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37回国会参議院1960/12/21

大蔵委員会 第5号

発言数
136
登壇者
11
会派数
4
開催日
1960/12/21

会議録

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) ただいまから委員会を開きます。  委員の異動について御報告をいたします。本日付をもって中尾君、田中君が辞任され、その補欠として原島君、佐野君が委員に選任せられました。   —————————————

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。  御質疑のある方は御発言を願います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 きょうは政府当局側は、出席の方ですね、どういう方ですか。

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 田中大蔵政務次官、村山主税局長、塩崎税制第一課長、上林主計局法規課長、それから食糧庁の家治経理部長の方々です。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 お伺いいたしますが、ただいま議題になりました所得税臨時特例に関する件ですけれども、毎回の年度議会に出るのですが、この特例は、言うまでもなく、米穀政策の一環として出されているわけですが、大体、事前売り渡し申込制度を円滑にするためということになっておるのでございまして、実際問題におきましては、農家の米の価格政策ということがどうしても納得ができないので、問題になっておるわけです。そういう価格政策が、絶えず、民主団体でございまする全日本農民組合が耕作農民あるいは米作農民などを代表いたしまして強く要請をし、さらに農協におきましても、この価格政策におきまして要請をしておるわけなんです。この点が未決であるということ。それから、いま一つは、農家のいわば供出制度が、ややともするというと、任意制といいましょうか、自由販売というような動きがありますので、そういう点に対して絶えず農民が不安に思っておるわけなんです。このことは、私が申さなんでも、すでに御承知なんです。ところが、大蔵省では、米の出回って豊年だというのに、いつまでも臨時特例の制度でいくということはどうかというようなことが、いつも問題になっておるということを聞いております。しかし、現われた現象だけつかんでの見解だとすれば、むしろ、根本的な問題である米価政策に対する、労働者の最低労賃の要求と同じように、農民の生産費と所得の補償をするような労賃評価の点に対して根本的に検討し合ったことがあるかどうか。たびたび、これは問題になるのでございますが、そういう点が解決されないで、いつもこうした問題に対して不安を与えるような印象を起こしてもいかぬのでございますから、この間の事情を、特に事務当局からこの際お伺いしておきたいと思います。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) お話のように、米価をいかにきめるべきかというような価格形成の問題は、これは実はわれわれの方では、一応は見てはおりますが、特に研究をしておるというほどのものではございません。と申しますのは、御承知のように、所得税でございますので、所得税の方は所得の高に応じまして、それぞれ累進税率で、低ければ低いなりの税がかかる、かような建前でできておるわけでございます。  ただ、おっしゃるように、この予約減税の問題につきましては、これは昭和三十年に創設されたわけでございますが、その間のいきさつは、当時米の集荷が非常に困難でございまして、税の面でもほかの所得と違って、政策的に石当たり平均下四百円、それは供出の時期別に金額は違いますが、平均千四百円を総収入に算入しないという制度をとる必要があるというので、一つの特別措置的な考え方といたしまして、毎年々々の産米の状況を見まして続けて参ったのでございます。しかるところ、最近のその後における税制の改正は、主として納税人員の多い、あるいは家族の多い農業方面に軽減が行なわれておるわけでございまして、この制度の今後の問題についてはいろいろ検討の余地があると思うのでございますが、今回出しました法案は、三十五年産米に関する特例法案でございます。  これは御案内のように、本年の五月にすでに例年のごとく減税が行なわれると、こういうことを前提にいたしまして、米価の決定ができております。三十五年産米につきましては、現存もなお集荷中でございます。さような意味におきまして、三十五年産米に関する限り、従前通りの減税の措置を行なわないと円滑な集荷は行なわれない、かようなことになりますので、時期でいいますと少しおくれておりますけれども、この国会がわれわれが提出し得る最も早い時期でございますので、提出いたしまして御審議をわずらわしたいと、かようなことでございます。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 ただいまの一方的見解は、主税局長、わかっておるんです。ただ、私の聞くのは、あなたは三十五年産米穀について出したというんですが、いつでもこの予約減税の問題のときは臨時特例の適用ですからね、いつでも国会の承認を得なけりゃならぬわけです。臨時特例を出すときの趣旨は、供出制度を円滑にしていきたい、事前割当を円滑にしたいという点が目標だったんですよ。それは従来も食糧政策上やってきたわけです。ところが、最近豊年だということで、あまり事前割当にも心配はないし、供出にもあまり心配なくなってきたというようなことで、目下税制調査会ではこれはやめたらどうかという答申が出ておるわけなんですよ、実際。  そういう問題は、この部分だけから見ると、そういう意見も出るが、何がゆえに特例を出さなければならないか、その底にある経緯ですね。それに対して深い検討がなされていない。この臨時特例は農民に対し希望を持たした一つの政策であったんですよ。だから、農民は一生懸命で、価格の了承できない中にも、この特例があったればこそ生産に努力をしてきたんです。その点はわかってくれると思う。ところが、最近税制調査会がまたそろこういう問題を投げかけて、これをやめようやめようという気持なんだな。だから、そういう点に対して、農林省におきましては、その事情を大蔵当局とも折衝してきておるわけなんです。でありますから、税制調査会が今後そういう答申をするにあたっても、大蔵当局としてはその経緯にかんがみて、これを判断をするときに、特に価格政策の点において不均衡な点もあり、割り切れぬ点もあり、解決をしないのであるから、というようなことをよく理解するよう努めておるかどうかということなんです。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) ただいま先生もおっしゃいましたように、この制度は三十年に創設されましたが、当時はこの予約減税の適用を受ける農家は約七十万戸あったわけでございまして、で、米作農家が全体で五百万、それからその当時の売り渡し農家がこれが三百二十万くらいになっております。従いまして、米作農家に対しましては一四%程度くらいのところであったわけでございます。しかるところ、その後相次ぐ減税が所得税の面において行なわれまして、すでにこれは昭和二十五年からでございますが、今日までそのときどきの減税総額を足しますと、所得税だけで約六千数百億に及んでおるわけでございます。そのうちのおもな減税の部分は、その約三分の二は基礎控除でございますとか、扶養控除、こういう控除に充てられておる。三分の一の約二千億が税率に充てられておるわけでございます。で、御承知のように、農家の所得は、普通の所得に比べまして、平均が非常に低い。特に扶養控除の拡大が一番大きな項目になっておりますので、その後農家の方では非常に課税される者が少なくなりまして、これは三十五年の予算でございますが、三十五年の予算では課税農家四十万。三十年が八十七万八千に対しまして、四十万三千。そのうち予約減税の適用の農家は三十三万八千、さようなことになっております。従いまして、全体に対する比率は七%弱になっておると、かような状況になっておるわけでございます。  で、この予約減税の問題、価格の問題は、全農家に影響のある問題でございます。で、この予約減税の適用を受けるかどうかという問題は、今課税になります三十三万という農家にだけ関係がある問題でございます。そういったところからいたしまして、それから最近における集荷状況その他から見まして、当時とられた特別措置の政策的の意義というものは、相当縮小して考えていいんじゃないか。  特に、来年われわれ考えておりますのは、税制調査会の答申にもありますように、今度は白色の事業者に対しまして七万円の一律専従者控除を設けようとしているわけでございます。で、現在でも青色申告につきましては八万円を限度とする一種の専従者控除のようなものが認められておりますが、農家の方は記帳その他の手数が非常に困難であるということのために、実際上農家には青色申告の適用を受ける者が少ない。この辺が非常に税制調査会でも問題になりまして、そういう記帳のできない農家に対しても、法人との課税のバランスというものを考えて、来年度からは七万円の一律の専従者控除を設けてはどうかと、こういうことは提案されているわけでございます。もしこれを実施いたしますと、さらに農家の負担というものが非常に軽減されまして、課税人員はただいま申しましたちょうど四十万に相当するものでございますが、ことしの予算べースの四十万三千に相当するものが二十二万五千人に下るだろう、かように見積もられております。税額におきましても十二億五千万円程度に減少するのではないか。従って、米を作っております予約減税の適用を受ける農家はさらにこれよりも下回ってくる、こういう計算になりますので、で、もしこの特例を依然として、それにもかかわらず、白色についても専従者控除を認めつつこの特例を存続するとすれば、農家の課税人員というのは十五万六千人、税額が六億程度に減少してしまう、こういうことでございます。何も、われわれ、農家の農税人員の多いことを望み、また税額の多いことを望んでいるわけではございませんです。ただ、事業所得者との全体の課税のバランスというものから見て、しかもこの適用を受ける、この米穀の特例措置の適用を受ける農家というのは全体のごく一部になってしまう、そういうことを考えますし、それから同時に、現在のいろんな特別措置もございますので、そのときどきの政策効果というものを考えつつ、漸次に改変していくということは措置の性質上妥当ではないかと、かような点を考えまして、おそらく答申が出ておると思うわけでございまして、まあ、そういう意味で、われわれもこの答申の趣旨を十分尊重して、来年度以降の税制改正につきましては関係方面といろいろと御相談の上に処置をして参りたいと、現在のところさような心組みでおる次第でございます。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 村山主税局長、あなたは農業基本法の裏付みたいな説明をされておるが、どの主税局長としても従来から一環した御意見だ。私の聞かんとするところは、一面から見たあなた方の御意見に対して、もっと米作農家の経済事情を汲んで、予約減税をするまでに至った政府の施策なり方針というものにこたえて農民が努力してやってきたわけです。それが価格政策の点についてどうしても納得できないという点から、農民の不満を補うために特例などが設けられて、農民がまあ少しのなぐさめになってやってきたわけなんです。  だから、私は、ただ単に農産物のうち米作が合うということは、ほかのものが一そう合わないということなんです。米作が合うからということで、それならどのくらいの労賃評価をされているかというと、すでに米価審議会においても御存じのことと思うのです。その矛盾と不均衡が耕作農民の代表組織である日本農民組合の要求というもの、あるいは農協あたりでも要求を出しておるのですが、農協の要求すらもまだ入っておらねようなわけなんです。われわれは一万二千四百円、統一米価におきましては一万一千四百円。それが達成されていない。そこに大きな一つの怒りといいましょうか、不満があるのですから、それらを解決されないで、ただ割当事情のみの特例の点からばかり見て税制調査会の意見を尊重するということは、これは大きな誤りではないか。  あなた方大蔵当局から見る見解としては、現象上の意見も私は成り立つと思うのです。けれども、今、言うた生い立ちの点、生活事情から見た経過の点ですね、こういう点について農林当局と意見折衝したことがあると思うのです。この際、私は農林当局にそれに対する意見を聞いておきたいと思います。

