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37回国会衆議院1960/12/14

内閣委員会 第2号

発言数
105
登壇者
14
会派数
2
開催日
1960/12/14

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  常任委員会は、衆議院規則第九十四条の規定により、本会期中に限り、議長の承認を得て、国政に関する調査をすることができることになっております。つきましては、当委員会といたしまして今会期中調査する事項といたしまして一、行政機構並びにその運営に関する事項、二、恩給及び法制一般に関する事項、三、国の防衛に関する事項、四、公務員の制度及び給与に関する事項、五、栄典制度調査並びに栄典法案起草に関する事項とし、議長の承認を得たいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。  なお、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。迫水国務大臣。     —————————————

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきましてその提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。  本年八月八日、人事院は国会及び内閣に対し、一般職国家公務員の俸給表を全面的に改善し、初任給調整手当を新設し、期末手当を増額すべきことを勧告いたしたのでありますが、政府といたしまして慎重に検討を重ねました結果、このたびこれを実施することが妥当であるとの結論に達しましたので、関係法律について所要の改正を行なおうとするものであります。  まず、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の一部を改めまして次の通り人事院勧告の実施をはかることといたしました。  すなわち、第一に、全俸給表の全等級を通じまして、人事院勧告通り、俸給月額を現行俸給月額のおおむね一〇%ないし三〇%程度引き上げた額とし、昇給に必要とされる期間を原則として十二カ月とすることといたしました。  第二に、科学技術振興の趣旨に沿い、採用による欠員の補充が困難な科学技術系の職員に対し、初任給調整手当を新設し、採用後三年以内の期間、月額二千円をこえない範囲内の額を、一年ごとにその額を逓減して支給することといたしました。  第三に、十二月十五日に支給する期末手当の額を〇・一カ月分増額して一・五カ月分とすることといたしました。  第四に、俸給月額の改定に伴いまして、委員、顧問、参与等の非常勤職員に対する手当の支給額の最高限を、日額三千円から四千七百円に増額することといたしました。第五に、給与支給事務の現状にかんがみ、俸給の支給方法を改め、月一回払いを原則とすることといたしました。  次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第百五十四号)の附則の一部を改めまして、俸給月額の改定及び昇給期間が十二カ月に統一されたこと等に伴い、暫定手当の額のうち現行暫定手当の額を用い得なくなった部分について、現行暫定手当の額に準じて改定できることとする等の措置を講ずることといたしました。  なお、本法に附則を設けまして、俸給の切りかえ方法及び切りかえに伴う措置等を規定するとともに、初任給調整手当の新設に伴う関係法律の整備を行なうことといたしました。  この法律案は、以上申し述べました内容について関係法律の改正を行なおうとするものでありますが、人事院勧告において、本年五月一日から実施することを適当と考えるとされた俸給表の改定に関する部分につきましては、諸般の緊急重要施策及び財政事情等にかんがみまして、期末手当の増額等の規定とともに、本年十月十一日にさかのぼって適用することとし、初任給調整手当の新設及び俸給の支給方法の改正に関する規定は、昭和三十六年四月一日から施行しようとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。西村国務大臣。     —————————————

西村直己自由民主党防衛庁長官

○西村国務大臣 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概要を説明申し上げます。  この改正案は、今般提出されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の例に準じまして、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものであります。すなわち、まず事務次官、統合幕僚会議の議長及び参事官等並びに自衛官の俸給表につきましては、一般職の例に準じて改定を行なうこととし、事務官等の俸給表につきましては、従前通り一般職に適用される俸給表によることといたしております。これにあわせて、防衛大学校の学生に対する学生手当の額につきましても改定を行なうことといたしております。  また一般職に準じて、事務官等に対して初任給調整手当を支給することができるように改正することといたしております。  なおこの法律案は、原則として公布の日を施行日とし、本年十月一日から適用することといたしております。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。小澤国務大臣。     —————————————

小澤佐重喜自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○小澤国務大臣 ただいま議題となりました行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案の提案理由について御説明いたします。  今回提案いたしました行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案は、昭和三十五年度における各行政機関の事業予定計画に即応して、必要やむを得ない事務の増加に伴う所要の増員を行ないますとともに、業務の縮小に伴う余剰定員の縮減を行なうこととするものでありまして、さきの第三十四国会に提案いたし御審議をお願いいたし、引き続き継続審査となり、前国会に審議未了になりました法律案とほぼ同じ内容のものでございます。  次に、法律案の内容について申し上げます。  まず第一に、行政機関職員定員法の一部改正の部分について申し上げますと、今回の改正によりまして、第二条第一項の表における各行政機関の職員の定員の合計六十八万七千四百五十七人に対しまして、昭和三十五年度事業計画に伴い七千二十五人を増加いたしまして、合計六十九万四千四百八十二人といたしました。  事業予定計画に伴う増員のおもなものといたしましては、科学技術の振興に伴うもの百九十三人、登記事務の増加に伴うもの百四十二人、国立学校の学年進行、学部の増設等に伴うもの九百十七人、郵便取り扱い業務量の増加に伴うもの二千七百四十六人、電気通信施設の拡張に伴うもの二千十一人、公共事業の増大に伴うもの三百七十一人がありますが、いずれも業務の増加に伴う必要やむを得ないものであります。  なお、事業予定計画に伴う減員のおもなものといたしまして、駐留軍の提供施設等の減少によるもの七十五人、アルコール工場の払い下げに伴うもの百十二人、電信電話業務を日本電信電話公社に移管することに伴うもの七百五十一人等があります。  第二に、法制局設置法の一部改正の部分について申し上げますと、法制局における法令案等の審査、立案についての担当官一人当たりの負担を調整して、その事務遂行の能率を高め、審査、立案の成果の一そうの向上を期するため、参事官二人を増員いたしまして、長官、次長を除く職員の定員を六十人とすることといたしました。  なお、この改正法律は公布の日から施行することにいたしております。  以上がこの改正法律案のおもな内容であります。  何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次に特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。大久保大蔵政務次官。     —————————————

