運輸委員会 第3号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/12/20
会議録
○三池委員長 これより会議を開きます。 これより請願日程第一ないし第七を一括議題とし、請願の審査を行ないます。 これらの各請願につきましては、先ほどの理事会において協議いたしましたので、これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。 本日の請願日程全部はいずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、お諮りいたします。ただいま議決いたしました各請願の報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○三池委員長 なお本委員会に参考送付されております陳情書は、全部で五件ありますので、御報告いたします。 ————◇—————
○三池委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会におきましては、今会期中各国政調査事項につきまして調査して参りましたが、なお閉会中も審査を行ないたいと存じます。つきましては、一、陸運に関する件、二、海運に関する件、三、航空に関する件、四、日本国有鉄道の経営に関する件、五、港湾に関する件、六、海上保安に関する件、七、観光に関する件、八、気象に関する件、以上の各件を閉会中審査の事件として議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○三池委員長 海運に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。山口丈太郎君
○山口(丈)委員 私は、本日はさきの委員会において報告されました政府の所管事項の報告に基づきまして、若干の質問をいたしておきたいと存じます。 まずその第一は船舶関係についてでありますが、この報告書によりますと、今まで大型戦標船の解撤が行なわれまして、外航船の充実に努力して参られたと思うのでありますが、まず大型船のこれらの代替船の充実状況について、海運局長から御答弁をお願いしたい。——これについてはさきに通告しておりませんから、準備がなければ文書で御報告願っておきます。 次に小型船舶の問題でありますが、報告書によりますと、二年間に二十万トンの解撤を行なって代替船を建造する、こういうことでありますが、これはその対象となるものが主として中小企業にありますので、従ってこの報告書にもありますように、従来からの外航船の解撤のときにとられました措置のような、いわゆる国家の補償等の基準に当てはまらないものが多いのであります。これについては船舶公団の強化等によって共有船として代替船を作るというお話のようでありますが、まず私はこの小型船舶の標準船を解体するにあたって、中小企業に対しては今計画されておる資金計画をもっていたしましても、なおこれが負担にたえ得ないような弱小企業が多いのではないかと思いますが、自己資金の負担にたえ得られないという企業に対しての処置をどういう工合にお考えになっておるか、一つお伺いしておきたいと思います。
○朝田説明員 先ほどの御質問にまずお答えいたします。大型船の戦標船の処理と大型船の船舶整備の関係についてのお尋ねでございますが、私どもは従来からこの戦時標準船の処理について、過去において船舶買入法なり、あるいは臨時船質等改善助成利子補給法というような方法をもって対処して参ったのでございますが、最近においては昨年の十五次造船と、本年実施いたしました十六次造船におきまして、開発銀行の融資にかかります新造船に、戦標船なり、あるいは低性能船舶の解撤を関連して実施して参ったのでございます。この点につきましては、当委員会におきましても、計画造船に解撤をリンクさせてやるべきだという御意見もございまして、十五次、十六次ともにやり方は少し違っておりますけれども、できるだけ新しく船を作る場合には低性能船舶の解撤を促進して参ったのでございます。最近実施いたしました十六次造船におきましては、新造いたしましたものは十九万一千七百四十トンでありまして、これに関連いたしまして、今申し上げました低性能船舶を解撤、スクラップすることを義務づけたのでございます。そのつぶす方の船舶は十八隻、十一万一千百三十九トンでございます。低性能船舶が十一万一千トンでございますが、このうち戦時標準船であるものは約六万トンでございます。従いまして私どもはこういった戦時標準船の処理を計画造船を通じて促進して参ったのでございますが、これは昨年におきましては、開銀の融資比率を一割上げて、解撤する場合にそれを促進していく。本年の十六次造船におきましては、定期、不定期、タンカー、ともにこれに義務づけてやるというような方法をとって参ったのでございます。 それから第二のただいまの御質問でございますが、御指摘の通り、戦標船の船主の大半は中小船主でございまして、その財務状況もきわめて悪いのでございます。従いまして私どもは金融ベースに乗らないものが多い関係上、あるいは政府機関の銀行といいましても金融ベースで問題を処理されます場合には、きわめてこういった方々の代替建造が困難であるというふうに判断いたしておりますので、今御指摘の通り、国内旅客船公団を改組いたしまして、この公団と船主の共有方式で、公団が七割持ち分を持ちまして、船主は三割ということで、できるだけこういった船主の代替建造を実施して参りたい、こう思っておるのでございますが、こういった三割の自己持ち分につきましても資金調達がきわめて困難なものもお説の通りございます。私どもの考えといたしましては、金融ベースで新造をして参りますよりも、公団方式で三割の調達をやって参ることによりまして、できるだけこういった中小船主の救済をはかって参りたいという考えで、この案を最も適切な対策と確信いたしておるわけでございます。 それでもなお救えないものはどうするかということでございますが、この点につきましてはケース・バイ・ケースの問題にもなりまするし、金融機関の過去の旧債の処理等にも関連いたしますので、一がいには申すことは困難でございますけれども、できるだけ多くの中小船主の営業手段の喪失を防いで、代替建造が円滑に実施できるような対策は公団方式であるというふうに考えておるのでございます。
○山口(丈)委員 ただいまの御答弁大へんけっこうなんでございまして、そうありたいと思いますけれども、もしこの金融ベースにも乗らない、また三割の自己負担にもたえられない、しかも船の検査の強化によりまして係船を余儀なくされるということになりますと、それは実質上一ぱい船主などのごときは、業務の遂行が不可能であるということになるのでありまして、そうなりますとこれは事実上その会社は閉鎖のやむなきに至ると思うのであります。そういうような状態に置かれますということは、この小型船を持っておる弱小企業にとりましては非常に大きな脅威になると考えるのであります。しかもそれだけ国家が船の運航規則を強化するということになれば、結論においては、国がそれだけの責任を持つということが伴わなければ、私は業界において非常に大きな混乱を生ずるばかりでなく、社会的にも大きな問題を引き起こす結果になるのではないかと思うのでありますが、これについてもう少し具体的にそれらに対する対策をお聞かせ願いたいと思います。
○朝田説明員 金融ベースと公団の関係におきましては、私はただいまお説の通りのような精神で物事を処理して参ります場合には、公団方式の方が、資金調達困難な中小船主に対してきわめて適切であるという比較論的な考え方から申し上げたわけでございますが、その公団の共有方式をもちましてもなおかつ自己調達が困難なものにつきまして、お説の通り、失業の問題あるいは倒産の問題等、きわめて深刻な社会問題が起こるということを憂慮いたしておるのでございますけれども、全体的にながめました場合には、やはりこういった方法によって代替建造をいたして参ることでもってできるだけ多くの船主を救って参りたいという考えでございます。個々のケースにおいて、あるいはそういう場合が出て参るかもしれませんが、金融機関あるいは船主同士の提携あるいは統合といったようなものもある程度行なわざるを得ないかと予想されるのでございますが、これはまことにどうにもならぬというような船主が出て参ったときの話でありまして、全体論といたしましては、私どもは中小企業船主の救済的な意義を含めて、公団方式によってできるだけ多くの船主に代替建造をやっていきたい、こういうふうに考えるのでございます。
○山口(丈)委員 船主の統合問題も、こういう問題が出て参りますと、非常に重要な問題でありまして、これについては、さきに共同化の法律ができておるのでございますが、これについては統合の強制力を持っておらぬというのが一つの欠点であります。これを強化する御意思があるかどうか。それからもう一点は、もし自己資金の調達もできないような業者がある場合、もちろんその経理内容その他業務内容を十分に調査をすることは必要でありますが、その結果適当な審議会を作って、その審議を経て、どうしても自己資金の調達が不可能であるというような場合には、公団のいわゆる貸与船形式というものをとるというような方法はとれないのかどうか、それについてどういうお考えでしょうか。
