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38回国会衆議院1961/05/30

運輸委員会 第33号

発言数
39
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/05/30

会議録

三池信自由民主党

○三池委員長 これより会議を開きます。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 鉄道敷設法の別表改正ということで、九路線にわたる答申が出ております。そこでこれに対して、この鉄道敷設法と、それからさらにこの予定された路線が実際に建設に移される、こういう関係について質問をいたしたいのであります。  この鉄道敷設法というのは、御承知のように、大正十一年に制定されて、そうして自来四十年を越す状況になっております。この法律を見てみますると、大正十一年から昭和十二年までの間は省略されておりまして、そして、そのあと、昭和十七年、二十四年、二十六年、二十八年、三十年、ここまでの間に、いわゆる別表の中で予定路線とされておるものは百五十路線あります。この百五十路線あるものに、さらにその上に今度九路線が追加されると、そのトータルは百五十九路線、こういうことになります。この膨大な路線が、この敷設法によって予定路線としてきめられて、そしてこれが今度実際に建設に移される関連について考え方をお聞きしたいのであります。考え方といいますのは、一体これだけ膨大な路線を予定路線としてきめながら——これはずいぶん古いのがあると思います。それがそのままに放置されていて四十年以上の年代を経過していって、さらにこれから時代の変化が予想されるときに、これがこのままにされて、そうして次へ次へと予定路線が追加されていく、こういう関係について、これが正しいのかどうかということをお聞きしたいのであります。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 まことにごもっともな御質問でございます。大正十一年にこの法律ができましたときには、その当時の情勢といたしまして、今日とは予定路線を選ぶ条件というものもいろいろ違ったことがあったろうと思うのでございます。今日におきましては、軍事上必要であるからというような路線はとうてい考えられないしかし大正十一年のときには軍事上必要であるというようなことも考えられたかとも思うのでありまして、当時の実情から見まして、いろいろの条件によって別表は作成をきれた次第でございます。その後の日本の経済の発展成長あるいは交通系絡の完成というような、鉄道網を作りますというようなことも考えまして、国会の御承認を得ては新しい目的のもとに新しい予定線というものを追加して別表を改正して参っておるのでございます。従いまして、あるいは従来の予定線の中で今日は不必要のものがあるかもないかも、そういうことは直ちに断定することは困難でございますが、こういう問題につきましては、鉄道建設審議会の御意見をよく伺いまして、政府といたしましては、従来あるものをはずすというようなことにつきましては、地方の民心に影響を及ぼすところがございますので、慎重に取り扱いをいたしたい、こう考えておる次第でございます。従来の鉄道建設審議会におきましても、大正十一年にできたものを、これは不要であるからやめる方がよかろうとかいうような御建議はございませなんだ次第で、自乗、新しい経済の成長発展に応じまして不足のものを追加するということをいたしておりましたのが今日までの経過でございます。御意見一応ごもっともの点がございますが、そういう点につきましては、鉄道建設審議会等の御意見をよく伺った上で、民心に影響し、地方の産業に影響するところが多いのでございますので、各般の事情を考慮して慎重に取り扱いたいものであると考えておる次第でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 先般大先輩の増田さんがこの席上に来て質問されておりましたが、今運輸大臣がおっしゃった鉄道の建設というものは、これは運輸大臣の本質的な決裁事項じゃなしに、いわゆるビジネス的なものなんですか。と申しますのは、今の大臣のおっしゃった言葉の中には、今さらきめられた予定路線はこれはどうにもならない、そしてそのどうにもならないという結果の上から、これは慎重に鉄道建設審議会あたりの結論を見て進めていきたいのだ、こういうお言葉であります。しかし時代の変化がどうあろうとも、私はやはり最終的に鉄道を建設するかしないかという本質的な決裁の権限は運輸大臣になくちゃならぬと思っておるのです。ですからそれは形の上では、審議経路としては、鉄道建設審議会に通されていって、鉄道建設審議会からこういう形になってきたとしても——そこの話はちょっとややこしくなりますから別としておきます。それまでの話として、こういうものがどんどんきておっても、これはただ手をこまねいて見ているだけだ、予定路線として幾ら追加されていっても、この追加されたものは鉄道建設審議会から出てきたのだから、運輸委員会で、あるいは運輸大臣がどうこうということはできないから、これをこのまま通してもらいたい、こういうふうな御意向であるとするならば、この前も言われておったように運輸大臣の決裁権限の内容からはずれておるのじゃないか。私はそうではないと思うのですよ。私はこの委員会に出されて審議されるものとするならば、この委員会でその当否というものも当然審議をして結論を出し得べきものである、そういうことも考えておるわけなんです。ですからその関係について一つお聞きしておきたいわけです。  それともう一つ私がさっきお聞きしたのは、こうして膨大な数が予定路線として表の上に載って参っても、これはいつの日に実現するかわからないような性質のものじゃ、ありませんかということを言っておるわけです。それがここに法が作られ、その作られた法の別表としてここに登録されて、いわば言葉が過ぎるかしれませんが、地域的ないろいろな関係で、とにかくこの別表に載せておけばおれの顔が立つというふうな政治的な意味が多分に含まれておることは、これはいなめないだろうと思う。大臣のお言葉の中には、かつての鉄道建設はいわゆる軍事上に多分の目的が持たされておった、これはその通りだと思います。その軍事上に目的が持たされるということは、いわゆる富国強兵の経済と軍事能力の問題に関連をしてくることはもちろんであります。しかし現在においても産業開発だとか日本の経済の発展だとか成長だとか、こういう言葉をつければ何ら変わるものじゃないわけなんです。どんな理由でも拡大されてくっつけられて、ここに線路が必要だということになろうと思うのです。ですから百五十もある上にさらに九つ足して、これで日本の予定さるべき線路だ、これが日本の作らなければならぬ線路だ、法律の別表でここに載っておるのだ、こういう形のものが大正十一年以来今日まで便々として続いているのが正しいと思われるのか、こういうことを私は運輸大臣にお聞きしたわけです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 初めの御質問に対するお答えを申し上げますと、御承知の通り鉄道建設審議会というものは各界の代表者の人がお集まりになって、ここで事案を慎重審議をして、答申または建議をされるものでございますので、この答申または建議を運輸当局として尊重することは当然でございます。しかしこれを閣議に提出をして決定をするとか、あるいは法律案として国会へ提出して御審議を願いますとかいうことは、これは運輸大臣の責任においてやるべきことでございまして、鉄道建設審議会というものは運輸大臣の諮問機関であるということは、筋の上からは御了承願えることと存ずるのでございます。  それから第二の問題でございまして、古い別表の予定線があるのに、事態の発展に伴って新しい予定線をどんどん追加していくということは、それは正しいのかということのお答えでございますが、これは理屈で言うと現在行なっておりますことは、大正十一年にきめた予定線というものも調査まで入り込まず、あるいは着工までいかずに、その後追加したものも調査し着工するという線があるだろうと思うのです。そういうことを考えてみると、大正十一年にきめたものを先に片づけてしまって、あとから予定線になったものを次に回すということでなければどうも筋は通らないようにもちょっと考えます。しかし初めの大正十一年には今のようないわゆる産業振興とか、あるいは経済成長とか、交通網の形式というような目標でございませんで、その時分のあるいは富国強兵の目標できめたものもあるかもしれぬと思いますから、その後時代の進展に伴って必要なものを追加していく、そして必要なものでしかも費用のかからないものからだんだん手をつけていく、しかも新しいバスのような交通機関ができましたから、そういうもの等もにらみ合わせて、どうしても鉄道でなければいかぬものだけを鉄道にする、こういうような建前でいろいろやっておるのでございます。