運輸委員会 第29号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/05/16
会議録
○三池委員長 これより会議を開きます。 日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案を議題といたします。 本案に対する質疑は去る十二日終了いたしております。 この際有田喜一君より提出の本案に対する修正案が委員長の手元に提出されております。 ————————————— 日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案に対する修正案 日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案の一部を次のように修正する。 附則中「昭和三十六年四月一日」を「公布の日」に改める。 —————————————
○三池委員長 まず、本修正案について提出者より趣旨説明を求めます。有田喜一君。
○有田委員 私は本法案に対しまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、修正の動議を提出いたします。 修正案文を朗読いたします。 日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案に対する修正案 日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案の一部を次のように修正する。 附則中「昭和三十六年四月一日」を「公布の日」に改める。 以上であります。 内容につきましては、申し上げるまでもなく、本案は昭和三十六年四月一日から施行いたすことになっておりますが、今日すでにその施行日を経過いたしておりますので、公布の日から施行するように修正いたす必要があるのであります。 委員各位の御賛成をお願いいたします。 —————————————
○三池委員長 ただいまの修正案について御質疑はありませんか。——別にないようでございますので、これより本案並びに有田喜一君提出の修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。高橋清一郎君。
○高橋(清)委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案につきまして、賛成いたすものでございます。 国鉄の新線建設の問題につきましては、すでに各委員御承知のごとく、世論におきましても種々論議されましたし、また当委員会におきましても、すでに運賃値上げ法案の審議の際に熱心に論議がかわされたのでございます。 私は、この際本法案の審議を終了するにあたりまして、一部世論にいわゆる政治路線でないかというような御意見も出ておるのでございまするけれども、一がいに政治路線だと断定しがたい面が多々あるのでございます。いわゆる全般的意味におきまして、交通系絡整備の点あるいは国民経済の発展に必要な路線あるいはまた地方経済開発のためにはどうしても必要である。かてて加えまして、今回の予算には三億四千万の計上がはかられておるのでございます。かく全般的な日本全体の観点から見まして、何とかただいま申しましたような意味におきまして路線を延長してもらいたいあるいは新線建設について何分の親心を示してもらいたいという要望がずいぶんとあることは御存じの通りであります。再度申し上げさせていただきますが、決して政治路線であるということで一がいに片づけられてしまう場面でございません分野が多いのでございます。さような意味におきまして、せっかくいい方向へ参っておりまするこの点につきまして、むしろ先ほど申しました三点を伸長していただくという意味におきまして、今回の法案はその時宜を得たものであると首肯せざるを得ないと思うのでございます。 きわめて簡単でございますが、さような意味におきまして私は自民党を代表いたしましての賛成の意を表さしていただく次第でございます。
○三池委員長 久保三郎君。
○久保委員 私は日本社会党を代表して、この法案の採決にあたって次のような趣旨を申し上げて賛成するものであります。 この日本国有鉄道の新線建設ということは、言うまでもございませんが、これが決定をする機関の鉄道建設審議会等の問題もございます。しかしながら今日まで、必ずしもその新線建設が日本の経済あるいは他の輸送機関との問題で適切でないような問題も多々あったろうと考えられます。よって、将来国有鉄道が新線建設をする場合は、言うまでもございませんが、日本の経済あるいは文化あるいは交通系絡、こういうものは当然勘案しなければいけませんと思いますが、それにしてもやはり真にこれが鉄道建設でまかなうべきかあるいは他の輸送機関でまかなうべきかの判定は十分にやらねばならぬと思います。