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37回国会参議院1960/12/20

内閣委員会 第5号

発言数
313
登壇者
26
会派数
4
開催日
1960/12/20

会議録

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。  去る十七日、衆議院において修正議決され、即日当院に送付され、本委員会に付託されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、並びに衆議院において原案通り可決され、本委員会に付託されました特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  まず、衆議院において修正されました二法案につきましてその修正個所について御説明を願います。

小笠公韶自由民主党

○衆議院議員(小笠公韶君) 衆議院におきまする給与関係二法案の修正の案の内容を御説明申し上げますと、今回の給与改定におきまして、俸給の改定増額分が月額九百円に満たないものにつきましては、原則的に九百円程度の改定になりますように、若干の号俸につきまして百円ないし二百円俸給月額の手直しをするという趣旨のものでございます。  非常に簡単でございますが、以上のように九百円未満のものにつきまして、九百円まで上げるというふうな修正をいたしたのでございます。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 以上で説明は終了いたしました。  これより三案の質疑を行ないます。政府側出席の方々は、田中大蔵政務次官、滝本人事院給与局長、増子公務員制度調査室長、船後大蔵省給与課長。なお、迫水国務大臣は、ただいまお出になったようで、間もなくここにお見えになろうと思います。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 時間の関係があって、だいぶおくれておりますから、ごくかいつまんで二、三給与の担当大臣の迫水大臣にお伺いしたいと思います。  この人事院の勧告を政府が受けとめて、これからどういう態度で臨むのかと私が質問申し上げれば、あくまでも尊重すると、そういうふうにお答えになると思います。そこで、まずお伺いしたいのは、尊重という意味は、どうも私ども今までお伺いした範囲においては不明確だった。そこで、まず政府が尊重されるという意味は那辺に真意があるのか、その点をまずはっきりお伺いして、それから一、二お伺いしたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 人事院勧告の内容をできるだけその通りに実行するということが尊重するという意味だと思います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私は、少なくもこの勧告を尊重するという意味は、ただ勧告の内容を政府がうのみにするのではなくして、十分検討して、そうして是正する必要がある個所については、万難を排して是正する。また逆に、非常に筋の通った個所については、これまたいろいろ都合があっても、万難を排して実施に努める、そういうことがほんとうに勧告を尊重するということであろうと思うのです。こういう考え方は間違っていますかどうか。やはりうのみにするということはよくないと思う。人事院の勧告であっても、政府は十二分にこれを検討する、その上で善悪について判断を下して、筋の通るように実施に移す、こういうことでなけりゃならぬと思うのですが、この考え方は間違っていますかどうか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 政府の責任としては、当然人事院の勧告がありました場合には、その内容を検討するわけでございまして、検討した結果、人事院の勧告を尊重するかしないかということをきめるわけですが、尊重するということになれば、その内容をできるだけそのままに実行するということが尊重するという意味だと私は思っております。尊重するかしないかということをきめる前提には、十分それは審査をいたします。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 ごらんのように、この内容を検討しますと、まあいろいろ問題があまりにも多いわけですが、職階級制の点が特に強化されておるという点を指摘申し上げなけりゃならないわけです。五等級以下六、七、八等級、こういうような面について検討いたしますと、これはまあ結局下級公務員については、きわめて不利な扱いがなされておるわけですね。そうして下級公務員のいわゆるたまり場のようなものを作って頭打ちをしてしまって、上の者と下の者と画然として区別する、こういう点がこの表によって歴然としておるわけです。こういう点は、検討すれば政府でも十分そういう点を理解できると思うのです。こういう点については検討されたのかどうか。しかし、また検討された結果、そういう点に気づかぬとすれば、これはあまりにも不勉強であろうと思うのです。少し突っ込めばすぐそういう点は明確になるわけですね。この点をはっきりしていただきたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) お話は、なぜ通し号俸をしなかったかということの裏からお話になっていらっしゃるのじゃないかと思うのですけれども、いろいろそれぞれの立場から考えて、いろいろな議論は立て得ると思うのですが、これはまあ私が給与担当大臣を引き受ける前に、閣議決定にはなったのでありますが、その前も、もちろん私ども責任はありますけれども、人事院の勧告の内容それ自身を理由のあるものと考えた次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 人事院は、民間給与との較差を検討したら一二・五%あったということははっきりしておるわけですね、そうだとすると、結局各職階のものについて、それぞれこういう点が当然公平になされなければならぬわけです。ところが、上の者については、民間との給与の較差以上に引き上げておるわけです。上の者については非常に引き上げておる。下の者については不当に引き下げておるという実態が出ておるわけです。こう言っただけではおわかりにくいと思うのですが、たとえば行政職俸給表の第一表を見ても、二等級については二九・四%民間より低いということがはっきりしておるわけです。それなのに三一・六%、上回わって勧告しておるという点。それから時間がありませんから、ごく簡単な例で言いますと、七等級については二〇%、民間より低いと言っておるのです。それなのに一〇・七%しか上げていない。こういう点がいかにも上厚下薄の一貫した——これは行政職第一表だけではありません。時間がないからただ言わぬだけであって、こういう点について政府は検討したのかどうか。検討すれば明らかにこういう不公平が出てくるわけです。しかも、七等級などというのは公務員の数が多いわけです。現実に二〇%低いのに一〇・七%しかしがらない。こういう不公平な扱いをされる人が相当おるわけです。これは相当政府が検討すれば、人事院の勧告をうのみにするということであれば話は別ですが、検討したとすると、こういう点は当然気づかなければならぬと思うのです。こういうふうに思うのですが、その点いかがですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) いろいろ御指摘の点もございますが、それは私も実は非常にこまかく説明をする能力がございませんが、たとえば上の方の人を二〇何%違うのに三〇何%上げたとかいうふうなときには、基準内俸給であるとか、俸給の実額であるとか、そういうような比較の基準の問題もあるようでございます。全般的に言ってとにかく上の方が上がる量が多い、下の方の上がる割合が少ないから上厚下薄であるという御議論も、上がる率の計算から言いましたら、確かにその数字は出ておるのでありますが、俸給表全体の問題、しかも、過去からずっと、だんだん俸給の移り変わりの問題、将来に対する歴史的な時の流れについて固定的なものでなしに動いていくのでしょうから、そういうものを全体を見ていった場合には、私は必ずしも上厚下薄ということは言えないのじゃないか。今回の時点においてのものだけを取り上げてそういう議論をするのは、必ずしも正確ではないので、一つの過去における給与改定の実績、その他ずっと一連の問題として考えていっていただけば、その数字のさし示すほど、それから得る印象ほど上厚下薄というのはひどくない。モデレートな、一般的に言って適当な改正案だと、こう考えておるわけです。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 御説明を伺っておると、あまり上厚下薄でないということを言われておりますけれども、戦前は、たとえば今の教育職の例を取りますと、小学校の先生は初任給が四十五円、最高百二十円。その比率は一と三ぐらいの割合であります。その他についても大体そんな開きであった。今度の勧告の内容をうのみにして、そのまま政府案といたすこの案によりますと、大体倍率は一対十三ぐらいになっておる。これでも上厚下薄ではないかということも、この一事をもってしてもはっきりしている。戦前は一対三ぐらいで、それが今は一対十三、あまりにも上厚下薄がひど過ぎる。時間がないから、最後に期末手当のことを伺いますが、昨年の民間の特別給を公務員と比較したら、昨年の民間べース——そうしたら〇・二九の差があったということは人事院が発表しておるわけです。ところが、不当にも人事院は、〇・二九あるというのに、〇・一しか勧告してないわけです。まだ〇・一九残っておるわけです。こういう点にも非常に不合理があるわけですが、その点で、これは昨年の場合で、すでに〇・二九出ておるわけです。ところが、本年の民間の給与——特別給については、御承知のように、相当上がっておる。五千億にもなろうとする非常にブームが出ておるわけです。従って、今年のそれと比較すれば、相当開きが出てくると思う。従って、公務員の皆さんが二・五の年末手当を要求していることは、きわめてささやかな要求であろうと思う。そういう点について政府は検討されておるのかどうか。また、そういう考えはないのか。当然これは上げるべきではないか。決して公務員が要求している二・五カ月というものは過大なものではない、非常につつましやかなものである。今年の実情からいえば、そういうことがはっきり言えると思う。この点についても、非常に不合理であると思われる人事院の勧告を、どうしてそのままうのみにされたのか、こういう点をはっきり聞かして下さい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 人事院が三カ月という勧告をいたしました理由につきましては、おそらく人事院から理由を聞かれたと思いますが、簡単に申しますれば、民間の給与というのは利潤分配の性格が非常に強く、非常に景気がいいときと悪いときと変動するが、公務員のそれは非常に固定的なものであるということで、必ずしもそのときそのときを比較するというのは当たらないのじゃないかという人事院の考え方、及び期末手当、勤勉手当の問題については、現行の制度を再検討しなければならぬ時期にあるので、さしあたり本年は三カ月という勧告をしたのだという人事院の説明を政府としては適当と考えた次第であります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 時間もないので、最後に一点だけお伺いして、飛び飛びになりますが、時間のない関係で御了承いただきたい。例の実施の時期について、これはどう考えても私どもには了解できないわけです。人事院が、四月の民間との実施調査の比較の結果一二・五%、それは四月の実態をとっている。従って、人事院が一カ月ごまかして五月にしたこと自体問題がある。しかし、時間の関係でその点に触れません。五月一日というものは明確に勧告しているわけです。益谷前給与担当大臣も、この場合で、そうしてまた前内閣委員長も、本会議の場でそのことを明確にしているわけですね。当然実施の時期については、勧告があれば勧告通り実施する、こういうことはずいぶん繰り返しお耳にしておると思うのです。そこで、最初お伺いしたいわゆる勧告を尊重するという意味ですが、政府が都合のいい内容についてはそのままうのみにして、実施の時期が都合が悪いから、これだけを別扱いにして、勧告の通り実施しない。これは何といっても、いかように答弁されようとも、これは非常に不当であろうと思うのです。しかも、国会の場での公約を無視しておるわけです。結局言葉をかえて言うならば、行政府が立法府の権威を傷つけるもはなはだしい。国会の場の違約行為ということになろうと思うのです。これは責任が非常に重大だと思う。これは何といっても違約行為だということがはっきりしている。どうしてそういうような不信なことをなさるのか。公務員に順法の精神を説いている政府自体が、こういうことを無視していることは不愉快だ、また遺憾千万だと思うのです。その点を明確にしていただきたい。これで私の質問を終わります。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) この実施の時期の問題は、私どもも率直に言って、最も遺憾とするところであります。できるだけ五月一日の線に沿ってやりたいということは、ほんとうに内閣の中で真剣に検討をいたしました。人事院の勧告している一般職の公務員だけの費用としてならば、これはまあ大したことはございませんが、地方公務員までずっと一様にやらなければならぬということは、これは御了解願えると思います。そういうふうになった場合には、他の防衛庁その他すべて相当のお金がかかって参りますし、一面、緊急な他の財政支出も必要である。それで、自然増収のワクというものを、全部この給与の問題に使ってしまうわけにもいかないということは御了解願えると思うので、いろいろ計算をして、できるだけ早い時期にやりたいといって、ほんとうに真剣な検討をしたのでありまするが、結局いろいろ計算をし、いろいろ大蔵大臣等においても検討されました結果、十月一日というのが一番最初の機会だと、こういう結論になって、十月一日から実施ということにきまったのでして、この点私としてもできるだけ早くやりたいといって、非常に努力したので、率直に申して遺憾ですけれども、これが最初の時期だ、これが一番早い実施可能の時期だったということを御了解願いたいと思います。なお、益谷元の給与担当大臣が公約したとおっしゃいますけれども、希望的にそうしたいとおっしゃったと私は了解しておりまして、その点については、われわれも全く同感なんです。ただ計算を、提案理由の説明の中でも申しました通り、財政上の事由、他の緊要なる支出との配分の関係もあって、十月一日でなければ実施できなかったという事情を御了察願いたいと存じます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 非常に問題点が多いわけですけれども、今国会の特殊事情で、担当大臣に十分伺う機会がないことを非常に遺憾に思いますが、与えられた時間内で伺いますから、明快に一つ願いたいと思います。  今度の給与改定で、公務員の所得格差は今まで以上に多くなるということを御確認いただけますかどうか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 御質問の意味が、俸給表の一番低い額と一番高い額との間の倍率が従来よりも開くということを認めるかという御質問なら、それは認めます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 すなわち、所得格差が開いているわけです。で、今のわが国の政治問題として一番大きな問題は、結局その国民の所得格差が開きつつある。これを縮小するということが私は一番大きな政治課題だと思う。その問題が今度の給与体系にも同じ形で出てきております。私は、立法考査局を通じて、詳細に調査していただいたのですが、昭和二十五年の十二月は、この最高と最低の比は九・六だったんです。時間がないから途中抜きますが、三十二年六月に至って一三・四、今次に至って、いろいろの取り方がありますけれども、約一五、かようにまあ開いてきているわけです。それから外国のも調査いたしましたが、外国のと比べて見た場合に、外国の給与は日本ほど開いてない。同じその中でも、大学の新卒と上級公務員との間というものは、日本よりはなお近い。しかも、その中学校、高等学校を出た者が、外国においては日本よりはるかに近い。日本の場合は、大学の新卒と最上級とは、まあまあ外国に比べて、そう特に劣っていないけれども、中学校、高等学校になると、ガタッと開いておる。そういうことを、立法考査局を通じて、世界十カ国ばかり調査していただいたんですが、時間がないからその内容は申しませんが、明確にそういう数字が出ております。この点から、やはり広い角度からの国民の所得格差の縮小ということは、今度の経済計画にも織り込まれているわけですが、給与体系におきましても、今度の改正で格差が開きつつありますが、できるだけ早い機会にこれを検討して、この所得格差の縮小という方向に公務員の給与体系というものを検討すべきものだと思いますが、いかがでございますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私も、所得格差の是正という問題については、少し理屈を申し上げたいような気もいたしますけれども、時間がありませんから、それを遠慮をいたしますが、将来の上と下との倍率の差の開きというものについては、おそらく人事院もよく考えているんじゃないかと思いまして、人事院の研究に待って、政府としても善処していきたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 人事院だけに依存してもらっては困ると思うのです。たとえば具体的に、米国公務員の給与改定、これを最近やったんですが、これを見ますと、上下倍率は六・八から五・九、さらに五・二、と、倍率を縮めつつあります、アメリカの場合でも。ところが、日本の場合は、さっき私が一部データを申し上げましたように、飛躍的に開きつつあるわけですね。ここに大きな問題があると思う。この点について人事院にも異論があるんですが、人事院はベストとして勧告をしたんだというんですから、私はこの段階で言わないわけです。しかし、池田内閣で国民の所得格差の是正というものを大きな政策として掲げている以上は、公務員の給与体系についても、同じその線から努力さるべきものだと、かように思いますので伺っておるわけです。もう一回お答えいただきたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 所得格差の是正の問題というのは、池田内閣では非常に大きな問題でございます。所得格差の問題について、ここで私の見解を申し上げると時間もよけいかかりますので何いたしますが、要するに、官吏の俸給表についても、その方向を将来とってくるものと私も思っているんです。従いまして、人事院等において十分研究もしておられると思いますので、政府としては人事院の考え方を検討しつつ善処したいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に、具体的に伺いますが、このたびの補正予算案を見ますと、常勤労務者に対する給与改定予算が、約一億九千万計上されております。で、伺いたい点は、常勤労務者並びに常勤的非常勤ですね、非常勤職員、こういう下級の職員に対しても、この人事院勧告の線に沿って、それに準じて給与改定が政府の責任において行なわれる、かように了承してよろしいのでございますか。念のためにお答え願います。早くお答え願います、時間がなくなりますから。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○政府委員(増子正宏君) 一般職の職員であります限り、この給与法の趣旨に従って、全体的に同じような方針で処理されるということでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では、非常勤はどうなりますか。常勤労務者というものは、これは一般職に入りますね。念のために確認しますが、お答え願います。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○政府委員(増子正宏君) いわゆる常勤職員とされておりますものは、この給与法の規定そのまま適用がございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では非常勤はいかがですか。非常勤職員に対しては何ら改善しないということですか。それではあまりにも冷たいと思う。当然国の行政に関与して貢献されているんですから、だから当然給与改善をやるべきだと思うのです。国務大臣、お答え願います。基本方針として当然やるべきです。やらなかったら冷たいことになります。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 非常勤職員のうち一予算上非常勤職員手当の目から支弁されているものにつきましては、一般職の給与改定に準じて改善するよう予算措置を講じました。それぞれの職種に応じまして、三〇%ないし一一・一%の改善率でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その答弁それで聞きおきます。  次に伺いますが、初任給調整手当、ああいう制度はベストでないです。ベターでしょうか。私はベターでさえないと思うのです。あの二千円をだんだん下げていって、あんな小さなあめ玉式なような方法で、はたして優秀な公務員が確保されるのか。決して私はベストでないと思う。きわめて弥縫策の弥縫だと思うのです。さらに先般問題になりましたが、行政職を甲、乙と分けた、この要求した資料が出て参りました。甲種が四百九十九名採用、乙種が百十六名採用、そして乙種を採用してない省は農林省で、甲種百九名で、乙種は一名も採用していない。それから厚生省、郵政省、労働省、防衛庁、こういうところはことしは全然乙種を採用していない。要求によって資料が出て参りました。そして甲種と乙種についてあれだけの差をつけたということは、公務員に優秀なる人材を確保するための弥縫策、その弥縫策の弥縫策だと思うのです。それを持ってここへ出てきたわけですね。大臣はこれをベターだと思っておられるかどうか。このことは、若い大学の新卒初任給があまりにも低過ぎるということを如実に証明しておると思うのです。だから、こういうような弥縫的な方法でなくて、抜本的に大学の新卒に適正なる給与を与えて、そして国民に十分サービスができるところの優秀なる公務員が確保されるように対策を講ずべきだと思うのですが、いかがですか。その通りでしょう、これは。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) もし私がここでウェットな表現をすれば、私は、矢嶋参議院議員のお説には、きわめて共感するものがあるということを申し上げたいのですけれども、うっかりウェットな表現をしますというと、それはあとでもって困りますから……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いや、あとで変なことは言わぬです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私、現在の立場におきましては、決してこれはベストなものではなしに、今後十分検討していくべき筋合いのものであると考えます。おそらく人事院においても考えておるであろうと、こう思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に、さらに掘り下げまして、これは先般来質疑をして、もう明確になった問題なのですが、教育職俸給表について、超勤がない過去の経過があって、このたび行政職を甲、乙と分けた関係上、既得権が奪われた形になったので、超勤を加味した特殊の俸給表というものを検討する必要があるということを文部事務当局も先般答弁いたしました。給与担当省として、その方向で検討することの御答弁を求めておきたいと思います。これは心配せんと答弁してよろしいのです。どうぞ。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) それもこれも今後の問題だと思います。人事院において検討してもらいたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 念のために伺いますが、人事院はそれを検討いたしますね。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) その問題は今後検討いたしたいと思うのでありまするが、前回の矢嶋議員の御質疑の趣旨によりまする上級甲との比較という点につきましては、これは問題が別のように存じます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そのディスカッションはあらためてまたやります。  次に伺いますが、一般職と特別職の比較はどの程度にされておられるのか。私は詳細な検討をしておるわけでありますが、たとえば特別職の給与改善については、その理由として、要求した資料には、事務次官の改善率三二%を基準として特別職の俸給表をはじいていったということですが、総理大臣が約六六八%、大臣が約六四%の引き上げとなっております。それから裁判官、検察官の特別職の給与の扱いについては理由書が出ておりますが、あの理由を一応私は納得いたします。しかし、防衛庁の自衛官、それから、たとえば一般職俸給表を適用される警察官、それから海上保安官、こういう職種の比較を詳細にやってみますというと、うんと問題点があると思うのですが、政府部内では、一本の形でこれらを十分検討されたのかどうか、それとも、現状は不十分であるから、今後これらについては抜本的に検討してみるという用意があられるのかどうか、その点と、時間が参りましたからもう一点伺いますが、それは先般も問題を提起したわけでありますが、数字的には研究職の待遇改善の引き上げ率は、民間のそれと比較する場合に、今度若干引き上げたが、なおかつ、数字的には非常に不十分だということが明確に数字として出ております。さらにこれらは今後検討しなければならぬ。特に下級職員ですね、研究員とともに仕事をしている研究技術者、下級技能専門者、こういう縁の下の力持ちをしている職種の待遇は非常に不適正である。これが日本の研究態勢を万全ならしめない、科学技術の向上が遅々として進まない一番大きな原因になっていると思いますが、この点に対してはどういう見解を持っておられるか。以上お伺いいたします。以上をもちまして私のきょうの質問を終わります。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 特別職とか、あるいは防衛庁の方の給与改定が、一般職の方の給与改定とのバランスがどうなっているかという問題は、それぞれ大蔵省あるいは防衛庁等から答えてもらった方がいいと思いますが、ただいまおっしゃいました研究職の問題は、確かに今後における重要な研究題目であると考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたが研究しておるかどうかということを伺ったのです。総合的に研究を今まで十分していると思っているかどうか、今後研究されるお考えがあるかどうかということを国務大臣に伺ったわけです。それをお答え願っておきたい。ピントを合わせてお答え願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) ただいま申し上げましたように、特別職については大蔵大臣、それから防衛庁の職員については防衛庁長官、それぞれ主務大臣がおりますので、それと相談をしていくわけだと思います。  それから研究職の職員の給与についてのお話がございましたね。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それは第二点です。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) この第二点につきましては、確かに将来さらに検討をしていくべき重要な問題の一つと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 答弁が不十分だ。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 人事院ができましてからちょうど十三年たつのですが、もうそろそろ公務員の労働権について考えなければならぬときがきているのじゃないか。政府と公務員の組合との交渉も、ここ数年非常に軌道に乗って参っておりますが、昭和二十三年当時に返して、公務員には、やはり団体交渉権を与えて、政府とりっぱに交渉できるような、そういうことを検討するところにきているように思うのですけれども、伺いたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) その御質問はきわめて重大でございまして私の給与という問題からだけ考えていく問題ではないように思いますが、一般的に考えまして、現行の制度をなお維持すべきものだと考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 今度の十月一日の実施につきまして、私いろいろ証拠をあげて御質問申し上げたいのですけれども、時間の関係もありますので、簡単に申し上げますが、五月一日ということを政府としてもこの席上で言っておられたわけですが、大体十月一日に実施をすれば公務員の組合もおとなしくなるだろう、こういうような御判断をなさって、それも一つの要素になって十月一日というふうにおきめになったのかどうか、伺いたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 少なくとも私の関与いたしました範囲内におきましては、そういうような考慮は全くなくして、できるだけ早く実行しようというので、金を一生懸命はじいたけれども、十月一日以前の実施では、非常にいろいろな方面に支障を来たすから、それで十月一日が一番早い機会だ、こういうことになったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 十月一日を五月一日にできなかったことについて、この席上でも何回となく質問いたしました。そのつど政府といたしましては、できるだけの努力をいたしましたけれども、遺憾ながら十月一日、こういう言葉を何回となく伺っているわけなんです。きょうもまた迫水給与担当大臣から先ほど伺ったわけですが、私はそういう遺憾の意をこの段階でやはりお示しになるべきじゃないだろうかというふうに思うわけです。十月一日を五月一日に持っていくには、これは大へんな金が要るのでできないというお空目えでしょう。しかし、この席上において、幾たびとなく遺憾であるというふうにおっしゃるなら、その遺憾であるというお考えを、お気持をお示しになるべきじゃないだろうかと私は思っております。それで申し上げたいのですが、期末手当ですね、これは先ほど迫水国務大臣が人事院の考え方を御主張になったわけです。これは人事院の考え方は、私非常におかしいと思っております。おっしゃいましたように、民間は好況もあれば不景気もある。そのたびに上がったり下がったりする。確かに一つの企業をとってみますとそうでありますけれども、従来人事院はそうじゃなくて、好、不況にかかわらず、全体の民間の期末手当は幾らと出している、それと密接に結びついて勧告をしてきたわけです。ですから、小数点以下二けたは、これはネグレクトしたことはあります。〇・〇三とか〇・〇四とかいうものはネグレクトしたことはあります。もっとも小数点以下〇・〇五月分ということを勧告したこともあります。それがいかに密接に結びついて考えてきたかという証拠だと思います。今回は〇・二九という数字が出たにかかわらず、その中の〇・一だけ、あとの〇・一九という非常に大きな額をネグレクトしてしまった。これは理由は全く私はないと思うのですが、この一二・四%というのは、ちょっとばかり政府に怒られる心配があるかもしらんから、一つ年度末手当でも下げようかという顧慮だと思います。理由はないのです。理由があるならば、私は人事院に聞きたい。ないのです。そういう点を十分やはりお考えになって、先ほど私が申し上げたはなはだ遺憾であるということをたびたび繰り返される、その誠意をお示しになったらいかがと、こう思っているわけです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) まことに残念でありますけれども、そろばんをはじきますときには、三カ月分ということでそろばんをはじきます。それが十月一日が最初の機会だということになった次第でございます。三ヵ月分ということが、人事院が勧告いたしましたそのことが適当であるか不適当であるかということについてはいろいろ見解もございましょうが、人事院としても、もう期末手当、それから勤勉手当という問題の制度を検討すべき時期がきたのだというようなものの考え方もしているようでありますので、これは将来の問題として検討いたしたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 年度末手当について検討いたしたいという趣旨を、この委員会の初めのときに、八月十日のこの委員会で人事院がちょっと出しました。しかし、次に今度は人事官が出て来られまして、これは否定しておられます。ですから、それはちょっと解せないと思いますが、一つだけそれをつけ加えて終わります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ、具体的に二点だけ大臣にお尋ねしたいと思います。  私の質問に入る前に、ちょっと私の調査が、時間が間に合いませんので、幸い迫水大臣は経済企画庁の長官でございますので、本年度の国民の総所得は、昭和九年から十一年の基準年度から比較して、指数がどれくらいになっているか、ちょっとお教え願いたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 今数字を私持っておりませんが、だれか経済企画庁の……。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 いや、けっこうです、時間が惜しいですから。三十二年度には一六八・一ということになっている。ところが、三十五年度は、私の考えでは二七〇ぐらいになっておると思うのです。この三年間相当伸びておりますが、しかし、これは私の推定でございますから、あとでわかりましたらちょっとお教え願いたいと思います。  それじゃ本論に入ります。私は、先ほどから同僚委員がいろいろ質問しておりますが、具体的に一つ初任給の低いという点、それから上厚下薄の点が、きょうも理事会で問題になったようでございますから、一つ具体的に申し上げます。今尋ねたらこういう関係があったのですが、実は昭和九年から十一年のこの基準年度、このときの初任給を調べていただいた。これは総理府で調べていただいたのですが、大学卒、その当時の試験採用された者が七十五円となっておる。それから、その当時高等学校はない。旧制中学ですが、旧制中学の場合は三十五円という報告がある。そうすると、小売物価の方の指数の変化を見ますると、昭和九年から昭和十一年、基準年度を一〇〇といたしまして三三四になっておる。これは小売物価指数です。それをかけると給与がそれに相当するものだといたしますと、大学卒の場合、現在これが一万二千円に初任給が格づけされておる。この物価指数をかけますと、二万五千五十円になる。高等学校の場合、これはその当時中学校でございますが、その場合は三十五円を三三四でかけますと、一万一千六百九十円になる。その差は大学卒においては一万三千円になる。それから中学校、高等学校卒業の場合は三千四百円差がある。これを。パーセンテージにいたしますと、大学の場合は一〇〇・八%、倍以上の格差が生じておる。戦前の最も経済が安定しておった基準年度から比較すると、現在半額ほどしかないのですね、初任給が。それから、また高校の場合には、今申し上げたように三千四百円低い、パーセンテージにして四一%低い。この事実を一つ認識されておるかどうかということを一番先に聞いておきたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 実はよく認識をいたしております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 その認識をされた上に、もう一点私が言いますが、その当時の上級のいわゆる官吏、今公務員になっておる、その当時は官吏です。勅任官、現在では次官級だと思いますが、勅任官の平均給与が二百五十円。その当時の国会議員は三千円で、大体これに匹敵しておる二百五十円。これを今日、先ほど申しました物価指数にかけますと八万三千五百円。それが、今度の給与改定で幾らになっておるか御存じですか。ちょっとそれを答えてもらいたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 大体八万円ぐらいじゃないでしょうか。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 九万三千円になるのです。これは公務員室長、間違いですか、ちょっと……。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○政府委員(増子正宏君) 各省次官級ということであれば九万三千円でございますけれども、先ほどおっしゃった勅任ということになりますと、これは局長級まで入っておるわけでございます。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私は、自分の経験から考えて、二百五十円というのは勅任官になった最初だと思うのです。そして、次官になりますと、たしか年俸五千八百円ということだったと思いますから、もっとずっと四百円ぐらい、そういうことだと思いますから、二百五十円の基準で九万円を御比較になるのは、ちょつと当たらないと思うのですが……。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 もう一ぺん調べてもらいたいと思うのです。四百何ぼという数字は僕らないのですから、もう一ぺんこれは調べてもらいたいと思う。大体私らの経験から言って、国会議員と大体同じような程度のものが支給されておったと思います。その当時、いわゆる官吏といいますか、相当問題のある制度でありましたが、しかし、あの当時は給与は比較的低かったのですよ。あの高官と言われる人は、権限は非常に強かったけれども、給与は非常に低かった。この点はあなたの経験と私の経験と、ここで論じてもしようがないから、一つ計数を調べていただきたいと思います。そういうことですね、きわめて上厚下薄とわれわれは認識しておる。そういう認識をしておる。そうでなくても、そういう比較の、高官といわゆる初任給との比較は一応議論が分かれておりますが、別といたしましても、上がり方もそれほど差がない。大学を出た場合には、二万五千円かりに今初任給を出しておっても、ちょうど昭和九年から昭和十一年のいわゆる基準年度の当時に就職した大学出と匹敵することになっておる。こういうことから見ると、今の公務員の給与はいかに低いかということ、初任給が低いかということがおわかりだと思う。従って、われわれが初任給に対して重点的に大臣に詰め寄っておるのはこの点なんです。この点をかりに認識されたとするならば、将来この問題について、大臣としてどういう考え方でこれを是正していこうという考え方があるかということ、それをただしたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) こういう席で冗談を言っては申しわけないのですけれども、役人の古い連中が集まりましていつも言うことは、昔はよかったなあということなんです、実際。ですから、公務員の給与体系というものが、昔と今と比べるというと、確かに今の方が悪いということは事実だと思います。そこで、これから先だんだんに、いかに不合理であるからといって、一足飛びにものことというのはいかないのでして、逐次そういうことが是正せられていく方向であることは私も確信をいたしておりまして、そういうことについては努力をしたいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大臣は、きわめてまじめな方だということを聞いておるのですが、努力するということは、これはきわめて抽象的な私は言葉だと思うのです。今度衆議院で初任給百円だけいわゆる国会の権限で修正されました。これに対して政府は受け入れた形でございまするが、百円といったって、こんなものは、これはもう政治折衝の、この法案を通すための一つの政治折衝のアクセサリーだと思っておる。もっと根本的な問題がここにあると思うのですが、努力をするということだけでわれわれ実は納得できないのです。このあとで討論があると思いますけれども、われわれが反対する理由の根源は、そこに大きくあるということを大臣は十分認めてもらいたいと思いますが、その点どうです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 皆さまの御意見は、ずいぶんよく承りましたから、御趣旨のほどはよくわかります。しかし、事柄というものは、そう一足飛びにいくものでは私はないと思うのでありまして、やはり段階的にいくべきだと思いますので、結局表現の方法はほかにありませんので、やはり将来に向かって努力していくという以外には、ちょっと表現の方法がないように私は思うのですが、この問題は確かに重大問題でありまして、これはいわゆる官民全体の問題として、給与の改善ということは将来に向かって推進していかなければならぬ、それに公務員もおくれないようにしていかなければならぬと、いつも考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 お尋ねする時間がないので追及できないのですが、私はそういうことを伺っているのではないのです。今度のことは、地方公務員も一緒に合わせて、一千億の国費というものがこれに費やされている。その場合にそれだけの費用を費やされるならば、もう少しこういうものを勘案して政府自体がなぜ考えなかったか、こういうことを私は言いたいのです。いわゆる上の方は三十何パーセントという高額なベース・アップをやりながら、下の方にはわずかのものしかやっておらない。私はこう言ったからといって、上の方の給与がこれでいいとは言っておりません。上の人は上の人なりにいろいろ事情があるから、これを減せとは言いませんが、もう少しそういう点を考えられなかったか、閣議でそういう問題が出なかったか、そういう点を伺っているのです。その点いかがです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 結局さっきの人事院の勧告を尊重するかしないかという問題と同じことになるのですが、人事院の専門家が、相当の時間をかけて勉強されて一つの体系ができておりますので、その体系全体を見ていった場合、私はそれで現在の時点においては適当である、こう考えた次第でございます。一カ所そういうふうにちょっと政府が直すということは、賛成をいたしかねた次第であります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 大臣は、この前の関係を御存じないから、私はこれ以上言いません。そういうことを言っているのではないのですよ。何もこれを上げるために体系そのものまでくずさなくてもやれるのです。私は初任給だけを上げろといっているのではないのです。一つの例として初任給をとっているのです。その点の認識をはっきりしておいてもらいたい。大臣は、なられて間がないので、あまり追及するとあとできらわれてはいけないから、これ以上は追及いたしませんが、私の質問する要点を十分把握していただきたいのです。もうすでに本日これを上げるという前提に立っておられるようですし、また、われわれもそういうつもりで質問している。従って、私が質問したからといって、この内容がどうなるということは言っておらない。将来に大きな問題を残す。しかも、御存じだと思いますが、下級公務員というものは、せっかく上がることには上がるのですが、上がりながらも不満を持たしてやっている。この政府の立場というものは私は変えなければいけないと思う。そういう意味において、きょうは質問というよりも、討論の意味においてやっているが、この認識を十分持ってもらいたい。もう一度ここではっきり言ってもらいたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) おっしゃることは私よく理解しているつもりなのですけれども、政府の立場といたしましては、人事院の研究いたしました給与体系を一つの体系として観察いたしまして、現在の時点においてはこれが適当であると考えた次第でございます。初任給だけ直すということには私はならないと思います。初任給を直せば、その上の方も直さなければならぬ、やはり一つの体系問題にくるのでありまして、従って、実は百円衆議院でお直しになったことに対しても、政府の見解としては適当でないと考えるから、賛成いたしかねますという意見を、私は政府を代表して答弁いたしている次第でございます。御趣旨はよく了解いたしているつもりでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 これで焦点だけ合わして私は終わりたいと思うのですが、私が先ほど初任給の比較をしたから、大臣は初任給にこだわっておられると思うのです。私があの例をとったのは、下に非常に低いという例で初任給をとったのです、物価指数を出して言ったのは。体系自体はわれわれとして非常に問題がある。下が低い、初任給だけじゃない。そういう点を私は今追及しておる。それを今後変えてもらわなければいけないという趣旨で大臣の所信を聞いているということ、この点を一つ十分に考えてもらいたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 要するに、公務員の給与を全体的、体系的にレベル・アップすべきだという御趣旨と了解いたすのでありますが、そうですね。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ、ここで幾ら討論してもむだだと思いますから、まず一つ過去の戦前を比較して、先ほど各同僚議員から言われましたが、前の下と上との開き、現在の給与の体系、そういうものを一応検討してもらえば、おのずからわかると思うのです。今の場合は、官僚的な制度は一応新しい法律によって除去されたけれども、給与の上においては非常に官僚的なものが入っておるということを私は言っておる。回りくどく言っておるから理解はできないかと思いますが、そういうものをなくしてもらいたい。従って、上と下の格差というものは非常につき過ぎておるから、そういうものを直してもらいたい。それには初任給が低い、こういうことを私は言っておるのだから、その理解はできるかどうかということを聞いておるのです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 御趣旨はよく了承をいたしましたが、公務員の給与の問題、全体の問題は、人事院が常時研究をいたしておるところでありまして、おそらく人事院としても、今後ずっと全般の問題について検討を進めておられることと考えておる次第でありまして、政府もそれに照応いたしまして検討を進めていきたいと思います。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 速記をつけて。

