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38回国会衆議院1961/03/16

運輸委員会 第12号

発言数
174
登壇者
13
会派数
2
開催日
1961/03/16

会議録

三池信自由民主党

○三池委員長 これより会議を開きます。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。  細田吉藏君。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 私が申し上げるまでもなく、国有鉄道の運賃改定ということは、国民の重大な関心事でございまして、国有鉄道の全般にわたりまして明らかにすべき点は、国会を通して十分国民の前に明らかにして、いわば納得を得た上で、運賃改定がせらるべきであると考えるのでございます。すでに他の委員の皆さんから、いろいろ基本的な問題について御質疑が重ねられたわけでございますが、私は重複を避けまして、数項の点につきまして質疑を行なおうと考えるものでございます。  大体、大臣の提案理由の御説明に従って御質問申し上げたいと思うのでございますが、まず第一に、提案理由に、政府の所得倍増計画と関連をして、国鉄の輸送力が今後の隘路になるものと思われるということが壁頭にございます。そこで、所得倍増計画と国鉄の新五カ年計画との関連についてでございますが、所得倍増計画によりますると、旅客、貨物の輸送量が一応算定をされておるようでございまして、十カ年間に、貨物におきましては二倍二分三厘、年率六・九%、旅客におきましては二倍四分一厘、年率七・六%、これは海陸空の全体の輸送量の増を想定しておるようでありますが、これに対しまして、国有鉄道の担当する部門は、この全体の増加率よりも低位に押えられておるようでございます。すなわち貨物につきましては、全体が二倍二分三厘になるところを一倍八分、また旅客につきましては、全体が二倍四分一厘になるところを一倍九分二厘、従って年率もそれぞれ五%とか、五・五%になっておるわけでございますが、まずお伺いしたいことは、この所得倍増計画に伴う輸送計画について、運輸省並びに国有鉄道がどの程度関与され、またこの数字については、これが妥当なりとお考えか。こういうふうにきまったものでございますから、当然妥当だというふうな御意見があるいはあるかもしれませんが、どちらかというと、国有鉄道の専門家の見方からされて、これは強く見られておるのか、弱く見られておるのか、つまり可能性としては、これではもっと伸びるのか、あるいはもっと減る可能性があるのか、そういった点につきまして、まず最初にお答え願いたいと思うのでございます。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 所得倍増計画に対応いたします国鉄の輸送力の増強計画につきましては、たしか昨年の三月ごろから作業を始めておりまして、その中心でありました経済企画庁とは緊密な連携をとって、計画の樹立に当たってきたものと考えております。経済企画庁の諮問機関でございます経済審議会の中の交通体系小委員会で、所得倍増計画に見合うところの国内における総輸送力の増強整備計画について検討して参ったのでございますが、その交通体系小委員会の作業には、もちろん運輸省、国鉄も参画しているわけでございますけれども、その支配的な意見というものは、ここ十年のうちには、交通機関相互における分野について相当の変化がある。つまり陸上輸送機関のうちにおきましても、道路の画期的な整備に伴いまして、道路運送機関が大きく伸びるであろう、あるいは政策のやり方いかんによっては、海運も相当伸びるであろう、こういうふうな見方が支配的でございまして、従って、総体的に鉄道の持つ役割は低下していく、非常に大ざっぱな言い方でございますけれども、そういう前提に立って作業を進めたようでございます。これに対して運輸省といたしましては、そういう見方に対しては、大体肯定的な立場に立ちまして、一応賛成してきたわけでございます。従いまして、ただいま仰せのような年率の伸び率にしても、一般より低い率に押えられてきておるわけでございますが、ただ私の感じから申し上げますと、この十年のうらにそう急激な各種輸送機関の分野に大きな変化があるかということになると、必ずしもそういうことにはならぬのじゃないかというふうな考えも出てくるのでございまして、欧州大陸とかあるいはアメリカにおけるような急激な変化は、この十年のうちにはこないじゃないかという気もいたすものでございますから、今後情勢の推移を慎重にトレースいたしまして、これで足りないという徴候がいささかでも見えました際には、急速に計画を再検討いたしまして、わが国の経済成長の伸びに対応いたしまして、国鉄の輸送力が隘路にならないように十分配慮いたしたい、かように考えております。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 だいぶ問題が多いものですから、答弁は至って簡略に、要領よくお願いをいたします。ただいまの御答弁、私も実はやや同感でございますが、国有鉄道の伸び率が全体の伸び率に対して、この所得倍増計画に書いてあるのは、私は最小限じゃなかろうかというふうに考えておるのでございます。ここのところが非常に大切でございまして、これからあとの問題にも関連いたしますので伺ったわけでございます。  そこで、この計画を基礎にして国有鉄道の新五カ年計画をお作りになった、こういうことを提案理由にも書いてございますし、国鉄の新五カ年計画の説明にもそうなっておるのでございますが、これにつきましては、どのような作業をなさってとういうふうにやられたのか、私はよくわかりませんが、こういう数字に対応するために積み上げられて新五カ年計画を作られたのか、どういう形でできておるかという点、これは国有鉄道から御説明を願いたい。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、所得倍増計画は十カ年の計画でございまして、この十カ年の輸送量というものは総生産と輸送量とのある相関関係で出した、いわゆるマクロ作業でございます。もちろん国鉄の計画も交通体系小委員会でおきめになりました分野というものを前提に置いて考えておるのでございますが、しかし国鉄の計画というものはより具体的なことを必要といたしますので、現在持っております施設の増強あるいは車両の購入というようなものの輸送量と投資の関係、輸送力の関係をつなげながら積み上げたものでありまして、この積み上げ作業とマクロ作業との関連を五カ年後においてとったわけでございます。言いかえますと、五カ年後に想定されております鉄道の分野というものの量をこなせるようにチェックいたしまして、そして積み上げとマクロとの関連をつけておるわけでございます。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 私はここで、ただいまの御説明がございましたので、さらに詳細にこの五カ年計画について伺うことは時間をとりますので、少し簡略にいたしたいと思うのでございますが、私は率直に申し上げますと、この五カ年計画というものはもちろん五カ年でございますし、所得倍増計画の数字は十年でございますけれども、輸送力増強という点において、少なくとも百歩譲りましても最低限度であると考えるのでございます。むしろもっと言わせていただけば、これは所得倍増計画の十カ年の数字が前五カ年とあと五カ年をどう見るか別といたしまして、輸送力増強の点から言うと不十分じゃないか。たとえば車両一つとりましても貨車の増強、客車の増強、こういう数字で年率五%なり五・五%なりはじけるだろうかというふうな感じを持つわけでございますが、これはいろいろ積み上げの作業をなさったのでございましょうから、私はこれ以上申しませんが、少なくともこの五カ年計画の実施というものは最小限であって、これが絶対確保されなければ問題にならぬ、こういうことが言い得ると思うのでございます。  そこで問題は、これから先へ進みたいと思うのですが、この点は特に私は強調いたしておきたいことは、この国鉄の新五カ年計画は所得倍増計画より低目だと私は思う。輸送力増強という点について低目だ、こう思うのでございます。従って少なくともこれだけは絶対確保しなければ百歩譲りましても、これは輸送が隘路になるということに私はならざるを得ないと思っておるのでございます。そこで非常に大切な問題は、大臣にお伺いしたいのでございますが、私が今申し上げましたような質疑あるいは応答の過程から出て参りますことは、この五カ年計画というものはどうしてもやらなくちゃならない、ないしはこれ以上やらなくちゃいかぬかもしれない、こういうことでございます。そこで新しい五カ年計画を策定した、これが運賃改定の一つの大きな柱になっておるわけでございますが、この五カ年計画を政府並びに国有鉄道として、特に政府としては一体どのような形でお扱いになるつもりであるか。道路の五カ年計画あるいは治水五カ年計画あるいは今回は法律が新しくできまして、港湾の五カ年計画につきましても法律に根拠を持ちました五カ年計画になっておるわけでございます。また港湾についてはなろうとしておるわけでございます。国有鉄道の五カ年計画というものは前の五カ年計画、三十二年度から三十六年度までの五カ年計画につきましてもいろいろ問題があったのでございまして、これはあとから申し上げますが、今回の五カ年計画はどのように政府としてお扱いになるつもりであるか、その点明らかにしていただきたいと思うのでございます。と申しますことは、前段に申しましたごとく、どうしてもこの五カ年計画は完遂するのだという決意と用意がなければならぬ、こう思いますので、特に大臣からお答えを願います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 ただいま御指摘になりましたように、政府といたしましては所得倍増計画に伴いまして輸送需要が増加いたすことに対処いたしまして、今回の新しい五カ年計画というものは、どうしてもこれだけ、いなこれ以上やらなければならないものである。これがいわゆる最低の線であるという御趣旨に対しては全く同感であるのでございます。政府といたしましては、御承知の通り閣議におきまして国鉄運賃改定が決定いたしまするときに、この背後に五カ年計画をもって輸送力の増強、整備をいたして、所得倍増計画による輸送需要の増大に対処すべしということを閣議においてこれを裏づけといたしまして、今回の国鉄運賃改定法を決定いたしたのであります。政府としても強い決意を持ちまして国鉄運賃改定の背後の基礎的条件でありまするこの程度の増強は、どうしてもやらなければ政府の構想である所得倍増の計画というものに対処することはできないという決心を持っておるのでございます。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 大臣のただいまの御答弁で、ちょっとはっきりいたしかねる点がございますので、大へん失礼でございますが、この五カ年計画をどの程度までで閣議決定をなさろうとなさっておるのでございましょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 補足いたしまして説明申し上げます。  この第二次五カ年計画というものを閣議決定するとか・その取り扱い方につきまして、運輸省としてはどういう考えを持っておるかというお尋ねでございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、この国有鉄道運賃法の改正につきましては、その前提として五カ年計画というものの必要性を是認したということになっておりまして、従いまして、もちろん政府全体がこれの必要性を強く認めておるということにはなっております。ただ形式的にこれを閣議決定するかどうかということについてはいろいろ問題がございますので、ただいまのところでは国鉄総裁から第二次五カ年計画をいよいよ来年度からやりますという強い決意を表明する意味におきまして、当方の大臣に報告していただいて、これを閣議の席上において、国鉄がこれこれの内容を持つ第二次五カ年計画をやるということを報告してきたから、皆さんに御披露申し上げますというような形式をとったらどうかというふうに考えております。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 政府がどのようにこれを扱われるかということにつきましては、いろいろ政府の事情もございましょうが、私の念願しておりますところは、港湾についても、この前の長期整備計画に伴う五カ年計画がございました。それで今回は、法律に基づく五カ年計画ができるわけでございます。道路等についても、大体そういう経緯をとって法律に基づく五カ年計画、治山治水も同様でございます。従って、国有鉄道の五カ年計画につきましても、前の第一次五カ年計画でわれわれは苦い失敗をなめておりますので、これが確保できるような方策を十分おとりを願う必要があると考えるのでございまして、方法はどうでもよろしいと思うのですが、その確保できる——できなければ、さっき申し上げたように、これでも私の意見だと小さいのですから、これが何らかの事情で第一次五ヵ年計画のようにまたジリ貧になつてしまうということになりますと、国有鉄道が隘路にならないようにということを、何べんもここに書いてございますけれども、あるいはおっしゃっておりますけれども、これは何にもならぬ、こういう点を実は心配をいたすわけでございまして、その点は一つ十分覚悟を持ってこれの完遂できるような措置を第二次五カ年計画に入れる前において政府で——方法については私はいろいろ申しませんけれども、確実にこれの実施が完補できるような方法をおとりになる必要があると思うのですが、いかがでございますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 仰せの通りでございまして、万難を排して五カ年計画の完遂をはかりたい、かように考えております。もちろん資金的にいろいろ問題が起きてきました場合には、あらゆる方法をとって、工事資金だけは絶対確保したい、かように考えております。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 それでは次へ進みたいと思いますが、この点は最初に所得倍増計画との関係から申し上げているのはそういうことでございます。昭和三十二年度からの第一次五カ年計画におきましても、いろいろな事情で、別な委員からすでに質疑等もございました。また私も資料を持っておりますが、遂行率が必ずしも十分ではないのでございまして、この点は重ねて強く要望をいたしておきたいと思うのでございます。  それから次に、提案理由の説明の中で、五カ年計画の内容につきましていろいろございますが、私は特にこの際強調しておきたいことは、貨物がかりに小さいかもしれないといっておる数字で八割のものがふえる、それから旅客の面におきましては九割二分というものがふえる。十年間にいたしましてもこれは大へんな数字だと思うのでございます。そこで第二次五カ年計画の内容につきましては、全般としては私今申し上げたようなことでございますが、少し中に入りましてお聞きをしておきたいと思います。  最初に電化の問題につきまして伺いたいと思うのでございますが、電化は、もちろんサービスの改善から見ましても、輸送力増強から見ましても、また経営の合理化の面から見ましても非常に有効な措置であり、国鉄の電化が進むことは非常にけっこうだと思うのでございます。主要幹線千八百キロの電化の計画がされておるようでございますが、これについての電力の裏づけというものは大丈夫かどうかということ。それから要員の転換というようなものについても十分できるという御用意があるかどうか。それからきょう数字がなければ数字はけっこうですけれども、あればお答え願いたいのですが、これまで電化がずいぶん進んで参りましたけれども、電化による利益といいますか、電化によって合理化になる部分、輸送力の増強になる部分、サービスの改善が出てくる面があると思いますが、そういったようなものを例示的でもけっこうですから、数字がございますれば御説明をお願いしたいと思うのです。数字がなければあとで資料をいただいて、抽象的なお答えでけっこうでございます。