それならばそういう考え方なら、もう一度大正十一年あたりに別表に掲げられたものもよく調べ直して、そして不必要なものを切り捨てたらどうか、こういうことは一応の理屈になるのでございます。しかしこれは地方の人たちもとにかく鉄道網になるだろうというので、予定線に載っておるということを長い間期待しておったという微妙なる人心の動向もございますものですから、鉄道建設審議会などではかってはそういう御議論も出たようでしたが、なかなか現在あるものを打ち捨ててしまうということにまで、御建議が進まなかったようなことを聞いておりますのが実情でございまして、これは正しいのか、筋は通っておるのかというふうなことをおっしゃられますると、一応まことにごもっともなことだとお答えせざるを得ないと思うのでございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 議論をすると長くなりますから質問を進めていきます。  そうすると大臣としてはたとい百五十が二百になろうと、それらを再吟味して現代に適応したものにすることは実際不可能だ、こうおっしゃるわけですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 数が多くても必要なものを、しかも投資に応じて国家的、産業的に見て利益のあるもの、またバスなどと比較いたしましてこれは鉄道でなければいかぬもの、あるいは鉄道網形成にどうしても必要なものというふうなものを、新しいものでも、古いものでも、その順序にかまわずに取り上げて調査、着工していくのが現在の審議会の御決定のようの次第でございますから、そうならば、全然手をつけない、大正十一年とか古いものを一度洗って見てはどうかということも、一応の御意見でございますが、そういうことが地方民心に与える影響等も考えますと、いわゆる広い意味の政治とすると、これは今申し上げたようなやり方で、なまぬるいやり方ですけれども、今のようなやり方でいくよりほかには方法はないんじゃないか、こういうふうに私は考えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 変える変えないは別にして、実際変えるとなるとむずかしい面があるということはわかります。しかし、大臣がおっしゃるように、予約路線というものが不動のものだというふうな考え方をやはりこの際再検討すべきじゃないかと思います。実際、大正十一年からずっと今日まで根を残してきて、そしておそらく今日日の目を見ずに終わってしまう予定路線というものが、大多数になってくるという気がします。ですから大臣のように、精神的な面で、ここに線路がつくと思っているのにそれがとうとうつかなかった、こういうことになるとこれは困るだろう、それから多分に宣伝をして、ここには線路がつきますといって、地代が上がったりなんかして、物質的な現象が起きてきておる、ここはまた御破算だということになってくると、これもまた与える影響があるだろう、こういうように、いつか大臣がおっしゃったように——鉄道省というのですか、運輸省というのですか、いろいろなしきたりがあってなかなかやりにくいということをおっしゃっておられました。そういうものが伏在をしておるということはわかりますけれども、しかしそうだからといって、実際にこれから後にいかに努力をしてみても、この努力をした結果が、百六十路線からのものを建設をして地元の要望にこたえるということは不可能だと思う。こういうことを考えられるべきじゃないか、いわゆる運輸行政として考えるべきじゃないかということを私は言っておるわけなんです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 繰り返し申し上げますように、まことにごもっともな御意見でございますが、つまり世間の客観情勢が、大正十一年にきまったものをいつまでも、旧家の骨董のように抱いていないで、ほんとに必要なものをどんどん予定線に入れて調査して着工するというふうな、生きた別表に切りかえてはどうだということを、まず国会の中から、社会党のお方も自民党の方も、そういう声が出てくれれば運輸当局というものはやりいいと思うのですが、これはなかなか——こういうことをやるということになると、おそらく利害関係のない人は黙っていて、利害関係のある人だけはうんと反対する、いつも通らないということになるから、どこのうちでも、役に立たない道具でも何でも蔵へしまっておくようなもので、日の目を見ることのないような線もあるかもしれないけれども、それをたな上げをしておいて、必要のあるものをだんだん拾い上げていく、こういう今のやり方は、こそくのやり方かしれませんですよ。しかし、すっきりした姿にやろうということは、これは国会の人などが世論を起こして、そういうふうな御議論を出してもらわなければ——これは出たって、ただいたずらに火の粉を浴びるだけで、運輸大臣は立ち往生をしてしまうだけだ。これはしようがないと思うのですが、御意見のあるところはよくわかります。それですから客観情勢の盛り上がりをよく見まして、あなたのおっしゃるような筋の通った新線建設に対しては行政の道を開いていきたいという希望は、私は多分に持っておりますが、十分検討をしてみましょう。それで必要なときに、鉄道建設審議会の長老の方々などの御意見もそれとなく打診してみようと思うが、おそらくあの方々でも、そんなものに手を出せばハチの巣を突っついたようになるから、それはそうでなく、骨董として尊重してそうっとしておいて、必要なものを新線に追加してやっていった方が穏当で間違いがないという御意見が多いんじゃないかと思いますが、あなたの御意見は、それは確かです。新聞や雑誌へ書けば満点の御議論であること間違いありません。私もその趣旨にはほんとうに賛成でございますけれども、実際政治としてなかなかむずかしいんじゃないか。しかし検討してみます。あなたの御指摘の点につきまして私は大いに共鳴、共感を感じましたので、今後もできるだけそういう方向に努力をしてみたいと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 大臣は、先日増田さんがここで質問をされておったから、そういう答弁はなかなか簡単にはできない——増田さんは、おれがこの前に言ったときには、これから先をこう行っておったやつを、こう変わってきているやつを、お前のところはそのままのむのかとねじ込んできているわけです。結局は、あなたでしたかだれでしたか、鉄道建設審議会の方から回ってきたからこれは、というような御答弁をしたら、それならおれは承知できぬぞ、こうおっしゃっておるわけです。運輸省の方も鉄建の方も意見は一致しました、ということなら私はがまんする、こう言って帰ったわけです。こういうことになるのですよ、いろいろなものを持っておると。私はそれを言っているわけなんです。大なり小なり、運輸大臣がおっしゃるようなことはあります。あるけれども、いつまでも金魚のようにけつに長いふんをくっつけて歩いていては、これをいつかふっ切らないと、からだを巻かれてしまって動けなくなる。そういうことが起こってくる場合に、運輸当局としての考え方を明らかにする時期があっていいのじゃないか。古いものはそうっとしておけば差しさわりがない。政治家というのはわかりがいいから、今の問題だけ、残飯でも与えたらそれで納得するだろう、こういうような考え方を持っておられるとするならば、やはり運輸大臣の政治感覚というものは、失礼ながら今の時代には少し合わないのじゃないか、こういうことを私は申し上げているわけなんです。国鉄当局にしても、総裁、どうなんですか、私はお伺いしておきたいのは、こうして機関的には——陳情がある。それから鉄道建設審議会の方を通り、運輸省へ回ってくる。それからまたさらに今度は委員会に回ってくる。それからさらに運審の方にいく。運審の方へいって今度また帰りに国鉄の方に、お前のところは新線をこれだけ作りなさいよということになる。そのときに国鉄総裁として、何でもやるときには、これは仕方がない、あとは運輸省がしりをふいてくれるだろう、こういう気持で新線をどっと作っていかれる。そうするとその次にくるものは赤字だ。今度はこちらへ持ってこなければならぬ。そのときにあなたはたたかれるのですよ。よろしいですか。だからこういう関係について、私は国鉄当局としても何らかの考え方——国鉄は商売をしておる、わけです。商売をしておる国鉄が、やれといわれるからやっておれば、あとはしりをふいてくれるのだから、黙って見ていたらよかろう、こういう気持では、ほんとうに日本の産業経済の発展をになって、そうして交通機関の大黒柱としてやっていく国鉄の役目は果たされないと思う。こういう関係については総裁はどう思われますか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 先ほど来たびたび運輸大臣から御説明がありました。私も全く運輸大臣と同じ感じを持っております。運輸大臣のおっしゃるように、われわれも今後大いに努力して、御趣旨に沿うように検討いたしてみたい、こう考えます。   〔発言する者あり〕

