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37回国会衆議院1960/12/21

商工委員会 第6号

発言数
89
登壇者
16
会派数
2
開催日
1960/12/21

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  まず閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  先刻の理事会におきまして協議いたしました結果、今国会が閉会となりました後も、本委員会の活動を円滑ならしめるために、  一、通商産業の基本施策に関する件  二、経済総合計画に関する件  三、公益事業に関する件  四、鉱工業に関する件  五、商業に関する件  六、通商に関する件  七、中小企業に関する件  八、特許に関する件  九、私的独占の禁止及び公正取引に   関する件  十、鉱業と一般公益との調整等に関   する件以上の各件につきまして、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。      ————◇—————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 通商産業の基本施策及び経済総合計画、並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。  長谷川四郎君

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 今国会の最終にあたりまして一言繊維局長に御質問を申し上げてみたいと思うのであります。  繊維製品の検査所を拡充をしてくれという要望がたくさんこのごろ出てきております。また現実を見ましてもこれは当然であろうと考えられるのであります。その理由としては、すなわち昨年の例を見ましてもわかるように、過去五カ年の例をとってみましても、繊維製品の輸出量、なかんずく絹製品の輸出が大体倍増をしておる。こういうような推移の中にあって、検査自体、たとえば国営の検査が依然として同じような過程をたどっているというところにあるわけでありまして、業界はあげて、検査所を拡充してもっと検査を巖重にしてくれ、こういう要望であります。この要望は、かつての日本品が悪かろう安かろうということから逸脱をして、そして世界の市場の中に出て、日本製品というものがかくもよく知られてきて、そうして日本製品というものが愛されるという、この現在の権威を長く保っていきたい、そうしてより多く輸出をしていきたいという、この熱望にほかならないと考えられるのでありまして、こういうような点あわせて考えますときに、私も、どうしても今日の繊維の製品輸出検査所に対しまして、もう一段の拡充をしなければならないと考えております。特に来年度にあたって、この拡充をどうしてもなし遂げなければならない、こういうふうに考えておりますが、この点について局長のお考えを承っておきたいと思うのであります。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井説明員 ただいま御質問の中にありましたように、最近アメリカあるいは欧州におきまして、絹製品の需要が激増して参りまして、特に昨年、あるいは今年になりましてから輸出量は数年前の二倍ないし三倍にふえて参っております。ところでわが国の特産品であります絹織物につきましては、特に品質を保持する必要があるということで、昔から絹織物につきましては特に国営検査でやっております。ところで、これははなはだ残念なことでございますが、昨年、一昨年非常に輸出がふえて、従って機屋さんが忙しかったという関係からいたしまして、たとえば今まで絹織物の生産につきまして経験のあります絹機屋といえども、中には納期に迫られまして、場合によりまして、粗悪品を作った、あるいは今まで絹織物の経験のない人絹機屋さんが絹織物を手がけまして、そのために、今はブームが若干落ちつきましたけれども、ブーム中に作りましたものにつきましてクレームが起こるようなケースがございました。われわれとしまして、これははなはだ遺憾で申しわけないと思っております。ところで仕事か非常に激増いたしました結果、国営検査所の一人当たりの検査高というものは数年前に比べまして二倍程度になっておりまして、そのために検査の場合にも見落としがなきにしもあらずというふうな状態になっておりますので、私どもといたしまして、この絹製品の声価を維持いたしますために、予算も増額し、あるいは人員も若干ふやさざるを得ないということで、来年度予算におきまして、そういうふうに努力して必ず実現を期したいと考えております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 日本の国検が誕生して以来三十有余年を経過し、その結果によって今日の日本の製品というものが世界市場の中に認められてきた。この国検が今日まで貢献をしてきた推移を一段と高めていくというような点からいっても、当然なさなければならないと考えておる。昨年の輸出貿易の結果を見ましても、現物、つまり原糸で出るものから見、また第一次製品、第二次製品と比較してみて、第二次製品が非常に多く出て、しかも輸出が工業国にたくさん出ているという現実の上に立っても、この検査を一段と高めていくということは当然な義務でなければならない、私はこう考えておるわけであります。どうか局長におかれましては、何がなんでも本年は大蔵省と十分なる折衝を行なって、その目的が達せられまするよう切にお願い申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 関連して。今の問題について繊維局長が来ておるから聞きたいのですが、日本の織物とフランス、イタリアの織物との間にかなり技術的にも差がある。そこで日本から出しておる織物の一平方ヤードの値段をフランスもの、イタリアものと比べると雲泥の差がある。平均すると日本の値段は四分の一くらい、そういうような開きがあるわけですが、これに対してフランスもしくはイタリアのああいった織物技術というものを早急に取り入れなければならぬ。もしくはこちらから人を送って学ばしてくる、こういうことをしなければならぬと思うのですが、そういうことに対してどういう措置をとっておられますか。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井説明員 ただいま御質問の中にございましたように、日本の絹織物とフランス、イタリア等の絹織物との間には、品質並びに値段につきまして格段な相違がございます。これは一番大きな原因といたしまして、絹織物につきましては大きな市場はやはりアメリカでございまして、常に斬新なデザインを求めまして、それによって流行がきめられるという関係がございます。御承知のように、フランス、イタリア等はデザインが非常にすぐれておりまして、従いまして、日本として常にそのデザインを学ばなければならぬという関係にございます。この関係につきましては、民間の方でフランスなりイタリアに参りまして、いろいろデザインの研究をするということをやっております。  それからもう一つは、日本の絹織物のメーカーは中小企業がほとんど全部でございます。従いまして、どうしても設備がおくれておるとか、あるいは技術が沈滞しまして、進歩がややもすると停滞しがちであるということがございまして、これにつきましては、たとえば府県の試験所を通じまして技術指導をするとか、あるいは国の試験所を通じまして技術指導をするとか、そういうことに努めております。  それからもう一つは、日本の輸出の段階におきまして、やはり安売り競争が絶えないという問題がございまして、この輸出の段階におきまして、どうしても秩序ある輸出をさせまして、できるだけ値段を通したいということで、私どもといたしましても努力しております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 輸出業者の乱売ということはあると思います。それからデザインのこともあると思います。しかしながら、たとえば日本のものは平均して一平方ヤード六十四セントです。イタリアのものは二ドル七十七セント、フランスは二ドル四十三セント、あんまり違い過ぎるのではないか。デザインにしても何にしても、織物技術というか、そこに何か重大なる欠陥があるのではなかろうか、こう思うのです。そこで、これは府県等の試験所等を通じて指導なさるのはけっこうだけれども、しかしながら通産省として試験所を持っておられる。従って、もっと予算要求か何かして、向こうから技術をどんどん入れるなり、あるいは日本から技術を学びにどんどんやらせるなり、そういうことをして、もっといいものを、少なくともイタリアのものの半分ぐらいの値段のところまでこれを持っていく必要がある。そうすれば、かなりの養蚕業その他の問題も解決できると思う。問題はここにあると思いますが、通産省自体としてどういうことをやっておるか、あるいはこれからやらんとする決意があるか、それを伺って、関連質問を終わりたいと思います。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井説明員 ただいまお話がありましたように、日本の技術が西欧諸国に比べて若干見劣りする、従いまして何とかして技術を高めなければならぬ、かように考えております。ところで今まで絹織物の海外宣伝のために日本絹業協会というのがございまして、業界の出資と、それから国の方から本年度予算につきましては約一億五千万円補助いたしまして、そこで海外に対する宣伝というようなことをやっておりますが、海外の宣伝だけではなくて、日本絹業協会におきまして、ある程度デザインなり、あるいは新しい技術につきまして研究をし、それによりまして業界を指導したい、かような考えから、日本絹業協会に対しまして、新しい一つの仕事として、ただいま申しましたような技術的な方面も日本絹業協会で研究させるように予算要求を現在しております。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 きょうはいろいろと質問をいたしたいのですが、まず最初に、消費者行政とでも申しますか、物価の問題、あるいはこれに対する公正取引委員会との関係、こういうようなものについてお伺いいたしたいと思います。  まず、政府では、消費者行政といいますか、こういうところはどこが担当しておられるのですか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 消費者行政と申しましてもいろいろございましょうけれども、お尋ねの点は特に消費者物価ということを中心にした問題ではないかと思います。これは主として経済企画庁、そうしてあと関連の現業の各省が当たることになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 きょうは経済企画庁長官が参議院の予算関係でこちらに見えていないので、やはり総務長官にお伺いするということになろうと思いますが、最近いろいろと物価が高騰を示してきておる。こういうことはもう御承知ですから、一々物価指数等をあげなくてもいいと思いますが、これについてどのような対策を立てておられるか。ことにことしの秋以来問題となっております、いわゆる牛カンといいますか、牛頭を掲げて馬肉を売る、この種の欺瞞的取引方法についてどのような対策を考えておられるか、あるいはまたすでに立てられておるか、そういうことについてお伺いいたします。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 特に不公正な取引あるいは物価のつり上げ、こうした問題につきましては公正取引委員会の関与するところに相なりますので、その方の調査を待っているわけでございます。内容につきましては公取の委員長が見えておりますからお答えさせます。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 牛カンの問題につきましては、この夏ごろ非常に問題になりまして、消費者に迷惑をかけたという事実がございます。私の方といたしましては、独占禁止法によりまして、自由かつ公正なる競争を促進するという眼目のもとに、不公正な取引はこれを抑制するという建前をとっております。そこで、牛カンの問題が不公正な取引であるかどうかという問題でありますが、私の方といたしましては、これは不公正な取引であると思っております。例を申しますと、牛カンの大和煮は、一カン、高いのが、これは肉が一〇〇%でありますが、百二十円くらいであります。しかるに、同じ牛の大和煮といいながら、一カン三十五円くらいのがたくさんあります。極端なのは二十七円という罐詰協会の調べでありますが、そういうふうに値段が非常に開くということは、結局損をして売るわけではない。それでも若干利益があると思われるので、結局品質をごまかすというか変える。牛の一〇〇%のものに比べますと非常に落ちる。極端なのは牛肉が二〇%くらいであとは馬肉だ、そういうことで、独占禁止法から申しますと、不当に安い値段で製品を売る、しかもその製品はごまかしである。これによって正直な業者の利益を害する、また消費者の無知に乗じて消費者の利益を害するということになる。これでは独占禁止法の建前からいってけしからぬというので取り締まりたい。ただし取り締まりについては、不公正取引については、ある行為が不公正取引であるかどうかということにつきましては、指定という手続を必要とするのでありまして、昨日指定をするに必要な手続であるところの公聴会を開きまして、牛カン、鯨カン詰等につきまして指定をする準備をしておるわけであります。これによりましてその指定の告示ができるようになったら、現実に取り締まりができる、こういうことになっております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 牛カンの指定の問題、あるいは独禁法との関係につきましては、あとでゆっくりとお尋ねしたい、こう思っておりますが、今総務長官から、消費者行政というか、こういうまとまったものはない、物価、ことに消費者保護、こういうものはすべて公正取引委員会でやっている。物価の対策等については経済企画庁が若干やっているが、大体具体的な活動は公正取引委員会がやっているのだ、こういう答弁がありました。それぞれの専門官庁がそれらの層の意思を代表しているかどうか、あるいは十分受け取っているかどうかは別といたしましても、農民には農林省がある、中小企業者には中小企業庁がある、あるいは労働者には労働省といったように、それらの層の意思を十分にくみ取っての行政をやっていないとはいっても、それぞれの専門行政がある。ところが今日一番多くの国民層というか、一口に言う消費者、これは消費者は王様であるという言葉もあるほど、ともかく国民の大部分が消費者の格好になっている。この消費者に対する行政に対しては専門の行政官庁がない。これは公正取引委員会でものが起こったときにあとからやろうというだけにしかなっていないと思うのですが、そういう消費者行政について、政府といたしまして、この物価高騰等と関連をいたしまして専門の担当の部署を置く、そういう考え方はありませんか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 消費者に対する政府の行政といたしまして、何か特別な担当の部署を置くということは目下のところ考えておりませんが、しかしながら、お話のように、一般消費者に特に消費物資の価格というものは非常な影響を持つものでございますので、内閣の責任といたしまして、物価高騰に対しましては、これにどう対処するか、こうしたものについて、経済企画庁を中心にいたしまして、各省連絡のもとに対策を立てておる次第でございまして、たとえば季節的変動の激しいものについては、その貯蔵設備あるいは加工設備等を考えるとか、あるいはまた組合等におきまして申し合わせの値段を作るというような場合には、それぞれの担当の部署においてそれを十分に審査するとか、そうした面におきまして、経済企画庁を中心にした研究の結果は、各省において実施するようにいたさせておる次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 経済企画庁においての調査というのは、いわゆる机の上の数字の調査でありまして、実際においてのなにはやられていない。実際に消費者に対する保護機関といいますか、そういった行政機関は今のところ公正取引委員会しかない、こういうことなんです。ところがその公正取引委員会の機構はどうかといえば、定員はいつまでもふえないようになっておる。予算にいたしましてもほんのわずかの予算しかない。機構を見ましても大阪、名古屋、福岡、この三つくらいに出張所があるくらいで、全国的には何もできていない。しかもまたその公正取引委員のメンバーを見ましても、独占企業の代表とかあるいは各省の代表、そういった人たちによって構成せられておって、ほんとうに消費者階級を代表するような人あるいは労働者を代表するような人は入っていない。そこで私は二つのことを総務長官に提案してみたいと思うのです。それは消費者保護政策の確立ということから考えまして——これは総理府に置くということになろうか知りませんが、とにかく消費者、労働者あるいは経営者、学識経験者等からなる消費者保護審議会、仮称でございますが、こういうようなものを中央、地方に設けて、適正な物価の裁定のために必要に応じて政府に勧告をし、あるいは政府の諮問に答える、こういうような機関が必要ではないかというように、一つ思うわけです。  もう一つは、公正取引委員会の機構を拡充する、予算もふやす、そういたしまして公正委員の定員をふやしまして、中小企業者あるいは労働者の代表、いわゆる消費者の代表、こういう人を正式なメンバーとして非常勤でいいから入れていく、そういうようなことをやりたいと思いますが、総務長官どう考えますか。

