建設委員会 第3号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/12/21
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 川村継義君外十八名提出の街燈整備促進法案を議題とし、審査を行ないます。 —————————————
○加藤委員長 まず提出者より提案理由の説明を聴取いたします。 川村継義君。
○川村継義君 街燈整備促進法案について、その提案の趣旨を御説明申し上げます。 わが国の道路の照明ははなはだしく立ちおくれ、道路行政の上では何等の施策を持たないままに放置されています。そのため、主要幹線道路においてすらその照明の大部分は沿線の住民が担当し、何等の照明設備のないまま夜間は暗黒となり、自動車通行者に不便を与え、交通事故の原因となっております。また一部都市の商店街は真昼の明るさであるのに、官庁街、公園、広場、住宅地、農村地域は照明がきわめて不十分で、犯罪の温床となり、通行者に不安を与えております。その上、照明費用の大部分は、沿線の住民の負担となり、電気料金も家庭用定額料金と同様きわめて高価であって、街路照明の整備に大きな障害となっております。 この現状を是正し、照明設備を改善し、明るい町や村を作り上げるために本法案は、第一に、国や地方自治体に対しその管理する道路の街灯整備を義務づけること、第二に、地方自治体は街路の照明基準を作ること、その基準について主務大臣は必要な助言をすること、第三に、街灯の整備は管理者たる国、地方自治体の責任であるが、街灯の設置によって利益を受ける者には、これを協議してその費用の全部または 一部を負担させることができることまた国、地方自治体以外の者が街灯を設置しようとするときは、これに補助することができることとすること、また、地方公共団体の街灯の整備の経費について、国は財源措置をやるようにすること、第四に、通商産業大臣は街灯の電気料金を認可する場合には、他の電気料金より軽減するように特別の措置をとらなければならないものとすることにより、街灯電気料金を大幅に軽減すること、以上の点を規定しております。 街路照明の整備、設備や維持の負担の軽減は、多くの住民の声なき声であり、街灯設備の立ちおくれは、市民福祉行政の大きな盲点となっております。 以上の趣旨を了察せられ、明るい町、明るい村を作るため、各位の御賛同を得て、すみやかに本法案を成立さしていただきますように切にお願いをいたすわけでございます。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、国土計画、都市計画、河川、道路及び住宅に関する件につきまして調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。 山中吾郎君。
○山中(吾)委員 官房長にお尋ねいたします。昨年六月ごろでしたか、建設大学の設置の必要を感じておるので、いろいろ理由をあげて私は質問書を出したつもりであります。その後一応の回答はいただいて、非常に消極的な回答であったのでありますが、これについてその後の建設省の、あるいは官房長の考え方についてお聞きいたしたいと思います。
○鬼丸政府委員 昨年、山中委員からの御質問書に対する回答の内容につきましては、私もこれを非常に重要視いたしまして、その後いろいろ検討いたしました結果、建設研修所の施設なりあるいは研修の内容につきまして、もっと飛躍的に拡充強化する必要があるというふうに考えまして、省内においていろいろ検討いたしました結果、長期的な計画を立てまして、もっとはっきり言えば、今年度から五カ年間のもくろみを立てまして、施設の整備を計画的にやっていくと同時に、研修の内容も計画的に拡充して参る。その結果、三十八年度には建設大学校というものに移行させるような目標で進めて参りたいと考えております。従いまして、来年度の予算要求におきましても、以上申し上げました構想によりまして、研修の経費も相当大幅に増額要求をいたしております。また施設につきましては、寄宿舎、食堂等を新規に建築するということで、運営費も要求いたしておるようなわけでございます。この予算の獲得につきましても、最善の努力をいたしたいと考えております。
○山中(吾)委員 私の質問書に対する回答当時の思想から、非常に改善せられておるようで、非常に喜ばしいと思うのですけれども、三十八年度というのは非常に手ぬるいのじゃないかと実際私は思うのです。現実に防衛庁の防衛大学あるいは警察の警察大学というふうなものもありますけれども、国民の税金を二千億近く使って、しかもその事業たるや、もし技術的にまずい場合には再び災害を招くというふうな、人命に関する重要な国土保全の事業でありますから、私は、責任を持った技術者を、そうして治山治水その他の土木事業に適応する技術者を供給するという立場から、防衛大学とか警察大学より先に早く着手すべきである。それでなければ技術的な責任を建設大臣が持てないのではないかと思っているので、もっと積極的に、絶対そういう体制を作るんだという決意を持ってやっていただきたいと思うのです。 現実に地方においての技術者を見たときに、日本のいわゆる大学の工学部とか、あるいは土木その他の大学のコースで養成した人が、大学で教育する者が、そのまま現在の建設省の土木において適応しておるかどうかということについて非常に疑問を持っておりますが、この機会にその点の御意見も聞いておきたいと思います。
○鬼丸政府委員 ただいまお尋ねの御趣旨には全く御同感でございまして、なるべくすみやかに所要の整備、強化を進めたいと思っておりますが、やはり施設関係等におきまして相当の経費を要しますので、先ほど申し上げましたように、今年度から五カ年の計画で一応理想的な研修所に持っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、なおお話の趣旨を体しまして、これがなるべくすみやかに達成されるように努力いたします。 それからなお、お話の大学その他学校を出た者がすぐには現場の実務に間に合いかねる場合もあるのじゃないか、それに対する研修の必要性ということでございましたが、これもごもっともでございまして、大学卒業者の新規採用者につきましては、毎年特別な短期の研修を行なっております。なお、特に技術のうちでも現場の請負工事の監督要員につきまして、監督能力が弱い、あるいは優秀な人が非常に少ないという現状でございますので、この請負工事に対する監督要員を増強するために、特に来年度以降これの研修に一つの重点を置いて参りたい。そのほかにも設計要員の不足等もございますし、あるいは用地事務のたんのうな者も足りない。いろいろございますので、これらもあわせて研修人員をふやしますと同時に、この研修内容を充実してやって参りたいと考えております。