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 どなたか関連でも出そうなところですけれども……。国鉄当局としてはあてがい扶持でやれるから立場は簡単だろうと思います。しかしそのしりぬぐいをするのは国民ですから、やはりそう簡単に私はいかないと思う。ですからそういう点については、国鉄当局の考え方はこの際率直に言っておかれる方がいいだろうと思います。たとえば前回何人かこちらの方から質問をした事件が一つあります。それは例の発電所開発に作ったところの兄見線、これをもうあのままで、たびたび答弁があったからそう簡単には変わらないだろう、こう思っていたけれども、また値を少し安くするから五億少々くらいでどうぞ引き取ってくれないか、こういう話が出ておるということを聞きました。この話はその後どうなっておるのでしょうか。私はああいう赤字路線問題としてこういう問題があって運賃値上げをし、そうしてさらに次の計画を持とうとしておるときに、あんな只見線というような建設作業に使ったあとの廃線を国鉄が引き受けてさらに赤字の累積をやらなければならぬということは常識じゃ考えられない。それがまた蒸し返されるということを聞いておるわけなんです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 只見線の問題の御質問でございましたが、その中に今の運賃改定ということのお話がございました。これは肥田委員もよく御存じの通り、運賃の改定によりまして自己資金を増収いたしますことは、これは今の経済成長に見合いまする国鉄の増強整備をやって、複線化とかあるいは電化とかいうようなことを五カ年計画でやる財源を求めるためにこれはやるわけでございます。  それから只見線の方の問題はただいま御指摘のように、これは電源開発会社が鉄道を敷いて、当時用地の買収をいたそうとしたときに、地方の人たちから道路でなく鉄道にしてくれというようなことを言われて国鉄が工事をしてやりまして鉄道になったものを、昭和三十一年の一月三十一日の閣議によりまして、これが要らなくなったならば「国有鉄道の営業路線に編入するよう措置するものとする。」という閣議了解事項があるのでございます。閣議の了解ということは、いわば国民に対するお約束でございますから、大臣がかわっても内閣がかわってもよほどの事態の変更がございませんければ、当時の約束を大臣や内閣が違ったからといってひっくり返すということはやるべきものでもないし、またやることはなかなか困難なことのように思います。従いまして国民の側から見ると、当時の閣議において了解事項として約束したものが実行できないということに対しては、政治に対する不安を持つということになりますので、これは閣議了解の方針の方向に事をおさめていこうというのが運輸大臣としての私の考え方でございます。ただ、今御指摘になりましたように、国鉄が営業線としてもしかりに引き受けるような場合でも相当の金額がここに投資されなければできませんし、また遠い将来は別といたしまして近い前途におきましては、赤字の線であるということも考えられますので、私どもとしては今の閣議の線で鉄道の営業線に編入するように措置する場合でも、よく事情を理解してもらってあまり高い線でなく引き取るということが当然のように考えておる次第でございまして、今企画庁を中心といたしまして運輸当局と通産当局の事務の間でいろいろ折衝をやっておるというのが今日の実情でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 大臣、私はその閣議の約束というものをとやかく言っておるわけじゃないのです。ただし閣議の約束というものを政府が国民に約束したというふうにお考えになるのなら、これは形の上ではそうであるかもしれないけれども、政府に対して絶対の信頼を国民が持っておる場合にはその通りだろうと思います。しかし政府のやり方に対して批判を持っている場合にはそうはいきませんよ。つまり私が言っておるのは、国民に対して約束といったようなのは言葉の上だけであって、ただ単にその跡始末のやりとりだけを約束した口約束にすぎない、その口約束の内容はきわめて粗雑なものであった。その粗雑なものであったのを、そこにいやに仁義を感じて、そうして国鉄が引き取らなければならないというようなことを私は考えなくてもいいだろうと思う。むしろ幾ら延びたってあれはさしあたってどうこういうわけじゃないのですから、ですから相場というようなものもあるでしょうし、それから実際にその鉄道が運輸的な問題としてどうしても置いておきたいということなら何も鉄道の所管にしなくても、個人のいろいろな関係もでき、その企業の機関としての扱い方もある。だからそういう方向にこの問題の結末をつけていただくべきじゃないか。何でも約束があるからというので、それは運輸大臣の知らない何代か前の人が約束した、約束したからおれがそのしりをぬぐわなければいかぬのだというりちぎさというものは大切なことであるけれども、この問題に関する限り私は必要ないではないか、こういうことを考えておるのであります。  それから、どうもこの関係について要点的に確実な答弁がいただけませんので、私は弊害についてもう一つ言っておきたいのがあります。それはこの法律ができたのは、先ほど大臣も言われたように大正十一年、朕帝国議会の時代からです。ですからずいぶん古いものであります。ところがこれよりさらに古い大正九年に認可をもらっておるからといって、その認可を今ごろ持ち出してきているような路線が民間にあります。こういう問題が起きるのもこういうものがあるからだということを私は一つ考えてもらわなければならぬと思います。すなわち、実際に必要なものならもう着々と計画通りに着工されていかなければならぬ。それを四十年も四十五年も着工しないでほうっておいて、それを今度は今ごろになって持ち出してくるというような路線があります。それには地方の機関がどうしたらいいだろうかというので困っておる。こんなものは今さら失効にひとしいものではないか、こういう議論さえ起きておる。ですからこういう問題が起きるのも私は大臣が言われたように、こうして登録されてさえおけばいいのだから、もうこれはというような形でもし考えておるとすれば、これは相手は国鉄の問題、政府の問題なんだ。実現しなければならぬのは民間じゃない。だからそういう問題は起きないけれども、その地域の人にはここには線路ができますよ、こういう約束をしておる。電報を打っている。今度は大丈夫できる、おれがしりをたたいて必ずこの線路は実現させてみせる、そうして四十年過ぎてきている。全く国民というものはこういうところでもだまされておる。だからこういうふうな架空な形のままで、ただ言いわけ的な結果に終わるようなことはすみやかに改めるべきではないか、こういうことを強く私は考えておるのであります。  そこで提案されておるところの九路線について質問したいと思いますが、運輸大臣、この線路の一つ一つを実際に審議すべきだとあなたは思っておられるのですか。それとも鉄建から回ってきたから、これはこのままうのみに通さなければいかぬだろう、こういうふうに思っておられるのですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 私といたしましては、本委員会に提案いたしました敷設法改正別表に予定線を追加いたしました法案を、ぜひ慎重に御審議の上で御同意を得て御賛成を願いたい、こういうふうに心から嘆願をいたしておるような次第でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 出されております九件の中で、やはり先ほど言った論法から、はなはだ失礼な言い分ですけれども、鉄建でどのような建議、審査が終わってここに持ち出されてこようとも、私はこの中には取捨選択の序列をつけるべきものがあると思います。今まで習慣上これを全部うのみに認めておったということなら、やはりこの際個々に十分審議すべきではないか。たとえば一つの例をあげても、個々に言うといろいろな関係ができますから、言葉の上で十分に言うことは適切ではないと思いますけれども、宇野から高松だとか、こういうふうに実際に孤立しておる四国という関係を考えるときには、やはりこういうものはやっていいじゃないか、大いに努力をしていいじゃないか、こういう気持はあります。それから地図の上で四国一円の鉄道の状態を見てみても、確かにこれはあります。これは私が言っておるように、本質的に鉄道、鉄道と血道を上げるような時期じゃないという、このことと矛盾はしないのであります。必要なところにはやはり作らなければいかぬ。