御案内の通り、最近道路網の発達は非常な速度で発達しておりますし、さらにバス、トラックの輸送機関の発達も御承知の通りでありますので、単に鉄道建設によって地方におけるところの輸送用役を提供するという古い観念だけで新線建設は押し通すべきではない。むしろ高い見地から、輸送用役の配分はいかなる輸送機関によってなされるかという観点から、その中から真に鉄道以外に方法がないのだ、またそうすべきであるという結論に立ったもののみを新線建設をすべきであろう、こういうふうに考えますと同時に、かかる観点から結論を得ましたところの鉄道の建設については、本案の趣旨にものっとりまして、さらに十分な国鉄に対する助成というかこの裏づけをすべきだと思うのであります。現在提案されております補助特別措置法案は、いわゆる建設費に対する利子補給でありまして、国鉄の公共性が限定されている今日、政府の施策としてこれらは予算の増額を当然なすべきだと思う。よって、われわれは将来に向かって、かかる予算の増額、これを強く要望して、本案に賛成するものであります。
○三池委員長 内海清君。
○内海(清)委員 私は民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっておりまする日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案に対する賛成の討論をいたしたいと思うのであります。 申し上げるまでもなく、新線建設の意義は、わが国経済の発展を促進し、地方経済の開発あるいはまた文化の発展、こういうふうに寄与するものについて建設せらるべきものであります。御承知のように、今日まで鉄道建設審議会でこれがいろいろ検討されまして実施されてきたのでありますが、今日までにおきましていろいろこれに対する批判も出ておるわけでございます。いわゆる政治路線ではないかというふうな問題もあるわけであります。特に国鉄経営が非常な不調であります今日、この新線建設にあたりましては、真にこの新線建設の意義に合致するもの、国民のすべてが納得いたしますような新線の建設されることが最も肝要であると思うのであります。しかしながら今日国鉄が非常な公共性を強要されておりますので、新線の建設にあたりましては、国鉄経営に及びます影響の非常に大きい点を考慮して、そうして新線建設の補助関係の予算については、十分これが善処さるべきであると思うのであります。さらにまた今日この新線建設にあたりましても、真に国鉄によらなければならぬ、他の輸送機関に代替されぬものは、十分にこの点が考慮さるべきであると思うのであります。 以上の観点からいたしまして、今回の新線建設にあたりましては、今後の新線に対する十分なる配慮を要望いたしまして、賛成いたしたいと思うのであります。
○三池委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○三池委員長 これより採決いたします。 まず、有田喜一君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○三池委員長 起立総員。よって、修正部分を除く原案は可決されました。 従って、日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案は修正議決すべきものと決しました。
○三池委員長 なおお諮りいたします。 本案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○三池委員長 次に倉庫業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
○肥田委員 それでは若干の質問をいたします。まずその前に、ここに「倉庫統計月報」というのが出ております。これは発行者が運輸省港湾局の倉庫課となっておりますけれども、これはどういうふうに発行しておられるのですか。
○坂本政府委員 お答えいたします。庁費で予算をとりまして、毎月発行しているものでございます。
○肥田委員 今手元にいただいたのは、これは一九六〇年の第十号ということは、去年の十月号ということですか。実はこれ、初めて見るのですが、毎月発行ですか。
○坂本政府委員 さようでございます。
○肥田委員 そうすると、これは毎月見してもらうというわけにいきませんか。
○坂本政府委員 お届けいたします。
○肥田委員 一つそううふうにお願いいたしたいと思います。議案を審議するときだけこういう資料を見るのでは、やはり勉強不足になりますから、発行しておるものなら、一つそのときごとにわれわれに見していただくようにお願いしておきます。
○坂本政府委員 承知いたしました。