○山中(吾)委員 再教育を主とした教育機関であるということはその通りでいいと思うのですが、現在のような民間の請負業者にしても、それの技術の向上をはからないと、まずい技術によって税金によって行なっている事業に欠陥が出れば、また二重に国民がその被害をこうむることになるので、民間の請負業者の現場監督及び技術者の教育の委託を受けて、そこで再教育し、あるいは技術の向上をはかってやるという機能をこういう建設大学の中に持っていって、そして建設省の陣容自体の素質の改善と同時に、民間の請負事業の体質改善というふうな、そういう構想をお持ちになるべきだと思うのですが、いかがですか。
○鬼丸政府委員 民間の請負会社の技術部門の人たちにつきましても、お話のように十分でないうらみがございますが、実は最近中央建設業審議会等でもいろいろ論議されておりますことは、民間会社で、特に技術面で不足しておる、不十分だというのは技能者、その中でも特に建設機械のオペレーター関係が非常に不足しておる。こういう技能者の養成、訓練をただ労働省にまかしておくだけでは、どうもわれわれの要求を十分満たしてくれそうにない。建設省として関係業界等の協力も得て、もっとこれを強力に拡充するような方途を考えてもらいたいということが建設業審議会におきましても一致した意見として出されておりますので、私どもとしては、今後直接建設研修所の研修の内容として、全部カバーしていけるかどうかちょっと疑問でございますけれども、今お話の委託を受けてそういう特殊技能者の研修をやるということにつきまして、もっと拡充して考えていきたい。ただいまのところは、建設機械のオペレーターにつきましては一部実施しております。民間からの委託でやっておりますが、これをオペレーターのみならず、技能者につきましても、将来なんとか建設省が中心になって研修を進めて参りたいということで、今具体的に検討をいたしておるところでございます。
○山中(吾)委員 雄大な構想で最初からお考えになるべきだと思うのです。その点、御検討願いたいと思います。 それから、具体的にいわゆる縦貫道路の中部道というものがこれから着手されてくると思うのですが、あれは日本の技術の最初の体験というような個所が出ると思うので、ああいうふうな法律が通ったあと着工する前に、それに適応した具体的な事業を目的とした、いわゆる指導者、技術者の養成というようなときに、こういう教育機関というものを活用されることが——教育が先行しなければ事業というものはだめなんで、事業の計画は先に決定されるけれども、決定された事業を遂行する場合には教育が先行しなければいけない。そういう場合に、こういう建設省の教育機関を全面的に活用するということが私は一番税金のロスを少なくする道だと思うので、そういう着想をお持ちになるべきだと思う。どうも考え方が箱庭式で、非常に小さいと思う。もっと大きい構想を持って、日本の土木事業の技術については全責任を建設省が持つんだ、一般の大学の土木部あたりにまかせておれないというくらいの気概を持っておやりにならないと、二千億という税金を扱う立場でないと私は思う。そういう意味においてもっと雄大な構想を持っていただきたい。大臣にその決意を聞いておきたいと思うのですが、大臣がおられないので、少なくとも官房長の一つのそういう原案作成のときの気持の持ち方いかんによって、小さくもなれば、大きくもなるので、官房長的な考え方からもっと抜けて、教育機関の場合には未来に対する責任を持つ機関ですから、その点御答弁の中にまだ非常にたよりないところがあるので、もう一度雄大な決意をここで、あとで大臣に聞きますから、一つ言ってみて下さい。
○鬼丸政府委員 非常に御好意のある御鞭撻、御激励を賜わりまして、まことにありがたく存じます。私どもも、雄大と申しますか、遠大な構想を持つと同時に、現実に地についた実効の上がる計画というものをあわせて考えて参っておるわけでございまして、どうぞ一つよろしく御支援を願います。
○木村(守)委員 ただいま建設技術の問題が出ておりますから、これに関連いたしまして一言御質問いたしておきたいと思います。 それは御承知のように、最近公共事業が非常に多くなって参りまして、ことに池田内閣が所得倍増の線を打ち出しまして、明年度はまた飛躍的に公共事業が多くなってくると思うのであります。そういう点から、建設省の予算というものも非常に大きくなって、事業も大きくなって参りますが、これに伴いましていわゆる大請負業者、これが非常に仕事が多くて飛躍的な発展をして所得が増加するというようなことが考えられるのであります。これと同時に非常に心配されることは、現在の中小の請負業者というものはなかなかその仕事が当たらなくて、そしてますます所得の格差ができてくるというような状態になることは、私一人の心配ではなくて、これはひとしく国会議員一同が心配しておる、また世間で心配しておる問題だと思うのです。これに対しまして、一体どういうような具体案をお持ちか。これからどういうような方法でこの所得の格差というものをなくして、いわゆる地方の中小請負業者というものをいかに育成していくかというようなことにつきまして、お考えをお聞きしたいと考えております。
○鬼丸政府委員 ただいまの、建設業者の中で大業者と中小業者との間の所得の格差が相当開いてきておる、これに対して中小業者に対する育成をどう考えておるかというお尋ねでございますが、これはごもっともでございまして、最近、おそらく今年度あたりは建設工事が民間も含めて二兆円以上になっております。そのうち約半分は、七万五千軒の建設業者のうち三千軒の大業者がやっておるという状況と推定されるのでございます。そこでこの問題は、まず中小業者だけを特に取り上げて施策を講ずるという面も若干ございますけれども、建設会社の九六%、七万五千軒のうち七万二千軒くらいは中小業者という実態でございますので、私ども建設業法の精神に照らしまして、建設業の健全な発達をはかるというこの目的を達成するためには、ほとんど建設業対策としては中小業者に向けられるべきものと考えております。 そこで、特に問題になるのは、現在中央建設業審議会におきましても一応結論を出しましたが、今後登録制度をもっと合理化していこう。今のように簡単に登録してすぐ業者になれる、ほんとうの零細業者で機械もない、技術者も人の名前をかりてくる。