運輸委員会 第4号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/02/14
会議録
○三池委員長 これより会議を開きます。 港湾整備緊急措置法案を議題とし、審査を行ないます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私は、ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法案につきまして、その理由並びに具体的な内容についての概略的な説明を聴取いたしたいのでありますが、まだこの法案に対しての具体的な内容も承っておりませんし、また党においてもこれに対する具体的な検討を進めてはいないのであります。そこで本日は、この港湾整備緊急措置法が実施せられるにあたりまして、先般聞きました提案理由だけではなく、この緊急措置法に基づいて整備しようとされる具体的な対象港湾及びその対象港湾に対する予算割当の内容等、具体的に御説明を願いたい、かように思います。
○中道政府委員 港湾整備に関しまして、今回新たに設ける予定をいたしております新港湾整備五カ年計画の概要並びに昭和三十六年度の港湾関係予算につきまして御説明申し上げたいと思います。 新港湾整備五カ年計画は、所得倍増計画、これは昭和三十六年度から四十五年を計画年度といたしておりますが、この所得倍増計画の一環といたしまして実施するものでございまして、昭和三十六年度を初年度といたしまして昭和四十年度を最終年度といたしております。 本五カ年計画を緊急かつ計画的に遂行するための措置といたしまして、この前提案をいたしました港湾整備緊急措置法、仮称でございますが、これを制定するとともに、事業の円滑な推進と経理の明確化をはかりますために、従来の特定港湾施設工事特別会計を拡大いたしまして港湾改修事業全体を包含する港湾整備特別会計を設置することといたしております。 五カ年計画の事業の規模といたしましては、五カ年間に二千五百億円を予定いたしておりまして、これによりまして外国貿易港湾の整備、産業基盤強化のための港湾の整備、及び所得格差を是正して地方産業を開発するための地方港湾の整備等を計画的に実施しようとするものでございます。 外国貿易港湾の整備につきましては、横浜、神戸港等の特定重要港湾等におきまする主要な外国貿易港湾施設の整備を実施いたしまして、港湾諸経費の節約をはかるとともに、輸出振興を促進するものでございます。 また、関門海峡の国際航路としての整備につきましても、これを実施することといたしております。 産業基盤強化のための港湾の整備といたしましては、製鉄原料確保のための港湾の整備、原油輸入のための港湾の整備、一般工業原材料輸送のための港湾施設の整備、及び工業適地造成の基盤となる工業港の防波堤とか航路等の整備に重点を置きまして実施するほかに、企業合理化促進法に基づきまする港湾施設の改良を行ない、産業の開発及び輸送の合理化をはかることといたしております。 また、地方におきまする港湾の整備といたしましては、北海道、東北、九州、四国開発等の拠点となりまする港湾の整備、離島、内海島嶼におきまする連絡港湾等に重点を置きますとともに、漁獲物の輸送のための港湾及び避難港、航路の整備を行なうことにいたしております。 なお、各港湾計画の細部につきましては、今後さらに十分検討の上に早急に計画を策定いたしまして実施いたしたいと考えております。 次に昭和三十六年度の港湾関係の予算案についてでございますが、昭和三十六年度の一般会計歳出予算案の中で、港湾関係予算は約二百六十六億円でございます。これを前年度の当初予算に比較いたしますと約六十一億円の増額となっております。 港湾改修事業につきましては、港湾整備特別会計の港湾整備勘定、または特定港湾施設工事勘定で経理することとなるわけでございますが、港湾整備勘定は、一般会計からの繰入金といたしまして約百五十七億円と港湾管理者の負担金等を合わせまして、総額約二百二十億円の会計規模となります。これによりまして、外国貿易、工業原材料の輸送に重点を置きますとともに、離島の開発、沿岸輸送力の強化と、北海道、東北、九州、四国等の地方開発計画に対応いたしまする港湾の整備を促進することにいたしております。また特定港湾施設工事勘定は、一般会計からの繰入金約三十一億円と港湾管理者及び受益者の負担金等を合わせまして、総額約八十三億円の会計規模となります。これによりまして、鉄鋼、石油、石炭等、基礎産業及びエネルギー一資源確保のための港湾整備等を重点的に実施する考えでございます。 また港湾及び海岸の防災事業につきましては、事業費約百五十三億円、うち国費約九十八億円をもちまして、これを実施いたしたい考えでおります。 次に港湾の海岸防災事業につきましてでございますが、港湾海岸防災事業の重要性につきましては、国土の開発、産業の発展、都市の繁栄が、今後臨海地、特に港湾地区に指向されます関係上、一段と重要性が強調されるわけでございます。