横川正市日本社会党

○横川正市君 委員長にちょっとあれしておきますが、ここの雰囲気で指名してもらうということじゃなくして、大体質問については、私の方できょうは何人でだれということでやっておるのでありますから、それは今まで慣例としてそうなっておるのだから、あなたの方の気分だけで指名してもらわないように、そういうふうにお願いしておきます。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) それは承知しておるから、十分そういうふうに運営いたします。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そこで、私いろいろ論議をされておりますので、給与担当大臣にこの点だけ一つ確かめておきたいと思うのでありますが、一つは、人事院のこの勧告の冒頭に、ことに問題点としてあげられております中では、今度の勧告というものは、民間と、それから一般職との間の給与の差というものが、結果的にどういうふうに現われてきているかというと、民間に人材が流れて、そうして一般職公務員に人材を採用しようとする意思があっても、いい人物を採用することができない、これがこの委員会でずいぶん長い間論議をされてきた中で、政府のそれぞれの所管大臣からも強く要請があって、そして私どもの意見と一致した点から人事院にこれを要請する、こういうことが何回かこの委員会で論議をされているわけであります。  それから第二は、さきにこの委員会では、各民間の人たちの事情を聞くために、埼玉県の森口さんというのは地方公務員、国税庁からは藤井さんという人が公務員を代表し、それから学識経験者として明大の藤本さん、使用者側の代表として三井金属の石橋さん等に来ていただきまして、いろいろ論議をいたしたわけであります。その論議の結果からみましても、大体委員会が勧告までに論議をいたして参りました方向とも、ほとんどあまり差がなかったと思うのです。ことに明大の藤本さんの意見の中に、四点意見が出ておりましたが、一点は、人事院の勧告の時期について、これはさきに直されましたように、三月を起点とするか四月を起点とするかで、人事院は四月を起点とする、これは私はこの委員会の意見をとったと思います。  第二には、人事院の勧告が、民間より常に低め低めといっている実態がこれは不満であるという点で、実は今度一二・四%という上昇率をみております。  第三番目は、これは私は、先ほど鶴園委員からも指摘されましたが、職員団体が要求するものと、人事院が出すものと、政府が了承するものとの間で、過去において非常に大きな違いがあった。この違いが官庁行政機関で業務を担当する者の不満をかこって、業務成績に大きな支障を来たしているから、できれば、これはもうすでに組合も成長した段階だから、団体交渉を与えるべきではないかという意見が付されておりました。そこで私は、そういうような過去のこの委員会の事例から、今回勧告された内容で不満を持っている職員側の要求が三千円の要求をいたしております。これに対して人事院は、二千六百八十円の財源を使って、そうして給与の引き上げを行ないました。財源的にみれば三百二十円の差なんです。普通の団体交渉であるならば、この金額は妥結に近い金額だと私は思うのです。それなのに、今回のこの勧告で、三等級を中心にしますと、三等級約三千六百人、四等から八等までの十九万人、一等、二等の約九百人、人事院の勧告を実施する段階で、九百人の人間は、これは黙ってもらう、三等級の者は何となくこれは不満に思う。四等級から八等級までの者は、まさに不満でやる方ない、こういう格好でこの勧告の実施を受けようとしている。こういうような状況を勘案してみて、あなたは一体これからこういう行政事務に携わる大半の人たちの不満というものを、どう処置されて業務成績を上げようとされるのか、この点について私はきわめて大切な問題だと思いますから、お伺いをいたしておきたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) さっきからるる申し上げておりますように、一つの給与というものは体系がなければならないのでありまして、体系から見まするというと、今日の時点においては、これは適当なものと考えるのであります。従って、いろいろ御不満の点もありましょうけれども、それによって私は行政能率というものが、何か破壊されてしまうというようなことにはならない。非常に不満はあるけれども、この段階においては、これが適切なところだということは皆さんが了解して下さるものと信じております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、これはここで水掛論をやっても仕方がないから、あなたはそう信じている。それから下部へいったら、これはあなたが信じておるのに、一般職の公務員の皆さんはきわめて不満である。そこで、現場では不満を持ったまま仕事をするという結果が出てくると思うのですよ。その不満を持ったまま仕事をしておるものが、給与というのは、私は少なくとも受ける側にすれば、そのことによって生活をするわけですから、そしてそれが少ないという不満は、これはもうその人にとって一番大きな不満なわけなのですね。その一番大きな不満が、雇っておる政府ないしはあなたの部下にあって、十分にその多くの人たちを使っていかなければならない人たちの間で、非常に大きな考え方の違い、そうして、また仕事に対していろいろ言う側と言われる側との立場、そういったものを何らの処置なしに今後いくということについては、私はこれは現実の問題として、相当困難な問題があると思うのですよ。そこで、先ほどいろいろ言われておりますように、さきの高橋給与担当大臣は、体系がなければならない、だからその体系を人事院は理論づけをした、その理論づけは、いわば鉄筋コンクリートのような家だ、どこ一つとってみても、その家の体裁その他からいってまずい、だから今回はこれを通します。それならば、私はまた新たな構想で、もっとりっぱな家を作る努力というものがあってしかるべきだと思うのですよ。今これはいい、しかし、将来これについて、今ここでは申し上げませんが、この委員会は一年半以上も論議をしてきてそして問題点についてはずっと並べてきて、そのうち一、二点を人事院はとって今度の勧告に生かしております。その他はほとんど生かされていない。こういう実態の上から、私は将来直さるべきであると、こう思うわけですが、その点大臣としてどうお考えですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 人事院は、この公務員の給与の問題の、何と申しますか、そういうものを研究する機関でありますので、私は常時人事院は今後研究を進めていくものと考えております。従って、政府としましても、それに照応して、また給与の改定をする時期が必ずくると、こう考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 この報告の第二は、国家公務員は団体交渉権及び争議権を有しないとある。だから給与改善については特段の配意をしなければならない、こういうふうに考え方としては持っているわけですよ、人事院は。ところが、実態は、この団体交渉権の持っているもの、ないしは争議権の持っているものとの間に大きな開きがある、そこに私は不満の大きな原因が出てくると思う。今私は、まあ日本教職員組合が、ILOを土台にいたしまして労働権の問題で争うという、そういう問題を提起して、政府はそれに対して遺憾の意を表したようであるが、私はどういう意味で遺憾の意を表されたかわかりませんが、私もこういう事態になることについては遺憾だと思うのです。国内で話で解決されないものを、国際舞台へ持っていって問題を解決するということが遺憾だと思う。しかし、本質的に問題が解決されないならば、こういうところも十分に私どもとしては活用しなければならない、こういうふうに考えますが、政府自体としては、この労働権の問題について、「今は」というけれども、「今は」ということが不満で国際舞台に提訴されるような段階だが、おそらく公務員についても、近い将来こういう問題が起きてこないとも考えられないんだけれども、政府は、もっと問題を、国際舞台に出ない前に、国内的に問題を解決する、こういう私は努力があってしかるべきと思いますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) きわめて重大な問題でありまして、もちろん今おっしゃいますように、家の中で片づくべき問題を国際の舞台に持っていくということは、まことに遺憾でありますので、そういう点について、十分にこれは研究していかなければならぬことと考えております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 発言について同僚委員から阻止されることは、はなはだ私は遺憾に思いますが、やむを得ないことと思います。  そこで、二、三お尋ねしたいのですが、今までの同僚諸君の質疑、これに対する答弁を伺っておりまして、問題点は大体出尽していると思う。ただ、私の遺憾とするのは、これに対する答弁がいつも堂々回りで、いかにしてこの責任を追及されないようにしておこうかという熱意だけであって、どうしたならば国民に対して責任ある態度を政府として示そうか、こういう熱意に私は欠けておるのではないかと思う。政府の答弁の上手だとか下手だということが、言葉じりをつかまれなかったり、責任の追及をされないということで、これが上手だといわれるようであるならば、私はすでに古い時代の考え方だと思うのであります。これからお尋ねをすることも、項目としてはあるいは重複するかもしれませんが、できるだけ簡単に、簡潔にお尋ねしますので、たとえば時期とか、方法とか、研究をしておるならばどういう方法でどういう機関で研究をしておるというように、具体的な答弁をしていただきたいと思うのです。勧告の実施期日について、先ほど迫水大臣は、財源の不足のためにどうしても十月一日以前にさかのぼるわけにいかぬ、これがもう最大であり、唯一の原因であるというふうにお答えになっております。しかし、前週のラジオ討論におけるわが党の受田君の質問に対して、水田大蔵大臣は、財源ではない、技術的な困難があってできないのだと、明確に言っておられる。つまりこの五カ月も、八カ月もさかのぼるということは、技術的な困難があってとてもできません。技術的ですか、と念を押されて、技術的ですと、明確に答えておられる。これは両者の間に重大な食い違いがある。これは大蔵大臣にもその点、技術的にどういう点がいけないのか、聞いてみたいと思うのですけれども、給与担当大臣として、この点はどういうふうにお考えになりますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 水田大蔵大臣がどういう意味で言われたのか、ちょっとよく私その後話を聞いておりませんから知りません。あるいは予算編成の技術上むずかしい点があるのかもしれないとは思いますけれども、しかし、私が了解いたしておりまする範囲におきましては、水田大蔵大臣も、できるだけ早い機会でやろうじゃないか、五月にやれば幾ら金がかかる、七月にやれば幾ら金がかかる、ずっと計算を立てまして中央地方を通じてやる場合はどうかということをすっかり計算して十月ということが出たと了解しておりますから、技術的な問題ということは、私ちょっと今了解をいたしかねます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 人事院の給与局長に伺いますけれども、実施期日の勧告についてですが、政府が十月一日に繰り上げたということは財源だけであって、大蔵大臣の言うように、技術的な問題はないと了解されるのですか。それとも、財源ばかりでなしに、技術的な面においてもできないだろうと考えられますか。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 人事院といたしましても、ただいま給与担当大臣からお話がございましたように了解いたします。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 人事院は、そうすると技術的に困難ではなくて、財源だけと、こういうふうにお考えになるのですか。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 技術的ということはどういうことか知りませんが、政府で提案理由で御説明がございまして、また、たびたび給与担当大臣から御説明がございましたような理由によりましてこれが延ばされたものである。人事院としては、勧告で申しておりまするように、五月実施ということを人事院として希望するということは変わりはないのでございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 人事院が勧告をする以上は、これもできる限り尊重して実施したいというのは、前給与大臣もしばしばこの委員会で答えられておるので、そこで五月一日の実施を希望しておられるのですから、政府としては、当然それに従うべきである。ただ、たまたまことしはいろいろな行事もあり、衆議院解散等もあってできなかったと思うのですけれども、少なくとも平常の年においては、五月一日の資料に基づき、八月になされた。この間三カ月、こういう状況の中では、もっとこの期間を縮めるように人事院等に協力をいただくと同時に、政府としては、こういう勧告がなされたならば、直ちに三カ月も四カ月も国会の召集を延ばすということでなしに、直ちに実施する機会を持つ、財源等において補正の措置が必要であるならば、臨時国会を直ちに召集する、このくらいの熱意は私はあってしかるべきだと思うのですが、今後におけるこの取り扱いについて、つまり勧告時期の実施について、そのくらいの熱意を持ってしかるべきだと思うが、給与大臣はどうお考えになりますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 抽象的には全くその通りだと思います。ただ、今度もやや行き悩みましたのは、いわゆる自然増収といいますか、財源の見通しを立てるのについて若干の困難があったわけです。従って、予算が一ぺんできてしまった直後、たとえば五月とか六月とかいうときに、さあことしの自然増収は幾らあるのだということの財源のめどをつけさせるということは、それはなかなか困難だと私は思います。いろいろそういう事情がありますが、抽象的には、原則の問題としては片岡さんおっしゃった通りに心得ております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 具体的に言っても、私はやる熱意がほんとうにあるなら、特に経済企画庁あたりで、終始経済の伸び、それから税収入なり財源の伸び等も見ておるわけですから、ほんとうにやろうという熱意があれば、もっともっと縮めて実施し得ると考えておりますので、そういう具体的努力をされるように希望しておきたいと思う。  それから、上厚下薄の問題についてもしばしば論ぜられましたけれども、大臣は、今まで聞いておると、上厚下薄では必ずしもないというようにお考えになっておられるようですけれども、この点は一つ先の質問をするために必要ですから、その点を明確にしていただいて、この出されておる案が上厚下薄ではないとお考えになるのですか。そういう傾向があるということを認められるのですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 給与を一つの体系として考え、同時に、給与改善の一つのプロセスを、ずっと過去から現在、さらに将来に向かって追っていきますように考えていきますと、私は必ずしも日本の現在の公務員の給与体系が上厚下薄であるとは思っておりません。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 今度は総理大臣の俸給が二十五万円、六六・八%の増になる。これは一体どこに根拠を置いて、何に根拠を置いてこれが妥当だという線を出されたのですか。その点を一つお聞かせ下さい。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○政府委員(船後正道君) 大蔵省給与課長の私が出席しておりますので、お答え申し上げます。特別職の給与は、御承知の通り、人事院勧告の直接の対象ではございませんが、従来から特別職と一般職とにつきましては、バランスを考慮して定められてきております。従いまして、今回も一般職につきまして、人事院がそれぞれの職務と責任に応じてそれぞれの給与の変革を勧告いたしましたので、その趣旨を受けまして、特別職の給与の変革もきまった次第であります。御質問は、総理大臣の二十五万円の基礎でございますが、これにつきましては、特別職相互間にも種々のバランスがございました。御承知の通り、特別職給与法で定まっているクラスの中で、最低のものは各種の委員会委員でございます。この各種の委員会委員は、現行七万五千円でございますが、まずこれの改定につきましては、事務次官の改定率、これが本俸といたしまして約三二%、また、基準内給与といたしまして約二八%、これをめどにおきまして、七万五千円を十万円に改定いたしました。ほぼ同率でございます。  次に、また特別職と一般職との関係につきまして問題となりますのは、政務次官と事務次官とのバランスでございます。現行におきましても、政務次官は九万円でございまして、本俸はもちろん、管理職手当、あるいは期末、勤勉手当を含めた場合におきましても、政務次官は事務次官を上回っております。また、この場合に問題になりますのは、立法府あるいは司法府における特別職、あるいは議員の給与がございますが、御承知の通り、立法府におきましては、国会議員の歳費法の第一条に、議員の歳費は、政務次官の俸給月額と同額である、こういう旨の規定がございます。私どもといたしましては、従来からの経緯を考えますれば、その点の考慮も払う必要があるわけでございます。従いまして、まず政務次官の新俸給は、総給与といたしましては事務次官を下ることはない。また議員の総給与も、これは結果論でございますが、そのように政務次官に比準して定まりました場合には、事務次官を下ることはない、そのような観点から、政務次官の給与を十三万円、そのように改定いたした次第であります。  次に政務次官、国務大臣、総理大臣でございますが、この三者間のバランスにつきまして、現行法では十五万円、十一万円、九万円というように格差があるわけでございます。この格差につきましては、今回の改定に際しまして、従来よりも若干広げているのは御指摘の通りでございます。現在国務大臣と総理大臣とは、約三七%程度の格差がございますが、今回の改定では十八万円対二十五万円、約三八・八%に広げております。また政務次官対国務大臣につきましても、現行は九万円対十一万円でございまして、約二二%の格差でございますが、これは今回は十三万円対十八万円というふうに、三八%に広げております。かように、それぞれの職務と責任というものを勘案いたしまして金額を決定いたした次第でございまして、もちろん特別職の職員の給与につきましては、民間会社等の役員給とはもちろん比較にもなりませんけれども、やはり公社、公庫等の政府関係法人の役員給というものともにらみ合わせまして、この程度の改正は決して高きに失するということはないと考えている次第でございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 高きに失するかどうかということではなしに、総理大臣の職責とか責任とかというものが、にわかにはね上がったわけではないのであって、総理大臣の給与というものが、私はやはり逆に全公務員の給与の基準にむしろなる。一方は総理大臣だけがこうした七〇%近いはね上がりをさせて、そうしてもちろんということもないのですが、岸さんはこの前辞退をされたそうです。これは辞退をされるのは、そういうものに生活の根拠を置かなくてもいいんだろうし、また、いかにも面はゆかったであろうが、今度池田さんは辞退されるつもりかどうか、それはわかりませんが、少なくともわれわれから見れば、辞退をしても済むという境涯にある。ところが、一般公務員になってくると、少なくとも、百円でも二百円でも、非常に大きなウエートになってくるわけです。こういう状況の中で、一方のものが三〇%、四〇%どころか、七〇%近いはね上がりをしておる。片方では民間給与に比較して、なおその較差を埋めるところまでいってない。こういうやり方について、私ははなはだ遺憾だということを言っておるのです。で、特別職の給与だから、給与関係大臣は関知しないというさっきのお答えのようですけれども、少なくとも、全公務員に対して、あたたかい気持を持ってこういう問題を処理しようとするならば、当然これらの振り合いについても真剣に考慮され、具体的にどこからこういうはね上がり方が出てきたかということについても、私は研究あってしかるべきだと思うのです。全然これらについての考慮はなかったのですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私の実は担当ではありません。ありませんが、閣議の席において原案をきめます場合には、当然私もそれには参与いたしております。で、二十五万円というのは一体高いのか安いのかということを議論し始めれば、これはなかなか議論があると思います。私は、総理大臣の給与が二十五万円ということは、決して高いとは思っておりません。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 今の俸給表をこの次に改正をするのは、やはり民間給与を調査した結果になるわけですが、その場合に、これは人事院にお伺いします。五十人以上の事業所について調査をするということでありますけれども、御承知のように、五十人そこそこの事業所では、最低賃金すらきまっていないようなところもあるわけです。こういうところをとっていくというやり方は、どうも納得できない。今後のやり方について、何かこの事業所の取り方等に、あるいはその他これに関係する方法について、改むべき点を考えておられるのかどうか、これを一つお尋ねしておきたい。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 人事院は、御承知のように、民間の給与調査を行ないまして公務員の実態を把握いたしまして、そうして勧告をいたすわけでございます。まあ五十人という問題が出ましたが、調査方法等につきまして、従前と同じことを繰り返してやっておるのではないので、やはり変える方が合理的であるということにつきましてはやっております。五十人という問題でございますが、人事院としましては、公務と同じような職務内容をやっておるものをとらえるということが趣旨でございます。おおむねそういうことから参りますならば、五十人以上というのは、五十人の辺だけをとらえるということではないので、それ以上の比較し得べきものを全部民間においてとらえる、こういう趣旨でございます。従いまして、大局的に申しまするならば、調査方法等につきまして、今後十分検討したいというふうに思いまするけれども、五十人という点について改むべきかどうかということをこの席上で申し上げるわけには参らない。現在のところ、人事院はこういうところで適当である、このように考えておる次第でございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 私は、今まで数回委員会に出席をしておりましたけれども、同僚諸君の質問のために、全部譲歩して参りました。従って、この法案が採決されるにあたって、党としての意思を決定するために若干の質問をしておるわけですけれども、理事会における決定によって、質問を終結するようにという今同僚議員のお話でありますから、あえてこれに逆らってまで私は質問を続けようと思いませんけれども、委員長において、今後の委員会の運営に、少なくとも各議員の発言が不当に拘束されることのないように、十分なる配慮あらんことを私は希望して、この際は質問を終わっておきます。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 ごく簡単に一言だけ……。今までの皆さんの質問に牽連して、人事院の方に簡単に伺いたいのです。  このことが新聞等に報道されましてから、一般世論は、いわゆる上に厚く下に薄くと言うて非難しておる。ところが、この増加率を見ると、六六%、六三%、一番下が三七%あるいは三三%、一体こんなに上に厚く下に薄くしなければならないのですか。これは私一つ伺ってみたいところですが、同じ増加するにしても、増加率を何も、昔そうであったからそうしなければならぬということはない。結局時勢に応じてその増加率をふやせばいいと私は思うのだが、こんなに差額を設けるということは、どういうわけですか。差額を設けた理由、非常に差額を多くした理由を一つお伺いしたい。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) ただいま御指摘の率の問題でございまするが、これはおそらくは特別職のことをおっしゃっておるのだろうと思います。で、人事院が勧告いたしましたのは、一般職のことでございますので、その範囲でお答え申し上げます。人事院は、意識的にこのパーセンテージを上げ下げしたものではございません。これはやはり公務部内のバランスということも考えまして、それで民間と対比いたしまして、それぞれ見合うような改善率にいたした次第でございます。従いまして、独善的に人事院が上を厚くするということを意識して、何もかまわずやったというものではございません。なお、人事院は、過去におきまして初任給の手直し並びに中だるみの是正というようなことをやって参っておったのでありまして、そういう段階におきましては、上下倍率と申しますか、そういうものが必ずしも適正でなかった、その時期がよかったとは申せなかった、このように思うのであります。  で、現在人事院が勧告いたしましてお取り上げ願っております法律におきまする上下倍率ということは、これは倍率の点から見ましても、ただいま私が申し上げました初任給の調整あるいは中だるみ是正をやりました前の状況から比べて、不当に開いておるものでもございません。以上お答え申し上げます。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 今あなたの御説明によると、民間の収入というものと見合わしてというようなお言葉がありましたが、民間の業務に従事する人と、公務を執行する公務員とは、職責が違うのですよ。民間の人が一カ月に五十万円取ろうと百万円取ろうと、それは勝手なんです。民間では、収入いかんによって金額を上げたり下げたりすることは勝手であるが、いやしくも公務員というものは、国民の膏血によるところの租税をもとにして収支を決定し、国民の財政状態と見比べてしなければならぬのですから、民間がそのように高いからというて、公務員の増加率を民間に比例してやるというようなことは、これは人事院としてもよくないことなんだ。これは実は考えてもらわなければ、また、こういうようなことに対しましては、政府としても、人事院がこういうような勧告をしてきたから、人事院の勧告を尊重せにやならぬということはない。政府は政府として、人事院の勧告が、はたして国民の意思を尊重し、政治家として当然なすべきことであるかどうかということを慎重考慮した上で、人事院の勧告をいれるかいれないかを決すればいいわけです。人事院がこういうことを言ってきたから、これをそのままに認めて、これを国会に提案するとかいうようなことは、これは政府としても考えてもらわなければならぬと私は思う。この点について、あなたの今の人事院の御意見をもう一ぺん伺うと同時に、関係大臣でないということはよくわかりますが、国務大臣という立場において、ちょっと一言あなたの意見を承ってみたい。両人からお答えを願いたい。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 人事院が勧告いたしますのは、人事院が勝手に考えてやっておる次第ではございません。これはやはり国会においてお定めになりました公務員法あるいは給与法この際は公務員法が主でございまするが、その条項に基づきまして、公務員の給与というものはどうあるべきである、こういうことを考えて人事院は勧告しろという趣旨の規定があるのでございます。従いまして、その規定に基づきまして人事院は勧告をいたしておる次第でございます。仰せのように、公務員はその給与は税金からまかなわれるということはお示しの通りでございます。しかし、また別途、やはり公務といえども、適正に給与がきめられませんと、やはり公務能率の低下というようなこともございます。また、一方におきましては、国民の納得も得なければならぬというようなこともあるわけでございまして、そういうことで、公務員法にきめられておりまする範囲で、人事院といたしましてはこういうふうにやるのが適正である、このように考えて勧告いたしておる次第であります。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 ちょっと待って下さい。そうすると、何か法律で増加率がきまっているのかね。あなたの言うことは、法律で増加率がきまっておるならば、総理大臣、会計検査院長、人事院総裁は六三・八、あるいは最下級の地方財政審議会委員だとか、あるいは東宮大夫とかいうものは三三・三%というふうに法律できまっているのだ、法律できまった通りに、現行法をもとにして、そのきまった率に基づいて上げるについては、これは私は文句を言いませんよ。しかし、法律で増加率まできまっておりますか。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) それはきまっておりません。で、きまっておりますることはどういうことかと申しますると、公務員の給与をきめます場合には、民間の給与というものを十分調べて、そうしてその上で、その給与に見合うように、また、職務と責任に応じて公務員の給与というものはきめられるべきものである。また、生計費の点も考慮して公務員の給与を作り、それを勧告しろ、こういうことがきめてあるわけです。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 そうすると、私の言うようなことは考慮に入れないで、あなたの言うようなことばかり考慮に入れて増加率をきめていい、こういうことになるのか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 先生少し誤解をしておられるのじゃないかと私は思うのですが、今先生のごらんになっていらっしゃる表は、特別職の表でございます。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 いや、特別職で今質問している。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 人事院の申しておりますのは、公務員の一般職の方の話をしておるのでございまして、一般職の方の給与体系をきめました上で、特別職はそのバランスに応じてきめていったものでありまして、その責任は大蔵省がこれは持つのであります。従いまして、今総理大臣が六六%ふえるとか何とかというようなことは、あとから出てきた計算で、ふえる率を先にきめたのではなくて、一応総理大臣は二十五万円というところに標準を置いて考える。それは国会議員の歳費の問題との関連もございましょう。そういうふうにして、特別職の一つの標準を大蔵省で作ったものでございまして、その大蔵省が作ったものを逆算してみるというと六六%の値上りになっている、こういうことに相なるのでございます。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 今、迫水大臣の言われたようなことは、これはそうでありましょう。そうでありましても、人事院がこうしてきたから、人事院の増加率を基礎にして政府がやらなければならぬということは、人事院の指図に従って政府は駆使されているようなふうに見える。人事院のやり方が悪かったならば、これは是正すればいいわけです。だから、そういうようなことは迫水さんも国務大臣の立場において一つ考慮して、あなたの将来もあることだから。  それから、人事院の方に言いますが、まあそれは一般職のことでなくて、特別職——普通のことに対しましても、やはりこの増額するというようなじぶんには、増加率というものをやはり考えてやるということが、君、ほんとうに国情に適し、政界、財界等のことと比較して、公務員はかくあるべきものであるということを考慮に入れて増加率というものをきめることが、人事院に課せられた私はほんとうの仕事だと思うのだね。それを一つあなたは局長でおありになるのでしょうが、人事院総裁にも、こういう意見があったということを述べて、これがどういうふうに修正されるか知らんが、将来はやはりそういう立場においてやらないと、さなきだに国民は、また月給を上げたのだ、上げたのだというようなことになるということは、やはり政府や官公吏に対する国民の信用ということにも関係するのだから、何も官吏は月給によってぜいたくしなきゃならんということはないのだから、こういう点も一つ考慮に入れていただきたいということをあなたに申し上げて、これ以上あなたを追及しませんよ。それはそういうようにした方がいいと私は思う。  それから、迫水国務大臣は、あなたはこれは直接関係がない、これは大蔵省だとおっしゃるけれども、国務大臣というお立場で、やはり今私が申し上げたようなことを念頭に入れて閣議で意見を申し立てて、なるべく是正されることは是正して、あまり国民から非難攻撃を受けないようにするということ、その方が国務大臣としての十分な職責を尽くしたものであろうと私は思うのですが、これは私もあなたより年が上だから、年が上の一松がこういうことを言うたということを、一つ、ついでのときにまた池田君などに話して、考慮していただきたいということを申し上げて質問を打ち切ります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと迫水長官、さっきの答弁を取り消していただきたい。ということは、一松委員は決して誤解していません。正論をはいているわけですよ。で、私その根拠を申し上げますがね。一松委員は、もちろん一般職と特別職を一緒に質問しているわけだ。一般職だけで見て、何でしょう、一番率の低いのが八・四%しかしがっていないでしょう。そして一番高いのが三三・六%、一般職です。金額にして新聞には最低八戸円と書いてあるが、最低は公安職の(二)表の八等級の一号は七百円しかしがっていない。そして最高は二万三千八百円上がっているのだね。そこで、特別職は大蔵省所管で、こういう法案が出たから、一体特別職の表をいかようにしたか、その根拠を示しなさい、その資料を出しなさいと要求したところが、大蔵省は、三十五年十二月十八日付で、ここに内閣総理大臣等の給与改定方針についてという資料が出ているのです。その資料には、先ほどちょっと私申しましたように、この事務次官の給与改善率約三二%を基準として、そしてこれを十万円と置いている。そして勧告の趣旨に従って、国務大臣等では、類推算定したところがかくかくの金額になったと資料として出ているじゃないですか、私の要求に基づいて。だから、一松委員が、総理大臣は六六・七%上げた云々というのは、これは人事院の勧告の最低八・四%から最高三三・六%に至る勧告、それを基礎にして、そして大蔵省が算定したということは資料として出しているじゃないですか。だから、一松委員が特別職について言っているのは、人事院の勧告方針と無関係じゃ断じてないわけですよ。それだから、迫水長官が、一松先輩は誤解していると言うが、誤解じゃないですよ。ここにちゃんと資料が出ているわけですからね。しかもその傾向は、さっき僕が申し上げたように、国会の立法考査においてずっと調べていただいたところが、世界各国の趨勢と逆行しているわけですよ、こういう開くような勧告をしているのは。ちゃんと立法考査局の資料に出ているから、私はきょうは詳しいことは言わなかったが、それだからわれわれも指摘しているが、さすがは一松先輩だ。ちゃんとそういうことを指摘しているわけだ。だから誤解でも何でもない。大臣のさっきの御発言を取り潤してもらいたい。そして今後の善処を約束してもらいたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) まあ誤解という言葉を取り消せというなら簡単に取り消しすまけれども、私の申しました趣旨は、人事院の局長と一松先生との間の問答が、人事院の局長は一般職の話をしておるし、一松先生は特別職のお話をしておられるようだし、どうも食い違いがあるようだ。従って、話のべースが違っておる、こういうように思ったものですからちょっと申し上げましたので、矢嶋参議院議員がおっしゃる全体的な問題とは、何ら私の誤解という言葉とは関係がないので、お互いに話のべースが違っておるというところを申したのでありまして、もしその誤解ということがいけないというなら、私は簡単に取り消しておきます。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後は二時から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時二十二分休憩    —————・—————    午後二時二十九分開会

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) これより内閣委員会を再開いたします。  午前に続いて、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案ほか二案の給与関係三法案を一括して議題とし、質疑を行ないます。政府側出席の方々は、西村防衛庁長官、小野防衛庁人事局長、木村防衛庁経理局長、船後大蔵省給与課長の方々でございます。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛庁長官に伺うことがたくさんあるのですが、きょうは若干の重要な点についてお伺いしたいと思います。  まず、給与の関係を伺いますが、今度の改正で防衛庁の予算の中で、人件費は何%になりますか。