關四郎日本国有鉄道常務理事

○關説明員 お答え申し上げます。  ただいまの電化用の電力の問題でございますが、この新五カ年計画に盛られました電化予定線区が約千八百キロございまして、これに要する電力量で申しますと十億二千キロワット・アワー、こういうように計算されております。それから最大電力で申しますと十七万六千キロワット、こういうふうになっております。それで、実はこの電力の確保につきましては、従来の、一番最初にやりました三十一年度に立てました国鉄の幹線電化計画、これは三千三百キロの電化計画でございますが、それからその次に動力近代化計画といたしまして、十五年間に蒸気機関車が全部なくなってしまうという五千キロ電化計画、この場合にも、東京付近の特別な通勤輸送というような非常な電力の尖頭負荷の出る場所は別といたしまして、あと全国的には全部電力会社の電力に仰ごう、こういうような計画で、三十一年度の計画当初から電力会社、通産省とよく連絡をとりまして、この電力の供給の方では、日本電力調査会というので毎年電力拡充の計画をいたしておりますが、その中に電化用電力の面も含んで計画していただくようになっておりまして、この点については三十一年度の電化計画以来、電力については電力会社から仰ぐということで、供給力としてほぼ確保できる、こういうようなつもりでおりましたわけですが、当時の三十一年度の電力拡充計画では、五カ年間で一年平均が百十六万キロワットの拡充計画でございましたが、最近の三十五年度の拡充計画では、一年間に二百八十二万キロワットの拡充計画、こういうことになっておりますので、電力量においてもこれは十分に確保できるもの、このように確信している次第でございます。それで国鉄の需要の伸びよりも、この電力会社の方の電力拡充の伸びの方が大きいものですから、たとえて申しますと、年使用最大電力で申しまして、三十一年度の計画当初の鉄道の電化用電力の全体の供給量に対する割合が三・五%でありましたものが、現在では三二%に下がっております。これが四十年度の千八百キロの電化が完成したときは全国の供給量に対し二・一%というような、全体として国鉄の電化用電力のウエートというものが下がっていくということは、拡充が十分できるということだと思っております。  次に要員の転換の問題でございますが、これにつきましては、年間三百六十キロの電化をしていくわけでございますが、これと同時に、この新五カ年計画では輸送力を増強いたしまして、線路増設工事をやる、どういうことのためにサービス改善とあわせまして列車キロを非常に増大するということから、機関区の従業員が余ってくるのは順次乗務員に転換していくということから、転換教育ももちろん必要でございますが、これは一つには職種の、職給の——何というのですか給料のいい職場に転換していくということで、これは全体的に見まして十分にテンポも間に合いますし、近代化の方向に合うもの、こう考えております。  それから電化による効果でございますが、これは一つの例で申しますと、この過去五年間に約三〇%の輸送量がふえましたのですが、これで約五百万トンの石炭消費量に対して三〇%増でありますから、従来のままでありましたら百五十万トンの石炭が増加しなければならなかった。これが現在大体四百八、九十万トンというところで、五百万トン少し割りましたが、大体横ばいできているということは、百五、六十万トンの石炭が節約になったということになると思います。これは石炭費が大体百億程度に上りますし、これに対する電力料金というものは大体三十億程度になりますから、差し引き七十億程度動力費においてもうかっていくという計算になると思います。それから電化によります増収というものが電化の非常に大きな魅力でございますが、これについては、たとえば「こだま」の運転、これは「こだま」は東海道線の東京から大阪まで幹線が始端から終端まで完成したということによって初めてああいうものができるわけでありますが、「こだま」を一つの例にいたしますと、こだまを運転するために十三億投資をいたしまして、年間十億の増収を見たというようなところから、この動力近代化による効果というものはこのよう々効果が非常に大きい。しかしこれについてのこまかい差引による利益というものはまだ正確に出す段階になっていませんので、一例を申し上げてお答え申し上げたいと思います。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 電化につきましてもいろいろお尋ねしたいこともございますが、少し急ぎたいと思います。  通勤輸送の緩和というのが大臣の提案理由にもございます。五カ年計画にもございます。私は、通勤輸送につきまして、最近非常に疑問を持っておるのでございます。と申しますことは、通勤輸送は、最近も中央線で非常に混乱した状況が生じて、時差出勤その他をやってやっと乗り切ったといいましても、これはよくなるめどはほとんどないので、だんだん悪くなるとさえ言えるのでございます。その際に、国有鉄道は何をしておるか、運輸省は何をしておるかというふうに、非常に世論がきびしいのでございます。私はもちろん通勤輸送力を増強しなければならぬということについては異議のないところでございまして、この五カ年計画にある通勤輸送力の増強のごときは、これは当然やらなくちゃならぬことだと思うのでございますが、これは決して緩和にならないと思う。たとえば東京についていえば、決してこの程度のものでは緩和にならぬと思う。今よりもっと悪くなるんじゃないかという、全体論としてでございますが、感じがいたすのでございます。と申しますことは、東京都の人口が、三十五年十月の調査で、五カ年間で百七十万人ふえておる。年三十万以上ふえておるわけでございます。川崎、横浜、あるいはこのごろは京葉地帯なんというから千葉まで、あるいは埼玉県の浦和から川口と入れますと、おそらく四十五万から五十万近くふえるんじゃなかろうかと考えるのでございます。例を申しますと、広島が、いろいろなところが一緒になった上でしょうが、四十三万しか今いない。仙台が四十一万、新潟が三十一万くらいしかいなくても、ああいうところは非常に交通は混雑しておる。そういうものがこの京浜地帯へ乗っかってくる。しかもこの人口の増加たるや、赤ん坊や年寄りでふえるんじゃなくて、働く人口でふえる。そこで私は都市交通の問題というものは、交通の問題には違いございませんけれども、申し上げるまでもございませんけれども、もっと大きな政治、政策の問題だと思うのでございます。そこで運輸省、国鉄としては、何とか増強します、楽にしますということも、これは言わなければいかぬかもしれませんけれども、反面、もうこれ以上こういう形でふえられたんでは手に負えないのですということを強力に、大臣なり総裁なりからいろいろな方面で発言を願ってしかるべきじゃないか。ただしかられているんでは——中央線の駅長がなぐられたり、東鉄の管理局長がつるし上げられたりというようなことでは、これは非常に気の毒だ。かりに東京都の三十数万にしましても——私の県などには、非常に広いところに九十万しかおりません。それで年々人口が減っている。私の県だけではありません。いわゆる後進県と称するものはどんどん減っているわけでございます。私の県なんかとにかく二年ぐらいで、京浜地帯の年々の増加の二年分ぐらいでできてしまうということになるわけです。広島ぐらいの都市ができるわけですから。そういう状況自体に問題があるので、この点は、ここで運輸委員会の問題かどうか別でございますが、私は大臣あるいは総裁から、その点についてはあらゆる機会に強力に御発言になる必要があるんじゃないか。私はもっとも、交通の問題は別にいたしましても、いわゆる地域格差の是正、後進地域の開発といったような点はこういうところからやらないと、結局超過大都市が東京にできてどうにもならなくなる。道路交通にしてもそうでございますが、あらゆる機会にこれを強調する必要があると思うのでございます。交通の方でどんどん道をつければつけるほど、どんどん人がふえていってちっとも緩和にも何にもならぬという実情を強くPRされ、政策面に出すことが必要じゃないか、こう思うのでございまして、大臣及び総裁の御意見を伺います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 ただいま細田委員から御指摘がありましたことは全く同感でございまして、現在のように東京が過大人口の集中地となりまして、おそらく年三十万以上も人口がふえるという現状を国全体の問題として考えて、人口の分散ということを考えて参りませんければ、今の東京の周辺の輸送の担任者としての、国鉄ばかりではございません、私鉄、地下鉄その他一切のものが手をあげる時期がくると私どもは考えておるのでございまして、私どもとしては膨張する都市の人口の輸送困難に対処しまして、できるだけのことはやりますけれども、それも限界があるというただいまの御意見は全く同感の次第でございまして、これは大所高所に立って、近ごろいわれておるように、富士山麓地帯に学都を思い切って作るとかというような、新しい、進んだ構想によって日本全体の人口の増加のあんばいをしていくということは、きわめて大切なことであると考えます。国務大臣といたしまして、こういう点につきまして、御説のごとく、広く呼びかけて、この実現を一日も早くはかっていかなければならぬと思いますが、さしあたり運輸省、国鉄といたしましては、この膨張する人口によって発生する輸送難に対しましては、あらゆる方途を講じて、全力を注いで輸送難の緩和に努めることがその使命であると考えておる次第でございます。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 ただいま運輸大臣から御答弁ありました通りで、細田委員の御意見は私もしごくごもっともだと存ずる次第であります。私も就任以来、たとえば初めて運輸審議会や都市交通審議会に出ましたときにも発言しておきましたが、国鉄といたしましては、この上ある程度の手当はできますけれども、それ以上はとうてい手が及ばない、どうか他の方面においていろいろ工夫をしていただきたいということをお願いいたしておいた次第であります。せんだっての中央線の混雑の状況を見ましても、中央線は、ラッシュの一番ひどいときは、世界にないような二分間隔で、十両編成の列車を出しておるのであります。ところがお客さんが殺到いたしまして、三十分間に十五回出るように用意してある列車が、半分ぐらいしか出られない。そこへ全体のお客さんが殺到してくるのでありますから、これはいかんとも処置がないのであります。各方面の御協力を願わなければこの問題はとうてい解決いたさない、こう考えます。ただいま御意見のありましたように、われわれ今後大いに力を入れてPRいたしたいと覚悟いたしておる次第であります。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 時間がだいぶたちますので、少し端折りたいと思うのです。  次に同じく大臣の提案理由の説明の中に、今回は珍しく踏み切り設備の改善ということが特にうたわれておるのでございます。最近の踏み切り事故の増大につきましては、もう申し上げるまでもございませんが、特にこの踏み切り障害によって列車が正面衝突するという事態が最近何回か起こって、非常に大きな問題、つまり踏み切りでぶつかって脱線をしたところへ反対の列車が来て正面衝突する、こういう事態が数回にわたって起こって参っております。国鉄でいち早く踏切保安部というような独立した組織をお作りになったということは非常に多とするわけでございますが、この五カ年計画の中で、踏み切りの改善にどの程度の具体的な計画をお持ちになっておるか、この点だけお答えを願いたいと思います。なお運輸省の方で踏み切りの法律案を用意しておられるという問題がございますけれども、これは別な機会にもっと詳しく御質問を申し上げたいと思いますので、五カ年計画における踏み切りの改善、あるいは立体交差化、そういったものをどの程度にお考えになっているか、よほど強く考えていただかなければならぬと思いますが、ちょっとこの点お答え願いたいと思います。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 ただいま細田先生から御指摘のございました通り、踏み切りは今非常な重大な問題でございまして、国鉄といたしましても、踏切保安部を設けまして、部内における強力なる推進をし、また外にもいろいろ御協力をお願いしたいと思っておりますが、五カ年計画におきまして総額二百億の金を入れましてそのうち五十億のものは、従来の踏み切りの改善、例を申し上げますと、警報機を設置するとか、あるいは幅員の狭いところを広げるとか、見通しの悪いところは直すとかいう改善に従来の二、三倍以上の力で進めますと同時に、百五十億、これは立体交差の分担金、従来建設省あるいは地方の分担をお願いして大体三百カ所以上の踏み切りを立体交差化できる見通しでございますが、従来の実績は、分担によってやっておりますものが大体七、八カ所でございますので、従来の十倍近いテンポで立体交差を進めていきたい、こういう内容を持っておりまして、五カ年計画は建設省その他地元の御協力によって飛躍的に踏み切りの立体交差を進めていくという内容のものでございます。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 踏み切りの問題につきましては、実はまだいろいろございますけれども、近く法案が提案されるやの話も伺っておりますので、その機会にまた申し上げることにいたしたいと思っておりますが、ただいまの国鉄の計画は、いろいろ実施面におきまして、相当お考えを願わなければならないと思っております。  次に車両の問題でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私は国有鉄道の増収に対する努力という見地からも、車両の増備をもっとはかるべきではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。電車化、気動車化による増収というものは非常に大きいものがあることは私もよく承知いたしております。これはもちろん増収の見地からも大いにやらなくてはいけませんが、さらに客車につきましても、私は相当増備されれば収入がもっとふやし得るというような感じがいたすのでございます。それで最近国鉄で「はとバス」みたいな一人でも乗れるという観光地を回る列車をお作りになったようでございますが、私どもの方へいろいろなところから言ってくるのは、国鉄に団体を申し込んでもなかなか受け付けてもらえない。大  へんだ。ことにシーズンはそうでございますが、ちょっとシーズンをはずれましてもこのごろは大へんなことで、なかなか計画してもだめだ、小さいのは個々の切符によって無計画に乗ってしまうから、これが列車に固まって混乱するといったような形が随所に見られるのであります。五カ年計画の客車の増備、電車、ディーゼル、自動車あわせて考えてみましても、また現在の状況で増収という見地から見ましても、もっとふやすべきではないかという感じが私はどうもしてならぬのでございますが、この点いかがでございましょうか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 五カ年計画におきます車両の増備につきましては、全く先生のおっしゃった通りでございますが、今一応計画いたしております両数は、御承知の通り電車、客車、ディーゼル・カーを合わせますと、約二万両でございます。現在持っております車両の約二割に相当する数量でございます。大体輸送量の伸びに見合う数字になっておりますが、車種別に見ますと、ただいま御指摘の客車につきましては、動力の近代化に伴いまして、ディーゼル・カー、それから電車によって客車の古くなった分を補うという意味におきまして、客車の絶対量は若干減ることになっておりますが、その分を補って余りある両数を電車、ディーゼル、自動車にふやします。そこで電車、ディーゼル、自動車化いたしましたところから出てきましたところの客車につきましては、ただいま御指摘のように、主として団体旅客にこれを振り向けたいと考えております。これから四月、五月一ぱいにかけまして、今お話の団体旅行が非常にふえて参ります。学生といわず、また宗教団体といわず、また一般の旅行者といわず非常に団体がふえて参りますが、不幸にして現在の輸送力が足りないために、車両が不足のために一部お断わりをしなければならないような状況になっていたり、あるいは御希望の時期でないときに団体輸送をしなければならないというようなことをいたしておりますが、今回主要幹線につきまして線路増設もいたしますし、この程度の車両がふえますれば、ある程度は団体旅客の増加にも見合うだけの両数になるというふうに考えております。しかしながら御指摘の通り、この計画は全般の五カ年間の計画でございますので、実際の実施上の時期にあたりましては、やはり具体的に各年度の輸送増加の趨勢をもっと年度ごとにつかみまして、ある程度の輸送増に見合う車両の増備ということを内部でもって多少考えるということもしなければならないと考えております。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 いろいろ申し上げたいこともございますが、次の問題に移りたいと思います。  東海道新幹線につきましては、昨日も有田委員の質疑に対しまして兼松常務理事から御答弁がございましたが、私が非常に心配いたしておりますことは、この工事の関係につきましてはしばらくあとにいたしますが、新幹線ができました場合の使い方、新幹線と現在の東海道線とをどういうふうに使うかということについて、よほど考えていかなければならぬのではないかと思うのでございます。東海道新幹線は、私が申し上げるまでもなく、新線建設としてでなく、現在の東海道線を改良するという基本的な考え方、現在の東海道線が行き詰まっておるので、もう一本東海道本線を引くという考え方でできたものでございますから、当然言うまでもないことでございますが、現在線と新幹線とが合わせて有機的な機能を果たさなければならぬと思うのでございます。ところがいろいろな条件が違っておりますので、これができました暁にどういうふうに使うかということはよほど考えて参りませんと、私どもが心配をいたしますことは、新幹線の方がロードが軽く、現在線のロードが重いままで残る。もちろんある程度移りますので、移りました当座は緩和するでございましょうが、今後今申し上げましたように、旅客にしても貨物にしても、二倍近くに十年間でふえるという格好になっておりますので、相当大きな問題がここにあると私は思うのでございます。そこで、どのような使い方をしようとしておられるのか、今私が心配しておるような点は、心配は要らぬのかどうか、こういう点についてお答えをお願いしたいと思います。まだ具体的なものがきまっておらなければ、考え方でもけっこうです。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 お答え申し上げます。  ただいまの御質問、新幹線ができた際の新幹線と現東海道線の使い方をどうするか、ことにその両者の間に輸送力のアンバランスがあってはいけないという御指摘だと存じますが、その点は確かに非常に大きな問題でございまして、東海道新幹線自身が、現在の東海道線の隘路を打開するということに主力を置いております以上、ただいま御指摘になったように、現在の東海道線の隘路がそのまま残ったのでは意味がないということにもなります。私どもの今の計画の数量の推定によりますと、旅客につきましては、現在線全体の約七割三分程度のもの、貨物につきましては、二割三分程度のものが新幹線に移るというふうに考えております。しかしながら、もちろん新幹線の方はその駅数も少のうございますし、ローカル輸送にはこれは使えませんので、新幹線は主として大都市・あるいは今きまっておる駅相互間を直接結ぶ場合、それから現在線から出発して一たん乗りかえていただきますが、新幹線を利用していただく、こういうお客様を合わせますと、現在の約七三%移るというふうに考えられます。新幹線の運転の計画は、大体今ダイヤを引いておりますが、二十分ないし三十分に一ぺんずつ特急なり急行を走らせるということをいたしますれば、今までのように、切符を買うために時間をロスするというようなことでなしに、待たないでとにかく特急でも急行でも乗れるという制度にいたしたいと思っております。それと同時に、現在線があきますので、その分につきましては、ちょうど東京付近で電車を利用される方が、あまり待たないでお乗りになれると同じような格好で、東海道線の現在線については、十分ないし十五分でもって等時隔のダイヤを作るということによりまして、非常に近距離輸送が便利になるというふうに考えております。  貨物につきましては、旅客に比較して転化率が非常に低いというふうに御指摘になると思いますが、これは御承知の通り、現在の東海道線で送っております貨物は、東京、大阪発だけのものでなしに、主として東北から関西へ、あるいは西の方から東の方へという、日本のメイン・ラインになっておりますために、東海道線から出ます貨物だけでないものが大部分でございます。従いまして、約二三%程度の転化を見ておりますが、将来、新幹線につきましては、今試験的にやっておりますコンテナーの輸送、あるいはパレットの輸送という新しい輸送方式を考えまして、それによって、たとえば東京から発車いたしますコンテナー、あるいはパレットにつきましても、なるべく集荷の範囲を広くいたしまして、関東一円から関西一円に発着する貨物は極力新幹線で送る。そういたしますと、夕方発送した貨物が翌日の朝着くという速達にもなるし、また国家経済的に見ても非常に輸送コストが下がるというようなことも考えられまして、貨物輸送につきましては、夜間の新幹線のあきます時間帯を利用して、極力転化さすように、輸送方式の転換の方面からも努力して参りたいというふうに考えております。  それからもう一つ、簡単なことでございますが、今まだそこまではっきりきまっておりませんけれども、新幹線ができましても逆に、たとえば東京から大阪までいらっしゃる夜行のお客さんがどうしてもあるわけでございます。また九州方面にいらっしゃるお客さんは、やはり大阪で乗りかえるのはいやだ、ぜひ直通で行きたいとおっしゃる方もたくさんあることは当然と存じますので、これらの方々のためには、ある程度の夜行列車なり、ある程度の九州直通の列車というものは、当然現在線に残さなくてはならないということも考えております。何本残すか、何本九州行きの特急などを新幹線に置くかということについては、今後の旅客の伸びなどを検討して、今具体的な案を作成中でございます。いずれにいたしましても、御指摘の通り現在線と新幹線との輸送のアンバランスがないように、十分計数的にも検討をいたして、間違いのない案を作りたいというふうに存じております。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 ただいまの御答弁で、抽象的な考え方としてはよくわかるわけでございますが、私は、この問題は困難な問題が非常にあると思います。せっかく新幹線ができたが、旧線が行き詰まるという形が起こりませんように、一つ十分な御配意をお願い申し上げたいと思います。  なお、工事局長がお見えになったようですから伺います。新幹線は三十八年度に完成ということになっておるかと思うのでございますが、用地買収等非常にむずかしい問題があろうかと思いますけれども、予算さえつけばできるのでございましょうか、最近のごく新しい見通しをお聞かせ願いたいと思います。

宮澤吉弘日本国有鉄道参与(新幹線総局工事局長)

○宮澤説明員 ただいま新幹線の工事状況について御質問がございましたので、ごくかいつまんで御返答申し上げます。  御承知のように、新幹線は全延長東京−大阪間五百キロございまして、現在、路線の計画の決定いたしましたのが四百八十キロ、二十キロ未決定のところがございますが、ほとんど計画は決定をいたしたわけでございます。それで用地の事情ともにらみ合わせて、本年度当初において、工事着手区間百五十キロを予定しておったわけでございますが、今日現在において工事の契約をいたした区間が百六十八キロ、大体予定よりちょっと上回った形でございます。これは、やはり用地の問題も、幾分予定より進捗したような格好でございましたので、予定を十八キロ上回って契約することができたのであります。個々については、御承知のような事情もございますので、多少問題もあろうかと存じますが、そういう点については、なお所有者の皆様方と、十分御納得のいくような方法で解決していきたい。なお来年度におきましても、十分そういうような点を勘案して、予定通り工期を守り得るように、十分努力いたす考えでございます。なお来年度といたしては、百五十キロ程度から以上のところに着手していきたいと考えております。それから当初の予定の通り、大きいトンネルとかいうようなものについては、重点的に工事に着手しておりまして、一番ネックといわれている丹那トンネルにつきましても、現在の進行状況は五〇数%に上って、幾分予定より早まっておるような事情でございます。  以上、簡単でございますが、お答えいたします。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 昨日も国鉄の経営合理化について、いろいろ質疑応答があったのでございますが、私は、国鉄の合理化の中で大きく期待をかけなければならぬのは、やはり技術革新ではないかと思っておるのでございます。電化、特に交流の電化といったようなことについて、国有鉄道が非常な技術的革新をやられたということもよく承知をいたしております。しかし合理化が、いつもその交流電化それ一本やりということでとどまってはならないことは、申し上げるまでもございませんし、またとどまってもおらないだろうと思うのでございます。大きな鉄道技術研究所もお持ちになっておるわけでございますが、合理化に役立つ技術革新について、いろんな方面にあると思うのでございますけれども、特に非常に大きい効果がありそうなもので、すでにもう研究もほぼでき上がっておるといったような程度のものがおありでしょうか、どうでしょうか。また今研究中のものがあれば、それもけっこうでございますが、お聞かせを願いたいと思います。新幹線には新しいいろんな技術を入れられる、これはよく承知をしておりますが、そういう問題と別にして、旧線の合理化、現在線の合理化という点について、技術面からどのような見通しがあるかという点についてお答えを願いたいと思います。

關四郎日本国有鉄道常務理事

○關説明員 お答え申し上げます。  ただいまの御質問に非常に的確に適合するというようなものは、完全にお答えできるかどうかわかりませんですが、今度の新五が年計画で申しましても、輸送力の増強ということと一緒に、近代化、合理化と、いうことが入っております。それで大体輸送の伸びに対して、これはどうしても輸送の需要が伸びましたら、これに対して対応していかなければならない。ところがその輸送量がふえるのに対して、どうしても人手がよけい要るということに、従来のままでおりますと、なっていくわけでありますが、これを、なるべく人間をふやさずに、伸びる輸送量に伴ってやっていくということでありますと、それを織り込んでおりますために、運賃の問題でも最小限にとどめて、できるだけ大きく効果を発揮していこう、これが一つの大きな柱になっているわけでございます。鉄道における技術革新というのは、世界各国現在非常に努力いたしておりますが、先ほど仰せのように、やはり一番大きなものは動力の近代化、たとえて申しますと、電化、ディーゼル化というようなことでございますが、電化とディーゼル化、このものにつきましても、外国では、電化といえば、蒸気機関車で引っぱったものを電気機関車にかえるという電化が主流をなしていたのでございますが、日本のように国土が狭くて人口の密度が非常に高いところは、むしろこれを電車またはディーゼル動車というような方向で動力を近代化していく、これは今後の輸送のスピード・アップと、それからまた非常に頻発運転するというような点から、この方面が進んでおりまして、この電車化、ディーゼル動車化ということが、現在はっきり、国鉄輸送といたしましては方向をきめて進んでおりまして、これはおそらく世界で一番進んでいることじゃないか、こう考えております。ただ電車につきましては、これは歴史が割に古いので比較的問題がございませんし、たとえば「こだま」を作り上げるまでに、湘南電車が登場しましてから約十年の年月を経て初めて「こだま」ができておりますが、ディーゼル動車の方は、戦前のガソリン・カーでやりまして、これがいわゆる二両とか三両または五両、十両とつないで、これを一人の乗務員でもって運転するという総括制御の方式がなかなかできなかったために、長年伸び悩んでいたわけでございますが、これがいわゆるトルク・コンバ一夕という方法で総括制御、一人の運転手でもって何両でも運転できるという電車の運転と同じような方式ができるようになりまして、これが今度の日本のディーゼル動車が非常に発達してくる基盤になったわけでございます。これによって、昨年の秋に「はつかり」を東北線に運転いたしまして、その結果を見まして、全国の幹線、亜幹線を通して、この「はつかり」編成のような長距離を走るディーゼル動車列車というものができるようになりまして、この「こだま」のような電車列車、または「はつかり」のようなディーゼル動車列車、これが両々相待って全国の動力近代化、特に旅客輸送の近代化が非常に進む基盤ができた。これが何といいましても今後の国鉄の輸送量を上げまして輸送の需要に沿っていく。所得倍増によるいろいろな旅行の非常な増大ということに対処していけるんじゃないか。  もう一つは、動力近代化によりまして労働の生産性が上がると同時に作業環境がよくなるという点で非常に効果があるんじゃないか、こう考えております。動力近代化の方は御承知の通りだと思いますが、そのほかに事務の近代化とか、または輸送方式の近代化とか、こういうことがございます。これは申し上げると長くなりますが、そのほかに最も目新しいものとしましては、いわゆる最近はやりのエレクトロニクス、電子技術の鉄道業務に対する応用でございます。これの一番目立って最近出ましたのは、いわゆる極超短波、マイクロウエーブの全国の通信網の完成でございます。これによって、現在国鉄本社から北海道支社、それから西部の支社、この間が全部即時でもって通話ができるようになりまして、このために非常に連絡がしやすくなった。これが先般の伊勢湾台風のときに、東京と名古屋の通信が、ローカルを飛び越しまして幹線が非常に通話がよくて連絡がよくできたというようなこともございますが、このSHFが国鉄の電子技術利用の近代化の背骨といいますか、神経系統の完成ということになって、これが一つの大きな特徴じゃないかと思います。  その他、たとえば座席予約とか配車統計とか、または信号保安の電子技術の利用とか、こういう方面については、現在国鉄は、電子技術の利用ということに対して踏み出しましたまだほんの序の口でございまして、今後いろいろとこういう点でもって、安全な、いい作業環境で、しかも生産を上げていくという方面に非常に効果を上げてくるんじゃないか、こういう期待を持って、現在、実は昨年の春から国鉄の中に電子技術調査委員会という委員会で、これは現在の科学技術会議の議員をしておられます梶井博士を委員長として、その他五名の外部の第一級の方々に委員会を構成していただきまして、今後どういうふうに国鉄の近代化にエレクトロニクスを取り入れていくかということを目下鋭意研究して、最近御答申をいただくことになっております。こういうような動力近代化とか、その他の近代化につきまして、何といいましても基礎になりますのは研究でございまして、これにつきましては技術研究所を三年がかりで整備いたしまして、国立の、おそらく世界で一番設備の整った研究所で約八百人の職員が鋭意研究に努力いたしております。まだまだこれだけの研究では足りないかと思いますが、一応技術革新ということを輸送力増強ともう一本の柱にして、両々相待っていくということで進めている次第でございます。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 ただいまの技術革新の問題につきましては、研究所の研究されました成果なり、あるいは研究中のテーマ等につきまして資料をちょうだいいたしたいと思います。  なお特にお願いを申し上げたいのでございますが、少し専門的になり過ぎて恐縮でございますけれども、構内作業につきまして、技術的な面からと、・輸送方式の面から、これだけ貨物輸送量がふえますので、よほど考えていく余地があるんじゃなかろうかということを考えておりますことが一点。これは別に答弁をお求めしませんが、工場の合理化、これはいろいろ作業的には合理化がやられておるようでございますが、まだたくさんの問題があるんじゃないかと思います。いろいろ外部団体等の問題、いろいろな問題がございますが、やはりどうしても技術的なもの、あるいはやり方を変えるということによって大きな金が出てくるわけでございます。そういう点に特段な合理化の努力をされることを要望いたしたいと思うのでございます。結局小さな金が一たとえば広告料を上げるとか、用地使用料を上げる、これもやらなければいけませんが、額としてはそういうものよりはもっと大きな毛のが、技術革新によって、あるいは輸送方式なりいろいろな事務の近代化によって出るということを確信いたしておりますので、さらに一段とその方向を強く合理化の線を打ち出していただきたい、かように考える次第でございます。  それからもとの提案理由の方に返りまして、いろいろ伺いたいことがありますが、だんだんあれいたしまして、ここに「設備資金所要額のうちには、通勤輸送対策、幹線輸送力増強、踏み切り設備の改善、取りかえ及び諸改良等約一千二百億円の採算に乗らない工事資金が含まれておりますので、これらの資金は利子のつく借入金で本来まかなうべきものでないと考えられます。」こう書いてあるわけでございますが、これはいろいろ御議論になってこういう結果が出たかと思うのでございますけれども、どういう経緯でこういう断定を下されたのか。これは提案理由にございますので運輸省の方からお答え願いたいのでございます。これはどっかの定説になっておるものでございましょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 国有鉄道の運送原価をどう見るかということはいろいろ議論、意見の分かれるところでございますけれども、運輸省といたしましては去る昭和三十一年の十一月でございましたか、経営調査会というものを運輸大臣の諮問機関として設けまして、国鉄の経営全般につきまして詳細な審議を願ったのでございますが、その審議の結論の大きな柱といたしまして、国有鉄道の運送原価には通常の経営費あるいは利息、減価償却、こういったもののほかに、運輸保全的なもの、つまり踏み切りの設備であるとか、あるいは取りかえ、諸改良であるとか、そういったものはやはり運送原価に算入すべきである。また莫大な借金を背負っておりますが、この借金を返すために積み立てますいわゆる減債基金は、やはりこれも運送原価に算入すべきである、こういう結論がございまして、この結論を参酌いたしまして、この運送原価にただいま御指摘の点は考えたような次第でございまして、その額が大体千二百億に上る、こういうことでございます。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 最後にお尋ねをいたしたいのでございますが、今回の運賃改定につきましてはいろいろな雑損がございまして、新幹線をやるために運賃値上げをするのじゃないか、あるいは運賃値上げをしてもすぐ職員のベ−ス・アップに食われちまうのじゃないかとか・いろいろなことが言われているわけでございます。そこで在来の運賃改正につきましては、インフレで物価が非常に上がった、あるいは国鉄が赤字であるというような端的なキャッチ・フレーズといいましょうか、スローガンといいましょうか、国民が聞いてすぐわかるということが大体あったのじゃないかと思うのでございます。私はこの内容につきましては詳細に承知しておる方でございますが、私に伺わせていただくということではなくて、端的に、今回の運賃値上げというものを——表現というか、実際もそうでございますが、されるかということについて、わかりやすく言ってどういうことだから運賃を上げるのだということを明らかにしていただきたいということが一点。  それからいま一つ、時間がもうありませんので、ついでにお答えを願いたいのでございますが、物価なり国民の生計費に対する影響について、どの程度のものであるとお考えになっておるのか。またこの点に関しまして政府部内の話ができますまでに、経済企画庁といろいろの意見の交換もあったようでございますので、それらの点につきましてあわせてお答えをお願いしたいと思います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 今回の運賃改定の理由につきましては、ごく平たく申しますと、国有鉄道の財政の健全性というものを維持しながら、所得倍増計画に見合う輸送力の増強整備のために所要資金の捻出をお願いする、こういうことであろうかと存じます。現行の第一次五カ年計画が、資金面の不足からいたしまして、現在達成率が非常に悪いのでございますけれども、第二次五カ年計画につきましては、万一かりに人件費等におきまして不測の事態が起きましても、絶対にこの九千七百五十億円の工事所要資金には食い込まない、完全にこれを実施させる、こういう強い決意でおるわけでございます。  次に物価に対する影響でございます。この問題につきましては、政府部内におきましては、主として経済企画庁と運輸省との間においていろいろ意見の交換をいたしたのでございますが、貨物運賃の影響につきましては、過去の実績から見ましてその前後におきましては大した影響が現われておりません。そこで貨物運賃につきましては、経済企画庁との間におきまして別に大した意見の食い違いはなかったの  でございまして、最初から問題になりましたのは、旅客運賃の引き上げが家計にいかに影響を及ぼすかということでございました。その中で特に定期運賃が非常に問題になりまして、例の経済企画庁の申しておりますように、昭和三十六年度の物価の値上げによるところの家計に及ぼす影響を一・一%にとどめたいということから、いろいろ意見を交換いたしたのでございますが、定期運賃につきましては、かねての念願であります割引率の是正ということをこの際押えますことによって、まあ最小限度に食いとどめ得たというふうに考えておるのでございます。

