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37回国会衆議院1960/12/20

商工委員会 第5号

発言数
127
登壇者
10
会派数
3
開催日
1960/12/20

会議録

中川俊思自由民主党

○中川委員長 これより会議を開きます。  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。  前回に引き続き、質疑を続行いたします。  板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案について一、二質問を申し上げたいと思います。  今回の措置は国民金融公庫、中小企業金融公庫の三厘程度の金利引き下げが行なわれる、これに準じて商工中金においても政府出資を増額して、同様三厘程度の金利を引き下げをする、こういう趣旨でございますから、これに反対する理由は毛頭ございません。  ただ一つお伺いいたしたいことは、今回の金利引き下げの動機について通産大臣にお伺いをいたしたいのであります。御承知のように、今般米国のドル防衛措置によって、このドル防衛に協力するという建前から、イギリス、フランス、西ドイツ、こういうところでも公定歩合を引き下げて協力をしておる。日本でも大蔵省が銀行側に自主的に金利を引き下げてほしい、こういう要請をしておることは御承知と思うのでありますが、その大蔵省の要請で、すでに一部の都市銀行ではみずから金利を引き下げたというところもあります。今度のこの商工中央金庫の金利引き下げもそうしたドル防衛に協力するという建前から行なわれたのかどうか、こういう点をお伺いしたいのであります。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 ドル防衛に関連して、ヨーロッパの金利引き下げは金利がアメリカよりも高いので、ヨーロッパの方に高い金利を求めてドルが流出する、それを防止するという意味の金利引き下げでございます。たまたま同じ時期に中小企業の金利引き下げ問題が起こったのでありますけれども、これは直接ドル防衛には関係なく、一般の金利に比較いたしまして、中小企業金融の三つの機関はいずれも金利が高いので、これを中小企業のために三厘引き下げようということが前から言われておったのでありまして、今回のドル防衛の金利引き下げとは関係がないわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 今回の措置がドル防衛には関係ない、わが国の中小企業の金融機関の金利が非常に割高であるから、この機会に金利を引き下げて中小企業の育成と体質改善をはかる、これが提案の趣旨でもあるようでありまするから、了解できますが、そうしますと、ドル防衛の影響に関係なく、将来さらにこの金利を引き下げていく、こういう方針と考えてよろしいでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 今回の三厘の引き下げは、これをもって決して満足するところではない。将来ともに中小企業を育成する意味におきまして、金利の引き下げはやって参りたいと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 中小企業庁長官にお伺いしたいのですが、今回のこの措置はほんとうに中小企業の体質改善に資するために三厘程度の引き下げを行なった、こういうのでありますが、一体具体的には三厘程度の引き下げによって、どのような体質改善の効果が期待されるか、どういうふうにお考えですか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山政府委員 中小企業体質改善のために、何と申しましても金融面で応援していくというのが一番直接的な大事なことだろうと思います。ただ、現状では、中小企業向け金融のうちで、政府関係の三機関が占めておりますウエートというものは非常に少ないわけであります。私どもといたしましては、一般の金融情勢いかんによっては中小企業にしわが寄るといいますか、そういう刻々の情勢によりましては、一般金融が繁忙になれば中小企業の方は借りにくくなるとか、あるいは金の質が非常に悪くなるとかいうことがありますので、今後とも政府関係機関の財政投融資の増強、あるいは金利の引き下げの努力をいたしまして、その分量をふやす。一般金融の情勢いかんによっても、しわが寄らんように、影響を受けないように努めて参りたいと思っておるわけであります。今回の金利引き下げによりましてどのくらい体質改善に役立つかというお話でありますが、これは数字的にはなかなか申し上げにくいことでありますけれども、三厘の金利引き下げということは相当程度中小企業者の金利負担の軽減ということのために役立つものと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 あとでもけっこうです。三厘の引き下げによる影響というものを、資料によって一つ説明を願いたいと思います。  それから、大臣にお伺いしたいのですが、政府の所得倍増の方針によると、所得を増加する方法として、まず生産性の高い産業、ある意味では大企業をどんどん育成して成長させる。従って、一時的には大企業が先に伸びていくのでありますから、中小企業との格差が開く。これはやむを得ない。こういう方針のようであります。しかし、あとで中小企業が大企業に追いつくような措置をするならば、所得倍増で企業間の格差は拡大しない。これは池田さんの考え方であろうと思うのです。ですから、所得倍増が企業間の格差を拡大しないということは、所得倍増によって強い中小企業対策が行なわれて初めてそういうことが実現できると思うのです。そうでないと大企業のみ成長していって、中小企業の成長が足踏みしておる状態では、池田総理大臣が言う格差の解消をはかるということにはならない、こう思うのです。大企業には社債の発行も増資の方法もありますし、金を集める手段もあるわけであります。しかし、中小企業にはない。そういう社債の発行も増資もすることが不可能なわけであります。そこで、最近新聞報道によりますと、中小企業者自身が金融機関を作って転換社債等を発行し、中小企業向けの金融を大いに緩和しよう、増加しよう、こういう動きがあるわけであります。一体通産大臣はそういう中小企業の金融機関を作るという傾向に対してどういうお考えをお持ちでしょうか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 所得倍増を実行する上において、まず生産性の高いものが先達になる。その結果、中小企業と所得上の開きが一時出てくるというお話につきましては、必ずしもそうときまったわけではありませんけれども、そういうきらいのある部面も出て参るかと考えます。ものによっては、大企業の下請け機関となっておりますから、所得倍増の方向に一緒に進むという現象も出てくるかと思います。その点はものによりますけれども、いずれにいたしましても、近代産業が先達となって、所得倍増計画というものを実行する上において、中小企業との全部じゃなくても、大部分のものとの格差が一時的に生じて参る、そういうことのないように極力これに追いつくようにしなければならぬということはお説の通りまことに同感でございます。それで、その施策の一つとして、中小企業金融に資するための金融機関等が、ある方面において熱心に考えられておるということも耳にいたしております。それらの点につきましては、よく状況を調査いたしまして、適当な対策を講じて参りたいと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 中小企業庁長官にちょっとお伺いしますが、政府三機関が、日本の全機関が貸し出す金額の全体のどのくらいの割合を、現在中小企業に金融されておるのですか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山政府委員 先ほど三厘引き下げの効果について数字的に説明しろというお話でございましたが、これは数字的に申し上げることは非常にむずかしいのでありますが、三厘引き下げます結果、商工中金の収入減は三十六年度一ぱい—— 一月から下げますから三十五年度分も三カ月ありますけれども、それは抜きにいたしまして、二十六年度一ぱいで五億二千万円ばかり減収になります。この減収がすなわち商工中金から借りている中小企業者にうるおうことに相なります。それとともに、商工中金の仕事量といたしまして、今年度、三十五年度は約三百億の貸し出しの純増という計画で進んでおります。それが金利引き下げその他等の効果をも含めまして、三十六年度は三百八十五億くらいの純増に持っていけるだろう。約三〇%増しの仕事量の増加ということに持っていけるだろう。そう持っていけますということの一つの原因は、三厘引き下げの効果も役立っておる、こういうことが言えるのではないかと思います。  それからただいまお話の、全金融機関のうち中小企業向けの金融がどのくらいあるかということでありますが、ことしの九月末におきまして、全金融機関の貸し出し残総額は九兆六千億でございます。そのうち中小企業向けの貸し出し残高は四兆四千二百億でございます。四六%程度が中小企業に向けられておる、こういうことになっております。そのうちで政府機関の合計は四千二十億、パーセントにいたしまして九・一%ということになっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この法案についてはあえて反対じゃないのでありますが、ただ中小企業の今後のあり方を見ますと、予想されます貿易の自由化による圧迫あるいは所得倍増による格差の拡大等によって、中小企業の体質改善が一そう要求されるときに、この程度の金利引き下げというのはまだまだ私は少ないと思うのです。将来大いにこれを強化してもらいたい、こういうことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 松平忠久君。

松平忠久日本社会党

○松平委員 私はこの際商工中金の根本問題等について二、三質問したいと思います。大臣のお考えを承りたいと思うわけであります。  商工中金の金利引き下げの問題には政府出資の増額のほかに、財政上の融資、つまり預金部資金を直接借りるという制度を設けなければだめだ、こういうふうに思うわけです。そこでその障害になっておるものは、預金部資金の法律を改正するよりしようがないのであって、あの項目の中へ商工中金というこれだけの字を入れさえすれば、それで解決するわけです。そうしないから中小企業金融公庫等のまた借りをしなければならぬようなことになっておる。  そこでこれは多年の要望なんですが、それに対する大臣の考え方並びに一体大蔵省と折衝する気持はあるかどうか、こういうことをまず承っておきたいと思うのです。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 ごもっともな御意見でございますが、商工中金はもともと政府資金に対して債券引き受けをしてもらう、そういう建前をとっておる関係上、御承知のように預金部資金の直接の借り主になれないという法制上の建前になっておるのであります。そういうことで、なかなかその壁がどうも破れない、こういう状況になっておるのであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その理由もありましょうけれども、それを現状においてはしようがないから、商工中金は中小企業金融公庫等を通じて借りなければならぬという妙な格好に今日なっておるわけであります。債券発行で政府買い上げということはありますけれども、しかしほかの政府系の銀行はことごとく預金部資金を借りることができるのだ、これは半官半民のような性質であるからできないのだ、こういう建前を大蔵省はとっておるのではなかろうかと思うのです。しかしながら、やはり同じ中小企業の金融機関として重大な役割を持っておるこの銀行としては、そういう大蔵省側の議論を克服して、そしてやはりこの預金部資金を直接借り入れるという道を開くことに、私は努力すべきだと思うのです。そういう努力を一体今日までどの程度続けてきたのか、現に大蔵省とこの問題についてどの程度一体折衝したのかということを、この際聞いておきたいと思います。

