交付金の使用状況を見ましても相当公正に行なわれておりまして、ただいまの勝澤委員のお話にもございましたが、これらにつきましては、私ども十分納得がいくところでございます。ところが、この交付金の交付の対象になりますものが、いわゆる造船関連工業ということと海難防止ということでございます。海難防止につきましても、これは今日まで相当の効果を上げてきておると思いますが、造船関連工業につきましては、先ほど来お話があったように、資本金が一億以下で一つの企業に対して大体千五百万以下ということなのであります。しかしながら、この運輸省の資料によりましても、三十五年度でも造船関連工業貸付金は一億四千五百万程度であり、それから補助、委託が六千三百万程度である。あるいはまた海難防止の方につきましても、これらがわずかに三千五、六百万程度で、金額的に見ますればこれはあまり大したことじゃないと思う。過去の実績も大体それを前後している。従って、これが、このギャンブル行為におきます弊害と、こういう金額によって関連工業が今日まで施設の点なり、あるいは技術の革新ということで受けた恩恵というものはどういう関係になるかということは、よほどこれは考えなければならぬ問題であります。  まあそういう点は一応調査会の方に譲るといたしまして、一つお尋ねいたしたいのは、特に造船関連工業で貸付金あるいは補助、委託というふうなことで今日までいろいろ、まあこれは施設の点にかなりいっておるかもしれませんけれども、技術面から見て、エンジンとか船体ととか、そういうふうなものについて技術的な研究が、この交付金がいったために特にこういうふうなものがあるじゃないかというものがございますか。一つそれをお伺いいたしたい。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 交付金によって補助、委託等の研究を進めたその成果がどうなっておるかという意味の御質問だと思うのでございますが、実は詳細な資料があるのでございますけれども、今手元に持っておりません。しかし、最近の一、二の例を申し上げますと、舶用機関関係のギアに対する日本の中小企業は非常におくれておりましたが、そういうギアに対する研究を三年ほど続けてやりまして、非常にりっぱな成果もおさめ、これがまたそれらの造機メーカーにおいて現実に利用されておるということで、非常にりっぱな効果をおさめております。そのほか中小型造船の標準設計をこれによって相当たくさん作っておりまして、設計能力の乏しい造船所等に対してこれを利用するということで、船の安全性あるいは価格の合理化をはかっておるということもございます。また機関関係につきましても、標準機関図面を作成して指導するというようなことをやっておりまして、資料で後ほど詳しく御説明申し上げたいと思いますが、それぞれ相当りっぱな成果をおさめているものがたくさんあるのでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 お聞きいたしますと、これによって、造船関連工業というものが、施設の面からいっても、あるいは技術の面からいっても相当恩恵を受けて育成されておるということは、ただいまの御答弁でうかがえるわけであります。そういう面が、特に国会においてもですが、多くの国民に十分周知されていない。ただギャンブル行為としての弊害のみが強調されておると思うのです。私は、モーターボートにおいては、なお、技術面において、あるいは施設の面においてこれが育成されていけばいわゆる貿易の振興になり、あるいは産業発展ということで大きく利益する点もあると思う。これは競輪なんかと違いまして——競輪では、そういう面を研究しましても、資金をつぎ込んでもすでに限度があると思うのです。人が乗って走るのでありますから、これを技術的になにするという点もあると思いますが、ことに造船関連におきましては今後開拓される部面がきわめて多い。この点をもっと積極的に考えて、これもいわば重点的にやるというふうにして、国民の皆さんが納得するような施策が今後も必要だけれども、今日までにほしかったんじゃないかと私は思うのです。あまりに弊害の陰に隠れてしまっておる、ことに競輪などの弊害の陰に隠れてモーターボートも非常に批判を受けておるので、この点につきましては一つ今後十分お考えいただきたい。ことに今は御承知のように世界的にレジャー・ブームでありまして、モーターボートが今後民間に非常に使われてくると思うので、エンジンの面から申しましても、そういうふうなものにはいわゆるジェット・エンジンが必要になってくる。こういうふうなものがどんどん研究されて輸出ができるようになるということは、わが国にとりましても大きな問題ではないかと思う。ただ、今までのやりきたりをいつまでたってもそのままやっていくのでは、今日までの弊害がさらに増してくるし、なかなか理解もされない。もっと積極的にそういう面で政府の施策が必要なんじゃないかと思います。その点についての御意見を伺いたいと思います。

