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37回国会衆議院1960/12/23

地方行政委員会 第6号

発言数
65
登壇者
7
会派数
2
開催日
1960/12/23

会議録

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 これより会議を開きます。  地方自治及び地方財政に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の通告があります。この際これを許します。安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 このたび国家公務員に対する給与の改定が行なわれるに際し、地方公務員についても同様な措置がとられるべきだとの考えから、それについての財源措置を地方交付税で講ずることが決定をしたわけでありますが、自治省といたしまして、現実に現在の地方公共団体における給与の改定措置をどういうふうに進めるよう御指導をされるおつもりか、その辺を一つお伺いしたいと思います。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 従来、国家公務員につきまして給与改定の措置が行なわれました際には、これに準じて地方公務員についても給与改定の措置を講じてもらうようにそのつど指導をいたして参っておるのでありますが、今回の給与改定に際しましても、もちろん同様な態度をもって指導を現実にやっておるわけでございます。ただ、今回の場合は従来の例と違いまして、十月にさかのぼって実施されることに相なっておる点、それから財政的な措置も同時に交付税の増額の措置をもって明確になされたというような点、さらには年末差し迫っておることでもございまするので、できるだけ早く地方公務員につきましても給与改定の措置が行なわれますことが適当である。これら諸般の事情にかんがみまして、法律が決定をされまする前に、事前に大体の構想というものを通達いたしまして、それによって準備措置を完了するようにというふうに指導して参っておるのでありまして、大体年内には給与改定の措置が行なわれるところが多いのではないかというふうに期待をいたしておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 具体的に改定の仕方は、国家公務員に対する改定措置と同じようなものをやれ、そっくりそのままでやれというふうな御指導でありますか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 大体従前もそうでございますが、国の措置が行なわれますれば、それに準じた措置をやっていってもらいたいというふうに指導して参っておるのであります。ただ、地方団体と申しましても三千五百の地方団体があることでもございますし、職員構成あるいは組織の点、いろいろ千差万別でございまして、一律的に国の基準そのものをずばりと適用して参るということはできがたい事情にあるところもあることはむろんのことでございますので、それらの点は、一応の基準といたしましては指導の方針を打ち出しておりまするけれども、具体的な決定は、それぞれの地方団体において適当と認めるととろに従ってやっていただくという方針で参っておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 仄聞するところによりますと、いわゆる内簡指導というようなことで大へん手回しよくお進めであり、しかもその指導はきわめて強力で、地方公共団体に対する強い給与統制をしていこうというふうな含みがあるというふうにも聞くわけでありますが、そういうわけじゃないのですか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 従来の指導方針と特に今回の場合強くしたとかなんとかというようなことはございません。従来と同じような方針で指導いたしておるわけであります。ただ先刻も申し上げましたように、今回の場合は大体措置が事前にもうわかっておったことでもございまするので、それと年末差し迫ってのことであるというような配慮から、できるだけ早く準備措置を完了していただきたいということで、早目に内簡をもって指導する措置をとっただけが、従来と異なる点でございます。給与決定の原則は、御承知のように、府県の段階では人事委員会の勧告というものもございまするし、さらには職員団体との交渉ということもございまして、それらの手続が尊重せらるべきことはむろん前提として当然のことであるというふうに考えておるのであります。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今行政局長のおっしゃる通り、地方公共団体の給与の問題は、その地方公共団体の置かれております特殊な事情の中で自主的にきめらるべき建前をこわすということでは大へんだというふうに私考えていたわけでありますが、今のお話ですと、国家公務員と地方公務員との給与制度の中で根本的に違う点等もたくさんあるわけでありますが、そういうような点が十分尊重される余地が残されているということを聞いて安心をしたわけです。そこで国家公務員の給与表の中におきましても、いわゆる上厚下薄といったような問題もありましたし、それから地方公務員の場合ですと、比較的格づげが下級の方に片寄っているわけでありますが、こういったような問題も、つまり、国家公務員について定められておりますあの給与表を地方公務員に適用する場合には相当いじらなければいけないというようなことも考えられるわけですが、それについてはどうお考えですか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 大体今度の国の場合の俸給表を前提といたしまして、地方公務員の格づけ等についてもしさいに検討いたしたわけでありますが、大体は国の俸給表に準じて俸給表を設定するということで何とかいけるという見通しを実は持っておるのであります。ただお話もございましたように、下級の職員というのが割合に数としては多いことも事実であります。それと年令構成その他から申しまして、いわゆる折れ曲がり号俸以上に格づけをされている職員は実は国の場合に比較して多いことは事実でございます。そういう点にかんがみまして、私たちといたしましては、今度の場合、あまりに等級ということにこだわり過ぎてこれを厳格にいたして参りますると、その点なおさら頭打ちあるいは折れ曲がりといろものが多くなって参りまするので、その点等級決定についてはある程度弾力性を持たせる。これによって折れ曲がり号俸以上の者があまりふえることは避ける。