大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/12/14
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案、日本開発銀行法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、昭和三十五年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案、産業投資特別会計法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案及び製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 質疑を行ないます。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 石田副総裁にお伺いしますが、最近たばこを民営にせよという声が相当盛んになっておるのです。これは、御承知のように、今のたばこの専売制度に対してもいろいろ批判があって、それから耕作者の問題などについてもいろいろあるわけですが、一体こういう点について専売公社はどういうお考えを持っておられるのか、一応お尋ねします。
○石田説明員 ことしの三月に御承知の専売制度調査会から答申が出ておりまして、それによりますと、現在の公社形態についてはいろいろ不満もある、しかし、それについては大いに努力をして能率を上げるようにということが骨子でございまして、世上いろいろあります民営論につきましては、これは現在とるべきではない、こういう結論が出されております。私どもも、当然、専売公社法に基づいて公社の運営をやっておりますので、民営にするというふうなことではなしに、できるだけ専売公社として公社的な運営の仕方の上で能率を上げ、いい成績を上げたい、かような方針でやっております。
○佐藤(觀)委員 私たちはこういうような公共性のあるものは公社でやる方が適当だと考えて、こういう意見にはあまり賛成しないのですけれども、やはり同じことをやっていると、官僚的なやり方になるというような非難があって、今までもたびたび、塩の専売制度の問題とか、専売制度についてはいろいろここで意見があります。こういう点も一つ十分に検討してもらいたいと思うのです。 最近、私たちの方ではありませんけれども、たばこの耕作者との関係でいろいろいざこざがあったようなこともありますが、こういう点については最近はどんなような状態になっておるのか、これもお尋ねしておきたいと思います。
○石田説明員 葉たばこの耕作の面につきましては、三年ほど前まで、公社の指導のやり方あるいは耕作の仕方について介入し過ぎるというふうな、いろいろなお話がございました。その後耕作組合法という議員提案の法律ができまして、従来できておりました任意組合を全部新しい耕作組合法に基づいた耕作組合に組織がえをいたしました。その法の趣旨は、新しくできました耕作組合というものは、できるだけ耕作者自身の気持によって運営するようにというふうな仕組みになっておりまして、それを一つの契機といたしまして、私どもも、できるだけ耕作者の意思を尊重しながら、また公社の所要のたばこを作るというふうな方向に指導の方針を転向して、御趣旨に沿うようなやり方でやっておるつもりでございます。
○佐藤(觀)委員 こういう点についてもぜひ一つとかくの批判のないように指導していただきたいと思うのです。 それから、政府は御承知のように酒税及びたばこの専売利益金で非常に国の財政を上げておるようでございますが、その専売利益金の最近の状況はどんなようになっておるのか。あらかたの数字でよろしゅうございますから、ちょっとその点をお知らせいただきたいと思います。
○石田説明員 専売の利益金は二つございまして、一つは専売公社から直接国庫に入れる分、もう一つは専売公社から毎月府県とか市町村に納めておるたばこ消費税、この二色ございます。両方あわせて申し上げますと、三十四年の実績が千七百八十四億円、三十五年度の予算では千九百二十二億円、かようになっております。
○佐藤(觀)委員 今のところ専売公社はこれらの利益金に対して政府からどういう要求をされておるのか、あるいは専売公社そのものがどういう見当でこの専売利益金の問題を処理していかれるとか、そういう計画的なことがあるかどうか、これもお尋ねしておきたいと思います。
○石田説明員 毎年予算時期になりますと、翌年度の販売の見み込を立てます。それから、先ほど申し上げました府県、市町村に納めます税は、これは定価に対して何%ときまっておりますので、これは売り上げの金額を見込みますと、おのずから消費税の金額も出てくるわけでございます。それを差し引きました残りから、いろいろ公社の使います経費を差し引いたその残りが、大ざっぱに申し上げますと益金になる、こういうことでございまして、大体毎年の経済界の状況などを見込みながら、売り上げの趨勢というものを見込み、それに応じて来年度の見込みはこのくらいである、こういうふうな考え方でやっております。そこで、これは毎年々々の予算時期の話でありますが、そのたびごとに大体五カ年ぐらい先までの一応の見通しをもちまして、益金の率が減らないようにということは常時頭に置いておるわけでありますが、そういうことで、益金はできるだけ毎年の経済情勢に応じた伸び方をするようにということは、常に考えております。
○佐藤(觀)委員 実は私はたばこを全然のまないので、たばこの傾向というのはわからないのですが、最近ハイライトとかスリーエーというのができて、外国品にも似たようなたばこの種類ができた。実は私は召集されたときに主計をやっておった関係で、私はのむと頭が痛くなるのでたばこはのまないのですが、私は三千名ぐらいの部隊の主計をやっておりまして、いろいろ統計を調べたところが、たばこを絶対に必要だというのは十人に九人くらいおる。たばこをのまなければ生きていかれぬという兵隊がたくさんおった。たばこというのは非常に重要なことだと思って、自分はのまぬけれども、たばこの大事さは研究しなければならぬと思って、十四、五年前にやったことがあるのですが、たばこの変遷に関連して今度新しいたばこの形が出てきたのです。昔のバットとかああいうものの時代と今の時代とは多少違ってきているのではないかと思うのですが、そういう傾向を概略どういうふうに専売公社は見ておられるのか。私たちの子供のころは朝日とか敷島とかというようなのが非常にはやったことがあるのですが、こういう傾向についてはどういうお考えを持って処理されていくのか、この点を一つ伺っておきたいと思います。
○石田説明員 非常に古い時代から申し上げますと、明治から大正ごろにかけてはいわゆる刻みというのが非常に多かったわけです。そのほかに品付というのが多うございまして、現在あります両切りというのは非常に少なかった。それがだんだん口付が減り刻みが減り、現在は口付の需要はほとんど朝日だけでございますが、ふえも減りもしない。刻みはだんだん減っております。全体の一%ぐらいになっておりますが、あとは全部両切りでございます。それから、両切りでも、昔のバットのような強いたばこがだんだん吸われなくなりまして、できるだけ軽いたばこが好まれるということになっております。従って、私どもの製造の面におきましても、やはり売れ行きを伸ばす、それから一般の嗜好に合わせるために、原料葉の生産も軽い葉を作るように努力する、製造の面におきましてもそういう種類のものを作るように努力する、大体の傾向を申し上げますと、そういうことになっております。
○佐藤(觀)委員 スリーエーとかハイライトというのは、最近どれくらいの売れ行きですか。あなた方の予想以上に売れ方が盛況ですか。その点はどうですか。
○石田説明員 ハイライトは大体現在月三億本ぐらい売れておりますが、実はこれは製造能力が三億本しかございませんので、各地に品切れを起こしておるような状況であります。理由は、ハイライトを作ります機械が輸入機械を使っておりますので、輸入機械の台数が足らないわけでありますが、これにつきましては外国の機械のメーカーと話し合いを昨年の暮れごろつけましたので、専売公社の工場でこの機械を今増産しておりますが、三月ごろになりますと機械ができて参りますから、そうすると品切れも解消すると思います。大体現在三億本売れておりますが、それの倍以上は売れるのではないかというふうな見込みでございます。 それから、スリーエーにつきましては、これは当初計画したくらいの売れ行きで、これも大体月三億本ぐらい売れております。ただ売り出しの当時非常に売れそうな見込みだったものですから、急いで増産をいたしましたので、現在多少のストックを持っておるので、もう製造数量を落として参りました。予定通りの数量は売れているが、在庫が多いために売れない売れないというふうな声が聞こえるということになっております。
○佐藤(觀)委員 私たちが選挙区で一番頼まれるのは、たばこの小売店を一つお願いしたいということで、おそらく皆さんもそうだろうと思うのです。これはなかなかむずかしい問題で、既成のたばこ業者との関連があって、いろいろ当局からも調べてもらっているのですが、一体どのくらい年に増加しているものであるか。また専売公社の方はこれに対してどういうふうな見解を持っておられるか。おそらく全国的にこういう問題があると思うのですが、そういう点についての最近の傾向を一つ伺っておきたいと思います。