当初といたしましては、港湾海岸防災事業計画を検討いたしまして、なるべくすみやかに長期の全体計画を策定いたしたいと考えておるわけでございますが、昭和三十六年度におきまする港湾海岸防災事業費としては、約百五十三億円、国費といたしまして九十七億九千万円を計上することといたしております。これによりまして、東京、大阪、尼崎等の特定地域につきましては、伊勢湾台風の被害にかんがみまして、地盤沈下等により低下いたしました機能の回復をはかりますとともに、異常高潮による災害を防止するための高潮対策事業の促進をはかる予定でございます。そのほか、一般海岸につきましては、台風常襲地帯、海岸侵食激甚地帯等から重点的に取り上げていく所存であります。また地下水の大量くみ上げによりまして近年著しく地盤の沈下を来たしております新潟地区につきましては、昭和三十三年度から応急対策事業といたしまして実施してきたのでございますが、昭和三十六年度からは恒久対策事業といたしまして強力に事業を促進いたしたいと考えておる次第でございます。次に昨年の五月のチリ地震津波災害によりまして著しい被害を受けました地域におきます津波対策事業につきましては、過般全体計画をおおむね策定いたしておりまして、昭和三十五年度に引き続きまして、昭和三十六年度におきましてさらに事業の促進をはかる予定でございます。伊勢湾高潮対策事業につきましては、昭和三十八年の台風季完成を目途といたしまして、昭和三十四年度から工事を実施しておりますが、昭和三十六年度におきましても所期の方針通り工事を進める所存でございます。港湾災害復旧事業につきましては、昭和三十六年度以降残事業のうち六〇%余を昭和三十六年度におきまして復旧いたしますことができる見込みでございます。なお港湾災害関連事業につきましても、災害復旧事業とあわせまして、その促進をはかる予定でございます。 以上、新港湾整備五カ年計画と昭和三十六年度の港湾関係予算につきまして御説明を申し上げた次第でございます。
○山口(丈)委員 ただいま概略的な御説明を承ったのですが、さらにこれは速記録によって具体的に調べたいと思うのです。 私は思うのですが、従来から政府においては何々五カ年計画、何々三カ年計画というふうに、五カ年、三カ年といろいろ年限を区切って計画を立てて実施されておるのでありますけれども、実際にその内容を見てみると、前にもそういう計画を立てられたのでありますけれども、具体的な計画実施による成果についてはあまり当委員会においてもその報告を承ったことがございません。従って、せっかくわれわれが予算を審議し、国庫の経費を支出することを承認しておきながら、いわばそういう予算によってどれだけの仕事が具体的にどの地区にできたかという報告のないことは、私ども非常に遺憾に思いますし、そういうことであってはならない、かように考えるわけであります。 そこで、前にも港湾整備に関しましては五カ年計画等の計画が立てられて、それに基づいて具体的な工事を実施せられたと思うのでありますけれども、今まで立てられました計画に基づいて整備せられたその港湾の状況はどういうことになっておりますか。また、その計画に基づいて実施せられて参りましたものが、なお完成せずに継続して行なわれておるといたしますと、その行なわれておる個所はどういうところにあるのか、これを一つ具体的に当委員会に報告を願いたいと思います。
○中道政府委員 運輸省といたしましては、昭和三十三年度に五カ年計画を策定いたしまして、お話がございましたように、その線に沿うて港湾の整備を推進して参ったわけでございまして、これが現在までの進捗率は、港湾の整備事業といたしましては大体六一%になっております。ところで今回新たに所得倍増計画が策定されることになりましたので、その倍増計画の線に沿いまして、ただいま御説明申し上げましたように、新しい港湾整備の五カ年計画を樹立いたしたわけであります。今日までの、従来の五カ年計画の進捗率は、ただいま申し上げましたように三十三年から三十七年までの計画でございますが、その中で三十三年から三十六年度までに完成いたしました進捗率は、先ほど六〇%と申しましたが、約六一%になっておるわけでございます。
○山口(丈)委員 ただいま承りますと、三十三年度に五カ年計画を立てて、その五カ年計画による工事の進捗率は六一%、今度は所得の伸長に伴う整備として、新たに五カ年計画を立てた、こういうことでありますが、なるほど経済の変動に基づいて、その計画を修正もしくは変更して、これをさらに経済状態に合うよう促進するのは当然のことだと思うのであります。しかし私ども何カ年計画という計画は承るのでありますけれども、今申しましたように、その計画が実行に移されて、この何カ年計画に基づく成果が実際に目に見えて私どもの目の前に現われておるということが、遺憾ながらどうも私どもにはわかりません。六一%の計画が進捗していると言われるのでありますが、それではその計画に基づいて完成しておる地区というのは一体どういう地区のどういうところにあるのか、一つお示しを願いたい。