木村秀弘防衛庁経理局長

○説明員(木村秀弘君) 大体四〇%ちょっと上回るかと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 法案作成にあたって、国会に提出までに防衛庁長官として最も苦心した点はどういう点でございますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) これは私がちょうど任命されます前に、すでに法案の下準備はできておりました。従って、内輪話になって申しわけないのでありますが、私が苦心したというよりも、前長官がいろいろな折衝の過程において苦心されたろうと思うのであります。特に自衛官の待遇については、従来からある程度の特殊な形式をとっております。こういう点が私は法案作成においての苦心の段階ではなかったかと思うのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛庁に勤務しておる事務官と自衛官とは、全く別個の俸給体系になっておりますが、私見を申し上げますれば、私は、災害出動とか治安出動とか、あるいは局地戦争がかりに起これば、要するに、そういう危険性を伴う何か事態が起こった場合における自衛官の待遇というものは、相当厚くしなければならぬと思いますが、平時において、同じ防衛庁に勤めておる防衛庁の事務官と参事官等の俸給表、さらに自衛官の俸給表というものについては、再検討の要があるのではないですか。どういう見解を持っておられますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 自衛官と、主として非自衛官の給与体系というか、給与の計算の仕方について違っておる、この点については、私は現在の制度は今後もやはり検討はしなければならぬことは多々あるのではないかとは存じますが、一応現在の法案の骨子になっております給与体系というものは、やはり非自衛官と自衛官とは、職務の内容と申しますか、それがかなり違っておるという点から、当然こういう形が長い間にできて、今日も継続しておる、こう考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は、一般職等と比べる場合に、妥当な体系になっていないという見解を持っています。階級によって、全部職階制で給与体系ができておる。それで昇給期間が全部十二カ月、そうして昇任に要する期間は、この前資料を出していただいたところが、かなり短い。これで参りますと、防衛庁の人件費というのはますますふくれていって、全防衛庁の予算の中で、現在約四〇%というのですが、非常に業務運営に支障を来たしてくるかと思うのです。だから、階級差によって俸給表はできておるが、それを若干手直しをすること、それから昇任に要する期間、これを私はもうちょっと長くして、そして現在の定年制の年限をちょっと長くこれまた延ばすというような、そういう点からの総合的な再検討を要するのではないか、かように思いますが、大臣の所見はどうですか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 私としては、まだ十分な意見は持っていない段階であります。ただ、根本におきまして、自衛官には特殊な任務の内容があります。そこで、定年制であるとか、あるいは昇任期間の比較的短縮であるとか、また、等級制というものを厳格にするという、そういう特殊性というものが、おのずから給与体系の中に基本になっていかなければならぬ。それはもちろん矢嶋先生がおっしゃるように、国力、財政力に応じての自衛力という観点から見まして、また、自衛隊の国土を防衛するという目的というものに、合理的に自衛隊が発揮できるという観点から、これらは今後も絶えず検討と申しますか、工夫はこらして参りたいという考えでございます。なお、細部につきましては、政府委員の方から御答弁申し上げます。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) ただいま長官から申し上げた通りでございますが、補足させていただきますと、自衛官の俸給表といいますか、俸給につきましては、特に昇任の期限の問題、階級が上がるに必要な期限の問題があるわけでございますが、御指摘になりましたのは、できるだけ階級の上がるのをおそくして、長いことやらしたらどうかというお話のように伺いましたが、御承知のように、自衛官の俸給体系といたしましては、大体一般の公安職とできるだけ均衡をとるようにしているのでありますが、特に幹部につきましては、幹部候補生、つまり大学を出ましてから採用されますと、そのときから一佐になりますまでの間というもの、その全期間を通じまして、公安職の方の職員に均衡をとるように考えてございます。ただ、そのうちで下級の幹部、尉官でございますが、この辺のところは、その勤務の、特に第一線勤務の関係上、めんどうをみておりまして、ほかと比べまして、やや高くなっているわけでありますが、一佐のところへ参りますと、他の公務員の方と同じような大体状況になっております。なお……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 こまかい点はよろしいです。  これは防衛庁長官、国務大臣ですが、防衛庁長官という一方的な角度に立ってお答えになっておられるから、質問しても意味をなしません。これは私は意見をちょっと1申しておきますが、防衛庁の内部においては、防衛庁に勤めている事務官と自衛官との関係、それから参事官等の俸給表との関係、これは問題があります。それからまた、特別職である自衛官と一般職の関係にも問題があります。それから算定方法の一・一二五という、一二五という数字の根拠、一・二四の二四にも問題がある。それを防衛庁という立場から、その角度のみから見たのでは議論にならない。たとえば防衛大学を卒業して一年後に、この前の答弁では一万九千五百円になる。海上保安大学は一万五千八百円、それから教育職の場合では一万三千八百円、これだけ差があるわけです。それにもってきて、さっき言った一・一二五の計数というような点について、相当問題があります。それから、階級ごとに全部俸給ができている。昇任期間の問題、この調子でいったならば、人件費が非常にふくれていって、定められたワク内の防衛庁予算では非常に業務執行上支障がくるようになるか、それとも防衛庁の予算が飛躍的に拡大するか、いずれかになると思うのですが、これはほんとうに審議するためには、人事院なり政府の給与担当の方、大蔵大臣、さらに防衛庁長官、こういうメンバーがそろわなければ、質疑応答しても意味をなしませんので、防衛庁長官に角度を違えて、若干許された時間内で伺っておきます。あなたにお目にかかる機会は、今国会もうないと思いますので、当面重要な問題について伺います。それは、現在の自衛隊は整備の段階にあるのではないか。現在自衛隊は、この前の資料では、九月現在で二万有余の欠員がある。このたびまた八千四百五人増の法案を出しておられるが、そういうことじゃなくして、整備の段階にあるのではないか。特にアメリカがドル防衛措置を強化して、対外軍事政策を大きく転換をして、新聞にも報じられておりますように、NATOのイギリス、フランス、西ドイツ、ルクセンブルグ、こういう四カ国の計画を修正して、軍事援助を打ち切る、無償援助の方針を打ち切る、これほどの動きが出ておれば、防衛庁においては、来年度の事業計画、ひいては、これは第二次防衛計画の初年度になるのでしょうが、第二次防衛計画そのものを抜本的に、今の時点に立って根本的に私は検討なさるべきで、赤城防衛庁長官時代のそれを踏襲するというようなことは、非常に私は時代に即応しない、ズレておると思うのですが、お答えいただきたい。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 防衛の基本につきましては、国防会議において決定いたしました基本的なものは、今直ちに変更するという考えは持っておらないのでございます。ただ、御存じの通り、アメリカで政権が交代になり、多少国防に対しての考え方というものを、基本的にいろいろ発表になっております。しかし、特に私どもは、部内において、この点は関係がありますから、検討いたしておりますが、極東に対する防衛の基本的な考え方というものは、そう変わっていないようにわれわれは判断をいたしております。従って、従来の基本的な方針というものが、われわれこれによって影響はしない、問題は、それからずっとおりて参りますところの計画の面であります。これは当然財政との関連を持っている。そこに三十三年から三十五年までの防衛力整備計画が一応切り変わる来年度以降において、新計画に入らなければならない第二次防衛力整備計画、これは矢嶋委員の御存じの通りであります。そこで、現在の段階において、ただアメリカが特に強く打ち出してきたのは、ドル防衛政策等からくるところの無償供与等が、ある程度変更するか、これらは当然われわれは従来の考え方と調整をしなければならぬ多少の部分が残りはしないか、こういう点でございます。  なお、それから自衛隊の要員であります。現在法制上十七万、それに今回春の国会で予算を御承認していただいて、それに伴う法案としての八千五百名、これの大部分、主たる部分は海、空であります。陸上自衛隊には、確かに現在一万八千の欠員がございますが、これに対しましては、われわれはできる限りその目的を果たす意味においての努力をいたしたい、こういう段階でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は数点伺いますが、赤城防衛庁長官時代にこしらえた第二次計画というものは、五カ年計画でMSA無償援助千五百億円を予定しておったわけですよ。現在ケネディ政権ができて、ドル防衛計画を立てているときに、これだけの無償援助を期待して計画を立てて間違いないという見通しをあなた持っておられるのでありますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) その点が多少ございますから、私はまだ長官に着任いたしまして、直ちに赤城長官時代の二次防衛計画をそのまま受け取っておるわけではありませんで、部内においてただいま検討さしておるのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 根本的に再検討なさるわけですね。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 私は、その根本的なという言葉の取り方でありますが、関係のある部分においては、当然ただいま部内において検討をいたしておる段階でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 具体的に伺いますが、例のロッキードの国内生産計画等も含めて、私は再検討されるのが適当だと思うのですが、どういう見解を持っておられますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 今経理局長からお答えさせます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛庁長官に伺いたいのです。あなたの高度の答弁が……。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 既定計画で私は参るつもりでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では、当初予定しただけの援助が期待される、この責任を持てると、そういう御見解に立っておられるわけですか。念のため伺っておきます。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) これは私どもにおいては、すでに折衝の済んだ——アメリカ側の警備分担と申しますか、供与と申しますか、その分はたしか七千五百万ドル、これはたしか決定しておると考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それは、それだけ聞いておきます。  あなたは長官就任後、軍事顧問団なり、アメリカ大使等にお会いになってごあいさつをし、日本の防衛の問題についてお話し合いをされたことはございますか、いかがですか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) もちろん私は非公式にはあいさつはしましたが、これまでまだ人によっては会えない。と申しますのは、御存じの通り、国会開会中でございましてからだに時間の余裕がございませんから、まだこの問題までは私は触れておりません。しかし、私どもの部内におきましては、それぞれの担当者は接触していると、こう思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は、これは官房長官に質問すべきものなんだが、あえてあなたに御質問申し上げますが、十一月の二十九日に、閣議決定で、本国会に出す提出法案は十五件ときまったのですよ。そうして保留四件があったわけです。その中に防衛二法案というものは出ていなかったわけですよ。国会末期になった十七日に、あなたの主張で、突如としてこの防衛二法案が国会に上程されて参ったわけです。追っかけて国防省設置というようなラッパを吹かれておられますが、非常に勇み足の感がするわけですね。どこからかあなたは刺激を受けておられるのじゃないかと思うのですが、そうでなかったならば、もう少し慎重に対処していただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) もちろん私の職責は、防衛という重要なる、また、国民生活に非常に影響の大きい仕事でありますから、私自体としては、慎重に考えております。また、長い目でものを見たいという気持は持っております。ただ、防衛二法案につきましては、私着任いたしました前後の閣議におきまして、あるいはその他においてあと回し、多少事務その他の関係から、あとで、国会の中途において、どうこれを政府側としては扱っていただくかということを決定したい、こういう趣旨から、これは全然出さないという趣旨でおったわけではないのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あと二、三問伺わしていただきます。  それは第一点は、あなたは調達庁も所管されておられるわけですが、調達庁の今後の機構の問題について、長い間立法府から要請をされ、お宅の方では検討されるということで本日まで参っているわけですが、新安保条約と新協定の実施によって、調達業務はかなりふえていると思うのですが、これを完全に実施し、補償業務をやる。それから自衛隊みずからの土地買収補償等もあるわけでありますから、現在の調達庁の機関というものを、総合的に半永久的な機構として整備するように、早急に研究対処さるべきものだと思うのですが、長官はどういう見解を持たれているか、承っておきたい。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) その点におきましては御同感であり、部内におきまして従来も検討してきておると思いますし、また、私ども今後検討いたしまして、できるだけ早い結論を得たい、こういう考えでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に、当面緊急の問題として承っておきたい点は、新長官でありますから、あなたの郷里にも近いのでありますが、例の北富士、東富士演習場の接収解除については、前長官は、積極的に米軍とこれを交渉して一日も早く接収解除できるようにする、そうして地元民の生活扶助のために、入会慣行は尊重して、話し合いで参るということを何度も本委員会で確言いたしておりますが、この基本方針には、今後も新長官としては変わられないかどうか、これを確認いたしておきたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 私といたしましても、もちろんその引き継ぎを受けておりますし、当然またやるべきことだと思っておりますが、ただ、相手あっての交渉でありますから、十分その点を考慮しながら、それぞれ日本側にも相手、また向こう側にも相手があるわけなんです。それらを考慮しながら、慎重かつ迅速に努力をして参りたいというふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その入会慣行を尊重するということは、間違いなくやりますね。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) それらについては、もちろんその基本的な気持は変わりありません。ただ両方が、それぞれ私に折衝すべき立場になってくるわけであります。言いかえれば地元民、また同時に米軍、そういうようなところは十分考えながら、迅速に、かつ、摩擦を最小限に食いとめる方法でやって参りたい、そういうふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後に、大蔵大臣もお見えになっているようですから、他の委員が質問したあとで、給与関係で大蔵大臣に伺いますが、時間が参りましたから、防衛庁長官に、最後に二、三点伺っておきますが、予算編成期にも入って参ったわけですが、駐留軍施設提供等諸費、いわゆる防衛施設費——防衛分担金は新安保条約でゼロになったわけですが、ところが、アメリカはドル防衛の関係から、西独あたりでは増額を要求して、これを西独からけられておりますが、新安保条約は発効しているわけですから、あの防衛分担金は復活してほしいとは申してこないと思うのです。われわれの懸念するところでは、防衛施設費の増額を要求してくるのではないかという予感がいたします。あなたはそういう予感を持っていないかどうか。もしそういうことがあったならば、これは防衛分担金の復活の形の変わったものになるわけですから、断固として日本政府はこれを排除すべきだと思うのですが、念のために承っておきます。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 私も、今そういうことはあり得ないとは一応想定いたしております。しかし、かりにそういうことが起こりました場合におきましても、私としましては、日本の財政というものの当然制約もありますし、また、従来のいろいろな経緯等も考えまして、十分御意見に沿うような形で努力をして参りたい、こういう考えでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 簡単に質問いたします。自衛隊の本質論は一応問題外として、給与の問題に関して一つ防衛庁長官にお尋ねしたいのですが、大前提として、現在の自衛官の給与そのものが、防衛庁長官として、これでいいのかどうか、どういうお考えか、これを一つ前提として聞きたい。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 防衛庁長官といたしましては、それはまだ部内において欠くるところもありはしないかということを感じております。たとえば食事の供与その他を考えましても、万全とは思われぬのであります。しかしながら、国の財政力、自衛隊全体の経理等も考えて、一応この段階で妥当であると考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 この自衛官の俸給表そのものは、かつての、前の憲法にもある陸海軍軍人というものに対して、何らかの関連性を考えられておるかどうか。きわめて抽象的ですが、一つその点お聞かせ願いたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) この点は、不肖まだつまびらかでございませんので、政府委員の方から答弁し、足りない分は私責任をもって補足いたしたいと思います。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 旧陸海軍の軍人との関係をというお尋ねと思いますが、たとえば階級と申しますか、そうしたようなものについては、従来と名前も違いますし、また、本質も違うのでございますけれども、おおむねそれに似寄ったような部隊構成を採用しておりますけれども、特に旧軍関係と結びつけた体系というものは考えておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 実は、この自衛官の給与の問題では、ずいぶん尋ねたい点があるのでございますが、きょう一日で、まだほかにもありますので、もう一問だけ一つ具体的に聞いておきたいと思うのですが、この俸給法によって一等陸曹以下、昔のいわゆる任官しない階級の人、一応こういう表現をしておきましょう。陸曹以下の給与と、それ以上の給与のバランスについてどういう考えでおられるか。当局でけっこうですから。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 建前といたしましては、幹部と陸曹以下との間に、特別な方針の違いというものは考えておりません。御承知のように、一般職、特に公安職の各階級、各等級のそれぞれに相応するところとにらみ合わせて俸給体系を作っておりますので、一応は一般職の上下の体系と、ほぼ同じとお考えいただいていいと思うのであります。ただ曹と士のところは、食糧費を俸給からもともと引いて俸給表ができておりますので、それだけ差額は大きく目につくわけでありますが、普通に計算いたしますならば、曹士の俸給表に出ておりますその金額に、ただいまのところでは二千五百八十五円を加えていただいたものが幹部と見合いのとれる金額でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 もう一問。かつて陸海軍人の当時の徴兵制度で徴兵されるという人々は陸士以下だと思うんですが、そういう方に対する給与の考え方ですね、その当時は、もう給与というものはほとんど考えておらなかったような状態ですから、そういうものに対する考え方はどういうものですか。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) やはり自衛官も国家の公務員でございます。そういう点から、特に比較的職種を近くする公安職の職員と均衡をとるようにという考え方ですべての給与体系を考えておるわけであります。複雑になっておる点はございますけれども、基本の考え方は、公務員としての俸給体系を考えております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 三等陸士なり、あるいは二等陸士の現在の表に現われておる給与額というものは、これはもうわれわれとしては問題にならないと思う。実際内部でどういう経理をされておるか知りませんが、これではもう今日の俸給金額としては、常識上考えられない。自衛隊そのものがいい悪いは別として、人間に与える給与としては、私らとしてはこれは問題があると思う。営内居住であるから、これに対していろいろ食糧とかそういうものを補給されておるとは聞いておるけれども、それといわゆる陸、海、空将の比較をすると、これは一般職でも論じられておるのですけれども、きわめて、なお上に厚く下に薄いという、こういう関係が出ておると思う。こういうものに対して、私は防衛庁当局としてまた、長官として、今後どういう考え方でおられるか。それだけ聞いて私の質問を終わりたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 給与体系あるいは等級差のきめ方というのが非常にむずかしいとは思います。しかしながら、現在までに検討を加え、また、従来ずっといろいろな経過を経て参りました現在において私はこれは妥当であると、こういう解釈で進んでおります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 もう終わるつもりだが、妥当だと言われると異議があるのだが、私は長官の言われる妥当であるということには考えておらないことを強く主張しておきます。

下村定自由民主党

○下村定君 今年出されました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、これは全般につきましては、私は別に異議はございません。一般の公務員と均衡を保つと同時に、自衛隊の使命と訓練、勤務上の特質が相当に考慮されてある。ただ細部の点につきまして、この給与は、ひとり俸給のみならず、いろいろな点におきまして、こまかに見ますというと、非常にでこぼこがあるように思う。そういう点を一つ今後十分に御検討いただくように御要望申し上げたいと思います。  それから、現在出ておりますこの案の中につきまして、初任給調整手当というのがある。これは、その範囲は政令で定めるというふうになっております。その範囲につきましてどういうお考えがありますか、伺いたい。と申しますのは、現在自衛隊は、職員並びに隊員ともに補充難であることは免かれませんが、中でも医官、それから技術官、それらについては非常な不足を来たしておるように私は聞いておる。医官のごときは、たとえば一万人近い駐屯地で医官が一人しかおらないというようなことでは、これはもうとうてい防衛上ばかりではない、非常に人道問題になってくるのではないかと思います。従って、この初任給の調整手当につきましても、そういう考慮が必要じゃないか。また、任官後にこれらの人が安んじて職務につくような措置が講ぜられるべきではないか、そういう点を一つ伺いたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) お説のように、特殊な技術を持った者は、民間の経済、いろいろな待遇との関係を考慮しなければならぬと思います。その意味で多少の考慮は入れてあるわけであります。その詳細につきましては、ちょっと人事局長から御説明申し上げたいと思います。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) ただいまお尋ねの初任給調整手当でございますが、防衛庁職員につきましては、一般職の職員に準じております技術官については適用されるのでございますが、自衛官に適用されないのはどういうわけか、技術出身の医官あるいは技術自衛官がおるわけでありますが、それに適用したらどうかというお話と存じますが、この点につきましては、一応の検討はいたしたのでございますが、やはり自衛官一本の体制から、技術自衛官も、あるいは医療の自衛官も、一応のところは、ほかの一般自衛官と同じ給与表による一般の公安職の俸給を基準としたもので統一していくということが適当であると考えまして、今回はこれを適用しないことになったのでございますが、お話の通り、医官あるいは技術官というものの採用に困難いたしておりますので、何らかのそうしたものに対する考慮はいたさねばならないということで検討をいたしておる状況であります。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 簡単に一問だけお伺いします。  自衛隊の給与の体系の中で、管理職手当というのがありますが、この管理職手当はどういう気持で支給されておりますか、どういう性格を考えておられますか。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 管理職手当につきましては、一般職に対しまして給与せられます管理職手当と同じ性格のものでございまして、管理監督の衝にある者につけられる特別の調整額でございます。その点につきまして、自衛官もそういう地位にある者に対しては、若干でございますけれども、管理職であるということを示すために、上級の幹部には給与いたしております。しかし、これは名目でございまして、金額としては、率としては六%とか、あるいは二%、一%というような程度でございます。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 長官にお伺いしますが、これは長官から答えてもらいたい。この管理職手当というものは、一般官庁並みに、その基準によって支給されておるというが、自衛隊の持っておる特質というものを給与の上において長官はどう考えられますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 防衛庁には、もちろんシビルの、而もあるし、それから御存じの通り、制服の面もございます。特に部隊を編成しておる者は部下の掌握ということが非常に大切だと思います。その掌握ということについては、デスク・プランをやっている人間よりも、やっぱり物心両面において困難な面もあると思います。いわんや、その諸君が何か有事の場合には、危険を顧みず働いてもらわなければならない。その意味において、私は、将来それについては、単なるデスク・プランをやっている者がいただける管理職手当というもの以上の一つの考え方をもって改善、工夫を加えて参ることが必要ではないか。将来に向かって一つ工夫をしてみたいという考え方を持っております。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 それじゃ提出されたこの資料は全く反対です。その一例を申しますというと、陸幕の課長、大佐クラスは月額六%管理職手当をもらっておる。ところが、第一線で兵隊と汗をかいて危険な立場に飛び込んでいく隊長は一%とか二%、これが一体自衛隊の性格を表わした給与体系と言えますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) もちろんそれはそれなりの説明、一つの経緯をたどって今日提案になっておると思いますが、同時に、私どもとしましては、ただいま申し上げましたような第一線部隊の人心掌握、しかも、それは時と場合によれば、日に夜をついで掌握をしなければならぬという場面も往々あるだろうと思います。将来に向かって十分その意をくんで改善、工夫というものは考えて参りたい、こう考えております。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 私どもの体験から申しましても、中隊長、大隊長になりますと、二百人とか千人の部下を持っております。ただいま現在の状況について申しますと、北海道の一番北の端にいる駐屯部隊長、ここに入っているのは鹿児島の兵隊です。そうすると、鹿児島の兵隊は、親戚もなければ友人もおらぬから、結局日曜日には自分の上官の家にやって来て、どんぶりの一つも食わなければならぬ。食わしてやりたい。着物を質に入れても、部下に食わすというのがわれわれの若い時代の状態であります。従いまして、旧軍においては、直接部下を持って、部下とともに命をかけて働く地位にある者には、中央のデスクにおいて仕事をしている者よりも、隊長加俸というものがあった。そうしてそれによって、命令とか服従という冷たい関係じゃなしに、上下の者がほんとうに一つのかまをつつきながら中隊長の家でごちそうになる。気の毒な兵隊にはそっと見舞いをするというところに血のつながりが出てきた。これを見ると、とんでもない間違いです。中央の課長が六%で、第一線の北海道の方面隊長が二%という、こういう給与体系をそのまま認めてこの法案を通すことはできません。それは長官はおかわりになったばかりだから、こまかいところまで気がつかなかったかもしれないが、防衛庁の長官というものは、ほかの各省の大臣と違っている。いざというときには、あなたが部下の生命を握って飛び込まなければならない立場にある。そういう特殊性を加味して給与体系の上に表わさないと、一般の公務員や銀行員や大蔵省の役人と違う。水田さん、どうですか。これは大蔵省が反対するからできぬと思う。自衛隊を持つからには、自衛隊の本質というものを考えて、単に予算編成の上で大蔵官僚が自衛隊の特質を無視した削減をやろうとするが、大臣はよく大所高所から見られて、この本質というものにマッチした給与体系に、近い将来において必ず改めるかどうか。現在改めることができなかったら、この次改めると約束されるならこの法案に賛成する。その約束がなければ賛成できない。大蔵大臣と長官の御答弁を伺いたい。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 私は、最初に申し上げましたように、部隊、特に特殊な任務を持った部隊の人心の把握、これは何と申しましても自衛隊の最高の目標であります。従って、それが実際具現できるように、私としては改善に工夫、努力をするということについてはこの機会に申し上げておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) そういう御要望を、この管理職手当という形で解決すべきものであるかどうかは、これはまだ検討の余地を持ったものだと思いますので、この点については、将来合理的になるように検討いたします。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 検討だけじゃいけないのです。性格はわかっているのです、自衛隊というものはこういうものだということが。それが今までだれも言わずに無視をされてきているんだ。これは検討の余地がない問題なんだ。自衛隊を認めるかどうかという問題なんです。大したことじゃないんですよ。大臣、やるとおっしゃいなさい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 自衛隊の管理職手当を支給される地位にある人のそういう特殊性を考慮するために、この管理職手当というものがいいのかどうかは問題だと思います。これは一応一般の公務員の給与制度の一つをなしている管理職手当とやはり均衡をとって今度はきめたものでございまして、自衛隊の特殊性ということでしたら、給与制度の中に特殊性が出ることはかまわないと思いますが、管理職手当という形でやるかどうかということは問題だこう思っているだけでございます