同時にワク内に持ってくることによって、職員自体の給与の体系あるいは実質的な昇級期間の問題等についてよい結果がもたらし得るのではないかという点から、等級決定についてある程度弾力性を持ってもよろしいというような指導を行なっておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今、そういう特殊性の問題につきましてお触れになったわけでありますが、そういう特殊性はたくさんありますけれども、国に比べて下級に格づけされた職員の数が多いというのも大きな特徴ですし、そういうふうな下級格づけの部分につきましては頭打ちが早過ぎるわけです。そのために地方では十二月昇給期間の号数を増加するといったような大へん苦心さんたんな措置をとっております。あるいはまた通し号俸的なシステムをとったりしているのもありますし、あるいは行政職二表ですか、あれを全然作らなかったりしているところもあるようであります。これらの特殊性につきましてはどういうふうに扱うおつもりですか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 今御指摘になりましたように俸給表の具体的な号級決定等につきましても、あるいはまた昇給期間の点につきましても、現在の俸給表自体について、ある程度十二カ月昇給の号俸を伸ばすとかというような措置を講じておるところが多数にあることも事実でございますが、現在の給料表自体が非常に区々にわたっておりますのと、今度の新俸給表自体が、御存じのように各等級ごとでそれぞれ具体的な号級の額というものが違っております。同じものが異なる等級にまたがって一緒にあるというようなことには実はなっておりません。現在の給料表自体をそのまま基準といたしまして切りかえ等の措置を講じて参りますると、給料表自体が非常にまちまちになり過ぎるというようなきらいもございますので、むろん職員の既得権というものは、これは確保して参らなければなりませんので、その点切りかえについては特別の考慮を払っておるわけでございますけれども、新給料表については、なるべく先刻申した等級の格づけについて弾力性を持たせるという措置を講ずることによって、給料表自体は、標準団体にあっては、できるだけ国に準じた取り扱いをしてもらいたいというふうに考えておるわけでございます。しかし、あくまでこれは一定の標準団体に対する基準でございますので、それぞれの地方団体の実情に応じて適宜な措置を講ぜられる、先刻申した職員団体との交渉とかあるいは人事委員会の勧告に応じて具体的に適実な方策が講ぜられるということになりますれば、それについてわれわれとしてとやかく申すつもりは持っておりません。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今もお答えがございましたが、私、特に給与表の下級格づけの部分について考えるわけでありますが、今度の新しい表によりますと、格が変われば同一の給与額というものはないですね。しかも昇給率というものがずいぶん違ってきている。また頭打ちの問題についても、格が一つ変わるたびに非常に大きな差が出てきているわけです。そういうことを思いますと、これは国家公務員の場合にもある程度いうことができるかと思いますが、地方公務員の場合においては、都道府県やことに小さな役場の中で、そこまで格づけをこまかくしていく必要がないのではないかという気がするわけです。少なくも一般職の下級係長くらいのところまでは、つまり六級、七級、八級くらいのところまでは、通し号俸的な扱いでよいのではないかというふうなことも考えられるわけでありますが、それについてどういうふうにお考えでしょう。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 市町村、特に小さな町村につきましては、なるほど国とずいぶん違った構成を持っておると思います。そういうところに一律的に国の基準そのままをどうしても適用しなければいかぬということになりますると、これはむしろ実情に合わないことにも相なると思うのであります。ただ府県におきましては、職員を多数かかえておることでもございまするし、その組織構成等につきましても、国に準じた取り扱いがなされておるのでありまして、そこに本質的な区別を設ける理由というものも、私はないのではないかと思っております。程度問題はございますけれども、本質的にはその取り扱いを異にする理由はないのではないかと考えておるのであります。  今度の等級制の関係について、御指摘にありましたような、同じ額の号俸がないということについては、いろいろ見方、考え方もございます。私自身も個人的にはいろいろ考えを持っておりますけれども、人事院がああいう勧告をなされ、それを尊重して政府として方針を決定いたしました以上、これについていかなければならない。なかんずく等級ということについて、今までは等級が上がりましても、現実に受ける俸給の額が変わらないという場合もあったわけであります。それはむしろ不合理ではないか、やはり等級が上がれば、若干ではあるけれども、現実に支給される俸給の額が上がるということが自然ではないかというようなことからああいう措置がとられたかと思うのでありまして、その考え方自体というものは、なかんずく府県の場合には取り入れていって差しつかえのない事柄ではないかと思っております。ただ、繰り返しますが、町村等におきましては、その点国の俸給をそのまま適用するということは、現実にも合わない面が出てくると思うのでありますので、それらについては地方課を通じて具体的に町村の実情に合う給料表の作成をやってもらいたいというふうに指導いたしておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今の問題については、これは一長一短だと思うのですが、私は大体において短所の方が多いように思うわけで、できれば通し号俸的な性格でいくことの方が実情に合っているのではないかということを考えるわけでありますが、それにいたしましても、格づけをしかえるということが今度の改定措置の中で当然行なわれるわけであります。しかもそれにつきまして、従来の既得権を尊重するとか、あるいはまた新しい格づけに格づげがえにつきましての不合理を是正するというふうな目的で、上の格づけに相当程度地方公共団体でもしかえるといったような措置が当然とられると思うのですが、それについて何か制限的なお考えとかお持ちでしょうか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 現在折れ曲がり号俸以上に位置いたしております職員も、地方団体によって非常に多いところもございます。そういうところにつきまして、すべて折れ曲がりをなくするということで、全部上の等級に格づけをしていくということになりますると、全体の職員構成のあり方というようなところから申しまして、非常にいびつな格好にもなってくる可能性があるわけであります。その点は、全部が全部折れ曲がりをなくしてしまうということは一挙には私はできがたいのではないかと思っております。