○朝田説明員 統合合併の問題につきましては、これを強制するとかあるいは強化していくとかいうような考えは持っておりません。ただ自由な企業の意思でもってそういったことに対処していくということについては、好ましいと思うのでございまして、三割の資金調達のきわめて困難なものについてどうするかという問題につきましては、先ほども申し上げた通りでございますが、一つには公団方式によります場合の条件にも関連して参ると思うのでございます。旧債の債務の処理の問題につきましても、これが代替建設がスムーズにいくような公団方式の金利あるいは償還、あるいはその場合の使用料の一部の据え置きといったようなものにも関連して参ると思うのでありますが、両方のこういった条件ともからみ合って、当初はきわめて新造が困難だと思われるものにつきましても、そういう条件ならばというような相関性があると考えるのでございます。できるだけそういう趣旨で多く救済して参りたいという考えでおります。 第二の御質問の、審議会を作って、かつ公団が船腹を保有して貸し下げるというような問題につきましては、この戦標船の処理対策について私どもはただいま考えておりませんが、そういうことになりますと、公団が全部百パーセント持ち分を持って、これを保有して船主に貸し下げるということになるわけでございますが、こういうことにつきましては、やはり企業自身が営業手段を持ち、しかも将来企業が健全強化されました場合には、七割のあとの持ち分を買い取っていくということで、あくまでも企業のベースを尊重して処理して参りたい、こういうように考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 これに関連いたしまして船員局長にお尋ねをいたしますが、来年度の戦標船の解撤計画によりますと、今お聞きのように、主としてその対象が中小企業というよりも、むしろ弱小企業の所有船に向けられるわけでありますが、こうなりますと、その係船あるいは代替船の建設等に非常な手間をとるために、予期以上のいわゆる代替船の獲得が困難になる場合もあろうかと思います。そうなりますと、船員は下船を余儀なくされて参るわけでありまして、これは海上に働く者にとりましてはゆゆしい問題だと思います。昨日海員組合に参りまして、いろいろ事情を聴取して参りましたが、これについては海員組合でも重大な関心を払っておるようであります。そこでこの係船いたしまして代替船を作る間のいわゆる船員の処遇について、船員局長はどういう処置をとろうと考えておられるか、一つその具体的な考えをお聞かせ願いたいと思います。
○吉行説明員 戦標船の処理の問題に関係いたしまして、戦標船の解撤が行なわれる、それに対応いたしまして代船の建造が行なわれるといたしましても、大体三千人程度の下船を余儀なくされる船員が出て参る、われわれはかように考えておるわけでございます。これに対する方策といたしましては、まず国内の面におきましては職場を開拓する、そういう意味におきまして、下船を余儀なくされます船員に対しまして、新造船に対して適応する技術を習得させるために、海員学校であるとかあるいは海技専門学校におきまして、職業訓練を行なっていく。で、それによって対応して参りたい。また、この職業訓練を行なうにつきましては、その間の学資金を貸し付けるということを考えておるわけでございます。 それから国内の第二の点といたしましては、船員の職業安定機能を強化いたして参りたい。で、これは大体船員職業安定所、主として海運局本局及び支局でやっておるわけでございますが、これをさらに機能を強化いたしまして、広域職業紹介、つまり遠く離れた各地間でそのバランスをはかっていく、こういう方法を実施するために、安定所の機能を強化して参りたい、これが第二点でございます。 それから海外に対する面といたしましては、現在でも日本船員を招致いたしたいという希望を申し出ておる国もございまして、たとえば、西ドイツであるとか、イラクであるとか、インドネシアであるとかという方面からは、日本人船員を招致いたしたいというふうな申し出もあるようでございますので、日本船員をこれらの国々に短期移民として送り出す。そのために来年度は予算を要求いたしまして、調査団を派遣してその職場を開拓するということを計画いたしております。また、その短期移民の船員が出かけます場合には、これに対する渡航費の貸付ということも考えておるわけでございます。 以上、国内、国外につきまして、その下船を余儀なくされます船員に対する対策を考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 ただいまの御答弁によりますと、職業訓練をやる、あるいは海外に就職市場を開拓するという御趣旨は私もけっこうだと思いますが、しかし、それによって全部の者が救われるというのではなくて、ただいまの御答弁によりますと、ごく一部のものになるのではないかと思うのです。また、その職業訓練中といえども、生活ということが一番大切なことでありまして、たといそういうような職業訓練に必要な補助があるといたしましても、それはいわゆる船員が生活をするという上においては不十分でありまして、独身者ならまだしものことでありますが、家族をかかえておる者としましては、第一にその生活の不安ということが大きな問題であります。これが解決のためには、私はそういうことは根本的な解決とはならないと思いまするので、従ってこの係船休業中の生活保障、言いかえますと、これを救済する方法として休業補償を行なうのか、あるいは失業補償という補償をやるのか、この二つのどちらかをとって、その船員労働者の生活保障を重点的に行なわなければ社会不安の解消はできない、また船員の生活保障はできないというふうに考えるのでありますが、これについてどういう処置をとられるかお聞かせ願いたい。
○吉行説明員 先ほどの説明で少し落ちたかと思うのでございますが、約三千名に対しまして、国内での職場の開拓によりまして約二千名を吸収いたしたい。それから海外の短期移民といたしまして約千名を予定しておるわけでございます。 それから下船から現実の乗船に至ります間の問題でございますが、これにつきましては、一応現在の制度で六カ月の失業保険というものでカバーいたしますと同時に、先ほど申し上げましたような職業訓練を行ないます際に、大体月額五千円程度の資金を貸し付けまして、それで早く職業訓練の結果乗船できるように持って参りたい、かように考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 ただいまの説明によりますと、職業訓練の期間も、従って六カ月という時日が制約されると思うのでありますが、その六カ月の訓練を経て直ちに就職し得るやいなやということは、これはそう機械的に私は参らぬのではないかと思われますが、それについてどういう考えかを聞きたいと思います。それからまた、もしその期間にこれが完全にそういう就職の場が得られないというような場合においては、これは重大なことになりますが、そういう場合に対処するためには、むしろそういう失業補償という期限のあるものよりも、休業補償として補償を行なって、就職するまでの期間これを補償するという処置をとる。それをこういう弱小企業でありまするから、やはり国家の手で救済をする処置を講ずるというように私はなすべきではないかと思われますが、そういう特別措置を講ずる考えがあるのかないのか、一つ聞いておきたいと思います。
○吉行説明員 ただいまのお尋ねの点につきましては、わが方といたしましては、この保険期間六カ月、これを炭鉱の例のようにさらに延長していただきますように厚生省の方に依頼し、折衝いたしておるわけでございます。 さらにまた、この下船と乗船とにつきましては、できるだけその間の期間がスムーズに参りますように、下船と同時に早く職業訓練を開始いたしまして、それによって新しい免状をとり、あるいは新しいエンジンの取り扱いになれるというふうな訓練をいたしまして、できるだけ早く乗船を広域職業紹介の強化とも相待ちまして促進する。それから、今申しましたように保険期間の延長をしていただくように厚生省の方へお願いをいたしておるような次第でございます。
○山口(丈)委員 そこで私は大蔵省に御質問申し上げますが、今運輸省で計画をされておる戦標船の解撤の問題は、業者にとっては、その事業が下手をすれば閉鎖のやむなきに至るというような重大な段階にあり、一方雇用されておりまする船員にとりましては、これまた、たちまちあすからの生活問題に響く重要な問題であります。そこでこれを円滑に遂行して参りますためには、どうしても大蔵省の予算に対する深い理解がなくては、これはできないことでございます。そこで運輸省としてはこの解撤計画に基づいてそれぞれ予算見込額を報告書に報告されておるわけでありますが、大蔵省としてはこれに対しましてどういう基本的な考えをもって臨もうとされているのか、一つその基本的な考え方についてお聞かせ願いたいと思います。
