商工委員会 第3号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/12/19
会議録
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。 最初に、理事会において協議いたしました結果に基づき本日の審議予定について報告いたします。本日は最初に、経済企画庁長官、通商産業大臣、科学技術庁長官から、それぞれ所信を聴取いたします。右の後、一昨十七日衆議院から返付されました海外経済協力基金法案につき補足説明を聞き、引き続き事務当局に対する質疑を行ないます。以上御了承をお願いいたします。 それでは、これより順次所信の表明をお願いいたします。
○国務大臣(迫水久常君) まず最初に、先日当委員会に、私未熟のために出席する機会がうまくつかめませんで、皆様方に大へん御迷惑をおかけしたことをおわびを申し上げます。 ごあいさつを申し上げます。 このたび、私は、再び経済企画庁長官に就任いたしました。今後、特に皆様方にはお世話に相なることが多いと存じます。私も一生懸命に責務を果たして参る所存でおりますから、何とぞ皆様方の御協力のほどをよろしくお願いいたします。以下若干申し上げましてごあいさつにかえたいと存じます。 経済企画庁の任務は、長期経済計画の策定推進、基本的経済政策の企画調整等を行ない、もってわが国経済の安定成長を期するところにあります。 ここ数年間における日本経済の成長は、まことに目ざましいものがありますが、本年度においても、引き続き安定した基調の上に、順調な拡大を続け、実質において一〇%をこえる成長が見込まれる状況であります。このようなわが国経済の成長力を今後も十分に発揚させるとともに、わが国経済の体質的な弱点を是正し、国際社会における地位の向上をはかるため、政府におきましては、先般経済審議会から答申のありました「国民所得倍増計画」を基といたしまして、できるだけ早く長期経済計画を決定し、これを経済運営の指針としまして、今後おおむね十年以内に国民所得を倍増し、もって雇用を改善し、国民経済の均衡ある成長発展と国民生活の向上をはかることになっておりますので、私といたしましても、この達成に、できるだけの努力を傾けたいと存ずる次第でございます。 このような経済の安定的成長を期するため、経済企画庁として力をいたしたいと思います第一の点は、物価の安定を維持することであります。先般政府が消費者物価対策連絡協議会を設置いたしましたことは御承知の通りでありますが、今後ともこれを活用し、関係各省との連絡協調のもとに、総合的な物価対策を推進し、もって物価の安定と消費者の立場の擁護を極力はかってゆきたいと存じます。 第二の点は、わが国の産業構造のもつ二重構造、とくに地域格差等の各種格差を緩和し、是正してゆくことであります。このため、経済企画庁としましては、総合的な見地に立って、低開発地域の開発の促進など、各般の施策を積極的に推進して参りたいと存じ、全国総合開発計画をできるだけ早く策定いたしたい考えであり、現在国土総合開発審議会の全国開発部会において作案中であります。 第三の点は、貿易の振興であります。最近の海外経済情勢、とくに世界経済交流を促進するための貿易為替の自由化の趨勢に即応し、また、最近米国政府がとった国際収支改善措置に対処してゆくためにも、今後貿易振興には一そうの努力を払う必要性が大きいのであります。貿易振興のためには、各種の対策が必要であることはもちろんでありますが、わが国経済の発展にとって、海外経済協力の促進は、特に重要であると思います。今国会に、東南アジア等との経済協力を促進するため、海外経済協力基金の設置を目的とする法案を提出しておりますのもこの趣旨にほかならないのでありまして、何とぞよろしく御願いいたします。 日本経済が、政府の企図いたしておりますような高度の成長を達成するためには、国民全体の創意と努力に負うところが大きいのでありますが、政府の使命もまた極めて重要であることを痛感するのであります。つきましては、今後とも一そうの御努力をお願いする次第でございます。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、椎名通商産業大臣にお願いいたします。
○国務大臣(椎名悦三郎君) このたびの第二次池田内閣の出現にあたりまして、はからずも通産大臣を拝命いたしました。不敏不才でございますが、皆様の御鞭撻と御支持、御協力によりまして、誤りなきを期したいと考えております。 この際、通産政策に対する私の考え方を申し上げたいと思います。 通商産業政策の重点につきまして御説明申し上げますが、皆様御承知のように、わが国の経済は、戦争直後の荒廃からみごとに立ち直り、特にここ数年の間は諸外国にもその例を見ないまでにまことにめざましい成長発展をとげてまいりました。しかもこの間国際収支は黒字基調を続け、物価の上昇もきわめてわずかでありまして、かくのごとく健在な姿において順調な経済成長をみることができましたことは、まことに御同慶にたえません。しかしながら、わが国の経済の水準は、欧米の先進国に比較いたしますと、いまだはるかに及ばないのでありまして、さらに一段と国民経済の高度成長を実現することが必要であることは申し上げるまでもないところであります。政府において今後の政策の指針とすべく所得倍増計画の立案を検討しつつありますのもこの趣旨にほかならないのであります。 日本経済は、現在貿易自由化の急速な推進をはかるという課題に当面しておりますが、貿易の自由化も世界の自由経済体制の進展に即応してわが国経済を今後一そう拡大いたすための前提であるとともに、企業の合理化意欲を刺激してその体質改善を促し、今後の経済発展の基礎固めをなすものであり、わが国経済の高度成長を実現するための手段でもあると存じます。政府といたしましては、この円滑な推進をはかるべく、貿易為替自由化計画大綱を決定いたしておるのでありますが、今後この線に沿って、内外の諸情勢の推移に十分考慮を払いつつ自由化に伴って惹起されるであろうところの諸問題を経済成長の阻害要因とならないよう解決するための対策の確立と相まちまして、手順よくこれを推進して参りたいと存じます。 このように、私といたしましては、日本経済の当面の課題は、貿易自由化を円滑に推進しつつ経済の高度成長を実現することにあると存ずるのでございますが、今後通商産業政策を進めるにあたりましては、この課題の達成に施策の重点をおきまして、所要の対策を強力に推進して参る所存でございます。 施策の第一は、企業の体質の改善、産業技術の振興などにより、産業の国際競争力を培養することなかんずく機械工業を中心とする重化学工業を急速に育成いたしまして、わが国の産業構造を重化学工業化の方向に誘導することにあると存じます。 わが国の経済の高度成長を先導するものは、申し上げるまでもなく、鉱工業部門であります。先般経済審議会より答申をみました所得倍増計画におきましても、今後十年間にわが国の経済規模を二倍の水準にまで高めるためには、鉱工業部門は三倍に近い成長をはからなければならないこととされておるのであります。しかして、鉱工業部門のうちにおきましても、今後の国内の需要の動向と世界貿易の趨勢からいたしまして機械工業を中心とする重化学工業に特に大きな成長が期待されているのであります。 他方、鉱工業生産の大幅な上昇に伴って増大する輸入需要をまかなうためには相当の輸出の伸長を実現することが必要であり、所得倍増計画におきましても、四十五年度における輸出は三十五年度の二・二倍に当たる九十三億ドルを期待しているのであります。しかしながら、従来のわが国輸出の大宗をなしております軽工業品や船舶の伸びは必ずしも楽観を許さないのでありまして、重化学工業品中心の方向に向かっている世界の貿易市場の動向に適合すべき重機械等の輸出の伸長に大きな期待をかけざるを得ないのであります。 このようにいたしまして、生産構造、輸出構造とともに、機械工業を中心とする重化学工業化を達成することは、経済の高度成長を実現するための鍵と申すべきでありますが、これらの産業の国際競争力の現状をみますると、設備が老朽化し、技術が立ちおくれ、生産体制も整備されておらないことなどのため、いかんながら、欧米諸国の産業にははなはだ立ちおくれている状態にあるのであります。今後世界の貿易市場をめぐる国際競争が一そう激化いたしますとともに、貿易自由化の実施を控え、この課題の達成は決して容易なものとは考えられないのでありまして、これが達成のために必要な対策を積極的に推進することを今後の通商産業政策の中核といたしますとともに、財政、金融等の部面においても強力な支援を期待いたす次第でございます。 重点の第二は、輸出の振興と経済協力の推進であります。 先ほども申し上げましたように、経済の成長を実現するためには、輸出の伸長は不可欠の前提であります。しかしながら輸出の伸長は、世界各国の貿易競争が、ますます激化いたしますとともに、世界の貿易構造が変化しつつあることからいたしまして、その達成は決して容易ではありません。特に最近相次いで発表された米国の一連のドル防衛措置は、直接特需収入及びICA資金による輸出の減少を招きますとともに、米国の輸出促進のための努力が一そう強められることにより第三国市場においてわが国の輸出との競合が激しくなることは明らかであります。これらの事態により、わが国の国際収支の動向に決定的な影響があるものとは考えられませんが、決して楽観を許さないものがあるのでありまして、この際かかる新情勢に対処いたしまして、輸出の振興に必要な施策につきましては、今後とも一そうの拡充強化に努める所存でございます。 かかる見地に立ちまして、最近において問題となっております輸銀資金確保の問題につきましても積極的な方針でこれに臨む所存でございます。すなわち日本輸出入銀行の資金需要につきましては、最近におけるプラント輸出の伸長、大口の特別案件の進捗等からいたしまして著しく増大いたし、このため今国会に提出いたしております本年度補正予算案におきましても百二十五億円の追加出資を行なうことといたしました。これにより本年度最小限八百五十億円の貸出規模が確保されるものと期待いたしておりますが、今後とも輸銀融資の需要は増大の一途をたどるものと思われますので、この際所要資金の確保につき抜本的な対策を講ずる必要があるものと考えます。 なお融資条件につきましては、補正予算案の策定にあたり、輸入金融、投資金融に関する貸付金利の引き上げなど一部改訂が行なわれることとなったのでありますが、輸出金融の金利についてはプラント類の輸出の現状にかんがみ、さしあたりこれを現行水準に据置くことといたしたのであります。 また輸出所得控除制度につきましては、税制改正の一環として、一部には本制度の廃止ないし大幅な縮小を主張する意見もあるやにきいておりますが、この制度は従来から輸出の振興に多大の寄与をなしており、かつその恩恵があまねく中小企業に均研する意味におきましても、今後ともその存続をはかりたいと考えております。 次に、経済協力の問題についてでありますが、低開発国に対する開発の援助は、先進工業国としてのわが国の責務でもあり、我が国にとっても輸出の増大、輸入原料の確保等の面で重要な意義を有しているものでありまして、今後大いにその促進に努める所存であります。 このため、政府といたしましてはさきに不成立に終わりました海外経済協力基金法案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案の二法案を今特別国会に提出いたし、その早期成立を期することといたした次第でありますが、今後とも、従来から行なわれてきた民間海外投資、延べ払い条件の緩和等をさらに積極的に促進いたしますとともに、最近の国際情勢に即応して、国力の許す限り、直接借款方針を推進する等積極的な施策を講ずることといたしたいと存じます。 重点の第三は、中小企業の振興であります。 所得格差の是正は経済成長と並んで経済政策の基本的な目標であります。わが国経済において中小企業は生産、輸出等の諸般の面において重要な役割を占めており、政府としても従来よりその振興には大いに努力して参ったのでありますが、いまだ大企業に比して生産性や賃金等その水準が著しく低いのが現状であります。今後は貿易の自由化の進行に伴って国際競争もますます激化することが予想されますので、その一そうの近代化合理化を推進し、競争に打ち勝ち得る実力を培養するとともに、進んで経済の高度成長実現の過程において中小企業の地位の向上発展をはかるため、中小企業の振興のための施策を強力に推進して参る所存であります。 かかる見地から補正予算案におきましても、商工組合中央金庫に対する出資金を二十億円増加し、その貸付規模を拡大するとともに、中小企業金融公庫、国民金融公庫とともに、その貸出金利の引き下げを実現することといたした次第でございますが、今後とも政府関係金融機関の強化充実、税負担の軽減、設備近代化補助金の拡充、信用補完制度の充実をはかるとともに、心々にして過当競争に陥りがちな中小企業の組織化、共同化の推進や、診断指導制度の充実、商工会の運営の強化拡充、中小企業業種別振興法の積極的運用など従来の施策を一そう強力に推進し、さらに中小企業のための団地の造成など新しい施策も積極的に講じて参る所存であります。 重点の第四は、産業立地問題の解決をはかるとともに、後進地域の開発を促進することであります。 今後日本経済を大きく仲ばしてゆくためには、国として産業の立地条件を積極的に整備してゆくことが必要でありまするので、所得倍増計画実現のための重要な方策として、産業立地条件の整備を積極的に推進して参る所存であります。しかしてこれが推進にあたっては、従来の大工業地帯は工場が集中して行き詰まっておるので、新しい工業地帯を造成する必要があるとともに、地域間に存するはなはだしい所得格差を是正することが国民経済全体の均衡ある発展を実現するために必要でございますので、低開発地域の開発に十分力を入れて所要の対策を推進することといたしたいと存じます。 最後に、電力、石炭、石油等のエネルギー問題について一言いたしたいと存じます。低廉なエネルギーを豊富に供給することは経済発展のために不可欠の前提でありますので、かかる見地に立って総合的な長期エネルギー政策を確立し、各種のエネルギー供給産業に対して適切な対策を講じて参る所存でございます。 特に石炭鉱業に関しましては、エネルギー消費の変革に伴って著しい苦境に立っており、その打開が急がれますので、今後一そう近代化、合理化を推進するとともに関係各省と協力して炭鉱離職者に対する援護措置を積極的に進める方針でございます。 なお、最近石炭鉱山の災害が和次いで起こりましたことは、まことに遺憾にたえません。すでに発生した災害の事後処置を急ぎますとともに、原因を十分に調査し今後の災害発生防止に万全を期したいと存じております。 以上通商産業政策の重点項目について私の所信を申し述べた次第でございますが、御承知の通り、通商産業省の任務といたしますところは、きわめて広範な分野にわたっており、わが国経済の発展をはかる上においてきわめて重要な諸問題が数多く存するのでございます。私はなはだ微力ではございますが、皆様の御協力を得て、この重要な使命を果たすため十分努力いたしたいと存ずる次第でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(剱木亨弘君) 次に、池田科学技術庁長官の所信表明を願いま…。
○国務大臣(池田正之輔君) 私は、このたび科学技術庁長官並びに原子力委員長という重要な任務を担当することになりましたが、この機会に、一言ごあいさつを申し述べさしていただきたいと存じます。 最近、世界各国の科学技術水準の向上はまことにめざましく、世界の政治、経済、外交その他名分野にわたりまして、基本的な影響を与えるということは御承知の通りでありますが、この世界的な技術革新の趨勢に対処し、わが国経済の成長と国民福祉の増進をはかるためには、特に科学技術を飛躍的に発展させなければならないことは申すまでもありません。ことに、現政府におきましては、国民所得倍増計画の遂行と全面的な資易自由化計画の推進をその政策の重点として取り上げておりますが、その重要な基盤としても、科学技術の振興に特段の配慮をしなければならないと確信いたします。科学技術の振興のためには、優秀な科学者、研究者の大量の確保、あるいはその他位、待遇の向上が前提条件となることは言うを待ちません。しかし、その実現のためには、幾多の困難な諸問題が横たわっておりますが、私は、全力を傾けて、これら諸問題の解決とそ、の他諸般の問題についても十分留意して、わが国科学技術の振興をはかる覚悟でございますので、当委員会の委員各位の積極的な御支援を特にお願い申し上げたいと存じます。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 なお、所信表明に対する質疑は、予算委員会との関係もございますので、他の適当な時期に譲ることといたします。御了承願います。 ―――――――――――――
○委員長(剱木亨弘君) 次に、海外経済協力基金法案を議題とし、事務当局から内容の説明を聴取いたします。
○政府委員(中野正一君) それでは私から、お手元にございまする今度御審議を願います海外経済協力基金法案についての内容の概略を御説明いたさせていただきます。 お手元にありますように、第一章は総則で、最初の一条に目的を掲げてございます。「海外経済協力共金は、東南アジア地域その他の開発途上にある海外の地域の産業の開発に寄与するため、その開発に必要な資金で日本輸出入銀行及び一般の金融機関から供給を受けることが困難なものについてその円滑な供給を図る等のために必要な業務を行ない、もって海外経済協力を促進することを目的とする。」というふうにございまして、御承知のように、東南アジア地域その他の開発途上にありまする地域は、資源の開発利用なり、あるいは工業化というものを急いでおりまして、これによりまして迅速なる経済の発展と国民生活の向上を意図しているわけでございますが、そのためには、何といいましても、資本面あるいは技術面で多くの点につきまして先進工業国に期待をしているわけでございまして、また、一方先進工業国の側からいたしましても、このような要請に応じまして、これらの国に対して経済協力をする、経済協力を推進するということは、それが直ちに直接的な貿易の増加なりというようなものに結び付かない場合でも、結局は世界的な経済の地域的だ格差といいますか、地域的な不均衡といいますか、そういうものを是正いたしまして、長期的には経済環境を向上し、ひいては輸出入市場の開拓確保ということにも資することになるわけであります。経済協力を積極的に行なうという空気が非常に最近強くなって参りました。御承知のように、今度法律を出しまして出資をすることになっておりまする、いわゆる第二世銀というものができまして、特に低開発国に対して低利また長期の資金を貸す、また、その貸した金の返済も現地通貨でよろしい、いわゆるソフト・ローンというような形で積極的に低開発国の経済発展を援助しようということになって参りました。また、御承知のように、低開発国援助グループというものが十ヵ国で開催されまして、すでに三回ほど会議が行なわれておりますが、そういう会議の発足等によりまして、国際的規模におきまして、お互いに先進諸国が協力をいたしまして、低開発国の経済援助をやろうということになってきたわけでございます。このような情勢下にありまして、わが国といたしましても、経済協力を一そう積極的に推進するという必要が非常に強くなって参ったわけであります。従来、御承知のように経済協力に必要な資金の提供機関といたしましては、わが国には、輸出入銀行があるわけでございますが、これも今まで相当活発にやっておりまして、現在で輸出入銀行の融資残高というものが一千億をこえるということになっているわけでありますが、この輸出入銀行は金融機関でございまして、その性格上、どうしても貿易を主とする経済協力、すなわち、直接的にわが国の輸出入市場の開拓ないしは確保というものを目的といたします金融を行なうものでありまして、先ほど来申し上げました開発途上にあります低開発国の地域の産業開発に寄与することを目的といたしまする経済協力の要請に応ずるための金融には、なお不十分な点がございまして、そういう意味合いから申しまして、今度提案いたしておりまする海外経済協力基金というものは、端的にこの要請にこたえまして、東南アジアその他開発途上にありまする地域の産業の開発に寄与することを直接の目的として、その開発に必要な資金でありまして、この法律にもありますように、輸出入銀行ないしは一般の金融機関からは資金の供給を受けることがむずかしいというものを、この基金から、融資ないしは出資というようなふうな業務、また、必要がある場合には基金がみずから調査をする、また、あとで法律に出て参りますが、こういう開発事業に協力するのにはいろいろ準備的な調査が非常に必要なんでございまして、そういう調査のために必要な金も貸す、また、いろいろなプラントなり工場を作る場合に、試験的にこれを現地でやってみるという必要もございまして、そういう試験的な実施のための金も供給し得るというようなふうな、輸出入銀行よりもうんと幅の広い、またゆるやかな条件のもとに資金を円滑に供給してやろう、こういう必要性から出て参ったわけでありまして、この第一条の目的のところはそういう意味合いでございます。なお、第一条の三行目に「その円滑な供給を図る等」とございますが、この「等」の意味はあとで御説明申し上げますが、輸出入銀行と違いまして、一般的に独自の調査権限を本共金は持っておりますので、そういう調査事務をやりますので、それは資金の供給だけではございませんので「等」という字をつけてあるわけでございます。 