○肥田委員 そうしてもらわぬと、実はこういうものを審議するときに予備知識というものがないので、そのときになって初めて勉強せねばならぬということになりますから、くれぐれもお願いをしておきます。 そこでもう一つお伺いしたいのは、倉庫業法の対象となっておる倉庫業というのを、一つ念のためにお答え願いたいと思います。
○坂本政府委員 倉庫業の中には大別いたしまして、自家用倉庫と申しますか、自分の用に供するために物品を入れていくもの、それから営業を目的としておりませんで他人の物品を預かるもの、たとえば協同組合法に基づく倉庫というようなものがございます。そのほかに営業を目的といたします倉庫業があるわけでございますが、この倉庫業法で適用しておりますのは、営業を目的としているものに限っております。
○肥田委員 今度改正されるところの冷蔵倉庫業、これは今まで暫定措置として届出制にしておいた、それを今度許可制にしよう、こういうことであるようですが、今日の冷蔵倉庫業の現況について、どのような変化があるのか、これをお聞きしたいと思います。規模だとかあるいは数だとか、こういうものについてもお答え願いたいと思います。
○坂本政府委員 このたびの倉庫業法の改正で、従来適用を除外されておりました冷蔵倉庫業を許可の対象としようということでございます。その理由といたしましては、昭和三十一年に倉庫業法が改正されました当時におきましては、冷蔵倉庫の数が割合に少なうございまして、需要の方が非常に多うございました。従いましてその当時におきましては、倉庫業の適切な運営ということも、もちろん必要ではございましたが、より多く、早く冷蔵倉庫を作らなければならないというような情勢であったのでございます。従いまして倉庫業法の適用、承認、許可から除外したのでございますが、その後非常に冷蔵倉庫の数がふえまして、その割合に需要の方はふえませんので、まず施設としましてはそう急にふやさなくともよろしい、施設を改善いたしまして運営を適正にする方がむしろ必要じゃないかということで、今回の改正を考えたわけでございます。 次に冷蔵倉庫業の現状について申し上げますと、この資料は昭和三十五年の六月現在の数字でございますが、業者の数が九百四十六、倉庫の容積が二百五万二千立方メートル、在庫貨物の量が二十七万一千トン、倉庫証券の流通高が九億九千万円、そういうことになっております。
○肥田委員 そうすると三十一年にこの法が設けられた当時には、冷蔵庫業者というのは数が少なくて、そうしていわゆる預かる品物がたくさんあった。それで急速に倉庫を作らさなければいけなかった。だから届出程度にして、倉庫業者の増大をはかっていった。ところが今度は倉庫業者が九百四十六もできて、倉庫へ預ける品物の方が足らなくなってきたから業者を守ってやるためにこの認可制度にして制限をしよう、こういうことになるのですか。
○坂本政府委員 三十一年の倉庫業法が改正された当時と現在では、業者の数は二割くらいふえているわけでございますが、倉庫の容積の方が非常にふえまして、七割くらいふえているわけでございます。 次に既存の業者を特に保護するのではないかという御趣旨であったように伺いますが、倉庫業法を設けました趣旨が、倉庫業の適正な運営を確保するということを目的としているわけでございます。従いまして既存の業者につきましても、やはりこれが健全な発展をはかりたいというふうに考えておりますが、新しく認可を申請してきたものにつきましては、これも倉庫業法の中で、ある事項に該当したものは許可しなければならないということがございまして、特に既存の業者だけを保護していこうという趣旨ではございません。今度の倉庫業法の改正にあたりまして、冷蔵倉庫業をやはり許可の対象とするわけでございますが、これも同じような趣旨でございまして、この改正によって単に冷蔵倉庫業者、既存の業者を保護するということだけではなしに、むしろ業者の施設を改善しましてその運営の適正をはかる、といいますことは、寄託者の物品に対する事故を防止しようということが主眼でございまして、そこに一番の目的を置いているわけでございます。
○肥田委員 私の聞き違いでしたら私が訂正しますけれども、局長が最初におっしゃったのは、どうもそういう意味ではなかったように聞いたのです。三十一年に冷蔵庫業者の方を届出制にして置いたのはどういう理由なのか、こういうふうにお聞きしたところが、当時は冷蔵庫業者が少なくて預け物品というものが収容できなかった、それが現在では冷蔵庫業者がたくさんふえてきて、そうして今度は預け物品の方が足らなくなってきた、そういう状況だからこういうことにしたのだ、こういうふうにおっしゃいました。そうなら今のお答えとは結論が違うことになりますから、これはどういうことでしょう。