○鈴木説明員 最初にお断わりしておきたいと思いますが、私、理財局の資金課長でございまして、予算の方は担当しておりませんが、先ほど海運局長からお話のありました公団方式その他財政投融資の面を担当しておりますので、主としてその面からお答えしたいと思います。 御承知のようにただいまわれわれの方で運輸省からいろいろお話を伺いまして、今度の戦標船問題、非常に重大な問題でございまして、慎重に検討を続けておりますが、いまだ予算省議の時期にもなっておりませんし、おそらく年明けごろまでは結論が出ないんじゃないか。非常に急いでやってはおりますが、ただいま決定的な意見を申し上げる段階になっておりませんことをお断わりしておきます。ただ先ほどの海運局長からのお話の、運輸省で考えておられる公団方式につきまして、われわれはこの戦標船、確かに特殊な性格がございます。それから非常に中小船主が多いというような問題もございます。従って今度の検査の強化に関連いたしまして解撤を希望する者に対して何らか特別な措置が要るんではないか、そういう角度から検討はいたしております。先ほどの金融べースか公団方式かというお話がございましたのですが、どちらの方式によるにいたしましても、われわれ特に財政投融資の面から見ますと、これらの解撤される船の船主が過去において市中から負担しております膨大な借金をどういうふうにして今後整理していくか、これをスムーズにやっていく面も相当考えていかなければならぬのじゃないか、こういうような点もいろいろ考えながら現在慎重に検討している段階でございまして、決定的な御意見を申し上げられる段階になっていないことをおわびしたいと思います。
○山口(丈)委員 今の御答弁で私は言葉じりをとらえるわけではないのでありますから御了承願いたいと思うのでありますが、今度の船舶検査の強化は強制を伴うものでありまして、決して検査の結果不合格であるから解撤を希望するというような、そういう緩慢な考え方ではないと私は考えます。いやしくもこれは一方においては人命に関する問題でありますから、従って検査の不合格のものは強制的にでもこれを係船させ、係船をいたさせますというと、これは業務遂行は不可能でありますから勢い解撤、代替船の建造ということに義務づけられるわけであります。それでありますがゆえに事はきわめて重大なのでありまして、そういう緩慢な考え方に立って資金の投融資の問題が論ぜられるということになりますと、これは計画に大きな狂いを生じて参るばかりではなく、この計画が狂うということになりますと、それは海運界にとりましてもきわめて重大な結果になるのでありますが、これについてはまだ大蔵省の方において確定的な予算措置を論ずるまでに至っていないという御答弁でございますが、しかしこれは事今に始まった問題ではなくて、日本の海運界の今までの重要性にかんがみましてもそう軽々には取り扱えない重要な問題であります。従って今までに大蔵省で海運助成について考えられましたその経過から見ても、私はもう少し突き進んだ議論が行なわれていたのではないかと思われますが、それについて一つお答えを願いたい。
○鈴木説明員 ただいま私の言葉が足りませんのでおしかりを受けたわけでございますが、検査の強化の結果解撤を希望すると申しましたのは、もちろん引き続き戦標船を使用するために改造して使用するものは別としまして、それもやれない、あるいはやりたくないということで解撤を希望する者という趣旨でお話ししたわけでございます。なお、戦標船の問題、非常に特殊な性格を持ってはおりますが、財政投融資としていろいろ考えます際には、そういうことも考えながら、同時になるべくは前向きの政策として判断していきたいというふうにただいま抽象的には考えております。
○山口(丈)委員 私はこの点につきましてはただいま質疑いたしましたようにきわめて重要でありまするし、新しい予算の編成期を控えまして十分に大蔵省においてもこの投融資並びに予算措置について考えていただきたいと思います。次に、私はこれは日本の海運界にとりましては一種のジレンマと申しまするか、非常にむずかしい問題だと思うのでありますが、それは御承知の通り今の海運界は他の産業に比べて非常に不況であります。大体海運に限らず陸運におきましても、この運輸関係に従事しておりまする産業は、他の産業に比べまして、はなやかな所得倍増など唱えられておりますときに、きわめて谷間の日陰にある産業といって過言ではないと思います。一番恵まれない産業であって、しかもそれが日本の経済をささえる上においてそのウエートを見ますというと、一番重要な公益性を持つものとして世間的には、社会的には重視せられておるのであります。そういう産業でありますが、たとえばこれを本日は海運に限って申し上げますが、今の世界経済の状態からながめて参りますと、アメリカのドル防衛によりまする措置というものは、来年度はますますこれが強化されて参ると思うのでありますが、それが海運に響きまする影響はきわめて大きなものがあると思います。そういうときにあたって日本の海運が外国との競争力にたえ得るようにするということは、これは私は来年度におきましてはきわめて緊要な措置であろうと思います。御承知の通りジレンマであると申しますのは、ドルをかせぐためにはプラント輸出、引き続いてはその重要な部門を受け持っております輸出船の建造、これは非常に日本の輸出商品の中に占めておるウエートは大きいということは運輸省も大蔵省もよく御承知の通りだと思うのであります。ところがその輸出船に対しまする資金の状況を見てみますと、これはすでに金利の面からいたしましても、まことに矛盾をした措置であって、競争力にたえるだけの措置というものがとられていないではないかというように考えるわけであります。今まで十六次造船ですか計画造船が実行せられまして船腹が非常に充実をして参りましたことは、私は関係当局の努力を非常に多とするものであります。けれども輸出船の資金は主として輸出入銀行からまかなわれており、しかもその金利は四分か四分五厘というような低金利でもってまかなわれておる。それに対しまして日本の外航船の方は、開発銀行と市中銀行から融資せられております。しかもその金利は六分五厘ないし一割二、三分という高額金利をもってこれがまかなわれておるということになっておるのであります。それゆえに利子補給をいたしておるわけでありますけれども、これがまた十分ではないというのであります。こうなりますというと、来年度のアメリカのドル防衛と関連いたしまして、日本の海運はますます外国との競争力に押されて窒息をしなければならぬというような状況を招来するのではないか。ただこれは、これだけにとどまりませんが、まず私はそういう資金構造の面から見まして、日本の海運の脆弱性というものを指摘せざるを得ないのであります。これについて運輸省並びに大蔵省の御見解を伺っておきたいと思います。
○朝田説明員 ただいま、輸出造船と日本の国内造船との金利の問題を中心に、日本海運の国際競争力の劣っておる点を御指摘になりました。私どもは平素この問題を重大視いたしまして機会あるごとに各方面にお願いをいたしておるのでございますが、こういう点につきましては、私どもの考えとして結論を申し上げますと、外国船と同じ立場に置く。少なくとも船のできますコストを外国船と同じスタート・ラインに置く。それ以上の助成というものは、各主要海運国において種々の海運助成をやっておりますけれども、国際競争力のスタート・ラインを一つに並べるということをぜひとも実現したいということで、こういう問題を各方面に、今申し上げましたように要望いたしておるのでございますけれども、わが国の海運に対する施策が不十分であるということが、石炭専用船その他最近の鉱石専用船といったものが輸出船形式をもって発注せられて、大量のわが国の基幹産業であります鉄鋼の原材料が、十年あるいはそれ以上の長期にわたって外国船の輸送にとられてしまうというようなことになりまして、自国の海運にこういった基幹産業の原材料の輸送を依存できないというような、きわめて残念な事態が起こっておるわけであります。かつまた国際収支の上から見ましても、ただいま御指摘のドル防衛措置によりますところの国際競争が、ますます今後激しくなって参ります情勢からいいましても、ぜひともこの点について、外国船と同じベースに置いていただくということの施策が、ぜひ実現していただきたいと思うのでございます。従いまして、ただいまもお話がございましたように、私どもは現在市中融資が九分四厘九毛の現行利率が、利子補給の復活によりまして七分五厘の負担になっておりますが、こういう点につきましてもなお不十分な点を補正していただきたいということで、過去において実施いたしましたように、船主負担が五分になるまで市中金利に対して利子補給をする。一方開発銀行の——同じ政府機関の銀行で、輸出入銀行は四分、あるいは開発銀行は六分五厘、こういう金利体系の是正もかたがたお願いをいたしております。海運金利の引き下げを要望いたしておるようなわけでございます。今日こういったドル防衛措置に伴いましてますます競争が激化して参ります情勢に対処して、ぜひともこの日本海運の何といいますか、最もポイントになっております金利負担の軽減を、この際実現していただきたい、こういうふうに考えまして、来年度もこれに即応した予算を要求いたしておるような次第でございます。