それから第二条は、「経済協力基金を法人とする。」、それから三条が事務所、四条が資本金でございまして、付則の七条のところにございますが、日本輸出入銀行から継承した資産の金額五十億――ちょっと七条を見ていただきますと、付則の七条に「基金は、その成立の時において、」例の経済基盤強化法によりまして五十億の金を政府から輸出入銀行に出資をしておりまして、これは東南アジア開発協力基金として現在積んであるわけでございまして、これは国際的な協力機関に出資をするために積んであったわけでありますが、そういう事例が今まで起こりませんでしたので、この五十億は三十三年にできましてからずっと積みっ放しになっておるわけでございます。この五十億を輸出入銀行からこの基金に出資をさせるということになっております。従って資本金は、まず輸出入銀行から承継いたしまする五十億と、それからその次の付則の八条の第二項というのは、この五十億の金の運用益というものが出て参っておりまして、これをまた別個に輸出入銀行では積み立てることにしてありまして、この積み立てた金も一緒に輸出入銀行から引き継ぐ、これは十月末現在で三億七千五百万円ほどの運用益になっております。この三億七千五百万円は十月末でございますので、この基金が来年の三月中にはできると思いますが、そのほかに成立の日までの運用益をプラスしたものを本基金が輸出入銀行から引き継いでそれを資本金にすると、こういうことでございます。その次に政府が必要と認めるときは予算の定める金額の範囲内において基金に追加出資をすることができるということで、基金は今後相当各方面から期待もされておりますし、資金は五十億だけじゃ非常に少いじゃないかという議論も相当強いわけでございます。政府としてもできるだけ来年度の予算におきましてもこの出資を増額をしたいということで、われわれとしても今予算の折衝をしておるわけでございまして、そういうふうに予算で追加になりまするというと、その第三項で、前項の規定による政府の出資がありましたときには、その出資額によって資本金を増額するという規定を置きまして、一々法律を改正をしなくても、出資金が増額できる、予算だけで、予算できめれば法律の改正を待たずして資本金が増額になるという規定になっておるわけでございます。 それからその次は、第五条は定款でございまして、これは例文でございますので説明を省略さしていただきます。 第六条は登記、それから名称の使用制限、民法の準用ということになっております。 以上が総則でございますが、その次に役員等、第二章に入りたいと思いますが、この基金は、役員といたしましては総裁一人、理事が二人、監事一人という強力簡素な機構で発足したいというふうに考えております。理事につきましては二人では足りないじゃないかというような議論もあるわけでございますが、まだ発足早々のときは資本金もそんなに多くありませんし、また将来事業活動の範囲が非常に広がった場合に、そういうことは考えていったらいいじゃないかというふうに考えております。 総裁の職務、権限が第十条にございまして、監事、それから役員の任命につきましては、総裁と監事は総理大臣が任命をする。理事は総裁の任命、その理事二人の中で第十一条にございますように、一人は日本輸出入銀行の総裁の推薦に基づいて輸出入銀行の理事の中から選ぶということで、二人の理事のうち一人は輸出入銀行の理事が兼任をするということになっております。先ほど御説明いたしましたように、本基金は、輸出入銀行では資金の供給がうまくいかないというようなものについてめんどうをみるということになっておりますので、輸出入銀行との関係は非常に密接でございます。あとに条文がございますが、輸出入銀行との関係については、基金で調整をする義務があるようになっておりますので、また、実際の事務的な審査、調査等につきましては、窓口を一つに輸出入銀行にいたしまして、輸出入銀行に事務的なことを委託するという建前になっておりますので、そういういろいろな点からいいまして、輸出入銀行の理事に兼任さした方が適切であろうというふうに考えまして、十一条の規定が置かれておるわけでございます。 それから次は、役員の任期、それから役員の欠格条項、それから役員の解任ということで、内閣総理大臣なり総裁なり任命権者は、十四条に該当するに至りましたときは役員を解任する。それでその次に、「職務上の義務違反がある」とか、あるいは「職務の執行に堪えない」という場合には「その役員を解任することができる。」ということで、解任権を認めておるわけでございます。 それから十五条は、役員の兼職禁止の規定でございまして、これは、こういう特殊法人には大体ある規定でございますが、ただし書きがついておりまして「経済企画庁長官が、役員としての職務の執行に支障がないものと認めて承認した」ときには兼任を認めるという規定にいたしておるわけでございまして、たとえば、総裁につきましては、一部ほかの仕事をしても、この基金の運営には差しつかえない、また、そうした方がいい人が得られるというような場合も想定いたしまして、長官の承認した場合には兼任をしてもよろしいという規定を置いたわけでございます。 十六条は代表権の制限、それからその次の十七条において「基金に、運営協議会を置く。」、これは非常にほかの特殊法人とちょっと変わったところでありますが、この経済協力という仕事は、御承知のように経済外交という面では外務省、それから通商、産業、貿易という点では通商産美省、また農業関係が海外に進出して参る場合には農林省、あるいは建設省、また為替金融という面におきましては大蔵省ということで、非常に、関係をいたしております官庁が多いわけでございまして、従って、この基金を運用する場合にも、常にそういう関係官庁の意見というものは十分参酌をして運用に当たらなければならないのが実情でございまして、そういう意味におきまして、この基金に運営協議会を貫きまして、ここにありますように「総裁の諮問に応じ、基金の業務の運営に関する重要事項で関係行政機関の所掌事務と密接な関係があるもの」この二つの制限がございますが、関係行政機関の所掌事務と密接な関係があることで、特に至要事項につきまして、運営協議会は総裁の諮問に応じて審議をする。そうしてその次の方で「総裁に意見を述べる」ということになっておりまして、この基金が一々関係官庁の意見を個々に聞くということも非常にわずらわしいわけでございますので、合議体としてむしろこういう運営協議会というものを置きまして、これは基金に意見をいうということにいたしたわけでございます。4にあります「関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣が任命する委員十五人」というのは、ちょっと多いようでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、非常に関係しておる官庁が多いので、少し幅を広く委員の数はとっておるわけでございます。 それから、十八条は職員の任命、それから十九条は役員及び職員の地位で、「法令により公務に従事する職員とみなす。」ということで、この適正を期したいわけでございます。 その次は第三章、業務でございますが、二十条、二十一条に業務の範囲というのがございまして、第一条に掲げました目的を達成するための業務といたしまして「東南アジア等の地域の産業の開発に寄与し、かつ、本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業」、これを開発事業と名づけまして、そのために必要な金を貸しつける。第二項は、特に必要がある場合には、貸しつけだけではどうしてもうまくいかない、非常に資金が長期に出まして、やはり出資ということでないと、その開発がうまくいかないというような場合には出資をすることができる。これは輸出入銀行と非常に違っておりまして、輸出入銀行は出資をするという規定はございません。従ってこの基金は金融機関というよりは、どちらかと言えば、投資機関と言いますか、事業会社と言いますか、そういう性格の多い特殊法人であるということが言えると思います。第三項「開発事業の準備のための調査又は開発事業の試験的実施のために必要な資金を貸し付けること。」、開発事業の準備、調査のための金を貸し付けることができる、また試験的実施をするという必要もございますので、そのために必要な金を貸し付けるということになっております。これは特に今後東南アジア等にわが国の中小企業が進出するというような場合には、やはり予備的な慎重な調査などは必要だろうと思いますので、この規定の活用によりまして、中小企業あるいは農業、水産業というような事業が海外に出る場合には、非常にこの規定が活用されるのじゃないかというふうに考えております。それから、「前三号の業務に関連して必要な開発事業に関する調査を行なうこと。」ができる。こういう規定を置いておるわけであります。 それからこのような貸付なり出資というものは二十一条でいろいろの制約がございまして、開発事業について輸出入銀行なり一般の金融機関から通常の条件で資金の貸付を受けることがむずかしい、あるいは基金以外の者から出資を受けることがむずかしいという場合に貸す。それからその次に、「開発事業に係る事業計画の内容が適切であり、その達成が確実であると認められる場合」にも貸すということになっておるわけでありまして、通常の条件で貸付を行なうことがむずかしい場合というのは、輸出入銀行でありますると、業務方法書によりまして、いろいろこまかい条件がついておりまして、期間、期限なり、輸出入銀行でありますると、一般的には期間を十年以内ということになっております。それから海外投資金融あたりでございますると、金利は四分五厘以上ということになっております。それから償還でありますが、償還につきましてはその貸した金の償還確実なものという規定がございまして、償還確実ということになりますと、必ず必要十分な担保を取るということが条件になっておるのでありまして、そういうような貸付条件から見まして、当該開発事業に金を借りる場合に、とてもそういう条件には当てはまらないというふうな場合には、この基金の方でその金を貸すことができるわけでありまして、われわれの今の考えでは、業務方法書で、基金の方で業務方法書を作りまして、経済企画庁長官の認可を受けることになっておりますが、今申し上げました貸付の期間、貸付の利率、担保条件というようなものは輸出入銀行よりも相当緩和をいたしまして、特に担保条件につきましては、その次にありますように、事業計画の内容が適切でしかも達成確実というふうに、いろいろの点から見て認められるという場合には、必ずしも十分な担保を取らなくてもいいという解釈ができるわけでありまして、そういう点につきましては輸出入銀行よりもうんと弾力的な運営ができる、それがまた本基金の特徴になっておるわけであります。そういう貸付のいろいろな期間でありまするとか、利率でありまするとか、あるいは担保条件というようなことにつきましては、業務方法書で詳細を規定をいたしまして、経済企画庁長官の認可を受けるということになっておるわけであります。 それから二十三条で、事務の一部、これはもちろん意思決定にかかわるような重要なことを委託することはもちろんできませんので、まことに事務的な点、たとえば受付であるとか、受け付けて、それを調査する、審査というふうなような事務的なことの一部を輸出入銀行に委託をするということにしておるわけでございます。 二十四条は、先ほどちょっと言いましたが、基金は輸出入銀行との業務の調整に努め、また一般の金融機関と競争してはならない。こういう規定でございます。 第四章は、財務及び会計でございまして、これは大体ほかの特殊法人とほぼ同じようなことになっておりまして、二十五条が事業年度、二十六条が収入及び支出の予算等の認可、これは経済企画庁長官が本法律の主管大臣でございますので、経済企画庁長官の認可を受ける。それから決算、財務諸表等につきましても、これを決算が済みますというと、もちろん企画庁長官の承認を受ける。それから利益及び損失の処理でございます。二十九条にありますように、毎事業年度利益が出ました場合に前事業年度から繰り越した損失を埋めて、なお利益が上がればそれを積立金として置いておくということで、輸出入銀行等につきましては御承知のように相当の剰余金が出ますと国庫に納付することになっております。木基金はその性質上ある程度赤字が出るということも予想されますので、出た利益については全部この基金に積んで置く。そうしてそれでこの損失を埋めていくというような考え方で国庫納付の規定はございません。 それから第三十条が余裕金の運用でありまして、国債の保有なり資金運用部への預託、日本銀行への預金ということで、実際上は資金運用部に預けて運用費を出すということになると思います。 三十一条は、給与及び退職手当の支給の基準、これは役員及び職員につきまして、給与なり退職手当の基準を作りましても、これは経済企画庁長官の承認を受けることになっております。それから関係の法令につきましては総理府令に委任をしております。 第五章は監督でございまして、基金は経済企画庁長官の監督下に置く。そうしてこの法律を施行するために必要がありますときは、基金に対してその業務に関して監督上必要な命令ができるのだというふうにしておるわけでございます。 報告、検査、これも大体例文でございます。 それから次に第六章、雑則でございまして、三十六条をごらんいただきたいのでありますが、経済企画庁長官はこの法律の規定によって認可なり承認をしようとするときは、関係のあります外務大臣、大蔵大臣、それから通産大臣に協議をするということにいたしております。これも先ほど御説明いたしましたように、大蔵省なり外務省なり通産省が非常に経済協力については密接な関係がございますから、こういうところと十分連絡をとってやるという意味合いにおきまして、協議の規定を置いたわけであります。 第七章は、罰則でございます。これも大体例文でございますので、これも省略さしていただきます。 附則になりまして、施行期日であります。公布の日から起草して三十日をこえない範囲において政令で定める日から施行をいたします。それから附則十八条から二十条までの規定というのは、輸出入銀行なり経済基盤強化法によりまして積み立ててありました金をこの基金ができ上がる日にそれを引き継ぐ、先ほど申しました五十億とその運用益の三億何がしというものを、本基金が公布の日から三十日以内で現在の法律を施行いたしまして、そうして総裁、監事というような者になるべき人を内閣総理大臣が指名をいたしまして、そうして設立委員をきめまして、この基金の設立の事務をやるわけでございます。そうして三十日以内に、公布した日からなるべく早く基金の設立にかかりまして、その設立をした日に十八条から二十条までの規定を同日付でもって施行をする。そうして基金ができたときに輸出入銀行の方からその五十億、それとプラスの運用益というものを引き継ぐということのためにこういう二段構えになっております。基金の設立につきましては、普通のあれと変わっておりません。七条、八条におきまして輸出入銀行から資産を承継するということになっているわけでございます。大体三十日と六十日でありますので、大体九十日以内にでき上がることになるわけでありまして、できれば本年度中に本基金を成立させたいということで、この九十日という制限をおいておるわけであります。 あとは大体経過規定でございます。関係の法律の改正でございますので、説明を御省略させていただきたいと思います。 以上をもちまして補足説明を終わりたいと思います。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) それでは速記を始めて下さい。 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○赤間文三君 お尋ね申し上げます。この海外経済協力基金法案でありますが、これは非常に重要な、国としては非常に有効なものと考えております。ただ私の尋ねたい一点は、輸出入銀行では、御説明で不十分だ、あるいはやりにくい点が多い、そういう意味でこういうものを設けるのだとありまするが、私は大体いろんな点から見て、機関が多いのは、なかなか関係者が多く、なかなか仕事の能率をあげるということは困難だという点が多い。そういう点から考えてみて、輸出入銀行法、これに関係するものを改正して、大部分の仕事がやれるようにすれば、特にこういう基金を設けなくても目的が達せられるのじゃないか、現存の輸出入銀行法そのままではやれない点が多かろうと、御説明の点はわかりますが、思い切ってこれを一つ改正してやるならば、こういう地金を設けなくても、相当目的を達するのじゃないか、こういうふうに私は考える。 それでお伺いしたいのは、改正してもどうしてもやれない、それではできないという点を一つ例をあげて御説明を願いたいと思います。
○政府委員(中野正一君) 今御指摘のように、この基金の目的としているようなことを輸出入銀行法を改正をいたしましてやったらいいじゃないかという議論も、実は政府部内でも相当論議をされまして、どういう形にした方がいいか、たとえば輸出入銀行法を改正いたしまして、輸出入銀行の中に投資部といいますか、特殊投資部といいますか、何かそういうものを設けてやったらいいじゃないかということも考えたわけでございますが、この協力基金でねらっておりますようなことはどちらかというと、金融機関としての仕事に非常に不適当のことが多い。また金融機関というものにやらせますと、どうしても金融機関のワクの中にはまりまして、運用がうまくいかないのじゃないかという結論を得たわけでございまして、絶対これは輸出入銀行の中のあれではいかぬという理由も立ちにくいわけでございますが、どちらかというと、やはりこういう新しい仕事を始めるわけでございますので、独立した機構がいい。しかし、輸出入銀行とは事の性質上、連絡を密接にとるということを先ほどから御説明申しあげたようなわけであります。特に対外的の関係から申しましても、輸出入銀行というと、どうしても従来から直接日本の輸出入に結びついた金融をやる、また投資関係につきましても、日本の輸出市場の開拓、あるいは輸入原材料の確保というようなふうな直接日本の輸出入に結びついた金融機陶であるということが、もう世界的に非常に通念になっておりますので、対外的関係からいいましても、わが国としてこういうむずかしい産業開発に直接金を投下していくというような、あるいはそれに出資をしていくというふうなような仕事でありまするというと、やはり独立した仕事でやるということが対外的関係からいっても、わが国が経済協力に相当本腰を入れてやっていいんだという決意のほどを示すといいますか、そういうふうな対外的な意味合い、対内約にはやはり輸出入銀行の中へ入れてしまうと金融機関というワクにはめられて、本基金のやりたいとする仕事が十分に行なえないと、こういう判断をいたしまして、別個の独立法人ということにいたした次第でございます。
○赤間文三君 それは世間の聞こえとかいろいろな点で、こういう特別な機関を設けるということがいいとありますがく私の心配するのはやはり関係機関が多い、こういうものを設けましてもれ、なかなか関係機関が多というのは、意見がところどころに違ったりして、従来の例から見ると非常なスムーズにいかなければならぬ問題が日時をとり、手間をとる。また関係者が多いために意見が違って成績がなかなか上がらぬというのが私は過去の大きな例だと思う。海外発展にいろいろ努力している人の話を聞いてみると、今でも大蔵省と通産省とその他関係のところの意見が違うために、なかなか仕事の能率が上がらぬで困っておるという例が私は非常に多いのではないかと、こう思う。そういう点からいって、私はできれば機関はあまりよけい設けるということよりも、なるべく機関は少なくしくそしてやはりどんどんと仕事が実質的に伸びるようなことの方がいいのじゃないかという考えでお尋ねしたのですが、今の御説明で大体わかりましたからこの点はけっこうです。 それから次に伺いたいのは、取りあえず五十億ということになっておるのですが、この五十億はどういうところから出てきたのですか。現在ある金をただ引き継いだから五十億というのか、こういう基金としては大体どれくらいの金が将来適当なのか、お考えがあるならば伺いたい。
○政府委員(中野正一君) 今御指摘ありましたように、経済基盤強化法で輸出入銀行に積んでおりました五十億というものでさしあたりはこれで発足するわけでございますが、今三十五、六年度にかけての事業計画としては事務的にいろいろにやっておりますので、少なくとも百億は金がないというと発足一年の仕事が十分できないのじゃないかというふうに考えております。これが不足の分につきましてはまだ幾らと決定はいたしておりませんが、相当の三十六年度予算で増額をしていただくということになりますというと、この基金が大体三月の終わりくらいまでには発足いたしますので、相当の金額でもって仕事が始められると、この五十億ではもちろん足りないというふうに考えております。
○赤間文三君 私はその五十億はどういうわけでできたかということをお尋ねしたのでございますが、こういう大きな仕事ございますからやり方にもよりますし、また活動のやり方によると思いますが、思い切ってやはりやるならば、相当金もかけてやらないと、また形だけのもので、役人ができて人手が入る、できただけで効果が上がりにくいのじゃないか。五十億の金じや非常に少ないという考えを持っているのです。将来、希望としては思い切って一つ要るだけの金は予算でも取られるということが必要じゃないか、こういうふうに考えております。 それから次にお伺いしたいのは、これは基金金ということになっていますが、これを読んでみても、あるいは公社のような、あるいは公団とか、あるいは公庫というような、あるいは金庫とかいうようないろいろ名前もこのごらずいぶんありますが、こういう公社、公団、公庫なんかとこれは特に違う点を一つ指摘してもらいたいのですがれ。そういうものと性質が違うという点を……。
