議院運営委員会図書館運営小委員会 第1号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/12/13
会議録
○鈴木小委員長 これより図書館運営小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 私、このたび図書館運営小委員長に選任されましたが、何分とも図書館の運営に関してはふなれでございますので、よろしくお願いいたします。 皆様御承知の通り、国立国会図書館の運営につきましては、種々懸案の事項がありまして、漸次改善の方向に向かいつつあるのでありますが、今後とも、この適正な運営につきましては、当小委員会といたしまして、さらに努力をいたさなければならないと存ずる次第でございますので、この点につきましても、皆様方の格段の御配意と御協力をお願い申し上げ、簡単でございますが、ごあいさつといたします。(拍手) まず、国立国会図書館法第十一条の規定によりまして、国立国会図書館の昭和三十四年度業務の経過について、報告を聴取し、これを審査することといたします。 まず、副館長から報告を願います。岡部副館長。
○岡部国立国会図書館副館長 私、副館長の岡部でございます。 国立国会図書館は、まず第一に、国会議員の国政審議のためにお役に立つように全機能を上げる覚悟でございますので、何とぞ御指導、御支援をお願いいたします。 昭和三十四年度の国立国会図書館の経過に関する報告を申し上げます。 国立国会図書館法第十一条の規定に基づき、昭和二十四年四月から昭和三十五年三月に至る昭和三十四年度の国立国会図書館の業務につき、経過の御報告をいたします。 お手元に、この年度の業務経過の資料を差し上げておきましたが、そのうちのおもなものについて、以下御報告申し上げます。一、概況 昭和三十四年六月一日付で、国会に奉仕する国会図書館としての機能と国の中央図書館としての機能を調和させ、かつこれを発展させるため、全面的な組織の改正を行ないました。 おもな改正点は、次の通りであります。 (1) 国会に対する調査及び立法レファレンスの奉仕の能率を向上させ、真に国会議員の手足となることができるよう、調査及び立法考査局の機構を整備充実いたしました。 (2) 選書制度を確立し、権威あり、かつ計画性のある収書を行なうため、収書部を独立させました。 (3) 一般考査部という、国民に近寄りにくい名称を閲覧部と改め、一般公衆に対する閲覧やレファレンスサービスの内容を整備いたしました。 (4) 国の中央図書館として、海外図書館との提携を強化し、また、国内の公共図書館、専門図書館等に対する連携、援助の業務を積極化するため、新たに連絡部を設け、任務の明確化をはかりました。 (5) 図書館員が、教養の点においても、図書館技術の点においても、絶えず向上と研磨を怠らないよう、インサービス・トレーニングにも特に意を配りました。 その結果、昭和三十五年三月三十一日現在の組織は、行政及び司法各部門の三十九支部図書館を除き、総務部、調査及び立法考査局、収書部、整理部、閲覧部、連絡部、建築部、国会分館、支部上野図書館、支部静嘉堂文庫、支部東洋文庫及び支部大倉山文化科学図書館の一局、六部、一分館、四支部図書館となりました。 おもな人事としては、五月二日付で館長金森徳次郎氏が退職いたしました。また、六月一日の組織改正と同時に、一連の人事異動を行ないました。二、国会に対する奉仕 国会に対する奉仕は、主として調査及び立法考査局及び国会分館が担当しております。 調査及び立法考査局においては、全館的な組織改正の一環として局の組織にも若干の改正を加え、調査業務の合理化と能率的運営に意を用い、レファレンス回答及び調査成果の刊行配布を中心に、前年度に引き続いて活発な国会サービスを行ないました。依頼を受けたレファレンス件数は二千百六件で、昭和三十四年度は特に立法奉仕体制の充実、文書事務の迅速化等、レファレンス回答の改善に努めました。また、刊行した調査資料は二十四種、六万七千八百四十八部に上り、国会での当面の問題にマッチさせるよう、企画の調整に努力いたしました。 さらに、議会制度七十年史編さん事業についても、前年度に引き続き、調査及び立法考査局において、専門調査員を初め局の総力をあげて、第二編議会史のうち、帝国議会史の執筆を進め、本年度末からは最終的調整の段階に入っております。これは現在すでに脱稿して、印刷に着手しております。 国会分館においても、前年度に引き続き議員閲覧室の設備の改善をはかるとともに、閲覧及びレファレンス業務については、閲覧部、調査及び立法考査局、支部上野図書館等との緊密な連携のもとに、館をあげて国会サービスの改善強化に努めました。三、行政及び司法各部門に対する奉仕 行政及び司法の各部門に設置されている支部図書館は、前年度と同じく二十九館であり、これら支部図書館の大部分は創立以来すでに十一カ年を経過し、漸次所属省庁の所管分野における専門調査図書館としての実を備えるに至っております。昭和三十四年度における全支部図書館の増加図書数は九万五千二百四十四冊、整理図書数は十一万三千二十七冊、閲覧人員二十一万六千二百五十二人、閲覧図書数八十四万八千三百三十冊、レファレンス処理件数は九万七千二百十九件となっております。 中央館においては、従来の支部図書館部を連絡部に改組し、支部図書館の運営に対する協力は中央館の全機能組織をあげて行なう体制に改めますとともに、支部図書館職員に対する実務研修、総合目録の編さん刊行等により、連携の強化と図書館サービスの充実に努力いたしました。