小山雄二中小企業庁長官

○小山政府委員 お話の通りでございまして、商工中金は民間出資が入っており、資金運用部かつら直接貸せるのは、政府まるがかえの機関しか貸せないという建前になっておりまして、法律もそういうようになっております。直接借り入れますと、六分で借りられますが、債券引き受けの形でいきますと、六分八厘くらいになっておりまして、八厘くらい損なことになっております。これは実はあの法律は司令部がドッジ・ラインでこれをやりましたときに、そういう建前から一歩ずつ直して、それ以前は商工中金も借りられておったわけであります。しかしながら、お話のように同じ中小企業に貸すのだからということで、実はその前にちょっと大蔵省と交渉したことがあるのですが、そのときに結局結論を得ませんで、そのままになっております。最近のような中小企業の金融情勢でありますから、最近はちょっと交渉したことはないのでありますが、なお研究いたしまして、私どもの考えとしましては、それをやるのがいいか、もうちょっと出資その他の増強をやるのがいいか、そこら辺のかね合いもありますから、情勢いかんによりましては、検討の上なお折衝したいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 情勢のかね合いで出資をさせる方がいいということで、しばらく問題には触れない、こういう態度を今日までとってきているのではないだろうかと思うのです。しかし自由化の進展とともに、中小企業の金融難というものは非常に大きな問題になってくると思う。そこで、今おっしゃったように、もともと商工中金は預金部資金を借りることができたにもかかわらず、アメリカ側のああいったような原則論によって改められてしまったといういきさつもあることを、われわれよく承知しております。ともかく半官半民の銀行というものはあまりほかにはない。不動産銀行だけでしょう。そこで例外的措置として、これを大蔵省側に交渉するということについては、私は十分なる理由があると思うのです。ですから、これは近い機会にドル防衛あるいは自由化に備えるという意味の大きな理由のもとに、強力に交渉してもらいたいということを要望しておきたいと思うのです。  もう一つ伺いたいのは、これは系統金融、組合金融でありますために、その下部機構として、当委員会でも決議になりましたが、信用組合をよく使うということが必要である、こういう前々からの考えで、この委員会の決議もそうなっておるわけであります。ところが、今日信用組合はたしか五百幾つかあると思いますが、その中で代理店業務をやっておる信用組合は、どの程度ふえつつあるのでありますか。その数字を一応伺っておきたいと思うのです。本年になりましてから、どの程度増加されておるかということを、一応ここでお示し願いたいと思う。

小山雄二中小企業庁長官

○小山政府委員 本年四月になりましてから三十四追加いたしまして、その結果信用組合を代理店として使っております数は、九月末現在で百七十八になっております。信用組合全体の数からいいますと、まだ少ないのでありますが、毎年二十から三十くらいずつ追加しております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 少しずつふえてきておるようでありますけれども、まだ非常に少ない、少ない原因というのは、信用組合の企業内容がよくないということから、自然商工中金におきまして、代理人業務をこれにやらせるということにちゅうちょしておった、こういうふうに思うのであります。そこでその根本問題は、もちろんこれは地方的な都道府県知事の許可によって設立されるものであり、その監督は都道府県と大蔵省がやっておる、こういうことになっておりますが、中小企業等協同組合法はもともと中小企業庁長官の監督下にあるわけです。そこでお伺いしたいのは、信用組合の連合会というものが絶大なる権限を持っておるわけですが、この連合会に対してあなた方は監督する権利を持っておりますか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山政府委員 信用組合連合会に対しましては、協同組合法による一般の監督権はあるわけでありますが、金融面の仕事等につきましては、大蔵省が直接監督しております。そういう関係であります。協同組合法に基づく一般的監督権を持っていますが、それ以上の権限はありません。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そこで、中小企業等協同組合法による、いわゆる組合に対する一般監督権は、中小企業庁すなわち通産省が持っておる。ところでその中の金融を取り扱う信用組合については、どの程度あなた方はこれを監督する権限を持っておるか。

小山雄二中小企業庁長官

○小山政府委員 今も申しましたように、組合法に基づく一般的な監督権は持っておりますが、その行なう金融上の仕事につきましては、別に法律がございまして、これによって大蔵省が監督している、こういう関係になっております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 別の法律というのはどういうものがありますか、ないと思いますが……。それは中小企業等協同組合法という一本の法律があって、それに基づいて行なわれておるわけでしょう。