かりてくるというのは実際の話ございますが、そういうふうに簡単に登録されるということが一つは問題でございます。登録されたら救わなければならぬというのじゃ際限がないというような議論がございまして、登録制度をもっと合理化していくということを、これから法案の準備をいたしまして、次の通常国会におきましてはぜひ提出さしていただきたいと考えております。 それから、次には金融の問題でございますが、特に機械化施工に要する機械の調達資金の融通という問題。これも中小業者の全部にこれが均霑するということは非常に困難でございますから、中小業者の中どころには機械購入資金の融資につきましてさらに格段の努力をいたすと同時に、小業者対象といたしましては、機械貸与事業の会社、あるいは組合等を育成するように考えて参りたいというふうに思っております。 それからそのほかに、さっき申し上げました技能者の養成訓練というような問題。これも特に中小業者において悩みが深刻でございますので、これらを一つできるだけ建設省としてめんどうをみる。そのほかに契約方式の問題でありますとか、あるいは公共工事の施工能力を適正に引き上げていくためには、これを審査して、いろいろアドヴァイスをする、こういうようなことを考えておりまするが、これらはむしろ予算の問題と申しまするよりも、建設業法関係法令の整備ということで、今具体的に案を検討いたしておるような状況でございます。
○木村(守)委員 ただいまの答弁で、建設省当局といたしましても、いわゆる現在の七万二千余に余る中小建設業というものに対して育成していって、所得の格差をなくしていかなければいけないという考えを持たれることは了解できるのですが、ただいまのいろいろな方法を聞いておりますと、たとえば登録制度合理化によっていわゆる中小建設業者を救っていくのだというようなことは、これから登録する業者はいいかもしれませんが、現在すでに七万二千の中小建設業者があるのです。そういうものを一体どうしていくかというような問題が一番大きな問題だろうと思うのでございます。もちろん金融の問題等も考えなくちゃいけないのですが、これは今までの指名請負の状態を仄聞しますと、いわゆる実績主義とかあるいは点数主義というようなものがございまして、いつまでも小さい業者は気のきいた仕事、一歩前進した仕事ができないのだというような考え方、これは育成じゃなくて、まあ死なず生きずにそのまま生きておれ、現状維持というような状態から一歩も脱しないというような状態じゃないかと思うのです。それじゃ育成じゃないと思うのです。そういう点を考えまして、それにはいろいろな調査研究等も必要でありましょうが、中小建設業者を育成することによって建設省関係の仕事がりっぱにできるということを考えますれば、中小建設業者の育成なくして建設省関係の仕事をりっぱにやることはできないというようなことから考えましても、もっと今までの考え方から前進した育成方法を考えていかなくちゃいけないのじゃないか。都合によっては、いわゆる弱小の中小建設業者というものに対しまして、一つの組合組織とか、そういうような共同的な作業をさせるというようなこともやはり考えられる問題じゃないか。いずれにいたしましても、このまま放置しておくことは池田内閣の根本的な政策にも背反する問題でありまして、所得の格差をなくする意味からいっても、建設省の仕事をりっぱに完成しまして社会の要望に沿うようにするためにも、根本的に考えるべぎだと考えるのですが、いかがでございますか。
○鬼丸政府委員 ただいまのお尋ねの御趣旨も、ごもっともでございまして、ただ、具体的にこれを掘り下げていきますと、非常にむずかしい問題がございます。特にお尋ねの中で中小業者にうまく仕事がわたるように、能力に応じて仕事が請け負わされるようにということにつきましては、実は私ども建設業行政をあずかる者の立場からは、例の受注区分というABCDEの五つのランクに業者を格付けしまして、工事の金額によりまして、大業者が小さな工事をとるのは原則として適当でない。そういうことを金額によって区分をして発注者に勧告いたしておりますけれども、これはまた発注者の側から見れば、小さな工事でも相当な大きい業者がしっかり早くやってくれるというようなことで、大体発注者の方の指名等のやり方は、大業者が小さな工事もできるようなやり方をとっているのが多いのでございます。ただ、契約の自由の原則と申しますか、建設業審議会等では、そういう結論を出してこれを勧告するという程度しか現在行なわれておりません。私どもとしましては、建設省も大きな発注者であるし、建設省の直轄事業についてだけでもだんだんと中小業者に公平に仕事が請け負われるように持っていきたいということを考えておりますが、契約そのものを強く拘束するというやり方はちょっとむずかしいんじゃないか。 それから、企業の共同化——理想をいえばもっと合同という問題もありますが、企業合同ということは、ちょっと今の御時世では、役所が力を入れてやることではないと考えております。ただ、組合等による共同化の問題は一部の県等においてもできておりますが、これはまた中小企業庁あたりの御意向もありまして、協同組合に対してどの程度の仕事をやらせるかという問題を今検討いたしております。しかし、できれば将来小業者は組合等を作って共同していくということは望ましいことだと考えております。なおいろいろお話の趣旨に即しまして、今後研究を重ねて参りたいと思っております。
○山中(吾)委員 関連質問がだいぶ遠いところへいったので、もとへ戻します。 大臣がおいでになったので、お伺いいたしますが、今、官房長に建設大学の設置についての構想を聞いておったのであります。私は、現在のように治山治水、道路、その他の予算が膨大化して、国土保全という立場から建設大臣の責任も非常に大きくなっておるので、建設省の責任において、現場監督あるいは技術者養成、あるいは民間の請負業者に対する技術向上のための教育委託を受けるとかいうふうな点において、防衛庁に防衛大学があるごとく、あるいは自治省に警察大学があるごとく、建設大学という独自の教育機関を持って、責任を持って、科学性を持った執行体制を作るべきである、こういう意見を持っておるのであります。官房長にその大体の考えを聞いておったのでありますが、これは実は官房長では荷が重い問題なので、大臣の構想の中にこれを取り上げられるかどうかということが先決問題であります。この点について、省内においてある程度の話をされておられるか、あるいは全然それについて予備知識をお持ちになっていないか、まずその点をお伺いいたしたい。