細田吉藏自由民主党

○細田(吉)委員 私、以上で質疑を終わらしていただきますが——実はまだたくさんございますけれども、これはまた別に、機会がありますればやらしていただきたいと思います。  最後に大臣、最初に申し上げましたように、私はこの五カ年計画というものは所得倍増計画に必ずしも見合っておらぬ、百歩譲っても最小限度のものであるということを信じております。これをどうしても運賃の値上げをやったら五カ年計画をやると言ったけれども、実際はやれなかったということになりませんように、一つ特段の御配意をお願い申し上げたいと思います。  以上で終わります。

三池信自由民主党

○三池委員長 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後一時より開会することとし、休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ————◇—————    午後一時二十七分開議

三池信自由民主党

○三池委員長 再開いたします。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、午前に引き続き質疑を行ないます。西宮弘君。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは私は、先日の本会議におきまして質問をいたしましていろいろ御答弁をいただいたのでありますが、まだ納得しかねておる問題がたくさんございますので、いろいろお尋ねをいたしたいと思いますが、どうぞ親切な御答弁をいただきますように、あらかじめお願い申し上げておきます。  私は、先般本会議に今度の運賃改正法案が提案されました際に質問をいたしまして、それに対するお答えをいただきましたので、それを中心にといいますか、それを基礎にいたしましてお尋ねをいたすのでありますが、その前に、これは御答弁をいただく態度と申しますか、あるいはまたわれわれがこの問題に取り組んで参ります態度と申しますか、そういう点に関連がありますので、その前提として一つお尋ねをいたしたいのであります。と申しますのは、財政法の第三条との関係でございますが、あの財政法の第三条に基づきまして、それから由来をしまして、国鉄の運賃については国会において最終的には決定をするということに相なっておるわけでございますが、この問題に対しまして国鉄の御当局はどういうふうに考えておられるか、まず第一に国鉄の御当局からお答えを願いたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 国鉄運賃につきましては、ただいまの御説の通り、財政法第三条によりまして、昭和二十三年に日本国有鉄道の運賃法ができまして、それによって国会の審議を経てきまることになっております。私どもといたしましては、いろいろ——ただいまの先生の御質問の趣旨に私の答弁があるいはそれるかもしれませんが、鉄道運賃を法律できめることがいいのかどうか、財政法第三条について国鉄としてはどう考えておるかという御質問かと存じますので、その趣旨に沿って御答弁いたしたいと思います。今、世界のよその国の現状を見ますと、大体鉄道というものは他の競争機関から非常に大きな脅威を受けておりまして、しかも一番大きな脅威を受けている原因は、運賃につきまして非常に弾力性がない。また大体貨物運賃について申しますれば、荷主との特約運賃というものができないことによりまして、公定運賃主義をとっている。従いまして、商業上の自由が全く許されていない。そのためにトラックなり船なり、あるいはその他の交通機関に旅客、貨物を奪われているのだ、こういうふうに言われております。従いまして、鉄道運賃のあるべき姿から申しますれば、鉄道運賃というものはある程度法律から離れて、あるいは大臣の認可なり、あるいはそうでなしに常時持たれております、たとえば運賃審判所のようなものでもって論議されるべきだという議論も相当ございます。しかし一方、たとえば今度の問題が非常に社会的に問題になっておりますように、日本におきましては鉄道輸送の占める重みが非常に大きい。旅客におきましても貨物におきましても、ほかの国に比べますればずっと鉄道のウエートが高い。従いまして、その運賃も国民の経済なり、あるいは社会生活に非常に大きな影響があるという点からいたしまして現在の運賃法が定められておるわけでございますので、私どもといたしましては、この運賃法の制定の趣旨も考えますと同時に、さらに今後の鉄道事業のあり方、鉄道事業の今後の発展の仕方、ことにほかの陸上交通機関の発達とにらみ合わせた上で、それらの運賃制度の行政的な措置と相待って、今後、現在の法律によって定められていることが絶対確固不動のむのとは思いませんし、ある程度の弾力性、自由性をいただきたいという気持も持っております。現在法律で定められている以上、私どもといたしましては、この法律の範囲内におきまして、できるだけ私の方の企業性にも合ったような活動をいたしたい、こういうふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ただいまの御答弁の、現在は法律があるから、その法律に従ってやっていく、これはあまりにも当然なことでございまして、お答えを待つまでもないのであります。そうしますと、現在は法律に拘束されておるからやむを得ない。しかし国鉄としてはこういう問題から完全に解放されたい、こういう御意見でございますか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点につきましては、完全に国鉄だけでもって、この現在の私どものやっております旅客、貨物営業の運賃をきめるということは、これは私といたしましては必ずしも妥当な方法ではないと存じます。もちろん諸外国の例に見ますように、行政機関の認可、許可によるとか、あるいは行政機関からも独立いたしました運賃審判所のようなものを作って、それの認可とか許可によるといういろいろな方法は考えられると思います。もちろん国鉄限りで運賃を自由自在にきめられることが正しいというふうには考えておりません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私がお尋ねをいたしましたのは、財政法第三条に基づいて国会の審議に付することが適当かどうかということについてお尋ねをしたので、お話を待つまでもなく、諸外国の例等は、いわゆる国鉄以外の第三者の判断を仰いでおるということは、諸外国いずれもそういう例をとっておるので、その点はわかっておるのです。私がお尋ねをいたしましたのは、国会の審議に付するということについての御意見です。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点につきましては、現行法のございます以上、私どもといたしましては法律によって定められるのが適当だというふうに考えておりますが、現行法も現在では基礎賃率だけということになっております。これは昨年の国会におきまして当委員会の御承認を経まして、それまで急行料金等は、実はやはり法定運賃でございまして、法律の別表によって定まっておりました。それも今後いろいろ特急ができる、急行ができる、あるいは準急ができるというふうに旅客輸送を機動的に、また融通ができるような方法でやらなくてはいかぬということを御説明申し上げまして、先国会におきまして、この運賃法から急行料金の項だけ削除していただいたわけでございます。この点は法律から大臣の認可事項に変わったわけでございます。こういうふうにいたしまして、やはり運賃法自体も昭和二十三年から本年まで約十余年たっておりますので、やはりこれはそのときの経済情勢あるいは交通需要の変化によって変化していくべきものと考えますし、現に昨年もそういう変化がございましたが、今のところはまだこの法律のままでやっていくべきものというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 どうも同じことを何べんもお尋ねして恐縮ですが、今としてはというのは、これはもちろん法律があるのでありますからお答えを待つまでもないので、それはあまりにも当然なんです。私がお尋ねをしておりますのは、だんだん解除されているというお話でありますが、次第々々に解除されていきまして、国会の審議からははずされることを期待をし、あるいはこれを希望をしておるのかどうかという点です。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点につきましては、たとえば完全に基礎賃率の全部まではずすべきかどうか、あるいはそのどこまではずすならはずすかという、いろいろな段階はあると思います。しかしながら、私どもだけの立場から申しますれば、昨年当委員会においても御承認願ったように、ほかの交通需要の変化に即応しまして徐々に改正されていっていただきたいという気持は持っております。しかしながら、それと全体の輸送量の中における国鉄の持っている地位、それとも非常に関連をして参ります。たとえば現在国鉄は全体の貨物輸送の約半分を占めております。旅客輸送につきましてもそうでございます。そのウエートが非常に小さくなっていくといったような場合には、やはりある程度の運賃の自由性と申しますか弾力性と申しますか、そういうものは現在よりはもう少し自由にしていただきたいという気持を持っております。いずれにいたしましても、ほかの交通機関の発達なり、国鉄の占めるウエートによって変わってくるべきものというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 この問題は、この運賃問題に私どもが国会として取り組んで参りますについて、きわめて重要な基礎的な問題であるわけでありますから、われわれはこの問題に取り組んで参ります態度としてまことに大事な問題だと思いますので、ただいまの問題について、監督官庁である運輸省の運輸大臣の御意見を伺いたいと思います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 日本国有鉄道というものの性格から申しましても、また一方御承知の通り膨大なる国の融資を受けておる点等々から考えましても、また運賃が国民の生活あるいは物価の上に影響を及ぼす等々の点から考えましても、国鉄運賃について法律によって国会の審議を受けるということは私は当然のことであると考えておるのでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ただいまの運輸大臣の御答弁は、国会の審議を受けるのが当然である、きわめて当然であると割り切って断定をしておられるのでありますが、先ほどの国鉄の御意見は、徐々に解放されていくのを期待する、あるいはこれを希望するという御意見であったのであります。その間には大へんな相違があると思うのでありますが、先ほどお答えになられました国鉄の代表の御意見は、国鉄全体としての御意見でありましょうか、副総裁にお尋ねいたします。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 先ほど磯崎理事から申し上げたような考え方を国鉄当局としては考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そういうことになりますと、この問題は運輸省と国鉄の間でぜひ意見を調整をしていただかなければ、私どもこの問題に取り組んでいくのに大へんに困ると思うのであります。これは、むろん今回だけの問題ではなしに、今後に響く問題でありまして、そもそも国会が運賃決定に関与することが不適当であるという御意見であるとすれば、われわれもそれに応じましてわれわれの考え方をまたきめなければならぬわけでありますが、運輸大臣の御答弁のように国会がこれに関与していくのが当然である、国会がこの審議にあずかるのはきわめて当然である、こういう御意見であれば、もちろんわれわれがこれに取り組んで参ります態度もおのずから違ってくるわけでございまして、この問題につきましては、運輸省並びに国鉄の間に明瞭なる意見の相違があるわけでありますが、この点について相違があって差しつかえないものかどうか、もう一度、これは運輸大臣にお尋ねをするのがいいかと思いますが、お願いいたします。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 ただいま国鉄が述べましたことは、国鉄という企業の経営の上から見ての希望の意見であるのでありまして、政府といたしましては、ただいま申し上げました日本国有鉄道の公共的立場から申しましても、国鉄に対しまして膨大な財政融資をいたします点、また運賃そのものが物価にも影響を及ぼし、国民生活の上にもいろいろ影響を及ぼす等々の点を考えまして、ただいまの日本国有鉄道の運賃法というものがあるのが当然である。ただその中で、この程度のものははずしていいではないかとか、この程度のものは国会の審議にかけぬでもいいではないかという程度の差はあると思います。それは国会の御審議によって、この運賃法からはずすこともあると思うのでございますが、原則として国有鉄道の運賃というものを、国においてこれだけのお世話をし、また国鉄の公共的立場から見ますならば、野放しにいたしておくというととはわれわれは考えられませんで、法律によって定めて、これを国民の代表であり、主権者である国会において審議をするということは当然であると私は考えております。国鉄との間に考えといいますか、誤解があるようなお話でございますが、国鉄としては経営上いろいろの希望のあることは論を待たないのでございますけれども、私どもの意見に従って国鉄は運営していくべきものと私は考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 運輸大臣に参考のためにお尋ねをいたしますが、国鉄の経営を審議をいたしますためのいろいろな諮問機関その他がある一わけでありますけれども、それぞれそういう諮問機関等はどういう考え方を持っておるかということについて、大臣十分御承知でございましょうか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 国鉄自体の経営の上から見まして、総裁の諮問機関もございます。また運輸省といたしましても、運輸審議会のようなものもあるのでございまして、広くたくさんの意見を聴取いたしまして、適正な運営に進んでおるというのが現状であると思うのでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私がお尋ねをいたしましたのは、そういう委員会はもちろんあるわけでありますが、そういう委員会がこの問題についてどういう態度を決定しているかということについて、大臣は御承知でございますかということをお伺いいたしたのです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 ちょっと意味がよくわからないので、おそれ入りますが、もう一度ちょっと。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 たとえば臨時公共企業体合理化審議会であるとか、あるいは日本国有鉄道経営調査会であるとか、あるいは公共企業体審議会であるとか、鉄道運賃制度調査会であるとか、こういういろいろな団体があるわけでありますが、こういう団体が、この問題に対してはどういう態度をとっておるかということを御承知でございますかということをお尋ねしておるわけです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 答申でございますから、この問題についてどういう答申があるか、鉄監局長からよく御説明申し上げます。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 すでに御承知だと思いますが、たとえば公共企業体審議会の昭和三十二年十二月の答申によりますと、運賃の点におきましては、「運賃、料金等については、公正な審議会を設置し、その議決に基き、閣議を経て、主務大臣が定めることとする。」こういうふうな意見を述べております。  それから運輸大臣の諮問機関であります経営調査会におきましては、昭和三十一年一月の答申におきまして、「運賃決定機構については諸外国の事例は種々のものがあるが、法律によって国会がこれを決定するという現在のわが国のようなものはない。イギリスでは、国会も運輸大臣も干与せず、特設の運輸審判所の認可で定められることになっている。ドイツでは常設の賃率委員会に諮問して、運輸大臣の認可を受けて定められることになっている。われわれは、種々の角度から検討した結果、主文のような結論に到達した。ただ国会は国権の最高機関であるので、国政調査権により、また予算の審議権により、運賃問題の根本について論議することは当然である。この結論は、国鉄運賃のきわめて原則的な点までを法律から排除すべきであるということを意味するものではない。」こう申しております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それではこの問題を大体終わりにいたしたいと思いますけれども、要するに運輸大臣といたしましては、これは膨大なる国家投資をしたり、あるいはまた国民の生活に直接関係のある問題であるから、これは国会の審議に付すべきであるという確固たる御意見であります。国鉄当局は、これは御希望だそうでありますけれども、この問題から徐々に解放されたいという考えを持っておられるということでありますから、その点全く意見が相違をいたしておるわけであります。しかし国鉄側の希望と監督官庁でありまする運輸省の考え方には違いがあってもやむを得ないのでありましょうから、それはそれとして承認しなければならないと思います。ただ私は申し上げたいのは、そういう点で、これはそもそも国会の審議等には付すべき性質のものではない、こういう考え方のもとにこの問題に国鉄当局が取り組んでおられるというようなことでありますると、勢いこの問題については熱が入らない。不承々々やむを得ず国会で説明をするということにならざるを得ない。これが人情だと思います。そういうおそれがありますので、私はこの問題を冒頭にお尋ねをいたしたわけであります。国鉄の経営、特に運賃の問題についてはしゅうと、小じゅうとが多過ぎるというようなことがかつての国会の記録などにも散見をいたしておりますので、そういういわゆるしゅうと、小じゅうとというようなことでいやがらせをするのだというふうな御認識だと、これは大へんな問題でありまするので、私冒頭にこの問題についてお尋ねをいたしたわけでありますが、幸いに運輸大臣は、これはあくまでも国会の審議に付するのが当然であるというお考えのようでありますから、この問題はこの程度にとどめておきたいと思います。  次にお尋ねをいたしたいのは、日本の交通政策についてでございます。これはぜひ運輸大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、日本の交通政策はどうあるべきか、このように申しましても、あまりにもばく然といたしておるわけであります。私が特に申し上げたいのは、今日、日本の交通政策がきわめて不明確である、あるいは方針が確立されておらない、そういうために、いろいろ不要の摩擦を起こしたり、あるいはまた余分な経済的負担をせざるを得なかったり、そういう問題が多分にあるわけであります。そういう意味において、この交通政策について、基本的にどういうお考えをお持ちであるかということを、ぜひともお尋ねをいたしたいと思います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 お答えを申し上げます。運輸省といたしましては、最近における国鉄以外の交通機関の発達にかんがみまして、国鉄の輸送力を中心として・あるいは自動車輸送あるいは航空機の輸送あるいは船による輸送、こういうものもあわせて考えまして、総合的に貨物並びに旅客の輸送の万全を期したい、こう考えておる次第でございます。御承知の通り、従前のごとく国鉄のみが日本の産業経済の大動脈であるということをいわれなくなりまして、いろいろ新しい交通機関が発達、運行されておる今日でございますので、陸海空を通じまして、各種の交通機関の総合的力の発揮によりまして輸送の万全を期したい、こういうふうに考えておる次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 運輸大臣が陸海空の三者を一体にいたしまして万全を期したいという御希望はわかりまするけれども、そのいわゆる万全を期する方策にどういうことをお考えかということがお尋ねの要点でございます。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 いろいろ具体的のことと申しますると、たとえば遠距離の輸送につきましては、船と鉄道々勘案いたしましてこれが輸送の割り振りをきめるとか、あるいはまた遠距離の旅客輸送などにつきましては、航空と鉄道との運賃の関係を考えるとかいうような研究をいたしまして、あらゆる交通機関を総合的に勘案して、おのおのその特徴を生かせまして、日本の輸送力を増強整備いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。具体的のことは政府委員から御答弁をいたさせます。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 御指摘の総合的な交通政策というものは、運輸省としては当然以前から研究いたし、また実施の面にも移しておるのでございますが、特に国民経済的に見まして、二重投資を避けるということは、非常に重要なことであろうと考えております。ただ現在の経済組織が御承知のように自由主義的な経済組織でございまして、計画的な経済政策をやっていくということはきわめて困難な情勢にございます。つまり、需要者でございます旅客なり荷主なりがそれぞれ自分の判断によりまして一番便利な交通機関を選択するという状態になっておるわけでございます。従いまして、かりに鉄道輸送と道路運送機関との競合がございましても、ここは鉄道輸送があるのだから道路運送機関は要らないというふうに、一方的に国家によって選択をしいるような行き方はきわめて困難ではないか。そういう意味におきましてはある程度二軍投資的なものもやむを得ない現状ではないか、かように考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 大臣の御答弁に、たとえば鉄道と船との割り振りをきめるとか、あるいはまた鉄道と飛行機との割り振りをきめるとか、そういうことをするのだという御答弁でございましたが、ただいま局長の答弁は、いわゆる自由経済のもとにおいては荷主の自由意思に従うべきものであって、国家がそういうことをやることは困難である、あるいはできないという御答弁であったのであります。その間には大きな違い、あるいは全く違っていると思うのでありますが、どちらがほんとうなんでありますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 食い違いはないと存じます。総合的な交通政策をやるべきは当然でございますが、ただ現実にはなかなかその通り、理論通りにいかない面もあるということを申し上げたまででございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは現実の面では何をやっておられますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 特に問題は、陸上交通機関相互におきまして自動車との関係であろうかと存じます。たとえばトラック輸送について考えてみますと、相当長距離のものが出て参っておりますが、相なるべくならばこういう長距離路線トラックは鉄道輸送にまかせるという基本的な構想があるわけでございますから、試験的あるいは実験的な意味においてある程度の長距離トラック輸送は認めておりますけれども、やはり原則としてはなるべく鉄道輸送にゆだねる、先ほど大臣が申し上げましたように、中長距離の大量輸送につきましては鉄道輸送にゆだねる、こういう基本的な方針で処理しているように心得ております。それから海陸の鉄道と船舶との関係でございますが、これは運賃政策によっていろいろ変わってくるものでございますし、また、ある程度荷主の啓蒙というととも考えられるわけでございますので、極力そういった方向に沿いましてやっているわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そうしますと、大臣のお話のいわゆる陸海空三つの交通機関を適当に割り振るというようなことは、結局具体的な現実の問題としては、長距離トラックを許可するかしないかということだけでございますね。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 もっと根本的に申し上げますと、たとえば今回の国鉄の新五カ年計画におきましても、一体十年後の旅客なりあるいは貨物の国内における総輸送量はどのくらいになるか、こういう見通しを立てまして、そうしてその全体の数量を国鉄なり、私鉄なり、海運なり、航空機なり、バスなり、トラックなりにどういうふうに按分するか、そのシェアをきめます場合にも、やはり相当この輸送機関の分野というものについては考えておりまして、けさも申し上げましたように、今後十年間において絶対的にはともかくとして、相対的にはやはり道路運送機関の発達によりまして鉄道の役割が多小減ってくる、こういうふうな観点に立ちまして、全体の伸び率は七・二%であるけれども、国鉄の役割は旅客において五・五%、貨物におきまして五・〇%といった年率の伸びになるであろう、こういうふうな想定をいたしておるのでございまして、やはり交通機関全般を見まして、そのそれぞれの役割というものは十分検討いたしておるつもりでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 くどいようでありますが、もう一ぺんお尋ねをしたいと思うのです。確かに今後の旅客あるいは貨物等の予想される伸びに対しまして国鉄が計算をしております計算の基礎はもちろん低い、これはお話の通りでわかっておりますが、ただそれらも要するに国鉄としての見込みを数字に盛ったにすぎないので、今お話のように十年先なら十年先について、それらのそれぞれのシェアについて考えておるというふうなお話でありますが、その考えておる考えを具現する方法はどういうことであるかということです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 先ほど申し上げましたように、海陸輸送につきましては、やはり運賃政策によって実現していかなければなりませんが、同時に船舶輸送のコストを下げる、海上輸送のコストを下げる、こういう方向に運輸省といたしましては関係機関を指導いたしておるのでございます。たとえば特に海上輸送につきましては、私はその専門家ではございませんけれども、港湾荷役関係ですね、これが非常にコストが高いのでございまして、これを機械化なり、そういった合理化によりまして極力下げていくとか、全体としての海上の輸送コストが下がっていく、それによって本来当然海上輸送に移るような遠距離の大量のものは流れるというふうに持っていくべきでありますし、またそうして指導いたしておるつもりでございます。自動車運送との関係におきましては、御承知のように建設省において膨大な道路整備計画を作っております。これが着々実効を現わしておるわけでございまして、自動車運送は道路の整備に伴って、当然これは伸びていく、かように存じております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 お話を伺っておりますと、いろいろたとえば、大臣のお考えもそれぞれの交通機関の受け持ちの割り振りをきめたいとか、あるいはいわゆるシェアをきめていきたいとか、こういうふうな御意見は、あるいは考え方はそれぞれお持ちのようでありますが、ただ残念ながら具体的な方策としてこういうやりでやっておる、二、三そういうお話もないわけではございませんけれども、ほとんど現在の混乱しております交通状況にメスを加えるだけのそういう施策は全く持っておらないというふうに、ただいまの御答弁の中からは残念ながら聞かざるを得ないのでありますが、私はあえてこういうことを取り上げますゆえんは、たとえば国有鉄道経営調査会の答申の中にも、これは昭和三十一年の答申でありますが、一般交通政策を確立して、そのうちにおける国鉄の使命を明確化し、その果たすべき役割を定め、これをいかにして達成していくかを明らかにすることが絶対に必要である、こういうことを述べておるのでありまして、これは昭和三十一年の一月の答申でございます。