四、公衆及び他の図書館に対する奉仕 国の中央図書館としての使命達成のため、閲覧部及び連絡部を中心として、全国の公共図書館、大学図書館、専門図書館、地方議会図書室、調査・研究機関等との連携協力の強化を初め、海外の図書館との提携をはかり、懇談会の開催、研修、各種文献目録及び印刷カードの作成頒布、図書館資料の写真複製等を行ない、全国各図書館及び公衆に対するサービスの向上に努めて参りました。 また、科学技術関係資料の収集整備についても、前年度に引き続き、全国十カ所に設置されているPBリポート・センターへの資料の増強をはかりますとともに、本年度から、当館がその寄贈図書館(デポジットリー・ライブラリー)に指定ざれた国際原子力機関及びランド研究開発公団の資料を一般に公開し、科学技術振興の要請にこたえるよう努力いたしました。 中央館における昭和三十四年度中の閲覧者数は十五万七千三百四十六人、閲覧図書数は二十三万五千三百七十三冊、レファレンス処理件数は二万四千七百九十五件であり、また、全国各図書館及び調査・研究機関に対する図書の貸し出しは、四千六百七十機関あて八千八百三十一冊であります。五、図書館資料の国際交換業務 国際交換業務は、当館の組織改正により、従来の国際業務部にかわって、新設の連絡部国際課がこれを担当し、前年度に引き続いて、諸外国との資料交換を活発に行ないました。 当館は、国の中央図書館として、諸外国の政府出版物を集中的に収集するよう努力しておりますが、昭和三十四年度は、従来の七カ国に加えて、新たにドイツ連邦共和国と政府出版物の包括的交換のための協定を締結し、また、国際連合及びその専門機関に次いで、新たに国際原子力機関及びランド研究開発公団の調査資料も当館に寄贈されることとなりました。さらに、政府出版物の選択的交換は、現在、五十余カ国、二百六十機関との間に行なっております。また、民間出版物の交換も引き続き行なわれており、特に昭和三十四年度は、オーストラリア連邦国立図書館との間に非政府出版物の交換協定が成立いたしました。 内外の学術、調査機関の行なう学術出版物交換のための受託発送業務については、昭和三十四年度中に、国内の約二百五十機関からの依頼に応じて海外十三カ国に四万八千八百二十一包を発送し、海外からは、二万七千八百四十二包の交換資料を受理し、国内約千五百機関に配送いたしました。六、図書館資料の収集及び整理 図書館資料の収集業務は、当館の組織改正により、従来の国際業務部及び受入整理部にかわって、新設の収書部で担当させることとし、収書業務を一元化いたしました。また、当館の蔵書の充実とその構成の適正化をはかるため、新たに国立国会図書館蔵書構成審議会を設けるとともに、選書員制度にも改善を加え、納本、購入、寄贈及び国際交換による計画的な収書の新たな体制を整えました。 昭和三十四年度中に中央館で収集した図書館資料は、次の通りであります。 図書 六万六千七百三十二冊 特殊資料 六千七百四十五点 マイクロフィルム 一千二百七十六リール 昭和三十四年度末現在の所管図書数は、次の通りであります。(1) 図書 中央館 百三十六万二千四百九十四冊 支部上野図書館 九十五万八千二百七十二冊 支部静嘉堂文庫 十九万五千百四十七冊 支部東洋文庫 四十九万二千五百七十八冊 支部大倉山文化科学図書館 十二万三百七十六冊 行政・司法支部図書館 二百十二万七千三百五十八冊 計 五百二十五万六千二百二十五冊(2) 逐次刊行物(雑誌、新聞通信類) 総備付数 一万六千五百二十種(3) 特殊資料 四万八千五百八十一点(4) マイクロフィルムその他 マイクロフィルム 一万一千三百十三リール マイクロプリント 三万一千七十枚七、新庁舎の建築 本年度の新庁舎工事は、前年度の第六回建築工事に引き続き、主体構造の完成を目途として実施工事設計を作成いたしましたが、諸般の事由によって、年度内完了予定の工事はいずれも次年度にまたがることとなり、大蔵省に対して翌年度にわたる債務負担行為の承認を受けざるを得ないこととなりました。従って、予定工事は相当おくれましたが、昭和三十六年十月の新庁舎開館という方針を貫徹するため、全工事のスピードアップを行ない、その目標に向かって関係者の努力を促している次第であります。 以上、昭和三十四年度における国立国会図書館の業務の経過に関する主要な事柄につき御報告いたしました。何とぞよろしく御審査をお願いいたします。
○鈴木小委員長 ただいまの報告に対し何か御質疑はありませんか。 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○鈴木小委員長 それでは、ただいまの副館長の報告を了承することとし、この結果を適当の日の議院運営委員会に報告し、国立国会図書館法第十一条の規定によりまして、本会議において報告するよう取り計らいたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。 —————————————
○鈴木小委員長 次に、昭和三十六年度国立国会図書館予算概算要求の件について御協議を願いたいと思います。まず、図書館側から説明を願います。岡部副館長。