○中村国務大臣 御承知の通り建設研修所ができましたのは昭和三十二年でございまして、目下の考え方といたしましては、この研修所を充実強化を進めて、あと二、三年先にはなんとか建設大学校に移行するようにいたしたいという考え方で、建設省当局としましては進めておる次第であります。私といたしましても、御指摘の点はまことにごもっともでございますから、極力努力をして参りたいと思います。
○加藤委員長 今、参議院の方から連絡がありまして、建設大臣は十一時二十分から本会議に出なくちゃならぬのですが……。
○山中(吾)委員 これだけです。前の橋本大臣は建設大学について大いに熱意を持っておられたということを仄聞をいたしております。ところが大臣の更迭はひんぱんでありまして、更迭されても実は事務のそういう引き継ぎがないので、大臣が更迭しますと、こういう構想も行方不明になる危険が非常に多いわけであります。このことに大臣のお話では、二、三年後にというお話ですから、その時分には中村大臣は建設大臣でないはずでありますから、私は責任のある答弁にはどうしても聞こえませんので、私はもう一度、これはどうしてもこの構想を持って、大臣が更迭しても変えないというところまで建設省として方針を確立されておかるべきであると思う。この点について御意見を聞きたいと思います。
○中村国務大臣 建設省の事務引き継ぎというのは、従来から他の省に比較して非常に綿密な事務引き継ぎをやっておったようでありますが、前大臣の御指示もあったことと見えまして、事務引き継ぎはいろいろな項目について非常に綿密に行なわれまして、私ども就任早々にいたしまして、もうこの事務引き継ぎ書を大体精読すれば見当がつくくらいに、綿密な事務引き継ぎ書をちょうだいいたしたようなわけであります。従いまして、前大臣当時の方針はできるだけこれを活用いたしまして、私も一貫した建設行政を進めて参りたい、かように思っております。また同時に、私が在任中立てました方針等につきましては、単なる個人の考え方ではなしに、省の方針として省の会議等にも付しまして、将来に残して参るようにいたしたいと思います。
○山中(吾)委員 お話で一応安心したのでありますが、大臣はこの膨大な事務引き継ぎを受けまして、ほとんど読まないうちにやめてしまうと私は思います。きっと中村大臣はお読みにならないと確言しておきます。それで、これとこれというものだけはやはり責任を持って政治家として引き継いでいっていただきたい。この建設行政においては、いわゆる科学性を持たせるということが一番大事な問題であると思いますので、その点一つ責任を持って、もし次の大臣に更迭しても、今お話しになった構想を受け継いで実現ができるようにお願いいたしておきたいと思います。
○中村国務大臣 参議院の方へ参りますので一言申し上げますが、現実の状態としてこの建設業の近代化ということは非常に必要であると思います。同時に近代化に並行いたしまして、建設技術者あるいは建設技工者というものの養成が焦眉の急務であるということを私も実は痛感いたしておる次第であります。従いまして、高度の技術者を養成いたしますこのような研修所、あるいはさらにこれを大学組織に移行させるということの重要性及び建設関係の技術者を養成することの必要性等を痛感いたしまして、後段の問題につきましては、最近実は労働大臣、農林大臣等とも協議をいたしまして、養成方法等について相談をいたしておるのでありますが、その先生を求めるということがなかなか隘路の一つでございますので、これをどういうふうに解決をしていくか、目下実は相談を進めておるような次第でございます。 以上、要領を得ないかもしれませんが、お答えをいたします。
○加藤委員長 中島巖君。
○中島(巖)委員 実は来年度の予算編成の直前にあたりまして、経済企画庁長官並びに建設大臣に対していろいろ御意見をお伺いいたしたり、また私の考えを申し上げたりいたしたいと思ったのでありますが、お二人とも参議院の都合その他の委員会の都合で御出席ができないようであります。従って、各局長さん方に、知っておる範囲でけっこうでありますので、お伺いをいたしたいと思います。 それ以前に、今の山中委員の建設大学に対しての関連質問をちょっといたしたいと思うのであります。昭和三十五年の建設省関係の、つまり住宅公団であるとか、あるいは道路公団であるとかいうような実際の事業費の合計額は、概算いたしまして五千億近い四千八百何十億というような、こういう膨大な数字に上ったように記憶いたしております。従いまして、最近の建設省関係の年々ふえる大きな予算をこなしていく上において、技術要員が非常にたくさん要るのじゃないか、こう考えておるわけであります。これはある人の話でありまして、果たしてそうであるかどうかは知りませんけれども、設計その他を外注に出す。ところが、外注された設計書そのものに目を通す人員すら不足しておる。こういうようなことを聞いておるのです。それから、いま一つは、官庁はどこでもそうですが、非常に封建的なものでありますから、従って大学出、ことに東大出が幅をきかしておって、高等工業出なんかは、いつまでたっても頭が上がらないんだ、しかも給料は非常に安いんだというような関係で、建設省へ志願しても、採用の通知がくれば、その採用の通知を持ってよその会社へ行って、それをダシにして就職してしまう。従って現在の要員というものは素質が低下しておる。こういうような世論の批判なのです。従いまして、ことに新しい道路整備五カ年計画なんかに膨大な予算を盛りまして、また住宅関係におきましても、現在の社会情勢からますます公団住宅をふやしていかなければならぬ。こういう情勢下にあるわけです。従って、この技術要員の獲得ということは、建設省として、きょうの問題でなくして来年、再来年あるいは三カ年後の問題として非常に重要な問題に考えなければならない問題ではないかと思うのです。 そこで、今、山中吾郎君の発言を初めて聞いたのでありますけれども、これは非常に有意義なことである。だから、こそくな手段をとらないで、この建設関係の事業量とにらみ合わせて優秀な要員を確保するのには、やはり早急に建設大学のようなものを設置いたしまして、そして、そこでもって、官費でもって、高校出くらいからぐんぐん養成していくことが焦眉の急務である。こういうことを、私これについて研究したこともありませんけれども、今、山中委員のお話を伺って痛感をしたわけでありますが、ただいま申し上げましたその建設省関係の要員の件についてどんな実態であるか。それから官房長は、これに対して将来どういう要員確保の構想を持って、建設大学を設置しなくても確実に優秀な要員が確保できるかどうか、この点についての感想を承りたいと思います。