藤枝泉介自由民主党総理府総務長官

○藤枝政府委員 あとの方の公取の機構の拡充につきましては現在考えておりまして、ことに公正取引委員会が今後消費者の保護ということを中心に活動をしなければならないような事態でございますので、それに合うような機構の拡充につきましては目下財政当局と折衝中で、ぜひ実現をいたしたいと考えております。  それから前段の御提案につきましては、そういう新しい機構を作るのがいいかどうかは別問題といたしまして、御提案の趣旨におきまして消費者保護の万全を期するような方向で考えて参りたいと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 先ほど来申し上げておるように、消費者行政ということに専門的に当たるような部門を設置するような考え方、あるいは消費者の保護を確立するという問題について十分の御検討と措置を願いたいと思います。また公正取引委員会の機構の拡充あるいはメンバーの定員をふやす、こういうようなことによる消費者に対する保護が万遺漏ないような措置を考えていただきますよう、この点は希望としておきましょう。  そして公正取引委員長にお伺いいたすのですが、先ほど言われたように、きのう私も新聞その他で知っておりますが、大蔵ビルにおいて、問題となりました牛カンその他の問題について、独禁法二条七項の特殊指定のための七十一条による公聴会を持たれた。その結果はすべてがそのことにおいて賛成であった、こういうふうにいわれております。その公聴会の経緯、これは簡単でけっこうですが、それに対してどのように考えておられるか、及び特殊指定をすることにいたしまして、実際はいつごろに指定の告示がなされるのか、そういったことをお伺いいたします。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 昨日の公聴会には公述人として十八人の方が来られたのですが、お話の通り、いずれも特殊指定に賛成である、むしろおそきにすぎはしないかということと、それからできればもう少し広く一般指定にしたい、これもごもっともと思います。そこで私どもといたしましては、さしあたり牛カン等について特殊指定をするつもりでありますが、その時期につきましては、実はこの問題を考えるについて農林省、厚生省とも十分な連絡をとっておりまして、農林省のJASがやはり農林規格の同じような問題でもありまして、これらは二月の中旬ぐらいというお話で、私どもといたしましてもなるべく同じような時期にやりたいとこう思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 このJASですが、これと歩調を合わせなければいかぬのですか。このことについてまた農林省関係に聞きたいと思っておったのですが、そういう要望が強ければ、そうしていいということであなた方も特殊指定に踏み切る、こういうことになっておれば、できるだけ早い方がいいのではないですか。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 お話の通りできるだけ早い方がいいのでありますが、この問題につきましては農林省と打ち合わせしたということと同時に、カン詰業界というものが農林省と非常に密接な関係がある。それがまた私の方にも関連するのですが、そのカン詰業界との話し合いもありまして、あれやこれやで早くやるのが二月ごろだろう、こう思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 なるべく早く特殊指定がなされるのが、今問題になっていることに一応終止符を打つということについて必要であろうと思うのです。  そこで今問題になりましたJASの問題に関連いたしまして、農林省関係が見えておりますのでお伺いいたしたいのですが、問題の牛カン、このことに関連をいたしまして、農林省では農林物資規格法、これに基づいていわゆる六つの規格を作ってJASマークをつけるということで、農林物資規格調査会に諮問しているということを聞いておりますが、その経過及び現在の実情及び今後の見通しについて、ちょっとお聞きいたしたいと思います。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 ただいまの御質問でございますが、農林省では農林物資規格法に基づきまして規格調査会の加工食品部会を十一月の十九日に開催をいたしまして、そこで畜肉と、それから鯨と、これらについての六品目のカン詰めにつきましての規格の審査をやったのでございます。この審議会におきまして全員が大体こういう方向に賛成でございまして、大体こまかい技術的なところでは今後幾分検討すべき問題もございますけれども、全体として原案に賛成というか、原案が認められたわけでございます。そういう状況でございますので、いろいろ手続の関係がございますが、一月の中旬に官報告示をいたしまして、施行は二月中旬、事務的な手続の関係上そういう段取りになっております。従いまして二月中旬に施行いたすとして、それまでにいろいろ準備もございます。この規格の実施は工場の検査をいたしまして、この工場について、こういう状況であれば、この工場の製品はJASマークをつけていいというふうに認定をするわけであります。それらのことを考えますと、大体三月、四月ごろには新しく農林物資規格のJASマークのついた牛カン、鯨のカン詰が市場に出るようになるのではないかというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この公正取引委員会の特殊指定も、あるいは農林省のJASマークの規格規定も、結局は二月中旬、そして実際は四、五月ごろだということになると、それまでの間はどういうようにしてそういう問題に対しての監督といいますか、指定といいますか、やっていこうとされておりますか。これはどこがやるのかな。それまでの間は、どういうようにやっていきますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 これは実際問題といたしましては、食品衛生法で衛生上の見地から、いろいろ食品につきましては厚生省が取り締まりしておるのでございまして、農林省の農林規格といいますものは、御承知のように任意法規でございまして、こういう規格を作って、その規格に合わせるようなものをできるだけ業界でも作って、消費者もそれを認識している、そういうものを奨励していく、こういうような性格のものでございますので、実際それができますまでの間の問題は、衛生の取り締まりによるほか、方法はないのじゃないかというふうに考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 衛生的な問題だけでなくて、いわゆる看板と中身が違うという問題ですね。こういうことに対するそういう特殊指定がなされれば独禁法違反になる。しかしそれまでの間、及び今日までに発生した事案については、これは一体どこが押えるか。厚生省は公衆衛生という立場からの衛生問題なんです。そういうのは一体どこで押えていくのですか。公取委といたしましても、いわゆる二条七項による特殊指定をやって以後独禁法違反の問題が出てくる。それ以前では独禁法としても働く余地がない。そうなってくると、そういう問題は一体どこがやっているのですか。刑法的な問題はあとで聞きます。行政的な問題としてはどこがやるのですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村政府委員 衛生の面からは厚生省の方で取り締まりをして是正いたしておりますことは先ほど申した通りでございますけれども、行政指導といたしましては、何といいますか、強制的な力はないと思いますけれども、食品については、食品の所管は農林省でございますので、農林省としては法律上のいろいろな手続、そういうような問題はございますが、行政指導といたしましてそういうことのないようにということで、各界あるいは業界なりに対しましては通知いたしまして、そういう問題が起こらぬように、できるだけ指導上も措置をいたしております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 行政的な面からは十分なきめ手はない、そこで公正取引委員会のいわゆる特殊指定、これがなされて初めて独禁法違反という問題でやっていけるんだ、そうすると現在はブランクのような状態です。そうするとあとへ問題に残るのは刑法的な問題しか残らない。看板と中身が違うもの、レッテルと中身が違うものを売るということは、刑法上の詐欺罪になるということも考えられる。法律は少し古いけれども、不正競争防止法の第一条第五号の違反も考えられるのですが、警察庁としては、あれだけ騒がれた問題をどのように捜査をせられ、現在もどういったような状態にあるのか、警察庁関係の方に伺いたい。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 この問題につきましては、非常に大きな問題でありましたので、警察におきましては不正競争防止法、あるいは食品衛生法、あるいは独占禁止法、あるいは軽犯罪法ないしは刑法の関係の詐欺罪の関係におきまして、違反行為になるかどうかということをだいぶん調査いたしました。実は調査の結果、立証してそれを送検して犯罪ときめるきめ手が当時なかなかありませんでした。いろいろ関係行政庁とも連絡をいたしておりましたが、ただその間におきまして七月に警視庁管内の深川署に告発がありました。この事件は、明らかに食品衛生法に触れる無許可営業でありましたので、この件ははっきり立件いたしまして、犯罪として検察庁に送致いたしました。  それから九月にはやはり同じ深川警察署に告訴がありました。この事件につきましては詐欺罪になるのではないかということでいろいろ捜査いたしましたが、この牛カンの事件につきましては、従来から相当部分の商慣習もあるようでありますし、また価格の点も騙取というような点に若干疑問もありましたので、範囲を確定するのに若干むずかしい点がある。しかしこれは告訴を受けましたので、やはり検察庁に送りまして、適当処分ありたいという意見を付しまして送致いたしました。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 食品衛生法に触れる無許可でやっているのは、これは別の問題なんです。それは当然なんです。そうじゃなしに、許可をとってやっておって、そうしてレッテルと中身の違うものということで、これは明らかな詐欺行為じゃないか、私はこういうように思うわけなんです。