○石田説明員 小売店の申請は非常に数が多いのでありまして、ただいまちょっと正確な数字を持っておりませんけれども、大体申請したものの二割くらいは許可になっておるものと思っております。それで、これの許可の基準は各地方局の方へ渡してございますが、これは大体繁華街ならどれくらいの距離で一軒の売り上げはどのくらいの見込みのものとか、村落ならどのくらいの戸数があって一軒の売り上げはどのくらいの見込みであるか、こういうような一定の基準が作ってございます。しかし、これも、最近のように大きな都会になりますと、たとえば交通が非常にひんぱんで道路を横切ることができないような場合には、向かい同士で非常に近いところでも置いてもいいというような事態がございますので、現在指定の基準を改正するようにいろいろ検討いたしております。かなり古い基準でありますので、お話のようにこれをむやみにふやしますと、私の方の配給の能力にも限度がありますし、従ってまた一軒当たりの売れ行きが急に減ってしまうというようなことになりますと、それぞれ店が販売にも努力しないという事情がありますので、それぞれかみ合わして、少なくとも消費者に不便をかけない程度にふやしていきたいということで、ただいま指定基準の改正を検定中でございます。
○佐藤(觀)委員 それからもう一つ、これに関連してお伺いしたいのですが、小売店に対する手数料の値上げをやってやる御意思があるかどうか、こういう点について問題があるのじゃないかということを一言伺っておきたいと思います。
○石田説明員 小売店の手数料は現在定価の八分ということになっております。この八分という手数料をいろいろな面から調べてみますと、たとえば資本の回転率が非常にいいとか、あるいは物価の倍率と比べますと、昭和十一年ごろに比べると、物価が四百倍程度なのに、その利益の額は約八百倍くらいになっておるとか、いろいろそういうことがございまして、私の方でいろいろ調査をした結果から見ると、すぐ上げてよろしいという結論が出て参らないのであります。しかし、一面から見ますと、都会の方は非常に売れ行きがふえておるので収入も多い。ところが、いなかの方になるとなかなかそういうふうにふえていない。収入はアンバランスになっておるという声もあります。その辺をどう調整するかということもございますので、これもなかなかむずかしい問題です。ただ平均的に考えますと、上げる必要はない、こういう結論が出るのでございますが、そういう都市と農村の収入の差というものも考慮して、何かやはり調整の必要があるのじゃないかということを考えながら、検討を続けているという状態でございます。
○佐藤(觀)委員 私はこれで終わりますが、資料をちょっと要求したいと思うのです。五年でも三年でもいいのですが、専売利益金の統計ですね。それからもう一つは、小売店の増加の傾向、これは三年でも五年でもいいのですが、できれば五年がいいのです。あなたの方の都合で最近三年間の状況でもいいのです。二つ資料をお願いしたいと思います。 これで私の質問を終わります。
○堀委員 今の佐藤さんの質問に関連して私一つ主税局長に伺いたいのですが、たばこの小売店は御承知のように入ってくるものがはっきりしておるし、利益率もはっきりしておる。収入はきわめて明確なことになっておる。そこで、現在の租税の体系から見ますと、勤労者の方に対しては勤労控除というものがある。この勤労控除の性格はもちろんいろいろな意味があると思いますけれども、一般的な考え方から見ると、所得が非常にはっきり出ておるという点について、他との権衡を多少維持していきたいという配慮も私はなきにしもあらずだろう、こういうように考えておるのであります。それは理由はいろいろとつけようがございましょうけれども、そういうことがあろうと考えます。そうすると、他の面で、一般の営業形態の中で、もちろんそれは所得率の捕捉というものがどの程度に行なわれておるかということによってきまることではありますけれども、しかし、一方たばこ小売店のようにどこからものがれるところはないというガラス張りの経理をしておるものと、それから多少取りこぼしがあり得るという可能性のある業態が私はあると思うのです。私はこのようなガラス張りで収支が出る、どこからもすきがないというようなものについては、何らかの税法上の配慮が行なわれてもいいのじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、これに対して主税局長はどういうふうに考えておられるか、ちょっと伺います。
○村山政府委員 ただいまの堀委員のお話でございますが、確かに執行面におきましてそういう差のあるというここはあり得るだろうと思うわけでございますが、ただこれを税法の上でどう生かすかという問題になりますと、非常な微妙な問題でございます。のみならず、その問題を考えてみますと、たとえば基礎控除というものを最低生活という問題と結びつけて考えるといたしますと、地域によりましてそれぞれ差がある。ところで、税法は国税でありますので、その間差をつけるわけにいかないで基礎控除一般九万円としておる。こういうような関係がございまして、なるほど収入におきましても比較的つかみやすいもの、つかみにくいものもありますが、この辺のところは執行面において適宜調整せざるを得ないのじゃないか、かように考えております。お話のような勤労所得につきましては、確かに給与所得の控除という問題がございます。この最も大きな理由になっておりますのは、給与については経費を引かないという建前になっておる。これが他の所得と全く異なる点でございまして、そこが一番大きな差だろうと思うわけであります。それから、たばこの問題です。これは結局標準率の組み方によると思います。国税庁にお聞きになった方が適当と思いますが、私がかつて国税局長をやっておった、あるいは国税庁におった経験から申しますと、その辺のことを十分考えまして、標準率をきめる場合には非常に疑わしい率がいろいろ出て参ります。そういったときには、比較的はっきりつかまるということを十分頭に置いて、無理のかからないような方に大体判断を下しておる。こういうことで、執行面においては、適当にと申しますか、他の所得者とバランスのとれるような配慮を加えておる、こういう実情でございます。
○堀委員 そういうことで関連がございますので、もう一つだけ伺っておきたいのですが、今般税制調査会から答申が出て、御承知のように医療所得に対する社会保険の租税特別措置法と、それから米の予約減税ですか、この二つは取り除けということが出されておるようであります。これは最近数年間同じような経過をとっておるわけです。これは本来大臣に伺わなければわからないことですが、事務当局は一体税制調査会の結論はどういうふうに考えておられますか。
○村山政府委員 われわれ事務当局といたしましては、調査会で過去一年半にわたりまして研究した結果、結論が出ているわけでございまして、この趣旨を尊重いたしまして、できるだけその答申の趣旨を実現したいと考えているわけでありますが、現在の米穀の特例について申し上げますと、これはかつて米の集荷が非常に困難な時代にこの制度が始まりまして、事前売り渡し制度によります特別な奨励措置として設けられてきたわけであります。しかるところ、その後考えてみますと、相次ぐ所得税の減税によりまして、この利益を受ける農家の納税者数というのはもうほとんど激減いたしまして、今日では約四十万程度、全米作農家に対しまして七%を切れているという状況でございます。国税の面でこういう税法の上から言いまして他と非常にバランスを失する措置をとって、はたしてその効果をなお期待しなくちゃならぬ実情にあるかどうか。その後課税最低限の引き上げ、扶養親族控除の引き上げ、これは家族構成の多い農家にむしろ益利が多いわけでございます。なお今度の通常国会では白色専従者に対する控除制度も起こそうといっているわけでありますが、これも、調査会での議論は、青色申告ができる人についてはこの制度は必要ないわけでございまして、主として手数その他の関係で青色申告を事実上申請し得ない農家、あるいはその他の中小企業をねらっての一つの制度であるわけでございます。そういたしますと、ここまで中小企業、特に農業に対する税制上の配慮が加わるならば、さっき申し上げましたような事前売り渡し制度の奨励効果の減少ということに関連いたしまして、この際廃止すべきではないか。そうすることによって、税制を基本税法の方で一本にまとめていき、減税は減税で一般的減税として行なう方が適当ではなかろうか、かような見地でおるわけでございまして、われわれもこの答申の趣旨には全く同感であるわけでございます。 その次に、社会保険診療報酬の関係でございますが、御案内のように、これは昭和二十八年に特別措置といたしまして所得率二八%、こういうふうに法定する立法ができたわけでございます。かかる立法例は世界各国に類を見ないところでございます。その当時の問題といたしましては、一点単価の問題と事実上関連いたしまして、これがそのようにきまったわけでございます。もう一つの当時の理由といたしましては、医者につきましても奥さんその他の家族労働者の給与が税法上見られていない、こういう問題もあわせて検討されたわけでございますが、今度来たるべき国会におきまして、白色申告者にまで農業と同じように専従者控除を創設いたしたいという考えを持っており、当時から見ますと課税最低限あるいは税率の変更等非常に緩和されているわけでございますので、ぜひとも農業と同じようにこの措置は廃止すべきではないか、かような趣旨で答申が出ていると思うわけでございます。 なお、この問題につきましては、伝えられるところによると、一点単価の改訂の問題も伝えられておりますのと、その辺の成り行きも見まして考えておりますが、一点単価の改訂のあるなしにかかわらず、すでに、二十八年と現在の情勢とを比較しますと、廃止すべき段階に来ているのじゃないか、かように考えているわけであります。
○堀委員 そこで、もう一回お伺いしておきたいのですが、予約減税と称せられるものは、今のお話では農家世帯の七%で約四十万世帯ということでございましたが、これは総計の金額として、これで一体どれだけ減税になっておるのか、あわせて伺っておきたい。
○村山政府委員 これは来年度ベースと大体計算しておりますが、十八億という計算でございます。