○鈴木説明員 ただいま御指摘の通り非常に重大な時期になって参りまして、われわれもいろいろ検討しておりますが、ごく端的に申しまして、御承知のように海運の金利負担というものは、一つは過去から現在までの借入金の量の問題でございます。もう一つは利率そのものでございます。 昨年来特に過去の借金の重圧と申しますか、その点に着目いたしまして、できるだけ借金をふやさない限度で、新規の造船を考えていく。またこれにつきましても、ただいまのドル防衛の問題等もありまして将来の船舶の所要量を確保することと、今後どう調整するかという問題がございますが、今までのところそういう考えでなるべく総体の金利負担を今後ふやさない方向でいこうということで、現在やっておるわけでございます。 それから利率の点でございますが、これは御承知のようにわが国は非常に市中の金利が高くて、ただいまなるべく早い時期に市中金利を低下するように、預貯金、貸し出し、両面から検討しておるわけでございまして、これが相当促進されるということになりますと、その面からプラスになる面が出てくるのではないか、こういうふうに考えております。 また、政府機関であります開発銀行の金利でございますが、これは国内金融といたしましては、御承知のように石炭その他に特別に低い六分五厘という金利でやっておるのでありまして、ただ輸出の面で輸銀がさらに低いではないかという御指摘でございますが、これは全く方向を変えまして、輸出振興という面からやっておるのでございますが、事務的に考えますとむしろ輸銀が低過ぎるのではないか。これはいろいろな市中との協調を考えました実行総合金利から考えましても、各国の現在おもな国で行なわれております輸出金融に比べまして、むしろ低過ぎるという点もございますので、先般輸銀の方からも若干これを上げたいという希望がございましたのですが、ただいま御指摘のようなドル防衛問題等もあって、そのままになっておる状況でございます。なおこれはたびたび申し上げるのでございますが、輸銀の場合には頭金、協調比率、それから延べ払いで大体七年ということになっております。それと国内の開銀の場合に十五年、それで据置期間等も考えますと、表面上の四分あるいは六分五厘という開きと比べまして、それほどの開きでもないという数字も出ておるのでございまして、なおこの点につきましては最近の非常に問題でありますドル防衛等の問題とも関連して慎重に検討いたしていきたいと思います。
○山口(丈)委員 ただいまお聞きしておりますと、輸銀の金利の引き上げが、諸外国の金利とにらみ合わせて、またドル防衛の面から見ても、融資率の点から見て非常に困難な状況にあるということは、言いかえますと諸外国の金利が安いということを意味しているものと同じことだろうと思うのです。そうなりますと、日本の金利というものがいかに国際水準に照らして高いかということを逆に意味するものだと思うのであります。開発銀行にいたしましても、あるいはまた輸出入銀行にいたしましても、これは政府機関としての金融機関でありまして、私は同一の国家機関の利子がこのように大きな格差を持っておるということは、どうもうなずけないのみならず、逆にこれは言いますと、外国産業を助成するために力を入れて、国内産業がそのために圧迫されるというような、逆の結果を生じていると言っても過言ではないと思います。日本の実情から見まして、ドルを獲得するということは、これは国策としても重要なことでありますから、その措置についてわからぬでもないのでありますけれども、あまりにも私は、この金融政策というものは片手落ちの感を免れないと思うのですが、これについて省内においてはどういう議論をされておるのであるか。また今お話を聞きますと、なるだけ借入金を少なくして、言いかえれば借金を少なくして造船計画を遂行したいというお話であります。今日の海運業界の実情というものは、特殊なものを除きますと、ほとんどその自己資金によって計画造船を遂行し得るような経済能力はないのではないか、たえ得られないのではないかというように私は考えるわけであります。そうなりますと、私は、ますますこの国内金利の引き下げ、利子補給はもちろん必要でありますが、利子補給とは別に、金利そのものに対して画期的な処置を講じる必要があるのではないかというように考えるわけでありますけれども、大蔵省はこれについてどういうお考えをお持ち合わせでございますか。また、この計画を遂行していきますためには、大蔵省はこの際思い切って資金を調達しなければこれを遂行することはできぬと思うのでありまして、まだ明年度予算としては論議はせられておられないようでありますけれども、少なくとも私はその基本だけは論議をされて後に具体的にその計画がきめられていくと思うのでありますが、一体大蔵省の海運助成策についての基本はどういうような考えで進められておりますか、一つ承っておきたいと思います。
○鈴木説明員 最初にお断わりしましたように、ただいま予算の作業の最終段階と申しますか、まだ予算省議にも入っていない状況でございまして、あるいは私の申し上げることが個人的な意見になって申しわけないと思いますので、ごく簡単に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、金利の点につきましては、国内の政府金融としましては石炭と並んで海運の六分五厘というのは特別に低い金利でございまして、むしろわれわれとしましては、今後は協調されますところの市中の金利の低下に努力していくべきだ、またいきたいということで、その方向で銀行局を中心にしてただいまいろいろ検討しておるわけでございます。 それから、先ほど申しましたように開銀と輸銀とのバランスの問題でございますが、これも非常に慎重に検討しなければならぬ問題でございます。あるいは個人的な意見になって申しわけないのでございますが、世界各国の輸出関係の金利と比較いたしましても、わが国の輸銀の金利は事務的に申し上げますとむしろ低過ぎるので、それでバランスがとれないという面が確かにあるのでございます。従って今後われわれとしてはそういうことも慎重に検討しなければならぬ点ではないかというふうに考えております。なお予算の面につきましては、私、担当ではございませんですが、財政投融資の面から見ました今後の計画造船につきましては、特に来年度の計画造船につきましては、いろいろ金額上の突き合わせの問題もございますが、方向としては運輸省と全然、考えにおいて相違するところはございません。
○山口(丈)委員 船舶局長にお伺いしますが、戦標船の検査が強化せられて、これに不合格の船は当然強制的に係船をして解撤の計画を進めていくというお話であります。事これは人命に関する問題でありますから、従ってその検査に不合格な船は当然そういう係船措置がとられることは予期せられるところであります。けれども中には多少修理等を行なって、一気にこれを係船をしなくとも使用にたえ得るような処置をすることをやれば、それで多少なりとも運航を継続し得るような面もあるのではないかと思われますが、そういうような点について画一的にこれを実行しようとされますか。それとも多少の融通性をもって、危険個所の修理あるいはそういうような補強措置等を勧告して、逐次漸進的な方法をとっていかれようとされますか、どういう基本的なお考えか、一つお聞かせ願いたいと思います。
○水品説明員 戦標船の補修につきましては、本年の七月に通牒を出しまして、これには人命安全のための最低限度の工事の基準を示したのでございますが、自来最近まで、すなわち十二月一日からこれが実行に入ったわけでございますけれども、その間、各方面の御意見等十分伺いますとともに、私どもも、この問題は非常に重大な問題でございますので、技術的な観点からいろいろの研究をいたしまして、お説のように、少しでもむだなことをさせてはいかぬという観点からも、十分考えたのでございます。そして、たとえば瀬戸内等の平穏な区域だけに航海するものについては、これは船舶の安全性の観点から、相当考えるべきであろうというようなことも考えまして一そういう種類の船については、その基準の緩和と申しますか、そういう航路の立場から要求される最低限度までしんしゃくするような方針を決定いたしておりますし、また二年間ぐらいで解体するということが決定できる船につきましては、特に船長並びに船主、あらゆる関係者が、十分にその船をいたわって使ってもらう、つまり、積荷の量とか、積み付けのやり方とか、あるいは海象、気象に対する十分な注意を払って、大事に船を使ってもらうというようなことを約束してもらいまして、そういうある程度の緩和をするというような措置を講じておりまして、御趣旨のように、私どもも、ただ画一的にぴしゃっときめて船が全部とまるというようなことを、なるべく避けたい。が、しかし、安全性の最低限度がありますので、その最低限度の維持ができるという見通しのつくものについては、そういう措置を講じて参ったのでございます。
○山口(丈)委員 解撤船代替建造についてでありますが、この不合格船の解撤にあたって船舶公団との共有方式を考えられておるようでありますけれども、そうなりますと、解撤船の買い上げはどういう方式になるのでありますか、それをお聞かせ願いたい。
○朝田説明員 解撤することにきまりました船は、スクラップ代としてその船主に渡るわけでございますが、政府はこれについて買い入れをするとかそういったような措置はとりませんで、新しく船を作るために、先ほど申し上げました公団の共有方式をもって手を差し伸べる、こういうことでございます。
○山口(丈)委員 その場合に、この戦標船を取得した会社におきましては、今なお政府への分納金あるいは取得した場合の政府に支払うべき支払金というようなものがまだ終わっておらぬ船が非常に多いということを聞いておるのでありますが、それについて、解撤されるということになれば、一気に船主がそれを支払うことになるのか、あるいはまたそれは代替船を建造した場合にさらに継続して支払いを遂行させるのか、あるいはまた今までの滞納と申しますか、支払いの遅延しておるもの、また支払い不能のものに対して、その負債をどういうように処理せられるのか、これはきわめて重要な問題だと思いますから、一つその方針を承り たい。