人を惑わしておる。牛の絵がかいてあって、牛カンと書いてある、中に牛肉が入っておるのだと思わせる、こういうことですね。そうすると詐欺罪の構成要件から見て、あえて刑法の論議をするまでもないと思うのだが、それで送検するところに至らない、あるいは犯罪構成に至らないということになるのか。出しているところは、ちゃんと名前を書いて売っているという事実がある。中を調べたら表と違っておった、こういうのははっきりとした犯罪を構成しておるのだ、こう思うのですが、そういう点で、問題はあるがきめ手がない、そういうことなら、だまされた消費者はだまされ損で済むのですか。この点法務省あたりはどう考えますか。あるいは法律的な解釈として法制局はどう考えますか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 今のにせカン詰の問題でございますが、これが東京都内に横行しているということでありまして、それが横行するようになった事情などについては、いろいろ理由があるかもしれませんけれども、とにかく看板と中身が違うという御指摘のような事実につきましては、私どもも刑法並びに罰則を扱っております立場からいたしまして、慎重に検討をいたしておるのでございます。  今の、中身が違っておればすぐ詐欺になるのじゃないかどうかという点でございますが、一般に市販されておりますものを、つぶさにあらゆる種類を検討したわけではございませんが、幸いにいたしまして、去る十月深川警察に告訴されました事件が東京地検に立件送致を受けておりますので、検察庁としてもその事件を手がかりにして、ただいま捜査を続けておる段階でございます。刑法の解釈といたしまして、今その事件がどうなるかということはしばらくおきまして、刑法の解釈として詐欺になるかどうかということになりますと、これはいろいろ段階があるのでございまして、被害者がだまされていない場合には、もちろん詐欺にならないのでございます。中身が違っておりましても、違っておることを承知して買っておるような場合には、これは詐欺にならないことは申すまでもないのでございます。問題の牛カンなどを一例にして申しますならば、相当大きなカン詰のようでございまして、先ほども御答弁の中に出ておりましたが、もし一〇〇%の牛肉でありますならば、何百円もするカン詰がわずか三十円とか五十円とかいうような値段で売買されておるそのこと自体から、中身が違うのじゃないかということも客観的に推測できるということは考えられるのでございますが、また同時に投げ売りをするというようなこともあるわけなんで、ただ値段が安いからといって、すぐ中身が違うのだということもできない。それから牛カンとは書いてない、牛の絵がかいてあるというようなことも、まぎらわしいレッテルでございます。こういうまぎらわしいレッテルであれば、すぐだまされたというふうに見るかどうかということは非常に問題があるのでございまして、要するに最もはっきりしておるのは、売る方の人が中身が馬肉である、にせものであるということを承知しておる。買う方の人は何も知らなくて、これは牛の絵がかいてあるから中身は牛カンでございましょうかと言って念を押している。それは牛カンでございますと言って、要するに積極的に相手に欺罔行為が施されて、その行為に基づいて錯覚に陥って牛肉だと思って買った、こういうような事実関係がございますならば、これはもう明らかに詐欺でございます。問題の事件がそういったような具体的な事実関係において詐欺と認められるかどうかというところにかかってくるわけでございまして、抽象論でならぬとか消極であるとかいろいろなことを申すのは差し控えなければなりませんが、中には承知づくで取引している者もあるのじゃないかということも考えられる状況でございまして、私どもとしては、法律問題は今申したような事情でございますが、事実問題として、その事件の処理につきましては慎重に検討をいたして、捜査をいたしておる段階でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まず商慣習ということで業者は売っている。商慣習は商法第一条によって、これは民法に優先するというだけなんです。それが一般消費者を相手にやった場合に、刑法の成立要件を免除するというところになるかどうかは、これはは問題だと思う。しかも刑法の二百四十六条の詐欺罪の規定は、言うまでもなくあなたの言われるような積極的な、こうですかと聞いて、いやそうですと言っただけでは成立しないという解釈になりますか。それから告訴があって調べたと言っているが、この詐欺罪は親告罪ですか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 三点ばかり問題を提起されたように思いますが、私は商慣習であるということについては一言も触れておらないつもりでございます。しかし商慣習もあるやに新聞記事等では報道されておりますが、私はだまし合ってレッテルが牛の絵で中身が馬肉や鯨の肉であるというような商慣習があることは承知いたしておりません。そうしてそういう商慣習は業者の中ではあるかもしれませんが、一般消費者にその商慣習をもって対抗できるような、そのような商慣習があるとは私は考えておりません。  それから私が一番はっきりした例として、相手に念を押したということを申し上げて詐欺罪の成立について申したわけでございますが、念を押した場合でなければ、二百四十六条の欺罔行為に当たらないという趣旨ではございません。ただ行為といたしましては、もちろん消極的に不作為によって欺罔行為が起こるわけでございますけれども、相手が値段の点や、それからそういうものが横行しているのだというような事実を知っておりますこと、そういうようなことから、中身について全くだまされたという関係がない、あやふやな気持で買ったというような場合が詐欺罪として成立するかどうかということはむずかしい問題があろうかと思うのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 新聞で騒ぎ出してからはそういうことがあるかもしれぬということは、一般消費者は認識したと思う。それまでは、牛カンというなら牛の肉だ、こう思っておるのが常識ですよ。あなた自体が消費者の意思をそんたくしたようなことを言って、それはおかしいと思う。その買う人、一人一人について当たらなければならぬ。ここに悪質な詐欺罪としての容疑があるといいますか、疑いがあるのなら、当然捜査すべきだと思う。しかも売り出しておるところははっきりしておる。売っておるところもはっきりしておる。買った人も調べれば調べられる。先ほどの警察の答弁によると、たまたま告訴があって告発があった。これのみがあったというのは、積極的に何もやらなかったのですか。警察庁、どうですか。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 この点について申し上げますが、率直に申し上げまして、いろいろ事件が相当大きくなりまして、それから告訴も告発もありましたので取り上げたことは事実であります。それまでの間におきまして、実は私たちの方もそれらの事情についてうといものでしたから、積極的に取り上げていませんでした。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 あなた方はつまらぬことに警察をよく動員するんだ。しかもあれだけ社会問題となったんだ。しかも詐欺の構成要件としては満たされておる。少なくとも詐欺の疑いがある、これははっきりしておるのだ。それを告訴によってやったというだけであって、積極的にやらなかったというのは怠慢じゃないか。今あらためて捜査をする決意があるかどうか、お伺いします。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 先ほど申し上げましたように、なかなか刑法の詐欺罪としての欺罔についても、きめ手が簡単にいきませんので、もちろんいろいろな資料を集めまして調査はいたしますけれども、積極的に取り上げて事件にするというところまでは、まだ踏み切れないと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 きめ手がないと言うが、それでは買ってだまされた人は申し出よといったら申し出ると思うのです。どこで買って、そのカン詰はどこで製造しておるのだということは、これではっきりした証拠ができると思うが、そういうことはやらない。つまらぬことばかりに人員を動員しておる。そんなことをするものがあったら、もっと国民生活に直結した問題で警察はやるべきだと思う。私はこのことについてあらためて、あれだけ問題を起こしたのですから、警察が積極的に捜査をやるということを希望いたします。いかがですか。しかも詐欺罪の一応の疑いとして——これは時効も完成していないわけなんだ。それから法務省の答弁は、値段等から見て、牛肉でないであろうということを知って買った者もあるだろうというようなことは、あなた自体が買った消費者から聞いたことじゃないだろう。憶測なんだ。そうでしょう。そういうことは司法並びに警察の怠慢だよ。つまらぬことに人を出してわあわあやるだけが能じゃない。捜査するかしないか、まだ時効になっていないのだから、やるかやらないか、はっきり聞かしてもらおう。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 先ほどは法律議論を御質問がありましたのでお答えしたのであって、具体的事件につきましては、先ほど申し上げましたように現に捜査中でございまして、やるとかやらぬとかいう問題ではなくて、現に捜査をいたしておる状況でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 おかしいじゃないか。警察庁自体が、告訴告発がたまたまあったからそれについてしたというだけで、犯罪の積極的捜査をやっておるのですか。やっておりますならばその経過を知らして下さい。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 警察庁は警察庁で、深川の警察でお調べになった結果を御答弁になっておったようでございますが、警察庁の御意見はどうでございましょうとも、事件は検察庁に送られてきておるわけであります。あるいは捜査の結果、警察庁の御意見に近い、同じような結論になるか、それは捜査の結果を待たなければなりませんが、現段階におきましては検察庁としては事件が送られてきておる……