○岡部国立国会図書館副館長 それでは、昭和三十六年度予算概算要求の概要について御説明申し上げます。これは大蔵省に概算要求提出前に御説明申し上げるのがほんとうの筋でございますが、ことしはすでに提出いたしておりますので、内容につきまして御説明申し上げまして、その実現方につきまして特に御配慮をわずらわしたいと存ずる次第でございます。 昭和三十六年度は、国立国会図書館新営計画一万五千坪のうち、第一期計画八千坪が一応完成し、国立国会図書館法に明示されております通り、国会並びに行政・司法の各部及び全日本国民に対して、本格的な図書館奉仕を提供する体制が確立される最も重大な年度であります。従いまして、昭和三十六年度の概算要求の編成にあたりましても、十分この点に留意し、慎重に編成いたしました。 概算要求大綱の御説明の前に、当館において考えております移転後の国立国会図書館の運営の方針につきまして、概略御説明を申し上げます。 まず、新庁舎八千坪の建築工事は、三十六年の七月中旬に、外部の雑工事の一部を残して完成し、建設省より引き渡しを受けることになっております。従いまして、移転は八月一日から開始し、約二カ月半をもって移転を完了する予定であります。新館の開館は、昭和三十六年の十月下旬を目下のところ予定いたしております。 次に、新館の規模につきまして御説明申し上げます。 第一は、蔵書でありますが、これは現在赤坂中央館にあります図書と三宅坂分室にあります図書、合計約百万冊と、支部上野図書館の蔵書のうち約九十二万冊、総計約百九十二万冊を収蔵いたします。 第二は、閲覧室の関係であります。閲覧室は次の十三室に分かれて設置いたすことにしております。 イ 議員閲覧室 十八席 ロ 社会科学室 二百五十八席 ハ 科学技術室 百八十四席 ニ 人文科学室 二百七十八席 ホ 新聞雑誌室 百四十六席 ヘ 一般参考室 四十六席 ト 法令議会資料室 二十四席 チ 幣原平和文庫 五席 リ 国連官庁資料室 十八席 ヌ 貴重書憲政資料室 九席 ル 図書館学研究室 十席 オ 地図室 五席 ワ 音楽室 十席 閲覧席数としましては、総計千十一席となっております。このほか、国会議員専用の研究室約六十席を最上階に設け、特に、三十二席分は個室となっております。 この閲覧室を完全に運営いたしますため、新館においては、利用者の便のため、常時出納、夜間開館、日曜開館の制度を確立いたすことになっております。 以上が移転後における国立国会図書館の概要であります。 さらに一つの問題は、国立国会図書館法第二十二条の規定に基づく支部上野図書館の処置についてでありますが、この件につき、図書館側といたしましては、かねてから最善の処置につき研究を進めておりますとともに、一方、国会側に対しても、つとにこの処置についての決定をお願いいたしてありましたが、諸般の事情でただいまに至るまで最後的決定をいただくに至っておりません。従いまして、三十六年度においては、当館としては次のように考えております。 支部上野図書館は、来年七月一日に休館をいたしまして、前述の通り、約九十二万冊の図書を新館に移動いたします。この九十二万冊は、上野図書館が昭和二十四年四月に国立国会図書館の支部となりました際に収蔵しておりました図書の大部分でありまして、その後現在まで収集いたしました図書につきましては、本館に所蔵のものと重複しております関係上、そのまま上野図書館に残置いたす方針であります。換言すれば、国立図書館としての上野図書館が収蔵したものは、新しい国立図書館である国立国会図書館が当然継承しているわけであります。 この措置をとった後の支部上野図書館の取り扱いについては、かねて事務的に検討いたしました結果、とりあえずの措置として、三十六年度においては本館が引き続きこれを支部図書館として管理し、経営にあたる予定であります。すなわち、残置図書約八万冊を基礎として、なるべく少数の館員をもって簡易な経営を行ない、学生その他の便宜をはかり、もって国会の処理方針の決定を待ちたいと存じている次第であります。 以上のような諸点につき御了承をいただき、以下、昭和三十六年度概算要求の概要につき御説明を申し上げます。 昭和三十六年度概算要求の重点は、一、新庁舎の完成に伴う維持管理経費、移転関係の諸経費及び備品類の整備経費 二、国立国会図書館として、国会、行政・司法の各機関及び全国民に対し本格的な奉仕を提供するに必要な経費、蔵書構成の充実、レファレンス業務の強化、諸目録書誌類の編さん刊行に必要な経費とそれらに必要な人員の確保 三、時代の要求に即応すべく科学技術関係資料の整備充実に要する経費 四、常勤職員の定員化であります。 これに基づいて編成されました国立国会図書館の昭和三十六年度概算要求総額は、十二億三千八百十万二千円でございます。三十五年度予算額は十億九千八百二十三万二千円であります。これを事項別に区分いたしますと、国立国会図書館の管理運営に必要な経費十億六千百八十万八千円、国立国会図書館の新営に必要な経費一億七千六百二十九万四千円となっております。 次に、重点事項の経費について御説明申し上げます。 重点項目の第一の、新庁舎の完成に伴う維持管理の経費は、五千五十九万一千円でありますが、従来の赤坂、三宅坂、上野の建物とは異なり、新しい施設も多いことでありますので、この積算は慎重にいたしました。次に、移転関係の諸経費のうち、そのおもなものは、図書約百九十二万冊の運搬に要する経費三千九万一千円であります。精密に分類整理された図書の運搬でありますので、普通事務庁舎の移転と異なるのは申すまでもありません。これに関連して、輸送準備等のための臨時職員の雇い上げ費、荷造材料費等六百八十三万三千円を加え、移転の直接経費は合計三千六百九十二万四千円となります。次に、備品類の整備に要する経費は一億一千九百二万五千円であります。この経費のおもなものは、十三の閲覧室及び議員研究室に備えつけます備品を新調いたす経費であります。 重点項目の第二は、本格的な図書館奉仕に必要な経費であります。