○坂本政府委員 倉庫業法は昭和三十一年に改正されたわけでございますが、それまでは冷蔵倉庫業も一般倉庫業も両方とも届出制であったわけでございます。しかしやはり他人の物を扱いますので、もう少し倉庫の施設もよくして安全性を確保しなければいかぬということで二部を許可制にしたのでございますが、そのときに、先ほど申し上げましたように、冷蔵倉庫につきましてはそういう規制をいたしますのも必要でございますが、それよりさらに非常に需要が逼迫しておりましたために、一般倉庫につきましては許可制にしましたが、冷蔵倉庫業につきましては当分それはやらないということで除外されておりましたので、今申し上げましたように、寄託者の利益をはかるという意味は多少はその当時は少のうございましたけれども、趣旨は同じことで運営してきたつもりでございます。
○肥田委員 私の言っているのは、先ほどお答えいただいたことの結論は、今まで届出制にしておいたのは、倉庫業者が足らないのと、それから足らないということは、寄託物品が収容できないのだ、こういう状況だからほうっておいたのだ、ところが今ではたくさんできてきて規制しなければいかぬのだ、こういうふうにあなたの方でお答えになったから、それなら結局私が言ったように、今までの既存業者を保護して、これからはもう作らさぬという方向になるんじゃないか、こう質問したわけです。ですから、そういう意味じゃないようですから、わかりました。それから、その間に特に何か乱立をして、そうして規格に適格でないようなそういう業者もあるのですか。現存のものはそのまま認可オーケーということになるのですか、扱い方についてはどういうことになるのですか。
○坂本政府委員 現在ございます冷蔵倉庫業には非常に規模の小さいものが多うございまして、そういう意味で施設の点で物品を寄託するのには少し不十分であると思われるものがやはりございます。事故といたしまして具体的には私は詳しくございませんが、寄託した物品が、温度があまり低くなかったために損傷を受けたというようなことを聞いておりますので、そういう点を規制をしてなくしていこうという考えでございます。
○肥田委員 そうすると、一般の倉庫に対してもそうでしょうが、冷蔵庫に対しても特に新しく何か規格を設けられるのですか。
○坂本政府委員 一般の倉庫業につきましては、現在の倉庫業法で許可の基準がございます。冷蔵倉庫につきましてもそれより非常にゆるい基準が今まであったのでございますが、今度これを許可制にするにあたりましては、やはり許可の基準を、おもに施設でございますが、運輸省令で定めることにいたしております。
○肥田委員 それから、そういうことになると、今度は目的が、完全に貯蔵するということと、いろいろ方向が明らかになっておるわけですから、それに違反した場合、その義務を怠った場合の取り締まりの処置、これはどういうことになりますか。
○坂本政府委員 今までは届出制でございましたので、行政処分の方法がございませんでしたけれども、今度は許可制になりますので、条文によりまして、該当する者は許可を取り消すこともできますし、また営業の停止を命ずることもできるわけでございます。
○肥田委員 お聞きしましたところ、従来の悪い点を改めようというのが趣旨のようですから、そういうことでよかろうと思います。ただ私がちょっと触れましたように、やはり既存業者としての今までの習慣というものがあるだろうと思います。ですから、その点については、今度内容物品を明示させるとかいうふうな方法を講ぜられるようになりましたので、それらについては、よほど指導の面をうまくおやりにならないと、今までの惰性で、何年かはそのまま持ち越してしまうということになるだろうと思います。業者を規制して窮屈にしようというのではなしに、倉庫業者の質を向上さして、そして一般利用者に対して安心させようという、こういう趣旨を十分一つ生かしていただくように要望しておきたいと思います。 これで質問を終わります。 ————◇—————
○三池委員長 次に、港湾に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。赤松男君。
○赤松委員 この際港湾局長にお尋ねしたいのでありますけれども、港湾運送事業法の十六条の三に、検数人等は、船の貨物については、左の各号に該当する行為をしてはならない。すなわち「箇数の不正な計算又は受渡の虚偽の証明」こういうことをしてはいけないと明確に規定をしてございますけれども、その通りでしょうね。
○坂本政府委員 そういうふうにやっております。
○赤松委員 それでは、第七条の「検数人、鑑定人又は検量人になろうとする者は、その者の住所を管轄する海運局の検数人登録簿、鑑定人登録簿又は検量人登録簿に、運輸省令で定める手続により、登録を受けなければならない。」これもその通りですね。
○坂本政府委員 その通りでございます。
○赤松委員 それから労働者の募集にあたっては、職安法の第三十六条で、通勤区域内が原則であって、特に他府県からの募集は、当然労働大臣の許可を必要とする。こうありますけれども、これもその通りなんですね。
○坂本政府委員 その通りでございます。