○鬼丸政府委員 ただいまお尋ねのように、特に御指摘の大学卒業者の技術者の確保につきましては、できるだけ質のいいものを所要の数だけ確保するように努力をいたしておりますが、来年度大学を卒業する見込みのものの採用につきましては、すでにその方針で内定いたしております。その中で、土木につきましては、大体所期の見込み通り内定いたしました。ただ一部の技術、電気とか機械、そういうものについては、どうもなかなか適格者が得られない状況で、予定通りは採用内定ができておりません。建築につきましてもやや不足がございますが、これは公団等は、建設省で心配するものと公団自身が選考して決定するものとございまして、実は数字的にちょっとここでまとめて申し上げる資料を持っておりませんので御了承いただきたいのですが、それぞれ努力して、まず大学新規卒業者の採用をそういうふうにやっております。お話のように、それから下のこの工業高等学校程度の卒業者につきましては、これは建設省直轄事業につきましては各地方建設局で選考いたして採用いたしております。公団等は、それぞれ公団の責任で採用いたしておりまするが、これは必ずしも十分に確保されてない面もございます。そこで、大学よりもむしろ工業高等学校の卒業生を今後一そう確保に努めるとともに、それを補完する意味におきまして建設研修所等で養成をするということで、非常に大事な事柄になっているわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、現在はいわゆる再教育が大部分の研修の内容になっておりますけれども、来年度以降将来におきましては、ただいま中島先生がちょっとお触れになりましたように、工業高等学校の卒業者等で、採用してからすぐしっかり研修をする新規採用者の研修ということにも重点を置いて参らなければいかぬ。この面につきましては、実は研修所だけでなく、直轄事業をやっている地方建設局と、その事業機関自身におきましてもやってもらうようにいたしたいと思っております。そうしませんと、東京に全部集めて一ぺんにやるということは、膨大な人数にもなりますし、むずかしいのであります。そこで将来は、そういう事業をやっている機関にもそういう研修が完全にできるように、所要の整備をはかって参らなければならぬ、かように考えております。
○中島(巖)委員 私、この質問をするつもりでなかったので研究もしておりませんけれども、いずれにいたしましても、この民間企業と官庁との賃金格差が非常に大きくて、ことに工業学校程度の要員、つまり中堅幹部ですが、現場に出る者が非常に不足しはせぬか、質が低下しはせぬか。この膨大な今後のふえていく予算から考えて、心配いたしておるわけであります。従って今、山中委員の言われたような建設大学というようなものを設置して、優秀な要員を獲得することが三年、五年向こうに対するところの一番の焦眉の急務ではないか。こういうように考えるわけでありますので、一段の御努力をお願いしたいと思うのであります。 次に、経済企画庁長官に質問いたしたいと思ったのでありますが、お見えにならないので、非常に遺憾でありますけれども、ごく簡単に触れて、企画庁からお見えになっているようでありますから、長官の方へ来年度の予算編成の方針に織り込んでいただきたいと思うのです。 実はこの十四日の衆議院の予算委員会において、自民党の愛知揆一君の質問に対しまして、池田総理はこういうことを言っております。これは池田内閣の一枚看板ともいうべき所得倍増論の一端といたしまして、産業の地方分散をせねばいけない、こういうことを言っておる。これは池田内閣が所得倍増論の中で、農村の人口を四割に削減する。そうして農業に従事しておる者が第二次産業、第三次産業の方へ移行していく、こういうことを言われたわけで、これは私、もっともなお説だと思うのです。つまり耕地の非常に狭い日本農業というものは、必ず行き詰まる時期がくるわけであります。従って、農業の保護政策だけで現在の農業人口を維持していくわけにはいかぬ。いつの日か、だれかがこれに手をつけねばならぬ。私どもこういう考えがあるわけでありまして、従って池田さんの言うことは私ども、もっともだと思っている。ところが、問題は、いかに出血なくして第二次産業、第三次産業へ移行できるかという、いわゆる具体案、青写真というものを私どもは見せてもらいたいわけなんです。それを希望いたしておりましたところが、たまたまこの十四日の予算委員会における愛知揆一君の質問に対しまして、ややその片りんが出てきたわけであります。と申しますのは、産業の地方分散ということだけが出てきたわけです。 さて、産業を地方分散するのにはどういうような条件が必要か、これが問題になるわけです。すなわちこの産業を地方分散するその条件というものについて、企画庁長官にお尋ねいたしたい。これが一点と、さらにこれに関連いたしまして、政府は昭和三十三年から始まっておる一兆五カ年の道路整備を本年で御破算いたしまして、すなわち四年度の明年度は新しい道路整備五カ年計画で、新聞で伝えているところによりますと、二兆三千億を投資する、こういうようなお話であります。従いまして、産業の地方分散と道路整備新五カ年二兆三千億、予算関係とは非常な緊密な関連にあるものである。従って、これらの調整を経済企画庁長官、建設大臣は、どんな構想でもってされるか。この点をまずお伺いいたしたかったのであります。 それからいま一つの問題は、先月の一日でありますか、太平洋工業ベルト地帯という構想を例の所得倍増論にちなみまして、経済審議会が打ち出したわけであります。しかし、太平洋工業ベルト地帯におきましては、同じく十四日の愛知揆一君の質問に対しまして、総理はなかなかこれに賛成をしなかった。私もそうあるべきだと思います。もしもこの経済審議会でもって打ち出した太平洋の沿岸における工業ベルト地帯、こういうものに重点を置くとしましたら、総理がこの予算委員会において話されておりますところの農村と工業、あるいは農村と都市、あるいは工業と農業、これらの所得格差を解消することはできない、こういうように考えるのであります。そこで問題になりますのは、この十四日の愛知君の質問に対しまして、総理は、その均衡のある所得倍増を達成しましても、それがはなはだしく不均衡で、片方は十数倍にもなる、片方は依然として所得がふえぬということではいけないから、均衡のある所得倍増をせねばならぬ。それがためには産業の地方分散をせねばならぬ。こういうことを強く打ち出す。そしてただいま経済審議会から答申のあった太平洋沿岸の工業ベルト地帯に対しましても、賛成はできない。