大久保武雄自由民主党大蔵政務次官

○大久保政府委員 ただいま議題となりました特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  政府は、今回、昭和三十五八月八日に行なわれました人事院勧告に基づいて昭和三十五年十月一日以降、一般職の職員の給与を改定することとし、別途法律案を提出して御審議を願うことといたしているのでありますが、これに伴い、従来より一般職の職員との均衡を考慮して定められております特別職の職員につきましても、その俸給月額に所要の改定を行なおうとするものであります。  以上が、この法律案の提案の理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより給与関係三法案を一括して質疑に入ります。質疑の申し出があります。これを許します。石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 予算委員会の審議の関係もありますので、なるべく重要な点だけ大臣に簡単にお尋ねしておきたいと思います。  まず最初に政府の人事院勧告に対する態度に、私どもはどうも納得できないものがあるわけです。そこで最初にこの態度についてお伺いをしておきたいと思うのでございますが、言うまでもなく公務員の諸君は、団体交渉権なりあるいは団体行動権なりを剥奪された、その代償として人事院というものができて、人事院が公務員の労働条件の向上と申しますか、そういう任務を持たされたわけです。従ってそこから出して参ります給与の勧告については、一応最低限として全面的に実施するという態度が常になくてはならないと思うのでございますが、ここ一、二年どうにかこれが守られてきたような感を与えておったのでございますけれども、今回の勧告についてはやはり全面的実施という形が採用されておらない。一体どうしてそういうふうに勧告に対する態度がぐらぐら変わるのか。池田内閣になりましてから、人事院勧告はどういうふうに扱うという基本的な態度を持つようになったのか、そこのところから一つお尋ねをしておきたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 池田内閣の人事院勧告に対します基本的なものの考え方は、申し上げるまでもなく十分これを尊重するということでございまして、従って今回の給与の改定につきましても、内容については人事院勧告をそのままに採用をいたした次第であることは御承知の通りでございます。ただ石橋さんのおっしゃるのは実施期日の問題であると存じますが、これは一般職の公務員だけの問題に限定をいたしますれば、お金は十分にあるわけでありますが、その関連において全面的に特別職ないしは地方公務員の限界にまで及びますると、相当のお金が要りますので、そのお金を勘定してみると、ずいぶん一生懸命に五月一日から実施ができないかということを内容的には検討はいたしたのでございますけれども、どうしても五月一日からではお金が足りないということになりまして、そしてできる一番早い機会というので十月一日を採用したような次第でございまして人事院勧告に対してこれを尊重するという誠意は十分政府として持っておる次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 幾ら誠意を示していただいても、実際にこれが実行されなければ、気持だけの話で何にもならないわけです。単に実施時期だけの問題だと言いますけれども、この実施時期を人事院勧告の通りに五月からやるか、政府が言っている十月からやるかで、ずいぶん金額が変わってくるわけです。しかもこれは五カ月分を浮かすということで、本年度分には若干影響があるかもしれませんけれども、次年度からは全然影響のない問題でありまして、誠意を持って臨むならば、この程度のものは財源の捻出は私どもはできないとは思えないわけであります。これでは完全に実施したことにならないというので、私どもが一番不満に思っておる第一が実施時期の問題です。第一人事院の勧告自体についても私どもはこの点釈然としないものがあるわけで、ちょっと人事院総裁にお尋ねしておきたいのですが、今度の勧告の基礎資料となりましたものが、本院の意向もくんでいただいて、従来の三月の時点で調べておったのを四月にしていただいたのはまことにけっこうだと思うのでありますが、四月の資料に基づいて勧告が出たのであるならば、当然この実施時期というものも四月から行なわるべきじゃないかと思うのですが、この点をなぜ一カ月ずらすことになったのか、この点人事院総裁にもお伺いしておきたいと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 お答えを申し上げます。これは従来の慣例によりましたので、三月の資料による調査に基づいての改定は四月とこういうことでございますから、四月にいたしましたのを五月、こういうことにいたしただけでございましてことさらこれをずらすという考え方はなかったのでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 おもしろいことを聞いたのですが、それでは昨年までは三月の時点で資料を取り上げておった、それを四月から実施させることを人事院としては意図しておったわけですね。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 そうではございません。これは従来そうなっておるということを申し上げたのであって、人事院といたしましてはなるべくすみやかにということは、すでに勧告の中において御承知の通りでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 先ほど総裁がお答えになったことは、参議院においても答弁しておられるわけですが、これまでの先例によりますれば、人事院は三月現在といたしております。これに対して四月一日から実施する、こういうことの勧告をいたすのが先例になっております。先ほど答弁になられたのもそういう趣旨であったろうと思う。これは勧告の内容としてはおっしゃる通り四月一日からやれとは書いておらなかった。なるべくすみやかにとそういうふうな抽象的な表現をとっておられたので、政府はこれ幸いとばかりに一年間実施をずらしてきた。これではとんでもない話だというわけで、本委員会においても実施の期日を明示してもらいたいというので、ことしから五月一日というのが具体的に明示されたわけですから、これまたけっこうなわけです。しかし従来のなるべくすみやかにというのは、人事院の態度としては当然三月の時点において調べた資料に基づいて勧告しておるのだから、翌月の四月一日から行なわれる、これが最も理想的な人事院としての要望のなるべくすみやかにという意味は、そういう意味を含んでおったのだということですかとお伺いしているわけです。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 なるべくすみやかにと申しましたのは、給与改定は当然予算措置を伴うわけでございますが、人事院として国家財政については何も発言権がないわけであります。これは国会と内閣におまかせしなければならぬ。そこで人事院としてはなるべくすみやかにという表現をとったわけなんでございます。ところが従来の実例を見ますと、これが次の会計年度から実施される状態になってきたのでございますから、そこでこれを明示して人事院の意思を表示したわけでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そこで大体はっきりしてきたのですが、昨年までは人事院の勧告の中には実施期日が明記されておらなかった。なるべくすみやかに実施されたいということであった。しかし実際に理論的にいけば、三月の時点で調査した資料に基づいて勧告しておるのだから、当然翌月の四月一日からこれを実施してもらいたかったのだ。ところがなるべくすみやかにと書いたら、その年の翌月の四月一日からやるどころか、政府はなるべくすみやかにというのを一年間も延ばしてしまって、翌年度から実施するというようなずるいことをやってきたので、これは容赦ならぬということで、ことしからは明示した。これはわかる。ところが、そうします。と過去において一年間も公務員としては重大な損害を与えられてきているわけですね。この点は当然政府としては今回は十分考慮しなければならないだろうと思うのです。今まで完全に実施する実施すると言っておりながら、人事院の意図から言うならば一年間実施時期をずらしてきた。公務員に多大の損害を与えてきた。せめてことしは、人事院がはっきりと五月一日からやれと言ってきているのだから、この際過去のそういったマイナス分もカバーしてやる意味をも含めて、最低限度この実施期日くらい守ってやるという態度が出てこなければ、公務員諸君は当然納得しないと思う。しかも、これも理論的にいけばほんとうは四月一日からやらなければならない。しかし一歩譲って人事院勧告の線からいっても当然五月一日から実施しなければならない。それが財源がないとおっしゃいますけれども、今年度の自然増収等を考えてみましても、財源がないということは、特に経済企画庁の長官としての迫水大臣はよく知っておられると思いますが、やろうという気になれば財源がないということは言えないと私は思う。金は十分あるわけですから、そのほかに何か公務員の諸君が納得するような理由があれば別ですけれども、金がないというのではことしはちょっと納得しにくいのじゃないかと思いますが、いかがですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 実は池田総理大臣も、この給与の改定につきましてはきわめて熱心でありまして第一次内閣当時、当時私は給与担当ではございませんでしたけれども、高橋国務大臣にいろいろのお話もあったようでありまして、高橋国務大臣も、できるだけ早く人事院勧告の線に近いところでということを考えられて、大蔵当局ともいろいろ相談をされたようであります。しかし本年の自然増収というのは一応千五百億くらい、これはわれわれの方の経済企画庁でいろいろ推算をいたしましても、予定のことでありますのでそうひどく大幅に見るわけにも参りません。一応合理的に算定されたところは千五百億円程度ということになりますと、ほかの方の仕事もございますので、それはずいぶん早くやろうじゃないかという議論が内閣の中でもあったのですけれども、これは一番早い時期が十月一日だ、こういうことになったような次第でありまして当時内閣の中での話し合いの格好をもしごらんになったら、内閣もずいぶん一生懸命考えているのだなということが御了解願えるのじゃないかと思うくらい熱心にやりましたが、ただいま申しましたようなお金の関係で十月一日が一番早い機会だということで、そういうことにきめた次第だと御了承願います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 これは事務当局でいいのですが、勧告の線よりも実施時期を五カ月ずらすことによって、一体どれくらいの財源を浮かしているのですか。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 勧告の実施に要する経費でございますが、今回の補正予算におきましての所要額でございますが、これは御承知の通り一般会計で二百五十一億円でございます。ただし約三十七億円がその他の既定経費の流用をいたしておりますので、実際の請求額は二百十四億でございます。このほかに特別会計に約十八億円ございますので、国の予算といたしましては、総所要額といたしまして約二百七十億円でございます。これに対しましてこのべースで年間の所要額を現在推計いたしますと約四百六十億円程度であります。これは一年分でございますが、ただいまの御質問は五月に実施した場合でございますから、これよりは大体一割程度少なくなりまして、四百四、五十億円程度ではないか、かように考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私が聞いているのは、本来ならば最低限度勧告の線に基づいて五月一日から実施しなければならない。それを十月一日から実施にした。従って五カ月間実施時期をずらしたわけです。それによって幾ら財源が浮いたかということなんです。

船後正道大蔵事務官(主計局給与課長)