○政府委員(中野正一君) この基金は先ほども御説明いたしましたように、金融機関というものとは性格は違います。従いまして開発銀行、またしいて言えば輸出入銀行とも相当性格が違うというふうに考えております。一種の投資会社、事業会社的な性格を持っておりますので、特殊法人というふうに考えております。基金という名前がつきましたのは、そういう意味で金融機関と性格が違うのだという気持を出したいということでこういう名前にしておるわけでございます。
○赤間文三君 それではこの団体は資金の貸付ということよりもむしろ出資ということが中心になるのですか。
○政府委員(中野正一君) 先ほど二十一条のところで御説明したかと思いますが、この業務につきましては、やはり貸付が原則ということではございませんが、相当やはりおもな事業の内容になるのじゃないか、しかしそれはあくまで事業金融なりあるいは投資金融ということが主体になるわけであります。そういう投資金融というようなことでうまくいかないという場合には直接に出資もできる。しかし出資ができるということは、金融機関とは非常に違った性格を現わしておるということは言い得るのじゃないかと思います。
○赤間文三君 そうすると、それではやはり貸付が中心になって出資もできるという、中心はやはり貸付ということになっておるのでありますか。
○政府委員(中野正一君) 実際の運営はそういうことになると思います。
○赤間文三君 それじゃ伺いますが、この基金でさっそく一つ取り上げてみようというような事業をお考えになっておりますか。
○政府委員(中野正一君) 従来いろいろこれは通産省の力で調べておりますが、たとえばボルネオのカリマータの森林開発というふうなもの、これはこれをやる三体が中小企業者が多いというようなことで、いわゆる担保力が十分ないというようなことで、この基金あたりの対象になっていくのじゃないかというふうに期待をしております。ただまだこの基金も発足しておりませんし、この基金にどの程度期待するかというような具体的な話までは進んでおりません。それからもう一つ、最近インドかあるいはパキスタン等に対しまして延べ払い輸出をやる場合に、向こうの方としては非常に外貨が不足しておりまして、延べ払い輸出のあるいは一割とか二割とかという一部を投資にかえてくれ、こちらからの投資にかえてくれというような要求が相当強く出てこれも通産省の方にそういう案件が相当参っておるようでありますが、これなんかはやはり輸出入銀行でどうしても取り扱えないので、そのうちの一部を出資に振りかえてやって、大部分は延べ払い輸出で機械を送るというようなケースによって、向こうの産業開発を助けていくというようなケースは相当出てこようかと思います。それからこれはまだ具体的にそう進んでおりませんが、東陶アジア方面におきましては、水産業でありますが、こういうものの日本からの進出を非常に希望しておるようでありまして、これも各国いろいろな話が政府ベースあるいは民間ベースであるようでございますが、こういう向こうの水産業の開発というようなものに日本の漁業者あたりが出ていくということになりますと、やはりこれも資金が相当長期出ますし、また採算等に対しましてもなかなかむずかしい点がありますが、輸出入銀行ベースには乗りがたいというようなことで、こういうものに対する融資あるいは出資というようなことでケースが考えられるのじゃないかと思います。
○山本利壽君 これの予算が五十億という話が先ほどから出ていましたが、五十億はすでに三十五年度の予算でもう通っておりますね。
○政府委員(中野正一君) はい。
○山本利壽君 そうすると、今度は三十六年度では――まあこの法案が年度内に通ると、その三十五年度予算に繰り込んですでに国会を通っておる五十億が使えると、それで三十六年度の予算で大体希望しておられるのは追加をどのくらいでございますか。先ほどでは少なくとも百億全体では要ると思うという話があったが、今度三十六年度の予算にあらためて五十億の追加の予算が出るのか、あるいはもっとそれ以上か、そこらのところはどういうことになっていますか。
○政府委員(中野正一君) 三十五年度は今の五十億で発足いたしまして、三十六年度におきましてはさらに少なくとももう五十億は必要ということで今折衝を続けております。
○山本利壽君 この法案で、見ると「海外経済協力基金は、東南アジア地域その他の開発途上にある海外の地域の産業の瞬発に寄与する」と、こうなっていますが、初めに東南アジア地域ということがうたってあるから、東南アジア重点を置くということですか。あるいは表題が海外経済協力基金だから、たとえたら中南米でもあるいはアフリカでも、そこらのところは平等に扱うという意味ですか、その点どういうことになっていますか。
○政府委員(中野正一君) 特に「東南アジア等」として東南アジアを例示して強調してあるわけであります。 御承知のように、もちろんこれは日本としては、地理的関係からいいましても、特来の経済関係等からいいましても、東南アジアとは最も経済的にも協力をしてお互いの連係をとって、関連を緊密にして考えていかなければならぬ地域でございますので、特に掲げたわけでございます。しかも東南アジアを初めとする中南米あるいは中近東、そのほかの低開発地域に対しても、これはこの法律の基金の対象にもちろんなるわけです。しかし実際問題といたしましても最近通産省あたりに来ておる実例を見ましても、海外投資等の実例は八割近くは最近では東南アジアの件数が多いということになっておりまして、そういうような意味合いからいいましても、東南アジアに特に重点点を置いて運用していくということになると思います。
○山本利壽君 こういう例が、海外経済協力基金といったような例が他国にもすでにありますか。たとえたら、東南アジアの開発、あるいは市場確保という意味から、ほかの国もこういうことをやっているのか、ほかの国はやっていないけれども、地域的に日本は東南アジア等について非常に重要視しなければならぬから、こういうことをしておるのか、そこらの例を一つ、あるかないか。
○政府委員(中野正一君) 特に東南アジアだけを対象にするというようなこういうものはないと思いますが、ただアメリカ等には例の開発借款基金であるとか、大統領特別基金とかいうので経済援助いたします基金に類するもので、むしろこれは政府直接の基金というようなことになっているかと思いますが、こういうようなのはちょっとあまり、例は珍しいのではないかと、今外国の例は詳細な資料が私の手元にございませんのですが、そう考えております。
○山本利壽君 そうすると、この基金を利用し得るのは、一体海外における経済開発に寄与しようとする日本人だけがこれを利用し得るのですか、開発を希望するその国の政府、あるいはその国の個人でも申し込むことができるのですか、そこらのところはどういうことになっていますか。
○政府委員(中野正一君) 本基金は特別に貸付の対象を本邦人に限っておりません。これは輸出入銀行の方は十八条におきまして大体特別の外国政府に金を貸す場合以外は、木邦人、本邦法人という限定が法律にございます。この法律にはそういう限定はございませんので、本邦法人たると外国法人たるとを問わず対象になり得る。ただ実際問題といたしましては、こちらから向こうへ出かけていってやる、あるいはこちらから向こうの会社に投資をするというようなことで経済協力は行なわれておるケースが多いわけでございますので、実際問題としては、本邦法人となり、本邦法人がおもなる貸付の対象になっている。しかし、実際問題としては、法律上は何も制限をしておりませんので、外国の政府であろうと、外国の個人であろうと、外国の法人であろうと対象になり得るということでございます。
○栗山良夫君 ただいま御説明をいただきました第三章業務、業務の範囲というのが四つに分けて説明がありますが、ただいまの資金を配分するとすると、大体の見込みとして一、二、三、四の事例について、何パーセントぐらいの割合になりますか、一の場合、二の場合、三の場合、四の場合。
○政府委員(中野正一君) まだ四つの仕事のあれで、どの程度のウエートになるかということは、はっきりしたことは、もちろんまだわからないわけでございますが、最後の開発事業に関する調査事務でございますが、それは調査をしたからといって、それだけ利益が出るわけじゃございませんので、基金の運用益の範囲内で必要な調査をやるということになっております。一、二、三のうちでは、先ほどもちょっと申し上げましたが、やはり海外投資金融というような意味合いにおきまして、一の貸付事務の範囲がやはり相当多くなるんじゃないか。それから出資の場合は、最近の例からいいますと、延べ払い輸出の一部を投資に振りかえてくれという例等をかりに本基金が取り上げるというようなことになりますと、これは相当のウエートになってくるんじゃないか。それから第三番目のことは、これは先ほど申し上げましたように、農水産業でありますとか、森林開発であるとか、中小企業の向こうに対する協力というようなふうな例の場合は、やはり準備的な調査なりあるいは試験的実施の一部、小さいプラントをやってみるというような用心深い進出が大手だろうと思いますので、この業務はやはり一、二に劣らず相当大事な仕事になってくるんじゃないかというふうに考えております。
○栗山良夫君 私の質問が簡単過ぎてよくのみ込んでいただけなかったかと思うのですが、私がお尋ねした質問の理由となっておるのは、大体こういう法律というものは、輸銀があって、輸銀が日常の業務を遂行していく。ところが実際のいろいろな具体的な事例が出てきて、輸銀では始末が負えません。こういうものは新しく作らなければならぬということで、輸銀の仕事を通じて必要に迫られてできる基金であり、そういう法律である。こういう解釈をすれば、私は今の一二、三、四の割り振りは当然お答えあってしかるべきだと存じます。ところがそういう輸銀の問題とは別に、わが国が一つの政策として、後進国の開発を今後積極的にやっていきたい。そういう一つの政策を後進国に対して展開するのに、こういう基金があった方がより弾力性があって都合がいいのだ、こういうことであれば、これからの仕事であるから、その内容があるいはわからぬかもしれない。そのどちらかということが実際はお尋ねしたかったのです。輸銀というものが今日までやってきて、輸銀の業務権限の範囲内では始末に負えないような後進国のいろいろな経済開発の問題が実際起きてきている。それを始末するのには、こういう基金を作らなければならないということであれば、内容がもう少し計数的なものが出ていなければならぬはずである。そこをお尋ねしている。どちらなんですか。
○政府委員(中野正一君) 本基金ができましたいきさつは、先ほど申し上げましたように、輸出入銀行というもので従来やって参りまして、どうも輸出入銀行のベースには乗らない。乗らないというのは、今現在の輸出入銀行の規定からいいますと、話を持っていってもとてもあかんというような例が、これは内容について私も一々承知しておるわけではございませんが、とても輸出入銀行に持っていってもだめだというようなケースがだんだん出て参ったということと、しかし、それだけではなしに、やはり輸出入銀行と別個に独立の機関を作るということは、今後わが国が東南アジア等の地域の経済開発に協力していくというのには、この法案でねらっておりまするような事業をやるところの別個の機関があった方がいい、こういう判断からこれを作ったわけであります。
○栗山良夫君 どうもそこがはっきりしないと思うのですがね。そこのところが一番重要なところだと私は思うのですよ。そこで、たとえば、それだけ、五十億の基金がそれで足りるのか足りないのか、あるいは五百億要るのか。そういう金額の絶対値の問題をディスカスする場合に、今のような御答弁だとさつぱりつかみどころがないということになりはしませんか。一体どういうことになるのですか。観念的にこういうものがあった方がいいから作るということであれば、それっきりで、それなら五十億でも二十億でもいいかもしれない。そこがどうもはっきりしない。
○説明員(白幡友敬君) 私外務省の主管の者でございます。 今の点に関しまして、外務省の方から御説明をいたします。従来、後進国へのいわゆる経済協力援助、それが大体輸銀に乗ってきております。その問題の、しかも、輸銀に乗せましてなかなかむずかしいといいますのは、大体貸付を要求する形のものが一番多うございます。これは輸銀では、御承知のようにいろいろな貸し付けまする条件が、金利の点あるいは償還期限の点で厳格でございますので、そういう点で不足して参ります。従いまして、全体の比率、正確なパーセンテージはよくわかりませんけれども、比率から申しますと、やはり貸付の点で輸銀の足りない部分というものが一番大きく出てくると思います。それから、出資ということになりますというと、現在まで外国から投資してくれというものは比率的に申しますと、貸付よりも大体少ないということが申し上げられると思います。もっともこれは従来なかなか出資ということが、日本の体制からいいましてもむずかしかったという点がございまして、日本の方からも出資をしていきたいという例が少なかったということも原因じゃないかと思います。 それから、「開発事業の準備のための調査」あるいは「試験的実施」等の問題、これはやはり量的に申しますというと、もちろんこの必要があるわけでございますけれども、量的に申しますと、やはり第三――順位から申しまして貸付、投資、その次ぐらいの順位になってくるのじゃないかというふうな大体予測をいたしております。はっきりしたパーセンテージを申し上げられませんけれども、主力といたしましては貸付の方が主たる案件であります。
○栗山良夫君 そうしますと、今の外務省の答弁だと、こまかいことはよくわからないけれども、一、二、三、四と、この順序に並べてありますが、この順序に従って資金というものは使われていくのだと、こう一応了解していいようですね。ここに書かれてある順序に従って大きい方からずっと並べてあると、こう理解してよろしいですね。そういたしますと、今の私が割り切って二つ、どちらの理由ですかということをお尋ねしたことについては、まだちょっと理解できない。これははっきりしませんが、ほんとうに考えていらっしゃるのは一体どこにあるのか。私はもっと後進国の開発というものは、日本に対して真剣に資金援助を要請しているのか、あるいは日本の業者の諸君が積極的に向こうへ働きかけた結果そういうサウンドがあるのか、この辺のところがもう少し詳しく知りたいと思うのです。今、赤間委員のお尋ねで二、三の例をあげられましたが、その程度のものならば大したことはないと思うので、どういうことなのか、もう少しこまかく……。なぜこういうことをお尋ねするかと申しますと、「次の各号に該当する場合に限り、」というので出資のことが書かれてありますが、これだって、こういう表現というものは、それは法律上あるいは説明上はこれよりしようがないかもしれませんけれども、これは非常に漠然たる書き方ですね。「開発事業に係る事業計画の内容が適切であり、その達成が確実であると認められる場合」、これは非常に抽象的で、こういう条件に満てるものは出資をすることができるということでし上う。具体的に今、後進国を対象にして、そういうふうな事業というのは一体どういうものがあるのか。いろいろなものが言われておりますね。今、実際問題として、先国会では東南アジア経済研究所ですか、あの法案も作ったし、ジェトロも活動しているし、そういうことから関連して、いろいろな事業計画というものがあり得ると思いますが、そういうものを国別に、また事業別に何か一覧にして、今ある資料でけっこうですから、明日でも出して下さいませんか。国別、事業別にどういうものがあるか。さっぱり内容のデスカスなしに法律を通すということであればまた別ですし、また事実そういう性格の法律であるならば、私は法律としてまた考えようがあると思いますが、実際に具体的な事例があるということならば出していただきたい。その点はいかがですか。
○説明員(柿坪精吾君) 開発事業の内容につきましては、二つのルートからわれわれ情報を得ておりますが、一つは業界で海外にいろいろプラント関係を送りたいということで活躍しております業界からの情報と、それからもう一つは、各国でおのおの開発計画、五カ年計画とか七カ年計画を立てまして実施いたしておりまして、その関係から、その中のどれでもいいから日本に適している日本でやれるものを一つ援助していただきたいということで出てくる話と二つございます。そのもとは、いずれも業界から出ますのも、あるいは相手国政府から要請されるのも一つになるわけでございますけれども、その間、業界から入りますのは相当商業的な情報でございまして、それが相手国との間である程度話がきまりまして、政府からこういう計画について日本側から借款がほしいとか、あるいは投資をしてもらいたいというような要請があって初めてわかるわけでございます。それが一挙に全部並んでおるわけでございませんで、現在、相手国政府から要望されておりますものといたしますれば、インドの現在進行中の第二次五カ年計画の不足分に対していろいろ日本からクレジットをもらいたい。また来年の三月から始まりますインドの第三次五カ年計画に対して、日本から相当額のクレジットをもらいたいという話がございます。またパキスタンからも、先般繊維機械関係のクレジットを二千万ドル供与を要請されましたが、そのほかにも溶鉱炉でございますとか、あるいは製鋼関係の工場でございますとか、そういう特にこの地点のこの計画というようなことが示されない場合にも、こういう種類の事業に対して日本側の協力をお願いしたいというものが相当ございます。またセイロンの肥料工場もございますし、そういうふうに各国に出て参りますのは、具体的にどこそこの工場ということでなくて日本にできたものを一つ選んでくれというふうな形で出ておりますので、この基金の対象といたしますものも、相手国の要諦、それから日本側業者がこれにアプローチいたしまして、いろいろ技術的な検討を加え、計画設計をいたしまして、実りそうなものにこれが適用されるということになりますので、現在来ております要請というものは、主としてそういうものであるというふうに御了解いただきたいと思うわけであります。
○栗山良夫君 そういたしますと、今のお話を承っておると、基金の資金量というものは、資余を査定する根拠というものは明確なものはないわけですね、幾らでなければならぬという。
○説明員(柿坪精吾君) この点はにっちもさっちもいかなくなってしまって積み上げて出てくる予算でございませんで、ある程度来年度にこういうことが起こるであろうという予測を立てて立てる予算でございますので、一応予算の形式といたしますと、事業計画をこまかく積み上げてやるものでなくして、輸銀の場合でもさようでございますが、相手国あるいは貿易の状況に従って適時活動し得るような資金として持っていたいということになりますので、今直ちに来年度五十億追加を要求いたします場合に、これが確実で、国内事業のようにどの河川をどういうように直したい、ついてはこれだけというふうな積み上げはできないかと思います。
○栗山良夫君 今のお話を聞いておると、輸銀がただいま行なっておるような完全な商業ベースで行なわれるのでなくして、日本政府並びに相手国政府を中心として話し合いの結果、日本が後進国の産業開発に協力をしよう、文字通り、この法案の意味の通りの非常に政策がかった資金に使われる、それの実行に使われる、こういう工合に理解していいと思いますが、そうでしょうか。
○政府委員(中野正一君) 今御指摘のありましたように、今後の東南アジア等との経済協力推進という大きな意味合いから、こういう法案を出しておるわけであります。その意味では、相当相手国の政府あるいはその政府と相談いたしました向こうの業界というもののいろいろな開発計画、それに対するこちらの正本の業者のアプローチの仕方というようなものを見まして取り上げていくことになるわけでございます。その意味合いにおきましては、もちろん輸出入銀行の商業ベースとは相当離れたものを取り上げていくということになると思います。ただ、もちろんこれは政府資金を出しまして、これを一定の目的へ貸し付けなり投資というようなことで事業をやっていくわけでございますから、もちろん相手の事業が全然採算にも何も乗らないというようなものを相手にするわけではございませんので、そういう点については、ただ相当長期にわたる開発というようなものは、これで大いに取り上げていけるのじゃないか、こういうように考えております。
○栗山良夫君 そういたしますと、大体わかりましたが、その投資する場合、あるいは開発事業の試験的な実施のための金、そういったようなものを相手方に一応投資するわけですが、投資したときの投資資金について、日本として保全する方法はどういう方法がありましょうか。その債権――一種の債権のようなものですが、債権を保全していく方法、それはどういうふうに考えられておりますか。これは相手国の民間の場合は相手国の政府が何か保証するのか。相手国の政府のときは、日本政府とどういう関係で処理するのか。そういう点はどういうふうになりますか。