○赤松委員 私は今三点当局の意見を聞きましたところ、その通りだ。法律に規定してある通りだ。従って、その監督行政に当たられる運輸省は、たまたまこの法律に違反している行為が明らかであるという場合におきましては、どういう措置をおとりになりますか。
○坂本政府委員 港湾運送事業者が違反をいたしましたときには、港湾運送事業法によります罰則がございます。職業安定法は所管が違いますので、私よく存じません。
○赤松委員 それは当然のことなんで、事業法に違反した場合は、その法律の規定によって処罰するということは当然であります。ところが、違法行為が明らかであって、しかも再三にわたって全港湾労働組合から運輸省に対しまして、その取り調べを要求し、さらに違法行為に対する処罰を要求したにもかかわらず、今日まで放任をされておる事実があるのであります。 第一にあげたいのは、御承知のように全検協会、いわゆる社団法人の全日本検数協会、それから社団法人の日本貨物検数協会、これは公益法人でございまして、船舶貨物の荷積みの際には、荷主、船主よりの依頼を受けて、個数の計算、貨物の受け渡し業務の代行を行ない、前者、いわゆる全検は荷主側、後者、日検は船主側としての業務内容をもって経営されておりますが、この点について港湾局長は御存じでありましょうか。
○坂本政府委員 知っております。
○赤松委員 ところが名古屋港におきましては、ダブル・タリーの違法が行なわれている。すなわちダブル検数が行なわれている。つまり検数人が荷主側それから船主側双方の立場に立って、同一人が荷物を渡し、そして荷物を受け取っておるという事実があるわけであります。過去六カ月にわたるダブル検数の口数をいいますと、全検直接分が千九十三口、日検の下請分が千九百四十六口、計三千三十九口あります。従って一カ月平均五百六口のダブル検数が行なわれている。一体こういう事実をどうして運輸省は監督しようとしないのか。この点についてはしばしば労働組合側から運輸省に向かって注意を喚起しておるにもかかわらず、今日まで全然放任している。はたしてこれによって十六条の三でいうところの「箇数の不正な計算又は受渡の虎偽の証明」を禁ずる、つまり箇数の正確な計算、受け渡しの正確な証明ができるかどうか、この点についてはいかがでありますか。
○坂本政府委員 御指摘の点につきましては、従来船主側と荷主側と両方の検数人が出まして、貨物の受け渡しをする習慣になっておりますが、最近各港におきまして、貨物量が急に増大して参ったのに対しまして、検数人の養成がこれに追いつかなかった。特に月末配船という問題が、御承知の通りでございまして、そういう特別のときにおきまして検数人が不足いたしまして、その検数の要請に対して足らないということが起きておるのでございます。しかし、これはごく例外的にしか起こらないものであると思っておりますし、また検数の依頼者が、検数人不足のためのやむを得ない措置として了承を与えておる場合が多いと思われるのであります。またこういう場合には、主席検数人というのがおりまして、それが巡回いたしまして、誤りのないように監督をいたしている模様でございます。それで一人で双方の検数をやるということは、現在の法令から参りますと、それは違法なものとは考えておりませんが、ただ、今までの商習慣が、荷主と船側と両側から検数人を出す、そういう商習慣になっておりますので、その商習慣に一致しないということで、やはりこれは望ましいことではないというふうに考えております。しかし最近、業者も検数人の新規採用をいたしまして、その養成に努力いたしておりますので、そういうことは是正していくと思われます。
○赤松委員 この業務内容は、全検協会及び日検ともちゃんと定款できまってあって、荷主側と船主側ということでもって荷物の受け渡しをやっておる。今聞けば、そういうことは人が足らないからやらしておる、放任しておるのだ、こういう話でありますけれども、人が足りるとか足らないとかいう問題は、これは船主自身の問題であり、また荷主自身の問題であり、いわゆる経営者の問題なんです。監督官庁としては、やはり十六条の精神に基づいて、箇数の不正な計算、受け渡しの虚偽の証明が起こらないようにこれを厳重に監督するという立場に立たなければならぬじゃないですか。一人でもって荷物を渡す、その同一人が荷物を受け取る、だれが一体、不正な計算、受け渡しの虚偽の証明をしますか。そんなばかな話がありますか。また人が足らないということを盛んに言っておりますけれども、職安法違反が平気で行なわれている。現に後藤清次郎という男なんですけれども、これは検数人の認可を受けていない。あなたは、検数人たらんとすれば、当然運輸省令によって登録を受けなければならぬ、これはその通りかといったら、その通りだ、こうおっしゃる。ところが検数人の登録も受けてない無資格者が、これは神戸市の後藤清次郎、これが検数業務の下請をやって、そうして手配師を二十名ほど雇って、名古屋港のピークのときには神戸から出張する、そうしてピンはねをやっておるのです。