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 名前はどうでもいいが、実質的に今言った趣旨を生かすかどうかということをお答え願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) だから、その点は検討いたします。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 検討しなくてもわかっているじゃないかというのです、私の言うのは。抽象的な問題を言っているのじゃないですよ。自衛隊を持つということを国がきめた。そうして世間から冷たい目で見られて、災害が起こると、自分の家がやられておっても他人の家を救いに行くのですよ。この人間は将官でもなければ課長でもない。第一線の中隊長であり、大隊長なんです。これを冷遇しておいて、防衛庁の本庁で机の上の仕事をとっておる連中が六%もらうから私は文句を言っておる。この不合理はわかっておる。わかっておる不合理ならば、検討じゃなしに、是正するというのが大事じゃないかと思うのですが、どうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 是正の仕方が、今申しましたような管理職手当とか、あるいは本俸という形で解決すべき問題であるかどうかは検討を要する問題だと思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今の問題については、実はきょう一日、短期国会で、予算との関連でありますので、本来ならば、防衛庁長官にもっと質疑をいたさなければならぬ場合があると思うのでありますけれども、私、残念でありますけれども、時間切れで防衛庁長官への質問は、私の場合にはありませんから、他にもないようでございますからどうぞ。  大蔵大臣に、この際二、三御質問いたしたいと思うのでありますが、今回のこの給与の勧告は、七年ぶりといわれる、非常に近年まれに見る財源を必要とした、しかも、大幅に改定をした内容を持っておるわけであります。そこで、この改定に対して、少なくともこれだけの財源を使いながら、給与の改善をしてもらう職員の中の大半が反対をして、さらに給与勧告の内容を変更してもらいたいという意向が非常に強く出てきております。私は、そういうような立場から大臣に一つお尋ねをいたしたいと思います。  まず一つは、三十五年度の経済企画庁の年次報告を見ますと、国民総生産の実質的な上昇率というのは、前年度に比して一六%、それから工業生産は二九%、その他異常な上昇率を示して、労働不足は顕著になり、民間の賃金水準や、それから労働条件の向上というものは、きわめて顕著に改善されてきておる。さらに労働白書を見ますと、生産の大幅な上昇に伴って、雇用、それから労働市場、賃金等、各面にわたって改善をされてきた。こういうような経済の状況とかみ合わせまして、公務員の昭和二十九年以降の実態を見ますと、二十九年においては、全号俸の大幅な給与改定は実施されておりませんけれども、一部改善は行なわれておる。それから通勤費の制度が生まれる、あるいは三十二年には初任給の一部の手直しが行なわれる、三十三年には、さらに中級職員の給与の勧告が行なわれた、しかし、その勧告が行なわれたにもかかわらず、民間と、それから一般との賃金差というものは、どんどん年を経るごとに大幅に差が出てきている、こういう実態の報告が出ておるのでありますが、これを大蔵大臣としてお認めになりますかをまずお伺いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 民間との較差が出てきておることは事実でございまして、ですから、それについての人事院勧告が出たものと考えます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 その実施について、あなたは、今言われたような経済や労働市場や、それから公務員の実態というものを見て、なおかつ、今回の公務員の給与勧告を勧告通り実施をする、こういうことでこの現状の公務員一般の賃金の劣勢下に放任されておりますような状態が直るとお考えになってそれを実施するお心がまえになったかどうか、その点お聞きしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 人事院が、数カ月の調査期間を費やして専門的に検討した勧告でございますので、一応今回のベース・アップは、この勧告に全部従ったということでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、人事院の勧告を酷評するわけではありませんけれども、いわばことわざをとって例を引けば、乏しいということではあまり不平は言わないけれども、平等でないということで不平というものが出てくるのである、そういうことわざもあるようです。  それからもう一つは、今回のこれほどの財源を使いながら、一人頭二千六百八十円という財源を使いながら、なぜこの全体の中の七〇%以上の者がこの賃金改定に反対をする、こういうような意思表示をしているのか、この点を私はとらえて、本来ならば、単に人事院の勧告をすなおに受けましたというだけでなしに、政治が、政策があって私はいいのではないかと思うのですが、その点の御所見をお伺いしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 人事院の今度のような勧告が出るに至った各般のいきさつを見てみますというと、たとえば初任給の是正とか、あるいは中間で中だるみ是正とか、そういうものに主眼を置いた勧告が出ており、政府がその勧告を尊重して給与の訂正をやってきたというようなことで、給与システムの体系が、この公務員法にあるように、官職の職務と責任に応じてこれをなすというこの給与制度の基準が、現在は相当その基準をこわしておる制度に私どもはなっておると思っております。で、今度の人事院勧告は、そういう点を是正することをむしろ趣旨にしたものでございまして、一定の官職にある者と、一般の勤労者と、職務別に、それから勤続年数とか学歴とか、責任の大体度合いとかいうようなものを同等の条件に置いて比較した場合に、この職にある者は民間との較差がこれだけだから、これくらいの手直しをすべきだというふうに、号俸別、等級別にこの俸給額を訂正することを勧告したものでございまして、この一般の上から下までの給与を平均これだけ上げろとかいうような勧告ではございませんので、従って今いろいろ上厚下薄といわれておりますが、格差が出てきていることはたしかでございますが、これはやはり給与制度のまた一つの当然の体系でもありましょうし、従来の給与制度と比べてみましても、判任官の一番低い人と、一番官吏で高い者との戦前の差はもっともっと大きかった。今度の人事院の勧告をそのまま取り入れても、戦前の上下の倍率というものは、まだ低いところに抑えられておるのですし、一ぺんここでそういう体系の整備をする必要は私どもはあると思っておりましたので、今回の勧告はその点において大体妥当ではないかと思っております。そういう関係でございますから、従って、今言われる七〇%という方面からいろいろな不平が出てくることは、これはまたやむを得ないことと思っていますが、体系が整った後においては、今後民間給与との比較において、また人事院の勧告は適当に行なわれるでございましょうし、それによって今後はそういう点が非常に合理的に是正されていくのではないかと思いますが、今回の場合は、これは私は非常に妥当な勧告であると思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、今の大蔵大臣の考え方にちょっとあれですね、一歩足を出してもらって、そして今度の賃金を見ていただく必要があったのじゃないかと思います。それは先般も給与担当大臣といろいろ御議論いたしておりました中にも、この給与体系というものは、一歩後退した給与体系だ。これを九十幾つかある国の状態を段階的に二、三とってみますと、先進国、近代的な国家というところでは、上下の差は逐次縮まりながら、幾ら低いものであっても、その国の生活水準というものを維持できる賃金、これをまず決定をしておる。そして、常にそのいわば生活水準の一つの線を、水準以下にならないように考えながら賃金というものはきめられていく。その中で、私は、賃金をもらう者が、賃金労働者としての幸福というものを味わうのだと思う。ところが、後進国にいけばいくほど上の方は莫大に収入を多くして、下の者は全くおかゆもすすれないという賃金体系である。これは上下の差の違いである。そこで、今の賃金体系というものを私は直すならば、乏しいということについてはお互いにがまんをしょうが、平等ではないということについて不満のできないような、そういう対策というのがこの賃金体系の中にあっていいのではないか。しかも、それは日本の国が一歩先進国に近寄る、こういう態勢というものをとっていくための賃金の進歩した形というものをあわせていくべきではなかったか。それを旧天皇の官吏を雇用しておった政府のような考え方で、責任とか学歴とか勤続年数とか、そういうものに重きを置いたために上下の差は増大し、上昇率は上の者は三二・六彩、下の者はたった九%、それで、なおかつ、あなたの言うように妥当な賃金だ、こういうふうに考えられているということについては、私は非常に形は不満なのであります。しかし、今となってこれをどう手直しされるという問題でもございませんから、私は、今大蔵大臣の御発言の中にありましたように、最後に手直しの問題が出ておりましたが、私は、少なくとも今の物価の中で、政府としてはどれだけの賃金保障をされるのが。これが経済の問題と、それから生活水準の問題で妥当かをすみやかにきめていただいて、全体の五〇%以上が食えない賃金だといって、奥さんやあるいは子供さんと共かせぎ、あるいは家内の労働力をもって生活しているというような問題やら、それから共かせぎでなければ生活ができないということで、今官庁の中にはどんどん共かせぎがふえてきている状態である。それから成年男子十八歳になっても、一人で飯を食うことができないで、依然として働きながら親のすねをかじるといった問題がある。こういったものをなくしていく努力が大蔵当局にあってしかるべきであると思うが、この点について御所見を伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは公務員だけの問題ではないと思います。問題は、公務員が、特に日本の一般民間の給与よりも劣っているということが問題でございますので、一般民間の給与との比較において、常に均衡がとれた給与が得られるというところに問題があろうと思いますので、これを常に調査し、その均衡をとって、較差を開かないように研究しているのが、ただいまの制度では人事院でございますので、人事院が研究下すっていますので、政府がこの勧告を常に尊重するということによってこの問題を解決していくというのが適当なやり方ではないかと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そうすると、人事院が成年男子十八歳の生計費の調査というのを、これを資料の中にあげているわけです。これを見ますと、食費、それから光熱費、住宅費、医療費、被服費、そういった調査の結果というのが出ておりますけれども、大臣は、この内容というものを妥当だとお考えになって、そうしてこれを実施する気になったのですか。たとえば住宅、光熱費は一千三百八十円、これは一人の場合の東京平均をとったということでありますが、これは東京におけるものですが、それから被服費が七百八十円、雑費が二千六百十円、食費が三千九百三十円、こういうような人事院の資料に基づいて、これを妥当とお考えになったかどうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 妥当かどうかというよりも、これが統計に現われた一応現実の標準の姿だというふうに思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そうすると、大蔵省は千三百八十円で光熱費と住宅費はこれを保障するわけですか、公務員一人一人の実際の生活をやっていく人たちに。ただ統計が出たからそれを認めろ、しかし、賃金はこの水準よりも今度の上昇率は下回っておる事実が出ているわけでございますが、その点でも大蔵大臣は、資料に基づいてやった、こういうふうにお考えになりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 資料に基づいてやったということではなくて、この間人事院の総裁からもお話がございましたが、人事院は、民間の一般の現実の給与水準というものと今の公務員と比較した勧告である、それと統計とは別であって、これはたまたまきめたものが、こういう統計から見て低いか安いかということを見る参考の数字にはしてあるが、これによって俸給をきめたものではないというふうに答弁していますが、そういうことだと思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 多くを申し上げませんが、私は、今度の勧告が、さきに言ったように、相当高額な引き上げ率を見、なおかつ、七年ぶりの、財源その他を見ましても、かつてない画期的なものである。  しかも、それの実施にあたって、少なくとも、この中には幾つかの妥当を欠く問題があるわけです。私は、きょうはそういう問題で、具体的に公務員の生活の実態その他から大臣の所見をお伺いしたいとは思うけれども、時間がありませんので、最後に大蔵省としては、さきに給与担当大臣が、五月の一日という日にちは明確ではありませんでしたが、公務員の給与の調査時点を三月から四月の時期にずらして、なおかつ、人事院が時期を明示したならば、それを実施するのにやぶさかでないという、非常な強い意思表示を当委員会で行なわれておるのであります。しかし、それが今回は諸般の事情ということで十月一日になっておるわけでありますけれども、私は、こういうようなことがたび重なって行なわれないで、ことにさきの勧告をずっと見ていますと、どの勧告を見てみましても、人事院の勧告は実施が一年おくれ、それから実施の手直しは、常に少額に手直しをされて実施をされている。そういうような状況から勘案して、将来勧告が出た場合、大蔵省としては、その勧告について、当然完全実施をするという約束と同時に、私は、少なくとも今回の勧告の中にあるような矛盾については、国としてやはりある程度の手直しを必要とすると思うのでありますけれども、その点の御検討を将来行なう御決意があるかどうか、その点をお伺いして私の質問は終わりたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 人事院の勧告は常に尊重するという立場は私ども貫くつもりでおります。しかし、ただ今度のような勧告の仕方でございますが、私どもから見ますというと、人事院に希望することは、勧告は尊重いたしますが、今度のような時期の遡及勧告ということは非常に私は問題で、将来むしろなくしてもらいたいと思っています。というのは、これは皆さんも御承知でしょうが、従来は三月を起点に調査して、年度の半ばで勧告があった。政府はそれを途中で実施しなくて、翌年度の四月から実施するというようなことで予算編成をやっておるのが例でございましたが、今後こういうことが行なわれるとしますというと、三月に予算がきまる、そうしておいて、すぐ四月にさかのぼった勧告があるかもしれないということを予想するのでは、国の予算も、その他政府関係機関の予算も、これを編成するということは非常にむずかしいので、予算がきまったら、人事院の勧告があって、その翌月から、その月から常に実施しなければならぬということでしたら、今後予算の編成というものは、これは非常に困難になりますし、大きい矛盾を持ってくると私どもは思っています。で、これをいつくるかわからんから予備費に盛っておけといったって予備費に盛れば、盛った金額はそれだけ人事院の勧告を予想したことにもならぬとも限りませんし、こういうむずかしい問題をはらむ勧告の仕方というものは、私どもは困ると思っています。この点はそう簡単に尊重するかどうかはわかりませんが、内容については今後十分尊重して、できるだけ公務員の給与の改善に骨折るということだけははっきり申し上げたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃもう時間がないから、簡潔に二間だけ一つ質問したいと思いますが、しかし、それの質問に入る前に、ちょっと水田大蔵大臣は気にさわることを言われましたので、ちょっとこれは言っておかなくちゃいかん。なるほど予算編成上の技術上の問題からするとそういうことが言えると思う。しかし、人事院が、本年度のやつは四月に調査をしておるのです。四月に調査した場合には、民間の方は、すでに一年さかのぼってその実施をすでに受けておるのです。従って、調査したときにすでにそれだけ上げても、なおかつ、公務員の場合にはさかのぼってやらなくちゃならぬ事実がある。従って、八月、かりに七月に勧告が出ても、四月一日で調査をする場合でもそういう問題があるのですから、予算編成上の技術問題からいうと、大蔵大臣として当然のことかわかりませんが、当面の公務員からすると、逆に、過去のやつも補償してもらいたいという議論が出ますので、その点だけ。これは質問じゃないのですが、あなたの言われたことにつきましてちょっと反論だけしておきます。  そこで私、具体的に質問したいのでありますが、予算委員会でもいろいろ質問があったと思いますが、給与上の問題に関して、今度の補正予算は重要なウエートを持っておりますので、若干数字的なことをお尋ねしたいと思います。国の機関の職員はたくさんありますが、これを私は国の機関の職員ということで表現しておきます。その中には一般職、特別職、自衛官、裁判官あるいは検察官というのもあります。これを一括して国の機関の職員という私の考えで申し上げておきますから、そのつもりでお答え願いたい。総括して、この国の機関の職員、これらの職員に対して今度の予算編成にどれだけの金額を見積られているか、入っているのか、この総額を一つお調べ願いたい。それと同時に、一般職、特別職、自衛官、裁判官、検察官、それから国会関係もわかっておれば一緒に出してもらいたいのですが、これは主計局長が調べられてもいいけれども、答弁は大臣からしていただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 一般職の給与改定に準じて特別職の給与改定を行なうということは、従来からもやっていることでございますので、この金額の算出はいたしておりますが、今申されましたように、政府機関という範囲がどうかはわかりませんが、五現業、三公社、それからまた公庫、公団というようなものもございますが、これらは、一般公務員が給与改定をやったから、直ちにこれをやらなければならないという性質のものではございません。給与改定の手続とか、そのほかのこともみんな違っているものでございますので、それぞれの機関にまかせるべき問題でございますので、私どもはそれを一々そこまでの給与改定の金額を全部計算したとかということはございません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 公社とかそういうところを言っているのじゃないのです。今度の補正予算で、いわゆる一般職の給与改定法律案に伴って、特別職、自衛官、裁判官、検察官の給与引き上げがありますが、その予算にどれだけの金額を見積っているか、おのおの調べていただきたい、こういう質問でございます、おわかりになりましたか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 給与改定分が二百四十三億八千八百万円、それから期末手当分が二十億九千六百万円計二百六十四億八千四百万円であります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それじゃ大臣では無理かと思いますので、それでは主計局長に。大臣が総額を言われましたが、一般職、特別職、自衛官、裁判官、検察官のおのおのについて一つ知らしていただきたい。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) ちょっとお断わりを申し上げておきますが、大臣のおっしゃいました金は所要金額でございます。それに対して、御承知のように、不用額を差し引いておりますので、先ほど予算計上ということをおっしゃいましたが、計上額の方を申し上げますると、一般会計におきまして二百十四億二千八百万円、それから特別会計におきまして九億九千三百万円、大臣のおっしゃいましたのは、その四十億六千万円を差し引く前の金額であります。そのことをお断わりをしておきます。  それから、ただいまお尋ねの各特別職分類によりまする金額、私申し上げますのは、二百十四億の系統において申し上げます。総理大臣、国会議員等が二億五千七百万円、裁判官が三億七千百万円、検察官が二億二千二百万円、防衛庁三十億八千五百万円、一般職が八十七億六千五百万円、このうち他会計繰り入れが四億二千七百万円、あと義務教育がございますが、計上額を申し上げますると、義務教育職員が七十九億一千八百万円、補助職員八億一千万円、以上合計二百十四億二千八百万円であります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それで大蔵省は、予算編成にあたって相当審議されたと思うのですが、このうち一般職の場合は、これは、すでに一年ほどここで人事院を相手に審議しましたから、わかっておるわけですが、自衛官と、それから今分類された検察官と裁判官と、おのおの平均額、一般職は二千六百八十円といわれておるのですが、おのおの平均額は幾らに大蔵省は予算計上なされておるのですか。それをお知らせ願いたい。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 今、金額の方は計算をしておりまするので、とりあえずパーセンテージを申し上げます。金額は計算した上で申し上げます。裁判官が三〇・二%、検察官が二九・三%、防衛庁は、自衛官におきまして一二・八%、参事官、事務官等合わせました全職員の平均額が一二・七%、すなわち自衛官とシビリアンと合わせました平均は十二・七%、一般職員が一四・三、他会計繰り入れが一二・六、義務教育職員が一四・七、補助職員一一・九であります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そこで、これは予算編成のときに問題になったと思うのですが、この数字を見まして二百十四億幾らという中で、おのおの予算が分割されておるのですが、一人平均してみると、これは職種によって大きな変わりがある。一般職においては一二・四、裁判官、検察官では三〇%、こういうことになっておる。私は、きょう実は最高裁の関係の人をお呼びして、この点をやりたいと思ったのですが、何かしら内閣委員会をきらっておられるようであります。日にちがあれば、差しかえて法務委員会でやりたいのですが、これはもう時間がないからやれない。従って、大蔵大臣として、予算編成の責任者としてこういうことがあっていいかどうかという点についてちょっとお尋ねしておきたいと思う。もちろん私は、憲法に定める司法権の独立は認めております。これなくしては困るからこの点はあるのですが、そうだからといって、裁判官の報酬についてこれほど独自な、独走といいますか、そういうものが許されるかどうかということを、立法府につながる一員として私は非常に危惧を持っておる。従って、この点について、大蔵大臣も相当意見を持っておられるようでございまするが、これに対して、大蔵省としての御意見をちょっと承っておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 裁判官の給与の問題につきましては、もう御承知のように、最初に給与制度をきめるときからいきさつがございまして、一般の給与水準よりは高くなっております。そこで、将来公務員の給与を変更した場合には、裁判官の報酬をどうするかということにつきまして一応、行政官がベース・アップした場合には、その額と対等の、裁判官は同率をスライドさせるというふうに、準用の仕方についての今まで前例が幾つかございましたので、今回も一般公務員に準ずるという、準ずる仕方を従来の方法、従来の解釈によってやるべきだというのが大体裁判所の主張でございまして、いろいろこの問題は私どもとの間で交渉を重ねた問題でございますが、いずれにしましても、従来のスライド方式に従う場合には、一般公務員との格差をますます大きくして、明らかにこのやり方は妥当でないということにつきましては、大蔵省の考えも裁判所の考えも大体一致しましたので、今後裁判官の給与については、まず任用制の問題から非常にたくさんの問題を含んでおりますので、合理的な給与制度を、一つの委員会を置いてそこできめて、今後こういう問題を避けるようにしようという了解のもとに、今回に限って従来のやり方に従うということで解決したわけでございますので、従って、今御指摘になったような問題が今回の裁判官の報酬決定については出てきておるという事情でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 昨日もらった「大蔵省三十五年十二月」という日付で資料をもらったんですが、その中で、裁判官の報酬についての行政官と別立てとした理由というものが載っておるんですが、これは最高裁の方の意見であるか、大蔵省の意見であるか、ちょっとお聞かせ願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは、法務省の方から出された御意見だそうでございます。私まだ見ておりません。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 実は、これは法務省らしい言い方をしているのですが、こ  の中にはきわめて問題点があるのです。私がここでこう言っていると、裁判官の給与が高いので低くしょうというような意味の発言だととられては、これはもってのほかです。しかし、裁判官としては、身分を保障する、減額してはいけないという、報酬を保障するという憲法の第七十九条の規定というものが厳然としてあることは、これは国民も皆認めていると思う。そうだからといってこういう文言というものは、われわれとしては、実は今日の段階ではもう聞き取れないのです。こういうことを書いてある。「裁判官の報酬は、一般の賃金理論に基づく政府公務員の給与問題とは自ら異った観点から定めらるべきものである。」こういう一句がある。そのほかにもたくさん問題があるのです。おそらく報酬というものが生活につながらないものであって別な観点というのは、われわれ実は賃金理論の上からいっても、報酬論の上からいっても考えられない。何らかの意味において、その職種においてつながっているのです。それを別な観点で見るべきであるという理由書を出している。これは、ここで言ったところで、大蔵大臣答えられないから、留守の間に泣き事を言っているようで卑怯だから、私は言いません。いずれ私は適当な場所で法務大臣なりに言いたいのですが、こういうことが載っている。予算審議権に対する——われわれとしては裁判所が出してきた、あるいは検察庁が出してきたものについては、もう立法府は、予算審議についても、うのみをしようというようなことの意味に私はなると思うのですね。そういうことになると、予算というものは、これは国民の大きいウエートのある問題なんです。それを司法権の独立という立場からすべてを律していこうという裁判所あるいは検察庁あたりの考え方は、私は間違いだと思うのですが、これについて答えられたら、大蔵大臣はどういう考え方を持っておられるかということを一つお答え願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 裁判官の報酬については、私は、やはり特殊な考えをもってこれを制度化していく必要はあるだろうと思っております。ですから、今回の問題を機にして、今後この問題のための委員会を作って、合理的な報酬制度というものを私はきめるのがやっぱりいいのではないかと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それでは、もう大蔵大臣の関係のやつはこれで終わって、もう一問総理府の方にちょっとお尋ねしたいのですが、人事院の勧告を尊重するという、これはもう基本的なことはたびたび言われているのですが、私は、実施時期の問題は、横川委員が触れられましたから言いません。人事院の勧告と法律案と、重要な点で違っている点が若干、一つか二つあると思うのですが、その点、総理府総務長官、法律案を作られたときに、どういう点が違っているか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○政府委員(藤枝泉介君) 山本さんのおっしゃるのは、人事院の勧告の内容でなくて、その実施のいわゆる切りかえの問題のところに違ったところがあるということではないかと思うのですが、そうでございましょうか。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 あなたの思われる通りに答弁して下さい。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○政府委員(藤枝泉介君) 御承知のように、人事院の勧告については、今申し上げましたように、全部そのままを取り入れてありますが、実施上の問題といたしまして、大学院の教授、助教授及び高等学校の教諭につきまして切りかえについて、昇給期間を三月ほど短縮できるような措置が切りかえの中にあります。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 そのほかにあるのです。見のがしている点があるのです。そういう意地悪い質問はやめて私の方から言いますが、人事院の勧告では、勧告の第二に——こまかいことですが、これは、重要な今後運営の問題があるのですから言いますが、第二に、「科学技術振興の趣旨に沿い、高度の技術系職員に対する初任給調整手当を新設すること」とあるのです。法律案では、この高度という文字ははずされておる。単に技術系職員に、専門的な技術を持っておる者については、初任給調整手当を出すというので、高度という文言がはずされておるところに、相当私は大きい運用上の意味があると思うのです。これに対して、法案を作成された当局としてこれを除外された理由いかん、これを聞きたい。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○政府委員(藤枝泉介君) 人事院の勧告の内容と申しますか、表現と違った点、もう一つ失念をいたしまして失礼をいたしましたが、ただいま御質問の点は、いわゆる初任給調整手当につきまして、その初任給調整手当をつける職種を相当しぼろうという考え方でございます。しかし、御承知のように、理工科系統の職種につきましては、全体として、相当公務員として採用するに困難を感じておる次第でございます。従って、非常にしぼった考え方で、高度なとか、あるいはきわめて困難というのでは、実情に適しないというふうに考えましたので、それらの修飾語を削った次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 よろしい。そういうことで、きわめて善意に削られたもの、である。賛成です。これに関しては、しかし問題が相当あるので、これについて質問しておったのですが、この専門的な技術を持っておるということになれば、相当今後の運用で、これは拡大されていいと思います。これは、大蔵大臣おられますが、こういうことで予算が違うというようなことを言われたら困りますから、特にあなたの前で質問したので、藤枝総務長官がそう言われましたので、その点だけ私は念を押しておいて私の質問を終わります。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 時間が少ししかありませんから大蔵大臣に質問いたしますが、先ほど勧告実施の期日について、五月一日にさかのぼるような大幅な遡及方法を持った勧告は今後やめてもらいたいという、思い切った御発言でありましたけれども、それは、予算措置として、とてもそれだけはできない、だから、まあそういうことはやめてもらいたい、もしこういうことが許されるならば、今後年度当初に予備費等を措置しておかなければならぬということだったのですけれども、別に私は言葉じりをとらえるわけではありませんが、この人事院勧告のなされるという状態は、突如として行なわれるのではなくして、過去における、またその時点における経済状況、それから民間の給与状態、こういうものが勘案されて、調査の上に立った勧告がなされるわけです。従って、政府としても、ことしあたりは勧告が出されてしかるべきだ、むしろ今日のような場合には、人事院の勧告を待つまでもなく、政府みずからの立場から、そういう是正措置がとられてもいいような状態になっておる。そういう点を考えれば、抽象的に予算措置がどうだとか、予備費をどうしなければいかぬかと、こういうような言いのがれではなしに、その時点時点に立って当然その措置が考えられるのですから、私は、こういう遡及する勧告がなされても、政府がやらない以上は当然である、こう考えるわけです。大蔵大臣は、この点について、あくまでもこういう遡及方法については反対をされるのかどうか、また、今私が申し上げたようなことは、ちょっと考えただけでも芦えるわけです。これについて、どうしても具体的に技術的にこれはできないとおっしゃるのか、その点、御見解を伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まあ、今おっしゃられたような事情にございましたときの勧告でございますから、人事院の勧告の趣旨を私どもは十分尊重して、八月に勧告が出されましたので、政府において二カ月この検討をやって、できるだけ早く実施することがいいと考えて、十月一日からの実施ということを決定したわけでございます。でも、この決定につきましては、なかなか国だけの財政問題では済みませんので、御承知のように、地方財政にも関係いたしますし、なかなかいろいろな機関にもこれは当然波及する事項でございますから、そこらを考えて、慎重にやはりしなければならない問題ですし、現に十月実施は困るという関係方面からのいろいろなこともございましたが、私どもは、やはりこれはなるべく早く、十月一日から実施するということに踏み切ることが妥当だというので、決心をして、非常に私どもとしましては、いろいろな関係者の故障があっても、これは十月からやるということにしたわけでございますが、今後、さっき申しました問題につきましては、たとえば三月に勧告が出て一月にさかのぼれとか何とかいう問題ならともかくとして、三月に予算がきまって、四月から新予算が出発しているのに、その年初にさかのぼってこれを実施するというような勧告は、これは非常に因る問題でございまして、私は、ただ財政上だけの問題ではないと思っておりますので、さっき、こういうことは今後希望しないと申し述べたのでございまして、これは、年初にさかのぼるというような勧告は、やはり今後考えてもらいたいと思っております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 そうしますと、この間ラジオ討論で、受田新吉君の質問に答えて、大蔵大臣が、技術的にできないのだと、財源の問題ではないのだと、こういう答弁をされておったようでありますが、その技術的に困難だということは、年初に近い期日にさかのぼることが、財源ばかりではなしに、技術的にできないのだと、こういう意味におっしゃっておられるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 技術的にと言ったかどうか忘れましたが、私は、予算制度上という言葉を使ったつもりでおりますが……。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 先ほど午前中の質疑で、給与担当の迫水国務相は、五月一日にさかのぼれないのは全く財源だけの問題である。こういうはっきりした答弁をしておられましたが、あなたの答弁とはだいぶその間に食い違いがある。財源だけでないと言う大蔵大臣、いや、財源だけだと、これは非常に大きな食い違いだと私は思うのですけれども、この点、閣内においては何ら討議されなかったのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは、理由は両方からきておったと思います。財源的に見ましても、予算補正をやる場合には、いろいろな施策との均衡もございまして、一つだけの補正をやって、はっきり補正すべき事項が現われておるのに、その補正を省くわけには参りませんので、こういうものの均衡をとった補正のやり方を考えてみますというと、今度の補正予算でもおわかりになります通り、十月一日から実施することで財政的にはぎりぎりだということにもなりますので、そういう財政上の理由からもございますし、同時に、かりにそこに財政上の余裕がある場合を考えましても、そういう年初にさかのぼったこういう措置というものは、予算制度上非常にこれからは問題だという考慮も私どもはいたしておったのですが、たまたまこれは財政上から見ましても大体妥当だということが出ましたので、こういうことになったのですが、かりにそうでなくとも、私としては、五月一日に遡及するというような前例は開きたくないと思っております。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 そうすると、何かお話を伺っていると、財政上にはやればできないことはない、しかし、悪例を残すようなことも考えられるしということで、五月一日にさかのぼることはやめたい、こういうことのようなんですが、委員長、人事院の関係者は来ておられますか。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 今まだ出ておりません。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 政府部内においては、たまたま財政上の勘案から、十月一日ごろが至当だというふうな全体の意見が一致しましたので、これは問題ございませんでしたが、私の言っているのは、かりに一致しないで、五月からやれという者があったとすれば、私の立場としては、おそらく反対したろうということを言っておることでございまして、政府の中には、十月一日で実施ということにたまたま全部の意見が財政上の理由から一致したので、こうなったということでございます。ですから、私の立場としては、反対する事態は起こらなかったのですが、今後こういうことは困るということを言ったまででございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 押し問答を続けても仕方ありませんが、どうもあなたの御答弁を伺っていると、閣議ではあまりこの問題について真剣な討議はされてないという印象を受けます。少なくとも給与担当国務大臣の財源だけだと言っておられる。しかるに、あなたはそうではない、そのほかにまだあるのだということを明快にここで述べておられるということになれば、最も関係の深い両大臣の間において、きわめて重大な意見の食い違いがあると思う。それで、押し切ってここに法案が出されているということは、閣議において真剣な討議が剛あまりなされてなかったのじゃないか。人事院から出されたものをそのままうのみにして、何らの検討もされずに出されたという印象を強く私ども受けるのですが、一体どの程度に、何回くらいの討議を重ねたのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは、勧告が出されてから、給与担当大臣の手元で検討する期間が非常に長かったのでございますが、それだけこの問題の取り扱いには、関係閣僚の間においてもこれは真剣に討議しておりましたし、また、地方財政の方から見ますというと、年内実施が非常につらいようでして、一月実施を希望するという意向も強かったのでございますが、自然増収の大体の傾向から見て、地方交付税の交付金も一定の額が予想されるし、地方財政がこの十月一日からのむことは大体可能だろうというような検討も重ねまして、最後に十月一日と決定したわけで、そこまで決定するまでには、政府部内で相当慎重な検討を経ているのだということだけ申し上げておきます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 自余の問題については、大体先ほど同僚の諸君から質問されていますから、大蔵大臣に対しては一応終わります。