水品政雄運輸技官(船舶局長)

○水品政府委員 御指摘の第一点でございますが、確かに、モーターボート競走の上がりに対して、それがどのように活用され、どういう成果をおさめているかということに対する従来の私どもの努力が足りなかったことは率直に認めざるを得ないと思うのでございまして、他の会合等でもその問題はちょいちょいいわれておるのでございます。われわれも今後は努力したいと考えます。  それから重点的に、たとえば舶用機関の飛躍的な開発の投資とかあるいは船体等にもいろいろあるわけでございますが、そういうところに重点的に研究費をつぎ込んで大きな成果を期待したらどうかという御趣旨と思いますが、従来は資金量の関係と、それからこれを要請する項目が非常に多いものですから、なるべく広く恩恵にあずからすというような観点から、どっちかといえばこまかい項目が多かったと思います。そしてまた現段階におきましてもそういう要請が非常に多うございますので、それをちぎって重点的にという点で、その程度にはなかなかむずかしい問題があると思いますけれども、しかし大きな成果を上げるには確かにそういう問題もございますので、具体的な問題にあたって一つ御趣旨のような点を十分検討さしていただきたいと思っております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 そういう方向で研究するということでございますが、申し上げるまでもなく日本の造船の技術あるいは海運の状況から見ましてこういう点は当然世界に先んじてやらるべきである。なお観光の面などから申しましてもそういう点は非常に必要なものじゃないか。従って運輸省の行政面はこういうことをただ造船関係ということだけでなしに、広い視野から全体的に考えてやらるべきものじゃないか。特に今申しましたような積極的な面がどんどん取り上げられて参りますならば、このギャンブルに対する、ことにモーターボート競走に対する国民の感情あるいは見方、態度というものがまた自然に変わってくると思うのであります。これが今日の状況ではその弊害がかなり大きい。ことに今日競輪と大体同列に扱われておりまして、今日のギャンブルというものは弊害が非常に大きいから大へんな批判があるわけであります。この点につきましては私ども考えておるわけでありますが、どうか今後積極的な面について十分施策をめぐらしていただいて——なるほどモーターボート競走は弊害が全くないというわけにもいきにくいかもわかりませんが、ああいう性質上いろいろなものが関係してくるということがありましょう。弊害はごく少なくて、そしてそれによって多くの産業が育成されていくというふうなことが出て参りますならばしあわせではないかというふうに考える。調査会としてもそれは十分検討されると思いますが、そういう面につきましては運輸当局側としても一つ施策を積極的に進めていただいたらけっこうだ、そういうことを強く要望するわけでございます。      ————◇—————

三池信自由民主党

○三池委員長 昨三十日本委員会に付託されました内閣提出日本国有鉄道法の一部を改正する法律案及び内閣提出踏切道改良促進法案を一括して議題といたします。  まず両案について政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。福家政務次官。     —————————————