そういうことをしばしば運輸省の方へ注意をしても、それに対して何らの取り締まりをしようとはしない。これは一体どういうことですか。職安法違反を平気でやらしておる。労働省だから、私の方は知らない、そんなことは言わせませんよ。今日閣議決定によって港湾協議会が発足をして、港湾協議会の中で、最近さらに小委員会を作って、港湾作業の近代化のために、各省ともいろいろ骨を折っているのです。従って、これは労働省の問題と言うことは許さない。この問題はしばしば港湾協議会の中で議題なり論議の的になってきた問題なんです。私どもは港湾労働法を立法して、そうして今、国会に出している。あなたは、そういうことが慣習上行なわれているのだ、こういうことを言うけれども、先ほど言ったように、同一人が荷物を渡して同一人が荷物を受け取る、それを慣習として認めている。人が足らないからやむを得ないのだ、そんなことで監督行政ができますか。もう一ぺん答弁して下さい。
○坂本政府委員 港湾運送事業法の第十六条の三に、検数人は左記のような行為をしてはならないとございますが、荷主側と船主側と別々に検数人を立てなければいけないということは、実は法令ではございません。
○赤松委員 だって、全検と日検は、定款上そうなっているじゃないか。業務内容がちゃんと明確に定款に規定されている以上は……。
○五島委員 関連。なるほど局長が言われるように、赤松さんの質問された十六条の三によれば、やってはいけないということはないでしょう。しかしこの運送事業法では、これを許可を受ける場合は、その定款等々が具備しいなければならないでしょう。そうすると、社団法人である、公益法人であるところの全検数と日本検数の定款は一体どうですか。組合から聞くところによると、全検は荷主側の検数をやるんだ、それから日検は、シップ・サイドといいますか、船主側の検数をやるんだ、そうしてこれはいずれも社団法人であり、公益法人である。なぜ公益法人として設立されなければならないかということ、すなわち港湾の業務の公正と明確を期するためにこういうような業務内容が定款にうたわれなければ許可をされないという許可制になっておるはずですけれども、その点については赤松さんの質問が妥当であるように考えられますが、港湾局長はどう考えられますか。また両者を代表して一人の者が検数をする、これは利害対立するから両者を同時に立ち会わせなければならないという法の精神であるのに、一人でやるということではたして公正が確保されるかどうかという問題があろうと思うのです。その点について法は適正であるけれども、そういうようなことは好ましくないということはどういう論拠から出てくるかということについてあわせて答弁をお願いしたい。
○坂本政府委員 最初に二つの協会の定款の問題でございますが、商習慣といたしまして、それぞれ荷主側、また船主側の依頼を受けるという事実はございますけれども、定款は片方だけの依頼しか受けないということはないと存じております。ですから、一人で双方の計算をやりましても、それが正しければ第十六条の三には該当しないというふうに考えております。外国ではその協会の——これは法人でございますし、非常に信頼度が高ければ一人で両方をやっておる例もございます。
○五島委員 そうすると、外国でやっておるから日本でもいいのですか。ところが外国では信頼度が高い。日本でも信頼度が高いのですか。そういうところで対立する、対立するというのは、荷主側と船主側ですから、船主の方を代理してはっきり荷の受け渡しをやるというような事柄で、たとえば検数を受ける場合に、その荷主側から頼まれて、そうして船主側の荷物が適正であるか、貨物が適正であるかどうかという検定をする場合、全検数と日本極数のその商行為というものは一体どういうようなことになるのですか。下請をやっておるわけですか。同一人が二つのあれを代理して検量検定をやっておる立場に立つのでしょうか。あるいはただいま赤松さんが言われたように一カ月に五百口以上のダブルに検数があるというような場合、日検の仕事を全検がやるというような場合は、全検と日検の会社というものは一体どういう関係にあるのか。下請の関係にあるのか、あるいは依頼した関係にあるのか、そういう立場が明らかでないのですが、そういうときはどういうように解釈したらいいのでしょうか。
○坂本政府委員 全検なり日検なりが一人でもって両方の検数をやったという場合には、一つの協会が荷主、船主両方から依頼をされたというふうに考えます。
○五島委員 そうすると、今後その荷主側それから船主側のそれぞれ双方が立ち会わなければならないというように考えられるわけですが、貨物がいんしんをきわめる場合は港湾局の方では商慣習としてそれを認めて、これは大阪でも神戸でも横浜でもいいんだ、そういうことが商慣習として認められますか。それは違法でないとして認められますか。