○船後政府委員 ただいま申し上げましたように、この補正予算の総所要額、つまり一般会計、特別会計を通じての数字でございますが、これが約二百七十億、また年間平年度分といたしましては約四百六十億であります。これが五月実施でございますとこれよりも一割程度浮きますので、四百四十足らずだと思いますが、その差額でございますので、約百七十億足らず、かように考えます。五月実施の場合の数字は実は持ってきておりませんので、推計が入っておりますから御了承願います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 持ってきておらぬとおっしゃいますけれども、五月からやれば幾らか、十月からやれば幾らか、いろいろやってみておられるはずなんです。頭からこびりついて離れない数字じゃないかと思うのです。大体百七十億程度だ。私はこの程度の金が出てこないとは言えないと思うのです。特に自然増収千五百とおっしゃっておりますが、これはもう少しあるでしょう。これは絶対に金がないからできないという性質のものじゃないと思う。やはりそこに少しでも実施時期をずらして出し前を少なくしようという、ただそれだけの気持じゃないか。やろうと思えばたったこれぐらいの金は出せるという程度の金額じゃないかと思うのです。百七十億程度の金額、しかも来年度からはさして影響はない、今度出しさえすればそれで一応おしまいという性格の金を百七十億程度出せないということは私はないと思う。この提案理由の説明には、「諸般の緊急重要施策及び財政事情等にかんがみ」とあるわけですが、この「諸般の緊急重要施策」というのはちょっと飾り文句であって、やはり一番大きな理由は「財政事情等にかんがみ」というところに私どもはあると思いますので、金がないということは、この「財政事情等にかんがみ」ということは、公務員一般としてはなかなか納得できないのじゃないかと思うのです。この点は一つ今後私ども自民党の皆さんとも話し合いをして参りたいと思います。百七十億ぐらいの金は出そうと思えば出せるのじゃないかということについて、もう一回お答えを願っておきたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 百七十億ぐらい、こう簡単におっしゃいますけれども、今自然増収一応千五百億と見ておりますので、それに対しては一割をこえる数字でございまして、従いまして、その金は出そうと思えば出せるとは私必ずしもそうは思いません。先ほど申し上げましたように、非常に誠意を持って何とかできるだけ早く——率直に申しますと、五月一日、案、八月一日案といろいろ並べて研究されたようでありますが、結局大蔵省が、いろいろ各方面の他の緊急重要施策というのは、今度の補正予算に計上したもろもろの事業もさしておるわけだと思いますが、そういうことからいって、どうしても十月一日が一番早い時期だということをきめたのでございまして、従って百七十億ぐらいのお金だから出せると思うがどうかという御質問に対しましては、政府では慎重にこういうことを計算しました上でございますので、簡単に御質問の通りであるというお答えはできません。十月一日がやはり一番早い時期だったのだなというふうに御了解を願いますことをお願いいたします。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それはもう少し先のことですから、一千五百億円以上の自然増収がさらに望まれるかどうか、問題が出てくると思いますけれども、私たちはおそらくもっと出るだろうと思います。そのときに、財源が十分あるのだから、今度公務員が損した分を何とかカバーしてやるような道を講ずる、そこまで考えておられるなら、これは筋が通ります。そこまでの誠意はあるわけでございますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 ただいま給与課長が申しましたのを、私ちょっと疑問に思ったのですが、これは地方公務員の分までを含めますとだいぶ大きな金額になるのじゃないかと思います。従いまして、それは百七十億ぽっきりのお金がありさえすれば五月実施ができると御了解下さいますると、それは違うと思いますので、その点もう少し突き詰めた数字をもって御議論を願いたいと思います。金があればやる気はある。やろうとして努力したのですから、もちろん金が出て参りますれば、これはやることになると思いますが、私はお金はちょっと出てこないのじゃないかと思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 その点はさらにいろいろ話し合いをしたいと思いますが、金があればやる気はあるということだけでもけっこうです。  それから内容は人事院の勧告の通りおやりになったというお話でございますけれども、完全に勧告の通りおやりになりましたか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 完全にやったということを聞いておるのですけれども、私は自分で条文のすみからすみまで全部当たったわけではありませんが、完全にやったという報告を聞いて私は完全にやったと了解して御答弁をいたしております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは室長でもいいのですけれども、教育職の分について高等学校の職員の関係に若干手直しをやっておられるようでございますが、この点は人事院の勧告と若干変わっておりませんか。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子政府委員 人事院から勧告を受けましたのは、俸給表を次のように変えるということで、各種類の俸給表全面にわたっての金額の改定案でございます。今回御審議を願っております法案の別表に載っております俸給表は、人事院の勧告そのままでございます。今御指摘になりましたように、高等学校の教諭云々という点でございますが、これはいわゆる改定された新俸給に現在の職員がどのように移り変わるかという、いわゆる切りかえ措置の扱いでございます。この切りかえ措置の具体的な内容は、実は御承知のように人事院の勧告そのものには何ら触れていない問題でございます。すなわち新しい俸給表を作りました場合に、現在いる職員がどの号俸に当たるかという問題は、従来法律案として附則において詳細に技術的な方法を規定しているわけでございます。今回もその方法をとったわけでございますが、その切りかえの方法として高等学校の職員の給与の一部につきまして、また大学の教授、助教授等の一部につきましての切りかえの特別措置を規定しておる、こういうことでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは人事院の勧告の内容については、政府の当局側としては別に異議はなかった、大体妥当なものだというふうな考え方の上に立っておられるわけですか。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子政府委員 人事院から勧告を受けました内容そのものにつきましては、先ほど来大臣等からお話がございましたように、いろいろ検討いたしました結果、人事院の考え方を十分理由のある考え方としまして、従いましてその内容をそのまま実施に移すのが適当であるというふうに結論を得た次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私どもが一番不満に思っております点は、今申し上げた実施時期をずらしたという問題と、次はやはりこの人事院の勧告自体でもありますし、それから政府の原案でもあるわけですが、非常に上に厚く下に薄いという点です。現在の公務員の給与というものが、一口にいえば上厚下薄と言われておるわけであります。この点は何とか是正しなければ、公務員諸君はどうしても納得できないのではないかと思います。この点については政府は全然疑義を持たれませんでしたか。大臣、いかがでございますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 今度の公務員の給与の改定の割合が、上の方が割合がよくて、下の方が割合が悪いということを仰せられておるのだと思いますけれども、これにつきましては、私は私なりの考えはありますけれども、人事院の勧告ということも決して私は理由のないことではないと思います。今回まで若干の手直しが給与についてはございましたが、いつでもそのときは上に薄く下に厚くという格好でやって参りました結果、何か言葉は悪いかもしれませんけれども、だんだん天井につかえてくるような感じがある。その天井につかえた感じというものをなくなさなければ——将来所得倍増の関係等において初任給はだんだんに上げていかなければならない。その初任給の上がるということについても、天井につかえていたらどうにもならぬじゃ、ないかということも、人事院のお考えの中にあったのではなかろうかと私は想像をいたしておるのでありまして、そういうことからいって、そういう一連の給与の改定の流れというものを見ないで、今回の改定だけをぽつっと見ますと、お話のような数字は出ておりますけれども、これが直ちに上に厚く下に薄いというプリンシプルであると御判断になるのは間違いではないか、こう私は思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 提案理由の説明によりますと「現行俸給月額のおおむね一〇%ないし三〇%程度引き上げた額とし、」と言っておりますけれども、三〇%上回っているものもあるわけです。金額でいえば、行政職俸給表一表によりますと、大体アップが、一番少ない人は八百円くらいしか上がらない。そのかわり上の方に行くと二万三千七百円も上がるという工合で、だれが見ても納得がいかないわけです。特に初任給の問題とこれは関連がありますけれども、初任給は不当に低いのではないかと思うのです。一つの参考としてここに私も数字を持ってきておりますけれども、たとえば昭和の初期ごろの役人の初任給と比較してみた場合に、そういったことが一番わかるのじゃないかと思いますが、昭和十年ごろの官庁の初任給、これは官立大学卒の場合に、技官が八十五円、その他が七十円、それから今度は中学校卒の場合に、技官が四十五円、その他が三十八円というような数字がずっと出てきておりますけれども、これを三百倍ないし三百六十倍した場合に、一体どれくらいの金額になるかというと、官立大学卒の技官の八十五円ないし七十円というものを直しますと、三万六百円から二万五千二百円になるわけです。それから中学四年卒ということで、大体新制中学程度のものが出てくると思うのですが、これでいきますと三十五円ないし四十二円だったものを物価の倍率をかけてみますと、一万五千四百八十円から一万二千六百円というような数字が出てくるわけです。初任給において大体半分くらいじゃないか。不当に初任給を押え、下の方を押えて、そうして職階、職務給の性格を強く出してきておりますから、こういう激しい上厚下薄が出てくるというように私どもは理解しているわけです。少なくともこの初任給をもう少し上げることを真剣に考えなければ、この初任給の調整手当を若干つけてみたところで、何としてもいい公務員を集めることは不可能じゃないかという考え方を私どもは持っております。これは今までの給与担当大臣も大体お認めになっておるわけです。少なくともこの辺のところは手直しをするという態度が政府にあってしかるべきじゃないかと私どもは思っておるわけです。第一、人事院の初任給がどういうところから出されてきているか。民間といろいろ比較しておられますけれども、重要な資料の一つに、東京における独身男子の生計費というようなものが相当ウエートを持っておるのじゃないかと思うのですけれども、これなどを見ますと、一日百二十九円で人間が食えることになっておるわけなんですね。私は、人事院側からでも政府側からでもいいのですけれども、百二十九円で食える方法があったら教えてもらいたい。一日の食料費百二十九円でどうしてやっていったらいいのか、御説明できますか。そういうふうに不当に低い数字をマーケット・バスケット方式とかなんとかいってはじき出して、それを基礎にして初任給を設定するというような考え方はどうもふに落ちないのでございますが、その点いかがでございますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 これは私、こういうところで申すのはどうかと思いますけれども、率直にいって役人の給料というものは私も安いと思っております。私の長男も役人ですけれども、月給が安いということを毎日言うので、全くそうだと思っておりますけれども、しかし今度の人事院勧告というのは、やはり一般の民間の人との均衡をとったということが要点だと思います。従いまして初任給等につきましても、民間の初任給というものを一つの基準に置いて算定せられたと思うのでありましてこれは日本全体の給与の一つの問題だと思います。従って役人だけ食えないから初任給はどうこうということでなしに、やはりそういう一つの社会的な給与体系があるというところに着目をして、その線に沿うた改定をここにしておるのだ、こう理解しておりますから、私はさしあたりこれでけっこうだと思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 民間との比較というのも非常にむずかしいので、民間にも大企業もあれば中小企業もあり、零細企業もある、どの時点で比較するかということは非常に大きな問題なんです。しかしこれを今ここで論議しておっても始まりませんから、大臣が確かに低いということをお認めになったことで、私は、私の質問の一つの意義はあると思うのですけれども、やはり低いと認めるからには、それを手直ししていこうという誠意が出てこなければ、公務員諸君は甘んじて誠心誠意仕事に精励するということにはならないだろうと思う。  参考のために、私、その百二十九円で食う方法を考えてみました。たまたまこの本に出ております。これは安定所のいわゆる失対の事業に働く人たちの生計費で、百二十九円程度で食べようと思えば大体どんな生活をしたらいいかということの参考になると思って持ってきたのですけれども、百二十九円といえばこういう生活ですよ。朝食は安定所のうどん、コッペパン小さいのを一個、これで二十五円、昼食はコッペパン大きいのを二つ、これで四十円、それから夕食はほしうどん百五十匁、これで三十円、ネギ、ニンジン、あげ三十円、これで朝昼晩百二十五円かかってしまう。えらいごちそうのあった日、六日と書いてありますが、これで朝、公設のうどんを二はい食べて四十円、昼は焼きイモとコッペパン小さいのを三つ食べて三十五円、夜はメリケン粉三十匁にサツマイモ三百匁、とうふ一丁に菜、ニンジンを若干、これで二十八円、みそ三十匁に煮ぼしを買って十四円、これで百三十八円になる。とても常識で考えられる数字は出てきません。ましてや憲法に保障されているような最低限度の保障なんというものは全然ありません。そういうものを、幾ら冷たい数字だからといって、百二十九円で食えるのだというような考え方を人事院が出すことに、私どもは納得できないわけです。そういうものを基礎にして初任給というものはできておるわけです。こういうことは積極的に直さなくちゃいかぬ。一応今の段階ではやむを得ないというようなことではなしに、少しでも矛盾を認めれば、それを直していく態度にならなくちゃならぬ。若干初任給を上げてそれがどの辺までしわ寄せがいくか知りませんが、それによって金額は違ってきましょうが、私はそうは大きな額にはならないと思います。まして先ほどお話があったような、実施時期を五カ月間もずらして財源を浮かしたのだったら、その浮かした財源をもってこういう矛盾を手直ししようという積極的意図を示しているなら、それも一つの理屈です。そういうこともやらないというなら、どうしてもこれは納得いかないと思う。この点、私どもはあとで皆さんとも話し合いをしてみたいと思っております。  もう一つ、期末手当の問題ですが、これが今度〇・一カ月分増額されて、年末の場合には二カ月分になる。従って年間を通じて、夏季を合わせますと三カ月分になるということでございますけれども、人事院の勧告の資料を見ましても、民間は三・一九という数字が出てきて、依然として〇・二くらいは開きがここにあるわけです。こういうところからいっても、公務員の諸君が今度二・五くれという気持も、あながち無理な数字じゃないということが言えるのじゃないかと思うのです。この点、まず人事院としてなぜこのような格差をそのまま残しておいたのか、お聞きしたい。それから政府としてはもう少し、せめてそれでは期末手当の増額によってカバーしようというような意図はないのかどうか、この点もお尋ねしておきたいと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 これは大体の比較でございますから、必ずしも民間と同じようにならない。と申しまするのは、民間におきましてはその事業所の業績によりまして、これは多くもなり少なくもなるわけでございます。公務員はそのような観念がございませんから、これは実際減すことは不可能なんでございます。漸次これは改善されつつあるのでございますから、人事院といたしましては、大体の標準によって漸次これを改善していく、こういうところから大体合わせておる、こういうことであって、別に特にこれを引き下げて低くする、こういう考えではございません。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そういう意図はなかったでしょうけれども、結果的には、いろいろと民間の給与実態を調べてみたら三・一九という数字が出た。それなのに、そのまま勧告にその数字を使わなかったことは事実なんです。そこで政府として、こういうところにも人事院の勧告と実際の資料との間に矛盾があるわけですから、せめて期末手当だけでももう少し増額しようという意図はないものかどうか。  もう一つは、勤勉手当と期末手当とを分けておるわけでございますけれども、これは現在意義がないのじゃないか。これはこの際一本にしてしまったらいいのじゃないかと思うのですが、この点政府で御検討になったものがありましたら、一つ考え方を出していただきたいと思うのです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○迫水国務大臣 人事院のお考えに従うというのが政府の考え方でございましてただいま最後に仰せられた勤勉手当と期末手当、これはあるいは一本にしてもいいかもしれませんが、一応人事院でさらに研究をしてもらってからそういうことはきめたい、こう考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 人事院の研究に待つと言っておられるわけですが、人事院では前から研究する研究すると言っておられるのですけれども、依然として期末手当と勤勉手当を分けなくちゃならないような何か要素が人事院の方にはあるわけですか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 これはやはり民間でもこの種の考え方はあると思うのでございます。すなわち個人的な勤務成績によってこういうものを配分するという考え方も、またこれは捨てられないところもあると思います。これはある意味においては公務員の能率を増進するためでもあろうかと考えておるのであります。しかしながらこの点におきましては石橋さんの仰せられるような御意見もあるので、研究しておることは事実であります。でございまするから、最近の人事院の勧告はすべて期末手当を増額する方法でやっておりまして、勤勉手当はそのままになっておるのでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 民間との比較が常に言われるのですけれども、あるときには民間は特殊な事情があるからと言い、あるときには民間にならってと、なかなか巧みな答弁でございますけれども、それでは政府当局にお伺いしますが、実際にこの勤勉手当の配分についてそういった考慮が行なわれて、依然として格差があるわけですか。支給額にどの程度ありますか。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子政府委員 これは人事院の運用方針に従いまして、勤勉手当の配分等を各任命権者、給与権者において実施いたしておるわけでございますので、その具体的な詳細の内容は私ども承知いたしておりません。しかし勤勉手当につきましては、いわゆる勤務成績といいますか、実際勤務した期間等がこれには反映してくるわけでございます。各省庁によりましてさらに勤勉の度合い等につきまして差異を設けておるところもあるわけでございます。全体としましてどの程度ということは、私どもの方でその資料を持ち合わしていないわけでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 公務員制度調査室がその程度のことも把握していないというのではまことに困るのですが、それでは人事院の方では一応調査しておられると思いますが、現在どういうふうな内容になっておりますか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ただいまのお話の期末手当、勤勉手当でございまするが、期末手当は大体固定的に勤務期間というものに応じて支給されております。勤勉手当は御承知のように成績を反映する余地を残しておるわけでございます。これは任命権者におきましてそれをどの程度に考慮するか、これは各任命権者の御判断によりまして行なわれておるところでございます。この勤勉手当を非常に差をつけておるというところは現在あまり多くはございません。ただいまここに的確な資料の手持ちはいたしておりませんけれども、やはりこの点に着目して成績等に応じまして、多少の差をつけておるというところは現にあるわけでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 今の答弁でもわかりますように、総裁はこういった若干の差を日ごろの勤勉の度合い等において勘案することが民間においても行なわれておるし、公務員でそれを採用することは妥当だとおっしゃっておりますけれども、実際には差をつけられないのです。今給与局長がおっしゃっておられますように、実際に運用の面でそんな差をつけているところはほとんどないわけです。しいて分けるほどのこともないわけで、この点もさらに話をして参りたいと思っております。  お急ぎのようですから、それではもう一つだけ聞いて大臣に対する質問は一応終わりますけれども、せっかく給与が若干改善されたにしても、これとからみ合わせて、たとえば行政整理などというものが行なわれるとすると、また非常に不安と動揺を公務員諸君に与えると思うのですが、こういったある程度の改定にからませて行政整理を行なうのじゃないかというような公務員の不安については、何も根拠のないものだということをはっきりおっしゃれるものかどうか、給与担当大臣あるいは行政管理庁長官から一つお答えを願っておきたいと思います。