その点で、一つの基準といたしましては、現実の頭打ちというものはこれは合理的だとは申せませんけれども、一応それは前提といたしまして、その折れ曲がりの率、程度はまず維持をしていく、その点はいたし方ない。ただ全体の号給の幅というものが狭まってくる関係から、その分だけ上に上がってくる。折れ曲がり状がふえて参る。その分につきましては、これを上の等級に格づけをしていくということは、むしろ積極的にやってもらった方がいいのじゃないか、そういう方針を打ち出しておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今のその問題も、結局は号俸の作り方がどうできるかということにも関係があるわけでありますし、地方公共団体で、それぞれの実情に従っていろんな措置が当然行なわれなければならないわけで、その場合に、地方公共団体が今度の措置に準じたやり方をするにいたしましても、もちろんそれぞれの実情が考慮されたり、あるいはまたそれぞれの公共団体と職員団体との話し合い等の中から、変わった形で結果が現われるということも予測されるわけでありますが、その点については、当初お話がありましたように、実情に即したそういったような措置を尊重していくという建前でお進みいただけるものだと思うのですが、その点さらに確かめの意味でお尋ねをしたいと思います。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 地方公務員法にもございまする原則、すなわち人事委員会の勧告あるいは給与決定にあたっての職員団体との交渉、このルールはあくまで尊重をして参るつもりでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 先ほど年内改定が大部分できそうだというようなお話がありましたが、都道府県あるいは市町村別に大体どの程度の見通しを持っておられますか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 都道府県につきましては、現在まで報告がありますところでは、三十七府県が大体年内の給与改定が行なえるという見通しを持っておるようでございます。まだ報告のありませんところでも、条例を提出するという運びに相なっておるところもあるようでございますが、改定の準備が整わないで来年に持ち越すというように決定をいたしておりますところが五県あるようでございます。市町村につきましては、まだ報告に接しておりませんが、大きな市あたりでは給与改定が年内に行なわれると思いますが、町村あたりにつきましては、場合によっては年内の給与改定がおくれて、来年に持ち越されるものもかなり出てくるのではないかというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 地方公務員の給与の問題につきまして、標準的な取り運びをいたしておりますところにつきましては、先ほどのような考え方で大体いけるわけでありますけれども、ただ再建団体だとか、合併市町村でありますとか、そういうような場合につきましては、国よりも非常に低い給与水準の中に置かれているわけであります。今回のこの改定措置につきまして、そういうものについては何かとりわけてどういうふうな措置をするというふうな特殊な対策をお持ちでしょうか、その点一つ伺いたいと思います。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 とりわけての対策というものは特に持っておりません。府県の段階におきましては、一時財政の関係から申しまして、給与につきましても、昇給期間が延長せられましたり、その他の非常に悪条件が重なっておった場合もあったのでありますが、その後漸次順調に普通の状況に戻って参っておる状況でございます。ただ一番の問題は、新しい市あるいは町村等におきましては、給与が国家公務員に比して非常に悪いというところがあることは事実でございます。一般の財政計画に基づいて考えておりまするようなものから比較いたしましてもかなり低い、これは事実でございます。この点につきましては、従来からもいろいろ指導を行なってきておるわけでございますが、ことしに入りまして、特に新市なり町村の給与の問題につきましては、あまり低過ぎるというような点については、やはりこれの合理化をはからなければならぬということから、任用制度、公務員制度全般の整備というものの一環として、給与制度についても改善をはかってもらいたいということで、具体的に詳細な方針を確定をいたしまして、県を通じて指導を行なっておるわけでございます。漸次改善の兆候は見えてきておるようでございますけれども、何分にも従来のいきさつもございますし、また町村あたりに参りますと、他の一般の給与との関係というような点もございます。また各種団体の職員の給与との均衡というような問題もございまして、一挙にはなかなか参らないようでございます。しかし、漸次その方向に改善して参りたいということで、従来もやって参っておりますし、今度の給与改定に際しても、その点は関係課長に対して十分注意をしてやってもらいたいというふうに指導を加えておるのでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 こういう例もあるのですね。女子職員で月給が五千円ぐらい、町村合併で役場が遠くへ行っちまって、そこのバス賃が四千五百円かかるそうです。これは極端な例かもしれませんけれども、そういったような低給与水準が横行しているわけであります。しかし、その市町村に対しまして、基準財政需要額の見方が、特別に職員給与費を低く自治庁でそろばんをはじいているというわけではないだろうと思うのです。それにもかかわらず、そういうようなものであり、しかも今回もこういったような財政措置がとられたことで、直ちに国と同じ水準まで一ぺんに飛び上がるということは期待できないと思うわけです。そこで何か今までの経過的ないきさつというものは、これはずいぶんあると思います。あるのはよくわかるわけでありますけれども、そこから一つの何かその経過的なものを飛躍するという措置がなければ、これはいつまでたったって、全体的な給与でならしてやってはいるけれども、しかしそれが学校の建築になっているのか、橋になっているのか知りませんけれども、いずれにしても普通の場合ではそれが給与費に当然向けられるべきものが向いていないという、そういう事実は何か一種の飛躍措置といいますか、そういうものがなければこれは解決できないのではないかというふうな気がするわけです。そこで特別に財源を付与するとか、これもいろいろ問題があると思いますけれども、一ぺんにいかないにしても、何か段階的にそういったようなものを積極的に解決をしていくという努力がこの際必要ではないかと思うわけです。