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 言っているのは、具体的に告訴なり告発を受けた事件について検察庁がやっておるからそれを捜査しておるということなんだが、そうじゃないんだ。そうでなしに、一般のやつをどうするのかと言っておる。あなたの言っているのは、現に送られてきておる、しかもこれは警察が積極的にやったのではないんだ。たまたま告訴なり告発があった、一つは食品衛生法による無許可であった、これは当然なんだ。そういうようなものについて送検せられたから捜査しておる、これは当然のことなんだ。検事局でやるべきなんだ。私の言うのはそうじゃないんだ。一般のやつについてどうしているのか。犯罪ありと認めたときには、それを捜査していくのが警察の務めじゃないか。どうするのか、警察庁にお伺いいたします。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 現にこの問題につきましては検察庁に事件も送っておりまして、(田中(武)委員「その問題だけじゃないよ。ほかの一般を聞いているんだよ」と呼ぶ)そういう点がありますので、検察庁の起訴の有無なども考えまして、今後さらに調査はいたしたいと思いますけれども、捜査に入るかどうかということについては、まことに申しわけありませんが、今のところ断定しかねます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 あなたが言っているのは、いいですか、たまたま深川署で告訴告発のあった事件について送検しておるから、それについて検察庁の態度を待つ、これは警察として当然なんだ。私の言っているのは、そういうものじゃない。一般に泣き寝入りしている人がたくさん消費者の中にある。犯罪ありということのにおいはたくさんあるのですよ。犯罪ありと見たときに捜査するのは警察の責任じゃないか。それをやらないとするなら怠慢ですよ。だから、そういう告訴告発のあった事件じゃなしに、あれだけ騒がれた牛カン問題、にせカン詰問題なんだ。だから、その発売元等について調査をやるのかどうか、捜査を——事件になるかならぬかは別だ、警察としてやるかやらぬか、それを聞いているんですよ。今までやっていないと、こういうことなんだから今からでもおそくないからやれと、こう言っているんですよ。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 調査はいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 調査をいたしますということは、犯罪ありとしての捜査というか、警察活動をするという意味ですね。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 犯罪ありやいなやという意味における捜査もありますが、それになる材料として、いろいろな材料を集めなければいけませんので、いわゆる材料を集めるための調査をいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それではその答弁をそのまま受け取りまして、捜査結果はあらためての機会に伺うことにいたします。  それから公取委員長にお伺いしたいのですが、きのうの公聴会の議事録というものがあるのですか。これはもうみな賛成だからわかっていると思いますが、そういうものがいつできますか。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 速記をとっておりまして、速記録はできます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 もらえますか。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 差し上げましょう。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これは牛カンを例にあげたんですが、私は問題は広告——今日四マス時代といわれて、マス・プロ、マス・コミ、マス・セール、マス・コンですか、何か知らぬがとにかく四マス時代、マス・コミ時代といわれる。従って広告が、新聞を見てもそうですが、テレビを見ても道を歩いておっても、これはすべて広告です。そこで広告と独禁法といいますか、それの行政的な指導取り締まり、こういうような問題について若干聞いてみたいと思います。たとえば日本の独禁法の母法といいますか、日本の独禁法の先生というか、母法であるアメリカの三つの独禁法の一つである連邦取引委員会法、これは一九三八年に改正をいたしまして、食料品と薬品と化粧品を追加をして、これらに対する欺瞞広告はこれを違法とするというように改正をしたと聞いておる。ところが日本の独禁法には、欺瞞的な、あるいは誇大広告、こういうことについて何ら規定がない。ここにこういった一つの問題が起こると思うのです。本来広告とは知らしめるということが使命だと思う。その知らしめるという使命から逸脱をいたしまして、今日では高圧的な、商略的な広告が多いと思うのです。そこで、誇大広告、欺瞞広告に対する規制ということが考えられてくる。薬事法では第三十四条で誇大広告の禁止という規定があります。そのほかに、私はあまり誇大広告の禁止というようなことは聞かないのですが、この誇大広告、欺瞞広告と独禁法との関係、これは少なくとも消費者の利益を害する。欺瞞広告、誇大広告は同時に企業間の公正な競争に反する、こういう二面から公正な取引でないといえると思う。従って、独禁法並びに公正取引に関するこの法律の精神に違反するところの行為ではなかろうかと思うのですが、日本の独禁法の母法であるアメリカにおいては、すでにそういった改正がなされておる。そこで独禁法の中にそういうことを入れる必要があると思います。それについて公正取引委員長の見解と、それから欺瞞あるいは誇大広告、これと独禁法との関係、公正取引との関係等について意見を伺いたいと思います。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 牛カン事件は、今お話しのいわゆる欺瞞的取引でありまして、欺瞞的取引については、お話しのアメリカにおきまして一九〇六年に食品、薬品及び化粧品法という法律がありまして、相当強く取り締まっておるのですが、そこで今度の牛カン事件を契機といたしまして、こういうふうな欺瞞的取引を取り締まるべきじゃないかということをわれわれの方で考えて、実は研究しておるわけです。しかして、現在の独禁法におきましては、田中さんは非常にお詳しいが、二条の七項の三号に「不当に競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、」云々という規定がございます。この規定によって指定をするというのであります。ところがわれわれの考えからいうと、少しこの規定だけじゃ不十分じゃないかという気もするし、きのうも東大の先生は、この規定じゃ不十分だ、特別法を作るべきだということを強く主張しておられたのでありますが、私もある程度同感なのであります。そういう関係でありまして、公正取引委員会としては、さしあたり牛カンをやりましたが、これで終わりというわけじゃなくて、十分研究したいと思っております。場合によりましては特別法も考えられはしないかと思います。あるいは独禁法の改正で済むかしれぬが、なかなか大きな問題でありますから十分研究したいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 今言われたように独禁法から公正な取引の特殊指定がやられるという解釈が出てくると思う。しかしながら、今の牛カン問題と同じことで、問題が起きて、すったもんだやって公聴会を開き、何とかかんとかやって半年くらいたたないと特殊指定が行なわれない。事前にこれを防止する、こういうことがこの法律ではできないわけなんです。そこで私は単独法でもいい、あるいは独禁法の公正取引に関する条項にそれを入れてもいいと思う。しかし独禁法を変えることになると、それと同時にほかの骨抜きのものを出したがっておるから独立法がいいかと思うのですが、いわゆる広告と独禁法、広告と消費者を守る関係、こういうことについては、お互いにもっと十分な検討と対策ということを考える必要があるんじゃないか、このように思うわけなんですが、これは大体公取委員長の意見とこの点は合ったようですが、すぐにでも一つ公取としてでも、単独法でもいいが立案してもらいたい、このように思うのですがどうでしょうか。これは総務長官かな。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 立案のお手伝いはするけれども、法律の提出権は内閣が持っておりますからして総務長官にお話しは申し上げます。  それから単独法になると、それがわれわれ委員会の権限にするのがいいのかどうかということは、行政上非常に問題があると思います。先ほど申しました通り、消費者行政ということがこのごろいわれておるけれども、これは必要だということはだれも認めておる。しからばだれがやっておるかというと、各省に権限が分かれておるというようなことでありますからして、その消費者の利益を保護するというような法律を作ると、どこの所管にするかという、これはあまりいい言葉じゃないが権限争いで、なかなかまとまらぬのじゃないかという気持も一応しておるわけです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この法律改正の問題を、あるいは単独法を作るという問題を公正取引委員長に聞いてもどうかと思うのだが、結局広告ということはメーカーあるいは商業につながるのだから通産省だと思うので、通産政務次官にお伺いしますが、どうでしょう。先ほど私が言っているように、このごろマスコミ時代といわれておる。そこで薬事法には誇大広告の禁止ということがうたわれておる。そのほかにはこれを規制するものがない。今の牛カン等から考えて欺瞞的な広告あるいは誇大な広告、こういうものを行政的にやはり押えていく、あるいは指導をしていく、こういうことが必要であり、あわせてそれらの誇大、欺瞞広告から消費者を守る、こういう必要があろうと思いますので、先ほど来論議しているような趣旨の法律なり制度、そういうことを通産省でお考えになる用意がありますか。