○政府委員(中野正一君) 相手国との関係におきましてもちろん海外事業へ投資をする、あるいは貸付をするということで、相当リスクがあることは、そういうことは御指摘の通りだと思います。しかし、これはそうはいいましても、投資なり貸付をするということでございますので、相当のリスクを踏んでも、もちろん事業が内容がよくて、しかもその達成が大体確実であるというものに貸すということになっておりますので、そういう点については基金として十分調査をいたしまして貸付に当たると思います。ただ、実際問題としてこれが回収不能とかというようなことになるようなことを考えまして、場合によりましては、相手国側の事業計画の内容いかんによりましては、金を貸す場合に相手側の政府の保証なりなんなりというケースもあるかと思いますが、一般的にはそういうことまで考えておりません。
○栗山良夫君 それは、たとえばアメリカが日本の財団に融資している場合ですね、この場合でもなんでしょう。日本政府に保証を命ぜられているものがたくさんありますね、日本政府そのものが。たとえば、電気事業の社債などそうですね、公債というか。だから、そういうことを全然計画がないわけですか。ただ、今リスクがあるということを前提にして、投資損、貸し損になってもしようがないんだと、そういうことだけで金をどんどん後進国につぎ込むということで、国民感情として許すでしょうかね。国内でも資金がなくて困っているのに海外に貸し与える。国内の方ではずいぶんきびしい融資条件でやっておって、海外だけへはリスクを見込んで、そうして取り立てというか、債権の保全の方法も十分考えないで。原則的にでいいんですよ。あなたの今の御説明は例外的にあり得るということだから、だいぶ話が違うのです。原則的にそういうことをはっきりして、そうしてかかるということならばよろしいけれども、そういうことはこの法律で規制することではないんでしょうけれども、説明としてはやっぱり私どもお聞きしておかないと十全でないと思いますがね。
○説明員(白幡友敬君) 今の御質問にお答え申し上げます。こういう種類の基金を作り始めました動機を簡単に御説明申し上げますと、東南アジアその他中近東、アフリカのような後進国の経済水準を上げるということは、これは世界的な、あるいは人道的な見地から非常に必要である。ところが、不幸にしてこれらの国々では国内の経済機構と申しますか、こういうものも確実にできていない。そこで、通常のいわゆる投資とかあるいは貸付とかいういわゆる先進国の考えておりますような条件を持って参りますというと、非常にむずかしい点がございます。なかなか経済協力あるいは援助をするんだといいながら、今日までその振興が非常に停滞してきていたわけでございます。そこで、世界的に申しましても、どうしても従来のような援助方式だけでは十分でないではないか。もう少し後進国の実情というものを見てやらなければならぬ。そのためには、先進国として、ある場合にはある程度のリスクを持ってもやらなくてはならないという考え方が、大体最近一般的になって参りました。御承知のように、現存いわゆる世界銀行というものがございます。これにその上に日本でもさきの臨時国会でもって関係法規の御通過を願ったわけでございますが、いわゆる第二世銀と申します国際開発協会というのがございます。日本もこれに加盟いたしまして相当の出資をするわけでございますが、その第二世銀ができました理由も全くただいま申し上げましたと同じような理由でございまして、その第二世銀が貸付をいたします条件もほぼ現在ここに御審議を願っております案と同じような傾向でございます。つまり後進国に対して貸付をし、あるいは投資をいたします場合に、従来のような商業的ないわゆる保証というようなものを的確に考えますというと、なかなか開発ができにくい。そこで先進国の方ではある程度のリスクを持ってもやはり後進国の経済開発に、特に産業の点で必要な分野には投資してやろうという、それをやらなければ後進国の経済開発はなかなかできないのだ、経済水準を上げることはできないのだというような考え方でございます。従いまして何もこれは野放図に、保証も何も取りつけないというわけじゃございませんで、できるだけ厳重に調査をいたしまして、事業として成り立つものであるか、しかもそれが相手国の経済にほんとうに役に立つものであるかということを調査いたします。しかし従来のように明確な保証を取りつけるということになりますと、なかなかやりにくいから、その点の条件ははるかに従来よりも緩和してやろうという考え方でございます。
○栗山良夫君 なぜ私がしつこく申し上げるかというと、そういう点が非常に楽になっていると、今まででも後進国とのいろいろな経済関係で、中国に入っておる商人や実業人の間にいろいろいかがわしい風説がとんだことがありましょう。そういうふうに国家資金が乱脈に流れて国民からいろいろな批判を受けるような問題が起きると大へんだと私は思うのです。ですから、アメリカですら、終戦後に日本はただもらったと思っていたガリオアにしてもイロアにしても、あれは債権だということをはっきり言って――まけることはまけてくれるでしょう、しかし救援物資じゃないということをはっきり言っているのです。ですから原則はやはり完全に投資資金というものは保証されてなければ国民は私は承知できないと思うのですね。それが実際に今お説のような趣旨だからリスクが出るということであればそれは例外的なことですね。原則的にリスクがあり得るが、後進国を助けなければならぬから金を持ち出すのだという、そういう理屈、そういう説明ではちょっと私いけないのじゃないかと思うのですがね。これはやはり大きな意味ではコマーシャルですよ、経済の問題ですから。これがもし救援事業なら別です、そういうようなことは申しません。そこのところを私はちょっとまだ質問を保留しておきたいと思います。 それからもう一点だけ。それはあとでいただけばいいのですが、業務方法書というのがありますが、実はこの法案を御提出になったのはこの春の国会ですね。ですからおそらく経済企画庁としては春の国会で通って、そうしてもうすでに実行に入っておられたのだと思いますが、そういう工合に運ばなかったわけです。従って業務方法書などというものも大体腹案がおできになっているんじゃありませんか。もしおできになっておるとすれば、原案の原案でもけっこうでございますが、私ども拝見したいと思いますが、いかがでしょうか。それだけで、私はただいまの問題は保留しておきます。
○政府委員(中野正一君) 業務方法書につきましては、この法律にありますように、業務開始の際に基金の方で作って経済企画庁長官の認可を受けることになっておりまして、役所の方としては特に重要な調査、貸付期間をどれくらいにするか、それから利率をどうするか、それから担保の条件、こういう点をどの程度までするか、こういう大事なところにつきましては、大体の腹案に近いものを持っております。その程度のことを指示しまして、あとの詳細は基金の方で作ってもらう――もちろんそういう規定になっており、そういうことでございますので、こちらの方で押しつけるという性質のものではないのでありまして、その程度のものしか現在のところ作っておりません。
○栗山良夫君 それだから、たとえばこのうしろの方に出資の方法、元利金の回収の方法、事務の委託の要領、そういうようなことがずっとありますね。私が今質問したのは、元利金の回収の方法なんですが、投資のことはここに書いてないが、投資をどうするかということは、そういうことについて、原則的にいかにこの基金ができたときに基金金の方で作って企画庁長官の認可を得る、受けなければならないとなっておりますが、それは非常に形式的なことで、公式的なことで、こういうものは、しばしば従来例のあるように、全部おぜん立てば所管庁でできて、こういうひな型でやりなさい、ああそうですかというので基金の方は出すのだから、そういう説明は外部でおやりになるのなら、よく理解するかもしれないけれども、われわれはそういう御答弁では理解できないです。もう微に入り細にうがって所管官庁でちゃんとお作りになって、基金の方はそのひな型の通りに作って判こを押して出せばいいようになっている。
○政府委員(中野正一君) 概略の方法につきましては用意したものもございますので、御提出いたします。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 ―――――――――――――
○委員長(剱木亨弘君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 ただいま本委員会において審査中の海外経済協力基金法案について外務委員会から連合審査を開かれたい旨の申し出がございました。右申し出を受け、海外経済協力基金法案について連合審査会を開会することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。よってさように決定をいたしました。 なお、連合審査会の日時は明日午前十時より開会することといたします。 暫時休憩をいたします。 午後零時十四分休憩 ―――――・――――― 午後一時五十七分開会
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を再開いたします。 海外経済協力基金法案及び経済の自立と発展に関する調査を便宜一括して議題といたします。 理事会の申し合わせにより、これから通商産業大臣及び経済企画庁長官の所信に対する質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○栗山良夫君 私は、企画庁の長官に一点だけお尋ねをいたしておきたいと思います。それは、先ほどの長官のごあいさつの中にありました点についてお尋ねをするわけですが、本来ならば、所得倍増の長期経済計画について、やや詳しくお尋ねをいたしたいという点がたくさんありますけれども、そういう点は、通常国会に譲って私はいいと思いますので、一点だけお尋ねをしておきたいと思います。 それはどういうことかと申しますと、きょう御説明をいただいた中で、重要な企画庁の問題点として、三点を、おあげになりました。物価の安定を維持するということ、それから産業の二重構造を改めていくということ、第三点が貿易の振興、こういうことで、いずれも非常に重要なことでありますから、私はそのこと自体には何も言うことはない。ただ一番重点を置かれた、第一に指摘をせられた物価の安定ということを、どういう工合に解釈されているのか、その物価の安定というものの解釈を一ぺん伺いたいと思うのです。 物価の安定ということは、要すれば通俗的に、社会通念上言えば、物価が値上がりをしないようにするということであろうと思います。物価の値下がりをするようにするということは非常に望ましいことですけれども、これは日本の経済の発達史を見ても、常にインフレーションを緩慢ながらたどってきているわけで、物価の値下がりということはまあない。そうすると、物価の安定ということは、物価の値上げをなるべく抑制していく、こういうことだろうと思うのですがね。しかしそういうことだけでも、非常に私は疑問があるのでお尋ねをするわけです。特に自由経済を建前としておられる現内閣としては、口で物価の安定ということをいいますけれども、なかなか国民にはわかりにくい点がありますので、どういう意味におとりになっているか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) もう栗山さん、もちろん御承知と思いますけれども、物価の安定ということをいっております。これを裏からいえば、通貨価値の安定ということだと私は思います。すなわちインフレーションにならないように、そうかといってデフレーションにもならないように、そういう、きわめて抽象的なお答えで相済みませんけれども、そういうような心持ちでございます。
○栗山良夫君 通貨価値の安定、要するに日本の経済がインフレ化しないように措置をいたしたい、そういう意味のことだとおっしゃいました。 そういたしますと、こういうものは今あなたのおっしゃった物価安定の範疇に入るのかどうか伺っておきたいと思います。たとえば今生産の合理化、能率化ということが非常に叫ばれております。従ってそういう範囲内においては、独占価格が強調されない限りは、国民に経済のサービスをする、そういう精神に、大企業を中心にして徹してこられれば、生産が合理化する、資本の蓄積がだんだん高まっていくに連れて物価は安定し、しかも場合によっては下がっていく。たとえば最近のテレビジョンのようなものですね、テレビの機械ですね、そのように下がる、そういうことになり得るでしょう。 ところが生産の合理化をやるにも、やり得ないものがありますね。たとえば例をあげますというと、このわれわれの頭をやる理容であるとか、あるいは女性の頭をととのえる美容というのですか、こういうものは、いかに生産の合理化をしようと思ってもできない。一日にやり得る能力というものはきまっているわけですね、そういうところの労働収入を、所得の二倍の報酬を保証していくということになれば、当然その料金を上げてやらなければならぬ、こういうことになるわけですよ。これはそういう例はたくさんあると思います。ほかに。そういうものについて、所得の二倍を指導する一方において、物価安定の政策をとるという場合に、その料金というものは、現内閣はやはり抑えていくのか、あるいはそれは上げていくのか、そういうところは、国民の非常に迷っているところだと思いますが、これを伺いたい。
○国務大臣(迫水久常君) この前の経済演説でもお話をしましたのですけれども、生産性の向上で労働対価といいますか、そういうものの上がってくるのをカバーできない部分についての価格の値上がりというものはやむを得ない点がある。そういうような部分については、たとえば組合間の申し合わせによって独占的に不当な価格をつり上げたり何かするようなことは押えるけれども、そういう合理的な限界内においては、そういうものは上がってもやむを得ない、そう考えております。 つまりそれが組合なら組合で決議をして、不当に高いものについては、独占禁止法その他の法律の適用によって押えていくけれども、あるいは環境衛生の法律の関係によって押えていくけれども、これが合理的な限界である限り、そういうものはやむを得ない、当然そういうものは上がってくる場合もあり得る、それを無理やりに押えるということはできないことだと思います。
○栗山良夫君 よくわかりました。 そうすると今町で問題になっておりまする医療関係の従業員のストライキですね。あれをだんだん分析してみるというと、結局待遇が他の職場と比較した著しく悪い。これを改善するためには、医療単価の値上げ以外にない、こういうことで医師会も若干共鳴している、こういう状況がありますね。こういうものは一体どういうふにするか。あるいはこのほか、これと同じような傾向のものがずいぶんあろうかと思いますが、そういうものは、一体どう処理されるんでしょうか。
○国務大臣(迫水久常君) たとえばただいまの例にあげられた病院のような場合ですね。具体的には厚生大臣のところで考える問題ですけれども、それが従業員の待遇を合理的な範囲内において改定する、しかも病院なら病院が立っていくためには、どうしても医療費を上げなければならぬというようなことになれば、健康保険の料率の問題、また政府の負相する問題にも、これは関係してくると思いますけれども、それは筋道だけを私のところはやっているだけで、具体的にどういうふうにするかということは、これは厚生省がやることになると思うのですが、筋道は、そういうことだと思います。 たとえば少し言い過ぎかもしれませんけれども、ソバ屋さんなんかでも、私は、こういうところで申し上げるのはいいか悪いかわかりませんけれども、将来は出前をする場合には、少し出前賃でも取らなければいけない、その方が合理的ではないかと私は考えておるのですけれども、それは具体的な問題として、そのときになって処理をしていいんじゃないかと思います。
○栗山良夫君 今のような例は、たとえば文教関係でも、私立大学の授業料の値上げ問題、国立大学の教授の俸給が今度ぐんと上がる。私大もこれに比例して上げなければならないというので、今授業料の値上げ問題が起きている。大学の経費のほとんど全部は、大学の教授、職員の給料だ。そうでもしなければ私学はとても持っていかない。こういうことで問題が起きている。だから、そういうことを考えてみると、物価の安定即通貨価値の安定とおっしゃるけれども、広い意味で生産性の向上によって物価の値上げを吸収し得ないような部門ですね。それの物価の値上げというものは、やはりやらなければならないとして政府はお認めになる、こういうこと以外にないと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(迫水久常君) 筋道は、その通りなんです、筋道は。ただその値上がりの限界は、それによって所得がだんだんふえていくものよりもオーバーするとか、インフレーションがそこから起こってくることにはならない、こう思っております。
○栗山良夫君 なぜ私がこういう愚問のようなことを発するかといいますと、今中小企業、ことに商業、サービス部門の中小企業は、今非常に人を手に入れることで四苦八苦の状態に入ってきたのです。おそらく来年度の中学の卒業生は、男女を問わず、そういう部門へは就労をする希望者が非常に減ってきている。ですから中小企業の振興とおっしゃるけれども、従来のような賃金形態、賃金水準では、もう中小企業の広範な国民の日常生活の支えになっているそういう企業というものが、今のままでいけば非常に麻痺していく、そういうことが私は起きはしないかということを心配しているので、賃金水準の改定はもちろんしなければならない。すれば必ず物価が上がってくる。しかもその物価は、国民個々の生活から見ますと、すぐ台所に響くようなものです。 そこで、物価は上げないのだ、上げないで安定させるのだという呼び声があるけれども、現実に上がってくる。そうして政府の表の言葉と、具体的な裏の言葉が違うんじゃないか、こういう批判が起きてくる。ですから、そこのところはよほど筋道を立てて、理論的にやはり説明をし、指導をされぬと、私は少し物の考え方において混乱がきはしないかと思っているのです。
○国務大臣(迫水久常君) 今御指摘のようなんでして、実際何と言いますか、今までの日本の中小企業が比較的安い賃金でたくさんの人間を集めることができるという前提で考えられておったのが、逐次労働が完全雇用の状態になってきて、収入の多いところの職場がよけいになってきますと、中小企業自身の考え方も根本的に変わってこなければならぬと思っているのでして、そこら辺のこれらの指導のあり方、これは非常に重要だと、確かに思っております。
○栗山良夫君 だから私は、経済企画庁の方針の中に、ほんとうならば、第四点でもいいけれども、一点そこに触れてもらう必要があったと思うのです。ただ物価の安定というだけでなくて、その裏には、今申し上げたような現実の問題があるわけですから、これをどうするかということを経済企画庁として触れていただかなければならぬ段階にきているのじゃないかということですね。 それからもう一つ、同じ物価の点で、今のとややおもむきが異になりますが、こういうものは、どういうふうにごらんなさるのでしょうか。最近、新聞を見ますと、政府は、麦の値段を少し下げようとおっしゃっていますね。ところが、現に最近は週刊誌の写真にもずいぶん載っておりますが、大根の値段が安くて抜くのもばからしいというので畑に置いてあるのが出ている。キャベツ五十グラム幾ら、かずのこがこのくらいと、ここに載せて、二つ比較してあるような写真がある。これは日本の農産物というのは、何としても経済ベースに乗らないのだということが、はっきり実物で証明されるようになってきているのですが、これも農林省の関係だとおっしゃるかも知らぬが、経済企画庁のワク内にあることははっきりしておる。これは物価が下がり過ぎて困っていることだ。それを一体、どういうふうに、ごらんになりますか。
○国務大臣(迫水久常君) 私が経済企画庁長官に最初に指名されましたときに、ちょうど七月でしたけれども、八月から九月にかけては野菜が高い高いといって、ひどく私はしかられまして、そのときに、いろいろ研究してみると、ちょうどこれは夏野菜であるナスとキュウリと、冬野菜である白菜、大根との端境期であるからといって、これは将来必ず安くなるということを言われておったのですが、そのときから、ことしは白菜のできが非常にいいからどうも畑に捨てるようになりそうだという話を前から聞いておったわけです。そうなったら困るからというので、抽象的に考えると、市場なんかに冷蔵庫か何か……、そうしたらどうかと思ったけれども、大根とか白菜とかは、そういうところに入れても、どうにもならぬと、こういうことなんですね、率直に言って、これはどうも困った問題で、それをなま野菜の価格というものを始終平準にうまく保っていく方法というものを、だれか教えてくれないかと思っていたのですが、率直に言って、こういうことを言うのはおかしいようですけれども、実際そうなんです。何かいい知恵があったら教えて下さい。それは必ず実行いたします。
○栗山良夫君 私は、そういうことで申しているのでなくて、所得二倍増で、特に農民所得、いわゆる農業所得というものは生産性が低いので、なかなか鉱工業のように上がりにくい。特に重点的な施策をしなければいけないということを、企画庁の作られた解説書にも書いてあるのです。書いてあるけれども、現実にそう言っている大宗の農業関係が、ほかのものが大体物価がうわ向きになっているのに、農業生産物だけ、だんだん下がっている。特に最近麦がまた下げるというので、だいぶ農村で問題になっているのですが、こういうことだと、政府のおっしゃることと現実の進んでる事態が違うのじゃないか。こういうのが農村の声なんです。こういうのをどうするのか。