家治清一食糧庁経理部長

○説明員(家治清一君) お答え申し上げます。実は私そういう直接なあれに当たっておりませんので、若干何といいますか、的確を欠くお答えになるかと思いますが、税制調査会の答中も十分承知しておりますし、それに基づきましてといいますか、それに対しまして、まあ農林省としては事前割当制度そのものはまたまだ続けていかなければならぬことでございますし、そういう点でいろいろまあ御相談申し上げているわけでございますが、まあまあ、かりにそういう臨時特例があるいはなくなるという場合におきましても、事前割当売り渡しの農家がそのために従来の税負担がふえるということであっては、工合が悪いと思います。そういう点で、なおいろいろ御相談申し上げたいと思っています。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 まあ、農林当局は農民、農薬の主管庁としての考え方が弱い。いつも大蔵当局の一方的主張に押されるのですが、もう少こし検討していくとかいうようなことでなくて、食糧不足のときに農民がどのくらい努力してきたかということを、よく強く大蔵当局に再認識をさせるように努力しなければ足りないと思うのです。たとえば食糧不足のときに農民が生産に努力したということは、農民としては作付転換がそう簡単にできるのじゃないのですね。これは村山君よく聞いておいてもらいたい。諸君ら大蔵当局は産業資本確立の数字のマジックをやっておる。だから、池田内閣は、口車といって、数字のマジックで、口先でごまかしがうまいという評判だ。だから、それに見習っちゃいかぬ。特に事務当局は冷静でなくちゃいかぬ。特に作付反別のときには、そう転換ができるものじゃないから、一方においては食糧増産で国の要請にこたえていきたいというので、真剣になる。一方におきましては経済的にみずからの地位を高めようというわけで、あらゆる努力を払ってきたわけです。その努力に対する温情を持った政策というものを忘れちゃいかぬと思うのです。この点は、農民にも私は反省しなければならぬ点もありますから、反省して、十分自重していかなければならぬ。しかし、行政をやっていく皆さんが、その当時のことを忘れてしまって、今は豊年だから、外国からも安い食糧が来るからというようなことで考えておるとするならば、これはおそるべき事態が来ないとは予言できない。そういうようなことで、今後大きな天災異変ということが起こらぬとも限らぬ。そのときにあわを食って、じたばたやってみたところで、なかなかそう食糧の解決ができるものじゃないと思うのです。特に戦争前ですらも、貯蔵米、備蓄というものはあったわけです。いつでも四、五百万石というものはあったのですよ。備蓄米というものは、幾ら食生活が変わってきても、この点は特に当局の諸君において十分検討しておいてもらいたいと思うのです。  そういう点において、先ほど村山主税局長はどうもこの点の経過というものを、村山局長はかりでなく、大蔵当局の方々は深く考えておらないというので、今のお答えの中にも、調査会の意見を尊重してと。国会の意見を尊重する方が大事なのか、調査会の意見を大事にするのか、どちらか。そんなことなら、国会の意見も聞くのをやめてしまった方がいい。その点、うっかりへたに発言すると問題になる。だから、あなたの言うのは、もちろん国会を最高機関として尊重する、次に調査会の意見を尊重するというように私は考えておるんだが、その点はっきりしておかなければいけない。どうですか。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) 御指摘の点、全くその通りでございますが、われわれ考えておりますのは、それぞれ納税者の実態に応じまして、考えるべき点は考えるということでございまして、農業所得と他の所得のバランスの問題、それから農業所得相互間のバランスの問題、税制におきましても実態に沿った、実情に合うような軽減措置をあくまでもとるべきであるというふうに考えておるわけでございます。  そういう観点からいたしまして、来年度白色専従者の制度を設けよう。この制度を設けますと、これは全農家に及ぶわけでございます。米作農家のみならず、野菜でも、すべてに及ぶわけでございます。しかも、それはそれなりに税制的に理由のあることであると、われわれは考えておるわけです。これによるおそらく軽減割合というものは、農家の場合には相当のものになるだろう。平均おそらく四割から五割程度の減税になるのではありますまいか。  そういう工合に考えておるのでありますが、この予約減税というのは、農家のうちでもごく一部の、そう申しては何でございますが、従来のいきさつからいいますと、米が非常に集まりにくいという状況、こういうもとで設けられたことには違いございませんのですが、現在適用を受ける農家といいますと、ごく一部の農家になってしまうという問題でございます。しかも、各種の所得のバランスからいいましても、結果からいいましても、また税制上の理由からいっても、その減税の効果からいいましても、非常に小さいものになりつつあるのではないか。そうであるとすれば、新しい合理的な措置を講ずることによりまして、負担をふやそうと言っているわけではありませんが、そういう措置がとられる際に、税制の面からいえば、どちらかといえばほんとに特殊な事情によって設けられたこういう制度は、こういう機会に廃止する方が、税制全般についての合理性というものを置いて全体のバランスもとれるのではなかろうか、かように申し上げたわけでございます。なお、今後にあたって、おっしゃるようにわれわれも十分検討をした上で、提案の運びにいたしたいと、かように考えております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 この意見は、いつの当局でも同じことなんです。私は一つあなたに申し上げておきたい。予約をする人が少数だといいますが、これは供出農家ばかりが予約じゃないですよ。大体農家は米が、飯米農家でも供出農家でも、米が一つの金融機関になっているのです。この点の勘どころをあなたは承知しておらぬと思うのです。これは決して供出農家ばかりではないです。農業協同組合といっても、完全に供出農家でなければ金を貸さないですね。さもなければ、役員の保証がなければだめなんですから、仕方がないから、自分の飯米でも一時売って金融に充てるのもあるのですよ。ですから、決して米価とか、供出とかいう問題は、供出農家のみに限るという意見だけじゃないのです。それほど今日農家経済は非常に苦しい生活をしている。そういう点については十分検討反省し、売り渡し申し込みの農家が少なくなってきたというようなことを、表から見ただけでなく、裏の点から認識されたい。  それと、いま一つは、先ほど来私は申しておったのですが、この特例をなぜ出さなければならなかったかという事情です。その点を一つ再検討されたい。もし、この特例を出すこと自体無理なんだ、税法からいうと問題があるというなら、そのときから今日まで続けてきたのは、農家農民の事情を判断してのことである。あなたの理論からいうと、そうでしょう。ですから、そのときに出さなければならなかった事情というものがあるわけなんですよ。そういう点。これ以上は言いませんが、十分主要農産物の価格政策において納得できない。この点、早急に解決するようにされたい。供出をさせるにも、価格の点におきましては、これは不平があって不満があるけれども、この特例の問題あるいは加算金の問題であるとか、あるいは早場米奨励金の問題であるとか、そういうようなところで操作してきたわけなんです。これらの諸点を総合的に御承知になって、今後特例を考えてほしいのです。私は、この特例がいいというのじゃないのですよ。農民が生産に期待を持てるような施策を、総合的に農林当局と十分検討願いたい。これを申し上げたい。このお答えついては、最後に政務次官から決意のほどをお聞きするのでございます。  それから、専従家族の控除の問題については、私はきょう初めて聞いたのでございますが、これはけっこうなことだと思うのです。これも長い間全日本農民組合が叫んできたことなんです。専従家族の控除ということにつきましては、労働階級におきましても専従家族は控除されている。いわば農民の専従家族も、これは控除されてしかるべきものだ。これを今までほおかぶりでこられたのですが、今回専従家族の問題について控除する措置がとられるということが、はっきりあなたから言われましたので、この点一つの進歩だと思います。私どもは、いいことをやればけっこうだと言うし、間違った不平等の政治については、これは大いに反省を要望する。そういう意味で、当局においてはただ現われた面だけではなくて、総合的に今後取り組んでいただきたいということを申し上げて、政務次官の御所見を一つ最後にお伺いいたしまして、この問題については私は質問は打ち切りたいと思います。