○朝田説明員 ただいまのお話は国家共有船の問題であろうと思うのでございますが、大部分のものは共有期間が満了いたしまして、逐次債権化に切りかえておるわけでございます。ほとんど債権化されまして、ごく少数だけ残っておるわけでございます。ただでさえそういった中小船主の財務状況は悪いのでございますので、現行の法律の許し得る範囲内でできるだけ多くの緩和措置を講じてもらったのでございます。ただいま御指摘のようなスクラップにするといった場合におきまする債権債務の関係はどうなるのかということでございますが、これは大蔵省と今も継続して、共有船の処理に引き続いて、今後起こり得べきそういった事態に対してどうするかということを相談中でございます。原則的には債権化されました国家の債権というものが継続して参るわけでございますので、それに対して船主側の方からながめますとやはり債務として残っていくということでございますが、これをどういうふうに緩和していくかということにつきましては、大蔵省ともなお今後折衝を継続するつもりでございます。
○山口(丈)委員 これは私きわめて重大であると思うのでありますが、ただいま大蔵省との間で折衝中であるということでありますけれども、大蔵省としてはどういうふうに債権債務の問題を処理されようとされるか、話し合いを進められておるにいたしましても、大蔵省としての方針もあろうかと思いますので、その基本について、お答えができるようでありますれば、一つここでお答えを願いたいと思います。
○鈴木説明員 これは管財局でやっておりまして担当でございませんので、適当な時期に管財局からお話し願いたいと思います。
○山口(丈)委員 あと質問者がありますから、私は本日の質問はこれで打ち切りますが、ただいままで質問をして参りましたように、本年の海運界の実情をながめてみますと、きわめて重要な案件が山積しておると私は考えますし、特に今日のアメリカの経済状態から見まして、日本の海運の将来というものはきわめて重要な段階にきておると思います。たまたま新しい年度の予算編成期でもありますので、特に大蔵省にも御出席を願って私は質問を申し上げたのでありますが、今まで質問申し上げました点をよく検討いただきまして、不備な質問ではありましたけれども、運輸省並びに大蔵省当局は、来年度の予算におきましては、例年に増して格段の配慮をしていただかないと、日本の海運界は、大げさに申せば再起不能というような事態の業者も現われないとは限らないと思いますから、一つその辺の配慮をされた予算を御提出願いたいということを希望しておきたいと思います。
○三池委員長 次に久保三郎君。
○久保委員 私は主として漁業、特に中小企業に働いている漁船の船員の問題について御質問を申し上げるわけでありますが、その前に一つだけ資料提出を含んで海運局長にお願いしておきます。 先般御披露がありました三十六年度の海運政策というか、そういうものについてのものの考え方もございますが、その中で定期航路の安定ということで必要があらば法改正も考えているというのでありますが、これはいかなる観点から考えておられるのか、簡単に御説明をいただきたい。 次には資料の提出でありますが、三国間輸送の最近の情勢あるいは将来の展望、こういうものについて資料がありましたら提出願いたいと思います。 それからもう一つは内航海運の問題でありますが、これと陸上輸送との調整はどういうふうになっているのか。これはもちろん経済企画庁を中心にしての考え方もあると思うのでありますが、この調整というか、輸送分野に対する区画整理というか、そういう問題と並行して内航海運の振興強化はあるべきだと思うのでありますが、こういうことについてはどういうことになっておるのか。これは資料等がございますれば、後刻あわせて提出いただきたいと思います。まずこれだけ海運局長にお願いしておきます。
○朝田説明員 定期航路の安定に関します法改正の御質問でございますが、御承知のように現行の海上運送法によりますと、外国船に適用されない条項があるわけでございます。たとえば航路開設の際に日本船主でありますれば届け出をしなければならないのでございますが、それは外国船に対して適用はしないというようなことがございます。報告その他につきましても徴収していないのでございます。これはちょうど占領中にできました法律でございますので、そういう点を除外されたというような経緯もあります。そこで最近の航路の安定を害するような、あるいは混乱を起こすような事態に対処いたしまして、私どももそういった面で外国船に対しても日本船が規制を受けていると同じような条項の適用をしてみてはどうかというようなことを目下考慮中でございます。しかし非常にむずかしい問題でございまして、対アメリカ関係におきましてはそういうようなことも現実の問題として必要なのでございますけどれも、西欧海運諸国の立場から見ますと、こういった制約といいますか、国家によりますところの規制といいますか、そういったものを排除するという考え方もありますので、世界的に見て、日本の海上運送法がそういうような改正をしていいかどうかというような点につきましては、その反響その他も予想いたしまして、慎重にただいま検討しているような状況でございます。 第二、第三の御質問の資料要求でございますが、至急ととのえまして御提出をいたしたいと思います。
○久保委員 もう一つ、今の共有方式による戦標船の問題、この現況を、これは大蔵省だと思うのですが、大蔵省から御説明いただきたいと思います。 そこで漁船の船員の問題でありますが、船員局長にお願いしたいと思うのですが、特に中小企業である漁業関係の従事員というか労働者、これに対するところの労務管理というものが御承知のように前近代的である、こういうふうにどなたも見ているわけなんであります。この前近代的であることがやはり中小企業である漁業振興に非常に支障を来たしていることは、ごらんの通りであります。そこでお尋ねしたいのは、どういう指導方針と改善方策を今日お持ちになっているかということが要点であります。たとえば最近の事例に見られるように、組合結成そのものに対してもこの船主そのものは非常に無理解である、あるいは労働組合というか、そういうものの見方についても、どうもまだ時代おくれの観が相当ある、こういうものに対する教育というか、指導というか、これがなされないままにいるのではないだろうか、こういう疑問を一つ持っているわけであります。それと同時に、労働者であるところの船員、これまた、そういうからの中におりますので、どうも近代的な労働者として理解が足りない。そのために今日のような劣悪な労働条件の中にいるものもあるわけであります。こういう問題を解決しないと、中小企業である漁業の振興というものははかれないのじゃないか。もちろんそれ以外に大きな問題もございますが、これが一つあると思うのです。 それから、なるほど船員法初めいろいろな労働法規がございますが、これらに対しても問題が起こってから初めてこれがわかるというようなものもあります。こういうものに対する啓蒙、指導、教育というものが足りないのではないか、こう思うのであります。特に船員法に対する指導が不徹底ではないだろうか、こう思うのです。大企業である漁業関係あるいは一般海運関係の船員、こういうものは大体問題はなかろうかと思うのでありますが、ひとり取り残されているのは、中小企業である漁業に働いている労働者に対する労務管理というか、そういうものが全然なされていない、こういうことがあります。これに対して船員局としてはどういう指導方針と改善方策を持っておられるか、こういうことであります。 大体、運輸省というところの中で、俗な言葉で言うと、船員局というのは早い話が今まま子扱いをされているのではないだろうか、こうひがみでありますが私は見ておるわけであります。というのは、労働省もそうでありまして、労働省ができた当時は労働者に対するサービス省として非常に脚光を浴びてきたわけでありますが、その後ずっと御案内の通りの政府のあり方でありますから、どうもこういうものは、労働基準法などを一つとりましても問題が多いということで、一つもう少したがをゆるめようというような声の方が強くなってくるということであります。もともと運輸省管轄の海運関係というものは船主を対象にした行政が主であります。たとえば造船にしてもあるいは海運そのものにとりましても、どうもそこに働くところの船員なり労働者というものに対する行政というのは二の次、三の次になるということでありますから、予算要求にいたしましても、あるいはその他の問題にいたしましても、どうも思うようにいかないのではなかろうかというふうにわれわれは考えている。むしろこれは運輸大臣にお出ましをいただきまして御意見を拝聴するところでありますが、そういうことを前提に私はものを考えております。そういうことでありますから、船員局長には非常に同情もしているわけです。もっともおなりになったばかりでありますから、まだそういう冷たい風は吹かないだろうと思いますが、あまり一生懸命やると冷たい風が吹くというのが、大体運輸省の七不思議の一つになっているそうでございます。これなどは一刻も早く改善しなけれげならぬことでございます。これは運輸大臣がおいでになりましたときにあらためて申し上げたいのでありますが、そういうことがあるのかないのか別にしても、いずれにしても特に取り残された漁船乗り組みの船員、こういうものは近代的な労務管理からは非常に取り残されているというのが実態であります。これはおかの方からいっても取り残されている、海の方からいっても取り残されている。こういうところが海運行政というか船員行政の盲点ではなかろうかと思う。法規にしても船員法で規律していく。おかの方とは違う。船員の大半というのは大体外国航路の船員あるいは大型の乗り組みの船員あるいは大企業の漁業に働くところの船員、こういうものが主であると言っては語弊がありますが、大半を占めていって、その中に隠れているのが中小企業に働くところの漁業従事者、こういうことになると思う。こういう点を率直に剔抉して問題を解明しないと、これからいろいろな問題が出てきて困難が起こるであろう、こういうふうに思うので、この点について、大へん長いこと申し上げましたが、これらの労務管理に対する指導方針あるいは改善方策というのはどういうことを考えられておるか、これをお尋ねしたい。先般配られました三十六年度の運輸省重要施策要綱を見ましても、残念ながらそこにはこういう日の当たらない場所にいる者にはあまり関係がなさそうに思うのであります。これではちょっとどうも心もとないので申し上げたわけです。たとえば船員雇用厚生対策の強化にいたしましても、これはそういうものの対象にはなっていません。あるいは労働条件の改善にいたしましても、これまた同様であります。それから中小企業の船員対策にしましても、これは漁業従事者の問題ではなさそうであります。船員教育の充実にいたしましても、これまたどうもそうではなさそうだということでありまして、全般について漁船乗組員には関係があるのでありますが、実際の対象にはなっていない、こういうふうに見ているのですが、いかがでしょう。