そのおもなものは、図書購入費六千六百九十三万円であります。従来は、何分書庫の狭隘によって、蔵書の十分な充実を見ることができず、今日に至ったのでありますが、特に外国図書の弱体が痛感されますので、三十六年度からは、わが国唯一の国立図書館として外国の一流中央図書館に比肩し得る蔵書構成を持ちたいと考えております。なお、このうちには、国会からの要望に基づき、近来急速にクローズアップされました中近東、アフリカ関係の資料を整備する経費としまして一千四百万円、また、浜田徳海氏旧蔵の敦煌文書の購入費一千万円が含まれております。 また、製本も図書館の経営にはゆるがせにできない業務でありますので、毎年恒常的な製本約四万四千冊と、過去の製本を要する雑誌新聞類の滞貨約十五万七千冊のうち約二万七千冊の処理、上野図書館所蔵の貴重本の製本を含めて、二千四百万三千円を計上いたしてあります。 このほか、レファレンスに必要な各種目録、書誌類の刊行、印刷カードの普及頒布、複写サービスの強化等、国の中央図書館として当然なすべき事業予算については、実情を考慮して多少増額要求がしてあります。 これら本格的図書館事業の遂行に必要な人員として九十二名の新規人員の増員を要求してあります。これに要する人件費は、三千二百六万七千円であります。 重点項目の第三は、科学技術関係資料の整備拡充に必要な経費二億五千二百三万九千円であります。この点につきましては、図書館としては、両議院議院運営委員会、科学技術振興特別委員会の御指示により、毎年この充実に努力してきたものであります。この経費は、昭和三十五年度に引き続き、三十六年度より三カ年計画によりその充実を期そうとするものであります。この中核をなす資料購入費は、一億五千八万一千円でありまして、昭和三十六年度の収集方針は、従来の生産技術関係の資料に加えて、基礎科学関係の資料もあわせて、重点的、計画的に収集したいと考えております。このほか、海外の科学技術関係の図書館等の実情調査のための外国旅費五百七十二万九千円、及び資料の収集、整理、製本、保管、閲覧、レファレンス等に要する事務費三千八百九十三万三千円、右に要する人員百六十三名の人件費五千七百二十九万六千円であります。 重点項目の第四は、常勤職員の定員化でありまして、現在八十六名の全員定員化を要求いたします。 以上が、昭和三十六年度概算要求の大綱であります。 このほか、国立国会図書館の予算とは直接関係がございませんが、国立国会図書館の組織の一部であります行政・司法各部門に置かれてあります支部図書館三十館の予算の増額についても格別の御配慮をいただけますようお願いいたします。 以上をもちまして、簡単でございますが、明年度の予算概算要求の御説明を終わらせていただきます。
○鈴木小委員長 ただいまの説明に対し、何か御質疑はありませんか。
○飯塚小委員 今の四ページから五ページにわたっての上野図書館の図書、あれは、上野図書館を残置するために、特に同様なものをあそこに備えつけて置くという考えからでございますか、それとも、偶然一致したことでございますか。
○岡部国立国会図書館副館長 これは昭和二十四年にあそこが支部になりましてから、上野図書館を支部として経営いたしますためには、あそこに新刊本を置かなければならぬ、中央館には納本として一部入りますが、新しいものを向こうに備えつけますために、ここで購入して備えつけたのでございます。
○有馬(輝)小委員 一点御質問いたしますが、新規に人員の要求は九十二名なされておるわけでありますが、これは定員関係がどうなっておるのか。それから十三ページの、常勤職員の定員化を要求しておられるのでありますが、八十六名の方々の学歴、経験年数、大体のところでけっこうでございますけれども、その点についてお伺いしたいと存じます。
○岡部国立国会図書館副館長 有馬委員にお答え申し上げます。国立国会図書館の総定員は、現在六百三十九名でございます。そのほかに八十六名の常勤職員がいるわけでございまして、この常勤職員は、昭和三十一年度中に採用されたものが数名残っておりますが、大部分は昭和三十二年以降に採用されたものでございます。従いまして、長いものは、すでに三年の勤務年数を重ねております。それから教育程度におきましては、大体高等学校、大学卒業生でございまして、図書館の臨時の仕事と申しますよりは、定員不足のためにやむを得ずこういう仕事をしておりますので、これは図書館の恒久的な仕事を全部やっております。
○有馬(輝)小委員 それから、九十二名ですね、これは六百三十九名の定員を九十二名ふやすというわけですか。
○岡部国立国会図書館副館長 さようでございます。
○有馬(輝)小委員 そうしますと、各省においては、新規採用で、しかも国家公務員試験に合格した者を本定員としてすぐ採るというようなことをやっておるようですが、そういった九十二名の内容については、どういう点を考えておられますか。
○岡部国立国会図書館副館長 おそれ入りますが、お手元にございます数字の方の、「国立国会図書館昭和三十六年度予算概算要求概要」の六ページをごらんいただきますれば、昭和三十六年度人員増加要求表がございまして、それぞれ各部局の仕事を調べまして、主査、副主査、係長、一般職員の要求をしてございます。これは九十二名に科学技術関係百六十三名を加えた数字で表わしてございます。
○有馬(輝)小委員 僕の質問は、新たに九十二名を要するというのでしょう、そうすると、この要求人員の、たとえば課長は新たに二名を要する、こういうことですか。
○岡部国立国会図書館副館長 さようでございます。