あるいは次の昭和三十二年の運賃値上げの際に行なわれました、国会に出席をしました今野参考人のお言葉の中には、「日本ほど古い交通政策をとっている国は、残念ながら近代国家にはございません。約二十年のおくれがあると存じます。」これは東大教授の今野源八郎氏でありますが、こういうふうに述べておるのでありまして、私どもこの国有鉄道経営調査会の答申なり、あるいは今野参考人なりの述べておりまする御意見は全くその通りであると思うのであります。ただいまの御答弁を伺っておりましても、実はこういう方々の見方と、ほとんどこれ以上に出ておらない。二、三御答弁もありましたけれども、それらを計算に入れましても、私は残念ながらこの答申なりあるいは参考人の意見の通りであると言わざるを得ないのでありまして、これが今日交通問題を非常に混乱さしておる。日本の交通政策の貧困というよりも、はなはだ失礼な言い方ですが、ゼロと言ってもいいのではないかと思うほど混乱をきわめておるわけであります。たとえば国鉄総裁がこの衆議院におきまして、これも昭和三十二年の議会の記録でありまするけれども、今日のこういう交通の混乱を非常に慨嘆をしておられまして、値段の高い雑貨類などは自動車に取られてしまう、あとに残った安いものだけわれわれが背負わされて、あるいはそれには遠距離逓減法によって割引をされ、さらに生活必需品の特別割引を強要されるというようなことで、非常にもうからない貨物だけが国鉄に残されておる、国鉄にもうからないものだけが残され、しかもそれは各種の割引を強要されて困っておるというようなことを慨嘆をしておるのでありますが、私は今日、たとえば国鉄運賃の値上げなどをせざるを得ないような今日の状況に追い込まれてきた大きな理由には、こういうふうな交通機関の無政府状態、あるいはまた、従ってそれに基づいての過当競争というようなことが大きな原因をなしておると思うのでありまして、今日国鉄といえとも一これは公共企業体でありまするけれども、おそらくその他の民間の運輸機関と相並んで、その中で競争しなければならぬというような苦しい羽目に立たされておると思うのであります。一面において公共性を要求されながら、他面においてそういう他の交通機関との競争にまかされておるというようなことで、非常にその面からの制約も大きく受けておるに相違ないと思うのでありますが、もしそういう点が適当に調整されるならば、おそらく今回の運賃改定なども必要としなかったのではないかというようなことを考えるにつけましても、この交通政策の基本的、抜本的な対策の樹立ということは、まさに焦眉の急だと思うわけであります。重ねてこういう問題について、大事な問題でありまするから一つこれはぜひとも御当局の御意見を伺っておかなければならぬ。運輸大臣あるいは鉄監局長の御意見を伺いたいと思います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 国鉄がかつての独占的な立場を失いつつあるというこの現実に対処いたしまして、政府は確固たる交通政策を立てまして、国鉄に対する打撃をうんと緩和してやる、こういうことが必要ではないかというふうな御質問でございますけれども、やはり国民側から見ますと、ないしは国民経済の発展から見ますと、御承知のように、世界的な傾向に徴しましても、いろんな交通機関が、しかも新しい進歩した交通機関が出てくるということは当然のことであろうかと存じます。従いまして、やはり競争的な関係になってくるということは、ある程度までは認めざるを得ない、こう存じます。たとえば欧州におきましては、御承知のように、鉄道に対する打撃を緩和するために、営業用のトラックの活動範囲を制限するというふうな法律を実施するとか、いろんな方策を試みたようでございますけれども、国民経済の発展に対応しまして道路がよくなる、従ってまたその上を走る道路運送機関がどんどん発達していくということは、必然の傾向であろうかと思うのです。従いまして、やはり欧州におきましても、そういったような法律的な制限も効を奏しませんで、結局は現在のように対抗競争機関の影響を受けまして、ほとんど各国が鉄道財政の健全性を失いつつある、こういう状況になっておるのでございまして、新しい交通機関を押えていくということは、むしろ逆行するのではないかというふうに考えるのであります。ただ国鉄にいたしましてもあるいは私鉄にいたしましても莫大な投資をいたしておりますから、そういった投資が、新しい交通機関の急激な発達によってにわかにその効用を失うということは、これまた国家全体的に見ましても損なことは当然わかり切っておることでございますので、その間、運輸省といたしましては、たとえばトラックにいたしましてもバスにいたしましても、営業用につきましては免許制をとっておりますので、先ほど申し上げましたような観点から、ある程度、鉄道輸送分野、自動車の輸送分野というものを意識しながら、行政面にこれを反映さしていく、こういうふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私の申し上げたことを、新しい交通機関を押える思想だというふうにとられますると、私も大へん迷惑をするのでありますが、私は決してそういう意味で申し上げておるのではないので、先ほど引例をいたしました三つの、すなわち日本国有鉄道経営調査会の答申、あるいは今野参考人の述べられた意見、あるいは国鉄総裁が国会において述べられた意見といいますか感想といいますか、そういう点三つを取り上げまして、今日いたずらなる過当競争が行なわれておる結果、国鉄においても、必要以上にそういう面の出費がかさんで、いわゆる過当競争を余儀なくされておる、そういう実情が多いので、そういう点について、どういう方策があるかということをお尋ねしておるのです。もし新しい交通機関その他が続々出てきて、それに対しては全く野放しなんだということであるといたしまするならば、たとえばさっき申し上げたこの日本国有鉄道経営調査会の答申などをどのように理解をしておられるか、実は私は、この問題についての質問はこれで終わりにいたしたいと思ったのでありますが、今、私の考え方は、新しいものを押える、そういう考え方である、あるいはまた法律をもって強制するというふうな考え方であるというふうに理解をされたようでありまするので、もう一ぺん言わざるを得ない。私はそういうことを申し上げておるのではないので、何といっても、理屈はともかくとしても、常識的に見て、今日日本には、交通政策は、まあゼロと言っては少し言い過ぎかもしれませんけれども、今野参考人が言っておりまするように、こういう状態は文明諸国家にはないのだという言葉は肯定せざるを得ない。常識論として肯定せざるを得ないような気がするわけであります。従ってそういうのに対して何があるのか。あるいはこの答申なりあるいはそういう参考人の意見等に対して、どういう考え方々をもって、あるいはどういう方策をもって臨むかということをお尋ねしたかったのです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 経営調査会等で出ております意見はしごくごもっともでございまして、運輸省といたしましては、その趣旨に沿ってやっておるつもりでございますが、先ほど来申し上げましたように、いわゆる社会主義的な計画経済にのっとって国の権力でもって輸送分野を分けていくという方策が必ずしもとられておりません。ただ免許制度ということによって、営業用のものについては、ある程度そういうことを意識しながら行政面に反映させておるということを申し上げたのでございます。まあ学者の意見とか、あるいは学識経験者の御意見というものは、まことにごりっぱでありますけれども、これを現実の行政面に生かすにつきましては、技術的になかなかむずかしい面があるのでございまして、まあおしかりを受けておりますけれども、思うようにいっていないということは遺憾なから認めざるを得ないのでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それではこの問題については質問を終わりにいたしますが、要するに思うようにいってない、そういうふうにしたいが。特に大臣のお言葉のように、陸海空三つの交通機関を一体にいたしまして、その割り振りをきめるんだというような、何といいますか、大へんりっぱな御答弁があったわけでありますが、実際の具体的な方策としては、大へん失礼な言い方ですが、ほとんど何もないとわれわれは言わざるを得ない。ただいまの最後の御答弁のように、思うように参らないというのが御答弁のようでありまするから、これ以上追及してもいたし方がありませんのでこの程度にとどめておきたいと思います。  次にお尋ねをいたしたいのは、いわゆる国鉄の公共負担の問題でございます。公共負担に対して政府はどう考えておるかということについては、先般、私、本会議においてもお尋ねをいたしましたし、あるいはまた昨日来すでに何人かの方からの御質問の中にもいろいろ出ておったわけでありますが、この国鉄が背負っておりまする公共負担の面については、よろしく国家が補てんをすべきであるという御意見を、たとえば昨日高橋委員等が述べられました際に、運輸大臣は、そういう考え方は一部の意見としてあるというお話でございました。いわゆる一部の意見、つまり一部とは何をさすのか、これは大臣にお尋ねをいたしたいと思います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 一部というのは、やはり一方面の意見というような意味で、それが少ない意見だとか大きい意見だとかいうような意味でなく、普通慣用語として一部にそういう意見があるというようなことをわれわれは日本語として使っておりますものですから、一部の意見というわけで、一部の意見といったのが、その意見が一分で、残りが九分だというような算術的の説明ではございません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 大へん明確な御答弁を承ったわけでありますが、それが一分でも三分でもよろしいのでございますけれども、それはどの方面をさしておっしゃったのでございますか。そういう意見を持っておる一部の人々というのは、どういう人たちをさしたわけでございますか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 今の日本を構成しておる国民の層の中で、どの層をさすというような意味ではございません。私どもはいわゆる階級とかなんとかいうことにきわめて鈍感の方でございますから、そのどの階級とかなんとかいう意味ではございませんで、国民のある方々の中にはそういうような意見が従来からあるんだというような意味で申し上げたわけで、どの方面の人を指摘したというような意図は少しもないのでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私がお尋ねをいたしましたのは、別にある特殊の階級とかそういうことを言ったのでは毛頭ございません。そういう意味で、特定の階級の意見を代表してさしたというふうに私はとっているわけでは毛頭ないのでありまして、それじゃ私の方から申し上げまするけれども、公共負担の問題についてそういう意見を発表いたしておりますのがいろいろあるわけで、たとえば鉄道運賃制度調査会あるいは日本国有鉄道諮問委員会、国有鉄道経営調査会、公共企業体合理化審議会、こういうそれぞれの機関が公共負担の問題について意見を述べているわけです。これも単に一部の意見というふうにおとりになるのでございますか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 先ほど申し上げました通り、一部ということが少数というような意味ではないのでございます。ただいまおあげになりましたような委員会とか審議会というものは、国鉄の経営改善ということを主としてお考えになっている会でございまして、自然国鉄に対して圧迫となっておる公共負担というものをどうしようかということを大きく取り上げているということは、至当なお考え方であると思います。しかしまた一方、もっと大所高所に立って、国全体の立場から、日本国有鉄道の多年の沿革、その公共的使命の高い点などを考えてみると、必ずしも今御指摘になりましたような委員会その他の御意見のように、国鉄経営という立場に立脚した意見とはまた違った意見もやはり出てくるわけでございますから、そこで一部の意見と申しましたのは、繰り返し申し上げますが、それが少数であるとかなんとかいう意味ではないんで、一つの方面からはそういう意見もあるが、また他の方面からは違った、もっと大きい視野から見て、国鉄の赤字負担と申しますか、公共負担というものに対して、国鉄として、その使命の上から、営利会社とは違って、ある程度は負担すべきものであるという意見が出てくるのであろう、そういうふうなことを申し上げるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私がお尋ねいたしております前提として申し上げますが、今、大臣のお言葉の中に、赤字補てんの問題というようなことがあったが、私は赤字一般をさしているのではないんで、あくまでも公共負担を問題にしておるのですから、その点は誤解のないようにお願いをしておきたいと思います。  ところで、これらのさっきそれぞれあげました委員会は、国鉄の立場に立って、いわば国鉄の利益代弁機関である、あくまでも国鉄の立場でものを考えておるから、こういう結論が出てくるんで、もっと大所高所から判断をすれば、違った意見が出るという御意見でありましたが、私はそのこと自体かなり問題だと思うのです。これは国鉄の総裁なりあるいは運輸大臣なりがせっかく委嘱いたしておりますそれぞれの諮問機関であります。それらが述べる意見が、ことごとく国鉄の利益代弁機関のごとくとられたのでは、おそらくこれらの諮問機関の性格として、存在の意義が認められないのではないかと思うのでありますが、いかがでございますか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 私の言葉が非常にふなれなためにおしかりを受けると思いますが、別に国鉄の代弁者というわけではなくて、国鉄総裁の諮問機関であるとか、国鉄の経営をどう改善するかなんということを委嘱された委員会や審議会というものは、勢い国鉄経営の立場から主として意見が出るのは、これは当然の話でございます。そういう立場からの御意見というものもあるし、またもっと広い立場で、国民全体とか国家全体とかいうものの立場から考えてみると、おのずから違った意見が出ることもあり得るのじゃないか。そこで、一部にはこういう意見もあるし、ほかにはこういう意見があるということを申し上げたわけで、権威ある学識経験者等のお集まりを、決して国鉄の利益擁護機関というような失礼な考えは私は持っておりませんでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 重ねてお尋ねをいたしますが、大臣にふなれだからなどと言われまするとまことに恐縮をいたします。私こそほんとうにふなれでございますから、どうぞ親切な御答弁をお願いいたしたいと思います。たとえば国鉄の諮問機関もありまするし、国鉄総裁の諮問機関もありまするし、あるいは大臣の諮問機関もあります。おそらく国鉄総裁の諮問機関でありましても、決して国鉄だけのことを考えてほかはどうでもいいというような考え方はとらないと思う。いわんや大臣の諮問機関、内閣の諮問機関等におきましては、これまた、国鉄の問題だけを考えてほかは勝手にしろというような、そういう考え方は毛頭あり得ないと思う。いずれもこれらは大所高所に立って、大きな立場から判断をしておるのに相違ないと思うのであります。しかし大臣は、これらの諮問機関についてはそういうふうな見方で見ておられるようでありますから、かりにそれが大臣のおっしゃる通りであると仮定いたしましても、それでは、たとえば同じことを国会の決議、衆議院の附帯決議において決定をいたしておるわけであります。これは昭和三十一年の四月二十六日の本会議の議決でありますが、ここでは、「日本国有鉄道の財政については、已に臨時公共企業体合理化審議会及び日本国有鉄道経営調査会の答申にも指摘せられているところであるが、政府はこの問題に対して速かにその責任と方途を明かにすべきである。」こういう議決をいたしておるわけであります。すなわち、先ほど申し上げました臨時公共企業体合理化審議会あるいはまた国有鉄道経営調査会、こういうところの答申なりないしは意見なりというものを、国会の名においてオーソライズあるいはジャスティファイして議決いたしておりますが、その国会の議決も、それでは国鉄擁護に偏重しておって、大所高所からの判断ではない、あるいは高い視野からの判断ではないというふうにお考えでございましょうか。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 申すまでもなく国会は最高の機関でございますから、国会の議決というものは何人といえどもこれは尊重せざるを得ない、尊重すべきことは当然でございます。ただ、いずれの場合でも行政、政治は生きものでございますから、そのときの財政その他の諸般の事情を勘案して、直ちにこれを具体化するかどうかということを決定すべきものでございますが、一体国会の議決を尊重しないなどというようなことは、私も国会議員の端くれとして、いわゆる主権者である国民の中から出ておる一人として、いわゆる最高の機関が議決いたしましたことは、もう当然尊重すべきものと考えておるのでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 どうしてもその点は明らかにしておかなければならぬと思うのでありますが、ただいまの御説だと、国会の決定は最高のものとして尊重するというお話でありましたけれども、最初の御答弁では、審議会等の答申はいずれも国鉄擁護に偏重をしておるんで、そういう意見をそのまま取り入れるわけにいかぬ、そういう御意見であったのでありますが、私はそうではなしに、国会が、国会の権威に基づいて、これらの答申なり意見なりを承認をいたしておるわけであります、オーソライズしておるわけなんでありますから、そうなりますると、それを鉄道に片寄っている意見だというふうにとられることは、まことにどうかと言わざるを得ないのでございまして、ましていわんや、そういうのをとらえて、一部にはそういう意見もありますというような御説明のごとき、もとより一部というのは十の中の一つではない、そういう算術的な一分ではないことはよくわかりますけれども、これらそれぞれ公の機関として、権威ある機関として作られておりまする審議機関が決定をし、さらに国権の最高機関でありまする国会が権威づけておりまするとれらの決定に対して、これを一部の意見であるというがごときは、私はまことに了解しかねる。おそらく大臣は、私の推察をもってするならば、それぞれの機関がこういう決定をしている、さらに国会もこれに議決をしているというようなことについては御承知なかったのではないかというふうに考えざるを得ないのでありますが、それならそれでけっこうだと思うので、その点一つもう一ぺんお尋ねをいたしておきます。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 国会の議決を尊重すべきことについては、ただいま申し上げました通りでございます。国会としてそういう諮問委員会とか審議会の意見を、こういう意見もあるからという意見を取り上げたとすれば、その諮問委員会の意見というものもそれだけ重んぜられるようになったわけでございます。ですから、そういう意見はある、しかしまたほかにも意見はあるわけですから、つまりほかにも意見があるんだということを言うても差しつかえないんだろうと思います。国会で議決したから世論はそれできまったというものでもなさそうで、またよくいう声なき声とか、あるいは少数の意見とかいろいろなものがあるんですから、まだいろいろの意見はあることだと思います。しかしただいま御説示のように、国会の決議がありましたということは、ちょうどその時分は私は国会におりませんから、そのことを詳しく知らぬでおりましたことはまことに不明でございまして、おわびを申し上げましてございますが、そういうことがありますならば、その決議は私どもは偏重した意見だとかなんとかいうことは、実は申し上げたわけでないのでございまして、国鉄総裁あるいはその他から委嘱を受けて、そうして学識経験者が国鉄の経営の場合にかくあるべしという意見を出した、一つの意見だ、まだほかにも意見があるんじゃないかということを申し上げても、今の民主主義の社会では差しつかえないんじゃなかろうかと思って言ったのですけれども、そういうことが悪ければ、それはいわゆる議論のかけ合いのようなことになりますから、そういうことは取り消してもよろしいわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それではもうこれ以上この問題は申し上げませんけれども、大臣は正直に国会でそういう決定があったということは御承知なかった、おわびをするというお話でありまするし、あるいはさらに一部の意見云々といって私が指摘をしましたことにも、取り消してもよろしいというお話でありまするから、これ以上追及をいたしません。ただ私が申し上げたかったのは、こういうそれぞれの権威ある機関が、あるいはさらに国権の最高機関といわれる国会までこういう考え方をしておるので、その点は十分重視をさるべきであるということを特に強調したいために申し上げたのであります。しかし今お話しのように、不明をおわびになられ、あるいはさらに取り消しをされるということでありまするから、これ以上申し上げる理由もございません。  大臣に大へんたびたび御迷惑をかけましたので、しばらくお休みを願いまして、国鉄にお尋ねをいたしたいと思います。  副総裁にお尋ねをいたしますが、今回の予算の編成にあたりまして、このいわゆる公共負担の問題についてはどういうふうな御折衝をなさいましたか。この間も御質問があり、お答えがあったようでありますが、あまりはっきりしなかったので、もう一ぺんお尋ねいたしたいと思います。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 この公共負掛の問題につきましては、ただいまの御質問にもございましたように、過去において諮問委員会でありますとか、経営調査会でありますとか、いろいろそういうような審議機関からも御指摘を受けておる問題でございますので、国鉄の経営改善の問題として今回の新五カ年計画を御検討いただきます際に、これらの点につきましても御検討をいただきますように関係御当局にもお願いを申し上げました。また私どもも従来のそれらの委員会その他からいろいろ御指摘を受けておりました点につきましては十分申し上げたつもりでございまするが、政府御当局におかれまして、より広い、より高いお立場から御検討の結果、現在の国鉄運賃制度のあり方や、また運賃の水準自体が、比較的、相対的に他の物価等に比べて低いことや、また国鉄がこれから遂行しようといたしております新五カ年計画において考えております投資の内容が、借入金等によるのが不適当であるというふうに考えられる性格のものが相当あるというようなことやら、いろいろ御検討願いました結果、今回はある程度の、実収率一二%程度の運賃改定をするという前提に立って予算を編成するように御方針の決定がございましたので、その御指導に従って私どももそのようにお願いをいたしておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 重ねてお尋ねをいたしますが、そうしますと、そういう、何といいますか、希望といいますか、そういうものはある程度表明したことがあるという程度でございますね。たとえば、別の言葉でお尋ねをするならば、これを政府から出してくれということで、予算要求というような形で持ち出したというようなことはないんでございますか。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 国鉄といたしましては、予算要求の内容になるべき事項をいろいろ御検討願っております過程において、公共負担の問題その他について御相談を申し上げておりましたが、予算要求それ自身の中では、ただいま国会で御審議いただいております予算通り、一部を運賃改定によって所要の資金をまかなわしていただくという姿で予算要求をいたしたようなわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは鉄監局長にお尋ねをいたします。そうしますと、これは国鉄側としてはそういう希望を持っておったという程度にしか聞こえませんけれども、とにかくそういう希望を持っておったらしいのでありますが、運輸省がこれを取り上げなかったということになるのでありまし、ようか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 国鉄がそういう希望を持っておるということはかねがね承知しておったのでありますが、現実に昭和三十六年度の予算編成の際には、新線建設につきましてその資金を全額政府出資してもらいたいということを予算要求ではっきり出して参りました。運輸省といたしまして、財政状態その他の問題をいろいろ勘案いたしまして、大蔵省との予算調整につきましては、新線建設に対する補助を予算要求として出したわけでございます。従いまして、その限りにおきましては、国鉄の希望を予算調整という格好でのまなかった、こういうことになっております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 国鉄側にお尋ねをいたしますが、そうすると、その新線建設の予算は政府出資でやってくれということを要求されて、むろんそれに対して国の方では結果として利子補給をしたわけでありますが、しかし要求をされたのは新線丁建設についてだけでございますか。むろん新線建設もいわゆる公共負担の一つだと思いますけれども、私どもがさしております公共負担とは若干違うわけであります。むろん新線建設も含んでもいいと思いますけれども、われわれはもっと範囲の広い公共負担を考えておるわけですが、要望されたのは新線建設についてだけでございますか。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 最後までお願いいたしておりましたのは、それだけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 国鉄にお尋ねをいたしますが、新線建設もむろんけっこうだと思うけれども、そういう面が非常に多い。たとえば産業政策的に、あるいは社会政策的に新線建設をしなければならぬというような場合もたびたびありましょうから、もちろん新線建設もけっこうだと思うけれども、それ以外に、たとえばいろいろな割引であるとか特に原始産業についての運賃の割引であるとか、そういう面が多々あるわけでありますが、そういう問題については、国鉄としてはこれはどこがまかなうのが当然だというふうにお考えでございますか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 原始産業その他につきましての割引をどこが負担すべきかという御質問だと存じますが、それにつきましては、私の方の今の貨物運賃の建前を申し上げませんとちょっと御理解できがたいと思いますから簡単に申しますと、私の方の現在の貨物運賃の建前は、御承知の通り明治の初め以来できましたいわゆる貨物の負担力主義によって運賃を収受いたしております。従いまして、等級の低いものにつきましては当然価格が低い、価格が低いから運賃が安い、こういうことになっておるわけであります。これらの物資と逆に、値段が高い、そのために運賃が高いというような物資は、大きく分けて二つに分かれるわけでございますが、これらの原始産業の運賃というものは、昔の鉄道が、先ほどからお話がございました陸上交通を独占いたしておりましたときの、一種の社会政策的な立場から鉄道運賃がきめられておったときの形がそのまま今日まで残っているわけでございます。さらに先生がただいま御指摘になりましたその上に特別等級というものを作り、さらに暫定割引というものがあるということなどにつきましては、私どもといたしましては、今までは国鉄としては運賃制度上も運賃レベル上も相当余裕があったからそれらの負担ができたが、今後その負担ができないということになれば、今後はある部分は利用者に負担していただきたい、またある部分は政府でもお考え願いたい、またできるだけ国鉄側としても負担いたします、こういう考え方で、一挙に利用者に全額負担してくれといっても、これは非常に無理なことであるし、また一挙に国に全額運賃補給してくれといって、農林省、通産省に話をいたしましても、また各省にいろいろな予算の建前等もございまして、それもできない。