○吉行説明員 ただいま御質問の点でございますが、まず船員法につきましては大型商船と漁船、ことに小型漁船の場合では現実の労働勤務の態様が当然変わって参りますので、多少規定の上でも違った規定をいたしておるわけでございます。しかし、かと申しましても、漁船におきまして労働基準法、船員法の基本的な線が守られなくていいというわけでは決してないわけでございまして、それぞれこまかい規定があるわけでございます。当局といたしましては、船主側に対しましても、また船員側に対しましても、特に船員労務官を通じまして船員法の法律に適合するように指導し、注意を喚起し、場合によっては警告し、その他の処置をとるという工合に船員労務官を各地に配置いたし、また現実に船舶なり漁場なりに臨ませまして、違反を指摘するだけでなく、船員法の精神に適合するような指導をいたしておるようなわけでございます。
○久保委員 私の質問が悪いせいか、どうも御答弁が何かはっきりしませんが、私がお尋ねしたいのは、船員法を徹底するように教育をしているというだけでなくて、具体的にどうなのか。それから実際としてたとえば地方の海運局あるいは支局がどういう程度までやっているのか、この点を一つ聞きたいのです。 それからもう一つは、船員法ならず、実際いうとそれ以前の話なんですね。たとえば組合を作るのに対して非常に無理解であるというようなことは船員法の教育以前の問題だ。こういう教育が全然なされていないのではなかろうか、そこに問題が出てくるのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけです。だから教育の場を作っても、定期的におやりになっているのか、おやりになっても集まらぬのか、そういうことがあると思うのですね。こういうものを少し改善したらどうか。私は先般ある海運支局へ参りました。建物はよく見て参りませんが。何かどこかのマーケットような形の建物にお入りになっていまして、建物の形はどうでもいいのでありますが、たとえばあそこで船主なりあるいは船員を集めて、今局長がおっしゃるような教育をするというには場所がないのではなかろうか。もちろんそのときには漁業協同組合の会議室を借りるとか、何かおやりになっていると思うのでありますが、一つの問題としてはそういう建屋そのものも借屋でおられるということでありまして、どうも海運支局というか、そういう末端機構はあまり充実していない、こう思うのです。それに比較して海上保安庁の方が幾らかりっぱであると言っては語弊があるが、少ししっかりしたような建物に入っておる。建物だけの比較ではありませんが、建物がそうであるから、中身もそうだろう、こういうふうに見られるのが当然ではなかろうか、こう思うのです。そういう点についての予算要求なり何なりは今後していくのですか、どうですか。 もう一つは、労務官を配置されておるのでありますが、労務官もそういうところには何人か増員をしてやらなければならぬと思う。ただ労務官という名前だけあるからそれでいいんだということでなくて、もちろん私が参りましたところには新しく優秀な労務官が配置されまして問題の解決に当たられておりますが、そういう優秀な者を問題の地点にはどんどん配置するというような考えを持っておるのかどうか、一つの例でありますが、あるいは教育の場所をどういうふうに作っておるのか、こういうことをまず聞きたい。それもお聞かせ願わないと問題は概念的でありましてちっともはっきりしませんから、そういう具体的な問題はどうでしょうか。
○吉行説明員 ただいまのお尋ねの点につきましては、現在労務官は兼任を含めまして百六十四名の労務官を各地に配置いたしまして、与えられた任務に充当いたしておるわけでございますが、何分人員、旅費その他の不足がございますので、必ずしも十分の効果を上げてないかと思うわけでございます。しかし与えられました範囲内で全力をあげて有効に効果を上げて参るようにいたしたいと考えておる次第でございます。さらにまた、かりにある地点に一名しか労務官がいない、そこでいろいろむずかしい問題が出て参るというふうなときには、適宜他の局からさらに労務官を充当し、増員いたしまして仕事に当たるというような措置をとっておるわけでございまして、今後できるだけ努力いたしまして、そういう地方の労務官なり地方の船員教育の充実に全力をあげて努力いたしたいと考えておる次第でございます。
○久保委員 時間もありませんからこの問題はあとでまたさらに詳しくお聞きしましょう。ただ申し上げたいのは、百六十何名かの労務官がおられるというのが、その配置状況についてもあとで私はお聞きしたいと思う。問題のない近代的な労務管理をやっておられるというような大きな港の場合と、それから全然そういうものがないという場所を同じように考えられたんではやはり置いてきぼりを食ってしまうだろうと思うので、むしろ力点を前近代的な形をとっておるようなところに、まずさしあたり来年度なら来年度は全部入れてそこを強化していくという方策が必要ではないかと私は考えておる。私は一つだけの場所しか見ておりませんから、その他に幾つもあるだろうということを前提にしてお尋ねしておるわけです。いずれにしてもそういう問題がある。それからもう一つは、船員法の中に漁船乗組員を含ませた法規というものがはたして妥当であるかどうか、こういう問題については別個に漁船船員法とでもいうか、こういうものをお立てになって、そうして船員の保護というか、そういうものに当たった方がよさそうにもちょっと考えられるのですが、そういうことについてはあまり関心を持っておられませんでしょうか、どうでしょうか。
○吉行説明員 船員と申しましても一般商船の場合と漁船の場合とでかなりその労働の態様が違うであろうということはいえるわけでございますが、現在の船員法におきましては、ともに海洋で隔離された場所が労働の場であり生活の場であるという特殊な点を特に考えまして、一応陸上と区別して、海上の労働法ということで、商船も漁船も一括してこれを法的に規制しておる建前でございます。お話のように、漁船につきましては、商船とかなり様相の違う面があるわけでございますけれども、とにかく海洋におきます特殊な労働であるということのために必要な労働保護なり労働基準なりの点は、現在の船員法はこれをカバーしておるわけでございまして、現在におきましては、商船、漁船の違いを考慮しながらこの船員法を適用して参るという処理のいたし方で進む以外にないんではないかと考えておる次第でございます。
○久保委員 いや、現在はそうですが、これから問題点を解決するのにはそういうことも一つの方法ではないだろうか。しかし、これがいいか悪いかは別です。別ですが、今の船員法でやるにしても、さらに細分化したものが、今申し上げたような実態からいけば、必要だというふうに僕らは考えているわけです。これはなお私の方でも研究しますが、あなたの方でも御研究をいただきたいと思うのであります。 次にお尋ねしたいのは、労働条件の改善についてであります。九月にもお尋ねしましたが、漁撈長の性格というものがはっきりしない。漁撈長というのはいろいろあるのでありましょうが、雇用権は持ってないと思うのですけれども、いわゆる採用権は持っているというか、人事権は持っているというようなのがたくさんというか、ほとんどなんですね。こういう場合に、漁撈長というような性格はどうなんだろうか、こういうふうに思うのです。これはどういうふうに解釈したらいいか。これはどうでしょう。
○吉行説明員 お尋ねの漁撈長につきましては、これはその企業の形態ならあるいは経営の内容などによりまして、非常にまちまちではないかと思います。ただいまお示しのありましたような人事権を現実に持っておるというふうな場合もあろうかと思いますが、またそうでなくて、単に漁撈技術だけを担当しておるというふうな漁撈長もおるのではないかと考えられますので、その漁撈長の現実の職務なり仕事の態様というものは非常に多岐にわたっておるのではないか、かように考えられるわけでございます。
○久保委員 問題のあるところは、漁撈長と船員、いわゆる船方と船頭との関係、こういうのがはっきりしないというか、その関係がもとになる場合が多いと思うのです。われわれが経験してきたところによりますれば、漁撈長がいわゆる船員を集めてくる。もちろんこれに対して報酬を払うのは船主でありますから、これは雇用権というものは最終的には船主にあると思うのですが、こういう形態をなした漁撈長というものは、これは早くいえば人事権を持っていると解してよろしいかと思いますが、どうでしょう。