○有馬(輝)小委員 そうすると、その合計は幾らですか。
○岡部国立国会図書館副館長 合計が二百十六人になるわけでございます。
○有馬(輝)小委員 それと九十二名との関連は。
○岡部国立国会図書館副館長 九十二名が一般の増加要求でございまして、百六十三名が科学技術関係の要求でございます。
○飯塚小委員 それと関連して、九十二名を要求している分と、あとの常勤八十六名ですか、それはどういう関係でございますか。
○岡部国立国会図書館副館長 入っておりません。それはその外でございます。常勤は現在の担当のものと考えております。資格を上げるだけでございます。
○飯塚小委員 資格を上げるということになると、資格を上げたものと新たに採用したものを加えると、結論においては百七十人名ということになるのですね。
○岡部国立国会図書館副館長 さようでございます。
○有馬(輝)小委員 重ねて、常勤職員の定員化の問題でありますが、古い人で昭和三十一年の方が数名あるということでございますが、率直に申し上げまして、ほかの各省庁にはもっと古い人がいるんじゃないかという気がするわけです。その中でその八十六名の全員定員化を進めるについて、特に強調すべき点その他がありましたら、この際お聞かせおきを願いたい。
○岡部国立国会図書館副館長 有馬委員からのまことにありがたいお尋ねでございます。現在常勤職員が八十六名ございますが、これは、ここ一、二年前までは百数十名いたわけでございますが、当委員会の非常な御配慮によりまして、逐次その定員化が進められまして、やっと八十六名まで減ったわけでございます。これを今の勢いで、本年度の予算の際に、定員化につきまして格段の御尽力をお願いしたいと存じますが、これは、ただいま有馬委員からの仰せの通り、図書館だけの問題でございませんで、各省庁を通じまして、定員算定の不合理のために、約二万六千の常勤職員が存在しておりまして、これの定員化ということで、政府全体を通じ、立法、司法、行政各部を通じまして、人事管理上の大きな問題になっておりますので、これの根本的な解決は決して図書館だけの問題でなしに、行政、司法・立法各部を通じて根本的に解決する、その一環として図書館も解決していきたい、こう考えております。
○阪上小委員 定数化を要するのは二方六千、本年政府から出てくるのは、大体七千ぐらいでしょう。これは消化できないでしょうね。
○岡部国立国会図書館副館長 今までは、大体定員法が出ましてから、それの国会における修正によりまして過去二、三年間ずっとやって参ったわけでございます。一昨年が二万八千名、昨年が一万八千名、定員法の修正によりまして直してきたように記憶しております。
○阪上小委員 見通しはどうなんですか。折衝が始まっているのですか。
○岡部国立国会図書館副館長 これは非常に重大な問題でございまして、有馬先生にも十分御関心を持ちお骨折りをいただいた問題でありまして、かつては六万あったのがここまで減ってきましたので、これの解決はもう一息だと思っております。これは各省とも今力を合わせてとの解決に努力しておられるようでございます。
○阪上小委員 あなたは人事院で担当しておられてよく御存じなんですが、何か特異の点を強調しなければ、八十六名というものは、古い方からという基準になってしまうと、置き去りにされるおそれがある。私は、この際知恵を貸しておいていただければ、機会があった際にそういう点を強調するということで、これは与党の方々とも一致して努力いたしたいと思います。
○岡部国立国会図書館副館長 何が基準になるかと申しますと、結局、その機関の恒久的な仕事に従事する本来の定員が不足だから、こういう臨時の職員でやっておるのだというよりほかないと思います。ただ臨時の職員が古いからということは、基準にならないと思います。そういう意味におきまして、これらの八十六名が図書館運営に欠くべからざる職員だ、これこれの仕事をしておるのだということを、あとから資料として差し上げたいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。
○阪上小委員 国会図書館としての特異性というものは出てこないのですね。
○岡部国立国会図書館副館長 出てこないのです。たとえば図書の整理をやっておるとか、出納事務をやっておるとか、カードを書いておるとかいう方々は、全く構成分子になっております。臨時の仕事ではないということは明らかでございます。
○有馬(輝)小委員 よその省でもやはり同じようなことになりますので、必要欠くべからざる関係でやむを得ずこのようにやっておるということになると特に強調しなければならない面は、一つ知恵をしぼっていただいて……。
○飯塚小委員 今の定員法に対する考えを改めなければならぬ。特に郵政関係などは非常に強く要求しておるようですが、今の八十六名の前は幾らでしたか。
○岡部国立国会図書館副館長 百三十七名だったと思います。
○大野(市)小委員 今の定員化の問題に合うかどうかわかりませんが、図書の引き出しに対して聞き合わせをした場合に、即答ができるということは非常な特技になると思うのです。そういうことは、いわば窓口なのですが、常勤職員はそういうところにもおられるのではないでしょうか。
○岡部国立国会図書館副館長 さようでございます。
○大野(市)小委員 それらは私は非常な特技だと思いますが、それらもあったら、有力な足がかりになると思います。
○岡部国立国会図書館副館長 まことにありがとうございました。常勤職員の配置とそれぞれの仕事につきましての資料がございますから、さっそくお手元に差し上げるようにいたします。よろしくお願いいたします。