こういう意向を漏らされたわけであります。 そこで、今度基本的な問題に入りますけれども、現在の状況は東京だとかその他の大都市がどんどん人口が膨張しまして、非常に急激な膨張をここ三年ばかり、五十何万あるいは百万近くも膨張を東京だけでいたしておるわけでありますが、一方長野県であるとか福島県であるとか青森県であるとかいうような農業地帯、つまり後進県は人口がどんどん減っておる。これをなんとか手を打たねばいけないわけだと思うわけです。これはどうしても、より大きな日本の産業人口というような見地から、経済企画庁あたりが立案いたしまして、そして建設省なんかと相談しまして、そして道路政策もそういうように基本的に持っていく方途を考えねばならぬ、こういうように私は考えるわけであります。それから、世界の大都市関係の人口なんかについて申し上げますと、もう日本の東京は世界でもって一番の人口になっておりまして、八百三十万とか八百四十万とかいう数字になる。ロンドンやニューヨークを凌駕しておるわけであります。 ところが、イギリスなんかは一九三二年ですか、ロンドンに非常に工場が集中して、そして人口が集中する。これを抑制せねばならぬということで、いろいろな法律を出しまして、そしてロンドンから三十キロとか五十キロ、さらにおしまいには百キロ以上離れたところに新しい工場地帯、都市建設をはかって、そして政府出資の公団をこしらえて、これに対して大幅に金を融資いたしまして、ロンドンへ集まる産業人口の分散をはかって、これが非常に成功をいたしておるわけであります。従って、わが国でもそういうような構想を立てねばならぬわけであります。 それについて、これは経済企画庁関係の法案だと思いますけれども、首都圏市街地開発区域整備法という法案も現在出ておるわけなんです。しかし、これらの法案の内容を見ると、千葉とか浦和とか八王子だとか、東京のごく近郊に人口を移すような法案であって、簡単に申し上げますれば、ベッド・タウンとも申すべきものであって、国全体の上から見てそういうような計画が何らないのです。そこで経済企画庁は、この都市人口が集中し、産業が集中し、そして後進県の人口が逆に減っておる、こういうような産業と人との構造を国全体に調和のあるような、いわゆる地域格差をなくするような政策を立案したことがあるか、お考えになったことがあるか。この点、経済企画庁にお尋ねいたしたいと思います。
○曽田説明員 私、経済企画庁の総合開発局長の曽田でございます。ただいまの中島先生からの御質問は、非常に重要な問題でございまして、私がお答えするのはいかがかと思いますけれども、大臣も出席しておりませんので、事務的に若干お答えしたいと思っております。 最も問題になります点は、要するに、経済の高度成長と、それから地域間の格差の是正といいますものが、当面の一番重要な問題だと思っております。特に地域間の所得格差の是正の問題につきましては、要するに生産性の高い産業、これを地方に持っていく。あるいはまた地方の生産性の低い産業を、できるだけより生産性の高い構造にするという二つの問題に帰着するのじゃないかというように考えております。生産性の高い産業を地方に持っていくといいますことは、先生も言われましたような工場の地方分散ということでございます。また、地方にあります低い生産性産業自体の生産性を高めるといいますことは、結局、中小企業あるいは農業、漁業、そういうものの近代化ということが必要であると思っております。従いまして、この二つの政策を統一的に考慮いたしまして、でるきだけ地域間の格差をなくするというのが、われわれといたしまして考えておるところでございます。特に工場の地方分散という問題について申し上げますと、要するに、第一に、企業におきまする経済性あるいは合理性、これは相当に尊重されなければならない。それからもう一つは、逆に過大都市発生の防止という点から見ますと、その企業におきまする経済性、合理性というものが、若干程度が薄くなってくるんじゃないかという問題もございます。こういうふうに、いろいろ企業の合理性あるいは経済性ということの点から考えますと、必ずしもすべての産業につきまして、これをいわゆる各低開発地域に全部分散するということは私は不可能であろうかと考えております。特にいわゆる鉄鋼業とか、あるいは化学工業といいますものは、それ相当の港湾施設なり、あるいは大きな背後地を持っているというような観点から、おのずからその工場の配置の地域は限定されてくるんじゃないか。従いまして、地方に分散するといいましても、それぞれの地域の特殊性に応じまする産業につきまして、そういうものはできるだけ地方に分散するというような考えを持っておるわけでございます。この点につきましては、各関係省と打ち合わせまして、近くわれわれといたしまして策定を予定しております全国総合開発計画におきまして、こういう点を盛って参りたいと思っております。 特に道路との関係でございますが、これも一つにおきましては、産業基盤の整備という問題もございますし、かたがた国民生活の安定という問題、道路の関係につきましては両方の観点から考えらるべきものじゃないか。特に地域間の格差と申し上げましても、要するに、各地域の距離を短縮するというのがねらいでありますし、また、その反面におきまして、道路を整備することによりましていろいろ生活環境を改善整備されていくというような、二つの観点から考えるのが妥当でないかというふうに考えておりますが、これも今後建設省当局と十分お打ち合わせいたしまして、具体的な計画は作成して参りたいというふうに考えております。 一番最後にお尋ねの、具体的な過大都市抑制の問題でございますが、これも非常に重要な問題でございまして、先般の経済審議会におきまして答申されました所得倍増計画の中におきましても、たとえば東京都の過大都市化の問題につきましては、政府機関あるいは大学等の公共機関を他の適地に移転して新首都を造成することの可否を検討すべきである、そういうような答申になっておるわけでございますが、これも非常に重要かついろいろ調査検討すべき問題も山積しておると思います。今後十分各関係省とお打ち合わせの上、検討を続けて参りたいというふうに考えております。