田中茂穂自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(田中茂穂君) 先ほど来、野溝先生から、きわめて農家の苦痛に対するいろんな問題からお話し申されまして、特に米穀についての所得税の臨時特例に対しまして御意見があったわけでございますが、これも一つは、苦しい農家を少しでも助けて上げようという一つの恩典であるわけでございまして、そういう観点から、先ほど主税局長が申しましたように、白色申告の問題もいろいろ検討しているわけでございます。とにかく、大蔵省といたしましても、農家と他の国民との所得差を少しでも縮めていくような方途をやはり講じなければならぬという考え方を私ども持っております。そういう意味で、今後とも農林省とも十分打ち合わせ、検討いたしまして、これらの問題につきましては善処して参りたい、かように考えております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 これは、私、政務次官の御答弁で、大いに努力願う。非常にけっこうです。  一つ、村山主税局長に申し上げておきますが、先ほど来、農家の所得税が非常に低くなったというのですが、税金というものは、所得税も地方税も税金に違いないのです。一体、固定資産税を引き上げたり、義務教育費なんという国庫で負担すべきものをほとんど地方税でまかなっているのです。全部とは言わぬけれども。農村が大部分なんです。大蔵当局は所得税の点からのみ見ているけれども、きょうは所得税の問題が中心だから、ここで論議の中心になるのはあたりまえだけれども、農家経済には所得地方両税総合的に検討されるべきである。たとえば県町村あたりでは、人件費の次には土木費、教育費。この義務教育のために、どれくらい農民の大多数が苦痛をなめているか。特にこれは農民ばかりではございませんが、そういうありさまです。さらに固定資産税が引き上げられたら、不動産業や土地ブローカーはもうけるけれども、農家は、土地は売りものではないですから、売ったら陸に上がったカッパみたいになるのだから、そういう点に対していかに地方農民が苦しんでいるかという点も考え合わせて、いろいろと検討しないと、これはとんでもない不平等な、不公平な政治になると思うのですが、こういう点に対してはどういうふうにお考えですか。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) 今の義務教育費の問題と地方の負担区分の問題は、所管外でございますので……。固定資産税の問題でございますが、これは税制調査会でも非常に問題になり、ちょうど事業税と同じような意味で、租税体系として一体どういうふうに理解すべきか。並びに、現実の負担に所得の種類別にどういう影響を及ぼしているかということが、真剣に討議になったわけでございます。で、おっしゃるように、農業につきましては、その主たる生産手段である土地、あるいは家屋の大部分が自己持ちであるという関係で、固定資産税がかかって参る。さらに、営業等につきましても、やはり給与所得者等と違いまして、固定資産税がかかってくる。しかし、農業につきましては、一方において事業税がかからないという問題がある。それから、給与所得との比較におきましては、把握の問題がございまして、給与についてはほとんど百パーセント課税されている。固定資産税、あるいは事業税、所得税、それぞれの問題をめぐりまして、総合税負担という観点から、各種の所得の間のバランスの現状がどうであるか、それが税制的にどれだけの意味を持つか、今後の税制をどういうふうにして考えていくべきかという点は、おっしゃる通り、非常に大きな問題でございます。  で、政府の調査会におきましても、これらの根本的問題は、どこの国でも大体似たり寄ったりのことをやっているわけではありますけれども、なおわが国として、はたして現在の情勢にマッチした税制であるかということについては、慎重な検討を要するということで、この根本的な検討は来年に譲っている、かような問題でございます。ただ、今年いろいろ検討いたしましたのは、各種の所得間において、現行の上で、それぞれどういう要因によって重くなる要素があり、軽くなる要素があるか。その是非の判断は別といたしまして、現行の税制の違い、それから執行面での違い、それぞれの要因をあげまして、一応そういう要因別には検討は過ぎました。これを今後税制的にどう組み合わせていくかということが残る問題であります。われわれとしては、今後その点を慎重に検討し、できるだけ早い機会に妥当な結論を出したい、かように考えております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 これは意見ですか、先ほど政務次官から真剣な御答弁がありましたので、ただ答弁技術だけでなくて、一つとくと、大蔵大臣その他関係事務当局を督励して、ただいまお答えになったような方針を極力軌道に乗せるように、総合的に研究されるようにお順いします。  なお、税制調査会のメンバーを見ると、農村の民主団体から入っておらぬですね。私は多く入れろということは言いませんが、こういう声を聞いてやはり調整をつけていかぬと、答申そのものがへんぱなものになるという批判も受けますから、そういう点も一つ十分検討願いたいと思います。

田中茂穂自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(田中茂穂君) ただいまの野溝委員の御意見は十分承っておきまして、検討をいたしたいと考えます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 野溝さんからいろいろ聞かれましたから、私は一点だけ伺っておきます。  今年産米の所要経費を引いた所得部分が幾らになるか。どなたでもよろしい、農林当局でもよろしい。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) これは、実は毎年今ごろから全国の税務署の集計、国税局の集計をとりまして、国税庁で検討しているだろうと思います。おっしゃる点は、米でございますか。ことし幾らになるかという問題でございましたら、これは一つ国税庁の方から聞いていただかざるを得ないと思います。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 なぜ私がそういう聞き方をするかといえば、今野溝さんも言われたように、われわれは一万二千四百円を要求しておるけれども、供出米価というものはいつもそれより引き下がったもので要求している。それが、要するに所得補償方式による要求なんです。ところが、この米価さえも要求通りになっていないけれども、なっていないことを今ここで議論しても始まらぬから、政府の計算による買い入れ一石幾らというのがきまった以上は、その中で所要経費というものはそれだけ引いて、だから、所得部分に該当するものは幾らに見ているか。先に見なければ、あれは計算はできないですよ。だから、これからの国税庁の調べでなくて、当初の見込みがあるはずです。それを聞いておる。農林当局、どうですか。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) 所得率は、ことしのやつは幾らかということは、先ほど申し上げましたように、国税庁の方からお聞きとり願わなければわかりませんが、これは各地域によって違うことは当然でございます。同じ税務署でも、全部その管轄地域一本というわけじゃございません。そこで、地域別に、おそらく反当標準で出しておると思います。従いまして、山間部、中間部、あるいは平坦部というふうに分けまして、所によっては郡ごとに分けてあるいはやっておるかもしれませんが、それらの問題がいいか悪いかという問題は、局段階でずっと見ますし、さらに国税庁段階でながめて、最後にいろいろ農協あたりの資料と照らし合わせまして最終的な決定になる、というのが毎年の例でございますが、私たちがちょうど国税庁におりました当時は、普通は六五くらいで米はきまっておったのではないかと思います。全国平均でございますから、所によって違いますが、六五とかなんとかいう数字であったろうと思います。  なお、申告所得税、あるいは米の今年の税収見積もりを出す場合には、所得率が幾らになるかということは、実は大体所得率は前年と同率になるであろうというくらいの前提のもとで、米価なり、米価の推移あるいはその作柄をどう見るかということによって、大体計算しております。まあ普通の当初予算でございますと平年作で見て参りますが、補正予算の段階では、もしわかりますれば、その後の情勢によって補正していく。ただ、申告所得税につきましては、御案内のように、三月十五日が申告時期でございますが、これが予定納税額を二割超過いたしますと、その二割の超過する介については、これは従来三カ月の分納になっております。従いまして、かりに米作の状況が非常にいいということがわかりましても、今年度の収入が幾らになるのかということは、実は三月十五日を待たないとわかりにくいという事情もあるわけでござろいます。で、今度の補正予算て申告所得税について計上しなかったのも、さような状況を加味しておるわけであります。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 主税局長は、この問題については初めて出席されたから、従来の経過を御存じないから、私の質問を誤解されておるのだと思う。そうじゃないのですよ、私の聞いておるのは。この法律案は、これは五回か六回出ておるので、石当たり幾ら幾ら非課税にするか、これはずっと千四百円ということで来ておるのです。だから、そのもとの所得が幾らというのがなければ、幾ら非課税にすると、その総体の中の部分というものがどれほどの効果があるかを比較できない。で、米価というもののきめ方というものは、こっちが説明するのはおかしいのだが、前年のおよその見込みで云々というのじゃないのです。一石については、これは不作の場合は供出を見込んで何がしかの加算をしたり、そういうことはあるにはあるのですが、いずれにしても、米価審議会にかけて慎重審議をして、それで今年はかくかくだという答えが出てくる。それで、不足の場合は附帯決議などをつけて次の年度において考慮をしろ、こういう形になってくるのです。だから、私が今質問しておることは、今年の、われわれの要求でなくて、政府が最終的に採用した三十五年度産米については、石当たりこの所要経費を引いた所得部分というものは、石当たりについては幾らになる。それは全国それぞれの地域のあることは私も知っておるけれども、それは、だから、バルク・ラインをどこにとるかということは、もう米価審議会でもさんざん議論をされるし、最終的に政府が採用される場合にはまたこれを参考にしてきめる、こういうことなのです。ですから、行当たりにおける所要経費を引いた所得部分というものは、今年産米については幾らに見積もっておるのだ、こういうことなのです、質問しておるのは。今度はわかったでしょう。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) そういう意味では、ことしの基本米価が、これはあれでございますが、一万四百五円から基本米価九千七百九十四円、これをもとにしておるわけでございます。申し込み加算が百円、時期別格差が二百三十円。だから、この分だけはずして計算しているわけでございます。ですから、課税の基礎に計算されておるのは九千七百九十四円ということでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 そうすると、九千七百九十四円に対して今年においては課税される、こういうことですね。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) 収入としては、一石当たり九千七百九十四円で収入を見まして、それで反当幾ら幾らとれるということが出てくるわけですね。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 だから、私はそういう質問をしたのですが、私の言うのは、九千七百九十四円というものが基本米価なんです。それにさまざまなものがついて一万四百五円になる。これは米の価格であって、そういうものから所得部分は幾らに算定しているか、こういうことを聞いているのです。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) ですから、申し上げているように、収入としましては、石当たり九千七百九十四円で見まして、それで実は反当たり標準を組んでいる。ですから、それで何石とれるかによって反当幾らという収入が出る。それに対して経費を幾らと見るかという問題がございますが、これは先ほど申し上げましたように、地域によっても違いますということを申し上げているわけです。ですから、全国平均をいたしますと、われわれの古い知識でございますが、六五くらいではなかったか。ことしはどれくらいになっているかということは、国税庁に聞かなければわかりません、こう申し上げているのです。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 どうやっても私の質問を誤解しているので、ですから、これは農林当局に答えてもらいたい。お願いいたします。