なお、人事院の担当者が参られましたら……、きょう来るのですか。そのときに、今の問題でちょっと関連して質問します。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 さっき大蔵大臣のお答えの中に、大へん問題になる点があるように思いますので、おそらく今度もまた人事院は、四月末の調査をやって、八月の七日に勧告するだろうと思うのですが、その場合に、本委員会における長い間の論議の中で、おそらく人事院は、五月一日実施という時期を明らかにするだろうと思うのです。それに対して、今大蔵大臣がそういうことは好ましくないというお話でしたが、これは大蔵省の意見ですか。それとも大蔵大臣の意見ですか。政府の意見ですか。伺っておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは、財政当局としての私の意見でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは私は、大蔵省の事務当局は、大臣に対して忠実じゃないと思うんです。この人事院勧告について、本委員会で大へんな論議が行なわれている。三月末の調査を四月にしなさい——しなけりゃならないから四月にしたんです。そして実施の時期は、当然調査をしたそのときにやるべきだという論議も行なわれている。そういうことを大蔵大臣の頭に大蔵省の事務当局はよく入れていないように思うんですね。大蔵大臣の答弁だというんですが、お考えだというんですが、政府のお考えじゃないようでありますけれども、はなはだ不満ですね。従来三月末の調査をやるから、公務員は民間より二年おくれるということをここで悲痛な論議が行なわれているわけです。また、今の大臣のようなお考えですと、実施時期を明らかに五月一日にするのは迷惑だというお話。また一年ずれるじゃないですか、そういうお考えですと。よく、事務当局じゃなくて、大臣としてお考えおきを願いたいと思うんです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私の質問に入る前に、数字のことですがね。主計局長、さっきあなたが述べられた数字は正確ですかね。念のために確かめておきたいと思うんですが、大蔵大臣は、給与改定所要経費を二百六十四億八千万なにがしと述べられたですが、私が予算説明書の二十七ページからここへ抽出してあるのには、私、写し違ったと思わないのですが、二百六十九億五千六百九十一万と私は書き抜いているんですがね。さっきの大蔵大臣の二百六十四億八千万という数字は間違いではないでしょうか。いかがでしょうか。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) こういうことでございます。予算書でごらん願ったと思うのでありまするが、一般会計と特別会計、合計いたしますと、二百六十九億五千七百万円でございます。そのうち一般会計からの繰り入れをいたしまする関係で重複をいたしまする金が四億七千三百万円でございます。それを差し引きますと、大蔵大臣が先ほど申し上げました二百六十四億八千四百万円でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 わかりました。数字は合いました。  大蔵大臣に伺いますが、このたび政府から提案されたこの給与改定関係法案は、一番引き上げ額が少ないのは七百円ですよ。公安職にある。一番高いのは、公僕の最高である総理大臣の十万円ですね。七百円と十万円、実にその開き百四十五倍なんですね。率にして、一番低いところ八・四%、最も上がった人は六六・七%上がっているんですね。単なるべ・アとしては、あまりにひどい数字じゃないでしょうか。もちろん池田総理は、かつて、貧乏人は麦飯、富める者は米飯、これを食べることが経済原則であるということを言われている。ある立場から、それは正しいことだと思います。そういう意味で、私は、あの人は人間的にどうだとは言いませんよ。しかし、政策理論的には冷酷な方だと私は見ているんですがね。冗談言うわけでないが、あなたは人情一家の大野派に属している国会議員だと知っている。これは、人間的にも政治的にも人情豊かだと大野派の方々を私は平素から見ております。で、このたびはここに法案が出てきたわけですがね。人情あり、あたたかみのある水田大蔵大臣としては、できるだけ近い機会にこれはやっぱり検討して、是正される御心境にあるものと私は推察するわけです。何人が聞いても、それは、総理大臣と若い人は能力も違うし、それから、経験年数と経験領域が違いますよ。しかし、一律べ・アする場合に、一方は七百円しかしげられないで物価は上がりつつあるんですよ。間接税が上がったならば、みな同じように影響していくんですよ、消費物資に対する間接税なんかは。地下鉄が二十五円になれば、これはむしろそういう階層に影響していくんですよ。その場合に、一方は七百円で一方は十万円、百四十五倍という、これでは不平が出るのは当然だと思いますが、いかがですか。私は今後のことを伺っておきましょう。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今度の上がり方については、額を比較すると、そういうことになろうと思いますが、上がり方は、すでに基本給があって、その基本給が、民間との比較においてそれぞれの職務とその責任の度合いというものを比較されてなされた勧告によったという事情でそういうふうになっておりますが、さっき話しましたように、大もとの俸給自身の上下の倍率というようなものは、大体戦前よりも格差は少なくなっておりますし、また民間と比べますというと、民間は、非常に安いところから社長が百万円というようなことで、この上下の倍率は、官吏の今給与制度の中にある倍率に比べたら、大きい数倍の格差を持っているというようなことから見ましても、そう民間の給与体系と比べて、公務員の給与体系が特別のそういう格差を持っているということは言えないのじゃないかと思っておりますが、問題は、今後この初任給、それから勤続年数何年間というものと民間とのまた不均衡が出てきた場合に、これはおそらくまた人事院の勧告というようなことによって、順々に是正されていくんだと思いますが、今回の場合は、そういうような勧告の趣旨でございますから、その趣旨にのっとってこの改定を行なうことによって体系が一応整ったと私は思っておりますので、このふえ方のそれだけの倍率があるということは、これはやむを得ないことだと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 水田大臣、あなたは、そんな抽象論で私は逃がしませんよ。一松老がおったらしかられるところですよ。一体民間会社百万円社長が取るから云々なんという、そういう言葉を言うとすれば、まことに不適当な言葉ですよ。民間会社だったら、そういう社長は自分の資本をみずから出している出資者である。そうして雇っている社員の場合と、国民の税金によって、そうして同じ公僕として働いている場合とは基本的に違いますよ。それからまた、あなたは数字を知らないで、提案者なものだから抽象論を言っているが、私は、ここで数字を上げてあなたに詳しくは申しませんが、人事院でも認めているんですよ。高級職のところは、民間とこの公務員の差というものは、大体バランスがとれている、データで。ところが、下級公務員の場合は、民間よりもこんなに低く行なわれているんですよ。だから上厚下薄と言っている。民間と公務員の差がある。それを同じように、あの法案が出ているならば一歩譲りましょう。しかし、上級公務員は大体バランスが合うのに、下級公務員の場合は、民間よりもはるかに低いところが勧告されている。こういう操作が行なわれているわけですね。だから、あなたがそんな抽象論で逃げようとしても逃げられません。まあ法案を出した内閣に所属している大蔵大臣としては、矢嶋さんの言う通りだ、こういう答弁はできぬと思うけれども、しかし、少しあなたはあたたかい気持を持っているわけだから、今後検討していくんです。答弁は、矢嶋の言うことが正しいかどうか、十分検討させますぐらいの答弁はここでしてもらいたいと思います。もう一ぺん求めます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この給与制度というものは、なかなかむずかしい問題でございますので、そういう意味において、これは絶えず検討いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますがね。さっきまあ実施時期の問題で質疑が行なわれておりましたが、当初三十五会計年度の予算を組む場合に、税の自然増収が二千百五十四億円見込まれましたね。そして今次補正で、自然増千五百七十二億円と見ていますね。さらに、われわれはまだ五百億ぐらいあると思うのですが、まああなた方の見方をしても、昭和三十五会計年度に入ったときに、約四千億円の当時よりは税の自然増を見込まれて、昭和三十五年度の補正予算を今から運用されようとしているわけですね。そこで伺いたい点は、今の時点に立って、三十六会計年度中にどの程度の自然増収があるとあなたは予想されておりますか、大まかに。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 三十六年度の税の増収見込みは、まだいろんな問題がありますので、確定いたしませんが、今のところ、三千億円以上にはなると思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうとなればですね。五月一日の人事院勧告の通りに尊重してやるということは、決して私は不可能ではないと思う。益谷さんも、すなおに忠実に実施すると答弁されておったのですからね。今会計年度においても、来年度のことを予想しても、十分私はこれはやれると思うのです。それから、さっき問題になりました、勧告をさかのぼって云々することはという、まあ非常なはっきりした答弁をしていますが、これは、国家公務員法に基づく人事院のセミ独立性、その勧告権からいって、やや心理的影響を与えますよ。あれは、大蔵大臣の発言としては、私は穏やかでないと思うのですね。まあちょっと気持が口に出たのですというようなことでね。取り消せとは言わないが、そのくらいを言わないと、国家公務員法の、あの人事院を設立した意味もありますからね。これは、人事院のセミ独立性があるのですから、若干僕は、オーバーな発言ではないかと、かように思うわけです。お答えいただきます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 政府としての圧力という意味じゃございませんので、さっきも申し上げましたように、私のただ希望という程度に受け取っていただきたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それで、財政的には五月から十分やれるじゃないですか、大臣。まだ本年度の補正予算に千五百七十二億円の自然増収を見て、減税五十八億マイナスして、そして歳入を一千五百十四億を計上していますね。まだ少なくとも五百億はありますね。これは誰もそう言っている、経済評論家。矢嶋もそれに同感を表している。だから、第四・四半期も大丈夫、それから、来年度においても三千億の自然増収があれば、私はやれるはずだと思う。何かそれとも他に目的があるのですか。昭和三十六年度に隠れたものがあるのじゃないですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 確実な資料で今見込み得る限度が、大体予算委員会でも申しましたように、千六百五十何億という見方をしまして、そして今度の補正には、歳入として千五百十四億を立てたわけでございますが、まだ不確定な要素というものが非常にございますが、これがよくいけば、税収が少しふえるだろうと思われると同時に、見込みが狂った場合にはなかなかそういかんという問題を持っておりますので、今確実に見込める範囲ということで今度の補正予算の歳入を立てたわけでございますので、今のように、五月にさかのぼればのぼれるのじゃないかと言われるのですが、財政的にも、そういう余裕は実際にはございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは、政府の心中に去来しているものを私ちょっと申し上げて伺いたいと思いますがね。それは、昭和三十六年度からのいわば新安保体制下におけるその性格の予算編成を今から予想し、苦慮されているね。私はそう思う。そこで伺いますがね。ケネディ政権ができて、ドル防衛の政策を打ち出されて参った。それから、対外軍事政策が変わって参った。無償援助打切りという方針がすでにNATO諸国には通達された。その余波というものは日本にも必ず出て参ります。そうなりますと、今、約千五百億円を予想している、無償援助を予想している第二次防衛計画というものを来年度から五カ年計画で発足しよう、来年から予算を組もうとしているらしいが、あなたはこれを無修正でやれる自信があるかどうか、こういう点が心配になるので、人事院勧告というものをここに押えた。しかも、ここであなたに伺って、意思表示しておいていただきたい点は、池田さんは、本会議でも記者会見でも、日本の財政能力というものを過大評価して盛んに発言しておる。日本の財政力は強いのだ、日本だけがアメリカから認められて、ドル防衛に協力云々を言われているのだというようなことを答弁しておる。こういうような過大評価した発言をしているならば、アメリカからますます、日本は財政能力がついたのだから、だから今後無償援助を減額していく、自力でやれ、こういう働きかけが参って、ますます日本は苦しくなって参るのだが、あなたが財政担当の大臣ですが、池田総理大臣のあの発言というものは、対米的には非常なこれは影響あると思うので、少しブレーキをかける必要があるのじゃないかと思いますが、これらの点についてお答えいただきたい。第二次防衛計画がやれますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) アメリカのドル防衛に関する具体的な措置というものは、まだ全然明確になっていないところでございますので、これが具体化してみないというと、ほんとうの私どもの対策は今のところ立ちません。ただ、この問題のために、この影響を過大に見て、いろいろ心配される向きもずいぶん多いようでございますので、私どもも、かりにこの影響が、今考えられるような措置が全部とられるというような場合を想定しても、日本の現在の経済の力をもってすれば克服できる程度のものであるということを言っておるだけでございまして、向こうの措置が具体化しない限り、私どもはそれに対処する方法を今のところは考えていませんが、ただ、起こり得る事態に対して慎重な検討をしているだけでございまして、今、この勧告云々の問題と来年の防衛費とからんで発言しておるわけじゃございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いや、実質的にはそれは結びつくのですよ。一番これは重要なポイントですよ。国の予算の性格を左右するものですからね。だから私は主張もし、あなたの意見を伺っておる。第一、さっき言ったような第二次長期防衛計画がスタートしょうというのですが、そういうことをやるのじゃなくて、今自衛隊は整備をする段階じゃないですか。そういう予算の査定をすべきだと私は思うのですけれども、念のために伺っておきます。どういう見解を持っておられるか。無方針で行くと、あとで困ってしまいますよ。お答えいただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今のところ、そういう計画の討議というものを現在政府ではやっておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いや、あなたの見解を承っています。でないと、明年のまた七月ごろ人事院勧告が行なわれた場合、今年以上にやれなくなるおそれがある。だから、人事院勧告実施にあたって一番大きな影響力を持つのはこの一点にあると思う。だから、あなたの見解を承っているわけです。第二次長期計画なんかというものは、今の時点に即応するように、峻厳にこれは査定すべきです。いたずらに増強するのでなくて整理することがまず先決である。でなければ、池田さんのように、大きいふろしきを広げて、日本に財政力ができたできたと言って世界に吹聴してそうしてアメリカ側から無償援助というものを押えられてしまう。そうして軍事援助は少なくなって参る。ところが、安保条約は一方で結んでいる。がんじがらめに縛られて、進退きわまって、そうして予算編成に苦しむと同時に、それがまず勤労者への圧迫となって参って、来たる七月に人事院勧告が行なわれても、それが行なえなくなる。そういう点をあなたは予想して今後の人事院勧告を少しでも予算編成に都合がいいように勧告させようというような底意があって、先ほど五月一日実施の勧告なんか困るというようなことを発言されている。これは、少しあなたの本心を言い過ぎたかと思うのですが、だから、今予算編成期になっているのですが、査定に臨む大蔵大臣の所信を承っておきます。御意見個人見解でけっこうです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私は、そういう問題のために遡及の勧告は困ると言ったわけではございませんで、さっきから説明いたしましたように、予算制度上の問題として、きわめてこれは私としては希望しないことだ、こう言っているわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次、伺いますが、大蔵省はこの予算を査定するわけですが、まず特別職の職員の給与に関する法律の中で、各委員が最低三三・三%、七万五千円から十万円に上がっているのですが、この出欠表を出してもらったところが、出席のよくない人は相当おりますけれども、この点については、各省庁に対してですね、これだけ委員が委嘱されて、そうして相当の報酬を国から受けているんだから、委員として十分出席してその職務を果たし得るように、各省庁に大蔵大臣として私は注意を喚起する必要があると思うのですが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今おっしゃられているのは、あるいは国家公安委員会のことかと存じますが、(「それだけでないですよ」と呼ぶ者あり)出席は月に三日ということになっているそうでございますが、これはまあ、委員会の特殊性において会議の日がさめられておるものはやむを得ませんが、そうでなくて、常時出席すべきことになっておる委員会で、欠席の多いということにつきましては、これは、御要望のような措置をとりたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これはやっていただきたい。  次に、自衛官の俸給月額の算定方法のところに「(基準俸給月額)十(平均暫定手当相当分月額))(一・一二五」、一・一二五という数字が出ているのですが、これは私、科学的な根拠はないと思うのですよ。そうして暫定手当そのものが地域給から流れてきた制度であって、これを全部の自衛官に配分するというのは、趣旨から言って私はこれは反することだと思う。それだったならば、警察官だってこれはやるべきだと思う。警察官だってそういう点で、まあ戦争があった場合には、それは違うでしょうけれども、平時における警察官と自衛官の給与の比較ですね。それから海上自衛隊と海上保安官の比較、こういう点については、どうしても納得いたしかねるところがあります。この上に、国家公務員共済組合なんかでも特例を設けてあるわけですからね。それから、防衛大学の学生にしてみれば、学生時代から毎月四千五百円、期末手当までもらって、帽子二つ、靴一定、こういうのですね。そういうもの全部支給されるわけですから、かれこれ考える場合、今の憲法上から考えた場合に、非常に私はアンバラになっているのではないか、かように思います。たとえば、陸上自衛隊の諸君と警察官を比べた場合、陸上自衛隊の諸君は、事あった場合はこれは何ですよ、大へんだが、そのときは、あとで特別にしたらいいでしょう。しかし、平素は訓練ですから、私は、警察官より神経を使わぬと思う。警察官にしてみれば、これはしょっちゅう警察手帳を持っていて、いつどうなるかわからぬという、神経をすり減らすことからいったら、むしろ警察官の方が上だと思う。そういう職務内容を考えますと、事ある場合に厚く遇するということは必要だと、常に私は言っているのですが、平時における自衛官の給与と一般職の給与にはちょっとアンバラがある。それからまた、自衛官の内部においても、平時において、事務官、これは一般職の俸給表をそのまま移されているわけですが、事務系統の人と、それから自衛官と、同じ机を並べてやっておっても、制服と文官の場合は違うわけですね。あまりにも私は、こういうところは、旧軍隊の準軍人、そういう体系が持ち込まれているのではないか。だから、この給与体系なるものは、憲法上から見ても、この給与体系は違憲性を持っているというような私は見解を持っているわけです。先ほど裁判官の問題も出ておりましたけれども、先ほど給与担当相に伺ってみましたところが、一般職だけは検討している、見解も持っているのでございますけれども、特別職については、総合的な検討をしていないし、見解も持っていない。これは無責任です。あなたのところで予算を査定して国会に上程されるわけですが、池田総理に聞いて答弁を求めるべきものですが、ここでそれができないから、あなたに伺いますけれども、非常に、先ほど迫水さんから伺っても、特別職関係については検討もいたしてないし、意見も持たない。関係大臣が答えるであろう、あるいは大蔵省の財政課長に答えさしたりしている。これでは、政府として法案を提出する内閣として、立法府に対して無責任だと思うのですが、今後こういう点を改めることを要請いたしたいのですが、お答え願います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 改めるということですが、十分な検討を加えて、妥当な措置をとるということは当然ですが、もちろんそういうつもりでやっております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 何かあなたは、閣議の懇談会では、国会ではのらくら答弁で行こうじゃないかというようなことを閣僚に協議したとかいうことが伝えられておりますが、いけませんよ、あなた、そういうような態度では。典型的なのらくら答弁です。きょうは短期国会で何だから、私は時間も制約されているから、もうあと一問で終わりますけれども、そういう心がけでおられたら、いかに人情ある大蔵大臣といえども、次の国会では、もう百パーセント対決いたしますよ。少し答弁が誠意がないと思うのですよ。そんなことなら、あなたが答弁しなくたって、だれが答弁したって同じことです。  では、最後にあなたの部下に質疑をした点で確認されたことを、あらためて上司であるあなたに御答弁いただいて、私の質問を時間が参りましたから終わります。  それは具体的な問題ですが、その一つは、暫定手当の問題について、人事院は、昭和三十六年度の予算の編成に間に合うように、薪炭手当とともに勧告をするように作業をしているということを本院で答弁いたしております。で、この勧告が出されたならば、三十六年度の予算編成に尊重して組み入れるということを、要望を含めて、お答えいただきます。  それからもう一点は、長きにわたっての問題でありますが、これも事務当局から見解の表明がはっきりあったわけですけれども、外地引揚公務員の退職金算出の場合における海外在勤年数通算の件、これを給与課を中心に、早急に合理的に改正する作業をしてその措置をとる、この二点お答えをいただきます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 暫定手当の問題はその通りでございます。もし予算編成に間に合うような人事院の勧告がございましたら、これは尊重して来年度の予算編成においてこれを取り上げることにいたします。  それから、今言われました外地引揚公務員等の問題は、確かに実情に沿わない点がございますので、今事務当局に検討させておりますので、結論を得次第、これの所要の措置をとる考えでおります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 申しわけないが、もう一問だけ。初めて大臣らしい答弁をなさいました。もう一問だけ伺っておきます。それは、調達庁長官と大蔵大臣にお答えいただきたいのですが、新安保条約と新基地協定ができまして、調達業務が非常にふえて参っております。しかもジェット機等の騒音が激しくなって、その基地だけでなくして、基地周辺の騒音対策等、なすべき仕事が非常に多くなっているわけでありますが、従って、調達庁の今後の機構の問題とあわせて、その行政運用の全きを期するために、新しい角度から予算を編成しなければならないと思いますけれども、ごく一部には、米軍が引き揚げていったのだから、だから機械的に調達庁の職員を減らしたらどうかというような意見を言う人があるやに聞いておりますけれども、新しい協定を完全実施するということになりますと、さらにまた基地周辺にいろいろ騒音等の総合的な問題が起こることを考えるというと、先刻私が冒頭に申し上げましたようなことに相なると思うのです。で、これらの点について大蔵大臣はどういう見解を持ち、今後どういう査定をされようとするか。これは調達庁の職員の勤労条件、給与に直接関係のあることでございますから、その見解と、それから調達庁長官としてどういう見解を持たれているかという点をお伺いして、大蔵大臣に対する質疑を終わります。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 調達庁の業務に関係しまして、お話の通り、飛行場周辺の騒音問題、あるいは演習場に関する種々なる問題等、基地行政に関して大いに改善をはかる要を感じております。従いまして、その業務遂行のために、私は現在の定員を維持することが必要だと考えている次第であります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 問題は業務の実情でございますので、十分検討して、予算査定のとき考慮いたします。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 先ほどの矢嶋さんの質問に対する大蔵大臣の答弁の中に、どうしても納得できない点がありますから……。今度の上厚下薄ですね。これは民間がこういうふうに上厚下薄になっているから、公務員の場合もこうなったんだというお考えがあるようですけれども、これはとんでもない話だということを申し上げたい。この上厚下薄はこの世の中にない数字なんです。人事院が作り出した架空の数字なんです。そういう点を御存じですか。下が一〇%、上が三〇%という、この上下格差というのは民間にはない数字だ。何か民間がこういう差があるから、公務員でもこういう差をつけたらいいじゃないかというお感じがあるようですが、これは間違いだ。人事院が作った虚構の数字である、この世の中にはないものだという点を私は申し上げておきたい。もう少し申し上げますと、あれは非常に上の方だけ上げたのは、御承知のように、医療職と研究職と行(一)、これだけを平均したからあんな高い数字が出た。下の方は全部の職種、低いところも高いところも全部あの数字が出た、この世の中にはない数字だ、この上厚下薄というのは。この点をよく考えていただきたい。いかがですか、答弁をお願いしたい。虚構の数字なんです。民間がこんなに上がっておるから、民間にこういう格差があるから、公務員でもこういうような方法がいいという考えは間違いだという点を申し上げているわけです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 人事院は、職種別、年令別、学歴別、民間のこういう地位についている者、それと対等の公務員の職種、地位の人との比較をやって、この地位にある者は大体これくらいのベース・アップをするのが至当だというふうに、具体的に調査の上に立った勧告でございますので、私どもはそれを尊重したということでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は、先ほど来申し上げているように、この上厚下薄のこういう傾斜というのは民間にはないのだ。そういうのはどこにもないですよ。先ほど申し上げた人事院が作った虚構の数字です。それを御認識にならないで、何か民間もこういう差があるから、公務員も差があるべきだというような御認識では、これは大へんな間違いだということを申し上げておる。今大臣の御答弁ですと、そういう御答弁では答弁にならないです。それはおかしいですよ。上厚下薄に対する見解をもう一ぺん伺いたい。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 人事院の答弁を申し上げますが、人事院は、本委員会におきまして何回も御説明申し上げておりますように、個々の職種別調査はやっておりますけれども、やはり公務の部内バランスを考えまして、行政(一)の二等級、まあそれに大体相当いたしまするようなものは、これを全部網羅いたしまして平均の上がりを見、また、ただいま御指摘のように、行(一)七等級、八等級というものに大体相当いたしまする職種は全部これを合わせまして、そしてその平均の上がりの割合を見る、こういうことをいたした次第であります。それを基本にいたしまして俸給表を作るということでありまして、この人事院が勧告いたしましたものは、全体としてはおおむね一二・四%になっておるのでありまするが、民間との対比並びに公務部内のバランスをあわせ考えましてこのような俸給表を作った次第であります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それは虚構の数字ですよ。行(一)なら行(一)、医療職なら医療職、研究職なら研究職という俸給表をとっても、民間とあまり差があるところはないです。これははっきりしているのです、人事院の資料を見ても。これは人事院も反駁できないわけです。あれだけの差はないのです。ないのだけれども、先ほど人事院が答弁したようなやり繰りをやるというとああいう数字が出るのですよ。だから、これは虚構の数字ですよ。だから、民間は非常に上が上がって下が低いからやるのだというお考えは根本的に間違っているという点を申し上げておきたい。もう一ぺん政府側の上厚下薄に対する見解を聞きたい。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) ただいまの私の御答弁で多少不足しておりますので、補足さしていただきますが、もし俸給表別に民間との対比でそれぞれ平均をとるということにいたしますれば、現在の公務員俸給表のうちには、下げなければならぬというものすら出て参るのであります。そういうことは、これはこの公務部内のバランスを考えますときに適当でないのであります。で、われわれは、われわれがいたしましたような方法によりましてこの大体の改善率を考えるということが、公務の部内のバランスを考えました場合に適当である、このように判断をいたしまして人事院といたしましては勧告いたした次第であります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 だから、私が申し上げておるように、ああいう上厚下薄の数字というのは、人事院が作り上げた数字なのです。民間にはこういう差はないのですよ。それを私が聞いていますと、どうも民間もそういうふうな差があるからというふうに聞きとれるものですから、これは大へんな問題だ、こういうふうに思っておるわけです。ですから、今のこの上厚下薄につきましては、政府ではもう少しお考えになってしかるべきじゃないかと私は思っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 実は、法律はおそらく通されると思うのです、反対しても。それから問題になる点を、実は先ほど人事院当局がおられなかったので、確認しておきたいと思うのです。  この前、滝本給与局長は、先ほど藤枝長官にもお尋ねしたのですが、第十条の三の「科学技術に関する専門的知識」、勧告では「高度」というものが入っておった。それをとったということで、相当この初任給調整手当の範囲が広げられるというように私は受けとる。そこで、あなたがこの前のわれわれの質問に対して、それに該当する専門の科学というものを答弁されておる。物理、電気、通信、機械、造船、冶金、航空、計測、応用物理、応用化学、こういう答弁をされておるのですが、本法律改正案に、人事院の勧告と変わった点、「高度」という文字を取ったということは、これはあなたの方から、人事院規則を作る場合に拡大解釈をしてやってもいいという方針を明らかにされたのですか。その点について私は、大蔵大臣も総務長官も人事院の給与局長もおいでになりますから、これは今後の運用がいつも問題になりますので、法律が通ってからあとでいつも問題になるから、この点を確認しておきたいのですが、あなたがおられなかったときに藤枝総務長官がそう答弁されましたので、それを確認しておきたい。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 人事院が勧告で、初任給調整手当をつけていただきたいという勧告をいたしたわけでございます。その当時人事院といたしましては、ただいまお読み上げになりましたような大体職種を考え、もっともその当時よりさらに精細な研究をいたしますと、多少その中にはずれるものがある程度の、狭い範囲の職種を人事院は考えておったのでありまして、で、人事院といたしましては、この人事院の考えておる程度のものが人事院規則になるようにと思いまして、総務長官の方へ、こういう形の法案を作っていただいたらどうでありましょうかという申し入れをいたしたのであります。その中には、ただいま提出されておりまする十条の三というものの中に、「高度」のというところがございませんが、これは人事院の申し入れには「高度」ということがあったのであります。  それから、採用が困難だということにただいまは書いてございますが、それが採用が「著しく困難」だということに人事院といたしましては考えておったのであります。ところが、国会へ御提出になりました案には、「高度の」ということと、「著しく」ということが落ちております。で、落ちて、どの程度に政府側でお考えになっているのか、人事院は聞いておりません。  で、われわれが考えておりましたものに比べまして、「著しく」ということと、「高度」が落ちておりますから、これは範囲は多少広げることを政府側としてはお考えになっておろうと想像いたしております。このままの形で、もし、かりにこの法律が決定されるといたしまするならば、当初人事院が考えておりましたものより、やはり幅を広げて考えるべきであろう、このように考えます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 それは、あなたがるすの間に藤枝総務長官が答えた。議事録に載っておりますけれども、念を押したのです。皆さんがおそろいの中であるから確認したのですが、その点はそういうふうに運用されるように考えてもらいたい。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 先ほど水田大蔵大臣にお尋ねしたときの御答弁について、われわれは給与局長よりも、むしろ総裁なり人事官に御答弁いただきたかったが、見えておらないので、その点を含めて御答弁いただきたい。先ほど来の水田大蔵大臣の答弁を伺っていると、勧告通りに実施せずに、十月一日に繰り下げたということは、財源的な理由ばかりでなしに、予算編成上から見た技術的な面で実施できないのだ、むしろお話のウエートは、財源よりも、その長期にわたってさかのぼっていくというやり方について全面的に賛成はできない、反対である、今後もこういう勧告については一つやめてもらいたい、こういうことであります。これをさらに突き進めて考えれば、人事院は、あえて政府として不可能な勧告を行なったということになると私は思う。人事院はそういう点はどういうふうに考えてこの勧告をなされたのか。五月一日から当然実施し得ると考えて勧告をされたのか。水田大蔵大臣が言われるように、今日の保守党内閣では、とても五月一日から実施できないという観念のもとに勧告を実施されたのか、その点どうなんですか。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) これは従前、人事院の勧告はなるべくすみやかに実施していただきたい、あるいはできるだけすみやかに実施していただきたいということを考えておったのでありますが、それでははっきりしないじゃないか、勧告の一部分がぼやけているという御指摘がたびたびございまして人事院といたしましては、四月現在の調査でございますから、五月から実施するのが適当である、このように考えて勧告をいたしたのでございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 そうすると、人事院としては、この勧告を実施しようがしまいが、とにかく人事院としてだけの考えから勧告をした、だから五月一日にさかのぼろうがのぼるまいが、あえて関せず、こういうことですか。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 人事院が持っております一番強い発言の方法といたしましては、これは勧告でございます。その勧告の中で、あえて五月から実施していただきたいということを言っているのは、これはやはり人事院といたしまして、非常に強い意思の表示をしたことであります。もとより人事院といたしましては、人事院の勧告が全面的に実施されるということを希望しております。しかし、政府側の御説明がございましたように、財政事情等、その他地方公務員の問題もあるということで、そういう理由があるのかというふうに受け取って、これは遺憾ではありますけれども、そういうふうに受け取っておる、こういう事情でございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 五月一日にさかのぼる、その「五月一日という期日を入れるに至った今までの経過についても私どもは承知をいたしております。そういう経過の上に立って「五月一日」という期日を明示したのですから、これはやはり政府としても、ある程度真剣にこの五月一日の期日については、肝に銘じなければいけない。しかるに、財政的な措置はとにかくとして、悪例を残すような結果にもなるし、予算措置の上からいってこれはできないという大蔵大臣のお答えというものは、私は、はなはだ解せないと思う。今人事院としても、すでにお聞きの通りに、かなり強い意思をもってこの五月一日というものを期待しておられる。それが財政という面ばかりでなしにできない、しかも、この点については、肝心の給与担当大臣との間に大きな食い違いがある。こういうことを考えると、今直ちにこの法案の採決をするということでなしに、私はもっと閣内でもって検討をしてくるべきではないかと考える。特にこの計数というものについては、この改定される号俸案の内容が、上厚下薄、そのほかいろいろな不合理を含んでおりますけれども、とにもかくにも実施されるということになれば、一番期待をしておるのは、早い機会に実施されるということである。  その早い機会というものが五カ月以上も放置されたということは、非常に大きな私は不親切だと思う。何べん繰り返してもこれは言い尽せない問題でありますから、これ以上押問答しようと思いませんけれども、水田大蔵大臣はこの点をどう考えられるか。  それから、さらに給与局長に最後に一点伺っておきますが、水田大蔵大臣は、今後はこういう長期にさかのぼる勧告についてはやめてほしいということを言っておられる。人事院はこの点をどういうふうに考えられますか。将来は政府の希望に従ってこういうことはやめるつもりなのか、それとも、あくまでも筋を通して従来通りに、正しいと信じた勧告を行なわれるつもりなのか、この点について、さらにまた、この五月一日ということを厳守するように何らかの措置を考えておられるか、この点を伺います。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 総裁が答弁すべきところでございますが、私からかわらしていただきます。人事院といたしましては、公務員法の規定に従いまして勧告をやるのであります。(「名答弁」と呼ぶ者あり)