○中道政府委員 従来の五カ年計画によりまする進捗率でございますが、ただいま港湾事業の総体的に申し上げましたが、その中で一般港湾といたしましては、その進捗率は約五九%でございます。それから特定港湾といたしまして、横浜、神戸、大阪等の輸出港湾につきましては約七〇%の進捗率でございます。その他起債事業の関係におきましては大体六〇%の進捗率を示しておるわけでございます。 なお今回の新しい五カ年計画におきましては、さらに整備を確実に遂行いたしますために、今回港湾整備緊急措置法を制定することを提案いたしました次第でございまして、それによりまして事業の量とその目標を明確にいたしまして、これを港湾審議会の議を経て閣議決定をいたしまして、より一そう計画的な遂行を確保したい。さらにその実施にあたりまして、その経理を明確にいたしまして事業の円滑な推進をはかりますために、従来の特定港湾施設工事特別会計を拡大いたしまして、港湾改修事業全体を包含いたしまする港湾整備特別会計を設置いたしまして、御指摘がございましたような点につきまして、計画のそごあるいは立ちおくれを来たさないように、経済の伸展に見合いましてそれに即応して港湾が整備されますように、今回の法案を提出する次第でございます。
○山口(丈)委員 私のお尋ねしておるのは、道路にいたしましても五カ年計画とか何カ年計画ということをいろいろ聞かされるわけでありますけれども、その計画に基づいてこれまではこれだけの工事を五カ年計画の一環として進めてきた、ところが今度これから先は新しい五カ年計画に基づいてやるのだ、何か私どもに説明される場合には、そういうように常に何カ年計画ということを示して新しい提案をしておられるわけでありますけれども、実際にあたっては今申し上げるように、その計画に基づいて、たとえば神戸港においてあるいは大阪港において、どれだけのものが完成し、あるいは進捗してきておるのか。また新しい計画に基づいて、どの港がどういう予算で着工されておるのかということについて説明を求められた場合に、これは与野党ともにそう感ずると思うのでありますけれども、実際に議員が尋ねられてもそれに答えられるいわゆる区切りがないわけです。でありますからわれわれとしては、国民の問いに答える場合にやはり明確に、こういう政府の計画に基づいて本年はこれだけの工事ができ、さらにこれは五カ年計画に基づくというのであれば、五カ年間変更なく、これが完成するまでこの工事は遂行される、年度内に遂行されるという確たる確約がなければ、ただそのときどきの情勢に応じて一応の計画として承っておくというようなことでは、これは私は国の重要な、大切な資金をもってやる計画として賛意を表するわけにいかない。従って今申されたように、ただパーセントが五九であるとか、あるいは特定工事について七〇%であるとか、起債工事について六〇%であると言われましても、それが一体どの地区にどう当てはまっておるのかわからない。それには具体的な説明を求めなければならない。私どもは現地に参って、それが仰せの通り進捗しておるものであるかどうか、地方民の要求がどういうものであるかも聞いて、将来の国政をやらなければならない。そういう意味でお尋ねしておるのでありますから、一つ具体的なものをお示し願いたい。本日資料がなければ、これはやはり具体的にその資料を提出してもらわないと、今後政府がお示しになる計画について審議をしても、確信のないことで結論を得るということになるのでありますから、そういうことでは私は国民に対しても相済まない、また国会の任務としても果たされないということになりますが、いかがでしょう、前回の五カ年計画について具体的にお示しを願いたい。
○中道政府委員 お話の資料がただいまばらばらでございますので、整理いたしましてこの次に御説明いたしたいと存じております。
○山口(丈)委員 私は別にその責任を責めるとかなんとかいう意味ではないのですから、すなおに受け取ってもらいたいと思いますけれども、少なくとも重要な国家予算を伴う事業について新しい提案をしておられるのであります。そうすれば今申し上げたような諸点について資料の整理ができてないということは、それだけ計画が立っても、その実施にあたって、その工事の進捗状況等については実態を掌握されてないと言われてもいたし方ないと私は思うのです。そういうことではわれわれとしても何のために審議をしてその計画に賛同をし、これを政府に実行してもらうべく国会の審議を進めたのか、その意味をすら失うわけであります。これは当然私は、そういったような年度計画に基づく工事の進捗状況などは、親切に、やはりいつでも資料を整えて、われわれに説明ができて、そして、これでありますから従って新しい計画に基づいてかくいたしたいと存じますというようにしてもらわなければ、私は納得ができないと思うのです。それでないと私は、議員として、地方に帰って、そして国民の皆さんから尋ねられてもお答えすることができない。これでは私はその責任が済まないと思いますから、もっと工事の進捗状況等につきましては十分にその現況を把握して、いつでも国民の前にこれが報告できるという態勢をとってもらいたいと思うのです。今からそんなものを資料要求をして、そして説明を求めなければできないというようなことでは、私は監督官庁としても、あるいはまた実行する行政府としても、あまりにも無責任のそしりを免れないのではないかと思います。従来、一体港湾行政に限らず、この行政全般について、私は大臣がおればお尋ねしたいのですけれども、港湾局はどういう指導によって工事を進められておるのか、一つその指導内容をお聞かせ願いたいと思う。