○国務大臣(迫水久常君) 全くその通りなんですけれども、昔よりも白菜を食べる人が少なくなったというのですね。アパートに住むものだから、ぬかみそにつける者が少なくなっておる。昔なら白菜が安かったから塩づけにして奥さんたちがやっていたが、このごろは、そういうことはしません。国民生活というか嗜好というものが、食物の内容が変わってくるものなんですから、豚なんか高くなったのは、全く今まで豚を食べないのに、豚を食べ始めるから豚が高くなった。豚なんかの肉類だとか、そういうものですと、輸入して価格を調整する方法があるんですけれども、野菜という、ことに白菜とか大根でも、ほとんど目方の大部分が水のものは、どうにもしようがないというのが、だれでも知恵のある人に聞いてみても、そう言うのですが、結局本質的に言って、農作物の内容をだんだん改善していって、つまり高級な、たとえば果実であるとか、もう少し冷蔵庫にでも保管し得るようなものであるとかというようなものに、だんだん変わっていって、それに人々があまり使わないものはむやみに作らないような方向に農民自身も自覚するとともに、農林省の方でも作付指導でもしてやっていく以外には、根本的な方法はないのじゃないかと思いますが、実際食べない物は作らなくなるだろうと思いますから、若干時間をここにかしてくれればこの問題も解決するのじゃないかと思っております。時期的にある時点をとるというと、いかにも不合理な状態が起こっておりますけれども、方向としても、農家としても決して売れないものを、ただになりそうなものを、いつまでも作っているはずはなくて、合理的に考えていくだろうと思いますから、そこはやはり作付統制とか何とかいうことをしない自由主義の社会ですから、個々の自覚でいく。そこまでには若干の時間がかかると、こう思っております。
○栗山良夫君 それは、私は前にも一度、この委員会で言ったことがありますが、農村の作付指導というのが、少し私は手薄になっていやしないかと思います。いかに自由経済といえども、そこまで農村を苦しめるように政府が放置しておくのはよくないということを私は前に申しておった。 たとえば数年ならずして必ずくると思いますが、今農村――そういう野菜類が値が悪い。ところが今盛んに果樹に転換換しているでしょう。そうするとブドーやナシやリンゴやカキや、ミカン等、無計画に苗を植えております。これがなり出したときに、今度はバケツに一ぱいミカンが二十円だという時代になりかねません。だから、どういうふうに柑橘類でも長持ちをするようにするか、輸出のきくようなものを作るか、そういう指導というものは、全然行なわれていない。農村の全く自由意思、これは一つの部落、一つの町で長年の技術でやっておるわけだから、そう簡単にいきませんよ。白菜がだめだから、ごぼうを作ろうということはできない。これはやはり農林省が、長期の見通しの上に立った行政指導、作付指導をしなければいかぬ。それがやはり経済企画庁の任務ではないかと思います。そういう点に欠けて、そういう点の具体的なものを示していただかないで、野菜の始末の仕方をわれわれにお尋ねになっても、これはどうしようもないと私は思うのです。その点はやめます。その点は非常に盲点だから、もう少し物価安定ということを第一にあげられるならば、物価の内容を、もう少し掘り下げて検討をして所得二倍増の政策と、ぴたっとくっつくようにしていただきたい。ぜんぜんばらばらになっています。 もう一つ物価の問題でお尋ねしたいのは、公共料金の問題です。あなたは生産性を向上して、公共料金の値上げを吸収するということをおっしゃった理屈はまさにその通りだと思います。しかしこの間もこの委員会で言いましたように、生産性の向上で吸収し得るもう限界に来ているということを、これは抽象的に言ったのではなくて、通産省から借りた資料に基づいて一つ一つただしていけば、そういうことになるので、これは電気であろうとガスであろうと、鉄道であろうと、あるいは政府事業である電信電話料、すべて同じようだと私は言えると思うのです。そういうものについても、ただその生産性の向上によって原価の高騰を吸収しますというような、通り一ぺんの説明では説明つかなくなってしまう。これをやはり国民の納得するように、もう少し実情に合うように、これは説明をしてもらわなきゃいかぬ、そう私は思うのですが、その点は、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(迫水久常君) どうも経済企画庁の言うことは、筋のことばかり言っていて申しわけないのですけれども、今の公共料金の問題につきましても、たとえば今問題になっている電力料金、これは今通産大臣がおられますけれども、通産省が専管のわけです。それをせんだっての閣議了解で、これは通産省の専管事項であるけれども、きわめて重大な問題であるから、閣議で一ぺんみんなで相談してから、さような決定をするようにしようという、こういう閣議了解をとりましたのは、通産省の専門的な立場からばかりでなしに、ほかの閣僚の常識的な判断をそこに入れて、なるべく間違いのないように、一般方針としては抑制をする、こういう方針に、できるだけ合うようにしていこう、こういうのでそういう閣議決定をしたわけなんですけれども、今御指摘のように、実際生産性の向上によって吸収し得ない部分が出てきますし、それをむやみに押さえることによって、逆に電力なら電力というものの供給が将来増大していかなきゃならない、その増大するテンポといいますか、そういうものに悪影響のあるというような場合には、それは上げなきゃならぬ部分も、必ずあると思うのです。せんだって予算委員会で質問されたとき、私は最後まで筋だけの問題で、極力これを抑制いたしますと御答弁を申し上げましたが、私の気持としては、ほんとうにできるぎりぎりのところまで抑制をしていきたいと思って、まあかりに通産省が一つの計算を出されても、うちではまだ事務当局に頼んで計算をまたして、そうしてぎりぎりのところまで一つ研究してみたいと思っておりますけれども、確かに御指摘のような部分はあります。上げなきゃならぬ場合もあり得ると思います。
○栗山良夫君 私、これで質問を終わりますが、ですから、将来機会あるときに、これは国民の実生活とぴたっとくっついている問題ですから、物価の安定という言葉を、私は否定するわけじゃないことは、先ほど申し上げた通りで、けっこうなことなんですけれども、この内部の、もう少し各論のこまかい作業に基づいた、どういうのですか、説明というか、指導方針というか、要するに、そういうものを、ぜひ明らかにしてもらいたいと思う。そうしないと国民のまどうごときわめて大きいのですね、このままでは。そういうことをおやりになると、私の方が攻撃の材料が減るとか、そういう意味じゃなくて、真剣に一つ、お考え願いたい。
○吉田法晴君 物価が出ましたから、物価問題から始めて、二、三御質問申し上げたいと思います。 物価の抑制方針は、今も述べられ、先ほどの、午前中経済企画庁長官のあいさつの中にも入っておるわけですが、実際には、野菜だけでなくて、諸物価が上がって、政府で調べられた消費者物価指数では、少し上がりかけているけれども、大したことないと、こういう前臨時国会での答弁等もございました。実際には家計を調査してみますというと、標準家族で、これは東京、大阪等大都市においては、どこでも三、四千円の生計費の高騰を見ております。生活協同組合だとか、あるいは消費者団体連合会だとか、あるいはその所属団体の中の調査の一々は申し上げませんけれども、三、四千円くらいの生計費の高騰は、これははっきり出ております。その中の一つ一つについて、今栗山君等の御質疑がございましたが、こまかいものを取り上げてここで論議しようとは思わぬのですが、抑制方針というものが、先般の九月ですか、閣議できめられた物価対策あるいはあいさつの中にもありました消費物価対策連絡協議会で、この抑制あるいは適正価格の維持をしたいということですけれども、それがその通りいっておりません。いっておらぬという実績が、さっき野菜その他でも出たんですけれども、その他の物価についても出ておりますね。 それで協同組合によるあれは、それが独禁法違反になるかどうかということで公取委員会等を通じて一々検討をしているということですけれども、検討の及んでいないところもございます。ございますが、独占企業でやっておるところで物価の値上がりがあるものは、まあパンのごときは、あるいはこれは組合の関係もあると思いますけれども、大きな会社によります製パン。小麦の値段は下がっておるけれどもパンの値段は上がっている。それからバターのごときは、これはどういう理由で今出回っていないのか知りませんけれども、出回りがきわめて悪い。そういう独占企業でやっております中で、価格が上がっておるのがたくさんございます。 それから公共料金なども、その一つだろうと思いますが、電気を上げる、電気を九電で上げれば、東電も申請をする。通商局、公益事業局では新しい電源開発を推進するには、財政投融資だけではまかなえないから、上げなきゃならぬのだ、こういう意向で臨んでおる。いわば電力会社の言い分を聞いて上げるのではないか。ガスも上がる、あるいは水道料金さえ上がろうとしておる。こういうことで、いわば所得倍増計画の先走りが物価に出ているという状態が見えます。あるいは所得倍増計画の中でも、二重投資あるいは過剰投資等もあってその辺からも、今のような独占価格引き上げを伴えば、物価の値上がりは、それぞれの階層の所得の引き上げよりも先行するのではないかという心配をされる状態です。この物価対策あるいは閣議了解方針に対して実際にそれが行なわれておらぬ。そして物価、生計費等が上がろうとする方向に対して、どういう態度で臨もうとされるのか。先ほどのあいさつ、所信表明と違った方向が、実際には現われておるのではないか。こういう疑問に対しては、どういう対策で臨んでおられますか、基本的な点を一つ。
○国務大臣(迫水久常君) ちょっと数字がうろ覚えで恐縮なんですけれども、消費者物価指数というものは昨年の同期に比べて、たしか三%くらいの騰貴と思っています。個々の問題を全体的な感じから抑さえていって私は要するに頭の中には、消費者物価というものが、それを端緒にして、インフレーションに進行していくような、そういう心配を含んでいるような騰貴はしてない。そういう確信を持っておるのでありますが、いろいろ個々の問題、たとえば電力料金というような個々の問題については、これは、それぞれの立場で、いろいろ問題もありましょうけれども、全体の物価というものの全体を抑えていった感じというのは、私は、そう心配ない。それによって、私は今度の選挙で、そう言っては悪いのですけれども、社会党さんが、もう、ちょっとした小さいところを、全部に及ぶようなふうにおっしゃって、所得倍増計画が台なしになるようなことをおっしゃって閉口したんですけれども、決してそういうことにはならないと、私はそう思っております。
○吉田法晴君 過去の消費者物価の値上がりは、おっしゃる通り、そう心配をすることはない。ところが九月、特に十月以降の物価の値上がりが、いろんなものについて、生活必需品を含んで値上がりを見て、家計費を見ると、先ほど申し上げましたように、これは個々の各地の家計調査をここで引き合いに出すほど時間はございませんけれども、生計費は確かに上がっておる。大都会では三、四千円ぐらいの値上がりは、どこでも見られます。 そこで、結局物価は上がっておらぬ、あるいは社会党の言うように物価、生計費の値上がりは心配は要らぬと言われても、家庭の主婦は、おそらく奥さんに聞かれてもわかるだろうけれども、現実の生活に響いているものだから、そこで自民党の言われる物価抑制政策を含んで、所得倍増計画を進めるんだ、生産なりあるいは国民所得がふえれば、各階層の所得もふえるだろうというのは、信用ができないというのが選挙中の気分だったと思う。これは個々の品目、それからそれの生計費への影響等をこまかくここで述べて質問をする時間はないのですけれども、実際に生活費が上がっておる。標準生活費で大都会、あるいは地方の都市等で若干の差はありますけれども、大都市で三、四千円の物価の値上がりは見られる。それから町に出られたならば、経済企画庁長官は、料理屋ばかりに行って大衆食堂にお入りにならぬからわからぬですけれども、うどん食ったって、そば食ったって、中華そば食ったって、みな上がっておる。そういう閣議決定――了解ですか知りませんけれども、その方針通りにいっておらぬ点は、今後どうされるのか。
○国務大臣(迫水久常君) ちょっと、いっておらぬ点というのは、どういう点ですか。
○吉田法晴君 抑制措置を講ずると言われるけれども、抑制措置が実際に個々の品目、あるいはまた消費者価格について抑制せられないで上がりつつあるという事態に対してどうされるかということを聞いておるのです。
○国務大臣(迫水久常君) 物価対策の一番の大もとは何かといいますと、やっぱり卸売物価が上がらないようにするということが、消費者物価対策の一番の大もとだと思います。 たとえば原材料の卸売物価がどんどん上がり始めますというと、当然それは消費者物価にも影響してくるのですけれども、従って根本は、物価対策の根本というのは、通貨価値を安定してインフレーションにならないようにする。これが何よりも大もとだと思うので、この点については、私は現在のところ、将来も私は確信を持っておりますが、成功していると思っております。 あとは、先ほどから御説明している通り、生産性の向上によって、労働対価の高騰というものをまかない切れない部分が上がってくる。これはもう、当然労働の対価というものは上がっていくべき筋合いのものでありまして、それを安い賃金でやっておったことを、だんだんに事実上修正していく部分ですから、これはしようがない。これはある程度容認をしなくちゃならない。それが先ほどから申すように、不当に組合なら組合の申し合わせによって独占価格的に上がっていくようなものは、これはもう公取の法律、環境衛生の法律等によって法律的にも押さえていく。また社会的な一つの圧力もありますから、そうもいかぬと思いますし、それからまた便乗的に上がっていくものについては、個々のそれぞれの行政主管官庁の行政指導のやり方もありましょう。従って私ども経済企画庁としては、根本的には卸売物価が上がらないようにする。つまりインフレーションの起こらないようにしていく。そういう経済計画を立てて、それを推進していくというのが物価対策のあり方だと、こう思っております。
○吉田法晴君 基本的な通貨価値の維持、インフレーションが起こらぬようにと、それはまあわかるのですが、生産性と価値の問題は、生産性の向上に伴う労働の対価が、賃金が生産性の向上ほど上がっていないという点は、これは予算委員会でも指摘されたようです。それをどうするかという問題もあります。 それから卸売物価を押さえるという点、これはわかるのですが、生活必需物資について最近の値上がりを見ていると、卸売物価は上がらないでも、中間経費とか中間マージン等がふえながら消費価格が上ぶっておる。肉だとか――これは豚肉、牛肉ともに、そういう現象等が現われておる。それから独占価格、それから公共料金についても、みな上がる傾向にあるから、いわゆる景気のいい所得倍増計画の先買いではありませんけれども、どんどん物価が上がっておる。こういう状態にあるのが現状ではないかと思うのです。 そこで、一般的なことだけを言わずに、物価問題について九月三十日の閣議了解ですか、決定ですか知りませんが、そういう方針に沿わないで物価が上がっておる、その状態について、これはきめのこまかい物価対策というものをきめるということが――公共料金のことについてはあとで伺いますが――必要でないかと思うのですが、依然として筋だけの説明、一般的な方針だけしか伺っておりませんのですが、それでは、今の方針に反して物価が上がろうとする傾向を抑止することができないのではないか。
○国務大臣(迫水久常君) 基本的な感覚として、現在物価が上がる傾向にあるという判断は、私は当たらないのではないかと思っております。 全般的には、私どもが心配しますのは、物価がむしろ下がっていきはしないかということを、つまり卸売物価の関係において、下がっていきはしないかということを、むしろ心配するような状態だと思います。要するに消費者物価というものは、卸売物価にプラスある部分の労働の対価、労働対価の高騰が、たとえば問屋さんでも品物がよけい出ることによって吸収できればいいのですけれども、たとえば食料品の問屋さんのごときは、特によけいに人口のふえない限り伸びないのだというところが、どうしてもそれは上がってくると思いますけれども、その部分は、決して全体の物価体系というものをこわして、そうして国民生活を不安定にするような、いわゆるインフレ的な要素は決してその中には含まれない、こういうわけです。 従って具体的な問題としては、それぞれきめのこまかな対策を講ずるわけですけれども、現在経済企画庁の消費者物価対策協議会でも、八方に目を配って少しでもそういう傾向のあるものについては、各省と連絡して、きめのこまかいことを連絡しておるわけですから、個々の問題は、これはまた個々の問題として考えていかなければならぬと思います。
○吉田法晴君 時間がありませんから、個々の実例をあげて御質問するわけでありませんから、物価対策について物価対策連絡協議会の人に出てもらって、別の機会に……抽象的にやっていては、長官のお手元に資料がないようですから、水かけ論になりますから、別の機会に譲ります。 その中で、先ほどちょっと出ましたけれども、電力料金値上げの問題、これは先週委員会であったのですけれども、両大臣は出ていただけないで大堀公益事業局長を中心にして実は質疑をしたのですが、私どもは先国会の際に、これは物価問題についての閣議の方針を述べられたのだと思うのですけれども、公共料金については、できるだけ押える、こういう言明がございました。閣議決定の成文がないのですが、お聞きしたところによりますと、電気、ガス料金など、直接政府が介入できる物価は、極力上昇を抑える、こういうことになっておるようですが、公益事業同等の意見を聞いてみますと、極力上昇を抑さえるということよりも、開発資金その他経理面に圧力になっておる料金の問題は、今後の開発も考えて、ある程度の料金値上げはやむを得ない、こういう気持ちのようです。そうしてこの二十日に聴聞会があるそうですが、聴聞会を待たないで、これは通産省の方の御意思で決定されるものと思うのですけれども、漏れておる方からしますと、これは九州の地方紙ですが、九電の価上げ申請に対して、一三・二%も上げるという意図だと実は報ぜられておる。もっともこれは、閣議了解を得たわけではないし、この記事によりますと、政府あるいは自民党の意見は、ちっともここに書いてない。ところがこれを受け取りました新聞記者は、別のところですけれども、こういうことを書いている。「九電値上げの通産省案は一三パーセント強。池田低姿勢内閣の高物価施策?第一弾わが九州に命中か。」と、ですから、物価抑制政策、特に公共料金については、極力これを抑制するのだ、こういうことですけれども、実際の動きは、一七%の申請に対して一三%強の値上げ、池田低姿勢内閣の高物価政策の巨弾が、第一に九州に命中する、こういう批評を受けている。これは事務的の段階のことだと思うのでありますが、これについて、どういう工合に考えられますか。大臣から承りたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 就任早々でありまして、私もまだ、事務当局から詳細な説明を、実はまだ受けるいとまがないので、閉口しておるわけです。ただ電力の状況は、御案内でもございましょうが、九電力会社ができまして以来、約十カ年怒っておる。あの再編成の当時、水火力がわが国において、約九百万キロあった。ところが今日十カ年を経て、約二千万キロをそろそろオーバーしようとしておる状況であります。にもかかわらず、電力の需要はますます熾烈なものがありまして、これに対応して電力の供給を十分にしようということは、これはなかなか容易な問題じゃない、所得倍増計画で、今後十カ年の間にわれわれが見込んでおりますのは、やはりこれを二倍半、すなわち五千万キロの能力にしなければ追いつかないのじゃないか、かように考えるのであります。そういたしますと、水火力で毎年五百万キロの発送配電設備を整備しなければ追いつかないという状況でございます。 この大建設に対して、大体どういうふうに資金の供給はなっておるかと申しますと、三十五年度において三千四百億開発資金が必要であるということで、これをただいま実行中であります。そのうち政府資金として、主として開銀の窓口を通じ、あるいは電源開発に対して政府が直接投資をするものをも含めまして四分の一の八百億程度であります。で来年度、三十六年度におきましては、開発資金が大体四千億要るという予想でございまして、これに対する政府資金の供給は、必ずしも楽じゃない、開銀資金のいろいろな用途が、低開発地帯の開発促進等も、開発銀行の金融の一つの使命に加えられつつあるような状況でありまして、三十五年度の総資金に対する四分の一というようなことはあるいはむずかしいのじゃないかというようなことを私どもは心配しておるような状況でございまして、この新しい開発、建設という大きな問題を控えてさて一体、この料金問題はどういうふうに考えるか、あした聴聞会がございますので、十分にその状況も私は見たいと思うのであります。極力資金の効率をよくするために、建設あるいはその運営等におきまして、節約に節約を重ねるというように指導することはもちろんでありますが、やはり相当、資金を市中から吸収しなければならぬ、場合によっては外債も仰がなければならぬ、こういう状況にあることを一つ十分におくみ取りいただきたいと思うのであります。 それで九月三十日ですか、第一次池田内閣においての閣議申し合わせの公共料金の値上げは極力これを抑制するということにつきましては、私も全然同感でありまして、その方針をあくまで忠実に守っていきたいとは思うのでありますが、今申し上げたような大建設をして、いやしくも電力が不足なために所得倍増計画がいきつかえる、あるいは国民の日常生活に、いろんな御迷惑を与えるようなことのないようにしなければならぬということも考え合わせまして、明日の聴聞会あるいは国会における各位の御意見等も十分に参酌いたしまして、慎重に結論を出したい、かように考えております。