○堀委員 次の社会保険診療報酬の特別措置でございますけれども、おっしゃるように税法上まことに筋の通らない法律であると私も理解をいたしております。ただ、これは沿革がありまして、この問題が出て参りましたのは、池田さんが大蔵大臣のときの、昭和二十六年の単価改訂の際に、閣議申し合わせ事項として始まったのが、大体この沿革になっておるのです。そうすると、私非常に問題があると思うのは、これはお医者さんたちが希望してやったというよりも、当時の財政当局が、たといそれが閣議申し合わせ事項であろうとなかろうと、法律になろうと、そういうような条件を除いてみても、そういうことが最初に行なわれたということ自体の中に本来の問題があるのじゃないか。本来ならば、そういうことでなくて、筋の通った形で診療報酬を上げるべきではなかったかと思うのですが、どういう事情によるものか、適正な診療報酬を支払うことなくして、それをそういう曲った形で診療報酬の引き上げ分を相殺するというような取り扱いがとられたということが、私はこの沿革の中での一番大きな問題点であるのじゃないかと思うのです。ところが、昭和二十六年から今日に至るまでの間に、最近病院ストその他にも見られておりますし、お医者さんたちが非常に強く要求しておりますところの、診療報酬単価の改訂ということが強くいわれておりますが、政府の方は一向に配慮されないということで、ついに今のように医療というものが非常に混乱した状態になっておる。これで来年になればほとんど皆保険ということになる。片方では皆保険ということで、医療の公共性というものがほとんどすべてに行き渡るような段階になっておりながら、その公共的な料金ともいわれる診療報酬の単価については、何ら公共性に見合うようなものが行なわれていない。しかし、主税当局としてみると、それとは別個の問題として税法上としては考えていきたい、こういうことですから、もちろん、主税局の立場としては、私は皆さんのお考えがかくあるということについてとやかく申し上げるわけではないけれども、今次官もお見えになっておりますから、これは大臣にお伺いするといいのですが、一つ今度は次官に伺っておきたいのは、この租税特別措置法の問題は、今非常に重要な問題となっておる診療報酬の問題とうらはらの関係にあるわけであります。これだけ広範囲の公共性を与えられていて、そうしてこれをつぶさに調べてみると、大体施設についても私的施設、それから人間についても私的な条件で雇用もされなければならないし、働いておる。公共的な保障というものが少しも行なわれていなくて、事実上は公共的な仕事をさせておる、こういうふうなものに対して、一部ではこういう議論が出ておるわけです。同じような公共的な問題で奉仕をしておるのに、片方では無税のものがたくさんある。御承知のように官公立その他の公的なものについては、ほとんど無税の状態になっておる。その無税の状態になっておる病院すら赤字が出て、ストライキも起こりかねないというような段階になっておるときに、税金を払わされておるものが、なるほど筋は通らないにしても、その減免によって辛うじて今の医療が運営されておるというようなときに、主税局の立場は私はわかりますけれども、大蔵当局の立場として見ると、片方ではやはり主計局として財源について配慮をすべき立場があるだろうし、表と裏の関係でこれを考えていただかなければならぬと思うのでありますが、これについて一つ次官のお考えを承りたいと思います。
○大久保政府委員 お答えいたします。医療の公共性にかんがみまして、十分各般から検討を続けたいと考えております。
○堀委員 一つ御検討をお願いいたしておきます。主税局長はこれで終わります。 次に、本日議題になっております開発銀行の外債の問題についてちょっと伺っておきたいのでありますが、私時間がなくてもう一つ十分勉強してないので、少し教えていただきたいと思いますのは、外資が入ってきておる。それの果実であるとか利子であるとか、いろいろなものの送金に関する問題について、私がちょっと見ましたところでは、外資法による通常の認可と、外資法による条件付の認可と、外為法によるところの認定制度の三本立になっておるというふうに聞いておるのですが、それは法律上のどの条項とどの条項とどの条項を使って三本立にできるか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○上林政府委員 実は私現職は主計局の法規課長でございますが、その前に外資課長をやっておりましたから申し上げさせていただきます。 今の為替管理法の建前を申し上げますと、一般法といたしまして外国為替管理法がございます。それによりまして一般の外貨の管理をやっております。従いまして、法規上から申しますと、商取引の分野につきましても為替管理法の適用があるわけでございます。ところが、一方におきまして外資法を制定いたしました。昭和二十五年でございますが、その当時は、もちろん今もそういうことになっておりますが、外資の導入を促進しようというような観点から外資法が制定されました。これは為替管理法の特別法といたしまして制定されたわけでございます。従いまして、為替管理法の上に乗りまして、導入されまし優良な外資につきましては送金保障をするという建前をとったわけでございます。従いまして、一般の為替管理法の場合でございますと、外貨送金をいたしますときには個々の許可が要る建前になっております。ところが、一たん外資法で許可を受けますと、その為替管理法の許可があったものとみなされまして、外貨送金が自動的に認められる、こういう建て方になっているわけでございます。そこで、外資法を制定いたしました当時の事情から申しますと、日本の外貨がまだ非常に少なうございましたので、そのような特別の措置を講じまして外貨送金を保障する必要があった。ところが、だんだん日本の外貨がふえて参り、また日本の経済力が向上して参りますと、日本自体の経済力の信用のもとにおける外資導入というものが起こって参る客観的な情勢になったわけでございます。一方におきまして世界各国の例を見ますと、外資法のような法律で送金を保障しているという国はほとんどございません。いずれも一般為替管理法の管理のもとに外貨送金をスムーズに認めまして、従いまして、各外国投資家もその国の経済力なり為替管理法の政策なりを信用して投資をするという傾向がふえております。従いまして、日本といたしましても、外資法のようなヴィヴィッドな法律の送金保証というようなことでなくて、各国のように為替管理の運営の一環として外資導入をしても、外貨送金には事欠かないという態勢を作っていくことが、一方におきましてはより弾力的な措置である。と申しまするのは、一たん、たとえば国際収支が悪くなりましたときには、それに応じた対応措置ができる、しかしそういうこことがないように国際収支の改善策には常に努力していく、一方日本の経済力を信頼していただいて投資をしていただく、こういうやり方の方が将来のやり方であろうという観点を持ったわけであります。従いまして、将来の方向としましては、外資法というよりも、むしろ一般為替管理の面での適用を受ける外資導入をやっていきたいという気持でございます。ところが、一方におきまして、外資法というものが過去十年間続いてきたわけでございまして、一挙にこれをやめるというわけには参にません。そこらの外資法と為替管理法を含めまして一体どういうふうに考えていくかということにつきましては、貿易為替の自由化と相並びまして、一環の問題として審議会その他で検討いたしておりますが、まだ結論は出ておりません。そういうような状況でございますので、一つには外資法の送金保証に基づく許可というのと、為替管理法に基づきまする許可ということがあるわけであります。そこで、為替管理法になりますと、今申しましたように、為替管理法の建前によりまして、国際収支が悪いときには送金をとめることができるということになっております。それを条件付許可、こういうふうに通常慣例的にいわれているようなわけでありまして、実態におきましては、日本の国際収支は悪くございませんし、外貨はたくさんございます。従ってまた今後ともそういう外貨送金をとめるというようなことは考えておりません。従って実質的には外資法と同じ待遇である、こういうふうに言えるかと思います。ただ、形式的に見ますと、外資法によりまする送金保証は法律に基づく保証でありますので、普通一般では無条件保証、無条件許可、こういわれているのでありまして、為替管理法によりまするのは、形式的にはとめ得るという権能が残されておりますので、これを条件付、こういうふうに言っておるわけでございます。
○堀委員 そうすると、今の条件付許可というのは、外為法による条件付許可ですか、外資法による条件付許可なのでしょうか。
○上林政府委員 言葉が足りませんでしたが、今私が申し上げましたのは、外資法に基づきます外貨の送金をいたしますときに、為替管理法に基づく許可を得て出ていくというのを申し上げたわけでございます。ところが実体的にもう一つ条件付許可というのがございます。それは外資法の十四条の中に、許可をいたしまするにあたりまして、条件を付することを得という規定がございます。その条件といたしまして、日本の国際収支が悪化いたしまして、外貨準備の都合が悪くなったときには、ちょっと待っていただきますという条件を付した形式をとったわけでございます。実質的には為替管理法の先ほど申しました思想と同じでございますが、そういうやり方があるということでございます。
○堀委員 そうしますと、要するに今お話しになったことを整理してみますと、現状は外資法に基づくわけですね。ちょっと私が拝見している中で外為法による認定制というものがあるというふうに書かれておるのですが、それと今のとはどういう関係にあるのでしょうか。
○上林政府委員 その認定制といいますのが、先ほど申しました為替管理法に基づきますやり方を言っておるわけでございます。といいますのは、あらかじめ、入って参りますときに、これは日本経済に役立つということを認定いたしておきますと、それによりまして、将来今度は外貨送金で外貨で返っていきますときに、為替管理法によりまして、国際収支が悪化しない限り許可が与えられるという約束が与えられるわけであります。