○中道政府委員 資料につきましては、お話の通り内容は全部ございますが、若干整理いたしたいと存じますので、この次にお願いいたします。 港湾の整備方針といたしましては、従来港湾計画はわが国の経済情勢に見合いまして、経済企画庁の立てまする経済計画と考え合わせまして、長期的な見通しのもとに港湾の整備を進めておりますが、その内容といたしましては、大きな柱といたしましては、大体港湾の整備事業と、臨海地帯の港湾に関係いたしまする開発事業及び港湾、海岸の防災事業、この大きな三本の柱によりまして、港湾の整備全般を推進しておるわけでございますが、なおそのおもな内容といたしましては、まず外国貿易港湾の整備の問題と産業基盤強化のための港湾の整備の問題、沿岸輸送力強化のための港湾の整備、その他の問題というふうに分類いたしまして、それぞれに該当する港湾の整備計画を進めておるわけでございます。たとえば一般の外港等の整備につきましては、たとえば横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港、下関港、門司港というような、わが国の外国貿易港湾の整備をそれぞれの施設ごとに、あるいは岸壁あるいは航路あるいは泊地、そういったものの整備をそれぞれの港ごとに計画いたしまして推進するというようなことをいたしております。また産業基盤強化のための港湾の整備といたしましては、たとえば鉄鉱あるいは石油の大型船を出入港させまする港湾、あるいは石炭を取り扱いまする港湾、そういうようなわが国の重要な基幹産業を扱いまする港湾の整備につきまして、これを実施いたしておりますが、たとえば千葉でありますとかあるいは室蘭、横浜、川崎、大阪、堺、神戸、姫路、尼崎、洞海というような港湾について、この整備を進めておるわけでございます。また、沿岸輸送力強化のための港湾の整備といたしましては、国内輸送を増強するために内海輸送分野の強化に必要な港湾の施設、あるいは僻地、内海、島嶼、離島における港湾施設等の整備をはかりまして、さらに避難港、航路等の整備を進めておるわけでございます。また、起債関係の港湾の整備事業といたしましては、公共事業で整備されました埠頭の背後の埋め立てでありますとか、あるいは港湾の基本的な施設である岸壁であるとか、あるいは荷揚場等で実際に荷役をいたしますための荷役機械、あるいは荷さばき場の上屋といったような施設、また船舶の出入を補助いたします曳船の整備、そういった港湾関係公共事業と密接不可分の関係にありますものにつきまして、これを起債の対象といたしまして整備をはかっていくというように考えておるわけでございます。なお臨海地帯の開発につきましては、最近の各地区におきまする臨海工業の発展に伴いまして、それに必要な土地の造成及びそれに伴う港湾施設につきまして、これの整備を起債あるいは公共事業をもって促進することにいたしております。なお港湾及び海岸防災事業につきましては、先ほども申し上げましたように、伊勢湾の高潮対策事業とか、あるいは東京湾その他におきまする特別高潮対策事業、また新潟地区におきまする地盤沈下の恒久対策事業、あるいはチリ地震津波対策事業、あるいは災害復旧関係の事業というような事業につきまして、これの促進あるいは整備を進めておるような次第でございます。
○山口(丈)委員 ただいまいろいろと御答弁がありましたが、私は先ほど申しましたように、三十三年以来五カ年計画に基づいて工事を進められましたその工事の進捗状況、どの港湾に対してどれだけの国庫支出をし、どれだけの地方起債を許し、そうしてどういう状況になったか、各港別に、これは初めてのことでありますから、詳細に表にして、これを全議員に一度御配付願いたい、こう思うのです。これは資料として私は要求を申し上げるわけであります。委員長においてこれはしかるべく取り扱っていただきたいと思います。 それから、当初申し上げたように、何年計画ということで計画は進められるのですけれども、私はいまだかつて、その計画に基づいてこういう成果が上ったということの報告は受けたことがありませんし、また実際に地方におりまして工事の進捗状況などを見ておりますと、工事の進捗状況はきわめて遅々として進んでおらぬ。そのために前の工事を実施したところが、災害などのためにこわされたりいたしまして、またぞろそこへ資金をつぎ込まなければならぬというような状況も各所に見られます。また一般港湾として、たとえば筑紫港のごとき代表的なものだと思うんですけれども、一向にその工事が進まない。そのためにせっかく今までつぎ込んだ経費もむだになる、こういうようなケースが至るところに見られるのじゃないか。これはなぜかというと、その原因は、もちろん計画はりっぱに立っておるのでありますけれども、その計画の実施があまりにも総花的な実施に傾いておって、重点的にここをこれだけ仕上げなければならぬのだという重点主義がとられておらぬ。ここに私は大きな原因があるのではないかと思われるのです。