砂原格自由民主党通商産業政務次官

○砂原政府委員 法律家でないもので、むずかしい御質問でございますが、先ほどから田中先生の御質問の要旨を拝聴いたしておりまして、私も中身が違うのに、これを本ものかのような方法をとって店頭に出すというようなことは、まことに適切でないと考えるものであります。従ってこうしたマスコミいわゆる広告等によって、誇大な広告をなして一般の大衆を惑わすがごとき行為ははなはだ遺憾な点があると思います。これを通産省においてその取り締まりの法文化をするということがはたして適切であるかどうかということは、なお研究するの余地があるのではないかと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 次官にこれ以上言ってもどうかと思うから言わないが、いずれにいたしましても誇大広告、欺瞞広告から消費者を守る、これがまた独禁法との関係を生じてくる、こういう事実は私はいなめないと思う。そこでこういう問題についてお互いに無関心であってはならないということです。今後そういった法的措置を、これは経済企画庁になるのか通産省になるのか知りませんが考えていく、こういうことを要望いたしておきます。  それから公正取引委員長にお伺いいたしますが、最近ずっと値上がりを示して参りました中に美容、パーマとか散髪、あるいはクリーニング、言うならば環境衛生法による同業組合系統の職種というか、業種が相当ある。これらがいわゆる業者間申し合わせ、すなわちカルテルによって料金を引き上げてきた。そのことについて環境衛生同業組合としてやっておるのか、あるいは中小企業等協同組合法に基づく協同組合として、そういうことをやっておるのか、あるいは中小企業団体組織法によりやったのか、これによってそれぞれの何が違ってくると思うのです。たとえば団体組織法によってやるなら、商業組合であるなら、これは価格協定についての委員会が必要である。どうもそうでもないらしい。そうするとやはり同業組合としてやった。ところ環境衛生法を見てみますと、いわゆる地方の適正化規程というものができて、それに基づいてやったときに初めて独禁法の除外になるわけです。ところが今日地方の適正化規程はできていないわけなんです。中央の適正化基準というのは、去年からことしにかけてできましたが、地方のはできていない。そうするなら、今環境衛生同業組合という、この名において行なわれておる料金の値上げ、これは独禁法違反ではなかろうかと思うのですが、いかがでしょう。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 お話の通り、環境衛生法に基づきまして料金の基準がきめられておるのは中央だけであって、地方はない。おそらくごく最近東京都がきまると思います。そこでこの基準がきまってないのに、環境衛生同業組合が直接やったかどうか、一つ疑問がありますが、同業組合で、あるいはその同業組合のある地域において値上げが起きたという事実があるのであります。そこでわれわれの方としては、これは独禁法の違反の疑いが非常に濃厚だ。しかしながら厚生省としては、せっかく環衛法ができたのだから、これを十分に運営するために、そういうのを行政上押えて思いとどまれ、別に基準がきまるから、という行政指導をやっておるわけであります。しかしながら、業者になりますというと、料金の基準がなかなかきまらない、どのくらいかかるのか、非常に長い期間かかる。これはやはり消費者と、それから業者と第三者、中立の人と、この三者が寄り集まって協議すると、業者の方は上げてほしい、消費者の方は下げてほしい、そういう関係で非常に時間がかかるので、どうしても上げるのに時がかかるものだから、業者が待ち切れないという気持もよくわかりますけれども、しかし法が法ですから、厚生省としても基準がきまらぬうちに上げるということは、独禁法に違反するからということで行政上押えておる。そういう関係でもちろん私の方といたしましては、神奈川県でしたが申告がありましたので調査しておりますけれども、法律的には独禁法違反であります。ただせっかく環境衛生法を作って、初めからひっくくるのもかわいそうだから、なんとか行政指導できるものなら行政指導をやろう、こういうふうに厚生省と今話し合っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 厚生省、見えていますか。この間の事情を一つ、同じことを言うことになろうと思うのだが、結局環境衛生法に基づく同業組合として申し合わせをして料金を上げていると思うのです。ところが地方適正化規程ができていなければ独禁法違反なんだ。これが現に行なわれているわけだ。こういうことについて厚生省はどういう指導をせられており、それは適正化規程ができないということについての事情、作りにくいという事情もわかるが、どういう指導をなされておるか、現に値上げをしている問題については、これは法律的にいえば独禁法違反なんだ。それに対して厚生省は指導官庁としてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 環境衛生関係の営業の同業組合が、環境衛生業として適正化法によらないで環境衛生同業組合の名前のもとに料金の協定をやるということは、先生が御指摘の通り明らかに独禁法の違反であるということは私どもも承知いたしております。あちらこちらでそういうような事態が起こっているというようなことを聞きましたので、本年九月に全国の都道府県衛生主管部長あてに通牒を発しまして、かようなことの厳にないように行政指導を強力に加えるということと、またそういう事実があったら、こちらへ報告するようにというようなことをいたしまして、一方それぞれこれらの環境衛生同業組合は、全国の連合会ができておりますので、連合会の幹部を私のところへ呼び出しまして、同様の厳重な注意をいたしました。その旨連合会を通じて全国都道府県の組合に指導させるというような措置をとったわけなんであります。先ほど公取の委員長からお話がありましたように、環境衛生適正化法が三十二年に成立いたしまして、この法律が施行になってすでに三年有余を経ておるわけですから、この間今までに理容、クリーニング、美容、興行場、四業種につきまして適正化基準が認可になったのでありますけれども、認可になるまでに、御案内のように中央の適正化審議会は関係官庁、学識経験者並びに消費者代表と業界代表、この四者構成になっておりますので、審議会の中におきましてずいぶんこまかい点にまで検討が加えられまして、最終的には全会一致で適正化基準を認めるというところまで、その審議を尽くしたわけであります。そういうことで非常に時間がかかりまして、業界としましては、業界の指導者の方々たちも非常に苦労しておりますのは、末端の組合員には最近激しく行なわれておるダンピング競争等の事態が、この法律の施行によりまして解消するものというふうに、末端の組合員は期待しておった。期待したがゆえに組合にも加入したわけなんでございましょうけれども、現実にはなかなかこの法律の基準ができるのに手間がかかる。適正化基準の段階に入りましても、すでに理容、クリーニングについては一年を経ておりますけれども、まだ適正化基準の認可になったものは一つもないというようなわけでありますので、いわゆる組合の内部が、一部には組合から脱退して組合の瓦解というか、そういうような実情もありますので、同情すべき点も私はあるんではないかと思うのでございますけれども、先ほどお話のように、私も全く同業組合という名前で、料金の協定をやって値上げをするということは明らかに独禁法違反ということで厳重に指導いたしております。そういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 事情はわかるんです。事情はわかるんだが、夏以来といいますか、半年ほど前からずっと上昇をたどってきました物価のはしりは、この環境衛生法の適用を受ける業種、これがはしりだったと思うのです。それからだんだん上がってきた。事情はわかるが、現に同業組合の名のもとにやるということなら、これはもうあなたも認めており、公正取引委員長も認めておるように明らかに独禁法違反です。地方適正化規定ができなければ、別に商工組合、中小企業団体組織法、それでいくとか、何かなくてはならぬと思うんです。現に上げているのは明らかな独禁法違反だ。現に上げているやつについてどう処せられますか。ほとんど全国的に上がっておる。これを独禁法違反であるが、実情はやむを得ないというて見のがされるのか。これは厚生省の立場と公取委の立場は違うと思いますが、明らかに独禁法違反であるという結論が出ておるのに対して、どういう措置をとられますか、お伺いいたします。