小澤佐重喜自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○小澤国務大臣 今さしあたり行政整理をやるという考えは持っておりません。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 大臣に対する質問は一応終わります。  それではまた大臣がこの次に出席しましたときに、俸給表等についてさらにお尋ねを続けたいと思いますが、予算委員会の方に行ってしまいましたので、給与に関連しまして海上保安庁における旅費の支給に非常に疑義がありますので、その点をちょっとただしておきたいと思うのです。  と申しますのは、私が調査しておりますのは七管の管轄下における事件でございますけれども、九州の七管においては転勤させながら旅費を支給しない。支給しないということ自体もけしからぬですけれども、強制的に職員に対して転任旅費支給辞退届というのですか、そういうものを強制的に書かしているということが、ここ数年間行なわれているわけです。私は四つ五つ調べてきておりますが、たとえば一番最初に大体昭和三十年の初めから現在まで私が調べました例だけで申し上げますと、佐世保関係で五人、熊本関係で二十三人、鹿児島関係で三十人、唐津関係で二十人、こういうふうな数字が出てきているわけでありますが、もっとあるだろうと思う。実際に転任させながら旅費を支給しない。しかもそのしない方法が、本人に辞退届を書かしている。辞退届を書かなかったら、配置転換で陸上勤務にあげてしまったり、こういう報復的な措置まで講じているというような報告を受けているわけです。一つの例を申し上げますと、平戸分室に今配属されております巡視艇「むらさき」ですが、本年の七月一日平戸分室が開設されたときに、佐世保から平戸に配置がえとなった。この一むらさき」の乗組員は五名、艇長は林一という人です。この人たちがやはり旅費を辞退させられている。理由は予算がない。予算がないというのが事実かどうかということもまず問題になるわけです。この乗組員たちはいろいろと文句を言われ、強制的に職制を通じて言われるものだから辞退届を書いているのですが、そのときに条件をつけております。今後転勤するときは佐世保に転勤させてくれ、それから平戸分室勤務は給与が悪いから佐世保勤務並みに扱ってくれ、今後転勤の場合には必ず旅費を支給してくれ、こういう三条件をつけて辞退書を書いているのですが、実際にこれが七管本部に回付され、七管からまた佐世保の海上保安部に戻ってきた書類を見ると、この条件だけは削除されてしまっている。こういうまことにけしからぬ例があるわけです。もう一つ、三角海上保安部に所属している巡視船「いそちどり」の場合も同様です。船長は出光敏雄という海上保安正ですが、乗組員は二十三人、本年四月一日三角から牛深分室に配転になった。全員辞退書を書けというので、結果的には書いているわけですが、書く前にみなの意思を問うというわけで、船長が無記名の投票をやっている。その結果全員が反対、旅費をくれないというのはけしからぬ、人事院に提訴するぞというようなことまで問題にしたようです。しかしこの圧力に屈して結果的には書いたわけですが、おそらくその報復手段だろうと本人たちはとっているわけです。その船長は予備の陸上勤務に回されてしまった。こういうケースがたくさん出てきているわけですが、一体どういうことなのか。まず保安庁の方から納得のいくように説明をしていただきたいと思います。