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 私は、決して名答弁とは思わない。少なくとも大蔵大臣の発言は、将来の人事院勧告を拘束することになるのじゃないですか。法律的には拘束する意思は持っておらないけれども、従来の人事院の勧告のやり方を見れば、この勧告の内容を見ても、多分に政府の意図を汲んでおる。そういう人事院の今日のあり方からいって、大蔵大臣がこういう長期の遡及は困るのだということを、この正規の機関の席上で発言をしておられる。かなりこれは強く人事院を拘束するものと、われわれはきわめて不安に考える。それについて、人事院は人事院としてあくまでも政府に属することなく、今後も必要とあれば、あえて長期にわたる遡及をすることがあっても、その勧告は行なうという決意をもっておられるのかどうか、こういうことを聞いておる。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 人事院といたしましては、やはり公務員法に規定されておりますところに従いまして勧告を今後もやっていくということであります。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 きわめて不満足ですけれども、総裁でないからできないということでしょうから、他日の機会に質問を留保いたしておきます。  それから大蔵大臣は、先ほども私は御質問申し上げているのです。というのは、人事院がなされた勧告に対しては、もっとすなおに受け入れて、できる限りの財政的措置を講ずべきである、技術的に多少困難があるとしても、特に公務員の給与については、公務員の生活を規律する問題でありますから、もっと親切な気持があっていいのじゃないか。先ほどから話を伺っていると、矢嶋委員の話ではないけれども、どうも御答弁が、水田さんの御性格かもしれないが、ぴんとわれわれの胸にこたえるようなものが伝わってこない、もっと明確な言葉で、勧告というのは実施する、しなければならぬのだということの私は答弁をしていただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 人事院の勧告は、今後も可能な限り尊重いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣に二問ありますので、文部大臣今お見えになるそうでありますから、その前に局長に伺って、文部大臣の質問はあとにいたしますから、急いで文部大臣の出席を願いたい。最終的には大蔵大臣の答弁も伺うことになりますから、聞いておって下さい。  二点あるのですが、その次の質問を行なう前提として、大学学術局長に伺いますが、私立大学の授業料並びに入学料等の値上げ傾向がございますが、これは望ましいこととお考えになっているかどうか、当局としてはどういう見解を持たれているか、お答え願いたい。