○吉田法晴君 大部分の説明は、先週公益事業局から聞いたお話と同じです。事務当局の説明を聞いて、あるいは資料に基づいて、そのままわれわれに答弁されるのじゃなくて、大臣として閣議申し合せの精神に従って公共料金、これを極力抑制したい、こういうのであるならば、閣僚らしい方針と抱負とを述べられるのが私は当然じゃないかと思う。土曜日の日でしたか、相当九州各県の議員が、あなたと経済企画庁長官列席のもとで、九州だけを日本一高い電力料金にすることについては強く反対の意思を表明したわけです。それからあるいは九州各県の代表等にも、おそらく会っておられると思う。そういう関係県民、あるいは九州の電灯料金を支払う県民、あるいは産業に壊滅的な打撃を受ける各産業界の意見を聞いて、政府としてはどうするのだ、今の公共料金は極力抑えるというためには、どうするのだという答弁があってしかるべきだと私は思うわけです。各県の陳情書あるいは請願書を見ましても、極力押えてもらいたいが、建設資金について必要なことは、これはわかる、従って財政投融資を含んで建設資金を国の責任で調達する部分を思い切ってふやして、その料金の値上げは阻止してもらいたい、こういう要望も出ているわけです。 ですから、上げなければならぬ会社が言う理由、あるいは事務当局もある程度査定をしたかもしれませんけれども、その事務当局段階での意見とかいうものを、そのままここへ映されるのでなくて、皆さんの御協力も得て、開発資金は財政資金で十二分にまかなうから料金を上げなくても済むようにしたい、こういう答弁を私はなされるのが、お二人の当然の答弁じゃないかと思うのですが、重ねて大臣らしい一つ答弁を求めます。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 吉田さんがさっき言われた、何か新聞に書いてあるという話でありますが、二三%強、こういう話は私は全然聞いてもおりませんし、またこういったような数にとらわれて最後の結論を出そうという気持は持っておりません。今申し上げたようにいろいろな各種の事情を考慮いたしまして、そうしてきわめて慎重に、しかもあまりだらだらおそくならぬように結論を出したい、かように考えております。
○吉田法晴君 開発資金を政府の責任で、先ほど財政のお話もありましたけれども、財政投融資の点については、なかなか四分の一はむずかしいのじゃないかという事務当局の見解をそのまま受け継ぐのじゃなくて開発資金については政府で責任を持ってまかなうから、電力料金は値上げをしなくてもよろしいようにしたい、こういう方針は出ないのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) できるだけ開発資金も、電力の問題が、もし全体の経済成長のネックになるというようなことになりますと、これはゆゆしい問題でありますから、かつてこれはわれわれも経験した苦い経験を持っておるのであります。そういうことのないように開発資金の点につきましても、優先的に主張したいとは思いますけれども、大体において、これは底がきまっておるのであります。きまっておりまするので、努力はいたしますが、必ずしも四分の一以上は絶対困難であろうというようなふうに固定したあきらめた観念をもってかかるのではございません。 しかし、きわめて来年度の開発資金については、思うように財政資金が伸びません。それへもってきて需要が非常に多いように思われますので、非常にこれも困難であるということを一つの事例として申し上げた。極力努力いたしましてできるだけ公共料金は上げないようにするという線に対して努力することは、これはもう申すまでもないことであります。
○吉田法晴君 四分の一以上はむずかしかろうという見込みはとって財政資金をふやし、公共料金を上げないように努力をしたい、こういう気持だけは、まあ了承しましたが、これは横に経済企画庁長官もおられますけれども、先ほど述べられた所信がほんとうならば、消費者物価の中での公共料金は、これは九州電力にとどまりません、あるいは東京電力にも影響するでしょう、あるいは水道料金だとか、ガスだとか、公共料金として一般的に影響するところが大きいだけに、ぜひ一つ公共料金は抑えるために、上げないように全力を尽くしたい、こういうことでお願いをしたいと思います。 もう一つ、ついでに申し上げますが、言われておるような、あるいは予測される一三%二というのは、根拠がない、そういうつもりはないというふうなお話ですけれども、従来事務当局の答弁では、幾らか上げなければならぬのではないか、あるいは上げることを前提にしてお話がなされている。そうすると日本一高い料金になる電灯料金を払っている県民にしましても、あるいは産業にしても、特に中小企業の中では五〇%に近い値上げ率になるところもあります。あるいは石炭についてはコスト・ダウンのために努力をせよと言いながら、その価格の引き下げの中で、トン当たり百円に近い値上がりをする。この前のときに、公益事務局長も、負荷率の調整、平均化に努力した、ところが負荷率調整金がなくなって、その努力が無にされ、一律に電力料金が上がるというようなことにならぬように努力しよう、こういうお話がございましたけれども、コスト・ダウンはせい、しかしそのコスト・アップになるような要素、施策をすることは間違いではないか、こういう主張に対しては、十二分にこれは考慮せられることと思いますが、公共料金を上げないという中に、九州が日本一の電力料を支払わなければならぬ理由はないじゃないか、あるいは九州の後進性をさらに固定化するような点は、施策はすべきでないじゃないかということで、先般両大臣に陳情いたしました九州関係議員の強い主張は、十二分に一つ生かされるように御配慮願いたいということを希望として申しておきます。 経済企画庁長官、あのときに、できるだけ努力をしましょうということのようでしたが、公式に御答弁をされておきたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 私努力すること、もちろんでありまして、たびたびそういうことは申し上げているのでありますが、ただ低開発地域で後進地域であるから、会社の経理、あるいは将来の電力供給の拡大、そういうようなことまで、もう一切犠牲にしても、とにかく後進地域だから下げなくちゃいけないという理屈は私は成り立たないのじゃないかということを、ひそかに考えて後進地域開発は開発として、これは別に、別にといっては語弊がありますけれども、その観点から、一つの方策は講じていかなければならないのじゃないか。ただしこの、電力料金の問題は、できるだけ抑制する方向で努力したいと思います。
○吉田法晴君 時間があまりないようですから、要点だけお尋ねしておきたいと思います。ドル防衛については、これは別に時間を十分取って論議をしなければならぬ問題ではないかと思うのですが、質問を、予算委員会等でなされております質疑応答等を考えながら、質疑が落ちておる点について、一点だけお伺いをしておきたいと思います。 それはICA資金の削除については、特に質疑がなされておりますが、家族の引き揚げは、これは来年の一月から始まる問題ですが、これは六、七千ドルという点も出てくる。ところが特に今後アメリカの輸出の増大、あるいは輸入の抑制という点が起こって参りますと、日本の経済援助の肩がわりもございますが、東南アジアその他の貿易の面での影響、これはヨーロッペ地域についても、景気政策の而に輸出の増大等の努力が行なわれ、東南アジア等においては、貿易の激しい競争が起こって参る。貿易の面での影響あるいは経済援助の面での影響というのを、どういう工合に考えておられますか、その点についてお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 抽象的に考えて、そういうような影響が起こる場合があり得るということは、もちろんこれは考えていますけれども、それは具体的にどのくらいな、どういう程度で出てくるかということは、率直に言って私も皆目見当がついておりません。これはむしろ来年の初めに、ケネディ新大統領が就任してから、新しい米国政府が政策を打ち出してくるであろうと思いますから、根本的には日本の産業の国際競争力というものを、できるだけ強化していくという方向の方針をとっていくことにあることは、これは申すまでもないことですが、具体的にどういうふうな対策をとるか、その問題については、見当がつかぬのはけしからぬじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、実際だれも見当がつかないのじゃないかと思っているのです。十分に警戒しつつ、今向こうの出方を見ているということです。
○吉田法晴君 このICA資金の削除その他から、たとえば肥料だとか、あるいはセメントだとか、そういうものについては、これはケネディ内閣にならなくてもすぐ現われてくるのではないかと思われるのですが、資料でもけっこうです、通産省等で影響のある分野、それから影響の程度等について、試算をされている、試算をしようという試みがありますかどうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ICAの域外調達資金全体で最近日本に買いつけているものは、一億ちょっとかと思います。そのうち最も影響のあるのは、肥料とセメント、こういうふうに考えておりますが、その影響の現われて参りますのは、大体既契約その他いろいろな諸準備をしたものについては、これは認めてしからざるものから始めるということになりますから、三十六年度の後半期において、ぼつぼつこの影響が現われてくるのじゃないか。 そうして肥料につきましては、南朝鮮、それから台湾等がおもでございまして、それからICAの域外調達の全部が三千万ドルぐらいと記憶しておりますが、全部影響をまるまるこうむって参れば、三十六年度以降においてその金額の調達が削除されるということになるのであります。しかしアメリカの肥料の状況から見まして、はたして輸出余力があるかどうかというような点も現状においては、これはどうも余力があるとも考えられない。従来あまり肥料は海外へ出しておらぬ、こういうような状況でございますから、まるまる一体これを日本が全部の影響をかぶるということになるかどうかということもございますが、そういったような程度でございます。肥料業界は、御承知の通りあまり工合よくありません。不調でございますから、これらの影響がもしあるということになりますれば、肥料業界にとっては、これは決して軽い問題ではない。 それからセメントでございますが、たしかセメントの全体の生産が二千万トン余りのうちで、百五十万トン余りが輸出されております。そのうちの四分の一がICAの関係でありますから、セメント業界にとってはそう、影響はございますけれども肥料ほど痛い影響ではないと考えるのでありますが、このセメントの域外調達も、全部はたして米国のものにかわるかどうかというような点も、もう少し吟味してみないと結論が出ません。そういうような状況でございます。
○吉田法晴君 経済協力基金に関連しては、別にもう聞かざるを得ない実情になってきましたから、別に伺いますが、ただドル防衛からするアメリカの経済援助の肩がわりという点は、今後予想されるところですが、経済援助の肩がわりについてどういう工合に考えておられるか。それから経済協力基金との関係をどの程度に考えておられるのか、その点だけ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) アメリカからドル防衛に伴いまして、経済協力の肩がわりを、どの程度要求してくるかということについては、まあ要求してくるのか、あるいはきた場合には、どの程度かというようなことは検討がまだ実は現在ついておりません。 従いまして、それに具体的にお答えすることはできないわけですが、アメリカから肩がわりを要求されても、それが日本のためになり、しかも同時に相手方のためになり、しかも日本の分に応じているという独自の判断でやらなきゃならぬものと思っております。アメリカからいわれたから、ああそうですがといって、すぐいくというわけにはもちろん参りません。そうしてこの海外経済協力基金というものがアメリカの国際協力の肩がわりの機関として考えられているのでは決してないのですが、ただ、そういうような場合、経済協力というものを日本独自の判断でやった方がいいと考えた場合、この基金を使うということは、それはあり得ると思いますが、ただアメリカの要求による、ドル防衛に伴うアメリカの要求による経済援助肩がわりの円題と直接の関連を持ってお考え下さることは、全く必要はありません。
○吉田法晴君 石炭問題についても御質問をしたいのですが、同僚阿具根委員から質問があるということですから、私が質問をしたいことは関連でやらしていただきます。
○阿具根登君 先ほどの吉田委員の質問に関連して、ちょっと電力問題で御質問申し上げたいと思います。 あるいは前委員会でお聞きになったかもしれませんが、ただいま調べてみたんですが、今はございませんですが、昭和二十九年度までは燃料費が五%でしたか、そこまで下がった場合には、電気料金は値下げするのだ、こういう法律まであったわけなんですよ。それが二十九年度の値上げに、これは廃止になったと思うのです。そういうのが根本に流れておりながら、今度の石炭政策によって石炭の値下げを強力にやられた。さらにきょうの通産大臣の所信表明を聞いてみましても、低廉なエネルギーを豊富に供給するということがうたわれておるわけです。 そうすると、いただきました資料を見てみますと、これは相当な燃料費の値下がりになっておる。石炭でも今トン当たり五百円だと私は思っております。五百円も値下がりになっておる。そういうことをやっても、電気代の値上げをしなければできぬ。この資料を見てみますと、九州が産炭地でもございますので燃料費は一番安いのです。一九・五%になっております。これが七、八年前までは三七%から四五%も上がったことがある。それでそれが約半分以下に今日下がってきておる。これが値上げをしなければならないとするならばですよ、それなら他の関西、中国、四国あるいは東北、東京、こういうところ、これは当然値上げしてくると思うのです。そうなりますと、わざわざ原料を下げて、そうして製品を安くするという基本方針が、原料は安くなったけれども、逆に製品は高くなった、こういうことになってきやしないか、こう思うわなけんです。 それで先ほどの質問の関連ですから、結論だけ申し上げますと、もうすでに両大臣の腹の中には、これは値上げしなければできぬのだというのが基礎になっておる。だから慎重にという言葉になっているとするならば、もうすでに、どのくらいだということを考えられているし、石炭の値段がいかに下がっても、重油がいかに下がっても、この水力発電その他に要る資本費のために値段を上げるのだ、こういう結論しか出ないと思うのですが、そういう点については、いかがでしょうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 先ほど申し上げました通り、まだ十分に私もこまかな数字を当たっておらない状況でございますが、ただ、燃料費がどれぐらい下がっておりますかしれませんが、電力料金の問題に非常に大きな影響を与えるのは、何といっても巨大な資本を固定させるということからくる資本費の問題が非常に大きいのです。まあそれらの点を十分に考案をいたしまして、そうして結論を得たいと、かように考えております。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
○阿具根登君 それでは蒸し返しませんが、先ほど申し上げましたように、電力料金の値上げは、燃料費にあるということで、燃料費の五%上下について、電気料金の上下まで論議されてきた、二十九年まで……。今日は、燃料費でなくて資本費のために値上げするのだ、こういうことなんですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 資本費のために値上げするのだと、そう言い切ったわけでもございませんが、とにかく電気料金に、非常に大きな影響を持つものは資本費であるということだけを御了承願いたいと思います。
○阿具根登君 蒸し返しになりますから次に移りますが、そういたしますと、けさの所信表明の中で、特に石炭問題にも触れておられますが、今後、今の電力に対して、石炭は年間どのくらい使うお考えですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 三十八年度におきまして千八百万トン、四十二年度に至って二千万トンを使用したいという、これは電力側の申し出でございますが、これは、まだ未検討のままでございます。御参考までに申し上げます。
○阿具根登君 年間、石炭は五千五百万トンときまっていると思うのですが、間違いないですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) さようでございます。
○阿具根登君 そういたしますと、けさの新聞をごらんになったと思いますが、五千五百万トンの石炭を今日出したとしても、電力会社は二千万トンの石炭も受け取ってくれないと、そうすれば一千万トン残るということがいわれているのです。もう少し小さく申し上げますと、大手で三千七百万トン、中小で一千八百万トン、五千五百万トン政府の要請通り出すことになっておる。ところが三十八年度でさえも千八百万トン程度しか使わぬという、電力会社がいっておるということを今言っておられる。現在二千万トン使ってもらっても、一千万トンの石炭は余るのだということがいわれておるわけです。そうすると、一体どこで石炭を五千五百万トン使うつもりですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 新聞の数字は、実はわれわれと何ら関係がないので、根拠がない数字でございます。
○阿具根登君 新聞で根拠がないとおっしやるけれども、新聞記者の責任じゃないのですよ、これは石炭会社の人たちが今日まで交渉した結果を発表しているのです。新聞の責任任じゃないのですよ、新聞の責任じゃない。これは業者がそう言って、五千五百万トン出したならば、一千万トン余るじゃないかということを言っておるわけなんですよ。
○説明員(今井博君) けさの「日本経済」に出ておりました数字の問題につきまして、私からちょっとお答えいたします。 あれは、どういう試算で出たのか、実は私ども出所も存じませんが、現在電力側から、先ほど来大臣がお答えになりましたように、三十八年度千八百万トン、四十二年度二千万トンという提示がございます。 しかし石炭側としては、これでは自信がないので、もう少し引き取り量を多くしてくれぬかという要望を持っておりまして、どの程度要望するかについては、目下検討しております。、 それから、この二千万トン、千八百万トンという数字は、これは大体九電力だけの数字でございまして、このほかに常磐火力であるとか、あるいは住友の火力、あるいは今度方針を決定いたしました産炭地の火力の石炭であるとか、こういった問題は、実はこれ以外の数字でございまして、そういう問題を含めて考えなければいかぬという問題が一つあります。それから、電力以外にセメント業界、これは相当大目の消費でございましてこれの数字も現在まだ両業界の方に話し合いをいたしております。 それからこれに関連いたしまして、実は通産省の中で最近エネルギー協議会という委員会を設けまして、業界のそういう長期取引の態勢と相呼応して、役所の方でも相談して、いろいろ内面指導を、行ないたいと考えておるのであります。 そういうことで、これからその数字を固めていく段階でございますので、今日、新聞に出ておりました「日本経済」の数字は、ちょっとわれわれとしては了承しかねる数字がだいぶ出ておりました。いずれまたもう少し検討しましてから御連結いたしたいと思います。
○阿具根登君 そうしますと、今後十年間、毎年五千五百万トン平均の石炭を使うということが経済企画庁から出され、これは閣議でも認められておるものと思うのです。そういたしますと、その五千五百万トンは、一体電力で、どのくらい三十人年度は使うのですか。
○説明員(今井博君) 三十五年度が約千六百万トンちょつと欠けるかと思います。三十六年度はこれに対しまして約百万トンくらいは増加する。三十八年までは大体百万トンずつ増加する、こういうふうにお考え願いたいと思います。
○阿具根登君 重油専焼ボイラーが現在三十八年度まで規制されておるが、聞くところによりますと、もうすでにそれを見越して、ほとんどの工事は、専焼ボイラーになっておると聞いておりますが、その詳細がおわかりだったらお知らせ願います。
○説明員(今井博君) 重油専焼火力の計画は、現在九電力でおっしやるように、いろいろ進めてございますが、しかし従来やはり、石炭でやるという計画でやっておりました石炭専焼火力は、やはり従来通り、そういう計画をいたしておるのが、一、二、これは例外はございますが、従来通りの計画でございまして、以後非常にふえる。電力需要が予想よりもふえる。その分について重油専焼で補いたい。こういう計画のように聞いております。