しかし何でもかんでも国の費用でやらせれば作れるのだからというので、これを政治の力か何かのように、政治というものの本質を誤った考え方をもって、そして利権的な面にそれぞれの行動が移されてくるということについては反対です。鉄道というものは往々にして今日までそういうことが繰り返されてきておるから、新線建設というものは軽々しく認めてはいけない、こういうのが私の考え方なんです。ですからそういう面で当面どうしてもここは必要だ、産業開発上、それから地域的に見ても、この地域は鉄道を敷設することによって、まだまだ全般的に活気を呈してくるじゃないかと考えられる面については否定をしておるのじゃないわけなのです。そういう意味で、私は一から九まで出されているものを、序列的に取捨選択して、これはよろしい、あれはだめだという形のものを、これは初めてですから、してもいいのかどうかということを一つ大臣にお聞きしたい。大臣が賛成してもらえるかどうか……。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 御承知の通り鉄道建設審議会におきましては、予定線にぜひ入れてもらいたいというものは、ただいま百二線あるのでございます。その百二線のものを一々慎重審議をして、二十七名の国会から出ている方々や学識経験者の方々が御相談になりまして、そして学者の方でも、銀行界から出ている人でも、異議なく満場一致でこの案を作って建議されたものでございますから、どれを一位にしどれを九位にするという序列をおつけいただくことは、一つ御容赦願いたいと私は考える次第でございます。御審議になるお方が、頭の中で序列をお作りになるのは差しつかえありませんが、運輸当局としては、との九線に序列を作る意思は毛頭持っておりません。同格に取り扱って、ぜひ同格に御賛意を願って通過させていただきたい、こういうふうに思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいまの大臣の答弁に関連して御質問申し上げたいのですが、国鉄の新線建設の手続は、私どももよく心得ているわけですけれども、今まで予定線に編入し、それを調査線に格上げをし、着工線にするという順序で鉄道というものは敷設されていくわけですけれども、どうもその調査線になってから着工に至るまでの期間が、なるほど慎重に調査をされるのでしょうけれども、あまりにも長いということ、それからまた着工されても、完成までには非常な時日をかけ過ぎるということ、これははなはだ言いにくいことではありますけれども、往々にして地方で政治線であるとか、あるいはまたいろいろの行動がなされていることは御承知の通りです。これはわれわれ自身も大いに反省をしなければならぬと思うのですけれども、露骨に言えば、おれがこの線をここまで持ってきたんだとか、おれが必ずここをやるんだとか言って、特定の政治家が自己の宣伝道具や、自己の地位の保持のために使っているということが多分にあるのです。これは私の選挙区にもあります。言い切ります。これは私ははなはだもって遺憾千万だと思う。ですから簡単に調査線にし、そしてそこで切れて着工線にしない。もっと言えば、はなはだしきに至っては、おれの議員になっている間にこの線が完成しては困るのだ、おれがやめたならばいつできてもいい、そんなことを言う人もおります。実際そういうことは何に原因するかというたら、調査のところで切ってしまって、ちっとも着工しないからです。またおれが議員になったら、必ずここはやるのだというので、四十年も五十年も食いものにしている者もおるのです。不見識きわまりない。これは私は一面には、当局が金もできないのに安受け合いに受け合って、着工もしないでほったらかしてたなざらしにしている、こういうところにも大きな欠陥があると思っている。こういうのを解消しないでおいて、次から次へとそういう調査線だ何だというような宣伝線を作ってみても、これは何もならぬと私は思う。同時に調査するのは、それは工事の状況だけを調査されるのか、それとも沿線のほんとうにまじめな産業開発、その他その地方の経済的開発のためにどれだけの貢献をし役立つのかを調査されておるのかどうか、また線路を敷設した場合に、他の交通機関、たとえば自動車との代替等ができるのかどうか、あるいはまた、よしんば鉄道が敷設されれば、何年間かかってその鉄道が国鉄の赤字として負担にならないように運営できるのかどうか、これらをも調査して、すみやかにその結論によって取捨選択するだけの勇気を持ってこの別表を改正しようとされるのかどうか、こういった点は、私はもっと確固たる運輸行政の上に立って考えなければならない重要な問題だと思う。それができなければ今言われたように社会の悪評を受けるわけです。これは確かに政治路線であるとか、また赤字路線がふえたとか、いろいろなことをいわれる原因になると私は思う。ただ、今まで建設された建設線に対してどのような宣伝、悪罵があっても、私はそういうことは信じておりませんけれども、しかしながら、今日そういうような議論が出るということは、国民が政治自身に対しても運輸行政に対しても大きな不信を抱く原因となり、ひいては政治信用を落とすことになると私は思うのです。こういう点については重大な運輸行政上の責任を運輸省は持っておられるし、運輸大臣もその意味において政治責任はきわめて重大だと思うのですが、いかがでしょう。この点について確固たる運輸行政の前途を一つ信念的に御答弁願いたい。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 いろいろ御親切な御注意を伺いましてありがとうございましたが、運輸省といたしましては、いろいろな、これはおれがやったんだとか、あるいは自分の選挙の都合でこの線をどう利用するとかいうような雑音が今御指摘のようにかりにあることが事実といたしましても、そういうものに少しもわずらわされることはなく、ほんとうに予定線として、これは、先ほど来申し上げますような地方産業の開発とか、あるいは交通網を完成する上に必要であるとか、あるいは新しい交通機関のバス等と比較いたしまして、これは鉄道でなくてはいけないんだというような見地から、別表につけ加えます新しい路線というものを予定線といたします。また予定線の中でこれを調査いたしまする線に選ぶ場合でも、あるいはまたこれを着工するようにいたす場合でも、もちろん私どももそういう正しい考えでこれを取り上げるのでございますが、鉄道建設審議会におきましても、私が今申し上げましたような公平な正しい考えで御決定になりましたことと私どもは疑いをいれない次第でございます。世の中では、そういう線路が正しい見解によって、公平なる見解によって断定されたことに対して、それをいろいろ利用してとかくの雑音を放つという方があるやにも聞いておりますけれども、これはどうもとめるわけにいかず、その人の人柄でございますので、選挙民や国民にしてもだんだん知識が進んでくればそういうことに対して批判を下すようになると私は思います。いわゆる鉄道建設審議会においても、これを取り上げまする運輸省におきましても、そういうような、だれの線であるとか、だれが骨を折ってどうだとかいうようなことは一切顧慮いたしませんで、公平、適正、妥当にこれを決定していくのがほんとうであると考え、今まで決定をいたしましたものもそういうふうに決定をいたして参りました。それを人柄によって、とかく利用というか、悪用されるような方があるといたしますれば、私どもはまことに遺憾千万なことであるというふうに考えておる次第でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私はそこに問題があると思うのです。そういうことを利用していくような悪徳者があるということをあなたもお認めになると思うのです。そうすれば、どこでそういうものが利用されるのか、その原因を突きとめていけば、調査をして——調査々々とあまりにも調査の期間が長過ぎる。いつ着工するのかわからないというような状態にある。そんなことなら、やはり一定の工事が済んで、今までの調査したものを着工して、何年何月までにはこの着工線はちゃんと完成をする。それで次にまた調査をして着工するというようにきっちりとした運輸行政をやらなければならない。それに調査したその結果が適当なのか不適当なのか、着工するのかしないのか、そういう決断が今まで一向に下されたことがないのですよ。なおざりにしておる。そうしてあたら政界の信用を落とすようなことを言いまくるというような結果になってくる。これは運輸行政に確固たるそういう決断がないからなんだ。私は非常に遺憾千万に思っておる、苦々しく思っておるのです。