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○福家政府委員 ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  日本国有鉄道は、公共企業体として、公共の福祉を増進するためにその事業を経営し、能率的な運営を行なうべき使命を有しております。そのために政府といたしましても従来から種々の施策を講じて参ったのでありますが、日本国有鉄道が、その保有いたします余裕金につきまして、効率的運用をはかるため、これを国債の保有または資金運用部への預託に運用することができるように、今回法律措置を講じることといたしたのであります。  以上が、この法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。  次に、去る委員会におきまして大臣の道義的責任、政務次官の進退をかけるまで御叱責、御鞭撻をいただきました踏切道改良促進法案を、おそまきながらここに提案いたし、その理由及び趣旨を御説明申し上げます。  鉄道と道路とが平面的に交差するいわゆる踏切道は、交通事故発生の要因となり、また交通の障害ともなりますため、政府といたしましても、従来からその立体交差化あるいは保安設備の整備等、踏切道の改良につきまして極力その推進をはかって参ったのであります。しかしながら、最近における交通の発達は、まことに目ざましいものがあり、自動車の著しい増加に伴う道路交通量の激増、列車運転回数の増加等によりまして、踏切事故が頻発するとともに、踏切道における道路交通の能率が著しく阻害されている現状にかんがみ、政府といたしましては、踏切道の改良を早急に促進する措置を講じ、交通事故の防止と交通能率の増進をはかりたいと考え、この法律案を提出いたした次第であります。  次に、その要旨について御説明を申し上げます。  この法律は、踏切道の改良を促進することにより、交通事故の防止と交通の円滑化に寄与することを目的といたしております。  このため、まず、昭和三十六年度以降の五カ年間において改良を行なうことが必要であると認められる踏切道につきまして、立体交差化及び構造の改良については運輸大臣及び建設大臣が、保安設備の整備については運輸大臣が、それぞれ、その改良の方法を定めて指定することといたしました。  この指定によりまして、早急に改良しなければならない踏切道が明確に示されることになり、一般の注意を喚起し、その改良に関して協力を期待することができるとともに、当該の責任者である鉄道事業者及び道路管理者は、指定された踏切道の改良に努めることを公に要請されたことによって、相互に協調してその達成をはかることとなりますので、今後の踏切道の改良の促進に大いに寄与することができるものと考えられます。  なお、指定に伴う効果といたしまして、当該の鉄道事業者及び道路管理者は、指定踏切道の改良に関する計画を作成して提出し、その計画に従って改良工事を実施する等の義務を負うことによって踏切道の改良の実現を期しております。  次に指定踏切道の改良を行なう場合の費用負担者でありますが、立体交差化または構造改良に要する費用は鉄道事業者及び道路管理者が協議して負担し、保安設備の整備に要する費用は鉄道事業者が負担する旨を明確にし、なお、鉄道事業者が負担する保安設備の整備につきましては、その整備の促進に資するため、国または地方公共団体は、政令で定める地方鉄道業者または軌道経営者に対して、その費用の一部を補助することができることといたしました。  また、踏切道の改良については、相当量の資金を必要といたしますので、運輸大臣は、この法律の規定による踏切道の改良について、資金の融通あっせん等、資金の確保に関する措置を講ずるよう努めるものといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