かといって、また全額国鉄が負担することもできないことになれば、おのおのができるだけの負担をしてほしいというような要求をいたしておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 貨物運賃がいわゆる負担力主義というものに立っているということは私どもかねがね承知をいたしておりますが、問題は、たとえばそういう原始産業に属する物資の輸送であるとか、あるいはまた、さらに貨物以外に例をとるならば、大きな問題として、通勤なり学生なりの割引があるとか、その他等々たくさんあるわけであります。そういうものに対して基本的に根本的にどう考えているのかということなんですが、それは一体だれが負担するのが当然であるというふうに考えているのかということがお尋ねの要点です。  私は前提として申し上げますが、たとえば政府が補てんをしろというようなことをいっても、これはむろん政府の財源になるものは国民の税金なんですから、そういう意味において、何もかも政府が出せということで安易に問題を解決しようというような気持は毛頭ありません。これまた大事な国民の税金が原資であるということは十二分に承知をいたしておる。そういう前提に立って申し上げているのですけれども、問題は、今申し上げたようにたくさんの割引というものが非常に多額にあるわけです。それらはだれが負担するのが妥当であるというふうに考えているかということです。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点につきましては、国鉄がやっております現在の仕事が、やはり何十年という過去の仕事が累積をして今日まできておりますので、現在全然新しく考える場合と、それから今までの経過を見た上でどう考えるかということでおのずから違ってくると思います。先ほど先生が御引例になりました運賃制度調査会、この調査会は、運賃につきまして約二年間かかって開いた会議でありまして、この調査会におきましては、先ほどのお話の今野源八郎先生も委員の一人として非常に長い間御協力下さったのでありますが、この調査会はあくまでも原価主義をとれという建前を強く主張いたしております。かと申しまして、一挙に原価主義をとるとなりますと、たとえば貨物で申しますれば、今の原始産業の非常に安い運賃のものは、一躍五割なり、あるいは場合によっては三割なり運賃が上がる。これではいけないのではないか。また、今御指摘の定期運賃につきましても、原価を割っている面につきましては原価まで少なくとももらうべきだ、こういう強い主張をされております。従って、新しくここで運賃制度を作るということになりますれば、私どもといたしましては、当然原価主義の立場に立って要求すべきであるし、また鉄道よりも歴史の新しいトラック等につきましては、当然原価主義で運賃ができ上がっているわけでございます。しかし国鉄といたしましては、あるいは鉄道全般でございますが、過去八十年の運賃制度の累積のために今日のようになっておりますので、逆に負担者の側から申しますれば、一挙に国鉄が負担力主義をとったって、こちらの方はそんなに払えない、急激にそんな運賃負担はできないということをおっしゃられるのでございます。結局その間に立ちまして、それではある程度原価主義に近づけるという努力をさしていただくということで、今回の問題も、ある程度原価に近づけるということを考えたわけでございまして、その点、全然国鉄に関係のない、今、先生のおっしゃった一般の納税者からいただくこともあるいは一つの方法かもしれませんが、そうでなしに、それはそれといたしまして、鉄道の直接の利用者にもある程度原価に近い運賃を払っていただくということを考えなければ、競争機関の多い国鉄としては鉄道経営がやっていけなくなるというふうに考えたわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 大事な問題でありますからもう少しお尋ねをしたいと思いますが、今まで相当な割引を受けておった人たちが一ぺんに運賃が上がる。上がるのはいけないというお話だったが、これはもちろん上がるのはいけない。そういうことを言っておるわけではないので、要するにそういういわば社会政策的な、産業政策的な、あるいはまた、ときに文化政策的な、そういう政策的な面から国鉄が背負っている余分な負担、これをそもそもだれが負担をするのが適当であるというふうに考えておるかということをお尋ねしたわけですから、その一点だけもう一度お答え願いたい。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点につきましては、私どもといたしましては主として、交通機関というものの本体から申しますと、鉄道以外の先ほど申しました新しい交通機関につきましては、ほとんど全額が利用者負担でございます。いわゆるその交通機関を利用する人が全額を負担している交通機関に対しまして、政府が運賃補助をしておるという例はないわけでございます。従いまして、鉄道よりも新しい交通機関については原価主義が貫かれておるわけでございますが、鉄道につきましては、たまたま今までの経過上そういうことになっておらない。従って徐々に利用者にある程度負担をしていただくという方向に、言葉をかえて申しますれば原価主義に近づけるという努力をさせていただきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 原価主義に次第に近づけていくということでありますけれども、それでは現実に、たとえばいろいろな割引等が行なわれておるわけです。ごく実際的に端的にお尋ねをいたしますが、そういう多額の割引等に対しては、結局はその割引を受ける人が負担をするか、あるいは乗客一般が負担をするか、あるいは国民全般が負担をするか、この三つしかないと思う。この三つのうちのどれが最も正しいと思うわけですか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 今までは、何と申しましても乗客一般と申しますか、鉄道の利用者一般で負担していたということになるわけでございます。今後は原価主義に近づける、鉄道においては利用者に負担していただく、しかしそれが非常に急激な変化をもたらす場合には、これはある程度農林政策なり通産政策としてその問題を考えていただくというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 原価主義に近づけることが非常にショックを与えるという場合には農林政策なり通産政策なりとして考えるということは、私が使った言葉を用いれば要するに政府に出させるということですか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点は政府の農林政策なり通産政策として、たとえば運賃の非常に高くかかるものについてはそう遠距離に輸送させない。あるいは運賃問題以外の解決方法もあると思います。ただ運賃だけでもって補給金を出すとか、そういう方法だけでなしに、これは農林政策なり通産政策全般の問題として解決される方向だと思いまして、その点につきましては私の希望でございます。私どもといたしましては、極力ある時期までには原価主義に近づけたい、しかし急激に近づけることが無理ならば、その間は農林政策——しかもどうしても荷主の負担ができないということになりますれば、別な国家政策としてお考え願いたいというふうに考えたわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 別な面で解決方法といっても、私はそういう別な面での解決策というものはないのではないかと思います。たとえば、先ほど鉄監局長の御答弁にありましたように、現在自由主義経済のもとにおいてはそういうことをコントロールすることはできない。特に強権的に権力をもってコントロールするようなことはできないということを言われておるので、おそらく現在の自由主義経済を承認する限りにおいては、そういう結論にならざるを得ないので、そういうことになりますと、遠いところへ品物を送らせぬというようなことを言ってみたって、全くそういうことはあり得ないと思う。いわゆる農林政策、通産政策として解決するということは、言いかえれば補給金を出すか何か、そういうこと以外にはないと思う。現実問題としてあり得ないと思うのです。そういうことならば、私が非常に端的にお尋ねをしたのだが、そういう面はだれが負担するのかということになりますと、要するに政府が出すのが正しいのだ、そういう御見解でございますか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点は国鉄が原価主義をとっている間は、これは考え方としては利用者に負担していただきたいのでございますが、実際の実施の方法といたしましては、利用者がそれだけの急激な運賃負担ができないということになれば、別途の方法でいたす以外にない、こういうふうに考えるわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そのいわゆる別途の方法が問題になっておるわけですが、いろいろ今まで繰り返し伺っておりますと、要するに原価主義は根本原則なんだけれども、あるいは原価主義に近づけていきたいのだけれども、急激にそこまでいかないので、別途の方法といいますか、そこまで近づける努力をしておる最中だというふうな御答弁であります。そうしますと、これに対する解決策は、さっきも申し上げたように、たとえば膨大なる各種の割引なんというものをやめてしまう、要するにこれは従来割引を受けておった該当者が負担するということだし、あるいは運賃を値上げする鉄道の利用者全部が負担するということ、あるいは国の補助を受けるというならば、国民全体が負担するという三つよりほかにないわけでありますが、結局は原価主義に近づけるということであると、急激にはそこまでいかないけれども、要するに割引なんというものはやめてしまう、それが最も理想なんだ、こういう考え方だと思うのですが、その通りでございますか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 たとえば先ほど先生が御引例になりました定期運賃でありますが、これは法律には五割まで引けということが書いてあります。従いまして私どもといたしましては、国会でおきめになりました法律に書いてある五割までは個人で負担していただきたいと考えております。たとえば特別等級については、これは運賃制度上認められた制度でありますが、この特別等級以外に、御承知のように暫定割引などという制度があります。これら法律に定める以外の割引につきましては、個人と申しますか、利用者に負担していただくというのが当然だと考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 国鉄としてはいろいろな割引がたくさんに行なわれておる。これが国鉄の経営に大きな負担になっておることは当然だと思うのであります。それでは角度を変えて伺いますけれども、たとえば、そういうように割引が多過ぎて困るということを訴えておられるわけだが、それは一体何をねらいにしてそういう訴えをしておられるのですか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 訴えと申しますと、私どもが出しておる印刷物その他のことでございますか。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そうです。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 それらにつきましては、私の方といたしましては原価主義に戻りたい、あるいは法定の割引率まで戻していただきたいということの訴えが一つであります。  もう一つは、私どものパンフレットにありますように、外国ではそういう急激な変化ができない場合は政府が補償しておるという例も実はあります。そういうことを書いて訴えたこともありますので、それらをあわせますと、原価主義まで近づける努力をわれわれにさせていただきたい、そうしてそれまでいかない点についてはほかの政策でもってお考えを願いたい、こういう意味の訴えであります。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 国鉄が出しております「多すぎる運賃の割引」というのを見ますと、私はそういうふうにはとれないと思います。運賃の割引の実例として、定期運賃の割引、学生運賃の割引、新聞や雑誌の割引、生活必需品や原料物資の割引、暫定的にきめられている貨物の運賃の割引、その他の割引として、身体障害者割引、戦傷病者の無賃乗車、貨物では災害地への救恤品の無賃輸送あるいは割引輸送、こういうようなものをいずれもこまかに列挙いたしまして、さらにこれに対する外国の例はどうかということで、きわめて詳細に他の諸国の例を書いてあるわけであります。さらに最後には、国鉄諮問委員会の答申というのをそのまま引例をされて、たとえばこれは日本国有鉄道諮問委員会の意見でありますが、その中にあります、「『現在の国鉄はいろいろの合理化や近代化に努力しているが、国鉄だけの力ではどうにもならない「病根」を四つ持っている。その中の一つは種々の国家的要請にもとづく驚くべき高額の公共負担であって、これは国家が補償するか、割引をもっと少なくすべきである』」こういうふうに最後に指摘をしておるわけです。ですから、もし割引をやめるということが可能であれば、それはお話のように、原価主義に直ちに立ち返れるということになるのでありましょうが、現実問題として、これは容易にできない。たとえば先般の本会議においても私お尋ねいたしましたのに対しまして、またあとで具体的にお尋ねをしたいと思っておりますが、いわゆる農林物資の運賃の暫定割引であるとかこういうものは、おそらくは現実問題としてこれをなくすることはできない。ここにあげておりますような災害地への輸送であるとか、あるいは身体障害者であるとか、戦傷病者であるとか、ここに列挙してあるようなものどれ一つとして、原価主義に返れるようなものはないと私は思う。それは一%、二%は戻れるかもしれません。しかし完全な原価主義に立ち返るということは、まずこれは全く不可能だと思う。そういうことになりますと、これは国家が補償するということが必要なんだということを、この日本国有鉄道諮問委員会が結論づけておって、その結論をそのまま最後に採用いたしまして、この結びにしておる。あるいは途中を読みますと、いろいろな割引があるので、「したがって、旅客や貨物をいくら輸送しても、収入はそれに応じて増えて行かないために、経営は安定せず、又輸送力をふやすための資金も得られません。その結果が、又、旅客の混雑や、貨物の滞貨をひきおこすという悪循環を続けているわけです。」こういうふうに説明をしておりまして、要するにこの膨大なる割引が現在の国鉄にとっては非常な重圧だということをるる訴えておるわけです。そして最後に、欧米諸国の例をあげて、欧米諸国は実に念入りな国鉄の援助をしておるわけです。私から申し上げるまでもないわけですけれども、たとえば自動車の場合なら、道路は国家なり地方公共団体がそれぞれ負担をして道路の建設をする、あるいは港湾等においても同様に国または地方公共団体が責任を持ってその施設を完備する。従って、そういうのに対して、自動車、船などに比べると、国鉄は非常に不利な状況にあるというようなことから、国鉄に対しては、鉄道線路の維持費に対しても、これはフランスの例ですが、その六〇%まで負担するとか、あるいは踏み切りの費用については五〇%まで国が負担するとか、そういうようなことで、フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、オランダ、そういう各国の例をそれぞれあげて、欧米諸国の手厚い国の保護をここに紹介をして、最後に今申し上げたような諮問委員会の答申を掲げて、それをもってこの冊子は終わっておる。言いかえるならば、これはどう見ても、そういう膨大なる公共負担に対しては、国家が補償をすべきであるという結論を、読む人にそういう結論を得させようという意図のもとに作られている冊子としか思えないのでありますが、これは私がそういうふうに理解をするのは、間違いでございますか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その冊子は私が作成いたしましたので、私は内容をよく存じておりますが、諮問委員会が申しておりますことは、その諮問委員会の答申書の方はごらん下さったと思うのでありますが、たとえば定期の割引率にいたしましては、割引率を採算点まで引き下げるかあるいは国鉄の負担分に対して国家が補償する、こういうように言っております。そこへ外国の例をたくさん並べましたのは、これは確かに外国で、ことにヨーロッパにおきましては、非常に国が鉄道の復興にも、また鉄道の経営にも深い援助を与えておるということは、逆に申しますれば、鉄道が自動車輸送に完全にやられてしまっておる、あるいはそれに近い状態になっておるということを示しているものと存じますが、そういう意味でその例をあげたのであります。それを結論づけましたことは、もちろん日本においても、国家が全部負担してほしいという意味で、そこまでの強い意味で書いたのではありませんが、諮問委員会として非常に強いそういう意向を表明されました。それは諮問委員会の前文の方の勧告書の中にも、はっきりその点は書いておられます。と同時に、三項にわたっておりますが、三つ目には現行運賃制度自体についても直せという勧告も実はしておるわけであります。また諮問委員会としては、そこに抜きましたのは、おっしゃる通り運賃割引についての国家補償をしろという点だけをクローズ・アップいたしましたが、御承知の通りその本は四部作になっておりまして、四冊に分かれております。諮問委員会が国鉄全般の運賃制度を合理化しろということは、実は別冊の方になっているわけでございます。それにただいま書きましたことの中で、ただいま先生がお読み上げ下さいました中にもいろいろな種類が私はあると思います。たとえばその中の戦傷病者の運賃、これは無賃で輸送しておりますが、これは年間約七、八千万円の額に上っております。金額は、今度お願いしている運賃改定の額と比較いたしますれば非常に小さいものではございますが、今までそれにつきましては、約その三分の一の二千五、六百万円しか国家から補助していただいておりませんでしたけれども、今回は運輸省の非常なお骨折りで全額政府から補償してやろうということになりまして、今回の予算にも組み入れられたわけであります。これらについては、これは全く利用者に負担力がない場合であります。そういうふうに利用者が全く負担力のない戦傷病者、身体障害者とか、そういう純粋な社会政策的なものと、そうでなしに、ある意味の産業政策なりある意味の物価政策なりで行なわれている割引とは多少違うと思いまして、そういった面をもう少し詳しくあるいは分析して書くべきだったかとも存じますが、その多額の割引の中には多少種類の違っているものも入っているということを御了察願いたいと思うわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 最後に、この問題について締めくくりの意味でもう一ぺんお尋ねしておきたいと思う。これはあるいは副総裁から御答弁いただいた方がいいかと思いますが、国鉄当局としての考え方は一体どこに本心があるのか。私どもは、こういう国鉄が背負っておる膨大なる公共負担に対して、これはよろしく政府が補てんすべきであるというふうに強く考えているわけです。これはいわば私どもは大いに国鉄のために弁護をいたしておるわけであります。現在のように、こういう社会政策あるいは産業政策等のそういう重荷を国鉄の負担において、しかも独立採算を建前とする国鉄の負担においてそういう問題に奉仕するということは、これは国鉄としてはまことにお気の毒だというふうに私どもは強く考えているわけであります。しかし、われわれがそういうふうに考えていることが、あるいは理論的にも間違いであるというのであるか、つまり、たとえば国鉄はあくまでも独立の機関なんで、それにそういう国家の補助金が入るということは国鉄の自主性を失うというようなことも懸念されるかもしれません。そういう観点から、われわれがそういうふうに考えることは、まことにもって迷惑千万だというふうにお考えなのか、あるいはそうではなしに、本来ならばそうあるべきだ、三十六年度の予算折衝においてもそういう希望を表明したとか、あるいは特に新線建設については予算書として要求したというようなお話でありますから、できるならばそうしてもらいたいのだ、そうしてほしいのだ、ただしかし、運輸省の考え方もあるので、国鉄だけ勝手なことを言うわけにもいかぬというようなことから遠慮しておられるのか、これは一つ率直なところをお聞かせ願いたいと思います。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 国鉄の経営の問題につきまして、非常に御理解深い、御同情あるお言葉をいただきまして感謝いたしておりますが、国鉄の経営の現状というものはほんとうに行き詰まって風おりまして、三十五年度までの状況では、このままでは国鉄が負わされております責任を果たすことがもうできない。具体的には、このままの状態では、三十六年度の予算さえも編成のしょうがないというような窮状にあったわけでございまして、そういう状況にありましたので、まず国鉄の使命を完遂しなければならない、同時に国鉄が企業体として経営の安全を得られるような道を何とかしてつけていかなければならないというような観点から、いろいろなこれに対する方法を外国の実例その他も勉強いたしまして、こういうような行き方もある、ああいうような行き方もあるということを、五カ年計画あるいは予算案そのものを御決定願う前段階におきましては、いろいろと私どもも意見を申し上げたのでございます。しかし、結論といたしまして、まだ国鉄の現在の運賃水準というものは、他の諸物価との比較その他から見て、もう少し利用者に負担していただける余地がまだあるのじゃないか。またこの程度の運賃改定ならばそれほど大きな影響でなく——もちろん鉄道を利用なさる利用者の方々には、犠牲をおかけすることではございますけれども、まだこの程度ならば何とかがまんしていただけるのじゃなかろうかというようなことで、一部先ほど例の出ました身体障害者の運賃の政府からの補給でございますとか、あるいは新線建設の借入金に対する利子の補給であるとかというようなこともお認めいただきましたけれども、国鉄の所要の財源の一番大きな部分を補てんする方法としては、この際はこの程度の運賃の改定ということで問題を解決していくのがよろしかろうという政府御当局の御判断に従いまして、私どももその線で国鉄の将来の経営の安定もはかり、また国鉄に課せられております使命の完遂ということにも努力いたしたいと考えまして、お願いを申し上げたような次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 重ねてお尋ねをいたします。この程度ならば大したことはあるまいというので値上げという解決策を考えたというお話でありますが、そういう点にもいろいろ問題があると思うので、あとでまたその点はお尋ねいたしますが、それはしばらくおくとして、いずれにしても値上げをして利用者から料金を取り上げるということは国鉄自体として好ましいことではない、みずから好んでそういうことをやられるはずはないと思います。従って、できるならば、さっき私が申し上げたようないわゆる社会政策、産業政策等に属する部分は国の負担においてやるべきだ、やってもらいたいのだというふうに、端的にお考えになるかどうかということを重ねてお尋ねしたい。  私はさっきから申し上げておるように、そういう公共的な負担については、その恩恵にあずかっている人が値上げという形でさらに負担をするか、つまりその人たちだけの値上げによるか、あるいは全体の値上げによるか、あるいはまた国民の税の負担によるかということを申し上げたのですが、政府が負担をするという場合だって、さっき申し上げたように、これは要するに国民の税金ですから、問題をそう安易に考えるべきではありませんけれども、ただ私どもは値上げの場合には、これから利用する人が現実に何ほどかの負担を新たにしていかなければならぬわけですが、私どもが国にこれは出してもらいたい、出させるべきだということを主張する根拠は、政府の予算全体の中で、二兆円の予算のワクの中で、幾らでもやりくりする方法があるんだ、まだ出さなくて済む金が相当額あるんだ、あるいはまたこれ以上入ってくる金も相当あるんだ、そういう見通しに立って政府が出すべきだということを言っておるので、これから運賃値上げの分だけみんなで出してくれというようなことで、何か目的税でもかけるといったような、そういう筋合いのものでは絶対にないわけです。政府の予算のやりくりの中で、われわれは十分その程度のものはまかなってもらえるんだという、そういう確信の上に立って見通しをつけておるわけです。  大へん説明が長くなりましたけれども、私どもはそういう立場で政府にこの問題を依存をしていく、この解決策は政府に依存をするというのが、われわれは理論的にも当然だというふうに考えておるのでありますが、国鉄としてはどうもその辺がはっきりしない。そういう希望は表明したというようなところを見ると、できるならばそうしてもらいたいというようなつもりでおるのか、あるいはさっき申し上げたようにそういうことをされるのは迷惑千万だというふうに考えておられるのか、一つその二者のうちのいずれであるかというふうにお答えをいただきたいと思います。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 国鉄といたしましては、国有鉄道法にも定められております通り、やはり独立の企業体として成り立っていくということは、これは国鉄にとって絶対の要件である。同時に公共的な使命も遂行しなければなりませんけれども、まずその前提として企業体として成り立つということは、これは絶対の要件であろうというふうに考えております。そこでそのためには、先ほど磯崎理事からも申し上げたのでございますが、基本的にはやはり運賃というものは全体としての原価を償う、また体系としてもいわゆる負担力主義でなしに原価主義に近づけていくという、そういう基本ラインで考えるべきものであるというふうに考えておりますので、やはり国鉄にとって一番大切なことは財政的な自主性を確立するということであると考えております。しかしながら今日の国鉄の窮状を一挙に打開するということにはなかなかむずかしい問題もございまするし、またそう一足飛びに原価主義一本やりで運賃体系を変えるということには、いろいろ御考慮を願わなければならぬ点もあると思いましたので、この当面の国鉄の経営の窮状を打開するためには、諸外国の例その他から考えましても、たとえば国庫負担の問題でありますとか、あるいは税金であります納付金の問題でありますとか、いろいろなそのような財源も考えられないことはございません。いろいろございますが、どの道をとるべきであろうかというようなことについて、いろいろと御相談をいただきました結果、今日の原案が確定したということでございます。  なお国鉄としては、当然のことでございまするが、なお一そう経営の刷新、合理化ということにも努力を傾注いたしまして、運賃改定のみに財源をたよるということでなく、さらに経営努力によって少しでも収益を上げていく、また経費を節減していくということを並行してやる考えでおりますことは、申し上げるまでもない次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 経営努力等によって冗費を節約するということはあまりにも当然なことで、申すまでもないことなんでありますが、私が繰り返しお尋ねをいたしておりますのは、私どもは、むろん国鉄は独立の企業体でありますから、その独立の企業体としての任務を全うするということは、もとより当然だと思うのであります。ただその中にしょわされておる、これは公共企業体として、読んで字のごとく半分が公共なんですから、そういう意味でいろいろの公共的な任務を負わされている。しかし同時に、独立の企業体としての制約も受けておるという、そういう苦しい国鉄の立場において、さっき申し上げたような国の方策に従って負担をさせられているような経費というものは、国が持つのがあたりまえだというようにわれわれは根本的に考えておるのです。  それでは簡単にお尋ねをいたしますが、私が繰り返し申し上げておるそういう考え方は、それはお前の考え方は間違いなんだ、あるいはまたそういうことを言われては迷惑千万なんだというふうにお考えかどうかをお聞きしたいと思います。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 先生の御理解深いお言葉は、迷惑どころか、まことにありがたいお言葉だと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そうだといたしますと、私の考え方を全面的に是認をされた、肯定をされたということになるのだと思いますが、そういうふうに了解してよろしゅうございますか。