それにつきましてもっと具体的な考え方をお持ちではないでしょうか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 飛躍的な措置といいましてもなかなかむずかしいと思いますが、私は、やはり具体的にやって参りまする点といたしまして、最も大事なことは初任給決定だろうと思います。実は給与制度あるいは公務員制度自体が非常に不整備な状況に置かれておることで恐縮でございますけれども、町村におきましては、初任給自体も決定をされていないというところも実はあるわけであります。大体当時の町長の判断でこのぐらいにしておこうかというようなことで決定をされるというような例も実は絶無ではないのであります。私はこの点について、やはり適正な初任給がきまるということが、給与制度を軌道に乗せる一番近道ではあるまいかというふうに考えておるのでございます。そうなりますと、結局他の職員との均衡問題が起きて参りますので、だんだんとそれが整備の方向にいくのじゃないか。初任給をきめてもらうことが一番先決ではないかということで、それに重点を置いて実は指導をして参っておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 その初任給決定ももちろん大切なことで、市町村の場合ですと、特に町村なんかの場合ですと、相当勝手な初任給の決定あるいは昇給措置が講ぜられているというのが実際の状態ではないかと思います。あの娘さんはきれいだから百円上げておいてやれ、そういうようなことで給料が勝手にきめられるというようなことではいけないので、その初任給措置と同時に昇給の問題ですね。ですから、やはり給与表がそのままの姿で実施に移せるというふうな体制を強い熱意をもってお進めいただかなければ、なかなか解決がつかないのではないかと思うわけです。その点自治省が熱意をどれだけお持ちになるかどうかということが問題の解決のかぎであるというふうなことも考えるわけです。渡海政務次官、どうでしょう。

渡海元三郎自由民主党自治政務次官

○渡海説明員 御趣旨ごもっともだ、かように存じますが、御承知の通り市町村に参りますと、他の団体の給与あるいは一般の給与との関係もございまして、経過措置と申しましても、直ちにそれがいきにくい点が往々あるのではないかと思いますが、漸次これらの点をいわゆる所得倍増計画に基づきますところの都市と地方町村との格差をなくするというふうな点が、こういうような点でも現われてこなければならないと思いますので、今仰せられたように熱意をもって一般の所得を上げていくとともに、こういった面も具体的に指導して参りたい、かように考える次第であります。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 所得倍増もいいですけれども、所得格差をなくすこと、縦のあるいは地域的な横のそれらの格差をなくすことの方が私は大事なことだと思います。今そういう点にもお触れになりましたけれども、一つ熱意をもってお進みいただきたいと思うわけであります。  そこできょうは財政局長も、それから大蔵省からもお見えでございますので、給与財源の問題につきましてちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが、前回の委員会で、交付税の特例に関する法律案を審議する中で、給与財源の問題につきましてもいろいろお話をいただいていたわけでありますが、その財源の実額の見込みにつきまして、大蔵省と自治省との間で算定方式について見解の相違があったように聞くのですが、その点はどういうふうな姿であり、それがどういうふうに調整せられたのか、その点財政局長とそれから大蔵省の方からお答えをいただきたいと思います。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 地方職員の給与費増加財源を見ます場合に、職種によってかなり違っているわけであります。それを当初は国家公務員については本俸の一四%のアップになるだろう、こう言われておったものでありますから、それだけの計算をして当時は数字を申し上げておったのでございます。その後、この前も申し上げましたように、三月三十一日現在の職種別、等級別の職員構成がわかって参りましたので、それを基礎にして計算し直して参ったわけであります。そのデータにつきましてもいろいろ議論はして参りましたが、これは協議の過程の議論だけのことでありまして、現在におきまして別段意見の相違というようなことはございません。また当初申して参りましたのとそう大きな開きは出て参っていないようでございまして、その数字も先般申し上げたわけでありますが、その点につきましても大蔵省との間で考え方の相違は全然ございません。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 ただいま財政局長からお話のありましたように、大蔵省といたしましても、自治省の最初のお話のありました一四%というのは、とりあえず給与財源の算定をする上に必要だということで当初一四%ということを印しておったのだと思いますが、その後、自治省の方で三十五年の三月に府県の実態調査をされた資料があるというお話がありまして、その実態調査に基づいて今回のべース・アップを引き直してみますと、相当確実な数字が出て参ります。これは若干一四%よりも下回るものもありますが、教育職、公安職は、国の水準が割合はっきりしておりますから、それと大体歩調を合わせる。一番問題になりましたのは地方の一般職員の率でございましたが、それが自治省の最近の実態調査に基づいてその数字が明らかにされまして、大蔵省といたしましても、その数字に乗るのが適当かと思いまして話がついたわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 この決定のいかんによりまして、明年度の給与財源に対する見通しというようなものに非常に大きく影響がくるわけでありますが、大蔵省はどのくらいに見ているわけですか、来年の給与財源の増は。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 ただいままだ作業中でございまして、確実な数字を申し上げる段階に至っておりませんが、アップ率の考え方につきまして、自治省と大蔵省の間に補正予算で基本的な食い違いはないのでございますので、あとは技術的なこまかい計算を積み上げてその所要額をはじき出したいと思ってただいま作業中でございます。まだその数字はかくかくであるという段階には参っておりません。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 自治省の方はどうですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 従来から、一般財源で六百二十億円程度本年度の当初の計画よりも必要だろう、こう申し上げて参ってきているわけであります。