調査した結果着工できないものは一刀両断着工できません、着工できるならこれは何年何月何日に着工して何年何月には完成させるのだとはっきりした態度を示されない限り、私は、こういうような着工の見通しもないようなものを調査線にして今までのようなことをやるべきでない、こういうものを審議する場合にはわれわれ自身大いに反省しなければならぬ、こう思っておるのです。これは単に個人攻撃をするのでも何でもない、国の政治の信用のために私は言っておるのです。ですから大臣は、ここを調査線に加えれば、調査の結果いけないものはいけない、やるものはやる——今までに調査した調査線の中にもたくさんあります。その既存の調査線が着工でき得るものであるかないか、こういった点について、だれが何と言おうと確固たる信念を持って行政がやり得るものであるかどうかを前提としなければ、私はこういうものは簡単に認めるべきでないという強い信念を持っておるのですが、いかがですか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 まことにごもっともな意見であります。私はただいまの御意見に全面的に賛成をいたすわけであります。従来はどうかわかりませんが、今のお話の方針をもとといたしまして、今後は御期待に沿うようにやりたいと思います。従来にいたしましても、具体的問題についてまだ取り調べておりませんが、国鉄が調査線として調査をいたしておりますものは、場合によっては隧道を作る場合のボーリングをやってみるとか、地質の調査をやるとか、またそういう物理的な調査でなく、調査線になりましてからそこへ新しい道ができた、それならば、こういう道ができればそこにバスをころがす方がいいじゃないかというように、両者を彼此相比較して調査をするという場合もあると思うのでございまして、漫然とした調査によりまして、悪徳のお方がもしありとすれば、その悪徳の人を利するというような意味で調査を延引させておるというようなととがあってはならないと私は考えておる次第でございまして、ただいま御指摘になりましたことは筋としてはまことに当然のことで、大賛成でございますから、国鉄にもよくその指導を徹底するようにいたしたいと考える次第でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 運輸大臣おっしゃるように、私は多分に人柄というものがあると思います。運輸大臣もそうですが、国鉄総裁もよく人柄ということで、精神面について触れられております。その点は私も多分にあると思います。人柄さえよければ予定路線のようなものでいたずらに競争も起きてこない、手柄顔もできない、これはあたりまえのことであります。ところが人柄というものが多分に災いしておりますから今日のようないろいろな問題が起きてくる。船を見れば造船疑獄ということを国民が思い出して、船がたくさんあるということを思い出さない。国鉄が新線建設をやって、夢の弾丸列車が開通してそれに乗ったときに、これも鉄道疑獄かと思いながら乗るだろうと思う。全く気持が違うのです。みんなの気持が、ああいい列車ができた、これは国民のほんとうの血税でりっぱなものができたと思う人は少ない。この鉄道を作るのにまたみながうまいことをやりやがっただろうなと考えると思う。こういうような汚職ということが起きるのも、人柄だと思います。だから人柄はその通りであります。しかし人柄のはびこる余地のないような法的措置を講ずるのが大切なんです。ですから私は特にこのことを強調しておきたいと思います。  今出されております九つの議題については、おそらく一つ一つについて審議することもできないと思います。それから意見を言うこともむずかしいだろうと思います。しかし私が総括してこれをちょっと見ても、私は別にどうこうという気持で言うのじゃありませんけれども、六番目に載っておる岡山県の宇野から香川県の高松に至る鉄道、これなんかは予定路線として堂々たる規模と計画の内容を備えておると思います。私は枝葉末端の小さいレールのトカゲのしっぽをつないでくれとかなんとかいうような計画じゃなしに、真に雄大な計画に基づいた、五十年や七十年では変わりそうもありませんという計画なら予定路線として大きな価値があるものだと思います。ですから将来の予定路線についても、私たちはそういう雄大な、将来の国の計画にそごを来たさないような、そのときになってこの計画は間違いだったというような状態のないようなものから予定路線というものを出発させて、その予定路線を敷く準備調査をし、着工させる。予定路線にきまったら近い将来に必ず実現するという形にならなければいけないと思うのであります。私たちはこういうことのために審議の時間を費やすことは実はあまり好みませんから、特にこの点を強調しておいて質問を終わりたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ちょっと関連して簡単に二つの点をお尋ねいたします。  一つは今回追加になります京葉工業地帯に対する予定線でございますが、先般新聞を見ておりますと、今まで御指摘があったような建設の進度でありますと、とてもじゃないが国鉄の新線建設というものは間に合わない。これは民間でやる方が適切であろうということで、寄り寄りそういう計画を持っておるという報道がなされておるのでありますが、これに対して運輸省当局はどういうふうに見ておりますか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 ただいまのは、(一)の品川付近から千葉県木更津付近に至る鉄道でございますね。——これは投資額も非常に多くなるから、時間がかかっては困るという御意見のようでございますが、国鉄といたしましても鉄道網を完成する上から見まして、東京を中心といたしまして、これから臨海工業地として発展いたしますようなところは、おそらく採算にも引き合う線でございますので、国鉄の新線建設はとかく赤字になるというおしかりを受けております今日、こういうそろばんに合う線は、国鉄としてもぜひ力を入れて早くやりたいというふうに考えておりますので、これは諸般の事情を考えて、営利会社がやるということよりも、国鉄の方にやってもらうことが適当であると私は考えておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それじゃそのことは将来のことでありますが、十分御研究をいただきたいと思うのであります。民間といっては語弊がありますが、一般の方々がこの京葉地帯に臨海鉄道を敷設するというのは、採算ベースにも合うということと、もう一つはあの地帯における発展が非常な急ピッチでいっておるということでございますれば、当然考えられることであります。しかしその裁断は一にかかって運輸大臣にあるでありましょうから、今法案を出しておるものとどういう調整をとるかが問題だと思うのです。これはあらためて機会を見て、もっと具体的に内容をしさいに検討して結論を早急にお出しにならないと、あの地帯をめぐって大へん混乱をするのじゃなかろうかと私は考えております。だからそういう点を十分考えてほしいということを一つつけ加えておきます。  それからもう一つは、今年度の新線建設の予算のつけ方を見ましても、先ほども一部御指摘がございましたが、大体一億くらいずつずっと軒並みつけておるのが、多いといっては語弊がありますが、半分くらいあると思うのであります。一億というような予算のつけ方はどうも政治的過ぎやしないかという感じを受けるわけであります。先ほどから指摘の通り、これではどうもお義理一ぺんで、あそこに義理を立てなければならぬ、こちらにも義理を立てなければいかぬということで、経済効果というか、そういうものが全然考慮されていないのではなかろうかとわれわれは考える。もちろん鉄道建設審議会でいろいろ御批判もあろうが、今日予定線をつけてくれ、あるいは調査線に格上げし着工ということに相なりますれば、それぞれの大きい意味もございましょうが、少なくとも予算のつけ方から見ると、どうも政治路線的に見られがちだ。これは大へん残念だし、また資金の効果からいっても私から申し上げる必要がないほど不経済きわまりないのであります。膨大な資産が遊休資産として遊んでいるということ自体をまず考えるべきだと思うのです。この予算のつけ方の責任は、運輸がつけるのでありますか、まず根っこは建設審議会に諮ってやるのですか、私よくわかりませんが、こういうつけ方はどうなのですか。必要があってやっているのでしょうか。鉄道建設という必要性からはどうも遠いのではなかろうかと思う。この点について一つ簡単に答弁して下さい。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部長)