○飯塚小委員 余談になるけれども、今大野さんの言われたようなことも一方法だと思います。私は与謝野さんの詩集を探してもらったが、この図書館だったからこそ、蔵書の中から探してくれたので、非常に感謝しております。
○大野(市)小委員 十ページの「敦煌文書」というのはどんなものですか。
○岡部国立国会図書館副館長 最古の仏教の原典でございます。敦煌の石窟からスタインが発掘した敦煌文書というものは、今存在する仏典としては最高の権威のもので、これはロンドンのブリティッシュ・ミュージアムの図書館とか、フランスの図書館に入っております。もちろん北京の図書館にもございますが、それを、浜田徳海さんという方が中国に長く大蔵省の役人として在勤しておられた関係で数十点お持ちで、そのままなくなられた。これをそのままにしておきますと、海外に流出するおそれがありますので、これを国会図書館として収蔵することが、日本の仏教その他東洋学研究のために欠くべからざる資料ではないかということを専門家がサゼストしてくれますので、全部ですと相当巨額になりますので一度には買えないと思いますが、約半分くらいの分量の予算を計上いたしました。
○大野(市)小委員 もう一つ、三十六年度予算になりますが、今の上野の支部が十月にあいてしまう、残部は残っても、上野図書館は学生が非常に利用して特色のある図書館になっておるのです。ですから、予算措置の上でもそういう意味の残部八万部を残しただけで、その他の予算措置が今回要求してないと、とたんに困りはしませんか。
○岡部国立国会図書館副館長 上野図書館は、御承知の通り、国立国会図書館法の第二十二条によりまして、なるべく早く東京都に移管するようにと、法律できまっております。それで、新館ができますれば、今の体制のままですと、やがては東京都に移管するということが考えられるのですが、しかし、今大野先生がおっしゃる通り、あそこは長い間の伝統もありますし、わが国に図書館が足りませんので、学生が長い行列を作って待っておるような状態でございますので、あれは図書館としてなるべく使いたいと思います。明年は新刊本を主として、図書館の利用の多いのは新刊本ですから、八万冊ばかりで十分でございます。ことに学生には参考図書、字引類を十分備えつけておけば間に合いますから、そういうものを置いて、主として学生を対象とする、簡易な公共図書館的な性格を与えておきます。むずかしい研究書はこちらの方に来ていただけばよろしいわけであります。従って、学生相手ですから、館員も割合少なくて済みますので、少数の館員を向こうに置いて、大部分は本館に引き揚げるということでございます。
○大野(市)小委員 今の、東京都に引き継ぐという企画であるとすると、なおさら過渡的なものになってしまうわけだが、東京都との話し合いは何か進んでおるのですか。
○岡部国立国会図書館副館長 東京都にも話しておりますが、今それについてお手元に「上野図書館の取扱いについて」という資料を差し上げてございますから、これを読みながら御説明申し上げます。国立国会図書館の新館の建築が進捗し、昭和三十六年度から新館に移転することが予定されるに従って、支部上野図書館をいかに取扱うべきかをあらためて慎重に検討する必要に迫られてきた。支部上野図書館は、国立国会図書館が昭和二十三年に設置されてから今日に至るまでその支部図書館として赤坂の本館と統一的に管理運営されてきたのであるが、国立国会図書館法第二十二条の規定によれば、上野図書館は「できる限り速かに、東京都に移管し、移管前に制定される法律及び諸規定に従って運用される。」こととなっている。この規定は、もともとアメリカ図書館使節団の勧告に基づいて設けられたものであって、東京都その他関係方面と十分打ち合わせの上で定められたものでないから、その趣旨は必ずしも明らかでないので、この際過去十余年の経験と現状とを検討してあらためて本条の取り扱いをきめるのが適当であると考える。今日、国立国会図書館の使命から見て支部上野図書館がその中で果している役割を考えると、現在上野図書館に収蔵されている資料は、国家が八十余年の歳月をかけて明治・大正・昭和の三代にわたり収集した貴重な国家的文化財であるとともに、その時代の研究調査のためには欠くことのできない国家的コレクションであり、国の中央図書館が当然保存すべき重要な資料である。従って現在上野図書館の収蔵する資料約百万冊のうち、本館との重複図書を除く約八十万冊は新館へ移転しさらに整備充実するととが当然であり、新館の設計もこの計画に従って行なわれている。新館の建築は、上野図書館に比し蔵書の保管利用の点から見てもはるかに近代的な完備した施設を有しており、これら資料を現在上野図書館に勤務する職員とともに移転することによって、よりすぐれた図書館サービスを行ない得ることになるでございましょう。ただ、右の措置がとられた場合、前述の国立国会図書館法第二十二条を実施するとすれば、現在上野図書館の保管する本館との重複図書約二十万冊——これは二十万冊と書いてありますが、その後の調査によりまして約八万冊に減りまして、重複図書八万冊を建物とともに東京都へ移管することとなります。