○吉行説明員 今お示しのような事例につきまして、現実に漁撈長が、何と申しますか、非常に顔が広いということで船員になるべきものを事実上集めてくるという点はあろうかと思いますが、しかし、最終的にそれが舶船所有者、つまり船主と雇用契約を結ぶということであれば、事実上漁撈長が集めて参るということは別に問題はないんじゃないか、かように考えるわけでございます。
○久保委員 局長は問題がないと言うけれども、集めてくること自体は職業安定法の問題にからんでくると思うのですが、これはどうなんです。
○吉行説明員 ちょっと言葉が足りなかったかと思うのでございますが、現実に集めて参りますのも、しょせん船主の代理者という資格で船員を集めて参るということではなかろうかと考えますので、現実に船主と船員との間で雇用契約が結ばれるということでございまして、その場合漁撈長は船主の代理者という資格でやっておる、こう解していいんではないかと考えます。
○久保委員 そうした場合漁撈長が代表権を持っておるというような、たとえば漁船員の組合、これを結成した場合には合法的ですか。法内組合になりますか。
○吉行説明員 漁撈長の入っております組合が法の保護を受ける組合であるかどうかというお尋ねの点でございますが、これはやはりその漁撈長が現実にどういう権限を持っておるかという点で変わって参るではないか、かように考えられるわけでございまして、今お尋ねのように、ほんとうの意味の人事権を持っております漁撈長が入っております場合には、これは労働組合法上、法の保護を受ける組合とはいえないではないかと考えられますが、そうでなくて、漁撈長と申しましても、先ほど申しましたように単なる漁撈技術に従事する船員であります場合には、労働組合法の組合として法律の保護を受けるということは当然かと考えます。従いまして、漁撈長全般を考えます場合にも、全般で保護を受けられるかどうかということの判定はむずかしいわけでございまして、結局は個々の場合にその漁撈長がどういう資格なり権限なりを持っておるかという事実判断を見ました上で判定をいたすよりしようがないではないか、かように考えております。
○久保委員 判定をどうするという個個の場合を聞いているのではなくて、今の漁撈長がいわゆる人事権を持っている場合、その漁撈長が代表する組合というものは法内組合であるかどうか、こういうことでありまして、大体それは法内組合ではない、法外組合であるという御答弁があったのです。それともう一つは、船長というものは労働法規上どういう関係になるか、漁船の場合。
○吉行説明員 船長につきましては、特に船主の代理といたしまして人事権を持っておる、あるいは労務管理上の機密事項に接しておるというように、使用者の利益を代表しておる場合は別でございますが、そうでない場合には労働組合の組合員であるということは可能だと考えております。
○久保委員 雇用、雇い入れあるいは雇いどめの場合の手続でありますが、これは大体漁撈長が船員手帳に書き込んで預かるというのが普通の状態のようでありまして、本来船員法からいけば、雇用にあたっては労働条件を明示したものを船員に示しておかにゃいかぬと思うのですが、実際はその両方とも無関心で、昔からの慣例というか、慣例というほどじゃなくて、全然昔ながらのあれであって、これは法律にそう書いてあるから、仕方がないから船員手帳に書き込むという程度の問題ではないかと思うのであります。そこで非常に不安定な問題があるのであります。こういうものについてはどういうふうに御指導なさっているか、この点お伺いいたします。
○吉行説明員 雇い入れ契約に際しまして労働条件を明示するという点は、法にも明白に規定があるわけでございます。船舶所有者が船員に対して労働条件を明示しなければならないという点が規定されております。従いまして、現実には船長が船舶所有者の代理といたしまして、船員の雇い入れ契約の際に労働条件を明示し、また管海官庁に雇い入れの公認を受けるというのが本筋でございましてそういう方向でわれわれ指導いたしておるわけでございます。
○久保委員 そういう方向でやることが当然なんですが、実際は行なわれていないんじゃないか。人手も不足でなかなかそこまで参りませんので、現場に立ち入ってそういうことをやっているかどうか、これのお調べもなかなか困難ではないかと思うので、これは私から要望しておきますが、一つそういうこまかい点まで手が入るような人間の配置も、新しい年度では考えられた方がいいんではなかろうかということであります。その方針については問題はありませんが、いずれにしてもそれが守られないところに問題がいつも出てくるわけでから、やはり労使慣行というか、労務管理はきちっとしていくことがまず先決だと思うのです。 そこで時間もありませんから水産庁の方にお尋ねしますが、漁船が最近簡易と言ってはおかしいが、大体簡単に大型化されるということがあります。この大型化の方針というものはどういうふうになっていますか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○中村(正)説明員 ただいまマグロ漁船の大型化がどういうふうになっているかというお尋ねと思います。マグロ漁船の大型化につきましては、ごく最近一部取り扱いを変えたわけでございますが、変えました点は、従来は漁船を大型化する場合もある限度まではいいわけですが、その限度を越えてもっと大型化をする場合につきましては、他の小型のマグロ船を補充して、大型化するだけのトン数を補充して大型化するということで参ったわけでございます。しかしこの補充する小型のマグロ船も非常に数が少なくなってきている。少なくなってきているというよりは、補充に使われる希望者と申しますか、そういうものが非常に少なくなってきている現状でございます。なおそのトン数を買いつぶすといいますか、このために非常に金がかかるというような面が出て参りまして、ごく最近になりまして取り扱いを一部変えまして、従来の一定限度という限度をさらに引き上げまして、マグロ漁船に二種類ありまして、百トン以上のマグロ漁船を指定遠洋漁業ということで許可しておりますが、この指定遠洋に属しますマグロ漁船につきましては、従来下の方の段階では百六十トンないし百八十トンというような線を設けまして、それ以上がる場合にはトン数を補充を要するというグループがあったわけでございます。これらのグループにつきましては、船齢が代船期にきたもの、そういうものについては代船を、新たな船を作るとかあるいは適当な船を買ってきてやるとかいうような場合に従来のトン数のままでなければいけないというのは、操業を合理的にやっていくというような面から考えまして、若干大きくした方がいいというような場合に、従来のままですと非常に大きくなりにくかったわけですが、今回はそういう場合に二百四十トンまでは他の船を補充につぶすというようなことをしないでもよろしいというふうに変えたわけでございます。それから百トン以下の船は、中型マグロ漁業ということで許可しておりますが、百トン以下の船につきましては今の法律のままでは百トンの線を突破するということが非常にむずかしいので、ここらの点につきましては、法律をどういうふうに改正するかというようなことを、これはマグロだけではございませんが、漁業全般にわたりまして、制度調査会というものが設けられまして、そこでいろいろ調査が進められておるわけでございます。近くこの方からの答申が参る予定になっておりますので、その上で根本的な問題につきましては検討して、ただいまの方針をどう変えるかということは先のことになりますが、しかし百トン以下の船につきましては、七十トンというところに一つ線を引いてございまして、従来はやはりトン数を補充しないと七十トンの線か越えられないということになっておったわけですが、今回はこれも同じよりに一定の船齢に達して、代船をもって経営を続けるというような場合には、百トンまでは自由に補充しないでも上がれるというふうに変えたわけであります。
○久保委員 わかりました。そこでこれは船員局にもお尋ねしたいのですが、今の御説明で、大型化が促進される傾向にあるわけですね。そうしますと、乗組員、船員の数というものは、これは大体減ってくるというのが定石かと思うのです。その場合にこの漁船員の対策というのはどういうかうに考えておられるのか。あるいは近代的な大型船になってきますれば、今までのようないわゆる船員の技能では事足りない問題も出てくる。よってこの船員の再教育というか、修業訓練という問題が出てくるわけです。これについては船員局なり水産庁ではどういうふうに考えておられるか、この点を……。
○吉行説明員 小型船から大型の鋼船に転換されますと、どうしてもそこに数の上であるいは資格の上で問題が出て参ろうかと考えております。これに対しましては、海上の船員に対しまして講習会を開催いたしまして、それによって上級の試験が受かるような講習をやっておるわけでございます。この点につきましては、運輸省においては、以前は補助金を出しまして、その講習を指導しておったわけでございますが、現在は補助金はございませんけれども、海難防止協会が中心になりまして資金的な援助をして、各地で講習会を開催して、できるだけ上位の資格が取り得るような有資格の船員に養成するような講習をいたしておるわけでございます。また水産庁においても同様な方針をお進めになっておるように聞いております。