和田勇海上保安庁次長

○和田説明員 ただいまの石橋先生のお尋ねに対して、簡単に御説明いたしたいと思います。  私どもの方の七管、これは九州と山口の一部を管轄しておる管区でございます。ここでは御案内の通り、李ライン哨戒という特別の任務を持っておりまして、大体三百五十トン以上の大型の巡視船を回しておるのであります。この業務は一般の海上保安業務のほかに、特に加重されまして、他の第三管区、あるいは第五管区、第八管区方面からの巡視船が応援をするというようなことで仕事をやっておりまするが、現実問題といたしまして、第七管区の巡視船が李ラインの方に大体十数隻張りつけになっておるというような関係から、本来の基地の巡視船艇が足りないというような現状になりまして、そこでやむを得ず必要な基地へ他の部署から最小限度の船艇を派遣するというようなことで、当面を糊塗して参ったのでございます。しかし李ライン問題はその後もずっと続いておりまして、非常に長期化してこういうような体制を続けるというような状況になって参りました。そこでこういうような点から、いわゆる派遣船——本来の基地から所要の仕事のあります地に派遣をいたします乗組員が、非常に長期にわたりましてその地方で勤務をするというようなことから、自然自分の家族をその派遣地に連れていって仕事をやるというようなものがふえて参ったのであります。ことに最近三十四年の末ごろからそういうような状態がふえて参りました。そこで私どもの方といたしましては、この情勢を検討いたしまして、こういったような変則的な措置を早く解決をしなければいかぬということで、乗組員自体のためにもこれはよくないので、いろいろ検討いたしましたが、次に申しますような点から、今石橋先生のお話しになったようなことに一応結論を得たのであります。  それは現在配置がえをやりましても、実際にはすでに乗組員はこの他の基地の方に出て行っておる。それからこれから移転する一部の家族について旅費を支給するということは、すでに先ほど申しましたように移転済みのものとの間に不均衡が生ずる、また現実に赴任旅費が十分でございませんというような諸点から、もし乗組員諸君がよろしい、賛成だというようなことでございますれば、一応赴任旅費は支給いたしませんで、この変則的な船艇の派遣という状態を解消いたしたいと考えまして、七管区に照会いたしました。七管区では今先生のおっしゃったようなことは、私ども非常にうっかりしておりましたが、一応乗組員諸君の賛同を得て異議がないと言って参りましたので、本年の七月一日付をもってそれぞれの船艇を現在の派遣の個所に配属いたしたのでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 本人の辞退書が出ればと言いますけれども、全部強制的ですよ。この辞退書というのは、現に今、一つ例を申しましたように、「いそちどり」の場合などは無記名投票をやっているのです。全員反対です。あたりまえです。旅費はけっこうでございますなんて自発的に言う者がどうしてありますか。実際に転勤するならば莫大な金がかかるわけですから、それを本人が自発的に辞退しますなんということはあり得ないのです。部長なり課長なりが強制的に書けと言うから、書かなければあとにいろいろなことをうわさとして流すわけです。それで結果的には書かされている面がたくさんあるのですから、今私は二つの舟艇だけについて言いましたけれども、ほかにもたくさんあるのです、たとえば個人的な面で言えば、三十三年に油津の海上保安部から鹿児島のオペレーションに勤務になった人、この人も自分は不服だ、しかし強制的に書かされました。それから佐賀県の住ノ江から串木野の保安署に三十五年十一月転勤させられた人、この人も辞退書を書かされました。しかし自分は不服です。全部不服だということを言っているのです。不服でなければ何で私どものところにこういうものが入ってきますか。しかしなかなかお役所の中でそういうものを行使する勇気がない。それを当然支給すべきものを支給しないということはけしからぬと思います。一体それでは七管に過去年次別、年度別にどれくらいの旅費を出しておるのか、それを一体どういうふうに使われておるのか、この点を御説明願いたいと思います。

和田勇海上保安庁次長

○和田説明員 ただいまお尋ねの七管の分につきましては、今数字がございませんので、全般のことについてちょっと先に御説明申し上げたいと思います。  私どもの方の乗組員及び陸員、この関係の赴任旅費は、大体陸員関係で約九百万でございます。船員関係、乗組員の方で一千八百万、合計二千七百万程度が三十四年度も三十五年度も成立いたしております。ところが実際問題といたしまして、この赴任旅費が足りませんので、三十四年度は特に大蔵省に流用の申請をお願いい「たしまして、約三百三十万成立いたしておるわけであります。現在三十五年度では、これはまだ最終決定ではございませんが、申請をいたしておりますのが約千二百万でございます。従来の実績でいきますと、大体三分の一程度は認めていただけるのではないかと考えておりますので、こういった金額が認められますると、御指摘のようなことにつきましては善処いたしたいと考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 まことに不可思議なことは、そういうふうに全部辞退書を書かせて支給していない、ところがたまたま勇気のある者があって、私どものところに訴えてきた。そうしたらその者だけには支給しているのです。石橋が知ったということだけで……。こんなに不明朗なことがございますか。これは特定の個人でございますけれども、あわてふためいて十一月二十六日、これはすでに転勤しておる、ずいぶん前です。表ざたになったら二万一千二百円払っておる、そういうところに問題があるわけなんです。これでは今まで払わなかった人があるのだから、今度から払うと不均衡を生ずるといっても、これはもうそれではというわけで勇気をもって表ざたにする覚悟を持った人がいると、その者だけにやって、よそには言わぬようにしてくれなど、そういう不明朗なことが出てきます。(飛鳥田委員「上級幹部はどうなんだ」と呼ぶ)特に今そこで飛鳥田さんが盛んに言っておりますけれども、上級幹部にも非常な不明朗なうわさが出ておる。これは私は確かめておりませんから言えませんけれども、うわさが出ておることだけを申し上げておきます。これは有力な幹部ですが、この人は年間百万円以上の旅費を持っているのだ、しかし実際に使うものは交通費だけで、あとは視察先の保安部で宿泊から接待まで一切めんどうを見ている立場の人ですが、この人は退職後に別府で観光会社を作るという手順ができておる、こういうようなうわさも流れておる。また地元において若い会計にも不明朗なうわさが出ておる、こういうものとつながりがあるのではないかと見られてもやむを得ないと思う。  そこで私はこれは委員長にお願いしておきますけれども、これは給与法の審議の過程の中でもう少しはっきりさせていただきたいと思いますから、さしあたり私が調べておるのは七管で、最近数年間において一体旅費の額がどれだけあって流用の分も含めどれだけあった、それがどういうふうに支出されておるのか、それで実際に支出したものは何人で、どういう場合に支出して、どういう場合に辞退していないかというものを、もう少し明確に資料を分けてお出しを願いたいと思います。なるべく早い機会に、この点委員長にもお願いしておきたいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 承知いたしました。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 ちょっとそのあと、行管の方にも、九州の管区の局に提訴も一回しておるようでありますし、あるいは人事院としても非常に問題があろうかと思いますので、あとでその資料が出て参りましたら、質問を続けたいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 総務長官がいるからお伺いしますが、給与担当大臣は新しく婿入りなさった方で、前の経緯はあまり御存じないので、むしろ公務員室長の方がおわかりだと思うので、大臣に聞く政治的問題はあと回しにして、努めて実際的の問題をお伺いしたいと思うのです。  政府は人事院勧告の問題を調査研究なさったと言うのですが、調査研究なさる当面の機関はどの機関でなさったのですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 私の方の公務員制度調査室で、人事院の勧告について調査をいたした次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 その調査研究の範囲でございます。施行期日も調査研究の範囲ですね。それから給料表自体の問題、こういうふうなものが研究調査の範囲だと思うのですが、その範囲は限定されておりませんですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 別に限定をいたして調査したわけではございません。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうすると、大臣がおいでにならなくても、いわゆる予算面についても大蔵省あるいは政府自体の持つものの考え方、そういうことは十分に皆さんの方では研究なさったということでございますか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 現実の予算がどれくらいかかるかというようなことは、これは財政当局の方で主として調査したと思いますけれども、この人事院勧告を実施した場合に、どの程度の財政措置が必要かというようなことも、もちろん調査の範囲には入ります。