三池信自由民主党

○三池委員長 岡本鉄監局長。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 ただいまから日本国有鉄道の資金の国庫預託の実情と法律改正後の余裕金の運用について御説明申し上げます。  現在、日本国有鉄道は、その業務にかかる現金につきましては、政令で定めるわずかの例外を除き、これをすべて国庫に預託しなければならないことになっております。その結果、昭和三十五年度における預託金残高は、一日平均二百五十四億円となっております。このうち四十億円までは、大蔵大臣の定めるところにより無利子となっておりますので、二百五十四億円と四十億円との差額二百十四億円に対し、日歩八厘の割で利子が付せられ、その利息は六億二千万円になります。これに対し、今日の法律改正により、この二百十四億円を国債で保有するといたしますと、期間二カ月の短期国債で、日歩の一銭六厘五毛の利率でありますから、利回りは二倍強、利息は一年に十二億九千万円となり、国庫預託の場合に比べて、差引六億七千万円の利益となります。従いまして、資金運用がいろいろな事情により計算のように理想的にはいかない場合もありますので、そのアローアンスを見ましても、国庫預託に比べ、年間五億円程度は利益になると思われます。その上昭和三十六年度は三十五年度に比べまして、予算規模からいいましても、当然余裕金の額も増大すると思われますので、一そうの運用利益が期待されるわけであります。  以上が日本国有鉄道における資金運用の実情と、法律改正後に予想されます運用利益との比較でございます。資金の効率的運用は、金利面の利益のみでなく、経営の自主性を拡張することともなり、日本国有鉄道の経営全体に有形無形のプラスになることと思います。  次に、踏切道改良促進法案の内容につきまして逐条的に御説明申し上げます。  まず第一条及び第二条関係について申し上げます。  第一条は、この法律の目的をうたったものでありまして、踏切道の改良を促進することにより、交通事故の防止と交通の円滑化に寄与することを目的として定めております。  第二条は、この法律における用語の定義を定めたものであります。この法律で「踏切道」と申しますのは、鉄道、これには新設軌道を含みますが、その鉄道と道路法による道路とが交差している場合の踏切道であって、この法律の施行の際現に存するものに限られるのであります。従って鉄道と道路法によらない道路、たとえば林道のような道路とが交差している場合の踏切道はもちろんのこと、鉄道と道路法による道路とが交差している場合の踏切道であっても、本法施行後にできたものにつきましてはこの法律でいう「踏切道」とはならないのであります。  次に、第三条関係について申し上げます。  本条は、昭和三十六年度以降の五カ年間において改良を実現することが必要と認められる踏切道の指定に関する規定でありまして、立体交差化または構造の改良については運輸大臣及び建設大臣が、保安設備の整備については運輸大臣が、それぞれ、その改良の方法を定めて指定することといたしました。そして、これらの主務大臣は、指定をしたときはその旨を鉄道事業者及び道路管理者に通知するとともに、それを告示することにより鉄道事業者及び道路管理者の責任を公にも明確にしようとするものであります。  次に、第四条関係について申し上げます。  鉄道事業者及び道路管理者は、立体交差化または構造改良について第三条の規定による指定があったときは、協議により立体交差化計画または構造改良計画を作成して運輸大臣及び建設大臣に提出することとし、運輸大臣及び建設大臣は、その計画が著しく不適当である場合には、その変更を指示することができることといたしました。また、踏切保安設備の整備について指定があったときは、鉄道事業者が保安設備整備計画を作成して運輸大臣に提出し、運輸大臣が変更の指示をなし得ることといたしております。  次に、第五条関係について申し上げます。  第五条は、鉄道事業者及び道路管理者が、その提出した改良計画に従って踏切道の改良を実施すべき旨を定めたものであります。  次に、第六条関係について申し上げます。  第六条は、費用の負担に関する規定でありまして、立体交差計画または構造改良計画の実施に要する費用は、鉄道事業者及び道路管理者が協議して負担することとし、保安設備整備計画の実施に要する費用は、鉄道事業者が負担することを明らかにいたしました。次に、第七条及び第八条について申し上げます。  第七条及び第八条は、鉄道事業者に対する助成に関する規定であります。第七条におきましては、保安設備の整備について、国または地方公共団体は、政令で定める鉄道事業者に対し、その費用の一部を補助することができることといたしました。また、第八条におきましては、運輸大臣は、この法律の規定による踏切道の改良について、鉄道事業者の必要とする資金の確保に関する措置を講ずるよう努めるものといたしました。  以上で逐条説明を終わります。

三池信自由民主党

○三池委員長 両案に対する質疑は次会に譲ることといたします。      ————◇—————

三池信自由民主党

○三池委員長 次に、陸運に関する件、特に自動車行政について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 自動車局長にお伺いします。  一般に営業されておるバスでありますが、このバスの内部構造について、特に車掌の位置する位置、こういうふうな関係について設備その他について何か指定をするような規則がありますか、一つお伺いしたいと思います。

國友弘康運輸事務官(自動車局長)