○中島(巖)委員 それで、イギリスのニュー・タウン政策に対しましても、そのまま日本へ持ってこれるものではないし、非常に修正すべきものだと思いますけれども、イギリスにおきましては、一九三二年に、ロンドンへ集中する人口及び産業を抑制せねばならぬ。都市人口の分散政策をとる。そうしてその半面ニュータウン政策を確立いたしまして、一九三二年に地方都市計画法、さらに四六年に例の新都市法、さらに四七年に都市地方計画法、四七年には都市企画法、それから五二年には都市開発法、こういうような一連の立法措置をして、ロンドンから四十キロくらいの周辺に八つの新都市建設計画をして、さらに工業施設会社であるとか、都市開発公社であるとかいうような、いわゆる公団を設置して大幅な財政投融資をしまして、ロンドンに集中するところの産業人口の分散をはかり、そうしてこれが現在着々と功を奏しておる。 従って、わが国でも画期的な方途をとらねばならぬと思うのですが、それはあたかも池田内閣の所得倍増論をここに打ち出して、そうして都市と後進県あるいは農業と工業、経済の二重構造、これらの所得格差やいろいろな矛盾を全国に均霑するようにする。これが所得倍増論の眼目である。こういうように池田さんも十四日にその構想を明らかにしたわけであります。従って問題は、その構想をどういう方法で実現するか、ここにかかってきておるわけであります。これは一に経済企画庁と建設省の双肩にあると思うのです。従って、これらの具体的な問題について、きょうは企画庁長官や建設大臣にお伺いしたり、所見を申し述べたい、こう考えておったわけであります。 そこで、これらの構想に対しましては、イギリス式のニュー・タウン政策ではなくして、やはりこの国会の総意によってきまった例の国土開発縦貫自動車道みたいなものをこしらえる。つまり都市の産業人口を地方へ分散するその第一の条件というものは、短時間に都市と結ぶような交通機関ができれば未開発地はどんどん発展すると思うのです。それの一つの例として、私は長野県でありますけれども、諏訪湖周辺には戦争中にいろいろな精密工業、カメラであるとか写真であるとかいうものが疎開したのです。ところが、あそこは中央線で四時間足らずで東京とつながれるような関係で、これが非常に発達しまして、あの郡は人口わずか九万しかない郡でありましたけれども、現在ははや労働組合員数が三万数千にもなりまして、そして諏訪郡だけではなしに、長野県の他郡からどんどん人を入れていた。ところが、ことしなんかは長野県だけでは充足ができないことになりまして、東北や九州に出張所を設けて人を募集しておる。こういうような状況なのです。従って、工業の発展のできるような立地条件さえ与えれば、結局後進県にも、ただいまの諏訪の例のようなもので、産業がどんどん発展する。従って、産業とか人口の再配分というような見地から国土開発縦貫自動車道のようなものを完成しまして、そして重工業は海岸地帯へ、軽工業とか精密工業だとか紡績工業だとかいうものは高速国道の周辺へというような法律でも策定することによって、池田さんの構想であるところの所得倍増論、しかも格差のない所得倍増論が初めてできるのじゃないか、私はこういうように考えるわけでありまして、非常に結論を急いだわけでありますけれども、よく一つ大臣にもお話し願って、本年度の予算編成のときに幾らかでも前向きの姿勢になっていただきたい、こういうことをお願いするわけであります。 そこで、これは官房長でもけっこうですし、その他各局長さん方でもけっこうでありますけれども、今自民党の理事の諸君からも、二十六日に来年度の予算編成方針などを通常国会の当初にお伺いするという通知が来ましたので、ごく簡単に御質問いたしたいと思います。来年度の予算の大体の建設省関係の規模——これはまだ決定しておらないので、こまかいお話はできぬだろうと思いますけれども、大体建設省案としてはどのような案であるか。それから、さらに来年度に提出予定の大きな法案というものはどんなものを現在考えておるか。この二点について、ごく大ざっぱな数字でいいからお伺いいたしたいと思うのです。
○鬼丸政府委員 突然のお尋ねでございますので、ちょっと資料を持ち合わせておりませんため、ごくかいつまんで申し上げたいと思います。 来年度の建設省で要求いたしております総予算、国費関係では約三千三百億に上っております。これは本年度予算の当初の予算の額に比べまして約一五倍、五割増の要求になっております。このうちで、御承知のように道路関係、道路整備費は最も重要な内容をなしておりまして、予算額で千八百七十億余を占めております。 そのほかに、治水事業は、これは御承知の緊急措置法による五カ年計画——まだ閣議決定にはなりませんが、これも実体は固まっておりますので、これに基づきましてしかも五カ年のうちで初めの方になるべくよけい仕事をしていく、それが治水の効果を上げるゆえんであるから、そういう方針で相当な額を要求いたしております。 それから、住宅関係におきましては、民間を含めて十カ年千万戸を建設するという基本構想のもとに、これも前期五カ年計画を立てまして、これに基づきまして初年度分としての相当額の要求をいたしております。 それからなお、下水道関係、これも五カ年計画の構想をもちまして、本年に比べまして相当大幅の増額要求をいたしております。 そのほかに、事業費ではございませんが、調査関係といたしまして、国土計画、地方計画の関係の調査、あるいは広域都市圏の建設という、さっきお尋ねの趣旨にも沿う問題をもっと打ち込んで調査するという調査費を相当計画すべく要求いたしております。 それから財政投融資でございますが、これは日本道路公団、首都高速道路公団、住宅公団、住宅金融公庫、この四つの機関の所要資金として総額四百六十八億円の要求をいたしております。なおこれらのうち、日本道路公団と首都高速道路公団につきましては、そのほかに八十八億の資金が政府出資になりますので、この分は先ほど申し上げました三千三百億の予算の中に含まれております。ごくかいつまんで申し上げますとそういう状況でございます。 次に、法案の関係でございますが、これはまだいろいろ検討しておる段階でございましてどのくらい出るか、件数もこれから大臣のもとで審議をしてきめてもらうことになりますが、目ぼしいものといたしましては、先般の国会に提出されて廃案になりました市街地改造法案、これはぜひ次の通常国会にさっそく提出させていただきたいと考えております。 そのほかに、新しくは土地収用関係の特別措置法、これはまだこれから公共用地取得制度調査会の結論を待って立案することになりますが、これもできればやはり通常国会に間に合わせたい。そのほか道路につきましては、新道路整備五カ年計画の策定に照応いたしまして、関係法律の改正をお願いするということになります。 それから住宅につきましては、これも先般廃案になりました日本住宅公団法改正案をまた提出させていただくことになると思います。 そのほか建設業法の改正、これも今度は相当大幅な改正を企図しておりますので、準備を急ぎまして提案させていただきたい。 まことに取りとめのないお話でございますが、概要を申し上げました。