聖成稔厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○聖成説明員 先ほど申し上げましたように、かようなことのないように強力な行政指導をやっておるわけでありまして、またさような事実があったら私どもに報告をその県からとるようにいたしておるのであります。御案内のように環境衛生適正化法による適正化規定ができましても、これはいわゆる基準料金で最低の額をきめるわけでございますから、それから上の額は各業者が個々にやるのは全く統制のないわけなんであって、従ってはたして相当広い区域にわたって申し合わせをして上げたのか、あるいは個々にばらばら上げたのか、そういう点がなかなか問題があるんではないかというふうに私は考えるのです。個々に上げてやれば、こういうことをもって独禁法違反というわけにもいかぬじゃないか。その辺のことを各府県で十分に監督するように指導しておるわけでございます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 この問題につきまして、佐藤公正取引委員長からも御答弁願います。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 私の方は、冷ややかな法律論からいえば、先ほど申します通り環境衛生法の同業組合になって、それで原価基準ができて、料金基準ができて、それに基づいてやっておれば問題ないが、それ以外は独禁法違反という疑いがある。ただ問題は、せっかく環境衛生法ができて厚生省がこれを運用しようというときにあたり、しかもまた今お話の通り府県等の衛生関係方面へ照会して、円満な運営をしようと思っておられるからして、その限度においては厚生省の立場もよく尊重するつもりであります。しかし厚生省がいっても聞かないものなら仕方がないし、また別の独禁法の規定によって申告の手続のとられておるものについては、われわれの方は独立の権限で、今実は調査しておる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 厚生省の部長さんですがね、はっきり言うと床屋さんにいくと、組合の申し合せにより何月何日よりと書いてある。これははっきりしておるのですよ。だから事情はわかる、事情はわかるが、現に法律違反が行なわれておることがはっきりわかっておれば、厳重に通告したとか、厳重に通達した、だけでは済まされないと思うのです。それから公正取引委員長は常に行政府から独立しておるのだと、あなたはいばっておるのです。公正取引委員会は独立したのだと、いつかもそういうことでここで問題を起こしたことがあるのです。もちろん行政委員会としての立場から、全般的な行政というものとにらみ合わせて、法の運営ということはこれは必要であろう。しかしながら厚生省がせっかくこうしておるのだから、違反だとわかっておりながらやらないということはどうかと思うのだ。その点については公正取引委員会が今日では、先ほど来言っているように消費者を守る唯一の専門機関である。しかもこの消費者を守る独禁法の番人というか、これを担当しておる唯一の機関だ、そういう立場から、そういった明らかなる法律違反が行なわれておる、しかもこれは一つや二つではない、ほとんど全国にわたって行なわれておる、これははっきりしておる事実だ、だからそういうことについては一つはっきりした態度を出してもらいたい、このように思います。同時にまた厚生省といたしましても、今さら上げたやつをもとに戻せということもどうかと思うが、そういうような点について違反であるということを、府県を通ずるだけでなく、あらゆる地域のそういう組合の責任者、あるいは組合員にまで趣旨を徹底させるような方法を講じてもらいたい。そのことを要望しておきます。

佐藤健司総理府事務官(経済企画庁調整局物価政策課長)

○佐藤説明員 公正取引委員会が独立の機関としてやっておるということは、私はしばしば申しておりますが、それと今の答弁とは何か食い違うようにおとりのようでありますが、私が申しました気持は、何も見のがすわけではないので、現に理容につきましては東京新橋地区と埼玉県の環境衛生同業組合もしくはその支部における料金値上げ協定の疑いがあるという事件がありまして、実は今調べております。それからクリーニングにつきましては、神奈川県環境衛生同業組合もしくはその支部における料金値上げ協定の疑いということで、決して何もかにも放置しておるわけではない。そういうふうにやっておるのもあるのですが、なるべくならばやらずに値をもとに戻してもらえば、消費者として一番うれしいことで、そういう気持で申したのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 公正委員会としてはまじめな峻厳な態度で、一応準司法的機関でもあるし、独禁法を十分守っていただきたい。同時に厚生省はそういう誤りを犯さないような十分な指導をしてもらいたいと要望しておきます。  物価に関連して、公共料金について若干の質問をいたしたいと思うのですが、どうもメンバーがそろっていないのが残念であります。これは大臣に聞くべき問題だと思うのですが、大臣いなければ自然次官になろうと思うのですが、公共料金につきまして、今九州電力の値上げが問題になっておる。きのうときょうとで公聴会を開いておる。公聴会を開くということはもう値上げに踏み切った、こういうことの前提だと思います。こういう問題につきましては、明日同僚中村委員から詳細な質問がありますから、私は触れません。しかし東京電力においてもすでに申請しておる。ところが本年九月ごろだったか、池田さんは電気料金は上げないのだ、こういうように言いました。九月九日に私は党の申し入れを持って総理に会いに行ったが、総理はいなくて官房長官に会いましたが、上げませんと言明いたしました。そのときに言ったのですが、当分上げないというのは選挙までだろう、選挙が済んだら上げるのだろうと言ったのですが、そのようになっておるようです。そこで公共料金全体については一つ考えていきたいと思うのですが、電気料金のことは明日また別にやるといたしましても、きょうの新聞を見ると、電報、電話料金をやはり上げるということに対して、電報電話料金審議会ですか、これが答申をしたようです。その他いろいろのものが上がろうとしておる。ところがこれらについては、なるほど法律上形式的な公聴会とか何とか持たれておる。しかし公聴会を持つというときには値上げに踏み切った証拠だ。ただ法律にきめてあるから、それをやるんだというだけの形式を整えるにすぎないわけです。公聴会でどんな意見が出されようとも、それが入ったという例はいまだかつてありません。そこで考えてみましたら、公共料金のうち国鉄運賃と郵便料金、これだけは法律であるから、国会においても審議をし、国会の意思によって決定せられる。その他ガス、電気、あらゆる公共料金については、その所官庁においてきめられることになっているんです。これは一貫した物価体制、ことに公共料金という立場から私は許されない、こう考えますので、たとえば公共料金規制法というような法律を作って、公共料金、これはどういう範囲にするか、その法律によってきめることにいたしまして、そしてそれはすべて国会の意思による、そういうことにした方がいいのじゃないか。公共料金の値上げを示している今日、先ほど来言っておるように、関係官庁の権限によって行政的にきめられているということだけでは、私は許しておけないという問題があると思うのです。こういうことは私は国会の審議、国会の意思による、こういうことが必要であり、またそのことが消費者を守る一番の道であろうと考える。そこで今申しましたような仮称公共料金規制法というような法律を作って、そうして国会で審議をし、国会の議決をもって料金をきめていく、こういうふうにしたらどうかと提案をしたいのですが、どうでしょうかね。大臣がおればいいのですが、大臣がいないのだから……。

砂原格自由民主党通商産業政務次官

○砂原政府委員 公共料金の値上げの問題は、池田内閣は低物価政策と国民の生活の安定について関心を寄せておりますので、なるべく、できることなら値上げをしたくないと考えておるのであります。しかし、ただいまの御質問の公共料金を値上げする場合の国会の承認の問題でございますが、これは御承知のように聴聞会を開いて、その地方の意見を十分尊重をし、取り扱いをすることになっておるのでありまして、田中先生のお話では、公聴会の意見は全然いれられておらないというように向ったのでございますが、やはり省といたしましてはこうした意見を十分しんしゃくをいたしまして、万やむなく処理せなければならない場合にも、こうした意見を十分尊重をし、取り入れて行なわれておるように伺っております。従ってただいまの法律化し、また議会の承認を求めるという問題になりますと、一政務次官が答えるのでは御満足はいくまいと思いますので、大臣の方へ答弁を譲ることにいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大臣がいないので、これは経企、通産、できれば総理、こういうところで聞くべき性格だと思いますので、次官から無理に答弁をとろうと思いませんが、これは一つの本委員会における提案として、もう一ぺん聞いてもらいたいのですが、公共料金、これはすべての料金の基礎になる。ところが国鉄運賃と郵便料金、これらは法律であるから国会で審議をする。その他のものは行政的に行なわれておる。それはそれぞれの関係法規によって公聴会という形式はとられる。ところがその公聴会等はほんの形式にすぎない。従って国会の意思というものは、それら公共料金に対して何ら直接的な影響を与えない。そこで公共料金規制法、これは仮称ですが、こういう法律でも作って、これこれは公共料金とする、こういうことで、それに定められたものは国会においてその料金を決定する、こういう方法が消費者を守るために必要ではなかろうか、また国会という立場から物価政策に対する立場をとっても必要ではなかろうかと思うので、これは委員会の諸君にもそういう提案をしておいて終わりたいと思います。  それでもう一つですが、次官が今言われましたけれども、公聴会で意見を聞かれたものを十分尊重すると言うが、あす公益事業局長が帰ってくる。九州における九電の料金値上げの公聴会がきのう、きょう行なわれている。あす、そのことについて十分聞きますが、九州における公聴会の結果、多くの意見を採択する用意がありますか。