○國友政府委員 今の御質問にお答え申し上げますが、規定を申し上げます前に一般的なことを申し上げますと、バスの車掌の専用に供する座席を設けるかどうかということは、バスの運行する路線状況のいかんによって今きめておるわけでございますが、たとえば長距離運行の路線バスあるいは観光バス等におきましては、車掌専用の座席を設けておるのが通例でございます。それから車掌専用の座席を設けます場合に、車掌の業務たとえば踏切におきまする下車誘導等の場合に出入りを行ないやすくするために、旅客の使用する座席に比べて幅の狭いものを使用してよいという、保安基準で使用してよいという規定がございまして、保安基準でそういう点を規定しておりますが、さらに都市内等におきまする短区間の運行に使用しております路線バス等にありましては、車掌専用のスペースを出入口付近に設けておるのが通例でございまして、だんだんにそのように車が改造されておる状況でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 時間もありませんから簡単に伺いますが、実は先日新潟交通とそれから越後交通のバスを見ました。御承知のように新潟交通というのは天然ガスで動いているバスで、車体はあまり大型はありませんが、従来の観念でいくならば大体中型のバスです。ほとんど型は統一されておるようです。実は新潟の陸運局で局長と自動車部長それから自動車の整備か何かの課長等にお伺いしたわけですが、こういうことがございました。新潟交通と越後交通の中では、関東方面から入れたところのバスについては改良されております。いわゆる旧存の形のままのバスにおいては車掌の位置する位置がない。つまり車掌はどこにもおる場所が指定——指定といいますか、ないのであります。従って車の中をあちらこちらしておる。この姿というものは車掌の勤務状態をいろいろと考えてみてはなはだ不都合な姿ではないかという感じがしました。従って地元の陸運局長に聞きましたところ、今局長のおっしゃったように、遠距離のものについては座席を作っておるけれども、近距離、いわゆる市内を動いておるものは作ってないだろう、こういうことでありましたが、実は遠距離も市内もあまり区別はありません。全部私の見た限りでは車掌の定位置は何もない。車の中がいわゆるオール・シートになっておりまして、いわゆるロング・シートでずっと囲っておって、車掌がおるところがないわけです。ですから車の中をあちらに行ったりこちらに行ったりしております。この形はまことに不適当だと思いましたのでいろいろと話をしましたが、車掌のおる位置をシートを作れというのではなしに、車掌の立っておる位置くらいはやはり設けた方が適当だと思います。こういう意見、そしてそれを実施することもさほど困難ではないと思う、こういう話でありました。いわゆるシートの一部分を削って、そこに車掌が立っておる位置を作ってやる、こういうことならそうむずかしいことではない、こういう話があったのであります。全国的なことはわかりませんけれども、市内といいましてもやはりいろいろと条件が違いますから、私はすみやかにそういう車については車両の改造をして、車掌がいつでも定位置を持っておる、そのことによって乗客自身が車掌はここにおるのだという認識を持つということが必要だと思います。近代都市でないという意味ではありませんが、至ってへんぴなところへ行くと旧態依然のままで走っておるバスがあると思いますので、私が考えておるのは、こういうところには自動車局の局長の達のできる範囲内においてすみやかにそういうものが改良できるような指示を出してもらうことが可能であるかどうか、このことを伺いたいと思います。

國友弘康運輸事務官(自動車局長)

○國友政府委員 先ほどお答え申し上げましたように車掌専用のスペースを設けることは望ましいことであり、さらにほとんどのバスについては車掌専用のスペースを設ける形式になっておりますが、古い年式のバスにはまだ設けていないものもございますので、極力これを設けさせるように指導いたしたいと思っております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 それでは一つできるだけすみやかにそういう指導をお願いしたいと思います。  もう一つは、京都市におけるタクシーのストライキの問題であります。御承知のように春の観光シーズンにおいて、タクシーのストライキによって相当交通に不便を与えておるわけであります。約千二、三百台のタクシーが七十日ほどストライキに入ったままである。これは重要な問題ではありますけれども、労使の関係から生じておるストライキであるので、私たちはこの問題については静観をしておりました。しかしストライキも七十日も経過するということになってくると、これは重大な問題であると思います。特に先般も壽原委員の方からやみタクの話が出ておりましたが、もうこういう地域ではやみタクが公然と営業するという事態も生まれてきております。ストライキが解決した暁に、七十日にもなって、あるいはもっとかかるでしょうが、習慣性になっておるやみタクを今度は逆にどう取り締まるかという問題も起きてきます。いずれにしてもストライキという問題よりももっと重要な問題は、タクシーがとまって、一般市民や京都に集まる人々の足に不便を与えておることです。この問題については陸運行政上このまま傍観しておることは適当でなかろうと考えるわけですが、最近双方の間に具体的な交渉がやや進み出したように聞いております。ですからこのチャンスをのがさないような具体的な考え方を当局はお持ちになっておるかどうかお聞きしたいと思います。