○阿具根登君 さらにこの価格の問題で、政府の指示によって千二百円コスト・ダウンするために、今日まで三万九千名の人々が職場を追われているわけです。あと七万名の人が、三十八年までに追われるわけですね。かりに、そのために千二百円下がったから、石炭工業はこれで安定だと、千二百円も下げたから、電力代も、これだけ下がりましたと、国民全般の経済に対して、これだけ貢献しましたということになれば、私はまた一応考えざるを得ないところがあると思うのです。 ところが今度は、通産行政の指導によってそれだけの犠牲をしいたけれども、今度はもっと重油は下がってくる、そうして千二百円下げても、重油と太刀打ちは絶対石灰はできないということは、われわれもとうに叫んできたことですよ、現実問題として。石炭会社が今ごろになって気づいて、一生懸命になって騒いでいるのですが、この対策は、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 非常に石炭業界に痛い目を忍んでいただいて、千二百円の値下げをする。ところが重油の値下がりが、意外にもっとはなはだしいというような事態に当面した場合に、一体どうするかというお話でございますが、これにつきましては、われわれといたしましては、十分に、責任を持って、石炭業界を守らなければならない。その方法といたしましては、大口消費者との間に、一つの協議会を作りまして、そうして彼らの十分な納得を得てそうしてあくまでこの重油の値下がりに対抗して、石炭産業を守るという方法をとりたい、かように考えている次第であります。
○阿具根登君 もうそういう抽象的なことをお聞きしても、現実問題はもっと苦しいので、逆に皮肉なことには、これはもう政府の言われている通り聞いておったのでは、これはやっていけぬというところで、石炭業者自身が、油にどんどん手を出していっている。三井にしろ、三菱にしろ、あるいは北炭、そういうところは、ほとんど油の方に手を出してきたというこの現実一は、一体どういうふうにお考えになっているか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) つまりどの程度準備態勢を整えているか、私もまだ詳しく存じませんが、情勢の推移に従って、多角経常をやって、その打撃を幾らかでも軽減しようという態勢を整えつつあるものと考えられるのでありますが、これをやめいというわけには参りません。いずれにいたしましても、そういうみずから次分の企業を守るというものについては、これはそのままにいたしまして、そういう態勢を整え得ないものも、業界に相当あるのでありますから、それらの企業を中心として、あくまでこの重油値下がりについての不測の損害をこうむらないように守りたいと、かように考えるわけであります。
○阿具根登君 その理論は、少しおかしいのじゃないですか。こういう日本の国内産業が、大部分外国の資本に仰ぎ、外国から輸入を仰ぐ油に押されてきている。その場合石炭に対しても、放漫なことは許さぬぞという過酢な指示をしたならば、それを守る義務があると私は思うのです。それも守ることをせずに、自由経済だから、それは安い方が売れますよというような、放任したやり方をするから、今度はみずからが油に手を出すということになってくるならば、今後通産省が、他の油を使用している企業に対して規制をされるとか、国内産業を守るという立場から、あるいはあらゆる政策をされる場合に、一般産業の人が聞きますか。石炭自身が、油に投資をしていった場合に、一体石炭というものは、もう捨ててしまったのか。たとえば電力は電力会社、あるいはガスならガス会社に、石炭を使え、国策としてこれだけの石炭を使ってもらいたいというようなことになってきている。石炭業者自体が油に手を出しておった場合に、それが私は聞けるかと思うのです。そういう放漫にされておるから、私は石炭というものが非常な苦境な今日に立ち至っておると、かように思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) かりに石炭業に携わっておるところで油に手を出さなくとも、これは重油の方面に手を出すものがふえてくることは、これはどうも防ぎ得ないと思うのであります。で、むしろ石炭業に対する打撲を軽減する意味において、これを兼業するというような場合は、これはやむを得ない。その業界の打撃を緩和する意味においてむしろこれは奨励ということでもございませんけれども、これはいかんともいたしがたいと思うのであります。 ただ、その場合に、そろばん上の解決はつくけれども、石炭産業に従事しておる従業員のその犠牲において云々ということになりますと、これは非常に大きな問題でもございますから、そういう点は、兼業――油の方に手を出す出さぬにかかわらず、この従業員の福祉はどこまでも守るという点まで日を届かしてそして打撃が少しでも及ばないようにするという心がまえを持って指導したいと考えておるのであります。
○阿具根登君 大臣と私の考え方が、だいぶ違っておって、大臣は商売人の立場からものを言っておられると思うのです。私は、そういう立場であなたに質問しているのじゃないのだ。あなたは日本の経済の責任者として、商工大臣として石炭政策、エネルギー政策に対してどういうお考えをお持ちになっておるかを――現実はこうなっておりますよということを言っておるのに、あなたは業者の止揚に立って答弁をされておるように私は思うのです。もうかる方にいって、損するのをカバーするのだ、これは商売人の言う言葉なんです。 だから、日本のエネルギー全般から見た場合に、あなたがここに言っておられるように、日本の経済が二倍に伸びるならば鉱工業は三倍以上に伸びなければならぬ、そのためには低廉なエネルギーを豊富にやらねばならぬ、こう言っておられる。その一環として千二百円コスト・ダウンして石炭を出してくれと言っておられる。しかもそれは国内産業である。その国内産業が非常な苦しい立場に、みずから追いやられておるというときに立ち至って、政府はどう対処すべきであるか。五千五百万トンなら五千五百万トンの石炭に汗して、どこまで責任をお持ちですか。あなた方が責任を持たないから、炭鉱業自体が油に手を出していったならば、今後あなた方が、今度これは大へんだというときには、一体どうなるかという私は高い政治責任の立場から、あなたに質問しているのですけれども、あなたは、石炭のことを言えば、石炭業者代表になってみたり、油ことを質問すれば、油の業者代表になってみて、安いからもうかるから、そうするのだと、そういうふうな感覚で、私はものを言ってもらいたくないと思うのです。だからそういう――これは政府がきめた政策なんですよ。その政策が、こうしてくずれてきておるではありませんか。それなら一体、どうしますかという質問が私の根本になっておるのですから、そういう立場で御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 結局五千五百万トンのラインは、これを堅持いたしまして、そうして当初の方針通り電力会社その他にこれを使わせるように指導する。ただ油の方も兼業するということを禁ずるというわけにはいかぬ。こういうことを申し上げておるだけです。
○阿具根登君 そこです。それでは、五千五百万トンの石炭は出ます。これは業界も言っておるように、出ます。さあ出たが、今度は油と競合して、そうしてこれが使えない。あるいは値段が折り合わないというような場合は、どういう政策をとって五千五百万トンをお守りになりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 先ほど申し上げたように、重油池の値下がりが意外に早いかもしらぬ。そういう場合には、石炭千二百円の引き下げでは足らぬのではないか、そういう場合には、どうするかというお話がございましたから、その問題については、たとえ予期以上に重油の値上がりがあっても、五千五百万トンのラインを堅持するように大口消費者との間に協議会を作ってそうして責任を持って、これを実行するようにいたします、こういうことを申しあげたのであります。
○阿具根登君 油の業者ですから、重油を下げる下げろと言われるならば、私のところでそれを原料にしてガスを作って、交いガスをガス会社に供給しましょう、こういうことを言っておるわけなんですよ、逆の方ではですね。一方では、石炭業者でさえも、このままいったなら、五千五百万トンの石炭を出したならば、これは貯炭の山になって、また苦しいから重油に手を伸ばしましょうということを言っておるわけなんですよ。現実は、あなたのおっしやるような楽ななんじゃないのです。 そうした場合に、たとえば油業者がガスを作るということは、これはちょっと待ってくれとか、あるいは石炭業者が油に手を出すのは待ってくれとか、そういうような何かの政策がなかったならば、あなたは大口業者に使え使えとおっしゃるけれども、おそらく電力方会社だって――これは今新聞でついているのは代任持たぬとおっしゃるけれども、これは電力会社の本音だと思うのですよ、私は。そうしたら、安い方を使え、こういうのに違いないのです。これだけ下がっても、電力の料金を上げますぞと強いことを言って、私はおそらく上がると思うのです。大臣がここで上げませんということを言い切らぬ以上は、上がると思うのです。そういう現実の中で、あなたのように、何も方策がなくて話し合いで使わせますと、そんななまぬるいものでは私はとても人はついてこぬと思うのです。何かそこについてくるだけのものをびしつと考えなければならぬ、私はこう思うのですがね。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 重油の輸入統制をやるという建前なら、これはもう何をかいわんやでありますが、とにかくしからざる限りにおいて、石炭業者以外のものが重油を入れて、そうしてこれに対抗するような方策が、もしとられるとすれば、これは防ぎようがない。同じことだと思うのです。 でありますから、どこまでも大口需要者に責任を負わして、そうして五千五百万トンのラインを堅持する、こういう構えでいくより仕方がないと私は思います。もしもこれ一歩を進めて、重油の輸入を抑制するというところまでゆくなら、あなたのおっしゃる通りやりますけれども、これはむしろ石炭業者にやってもらった方が、あるいは場合によっては、それのコントロールがきいていいのじゃないかというような気もいたしますが、これはまあしかし、必ずしも私はここで言い切るつもりはございませんけれども、とにかく石炭業者がやらなければ、だれかがやる。それを禁止することができない以上は、これはやむを得ざる策ではないか。だからどこまでも五千五百万トンのラインを堅持いたしましてそうして大口需要者に、犠牲を忍んでもこれを使ってもらう、使わせる、こういう指導をし、また為替自由化の問題が、これに関連してどうなりますかしりませんが、なかなか石油というものについては、これは自由化の実現現はむずかしいと思うのであります。その他いろいろの施策によって、かような方向に誘導するということ以外に、適当な方法はないと私どもは考えるのであります。何かそれよりいいお考えがあれば、それをとるにやぶさかではありません。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速託をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
○阿具根登君 大臣は、今言われましたように、石炭の五千五百万をどうしても使うんだ、しかし、重油の規制はできないんだと、こうおっしゃるなら、一体燃料政策は、どこにもっておられるのですか。エネルギーはどのくらい使うお考えですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ずっとその将来のことまで、私はここでお約束するわけに参りませんから、絶対に重油の規制というものはやるべきものじゃない、またやらないんだという建前を私がここで表明しているわけじゃございません。ただ、石炭業者がやらなければ、ほかの者がやるんだということになりますから、その場合において、特に石炭業者に対して、重油をいじくることはやめろと、こう言ってみたところが、大した効力がないんじゃないかと、こういうふうに考えるのでございますから、どこまでも、もとに返って、そして五千五百万トンの線を堅持する、こういうことを一つ、どこまでもかたくとりまして、そして、他の事情によって規制政策がとられるという場合には、これはもう石炭業者であろうと、ほかの者であろうと、これはできないんですから、そういうことを申し上げておるのであります。
○阿具根登君 石炭の五千五百万トンだけ言ったから、五千五百万トンだけで、あとは何ぼでも重油を使っておられるように思っておられるが、エネルギー対策を、そこで説明して下さい。 大体三十五年度どのくらいのエネルギーを使って、その中に石炭どのくらい、三十六年度はどのくらいだと、ちゃんと十年計画ができているはずです。十年評価のエネルギーは、どのくらい入っておるのか、そういうのを無視して、この場当たりの答弁をしてもらっちゃ困る。計画は、ちゃんとできているんです……。
○説明員(今井博君) エネルギー全体の問題を、簡単に私から御説明いたしますと、今度の所得倍増計画にからみまして、エネルギーの小委員会で出ました結論が答申になっておりますが、三十四年度の石炭の生産は、国内炭と輸入炭と合わせまして五千六百七十五万トンで、このうち、国内炭は四千七百八十八万トンでございます。これが四十五年度には、どういう比率になるかと申しますと、石炭が――この場合の三十四年度の比重は、全体のエネルギーの中で三七・八%ということになっております。国内炭だけをとりますと、三一・九%でございます。これが、四十五年度は、石炭全体でもって八千四百六十四万トンで、そのうち、国内精炭が五千五百万トン、輸入炭が二千五百六十四万トンでございます。エネルギー全体の比重は、石炭が二八・七%、国内炭だけとりますと一八%ということになっております。 それだけ絶対量はふえますが、相対的な比重から申しますと、それだけ石炭の比重が落ちまして、石油、電力等のエネルギーがふえる、こういう計画に相なっております。
○阿具根登君 そういたしますと、何かの形で規制しなければならないようになってくると思うんです。石炭は五千五百万トンと規制されたわけですね。石炭は頭打ち五千五百万トンと規制する。重油は野放しに規制しないんだ、石炭業者が買わなければ、だれかが買う。なんぼでも入ってくるのだと、そういう答弁にならないでしょう。総エネルギーの三七・八%なら三七・八%石炭は使うのだ。そうするなら、あと油はどのくらいと決まっておるはずだ。頭打ちがあるはずだ。だから、それを無制限にするのじゃなくて、そうして、頭打ちしなければならない時期がすでに来ておるのじゃないか。また、すぐ来るのじゃないか。中に国家というものがあるならば、規制しなければならないはずです。何でも野放しということはできないはずなんです。そうした場合に、数量を規制するのか、あるいは、値段において規制するのか、関税をかけるのか、消費税をかけるのか、いろいろな政策というものがあるはずなんですよ。ただ向こうから希望さえすれば入れるんだ、やるんだ、そういう無責任ななんじゃないはずなんです。 だから、これに対してどういう対策をお持ちですかと、こういうことを言っているわけなんですよ。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 自由化問題につきましては、石油の自由化ということは、なかなかこれは大問題でございますので、ただいまのところでは、これを自由化する、いつから自由化するというようなことは決めておりませんから、したがって、お説のとおり、為替の割当によって規制するということになるわけでございます。その間において関税あるいは消費税等をどういうふうに行なうかということにつきましては、今から予測するわけにも参りません。いろいろな情勢によって適宜考えていかなければならん問題だと思います。 いずれにいたしましても、これを野放しというような前提のもとには、ただいまのところでは考えておりません。
○阿具根登君 池田内閣の貿易自由化の発表では、たしか三年間かに決まっておったと思うんですが、そうじゃないですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 石油、石炭は、三年間の間にやるというのには入っておりません。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 三年間の間に約八割、正確に言うと七七%、その外に、石油は入っております。そうして、できたならやる、そのあとで……。それができますと、九割ということになります。
○栗山良夫君 食糧はどうなっていましたかね。食糧のパーセンテージはどうですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 食糧、つまり主食は、自由化いたしません。しないことになっております。最後の一〇%であります。
○阿具根登君 それでは次に進みますが、その次に「合理化を推進するとともに関係各省と協力して炭鉱離職者に対する援護措置を積極的に進める方針でございます。」ということを言われておるのでありますが、援護措置を、どういうふうにお考えになっているかお尋ねしたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 当初は、職場のあるところに移動して、そうして新しい職場につかせるという考え方であったのでありますが、それではとても実際に合わない。特に炭鉱労務者は、中年の人が多いのでありまして、家族を引き連れて遠隔の土地や、知らない土地に簡単に移動するわけには参らぬ。そこでどうしても居すわりのままで新しい職場につくようにしなければならぬ、こういうようなことで、炭鉱の住宅から通えるような所で、そうして新しい産業地帯を設定する資格条件を備えているような土地もございますので、そういうような方面に急速に公共事業を強化拡充、施行いたしまして、そうして新しい職場を提供する。さしあたりその公共事業の強化拡充ということに関連して職場を提供し、またそれができ上った後においては、次に新しい産業が誘致されるわけであります。そこにまた落ちつき先きを見つけることができる、こういうような点を一つ強化していく、こういう方針であります。 なおこれのみならず、その適格者が、遠隔の土地に行くことが、もしできるという人に対しては、そういうチャンスをのがさず、優先的に与えるようにするという意味において労働省が中心になって、広域の職場のあっせんの施策を講ずるということに相なっておるのでございます。その他、新しい職業訓練その他いろいろな施設を労働省が中心になって考えておる、こういう状況でございます。
○阿具根登君 あとのことは私も知っておりますが、前に非常にいいことを言われたので、これを一つ念を押して実現してもらいたいと思うのです。言われましたように、中年の職業は、職業補導をやっても、ほとんどありません。そういたしますと住宅はある、労働力はある、その場所に工場を誘致するのが一番いいことなんです。最初言われたその点につきまして、私は非常に敬意を表するのでございますが、それだけでは工場は集まらない。 御承知と思いますが、英国等ではその工場まで政府が建ててやっておる、そういうところは、いわゆる立地条件が政府の考えておる、あるいはそういう事業に携わる人が考えているように、好条件ではないわけです。住宅と労働者を得る、しかしそれが非常に港湾に近いところであったり、あるいは非常に便利のいいところであるということには限りません。炭鉱は、どこでも山にあると思わなければならないくらいへんぴなところにあるわけです。そうすると、そこに工場を持ってくるということは、言うだけはやすくして、なかなか金を出す人はいない。そうすると、大臣がそこまでお考え下さいますならば、政府が、そこに工場を誘致するためには、何らかの補助をしていただかなければならない。それはどういうふうにお考えを持っておられるか。政府が力を貸してやらなければ、たとえば英国のように建物を作る、機械も貸してやろう、そうしてそれが軌道に乗ったら何十年間に返す、こういうようになれば、家と人もおるので、企業も誘致できると思うのですが、ただ、そこに家と人間がおりますよ、ここに工場を作りなさいと言っても、これはできない、かけ声だけだ、だからその点を、はっきりお示し願いたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 外国の古例にも、非常に至れり尽せりの施設をやっているところがあるように聞いておりますが、お話の通り、放っておいて工場ができるものではございません。ただ単に道路をよくするとか、あるいは港湾をよくするというだけでは、なかなか確実に工場誘致ということは、できがたい場合が相当あると思います。 そこで、通産省の所管ではございませんけれども、すでに池田総理も、この工場誘致、新しい産業地帯の設定をして工場を誘致する上においては、税制上の措置も講じてやらなければならない、それから特に政府資金の融資も、長期低利にやることもやろうというような、これについては、相当力を入れるということをすでに公の席上において話していることでもございます。通産省といたしましては、こういったような問題を各所管省に働きかけまして、そうしてほんとうに工場誘致ができますように、今後とも万全の努力をしたいと考えております。