福田繁芳自由民主党

○政府委員(福田繁君) ただいまの御質問でございますが、最近御承知のように、私立大学等におきまして授業料の値上げの傾向が出て参っております。今回の授業料の値上げの原因は、ベース・アップに伴う必要財源のためのようでございますが、私立大学といたしましては、現在御承知の主うに、かなり高い授業料等を取っておりますので、傾向として、やはり私どもは教育の機会均等という立場から、必ずしも好ましいとは考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 社会問題にもなろうとしております。で、まことに遺憾でありますが、その原因が給与の問題になっているのですね。このたび公務員に対してベース・アップがある、そこで人事院から出していただいた資料を見ますというと、民間の教育職の俸給、すなわち、私立学校の俸給の実態というものは、公務員現給与の約一五%減です、人事院の資料では。だから、この民間の資料と公務員の資料を比較することは妥当でないということは、先般文部省の政府委員から御答弁があったわけですが、金額的に言えば、助教授で八千四百七十円、教授で二万九千三百十六円、学長にして約三万六千円の差が生ずる。そこで、この授業料、入学料の値上げという形になって参るわけであります。そこで、これが遺憾である、しかも教育のことであれば、私学であろうと教育企業であろうと、これは公共性を持っている。そうすれば、何らかここで考えなくちゃならぬと思う。たとえば産業界で基幹産業を育成するという立場で、民間企業の産業に対しても国は助成するわけだ、たとえば具体的にロッキードを二百機生産するといえば、国はそれに対して助成するのだ、まして私学は、これは私企業であろうとも、国の人材を養う。この中にも私学を出た人があると思いますが、これは公共性を持っている。しかも私学が、小学校、中学校の義務教育の年次の生徒までも預っているとすれば、国は何らかの助成があってしかるべきだ。従来の考えをある程度転換して、積極的に転換して助成があってしかるべきだと思う。そこで、私は具体的な一つの意見を言って見解を承ります。これは大蔵大臣の見解も承りたいと思います。  その一つは、まず私学振興会の出資金が約五十四億円だったと思うが、ある。この制度が始まって以来、私学に貢献したところきわめて大なるものがある。わずか五十数億円ですが、きわめて有効に国の金が使われたと思う。これを私は飛躍的にこのワクを拡大すること、そうして今はこれは施設だけしか扱えないが、私学の経常費にも貸し付けるように拡大するのが妥当である。これが一つ。それから有志が寄付する場合に、よくこれは課税にならない措置がとられておるわけですね。ところが、私立の各種学校に寄付が行なわれる場合に税金がとられておるわけです。そのために篤志家が寄付をしないわけです。外国では相当篤志家が寄付をして、国が出して、しかも、ひももつかない。英国なんかその典型的な例です。かかるがゆえに私学が非常に発達して、それがそれだけ民主主義というものを育成をする基盤にもなっておるわけです。だから、日本の持てる階級があるのですから、こういう人々がもう少し私学の存在価値を認めて、気やすく、心やすく寄付するような雰囲気を作る必要がある。そのためには税金を免ずる。今年は、さっき言われたように、当初予算から比べれば、約四千億円の自然増がある。来年度は三千数百億の税金の自然増があるわけです。かわいい子供が小学校、中学校、高等学校、大学と教育を受けて国の人材を育成しておる。もしそういう教育機関に篤志家が寄付する場合に税金を免ずるということ、これは当然やられてしかるべきだと思う。それからもう一点は、人件費の補助となれば格好がうまくつかないで、スマートでないといわれるかもしれないですから、そこで、研究助成という名目でやったらいいと思う。特に科学技術の振興といって、ここで科学技術の振興何カ年計画というものを立てて、その中には、私学において科学技術者をその四割、五割養成してほしいということを国は要請し、企画もしているわけです。だから研究助成という名目で、従来と相当変わった積極的な気持でこれに助成する。そうすることによって私学の教職員の待遇を適正化し、ひいては直接的に、やがて社会問題にもなろうとしている授業料、入学料等、全く驚くべき値上げ率ですが、こういうものを抑制する、こういう私は政策がとられてしかるべきだと思うのですが、まず文部の担当当局から答弁いただきたい。引き続いて大蔵大臣の答弁をいただきたいと思います。

福田繁芳自由民主党

○政府委員(福田繁君) ただいま仰せになりましたように、私立学校に対する経常費の助成ということは、非常に困難であると考えております。従って、今回のベース・アップの問題にいたしましても、従来の私立学校の実績を考えてみますと、大体経常的な収入の一部というものが施設設備に回されているというのが現状でございます。従いまして、私どもといたしましては、私立学校の助成といたしまして、私立学校振興会を通じます施設設備に対する融資、あるいは先ほど御説明になりましたような研究設備に対する助成、あるいはまた学生等の実験、実習に使われますところの経費の一部を助成する、こういうようなやり方でやって参っておるわけであります。従いまして、まずベース・アップ等に伴います必要財源を直接助成するということは困難でございまするけれども、特に来年度におきましては、文部省といたしましては、そういった施設設備の充実に必要な経費を、できる限り幅広く助成をいたしまして、そうしてそれに使われますところの経常費というものが、ベース・アップにある程度使用されるということになれば、間接的ではございますけれども、ベース・アップに資するということになろうと思います。そういう方向で努力いたしたいと考えております。また、現在私立学校振興会から融資されております中で、約三億円は経常費に充てられるべき融資でございます。しかしながら、これもワクが狭うございますので、こういった点につきましても、将来拡充したいというふうに考える次第でございます。  また、私立学校に対する免税の問題でございますが、これは御承知のように、指定寄付に対する免税措置は、現在道は開かれておりまするけれども、一部分でございましてたとえば私立学校の施設設備というような、ごく限られた面になっております。で、大蔵省等におきましても、いろいろ御考慮は下さっておると思いますけれども、現在のような科学技術の振興、あるいは私学のより一そうの振興という見地から見ますと、そういった指定寄付に対する免税措置も、もう少し広げていただきたいというのが文部省の考え方でございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この問題は、ちょうどきょう衆議院の大蔵委員会でも出た問題でございますが、今文部省が言われたような方向で、三十六年度の予算編成で私は十分考えたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一点あるのですが、今の点ですが、大臣、指定寄付の免税の措置があるけれども、きわめて限られておって、不十分なんですね。この免税措置はあなたの胸三寸でできることなんですから、これと私学振興会の出資金のワクを拡大する、研究助成の幅を広げることによって、あなたの政治的手腕で授業料、入学料の引き上げだけは押えられるように、予算編成においてぜひ一つ敏腕をふるっていただきたいと、重ねてこれは要望を含めて、あなたのあたたかい答弁を一つ要請いたします。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今言われました項目をみんな含めて、私は来年度の予算で検討は十分したいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後にもう一点。もう一点は、大臣来ないんですか、どこべ行ってるんです。行き先わかっていますか。事務当局答弁して下さい、文部大臣の行き先を文部省の政府委員の方答弁して下さい、文部大臣の行き先を。どこへ行っていらっしゃいますか。前の日から通告してある。私だけでなくて、鶴園委員も質問があるというのですが、どこへ行っていらっしゃるか、文部省の政府委員の方おられるでしょう、お答えいただきます。文部大臣現在どこにおられるか。