しかしながら、(一)現在各省庁にある国立国会図書館支部図書館の書庫が狭隘で、その円滑な活動にすら支障を来たす状況にあり、これら書庫面積を急速に拡充する必要があること、(二)内外の図書館界が強く要望する重複図書交換センターの設置も早急に実現する必要に迫られ、そのための書庫の確保が必要であること、(三)立法府及び行政・司法各省庁の公文書を一括保存する公文書館設置の世論も次第に活発となりつつあること、(四)図書館施設の貧困な現下の諸事情から見て上野の施設に新館の補完的役割を持たせ国の文化施設の一環として運用する必要があること等の事情を考え合わせると、上野図書館を東京都へ移管することは、大局的に見て必ずしも適切な措置とは思われませんので、この際むしろ国立国会図書館法第二十二条を削除し、これを国の施設として活用の途を講ずることが適当ではないかと考えられる次第でございます。以上の趣旨でございまして、国立国会図書館法二十二条を読んでみますと、「上野公園の国立図書館は、昭和二十四年四月一日までに、国立国会図書館の支部図書館となり、特に東京都民の用に供するよう有効に運用される。この図書館はできる限り速かに、東京都に移管し、移管前に制定される法律及び諸規程に従って運用される。」こういう条文でございます。要するに、国立国会図書館の新館が完成すれば——その当時、日比谷も焼けて、東京の公立図書館がないのだから、あれを東京都に移管して、東京都民のための公共図書館にしたらいいだろうというのが、アメリカの視察団の勧告でございまして、その勧告をそっくりそのまま法文にしたのがこの二十二条でございます。その後、東京都との間に十分な打ち合わせがございませんで、東京都も日比谷図書館をすみやかに復興いたしましたので、あれを中心として図書館運営をしておるような次第でございます。それで、この二十二条の解釈につきましてはいろいろ問題がありますが、これを実施いたしますためには、いずれ法律を制定しなければなりませんので、どうしても国会に御方針を決定していただかなければならぬということになっておる次第でございます。
○有馬(輝)小委員 この法律の実施は二十四年七月一日ですか。
○岡部国立国会図書館副館長 二十三年の六月一日から開館したはずでございますから……。
○有馬(輝)小委員 その点は、立法の趣旨をそう簡単に曲げても問題があろうかと思いますので、慎重に検討する機会を持っていただくようにしていただきたいと思います。
○飯塚小委員 それは、日比谷の図書館がすみやかに復旧できるものでないという前提のもとにこういう法律を作ったのでございますか。
○岡部国立国会図書館副館長 視察団のタラップ、ブラウンという二人の図書館の専門家が二十二年に来まして、上野の図書館を見まして、これは国の中央図書館としてはひど過ぎるから、どうしても日本の文化の中心としての国立図書館を設けて、それも文部省の所管にしておいたのでは発展しないから、国権の最高機関としての国会のもとに置いて大いに発展させよう、そうして、国立図書館が二つあってはかえって弊害があるから、国立図書館は一つでなければならぬ、そうすると、上野図書館は、古いけれども、さしあたって役に立つし、日比谷の図書館も焼けておるから、早く東京都にやったらいいだろう、こういう趣旨だったように思います。
○大野(市)小委員 同じような問題でありますが、今の赤坂の移転後の問題も予算と関係が出てくると思いますが、それはどんなふうに事務の方では考えておりますか。
○岡部国立国会図書館副館長 私どもが移転いたしましたあとの赤坂の処置につきましては、内閣及び国会——最終的には国会でおきめいただくことになると存じますが、その旨を事務当局にも連絡をしてございますけれども、さしあたり三十六年度中におきめいただきまして、三十七年度においてそれぞれ処置を講ずればよろしいのではなかろうかと考えております。
○阪上小委員 先ほどの敦煌文書ですが、学者の中で言われております価格はどのくらいですか。
○岡部国立国会図書館副館長 その価格の問題でございますが、それは専門家に鑑定させなければなりません。さらに、にせものが多いですから、それが本物でなければなりません。まず、本物か、にせものかということを十分専門家に鑑定してもらわなければなりませんし、それから、本物とすれば、その価格でございますが、現在ありますのが、私どもの承知しておるのでは、合わせてたしか百二十点、その総額を専門家は二千四百万円と鑑定しております。
○阪上小委員 こういった古文書とか古典の購入については、私はよくわからないのでお聞きしておきますが、何か委員会のようなものがあるのでしょうか。
○岡部国立国会図書館副館長 館内には現在のところ委員会は特別ございませんが、いろいろ古書の専門家がいるものですから、その古書の専門家に鑑定を依頼して買っておるようでございます。それも慎重な手続をとらなければならぬと考えております。
○大野(市)小委員 それから、今せっかくこれだけの国家の機関として図書館ができておりますが、国会初め一般の国民に対して、図書館の存在の問題があるのですが、そのもののPR、そういう点については、今度の雑費予算に入ると思いますが、そういう企画が盛り込んでありますか。
○岡部国立国会図書館副館長 国会の図書館でありますとともに、国民全体の図書館でありますから、国民全体のための図書館としてのPRの費用につきましては、連絡部の仕事、総務部の仕事といたしまして、それぞれ事務費を計上してございます。
○飯塚小委員 これは別段、学生だから、一般市民だから、国会議員だからという差別待遇みたいなことはないでしょうね。