小山雄二中小企業庁長官

○小山政府委員 協同組合による金融事業に関する法律というものがございまして、これによって大蔵省が……。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そういう法律はありますけれども、一般の監督規定の中にかなり詳しい規定があるわけであります。  そこで、私はこういうことを言いたいのです。商工中金は明確に共管になっておる。しかも通産省が商工中金にはかなり熱意を持って監督指導しております。その下部機構で系統金融機関として育てなければならないという信用組合に対しては、あなた方は業務上の監督権がない。しかもそのガンをなしておるところの連合会、これに対しては監督も何もない。そういうことでうまくいくかどうかということを私は疑問にしておるわけです。そこで考えられるべきことは、少なくとも信用組合の連合会は連合体組織であって、現行法に基づくならば、これは大蔵省の直接の監督下にあるわけであります。連合会を通じていろんなことが行なわれておる、金融措置が行なわれておる。その連合会に対して、あなた方は共管をなぜ主張しないのか。そうしなければ、一体とした組合系統の金融機関というものはうまくいかない、こういうふうに私は思う。今日連合会が非常な悪事を重ねておることは、よく御承知の通りなんです。こういうものをこのままに存在させておいたのではだめなんです。これにメスを加えていかなければ、この組合系統の金融の体系というものはうまくならない、こういうふうに思います。そこでやるべきことは、商工中金並びに連合会、連合会を通じてさらに下部の信用組合、こういうものまで一連の系統ある金融体制というものを整えていく必要があるのであって、それには今日の監督規定というものをそのように調整を加えていかなければならない、こういうふうにわれわれは考えておるのだけれども、これに対する大臣の所見はどうであるか、伺っておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 まことに適切な御意見でありまして、そういう方向にぜひ進めて参りたいと考えております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 大臣は何でも適切だと言うが、今根本的な問題に触れたんだけれども、一つ椎名大臣が就任した機会において、何とかこの問題を解決するために、適切な意見であるならば、これを具体化の方向へ進めていくというために努力をしてもらいたいことを要望して、私の質問を終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑がないようでありますので、本案に対する質疑は終局するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 引き続き本案を討論に付するわけでありますが、討論の通告がありませんので、これを行ないません。  直ちに本案を採決いたします。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認めます。  これより商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 この際、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同提案の附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。板川君より趣旨の説明を聴取することといたします。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私は、自由民主党、社会党、民主社会党を代表いたしまして、本法案に対する附帯決議を提出いたしたいと存じます。  まず案文を朗読いたします。    商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、中小企業金融対策として、昭和三十六年度においては、商工組合中央金庫をはじめ、政府関係中小企業金融機関に対する財政投融資額をさらに増大し、資金源の増強と貸出金利の引下に資するよう措置すべきである。  以上でありますが、先ほども申し上げましたように、中小企業の金融問題は今後非常に重要な課題でありますので、この決議をされまして、さらに強力な金融措置を講ぜられるよう要望いたします。  以上をもって附帯決議の提案の説明を終わります。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議につきましては、別に発言の申し出もありませんので、本動議を採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 起立総員。よって、本動議は可決され、本動議の通り附帯決議を付することに決しました。  この際、始関政務次官より発言を求められておりますので、これを許可いたします。始関政務次官。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 ただいまの附帯決議の御趣旨はまことにごもっともでございまして、ただいま政府の部内におきましても極力その御趣旨に沿うように努力をいたしておる次第でございますが、今回決議がございましたので、さらに一そう強力に御趣旨の貫徹をはかりたいということを申し上げる次第であります。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 お諮りいたします。ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。      ————◇—————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。  鉱害に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 昭和二十六年当時、戦争中の乱掘による被害であります特別鉱害を除いて、一般鉱害の累積鉱害の量が二百三十三億九千七百万円でありました。そしてその調査に基づきまして、本委員会におきまして臨時石炭鉱害復旧法が昭和二十七年に成立したわけであります。その後この法律に基づく復旧進捗状況はどういうようになっておるか。昭和三十七年の七月末で失効するわけでありますが、この復旧状態をお聞かせ願いたいと思います。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 あの当時全体で二百三十億の鉱害があるということでありまして、臨鉱法の対象といたしましては百十億、こういうことに決定いたしました。それに基づいて鋭意復旧を進めて参りまして、本年度で八十億の鉱害の復旧が完了する、こういう予定でございまして、来年度あるいは再来年度の七月までにおおむね百十億の復旧を完了する計画で現在進めております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 その後さらに三十億程度の新たな鉱害が発生しておるわけであります。現時点における累積鉱害はどのくらいであるかお聞かせを願いたい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 その後本年になりまして十一月末に鉱害のその後の調査を完了いたしました。その調査の結果によりますと、現在累積しておる鉱害は約二百六十二億、こういうことになっております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、結局復旧しても復旧しても鉱害量はふえておるという形になるわけですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 数字の上から申しますと、お言葉の通りでございます。これは、この前に調査をいたしましたときは、約二百三十億という鉱害の量があったわけであります。これはその当時、まだ鉱害の調査方法が確立しておりませんで、それぞれ鉱業権者が自分の基準でもっていろいろ調査しておりました。市町村の場合も同様でありました。従ってそのときの調査というものは、調査方法がやや非科学的であった。そういうことの結果、鉱害の量が実際よりも少なく出た、こういうふうに推定せられるわけであります。  その後いろいろと鉱害の復旧の経験を積みまして、各関係省において鉱害の査定をいろいろやりました結果、今度の調査の場合は方法等も相当科学的に行ないましたので、二百六十二億という相当大きな鉱害になっております。お話しの通り、今まで毎年十五億から二十二、三億の鉱害の復旧を累年やってきておりますけれども、結局それだけ押せ押せになりまして、こういう累積鉱害が残っておる、こういうことであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと毎年ふえておるのですか。鉱害というものは復旧してもなおふえていく状態にあるのかどうか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 現在の復旧の程度では若干ずつふえていく、こういうふうに見ております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 現在鉱害の起こっております地域は、失業者が非常に多く発生して、就労に因っておるという現状です。ですから国においても失業対策の一環として鉱害復旧の問題を取り上げられておりますけれども、しかし現実の数字は、まだ鉱害が復旧をしても量がふえておるということは、これは何をいっても政治の貧困どこかに欠陥があると考えなければならぬ。これについて政府はどういうようにお考えであるか政務次官からお聞かせ願いたい。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 鉱害の復旧につきましては、事柄自体からいたしまして急速な復旧を要する次第でありますし、またただいま御指摘のように、炭鉱地帯における失業対策といたしましても適切な事業であるとも考えられますので、御承知のように今日まで鉱害復旧関係の予算の措置等は漸次増強いたして参ったのでございますが、結果といたしましてただいまお話しのような数字になっておりますことは非常に遺憾でございます。ただいま御承知のように鉱害復旧法の延長の問題その他いろいろ問題がございますが、今後の対策に当たりましては、鉱害を急速に減らすというような趣旨におきまして、予算の獲得あるいは金融措置その他遺憾なきを期して参りたいと考えておる次第であります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 年々発生する鉱害の量よりも復旧の量が少ないというのはどこに欠陥があるのですか。単に予算が少ないということだけですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 これは先ほどちょっと申しましたように、最初の鉱害の調査をいたしました方法が非常に不十分であったということで、あの当時といたしましては、一応毎年出てくる鉱害はあれで解決し得ると思ってやったわけでありますが、その後実は十年間いろいろと経験を積みまして、今日先ほど申しましたような累積鉱害がまだ二百六十二億もあるということが、非常にはっきりして参ったわけであります。もちろんこういう累積鉱害が残りましたということは予算が少なかったということもありますが、同時にやはり鉱害復旧というものにつきましてみんなが経験が非常に浅くて、その点から見ても実態がはっきりしなかったということに、実は原因があると思います。予算等につきましても、最初のうちは十五億程度の大体鉱害復旧を毎年やったわけでありますが、昨年度から補助金等を引き上げまして、全体で二十三億程度の復旧をやっておりますので、最近のベースから行けば、ほぼ発生する鉱害というものを毎年何とかこなし得るというところには来ております。しかし今先ほど申しましたようなこと、それから今後起こるであろう鉱害の発生量というものをも考えますと、今日の方法をもってしてはやはりこの鉱害というものは相当さらに累積するという結果になりますので、やはり相当鉱害についてはいろいろと対策をさらに前進しなければならぬ、こういうふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 この状態でいきますと、被害者でも少なくとも十年間がまんをしなければならぬという形ですね。十年後でないと復旧ができない。これは形式論ですよ。機械的に議論しますとそういうことになる。ですから鉱害の問題は被害者としては全く予想し得ない問題でありますから、これはあらゆる施策を講じても早く復旧する要がある。そこで現在のような遅々として進まざる状態では私は非常に遺憾で、ことに今市町村におきましては緊急就労等をやりましても適当な事業がないのですよ。失業対策をやろうにもなかなか事業そのものがない。まず土地の買収が要る。道路を作れったってそう簡単にいかない。ですから鉱害というのは、失業対策の面から見ると最も適切な仕事なんです。しかも今あれだけ多くの人が失業しているのですから、政府はこの鉱害の復旧の速度を今の速度よりも少なくとも倍ないし三倍ぐらいの速度でやれば、鉱害の量の方も減りますし、また失業対策としても非常にいい、こう思うわけです。ですから明年度の予算は一体どのくらい要求されているか、これをお聞かせ願いたい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 全体の鉱害量にしまして、一十四億円程度、補助金といたしましては約十一億七千万円要求をいたしております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 年々の新たな鉱害というのはどのくらい起こっているのですか。私はざっと三十億と言いましたが、大体どのくらい起こりつつあるか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 先ほど申しました数字から推しまして、われわれのところでは三十三億から四億というふうに現在推定いたしております。従って最近のベースでは、発生する鉱害量は一応まかない得るというところまで予算は来ております。これは二十四億円と申しますが、補助金は十一億七千万円であるわけであります。そのほかに自己復旧、あるいは金銭賠償による打ち切り、そういう補償がさらにそれに加わっているわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は二十三億程度の年々の新たなる鉱害よりも、復旧をしなければならない度合いが一そう早く起こってくるのではないかと思う。それは最近閉山になりつつある炭鉱が非常に多い。ことに昭和三十八年度までに政府の計画通り能率を非常に上げ、二十五トン程度にし、さらにまた炭価を千二百円程度下げるということを強行するならば、かなりの山をつぶさなければならぬという状態である。山はつぶれるけれども、復旧をしないわけにはいかない。そういうつぶれていく山に限り放置されている鉱害量が非常に多い。ですから私は二十三億円程度発生して、二十四億円程度の復旧が行なわれるという程度では、これは解決しないと思うのです。