砂原格自由民主党通商産業政務次官

○砂原政府委員 公聴会の性格から申しますと、一つの企業が値上げを要望いたしました際などに、大体電気料金などというものになりますと、消費者の面が全部でありまして、値上げを要求いたします方が一人ぼっちになってしまうという立場にあるので、従って、値上げに対する絶対賛成というような方はあり得ないと想像がつくのでございますから、それを全部受け入れるということになりますと、企業の体制というものは成り立たないようになるのではないかと思います。この意味合いから、たとえば値上げ申請をいたしておりますものが、その申請額をうのみにするのではなくして、要するにできるだけそうしたものは抑制をするという考え方の上に立って、日本の企業の全般の面とにらみ合わして、広い視野の上に立って御判断をいただかないと、消費者だけの希望が全部まるのみになるものでは、なかなかない、かように考えるのでございますが、重大な問題でございますので、こうしたことはやはり大臣の答弁をいただく方がいいのではないかと思いますから、この程度で御了承願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 公共料金の問題につきましては、あすの委員会に譲りたいと思います。いろいろときょうは一九六〇年のすす払いで全部聞こうと思うが、時間がなくなりましたので簡単にあとは片づけていきたい。そうして残りはあすに譲りたいと思います。  それでは、牛カン問題のときに通商局長に来てもらって尋ねようと思っておったが、いなかったので、代理に課長が見えているそうですから、ちょっとだけ伺っておきます。あなたは前からおられたかどうか知らぬが、この委員会で夏ごろ以来問題となった牛カン問題等取り上げたわけなのだが、輸出のカン詰に国内で起こったような、いわゆるレッテルと中身が違うというようなものが最近あったかどうか。もしあったとすれば、そういうことは貿易の建前から、また国際信用の建前からどういうように処理されたか、その点をちょっと伺っておきます。

中谷大吉通商産業事務官(通商局振興部検査課長)

○中谷説明員 今輸出に関しましては、罐詰検査協会が検査をやっておりますが、今までのところ輸出に関しましては、そういうものはございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは企業局長に簡単に問題の提起という程度で質問をいたしたいと思うのです。  局長も御承知と思うのですが、最近銀行と百貨店が提携をいたしまして、クレジット・カードですか、あのことによって盛んに、考え方によっては百貨店の割賦販売という問題になるような問題が起きておる。これは消費者の方からいえば便利ではあろう。しかしこれが小売商間には大きな打撃となって問題を起こしておる。こういうことは御承知と思うのですが、今年の一月ですかから、百貨店法第九条による百貨店の割賦販売について勧告が出ました。ところがあのクレジット・カードが、やはりそれの抜け道のような感じも受けるわけです。そこでその実情と小売商に与えている影響を、わかっておれば今、わからなかったら調査をしてもらいたい。それからもう一つは、仙台の方で百貨店の拡張問題でいろいろ論議をかもしておる。それが百貨店審議会の議題になろうとしておるのですが、そういうことについての経過あるいは見通しについて、今答弁ができるならしてもらってもいいし、後ほど資料をもらいたい、こう思います。

松尾金藏通商産業事務官(企業局長)