○岡部国立国会図書館副館長 差別待遇はありません。国立国会図書館は三重の性格を持っておりますが、まず第一に、国会議員の国政審議に奉仕しなければならぬということが法律に書いてございます。第二には、各省庁の図書館を支部図書館として傘下に置いて、技術的な援助を与えて、各省庁の行政の役に立てなければならない。第三には、民間の図書館の技術的な中心になってこれを指導する、国民全体にサービスしなければならぬ、こういうことになっておりますので、もちろん満足のいくようにはいきませんけれども、そのために私ども全力をあげてやりたいと思っております。
○飯塚小委員 学生が入るために非常に入りにくいというようなことはありませんか。
○岡部国立国会図書館副館長 ございません。しかし、学生が図書館に来るということは必要なことでございますが、どの図書館も、ほんとうに国民が利用しないで、学生だけに利用されるということが悩みでございます。学生が図書館の図書を使用しないで、朝から晩まで座席だけ占領する、そのために、ほんとうに図書館を利用したいという人が座席がなくなる、従って図書館活動が低調になるというのが、日本の図書館の悩みでございます。そうかといって、学生に勉強する席も与えなければなりませんので、それにどこの図書館も悩んでおります。
○下平小委員 二つ、三つ伺いたい。一つは、予算概算要求書を見たのですけれども、内容については質問したくないのですが、その折衝の段階はどうなっておるか、その折衝の段階を少し具体的に聞かしてもらいたい。
○岡部国立国会図書館副館長 この概算要求を九月の中旬ごろまでに大蔵省に提出いたしまして、それ以来大蔵省が査定中でございます。説明をしばしば求めておりますので、そのつどその内容の説明に当たっているという状態でございまして、まだ内示がございません。
○下平小委員 それから定員の関係ですが、先ほど有馬君が質問していたが、国会との関係はどうなっていますか。衆議院は臨時職員はどのくらいあるのですか。
○知野参事 衆議院は、今、定員外職員は非常に少ないわけでございます。十何人くらいじゃないでしょうか。これは二、三年前に定員化の問題がありましたときに、非常に大幅に定員化してしまいまして、今は衆議院が一番少なくて、それから参議院、それから図書館ということになっております。
○下平小委員 今、知野部長からお聞きの通りですが、これは御承知の通り、国会職員という同じ範疇なんです。同じ国会職員法によって律せられておりますが、率直に言って、国会図書館は非常な差別待遇なんです。たとえば常勤を定員化する問題にしても、あるいはまた超過勤務手当の配分にしても、国会図書館は、同じ国会職員法で律せられていながら、非常に不遇な立場にあると思います。これはいろいろ原因があると思います。一つは、国会図書館というものがいかに重要であるか、あるいは、いかに利用価値があるかということが認識されていない点があると思います。その点では、利用者のわれわれにも責任があるが、主として国会図書館側にPRが足りないと思います。もっと重要性を認識させなければいかぬと思う。非常に差別待遇を受けておりますのと、もう一つは、今名簿をもらったのですが、一番頭の館長が欠員なんです。これだけ重要な国会図書館に、金森さんがやめて以来、依然として館長がないという状態です。これは今言った問題とも関連がありますが、これほど重要な国会図書館であり、あるいはまた、これだけの予算を食っておる国会図書館に、館長が依然としてないということは、理由のいかんを問わず、私は許されぬことだと思います。そういうキャップのない中で、今副館長が代行しているわけですが、副館長という立場では、おのずから限界点があるのです。従って、館長問題等については、直接担当しておる当委員会としては、この際やはり何らかの意思表示をする必要があると思います。私は、館長ができて、その後に新館ができれば、初めて国会図書館が本格的な活動ができる時期がくるのではないかと思います。そのためには、たとえば上野図書館も一つの例でありますが、どうするかという問題、あるいはまた、図書館内部の機構も、人事改革をついこの間やったようでありますが、必ずしも満足すべき状態ではないと思います。 そこで私は、この二つをきょうの委員会できめていただきたいと思います。その一つは、早急に新館長を決定して、国会図書館の活動を軌道に乗せていくということ、もう一つは、予算折衝その他で、国会図書館が、職員の待遇ばかりでなしに、その他の通常経費等についても、平たい言葉で言えば非常に割りを食っています。そういうことのないように、当小委員会を中心に、議運の決議をもって十分予算の獲得等も行なっていく、そのために必要な措置をとるべきである、そういうことをきょう最後に私は申し合わせをしていただくことがいいのじゃないかと思います。特に館長問題は大へん重要なことなんです。その二つを一応お諮りをいただきたいと思います。
○大野(市)小委員 ただいまの下平委員の御意見は、私ども痛切にその必要を感じますので、委員長において一つ適当にお取り計らいいただきたいと思います。
○鈴木小委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○鈴木小委員長 速記を始めて下さい。 それでは、ただいまの件については委員長に御一任を願うこととし、その実現方については、なお皆様とも相談して善処したいと存じます。 それでは、昭和三十六年度国立国会図書館予算概算要求の件は、これを了承することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木小委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたします。 別に御発言がなければ、本日は、これにて散会いたします。 午後五時九分散会