石山權作日本社会党

○石山委員 もう一つ、調査の中身としてこういうことを考えられると思うのです。たとえば今度人事院が五月一日からの実施を勧告した。それを十月一日に実施するというふうに政府は案を作ったのですが、その場合に対する政府対いわゆる労働運動の動きというふうなものから、これは十月一日でやれば、まあまあというふうに頭をなでて押えられるのだというふうな——これは例ですよ、そういうふうな政治情勢の判断もあなたのところでなさるのですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 政府対公務員のそういう感情と申しますか、考え方というようなものを別に調査研究するということではございませんけれども、一方、租税負担者の考え方というようなものもございますので、その辺はやはり税を負担させられる一般国民の感情、またこれをこういう形で実施した場合の公務員の受け取り方というようなものは、やはり念頭に置いて考えてきたわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 それでは大臣の言っている誠意ある答弁と、あなたの事務当局という——あなたは長官だから事務当局ということになると思うのですが、事務当局の長としてはちょっと見解の相違があるのじゃないか。さっきの私どもの石橋委員の質問に誠意ある答弁を大臣はしているのです。予算があれば、財源があればという言葉をかなり何回も使っている。あなたの答弁は純経済的というふうなものよりも、労働対策のにおい、政策的なにおいが多分に含まれているようですが、そういうことをやはり配慮しているのですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 あるいは舌足らずだったかもしれませんけれども、十月一日から実施するということを決定いたしました理由は、先ほど大臣が申し上げた通りでございます。そう決定する場合に、それがどういう影響を持つかというようなことは、十分念頭に入れておりましたということを御答弁申し上げた次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私はこの問題を考えるとき、まあ僕らはおそらく財政通でないでしょう。財政通でないでしょうけれども、われわれ国会に籍を置いて、いわゆる国家予算等を見てきた長年の経緯から見ますれば、今度の場合は財源がないからというものではないのです。ここには政策的な意図があなたの方で研究されていると同時に、それがやはり現われたと見ている。これは政策的な問題ですからむしろ大臣に質問した方がほんとうだと思うのですが、私の方としましてはそういうふうな印象を受けております。  それからこれは人事院はそれぞれ自信を持って勧告をなさった。ですけれども受け取る方の政府としては、諸般の事情ということがいつも含まれているわけです。諸般の事情の中で研究しなければならない事項は、人事院の場合には前の経緯等がありまして民間の対照を種別的に行なっているわけですね。この欠点にはお気づきにならぬですか。これは室長でもいいですが、たとえば業種別に行なって、対応したものを対照してくる。あなたの場合は、特に公務員制度を常に御研究なさっている。公務員というものの性格と民間の業種の持つ、企業の特殊性の持つもの、これとを平面的に対応さして、ここが何千円であるからこっちもそれに合わせて何千円にする、それがいかにも正しいというふうな考え方で、勧告が在来行なわれてきているわけです。だけれども、私はこれが二年、三年ならそれでも可能だ、いいと思う。しかし民間の企業というものと、いわゆる官吏というものの機構はおのずから違うわけですね。そこに私は欠点があると見ているのですが、今度の場合は、大幅なといっている額に対してそれをそのまま引用して人事院が勧告なさっているのですが、それをあなたの方ではむぞうさに受け取っているわけですか。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子政府委員 御指摘の御趣旨、私十分了解したかどうか疑問でございますけれども、民間との比較の方法、つまり人事院が勧告案を出すにあたりまして、公務員の給与と民間の給与との比較の仕方、それについて公務員と民間とをあまり違ったものと考えないで、同じような職務内容ということで比較をしておる、そのことに疑問を持たないかという御趣旨かと思うのでありますけれども、この公務員と民間との比較ということは、なるほど非常にむずかしい問題でございます。私どもは必ずしも公務員が民間の労働者とすべて同じように考えなければならぬというふうには、実は考えていないわけでございます。ただその差異なりあるいは類似点をどの程度にウエートを置いて考えるかという問題であろうと思います。給与の面におきましては、大体いわゆる職務給的な考え方が中心でございましてその限りにおいて比較し得る限りは、民間と公務員を比較するという考えで、人事院は従来やってきていると私理解いたしておるわけでございます。その立場からいいますれば、今回の勧告等につきしましても、あえて特に疑問を感ずるというふうには私ども思っていないわけでございます。ただそれでは何もかも全部民間と同じように扱っているかというと、今度の勧告は必ずしもそうではございません。大体において類似した、あるいは同一の内容の職務のものとは比較いたしておるわけでございまするが、さらに公務員内部の特殊関係、あるいは公務員としての特殊性というものは、やはり今度の勧告の中にもそれぞれの程度で入っておるというふうに理解しておるわけでございます。ただ石山先生おっしゃったのは、公務員と民間とは全然違うのだから、まるで違った考え方でいいのじゃないかという御思想でございますと、私どもにわかにそうは参らないという感じもいたします。特に職員組合の人たちの立場から見ますと、むしろ民間労働者と全く同じだ、同じにすべきだというふうな考え方の方が強いように私の方では感じておるわけでございまして、この点ではやはりそれぞれの立場でいろいろな考え方があるのではなかろうかというふうに理解しておるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 総務長官にもよく聞いていただきたいのですが、今度上厚下薄の勧告案が出た。この上厚下薄ということは、民間はそういう形態なんです。民間はなぜ上厚下薄の形態が産業の発展に伴って著しく現われてくるかということです。これはなぜかというと、いわゆるトップ・マネージメントの問題もありますし、民間は創案をして企業を指導する人は、数人の人によって指導されている。しかし官僚機構の場合はそういうことはないわけです。逆に言えば、たとえば今の自民党の方々がかなり思いつきの案を出しても、官僚の機構は一つ一つ積み重なってきている。れんがの積み重ねです。その積み重ねという形式に判こが要る。判こが三十も四十も押されなければ、一つの企画というものが決裁にならないというような仕組みになっている。ここを考えてみますと、民間の場合は間延びをしていく一つの傾向を当然持つわけなんです。この間延びをしていくのを、中間でなるべく間延びをしないように、独裁独善が行なわれないようにしているのが労使慣行、労働協約です。あるいは労働関係法でいえば、オーブン・ショップにしなければならぬというようなのは、そういうことによっていわゆるトップにいる数名の重役陣を規制しているわけです。官僚の場合は、たとえば自民党の方々がかなり大きな計画を持ち出しても、一つ一つ下から積み上げてきている官僚機構に、いわゆる筋が通らないというような判定があれば、これは常に抵抗を受けている。政策は末端へいくと行方不明になるというのが、われわれが終戦以後見ている官僚機構と政党の関係だと思うのです。しかしこれにおいても、ある学者に言わせれば、この傾向において日本の官僚は非常な能率を上げているというのです。この官僚機構という一つの傾向から見れば、トップにいる人は、民間にいるようなあらゆる責任を持ってやるというよりも、簡単にいえば労務管理みたいな、管理者の役目なんですね。その場合における給与体系というものは、この階級の差というものはもっと密度を濃くしなければならぬ。性格からいって引き伸ばさるべきものじゃないと思うのです。たとえば部長さんあたり、局長さんあたりでも、かなり政策遂行の面を出してきても、実際はそれは一人でおやりになるのじゃないですね。民間であれば、それをやっているわけなんです。そこにかなり権限と、企画、立案の能力というものとはマッチしているのです。ですから民間の場合は、上はうんと高くなっていく一つの要素がある。しかし民間の場合初任給が低いのじゃないか。しかしそれは実力によってぐんぐん伸びていく一つのめど、希望があるわけです。官僚機構の場合は、そういうふうなことは案外少ないのじゃないですか。そういうふうなことを考えると、どうしても初任給を高くして、上はかなりある意味で押さえて、この間の階級の差を少なくするのがその性格に合っていると私は思うのですが、今度の場合はそうじゃないですね。これは公務員制度調査室の方でもお調べになっていると思うのですが、三等級以上は民間の五百人以上を対象にしており、四等級以下は五百人以下を対象としておるというふうなデータが出ている。全部まねするならまねしても、ある時期はそれでいいと思うのですが、ここ何回となく勧告されてきて今公務員制度調査室もできて、公務員の一つの態度というものをいろいろ探究している場面において、これをむぞうさに受け取ったというこの考え方は、ちょっと不見識じゃないかと思う。機能というものを考えないやり方だというふうに考えるのですが、いかがですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 民間の給与の体系と公務員の体系とが同一でなければならないというような考え方は必ずしも持っておりません。それから今回の人事院の勧告、それだけを見ますれば、上級者のベース・アップが多くて下級者が少ない。それを上厚下薄とおっしゃれば上厚下薄だと思いますけれども、しかしでき上がったこの俸給表の体系全体をごらんいただいて、しかも初任給の調整あるいは中だるみ是正、こういう一連の経過を見て、でき上がった現在の俸給の体系というものは、必ずしも非常に不合理なものだとは私は考えないのであります。しかしただいまの御意見もありますから、なお今後人事院の方でも十分御調査いただきまして、民間の給与の体系と公務員の給与の体系がどうあるべきかということは、さらに調査する必要があろうと思いますが、現在の段階においてはこの今の給与の体系は妥当なものではないかというふうに、私どもは調査研究の結果、結論を得た次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 まず話を進めていく一つの前提として、今度の勧告の額はどうなんですか。上げた率は大体妥当ですか。お金があればもっと上げてやってよろしいとお考えになっているのですか、施行期日と同じように……。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 民間給与との比較を人事院でされまして、大体それに追いつくという考え方でございますから、妥当なものと考えております。公務員の給与そのものが、金があれば幾らでもやってもいいというわけにはいかないので、やはりその職務の内容に応じた、しかも納税者の納得する給与でなければならないと思いますので、そういう意味においては今回の人事院の勧告程度が、妥当なところであるというふうに考える次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 妥当な前提をなすものとして絶対価値が低いということを考えているかどうかということです。今の公務員の立場、公務員が国民の福祉に奉仕をして、そして自分の権利義務というものを確認して、公務員としての立場をちゃんと果たし得るため、諸外国の例等を考えてみて、その絶対価値も妥当だというふうに勧告を受け取っているかという意味です。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 絶対的に正しいかどうかというになりますと、いろいろ御議論があろうと思います。しかし重ねて申し上げるように日本の置かれた立場、そうして納税者の立場というものも一方においては考えなければならぬ。そういう全体的な考え方からいたしまして、この程度でこの段階においては妥当ではないか、こういうことでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 納税者々々々とだいぶ納税者のことを出しますが、あなたの御意見の背後にある——納税者というものは税金をよけい納めたくないということと、官吏の給与を上げたくないということとは同じにならぬと思うのです。それは違うと思う。なるほど税金を多く納めたくないと思っていることは事実ですよ。しかし自分の仲間、国民としての仲間、自分たちに奉仕する立場の人のみをとらえて、そこは低くてもいいというような見解は私は起こらぬと思う。十分にサービスしていただいて、納めた税金にプラス・アルファがついてわれわれのところに返ってくれば、学校の設備になって返ってくれば、あるいは水道の水となって返ってくれば、これは高い金を出しても十分喜んでいるわけなのです。それが途中で水道の管が破裂したりしてしまえば、これは返ってこない。そういうのが今の自民党のやっている一つの様相なのです。だから税金を納めたくないというのでしょう。途中でロスがあるから……。だから税金は納めたくないということは、即公務員の給与を抑えておけということに私は通じないと思うのです。学校を新しく建てることはいけないということに通じないと思うのです。あなたの答弁の一つの背景をなしているものは、公務員の給与を上げたくない、税金とイコールだということだと思っているのだが、そうではないと思うのです。もう一つ私はここで言いたいことは、先ほども申し上げたように、公務員の給与は民間と性質が違うということです。ですからこれを公務員らしくするためには、私はやはり順序を踏まなければならなかったと思うのです。今回の場合は私はこういう手もあったのじゃないかと思う。たとえば一二・五%という数字が出たら、なぜ一ぺん一二・五%をみんなにかけてみなかったかということです。そしてこれをみんなに一般に提示をしておいて、一年なり生活をさしてみるのです。その実態感から来た——今のような体系を組むならば、これはないそでを振っているのですよ。絶対額は少ないのだとあなたに言わせたいと思って何べんも言っているのだけれども、あなた方はなかなか口を割らぬ。絶対額の少ない中でみんなが分け合う。そういう場合には体系の変更を求めても無理です。みんな不平不満を内蔵しているのですから……。そうした場合に、一つの政策的な数字として一二・五というものをみんなにかけてみるということが、暫定措置としては良好な手段ではなかったかと思うのです。そこはどうなのです。低い賃金に低い率をかけていくのですものね。高い総所得にまた高い率をかけて、これが今度の給与ですという。こういう押し出し方は日本の官僚機構では珍しい数字のいじり方ですね。今までにないと思うのです。これをあえて行なったところの説明材料として、民間がそうなっていると言っているでしょう。しかし私は民間と官とは違うのじゃないかと思う。機構から言っても、機能からいっても違う。その違うのをちゃんと持ってきて、そしてこれは合っていますよという。そして上厚下薄でしょう。これはどこから考えてみても、情けある、思いやりのあるかけ算ではございません。上厚下薄という言葉がいやなら、冷酷むざんなかけ算ですよ。一ぺんずっと一二・五をかけてみてどういう体系ができるかということを見ませんでしたか、増子さん。