○堀委員 大体お話は私わかったのですが、要するに三つのものがあるということは間違いないわけですね。そうすると、その三つのものは、最初の外資法によってルールに定められたものは、外資法の第六条か何かに規定をされておる積極的条件に該当するものについては、これは外資法そのままでやる。そうすると、第六条に積極的条件と否認条件が書いてあります。その間があるわけですね。積極的と否認との間がある。その間を二つに分けて、条件付にするのと、それから外為で認定をするのと、こういうことになっているということでしょうが、その対象によって、何によって、なぜそういう三つのものをあれこれ使わなければならないかというのが私にはわからないわけですね。入ってくる外資の性格によって、これは外資法通りぴしゃっと当てはまっているというのなら、外資法そのままでやればいいわけですね。ところが、それ以外に外資法の中で条件をつけるということになると、何らか外資法そのままではちょっと問題がある。だから、条件をつけるということになるんでしょうから、そうなれば、入ってくる外資の性格がちょっと何かAクラスとは違うんで、Bクラスである。さらに、外資法だけではどうも問題があるが、為替管理の面だけでチェックすることにすればいいんだというものをCならCとすると、何か外資に、格づけじゃないでしょうが、法律面から見た格。つけというようなものが考えられる。それは一体どういうものがそういうことによって今なっているのかということを一つ……。
○上林政府委員 今申し上げました三つの方式の由来から申しますと、確かにおっしゃるようなことから発生いたしましたのも一つの理由でございます。といいますのは、外資法によりますると、日本の重要産業の発展、あるいは国際収支の改善に役立つ外資に限りまして送金保証をするという建前になっております。ところが、だんだん日本の外貨事情がよくなって参りますと、その意味におきましては、もう少しランクの低いものでも導入していいんじゃないかということになって参ります。その場合に、その法律の規定を照らしても無条件の保証を与えがたいというものが中には出て参ります。しかし、そういうものを一応入れた方が国民生活の向上その他に役立つという場合もございます。具体的に過去におきましてはその基準に当てはまるかどうかにつきましてずいぶん議論があったわけでございますが、片方で外資導入の緩和の措置を講じていくに伴いまして、法律の解釈をいたしますにつきましても、おのずから限度がある。そこで、先ほど申しましたような趣旨から、一方為替管理法を強く活用いたしまして、いいものはできるだけ早くスムーズに外資導入をしていこうという気持から、為替管理法の活用を考えたという経緯でございました。従いまして、法律的に申しますと、今おっしゃったように、外資導入のうち、日本経済にとって役立つものについては外資法でいく、しかしながら、そこらの点がボーダー・ラインとなりまして判断の基準に苦しむというようなときは、為替管理法あるいは条件付のものを活用してやっていくというような気持があるわけでございます。もっとも、実際問題といたしまして、一番先に申し上げましたように、日本の外貨事情も向上して参りましたし、それから今後とも国際収支の改善に努力していく決意でございまするので、たとい為替管理法で認めるということになりましても、それが一たん認めましたものは、送金は確実に認めるという態度でやっていきたいと思っておりますので、実質的にはそこらのととろの差はないというふうな考え方でやっているわけでございます。
○堀委員 その次に、ちょっと私よくわからないのですが、最近短期の運転資金の外資が外為法によって入るということになっているようですが、これは具体的にはどういう形のものが時間的にはどういう格好で入ってきて——ちょっとわからないのは、やはり外資法の規定を受けるのじゃないかと私は思うのですが、それは外為法だけで入るということについて、短期の運転資金であっても、それの利子その他については送金の問題もいろいろあると思いますが、それはやはり外為認定事項の方に入るのか。そこがわかりませんが、それも含めてお答えいただきたい。
○渡辺説明員 ただいま御質問のありました点でございますが、一年以内の短期の外資は外為法で入るということが現在の法制でございます。一年以上になりますと外資法の関係になります。
○堀委員 一年以内なら外為、以上なら外資ということですね。
○渡辺説明員 そうです。
○堀委員 そうすると、一年以内の短期に入っているのは、具体的にはどのくらい金額があって、どういうふうなものが最近入っているのでしょうか。
○渡辺説明員 大体一年以内のものは運転資金が主でございまして、最近これらを認めようという空気になっておるのでございますが、最近のところはまだあまり大きな実績はないと思います。最近ヨーロッパあるいはアメリカで運転資金を調達しようという会社がぼつぼつ出てきておるのでございますが、私、出張しておりまして、三、四日前に帰ってきたばかりでございまして、私が一カ月ほど前に出るころには話はございましたけれども、まだ具体的にきまったものはございません。
○堀委員 この前、九月でしたか、この委員会で私がADRのことを伺ったと思いますが、その後だいぶ話が進捗しているように聞いておりますが、ADRの最近の状態を伺いたいと思います。
○渡辺説明員 ADRにつきましては、アメリカ側の金融機関並びに本邦側の企業並びに金融機関が熱心でございまして、証券会社もそうでございましたが、自由に希望の銘柄をとってみますと、非常に数が大きくなるわけであります。またダブっておるものもございまして、いささか調整を要するということに相なりまして、まだ私どもとしては試験的にごく少数の株にしぼってやりたいというふうに考えておりますので、今ニューヨークの方でその調整の話し合いをしている次第であります。これはそう急に急いでやらなくてはならぬというものでもございませんので、まず適当な銘柄をごく少数選択し、重複もなるべく避けるということで、その調整が済みますれば発足いたしたいと考えておるわけでございます。
○堀委員 実はこのADRを伺いましたときに、一部では証券円の話も出ておったわけでありますが、ここで水田さんは、自分は証券円はとらないのだ、外資法の緩和の方がいいのじゃないかという話があったのであります。外資法は御承知のように最近改正したばかりであって、もちろん、資本の流通をよくするためには、その改正が望ましいのかもわかりませんが、ADRをおやりになる方向はきまったように思うのであります。ADRはやるけれども、外資法は当分そのままでやるということなのか、証券円は考えないと水田さんがはっきりここでおっしゃったから、やらないのだろうと私は思っておるのでありますが、そこら辺はどうなっておりますか。
○渡辺説明員 証券円は大臣がはっきりおっしゃいました通りでありまして、外資法の規制を緩和して、外資の導入の促進をはかりたいということでございます。しかしながら、この六月実は外資関係の緩和をやったのでございますが、さらに引き続いてどの程度の緩和をするかということについては、まだ具体的には検討の段階できまっておらない次第でございます。
○堀委員 次に、開銀債の問題で伺いますけれども、この前も私この問題で伺いましたときに、三千万ドル今度出すというおつもりで法案は出されて参ったわけですが、現在の日本の国債ですね。私ちょっとけさ調べてみたのですが、十二月十二日現在で八十九ドル四分の一くらいに下がっております。これはハガチーの事件以来下がったのですが、一時少し持ち直していたのがまた下がっておるように私思います。この前私がここでお話ししたのは、ハガチー事件の前だったと思うのですが、この日本の国債価格のその後の変遷といいますか、あの前とハガチーのあとと、その後の経過を伺いたい。私たち、一回下がってまた少し上がってきて、また十一月ごろ非常に下がったというふうに記憶しておるのですが、ちょっとそこの関連を伺いたい。
○西原政府委員 ただいまの外債でございますが、最近のニューヨークにおける値段は、今お話しのように、この十二月の十二日で八十九ドル四分の三でございます。十二月の一日にもやはり八十九ドル八分の五、それから一カ月前の十一月一日が八十九ドル二分の一、十月の一日が九十ドル八分の一でございました。六月の一日は九十四ドル半で、七月の一日ころになりまして九十ドルに下がったわけであります。六月の半ばが九十三ドル、それ以来一時八月の半ばごろには九十一ドル半くらいになりましたが、大体ずっと低迷を続けたわけでございます。 なお、日本の外債だけでなくて、ほかのデンマークとかフランス、イタリアなんかの外債も、最近ではやはり下がっております。日本の方はあれがございましたから、割合先にむしろ下がっておりましたので、最近では、この十月ごろと十二月と比べますと、一ドルくらいの差でございますけれども、たとえばデンマークにいたしますと、十月の一日は百ドル二分の一でございましたが、最近のものでは九十七ドル半というふうに三ドルくらいの差がございます。開きとしてはほかの方が最近低いようであります。