これは加速度的に来ますよ。ですから昭和三十八年度までに、その合理化を強行するならば、筑豊の鉱害の起こっている多くの山が閉山のうき目に会うということになります。ですからこれは相当の勢いで復旧しないと、放置されて鉱害の復旧がされないということが、もう五年も六年も七年も十年も続くことになりますよ。一体政府はどういう考えであるか、お聞かせ願いたい。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 ただいまお話しのように、合理化の計画が日程に上りましても非常に多くの鉱害をかかえておりまして、非能率炭鉱が閉止を余儀なくされるという事態が起こって参るのでございますが、御指摘のようにそういう際の鉱害の処理は、きわめて困難の度を加えるものと考えております。そのために先ほどお話しを申し上げましたのと別に、鉱害復旧事業団の融資機能を強化いたしまして、鉱害処理に要する資金を炭鉱等に供給いたしまして、このような事態に対しまして適切な措置を講じて参りたいというふうに考えている次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これは政府としては抜本的に復旧に乗り出す決意がないと、大へんな状態になると思うのです。すでに部分的ではありますけれども、筑豊では社会問題になっている。買い上げをいたします石炭鉱業合理化事業団は正門を閉鎖しておるという状態です。裏門からこそこそ入る。そして押しかけられておる。ですから現実は買い上げをする機関が、この鉱害のしわ寄せを全部背負っておるという状態です。いやしくも政府の機関に正門を締めるというようなぶざまなことをやらすべきでない、こう考えるわけです。これについてどういうようにお考えですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 整備事業団の買い上げの関係につきまして、鉱害問題が解決しないでいろいろ紛争が起きておるということは事実であります。これはいろいろと買い上げの際に鉱害がはっきりしなかった、あるいは鉱害がはっきりしておったということで契約いたしましたが、その後また新しい鉱害が発生したということ等もございまして、実は今、門を閉じておるというわけではございませんが、そういう紛争が起こっておるわけでございます。これは鉱害の量にしますると、そう多くのものではないのじゃないかと思います。たとえば先ほど申し上げましたような累積鉱害の膨大な量等から見ますると、やはりこういう問題についてはもっと根本的な解決方法、もう一歩前進した方法をとりたいというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 臨鉱法は時限立法ですが、昭和三十七年七月の末に失効するわけですけれども、本年の四月の六日、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正が通過をいたします際に、本委員会は附帯決議を作ったわけです。これは、臨鉱法について十分検討して早く恒久的立法を出せという附帯決議を出したわけですが、その後どういう検討をされ、またこの法律の延長をどういうように考えられておるか、お聞かせ願いたい。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 本年の四月に、本省内に臨時石炭鉱害復旧法改正研究会を設けまして、なお五月の末に至りまして鉱害の多発いたしております福岡の通産局にも同じく鉱害の研究会を置きまして、鋭意検討を続けて参りました。九月の十四日に石炭鉱業審議会に学識経験者からなりまする鉱害対策部会というものも設けまして、石炭鉱害対策について検討を加えて参りました。この部会におきましては、去る十二月の一日に次のような中間報告をなすべきであると決定をいたしたのでございます。この趣旨に基づきまして、三十三日に開かれまする予定の審議会の議を経まして、答申がなされる手はずになっております。その中間答申と申しますのは、鉱害の現状から見まして、臨時石炭鉱害復旧法は当然延長しなければならぬということを前提にいたしまして、鉱害復旧事業団の融資機能の強化と、それから緊急認定制度につきまして可及的すみやかに措置すべきである、臨時鉱害復旧法のその他の問題点につきましては、鉱業法の改正の検討と並行的にさらに審議を続ける予定である、このような答申が近く石炭鉱業審議会の方から政府に提出せられることになっておりますので、これを受けまして、政府といたしましてはその趣旨に沿うように立法上の手続も進めて参りたい、このように考えておる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、石炭鉱害復旧事業団の融資機能の強化と、緊急認定制度を除いた根本的な問題点というのは、鉱業法の改正と相待ってその際考える、こういう趣旨ですね。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 さようでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、いわばその程度の改正でありますと、この際延長する法案を出しておかれるのが至当ではないかと思う。というのは、時限立法でありますから、昭和三十七年の七月までに、自分の被害を受けた家屋あるいは農地、それらをぜひ計画の中へ入れてもらいたいという現地のトラブルがあるわけです。それは、必ず政府が三十七年の七月からずっと延長することがはっきりしており、法律も必ず通過するという見通しでもあれば別ですけれども、最近の国会の状態を見ますと、いろいろな問題が空白ができるおそれもある。しかし現地におきましては、自分の家屋なら家屋は、ぜひ復旧を昭和三十七年までに計画に入れてもらいたいという要求が強いのです。そうすると要らざる摩擦を生ずるわけです。ですからこの際政府は、すみやかに次の通常国会において、今お話がありました鉱害対策部会の答申の範囲において、延長法案を出す意思があるかどうか、お聞かせ願いたい。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 先ほど御報告申し上げました事項の中に、鉱害復旧事業団の融資機能の強化の問題と緊急認定制度の問題がありますが、こういう内容の問題を取り入れました鉱害復旧法の改正案を、本年の一月か二月に提案いたしまして御審議を願いたい、かように存じております。  なお延長の問題につきましては、まだ政府部内の意向がまとまっておらぬようでございますが、一つできる限り御趣旨に沿うようにいたしたいと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 続いて私は、制度的な問題について二、三点質問をいたしておきたいと思います。  まず現行の供託金制度の活用についてです。はたして現在の供託金制度というものが効果を上げておるかどうか。さらにまた石炭合理化事業団が現在買い上げておりますが、その買い上げておる炭鉱の実情は、ざっと申しますと、ある炭鉱のごときは三千七、八百万円の買い上げ資金に対して、鉱害がそれをオーバーしておる。やっと折衝をして三千五百万円程度で折り合う。ですから労働者は千九百万円からの退職金その他の債権を持っておりましたけれども、もらう予定の金額はわずかに五十五万七千円。二百八十五名の労働者がおるわけです。そうして千九百万円からの債権を持っておって、たった五十五万円しかもらえぬのです。そうして鉱害は三千五百万円もある、しかも、それも実際は二分の一か三分の一にまけてもらっての話なんです。だから一体この供託金制度というものが、買い上げられた炭鉱の場合にどういう効果を現わしておるか、これをお聞かせ願いたいと思う。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 供託金の問題につきましては、これは鉱業法でもって二十円以内ときまっております。この金額の問題、それから供託金というものが法務省に積み立てられまして、現在三億ないし四億程度あると思います。これがほんとうに効果的に運用されておるかどうかということにつきましては、われわれも相当疑問を実は持っておりまして、これをもう少し効果的に考えるべきじゃないかということにつきましては、現在鉱業法の審議会にそういう問題も提出いたしまして検討いたしておりますが、この金額を引き上げるとか、この問題につきましては非常な古いいきさつで、それぞれああいうふうにきまっておりまして、それを簡単に引き上げるということは非常に困難な状況でございます。しかしせっかく積み立てられておる金額というものが、現在法務省の中に供託金として死蔵されておる、こういう状況でございますので、少なくともこういう鉱害復旧を早くやらなければいかぬという場合には、そういう金につきましてはできるだけ効果的に活用したい、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私が言っておりますのは、たとえば、今ある炭鉱の例を申し上げたのですが、その三千五百万円なら三千五百万円支払わなければならぬというような炭鉱の場合、どのくらい一体供託金が残っておったか、こういうことをお聞きしたいんです。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 これは個々の炭鉱によって実は事情が違いますので、その場合にどの程度供託金が残っておったかにつきましては、ちょっと今のところわかりません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これは別の機会でもいいですが、終山をするときに供託金がなければ意味がないですよ。そこでこの供託金制度についても、私はかなり疑問を持つのは、金額が少なくて役に立たないというのが第一。その次には、これを途中で返しておりますね。ところが終山をするときに鉱害がないかというとそうではない。莫大な鉱害を抱えておる。途中で鉱害の供託金は、そのある部分について完成をしておるからというので返しておりますね。こういったことは供託制度の精神を曲げたものではないかと思う。その資金の活用という点はまた別です。これは別ですが、その鉱業権者に直接返すということが、私は非常に問題ではないかと思う。ですから私が聞きたいのは、一体三千五百万円もの鉱害を持っておるところは、大体どれくらいの供託金を積んでおったのか。一例なんですけれども、私はぜひそういう点を知りたいと思う。資料がなければ、後刻でけっこうですから資料を出してもらいたいと思う。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 その点は現在ちょっとわかりかねますので、よく調べまして資料を提出したいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 先ほどから申しておりますように、最近は終山が続出しておるという状態です。ところが炭鉱が操業しておりますと、水道とかあるいは灌漑用水とか排水の処理というものは、炭鉱自体がやっておりますからこれは問題ないのです。終山をいたしますと、その後は一体どういう管理やだれが責任を持ってやるのか。炭鉱だって終山後に永久的に責任を持つということも、制度としてはなかなか問題があるだろうし、運用としてもこれはまた問題がある。だからこういった問題を一体どういう機関でやるのが適当であるか、この点についてどういうふうにお考えであるか、お聞かせ願いたい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 閉山に伴ないまして、たとえばお話がございましたような炭鉱の水道の問題等がありますが、水道にも鉱害の水道とそれから炭住の水道と両方あるかと思いますが、現在鉱害の水道につきましては、これは閉山いたしましてもその住民の鉱害水道でございますから、これは市町村にその管理を委託しておる、こういう状況でございます。炭住等の場合は、これを買い上げました場合は合理化事業団が管理する、こういうことになっております。この問題につきましては、実際問題としていろいろとトラブルが起きておるようでありますが、こういう公共的な性質を持っておる水道等につきましては、やはり市町村にお願いするのが一番いいかと思いますが、この管理費用、そういう管理維持の問題につきましては、やはり何らかの方法で、この費用を捻出するということが考えられてしかるべきじゃないかというふうに実は考えております。できるならば、この鉱害復旧事業団というものを強化いたしました際に、こういう問題につきましても何らかの効果的な方法を、実は発見したいと思いまして、今研究いたしておる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 管理費用を何らかの形で補助するということも考えられるでしょうけれども、むしろ単に市町村に管理をゆだねるとか、あるいはそこの関係者の組合管理にするとかいうことでなくて、復旧事業団が何かそういったものを、半永久的に管理したらどうか。これはトラブルが絶えないのですよ。その将来にわたっての管理費用をどうして見積るかということは、これはなかなかむずかしい。ですから、そういったものがむしろあの地域では一つや二つではないのです。何百というように出てくるのですからね。そういった将来にわたっての管理制度というものを、今から考えておく必要があるのじゃないか。いなもう考えて出発する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、それについて局長どういうふうにお考えですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 抜本的に考えるならば、今先生のおっしゃったような方法も考えられますが、しかしこの鉱害の水道の問題と、そういう公共的な施設につきましては、私はやはり市町村が、いろいろ住民との関係でございますので、間に立っていただくことが、日本の現在の社会生活からいうと、むしろ適切じゃないのか、実はただいままでそう考えております。これは実際のトラブルが起きておる状況等を、もっとよく調べまして、そういう方法ではトラブルが起きてしようがないという場合には、さらにまた他の方法を考えなければならぬと思います。現在のところは、やはり市町村というものに間に立っていただく方が適切じゃないか、こういうふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 上水道なんかは、普通鉱害でなくても市町村がやっておるのですから、むしろ市町村がこれは管理した方が私はいいと思うのです。しかし灌漑用水とか排水というような、常時排水しておかなければならぬというような地点があるでしょう。ですから、こういったものは、やはり単に関係者だけの組合管理ということよりも、あるいは市町村でも今まで例がないから、なかなか引き受けぬでしょうから、制度的に考える必要があるのじゃないか、こう思っておるわけですが、これは一つ今後御研究願いたい。  次に盗侵掘による鉱害、鉱害とはあなたの方は言わぬわけですから、盗侵掘による被害、これはやはり鉱業法上の鉱害と見るべきじゃないでしょうか。この改正の際にはですよ。現行法ではなかなか困難であるとすれば、改正の際に見て何か処置しないと、なかなか被害者としては納得のいかないものがある。