家治清一食糧庁経理部長

○説明員(家治清一君) 先生の御質問に的確なお答えにならぬかと思いますが、ことしの産米の決定米価は、お話のように一万四百五円でございますが、これを出しました基礎といたしましては、ここにも御案内のように、平均生産費をとりまして、これにはいろいろ議論もございますが、一応統計調査部の資料に基づく平均生産費をとります。その中に含まれております労賃部分の、これを都市均衡労賃と申しますか、そういうものに評価がえをしまして、そうして生産費を出しまして、それを平均反収から偏差を引いた反収によって除しまして、そうして出したものを、いわゆる生産費及び所得補償という考え方を入れた算定方式と見ておるのでありまして、そういう基礎では大体生産費を基礎にいたしておる。その生産費の中にある労賃分を都市均衡労賃と置きかえるということによって、ある程度の所得の補償を——補償といいますか、所得の均衡を実現しようという計算で出しているものでございまして、そのうち所得部分は幾らだというように、こういうようには米価の内容といたしましては正確に取り出しておりません。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 どうも、これしきのことは一言で済むと思ったのが、えらい長くなってしまって、皆さんに迷惑をかける結果になるが、これはおかしいと思う。話が、全然聞いていないことばかり答えている。米価決定のときに、そんな今説明されたような経過をたどっておらない。私どもが一万二千四百円を通算するついては、反当たり肥料が幾らかかって、農薬が幾らかかって、何に幾らかかって、あるいは米を出すために俵が幾らかかってと、みんなそういう計算をして、それで反当たりの全国平均をするならば二石四斗なり二石四斗三升なりというものを出して、そうしてそれで割って一石当たりというものを出している。米価審議会も同様に出している。政府の諮問もそういう形で諮問している。ちっとも私は無理な意地の悪い質問をしておらない。ですから、今の話は、基本米価のそれに対しまして時期別格差というものを加えたものが、平均すれば一万四百五円になる。それを基礎にして何に課税するのですか。そういうものに課税はできないですから、課税されないところに幾ら減免するのだなんといっても、ちっとも出てこないですよ。だから、そうでなくて、要するに手間に相当する部分にだけしか課税はできないのですよ。所要経費は所得にならない。だから、私どもは私どもとして計算をしておるし、農業団体は農業団体で計算しておる。手刷は幾らだということは出しておるから、政府が見ておるところのその手間に該当する部分はこの米価のうち幾らですか、そうすればなんぼ減免されたというのが明瞭に出る、これを聞いておるのですから……。  しかも、委員長、私はもし答えができないとすれば困ると思うのだ。次に食管特別会計の問題もすぐ出ます。私はこれを通さないというつもりを持っておらない。だけれども、このくらいのこと、答弁ができるようなあらかじめ用意をしてきてもられなければ、問題にならないじゃないですか。幾らのものに対して幾らかかるのだということくらいのことは、当然質問が出るよ。

村山達雄大蔵省主税局長

○政府委員(村山達雄君) はっきり実務的に申し上げた方があるいはおわかりやすいかと思いますが、米の場合ですが、これは保有米と供出米では、おのずから石当たりの売り上げの見方が違うわけでございます。これは今の非課税部分がございますので、売り渡しものにつきましては。たとえば、はっきり申し上げますと、三等米価で、これは実際はその地域で平均的の等級がどこに来るかによって違いますが、かりに三等平均だといたしますが、保有米については、これは保有米が幾らだということがわかりますから、それについては九千七百九十四円で収入を見ますと、こういうことですね。それから、実際のあれを計算する場合には、すべて九千七百九十四円。すなわち、今の時期別格差、申し込み加算金、この分を除いたもの、それから包装代、これを除いたもので収入を見まして、それから経費はそれぞれ地域によって違います。先ほど申したように、おそらくは所得率は全国今でも六五程度でないかと思いますが、かりに収入をそう見まして、六五くらいかりに所得が出たとする。そういたしますと、保有米に関する限りそれでいいわけでございます。ただ、供出米については、そのほかに平均千百円というものがほかに非課税になっておりますから、出ました所得から石当たり千百円を引いて課税標準を計算するということでございます。今おっしゃっていることが、そういう作業をとるわけでありますが、その六五というところのお話であるのか、あるいは今の非課税部分はどうして計算するというお話であるのか、その辺がちょっと不明なものですから、実務として実際やっていることを申し上げまして、御参考に供した次第です。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 いつまでも際限がありませんから、私、要望しておく。さっきから顔を見ておると、与党の各位も無理はないという顔をしておりますから。私はただ、こういう場合にはね、当然出る質問なんですから。私がなぜこの質問をするかというと、さっきも野溝委員も言われたように、所得税については今まで話が出た通りであるし、農村全体を見たところで、今日一割五分くらいの農家しか課税はされていない、所得税だけを見ると。ところが、地方税になりますと、多くは総所得にかかってきておるわけですよ。これは富裕県でない限りは、みんなそうなんです。であるから、飯米であってもなくても、それは多少の課税総額は違ってくるが、やはり全都、自分が食べようと何であろうと、所得と見られる、こういうことで、きわめて重要なんです。  それから、農民は簡単でありますから、一石出せば石当たり幾らの所得があるとみなされるのだ、そのうちから千四百円引かれるのだから幾らしか課税されないという話をするのが、一番簡単です。供出をしない、食べている部分だげについては、これは幾らとみなされて、税金はかからないけれども地方税はかかる、というふうに親切に教えるということも、行政及び政治の一つの道であろうと私は思っております。  ですから、これ以上言いませんから、少なくとも、こういう食管の問題が出たり、米穀の問題が出たりするときどきらいは、そのくらいの用意はして来てもらいたい。要望いたしておきます。

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。「異議なし」と呼ぶ者あり〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 次に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を議題に供します。  御質疑のある方は御発言を願います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 主計局からどなたかお見えになっておりますか。

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 主計局次長が見えております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 これは毎年といいますか、毎年同じような議論ですが、一つお伺いしたいことは、いつでも、政府が赤字を出してまでも農民の食糧を高く買うという必要はないのじゃないか、一体米を高く買うからいかぬというふうな印象を与える宣伝が盛んに行なわれているのですな。あれは大蔵省から発表するのですか。農林省はそんなことはやらぬと思いますが、何か意図があるのですか。ああいうことを宣伝されるのは、大蔵省から出た記事だというのですが。

佐藤一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(佐藤一郎君) お答えいたします。ただいまのお話、私もそういうあれがはっきりあるということも承知いたしておりません。まあ新聞なんかでもいろいろと議論はございますようですが、そういう特定の意図で議論しているというふうに見受けられるものもないように思っております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 私がこういう意見を出すのは、財政投融資——今度は名前が変わって公共投融資となるかどうかは知りませんが、そういう政府資金なりの投融資については黙っているのだな。あまりやかましく言わない。百八十億前後の食管会計の問題になると、いつもこれを出すのですね。おかしいのだな。農民に何か恩を売っているような、保護政策の頂点に達しているかのごとき印象を与えている。これは主計局次長は記憶はないといいますけれども、必ずあなたの方から放送されているに違いない。一体、この問題も、先ほどの私の質問と関連があるのですが、それでは農民から正しい価格で買い入れているかと。それならば、私はそんな政策なんか必要ないと思いますが、私は他に問題があると思うのです。この点については主計局といたしましては検討したことがあるのでございますか。

佐藤一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(佐藤一郎君) お答えいたします。まあ米を適正な値段で買っておるかどうかということは、非常にむずかしい問題だと存じます。そのために特に米価審議会も設けられてございますし、政府部内においてそれを決定いたしますときも、いろいろな角度からそれを検計いたしました結果、まあ適正であるということで毎年きまってくるわけでございます。もちろん、内部的、個々的にはいろいろ議論があるとは思いますけれども、一応政府として決定いたしましたものは適正な価格であるということで、食管制度の運営が行なわれておるものと考えております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 食管法をごらん願っておりますと思うのですが、生産費を償う価格で買い上げるということになっておるのです。ところが、米価審議会では、生産費を償う価格という点で相当問題が起こっておることは御承知だと思うのです。農民団体、特に全日本農民組合、農協あたりからも、いろいろ意見が出ておるのです。いつも混乱が起こっておるわけです。その間の事情というものは、よく主計局でもわかっておるわけなんです。  その問題の焦点は、物価と価格形成の問題です。今度パリティ計算から労賃評価という点に改まったのですが、その労賃計価のよりどころ、取り上げ方、そこに問題があって、非常に意見の対立があるわけであります。ここに問題があって、それが未決であるという点に十分考えを及ぼすならば、私は、この食管の赤字ということが農民のために高く買っておるというような印象を与えることは、非常にまずいことなんでございます。特に主計局といたしましては、いかにも百姓に恩を売ってやるような印象を与えるような考え方は、改めて、この際一つ正当な評価をする価格にきめるように、農林当局とよく相談をして、今の早場米奨励金であるとか、時期別格差の金であるとか、加算金であるとか、あるいは臨時特例であるとかいうようなものは、いっそこの際に整理をして、その一点にしぼってやることが、税制上から見ても、あるいは食管制度から見ても、解決をすると思うのですが、いかがでございますか。

佐藤一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(佐藤一郎君) お話にありますように、私どもも、いわゆる各種の奨励金と申しますか、そういうようなものが、現作は非常に雑多に多くございます。こういうものにつきましては、農林省ともども、私どもも、そういう多種多様の奨励金があるということは本来の姿ではなかろうというふうに考えております。できるものであるならば、できるだけすっきりした形にだんだんと直して参りたい。一度で無理でありましても、そういう方向で運営していきたいと、こういう考えは持っております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 一体、奨励金という名前が悪い。今申した通り、生産費を償う価格で買い上げるということがちゃんと食管法にうたってあるのですから、その生産費を償うというこの点が解決されないのですから、それが解決できぬでおって、ほかの方を奨励金ということは、これは百姓をごまかすことなんです。だから、一般の消費者階級から見ると、食管会計で、二重米価で、どうも政府は損をしておる、ほかにまた奨励金というようないろいろの制度もあって、いかにも農民の保護政策をやっておるような印象を与える。これが私は何か深い陰謀がありゃせぬかと思うのですね。問題は、今申したように、農民の諸君から生産費を償うという一つの案が出ておるわけなんですから、その案に取り組んでまじめに解決するように努力すれば、私はすべての問題がすらすらといくと思うのでございます。どうもこれが解決をしないという点に対して、真剣に取り組むということにならなければ、ただ派生的な奨励金とかいうような問題のみを整理するという考え方は、これは大きな誤りである、こう思うのです。そういう点で、私の聞かんとする点を一つお答え願いたい。  もっと具体的に申すならば、生産費を償うというその価格政策について、農林当局と十分話して結論を出すように努力するという気持があるかないか。私は、真剣にこれは大蔵当局は取り組むべき問題であると思うのです。そのたびごとに、食管法、特別会計の問題で、マスコミばかり利用して、変な印象を与えることは非常にまずいと思う。この点に対する御見解を一つお伺いしたいと思うのです。