○堀委員 今の局長のお話で私もわかったのですが、日本の分は前から下がっていたから、今度のドル不安といいますか、そういういろいろな影響を受けるところまでも下がっていた、よそはそれによって最近下がってきたということだと思うのです。 そこで、外債を発行するということになれば、私率直に言うと、アメリカの金利は最近非常にゆるんでいる。いろいろな資料はちょっと拝見したのですが、市中金利でも二・四三%、長期国債も三・九%、手形引き受けが大体三%、公定歩合も三%と非常に低いのですから、本来ならばこういうものはもっと上がっていいわけですね。ところがこれが非常に低迷している。ということは、要素が二つあると思うのです。一つは、日本の場合には、政情不安といいますか、そういうものが先に出てきたために下がってきた。その他のものはドル不安で下がってきている。こういうことになると思うのですが、そういうアメリカの政情であるときに、こちらで今度外債を出そう、こういうことが出てきておるのです。コマーシャル・ベースでいくのならば、民間投資だからいけるようにも思うのです。しかし、反面今のようなドル不安とかいろいろな問題がある。ちょっと調べてみますと、ニューヨークでの国債は、実際は四割くらい欧州の方へ買われているというような実情もあるというようなことになると、これは一般公募ですからどこにどういくかわかりませんが、見通しとしてはちょっと当分発行できる条件がないんじゃないか。コマーシャル・ベースなら発行できる条件があるのにかかわらず、そういう他の要因によってこういうことが起きていると、ちょっと当分発行できそうにないと思うのですが、それについての見通しはどうですか。
○西原政府委員 相場というものは、そのときの情勢で、今お話しのようにどういうあれになりますかわかりませんが、非常によく動くものでございます。今お話しのように、一般的に債務、証券などの金利も安いのですから、そういう意味からいえば、本来もっと値が高くてしかるべきだということだと思います。ただ、御承知のように、相場というものはしょっちゅう動くものでございますから、今低いからといって、あしたのことはもちろんあれでございますけれども、じゃあと一カ月たち、二カ月たったときにどういうふうになるかということは、ちょっとわからないわけです。日本の外債にいたしましても、去年の春なんかはもっと高かったわけです。それから金利が上がったりいろいろな条件がありまして悪くなっておりますけれども、また今度、いろいろな情勢の変化によりまして、ずっと上がってきて、外債というものが非常に出しやすいといいますか、いい条件というものが出てくることも考えられるわけであります。そういうような意味から、いつでも情勢に応じてやれるという態勢はとらなければならないというのが私どもの感じでございます。
○足立委員長 農林大臣がお見えになりましたので、佐藤君の留保された質問に移りたいと思います。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 池田内閣は外交と農林に弱いというお話がございましたが、幸いにして専門家の周東さんが農林大臣になられたので、根本問題に触れて四、五点お伺いしたいと思います。 日本の農業は今危機に来ていると私たちは思っております。わが国の農業は保護政策で今日までどうにか息をつないできましたが、きょうの法案に関係する食管の赤字の問題なども、これが一にかかって日本の農業を保護政策でやるか、これを見捨てるかというところに問題があると思うのです。そういう点について、周東さんは専門家でもあるし、農業のことを詳しく知っておられる方でございますから、一体このままで農業をどのような方向に持っていくのか、こういう問題についてまず根本的な問題として所見を伺っておきたいと思います。
○周東国務大臣 お答えをいたしますが、従来の農業というものは、佐藤さん御承知のように、米を中心とした食糧の増産政策というものが中心に進められ、ことに戦後における日本の食糧事情等に対処いたしまして、これがとられたのは当然な処置であります。従って、これに関して保護的な処置が大幅にとられたことも事実であり、これもまた当然なことだと思います。しかるに、その処置は、確かに今日までの状況を見ますると大きな効果を上げ、その役割を果たしてきたと思うのであります。しかしながら、最近における状況、ことにこの四、五カ年の間における国民総生産の伸び方というものが、非常に大きな伸びであることも御承知の通りでありますが、その内容を特に見てみますると、鉱工業生産、いわゆる第二種、第三種産業の方の伸び方は非常に大きくて、農業関係の方の伸びがこれに伴わない、こういう状況になって参りました。そのことは、ひいては農家の所得が他産業に従事する者との間における差を著しくしておるということでございますので、その面において、今後の農業に対するあり方はいかにあるべきかということが今日問題になり、私どもまたそれに対してただいま施策を考えておるわけであります。大体どこを基本的に中心として考えるべきかといえば、結局農業の生産というものが、他の産業の生産と権衡がとれない形の伸び方がある。これを一体どう直すかということ、そのことは、当然に農業の成長を高めるということは、国民経済全体の上からいって絶対に必要でありますが、同時に、そのことは、農家所得を引き上げるという問題に関連する問題でございます。それによって考えられることは、何としても米の生産が中心であったということは、日本人のみが食べて、外国に輸出されないものを作っておるという農業の生産対象というものと、鉱工業の生産対象というものにおける商品化率というものの相違から来ている問題が多分にあると思うのであります。しかし、だからといって米は要らぬということを決して言うのではなくて、米の生産も続けていかなければなりますまい。人口の増加というものがある以上は、それは米食率の増加要因であります。また、反対に、食生活の改善ということと生活水準の向上ということは、米食率を減す要因であろうと思いますが、この二つの要因を相互に調整いたしますとき、やはりある程度の伸びは必要でありましょう。そういう関係を見るときに、米の生産というものに対する一つの方途を講ずるとともに、これからの農業としての伸び方は、何としても国内における需要の増加をなし得るもの、輸出される農産物または輸入農産物の国産化というような問題が、生産の方面においては取り上げるべき問題ではないかと思うのであります。 こういうふうな問題を取り上げることは、農業の生産をふやすことでありますが、しかしこれだけではなかなか問題が解決しないと思います。そこで、いわゆる農家所得というものの増加に対しては、農業の生産についての改善だけでいくのか、すなわち農業の生産性を高めることによっていく部分と、農家所得に関しては、農業外所得に関する考慮が私は必要である、こういうふうに思うのであります。農村における農家というものは、御承知の通り、農業だけによって収入を得ておる専業農家と兼業農家があるわけであります。世間に誤り伝えられておるように、決して兼業農家は捨てていくんではなくて、その兼業農家の中にも、第一種兼業、第二種兼業があって、主たる収入を農業に仰いでおる者と、主たる収入を他の産業に仰いでおる者、この二つの問題を考えるときに、また新しく次三男対策といたしましても、農業外所得をいかに増していくかということを考えるときに、農業プロパーの所得と農業外所得というものが合わさって農家所得になっておるのでありますから、対策としては、これが考えられることが必要であろうというふうに考えます。もう一つは、社会党さんのよく御指摘になりまする農業の生産性を上げろという問題であります。この点が、最近年々大体六十万人ぐらいずつ鉱工業の方面に農村から出て参ります。また大体半分近く別の意味において帰って参ります。差引四十万ぐらいは出ておる現状、こういうことは将来における農家個人のいわゆる生産性、こういうものを高める要因になるわけでございます。そういうことを合わせ考えるときに、農業構造の問題と、生産の問題と、農業外所得をいかにあんばいするかということが問題になり、もう一つは、それでも弱い農家というものに対する近代化させた農業、高度化した農業ということを、農業だけがやってならぬというわけはないのでありましょう。そういう点は農業者の共同化経営、共同化という問題を考えておるのでありまして、これらはいずれもそういうものを農業基本法等に盛り上げて、皆様に御相談をいたす覚悟でございますので、大体基本の方向を簡単に申し上げた次第であります。
○佐藤(觀)委員 実は数年前に西ドイツにいったことがありますが、ちょうど西ドイツでは寺岡代理大使がおりまして、ドイツの経済的な発展のことについていろいろ話がありましたが、農家の問題については、御承知のように、ドイツは日本よりは農業の面積が広いのでありますけれども、主食を作らないで、養鶏とかあるいは豚、その他の家畜工業が非常に盛んである。そういうふうだから、日本でも、米を作らないで、ほかのものを作った方がいいんじゃないかというような、しろうと的な意見がありました。ところが、御承知のように、ドイツは、イギリスとかフランスとかあるいはベルギーというような、そういう高価なものを売るところの市場を持っておりますが、御承知のように、日本は残念ながらお隣は中国、韓国、朝鮮あるいはタイとかビルマとか、米の生産地を近くに持っておって、輸出するわけに参らないという欠点があるわけであります。そういう点で、今周東さんからもいろいろお話がございましたが、一体現在輸入食糧の問題につきましても、私昨年東南アジアへ行きましたが、東南アジアでも、私たちを歓迎するところのビルマとかあるいはタイでは、どういうことを言うかというと、どこへ行きましても米を二十万トン買ってくれ、来年は三十万トン買ってくれというようなことを盛んに言われる。実は私たち農村の——特に私は米の生産地に生まれておる関係もありますが、驚くほどそういう要望を受けたわけです。おそらく輸入食糧の問題が問題になると思うのですが、私たちは、日本の農業の経営は、やはり外国から米を輸入したり麦を輸入するようなそういう政策では農村が参ってしまう、こういう観点に立っておりまして、せめて食糧ぐらいは自給自足をしなければ、日本のような後進国ではやっていけないということを考えております、そこで、そういう問題からからんできて、実は今度の食管の赤字の問題あるいは麦の輸入の問題などについてもいろいろ問題があるわけですが、一体農林大臣は、日本の食糧の自給自足というようなことについては、どういうお考えを持っておられるのか。この点も一つついでに伺っておきたいと思います。