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 まことにありがたいお言葉であると思っておりますが、現実の問題といたしましては、なかなか一足飛びにその理想通りに参らない点もございますので、国鉄の企業体としての自主性を確立するということのみに単純にも参りかねる点がございますので、それらの点につきましては、国鉄の性格上当然のことでございますが、政府の御指導に従って私どもの任務を尽くすという行き方で参りたいと思っております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 この問題はこの程度で終わりにいたしたいと思いますが、そうあってほしいのだ、しかし一足飛びにはそこにはいけない、従って政府の御指導に従うのだという御意見が最後の御答弁のようでございましたので、それでは一つそういうふうに理解をすることにいたします。要するに、そうあってほしいのだということと、ただし一足飛びにはそこまでいけないので、われわれは当面政府の御指導に従っていくのだ、こういう御方針のようでありますから、そういうことに理解をしたいと思います。もしそうでないとすれば、私はさっきの「多すぎる運賃の割引」と称するこのパンフレット等につきましても、もう少し繰り返し、あるいは突っ込んでお尋ねをしなければならぬ問題がたくさんあるのでありますが、そういう御意見ならば、ことに政府の監督を受けておりまする国鉄の立場でありますから、そういう点も私ども十分了承をいたしまして、ただいまの程度にとめておきたいと思います。  つきましては、今度はもう一度大臣にお尋ねをいたしますが、政府は、こういう公共事業等につきましては、さっき御答弁をいただいたので大体わかりましたけれども、少なくとも、さしあたって政府の負担においてそういうことをやるというような考え方はお持ちでないというふうにさっき伺ったのですが、その通りでございますね。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 先ほど来るるお述べになりました国鉄経営の上から見ての御意見というものは、非常に私どもは重大な関心を持って拝聴をいたしたわけでございます。昨日でございましたか、有田委員の御質問に対して私が御答弁を申し上げましたごとくに、従来のように、国鉄というものが日本の唯一独占の輸送機関であって、そうして非常に利益のあるという立場におきましては公共負担というものをその資力において勤めることができるわけでございますが、最近のごとく、新しいバスやトラック等の競争の交通運輸機関ができまして、現在は必ずしも国鉄というものが独占的の唯一の地位というものを保つことができないという事態に立ち至りました際におきましては、国鉄の経営から見ますると、過大なる五百数十億に余るような公共負担というものに対して、将来は政府として何とか世話を見てやるということを、現在の財政の事情のもとにおきましては直ちに実行することが困難といたしましても、その方向においてだんだん考えていく必要があるのではないかということを昨日も申し上げたわけでございます。ことに運賃の改定というようなことが、あるいはある程度において限界にきているというようなことをも勘案いたしますると、国鉄の高い公共使命から発しまするところの公共負担というものを、現在のごとく、大部分を国鉄に背負わしておくというようなことがいつまで続くかということは、重大な関心を持って検討しなければならない問題でございます。しかしながら、その前に解決すべき問題といたしましては、先ほども国鉄副総裁から申し上げましたように、現在、直営の国鉄事業のときには課税されなかったところの固定資産税というものが、一つには御承知の通り直接国鉄の輸送上に利用いたしません建物、たとえば寮であるとか工場であるとかいうものにかかって、金額が少なかったものが、その後臨時税制調査会の建議によりまして、他のものとの均衡を得るという理由によりまして、今日は九十億になんなんとする金を、納付金の形、また固定資産税の形で納めておる。こういうことは一体国鉄の公共使命などから見て、公共負担をいたしておる面から見てどういうものであろうかという、これも一つの一部の意見がございまして、こういうことも財政の現状が許しまするならば、私どもとしては、従来のごとく固定資産税などはかけない方がいいのではないかという気さえいたします。こういう問題も財政の事情等勘案いたしまして、よく大蔵当局等の理解を得て、もしこういうものを負担をせずに済むということになれば、国鉄の方から見れば公共負担に対する国家の補助がそこまで伸びたということにも相なるわけでありますが、国として国鉄の負担する公共負担に対しましての補助をいたすというところまでにはまだいろいろ段階を経べきことがあるようにも考えられます。今御開陳の御意見というものは、私どもはこれを聞き流すということはいたしませんで、重大な関心を持ちまして、今後の国鉄の経営のあり方につきまして、一つ十分に検討していきたい、こういうふうに運輸大臣としては考えておる次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 大臣の御答弁を聞きまして、よくわかりました。私は、この問題は国鉄経営に対して、しかも差し迫っておりまする運賃値上げ等に関連をいたしまして、最も基本的な問題であるというふうに考えましたので、少ししつこ過ぎるほどお尋ねをいたしたわけでありますが、ただいま大臣の御答弁を伺いますると、むしろある意味においては、国鉄副総裁の御答弁よりもさらに積極的な御意見のように伺ってかなり安心をいたしたわけであります。すなわち五百数十億に上りまする国鉄の公共負担についても、今直ちにというわけにいかぬけれども、近い将来に考えていきたいとか、あるいはまた固定資産税の問題その他も徐々に解決をしたいというようなことで、財政と見合いながら、この問題の解決に最大の努力をするというお話でございまするので、その点は大いに私どもも意を強うする次第でありまして、ぜひそうあっていただきたいと思います。  つきましては、お尋ねをいたしまするが、先般の選挙の際に出されました各党の公約というのの中に、公共投資の第一に、国鉄輸送力の増強というのがうたわれておるのでありますけれども、これはそういうことを意味するのでありましょうか。しかもこれは昨年の選挙の際の、いわゆる各党の公約でありまするから、ただ将来財政が許したらばやるという程度のものでは、およそ意味がないわけでありまして、もっと身近な、手近な問題だと思うの…でありますが、昨年の選挙の際の公共投資の第一に国鉄輸送力の増強ということをうたっておるのはどういう内容を意味しておるのか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 御承知の通り、所得倍増の構想によりますると、十年後におきましては、国鉄のにないますところの輸送力というものは相当に増大強化いたして参るのでございまして、こういう所得倍増に関連いたしまする国民的の国鉄に対する需要というものに対処いたしまして、国鉄といたしましても、輸送の増強整備ということに力を尽くさなければならぬという意味でございまして、その現われといたしまして、五カ年間に一兆億円、三十六年度におきまして借入金の支払いを入れまして、二千百五十億円というようなものによりまして、国鉄輸送力を逐年増強していく、こういうことが具体的にここに現われておるのでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それは、今回の新しい五カ年計画を立てて、所得倍増計画にマッチさせようということはもちろんよくわかっておりますが、私がお尋ねをいたしたいのは、そういう国鉄輸送力の増強を公共投資としてやるのかということ、もう少し注釈を加えるならば、先般の選挙の公約には公共投資という項目に、劈頭第一が、国鉄輸送力の増強、続きまして、漁港、空港の整備、通信施設の拡充、産業立地計画と後進地域開発の促進、水資源の総合開発、治山治水十カ年計画の推進と災害対策の強化、こういうのをあげておるわけであります。これらは第二項以下の、すなわち港湾、空港の整備、あるいは通信施設、産業立地計画による後進地域の開発とか、あるいは水資源の開発、治山治水、こういうのがいわゆる公共事業であることは、これは十分に承知をいたしておるわけですが、それと全く同じ比率で、あるいは全く同じ立場で、順序からいうとその第一番目に掲げてあるわけですが、これらの治山治水対策等と同じような考え方のもとに、公共投資としてこれを行なうのかということであります。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 お答えを申し上げます。御承知の通り、日本国有鉄道は公共企業体でございますので、道路、港湾、治山治水等の国の直営の仕事とは性格がおのずから違うのでございまして、公共投資で行ないますことは、治山治水、道路、港湾その他であることは申すまでもございませんで、公共企業体たる鉄道を公共投資でやるという意味でなく、御理解を願いたいと思うのでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 国鉄輸送力の増強というのは公共投資ではなしにやるのだというふうに理解をしてくれというお話でありますが、公共投資という項目の中に、まず第一が国鉄輸送力の増強、続きまして、さっき申し上げたような数項目列挙してあるわけであります。しかるにその他の問題は公共投資だけれども、国鉄輸送力は公共投資ではないと理解してくれというのは、まことに理解に苦しむのでございまして、これは要するに公共投資の項目の中に堂々と掲げてある項目でありますので、特にこの点をお尋ねをしたいと思います。鉄監局長でもけっこうでございます。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 これは広い意味において使った言葉であろうかと思います。そういう広い意味で申しますと、公共投資になるわけでございます。つまり生産の伸びと申しますか、産業の伸展につきましては、その基盤となる道路の整備であるとか、あるいは港湾であるとか、そういった基盤になるべきものを大いに強化しなければならぬ。そこで、公共投資の増大ということを大きな政策として取り上げたものと解釈しておりますが、その中にこの国有鉄道の輸送力の増強が入っておりますのは、広い意味でそう申したものと解釈しております。もちろん御承知のように、国有鉄道は公共企業体ではございますが、公共性のきわめて高いものでございまして、政府といたしましても、財政投融資等におきましては格段の援助をしておるものでございます。そういう意味におきまして、広い意味においての公共投資、こういうことであろうと解釈しております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私が鉄監局長にお尋ねしたのは無理かもしれません。要するに政党の公約でありますから、これを局長にお尋ねをしたのは無理だと思いまするけれども、決して今の局長の御答弁のようには、どう考えてみてもとれないので、私どもはこの点はもっと追及をしなければならぬと考えるのでありますが、まあ局長に御答弁を求めるのも無理だし、やむを得ませんから、この程度にいたしておきますが、私どもはこれはいやしくも政党として掲げる際に、こういう書き方をすると、公共投資というものにはおのずから慣用されておる使い方があるのですから、しかもそれは治山治水なりあるいは産業立地計画なり、これはいずれも国と地方公共団体が一緒になりまして、その主軸をなしてやっておる仕事なんです。だからこの中に国鉄輸送力の増強ということがうたわれる限りにおいては、たとえば新線の建設なりあるいは鉄道の線路の改善なりそういうもろもろの問題が、国あるいはその他の公共団体の負担によって行なわれるのが当然なんです。それが、どう考えてみても、この公共投資の中に、さっき申し上げましたような数々の項目と同列に考えておくというようなことは、まことにけしからぬことだといわざるを得ないのであります。まことにとんでもないことだと思う。残念ながら答弁する人がいないそうでありますが、ただこれは少なくとも、大臣なども閣僚の一員として決定された事項なんでありますから、こういう選挙の際のいわゆる御都合主義に属するようなことは厳に避けてもらわなければならぬと思う。  次にお尋ねいたしますのは、出資の問題でありますが、国有鉄道と称しながら、国家が鉄道に出資している額はあまりにも少ないということを、今日まで、前の記録等を見ましても、しばしば論議されておるのでありまして、特に日本国有鉄道法の五条の二項には、それができるということを明らかに規定をしておるわけであります。これに対して、それをやる御意図はないかどうか、これは今まで何回も国会に要求をされておる問題でありますから、ぜひとも承っておきたいと思うのです。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 お答えをいたす前に、ちょっとお断わりしておきますが、今の公共投資によって鉄道の輸送力を増強するということが書いてあるというお話なんですけれども、それはやはり何かの注意が足りなかったのだと思います。どうぞそうでなく御解釈を願う方がよろしかろうと思います。それから当時は国務大臣として、というお話がございましたが、私は十二月八日に運輸大臣になりましたので、選挙のあとだものですから、ついそういうことに対しては注意が足りなかったわけでございまして、その点は御了承を願いたいと思います。  ただいま御指摘のように、日本国有鉄道に対しまする政府の出資が八十九億円で少ないじゃないかというお話でございますが、これはまことにごもっともでございます。一方におきましては、国有鉄道には固定資産の再評価積立金が一兆億に余るものがあるのでございまして、こういうものを、見方によりましては、民間の会社などですと、資本金に繰り入れまして、資本を多くいたしますことは御存じの通り、いわゆる再評価積立金というものを資本の方に繰り入れるわけでございます。こういうものを繰り入れますと、相当資本金の金額は多くなって、形は大へんよくなるのでございますが、これを実際的に調べると、この固定資産の再評価積立金というものは、利用者の過去の運賃利払い等の集積でもあるように、理屈を、国会などで言う場合には、言うことができる問題なんでございます。これはなかなかむずかしい問題で、そういう御議論が出るのじゃないかと私は思うから、前に申し上げるのですが、なるほど、国家として財政融資を十分やるから、大いに指導監督をやるのだということも言えないではございません。また、出資金がいかにも少ないのはどうもおかしいではないかという御議論も成り立つと思います。今御提示された問題は、以後大いに検討していく問題だと思いますから、この点で一つ御了承を願いたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 その解釈上の問題その他のいろいろな理屈はあると思いますけれども、少なくともこの問題は国会においてしばしば論議をされまして、たとえば昭和三十一年の二月の国会あるいは次の昭和三十二年の国会、これは運賃値上げの際の国会であります。そういうときにも当時の運輸大臣の御答弁がきわめて明確に、たとえば三十一年の御答弁では、できれば今年度中にも是正する方向で進めたい、できれば今年度中にもやりたいというようなことを言われたり、その他いろいろ述べておられるわけであります。あるいは三十二年の国会における運輸大臣の御答弁でも、この点非常にはっきりいたしておりまして、ただここ一両年は待ってくれということを言っております。自由民主党も結成してまだ内閣を作って二年にしかならない、だからもう少し待ってくれというような答弁もしておられるのでありますが、もう自民党の内閣ができましてからずいぶん長くなったわけでありますから、ぜひやらねばならぬ問題ではないかと思う。理屈はともかくといたしましても、何回か政府はそういうように言明をしておる問題でありますから、至急これをやってもらいたいと思います。  次に私お尋ねいたしたいのは、この前の本会議の際にもお尋ねをした点でありますが、今回の運賃値上げを余儀なくされるような結果が、この前の第一期五年計画の事業施行の中に胚胎しておったのではないかということが痛感をされますので、特にその点を国鉄にいろいろお尋ねをしてみたいと思います。  この前質問をいたしました際、木暮運輸大臣からは、特に輸送の安全確保の問題を取り上げて、十分御安心を願いたいという御答弁があったわけでございますが、私がお尋ねをいたしましたのは、全体として六七%の資金を使っておるんだ、本来ならば四年目でありますから八〇%の予算を使って八〇%の仕事ができ上がるというのが当然なんでありますけれども、予算を使っておる額は八〇%だ、仕事の実績はそれよりもはるかに下回っておるということを申し上げたのに対しまして、すでに六七%の実績をおさめておる、あるいは特に大臣は保安上には心配がないので十分御安心を願いたいというようなことを御答弁になっておられるのであります。それではまずお尋ねをいたしますが、保安の問題についてはもはや完璧を期されたのであるかどうか、絶対完全だというところにまでいったのかどうかという点であります。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 この前の五年計画の三本柱のうちの一つは、戦中、戦後に老朽、荒廃した施設を取りかえて、輸送の安全をはかるというところにあったということは、再々申し上げておるところでございまするが、この老朽、荒廃施設の取りかえ、改良は、何と申しましても第一段にやらなければならないことでございますので、全力をあげてやってきたような次第でございまして、私どもといたしましては、ほぼ完全に近い状態にあると申し上げてよろしいのではないかと思っております。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 前に国会で御答弁申し上げましたことを御引用下さいましたので、一言簡単に申し上げますが、御承知の通り、第一次五カ年計画におきましては、輸送の近代化とか合理化という方はいささか進みませんでしたけれども、朽廃せる設備などの取りかえ、改良という方はかなり進んだので、保安上は御心配はないということを私は申し上げたわけでございます。今事務局から伺いますと、そのためか、運転事故が十五分の一に減少しているということでございまして、私が申し上げたことがうそでないということだけは確かなように思いますので、一言申し上げておきます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ただいま大臣の御答弁のように、取りかえ等は十分にできたということでありますが、それではこれはどういう意味でございますか。国鉄でお出しになった「現行五カ年計画の評価」——現行というのは前のものですが、「現行五カ年計画の評価」と題する冊子の中に、昨年の八月に出したものでありますが、その中に「「取替改良」について資金消化率が一〇〇%以上であるといっても、それはかならずしも予定以上の改良をしたことにはならないのである。」こういうふうに説明をいたしておるのでありますが、これはどういうわけでございますか。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 その意味は、取りかえ、改良に全力をあげてやってきたということは申し上げられますが、もうこれであと取りかえ、改良というようなことをしませんでも済む状態にあるかといえば、そういうわけではない。従いまして、新五カ年計画におきましても、取りかえ、改良というものには引き続き力を入れてやっていく計画になっております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ただいまのは、前にこういうふうに書いてあるわけですよ。「五カ年計画は、当初から実際には不可能に近いものを含んでいたのであるが、その結果として、資金は消化しても、実態は計画が予定しているようには改良されないことになると共に、」云々というので、私は、そもそもこの計画が当初から実際には不可能に近いものを含んでおったんだというようなことを今ごろになって言うのは、まことに言語道断だと思うのであります。これはその他それに類する問題があるので、逐次お尋ねをしたいと思いますけれども、その前にお願いをしておきます。前の五年計画が四年目までにきたわけでありますが、資金の投入は六七%ということになっておりますけれども、事業の実績はどの程度であるのか。この間の御説明もありましたが、一部すでに公表されている面もありまするけれども、全体についてではありませんので、これはぜひとも資料として御提示を願いたいと思います。それを特にお願いをいたしておきます。要するに私がお尋ねをしたいのは、この前の五年計画がうまくいかなくて、もう一ぺんやり直ししなければならぬというのは、当初の計画がずさんであったのか、あるいは途中でこれが遂行できない事情が起こってきたのかという点でありますが、その点はいかがでございますか、どちらでございますか。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 率直に申し上げますが、この前の五カ年計画のときには、国鉄が当初こうやれば理想的であるという案を考えました際の資金の総ワクでは、大体七千億程度のことを考えておったわけでございます。七千億程度の資金があれば、大体国鉄の庶幾するような五カ年計画を遂行できるというふうに考えまして、その資金手当としても、実は運賃の改定率にいたしましても、少なくとも一八%くらいの改定をお願いしたいということでスタートいたしておりましたものが、結論としては一三%の値上げということになりまして、七千億程度の規模で考えておりましたものとは、収入がスタートからだいぶ変わってきたわけでございます。当初考えられておりましたものがそういう意味において無理があったということが申せるかと思っておりますけれども、同時にまたその五カ年計画遂行の過程におきまして、収入が予定よりも少なかったときもございましたし、また人件費その他に、当初予想しておりませんでしたけれども、ベース改定その他のために相当経費が食われてしまいまして、差し引きスタートで考えておりましたときよりも千四十億円の自己資金が不足するということになりました。そのうち約四百億円は借入金の増加によってまかなったわけでございますけれども、差引七百億円の資金不足ということになりまして、それまでは幹線輸送力の増強とか幹線の電化とかディーゼル化等の近代化、輸送力の増強等の実行をおくらせてつじつまを合わせざるを得ないような状況に立ち至ったようなわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そうしますと、理由が二つあって、一つは、最初一八%の計画を立てたのが一三%に終わってしまった、そういうことで当初の計画がすでに無理だったということ。それから第二は、途中において予想しないいろいろな困難が出てきた。こういうことでございますか。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 その通りでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 重ねてお尋ねいたしますが、もしその通りだとすれば、なぜこの前の値上げの際にそういう点を明らかにされなかったのか。たとえば当時の速記録を見ますると、特にその点を念を押して、一八%の計画が一三%になって、それでやれるのかということをお尋ねしているのに対して総裁は、「一八%が一三%になったということは、収入自体が飛躍的にふえましたことと、今申し上げまするような安定した計画を進めることによって、内外に合理化、節約を要望いたしまして、その両方でまかなっていきたい。」こういう答弁をしている。要するに計画は一八%の値上げが一三%になってしまったけれども、収入自体が飛躍的にふえているんだから、それでカバーできる。あるいは安定した計画云々というのは、よくみなと協力してやるんだと、前の方にそういう答弁がある。そういうことが十分やれるんだということを言っており、あるいは石井常務理事は「国鉄は政府でお立てになった計画で五カ年計画を遂行し得る自信があるかという御質問でございますが、私どもは全力を尽しましてこの計画の実施に当たって、皆様の御期待に沿いたいと存じております。」これはつまり一八%が一三%になってもやれるのかという質問に対する答えであります。あるいはまた石井常務は、別な機会にも同じようなことを述べておられますが、こういうことで、たとい一八%の値上げが一三%に押えられても、計画は十分にやれるのだということを言っておるのでありますけれども、今ごろになりまして、あの当時最初に考えたものが、途中で政府に押えられたからできなくなったのだということを御答弁になったり、あるいはまた文書でそのことを堂々と書いておりますが、こういうことは私はまことに不見識だと思うのです。いかがでございますか。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 今その当時の記録をいろいろ引いてのお話でございましたが、まことに見通しが悪かったという点も確かにあると思います。たとえば今の収入のお話でございますが、三十二年に運賃値上げをさしていただきましたその翌年の三十三年度は、非常な不景気な年になってしまいまして、三十三年度において、すでに、計画に対して約七十億円の収入減が起こってくるというようなことでございまして、見通しが悪かったといえばもう一言もないわけでございます。また支出の方も、ベース・アップその他がしばしば、これも予想しておらなかったものが予想以上に出て参りまして、非常な支出増になったようなわけでございます。それで、私どもは、今度の新五カ年計画の実行につきましては、万一運賃の改定等が原案と変わるというようなことでもありました場合には、もう初めからこれだけのことができなくなりますということをはっきり申し上げようと思っておるようなわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そういうお話ならばこれ以上申し上げませんけれども、その後いろいろな印刷物が出ておるわけであります。それをいろいろ拾い上げてみますると、さっき申し上げたように、前の計画は、実際は当初から不可能なものに近いものを含んでおったのだと言ってみたり、あるいはまた、一八%の計画が一三%に押えられたからできないのだと言ってみたり、あるいはまた、当初計画はせっぱ詰まった必要最小限度のものだったのだと言ってみたり、今になってそういう冊子が次々に出ておるのであります。一々これを読み上げませんけれども、最近書かれたものの中にそういうことがしばしば出ておるのであります。私が今そういう過去のことを言ってもしょうがありませんけれども、あえてこれをここで問題にいたしますのは、五年たった後にまた同じような申しわけをするというようなことになってしまっては、それこそ一大事だというふうに考えるからでございます。そういう意味でこれは非常に大事だと思う。一体どこに責任を感じておられるのか。それならお尋ねをしたいんだが、今度作りました新しい五年計画は、いわゆるせっぱ詰まった必要最小限度の需要を満たすための計画なのか、あるいはそれとももう少し近代国家として、文明国家としてのある程度の要請にこたえられるだけの施設ができるのか、その辺もぜひ伺っておきたいと思う。たとえば今になりまして国鉄の御説明では、この前の計画はせっぱ詰まった必要最小限度なんだというふうに言っておりまするが、その当時の国会における説明、あるいは運輸大臣の提案理由の説明、あるいは公聴会における国鉄代表の説明など、いずれもそうい印象は毛頭与えておらない。いずれも輸送力の飛躍的な増大であるとかその他等々そういう言葉を使って説明しておるのであります。私は、過去を責めても仕方がないと思いますけれども、そういう説明をしてこの前の運賃値上げは通しておいて、今になってそういう弁明をするということではまことに困るので、同じことが繰り返されるのではないかという心配がありまするから、私はくどいようだがあえてお尋ねするのです。  それではお尋ねをいたしますが、今度作った計画は、でき上がったならばどういう程度になるのだ、どの程度に国鉄はよくなるのだということを端的にお尋ねをし、さらに、この前と同じような途中でのマイナスの条件が出てきても、それはりっぱに乗り切っていける自信を持っておるのかどうか、この二点をお尋ねいたします。