○廣瀬政府委員 ただいまお尋ねになりましたのは、三十六年度の建設線の予算の配賦の問題と存じますが、経緯を申し上げますと、国鉄の方から三十六年度の予算の配賦につきまして一応案がございまして、これを私ども検討いたしまして、一応のめどといたしまして、建設審議会に、大体このような方針で具体的にこういうふうに配賦をしたいという報告をいたしまして、御了承を得ておる。こういうものでございます。今御質問のございましたように、もう少し重点的に配分したらどうかというお尋ねかと存じますが、私どもも大体そのようなつもりで国鉄と相談をいたしまして、なるべく重点的に施行ができるようにということで、例を申し上げますと、根岸線のごときは十五億、その他五億近いもの、あるいは三億、四億というふうにつけてございますが、中には比較的少ない一億というものがございます。これは一応のめどでございまして、今後具体的に進めて参りますと、ところによりましては用地の確保は非常にむずかしいというようなこともございますし、実施面におきましてはなるべく仰せのように重点的に進めたい、こういうふうに考えるわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 これは国鉄部長に資料要求しますが、今建設途上にある、しかもまだ列車運転、一般営業を開始していないところの投下資本は幾らであるか。線別に一つ資料を出してほしい、こういうふうに思います。  それから今の御答弁で、これから実際にやる場合には適当にというか、検討してやりたい、こういうことでありますが、予算のつけ方そのものに問題があるのに、これを検討して是正するといっても限度がございます。私はこの前申し上げておったのですが、その他の問題があったから申し上げませんでしたけれども、少なくともまじめな予算のつけ方とはわれわれ考えておらない。一億くらいずつつけて、なるほど根岸線はそうでしょうが、そのあと十何線は一億でしょう。大体みんな一億、軒並み一億、こういうのは世間をばかにしたつけ方だと私は思うのです。これは来年からやめたらどうかということを御要望申し上げておく。  それからもう一つ運輸大臣にお尋ねしますが、先ほど只見線の話が出ましたけれども、この只見線を、閣議了解事項ということをいわゆる金科玉条にとって、今後国鉄に肩がわりさせるという場合の法的な根拠はどういう手続が必要なのでしょうか。大へん事務的なことですが、参考のためにお伺いしておきます。ただ単に発電会社と一応私的な売買の契約ですね。五億幾らか何億か知りませんが、これを買収しましたということの手続だけでいいものかどうか、これを一つ参考にお伺いしておきたいのであります。どういう手続でおやりになるのか、たとえばやるとすればです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 只見線の問題につきましては、先ほど肥田委員から御質問がございましたので、現在折衝いたしておりますることをお話し申し上げたような次第でございます。事務的にいろいろまだ私は報告も聞いておりませんわけでございますから、詳細のことは国鉄部長から御説明いたします。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部長)