○周東国務大臣 その点はあなたと同じ意見でありまして、食糧はよそから買わないで、自給し得る態勢をとることが必要であろうと考えております。その点につきましては、先ほど米につきましても言及しましたが、将来の人口の伸びあるいは米食率の減る要因等を考えつつ、しかし必要な分量は内地で生産をする。しかも、それは、食生活改善等において、お話のありました畜産経営というようなものは相互にまぜていかなければいけない。まぜてと申しますか、これが新しい農業の行き方だと考えております。 余談ですが、今お話しの御心配のような米の輸入はだんだん減じて参っておりまして、一時から比べますと、今日は八分の一以下になっておりますが、ただ、農業国で米生産国は、日本から物を買うために、決済としても米を買ってくれ、こういうことの要求はだいぶ熾烈でありますが、その点は私ども非常に考えて、やむを得ざる場合以外はお断わりをしておる状況でございます。
○佐藤(觀)委員 そこで、食管法の赤字がいつも問題になるわけです。この数年来の豊作で米はどんどん潤沢になってくるのですが、この問題についてどういう解釈をされておるのか。今度もまた二百九億からの追加の予算というものが出ておりますが、一体その食管の赤字を農林大臣はどういうようにお考えになっておるのか。この点を伺っておきたいと思います。
○周東国務大臣 今日までの食管の赤字、及び将来も現在の状況が続くものとした場合においてのそういう問題に関しましては、私は、これは普通の商売で下手な商売をやって損をしたというものとは違うのだ、これは一面には大きく国家が農家を保護するために支出すると申しますか、買い上げ等に関して支出した金であり、それを今度消費者に対してある程度二重価格的な意味においてあれされておる、こういう問題でありまするので、いわゆる普通の商売なんかで、下手な商売で損をしたというのとは違う性質のものと考えております。従って、今度もこれに対して必要な金を補正して処置をするという形をとったわけであります。しかし、将来、国民経済の上から見まして、それだけでいいのかという問題については、研究をする必要はありましょう。だからと申して、それは直ちに今統制を撤廃するとかなんとかいうことではございませんが、問題は、先ほど申しましたように、米だけを作って、将来だんだんと需給の関係から余ってくる。その余ってくるのを倉庫にただ保管しておるというのは愚の話だ。むしろもっと売れる、そうしてもうかる作物に転換させるというような方向が新しい農政の行き方だろう。ただし、転換させるというような問題にいたしましても、これは十年計画というようなことになりますので、そこらは、単なる畜産局の思いつきで、酪農を奨励したり、畜産を奨励したりという考え方ではいけないのであって、農林省の各局が、畜産局、経済局、振興局あるいは農地局というものが、新しい農村に対していかなる作物を作らせるのが一番よろしいのかというようなことについて、共同分担して、担当をして指導するという立場に持っていくことが必要だと思っております。そういう立場から新しい方向への転換というのを指導していきつつ、今のような制度を続けたといたしましても、ただ保管をして、配給、売却が少ないという形だけを残しておくことがいいとは思っておらないのであります。
○佐藤(觀)委員 周東さんも御承知のように、百姓のむずかしいことは、豚がいいというとみんな豚を作る、鶏がいいというと鶏を作って、私らが学生時分には、農村恐慌で豚を捨てなければならぬような時代もあった。これは非常にむずかしいことで、あなたは専門家だから御存じだと思うのですが、農林省が奨励すると逆になって、ものが下がってしまう。特に農産物は、最低の価格の問題も出ておりますが、そういう問題についてなかなか政府の思うように参らない。これは農業というものは一ぺん生産すれば二度生産できない面がありますので、その点が非常にむずかしい。そこで、私は、この農業の立場からいえば、この戦争の最中から戦後約十年くらいの間、米の価格の統制があって、やみで一升二百円くらいしたときには百円くらいで供出させられておった。百姓というのは人がいいので、普通ならば米の供出なんか全部やらなければ、あるいは値も上がっただろうと思うのですが、なかなかそれはやらない。団結の弱い点もありますが……。今になってみると、米が余れば百姓はどうでもいいというような、こういう無慈悲な政治が今まで行なわれていたと思うのです。そこで、私たちはこの食管の赤字の問題に関連して、一体このままでいつまで予約制度を続けていかれるのか。私たちも、予約制度を続けて、今まで農業をいじめたのだから、今度は一つ保護してやるような立場で考えておりますが、一体農林大臣はこういうような問題について——これは食管の赤字から見れば、大蔵大臣あたりから非常に文句が出る。そういうことから関連して、農林大臣の決心は、予約をいつまで持続されていくのか、その考え方を一つ伺っておきたいと思う。
○周東国務大臣 私は、新しい農業基本法等の制定に関係して、農業者を保護しつつ所得を引き上げよう、こういう考えに立っております。それに適切な措置がとられない限りは、やはり今の食管制度は続けられていかなければならぬ。だから、問題は、ただ単にこれをやめるとかなんとかということで、農家に迷惑をかけっぱなして、狂かの対策を講じないということはいたしません。そこに新しい農業基本法にからんでの問題があると思いますが、まだ今検討中でございます。いずれこれは通常国会までには確たる案を作りまして御相談をいたしたい、かように考えております。
○佐藤(觀)委員 池田総理の農業の六割減というのが問題になって、自民党の中でも問題になったと思うのですが、一体日本の反別は御承知のように七反二畝くらいの平均でございまして、非常に小農が多い。しかし、小農の人の転換を考えてやったところが、工場で雇ってくれるかどうかという問題があると思うのです。そこで、もともと日本は狭い国で人口が多いという関係で、農業の経営も、御承知のように長男は百姓をやるけれども、次男、三男はできないというような実態も出ておるわけでございますが、しかし、これをもっと一町五反ぐらいにするような形で小さい農業を経営させていくというような問題は、これはおそらく今度三十八国会でも問題になると思うのですが、そんなことが簡単にできるものであるならば、何も農業はむずかしいことじゃないと思うのです。今の農業というのは、御承知のようにだいぶ近代化して、伊勢湾台風の関係から非常に共同化し機械化されてきました。しかし、機械化になればなるほど労働力が余るということになって、かえって逆の現象が出てくるというような、非常にむずかしいことに相なっておるわけでございます。そういう点で、一体、ほんとうに池田さんの言われるように、一町五反ぐらいの農家にしてどういう配置転換をやれるかということについての御所見があるかどうか。周東さんは最近おなりになったのでございますから、その責任については追及しませんけれども、非常に農村の百姓をやっておる人たちは心配しておる。われわれは農業を追っ払われれば一体どういう職を求めたらいいのかということを、盛んに問いただされました。これが確かに今度の選挙にも影響しておることは事実でありますが、こういう点について、政府は確信がなくてああいうことを軽々に発表していると、農業をやっておる人自体が非常に困ると思うわけです。こういう点について、周東さんは専門家でありますから、何か御所見があると思うのです。こまかいことは別にして、農村の小農を兼営農家にしたり、あるいは酪農とかその他の畜産とかあるいは果樹園芸、そういう方面をやって収入をふやすというような問題が、私は適当だと思いますけれども、一体どういうようなお考えで小農を救い、日本の少なくとも六割の人口を持っておる百姓を指導していくかという問題について、御研究になっておると存じますので、その考え方を、一つ今の考えでけっこうでございますから、お伺いしておきたいと思います。
○周東国務大臣 お話の点は、なかなかむずかしい問題であることは私も了承しております。経験々々としきりにおっしゃいますけれども、世の中は変わっておりますから、私は白紙で皆さんに教えてもらわなければならないと思っております。総理のお考え方を今御指摘になったのですけれども、これは一つの大きな考え方だと思うのです。日本の零細農が六百万戸あって、みなが貧乏するというのでは困るじゃないか。そこで、問題は、その中を分けて見ると、専業農家、第一種、第二種兼業農家とあるのだ。その農家をよくするためにどうするかといえば、先ほども申しました通り、二重に繰り返しませんが、まあ専業農家というものに対しては、どうしてもこれが自営のできるような形に持っていくのには、できるだけ耕作反別という基盤をふやすような方向へ持っていく。それは新しく開墾、開拓というようなものならば、これは新しい移住をさせるということで、耕地を持っておる者につけ加えるような方向に持っていこうというようなこと、あるいは土地改良によって実質的に面積の増をはかるというようなことを考えるとともに、やはり先ほどお話にありました農業法人の問題について今考えておりますが、これが一つ取り上げられる問題だと思うのです。三反、四反、五反の農家が別々に、たとえばよく聞かされるのですが、自動耕耘機なんというものを買います。非常に労力は節約でき、簡単に深く耕せる。しかし、あまり早く耕して、使わないで納屋にしまっておいて、資本償却できないで、いわゆる耕作機貧乏になるのだということですが、こういうようなのは一例ですが、そういうようなものを、三反、四反、五反の人が十人か十五人集まって耕作を共同にする。そうなれば二台で済む。そうして労力を節約しつつ深く耕すことによって生産を上げるということもできるだろう。そこで、余剰労力の問題というようなものは、やはり農外所得の問題に考えられないか。これはしっかりした青写真が必要でありますが、やはり今日における考え方といたしましては、工場の分散ということを考えることが必要なときだと思うのです。これはわざわざ農村から遠いところへ出かけていくということよりも、水と電気によってある程度頭打ちにきておる地方がずいぶんあると思います。そういう地域におきましては、工場の分散、また別の言い方からいえば都市の分散というようなことを考えつつ、そうしてその農家から直接労力に雇用の機会を与え得るような形に持っていくような形を一つ考えてみたらどうか。こういうふうな考え方でおりまするが、そういう場合に必要な機械などに対する補助というようなことは考えていきたい。しかしこれはすべてではありますまい。私は一つの例を申しましたのですが、これらのことを全部いろいろ総合的にものを考えつつ、一つ通常国会までにはしっかりしたものを御相談したい、かように考えております。