従ってそういうことでは大切な国家の資金をむだにすることが非常に多いと思うのですけれども、今度は計画に基づいて、しかも港湾整備緊急措置法というのですが、私は何も事新しく緊急を要するとは考えられないので、緊急という文字を使って事新しくしなくたって、まだ三十三年に立てられた五カ年計画は実施途中であります。従ってその計画を忠実に実行に移して、当初の計画通りこれを完成をして、また次へかかる、こういうようにしなかったならば、せっかくその五カ年計画に基づいて工事をしながら、今度また新しい計画に基づいて、それを工事途中で変更するというようなことになりはしないかと思うのですが、そういう点についてどういうようにお考えになっているか。従来からの計画をそのまま継続しつつ新しい五カ年計画を作ろうとするのか。緊急というその意味はどういう意味なのか。私はどうもその点について納得がいかない。これについて、どういうことなのか、一つ御説明願いたいと思います。
○中道政府委員 地方港湾のいわゆる総花性ということをいわれるわけでございますが、港湾につきましては、地方港湾の占める役割は、地方の開発、地方の産業基盤の強化という面、また沿岸輸送の強化といういろいろな面から、地方にとって非常に重大な開発の拠点になるところが多いわけでございます。しかし従来その点につきまして、その工事があまり進んでおらないということで、効果が上がらないじゃないかという御批判でございますが、この港湾の計画なり事業につきましては、従来が単年度の予算でございます。毎年々々実は予算を編成するという建前になっておりました。従いましてわれわれといたしましては、できるだけそこで確定されました予算について、その実効を上げるように努力をして参ったわけでございます。また、ただ単にその年度だけの問題でなくて、これをやはり長期的な見通しのもとに計画を立て、事業を遂行していかなければならないというふうに考えましたので、先ほど申しましたように三十三年度からの五カ年計画を運輸省として立てたわけでございます。しかし、何と申しましても、これをさらに強力に計画性を持たせ、予算的な裏づけをしなければ、ただいま御指摘のような面が起こりがちではないかと考えますので、今回のような緊急措置法——緊急と申しますのは、従来の面で、どうしてもこの港湾は早急に整備しなければならないという面がございますので、緊急の要請によってこれを措置するという理由でございますが、この緊急措置法とあわせまして特別会計を設置いたしまして、事業の実施を確実に行なっていく、予算的の裏づけと計画性を持たせるということで今回の提案をいたすわけでございます。 なお地方港湾につきましては、御承知のように港湾が、その地方の開発の先行的投資という面が多分にございまして、その投資をすることによりまして、その投資をすることによりまして、地方はそれを足がかりにして積極的に開発を促進していくというような意味が多分にございます。これは道路も同様でございます。まあ道路でありますと、できれば車両が使えるというわけであります。しかしそれでも大都市の周辺のように、できてすぐにどんどん走るというものではなくて、経済の伸展と合わせてこの利用が進められていくのじゃないかと思いますが、港湾につきましては、さらにその利用の伸展度といろいろな経済情勢がマッチしていきませんと、全体的な利用がなかなか起こりませんので、若干利用の面がおくれる向きがあるわけでございます。しかしそういう意味で港湾の先行投資ということから考えますと、多少の利用のズレはございましても、それによって地方の開発は究極的に促進されていくというふうに考えますので、総花性ということの解釈でございますが、われわれとしては必ずしも総花性ではなくて、それは地方開発促進の原動力になるものである。しかしそうかといって、いつまでも使われずにほうっておくということではまことに相済まぬわけでありますから、これについてはそういうことのないように、なお一そう利用が深められて、地方の開発が促進されますようにという趣旨で、今回の緊急措置法と特別会計を提案する、こういうような次第でございます。
○山口(丈)委員 もちろん、今の御説明の通り地方港湾におきましても、輸送関係全般について見ますと、これはすべてその地方の経済開発の先行投資、こういうことになると思うのです。たとえば道路一つ開発しましても、それはその地方に既設の経済活動があるのではなくて、道路を整備することによって交通機関が完備する。鉄道を敷くことによって輸送機関を完備する。それに伴って産業の開発あるいはまた発展ということが伴ってくる。従ってやはり先行投資の役目を持つものだと思うのです。それであるだけに、私は地方港湾についても、一たんそこに港湾を作るということをきめて、そしてその事業に取りかかれば、その事業が完成するまで、総花式に予算を使うのではなくて、最も重点的にその工事が完成して港が完成するまで工事を進めていくべきであると思うのです。ところが今日は必ずしもそうではなくて、一つの港を作るのにすでに着工してから、はなはだしきに至っては二十年も三十年もおくれているところもあるというようなありさまです。