ただ特別職やその他につきまして今までの見方でよろしいのかどうなのか、いろいろなことは今後なお研究して参りたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今財政の問題にだいぶ入って参りましたので、若干明年度の地方財政の見通しにつきましてお尋ねをしておきたいと思うわけであります。明年度行なわるべき減税措置について次第に国の考え方も固まりつつあるようでありますが、大体どれくらいの見通しになって、それが地方財源にどのようなはね返りをしてくるか。それからもう一つは、地方税自体についても税制改正といったような問題が出てくるわけでありますが、それらはどうふうな動きになるか、今わかる範囲でお話しを願えれば幸いだと思います。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 税制調査会で一応の税制改正案が答申されているわけであります。これを受けまして、政府としてどういう税制改正の案を固めますか、まだこれから先のことでございます。かりに税制調査会の案をそのままとって参りますと、地方税の減収額が三十六年度で五十八億円、こういうことになっておるわけであります。平年度で百六十一億円。しかし、この案につきましてもいろいろな意見があるわけでございますので、若干移動を見るのではなかろうか、こう思っております。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 地方税自体についてはどうですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 地方税自体の問題を申し上げたわけであります。国税の法人税の改正において、耐用年数の改訂が行なわれる、それは地方税についてもそのまま適用していく、また地方税自体についても若干の改正が行なわれる。反面増収になる面も出てくる。そういうものを差し引きまして、地方税自体の減収額が五十八億円、こういうことになっているようでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 つまり国税の改正に伴うはね返りの部分と、それから地方税自体についてもいろいろ検討が進んでいるのじゃないですか。本来の国税と無関係に、地方税自体についても、たとえば電気ガス税だとかその他についても、何か考えられているというふうな話を聞くわけですが、その点はどうでしょうか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 両方合わせて申し上げたわけでありまして、これは答申案でございますので、政府がこの案によると申し上げているわけじゃございませんので、そこは御了承願っておきたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 まだはっきりした見通しが立たない段階ですから、この問題については先に譲りたいと考えますが、明年度の財政運営という上におきまして、特に地方財政の面で非常に大きないろいろな要素がたくさんあるように思うわけでありますが、その点について自治省でどういうふうにお考えになっておるのか。特に三十五年度との比較においてその見通しについてお話しいただきたいと思うのです。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 三十六年度の地方財政の見通しの上で、どういう姿になるだろうかということについて、私たちが一番関心を持っておりますのは、公共事業費の問題が一つでございます。これは国の公共事業費からくる地方負担額の増大の問題もございましょうし、また所得倍増計画その他から考えまして、地方の単独事業費をどこまで引き上げていくことが可能であるか、また引き上げるべきであるか、こういうようなことでございます。第二番目には、退職年金制度の問題がいわれているわけでございますが、これをどういう姿において実現していくことができるだろうかという問題でございます。第三には、給与改定費が平年度化して参りますので、相当な増額になって参るわけでございます。  そういうようなことから、大ざっぱな話として、私たちは少なくとも一般財源で二千億円以上の増加をもたらしたい、こういう希望を持っているわけでございます。地方債とかその他のものではございませんで、一般財源で二千億円以上の財源をもたらしたいものだ、こういう希望を持っておるわけでございますけれども、今申し上げましたような姿がどういうことになるかによりまして、数字もある程度動いていくだろう、こう思っておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 未開発地域の開発促進に関しまして、昨年来自治省も成案を得まして、いろいろ折衝も続けておられたようでありますが、それについて明年度はどういう見通しを持っておられますか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 後進地域を開発していくためにふさわしい財政制度をとるということにつきましては、与党の方でも政府の方でも、それぞれ三十六年度実施を目途に考え方をきめておるわけでございますので、内容はいろいろ今後さらに話し合いをしながら固めていかなければならぬわけでございましょうけれども、必ずや実現できる、こういうふうに私たちは考えておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 特例法案がありましたね。あれはどうなんですか。あの線で進めていくというふうなお気持ですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 政府部内といたしましては、大蔵省と自治省との間でいろいろ話し合いをいたしておるわけでございます。また、閣議決定をもちまして、三十六年度からは全国を一本にしてそういう特例法を制定する、それができた場合には地域ごとの開発法に盛られている国庫負担かさ上げの制度というものはこれに吸収していく、というような表現で決定されたわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 その問題も非常に重大な問題で、もっと時間をかけて論議しなければならないと思うわけでありますが、きょうはもうあとの時間の関係で、それぞれの問題について詳しく突っ込んだ論議を避けますが、今財政局長が話されましたような公共投資の問題、それから給与財源の増大の問題、退職年金制の問題あるいはまた後進地域の開発の問題、これら明年度の地方財政における問題点につきまして、大蔵省はこれからいよいよ予算編成の重大な段階に入っていくわけでありますけれども、どういうふうなお考えを持って処理されるお気持か、きょうは実は主計局長がお見えになればもっと伺うことができたと思のですが、高柳主計官から、今までの検討の状況、さらに今後の見通し等についてお聞かせをいただきたいと思います。