○廣瀬政府委員 只見線の折衝経過は先ほどから大臣が御答弁申し上げておる通りでございますが、かりに国有鉄道の営業線に編入することにいたしますと、まず国鉄法上は他の運輸事業を譲り受けることになりますので、これは運輸大臣の認可が必要かと存じます。そのほか現在の只見線は鉄道敷設法の別表の予定線には該当しておりますが、これは鉄道建設審議会で建設線として取り上げたのではございませんので、もしかりに何がしかの有償と申しますか、国鉄からある程度の金を出しまして譲り受けるということになりますと、建設費で支弁することにいたしますれば、これはやはり鉄道建設審議会で問題が出て参ります。その方の手続を踏む必要があるかと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 閣議了解事項をつけたときと、鉄道建設審議会で予定線に入れた時期はズレがございますが、違いがありますか。閣議了解事項で、発電会社が原材料を鉄道で輸送する、これは将来その使命が終われば国鉄が引き継ぐという了解事項があったようでありますが、その閣議了解をした時期と予定線に確定した時期はどういうことになっておりますか。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部長)

○廣瀬政府委員 只見の専用鉄道は鉄道敷設法の別表に前から入っておりまして、三十一年の閣議了解というのはその後でございます。なおつけ加えますが、建設審議会では只見線の問題は今まで正式に論議あるいは報告ということはいたしておりません。建設審議会とは関係がない、いろいろ実質上の問題は御報告はいたしておりますが、正式には建設審議会とは何ら今のところは関係がない、こういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 お説の通りだろうと思うのでありますが、そうしますと閣議了解事項というものは、いわゆる法違反というか、そういう形にも一通り見えるわけでありまして、これは慎重に法的にも御研究が必要かと私は思うのです。  それからもう一つは、只見線というのはいわゆるトラック輸送で道路を整備してやった方が得か、それとも鉄道で輸送した方が得か、こういう比較検討の中から、いわゆる発電の場合は鉄道の方が大体効率はいいということから敷設したのがまず土台である。その中には当然といっては語弊がありますが、将来国鉄で引き継ぎを受けてくれるならばという条件のようであったと思うのであります。その辺が私は問題だと思うのです。建設審議会の方は何らこれには関係はない。片方は発電会社の御都合でこれへ便乗してきた、こういうことは少なくともどうも行政の混乱を招くもとだと思う。十分研究調査と同時に、これは軽々に扱うべきではない。いわゆる値段の交渉じゃなくて、本筋からいって只見線というものが必要であるかどうか、これから検討を始めるのが当然であって、それでなければこれはいずれに持っていくか大へん混乱したことになると思う。これは運輸大臣どうですか。あなたは事務折衝と言われますが、今までのところは閣議了解事項があるからその点に従って値段の方で一つというので、きのうあたりも事務的におやりになっているようです。七億といったんだが、それじゃ高いというなら五億幾らにして年賦でもいいぞという話で了承して帰ったということですが、どういう段階ではない。それ以前のことをまずやらなければ運輸大臣として困るのではないですか。閣議了解事項が鉄道敷設法の優位に立つものか、こういう問題も実際ございますよ。これはいかがでしょう。そういう問題が必要であるかないか、必要であるとするならば、建設審議会にかけて幾らにするなりなんなりということだと思うのです。いかがでしょう。  それからもう一つ、時間がございませんからあわせてお尋ねしたいのは、現在国有鉄道が持っている鉄道線路を払い下げてほしいという動きが最近ある場所であるそうでありますが、これはございますか。