○阿具根登君 その問題ですが、そこまで御答弁お願いできたとするならば、今度はやはり、具体的に御明示を願いたいと思うのです。各省に御相談もあるかもしれませんが、これは各省ではなくても、大蔵省ぐらい相談してもらえば、労働省なんか喜んで飛びついてくると思うのです。だから産炭地のどこどこに、どれだけの労働者が失業している。また今後どれだけの失業者が出るのだということは、すぐわかるはずです。だから、そこには、どういう工業が持ってこられるのだ、どれだけの労働者が、そこで就業できるのだ、その工場誘致に対しては、今言われましたように資金のあっせんとか、あるいは低利、長期融資とかいうことがあるかもしれませんけれども、池田総理の言っておられるのは、産炭地、炭鉱の失業者とか駐留軍の失業者に対する考え方ではないのです。池田さんの言っておられるのは、いわゆる所得倍増になって、その倍増に貫いていかれるようなところに、そういうことをしたい、こういうことで言っておられるわけで、極端に今出ている、今の問題を言っているわけではないのです。
○説明員(今井博君) 私から、具体的な問題でございますのでお答えいたします。 ただいま大臣が御答弁になりました問題につきましては、考え方としましては、やはり産炭地に工場を誘致して、これでもって雇用の吸収並びに需要の確保をはかるということが、石炭問題解決の一番根本的な筋である。こう考えまして、実は産炭地に工場をどうして誘致したらいいかという問題について検討を進めて参りまして、来年度は、一応予算を大蔵省の方に提出いたします。 それの非常なアウトラインだけを簡単に申し上げますと、北九州の苅田、裏門司、若松、こういうところに、現在工場の埋立地として非常に適当なところがございますので、そこに財政資金を投じて埋め立てを促進していく、あるいはそれに関連して、いろいろ道路の問題、工業用水の問題等もございますので、それをもあわせてやる計画を今作って折衝いたしております。これは北九州は、御承知のように水の問題が非常な難点でございますので、工業用水の問題をあわせ解決すれば、別にそう大きな補助をしなくても、現在の日本の状況からみますと、相当工場というのは、希望者がある、こう考えております。
○阿具根登君 非常にけっこうなお考えですけれども、まあ十一万からの労働者のうちの大体過半数はあそこにおると思うのですが、これではできないから何かほかにこういう考え方を持っておられますか。
○説明員(今井博君) このほかにまあ産炭地の振興対策ということを考えまして、このほかにまあ雇用の吸収をもっぱらねらいまして、鉱害復旧の促進というものをあわせ考えなきゃいかぬ、こう考えておりまして、来年度は鉱害復旧の促進について、従来よりはもう一歩前進したい、こういうふうに寄り寄り相談しております。それからさっきちょっと大臣の御答弁にもございましたように、消費地では石炭が油に対抗することは、やはりおっしゃるようになかなかむずかしい問題がございます。しかし産炭地においてはこれは十分油と対抗できる、これがやはりヨーロッパと日本と事情が違うところでございまして、日本としては産炭地に工場を持ち、産炭地に電力を起こすという考え方をとらなきゃいかぬ、こう考えまして、重油専焼火力の問題等との関連におきまして、産地に一つ大規模な低品位炭の火力を作るということで、これは通産省としては方針を決定いたしました。来年度これの具体化の一歩を踏み出したいと考えて、今公益事業局と折衝いたしております。それによってやはり石炭を電気にかえて石炭の需要を促進する、そういうことがやはり産炭地の振興の一助にもなるのじゃないか、こういうふうに考えております。
○阿具根登君 私どもも相当な問題を出して、通産省にも御検討を願っておるのですが、今言われたようものも非常にけっこうだと思いますし、若松、苅田、裏門司等の問題もありますが、現実問題として、これはもう失業者が出て、中年以降の人は非常に困っておる。出た失業者は労働省の責任でございますが、出した責任は通産省が持たなければいかぬわけです。通産省がそういうものが出ないような政策をやってくれるならば、労働者は今のような苦しい目に会う必要はないのです。実際中年以降の人は現在仕事がない。だからこの中の一つでも、来年度からでも着手ができるように一つ極力御努力をお願いしておきます。
○吉田法晴君 ちょっと関連して。産炭地振興方策と、まあ産業立地条件の整備ということで来年度予算に要求をしております。その事例として、北九州、苅田、若松、裏門司等があがりましたが、産炭地振興方策というものが打ち出されたのはずっと前の話です。前の大臣の郷土入りをしなさったときに大きく新聞談話として発表された。私はあのときに、あの構想について通産省が知らぬはずはない、こう思っておったのですが、今伺ってみると、何か選挙前の、いわば選挙政策、選挙看板でしがなかったような感じがするのです。北九州、苅田、若松、裏門司等の工場用地造成は今始まっているのじゃない。すでに始まって、水の問題が宿題になっておるのですが、そうじゃなくて、筑豊の山田のごときはもうすでに大部分が炭鉱がなくなり、そして市が村になろうかというような情勢にさえある。その筑豊なりあるいは老朽化した炭田のかわりを見つけるということ、あるいはそこで産炭地振興方策を講ずるというのはこれからの問題じゃなくて焦盾の急務なんです。そうしてその焦盾の急務の際に産炭地振興方策が打ち立てられたならば、それは通産省だけではなくして、企画庁についても、あるいは大蔵省についても、あるいは建設省等についてもすでに協議済みで、次の国会にはおそらく出るだろうと私は思っておったところが、予算要求がしてあるだけで、産炭地振興方策についての具体的な法律案が出ないのではないかという心配があるのですが、裏門司だとか、あるいは苅田、若松等の産炭地振興方策もけっこうですけれども、もっと、とにかく筑豊の中で具体的にこうするのだ、こういう産炭地振興方策がすでにでき上がって、法案も用意をされ、予算の裏づけもあって次の国会に出される、こういう段階にきておらなければならぬと思うのです、今までのあれからいうと。それには少しまだ具体性がないように思うのですが、もう少し具体案を出し得る段階にまだ達していないのですか、あるいは法律案でも出すだけの段階に到達していないのですか。 それから低品位炭の火力発電という点は前から論議をされて、苅田のほかは筑豊でも作るということで、協調融資ですか、あるいは電力会社と炭鉱会社の協認で出発をするようですけれども、産炭地に工場を誘致するという点からいうと、立地条件、産業誘致をする立地条件を筑豊に作り、その具体案ができ、そうして低品位炭の火力発電だけでなくて、あるいはガス化にしても、あるいは一部が実行に移っておりますけれども、坑内ガスを引っぱって化学工業業を興すと、これはまあ若松のガスが一部、水も引かれて、行なわれておりますけれども、そういう具体案を筑豊の中でとにかく検討をして、そうしてそういう具体案と、それからこれに伴います道路だとか水だとか、そういう実際に産業が興せるような立地を作る。これを含んで、イギリスの例も出ましたけれども、新しい産業、新しい工業地帯あるいは新しい住宅地域を作る、こういうことでなければ、実際の間に合わぬと思うのです。少し具体化がおそいのじゃないですか。もう少し馬力をかけて、この次の国会ぐらいには出せるように一つ願いたいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(今井博君) おっしゃるように、結論から申しますと、筑豊地区でもっと広範な産炭地振興を考えたらどうかという質問に対しましては、結論から申しますと、まだ具体的な成案がございませんし、まだそういう法案を提出するという段階にも至っておりません。これは実はわれわれも九州へ二度ほど参りまして、現地の人とのいろいろお話も聞きました。何か名案がないかということでいろいろ今日まで研究いたして参ったのでありますが、現在までのところはそういう段階で、非常に残念ながらまだ研究未熟でございます。しかし、これは先ほど申しましたのは、土地の造成その他を一つの問題として提案いたしました次第でございまして、われわれとしては、できるならば、これは産炭地振興事業団というふうなものを作って、もっと広範な産炭地振興の方策を実は取り上げていく。これはたとえば炭鉱機械の下請工場がたくさんございますし、これをどういうふうに処置し、どういうふうに工業と結びつけたらいいかという問題等もございます。あるいは遠賀川の水をきれいにするという問題、これは汚水処理の問題として前々から議論になっておりますが、これはやはりフランスで現在やっておりますように、パイブで石炭を輸送いたしまして、これを微粉炭をとり、さらに普通の精炭も水力輸送いたしまして、これを発電事業に結びつけるということも実は研究しておるのでございますが、まだ具体化するという段階には至っていないというこ、で、非常に残念でございます。ただ遠賀川の汚水処理の問題は、実は先ほど申しました土地造成の問題と合わせる実は一応計画として考えまして、予算を要求いたしておりますが、これとても実は相当根本的にもっといろいろ調査研究しなければならぬ問題が多々ございますので、やはりこれからできるだけいろいろ皆さんの御意見を承り、総知を集めまして、自信のあるそういう計画を作りたい、いま少しの時間をおかし願いたいと思います。
○吉田法晴君 まあ遠賀川の汚水処理も含んで産炭地振興政策という一般的な方針はずっと前に出たけれども、しかしその具体化が、北九州なりあるいは苅田等を含んで産業立地条件としては予算要求衣伴って具体化しようとしているけれども、筑豊地帯に工場を誘致する、あるいは工場地帯を作る等の具体策を含んでおらぬようです。ですから、今の御答弁は、いわば一般的な方針、あるいは事務局段階での希望の程度にとどまって、省議、閣議まではきておらぬ。総理大臣の発言もあるけれども、それは筑豊なりあるいは産炭地振興の具体策としては少し的がはずれているといいますか、少しはみ出している。こういう点からいって、大臣としてこれを取り上げて具体化する構想を政府の責任において進めなければならぬと思うのですが、大臣のとにかく今述べられた、あるいは私どもも述べましたけれども、方策を具体化する一つの決意を承りたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) まだどうも研究不十分でございまして、ただお考えの方向はまことに同感でございます。そういう方向に従って具体的な研究を進めたいと思っております。
○阿具根登君 時間がないので私もこれでやめますが、この問題は政府の政策によってこういう失業者が出てきたということを一つお忘れにならぬように願いたい。そうすると、通産省の仕事としては、こういうのをやる場合に、失業者が出て失業者をどうするかということでなくて、こういう政策を立てれば失業者が出るということはわかっているから、その政策を立てるときには反対の政策を持っておらねばならないはずなんです。これは諸外国御勉強になっておわかりになっておると思うのですれども、諸外国ではちゃんと、失業者を出す場合にはどうしなければならぬということがはっきりできておる。こういう点も十分お考えになりませんと、所得倍増ばかり一枚看板で、池田さんの言うことばかり言っておられても、その陰にはその日食えない人がたくさん出てきておる。こういうみじめな状態じゃ、所得倍増なんて叫んでも何もならぬ。一部の人はよくなるかもしれません。ゴルフ場ほどんどんふえるでしょう。ゴルフをやって遊ぶ連中もおるでしょう、金をたくさん出して。ところがその陰に恵まれない人がその犠牲になって出てきておるということを政治家として忘れてはならぬと思う。特に通産行政におられる大臣としては、私は一ぺん石炭地帯でも見てこられた方がいいんじゃないかと思うのです。これはだれの責任かということをお考え願いたいと思う。ただ、今失業者が出ているからどうするということでなくて、もっと積極的にやっていただかねば、私はどんないい政策を看板に掲げられても、実際の下層階級の人たちは決して皆さんの政策へ喜んでついてきません。その点特にお願いしておきます。
○阿部竹松君 だいぶおそくなりましたが、大臣に一つ、二つお尋ねしておきたいと思います。なお、公益事業局長さんかどなたかおいでになっておりますか……。 それではお尋ねいたしますが、電気料金のことでさいぜんまでいろいろと論議しておったが、何だかしり切れトンボのようになったので、二つ、三つ手続に関してお尋ねしてみたいと思います。通商産業大臣にお尋ねするわけですが、大臣の行政措置で値上げを認めることができる、まあこのようではないでしょうけれども、平易な言葉で申し上げるとそのようなことになるわけでしょうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 公共料金の問題については、きわめて事が重大であるから、閣議の了解を得て措置をしていく、こういう注文が前から出ておるようでございます。それで大体専管事項でございますけれども、閥議の了解を得てきめたいと考えております。
○阿部竹松君 そうしますと公共事業会ですか、電気事業法の三十四条か五条か、そのあたりはっきり知りませんけれども、その条項の中に、これも平易な言葉で申し上げると、かかっただけの実費は大臣が認めて料金としてきめることができる。これは文章はこのようにできておらぬかもしれませんけれども、内容はそういうようになっていると記憶しておりますが。
○国務大臣(椎名悦三郎君) お話の通りであります。
○阿部竹松君 そうしますと、閣議に諮って大臣がきめることですから、われわれとやかく言う筋合いのものでは表町上はないわけですが、やはり一国の基幹産業であるし、経済界に及ぼす影響も甚大であるというところから、権限外であるかどうかは抜きにして、やはり国会でいつも問題になるわけですが、そこで、たまたま思い出したのは、今より四年前から三年前にかけてだと思うのですが、北陸電気と東北電気ですね、東北、電力株式会社、ここの会社で、小さい端数は別といたしまして、二二%と二三%の電気料金の値上げ申請を時の通商産業省にしたことがあるわけです。そのときに通産省の結論が、小出さんという今経済企画庁あたりに行っておられる人で、当時の局長だと記憶しているが、一四%という仕上げの結論を通商帝業省として出した。そこで、一方は一七%という数字を出して持ってきたわけです。どっちが正しいのですか、こう言ったところが、どっちも正しい、こういうような話でした。これは当時の速記録をひもといて見ればわかるわけですが、一七%なら一七%、これは通産省として正しいのですよ、こういうのなら話がわかる。あるいは一四%、これがあらゆる電気会社の計数にメスを入れて、実費がこれだけだといって、一四%ですよといって持ってきたのなら、これまた話はわかるけれども、今言ったように、ずっと数字を出して、どっちも正しいのですと言うのが通産省の答えだったので、僕らびっくりした。しかし、ここでてんやわんややったところで、僕たちの権限はないわけですから、強い要望を出してそのときおさまったわけですが、当時電気料金が上がるという問題については、相当事前に通産省がメスを入れなければならぬし、その通りやりますと、上がるとか上がらないとか、新聞にいち早く出て問題になるから、その以前に国会の皆さん方に、心配しないように審議していただきます、こういう動きがありますよ、こうしなければなりませんよという、行政指導の反一面、われわれに教えていただくということになっておったわけです。それがわれわれに教えていただくより先に新聞に出てしまったり、ラジオで放送されている。こういう問題について、当時のことを知らないと言えばそれまでですが、速記録を見ればわかるわけです。ですから私は、そういう当時の問題を蒸し返そうとするために申し上げているわけではなくて、もう四、五日たてば特別国会が終わって、少したてば通常国会が召集されるわけですが、一カ月間休会になるわけです。通産大臣がぽんとやっても、これは何ら違法じゃないのですが、前のことがあるので、その澗の手続をお聞かせ願いたいというのがまず第一の質問であります。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 私は、この前の北陸、東北の値上げのときは、どういう一体意図か、よく調べてみますが、国会にお諮りするつもりはございませんが、御質問問があれば、できるだけのことはお答えする、こういうつもりでやっております。この前のいきさつはよく調べてみます。しかし、この問題については、国会にお諮りした上できめるということは考えておりません。
○阿部竹松君 東北と北陸ですよ、東京ではございませんよ。あとの方はよくわからなかったのですが、国会に諮るというのですか。そのあたりの答弁がよく聞き取れなかったわけですが。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 国会に諮るという考え方は持っておりません。
○阿部竹松君 そうすると、当時の通産大臣は水田さん、今の大蔵大臣、その人の言質をたてにとって言うわけではありませんが、あなたのお話でいうと、問答無用というわけですか、当時の話は逃げて、国会に諮る気持は一切ございません、こういうことですか、単刀直入に一つ御答弁願います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) そういう意味ではございませんが、国会に諮りてきめなければならないという問題ではございません。もともと、これは通産大臣の責任においてきめることになっておりますが、公共料金は影響するところきわめて重大であるから、特に閣議の了解を求める、こういうことになっているようでありますから、閣議には諮りまして、了解を求めたいと考えております。
○阿部竹松君 通商産業大臣は僕の言うことがよくのみ込めないかもしれませんが、前にこういうことがありましたので、劈頭に申し上げたように、あなたがきめることができるということは、僕も認めるのですが、その過程をお尋ねしておるわけでございます。つまり今までですと、今までは何回もいろいろ問題があった。そのときに、あなたの先任者あるいはあなたの方の各局長、公益事業局長ですかの答弁では、当然経理に、あるいは計数にメスを入れることになったが、そのメスを入れた結果は、十分に皆さんにお知らせして、納得のいくように一つ了解を求める方法をいたします、こういうことになっておるわけです。あなたの言うように諮ろうとは思いませんというような話にはなっておらぬわけです。ですから、そういうような方法をあなたはお用いにならなければお用いにならないで、われわれはほかの方法でやらざるを得ないわけですがね。そのあたり、どうもはっきりしないのですが。
○国務大臣(椎名悦三郎君) しかし、十分に御意見は承ります、御意見は。そしてきめることにつきましては、ただいま申し上げげたような手順できめたいと考えております。
○阿部竹松君 何回も聞いて大へん恐縮ですが御意見を承ります。さいぜんは、私一人できめますと、どこをさしておっしゃっているかわかりませんが、私の聞くのがまずいからそういう答弁になるのかもしれませんけれども、ただ在来のようにやって下さいと言っても、あなたは御承知おきないのだから、無理な話ですが、そういう九電力会社の経理なり、あるいは専業実績にあなたの方では何ら関知しておらないわけはないわけですから、関知しておるでしょう。おそらく関知しておらないとは思えない。それほど通産省がふぬけておるとは私は思わない。そういうのはわかるのだから、事前に――電気会社から申請があるその以前に、一から十まではわからなくても、大筋はわかっておる。そういうことに誤解がこないようにいち早く、われわれも論議に加えてくれないかということは、ここで決議するとか決議しないとかいう筋合いのものではございませんが、全部が納得するように、あなたはそういう方法をとらないか、こういうことを汗っているわけです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 値上げ問題に関しての御発言も、これは御自由でございますし、御発言の趣旨については十分にこれを尊重して参りたいと存じます。ただきめるときに、国会に諮ってきめろということでございますと、これは一つの行政手続でありますから、もともと通産大臣の専管でこういうことになっておるのでございますから、それできめて差しつかえないのでありますけれども、閣議には了解をとってきめたい、か、ように考えております。国会の御発言等につきましては十分に尊重して、重要な参考資料といたすことはもちろんでございます。
○吉田法晴君 質問が残りましたが、それは他日に譲る以外にないでしょう。 一つ御了承を得たいと思うのですが、これは私の方の理事、それから自民党さんの方の理事に内々御相談を申し上げげておるのですが、具体的な内容は理事等で御相談願うとして、電気料金の値上げ抑制に関する決議をしたい、こういう点だけは一つお取り上げをいただきたいのですが、内容は理事の方にまかせます。意図しますところは、先ほど申し上げたような、今後の開発資金あるいは従来の開発資金も料金に影響しているわけですが、電源附発の資金も財政資金を大幅に投入して、電気料金等公共料金の値上げを抑制すべきである、こういう決議をしたいという御相談を申し上げたい。
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 ただいま吉田君から決議の問題についての御発言がございましたが、この点につきましては、十分理事会において相談の上、適当に取り扱うことといたしたいと存じます。 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、両大臣の所信に対する質疑は一応この程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会