吾孫子豐日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 前回の五カ年計画が実行に移されました際には、それ以前の投資規模に比較いたしますとほぼ倍になったわけでありますので、その意味では飛躍的な増強であったということは申し上げられると思うのでございますけれども、それによりまして、結果から申しますと、先ほど来いろいろ御指摘のありました、またそれにお答え申し上げました理由によりまして、進捗率は必ずしも予定の通り参っておりません。けれども、中身を見ますと、やはり相当増強された部面もあり、改善された部面もあるということは申し上げられると思います。  そこで、今度の五カ年計画でございますが、これにつきましては前回のようなことを二度繰り返しませんように、細心の配慮をいたしたような次第でありまして、この新五カ年計画を実行することによって、それではどういうようなことになるかということでございますが、具体的な内容の概要を記載いたしましたパンフレット等でこまかい点はごらん願いたいと思うのでございますけれども、今後の新五カ年計画の基本的な考え方をまず申しますと、一つは幹線の増強ということでございます。国鉄の幹線は御承知のとおりの状況でありますので、現在では線路容量をほとんど利用し尽くしておりまして、もはや多くの列車増発もできないような状態にございます。そこで、現在及び将来の輸送力不足に対する抜本的な対策としまして、東海道本線を初めとする主要幹線の線路を早急に増強いたしまして、あわせて車両並びにその他の輸送施設を拡充整備することにいたしております。  それからその次には、輸送方式の近代化ということに力を入れておりまして、これはいわゆる質的なサービス向上に対する要望にこたえますために、複線化及び動力方式の近代化を基盤といたしまして、これから申し上げるような輸送方式の近代化をはかることにいたしております。  まず、旅客輸送につきましては、電車化、ディーゼル動車化を積極的に推進いたしますとともに、主要都市の間及び主要都市とリクリエーション地帯との間に高速列車を頻発いたしまして、便利かつ快適なサービスを提供する考えでございます。  それから貨物輸送につきましては、貨車を増備いたしまして、基本的輸送能力の充実をはかりますほか、コンテナー輸送方式とかパレット輸送方式とか自動車との一貫輸送体系の推進をはかりますとともに、貨物の取扱駅の集約、近代化、荷役設備の近代化ということをやりまして、輸送速度を画期的に向上するというようにいたしたいと思っております。  それから三番目に、特に通勤輸送の増強改善につきましては、東京、大阪を初めとする大都市周辺の通勤通学輸送が今後ともさらに著しい増勢を示すものと思われますので、車両の増備を初め施設の改良に努め、輸送需要の増大に対応いたしますとともに、混雑の緩和に努めたいと思っております。しかし特に東京周辺における国鉄の線路輸送力はすでに限界に達しておりまして、抜本的な対策を必要とする段階に至っておりまして、この問題は単に国鉄のみで解決できるということも申し上げかねますので、たとえば地下鉄との連絡運転をやるとか、いろいろな関係機関の総合的な施策がすみやかに確立されるように期待をいたしております。  それから四番目に、踏み切りの立体交差化を初め保安設備の強化をはかりまして、列車の高速化あるいは高頻度化に備えたい。  最後に、なお一そうの企業努力を重ねまして、増収をはかりますと同時に、徹底的に合理化を推進して経費の節減に努めたい、そういうふうに考えておる次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 もう少しお尋ねしたいと思います。実はお尋ねをしたい点がたくさんあるのでありますが、私もふなれで、少し時間を費やし過ぎてしまいましたので、あと十分かその辺で終わらせていただきます。  問題は、さっき私お尋ねをしたのは、今度の新しい五年計画をやった結果どうなるのだということと、途中でこの前と同じような障害が起こってもそれはやり抜くだけの自信があるのかということなのでありまして、第一の点は今までにいろいろお話がありましたけれども、ごくしろうとわかりのする言い方をして、たとえばこの前もそういう表現を使っておられますけれども、遠距離の場合にはみんなすわれるのだ、あるいは近距離の通勤輸送の際、には汽車の中でも新聞が読めるようになるのだということなどをしきりに言っておられた。今になってみますととんでもない話で、まるで夢のような話なんでありますが、そういうことが今度は一体どうなのか、ごくしろうとにもわかるような言い方でその点を一つ御説明願いたい。  それから第二の、この前、途中でこれを妨げた要因と申しまするのは、三十三年の景気の後退と、物価の値上がりと、もう一つベ−ス・アップ、この三つがこの前の原因として示されているわけです。同じようなことがこれから先もあり得ると思うのだけれども、そういうことには十分の用意を持っておるかということです。  もう一ぺん申しますが、第一は、遠距離は全部すわっていけるのか、近距離はラッシュ時においても、週刊雑誌でなしに新聞が読めるのだという御説明でありますが、その通りになるかどうかということです。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 第二次五カ年計画が完成いたしました暁に、私どもの方で推定しているような旅客輸送の伸びがあり、鉄道のシェアが今推定されている通りといたしますれば、大体現在考えておりますのは、長距離列車につきましては、現在御承知の通り、年末あるいは八月の盆の時期には非常に混乱いたしまして、たとえば機関車にまで人が乗るというような状況が、わずか数日ではございますが、繰り返されておりますけれども、こういう事態はなくなるということを申し上げられると思います。  それから通勤輸送につきましては、これは今、先生のおっしゃいましたような、新聞を広げて読むというのは無理でございます。これははっきり申し上げます。無理でございますが、私どもがよく外へ申し上げておりますのは、小さい週刊誌を読むという程度のことはできるということを申し上げるのでありまして、前回にも新聞はとても無理ですということは、百七十人の定員に対しまして現在二百七、八十%乗っておりますが、それが二〇〇%程度になるということでございますので、ラッシュのほんとうのピーク、最近問題になりましたような時間帯におきまして新聞を読むことはできない。せいぜい週刊誌程度というふうに私どもは説明いたしております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 きのうあたり今度の値上げについてもっとPRを盛んにやれというような御意見が出ておったようでありますが、国民が今度の値上げを納得しないのは決してPRの不足ではなく、国民が当局を信頼しないからだと思うのですよ。今のお話だと、それじゃこの前は週刊雑誌なら読めるけれども新聞は読めない、そういう説明をされたわけですか。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点は通勤列車の中で新聞が読めるということは申したことはございません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それならばまことに重大だと思うのだけれども、当時営業局長をしておられた磯崎さんが、こういうふうに「国有鉄道」三十二年一月号で述べているのです。「ラッシュアワーの通勤は全く足が床につかないほどひどい。五年後には電車の中で新聞が読める程度にまで持っていきたい。今週刊雑誌が売れるのは国鉄が混んでいるからだという説もあるくらいで、それを五年たったら週刊雑誌が売れなくなって新聞が売れるというところまで持っていきたい。」こういうふうに述べておられるんですよ。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 それは多分座談会の記録ではないかと存じます。数年前のことですからあまりはっきり記憶しておりませんが、たしか朝日新聞の扇谷正造氏との対談か座談会のときだったと記憶しておりますが、こういう国会の席上のような明確な理論的な問答のあったときではございませんで、ちょうど扇谷氏が週刊誌の編集長をしておりましてそれでその話が出たのであります。そのときは週刊誌が非常に売れ出したときでございまして、半分冗談まじりにそういう話が出たというふうに私は記憶いたしております。それから新聞につきましては、それじゃ二つ折りがどうか、四つ折りがどうか、いろいろな議論をしたことは覚えておりますが、その新聞というのは必ずしも新聞を両手で広げてという意味ではないというふうにその座談会等では話した記憶はございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ただいまのはいわゆる座談会でいわば冗談を交えながら話をしたのでそういうことを言ったのだというお話でありますから、それは座談会の席ならばその通りでもあるいはやむを得なかったと思いますが、国会などのような公の席で言ったのではないというお話でありますけれども、国会の記録にりっぱに載っておりますよ。今、日にちは忘れましたが、ちょっとお待ち下さい。これは参議院の運輸委員会において、りっぱにそのことを申しておられますよ。今拾い出して申し上げてよろしいんです。だから要するに私が言いたいのは、国鉄を信用しないのですよ。決してPR不足でも何でもない。PR通りいってないから国民は信用しないのだ。今お答えしていただいている間に私、探して申し上げます。