増子正宏総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子政府委員 一二・五をかけることはきわめて容易でございますので、それを作ってみてながめるというための必要はないかと思っておりました。

石山權作日本社会党

○石山委員 人事院の勧告はこうなっているのですよ。今まで初任給を上げたり中だるみを是正したりした、それで上級が薄くなったから上級を上げたというのですから、この三つの手段によって一応体系が整ったというふうに人事院が言っているのです。これを今度引き伸ばしたわけです。両方引き伸ばせばいいのだが、そうじゃなかった。あなたの方では上ばかり引き伸ばしたのでしょう。それで例をとるのは、民間の給与を五百人以上と五百人以下を区別して——それは今の日本の産業機構を見ればわかるでしょう。五百人以上と五百人以下の例をとってみたら、これは給与形態から言っても大へんな違いですよ。それで三等級以上は五百人を対象にしてなおかつ間伸びするような実態を持っている。それから民間を対象にするという場合、その職務内容、労働条件というふうなことを検討しないでそのまま受け取る。たとえば病院ストなどが今盛んにありますが、そのまま受け取ったら、不的確なものをわれわれが受け取っておったということになりませんか。それが一つ。それから大学の先生なんか、今までもこっちの方が絶対に多いじゃありませんか。私学は二千名でしょう。こっちが二万名も抱いておって、自主性があるかないか知らないけれども、それが民間を対象にして問題をきめなければならぬなどということがもしかりにあるとすれば、これもはなはだ不見識でしょう。しかし引例はそういう引例のもとでなされていませんか。病院の場合は労働以前のいわゆる封建的な形態である。しかし今度の場合実際はそれを採用しているわけでしょう。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 人事院の勧告は今回政府案になって大体出ておるわけでございます。従って今のお話でございますが、人事院の勧告いたします場合にどういう基準でやるか。これは天衣無縫にはできないのでありまして、やはり公務員法なり給与法にきめてあるところに従って人事院はやるのであります。そこでは原則的には職務給のことがある。また生計費というようなことも十分考えろというふうなことが書いてあるけれども、現在の法体系のもとにおきまして人事院が勧告する場合には、やはり公務員の給与を民間の状態と大体合わす、これが原則になっているわけであります。しかしただいま御指摘のように、民間の事業と公務とはいろいろ職務の遂行上違うところもございます。しかしわれわれは現在公務と民間とを比較いたします場合に、現在人事院がやっておりますような職務の種類別あるいは責任の度合い別に大別いたしまして、そうして公務と民間とを一応比較してみるというやり方が適当であろうと思っております。たとえば大学教員を私学と比較するのはおかしいじゃないかというお話がございました。従いましてわれわれは私学の数字をそのまま大学教員に使っておるわけではございません。また民間の病院等におきます看護婦その他の職員の給与がいいか悪いかという問題は御指摘のようにあろうかと思います。しかしわれわれはその水準に合わせて今回医療三、看護婦の俸給をきめたものではございません。従いまして全体的に民間を合わせて調査をする。それは民間の現在の状態を全体として把握する場合に、一番的確な方法であろうと考えてやっておるわけであります。しかし公務内のバランスというようなことを十分考えまして、民間と比較した場合に上げる必要がないと形式的に出るものがありましても、そういうことにはこだわらずに、公務の部内の均衡をとりまして、看護婦も今回は上げておるわけでございますし、また大学の教授等につきましては、これは科学技術振興という特別のものの考え方もあるわけでありまして、そういう観点から特殊の考慮をしておる、こういうことであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 では人事院にお聞きしますが、民間と比べてあなたたちが業種別に対照してみた場合に、民間よりも官の方が高い場合があったでしょう。そういう場合はありませんでしたか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ございます。ただいま申し上げましたように、たとえば看護婦あるいは学校の教職員におきましてはそういう例がございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうするとこういう現象が起こらぬでしょうか。たとえば一二・五という数字がありますね。この場合に高いものがあるわけですね。同じものはおそらく据え置かれてくると思うのです。そうした場合にどこかにしわ寄せされていきませんか。一二・五という数字が全体に押された場合に、そのしわ寄せされた反面が初任給、下級職員の率を操作上からいってうんと低めていく一つの現象になって現われたのではないか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 一二・五%というのは、これは全体の最後のまとめの数字でございます。われわれはその点に着目いたしまして、今回の公務員の給与を上げます場合、おおむねその程度になるように上げております。しかし個々に見て参りますと、俸給表別にそれぞれ民間との格差は違っておるのでありますから、一二・五%でかりに全体を一律にやったとするならば、この民間との格差に関する限り、また凹凸が出て参る、こういうことはあり得るわけであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 人事院は今回かなりな意欲をもって勧告なさったと聞いておるのですが、今まで施行期日を明記しなさいというふうに、勧告のあるたびごとに口をすっぱくしてわれわれは申し込んでおったわけですね。それを今回五月一日、こういうふうにいったことに対して政府が十月一日にしか施行できない、こういうふうな提案をなさったわけですが、それについて人事院ではどんな御感想を持っておられますか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 人事院といたしましては、勧告は五月一日から実施を希望しておるのであります。この気持は今もって変わっておらないのであります。しかしながらこの勧告実施に要する予算につきましては、人事院にさような財政計画の権限はないのでございますから、これは国会と内閣でおきめ願うよりしようがないと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 皆さんの方で五月一日から施行しなさい、こういうことは民間の経済状態がそれに即応しているという見通しをもって、そういうふうな勧告をなさっていたわけですか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 ちょっと御質疑の意味がわかりかねるのでございますが、要するに人事院の民間給与調査が四月でございますから、五月にこれを引き上げますれば、大体官民の格差は解消するのではないか、大体の考えをそこに置いたのでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 政府にお伺いします。民間の給与を対象として、常に民間の給与を追いかけているのが、数年来の官吏の一つの傾向であります。今回ようようにして今まで十歩おくれていたのを、一カ月おくれで二、三歩のところに近づけてきた。それだってその間には進行しております。ですから四月に調査資料を集めたのを五月から施行しましても、その間に実際の経済的な動きというものはあって動いているわけです。さらに十月になりますとなおさら離れたことになると思いますが、こういうのは人事院の勧告を尊重するという建前から見れば、かなりに半端なものに見えるわけです。公務員法六十四条に、民間の給与云々と定めてあるわけですが、財政的な措置とかいろいろなことがあるけれども、そのたびごとに人事院の勧告を尊重するという言葉が往々にして無視——半分尊重されて半分無視された形、それから法律の規定における問題ですね。つまり民間給与を取り入れてやれという考え方、私はこれは業種別でないと思っているのです。総トータルにおける民間企業給与と考えておりますが、そういう法律上の解釈は統一されているわけですか。たとえば民間の給与という問題について……。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 人事院の解釈といたしましては、公務員法で民間賃金という言葉を使ってございますから、この民間賃金をどのように解釈するかは、人事院の解釈にまかされていると思うのであります。少なくとも勧告に関します限りは……。それはすでにお手元に出してある資料でおわかりのことと存じます。