しかもその地下をだれが掘っておるか検査するわけにいきませんし、また立ち入りの権限もない。ところがたまたまそれが盗まれて、あるいはよそから侵掘されておるのだ、だから家屋が崩壊しても鉱業権者に責任もないし、またその家屋の復旧あるいは農地の復旧等は補助金もつかない。これはどうも矛盾していますね。被害者保護の立場にある賠償規定としては、この点は遺憾ながら法がミスをしておる、こういっても過言でないと思う。ですから、被害者保護の立場に立つならば、正常な操業による鉱業権者の採掘による場合も、あるいは盗侵掘による場合も、被害者にとっては何ら変わりがないのですから、制度的にこれを救済する必要があるのじゃないか、この点どういうふうにお考えですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 先生のおっしゃる点は、よくわかるのでございます。何分この臨鉱法の鉱害というその鉱害の範囲は、鉱業法でいう鉱害をいっておりまして、鉱業法では、御承知のように鉱業権者による鉱害、こういうことになっておるわけです。しかしこの臨鉱法の鉱害の範囲をほんとうにどうするのだという問題は、実は非常に大きな、また非常に重要な問題であると考えまして、先ほど申し上げました鉱害対策部会でも、この問題の検討をやって参ったのでありますが、ちょうど鉱業法の改正と並行いたしておりまして、鉱業法の改正と別個にこれをやることは、やはり問題が問題だけに、実は鉱業法の改正と一緒にからめてやりたい、こう考えまして、今度の鉱害対策部会では先ほど一応の暫定の結論を出しましたが、引き続きこの鉱害の範囲をどうするかという問題につきましては、実は非常に大きな問題として検討を続けることにいたしております。ただ、今までの議論の過程から申しますと、盗掘の鉱害をすべて臨鉱法の鉱害として考えるということにつきましては、日本の現在の実情から申しますと、そうやった方がいい場合がもちろんございますが、しかし同時にまた、これはわれわれのよけいな心配かもしれませんが、なれ合い盗掘というふうなことも実は考えられるのです。またそういう例があり得るわけでございます。それから全体の法律のバランスから申しまして、鉱業権者が全然掘ってない盗掘の鉱害を、鉱業権者の責任においてやらせるということにつきましては、やはり現在の鉱業法全体の基本精神からいいまして、まだちょっとわれわれとしては踏み切れない点が多々ございますので、いま少しく時間をかしていただいて検討いたしたい、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 侵盗掘による鉱害は、盗掘をした者に責任があることは当然ですが、しかしそれでは解決しないから、第一次的な責任をだれか負う必要があるのじゃないか、こう思うわけです。それは鉱業権者の管理が悪かったという点をあげるならば、鉱業権者ですね。これは不注意だ。自分のところの鉱区がとられておるのを気がつかなかったのは不注意で、その次は政府だって責任がある。監督権の責任がある。ですから、第一次的にはだれかが負って、——それは求償の問題は別ですよ。私は求償の問題は別だと思う。ですから、被害者からするならば、だれか第一次責任者をはっきりきめておく必要があるのじゃないか、こう考える。この点も懸案でありますから、早急に解決をしてもらいたいと思います。  そこでこれに関連して豊州炭鉱の盗掘による火災ですね、この問題は一体どういうように処理されておるか。これもまさに盗侵掘による鉱害です。鉱害といいましても、これはめずらしく地下が燃えておるわけですね。これは一体どういうように現実処理をされておるのか、これをお聞かせ願いたい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 豊州炭鉱の問題にいろいろございますが、先生が今御指摘になりました田川地区の、中元寺川の左岸でございます田川地区の火災の問題につきましては、これはいろいろ方法もあると考えますが、現在のところは自治体の田川市にこれの施行者になっていただいて、これについては特別交付金というものを自治省で考えていただき、それで消火をやっていただいている、こういう現状でございます。ただ、これは何分にも炭層が燃えておるという状況でございまして、それを消火するという方法は、これは専門家に聞きますと、なかなかむずかしいということで、福岡の通産局に、そういう専門家を集めまして、そこで消火対策委員会を設けまして、消火の方法、やり方につきましては、その委員会で検討してもらい、実際に消す施行は田川市が中心になってやっていただく、こういう考え方でおります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 費用はどこから出るのですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 この費用をどこから出すかという問題が、非常にむずかしい問題でございますが、現在の鉱害法というものは、鉱害を復旧する、倒れた家を直す、そういう原形復旧の法律でございますし、あるいは鉱山保安法という法律によって保安による消火命令というものも現在鉱業権者に対しては出せますが、ああいう盗掘の場合には非常にその点がむずかしいということで、現在はその金を出す方法としまして、消防法の適用ということを考えております。そこから市町村に対して特別交付金ということを自治省で考えていただく、そういう形になっております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 火災の問題も、私は今後やはり起こり得る可能性があると思います。事業団が買い上げましたその家屋を一般の住民に売り渡した後に、そのボタ山の火が家屋の下の炭層を燃やして非常に困った例が先般もあったわけであります。これは事業団の方から若干の費用を出して消しとめたわけですけれども、しかし責任の所在というものはこれもはっきりしないのです。そうしてだれが費用を出すかという問題を厳密に言いますと、これはまたむずかしい問題が起こる。ですから、これもやはり鉱害と考えて、今後この処置を制度的に解決する方法を考えておく必要があるのじゃないか、こういうように考えるわけですが、それについてお聞かせ願いたい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 おっしゃるように、こういう盗掘、侵掘の場合においては、非常に複雑な法律関係になりますので、これについてはやはり何らかのうまい方法を考えなければいかぬという点については同感でございます。ただ何分先ほど申しましたように、いろいろな従来の法律の経緯もございますし、せっかく鉱業法の改正審議会をやっておりますので、やはりそれと並行してやっていきたい、こう考えます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 純然たる炭層に火がついて燃え出したというのは何になりますか、鉱害になりますか、盗侵掘と別に。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 炭層が燃えておるというのは、これは普通の森林が燃えておるということと、法律的に言いますと同じことでございまして、かりに炭層を堀りまして、その堀った石炭が燃えておる、こういう場合はその鉱業権者の問題になりますが、炭層がかりに自然発火しておる、こういう場合には、ごく法律的に厳密に申しますと、山の木、森林が燃えておるというだけでありまして、これについては、もちろん所有者は消火したいでしょうが、かりに焼けてもしようがないのだというふうな場合は、現在ではやはり一応法律的には消防法の適用ということになるのじゃないか、これは私の個人的な見解でございますが、そう考えます。従って炭層が自然発火で燃えておる、そういう場合には、現在の鉱害という概念にも入りませんし、鉱山保安法の適用対象にも厳密にいうと入らない、対象にならない、こういうことでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 この鉱区の所有者が何ら操業をしないで、自然発火で燃えておる、こういう場合は森林が燃えておると同じでしょうね。ところがそうでなくて、ボタを捨ててある。その方面から火が入ったというような場合、これはやはり鉱害として処置する以外にないんじゃないかと思うのですがね。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 それは確かに森林が燃えておる、炭層が自然発火した場合と、今おっしゃいましたような掘ったボタが燃えついたという場合とは、事情が違うと思います。これはいろいろ個々のケースによって検討しなければならぬと思いますので、もう少し具体例について研究したいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 次に私は鉱害紛争処理について、その実情と制度の改正を質問したいと思います。  現在和解仲介制度があるのですが、この仲介制度はどのぐらい活用され、どのぐらい予算を組んでおられるか、お聞かせ願いたい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 和解仲介員は十五人で、現在五十万円程度の予算で運営いたしております。昭和三十四年の一年間の和解仲介で解決いたしました紛争の件数は、申し立てが二十五件でございまして、解決いたしましたのは四件でございます。こういうことになっておりますが、そのほかに、いろいろ、ただあっせん——和解、仲介でなくて、通産局が事実上あっせんいたしまして解決いたしました件数は、これは全体が五百十三件で、そのうち解決いたしましたのが二百二十五件、こういうことに相なっております。もう少し詳細は、また調べまして……。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私はこの申し立て件数が意外に少ないと思うのですね。紛争の割には意外に少ない。それは機能に対する、その機関に対する信頼がないんです。それはどちらかに片寄っているという意味ではない。それもあるでしょうけれども、むしろその仲介に出してみたところで、なかなか解決しない、そうしてすぐ来てくれない。要するに機能が十分発揮されていない。第一、五十万円で十五人の委員でしょう。手当だけ考えましても、年間ですから、一体これであのトラブルを実際あっせんをし、調停をすることができるかどうか。開店休業とは申しません。開店休業とは申しませんけれども、これではできぬです。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 ただいま五十万円と申し上げましたが、これは委員の手当と旅費だけでございまして、その他実際には、通産局の関係者が現地に相当行って調べておりますが、これは別になっております。ただ、和解仲介による件数が非常に少ないじゃないかということ、これは確かに私も少ないと思います。しかし、それまでに、通産局のあっせんによって相当解決しておるという事例、先ほど申しましたように年間で五百十三の申し立てがありまして、その大半が一応解決しておるという状況でございますので、必ずしも——まあこの件数としては、一応ここにあっせんの形か、あるいは和解仲介という形か、いずれかで上がってきておる、こういうふうにも考えられると思うのでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 局長は本省におられてそうお感じになっておるか知りませんが、現場は必ずしもこの機能が活用されておるとは考えられぬですね。そうしてトラブルが絶えないそれからトラブルのあった場合に仲介に出すというような慣行ができてない。できてないのは、出したいけれども結局解決しないし、なかなか調査にも来てくれない、こういうことにかかっておると思うのです。年間一人三万円程度で、これはまあ弁当代くらいでしょう。労働委員会だって今一人の委員に月一万五、六千円あるいは二万円くらい出しておるわけです。ですから、これだけトラブルのある非常に困難な仕事をされる、しかもこれは有識者でなくちゃならぬ。ですからこれらの人を待遇するのには、これだけの費用ではできないと思うのです。少なくとも委員のうちの何名かは常任的な給与を出すくらいの費用を組んでおかなければ私はできないと思うのです。あえて言うならば、労働委員会のようなシステムにして、事務局をばんと置くくらいの価値があると思う、あの紛争は。最近は労働事件よりもこの鉱害の方が非常に多いですからね。鉱害の紛争は大へんなものですよ。ですから、やはり対立があったら、鉱業権者も、あるいは被害者もその機関に申し立てをするという慣行を樹立する必要があると思うのです。この点について政務次官はどういうお考えですかお聞かせ願いたい。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 九州その他の鉱害の多い地域の実情から申しまして、ただいま多賀谷さんのおっしゃったような実感を持っておられることは、まことにごもっともだと思うのでございまして、一面におきまして申し立て件数の少ないことは、予算をとるのには困るという事情にもなるわけでございますが、実を申しますと動きがにぶいから申し立てがないというふうにもなると思うのでありまして、どうも本年度の予算要求には増額した要求を出していないようでございますけれども、緊急に相談をいたしまして善処いたしたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 始関さんは資源庁におられたですから事情はよくわかっておると思う。ですから一つぜひ御努力願いたいと思う。  次に、最後ですが、私は鉱害復旧については、紛争になっておるいろいろな点、たとえば鉱区境で、Aという炭鉱の鉱害であるのか、Bという炭鉱の鉱害であるのか、依然としてはっきりしない。それは制度としては、鉱業法でそういう場合を予想して書いてありますけれども、事実問題としてなかなか解決をしない。あるいは鉱害であるのかないのかということがかなり紛争になる。通産局では、これは鉱害でない、こういう照会のあった事件について回答をしたその後に、買い上げする場合には鉱害であるといって復旧した例もあるんですね。これだけ権威がないんですよ。ですから、これらの問題は今後だんだん鉱害の量が累積をされるし、また一方においては山が終山になっていく、こういう形の中においては、どうしても私は全国一本で、たとえば労災保険のように資本力のある炭鉱の被害も、あるいはまた零細な中小炭鉱の被害も画一的に補償してやるという制度が必要ではないかと思うのです。これをやらないと紛争は絶えないと思うのです。ですからこの問題については根本的な臨鉱法改正の際に考えてもらいたいと思うのです。このままでいきますと、社会問題がだんだん激化するだけですよ。ですから労災のように一本、鉱害復旧事業団なら鉱害復旧事業団が一本で賠償を全部やる、各炭鉱はそれに見合った納付金を納めていく、それから政府は一本で補助金を出す、こういう制度が必要ではないか。そういたしませんと、個々の折衝に当たっておる被害者も、あるいは加害者も大へんな状態になると思うのです。これらについてどういうふうにお考えであるか、次官から御答弁を願いたい。