佐藤一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(佐藤一郎君) お答え申し上げます。野溝先生のおっしゃった……。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 私は、大臣の政治的答弁よりは、ここにそうそうたる局長諸君が来ております。大蔵当局の各関係者が来ておられるのですから、問題の焦点を解決するように真剣に乗り出してもらえば、エポツクだと思うのだ。そういう意味で一つ、ただ政治的答弁という気持じゃなく、あなた方の決意なり希望なりを一つお伺いしたい。

佐藤一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(佐藤一郎君) ただいまお話のございましたように、食糧管理法におきまして、いわゆる「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」定めるという規定があるわけでございます。私たちは、ももろんこの食管法の規定の上に立って、毎年米価の決定について議論をいたしておるつもりでございます。もう釈迦に説法でございますが、多年問題になっておりましたいわゆる生産費並びに所得の補償ということにつきましても、昨年においては特にその問題を重視いたしまして、そうして可能な限りそういう要素を織り込んで参ろうという気持で、実は農林省等とも相談をいたしたつもりでございます。まあ、ただ問題は、日本のようなああいう企業的でない経営でございますからして、米価の算定にあたりまして、その生産費が、適正な生産費がどういうものであるかということの算定には非常にむずかしい問題が数々ございまして、議論が分かれるところであることは御存じのようなわけであります。なおまた、生産費と同時に価格でございますからして、生産者の立場と同じに消費者の立場というものも十分考慮せられなくてはならない。そういう意味において、食管法にも、ただいまここに読み上げましたように、物価事情その他の経済事情を参酌するという趣旨が書かれておるものと思っております。そういう問題になりますと、なお一そう問題は複雑になって参るわけであります。野溝先生のおっしゃいましたように、何といっても、食管法の建前は再生産を確保するということにございますからして、私どもも努めて生産費の要素というものを重視するという気持であることには変わりはないと、こういう気持でやっております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 ここには政務次官もおられるのでございますから、よく聞いて下さっていることと思うのですが、私ども全日本農民組合にまあ関係を持っておるものでございますが、特に食管法の制度の問題につきましては、「(一)現行食糧管理制度はあくまでも堅持すること。(二)食糧管理特別会計の赤字は一般会計負担として、赤字解消のため生産者米価の切り下げや、消費者米価の引き上げはおこなわないこと。(三)三十六年産米の生産者予算米価は、合理的な生産費および所得補償方式によって算定すること。」、これを十一月の十二日に総理大臣あてに要請書を出しておるわけでございます。毎年毎年この食管制度がいつも問題になって、結局、食糧事情が変わってきたのだから、米穀の、米の統制を撤廃して自由にしようというような一つの動きを出されておるようにも聞いておるのでございますけれども、私どもは統制が目的ではないのでございます。あくまでも、やはり食管法の条文に規定されておりますごとく、生産者の地位、この安定を私は第一義にねらっておるのであります、また考えておるのであります。  特に、現在におきましては食糧事情がたとえばいいといたしましても、国際関係が変わってくればどういうことになるのか。あるいは、さもなくても、またどんな不慮の災害が起こらぬとも限らぬのです。船舶の沈没することもあるし、事故が起こることもある。国内的には不作が続いて、全く収穫の上に目も当てられないような事情が起こることも予想しなければならぬと思う。特に私は、食生活がどう変わりましても、農民の現状には間違いないのでございます。こういう諸種の事情から勘案すると、うっかり米の統制撤廃なんということをやって、もしそうした事態が起こった場合においては、責任をどうするのか。戦争前においてすらも、やはり政府におきましては備蓄米、貯蓄米をやってきたのであります。先ほど申した通り、四、五百万石というものを毎年やってきたのです。こういうような事情をよく考えると、うっかり農民に失望を与えて、とんでもない、取り返しのつかないようなことになったのでは、それは大きな問題になりますので、特に食管制度の問題につきましても、そういう意味で十分私は考えていかなければならぬと思う。  特に、赤字補てんがあるいは百八十億あるとか、盛んにその点ばかりが宣伝されておりますけれども、財政投融資が、五千九百四十六億から今度は発展いたしまして、九千何百億にならんとするような状態じゃないですか。そういうような方面に莫大の金を使うのならば、われわれの国民生活の安定をするような食糧の問題については、私はそんなにえらい政府の諸君が青くなったり赤くなったりするような必要は毛頭ないと思うのです。こういうような点について、一つあなた方は総合的に考えて、どういうふうに考えておられるのか。経済事情がよくなったという、そのさっきの見方は、統制を解いてもいいのじゃないかというような考え方があるのでございますか。それを一つお伺いしたい。これは事務当局に……。

佐藤一郎大蔵省主計局次長

○政府委員(佐藤一郎君) お答え申し上げます。まことにおっしゃいますように重要な問題でございます。もちろん、一般的な議論といたしましては、御指摘がありましたように、まあこれは経済全体の考え方の問題でございますからして、いわゆる自由経済ということの建前から、こういう情勢下において統制を撤廃せよという議論も、もちろん現にございますし、成り立ち得るものと思います。しかし、国民の相当部分を占める農民の問題でありますからして、私どももこれをそういう単純なものの考え方で処理するということは適当でない、この処理については十分慎重を期す必要がある、こういうふうに考えております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 最後に政務次官の御所見を聞いて、私は打ち切ります。

田中茂穂自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(田中茂穂君) 米の生産量の増加に伴いまして、食糧管理制度を廃止するのじゃないかという御懸念の御意見のようでございますが、先般農林大臣も言明されておりまするように、今のところ全然統制を撤廃する意思はないということを言明されておりまするし、また私とも大蔵省といたしましても、そのような考え方は持っておりませんし、また私も今日まで何も聞いておりません。この問題はきわめて農政の根本的な問題であろうかと存じておりまするので、今のところ、御懸念になるような食糧管理制度を撤廃する、廃止するということはないと私は考えておりまするし、またそのようなことのないように私も努力をいたしたい、かように考えております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 もう一言です。一言で答えれば終わります。  食管会計は単に米穀だけ扱っているのではないのですが、今回の提案理由は、買い入れ予定数量は三千四百万石から四千百万石になった、これに対応するためだと、こういうことなんですから、どうしても米の価格の問題になります。それで、米の生産費を償う、こういうまあ食糧管理法の規定からいたしますと、生産費というものは、通常、ほかの工業生産費でも同様でありますが、資材費、あるいは人件費、諾がかりに至るまで加えたものを、要するに生産費というのです。ですから、さっき質問したことに戻りますけれども、さっきの質問がわからないならば、その政府のきめた今年米価、この九千七百九十四円という内訳を、一つこの際明らかにしてもらいたい。そうすれば、ちゃんと所得が幾らで、資材費は何に幾らというのがわかりますから、それだけ答えていただきたい。石当たりでも反当たりでもよろしい。

家治清一食糧庁経理部長

○説明員(家治清一君) お答え申し上げます。先ほどちょっと申し上げましたように、平均反当生産費を統計調査部の調査に基づきましてとりまして、それの評価がえを自家労賃等について行なっております。それでとりました平均反当生産費は、これは内容的に申しますと、やはり一番大きいのは自分の自家労賃、それからその中に雇用の部分の労賃もございます。そういった部分が、反当の年生産費で申しますと、これは三カ年平均しておりますが……。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 そんなことはない。今年米価がきまっておりますから、それで答えて下さい。

家治清一食糧庁経理部長

○説明員(家治清一君) それを基礎といたしまして、平均生産費をとって申し上げておるのでございますが、その平均生産費を申し上げますと、その労賃金が相当というか、大きい部分を占めておりまして、それが年生産費では一万六千六百二円となっております。それから、そのほかには副生産物の価格の控除がありますが、なおそれに加えまして資本利子、それから地代、租税、公租公課、そういうものをそれに加えまして、反当生産興を計算いたしまして、先ほど申し上げました反当でいいますと、今申し上げたのを入れまして二万三千三百九十二円、こういうふうに相なっております。これが基礎になります。それを労賃の評価がえ等を行ないましたその結果としまして、先ほど申し上げました九千七百九十四円の基準の価格が出たのでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 どうも話がおかしくなってしまって……。だって、二万三千三百九十二円からどうして九千七百九十四円になるのですか。どういう数字ですか、これは。

家治清一食糧庁経理部長

○説明員(家治清一君) お答えが舌足らずで申しわけございませんでしたが、今申し上げましたのは反当生産費でございまして、これを平均の反収で割っております。その反収は平均で二石九斗一升でございますので、これで除しまして得た答えでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 いまだかつて日本の米の生産費に反当たり二石九斗を見込んだものはありませんよ。何かの間違いでしょう。

家治清一食糧庁経理部長

○説明員(家治清一君) この反収は米販売農家についての調査でございます。それからなお、これも申しわけございませんが、先ほど二石九斗一升と申し上げましたが、これは平均反収でございまして、これを除します際に、これを用います際には標準偏差を差し引きまして、それで出ました答えは二石三斗四升、この二石三斗四升で除したわけでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 その内訳を教えて下さい。今年度について、今年度金が足りなくなったのだから……。

家治清一食糧庁経理部長

○説明員(家治清一君) 恐縮でございますが、ちょっと聞き漏らしましたが……。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 食管の問題を議論したり、米価の問題を議論するのに、こういうことがすぐ答えられないような不勉強じゃ困るのです。きょう僕はこのことは質問しなくてもいいと思ったのだけれども、ちょっとやったら、どこもここもつかえて、手間がかかる。これじゃ困りますから、今後委員長から大いに注意しておいて下さい。答えのないものは質問してもしようがありませんから、やめておきます。