廣瀬眞一運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部長)

○廣瀬政府委員 まず只見線の方からお答えを申し上げますが、先ほども申し上げましたように、建設審議会の正式の関係と申しますか、審議は三十一年の閣議了解をいたすときも経ておらないように承知しております。従いまして、もしこれを国有鉄道の営業線に編入する、しかも建設費で何がしか支弁するということになりますと、あらためて建設審議会に付しまして御審議をいただくという格好になるかと存じます。  それから今この工事用の経路を敷設する場合に、道路でやった方がいいかあるいは鉄道でやった方がいいかというようなお話もございましたが、これは私ども運輸省側といたしましてはいろいろ調査をいたしました結果、当時資材輸送の交通機関といたしましては、道路と鉄道と両方考えられたことは確かのようでございます。そして建設費その他から申しまして道路の方が安いということも事実のようでございます。安い道路で建設は十分できた、しかし用地の買収あるいは補償というようなことからいろいろ現地に問題がございまして、現地側が鉄道ということを非常に強く希望いたしました。従って比較的高い交通機関である専用鉄道を作った、私どもはそのように考えております。従いまして、なお当時三十一年の閣議了解がもっと明確であれば問題が今日まで及ばなかったのでございますが、その点につきましては、最終的な具体的な話がなかなかつきませんので、「営業路線に編入するよう措置するものとする。」というような表現を使って、しかし閣議で明確に編入するということだけはきめておりますので、その事後処理につきまして、今大臣がお話しいたしましたように苦慮をしておる次第でございます。  それから現在の鉄道の営業路線を民間に払い下げるということを承知しておるかどうかというお尋ねでございますが、私どもはまだ国鉄からそのような報告には接しておりません。

久保三郎日本社会党

○久保委員 只見線の問題は先ほどから申し上げるように、手続上も非常に問題があると思うし、それからもう一つは、国鉄が引き受けるということで採算がとれるということでありましたら、たとえばこれは予定線に入っている路線にいたしましても、敷設法に基づいて、一応いわゆる交通でありますから、当然これは発電会社が地方鉄道として処理されるのが適当ではなかろうかと思う。地方住民は目の前に汽車があるのだから、その汽車を存続させてほしいというは当然だと思うのです。しかしその責任のあり個所は、これはどこまでも先にやった方があり個所だと思うのです。私は鉄道を廃止するということについてはどうかと思います。実際国家全体の見地から見まして、これは国鉄も引き受けません、発電会社もやりません、撤去しましょうということについては、既成事実として考えなければいかぬと思うのです。これはもう最初の出発点に間違いはありますけれども、その間違いは間違いとして、現実の姿を処理する場合に、一番最善の方法は地方鉄道として運輸大臣が免許するということの方へ考えを移行すべきであって、単に閣議了解事項これ一本にしぼって、値段の交渉や引き受けの条件というようなことをやるべきではないと私は考えております。私はそういう点を強く要望いたします。  それから、国鉄の方から聞いておらないということでありますが、それでは富山県の富山港線はどういう動きがありますか、国鉄からお伺いしましょう。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 私は何も聞いておりませんが、今伺いますと、正式には何も話は出ていない、そういう茶話的といいますか、何かの機会にそういうことを言っておるということ、そういう事実はあるそうであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 私もよくわかりませんが、少なくともそういう動きが地方にあるそうであります。国鉄ではまだ正式にお聞きになっていないそうでありますが、動きがあるということは何らかの力が介在しているであろうというようにわれわれは見ておるわけであります。この営業係数を見ても、もちろん総体から言えば、過去においてはそう優秀だということにはいかないかもしれない。しかしこの線一つをとれば十分原価をペイして間に合うという線のようでありまして、こういうところに目をつけてきて何らかの力が介在して国鉄が線路を払い下げる、こういうことは新線建設の趣旨から見ても話が違うと思うのです。これは正式に出てこない話でありますからとやかくそれ以上申し上げませんが、少なくともここだけは一本くぎをさしておきたいと思います。いずれにしても只見線を慎重に扱うことを運輸大臣に要望しておきます。単に閣議了解事項が一番最高の権威のようにおっしゃいますが、法律も何も無視して閣議決定が成り立つものかどうか、これは行政の混乱でありますから、そういう混乱の渦中には運輸大臣が巻き込まれない方が一番得ではないか、こういうように思うので、それも御注意申し上げて私の質問を終わります。

三池信自由民主党

○三池委員長 山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 もうすでに質問をしておりますから私はこれから質問しようとは思っておりませんが、東海道新線の建設というものは、国鉄においても運輸省当局においても、画期的な世紀の大工事として、いわば誇りを持ってやられておりまするし、またこれが完成してわが国の鉄道技術の粋をオリンピックの開催される時期に世界各国に示すのだということはわれわれとしても実は誇りに思って一日も早くその完成を期待しておるわけであります。しかし遺憾なことに、その途上において忌まわしい請負業者との間における汚職事件が発生をしたということは私はまことに遺憾千万な話だと思っておるわけであります。それだけにこの新線の建設については国民は一そう注目をいたしておるところであります。私は地方に参ってきましたが、異口同音に、あれが報道せられますと、一体国鉄並びに運輸当局はこれが監督についていかにしておるのか、非常な疑惑と申しますか、批判の目を向けるに至っておるのであります。これに対しても、一部新聞の報ずるところによれば、なお上層部に波及するおそれがあるというようなことまでも報ぜられておる。そのために非常な疑惑を生じておることは、この工事途上においてまことに遺憾千万な話だと思うのでありますが、すでに同僚からの質問に対して、この件に関して今後の決意等もお述べになっておるようでありますから、あえて私はこれについて質問をしようとは思いませんが、しかしこういう状況下においてなお今日用地の確保、工事の請負並びに今後これが建設に必要な各種の処置がだんだんと取り上げられて参らなければならぬと思うのでありますけれども、私どもはこの建設にあたっての具体的な、詳細な、その工事の施行に必要な方法についての説明書はいまだ入手いたしていないのが実情であります。従って地方に行きましても、どう言って説明していいのか、その説明にも窮するありさまであります。従って委員長にお願いをいたしますが、この鉄道新線建設にあたって、ただいまここに資料を配付されましたけれども、この資料をもっていたしましては、私は説明も何もできません。こういうおざなりの表をもっていたしましては、これはできないことであります。従って、資料をお出しになるならばもう少し親切な説明書を付すべきだと私は思うのです。でありますから、次に申し上げる諸点について懇切丁寧な説明書を御配付願いたいと思うのであります。  それは、まず第一には、予定路線用地の買収、収用の状況、これを詳しく説明書にしていただきたい。第二には、工区別工事の進捗状況についての説明書を出していただきたいと思います。次は工事請負の状況、並びに請負業者に工事別にどういう手続で請け負わせ、そしてその請負業者はその請け負った業者が実際に工事に当たっているかどうか。あるいは、また請け、次々の下請に請け負わせてその工事をしておるのかどうか。そういういわゆる工事の手続状況等につきまして、詳細な説明書を御配付願いたい。以上三件の資料を要求いたしたいと思います。委員長、手続を願います。

三池信自由民主党

○三池委員長 次会は明三十一日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会

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