福田繁芳自由民主党

○政府委員(福田繁君) 私はまっすぐ出て参りましたものですから、ちょっと存じません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それでは文部大臣が来られる前に質問をいたしまして、最後に文部大臣にも。行政管理庁並びに大蔵省に伺っておきたいと思います。  大学学術局長いらっしゃいますね。大学の科学技術の研究教育態勢、これに関連して教育職の俸給表(一)、これについて伺いたいわけです。この研究態勢の整備には、優秀な教官を招くということも必要でありますか、同時に、教官が専門の分野で十分働けるように、助手あるいは教務職員、これを適当に配置するということが必要だと思うんです。ところが、この点について非常に問題があるように思いますが、第一、教官の組織は、御存じのように、旧制の大学において講座定員というのがありまして、教授一、助教授一、助手一、非実験の講座におきましては助手一が減る。実験の講座におきましては助手が一人ふえる、こういう慣行があるわけですね。これに三つ問題があると思うんです。一つは、この古い慣行が今の科学技術の異常な発展、それに伴う研究の分野の拡大、実験の大規模化あるいは近代化ということに伴って、この古い講座制定員では、このままそれを適用するのは大きな問題が出ておるんじゃないかというのが一つであります。もう一つは、この古い講座定員があるんですけれども、予算の都合上から、ここ近年設けられている講座を見てみますると、この講座定員すら認められていないという実情にあるのですね。助手から教務職員に至っては、無視されているという実情じゃないかと思うのです。さらに悪いのは、振りかえ人事ですね。教授、助教授の定員を作るために、助手なり、あるいは教務職員の定員を食ってしまう。ためにいよいよ助手なり、あるいは教務職員の人員が足りない。こういう三つの問題をかかえておると思うんです。その結果、助手なり、あるいは教務職員の定員というのは非常に不足しているというのが一般的な傾向になっている。そのために、当然教務職員にならなければならぬ人たち、あるいは助手にならなければならぬ人たちが行(一)におる、あるいは行(二)におるというふうにしわ寄せされて、行(一)あるいは行(二)に非常に不満がある。行(一)の人たちはできるだけ教務職員になりたいし、行(二)の職員は、行(一)または教務職員になりたい、そういう矛盾が起こっておるんじゃないかと思うんです。で、行政管理庁が、大学における科学技術教育行政監察報告というのをことしの六月に出しておる。この監察報告によりますと、調査した各大学におきますところの助手あるいは教務職員がいかに不足しておるかという事例をずっとあげております。北海道大学においては、教務職員が一人もいない。講座は九つある。室蘭工業大学においては、七科目のうち、教務職員が一人もいない。さらに、この教務職員がいないために、教官研究費からその不足を補うために、教務職員あるいは常勤的非常勤職員というのを雇ってやっておられる。そのために研究費が足りないということをあげておる。こういう中で、この助手の定員あるいは教務職員の定員をふやそうという努力をなさっておられるのかどうか。これからこの点を抜本的に改正しようという考えがあるのかどうか、その点を一つ伺いたい。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 大学の教官組織の不完全な実情は、ただいま御質問の中で行政管理庁の方から出されました勧告にある通りでございまして、現状ことに助教授以下の下部の組織が貧弱でございます。お話にございましたように、大学の教官の組織は、古い伝統的な慣行を主としておるわけでございまして、たとえば非実験につきましては、一講座につき教授一、助教授一を置く、助手が一というような行き方でいっております。しかし、実験は助手を加える、臨床はさらに助手を加えるというようなやり方をやっておるわけですが。戦後いろいろな学問の進歩に伴いまして、学科の新設なりあるいは増設をいたします場合に、教員の定員を押えるということが一つの原則でございましたために、振りかえ人事というようなことが現実に行なわれました。そのために教務職員もそうでございますし、また、事務職員も振りかえの財源になるというようなことから、そういった面の職員が非常に窮屈になっておるわけでございます。お話にございましたように、最近は教育が非常に高度化して参りまして、また、ものによってはきわめて複雑なものもございます。また、研究の規模も、御指摘のございましたように、非常に拡大されてきております。設備等につきましても、大規模のものが必要になってくる。このために、この設備を動かすような職員も必要だというようなことで、大学側では、現在の助手あるいは教務職員の充実を非常に強く要望いたしておりますので、私どもといたしましても、幸いと申しますか、行政管理庁の方の監察報告もございましたことでもありますし、明年以降できるだけ、こういった、たとえば不完全講座を計画的になくす、あるいは教務職員を計画的に充足するというような考えを持ちまして明年度の予算を大蔵省と折衝いたしたい、かように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 行管のこういう報告が出ておりますし、今また文部省の大学学術局長の答弁の通りなんですが、山口行政管理局長いらっしゃいますか、山口局長並びに大蔵省ですね。文部省の御答弁あるいは行政監察を行なっておる報告ですね、相当むちゃですよ、大学の学術研究関係、科学技術関係の助手並びに教務職員のこれは。山口局長おられませんか。それでは大蔵省。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 大学の、最近におきまして理工科の増設をいたしましたような場合、現在の人員なり施設なりを極力利用いたしまして、新たな施設、新たな人員というものを、できるだけフルに働いていただくというような趣旨におきまして、ここ三、四年間理工系の増加をせずに参ったわけでございます。従いまして、先ほど大学学術局長がお話しになり、あるいは行政管理庁からの監査報告で指摘しておるような事柄が出ておるかと思います。この点につきましては、三十六年度予算の査定のときにあたりまして、現在の実情も十分見ながら、しかし、またできるだけ能率をあげて仕事をするという、両方の点からよく検討して参りたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この助手並びに教務職員が非常に不足しておるというところから、しわが行(一)、行(二)のところへ非常に寄っておる。ですから行(二)に格づける職種に置かれた人で、どうしても行(一)にしなければならぬ人がおる、あるいは教務職員にしなければならぬ人がおられるという実情について、大学の局長においても御存じだと思んですが、どうも人事院がよくこの点の把握ができていないように思うんですね。ですから、もっと文部省当局の方で人事院と積極的に当たられて、こういう不満というものをなくされるように努力を要望したいと思います。よろしゅうございますか。人事院よくわかっておいてもらいたいと思いますよ、いいですか。  次に、この教育職俸給表の(一)は、十四ある俸給表の中で、非常に変わった性質を持っておると思います。この行政職俸給表の(二)と、教育職の(一)表、これは非常に変わっておる。それはどういう点が変わっているかといいますと、折れ曲がりから先に入っている人たちですね、今施行の俸給表でいいますと、十五カ月で昇給しなければならぬという、その折れ曲がりに入っている人たちがけた違いに多いのです。研究職の場合は、この折れ曲がりに入る人たちが零コンマ以下です。ところが、この教育職俸給表の(一)は、実に二けた違うのです。六等級の場合は、二三%の人たちが折れ曲がり以下に入っている。五等級は三九%です。こういう折れ曲がりの先に入っておる人が非常に多いという点で、行政職俸給表の(二)とこれとは両横綱です。これをなんとか是正されるお考えはないものかどうか。今回のこの人事院の勧告によりまして、多少よくなっておりますが、しかし、よく検討してみますというと、そう改善されていないのです。ですから、この人員の配置は合理的にやったとしましても、こういう折れ曲がりの先にこんなにたくさん入るようでは、有能なる助手とか教務職員というのは、これは魅力がなくなりますよ、こういう実情では。従って、この点について等級別定数を変えられるようなお気持はないのかどうか。等級別定数をお変えになれば、それから行政職俸給表の(一)と同じように、一定の学歴をもって、一定の年限に来たら上げるのだというお考えで等級別定数をお変えになりますれば、こういうようなことはなくて済むのじゃないか、確かに今度少し上がりましたけれども、こういう折れ曲がりのところへたくさん入るようでは、実質的に上がらないのです。六等級、五等級という助手並びに教務職員等は上がらないと思うのです。ですから、等級別定数をふやすということ、一定の学歴、一定の年限が来たら上に上げていくのだ、そういう考え方をお持ちになる必要があるのではないのだろうか。生化学系統におきまして、助手——二十代から三十少しくらいのところが最も活動の時期なんです。これは御存じの通りなんです。その人たちが助手ということで、いつまでも折れ曲がりの先に入っちゃって上がっていかないという実情では、はなはだ遺憾な状態だと思うのですが、等級別定数をお変えになるというお考えがあるかどうか、伺っておきたいと思います。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 行管の俸給表の問題でございますが、御指摘のようなことが実際現在ございます。ただこれは俸給表の点もございますが、同時に、先ほど来御指摘のございました定数の問題も実はあるわけでございまして、さしあたっては、私どもといたしましては、助手あるいは教務職員の定数を、少なくとも従来通りの線まで増したいということを実は考えておるわけでございますが、同時に、いわゆる俸給表を改めまして等級別の定数を改書することも、確かにこれは問題であると思うわけです。しかし、非常に事柄が大きいものでございますから、私ども実は今回のベース・アップに関連いたしまして、検討はいたしたのでございますが、時間的余裕がなくて結論が出なかったわけでありますが、将来もこの点については十分検討して参りたいと思います。ただ、大学の教官につきまして、はたして高等学校以下の先生と同様な俸給表の適用ができるかどうかということは、慎重に検討しなければならぬと思います。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 矢嶋君の質問の相手が見えておりますから。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴岡哲夫君 これだけ。科学技術庁の中にできている研究公務員処遇策定委員会というのがありますね。この研究公務員の処遇策定委員会が、ことしの十一月の三十一日に人事院その他に申し入れをしている。それを見ますと、研究職については、五等級の者は大学卒八年以上は八〇%四等級にすべきである。してもらいたい。四等級については、大学卒業十五年、これに準ずるものは八割三等級に上げてくれ、こういう等級別定数の改定を人事院その他に申し入れされておる。私は、たしかにこの俸給表の作り方について問題もありますけれども、等級別定数を改定するということがある程度行なわれますれば、先ほど申し上げましたような矛盾点というのが相当解決するんじゃないか、こう思っておるのですが、もっとこの等級別定数の改定について、もう一回見解を承り、並びに等級別定数については人事院が権限を持っておりますから、人事院の見解を承っておきたいと思います。ふやしてもらいたい。少ないものではみな頭を打ってしまう。折り曲がりに入つちまう。

小林行雄文部省大学学術局長

○政府委員(小林行雄君) 学術局といたしましても、等級別定数の改正について十分検討したつもりでございます。

滝本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(滝本忠男君) 等級別定数というのは、これはやはり職務と責任並びにそのポジションによってきまるということが原則でございます。従いまして、これは原則としては、むやみに数がふえるというべき性質のものではないというふうに心得ております。しかしながら、御指摘のような点もありますので、われわれはやはり現実の状況を勘案いたしまして、一つの等級における俸給の幅を相当長くするというようなことを一方でやりながら、また必要限度に応じまして十分研究の上、上位の等級別定数をふやしていくということを事実問題としてやっておるのであります。今のお話の点は十分心に銘じておきまして、今後そういうことに当たりまして、十分心得てやりたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣お見えになりましたから、御確認願いたいと思う。あなたがお見えになる前に、ずっと質疑応答をされておることなんですが、あなた速記録を読まれないでしょうから、あらためて要点だけ申し上げます。  で、国公立の学校の職員と私学の教職員の給与差が非常に大きい。で、ここに提出された法律案が、私学の授業料と入学料の大幅値上げを誘発して参った。このことは教育の機会均等から好ましくない。何とかこれを押えなくちゃならん。その具体的な方法としては、私立学校振興会出資金の増額、あるいは研究助成費等の積極的な増額、さらに私学べの民間からの寄付に対して課税がなされていることは、今日私学への民間からの寄付の険路となっておるので、この寄付の免税の拡大をはかる等の具体的な方法がある。これらの点について文部省並びに御臨席の大蔵大臣が意見が一致し、予算編成にあたっても、大蔵大臣は誠意を持って努力するという答弁がなされたわけです。そこで所管責任大臣として、池田内閣の閣僚とし、予算閣議に出席される大臣として、この線について当然努力されることと思うのでございますが、あらためて御確認願っておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通りに、全力を尽したいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一点。それは、これもあなたが出席される前に、あなたの部下公務員との間に質疑が行なわれ、意見が一致したことなんですが、責任大臣のあらためて確認を願いたい。それはちょっとばかり前にあなたに申し上げたことがありますが、今度は行政職に甲乙という新たな制度ができた。で、教育職俸給表においては、これは超過勤務というものがないから、従って、一般行政職は初任給一万八百円の場合に、教職員の初任給は一万一千五百円であった。で、今度のこの法案によって行政職甲乙ができたので、甲は一万二千九百円となり、教育職は一万二千八百円となって百円少なくなって、乙は一万二千円となった。ところが、人事院からここに提出された資料によりますと、要求によって出されたのでありますが、公務員試験の申し込み者数が、甲種が一万三千九百四十一名、乙種は二千四百二十三名、六分の一しか受験いたしておりません。そして、その採用内定を見るというと、甲種が四百九十九名、乙種はわずかに百十六名で、三分の一以下です。しかも、次に申し述べる省庁は、乙種を一名も採用いたしておりません。人事院、厚生省、農林省、ことに農林省のごときは、百九人内定いたしておりますが、乙種は一人もおりません。郵政省、労働省、防衛庁、こういうところは乙種は全然採用してない。採用しているところでも、大部分が甲種で、乙種は非常に少ないわけです。こうなって参りますというと、過去の既得権とバランスという点からいって、教育職に奉ずる公務員は、まあ質の悪い人でいいのだというような点が給与政策上から出てきているわけです。これではあなたは日本の文教行政の最局の責任者なんですが、人材確保はできないだろうと思うのです。それと、超過勤務時間が把握できない、出ていないという点から非常にアンバラになると思うのですね。そこで、答弁されたことは、超過勤務時間というものは大体週に十一時間から十三時間程度は文部省の調査によって把握されておる。従って、それを加味したところの給与体系というものを早急に検討する必要がある、政府として善処する、こういうことが答弁されているわけです。だから責任大臣としてこれを御確認願って、部下公務員を督励して、早急に研究、結論を出されることを御要望申し上げたい。御答弁いただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の点は、この前もちょっと伺って記憶しておりますが、今のお話の通り、同感でございます。努力いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いろいろ質問がありますけれども、これで終わります。   —————————————

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、木暮武太夫君が辞任され後藤義隆君が選任されました。   —————————————

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 他に御発言もなければ、三案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。討論は三案を一括して行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました一般職職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案ほか二件に対し、反対するとともに、以下その数点について理由を申し上げたいと思います。  その第一は、本給与法は、長きにわたって本委員会での論議を経て今日成立を目前にしているのでありますが、まず本法実施の期日については五月一日から実施することが望ましいとあるにもかかわらず、政府は、国に勧告尊重を唱えながら、これを十月一日にした点であります。この態度は、非雇用者の立場にある公務員の中に、露骨に不信をもたらす結果となっておるのでありまして、当委員会の権威にかけても認められないきわめて遺憾な点であります。  また第二は、国家公務員の給与は、生活水準を高める、そのために物価と民間給与に照らしてきめられていくものでありますが、この点勧告は技術的に走り過ぎて、一般公務員の生活の実態から強く離れていて、公務員の要望する声にこたえていないものであるからであります。すなわち、公務員給与は、今回まで数回の勧告が実施されていますが、いまだかつてその勧告が完全に実施された例がなく、民間との較差は累加するに至っております。また、この点生計費と見合って改善されることなく、今回は職務給、責任給に重点を置いたために、本法はL厚下薄のそしりを受け、せっかくの予算を使いながら、大多数の公務員から拒否を受けている。すなわち、この給与の体系は、人事院の不用意な結論に基づいて作られたもので、この影響するところ、きわめて大であります。また、世界にも類例のない悪体系であると言われておるのでありまして、給与政策上としては、数歩後退したものであると考え、きわめて遺憾と存ずる次第であります。  第三に、職員団体の要求は、それなりに意思を持っておるのであります。それにもかかわらず、人事院の示す資料は、その内容において職員を納得させておりません。結果として、一部上級公務員を除いては不満を持ち、ことに初任給給与、中堅幹部給与に多く見られる経済上の理由からくる共かせぎの傾向がさらに激増することは、これを阻止することができないばかりか、さらにこれらの問題を深刻にさせることとなるからであります。また、人事管理上も問題が惹起されることと思うからであります。  第四に、本俸の中には、総体としては事務的に処理されておるために、給与を実施して今日に至った中で、各所に改善すべき問題がありますが、それらが改善のないままスライドをいたしたために、さらに大きく不満を増大いたしておる点で、一般職の俸給表の統合や職種の確立は、将来の問題としてでなく、今日の問題として直接に解決すべきであります。  さらに私は、この機会に、給与実施にあたって不信をもたらさしめるに至ったいろいろな例から見て、今後給与については、一方的な考えを公務員に押しつけることを排して、給与等は、公務員に団交権を与えて、両者の責任において解決するようにすべきであろうと思うのであります。また、は、特別職、自衛隊等の給与についても、本質的に幾多の問題があることを認めておるのでありますから、すみやかに処置をとるべきであります。  以上反対の理由を申し上げました。(拍手)

村山道雄自由民主党

○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、三法案に賛成をいたします。  その理由といたしまして、第一に、この法案は、人事院の勧告を政府として忠実に実施しようとするものであると考えます。また、衆議院での修正は、特に低い俸給者に対しまして引き上げを行なおうとするものでありましていずれも適切であると考えるのでございます。  第二に、実施時期に関しまする勧告が五月でありましたのが、十月に繰り下げられましたことは残念には存じまするが、財政の見地等、調整いたしますために政府が種々苦心をされました努力の跡を十分に認めるものでございます。  第三に、上に厚く下に薄いという非難もございますが、今までに中だるみの是正とか、あるいは初任給の引き上げ等を行なって参りましたので、今回の引き上げ率だけを見て議論するのは妥当ではないという当局の説明にも、きわめてもっともな点があると考えるのでございます。  第四に、今回の人事院勧告自体につきましていろいろと議論のありました点は、さらに人事院の検討と勧告とに期待するものでありまするが、この際は、今回の人事院勧告を、あとう限り実現をいたしまして、全国の公務員の待遇を改善しようとしておりまするこの三法案に対しまして私は賛成の意を表するものでございます。

片岡文重民主社会党

○片岡文重君 私は、民社党を代表してただいま議題となっておりまするこの給与三法案について反対を表明し、以下その理由を二、三述べてみたいと思います。  今次の公務員の給与改定にあたって、まず第一に指摘しなければならないのは、先ほど来の質疑を通しても明確の通りに、肝心の大蔵大臣、給与担当大臣との間に重大な見解の食い違いがあるということであります。この一事をもってしてみても、この号俸是正が、十分な討議を閣議において尽しておらなかったのではないかという不審をわれわれは強く持つのであります。従来、人事院の廃止を唱えておった人々までが、今あえて勧告の完全実施を希望しておる理由の第一は、何といっても、この五月一日に遡及して実施せよというところに魅力があると思う。しかるに、これを実施しないということは、明らかに人事院勧告に対して、きわめて不親切、不忠実なやり方であると言わなければなりません。それから今回の号俸は、すでに指摘されておるように、きわめて上原下薄である。政府としてはこれを認めておるのですから、この上厚下薄について、政府みずから自主的に勧告を是正する措置をとるべきであったと思うのにもかかわらず、これらの点については、何ら措置を講じておらない。私どもとしては、当面の給与法の改正の具体策として、上厚下薄を是正するために、行政職(一)の初任給を、少なくとも一万円に引き上げ、これに準じて五等級以下の職員の給与を引き上げる措置を講ずべきであると考えております。その他の俸給表についても、この行政(一)の改定に見合った俸給表の改定を行なうべきである。さらに、期末手当については、人事院勧告で明らかにされておりますように、民間期末手当に比べて、かなりの不均衡があります。少なくとも、人事院勧告を忠実に尊重するというのであるならば、この政府案に加えて、最低〇・一九の増額措置は当然必要であるはずである、これがなされておりません。それから、定員外職員についても、今回の定員内職員の給与引き上げに準じて、給与引き上げの措置を講ずべきであります。これらについても明確な御答弁をいただいておりません。さらに、行政職(一)、(二)については、早急にこれを統合し、俸給表の一本化をはかるべきであると考えておりますが、さらに、またその他の俸給表についても、この不均衡を是正するために、各俸給表間の調整を行なうべきである、これもなされておらない。それから、現行の昇給、昇格の不合理を是正するために、通し号俸制を採用すべきであるということをかねてから主張しておりましたが、これらについての検討もなされておらない。  さらに、特別職についてみましても、総理や非常勤委員等の号俸改定にあたっては、非常に多くの不当性があると言えます。さらに、大使、公使の俸給表等は、外務官僚のみにとどまらないで、広い範囲にわたって起用できるような措置をこの際政府として工夫すべきである。しかるに、これもなされておらない。  また、防衛庁の号俸是正等についても、数多くの不当性が認められまするので、以上その他にもあげべき理由がありますが、以上賛成しがたい点を列挙いたしましてここに反対の理由を明らかにいたしておきたいと存じます。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 私は、政府原案に対して野党諸君から述べられた意見の中にも、傾聴すべき点があり、また、私自身が述べた点、すなわち、自衛隊の性格を無視した不満はありますが、大蔵大臣は、何らかの形でその不満を是正するということを答弁をなさっておりますから、それを信じ、その実現を条件として、政府の原案に賛成いたします。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 私は、先刻来質問いたしましたように、本件につきましては、いろいろ了解しがたい点があるのでありまするけれども、かく政府当局が将来大いに注意してこの案はこのままいつまでも継続するのでなくて、検討を加えて、さらに善処するという言質をとらえて、そういう意味において私も原案に賛成いたします。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 多数でございます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手]

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。この際、お諮りいたします。委員長及び理事打合会において御協議をいただきました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を委員長から提案申し上げまして、委員各位の御賛成をいただきたいと存じます。  まず、案文を朗読いたします。    一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   内閣委員会は次の諸点につき、今後政府が十分検討を加え適当に措置されんことを強く要望する。  一、政府は、速かなる時期に初任給につき更に検討すべきである。  二、昭和三十二年三月三十一日において、いわゆる高学歴是正が行なわれたが、昭和三十二年四月一日以降の新制大学卒以上の資格取得者並びに昭和十八年度以降師範学校本科及び昭和十九年度以降青年師範学校の率業者に対しても速かに検討の上善処すべきである。  三、(イ) 行政職俸給表(一)と(二)、医療職俸給表(二)、海事職俸給 表(一)と(二)のそれぞれの間には、これを区分するには種々の問題もあるので政府は、この点につき検討せられたい。    (ロ) 科学技術振興の基本方針に沿い得るよう、科学技術系統の職員の給与に対し、改善を行なう要ありと認められるので、政府はこの点につき速かに検討せられたい。  四、地方公務員の給与の改定にあたっては、地方財政の実情に鑑み、その財源措置について政府は適正な措置を講ぜられたい。  以上でございます。本附帯決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、ただいま決定いたしました附帯決議について、迫水国務大臣から発言を求められておりまするので、これを許します。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 附帯決議の御趣旨につきましては、従来の経緯もございますし、また、実施上の問題もいろいろございますので、今後人事院等の調査研究と相待って、これらを十分検討の上善処いたしたいと考えます。

吉江勝保自由民主党

○委員長(吉江勝保君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時三分散会

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