○坂本政府委員 そういう場合には、これは従来そういう商習慣になっておりますので、こちらで運輸省といたしまして特にどうというわけには参りませんので、その商習慣は尊重をしていきたいと思っております。しかし法的にはこれは違法とは実は考えておらないのでございます。
○赤松委員 港湾局長、着任早々であるし、僕も十分同情はしているのです。実はきのうあなたの方の課長が電話をかけてきて、どういう質問をするか、僕はこういう質問をするからということは言うておいた。しかしまだあなたの今の答弁で、商習慣としてはこうなんだが、しかし違法ではない、非常にあいまいもことしている。僕らどう考えたって、この全検、日検の定款から考えても、あるいは港湾運送事業法の精神から考えても、あなたの答弁は不満だ。そんなのらりくらりして、まるでウナギのしっぽをつかむようなことを、僕らは貴重な時間にやっておりたくない。そこであなたに申し上げるけれども、一ぺん運輸大臣とよく相談し、港湾当局と十分検討して確固たる見解を持って委員会に臨んでもらいたい。あらためて運輸委員会で質問したいと思うのです。 念のため申し上げておきますけれども、今社会労働委員会で私から基準局長及び職安局長に質問をした。基準局長に対する質問は、港湾労働者は、あなたの好きな習慣上、二十四時間くらいの勤務をぶつ通しでやっているのがざらにあるのです。この後藤清次郎が二十人ほどの手配師を連れてきてやらしておるけれども、これなどは午後の十一時までは五百円、翌朝までの夜間作業の場合はさらに五百円増しの賃金を支給して、そこからピンはねをしているんだ。それであなたがさっき答弁したように、神戸から手配師を二十名連れて、そして名古屋港のピークのときに労働大臣の許可を得ないで他府県から来るということは職安法違反なんです。この事実については直ちに調査をして、違反行為があれば厳重処分すると、今はっきり基準局長、それから職安局長は答弁したのです。御承知のように基準法三十六条によって協定を結ばなければオーバー労働はできないのです。基準法三十六条によるところの協定をしなければ時間外労働ができない。これは基準法四十条の労働時間及び休憩の特例、三十二条のオーバー労働時間の認可。しかるに港湾の実態を言えば、これは名古屋、神戸だけじゃないんだ。一番近代的でなければならぬ港湾においてオーバー労働がどんどんひんぴんに行なわれておる。ピークのときには徹夜作業が、二十四時間労働が平気で行なわれている。けさ名古屋港で二時間のストライキをやっている。その要求は何であるかというと、このダブル検数に反対、一週間に一日休みをくれ、こういう要求なんですよ。これは無理ですか。今ILOの勧告にもあるように、また国際的な常識として、週四十時間、週休二日、これが常識化しつつある。ところが港湾においては一週間に一日休ましてくれというストライキをやっているのです。これほど港湾の労働事情の実態というものは、二重構造どころか、まさに時代おくれなのです。そういう実情をしっかり港湾局は把握をする——今も基準局長から三六協定を結ばないでオーバー労働をやらしていることは明らかに基準法違反だ、さっそくこれを調べて厳重に処罰する。で次の委員会において、実情を調べて措置した結果をわれわれに報告すると明確な答弁があったのです。あなたは着任早々で十分そういう実態について——もっともあなたは横浜におった人だから、若干の事情は御存じだと思うのでありますけれども、なお港湾局の内部において十分に一つ相談をされまして、なお各地の事情、特に今言った名古屋の実情なども十分調べられて、適当な委員会、またこの運輸委員会の理事の諸君にお願いをしましてその時間を作ってもらいますから、その際に今のような、違法ではないが習慣なんで、およそ好ましくない習慣だというような、そんなあいまいな答弁でなしに、明確な答弁をしてもらいたい。つまり今の港湾の封建性を打破して、そうして上向きの態勢をとる。そのために港湾協議会というものを閣議決定をして、運輸省、労働省各省が集まって随時協議会を開いて港湾の近代のためのいろいろな相談をやっているじゃありませんか。あの際に政府の答弁は、港湾労働法をすぐ制定したい、けれども間に合わないのでとりあえず港湾協議会を出発さして、その中で港湾の近代化について、特に労働条件の改善については十分に相談するからという約束でもって港湾協議会は出発している。その港湾協議会に運輸省が参加している以上は、それは労働省の所管だからおれは知らない、そんんなことは言わせない。だから十分実情を調査すると同時に、港湾局の内部において十分に検討して、明確な答弁をいただきますようにお願いをして質問をやめます。
○三池委員長 次会は来たる十九日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会