○佐藤(觀)委員 大臣も時間がないようですし、堀君も関連の質問があるかと思いますから、最後に一点お伺いしておきます。 私たちも、ビルマやタイに行って非常に驚いたのですが、米を買ってくれということを非常に執拗に言われました。これは二十万とか三十万買ってくれということで、いろいろそういうことが問題になっておるようでありますが、また麦の買付もおそらくそういうように外国からあると思います。どれくらいしつこく言われておるのか。一体こういうものは断わり切れぬものかどうか。この点を一つ、私は現在日本の輸入食糧の問題について、食管の赤字とか、その他の問題にも関連があります。ので、大臣に、一体どれほどしつこく言われるのか。御承知のように、韓国の問題でも、米をこれだけ買ってくれれば、あの問題を片づけるというようなことになって、どこへ行っても、米を、余ってくれば買ってくれという声が非常に多いわけなんですが、そういう点について、どれくらいの程度までしつこく言われておるのか。また、いろいろ貿易上の関係で、どうしてもこの程度のものを買わねばならぬかというようなことについてのあらかたの考え方でいいのですから、ちょっと伺っておきたいと思います。
○周東国務大臣 今日までの状況においての要求に対しては、もう済んでおります。これは、あなたの御指摘の通り、実は買わなくたって、外米なんかの問題は、処分しても、ことし処分するくらいのものはまだ残るというのですから、必要ないはずであります。私はあくまでも国内農家のために必要な——必要なと申しますか、多少余ってくる米を買って、保管するのが一番いいけれども、外国の米を買って、余るのに保管するというのはあまり感心しないのです。これは、前大臣も、その前の大臣もずっとそういう態度できておられます。まあだんだんと押し詰めてきますが、これはしかし今具体的になんぼということはさらに言っておらぬようです。しかし今度も出て参ります。私は、そういう問題において、農業というものの将来、国際的分業という問題が起こってくるのじゃないかと思うのです。たとえば日本にない木材をかわりに買おうじゃないかということになったりする。向こうの経済状態の問題からいえば、そういう事柄を考えつつ、国際的協力という問題が農業関係の方にも出てくるのじゃなかろうかと、こういうふうに思っておりますが、まあしかし、米が生産の一番大宗をなしておるタイ、ビルマ等では、これが売れぬことには困るということですが、大体今まで歴代の大臣は強く断わってきておられます。しかしこれは政治問題もあります。さらに、日本の輸出との関連におきまして、やはりそこはそことして、内地農民の迷惑ににならぬ程度においてこれを処理するということが大きな外交の政策ではないかと、かように考えておりますが、具体的問題で処理したいと思います。
○堀委員 ちょっと関連して。
○足立委員長 姫君に申し上げますが、予算委員会から農林大臣の時間を切られておりまして、若干超過をしておりますから……。
○堀委員 では、五分だけ……。
○足立委員長 五分はちょっと長過ぎるのですが、一つ簡潔に願います。
○堀委員 ちょっと私三点だけお伺いいたします。 この今度の食管の赤字を見ておりますと、麦の赤字が、当初予算で百十六億くらい計上されておりましたのが、大体百六十五億にふくらんできておるし、米の赤字は百九十八億が三百十一億にふくらんでおる。ところが、この米の赤字の三百十一億は、これは私どもの主食でございますし、それが生産の主体をなしておるものでありますから、これは了解できます。しかし、この米との比重において、その半ばは麦の赤字だということは私ちょっと問題があるのじゃないかと思います。これは私の方の数字が間違っておるのかもしれませんが、私の知っておる範囲では、当初予算が百十六億で、四十九億増ということに相なっておるのですが、事務当局、これで数はよろしいですか。
○須賀政府委員 数字は合っております。
○堀委員 そういうことになりますと、麦というものは、本来それによって生計を維持しなければならない生産物ではないと思います。米作の裏側の、いわゆる補完的生産部分ではないかと思うのですが、これは私の周辺はそういうことですから、日本全体はよくわかりませんが、ちょっとウェートが、米の赤字のウェートに比べて麦の赤字のウェートは少し大き過ぎるように思う。そこで今後の麦に対する対策、農林省としては今と同じようにやはり麦を植えさして、同じような比率でこんなに大きな赤字を負担さしていくのか。私は、米の赤字はこれはもうある程度やむを得ないと思うが、麦はもう少し何らか工夫があるべきじゃないかと思うのですが、この点についてお伺いします。
○周東国務大臣 お話でございますが、従来麦に対しても保護して参りましたゆえんは、裏作、二毛作をやっておる地方では、やはり麦の収入というものがその農家の収入の相当部分を占める立場にありますので、保護して参りました。しかし、今後の問題といたしましては、どうも大・裸は現実に買い上げましてもなかなか売れないということになって、消費需要が変わって参りました。そういう面におきまして、やはり将来としては、麦作農家について、どうしても麦をやらなければならぬ地方もございますが、しからざる地方においては、だんだん数量を減していっていただくように指導をいたしたいと思っております。そういう場合に、いつか前内閣の末期におきまして新聞に出しましたように、おそらくそういう形になりました場合においては、何らかの形において麦作農家に損をさせないような処置をとりたい、かように考えております。
○堀委員 もう一つ。さっきから米の話が出ておる。内地産の米を積んでおくのはいいけれども、外国産の米を買ってきてこれを積んでおくのは、これはだれが見たってまことにおかしいことであります。そこで、農林省としては、しかしこれは日本の政策上としてやらなければならないという要素もあるでしょうから、一体この持ってきた米を何とか処理する方法はあるのかないのか。これはただ積んでおくのか。率直に言うと、場合によったら、日本まで運んできて、ここへただ積んでおくだけというのなら、もう向こうで買わないで、金をやっちゃった方が早いのじゃないか。極端な話になりますが……。持ってくる手間を省き、それから積んでおく蔵積みの費用を換算するならば、もう買いました、よろしい、運搬は向こうで捨てるなり、どうするなりけっこうですから、やって下さい、金だけ上げます、ということは極端な議論だと思うが、そういうことも経済効率からいいますと……。これはずっと使うのだというならよろしゅうございます。しかし、今の見通しでは、ただ積んで積んで、積んでいくものばかりがある。キャリー・オーバーになるものがずっと出てくる時期があるのじゃないかというように考えますと、キャリー・オーバーというものに対する取り扱いは、何らか考える余地があるのじゃないかと思いますが、これはどうですか。
○周東国務大臣 ただいまの考えでは、先ほどお答えしたように、だんだんキャリー・オーバーにならないように、輸入の方は減しつつ、保管しておるものを国内に出していきたい。これは、一定の限度は常に売れていくわけですから、それ以上のものが入らぬよう努力いたしたいと思います。
○堀委員 最後にもう一点だけ。私どもは、今度選挙政策で、牛乳三合というスローガンを掲げました。これは、私自身が一日に八合も牛乳を飲むくらいで、牛乳が健康のために非常にいいということと、それから酪農による農家の問題等を合わせて考えておるわけでありますけれども、どうも資本主義生産というものが片一方でどんどんいきますと、農家で実際作った牛乳というものが、われわれは高い値段で買っておるけれども、中間的な部分で非常に搾取されるということが起こる。ところが、スイスだとかデンマークとかイギリス、各国のそういう状態を見ると、中間的部分が、同じような資本主義生産の国でありながら、非常に少ないわけです。日本の場合は著しく中間搾取が多いということに対しては、私は、今の形のままでは、酪農を奨励してもなかなかうまくいかない点があるのじゃないか。やはりこの部分を下げなければいけないと思うのです。農林大臣としては、酪農奨励はお考えになっておると思いますが、それと、今のそういう中間搾取といいますか、この問題との関連は大体どういうふうにお考えになっておりますか。その対策……。
○周東国務大臣 お話の通り、われわれがこれから奨励いたしたいと思いまする酪農、畜産、これをひっくるめまして、流通過程といいますか、これに対して相当な改善を加える必要があると考えております。
○足立委員長 農林大臣、御苦労さんでございました。
○堀委員 どうも途中に入ってしまって、一話がどこまでいったかはっきりしないのですが……。 先ほど、局長のお話では、相場は変わってきたから、この法案を通しておいてもらえば、いつかいいところで外債を発行できるようになるだろうと言うが、それはよくわかります。わかりますが、最近の問題の中で、さっき局長もお触れになったと思いますが、ドル不安のために、日本の国債にかかわらず、その他の国債も下がってきておるという条件があるとすると、昨日も本委員会で私いろいろ申し上げましたけれども、ドル不安というものが、そうしかく簡単に解決される見通しがあるかどうかということと、この外債問題というのは不可分になってくるのじゃないか。そこで、昨日もいろいろ論議をいたしましたが、今度の七項目でアメリカが予想しておりますものは、約十六億くらいの削減をしたい。ところが、最近の状態を見ておりますと、ドルの流出の仕方というのは、ごく最近のところでは、年率にして四十三億ドルくらいになるというような、それは部分的なあれですが、流出の仕方をしておるようですから、そう簡単にこれはとまるものではないのじゃないか。輸出の面においても、ミューラー長官は、さらに三十億ドルの黒字を出すような貿易ドライブをやるのだと言っておられますけれども、口で三十億ドルと言えば簡単ですが、なかなかこれもそう成果がすぐに上がるとは思われないということになると、見通しとしては、私は、それは相場はわかりませんけれども、当分は出せる見通しはないという方を見るのが妥当ではないかと思いますが、これについてはどうですか。