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 来年度の地方財政の問題で、大きな問題として取り上げられるのは、ただいまお話のあったような諸点がありますので、大蔵省といたしましても慎重にこれらの問題をただいま検討しておりまして、本年並びに来年にかけまして、来年度の国の全般の予算編成の問題とからみ合いまして、地方財政の問題を処理して参りたいと思っておる次第でございます。ことに公共事業費の増加、いわゆる所得倍増計画等に基づきますところの公共投資の増ということは、一つの大きな国の政策かと思いますが、その際に、地方負担並びに地方が単独で処理する事業量の確保という点につきましても、われわれ地方財政を担当している側から慎重な検討を進めておるわけでございます。  それから退職年金制度につきましては、昨年来の懸案でございますので、その実施の方法、財政処理につきましても、自治省の御意見もございますが、大蔵省としても予算とからんで検討しており、まだ結論は出て参っておりません。  それから未開発の問題でございますが、これは奥野局長からお話のありましたように閣議決定の線もありますので、いろいろの考え方を検討しております。自治省が発表されておりますところの案も一つの案かと思いますが、それにもまたいろいろ検討の余地もあるかとも思われますので、大蔵省といたしましては、いずれ検討の結果、大蔵省としての案を固めまして、また大方の御批判をいただきたいと思っておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 退職年金の制度につきましては、これは事実上去年発足するものというふうに予想されていた制度であるわけです。そう大きな額にもならないというふうに思うのですが、一年間の検討期間はもうすっかり過ぎてしまった今の段階で、これからなお検討するのだというようなことでは、今まで一体何をしていたかということになると思うのでありますが、今までの段階でなおまだ結論が出てないのですか。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 結論が出ていないと申し上げますのは、先ほど申し上げましたように国の予算編成とからんでおりますので、予算の全体のお話が今日の段階でお話し申し上げられない状況でございますので、結論が出てないと申し上げたのでございますが、自治省側が考えておりますところの一割の国庫負担並びに事務費の全額国庫負担というふうな予算要求の形になっておりますので、そういう方法がいいか、またはその他の方法がいいかという点について予算のときに結論を出したい、こういう意味でございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今の一割国庫負担と事務費の全額国庫負担ですか、額はどれくらいですか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 この関係は、自治省の関係では府県の一般職員、それから市町村の一般職員ということになるわけでございまして、全体として見ますと、文部省には公立共済、学校関係がございますし、警察庁には警察職員の関係がございます。全体を合わせまして六十二、三億というふうに御承知おき願いたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 額も当年度要求の部分ではそう多いようにも思えませんし、これなんかもずいぶん検討期間が長かっただけに、もうはっきり結論づけて、ほかの問題をその上にどう積み上げていくかというようなことで論議がされるのが当然だと思うわけであります。その点、十分に御検討をいただきたいし、未開発地域の開発の促進の問題につきましても、これも昨年からの問題ですし、ただその扱いが政府部内でもまだきまってないというふうなことも先ほどの説明の中にありましたが、所得倍増も、地域的な格差を大幅に広げるような姿でなされたのでは全く意味がないということは当然なことです。だから私どもが、所得倍増というふうないいかげんな言い方よりも、格差縮小といったようなところにこそ経済政策の重点が置かるべきだという主張を持っているのは御承知の通りでありますが、そういうような意味からも、ぜひこの未開発後進地域の開発促進の問題についても、有効な結論を出していただきたいということをお願いをしておきます。  そこで、地方交付税の問題でありますが、明年度交付税率の引き上げをすることによりまして、一そう地方財源の充実をはかり、先ほどは給与の問題しか私は触れておりませんけれども、この前の委員会では、現在の地方自治体における行政水準のきわめて劣悪な状態等についてもずいぶん申し上げたつもりでありますが、これらを交付税率の引き上げによって一挙に解決していくということが必要だと思うのですが、大蔵省の方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 行政水準の向上ということにつきましては、かねてから自治省も大蔵省も特に留意を払ってきたところでございまして、その方向にはむろん同感でございますが、その処置を直ちに交付税率の引き上げと結びつけることがいいかどうか、また一般の経済界の好況等による税の収入額の自然増加等もただいまいろいろと計算しておりまして、それらを総合いたしまして、収入と行政水準引き上げ等のための歳出との総合的な結果を見た上で判断をいたすことが適当だと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今のお考え方の中で言えますことは、税収の自然増があるから、それでまかなえるだろうということでありますが、重点的に考えていかなければいけないというふうな御趣旨だと思うのです。しかし、所得がどんどん増してくれば、そのままにしておけば、税収は当然ふえてきます。しかし、その場合において国税の中でも減税が考えられておると同じように、地方税の中でも同時に減税措置が考えられてこなければ、所得倍増というような趣旨にも合わないというようなことになりはしないかと思うわけです。国税の方だけは、相当程度の減税をしてもなおかつゆとりがあるというような状態、地方税の方は一切減税をしない、こういうようなことではやはり筋が通らないのではないかと思います。それでいろいろの段階があるでしょうし、一がいには言えない問題でありますけれども、理論的にはやはりそういうことが言えるわけであります。ですから、国税の方のきわめて大幅な伸びというようなものは、やはり地方に還元することによって、地方財源の充足や、財政調整というような機能もより多く果たさせることが必要だと思うのです。  