國友弘康運輸事務官(自動車局長)

○國友政府委員 京都市におけるタクシー事業のストライキは、ただいま肥田先生のおっしゃいましたように長期間にわたりまして、ほぼ半数くらいの車両が参加してストライキをいたしておるわけでございますが、最近、地方労働委員会におきまする状況も、労使双方を呼んで聴聞をするという形をとっております。ストライキでございますので、これはそもそも労使間の交渉によってまとまるのが筋でございまして、やはり労使間の交渉を主体にしていくべきだと思っておりますし、さらに地方労働委員会の出す線というものがこれまたわれわれとして尊重しなければならぬ問題であると思います。そういう関係で、その交渉が主体であるべきだと思っておりますが、私どもといたしましても、このストライキが解決しまして円滑なタクシー運行ができるようになることを非常に望んでおるわけでありまして、そういうことで解決の方向に推進されるように私どもとしても尽力いたしたいと考えておるわけでございます。さらに京都なり大阪の陸運局の事情を十分に聴取いたしまして、解決の方向に持っていけるような方法で私どもも尽力できる点はいたしたいと考えます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 実は私のもとへこういう話を持ちかけた人があります。双方に言うことは困難であるとしても、陸運当局としてはこれに対して一体どういう手を打っておるのかという話でありまして、双方が最近のようにようやく交渉しようかというような機運にあるときというのは非常にいい時期なんだから、こういうときに双方の意見を聴取して、陸運当局は陸運当局、運輸省は運輸省なりの勧告をするという形があるのではないか、こういうことを言った人があります。地域的にはもちろん地方の陸運局なり事務所長がやっておられると思いますけれども、こういうふうに長くなって参りますと、総括的な指導の立場にある運輸省として、これに対してやはり具体的な指導をする時期がきているのじゃないか、こういう気持を私は持っておるのです。私も長い間労働委員をしておりまして、およそもののチャンスというものを見ておりますと、ここらで当局が適当な措置に出てもらえるならば、今日まで続いた争議というものも解決の方向に向くんじゃないかという感じがする。争議を解決することが目的じゃないというか、あるいは目的はほかにあるということをいいますが、今私らの論じている立場は、やはり争議というものよりも、市民の足を確保するということを目的にしたいと思います。しかし本質的には、やはり争議が片づかないと足を確保するわけにはいかないのですから、その両面を兼ねたところの対策を陸運当局でやってもらわなければならない、こういうことを考えておるのです。もうあれだけ長期に続いてきますと、いささか慢性的にはなっておるけれども、——鉄道や電車がとまるということになると、七十日もほうっておくわけには参りません。タクシーですから、無軌道だからまあまあということでほうっていたというふうに思います。もうタクシーはあるものだという観念をみんな持っておりますから、あそこで二時間も待ってやっとタクシーに乗ったという人もあります。もうやめようかと思って行きかけたけれども、せっかく今まで待ったんだしというので、とうとう二時間くらい待ってやっと乗った、今の時代にまるで夢のような話であります。くどくは申しませんけれども、いわゆる監督当局としてこのチャンスを十分につかんで、適正な指導をしていただきたいということを申し添えて私の質問を終わります。

三池信自由民主党

○三池委員長 次会は来たる六月二日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十八分散会

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