石山權作日本社会党

○石山委員 人事院は総まとめで問題を考えるということは今まであまりおやりになっておりません。業種別対応をやっているわけなんですが、それは私たちは不合理性が最近顕著になってきているということを指摘しているわけです。総トータルの中において公務員制度に順応したような体系を組む段階にきているというように、さっきも政府の方へ私は申し上げているわけです。それと、今総裁の言われるように、在来のものを最も正しいやり方だというように固執されますと、問題は人事院の方へ移っていくということになるわけですが、賃金の全体ということも解釈の中に含まれていいのじゃないですか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 石山さんの御高見は承りますけれども、公務員法の条文の解釈といたしましては、民間賃金、生計費、その他の事情、こういうことになっておりますから、このワクの中で人事院は勧告をいたすより仕方がないと思っております。ただし一方、公務員内部における給与のバランスにつきましても考えて勧告をいたしているつもりでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 公務員の賃金あるいは民間の賃金、賃金というものはたとえば三等級から見れば二等級は賃金じゃないのですか。賃金であることに変わりがないでしょう。だから私の言うのは、人事院の独自の解釈の中には、民間のその年度に上がった総トータルがある。たとえば一二・五なら一二・五というものがある。その一二・五というものの賃金の配分は、人事院の解釈として自由になし得るものだと私は解釈しているわけです。あなたの方では、さっきのあなたの御答弁を聞いておりますと、何か固定したような考え方ですね。それはどういうふうにこっちは解釈すればよろしいのですか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ただいま総裁から御答弁がございましたように、公務員法六十四条で公務員の給与は民間の賃金と生計費を勘案してきめろ、こういうことになっているわけでございます。一方六十二条をごらんになりますならば、公務員の給与というものは職務と責任に応じて定めらるべきものであるというふうに書いてあります。それは私が先ほどお答え申し上げました通りであります。従いまして人事院といたしましては、職務と責任に応じてきめるという観点から、おおむね職務別に民間と対応し考えるという一つの線があるわけでございますけれどもまた公務自体、公務部内におけるバランスという問題がございますので、ただいま総裁が答弁いたしましたように、そういう点も十分考えてやっているということでございます。従いまして、かりに今回一二・五というものが出たら、その配分はもう人事院で全部自由にやっていい。極言すればそういう場合もないと断言はできないかもしれませんけれども、やはり公務員法に一つの柱があるわけでございまして、その両者を勘案しながら人事院が適当と考える俸給表を作成して勧告する、こういう次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 それならばかなりの弾力性があるというふうに聞こえます。そういうふうに私どもも解釈しておるわけですが、私は特にこれはあるいは大臣に聞いた方がほんとうかもしれませんけれども、人事院が今までにない異例の措置、五月一日からと施行期日を明記したというのは、これは諸般の緊急重要ないわゆる政府の施策の中に入りませんか。今まで人事院はそういうことをやったことがない、やったことがないのにばっとやったというところに、重要性、緊急性があるのではございませんか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 人事院が五月一日から実施することが望ましいという勧告をされたことは、非常に重要な点であると思います。従いましてこれを政府として実施する上においていかにするかということについては慎重に考えた次第でございますが、しかし先ほど給与担当大臣から答弁申し上げたようなその他の諸般の事情もございまして、十月一日ということになった次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 その他のというのは、人事院の勧告よりもなお緊急でなおかつ重要な事項ということになると思うのですが、これは事例を示すことができる事項が数多くあるわけですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 給与担当大臣が提案理由の中で説明をいたしましたのは、現在国会に提出をいたしておりまする補正予算にごらんになるような各種の事情があった、こういうことでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私はこの問題はなるべく早く質問を終わって、内容を明らかにして、政府あるいは自民党、わが社会党の立場をそれぞれ明らかにして、年末でもございますし、法案の終結をつけたいのです。しかしこれは委員長の責任でもあると思うのだ。担当大臣がいない。五月一日の施行期日を明記された前代未聞の法案に対して十月一日などと言いっぱなしでふいにいなくなった御本尊を相手にして質疑は続けにくいのです。私の党でも早く終結をつけたい。大臣に、やはり最終の終結をつけるような段階にはぜひとも出てもらわなければ、これはやれといってもやれなくなってしまう。その点一つ委員長から特段の努力を払ってもらうという前提のもとで質疑を保留してきょうはこれで打ち切っておきます。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 承知いたしました。  残余の質疑は次会に譲ることといたします。      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。津島外務政務次官。     —————————————

津島文治自由民主党外務政務次官

○津島政府委員 在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。  この法律案におきましては、さきに独立しましたナイジェリア及びコンゴにあります各領事館をそれぞれ大使館に種類を変更することといたしております。  ナイジェリアは、去る十月一日に英連邦内の一国として独立いたしたのでありますが、わが国がラゴスに設置いたしております領事館は英国政府の同意に基づきまして設置いたしたものでありますので、ナイジェリアの独立とともに先方政府に対し在ラゴス日本国領事館を大使館に種類変更いたしたい旨を申し入れましたところ、同国の総理大臣から同意を得たものであります。  ナイジェリアは、わが国にとりましてはアフリカ最大の輸出市場であり、昭和三十五年度の輸出額は四千七百五十万ドルに達しております。また同国は、高度な自治組織を持っており、独立後は西アフリカにおきまして指導的な国の一つとなっておりますし、かつ国連加盟後は、アフリカ地域にある独立国の増加に伴いまして国連の票数が著しく増大したAAグループの有力な一員としまして、国連内においても相当強い影響力を持っておりますので、わが国の対アフリカ並びに国連外交を円滑に推進するためにも、ナイジェリアとの連絡を密にする必要があるのであります。  なお、従来ナイジェリアに総領事館等を置いていた各国も、一斉に大、公使館を設置する手続をとっておる次第であります。  コンゴは、去る六月三十日独立いたしたのでありますが、わが国といたしましても直ちに在レオポルドビル日本国領事館を大使館に種類変更いたしまして外交関係を設定いたしたい旨、同国政府に申し入れておりましたところ、独立直後御承知の通り暴動事件が勃発いたしましたので、先方政府の回答が本年八月五日に至りようやく同意する旨の通告が参ったような次第であります。  その後同国内の治安事情もやや好転し、国連の加盟も認められ、また最近に至りその代表の議席も確定いたしたような次第でございます。同国との貿易状況につきましては、独立前は輸出額約六百二十万ドル、輸入額約三十五万ドルという状況でありましたが、政情安定いたしますれば、わが国にとりましては非常に有利な輸出市場として発展するものと思われます。  以上のような理由によりまして、両国にある領事館を変更いたしまして大使館を設置するための法的措置といたしまして、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正すると同時に、これらの大使館に勤務する職員の在勧俸の額を定める必要がありますので、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律にも改正を加えることとし、これらの二つの法律の一部を改正するための法案として、本法律案を提出する次第であります。  何とぞ本案につきましては慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 本案についての質疑は次会に譲ることといたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十九分散会

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