始関伊平自由民主党通商産業政務次官

○始関政府委員 ただいまお話のように鉱害の認定、特に責任者の認定等につきましては、いろんなトラブルのあることも承知いたしております。そういうような見地も含めまして、ただいま抜本的な対策について一つの御提案があったわけでございますが、ちょうど法律の改正の時期にもなっておりますので、一つの重要な論点といたしまして研究を進めて参りたいと存じます。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 伊藤卯四郎君。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 先ほどから多賀谷委員からそれぞれ具体的な問題について質問し答弁をされておるわけであります。答弁がその回答になっておらぬ点がたくさんあると思います。そこで私も大きな問題の二、三点についてだけ一つ伺っておきたいと思いますのは、臨鉱法の延長に伴って改正案を考慮しなければならぬということは、始関政務次官等の答弁の中にも伺えまして、私喜んでおる一人であります。そこで今錯綜しておる鉱害の判定の問題について、たとえば一つの町に鉱害が起こっておる、その下をA、B、Cの炭鉱が掘っておる。そこでA、B、Cの炭鉱は私のところでない、私のところでないといって、その鉱害の責任を負おうとしておりません。そういう点から私の知る限りにおいても二十年以上もそのまま解決されないので、被害者は非常に困って泣いておるというところがあります。およそ通産局の監督機関において測量調査が完全に行なわれておるなら、直ちにどの炭鉱からよって起こった鉱害であるかということは、すぐ裁定が下されるはずであります。ところが役所側ではやはり鉱業権者に気がねをしてその裁定を下し得ないので、鉱害はそのように何十年も放置されてあるということです。こういうことは、私は役所としてはなはだ不見識きわまると思う。もっと法律に基づいてこの測量調査をして、かく信ずるというなら裁定を堂々と下すべきである。そういうところに初めて法の権威もあるし、私は役所に対する信頼もあると思うのです。そういう点がどうして一体解決できないのか、どこに問題点があるのか、この点を一つお聞かせを願いたいと思います。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 今伊藤先生がおっしゃいましたケースは、これは法律的に見ますと鉱業権者の連帯責任に、私はなると思います。かりに二つの炭鉱があればその二分の一ずつ負う、こういう格好に法律的にはなるわけでございます。ただそれがどっちか一方だ、こういうふうな議論で紛糾いたしました場合には、若干時間がかかるという例も、私は現在ではあると思います。われわれもこういう場合に備えまして、実は前からそういう場合にはボーリングを一つやらないと、こっちも自信のある裁定、そういうことができませんので、科学的な鉱害測量という問題は、現在いろいろ調査をいたしておりますが、来年度はこのボーリングの費用を予算に要求いたしておりまして、そういうふうな非常に紛糾した場合には、何らかそこに一つ科学的な方法を発見したい、こういうふうに考えております。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 そういう場合には、その下を採掘しておる鉱業権者が三人おれば三人の連帯責任だという見方は私は正しいと思う。そこでそういう場合には、その三人から鉱害復旧に対する分担金を納付をさしておかれて、その上に立って国の機関において復旧事業をしてやるということは、私はきわめてとりやすい当然な処置だと思います。そういう点が依然として放置されてあるということは許されぬと思う。  そこで今局長おっしゃったように、今度臨鉱法の改正にあたって、そういう点等十分考えてという御提案であるなら、私はこの改正案を見た上で、こういう点に対して十分また意見を述べたいと思っておりますが、そういう点を十分お含みの上で、一つ改正案等をお作りになるように要望しておきます。  それからそういう全体に対する測量調査が不十分というか、あるいは役所が責任をとりたくないというのか、そういうところからよって起こっておる炭鉱災害というようなもののひどいことを御存じだと思う。たとえば数年前から筑豊において東中鶴とか、先般においては豊州炭鉱というか、ああいう膨大な数の人が水没のために坑内で死んでしまっております。その遺体自身がなかなかあげられないという状態になってきてしまっております。ところがそれはその山を掘ったことから起こっておるのではなくて、あれは何年か何十年か前に、他の鉱業権者がその近くを掘っておった。その古洞という一つの坑内から、そこにたまっておった水が浸水をしてきて、そのために採掘しておる現在の山が水没して、犠牲者を出すということになった。こういう点については、すでに役所の方でそれぞれの炭鉱の坑内の採掘の図面というのは正確なものがあるはずなんです。これは必ずなければならぬ。そのためにちゃんとその役所にそういう機関を作って、それで絶えず監督官が現地を調査しておるはずです。そうすれば何十年前に掘った炭鉱といえども、坑内の図面というものはあるはずであります。そうすれば新しく採掘をする山がそういう方向に進んでいくなら、近くに古洞があるからその方は採掘禁止をやれるはずであります。ところがそういう点等を指示されたということを私は少しも聞かない。そういうところからこの古い坑内にたまった水が落ち込んで、ああいう大きな事件を引き起こしておる。そういう点は役所が十分に調査をされたらわかっておるはずだが、そういう点について、一体十分調査をしたものがあるのかどうか、何ゆえあるならそういう点に対してもっと監督をきかして、その災害防止をする方法ができないのか、そういう点について一つ責任のある、もっと明確な答弁をしてもらいたい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 豊州炭鉱の大事件につきましては、返す返すも遺憾にたえない次第であります。これは結局古洞から端を発したわけでございますが、これは東中鶴の場合とか、三十二年から三年にかけまして古洞の水に、採掘の場合にぶち当たりまして、それから大きな災害を起こしまして、委員会等でもいろいろ御決議になり、それに従いまして、三十三年の終わりから古洞調査を、予算をいただいて実は実施して参りました。現在五割ないし六割程度まで進んでおります。従ってそういうできました古洞の図はそれぞれ通産局で持ちまして、実際の採掘の場合、施業案の認可の場合には、それを十分周知徹底させまして、採掘の場合に古洞に当てないように、くれぐれも注意をいたしておる次第であります。このたび起こりました豊州炭鉱の災害は、実は現在豊州炭鉱の掘っておる採掘の場所と少し離れておりますところに、浅いところに古洞がございまして、それが自然発火をいたし、それから川底が落ち込んで水が出た、こういう事故でございました。古洞調査の際には、いろいろと調査をいたしましたが、そういう浅いところにある古洞、しかも現在採掘している場所とは相当離れておりますので、その辺の古洞につきましては一部はわかっておりましたけれども、十分把握され、発見され得なかったという点が、実は返す返すもわれわれとしては残念に思います。それは通産局には昔からそういう採掘の図面というものは、いろいろ完備いたしておったのでありますが、御承知のように戦争の惨禍で焼けまして、現在そういうものがございませんので、実は鋭意古洞調査を実施して整備に努めているという状況でございます。何分採掘の場所の近くの古洞というものに重点を置いてやりましたので、今回の豊州炭鉱の場合には発見できなかった。しかしこの事故にかんがみまして、われわれといたしましても古洞の調査の方法を、今までのような採掘場所の近くだけではなくて、やはりその付近に川や沼があるという場合には、もっと広範囲に古洞というものを徹底的に調査しないと、これはどこへどう続いているかもわかりませんので、特に川や沼がある付近における古洞の調査につきましては、直ちにそういう通告を地方に出しまして、もう一ぺん再調査をやれ、こういうふうに指令をいたしました。  それから先ほどもちょっと申しましたように、古洞というのは現地でいろいろと古い人にも聞きまして、そういう調査をいたしておりますが、やはり徹底的にやりますにはどうしてもボーリングをやらなければなりませんので、来年度からボーリングもあわせて実施したい、こういうように考えて、こういう古洞による事故については、今後ともこういうことを繰り返さないように、一つ十分注意をいたしたいと考えております。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 苦しくなってくると通産局が焼けて図面がなくなった、こうおっしゃるが、通産局が焼けたのはいつです。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 戦争中でございます。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 何年ごろですか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 これは各地によって違いますが、昭和二十年か十九年と思っております。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 私の伺っておるのは筑豊炭田地区のことを伺っておるのです。従って福岡通産局が焼けたのを伺っておるのですが、二十年ごろですか、それは非常に違っておりはしませんか。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 確かなあれはわかりませんが、十九年か二十年の、あの戦争の際に通産局が焼けまして、その際に昔からありました坑内の図面を全部焼いてしまった、こういうことになっております。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 その年数は私は一年や二年を争うものではないが、私の知る限りにおいては焼けてから二十年以上たっておる、私はこう思っております。そこで二十年もたってまだ図面ができないのですか。そうなったら私は一体いつできるか、これを疑わざるを得ない。そこでほとんどの古い炭田地区における大きな災害というものは、大部分が昔掘った古い坑内に水がたまっておる。それからまたガスが発生しておる、そういうこと等からよって起こっておる災害なんです。だから従ってその方面に真剣に取り組んで対策を立てられるなら、対策はあながち立たぬことはないと思っております。そういう点についてもっとやはり真剣に——一回起これば何十人あるいは百名近くの人が水没してしまうわけですから、これはほんとうに私は真剣に取り組んでもらわなければならぬと思うのです。  それから今豊州炭鉱の問題について、いろいろ局長が答弁されておりましたが、あすこの問題について、今おっしゃった古洞からガスが発生しておったようであるが、そのガスがどこかなくなってきたが、他の古洞の方に逃げていっているのではないか。そこで来年の入梅時から夏になれば、その全体が今復旧作業をやっておる方に落ち込んでくる危険性がある。そうなると何百人の人がまた一挙にのみ込まれてしまうという危険があるということで、戦々きょうきょうとしておることは事実です。そういう点において今のああいう形で復旧作業をやらせて、そういった大事件を起こさせないようにやれるという自信が持てますかどうか。これをはっきりして下さい。