○石野政府委員 ドル不安の問題が外債の市場価格にどういう影響を与えておりますかというような点につきましては、必ずしも私ども、そう明瞭にといいますか、的確にわからないわけでございます。確かに最近若干下がっております点が、そういうような影響からくるのかもしれないとは思うのでございますが、しかし、そういうドル不安と申しましても、ドルの切り下げをやってほかの通貨よりもドルの方が低くなるというふうな関係は、はたしてそういう意味の不安というものが本格的にあるのかどうか。ああいう人気のようなものですから、一時的にそういう不安がありましても、また解消するときにはお互いに協力するとかいうような形になってくると、解消してしまうとか、人気だから、そういう意味では心理的な動きもありまして、相場の関係というものは、ことにこういう証券の価格というものはいろいろ人気で動きますから、そういう点は必ずしも絶対回復しないというようなものではないと思います。それで、さっきからもお話がございましたように、コマーシャルな条件といいますか、向こうの証券市場というものはむしろ金利なんかも下がっておりまして、経済的にはだんだん発行できるような態勢にむしろ近づいておる。日本の外債が特に低くなっておりますのは、これはやはりある程度政治的な不安というようなものについて、債権者がまだすっかりそういう気持が解消していないというようなこともあるかと思います。この方も経済的に根本的に条件が悪いというのでないのですから、日本の現状というものがだんだん理解されれば、そういった点も解消されて参るのではないかと思います。そういう意味におきまして、こういう民間の外資の調達というものが、最近、御承知の通り世銀の借款だけで従来やっておりましたのですが、この前から国債も外債もこれは並行でやるという傾向がある程度出て参っておりますから、従いまして、そういう意味でのいろいろの話をする場合にも、やはり民間資金の調達の手段がございませんと交渉できない。法律ができませんと、そういうふうに交渉といいますか、そういういろいろの調査とか、そういうふうな話もできない、権能が全然ないわけですから。従いまして、そういう意味で、できるだけ早く権能をいただいておきますれば、情勢の変化に応じて出せるようになれば出していきたいというふうに考えております。
○堀委員 そこでちょっと、開銀債でお金が入りますね。それは開銀債ですから、それが電力へ行く。これは電力引き当ての開銀債だと思うのですが、ここの関係です。これはどういうふうになるのでしょうか。開銀債で入ってきたお金を一回開発銀行の中に入れて、そうして開発銀行が今度は投融資をする、こういうことになるのでしょうか。
○石野政府委員 そういうふうになります。
○堀委員 ちょっと私今度の川鉄、住友なんかを見ておりまして、金利が七分五厘くらいで話がついて、私大へんけっこうだと思うのです。この前ここで論議をしましたときは、九分くらいになるのではないかというようなことがありまして、そういう点では安い金利で引き受けてくれてよかったと思うのですが、こういう問題については、日米租税条約の適用を受けて、こちら側での利子負担は向こうで落とす格好になっておると思うのですが、ものによっては向こうの引き受け機関によってはそれが生きてこないものがあります。公共的機関が受け入れた場合には無税なんだから、無税の上に落とすわけにはいかないとか、いろいろの場合、引き受けのことについて開銀債の場合は無利子になっておりますが、その他の民間の分については利子を払わされる。しかし、向こう側の条件では、日米租税条約が働かないファクターがあるということになると、私は非常に取り扱いに不公平な問題があるんじゃないかと思うのです。今後これが今のままでいけば、私は開銀債のようなものもいいと思うのですが、外資が入って、それが資本なり、いろいろなものに悪影響のない範囲であるならば外資を使ってもいいと思うのです。使ってもいいと思うのですが、民間がやるときには非常に制限的な要素が働いておる。開銀債ならば働かないというのは、それは開銀債の方はいいのですけれども、民間の方については問題があるんじゃないかと思うのです。この点については大蔵省はどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
○石野政府委員 税の方の所管の関係は私の方と違いますので、ちょっと今的確にそれがどういうふうになっておりますか、またどういうふうに処理されましたか承知しておりませんけたども、御指摘のような問題があったことは聞いております。しかしそういう話は大体解決したようでございますから、その規定の方がどういうふうになるか、取扱いはどうなるかわかりませんけれども、なおよく主税局の方と連絡をとりまして、どういうふうになりましたか聞いて御連絡いたしたいと思います。
○堀委員 そこで今度は理財局長の方に少し伺いたいのですが、さっき申し上げたようなことでこの法律が通ったとしましても、来年度にはたして外債が三千万ドル入るかどうか。これは不確定な要因なんですね。ところが本年度においては、財政投資計画の中で、これは百八億円で電力への資金を補給することになっておって、これはいろいろ埋め合せをされたのだろうと思うのですが、この穴は大体どういうことで処理をされたのでしょうか。
○西原政府委員 本年度の財政投融資計画の中では、開銀債が発行されればそれだけは行くというふうには考えておりますけれども、財政投融資計画自体には計上いたしておりません。
○堀委員 そうすると、あれは開銀からの融資ということですか。入った場合に開銀が直接出すということで、別建になっているということですか。
○西原政府委員 開銀債が現実に発行されました場合に、あるいは改訂とかなんとかいうような問題になるというふうに考えております。それで、今の開銀債は、今お話しのような点で法律案とかいろいろな関係もございましたので、三十五年度の財政投融資計画の数字の中には含んではいないという扱いをいたしました。
○堀委員 その扱いはそうだったと思うのですが、電力の側の資金需給計画を見ますと、計算中に百八億円が入っていたんですよ。ですからその入っていたのが抜けた。これは通産省の方で、皆さんの方に伺うべきではないのかもしれませんが、私が申し上げておきたいことは、やはり不確定要素のものは除いて資金計画を組ませるように、大蔵省は指導すべきじゃないかということなのです。入ってきたら、それだけは余分ですから、それをふやす方は私は問題ないと思うのですが、もう資金計画はぴしっときめてやっておるものの中へ、こういう不確定要素のものを組み込ませるような指導はやめていただきたい。これは、私が聞いている範囲では東京電力で七十億、中部電力で三十億ですか、しわ寄せをしてそれは工事の延べ払いだとか、あるいは市中銀行からの借り入れとか自己資金によって補完をしたのだというふうに聞いているのですが、やはりそういうことをすることは、これは年度当初に確実に入るということならよろしいですが、不確定要素、特に外国を相手としてやるような場合には、私は、方向としては、そういうものを相当こまかに資金計画をしておる中に組み込むということは、来年度については少し考えていただいた方がいいのじゃないか、こういうふうに思いますが、それについてはいかがでしょうか。
○石野政府委員 その点につきましては、前回この法律案を当委員会で御審議いただきましたときにも、電力資金が不足することになるのじゃないかという御質問が堀委員からございましたのを記憶しております。御承知のように電力の資金計画といいますか、資金全体が一応全体はこのくらいという見込みを立てておりますけれども、実際の需要の関係でふえて参りますと、これに対する資金をつけていかなければならない。そういうことで、財政投融資計画というのはそのごく一部分でございます。お話のようなこともございまして、財政投融資計画としては、今の百八億は入れておらなかったわけでございますけれども、しかし、それ以外に民間の社債とか借入金でまかなう部分がたくさんございますので、そういうものの一つとしては、できるだけ早く発行して使いたい、こういう考え方で見込んでおったと思うのでございます。ただ、そこのところは、この前足りなくなった場合にどうするかというようなお話で、民間資金の方の状況も見て、そのときに、やはり電力だがらできるだけのことは考えなければいけないというふうに私も考えておりますということを申し上げたわけでございますが、事実当時御指摘の通り電力の需用が非常にふえて参りまして、資金の需要は当時予定しておりましたよりももっとふえているわけでございます。従いまして、そういう意味で、できるだけ早くこの電力関係にこういう外債の資金も出せるようになった方がいいと思いますけれども、最近社債の消化も若干よくなっておりますというような関係で、民間資金の方でもできるだけ努力をいたしまして、需要に応ずるようにみんな関係者が努力をいたしておるような状態でございます。御了承いただきたいと思います。
○足立委員長 次回は明十五日午前十時三十分より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十七分散会