○久保委員 それにしても、再教育の方はわかりましたが、今お話があったように、大体乗組員、船員の数が減ってくるという傾向がある。これは全体的にそういうことはありませんか、どうです、水産庁。
○中村(正)説明員 ただいま御指摘の点は、長い期間、長期ベースで見ると、確かにそういうことが言えると思います。ただ今回の私らのこの方の取り扱いの改訂では、何といいますか、百六十トンまでいける船と最初は申し上げましたが、実態は百三十トンとか百四十トンとか非常に古い船が多いのですが、こういう船が代船期にきておる。これが二百四十トンまで今度は補充も何もなしで大きくなれるわけですから、おそらく代船期、代船を作られたりあるいは代船購入期という場合には、二百四十トン近い船に現実にはなると思います。そういたしますと、百三、四十トンのときよりは、若干でございますが、船員の数はよけい要るのではないかというふうに考えます。それからまた一方、さらにそれを越えて大型化される場合には下の小さいクラスの船が補充に使われるわけで、この限りにおいては、大きくなってふえる部分よりは減る数の方が多いので、差引いたしますと減ると思います。しかし、この数は非常に少ないので、これらの人につきましては、別の漁業部門に入るとか、あるいはまたさらに小型の許可を必要としないマグロ漁業、たとえば四十トン以下でございますが、そういうものにいくとか、他の漁業の方へ吸収されていくのではないか。急激に大量の人がはみ出してしまうということになると問題になって参ると思いますが、さしあたりのところ、急激に大ぜいの人がマグロ漁業の方から締め出されるということは、ちょっとただいまのところ考えられないように思います。
○久保委員 水産庁の御意見では、さしあたりはあまり心配しないでもいいということでありますが、いずれにしましても、技術革新というか、そういうことが叫ばれておる現在でありますから、大型化して能率よく漁撈をするということは当然やらなければならぬ大きな問題だと思うのですが、ただそれだけであって、あとの問題はどうであってもいいということではないと思うのです。だから大型化に伴うところの、それに対応するだけの船員対策あるいは転換対策というものを並行して運輸省も水産庁も考えてやってもらわぬと、ここでまた問題が大きく出てくる。これは漁業関係ばかりでなく、その他の問題も出ます。だから、やはり真剣に取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。 時間がありませんから先に参りますが、次にお尋ねしたいのは、これは水産庁の方が主ですか、あるいは船員局の方でしょうか、漁船員の厚生施設については現在どういう施策を持っておられるか、あるいは制度があるか、これをちょっとお尋ねしたい。船員局では漁船員の厚生施設については補助金制度もないのではなかろうかというふうに見ておるのだが、これはどうなんですか。
○吉行説明員 ただいまおっしゃいました漁船船員の厚生施設の点でございますが、現在各地に船員の厚生施設を持っておりまして、これは商船船員だけであって、漁船船員を除外するという建前をとっておりませんので、船員である以上すべての船員が厚生施設を利用できる、こういう建前になっております。
○久保委員 それは、大きな港に参りますればそういうホームがありますから、区別なくできると思うのでありますが、漁船だけが入り込むというようなところのそういう施設に対しては運輸省として助成策を持っておられるのかどうか、こういうことをお尋ねしたいのです。
○吉行説明員 漁船船員だけが集まります港におきましても、地方団体なり公益法人が大体この厚生施設の管理、維持に当たるわけでございますが、それに対して国からも何がしかの助成をいたしたいということで、明年度の予算に必要な額を要求いたしておるようなわけでございまして、漁船船員であるからといって特別の違った扱いはないわけであります。
○久保委員 次に厚生省の船員保険課の課長さんにお尋ねしますが、船員保険、特に漁業関係の部門でありますが、これは最近法律が改正になりまして、国庫補助は若干改正になったと思うのですが、実は問題になっておるのは中小企業の船主ですね。これは御案内の通りのような経営状況を続けております。だから万やむを得ない問題があろうかと思うのでありますが、やはり若干の保険料の滞納、いわゆる船員からとった分までと言っては語弊がありますが、こういうことが間々あるわけです。そういたしますと、これによって、法律をよく知っていればいいのでありますが、知らぬ者が多いために不利益な場合が相当出るということがあるわけであります。それに対しては厚生省としてどういう対策をとられておるのか、特に船員の疾病給付などはあまりいい保険財政ではないように見ているわけでありますが、これに対してあわせてお答えをいただきたいと思います。滞納によるところの不利益処分というものがあるのかどうか、もう 一つは、漁船員関係の疾病給付の保険財政についてはどう考えているか、この二つです。
○中村(一)説明員 第一点、保険料の収納の成績に対してどういうことを考えるのかということでございますが、船員保険法の規定によりまして、国税徴収法の例によって、保険料の未納に対しましては厳重なる処置をすることと相なっております。従いまして、保険料の収入未済額につきましては、それが理由によってどうしても不納欠損として落とすもの以外につきましては、たとい過年度でございましょうとも、これに対しましては厳重に徴収するように府県に指令いたしております。なお昭和三十四年度、昨年度におきましては、収納成績が、汽船、機帆船、漁船を合計して九〇・四%という収納率でございまして、おいおい成績が上がってきておるようでございます。本年度におきましては、昨年度よりもさらにいい成績をおさめるもの、昨年の同期と比べまして、最近におきます状況から見て、そういうふうに考えております。ただ、ただいま御質問ございましたように、漁船関係の保険料の収納状況は、汽船に比べてきわめて悪うございます。汽船関係の保険料と申しますのは、ほとんど一〇〇%近く納められております。それから漁船関係におきましても、母船式漁業等でありますところの大型のものにつきましては非常に成績がよろしいのでありますが、御案内のように、いわゆる大型漁船以外の漁船につきましては、成績が非常に悪うございまして、われわれとしては、これが対策には実は非常に苦慮いたしております。と申しますのは、実際沿岸漁業の小さな船主さんの場合におきまして、強制徴収するといたしましても、船を売ってしまっては全然元も子もないわけでございまして、私どもとしては、そこまで踏み切ることにつきましては、相当の努力をしなければならぬ、その間におきまして非常に苦労いたしております。できるだけそういうことのないように船主さん方の御理解をいただきまして保険料を納めていただくというように、中小企業と申しますか小型の船主さん方につきましては、まず第一に御理解をいただくという点を主といたしまして、やらしておる次第でございます。 それから疾病関係の状況をお尋ねでございますが、御案内のように、船員保険は各種の保険を一緒にやっておるわけであります。その中におきまして疾病保険関係だけを区分して考えますと、本年度におきまして、あるいは赤字が出るのではないだろうかというふうに心配いたしております。と申しますのは、疾病保険の保険料収入と、支払いますところの医療費あるいは乗組員が病気のときに休みます傷病手当金といったものの伸び方との間におきまして、アンバランスがだんだん大きくなってきている。昨年度におきましては、何とか糊塗することができたのでありますけれども、本年あたりはその辺の差がだんだん大きくなってきておるような状況でございまして、実は非常に心配いたしておるわけであります。それにつきましては、関係方面の御協力を得まして、保険料を完全に納めていただくということと、もう一つは、保険料の基礎になります標準報酬という保険の特別なしかけがございますが、その標準報酬が実際の収入と比較して低いのではないかということで、そういう点におきまして、標準報酬を適正に定めることによって保険としての健全性を保ち、かつ財政的にも健全なものにいたしたいといってただいま努力しておるところでございます。
○久保委員 私がお尋ねしたいのは、滞納によった場合は、不利益な処分というか、そういうものが救済されるのかどうかということです。
○中村(一)説明員 ただいま御質問を取り違えたのでございますが、船主が保険料を納めないと言ったために、乗組員の方が給付を受けられないということはないのでありまして、これはとりあえずどんなことがありましても給付はいたします、しかし船主さんからは保険料を確実にちょうだいする、こういう建前になっております。
○久保委員 この保険一つとりましても、相手が中小企業でございますから、これはあまりきついことをやるわけにはいかぬ。ただしスムーズにやってもらわなければ困るということであります。これは先ほど来ずっと質問申し上げておるように、労使関係一つとりましても、どうも前近代的で困るわけであります。そこで保険の体系を確立するという意味からいっても、もう少し近代的な教育を関係方面が、船主等に特に力点を置いてやっていたただく必要があると思うのであります。これはあらためてまたお尋ねをする機会もあろうかと思いますが、中小企業の漁業振興とそこに働く者との関係、こういうものをやはりこの辺で関係各省寄って一つ御検討いただきたい、このことを私は要望して質問を終わります。
○三池委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十四分散会