三十三年の計画に基づいて少し工事が進んだかと思うと、またとまる、そしてせっかくの国の投資というものが災害などによって元も子もなく破壊されてしまうというような状況が見受けられるのです。こういうことでは、今言われた地方開発のための港湾整備として行なう事業はその地方開発のための先行投資であるという意味と全く逆なことになる。長らくかかっておる間には経済の事情というものがだんだん変わってきて、その地方の開発をおくらしているのみならず、ひいてはその地方の開発について大きな変更を来たさなければならぬというような状態にあるわけです。御承知の通り、経済というものはため池の水のごとく一日として停止しておるものではないのでありまして、日進月歩の勢いをもって常に動いておるものである。それに対応した先行投資をやろうというのでありますから、私は一たんかかった工事については重点的にこれを促進して、一日も早くこれを完成させて、経済動向に合わすということでなかったならば、せっかくの先行投資がその意味をなさなくなると思うのですけれども、そういう点いかがでしょうか。
○中道政府委員 お話の通りでございます。従来の港湾につきましては、先ほど申しました通りの実情でございますが、そういうことでは経済の伸展に必ずしも即応できないということで、今回特にこの措置法案によりまして、お話のように必ずその点については重点的に工事を促進していくというような考えをとっておるわけであります。 なお、わが国の港湾の総数から申しますと、大体港湾と称せられるものが全国で約二千港あるわけでございます。そこで、現在政府がこれを取り上げまして、補助なり負担をいたして事業を実施いたしておりますものが、そのうち約三百五十ございます。そのうちで特定重要港湾なり、重要港湾なり、地方港湾なり、いろいろとございますが、全体の数から申しますれば、われわれといたしましては実は重点的に取り上げておる。瀬戸内海あたりはずいぶん多くの地方港湾があるのでございますけれども、その中で重要なものを取り上げて整備を促進し、それの完成を待って次の港湾にかかっていくというような方針で進めておるわけでございますが、従来の例から申しますと、御指摘のような点をあるいはお考えになるかもしれませんけれども、先ほど申しましたように、単年度事業という面があり、計画的な遂行ということが必ずしも経済の面と即応していかなかったのではないか。つまり経済は実は非常に変動が激しいものでございますから、そういう点にこれらの基本的な施設というものがマッチできないおそれがあるのではないかと考えましたので、今回そういうことのないように、国の経済計画とあわせまして、確実に、重点的に港湾事業が実施できますようにということで、所得倍増計画は御承知のように十カ年の目標になっておりますが、われわれの方といたしましてはそのうちの前期を目標にいたしまして、その範囲内においては確実にこれを実施していきたいというような趣旨でこの計画をいたし、またこれに必要な法的措置をとろう、こういう趣旨でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○山口(丈)委員 今の説明によれば、所得倍増は十カ年計画であり、港湾の緊急整備計画はその前半の五カ年計画である、こういうように承るのでありますが、どうもそれでは先に申されたいわゆる経済発展のための先行投資という意味とは若干矛盾してくるのではないか。この経済伸長率が政府の言われるような伸長率を示していくとすれば、港湾整備の先行投資という意味からいきまして、いろいろの見通しの上に立った先行投資にはならないので、緊急という名前をつけても、なおかつ従来のような総花的な予算の使用方法、工事の進捗方法におきましては、これは先行投資という意味とマッチしてこないのではないかというように考えるわけです。この五カ年計画に基づいて、そういう面をなくして重点的にやるとおっしゃるのであれば、その重点的な計画をわれわれは具体的に知る必要があると思うのです。それと前に立てられた五カ年計画とのかね合わせば一体どうするのか。道路工事を中止しておいて、そしてまた、せっかく今まで投資したものを災害にさらしてむだにするようなことはないか、こういった点についてどういうお考えなのか、私は十分聞いておきたいと思います。
○中道政府委員 説明が少し不足いたしたろうと思いますが、先ほど申しました三十三年度からの五カ年計画を中止または廃止するということではございませんので、その計画をさらにこの所得倍増計画に合わせまして、その線に沿うて従来の港湾の計画を推進していくわけでございまして、さらにこれが一そう整備されるようにとわれわれは考えておるわけでございます。 それから港湾整備五カ年計画でございますが、所得倍増計画におきましては、昭和三十六年度から四十五年までの十カ年間に港湾に対する行政投資といたしまして、五千三百億円というように予定をされておるわけでございます。そのほかになお産業立地調整費という項目を設けまして、それが約五千億、その五千億の中から港湾に相当する部分を充当することを予定しております。これはまだどの程度、どういうふうにするかということはきまっておりません。そういう予定をいたしておりますが、そのうちで前期五カ年間といたしましては、先ほど申し述べましたように従来の港湾の立ちおくれ、あるいは先行投資的要素ということから考えまして、前期に計画を確実に実施したいということで計画を積み上げまして、二千五百億というものを予定したわけでございます。