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 政府委員の方に申し上げますが、議事の都合もありますので、今の天田君の質問についての答弁は一応これで留保しておきます。あなた方の方で、これまでの質問をよく御検討の上、しかるべき答弁を次の機会にでもするように、一つおはかりを願います。  ほかに御発言もなければ、これで質疑は終えたものとして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。食糧管理特別会計法の一部ら改正する法律案を議題といたします。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 原案には賛成するのですけれども、一言述べて賛成したいと思います。  この食管特別会計の適用を受けるものは米だけではないのでございまして、イモから麦からえさから、みな適用を受けるわけになっております。特に政府におきましては、麦価格の引き下げやら、最近カンショ、大豆のいわば貿易の自由化による農民の損失、負担は莫大なものでございます。さらに、飼料需給安定の問題でございますが、一体政府は飼料の需給政策をどうやっておるのか。畜産農家を初めちまたに不満の声があることは御承知だと思います。聞くところによると、トンネル会社を作って莫大な利益を得ているということも聞いております。きょうは時間がないので非常に残念でございますが、これらの点について質問はいたしませんけれども、ただいま委員長からもお話がありましたごとく、これらに対する一切の資料、特に私は飼料需給政策、カンショ取り扱い等に対する輸入飼料の動き、これらに対する資料を次期の国会に一つ出してもらいたい。

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) ほかに御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   [賛成者挙手〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、以上内案を一括議題といたします。  質疑のある方は、順次、御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   [速記中止〕

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) 速記をつけて下さい。  御質疑のある方は、順次、御発言を願います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 大蔵大臣に質問いたしますが、今審議されています開発銀行とか輸出入銀行、あるいは産業投資特別会計等、財政投融資に関する決行案が出ているわけですが、そこで、この各法律案に共通する問題としまして、財政投融資というものが、ここで、原資の面からも、あるいは運用の面からいっても、非常な困難な状態に直面しているわけですね。いわゆる曲がりかどに来ている。そこで、今後所得倍増あるいは九%高度成長政策をとっていく場合に、公共投資というものが非常にまあふえてくるわけです。予想されるわけです。そういう場合に、今後財政投融資の役割はかなり重要になってくると思いますが、そういう際に、財政投融資が、原資の面からも、運用の面からも、非常な、まあ金利の面も含めて、矛盾に直面している。そこで、この矛盾をどういうふうに打開していこうとしているか、この点を質問したいわけです。  それで、まず原資の面から伺いますが、三十六年度の原資はどのくらいの見通してあるか。で、財政投融資の原資は、御承知のように、資金源は産業投資特別会計、あるいは郵貯、厚生年金ですね、そういうもの、今度は国民年金も入って参りますが、その他公募債とか、あるいは一般会計からの出資等からなっているわけですが、大体三十六年度の原資をどのくらいに見積もっておられるか、まずこの点からお伺いしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今、来年度の原資がどのくらい見積もれるか、まだ作業中で、確定した数字ではございませんが、今のところ、大体六千八百億円前後見込めるというふうに思っております。各原資別の数字は、理財局長から御説明いたさせます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それじゃ、時間がございませんから、理財局長からはあとで、産投とか、あるいは郵貯、厚生年金等伺います。  今、大蔵大臣が、大体六千八百億くらいある。本年度は五千九百四十一億でありますが、そのほかにまだ——それは一般会計からの出資を除いたものと思われますね。そのほかに、一般会計からの出資、あるいは公募債の増額、あるいはさらにまた、政府の手持ちの、運用部手持ちの長期債とか、あるいは期限の来る金融債、そういうものをあげれば、まだそこに財源があると思うんです。しかし、今言われた六千八百億くらい、これは確保できますか。たとえば、その中でも国民年金はどのくらいに見積もっておられますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 一応三百億円ぐらいに見積もっております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 国民年金は、大体厚生省の見積もりでは三百九十億ですれ。大体そうですね。そうしますと、非常に内輪に見ているわけですね、そこで、三百億となると。  また、それから郵便貯金の方はどうですか、あるいは簡保です。これは御承知のように、本年度三十五年度の計画で、かなりこれを無理してというんですか、かなりよけいに見積もってあるわけです。従って、今後この伸びを見ることは、多くの伸びを見ることは困難じゃないかと思うんですが、その点はどうですか。

西原直廉大蔵省理財局長

○政府委員(西原直廉君) 郵便貯金につきましては、来年度一応千四百五十億というふうにただいまのところ見積もっております。御承知のように、本年度当初の計画は千二百億でございましたけれども、最近までの情勢から見まして、おおむね本年度においても千四百五十億くらいなものは郵便貯金増加を期待し得るのではないかというふうに見積もられておるわけでございます。そういうふうなことから、来年度一応千四百五十億というふうに見積もっております。それから簡保、年金の方は、御承知のように、これは積立金のものでありまして、本年度は大体今のところ、当初千百五十億でございましたが、最近の情勢で千百八十九億までこれを見積もることにいたしましたわけてあります。来年度はこれを千三百五十億というふうに見積もっておりますが、これはもう過去の簡保のつまり契約から績み立てが出てくるわけでございますので、この方は大体この程度に確実に積み立てができるというふうに考えられるわけでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 大蔵大臣に伺いますが、この財政投融資の要求額は非常に、一兆円をこえる要求額が出ておりますが、先ほど申しました一般会計からの出資もかなりやらなければまかなえないと思うんですが、一般会計からの出資はどのくらい見ておられるんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今の六千八百五十億というような見込みの中には、一般会計の出資は全然見ておりません。これをどのくらいにするかは、来年度の予算編成とからんできめる問題で、まだ確定しておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それが非常にあとで質問しなければならぬ問題になってくるのですが、そのほかに大蔵省は、要求が多い結果として、運用部手持ちの長期債とか、あるいは本年中に期限の来る金融債、長期債は百四十億円、金融債は百七十億円、そういうものを活用するという意思はおありですか。

西原直廉大蔵省理財局長

○政府委員(西原直廉君) 長期債——長期の国債といたしましては、今お話ございましたように、約百四十億現在持っておりますが、ただいま大臣から御説明申し上げました来年度の六千八百五十億という見資の見込みの中には、そういうものの売却ということは一応考えておりませんです。これはもちろん、いろいろ今後の金融財政の情勢ということを考えなければならない問題であろうと思うのでありますが、まだ現在のところではそういうものは考えておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それから、公募債の増額はどのくらいになっておりますか。

西原直廉大蔵省理財局長

○政府委員(西原直廉君) 三十五年度の公募債借入金は千百十五億でございますが、この六千八百五十億という数字の中には千二百億、大体八十五億円の増加というふうに見ております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 それは借りかえも含んでいるんでんすか。

西原直廉大蔵省理財局長

○政府委員(西原直廉君) 一応千二百億というのは、はっきりいたしておりませんが、借りかえ分を含んでいるつもりでおります。借りかえ額は来年度は百円億の予定でおります。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そうしますと、私は非常に財源難に陥るのじゃないかと思うんです。で、さっきも質問申しましたように、今後公共投資がたくさん出てくる。それから、このあとでこれはまた質問するのですが、たとえば輸出入銀行とか、開発銀行とか、あるいは農林漁業金融公平でも、そういうところの経理面から見ましても、だんだんこの政府出資みたいなものを多くしないと、そこで低利に運用できないでしょう。そこで、政府出資というものはだんだん大きくなっていかざるを得ないと思うんですね、どうしても。そういうことから見て、原資について、これまでのような原資の調達のあり方で、一体いいのかどうか。今後私は思い切った対策を講じなければ、原資の面で行き詰まってくるのではないか。それはいろいろな対策が考えられると思いますが、大蔵省はこういう点について考えておられるか。たとえば、時間ございませんから、私の方から一応その点について触れて、御答弁を要求します。  一つは、産投の公債の問題、これはいい悪いは別として、産投の公債の問題も起こってくると思います。公債の問題、あるいは民間資金の活用という問題が起こってきますね。民間資金の活用、あるいはまた、いろいろ言われておりますが、たとえば補助金的なものは、補助金というものは削るべきものだ。あるいはまた、これは電源開発とか、その他道路港湾等につきましては、この受益者負担的なものに考えるべきじゃないか、受益者負担的に。これは所得倍増計画の小委員会でもいろいろ御意見が出たと思うのですね。そうすれば、ずいぶん財源が浮いてくると思うのですね。大企業のための道路港湾あるいは電力の開発の場合、受益者負担をもっと考えるべきじゃないか。産業のコストとしてもっと考えるべきじゃないか。そうすると、そこに財源がもっと浮いてくる。そうしなければ、もうこの財政投融資による産業開発というものは行き詰まってくる、原資の面から。で、この点について伺っておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) お話の通りに、産業投融資会計の原資が非常に窮屈になってきておりますので、この原資をふやす適当な方法も考えますが、私どもはやはり、従来財政にたよっておった産業資金をできるだけ民間の資金に切りかえていくという方法をとること、それからまた電力資金のような問題は、今御審議を願っております開発銀行法の改正が通りましたら、ここで外資を受け入れて、そしてそれでまかなうというような考慮も払っていかないと、確かに窮屈になると思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 そこで、私は、今度のドルの防衛措置と、ドルの危機に関連しまして、外資導入というものをずいぶん大きく考えておるようですが、今後の長期計画の手段としてですね。しかし、この調達が困難になると、電力料金の値上げとか、あるいは郵便料金の値上げとか、その他鉄道料金の値上げ、他上げの方にしわ寄せされる危険性がある。その低利の外資が、予定されたものが入ってこないとね。そうした問題があると思う。あるいはまた、給与の引き上げなんかで、政府が特別会計のめんどうをみないと、郵便料金の値上げとかそういう料金の値上げにしわ寄せされてくる危険性もあるのですね。そういう点を十分に検討される必要があるのではないかと思います。その点いかがですか。今後の外資導入、いかがですか。外資導入の問題について、ずいぶん大きなウエートを置いておりますけれども、今度のドル危機と関係しまして、非常にむずかしくなるのじゃないかと思う。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) むずかしくなることも考えられますが、ただいま、今までに交渉しておった限りの問題については、大体調達に支障がないというふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 まあ別に私は非難するために質問しているのではないのですがね、この点は非常に大きな課題になってくると思うのです。この財政投融資の資金源、それから長期計画をする場合、今までの考え方では私はいけないのじゃないかと思うのですね。もう行き詰まってきていますよ。ですから、いろんな方法を私今しろうとなりにあげたのですけれども、最近聞くところによりますというと、私はその内容がよくわからないのですが、オープン望の公社債投資信託というものも計画されていると言われている。これも一つの民間資金の活用の方法じゃないかと思いますが、こういうこともあると思うのです。  しかし、時間もありませんから、次の運用面について伺いたいのですが、特に資金運用部の運用の問題なんです。これが今非常なジレンマに陥っていると思うのです。御承知のように、資金運用部では、ことに郵便貯金につきまして、御承知のように、郵貯の特別会計の方に赤字補てんをしなければならないでしょう、資金運用部で。で、赤字補てんするだけが、結局、ほかのたとえば国民年金保険とかその他出資している方、預託している方の利回りを低くしているわけです、かぶっているわけですよ。そこで、やはり自主運営という問題がそこに起こってくるわけですよ。この点どういうふうに考えられますか。この点を解決しなければ、私は資金運用部の統合運用に対する反対はますます強まって参ると思うのです。この点、大蔵大臣、これを、非常に重要な問題だと思うのですが、どういうふうにお考えですか。