磯崎叡日本国有鉄道常務理事

○磯崎説明員 その点は、参議院の運輸委員会において何と申しましたか、実ははっきり覚えておりませんが、当時その新聞議論がずいぶん出たのであります。そうして先ほど申し上げましたように、新聞を広げて読むと一人当たり一平方メートルかかるという議論がありまして、一人当たり一平方メートルかかるのは無理で、せいぜい四分の一平方メートルだという話が出たのでありまして、その当時、普通の通勤電車の中で今の四ぺ−ジの新聞を広げて読むというようなことはできない、四つ折りにして読むのだという程度の話をした覚えはございます。また国会におきまして、新聞が読めるという意味の中にも、ニュアンスはいろいろあると思うのでありまして、その点、三十二年の参議院の運輸委員会における説明は、あるいは言葉の不足があったかとも思いますが、その当時私自身といたしまして、外に対する説明の中で、一人当たり一平方メートル以上の面積がとれるという説明をした覚えは全くございません。もし当時の記録が残っているといたしますれば私の言葉不足だったというふうに考えます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 これは三十二年三月二十日の参議院運輸委員会の記録でありますが、木島委員の質問は、そういうことで、たとえば遠距離はすわれるが、近距離の通勤では毎朝くたびれたり痛い目にあったりすることがなくなるということかと言いましたら、それに対するお答えはきわめて簡単明瞭なのでありまして、遠距離旅行については仰せの通りであります。つまりすわれる、それから通勤電車につきましては、非常に卑近な例をたとえて申しますれば、電車の中で新聞を読める程度には緩和すると思います、こういうふうに御答弁をしておられる。だから、さっきのお話は、座談会だから冗談半分に言ったんだというようなことでありますから、それならそれでもけっこうだと思いますが、いやしくも参議院でこういうふうに明確に御答弁をしておられる。私はあえて前のことばかり申し上げておりますので繰り返しませんけれども、こういう点について国民が信頼をしないのではないか。今となってみて、もとの計画はそもそも無理だったんだ、不可能に近いものを初めから持っていたんだというようなことをを堂々と言ってみたり、あるいはこういうことをPRしながら、今日の混雑の状況を見て、だれがそれを信用できますか。私はお尋ねしたいことがたくさんあるのでありますが、時間がありませんから省略をいたします。  ただ最後に一つだけお尋ねをしたいのは、この間もお尋ねをしたのですが、一体現在の国民大衆の生活をどういうふうに見ておられるのか。まだまだ余力があるからこの程度の運賃値上げをしても差しつかえないというふうに見ておられるからこういうふうになったのだろうと思いますが、統計上の資料などはいろいろあると思いますけれども、そういうものを抜きにして、たとえばこの間地下鉄線が延長されたわけですが、ああいうのを見ても、せっかく地下鉄線ができても相変わらず混雑した国電に乗るというようなのは、国電の方が幾らか安いから乗るのです。命がけで国電に乗らなければならぬというのは、わずかな十円か二十円の相違だろうと思いますが、その十円か二十円の負担にたえられないで大半の国民が国電に乗っておるのです。そういう現実、あるいはこの前本会議でお尋ねをいたしましたように、定期を六カ月分買う人が非常に減ってしまって、ほとんど大半、八五%だったと思いますが、これが一カ月の定期を買っておるという現実とか、こういう点を見るならば、私は、今の庶民が実に生活に困っておるということだけは明瞭にわかると思う。これは統計などよりははるかに雄弁にそれを説明していると思うのです。いろいろ物価の値上がりに比べて国鉄の運賃は安いのだということを常に言っておりますが、そこに引き合いに出されておりますのは、たとえば卸売物価、小売物価、あるいは電話の度数料金、電報の基本料金、郵便料、たばこのバット、光、汽船、それらと国鉄を比較しておるのでありますが、この国鉄以外のどれをとってみても、一個は一個の値打を持っておるわけです。たばこの一個は一個の値打、あるいは電報一本は電報一本として少しも変わりはない。ところが国鉄の場合は、特に旅客の場合は幾らでも詰め込めるのですから、ああいう状況に置いておいて、単に物価の指数だけ比較するということは、ほとんどナンセンスだと思う。従って、国鉄の場合も貨物はかなり高い水準にまで上がっております。これは、これ以上無理に詰め込むというようなことができないから当然だろうと思うのであります。旅客の場合にはああいう状態にしておいて、単に他の物価と指数で比較するというようなことはまことに意味がないと思うし、あるいは、たとえば羅列をしております中では、汽船の運賃と非常な開きだということが表の中に現われておりますけれども、汽船の運賃が一番高いということになっておりますが、これは最も大きな戦災を受けた交通機関でありまして、やむを得ないと思う。そういうのに比べて、国鉄が安いといっても、そういうことは大した根拠にならないと思う。私は、今の国民大衆の生活が非常に困っておる、少なくとも、統計などを別にして現実面で困っているという実態をどのように考えておられるかということをお尋ねをして、私の質問を終わりにいたしたいと思います。

木暮武太夫自由民主党運輸大臣

○木暮国務大臣 ただいまるるお述べになりましたことに対しまして、別に反対する意見を述べるというような意味はございませんけれども、これも見方でございまして、最近における日本の国民所得、国民生活の水準というものは、国民皆様の御努力と、その間における政府の施策がよろしきを得たことと相待って漸次上がっているように私どもは考えております。それは、テレビとかあるいはラジオとかの普及率を見ましても、戦争に負けた日本としては、よくもここまできたものであるというふうに日本人が思うばかりではなく、外国人も刮目してその成果に大いに驚いているというのが公平な見方じゃないかというふうに私は考えるのでございまして、今回の国鉄運賃の改定は、今の国民の生活の状態から見てたえ得ないものではないというふうに考えまして、御審議を願う案を出した次第でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 お願いだけ申し上げておきます。さっき申し上げたこの前の実績と、それから今度の新しい計画全体についての資金計画ですね、これが三十六年度だけしか出ておらないので、これをぜひお示しを願いたいと思います。それだけお願いして、あとはまた別の機会にお尋ねしたいと思います。

三池信自由民主党

○三池委員長 肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 私は、御質問を申し上げる前に、質問の中の特定の個所だけ、先ほど委員長がおっしゃられたように朝から建設省の委員が見、にておられるので、その点についての質問をいたします。従ってこれは、運輸省あるいは国鉄で考えておるところの日本の交通輸送に対する基本的な政策の一環として聞きたいのであります。ですから、ただ抽象的に、交通政策として、あれもこうしたい、これもああしたいというふうなことではなしに、具体的に日本の交通政策というものを再検討する時期がきているのではないか。それでないと、国鉄がいうところの輸送の隘路ができたとか、あるいは五カ年後のいわゆる経済成長に沿ったところの輸送対策が持てないとか、あるいは所得倍増という、この問題を前にしたところの、これに付随するところの輸送政策を立てるとか、こういうことでは、先ほどの委員が質問しておりましたように、この計画が阻害されて思う通りに進捗しない、こういうことが必ず起こると私は信じております。そこでそういうことを前提にして、お見えになっておるので建設省の方にお聞きをいたしたいと思います。  まず、運輸省で、このたび予想されておるところの道路と鉄道との交差に対する対策として、まだ法案が示されておりません。私はこれは必ず示されるものだろうということを考えておりましたが、先般新聞をちょっと見ましたら、建設大臣と運輸大臣との間の話の中では、何かこの話がもうおじゃんになったような、そういうことが書いてありました。ところが、その後また何か話し合いができたようだということも聞きました。従ってこの国鉄の輸送計画というものは、建設省の協力を除外してはこれは不可能な問題なんだ。ですから建設省としてどういうふうな考え方を持っておられるのかということを一つ聞いておきたいわけです。  それは、立体交差、この問題について、相当金がかかるから、建設省の方との分担になることもこれは当然であります。そういう面で建設省はこれに対して協力できるのかできないのかという問題が一つあります。  それから国鉄の踏み切りと称するものは、先般も説明をいただいたように、約四万三千カ所ほどあります。そのうちでいわゆる有番踏み切り、それから警報機、こういうものを含めてやっと五千何がししかついておらない。ですからこれらに対して一もし立体交差というのが実際早急にできないのなら、この立体交差という問題をさておいても、当面の交通を確保する、踏み切り事故を除去する方策として、たとえば全部に警報機をつけさすとか、あるいは自動遮断機をつけさす、こういう当面の対策が必ず必要だと思う。本日も朝のうちに、五カ年後に約二百億ほどの金をとってきて、そしてそのうちの五十億の金を踏み切りに使って、あと百五十億ほどを立体交差の方に回すんだという説明がありましたが、五カ年後にこういうことをやっておったのでは、これはちょっと間に合わないと思うのです。御承知のように、ことしになってももうすでに何回となしにダンプカーと列車が衝突をしておる。高い犠牲を払っておる。人が死ぬる、それから列車がつぶれる、こういうことを繰り返しておる。五カ年間これを繰り返しておったのでは大へんだと思うのです。ですからそういうことについて私はどうしても緊急対策というものが必要だと思います。運輸省、国鉄あたりには明日お伺いいたしたいと思いますから、一つ建設省の方の御意見を聞かしてもらいたいと思います。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 最近におきます踏み切り事故、あるいは輸送の激化に伴いまして、立体交差化あるいは踏み切り施設の改善によりまして交通の円滑をはかるということは、建設省におきましてもかねてから考えておりまして、できるだけの努力をして参ったところでございます。この問題につきましては、道路側といたしまして予算措置をできるだけいたしまして、立体交差を促進するという面と、かねてから運輸省側から立体交差ないしは踏切道の改善につきまして立法化をしたいという御要望がありますので、両面あわせて努力していりたわけであります。  そのうち第一点の立体交差化につきましては、従来とも運輸省あるいは国鉄ないしは民間鉄道の方々と具体的問題につきまして協議をしながらその促進に努めて参りました。今回道路五カ年計画を新たに策定いたしまして、昭和三十六年度から新規に相当大幅な道路投資をいたしたいと思っておりますが、その中におきましても、特に立体交差化、踏切道の改善ということにつきましては、重点を置きまして、できる限りの予算措置をいたしたいと思っております。  第二点の、踏切道に関する法案につきましては、実は運輸省の御見解と、特に保安施設の費用の分担につきまして多少意見の食い違いがございましたが、最近両省側で話し合いを進めまして、了解点に達しましたので、できるだけ近い機会に成案を得まして法案を国会に提案いたしたいと思って目下努力中でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 重ねてお伺いをします。道路五カ年計画というものの重点はもちろんわかりますが、しかし立体交差というこの関係は、国有鉄道というものが、新線ができ、さらにこれから道路が建設されるというこの姿の中で、道路と鉄道がおびただしく交差をするという中で、道路の改良を含めて重点をどちらに置かれるのですか。もちろんそれは道路の五カ年計画の中に、まず主要幹線道路を作るということに重点が置かれるのは、これはわかりますが、しかし先ほど言ったように、その関係だけでは、日本の道路というものは交通の見地から完備するわけですから、この関係を無視しては私はできないと思っているのですが……。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 道路の改良につきましては、御承知のように、現在の道路が、たとえば幅員が狭いから広げるとか、あるいは道路のないところに道路を作るとかありますが、その中にも、特に現在踏み切りがありまして、交通が輻湊して非常に危険な場所は、その踏み切りを除却するために別に立体交差を作るという種目があります。そのうち、従来とも立体交差を進めておりましたが、最近の交通情勢にかんがみまして、特に立体交差化という面に重点を置いた予算措置をしたいと思っておるわけであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 重ねてもう少し聞いておきたいのですが、これからの道路の新線ですね、これはもう全部立体交差にやられますか。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 できれば道路と鉄道の交差は立体交差が望ましいのでございますが、交通量にも関係いたしますので、道路の交通量なりあるいは鉄道の交通量という面からできるだけ努力をしたいという考えで、地方におきまして交通回数の少ないという場所におきましては、まだ踏み切りで残しておくという場所もあることはございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 鉄道、これは先にできているのですね。道路はあとからできるのですね。そして道路に対する通行量が多いか少ないかということは、これは当面の問題であっても固定した問題ではないですね。これは将来必ず通行量が多くなる、多くなるから道路を作るという関係は、私はもうあたりまえのことだと思っている。そうすると、まず私たちが希望するのは、新線というものはもう必ず立体交差にしてもらわなければならない。それを立体交差をしないで、話が何かうまくいきそうだというような印象を受けましたけれども、運輸省と建設省と立体交差の話がうまくいく道理はないと思うのです。どうなんでしょう。将来のことはさておいて当面輸送量が少ないというようなところについては、これはやはり踏み切りでいくのだという思想でもって立体交差というものが解決しますか。私はこれはできないと思っている。この点を、私は根本的にどういうふうに考えておられるのかお聞きしたいのです。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 新しい道路作りと申しますか、現在の道路がございまして、その道路を改良することが相当多いのでございまして、全然道路のないところに道路を作ると申しましても、それは、すでにどこかに道路がございまして、その道路が交通上から非常によろしくないから、それを改良するという意味においてでありまして、私がさっき申し上げましたことは、その道路を改良するにあたりましては、従来は踏み切りであったものを立体交差にしてやっていくという方向で、個々の場所につきまして運輸省と相談をしまして進めておるわけであります。しかしこれから作る道路については全部立体交差にできるかと申しますと、場所によっては必ずしもそうできない場所があるということを申し上げたのであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 場所によってはという範囲の解釈でよろしいですか。私がくどくお尋ねするのは、私らはどうしても鉄道と道路との交差という問題は解決しなければならぬと思っているのです。ですから、この解決しなければならぬ問題を論議しておるのに、これから新しくできる道路さえも立体交差にならないというようなことでは、これはあとで問題が解決しないと思う。金を出しそうなはずはない、そうでしょう。ですから、その点を私は基本的な考え方として一つはっきりしていただきたいと思います。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 現在道路を立体交差化いたしますにつきましては、一定の基準でもって、優先度の高いものから実施していくよりほかはないと思っております。ですから、先生のおっしゃいます新線を作るという場合におきましても、現在その新線に該当する道路がすでにございまして、その道路を改良するという意味だと思いますので、そういう場合におきましては、やはりその基準によりまして、たとえば今とっておりますのは、自動車の台数と交通の遮断の時間の多いものから交通量が多いということにいたしまして、順次改善をしていくという方法をとっておりますので、そういう意味においてはできるだけ立体交差をしていくという方針で進んでおるのであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 私たちは、どうしてもこの問題は解決しなければならぬと思っております。ですから、その点では運輸省を十分鞭撻をして解決してもらいたいと思いますから、建設省の方でもこれに対してはぜひ一つ協力をしていただきたいと思います。強くお願いをしておきます。  それからこの点の解釈も一つお伺いしておきたいのですが、鉄道は専用線ですね。これは民間であっても、その通りです。この鉄道の専用線を、今おっしゃったように踏み切りが特別の事情で横断する場合がありますね。しかもこれは立体交差ではない、こういう際の踏み切りの交通の安全を保持する責任というものは、これは表向きでは運輸省、それから建設省の関係があるのですが、この点については、建設省あたりでもしそういう際に、新線道路を作るというなら、義務的にというよりも、道義的な踏み切り保安の処置、警報機をつけるとか、こういう処置を講じてしかるべきだと思うのですが、その点の解釈は、まだそんなことは鉄道がやることだというふうにお考えですか。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 ただいまのお話は、鉄道の方で平面交差による踏み切りを作るという場合でございましょうか、あるいは引込線のように道路のあとへついていくという場合でございましょうか。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 鉄道は先に引いてあるのです。道路は必ずあとからつくのですよ。ですから、あとから道路を作った方が踏み切り保安装置をつける義務があるのですが、今まで出ししぶっておる金も思い切って出したらどうですか。わかりやすくいえば、こういうことを聞いているのです。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 そういう場合の費用の負担につきましては、鉄道側と道路側と協議をして実施しておりますが、警報機につきましては、従来は道路の改良事業といたしまして警報機をつけるに必要な場合には道路側でも負担をしておるわけでございます。そういうことで、道路を改良する場合には、道路側で警報機の費用を一部負担しております。しかし維持管理につきましては、鉄道側でやっておるわけであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 この点についても、将来の道路と鉄道の交差の問題については、保安装置として必ずこれはいいものにしたいと私たちは考えております。ですから、今直ちに御返事をいただくことは無理だと思いますので、お考え方だけを聞こうと思いましたが、これもはっきり御返事がいただけないようです。しかし考え方としては、今言われたように当然の義務と、それから出すべき金は出さなければならぬ、こういうお考え方があるようですから、ぜひ一つこれも強力に御協力をいただきたいと思います。  それからもう一つ、これはぜひこういう機会ですのでお伺いをしておきたいと思います。というのは、これは運輸省としては直接輸送上の問題に関係がありますので、との時間を四、五分拝借しまして、一つ資料を読み上げてみますが、私が居住しておる地域で、ダンプカーが、線路名は申し上げませんけれども、一日に三千回、五千回というのが六線路あります。大へんな往復数です。それからその他二千五百、千五百、こういうふうに縦横無尽にダンプカーが通っております。これは御承知のように大阪府の堺港の埋め立ての土砂運搬をやっているのが大部分、それから和歌山の紀ノ川からバラスを運び上げて、それを大阪市内に持ってきているのが大部分、こういう関係にあります。そうしてそれによってバスの路線が非常に長期にわたって迂回運行している、あるいは休止運行している、あるいは徒歩連絡している、こういう個所があります。それから極端な例をいいますと、道路を休止して、そうして簡易舗装というか、これをやる。ところが三日と持たない。二、三日走るともうその道路がだめになってしまう、こういうことを繰り返しております。それからそういうことが重なってくると、しまいにはまるでおとながかかえられないような大きな石をでこぼこの穴にほうり込む。まるで昔戦争中にあったような戦車壕、戦車を通さないためにでこぼこ道を作ったようなそういう格好になっていて、どうしてもバスが通れない。こういうことでバスの運行路線が休止したという資料が出ております。これは主として南海バスの関係ですが、これを簡単に読み上げてみますと、田園線というのがあります。これは三十五年の一月から三月の三十一日までの間に七十四日間迂回運転をしたり休止したりしております。それから同じくその次には、これが修理した直後二十八日間迂回運転、休止をしております。こういうふうに八十五日間、七十四日間、四十七日間、川中線、片蔵線——片蔵線の中では部分的にあちらこちら、こういうふうにバスの路線が寸断されております。この関係について、運輸省あたりでは、通常運行している路線が休止しても知らぬ顔をしているような状態にあるというのは、無責任にほうっているからではないか。本来ならば休止路線というものは一々認可してやらしておるべきものが、道路の関係でやむなく通れなくなる、そういう事情を承知の上で黙っている関係はわかります。ところがこの関係を黙っているだけでは無責任だと思います。ですから、この関係は、また運輸省の方面はあとでお聞きするとしまして、建設省としてこういうふうに特に埋立地を造成するためにダンプカーが動く。ダンプカーが動くから道路が荒れる。道路が荒れるから、ほかの交通機関の通行が非常に困難になってくる。ダンプカーが荒らしほうだいに荒らしておいて、ほかの痛んでいない道路を通って運んで運行する、こういう点について建設省としてどの程度の責任を持って道路に対する交通の安全を維持していかれるか、お伺いしておきたいと思います。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 道路は道路管理者が単に築道するだけでなしに、できた道路を交通が円滑にできるように維持管理する義務がございます。でございますから、ただいまお話のように、その道路が破損あるいは故障しまして、バスが通行できないとか、あるいは一般の通行に支障を与えておる場合には、これを直ちに補修いたしまして、通行に支障を来たさないように努力しているわけであります。たとえば災害などがありますと、直ちに修理を行なっております。ただいまのお言葉のようなことがありましたら、さっそく道路管理者をして十分調査の上、補修その他の適切な措置をとるようにしたいと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 重ねてこの点は特にお願いしておきたいと思いますが、一カ月も休止をして通行どめにして補修した道路が、三日ほどでつぶれてしまうというようなことは、常識的には考えられない。ですからこの点に対する査察というものは一つ厳重にやってもらいたいと思います。  それから、先ほど言いましたように、七十日も八十日もの長い間、非常に遠い路線を迂回するということは、その間は通常のコースは通っていないということになるわけです。ですから、これは、路線はあるけれども、車はそこには来ない、ずっとよその方を回って、そうしていわゆる終点と出発点と、この間だけを何とかして動いているというだけです。ですから、事情調査ということもありますけれども、それぞれにもう十分そういう関係の事情というものは入手されておると思います。要は、中央から、本省から、すみやかにこういうことが解決するような方策を講じてもらうことが必要だと思うのです。運輸省関係は、これも重ねて言いますけれども、またあとで、私は特にこの点の、交通を保持するための要望はいたしたいと思いますけれども、きめ手というようなぴしゃっとこうやって、いつやらせますというようなことは別にして、何かはっきりしたような指示方法というものがございますか。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 実は今のその場所につきましては初めて伺いましたので、すぐ大阪に電話いたしまして、道路管理者はだれであるか、市道である場合も府道である場合もございますから調べた上でさっそく必要な措置をとります。ただ工法がございまして、簡単に直る程度の破損状況か、あるいは相当な工事を要するかわかりませんので、これはさっそく電話して調べさせます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 ダンプカーの被害は、実はもう十分御承知だと思います。三十四年くらいから、もう地元では、それがために家がつぶれたり、おばあさんが、どうかダンプカーはここを通らぬでよそを通ってくれといって道のまん中にすわってダンプカーを拝んだというような事件もありました。学童が至るところでひき殺されるという事件もありました。ようやくその問題は学校の自治対策で少なくなりましたけれども、多くの場合に、ああして大工事が行なわれる場合には、面では、そういう国民がみんなの目につかないところで非常にたくさん犠牲になっております。ですからそういう点は、特に建設省としても、港湾を作ったり、あるいは埋立地を作ったり、新しく土地を造成するととも大切ですけれども、その前に道路を作るということが一番大切だと思います。その道路を作るということがなおざりにされて一足飛びに埋立地を作る、土砂を運ぶ、どういうふうに何もかも肝心のしなければならぬことを手抜かりにして、目的を急ごうとするととろに、いろいろと日本の計画の阻害が起きてくるだろうと思います。くれぐれもその点については万全の処置を講じていただくようにお願いいたしたいと思います。  長い間時間を待っていただきましたので、私はこれだけにいたします。

三池信自由民主党

○三池委員長 次会は明十七日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十四分散会

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