○山口(丈)委員 これは新しい説明を受けたわけですけれども、しからば本年のこの計画に盛られておる予算の中では、その産業立地計画に基づく費用というようなものが、この五カ年計画にそういった要素が含まれているのかどうか、一つお尋ねしたいと思います。
○中道政府委員 ただいま申しました産業立地調整費五千億の予定が、所得倍増計画の公共投資配分委員会で出ておるわけでございますが、この産業立地調整費は港湾だけでなくて、産業立地に関係した道路なりあるいは工業用水あるいはその他の関係に対しても、調整費が使用される予定のように承っておるわけでございます。従いましてこの五千億の内容につきましては、今後それらの問題とあわせまして検討を加えていくというような段階に今なっておるわけでございます。
○山口(丈)委員 それでは何か大きな五千億というような莫大な数字にだけ酔わされていて、幻惑されていて、実質的に港湾関係の費用には何らの要素も今のところでは加わっておらぬ、こういうことになると思うのですけれども、いかがですか。
○中道政府委員 ただいまのところ、先ほど申しましたように港湾の設備投資額といたしまして五千三百億円プラス産業立地調整費の中からその必要の分を予定するという建前になっておるわけでございます。この問題につきましては今後こういう産業に関係した問題との関連において検討した上で、このうらからどういうふうにこれを予定していくかというようなことになるわけでございます。現在のところそれからはっきりどれだけというように期待できる段階では実はないわけであります。しかしわれわれの方といたしましては、この全体の五千三百億プラス五千億の中から港湾の予定分というふうに一応予定の中には入れております。しかし五カ年計画におきましては二千五百億というワクをきめたわけでございます。従いましてこの二千五百億によって港湾の整備を推進していくという建前をとっておるわけでございます。
○山口(丈)委員 どうも今の説明では私はどうなっているのかわけがわからぬのですが、そんな当てにもならないものをあたかも当てになるような御説明をされても、ただ数字の方だけの話であって、実質的には何ら港湾関係の整備についてプラスにならぬ。また、特別会計を設けるのでありますから、そうなりますとその特別会計とのかね合わせば財政法上から見ればどういうことになるのですか、これは私は非常に困難な問題をかもすのではないかと思うのですが、特別会計との関係はどういうことになりますか。
○中道政府委員 どうも説明が不十分かもしれませんが、先ほど申しましたように、全体計画が十カ年でございまして、それで五千三百億プラス産業立地調整費というようになりますが、この港湾計画は五カ年を目標にして立てております。そこで五カ年間において二千五百億ということで、現在におきましてはこの二千五百億で緊急措置法並びに特別会計によって施行していくという建前でございます。今後これらの調整費の問題につきましては関係の方面と協議いたしまして、そういう必要が生じてくると思うのでございますが、そういう際には、この五千億の中から必要分を港湾に繰り込まれるように努力いたしたいというふうに考えておるわけであります。
○山口(丈)委員 それではお尋ねいたしますが、この特別会計によって緊急に港湾を整備するこの五カ年計画に、今言ったような産業立地計画に基づくさらに港湾促進の要素が入っていった場合、当然この特別会計予算というものを修正する、あるいは補正する、こういうこともあり得るということですか、どうですか。
○中道政府委員 現在のところは二千五百億で前期は大体まかなえるのじゃないかというように考えておりますが、今後の経済の情勢によりましては、この産業立地調整費からの港湾予定分をそれに加えて、さらに計画を確実に遂行するというふうに努力いたしたいというように考えておりますので、そういう際にはあるいは修正という問題が出てくるかもわからないと考えております。
○山口(丈)委員 どうも今の説明によると、修正は、かもわからぬというような話ですけれども、今までの説明から見ますると、かもわからぬのじゃなくて修正は当然化されている答弁だと思います。それでなかったならば、先ほど申された地方開発の先行投資という点から見れば、とうていそれは需要に応じきれない、あるいはその開発のためのいわゆる港湾整備というものは、先行投資どころかあとにおくれてしまって、私は、その地方の経済活動というものに大きな支障を来たしてくると思うわけであります。従って、二千五百億、五カ年計画に基づいてやるんだとおっしゃるけれども、私はそこに大きな矛盾を蔵しておるのではないかと思われる。従って、今、この計画にそういったような要素を含んだ予算であるのかどうか、こういうことをお尋ねしておるわけです。ところがそれについては、はっきりとその要素があるともないとも言明がないということですが、それはどうも私は了解に苦しむ点があるのですけれども、これをはっきり、どういうことなのか、一つもっと十分説明をしてもらいたいと思う。そうでないとわれわれは検討ができないと思います。