西原直廉大蔵省理財局長

○政府委員(西原直廉君) 今御指摘の点は非常に、一番肝心な点でございまして、その点を、お話のように厚生年金とか、その他いろいろな点から、非常に何といいますか、不当な扱いじゃないかというふうに御指摘を受けておるのであります。こういう点につきまして、資金運用部資金審議会でもいろいろ御検討いただきまして、特にあの審議会の中に民間の学識経験者の方が五人おられますので、この五人の方にお願いいたしまして、役所とかなんとかそういうふうなものを離れた本当の中立的な観点から、公平な御意見を出していただきたいということをお願いいたしまして、数回にわたって非常に御熱心に御審議いただきました結果、ただいまの点につきましては、資金運用部としても、独立採算と申しますか、そのコストを割ってよそに運用するとかなんとかいうことはしてはいけない、それから各扱っている特に郵便貯金あるいは厚生年金、将来扱うことになる国民年金、こういったようなものに対しては平等にやはり利益を返すべきだ、こういうのが基本的な線として御意見が出たわけでございます。従いまして、資金運用部資金審議会の御意見といたしましては、資金運用部としては今後郵便貯金に対する赤字繰り入れというようなことをやめた方がいいのじゃないか、そうして資金運用部でできた利益は平等に返すべきだ、こういう御意見でございます。それで、これは御承知のように、郵便貯金に対しては資金運用部からも従来赤字繰り入れをいたしておりますが、同時に、昔から一般会計から繰り入れということもやっていた。そういう点で、資金運用部からの赤字繰り入れというようなことはやめた方がいい、こういう御意見でございますが、われわれといたしましては、いろいろの御意見を中心にいたしまして、目下どういうふうに今後のことをやるべきか検討中でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 これについては、いろいろこれは意見があるのですが、国民年金なんかにつきましても、これはやはり私は自主運営をしなければいけないのじゃないかと思うのですが、今の資金運用部資金法の第二条、これは改正する御意思があるのですか。

西原直廉大蔵省理財局長

○政府委員(西原直廉君) そういうものを全部含めまして、目下検討中でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 改正……。

西原直廉大蔵省理財局長

○政府委員(西原直廉君) 改正と申しますか、将来、国民年金のいろいろな問題が出てきますと、今のような審議会の御意見を中心として、結局、資金運用部資金法の改正を考えなければならないというので、目下検討中でございます。どういうふうに二条を改正するか、何を改正することになりますか、まだ結論は得ておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 次は、天田委員の質問ございますから、私最後に一つだけ伺っておきます。それは、たとえば輸出入銀行とか、あるいは農林漁業金融公庫等、あるいはまた住宅公団とか住宅金融公庫ですね、こういう機関において、金利が、運用益ですかが少ないために、結局それらに対する政府の出資を多くしなければならないという問題が起こってくるわけです。どうしても、この矛盾をどういうふうに解決するか、たとえば輸出入銀行のこの間の金利改正でも、輸銀の改正でも、あるいは輸出金融についてはあれは改正しなかった、上げなかった。投資金融の方だけ上げた。そのしわ寄せばどこへ来るかといえば、出資の増額ということで補わなければならぬということになるでしょう。農林漁業金融公庫におきましても、私はこういうことが問題になっているかどうか知りませんが、もし問題になっているとすれば、これはやはり検討しなければならぬと思うのですが、農林漁業金融公庫の融資対象の中で七分五厘に運用して、共同利用施設とか、温室とか、排水施設などの系統金融に肩がわりさせることを検討している。そうなると、農林漁業金融公庫では非常に安い利回りの運用が多いわけです。年五%の自作農維持創設資金とか、あるいは四%の伐採調整資金、こういうあれが半分以上占めている運用が、そうなると非常に運用が困難になってくる。そのとき、これはまた出資を多くしなければならない、こういうことになってくると思うのです。それで、金利との関係ですね、金利との関係、これをどういうふうに調整するか。こういう面でも、今の財政投融資についてはやはり根本的に考えなければならない時期に来ているんじゃないか。この運用面についても、そういう点、どういうふうにお考えになっているのですか。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) 御質問の中にちょっと事務的な面がございましたので、私から先にお答えいたします。あとでまた……。  ただいまの輸出入銀行の金利の問題でございますが、御質問の中にもありましたように、とりあえず投資金融と輸入金融の方をやるという結論が出ているのです。輸出金融の方も、これは上げないと決定したわけではございませんで、もう少し様子を見て、私の方としては上げる方向で検討いたしたいということに考えておるわけでございますが、ただ、これが直ちに、来年度の出資との関係で考えますと、金利というものを引き上げましても、あとの貸付についての適用でございますから、すぐにまあ来年度の出資がそれで動くということには相なりません。農林漁業金融公庫につきましても、そういう意味でお話ございましたけれども、それとの関連ということでなくて、やはり出資を全体として資金間の健全な経理内容を確保するためにどういうふうに見るかということで、来年の財政投融資の問題として今後折衝が始まる段階にあるわけです。そういう意味におきまして、できるだけそういう出資を、公庫対銀行の監督の立場から見れば、もらいたいということで、これから折衝が始まるわけでございます。その辺のところは、輸出の金利等につきましても上げないときめたわけではございませんので、そういう点、先生の御指摘のような問題もございますので、こういう点勘案しながら、将来のことも考えながらやっていきたいと、こういうふうに考えております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 最後に簡単に。いろいろ考えてみますと、来年度ではそうでないですが、昭和三十七年度ころ公債発行の問題がどうも起こらざるを得なくなってくるのではないかと思う。その点いかがですか、大蔵大臣は。三十六年度は公債発行しなくてもまかなえると思うのですが、三十七年度における公債発行の問題についてはどういうふうにお考えですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 将来そういう問題が起こり得るとしましても、三十六年度は私どもは公債発行しないという方針をきめております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 三十七年度を聞いているのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今いろいろ金利問題がございましたが、今、たとえば農林の金融については、農村から集めた金を農業金融に還元するという方法をとるべきものである。農中には余分の金があるが、農林金融公庫の資金は足らない。これが使えるようになるなら、農家から集めた資金が農業に還元されることになるので、こういう方法を研究したいという要望があって、いろいろ検討いたしておりますが、結局、やはり農中にある金の資金コストの問題で、金利の補給とか、何か、そこに考えなければうまくいかないというような問題もございます。  そういうことで、現在の金利水準のままで、いろんな各機関の金利の合理化というものを考えると同時に、私はやはり日本の金利水準の低下という問題を解決していかなければいかぬ時期に来ていると思います。それには、貸付金利の引き下げと同時に、日本の預金金利のあり方というものも、これは考えなければならぬ、そういう時期に来ていると思いますので、こういう問題のまず第一段の解決をすることによって、またこの金利の問題が非常に変わって参りますので、三十六年度中においては、私はこういう問題の解決に力を注いでみて、それから起こるいろいろな先の金融情勢、財政の影響を見てから、三十七年度はいろいろそういう問題の検討をしたいと思っておりまして、今のところはまだそこまでいろいろの検討を進めておりません。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 公債の問題について聞いているのですよ。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今言ったような問題との関連で、三十七年度は考えたい。今のところ、公債の問題については、三十七年度の検討はしていないということでございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 私は非常に不満足ですが、非常に最後に重要なことになりましたが、これはまた別の機会に質問します。三十七年度公債は、このままでいったら、もう発行必至のように、非常に私は心配されるわけですが、非常に問題であります。しかし、次に天田さんの質問控えておりますから、私の査問はこれで一応終わります。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 最初にお断わりしておきますが、どうも近ごろ大蔵大臣が貴重品みたいになって、きょうも答弁まで合わせて一時間というのが、他院との約束で四十分になっちゃった。今、木村さんが貴重な御意見を開陳されたのですが、私の方は十分くらいになったと思いますから、そこで先に質問の要旨を申し上げておきます。たくさん申し上げたいのですが、結局しぼるところは、時間の関係もありますから、輸出入金融につきまして、今日の状態でいくならば、逆に外国の資本家を有利にせしめ、日本の企業家は不利益に陥るであろうという問題について、私は質問をして参りますので、的確に一つお答え願いたいと思います。  今回の輸出入銀行の改正法の理由を見ますと、この資金不足を補てんするため云々と書いてありますが、この中身を見ますと、このまま推移するならば赤字になるというのか、そうでなく、需要が増大したから今回の改正をしなければならないというのか、これをまずはっきりしてもらいたい。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) 事務的なことですから、私からお答えします。資金量が足りない面がございまして、それが全体をカバーしたというのが理由でございます。と同時に、出資による余裕は経理の内容という面から赤字にならないように、こういう面を持っているわけでございます。従いまして、両方の理由があるということでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 次に、当初計画によりまして資金量と貸付量、貸付額、これは幾らになり、今度の改正によって資本金をふやすことによって、それがどう変わるかということを、簡単にお答え願います。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) 当初の計画が七百二十億の貸付計画が、最近の実績を基礎にいたしまして、見込みが八百五十億、従って百三十億ふえることに相なります。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 時間がありませんから……。私は、それなら、この間資料でいただいているのです。そうでないのです、私の聞いておりますのは。資金量といものは、資本金にプラス借入金プラス準備金だと思う。それが、私の計算ならば、千三百四億円なんだから。これは表によって明らかであります。それで、この貸付は、またそれに見合うものが計画としてはあるわけです。計画として、三十五年度。それで、今度の何でそれがどう変わるかということを聞いている。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) むしろ割合で申し上げた方がよろしいかと思いますが、三十四年度九百六十六億程度の総額の中で、資本金が四六・四%、借入金が四八・一%、それが三十五年度の今度のあれを入れての見込みでございますが、千四百三十億程度の金の中で、資本金が五百八十三億、四六・四が四〇・九に減るわけです。借入金の比率の方は五五・二に相なります。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 またさっきのように、別の数字を持ち込まれて、こっちは困るのです。政府の予算書の計画を見たって、そういう数字じゃないですよ。資本金が四百五十八億で、借入金は七百八十八億——千二百四十六億、これは端数がありますから四十七億になる。それで、貸し倒れ準備金、それから普通の法定の準備、こういうもので五十六億なんです。ですから、千三百四億なんだというわけです。ですから、そういう別のことを言われては、とても時間がかかって困るんだが、結局そうなれば、今度どう変わって、それに対しては、単に資本金が上がるだけでなくて、ここにもこの間の資料で見込んでおられますように、五億というものは、これは償還金額がやはりふえてきている、この資料では。ですから、そういうものもあるから、全体として貸付の可能額は幾らになるかということを聞いている、累積率で。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) ちょっと御質問がしっかりつかめませんでしたかもしれませんが、借入金の限度額と、それから借り入れば幾らできるかという差額ですか。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 差額じゃないのだ。全体の当初の計画表が出ているのですよ、予算書のうしろの方に。公社も何もすべて。それを引いてきただけでも、資本金は四百五十八億でしょうが。今度の説明でもそうなっている。それで、百二十五億ですか、ふやすということになっている。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) それで五百八十三億になるわけです。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それだから、そういうふうに資本金も変わってくるでしょう。それに資金量というものは、借入金もあるし、準備金もあるでしょう。そうでしょう、あの表にあるのだから。だから、そのことで議論していたのでは、私は手間がかかるから、それはやめたい。そうでなく、累積する資金提供可能額というものは幾らになるか、こう言っている。今度の計画、今年の計画だけでなく……。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) 提供可能額とおっしゃる意味はどういう意味か、つかみかねるのですが……。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それでは、別の機会にまた……。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) 何でしたら、あとで資料を持って伺いまして御説明いたします。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 その年度々々の計画だけでしょう、こういう資料で出ているのは。——まあ時間がありませんから、この際やめます。  それでは、別の観点で質問しますが、一体日本の輸出入金融に見合う外国の例、言うなれば、世銀ではどのくらいで貸しておるのか、あるいはワシントン輸出入銀行ではどのくらいで貸しておるのか、その利率を教えてもらいたい。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) 海外の中長期の輸出入金融の最近の金利のお尋ねだと思いますが、これは必ずしも明白に把握できない面もございますが、ワシントンの輸出入銀行は五分七厘五毛、西独の輸出金融会社が五分五厘から五分七厘五毛程度、それからイギリスの輸出信用保証局が五分五厘程度、世界銀行の金利が最近は五分七厘五毛に相なっております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 そういたしますと、日本輸出入銀行は、輸出に関する限りは、これは四%ですか。輸入は平均すると四・五。そうして今現在の輸出入銀行の輸出入、投資と、こう分けますと、輸入金融と投資金融というのは、総額千百三十九億の中には、全部合わせても二百三十億ぐらいですから、これは問題にならない。従って、輸出だけを私この際例を引いてみたいと思うのですが、ここにいろいろな輸出金融の品目が並べてありますけれども、今プラント輸出の一番大きいのは船舶で、六〇%、間違いありませんね。船舶だけでも六〇%、間違いないですね。そうなりますと、外国の金利よりもこれは安い。そうして市中銀行の金利から見れば、大体半分。こういうことになりますと、これは輸出でありますから、結局影響を受けるのは外国の需要者ということになりますね。間違いないですね。そうすると、国内の需要者というものは著しく不利になる。船舶を例にとりますと、二十五年耐用ぐらいになれば、ずっと同じ金利で続けると、これは想定にすぎないけれども、四分の差だけでも船価は倍になりますね。結局、これは輸出入銀行で、輸出をふやすということが目的なんであるけれども、外国もまたそういう目的だけれども、度が過ぎると、結局外国を利して日本の需要者を不利に陥れる、こういう結果になると思うのですが、どうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 現にそういう問題が造船に出ておりまして、この矛盾をどうするかということについては、今私どもがいろいろ対策について検討しているところでございます。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 それは、私が、時間がないから船舶を申し上げたのであって、たとえば電気機械なんかも、今、後進国へ輸出しておりますけれども、それがたちまち大衆の電気料金となってはね返ってくる場合に、後進国において電気料金を高くとるかとらないかは、これは別の話なんです。資本家の方がもうけちまうかどうか知らぬけれども、日本の場合は、電気料金もここで議論されますから、結局資本家がもうけるというわけにいかないが、大衆の負担というものが、いやが応でもふえていく、こういうふうに外国とした場合になる。それですから、どうしても輸出金融があまりに外国資本家を助けるという結果になっておるということは、これは明らかなんであって、いまさら検討するというのはおかしいので、政府部内でも検討されておると思うのですけれども、この点が今度の改正や何かにのらないのはどういうわけですか。