○松尾政府委員 銀行がクレジット・カードを発行するということで百貨店と提携をしまして、いわゆるクレジット・カードによる掛売りを、現在あるものは計画中であり、あるものはすでに始めておりますが、この問題は御承知のようにまだ発足早々で、この影響がどういうふうに出てくるかということは、現状ではまだ調査の仕様はないと思います。若干期間をかしてその間にどういう影響が出てくるかということに相なると思います。ただこのクレジット・カードの場合、どういう影響が出るだろうかということを一応私どもが予測しますと、先ほど御指摘になりました従来のいわゆるチケット販売、百貨店が信販会社と結びついてやるチケット販売の場合とこのクレジット販売の場合とを比較して想像いたしますと、御承知のようにチケット販売の場合には、ある職域で大量な利用者をいわば集団的に獲得をして、それがチケットという形で百貨店の販売網と結びつくという特殊な形をとる。それが相当影響があるということで、あの問題が処理されたと思います。ただそれに対しましてクレジット・カードの場合は、先ほど申しましたようにいわば掛売りであって、それ以上にいわゆる月割り販売ということではないし、また現在始められておりますクレジット・カードの制度は、ある一定額以上の定期預金を持っておる者に限定されて、先ほど申しましたチケット販売の場合のように、ある職場での集団的な顧客の獲得ということではないようであります。おそらくこの形で乗っかってきます顧客層が、前のチケット販売の場合とだいぶ趣が違うであろうということが想像されます。そういう意味で前のチケット販売の問題から直ちにクレジット・カードの場合を推測することは現状では困難であると思いますので、もう少し事態の推移を見て、その影響等は慎重に調査をする必要があると思います。  それからもう一つの御質問の仙台の百貨店の売り場面積拡張の問題でありますが、これは御承知のように仙台に三つの百貨店がございまして、その三つの百貨店からいずれもほとんど時を同じゅうして売り場面積の拡張の申請が出て参りました。御承知のような百貨店法の手続によりまして、地元の商工会議所で、商調協を中心に地元の意見の調整が先般来行なわれたのでありますが、問題が非常に大きいだけに、現在まで私どもの方に参っております限り、地元ではこの問題について重大な関心、同時に問題が起こっておるようであります。商調協もこの問題につきましては、地元の意見を一本にしぼってまとめることができなかったという状態であります。そういう地元の意見を一本にしぼってまとめられなかったという報告が、私どもの方に参っておりますので、それだけに中央の百貨店審議会の審議は十分慎重にやらなければならないと思います。現在その審議のいろいろな資料を集めておりますが、いずれにいたしましても来年に入って審議会で慎重な審議をやっていただくつもりでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この問題は小売商間では相当大きな問題として論議をせられておりますので、一の点も、二の点は仙台ですけれども、十分一つそういう事情を考えて、また私もあらためての機会にこの点についてのいろいろなお考え等聞きたいと思いますが、きょうは時間等の関係もありますから、問題の提起という程度でとどめたいと思います。ことにクレジット・カードの問題につきましてはよく実情を調べてみたい、このように思います。  次に、鉱山局長に石油の問題について若干の質問をしたいと思うのですが、時間もあまりないようでありますから、これも簡単に申し上げたいと思います。まずこのごろ自由化がやかましく言われておりますが、石油について考えた場合、山下太郎氏のアラビア石油が成功して、来年の一月ごろには日本にも入ってくる。ところが石油の精製工場というか、会社は、二、三の日本資本を除いては他は全部外国系の会社が多い。そういうところからこのアラビア石油が入ってくるというような問題でいろいろ問題が起きている。それからアメリカのドル防衛の関係あるいは後進国開発についての関係、いろいろな国際的な関係等々から、原油石油の輸入の自由化といいますか、これが相当予想せられているより早い時期になるのではなかろうか、こういうことが一般にいわれておりますが、この原油の輸入の自由化についてどのように考えておられるのか、同時にそうなりますと、問題になるのは関税が問題になると思うのです。現在関税は関税定率法で一〇%になっているが、今では暫定的に六%だと思うのですが、その輸入の自由化と関税の問題、そういうような点についての所見を伺いたいと思います。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 石油類の自由化につきましては、ただいま御指摘のように、これは非常にむずかしい問題でございまして、通産省内部でもかねて研究をいたして参っております。問題は、石油産業そのものにおきます問題と、それから他の関連の産業、特に石炭産業との関係が非常に考慮されなければならない問題であるわけでありまして、現在のところ時期といたしましては明確にまだ出て参っておりませんが、各物資の中でもおくれる方の物資であろう、かように考えております。  次に、関税の問題でございますが、この点につきましては、自由化と関税の問題は相関連いたしておりまして、この点につきましても特に石炭産業の合理化との関係が非常に問題になって参りまして、今回の関税の全般的な検討におきましても、なお問題を後日に譲って検討を重ねている、こういう事態でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 石油資源開発株式会社が、第二十二国会ですか、成立いたしまして、五カ年計画で開発にかかったわけですが、それが本年で五年の計画が終わるわけです。その間、石油資源開発株式会社の開発の結果を見ますと、初めはよくなかったがだんだん探鉱が成功いたしまして、今日では当初の七〇%ぐいの成功率をあげておる。ところが五カ年計画が終わって、これから先どうしようかというところに立っておると思うのですが、今後この石油資源開発株式会社の持っていき方をどう考えておるのか。  それから、私の希望といたしましては、なおこれは第二次五カ年計画でも立ててやっていかねばならないのじゃないか、また、そのこと自体が、石油資源開発株式会社の設立の趣旨に合うと思う。さらに予算的な関係を見ました場合に、本年度の予算は昨年度より下回っておると聞いておる。それは何かといえば、この開発せられていったいわゆる開発部門からの収入ということを考えて、政府出資の方を少なく見積もっておる、こういうような点もあるように思うのですが、大体この石油資源開発株式会社の設立の目的は、やっぱり探鉱にあった。石油資源を探すのだ、ないといわれておった日本に、探せばあるのだ、こういうことでやろうというこの探鉱活動というものが、来年度においては縮小せられるような傾向にあるのじゃなかろうか、こういうように思いますが、そうしますと、この石油資源開発株式会社の性格というか、最初の目的と違ったような運営になってくるのじゃないか。あるいは、会社当局は小じんまりとやっていこう、こういうような気持もあるかもしれませんが、これは国策会社としては、せっかく資源開発株式会社を作ったのですから、最初の目的が達成できるように、政府もこれはめんどうを見るとともに、もっと探鉱活動をやれるような、やらすような方向に持っていくべきじゃないか、このように思うのですが、いかがでしょうか。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 石油資源開発株式会社の問題につきましては、ただいま田中委員から御指摘の通りでございまして、私どもも今後会社の活動につきましては、石油資源の探鉱活動をさらに積極的に進めて参りたい、かように考えております。本年度で五カ年計画の最終年に相なるわけでありますが、その実績は、ただいま御指摘に相なりましたように、当初のできは、それほどよくなかったのであります。これは地下資源の探査という性格から申しまして、そういうことは常にある事柄でございますが、最近非常にいい油層に当たりまして、生産量におきましても、成果をあげております。本年度の生産量は石油で約二十二万八千キロ、それから天然ガスで約七千立米、合計いたしまして原油換算にいたしますと約三十万キロの生産に相なるわけでありまして、大体計画の九〇%前後に相なるわけであります。来年度は、今の見通しでございますと、さらにこの生産の数量は上げ得るという見通しを立てております。  来年度以降の計画につきましては、私どももいろいろ検討いたしておりますが、ただいまお話がございましたように、なお五カ年計画で予定をいたしておりました有望な探鉱すべき地帯が残っておりますので、これは一つぜひ今後強力に進めて参るようにいたしたい。それに必要な予算もぜひ獲得いたしたい、かように考えております。現在、規模といたしましては、政府出資で十一億当初予定をいたしておりまして、そのほかに民間出資が二億、それから開発部門から、開発部門は繰り込れになるわけでございますが、石油天然ガスの販売代金を十億ほど探鉱資金の方に回すということで、約二十三億の探鉱活動を予定いたして、大蔵省にも折衝いたしておりますが、さらに党の政調の方でも、この額を若干ふやすべきではないかということで、現在御検討いただきまして、予算の要求をふやすように話し合いをいたしておるわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大体本年度の規模というか、要求予算の内訳も言われたわけなんでありますが、開発部門からの繰り入れを十億七千万円見込んでおられる。これを多く見込んでそして予算の要求を立てる、こういうこと自体が、石油資源開発株式会社の本質というものをゆがめてくるんじゃないか、このように思うわけなんです。やっぱり私は探鉱活動に重点を置く。従ってこの開発部門からの繰り入れという金額は、そう多くを見積もったり、強制的にするものじゃないと思うのです。そういう面から、すでに担当局で十一億とこう出しておられるのですが、それで今後の探鉱活動が十分やっていけるかということが一つ。従って自民党政調会等でも増額の考え方があるそうですが、われわれ社会党といたしましても、この資源開発株式会社の本来の目的からいって、やっぱり十分な探鉱活動ができるようにしなければいけない。それからやはり将来の問題もあわせて、さしあたり三年ほどということでなくて、五カ年計画というものをはっきり立つべきではないか。ことにこの開発株式会社ができた当時には、天然ガスというものについては、そんなにお互いに重要とは考えていなかったと思います。ところが最近天然ガスが各産業における重要な原料あるいはエネルギーになっていることは御承知の通りである。しかも構造性ガスは大体地質学的に——あまり専門でもないのですが、石油の層と同じところにというか石油と一緒にある、あるいはそういう地層にある、こういうように言われておる。ところが現在では、構造性天然ガスについては、民間に年間三千万円程度のわずかな補助金でやらしておる。そういうことでなく、今後の日本の資源開発という関係からしましても、この石油資源開発に合わせて構造性天然ガスの開発もやらす、そういうことも含めての探鉱活動を活発にやらすということが必要ではなかろうか。そのためにはやっぱり十分な資金等も考えてやる、そのかわりに最初の目的達成のために十分督励する、そういうことが必要だ、こういうように思うわけですが、そういう点については、大いに鉱山当局としても考えてもらいたい、このように思うわけです。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 ただいま御指摘の点は、私ども全くその通りに考えておりまして、今後さらに一段と努力をいたして参りたいと思っております。特に未開発地域の探査と申しますのは、工業を育てますほんとうのもとになるわけでございまして、今さら私が申し上げるまでもないわけでございます。地方開発の点、あるいはまた所得の均衡化というような点から申しましても、一等手っとり早い手段でもありますので、私ども今後さらに探鉱活動を大いに推進して参りたい、かように考えておりますので、一つ御支援をお願いいたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まあ一つ今私が申しました要望といいますか、そういう点をも十分くみ取ってもらって、ことにこの関係においても相当な労働者もおるわけなんです。これから先どうなるかというようなことについても、重要な問題でありますから、資源開発株式会社の本来の目的達成が十分できるように、探鉱活動の十分できるような、予算的な、あるいは財政投融資等の面における措置を、十分に一つ推進してもらうよう要望しておきます。  それから委員長に申し上げますが、石油の問題で齋藤委員から関連質問があるそうですから、私はこれでおきますが、なおあとに、電力に関する公益事業局長に対する質問、四日市における八幡製鉄の敷地問題等、これは鉄鋼ですから重工業局長、あるいはまたその関係で企業局長等にも質問が残っております。これは時間の関係もありますから、あすすることにして終わります。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 私は簡単に御質問申し上げますが、きょう御答弁いただかなくてもいいのでございます。それは、私、石油資源開発株式会社に関する法案を全部取りまとめまして、昨日からこれを読み返しておったのでございますが、先ほど田中委員から御質問がございましたように、石油資源開発会社を作りました立法精神は、あくまでも日本の国内に実在する石油資源の状態を確保するということにあったのだろうと思うのであります。それを実行しますために、まず五カ年計画を立てて、目標を国内産を百万キロリットルにするというので実行して参ったのでありますが、探鉱開発の実情から、初年度、次年度は成績は上がらなかったけれども、年を追うに従って成績が上がって、今大体七、八〇%、しかもこの算定の基礎は今活用しておるところの天然ガスを石油に換算しての量だろうと思う。従いまして申川にいたしましても、海底油田にいたしましても、その他活用し得ずして燃やしておる天然ガスを算定しますと、ほとんど所期目標に近づいた成績を上げておるのじゃないか、こう思うのであります。特に海底油田におきましては、大陸だなの開発という大きな建前から、これは特筆大書すべき大成功であって、こういう観点から石油資源開発会社は、第二次開発計画を打ち立てて行なうべきであると考えておるのですが、政府はこれに対して一体どういうふうにお考えになっておるか、これを一つはっきりとお考えの上で、御回答を願いたいと思うのであります。これは政務次官がおられますから、大臣にも一つ御伝達下さいまして——第一次五カ年計画は終わるのです。ところが、今までの成績を立法精神に照らしてみて、成功と見るか不成功と見るか、さらに大きな第二次計画を立てて、石油資源設立の本来の目的を遂行していこうという政府の考えであるのか、考えでないのか、これがきまらぬと、三十六年度の予算措置というものも、私はきまっていかないのじゃないか、こう考えるのでありますから、この点一つ明確にお考えの上、御答弁をお願いしたいと思うのであります。  それから、それにつけ加えまして申し上げておきたいことは、石油資源開発会社が設立されますときの帝石との関係でございます。これは質疑応答を読みますと、大体の方向として帝石には今後試掘、探鉱をやらさないということなんですね。法文には書かないけれども、探鉱、試掘はやらさないで、探鉱、試掘は石油資源開発会社が専門に受け持つ、そういう建前から、将来帝石ではやらないであろうところの鉱区を全部肩がわりしておる。その肩がわりしておりますところの日本全国に及ぶ試掘を必要とする個所というものを、今その当時の参考人がここに開陳しておりますものを読みますと膨大な個所になる。おそらく五カ年間で、これから掘ります井戸の数が一カ所に三本ずっといたしましても四百六十二坑、延長総掘さく数が六十六万メートル、平均掘さく深度が千四百二十二メートル、これも五カ年間に試掘を必要とするのだという計画を立てられたのですが、おそらくこれの何分の一くらいしか、まだいっておらぬじゃないか、ですから石油資源開発会社というものを作りましたのは、あくまでも今田中委員が申されました通りに、これは探鉱、試掘をしていくのだ、これを専門にやるのだ、そういう建前でやってきたのでございますから、油が出て利益があれば、利益というものを別途にして、そうして政府はあくまでもその成功率を見て、さらに試掘、探鉱の規模を拡大していってこそ、石油資源開発会社を作ったということになるのだろうと思う。これは全然不成功に終わっていれば別でございますが、私らから見れば、五カ年間の試掘、探鉱開発といたしましては非常に大きな成功をおさめて、これからが日本の埋蔵せられておるところの石油及び天然ガスの実在を把握できるのだ、そこに至って昨年度よりも今年度の事業規模が三億円ですか四億円ですか減っておるということになりますと、これは非常に大きな問題ではないか、私はこう考えておるのですから、この石油資源開発会社設立に際しての最初の立法精神を、現在五カ年間行なってきた実績に照らして、政府は今後どう処置されるのであるかという根本方針を一つお聞かせ願いたい、こう思うのです。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 答弁はいいですか。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤(憲)委員 答弁はここで簡単にしてもらうと困りますから、あしたまで一つよく御相談の上、あした御答弁をお願いいたします。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 それでは明日御答弁願います。  本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より開会することとして、散会いたします。     午後零時四十八分散会

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