先ほども後進地域の開発の問題にも触れましたけれども、税収にたよって、それによってまかないきれるというような部面、そういう団体についてはそれでいけますが、しかしながら、ちっとも伸びがないという農村だとか、漁村だとか、山村だとか、あるいはまた特に炭鉱は御承知のような非常に激しい不況の中に今追い込まれております。こういうような特殊な地帯もたくさんあるわけです。そういう比較的人為的な要素のある炭鉱等は別といたしましても、地域によりましては、慢性的な不況状態に陥っておる地帯が十分あるということを考えますと、その調整は、やはり交付税の増加によって、その交付税本来の機能を果たさせていくということ以外には措置することができないのではないかと思います。ことにそういった地域に限って、市町村なり都道府県の税には超過課税が行なわれておるわけです。むしろ交付税の増加交付という形で、他の団体と違った苦しい立場に——つまり高い負担を押しつけられております住民を助けてやるという措置こそが大切ではないかと思います。そういうような意味からも、私は交付税の交付率の増加というような問題にぜひもっと関心を払っていただかなければならないと思うのであります。  そこで一つ伺いたいのは、今度昭和三十五年度内に交付さるべき交付税の額が百十七億あまり明年度に繰り越しになることがこの間の特例法で決定いたしました。それだけ財源が余るのだから、来年は交付税率の引き上げなどは考える必要がないというようなお考え方で大蔵省はいるのじゃないか、その点どうでしょうか。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 地方の財政力の貧弱な団体であって、税収等の収入に占める割合も非常に少ないという団体、しかもいろいろの行政水準その他の公共投資がなおなお必要であるというふうな団体に対して、もっと手厚い交付税の配分を考えるべきではないかという点につきましては、大蔵省としても全く同感でございまして、交付税の配分につきまして、そういった配慮を特にしていただくように自治省にもお願いしておる次第でございます。それと、直ちに交付税率を引き上げて、交付税の額をもっとふやせというお話でございますが、それは現在の交付税の総額の配分の問題で一応処理できる問題ではないかと思うのでございます。それから交付税率の引き上げによってどれだけの増収額を見込むかという前に、前年度よりも国税がさらに大幅な増収が見込まれますので、それの一定率に見合うところの交付税の額も、減税を引きましても、現行の税率をもってして相当の増額が見込まれることになっております。その見込まれますところの交付税の額を来年度の地方財政計画でどのように配分するかということは、ただいま御指摘のような点を十分配慮すべきかと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 今のあとの部分の三十五年度の交付税の繰り越しの問題と税率引き上げについて関連して考えておられるのではないかという点はどうでしょうか。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 本年度の補正の場合における交付税の収入額が相当多額になり、しかも地方の団体においていろいろと行政水準の向上とか、単独事業の増加とか、いろいろ需要はあると申せばありますが、この年度途中の押し迫ったときでもありますし、かつ具体的な交付税を算定する場合に必要な需要額の算定といたしますと、当面何と申しましてもこの十月一日からの給与改定の財源措置というのを十分見れば、当面としてはまかなえるのではないかということで、交付税の増収額三百五十七億のうち、給与所要額の二百四十億を地方の当面の財源措置として、この間お願いいたしましたような措置をとった次第でございます。その差額の百十七億をどう使うか、これは交付税率を引き上げないためにそういうように残したというふうな御質問でございますが、あの措置をとり、また現在の段階におきましても、そういうことを含みとして残したというつもりは、私たち大蔵省としては考えておらないところでございます。

安井吉典日本社会党

○安井(吉)委員 あとの質問者がお待ちでございますので、時間の関係で適当なところでやめたいと思いますが、今のお考えのうち、地方交付税についての内部的な財政調整機能をもっとはっきりさせなければいけない、交付税を含んだ地方財政全体の中で内部的な財政調整をもっと積極的にすべきだというふうなお考え方がさきに出てきたわけでございます。これは当然なことだと思います。それは地方公共団体の中で内部的にすべきだと思うのですが、ただその場合において、私は行政水準というものの考え方によって違ってくると思うのです。大体において、今でも、いわゆる富裕団体、税にたよる要素の非常に多い都道府県や市町村は、これは財源的には確かに豊かでありますけれども、しかし一方そういったような都市は、あるいは都市を含んだ大都府県は、同時に非常に高い行政水準を要請されていると思うのです。たとえば東京は、オリンピックといったような問題もあるでしょうし、そういったような地帯についてはお金がかかるというような高い水準が要請されているという点も同時に考え合わせられなくてはいけないし、そしてまた低い水準のままに置かれているものをそのままに放置してもいけないということです。だから、いなかの町村などに行きますと、行政水準という言葉を使うのさえ気が引けるといったようなところもずいぶんあるわけです。それを、ただ高い水準を要求されるものの頭を削ってそっちへ向けていけということでは、全体的な行政水準の低下を来たすだけであって、われわれが望むのは、国全体のレベル・アップということを考えた場合には、やはりほかから財源を持ってきて、国にずいぶん余裕があるのだとすれば、その余裕の財源を地方に流すことによって、より低いところを地ならしをしていく、こういう操作こそが大切である、このように考えるわけであります。そういうような場合に、三十五年度の地方交付税が相当大幅な増加を見た際に、私どもは、そのような増加額こそいわゆる行政水準の向上という面に向けるべきこよなき機会だと思っていた。それが無理やりに明年度に延ばされることによりまして、明年度の交付税額そのものがさらに一そう増額の方向に向かうのをそれによって押えるというような機能を、繰り越すという操作によって生ずるといたしますと、これは非常に大きな問題だと思うのです。そういうような意味で、この繰り越しの問題について、私どもはあくまで反対しなければいけないという立場で終始したわけでありますが、この繰り越しそのものによって、明年度の地方財政に対して、大蔵省として、これがあるのだから明年度の地方財政については、少なくとも百十七億円分だけは考慮を軽くしてもいいというようなお考えをお持ちなのか、これを最後に一つ十分伺っておきたいと思います。