○中島(巖)委員 河川局関係は。
○鬼丸政府委員 河川局関係は、水資源の開発に関する水資源開発公団法案を考えております。そのほか補助率等が引き上がりますれば関係の法律をお願いしたいと思っております。二十六日までに大体のところはまとまると思いますが、法案の内容につきましてはまだ十分固まらないかと思います。
○中島(巖)委員 新聞ではたびたび拝見しておるのですが、正式に委員会では今初めてお伺いしたわけです。大体の内容はわれわれも新聞を通じてわかっておるのですが、道路整備五カ年計画が昭和三十三年から始まって、本年度で三カ年終わったところでありまして、そこで来年度より道路整備新五カ年計画も始まる、こういうように承っておる。それに対して二兆三千億の予算であるというようなことも新聞でたびたび拝見しておるのですが、それらの大蔵省との折衝並びに見通しについて、差しつかえない程度で一つお伺いしたいと思う。
○高野説明員 道路整備事業につきましては、昭和三十三年度を起点といたします現行道路整備五カ年計画に基づきまして整備を進めて参ったのでございますが、最近における経済の成長は目ざましいものがございます。これに伴いまして、自動車交通の増加によりまして交通の混雑の行き詰まり状態を来たしているということでございまして、今後さらにこの状態は増大するものと予想されます。そこで、この際新しい構想のもとに、昭和三十六年度を初年度とする新しい道路整備五カ年計画を策定いたしまして、全国的な国道等の幹線網の整備と相待ちまして、地方道につきましても地方幹線道路の整備をはかるとともに、資源の開発、産業の振興等の見地から緊急に整備を要する路線の整備を拡大、促進していきたいというつもりで、ただいま大蔵省当局と折衝中でございます。私どもの整備計画の当初額は、五カ年で二兆三千億という程度の提案をいたしておりますが、目下折衝中でございます。
○中島(巖)委員 そこで、重ねて道路局長にお尋ねしますが、大体今のお話で、新聞なんかに報ぜられていることがほんとうだということがわかったわけであります。実は、昨年末社会党といたしまして党議で決定しまして、例の中央自動車道の件について東海道法案に賛成いたしたときの条件として、東海道国道に下回らないところの予算措置をすることに、大平官房長官を通じて、私と成田政審会長が党を代表して申し込んであったわけであります。それに関連してお伺いするのでありますが、さきの道路整備五カ年計画に対しましては、中央道の小牧—東京間に百二億の予算が計上されておったわけであります。これは、三十三年度を初年度といたしまして、三十七年度までの五カ年計画でありますから、三十六、三十七年の二カ年間に当初計画とすれば百二億の工事費が投ぜられる、こういうことになっておったわけです。さらに予算規模を拡大した道路整備五カ年計画でございますから、より以上の額が投ぜられるのが当然である。こういうように考えられるわけなのですが、毎年調査して、すでに二億近い調査費を数年にわたって投ぜられておるのでありますけれども、これらの基本計画あるいは整備計画、——予定路線の方は通っておりますけれども、基本計画や整備計画の策定はいつごろできる見込みであるか。さらに、ただいまの予算などにつきましてはどういう見通しであるのか。この二点をお伺いいたしたいと思います。
○高野説明員 中央自動車道につきましては、三十四国会で予定路線を作っていただきました。目下基礎調査中でございます。従来中央道につきましては調査をしておりまして、昭和三十四年度までに一億六千万円、三十五年度は三千万円の調査費をもちまして、計画線建設費の推定、交通量等、おもな調査項目につきましてはすでにその内容を御報告しておる通りでございます。なお河川等の調査、また山岳地帯等の気象調査、地質調査等が今後必要でございますので、三十六年度は今年度を上回る調査費を要求しているのでございます。 新しい五カ年計画におきましては、緊急な個所の供用開始を目標に着工したいという希望をもちまして私ども五カ年計画の素案を作っております。従いまして、現行五カ年計画の企画に含まれております東京—小牧間の百二億というものはどういうふうになるかということは、今後十分検討いたしまして、全国的な総合開発計画に沿って計画していくということで措置したいと思っております。
○中島(巖)委員 自民党の理事の諸君からも、二十六日に会議を開いて、その節いろいろと新年度の予算方針説明を聞くからこの程度にしておいたらというお話もありまして、ごもっともでありますので、二十六日に質問を譲ることにいたしまして、これで質問を打ち切ります。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、本日の請願日程全部を議題とし、審査を行ないます。 これらの各請願につきましては、委員各位もすでに文書表等でその内容は御承知と存じますし、先ほどの理事会におきましても慎重に検討をいたしましたので、この際紹介議員よりの説明聴取等は省略し、これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。 本日の請願日程全部につきまして、いずれもその趣旨は適切妥当なものと認め、衆議院規則第百七十八条の規定によりまして、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議ないものと認め、さよう決しました。 なお、以上の各請願に関する報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 —————————————
○加藤委員長 なお、本委員会に参考送付されております陳情書は、お手元に配布してあります通り、全部で二十四件でありますので、この際御報告をいたしておきます。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、閉会中審査に関する件につきましてお諮りいたします。 今国会も明日をもって終了することになりましたが、閉会中におきましても、当委員会の所管事項につきまして引き続き審査を行ないたいと存じます。 つきましては、街燈整備促進法案並びに国土計画、地方計画、都市計画、河川、道路、住宅及び建築に関する件につきまして閉会中審査を行ないたい旨議長に申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時十一分散会 ————◇—————