石野信一大蔵省銀行局長

○政府委員(石野信一君) ただいまのお尋ねに対して、ちょっと事務的に先ほどの御説明を補足さしていただきたいと思うのですが、日本の輸出金融が通常四%である点は御指摘の通りであります。これはしかし、市中の金融と協調融資する関係で、大体今のところ五分程度でやっております。そこで、輸出の延べ払い金融というものは、これは各国が、先ほど来申しますように、五分七厘五毛程度でやっておりますので、プラント輸出を増進するという意味では、それとバランスをとって、輸出増進という見地からはやはりそれとのバランスをとって考えなければならない。それで若干の引き上げということを私どもは考えて、そういうふうに努力したいと考えておるわけでございますが、御指摘のような筋道は、確かにおっしゃるような問題がございます。これは結局、そういう意味で輸出を増進していくということの必要と、それから国内の経済と海外の経済の競争関係というような関係で、どちらに重点を置くかというような問題でございますが、その点につきましては、やはり国内の金利をできるだけ引き下げてそういう矛盾を少なくする方向に努力する。金利のことは、これは急激に変更するということはなかなか弊害が多いのでございますが、方向としてはだんだん国内の金利を引き下げる。そうしてまた、こういう関係の金利が低過ぎる場合には、できるだけ上げて、御指摘のような金利の問題が弊害が少なくなるように、だんだん努力をして参るべき筋合いだと思います。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 委員長の方からさっきから注意が来ておりますので、最後に、そういう事務的なお話、数字は今の五分程度なんておっしゃったけれども、私の計算では四分八厘なのだけれども、そういうこまかいことを言っていたら際限がございませんから、やめておきます。  問題は、大臣が内閣の方針として、ここに矛盾が出てきておるのを、それをどう処置されるのか。輸入及び投資の方だけは上げようとするけれども、輸出は手放しでおくのか。手放しでおかないとすれば、いつまでにこれを直すのか。それから、局長の方からはいや、国内の金利の方をこれを是正するのだという話があったのですけれども、内閣の方針としてはそれではその方の是正はいつやるのか、これを伺って私は質問をやめたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この輸出入銀行の輸出金融の利率につきましては、先ほどから申し上げましておるように、これはやはり各国の輸出入銀行並みの金利に引き上げたいという意図をもって、今検討中でございますので……。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 いつまでに。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは時期ははっきり言えませんが、そう遠からぬ間にそれをしたいと、私どもは思っております。

天田勝正民主社会党

○天田勝正君 国内の金利はどうですか。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ちょっと、さっきの御答弁を確認しておきたい。さっきの財政投融資の資金源の将来における確保の方法として、公債発行の問題を質問したのですが、大蔵大臣の御答弁は、三十六年度中においては金利をだんだん下げたり、低金利政策をとる、そのほか公債発行ができるような環境を整備して、そうして三十七年度においては公債発行を考えるというお話のように受け取れたのですが、つまり、三十六年度中は公債発行の条件を整える年である、三十六年度に地ならしをしておいて三十七年度に公債発行を考える、こういうふうに理解したんですけれども、そういうことなのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 地ならしをしておいて三十七年度に発行するというわけではございませんが、いずれにしろ、将来そういう問題が考えられるときにおきましても、今の金融情勢から見まして、やはり国際金利にさや寄せするような、金利水準を少し下げるという仕事の方がまだ先だと、私どもとしては思うのであります。これをやった結果、また個々の財政投融資の原資の問題にしましても、民間から公募する額はどうなっているかというようないろいろな変化も出て参りますので、そういうものを見てから先に行ってきめる問題であって、今考えていないと言ったまでであります。

杉山昌作参議院同志会

○委員長(杉山昌作君) この際、委員諸君に御了承をいただきたいと思いますが、本日は、さらに質疑を続けまして、採決に至る予定でありましたけれども、都合によりましてこの程度で本日は散会し、そのかわり明日は正十時から始めまして、本会議開会前に本日予定したものの採決に至るように取り運びたいと思います。そういう趣旨で、どうぞ御協力をお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十四分散会

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