○中道政府委員 御承知のように所得倍増計画におきまする公共投資の配分委員会がございまして、そこの答申によりますと、港湾は五千三百億と、先ほど申しましたような産業立地調整費の中からこれに該当する分ということになるわけでございますが、ただ港湾の投資なりあるいは公共投資につきましても、若干の弾力性が考えられるわけであります。たとえば交通体系小委員会というものが所得倍増計画の委員会の中にございまして、その交通体系小委員会の案によりますと、六千億程度というような案も出ておるわけであります。従いまして、この十カ年先の公共投資につきましては、必ずしもこれでどんぴしゃり確定するものでなくて、若干そこに弾力性は経済の動きとも合わせまして考えられるのじゃないか、こういうことで、この産業立地調整費というものも、そういうような弾力性を持たした費用という意味合いも考えられるわけでございます。従いまして、港湾につきましても前期は二千五百億でございますが、そういう意味で現在の段階におきましては、われわれは二千五百億で港湾の緊急整備を実施したいというふうに考えますが、今後の経済の動きに合わせて考えますと、それらの情勢によりましては弾力的な考え方によりまして、これらの産業立地調整費というものが、そういう意味で港湾にも使用できるのじゃないか、そういうことで実は期待もし、また実は努力して港湾の整備をさらに確実に実施していくというふうに考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 産業立地調整計画に基づく費用はきわめて膨大なものですが、それが各方面の調整に使われるので、ひとり港湾だけでないということも了解はしますけれども、しかしそういう莫大な費用が、単なる調整で総花式に流れるということになれば、これは私は、予算審議上からもきわめて重要な問題でありますから、そう簡単にこんなに莫大な資金を承認するということは不可能じゃないかと思います。ですから、そういった点については、私はもっと具体的に調査をしてみなければならぬと思いますから、この計画に基づいて、いわゆる資金計画、それからこれを実施しようとする場合においては、建設省の関係等においても、どういう調整がなされておるかも十分に私はお尋ねしなければ、この計画を着実に遂行していくことは不可能だと考えます。従って委員長にお願いいたしますが、きょうのお話について、さらにわれわれはよく検討を加え、次会には大蔵省、建設省等関係各省を呼んでいただいて、そしてこの計画をどういうように調整しつつ進行しようとしているかを私はお尋ねいたしたいと思いますが、一つそういうように委員長の方で取り計らっていただきたいと思います。 それからもう一つは、この法案は今お聞きのように、きわめて重大な予算との関係があります。今日予算は審議中でありまして、従って当委員会においてこれが予算の審議に先行して可決をする、通過をするというようなことになりましても、やはり今申し上げたような計画を実行するにあたっての予算の上ではどうなるかということについてはまだ審議中であります。従って、そう私は軽々にこれは取り扱えない重要なものを含んでおると思いますから、一つ慎重に審議を進めてもらうようにお願いしたいと思います。 残余の質問につきましては保留いたしまして、本日はこれで終わります。
○三池委員長 中道港湾局長に申し上げます。山口委員から御要求のありました港湾整備についての五カ年計画について、その具体的な内容を明らかにする資料を提出されるようにお願いします。 ————◇—————
○三池委員長 先般の委員会におきまして、観光に関する小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任になっておりますので、この際、小委員に 生田 宏一君 尾関 義一君 高橋 英吉君 塚原 俊郎君 細田 吉藏君 三池 信 山田 彌一君 加藤 勘十君 勝澤 芳雄君 山口丈太郎君を、小委員長に生田宏一君を指名いたします。 —————————————
○三池委員長 この際お諮りいたします。 都市交通に関する小委員生田宏一君より小委員を辞任いたしたい旨の申し出がありますので、これを許可することとし、その補欠として壽原正一君を都市交通の小委員に指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、今後都市交通に関する小委員会及び観光に関する小委員会の小委員及び小委員長に欠員が生じました場合、その補欠選任につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次会は来たる十七日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二分散会