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 最後の端的な御質問には、ちょっと私限りではお答えできかねる点もございますが、やはり大蔵省として地方財政計画を考えます場合には、いろいろの要素——交付税も大きな要素の一つでございますが、地方税の独自の収入または起債措置、それから国庫の負担の支出の額等、これらをいろいろかみ合わせた上で地方財政計画を考えておりますので、百十七億だけにスティックしてものを考えるというようなことは避けたいと思っております。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 阪上君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 先ほどからの安井委員と大蔵省とのやりとりを聞いておりますと、何か基礎的にしっかりしたものを持っておられないように思う。ことに行政水準を高めるということについては自治省と同じ考えである。こうおっしゃるけれども、あるべき行政水準の姿というものを大蔵省はどう握っておられるか、そのことによって私は今の問題は結論が出てくるのじゃないか、こういうように思うのです。地方税の税の伸びがあるからというだけの考え方によって、交付税率を上げるということについては急に考えられない、こういうようなものの言い方の中には、あるべき行政水準というものに対するしっかりしたものを握っておられないのじゃないか、私はこういうように思うのです。地方自治法二条にあるような例示主義のああいった内容だけで踏みとどまって、現在の地方自治体というものがあるべき姿である、あのような状態にあることがあるべき姿である。こんなことを考えておったら、あなたのような議論が私は出てくると思う。あなたは一体大蔵省として、あるべき行政水準の姿というものをどういうようにして把握しておられるか、一つこの点を伺っておきたい。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 行政水準というものはいろいろな要素がかみ合ったものかと思いますが、それがどの程度があるべきだという点につきましては、当委員会におきましても年来いろいろと議論されておりまして、われわれとしても、それは団体ごとにも違いますでしょうし、地域ごとにも違いますでしょうし、またそれぞれの財政力に応じても——財政力を無視して行政水準だけは均一であるべきだという議論もどうかと思われますので、あるべき行政水準はどれだと、こう端的に答えろと申されましても、なかなかむずかしい点があるかと思うのでございます。ただそれの一つのめどといたしまして、住民の生活の充実というふうな面から考えて参りますと、国におきましても、公共事業の投資を通じまして直轄事業並びに補助事業について相当多額な国庫負担金を支出して、道路、河川、港湾その他につきましての充実促進をはかっておるわけでございます。その際に地方負担の問題もございましょうが、それとあわせて国庫の支出についても十分な配慮を払っておるわけでございます。それから次に地方債でございますが、地方債のうち、最近の政府資金の貸付の配分を考えてみましても、住民と非常に直結いたしておりますところの上水道とか、簡易水道とか、港湾の整備とか、または学校の整備とか、こういったふうな面については、特段の資金の配分について考慮を払っておるのであります。さらに、昨年も自治省との間の話し合いにおきましても、地方財政計画において、単独事業費の増加または維持補修費等の充実というふうな点を考慮いたしまして、地方財政計画の上にそれを反映しておる。種々な点において住民の生活水準——まあ行政水準をわれわれは一つのめどとして、そういったものと置きかえて考えてみまするならば、そういう線においていろいろと考慮しておると私は考えておる次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 あるべき行政水準が住民生活水準というものの考え方を一つの基礎とする、私は同感です。しからば現在の国民生活水準というものは一体どういう状態に置かれておるか、あれで満足だとはおそらく言えないと思う。そこにやはり問題が出てくるのじゃないかと思うのです。それから、あなたの今の説明を聞いておりますと、国の重点政策を施行するために、地方財政というものがしわ寄せを食っているという結論になるのじゃないですか。多少の地方負担分というものがこれに伴ってくるだろう、こういう言いわけをされておりますけれども、公共事業をどんどんふやしていって、それを交付税でまかなっていくという考え方というようなものに通じているように私は思うのですが、どうでしょう。

高柳忠夫大蔵事務官(主計官)

○高柳説明員 私の言葉が若干説明が足りなかったかと思いますが、決して国中心でもって公共事業を進めておって、その分の一部の分担を地方にまかなわしているんだというふうに、もしおとりになりましたならば、私の説明が不十分でございまして、国がいろいろと施策をする際に、地方の負担をできるだけ軽減して、なおかつ地方の行政水準を引き上げるために、直轄事業でやるべきものは直轄事業でやり、補助事業で促進するものは補助事業で促進し、それらの経費について、国の財政の許す限り増額を行なっておる、こういう趣旨でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 お話を聞いておっても、何かあるべき行政水準というものが非常に設定しにくいものであるという、これは何回もそういうことをこの場所で論議したことがあると私は記憶しております。そんなことをいつまでも言っておったのでは、一体どこに基準を置いて交付税率の算定なんかやっていくか、あるいはあるべき行政水準を保つための交付税率の適当な税率というものはどうして考えられるか。全く思いつきばったりの税率の上げたり下げたり——下げる現象というものは今までは出てこなかったけれども、そんなことばかりいつまでも繰り返しておったのじゃだめじゃないですか。早く自治省と——自治省の方でも少し熱意を持たれて、やはりともに、あるべき行政水準というものを設定される必要があるのじゃないですか。それをいつまでたってもおやりにならぬ。そうして百十七億というような膨大もない額を、いかにも本年度不必要な額であるというような形において繰り越してしまう。私は、これはほんとうに国の重点政策を実施するための大きな交付税が犠牲になっているという感じをどうしても払拭することができないのです。もっとこういった問題について双方歩み寄ってというか、よく相談されて、そうして努力されたい。科学的にそういったものが出てこないはずはないと私は思う。もう少しその点について努力されたらどうですか。まあこれだけ希望しておきます。

濱田幸雄自由民主党

○濱田委員長 本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十七分散会

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