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 川底から陥落いたしました、それは鉱害でございましたが、その鉱害の復旧は現在建設省で復旧作業をやっていただいておりますが、それのすぐわきにある古洞の炭層が燃えておる。これはガス等も含まれておりまして相当な熱気を帯びておりますので、早くこいつを消火しないと、やはり工事は危険であるという問題もございますので、まず一つ消火に全力をあげてやっておるという状況でございまして、これ等につきましては最近現地の対策委員会でもほぼ結論が出ておりますし、一部田川市の方で、その消火につきましての斜坑を今掘っておりまして、大体炭層に着きましたような状況でございまして、できるだけ消火を早くやり、ガスをなくし、川底の工事というものにつきまして危険のないように、現在十分注意をいたしております。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 今お尋ねしましたように、入梅時になりますと、再び川底が抜けてくる危険性がある。そうすると一回古洞から新しい坑内に水が入って参りますと、地盤の全部がゆるんでくるわけでありますから、従って再度大きな災害を起こす危険性が非常に多いというのです。その危険性があるなら危険性のある上に立って、一体そのままの形でやらせた方がよいのか、どうした方がよいのか、これは監督官庁として真剣にお考えにならなければならぬ問題だと思うのです。今ここで私が局長にその問題を追及しましても、局長にその問題を追及しましても、局長自身もなかなかそれは判断のつかない問題だと思いますから、この点については、再びその川底が抜けて、この前起こした事件の何倍というような大きな犠牲者を出さないように、どうしたらその対策、措置が立てられるのかということについて、具体案を至急一つこの冬のうちに立ててもらいたい。そしていずれこれは通常国会にでもなりましたら、従ってこの臨鉱法の改正法案でも出されて参りましたら、あわせてそのときにこの問題に対して完全なる対策成れりやいなやということについて私はお尋ねしますから、それまでに十分の対策等について用意、準備をしておいてもらいたい。そうしないと、下手をすると、来年の入梅どきに、夏の、ちょっと雨季にでもなれば、その危険性が非常に大きいのですから、そこで私はこれは非常に強く、大臣もお聞きになっているここで、訴えておきますから、その対策を十分当局が立てられないで、再度何百人というような犠牲者でも出すようなことになりましたら、その際は私は断じて許さないということを、ここで強く意見を主張しておきますから、その上に立って一つ十分そういう憂いのないような処置をされることを強く要望しておきます。  それから、この臨鉱法の施行の上について、無権者鉱害の判定がなかなか下しにくい。これはもちろん下しにくい事情も私どもわかります。たとえばその炭鉱をやっておった者が、炭鉱をやめて他の事業をしておる、あるいはそれが無資格か無資格でないかというような判定もしなければなりませんから、判定の問題についてはいろいろ問題があろうということを想像しますけれども、しかし無権者鉱害の判定が下されないで、そこでこの鉱害がそのままに放置されて、なかなか復旧に着手されないというところから、この鉱害がだんだん大きくなっていく。その被害者はますますそれで困っておるというような点等も、相当これは老朽炭田に多いわけですから、そういう点について無権者鉱害の判定について、来国会に出される臨鉱法の改正の場合に、これは相当お考えにならないと、同じような問題が再度繰り返されて問題を起こしてくるということになりますから、こういう点について相当陳情も受けられ、調査もしておられると思うのでありますが、この無権者鉱害の判定について、もっとすみやかにそういう判定の下されるという一つの基準というものも作られてよかろうと思うのだが、こういう点についてどういうお考えを持っておられるか、これを一つお伺いします。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 おっしゃるように、この無資力認定の問題は、破産の状態になりませんと実は無資力認定が現在行ない得ませんので、実際問題として、なかなか時間がかかる、なかなか判定が困難だという場合がございます。しかし今度改正いたします場合は、この場合に緊急認定制度というふうな、緊急の無資力認定制度、そういった制度を一つ考えていこうということで、今度の法律案の改正案を提案する運びになりました際には、その問題について一つ何らかの有効的な規定を考えたいと思いますが、そういうものの基準をどうするかというところまでは、現在まだ検討中でございまして、具体的な成案を見るに至っておりません。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 時間の関係もありますから、もう二点ばかり大急ぎで一つお尋ねしたいと思います。  この老朽炭田地区の市町村財政というのは、御存じのように鉱業税その他の税収が非常に少なくなってくる。そうすると自治体に残されるものは鉱害と失業者だけだ。これらの問題を解決するためには、自治体は非常に財政難でその処置に困っておるというのが、多く私どものところにも訴えてきておる問題なんです。そこでこの自治体に対してそういう場合には特別交付金等の問題で多く扱われてきておるということが実際問題としてあるわけであります。従ってそういう公共団体の関係は、市町村の財源はなくなってきた。やらなければならぬことは鉱害、失業者の問題で山ほどある。しかしやれない。そこでいろいろな訴えをして、特別交付金などで何とかというようなことを苦しまぎれにやっておるということが現状ですが、こういう市町村に対しては、この無権者鉱害はもちろんだが、臨鉱法の適用される鉱害におきましても、市町村もしくは自治体の負担すべきものについて、相当従来と変わった形で、負担軽減の問題について処置をしてやらなければならぬということは、これは地方自治体が切々に訴えておる問題だと思うのです。こういう点について、臨鉱法を改正される場合において、こういう点等も含んでやられるということは、私は大きな問題だと思うのだが、こういう点についてどういうようにお考えになっておられるか、ちょっとお聞かせ願います。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 鉱害関係の市町村が非常に困っておられるということについては、よく私も実情を聞いております。たしか昨年でありましたか、市町村の負担する割合に対しまして国が特別交付金を出すということに現在なっておりますが、昨年からその特別交付金のパーセンテージを四〇%から五〇%に引き上げを実行いたしました。従って、これは二年にわたりまして二五%ずつ毎年やりまして、二年間で五〇%を国でもって補給する、こういう制度に現在なっておるのであります。さらにこの臨鉱法を今度改正する場合に、これをどうするかにつきましては、まだ現在のところは何も考えておりません。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 今お尋ねした点においては、臨鉱法を改正される場合に、局長も十分おわかりになっておる問題でありますから、十分一つそういう点をお含みの上で改正案を出されるよう要望いたしておきます。  それから最後に一点伺っておきたいのは、鉱業法改正の提案の時期についてでありますが、歴代の通産大臣の答弁によりますと、大体本年度の通常国会のときに出されるということを、ある約束を私はしたと思うのです。それから、当然来たるべき来年度の通常国会においてはこれは絶対出すというようなことを、たしか高碕さんが通産大臣の当時でなかったかと思いますが、そういうことを私に相当強く約束されたように、私は記憶をしておりますが、この鉱業法改正と取り組まれてから、もう相当年数がたっておるわけです。従って来たるべき通常国会には当然出せる用意、準備ができているのではないか、また政治的な約束の上からいっても出されなければならない責任にも立っておられるのではないか、こう思うので、従って椎名通産大臣はそういうこと等もお調べになればわかると思いますので、来たるべき通常国会に鉱業法改正法律案をお出しになるかどうかということ等、伺っておきたい。その場合に、これは絶えず争っておる問題でありますが、地下の採掘権と地上権との問題の争いがあります。たとえば坑内を石炭を掘っていく。そうすると、今度はその地上においての近代都市、近代工業市として動かすことのできない大きな建物、工場が建っておる。この地上を守ってやらなければならぬということは、これは都市を維持する上からも、近代工業を守る上からも、非常に大事なんです。ところが、一面においては、鉱業権の地下採掘権があるというので、どんどん掘る。そうすると、上の地上権との問題で大きな争いが絶えず起こってきておるわけです。それを掘られたのでは、工業用水がなくなってくる、あるいは工場が傾いてくる、大きな鉄筋の建物が傾いてくる、これは掘られちゃ困るという問題などがあるわけです。そこで、今度の鉱業法改正案において、この地下権と地上権の問題の争いを解決をしていくということは、近代国家として、将来にとって非常に大きな問題なんです。こういう点等を十分お取り上げになって、改正案を作ろうとされておるかどうか。それからまた、こういう問題を解決するためにどういうようにせなければならぬかということについて、私はかなり各国のそういう状態も調べておられると思うのです。そこで椎名通産大臣は、この大きな問題について、どういうようなお考えをもって、この鉱業法改正法律案の中に、それらの問題を取り上げて解決しようとしておられるかどうか、これを一つ最後にお伺いしておきたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 日本の鉱業法も、ずいぶんこれは古い、年数も相当経ておりますので、いろいろな面において改正の必要が叫ばれておる問題でございます。私も就任早々でございまして、現在どの程度にこの問題が審議の状況が進んでおるか、まだ実はつまびらかにしておりませんのでございますが、もちろん地上物件が、最近建設技術が非常に進んだ点からいいまして、一そう採掘権と地上権との関係が大きな問題になっておるのでもございますし、この問題については、当然審議の対象になっておるものと私は考えております。今いろいろな角度からあらゆる検討を加えておる最中のようでございます。はっきりと来たるべき通常国会に出すだけの段階になっておりますかどうか、私がここで責任を持ってお答えする資料をまだ十分握っておりませんので、至急にその点は勉強いたします。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 先ほどお尋ねしましたように、来たるべき通常国会に改正鉱業法案というものを出そうという考え方に立って、大臣は進めておるかどうか、また、そういう点をどのように見ながら進めさせておられるかどうか、その点について、大臣の責任の持てる点を、一つ御答弁願っておきたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 今申し上げたように、実はまだ十分に勉強する時間がございませんので、非常に根本的な法制でございますので、はっきりどうも来たるべき通常国会には全面的な改正案を出すという運びになっておるかどうか疑わしいと、私は考えております。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 事務当局が進められておる状態から見れば大体見当がつくと思うが、これを担当して責任を持っておられる政府委員の方から一つ御答弁を願いたいと思います。

今井博通商産業事務官(石炭局長)

○今井説明員 伊藤先生にちょっとお断わり申し上げますが、鉱業法改正はわれわれももちろん参加をいたしておりますが、現在は鉱山局が中心になりまして、鉱業法改正審議会を今続行中である、こういうことでございます。私もこの審議に参加をいたしておりますので、これの審議に参加しておる一員としての何から申し上げますと、何分根本的な問題まで掘り下げておりますので、やはり三十六年度一ぱいぐらいはかかるんじゃないか、こういうふうに私は推測いたしております。これはもう少し詳細な、具体的な、はっきりした見通しにつきましては、いずれ鉱山局長と、もう少し相談いたしまして、お答えすることにいたしたいと思います。

伊藤卯四郎民主社会党

○伊藤(卯)委員 それでは本特別国会中に、なおまだこれらの問題について御審議を進められるということも伺っておりますので、その際鉱山局長に出席してもらいまして、十分この点を確かめることにいたしまして、私の質問はきょうはこの程度にいたしたいと思います。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 この際、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同提案により、石炭鉱害復旧に関する件について、本委員会において決議せられたい旨の動議の提出がされております。  まず趣旨の説明を聴取いたします。中村幸八君。

中村幸八自由民主党

○中村(幸)委員 私は自由民主党、日本社会党、民主社会党三党を代表いたしまして、石炭鉱害復旧に関する決議案を提出する動議を提出いたします。  まずその案文を朗読いたします。    石炭鉱害復旧に関する決議案   臨時石炭鉱害復旧法は、施行以来多大の成果を挙げ今日に至つているが、鉱害の現状は累積鉱害量約二百五十億円、毎年発生鉱害量約三十億円に上ることが予想され、さらに最近の石炭産業合理化の進展に伴い、鉱害問題の処理は一層困難の度を加えており、今後とも長期に亘る計画的鉱害復旧の遂行が必要である。   しかるに同法律は昭和三十七年七月末日までに廃止されることとなつているので同法律の失効に対する鉱害地域住民の不安と関係者間の摩擦を防止し、鉱害復旧の円滑な遂行を期するため、同法律の期間延長を骨子とする改正案を次期通常国会に提出すべきである。   なお、同法律の根本的改正については、現在政府において検討中の鉱業法改正と併行して、早急に結論を出すべきである。  ついでその趣旨を御説明申し上げます。  臨時石炭鉱害復旧法は、昭和二十七年制定施行以来、鉱害の復旧について多大の効果をあげて、鉱害地帯の民生の安定と国土の有効な利用、さらに保全に資するところ大なるものがあったのであります。しかるに同法は十年間の限時法となっており、昭和三十七年七月末日までに廃止さるべきこととされているために、鉱害地域の住民はその後の同法の取り扱いについて非常に不安を抱いております。鉱害復旧が円滑に施行されなくなるのではないかという危惧の念が広まりつつあるように聞いております。本年政府が行なった鉱害事業量の調査によって見ましても全国になお二百五十億円をこえる鉱害が累積いたしておりまして、今後十年間にさらに三百億円に上る鉱害の発生が予想されておるのであります。特に今後石炭産業の合理化が進展するに伴い、相当多数の非能率炭鉱が終山を余儀なくされるものと思われまするが、非能率炭鉱のうちには多額の鉱害をかかえているものが少なくなく、この処理をめぐって炭鉱と被害者の間に深刻な対立が生じ、社会不安を醸成するに至る場合も予想されるのであります。これら累積鉱害を早急かつ円満に処理するためには、現在鉱害復旧にあたって隘路となっている資金面について措置することが必要であり、鉱害復旧事業団の融資機能を強化するなどの措置を講ずべきであると考えます。また賠償義務者が判明しないために、地元住民を不安に陥れる場合がありまして、その危険に対処する手段も至急に講ずる必要があるのであります。  以上の点にかんがみまして、政府は早急に同法を延長することを骨子とする改正案を次期通常国会に提出して、これら住民の不安感を一掃するとともに、同法の施行期限が迫っておるところから、現在生じておる諸種の摩擦を解消し、鉱害復旧が円滑に継続実施されるよう措置を講ずべきであると考えます。  なお、その他臨時石炭鉱害復旧法につきましては種々改正すべき点を各方面から指摘されているところでありますが、これについても、現在政府において審議が進められているところの鉱業法の検討と並行して、慎重検討の上結論をまとめて、可及的すみやかに改正案を提出すべきであると考えます。  以上、提案の趣旨を御説明申し上げました。何とぞ全会一致をもって御賛同あらんことをお願いいたします。

中川俊思自由民主党

○中川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議につきましては、別に発言の通告がありませんので、本動議の通り議決し、議長に報告の上、関係方面に参考送付することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川俊思自由民主党

○中川委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  この際通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許します。通商産業大臣椎名悦三郎君。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 鉱害の問題につきましては、ただいま御決議がございましたが、その趣旨に沿うて尽力をいたしたい所存でございます。     —————————————

中川俊思自由民主党

○中川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より理事会、十五分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。     午後一時四分散会

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